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第4号 令和8年4月15日(水曜日)

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令和八年四月十五日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 井上 英孝君

   理事 阿部 弘樹君 理事 木原 誠二君

   理事 高見 康裕君 理事 谷川 とむ君

   理事 藤原  崇君 理事 西村智奈美君

   理事 三木 圭恵君 理事 小竹  凱君

      井出 庸生君    稲田 朋美君

      上川 陽子君    神田 潤一君

      小泉 龍司君    河野 太郎君

      世古万美子君    武部  新君

      辻  秀樹君    辻 由布子君

      寺田  稔君    西山 尚利君

      福原 淳嗣君    藤沢 忠盛君

      藤田ひかる君    古川 禎久君

      三ッ林裕巳君    保岡 宏武君

      山本 大地君    有田 芳生君

      國重  徹君    金村 龍那君

      原山 大亮君    井戸まさえ君

      鈴木 美香君    和田 政宗君

    …………………………………

   法務大臣         平口  洋君

   法務副大臣        三谷 英弘君

   最高裁判所事務総局総務局長            清藤 健一君

   最高裁判所事務総局刑事局長            平城 文啓君

   最高裁判所事務総局家庭局長            馬渡 直史君

   政府参考人

   (警察庁長官官房総括審議官)           土屋 暁胤君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 服部  準君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 阿部 竜矢君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 鈴木 敏夫君

   政府参考人

   (金融庁総合政策局参事官)            山下 正通君

   政府参考人

   (金融庁総合政策局参事官)            大城 健司君

   政府参考人

   (こども家庭庁長官官房審議官)          源河真規子君

   政府参考人

   (こども家庭庁長官官房審議官)          水田  功君

   政府参考人

   (法務省民事局長)    松井 信憲君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    佐藤  淳君

   政府参考人

   (法務省人権擁護局長)  杉浦 直紀君

   政府参考人

   (出入国在留管理庁次長) 内藤惣一郎君

   政府参考人

   (公安調査庁次長)    霜田  仁君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 貝原健太郎君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 山本 文土君

   政府参考人

   (国税庁課税部長)    高橋 俊一君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房学習基盤審議官)       堀野 晶三君

   政府参考人

   (文化庁審議官)     梶山 正司君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    野村 知司君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           平嶋 壮州君

   法務委員会専門員     三橋善一郎君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 出入国管理及び難民認定法及び出入国管理及び難民認定法第二条第五号ロの旅券を所持する外国人の上陸申請の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二〇号)

 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件


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     ――――◇―――――

井上委員長 これより会議を開きます。

 裁判所の司法行政、法務行政及び検察行政、国内治安、人権擁護に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、警察庁長官官房総括審議官土屋暁胤君外十九名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

井上委員長 次に、お諮りいたします。

 本日、お手元に配付いたしておりますとおり、最高裁判所事務総局総務局長清藤健一君外二名から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

井上委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。保岡宏武君。

保岡委員 おはようございます。自由民主党の保岡宏武です。質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 外国人の育成就労制度や妊婦と胎児死傷、この後、和田議員が質問されるというふうに伺っていますが、についても質問をしたかったのですが、十五分と時間も限られておりますので、今春、四月一日に改正施行されました父母の離婚後の子の養育に関するルール一本に絞って本日は質問をさせていただければと思います。これは、昨日、小竹委員や鈴木委員の質疑の中にもありまして、国民の関心も非常に高いテーマの一つだというふうに考えております。

 ちなみに、昨年、二〇二五年の日本の離婚件数が十八・四万件、一日当たり平均五百四組、三組に一組のカップルが離婚をしているという計算です。うち、未成年の子がいるケースが全体の五から六割弱、昨年一年で約十万組の夫婦が未成年の子を抱えて離婚をしております。一組当たり大体一・五人の子供というふうに仮に計算をしますと、一年で親の離婚の影響を受けている未成年の子供が約十五万人はいるというふうに計算されます。

 離婚には、DV被害、養育費の未払い、実子の連れ去り、親子交流など、様々な問題がついてまいります。これは、父母だけではなくて、子供にとっても非常に大きな問題と言えます。

 今回の法改正は、離婚をした後も子供を養育するという親の責務を明確化すると同時に、親権、養育費、親子交流に関するルールを見直しております。明確化された親の責務は、以下の四つです。子供の人格の尊重、子供の扶養、子供の利益のための親権行使、そして父母間の人格尊重、協力義務。ただし、これはDVや虐待から避難するために必要な場合はその限りではないということも書かれております。

 二〇二四年五月の法改正から約二年間、法務省はこのルール改正のアナウンス、周知をどのようにしてこられたか、お示しください。

松井政府参考人 お答え申し上げます。

 法務省は、令和六年民法等改正法の円滑な施行に向けて、関係府省庁等とも連携し、改正法のパンフレットやQアンドA形式の解説資料、動画等を活用して、離婚を検討している方を始め、国民や関係機関に対する周知を行ってまいりました。

 また、改正法の趣旨、内容を踏まえた適切な運用が行われることが重要であるとの観点から、法務省は、自治体や裁判所、各地の弁護士会等での研修に積極的に協力をし、改正法の成立から本年三月末までの約二年間で合計三十九回、説明会を実施してまいりました。説明会では、改正法の趣旨、内容や改正法に関する国会での議論の状況等を説明した上で、法務省における施行準備の状況等についても情報提供を行ってきました。

 法務省は研修等に協力する立場でございまして、その説明会への参加人数、詳細には把握しておりませんけれども、対面での参加のほか、オンラインでの参加や説明会の録画を視聴していただく方法等により、相当数の方に説明を聞いていただけたものと伺っております。

保岡委員 ありがとうございます。

 現在、離婚件数の八七%が協議離婚、そして一三%が調停や裁判による離婚というふうに聞いております。今後、共同親権か単独親権かを決定するなど、調停による離婚が増加する可能性があるというふうに考えますが、その中心的役割を担う家裁調停委員などに向けてはどのぐらいの研修を行ったのか、お示しください。

馬渡最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 調停委員に対しましては、各家庭裁判所におきまして、改正法の施行を見据えて、昨年度、令和七年度の年間を通じて研修を実施してきたものと承知しております。

 研修をどのように行ったかについて最高裁として網羅的に把握しているものではございませんが、一般的には、裁判官等の裁判所職員が講師になるなどして改正法の基本的な知識を付与するための講義を行うほか、その内容も踏まえた形で事例研究を行うなど、実践的な内容の研修も行っているものと承知しております。

 また、裁判官等が出席する全国的な協議会等におきましては、調停委員に対する研修の重要性や各家庭裁判所の具体的な取組の内容等の共有が図られておりまして、ただいま申し上げたような各研修は、このように全国的に共有された内容等を踏まえて各家庭裁判所において実施されているものと考えているところでございます。

 最高裁といたしましては、引き続き、調停委員に対する充実した研修が円滑に行われるよう、必要な情報提供をしたり、情報共有の場をつくったりするなど、各家庭裁判所に対して様々な支援をしてまいりたいと考えております。

保岡委員 ありがとうございます。

 改正施行された四月一日以降、入学式や入園式も多く行われております。今回のルール改正に際して、市町村レベルや学校レベルの対応がまちまちとなると、あっちではオーケーだったことが私は駄目だったとか、現場から様々な声が上がってきているということも聞いております。

 今回のルール改正の周知と対応について、文科省、こども家庭庁は事務連絡を出したというふうに聞いておりますが、これが考え方の紹介や周知にとどまり、学校現場の具体的な運用統一や是正の効力を擁する内容になっていないのではないかという指摘もあります。

 学校などへの今回のルール改正の周知と対応をどのように準備してきたか、また、今後、現場の混乱を避けるというためにも、学校現場や親からの相談窓口などを設けることも必要というふうに考えますが、見解をお示しください。

堀野政府参考人 お答え申し上げます。

 共同親権に係る学校での対応の内容につきましては、文部科学省を含む関係府省庁連絡会議において作成されたQアンドA形式の解説資料に含まれております。特に、学校行事の参加につきましては、この資料の中でも、子と同居しているか否かにかかわらず、親権者が単独で自己の参加に関する判断を行うことができるなど、具体的に明記をしております。

 文部科学省としては、こうしたことについて、昨年十月一日に事務連絡を発出したことに加えまして、その直後及び本年二月の会議で、都道府県教育委員会等に対して周知を図ってまいりました。来月、五月には、かなり大規模な、全国都市教育長協議会ですとか全国町村教育長会定期総会、また全国町村教育委員会連合会、これは教育委員さんも集まるけれども、こういった学校現場に近い市町村の教育長にしっかりとポイントを絞って説明をして、周知に取り組んでまいりたいと思います。

 また、親権者からの相談窓口につきましては、共同親権者間で協議が調わないなどの個別具体的な内容に関しては弁護士に御相談いただければと思いますけれども、例えば、合意が調った協議結果を踏まえた学校行事の参加希望、それに係る相談につきましては、当該学校や設置者である教育委員会に御相談をいただければと考えているところでございます。

水田政府参考人 お答えいたします。

 保育所等におきましては、日頃より、保育所保育指針等に基づき、一人一人の保護者の状況やその意向を理解、受容し、それぞれの親子関係や家庭生活等に配慮しながら、様々な機会を捉え、適切に保護者を援助することとしております。

 保育所等が保護者に参加を呼びかけました行事等について、親権者として事前に申し出ている者から参加希望があった際には、保護者や家庭の状況なども考慮しつつ、職員間で連携を図りながら適切に援助をしているものと承知しております。

 共同親権につきましても、先ほど来出ております関係省庁連絡会議のQアンドA、こちらを、こども家庭庁としましても、ポータルサイト等においてその内容ですとか相談窓口の周知を図っているところでございます。

 今後とも、ポータルサイト等の一層の周知を図るとともに、保育所等において適切な保護者の支援が行われるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと思います。

保岡委員 ありがとうございます。

 是非、現場で混乱が起きないように、周知徹底、そしてまたきめ細やかな対応をよろしくお願いいたします。

 続きまして、法改正のアナウンスはこのように非常に大事でございます。各自治体のホームページなどもそうでございますが、例えば、杉並区のように本当に丁寧に作られているものもあれば、残念ながら、我が鹿児島市などは十行程度でも出しましたというようなレベルで、自治体によって濃淡がございます。

 また、今後、実子連れ去りなどに対する警察の対応なども課題になってくると思いますが、ルール改正の周知や対応のアナウンス、これで十分であったのか、また、今後どのような点に留意していかれるのか、平口大臣の見解をお示しください。

平口国務大臣 お答えをいたします。

 法務省は、改正法の趣旨、内容について、説明会を実施したほか、解説動画を公開したり、パンフレットやポスター、QアンドA形式の解説資料を作成するなどして、関係府省庁等とも連携して、離婚を検討している方や関係機関に対し、これらを活用した周知、広報に取り組んでまいったところでございます。

 また、各自治体に対しては、令和八年一月に、ウェブサイトに改正法の情報を掲載することを依頼する旨の通知を発出しております。

 改正法の趣旨、内容を含めた適切な運用が行われることは大変重要なことであり、改正法の施行後の状況等も踏まえながら、引き続き、関係府省庁等とも連携して周知、広報に努めてまいりたいと考えております。

保岡委員 ありがとうございます。

 ちょっと時間の関係上、次の質問は飛ばさせていただきます。

 今後の課題について伺いたいというふうに思います。

 米国の離婚、特に親権、面会交流を含む案件では、ドメスティック・バイオレンスのスクリーニングというのはかなり制度化をされているというふうに聞いております。これは単なる有無の確認だけではなくて、交渉の安全性、自由意思の確保が可能かを判断するプロセスとして行われているというふうに聞いております。

 今回義務化はできませんでしたけれども、今改正の大事なポイントである、多くの父母に子供のための共同養育計画書の作成を目指すためにも、今回このスクリーニングは導入はされておりませんが、米国型の離婚時DVスクリーニングの視点というのは非常に大事なポイントだというふうに私は考えております。

 今後、このルール改正をよりよいものにしていくという点での課題を、このDVスクリーニングを含めて、超党派の共同養育議員連盟事務局長を長くお務めになられた三谷副大臣のお考えを自由にお示しいただけたらというふうに思います。

三谷副大臣 それでは、自由にお答えさせていただきます。

 まず、裁判離婚の手続におきましては、親権者を定める際に、改正民法の規定の趣旨に従いまして、当事者双方の主張と証拠に基づきまして適切な判断がされるものというふうに認識しております。

 他方で、協議離婚の際にではございますけれども、これはまさに保岡委員の問題意識は本当にそのとおりでございまして、DVにより親権者について真意によらない合意がされることを防ぐことというのは、DV被害者の安全や子供の利益を確保する観点から非常に重要であるというふうに考えております。

 DVがある場合には、弁護士等の支援を受けたり、家庭裁判所の調停、審判等を利用したりしていただくことが重要であると考えておりまして、法務省作成のパンフレットには、安全、安心な話合いが難しいときは無理に話し合う必要はないことを繰り返し記載して注意喚起しているところでございます。

 改正法につきましては、附則十九条二項において、政府は、改正法の施行後五年を目途として、施行の状況等を勘案し、父母の離婚後の子の養育に係る制度及び支援施策の在り方等について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとされているところでございます。

 御案内のとおり、先ほど御指摘いただきましたとおり、我が国では協議離婚というものが圧倒的に多いという、そういった各国制度においてもそれぞれの制度に違いがあるということがありますけれども、先ほど御指摘いただきました問題意識も踏まえまして、施行の状況を適切に把握した上で、必要な対応を検討してまいりたいというふうに考えております。

 以上です。

保岡委員 ありがとうございます。

 子供の成長は本当に早いです。親にとっても子供にとっても、未成年の時期の一年一年というのは本当にかけがえのないものでありまして、少しでも、この新しいルールの下で、子供の利益にかなうような社会実装をしていってもらいたいというふうに思います。また、様々な課題についても、予算措置が要るのであれば、私を含め多くの議員が法務省の後押しをしてくれるというふうに思いますので、どうか頑張っていただきたいというふうに思います。

 最後に、大臣に質問させていただきます。

 今回、法改正の周知やスクリーニングなどの課題はあるとは思いますが、何より、改正前に既に離婚をしている方々も多く、今回の改正事項がしっかり適用、反映されるのかといった不安を抱いている国民も多いことというふうに思います。国民の皆さん、父母、子供に向かって、分かりやすい、今回の法改正に向けたメッセージをお願いをいたします。

平口国務大臣 お答えをいたします。

 改正法施行前に離婚した場合も含め、改正法の趣旨や内容を踏まえた適切な運用が行われるということは重要であると思います。

 このような観点から、法務省としましては、引き続き関係府省庁等とも連携し、様々な手段を活用して周知、広報に取り組んでいきたいと考えております。

 また、改正法の施行の状況等を踏まえまして、制度の必要な見直しを検討することも重要であるというふうに認識しております。改正法の附則十九条第二項の趣旨も踏まえ、まずは施行の状況を適切に把握した上で、必要な対応を検討してまいりたいというふうに思います。

保岡委員 ありがとうございました。終わります。

井上委員長 次に、和田政宗君。

和田(政)委員 参政党の和田政宗です。

 参政党は子供、子育てを政策の根幹に掲げており、特にお母さんと子供のつながりを大切にし、子供が幼いときにお母さんがそばにいられる仕組みや社会づくりに取り組んでいます。安心して子育てができる、家庭を守り、家族を守り、子供たちが将来に生き生きと希望を持って成長することができる日本とすることが参政党の政策です。

 そうした中、妊婦と胎児をめぐり、法令上の空白があり、法改正すべきではないかという観点で質問をいたします。

 昨年五月、愛知県一宮市で、妊娠九か月の研谷沙也香さんが散歩中に後方から突っ込んできた車にはねられ重体となり、緊急帝王切開手術で女の子が生まれました。研谷沙也香さんは事故の二日後に死亡し、生まれた女の子、日七未ちゃんは、今も意識不明の重体が続いています。

 このような状況にもかかわらず、日七未ちゃんは事故時に胎児であったため、刑法上、交通事故の被害者と認められないという現実があります。刑法においては、胎児への加害は母体の一部への傷害とみなされ、胎児が人として扱われないためです。

 研谷沙也香さんの夫であり、日七未ちゃんの父親の友太さんは、日七未ちゃんも被害者と認めてほしいと訴え、オンライン署名を行い、その数は十三万八千筆になりました。こうした多くの署名や社会における声が後押しをし、現在行われている刑事裁判において訴因変更が行われ、胎児であった日七未ちゃんに事故により障害が残った事実が追記されました。

 しかし、依然として、刑法上、胎児は人として認められておらず、日七未ちゃんへの加害について、過失運転致傷罪による起訴はなされていません。あくまで胎児への加害は母体の一部への傷害とみなされ、胎児が人として扱われない状況は変わっていません。

 私は、研谷沙也香さんの父親であり、日七未ちゃんの祖父である水川淳史さんにお話を伺いました。日七未ちゃんが困難な状況の中で懸命に生きていること、家族が懸命に支えていること、そうした中で、日七未ちゃんが交通事故の被害者として扱われず、刑事責任が問われない現状に対し、制度上の空白があると非常に苦しまれています。

 法務省に質問をいたします。

 刑法上、胎児が人と認められず、交通事故で被害を受けても被害者として扱われないのはなぜか、お聞きをします。

佐藤政府参考人 お答えいたします。

 一般論として申し上げれば、刑法犯の客体である人とは行為者以外の自然人を指し、人の始期は出生であると解されているものと承知しているところでございます。

 また、刑法上の出生は、大審院の判例上、胎児の一部が母体から露出した時点とされていることから、母体からいまだ露出していない胎児については、刑法犯の客体である人には含まれないと解されているものと承知しているところでございます。

和田(政)委員 事実関係を確認しますと、これは刑法ができた当初からそういうような形であるというふうに思うんですが、後段の方でお話をいたしますが、医学の進歩によって、やはり胎児の人間性であるとかそういったものというのもかなり分かってきていますので、これはちょっと後段でお聞きをしたいというふうに思います。

 交通事故による母体への加害行為が原因で、胎児が出生後に亡くなったり、負傷して誕生した場合、胎児を対象にした自動車運転死傷処罰法の適用は可能かどうか、困難な場合はその理由は何か、お聞きをします。

佐藤政府参考人 お答えいたします。

 犯罪の成否は捜査機関により収集された証拠に基づき個別に判断されるべき事柄でありますので、法務当局としてお答えすることが困難であることは理解していただきたいと思いますが。

 その上で、これはいわゆる水俣病に関する最高裁の決定でありますが、胎児の間にメチル水銀の影響で脳の形成に異常を来し、出生後、水俣病の影響で死亡するに至った被害者に対する業務上過失致死罪の成否について問題となったものでありまして、この最高裁決定は、胎児に病変を発生させることは、人である母体の一部に対するものとして、人に病変を発生させることにほかならない、胎児が出生し人となった後、その病変に起因して死亡するに至った場合は、結局、人に病変を発生させて人に死の結果をもたらしたことに帰するとして、業務上過失致死罪の成立を認めた事例はあるということでありますが、先ほどの、当初のお答えどおり、やはり犯罪の成否は収集された証拠によるということになるかと思います。済みません。

和田(政)委員 個別の裁判例などを調べますと、このまさに水俣病の判決、関連する判決を基に胎児に対しての加害行為を認めている事例も、少数ではありますがありますので、個別事例について法務省がお答えになれないというのは承知をいたしますけれども、これは、しっかりとこの後皆様方にも提起をしていきたいというふうに思いますけれども、刑法の改正というものが私は必要であるというふうに思っています。

 民法上のことを聞きます。民法上、胎児は損害賠償の請求においてどのように扱われるでしょうか。

松井政府参考人 お答え申し上げます。

 民法第三条第一項は、「私権の享有は、出生に始まる。」と規定しており、原則として、胎児は権利能力が認められません。

 しかし、出生すれば権利能力者となる胎児について出生前に一切の権利取得を否定するのは不公平であるという趣旨から、民法第七百二十一条は、「胎児は、損害賠償の請求権については、既に生まれたものとみなす。」と規定をしております。したがいまして、胎児は、胎児であるときに受けた不法行為について、生きて生まれた後は損害賠償請求をすることができると解されております。

和田(政)委員 民法では胎児の権利請求というものを認めているというようなことが、今、これは民法七百二十一条だというふうに認識をしておりますけれども、お聞きしますけれども、胎児に対して刑法上と民法上の違いが生じているというふうに考えるんですが、これはなぜ生じているんでしょうか。

佐藤政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のような違いが生じているということでありますが、民法上は、先ほど答弁がありましたとおり、原則として胎児は権利能力が認められないが、既に生まれていた子と胎児の均衡の観点から、胎児による出生後の損害賠償請求等が可能とされているところでございます。

 このような違いが生じているのは、刑法においては、どの段階から刑法上の保護を及ぼすのが相当かという問題であるのに対しまして、民法においては、どのような場合に司法上の権利を有する主体として扱うのが適切かという問題であるという視点の違いによるものかと理解しております。

和田(政)委員 事実関係を引き続き整理をしていきますけれども、胎児の出生後に重い障害が残っても、胎児が人として扱われないために、刑事事件上、被害者は母親一人として扱われ、結果の重大さが量刑に反映されない。これについての問題意識はどのように考えていますか。

佐藤政府参考人 お答えいたします。

 お尋ねは裁判所の判断に関わる事柄でありますので、法務当局としてお答えをすることは差し控えますけれども、その上で、一般論として申し上げれば、検察当局においては、個別の事案ごとに、法と証拠に基づいて、犯行に至る経緯や犯行態様の悪質性、被害結果の重大性等、量刑に影響を及ぼす各種の事情を総合的に考慮して求刑を決しているところでありまして、御指摘のような、母体に対する行為によって胎児が出生した後に重い障害を負うこととなったという事実に関しては、被害結果の重大性等において考慮されるべきものとして求刑を決しているものと承知しているところでございます。

和田(政)委員 ここまでお聞きをしていきますと、これは母体保護法なども絡んでくる、絡んでくるというか示されていたりしますけれども、刑法上、どこから人なのか、妊娠何週から人なのかという整理がつけば、私は、しっかりと胎児を人として扱うことができるのではないかというふうに思っております。これについても、この後の質問、法務大臣にもお聞きをして、引き続きこの委員会でも聞いていきたいというふうに思います。

 妊婦が被害者となっている交通事故、これは年間何件か、また、妊婦の死傷者数、胎児の死傷者数はどうなっているのか、警察庁にお聞きをします。

阿部政府参考人 お答えいたします。

 お尋ねの数値につきましては、いずれも交通事故統計の項目にないことから、把握していないところでございます。

和田(政)委員 ごめんなさい、これはなぜ調べていないのかというところをお聞かせください。

阿部政府参考人 お答えいたします。

 交通事故捜査の現場におきまして、外見などから被害者が妊婦であることや胎児の有無を網羅的に把握することは困難でありますことから、正確性が求められる交通事故統計として集計していないところでございます。

和田(政)委員 正確性云々という答弁でありますけれども、政府全体で少子化対策に取り組んでいるということ、また、妊婦の事故というものも、これは各国の統計を見ると、交通事故件数の中で少ないとは決して言えないというふうに、統計上、これはあるわけであります。ですので、妊婦を守る交通安全政策というものも警察庁においてしっかりとやはり立案をしていただきたいというふうに思いますので、これは調査して取り組んでいただきたいというふうに思います。これ以上質問してもあれですので、これは要請として、しっかりとお願いをしたいというふうに思います。

 そして、厚生労働省にお聞きをします。こども家庭庁にも併せてお聞きをいたします。

 胎児期の負傷により出生後に障害を負った子供と家族への医療、福祉の支援はどうなっているのか、お答えを願います。

野村政府参考人 お答え申し上げます。

 この国は国民皆保険を取っておりますので、生まれた子供というのは当然国民皆保険の対象になって、医療保険制度による医療サービスが提供されるということになりますが、それに加えまして、胎児期の受傷であるかどうかとかといったことや原因にかかわらず、障害のあるお子さんに対しては、その障害の状態を軽減するための医療、例えば関節拘縮であれば人工関節の置き換え術などといったものが対象になるんですが、こういった障害状態を軽減するための医療について、その医療費の自己負担分を軽減する自立支援医療制度というのを設けているところでございます。

 こうした制度の活用などもしながら、障害のあるお子さんの自立や日常生活あるいは社会生活といったことができるような支援、これの充実に努めてまいりたいと考えております。

源河政府参考人 お答えいたします。

 胎児期の受傷により障害を負ったお子様も含めまして、医療的ケア児とその御家族に対しては、地域の保健、医療、福祉、教育等の関係機関が連携して、切れ目のない支援を行っていくことが重要であります。

 こども家庭庁では、医療的ケア児とその御家族に対する相談支援などを行う医療的ケア児支援センターを全都道府県に設置し、関係機関との連絡調整や人材育成に取り組むなど、地域の医療的ケア児等支援体制の中核となる医療的ケア児等コーディネーターの配置に財政支援を行うなど、その整備を進めてまいりました。

 また、令和六年度の報酬改定においては、家族支援を推進する観点から、児童発達支援などの障害児支援サービスを利用する場合における預かりニーズへの対応や、家族支援に関する加算の創設や見直しを行ったところでございます。

 引き続き、医療的ケア児も含め、障害のあるお子さんとその御家族が安心して地域生活を送ることができるよう、しっかり取り組んでまいります。

和田(政)委員 今答弁にありましたように、障害のあるお子さんと家族がしっかりと国また地域において支援が受けられる、こういうようなやはりサポートというものが極めて重要でありますので、引き続きお願いをしたいというふうに思います。

 法務大臣にお聞きをいたします。

 刑法上、胎児への加害、これは母体の一部への傷害として現在扱われています。ただ、医学の進歩により、私は、医学界、様々な科、産婦人科、外科の先生方にお聞きをいたしましたけれども、今、胎児を子宮外に一部取り出して治療したりですとか、胎児の成長過程での人間性、皆さん御存じのとおり、四か月、五か月になってくると、もう手の指がしっかり分かれて、そしておなかの中でも活発に活動するというような状況、こういった成長過程での人間性というものは証明されているわけです。しかしながら、刑法では胎児が人として扱われないというのは、これは非常におかしいという声が多くあります。

 自賠責保険も胎児の負傷を独立した傷害として扱っていまして、出生後の障害を胎児期に受けた負傷として認めております。胎児期に受けた負傷が出生後の死傷につながった場合に、胎児期に受けた負傷を人の被害として認めて、加害者に適切な刑事責任を問えるよう、自動車運転死傷行為処罰法における処罰規定そして刑法の見直しを図るべきと考えますが、法務大臣、いかがでしょうか。

平口国務大臣 お答えいたします。

 刑法や自動車運転死傷処罰法においては、一般に胎児は人そのものではなく、母体の一部を構成するものと解されており、母体に対する有形力の行使によって胎児に傷害結果が生じた場合には、母体に被害が生じたものと捉えられております。

 その上で、胎児を刑法等において人そのものとして位置づけるかどうかというのは、人の生命観、倫理観に深く関わる事柄である上、胎児をどの段階から人として扱うべきか、あるいは、現行法下の下では不可罰となっている過失により胎児を死亡させる行為等が処罰の対象となり得るのではないかといったような課題があり、慎重かつ丁寧な検討が必要であると考えております。

 この問題については、幅広い観点からの議論が十分に積み重ねられることが重要であり、その動向を見守っていきたいと考えております。

和田(政)委員 今大臣の答弁でも、どの段階から人として扱うのかというお言葉がありました。先ほど刑事局長も同様の答弁をしておりまして、これは通告していませんので、更に問うという形で、お答えいただければお答えをいただきたいというふうに思うんですけれども、どの段階から人として扱うのかという観点もこれは存在し得るということでよろしいんでしょうか。

佐藤政府参考人 お答えいたします。

 私、済みません、医療系のことについて詳しいわけではありませんけれども、胎児といってもいろいろな時間があると思いますので、時間とか度合いがあると思いますので、その議論はやはり、この論点には議論が必要になってくるのではないかと思います。

和田(政)委員 これは更に大臣にお聞きをしたいというふうに思いますけれども、交通事故で被害を受けた胎児ですね、生まれて、そして成長していくわけでありますが、被害者参加制度の対象とすべきというふうに私は考えますが、これはいかがでしょうか。

平口国務大臣 例えば、御指摘のような、胎児の母親が交通事故により亡くなった事案については、現行刑事訴訟法においても、出生した子は、過失運転致死罪の被害者である母親の直系の親族として被害者参加制度を利用し得ると考えられているところでございます。

 仮に、胎児を人そのものとして位置づけた場合には、交通事故により胎児に傷害結果が生じた事案では、出生した子は過失運転致傷罪の被害者として被害者参加制度を利用し得ると考えられるところでありますが、胎児を人そのものとして位置づけることについては、先ほど申し上げた課題がございまして、慎重かつ丁寧な検討が必要であると考えております。

和田(政)委員 これは、事前の法務省とのやり取りは、胎児を人として位置づけた場合に様々な法令が影響を受けるということの中の回答でありました。かなりしゃくし定規的な回答であるなというふうに思ったんですが、その後、今日この質疑があるに当たって、大分そこから深掘りをしてくれたのではないかなということを答弁においては感じました。

 これはまさに、皆さん、私の質疑も聞いていただいて思うと思うんですが、これは法令上のやはり私は不備だと、不備というか、不備と言ってはあれかもしれないですが、法令上、やはりこれは空白になっている部分であるというふうに思うんですよね。

 刑法発足当時というのは、もうこれは明治期にありますので、そこでの人の位置づけというものはこうだということがあったんだというふうに思います。ただ、その後の医学の進歩によって、胎児ももう人なんだというようなことが分かってきている中で、この日七未さんの事例においては、お母さんは妊娠九か月であったということの中で、緊急帝王切開で生まれて、人ではない、人として扱わない、刑法上ですね。これはちょっとやはり、繰り返しになりますけれども、民法も自賠責保険も、これはもうまさに、そういう権利があるということを認めているわけですから、私は、刑法の改正というものを与野党で考えていかなくてはならない、政府においてもしっかり考えていただきたい、このように思います。

 なお、三月に、愛知県議会、これは全会一致で可決になりましたけれども、交通事故等による被害を受けた胎児に係る法整備についての意見書、これが全会一致で可決しております、与野党共にですね。ですので、やはり、こういった制度の空白の課題というものは、今こういう現状に鑑みても動くべきであるというふうに思います。

 日七未さんの御家族、これはおじい様の水川さんが中心となっていますけれども、新たな署名活動も開始をしています。「お腹の赤ちゃんは「人」ではないのですか?法務省へ交通事故等による被害を受けた胎児に係る法整備を求めます。」、こういう署名活動。もうどんどんどんどん署名が積み上がっています。

 この日七未ちゃんの事例につきましては、各種報道、また先ほど述べた署名活動、こういったことの中で、国民の中、また政治家の皆さんの中でも、これはちょっと何としても改善をしなくてはならない、こういうことで動き始めています。自民党におかれても、議員連盟の発足の動きがあるというようなことも仄聞をしておりますし、野党の皆さん、そして与党維新の皆さんにおかれても、課題意識を持っていただけるのであれば、共にやはりこの改正というものをやっていかなくてはならないというふうに思っております。

 法務省におかれては、刑法上、人として、例えば何週からなのかとか、そういう医学的見地もしっかりと踏まえながらということが必要だというようなことの下、御答弁いただいているんだと思いますけれども、これは繰り返しになりますが、昨日までのやり取りからすると、かなり踏み込んで課題意識を持っていただいているというふうに思っておりますので、そういったことも含めて、実際にこのように苦しんでいらっしゃる方がいらっしゃって、国民にこれはやはり変えるべきだろうというような共感が広がっている中で、この空白を放置をするということは私はおかしいというふうに思います。変えていかなくてはならないというふうに思います。

 政治は課題の改善のためにある、私はそれを基に行動していきたいというふうに思いますし、これはもう与野党の皆さんのお力、そして政府の力が必要でありますので、繰り返し、私は引き続きこの質問はやってまいりますので、何とぞ皆様の御協力、御指導、よろしくお願いをいたします。

 以上で終わります。

井上委員長 次に、西村智奈美君。

西村(智)委員 前回の一般質疑で、私は、昨年の三月二十六日に衆議院の法務委員会で行われました刑事司法に関する参考人質疑、この関連で質問をいたしました。プレサンス事件と大川原事件、この二つを御紹介をし、いずれも長期にわたる勾留、そして保釈が認められなかったということ。この中で、大川原化工機事件においては、相嶋元相談役ががんによって被告のまま命を落としてしまわれた、また、プレサンス事件においては、会社経営に関われなかった社長が、大変大きな経済的な損失であると同時に、御本人の言ってみれば人生そのものも大変大きな損失を受けたということがあって、その御紹介をさせていただき、大臣からもそれについての見解をいただきました。

 今日は、その件に関して具体的に伺っていきたいと思っております。

 やはり、人質司法などと言われる状況は、司法に対する信頼を大変大きく揺らがせるものだと思いますし、是非こういった状況がないようにということで、その解決を法務省そして警察当局にも求めたいと思っておりますけれども、昨年三月二十六日の法務委員会での参考人質疑で、大川原化工機事件の、参考人としてお見えになった島田順司さん、彼は元常務取締役だったわけですけれども、こんなふうにおっしゃっていました。これは勾留のことでございますけれども、ちょっと大事な話ですので、読み上げたいと思います。

 私たちが勾留されたのは、警察の留置所でした。そこでは番号で呼ばれ、まるで罪を犯した者であるかのように扱われました。移動する際には手錠と腰縄でつながれ、目を合わせるな、下を向けと大声でどなられ、奴隷のような屈辱的な扱いをされました。私たちの処罰は、逮捕の瞬間から始まっていました。その処罰は有罪判決を受けてから始まるべきだと思います。無罪の推定はどこに行ったんでしょうか。

 こういう形で、島田参考人は御自身の経験を語っておられました。

 被疑者の段階では罪が確定していないにもかかわらず、一般人には決して許されないこのような処遇、取扱い、こういったことを実際に行っているのかどうか、行われているのかどうか、警察に伺いたいと思います。

土屋政府参考人 お答えします。

 昨年三月二十六日の本委員会の参考人質疑におきまして、大川原化工機株式会社元取締役の島田参考人から委員御指摘のような御発言があったことは承知しておりますけれども、例えば、番号での呼称につきましては被留置者御自身のプライバシーへの配慮のために、また、手錠等の使用は逃走等の防止のために行っているところでございます。

 いずれにせよ、警察におきましては、刑事収容施設法に基づき、被留置者の人権を尊重して、適正な留置管理業務の推進に取り組んでいるところでございます。

西村(智)委員 今の御答弁は、島田参考人が読み上げたような、このような処遇を実際に警察の留置所の中では行われているということでよろしいですか。ほかの方々、被疑者の段階の方々に対しても同じような取扱いがされているということでしょうか。

土屋政府参考人 繰り返しになりますけれども、警察におきましては、これは一般的な運用でございますけれども、被留置者の氏名が他の被留置者に知られないように、プライバシーに配慮するために番号で呼称したり、また、移動時には逃走や自傷他害の防止などのために手錠や腰縄を使用したりするなど、必要な措置を取っているところでございます。

 また、重ねて一般論として申し上げますと、被留置者のプライバシー保護等の観点から、被留置者同士が顔を合わせることのないように、移動の際には下を向くように指導するという運用はあると承知しております。

西村(智)委員 今のお答えは、それはプライバシーの保護といったようなことはあるとしても、大声でどなられ、奴隷のような屈辱的な扱いをされましたというふうに、実際にそのような処遇を受けた参考人がおっしゃっているということです。

 一般人に対してはそういったことは決して許されないというふうに思う処遇が実際に行われているという中で、それは例えば今御説明になられたようなプライバシーの保護、逃亡のおそれ、それから自傷他害の防止といったようなことがあるとしても、いささかやはり私は行き過ぎているんじゃないかなというふうに思うんです。

 憲法十八条では、何人も、いかなる奴隷的拘束を受けない、また、犯罪による処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられないというふうに規定をされております。その関係から、警察御自身で、被疑者の段階における方々に対するそういう処遇についてはどういうふうに評価をしているんでしょうか。

土屋政府参考人 お答え申し上げます。

 警察におきましては、番号での呼称、手錠や腰縄の使用、これは必要な措置として行っているところでございます。御指摘の憲法第十八条の奴隷的拘束ですとか、あるいは意に反する苦役ですとか、これらに当たる処遇は行ってはいないということでございます。

 被留置者の人権を尊重することは当然のことでございます。引き続き適正に留置管理業務を推進してまいります。

西村(智)委員 島田参考人の陳述と余りに何かかけ離れている答弁で、私はとても納得できないんですけれども、こういった取扱いに関する、一つの行為に対する評価の違い、認識の違いというのは、その原因は、やはり私は今の日本の司法制度の中である種欠陥があるというふうに思わざるを得ないんですよね。

 無罪推定の原則、これを明文化することですとか、それから身体不拘束の原則、これを明文化することですとか、やはり被疑者の段階ではそういったことが必要なんじゃないかというふうに私自身は思うんですけれども、これは法務省に対する見解を伺いたいと思います。

佐藤政府参考人 お答えいたします。

 一般論として申し上げますと、被疑者、被告人の身柄拘束につきましては、個別の事案に応じて、裁判所又は裁判官によって刑事訴訟法に定める要件の有無が判断されているところでございます。

 その上で、被疑者、被告人が否認したり黙秘したりしていることのみをもって、あるいは必要性もないのに長期間身柄が拘束されるといったことはあってはならないというふうに考えているところでありまして、いずれにしても、理由のない長期間の身柄拘束であるとか自白の強要があってはならないということは当然でございまして、基本に忠実で適正な捜査、公判活動の遂行に努めなければならないものというふうに考えているところでございます。

西村(智)委員 島田参考人は、逮捕されてから保釈されるまで三百三十二日間、一年近く拘束をされていたというふうにおっしゃっていました。

 実際、これまた保釈もなかなか大変なんですよね。保釈請求は起訴されないと請求ができないということで、ちょっとここから先、島田参考人の陳述を、これまた大事なことですので、私の方から読み上げて御紹介をしたいと思います。

 起訴されるとすぐに、弁護士さんに保釈請求を出していただきました。しかし、裁判所はこれを却下。理由は、罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるというものでした。証拠隠滅のおそれといっても、警察は、大川原化工機を強制捜査してあらゆる資料を押収した上に、一年半、一年半ですね、一年半にもわたる任意の調べでたくさんの調書を作っておりました。今更隠滅する証拠など何もないのです。裁判所は、社員と会わないという保釈条件をつけることができますし、保釈条件を破れば保釈を取消しできます。条件をつけた上でも、すぐに保釈してほしかったですということでありました。

 結果として、最後は保釈が島田さんは認められたわけなんですけれども、それまでに三百三十二日間かかっている。裁判所は、個別の被告人が置かれた状況を精査して保釈の可否を判断しているというのではなくて、ここまで来ますと機械的、一律に保釈請求を却下ありきという姿勢で臨んでいるのではないかというふうに見えるんですが、最高裁の見解を伺います。

平城最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 保釈の判断は個々の事件に応じて各裁判体が判断しているものでありますので、事務当局の立場として、その判断姿勢について評価をお答えすることは困難でございます。

 その上で、一般論として申し上げれば、裁判官の間では、罪証を隠滅する相当な理由の有無等の保釈の要件につきまして、抽象的にではなく、個々の事件の実情に応じて具体的に丁寧に判断するという判断の基本を改めて徹底すべきであるとの議論がされているものと承知しております。

西村(智)委員 同じ日の、昨年三月二十六日の法務委員会の参考人質疑の中で、元裁判官でいらっしゃった藤井敏明参考人がお越しくださいました。

 この藤井参考人は自ら論文をしたためられていて、そのタイトルが「「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」について」というものでありました。大変議論を呼んだ論文であるというふうに承知をしておりますけれども、この中で、罪証を隠滅する相当の理由について、藤井参考人は、これが広く実務上解されているというふうに指摘をしておられます。すなわち、保釈が認められない場合の罪証を隠滅する相当の理由又はおそれというのが広く解されていて、保釈すべき原則と保釈が認められない例外が逆転した運用とも見受けられる状況があるというふうに言っておられました。

 その件に関して、保釈には条件をつけることができること、罪証隠滅の場合は偽証教唆の新たな罪に問われ得ること、そもそも供述調書と矛盾した証言には証拠能力が低いものとされること等によって、事実上、罪証隠滅の行われる可能性は相当に低い、つまり、何重にも何重にも、罪証隠滅、段階ごとにあるわけですけれども、罪証隠滅のおそれというのはそれぞれの段階で低いし、それを最後に掛け合わせたときに、その可能性というのは相当低くなるので、原則どおりに保釈を認めても問題ない、そういう主張の論文だったというふうに紹介をしてくださいました。

 これについて、最高裁の見解を述べていただきたいと思います。

平城最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 委員御指摘のような個別の論文の内容の当否につきましては、事務当局として見解を述べることは差し控えさせていただきます。

 もっとも、例えば、今委員が御指摘されたような、保釈条件に違反した場合には保釈が取り消され得ることなど、若しくは関係者に偽証を働きかければ偽証教唆罪に問われ得ること、このような事情を踏まえまして、罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるかどうか、またその程度はどうかということを検討すべきである、このようなことにつきましてはその他の論文や裁判官による研究会でも指摘されているところでありまして、広く共有された見解であると承知しております。

西村(智)委員 裁判所の方でいろいろ説明をしたりしていらっしゃるというような答弁だったんですけれども、でも、大川原化工機事件で見るように、実際にはそうはなっていないですよ。この事件で勾留をされたのはお三方で、先ほど申し上げましたように、島田さんは三百三十二日、相嶋元相談役は、本当に、その保釈請求が認められないまま亡くなってしまっているということなんです。

 こんな人権侵害、私はあっちゃいけないというふうに思うんですけれども、それでも最高裁は原則と例外は変わりませんというふうに答弁をされるんでしょうか。ちょっとは何か心の痛みを感じませんか、どうですか。

平城最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 保釈の判断は個々の事件における各裁判体の判断事項であり、事務当局として、その判断の積み重ねである運用の当否、これを前提にしたお答えをすることは差し控えさせていただきます。

 もっとも、保釈の判断に関する適切な運用を確保していくためには、各裁判官又は裁判官同士が不断にあるべき姿を追求して議論を重ねていくことが重要であると認識しております。

 最高裁といたしましては、そうした議論の場を確保するなどして、適切な運用がなされるよう、引き続き支援をしてまいりたいと考えているところでございます。

西村(智)委員 やはりそのような、保釈すべき原則と保釈が認められない例外が逆転している。実際に、こうやって現に本当に大変な事件があったわけですから、それはちゃんと受け止めてほしいと思うんですね。

 その上でなんですけれども、そういうふうに、逆転しているというふうに見受けられるような運用が現にあることに対して、やはりこの運用は改めていかなきゃいけない。さっき最高裁の方からは、適切な運用を確保するために個々の裁判官が話合いをしたり、自らの研さんをしたり、そのためには最高裁の方からいろいろ、情報提供ですか、やったりということだと思うんですけれども、でも、それで本当に実務における意識が改められるのか。

 私は、もう少し何か最高裁として取組が必要なのではないかというふうに思うんですよ。例えば、例えばというか、さっき言われたような裁判官の研修をするというだけで本当に足りるのか、あるいは、藤井参考人が陳述の中でも指摘されておられましたけれども、研修で用いられている条解、これの記載を変えるということが必要なのか、あるいは、それをやることで十分なのか、それから、裁判所内部の通知などで足りるのか、もっと言えば、やはり刑事訴訟法の改正が必要なのではないか。こういったいろいろなことが考えられるんですけれども、最高裁としては、今何が求められている、必要だというふうにお考えなんでしょうか。

平城最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 今委員が御指摘いただいたこと、様々あろうかと思いますけれども、最高裁としてできることには一定の限界があるということは御理解いただきたいと思います。

 その上で、例えばでございますが、本年一月に司法研修所で研究会が開かれたところでございます。その研究会では、保釈請求事件を含む刑事事件の経験が豊富な弁護士の方や検察官の方に講師としてお越しいただいて、それぞれの立場から見た保釈の実情や御意見を伺いながら、罪証隠滅のおそれの有無、程度、また、被告人の健康状態等をどのように正確に把握し、これを保釈の要否についての判断に生かしていくのか、こういったテーマについて焦点を当てつつ、保釈の判断の在り方について議論がされたものと承知しております。

 最高裁としては、このような議論の場というのを十分に確保していくよう今後も引き続き努めていきたいと考えているところでございます。

西村(智)委員 四月の六日に、大川原化工機事件で保釈が認められずに被告のまま亡くなった元顧問の相嶋静夫さん、この方の御家族が、保釈請求を退け続けた裁判官三十七人の判断は違法だということで、東京地裁に提訴されました。極めて異例の訴訟だというふうに思いますが、御遺族は、私たちが声を上げなかったら同じことが繰り返されるというふうに述べておられるんです。

 やはり改めるべき点は改める必要があるというふうに思うんですけれども、どうですか。こういった提訴がされても、やはり改めるべきところは改めるというふうなことに最高裁としては発想を少し変えていくというようなことにはならないんでしょうか。もう一度伺います。

平城最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 保釈の判断は、やはり個別事件に応じて、その当事者の御主張を踏まえ、また疎明資料を点検して各裁判官が判断すべきことであるというふうに考えております。

 それを離れまして、今委員御指摘の、改めるべきことがあれば改めるべきなのではないか、このような問題意識につきましては、そこは同様に感じているところでございます。

西村(智)委員 それでは、そういった御答弁をいただいた上でちょっと具体的に伺いたいと思うんですけれども、起訴後の勾留については、当初の二か月間の期間を延長するに当たって、刑事訴訟法第六十条二項で、特に継続の必要がある場合においてはという要件が付されております。

 先ほど申し上げたように、もう既に起訴されて、しかも二か月を経ていれば、物証なども大体収集されて、罪証隠滅のおそれといったものも時間の経過とともに低減していくわけですよ。そんな中、特に継続の必要がある場合というのは、原則に対する勾留の例外的な必要性、これについての精査が求められるというふうに私は思います。

 これを検察庁、裁判所はどういう基準で判断をしているのか、それぞれ伺いたいと思います。

佐藤政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のとおり、起訴後の勾留の期間について、刑事訴訟法六十条二項は、勾留の期間は、公訴の提起があった日から二か月とする、特に継続の必要がある場合には、具体的にその理由を付した決定で、一か月ごとにこれを更新することができると規定しているところでございます。

 この勾留の更新決定あるいは命令は、裁判所あるいは裁判官が専ら職権でするものでございまして、お尋ねの特に継続の必要がある場合の判断は、裁判所あるいは裁判官においてされているものというふうに承知しているところでございます。

平城最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 委員御指摘の点は法律の解釈にわたることでございまして、かつ、勾留更新の判断は個々の事件における各裁判体の判断事項ですので、事務当局として、その在り方等についてお答えすることは差し控えさせていただきます。

 もっとも、刑訴法六十条二項に言う特に継続の必要がある場合とは、文献上、勾留の理由及び必要性がなお継続していることをいうとされておりまして、各裁判体はこのような解釈も参考にしながら判断しているものと理解しております。

西村(智)委員 今の答弁は、私が質問した基準、どのような基準ということではなくて、基準はつまりありませんと。裁判所の裁量、それこそ裁量、それぞれの判断で行われているということなんですけれども、それもまたちょっと余りにもばくっとし過ぎやしませんか。事は、人を勾留するんですよ。勾留するかどうかというその判断のときに、何かそのばくっとした基準しかないというのは、私はちょっと納得できないですよ。

 やはり、罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるというその場合も含めてなんですけれども、これが広く解釈されているというのは、ほかの国や国際人権法と比べても、日本の保釈に関する法制といったらいいのか、それがかなり独特の法制であって、それがかなり独特の解釈をされているというふうに私には見えるんですよね。それがやはり人質司法と呼ばれる理由の一つではないかということを考えましたときに、やはりこれはきちんと検討していただいて、見直しをする、法制的な見直しをするということは必要になってくるというふうに思っております。

 ここで、具体的に、いわゆる保釈率というのは一体本当にどのくらいなのかというのを披瀝してもらいたいと思っております。そもそも、どのくらいの人がどのくらいの期間で保釈をされているのか。過去には六か月以内に保釈をされた方の比率が答弁で紹介されたこともあったと思うんですけれども、その当時の、令和三年の保釈率、そして直近の保釈率、また、自白事件とそれから否認事件とで差異があるというふうに思いますけれども、それぞれについてお願いをします。

平城最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 地方裁判所の通常第一審における終局人員につきまして、勾留された被告人のうち保釈された人員の割合、すなわちこれがいわゆる保釈率ということでございますが、六か月以内までに保釈された人員の割合で申し上げますと、令和三年は、自白の場合は三二・三%、否認の場合は一九・六%でございました。令和六年の数値になりますが、令和六年は、自白の場合は三三・四%、否認の場合は二〇・六%でございました。

西村(智)委員 自白事件と否認事件で一〇ポイント以上の開きがあるということは、令和三年と令和六年で共通している傾向だということですね。

 このように、否認事件が自白事件よりも保釈率が格段に低いという、こういった状況は、やはりここから読み取ることはあるんじゃないか。つまり、自白をしないと長期間拘束されるという、そういった恐怖を与えることで、自白、場合によっては虚偽の自白、これも今までもあったわけです、そういったことを引き出すための手段として、意図的、恣意的に身体拘束が用いられているのではないかというふうに私は考えざるを得ません。

 島田参考人はこういうふうにもおっしゃっておられました。勾留中に、体力、精神力を削られ、早く出るためには罪を認めてしまうのが得策だと悩む日もありました、だから、虚偽の自白をするかもしれないというぎりぎりの体力状態、精神状態におられたということなんです。

 やはり、こういった人質司法という在り方は、これは改めていってもらいたいというふうに思うんですけれども、これはやはり制度上の問題でもあると思うんですが、法務省の見解を伺いたいと思います。

平口国務大臣 お尋ねの人質司法については、法令上の用語ではございませんが、一般論として申し上げれば、被疑者、被告人の身柄拘束については、個別の事案に応じて、裁判所又は裁判官によって刑事訴訟法の定める要件の有無が判断されるものと承知をしております。

 その上で、被疑者、被告人が否認し又は黙秘していることのみを理由として、あるいは必要性もないのに長期間身柄が拘束されるということはないものと承知しております。

 いずれにしても、理由のない長期間の身柄拘束や自白の強要があってはならないことは言うまでもなく、検察当局においては、「検察の理念」を踏まえて、基本に忠実で適正な捜査、公判活動の遂行に努めているものと承知しております。

 引き続き、こうした基本に忠実で適正な捜査、公判遂行に努めていくことが肝要であると考えております。

西村(智)委員 大臣にこんな答弁させて本当にいいんですか。少なくとも、昨年三月二十六日の参考人質疑で島田さんが述べられたこと、これは、ここで陳述してもらったんですから、その中身を聞いていたら、今みたいな答弁、大臣には本当はさせちゃいけないものなんじゃないですか。

 それを、こんなふうに、不適切な勾留はありませんとかいうふうに大臣に言わせて、何か本当にこれで、あえて言いますよ、人質司法、確かに法令上の用語ではありません、ありませんけれども、やはり法務省の外から見ていてそういうふうに見えている状況があるということは、大臣、これはよく御自身の言葉で考えて答弁をしていただきたいと思うんですけれども、もう一回、何かあったら聞かせてください。

平口国務大臣 基本的に、私が先ほど申し上げたとおりでございます。

西村(智)委員 大変残念です。もう残念以外の言葉もありませんし、そうこうしているうちに、また第二、第三の大川原化工機事件、これは行政事件の関わりもありますので、本当に起きちゃいけないわけですけれども、第二、第三の冤罪事件、そして不当な身体拘束、勾留、こういったものがこれからも続くということがやはりすごく心配です。これはちょっと、また後で、よく法務省内で検討してもらいたいと思います。

 ちょっと時間がなくなってきましたので、最後に、昨日、定員法の関係で質問いたしました、司法サービスの地域格差に関連して伺いたいと思います。

 四月の冒頭だということなんですけれども、先日だということなんですけれども、新潟県内の簡易裁判所の開廷日を削減するという連絡が弁護士会の方にあったというふうにお聞きをしました。この方針、いつどこで決まったのか、教えてください。

清藤最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 お尋ねの件につきましては、まだ決定しているものではございませんけれども、新潟地方裁判所において、柏崎簡易裁判所の開廷日の日数を見直す方向で準備をしているものと承知しております。

 今、いつというお尋ねがあったと思いますけれども、正式にまだ決まっていないと承知しておりますけれども、このような方針をまとめていったのは、遅くとも今年の三月ぐらいまでにはまとめたのではないかと承知しております。

西村(智)委員 今、柏崎簡易裁判所の開廷日を削減するということで準備中ということですけれども、ほかの簡易裁判所について開廷日を削減するというようなお話はありませんね、じゃ。

清藤最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 今、柏崎簡易裁判所以外の新潟県内の簡易裁判所で開廷日の削減を行うところがあるかというお尋ねと思います。

 一般論としては、各庁で、開廷日の増減を含めて、事務処理体制というのは不断に見直しているところではございますけれども、この度確認したところ、新潟県内の簡易裁判所で、柏崎簡易裁判所以外に見直しを具体的に検討しているというところはございません。

西村(智)委員 それでは、柏崎簡易裁判所の開廷日が削減されるということについて伺いたいと思うんですけれども、なぜ開廷日の削減といったようなことになるのか、その理由を教えていただきたいと思います。

 また、あわせて、他の地方、地域での簡易裁判所などの、同様の削減が検討されている、あるいはこれから実施されようとしているというところがあるのかどうか、教えてください。

清藤最高裁判所長官代理者 開廷日の見直しといいますのは、先ほども少し申し上げましたが、各庁の事件数の多寡など事件動向それから事件処理状況などを踏まえまして、例えば新潟であれば新潟県内の適正かつ効率的な事務処理体制を確保するという見地から検討して、各庁の裁判官会議で決定するというものと承知しておりまして、この度の柏崎簡易裁判所についても、近時の事件動向などから見まして、開廷日数を減らしても事件処理には支障がないものと判断して、先ほど述べた方針を取るというものと承知しております。

 それからまた、その他の簡易裁判所についてもお尋ねがあったと思います。

 全国の各庁でどのような事務処理体制を取るかということについては、適正かつ効率的なものを取るという観点から不断に見直しをしているというものでございまして、例えば全国の簡易裁判所で近く開廷日を見直すなどのところがあるかどうかということについてお答えすることは困難ではございますので、そこは御理解いただければと思います。

西村(智)委員 開廷日を削減しても処理はできるというような判断を裁判官会議でされたということから削減につながっているということだというふうに理解をいたしますけれども、ただ、サービスを受ける地域住民の側からしますと、開廷日がどのくらいなのか、週に例えば二日とか週に三日とかいったようなことになると、やはりそれぞれの生活の中での都合といったものも出てくるでしょうし、いろいろなものも調整しなくちゃいけなくなるということも考えられるわけなんです。

 そういった地域の方々との話合いですとか、そういったものを踏まえた上で、開廷日の削減については、今までも話し合ってそういうふうに調整をしてきたし、これからもそういうふうにしていくというようなことは確認をさせていただきたいと思うんですけれども、どうでしょうか。

清藤最高裁判所長官代理者 お答えいたします。

 各庁での事務処理体制の確保ということにつきましては、裁判事務処理に支障がないようにという観点から常に見直しを図っているというところでございますが、この度の柏崎簡裁の開廷日の件につきましても、検察庁及び弁護士会に対して三月、四月には御説明をしたというふうに承知しておりまして、今後につきましても、これは一般論でございますが、新潟に限らず、事務処理体制の柔軟な見直しはしていくことがあると思いますけれども、その際には、各地域の声とかニーズ、そういったようなものも適切に伺いながら検討してまいりたいというふうに思います。

西村(智)委員 昨日質問いたしました出張所の件もそうなんですけれども、やはり何かだんだんだんだん地方における司法サービスの基盤が私は削られていっているように見えてならないんですよね。そうじゃなくて、ちゃんと確保する、事務処理能力がこのぐらいだから、そこに合わせて日数を減らしますということじゃなくて、やはり、人的体制、これをしっかりと取ってもらって、サービスを維持する、基盤を維持するということを最高裁としては是非強く気持ちに持って取り組んでいただきたいということをお願いをして、質問を終わります。

井上委員長 次に、有田芳生君。

有田委員 有田芳生です。

 前回、四月十日のこの委員会で、解散決定が決まった、決定が決まったというのはおかしいな、解散決定された統一教会についてお聞きをしましたけれども、大事な問題を残したまま、例えば国税庁、あるいは外務省にもお聞きをしなければならない課題が積み残しになっておりますので、その件についてまずお聞きをして、さらには、今年はヘイトスピーチ解消法から十年になりますので、その今後の課題についてもお聞きをしたいというふうに思います。

 統一教会というのは、一九五四年に韓国・ソウルで設立をされて、信者が日本に密入国をしてきて、一九五八年から西川勝さんという日本名で活動して、一九六四年に東京都の認証を経て宗教法人として活動してまいりました。

 統一教会というのは、この四年間、多くの報道がなされましたけれども、単なる霊感商法や高額献金、あるいは二世の問題だけではなくて、実は、日本で活動を始めた頃、多くの真面目な信者の皆さんは、リヤカーを引いて、そして自分たちの資金を集めているというような、そういう清貧な宗教団体だったんだけれども、一九七五年の七月に文鮮明教祖が日本の教団に対して送金命令、つまりお金を送れという命令を出してから、特に霊感商法というものが広がっていって社会問題になりました。

 それだけではなくて、一九七〇年代、八〇年代には、信者の中核的な人たちがいわゆるスパイ防止法を作るために様々な研究を行って、一九八五年には、中曽根内閣のときに、議員立法として、いわゆるスパイ防止法が国会でも議論がなされました。

 それだけではなくて、実は、これは信者幹部が証言しているんだけれども、冷戦構造の時代にはクーデター計画を自衛隊と一緒に謀っていたということも明らかになりましたし、あるいは、私はこの委員会でも質問しましたけれども、一九八七年五月三日、憲法記念日に、朝日新聞阪神支局が何者かによって襲撃をされて記者一人が亡くなる、いわゆる赤報隊事件についても、捜査当局は、統一教会の可能性もあると、その一つの対象として捜査を進めていたことについては、私はこの委員会でも捜査資料に基づいて質問をいたしました。

 まず公安調査庁にお聞きをしたいんですけれども、前回もお聞きをしたことですけれども、ある時期に、公安調査庁は、統一教会について、特異集団、特異な集団だということを規定されていましたけれども、それで間違いありませんね。そしてまた、特異集団という意味、その具体的な中身についてお答えをお願いいたします。

霜田政府参考人 お答え申し上げます。

 私どもで発行しております「内外情勢の回顧と展望」におきまして、平成十七年及び平成十八年に旧統一教会についての記述がございます。

 これを特異集団と申しますのは、一般社会通念と相入れない思想等に基づいて活動する集団というふうに我々では認識しております。

有田委員 今、思想と言われましたけれども、具体的な行為において、どういう行為が特異集団というふうに認定されたんでしょうか。

霜田政府参考人 個別具体的な団体についての活動内容については、申し訳ございませんが、答弁を控えさせていただければと思います。

有田委員 いや、それはおかしいのは、だって、今おっしゃったように、公安調査庁が公に発行されている回顧と展望の中に特異集団という項目があって、その下にいろいろな特徴ある内容が具体的に書かれているじゃないですか。そこで何が統一教会を特異集団だと指定されたのか、それを聞いているんです。

霜田政府参考人 お答え申し上げます。

 平成十七年及び平成十八年の回顧と展望に記載した内容についてでございますけれども、まず平成十七年におきましては、我が国におきまして、在日韓国・朝鮮人の糾合を目的とする新組織を設立し、これら在日関係者を取り込むことで勢力拡大を図る動きを見せた、この点につきまして、私どもは特異集団ということで記載しております。

 また、平成十八年におきましては、同じく、我が国で在日韓国・朝鮮人を糾合する新組織への結成を目指し、在日関係者を韓国の大会に参加させるなどして、在日組織との間であつれきを生じさせるといった動きが見られましたので、記載した次第でございます。

有田委員 実際そのとおりで、今もそうなんですけれども、統一教会は民団あるいは朝鮮総連の中にも浸透しているという事実はあるので、そういうことを捉えて特異集団というふうに規定されたのかなというふうに思います。

 実は、東京・新宿の五丁目に成約ビルというビルがあります。一階から五階が全て統一教会関連組織が今も入居しておりますけれども、成約というのは統一教会の特別な用語で、御存じの方もいらっしゃるでしょうけれども、旧約、新約、そして今が成約の時代だということで、この成約ビルの中には、世界平和教授アカデミーであるとか、あるいは国際ハイウェイ財団であるとか、様々な団体が入居しているんです、今も。

 その四階に、実は、一般財団法人孝情教育文化財団というものもあります。このヒョジョンというのは、親孝行の孝に情けという漢字を当てるんですけれども、孝情というのは、二〇一六年ぐらいから統一教会の韓鶴子総裁が言い出した言葉で、まことの御父母様、つまり、文鮮明御夫妻のことに対する愛情という意味があるんですけれども。

 この一般財団法人孝情教育文化財団が、実は、統一教会が、前回も指摘をしましたけれども、三月四日に東京高裁によって解散が決定されたんだけれども、その解散決定の三日後にこの財団法人で登記申請が新たに行われて、三月十三日に登記されたんですけれども、どう登記が変わったかというと、一般財団法人ですよ、孝情教育文化財団、そこに、目的の中に、前回まで目的には、当法人は、世界平和統一家庭連合が主唱する理念に基づき、つまり、統一教会の理念に基づきこの財団法人というのは活動するということがそもそもの規定だったんだけれども、三月七日に登記申請された中では、目的が加わったんです、新たに。七番目に宗教界の和合統一と活性化のための支援事業、八番目に儀式と教育を伴う宗教活動、一般財団法人にそういう目的が加わったんですよ。

 そして、国税庁にまずお聞きをしたいんですけれども、一般財団法人の中に宗教活動というものが規定された場合、これは税法上の優遇を受けるんでしょうか。お答えください。

高橋政府参考人 一般財団法人の法人税法上の課税関係につきましては、一般論といたしまして、非営利型法人に該当しない法人は、普通法人といたしまして、全ての所得に法人税が課されます。

 一方、非営利型法人に該当する法人は、公益法人等といたしまして、宗教法人と同様、三十四種類の収益事業に係る所得に法人税が課されます。ただし、この非営利型法人の場合には、宗教法人と比べまして基本税率が高く、宗教法人と異なりまして、みなし寄附金の適用がないという違いがございます。

 また、この非営利型法人が行う活動が収益事業に当たるかどうかにつきましては、その活動が、法令上、特掲されました三十四種類の収益事業の内容に該当するかどうか、その収入が通常の利潤を得るための対価であり収益事業に該当するか、あるいは喜捨金、寄附金といった性質の収入かなどにつきまして、個々の活動実態を踏まえて適切に判断をすることとなります。

有田委員 ちょっと端的に教えていただきたいんですけれども、宗教目的を持って一般財団法人が活動した場合に、税法上の優遇があるのかないのか、それを端的に教えていただけませんか。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げたことと重複することで恐縮でございますが、非営利型法人の個々の活動、これに着目をいたしまして、これがその課税の対象となります収益事業に当たるかどうかにつきましては、その個々の活動が、法令上、特掲をされております三十四種類の収益事業がございますので、その内容に当たるかどうか、そして、その収入が通常の利潤を得るための対価であって収益事業に該当するか、あるいは喜捨金、寄附金といった性質の収入かなどについて、個々の活動を踏まえて適切に判断をすることとなるところでございます。

有田委員 つまり、どういう活動をするか、その結果によって判断されるという理解でよろしいわけですね。

 法務省にお伺いしたいんですけれども、この一般財団法人というのは、今、日本にどのぐらいあるんでしょうか。その中に、目的として宗教活動を唱えるようなところはあるんでしょうか。お答えください。

松井政府参考人 お答え申し上げます。

 一般財団法人について、令和七年十二月末時点で約七千法人が登記されているものと承知をしております。そのうち、宗教活動を目的としている一般財団法人の数については、統計上把握しておらず、お答えすることが困難でございます。

有田委員 実際どのぐらいあるか分からないんですけれども、孝情教育文化財団は、目的を、登記を変えて宗教活動をやると。ですから、こういう動きをすることに対して、これだけ社会問題になった団体ですから、公安調査庁の方などでも適切にウォッチしていただきたいなというふうに思います。

 それで、法務省に引き続きお聞きをしたいんですけれども、財団法人の解散というのはどういう法律上の規定になっていますでしょうか。

松井政府参考人 お答え申し上げます。

 一般財団法人に対する解散命令というふうな規定がございますけれども、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律では、一般財団法人の設立が不法な目的に基づいてされたなどの場合において、公益を確保するため一般財団法人の存立を許すことができないと認めるときは、裁判所は、利害関係人等の申立てにより、一般財団法人の解散を命ずることができるとされております。

有田委員 つまり、不法な目的で何らかの行為を行って社会問題になるようなことがあれば解散ということも、二百六十一条ですか、あり得るという理解なんですけれども、そういう意味でも、かつては特異集団という規定をした公安調査庁の皆さんには、やはりこの組織についても適切に見ていっていただきたいというふうに思います。

 文化庁にお聞きをしますけれども、家庭連合は清算過程に入ったわけですけれども、そのプロセスはどうなっていますでしょうか、清算のプロセスです。

梶山政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねの旧統一教会の清算については、現在、裁判所の監督の下、その手続を清算人が行っているものと承知しており、個別の法人の清算手続についてお答えすることは差し控えます。

 なお、宗教法人の清算手続について一般論として申し上げれば、宗教法人の清算は、損害賠償への対応など債務の弁済を全て終えた上で、更に財産が残る場合には、残余財産として法人規則で定める相手などに帰属させるという手続を取りります。

有田委員 高裁決定の中では、家庭連合、資産が千四十億円という金額で、それは間違いありませんね、現在ですけれども。

梶山政府参考人 お答え申し上げます。

 おおむねそのとおりでございます。

有田委員 注目すべきなのは、統一教会というのは、昔から、霊感商法とか高額献金をやるときに、信者の皆さんの間でHGという言い方をしていたんですよね。HGというのは何かと思ったら、早く現金ということなんだけれども、要するに、そういう言葉を使う団体なんですけれども、この二年ほどでやはり現金が少なくなっているんですよね。だから、そのお金がどこに行っているのかということも注目しなければいけないんですけれども。

 とにかく、これから清算プロセスが始まって、ちゃんとそれが適切になされるかどうかということを清算人が裁判所とも協力をし合いながら前に進めていくわけですけれども、前回お聞きをしましたけれども、二〇〇九年に新世事件という、印鑑販売のいわゆる霊感商法などで警視庁公安部が摘発に入った事件をきっかけに、その直後に、北海道帯広にある天地正教に残余財産は移すんだということをもう即座に決めた。

 ちょっと文化庁に見通しを、もし可能ならばお聞きをしたいんですけれども、千四十億円の資金が残っていた、そしてこれから清算が始まっていく。当然、もう宗教法人ではなくなったわけだから、全国に三百ぐらいの教団施設がありますけれども、固定資産税もかかってくる。そうすると、オウム真理教でも十五年、二十年、清算までにかかっているんだけれども、恐らくこの統一教会、家庭連合の清算についても十年単位で時間がかかるというふうに思うと、天地正教に残余財産を移すだけのゆとりは恐らくなくなるんじゃないかと思っているんですけれども、文化庁の見通しを、もし示すことができるならば教えていただけますか。

梶山政府参考人 繰り返しになって恐縮でございますが、旧統一教会の清算につきましては、現在、裁判所の監督の下でその手続を清算人が行っているものと承知しております。個別の法人の清算についてお答えすることは差し控えたいと思っております。

 ただ、一般論でございますけれども、先ほど申し上げましたように、宗教法人の清算は、損害賠償の対応などの債務の弁済等を全て終えた上で、更にその財産が残る場合には、残余財産として法人規則で相手に帰属させるという手続を取ります。したがって、一般論ですが、仮に損害賠償などの全て支払いを終えた後に財産が残っていなければ、残余財産の帰属手続は発生しないものとなります。

有田委員 家庭連合が解散になったとしても、これは皆さん御承知のことですけれども、統一教会というのは様々な組織を持っていて、国際勝共連合であったりUPFであったり、様々な、周りに企業も含めて持っていますから、単に家庭連合だけの問題として捉えてはいけないという意味において、外務省にお聞きをしたいんですけれども、日本ではこの四年間、大きく統一教会が報道されましたけれども、実は、経済の問題だけではない様々な問題を海外では起こしてきた。

 日本では一九五八年から活動を始めましたけれども、アメリカでは一九五九年から様々な行動をし始めて、特に外務省にお聞きをしたいのは、一九七〇年代に、韓国のKCIAも含めて、コリアゲート事件というものが起きました。端的に、このコリアゲート事件というものはアメリカで何が起きたんでしょうか、政界工作ですけれども。外務省、お答えください。

山本政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のいわゆるコリアゲート事件についてでございますけれども、一般的に、韓国による米国への工作が疑われた事案として知られているものというふうに承知しております。

有田委員 そこに統一教会はどう関わっていたんですか。

山本政府参考人 お答えいたします。

 一九七〇年代に、連邦議会下院において、米韓関係の調査を目的として小委員会が設置されました。同委員会は、委員長のドナルド・フレーザー下院議長の名にちなんでフレーザー委員会というふうに呼ばれております。

 このフレーザー報告書自身は米国の立法府により作成されたものであり、日本政府として包括的に説明するという立場にございませんが、その上で申し上げれば、この報告書において、統一教会について、例えば次のような記述がございます。

 一つ目は、その機能と基本的な組織構造においては、現在では多国籍企業に似ており、製造、国際貿易、防衛契約、金融、その他の事業活動に従事している、しかし、宗教、教育、文化、イデオロギー、政治的な事業も包含している点で、それ以上のものとなっている。

 また、二点目として、下級メンバーの訓練と活用においては準軍事組織に似ているが、その他の点では厳格に規律された国際政党としての特徴も備えているといった記述があると承知しております。

有田委員 つまり、フレーザー委員会の報告書では、統一教会について、単なる経済組織ではなく、政治にも関わり、宗教にも当然関わり、多国籍企業的な意味合いも持ち、準軍事組織的な中身も持っている、一言で言って、ムーン・オーガニゼーション、文鮮明機関だ、そういう評価をしているんです。

 何が問題かというと、アメリカで例えば信者たちが、アメリカの上院の議員、下院の議員なんかをリクルートをしようとした、ホテルで接待をした、そして、いつでも韓国に来てください、全部保証しますよというようなことを言っていた。だけれども、何で韓国の、KCIAも含めてですけれども、宗教団体がアメリカでそういう活動をやっているのかということでアメリカでは大問題になって、今説明いただいたように、下院ではフレーザー委員会というのができて、一年半にわたって調査をやって、文鮮明教祖のナンバーツーである朴普熙という人たちも議会に呼ばれて、物すごく分析をやって、七百ページを超える報告書が出されたわけですよね。

 だから、統一教会としては、まずアメリカでいろいろな政界工作をしようとしたけれども、失敗したんですよ。だけれども、日本ではうまくいったんですよ。そして、日本でやった手法で韓国でやろうとしたら、御承知のように、今、韓国では刑事事件になってしまって、韓鶴子総裁なども逮捕される、刑事事件になっている、まだ続いているという。

 一言で言うと、アメリカでは失敗、韓国でも大失敗、日本では成功してきた。だから、本来ならば、日本でフレーザー委員会みたいなものをつくらなければいけなかったということなんだけれども、残念ながらそういう状況になっていないということをやはり多くの議員の方々も含めて知っていただきたいというふうに思っております。

 まだまだ今後、いろいろな展開があると思いますので、統一教会については多くの皆さんも関心を持って見ていただきたいというふうに思います。

 統一教会の問題については、ここで終わりたいと思います。

 引き続いて、ヘイトスピーチ解消法から十年についてお聞きをしたいと思います。

 今から十年前に参議院の法務委員会で全会一致で可決をして、そして衆議院でも可決、成立をした、いわゆるヘイトスピーチ解消法なんですけれども、まず人権擁護局にお聞きをしたいのは、この解消法の特徴、そして成立の教訓ということについてお聞きをいたします。お願いします。

杉浦政府参考人 お答えいたします。

 平成二十八年に議員立法により成立した、いわゆるヘイトスピーチ解消法は、本邦外出身者に対する不当な差別的言動は許されない旨を宣言し、その解消の必要性について国民の理解を深め、差別的言動のない社会を実現することを理念として定めるとともに、相談体制の整備や、国民の理解を深めるために必要な教育及び啓発を行うことを規定するなどにより、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組を推進するための重要な法律であると考えております。

 同法は、憲法で保障された表現の自由に配慮し、一般的な表現行為に対する萎縮効果を避けるため、いわゆる理念法という形で、禁止規定や罰則をあえて設けないこととして制定された経緯があるものと認識しております。

 このように、同法はいわゆる理念法ではあるものの、同法が本邦外出身者に対する不当な差別的言動は許されないことを宣言し、同法の規定に基づき、国及び地方公共団体が人権教育及び人権啓発を推進してきたことを通じて国民の間に同法の理念が一定程度周知されたことは、ヘイトスピーチの解消にとって大きな意義があるものと理解しております。

 一方で、SNSや電子掲示板等のインターネット上でのヘイトスピーチが後を絶たないことなどに鑑みますと、ヘイトスピーチの解消に向けた取組をしっかりと継続することが重要であると改めて認識しているところでございます。

有田委員 あのときは、自民党の皆さんも、公明党の皆さんも、あるいは全国の創価学会の皆さん、そして民団組織も挙げて、やはりヘイトスピーチ解消法が必要だということで、全会一致で成立に向かったわけです。

 引き続きお聞きをしたいんですけれども、あの当時は、単なる理念法だから余り効果がないんだと言われていたんだけれども、決してそうではない。まずお聞きをしたいのは、解消法ができて、今でも全国に貼られていますけれども、「ヘイトスピーチ、許さない。」と黄色いポスターが貼り巡らされておりますけれども、この啓発のための取組というのはどういうことがあったんでしょうか。

杉浦政府参考人 お答えいたします。

 いわゆるヘイトスピーチをなくすためには、ヘイトスピーチは許されるものではないという意識が広く深く社会の間に浸透することが重要でありまして、法務省の人権擁護機関においては、ヘイトスピーチの解消に焦点を当てた様々な人権啓発活動に取り組んでいるところでございます。

 それらのうち、「ヘイトスピーチ、許さない。」をキャッチコピーとしたポスターにつきましては、これまでに累計で約十八万五千部作成し、全国の法務局を通じて地方公共団体等に配布するなどして、幅広く掲示するなどの取組を行っております。

 また、インターネット上のヘイトスピーチに関しましても、インターネット上のヘイトスピーチ解消に焦点を当てた啓発動画を作成するなどして啓発活動を行っているところでございます。

有田委員 更にお聞きをしたいんですけれども、選挙におけるヘイトスピーチもこの十年間問題になりましたけれども、それに対してはどういう対応を取られたんでしょうか。

杉浦政府参考人 お答えいたします。

 選挙運動に名をかりたヘイトスピーチに関しましては、選挙運動の自由の保障は民主主義の根幹を成すものであるものの、不当な差別的言動は、それが選挙運動として行われたからといって、直ちにその言動の違法性が否定されるものではないと認識しておりまして、法務省の人権擁護機関におきましては、選挙運動に名をかりた不当な差別的言動により人権を侵害されたとする被害申告等があった場合には、その言動が選挙運動として行われていることのみをもって安易に人権侵犯性を否定することなく、その内容、態様等を十分吟味して、人権侵犯性の有無を総合的かつ適切に判断した上で対応することとしておりまして、また、この考え方を全国の地方公共団体にも周知しているところでございます。

有田委員 選管によっては、候補者を集めて、ヘイトスピーチについての内容を指摘されるようなところも出てきたということはあるんですけれども、そういうのはやはりもっと強化しなければいけないというふうに思っております。

 警察庁に伺いたいんですけれども、ヘイトスピーチ解消法が十年前にできてから、あの当時というのは、二〇一三年、一四年というのは、もう毎週のように、東京の新宿、大阪の鶴橋、あるいは京都などなどで、岡山もそうでしたかね、岡山、広島でもそうでしたけれども、ヘイトスピーチを目的としたデモがすごかった時代があった。だけれども、解消法ができてからそのデモの数というのはどう変化したんでしょうか。教えてください。

鈴木政府参考人 お答えを申し上げます。

 デモにつきましては、ヘイトスピーチに該当するような言動があったか否かにかかわらず、右派系市民グループによるデモとして警察が把握している件数は、いわゆるヘイトスピーチ解消法が施行された平成二十八年は約四十件、平成二十九年は約五十件、平成三十年は約三十件となり、令和元年以降は約十件から二十件で推移しているところでございます。

 集会につきましては、デモとは異なりまして、警察において網羅的に把握しておりませんので、お答えすることは困難でございます。

有田委員 細かいことは言いませんけれども、警察庁の把握と民間団体の把握というのは大分違っていて、相当デモの数は減っていると認識しているんですけれども、まあ、そこはそのとおりでいいと思います。

 もう一つ大事なのは、実は、ヘイトスピーチ解消法ができて、様々な裁判の中で、理念法なんだけれども、ヘイトスピーチ解消法の第二条が根拠となっていろいろな判決が出ている、そういう把握はされていますよね。

杉浦政府参考人 お答えいたします。

 裁判例につきましても、日頃から注意深く情報を収集しているところでございます。

有田委員 単なる理念法だと言われていたヘイトスピーチ解消法なんだけれども、それにもかかわらず、各種裁判の中で、ヘイトスピーチ解消法を根拠として様々な判決が下されているという事実があるということを指摘をしておきたいというふうに思います。

 同時に、人権擁護局に引き続きお聞きをしたいんですけれども、解消法ができてから全国各地で条例ができましたよね。東京も大阪もそうですけれども、様々な条例ができた。

 その中で、特徴的で大事なのは、川崎で条例ができた、そのときは、川崎の条例の中には罰則が入っているわけですよね。だから、そこは物すごく大事だと思うんですけれども、人権擁護局の認識をお聞きいたします。

杉浦政府参考人 お答えいたします。

 いわゆるヘイトスピーチ解消法第四条では、地方公共団体は、当該地域の実情に応じた施策を講ずるよう努めるものとするとされているところ、現在、複数の地方公共団体において、当該地域の実情に応じて、ヘイトスピーチ解消に向けた条例が制定されているものと承知しております。

 その中で、御指摘の川崎市で制定された川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例では、不当な差別のない人権尊重のまちづくりの推進、本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進などについて定められているものと承知しておりまして、この条例の中では、本邦外出身者に対する不当な差別的言動を禁止する規定や、当該規定に違反した者に対する勧告、命令等の措置を講ずることができる旨の規定が置かれているものと承知しておりまして、さらに、命令に違反した場合には、一定の場合には罰則を科すことができる旨の規定が置かれているということは認識しております。

 ただ、法務省として、この条例につきましては、地方公共団体が自治権に基づいて制定しているものでございますので、その評価についてコメントすることは差し控えさせていただきます。

有田委員 ヘイトスピーチ解消法が成立するプロセスの中で、今思い出したんですけれども、公明党の議員の皆さんが当時の菅官房長官に申入れを行って、その結果、ヘイトスピーチについての調査が行われて、その調査結果が立法事実となって法案成立に向かったんだけれども、あれから十年たって、法務省はもう一度、ヘイトスピーチに関する実態調査を行うというふうに聞いております。予算も約七千万円ついたと聞いておりますけれども、どういう調査をこれからなさるんでしょうか。

杉浦政府参考人 お答えいたします。

 法務省では、ヘイトスピーチの解消に向けた取組を推進するため、ヘイトスピーチの実態調査を実施することを予定しておりまして、この実態把握をより適切に行う観点から、有識者検討会を開催し、調査内容、手法等の検討を重ねてきたところでございます。

 今般、有識者検討会におきまして、実態調査の内容、手法等に関する基本的な考え方が示されまして、調査内容としましては四点ございまして、相談機関等が把握する事例の調査、インターネット上のヘイトスピーチの実態に係る調査、国民に対する意識調査、ヘイトスピーチに関するメディアの報道状況の調査を行うことが適切であるとされたところでございます。

 法務省としましては、この基本的な考え方を踏まえつつ、更に検討を進めた上で、実態調査を実施してまいりたいと考えております。

有田委員 その有識者による検討会というのは全部で四回なされたそうですけれども、実は、この報告書ができていると聞いているんですけれども、それを公開される予定はありますでしょうか。

杉浦政府参考人 お答えいたします。

 有識者検討会では、実態調査の内容、手法等に関する基本的な考え方を示した報告書を本年三月に取りまとめたところでございます。

 この報告書の内容につきましては、事前に公表しますと、実態調査の実施及び結果に影響を及ぼすおそれがあることから、報告書の公表時期につきましては、実態調査の実施後に、実態調査の結果の公表時期に合わせるなど、適切に判断することとしたいと考えております。

有田委員 引き続きお聞きをしますけれども、実態調査というのは、いつぐらいから始めて、いつぐらいに終わるという見通しでいらっしゃるんでしょうか。

杉浦政府参考人 実態調査の内容も含めまして現在検討中でございますが、本年度中に完了させたいと思っております。

有田委員 幾つかの調査をなされる一番最初に事例調査というふうにあります。法務局や地方公共団体から事例を収集するんだけれども、やはりこの問題というのは被害当事者に話を聞く必要があると思うんですよ。

 法務省人権擁護局の方針としては必要に応じて被害者等への聞き取りを実施とありますけれども、必要に応じてということではなく、被害当事者の声をやはり集めるということが大事だと思うんですが、いかがでしょうか。

杉浦政府参考人 実態調査を実施するに当たりましては、被害を受けた方の声を伺うことも非常に重要であると認識しておりまして、引き続き検討してまいりたいと考えております。

有田委員 被害者の声を聞くのは基本だと思いますので、是非よろしくお願いします。

 もう時間がなくなりましたけれども、外務省に最後お聞きをしたいんですけれども、当時というのは、二回にわたって人種差別撤廃委員会の日本審査が行われました。このヘイトスピーチ解消法にも深く関係してくるんですけれども、二〇一八年以降、日本審査が行われていませんけれども、今どういう状況にあるんでしょうか。外務省、教えてください。

貝原政府参考人 お答え申し上げます。

 昨年十二月、人種差別撤廃委員会から、次回の我が国の政府報告に関する事前の質問表が送付されました。政府報告書は事前質問表の採択後一年以内に提出することが求められており、現在、提出に向けて関係省庁と連携しつつ、鋭意作業を進めているところでございます。

 次回対日審査に向け、引き続き関係省庁と連携しつつ、しっかりと対応してまいりたいと考えております。

有田委員 五十九項目にわたる質問内容については、また機会があれば質問したいと思います。

 終わります。

井上委員長 次に、原山大亮君。

原山委員 日本維新の会、原山大亮でございます。

 本日は、特殊詐欺、特に電話詐欺について質疑をさせていただきたいと思います。

 時々、こんなニュースを目にします。銀行員が機転を利かせ、高齢者の方の振り込み詐欺を未然に防いだ、そして表彰される。その銀行員の判断力と勇気は本当にすばらしいと思います。しかし、同時にこうも思います。なぜ個人のファインプレーに頼らなければならない状況が続いているのか。

 愛媛県の八十代の方が、警察官、検察官を名のる者にだまされ、十二億円を失いました。銀行員個人の判断力や勇気だけに頼って犯罪を防ごうとしているのであれば、制度設計の不備だと思います。スキルのある銀行員がいれば防げる、いなければ通ってしまう、それでは国民のことを守ることはできません。どんな窓口担当者であっても仕組みと制度が整っていれば詐欺の振り込みを防げる社会をつくる、それが立法府の仕事だと僕は思っています。

 令和七年、特殊詐欺とSNS型投資・ロマンス詐欺を合わせた被害額は約三千億円、過去最悪を大幅に更新いたしました。毎年対策が打たれているにもかかわらず、なぜ増え続けるのでしょうか。

 私は、口座開設時の本人確認、入口には強いが、異常な高額送金を止める出口の法的根拠が極めて弱いと考えています。つまり、入口を幾ら防いでも、出口が開いたままでは防げないと考えています。

 その上で、金融庁に伺います。

 十二億円事案において銀行員は声をかけたが止められなかった、これは銀行側の問題なのでしょうか、それとも制度の問題なのでしょうか。金融庁としての認識をお聞かせください。

大城政府参考人 お答え申し上げます。

 個別の事案につきまして金融庁としてコメントすることは差し控えさせていただきますけれども、一般論として申し上げますと、金融庁といたしましては、特殊詐欺等の深刻な被害情勢を踏まえ、金融機関に対し、警察との連携強化や取引の金額、頻度等に着目した検知、顧客への確認、また、必要に応じた出金停止、凍結、解約等の措置を求めているところでございます。

 他方におきまして、顧客の意向でありますとか個々の状況によっては、金融機関が顧客からの送金依頼を拒むことが困難な場合もあるものと承知をしてございます。

原山委員 続いて、法務省に伺います。

 銀行が詐欺被疑案件として送金を一時保留した場合、民法上の債務不履行に問われるリスクがあると思います。民法上の善管管理注意義務の観点から、十二億円のような異常な取引について銀行に高度な調査義務を認める解釈の余地があるのか、教えてください。

松井政府参考人 お答え申し上げます。

 一般に、振り込みの依頼は受取人の口座に入金することを委託する準委任の性質を有するなどと解されており、依頼を受けた銀行は、準委任契約の受任者として、準委任の本旨に従い、善良な管理者の注意をもって受取人の口座に入金するという事務を処理する義務を負うと考えられております。

 この事務を処理するに当たり、その善管注意義務等に基づき銀行が負う注意義務の内容、程度については個別の事案における具体的な事情によって異なり得るため、一概にお答えすることが困難でございます。

原山委員 今起きている詐欺の特徴は、警察官や検察官を名のることで成立している点にあり、国民がそれだけ警察や検察を信頼しているということでもあると思います。しかし、その信頼が犯罪に繰り返し悪用される状況が続けば、本物の警察や検察からの連絡であっても信用されない社会というのは、治安の観点からも健全とは言えません。

 そこで、法務省に伺います。

 一定条件下で送金保留について債務不履行に当たらないという解釈を明確に示すことは、信頼を守るための具体的措置として検討対象にすることはできないのでしょうか。

松井政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げたとおり、振り込みの依頼を受けた銀行が負う注意義務の内容、程度は個別の事案における具体的な事情によって異なり得ます。このため、振り込みの依頼を受けた銀行による送金の留保の可否について、一概に民法上の解釈をお示しすることが困難でございます。

 もっとも、お尋ねのような詐欺が繰り返されることによる被害を防止することが重要であるという認識を持っております。

 関係省庁においてそのような被害を防止する観点から送金の留保の可否についての検討がされる場合には、法務省としても、民事基本法を所管する立場から必要な協力をしてまいります。

原山委員 現行の振り込め詐欺救済法は、犯人の口座を凍結し、残っていた残高を被害者に分配する仕組みです。しかし、現実には、犯人グループは送金された直後に引き出してしまう。口座が凍結された時点でゼロという事態が頻発していると思います。

 そこで、金融庁に伺います。

 振り込め詐欺救済法に基づく被害回収額及び被害回収率について、直近の実績をお示しください。約三千億円を超える被害額が出て、一体幾ら戻ってきているのかをお聞かせください。

山下政府参考人 お答えいたします。

 データの制約等がございますので、被害回収額、被害回収率を厳密に計算することは困難であることを御理解いただきたいと存じます。

 その上で、仮に計算いたしますと、まず、被害の回収額に相当するものとして、犯罪利用の疑いにより振り込め詐欺救済法に基づく失権手続が行われた預貯金の額、いわゆる消滅預金等の債権額でございますが、最新の年次公表データが二〇二四年度のものでございまして、こちらが約七十七億円となっております。

 これに対応いたします被害額の方でございますけれども、こちらは、警察庁から公表されております、同じ二〇二四年度のベースの特殊詐欺の被害総額の数字は約九百六億円となっております。

 したがいまして、これらの数字を用いて仮に計算をいたしますと、被害回収率の数字というのは約九%というものになります。

原山委員 非常に低い数字だということが確認できました。

 そこで、イギリスが二〇二四年に導入したオーソライズド・プッシュ・ペイメント詐欺補償制度、いわゆるAPP詐欺補償制度でございます。

 イギリスの銀行は、詐欺の疑いがあると判断した場合、送金を最大七十二時間停止し、調査をすることができます。この間に警告を発し、警察、受取側の銀行と連携をして、安全を確認することが可能となりました。

 また、顧客がだまされて自分の意思で振り込んだ場合でも、銀行は原則として被害額を補償しなければなりません。補償上限は一件当たり八万五千ポンド、日本円で約千八百万円です。

 さらには、犯人口座を管理する受取側の銀行にも被害額の五〇%の補償責任を課しています。五〇%責任を負わせるとなると、受取側の銀行も、怪しい口座を開設させない、不審な入金をリアルタイムで検知することに注力するようになると思います。つまり、制度設計次第で銀行側の行動を変えることができると思っています。これはまさに、個人のファインプレーに頼らない制度設計の典型だと思います。

 そこで、金融庁に伺います。

 イギリスのこの新しい仕組み、APP詐欺補償制度について、金融庁はどのように評価をしているんでしょうか。

山下政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘の英国の制度でございますが、これは仮の呼称でございますが、金融サービス市場法に基づきまして、決済サービスの提供者に対して詐欺被害者へ原則全額補償するよう義務づけておりまして、当該補償のうち五〇%を受取側の銀行等に負担をさせるものと承知をしております。

 我が国におきましては、この英国のような銀行による補償の義務化に係る規定はないと認識をしておりますけれども、英国と我が国では法体系や金融監督制度の在り方にも異なる点が多うございますので、一概に単純比較し評価することは困難である点を御理解いただきたいと存じます。

 ただ、その上で、私ども金融庁といたしましては、本日御示唆をいただきましたこの英国の制度もしっかり参考にしながら、関連する諸制度とのバランスも考慮しつつ、どのような対応を取り得るか、継続的に検討に努めてまいりたいと存じます。

原山委員 ありがとうございます。

 日本では中小金融機関に負担を懸念する声があることは僕も承知していますし、イギリスも、当初案を修正して補償上限を設けることで中小金融機関への配慮を行ったりもしています。いきなり全てとはいかないとしても、今前向きな答弁をいただきましたので、しっかりと研究しながら、段階的にでも導入を検討していただけたらなという思いです。

 日本の現状は、入口の遮断と口座凍結に重点が置かれていて、だまされて自ら振り込んでしまった被害者を救う制度が決定的に不足していると思っています。法改正が必要であること、民法上の整理が必要であること、合意形成に時間がかかることは十分理解していますが、できない理由を探すんじゃなくて、どうすれば解決していくのかというのをやはりしっかり研究して、追求していってもらいたいと思います。

 制度が整って詐欺を防げる社会、そして、制度でしっかりと被害者を救済できる社会を目指していただけますよう、少し時間が余ったんですが、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

井上委員長 次に、小竹凱君。

小竹委員 国民民主党の小竹凱です。本日もよろしくお願いいたします。

 まず、能登半島地震被災地の窃盗被害から見える、今後の過疎地域におけるセキュリティー対策について質問したいと思います。

 二〇二四年の元日の能登半島地震の発災以降、奥能登四市町における窃盗の被害が増えているというふうに聞いております。昨年の北陸中日新聞、昨年末ですけれども、被災の奥能登四市町、空き家などを狙った窃盗が急増していると。中身を見ていきますと、特にこの奥能登四市町、二市二町が、窃盗の刑法犯認知件数が過去最多だった二〇二四年を更に上回って二〇二五年は過去最多というふうになっておりますが、そこによって、被災地での治安対策が急務になっていると書かれております。

 発災以降、地震発生の前年である二〇二三年と比べていただきまして、窃盗犯罪件数と摘発件数、そして摘発率をそれぞれお示しください。

服部政府参考人 お答えいたします。

 警察庁でまとめている犯罪統計で見ますと、令和六年能登半島地震発生以後、輪島市、珠洲市、穴水町、能登町の被災地域における刑法犯認知件数につきましては、令和六年は二百二十九件、令和七年は三百十五件であり、震災前年の令和五年と比べると、それぞれ九十八件、百八十四件増加となっております。そのうち、窃盗犯につきましては、令和六年は百七十八件、令和七年は二百四十二件であり、令和五年と比べますと、それぞれ九十四件、百五十八件増加となっております。

 刑法犯の検挙件数でございますが、令和六年は八十四件、令和七年は百六十二件であり、令和五年と比べると、それぞれ四件、八十二件増加となっております。そのうち、窃盗犯については、令和六年は五十五件、令和七年は百二十四件であり、令和五年と比べると、それぞれ四件、七十三件増加となっております。

 刑法犯の検挙率についてでございますが、令和六年は三六・七%、令和七年は五一・四%であり、令和五年と比べますと、それぞれ二四・四ポイント、九・七ポイント低下となっております。なお、窃盗犯につきましては、令和六年は三〇・九%、令和七年は五一・二%でありまして、令和五年と比べますと、それぞれ二九・八ポイント、九・五ポイント低下となっております。

小竹委員 ありがとうございました。

 これを見てみますと、発生件数に関しては二倍、三倍となっている中で、検挙率はむしろ半分以下に下がっているというふうに思います。前回も一回この質問をしたことがあるんですけれども、被災地における窃盗というのは震災のたびに問題視されておりまして、窃盗の被害に対しての取締り状況、発災直後から現状まで様々フェーズはあると思いますが、現在での取組をお示しください。

服部政府参考人 お答えいたします。

 令和六年能登半島地震に際しましては、発災直後から、石川県警察に加えまして、全国警察から派遣された応援部隊によりまして体制を構築し、被災地における犯罪被害の防止や被災された方々の不安の解消を図ってきたところでございます。

 具体的に申し上げますと、被災地の安全、安心を確保するための活動として、四十五都道府県から派遣された特別自動車警ら部隊等による被災地域や避難所周辺の警戒、警ら、四十三都府県警察から派遣された女性警察官を中心とした特別生活安全部隊等によります避難所訪問や相談対応、防犯チラシを活用した広報啓発など、被災者の方々に寄り添った活動を実施したほか、警察庁におきまして、石川県内に防犯カメラを設置し、被災地の犯罪抑止を図ったところでございます。

 現在におきましても、石川県警察では、被災地域を中心とした県費による街頭防犯カメラの整備、被災地における二十四時間体制での警戒、警ら活動、被災地を管轄する警察署への職務質問技能に秀でた警察官の配置による各種街頭活動の強化などの治安対策を推進しております。

 また、被災地域におきまして空き家に対する侵入窃盗等の被害が増加しております現状を踏まえまして、令和八年三月三十日、警察本部直轄の組織である奥能登治安対策センターを設置し、被災地域を中心とした警戒、警ら活動や、移動交番車による相談対応や、犯罪被害防止に関する広報啓発などを集中的に実施しているところでございます。

 引き続き、被災地における安全、安心を確保するための取組を的確に推進し、犯罪被害の防止や被災された方々の不安の解消を図ってまいりたいと考えております。

小竹委員 ありがとうございます。

 移動交番車なども存じ上げておりますし、様々取り組んでいただけるというふうに思っております。

 その中で、先ほど、空き家を狙った被害ということでありまして、そのとおりで、能登半島は、半島なので海のイメージがあるかもしれませんが、ほとんど実は山手であって平地が少ないんですけれども、徐々に、いわゆるぽつんと一軒家と言われるようなところに続く道が道路啓開されていく中で、そこの道路啓開がされてお宅まで行けるようになったと連絡が届いた頃には、その居住者が行ったときには大体空き巣に入られているというような話を私だけで既に三件聞いておりますので、二百四十二分の三かもしれませんけれども、そういうところは、やはり被災者の心を更にえぐるようなことになると思いますし、こういう被害を是非なくしていただきたい。

 もちろん同じ方向を向いていると思いますが、これまでの地震時におけるこういった空き家に対する空き巣の対策、こういったものはございますでしょうか。

服部政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、住民の方々が避難することで空き家が多くなる地域では、寸断された道路の通行が可能となりますと、外部からの人流が増加し、避難中の家屋への空き巣等の窃盗被害が多発し得るものと認識しております。

 警察では、被災地におけるこれらの犯罪被害を防止するため、パトカーによる被災地でのパトロール等の警戒や避難中の空き家に関する防犯指導を実施するとともに、避難で住民の方々が不在となる地域の街頭や被災地域の主要な通り、商店街等に防犯カメラを設置しているところでございます。

小竹委員 ありがとうございます。

 これは結構毎回同じことを繰り返していて、道路啓開して大体七十二時間以内ぐらいに入られると思いますので、道路啓開と同時に、重点的にその期間を警備の強化に当たっていただきたいというふうに、そういった提案もさせていただきます。

 そして、被災地における侵入窃盗、いわゆる火事場泥棒とかも言われますけれども、財産犯にとどまらず、被災者の生活再建を直撃し、社会的弱者の立場にある方を極めて悪質な形で追い込むというふうに思います。こういう犯罪に関しては、行政の体制強化はもとよりですけれども、刑事法の観点からも抑止の方向が重要だというふうに思っておりまして、少なくとも、量刑上の加重事由として、その悪質性を明確にして位置づけるということに関しては検討に値するんじゃないかと考えますが、現行法ではこうした災害時特有の悪質性が必ずしも十分に評価されていないというふうに考えます。

 政府として、こういった現状をどのように認識され、被災地のこともありますから、今後の制度的対応をどのように考えているのか、平口大臣の見解を伺います。

平口国務大臣 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、震災により様々な困難を強いられている被災者の方々を狙った窃盗は、悪質な犯罪であり、厳正に対処すべきものと考えております。

 この点、現行刑法における窃盗罪は十年以下の拘禁刑という重い刑を科し得るものとなっております。これに加えまして、御指摘のような窃盗の加重類型を新設することについては、具体的にどのような行為を切り出して加重処罰の対象とするのか、ただいま申し上げた現行法の法定刑では賄えないような状況が生じているのか、さらに、引き上げるとしてどの程度の引上げが必要なのかなど多角的な観点から、その要否を含めた慎重な検討が必要であると考えられるところでございます。

 いずれにしても、検察当局においては、被災者の方々の窮状に乗じて及ぶなど悪質と認められる事案については、厳正に対処するものと承知しております。

小竹委員 ありがとうございます。

 量刑は御説明いただいたとおりなんですけれども、初犯の窃盗などの場合は刑が軽くなりやすいという傾向もありますので、この特有の悪質性という部分においてしっかり位置づけていただきたい、その検討は引き続きお願いしたいというふうに思います。

 それから次に、能登半島も、もう二年四か月がたちましたので、復興のフェーズに入っていく中で、単に被災地の空き巣という意味ではなくて、全国の方に視野を広げて、全国的に過疎地域における空き家の空き巣、正確には居住用空き家への侵入について伺います。

 居住用空き家への侵入と敷地内倉庫への侵入、いわゆる倉庫荒らしを合計した、空き家を対象とした侵入窃盗被害の件数の推移を教えてください。

服部政府参考人 お答えいたします。

 倉庫荒らしを含めた空き家に対する侵入窃盗の認知件数につきましては、統計を開始した令和二年以降五年連続で増加しており、令和七年は一万千九百五十八件となっております。

小竹委員 過去最高を更新し続けているということでございますけれども、犯罪統計資料を見ても、過疎地域だからといって犯罪が少ないというふうに言い難い状況もありますし、つまり、都会が治安が悪くて田舎が安心とか、そういうことは決して正しくないというふうに思います。また、SNSを、皆さん、どんな年代でもやられていますので、それぞれがメディアを持つような時代に、人の目が行き届かない方が危険度が高いとすら捉えられるんじゃないかと思います。

 そうすれば、更に東京一極集中を始め都市部への人口集中が加速すると思いますので、政府が今進めようとしている例えば二地域居住なんかについても、思わぬところで、防犯対策みたいなところが足かせとなって意外と進まないみたいなことも可能性としてあり得るんじゃないかと思いますけれども、過疎地域における今後の防犯対策、ハード面とソフト面、両方の取組についてお答えください。

服部政府参考人 お答えいたします。

 人口減少に伴い過疎化する地域が今後拡大することが想定されておりますところ、警察といたしましても、これら地域の防犯力をいかに高めていくのかが重要な課題であると認識しております。

 まず、ハード面の対策でありますけれども、一般的に、過疎地域では、防犯カメラの設置が進んでいないところ、例えば空き家の多い住宅街など犯罪が実行される可能性が高いと考えられる場所に防犯カメラの設置を働きかけていくことが重要であると認識しております。警察では、防犯カメラの設置が必要な場所を整理し、地方創生の交付金等を活用しつつ、防犯カメラの設置が一層図られるよう、自治体に必要な要請を行っているところであります。

 ソフト面の対策といたしましては、防犯ボランティア団体等による地域での自主的な防犯パトロールや子供の見守り活動などを活性化するとともに、住民の方々お一人お一人の防犯意識を高めていくことが重要であると認識しております。警察では、自治体と緊密な連携もしつつ、地域の住民の方々に対し、犯罪発生情報の提供、合同パトロールの実施など、必要な支援を行っているところであります。

 警察といたしましては、今後とも、ハード、ソフトの両面を組み合わせ、過疎地域の防犯力向上のため必要な取組を行ってまいりたいと考えております。

小竹委員 過疎地域というのが、イコール、ほぼ超高齢地域になりますから、そういう防犯、リスクの対策というのは不可欠でありまして、各省庁がまたがる形となると思いますし、更に言うと自治体との連携も発生すると思いますけれども、防犯対策一体型の地域政策に是非努めていただきたいというふうに思います。

 次の質問に入ります。

 次に、建設現場における外国人労働者の問題について伺います。

 来年四月から施行されます育成就労制度について、まず伺います。

 本制度は、従来の技能実習制度を発展的に解消し、人手不足分野における人材の育成と確保を目的とするものと承知をしております。外国人が、在留資格、育成就労の下で、就労を通じて技能や日本語能力などを身につける制度であるというふうに理解しておりますが、そこでお尋ねをいたしますが、本制度は、あくまでも一定期間の技能修得と人材循環を前提とした制度なのか、それとも、我が国に定着し、将来的な永住につながることを想定した設計となるのか、政府の基本的な考え方をお示しください。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 育成就労制度は、三年間の就労を通じて特定技能一号の技術水準の人材として育成するための制度であり、段階的に技能等を向上させ、特定技能一号へのキャリアアップを図るものでございます。

 このように、育成就労制度は、永住許可につなげることを目的とした制度ではございません。

小竹委員 永住を前提とした制度ではないということでございますけれども、よろしいですよね。

内藤政府参考人 前提という言葉がなかなか難しいものでございます。更にちょっと制度を細かく言うことになりますが、育成就労から特定技能一号を経て、熟練した技能を有し、我が国の経済社会の活性化に資する専門的、技術的分野の外国人である特定技能二号まで移行した場合には、一定の要件を満たせば、永住許可申請を行うことも可能になります。

 ただ、育成就労から特定技能一号に移行するためには、所要の技能試験及び日本語能力試験に合格する必要がありますし、在留期間の上限のない特定技能二号に移行するためには、技能及び日本語能力について難易度の高い試験に合格することが求められております。

 済みません、以上でよろしいでしょうか。

小竹委員 ありがとうございます。

 その前提を理解した上で、建設キャリアアップシステムというのがございますけれども、来年からこの制度が変更されるということで、今、簡易型と詳細型と二つある中で、どちらかが選べるというような状況になっておりますけれども、それが詳細型に一体化されるというふうに認識しております。

 今の説明ですと、最終的に二号になる方は永住にもつながっていくというふうに思いますが、まず、永住を前提としていない方を将来にわたって中長期的に日本でキャリアを積んでいくシステムに登録するということがそもそも制度の目的と合っていないんじゃないかというふうに思いますし、このキャリアアップシステムの来年の変更というところで、育成就労の方も全て詳細型ですね。事業者側からすると、お金の負担もかなり増えるわけでありますが、この負担だけを求めて成果がないんじゃないかと思いますが、見解をお願いします。

平嶋政府参考人 お答えいたします。

 技能実習制度や特定技能制度における外国人材の受入れに当たり、建設分野では、分野特有の事情に鑑みて独自の上乗せ措置を講じることにより、外国人材の適正かつ円滑な受入れを図っております。

 具体的には、報酬の安定的な支払いなどに加えて、技能、経験に応じた適切な処遇を確保する等の観点から、受入れ企業に対し、技能実習生及び一号特定技能外国人を建設キャリアアップシステムに登録すること等を義務づけているところです。

 お話のありました令和九年四月から開始される育成就労制度でも、本年一月に閣議決定した分野別運用方針において、受入れ企業に対し、育成就労外国人を建設キャリアアップシステムに登録すること等を義務づける方針をお示ししているところです。

 こうした取組を通じまして、技能、経験に応じた適切な処遇を確保する等の取組を進めてまいりたいと考えております。

小竹委員 取組を適切にというか、就労状況も把握することは全然構わないんですけれども、このキャリアアップシステムということの目的と、今回、育成就労制度にも詳細型を当てはめること自体が、私はそもそもおかしいんじゃないかというふうに思いますし、ちょっとキャリアアップシステムに関しては言いたいことがいっぱいあるので、またそれは国交省のところで質問させていただければというふうに思います。今日はここまでにしておきます。

 続いて、いわゆる技人国の偽装就労についても伺います。

 これも建設業のことに限って質問させてもらいますけれども、近年、日本の建設業界では慢性的な人手不足が続いておりまして、外国人労働者の受入れが加速しております。その一方で、技術・人文知識・国際業務、いわゆる技人国と言われる、本来、ホワイトカラー向けの在留資格を取得した外国人が、結果として建設現場で肉体労働をしているというケースが見受けられます。

 これは、一見すると柔軟な労働配置というか働き方にも思えるかもしれませんが、入管法違反となる偽装就労でありまして、企業、外国人双方に法的な重大なリスクが発生するおそれがございます。

 技人国は、専門的な知識や技術を必要とする業務に外国人が従事するということを想定した在留資格でありまして、現場作業員とかブルーカラーの就労というのは本来認められておりませんが、建設業界で言うところの設計や施工管理やCADオペレーターなどが想定しているところかと思いますが、建設会社の中には、技人国の在留資格で外国人を雇用して、本来その資格で認められていない鉄筋工、型枠工、また、とび工だったり、石川県の事情に鑑みて言うと、被災地の解体工事なども、現場作業を行わせているというのが実情としてございます。

 私もまさに建設業界にいた人間ですので、こういうことは常々聞いておりましたし、先日、地元の行政書士さんとお話をしておりますと、建設業界だけではなくて、自動車業界でも似たようなことが起きているというふうに伺っております。

 これは言うまでもなくて技人国の在留資格外の活動でありまして、こういう現場作業は、本来、特定技能であったり技能実習の在留資格でなければ従事することはできませんが、質問が一つ前後しますけれども、技人国の偽装就労について入管庁はどの程度把握をされているのか、お答えください。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 出入国在留管理庁においては、一般的に、個別の在留審査の段階で申請人が申請した在留資格に応じた活動を行うことについて疑義が認められれば実態調査等を行っており、具体的件数は統計として有していないが、その結果として在留期間更新許可申請を不許可とする場合も一定数存在します。

 在留資格、技術・人文知識・国際業務で在留する者について、偽りその他不正の手段により許可を取得した場合や在留資格に応じた活動を行っていないと認められた場合などには在留資格の取消しを行っておりますが、令和七年に在留資格、技術・人文知識・国際業務を取り消した件数は六十三件でございます。

小竹委員 ありがとうございます。

 疑義があればということでございますけれども、入管庁の現場の方もかなり人手が足りていないというのを聞いていますので、その辺の捕捉率といいますか、なかなか捕捉ができていないんだというふうに思っています。

 技人国のいわゆる不法就労、偽装就労が起きる背景としまして、外国人を雇用する際のコスト面において技人国と特定技能、技能実習では違いがありまして、単純に採用コストが安いということがそこにつながっている一因だと私は考えています。

 特定技能や技能実習制度で企業側が払う一人当たりにかかるコストはおよそ幾らか、また、技人国の場合も同様に企業側のコストが発生するのか、お示しください。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 外国人の雇用に当たり企業側が支払う費用は多岐にわたり、一概に申し上げることは困難でありますが、技能実習制度において受入れ機関が技能実習生の受入れに当たり支払う費用としては、実習監理を行う監理団体に対する監理費がございます。技能実習法令上、監理費として徴収することができる費用は、職業紹介費、講習費、監査指導費及びその他諸経費と規定されており、いずれも実費の範囲内で定めることとしております。

 また、特定技能制度につきましては、受入れ機関が特定技能外国人の受入れに当たり支払う費用として一号特定技能外国人の支援に要する費用があるところ、受入れ機関が当該支援を登録支援機関に委託する場合においては、登録支援機関は当該支援委託費を受入れ機関から徴収することになっております。

 その上で、出入国在留管理庁においては、これらの監理費、支援委託費を定期的に統計数値として把握しておりませんが、過去に行われた調査に基づいてお答えしますと、令和三年に外国人技能実習機構が実施したアンケート調査によれば、技能実習生一人当たりの監理費の平均は、初期費用として約三十四万円、月額で約二万円から三万円、令和四年に出入国在留管理庁が実施した調査によれば、特定技能外国人一人当たりの支援委託費の平均は、月額で二万八千円となっております。

 他方で、恐縮なんですけれども、在留資格、技術・人文・国際業務の在留申請におきましては、所属機関における就労予定外国人の受入れに係る費用について申告を求めることにはなっておりませんで、当庁として把握しておりませんので、お答えすることが困難でございます。

小竹委員 ありがとうございます。

 特定技能であったり技能実習であればこれだけかかるというのを、技人国であればほとんど、ほとんどというか、かからないということで、単純にコストが安いということで、こういう偽装就労につながっている一因かなというふうに考えております。

 ここで、通告しておりませんが、あえて国交省にちょっと一問だけお伺いしたいのですが、今現場で既に取り入れられているCCUSであったりグリーンファイルが正しく機能していれば、こういった本来認められていない在留資格で働くという、このスクリーニングは容易にできると思いますが、何でこれは今やっていないんでしょうか。国交省としてこの問題を全く知らないとは思えないんですが、お答えをお願いします。

平嶋政府参考人 お答えいたします。

 在留資格に基づいてきちんと働いていただくこと、非常に大事なことと国交省としても認識しております。

 在留資格がCCUSなどを通じてきちんと把握できるようになれば、そういった問題も大分解消されるんじゃないかという御質問であろうかと思います。

 現在、入管庁とも協力しまして、在留資格を国土交通省の方で受け取りまして、それをCCUSの方で確認できるようにするということを昨年の補正予算で準備をしておりまして、今後その点について改善が進められるものと思っております。

小竹委員 ありがとうございます。

 正しく、正規のルートで受け入れる企業の方が負担が大きくて、こういった偽装で進んでいく方が実は採用コストも含めて安くあってしまうというのが、あってはならないことだと思いますし、本当に詳細型のCCUSを導入していって、簡易型もなくして、廃止をして、一つに統合していくというのであれば、これは多分どこかで大きな問題につまずくタイミングが来るというふうに思いますので、早期に手を打っていただきますよう、よろしくお願いいたします。

 やはり、現場といいますか地元の企業側を見ても、技人国というのが外国人を雇えるビザという程度にしか認識がなくて、就労資格の内容を余り理解していなく、結果として現場に入ってしまうというケースも存在するそうです。別の委員会でも指摘をしましたが、建設業界特有の多重下請構造というのも偽装就労が生じやすい一つの要因となっていると考えますが、この入管法に関する企業側のリテラシーの向上に向けた取組、どのように考えていらっしゃるでしょうか。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねの在留資格、技術・人文知識・国際業務をもって在留する外国人は、学術上の素養を背景とする一定水準以上の専門的能力を必要とする業務や、外国の文化に基盤を有する思考又は感受性を必要とする業務に従事していただく必要がございます。

 他方で、外国人を受け入れた企業等において、先生御指摘のとおり、認められた活動内容に該当しない業務に従事させている事案が存在することは事実だと認識しております。

 その背景には、先生御指摘のとおり、外国人の受入れ制度への理解が必ずしも十分ではない受入れ企業等も見受けられることから、出入国在留管理庁といたしましては、例えば、在留資格、技術・人文・国際業務に係るガイドラインに掲載する許可事例、不許可事例の拡充、それから、在留資格、技術・人文知識・国際業務と、在留資格、特定技能との活動内容を比較した参考資料の作成、公表、それから、共生社会の実現に向けた適正な外国人雇用推進月間等の機会における、外国人を雇用する際の留意点等についての啓発活動、こういった取組を行っているところでございます。

 当庁といたしましては、在留資格が本来の目的に沿った形で運用されるよう、必要に応じて関係機関とも連携し、受入れ企業等に対する啓発活動を更に工夫してまいりたい、このように考えております。

小竹委員 書類だけの審査が中心になってしまうと、なかなか実態まで細かく把握できていないため、今、いろいろなケースを見逃す温床になっているというのが実情であると思いますし、小さな企業になれば、そういう資格の管理とかも甘くなることも容易に想像できます。見つからなければ大丈夫というような感覚もあるかもしれませんし、建設現場特有の、スポット、スポットで職場が移動していくというような、現場が移動していくというようなところも、なかなか実態がつかみにくいところもあるかなというふうに思います。

 様々なフェーズで省庁横断的になりやすいとは思いますけれども、しっかりと入管庁が責任を持って取り組んでいただきたいというふうに思いますし、今度、入管法の改正のときに、手数料収入が増えますので、そういったところは実際の入管庁の必要業務に予算を充てていただき、ちょっと一部報道にもなっておりましたけれども、高校無償化の財源にとかそういった別のところに使うんじゃなくて、やはり困っている現場の方にしっかりと重点的に予算が行き届くように、よろしくお願いしたいと思います。

 そして、次の質問に入ります。

 刑事訴訟法の再審規定について伺います。

 まず、連日のように報道が変わっていく中で、自民党部会の中で様々議論をされているというふうに思いますが、今回、再審制度の見直しに向けた法案提出に至った立法事実について伺いたいと思います。

 再審は、無辜の救済という刑事司法の根幹に関わる制度でありながら、現行制度の下では、救済に極めて長い年月を要する事例が相次いでおるところでございます。

 例えば袴田事件であったり、福井事件なども、本当に長年、半世紀にわたる年月を要しておりまして、これらの事件、ほかにもたくさんございますけれども、単なる個別事案ではなくて、現行制度が抱える構造的な課題が示すものだというふうに思っておりまして、こうした実態を踏まえて、政府としてどのような問題意識に基づき今回の法案提出に至ったのか、まず明らかにしていただきたいと思います。

平口国務大臣 再審制度に関しましては、現行刑事訴訟法の制定以来改正が行われていないところ、近時、再審無罪事件等も相まって、再審請求者等の手続保障が必ずしも十分でないといった指摘や、手続規定が乏しいため審理運営上の困難が生じており、事件によっては処理が遅延しているといった指摘がなされているものと承知をしております。

 こうしたことを踏まえて、法務省としては、再審制度が非常救済手続としてより適切に機能するよう、再審請求者等の手続保障の充実を図るとともに、手続の円滑化、迅速化に資するため、再審制度について所要の改正を行う必要があると考えているところでございます。

小竹委員 ちょっと何かよく争点が、主眼が分からなかったんですけれども、事件によってということでありますけれども、ほとんどの場合、長年にわたっているというふうに思いますし、一番の主眼は、どう考えても冤罪被害者の早期救済に尽きるというふうに思います。

 その上で、ちょっと次の質問に入りたいと思うんですけれども、福井事件の検証について伺いたいと思います。

 本件は、長期間にわたり再審請求が繰り返され、証拠の評価や捜査の在り方について重大な疑問が次々指摘されてきた事案であります。

 再審無罪となった事件については、単に個別の救済にとどまらず、なぜ誤判が生じたのか、その原因を客観的かつ徹底的に検証し、制度反映させることが不可欠だと考えております。

 この点、袴田事件におきましては最高検察庁内で検証が行われたと承知をしておりますが、しかしながら、誤判の一因として捜査、公判活動の在り方が主に問われているにもかかわらず、その当事者である組織が自ら内部限りで検証を行うという現在の枠組みについては、客観的そして中立性の観点から限界があるというふうに感じております。

 金沢弁護士会の再審法改正を求める決議の中でも、その決議の中の三番に、再審無罪となった事件について、通常審において有罪となった原因を独立して検証するための第三者委員会の設置を求めるというふうにされております。理由としましては、通常審に直接関与した裁判官や検察官が自らの誤りを検証することは困難であり、特に検察官については、後に再審無罪判決が確定したとしても、請求人こそが真犯人であるという内心を払拭することができず、十分な自省に至ることができていないというのが現在につながる実態であるというふうに文書をまとめられております。

 このことを踏まえて、まさに国民の信頼を得るためには、第三者性を担保した、独立した検証体制を構築することが必要でないかと考えます。そして、その上で福井事件については検証をすべきと考えますが、いかがでしょうか。

佐藤政府参考人 お答えいたします。

 検察当局におきましては、無罪判決等があった場合には、当該事件における捜査、公判活動の問題点を検討し、必要に応じて問題意識を共有して、反省すべきは反省し、今後の捜査、公判活動の教訓としているところでありまして、このことは御指摘の事件についても同様でございます。

 その上で、検察当局においては、御指摘の事件で前川彰司さんが相当期間にわたり服役し、無罪となったことについて、厳粛に受け止めているというところでございまして、また、再審判決の指摘を踏まえて、検察官としては、従前の主張や証拠に誤りがあることが判明したならば、速やかにそれを撤回し、必要に応じて裁判所や弁護人に経緯の説明や関係証拠の開示を行うなど適切な是正措置を行うことがあることなどを、いま一度全国の検察官に向けて周知したところであります。

 その上で、今、個別の事件があり、無罪判決等が確定した後に検察部内の検討の詳細を公表するか否かにつきましては、まずもって検察当局において個々の事案に応じて検討した上で適切に判断して対応すべきものであると考えておりますし、また、第三者を入れるかということにつきましては、様々な事件がございまして、関係者のプライバシーであるとか、捜査の秘密であるとか、様々な論点がございますので、そこも含めて、まずもって検察当局において事案を検証しているという状況にあるということでございます。

小竹委員 第三者を入れるということについて、まさにもっと強く言ってほしかったんですけれども。

 プライバシーとかはもちろん分かりますけれども、半世紀、五十八年ですよ、無罪判決が出るまで、袴田事件は。その期間、拘束されること。そしてまた、その検証自体を捜査に問題があった検察内部で行っている方が、今後に全く反省が生かされていないというふうに思いますし、福井事件に関して言うと、第一次再審のときには証拠が出てこず、第二次のときに、裁判官が相当強く言ったときにようやく三百点ほどいきなり証拠が出てきたということに関して言うと、このことだけでも立法事実に当たるというふうに思いますし、これを反省せずにまた第三者も入れない検証をしても、全く次につながらないと思いますが、もう一度お願いいたします。

佐藤政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の事件の訴訟の経過、様々な事情があるわけでありますが、今の証拠開示の話で申し上げますと、時系列の話もありまして、昭和十六年に刑事訴訟法が改正されて、証拠開示の制度ができ、それ以後そのような運用がなされるようになったというのが一つ……(発言する者あり)あっ、平成。平成十七年に施行されております。

 加えて、捜査の関係の証拠というのは検察官が持っているものだけではありませんで、実は警察にも保管されているわけですけれども、昔の最高裁の証拠開示に関するルールでは、検察官の開示証拠なんかが検察官の手持ち証拠だけだったんですけれども、これが平成十九年、二十年に警察の保管証拠にも広がるといった形で、様々な制度変更のある中で、いろいろな事件について証拠開示に関する問題が生じてきたというのも事実でありまして、そういったことも踏まえて個別の事案ごとに検討しているという状況でございます。

小竹委員 答えになっていないというふうに思うんですけれども、今、証拠開示のところがありましたので、ちょっと質問を飛ばしまして、本当に、一昨日ですかね、再審抗告後の審理を一年とするという、こんな修正案が報じられている中身について、まだちょっとクリアになっていない部分もありますので推察で話してしまう部分もあるかと思いますが、この書き方ですと、検察官による抗告を前提としたまま審理期間だけを短縮しても、無辜の救済につながるのかというと懸念がありますし、検察による抗告が続く中で、現状のように証拠開示の要件が厳しいまま期間だけがどんどん区切られれば、弁護側に十分な反論を尽くすことが難しくなるというふうに思います。

 証拠に関して検察だけじゃないというふうに言いましたけれども、圧倒的に多く持っているのは検察側でありまして、弁護側との間には構造的な格差がかなりあると言われている点を踏まえると、証拠開示の在り方もクリアにならないと、今出ている再審抗告後の審理を一年とするというのはかえって後退するおそれすらあると思います。

 こうした観点から修正案が本当に無辜の救済につながるかということを考えると、それでもこの検察官抗告であったり証拠開示の在り方というのは現状案でよろしいというふうに考えていらっしゃるでしょうか。

佐藤政府参考人 今検討いたしております再審法の改正案におきましては、関連性のある証拠、再審請求理由に関係する証拠、関連のある証拠については裁判官に証拠の開示命令の義務を課して、それから検察官にも開示する義務を課して、その証拠の開示、再審請求理由に関連する証拠が開示されることを法制度の観点からも担保するものでありまして、通常審では今もう既に様々な形で証拠開示のルールができて、現場にも非常に定着しているところでありまして、弁護人も、熱心な弁護人によっては検察官の保管している証拠をほぼ開示を受けているといったことも当然あるわけであります。そういう中で、このルールを再審請求審にも広げようというのが今回の法案の趣旨であります。

 その上で、済みません、今御指摘の趣旨は、報道などで修正案ということがございましたけれども、今、与党の党内手続におきまして修正を含めた対応の検討を求められていることは事実でありますけれども、その内容、具体的な内容に関しまして私から今お答えするのは差し控えさせていただきたいと思っているところであります。

小竹委員 時間がなくなりましたので最後の問いに行きたいと思いますけれども、まずは、やはり唯一の立法機関である国会において、議員立法、昨年、再審法改正案の議連案を出しましたけれども、まずはこの議員立法を早期に実現させて、速やかに方向性を示すことが重要であると思いますし、法制審自体を全く否定するものではなくて、法案で早く改正案を成立させて、残された論点について審議会の中で審議を尽くしていくという役割分担にした方がいいんじゃないかと思いますが、この進め方、考え方、議連案が中心となってまず進めていくということに関して、大臣の御見解をお願いします。

平口国務大臣 お答えいたします。

 まず、議員立法に関わる事柄につきまして、法務大臣としては所見を述べることは差し控えたいと思います。

 その上で、再審制度の改正は、基本法である刑事訴訟法の改正に関わるものであり、刑事裁判実務に非常に大きな影響を及ぼすものであることから、まず政府の責任において検討すべきものと考えております。

 法務省としては、法制審議会の答申を重く受け止めつつ、与党内審査における議論も踏まえて、できるだけ速やかに法案を提出できるよう、力を尽くしてまいりたいと考えております。

小竹委員 答弁が全く進展しないというか、なかなかこっちの理解を進めていただけないということは本当につらく思いますし、やはり、一つ一つの事案を見ても、今の新しい改正案でいいのかということは大臣自身もしっかりと疑っていただいて、一刻も早くこの再審法が改正されて、そして充実した中身になっていくことを強く求めまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

     ――――◇―――――

井上委員長 次に、内閣提出、出入国管理及び難民認定法及び出入国管理及び難民認定法第二条第五号ロの旅券を所持する外国人の上陸申請の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。平口法務大臣。

    ―――――――――――――

 出入国管理及び難民認定法及び出入国管理及び難民認定法第二条第五号ロの旅券を所持する外国人の上陸申請の特例に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

平口国務大臣 出入国管理及び難民認定法及び出入国管理及び難民認定法第二条第五号ロの旅券を所持する外国人の上陸申請の特例に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。

 短期滞在の在留資格に係る新規入国者数は、令和七年に約三千八百四十六万人と過去最高を更新し、更なる増加が見込まれます。このような中、不法残留等を企図する者の入国を防止することにより厳格な出入国管理を実現するとともに、上陸審査の手続の一層の円滑化を図ることが必要です。

 また、在留外国人数も、令和七年末時点で約四百十三万人と過去最高となっており、更なる増加が見込まれます。そこで、外国人の出入国及び在留の公正な管理に関する施策を確実に実施しつつ、更なる強化拡充を図るため、これに必要な費用について、在留外国人にも相応の負担を求める必要があります。

 この法律案は、以上に述べた情勢に鑑み、所要の法整備を図るため、出入国管理及び難民認定法及び出入国管理及び難民認定法第二条第五号ロの旅券を所持する外国人の上陸申請の特例に関する法律の一部を改正するものであります。

 この法律案の要点を申し上げます。

 第一は、出入国管理の厳格化のための規定の整備であります。我が国に短期間在留して観光等の活動を行おうとする外国人で、査証を必要としない者や、指定旅客船に乗る外国人で、観光のため我が国に上陸しようとする者は、必要な認証を受けなければ、上陸許可を受けることができないとし、また、乗り継ぎのため我が国に入る外国人の一部の者も、必要な認証を受けなければ、我が国に入ることができないとするものです。その上で、これらの認証又は査証を受けていない外国人は、原則として、我が国に入ってはならないとし、船舶等を運航する運送業者等は、出入国在留管理庁長官から、乗船券等の予約者を我が国に入らせることが相当でない旨の通知を受けたときは、その者を我が国に入らせてはならないとするものです。

 第二は、上陸審査の手続の一層の円滑化のための規定の整備であります。我が国に短期間在留して観光等の活動を行おうとする外国人で、査証を必要としない者が認証を受けたときは、上陸許可の証印を省略できるとするものです。

 第三は、在留資格の変更及び在留期間の更新の許可の手数料の額の上限額を十万円、永住許可の手数料の額の上限額を三十万円に引き上げるとするものでございます。

 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。

 以上が、この法律案の趣旨であります。

 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いをいたします。

井上委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時六分散会


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