衆議院

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第13号 令和8年6月9日(火曜日)

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令和八年六月九日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 藤井比早之君

   理事 東  国幹君 理事 笹川 博義君

   理事 野中  厚君 理事 平沼正二郎君

   理事 和田 義明君 理事 野間  健君

   理事 原山 大亮君 理事 村岡 敏英君

      安藤たかお君    石坂  太君

      伊東 良孝君    井原  隆君

      江藤  拓君    衛藤 博昭君

      門  寛子君    加藤 大博君

      今  洋佑君    西條 昌良君

      鈴木 拓海君    俵田 祐児君

      中川こういち君    西田 昭二君

      西山 尚利君    葉梨 康弘君

      広瀬  建君    藤田ひかる君

      宮下 一郎君    簗  和生君

      山本  深君    金子 恵美君

      庄子 賢一君    角田 秀穂君

      山崎 正恭君    渡辺  創君

      柏倉 祐司君    関 健一郎君

      佐々木真琴君    長友 慎治君

      森ようすけ君    木下 敏之君

      林  拓海君

    …………………………………

   農林水産大臣       鈴木 憲和君

   農林水産副大臣      根本 幸典君

   農林水産大臣政務官    広瀬  建君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    井上  計君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房危機管理・医務技術総括審議官)            佐々木昌弘君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房総括審議官)         押切 光弘君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房総括審議官)         河南  健君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房技術総括審議官)       堺田 輝也君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官)         小島 裕章君

   政府参考人

   (農林水産省消費・安全局長)           坂  勝浩君

   政府参考人

   (農林水産省農産局長)  山口  靖君

   政府参考人

   (農林水産省畜産局長)  長井 俊彦君

   政府参考人

   (農林水産省経営局長)  小林 大樹君

   政府参考人

   (農林水産省農村振興局長)            松本  平君

   政府参考人

   (林野庁長官)      小坂善太郎君

   政府参考人

   (水産庁長官)      藤田 仁司君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           鳥海 貴之君

   農林水産委員会専門員   千葉  諭君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月九日

 辞任         補欠選任

  西田 昭二君     衛藤 博昭君

  藤田ひかる君     井原  隆君

  庄子 賢一君     金子 恵美君

  角田 秀穂君     山崎 正恭君

  長友 慎治君     佐々木真琴君

同日

 辞任         補欠選任

  井原  隆君     藤田ひかる君

  衛藤 博昭君     安藤たかお君

  金子 恵美君     庄子 賢一君

  山崎 正恭君     角田 秀穂君

  佐々木真琴君     森ようすけ君

同日

 辞任         補欠選任

  安藤たかお君     西田 昭二君

  森ようすけ君     長友 慎治君

    ―――――――――――――

六月八日

 重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案(内閣提出第四六号)

 種苗法の一部を改正する法律案(内閣提出第四七号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案(内閣提出第四六号)

 種苗法の一部を改正する法律案(内閣提出第四七号)

 農林水産関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

藤井委員長 これより会議を開きます。

 農林水産関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、お手元に配付のとおり、政府参考人の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

藤井委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。石坂太君。

石坂委員 おはようございます。自由民主党・無所属クラブ、新人の石坂太でございます。

 本日は、大変貴重な機会をいただきましたことを心より感謝を申し上げさせていただきます。

 また、鈴木大臣におかれましては、週末、食育の全国大会ということで栃木に御来県をいただきまして、ありがとうございます。また、久々に御地元に戻られたということで、リフレッシュされたかと思いますので、前向きな御答弁を賜りますことを御期待を申し上げ、早速質問に移らせていただきます。

 まず初めに、農地バンクの機能強化についてお伺いをいたします。

 全国の自治体の協力の下で地域計画の策定が進められ、ほぼ全ての農地について将来の利用の方向性が示されましたが、一方で、目標地図を見ますと、全国で約三割、私の地元である栃木県においては約四割の農地で十年後の受け手が位置づけられていない状況にあります。

 地域計画は、毎年見直しを行いながら実効性を高めていくことが重要ですが、現場では、御高齢の農地所有者が終活の一環として農地の承継を子供の世代に相談をしても、農地は引き継げない、処分してほしいと言われるケースが増えています。今後、こうした状況が進めば、管理されない農地や荒廃農地の増加につながり、更に受け手が見つからなくなるという悪循環も懸念されます。

 地域計画の実効性を高めるには、将来の担い手を位置づけるだけではなく、実際に守れる農地を確保をして次世代につないでいく視点も必要だと思います。そのためにも、農地バンクの中間管理の機能をより強化していく必要があると思いますが、農地バンクの中間管理について、今後どのように進めていくのか、大臣にお伺いをいたします。

鈴木国務大臣 石坂さんからは、今、大変大事な御指摘をいただいたというふうに思っております。

 現状のように、農地バンクが、受け手が決まった農地だけしか引き受けないという取組姿勢では、地域計画の実現に向けて、農地を借り入れ、面的にまとまった形で農地を集約して担い手に再配分するという農地バンクに本来期待される機能が十分に発揮されないというおそれがあるというふうに考えております。

 農地の受け手を見つける努力を続ける市町村の現場活動と連携をして、農地バンクが積極的に中間管理を行うことが重要であります。例えば、地域計画で将来の受け手が位置づけられており、その実現に向けて現場活動に取り組んでいる地域の農地について、農地バンクが借り受けて中間管理をし、地域計画の実現に寄与していくであったり、また、担い手の誘致の取組を継続をし、その間の農地の保全管理にも協力する地域の農地について、期限を定めて農地バンクが中間管理をするといった取組が今後考えられるというふうに考えております。

 農林水産省としては、都道府県を始めとする関係機関とも丁寧に意見交換を行いながら、こうした取組が拡大していくように、そして、結果として農地がしっかりと次の世代、別の方でも結構なので、引き受けていただけるように、しっかりと働きかけを行ってまいりたいと思います。

石坂委員 大変前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございます。

 私の地元も大変農業が盛んな地域でありますので、この農地の問題は我々地域にとっては非常に大きな課題でありますので、是非引き続きの取組をお願いしたいと思います。

 一点、要望になりますけれども、これから農地バンクの中間管理の機能と併せてデジタル技術の活用も有効になると思いますので、例えば、群馬県で先進的に取組が進んでいる衛星データなどを活用した取組なども併せながら、是非その検証もしながら全国に展開いただきますことを要望させていただきます。

 それでは、続きまして、鳥獣害の被害についてお伺いをいたします。

 野生鳥獣による農業被害については、国の対策により、長期的には一定の成果が見られましたが、近年は再び増加傾向にあります。先週も、私の地元栃木県では熊が本当に市街地に訪れるとか、隣の茨城県の古河市にキョンが見つかるとか、本当に大きな影響が出ていますけれども、私の選挙区である渡良瀬遊水地周辺においても、近年、イノシシによる農業被害が深刻化しております。平場農業地帯での獣害被害として大変注目を集めています。

 鳥獣被害については、農作物の被害はもちろんですけれども、畦畔や農道、水路の損壊なども発生しており、生産者の皆様からは、これ以上被害が続くなら耕作をやめたいという声も聞かれます。せっかく地域計画を策定して将来の農地利用の姿を描いても、獣害によって営農継続が困難になれば、その実現も難しくなります。

 要するに、鳥獣被害は、単なる農作物の被害だけではなくて、農地の維持や担い手の確保、さらには地域計画の実効性にも関わる、地域農業の持続性そのものに関わる課題だと思っています。

 農水省として、このような獣害被害が地域農業に与える影響をどのように認識し、地域計画の実現も見据えながら、今後どのように対策を強化していくのか、所見をお伺いいたします。

松本政府参考人 お答えいたします。

 鳥獣被害につきましては、農林業への直接的な被害だけではなく、耕作放棄地の増加、営農意欲の減退をもたらすなど、農村地域にとって深刻、重大な課題と認識しております。

 農林水産省といたしましては、捕獲活動により捕る、侵入防止柵の整備により守る、緩衝帯の整備により寄せつけない、これら鳥獣対策の三本柱の取組を推進しております。これらの推進に当たりましては、鳥獣対策交付金により地域ぐるみの取組を支援しているところでございます。

 委員からお話もありました鳥獣被害に苦慮する地域におきましても、更なる集積を進める農地と鳥獣緩衝帯として粗放的管理を進める農地をゾーニングしまして、優良農地を鳥獣被害から守ることを取り決めた地域計画、こちらもあると承知しております。

 引き続き、鳥獣被害から農地を守る対策をしっかり進めてまいりたい、このように考えております。

石坂委員 ありがとうございます。

 是非取組を強化していただきますことをお願いいたします。

 もう一点、要望になりますけれども、防除対策と農地集積や多面的機能支払いを活用した地域ぐるみの維持管理などを一つのパッケージとして、総合的にモデル化して全国に展開いただくこともこれから必要になってくるのかなというふうに思いますので、要望させていただいて、次の質問に移らせていただきます。

 続いて、鶏卵の安定供給の強化についてお伺いをいたします。

 先般本委員会で審議した家畜伝染病予防法の改正によって、豚熱における選択的殺処分が導入されることとなりました。生産者の皆様にとっては、経営への影響を抑えながら防疫を進めるための大きな前進であり、現場の安心につながる改正であったと認識をしています。

 一方、鳥インフルエンザは、近年、毎シーズン発生が確認されており、生産現場だけではなく、卵の価格変動を通じて消費者にも影響を及ぼす重要な課題です。

 発生予防に加え、万が一発生した場合にも、被害を最小限に抑え、生産への影響を軽減していく視点がますます重要だと考えます。そのため、衛生管理の徹底や鶏舎の分割管理、また先端技術の導入、さらには液卵の活用促進など、安定供給を支える取組を進めていく必要があると思いますが、鳥インフルエンザ対策の強化と鶏卵の安定供給の確保に向けて、今後どのような取組を進めていくのか、大臣の所見をお伺いいたします。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 まず、鶏卵は、食生活上重要なたんぱく源であるため、鳥インフルエンザが頻発をしたとしても安定供給できる体制と、結果として価格も安定的である状況を構築するということが重要だと認識をしております。

 まずは鶏舎にウイルスを侵入させないことが重要であるため、これまで生産現場での飼養衛生管理の徹底に取り組んできたところであります。

 また、鳥インフルエンザによる殺処分の影響を緩和するために、大規模農場に対しては、殺処分の範囲を限定できる分割管理の検討を義務づけるなどの取組を進めてきております。

 これらの取組に加えて、やはり発生をさせない、そして蔓延させないことが重要でありますから、今後、AIなどを活用し、より衛生的かつ健康に飼養するための畜舎内環境の最適化、そして、鳥インフルエンザに感染した鳥の早期発見などを図るスマート技術の開発について、官民共同で検討するための検討会を立ち上げたいというふうに考えております。

 また、鶏卵の需給逼迫時には、外食、加工向けに液卵を活用することで、家庭向けのパック卵を安定的に確保することが重要ですので、外食、加工業界での凍結液卵の流通の強化策についても検討を深めてまいります。

 鳥インフルエンザによる鶏卵供給への影響を軽減するには、これらの生産、流通対策について総合的に講ずることが重要であるため、早急に、鶏卵の安定的な生産、流通のための対策パッケージ、これを取りまとめてまいりたいと考えております。

石坂委員 ありがとうございます。

 検討会であったり外食、加工の凍結液卵の活用、いろいろ取組をこれからしていくということで、力強いお話をいただきまして、ありがとうございます。

 一点、要望になりますけれども、分割管理のための設備投資であったり先端技術の導入には、生産者の負担も伴うのと、やはり許認可にすごく時間がかかるというところが非常に懸念をされるようでありますので、そういったところの取組も是非御支援いただきたいのと、あわせて、安定供給を将来にわたって確保するという観点からも、これまでの防疫体制に加えて、ワクチンを含むあらゆる選択肢についても検討を加速化していただきますよう要望させていただきます。

 それでは、次に、国産飼料の安定的な確保についてお伺いをいたします。

 私の地元である栃木県は全国有数の飼料用米の産地でありますが、近年は作付面積が大きく減少しています。一方で、鈴木大臣は、飼料用米について、全国的には需要を下回る可能性があるとの認識を示しており、需要と生産のミスマッチも懸念されるところであります。

 国産飼料の安定的な確保に向けては、地域の実情に応じて、様々な品目を組み合わせながら、国産飼料の生産基盤を維持強化していくことが重要であると考えます。

 今後、水田政策と連携しながら耕畜連携の取組を強化して、安定的な取引関係の構築を進めていくことも重要と考えますが、今後、国産飼料の安定供給に向けて、どのような将来像を描きながら生産拡大を進めていくのか、所見をお伺いいたします。

広瀬大臣政務官 輸入飼料への過度な依存から脱却し、国内の飼料生産基盤に立脚した畜産に転換することは、畜産経営の安定に重要だと考えております。

 このため、畜産農家と耕種農家との連携であったり、飼料生産組織の運営強化、牧草の収量、品質の向上、国産飼料の流通体制の整備などを支援することにより、まさに地域の実情に応じた国産飼料の生産、利用を推進しているところであります。

 また、令和九年度の水田政策の見直しにおいては、生産性向上の取組に対して、収量に応じた面積払いにより支援することを検討しているとともに、飼料用米については、国産米にこだわる実需者側と生産側の複数年契約などを要件にすることで、飼料用米が安定的に供給される仕組みを検討しているところであります。

 今後、労働力不足がより深刻化する中にあっても、これまで構築されてきた体制を生かしながら、国産飼料の生産、利用の拡大を図ってまいりたいと思っています。

石坂委員 ありがとうございます。

 やはり生産者にとっては先を見通せる仕組みづくりというのも必要かと思いますので、是非引き続きの取組をよろしくお願いいたします。

 それでは、最後に、園芸作物の受粉基盤の強化についてお伺いをいたします。

 私の地元栃木県は日本一のイチゴの産地でありまして、梨やメロンなども多く生産されていますが、生産者からは、近年、受粉用蜜蜂の確保が難しくなっているとの声を伺います。背景には、養蜂家の高齢化や蜜源の減少、ダニ被害、疾病対策、さらには猛暑など気候変動の影響もあると考えられます。

 蜜蜂の安定供給は、養蜂業だけの課題ではなくて、我が国の園芸生産を支える重要な基盤であります。農林水産省として、受粉基盤をめぐる課題をどのように認識し、また、養蜂農家の経営基盤強化や暑熱対策、さらには代替昆虫や新たな受粉技術の開発普及を含め、今後どのように受粉基盤を維持強化していくのか、お伺いいたします。

広瀬大臣政務官 花粉交配用の蜜蜂の安定確保に向けた課題としては、まさに委員御指摘のとおりですけれども、蜜源植物の減少や巣箱の配置調整トラブルに加えて、蜜蜂への暑熱やダニ被害の拡大、養蜂家の高齢化であったり人手不足などの課題があると考えております。

 これらの課題に対応するため、養蜂家に対しては、蜜源植物の植栽、断熱効果のあるウレタン製巣箱の導入や、ダニの増殖を抑える蜜蜂の低温管理技術の実証への支援、それから、園芸農家に対しては、蜜蜂の適切な管理技術や蜜蜂以外の代替昆虫による受粉技術の実証を支援しているところであります。

 花粉交配用昆虫の現状や適切な利用方法に関するセミナーなどを栃木県等で開催予定であります。

 また、スマート技術の開発については、イチゴの花等に振動であったり気流を与えて、雌しべに花粉を付着させるドローン等の研究開発を支援しているところであります。

 これらの取組を通じて、花粉交配用蜜蜂などの安定供給を図り、園芸作物等の安定的な生産が図られていくよう努めていきたいと思っています。

石坂委員 ありがとうございました。

 是非安定的な生産に資するような取組を引き続きよろしくお願いいたしまして、私の質問を終了させていただきます。

 ありがとうございました。

藤井委員長 次に、今洋佑君。

今委員 皆様、おはようございます。自由民主党・無所属クラブの今洋佑と申します。

 本日、この農林水産委員会で初めての質問の機会をいただきました。委員長、理事の先生方、委員の皆様方、このような貴重な機会をいただきまして、ありがとうございます。

 私の地元は福井県でございます。福井県は、坂井平野に代表される大規模水田も多くある一方で、奥越とか若狭とか、そういう地域を中心に中山間地域、棚田ですとか小規模な農地も多くございます。また、若狭湾を中心に沿岸漁業、あるいは、越前ガニが有名ですけれども、そういう水産業も盛んでありまして、一次産業が人々の暮らし、あるいは地域を支えてございます。

 そういう中で、生産者、事業者の皆様からいただいたお声を基に今日は幾つか質問させていただきたいと思いますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。

 では、まず、中東情勢を受けました農業、漁業資材等の安定確保についてお伺いさせていただきます。

 既に農林水産省におかれましては中東情勢対応チームを設置されまして、お伺いしますと、すごくたくさんの職員の方も御参加されて、しっかりと安定確保に向けて御対応いただいているとお伺いしておりまして、そのことにつきましては心から感謝を申し上げたいと思います。

 他方で、地元で声を聞きますと、やはり現場の不安はちょっと大きいかなというところもございます。特に、最近よく聞くのは、やはりハウスとかそういうところの補修をしようと思ってもビニールがないとか、あと商品をくるむものがないとか、そういうことを聞いたりとかいたしますのと、恐らくその目詰まりが解消されれば物は来るんだろうけれども、そのときの価格がすごく上がっていたら、来年度はどうしようかというお話もよく伺います。

 その辺りも含めまして、今後、農林水産省といたしまして、どのように更なる取組を講じていくお考えかということを是非お伺いしたいと思います。

根本副大臣 お答えいたします。

 現在、石油やナフサ由来の石油製品につきましては、年度を越えて安定供給が確保されていますが、供給見通しの共有不足であったり実績以上の発注などで、現場では、今すぐ希望する量の調達ができない方もいらっしゃるというふうに認識をしております。

 農林水産省では、農林水産業関連資材の流通構造などの実態把握を進めるとともに、本省及び地方農政局に相談窓口を設け、いただいた情報等に基づき、経済産業省と連携して、一つ一つの問題の解決に取り組んでいるところであります。

 また、政府全体といたしまして、中東情勢を踏まえた緊急的激変緩和措置により、ガソリン価格を百七十円程度に抑制するといった対策を講じていることに加えまして、農林水産省といたしましては、燃油や飼料の価格の高騰に対し、経営への影響を緩和するための補填金を交付する制度を措置しているほか、農林漁業者が日本政策金融公庫から借り入れる農林漁業セーフティネット資金等に対する金利負担軽減の措置といった対策を講じているところであります。

 引き続き、現場の声をよく伺いながら、関係物資の安定供給に向けて、省を挙げて取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 以上です。

今委員 ありがとうございます。

 様々な取組をしていただいているということで、現場ではその相談窓口とかもちょっとまだ認識がない方もいたりもしますので、私ども、地域を回りながら、一体となって取り組んでいきたいと思います。

 では、次に、新たな水田政策についてお伺いさせていただきます。

 地元福井県はまさに米どころでございまして、水田農業は地域農業の中心でございます。大規模なところもあれば、中山間のところもございます。その中で、今、新しい考え方について農水省からもお出しいただいて、たしか先週末にはキャラバンも、金沢ですかね、行かれたということを承知しているところでございます。

 様々な、今後どうなるのかという声を聞きます。恐らく詳細な制度設計はこれからかとは思うんですけれども、その中で、まず一つお伺いいたしたいのは、米の生産性向上支援の中で、今回、主食用米のうち業務用米、外食、中食向けのお米も一定の条件の中で支援の対象になるということになったと承知しております。

 現場の方は、歓迎の声があるんですけれども、一方で、業務用米を対象とするんですけれども、業務用米といわゆるテーブルライス、これを栽培の状態では区別しているわけではないというところで、どのような数量を支援対象として認めていただけるのか、あるいは、契約においても条件があったと思いますので、これは直接生産者とそういう需要家が契約しなきゃいけないのか、JAが挟まった場合はどうなるのかとか、そういうところで、支援をどうやったら受けられるのかという心配の声を聞きます。

 現段階で、その辺りの御配慮についてお考えがありましたら、お願いいたします。

広瀬大臣政務官 お答えいたします。

 今般の水田政策見直しにおける、より大きく米の生産性向上にチャレンジする取組への支援については、具体的な支援の対象や要件などを含め、検討中でありますけれども、米の安定的な供給を行う観点から、実需者との事前契約が重要と考えております。

 その際、例えば、御指摘の業務用米を対象とする場合には、その取引実態に即して、生産者と実需者の直接契約に限らず、集荷を行うJAであったり、卸を交えた複数者契約も含まれ得ると考えております。

 また、業務用米を支援対象とする場合、JAにおける共同計算などで、支援の対象ではない一般の主食用米と一体的に管理されることも想定されることから、流通過程で厳密に区分されていなくとも、契約数量分が適切に実需者に出荷されたことを確認することで、対象の特定が可能と考えております。

 いずれにせよ、今後、様々な御意見を伺いつつ、制度設計という話がありましたけれども、検討を深めていきたいと思っております。

今委員 ありがとうございました。

 まさに現場に寄り添った制度設計ということで、政務官もそのようにおっしゃっていただきましたので、是非御配慮いただきたいと思います。お願いいたします。

 続きまして、収量に応じた面積払いの考え方についてお伺いさせていただきます。

 今回の制度で、インセンティブを与えるように、収量が多いところにしっかりと手当てをしていただくということで、その際に、地域の平均の単収を基準とするという考え方が示されているかと思います。米については作柄表示地帯別、大豆、麦については都道府県別ということで、エリアは違いますけれども、基本的な考え方は同じかと理解しております。

 他方で、これまでも議論があったかと思うんですけれども、同じ地域の中でも、農地条件、営農条件、様々な条件の中で、やはり単収にどうしても差が出るということがあろうかと思います。その際に、一律の基準の中でそこをどう評価するのかというところは、もちろん生産性の向上は大事ですけれども、農地、集落を守るという多面的機能も含めた考え方の中で制度設計がなされるかと思います。

 今の段階で構いませんので、地域内での条件の差異について、どのような形で配慮を盛り込まれるかというところについてお伺いさせてください。

山口政府参考人 お答え申し上げます。

 新たな水田政策におきましては、非主食用米や麦、大豆などにつきまして、生産性向上に向けて、十アール当たりの収量に応じた単価で支援することを検討しております。

 その際、単価の基準につきましては、米については、地域の平均単収を、都道府県単位ごとではなく、より細かい作柄表示地帯別で設定することを基本に検討しております。委員御地元の福井県でいえば、嶺北と嶺南という形で区分されておりますが、そのような区分で検討したいということを考えております。

 一方、麦、大豆につきましては、米とは異なりまして、例えば市町村に数人しか作付をしていないというようなケースもございますので、基本的には都道府県別で設定することと考えておりますが、ただ、委員御指摘のとおり、収量が、例えば田畑別でも結構違うということになりますので、田畑一本ではなくて、田畑を分けた上で基準を設定することを検討しております。

 また、麦、大豆、米、いずれにつきましても、災害などのやむを得ない事情による単収減少については配慮するなど、地域の実情に合った形での支援を検討したいというふうに考えております。

今委員 ありがとうございます。

 なかなかバランスを取るのが難しい設計かもしれませんが、是非御配慮いただきますようにお願い申し上げます。

 続きまして、新規就農者の把握についてお伺いさせていただきます。

 福井県に限らずですけれども、農業の担い手不足が大きな課題である中で、新規就農者を増やすことが重要と考えます。福井県でも、県でやっている園芸カレッジですとか、自治体別でも、例えば、若狭町でされている、かみなか農楽舎とか、様々な取組が以前より進められて、多くの方が就農し、あるいは移住をし、地域で始められているところでございます。

 このときに、これは私の考えなんですけれども、何人定着しましたということを見るときに、その瞬間瞬間ではなくて、その方が五年後、十年後、二十年後にどうされているのかということを継続的に追っていくことが大事ではないかなということを考えております。

 事前にお伺いいたしますと、農水省さんの方では、農水省が支援される制度で支援を受けた方については継続的に把握されている、ただ、それ以外の新規就農者もたくさんいらっしゃるということで、この辺り、全体の新規就農者の方々の状況をどの程度把握されているのかということについて、現状を教えていただきたいと思います。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 農林水産省では、経営開始資金等により支援を受けた新規就農者につきましては、支援終了後五年間、営農実績や経営規模等の報告を受けまして、就農後の状況を把握しているところでございます。

 また、自治体では、認定新規就農者につきまして、その認定を行っている市町村におきまして、青年等就農計画の五年間の計画期間中に、就農後の営農状況や経営課題等について把握することをしているところでございます。

 さらに、全国農業会議所の全国新規就農相談センターにおきましては、新規就農者の就農実態に関する調査というものを三年から五年に一回ぐらい実施しておりまして、この調査におきましては、経営開始資金等の支援を受けていない新規就農者も含めた就農後十年以内の方々を対象に、就農後における農業経営の状況等に関しましてサンプル調査を実施しているところでございます。

今委員 ありがとうございます。

 こちらは、全体、全数を調査するというのは物すごい負担になると思いますし、そういうことを申し上げるつもりはないんですけれども、例えば厚労省でやっていらっしゃるような人口のコホート調査みたいに、特定の集団をずっと追っていって様子を見るとか、そういういろいろな分析の仕方はあろうかなと思いますので、是非今後もいろいろと検討、研究していただいて、踏み込んでいただければありがたいなということを思いました。

 では、最後の質問に移らせていただきます。

 資料をお配りしているかと思うんですけれども、こちらの資料は、今年ですかね、石川県庁と漁協さん等が連携して行われた漁業ハッカソンという取組の資料です、新聞の記事ですけれども。

 ハッカソンという言葉は最近は結構使われますけれども、特定のデータあるいは社会課題を基に、様々なエンジニアとか学生とか企業の方が寄り集まって、その場で新しいアイデアやサービスを生み出すという取組でございます。

 漁業ハッカソン、このときには、漁獲量、水揚げとかのデータを皆さんで使いながら、漁業、地域を盛り上げるにはどうすればいいかということを議論いたしました。やはり個人の、あるいは個々の生産者が特定されると問題があるということですので、そのときは、一か月の単位でデータを丸くするとか、そういう配慮をした上で使っていただいて、そこで学生とか、いろいろなチームがいろいろな成果を出しました。

 今、オープンデータの活用はいろいろな分野でやっておりまして、私も、議員になる前の仕事としては、金沢大学で北陸三県の観光オープンデータというのをやったりしておりまして、いろいろな方にデータを基に議論をしていただくと、これまでにないアイデアが出て、よいことがあります。

 こういう形で、一次産業のオープンデータの利活用について、より国としても後押ししていただきたいと思うんですけれども、農林水産省のお考えを是非教えてください。

小島政府参考人 お答えいたします。

 データのオープン化につきましては、政府といたしましても、官民データ活用推進基本法に基づきまして、例えば、e―Govポータルというサイトなどにおきまして、国が有するデータの公開を進めているところでございます。農林水産関係では、例えば、農産物の生産量ですとか販売価格、また水産物の用途別出荷量、こういった統計情報などのデータを公開しているところでございます。

 また、こうした公開データを使いまして実際に民間の事業者が営農支援ツールを開発した、そんな事例なんかにもつながっているところでございます。

 引き続き、農林水産省といたしましては、国が有するデータのオープン化を更に進めていくことですとか、委員から御紹介いただきました漁業ハッカソン、こういった地域の取組との連携などを通じまして、農林水産業の価値向上につながるようなデータ活用を後押ししてまいりたいというふうに考えております。

今委員 ありがとうございました。

 是非、国が持っているデータはもちろん、様々な主体が持っているデータを集めて、活用していただけるようにしていただけるとありがたいと思います。

 時間となりましたので、終わらせていただきます。ありがとうございました。

藤井委員長 次に、山崎正恭君。

山崎委員 中道改革連合の山崎正恭です。

 久々の農水委員会での質問になります。このような機会を与えていただきまして、大変にありがとうございます。

 貴重なお時間ですので、早速質問に入りたいと思います。

 大臣、済みません。少し質問の順番を入れ替えさせていただきまして、行きたいと思います。

 まず初めに、食料システム法の施行に伴い、米のコスト指標が公表されましたが、農水省が令和八年三月に公表した米のコスト指標では、生産原価から、副産物価額として、玄米一キログラム当たり十五・七円が差し引かれています。この副産物、すなわちくず米等は、精米過程で発生し、飼料や米菓等に転用される収益として控除されています。

 収益が生産者に帰属するのであれば、差引きは理解できます。ただ、副産物価額の差引きは、集荷形態によって生産者への帰属が異なっているのではないでしょうか。そうであるならば、一律に控除されるのは、コスト指標の公正性に問題が出てきます。

 例えば、大規模集荷地域では、フレコンバッグによるトンバッグ集荷が主体であり、脱穀、乾燥は、集荷、卸売事業者が総量管理の下で行っています。この場合、副産物の処理主体は集荷、卸売側となり、その収益が生産者に還元されているかどうかは、事業所ごとに不明確、あるいは生産者には届いていないケースがあるのではないかという声があります。

 そこで、本差引き額の算定に当たり、袋集荷とトンバッグ集荷とで副産物の帰属先が異なる実態を、集荷形態別に確認した上で設定されているのでしょうか。もし集荷形態の違いを考慮せず一律に控除しているとすれば、トンバッグ集荷が主体の産地の生産者は、受け取れない収益を差し引かれた不当に低いコスト指標を押しつけられることになってしまいますが、実態はどうなのか、お伺いします。

山口政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の米のコスト指標でございますが、これは生産者の団体から小売の団体までの方々が意見を交換する中で設定されたものでございます。

 その中で、米のコストの指標の策定に当たって、米の生産に係る費用の実態につきましては、農林水産省の生産費統計における全算入生産費を活用しようということで合意がなされたというふうに承知をしております。

 この全算入の生産費ですが、米の生産費は、稲作経営における主産物、主食用に供される米の生産費を調査するものでございますので、米の生産に当たってふるい下米ですとか稲わらなども発生しますから、主産物の生産費は副産物の生産に要した費用を含めずに算出する必要があるということで、食用に供される米の生産に係る費用を集計する目的から、副産物価額を差し引いて算出するということになってございます。

 我々も調べたところ、生産費調査において、ほとんどの経営体はふるい下米などの副産物の取引額を計上しているという実態にございますので、御指摘のような副産物収入を受け取れない生産者というのはごく僅かになっているのではないかというふうに考えております。

 こうした実態から、生産者団体の皆さん始め、小売の団体までの皆さんで合意して、コスト指標を作成するに当たって全算入生産費を用いたということにつきましては、十分合理的な考えなのではないかというふうに承知しております。

山崎委員 分かりました。では、副産物はしっかりと生産者の方に戻っているというふうな、ほぼ戻っているということが確認できましたので、次の質問に入りたいと思います。

 今回公表された米のコスト指標において、生産部門のコストは、農産物生産費統計という国の統計データに基づいて算出されています。一方、集荷、卸売、小売の三セクションは、いずれもヒアリングやアンケート調査を基礎としており、各セクターが乗せる利潤についての農水省としての指針、方向性が一切示されていません。

 令和六年に発生した米騒動では、流通、小売による極端な価格操作が消費者に多大な混乱をもたらしました。その後の農水委員会での議論においても、利潤の適正水準に関しては、値頃感という言葉が繰り返されるのみで、国として流通セクターの利潤に対する具体的な考え方が示されることはありませんでした。

 コスト指標が整備されても、三セクターが自己申告の利潤を乗せ続ける構造が温存されるなら、指標は実質的な意味を持ちません。

 例えば、国土交通省の積算基準では、実績データが十分に蓄積されていない新工法については一般管理費率を低く抑えるという考え方を取っています。これは、データの信頼性に応じて利益率を制御するという合理的な発想であります。

 農水省が公表したコスト指標では、統計データに基づく生産部門と、ヒアリングというファジーな手法に基づく集荷、卸売、小売の三セクターとでは、データの信頼性に格段の差があります。にもかかわらず、三セクターの利潤については、農水省としては何ら方向性が示せていません。

 そこで、食料安全保障の観点から、農水省として流通三セクターの利潤に対する方向性を明確に発信すべき時期に来ていると考えますが、市場に口を出さないという従来の姿勢を改め、少なくとも自己主張の利潤を乗せないよう三セクターへ指導、発信する意思があるのか、大臣の見解をお伺いします。

鈴木国務大臣 お答え申し上げます。

 まず、今、山崎先生がおっしゃる国交省と米の世界を比べるというのは、全く私は違うというふうに思いますね。なぜかというと、国交省は国が事業の発注主体ですから、公共事業ですから、その点と、米は自由な流通の中で価格形成されるわけなので、そこは一緒のものとして比較をされるというのはちょっと違うかなと思います。

 その上で、米の価格は、需給バランスなど、民間の取引環境の中で決まっていくものであります。国が利潤の具体的な水準に言及することは、価格の具体的な基準を示すことにつながり、自由な取引を阻害するおそれがあるため、適当ではありません。

 その上で、食料システム法に基づくコスト指標は、持続的な供給に要する費用を示すことにより、生産から販売に至る各段階のコストが消費者にも明確になるという側面もあります。

 なお、指標作成に当たり、集荷、卸売、小売の各段階のコストについては、公的な統計データは存在しませんので、国が行うコスト調査の結果を使用することとして関係者間で合意をされたものと承知をしております。

 農林水産省としては、流通セクターも含め、コスト指標が適切に活用されるよう、分かりやすいガイドブックなども作成し、説明会で広く周知してきたところでありまして、今後も、関係者からの相談に丁寧に対応するとともに、関係者の間で取引協議に応じないなどの事案が確認された場合には、食料システム法に基づき、指導助言や改善に向けた勧告を行うなど、取引の適正化にしっかりと取り組んでまいります。

山崎委員 ありがとうございました。

 おっしゃるように国交省の発注とは違うと思いますけれども、今回の法案の目的に照らして、先ほど大臣が言ってくださいました、そういった、機能しているのかどうかということをしっかりとチェックしていただいて、そういったことにならないと、生産者の皆様方を含め、この法案に期待している方々が、本当に、その思いがうまく届かないというか、持続可能なものにならないと思いますので、しっかりと実効性を見ていっていただきたいというふうに思います。

 その上で、四月から施行されましたけれども、コスト指標が整備されているのは現時点で米のみです。指定野菜十五品目、特定野菜三十四品目を始めとする農産物のコスト指標が存在しなければ、生産者は流通側との価格交渉において客観的な根拠を持てず、法の根幹である生産コストを価格に反映する仕組みが機能しません。

 また、コスト指標は一度整備すれば足りるというものではありません。現下のエネルギー、資材高騰を踏まえると、重油、ビニール、ポリ製品、化学肥料の価格が急変している中、算出時点のコストの実態との乖離が生じれば、指標そのものの信頼性が損なわれます。令和八年三月版の米コスト指標においても、イラン情勢以降の資材価格の急騰は数値には反映されていない可能性もあります。

 そこで、指定野菜十五品目、特定野菜三十四品目のコスト指標について、令和何年度中の公表を目指しているのか、具体的なスケジュールをお示しください。

 あわせて、価格変動が激しい燃油、資材等については、定期的な改定サイクル、又は価格変動が一定水準を超えた場合には臨時改定を発動する仕組みを設ける必要があるのではないかと思いますが、お考えをお伺いします。

鈴木国務大臣 野菜のコスト指標作成につきましては、生産から販売に至る関係者間で、まずは供給量の多いバレイショ、タマネギ、キャベツから検討が進められています。

 今後、関係者で組成をされるコスト指標作成等団体において、これら三品目のコスト指標の作成の方法や活用方法に関する議論が進められることとなります。その課題などを踏まえながら、品目の拡大についても関係者間で検討が行われていくものと考えております。

 農林水産省としては、これら関係者による議論が着実に進むよう、引き続き後押ししてまいります。

 また、農林水産大臣として定めました、食品等の持続的な供給を実現するための食品等の取引の適正化に関する基本的な方針には、コスト指標の作成後も費用の急激な変化など特段の事情が生じた場合には関係者間の判断により随時改定することも可能とする旨、明記をしております。これに即して、資材費などの変動なども踏まえた改定も必要に応じて行われていくものと考えております。

 同時に、一回コスト指標をこの品目はこうですと定めたとしても、当然様々なものが、特にガソリン価格なんというのは結構値動きが激しいですから、そういったものの状況というのは当然、その取引の間に、その指標は指標としてあるんだけれども、今現状としてこうですよねということで、取引の条件としては当然考慮されるべきものだというふうに考えます。

山崎委員 ありがとうございました。

 新食料システム法は、生産者の持続可能性と消費者への適正な価格での供給を結ぶ重要な法律であります。しかし、米のコスト指標しか存在しない現状では、野菜、果樹、畜産、水産といった、広大な一次産業に法の効果が届いていません。しっかりと、コスト指標の早期全面整備と迅速な改定体制をお願いします。

 やはり、米じゃなくて、私の地元なんかは施設園芸とか野菜とかがありますので、どういった地方性が考慮されるのか、時期はどうなるのか、できるだけ細かいコスト指標の作成、そして改定を望む声が大変多くありますので、これからの整備だと思いますけれども、是非その点も踏まえたコスト指標の作成をお願いしたいと思います。

 次に、四月の閣議決定により、米の民間備蓄義務化の方針が示されました。備蓄量の拡充という観点では一定の意義があると理解します。しかし、緊急時の価格制御という観点については重大な懸念があります。

 それは、政府備蓄米であれば、入札等を通じて、比較的抑えた価格で市場に放出することが可能です。ところが、民間備蓄業者は、購入原価を下回る価格での放出には応じることはできないと思います。民間備蓄が制度として存在する以上、緊急時においても民間業者は自らの備蓄を市場価格で供給し続けることができ、価格抑制効果が利かないのではないかという懸念です。

 燃油の民間備蓄では政府主導で放出比率が調整されていますが、米の価格は、国際市場の需給が関与しない国内完結型の価格決定構造であり、同様の調整が機能するかが疑問であります。

 そこで、民間備蓄米の放出基準及び放出時の価格決定の方法、すなわち、品薄による価格高騰の中でどのように価格抑制をしていくのかについて、現時点での制度設計をどのようにしているのかをお示しください。

 仮に、民間備蓄業者が市場価格での供給を継続する中で価格抑制効果が発揮できないとすれば、今回の民間備蓄義務化は、緊急時の食料安全保障に資するどころか、価格抑制の手段を民間から政府に移転する結果となりかねません。この点について、大臣の見解をお伺いします。

鈴木国務大臣 お答え申し上げます。

 米の価格は、需給バランスなど、民間の取引環境の中で決まっていくものでありまして、需給の安定を図ることを通じて、結果として価格の安定化が図られることが基本であるというふうに考えております。

 ですので、備蓄米の放出の基準については、価格高騰時ではなくて、供給量が不足をしている場合に売り渡すとの基本的な考え方に立ち、届出事業者からの在庫量や出荷、販売量などの定期報告などに基づき供給量の不足を把握した場合には、機動的に備蓄米を供給してまいります。

 不足をしているわけですから、実際問題としては、価格が高騰しているという状況は当然あり得ると思いますが、是非御理解をいただきたいのは、価格を直接抑制することを目的に備蓄を放出するということは我々は一切いたしません。

 また、その際の民間備蓄の価格につきましては、先ほど述べたとおり、民間の取引環境の中で決まるものですが、ただ、米の安定供給を図るという民間備蓄の趣旨を踏まえて、合理的でない価格で民間備蓄が売り渡されるという事態は防ぐ必要があろうかというふうに考えております。

 今現在公募中の民間備蓄に係る実証事業を行いますので、これらも踏まえてしっかり検討させていただきます。

山崎委員 民間備蓄によりまして、古米とか古々々米とかじゃなくて、もう少し米が回るということと、大臣も今、バランスを取られた中で、量を調整する中で価格を見ていくということですので、しっかりと実態を見ていただきまして、やはり消費者の皆様方にそういったときに安定した価格で届けるということが重要だと思いますので、かなり工夫された制度になったと思うんですけれども、これが実行されるようにしっかりと見ていただいて、国民の皆様方の生活の安定を是非見ていただきたい、チェックしていただきたいと思います。

 次は、多分最後の質問になると思いますが、農水省は、新食料システム法の施行に併せて、五年間で一・三兆円の構造転換支援を進めるとしています。しかし、農水委員会での議論を聞く限り、支援の重点は多収、品質向上を目指す大規模優良生産者に向けられており、産業の裾野を支える中小規模の生産者への手当てが手薄です。

 セーフティーネットや収入保険を十分に活用すれば経営安定につながることは理解できます。しかし、加入に必要な掛金、積立金の元本を工面できない農家、工面できても少額しか積めない農家が実態として多数存在します。こうした農家は、構造転換支援にもセーフティーネットにもアクセスできない、支援の空白に置かれています。

 特に、イラン情勢を契機とするエネルギー、資材高騰の下で、高知県では、令和七年度の重油末端価格が百二十円台という記録的な高値となり、来期のキュウリ等施設園芸の作付を断念する農家が現実に出始めています。

 そこで、コロナ禍における飼料高騰対策として、一部の地方自治体では、農家からの納税証明書内訳を活用し、農業資材費や燃料、電気料金に対して定率の直接支援を行うという、申請負担の少ない手法が採用されました。今回のエネルギー、資材高騰の深刻さはあのときをはるかに超えており、しかも対象は施設園芸農家だけに限りません。

 構造転換支援やセーフティーネットの枠外に置かれている中小規模農家に対して、同様の簡易な手法による緊急の経営継続支援を早急に実施すべきではないでしょうか。その際、青色申告者に限らず、白色申告者も対象に含めることが不可欠と考えます。形だけの支援では、一次産業は破局を迎えます。大臣の踏み込んだ見解をお示しください。よろしくお願いいたします。

根本副大臣 お答え申し上げます。

 現在、原油やナフサ由来の石油製品については、備蓄の放出や代替調達を通じて、年度を越えて供給継続が可能となっておりますが、供給見通しの共有不足や実績以上の発注などで、農業現場からも希望する数量が調達できないといった声をお伺いをしているところであります。

 これまで、農林水産省では、相談窓口に提供いただいた情報などに基づき対応してきたところでありますが、今月二日に開催された中東情勢に関する関係閣僚会議において、高市総理から、園芸農家の農業資材について、流通過程の実態把握などに重点的に取り組むよう御指示を受け、地方農政局などを通じて農業現場から直接お話を伺うことで、一つ一つ問題解決を更に進めているところであります。

 また、資材価格の上昇に対しては、これまでも、政府として、燃料油価格の高騰に対する緊急的激変緩和措置が行われ、燃料を使用する全ての農業者の皆様の負担軽減が図られてきたところであります。

 加えて、農林水産省といたしましては、施設園芸で使用する燃油の価格の高騰に対し、施設園芸農家などの経営への影響を緩和するための補填金を交付する制度を講じており、中東情勢以降、価格急騰時に補填額を増加する急騰特例を発動しているほか、資材全般の上昇については、農林漁業者が日本政策金融公庫から借り入れる農林漁業セーフティネット資金などに対する金利負担軽減の措置も講じているところであります。

 引き続き、農業者の皆様が安心して経営継続していただけるよう、全力で取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 以上です。

山崎委員 済みません。高知県とか四国においては、本当に、小規模の農家の皆様方をどう守るのかというのが非常に重要であります。丁寧に通告もして、最後は大臣から直接お答えいただきたくお願いしておりましたけれども、非常に残念でありました。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

藤井委員長 次に、金子恵美君。

金子(恵)委員 中道改革連合の金子恵美でございます。

 久しぶりの農林水産委員会での質疑でございますが、時間をいただきましたことを感謝申し上げたいというふうに思います。

 福島市の観光農園の開園式に行ってまいりました。いよいよ果物シーズンが到来ということでありますけれども、そちらで実はサクランボ祭りと一緒に開催しますので、生育の状況などももちろん関心を持ってお伺いします。この後、桃、梨、ブドウ、リンゴと続きます。本当の果物の里です。

 しかし、一方で、こんな話題がありました。熊の出没注意ということであります。農園に観光客の方々をお迎えして御案内する、でも、やはり一番心配なのは、熊対策をどうやってやるのかということでありました。もちろん宇都宮の話もありますけれども、福島市内でも実は住宅地にまで出没いたしましたので、観光農園で当然このような心配がなされるというふうに思っております。

 これは通告もしておりませんので、大臣からお言葉をいただけるかどうか分かりませんけれども、しっかりと注視していただきたい。本当に切実な訴えがあったということでありますので、よろしくお願いいたします。大臣、いかがですか。

鈴木国務大臣 本当に、熊の問題、特に農業者の皆さんにとっても、観光で来られる皆さんはもちろんですけれども、やはり農業者の皆さんの身の安全という意味でも切実だというのは、私もよく理解をしております。

 ちなみに、私の山形の家の一番近くのコンビニ、週末に寄りましたら、熊に注意と貼ってあって、しかも、熊が出るので自動ドアをやめましたということが書いてあるんですね。現実としては、我々生活しているところはそういう状況ですから、いろいろな対策、当然、猟友会の皆さんにも御協力いただかなきゃいけませんし、市も力をいただかなきゃいけないと思いますが、しっかり地元に寄り添ってやらせていただきたいと思います。

金子(恵)委員 よろしくお願いいたします。

 それでは、私の地元の福島県の農林水産業の再生についてお伺いしたいと思います。

 実は、今朝、内堀知事もお越しになりまして、要望書等を私たち頂戴いたしまして、そしてまた、それについての国会議員に対する説明会というものが行われました。そこで、農林水産部門ということで、「ふくしまの復興・創生に向けた提案・要望(農林水産分野)」も、事務所までわざわざお持ちいただいて、本当に先ほどいただいたばかりなんですけれども。

 その中で、やはり、原子力災害からの復興が着実に進んでいるものの、福島県の農林水産物は市場における評価や価格の面で、依然として厳しい状況に置かれているということです。価格差は一部を除き震災前のポジションに戻らないまま固定化していて、農業産出額は米の価格上昇の影響もあり回復が見られるものの、全国平均の伸び率と比較すると低い状況にある上、一部の国、地域においては輸入規制が継続されており、風評はいまだ根強く残っています、なので何とかしてほしいという要望を今回もいただきまして、産地競争力の強化及びリスクコミュニケーションの推進、そして、国が前面に立った農林水産物の風評対策、輸入規制撤廃に向けた働きかけの強化、県産農林水産物風評払拭施策への柔軟な対応ということで、このような要望をいただいたところであります。

 これまでも、大臣も被災地にもお運びいただいていて、現状を知っていただいているとは思いますけれども、改めて、大臣、御決意を伺えればというふうに思います。お願いします。

鈴木国務大臣 直近の令和七年度の調査結果によりますと、例えば牛肉や桃、あんぽ柿など一部の品目では価格が全国平均を下回る状況が継続しているというふうに認識をしております。

 今も、私もこのデータを見ましたら、震災前は全国平均より例えばあんぽ柿なんかは高かったものが今まだ全国平均より低いとか、品質でいえばもうそれは間違いなく福島のあんぽ柿はいいわけですから、そこは私もよく認識をしております。

 ですので、農林水産省では、福島県と連携をして、福島県産農林水産物の魅力を消費者に直接伝えるためのフェアや商談会の開催、そして、量販店での販売コーナーの設置など、量販店との連携の強化、さらには、輸出促進に向けたプロモーションなどへの支援を行ってきているところであります。

 引き続き、福島県産農林水産物の一層の需要拡大に向けて、しっかり取り組んでまいります。

金子(恵)委員 今おっしゃっていただいたその直近の令和七年度の流通実態調査、おっしゃっていただいたとおり、震災前の水準にも戻っていない牛肉、桃、干し柿、これは今おっしゃっていただいたあんぽ柿が入っているということでありますけれども、あんぽ柿について触れていただいてありがとうございました。私の地元の伊達市、あんぽ柿発祥の地ということでありまして、頑張っているところでもあります。

 そこで、このような流通実態調査はしっかりと継続していただけるものだと思っていますが、それをしていただきたいということと、やはりそれをしっかりと把握していただいて、この販売不振の実態とかその要因とかそういうものを国としても理解をしていただきまして、そして、その調査結果に基づいた形での流通関係者への指導とか助言とかそういうものも必要になっていくと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

鈴木国務大臣 まず、農林水産省では、今先生からも御指摘ありましたとおり、福島県産農林水産物の風評払拭や販売不振の実態と要因を明らかにするために、福島復興再生特別措置法に基づきまして、平成二十九年度から、福島県産農林水産物の生産、流通、販売段階の実態を調査をしてきておりますし、これはこれからも当然、この価格がというか、その風評というものがなくなったというふうに皆さんが思っていただけるまで当然やるべきものだというふうに思います。

 そして同時に、それに基づいていろいろなプロモーションなり対策を講じるわけですけれども、やはり、やったらやったなりの効果がどうあったのか、そして何が足りないのかということは不断に考えていかなければならないというふうに思いますので、よく福島県とこれは連携をさせていただいて、更にどういったことができるのか、対応をさせていただきたいと思います。

金子(恵)委員 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。

 そして、このように東日本大震災原発事故からの影響もあって、大変苦しい思いをして今に至っている生産者の方々にまた新たな打撃がありました。もちろん、原発事故の直接的な浜通りの被災地に大きな影響があって、中通りや会津地方にも大きな影響があったんですが、今回は、中通り、県北地方を中心といたしまして、五月の十三、十四日、降ひょう被害があったわけです。

 実際には、六月の五日に発表した被害状況の調査結果によると、被害総額は六億五千九十八万円です。これは、二〇二二年の約十三億円というやはり降ひょう被害があったんですが、それに次ぐ規模となっていて、これを考えたときに、いや、今回はそれほど大きくないじゃないかというような、もしそのような声があるとしたらば、それは絶対に間違っていると。

 打撃を受けているというところは、本当の産地の中の産地と言ったらいいんでしょうか、例えば、桑折町も献上桃の産地で有名なわけですね、そういうところで、本当に苦労をされてきて、産地を今まで守り続けていた、そういうところが被害に遭っているということであります。実際には、県北だけではありません、県全体でいうと、八市町村、計百七十六ヘクタールが被害に遭ったということでありますので、桃やブドウ、リンゴ、柿、そして野菜にも被害があったということであります。

 このような形で、繰り返し申し上げますけれども、産地をいかに守っていくかという、本当に厳しい状況の中で、もちろん県からもパッケージとして支援パッケージは発表はされていますけれども、国としても、産地を守る、そして、東日本大震災原発事故から再生に向けて本当に頑張ってきた生産者を守る、そういう意味で、どのような支援をしていくか、お聞かせいただきたいと思います。

鈴木国務大臣 お答え申し上げます。

 まず、福島県内において、五月十三日から十四日にかけて降りましたひょうにより被害に遭われた生産者の皆様には、本当に心からお見舞いを申し上げたいと思います。

 今先生からもありましたが、福島県の発表によれば、桃などを中心に約七億円の被害が既に生じていると承知をしております。

 ひょう被害への支援として、農林水産省では、まずは、農業保険の加入者に対する共済金の早期支払いや、収入保険に係る無利子のつなぎ融資の実施、そして、災害関連資金による長期、低利の融資などにより、被災された農業者の経営継続、再開を着実に後押しをしていく考えであります。

 また、福島県においても、被害を受けた園地での防除や摘果などのかかり増し経費などを支援するというふうに承知をしております。

 さらに、福島県のブランドの再生と生産の安定に向けては、農林水産省では、福島県農林水産業復興創生事業を措置をしておりまして、福島県による桃のブランド強化に向けた取組として、県オリジナルの優良品種の導入、また、地域ぐるみでの病害虫防除活動などを支援をしているところであります。

 被害を受けた生産者の皆様の営農の継続や産地の発展に向けて、福島県とよく連携をして、対応させていただきます。

金子(恵)委員 ありがとうございます。

 今触れていただきましたけれども、実際に、ひょう被害によって枝葉に傷がつきました。そういうところから例えば桃せん孔細菌病が感染しやすくなるということからも、やはり薬剤散布をしっかりやらなきゃいけない。収入が落ちてもやるべきことはやらなきゃいけないというのが、生産者が置かれている状況でありますので、是非支援をし続けていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。

 そして、帰還困難区域の森林・林業の再生の取組についてもお伺いしたいというふうに思います。

 実際に、五月の十一日に、国有林で取り組む実証事業を拡大し、本年度は浪江町を中心に約十ヘクタールの着手を目指す方針を示していらっしゃるということであります。この春に福島森林再生センターが設立されまして、そして、そこでの意見交換の中でこのような方針が示されたということであります。

 二点、申し訳ありませんが、一緒に質問させていただきたいというふうに思うんですが、まず、帰還困難区域等の森林・林業再生に向けた取組と、そしてまた、それを進める上でも、やはり、立木の放射性物質の濃度を簡易に特定する手法確立のための取組、これも必要になってくるのではないかなというふうに思っています。

 といいますのは、実際、今までは、放射性物質というのは樹皮に主にたまってくるだろう、濃度が高いということであったんですが、そうではなくて、樹皮の部分に集中するということから、心材、辺材にも樹皮と同程度の放射性物質が含まれるおそれがあるという知見、新たな知見も発表されているということで、安全、安心の確保のためにも様々な新しい手法が必要になってくるのではないかと思います。いかがでしょうか。

根本副大臣 お答え申し上げます。

 農林水産省といたしましては、政府の復興基本方針に基づきまして、帰還困難区域内の森林整備の再開に向けまして、作業者の安全、安心の確保のためのガイドラインの策定、そして、整備が必要な森林などの把握などの条件整備を進めてきたところであります。

 令和八年度におきましては、策定した森林作業ガイドラインについて、事業者等に対し丁寧に周知、説明を行うとともに、森林作業ガイドラインを踏まえた実証的な森林整備等に取り組んでいるところであります。

 引き続き、地元市町村や林業関係団体を始め、関係者の御意見を丁寧に伺いながら、帰還困難区域の森林整備に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 そして、二つ目でありますけれども、農林水産省では、立木の樹皮、辺材、心材における放射性物質の濃度に関する実態調査、また、原木市場等における木材の放射性物質濃度の測定のための自動検査装置の整備などに取り組んでいるところであります。

 引き続き、福島県の森林・林業の再生に向け、福島県や関係機関と連携しながら、取り組んでまいりたいというふうに思います。

 また、放射性物質に関する実態把握調査の中で、帰還困難区域の平均空間線量率が高い森林において、杉の心材から放射性物質濃度が八千ベクレル・パー・キログラムを超えるものが一部見られたところでありますが、有識者からは特異なケースであるとの見解が示されていること、また、帰還困難区域につきましては、帰還困難区域以外と同程度の平均空間線量率の低いところから森林整備に着手することから、現時点では、森林整備や木材の搬出には大きな支障がないというふうに考えております。

金子(恵)委員 ありがとうございます。

 いずれにいたしましても、作業を進める上で、作業をされる方々の安全確保をしっかりやっていただかないといけないと思っておりますので、よろしくお願いいたします。ありがとうございます。

 それでは、先週の金曜日、五日に閣議決定されました新たな森林・林業基本計画についてお伺いしたいと思います。

 この新しい計画の中では、持続可能性を確保した木材に関する情報等を共有し、相互理解を醸成することを通じ、合理的な価格形成を促進していくとされています。

 現在、立木の販売収益だけでは再造林経費を賄えず、森林経営を維持できない事態が懸念されます。また、森林所有者と素材生産事業者で、木材価格を知らない相対取引が行われている事例も散見されます。適切な契約が行われないまま、労働者の安全対策も不十分な状況で施業が実施されることもあると伺います。

 森林所有者が再造林意欲を持てる立木価格の実現に向けては、市場任せでは不適当であり、公的支援や適正な木材価格形成が行われる環境整備の強化を政府が主導して行うべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

鈴木国務大臣 まず、立木価格が低迷している中で、売手と買手の双方が木材の価値を認識し、適正な立木価格を確保することは、再造林を始めとした持続的な林業経営の実現に向けて重要です。

 こうした中で、木材の取引においては、価格決定時に森林育成コストがほとんど意識されておらず、売手側に不合理、不利益な商慣習も存在をしているところであります。

 このため、農林水産省では、適正な立木価格の確保に向けて、まずは、川下の需要拡大を通じて木材の価値を高めるということ、そして、価格転嫁、取引適正化に向けたガイドラインの策定、周知、そしてまた、川上から川下までの関係者が合理的な価格形成について理解を深めるための協議会の開催などを行ってきたところであります。

 六月の五日に閣議決定をされました新たな森林・林業基本計画におきましても、協議会などで、売手、買手の双方におけるコスト構造の理解を深めるなどにより、合理的な価格形成を図る国産材主導のサプライチェーンの構築に取り組むことを位置づけたところでありまして、これらを通じて、持続的な林業経営の実現に向けた施策を促進をしてまいります。

金子(恵)委員 ありがとうございます。

 また、この新たな基本計画では、技能検定制度等を活用した能力評価の導入によるキャリアに応じた昇給の実現等や、個人事業者等を含めた関係者の労働安全の確保に向けた意識改革の徹底等により、林業従事者の所得の向上と労働環境の更なる改善を促進していくとしています。

 能力評価の導入は具体的にどのように政治主導で行うのでしょうか、そして、個人事業者等を含めた関係者の意識改革の徹底とありますけれども、個人事業者の実態自体が余り正確につかめていない中でどのように意識改革を行うのか、お伺いします。

鈴木国務大臣 まず、能力評価ですけれども、令和六年度に運用が開始をしました林業の技能検定制度があります。これによりまして、従事者の技能が見える化をされることを踏まえて、このような資格による技能の見える化を図りつつ、これらが能力評価の評価基準に反映されるように、まず環境整備に取り組んでまいります。

 また、労働安全の確保に向けては、経営者と従事者の双方の意識改革を図ることが重要であります。個人事業者も含めて、経営体への安全診断や巡回指導、また、従事者への木を切る作業の安全の研修、そして、保護衣などの安全装備の導入などへの支援を措置しておりまして、これらを通じて労働安全の確保に努めてまいります。

金子(恵)委員 時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。

藤井委員長 次に、渡辺創君。

渡辺(創)委員 中道改革連合の渡辺創です。

 今日は、これまでに予算委員会や農林水産委員会で一部議論をさせていただいてきた二つのテーマ、まずは、農地集約に向けた地域計画の状況整理と今後のブラッシュアップの在り方、そして二つ目は、トランプ関税問題に伴う合意に含まれたMA米のことに関して質疑をしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 まず、地域計画についてですが、昨年十二月の委員会でも議論をしています。そのやり取りを前提に御答弁をいただければと思います。

 地域農業経営基盤強化促進計画、つまり地域計画でありますが、その取組を定めた農業経営基盤強化促進法の改正案がこの農林水産委員会で審議されたのは令和四年の四月でありました。私も質疑に立ちました。

 地域計画は、人・農地プランで中心経営体、いわゆる担い手を中心に農地集約を進めてきた段階から更に歩みを進めて、対象を中小規模の経営体や副業的な経営体にも拡大し、将来的な地域の農業、農地の在り方を地域の意向に沿って考えていくという重要な取組だと思っています。

 農地集積を図るという構造政策と、地域の農地を保全するという地域政策の二つの側面があると理解をしていますが、背景にあるのは、それだけ日本の農業が厳しい状況にあるとの認識だというふうに思っています。基本法も改正されて、基本計画も整った、さらには、政府・与党は構造転換集中対策も進めていく、その流れを見越した上で、今後の農政施策推進の基盤、土台として農地の在り方を整理する、そういういわば羅針盤をつくっておくという重要な作業だというふうに認識しています。

 自治体の皆さんや農業委員や利用適正化の推進委員の皆さん、また農家の皆さんの努力があって、昨年春に期限を迎えたわけでありますが、その結果は大変厳しいと言わざるを得なかったというふうに思っています。形式的に数は一定水準に達しているとはいえ、農水省も既にこれまでも認めていらっしゃるように、計画の充実度や実効性という意味では大きな課題が残っているというふうに思います。

 この策定過程や結果からは、計画を作っていくことも困難を抱えるという日本の農業、生産者、農業地域が抱える厳しい実態というのが浮き彫りになったというふうに思っています。

 十二月にも大臣と議論をさせていただいたところですが、期限から一年以上が過ぎたというところでありますので、その後、いかに取り組んでいくかという新たな段階に入っているというふうに思います。

 改めて、大臣の認識、評価を確認しておきたいと思います。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 まず、地域計画は、令和七年四月末までに全国約一万九千地区で、農地面積のほぼ全てをカバーする約四百二十二万ヘクタールで策定をされたところでありますが、地域の多くの関係者の意見を調整する必要がある難しい作業であったことから、現時点では、集約化を明確化できた目標地図は約一割にとどまっており、集約化された将来の農地の姿を明らかにするまでは至らなかった地域が多いというのが事実だというふうに認識をしております。

 しかしながら、残り九割の地域においても、継続的に地域の話合いを続けていくことができれば、集約化された目標地図を作成できる地域はまだまだ出てくると考えておりまして、地域計画は一度策定して終わりにするのではなく、生産者、農家の意向を丁寧に把握をしながら地域の話合いを継続し、その完成度を高めていくことが重要だというふうに認識をしております。

 このため、農林水産省としても、職員が市町村に直接出向きまして、現場の課題解決につながる方策を一緒に考えていく取組を引き続き展開するとともに、市町村においても重点的に地域計画の見直しを進めていく地域を選定をしていただいたり、また、国や都道府県は、そのような地域の現場に入って伴走支援することで、地域の関係者と一体になって地域計画の継続的な見直しを推進をしていく考えであります。

渡辺(創)委員 ありがとうございます。

 次は担当局に伺いたいと思いますが、昨年の集約期限での集約の結果というのは、令和四年の法改正の段階で、起こり得ることとして、又は可能性としてあり得ることとして予測していた範疇であったのでしょうか。

 また、先ほど大臣からも答弁がありましたが、十分な効果を上げたと言える地域計画の目標地図が一〇%程度というのは、今後の農政施策を推進していく土台として十分に機能する水準と言えるのか、簡潔にお答えをいただきたいと思います。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 地域計画の制度をつくった段階で、農林水産省といたしまして、集約化できた完成度の高いこういった目標地図が全国の何割程度の地域、地域計画で作成できるか、こういったことについて、あらかじめ具体的な想定があったというわけではないということではございますけれども、私どもとしては、こういった完成度の高い目標地図の作成というのは非常に困難な作業である、こういうことは認識していたところでございます。

 実際に、市町村の人員も限られる中で、時間的制約もありまして、集約化が明確化された目標地図は全体の一割にとどまったものと認識しておりますけれども、私ども農林水産省といたしましては、このままでいいというふうには考えておりませんで、やはりこうした地域計画をそのまま一度作成して終わりというふうにするのではなくて、継続的な見直しを全国的に展開することによりまして、完成度の高い地域計画がもっと策定されるようにしなければいけないというふうに考えているところでございます。

渡辺(創)委員 私は今の答弁はとても残念なんですが、法改正して制度をつくった時点で、それに取り組んでどういう絵になるだろうかというビジョンを全く持たずにやっているということを堂々と答弁できること自体が、私はちょっといかがなものかと正直思うわけであります。ただ、そういう答弁だから、それは仕方がないと思って受け止めますが。

 私自身も反省を含めて後悔があるんですけれども、その令和四年の審議の議事録を読み直してみると、参考人の質疑などで、なかなか思うように進まないのではないかという趣旨の指摘はあっているんですね。しかも、その時点で、政府はその件について全く認識を明確にしなかったというのが審議の中での実態でした。

 私は、農業の今後を考えたときに重要な土台、基盤をつくる話であるのでとても重要だという認識でいたので、ちょっと注意が足りなくて、スルーしてしまっていたんですけれども、今の現状から踏まえれば、やはりもう少し実現可能性というか、実効性がきちんと担保されるのかということをチェックする質疑が必要だったなというふうに反省しています。

 もちろん、重要なことは、大臣のお話にもあったように、地域が主体的に将来の農地の在り方を考えるというところにありますから、決してその本質的な意義が薄れているというわけではありません。ただ、やはり関係者の皆さんの声を聞いていても、進め方にはもう少し工夫の余地があったのではないかなというふうに思っているわけです。

 そういう前提に立てば、結果に対する農水省の認識を明確にするというのはとても大事なことだというふうに思いますし、推進してきた施策、政策のチェックをしっかり行って整理をするという作業は極めて重要だと思いますし、これはやはり建設的な行政の在り方としてとても大事だと思いますので、そのことは指摘をしたいと思います。

 次に進みますが、農水省は、今後、策定された計画のブラッシュアップが必要という認識です。それは私もそのとおりだというふうに思います。

 そこで、例えば、機能する目標地図、今は一〇%となっているもの、それをいつまでにどの程度の割合にするのかなど、具体的に達成すべき水準の目安や目標などをきちんと定めているのでしょうか。また、その目安、目標などがあるのであれば、そこの実現に向けてどのような取組をしているのか、伺いたいと思います。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 私どもは、現在、地域計画の完成度を高める取組、これを全国的に進めているわけでございますけれども、その進め方といたしましては、まず、市町村の方で、重点的に地域計画の見直しに取り組む地区、こういったものを選定していただく、その上で、国や都道府県は、そのような地域の現場に入って伴走支援をすることで地域計画の完成度を高めていく、こういった形で進めていきたいというふうに考えてございます。実際、こうやって進めているところであります。

 もちろん、重点地区の選定に当たっては、市町村に単に出してもらうというわけではなくて、私ども、国又は県、こういったこととキャッチボールをしながら、どこを重点的にやっていこうかというのを市町村と対話しながら共有していくということで進めていきたいというふうに考えております。

 それで、御質問の目標に関してでございますけれども、るる答弁いたしましたとおり、地域計画は、多くの関係者の意見を調整する必要がある困難な作業でありますことに加えまして、地域農業が抱える課題は、圃場条件でありますとか傾斜の条件、担い手の有無など、地域の実情に応じて様々でございます。

 こうしたことから、地域計画の完成度を高める取組は、地域が主体的に話合いを継続し、地域農業の在り方を描いていくことが必要だというふうに考えておりまして、現時点で、いついつまでというふうに期限を区切って、国が、ここまでの完成度の目標を、作るべきというような目標を定めることは想定していないわけであります。

 農水省としては、先ほど申しましたように、地域計画の完成度を高めていく進め方につきましては、市町村と共有した重点地区の地域計画の完成度を一つ一つ、伴走しながら確実に高めていくとともに、でき上がっていきましたら、また市町村と協議しながら順次重点地区の数を増やしていく、こういうことによりまして、完成度の高い地域計画の数を増やしていきたいというふうに考えてございます。

渡辺(創)委員 ごめんなさい、分かり切っていることを長々と答弁するんじゃなくて、さっきの質問にもそうですが、一〇%の状況で、目標というか、想定していた効果を上げられるのかというのも先ほど答弁もなかったし、今も、十年後を描いた地図を作っていくという話なのに、その時間はどんどん過ぎていっている中で、どこまでいけば効果を上げられるのか、それは今でも効果がゼロなんとは全く思いませんが、そこにやはり真摯に向かい合わないということ自体が大きな問題じゃないかなという気がします。ちょっとそれは厳しく考えていただくべきじゃないかなと思います。

 このテーマの最後にしますけれども、地域計画は土台であり羅針盤ですから、明確にした上で、それを受けて各種施策の推進を図らなきゃいけないということになるわけです。そのことは、新しくできた基本計画を見ても、地域計画に関する言及が広範にわたって大量にあるわけですね。そのことを踏まえても、やはりこれからは、まだ十分な水準に至っていない地図を充実させること、そして十分な地図があるところについての政策推進という二つの方向で取組を強化しなければならないと思います。

 鈴木大臣も就任会見などでも言及されていたように、様々な課題はあると思いますけれども、最大の問題はやはり推進体制の確立というところになってくると思いますし、市町村を考えると、不足する事務局体制の強化ということになると思います。

 一方で、基礎自治体は大変厳しい状況にあるわけですね。今の状態というのは、先ほど答弁は明確にないけれども、制度の本旨を踏まえたときに、積み残しがある状態をまだ引き続き抱えているというところですから、国と自治体の役割分担というのはもちろん十分に分かった上ですが、国が推進しようとする政策の方向性の強化であるので、農水省が政策推進のためにどのように基盤を整えていくのかというのが問われていると思いますので、大臣のお考えを伺いたいと思います。

鈴木国務大臣 今の渡辺先生と小林局長のやり取りを聞いていて、私も全く渡辺先生に同感だなと思いながら聞いておりました。

 それで、一割が今うまくいっているわけですけれども、この一割というのは一体全体何なのかというのをよくよく見てみると、大体が、元々そういうことをちゃんとやっていた地域か、若しくは基盤整備を契機にして、この機にこうやって整えていこうということをやれた地域というのが結構多いんですよね。

 それ以外になかなかきっかけがない中で、やれ、やれと言われても、当然、利害の調整というのが難しいというのが現実の農村の集落の、必ずしもみんなが仲がいいわけではないわけですから、そういう中で、どういうふうにして理想の姿を描いていくのかというのがすごく難しいというのに今我々は直面をしています。

 その中で、特に、市町村が中心になってやっていくんですけれども、現場の農地の利用調整を担う農業委員会、そして農地バンク、また市町村等のサポートを担う都道府県といった関係機関がそれぞれの役割をしっかりと果たしながら、連携して取り組んでいく必要があります。

 私も、ちょっと大臣の立場じゃなくて、あえて個人として申し上げると、この制度をつくるときに、自民党の中でも相当議論をしましたよ。そのときにも、やはり国としてこれが理想なのは分かるんだけれども、やる自治体の立場に立てば、そんなに簡単じゃないよねというところにどう向き合うのかということの、何かその解がまだないんですよね。

 だから、私が就任して以来、課題を抱える地域に農林水産省の職員がまず直接出向いて、一緒になって悩んで、どうしたら前に進むのかということをやっていこうじゃないかということで、今まさに取組をさせていただいております。

 それをやると、恐らく、これが今一割から一五%になるのも立派ですけれども、やはり目指すのは一〇〇にいかに近づけるかという話なので、そこに向けて我々は何ができるのかということは、現場によく入って、解決策を見出して、そして、さっき先生からあったように、いつまでに何%を目標にやるんだということを早期に示せるようにさせていただきたいと思います。

渡辺(創)委員 大臣の問題意識はよく分かりました。ありがとうございます。

 中道改革連合は、立憲民主党と公明党とともに、本日の夕方に、地域計画に関して、地域段階での推進組織の整備、農地中間管理機構の事務の簡素化などを求める要請を、新たな水田政策の内容と併せて大臣に申し入れることにしていますので、是非本日の質疑と併せて受け止めていただければと思っています。

 次のテーマに行きますが、トランプ関税の日米合意を受けたMA米の状況について確認します。

 この件は、昨年八月の予算委員会でも議論をしました。日米両政府の言いぶりには差異があるわけです。アメリカのファクトシートにあった、米国からの輸入を七五%増やすという言い方を追認することを政府はあの時点では拒んでいましたが、その後の政府対応を見ていると、国内の需給状況を勘案しつつ必要な米を調達して、米不足の状況を踏まえて、結果として主食に向く中粒種を増やす、すると米国産になるという理屈は、WTOを含めた各種課題への弁明であって、やはり米国との間で七五%増やすという合意があったというのは明らかだというのが世間の認識だと思います。

 まず確認しますが、日米合意後、MA米の輸入状況はどのように変化したのか、加えて、合意から一年に向けて、今後の見通しをお伺いします。

広瀬大臣政務官 米国からの一般MA米の輸入数量は、精米ベースでありますけれども、令和六年度の二十四・七万トンから、令和七年度は三十八・九万トンに増加してきております。

 令和七年度の米国からの輸入量は、令和六年度比で七五%増にはなっておりませんが、昨年七月二十二、これは米国時間ですけれども、これの日米合意以降からの一年間で見れば、七五%増を達成され得るのではないかと考えているところです。

渡辺(創)委員 続いて確認しますが、購入先の変更によって、MA米の購入に係る財政負担額はどのように変化しましたか。

山口政府参考人 お答え申し上げます。

 広瀬政務官が先ほど御答弁したとおり、仮に、七月二十二日の日米合意から一年間で、米国産の輸入数量が七五%増加し、その分、長粒種の輸入が減少することとなった場合、その購入費用の増加につきましては、令和七年度の一般MA米の平均購入価格を基に計算しますと、百五十億円程度でございます。

渡辺(創)委員 ごめんなさい、ちょっと今、最後が分からなかったんですが、百五十億円増えるなのか、百五十億円に全体でなるという答弁ですか。

山口政府参考人 百五十億円増加することになると考えております。

渡辺(創)委員 ありがとうございます。

 ちょっと大臣にも質問しようと思っていましたが、時間が少し来ちゃっているので。

 要は、この変更によって、百五十億円、税金が原資になっているお金が、オーソドックスに考えれば、主食には回る可能性の低いMA米にそれだけ財政負担が増えているというのも事実なんですね。去年みたいな備蓄米の放出があったりする中であれば分かります、国民の理解が一定得られるのも。しかし、これが構造的に続いていくとなると、そこにこれだけの財政負担増を国民が受け入れられるかという問題もあると思いますので、しっかり考えることが必要だと思います。

 やはりいろいろな度々の国際交渉の中で、最後は農林水産業が犠牲になるみたいな感覚を私も持っていますが、それの一部になったら残念だなと思いますし、今、南米との、メルコスールとのEPAの交渉開始の件もあります。ただでさえ自立性と持続可能性が大きな課題となっている日本の農業が、やはり経済交渉の結果として新たなダメージを受けるようなことがないように、自民党さんも決議を出されているみたいですが、しっかり注意しておく必要があると思いますので、そのことを申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

藤井委員長 次に、関健一郎君。

関(健)委員 日本維新の会、関健一郎です。

 質問の機会をいただきましたことを心から御礼を申し上げます。

 冒頭、気候変動などの地球的な課題については、国際間の連携を更に緊密化していかなければいけないのではないかという問題意識から質問をさせていただきます。

 世界最大の国際農業研究ネットワーク、CGIAR、国際農業研究協議グループについて質問をさせていただきます。

 日本の農業の歴史を遡ると、これまでも人口が増加して食料需給が世界的に逼迫するという局面において、様々な技術が世界的に貢献したことは周知のとおりです。例えば、小麦農林十号というものが小麦品種開発の基になった、若しくは、IR8、高収量の稲品種などによって多くのアジアの飢餓を救ってきたのがこの日本の先進的な農業技術であります。

 そして、今回世界が直面しているのが気候変動に関してですけれども、今回の米の価格の急騰の一つの引き金となったのが、二〇二三年の暑さによる米の濁りとか割れたりとか、そういうことだったと思います。

 大臣にお尋ねいたしますが、気候変動などに適応した重要育成品種の育成のための農業研究における国際連携を更に加速をさせていくべきではないか、大臣の御所感を伺います。

鈴木国務大臣 お答え申し上げます。

 気候変動に適応した新品種を育成するためには、豊富な遺伝資源や蓄積された品種開発技術を持つ研究機関などとの国際連携というのが不可欠であるというふうに認識をしております。

 その中で、CGIAR、国際農業研究協議グループというのがありまして、フランスのモンペリエに本部があるんですけれども、私も、そこにお邪魔をして、以前に意見交換をさせていただいたこともあります。

 日本も、これまで、CGIAR傘下の国際稲研究所、IRRIというんですけれども、ここと連携をして、アジア向けの高温耐性を有する稲の研究開発を行うとともに、その成果を活用して、国内向けの品種開発を進めてきているところであります。

 本年度からは、新たなIRRIへの拠出金プロジェクトを開始をしておりまして、新たな稲高温耐性遺伝子の探索及び高温耐性を有する新品種を育成するための親となる素材の開発、また、アジアなどにおける圃場段階での栽培技術の開発を支援をしてきているところであります。

 現在国会に提出をしております気候変動等対応品種法案の中でも、我が国の気候変動に対応した重要品種育成に資するため、国際連携の取組を推進する旨を規定をしているところでありまして、このCGIARを始めとした国際連携を通じて、気候変動適応に資する新品種開発を加速化をさせてまいりたいというふうに考えております。

関(健)委員 ありがとうございました。

 既に大臣は問題意識をお持ちで、連携を加速させているということが確認を、引き続きその連携を加速させていただくようお願いを申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。

 次は、新規就農支援の年齢制限を引き上げるべきではないかという質問をさせていただきます。

 現在、新規就農支援は四十九歳までとなっています。そして、農業をやってみたいんだよなという方を周りで聞くと、一生懸命サラリーマンとして出世競争をして、その会社で企業のために働いて、世の中のために働いて、一定程度自分の中でも達成感があるな、そして、この後、僕は農業をやってみたいんだよね、私は農業をやってみたいんだよねという方が驚くほど多いのが私の実感です。

 そして、過去にNHKの記者として、全国で、地方で若い方が新規就農するということが間々ありますが、先ほど長期的に定点観測をしていますかという質問がありましたけれども、私は、そこで余り長く定着していないという問題意識を記者として感じました。やってみたい、地方に行ってみたい、新規就農は楽しそう、そうしたら、意外と難しいことがたくさんあって、その周囲の人たち、ノウハウを知っているプロの人たちに教えを請おうとしてもなかなか難しかったり、いろいろな課題があって離れていってしまう。

 四十九歳という年齢設定が今してありますけれども、恐らくその年齢から何年やってとか、そういうこともあるんでしょうけれども、私は、これはほかの産業との、定年退職後の人口、まだ働く人たちの奪い合いという観点からも、この新規就農支援の年齢制限を大幅に引き上げるべきではないかと考えているんですが、政府の御所感を伺います。

広瀬大臣政務官 農業従事者については、六十歳以上が約八割であるなど、委員がおっしゃるとおり、年齢構成のアンバランスが大きな課題となっており、できるだけ若い世代が就農して、より長期にわたって農業生産を担っていただくことが重要であることから、四十九歳以下の方々に対して、経営開始資金などにより、集中的に支援をしてきているところであります。

 一方、農業従事者の減少が進む中、五十歳以上の方についても、担い手が不足している地域において、離農する農家の農地を引き受け、地域農業を維持してもらうことが期待されております。

 こうした方々は、技術の習得であったり機械等の負担が大きいことが就農時の課題になっていると承知しております。このため、五十歳以上の方に対しても、農業大学校等において技術研修の機会を提供するとともに、六十五歳未満の新規就農者について、従来から行っている長期無利子の青年等就農資金の融資に加えて、地域農業の構造転換に向けて、令和七年度補正予算において、機械等の導入を補助する新規就農者チャレンジ事業を新たに創設したところであります。

 農林水産省としては、引き続き、それぞれの世代のニーズに応じた施策を講じていくことで、新規就農者の育成、確保に努めていきたい、こう考えております。

関(健)委員 お答えありがとうございます。

 私も前提として、根拠なく思っていたんですけれども、若ければその後の就農が長いという因果関係は恐らくないんだと思います。六十歳であっても、きっちりやる人は計画的にやっておられる。ですので、今御答弁の中で、あらゆる世代においてそういう就農支援をやっているという御答弁でしたので、そこをきめ細かく、現場に見合った支援を拡充していただくようお願いをいたしまして、次の質問に移らせていただきます。

 次の二問に関しては、この人口減少局面で胃袋が減っている中で、需要は当然減るはずが、需要が増えている分野について質問します。

 需要が伸びているということは、当然、その需要を取りこぼすことなく、ましてや、輸入物にシェアを取られることなく供給体制の強化をしていくべきではないかという質問を、この後、二問させていただきます。

 まずは、米ぬかに関してです。

 米ぬかは玄米を精米したときに出るものですが、健康志向の高まりなどから、これが実は不足しているということが分かりました。米油とかシイタケの菌床に使われるそうです。そして、どういう特徴があるかといいますと、ポテトチップスなんかを揚げるときに使われるそうなんですが、パーム油だけで揚げてしまうと、べとべとして、ちょっとしつこい、なので、ポテトチップスを揚げるときは米油を混ぜてやったりすると、ぱりっと食べられるような歯応えとか味わいになるそうです。ということから、米油の需要も上がっている。

 一方で、そうはいっても、米全体がないとぬかが取れないので、どうしようかというときに、飼料用米が、当然、精米せずに餌を与えられるわけですけれども、ここを精米して、米ぬかを作って米油とかそういうことに使うということは理論上可能なのかということと、油っこくて牛がおなかを壊しちゃうケースもあるなんということを生産者の方から聞いたんですけれども、ひとまず、ぬかの需要の増加に対して供給が追いついていない、これに対して、この供給が追いつく体制というのはどういう選択肢があり得るのか、伺います。

長井政府参考人 お答えいたします。

 飼料用米は、主に飼料用トウモロコシの代替原料として一般的にもみ米又は玄米の形態で供給されておりまして、脂肪分やビタミン、ミネラルを含む米ぬかの部分も栄養源として利用されております。

 飼料用米を精米した場合、こうした栄養源が失われるだけではなく、精米にかかるコストが発生するため、現実的ではないというふうに考えております。

 多分、更にもっと追加してという、飼料用米で精米ということかと思いますが、飼料用米の利用に当たりましては、やはり家畜の生理でありますとか畜産物の質、卵がちょっと淡くなってしまうとか、そういった影響を与えるおそれがありますので、給与し過ぎることがないよう、配合割合を調整しているところでございまして、なかなか餌米のところで何かというのは難しいかなと考えております。

関(健)委員 ありがとうございます。

 米油は、自国生産が可能なものの一つです。報道でもありますけれども、中国の米油メーカーが日本をターゲットとして生産していくよというニュースもありましたけれども、食料自給率の向上、また食料安全保障の観点からも、この増加している米ぬかの需要を取り逃さない供給体制の構築を支援していく必要があるという問題意識を指摘して、次の質問へ移ります。

 次は、米粉用米についてお話しいたします。

 これも、健康志向の高まりを受けて、米粉用米の需要が伸びています。これまでは、小麦アレルギーとかグルテンフリーというものの代替として米粉用米というのが注目されていましたけれども、それよりもうちょっと上の段階というか、米粉用米が持つ独特の歯応えとか風味とか、そういうものをよりプラスのものとして、米粉でできたパンとか、あとお菓子とか、こういうものの需要がどんどん伸びているということがニュースでもよく取り上げられています。

 この需要の伸びについても、これを取りこぼすということがあってはならないと思います。集約や生産性の向上を主眼としつつ、米粉用米に取り組む生産者の皆さんの取組や、所得を更に底上げするような取組を加速すべきではないか、御所感を伺います。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 米粉の需要は年々増加をしているものの、いまだ製造コストは若干高くて、米粉の製造コストが削減されるまでの間は、引き続き、米粉の需要拡大と米粉用米の生産拡大をセットで進める必要があるというふうに考えております。

 このため、令和九年度以降の水田政策においては、米粉用の米について、生産性向上の取組に対し、収量に応じた面積払いにより支援するとともに、需要拡大に合わせた製粉コストの削減などに取り組む実需者との結びつきを行う場合に追加で支援を行う仕組みを検討しておりまして、引き続き、様々な関係者に御意見を伺いながら、今後、具体的な仕組みの検討を深めてまいります。

関(健)委員 御答弁ありがとうございました。

 米粉のお菓子みたいなものは外国の方からも高い人気があって、これからも米粉を使った需要というのは伸び続けることが想定されます。大臣の御答弁がありましたように、コストを下げるとともに、更に生産量を増やすための土台、環境整備をお願い申し上げます。

 次の質問に移ります。

 農業の構造転換について伺います。

 地方都市では、担い手の集約を目指す中で、なかなか進まないのが現状です。土地所有者が多くて、権利関係が複雑で、その持ち主さんまで届かないとか、先祖代々の土地を人に貸したくない、若しくは、何より細かく分散していることも一つの大きな課題です。ただ、その一方で、この集落を全部僕に任せてくれれば僕がやるのに、私がやるのにというような若い担い手さんがいるのも事実です。

 そんなときに課題になるのが、今まで一ヘクタール、二ヘクタールだった人が、新しく二十、三十やろうとしたりとか、段々になっているところのあぜを平らにしてくれとか、あとは、河原で水の出し入れを管理していたけれども、バルブにしてほしいとか、こういうちょっとしたことを、基盤整備、農機の導入支援などを細かくやっていくことによって、地方の農業の構造転換というのは、コインの裏表ですが、加速していくのではないかと現場を見ていて思います。

 これも、集約、生産性の向上を主眼としつつ、農機の導入、また圃場の整備などについて支援を拡充していくべきではないか、政府の御所感を伺います。

小林政府参考人 お答え申し上げます。

 今後、農業者のリタイアが進む過程で、担い手がより多くの農地を引き受けるということが想定されるわけでございますけれども、そのためには、農地の集約化でありますとか大区画化によりまして農地の生産性を高めるとともに、農地を引き受ける担い手の経営拡大に必要な農業機械等の導入というのが課題になってくるというふうに認識しております。

 農林水産省といたしましては、地域ぐるみで取り組む農地の集約化の支援でありますとか基盤整備等によりまして農地の集約化を後押しするというのと併せて、地域農業構造転換支援事業というのを創設いたしまして、地域の農地を引き受ける担い手の方々が規模拡大等に必要な機械とか施設の導入、こういったものを支援するということを行っているところでございます。

 こうした取組を通じまして、地域の農地の受皿となる担い手の育成、確保に努めてまいりたいと考えております。

関(健)委員 答弁ありがとうございました。

 終わります。

藤井委員長 次に、佐々木真琴君。

佐々木(真)委員 国民民主党・無所属クラブの佐々木真琴です。

 本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 今まで皆さんは農業の話が多かったと思うんですけれども、ちょっと林業の話から始めていきたいと思います。

 まず冒頭、大臣、政府の皆様におかれましては、この度の岩手県大槌町における山林火災への激甚災害指定をいただきまして、本当にありがとうございます。また、大臣、副大臣も現場に直接足を運び、住民であるとか農林水産事業者の皆様から直接声を聞きに行っていただいたことにも心から敬意を表したいと思います。

 では、本日は、この大槌町の山林火災からの復旧復興に対する現場の不安をいかに解消し、そして未来につながる再生を実現していくのかについて伺ってまいりたいと思います。

 今回、激甚災害指定がされましたので、復旧計画を進めていくことになります。まずは、期限であります三十日以内に概要計画を策定し、そして、およそ一年以内に森林再生計画等の詳細計画を立てていくというスケジュールでございます。

 このスケジュール感についてなんですけれども、町役場であるとか森林組合の皆様からは、現場感覚として、本当に一年で土地の所有者であるとかそういったところの問題をクリアをして、しっかり計画を一年以内で立てられるかといったところに本当に強い懸念の、不安の声が上がっております。

 五月十八日には、大臣と副大臣が大槌に入られた際にも、岩手県三陸沿岸の地で林業に携わって、四十二年間林業に向き合ってこられて、今回の火災を含めて様々な山林火災、大火に今回で五回目の経験をされております大ベテランの釜石地方森林組合の高橋参事からも、大臣も直接御懸念点を伺っているかと思います。

 私自身も高橋参事からもたくさん懸念点を聞かせていただきながら、皆さんが何を特に懸念しているかというところでいきますと、まずは、やはり所有者の特定と同意取得に膨大な時間がかかっていくだろうというところを本当に心配をされております。人海戦術で何とかやっていくしかないといったところで、森林組合も、そして町役場の皆様も、覚悟はもちろんお持ちではありますけれども、ここが本当に心配なんだという声が止まらないというか、どうやって一年以内でやれるのかなといった声がたくさん上がっております。

 ここについて、まずは大臣の、現場にも直接伺われて、高橋参事からもお話を伺って、現場の切実な戸惑いであるとか不安の声をどのように認識をされているのか、また、計画を策定していくに当たって、国としてどのように現場に寄り添い、安心感を与えていくお考えか、改めて決意を伺いたいと思います。

鈴木国務大臣 大槌町の林野火災につきましては、被害面積が約千六百三十三ヘクタールに及びまして、五月十八日に、私と山下副大臣で被害現場を直接確認をさせていただきました。そして、町長や森林組合の関係者の皆様からもお話をお伺いをし、被害の大きさと森林の再生に向けた地域の方々の強い思い、これを実感をさせていただいたところであります。同時に、焼けた斜面になっているところに入りましたら、やはり灰が積もっちゃっていて、歩くのも安全じゃないというか、ちょっと難しいなということも含めて、今後の再生に向けた難易度というのもよく理解をさせていただいたところであります。今後、地域の関係者の皆様と連携をして、地域に寄り添って当然対応をさせていただきます。

 政府としては、六月三日に局地激甚災害に指定をして、大槌町への森林災害復旧事業の適用を決めたところであります。

 まず、災害復旧に係る計画策定については、最初に、事業主体は激甚災害の指定から三十日以内に計画の概要書を提出することとなっておりますが、これは現地調査の進捗状況に応じて修正が可能でありまして、岩手県や大槌町と相談をし、必要な対策が実施できるように取り組んでまいります。

 また、森林再生に向けた詳細計画の策定期限については、国において特段定めてはおりませんが、大槌町が設置をした大槌町林地再生対策協議会において、地域の実情に応じて検討いただくことが可能となります。

 また、現地で私もお話を伺いましたが、森林の所有者が特定できていない区域があるということでありますが、所有者が不明な場合に市町村などが必要な森林整備を実施することができる森林経営管理法に基づく所有者不明森林の特例などの活用について、大槌町ともよく相談をさせていただいて、助言をしてまいりたいというふうに考えております。

 我々も大船渡での対応の経験もありますし、また、今回の大槌町の現場というのは、国有林も、ある種、火災に遭っておりますので、地元と我々林野庁と一体となって、心配のないように取組をさせていただきます。

佐々木(真)委員 ありがとうございます。力強い御決意を聞けたことを大変うれしく思っております。

 今大臣からも、明確な期限が一年間というところにないというところは是非とも強く発信をいただきたいなというふうに思います。大船渡がおおよそ一年だったというところもありましたので、一年で絶対にやらないといけないんじゃないかというような認識を持たれている地域の皆様もいらっしゃいまして、そうではなくて、現場の実態に応じて対応することは可能なんだというところは是非とも強く発信をいただきたいと思います。もちろん、ゆっくりやっていいよということではなくて、最速の形で進めつつ、地域の実情に合った形で対応が可能だというところを私自身も地域にしっかりと伝えていきたいと思います。ありがとうございました。

 ここに寄り添っていかれるという決意というか、覚悟を聞かせていただいたんですけれども、岩手の皆様はすごく謙虚な方が大変多いですので、何か申し訳ないなという気持ちでなかなか要望を上げないようなところもいらっしゃいますので、是非とも密な連携を、既にやられていると思いますけれども、そこについても併せて、重ねてお願いをしたいと思います。

 では、続いて、復旧の遅れの根本原因というふうに一つ指摘をされております地籍調査の未実施について伺っていきたいと思います。

 先ほど来申し上げております所有者の特定ができにくいといったところにつながってくる問題が地籍調査、土地の戸籍と書いて地籍ですけれども、地籍調査がなかなか進んでいないんじゃないかというところがございます。

 まず、参考人にお伺いするんですけれども、現時点における地籍調査の実施状況について、国交省に伺いたいと思います。

鳥海政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、この度の大槌町の林野火災によりまして被災された全ての皆様に心からお見舞い申し上げます。

 委員御指摘の地籍調査につきましては、これは、国土調査法に基づきまして、主に市町村が実施主体となりまして、一筆ごとの土地の所有者、また地番等を調査しまして、境界の位置、面積を正確に測量するという事業でございます。あらかじめ土地の境界等を明確にしておくことによりまして、災害後の迅速な復旧復興などに寄与しますので、その推進は大変重要な取組であるというふうに認識してございます。

 御質問の現在の進捗状況でございますけれども、令和六年度末時点で、全国では五三%、このうち林地は、いわゆる森林地域でございますが、四七%で調査実施済みとなっております。

 また、この度被災されました大槌町におきましては、令和七年度末時点で、町全体で五〇%で実施済みでありまして、今回の被災エリアでは、小鎚地区では全域で実施済み、一方で、吉里吉里地区では約三割で実施済みというふうに承知をしてございます。

 国土交通省といたしましては、リモートセンシングなどの新しい技術も活用しながら、全国の地籍調査の効率的、効果的な推進に取り組んでまいりたいと考えております。

 以上であります。

佐々木(真)委員 ありがとうございます。

 ただいま御紹介いただきましたとおり、吉里吉里地区におきましてはまだ三割しか終わっていなくて、誰の土地なのかというところが地籍上では把握できないといったところですので、より確認に時間がかかるんじゃないかというところを現地の皆様は思っておられるといったところです。

 今参考人からもありましたとおり、復旧にも大きな影響を与えてくるというか、バックアップすることができる制度として地籍調査があるといったところも過去の災害でも指摘をされておりました。

 東日本大震災の際にも、地籍調査が終わっている山林を削って高台移転をしたところがまさに私の地元、岩手県宮古市の田老町だったんですけれども、田老地区に関しては、地籍調査が終わっていた山に高台移転をすることができたので、八か月前倒しでの高台移転ができているというふうに国交省の資料にも掲載がありました。

 そういったところを踏まえると、国交省さんの所管で今地籍調査を進めているというところでありますけれども、今、山林火災が多発するような状況において、農林水産省としても、山の復旧復興の鍵というか、バックアップすることができるものとして、地籍調査の存在であるとか有用性みたいなところをしっかりと地方に対しても、地方自治体に対しても発信をしていくことが、今後の山林火災が起きてしまうかもしれないところに対しての支援として、未然に防ぐことができるものとして必要なのではないかというところを思っておるところでございます。

 国交省所管でありますけれども、農林水産省としても、関係省庁との連携を強めていくところであるとか発信についてどのように認識をしているのか、伺いたいと思います。

小坂政府参考人 お答えさせていただきます。

 先ほど国交省さんの答弁がありましたように、林地における地籍調査の進捗率は四七%にとどまっており、農林水産省としても、地籍調査を促進することは極めて重要で、市町村等といろいろ連携して取り組んでいるところでございます。

 まず、農林水産省におきましては、地籍調査が未実施の森林において、森林整備を実施するための所有境界を確定する森林境界の明確化、そういう取組を進めさせていただいております。この森林境界の明確化の成果を国土交通省と連携して地籍調査につなげる、そういう取組を進めております。

 具体的には、平成二十四年に林野庁と国土交通省連名で、境界明確化活動と地籍調査の連携実施に関する通知を発出しました。さらには、令和二年には、より効率的に行うため、リモートセンシング技術を活用した航測法の導入、令和四年度には、境界明確化の成果を利用した具体的な地籍調査の進め方をまとめたマニュアルの整備、こういったことで両事業の相互連携の強化を図ってきているところでございます。

 林野庁といたしましては、引き続き境界明確化を進めるとともに、得られた成果を地籍調査につなげるべく、国土交通省さんとも連携して取組を進めてまいる考えでございます。

佐々木(真)委員 ありがとうございます。

 では、続いて、復旧作業と人材確保についても伺っていきたいと思います。

 地域の声を聞いていると、今、大船渡の復旧も鋭意進んでいるところでございますので、県内の林業事業者だけでは間に合わないんじゃないかといったところが懸念点として上がっております。

 そこで、今、もう既に県外の事業者についても当たりながら人材を確保していこうといったところを進めているんですけれども、そこについても、なかなか、今回の大槌の山林の被害箇所が結構急傾斜、大臣も見ていただいたかもしれないんですけれども、消防で火災の消火に当たった皆さんからも、大船渡のときよりも急傾斜であって、非常に作業が困難になる可能性があると。

 また、現場に入っていらっしゃる皆様からよく聞くのは、傾斜がある中で、そして、先ほど大臣も、灰が積もっていたりですとか、葉っぱが焦げて滑りやすくなってしまっているので、経営者の皆様からすると、作業を従業員にさせていくこともすごくリスクがあって、見積りまで取っていただいたんだけれども、現地を見たら、やはりうちではちょっと請けられませんというような状況が大船渡のときにもあったので、今回も恐らく出てくるんじゃないかなというところで、人材確保は非常に難しくなってくると思います。

 ですので、県内だけではなくて、県外にも幅を広げて、滞在費であるとか交通費みたいなところもしっかりと見るような形で対応することが計画上必要なんじゃないかというところがあります。

 もう一点が、チェーンソー等で木を伐採していくわけですけれども、そこについても、焼損木ですので通常の刃よりも消耗が激しいというようなところも現地から伺っておりまして、そういった消耗品の換算についても単価設定の際にしっかりと含めた形で、一ヘクタール当たりの単価を決めていく際にしっかりと手当てなどを含んでいただけた方がいいのではというような声が地元から上がっております。

 こういった点に立って、現場の実態に合わせた単価設定と国のバックアップをお願いしたい、また、地域に生まれている不安感についても寄り添っていただきたい、柔軟な対応ができるように、県であるとか町に対してもしっかり御助言をいただきたいというふうに思うんですけれども、ここについて伺いたいと思います。

小坂政府参考人 お答えさせていただきます。

 災害復旧事業の実施に係る単価は、今後の災害査定に向けて岩手県が大槌町と協議し設定することになりますので、現時点ではまだ定まっておりません。

 でも、その設定に当たりましては、地域内の森林整備の実施体制、地域の中の人で賄えるか、遠方から来る必要があるか、さらには、議員御指摘のように、整備する場所の立地条件、そういうものを加味して、地域の実情を加味して行うということになっておりますので、こうしたことを林野庁の方も県、市町村の方に伝えて、助言して、適正な単価設定になるように進めてまいりたいと考えているところでございます。

佐々木(真)委員 ありがとうございます。

 是非ともそこについては丁寧にお願いしたいなと思うところです。

 最後になんですけれども、未来を見据えた森林再生について伺いたいと思います。

 今回の焼失エリアを含め、釜石であるとか大船渡、大槌エリアは非常に鹿、熊の鳥獣被害が多いエリアでございまして、ただ木を植えて戻すということだけではなくて、植林の際にも、どんどん鹿に食べられて木も育たないというような懸念もございますし、ゾーニングであるとか、食害に強いものを植えていくことが必要なんじゃないかとか、今後の大槌に最適化された森林計画を策定していくべきであるといったところは、現場の皆さんもおっしゃっておりますし、私自身も非常に同感であるところでございます。

 特に、このエリアだけではなくて、今、鳥獣被害は非常に厳しい状況が全国どこにでもありますので、今後の山の再生の在り方のヒントみたいなものも得られるような、モデル地区としても使っていくことができるといいなというところは個人的に思っているところです。これらを推進するために、役場の担当課を横断して、国や県、そして専門的な知見を有する皆様との体制強化も必要になってくる可能性もあるとも思います。

 地域文化を守り、持続可能な山をつくっていくために、単なる原状回復ではない、未来志向の森林再生計画を力強く推し進めていきたいなと思うんですけれども、ここについて、大臣の御見解を伺います。

鈴木国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、今回の大槌町の林野火災について、被害現場を直接確認し、被害の大きさと森林の再生に向けた地元の皆様の強い思いを本当に実感をしているところであります。

 森林の再生に当たっては、大槌町において、大槌町林地再生対策協議会が設置をされ、第一回目が六月の十五日に開催予定と伺っております。県や町のほか、森林組合など関係団体とともに、農林水産省もこの協議会に参画をし、再生に向けた検討を一緒に進めていく考えであります。

 先ほども申し上げましたけれども、今回の林野火災の被災地には国有林が含まれております。まずは、国有林において、多様な樹種による諸被害に強い森林の再生に向けた復旧方針を検討し、これを協議会にも示して、共有をさせていただきたいというふうに考えております。

 農林水産省としては、議員御指摘の鳥獣被害の状況も踏まえつつ、大槌町や岩手県とも連携をし、現場の皆さんに寄り添いながら、豊かで持続可能な森林の再生に向けた取組を支援をしてまいります。

佐々木(真)委員 ありがとうございました。

 私も、現場の皆様からたくさん声を聞く中で、今大臣から力強い御答弁をいただけたことは、地元の背中を押すとても強いお守りになるんじゃないかなと思いましたので、是非ともこれからもお願いをしたいと思うところです。

 林業の部分というか、大槌山林火災については以上とさせていただいて、ここから、一点だけ、中山間地域の農業についても伺いたいなと思います。

 今、令和九年度からの水田政策の見直しをしていく途中であるといったところは、本当に大きな挑戦であり、心から歓迎をいたしているところでございます。しかし、今見ていて分かることとしては、維持だけだと、緩やかな衰退で、どんどん狭まっていってしまうんじゃないかといったところも現場の懸念としてあるところです。

 緩傾斜地の利用であるとか、傾斜以外の条件不利地域の見直しも今進めていくといったところを伺っておりますけれども、現場からは、大規模にはなれない、大規模じゃない俺たちはやめていくしかないんじゃないかというような声ばかり聞くことになって、そういうわけじゃなくて、条件不利地域もしっかり見ていくんだというところを私からもしっかりと伝えているところではあるんですけれども、中山間地については非常に状況が厳しい中で、ここは中山間地指定をされているけれども、本当にちょっと行ったら、ここはどう見ても中山間地なんだが、傾斜的には入らないので適用されないというようなところもありまして、なかなか実際に誇りを持って続けていくようなことができない事情が地域の中にはたくさん山積しているなと思います。

 ここについて、条件不利の皆さんに対して明確にメッセージをいただきたいなというふうに思います。具体的にどのように推し進めて、誇りを持って農業を継続できる環境を再構築していくのか、大臣から一言いただいて、終わりたいと思います。

鈴木国務大臣 今、佐々木先生から御指摘のあったような傾斜によらない不利性を有する農地につきましては、協定農地の営農や共同活動の継続に地方公共団体が必要と認める場合に、集落協定の対象農地へ位置づける方向で検討を進めております。

 中山間地域で頑張っておられる皆さんが、将来にわたって営農し、稼ぎ、暮らしていけると感じられるように、対象農地の拡大につきまして、地方負担の軽減も含め、検討をさせていただきます。

佐々木(真)委員 ありがとうございました。

 以上で終わります。

藤井委員長 次に、森ようすけ君。

森(よ)委員 国民民主党の森ようすけでございます。

 本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 私、地元が東京の足立区でございまして、なかなかこの農水委員会では都市農業のことが扱われることが少ないと思いますが、こうした、農業全体を進めていく上で、都市の農業をしっかりと維持していくこと、そして振興していくということも極めて大事な話だというふうに思いますので、今日は、私、質問に当たって地元の都市農家さんの話を聞いてきましたので、そうした都市農業の現状について大臣に是非知っていただきたいのと、その振興に向けた政策を是非頑張っていただきたいと思っておりますので、そうした観点から、都市農業について質問させていただければと思います。よろしくお願いいたします。

 まず、都市農業の全体像についてお伺いしていきたいんですが、いろいろと、政府においても都市農業の施策ということで、平成二十七年には都市農業振興基本法というものが制定をされたり、平成二十八年には都市農業振興基本計画というものを策定されて、一定程度の取組がなされていると思うんですが、現状は極めて苦しい、しんどい現状だというふうに認識をしております。

 具体的な数字で申し上げますと、市街化区域内農地の面積で見ると、これは全体の話ですけれども、今から三十年前、平成六年は十四万ヘクタール弱あったところ、これが五万四千ヘクタールに減ってしまっていて、実質三分の一くらいに三十年間で減ってしまった。生産緑地については、三十年前は一万五千ヘクタールだったのが、今一万千ヘクタールということで、大体三分の二に減ってしまっているという現状でございます。

 加えて、私の地元の足立区の状況がどうなっているかというと、今から三十年前の平成四年のときは、農地面積でいうと三百ヘクタールでした。ところが、直近の令和五年で見ると、これが四十ヘクタールに減っているんですね。なので、三十年で約八分の一、七分の一くらいまで減ってしまっている。生産緑地について言うと、三十年前は三十七ヘクタールだったのが、今二十七ヘクタールまで減って、生産緑地は四分の三ということで、一定程度耐えているところかなというふうに認識はするんですが、農地面積で見ると極めて縮小していってしまっているということで、日本全体で見たときの都市農業も衰退していますし、特に東京二十三区で見たときはより悲惨な現状にあるんだと思います。

 そこで、まず大臣にお伺いしたいんですが、都市農業の継続、そして振興というのは重要だというふうに言われておりますが、大臣としてどのように重要だというふうに捉えているのか、そして、今私が話したように、こうした都市農業の衰退であったりとか、あと、従事者の高齢化、そして後継者不足といったそうした課題もあります、こうした危機的状況についてどのように捉えているのか、大臣、お願いいたします。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 まず、都市農業ですけれども、この農林水産委員会でも、門先生から、農地があるということで、よくお話を伺っているところであります。

 都市農業は、都市住民の身近に存在する農業として、食料生産のみならず、農業体験や交流の場の提供、そして、私も大事だと思うのは、やはり、災害時、東京は特に人口が多くて過密しておりますから、その避難場所になり得るとか、そういった多様な機能を有しておりまして、都市住民の農業に対する理解の醸成を図る上で、私は大変重要であるというふうに認識をしております。

 今年の初めも、江戸川区の生産者の方のお話を伺いましたけれども、やはり、江戸川区だって、例えばコマツナの元々の産地なわけですから、そういう伝統的なものをちゃんと維持して、食文化を維持するという機能も誇りを持ってやっているというお話も伺って、大変心強く感じたところであります。

 ただ、そうした中で、委員の御指摘にあるように、都市部においても農地の減少が続いておりますし、ですから、都市農業の有する機能を十分に発揮していただくためには、都市農地の保全や有効活用を図っていくことが不可欠であると考えております。

 農林水産省としても、これまで、都市農地の有効活用を図るために、都市農地貸借法を活用した農地の貸付制度の創設、そして、市民農園としての利用促進、また、税制や予算措置などの施策を講じてきているところでありまして、引き続き、持続可能な都市農業を図るための必要な施策を講じてまいります。

森(よ)委員 ありがとうございます。

 おっしゃっていただいたとおり、重要性は政府においても認識していただいて、危機感も認識された上で様々な取組をしていただいているのは大変ありがたいんですが、現実問題、なかなか歯止めが利いていないというのが現状なんだというふうに捉えております。

 そうした中で、今回地元の農家さんに話を聞くと、なかなか、農業所得だけで食べられるというのはもう現実問題しんどいと。特に、足立区の中でも農業所得だけで食っている人というのは指で数えられるくらいの人数しかいなくて、あとは、不動産の所得で食べているとか、兼業でほかの仕事で食べている農家さんが大半というような状況です。

 そうした中で、何で都市農業を続けるんですかというふうに聞いたところ、まさに今大臣がおっしゃっていただいた重要性のところを認識されていて、こうした、地域で都市農園として都市農地を確保することが、災害時の対応だったりとか、あと食育の話だったりとか、そうした重要性があるから何とか歯を食いしばってやっている、なので、正直、次の世代に引き継がせるのはもうしんどくてとても言えないけれども、先祖代々からもらってきた土地だから何とか耐え抜かないといけないんだといいながら、歯を食いしばって都市農家さんは頑張っているという現状だと思います。

 是非、大臣から、そうして何とか都市農業を維持している都市農家の方にエールを、応援をいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

鈴木国務大臣 本当に、先ほども申し上げましたけれども、都市部、特に東京ですよね、周りに住宅街があって、しかも、どう考えたってそれは農地を売って宅地に転換した方が経済的にはプラスにもかかわらず、そこをやはり、いろいろな思いを持って、特に農業生産や、例えば、子供たちに地域の伝統というのを、そもそも東京はどういう土地だったのかというのを伝えるべくやってくださっている皆さんがたくさんいらっしゃいます。

 そうした皆さんに対しては、私も本当に、いつもお話を伺って、同じ日本人としてこんなありがたいことはないなということは感じますので、皆さんの立場に少しでも寄り添えるように努力をさせていただきます。

森(よ)委員 応援のメッセージ、ありがとうございます。

 なので、是非、政策のところもより強化をして、都市農家さんを支えていただきたいと考えております。

 次の質問に移りまして、この都市農業をされている方に聞くと、一番多く出るのは納税猶予の話なんです。二十三区内は土地の値段が上がっていますから、どうしても、生産緑地にしないと固定資産税はとても払えないですし、相続税も大変高くなるということで、何とか納税猶予を使いたい使いたいと。ただ、納税猶予は要件が設定されていて、終身営農が求められています。この終身営農が極めて極めて選択をしんどくしていると、みんなおっしゃるんですね、都市農家さん。

 そもそも何で終身営農が条件として設けられているのか、要件として設定されているのか、その点、政府参考人、お願いいたします。

松本政府参考人 お答えいたします。

 相続税の納税猶予制度、こちらにつきましては、相続又は遺贈により農地等を取得し、当該農地等を引き続き農業の用に供する場合、一定の要件を満たすことでその納税が猶予され、相続人が死亡した場合などに猶予税額が免除される、このような制度でございます。

 これは、市街化区域の農地につきましては、相続時に宅地並みの評価がなされることで高額の相続税が課されることとなります、当該農地で農業を行っている限りにおいては到底支払うことができず、相続税を支払うために農地を売却するという問題が生じるため、そういった相続人を税制面から支援するために制度が設けられたものでございます。

 制度開始当初につきましては、二十年間営農すれば相続税の納税が免除される制度でございましたが、平成三年に、土地税制の大幅な見直しが行われる一環で制度が見直されたところでございます。

 一定期間の営農により相続税が免除されることは、農業者と農業以外の事業者との間で大きな不公平があり、二十年営農による相続税の免除要件は廃止をされ、終身営農が要件とされたところでございます。

森(よ)委員 まさに、昔は二十年という要件があった中で、これが厳しくなって、終身営農が求められるようになった、大きな不公平があるからこういう制度の見直しを行ったということは理解させていただきました。

 ところが、そうした制度は分かるんですが、現実問題どうなっているかというと、どんどんどんどんと衰退していっています。農家さんから話を聞くと、この終身営農が高いハードルになっていて、相続せずに農地を転用して売却するような、そんな話も聞いたりするんですね。なので、都市農業の必要性、重要性、そして危機感というのは政府において認識されていると思うので、この苦しい現状を見て、是非こういう制度を変えていっていただきたいんです。

 もう一つ、前提をお伺いしたいんですが、三大都市圏の特定市における市街化区域内農地、生産緑地の相続のうち、納税猶予制度を適用しなかった割合というのは把握していますでしょうか。お願いいたします。

松本政府参考人 お答えいたします。

 三大都市圏の特定市における納税猶予制度を適用しなかった農地の割合につきましては、統計がございませんので、不明でございます。

 その一方でございますが、統計データのあります東京都内の生産緑地の面積、令和八年時点で約二千六百六十ヘクタールでございます、そのうち相続税納税猶予制度の適用を受けている面積につきましては、約千二百九十九ヘクタールであることから、全体の約四八%となっておるところでございます。

森(よ)委員 約半数程度ということなんですよね。なので、納税猶予を使っている方もいらっしゃいますが、納税猶予を使わないという選択肢を取られている農家さんがいらっしゃるという理解でいいんですよね。

松本政府参考人 お答えいたします。

 先ほど申しましたように、相続に関しまして、自分はこの制度を使うということを確定されている方が四八%でございますので、現時点ではそのようなことをするかしないかという判断がまだ明確でない方がおられますので、そういう面からしますと、適用されているのが四八%というのは、あくまでも現時点でございます。

森(よ)委員 なので、統計データはないということで、全数調査でするのはしんどいと思うんですが、定性でもいいので、是非ちょっと調査をしていただきたいんです。

 実際問題、私もそんなにサンプル数を、百も二百人も聞いているわけじゃないので正しいか分からないんですが、一定数聞いた上で、大抵の方は、この納税猶予が、都市農業を維持する上で、相続する上で極めて重たいハードルになっているというふうにいただいていますので、政府においても、統計を取れとは言いませんけれども、是非、一定の調査なりアンケートをしていただきたいと思います。

 その上で、制度の見直しも是非行っていただきたいと考えております。

 この終身営農が極めて重たいハードルになっているので、都市農業の減少に何とか歯止めを利かせるために、一定の年限を設けた方がいいのではないか。具体的には、二十年でもいいですし、生産緑地と同じように三十年でもいいんですが、そうした一定の年限に戻すことで都市農業の衰退を止める、そうした政策が必要だと考えております。

 何よりも重たいのが、納税猶予をした土地について将来的に譲渡をすると利子税がかかります、納税猶予した分も払わないといけないですと。この利子税がやはり極めて重たいことになっているので、この利子税については最低限免除してあげるとか、はたまた、営農年数に応じて納税猶予額をだんだん減少させていくみたいな、例えば、納税猶予して、その次の年に農業をやめたというふうになると、それはちゃんと払ってくださいよとなるけれども、例えば二十年、二十五年頑張っていたら、その分、やめたタイミングではちょっとは減らしてあげますよとか、そうした制度の見直しというのが一定程度考えられると思うんですが、大臣、是非御検討いただけないでしょうか。

鈴木国務大臣 先ほど来局長の方から答弁がありますが、生産緑地に係る相続納税猶予制度につきましては、平成三年度の税制改正の中で、猶予期間について、従来の二十年から終身へと変更されたところであります。

 この変更は、ほかの土地税制との公平性の観点から行われたことを考えると、まず、猶予期間に一定の年限を設けるということは、これは難しいのではないかなというふうに考えております。私は、気持ちは森さんと共有はしますが、制度上これはやはりちょっと難しいのかなと思います。

 一方で、生産緑地は、多様な機能を有しておりまして、維持していくことは重要であるため、平成三十年に法律を制定をして、例えばですけれども、自ら営農せずとも、担い手などに貸借した場合には、終身、納税猶予が継続される制度を措置し、農業者の負担軽減を図ってきているところであります。

 なお、猶予適用農地を転用した場合の利子税の免除や、営農年数に応じた納税猶予額の減少については、ほかの土地の事業者との間で不公平を生むため難しいと思いますので、その旨御理解をいただきたいというふうに考えております。

森(よ)委員 思いを共有していただけるのであれば、そこを変えるのが大臣の仕事だと思うので。これは歯止めが利いていたらいいんですよ。歯止めが利いていて、現状の施策で効果があったら、私もそれでいいですと言うんですけれども、現状、すごい勢いで減少していて、止まらないわけじゃないですか。なので、何らかの抜本的な制度変更が必要なのは間違いないと思いますので、是非、大臣の力で都市農業を、一緒に推進していきたいと思いますので、是非前向きに御検討をよろしくお願いします。

 ちょっと次の質問に移りますね。ごめんなさい、時間も迫ってきたので次の質問に移るんですが、まさに納税猶予の話は守りですよね、ただ、都市農業の攻めの部分も大事だと思っております。やはり農業所得だけでは食えない人が多いので、人数を増やしていくということが大事なんですが、なかなかしんどい。そうした中で、一つの手段としては、学校給食を活用するというのが一つの答えなんじゃないかというふうに考えております。

 具体的には、例えば兵庫県の猪名川町では、野菜の価格ですね、市場価格とあと給食で仕入れるときの価格を比べたときに、やはり地場で取れた野菜を使うと高くなるわけですから、その差額を補填するような補助金をこの猪名川町ではやっていて、いわば補填することで地元産物を優先して使っていきましょうみたいな、そうした政策をやっている事例があります。加えて、茨城県のつくば市では、地場産物であれば、平均より二割くらい高くまで、最大二割値段が高くても優先的に調達をしますというような、そうしたガイドラインもされているんですね。

 なので、まさに自治体であったりとか公の部分で、都市農業で作られた野菜を優先的に需要をつくっていくということが極めて大事だと思っております。

 今、給食費の無償化で、安くする安くするという無償化の方の議論は進んでいるんですが、質の高い野菜を給食で届ける、それがひいては都市農業の発展にもつながる、売上向上にもつながるということで、まさにウィン・ウィンだと思いますので、こうした自治体の例を参考にしながら、交付金でも何でもいいんですが、地場産物を優先する調達の仕組みを後押しする、そうした金銭的な仕組みを是非政府において検討いただきたいんですが、大臣、よろしくお願いいたします。

鈴木国務大臣 地元の農家が自治体と協力をして、学校給食に地元野菜を提供している事例というのはたくさんあるわけです。例えば、東京でも、練馬区で練馬大根を学校給食で提供していて、児童が練馬大根について学習も行っているというふうに承知をしております。

 今年度から小学校での学校給食費の抜本的な負担軽減が行われておりますので、逆に言うと、そこで多少浮いた財源というのが当然各自治体あろうかと思いますので、そうしたものも是非活用いただいて、今先生から御指摘のあったような仕組み、東京の自治体でも私はやっていただきたいと思います。東京都は元々、二十三区でたしか独自の財源で給食費の無償化というのは結構やっていたと思うんです。今度は国から行くわけですから、浮く財源がありますから、是非、それはやれないかということ、我々からも学校給食における地産地消の取組が行われるように働きかけてまいります。

森(よ)委員 是非働きかけをお願いします。

 最後、一点お伺いします。

 更に攻めの都市農業をする上で、高付加価値の農産物を作っていくことが大事だと思っています。消費地に近いという利点がありますから、例えば、樹上完熟といって、ぎりぎりまで木にぶら下げてトマトを完熟させたりとか、あとイチゴを作ったりとか、そうした、生産地に近いからこそできる攻めの農業ができると思っています。

 こうした攻めの都市農業を進めていく上の支援も是非お願いしたいので、最後、そこだけお願いいたします。

鈴木国務大臣 都市農業か否かにかかわらず、生産基盤の強化に取り組む場合、例えば産地パワーアップ事業というのがありまして、ハウスの整備なんかも支援をしておりますので、ニーズがあればしっかりやらせていただきたいと思います。

森(よ)委員 全国延べ単の支援じゃなくて、都市農業に特化した支援を是非お願いしたいと思います。

 以上です。ありがとうございました。

藤井委員長 次に、木下敏之君。

木下委員 参政党の木下敏之でございます。

 本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 本日は、これまで予算委員会や農林水産委員会で質問させていただきました、加工食品に含まれるミネラルが大幅に不足しているという問題について質問をさせていただきます。

 なお、七問通告しておりますが、時間が足りなくなれば、積み残したものは次の一般質疑にて質問させていただきたいと思っております。

 今、皆さんのお手元に資料を三枚配付させていただいておりますが、資料の一ページ目と二ページ目は、コンビニで売られているお弁当などの加工食品に含まれているカルシウムやマグネシウム、鉄、亜鉛といった重要なミネラルの量を改めて測定したデータでございます。

 三月の農林水産委員会で配付させていただきましたコンビニの弁当などのミネラルデータは二〇二〇年より前に測定したものでございましたので、最新の状況を確認したいと思いまして、コンビニから五品目選びまして、埼玉県の食品衛生協会検査センターにて測定をしていただいたものでございます。少しは改善しているのではないかと期待もしておりましたが、御覧のように、鉄、亜鉛、そういったものを中心として、全くミネラルが足りていない状況でございました。

 資料の三ページ目は、衆議院の第一議員会館の地下食堂で提供されているメニューの測定結果でございます。皆さんも食べられたものがあると思いますが、特に真ん中の七番目の国会ランチ、非常によいデータでございまして、鉄も亜鉛もしっかりと、推奨量を大きく超えておりました。食堂を経営されている会社の会長さんにお話を伺いましたが、大事な仕事をしておられる国会議員の皆さんのために管理栄養士がメニューを考えて、そして、毎日新鮮な材料を使っていますからということでした。カレーも、通常、大きいところではレトルトを使うことが多いんですが、これも素材から毎日手作りをされていらっしゃるんだそうです。大変すばらしい事例でございました。

 さて、ここから質問に入らせていただきますが、最初に、農林水産省にお伺いいたします。

 食料・農業・農村基本法第二条におきまして、食料安全保障とは、良質な食料が合理的な価格で安定的に供給され云々と定義されております。法律ではこれ以上の具体的な定義が定められておりませんが、二〇二四年五月の参議院の農林水産委員会におきまして、当時の坂本農林水産大臣が、FAO、国連食糧農業機構の定義を引用して、更に詳しく説明をされておられます。良質な食料とは、安全かつ栄養のある食料であると答弁されておられます。

 医学的に栄養素には大きく三つございまして、一つ目が、糖質や脂質のようなエネルギーになるもの、そして二つ目が、筋肉をつくるたんぱく質や骨をつくるカルシウム、そして三つ目が、今回のテーマとしておりますミネラル、体温を調節したり神経の働きに関わるなど、非常に大事な栄養素でございます。

 では、鉄やマグネシウムといったような主要なミネラル、それから、今測定中でございますが、ビタミン、こういったものが、安全かつ栄養のある食料でいうところの栄養に含まれるのかどうか、そして、これらの栄養素の確保も食料安全保障の対象であるとお考えなのかどうか、農林水産省の見解を伺います。

押切政府参考人 お答えいたします。

 まず、一般的に、栄養という際には、ミネラルですとかビタミンなどもこれに含まれるものと理解をしております。

 その上で、今ほど議員からも御紹介がありましたけれども、基本法改正の審議におけます質疑でのやり取りのとおり、基本法の食料安全保障の確保の概念に含まれます良質な食料と申しますのは、安全で栄養ある食料などを意味してございます。先ほど申し上げた栄養の概念に照らしますれば、ここにミネラルやビタミンなどの栄養素も意味合いとして含まれるものと考えております。

木下委員 ありがとうございました。

 私は、ミネラルを栄養に認めるという答弁がすぐ返ってくると思わなかったので、どうもありがとうございました。

 これで、食料安全保障が、単にカロリーを確保するというところから、中の品質、栄養素ですね、ミネラル、ビタミン、そういったものも提供するというところの概念が含まれたということは、非常に大きなことだと思っております。

 では、続きまして、厚生労働省に伺いたいと思います。

 今年の三月、農林水産委員会に所属している皆さんには、百八十一品目のミネラルの実測値をまとめた冊子をお届けしております。今日は厚生労働省の佐々木審議官がお見えだと思いますが、御覧になっていると思いますが、これらの冊子に記載されている加工食品は、含まれている主要ミネラルが、推奨量どころか、推定平均必要量を大きく下回っているという結果でございました。

 推定平均必要量というのは、非常に量が少なくて、そういったものしか含まれていない食品を何か月もずっと食べ続けていると病気になる可能性が高くなるというような、非常に健康上問題のあるものでございますが、ただ、残念ながら、若者や独り暮らしの方の多くは、このような市販の加工食品を中心とした食生活を送っているわけであります。

 厚生労働省は、国民の実際のミネラルの摂取量について実態を把握されていると思いますが、例えば推奨量、生理のある女性のうち鉄不足の方が何%いるのかとか、カルシウム不足の方がどの程度いるのかどうかとか、そういった実態を把握されていれば、御回答をお願いしたいと思います。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 まず、二つの数字の比較になろうかと思います。

 摂取量ですが、厚生労働省では、毎年、国民健康・栄養調査を実施して、国民の栄養摂取状況等については把握をしております。直近の令和六年の調査によれば、今御指摘の例えばカルシウムですとか鉄というのを性別、年齢階級別に把握しております。まずこれが把握しているということでございます。

 それの比較になります、先ほど委員は推奨量の話をしていただきましたが、これは大体九八%をカバーする、それに対して平均の数字である推定平均必要量というのを定めておりまして、それと比べても測定結果の中央値は下回っている、こういう状況になっております。

 ただ、これの解釈につきましては、栄養素の特性上、不足や欠乏による症状が表れ得るというよりも、体内の栄養素の量を維持するための数字ということで位置づけております。

木下委員 お答えありがとうございました。

 厚生労働省は、設置法第三条で、その任務の一つとして、公衆衛生の向上及び増進を任務とされておられます。公衆衛生の向上とは、疾病を予防し、寿命を延ばし、健康の増進を図ることと定められておるわけですが、今審議官は、私が提示した実測データを見る限りでは、ミネラル不足の加工食品が数多く流通しているということを認識されたわけであります。

 国民の健康増進のために、このようなミネラル不足食品が数多く流通している、そしてそれを独り暮らしの若者ですとか国民が食べている状況、この状況を是正する必要があるとお考えなのかどうか、厚生労働省の見解をお願いいたします。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 まず、食品、食事ですけれども、国民の皆様のニーズは実に多様なものでございます、それに対して、食品製造事業者においても、そのニーズ、多様なものに対しての様々な食品を製造し、販売しているという状況になります。

 そうなると、その上で、必要な栄養素をどの食品から摂取するかというのは、国民の皆様それぞれ一人一人が異なるものであります。よって、単一の食品に限らず様々な食品を摂取している、これに鑑みて、特定の加工食品のみをターゲットにしてミネラル不足の是正を申し入れる、こういう形のものについては慎重な検討が必要と考えております。

木下委員 お答えありがとうございました。

 百八十一品目というのは、独り暮らしの若者がこういうのは食べているんじゃないかと思って選んでいるものなんですね。その大部分が基準を、推定平均必要量を満たしていなかったものがすごく多いわけでして、ごく一部の食品が満たしていないという状況では全然ないわけですね。そして、国民がそういった、十分な摂取ができていないという状況もある。予防医療の観点からすると、やはり摂取する食品にミネラル、ビタミンがしっかり入っていた方がいいということはもう間違いないわけであります。

 改めて、こういった状況を見ても、それでもこういった状況を是正するのは慎重な対応が必要だとお考えでしょうか。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 まず、今回引用いただきました基準、五年ごとで、二〇二五年に改定をいたしました。そのときに、検討会の報告の中でいただいております国民の今の現状というところでございますけれども、日本において臨床的に明らかな単独栄養素の欠乏症や過剰症の者を見ることは少ないとあります。

 なので、総体としてはこのような状況ではありますが、当然ながら、栄養は国民の生活を営む上での重要な要素ですので、国民の皆さんが理解して、そのような栄養の摂取、ミネラルの摂取を心がけていただく、このような政策を進めてまいりたいと考えております。

木下委員 お答えありがとうございます。

 私の提供したミネラルデータは、元々が民間のNPOがやったデータなんですね。それで見ても非常にミネラル分が少ないものが多いという実態がありまして、こういった実態がどうなっているかということを厚生労働省として改めてきちっと検査するというおつもりはありませんか。

佐々木政府参考人 お答えいたします。

 今の御指摘の趣旨が、個々の食品それぞれのものという趣旨でございましたら、ございません。

 一方で、国民全体がどのような摂取状況かということにつきましては、毎年、国民健康・栄養調査の中で把握してまいりたい、このような考え方でございます。

木下委員 この点についてはまた改めて、ビタミンのデータが出そろった時点で、ここの場にお呼びして議論をしていきたいと思っております。

 では、農林水産省にここでお伺いしたいと思うんですが、三月の農林水産委員会でこの問題を取り上げたときに、河南審議官が食品業界の実態を聞いてみると答弁されたわけですが、その後、業界とどのような意見交換をされたのか、お伺いしたいと思います。

河南政府参考人 お答え申し上げます。

 三月の委員会での委員からの御指摘を踏まえまして、食品事業者また業界団体に対して聞き取りを行わせていただきました。

 その内容でございますけれども、清涼飲料水またレトルト食品、こういったものの製造におきましては、変色、沈殿防止の観点から、事業者の判断として、使用する水から鉄分やマグネシウム等のミネラルを取り除いた上で、純粋な水、純水にした上で使用するケースがあるというお話を伺いました。

 また、総菜やコンビニエンスストアのお弁当につきましては、意図的にミネラルを取り除くといったことはやっていないということでございましたけれども、食品衛生上の観点から、野菜等の洗浄を行う際にミネラルが流出をしている可能性はあるというお話をお伺いしたところでございます。

木下委員 加工食品が消費者の口に入る時点でミネラルの量がどれぐらいになっているかということを業界としては把握しているということでしたでしょうか、それとも全然関知していないということでしたでしょうか。

河南政府参考人 お答え申し上げます。

 でき上がった製品の中におけるミネラルの量についてのお話、お測りをされているといったことは、伺わなかったところでございます。

木下委員 ありがとうございました。

 では、次の質問に入ります。

 消費者庁にお伺いいたしますが、消費者庁は、食品表示の基準として、カロリーですとかたんぱく質ですとか炭水化物、そういったものは表示が義務づけてあるわけであります。

 しかし、これだけミネラルが加工食品の中に入っていない状態にもかかわらず、カルシウム、鉄、マグネシウム、そういったミネラルやビタミンの表示を義務づけていないのはなぜなのかということについて御見解を伺います。

井上政府参考人 お答えいたします。

 国内で販売される食品の栄養成分表示において何を義務表示とするかにつきましては、食品表示法に基づく食品表示基準を定める際に、消費者の摂取状況等を踏まえた消費者への表示の必要性があること、また、小規模事業者を含め事業者にとって表示が実行可能であること、そして、国際基準と整合していることの三つの観点を全て満たすものを義務表示としております。

 義務表示は行政措置を伴うものとなるため、慎重な検討を行いまして、熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量は、これらを全て満たしていることから、義務表示事項としております。

 一方で、ミネラルやビタミンの表示につきましては、現時点において、当該三つの観点のいずれも満たしているとは言えないことから、義務表示とはしていないところでございます。

木下委員 御回答ありがとうございました。

 ただ、現実には、これだけ加工食品のミネラル、それから、データがそろうと恐らくビタミンも同じような状況だと思いますが、含まれていないという状況がありまして、消費者はそういったことを、食品を自分が選ぶときに、情報がないので選べないわけですね。ですから、合理的な食品の選択の機会の確保という観点でも、これらの微量ですが非常に重要なミネラルの表示を義務づけるべきではないかと思います。

 全体を一遍にやるのは難しいということであれば、少なくとも、鉄、これは非常に女性の貧血や生理痛の原因になっておりますが、鉄不足の対策からも鉄を表示を義務づける、カルシウム、それから非常に重要なマグネシウム、そういったものだけでも表示を義務化することを検討するお考えはないのかどうか、お伺いいたします。

井上政府参考人 お答えいたします。

 栄養成分表示につきましては、令和二年度から義務化が実施されておりますけれども、義務化に当たっては、有識者や関係者で構成する、栄養表示に関する調査会において検討が行われてございます。

 その中で、鉄やカルシウムを含めて、ミネラルやビタミンについては、先ほど申し上げた三つの観点に照らして、義務表示とはせず、食品表示基準第七条に規定します任意表示とされたという経緯がございます。

木下委員 しばらくはやらないということで御回答でしたけれども、これはまた、ビタミンのデータがそろった時点でまたお呼びして議論させていただきたいと思います。

 そして、厚生労働省の佐々木審議官にまたお伺いいたしますが、厚生労働省は、食品表示法第四条第三項に基づきまして、こういった基準を定めることによって、国民の健康の保護又は増進が図られると認めるときは、内閣総理大臣に対して、当該基準の案を添えて、その策定を要請することができるとされております。この権限を行使して、消費者庁に、ミネラル、そういったものの基準を定めるべきではないかと要請することをされたらどうかと思うんですが、厚生労働省の見解を伺います。

佐々木政府参考人 簡潔にお答えいたします。

 まず、食品表示基準に規定される義務表示の策定の要件につきましては、先ほど消費者庁の政府参考人から御答弁を差し上げたところです。それを踏まえ、厚生労働省としても、その要件を満たしていないということを承知しているため、要請をする状況にはないと考えております。

木下委員 お答えありがとうございました。

 では、最後に、大臣にお伺いいたします。

 私はよく女性の貧血、生理痛の話をしておりますが、日本女性の三分の二は隠れ貧血ではないかと言われておりまして、その原因の一つとして、食品に鉄が含まれていないことがあるんじゃないかと思うんですね。

 食料安全保障というのは、カロリーを確保するだけじゃなくて、国民が健康になるように、こういった鉄とかマグネシウムとか、微量要素もきちっと食品の中に含まれるようにするということが非常に大事なことだと思いまして、国民の健康を守るには、厚生労働省よりも、農林水産省の果たす役割の方が大きいんじゃないかと思っております。

 こういった問題について、最後に大臣の御見解を伺います。

鈴木国務大臣 先ほどから答弁がありましたけれども、食料・農業・農村基本法では、良質な食料、すなわち、安全で栄養ある食料の確保が、食料安全保障の確保の概念の一部として位置づけられておりまして、それらの確保は極めて重要であります。また、先生から御指摘のミネラルやビタミンなどの栄養は、野菜、果物、肉類などの多様な農林水産物に含まれているというふうに承知をしております。

 その上で、我々としては、国民一人一人が栄養バランスに配慮した食生活を送ることができるように、食育を含めて、主食、主菜、副菜を組み合わせたバランスのよい食事の重要性に関する普及啓発などを引き続き推進していきます。

 ただ、現実として、私もこのデータを見てちょっといろいろ考えるところがありますので、現実の食生活はなかなか、独り暮らしだったらそんなに何でもかんでもうまくいくというわけでもない中でどういったことができるのかも含めて、今後もよく研究させていただきます。

木下委員 ありがとうございます。

 この問題は三省庁にまたがる問題で、どこが中心になって進めるかが非常に曖昧になりがちなところでありますので、これからも国会で取り上げさせていただきたいと思います。

 時間になりましたので、終わります。ありがとうございました。

藤井委員長 次に、林拓海君。

林(拓)委員 チームみらいの林拓海です。

 本日は、フードテックにおける陸上養殖について質問いたします。

 陸上養殖とは、海や川ではなく、陸上に設けた水槽などの人工的な施設内で魚介類を育てる養殖手法です。水温や水質を徹底的に管理することで、自然環境に左右されない安定した生産と、環境負荷の少ないサステーナブルな食料供給を実現できるというふうに言われています。主にかけ流し式と閉鎖循環式がありまして、この閉鎖循環式は、水をろ過、殺菌して循環させることで、寄生虫や病気のリスクを大幅に減らせるというふうに言われています。

 高市政権が重点投資対象とする戦略十七分野の一つとして掲げるフードテックの中で、先行して検討を進めている製品、技術等として、植物工場と陸上養殖を挙げられているかと思います。植物工場については先々月質問をさせていただきまして、本日は陸上養殖についてお聞きしたいというふうに思います。

 まず冒頭、大臣に、三月と五月に大臣は陸上養殖の視察に行かれたかと思うんですが、現場を視察されてどうだったのかというところをまずお伺いしたいというふうに思います。

鈴木国務大臣 御質問ありがとうございます。

 まず、陸上養殖は大事なんですけれども、その前に、天然の資源の管理というのも大変私は大事だというふうに思っておりまして、どっちもちゃんとやっていくということが大事かと思います。

 本年三月には、小規模な施設でハタ類などを生産する神奈川県の株式会社ARK、そして六月には、大規模施設でサーモントラウトを生産する千葉県の株式会社FRDジャパンを訪問させていただきました。特に、このFRDジャパンは、この大きい施設を造る前にも、もう少し小さい実験のプラントの段階でも私はお邪魔をしたことがありまして、そのときからの大型化をするに当たっての御苦労とか難しさを考えると、本当に頭の下がる思いがしているところであります。

 現場に伺うと、やはり種苗の安定的な確保の課題があることや、設備投資などにより収益化まで長時間を要するなどの御意見もいただきましたし、何といっても、魚は動物でありますから、人間が思ったように全部コントロールできるわけではないという難しさも当然あるということもよく認識をさせていただいております。

 世界的に天然の水産資源の漁獲量が頭打ちになっている中で、海洋環境の影響を受けにくい陸上養殖は、増加する水産物の需要に応え、世界に展開できる技術になり得るというふうに考えております。

林(拓)委員 ありがとうございます。

 おっしゃるとおり、天然資源のことは極めて重要だと思っていまして、養殖というところに限って申し上げても、養殖業の生産量は全体で約八十三万二千トンある、現状、陸上養殖というのは全体の〇・八%程度にとどまっている。これは令和六年度の、現時点での最新のデータというふうにレクでもお伺いしているんですが、これを踏まえても、養殖業全体、あるいはまた天然資源をどういうふうにしていくのかということも当然重要だとした上で、陸上養殖という新しい技術についても、どのように成功させていくのか、成功できるような環境をつくっていくのかということは重要であるというふうに考えた上でお伺いしたいというふうに思います。

 次に、現状、今申し上げたとおり、陸上養殖は全体の〇・八%程度にとどまっている上で、大臣としても、陸上養殖は日本が勝ちに行かなきゃいけない分野というふうに御発言されていたこともあるかと思います。

 現状、政府として、陸上養殖のどの点に着目して、先行して検討を進めるということに選んだのか、また、今後の市場規模はどのような見込みを持たれているのか、お伺いいたします。

鈴木国務大臣 陸上養殖は、現時点において漁業や海面養殖業と比べて生産量自体が多いとは言えませんが、ただ、今後、世界的に人口が増大し、経済成長もしますので、たんぱく質の確保が課題となる中で、その市場規模が間違いなく拡大していくものというふうに考えております。

 特に、日本の陸上養殖については、陸上養殖技術に不可欠な水処理、そして水を浄化する技術などに強みがあり、成長が期待できることから、戦略十七分野の一つであるフードテックの中で、特に先行して検討を行うこととしたところであります。

 その市場規模については、世界全体の人口予測を基に農林水産省で試算を行ったところ、二〇三〇年から二〇四〇年にかけて、人口が六億人増加することに伴いまして、水産物の需要が八百六十五万トン増加すると推測をされております。この増加分のうち、仮に三〇%を陸上養殖が担うと仮定をしますと、世界全体で生産物とシステムの合計で三十一・一兆円の市場が創出されると推定をしております。

林(拓)委員 ありがとうございます。

 天然資源にも限りがあるという中で、陸上養殖というところも一つ要素として考える必要はあるかと思いますので、引き続き、技術の進展なども含めて、お願いしたいというふうに思います。

 陸上養殖についてなんですが、規制について次にお伺いしたいと思います。

 陸上養殖は新規産業ということで、一般論として、新規産業に様々な規制が後からついていくようなことが多いのかなというふうに思うんですけれども、例えば、陸上養殖について、排水規制というものが養殖業についてあるとなったときに、現状、政令で定めている施設の中に陸上養殖が含まれていないということがあるというふうに言われています。水質汚濁防止法による排水規制の対象となる特定施設として政令で規定されていない。

 なので、自治体がそれぞれ排水規制というものをかけるかどうか、その自治体で造られた陸上養殖の施設に対して規制をかけられるかどうか、そこに規制がかかるかどうかが実態が異なることがあるというふうな構造があるというふうに言われているんですが、水産庁として、このような現状をどの程度把握されているのか、お伺いいたします。

藤田政府参考人 お答えいたします。

 委員がおっしゃるように、陸上養殖と一口に申しましても、非常に大量の水を取水して行うものから、飼育後の水を河川や海に排水するもの、あるいは規模の非常に大きな建築を伴うようなものまで、非常に様々な形態がございますので、それぞれの自治体の規制に適合した形で実施するということが必要になってきます。

 地方自治体におきましては、例えば、取水に関して申し上げますと、地下水からくみ上げる水の量を制限している場合、あるいは排水に関しましては、化学的酸素要求量、CODと申しておりますけれども、そういう上限を更に厳しくしている場合、建物の建築に関しましては、緑地の確保ですとか、景観との調和に関する規制を設けている場合など、様々なものがございまして、そういう地域によって差があるということは我々の方も承知をしているということでございます。

林(拓)委員 ありがとうございます。

 自治体によって差があるというふうにおっしゃっていただいたかと思います。

 陸上養殖は、新規産業として更に参入する事業者が増えてほしいとなったときに、自治体によって規制の実態が異なるとすると、例えば、ここの自治体に参入したらこういう規制があるけれども、こっちに進出したらない、あるいはその逆がある、あるいは、どこかに参入したときに、後から、ほかの自治体でこういう規制があるからこっちでもということになると、参入を考えている事業者の方にとっては予見可能性が低い構造になっているのではないかなというふうに思っておりまして、新しい産業だからこそ、新たに何かの規制がなされるかもしれないという心理的な予見可能性の低さというところに寄り添ってさしあげる必要があるかなというふうに思っております。

 何が言いたいのかと申し上げますと、陸上養殖に参入しようとされている方に対して、まず届出制というのが現状あるかと思うんですが、それに加えてどんな規制があるのか、どこをクリアすればいわゆる規制に対しては問題がなくなるのかというところを、ロードマップといいますか、棚卸しといいますか、そういった形でしっかりと整理してお示しをする必要があるかなというふうに思うんですが、御見解をお伺いしたいと思います。

広瀬大臣政務官 規制のところ、各地方自治体で差があるというところ、先ほどから長官の答弁にもありましたとおりですけれども、その上で、今後、事業者が陸上養殖分野に参入しやすい環境を整えて、また円滑に事業者が陸上養殖を営んでいけるように、地方自治体とも連携協力しながら、陸上養殖の形態ごとに考慮すべき各種規制を整理した上で、分かりやすく事業者に伝えていく、こうした取組を行っていきたいと思っております。

林(拓)委員 ありがとうございます。

 是非ホームページ等で分かりやすく整理をしていただけますと幸いです。

 次に、人材の話に移っていきたいと思うんですけれども、陸上養殖は新規産業かつ市場の成熟もまだないという中なんですが、何かの新規産業を成功させようとすると、その産業に関わる人材の育成というのは必要不可欠だというふうに思っております。

 陸上養殖に限って、独立した学科ですとかあるいはコースなんかを設置することは困難かなというふうにも思うんですが、陸上養殖の周辺技術に関わる学生さんの数が増えてもらう、これは陸上養殖に限らず、新規産業に関わる、チャレンジしようと思ってくれるような学生の数が増えることが重要だというふうに思っています。

 そういった学生さんに増えてもらうために、例えば、水産大学校ですとか水産高校ですとか、あるいは水産に関わる学部・学科があるような大学などに、陸上養殖、植物工場なんかもあるかと思いますが、最新の技術、あるいはこういった取組があるということに触れてもらう機会を、環境を整備する必要があるのではないかというふうに思っております。

 具体的には、陸上養殖であったり最新の技術に詳しい専門家の方がそういった学校に行くですとか、あるいは、水産業について学んでいる学生さんにそういった最新の技術について触れてもらうような時間をつくるですとか、そういった環境を整備する必要があるのではないかなというふうに思うんですが、こういった取組を進めるお考えについてお伺いしたいというふうに思います。

広瀬大臣政務官 陸上養殖を営む上で、特に閉鎖型の循環方式ともなれば、魚の生態であったり魚の病気に関する知見だけでなく、プラントの設計、建設、それから水処理、浄化、品種改良、効率的な給餌、ICT、AIも用いたデータ解析など、様々な技術を包括的に駆使する必要があります。

 このため、陸上養殖に携わる人材の育成の観点から、国の研究機関において収集した最新の知見や情報等を民間企業や都道府県の研究機関等へ提供する取組を行っていると承知しております。

 また、御指摘の陸上養殖事業者及びその研究者、専門家を水産系の高校であったり大学に派遣して、陸上養殖の実情や関係者が考える将来展望などをじかに学生に話してもらうこと、学生等により陸上養殖施設の見学を行ってもらい、関心を高めることは重要であると認識しております。

 今後、さらに、どのようなことができるかを検討を深めてまいりたいと思っております。

林(拓)委員 ありがとうございます。

 私は元々高校の職員をやっていたんですが、生徒が、最新の技術が目に見えて分かるような施設なんかに行くと、これは面白いと。実際、その道に進もうとか、あるいはそれに関わる技術、これはどうなってこうなっているんだろうと目を輝かせて、そっちに進もうとする意欲を見せてくれるという場面に私も何回か出会ったことがありますので、こういった機会があるかないかというのはかなり違いがあるのではないかなと思っております。

 もちろん、学校さんが主体になることもあると思うんですが、最新技術について把握しているのは、省庁として新しいものを把握している部分もあるかと思いますので、是非省庁としても前向きに動いていただきたいというふうに思います。

 次の質問は、融資環境についてお伺いしようと思ったんですが、時間の関係で飛ばさせていただきまして、最後に、大臣にお伺いしたいと思います。

 陸上養殖をどうやって成功できるような環境を整備していくのか、民間活力を生かしていくのかという観点で、例えば、人材の育成ですとか融資環境、また規制が自治体によって異なることなんかも含めて、あるいは現時点で〇・八%程度に全体の養殖の中でとどまっていることも含めて、課題が多いというのは現状かと思うんですけれども、今日議論させていただいたことを踏まえて、大臣が、今後、陸上養殖を進めていくということについてのお考えをお伺いしたいと思います。

鈴木国務大臣 陸上養殖は、国民への食料供給や地域経済の活性化に重要な役割を担うだけではなく、我が国で確立した技術や施設などを海外に展開することで、日本に新たな富を呼び込むことができると考えております。

 このため、私がフードテックワーキンググループの座長になり、ロードマップを取りまとめているところでありまして、我が国の陸上養殖が着実に成長していけるよう、官民が連携をして、積極的に取り組んでまいります。

林(拓)委員 ありがとうございました。

 時間になりましたので質問を終わりますが、今日ここで触れられなかった種苗の国産化ですとか電力コストの問題もあるかと思いますので、引き続き、こうした点への手当ても含めて進めていただくことをお願い申し上げまして、質疑を終了させていただきます。

 ありがとうございました。

     ――――◇―――――

藤井委員長 次に、内閣提出、重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案及び種苗法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 これより順次趣旨の説明を聴取いたします。農林水産大臣鈴木憲和君。

    ―――――――――――――

 重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案

 種苗法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

鈴木国務大臣 重要品種の育成及びその種苗の生産の振興に関する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。

 近年、温暖化等の気候変動、農業者の減少など我が国の農業をめぐる情勢は大きく変化しており、農業生産活動への悪影響が顕在化してきています。

 こうした状況の中で、農業の持続的な発展を図り国民に対する食料の安定供給を確保するためには、高温や病害虫に強く、単収が多い等の特徴を有する重要品種を育成し、広く普及を図ることが喫緊の課題であります。

 このため、産官学の連携の下、知的財産の保護にも留意しつつ、重要品種の育成、普及に継続的かつ安定的に取り組むべく、この法律案を提出した次第であります。

 次に、この法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。

 第一に、重要品種の研究開発を促進するための措置についてであります。

 国が策定する重要品種の育成、普及に関する基本方針に即して、産官学の研究機関が、重要品種の育成計画を作成し、農林水産大臣の認定を受けた場合には、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構の研究施設設備の供用を受けることができるようになります。あわせて、重要品種の流出を防止するため、育成した重要品種については、品種登録出願を義務づける一方、品種登録に係る出願料等を減免することとしています。

 第二に、重要品種の普及を促進するための措置についてであります。

 国の基本方針を踏まえ、都道府県が策定した基本計画に即して、種苗生産者が、種苗生産計画を作成し、都道府県知事の認定を受けた場合には、種苗の圃場の集団化を図るために、地域計画の協議の場への参加を可能とします。また、種苗生産者と周辺農業者の間で栽培管理協定を締結し、市町村長の認可を受けた場合には、協定締結後に新たに農地を取得した者にも協定の効力が及ぶ等の措置を講ずることとしています。

 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。

 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。

 続きまして、種苗法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。

 温暖化等の気候変動、農業者の減少など我が国の農業をめぐる情勢の変化に対応し、農業の持続的発展を図るためには、新品種を知的財産として保護することにより、新品種を用いた国産農産物の産地形成や海外への輸出促進につなげていくことが重要であります。

 一方で、我が国の新品種の海外への流出については、種苗法の見直しなど制度の充実を図ってきましたが、品種登録出願中の新品種の海外流出などの課題が顕在化しており、こうした状況の中で、育成者権の保護を更に強化する措置を講ずるため、この法律案を提出した次第であります。

 次に、法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。

 第一に、育成者権の存続期間を十年延長して、果樹等の永年性植物については四十年、その他の植物については三十五年とし、既存の登録品種についても当該期間を適用することとしております。

 第二に、出願公表がなされた後、品種登録がされるまでの間に、出願者以外の第三者が出願品種の種苗の輸出をすることによって、出願者に損害が生じ、又は、生ずるおそれのあるときに、品種登録前であっても当該輸出の差止め請求ができる制度を創設することとしております。

 第三に、育成者権者により譲渡された種苗であっても、輸出する目的で種苗を保管する行為には育成者権の効力が及ぶこととしております。

 第四に、海外で譲渡された種苗を用いて生産された農作物が国内に逆輸入される場合にも、その農作物に対し育成者権の効力が及ぶことを明確化することとしております。

 このほか、育成者権侵害における損害賠償額の算定方法の見直し等の措置を講ずることとしております。

 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。

 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますよう、お願い申し上げます。

藤井委員長 これにて両案の趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

藤井委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。

 両案審査のため、来る十一日木曜日午前九時、参考人として富山県農林水産総合技術センター所長雄川洋子君及び一般社団法人日本種苗協会会長、株式会社武蔵野種苗園代表取締役社長油木大樹君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

藤井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、来る十一日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十一分散会


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