第2号 令和8年3月10日(火曜日)
令和八年三月十日(火曜日)午後零時二十五分開議
出席委員
委員長 西銘恒三郎君
理事 伊藤 忠彦君 理事 坂本竜太郎君
理事 鈴木 英敬君 理事 細田 健一君
理事 宗清 皇一君 理事 金子 恵美君
理事 一谷勇一郎君 理事 村上 智信君
理事 岡野 純子君
上杉謙太郎君 遠藤 寛明君
門 寛子君 黒崎 祐一君
こうらい啓一郎君 小森 卓郎君
西條 昌良君 佐藤 主迪君
鈴木 拓海君 辻 秀樹君
長野 春信君 西山 尚利君
根本 拓君 藤田 誠君
文月 涼君 丸尾なつ子君
水野よしひこ君 山本 大地君
山本 裕三君 渡辺 勝幸君
庄子 賢一君 原田 直樹君
平林 晃君 関 健一郎君
萩原 佳君 小竹 凱君
鍋島 勢理君 和田 政宗君
宇佐美 登君 塩川 鉄也君
…………………………………
国務大臣
(復興大臣) 牧野たかお君
復興副大臣 田所 嘉徳君
復興副大臣 瀬戸 隆一君
復興副大臣 酒井 庸行君
復興大臣政務官 古川 直季君
復興大臣政務官 清水 真人君
復興大臣政務官 小森 卓郎君
復興大臣政務官 上田 英俊君
政府特別補佐人
(原子力規制委員会委員長) 山中 伸介君
衆議院調査局東日本大震災復興及び原子力問題調査特別調査室長 江成 友幸君
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委員の異動
二月二十六日
辞任 補欠選任
浅田眞澄美君 細田 健一君
衛藤 博昭君 宗清 皇一君
三月二日
辞任 補欠選任
江渡 聡徳君 西山 尚利君
岡本 康宏君 藤田 誠君
神田 潤一君 上杉謙太郎君
世耕 弘成君 山本 裕三君
平 将明君 渡辺 勝幸君
長谷川淳二君 門 寛子君
古井 康介君 辻 秀樹君
細野 豪志君 黒崎 祐一君
本田 太郎君 こうらい啓一郎君
松下 英樹君 佐藤 主迪君
松本 泉君 鈴木 拓海君
丸田康一郎君 長野 春信君
三ッ林裕巳君 西條 昌良君
同月九日
辞任 補欠選任
河合 道雄君 宇佐美 登君
辰巳孝太郎君 畑野 君枝君
同日
辞任 補欠選任
畑野 君枝君 辰巳孝太郎君
同月十日
辞任 補欠選任
村上 智信君 萩原 佳君
辰巳孝太郎君 塩川 鉄也君
同日
辞任 補欠選任
萩原 佳君 村上 智信君
塩川 鉄也君 辰巳孝太郎君
同日
理事神田潤一君及び三ッ林裕巳君同月二日委員辞任につき、その補欠として坂本竜太郎君及び宗清皇一君が理事に当選した。
同日
理事熊田裕通君及び村上智信君同日理事辞任につき、その補欠として細田健一君及び一谷勇一郎君が理事に当選した。
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本日の会議に付した案件
理事の辞任及び補欠選任
参考人出頭要求に関する件
東日本大震災復興の総合的対策及び原子力問題に関する件
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○西銘委員長 これより会議を開きます。
議事に入るに先立ちまして、委員会を代表して一言申し上げます。
明十一日で東日本大震災の発生から十五年を迎えます。改めて、お亡くなりになられた方々とその御遺族に対しまして、深く哀悼の意を表しますとともに、被災地の復興を祈念いたします。
これより、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。
全員の御起立をお願いいたします。――黙祷。
〔総員起立、黙祷〕
○西銘委員長 黙祷を終わります。御着席願います。
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○西銘委員長 理事辞任の件についてお諮りいたします。
理事熊田裕通君及び村上智信君から、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西銘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。
ただいまの理事辞任及び委員の異動に伴い、現在理事が四名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西銘委員長 御異議なしと認めます。
それでは、理事に
坂本竜太郎君 細田 健一君
宗清 皇一君 及び 一谷勇一郎君
を指名いたします。
――――◇―――――
○西銘委員長 この際、御報告いたします。
第百九十三回国会、原子力問題調査特別委員会理事会の決定によって設置されたアドバイザリー・ボードは、今国会においても衆議院東日本大震災復興及び原子力問題調査特別委員会アドバイザリー・ボードとして本委員会に設置することとなりました。
以上、御報告申し上げます。
――――◇―――――
○西銘委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
東日本大震災復興の総合的対策及び原子力問題に関する件の調査のため、本会期中、アドバイザリー・ボード会員から意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人として出席を求めることとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西銘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
――――◇―――――
○西銘委員長 東日本大震災復興の総合的対策及び原子力問題に関する件について調査を進めます。
この際、復興大臣から所信を聴取いたします。復興大臣牧野たかお君。
○牧野国務大臣 復興大臣及び福島原発事故再生総括担当大臣を拝命しております牧野たかおでございます。
東日本大震災復興及び原子力問題調査特別委員会の開催に当たり、復興大臣としての所信を申し上げます。
東日本大震災の発災、そして東京電力福島第一原子力発電所の事故から、十五年となります。震災によって亡くなられた方々に改めて心から哀悼の誠をささげますとともに、御遺族の方々や被害に遭われた全ての方々に心からお見舞いを申し上げます。
復興大臣就任以降、できる限り被災地を訪問させていただき、被災三県の知事や地元市町村長の皆様とお話をするとともに、復興の現場を視察してまいりました。その中で、震災からの復興は、被災地の方々の御努力、また関係者の御尽力により着実に進んでいる一方で、地域によって状況は様々であり、それぞれの状況に応じたきめ細やかな対応が必要であるということを強く実感しております。
復興に向けた様々な課題について、まずは本年四月から始まる第三期復興・創生期間で何としても解決していくという強い決意で、総力を挙げて取り組んでまいります。
まず、原子力災害の被災地域について申し上げます。
これまで、原子力災害被災十二市町村を訪問する中で、産業やイノベーション、人材育成といった分野で新しい特徴的な活動が行われている状況を拝見し、復興が前進していることを実感したところです。その一方で、いまだに多くの帰還困難区域を抱える市町村もあり、避難指示解除の時期の違いによって復興の状況はそれぞれ異なっております。地域の状況に応じて、帰還、移住の促進、産業、なりわいの再生など、多様なニーズに対応していくことが重要であります。このため、より現場に近いところに、新たな拠点として福島復興浜通りセンターを整備することとしております。
引き続き国が前面に立って、復興再生に全力を尽くしてまいります。
具体的な取組について申し上げます。
昨年十一月、東京電力福島第一原子力発電所を視察いたしました。
また、昨年十二月には高市総理も視察され、私も同行させていただきました。高市総理は、改めて、安全かつ着実に廃炉を進める重要性を示されました。
廃炉に関しては、二回目となる燃料デブリの試験的取り出しの成功や、大規模取り出しに向けた工程の一部具体化など、重要な前進が見られたと受け止めております。引き続き、東京電力には、緊張感を持って、安全確保に万全を期すとともに、地域との共生に向けた取組を進めていただきたいと考えております。
また、ALPS処理水の海洋放出に関しては、これまで、モニタリングの結果や国際原子力機関、IAEAによる評価から、安全であることが確認されているものと承知しております。
政府としてALPS処理水の処分が完了するまで全責任を持って取り組むという方針の下、引き続き、風評対策を中心に、正確で分かりやすい情報や地域の魅力を国の内外へ積極的に発信してまいります。
また、福島県内で発生した除去土壌等についてでありますが、中間貯蔵開始後三十年以内に福島県外で最終処分するという方針は、法律に規定された国の責務です。この実現に向けては、復興再生土の利用等によって最終処分量を低減することが重要です。昨年八月に決定された当面五年程度のロードマップに基づき、首相官邸や霞が関の中央官庁の花壇などで復興再生利用を進めてきたところであります。
引き続き、復興再生利用の取組の推進や、県外最終処分に向けた検討、さらには国民の皆様の理解の醸成について、環境省を始めとする関係府省庁と緊密に連携し、対応してまいります。
次に、帰還困難区域及び避難指示が解除された地域に関する取組についてであります。
帰還困難区域について、たとえ長い年月を要するとしても、将来的に帰還困難区域の全てを避難指示解除し、復興再生に責任を持って取り組むとの決意に揺らぎはありません。
既に全ての避難指示が解除されている特定復興再生拠点区域については、引き続き、住まい、医療、介護、そして買物、教育、子育て等の生活環境の整備などの取組を通じ、帰還、移住の促進、交流人口、関係人口の拡大等を行ってまいります。
また、拠点区域外に関しても、二〇二〇年代をかけて帰還意向のある住民の方々が全員帰還できるよう、特定帰還居住区域制度に基づき、これまでに、大熊町、双葉町、浪江町、富岡町、南相馬市及び葛尾村について区域計画の認定を行ってまいりました。
引き続き、認定された計画に基づき、除染やインフラ整備等の避難指示の解除に向けた取組を、関係省庁と連携しながら、しっかり進めてまいります。
次に、福島国際研究教育機構、いわゆるF―REIに関しては、福島を始め東北の復興を実現するための夢や希望となるとともに、我が国の科学技術力、産業競争力の強化を牽引する、世界に冠たる創造的復興の中核拠点を目指すものであります。
令和五年四月に設立されて以降、ロボットや農林水産業など五つの研究分野で、委託研究を進めるとともに、十七の研究グループを立ち上げ、研究体制の構築を進めてきたところであります。また、福島の高校での出前授業を始めとした人材育成の取組等を推進しております。
さらには、施設整備については、昨年春に敷地造成に本格的に着手しており、また、来年度には本部施設棟の建築工事に着手する予定であります。引き続き各工程を着実に進めることにより、令和十二年度までの順次供用開始を目指すとともに、まずは本部施設棟の令和十年度完成を目指すなど、可能な限りの前倒しに努めてまいります。
引き続き、F―REIの取組を、関係大臣と連携しながら、政府一丸となって支えてまいります。
次に、福島イノベーション・コースト構想に関しては、地域における実証の支援など、福島浜通り地域等の新たな産業基盤の構築に向けた取組への支援を進めてまいります。そのため、昨年六月に、福島イノベーション・コースト構想を基軸とした産業発展の青写真を改定したところであります。地域の稼ぎ、日々の暮らし、担い手の拡大の三つの視点を新たに加え、実証の聖地として、産業集積、サプライチェーン構築の具体化を進めるとともに、暮らしを支えるイノベーションを創出し、社会課題の解決を図ってまいります。
地震、津波の被災地域については、ハード整備や住まいと町の復興を始め、かなり復興が進んでまいりました。先日、岩手県、宮城県の復興の現場を訪問させていただき、政府全体の施策を活用した取組についてもお話をお伺いしまして、取組が着実に進んでいることを実感したところです。その一方で、心のケアなどの中長期的な対応が必要となる課題もあり、引き続き必要な支援が行えるよう、関係省庁や地方公共団体と連携して、丁寧に取り組んでまいります。
東日本大震災の記憶と教訓を後世に受け継いでいくことも重要です。
復興庁としては、令和六年能登半島地震からの復興や今後の大規模災害からの復興に生かせるよう、これまでに蓄積された復興に係る知見の収集、提供を進めてまいります。
震災から十五年となり、来年度から第三期復興・創生期間が始まるこの重要な時期に、復興の司令塔たる復興大臣の重責を担っていることに、まさに身の引き締まる思いであります。
福島の復興なくして東北の復興なし、東北の復興なくして日本の再生なし、この強い決意の下、引き続き現場主義を徹底し、被災地の方々の声に耳を傾けながら、東日本大震災からの復興に全力で取り組んでまいります。
西銘委員長を始め理事及び委員各位の御理解と御指導をよろしくお願い申し上げます。
○西銘委員長 次に、令和八年度復興庁関係予算の概要について説明を聴取いたします。復興副大臣田所嘉徳君。
○田所副大臣 復興副大臣の田所嘉徳でございます。
所掌事務に関する総合調整その他の総括的業務に関する事項を担当いたします。
牧野大臣をお支えし、被災された多くの方々が復興に希望を持てるよう、全力で取り組んでまいります。
西銘委員長を始め理事、委員各位の御理解と御指導を何とぞよろしくお願い申し上げます。
それでは、令和八年度復興庁予算について御説明申し上げます。
復興庁におきましては、第三期復興・創生期間の初年度である令和八年度において必要な取組を精力的に進めるため、原子力災害被災地域において、帰還環境の整備、生活再建など本格的な復興再生に向けて取り組むとともに、創造的復興を成し遂げるための取組を進め、また、地震、津波被災地域において、被災者支援などきめ細かい取組を着実に進めてまいります。そのための予算として、東日本大震災復興特別会計に総額四千四百九十二億円を計上しております。
以下、その主要施策について御説明申し上げます。
第一に、被災者支援については、被災者の心のケアや、被災した子供に対する支援など、きめ細かな支援に必要な経費として、百八十一億円を計上しております。
第二に、住宅再建と復興まちづくりについては、災害公営住宅や災害復旧等について支援を継続するために必要な経費として、三百九十五億円を計上しております。
第三に、産業、なりわいの再生については、福島県の営農再開に向けた取組を強化し、水産業、観光等への支援を継続するとともに、被災十二市町村などへ進出した企業への支援に必要な経費として、七百億円を計上しております。
第四に、原子力災害からの復興再生については、特定復興再生拠点や特定帰還居住区域の整備、中間貯蔵関連事業等を着実に実施するとともに、風評払拭の取組の強化や避難指示解除区域における生活環境の整備の推進に必要な経費として、二千八百九十五億円を計上しております。
第五に、創造的復興については、単に震災前の状態に戻すのではなく、創造的復興を実現するため、以上の取組に加えて、福島国際研究教育機構の取組や、福島イノベーション・コースト構想の推進等に必要な経費として、二百七十五億円を計上しております。
なお、東日本大震災復興特別会計においては、復興庁予算に加え、震災復興特別交付税交付金など、一千八百四十一億円を計上しており、全体では、六千三百三十四億円を計上しております。
以上、令和八年度の復興庁予算の概要について御説明申し上げました。
何とぞよろしくお願い申し上げます。
○西銘委員長 以上で説明は終わりました。
次に、瀬戸復興副大臣、酒井復興副大臣、古川復興大臣政務官、清水復興大臣政務官、小森復興大臣政務官及び上田復興大臣政務官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。復興副大臣瀬戸隆一君。
○瀬戸副大臣 復興副大臣の瀬戸隆一でございます。
原子力災害からの復興及び再生に関する事項を担当いたします。
牧野大臣をお支えし、被災された方々の多くの方々が復興に希望を持てるよう、全力で取り組んでまいります。
西銘委員長を始め理事、委員各位の御理解と御指導を何とぞよろしくお願い申し上げます。
○西銘委員長 次に、復興副大臣酒井庸行君。
○酒井副大臣 復興副大臣の酒井庸行でございます。
原子力災害からの復興及び再生に関する事項に係る国土交通省との連絡調整に関する事項を担当いたします。
牧野大臣をお支えし、被災された多くの方々が復興に希望を持てるよう、全力で取り組んでまいります。
西銘委員長を始め理事、委員皆様の御理解と御指導を何とぞよろしくお願い申し上げます。
○西銘委員長 次に、復興大臣政務官古川直季君。
○古川大臣政務官 復興大臣政務官の古川直季でございます。
所掌事務に関する総合調整その他の総括的業務に関する事項を担当いたします。
牧野大臣をお支えし、被災地の復興が着実に進むよう、全力で取り組んでまいります。
西銘委員長を始め理事、委員各位の御指導と御協力をよろしくお願い申し上げます。
○西銘委員長 次に、復興大臣政務官清水真人君。
○清水大臣政務官 復興大臣政務官の清水真人でございます。
原子力災害からの復興及び再生に関する事項に係る文部科学省との連絡調整に関する事項を担当をいたします。
牧野大臣をお支えし、被災地の復興が着実に進むよう、全力で取り組んでまいります。
西銘委員長を始め理事、委員各位の御指導と御協力、よろしくお願いを申し上げます。
○西銘委員長 次に、復興大臣政務官小森卓郎君。
○小森大臣政務官 復興大臣政務官の小森卓郎でございます。
原子力災害からの復興及び再生に関する事項に係る経済産業省との連絡調整に関する事項を担当いたします。
牧野大臣をお支えし、被災地の復興が着実に進むよう、全力で取り組んでまいります。
西銘委員長を始め理事、委員各位の御指導と御協力をよろしくお願い申し上げます。
○西銘委員長 次に、復興大臣政務官上田英俊君。
○上田大臣政務官 復興大臣政務官の上田英俊でございます。
原子力災害からの復興及び再生に関する事項に係る国土交通省との連絡調整に関する事項を担当いたします。
牧野大臣をお支えし、被災地の復興が着実に進むよう、全力で取り組んでまいります。
西銘委員長を始め理事、委員各位の御指導と御協力をよろしくお願いいたします。
以上でございます。
○西銘委員長 次に、原子力規制委員会の活動状況について説明を聴取いたします。山中原子力規制委員会委員長。
○山中政府特別補佐人 原子力規制委員会委員長の山中伸介でございます。
衆議院東日本大震災復興及び原子力問題調査特別委員会における御審議に先立ち、原子力規制委員会の業務について御説明申し上げます。
まず、原子力施設等に係る規制の厳正かつ適切な実施について申し上げます。
東京電力福島第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえて強化した規制基準への適合性審査については、これまでに申請がなされた二十七基の発電用原子炉のうち、十八基に対して設置変更許可処分を、一基に対して設置変更許可をしないこととする処分を行いました。また、申請がなされた二十一の核燃料施設等のうち、これまでに核燃料物質の加工施設、使用済燃料の再処理施設等について十一件の事業変更許可を、試験研究炉等について二件の設置変更承認及び七件の設置変更許可を行いました。
原子力施設の廃止措置計画については、これまでに発電用原子炉に対して十八基の認可を、核燃料施設等に対して九件の認可を行いました。
また、原子力規制検査により、原子力施設等において事業者が行う安全確保や核物質防護に関わるあらゆる活動を対象に、その安全上の重要度に応じて、検査官が現場確認等を行って監視しています。なお、原子力施設等で事故トラブルが発生した場合には、速やかな状況確認などを通じて、適切に対応してまいります。
また、中部電力浜岡原子力発電所の基準地震動策定に係る不正行為については、本年一月に中部電力に対して、報告徴収命令を発出するとともに、審査資料作成作業に係る品質管理に対する保安規定の遵守状況等を確認するための検査を開始しております。引き続き、本事案の事実関係及び経緯の確認を進めてまいります。
規制基準については、安全研究等により得られた最新の科学的、技術的知見、新規制基準適合性に係る審査の実績等を踏まえて、継続的に改善を図っております。
建て替え原子炉については、事業者からの提案を踏まえ、事業者との実務レベルでの技術的な意見交換を実施しており、事業者が規制の予見性が十分でないと考える事項について議論しています。昨年十一月にこれまでの議論の状況について原子力規制庁から中間報告を受けており、今後、原子力規制委員会において規制上の取扱いについて整理してまいります。
以上のとおり、原子力施設等に関する規制が厳正かつ適切に実施できるよう取り組んでおります。
フュージョンエネルギーについては、原子力規制委員会における今後の検討のための情報収集として、原子力規制庁において、フュージョン装置の開発を進める事業者等との意見交換を実施しています。今後、意見交換の結果を踏まえ、現在開発が進められているフュージョン装置に係る規制上の論点を整理してまいります。
第二に、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉に向けた取組の監視等について申し上げます。
原子力規制委員会は、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉や汚染水対策の実施について、規制当局としての立場から、安全かつ着実に廃炉が進むよう、積極的な監視、指導を行うとともに、関係省庁等と連携し、環境放射線モニタリングの実施とその結果の公表を行っております。
東京電力福島第一原子力発電所の廃炉については、施設全体のリスク低減及び最適化を図る観点から、短期的な目標に加え、中長期に実現すべき姿とそれに向けた目標を設けて、東京電力の活動を監視、指導しております。直近では、一号機の原子炉建屋カバーの設置が完了するとともに、二号機の使用済燃料プールからの燃料取り出しに向けた準備が着実に進められているところです。
令和五年八月から開始された多核種除去設備等処理水、いわゆるALPS処理水の海洋放出については、関係機関と連携をして海域モニタリングを実施しており、人や環境に影響を及ぼすレベルではないことを確認しています。また、国際原子力機関、IAEAによるレビューを通じ、原子力規制委員会の活動が国際安全基準に合致しているとの評価を受けています。今後も、継続的に東京電力の活動を検査で確認するとともに、IAEAのレビューやモニタリング等を通じ、透明性、信頼性の維持に努めてまいります。
東京電力福島第一原子力発電所の事故調査については、溶融炉心による一号機原子炉格納容器の破損メカニズム等について、科学的、技術的意見募集の結果を踏まえ、昨年九月に中間的な取りまとめを行いました。今後も継続的に調査、分析を行い、それにより得られた知見を規制に活用してまいります。
第三に、原子力災害対策及び放射線モニタリングの充実並びに保障措置の強化について申し上げます。
原子力災害時の防護措置である屋内退避については、原子力規制委員会としての運用の考え方を明確にするため、検討チームにおいてその考え方を検討し、その報告書に基づき、昨年十月に原子力災害対策指針を改正しました。この内容について自治体を始め地域の方々に理解を深めていただくため、指針の詳細を解説した文書を作成し、また、各地域での説明を行っており、こうした取組を進めてまいります。
環境放射線モニタリングについては、原子力規制事務所の体制整備及び関係道府県への技術支援等に加え、最新の技術動向を踏まえ、より強靱で機動的な放射線モニタリング体制の構築に取り組んでまいります。
保障措置については、国際約束に基づき国内の原子力施設に対する厳格な保障措置活動を実施しており、IAEAにより二十年以上連続して、国内全ての核物質が平和的活動にとどまっているとの評価を得ております。また、六ケ所再処理施設や大型混合酸化物燃料加工施設の操業を見据え、国内の保障措置制度の継続的改善を図るために、査察官等の人材確保や保障措置の実施体制の強化について、検討会を開催し、検討を進めてまいります。
最後に、組織運営や規制の継続的改善について申し上げます。
原子力規制委員会は、本年一月、IAEAが実施する総合規制評価サービス、IRRSミッションを受け入れ、規制の枠組みや活動に対するレビューを受けました。その結果、日本の規制枠組みの強化について評価いただくとともに、リスクの程度に応じた規制内容にするというグレーデッドアプローチの更なる適用や、複数年の人材戦略の策定などといった勧告、提言を受けました。原子力規制委員会は、これらの提言を受けて、規制制度の見直しも含め、これらへの対応を進めてまいります。
以上、原子力規制委員会の業務について御説明いたしました。
原子力規制委員会は、与えられた職責を踏まえて、原子力利用の安全が確実に担保されるよう、また、我が国の原子力規制に対する信頼が得られるよう、今後とも努力し、人と環境を守ってまいります。何とぞよろしくお願い申し上げます。
○西銘委員長 以上で説明は終わりました。
次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時五十八分散会

