衆議院

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第4号 令和7年2月14日(金曜日)

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令和七年二月十四日(金曜日)

    午後三時三十五分開議

 出席委員

   委員長 大岡 敏孝君

   理事 黄川田仁志君 理事 國場幸之助君

   理事 西銘恒三郎君 理事 今井 雅人君

   理事 本庄 知史君 理事 山岸 一生君

   理事 市村浩一郎君 理事 田中  健君

      石原 宏高君    井野 俊郎君

      江渡 聡徳君    尾崎 正直君

      岸 信千世君    栗原  渉君

      田中 良生君    西野 太亮君

      平井 卓也君    平沼正二郎君

      宮下 一郎君    山際大志郎君

      山口  壯君    市來 伴子君

      梅谷  守君   おおたけりえ君

      下野 幸助君    橋本 慧悟君

      藤岡たかお君    馬淵 澄夫君

      水沼 秀幸君    山 登志浩君

      伊東 信久君    三木 圭恵君

      石井 智恵君    菊池大二郎君

      河西 宏一君    山崎 正恭君

      上村 英明君    塩川 鉄也君

      緒方林太郎君

    …………………………………

   国務大臣

   (科学技術政策担当)

   (宇宙政策担当)

   (経済安全保障担当)   城内  実君

   内閣府大臣政務官     西野 太亮君

   内閣府大臣政務官     友納 理緒君

   内閣府大臣政務官     今井絵理子君

   内閣府大臣政務官     岸 信千世君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 河合 宏一君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 佐々木啓介君

   政府参考人

   (内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官)            徳増 伸二君

   政府参考人

   (内閣府宇宙開発戦略推進事務局長)        風木  淳君

   政府参考人

   (こども家庭庁長官官房審議官)          高橋 宏治君

   内閣委員会専門員     田中  仁君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 内閣の重要政策に関する件

 公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件

 栄典及び公式制度に関する件

 男女共同参画社会の形成の促進に関する件

 国民生活の安定及び向上に関する件

 警察に関する件


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     ――――◇―――――

大岡委員長 これより会議を開きます。

 内閣の重要政策に関する件、公務員の制度及び給与並びに行政機構に関する件、栄典及び公式制度に関する件、男女共同参画社会の形成の促進に関する件、国民生活の安定及び向上に関する件及び警察に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣府大臣官房審議官河合宏一君外四名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

大岡委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。栗原渉君。

栗原委員 自由民主党の栗原渉であります。

 福岡第五区から選出をいただいた者でありますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 近年、災害が非常に頻発化、激甚化しております。能登半島を襲った地震についても大変なことでありまして、一日も早く復旧を、復興を願うばかりであります。

 福岡県においても同様でありまして、私の地元でも平成二十九年九州北部豪雨災害というのがございました。以来、ほぼ毎年実は風水害が発生しておりまして、当時からずっと私は現場で取り組んでおりました。その経験から、社会の安定と安心できる人々の暮らしというのは、それを維持していくこと、この大切さ、そのときに、食料と水、エネルギー始め、物資の安定供給というのが極めて大事であるということを実感している者の一人であります。これは、不測の事態を考えてこれに備えていく、進められている今の防災、減災の様々な施策と同様に、物資の安定供給に資する経済安全保障が極めて重要であるというふうに思うんです。

 城内大臣は、先週の金曜日、所信表明演説で、経済安全保障について、国家及び国民の皆様の命と暮らしの安全を確保するとともに、我が国の経済成長も確実なものとする、スピード感を持って取り組むとの決意を表明されました。これはまさに、私が極めて大事にするところでございまして、大いに期待しています。

 現下の状況を考えて、国の経済成長は、私は地方議員出身であるから言うわけではありませんが、地方経済の成長なくしてはあり得ない。私は、地方重視の視点も含めて質問をさせていただきたいというふうに思います。

 そこで、経済安全保障推進法が二〇二二年に成立し、我が国の経済安全保障政策、特にサプライチェーン強靱化制度は、半導体や抗菌性物質製剤、重要鉱物資源など、国民の生存に必要不可欠な物資や、広く国民生活、経済活動が依拠している十二の物質が特定重要物資として指定されております。これらの安定供給を確実なものにする、民間事業者が行う安定供給に向けた投資に対して国が支援をするというものになっております。

 民間企業の自由な経済活動というのは大切なことでありますけれども、ややもすると、経済合理性を重視して、人件費などのコストが安い国から物資を調達する、これに依存をしてしまう。これは、これまでもそのような状況があったんだと思います。しかし、先ほど、冒頭申し上げたような、いざ緊急時に供給が損なわれてしまうと、これは国民の皆さんの生命や暮らしに大きな打撃があります。

 例えば、私どもは経験しておりますが、コロナ禍の状況を振り返ると、あのときは、電化製品に大変必要な半導体がなかなか手に入らないということが起こりました。私の地元の建築関係の方々も、なかなか仕事が進まない、工期が遅れてしまうという、いろいろな影響が出たわけでありますが、物が入らない、給湯器が入らない、そういうことがありました。

 どの国も、何かあれば自分の国のことをもちろんまず考えるのは当然のことでありますから、このことを思うと、大事なものは自分で作る、自国でちゃんと作る、そういう意味で、ちょっと観点が違いますけれども、今議論されている食料安全保障もその一つだと私は思います。そして、そのように、この制度も、国民の生命財産を守るために国がしっかりと民間の重要物資の確保を後押しをして、日本の自立性を高めていく。これは、思えば大変心強い制度であるというふうに思っています。

 さて、この制度は、二〇二二年十二月に施行されまして、二三年から支援がスタートしているというふうに聞いております。既にプロジェクトは動き出しているというふうに思っておりますが、これまでに民間事業者が行う安定供給確保のための投資に関する供給確保計画の認定実績や支援規模がどのようなものになっているのか、その進捗の状況も含めてまずはお聞きします。

佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 御質問いただきましたサプライチェーン強靱化につきましては、経済安保推進法に基づきまして、国民の生存や国民生活、経済活動に甚大な影響のある物資の安定供給の確保を図るため、これまでに半導体、蓄電池、肥料などの十二の物資を指定しているところでございます。

 令和五年四月以降、各物資の所管大臣が、民間事業者による生産設備への投資や研究開発等の取組を支援してきているところでございまして、本年一月末時点で、最大助成額一兆四千七百億円となる百二十三件の供給確保計画を認定しているところでございます。これによりまして、特に、抗菌性物質製剤、肥料、船舶の部品及びクラウドプログラムにつきましては、物資所管省庁が取組方針において定めております目標の達成に一定のめどがついたというところでございます。

 また、経済安保推進法に基づきまして、昨年三月末時点で各物資所管省庁に提出があった事業者報告におきましては、報告の対象となる七十四件の計画のうち、一件は計画継続が困難、八件は計画に遅延が生じているものの、六十五件が順調に進捗をしてございまして、おおむね順調に進捗しているものと認識をしているところでございます。

栗原委員 重要物資への投資ということを考えますと、民間事業者にとっては非常にリスクが伴うものだというふうに思います。特に、先ほどもちょっと触れましたが、重要物資であっても海外に依存した方がコストが安いなどというのがありますので、これはビジネスから考えればリスクになります。

 そして、そこのところを考えたときに、例えば、為替変動により資材費が高騰したり、また、取引先がちょっとおかしくなる、失業したりとか、市況が変化すればまたそうでありますし、突発的な事業の環境の変化による影響というのが一つ考えられます。

 また、外国のいわゆる環境規制などというのはいろいろ、昨今取り沙汰されておりますけれども、そのようなこと。あるいは、リサイクル資源義務化などの対応コストというのも増加する。そもそもまた、これも近年経験していますけれども、社会経済構造や国際情勢等による影響。

 また、研究開発の成果というのが不確かなものというのがよくあります。そして、その後量産化するに当たっても、遅れたり、どうしても見直ししなきゃいけないとか、そういった不確実性というのが研究開発には伴うわけであります。

 しかし、それでもなお、この事業では、国民の皆様や我が国の経済にとって重要であるということで、ビジネスリスクが高い事業を支援をされているわけです。ここが大事なところで、こういったところに、公の役割として重要であるということ、これに基づいて行われている。そして、今の説明で、七十四件のうち六十五件は順調に進んできたということでありまして、これはしっかり取り組んでいただいているというふうに思います。

 また、重要物資の投資は、大変に経済的な効果も実は及ぼす。例えば、私は福岡でありますが、九州経済調査協会というのがありまして、二一年から三〇年にかけての半導体の関連投資による、九州、沖縄、そして山口もここは入っているんですけれども、への経済効果が二十兆円になるというふうに推計がされているところです。

 国が重要物資への投資をしっかり応援して、それが様々な投資の呼び水となっていく。これは、しばらく、景気がずっと悪かったとき、非常に縮小していましたが、いわば信用創造が起こる、そしてそれが地方の経済を活性化していく。経済安全保障を地方の創生そして経済成長につないでいくことも重要であるというふうに思っています。

 そういう意味でも、これからもこの制度をしっかりと続けていかなければなりませんし、取組を強化していただきたいというふうに思います。

 そこで、是非、城内大臣にお伺いしたいところでありますが、重要な物資の供給リスクから国民を守る取組と、経済成長そして地方創生の取組の両面から、サプライチェーン強靱化について今後どのように進めていくお考えなのか。国民の皆さんが安心できるような、また、地方の企業が元気になるというような答弁をひとつお願いを申し上げたいと思います。

城内国務大臣 栗原委員にお答えいたしたいと思います。

 近年、厳しい安全保障環境や地政学的な緊張の高まりなどによりまして、御指摘のとおり、物資供給の脆弱性が顕在化する中、国民の生存に必要不可欠な物資や、国民生活、経済活動が依拠している物資の安定供給確保に万全を期することは当然重要なことであり、栗原委員と認識を共有しているものであります。

 このため、令和四年、二〇二二年の五月に成立いたしました経済安全保障推進法に基づきまして、御指摘のとおり、十二の特定重要物資の安定供給確保に向けて、これまで関係省庁と連携を図りながら、民間事業者が行う投資に対する支援などに精力的に取り組んでまいりました。

 引き続き、国民が重要物資の供給に不安を抱えることがないように、取組の進捗を確認し、供給リスクは、御指摘のとおり、外部要因というのはいろいろ生き物のように変わってきますので、そういった供給リスクを不断に点検しつつ、必要に応じて制度を見直しながら、しっかりとサプライチェーンの強靱化に取り組んでまいりたいと思います。

 そしてまた、御指摘のとおり、経済成長そして地方創生の視点、これまた重要でありまして、具体的には、特定重要物資の安定供給確保のための投資をしっかりと支援することによりまして、地域に新たな雇用が創出され、また経済成長や地方創生につながることが当然想定されるものであります。

 さらに、経済安全保障の観点で、我が国の経済活動の基盤が強化されることによりましてリスクが低減するわけですから、当然、そうすると民間投資が進むわけでありまして、栗原委員におかれましては、福岡県あるいは九州だと思うんですが、その地域経済が活性されていくことも期待されるものであります。

 いずれにしましても、新しい地方経済・生活環境創生本部の取組などとも連携しながら、国民の命、暮らしの安全を守ることはもちろんのこと、経済成長、そして御指摘の地方創生にも資するようなサプライチェーンの強靱化にしっかりと取り組んでまいる所存でございます。

栗原委員 ありがとうございます。

 国民の生活、財産を守って豊かな社会をつくっていく、このために、またしつこいですけれども、地方重視の視点をお忘れにならないようにしていただいて、取組を進めていただきたいというふうに思っています。

 少し変えまして、科学技術等について質問をしたいと思います。

 今、人口がずっと減ってきているという社会でありますが、労働力がおのずと減っている。そうなると、単純に考えれば、一人当たりの生産性をどうやって上げていくかということになっていくところでありますが、これは我が国の経済が持続的に成長していくという観点からも大事であります。石破政権も重要視する地方創生の観点からも極めて大事である。

 生産性向上の鍵というので一つ考えられるのが、言われているのが、AI技術の活用であります。特に、近年は生成AIが登場しまして、本当に人と変わらないようなタスクを実行できるようになってくると、これは、作業の効率化を一気に高めるということになるのは当然でありますが、AI自体が経験や知識を超えた創造性を発揮するという可能性も言われているところであります。

 しかしながら、生成AIが偽情報とか間違った情報、これを出力してしまうという可能性もあるのではないかと思いますし、本当はしてはならないんですけれども、これを悪用したフェイクニュースなんかも今増えているような話であります。

 AI技術に対して国民は不安を感じているやに聞きますし、諸外国と比べて活用が進んでいないのではないかという指摘もございます。実際、我が国では、諸外国と比較して生成AIの活用状況が低い、そして国民がAIに対して不安を抱いている、この調査結果があると聞いているんですけれども、その状況をちょっと教えていただけますか。

徳増政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、諸外国と比べ我が国は、生成AIの活用が進んでいないことや、AIに対する不安を強く抱いている方が多いと認識しております。その理由として、AIの品質の不安定さ、プロセスのブラックボックス化、出力に事実と偽・誤情報が混在しているなどが挙げられるところです。

 AIの活用の低い状況について詳細に申し上げますと、令和六年度の情報通信白書によると、生成AIを利用している個人の割合は、中国五六%、米国四六%、ドイツ三五%に対して、日本九%。生成AIを業務で利用している企業の割合については、米国八五%、中国八四%、ドイツ七三%に対して、日本は四七%という結果が示されているところであります。

 また、AIに関する不安について、KPMGの二〇二三年の調査によると、現在の規制や法律でAIを安全に利用できると思うかの質問に対して、イエスと答えたのは、中国七四%、ドイツ三九%、米国三〇%、日本一三%という結果が示されておりまして、数値としても顕著に、我が国においてAIの活用の低迷や不安の高さが表れていることが推察できる次第であります。

栗原委員 今御説明のとおりでありまして、大変不安の中にあるということでありますが、まさしくこうした状況を克服していく必要の中、先日、政府のAI戦略会議・AI制度研究会、こちらが中間取りまとめを公表されました。現在、AI法案の本国会提出に向けた準備を進められているということもお聞きしておりますが、今回のこの法制度の実現によって、多くの国民が不安なくAI技術を活用できるようになることを私も期待しているところであります。

 そこで、改めて、本国会に提出予定のAI法案の狙いと、城内大臣の強い決意、意気込みはいかがか。また、さらには、今後AIが多くの国民に活用されていくために、法制度に加えてどのような取組を進めていくお考えかをお聞きしたいと思います。

城内国務大臣 お答えいたします。

 昨今の生成AIをめぐる技術革新は、生産性の向上や労働力不足の解消などの大きなメリットをもたらす一方で、偽・誤情報の拡散や犯罪の巧妙化などといった当然リスクも存在しておりまして、先ほど政府参考人が答弁したとおり、我が国においては、残念ながら、まだAIに対する国民の不安、活用の低迷状況があると言わざるを得ません。

 他方で、こうした状況を克服すべく、AIを我が国における国民生活の向上とか、あるいは経済社会の発展につなげていくこと、これは非常に重要であると思っております。

 特に、先ほど地方の創生、地方活性化を重視されると栗原委員、御指摘がありましたけれども、特に地方において、AIの活用を通じて、労働力不足の解消、これが得られるだけではなくて、AIによる需要予測との連動による地域産品の価値向上など、地域経済の活性化にも大いに資するものであるというふうに考えております。

 こうしたことから、現在、イノベーション促進とリスク対応、この両立を基本的な考え方とする安全、安心で信頼できるAI制度の構築に向けて、本国会への法案提出に向けた準備を加速しているところでございます。加えて、令和七年度予算案におきましては、関係府省におけますAIに関する競争力強化と安全性確保を一体的に推進するために必要な経費として、合計一千九百六十九億円を計上しているところでございます。法整備に加えましてAIの研究開発力の強化などに取り組むことで、地方を含めた我が国の競争力の維持強化を図っていきたいと考えております。

 引き続き、政府一丸となってAI関係施策を推進し、我が国が世界で最もAIを開発、活用しやすい国となることを目指して頑張ってまいります。

 以上です。

栗原委員 是非、今申されましたように、世界で最もAIを開発、活用しやすい国となるように御尽力をいただきたいと思います。

 さて、城内大臣、所信で述べられましたけれども、AI技術を含めた科学技術あるいはイノベーション、これは国にとっても国力の源泉であって非常に大事だという趣旨のことをお話しされました。

 このイノベーションを生み出すためには、研究成果を出していく大学や研究機関、そして、それをまた今度は社会に実装する企業、こういったもの、スタートアップも含めて、プレーヤーのつながり、エコシステムを形成することが重要である。そして、特に地方創生の実現に当たっては、地方が直面する課題をイノベーションを通じて解決していくことが、地方においてこそそうしたエコシステムが形成されることが重要であると思っておりますが、内閣府では、地方におけるイノベーションエコシステム形成のために取組を実施されていると思いますが、今の現状をお示しください。

城内国務大臣 お答えいたします。

 大学、企業等が有しております優れた研究成果や技術を地域の経済成長や課題の解決につなげていくことが極めて重要でありまして、近年、その担い手としてスタートアップの役割が重要になってきておりまして、地域におけるスタートアップエコシステムを形成していくことが求められております。

 このため、当内閣府では、世界に伍するスタートアップエコシステムの形成を促進するため、令和二年、西暦二〇二〇年ですが、その拠点となる都市をスタートアップエコシステム拠点都市として選定し、支援を行ってきておるところでございます。ちなみに、栗原委員御地元の福岡は、グローバル拠点都市として選定された四都市のうちの一つであり、特に、高島福岡市長ですか、意欲的かつ先進的な活動を実施されているというふうに伺っております。

 また、本年一月には、この取組の加速を目指して、更なるグローバル化を推進するため、第二期スタートアップエコシステム拠点都市の公募を開始したところであります。

 今後とも、地域におけるスタートアップエコシステムの形成を促進するため、関係府省と連携し、しっかりと取り組んでまいります。

栗原委員 ありがとうございました。

 福岡スタートアップ・コンソーシアム、高島市長が非常に取り組んでいる、これは福岡県も一緒に頑張っておりますので、よろしくお願いします。

 それから、宇宙政策について少しお聞きしたいと思います。

 九州大学発のベンチャーでありますQPS研究所というのがございまして、これは、いわゆる地表を宇宙から高精度かつ高頻度に観測できる小型衛星を開発いたしまして、これまでも打ち上げをしています。二三年の十二月には東証グロース市場に上場して、時価総額が今一千億という。私も県議時代、県知事と二人で最初の打ち上げを一緒に応援したんですが、もう昨日のようであります。

 また、北九州の九州工業大学では、学生さんたちが小型衛星を開発しておりまして、これまでの打ち上げ実績は全国の中で第一位の数を誇っております。九州には、鹿児島の種子島や肝付町みたいにそういったロケットを打ち上げる施設がちゃんとあって、物づくりも九州の中での多くの企業がまた支えている。

 このように、九州では早くからこの宇宙産業に関して取組を進めておりますし、これは国全体としても進んできていると思っています。物づくりのサプライチェーンを有しておりますし、日本は南北に長い国で、広い海に面している地形でありますから、これは本当に我が国の強みだと思います。

 昨年JAXAに創設された宇宙戦略基金、これは宇宙分野で世界に勝っていくために設立されたものでありますけれども、現在のところ、公募、採択の進捗、そして多くの企業、大学、人材がこの分野に入っていくことが大事でありますが、どの程度の応募があったか、教えてください。

風木政府参考人 お答えいたします。

 令和五年度補正予算による宇宙戦略基金事業については、昨年八月までにJAXA、宇宙航空研究開発機構より全二十二テーマの公募を開始し、公募、審査を経て、これまで二十一テーマについて計四十一件の採択結果を公表し、順次支援を開始しております。残る一テーマについても今年度中に採択、公表を行う予定です。

 これら二十二のテーマに対して、三十九の都道府県から合計百三十件、二百四十七機関の応募をいただくなど、全国の様々な民間企業、スタートアップ、大学等から、非宇宙分野の企業等も含めて御提案をいただいたものと承知しております。

栗原委員 我が国は、多くの企業、また大学が、これから宇宙分野に参入しようとしている、これは非常にいいことでありますし、ここはこの基金も活用していく中でどんどん進めていかなければならない。とりわけ、宇宙分野は国際的に競争が非常に今激しい分野、防衛もそうですけれども、いろいろなことに関わっていくということで、スピード感を持って取り組んでいかなければならないというふうに思っています。

 そこで、宇宙分野での、これは世界で勝っていく、世界の中で勝っていくというために、民間や大学等に対する支援、人材育成に対する支援、政府が引き続き積極的に後押しをしていく必要があると思います。

 城内大臣の宇宙分野、だんだん上の方に行きましたが、宇宙分野の取組に対する決意、意気込みを是非お示しをいただきたい。

城内国務大臣 近年、主要国が積極的に宇宙への投資を進めておりまして、また、宇宙開発利用の主体が官主導から官民連携の総力戦へ移行しているところであります。

 私自身、これまで地方を含めて宇宙分野の現場の方々と数回にわたり意見交換をさせていただいたんですが、スタートアップを含めた民間企業等による取組が大きく前進しているということを実感しました。

 今後、我が国として、これまで宇宙に関係してこなかった、非宇宙分野を含む様々な民間企業や研究機関、人材が宇宙分野へ参入することを促し、新たな宇宙ビジネスや市場を形成していくことが重要だと考えております。

 また、宇宙分野は、防災、減災等の国民生活の向上や地方創生に直接貢献する分野でありますので、そしてまた、自動車産業に次ぐ我が国の基幹産業に十分なり得る分野であります。

 今般、宇宙戦略基金事業に全国から、大変ありがたいことに様々な提案があったことも踏まえまして、引き続き、地方の取組も含めて、特に、御指摘のとおり、九州はこの宇宙分野に取り組むのが非常に積極的で、意欲的でありますので、こうした意欲ある企業、地域、大学等への支援を政府としてもしっかりと強力に後押ししていく考えであります。

栗原委員 ありがとうございました。

 経済安全保障に係る施策、そしてまた新たな技術、この宇宙分野もそうです、極めて、これから押し出していかなければなりませんし、しつこいようですけれども、地方の振興のためにも頑張っていただきますようにお願い申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

大岡委員長 次に、山崎正恭君。

山崎(正)委員 公明党の山崎正恭です。

 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。貴重なお時間ですので、早速質問に入らせていただきます。

 まず初めに、災害ボランティアの支援についてお伺いします。

 今国会で災害対策基本法が改正され、国による支援体制の強化や福祉的支援等の充実、ボランティア団体との連携などについての措置が講じられると承知しています。

 今までも、災害ボランティアに対しましては、過去の災害を教訓として、被災地に対して迅速に適切な支援ができるよう改善が図られてきましたが、取組の一つに、NPO、ボランティア等の活動支援や活動調整を行う災害中間支援組織を設置するモデル事業が令和五年から行われていますが、その現状についてまず確認したいと思います。

 現在活動中の災害中間支援組織は幾つあるのか、お伺いします。併せて、全国に設置するための課題などを、このモデル事業を通してどのように認識しているのか、お伺いします。

河合政府参考人 委員の御質問にお答えいたします。

 災害時にNPOや専門ボランティア等の活動が効果的に被災者に行き渡るためには、都道府県域でNPOや専門ボランティア団体等の活動支援や活動調整を行う災害中間支援組織の役割が重要です。

 現在、全国を対象に活動されておる全国災害ボランティア支援団体ネットワーク、JVOADという団体のほか、二十三の都道府県では、それぞれの都道府県域の中で活動されておる災害中間支援組織が確認されております。

 こうした都道府県域の災害中間支援組織が存在しない県の担当者に対して設置が進まない理由を伺ったところ、組織の中核を担う団体や人材がいないとか、関係機関との合意形成や幅広い団体とのネットワーク形成が難しいなどの課題が挙げられております。

 このため、内閣府では、今委員から御指摘のありましたモデル事業を令和五年度から実施いたしておりまして、この中で、関係者による訓練、研修、あるいは官民連絡会の立ち上げ、こういったことなどを通じまして、各都道府県域における災害中間支援組織の設置、機能強化のための取組を支援しております。

 引き続き、災害中間支援組織の設置、機能強化に努め、被災者支援に当たる様々な主体間の連携の促進に努めてまいります。

 答弁は以上です。

山崎(正)委員 ありがとうございます。

 この中間支援組織が重要だというのは皆さん一致したところだと思いますので、今、全国で二十三都道府県ということなので、是非、先ほど言った課題をクリアしながら、せっかくモデル事業をやっていますので、しっかり協議体なんかをつくりながら、全国で早く推進できるような形を取っていただきたいというふうに思います。よろしくお願いします。

 次に、災害ボランティアというと、避難所における被災者支援や被災家屋の片づけなどの活動を行う団体を皆さん想起されると思います。もちろん重要であり、ニーズの最も高い活動だと考えていますが、この点について、今日は少し視点を変えて質問をさせていただきたいと思います。

 実は、私の地元である高知県の県庁所在地である高知市の中心市街地に、障害があっても高齢になっても誰もが出かけたいと思う場所に出かけられる権利を保障するタウンモビリティ事業という活動をされている、「ふくねこ」さんというNPO法人の皆さんがいらっしゃいます。

 どういった活動かといいますと、福岡県久留米市の先進事例を参考にされまして、障害者の方がずっと家にいるのではなく、どんどん町の方に出ていっていただいて、買物や観光を自分らしく楽しんでもらいたい、それが生きる意欲につながっていくとの考えの下、具体的には、車椅子やシルバーカー、ベビーカー、楽々カートを無料で貸し出し、買物の付添いボランティアやバリアフリー情報の提供を行っています。

 作成されているバリアフリーマップ、これを見せていただいたんですけれども、中心市街地のどこに障害者の方が利用できるトイレがあるのかが写真つきで載っています。また、各店舗ごとに情報があるんですけれども、例えば、その店舗に障害者用のトイレがあるのか、入口の段差はどうなっているのか、エレベーターはあるのか、そして、ヘルプという欄がありまして、助けてほしいときの対応はどうなのか、具体的には、筆談対応可能ですとか車椅子介助可能などと書かれていて、障害者の方が少しでも安心して中心市街地に出られるようなマップになっています。

 このような取組を二〇一一年から始めまして、二〇一三年からは当NPO法人さんが中心となって、行政、専門職、商店街組合、障害当事者など、様々な立場の委員から構成されるタウンモビリティ運営委員会が発足され、先ほど言ったようなことが継続的に行われるようになりました。

 さらに、二〇一五年四月からは、高知県、高知市の助成を受け、商店街の空き店舗を活用してタウンモビリティステーションを開設して、週四日運営が可能になったんです。

 これはちょうど、高知県で進めたのが、今日も参加されています尾崎正直委員が県知事時代で、わざわざ尾崎さんが現場を見に来てくださって、いい取組をされているねということで、当事者の皆さん方、非常に背中を押していただいたということであります。

 高知市中心市街地の活性化基本計画の中にもこのタウンモビリティ事業の視点を入れていこうということがしっかり盛り込まれました。このことによりまして、行政や商店街の皆さんと一緒に障害者の皆さんの視点に立っての町づくりが、少しずつではありますが、中心街のバリアフリー化が着実に進んでいきました。ここはこのようにした方がいいのではないかということを、多くの方がそういった視点で見るようになりました。途中コロナもありましたが、中心市街地に出てこられる障害者の方が確実に今増加しています。

 私自身も、この取組をお聞きして真っ先に思ったのは、私自身がそういう目線、視点で今までずっと住んできた地元高知の中心商店街を見てきたかなということを反省しました。委員の皆さん方はふだんからそういった意識をされている方がおられるかもしれないんですけれども、そういう視点で改めて見てみると、トイレが少ないなと思ったり、歩道の小さな陥没が気になったり、車椅子の方の目線では、高校生なんかが自転車ですごいスピードで曲がってきて進入してくる危険な曲がり方があったりなということが気になるようになりました。

 私は実は議員になる前は中学校の教員を二十四年間やっていたのですが、この中心市街地の商店街のすぐ近くに小学校があるんですけれども、やはり、さっき言ったような視点を小さいときから常に持って自分の住む町を見ていく、生活していくというふうな観点を持って子供たちが生活していくのは、子供たちの人格形成をしていく上でもすごくプラスになるのではと考えましたので、今後はその近隣の小学校との交流も是非お願いしたいとNPO法人の代表の方とも話したことでした。

 済みません、話を戻しますが、このような活動をされているNPO法人の方が心配されているのが、今、出てくる人が増えてきたんですけれども、そうやって障害者の方が中心市街地に出てきているときにもし南海トラフ巨大地震が発生したときの避難誘導について、非常に心配をされています。

 実は、このことは障害のある皆さんだけの問題ではなく観光客の皆さんも同じで、観光地や人が多く集まる繁華街などは、万一災害が起こったときには、その場所にいる方々は、ふだんそこに住んでいるわけではないので、避難所がどこにあるのか、どの道を通って避難するのかが分かりません。そこに住んでいる方に関しては市町村が作成している避難行動支援者名簿にも載っていますが、この方々はそこには載っていないので配慮がなされない可能性があります。

 そこで、こういったときに大きな力を発揮するのが、日頃から障害のある方の目線で町じゅうを歩いて、先ほど紹介しましたバリアフリー化やバリアフリーマップの作成に取り組んでいるNPO法人や商店街の方々であり、その方々は、どこに段差があって、車椅子や視覚障害者など障害をお持ちの方がどこをどのように通ればいいかというのを一番よく分かっておられます。また、このNPO法人さんは、障害者とともに外国人の方の観光支援も同時に行われています。

 そういった意味で、こういった方々は災害ボランティアに特化はしていませんが、ふだんから障害のある方や外国人の方に対して観光支援等を行っているような団体や障害者の方々というのは、いざというときに、日頃の知見を最大限に生かして、障害をお持ちの方や外国人など、いわゆる災害弱者の避難誘導に協力していただく、これは非常に大きな武器になるのではないかなというふうに考えております。

 そこで、災害ボランティアに特化はしていませんが、災害弱者の避難誘導等に強みや高い専門性を持つ団体との連携についても地区防災計画に入れ込むなど、各現場が意識できるよう、政府としてもこういった取組を後押ししていくことが必要であると考えますが、見解をお願いします。

今井大臣政務官 山崎委員から御紹介ありました団体の皆さんが様々な知見をお持ちということで、地域の防災活動にも取り組んでいただくということは大変重要なことで、ありがたいことだと思います。

 災害時は、NPOやボランティア団体を始めとする多様な主体との連携が不可欠です。このような方々が発災直後から被災者支援の担い手となり、その能力を発揮できるよう、平時から顔の見える関係づくりを促進することが重要だと感じています。各自治体の地域防災計画や地区防災計画などに地域で活動するNPOやボランティア団体等の連携が盛り込まれることが望ましいと考えております。内閣府としては、地区防災計画の作成支援のため、モデル事業などを通して優良事例を把握して、その横展開に努めてまいりたいと思います。

 また、NPOやボランティア団体などの登録制度の創設に向けた検討を進めており、災害対策基本法等の改正法案について本日閣議決定をしたところです。本制度により登録される団体の情報を広く全国の自治体に共有することで平時からの連携体制の構築に向けた後押しを進めてまいります。

山崎(正)委員 今井政務官、ありがとうございました。是非、そういった取組を行っていただきたいと思います。

 先ほど政務官からも御紹介がありましたけれども、今回の災害対策基本法の改正の中では、平時からの備えとして、避難所の運営や炊き出し、片づけ等の被災者支援に協力するNPOやボランティアの方々を国で登録する制度を創設されるとしております。これは本当に重要な取組なんです。また、福祉的支援等の充実も図られるというふうに聞いております。

 こういった事前の連携が、そういった発災後のボランティアの方もそうなんですけれども、先ほど言ったような視点で、発災直後に協力していただけるようなボランティアの登録等もまた視野に入れながら、是非、この登録制度の強化といいますか、幅を持たせて更に強化をしていただけたらなというふうに思います。ありがとうございました。よろしくお願いいたします。

 次に、不登校支援について、こども家庭庁にお伺いします。

 御承知のとおり、不登校の小中高校生は令和五年度で約四十一万五千人となり、十一年連続で増加、この十年間で約三倍近くとなっています。社会的にも大きな問題となっております。

 私は実は、先ほど言ったように中学校の教員をやっておりまして、議員になってからもこの不登校の問題を政治活動の結構ど真ん中に置いて取り組んできたんですけれども、実は今回、この不登校についてこども家庭庁さんが取り組んでいくということを、恥ずかしながら知りませんでした。

 そういった中で、今回こども家庭庁さんが新たに、地域における不登校のこどもへの切れ目ない支援事業を新しく創設しまして、不登校支援の施策を進めていくと聞きました。

 この事業についてはこども家庭庁が行うわけですので、県や区市町村といったその事業の受け手側の自治体の部局等が、これまでは文科省なので教育委員会だったと思うんですけれども、受け手側が違ってくると思うんです。具体的に、今回のこども家庭庁さんの不登校支援事業においては、自治体のどの部局がこれを受けて進めていくのか、また、その場合、今までの教育委員会とその部局との役割分担、連携はどのようにイメージしているのか、お伺いします。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 不登校対策につきましては、これまで学校、教育委員会が中心となって精力的に取り組んでいただいているというふうに承知しておりますけれども、先生御案内のとおり、不登校の背景はいろいろございまして、当然、学校に起因するもの以外に、家庭の事情であったり、そうしたものがいろいろ複雑に絡み合っているということが往々にしてございます。

 このため、不登校の子供を守っていくためには、学校や教育委員会だけで抱え込むのではなくて、医療やあるいは福祉などの首長部局の力も結集して、地域全体で子供への支援を進めることが重要と考えたところでございます。

 そういうこともあって、先ほど先生から御紹介いただきました、地域における不登校のこどもへの切れ目ない支援事業、これをこども家庭庁の方で実施することにしたというところでございます。もちろん、この事業の実施に当たっては、文科省とも連携協力しながらやっていくということにしてございますけれども、そうした教育サイドの取組を踏まえた上で、首長部局を中心に、医療、福祉等の専門家を活用して、例えば、家庭環境や本人の発達特性などに応じた支援を実施するなど、教育関係者とは異なる視点から不登校の子供あるいは保護者の悩みなどにきめ細かく対応していくこととしております。

 こうした取組を通じまして、首長部局と教育委員会が一体となって支援を行うことにより、小学校、中学校、高校の段階を通じて、切れ目なく子供を支えていきたいというふうに考えておるところでございます。

山崎(正)委員 ありがとうございます。

 福祉関係とか首長部局で、それぞれ多分自治体によって違うと思うんですけれども、私、実はこの事業内容をお聞きして、今までの文科省の取組には見られなかったような内容が新しく盛り込まれた、非常にすばらしい内容になっていると感じています。

 その中でも、具体的に、不登校を三段階、休み始める時期と、家で過ごして休養する時期と、回復傾向に向かって他者との関わりが増える時期に分けて、それぞれの時期に応じた支援の開発、実証に取り組もうとしているところが、多分今までの文科省の事業の中にはなかったのではないかなというふうに思います。

 そこで、この時期に応じた支援のうちの最初の段階、休み始める時期の支援として、資料の中にこうありました。今後の見通しを持たせる支援と示されていましたけれども、これは実際にはどのように行っていくイメージなのか、お伺いします。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 子供が学校を休みがちになりますと、保護者の方々は、子供は今後どうなっていくんだろうか、あるいは自分の子育てがちょっと間違っていたんじゃないかとか、あるいは勉強は大丈夫だろうか、学校に行けない、学校以外にもほかに居場所はあるか、様々な悩みがあろうかと思っておりまして、そうした先々を見通せないことによる不安というものが非常に多いやに伺ってございます。

 このため、先ほど申し上げた、私どもがこの度実施する事業におきましては、不登校になり始めた初期段階、学校を休みがちになり始めた初期段階から、例えば相談窓口であったり、あるいはNPOなどの各種の支援団体であったり、あるいはフリースクールといった学校以外の居場所などにつきまして、不登校の子供や保護者のニーズに応じて必要な情報提供を行っていくということを行ったり、福祉や医療などの専門機関と連携して直接支援を行ったりするなどを想定してございまして、そうした取組を通じまして、保護者の方々の先々に対する不安の解消につなげてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

山崎(正)委員 ありがとうございます。非常に有効な取組であるというふうに思います。

 実は、この間、この件についてレクを受けたときに、先ほどちょっと答弁に出てこなかったので、あえて僕が紹介しますけれども。

 例えば、想定している中には、今、医療機関のクリニック、いわゆる発達障害とかを診てくれるクリニックの中に、元校長先生を雇用して、僕も現場にいたときにあったんですけれども、ドクターはそういった意味じゃなくて言ったんですけれども、学校側にうまく伝わっていなくて、本来意図することと違って、支援がちぐはぐになるというふうなことがあったんです。元校長先生を病院側が雇って、その間に仲介させることで、的確にドクターのいわゆる言いたいことが学校につながっていく。そういった取組なんかもここの中で、親に見通しを持たせる中で想定していますというふうなお話があって、これなんかは非常に有効ではないかなというふうに思います。

 やはり、もう一つの問題として、皆さん、多分、御相談で聞かれた方は多いと思うんですけれども、不登校とか発達障害の問題のときに、ちょっと、ひょっとしたら発達に課題があると思って親が早く病院を受けさせたくても、今、何か月も待たなければならないということがもうここずっと続いておるんですけれども、そういったときなんかも、クリニックで、先生の、ドクターの診断はいっぱいでも、そういった方が、元校長先生が間で受けて、見通しをしっかりと示してあげることで親御さんは非常に安心されます。

 僕なんかも前職がそういった関係で、今、不登校の子供の保護者の皆さん方から相談を受けることが多いんですけれども、一番心がけていることは、しっかりと見通しを示してあげることで随分と落ち着いて、安心されますので、そういったところにおいて、この初期の段階で保護者の方にしっかりと心の安定を持ってもらえるような、見通しをつけさせるような取組が今回の事業の中からモデルケースとして上がってくることなんかを非常に期待をしておるところでございます。

 特に、例えば、公明党は今までも不登校支援に取り組んできました。その中で、やはり、子供への支援も大事なんですけれども、子供の一番の居場所である家で、保護者の方も同じように不安になったり傷ついたりしますので、保護者の方、親への支援が大事だということをずっと我々は強調してきたところなんです。

 今回、こども家庭庁さんが取り組んでくださるということで、今、生まれたときから切れ目ない支援ということで、特に、こども家庭庁さんが伴走型で妊娠期から寄り添ってくれています。そういった保護者へのつながりという部分では、文科省にはない強みを持ったこども家庭庁さんが、特に親への支援ということについて、私は非常に期待をしておるところでございます。

 そこで、今回のこども家庭庁の、地域における不登校のこどもへの切れ目ない支援事業において、不登校の子供の保護者支援についてはどのように考えているのか、お伺いします。

友納大臣政務官 御質問にお答えいたします。

 まず、御党での不登校支援プロジェクトチームを始めとします不登校支援に対する熱心な御議論に、感謝と敬意を申し上げたいと思います。

 議員御指摘のとおり、こども家庭庁としましても、不登校の子供の保護者に対する支援は極めて重要なものであると考えています。不登校の子供を持つ保護者は様々な不安や悩みを抱えていらっしゃると思いますし、場合によっては、御家庭に対する福祉的な支援が必要となることもあると考えております。こども家庭庁としましては、保護者の様々な悩みを学校だけでなく地域社会で受け止め、支援することができるよう、取組を進めてまいりたいと考えております。

山崎(正)委員 ありがとうございました。

 保護者支援に当たっては、相談窓口を設置するとか、あと、保護者の会、親の会というのが今全国各地で行われているところです。保護者同士で悩みや解決策を共有したり、先輩保護者からのアドバイスによって、先ほども言いましたように、見通しを持って子供に接することが可能になります。

 そこで、保護者の会や親の会については、まず、今回の事業の中で本当に力を入れてやってもらいたいんですけれども、実態把握が非常に必要だと思うんです。保護者の会は任意の集まりである場合もありまして、従来型の調査ではこれを把握することがなかなか難しいところがあるんですけれども、是非、この事業を通してしっかり親の会を把握して、それを知らせていっていただきたいというふうに思うんですけれども、その辺についての見解をお伺いいたします。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 その前に、先ほど先生から御紹介のあった取組、東京近郊の市で検討されているというような取組でございまして、是非その市からも今回の事業に手を挙げていただいて、中身がいいものであれば私どもとして当然採択させていただきますので、また、その成果を全国にそこは展開させていただこうというふうに思っております。

 その上で、ただいまの御質問についてでございますけれども、保護者の会の実情把握、これは大変難しいところではございますけれども、今般の事業を通じまして、私ども、この事業の中でコーディネーターを首長部局に配置することとしておるんですが、このコーディネーターというのは関係機関との連携、調整を行うことを専らやっていただくわけですが、このコーディネーターを中心に保護者の会との橋渡しを行っていただくというようなことでありますとか、あるいは、事業の実施、これは実施主体は自治体になるわけですが、自治体が、実際の事業の実施をどこかの、例えば保護者の会に委託をしたり、あるいはほかのNPOとかに委託をして、その中で、地域内の保護者の会の情報収集とか、あるいは保護者の会に情報提供を行ったりというようなことも可能になっておるスキームでございます。

 そうしたことを通じて、保護者の支援というものもこの取組の中で行っていきたいというふうに考えているところでございます。

山崎(正)委員 ありがとうございました。

 今日皆さん方のお手元に配らせていただいている資料は、実は大分県の教育委員会が出されている不登校児童生徒支援ガイドですけれども、ここには、すばらしいことに、教育支援センターとか教育・関係機関とかフリースクールがどこにあるのかということと、これも極めて珍しいと思うんですけれども、不登校を考える親の会もこうやってしっかりと大分県さんは載せてくださっています。このことによって、この情報に触れることによって、保護者の方が行ってみようかなという、支援のきっかけとなります。

 是非、こういった先進的な取組が更に進んでいけるような、なかなかこちらから指定する事業ではないので、ボトムアップで出てくる事業だと思うので難しいとは思うんですけれども、是非そういったところの事業になっていくことを非常に期待をしておるところでございます。

 最後になります。

 先ほどありました、コーディネーターを誰がやるのかというのが非常に重要で、公明党としても、今まで、親の会を、例えば学校に配置されているスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーに行ってもらおうと思ったんですけれども、実は、親の会の運営は誰がやるかが非常に重要で、本当に、うまくいく場合とうまくいかない場合があります。

 そういったときに、例えばの案なんですけれども、その運営を、先ほど言いました、再委託しても構わぬということなので、例えば障害児支援施設、放課後デイサービスなんかをやっているところに委託すると、そういったところの高い専門性を持っていたりします。

 実際には、現在、学校とうまくいっている人は必要ないんですけれども、そうじゃない方なんかは放課後デイサービスの方に聞いてもらってというふうなこともありますので、実際、そういった障害児支援施設なんかに再委託していくこともどうかなというふうに思うんですけれども、そこの点について認識をお伺いします。

高橋政府参考人 先生から、非常に有益な御提案をいただきました。

 実際、この事業の中でそうした取組が自治体から上がってくるかどうかは現時点ではちょっと分からないんですが、もしそのような取組が上がってきたら、私ども、十分そこは留意させていただきたいというふうに思ってございます。

 いずれにいたしましても、保護者への支援が充実するよう取組を進めてまいりたいというふうに考えております。

山崎(正)委員 今日はありがとうございました。

 最後に、繰り返しになりますけれども、本当に期待しております。特に、保護者支援というところでこども家庭庁さんに力をいただけますと、なかなかCOCOLOプランの中でも親の会とか親への支援が進んでおりませんので、是非是非期待をしております。どうかよろしくお願いします。

 今日はありがとうございました。以上で質問を終わります。

大岡委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時三十六分散会


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