衆議院

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第8号 令和5年12月8日(金曜日)

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令和五年十二月八日(金曜日)

    午前九時十五分開議

 出席委員

   委員長 小野寺五典君

   理事 上野賢一郎君 理事 越智 隆雄君

   理事 加藤 勝信君 理事 島尻安伊子君

   理事 牧島かれん君 理事 逢坂 誠二君

   理事 後藤 祐一君 理事 漆間 譲司君

   理事 佐藤 英道君

      伊東 良孝君    伊藤 達也君

      石破  茂君    今村 雅弘君

      岩屋  毅君    衛藤征士郎君

      大岡 敏孝君    金田 勝年君

      亀岡 偉民君    後藤 茂之君

      下村 博文君    杉田 水脈君

      鈴木 馨祐君    田中 和徳君

      平  将明君    塚田 一郎君

      橋本  岳君    平沢 勝栄君

      藤丸  敏君    古屋 圭司君

      牧原 秀樹君    宮路 拓馬君

      山下 貴司君    山本 有二君

      若林 健太君    渡辺 博道君

      枝野 幸男君   おおつき紅葉君

      大西 健介君    源馬謙太郎君

      近藤 和也君    西村智奈美君

      藤岡 隆雄君    太  栄志君

      本庄 知史君    森山 浩行君

      吉田はるみ君    渡辺  創君

      奥下 剛光君    金村 龍那君

      馬場 伸幸君    林  佑美君

      山本 剛正君    赤羽 一嘉君

      金城 泰邦君    角田 秀穂君

      中野 洋昌君    鰐淵 洋子君

      田中  健君    塩川 鉄也君

      宮本  徹君    緒方林太郎君

    …………………………………

   内閣総理大臣       岸田 文雄君

   総務大臣         鈴木 淳司君

   法務大臣         小泉 龍司君

   財務大臣         鈴木 俊一君

   文部科学大臣       盛山 正仁君

   農林水産大臣       宮下 一郎君

   経済産業大臣       西村 康稔君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     松野 博一君

   国務大臣         新藤 義孝君

   国務大臣

   (地方創生担当)     自見はなこ君

   財務副大臣        赤澤 亮正君

   政府参考人

   (内閣官房国際博覧会推進本部事務局次長)     井上  学君

   政府参考人

   (内閣官房新しい資本主義実現本部事務局次長)   坂本 里和君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 畠山 貴晃君

   政府参考人

   (内閣府規制改革推進室長)            林  幸宏君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   林  伴子君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進室次長)          佐々木正士郎君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           笠置 隆範君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 松井 信憲君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 岩本 桂一君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 高橋美佐子君

   政府参考人

   (財務省関税局長)    江島 一彦君

   政府参考人

   (財務省国際局長)    三村  淳君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局長)            池田 貴城君

   政府参考人

   (文化庁次長)      合田 哲雄君

   政府参考人

   (農林水産省畜産局長)  渡邉 洋一君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房商務・サービス審議官)    茂木  正君

   政府参考人

   (国土交通省物流・自動車局長)          鶴田 浩久君

   予算委員会専門員     齋藤 育子君

    ―――――――――――――

委員の異動

十二月一日

 辞任         補欠選任

  斎藤アレックス君   田中  健君

同月八日

 辞任         補欠選任

  伊藤 達也君     山下 貴司君

  奥野 信亮君     杉田 水脈君

  亀岡 偉民君     大岡 敏孝君

  宮路 拓馬君     鈴木 馨祐君

  山本 有二君     藤丸  敏君

  藤岡 隆雄君     太  栄志君

  渡辺  創君     枝野 幸男君

  奥下 剛光君     馬場 伸幸君

  守島  正君     山本 剛正君

  赤羽 一嘉君     鰐淵 洋子君

  宮本  徹君     塩川 鉄也君

同日

 辞任         補欠選任

  大岡 敏孝君     亀岡 偉民君

  杉田 水脈君     奥野 信亮君

  鈴木 馨祐君     宮路 拓馬君

  藤丸  敏君     山本 有二君

  山下 貴司君     伊藤 達也君

  枝野 幸男君     渡辺  創君

  太  栄志君     おおつき紅葉君

  馬場 伸幸君     奥下 剛光君

  山本 剛正君     金村 龍那君

  鰐淵 洋子君     中野 洋昌君

  塩川 鉄也君     宮本  徹君

同日

 辞任         補欠選任

  おおつき紅葉君    藤岡 隆雄君

  金村 龍那君     守島  正君

  中野 洋昌君     赤羽 一嘉君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 予算の実施状況に関する件(内外の諸課題)


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     ――――◇―――――

小野寺委員長 これより会議を開きます。

 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。

 本日は、内外の諸課題についての集中審議を行います。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房国際博覧会推進本部事務局次長井上学君、内閣官房新しい資本主義実現本部事務局次長坂本里和君、内閣府大臣官房審議官畠山貴晃君、内閣府規制改革推進室長林幸宏君、内閣府政策統括官林伴子君、内閣府地方創生推進室次長佐々木正士郎君、総務省自治行政局選挙部長笠置隆範君、法務省大臣官房審議官松井信憲君、外務省大臣官房審議官岩本桂一君、外務省大臣官房参事官高橋美佐子君、財務省関税局長江島一彦君、財務省国際局長三村淳君、文部科学省高等教育局長池田貴城君、文化庁次長合田哲雄君、農林水産省畜産局長渡邉洋一君、経済産業省大臣官房商務・サービス審議官茂木正君、国土交通省物流・自動車局長鶴田浩久君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小野寺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

小野寺委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。鈴木馨祐君。

鈴木(馨)委員 おはようございます。自由民主党・無所属の会の鈴木馨祐であります。

 本日は、質問の機会をいただきまして、理事の皆様方、そして委員の皆様方、御礼を申し上げたいと思います。

 十二月も八日になりました。今国会の会期も残すところ僅かということでありますし、ちょうど今、長期金利もかなり乱高下をし、あるいは物価のレベルも、二%を上回る水準が続いている状況でもあります。さらには、少子高齢化、こういった状況も続いておりますし、そして、外交に目を転じれば、来月には台湾での総統選挙、そして来年にはアメリカでの大統領選挙と、まさに日本の内外で、大変これから多くの課題が山積をしている状況でもありますし、恐らくは国民の皆様方にもいろいろな形で御負担をお願いしなくてはいけない、そんな状況でもあろうかと思います。

 そういった中だからこそ、やはり、国民の皆様方の政治への信頼、これが何よりも私は大事なことではないかと思っております。

 そういった中にあって、今、我が党についても、あるいは政治についても、いろいろな、様々な御指摘を国民の皆様方からいただいているところでもあります。(発言する者あり)

小野寺委員長 御静粛に願います。

鈴木(馨)委員 確かに、政策グループ、これは党の組織ということではありませんし、そして、それぞれの政策グループごとに、状況は、違う状況があるのは承知をしておりますが、やはり、我が党にあっても、多くの議員がそこで活動もしている状況もあります。

 そういった中では、岸田総理におかれましても、自民党総裁として、やはりここはしっかりとリーダーシップを取って、国民の皆様方のそうした信頼を回復をできるように、不信を払拭できるような、そういった状況の解明であったり、あるいは対策についても、是非そうした指導力を発揮をいただきたいと思っております。

 自民党総裁として、岸田総理の、そうしたところについての御見解を伺いたいと思います。

岸田内閣総理大臣 自民党の各政策集団の政治資金パーティーについて様々な指摘を受け、結果として国民の政治に対する信頼が揺らぎ、自民党全体に対しても厳しい目が注がれている。これは、党全体の問題として強い危機感を持って、一致結束、対応していかなければならない課題だと認識をしております。

 一昨日、十二月の六日ですが、党の幹部に対しまして、私から改めて、この問題、強い危機感を持って、一致結束、対応していく、こういったことを指示したところであり、第一歩として、こうした政策集団の政治資金パーティーについては、信頼回復への道筋が明らかになるまでこれは自粛をする、また、年末年始の政策集団の行事についても自粛をする、これを第一歩として確認をしたところであります。これはあくまでも第一歩であります。

 これから問題の課題あるいは原因、こういったものをしっかり把握をしながら、信頼回復に向けて、更なる対応、これを行ってまいります。いずれにせよ、信頼、政治の信頼、これを取り戻すために、強い危機感を持って、党一体となって取り組んでまいります。

鈴木(馨)委員 本当にこれからが、まさにそういった意味では大変大事な時期であろうと思います。是非、総理の危機感を持ったそうした指導力の下で、こうした状況が解明をされ、適切な対策が行われ、政治への信頼をしっかりと回復をする、そういったことへのリーダーシップを期待をしておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 この予算委員会の場、限られた時間の中であります。まさに今、先ほど申し上げましたけれども、内外の諸課題、本当の意味で山積をしている状況であります。そうした中で、今日はこの先、経済対策そして外交について質疑を進めていきたいと思っております。

 まず、経済ということで申し上げたいと思うんですが、ちょうど今、長期金利もかなり乱高下をしている状況であります。恐らく、長い目で見れば、これから長期金利も先高感というものは否定ができないんだろうと思います。同時に、物価の状況についても二%を上回る状況が相当続いている。まさにこれは、これまでの日本の状況とは大きく変わる可能性がある、そんな状況ではないかと思っております。

 ということは、やはり、これまでのデフレ下の状況であれば、確かに資金をある意味で供給をしていく、金融緩和をして財政出動していくことでマネーストックを増やしていく、そういったことでデフレ対策と同時に景気対策をしっかりと進めていく、こういった考え方も当然あったんだろうと思います。ただ、同時に、今何が起こっているのか。確かに、今、輸入物価を中心として、物価高、大変苦しんでいらっしゃる国民の皆様方もいらっしゃいます。そうした対応策を一刻も早くしっかりお届けをする、これは極めて大事なことだろうと思います。

 ただ、同時に、我々、気をつけていかなくてはいけないのは、今のこの環境下でマネーストックを増やしていけば、当然、それは貨幣の価値が下がってしまうということです。貨幣の価値が下がり、そうすれば、物価高であったり、あるいは円安という結果を招きかねない。簡単に言うと、対策のやり方を間違ってしまえば、逆に、今の物価高の根っこのところを、更に火を注ぐことにもなりかねない。まさにそうした難しいかじ取りが今求められているのではないかと思っております。

 そういった中でいうと、やはり今、我々としてしっかり進めていかなくてはいけないのは、一つには供給側をしっかりと変えていくということ。まさに、お金を注入をするということではなくて、お金をどう回転をさせていくのかということが、これからの経済の大きな柱に私はなっていくんだろうと思います。

 そういったことでいうと、例えば供給サイドでいえば、人材であったり、あるいは資金、こういったことの回転をしっかり上げていって、新しいアイデアや、あるいはイノベーションのシーズとしっかりと結びつけていって、ある意味で経済が過熱をしやすい、そういった活性化された状況をつくっていく、こういった徹底した構造改革ということも私は同時にやっていかなくてはいけないし、そういう過熱しやすい経済をつくれない限りは、中央銀行や日本銀行も、金融政策の正常化、検討をすることもできないんだろうと思います。まさに、どうそういった方向をつくっていくのか、このことがこれからの数か月間、大きく問われていくんだろうと思います。

 先般の補正予算、あるいはこれから当初の議論も進められていくと思いますが、経済対策、一連のこの流れの中で、総理としてどういう方向性で今考えられているのか、あるいは、その先にある日本の経済像、総理はどのようなお考えを持たれているのか伺いたいと思います。

岸田内閣総理大臣 委員御指摘のように、今、国民の皆さんが苦しんでいる物価高騰に的確に対応し、そして暮らしやなりわいを守る、これは大変重要なことでありますが、あわせて、来年から再来年に向けて、私たちの国はどんな経済を目指しているのか、こういった見通し、どんな経済の循環を目指すのか、こうした中長期的な見通しも明らかにしていくことが重要であると認識をしています。

 私は、まずは賃上げ、これが重要であり、賃上げによって家計の購買力が上がり、そしてそれが消費に結びつく。そして、適度な物価高騰によって企業も、売上げあるいは業績、しっかり確保することができる。そして、それが新たな投資を呼び込み、次の成長段階に入り、そしてそれが再び賃上げにつながっていく。こうした経済の好循環、これを目指していかなければならない、このように考えています。

 そのために何よりも大事なのは、物価上昇を上回る賃上げ、さらには可処分所得であるということを申し上げています。そのために、政労使連携して賃上げの努力を続けてもらう。

 あわせて、政府としても、あらゆる政策手段を動員しなければならないということで、所得税、住民税の定額減税ですとか、あるいは賃上げ促進税制ですとか、価格転嫁対策ですとか、何よりも企業の賃上げの原資となる稼ぐ力をつけなければならないということで、供給力の強化、こうした政策を総合的に進めていく、これが政府の今の取組であります。

 あわせて、成長分野への労働力の転換ということで、三位一体の労働市場改革など、生産性を上げる、こうした構造的な改革も進めていかなければならないと思います。

 こうしたことを通じて、デフレ完全脱却、すなわち、単なるデフレ脱却だけではなくして、構造的な賃上げとそして活発な投資が牽引する成長型の経済へ変革をしていく、こういった見通しを立てることが重要であると考えております。

鈴木(馨)委員 今おっしゃった稼ぐ力、まさに民間主導の成長にどうシフトしていくのか、このことが当面最も肝要なことでありますから、これからまた、当初予算に向けて、あるいは税制改正に向けて、様々な議論を私どもでも進めてまいりますけれども、政府と一体となってしっかりとそうした好循環をつくれるように、これからもしっかりと努力してまいりたいと思っております。

 そして、次に、基金のことについて財務大臣にお伺いをしたいと思います。

 いろいろ、単年度主義というものを是正するということで、基金という、そういった構想の中で、様々な基金が今つくられています。ただ一方で、先日の行政事業レビューの資料でも出てきましたけれども、その基金の執行が果たしてどうなのか、この執行残が非常に多い、そういったファクトもここで出てきているところであります。

 これまでのような低金利下であれば、早めに資金調達をしてある意味置いておいても、使われないお金が置いておかれても、そこまでダメージはなかった。ただ、これから、今日も長期金利は恐らく上がりつつあるんだと思いますけれども、これからの金利が上がってくる時代にあっては、やはりそうした債務管理という観点からも、このことはやはり一定の懸念を持たざるを得ない状況だと思っております。

 過大な基金が使われないままそこに置かれているということは、置かれているだけで利息も利払いも生じてきますので、債務管理という観点からも、そこを所管をされている財務大臣、やはりそこのところは是非見解を伺っておきたいと思いますが、いかがでしょうか。

鈴木(俊)国務大臣 基金につきましては、もう鈴木先生御存じのとおりでございますが、各年度の所要額を見込み難い、そういう事業につきまして、あらかじめ複数年度にわたる財源を確保しておくものであることでありますので、仕組みの上からいって、一定の残高を有することは、これは想定できるものでございます。

 一方で、御指摘もございましたけれども、我が国の財政事情が厳しい中で、資金調達コストの問題を始め、効率的な資金運用の観点から、必要以上にこの残高が積み上がらないようにするということ、これは大変重要な御指摘である、そういうふうに思っております。

 このため、この資金の執行状況をしっかり把握することが重要でありまして、政府といたしましては、行政事業レビューの枠組みなどの下で適正な管理に努めているところでございますが、先日、十一月二十二日でありますけれども、デジタル行政改革会議におきまして、岸田総理から、PDCAサイクルを機能させる観点から、具体的な基金の見直しの横断的な方針を年内に取りまとめるようにというような御指示がございました。

 そのことも踏まえまして、財務省としても、行革大臣と連携をいたしまして、基金全体についての点検、見直し作業、これを進めてまいりたいと思っております。

鈴木(馨)委員 極めて大事なところでありますし、今、総理の指示の下で改革を進める、そういった状況にあるということも承知しております。是非ここは危機感を持って、しっかりとそういった見直し、点検を徹底をしていただきたい、改めて私からも申し上げたいと思います。

 時間も限られておりますので、外交の状況に議論を移したいと思いますが、ちょうど、ガザにおいて戦闘が再開をされて一週間ということであります。特に今、南部に対しての攻撃も進められているところでありまして、かなり大きな岐路に我々は立たされているのではないかと思います。

 これは、南部まで徹底して攻撃をした場合に、例えば、日本であったり国際社会がずっと追求してきた二国家解決、ここもやはりかなり風前のともしびという状況になりかねないと思います。

 まさにこの出口をどうするのか、そこを考えていくところで、やはり今のガザの状況というものが、例えば西岸であったりあるいはエルサレムであったり、そういったところに飛び火をしていった場合に、これは、イランあるいは湾岸諸国、これは国民との関係も含めて、やはり何らかのアクションを取らざるを得ない状況に追い込まれかねないと思います。そうなって戦線が拡大をした場合、これは極めて深刻な状況になりかねないと思います。

 実際に、我が国の同盟国であるアメリカ、二〇二二年の国家安全保障レポートでも、まさに、一番の地政学的な脅威は中国であって、その挑戦が一番の脅威である、そういった認識も明確にされているところでありますけれども、そうはいっても、中東とあるいはウクライナ、そういった三正面、なかなかそういった対応は、これは困難なことも想定をされます。

 万一にもそうなってしまえば、やはり日本の周辺、今大変、地政学的にも緊張感が高まっている状況でありますから、そこの抑止という観点からも大きなマイナスが生じかねません。

 そういった観点からも、やはり日本、まさに中国という脅威の最前線にあるこの日本であるからこそ、まさにそこのリーダーとして、G7の議長国、間もなく終わりますけれども、議長国という立場も含めて、さらにはアメリカの同盟国という立場も含めて、是非そこの、この中東情勢のある意味での出口を模索をする、そういった努力を、私は総理にもしっかりとリーダーシップを発揮をしていただきたい、そう思っておりますけれども、総理のそこのところの御見解を伺いたいと思います。

岸田内閣総理大臣 まず、ガザ地区において戦闘が再開されてしまったこと、このことは極めて残念でありまして、そして危機的な人道状況が更に深刻化すること、これを憂慮しております。

 しかしながら、今回の事案の経緯ですとか、そもそも、中東情勢における歴史的な今日までの様々な事情、これを考えますと、現在すぐに停戦の出口を見通す、これは難しいという判断があります。しかしながら、委員御指摘のように、これが更に飛び火するなんということがあってはならない、こうした危機感は強く持ちます。

 その中で、我々としてなすべきこと、まずは、人道目的の戦闘休止と、そして人道支援活動が可能な環境の確保、これをイスラエル側にも求めて、これを実現につなげていくことであると認識をしています。まずこの現実的な対応を行わなければならない、これが現実であると思っています。

 これについて、これは六日の日ですが、私自身、イスラエルのネタニヤフ首相と電話会談を行いました。また、六日の日に、G7首脳テレビ会議を行いました。この事態の鎮静化、人々への支援、G7としても主導していかなければならないわけでありますし、イスラエルに対してもこうした考え方を明確に伝えるということが重要だということで働きかけを行いました。

 是非、こうした関係国とも意思疎通を図りながら、厳しい現実の中で、まずは人道的な休戦と、そして人道状況の回復に向けて、やるべきことを、日本としても関係国とともに貢献する、行動する、これが重要であると認識をしています。

鈴木(馨)委員 まさにそうした対応をこれからも粘り強く取っていただく、そのことが大事だと思いますし、これはガザのみならず、ウクライナについても同様のことが言えるんだろうと思います。是非、この国際的な枠組みの中で、さらには、日米同盟等々の様々なパイプを通じて、そういった積極的な外交を展開をしていただきたい、改めてお願いを申し上げたいと思います。

 こうしたことを申し上げるのも、やはり今、ガザであったりあるいはウクライナのことで目先が少し我々も見えていないところがあるかもしれませんが、やはりそうはいっても、今、依然として台湾海峡あるいは南シナ海、東シナ海、紛争の危険性ということでいえば全く変わっていない。むしろ、今、中国の国内状況を考えれば、以前に比べても危険性は増している可能性もあるんだろうと思います。

 そういった危機感を持った上で、しっかりとした対応を私はしていかなくてはならないと思いますし、やはり、我が国の政治、一番政治の中で大事なことの一つというのは、台湾を含めた日本の周辺、東アジアで戦争を起こさせない、このための努力というものをしていく、このことが我が国の政治として一番大事なことではないかと私は確信をしております。

 そういった中で、やはり今、台湾情勢を考えれば、やはり、平たく言うと、台湾有事、この一番の大きなプレーヤーというのは、確実にこれは習近平中国共産党総書記であるということは、私は依然否定ができないことだろうと思います。まさに、彼がどう判断をするのか、習近平総書記がどう様々なシミュレーションをするのか、その判断に、台湾有事が起きるかどうか、あるいは様々な軍事的なプレッシャーがこれから強まるかどうかということもそこに懸かっているんだろうと思います。

 そのところで申し上げると、やはり今我々として考えていかなくてはいけないのは、二つのミスを私はなくしていかなきゃいけないと思うんですね。

 一つは、やはりコミュニケーションミス、これはなくしていかなきゃいけないと思います。当然、有事の際には、思わぬ突発的な事態というものが引き金になる、このことは歴史が証明していますから、こうしたコミュニケーションについては常にこれは続けていかなくてはいけない、これが一つだと思います。コミュニケーションミスをなくす。

 もう一つは、やはり習近平総書記の計算ミス、カルキュレーションミスというものをなくさせなきゃいけないと思います。まさにそれは、例えば、世界経済は中国に依存をしているから、最後は経済制裁を打てないんじゃないかとか、あるいは、何かあったときに日本やアメリカはコミットメントをしてこないんじゃないかとか、そういった誤解が、ある意味で台湾侵攻の可能性を高めてしまう可能性もあります。だからこそ、まさにそうした抑止力の観点からも、こうした計算ミスをさせない、そのことが最も今肝要なことではないかと思っております。

 そういった中で、日中首脳会談等々もこなされてこられましたけれども、こうしたコミュニケーションミスと、そして習近平総書記の計算ミスをなくさせる、まさにこうした抑止の観点からどのようなこれから展開を考えられているのか、あるいはそういったところへの御所感はいかがなものか、是非総理の御見解を伺いたいと思います。

岸田内閣総理大臣 日中両国の間においては、様々な可能性があると同時に、課題あるいは懸案、こうしたものが数多くある、これが現実だと思っています。

 そうした中にあって、中国に対しては、主張すべきことは主張し、そして大国としての責任をしっかり果たしていくことを強く求めつつ、対話をしっかり重ねながら、協力すべき課題については協力をする、こうした建設的かつ安定的な日中関係の構築を双方の努力で進めていく、これが日本としての一貫した考え方です。こういった考え方に基づいて、私も先月、サンフランシスコにおいて日中首脳会談を行いました。

 中国に対する対応は、まずは一つ、日本の基本的な考え方を中国のトップに対してしっかりと直接伝えていくということが重要だと考えています。あわせて、同盟国、同志国との間において、台湾海峡の平和と安定は、これは国際社会全体の安定にとっても重要な課題であるという認識等、この地域情勢に対する認識を共有することによって、同盟国、同志国、ワンボイスで、一体となって中国にその思いを伝えていく、こうした努力が重要だと思います。

 日本として直接日本の思いをトップに伝えていく、同盟国、同志国とワンボイスで中国に考え方を伝えていく、こうした取組を通じて、委員御指摘のように、いわゆるミスですか、コミュニケーションミス、計算ミスとおっしゃったミスにつながらない、こうした状況をつくっていくことが重要であると考えています。

鈴木(馨)委員 時間となりましたので、質疑を終わります。ありがとうございました。

小野寺委員長 これにて鈴木君の質疑は終了いたしました。

 次に、佐藤英道君。

佐藤(英)委員 公明党の佐藤英道です。

 まず、総理に対して、政治資金問題について伺います。

 政治資金パーティーの収支をめぐる問題について、記載漏れや還流の問題が指摘をされております。政治と金の問題は、国民の政治に対する信頼と直結するものであります。疑念を持たれた場合には、当事者は、国民に理解をいただけるよう十分な説明責任を果たすことが求められます。

 公明党はこれまで、清潔な政治の実現を目指し、政治の透明性や信頼性を高める改革を一歩一歩進めてまいりました。国民からの信頼がなければ政治は成り立ちません。

 今回の問題を機に、政治への信頼を取り戻すために、総理が先頭に立って、十分な説明責任と政治資金の一層の透明化に向けて全力で取り組むべきであります。

 岸田総理の見解をお伺いしたいと思います。

岸田内閣総理大臣 今、日本としても国の内外に大きな課題を抱えている中にあって、政治の信頼、これが重要であるということ、これは言うまでもありません。

 その中にあって、自民党の政策集団の政治資金パーティーにおいて、様々な指摘が行われ、そして、それによって政治の信頼が揺らぎ、厳しい目が自民党に注がれているということ、これは深刻に受け止めなければなりません。強い危機感を持って、そして党一致結束して対応しなければならないということで、先日、党の幹部に対しても直接指示を出したところであります。

 たちまち、政治資金パーティーの自粛、あるいは年末年始の行動について自粛を確認したところでありますが、これから、これを第一歩として、信頼回復に向けて努力を続けていかなければなりません。

 これは、問題の課題あるいは原因、これを把握しながら、党として対応を続けてまいります。是非、信頼回復に向けて、党として真剣に取り組んでまいります。

佐藤(英)委員 是非、総理が先頭に立ってしっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 次に、教育費の無償化について総理にお伺いします。

 公明党は、二〇三〇年代までに全ての子供の大学等の無償化を訴えております。今国会の代表質問においても、公明党の山口代表は、二〇三〇年代までに大学などの無償化を実現すべきと主張をいたしました。また、去る十二月六日には、公明党の文部科学部会として、浮島部会長とともに、鈴木財務大臣に、高等教育の無償化に向けて具体的な申入れを行わさせていただきました。

 公明党が強く要望してきた大学等への修学支援新制度の対象が、子供が三人以上の多子世帯や理工農系の中間層へと来年度から拡大されることになっておりますが、更に対象を拡大すべきであります。一日も早い高等教育の無償化の実現に向けた取組として、特に子供が三人以上いる多子世帯において、大学等の授業料や入学金について所得制限なく無償とすべきと考えます。

 こうした大胆かつきめ細かな取組を是非とも推進をしていただきたい。総理の御決意をお伺いしたいと思います。

岸田内閣総理大臣 理想の子供の数を持たない理由として、長年、子育てや教育に金がかかり過ぎる、こうした答えが一位となっており、三人以上の子供数を理想とする夫婦においてこれは顕著になっています。この状況を打破していく必要があると考えています。

 特に、御指摘の高等教育費の負担が重いという点については、御党と認識を共有しております。子供三人以上の多子世帯については、所得制限を設けることなく大学等の授業料や入学金を無償化すべきとの御提案、これも受け止めながら、年末までに取組を具体化していきたいと考えております。

 子育て世帯が経済状況にかかわらず、子供を大学等に進学させることをライフプランとして描くことができる、理想の子供数を持てるような社会を目指す、政府としてもこうした考えに基づいて取組を進めてまいります。

佐藤(英)委員 是非とも実現をしていただきたいと思います。

 次に、酪農対策について伺います。

 酪農業における離農が増加しております。農林水産省の調査によりますと、令和五年における乳用牛の飼養戸数は全国で一万二千六百戸で、前年より七百戸、比率で五・三%減少しました。飼養頭数は百三十五万六千頭で、昨年より一万五千頭減少しております。

 私の地元北海道におきましても、酪農、畜産の現場では飼料を始めとした生産コストの高止まりが続いております。今年度の補正予算でも支援策を講じていただいておりますが、今まさに議論が行われている次の酪畜価格対策において、酪農について言えば、補給金等単価を増額し、交付対象数量についても確実に増やすことが、酪農生産基盤の確保と安定供給を後押しするメッセージになります。是非とも実現をしていただきたいと思います。

 また、酪農の生産現場からは、現下の厳しい経営環境の改善とともに、来年以降の物流コスト増への不安の声が大きくなっております。物流の二〇二四年問題は確実に発生する差し迫った課題であり、酪農、畜産においても大きな影響が懸念をされます。

 農水省としてこの課題にどう対応されるのか、農林水産大臣の見解をお伺いしたいと思います。

宮下国務大臣 御指摘のように、まさにこれから加工原料乳生産者補給金等決定のプロセスということになりますが。

 補給金や集送乳調整金の単価につきましては、生産や集乳に要する飼料費、また乳牛導入費、それから集乳委託費等、諸項目のコストの変動、これをしっかり読み込むということですし、また、公表されている直近十月までの物価動向も考慮した上で決定することとしております。また、国産乳については補正予算等々も通じて需要拡大等々の策も講じているわけですけれども、総交付対象数量については国産乳製品全体の需給動向を考慮しまして算定をし、そして、食料・農業・農村政策審議会の意見を聞いて決定することとしております。現下の状況をこういうルールにのっとってしっかり読み込んで、適正に決定をしていきたいというふうに思っております。

 それから、御指摘の物流の二〇二四年問題についてですが、特に生乳や牛乳は、毎日生産されて、腐敗しやすく貯蔵性が低いことに加えて、その産地が消費地から離れていることも多いために、流通コストが大きな課題であります。このため、いわゆる二〇二四年問題が産地において懸念されることを承知しております。

 農林水産省としては、集送乳調整金をルールにのっとって算定をして決定することは前提ですが、その上で、生乳の運搬車やバルククーラーを大型化することをしっかり支援をして搬送回数を減らす、こういうことでトータルでの流通コストの削減や効率化につながる取組をしっかり支援をしてまいりたいと考えております。

佐藤(英)委員 大臣、どうかよろしくお願いを申し上げたいと思います。

 次に、令和六年度の医療、介護、障害福祉サービスの報酬改定に向けて、今、大きな議論を迎えて、大詰めを迎えているところであります。今回の報酬改定は、就業者の賃上げと物価高騰に確実に対応したものとすべきであります。

 去る十一月三十日、公明党から三報酬の改定について総理へ申入れを行わせていただきました。特に、物価、賃金の上昇に相当する財源については、社会保障の増加を高齢化による増加分に相当する伸びに収めるとする、いわゆる歳出の目安とは異なる扱いとすべきこと、二つ目に、国民の負担を抑えるために、財源については消費税及び社会保険料の上振れ分を充てるべきことの二点について、申入れをさせていただきました。

 事業者も利用者も大変厳しい状況にあります。実現を強く求めます。現在の検討状況を総理にお伺いをさせていただきたいと思います。

岸田内閣総理大臣 御指摘のように、十一月三十日の日に、御党から要望書、緊急提言をいただきました。その中で、確実な賃上げの実現に向けて、委員が今紹介されたような提言をいただいた次第であります。

 それを受けて、政府としては、本日、令和六年度予算編成の基本方針、これを閣議決定をいたしました。

 その中で、来年度の同時改定については、物価高騰、賃金上昇、そして人材確保の必要性等、これらを踏まえて必要な対応を行うということ、さらには、骨太の方針二〇二三年で示された、これまでの経済・財政一体改革、これは着実に進めてまいりますが、ただし、重要な政策の選択肢を狭めることがあってはならないとの方針を踏まえる、こうしたことをこの基本方針の中で確認をしたところであります。

 こうした方針に基づいて、今後、同時改定についても考えていかなければならないわけでありますが、その中で、医療、介護そして障害福祉分野における賃上げの対応、これが求められています。今申し上げました基本方針の考え方に基づいて、賃上げの重要性もしっかり念頭に置きながら検討を深めてまいります。

佐藤(英)委員 よろしくお願いします。

 低所得者に対する七万円の給付が可能となりました。一方で、いつ給付されるのか、自分は対象となるのかなど多くの声が寄せられており、迅速な給付が求められております。

 政府は、給付対象について、本年十二月一日時点で住民登録のある世帯と発表していますが、より迅速に実行していくために、例えば、本年既に給付された三万円の対象世帯への先行給付を実現するなど、自治体が柔軟に対応できるようにしていただきたい。見解を伺います。

自見国務大臣 お答えいたします。

 物価高に最も切実に苦しんでおられる低所得者の方々に一刻も早く支援をお届けすることが非常に重要だと考えております。

 御指摘の給付対象世帯につきましては、補正予算成立と同日に発出をいたしました事務連絡において基準日の目安を示すとともに、自治体からの御意見や国会での御議論、また、御党からいただいた御意見や御質問の趣旨も踏まえまして、迅速な給付に必要であれば前回の三万円給付と同様の基準日による先行給付が可能な旨を併せて周知をしたところでございます。地域の実情に応じた柔軟な対応を可能にしてございます。

 今後とも、基準日の取扱いも含めまして、自治体からの質問や相談に丁寧に対応し、可能な限り早いタイミングで給付をお届けできるよう、きめ細かく自治体をサポートしてまいりたいと存じます。

佐藤(英)委員 終わります。

小野寺委員長 これにて佐藤君の質疑は終了いたしました。

 次に、枝野幸男君。

枝野委員 立憲民主党の枝野でございます。

 総理と経済政策で三十五分やりたいと思っていたんですが、残念ながら、それ以前の、政権の正当性自体を揺るがすような事態になっておりますので、順番とウェートを変えて、まず、いわゆる派閥の政治資金パーティー、収支報告書不記載問題についてお尋ねをしたいと思います。

 この問題、大分報道されて、多くの皆さん、お気づきになってはいただいているかと思いますが、政治資金の報告、決していいことではありませんが、我々も含めて、ケアレスミスで間違いが生じることは、これは残念ながら、現実に存在をします。

 当初も、いわゆる名寄せ、たくさんの人が同じ人にパーティー券を売っているから、それを合算するのをミスしたのではないかというような内容でありました。これであるならば、修正申告がきちっとなされて対応されれば、少なくとも大きな政治問題ではないというふうに思っておりましたが、現状、問題になっているのはそういう話ではないということは、総理も御理解いただいていると思います。

 個別のことについてはなかなか総理の立場からはお答えいただけないようですので、まず、制度論についてお尋ねいたしたいと思います。

 このパーティー券の売上げについて、いわゆるキックバックということがよくあります。これは別に自民党だけではないし、キックバックそのものを否定するものではありません。

 ノルマを超えた売上げがあった、そうした場合に、きちっとノルマを超えた分も計上して、パーティーの収入として計上する。そして、ノルマを超えて頑張って売ったんだから、その一部又は全部を、何らかの名目で、事実上、売った人に戻す。その戻した資金の移動も、ちゃんと政治資金収支報告書に載せる。これであるならば、これは我々も、かつての政党ではそうしたパーティーはありましたし、いいことかどうか、褒められたことかどうかは別として、違法なものではありません。

 しかし、今問題になっているのは、パーティー券を売り上げたのに、その売上げをパーティーの収支として報告しない、どうせノルマを超えて売った分はキックバックしてもらえるんだから、だから報告もしないし、ということは、キックバック分の収支も載っていない。それは裏金になるということです。

 何罪に当たるかまでは、総理、御存じなくても結構ですが、昨日、参議院でも指摘をしましたが、こうしたことがあれば、これは政治資金規正法の意図的な不実記載という大変重い犯罪になります。

 加えて、裏金で政治資金として報告されていないお金は、一般的には雑所得です。報道されているような一千万レベルであれば、この雑所得について所得税の申告をしていなければ、脱税になります。

 こういう制度となっているということは、総理、御存じですよね、派閥の会長だったんですから。

岸田内閣総理大臣 自民党の政策集団の政治資金パーティーについて様々な指摘がされていること、これは、当然のことながら、承知をしております。

 そして、今、法律について、どのような状況にあるのか、法律の適用について委員から御指摘がありました。

 法律については委員の御説明のとおりなのだと思いますが、それ以上、具体的な状況について申し上げることは、私の立場から、控えなければなりません。

 この政策集団の問題について、今、告発を受けていると承知をしております。これについて私の立場で発言することは、捜査に影響を与えるおそれがあります。これは、発言は控えなければならないと考えております。

枝野委員 今、私は個別のことは聞いていません。

 だけれども、制度としていわゆる裏金づくり、パーティー券のノルマを超えた分を報告、計上せずに、そしてキックバックをされている、これが違法なことだということは分かっていらっしゃる。それは分かってもらわなきゃ困りますよ。総理は弁護士じゃないですから、何法の何条とかと言われても答えられないかもしれないけれども、こんなことを、派閥として、もし平気なことだと思ってやっていたら問題なんですから。

 もう既にお辞めになったのか、これからお辞めになるのか知りませんが、派閥の会長だったんですから、まさかこういう違法なことはやっていないですよね、少なくとも総理が会長をやっていた派閥では。

岸田内閣総理大臣 一般論として、法律がどういうものであるかということについては、私自身、承知をしております。

 しかし、御質問は、派閥においてどうだったかという御質問でありますので、それについては、政策集団について、政治資金パーティーについて告発を受けておりますので、捜査に影響を与えるおそれがある、お答えは難しい、そのように申し上げております。

枝野委員 宏池会、宏池何とか研究会というんですか、いわゆる岸田派の中で、実は岸田派の所属議員の方が勝手に、ノルマを超えたものを報告せずにということがあるかもしれない。そこまでは派閥の会長として把握し切れないかもしれない。だけれども、派閥として、まさかこういったことをシステムとしてやってはいませんでしたよね。これは答えられるじゃないですか。

岸田内閣総理大臣 法律についての認識については、先ほど申し上げたとおりであります。

 しかし、その上で、政策集団の政治資金パーティーについて告発を受け、捜査が進んでいると承知をしております。そういった中でありますので、捜査に影響を与えるおそれがありますので、私から発言することを控えると申し上げております。(発言する者あり)

小野寺委員長 御静粛にお願いいたします。

枝野委員 捜査に関係ないですよ。派閥会長としての総理の認識を聞いているんです。

 違法だということを分かっている、その違法だということを、まさか会長を務めている派閥の中では、少なくともシステムとしては、会長が容認、認識するような形ではやっていませんでしたよね。何で、はい、そうですね、それはやっていませんと答えられないのか。それは、やはりやっていたんだと疑わざるを得ないじゃないですか。

岸田内閣総理大臣 法律に従って政治資金を取り扱う、これは当然のことであります。

 その上で、具体的な事案について申し上げることは捜査に影響を与えるおそれがあるからして、具体的なことについて申し上げることは控えなければならない、これは当然のことであると考えております。よって、発言を控えます。

枝野委員 システムの話を聞いているので、今告発されている事案については一言も聞いていません。

 一般論として適法にやっていますとおっしゃるんだったら、それが違法に当たる行為なんだから、そんな違法に当たるような行為は少なくとも自分は認識していない、派閥の会長として容認しているようなことはないと何で答えられないのか。それは、自派の中でもやっていた可能性があると認めたようなものですよ。

 今回の問題は、いわゆる派閥をめぐって生じているんですよ。派閥という言葉は、私、小学生でしたよ、覚えていますよ。自民党の総務会長をされた福田達夫さんのおじいさん、福田赳夫先生、派閥解消で、何か、刷新何とかとかつくられて、半世紀ですよ。

 半世紀前から派閥の弊害と言われ、派閥の解消とかと言われ、だから、派閥の弊害除去のために、総理を始め党三役などは派閥を離脱する、とっくの昔に、まさに政治改革の一環として決めていたんじゃないですか。それを、何か派閥の会長をやっていると火の粉が飛んできそうになったからといって、こんなこそくな、逃げ出すような話を何かされたそうでございますが。

 いいですか、これはパーティー券の問題だけじゃないわけですよ。大臣、副大臣、大臣政務官に余りにもひどいスキャンダルが相次いでいますよね。財務省の政務三役が税の滞納、文部科学省の政務三役が女性問題、そして法務省の政務三役が自らの選挙違反。これも、答えはいいですよ、だって、認めるわけがないから、分かっていますから。

 でも、みんなが思っていますよ、派閥順送りで、派閥から推薦されるのを適当に当てはめているからこんなことが起こっていると。まさに派閥の弊害は、五十年前に戻っているじゃないですか。派閥の会長を辞めるとか離脱するとか、そんな軽い話じゃないですよ。むしろ、岸田派を解散したらいいんじゃないですか、総理。

岸田内閣総理大臣 まず、人事については、所掌分野、そして本人の経験、他の候補者との比較、こうしたものを総合的に判断したものであります。

 そして、派閥についてですが、派閥に関する議論、これは長年にわたって続いてきました。その間、公職選挙法であったり政治資金規正法であったり、法改正の取組が続けられました。また、派閥のパーティーについても、平成四年、そして平成六年、二回にわたって、議員立法で、各党合意の下にルールが定められた、こうした努力も続けられました。こういった中で、派閥のありようということをどう考えるのか、こうした議論が続いてきたところであります。

 そして、派閥から外れたということがこそくだということをおっしゃいましたが、先ほど来申し上げておりますように、今回の、国民の皆さんから不信を買っていることについて、これは党として危機的な状況であるということ、党一体として取り組む必要があるということを、党の幹部に対して直接指示した。

 そうした手前、その先頭に立つと言っている人間である以上、これは、党内において無派閥の人間もいるわけですから、派閥から在任中は外れる、これがあるべき姿だということを申し上げているわけであります。決して逃げるということではなくして、党として一丸となって取り組む、こういった姿勢を表明させていただいております。

 是非、今後とも、こうした取組を続ける上においても、自民党としても強い危機感を示す上においても、今後の状況をしっかり踏まえて対応を続けてまいります。

枝野委員 適材適所と繰り返しておっしゃられますけれども、百歩譲って、法務省と文科省は、こういう人だと気づかなかったんですと。だけれども、財務省の、よりによって副大臣でしたか、政務官ですか、税の滞納で何度も何度も悪質だといって指摘をされた人を、よりによって税を所管する財務省の政務三役に就けたのを適材適所だなんと言うのは、これはどう考えたって説得力はないですよ。

 そして、いいですか、逆に言えば、今総理は、私は危機感がありませんでしたとお答えになっているわけですよ。五十年前から、福田赳夫総理の時代から、福田赳夫総裁の時代から、私が小学生のときから、派閥の弊害だ、派閥解消だと言われてきて、そうした中での危機感で、総理を始めとして党の役員は派閥を離脱すると決めたのに、守っていなかったのは自分じゃないですか。国会などで、辞めたらいいじゃないですかと言われても辞めなかったのは自分じゃないですか。慌てて今頃になって言うのは、こそくという以外の何物でもありません。

 そして、これは党の危機だけじゃありません。まず、岸田内閣の危機です。松野官房長官御自身が、この後、十五分になったら帰ってこられるそうですから、記者会見から。記者会見で何を言ったかを知らないで聞かなきゃならないのでちょっとつらいんですが、松野官房長官が、今回のまさに問題になっているキックバック、これを計上せずに裏金をつくっていた、こうした問題、しかも、金額は五年間で一千万を超える。

 こうした話、松野官房長官と話をしていませんか。松野さんに、あなたは大丈夫だろうねという話、していないんですか。

岸田内閣総理大臣 様々な報道があることは承知しておりますが、実態については、今後、実態を把握しながら、適切に対応していかなければならないと考えております。

 しかし、いずれにせよ、今の時点で、御指摘の点等について私がお答えすることは、捜査に影響を与えるおそれがあります。お答えすることは控えます。

枝野委員 いや、報道が事実ですかと私は総理になんか聞いていませんよ。それは総理は答える立場にないから。

 今帰ってこられましたけれども、松野長官に、あなたは大丈夫だよねと、その手の話をしていないんですかと聞いているんです。

岸田内閣総理大臣 どういったやり取りをしたかも含めて、控えなければならないと申し上げております。

枝野委員 聞かないことについて、自分も官房長官をやらせていただいた立場として、私は強い違和感を覚えます。

 かつて、官房長官というのは総理の女房役と言われたんですよね。女房役という言い方はジェンダーの観点からいかがなものかと私は思いますが、まさにいい面も悪い面も総理と表裏一体で、ある意味では裏も表も一体になって総理を支えなければ、官房長官なんという仕事は務まらないんですよ。その官房長官がすねに傷があったら、総理を支えられないんですよ。

 あなたは大丈夫だよねと、これだけ報道がこの間続いていて、しかも、一番の注目の安倍派じゃないですか。聞かない、大丈夫かと確認もしないこと自体、私は官房長官と総理の関係は大丈夫かと言わざるを得ないんですけれども、いかがですか。

岸田内閣総理大臣 当然のことながら、官房長官と意思疎通を図っております。様々な意思疎通を図っておりますが、その中身について具体的に申し上げることは控えなければならない。捜査へ影響を及ぼすおそれがあるから控えますと申し上げているところであります。

枝野委員 分かりますよ、それは、総理と官房長官の会話を全部世の中には公開できない。そういう類いのことを一番の総理の相談役としてやるのが官房長官ですから、全部言えないのは分かりますよ。

 でも、これだけ国民から疑義を持たれていて、党の危機だとまでおっしゃったわけですよ。もう内閣の危機なんですよ。要役がこれだけの大きな疑惑、既に報道されているわけですよ。しかも、今回、こんな具体的に出てきていますが、もう一週間も前から、やばいんじゃないかということが言われているわけですよ。

 まさか大丈夫だよねと確認する、当たり前だと思うし、確認しましたよと何で答えられないのか不思議で仕方がありませんが、記者会見を終えられて、松野長官が帰ってこられたので。

 詳細は後ほど後藤議員の方からお尋ねをしますが、パーティー券の販売ノルマを超えた分を派閥の方には報告、計上せずに自分のところで抱えていた、そういうケースはあったんですか、ないんですか。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 まず、政府の立場としてはお答えを差し控えるべきと認識をしていますが、私の所属する清和政策研究会においては、これから事実関係を精査するとコメントしていると承知をしており、今後、事実確認の上、適切に対応するものと認識しています。

 派閥において事実確認がなされている最中であり、また、報道によれば、派閥の政治資金の取扱いについては、刑事告発がなされ、それに関連して捜査が行われているものと承知をしており、そうしたことを踏まえて、私の政治団体についても、精査して、適切に対応してまいりたいと考えております。

枝野委員 私は派閥のことを聞いていないんです。安倍派の元事務総長としての松野議員にお尋ねをしているんじゃないんです。松野議員の政治資金の取扱いについて聞いているんですから、精査の必要はありません。お答えください。

松野国務大臣 お答えさせていただきます。

 繰り返しになりますけれども、派閥において事実確認がなされている最中であり、また、報道によれば、派閥の政治資金の取扱いについては、刑事告発がなされ、それに関連して捜査が行われているものと承知をしており、そうしたことを踏まえて、私の政治団体についても、精査して、適切に対応してまいりたいと考えております。

枝野委員 繰り返します。松野長官、よく聞いてください。私は派閥のことを聞いていません。派閥は刑事告発を受けていますが、松野さんは刑事告発を受けていませんでしょう。

 もしかすると、派閥は被害者かもしれません。派閥に黙って、派閥のパーティー券を売ったお金を派閥に報告せずに自分のポケットに入れて裏金にしていたら、横領ですから。むしろ派閥が被害者かもしれないので、派閥が刑事告発されたのは関係ないんですよ。

 あなたの政治資金の取扱い、あなたが売ったパーティー券のことをちゃんと派閥に報告したんですか。あなた自身が答えられることだし、あなた自身じゃなきゃ答えられないことです。お答えください。

松野国務大臣 繰り返しになりますけれども、派閥が現在、政治資金に関しまして刑事告発をなされ、それに関連して捜査が行われているものと承知をしており、そうしたことを踏まえ、私の政治団体についても、精査し、適切に対応してまいりたいと考えております。(発言する者あり)

小野寺委員長 速記を止めてください。

    〔速記中止〕

小野寺委員長 速記を起こしてください。

 枝野幸男君、もう一度質問を、改めて。よろしいですか。

 内閣官房長官松野博一君。

松野国務大臣 先ほども答弁させていただきましたけれども、派閥の事実確認があり、また、捜査が既に行われているものと承知をしておりますので、そういうことを踏まえて、私の政治団体についても、精査をして、適切に対応したいと思います。

枝野委員 閣僚の中でも、各委員会で尋ねられて、いや、私はそんなことはしていませんとお答えになっている方も少なからずいらっしゃる中で、お答えになれない。朝日新聞一面トップで、NHKまで打ちましたから。これだけ報道されているのに否定ができないというのは、それは皆さん、大体想像がつきますよねということだけ申し上げておきたいのと、もう一点、捜査の対象になっているから答えられないというのが皆さん大好きなんですけれども、これはどこで出てきたのか、私、意味不明なんです。

 捜査の途中なので外部に話をしないでくださいと、捜査機関が関係者に依頼をするケースはあります。そういうケースであるならば、それは国会で答えられません、これはよくあります。一般的には、別に、捜査しているから外にしゃべっちゃいけませんだなんて、捜査機関は求めませんよ。

 だから、捜査の途中だから、求められているんだったら、そう検察から言われていますからというお答えなら分かりますよ。検察からしゃべらないでくださいと言われていますというんだったら分かりますよ。ただ、一般的に、告発を受けて捜査されているからしゃべらなくていいんだったら、いろいろな問題で知り合いに告発してもらって、告発状を受理してもらったら、何にもしゃべらなくていいことになるじゃないですか。そんなばかな話がありますか。そもそもが、この答え自体が論外だということを指摘しておきたいと思います。

 残り十分を切っちゃったので、経済の前にもう一問やりたいんですけれども、自民党自体がとんでもないということが分かったんですけれども、安倍元総理が亡くなられました、昨年ですね。安倍元総理が、亡くなる時点まで、自由民主党山口県第四選挙区総支部というところの代表者を務めていた。

 この自由民主党山口県第四選挙区総支部というのは自由民主党の支部である、これは政府参考人でいいと申し上げましたが、間違いないですか。

笠置政府参考人 お答えいたします。

 自由民主党山口県第四選挙区支部、安倍晋三総理が逝去される前の代表者は安倍晋三氏でございます。

枝野委員 この自由民主党の支部の代表者は、安倍総理が亡くなった後、いつ、誰に変更されましたか。

笠置政府参考人 お尋ねの自由民主党山口県第四選挙区支部の代表者でございますが、代表者が令和四年七月八日付で安倍昭恵氏に異動した旨の届出が出されております。

枝野委員 安倍総理が逝去された日ですね。亡くなられたその当日に、私人だそうですよね、政府が質問主意書でお答えになっています。自民党で何かお仕事をされていたとは聞いたことがありません。安倍昭恵さんに、突然、代表者。

 いいですか。この後、午後、資金の話については蓮舫議員が集中的にお尋ねをすることになると思いますが、その資金の話も問題だし、政治団体、いわゆる後援会の話も問題なんですが、これは公党たる自由民主党の支部なんですよ。政党支部なんですよ。

 我々も選挙区単位の支部はあります。我々は総支部と呼びますが、選挙区単位の支部が、事実上、その選挙区での選挙の勝利、我々でいえば総支部長、皆さんでは支部長、小選挙区候補者を当選させることを最大の目的にしている。そういう組織ですから、その支部長、選挙の候補者本人の影響力というか、それが著しく大きいというのは、それは我々も一緒です。否定しません。

 だけれども、政党の支部なんですから、例えば私の埼玉県第五区総支部には、県議会議員をやってくれている総支部の幹事長がいますし、市議会議員を長くやってくれている私の代表代行がいますし、意思決定するのは、地方議員の皆さんで常任幹事会を開いて、大事な意思決定を全部ちゃんとやっていますよ。役員を決めるときは、支部大会を開いて、党員の皆様に集まっていただいて、それで意思決定していますよ。

 何で、亡くなったその日に、しかも私人であった配偶者が自民党の支部長になるんですか。山口県第四区には自由民主党の市議会議員も県議会議員もいないんですか。

 自由民主党、その時点でも総裁ですから、ちゃんと答えてください。

岸田内閣総理大臣 御指摘の点について、詳細は承知しておりませんが、政治団体の代表が亡くなった場合、新たな代表を誰にするのか、あるいは資金をどうするのか、これは個々の政治団体において、個々の事情に基づいて判断されるべき課題であると考えております。これは個々の政治団体の判断であると考えます。

枝野委員 ですから、同じように、安倍総理が亡くなられた日に、晋和会というんですか、安倍さんが代表者を務めたいわゆる後援会の代表者も安倍昭恵氏に変更されているんですよ。これについては、私はこのタイミングでは聞きません。しかし、これは自由民主党の支部だから自民党総裁に聞いているんです。別の組織じゃありません。

 そして、政党交付金は一応使い切った形になっているようではありますが、安倍晋三氏が亡くなった時点で、この自由民主党山口県第四選挙区支部には何と一億六千四百三十四万円残高があったんです。これが、翌年ですね、今年の一月には、二千万ぐらい使ったほかは、ほぼ全て、安倍晋三さんの元々は個人後援会に移されているんです、政党のお金が。どっちも代表者は同じ安倍昭恵さんです。こういう事実があるんです。

 私は、自民党の政治は古いと思っていて、昭和の政治だよねと思っていましたが、いやいや、江戸時代、封建時代ですか。領主様が亡くなったらその身内で引き継ぐ、自民党の支部というのはそういうものなんですか。

岸田内閣総理大臣 今、資料で確認しておりますが、御指摘の自由民主党山口県第四選挙区支部につきましては、令和五年一月三十一日付で解散をしております。

 そして、御指摘の政治団体等において、新たな代表を誰にするのか、資金をどうするか、これは個々の団体において、何を目的にするのか等の考え方に基づいて判断されるものであると認識をしております。

枝野委員 繰り返し申し上げますが、安倍晋三さんの後援会としての政治団体の話をしているんじゃないんです。自由民主党山口県第四選挙区支部という自由民主党の組織の一部についてお話をしているんです。

 そして、後継者の方、ここは世襲ではない後継者の方が補欠選挙に出られたんでしょう。普通なら、一億六千万も残っていたお金、我々の感覚だと三桁ぐらい桁が違っていますけれども、下手すると赤字なんですけれども、我々の場合は。残っていらっしゃるんだったら、普通は、それは一応、残務処理みたいなところで一部は使うかもしれないけれども、次の支部長になった方、衆議院候補者になった方が代表者になった支部に。

 一旦廃止して、解散して新しい組織にするのか、それとも代表者を変更する形で引き継ぐかは別として、これが当たり前ですよね、政党の組織の在り方として。政党組織の体を成していないじゃないですか。近代的な政党の組織になっていないと思いませんか。

岸田内閣総理大臣 御指摘の点について、具体的な詳細は承知しておりませんが、御指摘の山口県第四選挙区支部、これは令和五年一月三十一日付で解散をしています。解散をした上で、新たな四区支部を立ち上げるというような形で政党活動を続けていると認識をしております。

 その際に、資金等の流れについては、この政治団体の関係者が政治目的等々もしっかり念頭に置きながら判断をしていく、こうしたものであるとお答えをしております。

枝野委員 分かってとぼけていらっしゃるのか、それとも分かっていらっしゃらないのか。分かっていらっしゃらなかったらもっと深刻なんですけれども、自民党の支部なんですよ。独立した政治団体の話をしているんじゃないんですよ。

 自民党の支部はどういうふうに、支部の代表者が急に亡くなったときに、どういう人が後を引き継いで、残っている資産をどうするのか。それは党内民主主義、支部だから、支部エリアの、支部に属している党員の皆さんの党内民主主義でやるのが民主主義国家の真っ当な政党というんじゃないですか。

 どうもそうした、多分、この山口県第四選挙区支部で、何か党員を集めて、あるいは、いわゆる支部大会じゃなければ、そこの意思決定機関、常任幹事会なのか総務会なのか知りませんが、そういうところで、では安倍昭恵さんに当分つないでもらおう、この金は安倍さんのおかげで集まった金なんだから安倍さんの後援会に移しましょうとか、そういう手続がなければ近代的な政党じゃないですよね。党内民主主義が成り立っていませんよね。違いますか。

岸田内閣総理大臣 先ほど申し上げましたが、令和五年一月三十一日に御指摘の自民党四区支部は解散をしています。それに至るまでの経緯については、関係者が相談の上、今後、政治活動をどのように維持していくのか、こういった判断に基づいて具体的に判断したものであると認識をしております。

 いずれにせよ、この政治団体において代表者あるいは資金等の扱いについては判断されるものであると認識をしております。

枝野委員 残念ながら経済をやる時間がなくなりましたので、これは言いっ放しで申し上げておきたいと思いますが、この間成立した第一次補正予算は、十一月二日の閣議決定された経済対策、これに基づいた補正予算なんですね。

 では、十一月二日の閣議決定された経済対策の表題、お答えください。これだけでいいです。

岸田内閣総理大臣 デフレ完全脱却のための総合経済対策であります。

枝野委員 デフレというのは、物価が継続的に下がっている状況というのが定義です。そこから完全脱却をする、目指すということは、物価を上げようとしているんです。

 今、多くの国民の皆さんは、物価を下げてくれと。継続したデフレの状況というのはよくない、それは私も全く同感です。だから、三年前ぐらいまでのこの十年間、アベノミクスの下で続いてきたデフレ状況から脱却したい。だけれども、今起こっているのは、脱却方向に向かうというのは望ましい状況じゃないんです。

 なぜかというと、輸入物価が上がって、国民の皆さんが余計に払った、値上がりして余計に払った分の金は、国内の誰かの懐に行っているわけじゃないんです。全部海外に行っているんです。だから、消費者の皆さんが物価高で余計に払った分が、誰かの給料になったりどこかの設備投資になったり、そういったところに行かないで、全部外国へ行っているんです。だから、それが新たな消費を呼んで、経済をいい方に循環させるだなんということには全くならないんです。それなのに、物価だけ上がって、生活が悪くなっているんです。

 まず輸入物価を下げるということをやった上で、本来やらなければならない、国内の消費が増える、そして賃金が上がる、こういう状況を目指さなきゃならないのに、輸入物価が上がっている状況ではそこに行く前の段階なんだということを指摘をした上で、残りについては、特に政治資金の問題については、この後の同僚議員、そして参議院の仲間に委ねたいと思います。

 ありがとうございました。

小野寺委員長 この際、西村智奈美さんから関連質疑の申出があります。枝野君の持ち時間の範囲内でこれを許します。西村智奈美さん。

西村(智)委員 立憲民主党の西村智奈美です。

 私からは、先ほどの枝野委員の関連で、一問、松野官房長官に伺いたいと思います。

 政治資金の問題ですけれども、裏金の問題ですけれども、官房長官は、今精査中である、御自身の政治団体についても精査中なので答えられないということでしたけれども、その理由が何なのか分からないんですね。これはやはり説明すべきだというふうに思いますけれども、もしかしたら、何か事情があって説明ができないかもしれない。

 一つだけ伺います。

 長官、今、派閥の事務方あるいは御自身の秘書が聴取を受けているのか、そのために答えられないということなのか、お答えください。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 捜査機関に関する事柄に関しましては、政府としてお答えすることは控えさせていただきたいと思います。

西村(智)委員 それは別に政府としてではなくて長官の御自身の政治団体のことについて伺ったわけですけれども、それについてもお答えいただけなかったということは、本当にますます怪しいというふうに申し上げて、この後の同僚議員の質問に委ねたいと思います。

 私からは、旧統一教会の問題について質問いたします。

 統一教会、解散手続が今進行中ですけれども、この間に財産が関連団体に移されたり海外に送金をされてしまえば、被害者の皆さんへの十分な補償ができなくなってしまいます。

 私たち立憲民主党は、旧統一教会の財産移転を防ぐ法案をこの国会の冒頭に提出をいたしました。ですけれども、自民党さんは、最後は私たちの法案に反対をしています。大変残念なことで。

 私たちの法案に反対したということは、私たちの法案がなくても旧統一教会から被害者の皆さんへの補償が十分に行われるということでよろしいんでしょうか。

小野寺委員長 文部科学大臣盛山正仁君。(西村(智)委員「ごめんなさい、総理に質問しています、これは」と呼ぶ)

 まず所管大臣に答弁をさせます。

盛山国務大臣 現在、被害者の救済に向けましては、法テラスの相談体制を拡充しているほか、海外への送金について、外為法の履行状況の情報収集、分析に努めるとともに、マネーロンダリング防止の観点から、金融機関に対して適切な対応を行うよう政府として求めているところであり、現行法上のあらゆる制度を活用して、被害者救済のために最大限取り組んでおります。

 その上で、被害者の救済に関しましては、先日、自民、公明、国民の三党から提出された修正法案が御党も含めた賛成多数で衆議院において可決されたところであり、衆議院法務委員会における法案提案者から、附則六条の規定に基づいて、規定の見直し、こういったことも含め、そして、その検討がなされる時点において実効的な財産保全の方策が検討の選択肢となり得るものと考えられる旨の答弁があったことは承知しております。(発言する者あり)

小野寺委員長 簡潔にお願いいたします。

盛山国務大臣 政府としては、国会における議論の結果をしっかり踏まえ、被害者の適切な救済が図られるよう、法令に基づき最大限努力してまいります。

西村(智)委員 私の質問を妨害しないでいただきたいんです。総理に伺っていますよ。

 本当にこれで被害者の救済が十分できるんですか。ジャパンライフのときは一・二%しか戻ってきていないんですよ。オウム真理教でだって三割くらいしか戻ってきていないんです。

 民事保全が充実できるということについては、私たちも賛成しました。でも、総理、本当にこれで救済できるんですか。答えてください。

岸田内閣総理大臣 今文科大臣からお答えしたように、政府として、法テラスの相談体制の拡充ですとか、外為法を通じたマネーロンダリング防止の観点からの対応ですとか、政府として現状の法律を最大限に活用するということを申し上げています。

 その上で、今回、自民、公明、国民の三党から提出された修正案、御党も含めた賛成多数で可決されたと承知しています。その法律も踏まえて、政府として適切な救済が図られるように努めてまいります。

 そして、いずれにせよ、こうした具体的な個々の被害者救済は、これは裁判を通じて個別具体的に判断されるものであると思います。こうした裁判手続、これを利用しやすくするような環境整備をすることによって、結果として実際に救済が図られるよう、結果につなげていくことが重要であると考えております。

西村(智)委員 同じことを答弁されて。これで本当に救済できないと思いますよ。私、分かっていないと思います、被害の実態というのを。どなたかから、これでいいんだという話だけ聞かされているんじゃないかというふうに思わざるを得ません。

 岸田総理と旧統一教会との関係について質問をいたします。

 二〇一九年の十月四日、安倍政権時代の当時岸田政務調査会長は、米国の元下院議長のニュート・ギングリッチ氏と面談した際に、天宙平和連合ジャパンの梶栗正義議長、そして天宙平和連合インターナショナル会長のマイケル・ジェンキンス氏とも面談されたと報じられています。この写真がその模様です。

 総理は、これについて、ギングリッチ氏との面談であって、ほかの同行者については承知していないというふうに記者に質問しています。

 私は、当初、総理が言うように、同行者がたくさんいて誰だか分からないということもあるかもしれないなというふうには思っていました。ところが、昨日七日、朝日新聞の一面で、この写真を見てびっくりいたしました。天宙平和連合インターナショナルのジェンキンス会長と、総理、名刺交換していますよね。

岸田内閣総理大臣 御指摘の面会については、これまでも説明させていただいておりますように、元米国下院議長であるギングリッチ氏から面会を求められ、元外務大臣の立場で面会をさせていただいたということであります。

 そして、同行者については、どなたがおられたかということは承知していないと申し上げております。

 そして、同行者との間において名刺交換等やり取りがあったかということ、これは十分あり得ると思いますが、しかし、旧統一教会の関係者と何かそこでやり取りをしたという認識は今日までありません。そして、こういった指摘についても、私自身が旧統一教会の関係者と関係があったということは当たらないと申し上げております。

西村(智)委員 ギングリッチ氏と会うと思って面会室に入っていったら、よく分からない団体の方がついてきておられた。おかしいと思いませんでしたか。

岸田内閣総理大臣 分からない団体の方かどうかも含めて、当然、元米国下院議長が来られるわけですから、様々な関係者が同行しておられます。その中、当然のことながら、同行者が来られるということについて何の不自然さも感じませんでした。

西村(智)委員 分からない団体の方かどうかも含めてというふうに総理はおっしゃったんですけれども、では、ちょっと違う観点から質問しますが、天宙平和連合ジャパンあるいは天宙平和連合インターナショナルというこの団体が旧統一教会の関連団体だという認識は、総理、その当時おありでしたか。

岸田内閣総理大臣 そういう団体については全く承知しておりません。

 そして、写真を御指摘いただいても、どなただか私は全く認識をしておりません。

西村(智)委員 与党の政調会長ということであれば、たくさんの方や団体とお会いしているでしょうから、そういうこともあるのかもしれないと思いつつも、しかし、総理、当時与党の政調会長でいらっしゃったわけですよ。被害者が多く出ていて、大きな宗教団体の関連団体であるということについて知らないのは、与党の政調会長としての認識が不足していたんじゃないかというふうに思うけれども、御自身としてはどういうふうにお考えになりますか。

岸田内閣総理大臣 自民党の政調会長として各種団体についてどこまで把握しているかということでありますが、少なくとも、御指摘の団体については、私はどういった団体かということについて全く認識しておりませんでした。

 そして、写真を見せられても、どなたかということ、今でも承知をしておりません。

西村(智)委員 この程度の認識で与党の政調会長ができるんですね。驚きです。

 実はこの話は、ギングリッチ氏が同行者を連れてきたのではなく、旧統一教会の関連団体側が岸田当時政調会長との面談を手配したというふうに当のギングリッチ氏がおっしゃっているんですけれども、この点についてはどうなんですか。

岸田内閣総理大臣 ギングリッチ氏につきましては、私の側からも確認をさせていただきました。

 御指摘のような説明をされていると承知をしておりますが、私自身、どういった経緯でこういった面会に至ったのか全く認識をしておりません。元米国下院議長が元外務大臣に会いたいという要請があった、それに応じたという認識しかなかったということを申し上げております。

西村(智)委員 旧統一教会側がセットをしてギングリッチ氏と与党の政調会長が面談したということですか。これは、ギングリッチ氏からの申入れではなくて、旧統一教会側からセットがあって面談が成立したということですか。それで適切だったというふうに総理はお考えになりますか。

岸田内閣総理大臣 セットの経緯については私自身認識しておりません。元米国下院議長が元外務大臣に会いたい、そして国際情勢について意見交換をしたいということは全く不自然なことではないと認識をいたしました。そういった認識の下にこの面会に応じたということであります。

西村(智)委員 総理、私、この会談が、面談がセットされた経緯についてこの委員会で答えてくださいというふうに通告をいたしております。適切だったかどうかということについても今御答弁いただけていない。

 では、改めて伺いますけれども、この面談はどういう経緯でセットされたんでしょうか。自民党のどなたが連絡を受けて、そして受け付けたのか、電話やメールなどでやり取りがされているかというふうに思いますけれども、ギングリッチ氏のスタッフからだったのか、それとも旧統一教会関連団体のスタッフからだったのか、お答えいただきたいと思います。

岸田内閣総理大臣 面会の目的については先ほど来申し上げているとおりであります。

 御質問の面会の経緯につきましては、自民党本部も含めて確認をいたしましたが、これまでのところ、当時の面会記録等、資料は全く見当たりません。経緯を確認できる資料はありません。

 私自身としては、先ほど申し上げました、米国の元下院議長との面会を行うということで、この面会を受けた次第であります。

西村(智)委員 こんな重要な会談を、メモも残っていない、そして、自民党の本部のどなたに聞いても分からないということについて、どうなんですか、総理としてどういうふうに思いますか。

岸田内閣総理大臣 自民党党本部、連日のように様々な関係者が出入りします。政調会長ということになりますと、様々な団体、関係者と応対をしなければならない、こういった状況にあります。その中で、元米国下院議長が面会をしたいという申入れがあったということで面会に応じたということであります。

 そういった状況でありますので、四年前のこうした会談についても、面会の記録、経緯を確認できるような資料はないということで、私自身、経緯を確認できないということを申し上げています。そして、何よりも、私の認識自体が、米国の元議長との面会、そういった認識で面会に応じたということを申し上げております。

西村(智)委員 私、にわかにこれは信じられないんですよ。これだけの面会、しかも、聞くところによれば、関連団体あるいは旧統一教会は割と頻繁に自民党本部でいろいろな面会をされているという情報もあります。

 私は、これは一度本会議で伺いましたけれども、総理からは答弁いただけなかった。このことについて、私は、もう一回総理から、調べてもらいたいと思っています。どういう経緯でこの会談が行われたのか、そして、このときに総理は本当に相手方を認識していなかったのか、このことについてもう一回調査してもらいたい。本来であれば、この委員会にきちんと、どこどこについてどこどこに調べましたからこういう情報でした、あるいはなかったことも含めて、きれいに説明をするべきだというふうに思うんですけれども、いつまでに調べていただけますか。

岸田内閣総理大臣 既にマスコミ等で指摘をされた段階から、この経緯等も含めて、自民党の党本部関係者等、確認をしてまいりました。そして、その上で、自民党党本部の職員等関係者の中で、こうした当時の面会について、この記録等もないし、確認することができなかった、このように申し上げております。

 そして、その上で、私としては、米国元下院議長との会談を行ったという認識を持っている、そして、同行者が誰であったかということについては承知をしていないと説明をさせていただいています。

 そして、様々な指摘をいただいてはおりますが、しかし、そうした同行者の中に関係者がいたとしても、それをもって私が統一教会との関係を持っていたという御指摘は当たらないと申し上げております。

西村(智)委員 私はそこまで言っていないんですよ、総理。

 もう一回、名刺交換されているわけですから、名刺があったのかどうかお調べいただけませんか。

岸田内閣総理大臣 当然、一般論として、常識として、同行者がおられれば名刺交換等もあったかもしれません。しかし、結果として、私は、同行者がどなたであったか、これを認識していないと申し上げております。同行者について承知をしていないと申し上げているところであります。

西村(智)委員 私、こうやって総理と議論させていただいて、総理がギングリッチさんと会っただけだということもないとは言えないというふうには思っています。だけれども、報道が出るたびに、やはり総理の発言が変わっていくんです。本当にこれで信じていいのかどうか、私は分かりません。

 総理、今後、この面談のときに総理が旧統一教会の関連団体の面談だということを認識していたという何らかの事実が明らかになった場合には、どう責任を取られますか。総理大臣を辞めていただけるんでしょうか。そこまでおっしゃってくださるのであれば私は総理の言葉を信じたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

岸田内閣総理大臣 私は、私自身の認識について申し上げております。認識はなかったということを申し上げております。それをどう、証明しろという御質問でありますが、私の認識は間違いないということを説明する、それに尽きると思っております。

小野寺委員長 西村智奈美さん、時間が過ぎております。

西村(智)委員 認識の事実が出たときには、今の御答弁をお忘れなきようにお願いをいたします。

 終わります。

小野寺委員長 この際、後藤祐一君から関連質疑の申出があります。枝野君の持ち時間の範囲内でこれを許します。後藤祐一君。

後藤(祐)委員 立憲民主党の後藤祐一でございます。

 今日は自民党のパーティーの資金問題についてやりたいと思いますが、ちょっとおさらいしたいと思います。

 これは安倍派のケースですけれども、パーティー券を買っていただいた企業や団体などが派閥にお支払いするんですが、ノルマ分までは派閥の収入に記載しますが、それを超えた分を記載していない場合があります。安倍派については記載されていないような収支報告書になっているんですが、このノルマ分を超えた分については、安倍派、派閥から安倍派の所属議員に対してキックバックが行われて、これは本当は安倍派の収支報告書に、この議員の政治団体にこれだけ寄附したよというキックバック分の収支報告書上の記述がないといけないんですね。逆に言うと、これがあれば、これの是非はともかく、法律上は適法であります。

 なので、これは派閥ごとにこの対応が違うので、ちょっと今日は幾つかの派閥と各議員についても聞きたいと思います。

 まず、新藤大臣にお伺いしたいと思いますけれども、新藤大臣は、平成研究会、茂木派の現在の事務総長でおられますので、こういったお金の流れを把握されている方だと思いますけれども、茂木派では、パーティーについてノルマ超過分は各議員にキックバックしているんでしょうか。そして、していたとすれば、収支報告書に記載されているんでしょうか。

新藤国務大臣 個々の政治団体に対するお尋ねについては、今、閣僚として、政府にある立場として、差し控えるというのが私が何度も申し上げているスタンスでありまして、また、閣僚の中でもみんなそのように統一をしております。

 しかし、その上で、政治団体としての平成研究会の政治資金については、これは平成研究会の事務方の方から、政治資金パーティーの収入も含めて全ての収入と支出を政治資金報告書に記載し、政治資金規正法にのっとった対応を行っているというふうに聞いております。

後藤(祐)委員 全部記載されていると信じたいですが、少なくとも茂木派は、パーティーのノルマ超過分はきちんと茂木派の方の収支報告書には書いてあると。個別の議員について全部書いてあるか、それはそれでチェックが要りますけれども、これはこれで重要な事実だと思います。

 では、宏池会はどうなっているか。岸田派と今日の段階で言っていいのかちょっとよく分からないんですが、岸田派の所属議員であります盛山大臣に伺いたいと思います。

 これは岸田派の、宏池会の収支報告書ですけれども、この収支報告書、上の方はいわゆる氷代とか餅代とか言われる一律で払っているやつなんですけれども、下の方に各議員の政治団体が並んでいて、額がばらついていますよね。これがいわゆるキックバックと言われる部分ではないかと思われるんですけれども、盛山大臣の関連の政治団体であります自由民主党兵庫県第一選挙区支部は、宏池会から十六万円の寄附を令和四年にいただいているようですけれども、これはパーティーのノルマ超過分のキックバックですか。

盛山国務大臣 個々の政治団体や個人の政治活動に関するお尋ねについてお答えすることは差し控えさせていただきます。

 いずれにしましても、岸田総理から幹事長に対して、各政治団体においてできるだけ速やかに適切な説明を行うよう指示されたと承知しております。

後藤(祐)委員 さっき茂木派はちゃんと説明したんですよ。しかも、収支報告書にちゃんと書いてあるものを茂木派について聞いて、新藤大臣は答えられました。

 何でちゃんと書いてあるやつを答えられないんですか。これは適法にやっているやつを聞いているんですよ。自分の総支部のこの十六万円、岸田派の派閥からいただいた十六万円は、じゃ、これは何なんですか、盛山大臣。

盛山国務大臣 それはここに記載されているとおりでございます。宏池政策研究会からの寄附であるというふうに認識しております。

後藤(祐)委員 それはノルマ超過分のキックバックですか。

盛山国務大臣 キックバックという言葉が具体的に何を指しているのか承知しておりませんが、今御指摘の表のとおり、出ているとおりでございまして、適切に処理されているものでございます。

後藤(祐)委員 適切に処理されているということは、キックバックをいただいて処理している、こういうことなんだと思います。

 それでは、清和会、安倍派について聞きたいと思いますけれども、松野官房長官に、まず、派閥の元事務総長として伺いたいと思いますが、こちらのパネルを御覧ください。これは、現在の安倍派の塩谷座長が、十一月三十日にぶら下がり会見で、パーティー券のノルマを超えた部分について還流の経験や見たりしたことはありますかと聞かれて、あったことはあったと思いますと答えておられます。この数時間後、撤回されたということでございますけれども、キックバックの存在について安倍派の座長が認めた、一旦ではありますけれども、認めたということがございました。

 安倍派の元事務総長であります松野長官に伺いますが、安倍派では、ノルマ超過分は各議員にキックバックしていたんでしょうか。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 政府の立場としては、個々の政治団体についてお答えは差し控えるべきであると認識していますが、私の所属する清和政策研究会においては、これから事実関係を精査するとコメントしていると承知しており、今後、事実確認の上、適切に対応するものと認識をしております。

後藤(祐)委員 それだと分からないですね。キックバック、あったんですか、なかったんですか。松野長官個人の話じゃないんです。安倍派全体としてキックバックはあったんですか。さっき茂木派はちゃんと答えていただきましたよ。いかがですか。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 派閥において事実確認がなされている最中であり、また、報道によれば、派閥の政治資金の取扱いについては、刑事告発がなされ、それに関連して捜査が行われているものと承知しており、そうしたことを踏まえて、お答えは差し控えさせていただきたいと思います。

後藤(祐)委員 刑事告発は茂木派に対してもなされていますよ。茂木派については、大学教授が刑事告発をしていますよ。だけれども、さっきちゃんと答弁したじゃないですか、長官。適正に処理しているかどうかというだけでも答えられないんですか、派閥として。

松野国務大臣 お答えさせていただきます。

 派閥における事実確認の状況や今後の対応方針などについては、先ほどコメントを申し上げましたけれども、私は、現在、政府の立場にあり、派閥を代表する立場にないため、お答えすることは差し控えさせていただきます。

後藤(祐)委員 政府の立場におりと答えるでしょうから、今日は、官房長官としてではなくて、一般の民間の方でも呼べる参考人という立場で来てくださいとお願いして、そこでもめたので委員会が始まるのが遅れたんですけれども、政府参考人、つまり大臣という立場でいいから、その代わり、政府の立場でということは言わないという約束でそこに座っていただいているんですよ。しかも、告発されていてもちゃんと答弁している派閥もあるじゃないですか。全然理由になっていないですよ。何で答弁できないんですか。これは明らかじゃないですか。茂木派はキックバック分を収支報告書に載せている、安倍派は載せていない、だから、キックバックの存在をあるともないとも言えないからでしょう。

 では、派閥についてはそれ以上答えられないんでしょうから、安倍派の一国会議員としての議論をしたいと思います。

 今日、鈴木総務大臣にお越しいただいておりますけれども、鈴木総務大臣は、こちらのパネルを御覧ください、十二月一日の大臣会見で、ノルマ超過分のキックバックを受け取ったことはないということですかね、こう聞かれて、私はありませんと答えております。

 同じことを聞きます。キックバックを受け取ったことはありますか、鈴木総務大臣。

鈴木(淳)国務大臣 まず、個々の政治団体に関するお尋ねでありますが、政府にある立場としてお答えすることは差し控えるべきだとは思いますけれども、あえて私の所属する清和政策研究会について申し上げれば、事実関係を精査するとコメントしていると承知しておりまして、今後、事実関係を確認の上、適切に対応すると思っております。

 私に関しましては、十二月一日の閣議後会見におきましても、キックバックを受け取ったことはないかという質問に対して、ありませんと答えております。先ほど申し上げたとおり、派閥において、事実確認の上、適切に対応するものと認識いたしております。

後藤(祐)委員 キックバックはありませんという答弁を撤回するということですか。それとも、ありませんなんですか。どっちですか。

鈴木(淳)国務大臣 ありません。

後藤(祐)委員 ありませんというお答えだったので。

 安倍派の一議員である鈴木総務大臣も、キックバックはありませんと明確にお答えになりました。

 そこで、安倍派の一議員であります松野博一議員、官房長官としてでもなく、安倍派の元事務総長としてでもなく、安倍派の松野博一議員に伺いたいと思いますが、安倍派のパーティーのノルマ超過分のキックバック分を受け取ったことはありますか。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 繰り返しになりますけれども、派閥において事実確認がなされている最中であり、また、報道によれば、派閥の政治資金の取扱いについては、刑事告発がなされ、それに関連して捜査が行われているものと承知しており、そうしたことを踏まえて、私の政治団体についても、精査して、適切に対応してまいりたいと考えております。

後藤(祐)委員 安倍派の議員である鈴木大臣は、キックバックはありませんと答えていますよ。刑事告発は関係ないじゃないですか。私はありませんと今明確に答弁されましたよ。同じ立場じゃないですか。安倍派の一国会議員である松野博一議員は何でお答えできないんですか。今刑事告発がどうたらこうたら言っていましたけれども、同じ立場じゃないですか。

 岸田総理が何かぶつぶつ言っていますけれども、じゃ、ちょっと岸田総理にも伺いたいと思います。

 先日のこの場での大西健介議員の質疑の中でこういうやり取りがありましたね。岸田総理が、民主党政権の頃、二〇一一年のときに、自民党の国対委員長であられました。そのときに、自民党の機関紙の記事でこういうことを岸田当時国対委員長がおっしゃっておられます。「司法への影響を気にするあまり、立法府が国民に対する説明責任を放棄したならば、三権分立に影響を与えるのではないでしょうか。立法府は、国民の疑念に応え、政治の信頼回復に努力していかなければなりません。」と。全くそのとおりですよ。

 総理、今、安倍派の一議員である鈴木総務大臣は、ありませんと明確に答えました。松野官房長官は、同じ安倍派の一議員なのに、今捜査を受けているというようなことで、答弁を拒否しています。当時の国対委員長として御発言になった、「立法府は、国民の疑念に応え、政治の信頼回復に努力していかなければなりません。」、今でもそのスタンスですか。だとすれば、官房長官にきちんと答弁させるべきじゃありませんか。

岸田内閣総理大臣 立法府として説明責任を果たす、これが大事だ、これはそのとおりだと思いますし、今でも思っております。

 ただ、今回のケースにおいては、それぞれ収支報告書を報告した上で告発を受けて、そして、今捜査が進められていると認識をしております。ですから、その上で何か発言することは捜査に影響を与えるおそれがあるから発言を控えると申し上げております。

 今、立法府ということでありましたが、政府の立場であるならば、それはなおさらであると考えております。

後藤(祐)委員 では、総理に伺いますが、先ほどの鈴木総務大臣のありませんという答弁は捜査に影響を与えるんですか。

岸田内閣総理大臣 それぞれ収支報告は提出をしております。そして、その上で告発を受けているわけですから、それ以上のことについて何か申し上げることは捜査に影響を与えるおそれがあると考えております。

後藤(祐)委員 松野長官に伺いますが、鈴木総務大臣は、安倍派の一国会議員として、キックバックはありませんと明確に答弁されましたから、捜査への影響はないと思うんですよ。捜査への影響が、何で、あると言えるんですか。説明責任を回避して、逆に言うと、捜査の影響があるということは、裏金をつくっているということなんじゃないですか、官房長官。裏金をつくっているんですか。キックバックを受けているんですか。もう一回お答えください。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 私の政治団体につきましては精査をして適切に対応してまいりたいと思いますが、報道によれば、派閥の政治資金の取扱いについては、刑事告発がなされ、それに関連して捜査が行われているものと承知をしております。

後藤(祐)委員 念仏のように同じ答弁を繰り返すわけですが、安倍派の一国会議員の総務大臣がちゃんと答弁しているわけですから、今の答弁は成り立たないですよ。

 官房長官というのは、岸田政権の全体について説明責任を負っている仕事なんですよ。そして、官房機密費まで全部握っているわけですよ。そんな官房長官が、キックバックについて答えもせず、裏金をつくっているという疑惑が、一千万円を超えていると報道もされている。そんな方に官房長官を任せておけるわけがないじゃないですか。官房長官を辞めるべきじゃないですか、松野大臣。

松野国務大臣 引き続き、私の所管する分野に関して、その任、責任を果たしてまいりたいと考えております。

後藤(祐)委員 この答弁が続くのでは、まさに、さっき総理が言っていた国会としての機能を果たせませんから、松野官房長官の証人喚問を要求いたします。

 委員長、お取り計らいください。

小野寺委員長 後刻、理事会で協議いたします。

後藤(祐)委員 同じく安倍派の一国会議員である西村大臣に伺いたいと思いますが、これは大臣としてでもなく、安倍派の前事務総長としてでもなく、一国会議員として聞きますが、キックバックはございましたか。そして、収支報告書上、記載されていますか。

西村国務大臣 まず、派閥に関する資金については、派閥において、今、慎重に事実関係を精査しているというふうに聞いております。そして、これは、それを踏まえて適切に対応されるもの、派閥においてされるものというふうに承知をしております。

 その上で、私自身の政治資金につきましては、こうした、清和会、派閥が告発されることもありましたので、改めて、私自身の政治資金ももう一度慎重に今確認をさせております。

 そして、報道によりますと五年ということですので、帳簿の保存期間三年を超えるものもありますから、帳簿は三年までですので、過去のものも遡って今確認をさせております。

 その上で、適切に対応したいと思いますし、どこかの時点でしっかりと説明責任を果たさなきゃいけないというように考えております。

後藤(祐)委員 額が幾らだったかとかそこは精査しないといけないのは分かりますが、キックバックがあったかなかったかはすぐ分かりますでしょう。そこだけお答えください。

西村国務大臣 清和会との資金のやり取りがあったかなかったのかについても、もう一度しっかりと精査をしております。帳簿がもう三年の義務を超えて何か捜査が行われているとも聞いておりますので、改めて精査をしているところであります。

後藤(祐)委員 幾らだったかは調べなきゃ分からないかもしれないけれども、キックバックがあったかなかったかは分かるに決まっているじゃないですか、大臣。西村大臣も辞めてもらう必要があると思いますよ。

 松野長官にちょっと追加したいと思いますが、今、西村大臣は、精査してお答えするということを明言されました。

 まず、松野長官、この今朝の朝日新聞の、松野官房長官にキックバック一千万円超と、これは事実ですか。

松野国務大臣 繰り返しになりますけれども、私の所属する清和政策研究会においては、これから事実関係を精査するとコメントしていると承知をしており、今後、事実関係を確認の上、適切に対応するものと認識しています。派閥において事実確認がなされている最中であり、また、報道によれば、派閥の政治資金の取扱いについては、刑事告発がなされ、それに関連して捜査が行われているものと承知しており、そうしたことを踏まえて、私の政治団体についても、精査して、適切に対応してまいりたいと考えております。

後藤(祐)委員 この記事についてはお答えできないということですが、せめて、西村大臣がさっき言ったように、精査した上で、必ずその結果をお答えすると約束いただけませんか。

松野国務大臣 先ほどお答えをしたとおり、清和政策研究会における事実関係の精査結果を踏まえ、また、現在、刑事告発がなされている捜査状況等も踏まえて、私の政治団体に対しては、精査した上で適切に対応してまいりたいと考えております。

後藤(祐)委員 総理、官房長官というのは、さっきもそうですけれども、毎日二回記者会見があるんですよ。今日の記者会見なんか、この話ばかり聞かれているわけですよ。それで、同じ答弁をずっとしているわけです。こんなことでスポークスパーソンを務められるわけがないじゃないですか。

 官房長官も西村経産大臣も更迭すべきだと思いますけれども、総理、いかがですか。

岸田内閣総理大臣 官房長官については、先ほど来答弁させていただいておりますように、今、政治資金について派閥において精査をされているということでありますが、いずれにせよ、告発されている、そして捜査が進んでいる、この中にあって、具体的に発言することは捜査に影響があるということで、発言を控えなければならない、こういった立場だと思います。

 しかし、官房長官の役割、スポークスマンの役割、これは、内外の幅広い政策分野において発信をしていかなければならない立場であります。今、御指摘の点については、申し上げた理由によって発言を控えなければならないと思いますが、それ以外の部分については、政府のスポークスマンとしてしっかりと発信をしてもらう、こうした役割をしっかり果たしていただきたいと考えております。

後藤(祐)委員 さっき行われた官房長官会見、最初から最後までずっとこの話ですよ。政策の話、答えられないじゃないですか。聞けないじゃないですか。仕事が成り立っていないですよ。

 最後なので、総理、この自民党の派閥のキックバックの問題は、派閥のパーティーをやめるとか、五年間やめるとか、総理が派閥から離脱するとか、そんなことじゃないでしょう。

 今やるべきは、まず、各派閥ごと、そして派閥の議員ごとに、少なくとも過去五年キックバックがあったのかどうか、そして、それが収支報告書に載っているのかどうか、そして、それらの総額、派閥として、議員として、これをきちっと明らかにすること。

 それと、余り今まで扱われていませんが、そもそも議員側でプールしちゃっているようなケースもあるわけですよ。派閥まで収入を上げないで、議員のところで止めちゃってプールしている。これはもっと分かりにくいんですが、このプールの有無。

 それと、派閥の事務局の職員だとか事務総長経験者だとか、あるいは、派閥所属の議員あるいは秘書、こういった方が検察から事情聴取を受けているかどうか、これについて、精査の上、ちゃんとお答えいただけるということをお約束ください。

岸田内閣総理大臣 先ほども答弁で答えさせていただきましたが、党として、政治の信頼に関わるこの事態を大変深刻に受け止め、強い危機感を持って対応してまいります。そして、その第一歩として政治資金パーティーの自粛等を申し合わせたわけでありますが、これから党としても果たすべき役割を果たしてまいります。

 そして、今、捜査が進む中にあって、捜査への影響のおそれがあることから発言を控えなければならない、こういったことではありますが、捜査の状況等において実態が明らかになるに至って、党としても、また政治家としても、それぞれ原因、課題、これをしっかりと把握した上で適切に対応していく、こうした取組は進めてまいります。

後藤(祐)委員 はっきりお答えいただけないので、委員長、まず、政治と金に関する集中審議を求めたいと思います。

 その上で、今、総理に私が要求した事項について、きちんとこの委員会に説明していただくということを求めます。

 理事会で協議してください。

小野寺委員長 後刻、理事会で協議いたします。

後藤(祐)委員 それとあわせて、自民党の各派閥の会長、事務総長、特に安倍派については、現在の高木さん、その前の西村康稔さん、松野博一さん、下村博文さんまで含めて、麻生派は麻生太郎会長、森英介事務総長、茂木派は茂木会長、新藤事務総長、岸田派は岸田会長、根本匠事務総長、二階派は二階俊博会長と武田良太事務総長の参考人招致を求めます。

小野寺委員長 後刻、理事会で協議をいたします。

 予定の時間が過ぎております。

後藤(祐)委員 徹底審議を求めて、終わります。

小野寺委員長 これにて枝野君、西村さん、後藤君の質疑は終了いたしました。

 次に、馬場伸幸君。

馬場(伸)委員 日本維新の会の馬場伸幸でございます。皆様、お疲れさまでございます。

 今日は、各政党、いろいろなバッターが立っておりますけれども、党をお預かりする立場の人間というのは野党では私だけということで、是非、岸田総理とは党首討論という位置づけで議論をさせていただきたいというふうに思います。

 私がよく地元で支持者、また有権者、国民の皆様方から御指摘をいただくのは、大体二つあります。この予算委員会等を見ていて、予算の話というのはいつされているんでしょうか、スキャンダルの追及や何やかんやという話は多いですけれども、予算に関わる問題が議論されているというのは、馬場さん、余り見ませんねと。是非、我々国民の身近な予算についても、ああいった場で議論をしてほしいということがまず一つ目です。

 そして、二つ目は……(発言する者あり)ちょっと黙っておいてもらえますか。

小野寺委員長 御静粛にお願いいたします。

 質問を続けてください。

馬場(伸)委員 二つ目は、総理がよく、国会の話に関わる質問をされたときに、その話は国会でよく議論をしてほしい、私は行政府の長なので国会の話には口出しをできません、こういう発言がされるんですね。

 国民の皆さん方は、行政府の長である岸田総理というお立場を理解はしています。しかし、この国会で議論をされることは、やはり行政府の長を超えて、一国のリーダーとしてのお立場で議論をされているわけですから、国会に関わることについてはお答えができませんということは、私は非常に国民の期待を裏切っている、落胆をさせているのではないかなというふうに思います。

 ですから、今日はそういった文言については封印をしていただいて、是非、一衆議院議員、また自民党の総裁としてのお立場も含めた上での御答弁をお願いを申し上げたいと思います。総理の御発言が、リーダーシップを持っていろいろな難題を前進させられるか、若しくは停滞をするか、それに懸かっているということをよく御認識をいただきたいと思います。

 先ほども申し上げましたが、私と岸田総理とのこの議論は、いわば党首討論という位置づけができると思います。実は、この衆議院にも参議院にも、党首討論をする委員会というのはございます。それが国家基本政策委員会、正式名称はそういう名前ですが、俗に党首討論、QTという言われ方をしています。

 この国家基本政策委員会は、国会法によりますと、常任委員会というものに位置づけられています。常任委員会というのは、常に議論をしてくださいということで、この委員会は定例日は毎週水曜日ということになっていますが、とんと、ここ最近、この委員会が開かれたという記憶は私自身にもありません。

 総理は、この国家基本政策委員会、党首討論がどれぐらいの期間開かれていないか、御存じでしょうか。

岸田内閣総理大臣 今、正確に、手元に資料はありませんが、少なくとも岸田内閣になってから開催された記憶はありません。

馬場(伸)委員 この国家基本政策委員会、開かれていない期間は何と二年六か月です。常任委員会の位置づけをされている委員会が二年六か月も開催されていないというのは、私は異常だというふうに思います。

 それは、予算委員会のこういう集中審議のような場で代替としてされているんだろうという言い訳もあるかも分かりません。しかし、それならば、常任委員会から国家基本政策委員会は外すべきではないかと思います。

 それは、全く機能されていないということも一つの理由として申し上げられると思いますが、もう一つの理由は、このパネルにございますように、二年六か月間開催しない間も、兼任の職員の方というのがいらっしゃいます。この兼任の職員の皆さん方の人件費、ほかの仕事もしているんだよと盛んに言い訳をおっしゃっておられましたけれども、二年六か月分トータルしますと、約三億三千七百万円です。これは衆議院だけですから、参議院にも同じ委員会があって、スタッフが同等程度配置をされていると思いますから、単純に倍という考え方をすれば、六億六千万円もの人件費をかけて、全く機能していない。

 岸田総理、六億六千万円というこの数字、大きいのか小さいのか、どういうふうに感じられますか。

岸田内閣総理大臣 この六億を超えるお金については、これは国民の税金でありますから、大変大きなお金であると認識をしなければならない金額であると考えます。

馬場(伸)委員 我々は、この常任委員会の問題しかり、特別委員会の問題しかり、国会改革というのを盛んに訴えてまいりました。

 特別委員会は、特別に設置をする、しかも至急に協議をしなければならない、そういったある程度の条件づけの上で設置をされているんですが、この国会は、のんべんだらりんと全く同じ特別委員会を毎国会設置をして、しかも議論はやらないということが我々の指摘によってはっきりといたしました。特別委員会を統合したりスクラップしたり、そういうことをすべきではないかということを長年言い続けまして、科学技術特別委員会等が統合され、廃止をされたということもございます。

 ですから、この国家基本政策委員会も、我々はもう廃止すべきではないかというふうに考えておりまして、月曜日に、国家基本政策委員会の理事会を招集するべく、我が党の参議院の浅田国家基本政策委員長が招集をかける段取りをしています。また、月曜日の二時には、国家基本政策委員会を廃止するという法案も、国民民主党また有志の会の皆さん方、この三党で提案をするという段取りもさせていただいています。

 恐らく自民党の皆さん方はこれに対して何の反応もないというふうに思いますが、岸田総理、どういうふうに感じておられますか。

岸田内閣総理大臣 国民の皆さんの前で各党、各議員が政策あるいは考え方の違いを明らかにしていく、こうした議論を堂々と展開していく、こうしたことはもちろん重要なことであると思います。そういった機会を大事にしていくこと、これは重要なことだと考えます。

 内閣総理大臣として、こうした思いはしっかり申し上げていかなければならないと思いますが、具体的に、国会においてこの委員会をどうするかとか、この開催をどうするかとか、具体的なことについては、行政府の長として具体的に申し上げることは控えなければならない、こういった立場だと思います。

 行政府と立法府の緊張感、これもしっかり念頭に置きながら、内閣総理大臣としてどういった発信、発言をするのか、これは丁寧に考えていきたいと思います。

馬場(伸)委員 そういう御答弁だと最初から分かっていましたけれども、委員会は、委員長手当等もついていますし、委員長専用の車もあります。やはり、国会改革をやろうと思えば、総理がこの場ではっきりとしたことをおっしゃらなくても、幹事長や国対委員長という役職の方がいらっしゃいますから、しっかりと指示を出していただいて、国家基本政策委員会の改廃というものを一歩ずつ進めていく、それが大きな改革につながっていくというふうに我々は考えています。

 来週月曜日の我々のアクションに対して何の反応もないということになりますと、我が党の浅田参議院国家基本政策委員長、辞職をするという覚悟で、今回の身を切る改革というものについても臨んでいきたいということを申し上げておきたいと思います。

 今一つの例えを申し上げましたが、我々維新の会というのは、身を切る改革というものを一丁目一番地で行ってまいりました。繰り返し、国会のあらゆる場面で、我々が実際にやってきたこと、有言実行。いろいろな政党がいろいろなことを言います。でも、実際にはやりません。それが国民の政治に対する不信につながっていると思います。

 我々がやってきたことを簡単におさらいをさせていただきますと、日本維新の会国会議員団では、平成二十八年から、毎月の歳費を二割カット、そして、今日、我々国会議員、また公務員の皆さん方にボーナスが支給されますが、三割をカットするということで、カットした分については、一旦党でプールをして、それを、災害対策であるとか、いろいろなところに寄附をさせていただくということをやってまいりました。七年たって、身を切る改革のカット総額、六億四千万円に上っています。

 そして、寄附の実績といたしましては、ウクライナの人道支援、これは政府もやっていますけれども、我々は、ピックアップトラックという、向こうでいろいろな資材を運ぶために、困っているということを大使館の方からも聞きまして、ピックアップトラックを二十台、そして缶詰、これをワンコンテナ分、ウクライナの方に送らせていただきました。非常に感謝されているということを現場の方からも聞いています。

 また、原発の処理水放出に係る風評被害対策ということで、東北の四県と茨城県には五千万余りのお金を寄附させていただいたり……(発言する者あり)ちょっと静かにしてもらえますか。ピーチクパーチク、うるさい。

小野寺委員長 御静粛にお願いいたします。

馬場(伸)委員 そして、先日は、東北の農業品とか漁業品、魚を東京に持ってきていただいて……(発言する者あり)

小野寺委員長 御静粛にお願いいたします。

馬場(伸)委員 東北を応援しようじゃないか、東北支援キャンペーンということで、こういった東北の漁業品とか農業品を使ったお食事会というのもさせていただきました。

 また、東日本大震災復興支援ということで、国の方では大きな支援というのはやっています、確実に復興してきていると思います。ただ、なかなか、一国民の身の回りのことでまだまだ困っておられることがある。そういうことに是非役立てていただきたいということで、特に、県レベルでは結構行き届いてきているんですね、ただ、町村というところでは、全体の予算のパイが小さいですから、そこでちょっとした村民、町民のお役に立てるようなことをやりたいと、村長さん、町長さんが思ってもなかなかできない。そういうことで、そういったことに役立てていただきたいということで御支援も継続的にさせていただいています。

 そして、台湾の花蓮で大きな地震が発生したときにも、これは、日本が東日本大震災のときに何十億というお金を御支援いただいて、東北の病院の復興にお役に立てていただきました。御厚志をいただきました。その御恩返しという意味合いも含めて、台湾の地震復興支援にも寄附をさせていただいているということでございます。

 このごちゃごちゃ言っている人たちは、何にもやらない代わりに言うだけは言うという方々ですから、自分たちの身を切らない、これは国民の共感を得られないというふうに思いますので。

 また、大阪府や大阪市では身を切る改革というのをスタートさせまして、これはもう遡ること二〇一一年、統一地方選挙のときに、大阪府や大阪市の議員定数を削減するということで、元々百九人だった大阪府議会の定数を、今現在七十九人にやりました。全国の都道府県でこれだけ多くの議員定数を削減したというのは、多分大阪府しかないと思います。そして、報酬は三〇%カット。大阪市では、八十六人の議員定数が今七十人ということになっています。議員報酬も三五%カットということで。

 これはやじでありますけれども、そんなもの、金額でいえば大したことないねと言う方は多いんですね。でも、我々は、まず税金で暮らしをさせていただいている我々の身を切るということが、公務員の皆様方にも御理解をいただいて、そして行財政改革を徹底的に進めていく、こういうことを有言実行でやってきました。

 そして、生み出された財源で、教育の無償化、幼稚園、保育園の無償化、小中学校の給食費の無償化、私立高校の授業料の無償化とか、新しくできた大阪公立大学は、大阪で三年以上住んだ子供は、入学金そして授業料無償なんです。ですから、大阪へ来ていただくと全ての教育を無償にするということを、今、有言実行、やっています。

 そして、その財源は、増税をしたり府民の皆さん方に新たな負担をお願いしたり、そういうことを一切やっていません。身を切る改革から始まった行財政改革でこれを一歩ずつ一歩ずつ前進させているということを、是非総理にも御理解をいただきたいと思うんですね。

 一方、政府の方です。

 我々は、防衛三文書に対して、総理にも直接、我々の防衛三文書に対する考え方を昨年お届けをさせていただきました。防衛力を増強するということについては我々も賛成です。しかし、財源については、安直なやり方はやめてくださいねと私は直接総理に申し上げたと思うんですね。

 総理は、できるだけ行財政改革をやって、どこに要らない事業があるか、どこに余っている財源があるか、そういうものを霞が関で全て調査をさせて、それで防衛費にあてがっていきます、そういうお言葉をあのときいただいたと思うんですが、残念ながら、もう既に増税という言葉が出てきています。

 子供に対する支援、異次元の少子化対策ということをおっしゃっていますが、これも、財源の中身は何ですかということがこの国会でも随分議論になりました。最終的に目指しておられるのは、社会保険料の増額、要は、支援金という名の下で増額をしていくということなんですね。

 ですから、結局、新しい行政サービスをする、新しい政策課題に取り組んでいく、そのときに、簡単に増税をする、国民の皆さん方に負担をお願いする、そういうことがこの岸田内閣の支持率の低下につながっているのではないかなと、私たちはそういうふうに考えています。

 したがって、まだまだ取り組んでいかないといけない税や社会保障、働き方改革、規制緩和、こういうものをパッケージで改革する。これは、今まで自民党というのは、政権運営を長年やってきましたから、目の前の課題を解決していくということについては非常にお上手だと思います。ノウハウもあると思います。でも、構造的な抜本改革をやるということについて、やはり、まず身を切る改革をスタートさせなければならないと思いますが、総理のお考えはいかがでしょうか。

岸田内閣総理大臣 まず、御党が様々な形で歳出を制限し、そして身を切る改革を進めているという御説明をいただきました。こういった姿勢は大変重要な姿勢であると認識をしています。

 そして、こうした改革を行った結果、現実に、国民の教育において、福祉において、経済において、また様々な議論において、従来あるレベルをしっかり維持していくことが可能かどうか、こういった点も考え合わせてこうした改革を評価していくことが重要であると考えています。

 そして、政府においても、御指摘があった防衛力の抜本的強化ですが、これについても、非社会保障費において、四分の三は歳出改革によって財源を考えていく、そして、四分の一については、未来の世代に対する責任として、自らどう負担をするのか考えていただきたいということを申し上げているわけでありますが、それとて、所得税についても、今の家計に影響が出ない、さらには、法人税につきましても、九四%の法人は対象にならない、こうした経済への配慮も行いながら、こうした課題に取り組んでいるということであります。

 子供、子育て政策についても、歳出改革とそして賃上げによって、国民負担率が増えない、こうした範囲内でこの政策を進めていく、こういった説明をさせていただいています。

 もちろん、今後も、再三御指摘があります基金を始め、様々な歳出努力は続けていかなければならないと思います。

 いずれにせよ、こうした歳出改革、身を切る改革、これは大事なことでありますが、結果として、様々な政策において、国民生活あるいは経済においてプラスが大きくなっていく、しっかり国民が受益をする、こういった結果につなげていくべく政治を進めていくことが重要であると考えます。

馬場(伸)委員 それでは、前回の予算委員会でも総理にお聞きをいたしました、二〇一二年十一月十四日、これは、この場所において党首討論が行われた日であります。

 当時、民主党の野田総理、そして野党第一党でありました安倍総裁、このお二人が、国会議員の定数を大幅に削減しようと。私もあれは何度も動画を見ていますけれども、十や二十やないですよ、数十の国会議員の定数を削減しようということで合意をされて、そして、十六日の日に衆議院が解散されるという歴史的な出来事がございました。

 これは、国会議員の定数の大幅削減は、復興の増税をするということで、身を切る改革をやらなければならないでしょうというポイントでの議論だったと思いますが、そのときの約束というのはもうなくなってしまっているんでしょうか。

岸田内閣総理大臣 議員定数の削減の問題については、委員御指摘のように、党首討論でそうした与野党でやり取りがあった、こうした歴史があります。こうした思いは決して終わったものではないと思います。引き続き、こうした議員定数を始め、政治の在り方については議論を続けていかなければならない。

 そして、今日までも、その御指摘の党首討論から後、衆議院、参議院の定数についても議論が続けられてきました。十分ではないということでありますが、定数の削減も行われてきました。こうした取組はこれからも続けていかなければならないと認識をいたします。

馬場(伸)委員 是非、冒頭に申し上げたように、日本国のリーダーとして、細かい部分であっても、私は、微に入り細に入り、そういった指示をきちっと出していただきたいなというふうに思うんですね。国会任せというような状況では、改革、身を切る改革は特に、私も嫌ですし、皆さん方も決して心地よいものではありませんので、是非リーダーシップを発揮していただきたい。

 先ほどから、自民党の派閥のパーティーの話もあります。いろいろと調査をやっているとか、対策を考えているとか、いろいろなことをおっしゃっていますが、そんじょそこらの小さな対策では、私は、国民の皆さん方は納得されないと思います。派閥のパーティーを当分自粛するとか、忘年会、新年会も自粛してもらうとか、今になって総理が派閥を抜けるとか、そういったことは国民の胸には全然響いていません。

 ですから、こういったことを払拭するためにも、私は、維新の会が従前から訴えてきています企業・団体献金の廃止とか、これも、政党助成金の制度が導入されるときに、企業・団体献金の廃止をするという前提でこの政党助成金制度というのが導入されていますから、そのままずるずるずるずると、二十年、三十年近くこれをやってきているわけですから、そういったことも総理のリーダーシップを発揮していただきたい。

 また、派閥というものがあるから、維新の会というのは派閥はありません、全員が馬場派ということなんですけれども、この派閥というものがあるからこそ発生している問題。ですから、総理がやはり改革をするという意思を示すためには、私は、総裁というお立場で、派閥をもう解消する、解散する、派閥を結成するということは今後禁止するというぐらいの意気込みが要ると思いますが、総理、どう思われますか。

岸田内閣総理大臣 我が党の取組について御指摘がありましたが、十二月の六日、私が党の幹部を招集して、改めて、今の政治と金の問題、これは党として強い危機感を持って臨まなければいけない、こうした重大な課題であるということを確認した上で、一丸となって対応を行っていく、こうしたことを指示したわけであります。

 御指摘の点については、これは第一歩として申し上げたわけでありますが、これから、こうした今問題となっている点につきましても、実態が明らかになり、その原因や課題が明らかになることに対応して、党としても思い切った対策を考えていかなければならない。政治の信頼回復のために、あるいは再発防止のために、具体的な対応を考えていかなければならないと思います。

 今、この問題について捜査等が行われていると承知をしておりますが、それによって実態が明らかになる、これに対して責任を持って党としても対応を考えてまいります。

馬場(伸)委員 思い切った対策をされるということですから、その方向性について、またその具体的なやり方について、是非国民と一緒に見守らせていただきたいと思います。

 そして、この派閥のパーティーのお金以上に国民の皆さん方が怒っておられるのは、私の元にも多くの声が届いているのは、いわゆる旧文通費の問題です。

 この文通費の問題というのは、おさらいをさせていただきますと、二年前に、我が党の一回生議員が、当選して一日で一か月分の、百万円の文通費をいただいたということから、かねてからいろいろな問題が指摘をされていましたが、世論が、この文通費、おかしいんじゃないかということの議論に火がついたわけであります。

 このときに、私たちが、これは非常に大きな問題であるということで、具体的に三つの改善点を皆様方と議論をさせていただきました。

 一点目は、日割りの支給。一日で一か月分の文通費をいただくというのは非常におかしいんじゃないですかということが一点。

 そして二点目は、使途を公開すべきではないですか。派閥のパーティーというのは、皆さんが一生懸命企業や個人にお願いをして、いただいているお金です。文通費というのは全額税金です。ですから、この税金の使い道を公開するというのは当たり前の話だと思います。

 そして三つ目、余った分は国庫に返納しましょう。今、岸田総理は、基金の問題も、百八十余りの基金を全部チェックをして、もう使わないやつは国庫に返すとか、きちっと整理をせよということをおっしゃっていただいています。私は、それと同じポイントで、余ったお金は国庫に返すべきだと思います。

 そして、各党の議論の中で、去年、この日割り支給というものが合意をされまして、法案が成立しました。ただ、残念ながら、使途の公開や国庫に返納するということは、いまだ議論もされていません。

 実は、議論進展せずと書いてありますが、これは皆さん方の御指摘で書き直したわけでありまして、元々は、放置と書いてありました。これは、実際は放置されているんです。我々があらゆる場で旧文通費の改革をやりましょうと言っても、全くどの政党も、そうですねと言いながら、前に進めようとはしません。

 ですから、こういったことも、非常に、原資が税金であるということに対して国民の皆様方の怒りが沸き上がっていますから、消えていませんから、これは、放置しておけばずっと、喉元過ぎれば何とやらで消えていくのではないかというふうに思っておられる方もいらっしゃるのかも分かりませんが、これは絶対に消えませんから。こういったことも、総裁として幹事長や国対委員長に強い指示を出していただきたいと思います。

 そして、会期末が近づいてきました。会期末になれば、大体の例として内閣不信任案が出てきます。今回、やるかやらないか、野党第一党が非常に悩んでおられるという報道がなされておりますが、我々は、この文通費の改革を必ずやると岸田総理がここでお約束いただきましたら、内閣不信任案には反対をします。お約束いただけますか。

岸田内閣総理大臣 国民の税金の使い方、歳出改革の重要性については、先ほど申し上げたとおりであります。

 そして、行政の立場から、先ほど説明させていただいたように、様々な歳出改革、基金の見直しなど、これからも努力を続けていかなければならない重要な課題である、行政として取り組んでいる、こういった説明をさせていただきました。

 そして、委員御指摘の課題は、立法府におけるお金の使い方であります。

 冒頭から委員がまさに御指摘になられたように、行政府と立法府、緊張感を持った上でそれぞれ責任を果たしていかなければならないと思います。立法府の長として、こうした課題の重要性、これは十分認識をいたします、行政府の長としても、この問題の重要性に十分理解をいたします。

 その上で、立法府の議論については、御指摘のように、今日まで様々な議論が積み重ねられてきました。行政府の長としては、是非、自民党としても、こうした議論に引き続き貢献をしてまいるということを申し上げたいと思います。

馬場(伸)委員 先ほどから、私がこういう質問をさせていただいておりますと、小さいな、小さいなとやじられています。小さな改革ができないのに、どうして大きな改革ができるんでしょうか。大きな改革をやるというのであれば、小さな改革からまず取り組まなければならないんじゃないでしょうか。国民は、そういう目で今政治を見ています。それを是非申し上げておきたいと思います。

 今、岸田総理も非常に苦しいお立場、しんどい思いをされておられると思います。この難局を打破するためには、私は改革というものにチャレンジをする必要があるというふうに思っていますが、今日申し上げてまいりましたような国会や行政改革、約束したんですから、定数の削減、報酬のカット、小さなことかも分かりませんが、文通費の改革。小さくありませんよ、財源、税金ですから。皆さんが汗を流して働いて納めた税金を我々はいただいているんですから、そういうことを小さいと言う政治家は辞めてください、もう。

 そして、税と社会保障、働き方改革、規制緩和、こういった制度改革も、岸田総理が取り組もうとされておられることは我々もよく認識をしています。そして、今、岸田総理が盛んに力を込めておっしゃっておられる憲法改正の問題、こういった問題も、改革というよこ糸を貫き通していかなければできないというふうに我々は考えています。

 ですから、総理が、こういった憲法改正を始めとする制度改革、そして国会、行財政改革、こういうものを真剣にやっていくということであれば、我々維新の会も協力をしてこの改革を一歩ずつ前に進めていくということは、一緒にやらせていただくということはお誓いを申し上げたいと思います。

 そこで、私は、もう今、この政治、非常に難局に迷い込んでしまっていると思いますから、こういった改革をやることに賛成か反対かということを国民に信を問う、すなわち解散をして、これからの新しい日本の形をつくっていくために、国民の皆様方、どうですか、御協力いただけますか、改革を推進していただけますか、そういう解散をやるべきだと思いますが、総理のお考えはいかがでしょうか。

小野寺委員長 内閣総理大臣岸田文雄君、予定の時間が迫っておりますので、簡潔にお願いいたします。

岸田内閣総理大臣 はい。

 今の国民の皆さんの、政治に対して、また自民党に対しての厳しい目を考えますときに、委員御指摘のように、政治において様々な分野で思い切った改革に取り組む、そういった勇気を持つことは重要であると考えます。是非、そうした勇気を持ってこうした改革に臨む、その先頭に立っていきたいと思っております。

 その上で、解散について御指摘がありました。この具体的な方策については、この場で申し上げることは控えます。

馬場(伸)委員 終わります。

小野寺委員長 これにて馬場君の質疑は終了いたしました。

 次に、田中健君。

田中(健)委員 国民民主党の田中健です。よろしくお願いいたします。

 まず、障害児福祉について伺いたいと思います。

 障害のある子供の車椅子などの補装具の購入補助制度について、今ある所得制限を撤廃するという方針を仄聞しておりますが、事実でしょうか。内容を伺います。

岸田内閣総理大臣 御指摘の障害児支援につきましては、こども未来戦略方針において、強化充実を図ることとしております。その中で、補装具については、経済的な負担の大きさから、子供の成長に応じて頻繁に買い換えられない、こうした課題があると認識をしております。

 このため、補装具については、日常生活と成長に欠かせないものである、障害のある子供さんにとって欠かせないものであるということを踏まえて、全ての子供が成長に合った補装具を使えるよう、障害児への支援基盤の拡大と併せて、年末までに具体化いたします。

田中(健)委員 ありがとうございます。

 これは国民民主党を挙げてこれまで訴えてきましたので、大きな一歩だと思っております。今後も、障害児福祉全般に関しても所得制限の撤廃に進めていただければと思っています。

 そして、政治と金の問題です。

 パーティー券や裏金の疑惑が議論されています。また政治と金の問題かというふうに、国民全体が、全ての政治家がお金に汚いんじゃないか、信用できない、そんな雰囲気が広がっています。

 是非説明責任を果たしていただきたいと思いますが、その中で、こちらも疑いを持たれないようにしてもらいたいというのが、ガソリンへの補助金との関係であります。

 ガソリンへの補助金は、今、石油元売に補助が出ています。元売は石油業界です。石油業界がパーティー券を買っているのか、配付資料を出させていただきました。

 これは全国石油政治連盟の、個人のパーティー券購入の令和四年分の一覧です。六十四件、六百四十六万円となっています。

 税金が補助金として業界に渡り、また、その一部がパーティー券に変わり、パーティー券の収入が自民党に還元していると疑われても仕方ないんじゃないでしょうか。総理、いかがでしょうか。

岸田内閣総理大臣 燃料油の激変緩和措置が業界に回っているのではないかという御指摘でありますが、今行っている激変緩和措置、これはもちろん、ガソリン等の小売価格の急騰を抑制する目的で行っているものであります。決して業界を支援するものではないということはしっかり確認した上で、それをしっかりと示すためにも、制度設計に工夫をしています。

 ですから、石油の元売事業者から補助金の支払い請求があった場合に、補助金支給の単価相当額の全てが卸価格に反映された、これが確認できた場合にのみ補助金を支払う、こういった事後精算の仕組みとしている。さらには、全数調査、個別訪問などを通じて、適切に反映されているかどうか、これを確認しながら取り組んでいる。こういった制度をつくることによって、御指摘のような疑いにつながらないように、業界にお金が行っているなどということが言われないように、適切に運用してまいります。

 引き続き、消費者の負担軽減、これにしっかりとつながるよう、全て使われるよう、しっかりと執行に取り組んでいきたいと考えます。

田中(健)委員 これは日本の石油政治連盟で、地方を調べてみますと、支部も、議員のパーティー券や寄附、たくさん今確認できています。また、自民党の政治団体である国民政治協会にも、昨年だけで五千万の寄附がありました。

 法的には問題ないということでありますけれども、今、このような問題が起きている中で、やはり疑惑を持たれないように是非してもらいたいと思うんですが、その中で、補助金しかこの今の制度が使えないのであればそれは仕方ないかもしれませんが、トリガー条項があることを忘れないでください。減税して直接消費者の価格を下げることで、そのような不安も不満も、ないしはそういった疑惑も取り除くことができます。

 ですから、疑惑を持たれないためにも、今回の政治と金の問題や、厳しい対応を、総理が先頭に立って対応するという決意も込めて、是非、トリガー条項で補助金から減税へと、そういう流れをつくってほしいと思うんですが、総理、いかがですか。

岸田内閣総理大臣 もちろん、政治と金の問題については、私自身が先頭に立って取り組んでいかなければならないと強く感じています。

 その中で、トリガー条項の凍結解除についてですが、これについては、昨年春、御党と与党との間で議論を行いました。ただ、その際には、直ちに解決する方法が見出せないということで、制度の見直しも含めて、引き続き検討するということになったと承知をしています。

 そして、今、経済対策が議論され、補正予算が成立したわけでありますが、その中で、来年四月まで、先ほど申し上げたような激変緩和措置、これを続けることといたしました。

 しかし、その先にどういった対応が求められるのか、この議論が重要だと認識をし、御党と、そして与党の政策責任者の間で議論を行おうということを確認いたしました。脱炭素への取組ですとか国際的なエネルギー情勢ですとか様々な観点から、来年の四月の先にどういった対策を用意するのか、真剣に議論していきたいと思います。

 もう既に、十一月三十日には三党の政調会長で協議が行われたと承知をしています。今後、具体的な議論が行われていきます。是非、その協議を踏まえつつ、適切に対応したいと考えます。

田中(健)委員 検討と課題の洗い出しということですが、もう検討をずっとしてきましたし、課題も分かっていますから、あと、やるかやらないかを総理が決断すればいいと思っています。総理がやれと言って年内中にめどをつければ、四月からもうその流れで大きく動くと思いますので、今言った補助金から、しっかりと減税という流れを総理自身がつくっていただきたいということを改めて要望したいと思います。

 最後に、個人情報の流出についても伺います。

 十一月に、LINEで再び大規模な個人情報流出が発生しました。報道では、韓国のネイバー社がLINEの重要情報を持っていたことが原因だったということです。二年前にも個人情報保護の問題がありまして、政府を挙げて調査をしまして、LINEの社内システムの安全性の不備を指摘したばかりであります。しかし、この指導はほごにされました。

 政府は、この現状をどこまで把握して、どういう対応を取って私たち国民の情報を守っていくのか、伺います。

岸田内閣総理大臣 十一月の二十七日の日ですが、LINEヤフー社から公表されたとおり、同社において、第三者による不正アクセスにより個人情報等の漏えいが発生したと承知をしています。

 一昨年には旧LINE社に対して、また本年八月には旧ヤフー社に対して、それぞれ利用者情報の不適切な取扱い事案があったということで、関係省庁から行政指導が行われたところです。国民生活の重要なインフラとなっている通信サービスにおいて再度こうした事案が発生したこと、これは大変遺憾なことであると認識をいたします。

 そして、総務省を中心に、現在、LINEヤフー社に対して、適切な利用者周知、原因究明等を求めているところです。今後、同社からの詳細な報告を踏まえて、二度とこのようなことが起こらないように、再発防止の徹底を求めてまいりたいと考えております。

田中(健)委員 是非、国が先導して取り組んでいただきたいと思います。

 今、政府のガバメントクラウドもありまして、情報管理というのが物すごく国民の注目が集まっています。是非お願いをして、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

小野寺委員長 これにて田中君の質疑は終了いたしました。

 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 まず最初に、統一協会と岸田総理の関係についてお尋ねをいたします。

 朝日新聞の報道で、二〇一九年十月四日、自民党本部でギングリッチ元米下院議長が岸田政調会長と面会した際に、統一協会の関係団体である天宙平和連合、UPFジャパン会長の梶栗正義氏も岸田政調会長と面会したことが報道されております。ギングリッチ氏側から提供されたという写真がこれであります。岸田政調会長は、安倍総理の代わりに面会したとも報道されております。

 パネルの下の方が、翌日の十月の五日、四日に続いて五日の日に、愛知県でこのUPFのジャパン・サミットが開かれております。韓鶴子統一協会総裁が出席をし、ギングリッチ氏が挨拶をし、細田博之議員が基調講演で、今日の会議の内容を安倍総理に早速報告したいと述べたのがこの場であります。このときに、ギングリッチ氏、梶栗氏、細田氏がそろった写真がこれであります。細田氏は、この統一協会系の集会でギングリッチ氏と会ったことを認めております。

 次のパネルですけれども、同日、ジャパン・サミットの日米議員の集まりがありました。上の写真は日本側、下の写真はアメリカ側のメンバーの写真であります。上の写真には韓鶴子総裁、梶栗氏、山際議員らがそろって記念写真をしておりますし、下の写真のアメリカ側のメンバーでも、韓鶴子総裁、梶栗氏、ギングリッチ氏らがそろって記念写真を撮っております。山際大臣は、当時、ギングリッチ氏と意見交換するため愛知県を訪問した際に撮影したものと述べておりました。統一協会系の会合でギングリッチ氏と会ったことを認めております。

 さらには、この次の日、十月の六日にも統一協会系の集会、統一協会信者四万人大会というのが行われており、そこにも自民党の議員らが出席、挨拶をしております。

 総理、これらの行事は、四日、五日、六日と、統一協会をアピールする一連のイベントとなっているわけです。ギングリッチ氏は、天宙平和連合の平和大使となっております。いわば、統一協会の広告塔となっている。岸田政調会長との面会の手配は統一協会系団体が行ったとの報道があるが、うなずけるところであります。

 総理にお尋ねをいたします。

 岸田政調会長とギングリッチ氏の面会も、このような統一協会をアピールするイベントの一つだったということではありませんか。

岸田内閣総理大臣 御指摘のように、面会があったということでありますが、この面会については、四年前、私が自民党政調会長時代に、元米国下院議長であるギングリッチ氏から、元日本の外務大臣に対して、会いたい、面会したい、こういった要望を受けて面会を行ったものであると認識をしております。そして、その当日、同行者がどなたであったかということについては、私は一切承知をしておりません。

 そして、この面会に至るまでの経緯についてお話がありましたが、これについても、自民党党本部の関係者を始め、様々な関係者に確認をし、そして党における記録等も確認いたしましたが、この経緯については、どなたがこうした面会をセットしたか等、これを示すものは何もありません。

 あくまでも、私としては、元米国下院議長と面会をしたと認識をしておりますし、少なくとも、旧統一教会の関係者がこの面会に同席していたとしても、私自身、全く承知をしておりませんし、ましてや、私が統一教会と何か関係があったという御指摘は当たらないと考えています。

塩川委員 統一協会は、こういった日本の政治家やアメリカの政治家を使って、それを、自ら大きくPRをする、そういう宣伝材料として使ってきた、そのことが問われているんじゃないでしょうか。

 ですから、この自民党の政調会長として統一協会関係者と面会をした、まさに一連のイベント、パッケージとなっている、そういったイベントでギングリッチ氏と会ったということが、結果として統一協会をアピールする広告塔となっていた、こういうこと、自覚はありませんか。

岸田内閣総理大臣 今申し上げたように、元米国下院議長と面会をいたしました。その同行者については承知をしておりません。私の認識は、今申し上げたとおりであります。こうした統一教会との関係を指摘されることは当たらないと考えております。

塩川委員 まさに、一連の行事の中で、統一協会をアピールする、宣伝する場となっているんですよ。だから、五日、六日はどうだったのか、こういうことも含めて、事実関係を明らかにするということが国民に対する責任じゃありませんか。そういったことについてしっかりと調査を行うべきではありませんか。

岸田内閣総理大臣 先ほども申し上げましたが、こうした事実確認は、私自身、確認をいたしました。その結果として、私の認識とたがう事実あるいは認識は確認できていないということを申し上げています。確認した上で、私の認識を説明させていただいております。

塩川委員 こういう面会をしたことが統一協会をアピールする広告塔となってしまったんじゃないのか、そういう認識、自覚があるのかということが問われているんですよ。

 統一協会関係者との面会を承知していないとか、また、再調査しない、こういう態度を続ければ、統一協会との関係……(岸田内閣総理大臣「調査しました」と呼ぶ)この一連の行事について調べていないじゃないですか。そういったことについても調べていないという態度であれば、統一協会との関係を絶てていないんじゃないか、こういった国民の不信が持たれるのは当然のことではないでしょうか。

 事実関係をしっかりと調べる、公表する、このことを約束してもらえませんか。

岸田内閣総理大臣 先ほど説明させていただきましたように、事実関係を確認した上で説明をさせていただいております。

 いずれにせよ、過去においても、そして未来に向けても、私自身、統一教会との関係を持ったということはありません。

 このことをしっかり確認した上で、党としても、各議員に対して、過去の様々な経緯は説明した上で、未来に向けて、旧統一教会との関係をしっかりと絶つ、これを徹底する、これを党総裁としても指示をしているところであります。

 こうした方針に従って、自民党として、統一教会の関係、将来に向けて、生じることがないよう、徹底をしてまいります。

塩川委員 一連のイベントについて全く説明していない、こういう態度では国民の信頼を得られないということを申し上げ、安倍元総理と統一協会との深い関わりも改めて明らかになった、この点についての徹底解明を行うことを求めるものであります。

 次に、派閥パーティー裏金疑惑についてお尋ねをいたします。

 自民党派閥のパーティー収入についての公開比率をパネルに示しました。実際に公開されている割合が一割、二割で、八割、九割が公開をされない、いわば闇の中となっている。こういったパーティーの不透明さというのが、このような裏金疑惑が生じる、その背景にあるのではないのか、このことが問われているわけであります。

 岸田総理は国民の信頼回復と言いますけれども、信頼回復と言うのであれば、裏金疑惑の徹底解明が前提となります。

 松野官房長官にお尋ねをいたします。

 しんぶん赤旗日曜版の報道によると、安倍派の関係者の話として、今年五月十六日の安倍派の政治資金パーティー開催前に行われた派閥の例会で、今年の派閥のパーティーについては、販売ノルマを超過した分のマージンを今年は戻さないという旨の通達を所属議員に出したということであります。つまり、昨年までは、ノルマ超過分のパーティー券代はキックバックをされ、裏金になっていたということではないのか、そのことを示す通達となっているんじゃないのか。この点についてはっきりとお答えいただきたい。

松野国務大臣 お答えをさせていただきます。

 政府の立場として、個々の政治団体に対するお答えは差し控えるべきであると認識していますが、私の所属する清和政策研究会においては、これから事実関係を精査するとコメントしていると承知をしており、今後、事実を確認の上、適切に対応するものと認識をしています。

塩川委員 事務所にこういう通達が来ているのか、実際に会合でもらったかどうか、松野官房長官自身、確認できるんじゃありませんか。その確認はいかがですか。

松野国務大臣 委員御指摘の件に関することにつきましては、派閥における事実確認の状況等に関しましては、私は派閥を代表する立場にないため、お答えすることは差し控えさせていただきます。

塩川委員 答えないということが、国民の疑念、不信を拡大するだけであります。

 昨年、赤旗が報道をし、それを受けた告発をきっかけに検察が動き始めた、だから今年は注意しようという話だったんじゃないのか。キックバックの慣習について、あったことはあったと思うという塩谷座長の発言とも符合するものであります。こういった重大疑惑について、徹底解明を求めるものであります。

 政党助成金についても、多くの党が受けている。こういった企業・団体献金と政党助成金、政治資金パーティーそのものが、政党助成金が、実質、企業・団体献金そのものだ、企業・団体献金と政党助成金の二重取りは許されない、このことを強く求め、我が党として、パーティー券を含めた企業・団体献金の全面禁止法案を提出をいたしました。政党助成金廃止とともに、実現のために全力を尽くすものであります。

 最後に、委員長。

小野寺委員長 時間が来ております。

塩川委員 松野氏、西村氏、高木氏を始め、自民党主要派閥の事務総長経験者の当委員会への証人喚問を求めたいと思います。

小野寺委員長 理事会で協議いたします。

塩川委員 終わります。

小野寺委員長 これにて塩川君の質疑は終了いたしました。

 次に、緒方林太郎君。

緒方委員 よろしくお願いします。

 岸田総理、よろしくお願いいたします。

 自民党派閥パーティー券の問題と私が先般の質疑で指摘した政策活動費の問題というのは、結構似ているんですね。それは、非課税の政治資金が個人に渡った瞬間、雑所得となり、所得税の対象となり得るということであります。同時に、それらの資金は、個人の所得として一切捕捉ができなくなります。

 その上で、政党から政党幹部個人に渡った資金に限っては、政治活動費として一定の条件を満たせば必要経費として控除をされるわけでありますが、これはむしろ例外的な措置と見るべきだと思っています。政党助成金が原資となっている可能性が高いことも踏まえれば、なおさらです。

 財務大臣にお伺いしたいと思います。

 国民の理解を得るためにも、この控除については極めて高い透明性と説明責任が必要だというふうに考えますが、大臣の答弁を求めたいと思います。鈴木大臣。

鈴木(俊)国務大臣 政治活動費について高い説明責任が求められるという、そういう御指摘でありました。

 政策活動費に関して、所得税法上、収入額から控除できるものは必要経費に限られるわけでありまして、すなわち、政治活動のために支出した経費に限定をされるもの、そのように承知をしております。

 前の委員会でも質問がございましたけれども、私に党から支給されました政策活動費につきましても、全て政治活動に必要な経費として充てたところでございます。しかし、高い説明責任が求められるということでありますので、税務当局から求められた場合には、当然その旨をしっかりと説明していくつもりでございます。

 また、税務当局だけでなく、国民に対しても説明責任を果たすべきだというようなことも含めた御質問であると思いますが、政治資金収支報告書で公開すべき事柄については法令で定められているものと承知をしております。そのルールを見直すことにつきましては、議員活動の在り方に関わる事柄であることから、各党各会派の間において議論をいただくべき事柄であると考えております。

 もちろん、全議員共通のルールとして見直しが行われた場合には、当然私自身もそのルールに従って対応したいと思います。

緒方委員 もう一回聞きます。

 高い透明性と説明責任が求められると思いますが、大臣、簡潔にお答えください。大臣。

鈴木(俊)国務大臣 もちろん、それは求められるんだと思います。

緒方委員 昨年の収支報告で、私が質疑した後、十一月二十四日に昨年の収支報告が出ました。自由民主党幹事長、十億弱。立憲民主党は、代表と前幹事長に五千万円ずつ。日本維新の会は、幹事長に五千万円強。国民民主党は、幹事長に六千六百万円。恐らく所得税を払っている方はいないと思います。その一方で、説明責任を果たしている方もいないと思います。

 過去にこの受領があった岸田文雄氏と鈴木俊一氏に御提案をいたしたいと思います。

 前回質疑の際、具体的な説明がございませんでした。あの程度の説明しかできないのであれば、御自身が受け取った政策活動費について所得税を払ってはいかがかと思いますが、岸田総理、答弁いただきたいと思います。

岸田内閣総理大臣 自民党におけるいわゆる政策活動費ですが、党に代わって政策立案ですとか調査研究、そして党勢拡大を行うために、党役職者の職責に応じて支出しているものであります。これは、私に支給された政策活動費についても、このような目的に沿って、全て必要な経費に充てているところです。

 そして、公開、透明性を高めるということでありますが、政治資金収支報告書で公開すべき事柄については政治資金規正法で定められているところであり、政治家個人については、政治団体とは異なり、収支報告の対象にはなっておりません。

 そして、透明性を高めるということでありますが、これは、個人についても、税務当局から求められた場合には当然その旨説明していく、こういったことであると思っております。

緒方委員 私、時間がありませんので、最後に一つ、統一教会の財産保全について法務大臣にお伺いしたいと思います。

 私は、信託の仕組みを使った差押え逃れがあり得るんじゃないかと実は思っています。こう言うと、いつも政府からは、債権者を害することを知って信託をした場合にはその信託を取り消せるという詐害行為取消権を持ち出してくるんですけれども、現在訴訟にもなっていない債権を理由に取り消せるかというのは、私、微妙じゃないかと思うんですね。

 本当に信託の仕組みが財産隠匿のツールに使われる可能性はないのか、大臣の答弁を求めたいと思います。

小野寺委員長 法務大臣小泉龍司君、約束の時間が過ぎておりますので、端的にお願いいたします。

小泉国務大臣 先生御指摘の点は、個々の訴訟の内容によって変わってくるとは思います。

 しかし、信託の仕組みの中には、その濫用、今おっしゃった濫用を防ぐ、そういう措置も織り込まれておりますので、これをしっかりと我々は意識をして、認識をして取り組みたいというふうに思っております。

緒方委員 終わります。

小野寺委員長 これにて緒方君の質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして本日の集中審議は終了いたしました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時二十分散会


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