衆議院

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第6号 令和8年4月21日(火曜日)

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令和八年四月二十一日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 井上 英孝君

   理事 阿部 弘樹君 理事 木原 誠二君

   理事 高見 康裕君 理事 谷川 とむ君

   理事 藤原  崇君 理事 西村智奈美君

   理事 三木 圭恵君 理事 小竹  凱君

      井出 庸生君    稲田 朋美君

      上川 陽子君    神田 潤一君

      小泉 龍司君    河野 太郎君

      世古万美子君    武部  新君

      辻  秀樹君    辻 由布子君

      寺田  稔君    西山 尚利君

      福原 淳嗣君    藤沢 忠盛君

      藤田ひかる君    古川 禎久君

      三ッ林裕巳君    保岡 宏武君

      山本 大地君    有田 芳生君

      國重  徹君    金村 龍那君

      原山 大亮君    井戸まさえ君

      鈴木 美香君    和田 政宗君

    …………………………………

   参考人

   (群馬大学特別教授・名誉教授)          結城  恵君

   参考人

   (弁護士)

   (特定非営利活動法人移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)理事)   鈴木 雅子君

   参考人

   (難民支援協会渉外チーム政策提言担当)      生田 志織君

   法務委員会専門員     三橋善一郎君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 出入国管理及び難民認定法及び出入国管理及び難民認定法第二条第五号ロの旅券を所持する外国人の上陸申請の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二〇号)


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     ――――◇―――――

井上委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、出入国管理及び難民認定法及び出入国管理及び難民認定法第二条第五号ロの旅券を所持する外国人の上陸申請の特例に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 本日は、本案審査のため、参考人として、群馬大学特別教授・名誉教授結城恵君、弁護士、特定非営利活動法人移住者と連帯する全国ネットワーク(移住連)理事鈴木雅子君、難民支援協会渉外チーム政策提言担当生田志織君、以上三名の方々に御出席をいただいております。

 この際、参考人各位に委員会を代表して一言御挨拶を申し上げます。

 本日は、御多忙の中、御出席を賜りまして、誠にありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見を賜れれば幸いに存じます。よろしくお願いをいたします。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 まず、結城参考人、鈴木参考人、生田参考人の順に、それぞれ十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対してお答えをいただきたいと存じます。

 なお、御発言の際はその都度委員長の許可を得て発言していただくようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承お願いいたします。

 それでは、まず結城参考人にお願いいたします。

結城参考人 皆様、おはようございます。

 この度は、こちらにお招きいただきまして、誠にありがとうございます。

 私は、御紹介にあずかりました群馬大学の結城恵と申します。

 このような機会をいただきまして、ちょっと資料を御用意いたしましたが、資料に若干修正がございますので、先に申し上げます。

 資料一ページ、対象法案のところ、内閣提出と書いてある括弧づけのところ、申し訳ありません、削除をお願いいたします。それから、二ページ目、2の(1)、提示された手数料でございますが、その後に、の上限額が入ります。申し訳ございません。よろしくお願いいたします。

 それでは、陳述を始めさせていただきます。

 私は、これまで、人口減少が進み、外国人が流入する地方の一つである群馬県を拠点に、外国人材の受入れと定着、多文化共生の実践に関わってまいりました。具体的には、教育、医療、防災、福祉、それから就職支援などの領域において、産学官金連携で、外国人住民と日本人住民とともに小さな実践を地道に三十年間積み上げてまいりました。

 また、出入国在留管理庁の政策懇談会、内閣府の秩序ある外国人の受入れと共生社会の実現の有識者懇談会にも参加させていただきました。

 本日は、その知見をもってお話をさせていただきたいと思います。

 これらの現場で繰り返し突きつけられてきた問いがございます。それは、誰を受け入れるのかではなく、どのような社会をつくるのかという問いです。本日は、この問いを念頭に置きながら、いただいた法案について意見を申し上げます。

 まず、JESTAの創設に関する法案について申し上げます。

 近年、日本は、人口減少と人手不足の進行により、外国人材の依存度が高まっております。一方で、短期滞在から不法残留や不適切な就労といった課題も指摘されており、人の流れをいかに適正に管理するかは重要な政策課題になっています。

 また、訪日外国人の増加に伴い、空港における審査の負荷や待ち時間の長時間化といった課題も顕在化しています。

 私は、出入国在留管理庁の政策懇談会の一環で羽田空港の現場を視察した経験がございます。そこでは、様々な航空路線が集中する時間帯に、三千人規模の入国審査待機列が生じていました。その中で、職員の方々が大きな声を張り上げ、懸命に人の流れを誘導されている姿を目の当たりにいたしました。また、乗り継ぎ便の時間を気にして、不安そうにされていらっしゃる外国人の方々の姿もありました。どこへ進めばいいのか分からず、足を止めている様子も見受けられました。

 この光景から私が強く感じたのは、現在の出入国管理では、既に現場の努力だけで支え続けるには無理がある、そういう段階に来ているということです。これは単に入国審査の現場の問題ではなく、制度としての環境整備が求められている問題であります。

 ここで、国際的な状況を確認いたします。国際的に見ると、資料にもございますように、英国や米国、欧州でも、入国前審査と費用負担を組み合わせた制度が導入されております。入国管理の重心を到着時から渡航前へ移すことは一定の潮流となっています。配付資料に示しますように、それぞれ一定の費用負担を前提とした設計となっております。

 したがいまして、入国前審査と費用負担を組み合わせることは、国際的に見て標準的な制度設計であり、日本だけが特別な対応を取ろうとしているわけではございません。

 更に重要なのは、その費用が何に使われているのかという点です。

 各国の制度を見ますと、この費用は単なる申請書類の処理に充てられているものではございません。米国のESTAにおいては、事前のテロや犯罪リスクの判定の仕組みや、航空会社とのデータ連携、入国審査システムの統合に使われています。つまり、空港でその場になって判断をするのではなく、渡航前の段階で一定のふるい分けを行う、そういった仕組みへの投資であるということです。

 英国のETAも同様でございます。英国では、デジタル渡航認証システムそのものに整備を加える、それとして、生体情報、特に顔認証との連携、そして自動化ゲートの高度化が進められています。ここでは、顔認証の処理能力の向上や、入国前の情報と入国時の確認の一致を取るための仕組みが重要なお金の使途となっています。

 欧州では、ETIASにより、データベースを横断照合する仕組みが構築されています。これはデータ統合インフラへの投資です。

 このように見ますと、各国に共通しているのは、費用が、人の配置ではなく、システムとデータ基盤の整備に投じられているという点でございます。その結果として、空港における待ち時間の短縮、審査の迅速化、リスクの早期把握が可能になっています。

 したがって、日本におけるJESTAについても、私は、観光客を主対象とする入国前審査に必要な環境整備の投資として位置づけることが適切であると考えます。具体的には、事前審査の整備、顔認証ゲートの処理能力の向上、入国前審査と入国時の確認の一体化、データ連携基盤の構築といった分野の投資が考えられます。

 また、JESTAに係る手数料収入については、制度運用に必要な範囲において、こうした審査体制やシステム基盤の整備にも用いられ得るものとして承知しております。

 この点を踏まえますと、本制度は単なる申請手続の導入ではなく、審査の迅速化と精度向上を支える基盤の整備として、一体として理解する必要があると思います。

 次に、在留資格の手数料について申し上げます。

 今回提示されているのは、在留資格の変更許可の手数料の上限額が十万円、在留期間の更新許可の手数料の上限額が十万円、在留許可の手数料の上限額が三十万円という案でございます。率直に申し上げて、これらの金額は大きいと感じられるものであり、反発や不安の声が上がることは当然だと考えます。

 しかし同時に、ここで重要なのは、この問題を単なる値上げの是非としてだけ論じるべきではないということです。私は、この問題の本質は、費用対効果の問題にあると考えております。どの程度の負担なのか、その負担は何に使われるのか、そして、その結果として何が改善されるのかという三点が明確でなければ、制度への納得は得られません。

 ここで、今回の三つの手続をもう一段具体的に見ていきたいと思います。

 これらは一見すると同じ手数料の引上げに見えますが、実際には、制度上全く異なる意味を持つ手続でございます。

 まず、在留資格の変更許可について申し上げます。

 これは、外国人が日本社会における役割を変える局面に当たります。例えば、留学生として来日して就労者へと移行する場合、あるいは技能実習から特定技能へと移る場合などが典型です。こうした移行は、単なる資格変更ではありません。学ぶ立場から働く立場へ、訓練の段階から戦力として期待される段階へと、社会の関わり方そのものが大きく変わる転換点です。

 したがって、この手続において本来求められるのは、単なる書類審査ではなく、その人が次の段階で社会に適切に適応できるかどうかの確認であるべきです。日本語能力、職場での適応力、生活ルールへの理解、制度へのアクセス可能性、こうした要素が整えられているかどうか、支えられているかどうかが重要になります。

 その観点からすれば、この十万円の範囲内で定められる手数料は、変更許可の処理費用に加えて、日本語能力の向上や社会理解を支える制度と一体として設計されて初めて、その妥当性が語れるというふうに考えます。

 次に、在留期間の更新認可について申し上げます。

 これは、既に日本で生活している外国人が継続して滞在することが適切かどうかを判断する手続です。ここで問われるのは、これまでの在留が適切であったかどうかという点です。法令を遵守しているか、税や社会保険を適切に履行しているか、就労が安定しているか、生活が破綻していないかという点が含まれます。

 この手続は、単に滞在を延長するかどうかという問題ではありません。既に地域社会の中で暮らしている人の在留の質を確認し、それぞれを維持させるための制度です。

 したがって、この十万円の範囲内で定められる手数料は、在留の質を維持し、秩序ある社会を支えるための制度と結びついている必要があります。例えば、行政間の情報連携によって審査を精緻化すること、迅速な審査体制を整えることで公平で予見可能な判断基準を示すこと、こうした改善が実現されて初めて、負担に対する納得が生まれると考えます。

 そして、最も重要なのが永住認可でございます。

 永住認可は、日本社会の構成員として長期的に位置づけるかどうかを判断するものであり、社会統合の最終段階です。

 したがって、この三十万円の範囲内で定められる手数料は、単なる許可料として扱うべきではなく、長期的な社会統合への投資として位置づけられる必要があります。

 ここで重要なのは、日本語能力、地域との関係、安定した就労、社会参加といった要素を制度としてどのように支えるかという点です。単に基準を課すだけでなく、その基準に到達するための道筋を用意すること、つまり、努力が報われる制度であることが重要です。永住許可は日本社会への定着を判断する場面である以上、その前の段階からの支援の積み重ねと切り離しては考えられません。

 以上のように、在留資格の変更は移行、更新は継続、永住は定着という、それぞれ異なる段階に対応しています。しかし、これらに共通しているのは、外国人が日本社会にどのように関わり、どのように位置づけられていくのかという問題であるという点です。

 したがって、今回の手数料の議論においては、手続ごとの意味に応じた制度設計が求められます。単に金額の多寡を論じるのではなく、何のための手続であり、その手続に対応してどのような支援や環境整備がなされるのかを明確にする必要があります。

 私は、この点を考える上で、負担からサービスへ、そして成果へという流れを可視化することが不可欠であると考えます。更に言えば、受益と負担の関係が当事者にとって実感できる、理解できる制度設計でなければなりません。負担だけが先に見え、そこから先のサービスや成果が見えない制度は、信頼を損ねます。逆に、自分が負担したものがどのような形で審査の迅速化、日本語教育、相談支援、地域参加支援などに結びついているのかが見えるならば、制度の納得は大きくなると考えています。

 この点については、秩序ある外国人との共生社会実現のための有識者懇談会においても、社会統合の体系化、日本語教育、オリエンテーション、継続支援の必要性が示されています。私自身も、定住、統合、定着という一貫した支援モデルの必要性を提案してまいりました。こうした施策を、単なる善意や個別事業としてではなく、制度として位置づけることが必要であると考えます。

 最後に、もう一点申し上げます。それは、人道的配慮の問題です。

 制度は、必ず例外的なケースに直面します。経済的に極めて困難な状況にある方、家庭事情や健康上の問題を抱える方、その他、一般的な枠組みの中にそのまま当てはめることが適切ではない方々が現実には存在します。

 その際に問われるのは、例外を認めるかどうかではなく、例外をどのように制度として位置づけるかであると考えます。制度の趣旨と整合的な形で例外を設計し、恣意的ではなく、透明で説明可能な形で運用することが求められます。これは制度を弱めることではありません。むしろ、制度が現実の多様な状況に耐え得るものであることを示し、制度への信頼性を高めるものであります。

 また、今回の手数料の在り方については、法務実務や外国人支援の現場など様々な立場から、特に脆弱な立場にある方々への影響を懸念する意見も示されております。こうした多様な視点からは、制度をより実効性のあるものに高めていくための重要な示唆であると受け止める必要があります。

 したがって、今回の制度設計においては、負担とサービスの関係を明確にすることに加え、必要な配慮を制度として組み込むことが不可欠です。そのことによって初めて、受益と負担の関係が実感として理解できる制度が実現し、秩序と共生を両立する持続可能な社会につながるものと考えております。

 制度とは、単なる管理のための仕組みではなく、社会を成立させるための基盤です。今回の議論は、手数料の問題にとどまらず、どのような社会を設計するのかという問いに直結しています。秩序と共生は対立するものではなく、制度設計によって統合されるべきものです。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

井上委員長 結城参考人、ありがとうございました。

 次に、鈴木参考人にお願いいたします。

鈴木参考人 本日は、発言の機会をいただき、ありがとうございます。鈴木雅子と申します。

 移住連、特定非営利活動法人移住者と連帯する全国ネットワークの理事をしております。また、弁護士として、二十五年以上、様々な国籍の方の事件を扱ってまいりました。

 本日、私からは、現在審議されております入管法改定法案のうち、手数料の引上げについてお話をさせていただきたいと思います。

 入管庁は、在留諸申請の手数料について、在留資格の付与という恩恵の対価であると説明しています。しかし、同手数料は、僅か一年前にも引き上げられています。ある特定の財やサービスの対価が僅か一年で突然十倍になったり二十倍になったりするということは、安定した国家においては通常起きないことです。

 にもかかわらず、このような値上げがされようとするのは、外国人の適正かつ円滑な受入れや秩序ある共生社会の実現に向けた受入れ環境整備等に係る各種施策を強化拡充することが不可欠であって、そのため、受益者負担の観点から、外国人に相応の負担を求める必要があるからと説明されています。

 これを受け、入管庁が説明するとおり、現在までの入管法における手数料は実費を中心に定められていたのに対し、改定法案においては、実際の額を決める際に考慮する、勘案する要素として、実費のみでなく、外国人の適正な在留の確保に関する事務に要する費用、本邦に適法に在留する外国人が安定的かつ円滑に在留することができるようにするための支援に関する事務費用、その他外国人の出入国及び在留の公正な管理に要する費用の額及び諸外国における同種の手数料が挙げられるに至っています。

 つまり、この改定法案は、これまでの実費を中心とする定め方から、在留諸申請の手数料の定め方を根本的に変えようとするものです。

 また、これまでの審議では、手数料額の決定に当たって、外国人の出入国及び在留の公正な管理に要する費用の具体的内容として、入管庁から、デジタル技術の活用による出入国在留管理行政のDXの推進、難民等の適切かつ迅速な保護、支援、国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプランの強力な推進、外国人が日本語や我が国の制度、ルール等を学習するプログラムの創設の検討、情報発信、相談体制の強化などの外国人が日本社会に円滑に適応するための取組などが挙げられています。

 しかしながら、御留意いただきたいのは、今回の値上げの対象に、新たに日本に入ってくるために必要な手続は入っておらず、既に日本にいる方の正規の在留継続のための手続のみが対象であるということです。日本は出生地主義をごく僅かな例外を除き取っていませんので、これらの手続をする方の中には、日本生まれの、いわゆる移民二世、三世もいます。日本語が母語である人もいます。

 にもかかわらず、こうした人たちを全て外国人として一まとめにしてこれらの施策の受益者とするのは、論理的ではありません。共生社会、つまり日本国籍を持つ者と持たない者とが共に生きていく社会の実現の受益者は、日本社会全体のはずです。その実現に向けた負担を一方的に外国人に押しつけようとする限り、共生社会は決して実現しません。また、言うまでもなく、国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプランの強力な推進の受益者が、正規在留を継続しようとする外国人であるはずもありません。

 このように、外国人を一まとめにして、これらの施策の受益者として手数料という形でその負担を負わせようとするのは、論理的でないだけでなく、憲法上、国際人権法上も深刻な疑義を生じさせます。

 第一に、租税法律主義との関係です。

 憲法八十四条は、新たに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを要すると定めています。在留諸申請に係る手数料は税という名目ではありませんが、そのことは直ちに租税法律主義と無関係であることを意味しません。

 国民健康保険料に関する平成十八年三月一日最高裁大法廷判決は、課税権に基づき、その経費に充てるための資金を調達する目的をもって、特別の給付に対する反対給付としてでなく、一定の要件に該当する全ての者に対して課する金銭給付は、その形式のいかんにかかわらず、憲法八十四条に規定する租税に当たるとしています。

 その上で、国民健康保険の保険料は、保険料を、受け得ることに対する反対給付として徴収されることを理由として、憲法八十四条の規定は直接に適用されないとしたものの、強制加入とされ、保険料が強制徴収され、賦課徴収の強制の度合いによっては租税に類似する性質を有するものであるから、これについても憲法八十四条の趣旨が及ぶべきとしています。

 上記に照らして在留諸申請の手数料を検討すれば、外国籍者が日本に在留しようとする限り、その支払いは必須であり、実質的には強制です。

 また、手数料は一般財源に組み入れられるものであって、使途が限定されていません。この点、政府は、外国人関連施策に充てる予定ではあるとしていますが、入管庁が挙げている具体的施策を見れば明らかなとおり、施策の中には、合法的に日本に滞在する外国籍者には無関係な施策が少なくなく、ましてや、長年日本に居住する者や日本生まれの外国籍者に至ってはほぼ無関係なものばかりであって、反対給付として徴収されるものとも考えられません。

 したがって、在留諸申請手数料は、実質的に租税に当たる、少なくとも憲法八十四条の趣旨が及ぶように思われます。にもかかわらず、本改定案では、かかる高額な上限と抽象的な考慮要素のみを定め、在留期間による額の区別や減免の対象を含め全面的に政令に白紙委任していることからすれば、憲法八十四条の趣旨に反し、許容されないと考えられます。

 第二に、憲法十四条や自由権規約二十六条が定める平等原則との関係です。

 今般値上げ予定の手数料のうち、実費相当分は一万円ないし二万円であり、その大部分が実費以外に充てられることが見込まれています。しかしながら、既に述べたとおり、その施策は長年日本に居住する者や日本生まれの外国籍者にはほぼ無関係なものばかりであって、反対給付でも恩恵に対する対価でもありません。それにもかかわらず、日本国籍を有していないというだけの理由で、自身と無関係な施策のための費用を手数料という名目で強制的に徴収し、負担させるのは、憲法十四条や自由権規約二十六条の禁ずる、平等原則に抵触するのではないかという疑念を強く想起させます。

 既に述べたとおり、昭和五十六年の制定時は実費を基本として手数料額が定められたことから、こうした憲法等との適合性は、これまで一度も国会で議論をされたことがありません。本改定案においては、国会において、憲法や条約との適合性についても十分な議論が必要です。

 なお、入管庁は、手数料を充てる予定の具体的施策の一つに、難民等の適切かつ迅速な保護、支援を挙げています。しかしながら、難民認定や難民保護は日本が難民条約締約国の責務として行うものであり、国の裁量に基づく出入国管理手続とは全く別の手続ですから、難民認定や難民保護に係る費用を、改定法案六十七条二項に挙げられている外国人の出入国及び在留の公正な管理に関する費用に含むことも誤りです。

 もう一つの考慮要素である諸外国における同種の手数料の額についても、大きな疑義があります。

 これまで諸外国の例として挙げられているのは仕事を理由とする在留資格のみであり、国籍者の配偶者など、その身分や地位に基づく在留資格についての例は挙げられていないようです。しかも、円安や日本との賃金や物価の差も考慮されていません。これで諸外国における同種の手数料が検討されたとはとても言えません。

 急激な引上げの実際上の影響も、極めて深刻です。

 日本国籍を持たない人が日本で生きていくために、在留資格は、水道や電気、住居と同様、あるいはそれ以上に欠かせないものです。とりわけ、政府、入管庁は不法滞在者ゼロプランを掲げ、在留資格のない非正規滞在を容認しない姿勢を明確にしています。また、日本では、出生による国籍取得や帰化が法律上も実務上も他の先進国と比べて非常に限定されている上、政府、入管庁は永住や帰化の要件をこれまで以上に厳格化する方針であると報じられています。すなわち、日本国籍を持たない多くの人々は、在留申請を繰り返さざるを得ないという状況に置かれています。

 そのような状況において、生きていくために不可欠な在留資格を維持するための費用がこのように急激に引き上げられれば、当事者やその家族の生活に極めて深刻な影響を及ぼします。場合によっては、これまで日本で築いてきた生活を奪ったり、家族の分離を招いたり、迫害のおそれのある国に帰ることを事実上強いることになりかねません。

 例えば、収入が低い場合、一回の更新や変更で与えられる在留期間は短くなる傾向にあります。入管庁が予定しているところによれば、在留期間が一年の場合、手数料は三万円、四人家族なら十二万円です。収入の低い家庭が無理なく賄える額でしょうか。受益者負担ということばかりが言われていますが、負担能力を無視するのは、安定した制度につながらないのではないでしょうか。

 金額の具体的な決定や減免の対象を行政に全面的に委ねるというのも、既に述べた法的な観点のほか、実際上も極めて大きな問題です。

 現在の法案では、何を減免の対象としてはいけないかのみを定め、あとは全て行政に委ねています。そして、現在までに、具体的にどのような者が減免の対象になるのかは全く明らかになっていません。定められ方によっては、難民条約や子どもの権利条約等との抵触も問題になるほか、人道上も極めて過酷な事態が生じることが強く懸念されます。

 二〇二三年の非正規滞在者を主たる対象とした法改定、二四年の永住資格の取消し事由の拡大と、管理、排除を強化する法改定が立て続けになされ、さらには、昨年秋頃から、外国人をめぐる政策については、嵐のような方針の変更が行政のレベルで続いています。これらの方針変更については、国会で全く議論をされることもなく、その必要性や影響についての説明すら、ほとんどあるいは全く公の場でなされていません。多くの外国籍者の人生、生活が極めて大きな影響を受けるにもかかわらずです。当事者たちは本当に混乱し、振り回され、落胆しています。

 更に追い打ちをかけるのがこの本改定法案、すなわち、特別永住者と永住者を除く全ての外国籍者に影響を与える、急激かつ大幅な手数料の値上げです。真面目に日本で生活してきた外国籍者の人生、生活が余りにないがしろにされているように思われます。

 改定法案が目指す急激かつ過大な手数料の引上げが、憲法上や条約上、問題を生じないのか、外国籍者に対する実際上の影響は許容され得るものか、さらには、こうした引上げが本当に日本社会にとって望ましいものであるかなど、国会で十分に議論いただく必要があると考えます。

 移住連では、三月十六日、在留審査手数料を過大に引き上げる法案に反対する声明を発出し、また、この法案に関するメッセージを募集しました。僅か十日ほどで、百二十件以上のメッセージが寄せられました。声明については資料一、メッセージについては資料二としてお配りしています。

 メッセージの中から幾つか御紹介をいたします。

 二十一歳、特定技能、インドネシア。現場で働く外国人の声を無視しないでください。私たちは数字や統計の一部ではありません。それぞれが生活を築き、責任を背負って働いています。このような決定が続けば、日本で働き続けること自体を見直さざるを得ない人も増えていくはずです。

 二十七歳、技術・人文知識・国際業務、ベトナム。手数料の引上げ自体は理解できますが、適正な範囲であるべきだと思います。現在の引上げ額は高過ぎて、家賃や光熱費など多くの生活費を負担する外国人、特に家族世帯には大きな負担です。合理的な金額を望みます。

 五十九歳、永住者、フィリピン。日本人夫の家庭内暴力で幼い子供たちを連れて逃げないといけなかったフィリピン人母親が、精神、身体がぼろぼろになっている中で子供たちを育てるために働かなければならない状況で、在留資格の手続の手数料の引上げで、どんなに頑張っても貧困になりかねない。日本で暮らすため、日本国籍の子供たちと離れ離れにならないためには在留資格手続をしないといけない。この手数料を払うために働かないといけなくなる。長時間母親が働かないといけなくなる。ここでネグレクト、ヤングケアラー、虐待等の問題が起きる可能性が高い。

 五十六歳、夫が外国籍の日本国籍。夫は日本人の嫌ういわゆる三Kの仕事をして、妻の私も働いて、二人の多くはない給料で、夫婦それぞれの親を支えて、真面目に税金、年金を払って、物価の高騰、生活に余裕はありません。それでこのビザ更新料です。これを払えなければ、夫は帰国しろということです。国が夫婦を離婚、別居に追い込むのですか。それとも、そんなに外国人と婚姻生活を続けたいなら、私も日本から出ていけということでしょうか。

 時間の関係上、全てを御紹介することはできませんが、外国籍者に与える具体的な影響や、日本社会にとっての悪影響を及ぼす懸念など、様々な声が寄せられていますので、是非このメッセージにお目通しいただければと思います。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

井上委員長 鈴木参考人、ありがとうございました。

 次に、生田参考人にお願いいたします。

生田参考人 難民支援協会の生田志織と申します。

 本日は、このような機会をいただき、誠にありがとうございます。

 私たちは、日本で暮らす難民申請中の方を支援しているNPO法人です。一九九九年の団体設立以来、日本に逃れた難民の方たちを支援してきました。今日は、日々の難民支援の経験から、今回の入管法改正案のうち、手数料の引上げについて、慎重な議論を求める立場から意見を述べたいと思います。

 まず強調したいのは、今回の手数料引上げの直接の当事者は、この議場の中に、少なくとも法案を採決する立場にある方の中に一人もいないということです。出入国や在留管理に関する議論は、こうした当事者不在の中で行われる構図にあります。だからこそ、お願いしたいのは、当事者の立場に立って、想像力を働かせることです。新たに定められる法律や行われようとしている法改正の内容が当事者にどのような影響を与えるのか、その当事者が基盤を置く日本社会にどのような影響を与えるのか。

 私がお伝えできるのは、難民申請中の方という、日本で暮らす外国人の中でも本当に限られたグループの方たちに関することです。しかし、日本社会はそもそも既に多様です。皆さんの身近にいる外国にルーツを持つ方の状況を想像しながら、私の話を聞いていただければ幸いです。

 まずは、私たちの団体の活動と、日本における難民保護の状況についてお話ししたいと思います。

 資料が前後して恐縮ですが、資料の三ページ以降に私たちの団体の報告書を載せております。右上に通し番号がありまして、そちらの六ページを御覧いただければと思います。

 私たちの団体では、昨年度、八十五か国出身の一千人以上の方に支援を提供いたしました。相談者の出身国のうち、半数以上をアフリカ地域の出身の方が占めています。

 よく、難民の方はどうして日本に来るのでしょうかという疑問をいただくことがあります。難民の方が来日する理由は様々ですが、日本をあえて選ぶというよりは、逃げる先をすぐに探さなければならない、そういった状況の中で、最初に日本のビザが取得できたという方が多くいらっしゃいます。

 世界を見渡すと、難民として他国に逃れている方は三千百万人を超えます。一方で、日本で難民申請をする方は年間一万人ほどです。実は、難民の六七%は周辺国で暮らしており、いわゆる先進国まで逃れてくる方というのはごく僅かです。その中のほんの一部の方が、たまたま結果として日本にいらっしゃっているというイメージを持っていただければと思います。

 さらに、難民は飛行機に乗れるのでしょうかという疑問もよくいただきます。確かに、難民と聞いたときに、多くの方が難民キャンプを思い浮かべるかもしれません。しかし、逃れる手段や経済力の有無は、難民かどうかとは関係がありません。渡航費に困らない人もいれば、何とか資金をかき集めて、やっとの思いでやってきたという方もいらっしゃいます。難民とは、経済的に困窮している人ではなく、定義上、迫害のおそれがある方たちです。

 資料の中では、私たちの団体で提供している支援のうち、法的支援、生活支援、就労支援の件数をお示ししています。

 法的支援とは、難民認定手続に関する支援です。私たちの団体にいらっしゃった時点で日本に来てから数日しかたっておらず、難民申請をこれから行うという方もいらっしゃいます。難民申請自体は地方の入管局で行いますが、私たちの方で手続について情報提供を行い、申請書の作成をサポートするなどしています。難民申請後は、証拠の提出に関するアドバイスや、入管庁の難民調査官とのインタビューに向けたアドバイス、また、弁護士の紹介などを行っています。

 食料や住居、医療に関する生活支援も行っています。難民審査には平均約三年を要し、五年以上待たされるということも決して珍しくありません。しかし、難民申請中の方がアクセスできる公的支援は非常に限られており、私たちのような民間の団体の支援で何とか暮らしているという方もいらっしゃいます。

 難民の方の中には、出身国で受けた経験などから心身に大きな傷を負っている方もいます。しかし、一方で、私たちの想像を絶するような経験を乗り越えて日本にまで逃れてくる、そんなバイタリティーをお持ちの方もいらっしゃいます。多くの方が支援に頼らず自立して暮らしていきたいと考えている中で、私たちの団体でも、難民申請中で就労許可がある方には就労支援も行っています。

 こうした私たちの支援の大半は、一般の方や企業などからの寄附金で支えられています。

 資料の通し番号八ページに進みます。

 日本での難民認定の少なさから、日本に真の難民はいない、日本での難民申請は濫用や誤用が多いのではと思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、日本の難民認定制度は非常に厳しく、難民として認定されるべき人が認定されない状況にある、その結果として難民認定の数が少なくなっているというのが私たちの認識です。

 私たちが把握する中でも、紛争や暴力が蔓延する地域の出身の方や、軍によって拘束や暴行を受けた経験を持つ方、監禁され、性暴力を受けた経験を持つ方など、明らかに難民に該当すると思われる方が、難民不認定の結果を受け取っています。本来慎重に行われるべき難民不認定の判断が拙速に行われているとの懸念が拭えません。逃れた先で難民として認定されることは、迫害の待つ出身国に送り返されるかもしれないという恐怖からの解放を意味します。しかし、この国に逃れた多くの方が、難民認定の結果を得て人としての権利を回復したり新たな日常を立ち上げたりすることができていないというのが実情です。

 ここまで、私たちが日々お会いしている難民申請中の方の状況をお伝えいたしました。

 では、難民申請中の方に今回の法改正の案がどのような影響を与えるのか、懸念点を三つに分けてお話しいたします。

 まず、難民申請者は、在留資格手数料引上げの影響を特に受けやすいグループであるということです。

 資料の表紙、一枚目に戻っていただければと思います。

 難民申請者の大半は、在留資格を有した状態で難民申請を行います。難民申請と同時に在留資格の変更申請を行い、特定活動と呼ばれる在留資格に変更します。出身国での迫害や人権侵害から逃れてきた方たちです。在留資格の安定は、命の保障、安全への権利のために絶対的に必要なもの。何とか手数料を捻出して、こういった形で在留資格を変更します。

 さて、難民申請直後に得られる在留資格は、通常、二か月と非常に短いものです。ここからは、難民申請者の多数、約六割を占めるD案件と呼ばれるカテゴリーについて説明いたします。

 D案件に振り分けられた場合は、図に示しているとおり、二か月の在留資格を更新し、三か月の特定活動が付与されます。その後に付与されるのも三か月の特定活動。これを更新して、難民申請から八か月後に、初めて六か月の在留資格が付与されます。このときに、やっと就労許可も得ることができます。

 すなわち、難民申請から最初の八か月間で、しかも就労が認められていない状況で在留資格の変更や更新を四回行うこととなります。現行の金額六千円であれば、単身世帯の場合は計二万四千円、四人家族でもし申請を行えば、その額は九万六千円にも達します。

 その後も六か月ごとに手数料を支払い、在留資格を更新します。いつ難民認定といった安定した在留資格を得て半年ごとの更新から抜け出せるのか。それは、入管庁の難民審査の状況次第です。本人たちも、いつまでこの手数料の支払いが続くかは分かりません。

 ある家族の状況に当てはめて考えてみたいと思います。また資料が前後してしまい恐縮ですが、資料の四ページ目に、ある難民の方のストーリーというのを載せています。エチオピア出身の難民認定を受けた家族のストーリーです。政治的な弾圧から逃れて、日本で難民申請を行いました。四人家族でした。難民申請を行うと同時に、在留資格の変更のためにここで四人分の手数料を支払うこととなります。この方たちの在留審査にかかった期間は六年間。この間は、どんなに長くても半年ごとに在留資格の更新を行います。手数料が六千円だとしたら、六千円掛ける十二回、家族四人で二十八万八千円。これだけの手数料を支払った末の難民認定ということになります。

 この方たちの事例は、決して例外的なものではありません。私たちが把握するだけでも、難民申請をしてから五年以上待ってやっと認定されたという方は毎年のようにいらっしゃいます。

 重要なのは、難民申請者に付与される在留資格の期間は、その活動に要する期間、つまり難民申請の結果が出るまでではなく、案件振り分けといった政策的な判断で細切れに定められるものであるという点です。迫害を恐れて逃れてきた日本で、オーバーステイになるわけにはいきません。命には代えられないものとして、支払いを続けていくこととなります。

 では、難民申請中の方たちは、この手数料をどのように捻出しているのでしょうか。また表紙の資料に戻っていただければと思います。

 先ほど述べたとおり、難民申請者は、原則として申請から八か月間は就労することが認められません。この間に多くの方が、所持金が尽き、衣食住もままならない状態に置かれてしまいます。私たちの団体にも、日々、住む場所がない、昨日から何も食べていない、お金がなくて病院に行けず持病が悪化しているといった相談が寄せられています。私たちが把握するだけでも、三十人以上の難民申請者が野宿状態にある月もありました。

 そのような状況で、所持金がないにもかかわらず、手数料を支払わないとあなたの在留は認められませんと言われる状況を想像していただきたいのです。手数料の支払いができない、どうしたらよいでしょうかといった相談は、実際、私たちのところに毎月寄せられています。私たちの団体だけでも、月平均約二十人の方に対して、計数万円から、多い月で二十万円以上の手数料を支援しています。知人やコミュニティーに頼って何とか支払っているという方もいます。

 そして、三点目のポイントです。非正規滞在となる難民申請者が増えるおそれについてです。

 難民の地位の認定は宣言的性格を有するものです。難民は難民認定によって難民となるのではなくて、難民であるから認定されるというのが国際社会の了解です。難民申請者に対する法的地位の付与は、それを具現化するものであり、国際保護の理念に沿った重要な取組です。その安定が資力の有無によって損なわれるようなことがあってはなりません。

 仮に在留資格の変更や更新の手数料が値上げされた場合、手数料が支払えず、本人の意思に反して非正規滞在となってしまう方が増えることが懸念されます。非正規滞在となることで本人たちの生活が困難になることは言うまでもありません。さらに、これは、非正規滞在者を増やさないようにと目指している政府も望まない状況ではないかと考えます。

 資料の二ページ目を御覧いただければと思います。お願い事項を二点にまとめております。

 まず一つ目として、経済的に困窮する難民申請者が現行の六千円を超える額の手数料の支払いを課されることがないように、御配慮いただければ幸いです。

 ここまでお話ししてきたとおり、現行の六千円ですら支払いが困難な方がいる中で、更なる値上げが当事者に与える影響は計り知れません。仮に引上げを行う場合であっても、例えば、六か月以下は据置きとし、一年以上は一万円とするなど、在留資格の更新頻度が高い人に配慮した制度設計をお願いしたいと思います。法案には上限額のみが書かれており、その幅であればいつでも法改正の必要なく引上げが可能という点も私たちの不安の要因です。

 また、経済的に困窮する難民申請者を減額や免除措置の対象とすることもお願いしたいと思います。法案には、経済的困難その他特別の理由による減免措置に関する記述があります。それをどのように判断するのかが今後の問題になってくると思います。例えば、難民申請中で就労許可がない間は、減免措置を必要とする状況にあると言えます。また、人数は少ないですが、難民申請者向けの公的支援である保護費を受給している場合も、生活に困窮することが既に明確な場合として挙げられます。また、収入が最低生活費を満たさない場合など、必要な配慮をお願いできればと思います。

 お願い事項の二つ目として、難民認定等により在留資格を変更又は更新する場合や、緊急避難措置により在留資格を変更又は更新する場合は、その他特別の理由に当たる場合として減免措置の対象となるよう、御配慮いただければ幸いです。

 難民申請の結果、難民認定や補完的保護を得ると、それまで持っていた特定活動の在留資格を定住者と呼ばれる在留資格に変更します。この定住者の期間は五年間ですので、この際の手数料の大幅な引上げが懸念されます。難民認定をしたのに在留資格は付与されないという状況を生み出さないように、必要な配慮をお願いしたいと思います。

 また、難民申請の結果、人道配慮による在留許可が認められる場合にも、人道的な観点から同様の対応が求められます。

 さらに、ミャンマーやアフガニスタン、スーダンやウクライナなど、政情が不安定な国の出身者に対して、政府は緊急避難措置という制度を取っています。難民申請の有無にかかわらず、特定活動の一年を付与する仕組みです。このような場合についても、人道的な見地から手数料の減免といった対応が求められます。

 以上、難民申請中の方を支援する立場から、今回の入管法改定案に関する意見を述べてきました。

 二〇二五年六月時点で、難民申請者用の特定活動を持っている方は一万人を少し超える程度です。在留外国人全体に占める割合は〇・三%と、決して多くはありません。しかし、手数料引上げの影響を確実に受けるグループであり、人道的な見地からも配慮を必要としています。

 当事者の立場に立った丁寧な審議を改めてお願いし、私の陳述を終わります。

 ありがとうございました。(拍手)

井上委員長 生田参考人、ありがとうございました。

 以上で参考人の方々の御意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

井上委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。福原淳嗣君。

福原委員 自由民主党の福原淳嗣でございます。

 まずもって、質疑の機会をいただきましたこと、委員長、理事の先生の皆さん、そして法務委員会の全ての皆さんに感謝を申し上げるとともに、お忙しい中にもかかわりませず、こうして集まっていただきました三人の、生田参考人、鈴木参考人、そして結城参考人に心から感謝を申し上げまして、早速質問させていただきたいと思います。

 まず、一番最初に、生田参考人にお聞きしたいと思います。

 生田参考人は、お願い事項を二ページに書いてありまして、その二つのことに関しましては、実は今回の法改正の中でも手数料の減免又は免除ということで記されているわけでありますが、生田参考人の目から見て、日本の難民の受入れの制度というのは公正なのか、他国と比べてどのように捉えておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。

生田参考人 御質問いただきまして、ありがとうございます。

 日本の難民認定制度は、先ほどのお話の中でも少し触れましたが、非常に厳しいものになっているというところが私たち支援団体としての受け止めです。

 おっしゃっていただいた公正性というところが非常に重要だと思っておりまして、例えば、難民申請をしたときに、当事者の意見を聞く機会が十分に設けられているかといいますと、インタビューも行われずに難民不認定とされる場合もあります。

 あとは、難民申請中の方は、やはりこの手続はかなり複雑な手続です。難民申請に必要な書類とかを一人でそろえていくというのは非常に難しいんですけれども、ただ、他国と比べて日本が特徴的なのは、こういった部分に弁護士が入っていって支援をしていくという部分が非常に弱いんですね。少数の、限られた、とても善意のある弁護士の方にお願いをして、何とか手続をやっていく。ただ、それでも全ての方に弁護士をつけることは私たちとしてもできていないので、本当に一部の方だけしかこういった十分な手続ができていない状況で行われています。

 また、公正性という観点で、透明性も非常に重要になってくると思うんですけれども、入管庁の方が難民の方に対して行っているインタビュー、こちらは録画とか録音とかもされていないので、どういったやり取りがあったのかというのは、実は手続が終わるまで全く分からない状況です。

 また、難民不認定とされる場合に、簡単な理由書が本人たちに渡されるんですけれども、本人が主張したことに対してどのように不認定の判断をしたのかというのが曖昧な記述で、はっきり分からないような形になっておりまして、こういった部分も踏まえると、公正性というところではまだまだ課題があるんじゃないかなとは思っています。

 ただ、そういった中でも難民認定する方たちもいらっしゃるので、これからどんどんよくなっていく部分だというふうには信じていきたいんですけれども、まだまだ改善の余地はあるかなというところが正直なところです。

 ありがとうございます。

福原委員 生田参考人、ありがとうございました。

 なぜ一番最初に難民の話をしたのかというと、実は私、前職、秋田県の大館市の市長をしていました。秋田犬のふるさとでもあるんですが、残念なことに、八十年前、一九四五年の六月三十日、御存じだと思いますが、花岡事件がありました。国策として中国の方をうちの花岡の鉱山に連れてきて、そこで労働をしてもらっていたんですが、結局は、一揆を起こして鎮圧される中で、たくさんの方々が亡くなってしまうという、惨劇です、はっきり言えば。毎年六月三十日に殉難者慰霊式典に出るというのは市長の務めなんです。

 今の、現代の感覚でいえば、これは絶対許されないことだなというふうに思っていますが、実は、そういうことを、ずっと歴史的なものを先人、先達から受けていたので、今、大館市には、薬品を作るあるいは医療機器を作る大きな工場、二千五百人、それから重要鉱山物資を供給している鉱山、あるいはロケットエンジン噴射試験場といった大きな工場、設備等がありまして、そこにたくさん実は海外の人が来ています。東南アジアの方々も来ています。洋上風力発電でいえば、ヨーロッパの人も来ています。非常に寛容でして、共生もされています。犯罪はまず起きていません。地域社会にしっかりと溶け込んでいます。

 そうした中、私は、今回一番、結城参考人の、問われているのは誰を受け入れるのかではなくてどのような社会を設計するのかというところと、制度というのは管理ではなくて社会の基盤だというこの文言は、非常に私は意を強くするところ大というか、むしろ、こういう意見、こういうことを教えていただいたということを、地元の選挙区に帰って首長さんたちと共有したいなというふうに思いました。

 そうした中、これから、選ばれる国日本という中において、地方が持っている潜在的な可能性、ポテンシャルを生かしていくことで、例えば国産食料を増やしていく、国産のエネルギーを増やしていく、どちらもこれは地方でなければできないことであります。

 結城参考人は、特に群馬からそのモデルをつくっていくんだというお考えを披瀝しましたし、これまでの所見もちょっと私は読ませていただきまして、そういうメッセージというのは、これから地方においては更に重要になってくるのではないのかなというふうに考えております。

 是非、このことに関して、群馬モデルの進捗状況等を詳しくお聞かせ願えないでしょうか。

結城参考人 御質問ありがとうございます。

 地方、このエネルギー、どういうふうに外国人材とともに歩んでいくかは、全国のいろいろな地方の大きな課題になっていると思います。

 実は、私は、都会の学校を出て、初めての就職が群馬だったんですけれども、意気揚々として行ったんですが、日本の典型的な文化がいかに学校の文化の中に入っているかというところを、博士号を取らせていただいたんですけれども、結城理論が通じない地域が群馬にはあるよ、それがいわゆるブラジルタウンと言われている大泉町でした。そこに私は週二回ずっと通い詰め、フィールドワーカーですので、そういったところで、外国人材、子供たち、そして親、そして学校、行政、いろいろな方々がネットワークを広げていかないと子供の教育事情はよくならないということを感じました。

 そこからいろいろな取組を進めていくと、地域全体がよくならなくてはならない、そうだとすると、本学はいろいろな学部がありますので、学部横断的に、例えば学校保健安全法の適用外になっている外国人学校でどういうふうに健康診断をしていくかとか、それを更に広げていくと、働く人たちの健康あるいはウェルネスをどういうふうに、ウェルビーイングをどうしていくかという課題になってきます。

 ところで、今回のいろいろな在留資格の変更という点におきましても、今担当しておりますのが、高度外国人材になる人たち、いわゆる留学生の就職支援でございます。これにつきましても、いろいろな企業様から今回の法案についていろいろなリクエストをいただいてきたんですけれども、一つ結論として言えるのは、私たちが取り組んだものなんですけれども、二〇一五年には地元への就職が一六・四%だったのが、四年後には六一・四%、そして昨年度は八六・七%に上がりました。この数字は、地方において高度人材を定着させることは不可能ではないという結果になったと思います。

 それは何をしたかというと、ちょうど、ライフステージに合わせて、日本でどんな夢を描くのか、そういったキャリアビジョンを磨くことと、それからコミュニケーションスキルをしっかりと伸ばしてあげること、さらには、地元の人たちや企業へ行って、暮らす、働くということがどういうことなのか、中長期のインターンシップに行ってもらって接触をするということです。

 今回の課題にも関連させて申し上げますと、今申しました、人が日本で夢を抱きながら、あるいは失望もしながら、次のライフステージを選択するときに、どういう在留資格を取っていくのか、そこのところは大きな決断になると思います。そのときに、受益者負担になるかもしれませんが、お金を払っていただくと同時に、その支援をしっかり、国として、重要な人材、宝としてどう応援していくのか、それを示すチャンスになるというふうに考えています。それが地方においても活性化につながると考えています。

福原委員 結城参考人、ありがとうございました。非常に勉強になりました。

 長く暮らしていると、やはりその人の役割、地域社会から求められる役割もですし、その人本人の地域社会に対する思いもやはり進化していく、そこに私たちが応えていかなければならないんだなということを再認識いたしました。

 恐らく、私のふるさと大館だけでなく、およそ農業が盛んな、行けば田んぼが見えるようなところには必ず、日本の場合は縫製工場がございますよね。大館も間違いなくその形でありました。

 ある縫製工場が、岡山の方に社長さんが替わったんです。そうしたら、その社長さんが来て、いや、福原市長、秋田はいいところだと言うんですね。何でですかと言ったら、ブローカーが訪ねてこないと言うんですよ。ブローカーが訪ねてこないとはどういうことですかと。普通は、おたく、従業員が足りないんじゃないか、うちの方で五人用意するよ、その代わり、一人一人、三年間で、帰すときには五百万つけないと、彼女のメンツがもたない、彼女のうちがもたないとかなんとか、そういうふうなことを言われて、強制的にそういうところからの人をあてがわれるという事実を聞いて、秋田はそういうことが全くないというのを聞いてすごく私は喜んだ経験があります。

 そうすると、今回の改正の中で、ちょっと違うんですが、運送業者等の義務というのがあるんですが、私はむしろ、不法労働者じゃなくて、そういうふうな仕組みをつくっている側、事業者の側ではないかなと思うんですが、そのことに関して結城参考人はどのように捉えていらっしゃいますか。見解をお聞かせいただければと思います。

結城参考人 御質問ありがとうございます。

 外国人住民そのものにいろいろと課すというのではなく、その人たちを雇っていたり、暮らしている現場の環境に関わる人たちにもしっかりと意識啓発をするということは非常に大事なことだと思います。

 つまり、多文化共生あるいは外国人の活用といったときに、一番論じられていないのは日本人の意識改革です。

 この問いにつきましては、外国人の秩序ある受入れと共生社会の実現のための有識者会議でも、そこはいろいろと議論をし、私自身もかなり提案を申し上げました。日本人に対して、これから、覚悟を持って、隣人として、暮らすところ、働くところで外国人材がいる、それは、幼児期から、少しずつ少しずつ、どのように対話をしていくのか、どういう価値観を大切にしていくのかということを積み上げていく必要があり、それが、最終的には、そういった外国人材を雇っているいろいろな業界の方々の啓発ということもこれから求められてくるということで、同じ意を持っております。

 こういったことが、全国でいろいろなモデルケースが生まれていき、情報交換をしながら、よりよいものになっていければと心から願っております。

福原委員 結城参考人、本当にありがとうございました。

 最後、私からの提案ということで、結城参考人の考え方をお聞かせいただきたいと思います。

 今回は法改正でありますので、これは国であります。国が法をもって社会に対する秩序をつくっていくのは当然なんですが、首長を経験していると、現場はやはり市町村が最前線の現場のフロントにいますので、その市町村が、実は、この法の趣旨をきちんと理解をして、地域社会の、外国から来られた方々との共生をちゃんとつくっていく、コミュニケーションも含めて、その点が非常に重要ではないか。

 まさに市町村こそ最後の防波堤になっていくのではないのかなということを私は考えていますが、残された時間も少ないわけですけれども、結城参考人のお考え方を最後にお聞かせください。

結城参考人 私は、顔の見える関係が、多文化共生社会を築く一番大事なことだと思います。

 一番大事なところでは、確かに秩序や法整備が必要です。それは社会の土台です。その上で、活性化を図っていく、あるいはお互いが理解し合えるということは、信頼関係を構築していかなくてはなりません。そのためには対話が必要です。

 その対話を、大きな国の対話として議員の先生方が語りかけていっていただき、誤解を解いていくということはもちろんお願いしたいところでございますが、それが本当に暮らすところまで続いていくというためには、市町村の皆様と連携をし、産官学金民の連携がこれから求められると思います。

 以上でございます。ありがとうございます。

福原委員 結城参考人、ありがとうございました。群馬モデルを秋田でも宣伝していきます。

 終わります。

井上委員長 次に、國重徹君。

國重委員 おはようございます。中道改革連合の國重徹です。

 三名の参考人の皆様には、何かと御多用な中、当委員会までお越しいただき、貴重な御意見を賜りましたこと、まずもって心より感謝と御礼を申し上げます。

 今日、十五分という限られた時間になりますので、できるだけ参考人の皆様の御意見を更に聞かせていただきたいというふうに思います。

 先ほど参考人の皆様から、意見陳述の中で、手数料の上限額、また実際に支払う手数料の金額の引上げというのが在留外国人の生活とか活動にどんな影響を及ぼすのかという、現場の実態に基づいた非常にリアルな御意見をいただきました。

 その上で、まずは結城参考人と鈴木参考人にお伺いをいたします。

 今回の法案では、現行制度にはなかった手数料の減免措置、これが新たに定められています。条文を言いますと、六十七条の三項で、法務大臣は、経済的困難その他特別の理由により手数料を減額し、又は免除することが相当である者として政令で定める者であるときは、政令で定めるところによって、第一項の手数料を減額し、又は免除することができると定めております。

 私も、この内容について十七日の対政府質疑で問うたんですけれども、まだこの内容は明らかになっておりません。そのときの政府答弁は、この内容を具体的に政令で定めるに当たっては、国会審議、ここで今やり取りしている内容であるとかパブコメを踏まえて検討するというように言っております。

 先ほど、生田参考人の方からは、書面の中で、お願い事項としてこの点については具体的に意見をいただきましたので、次、結城参考人と鈴木参考人に、この手数料の減免について、具体的にどのような要件に該当する者を対象とすべきとお考えなのか、その理由も併せてお伺いしたいと思います。

結城参考人 御質問ありがとうございます。

 まず、今回、この法案を考えるに当たって、減免措置を制度設計の中に入れるというのは非常に大きな一歩だというふうに考えております。それといいますのも、先ほど私が意見陳述で申し上げましたように、こういった人道的配慮がどうしても必要な方々、お二人の参考人がお話しになられましたが、聞いていても胸が痛くなる、そういう状況の人たちに、先が見えない状況の中でこのまま続けていっていいのかどうかというところでございます。

 ところが、一方で、こういった御苦労されている方々に道筋がつけば、きちんと日本で暮らし、働くという、先が見えるような方策ができるということは非常に大事になってくるかと思います。ですので、減免措置をするということは、その事情に合わせて、その方たちの猶予の時間を考えるというだけではなく、同時に、その間に、そのままの状態でいさせるというのではなく、そういった状況からどうやって抜け出せるのか、そこの支援体制も必要になるというふうに考えています。

 すなわち、金額がどうであるというところは非常に難しく、論じにくいです。ですが、その減免と、それだけその減免したところから自力で抜け出せるような、そういった環境整備のための投資ということが一方で必要になってきます。そこをどういった予算でやっていくのかというところもしっかりと審議した上で、二本立てで、この予算というか、こういった財源をどう生かしていくかというところが必要になってくると考えます。

 以上でございます。

鈴木参考人 ありがとうございます。

 減免措置は全面的に政令に委任するということ自体が適切でないということは先ほど申し上げたとおりですが、その上で、じゃ、具体的にどのような者が減免対象者になるべきかというお尋ねについて、私の考えを申し上げたいと思います。

 まず最初に、難民申請者、それから永住許可以外は定められていませんので、難民認定者、補完的保護対象者です。

 難民申請者については、働けない在留資格の場合もあり、働ける場合も六か月の更新で非常に不安定なので、よい仕事が見つけにくいというのが実情です。そのような中で高額な手数料を課すようなことがあれば、実際には日本の滞在を断念せざるを得ないということが生じ得るようなことになりまして、この場合は、難民条約等が禁じる、ノン・ルフールマン原則、送還禁止原則に、事実上、帰国を強制するという結果になって、この原則に抵触しかねないということを強く懸念します。

 そのために、難民申請者等については原則として免除対象とすべきであり、また、資力の確認に現場の負担を増やすというようなことは避けるべきで、その分、迅速、正確な認定にリソースを割いていただきたいと考えます。

 それから、子供と高齢者を含む家族も対象にしていただくべきであると考えます。日本は生来的な国籍取得や帰化が厳しいために、諸外国と比べて今回の在留申請の対象になるような者が多くなると思います。また、子供については減額対象の国も多いというふうに認識しています。諸外国の手数料が要素とされていますので、これらのそもそもの制度の相違や実情についてきちんと調査していただいた上で、決定が必要と考えます。

 それから、住民税の非課税世帯、こうした者たちについては、在留資格の該当性、相当性が認められる場合に、費用が払えないという理由で在留の継続を断念させたり、また、より貧困に陥らせるというような事態は避けるべきではないかと考えます。

 そのほか、傷病や障害、解雇や倒産など、支払いができないことに酌むべき事情がある場合や、コロナ禍や震災のような伝染病、災害等の非常事態等についても目配りをした上で、減免対象を決めていただきたいと考えております。

國重委員 引き続き、鈴木参考人、生田参考人にお伺いしたいと思います。

 今やり取りをした手数料の減免、これはあくまでも例外的な取扱いでありまして、原則は手数料を納付しなければ在留資格の変更の許可等を与えることはできない、これが政府の立場になります。しかし、今回の手数料の、これはあくまでも上限の引上げですけれども、一気に十倍あるいは三十倍ということになりまして、多くの当事者の皆さんには大きなインパクトを与えるものになります。

 そこで、手数料の減免以外にこの影響を和らげるための配慮、工夫としてどのようなことが考えられるのか、御意見がありましたらお伺いしたいと思います。

鈴木参考人 そもそもこの上限額自体が非常に過大ですので、なかなかそれ自体を前提とした緩和というのは申し上げるのが難しいというのが率直な感想ではありますが、その上で意見を申し上げさせていただくとすれば、まず、これは施行が今のところ来年の三月三十一日を予定するというふうになっているというふうに思います。御紹介しましたメッセージ等を見ても、やはり余りに急激かつ具体的な金額が過大過ぎるという意見が非常に多く寄せられているところでありますので、この時期、それから具体的な金額そのものについて、実際的に合理的なのか、可能なのかということをやはり考えていただくということが重要ではないかと思います。

生田参考人 御質問いただき、ありがとうございます。

 私も鈴木さんと同じように、手数料の金額の方での工夫というのが本来必要だというふうに思っています。本人たちが払えない額の手数料を求めるのではなく、実際払える金額の範囲に収めていただくというところが重要かなと思っています。

 もう一点、難民申請者に限って言えば、先ほどもお伝えしたとおり、在留資格の更新頻度が高いというのはそもそも制度上の部分ですので、この六か月ごとの更新が必要なのか、より長い在留資格が難民申請中に与えられないのかですとか、あと、難民申請後に、二か月、三か月、三か月という短い在留資格を付与されるというのも、これも変わってきている部分なんですよね、実はより短くなっていってしまっている部分なので、こういった在留期間上の工夫というのも、もう一つ考えられる部分じゃないかなと思っております。

 以上です。

國重委員 ありがとうございました。

 次に、結城参考人と鈴木参考人にお伺いいたします。

 今回の手数料の上限額の引上げについては、外国人の出入国及び在留の公正な管理に要する費用の額等、いわゆる応益的な要素、これも勘案して引き上げるということとされています。手数料額の引上げによる増収額分は外国人施策に充てるというふうにもされています。

 ただ、具体的にはどういうものを挙げているかというと、先ほど鈴木参考人の方も言われていましたけれども、例えば、デジタル技術の活用による出入国在留管理行政のDXの推進であるとか、あるいは難民等の適切かつ迅速な保護、支援、国民の安全・安心のための不法滞在者ゼロプランの強力な推進、こういった施策が挙げられています。

 これに対し、先ほど鈴木参考人から、合法的に日本に滞在する外国籍者には無関係な施策が少なくないんじゃないか、ましてや長年日本に居住する者や日本生まれの外国籍者に至ってはほぼ無関係なものばかりと、こういう御指摘もあったところであります。また、結城参考人の方からは、受益と負担の関係が実感として理解できる制度設計にすべきだと、このような御意見もいただきました。

 そこで、両参考人にお伺いいたします。

 今般の手数料額の引上げに伴う増収分について、具体的にどのような施策に充てることが望ましいとお考えか、お伺いします。

結城参考人 御質問ありがとうございます。

 これは、どういう社会をつくっていくかというときに、いろいろな対象者、いろいろな状況に置かれていることを考え、あらゆる外国人材にとって必要、かつ日本人の皆さんも受入れというところで安心していただけるものは何か。その方策として、広くということでは、DXの推進というのは非常に大きな効果があるというふうに思います。

 つまり、外国人材の人たちがどういった生活の安定を望むかというところで、こういったいろいろな、様々な手続が、今市町村に大きく負荷が与えられています。そういったところをDXの推進というところで、もちろんデータガバナンスも必要ですし、個人情報の保護も非常に重要になってきますが、データ連携のセキュリティーをしっかりとしたものを持っていけば、いわゆる生活で必要になってくるいろいろな保証だとか支援、あるいは実態把握というところが非常に効率的にできるというふうに考えます。

 JESTAのときもそうでございましたけれども、ここのところはやはり投資が必要になってくるところなので、基盤整備というところでは必要になってくるかと思います。

 それから、一人一人の自己実現を図るというところも、また人によっていろいろと変わってきます。在留資格の書換えというところは、言い換えれば、その外国人材の自己実現を自分でどういうふうに描いていくかというものになろうかと思います。

 日本にいれば自分の夢がだんだんかなえられてくる、そういった側面をしっかりと補完していくというところで、こういったお金をいただくというところは、その人たちに必要十分な状況を変えていくための情報提供、そういったことをコンテンツとしてしっかりと作り上げ、一人一人に行き渡るような方策が必要になると考えます。それを有効にするのも、やはりDXというのが一つの方策かなと思います。

 最終的には、人との対話が大事になってきますので、そういった場づくりということもそういった施策の浸透というところで望むということを考えております。よろしくお願いいたします。

鈴木参考人 お答えいたします。

 先ほど申し上げまして、また引用いただきましたとおり、やはり日本で、国籍はないけれども生活としては日本人とほぼ同じというような方も多くいる中で、そうした方から取る費用で外国人等の支援に充てるべきかというのは申し上げさせていただいたとおりですが、ですので、まず、当事者の方たちに、実際どんなものが必要なのかというヒアリングは本当に各層からきちんとしていただきたいというふうに思っています。

 その上で、この増収分といいますよりは、外国人の施策に関してどのようなことが必要かということに関して申し上げれば、日本語ですとか生活支援というのが、やはりこれまで民間とか自治体にかなり任されてきたというのが実態というところがあると思いますので、そこから、国自体がもっと取り組むべきではないかというふうな方向性が今打ち出されているのは望ましいというふうには思っておりまして、是非、共生社会の実現ということに向けて何が足りないのかというのをしっかりヒアリングをしていただいた上で、そうした支援に使っていただくということをしていただければと考えるところです。

國重委員 本日は、三名の参考人の皆様に貴重な御意見を賜りましたこと、改めて感謝と御礼を申し上げます。今日いただいた御意見を踏まえて、また更に十分な法案審議をしっかりとやってまいりたいと思います。

 以上で終わります。ありがとうございました。

井上委員長 次に、金村龍那君。

金村委員 日本維新の会の金村龍那です。

 本日は、参考人の皆様、おいでいただきましてありがとうございます。

 陳述のところもそうですが、それぞれの御経験や今おいでのお立場から様々なアプローチや視点をいただいて、大変参考になっております。

 その上で、まず私からは、結城参考人にお伺いいたします。

 我が国の在留外国人数は、令和七年末に過去最多の四百十三万人となりました。こうした中で、いわゆる本年一月に策定いたしました外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策、この総合的対応策では、改めて秩序という視点に基づく取組と、これまでどおりの総合的対応策に基づき進められてきた外国人の受入れ環境整備に向けた取組の両者を着実に進めていくことで秩序ある共生社会の実現を目指していくとされています。

 この新しい総合的対応策の取りまとめに先立ち、結城参考人が委員を務められている外国人との秩序ある共生社会の実現のための有識者会議、この意見書が取りまとめられ、その中に、秩序は社会の土台、多様性は社会の力であり、この両者を両立させることが真の共生社会への道であるとの記載があります。

 新たな総合的対応策はこの考えを受け継いだものと思いますが、改めて、今後の外国人に関する取組についてどのように進められていくべきか、結城参考人の御見解を伺います。

結城参考人 御質問ありがとうございます。

 まず、この間の有識者会議の意見書、さらに、総合的対応策の中に反映されていた大事な文言を繰り返していただき、ありがとうございます。秩序は社会の土台で多様性は社会の活力になる、ここは私も思いを込めて提案させていただいたところでございました。

 さて、この秩序とそれから社会統合というのは両立し得るのかという問いもあろうかと思います。

 まず最初に、私は、今回、秩序という問題が大きく取り上げられた、非常に大事なことであったと思います。これまでは多文化共生施策の議論が非常に大きくて、その間、日本国民の中で、あれ、どうなっているの、私たちの生活のルールがというふうにみんな心の中で思っていても声に出さなかったところを、しっかりと明示し、しっかりと話し合おうというところに持ってこれたということは、今までもずっと多文化共生に三十年取り組んでいましたけれども、すごく大きな一歩であるというふうに考えました。

 同時に、秩序については、新たに私たちの視点をしっかりと練り直さないといけないということも感じています。

 いわゆる秩序と言われたときに、日本社会にある、長く長く、もう幼稚園のときから学校やいろいろな場で教えてもらっている、いわゆる日本流の秩序というのがあります。しかしながら、今の現在の社会では、その多様性がどんどんと複雑化し、拡大しています。そのときに、ずっと古来の秩序に固執するのかという問題も出てこようかと思います。

 私自身、三十年間、いろいろな外国人材の人と、その秩序について、あるときには対立し、あるときには違和感を持ち、葛藤も持ちました。しかしながら、大切だったのは、それを表明し、そこからスタートすることでした。対話を重ねることです。相手はなぜそう考えるのかには必ず理由があります。

 相互理解、相互尊重を図る対話を進めることが多文化共生のよこ糸になる、そういったことに改めて気づかされたのがこの有識者会議であり、最終的な意見書であったと思います。それが実現していき、社会の動力になるという、今大きな一歩が進んでいくところです。

 秩序はつくり直せるのか、これを常に私は問い直しております。どうぞ先生方の間でも、秩序はどうつくり直せるのか、そして、日本人の、長くからいる人たちも納得できる活力のある社会の秩序は何か、それを是非積み重ねていければというふうに考えております。

 またお知恵をいただければ幸いに存じます。私たち、現場でまた頑張りますので、お願いいたします。

金村委員 決意表明のような意思を御確認させていただきまして、ありがとうございます。大変心強いです。守るべきものをしっかり守り、その上で、変えるべきものを勇気を持って変えていくということだと私は理解しております。

 その上で、お三人にお伺いしたいと思います。

 新たな総合的対応策では、秩序ある共生社会の実現に向け、政府全体で非常に様々な取組を進めていくとされていますが、各参考人において、具体的にどのような施策が今後一層進められていくことを期待しているのか、お聞かせください。

生田参考人 御質問いただき、ありがとうございます。

 難民申請中の方と接している立場から申し上げますと、難民申請をされる方というのは、日本に予定して来ていたというよりは、突然、結果として日本に来ることになって、一から全てをスタートさせるという状況で、かなりいろいろな困難に立ち向かっているんですね。もちろん日本語ができない状態でほぼ全ての方がいらっしゃっているので、日本語の教育も必要ですし、そもそも就労先を探すとかおうちを探すとか、そういった一から組み立てているというところになっていきます。

 今回の総合的対応策の中で私が着目したのが、難民認定を受けた後には、そういった定住に向けたプログラムというのが現行あります。それの内容を踏まえていろいろと拡充させていくといったところが最近の政府の方針で見えてきているなと思っているので、その部分は注目しているのと同時に、難民認定を得るまでにやはりすごく時間がかかっているので、その間に皆さん、何だかんだ、日本での生活を築いていっているんですよね。

 ただ、そういった中で、政府の何らかのプログラムですとか、それこそ日本語の教育の機会ですとか、より多くの機会があれば、難民認定されることを目指す中ではあるんですけれども、その前から日本社会でしっかり根を張って生きていけるような方たちになっていくと思いますし、現行も皆さんとても頑張っているんですけれども、更にパワーアップして難民申請中の方が活躍できる状況になるんじゃないかなと思っております。

 以上です。

鈴木参考人 外国人の受入れ・秩序ある共生のための総合的対応策を拝見をしますと、やはり、今回の出されたものに関しては、とても秩序というところが前面に出ているというところが特徴ではないかと思います。また、これまでは日本人、外国人双方の努力で共生社会を実現するというようなことが言われてきたと思いますが、かなり外国人の方に負担をむしろ負わせるというようなことが主体となっているのではないかと思います。

 他方で、今の世の中の状況を見ますと、やはり排外的な状況が以前に比べて強まっているのではないかというのが非常に懸念をされているところです。何度も言われていますとおり、本当に外国籍者が増える中で、やはり本当に日本でみんなが安心して暮らしていける国をつくるということを考えるときに、そこは、排外的な空気で外国人に何かを押しつけるということではやはりうまくいかないのではないかというふうに思います。

 日本社会にとって何が必要で、自分たちは何ができるのか、外国籍者の方たちとどういうふうな取組ができるのかということをやはり全体的に考えて施策を考えるということが非常に重要ではないかというふうに思います。

結城参考人 御質問ありがとうございます。

 私から端的に三点申し上げたいと思います。

 まず一点目は、日本人もしっかりと巻き込むという施策です。

 幼児期から、外国籍の子供たちがいるのは当たり前の環境の中に子供は育っていきます。その中で、外国人の子供たちだけではなく日本人の子供たちにも、生まれ育った文化や社会が異なるということに対して尊重し、そして自分たちの中でどういうふうに一緒に生きていくか、違いは余り感じていないかもしれませんが、そういったところからまなざしを育てていくということは必要になろうかと思います。それは幼児期から各段階別にです。

 例えば、私はキャリアの支援もしていますけれども、これは、文部科学省におきまして、幼児期から大学まで全て、ゴールとされているものが段階的にちゃんとカリキュラムの中に入れられています。これからは総合的な学習の中にも組み込まれていくんだろうと思いますが、より明示的にこういったことをやっていかないと、いわゆるあつれきというのが回避できなくなるというふうに考えます。

 第二点は、今日、鈴木参考人様、生田参考人様が私たちに伝えてくれた、声にならなかった声がたくさん集まっているということ。

 これは今までいろいろなところで聞いてきました。そういった声が、なぜ形にならない、なぜ施策としてきちんと生きないのか。私たちは、ひょっとしたら、そこについて真剣に考えて仕組みをつくっていく、集めていく、単に聞くんじゃなくて、聞いたものを後にちゃんと残していくような、そういった仕組みづくりが必要かと考えました。

 そこは私たちアカデミクスがしっかりと頑張らないといけないところでもあろうかと思いますが、それを政策につなげるというための流れがまだできていないように思います。そこをしっかりできたらいいなというふうに考えました。

 三点目は、熱く語り過ぎて忘れてしまいました。また思い出せば、お話しさせてください。申し訳ありません。

金村委員 三点目はまた後ほどお答えいただきたいと思います。

 ここで生田参考人に少し伺いたいんですけれども、先ほど、難民申請中に定着して御活躍というお話がありました。例えば、制度が変化していく中で、その期間の間に活躍した事例とかがもしあれば、披露いただきたいと思います。

生田参考人 御質問いただきまして、ありがとうございます。

 まず、私たちの団体で就労支援をやっているというふうに申し上げました。実際に日本の企業で働いていらっしゃる方というのは多くいらっしゃいます。ただ、それを実際にやっていくためには、そもそも日本の就職がどういうものなのかというところですよね。かなり独特なものというふうに他国から来た方は感じられると思いますので、スーツを着ますとか、面接ではこういうふうにフレーズを使っていきますとか、そういった部分を私たちが伴走でいろいろお伝えすることによって、日本の企業に入っていく。

 中には、まだ日本語ができない状態ですので、工場で言葉を使わない仕事をされている方もいらっしゃいます。ただ、そういった中でも、次の転職をしていく中で、自分がやりたいと思うことに少しずつ近づいていこうと思われる方もいらっしゃいます。

 あと、もう一点、大人のお話をしたので、子供のお話もしたいなと思うんですけれども、家族で日本にいらっしゃるという方もいるんですね。そうすると、日本の学校に入っていくわけです。日本語ができない状態で子供たちが学校に通い始めて、それこそ、地域とか学校での日本語の教育の状況、教育のプログラムに入っていくことになります。

 それを通じて、すっかり日本になじんでいくといいますか、親の方はまだ日本語ができないのに、子供の方が日本語がもうすごくしゃべれるようになっているとか、そういった部分を見ていくと、やはり、ゼロからスタートをしていく中で、どんどんどんどんいろいろなものをかち取っていくというところを感じながら、日々支援をさせていただいております。

 ありがとうございます。

金村委員 ありがとうございます。

 いわゆる不良外国人とか不法滞在者というのは、しっかり母国に帰国することもやむなしと思いますが、一方で、やむを得ない理由で難民申請をしている人たちが日本にいる間に定着していくきっかけや活躍するきっかけをいただくことというのは必ずしも否定するものではないので、いいお話だったと思います。

 その上で、結城参考人に、最後、お伺いします。

 今回の改正案の中で、在留資格の変更の許可等に係る手数料の上限額の引上げに関して、いわゆるヘイトだなどという声も一部上がっているようです。

 その上で、外国人に関する取組を議論する上で、感情的に偏った議論は、外国人との秩序ある共生社会の実現のための有識者会議の意見書にあります、秩序は社会の土台、多様性は社会の力であり、この両者を両立させることが真の共生社会への道であるとの考えに沿って、バランスの取れた議論が重要と考えますが、御見解をお伺いします。

結城参考人 御質問ありがとうございます。

 バランスが取れた政策が大事、やはりそこは、先ほども申しましたが、日本人に対する啓発も非常に大事です。これは言葉で言って伝わるものではなく、やはり経験だというふうに考えます。

 私どもも、今、大学生を担当していて、いろいろなインターンシップに行かせますけれども、表面上は仲よくしていますが、いろいろと、同じ課題に取り組むというふうになると、衝突もあり、違和感もあります。そのときにしっかり向き合えて、一緒に、自分も調整しながら、相手の声も相手の立場に立って考えるということができなければ、その壁を乗り越えることはできないし、乗り越えた後、物すごく関係性が変わるということをたくさん見てきました。

 恐らく、ヘイトという場合も、何か経験として嫌だなと思ったことがきっとあったに違いありません。そこを単に否定するのではなく、なぜそうなったのかということにも耳を傾けながら、では、共生ということは社会課題でございますので、どうしていけばいいのかということの道筋を一緒に考えていくことが必要だと思います。

 そして、最後に、第三点、思い出しました。私にはできない、先生方しかできないことです。お願いいたします。

 先ほどから申し上げているように、外国人材あるいは日本の人材というのは、生活がキーワードです。ですので、出入国管理というよりも、いろいろなデータ連携で、いろいろな生活のことをこれからつないでいきながら情報共有していくとすれば、省庁横断で何か取り組むという組織が必要になると思います。この点については、時間がかかるかと思いますけれども、是非前向きに検討いただきたいというふうに思います。

 これが大事な三点目でした。

 ありがとうございます。

金村委員 最後は生徒になった気分で聞いておりました。

 今日は、参考人の皆様、本当にありがとうございました。

 質問を終わります。

井上委員長 次に、小竹凱君。

小竹委員 国民民主党の小竹凱です。

 本日は、三名の参考人の方々、大変お忙しい中、ありがとうございました。

 様々な陳述をいただきまして、とにかく大事なことは、生田参考人が述べられておりましたように、この中に当事者がいないということの上で、当事者の立場に立った慎重な議論を行っていくということが重要だというふうに考えます。

 その上で質問に入りたいと思いますが、鈴木参考人にお伺いします。

 先ほど、生田参考人は、意見陳述の中で、難民支援協会として月数万円から二十万円ほどの手数料支払いの支援をしているというふうにおっしゃられておりましたが、移住連の方でもこういった支援というのは、毎月、ケースにもよりますけれども、行われていたりすることはあるんでしょうか。

鈴木参考人 お答えいたします。

 移住連としては、手数料自体の直接的な支援ということは行っておりませんが、生活支援という形で支援を行っておりますので、その中から手数料の支援に間接的に回っているということはあるかというふうに思います。

小竹委員 ありがとうございます。

 直接的にはないということでありましたが、今回の手数料が引き上がると、そういった、大きく言うと、生活費の中にも組み込まれるお金が、負担が増えるということになると思います。

 その上で、鈴木参考人、生田参考人にお伺いしたいと思いますが、今回、実際に引き上がった場合、そして報道で言われているような大幅な引上げとなった場合に、団体として、支援する財源というか、枠も上限があると思いますので、こういった金額が引き上がった場合にできる限度といいますか、実際のところ、どういった支援になってしまうのか。例えば、具体的に言うと、財源が枯渇してしまうみたいなことになった場合、どういったことが考えられるのか。大変言いづらいこともあるかと思いますが、想像の中で御意見をいただけると幸いでございます。

生田参考人 御質問いただきまして、ありがとうございます。

 私たちとしても、実際に手数料のお支払いを、代わりというか、手数料の支援をしている中で、もし引き上げられた場合、この支援を続けられるのかというのは、まさに、もし起きる場合は、団体でしっかり議論しなければいけない点かなと思っています。

 まず、想定されるのは、今の時点でも手数料を払えませんという相談はあるんですけれども、値段が上がると、この相談の件数は更に増えるだろうなと思っています。じゃ、その方たち全てにお支払いが、しかも引上げ後の値段を支払えるのかと言われると、やはり団体には限度があるので、もしかしたら一部の方になるかもしれないですし、手数料の支払いをしっかりしていく分、ほかの食料支援とか住居支援とか、そういった支援を絞るといった方策になるような可能性はあるように思います。

 私たちの団体は、寄附金でほとんど賄っている、八割、九割は寄附金で賄っている団体ですので、やれることにも限度があります。一般の方からいただいたお金をそういった形で手数料の支払いに回していくというのも、いろいろな考え方もあるかなと思いますので、そういった部分もいろいろと考えながら、手数料の支払いを、どうやって支援を続けていくのかというのは考えなきゃいけないと思いつつなんですけれども、ただ、やはり、難民申請中の方で、難民申請します、でも在留資格はないですという状況をつくるというのは本当に避けたいと思っています。

 一応、仮滞在という、非正規滞在の方に、在留資格ではないんですけれども、一時的に在留を認めるような、法的地位を与えるような制度はあるんですけれども、これは認められる場合がすごく少ないので、実質的には、難民申請中の間、帰国することはできないですし、国の制度としても送還はされないですけれども、それでも非正規滞在のままになってしまう、そういった宙ぶらりんの方が生まれてしまうかなと思っています。

 なので、団体としてどうするのかというのもありますし、やはりこういった手数料の支払いができない、どうしようという場面が生まれないような制度にしていただくことが大事かなと思っております。

 ありがとうございます。

鈴木参考人 お答えいたします。

 移住連の方では、緊急支援という形で生活困窮の方などへの支援を行っております。これは寄附金や助成金などから賄っているものですけれども、非常に需要が高くて、今でも需要に応え切れないという状況にありますので、ここに手数料の負担が乗るというのは非常に厳しく、結果として、御本人たちが本当に困窮する事態になるのではないかということを懸念しています。

 本来、難民申請者の支援の在り方としては、一つ、公的な外務省の保護費というものがございますけれども、仮にこの手数料という話が現実化する場合には、本人たちも、支援団体としても、やはりとても現実的に負担をし切れる金額ではないということが明らかだと思いますので、この保護費自体をどうするのかということも対象にしていただかざるを得ないのではないかというふうに考えております。

小竹委員 ありがとうございます。

 次に、結城参考人、そして生田参考人にもお伺いしたいと思います。

 生田参考人のお願い事項のところに、具体的に、経済的に困窮する申請者に関しては免除措置の対象の枠を設けるというところ、Bのところですね、書いてありました。

 具体的な線引きについて、免除措置の対象はどういうふうにあるべきかということを結城参考人に、そしてまた、生田参考人には、先ほどの意見陳述の中でも、単身の場合と家族帯同の場合と、また更新のかかる費用も大きく違うというふうに思いますが、具体の一例を挙げると、最低生活費というワードがありますが、家族が帯同の場合でもこういった考え方でいいのか、また、家族帯同の場合は違うような線引き、具体的な線引きが必要と考えるのか、ちょっと細かく教えていただけますでしょうか。

結城参考人 御質問ありがとうございます。非常に重要なポイントだと考えます。

 この線引きのところですが、線引きをする際には、きちんとした基準が必要になると思います。その基準に基づいて、迅速に、予見可能であるように、そして透明であるように、これをいかに進めていくかということは、その基準が合理的でなければならないということになります。まさに、今日、二人の参考人様がお伝えくださったいろいろな声、状況、そこの解析から始まるというふうに思います。

 私たちは、全国各地でこういった声がいろいろなところから生まれています、それを総合的にこういった問題の基準作りに使っていなかったのではないかと思います。個別対応的に、ある団体から話を聞いてというふうなことではなく、これからこういった問題は全国に広がっていくわけなので、そういった声をうまく吸収し、解析しながら、その基準を合理的に作り出していく、そういう何か装置が必要になるのではないかと考えます。

 いかがでしょうか。

生田参考人 具体的な提案内容に沿って御質問いただき、ありがとうございます。

 家族の場合はどういった配慮が考えられるかというところなんですけれども、先ほど意見陳述で述べたエチオピアの家族、四人家族で認定されるまでに二十八万円というのを、私もちょっと計算してびっくりしてしまった額だったんですね。なので、鈴木参考人のお話にもありましたが、未成年者に関しては配慮とか、そういった考え方はあり得るかなと思います。

 もう一つ、何度かお伝えしているんですけれども、難民申請をしてしばらく、多くの場合、八か月間、就労が認められていない期間、これはもちろん大人についてです、子供については特に就労の必要性がなければ就労許可は出ないので、こういった形で就労ができない状態の方は手数料を免除、減額していくというのも一つの考え方なんじゃないかなとは思っております。

 以上です。

小竹委員 具体的にありがとうございました。

 確かに、就労できるかどうかの部分というのは非常に重要だと思いますし、ケースに応じてこの措置の対象を設けられたことは可能性としていいことだと思いますけれども、しっかりとこの枠の対象の線引きであったりとか、具体的にここの認定が余りにも厳しいものであれば効果がありませんので、こういった就労要件であったりとか、こういったところはまた議論の余地、そしていただいた意見というのを生かしていきたいなというふうに考えております。

 それから、ちょっと一問、JESTAの質問もさせていただきたいと思います。

 手数料収入の部分に関しての質問が多いので、JESTAの質問を結城参考人にお聞きしたいと思いますが、先ほど、JESTAに対してのお考え方、そして結論の中で、私の受け止めとしては、今回のJESTAというのが観光利便性に重点を置かれたような考え方であったというふうに感じました。

 アメリカのESTAとかは、特にテロ対策であったりとかデータ連携基盤整備などが大きな目的となっているように感じますけれども、観光のことは私としても受け止めましたので、JESTAにおいて安全保障であったりとか治安対策などで期待するようなことはどういったことがあるか、お考えをお願いいたします。

結城参考人 御質問ありがとうございます。

 私の表現が不十分で申し訳ございません。

 JESTAで期待するのは、やはりデータ連携というところで、顔認証だとかいろいろ進めるというところで、私の説明の中でも、米国、英国、欧州でどのような取組が進んでいるかということを申し上げました。つまり、日本へ来て、そこでいろいろと議論するのではなく、出国前からそういった情報をもらいながら、より迅速に、的確にそういったいろいろなリスクを回避していくということはもちろんでございます。その点は変わりなくでございます。

 一応、例として、非常に多くの観光者が来ているということと空港で大きな混乱を来していたという事例から始まったもので、そのような誤解をさせてしまって申し訳ありませんでした。

小竹委員 いえいえ、勘違いはしていないんですけれども、観光に重きを置かれていると感じましたので、日本として、データ連携とか、こういった部分に関しての期待する部分をお聞きしたかったというところでございます。ありがとうございます。

 最後に、鈴木参考人に、質問といいますか、改めて御意見をいただきたいなと思いますのが、私も、今回の、政令によって収入の金額を定めるというところに関してはかなり疑義がありまして、やはり、租税法律主義に基づいて、ここは国会で毎回定めていくべきだというふうに考えております。

 しかも、私、実は前職が建設業に携わっておりまして、技能実習生、特定技能の方と多く接する機会がありましたので、彼らが無意味にそういった弱い立場にならないように、しっかりとこの国のためにいろいろなところで働いていただいている仲間という感覚の上で、先ほどの様々な具体的な御意見のところで挙げられていた声というのは非常に重く受け止めながらも、これからの収入の金額の在り方、そして、そもそもそれを政令で定めるのではなくて法律で定めていくという考え方、非常に大事だと思いますが、改めてその部分について御意見をいただけますでしょうか。

鈴木参考人 お答え申し上げます。

 先ほど申し上げた租税法律主義との適合性ということについては、この法案が出されてから、弁護士の中ではかなり広く、強く、問題なのではないかという意見が出ているところです。先ほど申し上げましたとおり、これまでの手数料額と考え方を全く根本的に変えるというのが本改定法案ですので、是非、この抵触というところについては、きちんとこの国会で御議論いただきたいということを改めて申し上げたいと思います。

小竹委員 ありがとうございます。本当におっしゃるとおりだというふうに思っています。

 御三名の方々から貴重な御意見をいただくことができました。特に、金額に関しては、急激な引上げ、引上げというふうになりますと、むしろ、非正規滞在といいますか、いわゆる地下経済の増加にもつながりまして、政府の方針と逆行する副作用を招く可能性があるというふうに思いますので、慎重な議論、そして、当事者の声も大事にしながら、引き続きの議論を深めていきたいというふうに思います。

 本日はありがとうございました。終わります。

井上委員長 次に、和田政宗君。

和田(政)委員 参政党の和田政宗でございます。

 参考人の方々に順次お話を聞いていきたいというふうに思います。

 まず、JESTAの導入についてお聞きをいたします。

 まず、結城参考人にお聞きをいたします。

 結城参考人がお話しになる中で、このJESTAの費用でありますけれども、受益と負担の関係、こういったものをしっかり見なくてはならないということをおっしゃっておりました。これは、受益と負担の関係ですとか諸外国の状況などを見て政府においては決めていくんだというふうに思いますけれども、この受益と負担の関係というのは時の状況によって変化するというふうに思っております。

 こういったときに、値上げですとか値下げも含めて、そういうような対応をすべきであるか、こういったことをお聞きできればと思います。

結城参考人 御質問ありがとうございます。

 受益と負担を考える場合には、現状をしっかり見ないといけないということになります。

 まず、現状、先ほども申し上げましたが、空港内で三千人の人たちがだっと押し寄せる、これはもう本当に大変な光景だと考えましたし、その当時、またすぐに大阪の万博でもやはり同じようなことが起こるということが政策懇談会でも出ていましたので、顔認証の装置をどんどん重点的に回すということを聞きました。

 しかしながら、バランスを取らないと、やはり羽田だとか成田でも同じような状況が起きていく、そういったところを見ますと、やはり空港は玄関口ですので、そういった機材の充実ということは早急に必要になってこようかと思います。これはいわゆるインフラですので、それが整えば、それをうまく回していくにはどうしていくかということは、だんだんそこの初期投資は必要なくなるということになってきます。

 そのように考えますと、非常に柔軟に、情報収集をしながら、今どういう現状であるか、それが今、なぜ、どのようにJESTAに反映されるのかというところは定期的に見直しをしながら、その金額の妥当性を考えていくということが必要になろうかと思います。

 以上が私の今の考えです。

和田(政)委員 続いて結城参考人に、このJESTA、更にお聞きをいたしますけれども、現場の課題ということを今もおっしゃられましたけれども、多言語対応というのが極めて大変になっているということの中で、JESTA導入に当たっては、政府は、なるべく多くの言語に対応できるようにしたいというふうに言っています。

 これは、JESTAの導入でどういうふうに、こういった多言語案内ですとか、今、入国に当たっての滞留であるとか、そういったようなものがあるというふうに思うんですけれども、いわゆる多くの言語で対応したいというふうに考えている政府の在り方、どうあるべきかということをお聞きできればと思います。

結城参考人 御質問ありがとうございます。

 先ほども申しましたが、空港は我が国に入るところの玄関口です。その中で、自分の言語でそれが対応されるということは、大きなウェルカミングになるのではないかと思われます。

 今、こういったDXの世界で多言語対応するということは、非常に精度が上がってきています。そういった仕組みをうまくDXの中で取り込むことで、その対応は可能になってくると思います。昔と違って、かなり安価にそういった仕組みが組み込めるようになってきているというふうに思っておりますので、より多くの言語に対応するという方針は私は必要なことだと考えております。

和田(政)委員 JESTAの導入について、鈴木参考人、生田参考人にもお聞きをしたいというふうに思っております。

 主に今日は在留資格、また難民認定のことでありましたので、もしJESTA導入についてどう考えるかということをお答えいただけるようでありましたら、まず鈴木参考人からお願いをしたいというふうに思います。

鈴木参考人 お答えいたします。

 JESTA自体につきましては、私自身、十分な知見を持ち合わせておりません。

 ただ、その上で申し上げたいと思いますのは、今回、難民のことについては生田参考人の方からお話がありましたけれども、私自身、難民に関する事件も多く扱っております。そこで懸念をいたしますのが、JESTAの導入というところに伴って、やはり空港で、難民、本来の庇護を求めるという人たちが不当に排除される結果というふうにつながらないということを確実に、やはり日本は難民条約の締約国でありますので、そこについてはしっかり確保をいただきたいというふうに考えております。

生田参考人 御質問いただきまして、ありがとうございます。

 JESTAについては、具体的にどういう影響が出るのか、正直まだ分からないというところですね。

 ただ、一点ありますのは、私たちのところに相談にいらっしゃる方の多くの方はビザを取ってきている方たちですので、今回のJESTAの対象にならない方の方が圧倒的に多いというのが、うちの支援現場のところでいえば、あります。

 ただ、もちろん査証が免除されている国から庇護を求めてくる方もいらっしゃるので、そういった方たちに悪影響が出ないのかというところは気になっているところですし、あとは、トランジットで日本にいらっしゃる方についても対象になっていくというふうに理解しているので、この辺り、どういうふうに適用されていくのかというのは見ていきたいと思っています。

 結局は、JESTAでどういった情報を収集するのか、そして、どういった場合にその認証が受けられないのかという部分、そういった制度の透明性という部分も必要になってくる部分ではないかなと思っております。

 以上です。

和田(政)委員 今のことに関連して、生田さんにお聞きをしたいというふうに思うんですけれども、日本も難民条約を批准して、難民の保護ということはやらなくてはならないということが当然のごとくあります。

 これは、JESTAを導入することによって、効果としては、経済的に困窮をして、難民ではないけれども日本にたどり着けば何とかなるというような方もこれまでいらっしゃるわけですね、そういった方々は、ただ、正規の在留資格がなければやはり不法滞在であって、法令でしっかりとやはりこれは御帰国をいただくということが、これも当然になるというふうに思います。

 そういった中で、真の難民保護ということの観点の中で、生田さんが今日つけられている資料の中で、難民認定に対する意見のものが、我々、配付して、私も熟読をいたしましたけれども、ここでミャンマー出身者に対する保護の不在ということが述べられています。

 この難民保護の観点の中で、これはニュートラルにお聞きしますけれども、ミャンマー出身者に対して生田さんは現在どういう難民認定が行われ、真の保護につながっているということを思っているのかどうかということと、あと、これは知見がありましたらですけれども、ウイグルですとかチベットの方々、こういった方々の難民認定や保護の在り方、こういったことについてもし知見がありましたらお聞きをしたいというふうに思います。

生田参考人 参考資料としてつけていたものも読んでいただいて、ありがとうございます。

 まず、ミャンマーの方についてなんですけれども、二〇二一年の軍事クーデター以降、多くの方が難民申請をされている中で、認定の人数としてはとても少ないなというふうに思っているところです。

 ミャンマーの方は、特徴としては、既に日本でミャンマーの方が多く暮らしていらっしゃるので、結構お互いコミュニティーでの助け合いがありまして、私たちの支援団体に来る人数としては、アフリカの方が多いというふうに先ほどお伝えしたんですけれども、ミャンマーの方は申請者が多い割には少ないというところはあります。

 ただ、そういった中でも、お会いする中で、ミャンマーに帰ったら間違いなく危ないだろうという方が不認定になっているというところがありますので、ミャンマーの方は、人数が、申請が多い分、日本の難民認定制度のある意味試金石的な部分だと思います。なので、ここを改善していくことというのは求めていきたいなと思っているところです。

 もう一点、ウイグルとかチベットの方について、こちらの方たちは統計上中国として出てくるかなと思うので、私たちも統計を見てという限りですが、ちょっとなかなか知見もないんですけれども、もちろん、民族に対しての扱いを考えると、保護を必要としている方はいらっしゃると思いますし、日本政府の方もそういった辺りは見て審査をされているんじゃないかなとは思っておりますので、より改善を求めていきたいポイントだと思っております。

 以上です。

和田(政)委員 鈴木参考人にお聞きをしたいというふうに思います。

 在留資格の変更手数料の上限ですけれども、適正範囲、こういったことの観点の中で、これは実費相当分であれば適正な範囲だというふうに鈴木参考人はお考えになるのか、その点、確認できればと思います。

鈴木参考人 ありがとうございます。

 実費ということになりますと、更新、変更で一万円、永住で二万円というふうに試算をされているというのがこれまでの入管庁の方で出てきているものというふうに思います。

 ただ、僅か一年前のときにも実費が幾らであるのかというのは精査されたと思いますが、そのときは、変更、更新は六千円、永住は一万円というのが実費相当であるということで上げられたばかりです。僅か一年で、やはり見込みが違いましたというようなことは、もし日本国籍者に関わるようなことで、かつ、生活に必須なことであれば、やはり起きないのではないかというふうには思います。

 ですので、その試算というのが本当に適切なものであるのかということはきちんと是非見ていただきたいというふうに思いますが、実費相当額ということであれば、一年前に上げたものをまたすぐに、六千円から一万円ですね、倍近く上げるのが適切なのか、それはやはりタイミングとしてどうなのかということはまた御検討いただく必要があるかというふうに思いますけれども、実費相当額というところにとどまるということであれば、この間のインフレ等に伴っての値上げということはあり得ることなのではないかというふうには考えております。

和田(政)委員 それでは、結城参考人にお聞きをしたいというふうに思っております。

 外国人政策、外国人労働力の数についてお聞きをしたいというふうに思っております。

 経済産業省が今年の三月に二〇四〇年の就業構造推計改訂版というものを発表しております。こちらには、二〇四〇年に労働力の大きな不足は生じないというふうに結論づけています。そうしますと、外国人労働力の数の在り方というのも日本全体の労働力を見る中で重要になってくるわけでありますけれども、これは現状、今、外国人労働力を活用しているわけですね。

 私も介護の現場などをかなり回りましたけれども、本当に真剣に外国人労働力の方々は働いていらっしゃいます。そういった方々は、しっかりと技能を修得して、お国に戻って自分が日本式の介護を広めたいんだという方もいらっしゃいますし、正規の在留資格を得て日本で働き続けたいというような方もいらっしゃるわけであります。

 そういった中で、将来的に、労働力が不足しないというふうになりますと、日本人の労働力によってその労働力ほとんどを占めることができる、こういう時代もやってくるんだというふうに思います。そういったことを考えたときに、外国人労働力の活用の在り方、その数ということでどういうふうに見ていけばいいか、知見をいただきたいと思います。

結城参考人 御質問ありがとうございます。非常に重要なポイントだと考えます。

 というのは、今、私たちは労働力が不足しているから来てくださいといって、要らなくなったら要りませんなんてことは絶対にない。人道的に人権というものをきちんと尊重し、その方たちが自らの意思で日本で生きるという覚悟をされるのであれば、しっかりといろいろな制度の下で自己実現が図れるような社会でなければならないと思います。

 最近、私もふとした機会がありまして、海外に経営者の皆さんと出張に行くことがありました。そのときに実感したのは、今まで私は、高度外国人材の定着、定着、さあというふうに言っていたんですけれども、企業の活動自体がどんどん今外に出ようとしていて、そこでビジネスチャンスをどんどんと広げ、特に東南アジアですね、そこに日本で働いてきたあるいは学んでいる人材を配置したいと。

 つまり、定着ということではなく、循環する人材というのがこれからますます増えてくるだろうと考えています。それは日本にとっても非常にメリットの大きいことで、経営者たちがそこを見て経済活動を活性化したいというふうに考えていて、そこのところを、自己都合ではなく、日本側の都合ではなくて、外国人材の方が自分たちの次のステージとして選択できるような環境をつくっておく、あるいはそういうパスを労働の市場からもしっかりと支援をしていくという方策がこれから求められるのかなというふうに思いました。

 そして最後に、日本で生まれ育っていく子供たちです。この子たちは、自分は何人か、ひょっとしたら日本人だと考えている可能性も高いです。そういった子供たちの思いもしっかり受け止めながら、未来人材を責任を持って育てていくという視点も必要になろうかと思います。

和田(政)委員 お三方の意見、大変参考になりました。この後の質疑に生かしていきたいというふうに思いますが、最後の質問にも私は述べましたように、やはり将来的な人口動態の予測ですとか、外国人労働力がどれだけ必要なのか、本当に必要なのかということも含めて、それをやっていかないと無用な争いが起きてしまうということになってしまうというふうに思いますので、将来予測をしっかりした上で外国人政策には取り組んでいかなくてはならないというふうに思っております。

 以上でございます。

井上委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。

 この際、参考人各位に一言御礼を申し上げます。

 参考人の方々には、貴重な御意見をお述べいただき、誠にありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。

 次回は、来る二十四日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時五分散会


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