衆議院

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第14号 令和8年6月4日(木曜日)

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令和八年六月四日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 坂本 哲志君

   理事 勝俣 孝明君 理事 齋藤  健君

   理事 笹川 博義君 理事 とかしきなおみ君

   理事 鳩山 二郎君 理事 藤原  崇君

   理事 長妻  昭君 理事 池下  卓君

   理事 長友 慎治君

      東  国幹君    阿部 弘樹君

      石川 昭政君    石橋林太郎君

      井出 庸生君    伊藤信太郎君

      稲田 朋美君    井上 信治君

      上田 英俊君    小田原 潔君

      加藤 鮎子君    加藤 勝信君

      岸 信千世君    北神 圭朗君

      国定 勇人君    高村 正大君

      後藤 茂之君    塩崎 彰久君

      菅原 一秀君    鈴木 淳司君

      平  将明君    高橋 祐介君

      谷川 とむ君    土田  慎君

      中山 展宏君    中山 泰秀君

      西田 昭二君    橋本  岳君

      平沼正二郎君    牧島かれん君

      丸川 珠代君    三ッ林裕巳君

      盛山 正仁君    簗  和生君

      山田 美樹君    鷲尾英一郎君

      渡辺 博道君    伊佐 進一君

      犬飼 明佳君    小川 淳也君

      後藤 祐一君    中野 洋昌君

      山本 香苗君    東   徹君

      うるま譲司君  斎藤アレックス君

      横田 光弘君    浅野  哲君

      福田  徹君    村岡 敏英君

      豊田真由子君    和田 政宗君

      高山 聡史君    辰巳孝太郎君

    …………………………………

   内閣総理大臣       高市 早苗君

   総務大臣         林  芳正君

   法務大臣         平口  洋君

   外務大臣         茂木 敏充君

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       片山さつき君

   文部科学大臣       松本 洋平君

   厚生労働大臣       上野賢一郎君

   農林水産大臣       鈴木 憲和君

   経済産業大臣

   国務大臣

   (原子力損害賠償・廃炉等支援機構担当)      赤澤 亮正君

   国土交通大臣       金子 恭之君

   環境大臣

   国務大臣

   (原子力防災担当)    石原 宏高君

   防衛大臣         小泉進次郎君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     木原  稔君

   国務大臣

   (デジタル大臣)

   (サイバー安全保障担当) 松本  尚君

   国務大臣

   (復興大臣)       牧野たかお君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (防災担当)

   (海洋政策担当)     あかま二郎君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当)

   (消費者及び食品安全担当)

   (こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画担当)

   (地方創生担当)

   (アイヌ施策担当)

   (共生・共助担当)    黄川田仁志君

   国務大臣

   (全世代型社会保障改革担当)

   (経済財政政策担当)

   (規制改革担当)     城内  実君

   国務大臣

   (クールジャパン戦略担当)

   (知的財産戦略担当)

   (科学技術政策担当)

   (宇宙政策担当)

   (人工知能戦略担当)

   (経済安全保障担当)   小野田紀美君

   財務副大臣        中谷 真一君

   政府特別補佐人

   (内閣法制局長官)    岩尾 信行君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  岡本 利久君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進室次長)           松家 新治君

   政府参考人

   (警察庁生活安全局長)  山田 好孝君

   政府参考人

   (警察庁警備局長)    千代延晃平君

   政府参考人

   (個人情報保護委員会事務局長)          佐脇紀代志君

   政府参考人

   (こども家庭庁支援局長) 齊藤  馨君

   政府参考人

   (総務省自治行政局長)  小川 康則君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           長谷川 孝君

   政府参考人

   (公安調査庁次長)    霜田  仁君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 三宅 史人君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 松本 恭典君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 三宅 浩史君

   政府参考人

   (文部科学省初等中等教育局長)          望月  禎君

   政府参考人

   (スポーツ庁次長)    浅野 敦行君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房医薬産業振興・医療情報審議官)            森  真弘君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房高齢・障害者雇用開発審議官) 盛谷幸一郎君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  森光 敬子君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           鹿沼  均君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    野村 知司君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  黒田 秀郎君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  間 隆一郎君

   政府参考人

   (厚生労働省政策統括官) 辺見  聡君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房長) 宮浦 浩司君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房総括審議官)         押切 光弘君

   政府参考人

   (農林水産省経営局長)  小林 大樹君

   政府参考人

   (水産庁長官)      藤田 仁司君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房技術総括・保安審議官)    湯本 啓市君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           畑田 浩之君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           渋谷闘志彦君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房エネルギー・地域政策統括調整官)           佐々木雅人君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            小林 大和君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        和久田 肇君

   政府参考人

   (中小企業庁次長)    山本 和徳君

   政府参考人

   (中小企業庁経営支援部長)            山崎 琢矢君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房上下水道審議官)       石井 宏幸君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            鶴田 浩久君

   政府参考人

   (国土交通省国土政策局長)           佐々木正士郎君

   政府参考人

   (国土交通省不動産・建設経済局長)        楠田 幹人君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  宿本 尚吾君

   政府参考人

   (海上保安庁長官)    瀬口 良夫君

   政府参考人

   (環境省地球環境局長)  関谷 毅史君

   政府参考人

   (環境省環境再生・資源循環局長)         角倉 一郎君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局長)  萬浪  学君

   政府参考人

   (防衛省整備計画局長)  伊藤 晋哉君

   予算委員会専門員     藤井 宏治君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月四日

 辞任         補欠選任

  石川 昭政君     中山 展宏君

  井上 信治君     高村 正大君

  加藤 勝信君     高橋 祐介君

  神田 潤一君     上田 英俊君

  北神 圭朗君     阿部 弘樹君

  塩崎 彰久君     岸 信千世君

  鈴木 淳司君     三ッ林裕巳君

  伊佐 進一君     小川 淳也君

  中野 洋昌君     犬飼 明佳君

  横田 光弘君     斎藤アレックス君

  福田  徹君     浅野  哲君

同日

 辞任         補欠選任

  阿部 弘樹君     北神 圭朗君

  上田 英俊君     国定 勇人君

  岸 信千世君     塩崎 彰久君

  高村 正大君     井上 信治君

  高橋 祐介君     加藤 勝信君

  中山 展宏君     石川 昭政君

  三ッ林裕巳君     鈴木 淳司君

  犬飼 明佳君     中野 洋昌君

  小川 淳也君     伊佐 進一君

  斎藤アレックス君   横田 光弘君

  浅野  哲君     福田  徹君

同日

 辞任         補欠選任

  国定 勇人君     平沼正二郎君

同日

 辞任         補欠選任

  平沼正二郎君     東  国幹君

同日

 辞任         補欠選任

  東  国幹君     土田  慎君

同日

 辞任         補欠選任

  土田  慎君     神田 潤一君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 令和八年度一般会計補正予算(第1号)

 令和八年度特別会計補正予算(特第1号)


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     ――――◇―――――

坂本委員長 これより会議を開きます。

 令和八年度一般会計補正予算(第1号)、令和八年度特別会計補正予算(特第1号)の両案を一括して議題とし、基本的質疑に入ります。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣審議官岡本利久君外四十三名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

坂本委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。伊藤信太郎君。

伊藤(信)委員 自由民主党・無所属の会の伊藤信太郎です。

 今日は、質疑を通じて、未来を共創するときを持たせていただいたことを感謝申し上げたいと思います。

 高市早苗総理にお伺いいたします。

 今回の補正予算、三兆一千百五十億円の算定根拠についてお尋ねいたします。どのような予算項目が対象になっているかを御説明いただきたいと思います。

高市内閣総理大臣 本補正予算は、中東情勢が不透明である中で、今後の物価動向や経済に与える影響を注視しつつ、国民の皆様の暮らしや経済活動に支障が生じないように適切に判断をして、必要に応じてタイムリーに対応するため、リスクの最小化の観点から資金面で万全の備えを取るものでございます。

 本補正予算の規模でございますが、約三・一兆円ですが、具体的には、電気・ガス料金支援の対象とならない特別高圧電力やLPガスの利用者への支援など、地域の実情に応じた支援を実施できますように、重点支援地方交付金一千億円を追加措置するというもの、また、先日、五月二十六日に電気・ガス料金支援のために使用決定した一般予備費について、その残高を一兆円に復元するための一般予備費の追加、五千百三十五億円を行うということとともに、これと併せて、今後への万全の備えということで、中東情勢に伴うエネルギー価格高騰など、国際情勢の変化に伴う影響への対応に使用できるものとして、新たに中東情勢等対応予備費、二兆五千億円を創設するというものでございます。

 何とか本補正予算の早期成立をお願いしますとともに、成立後には本補正予算を適切に活用させていただいて必要な対応を図ってまいります。

伊藤(信)委員 ありがとうございます。

 片山さつき財務大臣にお伺いいたします。

 今回の補正予算での一般予備費五千百三十五億円で、今総理からも御説明があったところでございますが、想定される使い道やその考え方について教えていただきたいと思います。

片山国務大臣 伊藤委員とは東日本大震災の現場やあるいはいろいろな制度づくりで御一緒させていただいておりますが、この予備費ですが、今般、電気・ガス料金について、使用量が多くなる七―九月の支援の実施のため、五月二十六日に五千百三十五億円の使用を決定しましたから、今現在減っているわけですが、これを一兆円に復元するということが重要なことでございまして、これが今後への備えでございます。

 予見し難い予算の不足に充てるという性質上、具体的な使途というのは申し上げるのは困難なんですけれども、その上で、予備費を復元させて、頻発する自然災害とか、一般的な意味も含めた物価高騰とか国際情勢等のリスクに備え、予期せぬ事態が起きてしまっても機動的、弾力的に対応できるように、そういう備えが必要であるということを踏まえて計上しておりますので、引き続き、国民生活を守る観点から、これを有効に活用し、先ほど申し上げたような様々なリスクへの対応に全力を尽くしてまいりたいと考えております。

伊藤(信)委員 ありがとうございます。

 この中東情勢等の対応予備費二兆五千億でございますが、これはどのような使途で使うことを想定しているのか、これは総理にお尋ねしたいと思います。

高市内閣総理大臣 この中東情勢等対応予備費でございますが、予算総則におきまして使途の範囲を定めて、中東情勢に伴うエネルギー価格高騰といった我が国経済への影響への対応を始め、国際情勢の変化に伴った影響への対応に使用できるものとするものです。

 その上で、中東情勢等対応予備費の活用につきましては、今申し上げた使途の範囲内で、中東情勢が不透明な中、今後の物価動向や経済に与える影響を注視しながら、必要に応じタイムリーに対応する観点から検討していくこととしております。先般、与党から御提言もいただいておりますので、それも踏まえながら、今後の状況を見極めて、適切な対応を図るべく具体的に検討いたします。

伊藤(信)委員 ありがとうございます。

 燃料油の補助は、今までどのように措置されて、今後どのように対処なさろうとしているのか、これも高市総理にお伺いしたいと思います。

高市内閣総理大臣 燃料油への補助につきましては、令和四年一月に開始して以降、原油価格の動向が日本経済や国民の皆様の生活に与える影響などを踏まえて、適切なタイミングで実施してきました。

 しかしながら、今年に入り、今般、中東情勢の変化を踏まえて、足下で原油価格が高騰する中、国民の皆様の生活と経済活動を守るため、今年の三月十九日から緊急的激変緩和措置として実施をしてまいりました。この措置によって、ガソリン価格はG7で最も安い水準である全国平均百七十円程度に抑制されております。ガソリンの暫定税率廃止の効果も含めて、四月の消費者物価指数を一・一ポイント程度押し下げました。国民の皆様の家計への直接的な負担を、同月、一世帯当たり二千六百円程度軽減しました。

 与党、野党の皆様の中に、本措置というのは激変緩和措置であって、中東情勢、価格動向、そして支援の持続可能性を勘案しつつ、柔軟な対応が必要だといった御指摘もございますので、今後、必要に応じて、この支援の単価も含めて、支援の在り方は柔軟に検討させていただきます。

伊藤(信)委員 ありがとうございます。

 今回の補正予算による追加歳出をしての国債発行予定額全体の調整は、いかように見積もっているのでしょうか。国債の市中発行額を増やさずに対応できるのかを、これは片山財務大臣にお尋ねします。

片山国務大臣 今回の補正予算においては、歳出の追加に伴い、歳入としては特例公債を三・一兆円追加することとなりますが、前年度分の特例公債のうち、今後六月までの発行が予定されている三兆円分は、税収、税外収入、歳出不用の見込みを踏まえ、実際には発行せずに済む見込みが立っております。

 このように、国債発行予定額全体の中で調整を行うことで、市中への発行総額は増やさずに対応できるため、国債マーケットに影響を与えることなく今回の対応を実行可能と考えております。

伊藤(信)委員 ありがとうございます。

 今、世界を眺めると、まさに国際情勢はいろいろな意味で混沌としていると思います。今後、どのような国際情勢の変化を視野に入れておられるのか、それにどのように対処しようとなさっているのか、これは高市総理にお聞きしたいと思います。

高市内閣総理大臣 現在、国家間の競争が激化し、複雑化し、常態化していて、私たちが慣れ親しんできました自由で開かれた安定的な国際秩序というのは大きく揺らいでいます。我が国もまた戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面しているという認識でございます。

 今後の国際情勢の変化について予断をするということは難しいのですが、だからこそ、我が国にとって望ましい安全保障環境を自ら創出していくということのために今働いております。この分断と対立の進む世界を開放と協調に導いていく、日本と世界が共に繁栄していくという姿をつくるために、積極的に外交を展開いたしております。これからも、そうさせていただきます。

伊藤(信)委員 ありがとうございます。

 今、半分ぐらい既に次の質問にお答えいただいたと思うんですけれども、この混迷し複雑化する国際情勢を日本が先導的な立場で打開して、国民の皆様の生活を守るため、必要な資源を確保し、サプライチェーンの綻びを防がなきゃなりません。そしてまた、日本の領土、領海、領空、名誉、国益をしっかり守って、日本が先導的役割を果たしながら、地球社会のよりよい未来形成のために積極的に貢献すべきだと考えます。

 これらの大変大きな目標を達成するための戦略をお持ちでしたら、その考えをお聞きしたいと思います。

高市内閣総理大臣 現下の厳しい国際情勢の中で、自律性と強靱性を、経済、社会、安全保障、その全ての面で強化していくということが重要です。

 こうした考えの下、先月の私のベトナム訪問の際には、自由で開かれたインド太平洋、FOIPの進化に関する外交政策スピーチを行いました。これは、経済安全保障も含めて、共に地域で強く豊かになっていこうといったメッセージでございます。

 それから、私が発表しましたパワー・アジア、これも非常に高い評価をいただいていると思っております。これは、日本がアジアの諸国とサプライチェーンで非常に強い関係を持っております、そういった国々に今、油が行かない、それによって日本に輸出される医療関係の製品なども作れない、そういったところが油を購入するときの信用の保証なども含めて日本が先導的な役割を果たしていく、こういう呼びかけもいたしてまいりました。

 同盟国である米国、それから同志国を含む幅広い関係国とも連携しながら、具体的な取組を進めて、やはりインド太平洋地域全体を共に強く豊かにしていきたいと考えております。

伊藤(信)委員 ありがとうございます。総括的にお話しいただいて、ありがとうございます。

 さて、その中の重要な要素として防衛力というものがあるわけでございますけれども、この防衛力の強化についてどのような青写真を持っているのかを小泉防衛大臣にお伺いいたします。

小泉国務大臣 おはようございます。よろしくお願いいたします。

 防衛力の青写真、まさにこれは、高市総理がこの年内に前倒しで策定をすると決められた安保の関連の戦略三文書、その中で、今の安全保障状況を鑑みたときに、新しい戦い方、今、ウクライナ、ロシア、そしてイランとアメリカを含め、こういった新しい戦い方に対して我が国はどのように新しい守り方を構築するのか、こういったことが一つ重要なテーマだと捉えています。

 今や、攻撃側のコストが一方的に圧倒的に下がり、守る側のコストは非常に高くなっています。こういった状況の中で、我々がそれでも、これからも平和で安定した国づくりを進めるためには、まず、我が国自身が主体的な努力を積み重ねて自前の防衛力を整備することが不可欠であります。その上で、やはり今や、どの国も一か国のみで安全保障の政策を確立することはできません。同盟国との連携を更に強化し、そして同志国との連携を今まで以上に強いものとしていく努力も不可欠です。

 今回、私もシンガポールでシャングリラ会合に出席をさせていただきまして、同盟国との連携、そして同盟国のこの地域に対する関与に対する決意、また、同志国が日本に対して更なるこの地域への貢献を期待していること、そしてまた、日本が今進めている防衛政策の強化についても理解と共感が広がっていること、これを確認をできましたし、伊藤先生が先ほど申し上げておられた、これから名誉もしっかり守っていかなければいけないという観点につきましても、やはり、今の時代は、いわれなきことをそのまま放置していたら、認知戦、情報戦、そして世論戦の中で一方的に、ネット上も含めて展開をされてしまう世の中ですから、やはりしっかり、我々としては発信も強化をしながら、自国の取組を丁寧に、透明性を持って国際社会に説明をしていくことも不可欠だと思っております。

 しっかりとこれからも着実に進めてまいりたいと思います。

伊藤(信)委員 トランプ大統領と非常に緻密なコミュニケーションがあると思いますけれども、トランプ政権の下、日米同盟をどのように深化させていくお考えなのかを高市総理にお伺いをしたいと思います。

高市内閣総理大臣 我が国の外交、安全保障の基軸、これは日米同盟でございます。国際情勢が激動してますます不確実性が増している中で、日本の国益を最大化するためには強固な日米同盟は不可欠だと考えております。

 こうした時期だからこそ、日米間の首脳同士の意思疎通を緊密に行うこと、そして、首脳同士に限らず、今、茂木外務大臣や経済産業大臣や、様々、それぞれのレベルにおいて意思疎通を続けております。

 こういった関係というのは非常に重要だと思います。三月の日米首脳会談でも、互いの強固な信頼関係の下で、経済と経済安全保障、安全保障など幅広い分野で、質の高い日米同盟を具体的に進める、日米同盟を更なる高みに引き上げていくということを確認しておりますので、しっかりこれは対応してまいります。

伊藤(信)委員 ありがとうございます。

 茂木外務大臣にお伺いしたいと思います。

 今メンションもありましたけれども、FOIP、自由で開かれたインド太平洋を実現するため、クアッド、日米豪印、また日英豪等の同志国連携をどのように進めていくお考えなのかをお聞きしたいと思います。

茂木国務大臣 まず、今総理の方からも答弁があったとおり、日米同盟は日本の外交、安全保障の基軸でありますから、これを強化していく必要があります。同時に、国際情勢が非常に今混沌をする、不確実性を増す中で、同志国との連携を様々な分野で強化していくということは極めて重要である、そんなふうに考えております。

 特に、そこの中で、お話にありました日米豪印、これは、価値を共有し、また地域の課題を解決する意思と能力を持った四か国、この枠組みでありまして、先週私が出席いたしましたインドでの日米豪印の外相会談では、進化した自由で開かれたインド太平洋、FOIPの実現に向けて、実践的な協力を進めていくことを確認する大変よい機会になったと思っております。

 今、このインド太平洋地域においても、様々な新しい勢力、ここが支援をするという中で、ただそれに対する批判をするのではなくて、我々がより魅力的な、そして相手の国にとってもメリットになるような選択肢を提供していく、このことは極めて重要だということも確認をさせていただきました。

 また、この日米豪印以外にも、EUであったりとかNATO、さらには日米韓、また日米豪、そして日、米、フィリピン、こういった様々な枠組みを通じて、インド太平洋地域各国の自律性と強靱性を高めるための実践的かつ多面的な協力、これをしっかりと進めていきたい、こんなふうに考えております。

伊藤(信)委員 ありがとうございます。

 先日、ブリュッセルでNATOの幹部あるいは欧州議会議員、そしてまた、ベルリンにおいてドイツの連邦議員ら数十人と意見交換をしたところでございます。その中で、EU及びNATO加盟国の多くの議員から、経済、経済安全保障、防衛分野で日本との関係、協力、提携、連携強化に対する期待が高まっていることを強く感じました。

 これらの多層的、多角的な連携も含め、我が国の経済安全保障政策、防衛政策をどのように重層的に進めていくお考えかを高市総理にお伺いしたいと思います。

高市内閣総理大臣 例えば防衛政策ということで申し上げますと、日本、イタリア、イギリス、今、次期戦闘機の開発に取り組んでおります。こういった取組というのは、本当に最高レベルの情報を持ち寄り、技術を持ち寄り、そして開発をし、メンテナンスまで考えると、とても長い期間、お互い強い信頼の下に関係を構築していくものでございます。

 また、外交におきましても、就任して以来、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、そしてフォン・デア・ライエン委員長とも首脳電話会談をするなど、直接お会いした国が多うございますが、ヨーロッパ各国とも個人的な関係、信頼関係も含めて築き上げてきております。

 今、特に危機感が強いのは、やはりロシアによるウクライナ侵略、これがいつまで続くのか、そしてガザの問題、そして今の中東の情勢、こういったもので、それぞれの国が協力をしながら、特に経済安全保障分野でしっかり協力をしていこう、こういう空気がしっかりとできていっていると思います。

 これから、安全保障に限らず、経済安全保障、そして、お互いに経済成長を目指していこうということで、先端技術分野などでの協力もしっかりと進めてまいりたい、欧州に限って申し上げますと、そう考えております。

伊藤(信)委員 まさに今高市総理がおっしゃったように、多くの連邦議員から同じような期待、希望、また具体的な提案もあったところでございます。また、日本のウクライナ支援に関しては、多くの国から感謝の意が表されたところでございます。

 ここで少し話を切り替えたいと思いますけれども、昨日も豪雨があったり、今年の夏は更に暑さが厳しくなることが予想されております。気候変動、大変厳しい状況にあって、日本は減らす努力をしておりますけれども、世界の国々の大きなところがなかなか温室効果ガスを減らさないという状況が続いていると思います。

 そういった中において、アメリカが、COP、国連気候変動枠組み条約締約国会議を脱退しました。こういう状況の中で、日本としてこのCOPをどのように先導的に引っ張って、世界の気候変動を食い止めるために日本が主体的な役割を果たすことができるのか、これは石原環境大臣にお伺いしたいと思います。

石原国務大臣 お答え申し上げます。

 国連気候変動枠組み条約締結国会議、COPは、多国間で気候変動対策を議論する最も重要な枠組みであります。こうした位置づけは、アメリカが気候変動条約から脱退しても、今後も変わらず続いていくものというふうに考えているところであります。

 伊藤委員におかれましては、三年前のCOP28に出席され、パリ協定の一・五度目標達成に向けて、様々な交渉を通じて各国を合意に導かれたというふうに承知をしております。

 私もそのバトンを引き継いで、昨年のCOP30では、粘り強く交渉を行い、全体として一・五度目標を堅持するという力強いメッセージを発することができました。今年は、十一月にトルコにおいてCOP31の開催が予定されております。一・五度目標の達成に向け、温室効果ガスを削減する緩和の推進など、交渉を確実に進めてまいりたいと考えております。まだ提出をされていない国もありますので、しっかりと促してまいりたいというふうに思います。

 そして、気候変動は人類共通の喫緊の課題であります。世界的にエネルギーをめぐる不確実性が高まっている中でも、中長期的には、揺らぐことなく、多国間で協調し、気候変動対策を前に進めていく必要があります。こうした認識の下、今後のCOPにおいても、我が国の着実な取組実績や技術、知見なども積極的にアピールしつつ、各国との交渉に精力的に取り組み、プレゼンスを発揮してまいりたいというふうに考えています。

伊藤(信)委員 ありがとうございます。

 日本を強く、豊かにしなくてはならないと思います。そして、日本を、真の意味で豊かな、そして美しく、優しい国にしなくてはならないと私は思っています。GDPの数字だけが豊かさの指標ではありません。一人一人の異なる感性や多元的な価値観を包摂し、個人個人が真に心の豊かさを育むことができる環境をつくることが肝要だと思います。

 その意味で、文化芸術は非常に大事な存在です。日本の文化芸術、感性、思想にはすばらしいものがあります。今、世界の多くの国の人々は、分断ではなく、自然と共生する優しいもの、美しいものを求めていると思います。もっと文化に触れること、経験すること、つくり出すことができる環境を構築することが必要だと思います。

 文化芸術活動にはいろいろな側面、ジャンルがありますが、多くの人が楽しめるものに、食文化や読書や映画や演劇があります。また、着物文化の継承も重要だと思います。

 今、地方の図書館の予算や、映画、演劇、音楽、舞踊関係の予算が大変不足しております。文化庁の予算、一千億ちょっとですが、これは諸外国に比べて大変見劣りをするもので、しかも、物価が高騰しているにもかかわらず、余り増加しておりません。今後、文化芸術関係の政策、予算を大幅に拡充することを強く望みます。

 高市総理のお考えをお伺いしたいと思います。

高市内閣総理大臣 文化芸術は、創造性や感性を育みます。心豊かで多様性と活力のある社会を形成する源泉ですから、長い歴史の中で培われた伝統を継承しながら、新たな価値を創造して発信していくことは重要だと考えております。伊藤委員も結構、和装がお似合いになって、凝っていらっしゃると思うんですが。

 令和八年度予算ですとか令和七年度補正予算において、子供たちの鑑賞機会の確保や芸術家などの人材育成といった文化芸術活動支援、それから、食や伝統芸能を含む文化財の継承、保存、活用支援、クリエーターの育成など、映画、音楽を含む多様な文化芸術の創造、発信支援などの施策を盛り込んでおります。

 力強く取組を進めているところではありますけれども、ただ、海外との競争力という点でいくと、まだまだ力を入れなきゃいけないと考えております。必要な予算の確保にも努め、そして魅力ある文化芸術の振興も進め、そして力強く海外にも発信していける、そういう機会を増やしたいと考えております。

伊藤(信)委員 ありがとうございました。

 質問通告にはありませんけれども、最後に質問を申し上げたいと思います。

 今日は補正予算の審議を中心にお話をしたわけでありますけれども、高市総理の考えとして、これからは、本予算でその一年に賄う予算をしっかりやって、なるたけ補正をなくすというお考えだと思います。ですから、来年度の予算編成に向けて、どういうスタンスでお臨みになるか。当然、今回のイラン情勢であるとか、いろいろ国際情勢で不確定要素がありますけれども、そこも包含して、ある程度予備費等でアローアンスを持ちながら本予算で措置するということが必要だと思います。今まで、どうしても補正で取るということが日常化しておりますので、その辺の戦略性あるいは考え方について総理にお伺いできればと思います。

高市内閣総理大臣 高市内閣にとって、本格的にカラーを出した予算を組めるのは、まさに来年度、九年度の予算編成からだと思います。この夏の骨太の方針もあります、そして概算要求もあります。そこで、どうしても留意したい、思い切って変えていきたいのは、これまで、どうせ補正予算でつくからとか、むしろ当初予算より補正予算の方が多いとか、こういったものが散見されました。本当にその年に必要なものは、ちゃんと私は当初に積むべきだと思っています。それが、例えば、地方自治体ですとか事業者が投資をする、研究開発をする、そういったときにも予見性を高めることになりますので、これは必要なことだと思っています。抜本的に変えます。

 ただ、補正予算というのは、緊要のものが、緊急のものが出たとき、例えば今なんかはそうですね、中東情勢で先が見えない、対応をしなきゃいけない、こういったときには補正予算も検討しますが、どうせその年にやるべきことを補正予算を当てにしていただく、それも何月に出されるかも分からない、その年に編成されるかどうかも分からない、補正予算に頼っていては予見性が確保できませんので、予算編成の在り方を抜本的に変えさせていただきます。

伊藤(信)委員 そのためにも、二つの新しい考え方が必要だと思います。それは、総理もおっしゃっているように、予算が複数年度で使えるような仕組み。それから、どうしても予算は各省庁別の縦割りになっておりますけれども、一つの政策目的を果たすために、必ずしも一つの省庁だけで賄えるものではありません。ですから、水平思考というものも必要であると思います。

 これからの予算編成の枠組みあるいは進め方に対して、総理の戦略的なお考えがあればお伺いしたいと思います。

高市内閣総理大臣 今おっしゃっていただいたように、やはり、各省庁で取り組んでいるもの、ここにきちっと横串を刺す、一つの政策目的に向かって無駄のないように取り組んでいく、これが大事だと思っております。

 ですから、各省庁で実は同じ目的に向かってやっていることというのはあると思うんですけれども、その中でもしも無駄が発生していたら、これは片山大臣のところでばしっと切られることになります。そして、真に効果的なもの、これはしっかりと残していく。

 その上で、やはり日本は経済成長しなきゃいけません。今ならできます。しっかりとした技術力もある、そして人材の質も高い。ただ、国内投資が圧倒的に足りない、だから潜在成長率が低い。だから、私はここを変えたいです。多くの方が、日本国内に投資をしよう、そう思ってもらえる環境をつくる。

 そのために、基礎研究から始まって、やはり新しい技術をしっかりと製品やサービスにしていくための後押しもしていく。そして、それをさらに、国内でしっかり需要ができますとコストも下がってきますから、これをまた共通の課題解決ということで海外にも展開していく。

 日本はまだまだ成長できるし、日本にお金が入ってくる、それを使ってまた、多くの方々が、生活、福祉、教育、そういったものに不安を感じないように、そして災害対応にも不安を感じないように、安全で、豊かで、力強く成長する、そういう国をつくりたいと考えております。

伊藤(信)委員 ありがとうございます。

 日本がこれから世界で勝っていくためには、やはり知財というものがしっかり日本で生まれる、そして、その知財が実施されて、それがビジネスにつながるということが必要だと思います。

 知財の中でも、やはりコアテクノロジー、いろいろなものを動かす基本的な特許、そこに関する知財が非常に必要だと思います。ただ、これは一朝一夕で生まれるものではありません。物によっては十年、二十年のタイムスパンが必要です。

 そうすると、単年度予算ではなかなか達成できないということでありますので、これは複数の方策が必要でありますけれども、研究をしている国立大学あるいは研究所の予算を拡充する、また、複数年度で結果が出るようにするということも必要でありましょうし、それから、民間がそういう分野に投資する場合の減税政策も必要だと思います。何よりも、知財というものが、ただでというか、盗まれないような政策、これも非常に重要だと思います。

 こういった知財戦略について、予算面も含めて、総理の考えをお伺いしたいと思います。これも通告していないですが、よろしくお願いします。

高市内閣総理大臣 まさに知財戦略というのは、委員がおっしゃるとおり、非常に大事です。日本としては、これをしっかり守らなきゃいけないし、もっともっと進化させなきゃいけない、今そういう局面にございます。これは各省を挙げてやらなきゃいけない仕事でございますので、しっかりと取り組ませていただきます。

 また、予算の複数年度化、また基金なども先が見えるように、時間のかかるものについては長期にわたって使えるようにしていく、こういったことを考えております。

伊藤(信)委員 これも質問通告しておりませんけれども、赤澤経済産業大臣にお伺いします。

 まさにそこの部分を担当なさっている大臣でもありますけれども、経済産業として、今の部分をもう少しブレークダウンして、どのような政策を今お進めになっているのか説明いただきたいと思います。

赤澤国務大臣 正面から、通告なしということであったので、一生懸命答えたいと思いますが。

 経産省は全部で職員が八千人いる中で、二千八百人が特許庁ということであります。知財戦略は非常に当然ながら重要ということでありまして、いろいろな意味で、私どもは、まず、AIとかもそうですし、それから最先端の技術についてもそうでありますけれども、あるいはフュージョンとか量子とかいろいろな分野で、少なくとも、世界に伍して戦っていこうと思えば、標準化の努力をかなり一生懸命やるということが一つはあると思います。

 そして、標準化の努力を最大限やった上で、我が国の最先端の技術がその基準を満たしていけるような、そういうつくり方をやっていく。そして、我が国が生み出した新しい技術、開発したようなものをしっかり実装を進める中で、知財もしっかり獲得をしていく。

 最先端のものを容易にコモディティー化して、よく他の国にまねされるわけでありますけれども、そこですぐに追いつかれて、技術では勝った、だけれども実際のビジネスでは負けてしまったということはよく指摘されるところなので、ありとあらゆるところで、実際、ビジネスを最初にシーズから生んで育てていく過程で必要と思われる、これまでに、しっかりと技術では勝った、いいものをつくったのにビジネスにつながらなかったということの教訓をよく分析した上で、私自身が大事だと思っているのは、標準化の部分が非常にまず大事だと思っていますし、そこを取った上で、なおかつ知財も当然しっかり獲得をして守り、我々が開発をした、予算をつぎ込んでつくった技術とかが、繰り返しになりますけれども、簡単にコモディティー化して、他国に模倣されて、そしてビジネスでは余り成果が上がらないということのないように。

 そういう意味では、高市総理がおっしゃっている、危機管理投資、成長投資、そういうものをやって強い経済をつくることの中には、しっかり知財についても獲得をした上で、開発した技術で果実を上げていく。総理がおっしゃっている、税率を変えなくても税収が増えていくような力強い経済というのを実現していくということを全力でやっていきたいというふうに思います。

伊藤(信)委員 その中で、私は、AIということが多分未来の中で、既に現在もそうですけれども、非常にキーテクノロジーだと思います。そして、AIと関連すれば、情報というものをどうやって管理し、活用し、そしてそれを日本国の発展や日本人の安全につなげていくかということが必要だと思います。

 この件について、高市総理のお考えをお伺いしたいと思います。

高市内閣総理大臣 委員の頭の中にあるのはクロード・ミュトスの話なのかなと思いますけれども、片山大臣も随分御努力をいただき、私もベッセントさんともいろいろお話をいたしました。

 日本国政府などに対してしっかりとアクセスを付与するというような方向性であるということでございますが、これは一社だけじゃなくて、いろいろな形で、AIというのは二か月あったらもう全然別世界になっていく分野でございますので、特にセキュリティーに関する分野についてはアンテナを高くして、できればこれは、日本でしっかりとしたセキュリティーの技術、そしてリスクを発見する技術、解決する技術、これはやはり日本国産のものとして開発していきたい、そのような思いでおります。

伊藤(信)委員 ありがとうございました。

 終わります。

坂本委員長 この際、石橋林太郎君から関連質疑の申出があります。伊藤君の持ち時間の範囲内でこれを許します。石橋林太郎君。

石橋委員 皆さん、おはようございます。自民党の石橋林太郎でございます。

 質問の機会をいただきまして、皆様に心から感謝を申し上げたいと思います。

 まさか私が予算委員会で質問をさせてもらう日が来るとは思ってもおりませんでしたので……(発言する者あり)ありがとうございます。今は亡き父もきっとどこかで喜んでくれているんじゃないかなと思いながら、また日頃お世話になっている皆様への感謝を持ちながら質問に入らせていただきたいと思います。

 まずは、赤澤大臣に現下の中東情勢における石油関連製品の流通についてお伺いをしたいと思います。

 ずっと政府は原材料を確保してくださってきて、その中で原材料は確保されていますという発信をし続けてもらいました。しかし、私が、毎週広島、地元に帰りますけれども、現場に帰って、地元の商工会のメンバーとかふだんつき合いをしている人と話をすると、政府はテレビでそういう発信をしているけれども、物はないんだというのを、もうつくづく、毎週のように言われてきておりました。

 なので、政府が発信をしているものと現場の皆さんとの認識のギャップが結構あるな、実感が違うなというふうに思っているわけでありますけれども、このギャップがあるということについて赤澤大臣がどのように思っていらっしゃるかということをちょっとお伺いをしたいと思います。

赤澤国務大臣 私の説明が悪いのかもしれませんが、私はギャップだと思っていないんです。

 私どもは、全体量は足りているけれども、供給の偏りや流通の目詰まりがあることは認識をしています。一方で、だからこそ、しっかり情報提供窓口等にここが足りないということを言っていただけば、全体量は足りているのできちっと回すことができますという前提でやっています。もし全体量が足りなければ、声を上げていただいても、いや、ないんですということが起きてしまうわけですね。なので、やはり、国民に無用の不安を抱かせて、結果、パニックとか極端な買占めとかが起きないように、全体量は足りているという発信を続けることは私どもは大事だと思っています。

 ナフサは、代替調達で従来の八五%水準まで回復をし、ナフサ由来の化学製品を含む石油製品は年度を越えて供給継続が可能という状況になっています。加えて、五月末に、川中、川下製品である塗料、シンナー、印刷インキ、塩ビ管、断熱材、ユニットバスなど八つの業界団体からも、足下の供給量は安定、増加し、今後も継続的に供給できる見通しであるという発信がなされています。

 ということなので、やはり、供給の偏り、流通の目詰まり、原因についても御説明していますけれども、不安から川上が供給を絞ってしまう、あるいはコミュニケーションがうまくいかずに入荷したことを連絡しないので川下はパニックが続くとか、あるいは川下がちょっと過剰に発注しちゃうとか、そういうようなことが起きると、一部の方にやはり届かない供給の偏り、流通の目詰まりが生じるので、それがまさに現場の不足感の要因の一つということでありまして、繰り返しになりますが、全体量は足りているからこそ、情報提供窓口を通じてサプライチェーン情報を集約し、その目詰まりを一つ一つ確実に解消していくことができるわけです。

 こうした取組を広く情報発信すべく、例えば、中東情勢に関する関係閣僚会議での総理の御発信、あるいは経済産業省の中東情勢関連対策ポータルでの発信、そして、SNSもそうですし、広報担当官による毎日のブリーフィングなどにも取り組んでおります。

 引き続き、この国会の審議の中でも、委員の先生方から教えていただける情報も含めて、国民の皆様の生活と経済に与える影響を最小化すべく全力で取り組んでまいりたいと思います。

石橋委員 真摯な御答弁ありがとうございます。

 実際、物がないのは事実でありまして、まだないと言ったらいいですかね。一昨日の中東情勢に関する閣僚級会議におきまして、これは画期的だと思うんですけれども、トルエンなどを石油元売からメーカーに対して直接供給をするような方策も取っていただけるということが発表されたというふうに承知をしています。これをしっかりと進めていただけましたら、本当に、地元の小さな工務店さん、また一人親方の皆さんといったところまでも物が届く力がこれから更に強くなって、目詰まりが解消されていくんだというふうに思っています。

 ただ、私がお伝えをしたかったのは、政府の発信と、なかなか、政府のというかテレビの発信と言ったらいいんですかね、それを受けた一般の方との認識はやはりギャップがちょっとあるよということをお伝えをしたかったわけであります。ですので、これからも、引き続き私も地元で丁寧に御説明をしたいと思いますし、政府からも引き続き丁寧な発信をしていただきたい。

 そして同時に、先ほどの情報提供のフォームでありますけれども、これも地元の商工会の皆さんにお伝えすると、あ、こんなのがあるんだったらちゃんとやるよというふうに言ってくださる方が非常に多いものでありますから、今回の危機を、政府と国民みたいな変な対立ではなくて、みんなで一緒にこの危機を乗り越えていくんだというふうな思いで、引き続き活動していきたいというふうに思うところであります。

 済みません、ちょっとこの質問を飛ばしまして、食料品消費税ゼロの実施に向けて総理に御質問させていただきたいというふうに思います。

 現在も、食料品消費税ゼロ%ということで、国民会議等々で議論をしていただいているというふうに思います。私個人的には、生活支援、物価高対策として、この食料品の消費税ゼロというのは大賛成でありまして、早く実現をしていただきたいと思っております。

 やはり消費税は逆進性の高い税でもありますし、特に、今、外的な要因で、海外情勢における要因で困っていらっしゃる方が多い中で、確実に多くの方に対して支援をするという方策としては、私は非常によいやり方ではないかなというふうに思っているところであります。

 ただ、報道ベースではありますけれども、なかなか消費税ゼロ%の早期の実現は難しそうだというような報道を拝見しています。技術的な問題は私は素人でありまして詳しくないんですけれども、なるべくしっかり、できない理由がこの会議で出てくるのではなくて、どうやったらできるか、どうやったら前に進めていくことができるか、総理がおっしゃるように、国民の皆様に対して支援をしっかりと届けるんだということが実現していくように、総理のリーダーシップに大きく期待をしているところでもあります。

 そこで、改めてではありますけれども、食料品の消費税ゼロ%実現に向けた総理の決意をお聞かせいただきたいと思います。

高市内閣総理大臣 税、社会保険料負担や物価高に苦しんでおられる中所得、低所得の方々の負担軽減というのは、現下の最重要課題の一つだと私は思っております。

 その上で、委員もそうでございますけれども、自民党の衆議院選挙のときの政権公約におきましても、社会保障国民会議に向けて、食料品の消費税率ゼロについては実現に向けた検討を加速する旨を記載しております。これは、自民党で党議決定をした上で公約になっております。ですから、私としては、やはり公約を実現したいという強い思いを持っております。

 その上で、政府・与党としては、超党派の社会保障国民会議を設置して、改革の本丸である給付つき税額控除の実現までの二年間に限ったつなぎと位置づけて、食料品の消費税率ゼロに向けた議論を進めているということです。

 ですから、各党の皆様にもお知恵をいただき、諸課題の克服に向けた検討を進めているという状況でございますので、私が結論を先取りすることはいたしませんけれども、できない理由ではなくて、できる方法をいろいろ知恵を絞っていただくということを今期待いたしております。

石橋委員 御答弁ありがとうございました。

 おっしゃるとおり、短期的には、消費減税等、しっかりと生活支援をしていって、そして、長期的には、今回の補正でも組んでもらっていますけれども、重点支援地方交付金など、そういったものを活用して、当面の生活支援をしっかりとしていくんだということが大事だというふうに思っております。

 また、中長期的には、今総理がお答えいただいたように、社会保障改革も実現をしていって、社会負担率の軽減でありますとか可処分所得を増加していくということも必要でありまして、その一番根っこになるのが責任ある積極財政による日本の経済の立て直し、底上げだというふうに思うところであります。

 ですので、次は、その責任ある積極財政という観点から、片山財務大臣に今後の予算編成についてお伺いをしたいというふうに思います。

 先ほど伊藤委員からもありましたけれども、やはり今後の予算編成は補正から当初へということで、総理からも御答弁いただきました。この補正から当初へという大方針でありまして、補正で大きく積むのをやめて、継続的な予算、恒常的な予算というのは当初予算でしっかりと計上していく、当初予算にのせていくという方針だと理解をしています。

 今、三兆一千百三十五億円の補正予算をこの場で審議をさせていただいておりますけれども、その審議をしながら私が気になっているのは、今年の秋の補正はどうなるのかなというところであります。

 今ほど申し上げたとおり、必要なものは当初にのせて、補正予算は本来の緊要性に立ち返るという大きな方針を示していかれるのだと思いますけれども、そうしますと、この秋までにそうした緊急的な対応が必要になる事象がなければ、昨年のような規模での補正は組まれないということかというふうにも思います。

 でも、しかし、そうなりますと、従来ならば今年の秋に組まれたであろう補正予算相当の金額が来年度の当初予算にのっかってくるというような理解を私はしているわけであります。そしてまた、今年度のこの秋に組まれたであろう補正相当のもの以外に、来年度の秋の補正も、緊要性がなければ、秋の補正ということで今までのように組むわけではないということになると、来年度の補正相当の予算も来年度の当初にのっかってくる。要は、今年の秋と来年度の秋と、どちらも補正相当の額が来年度の当初にのっかってくるような予算編成になるのかなというふうに思っているところであります。

 もちろん、現在、片山大臣の下で進めている租税特別措置の見直しでありますとか補助金の見直し等によって、従来どおりの金額になるわけではないとは思っております。しかしながら、責任ある積極財政ということでしっかり政府が投資をしていくんだ、これまでの投資不足を取り戻していく。そうなりますと、しっかりした額が、これまで補正でカバーしてきたような金額も含めて、来年度の当初予算には大きくのっていくんだというふうに思っているところであります。

 そこで、御質問なんですけれども、今年の、今回のではなく、今年の追加の補正予算、また来年の補正予算、そして何より今申し上げた来年度の当初の予算、こういったものがどういった形で今後編成をされていくのか。特に、来年度の当初予算の規模感がどのようになっていくのかということも含めて、片山大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

片山国務大臣 高市内閣では、予算編成改革として、毎年度補正予算が組まれることを前提としていたような予算編成とは決別し、補正予算は緊要性の高いものに限定して、恒常的な施策については原則当初予算で措置していく、そういう考えであります。

 ただ、今までも国会等でお答えしているとおり、本当に真に緊要性の高いことは起きるわけで、そんな場合にまで補正予算を全く全面否定して、編成してはいけないということは言ってはおりません。そういうことではなく、また、単に補正予算を自動的に当初予算に振り替えるという趣旨でもございませんので、予算全体としてめり張りづけを行う中で、政府の予算の予見可能性を確保する観点から、必要な予算は可能な限り当初予算で計画的に措置していく、こういう考えが原則でございます。

 お尋ねの令和九年度予算や今後の補正予算については、その規模を含め、今予断を持ってお答えすることは困難でございますが、こうした予算編成改革の取組を行う中で、引き続き、国民生活のしっかりした下支え、そして、先ほどから総理がおっしゃっている経済成長ですね、高市政権の眼目である経済成長、これに資するような投資、新たな成長投資枠も含めて、期待される施策には大胆に重点化する一方、見込まれる効果が乏しい施策につきましては見直しを行って、歳出歳入両面の改革を推進して、強い経済の実現と財政の持続可能性、これを両立させる予算編成としてまいりたいと考えております。

石橋委員 済みません、本当にお答えしにくい質問だったんだなと。失礼いたしました。

 けれども、規模感ありきではないという話はいろいろなところで私も伺ってまいりましたけれども、やはり、今御答弁いただいたように、国民生活の下支え、そして日本の経済を成長させていくんだということであれば、一定の規模がなければまたそれも実現できないのではないかなというふうに思うところでありますので、少なくとも、これまで、従来組んできたような通年の予算規模以上のものになるのが私は必然ではないかなというふうに考えておりますので、是非とも御検討いただければなというふうに思います。

 その上で、今ほど触れていただきました新たな投資枠について少しお伺いをしたいと思います。

 通常の予算とは別枠で新たな投資枠の創設をしていくということを、政府、また我が党も提言をしているところであります。

 日本の経済の成長に向けて大きな期待が寄せられるこの新たな投資枠ですけれども、この新たな投資枠というものは一体どれくらいの規模になっていくのか、また、複数年度ということであればどれくらいの期間を考えていらっしゃったりするのか、また、財源についてはどのように手当てをされていくのかということを御説明いただければと思います。

片山国務大臣 危機管理投資、成長投資について創設する新たな投資枠の規模や期間につきましては、先月二十二日の経済財政諮問会議において高市総理から御指示をいただいておりまして、予算の予見可能性を確保することで、企業が長期的な投資を行いやすくする、このことが重要でございまして、この新たな投資枠について、前年度の予算措置額にはとらわれず、必要な金額が確保されるよう、通常の歳出とは別に設けて、所要額の予算要求を可能として、予算編成過程で実効的に予算措置につなげられるような仕組みをつくらなければいけません。それで、官民投資ロードマップ、これも作られるわけですから、この着実な実行に必要な規模と期間が確保される。こういう方針がもうしっかり出ておりますので、今頑張っておるわけですが。

 この財源につきましては、四月十三日の同じく諮問会議で、高市総理から、債務残高の対GDP比を安定的に引き下げる中でも可能となる財政規模を精査し、中期的な債務経路と整合的な形で柔軟に管理し、このうち、経済安全保障上特に重要な分野の投資などについては、複数年度で財源を確保した上で別枠で管理するという、この方針がもう既に決まって御指示が下りております。この点、今申し上げたこと以上のことは諮問会議で明確にまだ決まっておりませんので、予断を持ってお答えすることはできないんですけれども。

 また、これも先月十一日の諮問会議で、総理から、新たな投資枠の創設など、予算編成改革に向けた必要な対応の具体化について検討を進めるように明確な御指示をいただいているので、我々財務省としては、高市内閣が進めてきた強い経済と財政の持続可能性を両立させる取組を更に確実にすべく、これまでの諮問会議で民間議員提案ということで基本原則をいただいておりまして、これを踏まえて、念頭に、諮問会議での議論も参考としながら、この予算編成改革の、委員が御指摘いただいたようなことをしっかりと具体化する方向で取り組んでまいります。

石橋委員 必要な規模を必要な期間でということでありまして、日本の経済成長に資するものになっていくように、是非よろしくお願いを申し上げたいと思います。

 最後の質問になりますけれども、総理にお伺いをさせていただきたいと思います。

 憲法九条と財政法四条の関係についてでありますけれども、我々自民党は憲法改正を目指しておりますし、総理も憲法改正に大変意欲を持っていらっしゃるということは誰もが承知をしていると思います。

 この憲法が作られた昭和二十二年と同じときに財政法も作られ、特にその中の四条が憲法九条の裏書になっているというような話があると承知をしています。公債のないところに戦争はないと断言し得るのであって、財政法の四条は憲法の戦争放棄の規定を裏書保証せんとするものであるというような内容が、この財政法の起案者であった平井平治さんという当時の大蔵省主計局法規課長さんの本に記されているというふうに承知をしているところであります。

 憲法も財政法も共に占領下に作られたわけでありまして、この占領下のものをしっかりと改めていかなければならないというふうに私は思っているところでありますけれども、総理に、この憲法九条と財政法四条の関係について総理の御認識をお聞かせいただきたいと思います。

高市内閣総理大臣 財政法第四条は、国の歳出は租税等をもって賄うという、いわゆる非募債主義の原則を示したものでございます。あくまでも健全財政のための財政処理の原則を規定したものでございますので、戦争の危険の防止そのものですとか、憲法九条に係るものが立法趣旨であるとは考えておりません。

石橋委員 ありがとうございました。

坂本委員長 これにて伊藤君、石橋君の質疑は終了いたしました。

 次に、小川淳也君。

小川委員 中道改革連合の小川淳也です。

 補正予算に関連してお聞きします。

 ちょっとその前に一言だけ所感を下さい。

 昨日、厚生労働省の人口動態統計で、少子化が十年連続で進んでおり、出生者数六十七万人、出生率一・一四、いずれも過去最低。高市政権下でもこの少子化の流れは止まらない。これは極めて大きな国の危機が静かに進行している。この点に関する内閣総理大臣としての所感をちょっと冒頭いただきたいと思います。

高市内閣総理大臣 速報値、私も見ました。非常に厳しい状況だと思います。

 私は、人口減少は静かな有事、大切な課題だと捉えております。まだ就任して七か月で、この流れをがらっと変えるということには至っておりませんけれども、ただ、若い方々で、結婚したいとか子供が欲しいとか思っていらっしゃる方がその夢を諦めなくて済むように、できるだけこういう若年層の手取りを増やしていきたいな、このようなことも考えております。また、孤独な子育てで本当に苦労されている方もいらっしゃいますので、そういった方々への支援も強化していきたいと思っております。

小川委員 いずれも簡潔な御答弁をお願いしたいと思います。

 つまり、これは、あらゆる国が抱える構造問題の根底にあるという認識が必要で、経済、地域社会、社会保障制度、財政構造、社会の持続可能性を根底から脅かしている最大の要因の一つだという捉え方が必要だと思っています。我が党としても、改めてビジョンを提起したい、建設的、積極的な論戦を展開させていただきたいと思っています。

 補正予算についてお聞きします。

 五月の二十日でした、党首討論は。そのとき総理に私は、時間が限られていましたが、四点お願いしたんですね。一つは、対応が遅れないように、遅いんじゃありませんか。一つは、予備費の計上では不足ですよ。一つは、生産者、供給者、事業主の苦境に具体的に寄り添う必要がありますよ。一つは、赤字国債に頼っては駄目ですよ。四点指摘したんです。先回りして、くぎを刺したつもりでした。それなりに前向きな答弁があったと当時受け止めていました。

 それから二週間。出てきたものを見ると、いずれも大きく期待は裏切られているという印象なんです。

 まず、お聞きします。なぜ今、ほぼ全額予備費なんですか。具体的な対策を講じるべきじゃありませんか。

高市内閣総理大臣 今般創設をさせていただく中東情勢等対応予備費というのは、予算総則において使途の範囲を定めて、中東情勢に伴うエネルギー価格高騰といった我が国経済への影響への対応を始め、国際情勢の変化に伴う影響への対応に使用できるものにするものでございます。

 この中東情勢等対応予備費というのは、割と先が読めませんので、今申し上げた使途の範囲内で、中東情勢が不透明な中で、今後の物価動向、経済に与える影響を注視しながら、必要に応じてタイムリーに対応する観点から検討していくということにしております。与党からも提言をいただいておりますので、今後の状況を見極めながら、適切な対応を図るべく具体的に検討してまいります。

 中東情勢は不透明です。ですから、この予備費という形になりますけれども、これは必要な対応策について今後の状況を見極めながらタイムリーに対応するものであるということを御理解いただきたいと思います。

小川委員 それをおっしゃるなら、一か月、二か月前だったんじゃないかと申し上げているんですね。先を読むのは今じゃないんですよ。一か月、二か月前に先を読んだ結果、今、具体策が出ていなきゃおかしいんじゃないですかと申し上げているわけです。

 つまり、予備費になっているということは、今時点で何をやっていいか分からない、具体的なプランはありません、ノープランです、国会には白紙委任してくださいと。財政民主主義の否定とも言える。これは作業が遅れてきたことの一つの帰結だと私は思っているわけです。

 今、与党質疑の中で、予備費を、脱予備費、それは私、党首討論のときにも申し上げたんですが、一定、趣旨は理解するんですよ。つまり、常に補正に頼っている、補正が肥大化していくというのは、この国の財政運営を考えると望ましくない、しかも、それが長年慣行になってきていた。しかし、イラン情勢は異例の事態ですから、だから一か月、二か月前にあらかじめ備えなきゃいけなかった。今はあらかじめ備える時期ではなくて、もはや現在進行中の危機に具体的に対処すべき時期なんです。それを強く申し上げてきました。

 本来は、国会、ひいては国民にですよ、何に幾ら使い、そのことによってどのような効果を目指すのかを明示して審議を求めるべきですよね。中身を後で決めますは、裏を返せば、今、具体的な中身を決める材料がありませんということを自ら告白しているようなものですから、その点は改めて厳しく指摘をします。

 そして、二点目の、供給者、生産者、事業主に、その苦境に具体的に寄り添わないと今回の補正は意味がありませんよということをかねてから申し上げてきました。

 電気、ガス、それからガソリン価格、恐らくこうしたものに充てるんでしょう。予備費だからそれすらも分かりませんけれども、現実には。そうすると、医療、建設、物流、農業、製造、既に朝の質疑でもありましたが、この現場で感じている、物が足りない、届かない、価格が高騰している、これに具体的にどのように応えるおつもりなんですか。

高市内閣総理大臣 先ほどおっしゃったことに関して一言申し上げますが、予備費というのは、そもそも予見し難い予算の不足に充てるための制度です。現在の状況に対応するために必要な予備費を確保しておくということは、予算措置の在り方として、私は適切かつ必要な対応だと考えております。また、憲法、財政法の規定に従って、国会で予算の一部として計上をお認めいただいた上で、必要性や緊要性を検討の上で使用決定してきているものでございます。

 それから、供給サイドに対しての対応に問題意識をお持ちだと思いますけれども、今回の補正予算、中東情勢等対応予備費を創設するということにさせていただいておりますが、補正予算で追加措置する重点支援地方交付金は、地域の事情に応じて、電気、ガス支援の対象とならない特別高圧電力やLPガスに関する支援などを行えるものです。また、推奨事業メニューとして、中小企業や医療、介護、保育施設といった供給側への価格高騰支援もお示しするということといたしております。

 生産者サイドへの支援としても、一部で生じている供給の偏りや流通の目詰まりについて着実に解消を進めてきているところでございますので、委員の御指摘は当たらないと考えております。

小川委員 予見し難いと政府がおっしゃるので大変僭越、恐縮なんですが、我が党は、立憲、公明と協力しながら、三月から調査を開始し、一万件を超える声を集め、既に本日、組替え動議を提出いたしました。

 若干、中身を見ていただくと、低所得者や子育て世帯への現金給付、医療、介護、障害分野への経営支援、そして雇用調整金を含めた雇用維持確保策、中小企業への金融支援、そして、様々な、脱石油、循環型社会への構造転換、これらで政府とほぼ同額の歳出を用意しています。財源は後から議論したいと思いますが。

 今この時期に予見し難いとおっしゃっていることが問題だと申し上げているんです、攻撃が発生したのは二月ですから。直ちにホルムズ海峡の封鎖騒動になり、今日も極めて不安定な状況が続いているわけですから、具体的な取組が出てきておかしくない時期じゃないですかと再三申し上げて今日に至っているんですね。

 供給について更にちょっと深掘りしたいと思いますが、特に、先ほどもあったように、一番の心配はナフサに集中しています。そして、これが様々な生産者サイド、そして最終的には国民生活に大きな影響を与えている、既にです。

 この点について、先ほど赤澤さんからも答弁があったように、政府の一貫した言い方は、供給量はおおむね足りているんだ、そして流通に目詰まりが起きているんだという一貫した御説明で、私も大筋外れているとも思わないんですが、しかし、聞きたいのは、本当に具体的に現場の実態を把握しているんですかということが一つ。それを把握するために、どのように具体的に調査、実態把握を行ってきたんですかということが一つ。その点について総理の答弁を求めたいと思います。

高市内閣総理大臣 ナフサに関して、これはもう代替調達が進んで、従来の八五%水準まで回復しており、川中の製品輸入が大幅に進んだために、四月の在庫活用を〇・一か月分に抑えることができました。だから、現時点での中間在庫は一・七か月分となっていて、ナフサ由来の石油製品は年度を越えて供給を継続できる見通しと申し上げております。

 その上で、現場の声をいろいろ御党でも集めていただいたということに心から感謝を申し上げます。敬意を表します。

 政府でも一生懸命集めております。特に、最初は、やはり川上の方でどれだけ原料を調達できるのか、ここが中心でしたけれども、もっと川下の方で、一つ一つ、例えば、工務店の方がシンナーが足りない、塗料が足りないとおっしゃっている、パン屋さんですとかお菓子屋さんですとか、そういったところが困っているとか、そういった声を集めるために、地方の出先機関、例えば地方の経産局ですとか地方整備局もあります、それから、様々な出先機関とともに、地方公共団体にも御協力をお願いして様々な声を集めて、今、川下の方から足りない情報を上げながら、そして、どこで目詰まりが起きているかは大方判明しております。何がどこで目詰まりが起きているということについては判明しております。

 ですから、例えば、シンナー、塗料、塩ビ管、これも川下製品ごとに川中在庫の量を公表いたしました。あわせて、ナフサ関連のサプライチェーンの川上から川下まで八つの業界団体が、四月まで前年と同水準又はそれ以上の供給実績があって、今後も継続的に供給できる見通しについて定量的に発信されているという旨も御紹介をしました。

 目詰まりが頻繁に発生している一人親方、工務店、自動車整備工場、パン、菓子など販売店、園芸農家、中小製造業について、先ほど申し上げましたような現場の地方局がプッシュ型で情報を集め、そして一つ一つ解決をしています。

 結論として、在庫の量が他のナフサ関連製品と比較して少ない、特に塗料やシンナー、これが大きな問題になっていますが、その原料であるトルエンやキシレンを、石油化学メーカーのみならず、石油元売からも従来を大きく超える量を塗料やシンナーメーカーに対して新たに直接供給することで、例年の需要の一・八倍の供給が可能となるようにしました。

 ですから、お尋ねのナフサのことにつきましては、四月、五月、これは国内精製と中東以外からの輸入による代替調達の実績は伸びていますし、川中、川下のサプライチェーンが多岐にわたります、ナフサから生産される基礎化学品の比率というのは一定ですから、目詰まり箇所への効果的な効果を及ぼせないので、これは増産するということではない、それから、石油化学メーカーのナフサタンクの受入れ余力に制約がある、こういったことも考慮しております。

 とにかく、日本全体として必要な量は足りていますので、この目詰まり解消に、政府を挙げて、そして地方公共団体にも御協力をいただいて、今解消に努めているというところでございます。

小川委員 御丁寧な御答弁はありがたいんですが、繰り返しになりますが、できるだけ簡潔に、これは私の質問時間なので。是非、それは改めてお願いします。

 今の御答弁で、ちょっと二、三、警鐘を鳴らしておきたいんですが、三党で集めた様々な声の中に、今まさにおっしゃった地域の機関、地域の出先を使っての情報収集でこういう声が上がっていますので、御紹介しておきます。

 経済産業省の情報提供窓口では取引先企業名の明示を求められており、これが事業に悪影響を与えるのではないかと懸念する事業者が実情を明かしにくい、つまり、情報の目詰まりが起きているということを言う事業者がいますので、調査に当たって、こういうことも配慮しておく必要があるだろうと思うので、一点申し上げておきます。

 もう一つ。とにかくこれは難しいと思いますよ、簡単じゃないと思いますが、おっしゃるように、川中、川下で目詰まりが起きないようにしなきゃいけないんですね、結果を出さなきゃいけないんです。

 いろいろ御答弁が返ってくるだろうと思ったから、私も地元で、工務店をやっています、あるいは電気設備会社をやっていますという同級生始めたくさんいますから、状況はどうだと、昨日現在です、六月三日、聞きました。

 シンナーは年初から五倍の金額になっている、ビニールは購入制限がかかって手に入らない、断熱材はこの半年で三倍になった、これは直感だが、感覚だが、大手が買い占めている気がする、これは地元、工務店を経営している私の同級生の声です。

 そして、電気設備。塩ビ管、塩ビパイプの値段が、五月、六月、連続で一〇%以上上がりました。パイプをつなぐ接着剤は入荷そのものが滞っている。目詰まりという意味では、コロナ禍と同じく、これも感覚ですよ、感想ですよ、業者が売り控えている気がする。なぜなら、毎月値段が上がるわけですから、どうしてもそうならざるを得ない、経済合理性だけを言えばですね、という現象が起きています。

 ほかにも、アスファルトや生コンの価格上昇、そして、何と工務店が、資材が手に入らないのでホームセンターに買いに行っているというんですね。ホームセンターで買ったものは単価が高いですから、やってもやっても全く利益が出ないと言っている。そして、そのホームセンターですら、業者だと思われる大量購入があり、品薄状態が続いている。

 これが地域の声、現場の声です。したがって、これに結果を出してもらわなきゃいけない。その観点からお尋ねします。

 つまり、仮に生産が十分だとして、私は、一つのショック療法として、増産を要請するという政府のメッセージは一つの有力な手段たり得ると思っています。もし御検討いただいて、これが効果があり得ると思えれば、思い切ってやられればいいと思う。増産要請です。足りているというお話でしたが。

 しかし、問題は、難しいのは、供給過程に公的な介入を行うということ、供給プロセスに公的に適正介入を行うかどうかが今最も問われている。そのことについて、先回りして指摘しておきます。

 まず、この国には売惜しみ買占め防止法という法律がある。これに従って適正な対応を取れば、各事業者に対して、川中、川下まで含めて、一定の効果的な影響を及ぼす可能性がある。そして、過去の実例でいえば、まさにオイルショックのとき、石油関連製品二十七物資を指定し、この流通過程に公的に介入した歴史があります。

 そしてもう一つは、国民生活安定緊急措置法。これもオイルショックのときに、トイレットペーパーに至るまで関連物資として指定し、適正な対応を試みた経験が政府にはあります。昔のこととはいえですね。そして、最近でいえば、コロナのときにマスクとアルコールを指定物資にして流通を管理しました。そして、直近が昨年の米ですよ。このときにも必要な対応を行った。

 したがって、今これだけ、目詰まり、目詰まり、川中、川下だと政府がおっしゃる以上、この買占め売り渋り防止法を適用し、あるいは国民生活安定のための緊急措置法を適用し、物資の流通に公的に介入する、公的な適正介入を行う、その用意、検討も極めて有力な手段の一つだと思いますが、総理大臣の見解を伺いたいと思います。

高市内閣総理大臣 まず、現場で集められたお声を紹介していただきました。そんな感じがするということですが、私どもの感覚と近いです。恐らく、値上がりを待って在庫を抱えているところ、そしてまた売惜しみをしている、それから情報がきちっと共有できていない、そういった問題があります。

 だからこそ、トルエンやキシレンを、石油化学メーカーのみならず、石油元売から直接売れるように、しかも、新たに、例年の需要の一・八倍の供給が可能となるようにしました。こうすると、今抱えている在庫、値上がりを待って抱えている在庫というのが、値上がりどころか、世の中に行き渡ってしまうと値下がるわけですから、これは放出されていく可能性は高いと思います。

 ただ、企業にも在庫を持つ権利はありますので、これは国が強制的にという形で、在庫を吐き出してくださいとか、在庫を抱えている企業の企業名を公表するとか、そういった手段であってはいけないと私は考えています。むしろ、協力的な企業に対してこれを公表するということはいろいろ利便性はあると思います。

 そして、ナフサの増産についての御提案がありました。これは、四月、五月、国内精製と中東以外からの輸入によって代替調達の実績が伸びていること、それから、やはり、川中、川下のサプライチェーンが多岐にわたります、ナフサから生産される基礎化学品の比率が一定ですから、増産したとしても、目詰まり箇所への直接な効果を及ぼしにくいということ、さっきちらっと申し上げましたが、石油化学メーカーのナフサタンクの受入れ余力に制約があるということは考慮しなきゃいけません。

 それからもう一点、国民生活安定緊急措置法。これは規制的な措置になるかと思うんですけれども、石油関連製品については、今、日本全体として必要となる量は確保されている中で、現時点で規制的な手法を用いるということについては考えておりません。

小川委員 総理は、考えておりませんと言っても、一週間後に考えられたのがこの補正ですから、君子豹変を期待したいと思いますが。

 つまり、一連、後手に回っているという印象を私は強く受けていまして、だから、先回りして、くぎを刺す意味でも提案しているんですね。ですから、野党からもこういう声があるんだということをむしろ追い風にして、結果を出していただきたいと願いながら質問しています。

 それで、企業が在庫を持つ権利があるとまさにおっしゃった。これは、平時においてはそうなんですよ。ところが、今、どの程度有事だと認識するかという政府の価値判断がまさに問われていて、有事においても私的財産権、私的企業経営権が優先だとしてしまうと、そこには経済合理性しか働かない。結果として、今のような目詰まり、供給不足、物資の不足、事業の施行不能という事態を招いているわけですね。

 有事だと判断すれば、当然、私権を一定制限し、供給制約を解消するため、つまり、公的な、公益を優先するような政策判断を取らなきゃいけない。そこの分かれ目は難しいですよ。責任を背負うことになる。リスクはある。しかし、言えることは、もうこういう事態になって何か月ですから、そろそろ、今までのように、認識を客観的に、冷静に述べておられるおつもりなんだと思いますが、やや、一歩、二歩、少なくとも半歩踏み込むことを検討すべき時期に入っているのではないかということを先回りして申し上げています。

 この御質問をする以上、私はどうしても裏側から聞かなきゃいけないんですが、供給制約を議論するに当たって、これから電気代、ガス代、ガソリン代、いろいろと補助されると思うんですが、需要をどうコントロールしていくかということも、国の経済社会全体の最適からいえば、議論としては避けられないのではないかということを心配しています。つまり、節約や節電や需要抑制という議論ですね。この両サイドから議論して初めて整合的な議論になるので、お尋ねします。

 これまでその可能性について総理は一貫して否定してこられたと私は受け止めていますが、日々刻々状況は変わり、見通しは立たず、事態は悪化しているという前提に立った今、本日、六月四日、この需要抑制に関して、現時点における内閣総理大臣の御意向、御所感はいかがですか。

高市内閣総理大臣 需要抑制とおっしゃいますけれども、今、毎年、例年行っている省エネの呼びかけは、既に赤澤経済産業大臣から国民の皆様にお願いをしています。

 その上で、私の判断としては、事業活動を止めてしまったり、それから地方では、私の奈良県もそうですけれども、鉄道が通っていない地域もありますよ。自動車がなかったらとても生活できないというところもある。農林水産業を始め、様々、油が必要な産業もあります。そんな中で、需要を抑制してくださいと言うと、極度にみんながシュリンクしてしまったり、あとは、やはり生活に影響が出たり、それから、今年は節約しなきゃいけないなと、赤澤大臣の呼びかけを超えて、暑いのにエアコンをつけなくて命を落としてしまったり、そういうことだけはあっちゃいけないという思いから、日本全体として必要な量が、確保している時点で、しかも、我が国の石油備蓄が足下でも約二百日分あります、他国と比較しても非常に多い水準があります、だから、現時点では、経済活動や国民生活に過度にブレーキをかけるような形で、今回の中東情勢を背景として節約をお願いするという状況にはないと申し上げてまいりました。

 夏の節電、エネルギー需要が増大する時期の省エネの呼びかけ、これはもう赤澤大臣が行っているとおり、これは御協力をお願いいたします。

小川委員 もとより難しい判断だと思いますから、とはいえ、継続的に検討せざるを得ない一つの論点であるという趣旨でお尋ねをしましたし、このお尋ねは今後も続かざるを得ないということも申し上げておきたいと思います。

 今、車がなきゃというお話でした。奈良県に限らず、私も、香川もそうです、全国各地域がそうでしょう。

 しかし、これに関連して、ここはまさにちょっと党派を超えて議論しなきゃいけないと思っているんですが、私どもが提起した組替えの中にも、一定、ガソリン価格を引き下げるための交付金は、当面の短期的措置としてはやむを得ないと思って計上しているんですね、私どもの組替えにも。しかし、これは若干、そろそろ振り返らなきゃいけない時期を迎えていますよね。

 四年間で九兆円投じてきたんですね、ガソリン価格を引き下げるためだけにです。年間の国防費に匹敵する。年間の公共事業費の一・五倍です。国公立の大学でいえば九年間無償にできる金額を、ガソリンを百七十円程度に維持するために僅か四年間で消費し続けたのがこの国の対策でした。

 そして、既に与党幹部からも、出口が見えない、現状維持、持続可能性がないとの声がある。やめられない補助金になっていませんかという問いが立つ。改革なき延命になっていませんかという問いが立つ。消費抑制は働かない、財政負担は増すばかり。EV自動車への転換など、構造改革も遅れるという副作用もある。

 この点、昨日、総理は本会議で、価格設定、つまり百七十円という目標価格のことをおっしゃっているんだと思いますが、それを含め柔軟に対応する構えだという答弁をされました。

 せっかくのその御答弁ですから、もうちょっと具体的に、これが百八十円なのか九十円なのか、それも含めて、言えること、言えないことはあると思いますが、どのように出口を描き、どのように構造改革を進めていくのか、その観点から、この点についてもう少し踏み込んだ答弁を求めたいと思います。

高市内閣総理大臣 ガソリンだけじゃなくて、軽油、重油、灯油にも支援を続けてまいりました。これは、公共交通ですとか、それから地方の産業、農林水産業を含めて大きな影響があると思ったからでございます。

 しかしながら、柔軟に対応すると昨日申し上げたのは、与党、野党の皆様からも、やはり、中東情勢はいつまでこういう状況なのか、価格の動向、これはまだ読めません、それから、支援の持続可能性も大事だよね、そういった観点から、柔軟な対応が必要だという御指摘をいただきました。ですから、支援単価も含めて、支援の在り方は柔軟に考えさせていただきます。

 ちなみに、今、フランスですか、ヨーロッパの方、これは三百円台後半だったりしますよね、リッター当たり。日本が約百七十円というのは非常に安いです。アメリカも含めたG7の中で最も安いです。ただ、国民の皆様の命や暮らしを守る、この大前提の中で、どこが許容範囲か、そういったことも考えながらやってまいります。

 それから、構造的な問題もおっしゃいました。

 これを機に、省エネ技術、日本はすばらしいものを持っておりますから、これをしっかり製品、サービスにしながら国内にも展開する、海外にも展開する、これは経済成長にもつながります。委員がおっしゃいますように、化石燃料を使わない様々なもの、車も含めてですね、こういったものの普及、こういったことにもしっかりと取り組んでまいりたいと思っております。

小川委員 もう少し踏み込んでいただきたかったんですが、その辺がぎりぎりなんでしょう。

 しかし、本当に余り時間はないと思うんですよね。六月に現在の仕組みが切れる、あるいは財源が枯渇するということまで言われていますから、近々そういう御判断、御決定が必要なのではないかというふうに受け止めております。

 最後に、財源が全額赤字国債であるということは不適切ですよと先月指摘をし、しかし、出てきたものは全額赤字国債でした。

 今、金利の急騰、円安の進行、日本国債への信認低下、円という通貨に対する信認低下だと受け止める必要があると思っています。そして、円が弱くなれば、輸入していますから、食料もエネルギーも、暮らしそのものも弱くなりますよね。ということは、国民生活の窮乏を救おうとしたその補正が、回り回って、かえって、真綿で首を絞めるように、じわじわと国民生活を苦しめる可能性すらある。赤字国債による補正とはですよ。そして、最も大きく言えば、総理の掲げる責任ある積極財政という概念、政策そのものに市場が警告を発していると言えなくもない。

 その前提でお聞きしますが、我が党は、組替えに提起しているとおり、九兆円もの国家基金を取り崩し、赤字国債によらない補正を提起すべきだということで、組替えの提案を申し上げています。なぜ基金なのか。この九兆円の基金、五十個以上あると言われています。そして、一旦積んだら、ほとんど残高はそのままじゃないですか。一旦積むと、役所は既得権になりますから手放さないんですよ。三年たったら見直すというルールも形骸化している。そして、これは、ただで立つ基金ならまだしも、借金して立てた基金ですから。やがて長期国債の金利は長期金利水準三%に近づくでしょう。そうすると、九兆円の基金を支えるのは九兆円の国債ということになり、それを支えるのは年間三千億円の国民の血税、利払いということになる。

 したがって、この基金の合理性、正当性については極めて厳しく見る必要があり、必要なものは直ちに使わなきゃいけない。不要なものは取り崩して、他の財源あるいは国債の償還に充てるのが筋道じゃありませんか。

 加えて申し上げます。物価が、四月は、様々な政策的影響を除けば、実質で前年比二・八%上がっているんだそうですね。そして、企業物価はそれ以上、四・九%なんだそうです。やがて企業物価にじりじりと消費者物価は近づいていくでしょう。ということは、ここから久しく物価は上昇トレンドを続けていく可能性がある。五月の値上げ品目はスーパーで八十、六月は千を超えると言われています。

 ということまで含めると、円の価値、日本国債への信認を保つというメッセージがこの補正に必要だった、もう一つの柱でなければならなかったのではないですか。なぜ全額赤字国債でこのような補正を雑に組んでしまったのか。党首討論のときには、たしか総理は、赤字国債はできるだけ抑制したいと答弁されていたはずです。それがなぜこうなってしまったのか、責任を感じながら、答弁を求めたいと思います。

高市内閣総理大臣 党首討論における私の発言ですけれども、今般の補正予算の対応をもうあのときは念頭に置いての答弁でございました。前年度分の特例公債について、決算に向けて、あのとき、決算剰余金などが出てくるのはちょっと先の話ですがと申し上げましたが、決算の時期に向けて、税収や税外収入、歳出不用の見込みも踏まえて、一定程度発行額を減らすことができる見込みが立っているということであるため、今回の補正において特例公債を増額するとしても、市場に大きな影響を与えることなく実行可能と考えられる、そういう趣旨で述べております。議事録を見ていただいたら分かるかと思います。

 また、不要な基金を国庫返納させということなんですけれども、基金は不断の見直しが必要です。片山財務大臣は今、一生懸命やってくれています。ただ、現時点でも今後の必要性を踏まえて保有されている基金もあり、中には既に交付決定されているものもありますので、そこはしっかりとした留意が必要でございます。それから、事業の性質ですとか執行状況などを踏まえて、不用な額については既に随時国庫返納を行ってきております。

 更に答弁が必要でしたら、片山財務大臣に答弁をさせます。

小川委員 いずれにしても、公の報道ぶりを見る限り、まさにおっしゃった、不用額が出る、前年度の国債を抑制することができる、したがって、発行総額は変わらないということを一つの説得材料にしておられるように受け止めています。それを全否定するつもりはありません、全否定するつもりはない。

 しかし、予算は、一応単年度でしっかりと帳尻、収支を管理しながら長期的に財政責任を果たしていくという仕組みに一応なっているんですね。もちろん、それに対する批判も、見直すべき点もあるでしょう。しかし、都合よく、前年の決算を見て今年の予算はかくかくしかじかで大丈夫だということを都合よくつまみ食いするような考え方は、前例にすべきではないと思います、一つには。

 つまり、前年を減らすから今年増やせるんだという言い方は、本来減らすものを減らせなかったということをおっしゃっているのに等しいんですね。だから、全体として、それでもって国債の信認を維持するということにはやや無理がある。増やさなかったが、減らせたものを減らせませんでしたという意味合いを持つわけですから。

 その意味でも、繰り返しになりますが、こういう基金があるわけですから、不要不急のものを見直して、できるだけ赤字国債を抑制するということに、私は、財政政策上、正当性があるということを重ねて主張したいと思います。

 一連、経済対策についてお聞きをしましたが、関連して、昨日、今日、随分消費減税に関する報道が躍っていますので、お聞きします。

 夏前までの取りまとめと総理がかねてからおっしゃっているその夏前までというのは、もう今なんでしょうから、そろそろリミットだと思います。いつまでに何を決断するのか。特に、食料品の消費税はゼロなのか一なのか。そして、秋の国会に法案提出なのか。一部にはこの国会の延長だという報道まで出ていますが、国会スケジュール感も含めて、いつ何を決断し、食料品は一かゼロか、この国会なのか秋の国会なのか、現時点の総理のお考えをお聞きしておきたいと思います。

高市内閣総理大臣 まず、消費税率そのものに関しては、今、社会保障国民会議の実務者会議で具体的な議論が進められているところでありますから、現段階で方向性が何ら決まったものではございません。ただ、自民党の政権公約には、これは社会保障国民会議において食料品の消費税率ゼロの実現に向けた検討を加速する旨を記載しておりました。

 税率ですとか実施時期については、国民会議で今議論を行って結論を得ようとしている段階ですから、現時点で結論を先取りすることは私はいたしません。ただ、この夏、結論をいただきましたら、臨時国会になるんでしょうか、次の国会でできるだけ早く税法の改正案を出したいと願っております。

小川委員 一言苦言、苦言というのかな、私の耳に入っていることをお伝えします。

 国民会議、国民会議とおっしゃっていて、形式的にはそうなんですね。しかし、昨日、まさに国民会議の実務者会議が行われ、私どもは赤羽税制調査会長と落合政調会長代行に出てもらっています。そこで大変な不満、クレームが出たんですね、昨日。なぜなら、国民会議でそうした議論を具体的に全く行っていないにもかかわらず、ああした報道が先行しているということなんです。

 したがって、国民会議、国民会議とおっしゃいますが、私は当初から懸念をしていた部分もあって、つまり、これが隠れみのになっていませんか、単なるガス抜きの場になっていませんかということを出席者が感じていますので、国民会議で議論をしてまとめるという総理の今の言葉の責任が重いとすれば、参加者、当事者がそう感じられるような会議体の運営を改めてお願いをし、しかるべくプロセスを踏んで、しかるべき時期に必要な結論を出していただくように改めてお願いをしたい。単なる隠れみのにしてはいけませんよということを一言申し上げたいと思います。

 時間が少なくなってきたんですが、中東情勢に関連して、経済政策についてお尋ねをしてきました。今日、どうしてももう一つお聞きしたいとかねてから思っていることがあって、それは、中東情勢に関連して、憲法改正について影響があるのかなかったのかということです。

 私がお尋ねしたいのは、三月二十日、日米首脳会談、極めて難しい会談に総理は臨まれたと思っています。そして、一定の具体的な成果があったかどうか、ちょっと私も懐疑的なんですが、しかし、少なくとも、当時、焦点の一つは自衛隊艦船の派遣ではないかということが言われており、相当な緊張感を持って首脳会談に臨まれたのではないかと想像しています。

 そこで、私が端的にお尋ねしたいのは、日本国の憲法九条は、当時、日米会談において総理は国内法の制約を説明したと後に公に語っておられますが、憲法九条の存在は、世界の平和、日本国の安定にとって、総理は、とりでだと感じられたか、足かせだと感じられたか。憲法九条の存在は、日本国にとって、総理にとって、当時トランプ氏と向き合われた高市早苗内閣総理大臣にとって、とりでだったのか、足かせだったのか、ちょっとそこの根本的な価値判断をお聞きしたいとかねてから思っていました。御答弁お願いしたいと思います。

高市内閣総理大臣 私ども、内閣総理大臣も閣僚も、憲法の遵守、尊重義務がございますので、現行憲法に従って行政を進めさせていただいております。

 トランプ大統領との会談のときに、とりでだと思ったか、足かせだと思ったかということですが、そういったことを考えていたわけではございません。

 確かに、自衛隊派遣の話はありました。首脳会談ですから、その詳細はつまびらかにできませんが、国会でも既に答弁をしたとおり、現行の憲法九条はこうなっている、そして現行の自衛隊法ではこうなっている、事態認定法などもありますけれども、日本の法制について説明をして、今できることとできないことがあるんです、これはできませんということをしっかりと申し上げた、そういうことです。

小川委員 ストレートにお答えはしにくいと思ってお尋ねはしているんですが、私は、当時の局面において、憲法九条は一つのとりでの機能を果たしたんじゃないかなと受け止めていたんですね。私としてはですよ。

 それも含めて、最後になりますが、憲法の改正論議について、総理は来春までに発議のめどを立てたいと御発言されました、公に。その発議のめどとは何なのかということを私はかねてから疑問に思っています。それは、条文案の作成なのか、与野党の合意なのか、実際の発議なのか。このめどとは何なのかということをちょっと特定してお答えいただきたいと思います。

高市内閣総理大臣 おっしゃった発言というのは、自民党大会における私の自民党総裁としての発言であろうかと思います。

 自民党としては、党の運動方針にも、憲法改正、これをしっかり盛り込んでおりますし、元々党是でございます。結党七十年を迎えてもまだ実現できておりませんが、党是でございますから、運動方針を示して、皆様と一緒にこういう活動を進めていきましょうということでございます。

 委員の御質問でございますが、内閣総理大臣として、例えば憲法の内容のここをこうすべきだとか、ああすべきだといったことについて、そして、その時期についても、これは、今、憲法審査会などで議論が行われておりますので、それを答えられる、そういう立場にはないと考えております。

小川委員 とはいえ、来春までにめどとおっしゃったことの意味合いは、多分、これから重く問われてくるし、現場における議論にも少なからぬ影響を与えるだろうと。

 申し上げたいのは、改憲にせよ、それから国旗の損壊ですか、そして国家の情報管理、情報収集、武器の輸出、いわば国家先行、国家主義的な政策が随分進んでいると私は感じるんですね。そこは先手なんですよ。先回りなんです。時に前のめりなんです。しかし、暮らしに関わることは後手に回っていませんか、生活に関わることが後回しになっていませんか、この政権の優先順位はどこにあるんですか、限られた政治的資源、エネルギー、時間を注ぐ対象はそれでいいんですかということを根本的に感じていますので、野党としてしっかり対案、提案を積極的に行うことで、しっかり対峙させていただきたい、そのことを申し上げて、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

坂本委員長 この際、山本香苗さんから関連質疑の申出があります。小川君の持ち時間の範囲内でこれを許します。山本香苗さん。

山本(香)委員 中道の山本香苗でございます。

 早速質問に入らせていただきます。

 イラン情勢の長期化などによる物価高は、国民生活を直撃しております。先月は八十品目、今月は一千七十八品目の飲食料品が値上がりとなりました。前月比十三倍です。電気代、ガス代の補助は当然必要でございますが、それだけで乗り切れるという局面ではございません。消費税減税や給付つき税額控除の導入まで時間がかかります。今、支援が必要なんです。

 今回の補正予算の予備費を活用して、是非、総理、特に厳しい状況にある低所得者や子育て世帯に対して速やかに現金給付を行っていただけないでしょうか。

高市内閣総理大臣 先ほど、何か国家主義に走っていて国民生活が後回しである旨の御指摘を他の質問者からいただきましたけれども、そんなことはございません。高市内閣ができて、去年の臨時国会で真っ先に取り組んだのは、物価高対策でございました。経済対策をし、補正予算を組みました。

 物価高に対しては、重点支援地方交付金ですとか、子供さん一人当たり二万円の物価高対応子育て応援手当などによって、一世帯当たり標準的に年間八万円を超える支援を盛り込んだ、これは昨年の経済対策、令和七年度補正予算のことでございますが、全部執行されているわけじゃないので、これの早期執行を徹底していただく。基本的には、地方自治体に聞きますと、先月中、先月末までには何とか給付を開始したいというところが残っているという状況ですので、これは早期に確実にお届けしてほしい。

 それから、子供たちの長期休業期間における食事や居場所に対する支援を盛り込むなど、公定価格に経済、物価動向などを反映させた令和八年度予算の執行に今取り組んでおります。

 それから、本年三月から緊急的激変緩和措置によるガソリンなどの価格を抑えるための補助も開始しています。五月二十六日には、電気・ガス料金について、標準的な御家庭で七月から九月の三か月で五千円の負担軽減となるように、令和八年度予算の予備費を使用決定いたしました。

 こうした様々な支援策を講じておりますので、低所得者、子育て世帯向け給付を含め、今御審議いただいている令和八年度補正予算に含まれていない新たな予算措置を行うということは考えておりませんけれども、中東情勢が物価動向や経済に与える影響を注視しながら、経済財政運営には万全を期してまいります。

山本(香)委員 昨日の岡本政調会長の質問に対して、総理は、国民生活等に支障が生じないよう適切に対応すると御答弁されました。

 私は、もう既に深刻な支障が生じていると思っております。子供の貧困対策に取り組んでいる団体からも、困窮家庭の実は七割以上で本当に食事の回数を減らしている、親御さんが疲弊し切っている、そのような調査結果も出ております。子育て世帯以外でも、ぎりぎりの生活をしていらっしゃる方がいらっしゃいます。我が党も、今回、組替え動議の中に提案をさせていただいております。是非とも前向きに、予備費をタイムリーに使っていただきたいと切にお願い申し上げたいと思います。

 その上で、今日は総理と、給付つき税額控除のことにつきまして、二月にも議論させていただきましたので、議論させていただきたい、総理の認識をお伺いさせていただきたいと思っております。

 二月の段階で総理は、税や社会保険料、物価高に苦しむ中低所得の方々の負担を軽減するため導入していくと明言されました。しかし、五月二十七日の実務者会議で示された案では、対象が中低所得の現役労働者に着目したものとなっております。

 総理は、二月に示された御自身の方向性と今回の案とをどのように認識されておられますでしょうか。

高市内閣総理大臣 社会保障国民会議の実務者会議において、これまでの御議論を踏まえて、小野寺議長から「中間とりまとめに向けた議論の整理」が提示され、これを基に検討が進められている段階だと考えております。御指摘のように対象者の範囲が決定されたものではないと承知をいたしております。

 給付つき税額控除の設計については、税と社会保険料を含めた給付と負担の全体像を把握した上で、税、社会保険料の負担で苦しむ中所得者、低所得者の負担を集中的に低減するということで、所得に応じて手取りが増えるようにするといった仕組みを念頭に、国民会議で各党も交えた御議論をお願いしているものでございますので、まだその範囲が限定されたとは聞いていませんし、充実した御議論が進められるということを期待いたしております。

山本(香)委員 であれば、是非こういう認識を持っていただきたいんです。

 働いていないということは、イコール、税や社会保険料の負担をしていないということではないということはよく御存じだと思います。

 例えば、病気や障害で働けない方、失業中の方、家族の介護で離職した方、年金だけで生活をされている高齢者、こうした方々の中には、税や社会保険料、物価高で苦しむ中低所得の方々も含まれています。中でも、特に問題なのは、資産要件などで生活保護にも至らず、受給していなくて、でも生活保護と同じような水準で、ぎりぎりで生活をしている世帯です。こうした方々は、働いていなくても、物価や、税や社会保険料の負担の影響を強く受けます。

 こうした生活保護と就労との間、制度のはざまで苦しんでいる方々の存在というのを総理はどう認識しておられますでしょうか。

高市内閣総理大臣 障害や疾病など様々な事情で、働きたいと思われていても働くことができず、かつ、生活保護の対象となっておられない方もいらっしゃる、それは承知しております。

 ですから、こうした様々な生活課題をお持ちの方を幅広く受け止めて必要な支援を行うために、生活困窮者自立支援制度もございます。これは、相談を包括的に受け止めて、お一人お一人の状況に合わせて、場合によっては就労支援、場合によっては家計改善の支援、またお子様に対する支援などを行っています。様々な事情で生活にお困りの方に対して必要な支援を行うための制度ですから、これは着実な実施に努めてまいりたいと考えております。

山本(香)委員 生活困窮者自立支援制度があることは、私も創設に関わりましたのでよく存じ上げておりますけれども、制度のはざまで苦しんでいる方々がしっかりいるということを是非御認識をいただきたいと思います。

 その上で、国民会議の方を担当されている城内大臣に確認をさせていただきたいと思いますが、今総理は、決まっていないという話でございましたけれども、この案、現段階の案においては、そうした方々は対象外でしょうか。

城内国務大臣 山本委員にお答えします。

 社会保障国民会議の実務者会議におきましては、これまでの議論を踏まえて示されました「中間とりまとめに向けた議論の整理」がございます。

 この議論の整理におきましては、今後実施する給付つき税額控除と既存の社会保障制度の双方から取り残される者が生じないよう、障害等の事情により就労に制約のある方やあるいは低所得者の方に全体として必要な支援が適切に行き届くようにしていくことが重要、そして、給付つき税額控除が、社会保障制度を取り巻く全ての政策課題を解決するものではないことを認識した上で、政策目的に照らして適切に役割分担することを基本としつつ、制度間の適切な連携を図り、議論を進めていくとされているというふうに承知しております。

 いずれにしましても、現時点で、給付つき税額控除の対象者につきましては決定されたものではございません。政府としては、引き続き、社会保障国民会議におきまして参加政党間で充実した議論が進められていくことを期待しております。

山本(香)委員 諸外国の給付つき税額控除というのは、働く低所得者への支援から始まりまして、徐々に対象が広がってまいりました。しかし、我が国はこれから創設するんです。ですから、是非、総理、最初の段階から、働く人だけじゃなくて働きたくても働けない方を是非とも対象に入れていただきたいと思っております。

 といいますのも、イギリスは、これは先駆者ですね、一九九九年にこの給付つき税額控除の本格導入が始まりました。当初は日本と、今の国民会議の案のような形で、労働していることを厳格な条件としておりました。しかし、その結果何が起きたかということなんです。

 総理、「わたしは、ダニエル・ブレイク」という映画を御存じでいらっしゃいますでしょうか。御覧になったことはないかもしれないので、どんなことかということなんですけれども、重い心臓病で、医師から働くのは無理だと言われた大工の主人公が、役所の機械的な審査によって働けるはずだと判定されて、病気への支援も失業への支援もどちらも受けられずに追い詰められていくという映画です。実際のリアルな話です。

 イギリスでは、この画一的な線引きによって、病気や障害、あるいは育児や介護で働きたくても働けない人たちが、次々と支援対象者から外れて、餓死や孤立死といった深刻な社会問題が相次いで発生しました。このことから、イギリスは、その僅か四年後の二〇〇三年に制度を大転換し、働いているかいないかという線引きを撤廃し、本当に支援が必要な困窮者を最初から包摂する制度へとかじを切りました。

 働きたくても働けない方々を制度から排除することは、結果として、健康悪化による医療費の増加や生活保護費の増加を招いて、巡り巡って全ての納税者に重い財政負担として返ってきます。逆に、困窮の入口で支援が届けば、生活の底割れを防ぎ、自立へとつなぐことができます。

 是非とも、これから創設する給付つき税額控除について、病気や障害、介護など様々な事由で働きたくても働けない方を制度設計の最初の段階から入れていただけるように、是非、総理からも推進していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

高市内閣総理大臣 委員のおっしゃること、よく分かります。

 私自身が、今、国民会議で御議論いただいているときに、この方向性でとか、結論を先取りする、決め打ちするということはしてもおりませんし、してはいけないと思っておりますが、先ほど城内大臣が答弁したとおり、国民会議では、やはり給付つき税額控除と今の社会保障制度の双方から取り残される者が生じないようということ、それから、障害などの事情で就労に制約のある方や低所得の方に全体として必要な支援が適切に行き届くようにしていくことが重要ではないかといった議論が行われているということですから、これは委員の問題意識についても、国民会議における議論においても共有されていると私は思っております。

 御指摘の点も含めて、充実した議論がしっかり行われるということに期待をいたしております。

山本(香)委員 全体としてと言うので、既存制度で受け止めようとしているのかなという姿がちらちらと見えるわけですが、是非、この制度の中で排除しないでいただきたいと重ねてお願い申し上げたいと思います。

 その上で、もう一点、給付つき税額控除につきまして、これを導入することによりまして、平時から、所得の把握や給付の仕組みができ上がるわけです。であれば、こういった物価高だとか緊急時に、迅速に、必要な人に必要な支援を届ける基盤としてしっかりと整備をしていただきたいと思います。

 これまで、いろいろな給付をやるたびに、地方自治体の皆様方に多くの負担をかけて、時間もかかってお金もかかってということを繰り返してまいりました。そうしたことがないように、平時には給付つき税額控除として機能して、そして緊急時には迅速な給付インフラとして、しっかりと整備していくべきだと考えますが、総理、いかがでしょうか。

高市内閣総理大臣 それは大いに賛同いたします。

 消費税につきましてもそうなんですけれども、システム改修に時間がかかるといった問題が出ました。それから、過去の様々な給付におきましても、地方自治体に大変な御負担がかかりました、事務負担がかかりまして、当時、総務大臣だったときにちょうどコロナ禍で十万円給付というのがありましたけれども、大変なことでした。やはり、マイナンバーとひもづけた給付専用の口座を必ずお一人一つ登録をしていただきたいなという思いもございます。

 そして、今回の給付つき税額控除の議論、そして制度設計を通じて、まずは急いでやろうと思うと既存の情報インフラを十分に活用するということになるんでしょうが、更なる情報連携ですとかDX化によって業務の効率化を図る、安定的かつ迅速な対応が可能となる社会インフラの整備を図るということは重要だと考えております。そうしたインフラが整えば、まさに災害時ですとか、それから、これまで日本が直面してきた様々な困難、感染症であったり、すごい物価高であったり、そういったときにも迅速な対応が、しかも、効率よく、負担を少なくして行えるんじゃないか。その一つの機会になっていくことを大いに期待いたしております。

山本(香)委員 この給付つき税額控除の議論につきましては、国民会議でもやっておりますけれども、これからもしっかりと具体的に進めていきたいと思っております。

 次に、ナフサショックについてお伺いしたいと思います。

 本当に今、シンナー、塩ビ管、ナフサ関連の物資が現場で著しく不足をしております。材料屋さんに発注しても納期未定、こういう状況が各地で相次いでおりまして、発注を受けたくてもできない、そういった悲鳴に近いような声がたくさん寄せられております。

 そうした中で、一昨日の中東情勢に関する関係閣僚会議において、総理は、石油元売から従来を大きく超える量をシンナーや塗料メーカー等に新たに直接供給することで、例年の需要の一・八倍の供給を可能にし、地域の隅々の工務店にも行き渡るようにしていくと、これまでにない供給対策を打ち出されました。

 そこで、確認させていただきたいんですが、この一・八倍の直接供給という枠組みによって、本当に塗料やシンナーの不足や異常な価格高騰は解消されるんでしょうか。地域の隅々にある工務店にまで、実際にちゃんと、いつ、いつ頃届くんでしょうか。

高市内閣総理大臣 一昨日に、シンナー、塗料メーカーに原料のトルエン、キシレンを、石油化学メーカーのみならず、石油元売からも従来を大きく超える量を新たに直接供給することで、例年の需要の一・八倍の供給を可能にするという、これを始めたところでございます。

 早速、塗料、シンナー関連の事業者の方々から多くの反響をいただいておりまして、既に複数の申請をいただいております。石油化学メーカーや石油元売が既に手元に保管している量から例年の需要の一・八倍相当の供給が可能であると見積もっておりまして、申請内容の確認が終わりましたら直ちに輸送の準備に取りかかっていただけると考えております。

 可能な限り早急に現場に十分なシンナーをお届けできますように、これは関係事業者と連携して対応してまいります。

山本(香)委員 もうちょっと具体的なめどをお示ししていただけないでしょうか。

赤澤国務大臣 具体的なめどといって今申し上げられることは、総理がおっしゃったとおりだと思うんです。

 というのは、元売が、ガソリンが製造される、ナフサを精製するのと同時に出てくるガソリンの中などに含まれているトルエンといったようなものを、もう準備はできています。それが今、供給量の八割に当たるぐらいある。今、一・〇倍と合わせれば一・八倍ということですが。なので、これは申請さえしていただけば、受入れ体制が整っていれば直ちに輸送する体制に入れるということですので、それ以上に具体的な話というのがちょっとしようがない。

 端的に言えば、今手を挙げていただけば直ちに提供いたしますという体制になっておりますので、そういう意味で、輸送の体制を整えるのにしばらく時間がかかるとかはあるかもしれませんけれども、何か今、申請が出てきているということを総理はおっしゃいました、その方に、いや、ちょっと待ってくれということではなくて、直ちに輸送に入る体制がもうできているということを申し上げているところであります。

山本(香)委員 政府がどれだけ十分総量を確保したとしても、その物資が使う方のところまで届くというところが一番大事なわけなんです。

 そこで、ちょっと確認をさせていただきたいと思うんですが、メーカーから卸に行って、材料屋さん、材料販売店まで、かつ工務店まで流れていきますよね。実際、この流通ルートの、流通段階ごとの実態だとか、前倒し発注、いわゆる仮需ですね、買いだめの状況とか、そういうのを政府はどこまで正確に、段階ごとに把握をされていらっしゃるんでしょうか。

赤澤国務大臣 ナフサは、総理からも申し上げましたとおり、代替調達で従来の八五%の水準まで回復をしている、それから、ナフサ由来の化学製品を含む石油製品は年度を越えて供給継続が可能ということで、在庫を抱えている状況とか、そういういろいろなことについては、五月末に、川中、川下製品の塗料、シンナー、印刷インキ、塩ビ管、断熱材、ユニットバスなどの八つの業界団体から、足下の供給量は安定、増加ということが一点、そして、今後も供給継続できる見通しという発信をいただいています。

 このように、繰り返しになりますが、実際に日本全体として必要な量は供給をできているわけですが、個別の製品でも確認はできており、課題は、とにかく声を上げていただいて、あるいは我々がプッシュ型で調べに行って、一部で起きている供給の偏りや流通の目詰まりに一つ一つ対処していくということが必要なんだと思っています。

 とにかく、原因としては、今お話があったシンナーメーカーから見た川上ですね、トルエンを提供するようなところが、将来不安なので、四月は今までどおり、五月は未定という連絡を更に川上から受けた途端、四月の供給量を絞ってしまったというのが、我々がつかんだ一番まずいことが起きるときのパターン一でありますので、そういうことが起きないように、とにかく実態を一層緻密に分析をして、供給の偏りや流通の目詰まり対策を更に強化をしていきたいと思っていますし、その中には、地方経済産業局が関係機関と連携し、川下の事業者、工務店や自動車整備事業者にプッシュ型支援も行っているということでございます。

山本(香)委員 一生懸命御答弁いただいたんですが、現場にいつ来るかが分からないんです。それが一番知りたいんです。大枠これぐらいありますという話は、現場の方々からすると、どうでもいい話ではないんですけれども、それよりも、自分たちのところに、いつ手元に届くのか、ここが一番大事なんです。

 実態を把握して、それを、現場サイドの供給の見通し、現場に届く供給の見通しというのを示していただきたいんです。よろしいでしょうか。

赤澤国務大臣 今申し上げましたように、全体量は足りていますし、目詰まりが生じていることも、あるいは供給の偏りが生じていることも我々は認識をしております。情報提供窓口から情報をいただいたり、あるいは野党の先生方が調べたアンケート結果なども参考にしながら、極力、相談窓口に来るだけではなくて、プッシュ型支援などにも努めています。

 総理からお話し申し上げたとおり、最大で例年の一・八倍という大幅な供給拡大を、元売の協力も得てやります。ふだんより八割方多いものがシンナーメーカーにこれから入っていくわけですね。シンナーメーカーは、我々は申請を受ければすぐにそこに原料を届けますので、それによって可能な限り早く現場に十分なシンナーが行き渡り、加えて、もう一つ効果が期待できるのは、それによって、需給の逼迫によって高騰していた価格についてもこれから落ち着いていく方向が望めるので、そういう状態を速やかに実現をしていきたいというふうに思っています。

山本(香)委員 具体的な見通しが見えなければ、受注の判断もできません、人員の配置もできません、そして、資金繰りをどうしたらいいのかということも決められません。

 是非、大臣、実際動き出した供給の見通し、できましたら速やかに公表していただけませんか。

赤澤国務大臣 とにかく、申請がもう複数、先ほど総理から申し上げたように、問合せは多数、申請も複数上がってきています。直ちにそれにお応えする体制ができており、加えて、めどというおっしゃり方だったんですが、それについて申し上げれば、どこまで届けるのかとか、輸送にかかる日数とか、もちろん手配するのにかかる日数とかがありますので、それは地域によっても違いがあるでしょうし、一方で、例えば離島で待っている方もおられるでしょうし、現時点において一概に何日たてば届きますということは申し上げられる状況にありませんけれども。

 今までと決定的に違うのは、全体が例年並みの供給は確保できている状態で、買占めがあったり、あるいは、不安から、供給量は例年どおり入ってきているのに製品を卸さなかったり、いろいろなことが起きていましたが、それをはるかに超える量をこれから供給させていただきますので、事態については、輸送に必要な日数等がかかりますけれども、それぐらいの期間がたてば、しっかりシンナーメーカーが、今までよりは、倍とは言いませんが一・八倍ぐらいの製品を供給できるということですので、それを速やかに実現をしていきたいというふうに思っています。

山本(香)委員 具体的なめどが欲しいんです。総理、いかがでしょうか。

高市内閣総理大臣 経済産業大臣の答弁を超えては答弁できませんが、既に発表してから複数の申請をいただいておりますので、申請をいただいた順に送っていくわけですよ。ですから、それで目詰まりの解消につながっていくと思います。

 何日までというのは、これはどうしても確定的なことは申し上げられません。しっかりと申請をしていただきたい、御協力をお願いしたいと思います。

山本(香)委員 そうした、何日までというか、どれぐらいという、ある程度のめどを示していただくことが皆さんの安心につながるわけです。是非お願いしたいと思っております。

 そして、事業者支援についても、今本当に、このままいったらもう廃業しなくちゃいけないかもしれない、そういう声もたくさん伺っております。すぐにでも雇調金の特例措置やゼロゼロ融資、持続化補助金のような、事業を継続するための支援を講じてもらいたいというような声もあるわけなんですが、今回のナフサショックというのは、ある意味、通常の不況とは本質的に異なって、材料不足と価格高騰が先に起きて、その後、売上げの減少ということが起きている、タイムラグがあるわけですね。

 現在の雇用調整助成金は、最近三か月の生産指標が前年同期比で一〇%減少していることなどを要件としています。これでは、材料がなくて仕事ができないとか、今まさに困っているところの現場が、売上げの数字が落ちるのを待っていたら、その前に潰れてしまいます。

 制度があっても、使えなければ意味がありません。是非、雇用調整助成金の要件緩和を始めとする特例措置や、また資金繰り支援とか、事業を継続していくための支援とか、しっかりこうしたものを万全に取っていただきたいんですが、総理、いかがでしょうか。

高市内閣総理大臣 雇用調整助成金につきましては、その要件、最近三か月の生産量等の生産指標が前年同期と比べて一〇%以上減少、この要件については、仮に、直近一か月の生産量などが大きく落ち込んだことにより、直近一か月ですぐに生産量要件を満たして、雇用調整助成金の対象となる場合はございます。また、生産量を示す指標につきましても、売上高のほかに生産量や販売量などを使用することができるといった柔軟な対応をさせていただいております。

 これらの要件を含めて、事業主の方々には、全国の労働局などで丁寧な相談対応を実施していますので、プッシュ型で情報提供を進めるといった活用支援に取り組んでまいります。

 現状ですけれども、三月末からの約二か月間で、中東情勢に伴う雇用調整助成金に係る休業計画届件数は百七十五件でございました。昨年の同じ二か月間、昨年の四月と五月の合計は三千九百三十二件でございましたから、昨年に比べると限定的でございます。先ほどの柔軟な対応はしておりますけれども、現時点で特例措置的な要件緩和というのは行う状況にないと思います。

 ただ、中小企業の皆様への資金繰り支援につきましては、日本政策金融公庫の貸付けの金利引下げに加えて、先週発表しましたけれども、業況が厳しい業種を追加して信用保証による支援を強化するといったことで、適切な対応に万全を期してまいります。

山本(香)委員 このナフサショックというのは、医療、介護、障害福祉など、そうした現場にも及んでおります。

 今、経産省と厚労省の間に対策本部が設置されておりますが、ここには実は、介護、障害福祉など、福祉を担当する部局が入っておりません。また、厚生労働省に設置されている情報提供窓口、ここは医療機関、薬局に限っておりまして、介護や障害福祉等、福祉の相談というものを受け付ける形になっておりません。

 是非、この二点、速やかに解消していただきたいと思います。

上野国務大臣 まず、中東情勢に関しましては、医療において万が一の事態は絶対に許されない、そうした考えの下で、経産大臣とも連携をいたしまして、目詰まりゼロに全力で取り組んでおります。二日の閣僚会議でも、幾つかの医療物資について目詰まりを解消した事例を報告したところであります。

 また、介護、障害の分野につきましては、関係団体を通じまして、例えば燃料、手袋、マスクなどにつきまして、毎週、不足状況の調査を実施をしています。緊急性の高い相談があった場合には速やかに厚労省と経産省で対応を検討する、そういった体制を取らせていただいているところでございます。

 ただ、現時点におきましてはサービスの提供に支障が生じているというような情報はございませんが、将来に向けての不安の声は届いております。そうした声にも真摯に耳を傾けながら、今後の対応、関係者の御意見も丁寧に踏まえながら、しっかりとした対応ができるように努めていきたいと考えています。

山本(香)委員 なぜこの質問をさせていただいたかというと、今の体制で課題が発生しているからお伺いしているんです。

 一つ、義肢装具なんです。

 義肢装具というのは、御存じのとおり、ナフサ由来のプラスチックだとか接着剤とか樹脂とか、そういった材料が数多く使用されているんです。これらが入手困難となりまして、事業者の方が厚生労働省の情報提供窓口の方にお問合せをされたら、対象ではないという形で断られたと伺いました。

 補装具というのはいろいろあるんですけれども、治療用の治療用装具、これは単なる補助具ではありません、医療、治療の一部です。提供が遅れたら、患者の身体機能や健康に直結します。

 義肢装具、特に治療用装具の材料不足の実態を厚労省は至急把握をしていただいて、材料確保や代替調達に向けた具体的な支援を行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

上野国務大臣 医療保険制度におきましても、義手、義足などの義肢やコルセットなど、医師が疾病又は負傷の治療上必要であると認めて患者に装具を装着させた場合には、治療用装具として療養費の支給が行われることになっております。

 大変恐縮です、今御指摘がありました件でございますが、私自身は把握をしておりませんでしたけれども、当然、そうした情報が入りましたら、的確に私どもとして対応をさせていただきたいと思いますので、御関係の方にもその旨お伝えをいただきたいと思いますし、また、団体とは、私ども、必要に応じてといいますか、経常的にコミュニケーションを取らせていただいておりまして、今の物価高の状況なども踏まえた御要請もいただいておりますので、そうしたこともしっかりこれからも受け止めて、今後の対応等につきましては検討していきたいと考えています。

山本(香)委員 もう既に四月の末の段階で、そのようなお声を厚生労働省の方にお届けしたと伺っております。言った、言わないというのは私はどうでもいいと思うんですが、とにかく今対応していただきたいと。

 最後に、総理、時間が参りましたので御要望でとどめたいと思っておりますが、医療、介護、障害福祉、御存じのとおり、公定価格の世界は価格転嫁ができません。今回、重点支援交付金の中でという話もありました。あれでは足りません。自治体に任せたら、やるところとやらないところが出てきます。

 是非ともここは追加的な支援を、我が党の組替え動議の中にも入れさせていただいておりますけれども、是非、是非ここは追加的な支援をお願いしたいと申し上げさせていただきまして、質問を終わります。

坂本委員長 この際、伊佐進一君から関連質疑の申出があります。小川君の持ち時間の範囲内でこれを許します。伊佐進一君。

伊佐委員 中道改革連合の伊佐進一です。

 選挙中のSNS規制について、今超党派で議論させていただいておりまして、この今国会内での法改正を目指しているということであります。

 避けて通れない議論というのが、SNSによります、例えば誹謗中傷で落選活動をしたとしても、現在、これ自体には制限がございません。候補者本人あるいは政党が、例えば多大な資金を使って、そこで誹謗中傷の落選運動ができるというのであれば、これは民主主義にとって本当にそれでいいのかというふうに思っております。日本の民主主義がゆがめられるようなことはあっちゃいけないという思いで、今日は総理に質問させていただきたいというふうに思っております。

 衆議院の選挙期間中におきまして、私たち中道の候補者に対して誹謗中傷動画を量産したということで、自ら顔出しで告白されています、松井氏。総理は、これまでの国会での答弁におきましても、公設第一秘書、総理の第一秘書の木下秘書にこの松井氏との関係の確認を、ずっと何度か、いろいろな委員からの質問に応じて取っていただいておりました。木下秘書からは、面識がない、あるいは記録がないと。総理は、私は秘書を信じるんだというふうにおっしゃっておりました。

 昨日、この松井氏と木下秘書と思われる方の会話の音声が公表されました。事前に通告で総理のサイドにお願いしていたのは、その音声が木下秘書本人かどうか確認してほしいというふうにお願いをしておりましたが、結果、いかがだったでしょうか。

高市内閣総理大臣 こちらの事情を申し上げますと、おとついは、台風対応と衆参両院での答弁の準備もあって、ほぼ徹夜をいたしました。昨日も、今日七十問以上当たっておりますので、順次、いただいた通告に沿って答弁書のチェックをしたり直しをしたりしていたんですが、委員の御質問通告を見たのが今朝方三時半ぐらいだったかと思います。

 御指摘のオンラインのものは、残念ながら、私……(発言する者あり)済みません、ちょっとやじはやめていただきたいんですが。昨日出したといっても、昨日は夜まで予算委員会の対応そして本会議の対応があって、その後、官邸で秘書官打合せをしていましたので、その後、私は答弁の準備を始めました、非常に遅い時間だったんですが。

 御指摘のオンラインというものを確認しようと思いましたら、これは会員制の有料オンラインなんですね。ですから、これは私、あそこまで、これまでもこちらの言い分は関係なく、私の面識のない方の言い分を非常にイメージ操作をして報道してこられた、そこの有料オンライン会員になろうとは思いませんでしたので、そしてまた、その方法もありませんでしたので、確認できませんでした。

 結論として、今朝までに確認することができませんでした。これは、時間的なもの、その時点でもまだまだ数十問分の答弁の読み込みが残っておりましたので、有料会員になって何か音を確認するとかいう、そういったことは私自身はとてもできなかったということでございます。

伊佐委員 これは何のための事前通告ですか。

 だって、我々、元々いろいろな質問。もちろん、総理、本当に大変なのは分かります、たくさんの質問が集中して。だから、総理という職責の重さ、本当に大変な中でいろいろ今頑張っていらっしゃるんだと思うんですが、ただ、これは、今回、今国民の皆さんも注目しているし、さっき申し上げたように、今、国会でSNS規制をどうするかという議論をしている中での、まさしく総理周辺で起こっていることなんですよ。

 これを、役所の方から、私、何度も言いました、向こうからも確認が来て、役所の方には、皆さんに対してこれはしっかり事前に通告してくださいねということでお願いもして、分かりましたとなって、それが昨日の昼過ぎぐらいの時間帯ですよ。

 それがあって、その間、もちろん、総理御自身が私の質問を見たのはもしかしたら夜中の三時だったかもしれませんよ。でも、それは事前通告で、これが一番の肝で今回質問も用意させていただいていて、それが、前提が、何もできませんでしたというのは、私はそれは通らないと思います。

高市内閣総理大臣 済みません、昨日通告をいただいたとおっしゃるんですけれども、御承知だと思いますが、昨日の私の日程を見ていただいたら分かるかと思いますが、衆議院の本会議の答弁、そして参議院の本会議の答弁、衆議院の予算委員会、参議院の予算委員会。その手の政務の答弁について、じゃ、秘書官が、役所の人が作れるかといったら、作れないですよね。

 私に何か音声を確認しておいてほしいというその通告の紙は、昨日の夜中に見ました。だけれども、秘書官が代わりに、例えばそれを聞いて、会員になって、有料会員になってそれを聞いて、何か文字起こしをして私に伝えろという話だったんでしょうか。

 ちょっと私に聞けと言われても、私が夜中にそういう内容を知って、それで有料会員になって聞くということ、これはちょっと、非常に厳しいことでございます。

伊佐委員 総理に全部やってくれというのは、当然ありません。私が言っているのは、本人にちゃんと確認しておいてくださいと。秘書です、秘書に対して、これは自分の、あなたの声ですかということを確認しておいてくれというのが一番の前提にあるわけで、しかも、有料だから確認できませんというのは、ちょっと私は、総理の発言として。

 もっとも、本当は事務方がちゃんとそこは準備をしなきゃいけないし、何なら、私、今持っていますので、ちょっと一回見ていただいて、聞いていただいて、一回ちょっと休憩していただきたいと思います。(発言する者あり)

坂本委員長 速記を止めてください。

    〔速記中止〕

坂本委員長 速記を起こしてください。

 内閣総理大臣高市早苗さん。

高市内閣総理大臣 それでは、本当に恐縮なんですけれども、そのオンラインという有料のサービスに流れていたことについて、内容を教えていただけませんか。それだったら、それに従って、私、答弁をいたします。

伊佐委員 まず、これが本人かどうかが今回の肝だと思っています。

 つまり、今まで、総理は、面識がありませんと。もっと言えば、面識がありませんとずっと答弁されていた中で、そのうち答弁が変わって、会ったことがないに変わっていっているわけですよ。

 会ったことは確かにないかもしれません。なぜなら、松井氏も言っているのは、オンラインで常にやり取りをしていたんだと、あるいは、様々な形で、SNSを使って、シグナルだったりとかというのでやり取りをしていたと本人は言っていますので、確かに会ったことはないかもしれません。ただ、オンラインの会議はしていたと、御本人、松井氏も言っている。

 今回、その音声まで出てきたという中で、ここの、まず彼が本人かどうか。いや、本人ではありません、これは声が似ているけれども違う人ですと言ったら、議論にならないんですよね。だから、まずそこを確認していただきたいというふうに私は申し上げたわけで。

 だから、私、持っていますので、一回休憩させていただいて、一回これを聞いていただくのが一番早いと思いますが、いかがでしょうか。すぐに聞けます。

坂本委員長 いやいや、休憩のしようがないです。ここで休憩なんてできないですよ。

 質疑者、それは、後刻理事会で協議をしたいと思いますけれども、この問題につきましては。ここで休憩、あるいはその音声を聞くとかいうようなことはできません。

 そして、これはテレビ中継をやっております。様々な、中東関係の補正予算の論議をしていかなければなりません。このまま質疑を実行していただく、進行していただきたいと思います。

伊佐委員 もちろん、私も中東関係の質問も用意しております。これもやりたいと思っているんですよ。ただ、ここで、この一歩目の前提で崩れてしまうと、何のための事前通告なんだと。私、通告して、通告をしたけれども、今回通告が届いていませんでした、遅かったから駄目ですだったら、ほかの質問も全部そう言えるじゃないですか。

高市内閣総理大臣 今日の委員会でも、通告をいただいていないことも、答えられることは一生懸命答えています。

 委員にお願いしたいんですけれども、先ほど、選挙中のSNSの使い方、こういったものについて一定の規制をかけるべきではないか、そういった問題意識でいらっしゃいましたよね。そうしますと、例えば、衆議院選挙、私も奈良二区の候補者でした、その衆議院選挙において、何か私の事務所に違反行為があった、そのような疑いをお持ちなのかどうかということですよ。

 私どもは、しっかりと法律に従って選挙を行っています。

 現行法が不十分だという問題意識、実は、私も古くからその問題意識を持っておりました。インターネット選挙というのが解禁された頃に、党内で議論をしていたときに、やはり落選運動というようなことを自由化していいのかという議論もありましたよ。今は内閣総理大臣の立場でございますから、議員立法に関しては申し上げませんけれども、意見は申し上げませんけれども、それでも、何か具体的に、私若しくは私の事務所に法律違反になる行為があったのかどうか、それを具体的に教えていただけましたら、私は誠実に答弁をいたします。

伊佐委員 これは、おっしゃるとおりテレビもあります、皆さんの時間配分もありますので、私もほかの質問したいこともありますので。是非委員長、ではこれは、昼にちょっと休憩がありますので、昼休憩で確認をしていただいて、私の同僚議員がここは続きの質問をさせていただきたいというふうに思っております。

 私の問題意識は、一応念のため伝えておきますと……(発言する者あり)

 よろしいでしょうか、委員長。

坂本委員長 理事会で協議をいたします。

伊佐委員 一応、だから、総理、今のでよろしいですね。お昼の間に一応聞いて、確認をしていただいた上で、誠実に答弁していただきたい。

 総理が本当に大変な中で仕事をされているのは分かっています。だから、本来であれば事務方がちゃんとバックアップをしなきゃいけないというふうに思っておりますが、この動画だけ、本当に二分ぐらいの動画ですので、それだけ見ていただいて、あるいは、今、秘書に指示をしていただいて、昼休みの間に、しっかりちょっと確認を、本人かどうか確認してくれと。動画がありますので、それを是非見ていただきたいというふうに思っております。

坂本委員長 質問者にお答えいたします。

 昼の理事会で、この問題について協議をいたします。

 質問を続けてください。

伊佐委員 委員長、これは申し上げますけれども、事前通告していた話なんです。事前通告をしていて、私が見るのが遅かったからこれはできません、答えられませんというのが、本当にこれから委員会で許されるのかどうかです。

高市内閣総理大臣 私自身を批判する週刊誌の報道はたくさんあると聞いておりますよ。事実じゃないものもたくさんある、それも承知しています。私は週刊誌を読みませんが、親切な人が心配してメールで送ってきてくれたりするものですから、そういったものは知っています。知っていますけれども、一々そんなものに反応するよりは公務を優先したいと思って、私は働いてまいりました。

 昨日通告をしたからとおっしゃいますけれども、では、今まで私に対して間違った記事を書いていた、そして、こちらの言い分はほとんど取り上げずに、私の知らない方の言い分ばかりをセンセーショナルに報道してきた、そこの有料会員に私になれということであれば、それはできません。できませんし、昨日も、本当に今朝までたくさんの答弁書を読み続けましたよ。そんな中で、ちょっとこれは、有料会員になってしか見られないようなものであったら、先生の方で文字起こしをしていただいて、いただけるとか。

 例えば、では、総理室の秘書官に、私が、有料会員になってくれと言えますか。例えば、国家公務員の役人が政務のことの答弁を書けますか。私が自分でやらなきゃいけないことなんです。でも、それが物理的にできなかったし、有料会員になってまで、有料会員になるということ自体を私は拒否をいたします。

 ですから、もし何か法的に私に問題があるんだったら、具体的におっしゃってください。

伊佐委員 私は、SNSの、今まさしく国会でこの議論をしているときなので、本当に大事な件だというふうに思っております。

 私は、別に有料会員になってくれと、別に営業でも何でもなくて、事実を確認してほしいと言っているだけなんですよ。そこもあるので、見てくださいと言っているだけなので。しかも、それを昨日の昼に言っていて、忙しいから見られませんでしたって、ここが一番の肝じゃないですかと思っていますので。

 まあ、ここは、分かりました。私もほかにちょっと質問したいこともございます。一応申し上げておきます、何が言いたいのか。

 この件は、今回、今朝ほど、実は現代ビジネスでも報じられておりますが、高市事務所から四月三日付で回答書が出されております。取材依頼に対して回答書が出ております。そこには、十二月十七日のオンライン会議に、ノーボーダー側からの求めに応じて行ったものというふうに、木下秘書はそう認めて回答されているわけです。だから、十二月十七日にオンライン会議は出ているはずなので、このまさしく音声が出たら私はかなり確からしいと思っているので、そこを確認していただきたいのが一つ。

 もう一つ私が申し上げたいのは、利害誘導罪というのがございますが、これは何かというと、当選を得又は得しめ又は得しめない目的をもって、つまり、落選運動を誘導した場合、選挙運動者に落選運動をやってくれと言った場合に、直接お金を払って、金品を払って、落選運動をやってくれ、あるいは当選運動をやってくれ、応援してくれとなったら、これは買収罪です。これが第二項なんですが、利害関係があって誘導した場合には、このまさしく利害誘導罪に当たるということになります。

 今、松井氏が、落選運動として、あるいは自らボランティアでやった、金品や金銭はもらっていませんというのは、それは恐らくそうなんでしょう。お金をもらって、ただ、一日百本以上上げていたということになりますと、私、今、広報委員長なので、どれぐらい大体お金がかかるか分かりますが、恐らく数千万円選挙期間中にかかっていると思います。

 これを無償でやった、ボランティアでやりましたと、それは本当に応援したいという思いがあったんでしょうが、同時並行で動いていたのがサナエトークンなんですよ。彼がサナエトークンの使い方の許可をもらい、そこで実際に、今日、今から確認していただく音声にもトークンの話が出てきているわけです。だから、そこのところは、つながりがあれば利害誘導罪になる可能性があります。

 今回のSNS、選挙が大きな議論になっているときに、直近の選挙でもしこういうことが行われているということになったら、これは大変なことだし、しっかりとここは法整備しなきゃいけないということで申し上げておりますので、是非確認をしていただきたいというふうに思います。

高市内閣総理大臣 まず、先ほど、ノーボーダー、会社の名前なんですね、それが十二月十七日とおっしゃいました。私が解散して、選挙は今年の二月でした。選挙運動と関わる話ではないと考えます。

 それから、サナエトークンという名前のものを私が知ったのは三月二日でした。今年の三月二日です。これが、秘書官からサナエトークンって知っていますかと、見つけてくれて言ったので、それ何と言って。トークンというと、普通、英語だと何かしるしとか象徴とかいう意味で、AI用語でしたら言葉を理解する最小単位だし、キャッシュレス関係だったら認証デバイスだし。

 だから、何というんですかね、暗号資産ですか、そういったものでサナエトークンという名前のものが出回っているという話を聞いて、それも私と何か関係があるかのようなPRがされているのでという話を聞いて、私は、三月二日付に自分のXで、全く関係がありませんと。私どもも、別にそういう話をいただいていないし、暗号資産などというものと関わってもいないし、承認もしていないということをはっきりさせるために、何かそれで被害を被られる方がいたら嫌ですから、Xに上げました。

 ですから、ちょっと時系列的に選挙と絡めておっしゃったので、何に当たるのか、私には理解ができません。

伊佐委員 私自身も、総理が事細かくこういうところまで全部知っていらっしゃった上で指示をしていたとは実は思っていないです。恐らく総理も御存じなかったかもしれません。私が問題にしているのは、木下秘書と松井氏との関係であります。十二月には、もちろんこれは選挙の前ですから、この音声記録が残っているのは何かというと、まさしくサナエトークンの話なんです。

 ここで、本当は音声を聞いていただければ分かるんですが、こういうふうに言っているんですよ。松井氏側から、四つのキーワードですね、ゲーム性、トークン、評価エンジン、AI、木下さん、何か御意見はありますかに対して、木下秘書は、すごくいいなと思いますというふうにおっしゃっているわけです。だから、これが本人かどうかというのが大きな争点になると思っております。

 その上で、実は、この会話、四十三分の会議ですが、仮想通貨という言葉は三回出てきます。というぐらい、ここで、やはり知りませんでした、面識がない、認識がないというのは、私は、これが本人であれば、それは間違った答弁、虚偽の答弁になるんじゃないかというふうに思っておりますので、申し上げました。

 ちょっともう時間が、私も本当は国民生活に直結することをもう少し伺いたいと思いますので、ちょっと、昼休憩で確認していただければ本当にありがたいと思いますが、是非確認、いずれにしても確認はしていただきたいというふうに思っております。

 次のテーマに移りたいと思います。

 財政政策についてなんですが、財政規律、今回の予備費について話をしたいと思います。

 今、我が党、我々からも質問した予備費、三・一兆円の補正のうち三兆円が予備費です。予備費というのは、本来、予見し難い予算不足、災害対応とか、例外的に認めているものであって、本来であれば、予算というのは、立法府、まさしくこの予算委員会で審議する話でありますので、この中身を書かないままに、何かあったときに使えますよというので本当にいいのかという問題意識で同僚議員も質問をしておりました。

 それに対して、総理の方から答弁が先ほどあったのは、今後を見ながら対応します、まだ不透明ですということをおっしゃったんですが、ちょっと今、現段階で、この予備費をどういうものに使おうとしているかというめどでも結構ですので、どういうお声を聞かれて、現場を知られて、何が必要だと思って認識されているか、教えていただきたいと思います。

高市内閣総理大臣 中東情勢等対応予備費でございますが、これは予算総則において使途の範囲を定めて、中東情勢に伴うエネルギー価格高騰といった我が国経済への影響への対応を始め、国際情勢の変化に伴う影響への対応に使用できるものにするということでございます。

 その上で、予備費は、予見し難い予算の不足に充てるという性格上、その使用の目途を前もって具体的にお示しするということは困難です。私は、今回、リスクの最小化、だから万全の措置を取っておく、それで補正予算の編成を指示しました。

 中東情勢は、これから何が起きるか分かりません。案外早く収束すればそれが最もいいことでございますけれども、それでも、どんな困難が起きるか分かりませんので、これからの物価動向ですとか経済に与える影響をしっかり見ながら、必要に応じ対応するべき観点からその使途を検討していくということです。本当に経済、ここが大変だということになったら、そこに使うかもしれません。

 しかし、これは、やはり予備費の性質、予見し難い予算の不足に充てるという予備費をあえてここで積んだということについて、中東情勢の先行きへの危機感の表れであり、万全を期したい、国民の皆様の暮らしも守りたい、経済も守りたい、その思いであるということは御理解ください。

伊佐委員 同僚の議員に対しても、総理は同じ答弁をされておりました。これから何があるか分からない、だから万全を期すんだと言うんですが、私たち、やはり現場でいろいろお声を聞いているのは、もう既に起こっているんだということです。

 いろいろなお困り事が現にあって、だからこそ、さっきパネルで示させていただいたとおり、我々は組替え動議をお願いして、例えば、低所得者の皆さん、本当に、困窮支援をしている子供たちあるいはそういう御家庭の中では食事の数を制限しているとかというようなお声もあって、だからこそ、何か現金給付のようなものができないかとか、あるいは、医療、介護、障害福祉施設というのは価格転嫁できませんので、公定価格で決まっていますので、ここのところをしっかりと、公定価格で収入が決まって転嫁できないところは何らかの支援が必要じゃないですかと。そういう声がもう現に上がっているわけですよ。現に困っていらっしゃるわけですよ。

 だから、これから何か困ることがあるために予備費ですじゃなくて、今困っていることに使っていただきたいということです。現に黒字倒産がいよいよ出始めるという状況の中で、これを防ぐための金融支援一千億円でありますとか、そうした具体的な取組、また今後、予備費についても我々は様々意見を言わせていただきたいというふうに思っておりますが、是非具体的な議論をしていきたいというふうに思っております。

 ちょっともう一個だけ。先ほど財源についての議論がありました。財源については、同僚議員からもあったとおり、今のマーケットが日本をどう見ているかという中で、もう総理もよく御存じのとおりで、長期金利が今上昇している、あるいは為替も不安定な状況になっております。

 こういう状況だからこそ赤字国債を、まあ特例公債を出して、本来出さなくてもよかった三兆円の公債なわけです。というのは、元々出さなくても間に合った三兆円を、あえて今回このために出そうとしている。

 私たちが提案しているのは、積み過ぎの基金。さっき同僚からも、小川代表からも話がありましたが、もう一度ちょっと意図を説明させていただくと、政府のルールとして、基金の予算措置は三年ルールというのがあります。つまり、基金を積んだからには、実際にどれぐらい使われたかを三年間チェックするわけですよ。三年間チェックをして、本来であれば、ここまで積まなくてよかったねとか、これじゃ足りませんねというのが三年間で見えるので、その三年間の実績をもって、次どれぐらい積むか、要らないものだったら返してもらうというのが基金のルールなわけです。これは政府で定められたわけですよ。

 ところが、このルールが今適用されていないんです。今、積み過ぎになっているものも、そのまま残っているものもあって、ここは何とかちゃんと中身を精査していただいて、ルールどおりにやっていただければ、八兆九千七百億円出ますよという話なんですね。

 これを是非、積み過ぎ基金の国庫の返納について精査していただきたいと思います。

片山国務大臣 伊佐委員とは、皆様と連立をしておりましたときもいろいろと財政の議論をさせていただき、先ほどの予備費も含めた景気対策等も御一緒にやってまいりましたことを懐かしく思い出しますが。

 基金は、事業の性質や執行状況がかなり違うもので、それを、中道さんにおかれましても、また旧立憲さんにおかれましても非常に細かく見ていただいて、大変な御指摘をいただいて、私も、総理からの御指示を踏まえ、基金も含めた租税特別措置、補助金の見直しを、現在連立を組ませていただいている維新さんと御一緒にびしばしとやっておりますので、大変参考にさせていただいておりますが。

 はっきり言って、投資的な基金というのはございます。高市内閣におきましては、投資が圧倒的に足りない我が国におきまして、投資を多年度で、複数年度で上手に集中投資していくにはどうしたらいいかということを考えておりますので、当然、この三年ルールにおいては、今までとは、過去の内閣とは違って、三年だから、じゃ、それ以上の投資経費は認められない、こういう考えは取らないようにしなければいけないので、そのことも含め。

 ただ、投資的でない基金もたくさんありますので、その中に、中身はほとんど補助金であって、この補助金はいかがなのというものもありますから、まさにめり張りで、そのことを構造的に変えていかなければならないという真っ最中で、とても今回の、この補正予算のときにその一番重要な見極めのルールができておりませんので。

 我々は、誠実に、まさに投資的なものについては目的が達せられるように、複数年度化も含めて積極的に集中的投資、だけれども、駄目なものは駄目という、このめり張りの非常に難しい、一つ一つの関係分野にとっては生き死にが決まる問題ですよ、これをやっていて、今回の緊急的なこの補正予算に、できていないので申し上げているので、別にそこに他意があるわけではございません。

 その範囲で、伊佐委員におかれましては、マーケットの御心配もしていただいて、それは全くそのとおりでございまして、我々も、国債の発行計画を一切変えずに、今回三兆円、この財源が、赤字国債は形の上では出しておりますが、年間計画はいじらないということの中で対話をしっかりしてきておりますので、このようにさせていただいているということを是非御理解いただきたいと思います。

伊佐委員 片山大臣から、まるで今は昔のような発言が先ほどございましたが、私としては、与党、野党を超えて、やはり国民の皆さんの生活を守るためにしっかりと連携して、こういう議論を通じて、いい政策、いい予算をつくっていくべきだというふうに思っておりますので、是非びしばしやっていただきたいというふうに思っております。

 最後、副首都法案について質問させていただきたいと思います。

 今、自民、維新の連立合意の中で、とりわけ維新の皆さんから強い要請があって入ったものと私が認識しているのが、一つが議員定数削減であります。

 比例だけ四十五減らせばいいんだというのは、私は、ちょっとこれは強引じゃないかと思っておりまして、自民党の中でも、小選挙区が二十五、比例二十という方がいいんじゃないかというお声があるというのも伺っております。

 もう一つ、私が、正直、これはちょっと強引じゃないかと思っていますのは、副首都法案であります。

 これも、仄聞するに、自民党の中でも相当議論がされて、懸念が示されて、憲法違反じゃないかという点まで指摘されていると伺っております。

 これは、大規模災害とか首都機能を代替できるように日本のBCPをどうするか、こういう議論なんですが、そもそも何で議法なんだという思いももちろんあって。副首都をつくるんだったら、この制度は、結構、かなりの法案だと思いますので、しっかりと責任を政府が持つ形での閣法にすべきだと思います。そこにまず違和感がありますが。

 もう一つ、これはそもそも論ですが、副首都法案といいます。首都は、首都の定義はあるんでしょうか。

佐々木(正)政府参考人 お答えいたします。

 首都の定義につきましては、直接規定した法令はございません。しかしながら、東京都が日本の首都であることは、広く社会一般に受け入れられているものと考えております。

伊佐委員 そうなんですよ。首都自体が、まず定義もないし、法律上もないのに、いきなり副首都になっているわけですよ。

 これは、まず何で副首都なのかというのもあります。だから、もしかするとこの副首都をもって何かほかにやりたいことがあるから、いきなり副首都法案をやっているのかなと邪推をせざるを得ない。

 という中で、副首都の条件としても、最初の法案のたたき台で出てきたのは、条件として示された副首都になれるのは、都構想、特別区と。これは大阪のためだけやん、大阪のためだけの法律を国でやろうとしているのかという議論になって、条件を見直して、府市で連携協約を結んだらオーケーということになりました。それがあって、結局、福岡でやろうという話になったわけですが。

 都構想、大阪では二回住民投票で否決をされております。これは大阪市の廃止を決める話なので大阪市民が投票したわけですが、今回のこの法案は、大阪府民で大阪市の廃止を決められる仕組みが入っております。二回大阪市民でやったら駄目だったから、今度は府民で、広げてやりましょうという話なのであれば、この法律のたてつけは憲法違反じゃないかと。

 憲法九十二条にこうあります。地方自治、「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」つまり、住民自治、この意味は、自治体のことは、自分の住んでいる市のことは住んでいる人が決めるんだ、ましてや市の改廃、廃止については、住んでいる人が決めるべきで、住んでいない人が決めちゃいけないよというのが憲法九十二条に書いてあります。

 この法案、憲法違反になりませんか。

林国務大臣 憲法九十二条でございますが、「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」こうなっております。この地方自治の本旨のうち住民自治については、地方公共団体の運営は住民の意思と責任に基づいて行うことを意味する、こういうふうに解されております。

 地方自治体の再編に際しまして、住民意思の反映の在り方としては、住民代表機関である議会の議決を基本としつつ、現行の大都市地域特別区設置法のように住民投票を設ける例もございますが、その要否ですとか範囲も含めましてどのような方式や組合せを選択するか、これは、制度の趣旨、目的に照らして、立法政策として判断されるもの、そういうふうに考えております。

伊佐委員 住民の意思と責任をもって決めるんだというふうに今おっしゃいました。最後、立法上の判断というのは、それは当然だと思っております。立法府で、当然、これが憲法に合致するのか、憲法違反なのかを判断するのは立法府、もちろん司法の関係もありますが、だというふうに思っておりますので、しっかりとここは議論していかなきゃいけないというふうに思っております。

 いずれにしても、議法は、普通、全会派一致で提出するのが議法だというふうに思っておりまして、これは与野党を超えて是非真摯な議論を重ねていきたいというふうに思っております。

 時間になりますので、今回、外務大臣、茂木大臣、申し訳ありません。質問通告をさせていただいておりましたが、NPTの、今回、残念ながら三回連続で最終合意文書が得られることができませんでした。そのNPTの会議の前に、日本としても全力で頑張っていただくというふうに外務大臣もおっしゃっていただいておりました。

 私も、その結果について、日本政府が一生懸命やっていただいたというふうに思っておりますので、まだまだ、次の機会もございます。今回こうなってしまったがゆえに非常に残念ではありますが、次のまた核廃絶に向けた様々な動きもありますので、少し一言いただければと思います。

坂本委員長 外務大臣茂木敏充君、簡潔にお願いいたします。

茂木国務大臣 今回、共同声明がまとまらなかったことを日本としても残念だと思っております。ただ、NPTに対する締約国のコミットメントは確認できたと思っておりまして、これを踏まえて、唯一の戦争被爆国である日本として、これからも核なき世界、これをしっかりとリードしていきたいと思っております。

伊佐委員 以上で終わります。ありがとうございました。

坂本委員長 この際、長妻昭君から関連質疑の申出があります。小川君の持ち時間の範囲内でこれを許します。長妻昭君。

長妻委員 長妻昭でございます。よろしくお願いをいたします。

 先ほどの音声データはお昼に御確認いただいて、一時に、一問、冒頭質問しますので、よろしくお願いをいたします。

 そして、六分しか午前中はございませんので、小川代表の質問の関連をお伺いしていきたいというふうに思います。

 まず、高市首相の御意見、姿勢をお伺いしたいんですけれども、給付つき税額控除ですね、これは働いていない人には出ない、働いていない人には支払わないというふうにならないようにする、こういうことでよろしいんですね。

高市内閣総理大臣 給付つき税額控除の在り方につきましては、今、国民会議で御議論いただいている最中でございます。私としましては、低所得、中所得で税、社会保険料の負担が重い層に対して集中的に支援ができる、そういう制度をつくりたいという思いを長く持ち続けてまいりました。これから国民会議の議論をまだ見守らなきゃいけないし、いろいろな課題、そして意義も指摘されていくことだろうと思っております。

長妻委員 ということは、働いていない方にもお支払いすべきと、今の対象の方には。そういう御意見と承ってよろしいんですか。

高市内閣総理大臣 これもちょっとさきの質問者に対して城内大臣がお答えしたとおりなんですけれども、給付つき税額控除と既存の社会保障制度の双方から取り残される者が生じないようにしようという意見も出ているということですから、これは国民会議の議論を先取りして私が申し上げるわけにはいかないのですが、そのような問題意識があるということは確認いたしております。

長妻委員 私が政府から聞いておりますのは、お子さんは別にして、働いていない人は支給しない、こういう制度だと政府から聞いているんですが、そういうことにならないように、これは話が違いますよね、働いていない人も消費税は負担しているわけですから。そういうふうにならないようにという、一番冒頭の答弁はそういう趣旨だと受け止めましたので、働く、働かないという区別はなさらないで御答弁されたので、是非それを踏まえていただきたいと思います。

 そして、もう一つ気になるところ、小川代表も申し上げたわけでございますが、長期金利なんですね。

 今、長期金利、少し前に二・八%をつけて、これが二十九年ぶりだということでございます。長期金利が非常に上がっている、国債の価格が下がっているというのは、この要素の中で、原因の中の一つに、やはり日本の財政が信認されなくなっている、日本の財政に対して不信の意識が高まっている、こういうような要素も、全部じゃないですよ、そういう要素も含まれるというふうに総理はお考えですか。総理の認識だけお伺いしたいんですけれども。

高市内閣総理大臣 これはマーケットによって様々な認識の下に判断されるものだと思います。ここで決め打ちで、これが要素だとか、そういうことを私は発言いたしません。

長妻委員 多くのエコノミストが、やはり日本の財政の信認というのも長期金利に影響する、今回もそれが要素の一つとなっているんじゃないかということは言っているわけですね。市場からの不信認を受けたとまでおっしゃっておられる方もいらっしゃるんですが、実際、総理は、日本の財政に対する信頼ということについても、長期金利に、今回二・八パーをつけましたけれども、影響が全くなかったとはお考えになっていないと思うんですが、それでよろしいんですか。

高市内閣総理大臣 私は、マーケットは常に注視をいたしております。

長妻委員 いや、お答えいただきたいと思います。

高市内閣総理大臣 国債との関係でおっしゃったら、マーケットは市中の発行額を見ているんだと思います。

 今回の補正予算の編成に当たっては、そういった影響を国債マーケットに及ぼさないように工夫をしたということでございます。

長妻委員 それは、工夫していないんじゃないかと。さっき三兆円の規模ということで、我々は、補正予算というと、コロナのとき以来、もう十数兆というのが慣れっこになっているかもしれませんけれども、これまでは一兆とか二兆とかそのぐらいの規模の補正予算というのもかなりありまして、今回、三兆円でいえば、これは十分、基金を取り崩して、我々としては財源としてできるというふうに考えておりますので、是非、日本の長期金利が跳ね上がる、これは日本の財政に対する不信が突きつけられたという側面もあるということを十分踏まえて、補正予算、今後の予算編成などなど、取り組んでいただきたいと思います。

 午前中はこれで終わります。ありがとうございました。

坂本委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時一分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

坂本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。長妻昭君。

長妻委員 よろしくお願いをいたします。長妻昭です。

 先ほど午前中、伊佐さんの質問の直後に、音声データそのものを聞ける状態でお渡ししておりますが、真偽はお分かりになりましたでしょうか。

高市内閣総理大臣 済みません、規約を確認中なんですが、有料のものを他人に聞かせてはいけないという規約に抵触してはいけないかと思いましたので、文字起こしをしてもらいました。出所不明のものですけれども、国会では扱わないと聞いておりますけれども、御指示がありましたので内容を確認しました。

 その内容については、広く国民の声を聞くためにはどうしたらいいのかといった内容でしたので、週刊誌がこれまで問題にしているような動画の作成ですとかそういったやり取りではないものでございました。

長妻委員 そうすると、木下秘書の本人の音声、本人の声ということで間違いないですか。

高市内閣総理大臣 それは今申し上げたとおりのことで、文字にしてもらったんですけれども、だから断言することは難しいんですけれども、やり取りの内容は把握いたしました。

 それで、御指摘いただいたような、他候補を批判する動画の作成ですとか、それから何かそれを広げてくれとか発信するとか、そういった内容のものではなくて、ここに出ているんですけれども、たくさんの方の、広く国民の声を聞くためにどうしたらいいのかといった内容でございました。

長妻委員 これは文春の確認を取っておりますので、それを録音して、特別なので提供していいと、総理にですね。そういうことで提供したわけで、明日も参議院の方で野党が質問しますので、まずその音声の主が木下秘書かどうか確認の上、あした野党の質問に答えていただきたいということを申し上げておきます。

 そして、今日、質問としては、高市内閣が進めている個人情報保護法の改正でございます。

 これは高市内閣が肝煎りで進めている、個人情報保護法を改正しようということで、この中に、総理、問題点が、かなり大きな問題が含まれているのを御存じでしょうか。

 どういう問題かといいますと、やはり我々も、医学の進歩のためには、ビッグデータ、多くの病歴データを集める、例えばAIに読ませるなどなど必要だと思っているんですが、個人情報保護法というのは、活用と保護、保護と活用をてんびんにかけて、そしてバランスよく国民の信頼を得て進めていかないといけないと思うんですね。その意味で、今回の改正案は、相当活用一辺倒の部分があって、保護が軽視されている。このままだと、むしろ、私も推し進めたい医療のAIの進歩に逆行するんじゃないか、国民の不信を買って、そういう強い懸念を持っているんです。

 どういうことかといいますと、病歴について、病歴というのは余り知られたくないですよね、名前と住所つきで。やはり知られたくない、これは要配慮個人情報というんですね。例えば、名前、住所つきの病歴が、統計作成等という目的であれば、企業やあるいは個人事業主、そこに渡すことができる、こういうような法案、条文が改正案に入っているんです。

 これは多くの有識者に聞いても、いや、これはどうなんだ、危ないんじゃないかという声が相当上がっているにもかかわらず、自民党、業界が一体となって、かなり強い要請、プレッシャーがあったというふうに聞いておりますし、報道でも一部出ているところでございます。

 この住所、名前つきで、公開されていない病歴を、本人の同意なく、統計特例ということであれば企業や個人事業主に渡すことができる、こういう条文が入っているというのは御存じでしたですか。あるいは、いつ頃知りましたか。

高市内閣総理大臣 私が説明を受けたのは、閣議決定前には大体法律案の概要説明を受けますので、四月に入ってすぐぐらいだったと思います。

長妻委員 これは高市首相にお伺いするんですけれども、率直に言ってどんな感想を持ちましたかね。つまり、欧米でも類を見ない法律なんですね。名前と住所がついたまま病歴が、統計作成等という目的であれば、統計特例ということで企業とか個人事業主に渡すことができる。これは直感的にまずいとは思われなかったんでしょうか。

松本(尚)国務大臣 まず、この法律の大きなたてつけをちゃんと説明しなきゃいけないと思います。

 個人情報保護法は、特に、今委員御指摘のとおり、医療情報に関しては、御承知のように、匿名加工情報と仮名加工情報でしっかりとまず個人情報を保護していこうと。それについて、例えば、匿名加工情報であれば第三者に提供できるし、仮名加工情報であれば共同利用先に提供できて、そこからいろいろなデータを使用しましょうと。(長妻委員「現行でしょう、今でしょう」と呼ぶ)これは現行法です。

 この二つに関しては、相手先の認定も必要はないし、それから、いろいろな体制整備、例えば、要らなくなったデータはちゃんと捨てましょうとか、あるいは安全管理措置をしましょうとかといった体制整備に関しては不要ということになっておりますが、今回は、統計作成、いわゆるAIの開発のみに利用するというふうに限定した上で、それを作成しやすいように、一般論として、このデータを出しましょうというふうになっています。

 だけれども、これは決して、ルール、レギュレーションを緩めているわけではなくて、その代わりに、今私が申しましたように、安全管理措置であるとか、あるいは要らなくなったものはすぐ捨てましょうとかというような体制をしっかり整備しなさいということは決められていますから、これからちゃんとそれは言わなきゃいけないんですが、決められていますので、このように、緩めるところと厳しくするところ、ある意味バランスを取りながら、針の穴を通すようにたてつけをしていったというところです。

 まず、それについてしっかり皆さんには、国民の皆さんにも御理解いただいた上で、この医療情報をどうやって扱うかというところから次の議論が始まるというふうに思っています。

長妻委員 ちょっと肝腎なことをおっしゃっておられないんですが、名前と住所つきの病歴データ、これが、AI開発等の統計特例ということで、企業や個人事業主に渡るということなんですね。名前、住所つきの病歴、これが本人の同意なく渡るというのは初めてなんですよ。

 確かに、今大臣がおっしゃったように、AI等の開発のための統計作成等なんですけれども、この場合は、政府がおっしゃっておられるのは、もちろん表には出ませんと。そこでビッグデータを精査をして医学に役立てるので、表には出ないようにする、ただ、もらうのはもらうということなんですね。

 これは幾つか懸念点があって、一つは、多くの心配している団体もおっしゃっておられるんですが、一つは機微情報。医療的処置も入るので、例えば、妊娠中絶をされた情報とか、あるいは認知症の情報とか、精神疾患とか、あるいは遺伝病とか不治の病とか、非常にそういう機微な情報も住所、名前つきで一旦AIに読ませる、あるいは統計作成に使うということになると、まず第三者の企業や個人事業主に一旦渡るということなので、誰が考えても分かるのは、そのまま名前つきで情報が他人に渡ると漏れるリスクが高まるというのは、これは誰でも分かることですよね。

 それともう一つは、ガードレール規制がある、AIに読ませても個人名は表に出ないから大丈夫ですよ、こういう話もあるんです。ただ、AIの専門家に聞くと、いろいろなほかの情報と併せて質問すると、AIがそういう情報を表に出してしまうこともリスクがある、こういうふうにおっしゃるんです。

 だから、ほかの国では仮名情報にしているわけですよ。統計作成とかAIの進化、そして医学に役立てるときに、実名は要らないじゃないですか。

 ところが、日本は、相手が要請があれば、提供元も了解すれば、実名を出せるという、名前と住所つき、これを出せるということ、これがあるわけで、私はかなりまずいことだというふうに思うんですね。

 高市首相、マイナ保険証の利用と比べてみよう……(発言する者あり)橋本さん、ちょっと静かに。橋本さんはすごく楽観的なんですよ。大丈夫、大丈夫と言うんだけれども、これは医師会も心配しているんですよ。本当に大丈夫なのか。医師会も極めて危険であるとおっしゃっているんですよ、紙で出ています。

 高市首相にお伺いするんですが、高市首相、マイナ保険証というのは使っておられますか。

高市内閣総理大臣 はい、使わせていただいております。

長妻委員 皆さんも使っていると思うんですが、そのときに、お医者さんに行くたびに、マイナ保険証を読んで、そして、同意とか不同意とか、一個ずつ、自分の病歴をこのお医者さんに提供していいかどうか、その都度こういうふうにチェックする……(発言する者あり)

坂本委員長 それぞれ私語は慎んでください。

長妻委員 タッチするというようなことは、御経験ありますよね。

高市内閣総理大臣 医療機関によるのかもしれませんが、そのような確認をされたことはないですね。顔認証ですとかパスワード、それで使えると思うんですけれども。

長妻委員 その後なんですよ。つまり、マイナ保険証をリーダーに読ませると、顔認証か暗証番号かどっちかでログインする。しかし、ログインした後に、あなたの病歴をこのお医者さんに教えていいですかと、お医者さんに自分の病歴を教えていいですかということを、いいとか悪いとかタッチする、そういう御経験はありますよね。

高市内閣総理大臣 済みません、おっしゃっている意味が分かりました。読ませた後ですね。それはございます。

長妻委員 これは、自分の病歴を、病気になったときにお医者さんにかかるときに、そのお医者さんにですら、提供していいですか悪いですかというのをチェックするんですよ。

 ところが、今回の法律は、大きな穴が空いているのは、第三者の企業とか個人事業主に、名前と住所つきの病歴を、統計特例ということであれば、それをそのまま生で渡すことができる、こういう法律なんです。

 イギリスでは、日経にも報道が出ましたけれども、今年の四月に、こういう見出しです、英国、五十万人分の医療データ流出、中国アリババのサイトに出品ということで、五十万人分の医療データが流出しちゃったんですよ、イギリス。ただし、イギリスは、先ほど申し上げましたように仮名加工しているので、名前と住所は削除された情報が出た。それでも被害はあるんですけれども、名前と住所はなかったんです。

 今回、もし流出したら、日本の場合、名前と住所つきの病歴がそのまま出るんですが、高市首相、ちょっとこれは立ち止まった方がいいと思われませんか。首相のちょっと感覚をお伺いしたいんですが。

松本(尚)国務大臣 今委員おっしゃる、それでも流出したらということを再三おっしゃっているんですけれども、流出した場合にどうなるかというところはきちんと、提供先、いわゆるデータを使う側も、提供元も、しっかり事前に突き合わせた上で、納得の上でやらなきゃいけないというのは、これはもう当然でございまして、ただ単に医療情報を名前と住所つきでずるずると全部出すというわけではございません。

 何に使って、どこの誰がどういう目的で使って、しかも、提供元の方は、そのデータを、例えば要らなくなったデータは削除する、すぐに削除してなくしてしまうというようなことも、安全管理措置というものを明確にした上で、双方合意書をもってこの作業が進むということが前提になっていますから、とにかく名前と住所が全部出るからけしからぬみたいな、そのような言い方をされると、針で穴を通すようにバランスを取っている特例の改正というものは、全く違うふうに理解されるというのはよろしくなかろうというふうに思っています。

長妻委員 これもおかしな話で、提供元と提供先がきちっと当然契約書を結ぶんですが、結べば問題ないだろうということなんですが、もちろん、提供元は、初めから漏れると思えばそれは出さないですよ。お互い漏れないと思いながら、提供元の、例えば医療機関は、お金の報酬があるわけですけれども、提供するわけですよ。

 これは、すごくバランスが悪いんですね。今、内閣府と厚労省では、次世代医療基盤法という法律があって、ビッグデータを医学の進歩に使うというのをやっているんです、実は。やっていて、ここはすごく厳密ですよ。病院が医療データを企業、製薬メーカー等に提供するときは仮名化するんです、仮の名前。仮名化しないと渡してはいけませんよと、厳格な規則がある。ところが、それをすっ飛ばして、横穴、抜け道で、名前と住所つきのものを民間企業、個人事業主に渡すことができるというようなことは、これはもう破格の話だと私は思うんですね。

 しかも、事前に、例えば、自分の病院からこの企業に渡すというのは、病院のホームページに出さなきゃいけないという規則は改正案に書いてあるんです。ただ、それはちっちゃい字か大きい字か分かりませんけれども。仮に、自分がかかっている病院が、こういう企業に名前つき、住所つきでデータ提供するというのが事前告知で気づいた人がいたとして、その人が、いや、自分のだけはちょっとやめてよと、病院に、企業に提供するのはやめてくれと言っても、止まらないというわけですよ、止める権利はないというわけです。事前に言ってもですよ。大臣、そうですよね。

松本(尚)国務大臣 まず、今委員御指摘のとおり、止めるということに関してでございますけれども、確かに、個人情報が違法に取り扱われる場合は、本人は、現行法の規定に基づき、提供元に対して提供停止の請求を行うことは可能になっています。本特例が導入された場合においても、本人の権利利益の保護は適切に図られるというふうに思っています。

 それは、統計特例の特例というのが、個人に関する情報に当たらない状態にまで加工されているということがそもそも前提になっていますから、個人の権利利益を害するおそれが少ないことが制度的に担保されていれば、これはこのまま前に進められるんですけれども……(長妻委員「だから、本人が止められるのか」と呼ぶ)止められるか、止められないか。止められる請求権そのものは残っているというふうに考えていいと思います。(長妻委員「違法な場合でしょう」と呼ぶ)違法な場合です。(長妻委員「違法な場合じゃない場合」と呼ぶ)

坂本委員長 指名の上、質問してください。(長妻委員「聞いているのに、だって、答えていないもの。違法じゃない場合」と呼ぶ)

 だから、まず答弁を聞いてください。そして質問してください。

松本(尚)国務大臣 違法な場合に止める必要があるので、違法な場合は、止める必要はないでしょう。(長妻委員「個人が、だから、出すときに、違法じゃないとき。答えていない、ちょっと止めて、止めて」と呼ぶ)

 違法な場合は……(長妻委員「だから、違法じゃない場合」と呼ぶ)

坂本委員長 まず大臣の答弁を聞いてください。その後また質疑をしてください。

松本(尚)国務大臣 本人が提供停止を無条件で請求できることとする必要は、ごめんなさい、先ほどの特例の条件を満たしていればその必要はないわけですから、違法な場合に、請求権はちゃんと持っている。違法でなければ、違法でないんですから、これは止める必要はございませんということです。

長妻委員 ということなんですよ。わざと分かりにくくされておられると思うんですが。(発言する者あり)いや、そうですよ。

 どういうことかというと、違法な場合、例えば統計特例ではないような形で名前、住所の病歴を使う場合、それは止められますよ、当たり前です。ただ、私が聞いたのは、違法じゃない場合。つまり、統計特例をきちっと守って、この法律のたてつけの中で守ったとしても、名前、住所つきの病歴は企業や個人事業主に提供できるんです。できるんです。ただ、この法律を守っても提供できるけれども、でも自分は嫌だと、それでも。

 政府の説明だと、表には出ないと。ただ、それもいろいろ諸説あるわけですね、さっき申し上げたようにAIの学者さんに聞くと。表には出ないと政府は説明していますから、そういうような法的な枠組みを守ったとして、それでも自分は嫌だ、名前、住所つきの病歴は企業に渡すのは嫌だと言っても、それは止める権利がないということなんです、自分には。それを今答弁されたので、非常に、それをすっきり答弁すればいいものを、いろいろおっしゃったわけです。

 そして、もう一つ私が驚きましたのは、外国企業にも渡せるということなんですよ、実名の名前、住所つきの病歴データを外国の企業に。例えば中国の企業に渡すことができる。これは、基準適合体制というものが確認できれば渡すことができる。

 しかも、この基準適合体制というのは、私は個人情報保護委員会がチェックして認定するんだと思ったら、そうじゃない。提供元と提供先が契約を交わすときに、提供元が、基準適合体制に合っているかどうかチェックして、合っているよと思えば、例えば病院から中国企業に情報が名前、住所つきで提供できる、こういうものなんですね。基準適合体制は今も定まっておりますけれども、こういうようなことというのは、私はどうなのかなというふうに思うわけです。

 ちょっとお伺いしますけれども、これまで、第三者提供、今は匿名であれば病歴データは第三者に提供できます、私は匿名ならいいんじゃないかと思うんですけれども、今もできるんです、匿名なら。じゃ、聞きますけれども、例えば、中国に匿名で医療データが渡った、あるいは、個人情報、医療データ以外の個人情報が渡ったというのは、何社の企業にこれまで渡りましたか。

松本(尚)国務大臣 現行法上、個人データを外国にある第三者に提供する場合、国内にある第三者に対する提供の規律に加えて、より厳格な規律が課せられており、この規律により個人の権利利益を保護する仕組みとなっております。

 事前審査や個情報の委員会に対する報告の規定はないんですが、現状、今何件ということにつきましては、日本の病院等から中国企業への個人のデータ提供の件数ということだと思いますが、これについては、現状、把握はしておりません。

長妻委員 把握していないんですよ、これは。中国のみならず、海外の企業には相当な数の会社に渡していると私は推察するんですが、把握していない。

 そして、産経新聞がいい調査をされて、二〇二一年の五月に企業を調査したところ、日本の国内の大手企業の七社が、中国に個人情報が移転された、あるいは中国企業が個人情報にアクセスできたりする状態にあったと。つまり、個人情報を渡しているわけですよ。これは合法的なんです。繰り返しですけれども、今もできるわけですね。

 ただ、これが今度は名前と、匿名じゃなくて名前と住所つきの要配慮個人情報が、一定の要件があれば外国企業に渡ることができると。じゃ、外国企業がそのもらった個人情報をどこかに違法に使ったときに、追跡できるんですか。例えば、中国企業がどこかにそれを渡したときに、中国まで出張してそれを監視するんですか。

松本(尚)国務大臣 再三この問題については長妻委員とよく議論をさせていただいておりますけれども、繰り返しになりますけれども、提供元と提供先が十分に議論をして、合意をした上でこの作業が始まるということですから、提供元は、提供先がそういった企業とくっついているようなことがあれば、これは当然、そこでストップするということになりますし、それがちゃんと明記されていないということであれば、今後、医療情報に関する分野別のガイダンスをしっかり作っていく中において規定すればいいのであってということだと思います。

 そしてもう一つ、今御質問の件ですけれども、事業者と本人の間の、もし、そういった紛争等々、トラブルが起こるようなことがあれば、当然行政が介入することになりますし、それ以前に、相談窓口をちゃんと準備した上で、こういった問題について対処していくという方針でございます。

長妻委員 トラブルがないとさっぱりというか、まず、どこの企業、どの外国企業に渡ったか全然把握していないんですよ、今、現行法でも渡るにもかかわらず。これはまずくないですか。今度は実名入りですよ。

 しかも、さっきのが適用されるわけです。提供元と提供先が締結、契約をして、一定の要件を満たすことになれば、中国企業に自分の情報は実名では嫌だと言っても、止まらないんですよ、止める権利がないわけです。私、憲法違反じゃないかなと思うんですけれども。

 今、医療データを例に挙げましたが、ほかに、実は、要配慮個人情報は、これまでは、医療データを含めて第三者に渡す、企業や個人事業主に渡すときは、必ず匿名じゃなきゃ駄目だった。しかも、実名のときは本人の同意が必須だったんです。

 ところが、今回の改正法は、それを全部取っ払って、匿名じゃない、実名、しかも住所も入った、例えば病歴、人種、信条、社会的身分、身体・知的・精神障害、犯罪の経歴、犯罪被害、こういう要配慮個人情報も渡すことができると、できる規定になっているんです、統計特例で。これは相当まずいと思うんですが。

 最後、高市首相、もう時間がなくなりましたので、これはちょっとまずいと思いませんか。法案の修正を参議院の野党が今考えて、私も一緒に作っています、持っています。非常にリーズナブルな修正案です。これを真摯に受け止めて、総理、修正も含めて検討するという御答弁をいただけませんでしょうか。総理。もう時間がない。

高市内閣総理大臣 今、しっかりと知恵を集めて審議をされているところだと思います。

 法案の修正に関しては、国会において議論して御判断をいただくことだと思いますので……(長妻委員「どう思いますか」と呼ぶ)以上でございます。国会で御判断をいただくべきことだと考えております。

長妻委員 いや、総理の意見をちょっとお伺いしたいんですよね。

 例えば、匿名というか仮名でいいと私は思うんです。仮名ならば、一定の要件をかけて渡すということはあり得ると思うんです、ヨーロッパもやっていますから。

 例えば、政府の議事録を読みますと、製薬協という製薬メーカーが集まった協会は、こういうことを言っているんです、氏名ですとか連絡先の情報は製薬協は必要としていませんと。必要としていないと言っているんですよ。実は、個人情報保護委員会の方々も、私にレクに来たときに、名前がなければ、創薬、薬を作るメーカー、これが必要ということは聞いていないというふうにもおっしゃっておられます。

 医師会は、先ほど紹介したように、極めて危険である。歯科医師会は、にわかに容認できない。薬剤師会も、にわかに容認できないと文書を出しています。全国消費者団体連絡会は、危険を高める、再検討が必要。主婦連合会は反対。労働組合の連合、仮名化すべきと言っているんです、仮名化。仮名化でいいじゃないですか、ビッグデータ、医学の役に立てるということでありますので。

 総理、最後に、本当に時間がなくなりましたので、総理の感想を聞かせていただけませんかね。ちょっとこれは、総理の感想を、先ほどおっしゃらなかったので、国会に任せるじゃなくて、ちょっと踏み込んで感想をいただければ。

高市内閣総理大臣 先ほど、私がいつ説明を受けたかという御質問の中で、閣議決定前と申し上げました。そのとき、説明を受けたのは個人情報保護委員会でございました。法案の概要について説明を受けましたが、今委員がおっしゃったような懸念等については説明を受けておりません。

 ですから、与党の方でも十分審査をされ、党議決定をされた上で閣議決定したものですから、あとは委員会の場で、しっかり松本大臣からも説明をさせますし、仮に修正という話があったら、それは国会の御判断だと思っております。

長妻委員 総理にもはっきり説明していないんでしょうね。私にも一番初めはこの話は説明がなかったので、私は初め、本当に勘違いをしましたが、実態は今私が申し上げたことです。是非、認識をいただいて、これは危ない法案ですので、修正をいただきたいと思います。

 ありがとうございました。

坂本委員長 これにて小川君、山本さん、伊佐君、長妻君の質疑は終了いたしました。

 次に、浅野哲君。

浅野委員 国民民主党の浅野哲でございます。よろしくお願いいたします。

 本日、私たち国民民主党は、私以外にも、村岡敏英議員また長友慎治議員、三人で質疑をさせていただきます。

 我々、それぞれ異なるテーマから質問させていただきますが、とりわけ私は今回、やはり三月頭から現在まで、国内の暮らしや産業、経済に幅広く影響を与えているホルムズ海峡封鎖、そしてその影響の中身や対応策について、総理や経済産業大臣、そして厚生労働大臣と議論をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 さて、危機対応の出発点は、緻密かつ正確な実態把握から始まります。今日の一問目は、まず実態をどの程度把握しているかということを伺いたいと思います。

 我々国民民主党は、四月の二十二日から五月の末まで約一か月余りをかけまして、全国の所属議員そして支援者の皆様や、また国民の皆様に幅広く御協力をいただいて、実態調査を行わせていただきました。本日は、その調査結果も含めて御紹介をしながら質疑を進めていきたいと思いますが、その結果分かったことは、まず個人を対象とした調査では個人の八八・七%、また法人についても八六・三%の回答者が、既にこのホルムズ・ショックの影響を受けていると実感しているという結果でありました。

 また、物資調達の面では、燃料や原材料の価格高騰だけでなく、溶剤や樹脂、フィルム、塗料などの出荷制限や納期遅延も確認されています。こうした現場で何が起こっているか、どのような範囲で起こっているか、こういったことをしっかり政府でも把握しておいていただきたいと思いますが。

 まず、総理に伺います。

 政府においても、家計への影響や事業者向けの実態調査を行った事実がありますでしょうか。ありましたら、調査対象や主な結果について御紹介をいただきたいと思います。

高市内閣総理大臣 冒頭に、国民民主党におかれましても、国民や事業者の皆様の状況を調査していただいていることに感謝いたします。調査結果については、しっかり分析をさせていただきたいと思います。

 政府としましては、数百人規模の体制で、地方機関も総動員して、情報提供窓口に寄せられた二万件以上の御相談に対応するということとともに、約千団体に対する通常どおりの供給、発注の要請を行い、供給の偏りや目詰まりの解消に取り組んでいるところでございます。また、全国約一千か所の特別相談窓口で、中小企業、小規模事業者の方々から、今般の中東情勢の影響について一万五千件を超える御相談を伺っております。

 さらに、個人消費への影響につきましては、月例経済報告でお示ししておりますとおり、マクロ全体で見れば個人消費に持ち直しの動きが見られる状況ですが、消費者マインドが大きく低下しているということに加えて、例えば、スーパーの日々の売上高で見ると、ラップやごみ袋など石油由来の日用品に対する消費の振れ幅が大きくなっているといったことを踏まえて、中東情勢による影響を注視していく必要があると認識をしております。

 政府としても、情報収集、今申し上げたような形で続けております。

 その後、委員が御指摘いただいたことについても、お答えしてよろしゅうございますか。(浅野委員「はい」と呼ぶ)

 目詰まり解消の取組から得られた情報によって、目詰まりというのは、川上と川中で供給の見通しが共有されずに供給量を制限してしまった、あと、事業者間のコミュニケーション不足があった、それから、川下の実績以上の発注があったといったことが原因であることが明らかになりましたので、それを政策に反映してまいりました。

 例えば、一人親方や工務店、自動車整備工場、パン、菓子などの販売店、園芸農家、中小製造業など、取引先との交渉力が十分ではない方が多いと考えられる川下の事業者を特定して、プッシュ型支援で目詰まり解消を進めるよう、関係閣僚に指示しております。

 また、ナフサの代替調達ですが、従来の八五%の水準まで回復しておりますので、川中の製品輸入も大幅に進んだ結果、石油関連製品は年度を越えて供給継続が可能となりました。さらに、ナフサ関連の川下製品のサプライチェーンごとの在庫の量につきましては、公表されている統計情報のみならず、関係企業から得た非公開情報を集計した上で算出しており、その結果は公表をいたしております。あわせて、ナフサに関する川上から川下まで八つの業界団体から、四月まで前年と同水準又はそれ以上の供給実績があり、今後も継続的に供給できる見通しである旨を発信していただきました。

 ナフサに由来する石油関連製品のサプライチェーンが広範で多層にわたることを踏まえて、どのような措置を取ることが効果的かについて検討を行いました。その結果、まずは、中間在庫の量が他のナフサ関連製品と比較して少ない、塗料やシンナーの原料であるトルエンやキシレンについて、従来の石油化学メーカーからの供給のみならず、石油元売からも従来を大きく超える量を新たに直接供給することで、例年の需要の一・八倍の供給を可能にすることにしました。

 政府を挙げて、今、情報把握もしております。有効な対応策も分析しながら実行いたしておりますので、これらの成果の情報発信をもっと進めていかなければならないと考えております。

浅野委員 ありがとうございます。

 今の政府の取組状況については、非常に詳細に教えていただきました。今答弁の中にもありましたが、交渉力の低い小規模事業者、個人事業主に対するプッシュ型支援ですとか、あるいは、在庫量の集計と公表、これについては、私も三月上旬の予算委員会でもそういったことをお願いをさせていただきましたので、そこに関しては感謝を申し上げます。

 その上で、今日は、二問目に入りますけれども、次は経済産業大臣に伺いたいと思います。

 まず、皆様、資料の二枚目を先に御覧いただきたいと思います。これは、我々国民民主党が行った、法人を対象とした調査結果を集計したものであります。

 まず、一番左上の1事業への影響ということでいいますと、全体の八六・五%の回答企業がもう既に影響を受けているというふうに回答しております。特にどの分野で影響が大きいか、真ん中の2を見ていただきますと、原材料費あるいは燃料費の影響が大きいという答えであります。そして、3調達状況を御覧いただきますと、やはり今総理も答弁いただきました、三七・九%の企業が、調達が難しく支障がある、あるいはその懸念がある、こうした問題に直面をしています。

 とりわけ交渉力の低い小規模零細事業者、個人事業主の皆さんへのサポートというのは、私たちも非常に大事だと思っております。今総理が答弁をいただきました、プッシュ型支援もしていますと。こういったことは是非やっていただきたいですし、窓口も設置していただき、しっかり活用していただきたい。

 その上で、今日我々からの提案は、サポートをしっかりと、上流あるいは小規模事業者へのサポート、大口事業者からの協力そして全体の協力体制の構築、こういったことをお願いしたいと思います。

 具体的には、第一に、商工会や商工会議所、協同組合等を通じた共同調達環境の整備や支援、そして第二に、小規模事業者が入荷不足や納期遅延を相談できる窓口の充実強化、これはもう既にやられているということです、そして第三に、一定規模以上の取引があるメーカーや商社、卸、元売、輸入事業者などへの異常報告義務を組み合わせるべきではないかという御提案です。

 特に、どこでどんな異常が起きているかというのは、早期検知が大変重要です。そして、全ての事業者に報告義務づけをするのは非現実的ですけれども、一定量以上の取引量がある大きな企業、人的にもリソースがそろっている企業を想定しておりますけれども、こうした企業の調達や供給に異常が発生した場合には、そちらから手を挙げていただくことで幅広い業界での異常発生マップみたいなものがつくれるのではないかと思っております。

 是非、この三層構造で、より早期の課題検知、そして対策の早期化、支援の充実を図っていただきたいと思いますが、経産大臣の答弁を求めたいと思います。

赤澤国務大臣 大変重要な御指摘だと思います。

 その上で、私どもも全体量は足りているとは申し上げていますが、本当に、供給の偏り、流通の目詰まり、大変な御不便といいますか、不安を感じたり、国民の皆様が苦労されていることについては認識はしているつもりであり、全力で解消したいと思っています。経産省を始め各省数百人の規模で、本当に休日もない感じで、要望が出てくれば相談窓口で対応を続けてサプライチェーンをきちっと遡ることもやっていますので、今後ともそれを更にパワーアップしてやっていきたいと思います。

 三つの御提案をいただきましたが、それが十分に、今委員がおっしゃったとおりに期待どおりできているかということについては議論があると思いますが、私どもとしては、その三つは既にトライはしているというつもりでありますので、今御説明をいたします。

 今般の中東情勢下で個人事業主や小規模事業者などの経済活動を守ることはもちろん重要でありまして、一点目の共同調達については、交渉力の強化が期待されるところでありますが、令和六年度の調査では実施中の協同組合は約半数であり、活用促進に向けて引き続き周知を実施しているところであります。

 それから、二点目の相談窓口については、商工会、商工会議所などが全国約千か所に特別相談窓口を設置し、入荷不足や納期遅延を含め相談支援を行っているところでございます。その中で、石油関連製品の相談があった場合、経済産業省が設ける情報提供窓口を紹介して、そこにきちっと問合せをしていただけば、サプライチェーンを一個一個遡ることを、職員が非常にマンパワーを割いてやらせていただいています。

 三点目の大口事業者の調達に係る異常報告義務については、義務づけはしておりませんが、例えば、四月十三日付で経済産業省からシンナー等の溶剤等事業者に対し、原料調達に課題が生じている場合、それを理由に生産を抑制せず、速やかに経済産業省や関係事業者に相談するよう要請する取組も行っております。

 今後も、事業者からの声も踏まえつつ、また今の委員の御指摘も念頭に置きながら、更に取組を強化していきたいと思います。

 一点だけ、先ほどのアンケートについて申し上げると、影響が大きいコストがやはりナフサ等と燃料の両方なんですね。

 燃料油の方は、私ども、このアンケートの範囲よりももう少し後にかけて元売からの直販の仕組みをつくったので、そうなると玉が出てくるということで、価格は少し下がる方向になっているのではないかというふうに思っていますが、まさに今、ここに書いてある一番のナフサ等の石油製品について、まだ直販の仕組みができておらず、それを構築しようみたいな努力を最大限やっているところですので、この二つについて、影響が大きいコストということで出ていると思いますが、今は、特にこの一番の方の原材料費、ナフサ等のところが大きな問題だという認識を持っております。

浅野委員 ありがとうございます。

 是非、三層構造に我々はこだわっているわけではありませんけれども、やはり多層的に、そして企業側が協力できることもたくさんありますので、例えば、今はナフサですとか特定の物品に注目が集まっているんですけれども、やはりサプライチェーンの関係上、もう少し時間がたってから影響が出てくるような製品群も存在をしております。そうしたところに、もしかしたら、調達しづらくなってきたなとか、企業側が一番最初に早く気づくのは調達担当者ですから、こうしたときに経済界、産業界からしっかりと情報を上げていただく環境というのは大変大事だと思いますので、より一層充実をさせていただきたいと思います。

 続いて、次の質問も再び経済産業大臣に伺います。

 今回我々が得た教訓というのは、国家備蓄という形で原油については約八か月分備蓄をしてまいりました、備えてまいりましたが、ただ、今我々が直面しているのは、原油だけではなくて、そこから作られる様々な原油関連製品の品不足、調達課題であります。やはり、一つ一つの企業がちゃんと企業のBCPを作っておくことというのは、数年前の法改正でもこのBCPの作成を義務づけされましたけれども、今回新たな課題として我々が直面しているのは、一つの企業だけでは対応し切れないような急変事態がこのように起こり得るということです。

 したがって、企業が単独でBCPを作るのは当然なんですけれども、今回のこの事案を教訓として、一部の石油化学製品のみならず、中間財や重要な素材、原料については国家的BCPを作成するべきではないか。なかなかこの物品の特定は難しいし、作業も膨大なものになる可能性はありますが、これはやはり少資源国日本にとっては非常に重要なテーマになると思います。

 重要素材のリスト化、あるいは対応計画を作っていただきたいというふうに御提言申し上げますが、いかがでしょうか。

赤澤国務大臣 これも大変重要な御指摘だと思います。

 現在、日本全体として必要となる量は原油そして石油製品共に足りているという認識でありますけれども、大変供給の偏りやあるいは流通の目詰まりが生じているということで、解消していかなければなりません。今後は、日本企業の国内外に広がるサプライチェーンを更に強化をし、石油化学製品の安定供給を確保していく必要があることは、全くおっしゃるとおりであります。

 その際、幾つか考えなきゃいけない問題点があって、これは委員御案内と思いますけれども、少なくとも、大方の原料になっているナフサが揮発性が非常に高くて、計画的にやろうにも年単位の長期備蓄が難しく、備蓄方法や支援の必要性についてかなり検討しないと体制が組めないということが一つにはあります。

 一方で、私ども、ウィングを広げているのは、高市総理が提案されたパワー・アジア。実は、アジアの国は、原油を輸入して石油製品を作って日本に輸出しているというパターンが多いです。医薬の関係とかも相当あります。なので、アジアで、パワー・アジアで備蓄の体制を各国で整えようと言っていますから、今回のような事態が起きても、今回はアジアの国はすぐに石油製品の輸出を止めました、私どもも影響を受けています、ただ、そこをパワー・アジアで協力をして備蓄ができ、数か月にわたって原油は確保できているよとなれば、日本に対する石油製品の輸出がすぐに途絶えることなく、しばらくは持ちこたえられるみたいなこともあるので。

 そういう意味では、総合的に、ありとあらゆる可能性、どれかを否定することはなしに、全体としてきちっとそういう非常事態に対応できるような取組をしていきたいと思いますし、結論としては、中間財や重要物資も含めリスト化、対応計画を作る考えというお問いかけでありますけれども、そういったことも含めて、製造、技術基盤の強靱化について検討してまいりたいというふうに思います。

浅野委員 パワー・アジアの取組は、これからどうなっていくのか、私も非常に注目をしておりますが、最後にエネルギー政策についても総理に聞きますので、そのとき是非伺えればと思います。

 続いて、四問目になります。次は厚生労働大臣に伺います。

 こちら、二枚目の資料にまた戻りますけれども、左下の4の事業継続へのリスクというところを御覧ください。

 これを見ていただきますと、この状況が続いた場合に、あとどのくらいの期間で事業縮小や中断をしなければいけないかといった将来予測について答えていただいております。これを見ますと、やはり三割ぐらいの企業が、半年以内にそういう時期がやってくるのではないかというふうに危機感を持っております。その結果、5、隣を御覧いただきますと、今、現時点で雇用調整を検討している企業、あるいは残業制限や採用の抑制を考えている企業というのが全体の四割程度に上っております。

 したがって、我々も先日、官房長官に申入れをさせていただきましたが、雇用調整助成金の準備を加速しなきゃいけないのではないかというふうに思っております。

 事前に伺いましたところ、厚生労働省の方では、雇用調整助成金の受給に向けた支援は既に始まっているんだけれども、聞くと、ホルムズ・ショックに起因した雇用調整助成金の申請、認可件数というのはまだ確認がされていないというふうに伺いました。

 コロナ禍のときも、大変手続が煩雑だとかいろいろな御指摘があって、要件緩和にも踏み込んでいただきましたけれども、今回も、この先どういうふうにアメリカとイランの交渉が運ぶか分かりませんし、どの程度長期化するかも読めない中で、様々なシナリオを想定をして、雇用調整助成金の特例措置も含めて準備をすべきだというふうに思っております。

 この特例準備といったもの、厚生労働大臣の中にはしっかり想定されているのか、今の準備状況について伺わせてください。

上野国務大臣 雇用調整助成金につきましては、コロナ禍において、要件緩和、助成率の引上げなど特例措置を実施をいたしました。これは国が事業主に対し強い休業要請を行った際の異例の対応でございますので、今般の状況とは性質が異なるのではないかと考えております。

 ただ、中東情勢に係る雇用の影響、お調べをいただいて感謝をしたいと思いますけれども、我々としても、アンテナを高くして、全国の労働局などを通じまして、影響を特に受けている可能性のある製造業や建設業を始めとする皆様の声を直接把握をしているところであります。

 現時点では、中東情勢に伴う雇用調整助成金に係る休業計画届出件数は、三月末からの約二か月間で百七十五件。昨年度は四月と五月の合計で三千九百三十二件、ちなみに、コロナの際には最大月約四十五万件の支給決定があったわけでございまして、それと比較いたしますと、現状におきましては限定的だと考えております。

 ですから、特例措置を現段階で行うような状況ではないとは考えておりますが、ただ、お困りの事業者の皆様に情報をしっかりと行き届かせて、必要に応じて雇調金についても御活用いただくことが重要だと考えております。

 今回、初めての取組といたしまして、経産局あるいは整備局、運輸局などと連携をして、各省庁の地方支分部局が把握をされました目詰まりの影響を受けている事業主、この事業主の方からの同意を得た上で、その情報を労働局でも把握をさせていただいて、労働局の方から事業主にプッシュ型で、雇調金などの雇用支援等について情報提供をさせていただいているところでございます。

 また、先ほど赤澤大臣からお話のありました千か所の相談窓口につきましても、労働局との連携をしっかりするようにという指示を今出しましたので、出しておりますので、幾重にも、相談支援といいますか、雇用に関するいろいろな御支援、相談、そうしたものができる体制をこれからもしっかりと取っていきたいと考えているところであります。

浅野委員 ありがとうございます。

 労働局との連携ですね、経済産業省と厚生労働省が連携しているということは非常にいいことだと思いますけれども、やはり小規模事業者の方々は、まずその相談窓口に到達するまでが非常に道のりが長い部分がありますので、そこも是非工夫をしていただきたいと思います。

 ただ、一点だけ申し上げると、やはり、先ほどアンケート調査結果でもお伝えしましたとおり、雇用調整を考えている企業だけを見ても一八%弱あるんですね。全体の二割弱が、もう雇用調整というものが頭の中にある状態になっています。

 今、物資調達については、政府も、これまでの議論のとおり、いろいろな支援をしっかりしていただいているんですけれども、ただ、やはり事が起こったときにすぐに対応できる準備をするのは行政側の責任だと思いますので、ここは是非準備をしていただきたいということは重ねて申し上げます。

 続いて、五問目に入る前に、もう一つの資料、もう一枚ございます、一枚目の資料になりますが、御覧ください。これまでは法人を対象とした調査結果でしたけれども、こちらは個人の方々から回答いただいた結果をまとめたものになります。回答者数は全体で三千百八十二名の方ですね。

 これを見ますと、まず、家計への影響を実感している方々がもう既に全体の九割近くになっている。どういうところで苦しさを感じますかという問いに関しては、食料品や、やはりガソリン・燃料代、電気・ガス代、こういったところで半数以上の方々が負担を感じているというふうに回答されていました。

 また、実際にそれをカバーするために、生活の上でどのような変化が起きていますかという質問に関しては、いつもよりも安い商品を選んでいるという方々が六五・六%、また、この調査期間にゴールデンウィークが入りましたので、外食や娯楽を削って節約をしているという方もいらっしゃいましたし、節電や節約により一層気をつけていますという回答もありました。

 これを見てみますと、ここから見えてくるのは、やはり、真ん中の調査結果の下に書いてありますけれども、家計の固定的支出を抑える必要を感じているということです。電気、ガス、水道、そして家賃なども含まれると思いますが、こうした固定的な支出項目は、個人の努力ではどうしても限界があります。

 地方交付金を活用した水道料金の減免や公営住宅家賃の負担軽減を我々は提案をしているんですけれども、今回の補正予算には、電気とガスとガソリンについては一定の想定をしているというふうに伺っておりますが、是非、水道や公営住宅の家賃負担軽減、こうしたことを御検討いただきたいと思います。

 我々がやはり気にしているのは、今、ここ数年、賃上げの機運が高まっておりますが、給与所得を得られていない年金生活の高齢者の皆さん、特に独り暮らしの方々が増えております、また子育て世代など、こうした世帯ほど毎月必ず出ていく固定費の重みは負担に感じています。

 政府が、支援対象を電気、ガスだけにとどめることなく、水道や住宅家賃支援にも踏み込んでいただきたい、そのためにも地方交付金の増強のための予算を確保いただきたいと思いますが、総理の御見解を伺いたいと思います。

黄川田国務大臣 委員御指摘の水道料金については、重点支援地方交付金の推奨事業メニューにお示しをしておりまして、自治体の御判断により地域の実情に応じた物価高対策に活用いただけるものとなっております。

 また、公営住宅の家賃については、国土交通省において既に収入に応じた低廉化が行われているものと承知しております。このほか、入居者の事情に応じて更なる減免を行う場合には、自治体の判断により重点支援地方交付金を活用することも可能となっております。

 引き続き、関係省庁と連携し、こうした仕組みを活用していただくよう自治体に促してまいりたいと思います。

浅野委員 大臣、ありがとうございます。

 ちょっと今、大臣が立たれる前に、総理もいろいろお考えがありそうな様子でしたので、ここはもう一押しだけさせてください。

 いろいろ仕組みとしては整備がされていて、重点支援地方交付金を使って自治体の判断でこういったことができる仕組みは既にありますので、我々としては、是非、それをもっと使っていただけるように、予算を確保していただきたいという要望であります。

 是非この点に関して、総理にも一言いただきたいと思います。

高市内閣総理大臣 重点支援地方交付金なんですけれども、昨年度の補正予算で手当てをして、二兆円規模でございました、今、順次まだ執行をしております。残高も実はかなりございますので、今、追加で一千億円、これはLPガスですとかに使っていただけるようにということで追加も出しておりますけれども、これまでの残高と合わせると相当な措置ができる、委員が先ほどおっしゃったような固定費に関してはかなりの措置ができると考えております。

浅野委員 まだ残高があるということですので、総務大臣、しっかりと使っていただけるように、地方自治体に対する適切な展開をお願いしたいと思います。

 最後、時間が僅かなんですが、大臣に最後の質問、エネルギー政策について簡潔に聞きたいと思います。

 今回我々が直面したこの事態の教訓は、我々の国の経済、暮らしを支えているシーレーンが航行不能になるなどの障害が起こり得るということです。やはりエネルギー基本計画を、こうした状況を踏まえて更に見直していく余地は十分にあると思います。特に、電化の促進や蓄電池、省エネ投資の促進、こうしたことを安全保障政策として強化すべきと思いますし、また、大臣なりの今後の見直しに向けたお考えがあれば、最後に伺いたいと思います。

高市内閣総理大臣 委員がおっしゃった第七次エネルギー基本計画、これは、前の内閣になりますが、昨年二月に閣議決定されたばかりのものです。でも、ここでも、地政学リスクの高まりを踏まえて、エネルギー供給が質、量の両面において途切れることがないよう万全を尽くす必要性を掲げていました。

 今まさに、中東情勢の緊迫化により、非常に大きな課題、つまり、自給率の低さですとか原油の中東依存度の高さ、この課題が再認識されたという段階だと思います。

 今後、AIの利用などで、相当電力需要も増加するでしょう。ですから、我が国のエネルギー需給構造の強靱化というのは急務です。ですから、化石燃料の調達先も多角化しますけれども、再生可能エネルギーも原子力も、こういったものも活用して、エネルギーの自給率向上に資する脱炭素電源は最大限活用します。それから、省エネ投資の拡大は大事です、企業の省エネ投資の拡大。それから、電化、また非化石転換を始めとした需要側の取組も推進します。

 その上で、縮み志向に陥ることなく、GX経済移行債も活用しながら、ペロブスカイト太陽電池ですとか原子力、地熱発電など、我が国が強みを持つ分野の危機管理投資をしっかり促進をしていく。日本のエネルギー需給構造の強靱化だけではなく、さっきパワー・アジアの話も触れていただきましたけれども、やはり世界共通課題であるエネルギー制約を乗り越えるための製品、技術、インフラの海外展開も強力に推進して、何とか日本の成長にもつなげるそのチャンスにしたいと思っております。

浅野委員 終わります。ありがとうございました。

坂本委員長 この際、村岡敏英君から関連質疑の申出があります。浅野君の持ち時間の範囲内でこれを許します。村岡敏英君。

村岡委員 秋田県出身、国民民主党・無所属クラブの村岡敏英でございます。

 今日は質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 秋田県出身と言ったのは、実は、今日の午前中、小川代表がちょっと人口のことを質問しておりました。

 国勢調査の速報値が出ました。

 今まで日本は、江戸時代の始まりが一千二百万人、それから、昭和に入って一億人を突破して、人口が大きく増えていく中で経済成長が行われ、そしてインフラ整備が行われ、そして、日本が世界に冠たる経済大国になりました。しかしながら、二〇一五年から人口がどんどん減り始めて、そして、人口というのは減り始めると加速度的に進んでまいります。

 我が秋田県、全国で一番人口のスピードが、減っているのが残念ながら秋田県です。この二十五年で、百十八万人から八十八万人、もう三十万人減っている。それも途中から加速度的になるんです。

 だから、今回、三百万人以上、日本の人口が減ったということになれば、今、政治が一番取り組まなければならないのは、この人口減少に対してどのような対応を取っていくかが非常に日本の将来に重要なことだと思っています。急に人口は増えません。人口減少の中で日本がどんな成長分野を持って、そして、都会と地方の差、これも前の予算委員会で総理にお聞きいたしました。五十年前は東京の、首都圏で日本の人口の約一五%、しかし、今現在、もう三〇%を超えている。東京圏一極集中です。この問題も解決しなければ、日本全体の経済成長がないと思っています。

 この件に関して、総理の見解をお願いいたします。

高市内閣総理大臣 総務省が先月二十九日に公表した令和七年国勢調査の人口速報集計ですけれども、今回の調査で、我が国の人口は二〇一五年以降三調査連続の減少となりました。また、減少幅が二・五%の減少ということで最大になっておりますので、人口減少がより一層進行しているということが改めて裏づけられました。

 私が考えているのは、今、城内大臣が手を挙げていたかと思うんですが、日本成長戦略の十七の戦略分野の中で、例えば、豊富な現場データと物づくりの基盤など、日本の強みを生かすフィジカルAIの構築などを中心にして、無人化や省力化だけではなくて、全産業の高度化を進めていく、人口減少下でも高付加価値を実現するAIトランスフォーメーションを成長の加速装置と位置づけています。

 それから、八つの分野横断型課題、これも御承知かと思いますが、人手不足など労働供給制約下においても労働供給量を確保するとともに、専門人材や現場人材を育成、確保するために、労働市場改革、人材育成といった課題の解決に向けて取り組むこととします。

 この夏に日本成長戦略を策定して、こうした施策を強力に推進いたします。強い経済を実現していきます。

 やはり少子化の克服には、若い世代が将来への経済的な見通しを持てるということが不可欠だと考えています。ですから、強い経済の実現によって、所得を増やし、雇用もちゃんと安定させて、結婚や出産や子育ての選択に直面する若い方々の手取りが増える形をつくって、未来への不安を希望に変えていきたいと思っております。

 委員のお地元では結構スマート農業が盛んで、それも大変いいモデルになると考えております。

村岡委員 プラス高齢化もあるんですね。本当に日本は、世界の中でも初めてこれだけ人口が減ってきて、高齢化があるので、そのことを加味して、総理始め全閣僚、これが日本の一番最大の課題だと思っていただきたい、こう思っております。

 次に、電力の安定供給と、風力発電の事故が秋田県で二件ありました。

 原子力の安全性はもちろんです。原子力を始め、そして再生エネルギー、様々なエネルギーを使いながら日本のベストミックスをつくっていかなければなりません。しかしながら、安全が第一です。

 秋田県の男鹿では風力の折損事故が起きて、その部分において、この前、我々の秋田県の鈴木知事が経済産業省に陳情に行きました。今のところ、国には事故の報告が行っていたのに、自治体に事故の報告がなかった、これはやはりおかしい。現場である自治体にしっかりとそれを伝えることがまず第一義であり、国にももちろん同時に伝えなければなりません。

 それとともに、もう一つあるのが、製造者の責任がしっかりしていないということです。設置者はもちろん責任があるんですが、設置者は、何でその羽根が落ちたのかということは分かりません。やはり、製造者の責任もしっかり経済産業省で制度的に決めるべきではないかと思います。

 この落ちた原因が、後では落雷とかそういうことがありますけれども、最初のときは、風力発電なのに風が強かったから落ちたようなうわさが流れて、こんな本末転倒があってはいけないと思うので、その制度面をしっかりと経済産業省で考えていただきたいんですが、今後考えますでしょうか。

赤澤国務大臣 委員が御通告の三問をほぼまとめて聞かれたので、ちょっとコンパクトバージョンでお答えいたしますが。

 我が国のエネルギー自給率を高めるために、本当に、御指摘のとおり、国産の再生可能エネルギーの推進は重要であります。秋田県にも大変大きな協力をいただいて、私どもも頼もしく思いますし、力を合わせてやっていきたいと思いますが、当然ながら、委員御指摘のように、安全が大前提ということになります。

 風力発電の事故発生時には、電気事業法において、設置者に対して国への報告を義務づけております。これで国には来た。報告を受けた際には、周辺の安全を確保することに加え、重大事故の場合、地域共生の観点から、地元自治体を始めとする関係各所へ連絡することを指導しております。地元の方々に不安を与えることがないよう、まずはこうした運用を徹底をしていきたいというふうに思っています。

 また、風力発電設備で事故が発生した場合には、電気事業法に基づき、設置者が保安の義務を負っており、原因究明及び再発防止を実施することとなっております。

 その際、設備や製品に関する詳細な情報を有する製造事業者や工事業者の協力を円滑に得られることが重要でありまして、このため、今国会に提出している電気事業法の改正法案では、製造事業者といった関係事業者に対し、設置者への協力義務を新たに課すとともに、協力しない場合には経済産業大臣による勧告や公表を可能とする措置を盛り込んでいるところでございます。

村岡委員 時間もないのでまとめて質問していきますが、総理含め閣僚の方々に、今回の中東情勢に関する補正予算ですけれども、我々は当初から、本予算を追加して、修正してやるべきだと言っておりました。しかし、今やっと補正予算が出てきて、我々の主張していた三兆円ぐらいかかるだろうと。額的には同じです。しかしながら、ほとんどが予備費です。我々は、しっかり政府機関から聞いて、その三兆というのは積み上げで、しっかりと中東情勢に対する補正予算の提言をいたしました。これだけ予備費を簡単に使えるとなると、我が党でも、これでいいのかなと言う人もいるんですが、やはり国民生活の大変苦しい状況ですから、この補正予算は国民生活にしっかりと寄り添っているのかどうかをこの委員会で質疑をしていきたい、こう思っております。

 そこでなんですが、今、ガソリン、エネルギーに補助が出ています。しかし、この補助というのも、今の現時点では、しっかりと予算をつけて、国民生活に影響がないようにしなければなりません。しかし、今日の午前中もありましたが、九兆円既に使っているとすれば、いずれ出口戦略を考えていかなきゃいけない。そのことについては、経済産業大臣はどのように考えていますでしょうか。

赤澤国務大臣 三月に開始した燃料油価格の緊急的な激変緩和措置においては、ガソリンだけでなく、軽油、灯油、重油、航空機燃料も支援対象としております。ガソリン価格は、総理から今日も御紹介がありました、米国を含めたG7で最も安い水準である全国平均百七十円に抑制しています。

 本措置の今後についてのお尋ねですが、御党も含めた、与党、野党の幹部から、本措置は激変緩和措置であって、中東情勢や価格動向、支援の持続可能性を勘案しつつ柔軟な対応が必要といった御指摘をいただいているところであります。

 これも踏まえ、引き続き、中東情勢、先行きは読めないところがありますが、今後の物価動向や経済に与える影響を注視しつつ、今後への万全の備えのために創設をする中東情勢等対応予備費も必要に応じて活用しながら、国民の皆様の暮らしや経済活動に支障が生じないように適切に対応してまいりたいと思っています。

村岡委員 また、前の予算委員会でお聞きしたんですが、備蓄は二百日あるということですけれども、今現在どのような状況になっていて、そして、この備蓄がどのぐらいになった場合は国民に対して何か要求を、いろいろな抑制をお願いするということがあり得るんでしょうか。その辺は考えていらっしゃるんでしょうか。

赤澤国務大臣 現時点において、備蓄は、今やはり二百日分ということであります。

 当然ながら、備蓄、必要があれば取り崩しながらということですが、幸い、六月分ということで、五月の決定では備蓄の取崩しはなしで済んだということでありますが、なかなか先の見通しが立たない中でありますので、今後も臨機応変にということ以外はなかなか申し上げられないところはありますが、当然ながら、行政としては、どんな事態が生じた場合でも対応していかなければなりませんので、いろいろ、今この審議の中でも御指摘いただいているような、例えば法律の仕組みとか、そういうものも全てきちっと点検をしながら、必要な対応をきちっとやらせていただきたいというふうに思います。

村岡委員 今、余り抑制を言うと経済が停滞することもありますけれども、政府としては万全な備えをしておかなければならないと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 そして、我が党の浅野議員も聞いたナフサの件ですけれども、私が前に経済産業大臣に、日本は、備蓄に関しては、国家備蓄はほぼ原油だ、なかなか石油製品にしているわけではないということをお聞きしました。

 その中で、ナフサは、あの中東の戦争が始まったとき、何日分の在庫が民間にあったんでしょうか。

赤澤国務大臣 まず一つ、先ほどの質問でも、ちょっと触れておきたいんですが、この図、浅野委員が出された図で、まさに現時点においても国民がこれだけ節約とかの努力をされているということがある中なので、私どもとしては、先ほど申し忘れましたけれども、現時点においてはなかなか、国民生活に負担をかけるような節約まで求める状況にはないと思っているということは申し上げておきたいと思います。

 その上で、ナフサについて言うと、私どもは備蓄の制度をかつては持っていたかもしれませんが、今は持っておりません。その理由は、揮発性が高く、年単位での備蓄になかなか向かないということもありますし、ただ、非常に重要な御指摘でもあるので、備蓄の仕方が何かあるかも含めて検討したいと思います。

 それで、川中製品とかの備蓄ということでいうと、ずっと申し上げているのは、一・八か月分とかそういうレベルの備蓄しかないので、原油とか、あるいは我々が別途JOGMECでやっています重要鉱物の備蓄とか、そういうものと比べると、やはりかなり薄い備えしかなかなかできない面があるということは申し上げておきたいと思います。

村岡委員 確かに、揮発性があって、改正もあったということで、ナフサの備蓄が少なくなったと思うんです。先ほど大臣が話していた、総理が言っているパワー・アジアという中でもしっかりとやっていかなきゃいけないですが、こういう状況が起きるということを今後想定した中で対策を取っていかないと、せっかく一・八倍出しても、まだまだ川下には届いていないという実感がほとんどの業種であるんですね。

 それは何かというと、やはり在庫が少な過ぎるということをしっかり分かっているんですね。変な話だけれども、二十日分しかないと思いますけれども、それではやはり心配になるんですね。だから、そこの部分はしっかりと押さえておくような対策を今後取っていただきたい、こういうふうに思っております。

 そして、次に、今回の補正予算についてですけれども、先ほどちょっとお話ししたんですが、財務大臣にお聞きしたいと思います。

 今回の補正予算において中東情勢対応予備費二・五兆円を措置しているんですが、その使い道がよく書かれていないんです。我々、政府ではないんですが、この中東情勢の対策というのはしっかりと、何に幾らかかるかということをもって政府に提言しています。

 どのような使途で使うのか、国民の前に教えていただければと思います。

片山国務大臣 中東情勢等対応予備費二・五兆円のことを主におっしゃっていると思いますが、予算総則において使途の範囲をきっちりと書いてありまして、中東情勢に伴うエネルギー価格高騰といった我が国経済への影響への対応を始め、国際情勢の変化に伴う影響への対応に使用できるようにするものでございまして、活用につきましても、今申し上げた使途の範囲内で、中東情勢はいまだ不透明でございますから、その中で今後の物価動向や経済にどのぐらい影響が出てくるかを十分注視しながら、必要に応じてタイムリーに対応できる、そのようにする観点から検討するということになっておりまして、先般、皆様から御指摘を行っていただき、かつ与党からの御提言もありますので、今後の状況を臨機応変に見極めることができて、かつ適切な対応を図れるということで、このように含みのある書き方をしておりますが、かなり、具体的なものが出てくれば、広いということは申し上げられると思います。

 いずれにしても、今後、具体的に検討してまいります。

村岡委員 片山財務大臣が説明すると、何となく全部分かっているような感じに聞こえますが、しかし、やはり予算はもう少し責任を持って、これには幾らかかるんだということで出していただかないと審議ができないということがありますので、片山大臣だから説明はうまいんですけれども、やはり我々では理解できないところもありますので、しっかりと今後、やはり予算は項目ごとに我々に示していただきたい、こういうふうに思っております。

 そして、次にですけれども、中小企業、農林水産業への支援についてということで、中小企業に関しては先ほどうちの浅野議員が聞きましたので、まずは農林水産業です。

 農林水産業、構造改善集中期間という五年間でしっかりと食料の安全保障をやろうということでスタートしたわけですけれども、この中東情勢によって、春作業はいいにしても、秋になると、肥料からビニールハウスから、いろいろなものが値上がってくる。そうすると、農業者の人たちが今高齢化して、今度、担い手に引き継ごうというときに、また心が折れてしまうというような状況があります。

 農林省としてどのような対策を考えているか、農林大臣にお聞きします。

鈴木国務大臣 生産資材の価格が現状で高騰しつつありまして、不安を感じている農林漁業者がたくさんおられるということは私自身もよく認識をしておりますし、直接いろいろなお話もお伺いをしているところであります。

 まず、現在、政府全体で、ガソリン価格を百七十円程度に抑制するといった対策を講じていることに加え、農林水産省では、燃油や飼料の価格の高騰に対して、経営への影響を緩和するための補填金を交付する制度を措置しているほか、また、農林漁業者が日本政策金融公庫から借り入れる農林漁業セーフティネット資金等に対する金利負担軽減の措置といった対策も講じております。

 ただ、今後も様々な事態の変化によって資材価格も日々動いていくというふうに思いますので、私どもとしましては、個別の品目ごとに、例えば、価格がよくてコスト上昇分をのみ込めているものもあれば、そうでないものもあるということをしっかりとそれぞれ分析をさせていただいて、結果として農林漁業者の皆様が安心して経営を継続できるように、引き続き万全の対応をさせていただきたいと思います。

村岡委員 気候の変動や災害や様々なことが起こらなければいいんですが、農業は常にそういう目にさらされている上、この危機的な状況ですので、是非対策をしっかり行っていただきたいと思います。

 それと、総理、ちょっとこれは質問じゃなくて、実は、中山間地と平地がありますけれども、米が高騰しました。米が高騰して、今、米対策もしっかりやっていただいております。その中で、中山間地というのは非常に大きな米の生産をしているんです。約七百三十万トンぐらいの日本の米のうち、三百十万トンなんです。

 その中山間地が、平均年齢が七十歳近くで、そして、なかなか生産性が悪いので担い手がいないという状況なので、是非、農林大臣を含め総理も、中山間地の対策というのはしっかりやっていただきたいと思います。お願いだけです。

 そして、次に、国民会議についてですけれども、総理は午前中にも、総理が別に一%と言ったわけじゃないということはお聞きしました。まあ、観測気球を上げる人がいつの時代にもいますから、それは誰が言ったかは分かりませんが、その中で、もし総理が公約で、自民党の総裁として言った公約を守っていくとすれば、ゼロ%でも一%でも、前に私が予算委員会で言った農業者の方々、九割が簡易課税であったり免税業者であるんですね。その人たちが、このことによって大きく損をするんですね。それから、外食産業。

 いずれにしても、そういうこと、しっかりと対策をあの後考えておられるのかどうか。いやいや、それは国民会議で話しますといったら、身も蓋もないんです。やはり、考えているかどうかを答えていただきたいと思いますが、よろしくお願いします。

高市内閣総理大臣 実務者会議でやっていると言ってはいけないという御指摘ではあるんですけれども、やはり、今、関係する団体や事業者へのヒアリングも行っていただいた上で、委員が御指摘いただいた農業、漁業、外食産業への影響を含めて、様々な御意見が寄せられたということだと思います。

 今後の議論について、実務者会議の小野寺議長は、課題を乗り越えて、どのように食料品の消費税減税を実現していくかについて、ヒアリングを踏まえて検討したいと説明されているということですので、引き続き、この実務者会議において、影響を受ける方々への対応の方向性についても検討をしていただくべきだと思います。

 ただ、簡易課税制度につきましては、これはあくまでも納税を前提とした特例でございますので、現行制度であっても、還付を受ける必要がある場合には、領収書に基づく実額で仕入れ税額を計算して申告をしていただくことになります。

 ですから、なかなか難しい、切ない問題ではありますけれども、例えば、売上げの一定割合を還付した方がいいんじゃないかといった御意見も出ておりますけれども、そうすると、実際に還付すべき額以上の還付が発生してしまったり、税制の公平性が損なわれるおそれもあるので、慎重に検討しなきゃいけないなと思っております。

 いましばらく社会保障国民会議での議論を見守りながら、いろいろお困りになる方に対して、政府としてもみんなで頭の体操をする、しっかりとお支えをしていく、そういう段階にあると考えております。

村岡委員 消費者が、物価高騰の中で、一万品目以上も食料品が上がると言われていますから、消費税という部分で国民の負担を軽くしようというのでゼロ%、一%というのがもちろん出ているわけですけれども、しかし、食料を作る生産者が損をするというのもこれまた本末転倒なので、そこはしっかりと政府で対策も考えていただきたい、こう思っております。

 そこで、我々が主張している社会保険料の還付の制度に関してお聞きします。

 我が党の参議院の川合孝典議員への答弁で、総理は、社会保険料の還付を前倒しして定額の現金給付をして、中所得、低所得者の方の負担軽減を行う趣旨、中所得者、低所得者の方の税、社会保険料をトータルで見て負担軽減を図る方向性については共有できる、こう言っておられますが、それは今も同じ考えですか。まあ、国民会議で話すんでしょうけれども。

高市内閣総理大臣 元々、給付つき税額控除、これを議論してほしいと申し上げているのは、中所得、低所得の方の税、社会保険料負担をトータルで見て負担軽減できるという形、これを目指しているものですから、また、その層に集中的に応援をしたいなと思っておりますので、御議論いただいております。ですから、その方向性については共有できると申し上げております。

村岡委員 共有できるということで、是非、我が党の社会保険料の還付制度を国民会議で取り入れていただきたい旨を主張してまいります。

 そして、九番目に、ちょっと御質問なんですが、これは今の中東危機というよりも将来のことですけれども、日本はなかなか自動車のEV化が進んでおりません。その中で、全体的にガソリンの使用量を減らしていこうという中、脱炭素社会でということでのEVもあるんですが、ガソリンを減らしていこうという中で、EVを今後進めていくおつもりなのか、経済産業大臣にお聞きしたいんですが、そのためには政府でやることがたくさんあるんですね。

 これは、充電の施設が余りにも少な過ぎて、実際には困ってしまう。東京ならいいんです。田舎だと、一回出て、二百キロ、三百キロぐらい走り回るときがあるんです、選挙中だと五百キロ、六百キロいくときもありますが。そういう状況ですけれども、やはり、しっかりと充電施設を造らなければEVは普及しないと思うんです。その辺りは経済産業省としてどのように考えておられるか。

赤澤国務大臣 これも重要な御指摘だと思います。

 今のところは、だから、EVは、大都会の集配車に割と普及をしてみたり、長距離をなかなか乗らなくていいような使い方に割と用途が限られたりというようなところはあると思いますけれども。

 我が国は、自動車分野でのカーボンニュートラルの実現に向けて、EV、それから燃料電池車ですからFCVですか、それからハイブリッドなど、多様な選択肢を追求するマルチパスウェー戦略を掲げて、EVの競争力強化にも取り組んでいます。

 経済産業省としては、国内EV市場の拡大に向けて、EVやプラグインハイブリッド車の購入を支援するクリーンエネルギー自動車導入促進補助金において、本年一月一日以降に新規登録を受けるEVへの補助上限額を九十万円から百三十万円に引き上げるなどの見直しを行いました。また、EVの普及に不可欠な充電設備についても、導入に必要な費用を補助しているところでございます。

 EVの普及は、中東産原油由来の化石燃料への過度な依存から脱却することにも資するものと考えておりますので、今後とも、引き続きEVの普及に向けた支援策を講じてまいりたいと思います。

村岡委員 日本のEVのシェアというのは二%なんですね。ドイツが二四%ですから、全く違う状況であるということを認識しながら、是非進めていただきたいと思います。

 日本全体で、原油輸入というのは一億三千六百二十九万キロリットル、その中で、ガソリンだけで四千三百十一万キロリットルですから、これは、是非進めていくために、政府はこのEVが進むための設備をしっかり造っていただきたい、こう思っております。

 最後になります。

 中東情勢にしても、世界の平和がなければ日本の繁栄はありません。世界の平和があってこそ、日本はこれまで経済成長してきました。この中東情勢を含め、最後に外務大臣、総理にお聞きしたいんですが、タフネゴシエーターと言われる茂木大臣、この中東情勢に関して、どのような方針を持って世界での外交を進めていくつもりか、お教えください。

茂木国務大臣 率直に言って、なかなか見通しが立たない状況にありますが、米・イラン間の交渉については、現在、大きな方向性として、まずは覚書、MOUを結んで、その上で、残された、核であったりとか制裁解除、こういった協議を行う、二段階での合意を目指して協議が進められている、このように理解をいたしております。

 こうした状況の中で、日本としても、事態の鎮静化に向けて外交努力を継続しております。

 積極的な首脳外交と同時に、私自身も、五月二十二日には、イランのアラグチ大臣と事態発生以来六回目の外相電話会談を行いましたし、それを踏まえまして、二十六日、ちょうどクアッドでインドに行っておりまして、日米外相会談を行いまして、ルビオ長官に対しても、米・イラン間の合意が一刻も早く実現することが重要である、このように伝えましたし、また、アラグチ大臣の方にも、イランとして柔軟性を更に発揮して協議に臨んでほしい、このように申し入れたところであります。

 米・イラン間の協議、さらにはパキスタンを始めとする仲介国の後押し、さらには国際社会と連携をして、しっかりと外交努力を続けてまいりたいと思っております。

村岡委員 時間が参りましたので、次の長友議員に譲ります。よろしくお願いします。

 ありがとうございました。

坂本委員長 この際、長友慎治君から関連質疑の申出があります。浅野君の持ち時間の範囲内でこれを許します。長友慎治君。

長友委員 国民民主党の長友慎治でございます。

 私からは、中東情勢の影響を受ける農業の課題につきまして、まずは冒頭、質問させていただきたいと思います。

 お手元に、農水省が発表した農業物価指数の記事が配られております。これは六月二日の農業新聞の記事でございますが、農産物や生産資材の価格動向を表す農業物価指数について、今年四月の値が農水省から発表をされております。二〇二〇年の価格を一〇〇とした場合に、生産資材全体の指数が一三〇・八となり、これが過去最高となっております。つまりは、二〇二〇年から比べると三割以上生産資材が上がっているということになります。

 A重油を始め幅広い品目で上昇していることがこちらの資料、グラフからも分かると思いますが、価格が上がったものを品目別に見ていきますと、まず、種苗、種、苗が一二六となって、これが前年同月から一〇・八%上昇しております。そして、農薬が一一八・九、これが前年同月比一・六%の上昇。光熱そして動力が一四四・一、前年同月比三・七%の上昇。そして、農機具、こちらが一一六・九なので、前年同月比四・三%の上昇です。いずれも過去最高の上昇なんですね。

 光熱動力のうち、A重油の指数が一八五でございます。過去最高だった前月から更に上昇している状況です。これはもう間違いなく中東情勢の悪化の影響が表れていると見られます。農機具においては、くわ、鎌などの小さい農具、そしてトラクターなどの大きい農具のいずれも上がっている、そういう状況があるわけですけれども。

 このグラフを見ていただけますと一目瞭然なんですけれども、農産物を作るための資材、農機具、種や苗、光熱費、動力費は過去最高に上がっているのに、農産物の価格が下がっているんですね。

 浅野委員のまとめていただいた資料の中にもありました。今、消費者の皆さんは、生活防衛意識も働いて、安い商品を選ぶと答えている方が六割、六五%以上いらっしゃいますので、なかなか食べ物、農作物に対して価格転嫁というのをしにくい状況になっております。これでは生産者の方々が利益が出せないということは、皆様も十分お分かりだと思います。

 この中東情勢のあおりを受けている生産者にとっては、かなり深刻な問題でございます。生産コストが上昇しているにもかかわらず農産物価格が上がらない今こそ、この一次産業の皆様への支援が必要だと思いますが、今回の補正予算での手当てはしないのでしょうか。こちら、農林水産大臣に伺いたいと思います。

鈴木国務大臣 まず、今回の補正予算ですけれども、中東情勢が不透明である中で、今後の物価動向や経済に与える影響を注視しつつ、国民の暮らしや経済活動に支障が生じないよう適切に判断をし、また、必要に応じてタイムリーに対応するため、重点支援地方交付金や予備費を措置をし、リスクの最小化の観点から万全の備えを取るものだというふうに理解をしております。

 御指摘の物価や生産コストの上昇に対しましては、これまでも、政府として、中東情勢を踏まえ、ガソリン価格を一定程度抑えるという措置が実施をされておりまして、農林漁業者の皆様の負担は一定程度軽減をされてきているというふうに認識をしております。

 さらに、農林水産省としても、燃油や飼料の価格の高騰に対して補填金を交付する制度、これを措置をしておるほか、農林漁業セーフティネット資金などに対する金利負担軽減の措置も講じております。

 また、これから、四月以降ということですが、食料システム法に基づきまして生産コストを考慮した取引を促進するとともに、農業構造転換集中対策による生産性向上や付加価値向上を図り、農林漁業者の置かれた環境に寄り添い、支援に努めております。

 長友先生から御指摘のこの統計なんですけれども、農産物全体は下がっていますが、分析しますと米と野菜と生乳というふうに分かれまして、基本的には米と野菜のところが、米は昨年から徐々に徐々に下がってきているという状況と、野菜は作況でかなり振れているという状況で今ちょっと下がっているという状況で、生乳は徐々に、逆に言うと上がってきているという状況であります。

 各品目によって、要するに、経営状況がどうなのか、資材価格の上昇が与える影響がどうなのかというのはしっかりと分析をさせていただきます。その上で、農林漁業者の皆様が安心して経営を継続いただけるように、必要な対応はしっかりやらせていただきたいと思います。

長友委員 大臣、ありがとうございます。

 大臣からは、しっかりと分析をした上で、これまでどおり、支障が生じないように、また万全の対策を取っていただけるということですので、生産者の皆様にはしっかり踏ん張っていただきたいと思うんですけれども、とはいえ、やはり、品目によっては上がり下がりがある中でも、全体的に農産物の価格転嫁というのは進んでいないというのが実態であることは、もう調査で分かっているんですよね。

 価格転嫁ができた農産物は三割だというふうに言われております。七割のものが価格転嫁できていないという状況の中で、総理に伺っていきたいと思うんですけれども、野菜や米などの適正価格、米の騒動から国民の関心が高くなっている部分ではありますけれども、適正価格を決めるのはやはり私たち消費者であるというところが大きいと思います。

 今年の五月二十日に改正食育基本法が成立をしております。生産現場と食卓との距離を近づける農林漁業の教育の充実であったり、大人の食育の推進などが柱となっているわけですが、消費者が農産物の価格を適正価格で買うかどうか、生産者に思いを寄せて再生産可能な価格で買うかどうかは、食育が極めて重要だと私も認識をしているところでございます。

 総理は、食材の向こうにある産地や作り手の皆様に思いを寄せたいと、改正食育基本法の施行を受けて、御自身のSNSでも投稿をされていらっしゃいました。食育基本法が制定されたのが二〇〇五年、高市総理は二〇〇六年発足の第一次安倍内閣で内閣府特命担当相として入閣されまして、食育も担当されていたと聞いております。

 農産物全体の生産コストが上がっていく中で、農産物そのものの価格が上がらない、利益が出ない、生産者の所得が安定しない事態を、食育の観点からどのように受け止めて、また、政府として取り組むべき手当てをどう認識されているのか、伺いたいと思います。

高市内閣総理大臣 食育の観点からということですので、改正食育基本法でございますが、食卓と農林漁業の現場とのつながりの強化ですとか、生産、流通に係るコストへの理解の促進といった新たな課題に対応しようとするものでございます。政府として、学校における農林漁業教育を通じた食育の強化、それから企業を巻き込んだ大人の食育運動など、食育施策の充実に努めてまいりたいと思っております。この改正食育基本法の改正に御尽力をいただいた超党派の議員の皆様には、改めて敬意を表したいと存じます。

 その上で、よく農林水産大臣も申しておるかと思いますけれども、先ほど言った生産性の抜本的向上、これは、農地の大区画化ですとかスマート農業技術、これも導入を加速化しなきゃいけません。それから、付加価値の向上という話もさっき申しておりましたが、これも、品種保護によるブランド化ですとかきめ細やかなマーケティングも必要だと思います。

 だから、農業の収益力を高める取組を進めるということと、さっき答弁があった食料システム法でちゃんと生産コストを考慮した取引というのも促進しなければならないと思います。食育とともに非常に重要な取組ですので、力を入れてまいります。

長友委員 総理、ありがとうございます。

 総理は超党派の議連の事務局長もされていたということで、食育に対しては思い入れが非常にあると思います。生産者の今の現状に消費者も思いをはせていくことで、少しでも持続可能な価格形成というものに私たち日本人が取り組まなければ、国内で農業や一次産業を頑張っていただいている皆様がどんどんいなくなってしまいますので、この点は国を挙げて是非取り組んでいくんだというリーダーシップを、また総理にもお願いしたいと思っております。

 続きまして、漁業者の現状について少しお話をさせていただきます。

 中東情勢の緊迫化による燃料の供給不足や価格高騰の影響が、漁業にも波及をしています。漁期を迎えても燃油の確保が間に合わず、出漁制限を余儀なくされた全国の漁協からは、悲痛な声が聞こえてきます。

 私の地元の宮崎県には、近海カツオの一本釣りで日本一の日南市がございまして、この日南市の南郷漁協でも、漁を工夫して重油の高騰をしのいでいるところでございます。通常どおり一週間かけて遠い漁場までカツオを追えば重油を多く消費しますので、早めに切り上げて燃料を節約しているというのが現状です。量より鮮度を優先することで一匹当たりの単価を向上させようと、あの手この手で工夫をしているということでございますが、どうしてもカツオは北上していきますので、この北上に合わせて、時期によって沖縄県の周辺から宮城県周辺まで漁場を探すために、一隻当たりの重油代が年間約一億円に上るということでございます。国の補助金があっても、重油は約二〇%以上値上がりをしていますから、負担はかなり大きい状況でございます。

 中東の事態が長引けば廃業者が出ることも危惧されると現場からは声が上がっておりますが、漁業者に対する手当てをこの補正予算でできないのか、農林水産大臣に伺いたいと思います。

鈴木国務大臣 お答え申し上げます。

 農林水産省では、漁業経営に占める経費の割合が高い燃油の価格高騰に対して、経営への影響を緩和するための補填金を交付する制度を措置をしております。具体的には、イラン情勢が悪化をいたしました今年二月末以降を含む、まず一から三月分について、リッター当たり二十一円の補填金を交付することとなっておりまして、そしてまた、その支払いも、漁業者の資金繰りに配慮させていただいて、希望者には特例的に、本来六月二十三日に支払う予定であったのを、五月二十日に前倒しをして支払いをさせていただいておりまして、当面は一定程度価格高騰による影響緩和がなされるものというふうに考えております。

 また、この燃油の高騰等による操業機会の減少に伴う減収があった場合は、漁業収入安定対策事業による補填の対象となります。このほかにもセーフティネット資金が利用可能でありまして、本資金に対する金利負担軽減などの措置も講じております。

 今後も、燃油価格の動向をよく注視しつつ、漁業、漁に出る皆さんがしっかりと安心して経営が継続できるように、こうした取組は着実に実施をさせていただきます。

長友委員 大臣から、前倒しでも対応していただいているように、政府も問題意識を持っていただいているということでございますが、漁師の皆さん、漁業の皆さんが不足しているものは、燃油代だけじゃなくて、発泡スチロール等の、競りにかけていく、また出荷する、そういうところのナフサ由来の資材も当然今不足しているわけでございます。

 また、オイルの問題も大変重要でございます。

 もう一つの事例でございますが、私、先週の金曜日、地元の宮崎延岡でございますけれども、大型定置網をしている漁師のところに行ってまいりました。

 ちょうど台風が近づいておりましたので、沖合二キロに設置した定置網、これは一枚の網が約六百メートルほどあります、それを五枚使っている定置網なんですけれども、その網を漁船の甲板に設置した巻上機で、これは油圧式のローラーなんです、これで巻き上げているというところでございました。台風が来たときに海の中にあったら、それがロープに絡んだりして破断してしまいますので、一回巻き上げて陸に揚げて、避難させないといけないわけなんですね。それが、二日かけてゆっくりと巻き上げていきますから、かかるんです。

 この網の値段が、大体一枚六百メートルぐらいあると三千万近くするんですね。それを五枚使っていますので、この台風のときに巻き上げが止まったりしたら、もう一億五千万がパアになるので、会社は破産ですよというお話で、私は呼ばれたんですね。

 どういう状況かというと、この網を巻き上げる油圧式のローラー、このローラーのオイルが足りないんだということでございます、タービンオイル。この十九トンの定置網なんですけれども、一隻で約千リットルのタービンオイルを使うんだ、これが替えどきになっている今、替えたくても替えられない。そうなると、油圧式のローラーの巻く力が弱くなってきて、途中でもし止まったりしたら、本当にこれから大変だということを訴えられました。

 台風が来るときには、網を上げてそして陸に揚げて、また修繕、補修して、そしてそれをまた二日、三日かけて海に落として戻していくんですけれども、これから台風シーズンです。一週間たったらまた次の台風が来て、そしてまた二日かけてローラーで巻き上げて、そしてまた台風をやり越してということが頻繁にこれから想定されるのに、その油圧が非常に重要になってくるローラーのタービンオイルが切れている、これは本当に会社にとって死活問題なんですと非常に強い調子で訴えられました。

 本人も、漁師さんもいろいろなところに問い合わせたということなんですね。いつもは漁連で買っていますので漁連に問い合わせても、ない、オイルのメーカーであるヤンマーさんにも問い合わせたけれども、ないということで、そこで言われて、私もなかなか、寄り添いたいんだけれども、現実ないということに対して申し訳なく思ったのが、政府としては、全体では足りている、でも、目詰まりしているので、その目詰まりが解消されればいずれ手元に行きますからという説明をしても、漁師さんからすれば、台風シーズンのこの今、オイルがなかったら意味がないわけなんですよね。

 日本全体であるんだったら教えてくれ、そこに買いに行くから教えてくれとまで言われました。物があるんだったら高くても買うんですと。だって、それが入らなかったら、もう網全部、一億五千万がパアになってしまうんですから。でも、ないから困っていて、どこにあるのかが知りたい、目詰まりしているんだったら目詰まりしている場所を教えてほしい、若しくは、目詰まりが解消されて自分のところでオイルが手に入るタイミングを教えてほしい、そうしないと毎日生きた心地がしない、それぐらい現場では悲痛な思いで操業をしていただいているわけなんです。

 タービンオイルなどの潤滑油系のオイルの目詰まりは、いつ解消されるのか。お答えは難しいとは思うんですが、漁業者は本当に切実な思いで訴えていらっしゃいますので、大臣の見解を伺いたいと思います。

鈴木国務大臣 まず、潤滑油全体の供給状況ですけれども、令和八年三月の国内出荷量で見ますと、対前年同月比で一四二%の約十八万キロリットルとなっております。前年を大きく上回る量が出荷されておりまして、これは、要は、供給不安を抱く流通事業者や需要家が大量注文したということが要因だというふうにされております。

 こうした状況の中で、漁船で使用するエンジンオイルなどの潤滑油について、漁業者の皆様から、注文しても納品が遅れている、そして価格が高騰しているなどの声が我々のところにも寄せられております。

 今、農林水産省では、漁業者から、潤滑油が購入できないといったことについて、数量やメーカー、販売店など、情報が寄せられた場合は、速やかに、経済産業省と一緒になって、目詰まりの解消に向け一つ一つ丁寧に対応を行っております。実際に、幾つかの漁協からももう既に御相談いただいて解決をできたところもたくさんありますので、是非、今の先生のところを、この質問の後、至急問合せをさせていただきたいというふうに思いますし、すぐ解決できるようにさせていただきます。

長友委員 農水省の皆さんと経済産業省の皆さんで連携して、遡り調査等、一生懸命個別案件に対応いただいているということも承知をしております。

 どうしても政府の情報の発信が、日本全体では足りている、そして、来年分まで、年度を越して確保できているという情報ばかり入っていくと、現場には、地方の中小企業には来ていないものですから、その点においてのギャップというものがどうしても生まれますし、私たちは地元の声を代弁する立場としても、なかなか政府の説明どおり説明しても、いや、現場と違うよということを政府にはお伝えしないといけないと思っておりますし、その声を是非、政府にも寄り添っていただいて、御対応をお願いしたいと思います。

 次の質問でございますが、夏を迎えまして、熱中症予防のためにも欠かせないエアコンの設置の現場でも混乱が起きております。

 中東情勢の影響で、ナフサ由来の供給が不安定になっているので、ナフサ関係の部材が入ってきていないということもありまして、まず、エアコンの設置の料金の値上げというのが各地で起こっているんですね。

 それにプラスして、来年の四月からエアコンの省エネ基準が厳しくなりますので、今のうちに価格が安いエアコンを設置しようということで、私の地元の宮崎では、この五月の段階で例年の七月並みの需要があって、エアコン設置業者が非常に忙しい。宮崎市のディスカウントショップの方の売場に行きましたら、エアコンの設置の御依頼はしばらく中断しますという張り紙がされておりました。それは、エアコン設置業者の皆さんが対応し切れていない状況があって、部材が足りないということでございました。

 そのように、今現場では、エアコンの省エネ基準が上がることも相まって、二〇二七年問題を控えていることによる駆け込みの需要も起きているという状況です。

 例年七月は、これから電気代の補助も政府は考えていただいておりますけれども、エアコンを節約しろとは言わないで、やはり熱中症予防には使ってもらわないといけませんよね。ですけれども、設置できないという悩みが今実際に起きております。その理由は、やはりナフサに由来する部材が足りていないということなんですね。室外機とエアコンを結ぶカバーが不足しているとか、配管を通した壁の穴を埋めるパテが足りないとか、室外機の土台となるプラスチックのブロックや配管同士をまとめる配管化粧テープが足りない、そういうことが起きているんです。

 ナフサ由来の製品の必要量は足りているという話ではあるんですけれども、やはり現場ではこういう状況になっているということに対して、赤澤大臣に、どうすればエアコンの設置の現場が今こういう状況になっていることを解消できるのか、伺いたいと思います。

赤澤国務大臣 ちょっと冒頭、委員からも御指摘いただき、再三指摘をいただいているので、国全体で量が足りていると私どもが繰り返し申し上げていることについて一点だけ申し上げておきたいのは、これは、量が足りているにもかかわらずそこの発信をやめた場合、更にやはり不安になって、買占め、やはり足りないんだ、その事態は絶対招いてはいけないので、私どもはそれを繰り返し、意図的に発信するようにしています。

 ただ、現に足りない人にとっては、それについて非常に気分を害される向きがあることも分かっておりますので、全力で、各省数百人体制で、それこそ土日も返上してサプライチェーンを遡って努力している最中ですので、その辺は、そういう事情で我々が繰り返し発信をしていることについては御理解いただきたいと思います。

 その上で、エアコン設置料金の上昇理由は、中東情勢だけに限るものではない。実際に、中東情勢が始まる前に人件費の上昇や設置に用いる資材の価格上昇が既に起きていたということは認識しておりますので、なかなか中東情勢の関係だけで解消できるものではないのであります。春先の暑さや省エネ基準の変更により、四月のエアコン売上げは前年同月比で二十万台以上増加するなど、需要の急激な拡大も設置料金の上昇につながっているところがあります。

 その上で、ナフサ由来の石油関連製品は年度を越えて供給できる見通しでありますが、ナフサ等石油関連製品の価格が上昇傾向にあり、中小企業を含む事業者の皆様への影響を我々は注視をしております。

 既に申し上げたとおり、エアコン設置料金の上昇が必ずしも中東情勢だけで起きているわけではないことを鑑みると、現時点でエアコン設置料金の上昇が抑制される時期をお答えすることはなかなか難しいのでありますが、しっかり動向を注視しながら、そして、できるだけ、必要なものについて何かしら直販のような仕組みができないかについては、引き続き、シンナーから手始めに始めましたけれども、検討を続けておりますし、そういうことも含めて、供給の偏りや流通の目詰まりを少しでも早く、一つ一つ確実に解消していきたいというふうに思います。

長友委員 赤澤大臣からの発信の意図も受け止めた上で、私たちも地元の皆さんに説明していきたいと思いますが、本当に現場の皆様が苦しいということに対する寄り添う気持ちを一緒になって持っていていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。

坂本委員長 これにて浅野君、村岡君、長友君の質疑は終了いたしました。

 次に、斎藤アレックス君。

斎藤(ア)委員 日本維新の会の斎藤アレックスでございます。

 まず冒頭、赤澤経産大臣に質問をさせていただきますので、高市総理大臣におかれましては御退席いただいて結構でございますので、どうぞ御退席いただければと思います。

 では、私の方からも、先ほどの長友委員の質問とかぶるところがあるんですけれども、まず現下のイラン情勢を受けた物資不足について質問をさせていただきたいと思います。

 ナフサ由来の建築資材が川下に届いていないという声、また、消費者目線では、ごみ袋が足りなくなるんじゃないかという御不安の声も我々にも届いているところでございます。私も先週末、地元の大津の青年会議所の友人にいろいろ聞きましたけれども、ゴールデンウィーク前から、あと少しすると工事ができなくなるという建設関連の業者さんがたくさんいらっしゃったんですけれども、現在に至っても、もうすぐ工事ができなくなるという状況が変わっていないということで、中小の、あるいは個人の事業主さんが多いわけですけれども、そういった状況が続いているということでございました。

 しかし一方で、本日、また以前から赤澤経産大臣からお伺いをしていますけれども、総量としては当然ナフサも足りているし、また、ナフサ由来の建築資材についても生産量は落ちていないんだというお話も伺っているところでございます。

 まず、実際のナフサ由来の建築資材の供給状況について、改めて具体的な状況を赤澤大臣にお示しいただきたいと思いますし、また、供給量自体に問題がないのに流通の目詰まりが起きてしまっているということでございます。具体的に主要な問題点を改めて明らかにしていただきたいと思います。いかがでしょうか。

赤澤国務大臣 委員から、今、日本全体として必要な量は原油、石油製品共に足りているということについては理解をいただいているということでございました。

 じゃ、具体的にどうなんだということで、ナフサから製造される、例えばシンナー、塗料、印刷インキ、コーキング材、塩ビ管など、特に建設関係に使われるものについてお話をすると、シンナーについて言うと、三月は一一六%、前年同月比で生産されています。同様に申し上げると、塗料が一一一%、印刷インキが一〇四%、コーキング材は九九%ですが、建築に係る戸建て用になると一〇五%、塩ビ管が一一六%、潤滑油はナフサから作られるものではないですが、先ほども質疑の中で出ました一四二%ということなので、確かに、やはり製品は作られているんです、国内に出荷されているということがあります。

 それで、じゃ、なぜと。しかも、もう一つ加えて言うと、塗料、シンナー、印刷インキ、塩ビ管、断熱材、ユニットバスの業界からは、八つの団体から五月末に、足下の供給量は安定、増加し、今後も継続的に供給できる見通しであることが発信をされています。

 原因について述べよということでありましたが、今発信したことも、実はその原因が分かっているからやっていることでありまして、足下の課題、供給の偏り、流通の目詰まりなんですが。

 まず原因として、目詰まりということでいえば、川上と川中で供給見通しが共有されず、供給量を制限している。端的に言うと、前にもお話ししたことがある、四月は例年並み、五月は未定という通知が川上から来たら、シンナーメーカーがもう四月の供給量を半分にしてしまった。四月は例年並みと言われても、不安だから半分ということがあります。それから二番目に、事業者間のコミュニケーション不足で、受注していたんだけれども、入荷したのに入ったよという連絡を、もう物すごく注文が来るからしていませんというコミュニケーション不足があります。それから三番目は、これは私の地元でもあったことですけれども、接着剤を通常の十倍以上発注しているみたいな、過去の実績以上の発注というので。この三つがそこら中で起きていると、これはなかなか、量的には多く生産していても結局行き渡らない人がいるということになります。

 ということがあるので、川上の製造事業者の供給状況も確認しつつ、川中から川上の状況も丁寧に把握して、問題が起きているところを一つ一つ発見をしたら手を入れていくということをやっている。一方で、例えば、一番多い建築関係の一人親方、工務店が利用されるホームセンターについては、前年同月比同量を買ってください、そして不安になったらまず経産省に御連絡くださいというポスターをべたべたと貼らせていただいて、そういう努力もしているところであります。

 原因は、今まさに委員がお尋ねいただいたのでお話しできた三つですので、それについて何とか改善しよう、解消しようとしております。

斎藤(ア)委員 ありがとうございます。

 今大臣からも御紹介がありましたけれども、私の地元でも、資材が足りないという建設業者がほとんどですけれども、詳しく話を聞くと、いや、うちはこの前多めに買っておいたから大丈夫なんだよとおっしゃる方もいて。

 やはり業者の中でも、同じ規模でもそういった状況になっているということで、業者間でそういったことにならないよう、業界団体の皆様にもしっかりと発信をしていただいて、皆さん、買いだめをやめてください、いつもより確保する量を増やすのをやめてくださいということを発信をしていただくことが極めて重要だと思っていますが、マスコミの報じ方とかメディアの伝え方なども影響して、そういったところで不安がなかなか解消されない状態なのかなと思います。

 そのことについて、何か今後、経産大臣から、マスコミ、メディア向けの情報発信について、既にもう始められているところがほとんどだと思いますけれども、こういったことで不安を解消していきたいというコミュニケーションの方針みたいなものがありましたら、是非教えていただければと思います。

赤澤国務大臣 大変ありがたい御質問で。

 やはり私どもとしては、少なくとも認識として、国全体としては供給量は原油も石油製品も足りていると。しばらく前まで年は越えられると言っていましたけれども、年度も越えられるぐらいの状況に今なってきています。

 そういう意味では、なかなか、不安があるので、不安を乗り越えて素直に通常どおりのものしか買わないとかは難しいとは思うんですけれども、とにかく全体量は足りているということは、国民の皆様が、何か時々不愉快になられる方もいますけれども、経産大臣があれだけ言っているんだから、とにかく量は足りているんだろうということについてはまず理解をいただくということと。

 あと、今日も委員の先生方から御質問いただいて大変ありがたかったことに、原因は三つだと。とにかく供給を、コミュニケーションができずに、例年どおり原料は入ってきているのに不安の余りぼおんと絞っちゃうとか、それから、コミュニケーションが取れていないとか、あるいは、ふだんの十倍買っちゃうとか、そういうのが原因だということははっきりしていますので、そういうことが起きそうなところには、先ほども、ホームセンターにポスターを貼るとか、それから、業界団体にもお声をかけて、それぞれの傘下のところに声をかけていただく。ホームセンターの場合、一人親方とか工務店、これはなかなか業界団体とかから手が届きませんので、ホームセンターで買われている方たちのところにそういうもので届かせようとしているということがあります。

 とにかく、地方支分部局と本省も連携し、プッシュ型で一つ一つ目詰まり解消を進めておりますし、さらには、是非御理解いただきたいのは、シンナーについても、総理からも御発信いただきました、元売から直、シンナーメーカーに卸すやり方で例年の一・八倍の供給拡大をしますので、これにより、間もなく必要な物資が相当なところに行き渡ることが期待できるとともに、需給逼迫による価格上昇分も下がってくるとか。そういったことは、是非、国会でこういう質疑の中で明らかになったことを国民の皆様に御認識をいただいて、しっかりその辺は行き渡らせていきたいというふうに思います。

 私どもは、毎日担当官が広報をしたり、SNSもMETIということでやっておりますし、最大限できる限りの周知、広報をやって認識を共有した上で問題を乗り越えていきたい、いろいろな目詰まりや供給の偏りを一つ一つ解消していきたいと思っております。

斎藤(ア)委員 ありがとうございます。

 経産省のホームページやまた国交省のホームページでも問合せフォームがありまして、特に緊急な要件からしっかりと一つ一つ、各省の皆様が対応して供給をしていただいているところでもありますので、是非、テレビを御視聴の皆様におかれましても、そういった情報がありましたら即座に気軽に国交省そして経産省にお寄せをいただいて、解消に向けて取り組んでいければというふうに考えております。

 では、少し内容を変えまして、次に、自由民主党と日本維新の会の連立合意に基づく重要施策の推進に関して、総理大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。

 昨年の十月二十日に連立を組ませていただきまして、その後、共に与党として様々な施策を今、我々日本維新の会も、自民党と、また高市政権とともに推進をさせていただいているところでございます。今は補正予算の審議というところでございますけれども、いよいよこの国会の会期も残り一か月強となりましたので、連立合意に記された重要施策について、しっかりとスケジュールを把握をしながら推進を行っていかなければならないという思いでございます。

 まず、副首都構想というものが、今、自民党と日本維新の会での協議、交渉が行われております。こちらに関しましては、多極分散型の日本経済をつくる。今、東京一極集中が続いてしまっている、それは経済的にも、また行政機構的にも大変リスクがあるということで、日本に副首都をつくって、多極分散型の日本経済、強い成長する日本経済をつくっていこう、そしてリスクに対応していこうということを連立合意で合意をさせていただいて、そして、三月の三十一日には総理大臣官邸にも伺って報告をしましたけれども、副首都法案の骨子について合意をさせていただいたところでございます。

 今般、衆議院法制局にも御尽力をいただいて、各省庁にも御尽力をいただいて、この副首都の条文、法案が作成をされたところでございまして、今、自由民主党そして日本維新の会の各党の部会で審査を行っているところでございます。

 連立合意にあるとおり、この法案についてはこの国会中にしっかりと成立をさせて、そして速やかに日本の多極分散型経済圏を実現をしていく、リスク対策を進めていく、そういったことが必要だと思っておりますけれども、改めて、この副首都構想、多極分散型経済圏の創出に対する総理大臣の決意と御認識をお伺いしたいと思います。

高市内閣総理大臣 東京一極集中の是正ですとか大規模災害時の危機管理機能のバックアップ体制を構築するということについては、これまでも答弁しているとおり、大変重要だと考えております。

 いわゆる副首都構想につきましては、斎藤委員に会長を務めていただいている与党による協議体において精力的に御議論をいただいてきたということも承知しております。三月三十一日に法律案の骨子案が合意され、今のお話ですと、もう条文化をされて、各党、審査の段階なのかと思います。

 ちょっと内閣総理大臣の立場での申し上げ方は難しいんですけれども、今国会への法案提出に向けた調整が行われているということについて、関係者の皆様の御努力に敬意を表します。御議論をスピード感を持って深めていただきたいと存じます。

斎藤(ア)委員 ありがとうございます。

 しっかりと自由民主党の担当の方と連携をさせていただきながら、今総理がおっしゃっていただいたように、スピード感を持ってこちらの施策を実現するべく取り組んでいきたいと考えておりますので、引き続き、総理にもリーダーシップを発揮していただけますと幸いでございます。

 また、もう一つ本日お伺いをさせていただきたいのが、定数削減についての総理の見解と決意に関してでございます。

 日本は人口減少社会に突入をして久しいわけでございますし、また、様々なテクノロジーを活用した業務の効率化というものを図れる時代となってきました。

 何よりも、かつて日本の政治が繰り返し繰り返し約束をしていた定数削減については、合意し、実現するべく、この連立政権では取り組んでいるところかと思いますけれども、こちらも今、国会会期末が近づいて意識をしなければならないタイミングだと思いますので、改めて総理にも、この定数削減に関する、実現に向けた総理の見解と決意をお伺いをさせていただきたいと思います。いかがでしょうか。

高市内閣総理大臣 これも総理の立場としてはお答えしづらいと言ったら怒られてしまうかもしれませんが。

 衆議院の定数削減の話でございますから、やはり国会の方でお決めいただかなきゃいけないんですが、自民党においては、日本維新の会と連立政権合意書を交わしていますし、さきの衆議院議員選挙でも政権公約として掲げておりますので、その実現に向けて真摯に取り組んでいくものと考えております。

斎藤(ア)委員 私も、先ほど報道で、自由民主党の政治改革実現本部ですかね、そこで推進に向けた具体的な発言が幹事長からもあったというふうに伺っておりますので、引き続き、連立与党の連立合意に書かれた重要施策をしっかりと実現をし、さらに、今後、信頼感を持ってこの連立政権で日本の改革を進めていく、強くて豊かな日本経済をつくっていくという、そういった仕事を共に進めていけるように、しっかりとこの国会で結果を出していきたいと考えておりますので、引き続き、総理の御指導と御鞭撻を賜れればと考えております。よろしくお願いいたします。

 また、もう一つ、今回の補正予算と少し離れてしまうかもしれませんけれども、経済成長戦略について最後にお伺いをしてまいりたいと考えております。

 先般、国会議員も複数名が参加をして、自動運転の車に試乗するという機会がありました。こちらは私は参加していないんですけれども、参加をした我が党の議員からは、大変安全で快適で、そして技術の進歩をすごく感じたということで、期待感が政治の中でも高まっているというふうに考えております。

 この自動運転については、日本では過疎化が進んだり高齢化が進んだりしていますので、高齢者の方々の移動権を確保していく上でも重要ですし、また、地域の公共交通機関、バス路線などを維持していく上でも大変重要な技術になると考えておりますので、国策として自動運転の実現に国を挙げて取り組んでいくということは、これは論をまたないことだと考えております。

 ただ、そのためには、多岐にわたる様々な課題を整合的に調整をしていくことが重要でございまして、各省ばらばらでやっていても、全く規制改革が進まず、自動運転が導入できずに、またあのカーボンニュートラルのように中国に先を越されて産業を奪われてしまうという結果につながりかねないと考えていますので、日本だからこそ、自動運転が特に重要な日本だからこそという意味も込めて、そして産業を握っていくという観点でも、しっかりと司令塔を設けて自動運転を推進していくことが必要だと考えております。

 具体的に少し例を挙げますと、例えば、今の道交法においては、自動運転では、周りの車両速度が速い中でも制限速度を必ず守らなければならないということになっていて、例えば周りが、私がそうしているわけじゃないですけれども、六十キロ制限のところを周りが八十キロで走っているときに、自動運転の車だけ六十キロで走っていると渋滞が起きたり、逆に危ないとか、そしてそれを追い抜こうとして事故になってしまうとか、そういったことが起きる危険性もありますので、この制限速度を自動運転時代にどう考えていくのかということも整合的に整備をしていかなければなりません。

 また、今の道交法の規定上では、自動運転においては常に、一秒たりとも人間が監視を絶やしてはならないとなっていますので、もし一瞬でも通信が途絶すると、すぐに運転を停止しないといけない、そういった法律になっていて、自動運転でも常に中に、誰か人が運転席に座っていないといけないような状況になってしまっています。

 そのほかにも、例えばバスで自動運転をする際にも、何か事故があった際に必ず救護をしなければならないという規定になっていますので、結局、自動運転でも中に人がいないといけないというような、そういったことにもなっています。

 あと、もう一つ重要なことは、自動運転で事故が起きたときに、どういった責任の所在にしていくのか、そういった明確化をしていくことも大変重要になってくるわけでございます。

 まさに様々な省庁が関わる課題があります、省庁横断で、省益を超えて取り組まないといけない課題がありますので、政府全体を束ねる司令塔機能を強化して、総理自らが強いイニシアチブを発揮すべきではないかと考えているところでございます。

 その際、こういった様々な規制改革とインフラのデジタル化に関わる政策展開が必要になることを考えると、これはデジタル庁が果たすべき役割が大きいと考えていますけれども、総理の見解と決意を伺いたいというふうに思います。

高市内閣総理大臣 自動運転は、我が国が力を入れて進めるべき重要政策の一つです。社会実装を早くすることによって、様々な課題解決にもつながります。

 それから、いろいろ御指摘をいただきましたが、社会実装に当たって、技術開発の推進、それから自動運転車両の導入促進、またビジネスモデルの確立、インフラの整備、それから規制への対応、社会的受容性を向上できるかどうか、様々な課題への対応が必要です。だから関係する省庁が多くなっているんですが。

 私が議長を務めて、松本デジタル大臣が副議長である、各省庁間の総合調整を行うデジタル社会推進会議がございます。ここで各省庁の施策を一体的に推進するロードマップを策定してきました。先ほど、もし事故が起きたときの責任という話がありました。あれも政府の取組が少し目標より遅れているかなと思いましたので、すぐ松本大臣に指示をしましたら、本当に一生懸命調べて、いろいろ対応をしてくれました。

 自動運転の社会実装に向けた取組につきましては、これまでもですけれども、今後とも松本デジタル大臣に司令塔としての役割を担ってもらうつもりでおります。

斎藤(ア)委員 ありがとうございます。

 やはり、民間企業の自動車産業への投資を引き出すためにも、産業の予見可能性というのは大変重要になってきますので、必要な制度整備などをしっかりと迅速に行っていくことが大変重要だと思っております。

 そういった観点で、今総理が明確にお示しをいただいたように、松本デジタル大臣を司令塔として、警察庁、国交省、経産省、法務省、消費者庁などを引きずり出していただいて、そして世界に先んじて制度整備を行っていただくことが、日本の基幹産業である自動車産業の未来を握っていると言っても過言ではないと思っております。

 改めて、このことについて、松本大臣に対しては、各省庁の抵抗もあるかもしれませんけれども、それをねじ伏せていただいて、司令塔役として、日本の自動運転の制度整備を世界に先んじて進めていただきたいと思っていますけれども、いかがでしょうか。

松本(尚)国務大臣 これまでも、デジタル社会推進会議のワーキンググループの中ではデジタル庁が総合調整機能を担ってきたところですけれども、今総理からも明確に、司令塔として仕事をしろという御指示がありましたので、各省庁と、ねじ伏せるような乱暴なことはせずに、確実に自動運転を進めてまいりたいと思います。

 ありがとうございます。

斎藤(ア)委員 ありがとうございます。

 やはり何でもそうですけれども、司令塔がいて、しっかりとそこが牽引をしていくということが各方面で必要になってくると思っていまして、まさにこの自動運転はそうだと思っておりますので、デジタル担当大臣、松本大臣のリーダーシップに期待をさせていただいて、我々も全力で協力をさせていただきたいと思っています。

 最後に、自動運転もそうですけれども、いわゆるフィジカルAIと呼ばれる、今は、AIというのはデジタルで回答を返してくれる、そういったことがメインですけれども、今後、AIが自分で判断して自動車を運転したり、あるいはロボットとして何か行動を起こすという、そういったフィジカルAIが大変重要になってきますので、これを日本としてもしっかりと握っていくということが大変重要でございます。

 当然、フィジカルAIのためには、半導体が極めて重要でございます。そういった意味で、ラピダスで思考の部分の半導体、あるいは、今本当に好調なキオクシアさんではメモリーについて取り組んでいただいている、そのほかにもTSMCの誘致であったりということで、政府としても、ここに日本の命運を懸けて取り組んでいただいているところかと思います。

 ただ一方で、フィジカルAIでは、思考部分だけではなくて、センサーなどが大変重要になります。電子部品も大変重要になります。センサーについては、まさにソニーさんに代表されるようなイメージセンサーで日本は今強みを持っているわけですけれども、これもしっかりと振興していかないと、また昔は強かったよねというものの一つになりかねないと考えています。

 しっかりと、こういったフィジカルAIに関連する重要な物資についての支援を行っていくということも大変重要だと考えておりますので、この点についても総理の見解を伺いたいと思います。

高市内閣総理大臣 センサーは、周囲や内部の状況を知覚する重要な役割を果たすんですけれども、フィジカルAIにとっては不可欠でございます。

 例えば、人間の目の機能を担うイメージセンサー、今おっしゃっていただきましたが、これは必要不可欠な半導体ですから、政府としても、今年の四月に、ソニーに量産投資の支援を発表したところでございます。それから、電子部品についても、安定供給確保支援基金を活用して、磁気センサーなど重要電子部品の国内投資や研究開発の支援を着実に進めております。この夏に日本成長戦略を取りまとめるんですが、センサーや電子部品の国内投資をしっかりと後押ししてまいります。

 半導体分野の官民投資ロードマップでは、二〇四〇年に売上高四十兆円を実現する目標を掲げることにしておりますので、実現に向けて取り組んでまいります。

斎藤(ア)委員 ありがとうございます。

 先ほどお話をさせていただいた自動運転については、やはり規制改革が必要だと思っています。今、日本維新の会としては、規制改革を中心とした提言の取りまとめをさせていただいていて、来週にも城内大臣にお渡しをさせていただく予定ですので、是非そちらも踏まえて様々な分野の規制改革と産業の発展に取り組んでいただきたいということを最後に申し上げて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

坂本委員長 これにて斎藤君の質疑は終了いたしました。

 次に、豊田真由子さん。

豊田委員 参政党の豊田真由子でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

 まず冒頭、国会質問とは何かということをちょっと考えさせていただきたいと思います。

 と申しますのは、私、今日、実は、文科省さんに部活動のバス事故問題について、私もずっと地元で保護者の方、先生、顧問の方、また子供さんたちのお話を聞いて、大変だということは伺っておったので、その質問をしようと思ったんですが、事前に質問要旨を私どもは各役所に出すことになっておりますが、それを御覧になって、要旨で分かりますから話は聞かなくて結構ですということで、御連絡をしたんですけれども質問取りに来ていただけなかったという事情がございました。

 私、多分ほかの役所はそういうことはなかったと思いますので、今日幹部の方に聞きましたら、要旨で分かりますから、それで対応しておりますということだったんですね。

 ただ、同じ質問であっても、私たちは、議員は、一人一人考え方も立場も違います、聞いている国民の声も全く違います。確かに、私も役人のときは、国会議員はすぐ国民の声を聞いているとか言ってうるさいなと、ちょっと思っていたこともありまして、ただ、自分が議員になってみて思いますのは、私どもは命懸けで政治をやっております。たくさんの国民の方の苦しみを、涙を、絶望を、怒りを、そして一筋の希望を託されてここに立っております。なので、私も両方経験して分かりますが、霞が関にいるときと永田町にいるときとでは、国民、国会への向き合い方が私は根本的に変わっております。

 たった一枚の紙で、たった数行の文字で、その国民の苦しみを、それを背負ってここに立つ私たちの覚悟を、現場を知らない役所の方に分かったつもりになっていただきたくない、私は強くそう思います。

 もちろん、答弁を作る大変な作業というのは分かっております。ですので、例えば法案のときにそういったことを望むつもりもありません。短期間で済ませたいと思います。けれども、今回はそうではないと思いましたので、私はやはり、国民に向き合う気持ちというのは、それは、与党も野党も、行政府も立法府も同じであってほしいと思います。

 命懸けでこの国をよくしたい、今目の前に苦しむ方の、私は、共に涙を流し、そして自分のふがいなさを嘆き、それでも何とかしたいと思って、皆様も同じ思いだと思いますが、ここに立っております。それをよく理解していただきたいというふうに申し上げたいと思います。失礼いたしました。

 では、質疑に入らせていただきます。

 まず、中東情勢を受けた物資の不足につきまして、本当に今日もたくさんの先生方、御質疑がありましたので、短くいきたいと思いますが。

 昨日も、またこれまでの委員会におきましても、様々な石油製品の不足、あるいは、医療、介護、福祉分野、建設現場、工事現場、本当に、皆さんも聞いておられる国民の声を、私も聞いてまいりました。

 実際、これは深刻だなと本当に思うんですけれども、社会保障の現場もそうですが、例えば建設の現場でも、安全のために水害時に備えて二階建てにしようと思ったんだけれども、もう一階にするしかないとか、あるいは、もう補助額が決まっちゃっているので、建設費が上がったので銀行から借り入れなきゃいけない、金利も上がってダブルパンチだ、そういう話もたくさん伺っておりまして。

 これは本当に非常に難しい、解決策がないなと思うんですけれども、スライド条項の適切な運用と見直しですとか、発注方式の弾力化とか、なさっていることは分かるんですけれども、民間においては、やはり積極財政でデフレマインドを脱却していただいて所得を上げるということが必要だと思いますし、特にまた、公定価格の医療、介護、福祉の社会保障の分野におきましては、やはりこれは必要な報酬改定をしていただくしかないと思うんですけれども、こうした様々な、建設や工事などの現場の深刻な状況でありますとか、医療、介護、福祉分野の物資の不足ですとか、こういった不安に、どういうふうに打開をしていただくのか、恐縮ですが、総理にお伺いをしたいと思います。

高市内閣総理大臣 今、豊田委員に大方答えを言っていただいたようなことだと思うんですけれども、中東情勢に伴う資材価格の高騰ですとか、目詰まりによる建設事業者への影響につきましては、まず、建設事業団体の地方組織と、それから地方整備局、経済産業局が連携して、今、プッシュ型で資材の供給状況を丁寧に把握する仕組みを活用しています。供給量の確保と目詰まり解消を進めるということで、建設事業者の建設資材の供給の安定化を図ってまいります。

 それから、資材価格の高騰に対応した円滑な価格転嫁を徹底していくということで、おっしゃっていただきましたがスライド条項の活用の働きかけ、また建設Gメンによる中東情勢の影響の重点調査を実施してまいります。また、建設事業者を含む中小企業、小規模事業者を支援するために、日本政策金融公庫の貸付けの金利の引下げを行うといった様々な施策を通じて、不安の払拭に努めてまいります。

 それから、医療物資に触れていただきました。医療においては万が一の事態は絶対に許されないという強い問題意識の下、厚生労働大臣と経済産業大臣が連携して、医療分野での目詰まりゼロに全力で取り組むように指示をしましたところ、本当に一生懸命頑張ってくれて、特定された個別の流通の目詰まりなどについては、両大臣が協力して、迅速に解消してきております。必要に応じて他の流通経路からの融通支援ですとか代替製品の調達などを行って、安定供給には万全を期しています。

 また、介護、障害福祉分野につきましても、厚生労働省で、今、関係団体を通じて、毎週、不足状況の調査を実施しております。将来に向けて確かに不安の声はあるんですが、現時点では、介護、障害福祉サービスの提供に支障が生じているという情報は得ていないと聞いておりますが、もし御承知でしたら即刻伝えていただきたいと思います、元々働いておられましたので、是非お願いをします。

 医療機関、介護事業者には、令和七年度補正で医療・介護等パッケージで支援を行っていますし、今年六月一日から施行された令和八年度の診療報酬改定も、非常に大きい、三%台という高い改定率としましたし、令和九年度にも点数を引き上げます。

 介護、障害福祉分野でも、令和八年度改定で必要な措置を講じております。令和九年度改定に向けて、経営実態の調査もしっかりと進めてまいります。

 委員も、命懸けで本当にそこに立っていただき、現場の声を集めていただいております。そして、一行通告の一枚紙では私たちは充実した答弁はできません。それで、きっちりと委員にヒアリングをして、文字起こしをして、それを基に答弁書を作成し、それをまた、細かい総理ですから、夜中にペンを入れて、ばんばん書き直すという作業をしておりますけれども、やはりそこまでやらなきゃ、正しい情報をきちっと皆様にお伝えするというのは大事なことなので、本当に、そんな失礼なことをした役所がどこなのか、私に後でこっそり教えてください。よろしくお願いします。申し訳なかったです、本当に。

豊田委員 申し訳ありません。ありがとうございます。

 きっと役所の方にも役所の御事情があったんだと思いますが、みんなで国をよくしていけたらいいなと思います。ありがとうございます。

 次が、これはちょっと申し上げるだけにしておきますが、物資の不足の一つの解決策となると思われますものに直売スキームがございます。

 これは、例えば重油などの燃料油につきましては、元売の方から、間の卸さんとかを挟まずに需要家、つまり事業者の方へ、一人親方の方なんかも本当に現場で苦しんでおられますので、そこに直接供給するというのが、これは燃料油については行われておりまして、これをほかの、例えばシンナーなど石油化学製品にも応用できるのではないかなと考えておりまして、ちょっと時間の関係で、そういう提案をさせていただくということで、御検討いただければと思います。よろしくお願いします。

 次に、昨日の本会議でも、中東情勢や米中、中ロの首脳会談を受けまして、我が国は今こそ戦略的で現実的な自立した外交、国防を進めなければならないというふうに申し上げました。その関係で、短く二点申し上げたいと思います。

 今回、イランがドローン、多数の無人機を同時多発的に、いわゆる飽和的な攻撃をして、一方で米軍は高価な対空ミサイルで応戦した結果、迎撃する側が非常にコストが、負担が生じている。そういうことから考えれば、従来型の高性能の装備を持っていればそれで十分という時代ではもはやないということでございます。

 平時から有事に切れ目なく運用できる生産、補給基盤ですとか、こういった新しい脅威の様相を正面からしっかりと受け止めて、単に装備を積み増すだけではなくて、費用対効果、継戦能力、そして質と量の確保も含めて見直しをしていく必要があると考えております。

 二点目も続けて申し上げます。

 その関連で、特に我が国は海洋国家でございますので、シーレーンの安全確保、これは通商上の課題ではなくて、国民生活、経済活動、安全保障そのものの基盤であると考えております。防衛力と申しますと、しばしば装備品そのものに目が向きがちでございますが、実際には、それを継続して動かすための後方支援、あるいは備蓄、輸送、整備、補給といった基盤が脆弱であれば、いざというときに機能を十分発揮することができません。三文書の改定が予定されておりますが、こうした支える力を防衛力の中核として、位置づけを見直す必要があると思います。

 そこで、まず総理に、我が国の防衛力におきまして現在不足している点をどのように御認識しておられるのか、あわせて、三文書改定に向けまして、無人機対処、統合防空ミサイル防衛の在り方、生産基盤などを含めて、今後どのような方向で防衛力を強化していくお考えかをお示しいただきたいと思います。

 そしてまた、二点目でございますが、先ほどのシーレーンを守り抜くことの重要性、そして、供給途絶や事態の長期化に備えまして自衛隊の活動に必要な物資を備蓄しておく、こういった点も含めて、三文書の改定について、まとめてで結構でございますので、よろしくお願いします。

坂本委員長 内閣総理大臣。(豊田委員「大臣で大丈夫です」と呼ぶ)

 では、防衛大臣小泉進次郎君。

小泉国務大臣 ありがとうございます。

 短く二点まとめていただいたので、私は短く三点でお答えをできればと思います。

 一点目が、平時に最適化をされてしまった我が国の防衛力の形を変革をさせて、新しい戦い方、これは、まさに今、豊田先生が言われたドローンも含めて、この新しい戦い方に対応できる我が国の新しい守り方を構築すること、これが第一点の課題だと思っています。

 そして、二点目が、これもまさに継戦能力というふうに豊田先生が言われたとおり、防衛産業は防衛力そのものという言葉を戦略の中で使っておりますが、加えて、生産力こそ抑止力そのものだというふうな捉え方が必要だと思っています。これは、防衛産業、また様々な装備品に限らず、生産力こそ抑止力である。

 そして、最後の三点目が、これはシャングリラ会合でも各国の大臣とも話題になった話ですが、とにかくスピードです。二、三週間ごとにドローンがアップデートされるようなスピード、そして、毎月何百台というスケールで生産ができる国々が出てきていること、これに対して、特に我々民主国家については、様々なプロセスに時間がかかります、説明も尽くさなければなりません。こういった中で、いかに平時のスピードと防衛力基盤強化の求められているスピードを合わせるかということが私は各国の悩みだと捉えていますので、これは日本も課題をクリアしなければいけない。

 これを具体的に積み上げていくのが三文書の改定だと捉えていただければと思います。

豊田委員 是非力強く実現していただきたいと思います。総理を担ぎ出しちゃいけないなと思って、済みません、失礼いたしました。

 次に、児童虐待やDVにおけます被害者の真意の尊重につきまして、今回、巨人軍の阿部監督の事例で、本当に私、考えるところがございましたので、お話をしたいと思います。

 児童虐待と申しますと、通常は、児相も警察も学校も地域ももっとちゃんとやってくださいということを私も繰り返し申し上げてまいりました。それは、私自身が学生時代に児童養護施設でボランティアをずっとやっておりまして、また、厚労省、そして議員になってからも、本当に苦しみの中にある子供たちを、声を上げられない、絶望の中にある大人の方も含めたDVの被害者の方をいかにして救い出すか、こちらから行かないと救えない、また、大丈夫ですと言っても、それは後で大変な結果になることがある、そういうことは重々承知をしております。

 ただ、今回の件でいいますと、やはりやり過ぎだったんじゃないかという声があります。実際これも実はたくさんあるケースでございまして、児相にどなたかが通報されたことによって、本当に普通の円満な親子関係であるにもかかわらず、児相にずっとつきまとわれると言ったらあれですけれども、フォローアップが必要になったりとか、あるいは、夫婦げんかをして、ちょっとけがをして、ちょっと興奮してしまって、地域の交番に駆け込んだら、匿名で話を聞いていただきたいだけだったんだけれども、実は後ろでこっそり所轄署に連絡をされてしまって、それに気づいて、それは嫌だといって交番を出たら、後からがあっと警官の方が追いかけてきて、被害者なんだけれども走って逃げるということがあったとかですね。

 やはり、児相とか警察の方というのは最悪の事態を想定して多分行動しろということになっておりますので、そのお気持ちはよく分かります。確かに、児相や警察が関わったのに最悪の結果を招いたというケースは少なくございませんし、そういった場合に御批判を受ける、苦しむというお立場というのも理解をいたします。

 ただ、やはり一方で、本当に救うべきケースと、そうじゃなくていいケースというのが、見極めは確かに難しいんですけれども、それを間違えて、最悪の事態を防ぐためには過剰な対応がどれだけでも許容されるんだということになってしまいますと、逆に、被害者の方にとって、あるいは家族にとって必要のないダメージを行政の側、国家の側が与えてしまうということが実際生じ得るということになってしまいます。そうしますと、自分たちの気持ちは無視されて強権が発動されたということになって、もう二度と児相とか警察なんかに頼らないよという方も、実は私、たくさん伺っております。

 これは本当に非常に難しいと思うんですけれども、もうちょっときめ細やかに、児相や警察はこういう問題についてどうお考えで、そして真に、糾弾という言葉はよくないですけれども、行政あるいは警察が介入すべき相手なのかという状況をできるだけ正確に把握して、それぞれの方が真に望むことを、特に被害者の側の方ですね、きちんと酌み取っていただいて、よりよい環境、家族関係を築いて、構築させて、維持していくためにどういうふうに取り組まれていくのか、それぞれのお考えを伺いたいと思います。

黄川田国務大臣 個別の事案について申し上げることは差し控えたいと思います。また、臆測を基に議論を続けることは避けなければならないと考えております。

 委員は児童相談所でボランティアをされていたということで、よく分かっているというふうには存じますが、私としては、暴力等で親御さんとの関係に悩みを抱えている子供には、ちゅうちょなく児童相談所に相談していただきたいと考えておりますし、また、児童相談所においても、萎縮することなく、子供たちを救うための対応を取っていただきたいというふうに考えております。

 その上で、子供の命と安全を守るためには児童相談所と警察の連携を図ることが重要でありまして、近年そこも強化をしているところでございます。

 あくまでも一般論として申し上げれば、児童相談所においては、まず、緊急性があると判断される場合には、子供の命と安全の確保を最優先し、児童相談所が警察に通報する対応も考えられます。

 そのほか、通告受理後、原則四十八時間以内に児童相談所や関係機関において直接子供の様子を確認するなど、安全確認を実施するという全国ルールを徹底しているところでございます。

 また、安全確認後は、児童相談所において必要に応じて継続的に相談に応じた上で支援等を行うことになりますが、その際には、子供の最善の利益を図ることを最優先に、子供の意向を丁寧に把握、尊重しながら、具体的に親子に必要な支援内容の検討を行うこととしております。

 こうした対応については、児童相談所運営指針において明記し、全国の児童相談所にお示しをしております。

 引き続き、子供の最善の利益を最優先に、子供の意向や家族の状況を丁寧に把握しつつ、子供の命と安全を徹底的に守るためにしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

山田政府参考人 お答えいたします。

 個別の事案につきましては答弁は差し控えさせていただきますが、一般論として申し上げますと、人身安全関連事案については、事態が急展開する可能性があることから、被害者の安全確保を最優先に、関係者からお話を聴取するなどした個々の事案ごとの状況も踏まえながら対応を適切に判断していく必要があると考えており、警察庁としては、引き続き、そのような観点から都道府県警察を指導してまいりたいと考えております。

豊田委員 私は余り答弁に突っ込みを入れないことを心がけているんですが、私が申し上げたかったのは、どのように救われたいかをちゃんと見極めてくださいということでございます。しゃくし定規に、後でいろいろ問題になったら怖いからといって突っ込むことが、逆に、子供や家族の幸せを壊すことがあるということを私は知っております。なので、そこをきめ細やかに、それぞれの現場に即して、本当にその子供が、その女性が何を求めているかを心から考えて接してあげてください。お願いでございます。

 次に、個別ケースと言われてしまうとあれなんですが、桜蔭学園のタワマン建設計画というのが大々的に報道されております。

 私、母校なんでございますが、別に母校だからやっているわけじゃありませんで、本件は、高層マンションのこういう問題というのは結構広く各地で起こっておりまして、景観、日当たり、盗撮などのリスクという兼ね合いで訴訟も起こったりもしておりまして、これを広く普遍的な社会問題の一事例として取り上げたいと考えます。

 個人情報は飛ばしました。もう長妻先生がたくさんやられたので、おなかいっぱいかと思いますので、次の問いに行っています。

 具体的な事例を見ていただきますと、ここ、この丸い円のところが学校でございまして、奥に長い建物になっていまして、ここに、全く今、八階建ての低いマンションしかないんですが、二十階建ての七十メートルのマンションが建つと、御覧のとおり真っ暗闇なんですね。これはお教室でございまして、中学一年生から高校三年生まで千四百名余りが一日中ここで過ごす場所が真っ暗ということになってしまいます。

 本当は、ここは都市計画で高さが四十六メートルまでにしか建ててはいけないという地域になっておるんですが、公開空地という一般の方が自由に通行できるスペースを設けますということで、特例的にこの高さの制限を緩和していいということになっておりまして、ただ、これが、私、確かに、原則があって特例があるというのは分かっておるんですけれども、少々ちょっと悪用、言葉を選ばずに申し上げれば、悪用することによって認められるということになってしまうんじゃないかなと危惧しております。

 もちろん、個々のケースについて、もちろん私も行政も、皆様コメントする立場にないということは分かっておりますので、あくまで一般論で構わないのでございますが、こういった、個別の事情に応じて良好な生活環境ですとか教育環境を守るということがやはり公の立場というのは必要でございますので、関係者の方の意見を踏まえて、真摯に耳も傾けていただいて。

 この総合設計許可制度というのは、所管は国交省でございますけれども、許可を出すのは東京都でございます。ただ、これが出てしまったら、もう止められないということになりますので、これは訴訟にもなっておりますので、個別ケースではなくて、ただ、あくまでも、これもまたしゃくし定規ではなくて、それぞれの方がそれぞれどういう状況にあるかということを勘案していただきたい。

 もちろん、事業者の方、マンションの方も、この限られた土地を有効に活用して、ビジネス的にも成功を収めなければならないという御事情も、私、分かります。だから、何とか、妥協案というか折衷案というか、みんなが幸せになる方法がないかなと。

 もう一回見てください。真っ暗闇でございます。ここで一日過ごしたら、うつになっちゃいます。卒業生の方も永田町にも多くいらっしゃると思いますので、是非よろしくお願いいたしたいと思います。ありがとうございます。

金子国務大臣 お答え申し上げます。

 いわゆる総合設計制度は、敷地に広い空地、オープンスペースを確保した建築物につきまして、周辺環境に対して交通上、安全上、防火上、衛生上の支障がなく、市街地環境の整備改善に資すると認めて自治体が許可した場合に、高さや容積率を緩和する制度であります。

 許可に当たっては、建築や都市計画等の専門家により構成される建築審査会の同意を得る必要があります。加えて、関係者からの意見聴取を行う自治体もあります。国土交通省において、許可の運用に当たって参考となる許可基準等を示しており、これを参考にして、それぞれの自治体が定める許可基準に基づき許可制度が運用されております。

 このように、個別の許可は自治体の判断となりますが、必要に応じて関係者の意見を聞きながら、冒頭申し上げた総合設計制度の趣旨を踏まえて制度を運用していただきたいと思っております。

豊田委員 全国各地できっと同じように、困ったなと思っていらっしゃる方がたくさんいらっしゃると思います。もちろん両者の意見を聞きながら、よりよい解決策を行政は見つけていただきたいと思います。

 今日はいろいろとありがとうございました。失礼いたしました。

坂本委員長 この際、和田政宗君から関連質疑の申出があります。豊田さんの持ち時間の範囲内でこれを許します。和田政宗君。

和田(政)委員 参政党の和田政宗です。

 まず、中東危機における物資の不足、高騰について、様々な方からお聞きした現場の声を基に質問をいたします。

 石油由来製品の供給見通しについて総理にお聞きしようと思いましたけれども、こちらは本日、多数の質問が出ておりますので、きめ細かい対応について要請をいたします。

 例えば、トラックのタイヤですけれども、注文しても入ってこないとの声を中部地方のトラック輸送事業者から聞きました。その他の石油由来製品についても、不足している、供給はどうなるかとの国民の不安感は根強いものがあります。国民の不安感に政府としてしっかりと向き合って、対応いただきたいというふうに思います。

 価格高騰についてお聞きをいたします。

 例えば、建築の現場で型枠工事を行う建設事業者から寄せられた声では、型枠を組む際などに使う接着剤が月二回値上げされるなど、経営が大変だという声が聞こえてまいります。原油などの確保のために、既存の中東ルートと違う代替ルートでの調達を行っていると認識をしておりますけれども、代替ルートからの調達は価格が高くなるという傾向があります。

 接着剤を含め、これら石油由来製品の価格高騰を抑えるための根本対策について、総理にお聞きをいたします。

高市内閣総理大臣 まず、タイヤについて簡単に触れさせていただきますが、基礎化学品であるブタジエンからタイヤに至るサプライチェーンにおいては四・三か月分の在庫があるということで、その旨公表しております。また、業界統計によりますと、トラック用タイヤは、国内出荷は前年並みを維持しております。

 ですから、やはり一部の目詰まりなどがあると思いますので、これは、情報提供窓口を通じてサプライチェーンの情報を集約しておりますので、もし差し支えなければ、ちょっと具体的な事業者名、場所などを教えていただけたらと思っております。

 それから、石油関連製品の価格も上昇傾向にあって、幅広い産業分野でお困りの声があるということは、これは政府として重く受け止めております。

 その上で、ナフサに由来する石油製品のサプライチェーンが広範で多層にわたるということを踏まえて、どのような措置を取るのが最も効果的かという検討を行った結果、まずは、在庫の量が他のナフサ関連製品と比較して少ない、塗料やシンナーの原料であるトルエンやキシレンについて、従来の石油化学メーカーからの供給だけではなくて、石油元売からも従来を大きく超える量を新たに直接供給することで、例年の需要の一・八倍の供給を可能にすることとしました。これで、流通過程による需給逼迫見込みによる価格の高騰については、一定の歯止めが期待されます。

 このほか、中小企業、小規模事業者はかなり影響を受けておられますので、これは、日本政策金融公庫の貸付けの金利引下げ、コスト上昇をちゃんと考慮した価格転嫁要請といった支援を実施してきたんですが、業況が厳しい業種を追加して信用保証による支援を強化するということ、取引Gメン、建設Gメンなど一千人規模体制でしっかりと中東情勢の影響を重点調査するなど、価格転嫁の徹底を図ってまいります。

和田(政)委員 供給については、私も、また我が参政党会派も、こういったところが足りないんじゃないかということで各省庁に提起もさせていただいて、政府において、供給量については十分なものを確保できるように努力をされ、実際の数字上もそういう傾向になっているということは承知をしております。

 ただ、国民の不安感が高いということと、根本的にやはり価格高騰のための対策を打たなくてはならない。強いメッセージが私は必要だと思うんですね。

 そうした中で、今回の補正予算なんですけれども、歳入として、特例公債、すなわち国債を追加発行するとのことですけれども、昨年度分の特例公債三兆円分が、税収等の見込みにより実際は発行せずに済むということで、国債発行予定額全体の中で調整を行い、発行総額は増やさないということです。であれば、三兆円更に積み増して、サプライチェーンの強靱化ですとか、原油、資源の調達ルートの複数化、強化などに注力すべきであるというふうに考えます。

 これでは非常に弱いメッセージになる、また、積極財政ではなく緊縮財政と言える状況になるんだというふうに思いますが、総理はどのように考えますでしょうか。

高市内閣総理大臣 今回の補正予算でございますけれども、中東情勢が不透明である中で、今後の物価動向や経済に与える影響を注視しながら、国民の皆様の暮らしや経済活動に支障が生じないよう適切に判断して、必要に応じてタイムリーに対応するために、リスクの最小化の観点から資金面で万全の備えを取るものでございます。

 高市内閣が掲げる責任ある積極財政というのは、プロアクティブな、先を見据えた財政政策であります。決して、いたずらに、拡張的に規模を追求するというものではございません。

 今回の補正予算でも、歳出面において、必要に応じて機動的な対応をするために、資金面で十分な手当てを行いますし、歳入面では、真に緊要性のある一時的な対応として特例公債を追加しますが、国債発行予定額全体の中で調整を行いますから、市中への発行総額は増やさずに対応することができます。国債マーケットに大きな影響を与えることなく、実行可能となります。これは、市場動向をちゃんと注視しながら行うプロアクティブな財政政策となっていると私は考えます。

 ただ、経済成長は絶対に必要ですから、そのための投資というのはしっかりと、令和九年度の予算編成に向けて形にしていきたいと考えております。

和田(政)委員 総理から令和九年度予算というお話もありましたし、秋に補正を組むというのであれば、これは補正の額というものも非常に重要だというふうに思っています。

 現在の中東情勢とコロナの状況のときというのは単純に比較はできないですけれども、私も、あのとき、国土交通政務官としてGoToトラベルの立案に関わりましたけれども、GoToトラベルは総額で二兆七千億円、また、安倍政権、菅政権において百兆円規模の補正予算ということの中で、あのとき非常に苦しんでおられる方々がその後の回復、また発展につながったということも鑑みて、これはしっかりと今後の予算でやらなければ、私は、今回の対応ということが生きない。また、今回の対応は、申し訳ないんですけれども、積極財政ということで私もずっと関わってきたわけでありますが、これが果たして積極財政と言えるのかということは申し述べておきたいというふうに思います。

 中東情勢、このような状況にありまして、原油や資源の輸送ルートとして、先ほど豊田委員からもありましたけれども、シーレーンの防衛の重要性が極めて増しております。沖縄本島を始めとする南西諸島防衛の重要性と、南西諸島におけるミサイル配備の重要性について、総理にお聞きをいたします。

高市内閣総理大臣 全長約千二百キロメートルにわたり多数の島嶼が位置する南西地域です。まさに我が国防衛の最前線であり、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に直面する中で、南西地域の防衛体制の強化というのは喫緊の課題です。

 こうした中、これまで、我が国に侵攻する艦艇に対処できて、侵攻そのものを抑止できるように、奄美大島、宮古島、石垣島、そして沖縄本島に地対艦ミサイル部隊を配備してきております。それから、今年度には、沖縄の防衛警備を担当する第一五旅団の師団への改編も予定しております。

 南西地域における防衛体制をとにかく強化して、これは、国民の皆様の命を守り抜く、平和な暮らしを守り抜くために必要不可欠な抑止力と対処力を高めるものであるということで、多くの方々に御理解をいただきながら、政府としての責務を果たしてまいりたいと思います。

和田(政)委員 これにつきましては、もう与党も野党もなく、防衛体制の構築が重要でありますので、今の方針をしっかりと我々も支えていく必要があるというふうに考えております。

 この沖縄に対する中国の介入について聞きたいというふうに思います。

 平成二十九年、二〇一七年の「内外情勢の回顧と展望」、これは公安調査庁のものになりますけれども、「既に、中国国内では、「琉球帰属未定論」に関心を持つ大学やシンクタンクが中心となって、「琉球独立」を標ぼうする我が国の団体関係者などとの学術交流を進め、関係を深めている。こうした交流の背後には、沖縄で、中国に有利な世論を形成し、日本国内の分断を図る戦略的な狙いが潜んでいるものとみられ、今後の沖縄に対する中国の動向には注意を要する。」とありますけれども、今も同様の見方をしているのかどうか、法務大臣に聞きます。

平口国務大臣 お答えをいたします。

 公安調査庁が発行した平成二十九年「内外情勢の回顧と展望」には、御指摘の記述が記載されているものと承知をいたしております。

 お尋ねについては、公安調査庁の見解を示したものではありますが、その後も特段の情勢の変化はなく、当該見解に変更はないものと承知をいたしております。

 我が国の分断を図るような外国による影響工作について、引き続き公安調査庁として、関係機関とも連携し、情報収集・分析体制の強化に取り組んでまいりたいと考えております。

和田(政)委員 これは非常に大きな答弁が出たというふうに思います。この平成二十九年以来、見解を問うた質疑がございませんので、今も同様であるというのは、これは深刻に受け止めなくてはならないというふうに思っております。

 ミサイル配備のことについて聞きましたが、今年四月に、沖縄で基地反対運動を行っている団体と中国から来日した訪問団が、陸上自衛隊勝連分屯地を訪れて、ミサイル配備反対の要求を行いました。また、名護市辺野古の基地反対運動では、中国との関係が取り沙汰されている琉球独立運動の旗が掲げられています。

 今年三月には、辺野古で基地反対運動をしているヘリ基地反対協議会が運航する小型船二隻が転覆をし、前途有望な女子高校生が亡くなるという本当に痛ましい事故が起きましたけれども、このヘリ基地反対協議会は、昨年十二月下旬に、ボートに、中国共産党機関紙、人民日報の傘下にある環球時報の記者を乗せ、今年二月にその様子が環球時報により公開されました。環球時報については、二〇二〇年に米国国務省が中国共産党体制傘下のプロパガンダ機関だと認定をしております。この環球時報の記者を乗せたヘリ基地反対協議会によるボートの航行において、立入禁止区域に接近し、海上保安庁から警告を受けたとの報道があります。

 立入禁止区域への侵入を図ろうとするなど、辺野古沖での基地反対運動の船の動きについて、海上保安庁は繰り返し警告を行ってきたと認識していますが、現地は実際どういう状況なのか、海上保安庁長官、答弁を願います。

瀬口政府参考人 お答えします。

 海上保安庁では、辺野古周辺の工事海域において、海上の安全及び治安の確保を図るため、海上警備を実施しているところであります。

 現場の海域においては、小型船舶やカヌーを用いて工事海域に接近し、常時立入りを禁止する臨時制限区域であることを示すフロートを違法に乗り越えて侵入したり、又は海への飛び込み、作業船へしがみつくなどの危険な行為が一部に見受けられます。このような行為に対しては、現場の海上保安官が、海上の安全及び治安の確保の観点から、臨時制限区域内に侵入した者を退去させるなど、その時々の状況に応じて適切に対応しているところであります。

和田(政)委員 法令にのっとって、大変過酷な厳しい状況の中、海上保安官は対応してくださっております。長官におかれては、是非現場の激励もよろしくお願いをいたします。

 この名護市辺野古沖で、ヘリ基地反対協議会が運航する小型船二隻が転覆をし、同志社国際高校二年の女子高校生が死亡したのを始め十八人が死傷した事故で、事故現場となった辺野古区の徳田真一区長は、新聞の取材に対し、生徒が洋上から埋立ての場所を見学するのは平和学習とはかけ離れているというふうに述べています。

 生徒らは事故当日、基地反対運動の抗議船二隻に乗船し、二隻は、波が立ちやすい沖合のリーフエッジ、これはサンゴ礁の端になりますけれども、付近で転覆したと見られておりますけれども、辺野古区の徳田区長は、リーフエッジに沿って航行し、横波を受けたと思う、辺野古の海を知っている人はああいう運航の仕方はしないと指摘をしています。

 辺野古の海を知っている人はという表現を辺野古区の徳田区長はしていますが、私も繰り返し辺野古を訪れておりまして、辺野古の方々からは、辺野古の基地反対運動には元々の辺野古の住民はいないということを聞いております。そして、私は、平成二十八年、二〇一六年に辺野古で国会議員として演説をしたときに、基地反対運動の活動家たちに囲まれて暴行を受け、それら人物は書類送検されましたけれども、その際に分かったのは、沖縄の言葉以外を話す方がかなりいたということです。

 五月八日の法務委員会での私の質問に対し、警察庁は、辺野古のキャンプ・シュワブ及び米軍北部訓練場周辺での基地反対運動に関連し、平成二十七年以降、沖縄県警察が逮捕した者が百十人、そのうち外国籍の者が五人、このほか沖縄県外を住所とする者が延べ二十三人であると答弁し、沖縄の基地反対運動を行っている者の一部には極左暴力集団も確認されていると答弁しています。

 このように、沖縄の基地反対運動では、逮捕者は沖縄県外の人物が四分の一、そして、沖縄の基地反対運動の一部には極左暴力集団が含まれるとのことですけれども、沖縄県外からも極左暴力集団が入り込んでいるのか、答弁を願います。

あかま国務大臣 お答えいたします。

 沖縄の基地反対運動を行っている者の一部には、極左暴力集団も確認されていると承知しておるところでございます。その中には、県外の者も含まれているというふうに承知をしております。

和田(政)委員 極左暴力集団、県外からも来ているということですけれども、この極左暴力集団は日米安保粉砕を掲げるなどしておりますけれども、沖縄における活動実態はどうなのか、お聞きをいたします。

あかま国務大臣 お答えいたします。

 暴力革命による共産主義社会の実現を目指す集団である極左暴力集団、これは、依然として、テロ、ゲリラの実行部隊である非公然組織を擁する、あわせて、組織の維持拡大をもくろみ、暴力性、党派性を隠して大衆運動や労働運動に取り組んでおります。

 極左暴力集団は、反戦、反基地運動に全国的に取り組んでいるところで、沖縄県においても同様に取り組んでいるものというふうに承知をしております。

和田(政)委員 このように、沖縄の基地反対運動には、極左暴力集団の関与のみならず、中国も関係しているということがもう答弁でも明らかになっております。

 こうした現場に同志社国際高校は学習として行ったわけでありますけれども、同志社国際高校の辺野古での学習について、文科省は、政治的活動を禁じる教育基本法第十四条第二項に反するものであったと考えられ、是正を図る必要があると結論づけました。その理由は何でしょうか。

松本(洋)国務大臣 今回の同志社国際高校の事案についてでありますが、文部科学省として、所轄庁であります京都府と認識を共有をしながら、丁寧に事実を積み上げて見解をまとめたものであります。

 教育基本法第十四条第二項に反するものであったと示したことにつきましては、政治的活動のための抗議船による見学プログラムを組み実施をしていたこと、研修旅行初日の開会礼拝のメッセージにおいて牧師により複数年にわたって、法令に反するものを含め、抗議活動に関する説明が行われていたこと、生徒に対する研修旅行のしおりにヘリ基地反対協議会による座込みをお願いする文書を掲載していたこと、これらに関して生徒の考えが深まるような様々な見解を十分に提示していなかったことなどを総合的に勘案し、慎重に検討し、判断をしたものであります。

和田(政)委員 文科省の発表について批判をする方がいますけれども、現地の状況などを知れば、文科省の発表は何らおかしなことではないというふうに考えます。

 そして、私、これはこれまでの各種委員会でも申し上げてきたんですけれども、大人がいて子供の命が失われるというのは、これはあってはならないんですね。しっかりと人数点呼をして、一人いないとなったら、身を賭してでも、自分の命を懸けてでも救いますよ。でも、それが行われていない。こういうような現場というのは、私は、徹底調査をしていただいて、是正をして、本当に二度と起こしてほしくないというふうに思いますし、お父さんのブログのnote、ブログツールのnoteを読むと私は涙が出てくるんですけれども、海がきれいだということで友達と一緒に海に行こうとした女子高生がこういうふうに命を失ってしまうというのは、もう本当にあってはならないことだというふうに私は考えます。

 そして、沖縄の基地反対運動は誰のための運動なのかという疑問が湧きます。中国が関係し、沖縄県外から極左暴力集団が入り込んでいる。これは沖縄の方々が望む姿なのでしょうか。

 一方、沖縄の米軍基地がこのままでよいかといったら、そうではありません。参政党は、新憲法草案で、外国の軍隊の常駐を禁止しています。日米地位協定を始め、米軍が今のような形で駐留を続けるのであれば、我が国は真の独立国家と言えるのか疑問が湧きます。

 さらに、沖縄は、沖縄戦でとてつもない過酷な経験をいたしました。多くの方が亡くなりました。我々は、沖縄の真の根本振興を成し遂げ、沖縄が日本を牽引するような地域となるよう、一丸となって行動すべきと思います。この予算委員会でも質問してまいりましたけれども、例えば沖縄県を相続税無税特区にするなど、沖縄の根本振興、これまでとレベルの違う根本振興につながる施策を充実させていくべきであるというふうに思っております。

 皆さん御承知の大田実中将の最後の電文には、「県民ニ対シ後世特別ノ御高配ヲ賜ランコトヲ」とあります。これをしっかりと我々は受け止め、沖縄の根本振興をみんな一致結束してやっていかなくてはならないということを最後に申し述べて、私の質疑を終わります。

坂本委員長 これにて豊田さん、和田君の質疑は終了いたしました。

 次に、高山聡史君。

高山委員 チームみらいの高山聡史です。

 昨日の本会議では、補正予算の基本的な考え方について御質問いたしました。いただいた御答弁を踏まえて、本日は、より具体的に伺えればと思います。今回の補正予算だけでなく、来年度予算、そして、今後緊要性が認められる事態が生じた場合の次の補正予算を考える際にも議論の土台となるような建設的な御答弁を期待しております。

 その上で、まず冒頭、順番を少し変えさせていただいて、総理に子育て支援の在り方について御質問をさせてください。

 今日の質疑の中でもございましたが、昨日、厚生労働省が発表した人口動態統計で、二〇二五年の出生数は過去最少の六十七万人、十年連続の減少となりました。また、合計特殊出生率も過去最低の一・一四です。尾崎官房副長官は、記者会見で、少子化に歯止めがかかっていないと述べられました。私も全く同じ危機感を共有いたします。そして、今、中東情勢を受けた物価高が子育て世帯の暮らしを直撃しています。

 私たちは、子育てを社会全体で支えていかなければならない。そして、これを考えるとき、性質の異なる二つの課題があると私は考えます。一つは、今現に子育てをしている方々の暮らしを守るということ。これは足下の物価高対策です。これから夏休みになると、食費も冷房もお金がかかります。子供に安心して御飯を上げられる社会を私たちは守らなければなりません。もう一つは、これから子供を産み育てたい、そう考えておられる方々、二人目、三人目を考えておられる方々も含めて、その希望を諦めさせないということです。これは構造的な少子化対策です。

 この二つは、対象も時間軸も打ち手も異なると思います。物価高対策をもって少子化対策を忘れてはいけませんし、逆に、少子化対策を理由に、足下の暮らしを後回しにしてもいけない。双方にしっかり力点を込める必要があるという観点から、総理に伺います。

 まず、足下の物価高対策について、中東情勢に伴う物価高は、食費や光熱費を通じて子育て世帯に直撃します。政府が昨年決定した子供一人当たり二万円の物価高対応子育て応援手当もありますが、子育て世帯の生活を支える打ち手は十分行われているとお考えでしょうか。総理の認識をまず伺います。

高市内閣総理大臣 昨年度の補正予算で措置したお子さん一人当たり二万円の手当でございますけれども、物価高対応子育て応援手当といいますが、これはずっと執行が続いてきて、令和八年五月末時点、数日前ですね、約九九%の市町村が支給を開始したという状況でございます。残りの自治体についても六月中旬までには支給を開始するということで、まだこれから行き渡っていくという状況が続きます。

 このほか、やはり、本年三月から緊急的激変緩和措置によるガソリンなどの価格を抑えるための補助も開始しましたし、五月二十六日には、電気・ガス料金について、標準的な御家庭で七月から九月の三か月で五千円の負担軽減となるように、令和八年度予算の予備費を使用決定しました。

 子育て世帯の家計も含めて、各御家庭の下支えがしっかりできていると思います。また、公定価格に経済、物価動向を反映させた令和八年度予算、これも執行しておりますし、こういった取組をしっかり御党にも御協力をいただいて進めてまいりたいと思います。

 少子化対策ということに限って言いますと、こども未来戦略の加速化プランに基づいて、児童手当の拡充、こども誰でも通園制度の創設、妊婦のための支援給付の実施などに取り組んでおりますので、この加速化プランの効果の検証を行いながら、政策の内容の更なる充実も検討してまいります。

 そして、やはり将来に向けて、若い方々の手取りが増えるということは大事だと思っているので、給付つき税額控除の議論におきましても是非ともよろしくお願いをいたします。

高山委員 ありがとうございます。

 まず、御答弁いただいた前段ですね。今、物価高に対して子育て世帯を含めて対応いただいているというところですが、今回また予備費を中東対策で大きく積んだわけでございますから、是非機動的な対応をよろしくお願いいたします。

 そして、構造的な少子化対策についても御答弁いただきました。一つ一つの施策が進んでいるということは大変すばらしいと思います。しかし、まだ出生数も出生率も下げ止まっていないという中で、今、中東情勢は財政的に大きな負担を迫りかねないという局面でございますから、こういう局面でこそ、少子化対策というのは未来を支える子供たちへの投資だと捉えて最優先で守り、より一層拡充すべきであるというふうに思います。

 給付つき税額控除というお話もありましたが、未来の子供たちを支える投資をしっかり進めていくというところ、総理、もう一言御決意をいただけないでしょうか。

高市内閣総理大臣 子供さんたちがすくすく育っていく、そしてまた子供さんが欲しいなと望まれる御家庭に子供が持てる環境ができるというのは、これはまさに日本にとっての希望でもあり、多くの方々、お一人お一人の希望をかなえる道でもございます。

 給付つき税額控除は、これはちょっとこだわっております。やはり低所得、中所得の方が多い、若年層もありますので、低所得、中所得のところで税、社会保険料の負担が非常に重くなっている、国際的に比較しても重くなっていますので、ここを重点的に支援していきたいなと思っておりますので、これは御党にも御参加していただいている社会保障国民会議での議論でございますので、是非ともこうした議論が早く進んでいく、そしてまた必要な支援が早期に実現されるということを期待しております。

高山委員 ありがとうございます。

 国民会議の文脈では、中低所得の方々を、しっかりその負担を軽減するというところの意義は、我が党としても認識をいたしております。

 そして、少子化対策ということにおいては、もちろん若年層のまだ所得が多くないという方々をしっかり支えるということ、これに加えて、所得によらず、もう一人産みたいという方の希望をきちんとかなえるような、そういった打ち手も必要であるというふうに考えますので、引き続き是非議論をさせてください。

 続いて、中東情勢等対応予備費について片山財務大臣に伺います。

 昨日の本会議で、大臣は、使用の判断基準を事前に類型化し、それぞれの想定額をお示しになることは困難であるというふうに御答弁されました。一方で、予算総則で使途の範囲を限定しているとも御説明されています。是非、ここをもう一段かみ合わせたいというふうに思っております。

 使途の範囲を予算総則で限定できているのであれば、その範囲の中で、これまでの前例なども踏まえて、どういう類型の支出が想定されるのかということを例示するということは、事前の判断基準を設定することは難しいとしても、一定可能ではないかなというふうに思います。

 改めて、大臣に伺います。

 金額の幅も問いません。この予備費から支出され得る使途として、どのような類型が想定されますでしょうか。例えば、ガソリン補助金、電気・ガス料金支援、子育て世帯への支援、中小企業の資金繰り支援、医療物資や重要物資の確保、これらを行うための地方への交付金など、こういったものは含まれ得るというふうに考えてもよろしいでしょうか。想定される類型について、大臣の御認識をお聞かせください。

片山国務大臣 高山委員におかれましては、昨日の本会議でも私はお答えさせていただいたのでございますが、中東情勢等対応予備費では、中東情勢がいまだに不透明である、この不透明度、なかなか解決される問題じゃないわけですが、この状況で、今後の物価動向や経済に与える影響を十分注視しつつ、与党の提言や国会でいただいております皆様の御議論、国民の声を踏まえて、国民の暮らしや経済活動に支障が生じないように適切かつタイムリーに対応できるということが非常に重要だと考えて、今後への万全の備えとしてこのように創設するものでございます。

 予算総則での使途の範囲の限定というのは、具体的には、今回提出いたしました予算の総則にきちっと書かれている範囲として、中東情勢に伴うエネルギー価格の高騰など我が国経済への影響への対応に要する経費その他の中東情勢を始めとする国際情勢の変化、それに伴って我が国への影響、それがあることによって、これへの対応が必要になってくる、これに係る経費、しかも緊急を要する経費、こういう限定になっておりまして、それ以外には使わないという形で、これらの特定された予備費というのは定義されているわけでございます。

 今委員がおっしゃった様々な経費がございますが、具体的に現時点で予測することができていれば、そこで経費を列挙して、そこに金額をつけておりますが、それを見積もるということができる状態ではないし、また、そういうことよりも、今私が申し上げましたように、臨機応変性、適切性かつ柔軟でタイムリーに対応できるということが適当であるということでこのような形にしているものでございますので、まさに緊急を要する経費、そして我が国への影響への対応に係る経費ということで御理解をいただきたいと思います。

高山委員 ありがとうございます。

 やはり今まだ指定が難しいというような御答弁だったと思いますが、この範囲に含まれ得るかということであれば、今御答弁いただいた内容を踏まえると、挙げた内容が含まれ得るということは論理的に否定できないのではないかなというふうに私は受け止めております。

 今回予備費として積んだ以上は、是非、過度に打ち手の幅を狭めることも、過度に拡大解釈をすることもなく、執行のたびに、どういう使途で幾ら使って、どういう効果があるのかということを都度分かりやすい形で示す。事後の透明性を徹底いただくことによって、少なくともその点においては財政民主主義を担保いただけるよう、お取り計らいをお願いいたします。

 次に、補正予算の財源にも関わる税収の見積りの精度について伺います。

 我が国の税収は、近年、当初の見積りを上回るケースが多く、当初予算段階では税収がある程度保守的に見積もられ、経済状況が想定の範囲内であれば上振れが生じるようになっているのではという指摘もございます。

 財務大臣に伺います。

 この上振れの主な要因をどう見て、そして税収見積りの精度そのものをどう評価しておられますでしょうか。

片山国務大臣 よく、税収が上振れ、下振れ、いろいろな御意見をいただくんですが、私がこの部屋に立ち入るようになって四十年やっておりますし、そのうち二十三年は大蔵省、財務省の中で関わってきましたし、残りの二十年は閣僚か、あるいは国会議員として毎年見ておりますが、上振れすることも下振れすることもございます。過去もございました。

 税収が歳入予算の非常に主要な構成要素であり、その見積りが適切に行われる、適正に行うということがいかに重要かということは委員の御指摘のとおりでございまして、当然そのように認識しているわけでございますが、見積りに当たっては、その時点で入手できる情報をしっかり集めて活用して、そのときの経済状況、経済見通し等も踏まえて、見積精度を最大限高める努力を行ってきて、こういうことを毎年やっているわけでございます。

 ですから、近年、実際の税収の見積りからの上振れが確かにこのところは続いておりますが、そうでなかったこともあるわけでございまして、引き続き、私どもとしては、見積りの精度の向上に最善を尽くしてまいりたいと思っております。

高山委員 低めに見積もっておくと上振れた分を補正での歳出に使えるということになってしまうと、国会による予算の統制が弱まるということでございますから、是非、見積りの精度については、おっしゃっていただいたとおり、継続的にブラッシュアップをお願いいたします。

 財務大臣への最後の質問です。

 国債発行と市場の信認との関係について伺います。

 政府は今回、特例公債を追加で発行する一方で、市中発行総額が増えないので市場の信認は保てるという御説明をされています。これはある面では正しいと思うのですが、今回三兆円分の赤字国債が発行されること自体は事実でございます。

 この赤字国債を財源とする予算がどのように使われるのか、そして、債務残高や利払い費の対GDP比をどうマネージしていくのか、こういったことも市場の信認を得る上では不可欠の視点ではないかと考えますが、財務大臣の御見解を伺います。

片山国務大臣 今回の補正予算におきましては、委員御指摘のとおり、歳出の追加に伴って、歳入としては特例公債を三・一兆円追加することとなりますが、前年度分の特例公債のうち、今後六月までの発行が予定されている三兆円分は、税収、税外収入、歳出不用の見込みを踏まえますと、実際には発行せずに済むという見込みが立っております。このように、国債発行の予定額全体の中で調整を行うことで、市中への発行総額は増やさずに対応できるため、国債マーケットというものに影響を与えることなく実行可能と考えて、そのように申し上げているわけでございます。

 こうした取組についてしっかり説明していくということが非常に重要なことは我々認識しておりまして、日々私どももそのように説明し、マーケットと対話をしているわけですが、それに加えて、日々の市場動向や経済指標を常に十分注視しながら、政府の債務残高の対GDP比を安定的に引き下げていくことができるように、そして、財政の持続可能性を実現して、マーケットからの信認を確保できるように日々運営をしてということで心がけておりますので、議員の御指摘、御期待を裏切ることがないように、信認を十分に確保しておると考えております。

高山委員 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。

 ここからは、赤澤経済産業大臣に伺います。

 まず、ガソリンや電気、ガスへの支援、その費用対効果についてです。

 まず、ガソリンへの補助、電気、ガスへの支援について、投入する税金に対してどれだけの効果があったのか、こういう費用対効果はどのような指標で測るべきか、大臣の見解を伺います。

赤澤国務大臣 今般の中東情勢を受け、国民生活と経済活動を守るため、緊急的な激変緩和措置を三月十九日木曜日から実施をし、ガソリンの小売価格を全国平均で百七十円程度に抑制しております。御案内のとおりです。本措置では、四月分として約三千百億円を支出し、ガソリンの暫定税率廃止の効果も含め、同月の消費者物価指数を一・一ポイント程度押し下げ、国民の皆様の家計の直接的な負担を一世帯当たり二千六百円程度軽減したと試算をしております。

 また、電気・ガス料金については、暑くなる夏への対応として、国民の皆様の命と暮らしを守る観点から、使用量が増加する七月から九月までの間に支援を実施することとしております。これにより、今夏の電気料金は昨年同期間の支援後の料金より引き下げられることが見込まれ、標準的な家庭で、電気、ガス合わせて三か月で五千円程度の負担を軽減できると考えております。

 こうした支援を通じて、国民の皆様の命と暮らし、経済活動に支障が生じないよう万全を期してまいりたいと思います。

高山委員 ありがとうございます。

 幾ら物価が下がり、そして家計当たりで幾ら負担が下がったのかというのは、そのとおりだと思います。その上で、価格に対する補助というのは、価格を人為的に下げることで、例えば、省エネや燃料転換のインセンティブをそぐような副作用もあるかと思います。また、財政負担の持続性を踏まえて、出口戦略の設計にもつながるような形で費用対効果を検討、評価すべきではないかということを申し上げたいというふうに思います。

 続いて、原油そして石油関連製品の産油国やアジア諸国との連携について伺います。

 昨日の本会議で、大臣は、パワー・アジアについてベトナムやフィリピンとの協力が進展しており、支援の具体化に取り組むというお答えでございました。パワー・アジアは、足下の緊急対応と中長期の構造的対応の二本柱と承知しており、本日は主に構造的対応の方について伺いたいと思います。

 まず、原油の備蓄について、我が国は、UAEやサウジアラビアといった産油国とともに、国内の備蓄基地で産油国共同備蓄を進めてまいりました。今回の中東情勢の変化を踏まえて、今後これをどう拡充していくのか。また、アジア諸国への備蓄協力として、ノウハウの共有であったり、我が国の備蓄量を更に増やして今回のような危機の際に融通し合う枠組みをどう進めていくのか。大臣のお考えを伺いたいと思います。

赤澤国務大臣 石油はグローバル市場で取引されるものであり、アジア市場の需給バランスの維持は、我が国産業のサプライチェーンの維持強化や我が国のエネルギー安定供給にもつながってまいります。このため、石油の安定供給を考える上で、産油国に加えて、アジア諸国との協力も不可欠だと思っています。

 産油国との連携については、官民一体で原油調達拡大に取り組んでいる、これは委員が今回の質問から外すと言われた短期的なものでありますが、産油国共同備蓄や人材育成、技術協力といった中長期のものも実施をしているところであります。

 アジアとの連携については、委員から御指摘をいただいた、本年四月、高市総理が、足下の代替調達支援や中長期的なエネルギー供給体制の強化に取り組む枠組みとして、パワー・アジアを発表いたしました。本枠組みの下で、アジア各国の石油備蓄制度構築のため必要となるデータ整備や、法制度の構築、インフラ整備といった支援を行う予定でございます。

 委員のお尋ねにありました、サウジ、UAE、おっしゃいませんでしたがクウェートも入れて、我々、産油国との共同備蓄を持っております。まさにそれについては、量を例えば倍増しようとか、そういったような協議をサウジ、UAEなどと今重ねているところでありまして、我が国にとって直接的にメリットのある我が国の備蓄を増やすという取組と併せて、パワー・アジアの中では、むしろ、東南アジアの国々が、一月半とかしか備蓄がない国が今ある状態のところで、もっと、数か月、それより多く備蓄できる体制をつくっていくための協力をしていこうということであります。

 産油国やアジア諸国との関係強化に取り組み、エネルギー安定供給に万全を期してまいりたいと思います。

高山委員 ありがとうございます。

 一方で、石油関連製品については、先ほど大臣もおっしゃっていたとおり、ナフサも揮発性が高く、長期の備蓄が難しいことから、サプライチェーン全体の強靱化が必要だというふうに思います。産油国との連携で製品や原料の安定的な引取りを実現しながら、アジア諸国とも連携して供給網を維持できるようにしていく、こういった産油国、アジア諸国相互と連携しながらサプライチェーン全体をどのように強化をしていくべきなのか、大臣のお考えをお聞かせください。

赤澤国務大臣 石油関連製品の原料となるナフサについては、代替調達により従来の八五%の水準まで回復、そして石油関連製品は年度を越えて供給継続可能ということを繰り返し発信をさせていただいています。一部で大変苦しんでおられる国民の皆様がおられるように、供給の偏りや流通の目詰まり、何とか解消していきたいという思いです。

 そういった中で、関係省庁に設置した情報提供窓口を通じて、サプライチェーン、どこに限らず川上から川下まで情報を総合的に収集をし、分析をし、それを集約したことを基に、徹底した情報管理を前提に関係企業からの個別の取引情報等を入手、分析することで、供給の偏りや流通の目詰まりを一つ一つ確実に解消するそのツール、手だてにさせていただいているところです。

 議員からの御指摘なども踏まえて、平時から官民で連携しながら、デジタルも活用し、石油化学製品の多岐にわたるサプライチェーン情報を収集し、リスク分析していくことも重要だと思っています。引き続き、事業者との対話を続け、必要な対応を進めていきたいと思います。

高山委員 ありがとうございます。

 危機に際して、これをみんなで乗り越えて、より強いサプライチェーンをつくっていく、こういったきっかけにしていければというふうに思います。

 今御答弁の中にもありましたサプライチェーンの強靱化の打ち手としては、需給と価格動向がサプライチェーンの各所でしっかり見える化されていることが重要であると思います。その際には、デジタル基盤の整備ということも欠かせません。

 昨日も、大臣からは、平時から官民で連携しながら、デジタルも活用しつつ、サプライチェーンの透明化を進めていくことも重要という御認識をいただきました。これは私も完全に同じ思いでございます。そこで、是非実行につながる打ち手を考えていただきたいというのが、本日これを再び取り上げた理由でございます。

 今起きている供給の偏りや流通の目詰まり、全体として供給は足りているはずなのに現場には物がないというのは、本質的には、需給の見通しが関係者の間でも共有されていないという情報の問題でもあると思います。川上から川下まで各事業者がデジタル基盤を使って物の流れの動向をきちんと把握できるようになれば、情報がすぐ流れるようになって、過剰発注などを行うインセンティブも生まれづらくなると考えます。

 政府として、このサプライチェーンの透明化に向けて、それを支えるデジタル基盤にしっかり投資していく、その民間の動きを後押ししていくことが供給ショックに強い経済をつくるには不可欠だと考えますが、大臣の御見解をお聞かせください。

赤澤国務大臣 同感でございます。

 それで、私どもが説明するときに、供給全体が足りているのに、なぜこんなに苦労しておられる国民がおられるんだということについて、御説明は今日も三つ常にしてまいりました。川上、川中で情報の共有ができずに、供給を絞るということが上の方で起き、あと、全体にコミュニケーション不足があり、川下の方では、とにかく不安なので過剰に買う、あるいは発注するということが起きています。

 特に、一番最初に申し上げたところがまさに委員の御指摘に関わるところで、四月は例年どおり原料を卸します、五月は未定と言われたシンナーメーカーが直ちに四月から供給量を半分に削ったということが起きて、川下は大変苦労し、不安にし、不満も起きて、お怒りも買ったということであります。

 その辺が、シンナーメーカーより川上が、ちゃんと今後とも卸してくれることがシンナーメーカーに伝わるようにして、まさにそれを解消しておりますので、それを我々がやらなくても、デジタル等でその辺お互い情報を共有できているという基盤ができ上がれば、少なくともその問題については起きなかったのかなということも思いますので、そういうことも含めて、ちょっと今は火事場なので、いろいろと新たに基盤をつくるみたいなことは、直ちに取りかかれるかはちょっと難しいところがあると思いますけれども、しっかりそういうことも視野に入れて、今後きちっと対応してまいりたいと思います。

高山委員 ありがとうございます。

 是非、この火事場に気づいた課題を解決できる打ち手を、しっかり火事の後に打っていただくということを期待をしたいというふうに思います。

 赤澤大臣への最後の質問です。

 AI、データセンターによる電力需要の増大と、それに応えるエネルギー供給構造の改革について伺います。

 昨日の本会議でも、総理から、AIの進展で電力需要が増える、だからこそ、脱炭素電源を最大限活用して、省エネ、非化石転換を進め、GX経済移行債も活用して、ペロブスカイト太陽電池や原子力、地熱などに投資する、こう方向性を示していただきました。

 昨年二月に閣議決定されたエネルギー基本計画、そして、二〇四〇年に向けたGXのビジョン達成に向けて、何にどう投資をしていくのか。例えば、送電網の整備、次世代電源、蓄電池、需要側の省エネや高効率化など、様々考えられる施策がある中で、大臣に伺いたいと思います。

 エネルギーの安定供給が問われる事態にあって、短期的な価格の安定だけに偏らず、積極的な未来への投資、構造改革に向けた投資をどのように進めていくお考えか、大臣の見解を伺います。

赤澤国務大臣 AIの普及拡大に伴うデータセンターの増加などにより国内の電力需要の増加が見込まれる中、エネルギー安定供給や二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けて、必要な脱炭素電源を確保していく方針です。

 基本的には、具体的な電源構成について、二〇四〇年度におけるエネルギー需給の見通しとして、再エネは四割から五割程度、原子力は二割程度、火力は三割から四割程度となる見通しを示しており、再エネあるいは原子力共に、安全性や地域の理解を前提に最大限活用していくということにしております。

 今後、ペロブスカイト太陽電池や、次世代型地熱あるいは次世代革新炉といった脱炭素電源への官民での投資を拡大をし、我が国のエネルギー需給構造を強靱化するとともに、産業競争力の強化や経済成長の実現につなげてまいりたいというふうに思っております。

高山委員 ありがとうございます。

 大きな方向性としては私も同じ目線であるというふうに思うのですが、政府におかれては、エネルギー供給構造の改革に向けて、今起きている様々な変化は、様々なエネルギーに対する補助を考えるきっかけでもあると思います。こういった政府の補助が、より前向きな構造転換の後押しになるような形での検討も、是非お願いしたいというふうに思います。

 最後に、再び総理に伺います。

 危機対応と成長戦略の両立についてです。

 危機への対応で財政圧力が高まる局面においては、ともすれば、例えば、AI、半導体、計算基盤への投資、そういった先端的な研究への投資など、成長への投資が後回しにされがちです。しかし、外的なショックに強い経済をつくるには、危機のときこそ成長投資を削らずに守り抜くという姿勢が必要だと思います。

 総理に伺います。

 危機対応と成長戦略をどう両立をさせていくのか、総理のお考えを改めてお聞かせください。

高市内閣総理大臣 現下の中東情勢を踏まえましても、危機管理投資、成長投資によって、世界の共通する課題解決に向けた、それに資する製品やサービスやインフラ、これをしっかりと開発して、国内で使うのはもとより、海外にも展開していく、こういった考え方は変わりません。日本の成長につなげていくことというのが、余計に大事だと多くの方に思っていただけたと思います。

 特に危機管理投資に関しましては、今回の中東情勢を受けて、いろいろな技術の話がこの委員会でも出ましたよね。新しい技術でこんなふうに省エネができるんじゃないかとか、そういう話が出ました。そして、やはりインフラ、これも重要だと。備蓄をしようといったって備蓄タンクが必要ですし、それから船舶の重要性、それから、また今週は台風もあり、国土強靱化の必要性、いろいろな課題、これを解決するための危機管理投資というのは、こういうときだからこそ大事。多くの課題を解決するための投資というのは、それは絶対に成長につながりますから、成長投資とも言えます。

 まさに今、世界は産業政策の大競争時代にあります。産業政策というのは一昔前は古いと言われましたけれども、今はまさに大競争時代で、今の未来への投資不足の流れを断ち切るために、私は総理になりました。それから、国内投資、この促進に徹底的なてこ入れをするために、今働いています。

 厳しい環境の中にあっても、政府が一歩前に出て、しっかりと事業者の予見可能性を高めるということをしていけば、そういう大胆な措置を講じていけば、強力に民間の投資も引き出していける、それが日本の成長につながる。成長しなければ、先ほど来委員が指摘してくださったような少子化対策も十分なことができませんから、そのためにも手を抜かずに頑張ってまいります。

高山委員 ありがとうございます。

 大変力強い御答弁をいただいたというふうに思います。この力強いお言葉を、総理のリーダーシップだけでなく、しっかりと仕組みとしてやり切るためには、総理がまさに掲げておられる複数年度予算であったりとか、単年だけではなく、成長投資が削られたり後回しにされない仕組みをしっかりと確立いただく必要があるというふうに思います。

 本日は、中東情勢への対応をテーマに、総理そして各大臣に御質問させていただきましたが、次に総理に御質問させていただく際には、今日は余り話せませんでしたので、AI活用であったりとか、そういったことについても是非御質問させていただきたいと思います。しっかりと成長について議論させていただきたいと申し添えて、私の質問を終わります。

坂本委員長 これにて高山君の質疑は終了いたしました。

 次に、辰巳孝太郎君。

辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。

 アメリカとイスラエルが始めた戦争による影響で、塗料メーカー大手の日本ペイントは、今月からの塗料類全般の値上げを発表しております。値上げ幅は、溶剤系塗料が二五%から三五%、水性塗料が二〇%から三〇%。そして、断熱材も四〇%の値上げ。まさに建設現場から悲鳴の声が上がっております。既にシンナーは七五%値上げをされております。

 帝国データバンクによりますと、四月の物価高倒産は、前年同月から約五割も増加しております。要因としては、原材料が跳ね上がっております。帝国データバンクによりますと、原油不足や石化製品の価格高騰によるオイルショック倒産が五月以降に発生する可能性は十分あるとしております。

 総理、今回の補正予算について聞きたいんですけれども、なぜ予備費なのか。ナフサ不足、危機ですね、量の問題はもちろんまだあります。しかし、量の問題だけではなくて、あらゆる物品での価格の高騰、とりわけ建設業や製造業での倒産を起こさせない具体的な対応というのが私は必要だというふうに思います。

 業者を直接支援する具体的な手当て、なぜないんでしょうか。

高市内閣総理大臣 中東情勢に伴う資材価格の高騰ですとか目詰まりによる建設業者への影響に対しては、まず、一人親方等が加入する団体の地方組織と地方整備局、経産局が連携して、プッシュ型で資材の供給状況を丁寧に把握する仕組みを活用して供給量の確保と目詰まり解消を進めるということによりまして、中小建設事業者の建設資材の供給の安定化を図っています。

 また、資材価格の高騰に対応した円滑な価格転嫁を徹底するということのために、公共工事におけるスライド条項の活用の働きかけ、そして建設Gメンによる中東情勢の影響の重点調査を実施していきます。さらに、建設事業者を含む中小企業、小規模事業者を支援するために、日本政策金融公庫の貸付けの金利利下げ、そして雇用調整助成金の活用促進を図っていきます。

 これらの取組によって、一人親方、また中小工務店の皆様方が事業を継続できる環境の整備に向けて万全を期してまいるということでございます。

 今回の補正になぜ項目として立っていないのかという御質問かもしれませんけれども、例えば、地方で使っていただける交付金の中でも物価高に対応したものというのはございますし、電気・ガス料金の引下げ、こういったことも行っております。

 今申し上げましたように、特に建設事業者ということでございましたから、現在でもできる対応について申し上げました。

辰巳委員 今総理がおっしゃるように、把握する、安定した供給、それはやっていただいたらいいんですけれども、継続するための対策だともおっしゃったんですが、継続できないから倒産がもう既に起こっていて、五月以降もこれは起こるだろう、こういうことが言われているわけですね。

 例えば、休業補償とか、家賃やリース料の固定費への補助とか、あるいは税金や社会保険料の支払い猶予の措置とか、納めることができない、負担できない、そういう業者に対する施策というのは、今回の予備費の中には一切ないわけですね。仕事がない、仕事ができない、そういう苦境に陥っている中小企業、零細企業への具体的な支援というのはないわけですよ。

 あるいは、医療機関もそうなんですね。今、物資の不足で診療継続が困難となるだけではなくて、価格の異常な高騰で経営にも深刻な影響が出ております。

 兵庫県の保険医協会のアンケートでは、八四・三%の医療機関が、中東情勢に関わって医療材料の供給に支障があると回答しております。尿道留置バルーンも欠品している、こういう話もあるわけですね。再入荷時に値段が倍になる、納期遅延もあり診療に支障が出ている、こういう声が出ております。

 総理、補正予算で、こういう医療機関に対する具体的な支援というのはあるんでしょうか。

高市内閣総理大臣 医療用資材などの供給懸念も広がっているということは承知しています。

 安定供給については、厚生労働省で、医療機関向け情報提供窓口の設置ですとかEMISなどを通じて、積極的な情報収集を行っております。安定供給への懸念が確認された場合には、厚生労働省と経済産業省が協力して、サプライチェーンの確認を行って目詰まりなどを特定して、迅速に解消していっております。さらに、必要に応じて他の流通経路からの融通支援、代替製品の調達などを行って、安定供給に万全を期します。

 医療機関への支援につきましては、令和七年度補正予算の医療・介護支援パッケージなどにより、支援を既に行っております。また、令和八年度診療報酬改定では三%台という高い改定率として、令和九年度にも点数を引き上げるということとともに、令和九年度の調整に向けて経営実態の調査も進めます。また、予備費を活用した電気・ガス料金支援ですとか、補正予算案に盛り込んだ重点支援地方交付金によるエネルギー価格の高騰分に対する支援により、医療機関を支えてまいります。

辰巳委員 総理、分かっていておっしゃっているんだと思いますけれども、令和七年は今回の中東情勢の前ですよ。しかも、中身でいうたら、基本診療料がほとんど引き上げられなかった。ほとんど、何かを使えば加算しますよという加算なんですよね。全く足りません。三・〇九%の診療報酬以外に診療報酬期中改定でもやらなきゃならない、あるいは補助金をやはり入れないと、医療機関というのは大変になると思いますよ。現場の深刻さをまだまだ分かっていないと思います。

 大阪府歯科保険医協会によりますと、これから、歯科のレジン、これは虫歯を削った後の白い詰め物ですね、この価格が上がるとメーカーからもう予告があったと。今までも、金パラジウムの市場価格が保険の価格を上回って、逆ざやで赤字になることというのが問題視されてきましたけれども、医療機関でそういうことがこれから大規模に起こる。そやけど、起こってからでは遅いわけですね。

 医療機関や介護福祉事業所の経営を守るために、診療報酬及び介護報酬臨時改定、公的補助というのが必要だ、そういう中身に今回の補正予算はなっていないということを私は言わなければならないと思います。

 それで、今国民の多くが求めている消費税減税について聞きたいと思います。

 昨年の参議院選挙では、多くの政党が消費税減税を掲げました。総理自身も悲願だとおっしゃいました。物価高騰に苦しむ国民の声に押されたものであります。しかし、一向に具体的な議論はされずに、総選挙を経て国民会議なるものができて、今、食料品のみ消費税を現在の八パーから一%へと二年に限って引き下げる議論がされております。余りにも遅いし、不十分だと私は思います。

 この間、消費者物価は、二〇二〇年を一〇〇とすると、総合で一一・九%、食料品に限っては二五・八%も上がっております。帝国データバンクによりますと、原油、ナフサの高騰などによって、飲食料品の値上げは、来月、七月は二千品目、二〇二六年全体で五年連続一万品目を超えると。スーパーに行っても、財布の中身が飛ぶようになくなっていく、これが国民の実感だと思うんですね。エンゲル係数は、第一分位で、最も低い層ですね、三〇%の大台に乗りました。しかし、物価高は、食料品のみならず、あらゆる物品で上がっているわけです。

 だからこそ、国民は、昨年以降、抜本的な物価高対策を期待をしてきたわけであります。昨年、野党と協力して消費税減税をまとめていれば、今年中には実施できていたはずだと私は思います。収入が増えていない多くの国民にとって、日に日に生活は苦しくなっております。

 総理、食料品のみの減税になりますと、例えば農家は、作物を作るための肥料は消費税を負担する一方で、できた作物をスーパーに納入するわけですね、この作物からは消費税分としてはもらえなくなってしまいますね。また、外食産業一〇%との差も、今よりも大きく開いてしまいます。複数税率を残してしまえば、中小零細企業が苦しんでいるインボイスも廃止ができません。

 一律減税が今国民に求められているんじゃないかと私は思いますけれども、いかがでしょうか。

高市内閣総理大臣 委員が先ほど昨年の選挙とおっしゃいましたが、自民党につきましては、自民党の今年の衆議院選挙で、政権公約に、社会保障国民会議において食料品の消費税率ゼロの実現に向けた検討を加速する旨を記載しました。その直前に、初めて党議決定をしております。

 消費税なんですけれども、これは、税収が景気や人口構成の変化に左右されにくく安定している、現役世代など特定の層に負担が集中することはないといった特徴を有しております。このため、消費税は社会保障の財源として活用され、社会保障給付という形で家計に還元されております。

 仮に、委員がおっしゃいますように一律の消費税減税というのをした場合に、年金、医療、介護、少子化対策という国民の皆様の暮らしに深く関わる行政サービスにも影響が出かねません。

 したがって、一律の消費税減税という御提案については、適当ではないと考えております。

辰巳委員 総理、消費税の食料品だけの一%への減税では全然足りないと私は思うんですね。

 今日、パネルを用意しましたけれども、これは減税効果なんですが、食料品だけ一%にした場合の年間の減税効果は、二人以上の勤労世帯で大体六万円ぐらいの減税効果しかないわけです。一方、一律消費税五%、例えば我が党は一律五%減税を掲げていますけれども、そうした場合は約十七万円の減税効果になる。家計への支援の規模は、大体二・八倍、十一万円ぐらいになってくるわけですね。

 しかも、政府が今考えている、国民会議が考えている食料品の消費税の一%への減税というのは、二年間の限定ですからね。つまり、二年後には増税ということだと思うんですね。やはり国民が望んでいるのは一律の五%への減税だ、これは言っておきたいというふうに思います。

 それと、この食料品の減税の後に実施されようとしているのが、給付つき税額控除というものなんですね。この制度は、所得税などの税負担を減らす減税と、減税し切れない分を直接現金で支給する給付を組み合わせた制度なんですけれども、これをやる理由として、日本は中低所得者の純負担率が高いとして、その改善を目指すということになっております。

 総理、そもそもなぜ日本は中低所得者の純負担率が重いんでしょうか。

高市内閣総理大臣 今おっしゃった点は、有識者会議での議論や分析に基づく「中間とりまとめに向けた議論の整理」におきまして、共働き子育て世帯の純負担率については、生活保護水準をやや上回る収入の世帯において純負担率が諸外国と比べて高くなっているが、これは、所得が低い層の社会保険料負担が重いことや子育て支援等の差が要因と考えられるもの、そうされていると承知をいたしております。

辰巳委員 総理、あえて消費税を抜いたのかもしれませんけれども、社会保険料の負担は低所得者ほど重いのは事実です。

 同時に、これは税金を見てください、赤いラインですね。全体の税金の負担としては累進が利いているんです。所得が高くなるほど税金の負担率は高くなるんですが、赤の部分、これは消費税なんですが、消費税は低所得者ほど負担が重い、つまり逆進性が高くなっている。これが実態なんですね。

 ですから、元々、この給付つき税額控除の制度というのは、消費税を上げたら、消費税の負担が低所得者には重過ぎることになるので、そういう層に給付をしようというのが議論の出発点だったわけですよ。ところが、これは今会議で示されているものですけれども、先ほど来議論がありましたけれども、実は、低所得者の一部に給付がされない議論がされているわけなんですね。就労が条件になる、あるいは、無職の方や年金だけで暮らしている方は何の恩恵もないということになりかねないと思うんです。議論されているのは、例えば収入が百六万円より下のところはされない。

 総理、収入が百万円ほどの一人親家庭や障害者施設などで働く人には、こういう制度では給付されないということになるんじゃないですか。

高市内閣総理大臣 給付つき税額控除の在り方については、社会保障国民会議において議論の整理が提示されて、検討が進められているという段階にあります。御指摘のように対象者の範囲が決定されたものではないと承知をしています。

 先ほどちょっと食料品消費税率一%と断定されましたが、一%ということも決まったわけではありません。

 それから、国民会議では、給付つき税額控除と既存の社会保障制度の双方から取り残される者が生じないよう、障害などの事情により就労に制約のある方や低所得の方に全体として必要な支援が適切に行き届くようにしていくことが重要ではないかといった議論も行われていると承知をしております。

 国民会議で、今委員がおっしゃったような御懸念の点についても充実した議論が進められることを期待いたしております。

辰巳委員 逆進性のある制度でより苦しんでいる人をきちんとこの制度で救済するんだという話はされなかったと思います。

 同時に、この制度と既存の社会保障の制度双方から取り残されないようにということであれば、例えば、既存の社会保障制度の一つである児童扶養手当を受給している年収百万円前後の一人親家庭の困窮者は、社会保障を受給しているんだから対象外ということになりかねないわけですよ。今の一人親家庭というのは、自分は一日一食、子供は朝食を抜いている。そういう困窮者が取り残されかねない、私はそういう制度だというふうに思います。

 今国民が求めているのは、食料品のみの消費税減税などではなくて……

坂本委員長 辰巳君、申合せの時間が超過しております。おまとめください。

辰巳委員 国民生活を苦しめている根本要因になっている消費税、これの一律減税をするということ、そして低所得者の社会保険料の減免に踏み込むべきだということを申し上げて、私からの質問といたします。

 以上です。

坂本委員長 これにて辰巳君の質疑は終了いたしました。

 これをもちまして各会派一巡の基本的質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして令和八年度補正予算両案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

坂本委員長 ただいままでに、中道改革連合・無所属中野洋昌君から、令和八年度補正予算両案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。

 この際、本動議について提出者より趣旨の弁明を求めます。中野洋昌君。

    ―――――――――――――

 令和八年度一般会計補正予算(第1号)及び令和八年度特別会計補正予算(特第1号)につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

中野(洋)委員 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました令和八年度一般会計補正予算(第1号)及び令和八年度特別会計補正予算(特第1号)につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議に関して、その趣旨を御説明申し上げます。

 まず、編成替えを求める理由を申し述べます。

 政府提出の令和八年度補正予算は、総額三兆一千億円のうち、予備費が三兆円と全体の九七%を占めています。これは、政府が国会に対して、すなわち国民に対して、税金の使い方を何ら示すことなく白紙委任を求めるものであり、財政民主主義を定める憲法の精神に反していると言わざるを得ません。

 我々は、これまでに全国で実施をしたアンケート調査の結果や、所属議員が各地で伺った地域と現場の声を踏まえ、今国民が必要としている経済対策を実現すべく、令和八年度補正予算の編成替えを提案するものであります。

 次に、編成替えの概要を申し上げます。

 まず、歳出の減といたしまして、財政民主主義の精神に反する巨額の中東情勢等対応予備費二兆五千億円を皆減することとしております。

 そして、これに代わる形で、歳出の増といたしまして、ガソリン、軽油等の価格引下げ、重点支援地方交付金の積み増しによる低所得者、子育て世帯への現金給付、医療、介護、障害福祉など公定価格であるために価格転嫁が困難な分野への経営支援、農林水産業の現場を圧迫している肥料、飼料、資材の価格高騰への対策など地域の実情に応じた事業の実施、雇用調整助成金の要件緩和、助成率引上げによる中小企業支援、セーフティーネット貸付けの要件緩和等による中小企業の黒字倒産防止、ピンチをチャンスに変えるための循環型社会への転換に向けた支援など、計二兆五千億円の具体的施策を措置することとしております。

 次に、歳入の減といたしまして、今回政府が追加で発行することとしております特例公債について、その全額を削減することとしております。

 そして、歳入の増といたしましては、既に積み上げられている基金の残高のうち、政府の三年ルールに照らして積み過ぎと考えられる金額の一部を国庫に返納させることとしており、これにより、必要となる財源の全てを賄うこととしております。

 この編成替えにより、一般会計総額は政府案と同じでありながら、白紙委任の予備費ではなく、具体的な施策を掲げることにより、国民の予見可能性を高め、安心を確保するとともに、特例公債の追加発行を一切行わないことによって、我が国の財政に対する市場の信認を維持し、更なる円安、金利上昇に歯止めをかける、責任ある補正予算へと転換を図るものであります。

 以上が、本動議の概要であります。

 委員各位の御賛同をお願い申し上げ、趣旨の説明といたします。(拍手)

坂本委員長 これにて本動議の趣旨弁明は終了いたしました。

    ―――――――――――――

坂本委員長 これより討論に入ります。

 令和八年度補正予算両案及びこれに対する撤回のうえ編成替えを求めるの動議を一括して討論に付します。

 討論の申出がありますので、順次これを許します。うるま譲司君。

うるま委員 日本維新の会のうるま譲司です。

 自由民主党・無所属の会及び日本維新の会を代表して、ただいま議題となりました令和八年度補正予算案に対し賛成、中道改革連合・無所属提出の編成替え動議について反対の立場から討論を行います。

 本補正予算と中東情勢を踏まえた対応は、不確実性に備えた危機対応として、内容を必要最低限に絞り、規模を三兆円強に抑えた、節度ある一回限りの対応となっています。

 以下、賛成の理由を三点申し上げます。

 第一に、財政規律と機動的な危機対応の両立です。令和七年度分の特例公債のうち約三兆円を発行せずに済む見通しの中で調整を行い、市中への赤字国債の発行総額を増やさない計画は、市場が神経質になる局面で、マーケットとの対話を重視した、時宜を得た判断です。当初予算ベースで二十八年ぶりのプライマリーバランス黒字化という、当初予算で達成された財政健全化の歩みは、引き続き堅持されています。

 第二に、家計のエネルギーコスト負担を直接和らげる電気・ガス料金支援です。冷房需要がピークを迎える七月から九月の三か月間に、標準的な家庭で三か月の合計約五千円という昨年を上回る規模で負担軽減を図ることは、近年の酷暑を鑑み、命と健康に直結する熱中症を防ぐ観点から適切です。

 第三に、地域や中小企業の現場を守る重層的な支援です。電気・ガス料金支援の対象とならない特別高圧電力やLPガスの利用者向けには、重点支援地方交付金の追加措置により、地域の実情に応じたきめ細やかな支援が可能となります。また、燃料、原材料高のしわ寄せを最も受ける中小企業に対しては、業況の厳しい業種を対象とする信用保証の強化、取引Gメン、建設Gメンなどを一千人体制に拡充する中で、価格転嫁の徹底といった、現場の窮状に踏み込んだ対策が講じられています。

 最後に、本補正は、あくまで中東情勢に対する危機対応を目的とするものです。当初予算において引き続き日本経済の体質を強化する構造改革が進められることを求めつつ、今直面する危機に的確に立ち向かうため、本案に賛成することを申し上げ、討論を終わります。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

坂本委員長 次に、中野洋昌君。

中野(洋)委員 中道改革連合の中野洋昌です。

 私は、会派を代表して、政府提出の令和八年度補正予算二案に反対、中道改革連合提出の編成替え動議に賛成の立場から討論いたします。

 今回の補正予算の総額は約三兆一千億円、そのうちの三兆円、実に九七%が予備費で占められています。これは、政府が国会に対して、すなわち国民に対して、税金の使い方を何ら示すことなく白紙委任を求めるものであり、財政民主主義を定める日本国憲法の精神に反するものと言わざるを得ません。

 そもそも、予備費は、予見し難い予算の不足に充てるために設けられるものですが、今求められていることは、物価高や資材不足で、今既に、現実的に困っておられる皆様への具体的な施策であり、この具体的な使い方が決まっていない補正予算案は、国民の皆様に安心を与えるものとなっておりません。

 また、政府は、去る五月二十六日、電気・ガス料金支援の財源に充てるため、予備費の支出を行っています。これ自体は歓迎をいたしますが、この支援は、我々が当初予算の審議をしている段階から必要性を繰り返し訴えており、今更、予見し難い予算と言われることには強い違和感を覚えます。

 また、高市政権成立以降、我が国の財政に対する信認が揺らぎ、急速な円安と金利上昇が進む中で、予算の財源の全額を特例公債に求めることには強い懸念を覚えます。総理は、前年度分の特例公債の発行を減額することで、市中への発行総額は増やさずに対応できると説明をされますが、これは何も今回に限ったことではなく、毎年度、決算の過程で、特例公債の発行は一定額抑制されています。このようなレトリックで実態を糊塗するのではなく、正面から特例公債の発行抑制に努める姿勢を示すべきであります。

 以上の認識に基づき、政府提出の令和八年度補正予算については反対いたします。

 一方、中道改革連合提出の編成替え動議につきましては、政府案の問題点を踏まえた上で、白紙委任の予備費ではなく、具体的な施策を掲げることにより、国民の予見可能性を高め、安心を確保するとともに、特例公債の追加発行を一切行わないことによって、我が国の財政に対する市場の信認を維持し、更なる円安、金利上昇に歯止めをかける、責任ある補正予算へと転換を図るものであることから、賛成をいたします。

 我々は、引き続き、中東情勢の影響で厳しい状況に置かれた国民の皆様に寄り添い、必要な対策を実現していくために全力を尽くしていくことをお誓い申し上げ、討論といたします。

 ありがとうございました。(拍手)

坂本委員長 次に、福田徹君。

福田(徹)委員 国民民主党、福田徹です。

 会派を代表し、ただいま議題となりました政府提出、令和八年度補正予算案に対しまして賛成、中道提出の編成替え動議に反対の立場から討論を行います。

 私たち国民民主党は、早い段階から、ガソリン価格の高騰、電気・ガス料金の上昇、中小企業の事業継続危機などへ対応するために緊急経済対策が必要だと訴えてまいりました。今回の補正予算案は、私たちが持つ課題認識、必要と考える解決策と同じ方向を向いたものと評価しております。

 次は、中東危機の情勢を正しく見極め、先行きをできる限り正確に予測し公表すること、ガソリンや電気、ガスの価格をどの程度の水準に抑えるのか、いつまで続けるのか、何を基準に判断するのか、これらを明確にすることが、予見性を高め、国民生活の安定に寄与すると考えます。

 一方で、本案ではほとんどが予備費として計上されていることについては懸念を示さざるを得ません。本来は、中東情勢が我が国経済に与えている影響、国民の暮らしの状況を正確に把握して、根拠を持って、必要な施策に予算が投じられるべきです。補正予算を組んだのであれば、その効果を最大化しなければいけません。

 この補正予算は、本日一日の審議と採決で終わりではありません。多くを予備費として計上したのであれば、状況変化に応じた機動的な支出ができるはずです。だからこそ、これからもより丁寧に国民の声を聞き、国会で議論を行い、よりよい効果が得られるよう努められることを望みます。

 また、様々な物価高騰に苦しむ生活者、事業者に本当の意味で豊かさと安心を届けるためには、ただ予算を組んで補助金を出すだけでは十分ではありません。ガソリンや電気、ガスの価格が下がっても、それ以外の広範な品目の価格が上がることは避けられません。とにかく賃上げが物価上昇を上回らなければ実質的な購買力は上がりません。補助金だけでなく、消費を活性化し、企業の利益を増やし、賃金を増やし、また消費を活性化させる、経済の好循環を回す政策も同時に続けられることを望みます。

 また、私たち国民民主党は、社会保険料還付つき住民税控除で、働く現役世代の手取りを増やし、子供世代、高齢者世代を支えることを提案しています。

 国民の暮らしを守るために、補助金、賃上げ、税、社会保険料、あらゆる方向から真摯な議論を尽くすことをお約束し、討論とさせていただきます。

 ありがとうございます。(拍手)

坂本委員長 次に、和田政宗君。

和田(政)委員 参政党の和田政宗です。

 会派を代表し、政府提出の令和八年度補正予算案に反対、動議にも反対の立場で討論をいたします。

 まず、今回の補正予算の歳入として、特例公債、国債を追加発行するとのことですが、前年度分、令和七年度分の三兆円分の特例公債が税収等の見込みにより実際には発行せずに済む見込みとのことで、国債発行予定額全体の中で調整を行い、市中への発行総額は増やさないということです。

 であれば、特例公債三兆円分の予算を積み増すなどし、サプライチェーンの強靱化や、燃料や資源調達のふくそう化などに注力すべきであり、これでは高市政権が掲げる積極財政に全くならないのではないかと考えます。むしろ緊縮財政です。

 これまで中東からの原油調達は、価格が安いとの観点から依存度が高かったわけですが、産地で性質が異なる原油について、日本は精製設備などを中東産原油の処理に最適化してきました。中東以外からの代替調達を大幅に進めるのであれば、設備の改修や新設が必要となりますが、石油精製事業者は、その投資費用を考えれば、踏み出すかどうか不透明です。政府や関連業界一体となった推進が必要になりますが、そのための費用や予算はどこまで考えられているのでしょうか。

 燃油の価格抑制に対する補助についても、価格抑制は重要ですが、今の仕組みでは結局海外に補助金がどんどん流出することになります。これらの予算は、本来、国民や日本企業のために使われるべきです。

 我が国は、そもそもエネルギー政策の転換が重要であり、安全性の確保を大前提とした上で、原子力発電を活用するなど根本的なエネルギーの安定供給策を考えなくてはなりません。

 そして、石油由来製品の不足に対する国民の不安感について、政府は直視するべきです。

 我々参政党も、様々な国民の声、現場の声を政府各省庁に伝え、政府が原料調達の努力を懸命に行っていることには敬意を表しますが、不足していたものがしっかり商店の棚に並ぶようになった、高騰していたものの価格が下がったという実感を国民は望んでいます。特に若い世代や子育て世代は、所得が思ったようにまだ上がらない中、子育て関連物資、例えばおむつの値上げなどで生活のやりくりが大変だとの声を多く聞きます。

 国民生活の現場の声をしっかり聞いた政策を打つべきであり、参政党は提起し続け、国民に寄り添い続けます。

 以上を踏まえ、本補正予算案に反対、動議についても内容で異にするところがあり反対を表明し、討論を終わります。(拍手)

坂本委員長 次に、高山聡史君。

高山委員 チームみらいの高山聡史です。

 私は、会派を代表し、令和八年度補正予算に対し、賛成の立場から討論を行います。

 今、中東情勢に端を発する物価高が国民の暮らしを直撃しています。各御家庭、また子育て世帯にとって、夏場の食費や光熱費の負担は決して小さなものではありません。必要に際して目の前の暮らしを守ることができるように、財政措置を講じる必要がある。これが、本補正予算を考える上での土台となるべきものです。

 子育てへの支援を考えるとき、性質の異なる二つの課題に向き合う必要があります。一つは、今、現に子育てをしている方々の暮らしを守ること。これは足下の物価高対策です。もう一つは、これから子供を産み育てたいと願う方々の希望を諦めさせないこと。これは構造的な少子化対策です。

 昨日公表された出生数は六十七万人、合計特殊出生率は一・一四と、いずれも過去最低を更新し続けています。財政が厳しい局面だからこそ、未来を支える子供たちへの投資は最優先で守り、むしろ一層拡充していかなければなりません。

 エネルギーについても同じことが言えます。ガソリンや電気、ガスへの支援は、足下の価格高騰から暮らしを守る、必要な手だてです。しかし、そこへとどまっていてはなりません。産油国やアジア諸国との連携によるサプライチェーンの強靱化、そして送電網や次世代電源への投資。AIやデータセンターによる構造的な電力需要の増大にも応え得る、外的なショックに強い供給構造を今こそ築いていく必要があります。目先の価格の安定と未来への投資、その双方にしっかりと力を込めなければなりません。

 本補正予算は、危機に直面する国民の暮らしを守るための備えとして必要な措置と考えます。その執行に当たっては、効果の検証を尽くすこと、そして、危機にあっても成長への投資を削らず、しっかりと守り抜くことを求め、私の賛成討論といたします。(拍手)

坂本委員長 次に、辰巳孝太郎君。

辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎です。

 私は、日本共産党を代表して、二〇二六年度一般会計補正予算案に反対、中道提出の組替え動議に賛成の討論を行います。

 アメリカとイスラエルによるイランへの国際法違反の軍事攻撃により、原油や天然ガスなどのエネルギー資源、石油由来のナフサ不足による石油化学製品、肥料などの調達難、価格高騰が、日本経済と国民生活に重大な影響を与えています。

 日本共産党は、五月十四日、政府に対し、イラン戦争がもたらす物価高・資材不足から暮らしと営業を守るための緊急対策を提案し、直ちに抜本的な補正予算を編成するよう求めてまいりました。

 具体的には、医療、食料、交通、物流、建設など国民生活に欠かせない分野の優先供給を図ること、医療機関や介護、福祉事業所の経営を守る診療報酬や介護報酬等の臨時改定や公的補助を行うこと、物資不足と価格の高騰で苦しむ建設業や製造業を始めとする中小企業に倒産を起こさせないための特別融資制度の創設、雇用調整助成金の拡充で雇用を守ることなどであります。これらの抜本的な対策を迅速に行うことこそ、政府の責任です。

 ところが、本補正予算案は、中東情勢等対応といいながら予備費を積み上げただけで、電気・ガス料金支援のほかには具体的な対策は全くなく、国民生活を応援するものではありません。しかも、巨額の予備費は、国会審議を経ずに政府の判断だけで自由に使おうとするものであり、憲法の財政民主主義を踏みにじるものにほかなりません。

 また、物価高対策として多くの国民が求め、高市首相自身が公約した消費税減税を実現するための具体的な議論を避けていることも重大です。食料品に限らず、あらゆる物価が高騰しています。消費者の負担軽減のため、速やかに一律消費税五%への減税を実行するべきです。

 最後に、日本経済と国民生活に重大な事態を引き起こしている根本原因であるイラン戦争を一日も早く終わらせることです。政府が対米追随をやめ、国際法違反の無法な戦争を終わらせる外交を行うことを求めます。

 以上、反対討論を終わります。(拍手)

坂本委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

坂本委員長 これより採決に入ります。

 まず、中野洋昌君提出の令和八年度補正予算両案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議について採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

坂本委員長 起立少数。よって、中野洋昌君提出の動議は否決されました。

 次に、令和八年度一般会計補正予算(第1号)、令和八年度特別会計補正予算(特第1号)の両案を一括して採決いたします。

 両案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

坂本委員長 起立多数。よって、令和八年度補正予算両案は、いずれも原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました令和八年度補正予算両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

坂本委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時二十二分散会


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