第2号 令和6年4月16日(火曜日)
令和六年四月十六日(火曜日)午前九時三十分開議
出席委員
委員長 佐藤 公治君
理事 伊東 良孝君 理事 島尻安伊子君
理事 鈴木 貴子君 理事 西銘恒三郎君
理事 神谷 裕君 理事 屋良 朝博君
理事 高橋 英明君 理事 金城 泰邦君
東 国幹君 井出 庸生君
井野 俊郎君 上田 英俊君
尾身 朝子君 鈴木 隼人君
中谷 真一君 細田 健一君
保岡 宏武君 新垣 邦男君
松木けんこう君 奥下 剛光君
藤巻 健太君 佐藤 英道君
赤嶺 政賢君
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外務大臣 上川 陽子君
国務大臣
(沖縄及び北方対策担当) 自見はなこ君
内閣府副大臣 工藤 彰三君
外務副大臣 柘植 芳文君
衆議院調査局第一特別調査室長 千葉 諭君
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委員の異動
三月二十一日
辞任 補欠選任
斎藤アレックス君 奥下 剛光君
四月十六日
辞任 補欠選任
武井 俊輔君 井出 庸生君
宮内 秀樹君 細田 健一君
山口 晋君 保岡 宏武君
同日
辞任 補欠選任
井出 庸生君 武井 俊輔君
細田 健一君 宮内 秀樹君
保岡 宏武君 山口 晋君
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本日の会議に付した案件
沖縄及び北方問題に関する件
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○佐藤委員長 これより会議を開きます。
議事に入るに先立ちまして、委員会を代表して一言申し上げます。
この度の令和六年能登半島地震によりお亡くなりになられた方々とその御遺族に対しまして、深く哀悼の意を表します。また、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
これより、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。
全員御起立をお願いいたします。――黙祷。
〔総員起立、黙祷〕
○佐藤委員長 黙祷を終わります。御着席願います。
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○佐藤委員長 沖縄及び北方問題に関する件について調査を進めます。
沖縄及び北方問題に関する政府の施策について、自見沖縄及び北方対策担当大臣及び上川外務大臣から順次説明を求めます。自見沖縄及び北方対策担当大臣。
○自見国務大臣 まず、令和六年能登半島地震により亡くなられた方々とその御遺族に対し、深く哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様方に心からお見舞いを申し上げます。
その上で、沖縄及び北方対策を担当する内閣府特命担当大臣として、所信の一端を申し述べます。
昭和四十七年の本土復帰以降、政府においては、沖縄の特殊事情に鑑み、多岐にわたる振興策に取り組んでまいりました。沖縄県民のたゆまぬ努力もあり、県内総生産や就業者数が全国を上回る伸びを示すなど、沖縄振興は着実に成果を上げております。しかしながら、全国最下位の一人当たり県民所得や深刻な子供の貧困など、なお解決すべき課題が存在しているほか、コロナ禍で傷んだ沖縄経済の再生といった新たな課題にも直面しています。
一方で、沖縄は、アジアの玄関口に位置する地理的特性などの他県にはない優位性、潜在力を有しており、これらも生かしながら、強い沖縄経済の実現に向けて沖縄振興策を総合的、積極的に推進していく決意です。
こうした観点から、令和六年度沖縄振興予算については、沖縄観光の再生の後押しや沖縄発離島型クリーンエネルギーの促進等の各般の施策を拡充し、沖縄の子供の貧困対策や離島の振興に係る予算等を増額するとともに、令和六年度中に事業完了予定の沖縄健康医療拠点整備に係る所要額を計上するなど、厳しい財政状況の下、各事業の所要額を積み上げた結果、総額二千六百七十八億円を計上しています。
また、令和六年度税制改正においては、揮発油税等の軽減措置などの四項目の税制改正要望について、いずれも三年の延長を行うこととしました。
この数年間、新型コロナウイルスの感染拡大や物価高騰などにより、沖縄経済は大変厳しい状況が続いておりましたが、国内観光客数や観光収入の回復など、明るい兆しがはっきりと見えております。引き続き、リーディング産業である観光の再生や、農林水産業を始めとした各種産業の振興、高付加価値化、そしてそれを支える人材育成の取組を支援してまいります。
また、県民生活や産業を支える道路、港湾等の社会資本整備を進めてまいります。首里城については、令和八年の正殿の復元に向け、着実に工事を進めてまいります。沖縄科学技術大学院大学、OISTについては、クリーンエネルギー分野を始めとした研究力の強化や新たなスタートアップ創出拠点の整備等の取組を支援してまいります。
さらに、世界自然遺産に登録された豊かな自然環境など多様な魅力を有する北部地域や、海洋環境の保全等の重要な役割を担い、豊かな文化等が息づく離島地域の振興にも力を尽くしてまいります。子供の貧困対策、不発弾対策などについてもしっかりと取組を進めてまいります。
沖縄には、今なお多くの在日米軍専用施設・区域が存在し、県民に大きな負担をかけています。引き続き、沖縄の皆様の理解を得る努力を続けながら、沖縄の基地負担軽減に取り組むことが政府の方針です。特に、住宅や学校に囲まれ、市街地に位置する普天間飛行場については、固定化は絶対に避けなければならないとの認識の下、一日も早い全面返還の実現に向けて、政府として取り組むこととしています。
駐留軍用地の跡地利用は、今後の沖縄振興の観点から、極めて重要な課題です。西普天間住宅地区跡地における沖縄健康医療拠点の整備が今後の跡地利用のモデルケースとなるよう、関係機関の連携の下、令和六年度中の完了に向け、着実に取組を進めてまいります。
次に、北方領土問題について申し上げます。
北方領土は、我が国が主権を有する島々であり、我が国固有の領土です。この我が国の立場に何ら変わりはありません。ロシアによるウクライナ侵略により日ロ関係は厳しい状況にありますが、政府として、北方領土問題を解決して平和条約を締結するという方針を堅持していく所存です。
また、北方墓参を始めとする北方四島交流等事業の再開は、日ロ関係における最優先事項の一つです。政府として、引き続き、ロシアに対し、今は特に北方墓参に重点を置いて事業の再開を強く求めていきます。現在、事業を実施できていない状況にあり、胸を締めつけられる思いを抱いています。御高齢となられた元島民の方々の切実なお気持ちに何とかお応えしたいという考えにいささかも変わりはなく、事業が再開可能な状況となった際には速やかに実施できるよう、しっかりと準備を整えてまいります。
また、このような状況だからこそ、国民世論の高まりが北方領土問題の解決に向けて重要であると考えています。そのためには、多くの国民、とりわけ次代を担う若い世代の関心を喚起し、理解を促進していくことが重要であり、引き続き、国民世論の啓発等に着実に取り組んでまいります。
さらに、高齢化が進む元島民の方々への援護についても、引き続き、後継者の育成支援等に努めてまいります。
二月七日、令和六年北方領土返還要求全国大会において、よわいを重ねるにつれてますます強くなる元島民の方々の切実な望郷の思いや、その思いを受け継いでいる若い世代の強い意志に触れました。これらの思いを受け止め、北方領土問題の解決に向け、粘り強く全力で取組を進めてまいります。
佐藤委員長を始め、理事、委員の皆様の一層の御理解と御協力をお願い申し上げます。(拍手)
○佐藤委員長 次に、上川外務大臣。
○上川国務大臣 沖縄及び北方問題に関する特別委員会の開催に当たり、御挨拶を申し上げるとともに、所信を申し述べます。
我が国を取り巻く安全保障環境は、戦後最も厳しく複雑な状況にあります。国家安全保障戦略の下、我が国の長年にわたる国際社会の平和と安定、繁栄のための外交活動や経済活動の実績を糧に、大幅に強化される外交実施体制により、危機を未然に防ぎ、平和で安定した国際環境を能動的に創出するため、外交と防衛を連携させながら、総合的に外交、安全保障政策を進めていきます。その中でも、防衛力の抜本的強化や日米同盟の更なる強化は最も重要な課題です。特に、在沖縄米軍を含む在日米軍の抑止力は、我が国、ひいては地域の平和と安全の確保に不可欠です。こうした観点も踏まえ、米政府関係者と緊密な意思疎通を行ってきております。
在日米軍の安定的駐留には地元の御理解が不可欠です。米軍機等の安全確保や事件、事故防止の徹底について米側に対して引き続き強く要請してまいります。また、普天間飛行場の辺野古への移設を始め、沖縄の負担軽減に引き続き全力で取り組みます。さらに、沖縄の更なる成長に向けて、国際社会で活躍する沖縄の人材育成に貢献していきます。
尖閣諸島をめぐる情勢について、同諸島周辺の我が国領海での、独自の主張に基づく中国海警船の活動は、国際法違反であり、断じて認められません。今後とも、我が国の領土、領海、領空を断固として守り抜くとの決意の下、中国に対しては、主張すべきは主張しつつ、冷静かつ毅然と対応していきます。
今なお続くロシアによるウクライナ侵略は、国際秩序の根幹を脅かす暴挙です。我が国は、唯一の戦争被爆国として、ロシアによる核の威嚇、ましてや使用はあってはならないと考えています。
侵略開始から二年以上が経過する中、日本は、力による一方的な現状変更の試みは、いかなる場所でも許さないという強い決意を持って、引き続き、G7を始めとする国際社会と緊密に連携しながら、対ロ制裁とウクライナ支援を強力に推し進めていきます。
北方領土問題は日ロ間の最大の懸案です。ロシアによるウクライナ侵略によって日ロ関係は引き続き厳しい状況にありますが、政府として、北方領土問題を解決し、平和条約を締結するとの方針を堅持していきます。
また、漁業などの経済活動や海洋における安全に係る問題のように、日ロが隣国として対処する必要のある事項については、我が国の国益を踏まえ、ロシア側への働きかけを含め、引き続き適切に対応していきます。
北方墓参を始めとする北方四島交流等事業の再開は、日ロ関係における最優先事項の一つです。御高齢となられた元島民の方々の切実なるお気持ちに何とか応えたいとの強い思いを持って、ロシア側に対し、今は特に北方墓参に重点を置いて事業の再開を引き続き強く求めていきます。
以上の諸問題に取り組むに当たり、佐藤委員長を始め、理事、委員各位の御理解と御支持を心からお願い申し上げます。(拍手)
○佐藤委員長 次に、令和六年度沖縄及び北方関係予算について説明を求めます。工藤内閣府副大臣。
○工藤副大臣 令和六年度沖縄振興予算及び北方対策本部関係予算について、その概要を説明いたします。
初めに、沖縄振興予算について説明いたします。
令和六年度の沖縄振興に関する予算の総額は、二千六百七十七億九千六百万円となっております。
具体的には、強い沖縄経済の実現に向けて、沖縄観光の再生の後押しや沖縄発離島型クリーンエネルギーの促進など、各分野の施策を拡充できるよう、必要な予算を計上しています。
また、今後の跡地利用のモデルケースとなることが期待される沖縄健康医療拠点の整備について、令和六年度中に事業を完了すべく、必要な予算を計上しています。
加えて、沖縄振興一括交付金、沖縄の子供の貧困対策や離島の振興に係る予算等を増額して計上するとともに、公共事業関係費等、沖縄科学技術大学院大学、OIST関連経費、北部地域の振興、沖縄振興特定事業推進費等の予算についても、引き続き、各事業がしっかりと推進されるよう、国として必要と考える所要額を計上しています。
続きまして、北方対策本部関係予算について説明いたします。
内閣府北方対策本部関係の令和六年度予算は、若年層への啓発の強化などに重点化し、総額十六億八千三百万円となっております。
このうち、北方対策本部に係る経費は二億三百万円であり、若者自らによるこれからの時代に適した啓発手法の検討や実施のために経費等を計上いたしました。
また、独立行政法人北方領土問題対策協会に係る経費は十四億七千九百万円であり、ネット動画を活用した情報発信による広報啓発のための経費等を計上いたしました。
以上で、令和六年度の沖縄振興予算及び北方対策本部関係予算の説明を終わります。
よろしくお願いいたします。
○佐藤委員長 この際、柘植外務副大臣から発言を求められておりますので、これを許します。柘植外務副大臣。
○柘植副大臣 外務副大臣の柘植芳文でございます。
沖縄及び北方問題について、上川外務大臣を補佐し、外務副大臣として真摯に職務に取り組んでまいります。
佐藤委員長を始め、理事、委員各位の御支援と御協力を心からお願いを申し上げます。(拍手)
○佐藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午前九時四十六分散会