第15号 令和8年4月23日(木曜日)
令和八年四月二十三日(木曜日)―――――――――――――
議事日程 第十一号
令和八年四月二十三日
午後一時開議
第一 家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案(内閣提出)
第二 食育基本法の一部を改正する法律案(農林水産委員長提出)
第三 都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
第四 投資の促進及び保護に関する日本国とセルビア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件
第五 投資の促進及び保護に関する日本国とパラグアイ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件
第六 投資の促進及び保護に関する日本国とザンビア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件
第七 投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とタジキスタン共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件
第八 インテリジェンスに係る態勢の整備の推進に関する法律案(橋本幹彦君外二名提出)
第九 国家情報会議設置法案(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
日程第一 家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第二 食育基本法の一部を改正する法律案(農林水産委員長提出)
日程第三 都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第四 投資の促進及び保護に関する日本国とセルビア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件
日程第五 投資の促進及び保護に関する日本国とパラグアイ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件
日程第六 投資の促進及び保護に関する日本国とザンビア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件
日程第七 投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とタジキスタン共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件
日程第八 インテリジェンスに係る態勢の整備の推進に関する法律案(橋本幹彦君外二名提出)
日程第九 国家情報会議設置法案(内閣提出)
午後一時二分開議
○議長(森英介君) これより会議を開きます。
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○議長(森英介君) 日程第一とともに、日程第二は、委員長提出の議案でありますから、委員会の審査を省略し、両案を一括して議題とするに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(森英介君) 御異議なしと認めます。
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日程第一 家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第二 食育基本法の一部を改正する法律案(農林水産委員長提出)
○議長(森英介君) 日程第一、家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案、日程第二、食育基本法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
委員長の報告及び趣旨弁明を求めます。農林水産委員長藤井比早之君。
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家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案及び同報告書
食育基本法の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
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〔藤井比早之君登壇〕
○藤井比早之君 ただいま議題となりました両法律案につきまして申し上げます。
まず、家畜伝染病予防法の一部を改正する法律案につきまして、農林水産委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本案は、最近における家畜の伝染性疾病の発生及び輸入検疫の状況を踏まえ、国内防疫体制及び輸入検疫体制を強化するため、牛のランピースキン病を家畜伝染病に追加し、豚熱の屠殺対象範囲を見直すとともに、輸入検疫を適切に受けずに持ち込まれる肉製品の国内での販売を禁止する等の措置を講ずるものであります。
本案は、去る四月十五日本委員会に付託され、翌十六日鈴木農林水産大臣から趣旨の説明を聴取し、昨二十二日質疑を行いました。質疑終局後、採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
なお、本案に対し附帯決議が付されました。
以上、御報告申し上げます。
次に、食育基本法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。
本案は、我が国における食や農林漁業を取り巻く状況の変化に対応し、食料・農業・農村基本法の改正を踏まえた食料安全保障の確保にも資する食育を推進するとともに、農林漁業に関する教育、成年に達した者も含めた国民の健全な食生活の実現等を一層促進するため、前文及び基本理念の見直し、食育推進基本計画等に係る規定の整備、基本的施策の拡充等の措置を講ずるものであります。
本案は、昨二十二日、農林水産委員会において、全会一致をもって委員会提出の法律案とすることに決したものであります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
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○議長(森英介君) これより採決に入ります。
まず、日程第一につき採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(森英介君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
次に、日程第二につき採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(森英介君) 起立多数。よって、本案は可決いたしました。
――――◇―――――
日程第三 都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
○議長(森英介君) 日程第三、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
委員長の報告を求めます。国土交通委員長冨樫博之君。
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都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案及び同報告書
〔本号末尾に掲載〕
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〔冨樫博之君登壇〕
○冨樫博之君 ただいま議題となりました法律案につきまして、国土交通委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本案は、都市の魅力及び活力の向上を通じて都市の再生を図るため、所要の措置を講じようとするもので、その主な内容は、
第一に、都市再生整備計画に地域固有の魅力の維持向上を図る区域を定め、地域の核となる建築物の改修等を行う制度を創設すること、
第二に、立地適正化計画について、業務施設等の誘導に関する事項を位置づけ、容積率制限の緩和等の措置を可能とすること、
第三に、市町村都市再生協議会によるまちづくり活動に関する計画の作成及び当該活動に対する支援等の措置を講ずること
などであります。
本案は、去る四月十四日本委員会に付託され、翌十五日金子国土交通大臣から趣旨の説明を聴取し、昨二十二日、質疑を行い、質疑終了後、討論を行い、採決の結果、賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(森英介君) 採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(森英介君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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日程第四 投資の促進及び保護に関する日本国とセルビア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件
日程第五 投資の促進及び保護に関する日本国とパラグアイ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件
日程第六 投資の促進及び保護に関する日本国とザンビア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件
日程第七 投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とタジキスタン共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件
○議長(森英介君) 日程第四、投資の促進及び保護に関する日本国とセルビア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、日程第五、投資の促進及び保護に関する日本国とパラグアイ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、日程第六、投資の促進及び保護に関する日本国とザンビア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、日程第七、投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とタジキスタン共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、右四件を一括して議題といたします。
委員長の報告を求めます。外務委員長國場幸之助君。
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投資の促進及び保護に関する日本国とセルビア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件及び同報告書
投資の促進及び保護に関する日本国とパラグアイ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件及び同報告書
投資の促進及び保護に関する日本国とザンビア共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件及び同報告書
投資の自由化、促進及び保護に関する日本国とタジキスタン共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件及び同報告書
〔本号末尾に掲載〕
―――――――――――――
〔國場幸之助君登壇〕
○國場幸之助君 ただいま議題となりました四件につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
日・セルビア投資協定は、令和七年十二月二十四日に、日・パラグアイ投資協定は、同年十二月五日に、日・ザンビア投資協定は、同年二月六日に、日・タジキスタン投資協定は、同年十二月十九日に、それぞれ署名されたもので、我が国と相手国との間で、投資の拡大により経済関係を一層強化するため、投資財産に対する内国民待遇及び最恵国待遇の供与等投資に関する法的枠組みについて定めるものであります。
以上四件は、去る四月十六日外務委員会に付託され、翌十七日茂木外務大臣から趣旨の説明を聴取いたしました。二十二日に質疑を行い、質疑終局後、順次採決を行いました結果、四件はいずれも全会一致をもって承認すべきものと議決した次第であります。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(森英介君) 四件を一括して採決いたします。
四件を委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(森英介君) 起立多数。よって、四件とも委員長報告のとおり承認することに決しました。
――――◇―――――
日程第八 インテリジェンスに係る態勢の整備の推進に関する法律案(橋本幹彦君外二名提出)
日程第九 国家情報会議設置法案(内閣提出)
○議長(森英介君) 日程第八、橋本幹彦君外二名提出、インテリジェンスに係る態勢の整備の推進に関する法律案、日程第九、内閣提出、国家情報会議設置法案、右両案を一括して議題といたします。
委員長の報告を求めます。内閣委員長山下貴司君。
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インテリジェンスに係る態勢の整備の推進に関する法律案及び同報告書
国家情報会議設置法案及び同報告書
〔本号末尾に掲載〕
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〔山下貴司君登壇〕
○山下貴司君 ただいま議題となりました両案につきまして、内閣委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
まず、内閣提出の国家情報会議設置法案は、我が国の重要な国政の運営に資する情報の収集調査に係る活動等に関する重要事項を調査審議する機関として、内閣に国家情報会議を設置することとし、その所掌事務等に関する事項を定めるとともに、国家情報会議の事務等をつかさどる機関として、内閣官房に国家情報局を置くものであります。
次に、橋本幹彦君外二名提出のインテリジェンスに係る態勢の整備の推進に関する法律案は、インテリジェンスに係る態勢の整備の推進に関し、基本理念を定め、国の責務を明らかにし、及びインテリジェンスに係る態勢の整備に関する施策の基本となる事項を定めるとともに、インテリジェンス態勢整備推進本部を設置することにより、インテリジェンスに係る態勢の整備を総合的かつ集中的に推進するために必要な事項を定めるものであります。
内閣提出の法律案は、去る四月二日、本会議において趣旨説明及び質疑が行われた後、同日本委員会に付託されました。
本委員会においては、八日木原内閣官房長官から趣旨の説明を聴取した後、十日から質疑に入りました。十六日には参考人から意見を聴取するとともに、十七日には高市内閣総理大臣の出席を求めて質疑を行い、さらに、二十二日法務委員会、外務委員会及び安全保障委員会との連合審査会を開会いたしました。
橋本幹彦君外二名提出の法律案は、二十一日本委員会に付託され、翌二十二日の連合審査会の後、提出者橋本幹彦君から趣旨の説明を聴取いたしました。
その後、両案を一括して質疑を行い、質疑を終局いたしました。次いで、討論を行い、順次採決いたしましたところ、まず、橋本幹彦君外二名提出のインテリジェンスに係る態勢の整備の推進に関する法律案については賛成少数をもって否決すべきものと決しました。次に、内閣提出の国家情報会議設置法案については賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
なお、内閣提出の国家情報会議設置法案に対し附帯決議が付されました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
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○議長(森英介君) 討論の通告があります。順次これを許します。大島敦君。
〔大島敦君登壇〕
○大島敦君 私は、ただいま議題となりました国家情報会議設置法案について、会派を代表し、賛成の立場から討論を行います。(拍手)
我が国を取り巻く脅威の質は大きく変化しています。もはや、安全保障上の脅威は従来のように武力攻撃があるかないかという単純な構図だけでは捉え切れません。サイバー攻撃、偽情報の拡散、影響工作、経済的威圧、技術流出、スパイ活動、重要インフラへの干渉など、軍事と非軍事、有事と平時、国内と国外の境界が曖昧になっています。
そして、政府が把握し、分析すべき情報の対象も拡大しています。外交防衛情報だけではなく、金融、経済産業、国土交通、通信、宇宙、サイバー、エネルギー、食料、先端技術、重要インフラなど、国民生活と経済活動に直結する幅広い分野の情報が安全保障上の重要情報となっています。
こうした時代において、政府内の情報を適時に集約し、複数の省庁が持つ情報を総合的に分析し、政策判断に活用できるインテリジェンスに高めていく仕組みを強化することは、我が国にとって避けて通れない課題です。
もちろん、現行体制においても、内閣情報調査室を中心に、政府の情報活動は一定の役割を果たしてきました。しかし、情報分野において、閣僚級で基本方針を示し、政府全体を俯瞰して総合調整する仕組みは、なお十分とは言えませんでした。
本法案は、国家情報会議に対して、関係行政機関が資料又は情報を適時に提供し、議長の求めに応じて必要な協力を行う仕組みを置くとともに、国家情報局に、重要情報活動等に関する企画立案、総合調整、情報の収集調査、整理、総合分析を担わせるものであります。
これは、省庁ごとに分散した情報を、内閣、そして総理大臣を支えるレベルで統合し、政策判断に使える知識、すなわちインテリジェンスに高めていくための制度であります。政府の的確な意思決定を支える基盤を整備するものとして、私たちはその必要性を認め、本法案に賛成いたします。
米国では、二〇〇一年九月十一日の同時多発テロの教訓として、情報機関をただ並べているだけでは国家を守れないという厳しい反省がありました。外国情報と国内情報の断絶、機関間の情報共有の不備、総合分析の不足が大きな問題として認識され、国家情報長官、いわゆるDNIとそれを支える組織が設けられました。
もとより、本法案は、米国の制度をそのまま我が国に移植するものではありません。日本には日本の行政組織、憲法秩序、民主的統制の在り方があります。しかし、各機関が情報を持っているだけでは足りず、それを国家として共有し、統合し、政策判断に結びつける司令塔が必要であるという教訓は、我が国にとっても重要であります。
他方で、インテリジェンス機能の強化は、それ自体が目的ではありません。国民の生命、身体、財産を守り、我が国の独立と平和を守るための手段であります。そして、その手段は、常に憲法の下に置かれ、国民の自由及び権利を不当に侵害するものであってはなりません。
情報機能や情報保全を強化する際には、国会による監視、報告、説明責任といった民主的統制を併せて整備することが重要です。特定秘密保護法案についても、その後、国会法改正により両院に情報監視審査会が設置されました。国家の情報力を高めるのであれば、それに見合う国会の関与と国民への説明責任が不可欠であります。
また、政策と情報の関係については、緊密な連携と適切な距離の双方が必要です。政策側の情報要求を正確に受け止めなければ、インテリジェンスは政策判断に役立ちません。しかし、政策側が望む結論に合わせて分析を曲げることがあってはなりません。情報部門が特定の政策を正当化するために情報を恣意的に取捨選択することも許されません。
政治による民主的統制と情報分析の独立性、客観性をどう両立させるか、ここに、国家情報会議と国家情報局を運用する上での最大の要諦があります。政府には、政策部門と情報部門の役割分担を明確にし、情報の政治化を防ぎ、客観的な分析が総理及び関係閣僚に届く運用を徹底することを求めます。
国民の表現の自由やプライバシーの保護も極めて重要です。本法案は、新たな個別の情報収集権限を創設するものではありません。しかし、政府の情報活動を強化する以上、国民生活が監視されるのではないか、政府に批判的な言論や政治活動が調査対象になるのではないかといった懸念に、政府は正面から応えなければなりません。
我々は、委員会質疑において、政府の政策に反対するデモや集会に参加した人がそれだけで調査対象になるのかという点を確認しました。これに対し、政府からは、政府の政策に反対するデモや集会に参加しているということのみを理由として普通の市民が調査対象となることは想定し難いとの重要な答弁を得ました。
この答弁は、今後の運用を拘束する重い答弁であります。政府には、この趣旨を厳格に守り、表現の自由、集会の自由、思想及び良心の自由、プライバシーを侵害することのないよう、徹底した運用を求めます。
さらに、附帯決議において、国家情報会議及び国家情報局の活動内容等について、国民の懸念を払拭するため、国会に適時適切に説明することが盛り込まれました。これは、直ちに十分な監視制度が完成したということではありません。しかし、情報活動に対して国会が継続的に関与し、政府に説明を求めていくための重要な足がかりであります。
最後に、テクノロジーの革新への対応について申し上げます。
AIを始めとする先端技術の進展は、従来の延長線上では捉え切れない速度で進んでいます。特にサイバー空間においては、AIが脆弱性の発見、分析、防御支援に大きな力を持つ一方、その能力が悪用されれば、攻撃側の能力も飛躍的に高まります。
したがって、国家情報会議が扱う基本方針や、今後策定が検討される国家情報戦略においては、AI、サイバー、オシント、重要インフラ、経済安全保障、認知領域を横断し、技術革新がもたらす非連続な変化を常時把握し、政府全体で迅速に対応する仕組みを盛り込むべきであります。
本法案は、我が国の情報力を強化するための出発点であります。同時に、民主的統制、人権保障、情報分析の客観性を不断に確保しなければ、その正当性は保たれません。
私たちは、政府に対し、国会への説明責任を果たし、国民の自由と権利を守り、情報の政治化を防ぎながら、国家の情報力を高める運用を強く求めます。
その立場から、国家情報会議設置法案に賛成することを申し上げ、私の討論といたします。(拍手)
○議長(森英介君) 野村美穂君。
〔野村美穂君登壇〕
○野村美穂君 国民民主党・無所属クラブの野村美穂です。
私は、会派を代表して、国民民主党提出のインテリジェンス態勢整備推進法案及び内閣提出の国家情報会議設置法案の両案について、賛成の立場から討論をいたします。(拍手)
インテリジェンスとは、国と国民の安全を守るための施策の一つであり、安全保障の施策の証拠となる情報の収集、整理、分析及び活用を行うものです。安全保障のための施策は、時の政権の思いつきで行われるべきものではありません。複雑化する国際情勢において、的確な情報に基づき確かな施策を実行することは、国と国民の安全を守るために必須です。
ロシアによるウクライナ侵略は、力による一方的な現状変更が現実に起こり得ることを示しました。中国による軍事的脅威の増大、特に台湾海峡をめぐる緊張の高まりは、我が国の安全保障に直接的な影響を及ぼしています。北朝鮮の核・ミサイル開発は止まることなく、そしてサイバー攻撃やテロの多様化により国家の脅威は多層化しています。加えて、近年では、外国による我が国に対する不当な影響力の行使の脅威も増大しています。こうした多層的な脅威に対し、正確で質の高い情報がなければ、国家の意思決定は誤った方向に進みかねません。
我が国は、インテリジェンスをめぐる手痛い失敗を経験してきました。改革は過去の教訓に依拠して考えなければ、真に実効性のある対策を取ることができません。昭和五十年代に立て続けに北朝鮮による拉致を許し、さらに、その認定まで多くの歳月を要した政府の対応は、インテリジェンスの活用に政治が失敗した例と言えます。また、第二次世界大戦における情報の軽視と誤った判断は、国家を破滅的な敗北へと導きました。こうした歴史の教訓を忘れてはなりません。
その上で、国民民主党提出の法律案は、こうした過去に真摯に向き合い、失敗を繰り返さないため、国民の人権と自由の尊重、国家の存立と主権の防衛、インテリジェンスの最前線で活動する者の保護という三本柱を掲げて議論を重ね、これまで光の当たらなかった領域について、声なき声を形にしたものです。
国と国民を守るための政策決定のエビデンスをつくり出すことこそ、インテリジェンスの本質であるとの考え方に立ち、我が国で初めて法案においてインテリジェンスを明確に定義し、国会による民主的統制や政治的中立の確保など、その実施に当たっての理念や留意点を明確にした法案となっています。
また、国民民主党の法案では、基本的施策として、外国による不当な影響力の行使の防止のための措置、行政組織の整備、情報収集等に係る手法の拡充、インテリジェンスに係る職務に従事する者等の安全及び適切な処遇の確保、人材の確保、検証及び調査研究の推進、国民の理解の増進及び信頼の向上を掲げています。
特に、人材確保と処遇改善については具体的な方策を示しています。昨年、メタがスケールAIのCEOをヘッドハンティングするために約二兆円という巨額投資を行った事例が示すように、優秀な人材の獲得競争が激化しています。ドイツの連邦憲法擁護庁のように、情報機関手当や専門人材手当といった特別な処遇を検討する必要を明確にしています。
さらに、教育、研修体系の整備、情報リテラシーの向上、知識継承体制の構築、分析手法の標準化など、組織の継続性と質の確保のための仕組みを体系的に盛り込んでいます。
内閣委員会におけるこれまでの議論を踏まえると、バランスの取れた体系立ったインテリジェンスの体制強化を進めていくという意味で、国民民主党の法案が包括的で非常に優れたものであり、これを成立させることがベストであります。
他方、内閣提出の国家情報会議設置法案については、インテリジェンスの体制強化のうち、組織の見直しのみを切り出したものであり、個人情報やプライバシーへの配慮、国会の関与、情報公開の在り方、過去の失敗の教訓を生かすための記録、公文書保存の在り方等についての懸念や課題が浮き彫りとなっています。
委員会質疑の中でも、個人情報やプライバシーの保護の徹底、政治的中立性の確保、国会への定期的報告義務、そして将来的なインテリジェンス体制整備における国会の監視強化など、国民の懸念に対する一定の対策が必要との指摘が多くされました。
特に、政治的中立性の確保については、附帯決議の中で、「特定党派の利益又は不利益を図るため、国内の政治家や選挙区に関する情報や、選挙及び選挙運動に関する情報の収集は行わないこと。」とされています。また、国家情報局長の人選については、特定の行政機関の指定席となることのないよう、適材適所を旨とし、人物本位、能力本位で行うことが求められます。
一方で、総理のリーダーシップの下に情報の質が向上するという点では一定の評価ができます。各省庁が個別に行っていた情報活動を統一的に指揮、調整する司令塔機能が整備されることで、組織全体として一貫性のある情報分析が可能になります。米国、英国、フランス、ドイツなど、主要先進国は全て国家的インテリジェンス機能を統一的に指揮する司令塔組織を持っており、我が国も国際的スタンダードに対応する必要があります。
我が党としては、インテリジェンス体制を全体として整備すべきとの考え方に立つものであり、その一部のみを切り出した形の内閣提出法律案は十分なものであるとは言えませんが、方向性として否定するものではありません。
また、附帯決議においても、「一層のインテリジェンスに係る態勢の整備を仮に検討する場合には、インテリジェンスに係る態勢の整備が国家の存立及び国民の安全の確保に関わる重要な課題であるとの認識の下に、我が国の健全な民主主義の根幹の維持をはじめ国益に寄与することを旨として行うこと。あわせて、政治的中立性及び国会による民主的統制が確保されるとともに、日本国憲法の保障する国民の自由と権利が尊重されなければならないことに留意すること。」といった、我が党提出の法律案の趣旨と重なる内容が盛り込まれ、政府からも前向きな答弁がありました。
さらに、附帯決議では、政府の情報活動の中長期的な推進方策を国会に報告し公表するとともに、国家情報会議及び国家情報局の活動内容について、国会に適時適切に説明することを求め、一定程度の国会による民主的統制を確保しています。また、情報収集等に係る手法の拡充、インテリジェンスに従事する者等の安全及び適切な処遇の確保、専門的知識や技能を有する者の確保、実施状況及び効果の検証等について検討を加え、必要な措置を講ずることが明記されています。
こうした点を総合的に考慮した結果、内閣提出の法律案についても賛成いたします。
今後、政府には、関係法令等や本法案に関する国会答弁、附帯決議の内容の厳格な遵守と、人材確保、教育体系の整備、国民への説明責任の履行を強く求めます。
特に、人材確保のための抜本的な処遇改善、教育体系と知識継承体制の整備、そして、秘密保全と透明性のバランスを取りながら、我が国のインテリジェンス機能が適切に民主的コントロール下にあることを国民に示すことが重要です。また、先送りされた重要課題について、速やかに検討を開始し、包括的なインテリジェンス体制の整備を進めることを求めます。
最後に、インテリジェンスは、国と国民の安全を守る盾であると同時に、民主主義にとっては最も慎重な統制を要する強い力でもあります。過去の失敗の検証、教訓の導出と国民への説明、国会による民主的統制、政治的中立、国民の自由と権利の尊重、インテリジェンスの最前線で活動する者の保護、これらを伴わない改革は、インテリジェンスを国民を守る盾ではなく、国民を監視し縛るおりにするものであり、むしろ、国民の利益を損ねます。組織づくりにとどまらない本質的なインテリジェンス改革の実現に向け、今後も与野党を超えた熟議を続けていくことを強く訴えまして、私の賛成討論といたします。(拍手)
○議長(森英介君) 川裕一郎君。
〔川裕一郎君登壇〕
○川裕一郎君 参政党の川裕一郎です。
会派を代表し、国家情報会議設置法案に賛成の立場から討論を行います。(拍手)
本法案が我が国のインテリジェンス機能を強化をし、情報収集、分析体制を整備する点は評価いたします。国際情勢が不確実性を増し、安全保障と経済が一体不可分となる中で、国家として主体的に情報を把握し意思決定を行う基盤の強化は不可欠であり、本法案は必要な第一歩であります。
しかしながら、現実の脅威に対する踏み込みとしては、なお不十分と言わざるを得ません。
第一に、連立合意に至ったインテリジェンス・スパイ防止関連法制が本法案と一体で整備されていない点であります。情報を集め分析する体制のみを先行させ、それを守る法的基盤を欠いた現状は極めて不均衡であり、外国勢力による情報収集、影響工作、技術流出のリスクが現実に存在する中で、この空白を放置することは許されません。
我々は、この空白が何をもたらしたかを知っています。北朝鮮による日本人拉致問題であります。国民が自国の領土から連れ去られながら、長らくその実態さえつかめなかった。これは、戦後日本の安全保障における最大の痛恨事であります。当時の我が国に、外国工作を察知をし防止するインテリジェンス体制と防諜法制が備わっていれば、被害はここまで拡大しなかったのではないか。御家族が半世紀にわたり抱え続けてきた苦しみを、我々は厳粛に受け止めなければなりません。この教訓を風化させることなく、同じ過ちを二度と繰り返さぬため、政府は早期の法整備に踏み込むべきであります。
第二に、セキュリティークリアランス制度について、国家意思決定の中核に位置する閣僚及び政務三役への扱いが曖昧なままでは信頼性は担保されません。最も厳格であるべき対象に例外を設けず、明確かつ厳格な適用を行うべきであります。
第三に、参政党として強く指摘したいのは、経済安全保障と一体となった情報主権の確立であります。我が国の情報処理基盤はAIやクラウドを含め海外依存が高く、特定国への依存が固定化している現状は、意思決定や情報運用に重大な影響を及ぼし得る脆弱性を内包しています。国産技術の育成、国内基盤の整備、重要データ管理の強化を柱に、データ主権の確立を着実に進めるべきであります。
とりわけ、先端半導体、重要インフラを支えるソフトウェア、国家機能に直結するデータ基盤は、産業政策にとどまらず安全保障政策として位置づけ、調達、運用、保全の各段階でリスクを精査をし、国内での代替可能性を確保すべきであります。
また、国家情報会議の運用において、機密性を理由に民主的統制が形骸化されることがあってはなりません。国会による監視と検証の仕組みを明確にし、国民への説明責任を制度として担保する必要があります。
本法案は第一歩ではありますが、この段階にとどまることなく、実効性のある体制へと不断に発展させなければなりません。政府には、不足する制度を速やかに補完する責任があります。
以上を強く申し述べ、我が国の主権と安全、経済基盤、そして国民一人一人の命を守り抜くため、本法案に賛成することを表明し、討論を終わります。(拍手)
○議長(森英介君) これにて討論は終局いたしました。
―――――――――――――
○議長(森英介君) これより採決に入ります。
まず、日程第八、橋本幹彦君外二名提出、インテリジェンスに係る態勢の整備の推進に関する法律案につき採決いたします。
本案の委員長の報告は否決であります。この際、原案について採決いたします。
本案を原案のとおり可決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(森英介君) 起立少数。よって、本案は否決されました。
次に、日程第九、内閣提出、国家情報会議設置法案につき採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○議長(森英介君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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○議長(森英介君) 本日は、これにて散会いたします。
午後一時四十四分散会
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出席国務大臣
外務大臣 茂木 敏充君
農林水産大臣 鈴木 憲和君
国土交通大臣 金子 恭之君
国務大臣 木原 稔君

