衆議院

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第1号 令和6年1月29日(月曜日)

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本国会召集日(令和六年一月二十六日)(金曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 小野寺五典君

   理事 上野賢一郎君 理事 加藤 勝信君

   理事 島尻安伊子君 理事 橋本  岳君

   理事 牧島かれん君 理事 逢坂 誠二君

   理事 後藤 祐一君 理事 漆間 譲司君

   理事 佐藤 英道君

      井出 庸生君    伊東 良孝君

      伊藤 達也君    石破  茂君

      今村 雅弘君    岩屋  毅君

      衛藤征士郎君    越智 隆雄君

      奥野 信亮君    金田 勝年君

      亀岡 偉民君    後藤 茂之君

      田中 和徳君    平  将明君

      塚田 一郎君    平沢 勝栄君

      古屋 圭司君    牧原 秀樹君

      宮路 拓馬君    山本 有二君

      若林 健太君    渡辺 博道君

      大西 健介君    源馬謙太郎君

      近藤 和也君    西村智奈美君

      藤岡 隆雄君    本庄 知史君

      森山 浩行君    吉田はるみ君

      渡辺  創君    奥下 剛光君

      林  佑美君    守島  正君

      赤羽 一嘉君    金城 泰邦君

      角田 秀穂君    宮本  徹君

      田中  健君    緒方林太郎君

令和六年一月二十九日(月曜日)

    午前八時五十九分開議

 出席委員

   委員長 小野寺五典君

   理事 上野賢一郎君 理事 加藤 勝信君

   理事 島尻安伊子君 理事 橋本  岳君

   理事 牧島かれん君 理事 奥野総一郎君

   理事 山井 和則君 理事 漆間 譲司君

   理事 佐藤 英道君

      井出 庸生君    伊東 良孝君

      伊藤 達也君    石破  茂君

      今村 雅弘君    岩屋  毅君

      小田原 潔君    越智 隆雄君

      奥野 信亮君    金田 勝年君

      亀岡 偉民君    後藤 茂之君

      田中 和徳君    塚田 一郎君

      中谷 真一君    中山 展宏君

      丹羽 秀樹君    平沢 勝栄君

      藤丸  敏君    古屋 圭司君

      牧原 秀樹君    宮路 拓馬君

      若林 健太君    渡辺 博道君

      荒井  優君    井坂 信彦君

      石川 香織君    梅谷  守君

      大西 健介君    小山 展弘君

      階   猛君    鈴木 庸介君

      堤 かなめ君    山岸 一生君

      米山 隆一君    早稲田ゆき君

      奥下 剛光君    中嶋 秀樹君

      林  佑美君    藤田 文武君

      守島  正君    赤羽 一嘉君

      角田 秀穂君    中川 康洋君

      塩川 鉄也君    宮本  徹君

      田中  健君    古川 元久君

      緒方林太郎君

    …………………………………

   内閣総理大臣       岸田 文雄君

   総務大臣         松本 剛明君

   法務大臣         小泉 龍司君

   財務大臣         鈴木 俊一君

   財務副大臣        赤澤 亮正君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           笠置 隆範君

   政府参考人

   (国税庁次長)      星屋 和彦君

   予算委員会専門員     齋藤 育子君

    ―――――――――――――

委員の異動

一月二十六日

 辞任         補欠選任

  逢坂 誠二君     山井 和則君

  源馬謙太郎君     早稲田ゆき君

  後藤 祐一君     奥野総一郎君

  近藤 和也君     井坂 信彦君

  西村智奈美君     階   猛君

  藤岡 隆雄君     梅谷  守君

  本庄 知史君     米山 隆一君

  森山 浩行君     小山 展弘君

  吉田はるみ君     石川 香織君

  渡辺  創君     山岸 一生君

同月二十九日

 辞任         補欠選任

  衛藤征士郎君     小田原 潔君

  亀岡 偉民君     中山 展宏君

  平  将明君     中谷 真一君

  宮路 拓馬君     丹羽 秀樹君

  山本 有二君     藤丸  敏君

  山岸 一生君     荒井  優君

  奥下 剛光君     藤田 文武君

  林  佑美君     中嶋 秀樹君

  金城 泰邦君     中川 康洋君

  宮本  徹君     塩川 鉄也君

  田中  健君     古川 元久君

同日

 辞任         補欠選任

  小田原 潔君     衛藤征士郎君

  中谷 真一君     平  将明君

  中山 展宏君     亀岡 偉民君

  丹羽 秀樹君     宮路 拓馬君

  藤丸  敏君     山本 有二君

  荒井  優君     鈴木 庸介君

  中嶋 秀樹君     林  佑美君

  藤田 文武君     奥下 剛光君

  中川 康洋君     金城 泰邦君

  塩川 鉄也君     宮本  徹君

  古川 元久君     田中  健君

同日

 辞任         補欠選任

  鈴木 庸介君     堤 かなめ君

同日

 辞任         補欠選任

  堤 かなめ君     山岸 一生君

同日

 理事逢坂誠二君及び後藤祐一君同月二十六日委員辞任につき、その補欠として山井和則君及び奥野総一郎君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

一月二十六日

 令和六年度一般会計予算

 令和六年度特別会計予算

 令和六年度政府関係機関予算

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の補欠選任

 国政調査承認要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 予算の実施状況に関する件(政治資金問題等)


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     ――――◇―――――

小野寺委員長 これより会議を開きます。

 理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 委員の異動に伴い、現在理事が二名欠員となっております。この際、その補欠選任を行いたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小野寺委員長 御異議なしと認めます。

 それでは、理事に

      奥野総一郎君 及び 山井 和則君

を指名いたします。

     ――――◇―――――

小野寺委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 予算の実施状況に関する事項について、議長に対し、国政調査の承認を求めることとし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小野寺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

小野寺委員長 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として総務省自治行政局選挙部長笠置隆範君、国税庁次長星屋和彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小野寺委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

小野寺委員長 本日は、政治資金問題等についての集中審議を行います。

 この際、岸田内閣総理大臣から発言を求められておりますので、これを許します。内閣総理大臣岸田文雄君。

岸田内閣総理大臣 自民党の政策集団の政治資金をめぐる一連の問題で国民の皆様方の信頼を損ねる大変深刻な事態を招いていることについて、まずもって、自由民主党総裁として、心よりおわびを申し上げます。

 また、この問題に関連して、昨年、臨時国会閉会後の十二月十四日、閣僚四名、副大臣五名、大臣政務官一名等から職を辞したいとの申出があり、年末の極めて重要な時期に国政に遅滞を生じることがないよう、これを承認し、直ちに後任の閣僚等を任命したところです。こうした事態を招いたことについても、私自身、任命責任者としての責任を重く受け止めております。

 こうした事態に対して、自民党として、国民の皆様方の信頼を取り戻すために、政治は国民のものと宣言した立党の原点に立ち戻って、自民党は変わらなければならない、そうした強い決意と覚悟を持って、私自身を本部長とする党総裁直属の政治刷新本部を立ち上げ、党を挙げた集中的な議論を経て、先般、信頼回復の第一歩として、中間取りまとめを行ったところです。

 この中間取りまとめにおいては、政治資金の透明性やコンプライアンスの徹底など運用面での改革を先行して進めつつ、制度面での改革については、各党各会派との真摯な協議を経て、政治資金規正法改正など必要な法整備を進めていくこととしております。私自身が先頭に立って、これらの取組を必ず実行してまいります。

 そして、政治改革に終わりはありません。今後も引き続き政治刷新本部において徹底的な議論を続け、政治に対する国民の皆様方の信頼回復に向けて不断の改革に取り組んでまいります。

小野寺委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。丹羽秀樹君。

丹羽委員 自由民主党の丹羽秀樹であります。

 質疑に先立ちまして、元旦に発生いたしました能登半島地震により亡くなられた方々に心からお悔やみを申し上げますとともに、被災された全ての方々にお見舞いを申し上げます。

 今も多くの方々が避難生活を余儀なくされているこの時期に、国会が政治と金の問題から審議を始めなければならない事態を招いたことは恥ずべきことであり、ざんきの念に堪えないと思っております。

 私が会長を務めております自民党愛知県連においても、かつての所属議員が逮捕、起訴され、有権者に対する説明責任もなされておりません。国会議員としてあるまじき行為であり、国民、有権者の皆様方に改めておわび申し上げますとともに、愛知県連としても信頼回復に向けて全力で取り組んでいくという所存であります。

 そこで、先ほど総理のお話がございました、自民党における政治刷新本部の中間取りまとめが出ました。私は、この内容について、一読いたしましたが、全体としてはまだ踏み込み不足であり、信頼回復には遠い内容であると考えております。

 今回の多くの国民の皆様方が疑念を持たれている点は、会計責任者や秘書の方々だけ処分されて、政治家が逃げているという疑念を多くの国民が持っていると思います。政治の側が責任をどうするのか、今後どのようにすべきなのか、政治家の連座制も含めて、総理の答弁を求めたいと思います。

岸田内閣総理大臣 政治資金が政治資金規正法にのっとって取り扱われること、これは当然のことであり、違反した場合には厳正な対応が行われるべきとの問題意識、これは私も共有いたします。

 そして、先ほども申し上げました党の中間取りまとめの中にも、政治資金規正法の制度面の改革については、より厳格な責任体制の確立、厳格化、これを含めて、各党との真摯な協議を行っていく方針、これを明記いたしました。

 そして、厳正な責任体制の確立という議論の中で、御指摘の連座制の議論等もある、このように承知をしております。

 連座制の導入については、対象とする政治団体の範囲ですとか対象とする違反の種類など、様々な課題について丁寧な議論を行う必要があると承知はしておりますが、今申し上げました厳正な責任体制を確立するという観点から、連座制も含めて党として考え方をまとめ、そして各党ともしっかり議論を行っていきたいと考えております。

丹羽委員 今回の政治資金規正法、また、この中間取りまとめにおいては、自民党内だけの運用のルールの改定だと私は思っております。今回のような疑念を持たれるようなことが二度と起きないために不可欠なことは、この国会の場で、多くの国民の皆様方の下で、政治倫理審査会等においても審議すべきであるというふうに考えておりますが、総理の御答弁をお願いします。

岸田内閣総理大臣 まず、自民党の中間取りまとめの中においては、運用面でまずやるべきこと、すなわち、自民党としてすぐ対応できることについてはすぐ実行に取りかかるという点、そして、あわせて、制度面、法改正を伴うことにつきましては、これは当然、各党とも協議した上で、自民党もその議論に真摯に向き合う、こうした内容を取りまとめております。

 制度面、法改正を伴う部分につきましては、各党各会派と自民党としても真摯に議論を行っていきたいというふうに思いますし、その議論をどのような場で行うのか、これは国会の皆様方とも相談をしながら、しかるべき議論の場、説明の場、これを決めていきたいと考えております。

丹羽委員 是非、総理には前向きにこの議論に参加していただいて、自民党も変わるべきだというところを、また、変わる姿を見せていただきたいというふうに思っております。

 今回の政治資金規正法違反につきましては、多くの不明なお金があったということが課題であります。私自身、自民党愛知県連会長といたしまして、今後、自民党愛知県連が支出する政策活動費等も含めて、議員個人ではなく各政党に支出するように、先般発表を、決定いたしました。政党支部から使途が公開されることによって、透明性の確保がより一層徹底されることになります。こういった愛知県連の取組も含めて、是非、政治倫理審査会における議論の参考にしていただきたいというふうに思っております。

 次に、今回の政治と金の問題についての温床となりました派閥、いわゆる政策集団についてのお話を総理にお聞きしたいと思います。

 私もかつては政策集団に所属いたしておりました。二年前に政策集団を離脱いたしましたが、やはり、多くの国民の皆様方が、今回の問題の温床となったのが、いわゆる政策集団、派閥というものが温床になったというふうに考えております。

 総理は、長年の歴史のある宏池会を解消するという非常に重い決断をされております。他の政策集団においても解散、解消という決断がなされている中で、自民党がまさに、派閥、政策集団を、解体的な出直しを図る、新しく生まれ変わっていくという意味でも非常に不可欠だというふうに考えております。

 派閥の政治から決別し、党の機能、ガバナンスを抜本的に強化する必要があると考えておりますが、総理の御見解をお願いしたいと思います。

岸田内閣総理大臣 いわゆる派閥というもの、人材育成ですとか政策の錬磨の場である集団が、今回の事件等を通じて、金や人事のための場であると厳しい国民の目が注がれている、こういった事態に対して党としてどう向き合うのかという議論を行った結果、いわゆる派閥からお金と人事を切り離すことによって、真の政策錬磨や人材養成の場に生まれ変わる、真の政策集団に生まれ変わる、こうしたことを行う、こうしたことを決心いたしました。そして、そのためのルールを具体的に定めた、こういったことでありました。

 そして、それを徹底しなければならないと思いますが、おっしゃるように、人事あるいはお金について派閥を遮断するということになりますと、従来のこうしたお金や人事に関する機能、これをどこが担うのか、これを明らかにしなければならない。当然、党として、ガバナンス機能を強化する形でそうした機能を担っていかなければならない。党自体のありよう、党自体の組織、これも生まれ変わっていかなければならない、こうしたことになるんだと考えております。

丹羽委員 まさに、党としてのガバナンスの機能の強化というところは非常に大事なことだというふうに私は思っております。

 そこで、政治の信頼回復をしっかりとしていくために、今般、不透明な政治資金があった、不透明な金銭のやり取りがあったということも含めて、自民党として今回の事案について実態解明に私は取り組まなければならないというふうに考えておりますが、総理の御見解をお願いしたいと思います。

岸田内閣総理大臣 おっしゃるように、自民党としても実態解明に取り組まなければなりません。

 今、検察による捜査を受けて、政策集団あるいは関連した議員がそれぞれ政治資金収支報告書の修正を進めつつあります。この修正が行われますと実態がより明らかになるわけでありますから、まずは各議員等がその修正について説明をする、これが第一ではありますが、党としても実態解明に努めなければならない。今後、実態を把握した上で、今回の事件をどう整理するのか、これをしっかりと確認しなければならないと考えています。

 よって、私の方から党の幹部に対して、関係者に対する事情聴取を行う、ヒアリングを行う、こうした枠組みの作成を指示したところであります。

 今後、関係者の聞き取りを進める中にあって、党としての実態把握もしっかり進めてまいります。検察による法的な実態解明、これは大変重たいものがあると思いますが、それと併せて、党としても、説明責任あるいは政治責任、これを果たすために、実態把握に努めてまいります。

丹羽委員 まさに、政治の刷新に向けて様々な問題が山積いたしておると私は思っております。

 総理自身、真っ正面から向き合って解決されるためには、我々国会議員一人一人も覚悟と不断の努力はもちろんのことでございますが、総理は自民党総裁でもございます。不撓不屈の覚悟が求められるというふうに思っておりますが、最後に、二度とこのような国民への裏切りを許さないこと、そして、真に国民のための政治の実現に向けた総理・総裁としての御覚悟をお尋ねしたいと思います。

岸田内閣総理大臣 まず、信なくば立たずだと思っています。国民の皆さんの政治に対する信頼なくして政治の安定はない、政治の安定なくして政策の推進はあり得ない、これをいま一度重くかみしめて、自由民主党自身、新しく生まれ変わるという覚悟で、信頼回復に向けて努力していかなければなりません。

 党の中間取りまとめ、これは第一歩であり、これは大きな方向性であります。これを具体化して、実行していかなければなりません。是非、これを実行することに、本部長として、党総裁として、先頭に立ちたいと思いますが、あわせて、政治改革というのは終わりがあるものではありません。引き続き、こうした様々な政治の状況に対応して、政治はどうあるべきなのか、国民の政治に対する信頼、これを維持するためにはどうあるべきなのか、この議論をリードしていきたいと思っています。

丹羽委員 今総理からお言葉がございました。まさに、我が党が作った先般の政治刷新本部の中間取りまとめは第一歩であります。これからしっかりと議論の内容を深めることによって、国民の皆様方にその議論の一部を、また全部を見ていただくことによって、国民の皆様方の政治に対する信頼が今後どのように変わっていくのかということは、私は、総裁自身のリーダーシップ、総理自身のリーダーシップに懸かっているというふうに思っております。

 是非、国民の政治に対する信頼回復のために、総理の今後の不断の、決断を、覚悟を見せていただいて、また再び政治に信頼を回復できるように臨んでいただきたいと思います。

 以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

小野寺委員長 これにて丹羽君の質疑は終了いたしました。

 次に、中川康洋君。

中川(康)委員 おはようございます。公明党の中川康洋でございます。

 本日は、政治と金の問題について、総理に対して何点か伺います。

 冒頭、今回の事案に対する総理の決意を問います。

 自民党の派閥の政治資金パーティーにおいて、多額のキックバックを受けながら収支報告書に記載せず裏金化していた問題、これは国民の生活感覚から大きくかけ離れたものであり、断じて許されるものではありません。

 総理、政治は国民の信頼があって初めて成り立つものであり、仮に国民の信頼を失えば、目下の最重要課題である能登半島地震の復旧や物価高対策を始め、我が国の政策を前に進めることはできません。また、今回の事件は、これまで長く保ってきた政治の安定さえも崩しかねない、ゆゆしき問題でございます。

 公明党は、このような強い危機感から、政治と金の問題については、厳しく指摘するところは指摘し、と同時に、目下の政策課題については、与党の一角として、その使命と責任を持ってこの国の政治を前に進めてまいります。

 そこで、冒頭、自民党総裁でもある総理に伺いますが、総理は、今回、自民党の中で事件化したこの政治と金の問題について、国民に対してどのように説明責任を果たそうとされるのか、また、その実態解明や再発防止、さらには国民への信頼回復に向け、いかなる姿勢で挑もうとされるのか、総理の強い決意を伺います。

岸田内閣総理大臣 決意を述べよということでありますが、まず、先ほど丹羽委員の質問にも答えましたように、信なくば立たず、国民の信頼なくして政治の安定はない、政治の安定なくして政策の推進はあり得ない、このことをしっかりかみしめて、党として生まれ変わる覚悟でこの改革に取り組まなければならないと思っています。

 そして、どのように実態解明を進めていくのかということにつきましては、今、政治資金収支報告書の修正が行われている中で実態が明らかになっていくわけですが、関係議員の説明責任をしっかり促していくとともに、党自ら実態把握、あるいは政治的な観点からこの事態、事件について明らかにしていかなければならない、このように考えています。党役員中心になって関係者のヒアリング、聞き取り、これを精力的に進めながら実態を把握し、党としての対応を考えていきたいと思います。

 あわせて、今回取りまとめた第一歩であります中間取りまとめの中において、運用面、制度面における政治資金の透明化を図っていく、あるいは、いわゆる派閥を解消して真の政策集団に変わらなければならない、そして党のガバナンスを強化しなければならない、こういった内容について、これを実行する、このことがまず第一歩として重要だと考えています。

 そして、引き続き、政治改革について先頭に立って取り組んでいきたいと考えております。

中川(康)委員 総理、ありがとうございました。

 総理は冒頭、政治は国民のものというふうにおっしゃいました。私ども公明党もそのとおりだと思います。そのためにも、この説明責任、また実態解明、再発防止、さらには信頼回復、是非とも進めていただきたいと思っております。

 次に、政治資金規正法の改正について伺います。

 総理は、今回、派閥の解散を表明されました。しかし、これはあくまでも自民党内の問題であり、これにより今回の再発防止策がなされたとは思えません。

 各種世論調査を見ても、派閥の在り方もさることながら、国民の最大の関心は、今回のような事件を再発させないための政治資金の透明化やルールに違反した者への罰則の強化など、政治資金規正法の改正そのものを求める声が圧倒的であり、今回、政治の側に課された責務もそこにあります。

 そこで、公明党は、一月十八日、このような問題を二度と起こさせないとの強い決意から、公明党政治改革ビジョンを各党に先駆けて発表をいたしました。総理、このパネル、資料は、その政治改革ビジョンの主なポイントを示したものですが、今回の柱は、政治資金の透明性の確保と罰則の強化の二点であります。

 初めに、その下の、罰則の強化ですが、今回の検察による立件は、派閥の会計責任者、議員、秘書を起訴する一方、派閥の幹部の立件は見送られたため、この検察の捜査結果について疑問を呈する声も聞かれるところであります。

 しかし、私は、今回の問題の本質は、決して検察の捜査に問題があったのではなく、その根拠法である政治資金規正法の内容そのものの不完全性、それ自体に問題があったのではないかと思います。

 そこで、今回の改革案では、罰則の強化として、いわゆる連座制の強化を明記いたしました。具体的には、国会議員関係政治団体の収支報告書について、代表者が適法に作成されている旨の確認書を新たに提出すること、また、虚偽記載などがあった場合、代表者が会計責任者の選任又は監督のいずれか一方でも相当な注意を怠った場合は、罰金刑に処することを明記しました。

 当然、罰金刑となれば連動して公民権停止となり、代表者が現職の議員であれば、これは失職をいたします。現行法で罰金刑に処されるのは、選任、監督、両方の注意を怠った場合のみであり、今回の提案が実現をすれば、罰金刑のハードルはかなり下がることになり、抑止力が高まります。また、代表者の確認書の提出によって、私は知らなかったという政治家の言い訳、これはもはや通用しなくなります。

 公明党は、今回、収支報告書の不記載及び虚偽記載を二度と許さないためにも、この連座制の強化は政治資金規正法改正の一丁目一番地と位置づけております。

 総理、今、国民は、私たち国会議員の政治改革に対する本気度を見ております。ゆえに、この改正は、国民の政治に対する信頼を取り戻すためにも、何としても実現すべきと考えますが、いかがでしょうか。自民党総裁でもある総理の連座制の強化に対する決断を求めます。

岸田内閣総理大臣 自民党の中間取りまとめにおいても、政治資金の透明化あるいは公開性の強化、そして御指摘の管理体制、より厳格な管理体制を強化する、こういった点を重視し、そして、その中でまず自民党自身ができること、運用面でできること、これをまずやるということで、政策集団の政治資金パーティーの禁止を始め自民党としてやるべきことを定めた上で、今度は、制度面、法改正を伴う制度面についても、自民党として先ほど申し上げた考え方に基づいてしっかり取り組んでいく、こういったことを明らかにしました。

 委員御指摘の法改正の部分は、まさにこの制度面の議論であります。自民党も、より厳格な管理体制を強化していくという観点からこの議論に貢献していきたいと思いますし、政治資金規正法についても、違反した場合、厳正な対応を行うことによって違反の抑止力を高めるべきであるという考え方には、私も共感、共有いたします。

 そして、その考え方に基づいて、是非、政治資金規正法の改正についても党として考えをまとめ、真摯に議論していきたいと考えております。

中川(康)委員 ありがとうございました。

 今回、自民党は、先ほど総理も申し上げたとおり、中間取りまとめにおいて、いわゆる連座制の導入というのを、まずはということだと思うんですが、党内の運用面における処分として位置づけられております。しかし、収支報告書の提出というのは与野党問わずに全ての議員に課せられた問題であり、置かれている状況は同じであります。ゆえに、運用面だけで終わると、自民党の党内処分というだけで終わってしまう可能性があるわけであります。

 今回のこの連座制の強化というのは、自民党内だけの運用という位置づけではなくて、全ての議員が対象となる、私ども公明党は法改正でするべきだというふうに思っております。

 今後、与野党協議が始まると思いますが、総理は、衆議院で過半数を持つ自民党の総裁であります。ゆえに、国民は今回の決断を見ております。今後の自民党における総理のリーダーシップ、これを期待いたしますので、もう一言、決断をよろしくお願いします。

岸田内閣総理大臣 連座制を含むより厳格な管理体制を強化していくという考え方について、党として考え方をまとめたわけですが、委員御指摘のように、これは自民党だけではなくして、全ての政党が関わる共通なルールについて議論をし、そして結論を得る、これは重要な考え方だと思います。是非、各党各会派が共通のルールとして、こうした管理体制の厳格化、連座制を含むこうした議論、自民党としても議論に真摯に貢献したいと考えております。

中川(康)委員 是非とも、決断をしていただき、実現をしていただきたいと思います。

 次に、政治資金の透明性の確保について伺います。

 特に、党幹部など議員が政党から受けた政策活動費の使途公開について提案をします。ここでも、ビジョンでそれを明記しております。

 この政策活動費については、政党が党幹部など議員に幾ら支出したかは明らかにされておりますが、受け取った政策活動費をその議員がどのように使ったか、これは公開されておりません。

 また、今回捜査の対象となっている議員の一人は、派閥からキックバックを受けたお金は政策活動費として受けたものであり、公表しなくていい、さらには、収支報告書に載せなくていいと思っていたという趣旨の発言をしております。

 実は、私は、この発言については、今回の事件において相当重い発言と認識しておりますが、仮に、今回の問題の中心であるキックバックの金の隠れみのとしてこの政策活動費という言葉が使われていたのであれば、これは政治資金の不透明さを増すものであり、断じて看過できない問題であります。実は、この政策活動費については、自民党だけではなくて、一部の野党においても党幹部に多額のお金が提供されております。

 総理、公明党は、この政策活動費についても、この際、与野党を超えて議論を行い、使途公開の義務化を始め透明性の強化に向けたあるべき姿をつくる必要があると思いますが、最大会派でもある自民党の総裁としての総理の決断を伺います。(発言する者あり)

小野寺委員長 御静粛にお願いいたします。

岸田内閣総理大臣 日本の国の政治資金というもの、これは、政党等の政治活動の自由と、そして一方で国民の知る権利、この二つのバランスの中において今まで議論が行われ、そして現状の法律に行き当たっていると承知をしております。

 そして、今委員の御指摘のように、政策活動費について様々な御指摘が行われている、こういったことであります。

 これは、政策活動費というもの、政党などの政治活動のためにあるものでありますが、その使途の公開ということについては、まさに政治の自由の部分と関わる部分でありますので、是非、各党各会派と真摯な議論を行いたいと思います。自民党としても真摯に対応していきたいと考えます。

中川(康)委員 ありがとうございました。

 今回、この政策活動費については、自民党もそうなんですが、過去の収支報告書を見ると、立憲、維新、国民においても出されている状況はあるんです。議論を聞きますと、やはりここはしっかりと、透明化を図っていきたいという議論も既にありますので、議論を進めるということも大事ですが、ここは決断をしていただきたいというふうにも思っております。

 今回立件された議員の一人の中で、政策活動費だったから公表しなくていい、さらには、収支報告書に載せなくていいという発言、これはやはり不透明さを出したというふうに思うんですね。そういった意味においては、公明党としても、この部分はしっかりと決を採っていきたいというか、形を取っていきたいというふうにも思っております。

 今回の派閥の政治資金パーティーを舞台とする政治資金の裏金化の問題は、国民の政治に対する信頼を大きく失墜をさせました。総理を始め我々国政に身を置く者は、今回の問題に真剣に、また強い危機感を持って取り組まなければいけないと感じております。

 そして、我が国の政治そのものが国民からの信頼をいま一度取り戻すためにも、与野党が今回は一丸となって知恵を出し合い、成案を作り出すことが重要です。そのためにも、私ども公明党は、今回の議論をリードし、合意形成の中核となって努力をしていくこと、これをお約束をいたします。また、自民党の総裁でもある総理の今国会における決断とリーダーシップ、これに期待をいたします。

 以上のことを申し上げまして、私ども公明党の質問を終わります。大変にありがとうございました。

小野寺委員長 これにて中川君の質疑は終了いたしました。

 次に、大西健介君。

大西(健)委員 立憲民主党の大西健介です。よろしくお願い申し上げます。

 私からも、冒頭、能登半島地震に関しまして、心からのお悔やみとお見舞いを申し上げたいというふうに思います。

 私どもは、二十六日の召集日に、被災者生活再建支援法を野党共同で提出をいたしました。これからも復旧復興に関しては全力を挙げて、党派を超えてしっかりやってまいりたいと思います。

 同時に、地元では、裏金問題についてもうやむやにしないでほしい、こういうお声もたくさんいただいております。真っ当な政治を取り戻すために、私たちもしっかりと責任を果たしてまいりたいと思います。

 まず最初に申し上げたいのは、例えば、民間でも何か不祥事がありますと、まずは調査をして実態解明をする、そしてその次に責任者を処分する、それから再発防止なんですね。ですから、まずは実態を解明すること、これをきちんとやらなければならない、こういうふうに思っております。

 最近、さっきも出ていましたけれども、派閥解消ということに何やら注目が集まっているんですけれども、これが私は目くらましになっちゃいけない、こういうふうに思っています。

 この派閥解消というのは、リクルート事件が起きた一九八九年のときの自民党の政治改革大綱にも書いてあったことで、別に何にも新しいことでも何でもないんです。

 その上、私は、岸田総理が言っている派閥解消というのがいかにインチキなのかということをまず申し上げなければならないというふうに思っています。

 というのは、総理も覚えておられると思いますけれども、十一月の二十一日、私、この予算委員会で、自民党の派閥のパーティー券の収入の不記載の問題を取り上げさせていただきました。そのとき総理は、裏金という指摘は当たらないと言ったんですよ。そして、私は、宏池会の会長を、菅前総理もおっしゃっているけれども、辞めたらいかがですかと言ったけれども、全く問題ないんだと言って拒否したじゃないですか。

 でも、その後に、十二月七日、総理は派閥の離脱を表明して、そして今度、年が明けて一月十八日には、突如として、派閥を辞めたはずの総理が岸田派を解散すると言ったんですよ。意味が分からないですよ。意味が分からないです。

 そもそも、先ほど来、自民党の政治刷新本部、自分が本部長なんだと言って、そして本部で議論していたんじゃないんですか、自民党の議員の皆さんも。その議論の途中に、離脱したはずの岸田派を解散する。これは本当に支離滅裂で、まさに保身のためのパフォーマンスにしか見えないというふうに思いますけれども、いま一度御説明いただけますか。

岸田内閣総理大臣 まず、私自身が派閥から離れたということにつきましては、一連の問題について、特定の政策集団の立場を超えてこの問題に取り組まなければならない、こうした考え方から派閥を離れたということであります。

 そして、宏池会という派閥について申し上げるならば、会計責任者が処分を受けたということに対して、けじめとして、おっしゃるように会長を離れていたわけですから、全ての役員と話し合う中で合意をして、そして、その役員に手続を進めてもらうことで合意いただいた、こうしたことで実質的に派閥を解散することを決定した、こういったことであります。手続としても、今申し上げたような形で正式の手続を取っていると承知をしています。

 それから、その前に裏金云々の御指摘がありました。あれは私の宏池会の政治資金について説明した部分でありますので、これは私の当時の宏池会に対する考え方を説明した。そして、宏池会のありようについての議論でありますので、いわゆる裏金というのは当たらないという考え方は今でも変わっておりません。

大西(健)委員 先ほども、辞めたけれども、派閥の幹部を一人一人呼んで説明をしてと言っていましたけれども、でも、辞めたのに何でオーナー然として解散を言うのか。

 あるいは、先ほど言われたように、政治刷新本部の本部長でしょう。だったら、派閥全廃に何で踏み込まなかったんですか。麻生派は存続すると言っていますけれども、ここはどうなんですか。

岸田内閣総理大臣 まず、何で私が宏池会解散に関わったかということでありますが、元会計責任者の対応等は私が会長を務めていた時代のことであるからして、宏池会の信頼あるいはけじめという観点から今の役員と議論を行った、こういったことであります。

 そして、党としては、中間取りまとめの中に明らかにしておるように、いわゆる派閥をお金と人事から切り離すことによって真の政策集団に生まれ変わらせる、これが中間取りまとめの内容であります。これを実行することによって、いわゆる派閥と言われるものは解消すると考えております。

 この派閥、過去もあった、そして過去も解消した、しかし、それがまた繰り返された、こういった御指摘があります。

 その点で申し上げるならば、派閥のありようについてお金や人事と切り離すための具体的なルールを定めたというのは今回初めてのことであり、この意味は大変大きいと思います。今後、こうした集団等、グループ等が生まれたとしても、全て、今回決めた、政策集団の政治資金パーティーはやらない、あるいは人事との関与を切り離す等、このルールには縛られることになります。

 このルールを決めたというのが、今回の中間取りまとめにおける今までにない大きな点であると認識をしております。

大西(健)委員 幾つか今の答弁に関して聞いていきたいんですけれども、一つ、その前に、派閥解消と、宏池会を解散すると言っていますけれども、これは政治団体としての宏池会を解散するということでしょうか。

 そして、その場合に、そこには財産が残っていると思うんですけれども、例えば令和四年度の収支報告書を見ると約七千八百万円の繰越金があります。これはどうされるんですか。まさか山分けするということじゃないと思いますけれども、例えば被災地に寄附するというのも一案じゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

岸田内閣総理大臣 まず、派閥を解消するというのは政治団体を解消するということであります。そして、これは宏池会として、先ほど申し上げたようなけじめとして、関係者と諮った上で進めていることであります。

 けじめとしてこれは解散しなければならないと思っておりますが、その具体的な手続等についてはまだ今何も決まっておりませんが、御指摘の点等も含めて、適切に財産等については処理したいと考えております。

大西(健)委員 適切に処理するというのは、国庫に返納するということでしょうか。

岸田内閣総理大臣 今申し上げたように、まだ何も決まっておりません。関係者が協議をして、適切に判断いたします。

大西(健)委員 先ほど、派閥を離脱したはずの総理が派閥の、宏池会の解散をしたということについては、自分は派閥の会長だったからという話がありましたけれども、総理、当初はこの問題、安倍派の問題だと思っておられたんじゃないかと思うんです。ところが、最終的には、岸田派の会計責任者が略式起訴されるということになりました。

 安倍派では、任意聴取を受けた事務総長クラスの皆さんが、これは会長案件だったんだということを言って、会計責任者との共謀がなかったということを言っているんですけれども、同じように、このキックバックというのが会長案件だったとすれば、まさに宏池会の会長は総理、あなたですよ。

 総理は、事務的なミスの積み重ねと報告を受けた、こういうことを繰り返されていますけれども、派閥会長として、派閥の会計責任者に責任をおっかぶせて、知らなかったでは、これは許されないんじゃないですか。総理自身が宏池会の、この略式起訴されたということについてしっかり説明責任を果たさなきゃいけないんじゃないですか。

岸田内閣総理大臣 おっしゃるように、派閥の会長を務めた者として説明責任を果たさなければならない、当然のことであります。こうした事態が明らかになってから様々な場で説明を続けていますが、これからも説明責任を果たしてまいります。

 そして、そのことについてしっかり謝罪した上で、そして、これは派閥を舞台にして行われたことであるからして、関係者と諮って派閥の解消も決断したということであります。

 是非、政治的な責任をこうした形で取っていきたいと考えております。

大西(健)委員 政治的責任を取るって、まさに会長はあなたなんですからね。ちゃんと政治的責任を取っていただきたいと思いますし、先ほど来、人事と切り離す、派閥が何で悪いか、それは人事に影響を及ぼしてきたからだということを繰り返されていますけれども、総理がそこに座っている、総理・総裁であるのは、派閥のおかげでなれたんじゃないんですか。

 そして、今の岸田内閣というのは、まさに派閥の推薦によって構成されている内閣であって、私は、正当性がない、一旦リセットして内閣総辞職すべきだと思いますが、いかがですか。

岸田内閣総理大臣 派閥というのは政策錬磨の場であり、そして党の機能を補完する形で人材育成や若手の育成を図る、こうした自主的な集団であるとされたわけでありますが、しかし、にもかかわらず、今回の事案等を通じてお金とそしてポストのための集団であるという厳しい目が注がれている、こういったことから派閥について議論を行ってまいりました。

 私が総理大臣であるのは派閥のおかげであるということをおっしゃいましたが、これは間違いなく自民党として総裁選挙等を通じて様々な党員の意見を集約した結果であると認識をしております。

 御指摘のような疑念を招かないためにも、派閥のありようについて議論しなければいけない、中間取りまとめとして党の考え方を整理したわけであります。これを実行することによって、自民党の信頼回復につなげたいと考えております。

大西(健)委員 総理だけじゃなくて、岸田内閣の閣僚、それから副大臣、政務官、みんな派閥からの推薦で決めてきたんじゃないですか。

 もう一つ、総理、先ほどおっしゃったように、今までも、派閥を、例えば細川政権のときに下野したときの翌年、自民党は派閥を解散して、そして、派閥総会もやらない、派閥事務所も閉じるということを一旦やりましたけれども、もう半年後には政策集団という名前で活動が再開された。結局はその場しのぎの偽装解散で、またほとぼりが冷めたら元のもくあみになる、こういうことだと私は思います。

 問題は、繰り返しているけれども、本質は派閥じゃないんです。まず裏金問題の全容を明らかにすべきことが私は先決だと思います。総理は、いろいろ格好いいことを言っていますけれども、じゃ、裏金問題の全容をちゃんと把握した上で発言されているんでしょうか。

 例えば、衆議院、参議院合わせて自民党で四百人近い議員がいらっしゃいますけれども、その中で一体何人が裏金を受け取ったのか、総理、まずそれを答えてください。

岸田内閣総理大臣 裏金ということの定義、これもしっかり確認しなければなりませんが、今現状で政治資金収支報告書の訂正等を明らかにしている議員、これは清和会で三十名以上、そして志帥会で七名、収支報告書の訂正を明らかにしていると承知をしております。

大西(健)委員 今、清和研で三十名、志帥会で七名とおっしゃいましたけれども、それで全部なんですか。結局それもまともに答えられないじゃないですか、一体何人が関わったのか。それも答えられないのに、政治刷新本部もへったくれもないと私は思いますよ。

 まず、ここで政治資金の問題について今日集中審議しようというのに、一体何人が関わったか、それさえ答えられない、私はもうそれがおかしいと思います。誰が幾ら裏金をもらって、そして何に使ったのか、収支報告書の訂正はしたのか、誰が誰の指示でそんなことをしたのか、これをまず明らかにしてもらわないと議論が始まりません。

 そして、先ほど、党の幹部に事情聴取をさせるということを言っていましたけれども、自民党全体が裏金に汚染されているのに、その人たちに事情聴取させても私は駄目だと思いますよ。これは、公正中立な第三者委員会をちゃんと設けて、例えば元検事とか弁護士とかそういう人、コンプライアンスに詳しい人、そういう人を入れて、第三者委員会でちゃんと調査しなきゃいけないんじゃないですか。

岸田内閣総理大臣 実態把握と、そして反省と、そして再発防止、これらは並行して行わなければならないと考えております。

 実態把握の方が、先ほども申し上げましたが、今、検察の捜査を受けて、政治資金収支報告書の訂正が今行われています。今週以降も行われることが予想されています。こういったことを通じて、法的な面での責任が追及され、実態が明らかになっていくわけでありますが、これと並行して、党として先ほど申しました再発防止あるいは反省等について中間取りまとめにおいて議論をする。そして、こうした収支報告書を受けて、党としても実態を明らかにして、政治責任について考えていかなければならない、そういったことで、関係者の聞き取りを行うべく、今準備を進めているところであります。

 全部が関わっているのではないかという御指摘がありましたが、これは、まずは今具体的に関わりが指摘されている議員の聞き取りを行うことから今回の事案について把握することが重要であると考えています。

大西(健)委員 私は、それはちゃんとやはり公正中立な第三者委員会でやるべきだと思います。

 それから、今回、この裏金問題、長期にわたって全党的に組織として行われていた。先ほど来、反省の弁を述べられていますけれども、私は、それであれば自民党は政党交付金を満額受け取るべきじゃないんじゃないかと思います。元理事長の脱税事件であったりとかアメフト部員の違法薬物事件を受けて、日大は、私学助成、三年間、全額停止になっています。

 本年自民党に交付される予定の政党交付金は百六十億五千三百万円ですけれども、総理は今の自民党にこれを全額受け取る資格があると思いますか。

岸田内閣総理大臣 まず、先ほどの質問で答え損ねましたが、第三者の目が必要だという点については御指摘のとおりだと思います。実態解明に当たって外部の有識者に関わってもらう、こういったことも当然考えていかなければならないと思います。

 そして、今の質問について、政党助成金、受け取る資格があるかという御質問でありますが、今回の事案については、政策集団の政治資金パーティーをめぐって、これが収支報告書に記載されていないことが指摘をされ、処罰が行われた、こういった事案であります。これは、政策集団と党、これは別組織ではありますが、党としてこれを重く受け止めて、党として政策集団についてもガバナンスを利かせるべきであるということで、中間取りまとめを行いました。

 一方、政党助成金。政党助成金というのは、民主主義のコストを広く国民の皆さんにお願いする、民主主義の基盤となる大変重要な制度であります。自民党においては、この政党助成金については、特に厳格に使途を確定し、そして監査を入れて、そして疑念を招くような使い方は絶対にしない、こういったルールを作っております。このルールに従って政党助成金を取り扱うことをもって、国民の信頼を維持していきたいと考えています。

大西(健)委員 そう言いながら、二階さんが幹事長のときは五十億も使途が分からないような政務活動費を配っているじゃないですか。

 私は、総理には政治刷新とか政治改革を語る資格がないというふうに思っています。

 パネルを御覧をいただきたいと思うんですけれども、大臣規範というのがあって、それでは大規模パーティーというのは大臣はやっちゃいけないことになっているんです。ところが、総理は就任以降も、収入が一千万円を超えるような、こういう特定パーティーを九回、この丸をつけた部分ですけれども、九回やっています。全部で十一回パーティーをやっているんですね。約二億三千七百万円を荒稼ぎしています。

 大規模パーティーをやること自体はこれは大臣規範違反ですけれども、ただ、これは一応、収支報告書から拾っていますから、収支報告書に書いてあるんです。

 問題は、収支報告書に記載されていない、これ以外の闇パーティーが行われた疑いが私はあるんじゃないかということを指摘したいと思います。

 次の新聞記事を御覧をいただきたいと思います。これは、令和四年の六月十二日、広島市内のホテルで、支持者ら約一千百人が出席をして、衆議院議員岸田文雄先生内閣総理大臣就任を祝う会というのが行われました。これは写真で分かりにくいですけれども、びっしり人がいらっしゃいますけれども。これは飲食の提供はありません。そして、お土産として総理の色紙と著書が配られたということですけれども、会費一万円ですよ。当然、飲食の提供もなくて本を配るだけですから、これは収益が出ます。

 そして、この収益から、この祝う会が、同年九月十二日に、総理が代表を務めている広島県第一選挙区支部に約三百二十万円を寄附しています。皆さんのお手元にこの支部の収支報告書のコピーをお配りしていますけれども、これを見てもらうと、祝う会から約三百二十万円の寄附というのが書いてあります。でも、政治資金パーティー開催事業費というところにも、その他の事業費というところにも何の記載もないんです。

 この会は、当初一月二十二日に開催が予定されていたものを、一度コロナの蔓延によって延期をしています。そのときの延期のお知らせという紙を私、持っていますけれども、これの連絡先は岸田事務所です。そしてまた、受付とか経理も岸田事務所がやっていたそうです。つまり、実態は岸田事務所あるいは岸田後援会の政治資金パーティーだったんじゃないですか。

 政治資金パーティーであれば、皆さん、やっておられる方は御存じだと思いますけれども、「この催物は、政治資金規正法第八条の二に規定する政治資金パーティーです。」とか、例えばパーティー券とかに書かなきゃいけないんですよ。これを明記する必要があるんです。当然、政治資金収支報告書にもこの収支を載せる必要があります。

 さらに、仮に任意団体としての祝う会がやっていたとしても、収入が一千万円以上になると見込まれる場合、結果として一千万円に達しなくても、見込まれる場合には政治団体とみなされるために、みなし規定というのがあって、届出を事前にしなきゃいけないんですよ。でも、これは届出もされていません。

 つまり、この祝う会というのは、これは政治資金規正法違反の不記載に当たる、こういうふうに思いますけれども、いかがでしょうか。

岸田内閣総理大臣 まず、お尋ねの令和四年の内閣総理大臣就任を祝う会については、知事以下、地元の政財界の皆さんが発起人となって開催していただいた、こうした純粋な祝賀会であると認識をしています。

 事務について御指摘がありました。会の事務局の方から、振り込み先の口座開設など様々な手続について不慣れであるという相談を受けて、私の事務所の人間がお手伝いをした、これは事実であり、そのように報告を受けております。

 しかし、いずれにせよ、会の主催者は地元の政財界の皆様が集まって結成した政治団体とは異なる任意団体であって、私の事務所が会を主催したという指摘は当たらないと思っています。

 そして、当然、実際の収入も一千万円未満であったということであります。ということから、御指摘は当たらないと考えております。

大西(健)委員 一人一万円で一千百人入れていて、何でこれ、それ以外にも、出席していない人もいますから。ですから、収入が超える見込みがある場合には、みなし規定があるので事前に届出をしなきゃいけないんですよ。

 総理は、今言われたみたいに、任意団体としての祝う会がやってくれたやつなので自分とは関係ないんだ、こう言い逃れをされていますけれども、でも、実態は、岸田事務所の秘書やスタッフが総出で受付を行っている。お金も、岸田事務所で会計を管理している。収益の一部は岸田さんの政党支部に寄附されていて、しかも、寄附した祝う会の代表の方は、取材に対して、自分は寄附した覚えはないと言っているんですよ。

 つまり、こういう祝う会のようなダミー団体をかませて、そして、これは岸田方式と言っていいと思いますけれども、この岸田方式のパーティーをやれば政治資金収支報告書に書かないでいいということになれば、これは闇パーティーをやりたい放題じゃないですか。みんな収支報告書に書かないで、こういう任意団体をダミーで立ててやれば、幾らでもできちゃうということになるんです。

 ですから、私は、違法じゃないんだったらこれは脱法だというふうに思います。総理、いかがでしょうか。

岸田内閣総理大臣 先ほど申し上げたように、これは地元の政財界の皆さんが集まって結成した任意団体が主催した会であります。収益が一千万円を超えるものでもありません。法に従って行った会であると認識をしております。

大西(健)委員 今、一千万円を超えていないとかいろいろ言われていますけれども、さっきも言ったように、一千百人出席しているというけれども、会費を払って欠席した人もいるので、経費を差し引いた収益が三百二十二万円ばかりじゃないと私は思っているんです。じゃ、その差額は一体どこに行ったのか、それも不思議です。

 祝う会の代表として皆さんのお手元にある収支報告書に名前が載っている方は、この方は岸田文雄後援会の代表も務めておられる人です。

 ですから、総理、お願いして、この祝う会の案内状、私はコピー、ここに写真は持っていますけれども、祝う会の案内状とか、会費の収入、支出の明細、こういう関係資料を提出していただけませんか。いかがですか。

岸田内閣総理大臣 はい、理事会等の指示に従います。

大西(健)委員 総理は、今日、私は申し上げましたけれども、派閥解消とか格好いいことを言っているけれども、自分がその派閥の会長だった。ずっと二年以上辞めないでいたわけですよね。それから、岸田内閣自体はその派閥の推薦によって成り立っている、そういう内閣ですよ。そして、政治資金規正法の改正だとか何だとか言っていますけれども、まず、全然、実態さえ御自身は把握をされていない。その上、政治資金の問題の法律の穴を塞ぐことを今やろうとしているけれども、穴を自らつくっているじゃないですか。脱法行為で、自ら穴を空けようとしているじゃないですか。

 こういうことをやっている人に、私は政治刷新とか政治資金の問題を語る資格はないというふうに思います。総理になって二年以上、宏池会の会長に居座り続け、誰よりも派閥の恩恵にあずかってきたのが岸田総理じゃないですか。

 派閥どっぷり、裏金まみれの岸田政権には退陣を求めて、私の質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

小野寺委員長 この際、階猛君から関連質疑の申出があります。大西君の持ち時間の範囲内でこれを許します。階猛君。

階委員 立憲民主党の階猛です。

 冒頭、まず、この度の能登半島地震で亡くなられた方に対してお悔やみを申し上げ、また、被災された方々に対して心よりお見舞いを申し上げます。

 先ほどの大西議員の質問の中で、安倍派で三十人以上、二階派で七人、収支報告書の訂正があったという総理の御答弁がありましたが、これは、大西議員の質問は何人が裏金を受け取ったのかという話でしたので、収支報告書の訂正とは別の話だと思います。何人が受け取ったのか、ここをはっきり説明してください。

岸田内閣総理大臣 先ほど申し上げたように、裏金というものの定義、これを確認しなければなりませんが、その中で、少なくとも収支報告書の訂正を明らかにしている議員の数について申し上げました。

階委員 つまり、裏金の定義もはっきりしなければ、裏金を受け取った議員の数もはっきりしないということをおっしゃったわけですね。よろしいですか。

岸田内閣総理大臣 検察の捜査を受けて収支報告書の訂正が行われており、今後も行われることになります。そのことによって、より実態が明らかになっていくと思います。そして、併せて、党としても実態把握に努めていきたいと考えています。

階委員 人ごとのようなお答えでしたけれども、いやしくも政治刷新本部の本部長であれば、入口の段階で今申し上げたことは把握しておくべきですよ。それすらしないで何が中間取りまとめだということを言わせていただきます。

 その上で、私は、先ほど申し上げました能登半島地震、被災地である志賀町というところに先週行ってまいりました。

 既に発災から三週間以上たっておりましたけれども、上下水道が使えず、炊事や洗濯、風呂、トイレ、満足に用が足せず、道路はずたずた、凸凹でした。また、建物は破損箇所を覆うブルーシートだらけでした。安倍政権以来、国土強靱計画を進めてきたはずですが、それは一体何だったんでしょうか。

 また、自宅避難者の中には、最近まですぐ近くの避難所に給水車が来ていることも知らず、わざわざ十キロ先の場所まで水くみに行っていた方もいました。肝腎な情報が伝わっていません。デジタル田園都市国家構想と言われますが、構想だけで何も進んでいないのではないでしょうか。現地に行って、そのことがよく分かりました。

 そもそも、我々国会議員の任務は何か。それは、被災地に限らず、国民の代表として、全国の様々な現場、地域に伺って実情を把握し、専門家などの力もかりながら国民の声を反映させた政策をつくり、世論を喚起しながらその実現を目指すことです。そのために必要なお金が政治資金であって、民主主義の実現にプラスになるからこそ非課税という特権が与えられているわけです。政治資金を本来の目的に使うのであれば、収入も支出も明らかにして何ら問題はないはずです。

 そこで、総理に質問します。

 今回、多数の自民党所属議員が、派閥の政治資金パーティーの売上金から、キックバックであったり中抜きであったり、様々な方法で裏金をつくり、収入や支出を隠蔽したり改ざんしたりして、政治資金の収支報告書に実態と異なるうその記載をしてきたことが明らかになりました。

 そもそも、なぜ裏金が必要だったのか、明確な答弁をお願いします。

岸田内閣総理大臣 まず、先ほど申し上げたように、実態把握と、そして再発防止と反省と、そして政治的な責任を果たす、これは並行してやらなければならないと思っています。一つ一つ順番にやるのではなくして、現実を考えたならば、捜査が進み、収支報告書の訂正が進む、こういった事態を受けて、これと並行して様々な取組を進めていくことが重要だと思っています。

 そして、御質問の、その裏金について、目的が何だったのかということについても、まさに、先ほど申し上げたように、収支報告の訂正が行われる中にあって、本人の説明責任と併せて、党としても聞き取り等を行うことによって実態把握に努めてまいりたいと考えています。

 その中で、今回の事件、事案が政治的にどういったものであったのか、これを明らかにしていきたいと考えています。

階委員 結局答えられないわけですよ、裏金がなぜ必要だったのか。

 でも、今の説明を聞いている限りは、裏金分については非課税の特権を与える必要は全くないということは、皆さん、明らかになったと思います。

 間もなく確定申告が始まりますけれども、今のままでは国民の納税意識が損なわれることは明らかだと思います。国民に納税をお願いする行政府の長であり、自民党のトップである岸田総理から、裏金を受け取った議員に対しては、全員修正申告をして納税義務を果たすよう命じるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

岸田内閣総理大臣 政治資金につきまして、政治資金規正法始め法律に従って取り扱う、これは当然のことであります。

 法律に従って報告を行い、そして納税等についても法律に従って対応していくこと、国会議員であっても当然のことであると考えます。

階委員 もう一度お尋ねします。

 裏金を受け取った議員に対しては、修正申告をして納税義務を果たさせる、これを総理、お約束いただけますか。

岸田内閣総理大臣 法律に従って厳正に対応をさせます。

階委員 岸田総理は、昨年の今頃は防衛増税に熱心でした。去年の秋からは、新たな借金をこさえてまで減税にこだわってこられました。しかし、今、一番国民が求めているのは、増税でも減税でもありません、裏金議員の納税です。この納税義務を直ちに果たさせる。

 もう一回、総理、決意をお願いします。

岸田内閣総理大臣 いわゆる政策活動費を含め、政治家個人が受領した政治資金等については、まず雑所得の収入として取り扱われ、そして、収入額から必要経費を控除した後、残額がない場合には課税関係は生じない、こういった法体系になっています。

 他方、仮に全額を政治活動のために支出していない場合、この場合には確定申告が必要であります。そうした政治資金について関わった議員について、適切に対応していただくべきであると考えています。

階委員 しっかり納税義務を果たさせてください。

 そして、安倍派の参議院議員については、特に問題があります。

 これは私も、二年前のこの場で二之湯国家公安委員長に質問したんですけれども、当時参議院議員だった二之湯さんは、選挙直前になると例年にはない高額の献金を地元の京都府連に行って、その直後に献金額と見合う金額が地元の多数の地方議員に均等にばらまかれていました。

 二之湯さんが直接議員に配ると選挙買収が疑われるので、マネーロンダリング、いわゆる資金洗浄ですけれども、マネーロンダリングのように、京都府連を迂回する形でばらまいたのではないかという疑惑がありました。

 二之湯氏は、これを否定して、京都府連への献金は自分の思いだったと苦し紛れの弁解を続けていました。

 こうしたことを思い起こしますと、あの当時は、今思えば、マネーロンダリングというのも、収支報告書に明らかになっていたからこそ分かったわけです。しかし、今回、裏金が地方議員に流れていたら、収支報告書に記載されていないので、チェックのしようもないわけです。

 資料三をお願いします。

 ここには、自民党の安倍派の所属議員、参議院議員は四十人、多数いらっしゃいます。この議員たちが選挙前に例年より多く裏金を受け取っているそうです。これはひょっとしたら選挙買収に使われていた可能性もあるということですから、何に使ったのか早急に調査して報告すべきではないでしょうか。総理の答弁を求めます。

岸田内閣総理大臣 今回の一連の事案については、一部の政策集団の政治資金パーティーにおいて多額の不記載が判明し、検察当局が処分を発表したところです。

 そして、その多額の不記載が判明した経緯、内容については、報道等には接しておりますが、現状において、詳細、これは十分把握できていない、政府あるいは自民党として公式に申し上げる段階にはないと考えています。

 だからこそ、先ほど申し上げましたように、収支報告書の訂正等を通じて自らの説明責任を果たすのを促すとともに、党としても実態把握を行いたいと考えています。

 関係者から聞き取りを行うこと等を通じて、党としても実態を把握し、政治的な責任について考えたいと思っています。

階委員 先ほど、政治資金というのは民主主義に資するからこそ非課税だということを申し上げました。民主主義を害している可能性もあるわけです。政治資金の本来の趣旨とは真逆の方向に裏金が利用されている、そのおそれがあるということをしっかり自覚して、実態解明は早急にしていただく必要があると思います。

 実態解明、いつまでやるのか、お答えいただけますか。

岸田内閣総理大臣 収支報告の訂正等の作業の進み具合等、不確定な要素もありますので、いつまでとは申しませんが、少なくとも聞き取りはすぐ始めなければならないということで、党の役員に対しては、その聞き取りの枠組みの作成を指示したところであります。聞き取りは早急に始めたいと考えています。

階委員 本来では、中間取りまとめの前に聞き取りは行っておくべきものです。

 そして、今回の中間取りまとめで抜け落ちている大きな問題、政策活動費、これがあります。先ほど公明党の中川先生も取り上げていらっしゃいました。

 政策活動費、改めて、ちょっと図を示して御紹介したいと思っております。

 政策活動費というお金は、政党から政治家個人に配られるものであって、受け取った政治家は、受領した事実もその使い道も収支報告書に記載して報告する必要がありません。これは、現在の法律上認められた、いわば公認の裏金となっているわけです。

 しかし、公認であるとはいっても、政策活動費も、先ほどの派閥パーティーに関する裏金と同様、納税義務を免れたり選挙買収に使われたり、そういった不正行為の温床となる危険があることには変わりありません。

 しかも、二〇二二年の一年間だけで、自民党では党幹部十五人に対し十四億円以上が支払われています。また、過去に遡ると、約五年にわたって自民党幹事長を務めた二階俊博衆議院議員には、何と五十億円を超える政策活動費が渡されているわけです。

 ほかの政党もあるやのような話も出ましたけれども、まさにこれは異次元の規模です。それにもかかわらず、今回の中間取りまとめで、この政策活動費の問題には一切触れられていません。なぜ触れられなかったのか、総理に明確な答弁を求めます。

岸田内閣総理大臣 今回の中間取りまとめの内容につきましては、先ほど申し上げたように、自民党として率先してできること、運用面でできること、これについて取組を明らかにするとともに、制度面、法改正を伴う議論についても真摯に貢献していく、こうした考え方を明らかにいたしました。

 政策活動費に対する質問でありますが、政策活動費を始めとする政治資金については、今日まで、日本の政治の中において、政党等の政治活動の自由と国民の知る権利、政治資金の透明性とのバランスの中で様々な議論が行われ、今日の制度に行き着いていると理解をしています。その政策活動費については、政治活動の自由そのものに関わる問題でありますので、今申し上げました、制度面の改革ということで、法改正を伴うことになる、各政治団体、各党各会派、全て共通のルールを定めることになるわけでありますので、是非、国会においても、この問題について、法律改正も含めて真摯に議論をしたいと考えています。

階委員 法改正も議論していきたいというお話がありましたが、その前に、この政策活動費の問題点、もう少し説明したいと思います。

 こちらは、昨年九月の中国新聞のスクープ記事から抜粋したものです。河井元法務大臣が有罪判決を受けた、地方議員の買収事件の原資として、当時安倍政権の中枢にいた四人の政治家から提供された裏金が充てられていたのではないかということを示すメモが存在することが分かったというのが記事の内容です。四人のうち、甘利議員は、百万円というふうにこのメモには書かれておりますけれども、これを河井氏側に渡したことを既に認めています。そして、幹事長、三千三百とありますが、これは二階氏から三千三百万円を受け取ったことを示すものであります。その原資として政策活動費が使われていた可能性もあるわけです。

 法務大臣に伺います。

 一般論として、選挙買収罪の原資を提供した者は共犯として処罰される可能性があるでしょう。また、収支報告書への不記載を指示していれば虚偽記載罪の共犯としても処罰される可能性があると思います。仮にそうだとすれば、特にこの四人の中で一番金額が多い二階幹事長については捜査の必要性は高いと思うわけですが、この点について、法務大臣の見解をお願いします。

小泉国務大臣 お尋ねの件、まさに個々の事案における捜査活動の内容にわたる御質問でございます。

 捜査機関が法と証拠に基づいて判断すべき事柄であり、法務大臣としてお答えすることは差し控えますが、その上で、あくまで一般論として申し上げますと、捜査機関においては、個々の事案の真相、全体の真相を明らかにするために必要な事項については全て捜査を尽くすものと承知しております。

階委員 是非、二階派に属していられた法務大臣ですけれども、ここはしっかりと捜査を尽くしていただきたいと思っております。

 さらに、総理にこの点を伺います。

 実態解明に努めると先ほど来繰り返しておられますけれども、政策活動費がゆめゆめ選挙買収の原資になっていないかということをきちんと調査すべきだと思いますが、この点、いかがでしょうか。

岸田内閣総理大臣 御指摘の事件については、党から出された一億五千万について、改めて、裁判が終わった後、資料が返還されたものを党としてしっかり点検した結果、党から出されている一億五千万については買収の原資に使われていないということ、これは監査も含めて確認をしている、こうしたことを承知しております。

 そして、それに加えて、政党助成金については、先ほど申し上げましたように、党として使途を限定した上で、監査を受けるなど、確認をしております。よって、政党助成金等がこの買収の原資になったということはないと承知をしております。

 そして、それ以外のお金については、先ほど法務大臣から答弁がありましたように、捜査機関において個々の事案の真相を明らかにするために必要な事項については、原資等についても捜査を尽くすものであると認識をしております。

階委員 捜査機関は捜査機関でやるでしょうけれども、自民党総裁であり政治刷新本部長である岸田総理としても、この問題については人ごとではないはずですよ。これはちゃんと調査して国会に報告してください。

 これは非常に信憑性の高いメモですよ。しかも、甘利さんは百万円渡しているということを認めていますから。これは選挙買収の原資となった可能性が極めて高いと思われます。ここは、本当かどうか、ちゃんと党としても、政治の信頼回復に努めるのであれば、真っ先に調べて報告してください。よろしいですか。

岸田内閣総理大臣 先ほど申し上げたように、党として出されたお金、政党助成金については、買収に使われていない、これは確認しているところであります。

 それ以外のお金があるのではないかという指摘でありますが、これについても、捜査当局において必要な事項については捜査を尽くすものであると認識をしております。

 その上において、党として何かできることがあるのか、これはいま一度考えてみたいと思います。

階委員 先ほど、パーティーの裏金が納税義務が生じるというお話もさせていただきました。この政策活動費についても同じような問題があります。

 国税庁に来ていただいておりますけれども、税法上、政策活動費は、その年に使い残しがあれば雑所得として所得税の納税義務が生じると思いますけれども、その理解でよいか、端的にお答えください。

星屋政府参考人 お答え申し上げます。

 一般論として申し上げますと、政治家個人が政党から政治資金の提供を受けた場合には、所得税の課税上、雑所得の収入金額として取り扱っているところでございます。

 政治資金の雑所得の金額は、一年間の政治資金の総額から必要経費として政治活動のために支出した費用の総額を差し引いた残額が課税対象となりますことから、残額がない場合には課税関係を生じないこととなります。他方、残額がある場合には、その額を雑所得として確定申告していただく必要があるということでございます。

 いずれにいたしましても、国税当局といたしましては、個々の事実関係に基づき、法令等に照らして適正に取り扱うこととしております。

階委員 残額があれば納税義務が生じるというお話でした。

 それにしても、一人で五十億円以上もらって、これは全部使い切っているんですかね。私はちょっと想像ができません。

 これは総理に伺いたいんですけれども、過去には、自民党の金丸元副総裁が闇献金で私腹を肥やして約十億円の脱税で起訴されたという事案もありました。政策活動費を一人の議員に五十億円も渡せば、使い残しで蓄財し、脱税している可能性も高いように思います。この点についても、本当にそうなのかどうか、しっかり調査して国会に報告していただけますか。

岸田内閣総理大臣 政策活動費については、自民党としても、それぞれの役職に応じて、党勢拡大、政策立案、調査研究等に使うために支出している、こういったものであると考えています。

 これは、当然、先ほどもありましたように、政治活動のために支出した経費を差し引いた後、残高が生じていた場合には確定申告の必要がある、そのとおりであります。

 この支出について、残高がないように、今申し上げた目的等についてしっかり活用していく、これが重要であり、私自身も、支給された政策活動費については全額政治活動に充てているところであります。

階委員 いや、総理のことは聞いていなくて、二階さんのように、五十億円以上ですよ、こんな金額をどうやって使うんですかね。やましいことがないんだったら、速やかに使途を公表すればいいだけです。そうすれば疑惑は晴れるわけですから。是非これは、御自身のことだけではなくて、関係する議員については全部調べて公表していただけませんか。

岸田内閣総理大臣 政策活動費については、先ほども申し上げましたように、政治活動の自由と国民の知る権利のバランスの中で議論が行われ、今の扱いに至っていると承知をしております。

 政治活動の自由に関わる問題であるからして、これは、各党各会派、全国会議員が共通のルールで内容を明らかにする等の取組が必要であると認識をしております。この法律を変える、ルールを変えるというのであるならば、各党各会派で議論を行うことが必要であると考えます。

階委員 政治活動の自由にもほどがあると思いますよ。バランスが取れていませんよ。五十億なんて、一人の政治家に渡して、しかも使い道を全く明らかにしなくていいというのは、常識外れですよ。国民には全く納得がいかないと思いますよ。

 今、法改正のお話もされましたけれども、是非、政策活動費、ちゃんとした使い方をしているのであれば、そもそも政策活動費なんという仕組み自体要らないと思いますよ。通常の政治資金と同じように収支報告書に記載する扱いにすればいいわけで、政策活動費という費目自体を廃止する、そのことをこの場でお約束いただけないでしょうか。総理、お願いします。

岸田内閣総理大臣 政策活動費については、政治活動の自由との関係で、各党各会派、共通のルールに基づいて取り扱うことが重要であると考えます。共通のルールについて議論を行うということであるならば、こうした議論に自民党としても貢献をいたします。

階委員 立憲民主党は、廃止の方向で既に表明しております。

 今、自民党も真摯に対応するというようなお話でしたけれども、野党がこれを廃止という方向であれば、自民党も廃止で問題ないということで承ってよろしいでしょうか。

岸田内閣総理大臣 先ほど申し上げたように、政治活動の自由と国民の知る権利のバランスの中で、あるべき結論を出さなければなりません。

 そうした議論を、各党各会派、共通のルールとして議論を行うべきであると考えています。

階委員 野党各党が廃止と言っていても、自民党は廃止に必ずしも賛成しないということはあり得るんですか。

岸田内閣総理大臣 政治活動の自由と国民の知る権利のバランスの中で、あるべき結論を出すべきであると考えます。

階委員 つまり、廃止は考えていないということでいいですか。

岸田内閣総理大臣 政治活動の自由と国民の知る権利のバランス、これを考えることが日本の民主主義を考える上で重要であると申し上げております。

階委員 総理大臣、私が冒頭申し上げたとおり、民主主義に資するために使うべきは政治資金ですよ。民主主義を損なう可能性がある政治資金は、これは必要ないわけです。

 この政策活動費はむしろ益よりも害の方が大きい、この政策活動費は民主主義を損なう危険性があるので是非廃止すべきだということを最後に申し上げまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

小野寺委員長 この際、山井和則君から関連質疑の申出があります。大西君の持ち時間の範囲内でこれを許します。山井和則君。

山井委員 まず最初に、能登半島地震における被災者の方々にお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。

 私も先日、石川県の、地元の近藤議員と一緒に、避難所などに行かせていただきましたけれども、本当に大変な、厳しい状況でありますので、このことについては、党派を超えて是非とも被災者支援に取り組んでいきたいと思います。どうかよろしくお願いをいたします。

 それで、まず最初に、今、階議員からもお話がありましたが、二階議員に関しては、二階事務所の秘書も立件をされております。今、階議員から話がありましたように、巨額の、五十億を超える政策活動費、脱税の疑いがあるのではないか、様々なこれは深刻な問題をはらんでおります。

 ついては、委員長、二階議員をこの予算委員会に参考人招致していただきたいと思います。

小野寺委員長 理事会で協議いたします。

山井委員 これはやはり、裏金問題と同時に、金権選挙、金で動く政治を変えて、クリーンな政治に変えていかねばと思います。金ではなくて国民の声で動く政治をつくるのは、与野党を超えた私たちの責務です。

 先ほど階議員からもありましたけれども、我が党も先日、改革案をまとめさせていただきまして、この配付資料二ページにありますように、階議員が話をしました政策活動費の廃止、そして政治資金収支報告書の不記載などについての議員と会計責任者の連座制、これは世論調査でも八七%の方が賛成をしておられます。でも、自民党は、全く、この連座制、やる気がなく、秘書が秘書がということにしておりますが、これは、野党もまとまって、是非ともこの連座制の実現のために力を尽くしていきたいと思います。

 そしてまた、企業・団体献金の禁止の法案も二年前に私たちは国会に提出しております。

 こういう制度論も議論したいのでありますけれども、先ほど大西議員からもありますように、まずは実態把握、全容解明、これなくして再発防止なしと言えると思います。

 先ほど岸田総理から、三十数名ぐらいではないかという話がありました。還流などキックバックなどによって、収支報告書不記載の議員であります。九ページですね、岸田総理。

 それで、まず、改めまして、岸田総理、現時点で明らかになっている、還流などによる政治資金収支報告書不記載のいわゆる裏金議員、自民党で何人いるんですか。

岸田内閣総理大臣 政治資金パーティーに関する今回の一連の問題に関し、政治資金収支報告書について不記載等の指摘を受けている国会議員、志帥会の政治資金パーティー関係では七人、清和会の政治資金パーティー関係では、これまで記者会見等で明らかにしている者でも三十人以上いると承知をしております。

山井委員 三十人以上ということですが、ここのこの表は、別に私個人がヒアリングしたわけではございませんが、今まで安倍派、二階派で、そういう不記載があるという、いわゆる裏金について記者会見などで表明されて、マスコミで報道された議員のリストであります。

 先週金曜日の時点においては合計三十九人、報道されているところでは三十九人、二階派、安倍派。さらに、この週末、高鳥議員、細田議員、山谷議員も公表をされましたが、とにかく、先週金曜日の時点では三十九人。

 岸田総理、そもそも、何人いわゆる裏金の議員がいるかというのは、マスコミや野党が調べるべきものなんですか。岸田総理がまず一覧表を提出して、これこれの議員が、裏金が、不記載が幾らあります、そして、こういう使途に使いましたということを提出し、国民に公表する責任は岸田総理にあるんじゃないですか。いかがですか。

岸田内閣総理大臣 実態把握、党としてもしなければならない、これはそのとおりだと思っております。

 今、検察の捜査が行われ、それを受けて政治資金収支報告書の修正が行われつつあります。この収支報告の訂正によってより具体的に実態が明らかになっていくわけですが、それと併せて、党としても実態を把握して、政治責任について考えていかなければならないと考えます。そのための聞き取り調査をこれから行ってまいります。

 是非、党としても実態把握に努めてまいります。

山井委員 例えば、安倍派、二階派だけでも、まだ百人近い議員の方々は分からないんですね、どうなのか。さっきも言いましたように、先週金曜日の時点で、マスコミ報道で三十九人。でも、岸田総理も、三十人以上、安倍派とか言っていますけれども、実際何人なのか。実態が分からなくて、再発防止策は打てないと思うんです。

 これは釈迦に説法ですけれども、こういう問題のときは、実態、全容をまず把握する、それによって原因を解明する、その次に再発防止策、解決策を考える、これは当たり前だと思います。ところが、今の話を聞くと、総理が何人裏金の議員が自民党にいるかを正確には知らない。これはやはりおかしいと思うんです。

 総理、来週、二月五日からは本予算の審議も始めたいと私たちも思っておりますし、私は、申し訳ないけれども、言いたいのは、私たちも本当は今日、被災者支援や物価高対策や社会保障の審議、大切な審議ですから、したいんですよ。全容解明の一覧表を出してくださいなんというのは、本当は私たちは今日までに出してくださいと求めていたんですよね。それを、私たちがこうやって、貴重な予算委員会の時間を使って、一覧表を、議員リストを出してくださいと言わせること自体、私は本当に、ある意味で被災地の方々にも申し訳ないんです。

 ついては、どの議員が不記載、裏金をもらったのか、このことについて、一覧表の議員リストを、自民党総裁、岸田総理の責任で出していただきたいと思います。いかがですか。

岸田内閣総理大臣 実態把握と、そして再発防止と反省と、そして政治責任についてのけじめ、これは、現実においては並行して進めなければならない、これが現実であると思っています。

 実態把握につきましても、先ほども申し上げましたが、検察による捜査が行われて、それに基づいて政治資金収支報告書の訂正が今行われています。今、整理を行いながら、これから修正を行う人間もいる、これが現実であります。

 捜査に基づいて修正が行われることによって現実がより明らかになるわけですが、それと並行して、先ほど申し上げているように、党としても、関係者の聞き取りを党の幹部が中心となって行っていきたいと思います。そのことによって実態を把握する、それを公にしていく。

 一覧表を作るかどうかも含めて、どういった形で党としてこの問題を整理したのか、説明責任も果たしていきたいと考えます。

山井委員 岸田総理、おかしいと思われませんか。私やマスコミが裏金議員の一覧表をなぜ作らないと駄目なんですか。この全容解明の責任は岸田総理にあるんじゃないんですか。

 今回の中間取りまとめでも、二ページ目に、政治資金規正法違反が問題とされた党所属議員や政策グループにつき、党として速やかな説明責任を果たし必要な対応を取ることを求めると。党として速やかな説明責任を果たすと書いてあるじゃないですか。裏金議員の一覧表を作るかどうかは別としてって、全容を公表するのは、繰り返して言いますよ、原因を究明し再発防止を考える前提じゃないですか。

 百人以上の議員が、裏金があるのかないのか分からない。言いたくはないですけれども、この予算委員会のメンバーの中にも裏金をもらっている可能性の人はいるかもしれないんですよね。

 岸田総理、これは繰り返し言いますけれども、ぽろぽろぽろぽろ、今日この議員が記者会見しました、でもあと九十人は分かりません、そんな状況で、原因も分からないし、実態も分からないし、再発防止策の議論、しようがないじゃないですか。

 これは言ってはなんですけれども、岸田総理は、年始早々から派閥の話にすり替えて、何か幕引きをしようとされています。しかし、一丁目一番地は全容解明だし、国民の皆様に対して、これこれの議員は不記載、いわゆる裏金がありましたということを説明して、使途も公開する、政治資金収支報告書も訂正する、その議員の一覧表、これを出さないということは、岸田総理が全容解明に不熱心、後ろ向き。全容解明をしないということは、再発防止策なんか意味がなくなってくるんですよ。やはりこれは、三十九人なのか、六十人なのか、八十人なのか、一億なのか、三億なのか、五億なのか、これによって原因や再発防止策も変わってくるんです。

 これは総理、私は難しいことを言っていません。私、作業をしましたけれども、やはり、誰が政治資金収支報告書を訂正して、不記載が幾らからあったのか、いわゆる裏金はどの議員だったのかということを自民党総裁として速やかに発表する、そのことをお約束いただけませんか。

岸田内閣総理大臣 先ほどから申し上げているように、実態把握が重要であるということ、私もそのとおりだと思っております。

 そして、現実、実態把握をするに当たって、検察の捜査が行われ、法的な責任が追及され、そして結論が出される。この捜査は大変重要なことであり、強力なものであります。それに基づいて政治資金収支報告書の訂正が今行われている。これが明らかになることが実態解明において一つ重要なポイントであると思いますが、それと併せて、党として、説明責任そして政治責任、これを果たすためにどうあるべきなのか、聞き取り調査を進めてまいります。

 党として実態把握を行うことは重要であるということを強く感じながら、今の作業を進めていきたいと思っています。

山井委員 残念ながら、信用できないんですよ。この問題は昨日今日始まった話じゃないんですよ。昨年末から私たちは要望しているんです。

 それで、残念ですよ、本予算の審議の前の重要な時間に裏金議員のリストを出してくれという質問をせねばならないこと自体私は残念ですけれども、これはいつまでに裏金議員のリストは出してもらえるんですか。なぜならば、私たち、これから本予算、被災者支援や社会保障、物価高対策、大切な議論をする前に、リストを出せ、全容解明しろ、しない、しろ、しない、こんなことをやっていたら、これは本当に国民の皆様に対しても申し訳が立ちません。

 来週月曜日、このままいけば本予算の審議が始まるのではないかと思いますが、それまでには裏金議員のリストを出すとお約束ください。

岸田内閣総理大臣 先ほど申し上げたように、法的責任、説明責任、政治責任、これをしっかり果たすべく取組を進めてまいります。これを、現実問題、先ほど申し上げたような取組を一つ一つ進めていかなければ全容は確認できないと思います。

 いつまでにそれができるのかということでありますが、これは、現実の、収支報告書の訂正を始め様々な取組を確認した上で、できるだけ全容把握を急ぐべく党として努力をしたい、このように申し上げるしかないと思っています。

山井委員 私は難しい要望をしているんじゃないんですよ。統一教会のときにやったじゃないですか、各議員に統一教会との関係はどうでしたかといって。なぜ同じことを今回しないんですか、できないんですか。

 明確に答弁していただきたい。本予算の審議までには不記載の裏金の議員の一覧は出してもらえるんですね。答弁ください。

岸田内閣総理大臣 統一教会のときとは事案の性質が異なります。様々な関わり合いについてアンケートを取った統一教会と、今回、法的責任を問われている議員について確認をする、なおかつ、その内容について確認をするということについては、法的な手続と並行して、党として説明責任あるいは政治責任を果たすべく、作業を進めていきたいと思います。できるだけこの作業は急がなければならないと考えています。

山井委員 私は、はっきり言って、与野党を通じての思いは、この政治と金の問題は長引かせたくない、早急に全容解明して、原因究明して解決策を提示していく、そして、しっかりと被災者の支援や本予算の審議に挑むというのが与野党一致した意見だと思いますよ。

 岸田総理の答弁を聞いていたら、じゃ、これは、二月末とか三月になってから、実は私、裏金三千万でした、五千万でした、百万でした、五百万でしたという人が何十人もまた出てくるんですか。そんなことはあり得ないじゃないですか。

 政治と金の問題を長引かせたくないんです。実態把握、全容解明はそんなに難しいことじゃありません。岸田総理が聞けばいいだけじゃないですか。なぜ聞かないんですか。

 いや、今、聞くと言っているじゃないですかとおっしゃったから、いつまでに聞くのか。来週月曜日から本予算審議に入る可能性がありますけれども、今週中に聞いて、その結果を発表するということでいいですか。

岸田内閣総理大臣 関係者の数が多数に及ぶ、あるいは範囲の確定をどうするかなど、聞き取りにつきましても、どういった聞き取りを行うのか、至急調整をして始めたいと思います。

 実態把握が大事だということは、全くそのとおりだと思います。そして、急がなければいけない、これもそのとおりだと思います。

 しかし、それに現実、時間がかかるとしたならば、そうであるならばなおさら、実態把握と、そして再発防止と反省と、そして政治責任の追及と並行して進めることが大事だということを申し上げています。

 是非、これらを並行して進めることによって、この問題、できるだけ早く一つの区切りをつけたいと思っております。

山井委員 結局、派閥解消の議論の脇道にそらしていって、裏金問題の再発防止、やる気が全くないと思われても仕方ありませんよ。実態把握、全容把握、できるのにやらないんですから。

 これは、残念ながら、こんな議論は何回もできませんから、とにかく本予算までに裏金議員の一覧を出していただきたい、そのことを委員長にも要望します。

小野寺委員長 理事会で協議いたします。

山井委員 国民の皆さんもやっていられないと思いますよ。裏金だけでも怒っているのに、当たり前の話、誰が裏金を幾らもらったのかも、調べません、公表しません、調べると言いながら、いつまでですかと言ったら、分かりません。三月、四月までこんなことをやられたら、たまったもんじゃありませんよ。

 もう一つ。安倍派の幹部の説明責任もあります。実態解明のため、安倍派幹部六人、松野議員、西村議員、高木議員、萩生田議員、下村議員、塩谷議員の予算委員会への参考人招致を求めたいと思います。

小野寺委員長 理事会にて協議いたします。

山井委員 もう時間が来ましたが、これは安倍派の若手の議員でさえ、やはり安倍派の幹部は説明してほしいと言っているんです。与野党対立じゃないんです。

 この裏金問題の全容解明、実態究明、とにかく今週中に一覧表を出していただくということを要望して、私の質問を終わります。

 ありがとうございます。

小野寺委員長 これにて大西君、階君、山井君の質疑は終了いたしました。

 次に、藤田文武君。

藤田委員 日本維新の会・教育無償化を実現する会の統一会派として質問をさせていただきます。

 今、山井議員から調査をちゃんとした方がいいという御発言があって、かなり総理にも詰め寄られましたが、私も全く同感でございます。珍しいというお言葉がありましたけれども、でも、それはおっしゃるとおりで、私も今、不肖、幹事長というお役目をいただいていまして、党内をガバナンスする立場でございます。

 やはり実態解明をして対策を打つというのは当然のことでありますし、今まで、例えば、政治刷新本部ですかが立ち上がりました。その直後に、そこに裏金をもらっていた議員もいらっしゃったということで、その一報をもって、刷新会議の信頼も地に落ちるということがあったわけであります。

 そしてまた、総理は様々な人事をされますけれども、誰がどの程度関わっているかということをやはり把握しないと、組織マネジメントはできませんから。

 ちょっと質問の順番を変えまして、先に行きたいと思いますが、やはり全件調査は私もすべきだと思います。

 簡単ですよ。アンケートを取って、自分たちの良心に従って、どれほど関わっていたのかということを自主申告させればいいんです。自主申告がもし漏れていたら、後で分かったら、それはまた信頼を逸する行為でありますから、組織マネジメントとしては、より、非常に、事の軽重でいうと重くなりますね。

 ですから、自分たちの良心に従って自主申告させるというアンケートを私も山井議員と同様に強く求めたいと思いますが、いかがでしょうか。

岸田内閣総理大臣 実態把握のための方法の御提案をいただきました。党としても、具体的に、最もスピード感を持って対応できる方法を考えます。

藤田委員 最も簡単な方法だと思うんですね。自主申告で、私だったらそうするかなと思うことを提案しているんですが。これは茂木幹事長にもNHKの「日曜討論」で御提案しましたが、同じような形の濁したお答えでありました。

 実態把握を本当に早くするということがまず必要であるということを申し上げて、次に行きたいと思います。

 清和会の派閥裏金問題の中で、宮澤副大臣が、多分自分のいろいろな思いもあられて、結構いろいろなことをしゃべられました。

 派閥からかつて収支報告に記載しなくてよいという指示があった。こうなった以上は、正直に申し上げる。大丈夫かなと思った。これで長年やってきているのだから適法なのかなと推測せざるを得なかったので指示に従った。議員間で具体的に意見交換する機会はほとんどなかった。多くの仲間も早く説明して身の潔白を、潔白じゃないんですけれども、身の潔白を証明したいと思っていると推測する。だが、はっきり申し上げる。しゃべるな、しゃべるなと言われたという話ですね。それから、箝口令がしかれておりますけれども、これはもう各議員が正直言ってしゃべらないといけない段階に来ていると思うということを、十二月に記者会見で発言をされているんですね。

 これが示唆することは、派閥での裏金問題というのは、過失でもなく、うっかりミス等のそういう類いのものではなくて、明確な意思を持って、組織が、長期間にわたって、組織的に違法行為を繰り返していた。私は記者会見で聞かれて、組織的犯罪集団が権力を持って国を動かしていたんじゃないか、そういう疑念を持たれますよということを申し上げました。

 多くの議員が恐らくそれを認識していたし、そして、その違法行為を誰も正面から異を唱えなかった、そういう情けないことが長年続いてきたという実態でありますが、率直に、総理、この現状、組織的に、意図的に、長期間にわたってこういうことが実態として行われてきたということについて総理はどうお感じになられているか、まず聞きたいと思います。

岸田内閣総理大臣 御指摘のような実態があるという指摘を深刻に受け止めなければならないと思います。党の代表として、そのことを深刻に受け止め、党の体質改善に努めなければならない、改めて強く感じます。

藤田委員 次に行きます。

 政治改革大綱ですね。にわかに、三十五年前の、自民党が発表した平成元年政治改革大綱が注目を浴びているわけであります。

 政治改革大綱は、私も勉強させていただきましたが、非常に網羅的で鋭い指摘も多く含まれているものでありまして、それを忠実に全て実行していたら、そして実行し続けていたら、このようなことにはならなかったのかもしれないとさえ思える内容でございます。

 その大綱は、「いま、日本の政治はおおきな岐路に立たされている。リクルート疑惑をきっかけに、国民の政治にたいする不信感は頂点に達し、わが国議会政治史上、例をみない深刻な事態をむかえている。」という現状認識から始まるわけでありますが、このリクルート疑惑という文言を派閥裏金問題と置き換えたら、全く同じことなわけであります。

 それで、出てきた政治刷新本部の中間取りまとめを見ますと、恐らく皆さんの感想と私の感想は同じなんですが、かなり、この当時出てきた政治改革大綱に比べると、しようもないと言ったら語弊がありますけれども、かなり領域も狭く、そして踏み込んだものでもない、そういう印象を受けます。

 総理もさっき、今日の私の前の答弁でも、これからのことは、これから各党の、制度論もやっていきたいというふうにおっしゃられていますが、そこにはどういう政治思想、改革思想でこれに向き合うのかということぐらい載せていただいてもよかったんじゃないかな、そういう強い思いを語っていただいてもよかったんじゃないかなと思えるような、出来の悪い中間取りまとめだったんじゃないかというふうに受け止めています。

 そこで、私どもも、批判するだけじゃなくて、維新版の政治改革大綱という形で発表をこの後したいと思うんですが、昨日、常任役員会を開きまして、承認をされました。

 ちょっと内容の芽出しをしますけれども、平成元年の政治改革大綱は、政治と金の問題もそうですが、それに関わる選挙制度の話、そして国会改革の話、そこまで射程を広げて、政治のありよう自体をこの際だからとにかく徹底的に変えていこう、つまり政治を浄化していこうという思いが見て取れます。私もそれを目指したいなと思って、それを並べて、今からの政治改革をどうしていくかという議論をやはりしていきたいというふうに思うんです。

 我々の内容は、ちょっと個別の議論に後で入っていきますが、これら挙げられているもので、一つは企業・団体献金の完全廃止。これは今抜け道がありますから、政党支部という形で、恐らく、私も持っていますけれども、皆さん持たれている選挙区支部、そういう政党の支部扱いで、企業・団体献金は通常どおり受け取っている。これは廃止すべきだというのが我々の意見であります。

 それから、文通費ですね。この領収書公開については、一旦は合意したんじゃないかというところまで来たはずなのに、もうずっと先送りして、何国会またいでいるんですかという、これこそ一番簡単なところですから、すぐさまにもやりましょうということ。

 それから、政治資金パーティーの件についても、我々もいろいろ悩みました。いろいろ、様々法的な整理も、それから現実論も踏まえて議論をしました。そこで、我々が成案として御提案するのは、やはり企業・団体献金の抜け道的に使われてきたということを重く受け止めて、企業、団体への販売は一線を引こう、禁止しようということであります。

 それから、後でやりますが、政策活動費ですね。今日、立憲の議員、それから公明党さんの議員もやられていましたが、政策活動費についても、今の、非常に不透明で、恐らく現金配りに使われているんじゃないかというような疑念を持たれるようなことは廃止しよう。

 それから、政治家の本人への厳罰化、それから外部機関の導入等、網羅的に政治と金については提案をしていきたいというふうに思います。

 そこで、この中間取りまとめには、今日も御発言あったように、法改正を含めた具体的な制度設計をやっていこうということは一応書かれています。これはいつまでに、どのように進めていくおつもりか、総理のお考えを聞きたいと思います。

岸田内閣総理大臣 中間取りまとめの中の、運営面での改善に加えて、制度面の改善、すなわち法律的な改正を要する取組についても述べました。

 それについては、中間取りまとめに書いてあるように、これは全議員共通のルールを作るわけでありますので、各党各会派と協議をし、自民党も真摯にこの議論に向き合っていく、こうした考えであります。

 その際に、政治資金の透明化と公開性の向上、そして、より厳密な責任体制の構築、こういった点を重視しながらこの議論に参加していく、こういった考え方を中間取りまとめの中に盛り込んでおります。

藤田委員 では、具体的に言うと、与野党協議会のようなものを立ち上げて、そこに各党持ち寄って、そして、それをどこまでできるかというのを議論する、こういうイメージですかね。

岸田内閣総理大臣 与野党協議会という形で議論をする、これも一つの形だと思います。

 いずれにせよ、各党と協議する中で、議論の場もしっかり確定したいと思います。

藤田委員 私が感じる印象は、そういう場が例えばできたとしましょう。我々はもう今日出します。立憲さんも出してくださいましたね。敬意を表します。国民さんも出しましたね。公明党さんも出したんですかね。それぞれが持ち寄る。でも、自民党は具体案の全体設計は出していないわけなんですね。つまり、恐らく、現状のいわゆるこの肥大化した利権構造みたいなものをできるだけ保持しながら、防衛ラインはどこかというような、そういう戦い方を目指していらっしゃるんじゃないかと疑わざるを得ないなと思うんですね。

 だから、正々堂々、ここまではやろうというのを出していただいたらいいんじゃないかなと。その上でテーブルに上がっていくということをやりたいなと思うんですね。つまり、見比べて、どちらがどのような考えで改革に向き合うのか、そういう改革競争を国民の前で正々堂々とやるというのが私は王道だと思いますが、総理、いかがですか。

岸田内閣総理大臣 自民党の中間取りまとめ、これはあくまでも中間取りまとめであり、そして、大きな方向性を示したものであります。

 御指摘の点につきましても、各党で協議をする場に、是非、自民党としても、政治刷新本部の場でしっかり党の考え方をまとめて臨みたいと思います。

藤田委員 中間取りまとめだというのは一つの言い訳だと思うんですけれども、では、本まとめはいつ出てくるんですかね。

岸田内閣総理大臣 政治改革に終わりはないという言葉を申し上げました。これは議論を続けます。しかし、その中で、より具体化しなければ、点については、順次明らかにし、党としての結論を取りまとめていきたいと考えています。

藤田委員 国民が思うことは、自民党が権力を掌握しているわけです。その自民党がちゃんとガバナンスされているのかということを疑念を持っているわけですね。ガバナンスは、決まりを守らせるだけじゃありません。やるべきことをどのように進めていくかということをちゃんと進められるかということも能力なわけです。

 では、いつまでにやるかと問われて、ある種、その前に与野党協議会が立ち上がったら、それまでに答えはないわけですよね。だから、私は、そういうことも含めて、先ほどの、全件調査をした方がいい、そして、考えがあるんだったら、まずまとめてテーブルに上げてくださいということを申し上げてきたわけなんですね。

 その上で、ちょっと派閥の話に戻りますが、派閥、政策集団という言い方を最近されていますけれども、派閥ですよね。派閥とは、法的には、恐らくその他の政治団体という、国会議員団体でもない、政党でもない、政党の支部でもない、一般の、その他の政治団体というカテゴリーに入っていて、それは我々も、例えば後援会、資金管理団体を持っていると国会議員団体というのに指定していますから、開示ルールがより厳しいわけなんですが、その他の政治団体に恐らくなっているんだと思います。

 では、御党の党内の位置づけというのはそもそもどういう位置づけだったのか。例えば、規約にどのように盛り込まれているのか等があれば、お答えいただけますか。

岸田内閣総理大臣 委員御指摘のように、派閥というもの、政治資金規正法上はその他の政治団体に該当し、そして、第五条第一項第一号に規定するいわゆる政策研究団体であるということでありますが、党則上の位置づけというものはありません。

藤田委員 そうなんですよ。ないんですね。

 つまり、非常に曖昧な立ち位置のものなんですよ。その曖昧な位置づけのものが肥大化して、人事も金も制圧していたわけなんですね、それを差配して。そして、党だけならまだしも、党内のことですから勝手にやっていただいたらいいんですが、政府にまで人事権を及ぼすような、そういう影響を及ぼしているという。

 つまり、私も民間企業をやっていましたから分かりますが、余り位置づけがなく、よく分からない曖昧なものが、権力が肥大化して全体を動かすだけの影響力を持つ、そしてそれが国家の運営に関わっているわけですよ。

 これはガバナンスとしてそもそもおかしいですよね。その実態というのはどのようにお考えになられますか。

岸田内閣総理大臣 派閥というもの、本来は、政策を錬磨し、党の機能を補完する形で人材育成とか若手の育成に努める自主的な組織でありましたが、しかし、実態は、お金とそしてポストを考える場として国民から疑念の目を注がれてきた、こうしたことであったと受け止めています。

 本来の政策集団でなければならない、金とそして地位、ポストから遮断するという取組を行わなければならないということで、中間取りまとめを取りまとめました。

 そして、派閥に関しては、派閥が担っていた機能、これは機能自体がなくなるわけではありませんので、お金や地位について、党がガバナンスを強化する形で担っていく新しい党の仕組みを考えていかなければならない、このように考えています。

藤田委員 今のお話は、三十五年前の政治改革大綱にも同じようなことが書かれています。

 派閥と政治資金の関わりや派閥の内閣、国会及び党全般にわたる人事への介入、派閥本位の選挙応援など、様々な弊害を生んでいる。そして、ちょっと飛ばしますが、役職についても、最高顧問は派閥離脱、総裁、副総裁、幹事長、総務会長、政務調査会長、参議院議員会長、閣僚は、在任中派閥を離脱するという一線も引くべきだということも明記してきたわけであります。また、派閥の実務者間によって、実質的にあたかも党機関に代わる意思決定と誤解されるようなことは行わないと。事務総長会議をやられてきましたよね。

 こういう、つまり、言ったことはやらない、それが私は自民党のこの三十五年だったんじゃないかと断じざるを得ないというふうに思うわけであります。

 先ほど、階先生でしたかね、党の役職者は外れるというお話の中で、総理は外れてこなかったわけであります。それは、総理自らがこの政治改革大綱を有名無実化している、それを体現してきちゃったわけなんですね。

 それを、こういう騒動があって、辞められました。私も素朴に思いました、辞めた派閥の会長が一番最初に解散を宣言するのは、いかにも、内外共にちょっともやもやするお話だなというふうに思いました。

 ですから、改めて、こういう位置づけが非常に曖昧で、そしてそれが肥大化して、そういうものが、党のみならず政府、そして日本国家を動かしてきたということをやはり真摯に受け止めて、そういうものを根元から断つということを是非やっていただきたいと思いますが、総理、どうですか。

岸田内閣総理大臣 平成元年の政治改革大綱について書かれていること、これを行ってこなかったという御指摘、そして、派閥、政策集団というものが、本来の役割ではなくして金とポストのための集団であるという目で見られてきたということ、このことについて率直に反省しなければならないと思いますが、だからこそ、今回の中間取りまとめにおいて、重要なことは、単に派閥を金と地位から、ポストから遮断するというのではなくして、その後、厳密なルールを作ることによって、グループや人の集まりについてしっかりとガバナンスしていくという点であると思っています。

 政治改革大綱後も派閥が解散したりでき上がったりしてきた、このことを考えますと、単に派閥をなくすとか残すということだけではなくして、そもそも政治と金からどう遮断するか、このルールを作ることが大事だという考え方に基づいて、中間取りまとめの中に、政策集団の政治資金パーティーは今後一切禁止をするとか、人事につきましても、ガバナンスコード等においてしっかりとしたルールを作るとか、そして、これから具体的な組織をつくって、派閥が担ってきた機能を党がしっかり肩代わりするとか、こういったルールをしっかり作るところが重要であると思っています。

 そのことによって、過去指摘されている繰り返しをもう繰り返すことがないように、派閥の、お金とそしてポストの遮断、これを徹底するように、今回の中間取りまとめをしっかりと実行していきたいと考えています。

藤田委員 今、党の取組の話なので、それはやってください。しっかりと厳しく私たちも見ていきたいというふうに思います。

 ちょっと、今のは党内の話ですからやっていただいたらいいんですが、法律の話に行きたいと思います、個別具体論ですね。

 まずは、先ほど来、立憲の議員の皆さんもやっておられる政策活動費についてですね。

 これは、おさらいすると、政党から議員個人に対して寄附できるという、政治資金収支報告書の、例外規定を利用して、党の要職者が多額の現金を受け取っている、又は差配していたんじゃないかという話であります。

 結構多くの議員が、最近はテレビ討論等にも出てきまして、それはやめた方がいいんじゃないかとか、こうなっているんじゃないかということを話をされます。最終、コアな部分になると、自分は関わったことがないから分からないというふうにして逃げられるわけであります。

 くしくも、私、党の今幹事長でありまして、政策活動費について、私の名前で去年も今年も計上します。ですから、恐らく自民党さんも立憲さんもそうですが、そこに記載されて、実際そこに自分が責任を持って説明できる議員が出てきて議論すべきだというふうに私は思います。ですから、今日は、政策活動費を私がやるというのはいいことなんじゃないかなと思って、させていただこうと思っているんですね。

 これは、使われ方は恐らく二種類なんです。一種類は、一つ目は、恐らく陣中見舞いとか政治活動とかなんとかに現金をばらまいているんじゃないかという一つの疑惑、そういう使われ方ですね。もう一つは……(発言する者あり)馬場さんはやっていないからね。要らぬこと言うなよ、ほんま。ええかげんにせいよ、ほんま。

小野寺委員長 御静粛にお願いいたします。

藤田委員 それからもう一つは、領収書がひもづいているものですね。我が党にもそれはあって、例えば、調査会社とか、講師をお願いするとかいうことで、我々のような政党に、政治色を持って恐らく知恵をおかしいただける、そういうことについて、実名や自宅の住所まで公開されるということを配慮して、そういう仕組みを援用しながら使わせていただいている。つまり、領収書がひもづいているものと、それから現金配り、こういう二種類に分けられるんじゃないかなと思うわけなんですね。

 ちなみに、我が党は、私が全部管轄していますから明確に分かりますが、全部領収書がひもづいております。

 総理は、さきの国会で、この使われ方、党に代わって党勢拡大、政策立案、調査研究、これを行うための経費というふうに説明されました。

 であるならば、総理にお伺いしたいんですが、総理も政策活動費、収支報告を見たら計上されていた時期がありますから、御自身のこととしてお答えいただけると思いますが、領収書や帳簿の保存、管理というものは行っておりますか。

岸田内閣総理大臣 政策活動費については、税務当局等から聞かれたならば説明できるようにしております。

藤田委員 そこには全部領収書があるという認識でよろしいんですか。

岸田内閣総理大臣 資料等も含めて、説明できるようにしてあります。

藤田委員 今のは総理のお話ですけれども、そうやって領収書を取り、そして帳簿をちゃんとつけ、そこに出てくるお金と整合性が合うというのは、これは当然ですよね。我々はそうしています。

 では、それが全て、総理や、そのほかの恐らく議員もできるというような認識でよろしいですか。

岸田内閣総理大臣 政策活動費については、税務当局等から聞かれたならば説明できるようにしておくものであると考えております。

藤田委員 今私が、恐らく使われ方は二種類だろう、後者は領収書がひもづいている、前者はお金がいろいろなところに配られているんじゃないかというふうに推測されるようなことがあるんじゃないかと。

 これは、何か勝手に僕が言っているんじゃなくて、例えば、池田議員事務所が回答しています、党から清和政策研究会を経て支払われる政策活動費として認識して収支報告に記載しなかった。鈴木淳司前総務大臣、派閥から交付された活動費との認識だった、政治資金収支報告書に記載する発想がなかった。橋本聖子議員、政策活動費として支出を受け、政治活動に使用した。つまり、政策活動費なるものがいろいろな議員に現金で渡っているんじゃないかということを示唆しているわけです。恐らく常態化していたんだろう。

 総理は、過去に、政策活動費から、議員や又は候補者、候補予定者に、現金として、頑張れよというお金を渡したことはあられますか。

岸田内閣総理大臣 政策活動費については、これは政党等の政治活動の自由に関わる問題であります。これをどう使ったか、具体的な使途等については、全議員共通のルールに基づいて明らかにすべきものであると思います。

 そういった観点から、今言った御質問については、ルールに基づいて明らかにするべきであり、申し上げることは控えます。

藤田委員 総理、さっき、帳簿があると、まあ領収書があるとまでは言いませんでしたが、説明できるとおっしゃられました。恐らく総理は渡していないんじゃないだろうかと淡い期待を抱いているんですけれども、そうであれば、渡していない、少なくとも私は渡していないと言っていただいてもいいと思うんですが、いかがですか。

岸田内閣総理大臣 先ほど申し上げました政治活動の自由と、そして国民の知る権利とのバランスの中で政治資金というものは議論されてきました。政策活動費も同じであります。

 よって、透明化を図る、あるいは使途について明らかにするについても、全議員共通のルールに基づいて明らかにすべきものであると思います。具体的に申し上げることは控えます。

藤田委員 だから、控えると、御自身のことですから分かるはずなので、私は、はっきりイエス、ノーを言っていただいたらいいと思うんですね。

 さっき事例を申し上げましたように、複数の議員が、そうやって現金受領の、今回の裏金疑惑で、これは裏金だったんじゃないのと言われたら、いやいや、政策活動費だったんですと言い訳しているわけなんですね。だから、政策活動費として現金が配られるということは恐らく常態化していたんだろうと推測せざるを得ない。常態化していたんじゃないですか、党内で。いかがですか。

岸田内閣総理大臣 政策活動費の具体的な使途等については、先ほど申し上げました考え方に基づいて、全議員共通のルールに基づいて明らかにすべきものであると考えています。

藤田委員 だから、やはり一つ目の使われ方の、そういう金に物を言わせる政治の温床となってきたのは、私は絶対にあると思います。それは元から断つということをやるべきだと思います。

 だから、我々も、いわゆる政策活動費、つまり、そういう現金配りの温床になるものは、もう法律でその抜け道は閉ざそう、廃止しようということを提案したいと思いますが、総理、どうお考えですか。

岸田内閣総理大臣 政治資金の透明性に関わる議論、法改正の議論、これは重要な議論であります。こうした議論、政治活動の自由と国民の知る権利のバランスの中で議論を行うということについて、党としても真摯に議論していきたいと思います。

藤田委員 この議論で、総理がちょうど政策活動費を恐らく受ける権限がある党三役や役職に就かれて、実際に受領していたことは過去の収支報告を見れば明らかですから。だから、事例で出てきた議員よりも少ない金額だったとは思いますけれども、適切に処理されていると私は信じたいですが、適切に処理されているということは、領収書があり、それにひもづいていて、帳簿がちゃんとあるということをいつでも説明できるということだと思うんですね。

 私も、かなり後輩議員としてこの国会に来させていただいて、組織をまとめるお役目をいただいていますから、より自分に厳しく、そしてチェックを受け、勝手に自分が差配しないということを心がけて、今、党運営をやらせていただいているんですね。それは当然のことだと思うんです。

 ですから、総理は、いつでも税務当局にもし言われたら出せる用意があるという言葉を私は信じたいですが、でも、後の質問で、現金をそうやってお配りになられたことはありますかということについてはお答えにならなかった。つまり、そこは非常にブラックボックスだったなという今日の質疑の感想でございます。

 もし、ないんだと言って、後で、いや、俺はもらったよという人が出てきたら困るからそう言われたのかも分かりませんけれども、それは自分の信念に基づいて、はっきりすべきところははっきりして次に進んでいただきたいということを申し上げたいと思います。

 それから、提言書の中にも盛り込みました。政策活動費のことも、旧文通費、今、調査研究広報滞在費と名前が変わりましたが、この二つは、中間取りまとめ、自民党の提言には全く出てきませんでした。

 私は、これは真正面から自民党こそが向き合っていただきたいなと思うわけであります。政治と金の問題で、この文通費も、恐らく、使途が公開されないということは、領収書がひもづいていないんじゃないか、そういうずさんな管理でやっているんじゃないかということなんですよ。

 我々は、全て領収書をひもづけ、ネット公開している。だから、その使われ方がいいのか悪いのかということも御批判にさらされる。これは当然ですよね、いいことだと思います。

 それで、この旧文通費は、使途公開それから残金返納、その前に日割りというのがあります。これは、日割りは達成できて、この三点セットの中の一つ目だけが、お茶を濁すような形で、それだけが成立した。それから何国会も、使途公開、残金返納の議論はされずに来たわけでありますが、一度与野党で合意に近いところまで行ったわけでありますから、総理、これぐらいのことは、もうここで文通費はやりましょうということを言っていただいてもいいと思うんです。

 テレビ討論を見ていると、自民党の議員はみんなもう言い出していますよ、文通費ぐらいは公開しようと。この間、田村前大臣も言っていましたね。いろいろな方が、文通費ぐらいはやろうというふうに言っていますけれども、公明党さんも言っていますね。

 どうですか、総理。今、もうここで宣言していただいたら解決です。いかがですか。

岸田内閣総理大臣 中間取りまとめの中の制度的な取組、法改正を要する取組等の中に、この旧文通費の問題も、政治資金の透明化という課題において取り上げられるべき課題であると認識をいたします。

 全議員共通のルールを定めるということでありますので、議論をしなければなりませんが、自民党としても真摯に議論に参加してまいります。

藤田委員 先ほどから全議員共通のルールを定めるということをおっしゃられているんですけれども、それはそうなんです。これは、やはり私たちはそれを突破したいなと思っていて、この取りまとめ、我々の維新版政治改革大綱に明記したことについて、自分たちができる、先駆けて実行できることは、内規を作ってやりたいというふうに思います。これまでもそうしてきました。

 例えば、報酬削減を訴えるのであれば、二割削減。今も、ボーナスは三割、通常の歳費は月額から二割削減をして、返納はできないので、寄附という形で被災地等の支援に回す。それから、文通費は公開せよと言ったからには、自分たちは公開する。

 昨日議論しまして、常任役員会でも承認されましたが、連座制の話ですね。連座制は、要するに、亡くなられた会長とそれから民間人である事務方に罪をなすりつけて、自分たちは何のおとがめもないということは、国民心理からしておかしいじゃないか、だから、議員本人が責任を持ちましょうということですよね。すごく単純なことだと思います。

 我々は、この連座制や厳罰化、政治家本人が責任を取るということを提案しますから、党で、国会議員は全て、政党支部、それから自分の資金管理団体、代表となるものは、会計責任者に全部名義を変えてくださいということをやろうと思います。つまり、逃れられません。そうやって、法律が決まるまではいいかというようなものじゃなくて、できることから始めようというのが我が党のスタンスであります。

 立憲民主党さんにもお願いしたいんですよね。(発言する者あり)そうなんですが、私の意見ですから。イコールフッティングという言葉を使って、提案するけれども自分たちはやらない。企業・団体献金の禁止もパーティー券の企業売りも、民主党政権ができる前は公約に入っていました。でも、それを取り下げたんですよ。だから、それでは私は国会改革は進まないと思うんですね。(発言する者あり)

小野寺委員長 御静粛にお願いいたします。不規則発言はやめてください。

藤田委員 相当賛同できるところがあります、山井議員の今日の質疑を聞いていても。だから、一緒にやりたいんだけれども、でも、今のままだったらできませんね。自分たちはやらない、でも言う。我々は、言ったからにはやる。そういうことなんです。

 だから、総理、この文通費ぐらいはまずは先駆けてやった上で本論に入っていくということを是非お願いしたいというように思いますが、再度、いかがでしょうか。

岸田内閣総理大臣 先ほども申し上げたように、我が党の中間取りまとめにおいても、政治資金の透明化、重要な課題だと考え、制度的な議論にも真摯に参加する、これを確認しております。

 旧文書交通費につきましても、共通のルールを作るということで、真摯に議論に参画いたします。

藤田委員 これぐらいのことは明言していただいてもいいんじゃないかなと思いました。というのも、会長を退かれた後に派閥の解散を言えるぐらいの総理の決断力でありますから、これぐらいのことは言っていただいてもいいんじゃないかなというふうに思いました。

 それから、政治資金の公開基準についても少し触れておきたいと思います。

 公開基準については、様々、結構ばらつきがあって、額や公開の仕方、そして、簡単に言うと、公開すべきものが公開されずに済んでいるし、もう少しプライバシーに配慮すべきものが配慮されていなかったりと、ちぐはぐなんですね。これは、私は網羅的に全部整理し直すべきだと思います。

 透明性や公開性を重視すること、又は、御提案申し上げているような第三者機関でチェックをしっかりとするという、ちゃんと使われるようにガバナンスするということはもちろん前提とすべきだし、それは強化すべきことだと思います。

 でも、一方で、例えば、プライバシーに配慮すべきことで、時代に合っていない整理があります。例えば、個人寄附。個人寄附は、私たちは広く拡大させていくべきだと思うんですね、文化として。でも、これをやるには、一つは、税制優遇等のそういうインセンティブを考えるということもありますが、もう一つは、プライバシーの保護の観点もあるんですね。

 例えば、五万円以上の寄附は全部、個人であっても住所が公開されます。実名も公開されます。又は、寄附控除を受けようと思えば、数千円でも、政治資金収支報告書に自宅の住所が公開されます。今起こっている事例でいうと、私もそうですけれども、少額でも、いろいろな議員のところに寄附された個人のお宅に、朝から晩まで週刊誌が行って嫌がらせをするようなことも起こっているんですね。

 今、会社法も、そのうち、もうすぐ、二四年度からかな、役員の登記については、住所は選択制にして公開基準を変えようという話や、地方議会では、自宅の住所や携帯電話まで議会のホームページにみんな載せるという慣例みたいなものがあって、これはプライバシーの時代にはそぐわないということも一方で冷静に議論すべきだと思うんですね。それは、皆さん、そうやって政治に何らかの形で関わってくださるという方々をお守りする、そういう民主主義を担保する一つの議論でもあります。

 こういう犯罪抑止やプライバシーの観点ということから公開基準を網羅的に整理し直すということについて、総理はどうお考えですか。

岸田内閣総理大臣 政治資金の規正ですとか、政治資金収支報告書の公開あるいは記載の基準については、今日まで、一つは政党や議員の政治活動の自由の観点、もう一つは国民の知る権利という観点、この二つの観点のバランスの中で議論をずっと積み重ねてきて今日に至っていると承知をしています。

 しかしながら、今日、委員御指摘のように、個人寄附において住所等が公表されることによってプライバシーに大きな影響を生じている、こういった指摘があるということも大変重要な点であると認識をいたします。今申し上げましたようなバランスの中で、政治資金の公開について、収支の在り方について、引き続き不断の議論を続けていくことは重要であると認識をいたします。

藤田委員 ありがとうございます。

 政治改革、絶対やりましょう。自民党は、言ったけれどもやらなかったというこの三十年だったと思います。是非、総理、御覚悟を持って、党内改革のみならず、この法案も含めてしっかりと前に進めていく、そういう国会にさせていただけたらと思いますので、よろしくお願いをいたします。

 以上です。

小野寺委員長 これにて藤田君の質疑は終了いたしました。

 次に、塩川鉄也君。

塩川委員 日本共産党の塩川鉄也です。

 しんぶん赤旗報道を発端に明らかになった自民党派閥裏金問題であります。

 派閥の政治資金パーティーを利用して裏金づくりをシステム化をしていた、派閥による議員への還流、キックバック、議員による中抜き、派閥によるため込みが行われてきた問題であります。

 裏金全体の徹底解明が国民の要求であります。政治資金規正法違反で起訴された安倍派、二階派において、先ほど総理の答弁で、収支報告書の修正を行った者が清和会、安倍派で三十人以上、志帥会、二階派で七名とありますけれども、これは、安倍派の三分の二、二階派の大半はまだ明らかにしていないということであります。

 総理にお尋ねします。こういった実態について、実態解明を全議員を対象に調査を行うのか、この点、お答えください。

岸田内閣総理大臣 先ほど来議論しておりますように、実態解明、これは重要である、私もそのとおりだと思います。

 そして、実態解明に当たって、まずは検察による法的な捜査が行われて、そして処分が明らかになりました。そして、それに伴って、政治資金収支報告書の修正が今行われています。そして、それを踏まえて関係者が説明責任を果たしていかなければなりませんが、党としても実態把握に、聞き取り調査を行うなど行ってまいります。

 そして、まずは関係者からということになるのでありましょうが、必要に応じてその範囲を拡大して、実態解明に努めていきたいと考えています。

塩川委員 総理が言う関係者というのは、どの辺の範囲なんですか。

岸田内閣総理大臣 まずは、政治資金収支報告書の修正等において関わりがあると判断し、そして、説明責任を自ら果たさなければなりませんが、そういった形で関与が指摘されている議員を中心にヒアリング、聞き取りを行っていきたいと考えます。

塩川委員 話を聞いていると、収支報告書を修正したような議員ぐらいしか対象にしないと聞こえるわけですけれども、そういうことですか。

岸田内閣総理大臣 その範囲も、今後どこまで拡大するか、確認しなければなりません。

 そして、問題は実態把握でありますので、ヒアリングの範囲について、実態把握を進めながら考えていくと申し上げております。

塩川委員 問題となっているのは、個々の議員について、安倍派、二階派だけに限られないわけであります。例えば、この間で安倍派から抜けたような人もいるじゃないですか。そういった人についてはどうなっているのか。こういうことを明らかにしないということなのか。

 あるいは、我が党のしんぶん赤旗においても、例えば、麻生派においても二〇一七年にこういった裏金づくりが疑われるような事例なども取り上げているわけであります。

 過去に遡ってどうなっているのか、こういったことも含めて、やるべきなのは自民党所属議員全員の調査じゃありませんか。

岸田内閣総理大臣 範囲を限定することなく、必要な聞き取りを行ってまいります。

塩川委員 全議員の調査こそ行うべきだということを重ねて申し上げておきます。

 その上で、派閥によるため込みの問題、こういった問題についても、当然調査の対象ということでよろしいですか。

岸田内閣総理大臣 目的は実態把握であります。

 そして、法的責任は検察の捜査等でしっかり行われていくものであると思いますが、やはり説明責任、そして政治責任について党としてどう考えるのか、これを判断していかなければなりません。そういった党としての責任を果たすために、聞き取り調査等を進めてまいります。

塩川委員 当然、岸田派も対象ということですね。

岸田内閣総理大臣 関係者、必要な範囲の議員、聞き取りの対象となります。

塩川委員 安倍派、二階派を始めとして、収支報告書への不記載、虚偽記入といった違法行為について誰が指示したのか、個々の議員の還流や中抜きを誰が指示したのか、自民党の責任で、全議員、全派閥を調査し、明らかにすることを強く求めるものであります。

 そこで、岸田派についてでありますけれども、派閥パーティーで巨額の金を集め、所属議員に配っていた、その点では、宏池会、岸田派においても同様であります。総理・総裁派閥であり、責任はより一層重いと言わざるを得ません。

 岸田派の収支報告書不記載問題について質問します。

 検察当局は、佐々木和男元事務局長を政治資金規正法違反で略式起訴を行いました。佐々木元局長は、二〇一八年から二〇年の三年間で三千五十九万円のパーティー収入を収支報告書に記載しなかったということでありますけれども、この三千五十九万円というのはどこにあったんでしょうか。

岸田内閣総理大臣 宏池会において、全てのパーティー関連収入は銀行口座に入金されておりました。そして、御指摘の元会計責任者が、パーティー券について、どの議員の紹介によるパーティー券か不明な分についてこれを別にしていた、これが積もることによって、さらには、転記ミス等の様々な事務的なミスによって、結果として不記載が生じてしまった、こういったことであると承知しております。

 いずれにせよ、パーティー収入については基本的に全て銀行口座に入金しており、口座に存置されております。これが流用されたとか、ほかで裏金となったとかいうことではないと認識をしております。

塩川委員 規正法において、収支報告書に記載がなければ、それは裏金そのものじゃないですか、違法行為そのものですから。それを前提に、きちっと答えてもらいたい。

 実際の派閥の残高と収支報告書の繰越額が三千万円も食い違っていた、これがずっと続いていたというのは、納得いく説明というのをしっかりしてもらわないと、国民の皆さんの納得が得られないのは当然のことであります。

 口座残高や手持ちの現金を見ればそういったことは分かるはずで、二〇二一年以降、会計責任者も替わったのに、三年間も誰も気づかないというのは信じられない。何で見逃してきたのか。この点についてお答えください。

岸田内閣総理大臣 過去の収支については、そのときの会計責任者が処理をしております。

 それぞれの処理についてでありますが、今回指摘を受けるまで明らかにならなかった、こういったことであります。この点については監督責任が問われるところであると認識をしております。

塩川委員 会計責任者も替わったわけですから、そういった引継ぎも含めて、何でこの点を是正してこなかったのか。その点についてきちんと調べたんですか。

岸田内閣総理大臣 引継ぎ等は行われたわけでありますが、過去の分については過去の時点での処理が行われた。その点について、今申し上げたように、パーティー券について、どの議員の紹介か不明な分についてこれを別にしておいた、これが積み重なった等、こういった不手際が積み重なったということであります。その点についてまで引継ぎが行われていなかったということであると考えます。

塩川委員 それはいわば口実であって、実際には裏金として、別な目的として使う、そういう意図でため込んでいたのではないのか。こういう疑念についてしっかり答えなければいけないわけです。

 そういう点でも、二〇一八年、一九年、二〇年で三千五十九万円ですが、これは各年においてそれぞれ幾らだったのか。また、そもそも、この三千五十九万円についての詳細について明らかにしていただけますか。

岸田内閣総理大臣 二〇一八年千三百二十二万円、二〇一九年八百四十一万円、二〇二〇年八百九十六万円であります。

 そして、これについて別に使うつもりであったのではないかという御指摘でありますが、先ほど申し上げたように、全て銀行口座に残っておりますし、だからこそ、宏池会の訂正についても、繰越金を上乗せする形で修正ができたということであります。残高、ほかに流用していたというのであるならば、これはできなかったわけでありますので、こうした点からして、裏金という指摘については当たらないということを申し上げた次第であります。

塩川委員 二〇二〇年の収支報告書の訂正では、派閥パーティー収入額が八百九十六万円増加をしている、今の答弁でもお答えがありました。これは、収入が八百九十六万円増えているのに、このパーティー券の購入者数、対価の支払いをした者の数は二千二百十八人のままで変わっていないんですよ。おかしいんじゃありませんか。

岸田内閣総理大臣 金額については修正をいたしました。そして、御指摘の人数については、これは精査を続けているものであると報告を受けております。

塩川委員 そういう点でも徹底解明がまだ行われていないという点でも、この問題について納得がいくような説明が求められているわけであります。

 二〇一八年から二〇二〇年ですけれども、二〇一八年より前も、このようなパーティー収入額等の不記載、虚偽記入があったのではないのか、この点については明らかにされますか。

岸田内閣総理大臣 御指摘の年以前につきましては、これは確認もいたしましたが、資料も残っていない中で、これは確認は困難であるという報告を受けております。

塩川委員 二千二百十八人のこの購入者数について精査ということですけれども、当然、突合すれば、二十万円を超えるような、そういったパーティー券購入者の話なんかも出てくるわけであります。そういったことも含めて全容を明らかにしていく。

 そういう点では、実際のパーティー券の購入者がどうなっていたのか、そういったことを岸田派についてまずはしっかりと示していく、これを求めたいと思いますが、いかがでしょうか。

小野寺委員長 時間が来ております。簡潔に答弁をお願いいたします。

岸田内閣総理大臣 人数については精査を続けてまいります。いずれにせよ、説明責任はしっかり果たしてまいります。

塩川委員 国民の監視、批判の下に置くというのが規正法の根本だという点でも、民主主義の根幹を脅かすような背信行為は許されないということを申し上げて、徹底解明を強く求めて、質問を終わります。

小野寺委員長 これにて塩川君の質疑は終了いたしました。

 次に、古川元久君。

古川(元)委員 国民民主党の古川元久です。

 まずは、能登半島地震で犠牲になられた皆様方に心から哀悼の意を表するとともに、被災された皆様方に心からお見舞いを申し上げたいと思います。

 私ども国民民主党も、被災地の一日も早い復旧復興に向けて、党を挙げて全力で取り組むことをまずはお誓い申し上げたいと思います。

 さて、私たち国民民主党は、対決より解決、国民のために必要な政策実現のためには与野党関係なく協力して政策実現を目指してまいりますが、政治は、信なくば立たずです。政策以前の、国民の政治に対する信頼を揺るがせる今回の裏金事件のような問題については、正直な政治を実現する、この我が党の基本的な立場に立って、厳しくこの問題については取り組んでまいりたいというふうに思っています。

 その上で、今回の問題の本質でありますが、これは、派閥の不正な行為をきちんとグリップできていなかった、自民党という政党のガバナンスにあると私は思うんですね。

 平成の政治改革では、派閥政治、金権政治を打破するためには政党中心の政治にすることが必要であって、そのために選挙制度も変えて、また、政党を財政面から支えるために政党交付金制度が導入されましたが、この当時の自民党の政治改革大綱にも記述されていた、政党のガバナンスルールについて定める政党法の制定には至りませんでした。私は、そのことが今回の問題を招いた背景にあると思います。

 今回の問題を受けて、今度こそは政党版会社法と言える政党法を制定すべきと考えますが、いかがですか。

岸田内閣総理大臣 自民党でまとめた中間取りまとめの中で、党のガバナンスを強化するという観点、これは重要なポイントの一つでありました。よって、党則やガバナンスコードの改定等を通じて党のガバナンスを強化していく、こういったことについては、まずは党として取り組むということを明らかにしました。

 それに加えて、法改正を伴う制度的な改革についても取り組んでいくということで、政治資金規正法を始めとする法改正にも真摯に向き合うとしております。その改正すべき法律の一つとして、委員が御指摘になられた政党法の改正というのも、議論の一つではあると思います。

 そして、政党法につきましては、政治活動の自由が最大限尊重されなければならない、こういった観点から、今までも一般的な政党法について様々な議論、慎重な議論も行われてきた経緯があると承知をしております。政党の政治活動の自由との関係において議論をしていく、自民党も真摯に議論に参加していきたいと思います。

古川(元)委員 自民党は独自のガバナンスコードを決めていても、こういうガバナンス不全の問題が起きたんです。やはりここは、民間の会社でもちゃんと会社法はあるんです。ちゃんときちんとした政党法をこの際決めて、幾ら政治活動の自由があっても、今回のような問題を起こしたら、やはりこれは国民の信頼は得られません。しっかり私たちは政党法の提案をしていきたいと思いますので、真摯に議論に乗っていただきたいと思います。

 次に、先ほど総理は、相次ぐ不祥事で私学助成金の支給が停止されている日大のように、政党交付金の受取、これは辞退すべきじゃないかという立憲民主党の大西議員の質問に対して、政党交付金については、きちんとちゃんと使っているので、そういう受取辞退はしないというようなお答えをされていたと思いますが、日大は、以前支給されていた九十億円余りの私学助成金が三年連続で全額支給停止されていますが、その理由は大学のガバナンス不全にあるというふうに言われているんですね。その意味では、これは今の自民党も同じじゃないですか。

 総理が自民党総裁として、本当に深く反省して、国民の信頼を取り戻したいというのであれば、党のガバナンスがきちんと取れていると国民に対して胸を張って言えるようになるまで政党交付金は受け取らないと自民党総裁として決断すべきではないかと思いますが、いかがですか。

岸田内閣総理大臣 今回の一連の問題については、政党とは異なるその他の政治団体として位置づけられている、いわゆる派閥の一部で起こったものであります。しかしながら、これは、法律上は党とは異なる政治団体で起こった問題であったとしても、党として派閥に対するガバナンスを強化して信頼を回復することが重要である、国民の厳しい目に応えるには党として取り組まなければいけない、こういったことで中間取りまとめにおいて改革を取りまとめた、こういったことであります。

 そして、その上で、政党交付金については、政党の重要性を踏まえて民主主義の発展のために導入したものであり、自民党としては理解が得られるような適正な使途に限って充てるということで取り組んでいきたいと申し上げています。

 寄附や交付金に類する支出、あるいは飲食等に関わる支出、領収書を入手し得ないもの、こういった支出については、十数項目について禁止をするとともに、監査を行う。こうした厳正な使用に努めていきたいと思っております。

古川(元)委員 使い方がよければいいというわけじゃないんですよ。日大は何で止まっているかというと、別に私学助成金を不正に使ったからじゃないんです。ガバナンス不全で止まっているんです。

 それであれば、今回は自民党のガバナンス不全でこういう問題を起こしたんですから。これは同じ税金ですよ。やはり、これを辞退するぐらいのことがなければ、とても国民の皆さんの理解は得られないと思います。

 私たちは、党の所属議員が今回のような問題を起こした場合には、その党に対する政党交付金の全部又は一部を支給停止することができるように法改正を考えていますが、是非、総理、こうした提案に真摯に乗っていただきたいと思いますが、いかがですか。

岸田内閣総理大臣 政党助成金、これは、民主主義の費用を社会全体でどう負担していくのか、こうした議論の積み重ねとしてつくられた制度であります。

 政党の政治活動の自由にも関わる問題であります。各党各会派の議論、自民党も真摯に議論に貢献したいと思っています。

古川(元)委員 この問題は、真摯にというだけじゃなくて、先ほど私が言った政党法の制定もこれは絡んでくるんです。やはり、政党法を作って、そしてちゃんとガバナンスルールを決めて、そのルールに反したようなことをしたら政党交付金を減額するとか停止するとか、そういう枠組みをきちんとつくらないと、政治に対する信頼は私は回復されないと思います。

 時間になりましたけれども、今回の裏金事件で、ただでさえ高まっていた国民の政治不信は、本当にもう極限まで高まってしまっています。この不信を収めて、そして信頼を回復するためには、総理は派閥の解消といいますけれども、私は、自民党を解党するぐらいやらないと国民の不信は払拭できない、そのことを申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

小野寺委員長 これにて古川君の質疑は終了いたしました。

 次に、緒方林太郎君。

緒方委員 最後六分、よろしくお願いいたします。

 政策活動費についてお伺いをしたいと思います。

 まず、基礎的なことから財務大臣にお伺いいたします。

 政治活動のために支出した費用に当てはまらない使い方をした政策活動費については、所得税を支払う必要があるとの理解でよろしいですか、財務大臣。

鈴木国務大臣 控除ができない政治活動以外のものに使ったものについては、課税されるということでございます。

緒方委員 それを誰が証明するのかということについてお伺いしたいと思います。

 税務当局との関係では、政党から資金を受領した政治家本人が、政治活動のために支出した費用であることを、本人がですね、立証しなくてはならない、そういう理解でよろしいですか、財務大臣。

鈴木国務大臣 何を必要経費として計上するかについて、これは一方的に政治家に委ねられているというわけでもなくて、国税庁におきましては、課税上問題があると認められる場合には、税務調査を行うなどして、適正、公平な課税の実現に努めているものと承知をしております。

緒方委員 まさにそういう調査が入るときに説明責任を求められるのは受領した政治家本人であるという理解でよろしいですか、財務大臣。

鈴木国務大臣 そのとおりであると思います。

緒方委員 令和元年、令和二年にこの政策活動費の受領がある岸田総理にお伺いしたいと思います。

 この立証が岸田総理、できるかなというふうに思うんですね。前回質疑で私がこの件を聞いたときに、高い説明責任と透明性が必要であるということについて質問したところ、鈴木財務大臣からは、当然であるという答弁がありました。しかし、その後に続いた岸田総理の答弁は、具体的に何か言ったかというと、私はきちんと政治活動に使っていますという雑な説明と、個人の金なので収支報告が求められていないという制度上の言い訳と、そして、税務当局から求められれば誠実に対応するという開き直りしか言っていないんですね。

 岸田総理は、高い説明責任と透明性を果たしてきたという理解をしておられますか。そして、それは、国民の理解が現時点において得られているというふうに理解しておられますか、岸田総理。

岸田内閣総理大臣 政策活動費については、私の場合、これは全て政治活動に使っているということでありますし、税務当局から説明を求めたならば、説明できるようにしてあります。

緒方委員 それが岸田総理の言う高い説明責任と透明性ですか。

岸田内閣総理大臣 政策活動費を始めとする政治資金については、政治活動の自由と、そして国民の知る権利、これとのバランスの中に今日の制度ができ上がっていると承知をしております。そして、そのルールに従って議員が対応することが重要であると思います。

緒方委員 先ほどから政治活動の自由ということをよく言われるんですが、他の費目は全て記載するんですよね、収支報告に。なぜこの件だけ透明性を下げることが政治活動の自由を保障するために必要なんですか、岸田総理。

岸田内閣総理大臣 それがまさに今日までの議論の積み重ねであります。

 政策活動費だけではなくして、様々な政治資金があります。その取扱い、そして報告、そして公開基準について様々な議論が積み上がって、今現状があると思います。その先ほど申し上げたバランスを考えたときに、今の状況を守ることは重要だと思いますし、今のバランスの下にできている制度に基づいて対応することが重要であると考えております。

緒方委員 この件だけ透明性を下げることの法的な利益というのは何ですか、岸田総理。

岸田内閣総理大臣 法的な利益、まさに政党を始めとする政治活動の自由と、国民の知る権利のバランスの中でこの制度ができ上がっています。この二つのバランスを維持すること、これが重要であると考えます。

緒方委員 最後に一問。

 自治省選挙部有志で出版した政治資金規正法の逐条解説では政策活動費について何と書かれているかというと、政党の公職の候補者に対する支出は、政党の政治活動の主要な一翼を担うべきものとして行われるものであり、また、政党と公職の候補者の関係の本質に照らし、それが、公職の候補者の私的経済へ流用されるとは考えられないというふうに書いてあるんですね。

 極めて性善説に立った制度設計になっていると思うんですが、今でもこういう解釈でこの制度が運用されているというふうに思われますか、総務大臣。

松本国務大臣 御指摘のとおり、政治資金規正法第二十一条の二第一項においては、何人も、公職の候補者の政治活動に関して、選挙運動に関するものを除き、金銭などによる寄附をする、これは政治団体宛てではなく個人宛てということも、委員御承知のとおりですが、禁止されていますが、同条第二項において、政党がする寄附については適用しないとされており、この同条第二項の規定は平成六年の改正により設けられたもので、平成五年の議員立法により提案された各党の案にも同様の規定が置かれていたというふうに承知をしております。

 御案内のとおり、先ほど総理から申しましたように、政治活動の自由と政治の信頼を得るための透明性の確保を各党会派によって議論した中で定められてきているのが現在の政治資金規正法の仕組みだというふうに理解をしておりまして、今申し上げたように、この規定についても、各党の案に、提案された議員立法の中にも置かれていたというふうに承知をしております。

 その頃の考え方として、政党の公職の候補者に対する寄附は政党の政治活動であり、公職の候補者は政党からの資金を政治活動に用いると考えられるなどの理由から、そのような規定を設けたものではないかというふうに考えられるということでございます。

緒方委員 終わります。

小野寺委員長 これにて緒方君の質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして本日の集中審議は終了いたしました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時五分散会


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