第21号 令和7年5月16日(金曜日)
令和七年五月十六日(金曜日)午前九時一分開議
出席委員
委員長 大岡 敏孝君
理事 黄川田仁志君 理事 國場幸之助君
理事 西銘恒三郎君 理事 今井 雅人君
理事 本庄 知史君 理事 山岸 一生君
理事 市村浩一郎君 理事 田中 健君
石原 宏高君 井野 俊郎君
江渡 聡徳君 大空 幸星君
尾崎 正直君 岸 信千世君
栗原 渉君 田中 良生君
西野 太亮君 平井 卓也君
平沼正二郎君 宮下 一郎君
山際大志郎君 山口 壯君
市來 伴子君 梅谷 守君
おおたけりえ君 下野 幸助君
橋本 慧悟君 藤岡たかお君
馬淵 澄夫君 水沼 秀幸君
山 登志浩君 山井 和則君
吉田はるみ君 伊東 信久君
三木 圭恵君 石井 智恵君
菊池大二郎君 河西 宏一君
山崎 正恭君 上村 英明君
塩川 鉄也君 緒方林太郎君
…………………………………
国務大臣
(国家公安委員会委員長) 坂井 学君
内閣府副大臣 辻 清人君
厚生労働副大臣 仁木 博文君
内閣府大臣政務官 西野 太亮君
内閣府大臣政務官 岸 信千世君
財務大臣政務官 土田 慎君
厚生労働大臣政務官 安藤たかお君
政府参考人
(内閣官房内閣参事官) 桝野 龍太君
政府参考人
(内閣府男女共同参画局長) 岡田 恵子君
政府参考人
(警察庁生活安全局長) 檜垣 重臣君
政府参考人
(消費者庁審議官) 尾原 知明君
政府参考人
(消費者庁審議官) 黒木 理恵君
政府参考人
(法務省大臣官房政策立案総括審議官) 上原 龍君
政府参考人
(法務省大臣官房審議官) 吉田 雅之君
政府参考人
(法務省大臣官房司法法制部長) 松井 信憲君
政府参考人
(国税庁課税部長) 高橋 俊一君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 岡本 利久君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 尾田 進君
内閣委員会専門員 田中 仁君
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委員の異動
五月十五日
辞任 補欠選任
大森江里子君 山崎 正恭君
同月十六日
辞任 補欠選任
西野 太亮君 大空 幸星君
橋本 慧悟君 山井 和則君
山 登志浩君 吉田はるみ君
同日
辞任 補欠選任
大空 幸星君 西野 太亮君
山井 和則君 橋本 慧悟君
吉田はるみ君 山 登志浩君
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四七号)(参議院送付)
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○大岡委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、参議院送付、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣参事官桝野龍太君外十名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○大岡委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。栗原渉君。
○栗原委員 おはようございます。自由民主党の栗原渉でございます。
今日は、質問の機会をいただきまして、心から感謝を申し上げつつ、早速質問に入らせていただきます。
今回の風営法改正案は、いわゆる悪質ホストクラブ問題に対処するためのものと承知しておりますけれども、ここ数年、新宿歌舞伎町では、女性がホストクラブの多額の売掛金を背負わされて、そしてその返済のために売春をしたり性風俗で働かされたりするといった状況が見られているということは御承知のところであります。そして、この状況は大阪や愛知、福岡等の他の地域まで広がって、社会問題となっております。
警察としてもこれまで様々に対応を行ってきたとは思いますけれども、改めて、今回の法改正の背景とその目的について大臣にお伺いをしたいと思います。
○坂井国務大臣 法改正の背景ということでございますが、今委員が御指摘をいただいたような問題がございまして、特に、悪質ホストクラブをめぐっては、ホストクラブ、それからスカウトグループ、性風俗店等が女性を徹底的に搾取する卑劣なビジネスモデルが存在をしており、背後には匿名・流動型犯罪グループ、トクリュウの関与もうかがわれることから、対策は急務ということでございます。
警察におきましては、これまでも、風営適正化法のみならず、売春防止法、職業安定法等を駆使して取締りを強化するとともに、立入り等を通じた厳正な行政処分、効果的な広報啓発等の様々な対策を講じてきたところでございますが、これらに加え、風営適正化法を改正し、多額の債務を負担させられることとなる悪質な営業行為や債務の返済に係る悪質な要求行為等を規制し、性風俗店によるいわゆるスカウトバックを禁止するなどして、悪質ホストクラブに係る女性の被害防止を図るとともに、悪質ホストクラブをめぐる卑劣なビジネスモデルの解体を図るための法改正でございます。
○栗原委員 ありがとうございました。
今御説明があったように、今回の改正案の大きな一つの柱として、ホストクラブを含む接待飲食営業に対する規制を強化するということだとされています。ホストクラブだけではなく、キャバクラやスナック等を含む接待飲食営業全体を規制対象とした理由についてお伺いしたいと思います。
また、今回設けられた新たな規制のうち、遵守事項とされている行為については罰則が設けられていません。罰則がなければ抑止力として不十分ではないかということも考えられるわけでありますけれども、この規制の遵守をどのように担保していくのか、併せてお伺いいたします。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
いわゆるホストクラブにつきましては、キャバクラやスナックと同様、設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業と定義されます風営適正化法第二条第一項第一号の接待飲食営業に該当するものでございます。
こうした接待が行われることを要件とするいわゆる一号営業から、更にホストクラブに相当する営業のみを切り出して定義することは困難であり、仮に何らかの定義を行ったとしても潜脱され実効的な規制とならないおそれがあることから、警察庁において開催しました有識者検討会の御意見も踏まえつつ、本改正では、新たに設ける規制の対象は接待飲食営業全体としたものであります。
また、本改正案により追加されます接待飲食営業を営む風俗営業者の遵守事項につきましては、直接罰則で履行を担保し、違反があれば刑事事件として捜査、訴追するよりも、第一次的には指示等の行政処分により弾力的かつ迅速な違反の是正を行う方が効果的であると考えております。
もとより、当該行政処分に違反した際には許可取消しや罰則の適用といったより厳正な措置を講じることで、被害の拡大防止を図ってまいりたいと考えております。
○栗原委員 ありがとうございました。
時間の都合でちょっと一つ飛ばしたいと思いますが、ずっとちょっと気になっておることがありまして、全国の繁華街、ホストクラブ等の看板とか、アドトラックと言われている、その中で、営業成績が上位のホストの容姿を大々的に掲載したり、年間売上げ一億円突破、億超えとか等の売上競争をあおるような文言を使用した広告が非常に目を引くんですね。
表現の自由というのはもちろんあるとは思いますが、こういった広告物が、売上げを上げたいとかトップになりたいとか、そういったホスト間の競争意識をあおったりするのではないか、これが悪質な営業行為を助長しているということが考えられるのではないかと思うんですが、このような広告物というのは風営法で規制できないのでしょうか。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
風営適正化法第十六条におきましては、風俗営業者は、営業所周辺における清浄な風俗環境を害するおそれのある方法で広告又は宣伝をしてはならないこととされております。
この点、ホストクラブ等の広告物の内容や形状については様々なものがあると考えられることから、これらが同条に違反するか、一概にお答えすることは困難ではございます。
ただ、その上で申し上げますと、ホストクラブ等の広告物の中でも、接客従業者の指名数、売上額等の営業成績や役職を殊更に強調するなど、著しく客の遊興若しくは飲食をする意欲をそそり、又は接客従業者間に過度な競争意識を生じさせ、営業に関する違法行為を助長するような歓楽的、享楽的雰囲気を過度に醸し出すものにつきましては、営業所周辺における清浄な風俗環境を害するおそれがあるとして同条の違反となり得るものもあると思料しております。
憲法が定めます表現の自由を大前提としつつも、このような広告物が社会常識に照らして著しく節度を欠き、清浄な風俗環境を害するおそれがあると認められる場合には、警察におきましては、まずは必要な行政指導を行うほか、それに応じず違反行為が継続するような場合には指示処分等を検討するなど、接待飲食営業の広告宣伝の健全化に向け、事案に応じて適切に対処してまいりたいと考えております。
○栗原委員 是非、知恵を出して取組を進めていただきたいと思います。
次に、今回新設される遵守事項や禁止行為も含めて、ホストクラブ等の悪質な営業行為を把握し、これを是正させたり取り締まったりするためには、警察によるホストクラブ等の実態把握が重要であると考えるところでありますが、風営法では警察による立入り権限が認められているということなんですが、刑事訴訟法の捜索との違い、あるいは、立入りを行うに当たって何か要件があるのか、御説明を簡潔にお願いしたいと思います。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
風営適正化法第三十七条第二項におきまして、警察職員は、法の施行に必要な限度において、風俗営業の営業所等に立ち入ることができると規定されております。
風営適正化法上の立入りにつきましては、刑事手続である刑事訴訟法上の捜索と異なり、具体的な被疑事実が存在する蓋然性を問わず、行政上の指導監督のために必要な場合には、質問や帳簿等の検査等のために営業所に立ち入ることができることとされております。
そこで、本改正案が成立、施行した暁には、ホストクラブの営業所への立入りを通じまして、法の遵守状況を調査し、違法行為を確認した場合には厳正な行政処分等を行ってまいりたいと考えております。
○栗原委員 大変な作業だと思いますけれども、しっかり立入りを行うべきだと私は思いますので、よろしくお願いしたいと思っています。
それから、もう一つの柱についてですけれども、性風俗店によるスカウトバックの禁止が盛り込まれたところでありますが、悪質ホストクラブをめぐっては、借金を抱えた女性客をホストがスカウトを介して性風俗店にあっせんし、性風俗店からスカウトに対して女性の紹介料が支払われる、いわゆるスカウトバックが行われているといった実態が見られていますが、最近の報道でも、警視庁が巨大スカウトグループを検挙し、全国の性風俗店に数多くの女性があっせんされていたという事実が明らかになったところであります。
こうしたスカウトグループの実態や警察による取締りの方針についてお伺いします。簡潔にお願いします。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
警察の捜査を通じまして、ホストクラブ、スカウトグループ、性風俗店等が女性を徹底的に搾取する卑劣なビジネスモデルの存在が明らかとなっております。例えば、警視庁で捜査をしておりますが、スカウトグループ「アクセス」は、約三百人の構成員を有し、全国約千八百の性風俗店に女性を紹介して、五年間で約七十億円の収益を得ていると見られるところでございます。
警察では、こうしたスカウトグループを匿名・流動型犯罪グループと見て、その全容解明と解体に向け、各都道府県警察におきまして必要な体制を構築して取り組んでいるところであり、グループの首魁らを検挙するなど、捜査を推進しているところでございます。
引き続き、個々のスカウトの検挙にとどまらず、最終的な利益を得ている実質的な責任者やグループ全体の取締り等を進めてまいりたいと考えております。
○栗原委員 ありがとうございました。
冒頭の大臣の説明の中でも、スカウトバックの今の状況について、これは一つのビジネスモデルになっている、あるいは、いわゆるトクリュウと言われている匿名・流動型犯罪グループ、このことが背景にあるということも言及されたところでありますけれども。
最後の質問をしたいと思いますが、一つ、これは私の経験からちょっと申し上げたいことがこの点についてございます。
平成の三年に暴力団対策法が成立した後、しばらくずっと警察が頑張っていただいて、ところが非常にいろいろな問題ができて、そこで、平成二十一年十月に福岡県、私は福岡県議会にいたものですから、福岡県議会で暴力団の排除条例というのを作りました。それが翌二十二年の八月が施行であったんですけれども、そのことは大きく地域の環境を変えたと私は思っています。
当時、福岡県警察本部の本部長に樋口真人さんという、後に大阪府警の方に行かれた方ですが、実は議会答弁がありまして、このことをどう取り組むのかと。これが非常に記憶に残る答弁でありました。
条例を制定した、福岡県が先駆けてやって、二年間の間に各県で条例が全部できたんですね。しかし、そのときにこの県警本部長が言われたことで記憶に、印象に残っているのが、昭和の時代に、警察対暴力団、これでずっと闘ってきたんだ、しかし、こういった条例ができて、また、様々な警察官また地域の取組で、社会対暴力団という形でこれに向き合っていこう、これをやり続けなきゃいかぬという思いを言われた。要するに、やっていても、それを施行して、大会が何年か後にあったんですけれども、暴力団が、その大会のときに、殺人を起こしたり、あと放火したりとか、そういうことを実は対抗的にやった。こういうことに屈してはまたかつての警察対暴力団に戻ってしまうので、県民の皆さん、一緒に頑張りましょう、私も先頭に立ってやると。
これは、私の記憶ではいまだかつてないんですが、本会議場の質問に対しての答弁、知事答弁、執行部答弁も含めてですね、満場の拍手だったんです。ああいうことは私は今まで経験したことがないし、これから先もそうないと思います。
ですから、そういった覚悟を持って、社会として、そういった組織的犯罪グループがあるとするならば、この事案についても向き合っていかなければならないんだというふうに強く思うんです。
こういった匿名・流動型犯罪グループ、これは暴力団もあると思いますが、不当に利益を得ているという可能性があるとするならば、これまで御説明いただいたことも踏まえて、国として、警察庁として、信念を持って取り組んでいっていただきたいという思いであります。これは社会として取り組んでいかなければいかぬ案件だと思いますので、この点について、今後の取組について大臣の決意をお聞かせいただければと思います。よろしくお願いします。
○坂井国務大臣 今般の改正案が可決、成立した暁には、警察におきまして、法律に盛り込まれた各種規定に基づいて、違法行為について徹底した取締りを行っていくようしっかりと指導してまいりたいと思っておりますが、同時に、警察の取組のみならず、今委員が御指摘のとおり、社会全体で、トクリュウ等が関与する悪質なビジネスを見逃さず、また、被害に遭う女性には支援の手を差し伸べることが重要であります。今回の法改正を契機に、そうした社会全体の機運が醸成されることを期待すると同時に、我々も努力をしたいと思います。
○栗原委員 ありがとうございました。
今回の法改正も含めて、広く周知していただき、また御努力を心からお願いして、質問を終わります。
ありがとうございました。
○大岡委員長 次に、河西宏一君。
○河西委員 おはようございます。公明党の河西宏一でございます。
本日は、通告の関係で質疑の順序を御配慮いただきまして、ありがとうございます。
それでは、早速ですが、質疑に入らさせていただきます。
今般、改正風営適正化法についての質疑ということでありますけれども、ホストクラブに当たると見られるこの法律上の一号営業の営業所は、全国約千店舗ということであります。そのうち約三〇%が東京都内。私も地元が比例の東京であります。
我が党といたしましても、都議会公明党また新宿区議の皆さんが、地元自治体、特に吉住健一新宿区長や商店街振興組合とも連携をしながら、またお力をいただきながら、例えば、歌舞伎町の安全安心ステーションの設置でありますとか、これは大分前のことになりますけれども、あるいは、昨年の、高額売り掛けによる被害撲滅を呼びかけるキャンペーンの推進など、様々現場で取り組んできたところであります。
まず、坂井国家公安委員長にお伺いをいたしますけれども、本法律案の立法事実となりましたいわゆる悪質ホストクラブ問題、これにつきましては、とりわけ、借金返済のために売春を強要したりとか、あるいは女性客に対して性風俗の仕事を紹介する、こういったことは、人身取引議定書、いわゆるパレルモ議定書でありますが、この第三条に定義される人身取引に当たる事案であるということで、これは断じて許されない人権侵害である、このように考えるわけでありますけれども、国家公安委員長としての御見解をまずお伺いをいたします。
○坂井国務大臣 悪質ホストクラブが利用客である女性に売掛金等の名目で多額の債務を負担させ、その返済のために売春や性風俗店での稼働等に追い込む行為は、人権侵害にもつながる、女性を搾取する極めて悪質かつ深刻な問題であると認識をしております。こうした事案の中には、人身取引議定書に定める人身取引に該当し得るものもあるものと承知をいたしております。
ましてや、背後にはトクリュウ、匿名・流動型犯罪グループの関与もうかがわれることから、対策は急務ということでございまして、本改正案を提出させていただいたところでございます。
○河西委員 御答弁ありがとうございます。
人権侵害にもつながり得る非常に悪質な、かつ深刻な問題であるということで、厳正かつまた実効性のある対応、取締りをお願いを申し上げたいというふうに思っております。
続いて、政府参考人の方に、これは警察庁の方にお伺いをしますけれども、今大臣から御答弁がありました、パレルモ議定書で定義をされる人身取引であると。これは、パレルモ議定書におきましては、被害者が受けた搾取については同意しているか否かを問わない、このように規定をされているところであります。
そこでお伺いをいたしますが、本法律案に規定される禁止行為、すなわち、料金の支払い等を目的として威迫や誘惑による売春、性風俗店勤務、AV出演等の要求等が行われた場合には、これは被害者の同意の有無を問わず刑事罰の対象となるのか、これを確認をさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
本改正案におきまして、接待飲食営業を営む者の禁止行為として、威迫や誘惑により、料金の支払い等のために国内外での売春、性風俗店勤務等を要求する行為を罰則つきで新たに規制することとしているところでございますが、その適用に当たりましては、当該要求行為を受けた者の同意の有無というものは要件としておりません。
また、本改正案で追加する禁止行為にホスト等が違反した場合には、刑事事件として取締りの対象となるとともに、当該ホスト等が稼働する店舗に対しましても営業停止等の行政処分を行うこととなります。
○河西委員 同意の有無、これを要件としないということで、禁止行為についてはですね、御答弁をいただきました。
したがって、こういう刑事罰等、当然行政処分もあるわけでありますが、対象となる禁止行為はもちろんのこと、行政指導の対象、例えば客の恋愛感情等につけ込んだ飲食等の要求、あるいは、客に注文や料金の支払い等をさせる目的での威迫、この威迫については、参議院でも我が党の竹谷議員から確認があったところでありますが、遵守事項への抵触を含めまして、風営適正化法違反の証拠を把握をすることが、法の執行におきまして、この実効性の確保について重要であるというふうに思っております。
これら禁止行為や遵守事項への抵触について、具体的にどのように立証していくのか、この点についても警察庁から御答弁をいただきたいと思っております。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
新設する遵守事項や禁止行為に違反することの立証方法につきましては、個別具体の事案に応じて様々な方法があると考えられますので、一概にお答えすることは困難ではございますが、一般論として申し上げれば、警察において違反が疑われる事実を認知した場合には、被害者からの聴取に加え、関係者からの聴取、違反行為の前後の被害者と関係者とのやり取り、店のメニュー表や売上伝票等から立証していくことができると考えております。
○河西委員 是非、実効性のある取締り、先ほども申し上げましたけれども、よろしくお願いをしたいというふうに思っております。
先ほど来御答弁にもありますけれども、悪質ホストクラブ問題の背景にあるのは、暴力団、あるいは、いわゆるトクリュウ、これが不当に利益を得ている可能性について警察庁としても懸念を示されているということであります。
今回の法改正は一定の効果が当然期待をされるというふうに思っておりますけれども、ただ、これはよくある話でありますが、結局のところ、新しい手口でありますとか新しい違法行為が水面下に潜っていく、そういった可能性も否定できないわけであります。
こうしたことも踏まえながら、冒頭には、国家公安委員長からも、人権侵害につながり得る悪質かつ深刻な問題という御答弁もありました、この問題の根絶に向けて不断の取組が必要である、このように考えますけれども、こういった点につきまして、警察庁の御見解、重ねていただきたいと思っております。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
悪質ホストクラブをめぐる卑劣なビジネスモデルにつきましては、背後に匿名・流動型犯罪グループの関与もうかがわれるところ、今般、風営適正化法を改正し、悪質ホストクラブに係る女性の被害防止を図るとともに、悪質ホストクラブをめぐる卑劣なビジネスモデルの解体を図ることとしております。
警察におきましては、こうしたホストクラブを含めた風俗営業等を所管する立場から継続的にその実態の把握に努めているところではございますが、違法行為に対しましては、法と証拠に基づき厳正に対処するとともに、新たな手口等を把握した場合には規制の在り方についても不断の見直しを行ってまいりたいと考えております。
○河西委員 不断の見直しを行うということで御答弁をいただきました。
今後の取組、我が党としても与党としてしっかり取り組んでいきたいというふうに思っておりますし、また、我が党、地方議員さん、特に新宿を始めとして、現場に直接行きながら、新宿区役所も非常に近いということもありますので、取り組んできましたので、しっかり連携をしながら取り組んでまいりたいというふうに思っております。
次に、少し社会的背景に触れながら、最後は、辻副大臣、ありがとうございます、ちょっとお伺いをしたいというふうに思っておりますけれども、まず、重ねて警察庁にお伺いをしたいと思います。
悪質ホストクラブ問題ということで、ホストクラブにとっては、こういった問題が社会的にでき上がってしまったこと自体、非常に様々な思いを持っておられると思いますけれども、ホストクラブ自体は日本で独自に発達をしたカルチャーということであります。海外では、ホスト依存とか悪質ホストクラブ問題が社会問題化をして今般のような立法事実になったような事例はないということであります。アジアにはちょっと日本をまねたような店舗ができているというような話は、行ったことはありませんが、そういったことでありますけれども。
他方で、日本では、全国の警察におけるホストクラブ関係の相談受理件数、これは近年増加傾向にあるということで、資料でも拝見をいたしました。また、女性相談支援センターを始め様々な窓口でこの問題に関して、その被害に関する相談を受け付けているということであります。
警察庁として、今般の問題が生じている我が国の社会的背景、これはなかなか一概に分析することは難しいと思いますけれども、現時点での御見解をいただきたいというふうに思っております。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
悪質ホストクラブに関する相談件数が近年増加している等の社会的背景につきましては、警察庁として断定的にお答えするのは困難でございますが、その上で、あえて申し上げれば、例えばコロナ禍を経て、孤独、孤立の問題が深刻化し、人とのつながりや自己肯定感等を求めてホストクラブを訪れる若い女性が増加したこと、派手な看板やアドトラックといった広告宣伝や、SNS等を通じてホストクラブに関する様々な情報に触れ合う機会が増えたこと、これらのことなどから、若い女性の社会経験の乏しさや恋愛感情等につけ込む悪質なホストクラブも現れ、女性客が借金を蓄積し、売春等をせざるを得ない状況に追い込まれるという深刻な事態に至ってしまったのではないかと考えられるところでございます。
○河西委員 ありがとうございます。現時点での御見解をいただきました。コロナ禍などで、思い返せば、孤独、孤立、これは立法措置も行いましたし、こういった問題が深刻化をしているということでありました。
私も以前、都議の方、また竹谷参議院議員と孤独、孤立対策の現場に行ってまいりました。立川市の夜のユースセンターというものがあるんですが、ここに、なかなか居場所のない若者が集まっております。でも、何をやっているかというと自分の趣味をひたすらやっていて、中には、特別区から自転車で二時間かけて毎日来ている、こういう若者もいました。なぜそこまでしなきゃいけないのかということでありますし、また、御案内のとおり、トー横キッズの現状というのはかなり懸念が様々あるわけであります。
最後、辻副大臣にお伺いをしますけれども、そもそも若者が、こういった悪質ホストクラブでありますとか、いわゆるリスクのある場所に行かずとも済むような社会づくりが私は大変大事だというふうに思っております。
すなわち、どちらかといえば、家庭や学校に居場所のない場合にセーフティーネットとして機能する若者の居場所、これも大事でありますけれども、これに加えて、これを包括をしながら、家庭や学校に居場所があってもなくても、多様な若者が日常的にまた主体的に伸び伸びと活動できる場の創出、これが大事だというふうに思っております。
例えば、これはこ家庁でも調査研究を行っていただきましたが、スウェーデンやベルギー等の欧州諸国では、若者団体の活動を支えるエコシステム、これが確立をされているわけであります。一方、日本では、これら欧州諸国と比較をいたしますと、若者団体への支援あるいはエコシステムということについては発展途上にあるというふうに言わざるを得ない現状があります。
こうした、若者団体を始めといたしまして、多様な若者が日常的に活動できる場、この必要性について、今、内閣府として、またこども家庭庁として、どのように捉え、また取り組まれておられるのか、御答弁をいただきたいと思っております。
○辻副大臣 委員御指摘のとおり、全ての子供、若者が、自己肯定感を持って、高めながら、社会で生き抜く力を得ることができるように、地域の中で安全、安心な居場所を持てるようになることは極めて重要と考えています。
地域のつながりが希薄化する中、こども家庭庁としては、家庭や学校に居場所のない子供等に関して、児童育成支援拠点事業を通じて支援を行っているほか、全ての子供、若者の居場所づくりとして、こどもの居場所づくり支援体制強化事業等を通じて、実態調査を行う地方自治体への支援や、委員もいろいろ御活動されているのは認識していますが、NPO等が行う子供、若者の居場所づくりの支援、自治体が居場所をコーディネートする人材を配置する場合への支援などに取り組み、地域における子供、若者の居場所づくりを後押ししています。
また、委員、スウェーデンやベルギー等においての若者団体の支援についても御指摘いただきましたが、これらも、政府内でも調査研究事業を通じて共有しておりまして、こういった事例も参考にしつつ、これから若者の居場所づくりに関する取組を進めていきたいと考えています。
一昨年十二月に閣議決定したこどもの居場所づくりに関する指針でも、全ての子供、若者が身近な地域において安全で安心して過ごせる居場所を確保することが重要と示しておりまして、引き続き腰を据えて必要な支援に取り組んでまいりたい考えです。
○河西委員 御答弁ありがとうございました。
こういった時代であります。若者のお一人お一人が本当に大切な存在であるというふうに思っておりますし、今般のような問題の根絶を始めとして、若者団体の支援、こういったことについては今後も一般質疑等で取り上げさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。
時間が迫ってまいりましたので、以上とさせていただきます。ありがとうございました。
○大岡委員長 次に、塩川鉄也君。
○塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。
風営法案について質問いたします。
本法案では、悪質ホストクラブ問題に対応するための規制が強化をされるということであります。制度の整備はもちろん重要であります。同時に、被害に遭った女性たちがどこに相談すればよいか分からないというようなことがあってはなりません。相談窓口の周知は必要ですし、その窓口の体制を整備することは国の大きな責務であります。
そこで、坂井国家公安委員長にお尋ねをいたします。
警察庁も、三月には、広報啓発や真摯な相談対応、そして関係行政機関との連携に関する通達を都道府県警宛てに発出をしております。悪質ホストに関連する警察への相談件数が急増しているということですけれども、その要因と、どのような相談対応を行ってきたのか、今後、相談対応における改善点はどうなっているのか、この点についてお尋ねいたします。
○坂井国務大臣 警察への相談件数でございますが、令和三年、二千四十四件、四年、二千八十九件、五年、二千六百七十五件、六年、二千七百七十六件と、近年増加しております。
この背景について断定的にお答えするのは困難でありますが、やはり、コロナ禍を経て、孤独、孤立、人のつながりや自己肯定感を求める、こういう若い女性がホストクラブを訪れる、また、派手な看板であったりアドトラックであったり、広告宣伝がSNSにまで入ってくるというようなことで、様々なこういった情報に触れ合う機会が増え、身近に感じ、すごくハードルが下がったというようなことが考えられるのではないかなと思っております。
警察におきましては、悪質ホストクラブ問題を深刻な問題と認識をし、これまでも、風営適正化法のみならず、売春防止法、職業安定法等を駆使して取締りを強化をしてきましたと同時に、立入り等を通じた行政処分、広報啓発等の対策も講じてまいりました。
本法案が成立した暁には、こういった取締り等々と同時に、先ほど辻副大臣からも答弁がありましたが、関係行政機関等と連携をして、幅広く、様々な場所づくりであったり、また相談の機能であったり、こういった強化を、各種取組を進めてまいりたいと思っております。
○塩川委員 相談件数が非常に増えてきているということの背景についてもお話をいただきました。是非、そういったものについてしっかりとした相談体制を整えていく、そういう点でも関係機関との連携という話がございました。是非、こういった取組を行っていくときに、相談対応についての関係行政機関との連携において、連携先について警察庁としても示しているところであります。
その一つでもあります女性相談支援センターについてですけれども、女性相談支援員の処遇改善についてお尋ねをいたします。
悪質ホストクラブ問題についての政府広報ビラで、初めに述べたように、被害女性が、どこに相談すればよいか分からない場合は、まず、お住まいの地域の女性相談支援センターに電話で御相談くださいとなっております。
同センターは、女性の様々な悩みに関する相談に応じ、様々な支援を行う機関で、本問題においても重要な立ち位置にあります。その点において、実際相談を受ける女性相談支援員の役割は極めて重要であります。
女性相談支援員は、昨年施行の女性支援新法で職務が改めて定められました。電話、面接、出張訪問の相談や同行支援、関係機関との連携といった事業の中心の担い手で、高度な専門知識と経験が求められます。昨年八月の国の調査でも、相談件数全体は延べで四十万件を超えた状況で高止まりをしている。そういった際に、女性相談支援員の仕事の役割も極めて大きくなっていると思います。
厚生労働省にお尋ねします。この調査では、給与等の処遇についても調査をしています。まず配置状況について、正規、非正規の割合はどうなっておりますか。
○岡本政府参考人 お答え申し上げます。
女性相談支援員の配置状況ということでございますが、令和六年四月一日時点で各自治体に配置されております女性相談支援員のうち、令和四年度以前から配置されている方につきましては、正規職員が百八名、非正規職員が九百五十名ということでございまして、全体に占める割合としては、正規職員の方が約一割、非正規職員の方が約九割というふうになっているということでございます。
○塩川委員 非正規の方が九割ということであります。
このような非正規職員の給与というのはどうなっておりますか。
○岡本政府参考人 お答え申し上げます。
令和六年四月一日時点で配置をされている非正規の女性相談支援員のうち、令和四年度以前から当該自治体に配置されている方につきまして、令和六年四月の基本給を時給換算いたしますと、平均で千四百九十六円というふうなことでございます。
○塩川委員 時給が千四百九十六円というのは余りにも低いと言わざるを得ません。本当に専門性が求められる、丁寧な相談活動を担っておられるこういった方についての、時給換算での千五百円にも届かないというのは余りにも低いということを言わざるを得ません。
さらに、この調査では、この実態について、国庫補助基準額はおおむね時給千五百七十六円、多くの自治体で乖離が見られると厚労省も指摘をしております。
実際、基準額を超えているのは五都県と承知をしておりまして、残りの四十二道府県はこれを下回っているということで、厚労省として、こういう乖離をどう改めていくのか、引き上げていくのか、この点についてお答えください。
○岡本政府参考人 お答え申し上げます。
女性相談支援員につきましては、困難な問題を抱える女性にとっての最初の窓口として相談に応じ、女性の状況などに応じた必要な支援のコーディネートを行うなど、女性支援において重要な役割を担っているということでございます。
女性相談支援員につきましては地方公務員ということでございますので、任用や労働条件につきましては自治体において判断をしていただくということではございますが、職務を行うために必要な能力、専門的な知識経験を有する人材の登用、職務に見合った処遇に御配慮をいただきたいというふうに考えております。
こうしたことから、厚生労働省におきましては、女性相談支援員が非常勤として配置される場合であっても、その役割に見合った適切な処遇が確保されるよう、基本額に加え、経験年数や職務に応じた加算、期末手当、勤勉手当加算などの補助を行っているということとともに、令和七年度からは、有識者や職員OBが知識や経験を生かして女性相談支援員が抱える困難事例に対する助言を行うなど、支援の質の向上や業務負担を軽減するためのスーパービジョン整備事業というものを行っているところでございます。
こうした取組を通じまして、女性相談支援員の職務に見合った処遇の確保あるいは職場環境の整備ということを推進してまいりたいと考えております。
○塩川委員 女性相談支援員の方々というのは専門的な知見、知識を持って対応しておられるわけです。こういった仕事、役割、能力について、都道府県で差があるわけではありません。そういう点でも、そこで賃金の違いが生まれるということ自身がおかしいわけであって、やはり、一律のこういう賃金体系にしていくような、こういう取組を促していく姿勢というのが国には求められるということを申し上げます。
あわせて、処遇改善の話もありました。是非とも正規化を目指すような処遇改善というのは必要だということを強調しておきたいと思います。厚労省の資料によれば、在職年数が三年未満の相談員が、都道府県では四一・四%、市町村では四〇・三%となっております。自治体全体で十人にも満たない人員のところもあります。
さきに述べたように、高度な専門知識と経験が求められますし、支援には継続性が必要であります。女性版骨太方針でも、「女性相談支援員の人材の養成・処遇改善の推進」と記載をされております。支援員の適切な人員体制と、雇い止めのない雇用を含めた待遇改善が必要だということを強調しておきます。
次に、同じように相談活動を行う窓口として、連携をする対象として、消費生活センター、消費生活相談員の処遇の問題があります。
消費者庁にお尋ねしますが、このような消費生活センターでは、悪質ホストクラブ問題にどのように対応しておられるんでしょうか。
○黒木政府参考人 お答え申し上げます。
消費生活センターでは、消費者トラブルに遭われた消費者などからの御相談を受け付け、専門の消費生活相談員が相談内容に応じて助言等を行っているところでございます。
ホストクラブ関係の御相談につきましては、相談者によってその内容が様々でございます。まずは相談員が相談者の置かれた状況や事情を丁寧にヒアリングした上で、その内容に応じて、例えば、消費者契約法の御紹介や専門的な御助言、それから、弁護士や法律相談の御紹介、また、先ほども御指摘のありました女性相談支援センター、その他関係機関の窓口の御紹介などを行っておりまして、最大限相談者に寄り添った対応を行っているところでございます。
○塩川委員 個々の事情を丁寧に伺って、具体的な相談の中身に対応してアドバイスをし、また、必要な関係機関を案内をする、そういう点でも極めて重要な役割を果たしているのが消費生活相談員の方ですけれども、高度な専門性や知識経験が必要ですが、その実態を見ますと八三%が非正規となっており、そのほぼ全てが会計年度任用職員となっております。
我が党の本村議員が消費者特で取り上げましたように、雇い止めが増加をしているという問題もあるということで、消費者庁にお聞きしますが、悪質ホスト対策という点でも、多くの知識やノウハウを持つ相談員の方々が雇い止めされてしまうというのは、本当に重大な、社会的な損失だと言わなければなりません。是非、対策が必要ではありませんか。
○尾原政府参考人 お答え申し上げます。
消費生活相談員に求められる能力や経験は一朝一夕に身につくものではなく、中長期的な視点に立って任用、育成等を行っていくことが重要でございます。
消費生活相談員の任用は、地方公務員法等に基づき、各地方自治体で検討、実行されているものではありますが、消費者庁としましては、こうした相談員の方々の能力や経験等に見合った処遇となることが重要であると考えております。
そのため、これまで様々な機会を通じて地方公共団体に働きかけなどを行ってきたところであり、引き続き、任用面を含めて適切な処遇となるよう働きかけに努めてまいります。
○塩川委員 雇い止めが横行するような事態はやはりふさわしくない、雇い止めが横行するような事態というのはやはり改めるべきだ、そういうことをはっきりと言うべきじゃありませんか。
○尾原政府参考人 お答え申し上げます。
いわゆる雇い止め、任用回数に上限を設け、上限を超えた場合には同一者を一切再任用しないといった規定、人事慣行等は、消費生活相談員の職務の特性に反するものであると考えております。
繰り返しになりますけれども、我々としましては、様々な機会を通じて地方公共団体に任用面も含めて適切な処遇となるよう働きかけをしているところでございます。
○塩川委員 この仕事を培っていく、そういった点でも、養成には中長期的な対応が必要なわけですから、雇い止めというのはまさにそれを断ち切る話であって、そこをやはり改めていく、そういった対応というのを消費者庁としても働きかけを求めていきたいと思います。消費生活相談員の方々が安心して働けるように、このような処遇改善を強く求めていくものであります。
最後に、ワンストップ支援センターについてですが、代金の支払いのため女性に性風俗を強制させるという行為が重大な問題となり、本案でも一定の規制が設けられております。そういった被害を受けた女性のため、保護や心身の負担軽減、身体の回復を目的として、各都道府県に性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターが設置をされております。
内閣府にお尋ねしますが、夜間の相談対応や緊急対応も必要な、二十四時間三百六十五日いつでも対応できることが重要であります。現状がどうなっているのか、この点についての今後の対応をどう考えているのかを併せてお聞きします。
○岡田政府参考人 お答え申し上げます。
お尋ねの性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センターにつきまして、二十四時間三百六十五日対応が可能なセンターが整備されているのは二十都府県となっております。
なお、それ以外の道府県につきましても、内閣府が運用いたします夜間休日コールセンターの利用によりまして、二十四時間三百六十五日相談していただくことが可能となってございます。
また、緊急時には、各センターの相談員等がオンコール対応を行う体制を取っております。
ワンストップ支援センターは都道府県等がそれぞれの地域の状況に応じて体制整備をしているものでありまして、センターの相談受付時間につきましても各都道府県において判断していただいてございます。
内閣府といたしましては、都道府県等に交付いたします性犯罪・性暴力被害者支援のための交付金におきまして、二十四時間三百六十五日対応可能なセンターを整備している場合には、上限を設けることなく、運営に要する所要額の全額の交付申請を可能とするなど、二十四時間三百六十五日対応の取組を支援しているところでございます。
なお、センター自身で常時相談を受け付けるという体制を取ることが難しい場合でありましても、被害に遭われた方が時間、曜日を問わずいつでも相談することができ、状況に応じて必要な医療的支援等を受けられることが重要と考えておりまして、先ほど申し上げましたとおり、繰り返しになりますけれども、内閣府といたしましては、夜間休日コールセンターの運営とオンコール体制の整備によりまして、各都道府県等と協力いたしまして相談支援体制の整備を図っているところでございます。
○塩川委員 終わりにしますけれども、二十四時間対応といっても、コールセンターということでは、遠いわけですよ。実際には、逃げ込める場所、駆け込める場所が必要なわけです。
医療的なケアも含めた対応という点でのワンストップ支援センターについて、二十四時間三百六十五日対応の、医療拠点型のそういう施設をしっかりとつくっていく、こういった形で支援を行っていく。そのことを強く求めまして、質問を終わります。
○大岡委員長 次に、吉田はるみ君。
○吉田(は)委員 立憲民主党の吉田はるみです。
本日は、質問の機会をいただき、誠にありがとうございます。
悪質ホスト問題は、立憲民主党の塩村あやか参議院議員、そして山井和則衆議院議員が、一昨年の二〇二三年から二年間にわたって取り組んでまいりました。私も、トー横キッズ、これを初めて国会で取り上げたのがちょうど二年前の二〇二三年五月九日です。
この間、塩村議員も山井議員も、歌舞伎町の現場に何度も赴きまして、悪質ホストクラブの実態、そして、被害女性の心も体もぼろぼろになってしまっている非常に厳しい現実を体感してまいりました。
これ以上、借金を負わせて売春や性風俗で働かざるを得ない被害女性を出してはならないという思いで、二度議員立法も提出しております。二〇二三年十一月三十日、そして二〇二四年六月七日と議員立法を提出しているわけですが。
この間、最初は、全然ある意味注目もされなかった、これは男女の間の問題、あるいはだまされる方が悪いなんという議論だったんですが、そこから、警察庁の皆様も、これはそれじゃないぞということで認識をしてくださいまして、今日こうして風営法の改正、この議論ができること、感慨深く思いますし、警察庁の皆様にも感謝を申し上げたいというふうに思います。
それでは、質問に入らせていただきます。
今申し上げました、被害女性がだまされるのが悪いではないんです。ここには大きなビジネスモデル、トクリュウという、匿名・流動型犯罪グループに資金が流れている、お金が流れているという問題がございます。皆様の机上にも配付をさせていただきました。十八年ぶりに警察庁長官、露木長官が歌舞伎町に視察に行かれた、これは大きかったと思います。
そこで、公安委員長にお伺いしたいんですが、トクリュウに流れている資金、お幾らぐらいと見積もっていらっしゃいますでしょうか。
○坂井国務大臣 スカウトグループを始めトクリュウにどれだけお金が流れているかというのは、ビジネスモデルがあるということまでは解明をしておりますが、まだ全体像、どれだけのグループがあるかということがまだ見えていないというか、全体は見えませんが。
しかし、例えば、スカウトグループ「アクセス」というグループは、約三百人構成員がいて、全国で千八百の性風俗店に女性を紹介をして、五年間で七十億円、また、スカウトグループ「ナチュラル」というところは、千五百人構成員がいて、全国で約四千の性風俗店に女性を紹介し、一年間で約五十億円の収益を得ていたと見ております。
○吉田(は)委員 いや、びっくりしました。本当に、この数字と金額を、これが氷山の一角ということなんですよね、委員長が今おっしゃいました。闇バイトでも注目されましたけれども、この氷山の一角、これを是非、この風営法改正によって、実態をまさに表に出していただきたいなというふうに思います。
では、ちょっと実際の数字、質問の二番と三番をまとめてお伺いしたいと思います。
今回の風営法に基づく飲食店、接待飲食店の許可数と、そのうちのホストクラブ数を教えてください。また、昨年、その許可が取り消されました飲食店、接待飲食店の取消し件数も併せて、件数だけ教えてください。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
令和六年末時点における風営適正化法第二条第一項第一号の接待飲食営業の許可件数は五万九千五百十六件となっており、同令和六年末時点におけるいわゆるホストクラブに当たると見られる接待飲食店営業の営業所数は約千百軒となっております。
また、令和六年中におきます風営適正化法に基づく接待飲食営業の許可の取消し件数につきましては、四十七件となっております。
○吉田(は)委員 今ちょっとこれを伺っていて、ええっと思ったんですけれども、四十七件が営業許可の取消しということなんですが、悪質ホストクラブにしてみると、営業許可を取り上げられることが一番の死活問題になっていく。でも、それを止めるためにはそれが必要なわけなんですが、先ほど委員長にお答えいただきましたけれども、千八百人の構成員、千五百人の構成員、かつ、四千のホストクラブがあるということで、今回許可を得ているのは千で、許可取消し四十七、どうも数字がちょっと私は合わないなと思っているんですね。
ずばりお伺いします。この風営法の改正で取締りになるであろうと思われる件数、ホストクラブの件数ですね、何件ぐらいと見積もっていらっしゃいますでしょうか。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
今回の法改正により様々な規制行為等追加されますが、それによりまして、では具体的に何件ぐらいのホストクラブが例えば営業許可の取消しになるかということについては、一概にはお答えはすることは困難かと考えております。
ただ、我々といたしましては、法律が成立した暁には、この新しい規定も基に、しっかりとした取締りを進めてまいりたいと考えております。
○吉田(は)委員 難しい問題だとは思うんですけれども、是非、肝にあるのは、被害女性を出さない、そして被害者の方を本当に支援するというところだと思いますので、弱い人を食い物にして悪い犯罪組織にお金が流れていく、これだけは断ち切らなければいけないというふうに思います。
続きまして、消費者庁にお伺いしたいんですけれども、注意喚起という意味で、大きな借金を負わされて、それを解約したいということもできるわけですけれども、周知徹底していません。ごめんなさい、これは言い切りになってしまって申し訳ないんですが、ホームページでそれを出しても女性のところには届きません。
店舗などに、売掛金、これはチャラになる可能性がありますよ、その注意喚起、消費者庁、それを貼っていただくようなことはできませんか。
○黒木政府参考人 お答え申し上げます。
消費者庁において、消費者契約法の御指摘だと思いますけれども、それにつきましては、店舗にということはなかなかこれまでできておりませんが、例えば一昨年の年末には、東京都、新宿区などと協力いたしまして、歌舞伎町におけるキャンペーンなどで、消費者契約法も含め御案内をするようなチラシの配布などもやっているところでございます。
また、消費生活センターには数度にわたり消費者契約法の活用も含めお伝えをしているところでございますので、引き続きそのような取組をしっかりやっていきたいと思っております。
○吉田(は)委員 やはり積極的にアウトリーチしていただきたいんですよ。そんなの、そこに貼っていたから見てねって、見ません。本当に被害女性に寄り添った消費者庁としての行動を是非お願いしたいと思います。
さて、今日、ちょっとこれを私はどうしても聞きたい。売春防止法に関してです。
これまで、実は衆議院では買春に関する議論が戦後一回もなされていません。調べました。参議院では過去五回取り上げられています。それも、六十七年前に一回、三十年前に二回、三年前、塩村あやか議員も含め、二回なんですよ。衆議院で初の買春に関する質問になります。
法務省、ちょっと時間がなくなりましたので、お伺いします。ケーススタディーという形でさせていただきたいんですが、パパ活、かつては援助交際とも言われていました。こんなときどうでしょうか。マッチングアプリを使ってパパと女の子が知り合います。パパの方から、三万円でどう、この後と言って買春をした場合、このパパは捕まりますか、罪に問われますか。
○吉田政府参考人 個別の事案における犯罪の成否についてはお答えを差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げますと、売春防止法における売春とは、対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交する行為を意味しております。そして、この売春をする行為と売春をする行為の相手方となる行為、これは法律上は禁止されておりますけれども、それらの行為そのものを処罰する規定はないということでございます。
○吉田(は)委員 つまり、だから、パパは逮捕されないんです、捕まらないんです。
かつて、そういうパパ活、あるいは援助交際、これも社会問題になりました。そのときに、男性側で逮捕された人、一人も、いますか。ちょっと法務省、これは分かれば教えてください。
○吉田政府参考人 突然のお尋ねでございまして、手元にデータがございませんので、申し訳ありませんが、差し控えさせていただきたいと思います。
○吉田(は)委員 ないと思いますよ。今まで、売春、売る方の女性は捕まります。でも、買春、買う方の男性は捕まらない。おかしな法律ですね。
私、皆様の手元資料でまとめてみました。アメリカはどっちも駄目です、売りも買いも駄目です。フランスは買い、そしてカナダも買いが駄目。売春の方は保護されているんです。保護対象なんです。日本は逆なんですよ。売る方が、女性が罰せられて、買う側の男性は処罰対象になっていないという、これは大変おかしな、私は法の不備ではないかと思っているんですけれども。
法務省、刑法改正、すごい頑張られました。性加害の厳罰化、これも思い切った対応をしていただいたと思うんですけれども。法務省に伺います。この買春に関して、この点、法務省内で、あるいは問題提議がありますか。
○吉田政府参考人 先ほど申し上げましたとおり、売春防止法では、売春をする行為も、それからその相手方となる行為も、いずれも処罰対象となっていないということが前提でございます。
その上で、国会でもこれらの行為について処罰対象とすべきではないかという御指摘を受けることがございまして、法務省の内部でその御指摘の点についてどのように対処すべきかということは検討しているところでございますけれども、幾つかなかなか難しい問題もございまして、十分に検討していく必要があるというふうに考えております。
○吉田(は)委員 法務省もちょっと苦しい言い方なんだろうと思いますが、我々立法府が是非この議論を活性化していくべきではないかなと思いますので、先生方にも是非お願い申し上げたいと思います。これは昭和三十一年から変わっていないんですよね、この規定。もう今、令和の時代ですので、ここも是非アップデートしていく必要があると思います。
あと一つ、最後に、ちょっと実際の事例、これを紹介して、先生方にも考えていただきたいと思います。
今年二月です、ちょうど春節という旧暦のお正月で、観光客の方がどっと日本にも入ってきたとき。そのとき、私、歌舞伎町、大久保公園周辺を見回りしたんですけれども、女の子に聞きました。
最近、私は外国のお客さんの方が安心できる。何でだと思いますか。今、一斉取締りで私服の警官の方が入ってこられると、もしかして、自分、捕まっちゃうわけですよ。例えばホテルに入った瞬間に、その方が警察の方だと、女の子が捕まるわけですけれども。でも、外国語を話している方の方が安心できると言って、本当に海外のインバウンドのお客様専門に売春しているんだという声を聞いて、私、これは非常に問題だなと思ったんですね。
この場合、女性は逮捕され、じゃ、この外国人の観光客の方、この方は逮捕されますでしょうか。法務省、お願いします。
○吉田政府参考人 個別の事案における犯罪の成否についてはお答えを差し控えさせていただきますけれども、先ほど申し上げましたとおり、売春防止法では、売春をする行為も、それからその相手方となる行為も処罰の対象とはされていないということでございます。
一般論として、刑事訴訟法上、令状によって逮捕するためには、罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由が必要でございますので、その罪、つまり、日本の刑罰法令で犯罪とされているということが前提となります。
○吉田(は)委員 厚労省に、最後、ごめんなさい、申し訳ない、副大臣にせっかく来ていただきましたので、二点お伺いしたいと思います。
梅毒も二〇二〇年に比べて倍増しました。こういう問題があります。そして、今、支援の現場で、発達障害ではないかなというふうに、私、発達障害の方々が結構苦しんでいらっしゃるなという現実も見ました。こういった健康調査、やってみていただけないでしょうか。それを是非、被害者支援の一環として、健康調査、これらを併せてやっていただけないかなということをお願いしたいのですが、いかがでしょうか。
○仁木副大臣 吉田委員にお答えします。
前段の性感染症、STDとも言ったりしますけれども、それに関しましては、ネットを通じてのそういう性行為があるということも実態としてありますが。今御要請のありました調査に関しましては、女性相談支援センターにおいて相談を受けるとともに、また、官民連携の、協働の女性支援事業等もございまして、民間団体、NPOとかを通じて、相談体制をアウトリーチでつくり上げているようなこともあります。そしてまた、受け付けた相談への対応状況等の把握に努めるとともに、意見交換等々を通じまして、被害者の実情を把握していくということを今後とも進めたいと思っております。
きめ細かな対応が行われるように、今後とも連携してやっていく予定でございます。
○吉田(は)委員 積極的な支援をお願いして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○大岡委員長 次に、山井和則君。
○山井委員 十五分間、質問させていただきます。
委員外でありますのに、質問の機会をいただきました今井理事、本当にありがとうございます。
また、何よりも、この間、前松村国家公安委員長、そして現坂井国家公安委員長。坂井国家公安委員長におかれましては、昨年秋、就任されてすぐに歌舞伎町に視察に行かれたということをお聞きしました。その結果、今日こうやって、悪質ホスト対策の風営法がうまくいけば可決されるのではないかと思いますが、本当にこの間の警察庁の、警察庁長官も何度か現地視察にも行っていただきましたし、その御尽力には心より感謝を申し上げたいと思います。
また、言うまでもなく、このことについては、現地で日夜被害者の相談に乗っておられます青母連の方々、玄代表、田中事務局長、また、ぱっぷすの方々、そういう方々のおかげでこういう取組が進んでいることにも感謝を申し上げたいと思います。
先ほど吉田議員もおっしゃいましたが、この悪質ホスト対策というのは、初めて国会で取り上げられたのが二〇二三年の十一月九日、参議院内閣委員会、塩村あやか議員が初めて取り上げられました。そして、風営法の改正、法改正が必要なのではないかということを強く訴えられまして、それから一年半でこういうふうに改正が閣法によって実現することになりました。吉田はるみ議員も、議員立法を二回、悪質ホスト対策で筆頭提出者として提出をされました。
私も取り組んできまして、十数回、歌舞伎町の現場に行って、そういう悪質ホストの被害者の方々の話も聞かせていただいたりしました。
そんな中で、十五分しか時間がありませんので短く質問しますけれども、今回の悪質ホスト対策の風営法改正とセットで取り組んでいただきたいのが、今、吉田議員も質問されました買春防止法制定という問題なんですね。
これは、一九五〇年代に売春防止法ができてから約七十年間、今、吉田議員のにもありましたように、海外では買春は罪なんですね。日本だけ、買春は罪でなくて、女性が捕まるんです。これは言いづらいですけれども、そうなると、海外の観光客の外人の男性は、自分の国で買春したら捕まるけれども、日本に行ったら、日本人の女性は捕まるリスクはあるけれども、自分は全然セーフなんですね。
そういうことになっておりまして、悪質ホストの被害者の多くの女性が、歌舞伎町の大久保公園の辺りで数十人の女性の方々が性を売らざるを得ない状況で、いわゆる路上売春という状況がずっと恒常的に続いていて、そしてその売上げがまた悪質ホストに吸い上げられていくという、悪質ホスト対策と路上売春の防止というのはセットなんですよね、残念ながら。
それで、今日お配りした配付資料の二ページ、「香港紙、東京は「アジアの売春観光都市?」 歌舞伎町で外国人相手に横行「中国人多数」」という産経新聞の昨年十一月十九日の記事を配付をしました。
ちょっと読み上げます。
香港の日刊紙が今月、東京について、アジアの新しいセックス観光の首都と記事で報じた。外国人男性が歌舞伎町で買春ツアーを行っている。円安と日本の貧困によって、外国人男性が東京にセックス観光に来ている。それによると、記事では、買春に歌舞伎町を訪れる外国人について、白人、アジア人、黒人など様々だが、多数は中国人と、悪質ホストクラブに関するトラブルに対応する青少年を守る父母連絡協議会、青母連の田中事務局長がコメントした。実際に同紙のインタビューで、十九歳の女性は生活費のために一日五人から十人の相手をしていると言い、客の半分が外国人、最近二回目の中絶をしたと証言をしております。
言いづらいですけれども、二人でラブホテルに入って、日本語が通じないわけですよね。そこで、言いづらいですけれども、暴力を振るわれた、大変なけがをしたということで、救急車で運ばれる日本人の女性もいるわけです。日本語が通じないわけですから。悪い外国人もいますよね、言っちゃ悪いけれども。日本人でも悪い人はいますけれどもね。
私は、ちょっとこれは看過できないんですけれども。悪質ホスト対策の風営法改正、一歩前進ですばらしいと思います。大変大変感謝しておりますけれども、もう一方では、ちょっと私は本当に、これは口で言うのもはばかられるんですけれども、東京はアジアの売春観光都市、アジアの新しいセックス観光の首都、外国人男性が東京にセックス観光に来る、こういう現状というのは、本当に放置していいんでしょうか。
坂井国家公安委員長にお伺いをいたします。
今、吉田議員も質問されましたけれども、外国人相手に路上売春、女性は捕まる、外国人は全くセーフなんですよね。ノーリスクなんですよ。ひどい話、海外から観光に来て、家族はディズニーランドに行っといて、お父さんはちょっと歌舞伎町に行って女性と遊んでくるとか、こんな観光があるんですよ。これはやはりおかしいですよね。
坂井国家公安委員長、こういう路上売春が多発している、特に歌舞伎町の現状をどう取り締まりますか、お答えください。
○坂井国務大臣 まず、山井議員、吉田議員を始めとする立憲民主党の先生方におかれましては、悪質ホストクラブ問題に対して、これまで熱心に取り組んでいただき、政府にも様々な問題提起をいただいたことに御礼を申し上げたいと思います。
今御指摘の点でございますが、警察では、繁華街、歓楽街における風俗環境の浄化や安全、安心の確保に向けて、売春防止法等による取締りを行っているほか、自治体でありましたり防犯ボランティア団体等と連携して、売春目的の勧誘が行われる地域等において、パトロールや声がけ等の注意喚起を実施しているところでございます。
また、支援を要すると思われる方を把握した場合には、支援に向けた面談等を実施し、自治体の福祉事務所等の関係行政機関へ取り次ぐなどの取組を進めているところでございます。
引き続き、法とそれから証拠に基づき、こうした取組を推進していくよう警察を指導してまいりたいと思います。
○山井委員 今おっしゃったように、女性には売春したら駄目でしょうと指導できるんですよ。でも、買いに来ている男性には一言も言えないんですよ。それは増えますよ。
そこで、法務省にお伺いしたいと思います。
実は私も、三年前に、そういう被害者を支援しておられる女性の方々に連れられて、生まれて初めて歌舞伎町の大久保公園、三年前に行ったんですよ、晩に。それはもうびっくりしましたね。十代の若い女性が十数人、ずらっと立っているんですよ。私は本当に、これは日本かと目を疑いました。一国会議員として、本当にもう涙が出るぐらい情けなくて、申し訳なかったですよ。そのときに、女性のそのボランティアの方に、何でこんな問題が放置されていて減らないんですかと聞いたら、その女性の方が一言、買う方の男性が全く取り締まられないからですと。この現状をなくすには、買う方も処罰しないと。女性は捕まるけれども、買う方は全く捕まらないんですよね。
そこで、吉田議員も質問されましたけれども、法務省にお伺いしたいと思います。
実は私、専門家の方の力をかりて、資料も作ったんですよ、配付資料の二ページ目。スウェーデン、ノルウェー、アイスランド、カナダ、北アイルランド、フランス、アイルランド、イスラエル等々、今は、男性は逮捕するけれども、女性を保護するというのが世界の流れなんですね。女性を捕まえて男性はセーフ、そんな国というのは少なくなっているんですよ。アメリカでも一部の州は男性を逮捕する、こうなっているわけですね。
そこで、法務省にお伺いしますが、やはりこれは、検討会をつくって、七十年間放置されているこの問題を何とか前に進めていくべきじゃないでしょうか。言いづらいですけれども、こういう性的な問題というのは非常にデリケートで難しくて、多分、今日の私の質問に対しても苦情とか誹謗中傷が殺到すると思うんですけれども、吉田議員も私もある意味では腹をくくって、衆議院で初めてですよ、この議論がされるのは。誰もこんな議論したくないですよね。ややこしい問題ですよ、はっきり言って。
でも、私が言いたいのは、このまま、日本人が日本人を買うのも問題ですけれども、言いづらいけれども、日本、ジャパン、東京に行ったら、合法的に安く若い女性と性行為をして遊べるといって、世界で、CNNから、BBCから、ワシントン・ポストとか、ニューヨーク・タイムズとか、世界の新聞やテレビが歌舞伎町を残念ながら報道しているんですよ。ああ、日本というのは、若い女性を安く買って、そういうことができる国なんだというのは、日本人が考えているほど私は甘くないと思いますよ。
今後、日本の女性が世界に行ったときに、日本の女性というのは、お金を払えば、やりやすい国なんだなと。これは、一売春が云々という問題じゃなくて、私は、日本女性の尊厳、一歩間違うと日本の女性が性被害に遭いやすくなる、もっと言えば、私は日本の国の品格が問われる問題だと思うんですよ、品格が。やっている人が悪いんじゃないんですよ。それを放置している超党派の議員も、政府も、法務省も、何でそんなことを放置しているのかと世界から笑われかねないと私は思うんですよ。
そういう意味で、是非、法務省におかれましては、検討会を設置して、こういう買春防止法の制定を、反対意見も多いと思いますけれども議論していただけないかということと、超党派の皆さん、今日も聞いておられますけれども、これは党派は関係ないと思いますよ、日本の国の品格と日本人の尊厳に関わる問題だと思いますので、超党派ででも取り組めたらと思います。
法務省、いかがでしょうか。
○吉田政府参考人 今の委員の御指摘、問題意識は十分理解させていただいているところでございます。
その上でですけれども、買春者の側の行為を処罰するという場合に、どのような行為を処罰対象として想定するかということにもよってまいりますけれども、売春の相手方となる行為自体、あるいは勧誘する行為、あるいは、その勧誘する行為のうちの特定の態様によるもの、様々想定されるとは思うんですけれども、それらの行為を処罰するという場合には、今御指摘ありましたけれども、まずもって実態を十分に把握するということが必要となってまいるというふうに考えております。
また、処罰対象とすべき行為を明確に過不足なく規定することができるのか、そのためにはどういうふうに規定すればいいのかということも問題となると考えております。
先ほど御指摘ありましたように、男女間の性に関わることでございまして、機微にわたる部分もございますので、国民の自由を不当に制限しないかどうかという観点からの検討も十分必要になってくるというふうに考えております。
こうした点について、実態も踏まえながら十分に検討していく必要があるというふうに考えております。
○山井委員 今、実態を踏まえながら十分検討していく必要があるという、本当に前向きな答弁をいただいたと思うんです。
私、慎重な意見も分かりますよ。やはり個人の性の問題とかそういうことというのは、行政とか警察とか法律が余り立ち入るべき問題ではないと私も思います。でも、ここで、私も専門家の方と資料にしましたけれども、つまり、個人の性行為を規制するんじゃないんですよ。路上であからさまにそういうことが横行して、社会の風紀を乱して、日本の国家の尊厳というか、日本人の品格を乱すようなことはさすがに一線を越えているんじゃないんですかということなんですよ。
東京が世界のセックス観光のメッカだというようなことを、東京は首都ですからね、こういうことは何としても防がねばならないと思うし、ここに書いてありますように、勧誘と誘引、声をかけたら女性は捕まるんです。それについては男性も処罰すべきということで、買春自体を逮捕するわけじゃないんです、ここに書いてあります。
それでは、最後に坂井委員長にお伺いしたいと思います。
これは法務省さんに懸かっているんですけれども、ぶっちゃけた話、警察の方々に聞くと、現場の方に聞くと、確かにこれは、男性を処罰できるようになったら、この路上売春で外国人も日本人も群がっているという状況は一発で激減させることができますと。現場の警察の関係者は買春防止法を望んでおられるんです。
国家公安委員長として、そういう法律があったらいいなと思われませんか、いかがですか。
○坂井国務大臣 山井委員の問題意識はよく理解をしたところでございますが、国家公安委員長といたしましての答弁といたしましては、売春防止法は所管外であるということでございますし、同法の改正の是非でありますとか、買春というか、買う方が禁止された場合といった仮定の質問についてのお答えは、所管外の立場では差し控えたいと思っております。
いずれにしても、立法府でお決めいただいた法律と証拠に基づいて適切な取締りを的確にしっかり行っていくように、警察を指導してまいりたいと思います。
○山井委員 終わります。ありがとうございます。
○大岡委員長 次に、下野幸助君。
○下野委員 立憲民主党の下野幸助です。
質問の機会を与えていただきまして、関係者の皆様に心から感謝を申し上げたいと思います。
私、昨年十二月十八日のこの内閣委員会で、深刻化する悪質ホストクラブ問題について、立憲民主党も協力いたしますので、是非、通常国会で風営法の改正案を提出していただきたいと坂井大臣に要望いたしました。そして、そのときに前向きな答弁をいただきまして、そのとおり改正案を閣議決定し、今国会に提出されましたことについて、冒頭、お礼を申し上げたいというふうに思います。
早速、国家公安委員長始め警察庁長官も現地の調査に行っていただいたり、あるいは日頃御支援をいただいている青母連の皆さん、ぱっぷすの皆さんも本当に心から感謝を申し上げたいと思います。
それでは、質問に移らさせていただきます。
今回の法案によって、悪質ホストクラブを経営するグループを摘発できるようになり、今回の法案としては、第一段階としては大きな一歩と捉えております。一方で、各支援団体からのヒアリング、そして現地調査を私もさせていただきましたけれども、そもそも、ホストについて、この日本社会で職業として確立していないというふうに私は思っております。確立していないとはどういうことかというと、労働時間や休暇、そして健康保険、年金、さらには納税の義務、こういったことについて環境が整っていないということになります。
そこで、まず坂井大臣にお尋ねしますけれども、ホストという職業、これは一つの職業として認められておりますか。いかがですか。
○坂井国務大臣 接待飲食業に従事をする者として認められているということです。
○下野委員 今、坂井大臣がおっしゃられたとおり、ホストも職業として認められているということで、風営適正法の規制対象といたしましては、適正に営まれる限り、社会的に有益かつ有意義ということです。
そこで、ホストをホストクラブが直接雇用し、社員化することで、ホストクラブの責任を明確化することが、何よりも今回の悪質ホスト問題の解決につながるものと考えます。
そこで、厚労省に三点お尋ねいたします。
まず、ホストクラブと労働契約を結んでいるホストと、委託契約のフリーランスのホストがいるかと思いますが、どれぐらいの割合でしょうか。二つ目、労働契約を結んでいるホストについては労働基準監督の権限が及びますが、ホストの労働状況についてどのように認識されていますでしょうか。そして三つ目、フリーランスとしてのホストは、いわゆる一人親方と同じで、労働基準監督署の権限が及ばないと思われますが、ホストの正規雇用化を働きかけたり、実態に即した指導をされたり、こういった監督指導をされていますでしょうか。以上、お尋ね申し上げます。
○安藤大臣政務官 安藤でございます。どうも済みません、ちょっと車椅子なものですから、着座にてお話しさせていただくことをお許しいただきたいと思います。
ちょっと比率については把握しておりませんので、この問いについてはお答えできずに申し訳ございません。
次に、一つ大きな問題、賃金ですけれども、賃金については、労働基準法二十四条において、労働者に、その全額を毎月一回以上、一定の期間を定めて支払わなければならないことになっております。
ホストクラブでホストとして働く労働者の方からも、月々の賃金が支払い期日までに支払われていないといった相談が労働基準監督署に寄せられているところでございます。労働基準監督署においては、労働者からの相談等の各種情報を端緒として事業場に立入検査を行った際に労働基準法違反が認められた場合には、その是正としての指導をしているところでございます。
引き続き厳正な対処をしていきたい、そう思っております。
○下野委員 今お答えいただきました、ホストも大変相談が多いということでございます。ホスト側に立つと、やはりしっかり働いた分の対価はいただかないとと思うんですが、それもちゃんとされていないという部分、そういったこともありますので、労働基準監督署に相談が多数寄せられているということでございますので、そこから先の支援もしっかりと行っていただきたいと思います。
ホストクラブに女性客が売掛金を支払えなくなれば、ホスト自身も大変厳しい環境なんですよね。その中で、厳しい環境に置かれているからこそ更に悪質なことを行って、そしてそれが女性の方にしわ寄せが来るというのが今の実態であるというふうに思っています。
ホストクラブが客からの売掛金を回収するために、ホストの賃金から客の売掛金を控除することについて、厚生労働省といたしましては、賃金は直接労働者に全額支払わなければならないということになっておりますけれども、それが違反されているという可能性もあるかというふうに思います。したがって、そういったことも踏まえて、調査も徹底していただきたいと思いますが、安藤政務官の御決意をお願い申し上げます。
○安藤大臣政務官 これは、大変、今、基本的な問題でございますので、しっかりと厚生労働省としても対応していきたいと思っておりますので、また御指導いただければ幸いです。
○下野委員 よろしくお願いを申し上げます。
続きまして、ホストクラブ及びホストに対する税務調査についてお尋ねいたします。
ホストの求人サイトを見ると、キャストの半分以上が月給百万円を稼いでいますとか、あるいはネットでも、広告を見ますと、年間売上げ一億円以上できますよというチラシ、広告宣伝が出ているかというふうに思います。ホストクラブの紹介サイトを見ると、推計で全国で三万人ぐらいホストがいる、東京歌舞伎町には七千人ぐらいいるというふうに見られております。
土田政務官にお尋ねいたします。これらのホストのうち、納税をしているホストは何人ぐらいいるでしょうか。
○土田大臣政務官 済みません、大変恐縮でございますけれども、御通告賜ってございませんので、そこの数字は把握しておりません。
○下野委員 そうでしたか、済みません。していたと思ったんですけれども。
それでは、もう一点聞きます。
ホストクラブ及びホストにつきまして、所得隠しや、追徴課税を昨年どれぐらい実施したか、お伺いをしたいというふうに思います。ホストクラブやホストごとに統計を出していない場合には、参考になる数値を教えていただければと思います。
○土田大臣政務官 済みません、ちょっと、大変恐縮ですけれども、その点についても恐らく通告いただいておりませんで、手元に数字がございません。
○下野委員 私、出していると思うんですけれどもね、昨日。
○大岡委員長 一旦、ちょっと速記を止めてください。
〔速記中止〕
○大岡委員長 速記を起こしてください。
土田政務官。
○土田大臣政務官 二点目の件、ちょっと済みません、私の認識違いで大変御迷惑をおかけしました。
件数の件なんですけれども、具体的な件数については、税務調査の実施状況を詳細に取りまとめておらず、公にした場合、今後の税務行政の適正な遂行に支障を来すおそれがありますので、答弁は差し控えさせていただきたいというふうに思います。
失礼いたしました。
○下野委員 それで、かつても、二十億円規模の所得隠しをしていたというホストクラブもあると思います。繰り返しになりますが、このお金の中には、ホストクラブへ多額の支払いをせざるを得なかった女性の支払い金も含まれていると思います。税務調査は、ホストクラブへの支払い後のお金の調査になるため、支払いを行った女性への直接の救済措置にはなりませんが、そもそも、ホストを取り巻く環境、仕組みが確立していないことが悪質ホストクラブ問題の本質と捉えています。
できるだけ後追いにならないよう、税務調査を適宜適切に進めていただきたいと思いますが、政務官の御決意をお聞かせください。
○土田大臣政務官 ありがとうございます。
委員が抱いていただいている問題意識は共有しているところでございます。いずれにしましても、国税当局において、今後とも、法令にのっとり、適正、公平な課税の実現の観点から、適切にしっかりと対応してまいるものだと承知しております。
○下野委員 よろしくお願いいたします。
続いて、三点目の質問に移らさせていただきます。接待飲食業に係る遵守事項の定量化ということについて、警察庁にお尋ねをいたします。
このお尋ねの前に、恋愛感情等について、ちょっと遵守事項の確認なんですが、例えば、恋愛感情につけ込んでホストが女性をその気にさせて、ある程度時間がたったときに、女性にもうちょっとホストと飲みたい、いたいという思いをさせておいて、ホストが時間だからもう次に行くよと言ったときに、ホストはこう言うわけですよ、もう一本シャンパン入れてくれたらもうちょっといられるよと。女性はこう言うわけです、じゃ、いいや、今お金がないから。いやいや、後でいいから、シャンパン入れてくれたらもうちょっといられるんだけれども。こういうことは恋愛感情の対象になりますでしょうか。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
今回新たに遵守事項等追加します規定におきましては、「恋愛感情その他の好意の感情を抱き、」というふうに書いてございます。ですから、そのものの恋愛感情ではなくても、例えばホストの方に対する好意とか憧れとかそういったものも対象になってくるものでございますので、今委員がおっしゃられたようなものについては、個々具体の事例によっての判断ということにはなりますけれども、当然該当するようなケースもあろうかと思っております。
○下野委員 該当するということでございました。
もう一点、参考までに、料金に関する虚偽の説明でちょっとお尋ねをさせていただきたいというふうに思うんです。
よく、最初は女性に、無料ですよ、食事だけ、遊びに来てくださいねというふうに、お誘いを受けて、何も知らない女性は食事に行くわけです。無料だと。それで、次も来てくださいねというふうに声をかけられて、行くわけです。でもお金はないけれども、まあまあどうぞどうぞと。そんな中で、行った後、二回目、三回目になってくると高額な飲食代を請求されるということに関しては、これは料金に関する虚偽説明に当たりますでしょうか。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
先ほど委員がおっしゃられたようなケースのように、初回は無料というようなサービスをしているところもございますけれども、二回目以降の料金についてどう説明しているか、その無料というのがどういうものなのかというところをしっかりと説明しているかどうかによって判断されることとなろうかと思います。
○下野委員 二回、三回という回数を重ねるときに、安価ですよという言葉をかけながら、結構、五万、十万という部分で請求をされて、売掛金が重なるという部分がありますので、そこの部分をしっかりとウォッチをしていただければというふうに思います。
そして、お伝えしたいのが、一つが上限金額の設定ということです。
参議院でも議論があったと思うんですが、法案の作成において、この上限金額の設定を検討されたか確認をしたいと思います。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
料金額の設定等、どのような規制にするかにつきましては、有識者の御意見も伺いながら検討してきたところでございますが、上限額につきましては、例えば飲食や遊興に係る料金が適正なものかどうかにつきましては個別具体の事情により決まってくるものでございまして、これを法令で具体的金額を定めるなどして一律に規制するということにつきましては、経済活動への規制の在り方や規制の実効性、こういったものの観点を含めまして慎重な検討を要するものと考えておりました。
○下野委員 私、そうはいっても、ある程度の線引き、結局、お金のトラブルで、積もり積もって、その売掛金が払えないということになりますので、例えば十万なりの線引きをしていただく。これはこの前も議論をさせてもらったんです、昨日も。例えば十万円に設定したら、なら十万円までいいのかというような形になるんじゃないかと言われますけれども、一方で、そこでシャットアウトできるんですよね。今の被害額を聞くと何百万、何千万に膨れ上がっているという状況でもございます。
例えば、車のスピード取締り違反でも上限は設定がありますよね、六十キロとか八十キロ。そこで抑えておけば、それ以上出せば捕まるということなんですから、これも一回、学生とか年齢とかで上限を決めるのではなくて、一度金額で定量的な方法も検討していただきたいというふうに思います。
それから、もう一点は支払い方法です。
これもいろいろ議論があったというふうに思うんですが、今やはり犯罪も巧妙化していて、前金制、前入金ということが発生をしています。そこで、多くの女性を被害から守るために、売掛金や立替金の禁止、現金、クレジットカードのみでの支払いに限定すべきと思いますが、この点、いかがでしょうか。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
委員の御指摘は、その場で決済ができるような手段でやりなさい、売り掛けはさせないようにということかと思います。
ただ、そういった場合に、決済手段を限定してその場で支払いが可能になるということ、ひっくり返せば売り掛けというものを禁止するということにつながるかと思いますけれども、売り掛けといった商行為自体はいろいろなところで行われているものでございまして、一律に規制することというのも他の業態にも大きな影響を生じるものかと考えておりますし、特定の業種に対しまして決済手段というものを限定するといったことにつきましても慎重な検討を要するのではないかと考えております。
○下野委員 これだけ被害が多いこの業種において、私は、いろいろな商いがありますから、それは理解をいたしますけれども、このホストの点は一度、是非検討していただければというふうに思います。
あと、例えば男性客がキャバクラを使う場合なんかは、現金かクレジットがほとんどなんですよね。そんなところで、男性が行って売り掛けをお願いしますというお店は私は聞いたことがないんですが、そういった意味で、女性側もしっかりと、現金、クレジットカードで、売り掛けは極力控えていただくような形で検討していただければというふうに思います。
次の質問に移ります。スカウトバックの禁止の実効性の確保についてお尋ねをいたします。
スカウトが直接性風俗店から紹介料の支払いを受けずに間に仲介者を立てることで、その規定が骨抜きになるのではないかという疑念を持つ方がおられます。これは確認なんですが、この法律では、たとえ間に仲介者がいてもスカウトバックが禁止できるのか、念のためにお伺いをしたいと思います。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
本法案により新設するいわゆるスカウトバックに係る禁止規定におきましては、性風俗店を営む者は、求職者の紹介を受けた場合において、紹介をした者又は第三者に対し、紹介の対価として金銭等を提供することを禁止しているところでございます。
したがいまして、紹介者以外の第三者を介してスカウトバックを行うような事例、また紹介者以外の第三者に紹介料を提供するといったことも規制の対象となっております。
○下野委員 ありがとうございます。第三者でも駄目だということで認識させていただきました。
続いて、スカウトバックが禁止される性風俗店の範囲についてお尋ねを申し上げたいと思います。
警察庁からの法案説明資料には、スカウトバックを禁止する営業形態について性風俗店としか記載されていませんが、店舗型性風俗特殊営業のみならず、店舗を持たない、いわゆる派遣型の無店舗型性風俗特殊営業もその範囲に入っているのか、念のため確認をさせてください。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
今回新設しますスカウトバックに関する禁止規定は、御指摘のように、店舗型の性風俗特殊営業、いわゆるソープランドとか店舗型のファッションヘルス、それだけではなくて、無店舗型の性風俗特殊営業のうち、いわゆる派遣型ファッションヘルス、こういったものも対象となっております。
○下野委員 さらに、スカウトバックの対象についてお伺いしたいと思うんですけれども、AV産業は含まれますでしょうか。もし含まれない場合は、その理由も含めて坂井国家公安委員長に御答弁いただければと思います。
○坂井国務大臣 本法案により新設するスカウトバックに係る禁止規定でございますが、性風俗関連特殊営業のうち、客に接触する役務を提供する営業を営む者に適用されるものであり、アダルトビデオの制作公表者には適用されないところとなっております。
○下野委員 現場のお声を聞きますと、今、AVは異なるということなんですけれども、モデル撮影だということで安易に声をかけられて行ったら、それがAVに出演させられたと、逃げられない女性もおります。
こういったことから、支援団体から、AVへの紹介もあると聞いておりますので、ここをどう取り締まっていくのか、どのように対応していくのか、坂井委員長にお尋ね申し上げます。
○坂井国務大臣 高額ホストクラブで高額の借金を背負わされた女性客をアダルトビデオの制作公表者に紹介した者を職業安定法違反で検挙した事例というのは、今まで把握をしておりません。そういうようなこともありまして、今回、スカウトバックの禁止規定までは盛り込んでいないところと認識をいたしております。
○下野委員 そこが現場との乖離だというふうに思っております。ですので、そこが抜け道だというふうに思っておりますので、そこは、どのような形で、AVの方に紹介されても、女性の方を救えるような体制づくりは是非検討をしていただければというふうに思います。
時間が迫ってきましたので、次の質問に入らさせていただきたいと思います。買春の処罰についてです。先ほど山井議員や吉田議員からも質問がされましたけれども、私からも、違う観点からちょっと質問させていただきたいというふうに思います。
参議院の議論も聞いておりましたけれども、やはりつまるところ、保護法益、法によって保護される利益とは何かという部分に尽きるかというふうに感じております。そういった意味で、私は、いろいろ述べられておりますけれども、金銭の発生に基づく関係の中で売春行為が行われる、そして買春も取り締まるべきというふうに思いますが、この点はいかがでしょうか。
○吉田政府参考人 今、保護法益ということで御指摘ございました。
十八歳未満の児童に対して対償を供与するなどして性交等しますと、いわゆる児童買春等処罰法による処罰の対象となり得ます。これは、相手方である児童が身体的、精神的に未熟であるということを踏まえたものであるというふうに理解しております。
これに対して、そうした児童ではなく、自らの判断で行動ができるとされている成年に対するいわゆる買春行為、買う側の行為を処罰するということについては、児童との比較もありますけれども、その保護法益をどう考えるのか、自ら判断できるというふうにされている人の行為、その人に対する行為を処罰する理由をどのように整理するのか、また、その保護法益との関係で、処罰対象行為を明確に過不足なく規定することができるのかといったことが問題となるというふうに考えております。
○下野委員 先ほど山井議員からもありましたけれども、買う側も社会秩序を乱す、路上で買春するということ、あるいは、SNSで動画配信を勝手にしたりということで、被害を被る女性が多々いるという観点から申し上げて、この買春につきましてももう一歩踏み込んでいただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○吉田政府参考人 先ほど申し上げましたとおり、自ら判断することができる成年の人に対して、これは女性に限らず男性も売春行為の主体となりますので男女問わずということでございますが、成年の人が売春をする行為、その行為の相手方となる行為、これを処罰するかどうかということになりますと、先ほど申し上げたような保護法益の観点からの議論が必要となってくるというふうに考えております。
○下野委員 先ほども、外国の事例もありました。日本だけなぜ売春側が取り締まられて買春側が許されるのか。現場のその部分も是非とも考えていただいて、買春の方の法整備に関してもテーブルにのせていただきたいというふうに思いますので、どうぞ御検討の方をよろしくお願いしたいというふうに思います。
最後にちょっと、もう時間が来ましたので要望だけにさせていただきますけれども、支援団体への助成ということで、いろいろ、総額二十四億円のうちの内数でやられておりますけれども、その中で、特に被害女性の方々から言われるのは、そこから抜け出したい、弁護士さんに、法テラスを紹介していただくのはいいんですが、弁護士費用の部分で、どうしてもそこが、お金がなくて困っている、困っているから更に売春をするというような流れでございますので、こういった出口までしっかりと支援をしていただくことを要望を申し上げまして、質問を終わらさせていただきます。
ありがとうございます。
○大岡委員長 次に、伊東信久君。
○伊東(信)委員 日本維新の会、伊東信久です。よろしくお願いいたします。
本日の委員会の中でもいろいろ御質問が他党からもございましたけれども、まずはスカウトバックに関してお聞きしたいんですけれども。
資料としてお出ししているのは、警察庁の昨年の悪質ホストクラブ対策に関する報告書なんですね。
図七にあるスカウトというのは、売春、性風俗店へのあっせんの仕組みというものをここに今示していて、いわゆるビジネスモデルがあって、それを解体するためだという御答弁もございましたけれども。図八が、職業安定法における職業紹介等の規制というものがございまして、いわゆる紹介事業者というのがそもそもの職業の中にあったりもするということなんですけれども、これは求人申込みとかそういうところのあっせんの話なんですけれども。こういった、ホストがあって、性風俗店の営業者があって、間にスカウトがあるということなんですけれども。
そもそも性風俗店であるからよろしくないということも含めて、ビジネスモデル自体があって、そのことによって、いわゆる女性の方が被害に遭っているという立法事実があるということは、そこまでは分かります。こういったスカウトバックは禁止するという法律が大事なのも分かるんですけれども。
実際にこれが運用されたとして、現場の警察とか自治体職員からお聞きしたら、制度として整備されても、現場での摘発はやはり結構困難ではないかということが指摘されます。といいますのは、お金を払った側も受け取った側も非公開であるし、非公式であるし、聞き取りをしたとしても、どちらもお金のやり取りがあったと言わない可能性があるんですね。
お尋ねしたいのは、こういったスカウトバックの禁止を実効的にするためには、やはり具体的な捜査、摘発手法を、どのような手法を念頭に置いているのか、まず政府の見解をお伺いいたします。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
スカウトバックの禁止違反の取締りに当たりましては、個別具体の事案に応じて様々な方法を取ることとなりますが、一般論として申し上げますれば、警察において違反が疑われる場合には、関係者からの聴取、売上金の流れや、それに関する関係者間でのやり取り、こういったものから立証していくことを考えております。
○伊東(信)委員 いわゆる現金等でのやり取りであれば、そういった聞き取りが難しいのではないかというところを御質問したいわけですけれども。実際に捜査するときに、やはりそれはテクニックがあるから手のうちを明かせないのか、今のところまだ決まっていないのか。事業者に対してどのように働きかけをしていくか、具体的にあれば教えてください。なければ、これから決めるんだなということが分かりますので。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
紹介料のやり取りということになりますので、何らかの形で、例えば、手で渡すとか、間に仲介者をかわす、又はいろいろなサービスを利用して紹介料を相手に届けるということになります。
それらをどうやって捜査するかというところにつきましては、個々具体の事例にもよりますし、余り細かく言いますと、先生がおっしゃられましたような手のうちという部分にも関わってきますけれども、そういったところをしっかりと押さえてやっていきたいと思います。
現に今、スカウトグループの検挙を警視庁等で進めておりますし、そのところでのどういうやり取りをやっていたかというものも把握しておりますので、そういったものも参考にしながら対応してまいりたいと考えております。
○伊東(信)委員 ちょっと細かくなるんですけれども、そもそも、こういったスカウト業者があって、そこ自体で、要は業者であるから摘発もしやすいと思うんですけれども、そこにトクリュウが絡んできた場合、かなり聞き取りも複雑になってくるんですけれども、そういったところの、トクリュウの実態把握もされているという前提で、こういった聞き取りをやっていくということでいいんですかね。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
匿名・流動型犯罪グループ、非常に実態把握が難しいという状況でございます。当然、そういったものの情報があれば、その検挙に向けて取締りをしていきますし、また、こういったスカウトグループからどのような形でそのスカウトグループが得た利益が流れているのかというところから、背後にトクリュウグループがいるのかいないのか、そういった点も含めて、今後はしっかりと捜査をしていくこととしております。
○伊東(信)委員 実際に法自体が施行されると、全くもって実効性がないじゃないかということではなくて、是非ともしっかりと、こういったところの実態把握なり、実効性があるように努めていただけたらと思います。
では、いわゆる悪質ホストクラブ問題ということで、この悪質とは何ぞやということで、資料二で、これも警察庁の報告書からなんですけれども、売掛金、立替金等の蓄積の防止策というところなんですけれども。
ホストも必死なのは、これが、売掛金自体は、口座制といいまして、それぞれのホストの借金にもつながっていくわけなんですね。つまり、女性客がどこかに行方不明になると、それを払わなければいけないのがホスト自身になるので、こういった社会的問題に発展していったんだと思うんですけれども。それで、売掛金自体を禁止するかどうかとか、そういったことは先ほどほかの議員が質問していただいたので、それはいいとしまして。また、恋愛感情もそうですし、料金の虚偽というのもありましたけれども。
例えば、シャンパンのボトルを注文します。シャンパンのボトルを注文すること自体、ちゃんと料金設定もあるし、注文していいですかと許可も得ている。ただ、そこで、一人のホストだけじゃなくて、じゃ、後輩もいるねん、店の人もおるねん、みんなでお祝いしようということで、ほかの人も飲み出して、すぐにボトルがなくなる。なくなりました、次一本入れてくださいと。次入れてくださいという時点で、そこで、恋愛に持ち込んだり、会えなくなるかもしれないという脅しが発生するかもしれないけれども。ボトルをほかの店員が飲むこと自体は、これは構わないわけですか。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
今回、遵守事項といたしまして、お客様に過剰な遊興や飲食をさせてどんどんどんどん料金の支払いを高めていくといった行為を規制しております。あくまでお客様に払わすことを求めるような行為でございますので、例えば今おっしゃられました、ボトルを入れました、それを誰が飲んでいるかとか、そういったところは特に着目するわけではございませんので、ボトルを客に注文させた、そういったところを注目して規制をしているということでございます。
○伊東(信)委員 実際にお店の人たちに聞いてみたんですけれども、なかなか巧妙ですよ。お祝いしますと言って、グラスを並べて、いわゆるシャンパンタワーですよね、一本だけで済まないから二本、三本となると、やはり、女性は、そのこと自体が多額になるということを分からないんですね。これは、ホストクラブだけじゃなくて、男性が行く店でもそういったことをやっているし、そういったことを面白おかしく、テレビとかで、ドラマとかでやったりもしています。やはり女性というのは、自分がその瞬間に、寂しさもあって、華やかになりたいというところがあって、後でお金を払ったりするわけじゃなくて、これがいわゆる売掛金だったりすると感覚的に分からないんですね。
もう一点だけ、ちょっと細かくて申し訳ないですけれども、お祝いしましょうと言ってシャンパンタワーをやりました。お祝いしましょうって、お祝いしてくれるって言うたじゃんとなるんですけれども、これはどうなります、これもやはり悪質な手法とみなされるわけでしょうか。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
委員が今おっしゃられたようなケースというのは、多分、盛り上がっている中、どんどんどんどん追加していくようなケースかと思います。そういった場合には、例えば、十八条の三の三号で新たにつけておりますけれども、お客様に確認する前に、もう開けますよ、ぽんぽんと開けてしまえば、当然今回の規制の対象となってまいりますし、また、注文させるに当たって、いろいろな、例えば威迫とかしていったりとか困惑させていれば、そこはまた別の禁止行為の方にも該当してくるのかなというふうには考えております。
○伊東(信)委員 細かいことを聞き出すと結構切りがないほど事例は抱えているんですけれども、事例としてはこの辺りにしたいんですけれども。
規制対象とする行為や具体的基準とか判断方法の整理というのは結構難しくて、実効性のある運用をするために、どのように政府内で、また、事業者に、そして女性を対象とした国民の皆さんなんですけれども、どのような周知啓発を行っていくか。
坂井委員長、この問二のところで、通告の仕方としては、客の恋愛感情につけ込んだ飲食要求、提供に関する懸念について、公安委員長としてはどのような対策をしますかというような通告にしていたと思うんですけれども、実効性のある運用のためにどのような周知啓発を行っていくか、お答えいただければ幸いです。
○坂井国務大臣 こういった悪質ホストクラブによる被害を未然に防止すべく、様々な媒体や機会を通じて、広報啓発、注意喚起に取り組んできたところでございます。
例えば、高校生や専門学校生等に向けた講演の機会を活用して、学校において、ホストクラブ等における、実際どういうことが行われているかという中身等まで説明を行って、特に四月は、新しい年度になって生活環境が変わるというような中で、ホストクラブに関心を持つ女性が増えるということも予想されておりますので、そういった想定をし、三月に、警察庁から各都道府県警察に対して、こういう営業実態や被害実態を示すなどした分かりやすい広報啓発の強化を指示したりしているところでございます。
その他、今、先ほどから申し上げている関係各行政機関とも連携をしながら、こういった広報、周知を進めさせていただいております。
○伊東(信)委員 御答弁の中で高校生、専門学生とありましたけれども、当然、大学生とか企業の社会人とか、そういったところの啓発も必要だとは思っているんですけれども、そういったことは計画はされていないんでしょうか。
○坂井国務大臣 もちろん、効果があると思われるところに関しては、できる限り努力をしております。
○伊東(信)委員 是非とも広く周知するように。多分、本当に、これは一度経験してみないと分からない部分もあると思うし。自分だけはそんなことではひっかからないと。どういった犯罪のケースでもそうなんですけれども、自分だけは大丈夫と思われるケースもあるので、しっかりとした啓発、周知をしていただければと思います。
次に、欠格事由の拡大による連座制的弊害についてお聞きしたいんですけれども。
いわゆる過去に違反を繰り返した業者の関連法人とか、暴力団などの反社会的勢力の影響下にあるのを理由として新たに営業許可を与えないという、こういった規定も盛り込まれているわけなんですけれども。
欠格事由の拡大によって、場合によっては、グループ企業の定義というのは非常に難しいと思うんですけれども、本来排除する必要のないような事業者も一律に排除されるというような、そういった不合理な運用にならないよう配慮とか手続的保障を講じる必要があるんですけれども、こういった配慮とか手続というのはございますでしょうか。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
今回、親会社等を欠格事由に追加する趣旨としましては、親会社等が法令違反等により風俗営業の許可を取り消されていたといったような場合に、新たにその子会社等に風俗営業を許可した場合に、取消処分を受けた親会社等が、子会社への支配、影響力に乗じて子会社の風俗営業に関与することとなりますので、子会社も法令違反行為を重ねるといったことが想定されることから、今回追加をしております。
新たな欠格事由に言う親会社に該当するかどうか、すなわち、許可を受けようとする者の事業を実質的に支配し、又はその事業に重要な影響を与える関係にある者かどうかといったところを判断することとなりますが、例えば、株式の保有や資本金の拠出、また人事等を通じて申請者の意思決定に恒常的に関与しているかどうか、こういったところに注目するといったことを想定しております。
具体的な要件につきましては下位法令において明確に定めることとしております。
○伊東(信)委員 実態経営じゃなくても、いわゆる、基本的に飲食店であるから、のれん分けではないけれども、実質経営者がばらばらな場合もあるんですね。そういったところで実態把握というのは難しいわけなんですけれども。
ただ、恋愛商法に対するところなんですけれども、こんな言い方をしたら怒られるけれども、大したホストでもないようなホストも結構いてるんですよ。でも、それでもやはり一律に被害があるというのは、そこにやはり店舗としてのマニュアルとか、店舗としての指導とかというのが関連のところにはあるとは思うんですけれども、そういったところに関する調査とか規制とか、そういったところは考えられていますでしょうか。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
実際にホストクラブを検挙した中には、委員おっしゃるような営業マニュアルみたいなものを従業員に徹底して、女性を搾取するようなことをやっていたところもございます。それ自体を禁止しているわけではございませんけれども、当然、今回新たに追加します遵守事項や禁止行為、これらを促すようなものがあれば、それは店としてそういう営業をやっているということですので、厳しく対応してまいりたいと考えております。
○伊東(信)委員 そういった観点で、やはり被害者を守るというところで、こういった法案ができたとは思うんですけれども。
一方でなんですけれども、やはり忘れてならないのは、性風俗産業に関して、先ほど山井議員の話の中で、やはり、買う人がいてるからというところで、そういったところに規制をかけるのも一つ手かなとは思うんですけれども。でも一方で、山井議員は、外国人の方であったりとか、いわゆる立ちんぼという無店舗の話で、結構限定的にその辺を配慮して御質問されていたと思うんですけれども。やはり忘れてならないのは、性風俗産業に多くいてる、実際に働いている女性の方がいてるということです。残念ながら、心痛い話なんですけれども、働かざるを得ない状況に置かれている若年女性とか経済的困窮者が、よりアンダーグラウンドに追いやられていくのではないかということも懸念しています。
例えば、スカウトバックが違法化されて、いわゆるトクリュウとかではない、健全なスカウトバックという言い方もちょっとおかしな言い方ですけれども、やはり結果的に表に出せない状況とか非合法なところがあったりもしているんですけれども、更に非合法に流れたりするというところもやはり懸念されます。
そこで、国家公安委員長にお聞きしたいんですけれども、性風俗業に従事する若年者や困難を抱えた人々が今回の改正によって更に劣悪な労働環境に置かれる事態を防ぐために、政府としてはどのような配慮、対策を講じられているか、教えてください。
○坂井国務大臣 今回の法案は、基本的には風営法上の許可を受けている飲食店等々を対象にということで、ホストクラブのみならず幅広く今回該当にするわけですけれども、今お話は、逆に言うと、性風俗店で働かざるを得ない女性ということだと思います。
ですので、そういった性風俗店における環境というのは、関係する様々な関係省庁とも連携を取りながら、その状況の変化等を見ながら対応してまいりたいと思っております。
○伊東(信)委員 なかなか政府としての答弁も難しいと思うんですけれども、要は、本当に経済的困窮者が女性の中におられて、その方々が性風俗に流れなければいけないといった、そういった状況はやはり政府としてしっかりと把握して対策を検討していただきたい、そういう趣旨ですので、これに対しての追加の質問はしませんが。
歌舞伎町もさることながら、歌舞伎町のは、いわゆるホストの業界のこともあれば、若者がたむろする、いわゆるトー横の話を先ほどされていましたけれども。大阪にもグリ下というのがありまして、グリコの看板があって、その橋の下のところに若者が集まって、トー横と同じような、なかなか、居場所を失った若者たちが集まってくるというのがあります。
今回、大阪市は、そこの集まるところの通路を狭めました。具体的に言うと、柱を造って、集まりにくくしたんですね。そのことに対して、横山市長が、それによって若者がまた違うところに集まるとか、集まる場所をなくしたんじゃないか、もっと検討するべきだと言われたときに、いや、やはり行政として、そういった場所があるとしたら看過できないという話をしていて。
メディアはやはり、ちょっとネガティブな報道もしたりすると、本当に私は胸が痛いんです。だから、みんながみんな、やはりこういった若者を守っていくということを考えながらも、何でメディアはそんな言い方もするのかなと。
行政としてやはり手を打たざるを得ないというところに、私、ちょっと今回質問の中に入れさせていただいたんですけれども、今回の法案の規制強化というのは本当に理念として理解できますし、ただ、実効性を確保する上で、現行法もそうなんですけれども、こういった立入調査とか監督業務は自治体が担っておりまして、やはり人的な、財政的なリソースも限られているところだったら、現場が疲弊している実態もあると思うんです。今回は、繁華街のある、ホストの場所でもあれば、いわゆる性風俗の場合だったら各地方のところまで及んでいるというところで、日本全体の問題であれば、やはり自治体行政との連携とか大事になってきます。
そこで、お伺いしたいのは、今回の法改正により増加する自治体の業務負担に対応するために、国としてはどのような人的、財政的な支援策を講じるのかということを坂井公安委員長にお聞きいたします。
○坂井国務大臣 風営適正化法の運用等につきましては、現時点、都道府県警察において必要な体制を構築して捜査や許可手続等を行っているところでございますが、この法案が成立し、施行後、取締り状況等の実態を踏まえ、その実態に応じて体制や予算等を見直してまいりたいと思っております。
本改正案の成立後速やかに、警察庁において、風営適正化法の解釈運用基準を改定し、運用の要領等を明確化するとともに、各都道府県警察に対する指導教養を徹底することとしておりまして、本改正案の施行に向け万全を期する所存でございます。
○伊東(信)委員 残念ながら、精神的にも経験的にも未熟な若者がやはりターゲットにされているというところですね。
支払い能力のある女性の方の場合は、好きで行かれている方もあるし、今、推しという言葉があるんですけれども、ちょっとちゃうかなとは思うんですけれども、でも、身近な推しとして自由にやられるのはいいんですけれども、やはり、これがいろいろな犯罪につながることになるし、場合によっては生命の危険にさらされることもありますので、政府として、しっかりとした議論で、今日このまま採決になるとは思うんですけれども、法案ができた後も更にしっかりとした検討をお願いいたします。
質問を終わります。
○大岡委員長 次に、菊池大二郎君。
○菊池委員 国民民主党・無所属クラブの菊池大二郎です。よろしくお願いいたします。
自民の栗原委員から始まって、先ほどの伊東委員からの質問、様々私も重複するところがあろうかと思いますけれども、私なりの視点で質問ができればなというふうに思います。
今回の法案審議に至る前に、いろいろとこれまでの状況をネット情報なんかも集めてみると、約十年前、某民間会社の調査によると、将来中高生がなりたい職業ランキングでキャバクラ嬢がトップテン入りしたことがあったんですね。今の二十代が恐らく、きっとその子らの世代になってくるのかなというふうに思いますと、いわゆる性風俗を始めとする風俗業界等に対するイメージというのもかなり変わってきているのではないかなという一つ認識があります。
るるいろいろと委員の皆さんからもお話がありましたけれども、この業界ならではの伝統的かつ構造的な特性というか、こういったところもやはり併せて認識を新たにしていく必要があるんだろうと思います。
例えば、いわゆる慣習的な行為だったり、雇用の話もありました、請負なのか委託なのか、これも非常にグレーゾーンだなというところもあります。
そしてまた、私も四十年近く生きてきまして、数少ない、決して豊富とは言えない、夜のそういった社交場にお邪魔したこともありますけれども、相場感というものも独特でありまして、こんなに高いんだと思うことも、大変驚くわけでありますけれども、こういったところもまず独特の業界だなというところもあります。
いろいろと、トクリュウの話もありますけれども、犯罪グループだったり資金の流れ、こういった意味でも、顔が見えない、一つの業界、犯罪の温床になっていると言われているところも危惧されている。
また、稼ぐ側、そしてサービスを提供する側が、これが非常に同一の業界で還流をしている。例えば、性風俗店でお金を稼いだ女の子がホストに行く、ホストに行って働いている子が今度はキャバクラに行くというような、恐らくそういった、同一業界でお金が回っているというのもまた不思議な、不思議というか、特性なんだろうというふうに思います。
また、営業時間もかなり深夜に及ぶということもあって、先ほどから様々な若年層、未成年者の問題提起もされておりますけれども、こういった部分で居場所を比較的つくりやすい業界になっているのではないかなというところも一つ気づきとしてありました。
そういったところも含めて、まず、被害者と言われる方々の属性について、先ほども御議論があったかと思いますけれども、私も地方部の出身でありまして、想像するに、地方出身者、未成年者を含む若年層がターゲットにされるケースが多いと思いますけれども、実態、傾向等についてお伺いしたいと思います。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
悪質ホストクラブの被害者、全体の年齢層や出身地等につきまして、警察として全体的な、統計的な把握というものはございませんが、年齢に関しましては、警察が令和五年から六年の二年間に売春防止法に関連して全国で取り扱った女性約六百八十人のうち、ホストクラブにおける遊興を主たる売春の動機と供述した方は約百二十人に上り、そのうち約九割が十代から二十代の若い女性であったところであります。
また、警察に寄せられた相談の中には、大学入学を機に上京したお子さんがホストクラブに通うようになり大きな債務を抱えてしまったといった御家族からの相談もあるところでございますし、また、被害者支援団体にも同様の相談が寄せられているといったことを承知しております。
コロナ禍を経まして、孤独、孤立の問題が深刻化し、人とのつながりや自己肯定感を求めてホストクラブを訪れる若い女性が多い実態も見受けられますので、警察としましては、引き続き厳正な取締り等を推進するとともに、関係行政機関との連携はもとより、効果的な広報啓発、相談体制の強化等の各種取組を着実に進めてまいりたいと考えております。
○菊池委員 人身取引対策行動計画が策定をされております。これが約五年スパンで改定をされておりまして、直近のものでいいますと、二〇二二年のものがございます。
この点、こうした悪質ホストクラブに係る売春事例等をこの人身取引対策行動計画においてどのように位置づけておられるのか、また、本計画に基づく対策について、政府としてのお考えをお伺いしたいと思います。
○桝野政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、悪質ホストクラブが利用客である女性に売掛金等の名目で多額の債務を負担させ、その返済のために売春や性風俗店での稼働等に追い込む事案の中には、人身取引議定書に定める人身取引に該当し得るものもあると承知してございます。
現行の人身取引対策行動計画二〇二二におきましては、売春事犯等の人身取引関連事犯の取締り、人身取引の被害者の保護、支援を推進することとしておりまして、悪質ホストクラブ問題に対しても、警察におきまして厳正な取締りを推進しているほか、関係機関が連携いたしまして、ポスターの掲示やチラシの配布等による注意喚起や相談先の周知、さらには相談体制の強化等を推進しているところでございます。
政府といたしましては、引き続きこうした取組を着実に推進するとともに、実効的な対策を検討しまして、更にこれを進められるように努めてまいりたいというふうに考えております。
○菊池委員 質問を変えていきたいと思います。
先ほどからも、この度追加された遵守事項についての御質疑があったと思います。
追加された遵守事項について、例えば、料金に関する虚偽説明、客が注文していない飲食等の提供については、現認する、そしてまた立証するというのが極めて難しいのではないかなというふうに思います。また、客の恋愛感情等につけ込んだ飲食等の要求については、恋愛感情というものについてどのような方法や基準で判断していくのか、いけるのかが問われていると思います。
また、遵守事項については、先ほども質疑がありましたけれども、罰則規定が置かれていないため、違反行為をどう抑止していけるのか、私も非常に疑問に思っております。
そこで、遵守事項に反した場合の立証方法や、実際に違反した場合に対する対応についてお伺いしたいと思います。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
新設する遵守事項に違反することの立証方法につきましては、個別具体の事案に応じて様々な方法があると考えられますので、一概にお答えすることは困難ではありますが、一般論として申し上げれば、警察において違反が疑われる事案を認知した場合には、被害者からの聴取に加え、関係者からの聴取、違反行為の前後の被害者と関係者とのやり取り、店のメニュー表や売上伝票、こういったものから立証していくということが想定されます。
また、遵守事項に関して違反が認められた場合には、第一次的には指示等の行政処分により弾力的かつ迅速な違反の是正を図ることとしておりますが、例えば指示処分におきましては、違反行為を行った接客従業者を一定期間接客業務に従事させないとか、接客従業者間の過度な売上競争が悪質な営業行為を招いているといったような弊害が認められる場合には、一定期間そうした売上競争を行わせないといったようなことの指示を行うことも考えております。
違反態様が悪質である場合には営業停止や許可取消しを行うなど、事案に応じた行政処分を行い、風俗営業の健全化に向けた効果的な運用に努めてまいりたいと考えております。
○菊池委員 冒頭、この関連業界の七不思議じゃありませんけれども、私なりの特性に対する認識を申し上げましたけれども。そもそも、ホストクラブには私は行ったことがないのであれですけれども、いろいろ想像するに、この業界で恋愛感情とか疑似恋愛みたいなものがそもそも土台になっているんじゃないのかなみたいなところを何となく推察をするわけですよね。
その中で、こういった主観的なものをどのように客観的な指標で判断をし、そしてまた、先ほど申し上げましたけれども、リアルタイムでなかなか現認、確認をしていくというのは非常に難しいわけでありますので、その証拠の収集、集積という部分においては、これから仮に摘発される事例があるとするならば、それが果たす役割というのは非常に大きくなってくるんだろうというふうに思います。
変な話、営業行為と言われるような、LINEを送ったり、メールを送ったりとかする中で、政府が説明するように、営業が悪いとランキングが下がるからとかというような形で、恋愛感情を持ち込んだLINEをしたり、メールをしたり、電話をしたりする、そういったこと自体もこれから抑止的になっていくのかなというふうに思いましたので、質問させていただきました。
続いて、スカウトバックに関して質問させていただきます。
これまでも職業安定法による規制、これは非常に重い規制でして、十年以下の拘禁刑があります。一定の抑止が働いてきたんだろうと思いますけれども、実際は、特定のスカウト集団が五年間で約七十億円にも及ぶ収益を上げてきたということから分かるように、より強力な法整備が必要であるということは当然であると思います。
また、例えば東京を始めとする都市圏でホストクラブを利用した客が地方の性風俗店で働かされるというような実態もあるようで、警視庁のみならず、全国的な警察組織が連携をし、対応する必要があります。
そこで、スカウトバック規制の背景と、売春を始めとする本法案で言う禁止行為を摘発、撲滅していくための今後の対策についてお伺いしたいと思います。
○坂井国務大臣 この委員会の審議でも何度も御指摘させていただいておりますが、ビジネスモデルというものがございまして、ホストに来た女性のお客さんに借金を背負わせ、そして、スカウトにその情報を提供して、性風俗店に紹介をし働いてもらって、お金を回収するというものでございますので、これが全て回りますと、スカウトグループに先ほど御指摘あった五年間で七十億とかで、今大量なお金が流れているというところでございまして、そこをやはり断ち切るということが、つまり、このスカウトグループが成り立たなくなることになるわけでございますので、ここを今回押さえていきたいということで、今法案を出させていただいたところでございます。
警察では、こうしたスカウトグループを匿名・流動型犯罪グループと見て、その全容解明と解体に向けて、各都道府県警察において必要な体制を構築して取り組んでおります。
グループの首魁らを検挙するなど、捜査を推進しているところでございまして、引き続き、個々のスカウトの検挙にとどまらず、最終的な利益を得ている実質的な責任者やグループ全体の取締り等を進めるよう、警察を指導してまいりたいと思っております。
○菊池委員 ここの法案審議、この業界のみならず、必ず犯罪行為に対して蓋をすれば法律の抜け穴を探してくるというのは、次なる分野に移っていくというところを必ず考えていかなきゃいけない。これまで誰かが仲介してきたところが蓋をされれば、求人、求職というこの構図を新たにつくり出していく何かが動くと思いますので、その辺も機微にわたるところまで反応していっていただければなというふうに思います。
続いて、禁止行為の罰則規定についてお伺いしますけれども、こちらは六月以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金刑ということで、果たしてこの法定刑の妥当性があるのか、十分と言えるのかというふうに私なりの疑問があります。
人身売買とも言えるような売春や性風俗店への勤務を要求する行為を最大限抑止していくために果たして妥当なのか、罰則の強化も今後必要になってくるのではないかというふうに思いますけれども、この点、現時点でのお考えをお伺いできればと思います。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
罰則の法定刑を定めるに当たりましては、他の罪との均衡等、様々な観点から総合的な考慮がなされるべきものでございます。
新設の禁止行為につきましては、導入する目的、趣旨を踏まえ、風営適正化法における他の罪との均衡等も考慮しまして、六月以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金又はこれの併科としたものでございます。
当然、本改正案の成立、施行後におきまして、規制の実効性を十分に確保する観点から、今後の規定の遵守状況等を注視し、必要な検討をしてまいりたいと考えておりますし、罰則に併せまして店舗の方には行政処分等を重ねて科すことも可能でございますので、そういったところから厳しく対応してまいりたいと考えております。
○菊池委員 時間も迫ってきましたので、最後、二つ質問する予定でしたけれども、ちょっと一つに集約して質問させていただきたいと思います。
先ほどから、この周知啓発をいかに図るのかというところでありまして、これまでも実践をされてきているというふうに承知をしておりますけれども、実際にしっかりターゲットとされる方に届かなければ意味がない、漠然と活動しても何ら意味がないというふうに思います。
SNSによる対応、先ほど御答弁ありましたけれども、地方から都市部へ転入する時期、タイミングを狙っていく、効果的な実践が必要になります。また、冒頭申し上げたとおり、居場所として狙われる業界でもあるという観点から、例えば、過去に補導になった方、補導の対象者や、児童相談所や子育て支援に係る関連施設利用者を潜在的な可能性があるというふうに捉えて、予防的な取組を実践していくことも重要だと思います。
そこで、関係者や関係機関、団体との情報共有、横の連携を図りながら、いかにして実効性のある周知啓発を展開していくのか。そのお考えと、あわせて、利用する側、お客としての側だけではなくて、実際の風営事業者、営業者も、しっかり、例えば、風営法の許可を申請する、届出をする際の法令に対する認知度を上げる何か取組だったり、営業者等への研修を強化して、営業内部での従業員教育につなげるなど、これまで以上の対策や取組を実践していく必要が双方向で必要ではないかなというふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○坂井国務大臣 まさしく委員御指摘のとおりでございまして、お客さんになる側と、当然、飲食店であるホストクラブ側と両方を、それぞれ周知広報し、そして理解をしていただくということが必要だと思っております。
特に、お客様側というか、女性の側への周知広報ということであれば、委員も御指摘をされましたけれども、SNSというのはやはりどうしても欠かせないツールだと思っておりますので、SNSなども活用した効果的な広報啓発や、あと、様々相談体制を取る、これもこども家庭庁等とも相談をするということかと思いますが、こういった窓口になるようなところとも連携をしながらそういった宣伝をしていくということや、あとは、お店等々に関しましては、風営適正化法上の許可を受けているお店等には研修を年一回行うことになっておりますので、そういった場なども活用して、今回の法改正の中身というものを徹底をし、効果を上げてまいりたいと思っております。
○菊池委員 事業者側への研修は実際やられているということでありますけれども、やはり、適宜、そしてまた、こういった業界の問題に対してしっかり営業者側の理解を深めて、そしてまた、それが会社内部でも共有されるような取組というのをしっかり重点化していただきたいというふうに思います。
こ家庁所管の施設等とも連携をされるということでありますけれども、実際に取り締まる側が既に手の届くところで認識できる若年層の方が、実際に居場所として夜間そういった業界に入っていくというリスクというか、危惧されるわけですから、全く分からないところにいるのではなくて、手の届くところにそういった気づきがあるわけですから、是非アンテナを高く広く、この取組を進めていってもらえればと思います。
以上です。ありがとうございました。
○坂井国務大臣 先ほど年一回と申し上げましたが、年一回の場合がないこともございまして、定期的に行っているということで訂正させていただきたいと思いますが、定期的には行っております。済みません。
○大岡委員長 次に、上村英明君。
○上村委員 れいわ新選組の上村英明です。
私は議員としては新人なんですが、ちょっと古い人間なので、ホストクラブという名前を聞いてどういう法案かなと思って調べたんですが、従来の、私の世代の認識からすると、ホストクラブというのは、一定のお金を持った例えば女性の経営者のような方たちが、ある種、そのお金を持ってストレス発散に遊ぶところという認識を持っておりました。
そういうイメージであれば多分この法案のようなものは必要なかったんだろうなというふうなことを思うんですが、どうもその状況が変わってきたというのがこの法案の背景ではないかと思います。
幾つかキーワードはあると思うんですけれども、例えば、コロナの時代に、例えば家の中にいる人たちがオンラインでホストの人たちとつながるとかそういうことがあった。それが、コロナが解禁された後に、実際のホストクラブが開かれるようになった中でこういう現象が出てきた。
それから、ある意味では、そうした犠牲になった人たちは、先ほどのような一定お金を持った女性ではなくて、まさに二十代前後の方たちがはまり込んでしまったので、被害というか犠牲が物すごい大きい形になって、今回のような法整備になってきたということもございます。
こうした意味では、今回の問題というのはいろいろと新しい視点から物を考えなくちゃいけないかなというふうに思っていて、先ほども警察庁の方からお話があったんですけれども、私も、多分、地方から東京に出てきた方、女性たちがこうした構造にはまりやすいというのは、なるほどと思って聞いていたんですけれども。
そういう意味で、大きなことでいえば、基本はこれは人身売買の問題であり、人権侵害の問題であるんですけれども、同時に、ジェンダーの問題ではないかなというふうに思っています。これは、被害は女性だけです、基本的には。そして、先ほども出ましたように、売春や買春の話も絡んでくるという問題であれば、これは大きな意味でやはりジェンダー問題の一つとしての捉え方もしていかないと、大きい意味で解決にならないのではないかなと思います。
もちろん警察のお話も大事だと思うんですけれども、こういう場合には様々な省庁が関わるということも大事だと思っておりまして、今のこのホストに関するある種ジェンダー的な視点からの状況把握というのを男女共同参画局ではどういうふうに捉えていらっしゃるのかということを、まずお伺いしたいというふうに思います。
○岡田政府参考人 お答え申し上げます。
いわゆる悪質ホストクラブの女性客が、売掛金等の名目で多額の債務を負担させられ、その支払いのために性風俗店で稼働すること等を要求される事案が発生しているものと承知をしております。
内閣府男女共同参画局といたしまして、その背景について独自に調査分析を行っているところではございませんけれども、社会経験が未熟な女性や困難な問題を抱える女性など、弱い立場にある女性が被害に遭う事例が見受けられるものと承知をしております。
○上村委員 今のお話ですと、男女共同参画局としては独自な調査をやっていらっしゃらないということなんですけれども、様々なデータは少しずつ上がってきていると思いますので、是非、男女共同参画局の視点からも、データの分析、あるいは、どうしてこういうことが起きているのかということも把握されていただきたいなというふうに思います。
次の質問ですけれども、先ほどもちらっとあったかもしれませんが、まずは、ホストクラブのホストの場合は、個人事業主の場合が多い。それから、ホストクラブと業務委託契約を結んで仕事をしている場合がほとんどであるというふうに理解をしております。そうだとすれば、悪質ホストクラブやそこで働くホストの方たちの納税状況というのはどういうふうになっているのかということをお尋ねしたいと思います。
私も教員だったものですから、自分のある種の部分に関しては確定申告に毎年行かなくちゃいけなくて、そうしたふうなところで、こうした人たちの納税状況を確認されているのかどうか。罰金の強化とは別に、納税逃れを見逃さないということが、多分、悪質ホストクラブやホストをなくしていくための、遵法意識の強化にはとても大事かなというふうに思いますので、こうした納税状況についてお伺いしたいのと、それから、これに関しては警察と国税庁で何なりか協力あるいは連携というものがあり得るのかということをお尋ねいたします。
○高橋政府参考人 お答え申し上げます。
ホストやホストクラブの納税状況あるいはその申告状況につきましては詳細を取りまとめてございません。また、公にした場合、今後の税務行政の適正な遂行に支障を来すおそれがあることから、答弁は、恐縮でございますが、差し控えさせていただきます。
その上で、一般論として申し上げますと、国税当局におきましては、日頃より様々な機会を捉えて、資料情報の収集、分析に努め、課税上の問題があると認められる場合には税務調査を行うなどして、適正、公平な課税の実現に努めているところでございます。
また、警察御当局との連携についても御質問ございました。
国税当局といたしましては、適正な課税を実現するという観点から、あらゆる機会を通じて、課税上有効な資料情報の収集に努めておりまして、警察当局からも資料情報の提供を受ける場合がございます。警察当局から提供を受けた資料情報につきましては、国税当局においてその内容を分析し、課税上の問題があると認められる場合には税務調査を行うなど、必要な対応を行っているところでございます。
今後とも、警察当局と緊密に連携を図りながら、適正、公平な課税の実現に努めてまいりたいと考えてございます。
○上村委員 警察の方ではいかがですか。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
この悪質ホストクラブをめぐる問題につきましては、背後に匿名・流動型犯罪グループが関与し、悪質な、違法なビジネスモデルが形成されているのではないかというふうに捉えております。そこで、我々といたしましては、こうしたグループの資金源となるような不正な利益を徹底的に剥奪する必要があると考えております。
こうしたことを踏まえまして、警察としては、悪質ホストクラブに対する取締りを行う中で課税上の問題が見込まれる事例を認知した際には、税務当局が適切に課税、徴収措置を取ることができるよう課税通報を行うなどしまして、適切に連携をしているところでございます。
○上村委員 ありがとうございます。
先ほども言いましたように、いろいろな側面からこうした問題を詰めていかないと、なかなか、こういうふうな状況を改善というのは、言うはやすく行うは難しいと思いますので、是非よろしくお願いいたします。
三点目に移りますけれども、今回の風営法の改正を見据えて、既に特定の地域では、ホストクラブの看板を下ろして別の業種にするとか、もうこういう話が伝われば、多分、当事者の、当事者といいますか、方たちは、次から次に新しいことを考えて、どうやって逃れていくのかということをやっていらっしゃるというふうな話を聞くことがございます。
そうした意味では、規制はある種イタチごっこになるということでありますので、そうした面を踏まえて、こうしたイタチごっこにある種のくさびを打ち込むプランというものを、政府の方ではどういうふうなことをお考えでしょうか。
例えば、問題が大きくなってから対応するのではなくて、こうした問題があるところがあるということが分かっているわけですから、日常的なフォローアップをするとか、そうした意味での、こうした向こう側の変化に対してどういうふうに取り組むかということを坂井大臣にお尋ねしたいと思います。
○坂井国務大臣 今回の風営適正化法の改正は、今現在深刻な問題となっているこの卑劣なビジネスモデルの解体等、大きく効果があるものと思っておりますけれども、委員御指摘のように、新たなまた手法が生まれるということは当然考えられるわけでございまして、警察におきましては、違法行為に対しては法と証拠に基づき厳正に対処するとともに、日夜捜査を行ったり、情報を受ければ様々な立入り等も行うわけでございますので、そういったところで現場の情報は入ってきますから、こういったものを把握をする、実態の把握を継続的に行っていく必要があると考えております。
そして、新たな被害を未然に防止するよう、悪質な手口等は速やかに把握するとともに、その規制の在り方についても検討すると同時に、あとは、そういったことがあるということを共有して、一人の人が被害に遭えば、二度目の被害をなくすというような努力、こういったことをやっていきたいと考えております。
○上村委員 ありがとうございます。
最後になりますけれども、やはりこうした問題は、先ほど河西委員からも御質問がありましたように、やはり、社会的な背景をどういうふうに考えていくのかという広い意味での視野がないと、なかなか根絶に行かないと思います。AI推進法のときにも、例えば、AIが進歩していくと孤立、孤独が生まれてくるという、もう既に背景はでき上がりつつあるということもあるので、様々な分野の省庁が協力しながら被害者をなくしていくということに御尽力いただきたいと思って、私の質問をこれで終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。
○大岡委員長 次に、緒方林太郎君。
○緒方委員 最後、よろしくお願いいたします。
まず、第十八条の三第三号の規定についてお伺いしたいと思います。これは皆さん、よく見ていただくと分かるんですけれども、注文していないのに物が出てきて、そのまま食べちゃったという話なんですよね。これは普通に考えると、我々がよく店で出てくるお通しがこれに該当するんじゃないかと思うんですね。
まず、法務省にお伺いしたいと思います。お通しというのの飲食契約はどこで成立すると思いますか。
○上原政府参考人 お答えいたします。
民法上、契約は、その申込みに対する承諾の意思表示が到達したときに成立するとされておりまして、御指摘のいわゆるお通しの提供を内容とする契約についても同様でございます。
ここでございますが、例えば、飲食店がお通しとして飲食物を提供する場合において、その提供があることを認識した上で客が入店する行為が申込みであり、飲食店の提供行為が承諾であると評価されるときは、この提供行為のときに契約が成立します。また、他方で、飲食店の提供行為が申込みであり、客がこれを飲食する行為が承諾であると評価されるときは、客が飲食したときに契約が成立することとなります。
このとおり、どのような行為が申込みであり、どのような行為が承諾であるかは、最終的には個別の事案において具体的な事情に基づき判断されるため、一概にお答えすることは困難であることを御理解いただきたく存じます。
○緒方委員 そういうことなんですね。
この法律であえて特徴があるとすると、困惑してと書いてあるんですね。じゃ、困惑するお通しというのは何だろうということになるわけですよ。お通しでドンペリが二十万円です、これはこの法律にひっかかるのか、そういうことになるわけですね。例えば、それがメニューに書いてあった、お通しにドンペリ二十万円と書いてあった、店側からは、いやいや、困惑するなんてとんでもない、書いてあるじゃないですか、メニューに書いてある以上、十分に理解しており、困惑することなんかあり得ないではないか、そういう理屈だって可能なわけですよね。
警察庁にお伺いしたい。困惑するお通しというのはどういうものですか。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
まず、改正法案において使っております困惑でございますが、困り戸惑い、どうしてよいか分からなくなるというような、精神的に自由な判断が困難になっている状況というふうに考えております。
お尋ねのお通しについてでございますが、お通しというものは居酒屋などの飲食店で一般的な習慣として行われているものでございますので、社会通念上想定される範囲というものがあろうかと思います。その態様、金額であれば通常は客は困惑されないのかなというふうに考えております。
他方で、委員がおっしゃられましたような、金額が著しく高額であるということにより、社会通念上想定されるお通しの範囲を超えたようなものの提供を受けた客が困惑した場合には、本号の違反が成立していくことになろうかと思っております。
○緒方委員 それでは、質疑を移したいと思います。
恋愛感情につけ込んだ様々な行為が今回規制されているわけですが、これは接待飲食営業における恋愛感情につけ込んだということなんですが、別に接待飲食営業でなくても同じことが起こるわけですよね。例えば、地下アイドルが同種の行為を行うケースとか、地下アイドルは別に接待飲食営業ではありませんので、そういうケースとか、あと、最近話題になった頂き女子りりちゃんとか、ああいうケースになるとどうなるのか。
頂き女子りりちゃんのケースは、金額もでかかったし悪質だったので、あれは詐欺罪が適用されているんですね。しかしながら、詐欺罪の要件というのは、人を欺いてと書いてあって、これの判断というのは物すごい難しいんです、なかなか取りにくいんです。
そうすると、こういうものがこの法律から外れるんだけれども、社会的に、やっていることとしては、恋愛感情につけ込んで金を召し上げたれというような行為が行われているわけであって、単に風営法の対象外であると等閑視していいものではないというふうに思います。
警察庁の見解を求めたいと思います。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
地下アイドルと呼ばれるものにつきましてもいろいろなものがあろうかと思います。ただ、いわゆる地下アイドルか否か、そういったものに関係なく、設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせるいわゆる接待飲食営業につきましては、風俗営業の許可を取得する必要があり、改正法で新設する遵守事項や禁止行為の規制対象となってまいります。
また、設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる者が風俗営業の許可を取得せずにこのような営業を行った場合には、そもそも風俗営業の無許可営業に該当し、風俗営業の無許可営業につきましては、今般の改正において罰則を大幅に引き上げることとしているところでございます。
また、このような形態でないような地下アイドルにつきましても、例えば、恋愛感情等につけ込んで金を召し上げるといった、様々な具体的な行為によってはいろいろな法律に触れてくる場合もあろうかと思います。先ほど例に挙げておられました詐欺罪が適用されるような場合もございますし、実際、警視庁の方では、いわゆる地下アイドルというものにいかがわしい行為を女性ファンにさせていたということで、迷防条例で検挙したようなケースもございます。
我々といたしましては、そういった悪質な行為につきましては、法令に触れるかどうかしっかり見て厳密に対応してまいりたいと考えております。
○緒方委員 今、先ほど答弁の中で迷惑防止条例と言ったんですが、これは条例なんですよね。法定化されていないんですよ。その問題点があることは指摘させていただきたいと思います。
続きまして、第二十二条の二第二号のハという部分なんですが、これは、借金をこさえてこういうところで働かせる行為はバツというものの類型を挙げているんですが、この中に挙がってきているのはソープランド、ファッションヘルス、そしてデリヘルまでです。そうすると、第三号営業のヌードスタジオとかのぞき部屋とかストリップ劇場とか、さらには六号営業の出会い系喫茶、さらには、ちょっと古いですけれどもテレクラ等も外れるんですね。
なぜ外れているんでしょうか、警察庁。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
新法第二十二条の二第二号は、接客従業者が料金の支払い等のために客に対して要求してはならない業務といたしまして、違法な営業のほか、性交や性交類似行為を伴う業務が職業安定法において職業紹介をすることが違法となる公衆道徳上有害な業務に該当するとして複数の裁判例において判示されているといったこと等を踏まえまして、性風俗店勤務、アダルトビデオ出演や海外売春を列挙しているところでございます。
このような趣旨を踏まえまして、いわゆるソープランドや店舗型ファッションヘルス、派遣型ファッションヘルス以外の性風俗関連特殊営業につきましては、性交類似行為を伴う業務が想定されていないということで、本号の対象とはしていないものでございます。
○緒方委員 聞かれて思ったと思いますが、ヌードスタジオ、ストリップ劇場、出会い系喫茶、そういうところを端緒としてこういうことに進んでいくということがあるんじゃないかと思うんですよね。ちょっと法律として私は不十分なのではないかというふうに思います。その点は指摘をさせていただきたいと思います。
さらに、これはソープランド、ファッションヘルス、デリヘル、これを対象にしているということなんですが、私、もしかしたらと思ってレクのときに聞いたんですが、大阪西成の飛田新地、あそこの業態というのは飲食業をベースとしているので、そもそも入らないですよねというふうに聞いたら、入りませんということだったんですね。だから、借金をこさえて、ソープランド、ファッションヘルス、デリヘルに行けという行為は、これは明示的に駄目だと書いてあるんですけれども、飛田新地で、飲食業ですから、料飲組合がありますから、そういうところで飲食業で働いてきなさいという行為がこの法律から外れているのではないかというふうに思いますが、警察庁、いかがでしょう。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
個別の営業が風営適正化法に規定する店舗型性風俗特殊営業等に該当するか否かにつきましては、個別具体の事実を踏まえて判断すべきものでありまして、一概にはお答えできません。
その上で申し上げますれば、新法第二十二条の二第二号ハにおきましては、接待飲食営業を営む者が客に対して料金の支払い等のために店舗型性風俗特殊営業において異性の客に接触する役務を提供する業務に従事することを要求することを禁止しております。
そして、この店舗型性風俗特殊営業等に当たるか否かにつきましては、異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する業務であることなどから風営適正化法上の要件に該当しているか否かによって判断されるものであり、その名称や風営適正化法上の届出の有無は問いません。
また、場所や方法を問わず、接客従業者が女性客に対して、料金の支払い等のために売春や性交類似行為等を行うこと、これを要求したと認められる場合につきましては、新法第二十二条の二第二号イ又はロに該当してくることとなります。
○緒方委員 まさに今、イに該当すると言いましたが、イは売春防止法なんですよね。売春防止法で全部引けばいいというのであれば、それはソープランドだって、ファッションヘルスだって、デリヘルだって、そこで引けばいいわけですよ。
わざわざ例示しているわけですよ。そこにはまらないというのは法の欠缺ではないかと思いますけれども、もう一度、警察庁。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
先ほども御答弁させていただきましたけれども、新法第二十二条におきましては、違法行為を要求すること、また性的な接触を伴うような業務に従事することを要求しているわけでございます。性風俗特殊営業等につきましては、性的な業務を提供するところだということで対象としているところでございます。
○緒方委員 ちょっとよく分からないところがありましたが、質疑を移していきたいと思います。
同じく、この第二十二条における客の定義についてお伺いしたい。
この法律を読む限り、債務を背負ったお客さん、女性客だと思いますが、そのお客さんをソープランド等で勤務させる行為は対象なんですけれども、例えば客の親族を同じようにソープランドで働くように振り向けていくというのは、これは対象外です。例えば、母がホスト狂いになって借金をこさえて、その結果、ホスト側から、あなたをソープランドに送ったら法にひっかかるんだ、だから娘に行ってもらえというようなことがあり得ると思うんですよね。
こういうものについてどう対応されますでしょうか、警察庁。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
御指摘のとおり、新法第二十二条の二における客には、客の家族や親族等は含まれません。あくまで客でございます。
ただ、御指摘のような事案におきましては、新法第二十二条の二第一号が適用できる場合もあり得るほか、接客従業者が客の家族に直接又は間接的に働きかけるような場合には、個別具体の事情を踏まえることとはなりますけれども、例えば脅迫罪等、そういったものに該当することも考えられますので、あらゆる法令の適用を検討した上で、法と証拠に基づき適切に対処してまいりたいと考えております。
○緒方委員 同じく第二十二条の二なんですが、売り掛け、立替えの、金を貸し付ける行為については、威迫して困惑することを要求しているんですね。単に威迫するだけじゃなくて、威迫して困惑しないと禁止行為に当たらない。逆に、先ほど言った売春とかなんとか、そういう話は誘惑するだけで禁止行為になるわけですよね。
そうすると、売り掛けとか立替えとか、金を貸し付けて返済させる行為については、威迫するだけじゃ駄目なんですね。誘惑じゃ駄目で、威迫するだけでも駄目で、威迫して困惑までしなきゃいけない。結構差が大きいと思うんですけれども、この違いについて述べていただければと思います。
○檜垣政府参考人 お答えいたします。
新法第二十二条の二第一号では、料金の支払い等をさせる目的で客を威迫して困惑させる行為を禁止する一方、同条第二号では、威迫又は誘惑により同号に列挙した行為を要求すること、これを禁止しております。
この点、同条第二号に列挙いたしました行為である売春、これは国内法上違法とされておりますし、性交や性交類似行為を伴う業務につきましては、職業安定法において職業紹介をすることが違法となる公衆道徳上有害な業務に該当すると複数の裁判例において判示されております。
こういったことを踏まえますと、威迫、誘惑して料金の支払い等のためにこれらの行為等を要求すること、それ自体が適正な営業行為とは認められないというふうに捉えております。
そのため、売春等により善良の風俗が非常に高い蓋然性を伴って害されることを未然に防止するために、こうした行為を威迫、誘惑して要求する行為自体を罰則をもって禁止する必要があるというふうに考えております。
他方で、同条第一号につきましては、料金の支払いでございますので、これは通常の商行為を求めるものであります。したがいまして、その範囲を超えるような悪質な行為である料金の支払い等のために威迫して困惑させること、これを要件として規定しております。
○緒方委員 最後の質問にしたいと思います。
先ほど、下野議員からもスカウトバックのところでAVは何で入らないんだという話をしたりとか、あと菊池議員からもいろいろな問題提起がありました。部分的にやはり逃げ道があるように見えます。
これは大臣に答弁を求めたいと思います。一定期間後に見直しを是非コミットしていただきたいと思います。大臣の答弁を求めたいと思います。
○坂井国務大臣 今回、法改正を提出する際に当たって、こういった議論を行った上で、今の法律の形で提出をさせていただきました。効果があると思っておりますし、期待をしているところでございますが、当然のことながら、法律を成立をさせていただいて施行させていただいた後の状況を当然追って見ていかなければなりませんし、また、先ほどもございましたが、悪質な営業の手口が新たに生まれたり、また社会の変化に伴って風俗環境や地域社会のニーズが変化をするということは当然にあり得ることでございます。それに伴い、法規制の在り方もそれに合わせて機敏に見直すということは言うまでもないということを申し上げたいと思います。
○緒方委員 私、採決は答弁を見てからということにしておりました。今の答弁をもって賛成とさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
○大岡委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
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○大岡委員長 これより討論に入るのでありますが、その申出がありませんので、直ちに採決に入ります。
内閣提出、参議院送付、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○大岡委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
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○大岡委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、國場幸之助君外七名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、公明党、日本共産党及び有志の会の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
提出者から趣旨の説明を聴取いたします。水沼秀幸君。
○水沼委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明いたします。
案文の朗読により趣旨の説明に代えさせていただきます。
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たっては、次の事項に留意し、その運用等について遺漏なきを期すべきである。
一 悪質なホストクラブ等の客が売掛金等を蓄積させられた上で、売春等をさせられている状況に鑑み、こうした性的搾取を防止するため、被害者の保護に努めるとともに、当該行為に関与した者の指導・取締りを一層推進すること。また、海外売春をさせられる事例も見受けられることから、外国の関係機関とも連携しながら厳正に対処すること。
二 悪質ホストクラブ問題の背後で暴力団や匿名・流動型犯罪グループ等の犯罪者集団が不当に利益を得ている事例があることに鑑み、本法の執行を通じ、これらの者を風俗営業から排除する取組を徹底すること。
三 ホスト等によるマインドコントロールや犯罪者集団による報復への恐れから、被害者自身による申告が困難な場合があることを踏まえ、早期に被害の回復につなげるため、関係行政機関や被害者支援団体等と連携しながら、被害者やその家族等に対する適切で効果的な広報・啓発、相談・支援体制の強化等の取組を進めること。また、中長期的な被害の回復に対する支援の充実や被害者支援団体等への支援の拡充についても検討すること。
四 悪質なホストクラブ等において、ホスト等が客に対して、その客の好意の感情を不当に利用し、困惑させ、飲食などの提供を受ける契約を結ばせる実態等があることに鑑み、客がその意に反して、売掛金等の高額な債務を負うことのないよう、消費者契約法に基づく取消しを主張できる場合があること及び消費者トラブルに関する相談窓口について周知を徹底すること。
五 悪質なホストクラブのホストがSNSやマッチングアプリ上で、ホストであることを隠して客となるよう勧誘等を行っている事例があることに鑑み、ターゲットとなる若年層を中心に被害を受ける可能性のある者に届くような効果的な手法を工夫し、注意を呼びかけること。また、当該行為に関与した者の取締りについても積極的に取り組むこと。
六 悪質ホストクラブ問題を始めとする風俗営業等をめぐる情勢に鑑み、ホストクラブやメンズコンセプトカフェ等の接待飲食営業について、売掛金等の高額な債務を負わせることにつながるような遵守事項等に違反する行為が行われないよう、監督・指導に更に積極的に取り組むこと。
七 現下の悪質ホストクラブ問題の深刻な状況を踏まえ、法施行前においても取締りの強化や広報・啓発に一層努めるとともに、今後の悪質ホストクラブ問題に係る情勢を踏まえ、必要に応じ、他の関係法令も含めた更なる措置を検討すること。
以上であります。
何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○大岡委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○大岡委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。
この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。坂井国家公安委員会委員長。
○坂井国務大臣 ただいま御決議がありました附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
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○大岡委員長 お諮りいたします。
ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
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○大岡委員長 次回は、来る二十一日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時十二分散会