第3号 令和8年4月14日(火曜日)
令和八年四月十四日(火曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 井上 英孝君
理事 阿部 弘樹君 理事 木原 誠二君
理事 高見 康裕君 理事 谷川 とむ君
理事 藤原 崇君 理事 西村智奈美君
理事 三木 圭恵君 理事 小竹 凱君
井出 庸生君 稲田 朋美君
長田紘一郎君 上川 陽子君
河野 正美君 神田 潤一君
小泉 龍司君 河野 太郎君
斉藤 りえ君 佐藤 主迪君
世古万美子君 武部 新君
辻 秀樹君 辻 由布子君
寺田 稔君 西山 尚利君
福原 淳嗣君 藤沢 忠盛君
藤田ひかる君 古川 禎久君
三ッ林裕巳君 三原 朝利君
保岡 宏武君 山本 大地君
渡辺 勝幸君 有田 芳生君
國重 徹君 金村 龍那君
原山 大亮君 井戸まさえ君
鈴木 美香君 和田 政宗君
…………………………………
法務大臣 平口 洋君
法務副大臣 三谷 英弘君
最高裁判所事務総局総務局長 清藤 健一君
最高裁判所事務総局人事局長 板津 正道君
最高裁判所事務総局経理局長 染谷 武宣君
最高裁判所事務総局刑事局長 平城 文啓君
最高裁判所事務総局家庭局長 馬渡 直史君
政府参考人
(法務省大臣官房司法法制部長) 内野 宗揮君
政府参考人
(法務省民事局長) 松井 信憲君
政府参考人
(法務省刑事局長) 佐藤 淳君
政府参考人
(文部科学省大臣官房学習基盤審議官) 堀野 晶三君
法務委員会専門員 三橋善一郎君
―――――――――――――
委員の異動
四月十四日
辞任 補欠選任
井出 庸生君 三原 朝利君
上川 陽子君 長田紘一郎君
神田 潤一君 河野 正美君
河野 太郎君 佐藤 主迪君
藤田ひかる君 斉藤 りえ君
同日
辞任 補欠選任
長田紘一郎君 渡辺 勝幸君
河野 正美君 神田 潤一君
斉藤 りえ君 藤田ひかる君
佐藤 主迪君 河野 太郎君
三原 朝利君 井出 庸生君
同日
辞任 補欠選任
渡辺 勝幸君 上川 陽子君
―――――――――――――
四月十四日
出入国管理及び難民認定法及び出入国管理及び難民認定法第二条第五号ロの旅券を所持する外国人の上陸申請の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二〇号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内閣提出第一九号)
――――◇―――――
○井上委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として法務省大臣官房司法法制部長内野宗揮君、法務省民事局長松井信憲君、法務省刑事局長佐藤淳君及び文部科学省大臣官房学習基盤審議官堀野晶三君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○井上委員長 次に、お諮りいたします。
本日、最高裁判所事務総局総務局長清藤健一君、人事局長板津正道君、経理局長染谷武宣君、刑事局長平城文啓君及び家庭局長馬渡直史君から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○井上委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。小竹凱君。
○小竹委員 おはようございます。国民民主党の小竹凱です。
本日は、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案につきまして質問の機会をいただき、ありがとうございます。
立法の目的等々は毎年見直されておりますもので省略させていただきますが、質疑に入らせていただきます。
本法案の概要の中身の部分、ワーク・ライフ・バランスの推進のために裁判所事務官を二人増員というふうにされておりますが、今回ここで言うワーク・ライフ・バランス推進とは具体的に何を指していらっしゃるのか、お答えをお願いします。
○清藤最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
ワーク・ライフ・バランス推進についてお尋ねがありました。
仕事と育児の両立支援制度の利用促進や育児休業からの復帰後の支援、男性職員による育児に伴う休暇、休業等の計画的な取得に向けた取組等を行うことによって、職員の多様な働き方と子育ての両立支援等のワーク・ライフ・バランスの推進を図っていく、こういう必要がありますことから、平成二十七年度以降、ワーク・ライフ・バランス推進のための増員を認めていただき、その取組を行ってきているものでございます。
令和八年度についても引き続きこのような取組を継続していく必要がありますために、事務官二人の増員をお願いするものでございます。
○小竹委員 今回、二人の増員と具体的にございますが、これはどちらの裁判所での増員だったのか、お答えをお願いします。
○清藤最高裁判所長官代理者 仕事と育児の両立支援制度の利用促進や育児休業からの復帰後の支援等を行うことによりワーク・ライフ・バランス推進を図る、こういう観点を踏まえまして、最高裁判所の事務総局に配置しているというものでございます。
○小竹委員 では、最高裁での二人の増員だったということでありますが、最高裁でどういった労働時間管理をされて、算定式といいますか、どういった根拠によってこの二人という具体的な数字が導かれたのか。そしてまた、この増員というのは現場からの要望によるものなのか、機械的に算出されるものなのか、その算定方式についてありましたらお答えをお願いします。
○清藤最高裁判所長官代理者 先ほども少し申し上げましたが、ワーク・ライフ・バランス推進のための増員につきましては、事務処理状況や育児の事情等のある職員を支援する体制を確保する必要がある部署の状況等を踏まえて、二人の増員ということを検討した結果ということでございまして、そのため、計算式のようなものを用いて積算するというようなことは難しいというところは御理解いただければと思います。
それから、現場からの要望ということについてもお尋ねがありましたけれども、これも先ほど申し上げましたように、最高裁における検討の中で、各部署の事務処理状況や、あるいはその職員を支援する体制を確保する必要、こういったことを検討した結果としての増員ということでございますので、御理解いただければと思います。
○小竹委員 ありがとうございます。
ワーク・ライフ・バランス推進というところに関しては全く異論はないんですけれども、算定式も分からなければ、現場からの増員ではなくて、いろいろ鑑みた中で二人を決定して進めていくというところがなかなか、じゃ、実際は、本当は一人でいいかもしれないのに二人の増員になっているのかだったりとか、どういうふうに人手が足りていないのか、更に言うとワーク・ライフ・バランス推進をしていくのかというところが分からないという部分が、私の肌感としては何か納得いかないところなんですけれども。
じゃ、大臣、今の答弁を聞いて、この進め方は妥当であるというふうに思われますでしょうか。
○平口国務大臣 最高裁判所において判断されるべきことだと思います。
○小竹委員 ありがとうございます。
最高裁によって、もちろん、司法権の独立とか、そこは分かるんですけれども、この労働時間管理という部分に関してはまた別の話だと思うので、見えないというか、中身のブラックボックス化というところをもう少しクリアにして納得感が得られるようにしてほしいと思いますし、更に言えば、二人の増員ということでございますけれども、最高裁ということでございました。地裁や高裁からは、こういった要望であったり検討の余地というのは今回なかったのでしょうか。
○清藤最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
最高裁としましては、常日頃から職員の要望であるとかニーズというのは適宜の形でいろいろ聞いておるところでございまして、そういったものを踏まえて、最高裁として、ワーク・ライフ・バランスも含めて定員の在り方ということは検討しているところでございます。
また、ワーク・ライフ・バランスの推進という観点から、先ほども申し上げましたように、平成二十七年度から継続的にこれを推進しているというところでございまして、このようなことを引き続き職員の状況もよく把握しながら進めてまいりたいというふうに思っております。
○小竹委員 ありがとうございます。
昨日もお尋ねしたところ、ワーク・ライフ・バランス推進のこの枠というものに、別に上限というかそういうものはあるわけではないというふうに聞きましたので、最高裁のみならず、また様々な現場の御意見も聞いて、しっかりと労働時間管理もされた上で適正配置というのをお願いしたいというふうに思います。
また、昨年、参議院法務委員会で我が党の川合孝典参議院議員が、裁判所職員の労働環境について、具体的には労働時間管理をどういうふうに行っているかと質問したところ、昨年の一月から最高裁の全部署において勤務時間管理システムの本格運用を開始したというお答えがありました。
システムの管理の仕方というのもいろいろあるかと思いますが、最高裁ではどういった管理の仕方を行っているのか、また、以前はどういった管理方法であったのか、比較してお答えいただけると幸いでございます。
○板津最高裁判所長官代理者 それではお答え申し上げます。
勤務時間管理システムの導入により、出勤時間や退勤時間の登録、休暇やフレックスタイム等の申請、承認、超過勤務予定の事前確認、勤務実績の登録、職員貸与端末の使用時間の記録等を電子的方法により行っているところでございます。
委員の方から、以前はどういうふうに行っていたのかという御質問もいただきました。従前は、管理職員の現認による状況の把握、この方法により行っていたところでございます。
以上です。
○小竹委員 ありがとうございます。
このシステムを導入したことによって、具体的に、パソコンのログイン時間であったりとか、そういったことが目に見える形で登録されて、なるべくそことの乖離がないようにというか、なるべく正確な数値を取れるというふうに思いますが、これは具体的に、このシステムを導入したことによって、これまでと、昨年の同時期であったりとか繁忙期と比べて実は残業時間に相当な乖離があったとか、そういったことが分かってきたとか、そういう効果はありますでしょうか。
○板津最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
勤務時間管理システムで職員貸与端末の使用時間を記録することにより、客観的な記録を基礎とした職員の在庁の状況の把握が可能になり、それに基づき、より適切な超過勤務時間の管理が可能になったところでございます。
今、手元の資料によりますと、例えば、令和六年度、最高裁における職員一人当たりの一月当たりの平均超過勤務時間は十八時間十六分でありましたところ、令和七年は十九時間三十三分であったというふうに把握しているところでございます。
客観的把握時間と超過時間の差異、これは、令和七年におきましては八時間台であったというふうに把握しております。
○小竹委員 まあ、導入したばかりなので、一年だけで、単年だけで比較できるものではないと思いますが、いわゆるサービス残業がないように、しっかり適正な管理をしていただきますようお願いします。
それから、次の質問で、下級裁についても労働時間管理のことをお尋ねしようと思っていましたが、下級裁についても本年度から同様のシステムを導入したということを昨日お聞きしましたので、この質問は割愛させていただきます。
いずれにしても、昨年の職員定員法改正の際に、附帯決議の五項の後段部分ですね、「裁判官・裁判所職員の適切な人員配置を行うよう努めるとともに、裁判官以外の裁判所職員の労働時間を把握し、適切な労働環境を整えること。」というふうにありますので、まずは時間をしっかり把握するところ、それから働き方も把握すること、その上で適切な人員配置につながるというふうに思っています。
一番最初に申したように、ワーク・ライフ・バランス推進という枠も否定はしませんが、しっかり把握ができていないのに毎年増員をしていくことも果たしてどうかなというふうに思いますので、そういった部分について、労働時間の把握というところ、また、先ほど大臣もおっしゃられましたが、司法権の独立というところに配慮することは分かるんですが、ここで言う労働時間管理というのは、裁判官以外の職員の労働時間を把握するということに関して言いますと、これはまた三権分立とは別のことだと思いますし、そこに関しては法務省もしっかりと取り組んでいただきますことを強く要望させていただきます。
次に、家庭裁判所の現状について伺います。
全国の家庭裁判所の本庁、支部、出張所の数は幾つでしょうか。また、家裁調査官が常駐している支部の数とその全体の割合を御教示お願いします。
○清藤最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
家庭裁判所の本庁の数は全国で五十庁、家庭裁判所の支部の数は全国で二百三庁、家庭裁判所の出張所の数は全国で七十七庁となっております。
家庭裁判所調査官が配置されている支部につきましては、支部二百三庁のうち百十三庁となっておりまして、この割合は支部全体の五五%程度となっております。
○小竹委員 では、約半数が常駐して、半数は常駐していないということですけれども、していない支部や出張所には調査官がどのように対応されているのでしょうか。
○清藤最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
家庭裁判所調査官が配置されていない庁につきましては、近隣庁に配置されている家庭裁判所調査官が当該庁に出向くなどして事件を担当することで対応しております。
○小竹委員 この調査官が常駐していない支部が約半数ということでございますが、物理的にかなり広域な支部もあるかと思いますし、事件件数に応じても配置をされているというふうにお伺いしておりますが、現状で、全国からの要望であったりとか、この配置の今の状態、これは適正であるというふうに法務省は判断されているのでしょうか。最高裁ですね、失礼しました。
○清藤最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
裁判所も国の予算で運営されます公的な機関の一つということでございますので、業務量に見合った人の配置の在り方を考えていく必要はあるというふうに考えております。
家裁調査官の具体的な配置につきましては、事件数だけではなくて、近隣の支部との交通事情、それから扱っている事件の種別、あるいは事件処理状況などを総合的に踏まえて必要な体制を整備しているというところでございまして、人員の有効活用の観点からは、事件数が少ない庁につきましては家裁調査官が配置されていませんけれども、そのような庁につきましても、近隣庁に配置されている家裁調査官が当該庁に出向くなどしまして事件を担当する、こういうことで、事件処理に支障が出ないように必要な体制整備がされているというふうに考えております。
ただ、いずれにしましても、家裁調査官が配置されていない支部も含めまして、全国の各庁において安定的な事件処理が行われるように、引き続き必要な体制整備に努めてまいりたいというふうに考えております。
○小竹委員 ただいまの答弁ですと、国のお金で運営されているというところが、財政的な制約によって司法権の独立が侵害されてはいけないと思いますし、あくまでも事件件数に基づいて配置されているということであればそうかと思いますが、そこはお金から制約されることのないようにお願いしたいと思います。
また、長野県の家庭裁判所佐久支部において、家裁調査官常駐を求める要望書というのが、これは調べたら十年ぐらい続いているんですね。
現場からの要望書を見ますと、調停事件において、令和三年、少し前になりますが、家事事件などによる長野県内の本庁及び各支部の調査官調査率を比較しますと、本庁、長野市ですね、二一・六%、松本支部であると一九・二%に対して、佐久支部というのが、上田支部からの填補であるのですが、一二・八%が調査官調査率となっておりまして、半分ほどに下がっているということでございまして、要望書の中でも、佐久支部に填補されている上田から来ている方が、家裁調査官自身も、佐久調停協会主催の自庁研修において、未成年のお子さんのいる調停事件で調査官調査を行っているのは三分の一程度、残りの三分の二の事件の中にも問題がある件が相当程度含まれていると思っているというふうに明言されています。また、填補による各種負担も鑑みれば、現場関係者こそが常駐の必要性を身をもって感じている状況ではないかと思われると。
なお、佐久調停協会所属の調停委員からも、家裁調査官が填補されても、常駐していないためにふだんから誰が家裁調査官なのかもよく分からず、日常的な信頼関係の構築が難しいということもありますし、過度に感情的な当事者の対応はカウンセリングなどにたけた家裁調査官の役割であるというふうに聞いているが、調停開廷日に家裁調査官が必ず填補されるわけでもなく、結局は書記官であったり調停委員が必要以上の負担を強いられるケースがあるということが報告というか要望されており、常駐家裁調査官の配置を待ち望んでいるというふうに書かれております。
これは佐久の一例を挙げましたが、それ以外にも、先ほどの割合からいくと約半数が常駐していない支部があるということでございます。
この現場からの声をどういうふうに受け止めるかということと、また、調査官調査率ということで出ておりましたが、調査官を配置させるか、関与させるかの判断基準というのは、具体的に何かございましたらお答えください。
○馬渡最高裁判所長官代理者 まず、調査官の関与率の関係でございます。
司法統計によりますと、全国の家庭裁判所における子をめぐる事件のうち、親子交流、子の監護者の指定の事件、あと、子の引渡しの事件、この事件のそれぞれにつきまして、八割程度の事件に家庭裁判所調査官が関与しているというところでございまして、関与すべき事件については適切な形での関与がされているものと承知しております。この割合は、御指摘の長野家庭裁判所佐久支部においても同様でございます。
個別の事件において、家庭裁判所調査官を関与させるかどうかにつきましては、子をめぐる紛争の程度やその内容、子の状況その他の事情を踏まえて、調停委員会等におきまして適切に判断されるべき問題であると考えております。
以上でございます。
○小竹委員 ありがとうございます。
関与が必要な事件の大体八割程度はされているということでありますが、単純にこれを照らし合わせてみますと、佐久支部は本庁や松本支部に比べてその半数程度になっているということを考えると、佐久においては八割程度もカバーできていない現状があるのではないかというふうに推察されますので、引き続き、現場現場、しっかりと管理をしていただきたい、また、現場の声も聞いていただきたいというふうに考えております。
かつては、少年審判の取扱いが少ないということが家裁調査官を常駐させない一つの理由となっておりましたが、近年の少年事件の減少傾向、また、一般家事事件の増加傾向からすれば、家裁調査官の働きどころの重点というのが、離婚事件などを始めとした家事事件の方に移行しつつあるというふうに言えると思います。共同親権も施行されまして、より複雑で、個別事案ごとに調査官がしっかり集中できる環境が必要であるというふうに感じますし、先ほどの要望書の中にありましたように、日頃からの信頼関係の構築というのが重要になってくると思います。
少年事件の取扱いの少ない支部であるということ、それを抜きにして、家裁調査官を常駐させない理由にならないと考えて、全ての支部に家裁調査官を常駐させる方向で働くべきだというふうに考えますが、お答えをお願いします。
○清藤最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
先ほどの繰り返しになるところもございますけれども、裁判所も国の予算で運営される公的な機関であるということでございまして、業務量に見合った人の配置の在り方は考えていく必要があると考えているところでございますが、現状でも、家庭裁判所調査官は、配置されていない庁につきましても、そこにはきちんと出向くなどして事件を担当して、事件処理に支障が出ないように必要な体制整備はされていると考えているところでございます。
いずれにしましても、家庭裁判所調査官が配置されていない支部も含めまして、各庁において安定的な事件処理が行われるように、引き続き必要な体制整備に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○小竹委員 もちろん、必要な業務量に応じて配置するということに関しては異論はありませんが、この佐久に限って言うと、十年ほど要望が続いておりますし、地域広域連合であったり弁護士会など様々なところから多分要望書は、既に最高裁も御存じだと思いますので、そういう点においては、やはり現場に耳を傾けてほしいと思います。
その上で、また次の質問に入りますが、今回、調査官の定員について十名の増員ということでございますが、私としては全ての支部にということを申し上げましたが、どういう根拠で今回十人の増員なのか、お答えをお願いします。
○清藤最高裁判所長官代理者 家裁調査官につきましては、これまでも、家庭事件の複雑困難化といいました事件動向や事件処理状況に加えて、法改正による影響等も踏まえまして、必要な体制整備に努めてきたところでございます。
その一方で、家裁調査官の関与の度合いが大きい少年事件につきましては、長期的には大幅な減少傾向にありまして、このような事件動向を踏まえて各裁判所では事務分担の見直しを行うなどしておりまして、家事事件の処理のための体制整備を行ってきたところでございます。
このような状況の中で、この度、改正家族法が施行されるということを踏まえまして、令和七年度には、その準備、検討のために家裁調査官五人を増員いたしまして、これに加えて、令和八年度においては、より一層の家庭事件処理の充実強化を図るために家裁調査官十人を増員することで、これらの増員分を、これまで準備、検討を深めてきた改正家族法に関する調査事務の運用を全国に定着させるための支援に活用するということを考えております。これによって、各裁判所において改正家族法の趣旨、内容を踏まえた適切な運用による安定的な事件処理を確保し、家庭裁判所に期待される役割を引き続き果たしていくことができるというふうに考えております。
裁判所としましては、引き続き、改正法施行後の状況もよく注視しながら、適切な審理運用の在り方に見合った体制の整備に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○小竹委員 本年四月から、家族法の改正、離婚後共同親権が施行されました。その準備段階から、昨年から五名、そして本年は十名増員ということでございますが、具体的に事件処理の件数がどのくらい増えると想定されての十名なのか、予想がありましたらお願いします。
○馬渡最高裁判所長官代理者 事件動向の予測につきましてですけれども、改正法施行後の事件動向につきましては増加要因も減少要因もあると考えられますことから、その推移を注視する必要があると考えておりまして、施行直後の現時点におきましては今後の動向を具体的に予測するということは困難でございまして、委員御指摘のように、家裁調査官の業務がどうなるかについても確たることは申し上げることができません。
その上で、裁判所としては、裁判所に期待される役割を適切に果たすために、改正法の趣旨、内容を踏まえた適切な審理が着実に行われるよう、各家庭裁判所におきまして、家裁調査官がその専門性を発揮すべき局面に確実に関与するという観点等も踏まえ、審理運営の在り方につき検討が進められてきたものと承知しております。
最高裁といたしましては、引き続き、事件動向や運用状況も踏まえた形で、各家庭裁判所において改正法の趣旨、内容を踏まえた適切な審理が着実に行われるよう必要な支援を行うとともに、そのような審理運用の在り方に見合った体制の整備にも努めてまいりたいと考えております。
○小竹委員 ありがとうございます。
では次に、家裁調査官、調査官補も含めた定員数は何名なのか、また、メンタル疾患などで九十日以上休まれている方の数、そして、実働的な欠員が生じている理由であったりとか現場での対策などがありましたら、お答えをお願いします。
○板津最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
令和七年度の家庭裁判所調査官、家庭裁判所調査官補の定員数は千六百三人であり、同年四月一日時点で、メンタル疾患、すなわち精神及び行動の障害による九十日以上の長期病休中の人数は十人でございました。
精神及び行動の障害による長期病休に至った原因は、業務内容や職場環境をめぐる問題だけでなく、自己の健康面での不安や家庭事情等とするものもあるなど様々で、かつ各種の要因が複合しているため、一概に申し上げることは難しいものがございますが、これまでも、職員に対するカウンセリングやストレスチェックを実施して職員の健康保持を図るとともに、それぞれの職員の状況を丁寧に把握した上で、職場に原因があるものについては適切に対応してきたところでございます。
なお、先ほど勤務時間管理の御質問の中で私が年度というふうに説明させていただいた部分がありますが、正しくは年でございます。訂正させていただきます。
○小竹委員 ありがとうございます。
メンタル疾患などで長期というか九十日以上休まれている方の数というのが、昨年の回答より大幅に減っているということで、これは少し安堵をいたしました。引き続き、カウンセリング等々を行っていると思いますので、労働環境ですね、昨年の附帯にもついておりましたが、様々な価値観の多様化に伴う家事事件の複雑化、困難化の動向に対してという、特に調査官がいろいろと抱える部分が多いと思いますので、そういったフォローの充実に努めていただきたいというふうに考えております。
それから、予算については件数であったりその業務量によって決定しているというふうに伺っておりますが、今言ったように、様々な事案の量と、また質の変化ですね、複雑化、多様化、これをどのように定量的に把握されているのか。単純な件数ベースでは不十分と考えますが、現場の考え方を、予算の決定方式を教えてください。
○清藤最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
委員御指摘のとおりで、裁判所の定員につきましては、各種事件の、事件数だけではなくて、審理期間や未済事件数、あるいは合議率などの事件処理状況、あるいは社会経済情勢の変化、これに伴う事件の質的変化、あるいは法改正の状況ですとか、その時々の諸事情を踏まえて、最高裁において毎年必要な検討を行っているところでございます。
例えばでございますが、裁判官につきましては、民事訴訟事件の複雑困難化といったことへの対応として、合議体による審理を進めるということなどを目的として相当数の裁判官を増員し、着実に人的体制の整備を図ってきたところでございます。
また、家裁調査官につきましても、家庭事件の複雑困難化といった事件動向や事件処理状況に加えて、法改正による影響なども踏まえて必要な体制整備に努めてきたというところで、令和七年度につきましては先ほど申し上げた五人の増員を行いまして、これに加えて、令和八年度についても先ほど申し上げた十人の増員をするということでございます。
裁判所としましては、事件の件数だけではなくて、引き続き、適正迅速な裁判を実現するために必要な体制整備に努めてまいりたいというふうに考えております。
○小竹委員 先ほどの、私も繰り返しになりますが、財務省との協議といいますか話合いが実質的な制約にならないように、司法権の独立はしっかりと確保していただきたいと思います。
一問飛ばしまして、次の質問に入ります。
いよいよ本年四月から、離婚後共同親権の選択が可能になっています、施行されたわけでありますが、私の周りといいますか、聞いている方からでも、この度、共同親権への親権者変更の申立てを行うという声を聞いております。
全ての方とは言いませんが、法改正の趣旨が正しく運用されれば、多くのケースにおいて共同親権が認められていくものだというふうに感じておりますが、その一方で、家裁の運用とは別に、大きな不安というか懸念、それは、親権者変更を申し立てたことによって、現在、大体月一回か二回行われています親子交流というものが、審理が確定するまで停止されてしまう、その期間、親子交流が止まってしまうという点について不安視されている方をお聞きいたします。
申立てをされるということはやはり双方にとって気持ちのいいことではないでしょうし、親子交流を行うことによって別居親側が子供にいろいろと吹き込むというふうに予想されて、その間、子供に会わせないというようなことも容易に想像ができます。
審理期間はこれまでを見ると大体半年から一年かかるとされておりましたので、この申立てをしたことによって、半年から一年、親子交流の断絶期間が発生するというおそれがあります。これが法改正が裏目に出る結果でありまして、子の利益の観点からすると当然にあってはならないことだと思いますし、これまでの慣習といいますか流れを見ますと、国がしっかりと指導していかなければ、指摘をしていかなければ、制度と現場はそうなっていないということも多くございますので、これを防ぐために、政府から、親権者変更に関する係争中であっても、不当な親子交流の制限は人格尊重、協力義務違反に該当する、そして、子の人格尊重義務違反にも、反しているということを同居親に伝わる形で注意喚起をしていただく必要があると考えますが、このことに関して法務省の考えを、三谷副大臣、お答えをお願いします。
○三谷副大臣 お答えいたします。
適切な形で親子交流の継続が図られることは、子供の健やかな成長と幸せにつながるものでありまして、子供の利益を確保する観点から極めて重要であるというふうに認識をしております。
その上で、一般論としてお答えいたしますと、父母間で親子交流の取決めがされたのに、子供の意見等にかかわらず、父母の一方が正当な理由なくその実施を拒むような場合には、個別具体的な事情によっては、父母相互の人格尊重、協力義務に違反すると評価されたり、子に対する人格尊重義務に違反すると評価されたりする場合があるというふうに考えられます。
今委員が御指摘いただいたその不安の声というものも、私も承知をしているところでございます。ですので、しっかりと、この改正の趣旨、内容に沿った適切な親子交流の継続が図られるよう、引き続き、パンフレットやQアンドA形式の解説資料等を活用するなどして周知、広報に取り組んでまいりたいと考えています。
○小竹委員 ありがとうございます。大変心強く思います。
また、子供たちの生活に一番関わってくるのが保育園や学校だと思いますけれども、共同親権に関する学校対応について、文科省はこの施行に際して、これまでどのような周知を行ってきたでしょうか。
○堀野政府参考人 お答え申し上げます。
共同親権下におきます学校での対応の内容につきましては、文部科学省を含む関係府省庁連絡会議において作成されたQアンドA形式の解説資料に含まれております。
文部科学省としては、この解説資料について昨年十月一日に事務連絡を発出したことに加えまして、その直後の会議、また本年二月に開催した会議におきまして呼びかけるなど、各都道府県教育委員会等に対して周知を図ってきたところでございます。
文部科学省といたしまして、引き続き改正法の適切な周知に取り組んでまいります。
○小竹委員 ありがとうございます。
各教育委員会に主にという通知であるということは毎回のこと聞いておりますけれども、現場からは、まさに先日行われた入学式であるとかこういったところで、学校行事についても学校ごとに対応がまばらであるということを聞いておりますし、法務省のQアンドA、この二十六ページの部分、もう私も何度も読んでいますけれども、これに書いてあるとおり、特段の不都合がなければといいますか、基本的に単独で参加できるということであります。日常の行為であるということでございます。まず、この認識は大丈夫でしょうか、よろしいでしょうか。
○三谷副大臣 三月の卒業式そして四月の入学式のシーズンを迎えた直後でもございますので、あえて私の方から答弁をさせていただきます。
委員が今御指摘をいただきましたとおり、卒業式等の学校が保護者に参加を求めている行事に参加する行為は、通常は監護及び教育に関する日常の行為に該当するというふうに考えられますため、父母双方が親権者である場合、各親権者は単独で自己の参加に関する判断を行うことができるというふうに考えられます。
ただし、父母が高葛藤状態にあり、その参加が学校行事の運営に混乱を来す可能性が高いといった理由がある場合などには、学校は、学校管理の観点から、父母の行事参加を制限するといった対応を取ることも考えられます。
今申し述べた内容につきましては、関係府省庁等連絡会議において取りまとめられましたQアンドA形式の解説資料に記載されているとおりでございます。
○小竹委員 三谷副大臣、これは、今読まれたように、学校行事の現場で高葛藤状態であるということですよね。葛藤状態ではなくて、現場で高葛藤状態であるということでよろしいでしょうか。
○三谷副大臣 今お答え申し上げた内容は、学校行事の運営の観点から混乱を来すかどうかという観点でございまして、その背景として高葛藤状態にあるということが説明としてあるということでございます。
○小竹委員 今、現場でというところが多分抜けていましたので、訂正させていただきました。
それで、参加できるということを、教育委員会止まりではなくて、学校現場が迷わない形で明確に示す必要があると思いますし、文科省におかれましては、各学校現場に直接届く形での通知を改めて発出するべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○堀野政府参考人 お答え申し上げます。
我々が通知を発する場合におきまして、各都道府県教育委員会を通じまして、市町村教育委員会、学校へと周知をしていただくという段取りになっております。先ほどもありましたとおり、このQアンドA形式の資料には、親権者が単独で自己の参加に関する判断を行うことができるという旨を明記をしておるものでございます。
今後、これをより徹底していくために、五月に、より都道府県より現場に近い市町村の教育長や教育委員の方がかなり大勢集まる会議が複数ございますので、こういった場においてしっかりと制度の周知をさせていただきまして、引き続き周知徹底してまいりたいと考えております。
○小竹委員 ありがとうございます。
確かに文科省もやっているとは思うんですけれども、これまでのいじめ防止対策とかを見ても、結局、都道府県であったり指定都市の教育委員会に届くような形で発出しているんですけれども、私はその形自体を見直すべきではないかというふうに思っておりまして、現場によって様々なケースがあることは現場の人が一番分かっているので、そこは任せるべきだと思いますが、届けたいメッセージは同じなのであれば、まずは文科省から各学校へ直接通知が行くような形をつくって、でないと、現状だと、やはり、各教育委員会とかそういったところで、それぞれの解釈で様々に変えられて、届けたいメッセージがしっかり届いていないケースを私は感じますので、まずは直接届けた上で、その講習であったり窓口的な機能を各教育委員会が担うというような、そういった役割分担の方が正しいんじゃないかと考えますが、文科省、いかがでしょうか。
○堀野政府参考人 委員の御指摘につきましては、周知の方法、非常に学校現場にたくさんの通知が届きます。その際に、都道府県や間の教育委員会が、地元の事情を通して、やはり解説を加えながら周知するとか、様々なパターンがあります。この件は教育委員会で判断する余地はそんなにないと思いますけれども、こういったことも考えながら、事案に応じて一番適切な周知の仕方、効果的な周知の仕方を検討してまいります。
○小竹委員 市の教育委員会によってということですが、同じ市でも町中と山間部とで相当またケースも違いますし、同じ学校内でも様々なケースがありますから、まずは直接学校に届ける上で、その更に細部の現場によって判断をしていただくという形が本当はいいんじゃないかというふうに思いますし、ようやく施行されましたので、またこれからの進み具合も見て様々対応を進めていただきたいというふうにお願い申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○井上委員長 この際、暫時休憩いたします。
午前九時四十二分休憩
――――◇―――――
午後二時五十五分開議
○井上委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。國重徹君。
○國重委員 中道改革連合の國重徹です。
今回、審議の対象となっている裁判所職員定員法の一部改正法案、裁判官以外の裁判所の職員をトータルで百二十六名減員するとしています。
その理由として、裁判所の事務を合理化、効率化すること、こういったことが挙げられていますけれども、この合理化、効率化とは具体的に何を指しているのか、お伺いします。
○清藤最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
減員の理由については、主なところを御説明いたします。
今回の減員のうち、五十六人の減員につきましては、政府の定員合理化の方針に協力する形で、技能労務職員及び裁判所事務官を減員することとしたものでございます。
裁判所は政府の定員合理化の方針に拘束されるものではございませんが、その趣旨を理解して協力しているものでございまして、事務局部門の合理化を中心として、アウトソーシングを始めとした事務の合理化等が可能な部門等の定員を合理化する形で、政府の定員合理化の方針に協力しているものでございます。
まず、技能労務職員の減員を行うに当たりましては、既存業務の見直しや事務統合による業務の最適化のほかに、定年等による退職に際して、裁判所の事務への支障の有無を考慮しつつ、外注化による合理化等は可能かを判断するなどによって業務の合理化を行っております。
また、事務官につきましては、既存業務の見直し等による業務改革による合理化でございまして、例えば庁舎新営の終了に伴う事務の減少分などについて合理化が可能であると考えているところでございます。
いずれにしましても、裁判所としては、技能労務職員及び裁判所事務官の定員の合理化に当たっては、引き続き、政府における取組状況や、外注化等の代替措置の裁判所の事務への影響の有無を考慮しながら実施してまいるということになると考えております。
○國重委員 一問、ちょっと飛ばします。
業務の効率化に向けて裁判所が目下対応中なのが裁判手続等のデジタル化であると認識をしています。民事裁判の手続をデジタル化する改正民事訴訟法が、いよいよ来月の、五月の二十一日から全面施行されます。刑事手続、民事非訟、家事手続などについては、段階的にデジタル化が進む予定になっています。
一旦デジタル化への対応が完了すれば、業務の効率化が期待されますけれども、ただ、問題は過渡期だと思っています。どんな組織もそうですけれども、新たなシステムへの移行期というのは、慣れない新システムへの対応とか、従来の紙ベースの事務と新しいシステムとが混在することによって、現場の負荷はむしろ増大すると言えます。
最高裁として、この移行期特有の現場の負担をどのように認識しているのか、伺います。
○清藤最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、裁判手続等のデジタル化への移行期においては、新システムの導入等に伴って一定の業務が生じるということについては最高裁も認識しているところでございますし、御指摘のとおり、習熟するまでの負担、負担感といったようなものもあると認識しております。
あと、また他方で、御指摘があったかもしれませんが、裁判手続のデジタル化が進んでまいれば、今度は、記録の電子化などによって、期日間における職員による記録の運搬を始めとする記録の物理的な管理が不要になったり、複数人によって裁判記録の利用や検討が同時に可能になったりするというほかに、期日準備や判決書作成等におけるデータの利活用によって事務の合理化、効率化も期待されるところでございます。
裁判所としては、その過渡期のことも含めて、裁判手続のデジタル化後の事務処理の在り方について検討を進めつつ、必要な人的体制の整備に努めたいと考えております。
○國重委員 過渡期は現場の負担が増大するからこそ、その時期を乗り越えていくための人的、物的なサポート体制が必要だと思います。
今回、百二十六名減員という中でも、必要な人員はしっかりと確保されて適切な対応策が講じられる、業務に支障は出ない、そう言えるのか、答弁を求めます。
○清藤最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
最高裁といたしましては、事件動向や事務処理状況等を踏まえて必要な体制整備を行ってきたところでございまして、これまでも、継続的に、デジタル化の検討、準備等を含む事件処理の支援のための体制強化のために、令和三年以降、事務官を約七十人増員してきたところでございます。
これに加えて、事務の合理化も引き続き進めているところでございまして、これまでの増員分を含めて現有人員を活用することで、御指摘のように、デジタル化に向けた準備、検討等には適切に対応していくことができると考えているところでございます。
今後とも必要な体制整備に努めてまいりたいと考えております。
○國重委員 これまでなかった新たな事務手続が導入されるわけですから、現場においては大なり小なりいろいろな混乱とか不具合が生じると思います。そういったものを軽減する体制とか取組というのを是非進めていっていただきたいと思います。
次の質問に入ります。
この四月から、離婚後共同親権の導入を含む改正民法が施行をされています。父母が単独親権か共同親権かを合意できないときには、その判断を家裁が行う制度設計でありまして、現場の業務が増えることは明らかです。
この点、衆参の法務委員会の附帯決議では、子の利益の確保の観点から、裁判官、家裁調査官等の人的体制を強化するほか、調停室等の物的体制を充実すること、それらのための財源が確保されることが必要であるとされています。
重要な指摘だと考えますけれども、本法案を含め、現在の対応方針で十分と言えるのか、明快な答弁を求めます。
○清藤最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
改正家族法が施行されて裁判所に期待される役割がこれまで以上に大きくなる、また、様々な要因があるために具体的な予測は困難ではあるものの、新たな裁判手続の創設に伴って家裁に申し立てられる事件数も増加する可能性があるということは、裁判所としても十分認識しているところでございます。
そこで、まず、人的体制の整備につきましては、まず、審理運営の中心となる裁判官について、事件動向等も踏まえてこれまでも相当数の増員をしてきたところでございます。家裁を含め裁判所全体として体制を充実させてきたところでございまして、改正家族法の円滑な施行に向けた検討や準備、実施についても必要十分な人員を配置してきたと考えております。
また、家裁調査官についてでございますが、その特色である行動科学の知見等に基づく専門性を十分に発揮して的確な事件処理を図れるように、これまでも、家庭事件の複雑困難化といった事件動向に加えて、法改正による影響等も踏まえまして、必要な体制整備に努めてきたところでございます。具体的には、平成十二年以降、合計八十人の増員を行ってきたほかに、少年事件から家事事件への事務分担の見直しなども行ってまいりました。
これに加えて、この度の改正家族法が四月に施行されるということを踏まえまして、令和七年度には五人を増員し、また令和八年には家裁の調査官十人を増員するということで、裁判所としては、引き続きその役割を果たすことができると判断しているところでございます。
また、物的体制についても御指摘がございました。
物的体制の整備につきましては、全国の家裁の本庁、支部、出張所に、子供が緊張することなく安心して家裁調査官との面接や親子交流の試行に臨むことができるようにするために、また親子の交流状況などを的確に観察できるようにするために、プレーマット、幼児用椅子といった温かみのある雰囲気づくりのためのものや、観察のための映像音響機器あるいはワンウェーミラーといった備品を整備しているところでございます。
このような人的、物的体制の整備によりまして、改正法施行後も、法の趣旨を踏まえた適切な運用による安定的な事件処理を確保して、家庭裁判所の事件処理能力の一層の改善、向上を図ることができるものと考えております。
引き続き必要な体制の整備に努めてまいりたいと考えております。
○國重委員 是非よろしくお願いします。
近年、高齢化の影響で成年後見などの審判が増加をして、家裁における受理件数が増加をしています。そこへ、さらに、先ほど言いました民法改正の対応も増えますので、現場からは、家裁がパンクするんじゃないか、本来だったら裁判官や調査官を大幅に増員すべきじゃないか、こういった声も上がっています。私もこのことについては応援をしていきたいと思っていますので、是非、現場の状況をよく見極めながら、更なる人的、物的体制の強化に努めていただきたいと思います。
そして、こうした人手不足の問題というのは家裁だけじゃありません。裁判所全体で人が足りない、働き続けられない、こういった構造的な課題があります。ここからは、裁判官、裁判所職員の働き方の観点から幾つかお伺いします。
裁判所では、ワーク・ライフ・バランスが推進されています。子育てや介護中の職員に対しては、勤務時間や業務量に関して配慮がされていると認識しています。それ自体、重要な取組ですけれども、他方で、その配慮を現場で支えているのが周囲の職員になります。その方々に目を向けることを忘れてもいけないと思います。
まず確認ですが、育休とか時短勤務をしている職員の業務をカバーするほかの職員について、業務時間や業務量を客観的に把握をする、あるいはそれに準ずるような仕組みは現在あるのかないのか、お伺いします。
○板津最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
幹部職員及び管理職員には、育休を取得する職員や時短勤務をする職員の業務をカバーする周囲の職員の業務処理状況を把握し、業務量及び職場の運営に対する貢献について目配りを怠ることのないよう留意させているところでございます。
また、業務時間につきましては、勤務時間管理システムも活用して、客観的な業務時間の把握を行っているところでございます。
○國重委員 育休とか時短の職員の業務を肩代わりしたり、あるいは不本意な転勤を受け入れたり、こういったことが、負担だけが蓄積していきますと、この職場で働き続けたいというような気持ちが失われかねません。
仕事と育児また介護との両立は、制度があるだけでは成り立ちません。それを受け入れられる職場の風土というのが大切になってきます。そのためには、職場の不公平感、これに基づく不満をなくしていくことが必要になります。
例えば、民間企業であれば、両立支援等助成金を始め、育休を取っている職員の業務をカバーした周囲の職員に手当を出す動きが広がりつつあります。裁判所で働く職員についても、何らかの手当、あるいは昇給やボーナスに直結する定量的な評価基準を設けるなど何らかのインセンティブ、これをつけていく必要があるんじゃないかと考えますが、最高裁の見解を伺います。
○板津最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
裁判官以外の裁判所職員の給与につきましては、一般職の職員の給与に関する法律が準用され、他の国家公務員と同様となっておりますところ、現在、育休を取得する職員及び時短勤務をする職員の業務をカバーする周囲の職員に対する手当は存在しておりません。
最高裁といたしましては給与制度について意見を述べる立場にはございませんが、例えば、育休を取得する職員等の業務をカバーしたなどの業務の円滑な遂行に貢献するなどした職員については、昇給あるいはボーナスの際に考慮される人事評価に適切に反映されているものと承知しております。
○國重委員 今後、そういった周囲の方々、そのケアについても、今、適切に云々ということでありましたけれども、また様々な角度で検討していっていただきたいと思います。
育休などによって職員が欠ける場合、その代替要員を確保することで、なるべく欠員にしないように努めていると聞いております。しかし、全国的な人手不足、それから書記官、家裁調査官は高い専門性が求められますので、その養成に時間がかかります。即戦力を補充できないケースも多いのが実情だというふうに聞いております。
数の上で欠員を埋めたとしても、専門性が伴わなければ現場は回りません。そこで、専門性を有するOB、OGの活用や、あらかじめ余剰人員を抱えるプール制の導入であるとか、現実味のある欠員の補充策を講じるべきなんじゃないかと思いますけれども、現在の取組状況と今後の方針についてお伺いします。
○板津最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
裁判官以外の裁判所職員が育休を取得するなどして欠員を生じた場合には、臨時的任用などの代替要員確保などの措置を活用するなどして適切に補充が行われているところ、特に裁判所書記官などのいわゆる資格官職につきましては、代替要員として、これまでも、裁判所を退職した裁判所書記官などの経験者を活用しているものと承知しております。
また、近年の事件動向等も踏まえながら、比較的事務処理状況に余裕のある部署から多忙な部署への応援、あるいは事務分担の見直しを行うなどして、適正迅速な事件処理が図られるよう必要な体制を整備しているものと認識しております。
最高裁といたしましても、今後も、引き続き、様々な協議会、あるいは下級裁との意見交換の機会なども含めて各庁の実情を把握するとともに、各庁において適切な対応が図られるよう努めてまいりたいと考えております。
○國重委員 最後の質問になります。
法曹人口は、この十年で約三割増加しています。その一方で、若手裁判官である判事補は約二割減っています。定員を削っているにもかかわらず、その八割しか埋まらない状況でして、なり手不足が深刻です。
その主な原因はどういうところにあるのか。企業法務の需要が増えていることに伴って、大手法律事務所が優秀な人材を好待遇で積極的に採用していることにありますけれども、ただ、課題はそれだけじゃありません。全国転勤があるということも一つのハードルになっています。
裁判官は、三年前後で転勤を繰り返します。常に二、三年後に自分がどこにいるか分からない、その不安定さは家庭に大きな負担をかけている、転勤のたびに家族に迷惑をかけている、度重なる転勤が重荷となって辞めていく若い判事補、裁判官が絶えない、現場の裁判官からこういう声が上がっております。
子育て、介護中の裁判官に関しては、転勤にも一定配慮していることは承知をしております。他方で、その結果として、配慮対象外の裁判官、つまり独身者や子育てが一段落した裁判官などに、遠方への転勤、また多忙な勤務地への配置が集中すると、これもまた不公平感の蓄積につながって、仕事は好きなんだけれども、だけれども、やはり辞めざるを得ないということで、更なる離職を招きかねません。
我が国は、先進国の中でも、裁判官一人当たりの国民数が突出して多いと言われています。そのような中で、裁判官にふさわしい資質、能力を備えているとして、司法修習の中でもより成績が優秀な方が裁判官になられていますので、そういう資質、能力を備えているとして一度任官された貴重な人材が働き方を理由に離れていってしまう、これは我が国の司法にとって大きな損失になります。
そこで、最高裁として全国転勤と裁判官の離職との関係をどのように受け止めているのか。また、例えば、勤務地となるエリアを東北とか関西などと限定して、転勤範囲を制限した働き方も取り入れる、こういった全国転勤制度の在り方についても今後検討していくべきと考えますけれども、今後の方針について答弁を求めます。
○板津最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
依願退官は個々人の個別事情によってされるものであり、その事情も様々で、退官を決意する理由も必ずしも一つではございませんが、事情を聞くと、今委員御指摘のように、全国転勤があることを理由に挙げる者もいるものと承知しております。
裁判官の場合は、全国各地の裁判所に裁判官を配置する必要があるところ、委員御指摘のような一部の裁判官について勤務地域を限定する仕組みを設けることについては、大都市志向が強まっている状況において、適材適所の観点から、裁判官を全国に確保していくことができるかどうかなど、慎重に検討すべき点が少なくないものと考えております。
もちろん、裁判官にとっても仕事と家庭生活の両立は重要でありますから、裁判官の任用、配置に当たっては、面談等を通じて把握する本人の希望、健康状態、家族の状況等の事情にもきめ細やかに配慮し、異動に伴う負担をできる限り軽減することができるよう努めているところでございます。
今後とも、引き続き、それぞれの裁判官の希望を聴取した上で、最大限の配慮をしてまいりたいと考えております。
○國重委員 新たな人材が育たなければ、我が国の司法システムが揺らいでしまいます。様々な課題はあることは承知していますけれども、全国転勤は当然のことという前提そのものを問い直す、これもまた必要になってくるかと思います。持続可能な司法の実現に向けまして、現場の声も踏まえた真摯な検討をお願いしまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○井上委員長 次に、西村智奈美君。
○西村(智)委員 國重委員に引き続きまして、ちょっと質問の順番を入れ替えて、判事補の供給の問題から質問したいと思います。
私も、ずっとこの間、この委員会で議論を聞いておりまして、やはり判事補の欠員というのは大きな課題だなというふうに思ってまいりました。
まず、近年における司法修習終了者数と、その後の任官状況、また退官者数について、数字を教えていただきたいと思います。
○板津最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
近年五年の司法修習終了者数につきましては、七十三期、これは令和二年の十二月終了になります、七十三期が千四百六十八人、七十四期が千四百五十八人、七十五期が千三百二十五人、七十六期が千三百九十一人、七十七期、これが令和七年三月終了になりますが、七十七期が千八百二十六人でございます。
このうち、新任判事補任官者数は、七十三期は六十六人でございましたが、七十四期が七十三人、七十五期が七十六人、七十六期が八十一人、七十七期が九十人となっております。
最近五年の判事補の退官者数は、令和三年度が十五人、令和四年度が十二人、令和五年度が十四人、令和六年度が十二人、令和七年度が九人で推移しております。
○西村(智)委員 それで、このようにといいますか、任官者数も、少し、少しですね、増えているような感じがいたしますけれども、まだまだなんだろうなということで、判事補の欠員が、先ほど國重委員からも指摘があったように、やはりまだまだ大きいわけなんです。
この状況を裁判所と法務省はそれぞれどのように認識をしているのか、問題だと思っているのかいないのか、その辺りをお聞かせをいただきたいと思います。
○板津最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
まず、前提として、判事補の欠員の状況につきまして御説明いたします。令和七年十二月一日現在、定員が八百四十二人、現在員が六百六十人であり、欠員が百八十二人となっております。
裁判所としましては、引き続き判事補の充員に努めてまいりたいというふうに考えております。
○平口国務大臣 お答えします。
裁判官は、我が国の司法における重要な地位や職責を担っておられます。司法を担う裁判所の人的体制が適切に確保されることは、法の支配の観点からも重要であると考えております。
お尋ねの判事補の欠員の状況につきましては、裁判所による判事補の採用に関わる事項でありまして、司法権の独立に鑑み、法務大臣として見解を述べることは差し控えたいと思います。
裁判所においては、今後とも、司法における需要も勘案しつつ、裁判官にふさわしい人を採用し、裁判の運営に必要な体制を確保できるように努めていかれるものと考えております。
○西村(智)委員 私は、やはり大臣にもそれなりの、ちゃんとした認識を持っていただいて、司法制度全体の中で、また地域における良質な司法サービスの提供体制を整えるというのは、これはやはり大臣にも課せられた責任だと思っておりますので、是非強く認識を持っていただきたいと思っています。
それで、裁判所の方に伺うんですけれども、何でこんなに欠員が出ているのか、その理由について述べていただきたいと思います。
○板津最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
採用者数や行政官庁等での勤務による出入り、これは常に同じ数ではなく、欠員が全くない場合には人事上問題が生じることもあり得ることを考えますと、ある程度の欠員を抱えておく必要があるものの、判事補につきましては、今委員からも御指摘がありましたとおり、相当数の欠員が生じているところでございます。
裁判所といたしましては、裁判官にふさわしい資質、能力を備えている者に任官してほしいというふうに考えているところでございますが、判事補の給源となる司法修習終了者の人数が減少してきたことに加え、弁護士として活躍する分野が広がっているだけでなく、大規模法律事務所などとの競合が激化していることや、大都市志向の強まり、あるいは配偶者が有職であることの一般化に伴った、異動、転勤への不安を持つ司法修習生が増えていることなどから、判事補の採用数が伸び悩んでいるところでございます。
その対応といたしましては、これまでも、実務修習の指導担当裁判官や司法研修所教官から、司法修習生に対し、裁判官のやりがいや魅力、異動の希望や負担にはできる限り配慮していることを伝えるなどしてきたほか、若手裁判官にその仕事内容や司法修習生へのメッセージを話してもらう企画を実施するなど、裁判官の仕事の実情とその魅力が司法修習生に伝わるよう取り組んでいるところでございます。
近年の判事補任官者数は、先ほど申し上げましたとおり、増加してきているところでございます。引き続き裁判官にふさわしい者に任官してもらえるように努めてまいりたいと考えております。
また、判事補の退官者数も、令和三年度以降毎年十人を超えて推移しておりましたが、令和七年度は九人にとどまり、一定程度歯止めがかかっているようにも思われます。引き続き、執務環境の改善などに取り組み、離職防止にも努めてまいりたいというふうに考えております。
○西村(智)委員 裁判官を全国配置しなければいけないというのは、これは法律でちゃんと法定されている事柄ではあるんだけれども、裁判官を全国転勤させなければいけないという根拠はないと思うんですよね。
先ほど國重さんもおっしゃいましたけれども、私も、やはりもうそろそろ、転勤について意見を聞いて配慮できるんですよといったようなことを先輩から話してもらうだけではなくて、何か制度的な取組、ブロック単位にするですとか、あるいは地域限定にするですとか、そういったことを考えるような時期に来ているのではないかというふうに思うんですけれども、最高裁の見解を伺います。
○板津最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
裁判官の場合には、全国に均質な司法サービスを提供するという使命を果たすため、赴任を希望する者が少ない地方都市も含め、全国各地の裁判所に裁判官を配置する必要があり、裁判官の地方と都市部の勤務の公平を図るためにも全国的な異動が避けられないのが実情であるというふうに認識しております。
委員御指摘のような一部の裁判官について地域限定あるいはブロック単位での異動とする仕組みを設けることにつきましては、大都市志向が強まっている状況において、適材適所の観点から、裁判官を全国に確保していくことができるかどうかなど、慎重に検討すべき点が少なくないものと考えております。
今後とも、引き続き、それぞれの裁判官の希望を聴取した上で最大限の配慮をしていきたいというのは、繰り返しになりますが、述べさせていただきます。
○西村(智)委員 司法サービスの全国展開というのは本当に大事だし、だけれども難しいと思うんですよね。少し発想を変えていただいて、新たな方法も是非検討していただきたいということは強く要望しておきます。
次の質問に移ります。
新潟県議会が三月議会で、全会一致で意見書を取りまとめました。タイトルは、新潟家庭裁判所出張所における出張事件処理の積極的実施を求める意見書というものです。
平成二年ですか、家庭裁判所の支部の統合が行われて、随分多くの支部が出張所に、言葉は余り言いたくないですが、格下げになった。そういう中で、当時は、出張所になったからといってサービスは維持できるんですよというふうな前提だったと思うんですけれども、この意見書を見る限り、なかなか現実はそうはなっていないというふうに申し上げなくてはなりません。つまり、出張所で出張事件処理がほとんど行われていないので何とかしてください、こういう意見書なんですよね。やはり司法サービスの地域格差があるということをこの件からも私はうかがい知ることができました。
実は、これに先立つ昨年の八月四日ですか、最高裁の長官宛てに、地域司法充実のための協議会連合会から、地域司法の充実を求める要望書というのが提出をされたと承知をしております。このときに、別紙要望書一ないし四記載の要望書とともに提出をされたというふうに伺っております。
実は、この別紙要望書一というのは、午前中質疑のあった佐久からの要望書なんですけれども、それ以外の別紙二から四の要望書について、そのタイトルを述べていただきたいと思います。
○清藤最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
地域司法充実のための協議会連合会から受け取りました令和七年八月四日付の地域司法の充実を求める要望書の別紙要望書二は、藤沢簡易裁判所管内への家庭裁判所出張所設置を求める要望書というタイトルです。また、別紙要望書三は、新潟家庭裁判所出張所における出張事件処理の積極的実施を求める要望書というタイトルです。また、別紙要望書四は、長野家庭裁判所大町出張所及び大町簡易裁判所の機能及び人的物的基盤の拡充を求める要望書というタイトルでございます。
○西村(智)委員 それぞれの地域から、非常に何か読んでいると切なくなるような要望書が出ているんですよ。
先ほどの新潟県の出張所の課題について言えば、せっかく出張所があって受付に行っても、ここでは審判などができませんからということで、すごく遠く離れた支部に行かされるとか、それから、これは佐久ですね、庁舎にエレベーターを早急に設置してくださいというような要望であったり、それからあと、藤沢の簡易裁判所管内への出張所設置を希望しますですとか、それから、ちょっと新潟のことは後でまたお話をするんですけれども、大町の裁判所の充実を求める協議会というところからの要望書では、受付出張所ではない通常の家裁出張所としてくださいですとか、裁判官を常駐させてください、家庭裁判所調査官を常駐させてください、先ほど答弁にもありました児童室を設置してください、トイレを洋式化してください等々、いろいろ、これは項目だけなんですけれども、中身を読んでいると本当に切なくなっちゃいます。
こういう状況を見るにつけ、やはり出張所の充実というのは全国あまねく良質な司法サービスを提供するという上でも私は非常に大事だというふうに思うんですけれども、ちょっと現状の確認からしたいんですが、全国で出張所というのは何軒あるのか、また、その出張所の中で、出張審判が行われている件数などについて、重立ったもので結構です、多いところ、少ないところを教えていただきたいと思います。
○清藤最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
家庭裁判所の出張所は全国に七十七庁ございます。そのうち五十七庁につきましては、家事審判及び家事調停などの事件を自庁で処理しております。残り二十庁につきましては、事件の受付に関する事務及び裁判官又は調停委員会の判断により当該出張所に出張して行われる家事審判又は家事調停に関する事件のみを取り扱う、いわゆる受付出張所と呼ばれるものでございます。
受付出張所二十庁について御説明いたしますと、令和七年に行った出張回数の合計は二百二十一回、出張調停等を行った回数の合計は三百九十九回でございます。
○西村(智)委員 受付のみ出張所の二十庁で受付だけした件数というのが何件になりますでしょうか。受付のみ出張所の二十庁で受付件数は何件になるか、重立ったところを教えていただきたいと思います。
○清藤最高裁判所長官代理者 受付出張所の二十庁の合計で申し上げますと、令和七年に受け付けた事件の総数は千八百七十三件で、そのうち審判事件は千六百八十一件、調停事件は百八十六件ということになっております。
○西村(智)委員 昨日、レクでは、家事調停と家事審判を受付出張所でも行っているところの主なもの、また、行っていないところの主なものを具体的に教えてくださいというふうにお願いしておいたんですけれども、ちょっと今お話がなかったので、私の方から申し上げますね。
ばらつきがあるんです。受付出張所だけれども、そこでも、受け付けるだけではなくて出張していって家事調停や家事審判を行っている出張所もあれば、ほとんどできていない、本当に受け付けるだけという出張所と、非常にばらつきがあるんですよね。
例えばで申し上げますと、長野県の大町出張所では、ここでは、令和七年でいいますと、出張回数が八十三件、家事調停が百二十三件というふうに、結構な回数が行われているんですね。私の地元の新潟県でいいますと、村上出張所では令和七年が全てゼロ件、柏崎出張所も全てゼロ件、南魚沼出張所も全てゼロ件、糸魚川出張所も全てゼロ件。つまり、平成二年のときに出張所に格下げになった出張所は軒並みこういうふうに、新潟県内でいうと同じような対応になっているんです。
だけれども、その出張所は何にもしていないということではなくて、受付はちゃんとやっているんですよ。受付はそれなりの件数で、総数でいいますと、少ないところで六十三、多いところで百七十三、結構な件数は受け付けているわけなんですよね。
何でこんなに格差が出るんでしょうか、ちょっとその理由を。受付出張所であっても、受け付けるだけじゃなくてちゃんと出張審判を行っているところもあるけれども、全くないというところもある。なぜこういうことになるのか、教えていただきたいと思います。
○清藤最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
今委員の御指摘のあった例えば長野家裁大町出張所について、出張回数は令和七年で八十三回で、出張調停等は百二十八回と手元にございます。また、御指摘のあった新潟家裁村上出張所、柏崎出張所、南魚沼出張所、糸魚川出張所については、出張調停等は行われなかったというふうに承知しているところでございます。
そこで、なぜこういう差があるのかという御質問かと思いますが、家庭裁判所の本庁、支部に係属している家事調停事件につきまして、その期日を家庭裁判所出張所で行うか否かにつきましては、事案の性質や当事者の意向などを踏まえて裁判官又は調停委員会において判断されるべき事柄でございまして、個別事件における判断事項であると理解しております。
そのため、事務当局としてその理由についてお答えすることは困難であるということについては御理解いただきたいと思います。
○西村(智)委員 私は本当に疑問なんですけれども、でも、今言われたように、例えば事案の性質ごとというのであれば、地域でこんなに明確に差が出るというのはおかしくないですか。おかしくないですかね。
全くその地域、出張所で同じような性質だけの事件がわっと受け付けられているのか、それとも違う出張所の方では同じような性質だけの事件が受け付けられているのか、そういうことになりかねないわけなんですけれども、でも、普通に考えて、そういうことは私はないというふうに思うんですよね。結局、それぞれの取組なんだというふうに思うんです。
出張所が出張審判を行える、これは実際行えるわけなんですけれども、それについて、例えば、地域住民の方に、そういった出張での調停や審判、あるいはウェブ会議、こういったものが可能ですよということはちゃんと周知されているんでしょうか。
○清藤最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
例えばウェブ会議の利用などについての周知についてでございますが、裁判所としましては、まず、利用者の利便性を確保して司法サービスを充実させていくことは重要であると考えているところでございます。
例えば、遠方に住んでいて調停等を行う家庭裁判所まで出向くことが困難であるなど、家庭裁判所が相当と認めるときは、当事者の意見を聞きまして、ウェブ会議を利用して、期日における手続を行うことができる、こういったことを裁判所のウェブサイトにおけるQアンドAに掲載したり、あるいはチャットボットに登録して周知しておりますほか、また、各家庭裁判所では、ウェブ会議を利用した離婚の成立等が令和七年三月一日から可能になったということがありまして、こういうことが記載されている法務省作成のポスターやパンフレット、こういったようなものを掲示していて、周知しているというところでございます。
○西村(智)委員 それで果たして本当に必要な人にリーチしているかという問題はあると思うんですよね。実際にホームページで周知していただいているとしても、本当に当事者が出張での審判を求めるかどうかというのは、やはり受付に行ったときに御意向をきちんと酌み取るということが私は必要なんだというふうに思っています。
それで、これは和歌山家庭裁判所の管内の妙寺出張所、こちらの方は、やはり受付出張所ではあるんだけれども、出張回数が令和七年で五十一件、それから家事調停が八十九件、それなりの回数をやっておられるんですよ。それで、妙寺出張所では裁判所の受付のところに紙があって、出張所での調停を希望するかどうかチェックを入れる、出張所で調停を希望しますか、それとも支部での調停を希望しますか、チェックを入れてもらって提出してもらうような、そういった書式が用意されているということなんです。
そのような取組、私はやはり、最高裁の方からも、きちんと当事者の意向、さっきおっしゃいましたよね、事案の性質と当事者の意向により調停委員会で判断をしますということでしたけれども、当事者の意向を酌み取るというために、そういうこともちゃんと可能なんですよということを周知すべきではないかと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○清藤最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
先ほど委員が件数をおっしゃったところについて、私からも念のため確認いたしますが、妙寺出張所は出張調停等が四十五回、それから郡上出張所が出張調停等が八十九回というふうに認識しております。
その上ででございますが、地域住民一般だけではなくて、当事者に対する説明、周知ということかと思います。各家裁では現在でももちろん、最高裁としましては、出張調停の実施について裁判官、調停委員会が適切に判断しているものと認識しているところではございますけれども、今後とも適切に出張調停が実施されるように様々な方策を講じてまいりたいと考えております。
例えば、例としましては、出張所管内にお住まいの方が事件の申立てに関する相談などで来庁するということがありますが、そういうときには、その手続案内というものを行う中で、来庁者の方の意向などに応じて出張調停などについて御説明するですとか、また、実際、調停の申立てに至ったときには、申立人から出張調停に係る要望を伺って、当該事件を担当する裁判官などに伝えるということをやっているというふうに承知しております。
また、最高裁としましても、そのような各庁の取組をしっかりサポートしてまいりたいというふうに考えております。
○西村(智)委員 ちょっと定性的におっしゃっていただいたので、本当にこの先やっていただけるのかなというのを少し確認をしたいんですけれども、調停を申し立てた段階で意向確認、当事者の方の意向確認をするという仕組み、先ほど答弁してくださった中ではきちんと説明できるようにするというようなお話があったんですけれども、それを一体どういう形で担保していただけるでしょうか。
○清藤最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
各庁で実際に当事者の方などに対してどのように相談を受けて御説明するか、こういったことについては、個別事件の話ということになってまいりますので、何か最高裁の方から指示をするということにはなりませんけれども、しかし、申し上げましたように、委員の御指摘のように、当事者の方が出張調停などを希望しているときにはきちんと出張調停を検討する、こういったようなことが大事であるということは御指摘のとおりでございますので、そういったことを、最高裁としましても、あるいは事務総局としましても、各庁を後押しする、あるいは支えていくということをやってまいりたいというふうに思います。
○西村(智)委員 しつこくて申し訳ありませんが、本人が出張調停を希望するときには最高裁として様々なことを後押しというふうにおっしゃってくださったんですけれども、希望するかどうかというところの判断材料が当事者には私は提供されていないんだと思うんですよ。
新潟だけじゃなくて、ゼロを更新しているところはほかにもいっぱいありますよ。ほかにもいっぱいありますよ、受付出張所の中でですね。今あえて名前は申し上げませんけれども、こんなにたくさんあるというところで、希望するときにはという何か当事者任せではなくて、きちんと、それこそ、当事者の意向は大事です、自分の近くのところじゃなくて、それでも車で一時間とかそのくらいかけて行っても構わないから私はそっちの方がいいわとおっしゃる方もいらっしゃると思うので、それはそれなんだけれども、希望するかどうかすらも判断の余地が、判断の選択肢が与えられていないということなんですよ、今。
まずその選択肢をちゃんと提示してもらいたいということなんですけれども、それはどうでしょうか。妙寺出張所の工夫のようにですね。
○清藤最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
今の委員の御指摘というのは、まずきちんと周知をする、あるいは、こういうことができる、出張調停ができるということをまずきちんと説明をするということなのかと思います。
したがって、最初に申し上げたような地域住民への周知などはもちろん図っていくわけでございますけれども、実際に当事者になった方に対しても適切に情報提供していくということに努めてまいりたいというふうに思います。
○西村(智)委員 もう一回お聞きしたいところではあるんですが、努めるということでしたので、また後で確認をさせていただくということで、この点については一回終わりとしたいと思います。
それで、いずれにしてもなんですけれども、やはり、さっきからお話が出ていますように、裁判官や調停委員がいないことには、出張も、制度としてできる、仕組みとしてできるものではあっても、回っていかないわけなんです。そのためにも、裁判官や調停委員等々の十分な人員の配置というのがこれはどうしたって必要になってくる、その周辺の支部であったりということはもちろんなんですけれども。
その辺りについても、それはちゃんとやっていただきたいと思うんですけれども、どうでしょうか。
○清藤最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
最高裁としましては、裁判官や調停委員も含めまして、限られた人的、物的資源を有効に活用して、利用者の利便性をきちんと確保する、司法サービスを充実させていくということが充実であると考えておりまして、今後とも、人口動態や交通事情、事件動向などをよく見て、また、さらに、ウェブ会議の活用や今後導入されるインターネットを利用した申立てなどを含めまして、裁判手続がデジタル化が進んでいくということも視野に入れながら、必要な事件処理体制の整備に努めてまいりたいと思います。
調停委員につきましても、庁の実情に応じて調停事件の適正な審理に必要である調停委員の数を確保するということは重要であるというふうに考えておりまして、各裁判所において調停事件の円滑な審理に必要となる調停委員の人数を確保できるように、引き続き必要な支援を最高裁としても行ってまいりたいと考えております。
○西村(智)委員 やはりそこなんだと思うんですよね、人的な体制をちゃんと整えるということ。司法サービスというのはやはり人ですから、よく私は医療サービスと似ているところがあるなと思うんですけれども、全国あまねく良質なサービスを提供するためには、やはり人がいていただくということ。それは、ウェブ会議も活用してもらいたいと思うし、これから民事のデジタル化、刑事もそうですけれども、始まっていけば、いろいろなことが、事務作業としては最初は増えるけれども後は少しよくなるということだと思うんですけれども、人的な体制というのはとにかく重要だと思っていますので、よくそこは、是非お願いをしたいと思います。
それで、最後にこの定員法の質問の方にもまた戻っていきたいと思うんですけれども、私は、司法サービスの提供体制ということを考えたときに、人ですね、やはりこれが大事だというふうに思います。
それで、一方で、先ほどの答弁にもあったんですが、国の行政機関の機構・定員管理に関する方針、これに最高裁としても協力をしていますというようなお話がありました。この方針は五年間で五%以上の合理化の目標というのが掲げられていますので、今回、それに協力をしたという中で、マイナス百二十六人という、ここ数年から見ればかなり規模の大きな削減幅。これは職員、技能労働の方であったり医療職の方であったりということで、そこは埋まっていなかった定員を削減したり、それから外注に置き換えたりということで今回は協力できたということなんですけれども、裁判官だとか調停委員だとかについては、私は、ここは最高裁として、政府の合理化方針があるとはいえ、これからも自主的に判断をしていきますということを確認させてもらいたいと思います。
○清藤最高裁判所長官代理者 お答えします。
委員御指摘のとおりで、裁判所は行政機関ではございませんので、政府の定員合理化計画に拘束されるものではございません。
裁判所としては、政府から協力要請を受けているものでございますから国家の一機関として協力してきているということは、委員御指摘のとおりでございます。
それで、裁判所としましては、何よりも裁判事務をきちんとやる、当たり前でございますが、司法サービスをきちんと提供するということが使命であるというふうに考えておりまして、それが損なわれてはならない、したがって、裁判事務に支障が生じるような合理化というようなことは考えていないというところでございます。
○西村(智)委員 これで最後の質問といたしますが、今回の定員の見直しによって、職員の事務負担を増やさずにといいますか、過度に増やさずに、裁判所機能であったり司法サービスは充実を図っていくということでよろしいかどうか、最後に御答弁ください。
○清藤最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
先ほども少しお答えいたしましたが、裁判所としては、裁判事務に支障が生じないかどうかを確認しながら合理化を検討しているというところでございますが、社会的な医師偏在、医師不足によって、また、これは先ほどお話があったように、欠員部分について減員するということですが、これも医療職による事務には支障がないということを判断して進めているところでございます。
先ほども申し上げましたが、裁判所の使命は適正迅速な裁判を実現するというところでございまして、個々の事件処理に支障の生じることがないように、今後も適正な人的体制を確保するということに努めてまいりたいと考えております。
○西村(智)委員 司法サービスの地域格差、これが是非埋まっていくような定員法であるということを切にお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○井上委員長 次に、鈴木美香君。
○鈴木(美)委員 参政党の鈴木美香でございます。
本日も質疑のお時間をいただき、ありがとうございます。
私は法律の専門家ではなく、これまで裁判とか司法というものに余り直接触れることのない人生を送ってまいりました。しかしながら、知人のことや報道等を通じて、裁判や司法に関心を持って見聞きしてまいりました。裁判所は国民の自由や権利を守る最後のとりでであり、我が国の良心であるという信頼を抱いて生活しております。今後も国民が安心して暮らせるよう、司法の公正、充実を維持していただけるよう願っております。そのような観点から、本日、質疑をさせていただきます。
まず、家庭裁判所調査官の増員についてお聞きいたします。
今回の改正法では、離婚後共同親権の導入により、家裁調査官を十名増やすということであります。今回の質疑を準備するに当たり、離婚後共同親権のことについて学ばせていただきました。様々な問題がある中で、離婚後共同親権という制度が実現し、スタートに当たり、御尽力されてきた方々にとっては大きなことだととても強く感じております。ほかの委員の方たちも指摘されておりましたけれども、私も、この家裁調査官の人数が十名で足りるのかということに関して問題意識を持っております。
この点で、近年、少年事件が大幅な減少傾向にあるということで、事務分担を見直すことで離婚後共同親権制度にも対応していくということでございますけれども、犯罪白書によりますと、少年事件が減少している原因は、暴走族の減少やシンナー吸引といったような件数の減少や、少子化による少年の数自体の減少が影響しているということが分かりました。
一方で、少年による家庭内暴力の認知数は、平成十五年では千百五十四件だったものが、令和六年では四千六百九十一件と約四倍となっております。また、令和七年における小中高生、子供の自殺の数は五百三十八人と、悲しいかな、過去最高人数になっております。
表面上の少年事件の件数は減っているものの、子供たちの家庭内暴力や自殺、さらには特殊詐欺の受け子の関与など、表面には見えにくく深刻な形で子供の問題が、巻き込まれている事案が増えているように思います。
このように、少子化が進む中で、子供をめぐる問題は量から質へと重心が移り、むしろ根の深い課題となっているということから、家庭内の安定のほか、離婚後を含めた子と親の関係の在り方がこれまで以上に重要だと思っております。
今回の質疑に当たりまして、離婚や親権、親子交流をめぐる家事事件について、現場で活動されてきた弁護士さんからお話を伺いました。離婚後共同親権導入前は、離婚すれば単独親権しか選択肢がなかったため、親権をめぐって自分の方が親権者にふさわしいという主張をするがゆえに、相手の悪いところを主張してしまうというようなことで、ますます高葛藤を招いていたケースもあったというお話でした。
離婚後共同親権が導入されたことで、離婚をしても父母が協力して子を養育していこうという選択肢が増えたために、離婚という結論には変わりなくても、お互いに歩み寄ろうとする傾向も増えているのではないかと期待します。
ここで、最高裁にお尋ねいたします。離婚後共同親権が導入されたことで、離婚調停では、子供の養育に対して父母に協力するよう働きかけるような方向性に進んでいるのでしょうか。お尋ねいたします。
○馬渡最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
まず、個別の事件におきまして審理運営の在り方をどうするかということは各調停委員会において判断されるべきものではございますが、一般論といたしまして、各調停委員会において子の利益を最も優先して審理に臨むことが重要であるということは、改正法施行の前後を通じて変わりはございません。
その上で、各調停委員会においては、改正法の趣旨を踏まえて、事案の必要に応じて、子の利益にかなう父母間の協力関係を構築できるよう、働きかけや調整をする場合もあるというふうに考えているところでございます。
いずれにしましても、最高裁といたしましては、各裁判所において改正法の趣旨や内容を踏まえた適切な審理が着実に行われるよう、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
○鈴木(美)委員 ありがとうございます。
夫婦関係は破綻していても、離婚がやむを得ない場合でも、子供にとっては夫婦がいがみ合うよりも仲がよいことはとても大切なことだと思いますので、そのため、家裁調査官や裁判所に尽力いただけるとありがたいと思います。
さて、大正大学の青木聡教授の研究によれば、親が離婚した家庭の子供は両親のそろっている家族の子供に比べると自己肯定感が低い傾向にあるという一方で、親の離婚を経験した子供であっても、別居親と親子交流を続けている場合、両親のそろっている家族の子供と比較しても自己肯定感に差が見られないということが明らかになっております。つまり、親は離婚しても、親と子、おじいちゃん、おばあちゃんと交流をする子供の自己肯定感は育まれ、子供の心身の健全な発育にとってとても大切なことであると思います。
少年事件の減少傾向に、家裁調査官の業務における少年と家裁事件の事務分担に関してお尋ねいたします。
親子交流の取決めをするに当たっては、父母だけではなく、子供の意向も重要になってくると思います。家裁調査官の調査におきまして、子供は、親の顔色をうかがう余りに、本当は別居をしている親と会いたいのに、同居している親の気持ちを酌み取って、会いたくないと言ってしまうようなこともあると聞きました。
このように、子供から本心を聞き出すことは大変なことだと思います。気持ちを十分に表現することが難しいお子さんから聞き取ることについて、少年事件を主に担当している家裁調査官がこれを行うことは何らかの支障を生じ得るのでしょうか。お尋ねいたします。
○馬渡最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
家裁調査官は、少年事件については非行を起こした少年、また、家事事件については父母の紛争下にある子供など、いずれも言葉で十分に気持ちを表現できない子を相手として、行動科学等の知見や技法を用いて、その心情について背景事情も含めて把握することを主な職務内容としております。
このように、少年事件及び家事事件におきまして家裁調査官が活用する知見等は、その基本的部分が共通しておりますことから、委員御指摘のように、少年事件を主に担当していた家裁調査官が家事事件を担当することになった場合においても、家裁調査官は変わることなく、その専門的知見等を発揮して適切に調査を行うことができるものと考えております。
○鈴木(美)委員 ありがとうございます。
一般的に、親が離婚した未成年の子の割合は約一〇%程度でありますが、犯罪白書によりますと、令和六年における少年院入院者の保護者が一人親である場合が約半数程度であり、非行少年については一人親の割合が比較的多いということが言えるかと思います。このデータを踏まえますと、少年事件の経験が豊富な家裁調査官は、離婚家庭の子供に対する調査の経験も豊富なのではないかと思います。
このようなことから、非行少年やその家族の聞き取りを長年行ってきた家裁調査官が家事事件で活躍されていることは、大いに期待したいと思いますので、よろしくお願いいたします。
子供に対する聞き取りのほか、少年事件と家事事件で家裁調査官の職務の具体的な内容はどのように異なるのでしょうか。質を確保、向上させるためにどのような研修等を行っているのでしょうか。教えてください。お願いいたします。
○馬渡最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
家裁調査官は、心理学、社会学、社会福祉学、教育学等の行動科学の知見や技法を活用して、事件の当事者や関係者と面接し、少年の更生や家庭内の紛争解決に向けた方策を検討して裁判官に報告するなどして子をめぐる事件等を適切な解決に導く役割を担っておりまして、その際に発揮すべき専門性は、少年事件と家事事件で共通する部分が多くございます。
このような家裁調査官の質の確保、向上に向けましては、まず、採用後二年間の研修におきまして、先ほど申し上げたように、家事事件及び少年事件のいずれにおいても活用される行動科学の知見や技法を習得するための養成が実施されております。
加えて、OJTも重要でございまして、家裁調査官は、個別具体的な事件での調査等におきまして、他の家裁調査官からの助言や共同調査を通じて様々な分析の視点や技法、知見等を習得することで、これらを調査事務に生かしているものと認識しております。
最高裁といたしましては、各家裁調査官が適切な調査事務を行えるよう、引き続き必要な支援を行ってまいりたいと考えてございます。
○鈴木(美)委員 詳しい説明、ありがとうございました。
全国の調査官は約千六百人にとどまり、家庭裁判所の二百五十三庁のうち約三分の一に当たる九十支部には常駐しておらず、家庭調査官に関わってもらいたくても、数が少なくてなかなか関わってもらえないとか、調査が遅れるというケースもあるということを現場の弁護士の方からも伺っております。どうぞ、今後ともより一層の増員と質の確保を努めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
それでは次に、定員合理化による技能労働職員を減員することについてお聞きします。
公務員の定年退職等による減員に伴って定員を減らし、その分、外注に頼るということも仕方がない側面はあるかと思います。ただ、裁判というものは、単なる名前や生年月日といった個人を特定する情報だけではなく、より一層機微な情報を扱うものだと思います。
外注に頼る業務のうち裁判手続に関与しないと思われる自動車運転手や清掃業であっても、例えば、裁判官を乗車させる車の運転であったりとか、裁判官室や書記官室で清掃を行うような場合もあり、その場合、どうしても機微な情報に触れる局面があるのではないかと思います。
このような局面について、どのように機密情報を守っているのでしょうか。お尋ねいたします。
○染谷最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、裁判所においても清掃業務を始めとした業務については一部、契約により民間業者がこれを行っておりますが、最高裁判所におきましては、民間業者との間でこのような契約を締結する際、契約の中に、業務の遂行に際し知り得た相手方の秘密事項を他に漏らし、又は他の目的に使用してはならない旨の条項を入れ、契約業者に秘密保持義務を課すこととしております。
その上で、契約業者の管理責任者等に対しましては、秘密保持義務について重ねて説明をしたり、必要な打合せ等も行ったりして、その履行に万全を期しておりますほか、例えば清掃のために契約業者の従業員等が裁判官室や書記官室等の執務室に入室する際には、機密情報が含まれる書類等は事前にロッカーに格納して施錠した上で裁判所の職員が立ち会うこととするなど、契約業者の従業員等が機微な情報に触れることのないようにしているところでございます。
裁判所といたしましては、今後も機密情報の保持には万全を期してまいる所存でございます。
○鈴木(美)委員 ありがとうございます。
ただ、契約があるからといっても、その契約が絶対に守れるかとか、日々の状況の中でそれがちゃんと守れるかという点では限界もあるかと思います。裁判手続に関与しない業務であっても、裁判所全体の業務を維持するために重要な業務であります。ですから、余りにも定員を減らしていくことは限界があるのではないかと思います。
自動車運転業務や清掃業務においては、人手不足分野であるため、特定技能、育成就労業務分野となっており、外国人労働者の手をかりる状況でもあります。定員合理化という目的を達成するために外注に頼るということを続けていれば、日本全体の人手不足に対する影響も出てくるのではないかと懸念しております。
そのようなことからも、退職による減員に応じて安易に定員を減らすのではなく、裁判所として定員を埋める採用の努力をすべきではないかと考えますが、最高裁の御見解をお願いいたします。
○清藤最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
裁判手続や内容に直接関与しない業務であっても、裁判所の業務を維持するために重要な業務であるという委員の御指摘は、裁判所としても重要なものであると考えているところでございます。
技能労務職員の減員といいますのは、政府の定員合理化の方針に協力する形で行っております。裁判所は政府の定員合理化の方針に拘束されるものではございませんが、国家公務員の定員をめぐる情勢が厳しい情勢にある中で、政府からの協力依頼を踏まえて、国家の一機関として他の行政官庁と同様に、外注化を始めとした事務の合理化等が可能な部門等の定員を合理化する形で協力しているものでございます。
技能労務職員の減員を行うに当たりましては、既存業務の見直しや事務統合による業務の最適化のほかに、定員等による退職に際して、裁判所の業務への支障が生じないということを確認しつつ、外注化による合理化等は可能かということを個別に判断するということによって業務の合理化を行っているところでございます。
裁判所の使命は適正迅速な裁判を実現するというところでございまして、必要な体制整備や事件処理に支障があってはならないというふうに考えておりますので、外注化等の代替措置による裁判所の業務に支障が生じないかということを確認しつつ、必要な人的体制の整備に努めてまいりたいと考えております。
○鈴木(美)委員 ありがとうございます。
定員合理化というものは、裁判所だけではなく、全国の省庁でも行われていることでありますが、合理化のために外注するという方向で行き過ぎますと、人手不足の影響が生じると思います。やはり、必要な仕事は正規の職員として採用していただきたいと思います。退職者で減ったからそこに外注ではなくて、その定員をなるべく埋めるという方向で採用の努力を努めていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
最後に、通訳人の確保についてお尋ねいたします。
オーバーツーリズムの問題や在留外国人が増加する中で、大勢の被疑者を一斉に逮捕、勾留するような場合に備えて、少数言語の通訳人が十分に確保されているのでしょうか。通訳人確保が難しい場合に、どのような手段で通訳人を確保されているのでしょうか。法務省と最高裁にお尋ねいたします。法務省におかれましては、通訳人の確保が難しくて不起訴になっているような事例があるかについてもお願いいたします。
○佐藤政府参考人 お答えいたします。
一般論として申し上げますと、適切な刑事手続の実現のためには、有能な通訳人を確保することが不可欠でございます。検察庁においては、平素から有能な通訳人の確保に努めておりまして、各地検が通常必要な言語及び人数を確保した上で、外国人の取調べ等を行っております。
少数言語の通訳人の確保ということでございましたけれども、最高検において、各地検が登録している通訳人のデータベースを作成いたしまして、必要な場合に地検相互で通訳人を利用できるように体制を整えているほかに、いわゆる遠隔通訳システムと呼んでおりますけれども、通訳人に最寄りの検察庁に出頭してもらいまして、別の検察庁で実施する検察官の取調べをモニター中継してもらったりして通訳人に通訳を実施してもらうということをやっている状況にございます。
その上で、通訳人の確保が難しくて不起訴になっているような事情はあるかということでございますけれども、一般に、検察当局が不起訴処分をするに至る事情については個別事件ごとに様々でありまして、法務当局として網羅的に把握しているわけではありませんが、被疑者が外国人である事案につきまして、通訳人が確保できないうちに被疑者を不起訴にせざるを得なかったというような事例があったとは承知していないところでございます。
○平城最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
裁判所におきましても、法廷通訳人については事件処理に支障のない人員を確保しているところでありまして、例えば少数言語などで近隣の通訳人の確保が難しい場合においては、遠隔地に所在する通訳人との間で通訳を行う遠隔通訳の方法等により対応することも可能になっております。
裁判所といたしましても法廷通訳人の確保は重要であると考えており、今後とも引き続き法廷通訳人の確保に努めてまいりたいと考えています。
○鈴木(美)委員 ありがとうございます。
時間が来てしまいましたので。今後も、通訳人の確保、そして、国民が安心、安全で対応していただけるように、裁判所の人数確保そして通訳人の確保等をやっていただきたいと思います。
本日の質疑を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○井上委員長 次に、原山大亮君。
○原山委員 日本維新の会の原山大亮でございます。
この度の衆議院選挙において初めて議席を賜りました。本日が初の質問でございますので、不慣れな点があるかと思いますが、どうかよろしくお願い申し上げます。
そして、もう一つなんですけれども、質問内容も最後ということで重複する点が多々あると思いますが、確認の意味も込めて質問いたしますので、どうか答弁の方、よろしくお願いしたいと思います。
裁判所定員法の一部を改正する法律案についてでございます。
今回の改正は、全体で百二十六名の純減であると思っています。数字だけ見れば削減に映りますが、中身はそうではないのではないかと思っています。ITで自動化できる事務職、役割を終えつつある速記官、外注化が進んだ技能職を減らし、その分を今まさに現場で必要とされている家裁調査官や専門人材に振り分ける内容となっています。
かつて、平成十三年、裁判の迅速化、専門化のために約五百人の増員が行われました。その目標はおおむね達成された。今度は、量的拡大から質的専門化へ組織をつくり変える段階に来ている。私は、その方向性は正しいと評価をしています。
その上で質問をいたします。
最初に、基本認識を確認いたします。
今回の改正は、単なるコストカットではなく、デジタル化と家族法改正という時代の変化に対応するための前向きな組織再編である、その理解でよろしいでしょうか。かつての量的拡大の目標がおおむね達成された今、質的専門化へかじを切るという方向性について、最高裁としての認識をお示しください。
○清藤最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
裁判所といたしましては、裁判所職員の定員の増減員につきまして、事件動向だけでなく事件処理状況、あるいは社会経済情勢の変化、これに伴う事件の質的変化、また様々な法改正の状況など、その時々の諸事情を踏まえて検討してきているところでございます。
内容につきましては、今回の定員法改正は、これらの検討を踏まえた上で、家庭事件処理の充実強化のために家裁調査官を十人、ワーク・ライフ・バランス推進のため事務官を二人増員するとともに、他方で、裁判所の事務を合理化、効率化すること等に伴って技能労務職員等を百三十八人減員し、以上の増減を通じて裁判官以外の裁判所職員の員数を百二十六人減員するというものでございますが、裁判所としましては、今後の事件動向や事件処理状況等も踏まえつつ、委員御指摘のデジタル化や家族法改正といった変化にもしっかり対応して、裁判所に期待される役割を今後も果たせるように、必要な体制整備に努めてまいりたいと考えております。
○原山委員 令和八年四月一日、改正民法が施行されました。離婚後共同親権、法定養育費の新設、家裁には新しい親権制度に基づく申立てが今後急増することが見込まれます。
令和六年の改正民法審議の際、当法務委員会は附帯決議を付しております。DV、虐待への対応を含む家庭裁判所の人的、物的体制の整備に努めることという立法府の意思でございます。
今回の十人増員は、その第一歩として評価はしています。しかし、現在の家裁調査官は約千六百人体制、十人増員は率にして〇・六%。全国五十の本庁、二百を超える支部にこの十人の恩恵が届くとは思えません。養育費、面会交流、DV関連の事件が増加する中、現場への負荷は想定を超える可能性もあると思います。
そこで、最高裁に問いたいと思います。施行後、現場の負荷が予想を超えた場合に、どのような基準で追加増員の要求を判断するんでしょうか。
○清藤最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
改正法が施行されまして、裁判所に期待される役割がこれまで以上に大きくなるほかに、新たな裁判手続の創設に伴って家裁に申し立てられる事件数の増加が見込まれるというところで、裁判所も認識しているところでございます。
家裁調査官につきましては、これまで事件動向や事件処理状況等を踏まえて増員を行ってきた一方で、家裁調査官の関与の度合いの大きい少年事件におきましては、長期的には大幅な減少傾向にありまして、このような事件動向も踏まえて事務分担の見直しを行うなどして、家事事件の処理のための体制整備を行ってきたところでございます。
このような中で、改正家族法がこの四月に施行されるということを踏まえて、令和七年度には、その準備、検討のため家裁調査官五人を増員いたしました。これに加えて、令和八年度においては、より一層の家庭事件処理の充実強化を行うために家裁調査官十人を増員して、これらの増員分を、これまで準備、検討を深めてきた改正家族法に関する調査事務の運用を全国に定着させるための支援に活用するということを考えておりまして、これによって、家裁に期待される役割を引き続き果たすことができるものと考えております。
その上で、改正法の施行後でございますが、各裁判所における適切な運用による安定的な事件処理を確保していくことが重要であると考えておりまして、このための体制整備に努めていく必要があると考えているところでございます。
令和九年度以降につきましても、改正家族法施行後の審理運用の状況のほか、裁判所全体の事件動向や事件処理状況等も踏まえて、必要な体制の整備に努めてまいりたいと考えております。
○原山委員 次に、医療職の削減について伺います。
事前説明の中で、今回削減される七十二人の医療職は、主に職員の健康管理が中心であり、長年にわたる欠員枠を整理するものだという説明を受けました。実態として、非常勤体制へ移行が進んでいるとのことでした。
その説明は一定程度理解したんですが、一点、懸念が残っています。改正民法施行後、家裁はDV、虐待が絡む心理的葛藤の深い事案をこれまで以上に扱うことになります。そうした事案では、精神医学的な専門知見が判断を支える場面があります。非常勤体制への移行で本当に対応できるのかということです。特に、地方の支部においては、外部の医療機関との連携が容易でないという現実もあると思います。
最高裁に伺います。医療職の整理により、事件処理の遅延や判断の質への悪影響は生じないと断言できるんでしょうか。お答えください。
○清藤最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、裁判所の医療職のうち、医師、看護師などがおりますが、裁判所職員の健康管理業務などを行っているところでございます。
これらの医療職につきましては、社会的な医師偏在、医師不足等によって、常勤の医師等を長期にわたって確保できなくなっておりまして、他方で、非常勤の医師を採用することなどによって、これまでも事務に支障が生じることがないように対応することができてまいりました。
このように、常勤の医師を長期にわたって確保できていない状況を前提としまして、常勤医療職の欠員状況や今後の採用見込み、また事件処理等の影響等も踏まえて、既に欠員となっている医療職の定員を減員することとした次第でございます。
今回減員する医師や看護師の定員は、既に欠員となっていることでございますとか、申し上げたとおり、非常勤の医師をこれまでも採用して必要な対応を行ってくることができているということ、また、今後、非常勤採用は拡大していくことを考えたい、人的体制の充実を図ることも予定しているということを踏まえまして、この度のこの減員によって何か事務処理に支障が生じることはないと考えております。
○原山委員 現在の仕組みでは、定員一人変えるたびに国会での法改正が必要です。毎年この委員会で同じ議論を繰り返すことが本当に適切なのでしょうか。定員の上限を法律で定めつつ、具体的な数を裁判所規則等に委任する方法に移行すれば、事件動向の変化に対して機動的、計画的な対応が可能になるのではないかと私は考えます。
最初の質問でも指摘させていただきましたが、改正民法施行後に家裁の事件が予想を超えて急増した場合、現行の仕組みでは翌年度の法改正まで手を打てない状況が起こるのではないかと危惧をしております。もちろん、定員の法定は司法の独立を守る重要な仕組みです。だからこそ慎重に、しかし前向きに議論するテーマだと思います。
最後に、法務省と最高裁に伺いたいと思います。定員管理をより弾力的、中期的なものへ見直すことについて、現時点での見解をお聞かせください。
○内野政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のように、裁判所職員につきまして、法律では定員数の上限を定めた上で、具体的な定員数の定めを最高裁判所規則等に委任するといった立法形式を取ること、これは、まさに御指摘いただいたところでございますけれども、定員の計画的、弾力的な運用や機動的な対応が可能になるといったような長所は認められるところだと考えております。
他方で、このような定員数の上限を定めようといたしますと、ある程度中長期的な事件動向を予測しまして必要な人的体制の見通しを立てることが必要になるものと考えられます。そうしたことの可否につきましては、まずは裁判所において検討されるべきものと考えているところでございます。
法務省といたしましては、御指摘の立法形式の導入につきましては、裁判所の判断を尊重しつつ、裁判所関連の法律を所管する立場から必要な対応をしてまいりたいと考えております。
○清藤最高裁判所長官代理者 お答えいたします。
委員御指摘のような立法の方法を取る場合を考えますと、事件動向等の中長期的な予測を行って必要な人的体制の見通しを立てるということが必要になるというのは、今法務省からも御説明があったとおりでございまして、裁判所の行う業務の量というのは、事件動向あるいは事件数、そういったようなものに大きく左右されるところでございまして、この見通しや予測というのはかなり困難を伴うところではございます。
委員御指摘のような立法の方法を導入する場合には、その前提となる中長期的な事件動向等の予測、それから必要となる人的体制の見通しにつきまして、裁判所としてそういう見通しを立てることができるのかできないのか、そういった可否も含めて必要な検討をしていく必要があるというふうに考えております。
○原山委員 現場の職員が誇りを持って働き、国民が司法に救われたと実感できる体制を守ること、それが立法府と最高裁の共通の責任だと思っています。
今回の改正が、現場で働く職員への投資、そして国民に開かれた強く温かい司法への確かな転換点になることを強く期待して、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○井上委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
―――――――――――――
○井上委員長 これより討論に入るのでありますが、その申出がありませんので、直ちに採決に入ります。
内閣提出、裁判所職員定員法の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○井上委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
―――――――――――――
○井上委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、藤原崇君外五名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ及び参政党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
提出者から趣旨の説明を聴取いたします。國重徹君。
○國重委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
案文の朗読により趣旨の説明に代えさせていただきます。
裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府及び最高裁判所は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一 民事訴訟手続の審理期間及び合議率の目標を達成するため、近年の状況を検証し、審理の運用手法、制度の改善等に取り組むとともに、産業の高度化や国際化に対応できるよう裁判官の能力及び職責の重さの自覚の一層の向上に努めること。
二 当委員会においてこれまでに付されてきた附帯決議の趣旨を尊重し、最高裁判所において、判事補の定員の充足に努めるとともに、その実員の増減の見通しを着実に立てた上で、定員の在り方について不断の検討を行うこと。
三 判事補を安定的に確保することが重要であることに鑑み、裁判官の全体的な処遇改善に向けた必要な検討を行うこと。
四 現在の法曹養成制度の下で法曹志望者の数について顕著な改善傾向が見られないことを踏まえ、そのことが法曹の質や判事補任官者数に及ぼす影響につき必要な分析を行い、その結果を引き続き国会に示すとともに、同制度や法改正の趣旨を踏まえた更なる法曹養成機能の向上、法曹志望者の増加等に向けた取組をより一層進めること。
五 裁判手続等のデジタル化の進捗状況を踏まえ、合理化・効率化が可能な事務と注力すべき事務をそれぞれ考慮した上で裁判官・裁判所職員の適切な人員配置を行うよう努めるとともに、裁判官以外の裁判所職員の労働時間を把握し、適切な労働環境を整えること。
六 両親の離婚時における子どもの利益確保の要請等への対応、その他価値観の多様化に伴う家事事件の複雑化・困難化の動向等に対して、家庭裁判所における多角的な対応が適切かつ十分に行われるよう、裁判官・家庭裁判所調査官の充実を含め、家庭裁判所の人的・物的体制の強化を進めること。
七 裁判官及び裁判所職員が健康的に働き続けられる職場環境を整備すること。特に、子育てや介護などによりキャリア形成を損なうことなく仕事と家庭を両立し、その能力を十分に発揮できるような取組をより一層進めるとともに、本人の意向や家庭環境に十分に配慮した裁判官の異動にも努めること。
以上であります。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○井上委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○井上委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
この際、ただいまの附帯決議につきまして、法務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。平口法務大臣。
○平口国務大臣 ただいま可決されました裁判所職員定員法の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえ、適切に対処してまいりたいと存じます。
また、最高裁判所に係る附帯決議につきましては、最高裁判所にその趣旨を伝えたいと存じます。
―――――――――――――
○井上委員長 お諮りいたします。
ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
〔報告書は附録に掲載〕
―――――――――――――
○井上委員長 次回は、明十五日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後四時三十五分散会

