第5号 令和7年3月7日(金曜日)
令和七年三月七日(金曜日)午前八時五十分開議
出席委員
委員長 大岡 敏孝君
理事 黄川田仁志君 理事 國場幸之助君
理事 西銘恒三郎君 理事 今井 雅人君
理事 本庄 知史君 理事 山岸 一生君
理事 市村浩一郎君 理事 田中 健君
石原 宏高君 井野 俊郎君
江渡 聡徳君 尾崎 正直君
川崎ひでと君 岸 信千世君
栗原 渉君 塩崎 彰久君
田中 良生君 西野 太亮君
平井 卓也君 平沼正二郎君
松本 尚君 宮下 一郎君
山際大志郎君 山口 壯君
市來 伴子君 梅谷 守君
おおたけりえ君 下野 幸助君
橋本 慧悟君 藤岡たかお君
馬淵 澄夫君 水沼 秀幸君
山 登志浩君 伊東 信久君
三木 圭恵君 石井 智恵君
菊池大二郎君 河西 宏一君
山崎 正恭君 上村 英明君
塩川 鉄也君 吉良 州司君
…………………………………
国務大臣
(消費者及び食品安全担当)
(国際博覧会担当) 伊東 良孝君
内閣府副大臣 鳩山 二郎君
内閣府大臣政務官 西野 太亮君
内閣府大臣政務官 岸 信千世君
政府参考人
(内閣官房国際博覧会推進本部事務局長代理) 茂木 正君
政府参考人
(内閣官房国際博覧会推進本部事務局次長) 井上 学君
政府参考人
(内閣官房新しい地方経済・生活環境創生本部事務局審議官) 北尾 昌也君
政府参考人
(内閣府民間資金等活用事業推進室長) 笠尾 卓朗君
政府参考人
(内閣府食品安全委員会事務局長) 中 裕伸君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 松原 英憲君
政府参考人
(環境省大臣官房審議官) 伯野 春彦君
内閣委員会専門員 田中 仁君
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委員の異動
三月七日
辞任 補欠選任
尾崎 正直君 松本 尚君
岸 信千世君 塩崎 彰久君
西野 太亮君 川崎ひでと君
緒方林太郎君 吉良 州司君
同日
辞任 補欠選任
川崎ひでと君 西野 太亮君
塩崎 彰久君 岸 信千世君
松本 尚君 尾崎 正直君
吉良 州司君 緒方林太郎君
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二月十七日
日本銀行が既発行の国債を買っていることを中止し、月額五万円の基礎給付を国民全員に平等に与えることに関する請願(野間健君紹介)(第二四号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
内閣の重要政策に関する件(食品安全、アイヌ施策、国際博覧会等)
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○大岡委員長 これより会議を開きます。
内閣の重要政策に関する件、特に食品安全、アイヌ施策、国際博覧会等について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房国際博覧会推進本部事務局長代理茂木正君外六名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○大岡委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。菊池大二郎君。
○菊池委員 おはようございます。国民民主党・無所属クラブの菊池大二郎でございます。
国会の方に通わせていただくようになりまして、ひどい花粉症に悩まされるようなことになりまして、ちょっとお聞き苦しいところもあろうかと思いますけれども、お許しをいただきたいというふうに思います。
まず冒頭、伊東大臣におかれましては、現場に復帰されたということをうれしく思います。激務でありますので、是非、御健康に留意されながら職務を遂行されるようにお祈りを申し上げたいというふうに思います。
そしてまた、私は東北、山形になりますけれども、今、岩手県の方で、大船渡、大変大規模な山林火災が発生をしております。いろいろと現場の皆さんからもお話をお伺いしておりますと、報道に上がっております火災以前に複数回、実は大船渡そしてまた近隣の山林の方で山林火災が発生しておったということであります。雨が非常に降らなかったということもある一方で、沿岸部であります風の方向も、様々に向きを変えて火災規模を広げたと。一方で、昨年から能登半島の地震に関していろいろと対応に皆さん当たられているわけでありますけれども、リアス式海岸、この地形的な理由もあって、消火、消防の活動も様々難儀をされているというようなこともお伺いをしております。
私の地元山形の方からも、消防そしてまた炊き出しといった支援もさせていただいているというような話も伺っておりますけれども、まずは一刻も早い復旧そしてまた復興に向かって、内閣総動員で当たっていただきますよう、冒頭、心からお祈りを申し上げたいというふうに思います。
それでは質問に入らせていただきますが、前回質問をさせていただいた、PPP等を始めとする官民連携の推進について、少し深掘りをしたいというふうに思います。
前回は、埼玉県の八潮市での道路陥没事例も取り上げながらいろいろとお話をお伺いしましたけれども、地方においては、急速な人口減少に伴って、学校や病院等の統廃合、各種施設の老朽化や維持管理への対応が極めて重要な政策、財政における課題であります。数値目標、アクションプランを掲げているわけでありますけれども、数値目標以外の部分、いわゆる一カウントにならない部分、そういった部分に対する手当ても必要であろうと思います。官民連携という潮流に乗れない、いわばポケットに入ってしまうような自治体の実態や課題についてもしっかり目を向けながら進めていくことが重要であります。
先日の内閣委員会におきまして、鳩山副大臣から御答弁いただきましたけれども、人口規模が小さい地方公共団体ほどPPP、PFI事業を実施したことのない団体の割合が高いというのが課題だというような御指摘がありました。専門家の派遣、PFI推進機構を活用した伴走支援を実施するというようなことも御答弁で触れられておりましたけれども、これまでの実績や、伴走支援としての専門家派遣等の実例も含めて、エリアや市町村規模等においてどのような傾向にあるのかも含めて御指導いただきたいと思います。
これまでの実績等の裏側にある地方の本当の実態に目を配りながら柔軟に対応するとともに、官民連携の手法を知る、目指すきっかけづくりという意味でも、人口規模に偏らない支援が必要であると思います。また、公共施設の属性によっては、住民生活の影響が大きいものも想定されます。運営主体等について、外国資本等との関係をどう位置づけるかが私からはちょっと読み取れないのでありますけれども、特段の配慮、ガイドラインを事前に示していく必要はないのか、その辺も含め御答弁いただきたいと思います。
○伊東国務大臣 おはようございます。
先日は、体調不良により本当に御迷惑をおかけいたしまして、申し訳ありませんでした。また、鳩山副大臣には、私に代わってまた答弁をしていただきまして、感謝を申し上げる次第であります。
私も鳩山副大臣も市長経験者でありまして、もちろんこのPFI、PPP等々、民間の力をかりて整備をしていくということについては経験しているものでありますから、そんな観点でまたお話もさせていただきたいと思う次第であります。
今お尋ねのありました件でありますけれども、事業件数の十年ターゲット五百七十五件につきましては、令和四年度から二年間で百四十三件と着実に進捗しているところであります。また、内閣府が行う専門家派遣につきましては、相談件数が増加傾向にあり、今年度は、二月末時点で百九件実施したところであります。
市町村の規模による件数の傾向につきましては、人口十万人未満の地方公共団体の事業件数十年ターゲットにおける事業件数でございますけれども、これは令和四年度からの二年間で二十五件、専門家の派遣件数は、今年度は二月末時点で四十九件となっているところでありますが、人口十万人未満の地方公共団体の数が千四百六十一であることを踏まえると、今後、小規模な地方自治体において更なる活用が必要である、このように思っております。
内閣府といたしましては、今後とも、専門家派遣やPFI推進機構を活用した伴走支援等を行うとともに、PPP、PFIが小規模な地方自治体においても積極的に取り組まれるよう、情報提供にも引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
また、最後に、外国資本系の企業の参入についてお尋ねがありましたが、外資系企業であるか国内企業であるかを問わず、関係者がリスク管理に関する事前の検討を十分に行った上で契約を締結し、その上で行政によるモニタリングを徹底することが必要である、このように考えているところであります。
私からは以上でございます。
○菊池委員 もう一点だけ、地方創生という観点から質問をさせていただきたいと思います。
これまでの地方創生において、首都圏、とりわけ東京一極集中は加速したと言えます。都道府県別の大学進学率の変化によれば、全体的に上昇しておりますけれども、地域によって差がありまして、二〇四〇年の各都道府県進学者等推計を見るに、例えば私の地元山形県の大学進学率、二〇二一年においては三九・九%。同様に四〇%を切っているのは、山口県、大分県、宮崎県、鹿児島県であります。一方で、東京都は七五・一%で、二〇四〇年においては八〇・五%。山形県を始め上記の自治体、二〇四〇年の推計上はほぼ数値上変わらないというデータが出ております。まずは大学進学率を高めていくという視点で、この推計をいい意味で裏切っていく施策の展開が必要であります。
一方で、大学進学後にいかに地元に定着してもらうかという視点も極めて重要であります。地域連携プラットフォームによりまして産官学の基盤が備わっている地域もありますけれども、そうした枠組みを生かしながら、まず、自治体と大学の接点を増やして、共同で人材の育成、確保に取り組んでいけるような環境づくり、都道府県と市町村と大学の連動を積極的に促していくべきと考えますが、いかがでしょうか。
○大岡委員長 鳩山内閣府副大臣、手短に答弁をお願いします。
○鳩山副大臣 御質問にお答えをさせていただきます。
新しい地方経済・生活環境創生交付金は、これまでも、地方大学と自治体が連携した取組について支援を行ってきたところでありまして、例えば、国立大学のキャンパス内に、県、企業、大学が連携して地域の産業振興に取り組む共同研究センターを設置し、県内企業と大学とのマッチングや人材育成等の事業を展開する取組でありますとか、あるいは、県立大学に情報セキュリティ学科の学生とIT企業による共同研究の拠点を開設し、技術系人材の流出を防ぐとともに、県内IT産業の集積による産業活性化等を推進する取組などの事例が出ております。
引き続き、こうした地域独自の取組を一層強力に後押ししていくため、交付金を活用しながら地方の現場のニーズにしっかりと応えていきたいと思っております。
○菊池委員 以上で質問を終わります。
ありがとうございました。
○大岡委員長 次に、橋本慧悟君。
○橋本(慧)委員 立憲民主党・無所属の橋本慧悟と申します。
伊東大臣、本日はよろしくお願いします。
早速質問に入らせていただきます。
大阪・関西万博の開幕まで、あと約一か月強となりました。私の地元明石市及び淡路島、また兵庫県でも予算の編成が始まっておりまして、この関連予算も計上されているところです。
この資料は、内閣官房国際博覧会推進本部事務局が二月四日に公表した大阪・関西万博に関連する国の費用についてバージョン3から抜粋、添付をしております。
振り返りたいんですけれども、会場建設費は、度重なる費用の増額が行われ、二〇一八年は千二百五十億円だった費用が、二〇二三年には最大二千三百五十億円かかると公表され、国負担はこのうち約三分の一ですから、約七百八十三億円に上ります。運営費も八百九十億円から千百六十億円に増額され、そのほかにも国が負担する費用が次々と出てまいりまして、日本政府館の出展費用、発展途上国の途上国支援の費用、会場内の安全確保費用、機運醸成費も国が出すと、あれよあれよと国の追加負担が決まり、その追加額は約九百六十億円ということです。
そして、さらには、先月五日の衆議院予算委員会でも、我が党の岡本あき子議員の質疑等で明らかになりましたが、万博予算について、前回の公表から、今年度補正予算そして新年度予算で百十八億円が追加になっているわけです。これは資料一の、プラス五十五億円、プラス六十二億円の具体化という、一番上の項目にあります。
しかしながら、前売りチケットの売行きが想定の約半分ということで、スタート時の千四百万枚に対して七百九十六万枚、これが二月末時点ですが、赤字の懸念がございます。
二月十八日の予算委員会では、我が党の今井委員の質問に対して、そのときは武藤大臣から、会場運営費に関して、国費による負担や助成は行わないという答弁が出るまでに何往復もかかってしまっていましたが、伊東大臣が御復帰をされた今、改めて、万博の会場運営費に関する国からの追加の費用負担はないか、赤字の場合も国の負担はないのかということを確認をさせてください。
○伊東国務大臣 いよいよあと一月と一週間で開幕するわけでありまして、大分盛り上がってはきているところでありますし、券の売行きも、今までよりは、一日当たりの枚数も少しずつ増えてきていると聞いているところであります。
今お話がありましたが、運営費につきましては、これは閣議了解におきまして、「会場運営費は適正な入場料の設定等により賄うものとし、国庫による負担や助成は行わない」とされているところであります。万が一にも赤字が見込まれるような事態が生じた場合には、博覧会協会も交えた関係者間でよく相談する必要がある、こう認識をしております。
しかし、開幕を間近にした現時点では、成功に向けて一丸となってチケットの販売促進等に全力で取り組むことで大阪市も含めた関係者間で一致しておりまして、まずは赤字にならないよう取り組むものとしているところであります。
最大限の努力をしながら進んでまいりたいと思います。
○橋本(慧)委員 以前経産大臣から御答弁いただいた内容と少し違うのかなと。簡潔に、運営費に関して、これから追加費用を国が負担するかしないのか、赤字負担を、補填をしないのかという点に限って御答弁をお願いします。
○伊東国務大臣 これは当初からの取決めで、三分の一ずつ、国、経済界、そしてまた大阪府市、負担するということに基本的なところでは決まっているところであります。それが、開幕、まだ一月と一週間前でありますので、最大限、そうならないように全力を挙げて頑張ってまいりたいと思う次第であります。
国庫による負担や助成は行わないという基本でありますので、それを踏襲していきたいと思っております。
○橋本(慧)委員 ちょっと運営費と建設費がごっちゃになってしまっているかもしれないんですけれども、改めて、今答弁もありましたように、平成二十九年の閣議決定もございますし、先日の武藤大臣からの答弁もあったように、今後、赤字補填に関する国の追加負担、国民負担は発生しないという理解でよろしいですよね。うなずいていただいたら結構です。はい、うなずいていただいていますので、ここでそんなに時間をかけるつもりはございませんでしたので、次に移らせていただきます。
また、本来は運営費として計上されるべき支出がほかの項目に紛れ込んで費用計上されているのではないかという疑念もございます。実は、警備費の増額でありますとか、要人接待、接遇費等は、これは本来運営費に計上されるべき性質なのではないでしょうか。簡潔に御答弁をお願いします。
○伊東国務大臣 会場内の安全確保につきましては、万全を期すため必要な費用につきまして、近年の警備事案、事故などを踏まえて、万博誘致当初よりも高い水準が求められてきている中であります。万全を期す必要があるため、会場の建設費や運営費とは別に、国が前面に立って確保することとし、令和五年度補正予算より国会で御審議いただき、措置されたものであります。
安全確保費用の増額につきましては、引き続き高い水準でこの確保が求められている中でありますので、海外パビリオンの出展内容やあるいは会場内のイベント等の具体化を図る中で、要人の円滑な会場入構を担保するための車両入構ゲートの増設、あるいはゲート警備員の増員等が必要になるなど、追加的に発生した警備需要への対応として予算措置されることとなっております。
なお、要人接待や接遇に係る費用は、今申し上げた安全確保事業では措置していないところであります。
○橋本(慧)委員 御答弁いただきました。
資料をつけております。資料の二番「日本政府館の建設等のための費用」の下、三番目「途上国等の出展支援等のための費用」でありますとか「会場内の安全確保に万全を期するための費用」というところに、旅費、出展費用、アテンダントの費用、また要人警護の費用も入っているということは確認をさせていただいておりますので、やはりそれは、アッパーをかけているので会場運営費をこれ以上は増額ができないので、本来そちらで措置するべきものが、こういった補正予算でありますとか当初予算に紛れ込んでくるというような疑念も本当にあるわけですし、実際、そういった視点で我々もチェックしておりますので、厳しく執行についてはやっていただきたいと思います。
続きまして、少し時間をかけてしまいましたので、併せて行きたいと思います。
木造の大屋根リングの再利用についてです。今後どのように利用される予定かということをお聞きするとともに、このリングは、当初は閉幕後に全て撤去予定でありましたが、一時的な建物に三百四十四億円もの費用をかけることに国民からの批判が噴出しました。そして利活用の検討が始まったというのは、皆さん周知の事実です。
このリングの再利用の説明会が一月に開かれましたが、人件費の高騰や引取り側での解体費の費用負担というものも考慮をすると、新品よりも高くなると懸念する声が上がったといろいろ報道されております。博覧会協会の御担当者は、追加費用を事業者にお願いするとなると、リユース量、再利用の量ですね、ボリュームの確保は厳しくなると認識していて、何とかリユース量が一定程度確保できるようにやっていきたいとの報道もされています。
そうすると、例えば、国から買手に支払う差額補填の費用が発生をして、その増嵩分、増えた分が、つまり国民負担となって返ってきて、会場建設費、トータルのその金額というのが上振れすることにはならないでしょうか。国民負担が増えることにはならないでしょうか。お答えください。
○茂木政府参考人 大屋根リングの再利用についての御質問をいただきました。
大屋根リングの再利用につきましては、これまで博覧会協会で有効活用の提案募集というのを行っておりまして、公園の施設ですとか公共施設ですとか、こうしたリングの一部を活用する案が約二十者から提案をされているところであります。現在、博覧会協会で再利用先を決定するための公募の準備を行っているところであります。
その上で、大屋根リングを再利用いただくとなりますと、解体が必要になるということになります。こちらの解体の費用については会場建設費で負担することとしておりますが、解体方法によって費用は若干変化する可能性はございます。ただ、いずれにしても、これは予定されている会場建設費の範囲内で執行するということでございます。
実際のリユースに係る費用負担については、実際に今後行われる公募の中で明らかにしてまいります。
○橋本(慧)委員 上振れをするのかしないのかという問いを投げかけさせてもらったんですけれども、これについてはどうですか。
○茂木政府参考人 今申し上げましたとおり、これは当初の会場建設費の範囲内で行います。
○橋本(慧)委員 では、その会場建設費の範囲内で執行するということで、上振れはないというふうに読み取らせていただきました。
では、次に移らせていただきます。
万博を日本で開催するということの意義の大きなものに、国民、未来を担う子供たちが参加することというのが挙げられると思います。しかしながら、お膝元の大阪府や近隣自治体からは、来場を取りやめる学校や自治体が相次いでおります。大阪府では無料招待事業をしておりますが、来場希望者は、昨年七月の六十八万人から、今年一月では、十万人減って約五十八万人と報道もされております。希望者が半年で十万人減ったということです。
理由として多く挙げられているのが、近年の真夏の暑さにドライミストだけでは対応ができないといった熱中症等の安全面のリスク。また、会場までの交通費の保護者負担。そもそも人手不足でバスの予約が複数クラスの学年や学校では取れない。また、高過ぎる、そもそも高いという声も聞こえてまいります。大阪府内から会場に向かうバスであっても五千円ぐらいかかったりとか、校外学習の交通費ではやはり高いという声も実際に教員から聞こえています。
また、通常、前年度までに校外学習でありますとか修学旅行の計画を学校では立ててまいりますが、下見できるのが新年度に入って、しかも開幕直前にしかできないということで、また、見学希望を出そうとしても、パビリオンの詳細も分からない。安全な引率のために細かい動線や時間なども計画しないといけないのにもかかわらず、計画する時間も情報も少な過ぎると。
本当に、子供たちとか学校関係者に寄り添ったような進め方とは到底言えないんじゃないかなと危惧する状況であります。
せめて、私は提案もしたいのは、児童生徒が参加する際のけがなどに対応する保険でありますとか、交通費の補助、熱中症対策の強化等について、これは、地域や現場任せにするのではなくて、国や協会が、既存の予算、たくさんこれまで増額もしておりますし、優先的に実施すべきだと考えるんですが、いかがでしょうか。
○伊東国務大臣 未来を担う子供たちにとって、大阪・関西万博は非常に学びの多い場になる、このように期待をしているところであります。政府としては、一人でも多くの子供たちに万博の会場に来てもらいたい、このように願っているところであります。
このため、博覧会協会では、例えば、会場内の日陰の創出やあるいは給水設備の設置などを含む熱中症対策や、機械換気設備あるいはガス検知器の設置などを含むメタンガス対策など、安全性確保についてこれまでもしっかり取り組んでいると承知をしているところであります。
こうした会場内の安全確保に加え、万博の意義や魅力、パビリオンの予約等について、学校教職員等を対象とした説明会等を通じた情報提供を行うとともに、関係者の意見を幅広く聴取して対応してきたところであります。
先生たちに事前に見せたり説明したりというようなお話、それができればよりよかったと思うわけでありますけれども、現実に今オープンを直前にして、最後の追い込み工事あるいは内装をやっている最中でありまして、なかなか先生たちを事前に連れていって説明をするような場面がつくれない状況ではあるかと思いますけれども、パンフレットその他も含めて万博の設備のすばらしさやあるいはその内容を知らせていかなければ、こう思うところであります。
意義や魅力、あるいはパビリオン予約等につきまして、学校教職員等を対象にした説明会をちゃんと開き、情報提供を行う、また、関係者の意見を幅広く聴取して対応してきたところでもありますので、これを更に進めてまいりたいと思う次第であります。
○橋本(慧)委員 事前に通告もさせていただいておりますが、やはりお金の話ですよね。児童生徒が参加する際の、しっかりと、保険でありますとか交通費の補助とか、さらに、熱中症対策も、地元の自治体等から、これでは駄目だ、本当にこれでは死者が出てしまう、けが人が、救急搬送がたくさん出てしまうという声がたくさんありますので、それによって、本来であれば私も応援したいですよ、応援したい立場でありますので、しっかりと、そういったネガティブ情報も含めて、また、どういった支援を国としても協会としても子供たちに対してしていくんだということもやはり明言していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○伊東国務大臣 今から心配される向きも十二分に我々も理解して対策を練っておりますので、しっかりその辺進めてまいりたいと思います。
○橋本(慧)委員 しっかり進めていくという御答弁をいただきました。
私も、やはり開催されるのであれば、この万博で、そして日本のよさというのを世界にも発信していきたいと思いますし、やはり事故とかけがとかがないようにとか、安全確保についてはしっかりと予算、万博博覧会協会の中でもまだ流動性のある予算もあるというふうに伺っていますので、そういったところの工夫で、もっと安心できる取組に割いていただきたいと要望を残して、次に行かせていただきます。
済みません、時間が少なくなってまいりましたが、有機フッ素化合物、PFASについてお聞きしたいと思います。
これは日本でも全国各地で汚染が起きていることが明らかとなってまいりましたが、規制については世界に後れを取っているという状況です。
PFASの健康影響について、昨年六月に開催した食品安全委員会において評価書が取りまとめられたと承知をしておりますが、この安全委員会におけるPFASへの取組について、概要を国民に分かりやすく、端的にお願いできますか。
○伊東国務大臣 有機フッ素化合物、PFASにつきましては、内閣府食品安全委員会において、令和五年二月より、国内外の科学的知見に基づき食品健康影響評価を実施し、昨年六月にリスク評価報告書を取りまとめたところであります。
評価に当たりましては、耐容一日摂取量について、諸外国において数値が低いものから高いものまである中で、それらの国々が用いた科学的知見を含めて約三千報の文献を収集し、専門家が一つ一つ丁寧に精査をいたしました。その上で、それらの科学的根拠が何を意味するのか、どれだけの重みがあるのか等を総合的に判断し、耐容一日摂取量を設定したところであります。
報告書では、まず、この耐容一日摂取量を踏まえた対応を速やかに取るとともに、高い濃度が検出された媒体に対する対応を進めることの必要性についても強調されておりまして、現在リスク管理機関において検討中のリスク管理措置が速やかに講じられることが何よりも重要であると考えているところであります。
○橋本(慧)委員 まずは、人体への摂取、口から摂取する水道水について、国民がやはり不安や健康への影響を懸念しております。これは国が主導的に規制を強化すべきだと考えますが、水道水に含まれる有機フッ素化合物の濃度の水質基準への早期の格上げ等、今後の取組を伺いたいというものと、一つ、まとめて言わせていただきますが、私の地元明石市でも、明石市と神戸市をまたがる明石川というところでかなり数値が高い。そして市民からも不安の声が上がっております。血中濃度についても調査をしたんですけれども、半数以上が米国基準を超えていると。
こういった、かなり広がっている状況ですから、国としてもこの調査、PFAS血中濃度の調査、取組を進めるべきだと思うんですけれども、それについて簡潔に、済みません、御答弁だけいただけますか。
○大岡委員長 伯野環境省大臣官房審議官、手短な答弁をお願いします。
○伯野政府参考人 お答えいたします。
PFOS等によります健康リスクは、飲み水や食品などを経由した摂取が主な原因と考えられております。このため、環境省では、飲み水から健康リスクを減らすこと、摂取しないことを第一に、水道水のPFOS等について、食品安全委員会の評価結果等を踏まえて、水質検査、遵守義務のある水質基準への引上げ等を検討しております。
二月六日に開催しました審議会において、水質基準への引上げ等の方針案がおおむね了承されております。この方針案について、二月二十六日から三十日間のパブリックコメントの手続を開始したところでございます。この御意見も踏まえまして、今春をめどに方向性を取りまとめて、その後、水道法に基づく省令を改正する予定でございます。
また、調査研究でございますが、環境省としても、血中濃度と健康影響の関係性を明らかにすることは大変重要だというふうに考えておりまして、科学的に評価可能な疫学研究を実施しているところでございまして、こうした取組を更に進めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○橋本(慧)委員 国民は見ておりますので、是非よろしくお願いします。
ありがとうございました。
○大岡委員長 次に、伊東信久君。
○伊東(信)委員 日本維新の会の伊東信久でございます。
伊東大臣におかれましては、体調を崩されていたということで、復帰されて私もうれしく思っております。前回質問できなかった、大臣に対する、所信表明に関連するところから御質問をさせていただきたいと思っております。
先ほども立憲の橋本議員から万博に関連する質問があって、最初、費用とか、なかなかネガティブなこともおっしゃられたけれども、でも、やはり、我々議員は心配やからね、積極的に、私は一九七〇年代の万博のときに幼稚園から小学校一年生になるときに万博に行って、多分十回ぐらい行ったんですね。だから、どちらかというと、個人的な意見としては本当にわくわく感、期待感、あのときのやはり思い出というのがあるんですね。だけれども、やはり楽観的だけであってもいけない、心配だからこそ国としてしっかりとやってほしい、そういう思いだと私は受け止めます。みんなで本当に機運を盛り上げていきたいと思います。
そして、万博の一つの目標の中に、大臣が所信で表明していただいたように、この万博の機会を最大限に活用して、そしてインバウンドの地方への誘客、皆さんの地元にもたくさんの外国人来日者の方を誘致して、そして地方創生につなげることを述べられました。
万博の機会を最大限に活用して地方創生につなげる、この内容について、大臣から改めて、その趣旨、詳しい御説明をお聞きしたいと思います。
○伊東国務大臣 伊東先生には、本当に、応援をいただきありがとうございます。
大阪・関西万博は、開催国であります日本と日本各地域が、世界との交流を深め、自らの魅力を世界に向けて発信し、地方創生を加速する絶好の機会であると考えております。
このため、万博チケットと組み合わせいたしました旅行商品の企画の促進、万博に関連する旅行商品を紹介する万博観光ポータルサイトの活用や、あるいは日本政府観光局との連携等を通じた観光誘客促進、また、万博国際交流プログラムによる全国の自治体が行う万博参加国との海外交流への支援等の取組を進めているところであります。
こうした取組に加えまして、国内外のメディア等を通じた万博の魅力と併せた日本全国の地方の魅力の発信などを行い、取組の強化を行ってまいりたい、このように考えております。万博と地方創生のシナジー効果を実現したいと考えております。
○伊東(信)委員 ありがとうございます。
是非とも、本当に我が国のためにこの万博を成功させていきたい、私もこのように、皆さんも同じ共通認識だと思うんですけれども、大臣、そうおっしゃるものの、やはりチケットの売行きも含めて、前売り券だけが全てじゃないわけで、実際には、万博が終わったときに、どれだけ本当に盛り上がっていたか、どれだけの来場者が来たかということも大事なんですね。
私は地元が関西国際空港の近くなので、本当に、コロナが明けてから徐々にインバウンドの来日外国人の方も増えていて、大阪ミナミというところがあるんですけれども、私の肌感では八割、九割ぐらい外国の方じゃないかなと。そして、歩くのも大変なぐらい増えているのは実際に感じているところでございます。これがまた本当に、万博が始まれば、もっともっと増えていってくれればとは思うんですけれども。
外国から関空を通じて来られる方はそうなんですけれども、日本の各都道府県の方、遠い方もおられるんですけれども、大臣も北海道ということで、以前、万博の方の視察も来ていただいたんですけれども、この間、副大臣にもお聞きしたんですけれども、大臣自体は、もうチケットを買われて、来場予定はございますでしょうか。また、チケットを買われたのであれば、どのようにして買われたかもお聞きしたいと思います。
○伊東国務大臣 この間、私も、大臣に着任してすぐ、チケットを購入をいたしたところであります。超早割一日券を購入したところでありまして、ほかの人にも勧めておりますし、私自身の関係者、後援会その他にも、団体で万博見学に行くぞということでツアーを募っているところでもあります。
○伊東(信)委員 ありがとうございます。
実際本当に、一九七〇年代、大阪にいてる私は、最初は幼稚園で、そこで何か演劇をするということで、野外ステージがあって、そこに行って帰っただけやったんですよ、最初に万博に行ったのが。二回目に行ったときは、並ばずに済む展示場だけのパビリオンに行った記憶があります。三回目にアメリカ館の月の石を見たんですけれども、それは丸一日です。朝から行って、やっと夕方近くに入れた。四回目は、エキスポランドでダイダラザウルスというジェットコースターに乗ったということで、本当に、一遍に全体を見られなかったというところがあるんですね。それが十回に通じたと。
そういったところで、春から大体秋にかけて今回の万博もあるわけなんですけれども、今回の万博、とはいえども、だんだんだんだん、四月、五月はともかくとして、機運が醸成していって増えていくというところですけれども、やはりチケットを買うのが困難だというのが当初指摘されておりました。
そんな中で、大阪府と大阪市は、より多くの方にこの万博に来場いただくために、チケットの購入や来場日時、パビリオンの入場予約に伴う各種サポートを行う万博来場サポートデスク、資料に提示していますけれども、つくっております。私の地元も、イオンモール、泉佐野と泉南市に設置がされているんですけれども、こういった取組というのは、政府参考人の方にお聞きしたいんですけれども、全国的に展開をされているのでしょうか。ちょっとまずお聞きしたいと思います。
○茂木政府参考人 お答えいたします。
大阪府市で行われているこの万博来場サポートデスクと同様な形での、常時設営されているようなこういうデスクというのは今はございません。
ただ、一方で、全国十一か所のイオンモールでは随時交代でイベントをやっておりまして、その場においてはチケットの相談カウンターを設置したりしているところでございます。
○伊東(信)委員 私自身は、やはり大阪ですし、万博を応援する立場であるというのは御理解いただきたいんですけれども、でも、やはり本当に、皆さんが御指摘されるように、一番心配なのは、そら見たことかにならないことなんですね。それを真摯に受け止めていただきたくて、国と大阪府市と、そして民間でやるのであれば、大阪がそういった独自の取組をしているんだったら、いわゆるイオンモールとかのイベントじゃなくて、こういったサポートデスクも全国で、後になってこういったサポートデスクをつくるという慌てたことにならないようにお願いしたいです。
あともう一点。
大臣が来られて、二月六日に、当日券の話も出たと思います。当日券も、これも本当にどうだと思うんですけれども、当日、来場の枠が決まっていて、枠がもういっぱいになったら当日券が買えない。この情報というのは、万博の、ネットでしか調べられないんですか。広報とか、今日は万博の当日券あります、ないですとか、そういったところの情報というのはどうやって分かるんでしょうか。これも政府参考人に。
○茂木政府参考人 御指摘の当日券の販売の有無でございますけれども、これは今委員から御指摘があったとおり、当日の予約状況を見ながら、前日に、翌日どのぐらい当日券が販売できるか、何時ぐらいが空いているかといったことは公式のホームページで公表いたします。
それから、もう一つ、やはり公共の交通機関等を活用しまして、これは府市とも連携するということになると思いますが、しっかりと告知をしていきたいと思います。そういう場で見ていただいて、今日は空いているなというのを御覧いただきながら現地にお越しいただくということが必要かと思っております。
○伊東(信)委員 本当によろしくお願いいたします。本当にお願いですから、子供たちの未来のために、我が国のために、みんなで盛り上げてまいりましょう。
終わります。
○大岡委員長 次に、上村英明君。
○上村委員 れいわ新選組の上村英明と申します。
まず、伊東大臣には御回復おめでとうございます。政治家が政治家に無理をされないようにと言うのは、ちょっと本当かいなという感じはするんですけれども、是非、健康には御配慮していただきたいというふうに思います。
今日は、水の安全と健康の問題について、特にPFASの規制を対象にお話をお伺いしたいというふうに思います。
前回、二月十二日に私、質疑をしたんですけれども、鳩山副大臣に予防原則という考え方についてお尋ねしたんですが、伊東大臣にも改めて御認識をお伺いできればと思います。よろしくお願いします。
○伊東国務大臣 予防原則につきましては、委員が言及したものも含めまして様々な考え方があると聞いているところであります。
食品安全基本法におきましては、食品の安全性の確保は、科学的知見に基づいて講じられることによって、食品を摂取することによる国民の健康への悪影響が未然に防止されるようにすることを旨として行われなければならないとされております。
また、食品安全委員会が行う食品健康影響評価は、食品安全基本法におきまして、その時点で到達されている水準の科学的知見に基づいて、客観的かつ中立公正に行われなければならないとされているところであります。
また、食品安全委員会におきましては、食品安全基本法に基づき、国民の健康の保護が最も重要であるという基本的認識の下、食品健康影響評価を進めてきており、引き続き、国内外の最新の科学的知見に注視しつつ、リスク管理機関と連携して、食品の安全性の確保に努めてまいりたいと考えております。
○上村委員 先ほど橋本委員の方から、いわゆるPFASの暫定目標値から水質基準への格上げの話はいただきましたので、改めて、ここはちょっと省略したいと思うんですが。
先日、三月三日に、認定NPO法人高木基金PFASプロジェクトという団体が、院内で、食品安全委員会の報告書の検証をする記者会見を行いました。
この記者会見の内容は何かといいますと、この評価書自体に問題があるという内容でありました。
これは、リスク評価機関、リスク評価機関とリスク管理機関というのがあるんですけれども、食品安全委員会は評価機関に当たります。この中で、今大臣がおっしゃったような、科学的な根拠に基づくという表現を使われていますが、この記者会見の中では、実は、食品安全委員会の評価プロセスは科学的合理性がなかったという結論であります。
簡単に言うと、四点指摘されています。
今おっしゃられた、膨大な文献を精査された、中心になったのは二百五十七編の文献ですけれども。
一番、評価に値する文献を差し替えて、その理由が説明されていない。二番、この差し替えでは、参照にふさわしくないとされた文献を説明なく復活させて、PFASの健康への影響を認めないという根拠としている。三番目、評価の低い、PFAS製造企業、これはスリーエムとかという会社があるんですけれども、に関連する文献を使って、健康影響を認めない根拠としたこと。さらに、参照文献に当たっては、評価に対して原文と異なる内容を記載していること。これは、関連性があるとした文献なのに、関連性はなかったという評価をされているということです。
これに関しては、環境省、いかがでしょうか。
○中政府参考人 お答え申し上げます。
今の御質問は、我々食品安全委員会の方の評価の内容についての御質問ですので、食品安全委員会からお答えさせていただきます。
まず、御指摘のNPO法人のレポートにおいて論文の差し替えとされている点につきましては、このようなPFASというような汚染物質の評価においては、我々、常に行っているプロセスでございます。
そもそも、海外の評価書で引用された文献、あるいは論文のデータベースから検索して、そこでヒットした論文、今回の場合は約三千件ございました、そういう論文を全て中身まで本文を入手して精査するということ、これは先生も御存じかと思いますが、到底不可能でございます。
そういった中で、我々は、まず、データベース上でまず簡単に入手可能なアブストラクトと呼ばれる要約によって、その評価に必要と思われるものを抽出して、更にその次の段階で論文本体をチェックするという形で行われております。ただ、このアブストラクトで、その要約をチェックして必要な論文を抽出する、その作業を通常、外部委託によって行っているというところでございます。
ただし、じゃ、そこで、そのアブストラクトだけ見て必要だというふうに判断した論文で実際に最後までそれで評価するのかといいますと、当然そういうことはございませんで、実際に評価を担当する、これは今回の場合は二十人以上ワーキンググループのメンバーはいらっしゃるわけですが、そういった専門委員が、今回は、論文の中身、本文について全て精査した上で、改めて必要か否かを判断するプロセスというものがございます。
その中で、論文の品質に疑問があるものであったりとか、評価には利用できないものであったりとか、あるいは重複するものとかというものをきっちり見た上でそういったものを除いて、あるいは、専門分野ごとに評価に必要な文献で抜けているものであったりとか、さらに、評価を進めていく過程で、いろいろな個別の論点というのが出てまいります。その論点を明らかにするために必要な論文というのをまた更にその専門分野の先生方が探してきて、それをまたつけ加えるといった形で作業は当然のものとして行われているわけでございます。実際に……(上村委員「短く。よろしくお願いします」と呼ぶ)申し訳ございません。
実際にこのような過程を経て、必要不可欠であった、EPAとかEFSAというところ、厳しい評価をしているというところでございますが、そういったところの根拠論文が抜けておったわけなんです。そういうものをつけ加えたりとか、実際にそういうものがあって我々の評価は初めて成立したというふうに我々としては認識しておりまして、食品安全基本法の趣旨を全うするためにも必要な手続であったということでございます。
以上でございます。
○上村委員 今かなり詳細にいただいたんですけれども、実は、外部委託したCERIという機関があるんですが、ここは食品安全委員会の十一名の先生方が参加されています。つまり、何というか、個別のチェックではなくて、同じ内容を同じ人材が二重にチェックしたというだけの話であって、大変これは危ないことだなと思います。
食品安全委員会の評価書自体も、健康被害への可能性を否定していません。例えば、エンドポイント、これはいわゆるチェック項目ですけれども、生殖・発生という重要な項目の中では、出生児への影響では「証拠の確かさは強い」という表記をされています。これは関連性があるということです。それから、発がん性に関しては「証拠は限定的」という記載がありますけれども、この限定的というのは、関連はあるということは認めるけれども、それが全体としてはどうか分からないという、そういう表記を実は評価書自体もされていますし、さらに、検証レポートの方では、発がん性に関しては、関連ありとした文献が五文献、関連なしとした文献が一文献、生殖・発生の項では、関連ありの文献が十三文献、そして関連なしの文献はゼロという結果なんです。
これを踏まえて、安全性の面で、確かに因果関係を一定の時間内に判断するというのは難しいことは分かります。しかし、行政は学会ではありません。因果関係が明確でなければ何もしないということではないので、少なくとも健康被害を市民にもたらす可能性が示唆されるデータがあれば、リスク管理機関は、ALARAの原則、いわゆる無理なく達成可能な範囲でできるだけ低くするではなく、予防原則に従って厳しいチェックをすべきだったというふうに思います。
最後に、伊東大臣に確認でお願いしたいんですけれども、PFASの今回のプロセスには大きく二つ問題があると思います。一つは、科学的で……
○大岡委員長 時間が、済みません。
○上村委員 済みません、すぐ終わります。
リスク機関がむしろ行政に忖度した評価を行ったと思われることです。それからもう一つは、市民の健康の権利を守るリスク機関が、健康被害が疑われたにもかかわらず予防原則を適用しなかった。
日本の基準は、アメリカや欧州の何倍という高い基準になっています。我々と欧米人がそんなに違うのかということを考えて、改めてこの再評価を検討いただきたいと思います。よろしくお願いします。
○大岡委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
埼玉県八潮市の下水道破損に伴う道路陥没事故に関連して、ウォーターPPP等について伊東大臣にお尋ねをいたします。
トラックドライバーの救出に御尽力をいただきたいと思います。陥没事故現場のすぐ下流にあります中川流域の下水道処理施設は、全国に二千二百ある下水道事業の中で九番目に大規模で、破損により、下水道を利用する百二十万人の住民の方の生活に深刻な影響が出ました。
国交省にお尋ねします。
国交省の対策検討委員会では、政策研究大学院大学の家田仁委員長が、百二十万人という人数は一つの大都市、これが非常に長期にわたって影響を受けているというのは、自然災害でいえば激甚災害に相当するような重大な事態だと述べておられます。
検討委員会の議論では、事故発生など緊急時における財政支援なども検討すべきという意見も出されております。八潮市の下水道復旧工事に対して、補助かさ上げなど、国が特別の財政支援を行うべきではありませんか。
○松原政府参考人 お答え申し上げます。
国土交通省では、救助活動や下水道の応急復旧が速やかに進むよう、専門家による技術的助言を行うとともに、陥没箇所の水位を低下させるため排水ポンプ車を配備するなどの支援を行っているところです。
復旧に向けましては、埼玉県が設置した復旧工法検討に関する有識者委員会に国土交通省の職員も参加するなどの技術的支援を行っておるところでございます。また、財政支援につきましても、復旧工事の内容などを踏まえつつ、しっかり支援できるよう検討してまいります。
○塩川委員 しっかり支援できるよう検討すると。その中身を具体的に示してもらいたいと思います。
家田委員長は、下水道というのは上流から水が流れてくる、ほとんど止めることができない、しかも迂回路を持っていない、また、地下に設けられている構造物の点検は非常に難しい、中に人が入ることが難しいし、構造物の周辺の地盤の状況も不確定要素が大きいと指摘しておられます。硫化水素発生による施設の腐食という問題もあるわけであります。
道路やトンネル、鉄道、河川施設といった他のインフラと大きく異なるのが下水道事業であります。このような下水道事業の更新に対する特別な財政措置ということを考える必要があるのではないのか、この点についても国交省にお尋ねします。
○松原政府参考人 お答え申し上げます。
地下に埋設されている下水道は、老朽化が進行していることから、計画的な施設の更新や長寿命化を着実に実施するため、予防保全型メンテナンスへの転換を加速することが重要であると認識しております。
そのため、国土交通省では、点検、調査に関する技術の開発など技術的支援に取り組むとともに、地方公共団体に対し、下水道ストックマネジメント計画の策定を求めた上で、この計画に位置づけられた施設の点検、調査や、その結果に基づく計画的な改築更新などの重要な対策について財政支援を行っているところです。
また、国土強靱化実施中期計画の策定方針では、下水道の老朽化対策について、埼玉県八潮市での道路陥没事故も踏まえて検討することが位置づけられており、今回のような大規模な事故の再発を防止することができるよう、実施中期計画に必要な施策を盛り込むべく調整を進めてまいります。
引き続き、今回の道路陥没事故も踏まえ、必要な技術的、財政的支援を行い、強靱で持続可能な下水道システムの構築に取り組んでまいります。
○塩川委員 下水道は他のインフラにはないような特殊性を持っている、そういった下水道事業に対する独自の財政措置というのは必要だ。当然、今回の八潮市における下水道破損の事故に伴う特別の財政措置を国として行うことを強く求めるものであります。
伊東大臣にお尋ねします。
下水道事業に関して、国は民間委託の推進を図り、PPP、PFI事業の推進を図ってきました。今回の事故に関する埼玉県の国への要望書では、「現在、国が推進しているウォーターPPPについては、インフラの長期に渡る更新に目途がつくまでは、慎重に検討していただくようお願いします。また、下水道に対する国の財政的支援については、ウォーターPPPを前提条件としない制度設計を再考いただくようお願いします。」と、国によるウォーターPPPの推進に対して慎重な対応を求めております。
国は、汚水管の改築に係る国費支援に関して、ウォーターPPP導入を決定済みであることを令和九年度以降に要件化するとしております。ウォーターPPPを導入しなければ国の交付金は出さないなどという脅しのようなやり方は許されない。ウォーターPPPの押しつけはやめるべきではありませんか。
○伊東国務大臣 今回の事故、恐らく想像するに、下水道の破損、漏れたところから水が流れ出し、それが周りを浸食して拡大していったもの、このように思うところであります。
もう少し一体的、計画的、広範囲にきちっとした流量あるいは流れる形を想像して行っていれば、もう少し違ったかなという思いがするところでありますけれども、今回は、そういった面では、老朽化する下水道施設、設備の中で、やはり一部の破損あるいは老朽化からこれが大きく進展してしまったと思うところでありまして、本当はもう少し大規模に、きちっとした形で整備計画をされるべきもの、私はそういうふうな受け止め方をしたところであります。
ですから、国がウォーターPPPに最終的に地方公共団体が責任を持つことを前提にして今度事業を進めるということであろうかと思いますので、その点、私から見ますと、それもまた一理あるところもあるなという、そんな思いをちょっとしているところでもあります。
いずれにいたしましても、国土交通省等々としっかり打合せをしながら、どこかが破損しても、流れても、流出しても、それが止めどもなく拡大してしまうようなことのないような計画の立て方、工事の在り方、これを研究していかなければという、そんな思いをしているところであります。
○塩川委員 県の要望に一理あるなというお話であれば、これはやはりウォーターPPPについて見直してほしいというこの県の要望を正面から受け止めるべきだと。
埼玉県は、県議会の答弁でも、PPPの導入に当たっては、モニタリングや情報開示、災害時の対応など様々な課題があると、PPPに関する懸念を述べてきたところであります。
ウォーターPPPの先進事例として、宮城県では二〇二二年四月から、上水道、工業用水と下水道一体のコンセッション方式でのPFI事業が行われております。宮城県はこれにより約一〇%のコストが削減できるとしていますが、本当にそれで削減されるものは何なのか。
事業者の提案は、二十年間で上工下水道の更新投資を三百七十八億円削減し、人件費等を百八十三億円削減するというものであります。修繕費を百一億円増やして設備の延命化を図るということですが、安定した運営と維持管理に欠かせない設備更新や人件費を大幅にカットをすれば、安全性の後退は避けられない。
民間の利益追求のために安全のためのコストが削減されるということになるのではありませんか。
○伊東国務大臣 両方とも、二つの考え方があると思います。
一つは、計画的あるいは大規模的に整備をして、つなぎがきちっとなされていること、あるいは、場当たり的に、その地域地域、小さく小さく工事が行われて、継ぎ足しで行われてきているようなところ、これはいずれにしても、そういうところでの脆弱性というのは指摘されるのではないかなと思うところでもありまして、それらを含めて、やはりしっかりした見直しをしていかなければならないのではないか、このように思うところであります。
○塩川委員 二十年間の契約で、終わったら、ぼろぼろになった施設が押しつけられるだけだ、こんなことでは県民、市民の暮らしは守れないという点でも、問題だらけのPFIは、押しつけはきっぱりとやめるべきだということを申し上げて、質問を終わります。
○大岡委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午前九時五十五分散会