第3号 令和6年4月24日(水曜日)
令和六年四月二十四日(水曜日)午後一時開議
出席委員
委員長 佐藤 公治君
理事 伊東 良孝君 理事 島尻安伊子君
理事 鈴木 貴子君 理事 西銘恒三郎君
理事 神谷 裕君 理事 屋良 朝博君
理事 高橋 英明君 理事 金城 泰邦君
東 国幹君 井野 俊郎君
上田 英俊君 尾身 朝子君
小寺 裕雄君 鈴木 英敬君
鈴木 隼人君 武井 俊輔君
中谷 真一君 宮内 秀樹君
保岡 宏武君 山口 晋君
和田 義明君 新垣 邦男君
松木けんこう君 奥下 剛光君
藤巻 健太君 佐藤 英道君
赤嶺 政賢君
…………………………………
外務大臣 上川 陽子君
国務大臣
(沖縄及び北方対策担当) 自見はなこ君
内閣府副大臣 工藤 彰三君
内閣府大臣政務官 平沼正二郎君
国土交通大臣政務官 こやり隆史君
防衛大臣政務官 松本 尚君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 伊藤 哲也君
政府参考人
(内閣府政策統括官) 水野 敦君
政府参考人
(内閣府沖縄振興局長) 望月 明雄君
政府参考人
(内閣府北方対策本部審議官) 矢作 修己君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 池上 正喜君
政府参考人
(外務省大臣官房参事官) 林 誠君
政府参考人
(外務省大臣官房参事官) 宮本 新吾君
政府参考人
(スポーツ庁審議官) 橋場 健君
政府参考人
(農林水産省大臣官房審議官) 関村 静雄君
政府参考人
(水産庁資源管理部審議官) 福田 工君
政府参考人
(水産庁漁港漁場整備部長) 田中 郁也君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 舟本 浩君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 松原 英憲君
政府参考人
(国土交通省大臣官房技術審議官) 菊池 雅彦君
政府参考人
(国土交通省大臣官房技術参事官) 西村 拓君
政府参考人
(観光庁国際観光部長) 星野 光明君
政府参考人
(防衛省地方協力局次長) 山野 徹君
衆議院調査局第一特別調査室長 千葉 諭君
―――――――――――――
委員の異動
四月二十四日
辞任 補欠選任
宮内 秀樹君 小寺 裕雄君
山口 晋君 保岡 宏武君
和田 義明君 鈴木 英敬君
同日
辞任 補欠選任
小寺 裕雄君 宮内 秀樹君
鈴木 英敬君 和田 義明君
保岡 宏武君 山口 晋君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
沖縄及び北方問題に関する件
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○佐藤委員長 これより会議を開きます。
沖縄及び北方問題に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官伊藤哲也君、内閣府政策統括官水野敦君、内閣府沖縄振興局長望月明雄君、内閣府北方対策本部審議官矢作修己君、外務省大臣官房審議官池上正喜君、外務省大臣官房参事官林誠君、外務省大臣官房参事官宮本新吾君、スポーツ庁審議官橋場健君、農林水産省大臣官房審議官関村静雄君、水産庁資源管理部審議官福田工君、水産庁漁港漁場整備部長田中郁也君、国土交通省大臣官房審議官舟本浩君、国土交通省大臣官房審議官松原英憲君、国土交通省大臣官房技術審議官菊池雅彦君、国土交通省大臣官房技術参事官西村拓君、観光庁国際観光部長星野光明君、防衛省地方協力局次長山野徹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○佐藤委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。新垣邦男君。
○新垣委員 立憲民主党・無所属会派、社民党の新垣です。
初めに、沖縄振興予算についてお聞きをしたいと思います。よろしくお願いいたします。
沖縄こどもの貧困緊急対策事業費として、令和六年度で、昨年から二億円増額の十九億円が計上をされております。子供の貧困の問題は、単なる貧困の問題にとどまらず、沖縄社会のありようや経済振興にもつながっていく話でありますので、その点を国としても十分に酌み取っていただいた予算措置だろうと、率直に評価をしたいと思います。
しかしながら、子供の貧困問題の対策はまだまだ道半ばでして、来年度以降も事業を継続していただけるものと考えておりますが、内閣府の方針について、自見大臣にお伺いしたいと思います。
○自見国務大臣 お答えいたします。
委員御指摘の沖縄こどもの貧困緊急対策事業につきましては、平成二十八年度に事業を開始して以来、貧困対策支援員の配置や子供の居場所の運営について、国として必要な支援を行ってきた結果、貧困家庭へのアウトリーチによる具体的な支援へのつなぎやあるいは子供の食事支援や生活環境の改善を担う地域の重要な施策となっており、令和六年度予算におきましては十八・五億円の予算を確保したところであります。
この事業によりまして、令和四年度の実績値では、沖縄県内において、子供の貧困対策支援員は百十七名が配置され、子供の居場所は百七十三か所が設置されておりまして、延べ利用者数は年度当たり約三十四万人となるなど、沖縄県や市町村の御理解の下で、支援の輪が大きく広がっていると認識をしております。
こうした中で、例えば、沖縄県が行う沖縄子ども調査によりますと、子育て支援に占める貧困化世帯の割合も、二九・三%から二六・三%に改善するなど、一定の成果は表れているものの、沖縄の子供を取り巻く状況は、全国と比較して、依然として大変厳しい状況にあると認識してございます。
現在実施されている事業は、沖縄県内の子供を支える重要な役割を果たしてございます。ですので、私どもといたしましては、貧困の連鎖を断ち切るという観点から、根本的な対策についても考えながら、引き続き、必要な対策にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。
○新垣委員 大臣、ありがとうございます。
おっしゃるとおり、徐々にではありますが、非常に改善をされているということは理解をしております。
ただ、沖縄の場合は、子供の貧困と言うんですが、大人の貧困でもあるだろうと思っております。ですから、大変厳しい状況であることはずっと続きますので、是非、内閣府としてその支援を継続してお願いをしたいと思っております。
続いて、沖縄振興公共投資交付金についてお尋ねしたいと思います。
いわゆるハード交付金なんですが、令和六年度で前年度と同額の三百六十八億円が措置をされております。県の要望額は七百億ということで要望を出したんだけれども三百六十八億で止まっているということなんですが、約二倍の開きがあること、これは非常に私も驚いているんですが、この二倍の乖離というのは一体何なのかなと思っているんですね。
この三百六十八億というのは、内閣府が県や市町村からの要望をきちんと聞いて、その所要額を積み上げていった結果なのかどうなのかということでお伺いをしたいと思います。
○自見国務大臣 お答えいたします。
ハード交付金は、内閣府が措置した予算の範囲内で県が自主的な選択に基づいて事業を実施するものでございまして、厳密な積み上げにはなじまない性質の交付金でございます。これに対しまして、沖縄県が要望した七百億円についてですが、各部局からの要望額を予算規模を勘案せずに積み上げたものだというふうに伺っておりまして、そういう意味では、優先順位づけなどが十分でないものも含まれていると承知をしてございます。
内閣府は、沖縄県や市町村が第六次沖縄振興計画開始後の令和四年度及び令和五年度と同水準の事業を引き続き実施できるようにするものとの考えの下、令和六年度の予算として三百六十八億円を計上させていただきました。これに先立ちまして、令和五年度補正予算でも三十九億円を確保してございまして、これらを加味をすれば四百七億円となります。こうした点については、県からも、国の財政事情が大変厳しい中、配慮がされたものと認識している旨のコメントもいただいているところでもございます。
いずれにいたしましても、県とのコミュニケーションをより一層強化しつつ、今後とも適切に対応してまいりたいと考えてございます。
○新垣委員 そうすると、あれですか、要するに、県は優先順位を考えずにただ積み上げてきて、それを出したということになるのか。
というのは、そうだとしても、各市町村は小さな公共事業というのを結構抱えているんですね。首長さんたちが非常に懸念しているのは、ハード交付金がばさっと切られたということで、どうにかしてくれぬかというお話は度々いただいております。
ですから、三十九億ですか、補正をいただいたということもあるんですが、余りにもこの乖離をし過ぎるんじゃないかなというんですが、その辺は県にも納得をさせてもらっているのか、あるいは、単純に積み上げてきた話じゃないのか、もう少し精査しなさいよという話なのか。これはもう少し具体的にお答えいただきたいと思います。
○自見国務大臣 お答えいたします。
いずれにいたしましても、県とのコミュニケーションをより一層強化しつつ、今後とも適切に対応してまいりたいと考えてございますが、今回、令和五年度の補正予算で三十九億円を確保して、トータルとして四百七億円となるということで先ほど申し上げたとおりでございますが、県からも、国の財政事情が厳しい中、配慮がされたという認識をしているというコメントもいただいているところでございます。
いずれにいたしましても、県とのコミュニケーション、そしてまた基礎自治体とのコミュニケーションをしっかりと取り組んでまいりたいと思ってございます。
○新垣委員 県は、国の財政が厳しいからしようがないだろうという見解で言ったはずなんですが。ただ、県は県の立場があるでしょうけれども、やはり市町村は市町村の立場が非常にあって、その辺はもう少し内閣府もしっかり市町村の意見も聞いていただきたいと思っておりますので、引き続きその辺の配慮はよろしくお願いしたいと思っております。
次に、コミュニティーバスの広域化ということでちょっと質問をさせていただきたいんですが、沖縄において長年の課題といえば、米軍の基地問題と並んで、車社会からの脱却が挙げられています。
マイカー依存からの転換のためには、路線バスの再編やモノレールやLRT、さらには鉄軌道等々が計画をされているんですが、ただ、これも是非大事なことであるんですけれども、今、自治体が運営するコミュニティーバスのトータルパターンで考えていく必要があるのではないかと私は思っているんですね。
そのような問題意識の中で、コミュニティーバスに焦点を当てて質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
民間バス事業者の不採算路線が減便や撤退を余儀なくされたり、元々の公共交通空白地域や高齢者、障害者など、交通弱者の移動の権利を確保するため、コミュニティーバスを運営する自治体が多くあります、県内ではですね。沖縄でも結構な数の自治体がコミュニティーバスを運営をしているんですが、私の知る限りほとんど赤字なんですね、これは。どこも、黒字というところはないんですが、うちの村もそうです。私も首長をやっているんですが、これは、ある意味福祉という形でやっていて、公共交通がないものですから、そういう形で無理してやっているという現状は続くんです。
これは国交省にお聞きしたいんですけれども、沖縄を含め、全国で黒字経営をしているコミュニティーバスというのはあるのかどうなのか、その場合、黒字運営が可能となっている理由なども分かっているのかどうなのか、よろしくお願いします。
○舟本政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のコミュニティーバスとは、市町村におきまして、交通空白地帯、不便地域の解消等を図るために、主体的に計画し、運行させるバスであると認識しておりますけれども、このようなものといたしましては、自治体が運行経費を負担することとして交通事業者に運行を依頼する路線バス、また、自治体自らが運行主体となって実施する自家用有償旅客運送が挙げられるところでございます。
一般論で申し上げますと、このようなコミュニティーバスというものは、民間バス事業のように運賃収入によって自立的な事業運営が行われることを前提としておりません。その意味におきましては、委員御指摘のように、運賃収入が費用を上回る、黒字となる性格のものではない、このように承知をしてございます。
○新垣委員 恐らく、全国でコミュニティーバスを運営していても黒字にはならない、そういう認識だと思います。当然、私もそう思うんですね。
ただ、各地方自治体においては、どうしても高齢者が多い地域、そして、移動手段がないというときには、やはりどうしてもコミュニティーバスを使ってくれ、通してくれという要望はあるんですが、あくまでも、市町村としても、お年寄りや子供など、交通弱者の移動確保として、ある意味福祉の範疇という形でやっているんですが、どうしてもこれは採算が取れない、取れないながら動かさなきゃいけないという現状があります。
そこでなんですが、沖縄は、面積や人口の割に市町村の数が多いといった特徴がございます。県内自治体は狭いエリアでコミュニティーバスをぐるぐる回すということになっているんですが、一方、住民目線で考えますと、住んでいる市町村だけで生活圏が完結しているというケースはほとんどありません、沖縄の場合ですね。多くの住んでいる方々が、生活圏というのは複数の近隣市町村にまたがっております。勤め人や学生は近隣の市町村に通勤通学をして、お年寄りであれば隣町の総合病院に通院したり、また、お買物は隣の大型スーパーで食品や日用品を買物したりするわけです。
そこで、赤字の路線バス網を補完する意味でも、県内コミュニティーバスの広域化を提案したいと思っているんですが、その必要性や意義について、国交省や内閣府はどのように広域化についてお考えがあるのか、よろしくお願いします。
○舟本政府参考人 お答え申し上げます。
先ほどお答えいたしましたとおり、コミュニティーバスというものは、市町村等が主体となって計画、運行するものでございます。
その運行の在り方につきましては、地域における買物や医療などの日常生活圏の状況でございますとか、既存のバス路線の状況など、地域の公共交通ネットワークの状況などを勘案をして決定していただくことが適切であるというふうに考えているところでございます。
したがいまして、最終的には、地域のコミュニティーバスの具体的な運行計画は地域の御判断ということになりますけれども、委員御指摘のとおり、地域の置かれた状況によりまして、広域的に運行を行うことが地域の足の確保の観点から望ましい場合もある、このように認識しているところでございます。
○水野政府参考人 内閣府からお答え申し上げます。
委員御指摘のコミュニティーバスの広域化につきましては、一般論として申し上げれば、商業施設、医療機関や観光施設などの市街地主要施設へのアクセス向上につながるものでございます。観光客の周遊支援や、また、高齢者等の交通弱者の移動手段の確保にも資するものと認識してございます。
内閣府としては、これまで、ソフト交付金や北部振興予算を活用して、北中城村、国頭村、本部町や名護市などにおける各自治体単体のコミュニティーバスの実証実験等に対する支援を行っているところでございます。
委員御指摘のコミュニティーバスの広域化につきましては、地元のニーズ等も踏まえ、具体的な御要望があれば、私どもとして、丁寧に相談に乗ってまいりたいと考えてございます。
○新垣委員 是非相談に乗っていただきたいと思っているんですが、実は、コミュニティーバスを広域化するに当たって、モデル的にというんですかね、いい事例があるなと思っているんですが。
中部にある中城村、うちの村の隣の村ですが、実は、関係ないんですが、この中城村で、この島ニンジンという黄色いニンジンを栽培して、特産品なんですよ。これをやって必ず出てくれと言われて、今日はやっているんですが。
この中城村が、コミュニティーバスを持っているんですね。有償でやっているんですが、実は、この中城村のコミュニティーバス、お隣の宜野湾市の普天間高校までがコースとなっています。
実は、県内の市町村で無料運行を実施している自治体が少なからずあるんですが、この中城村のコミュニティーバスは、バスの運賃が、小学生が五十円、中学生、高齢者、障害者が百円、一般二百円を徴収をしております。利用者負担や公平性の問題もクリアできているんですね。
例えば、この中城村のコミュニティーバスが、中部ですが、中城、そして普天間基地のある宜野湾市、そして隣の北中城村、この三か所を回っていく、そうすることによって、路線バスの結節点とターミナルを設ければ、その周辺ににぎわいも生まれ、活性化にもつながる効果が期待されるのではないかと私は思っているんですね。
そこで、実は、三市町村でやる場合ですけれども、広域化については、複数自治体に共同運行を、単なる福祉事業にとどまらないで、沖縄振興の一環として支援をしていくという取組ができないものかということで先ほど提案しているんですが、是非国の方にもこれは相談に乗ってもらいたいというのはそういうことなんですが、例えば、市町村が、一部事務組合のような形で運営会社をつくって、そこに公的な資金を投資していく、具体的には、運転手の人件費やバスの維持管理費、これを何とか補填をしていくような仕組みができないかと考えているんですね。
当然、当該自治体も負担はします。今、一千万、二千万が、単独で出して赤字であるならば、五、六百万出して三か所でやっていく、そして、そうすると、例えば運転手とか、バスの、管理は自分たちでやるとしても、購入とか、何とかこういう支援をしていきながら、例えば、一台が、二台、三台回していくというような形を広域的に取り組めないかなと思っているんですね。
これは今やっているところはないかもしれませんが、広域的な視点を持つという意味では、県や国が旗振り役となって、市町村間の広域連携を促進して、側面から応援していく体制ができないかということなんですが、そういうことについて、内閣府の沖縄振興局、沖縄総合事務局に担っていただくというよりも、アドバイスをというか、何かいい考えが、アイデアがあれば是非相談に乗ってもらいたいという思いです。これは、沖縄振興の一環ということであれば、何とかいいアイデアが出るんじゃないか。
沖縄は鉄軌道がないものですから、どうしても車社会なんですね。幾ら道路を整備しても渋滞がずっと続くということなので、そういうことをすれば、マイカーをどうにか規制しながら広域バスを運用していくという方策ができたら非常にいいなと思っているんですが、いかがでしょうか。
○水野政府参考人 済みません、ちょっと先ほど先走って答えてしまったかもしれないんですが、お答え申し上げます。
先ほど御答弁申し上げたとおり、コミュニティーバスの広域化については、観光客の周遊支援にもつながるものでございますし、先生御指摘のとおり、高齢者等の交通弱者の移動手段の確保といった点にも資するというものと認識してございます。
先ほど答弁申しましたように、自治体単体、中のコミュニティーバスについては、これまでも北部振興予算や一括交付金で支援してきているところでございますが、コミュニティーバスの広域化につきましては、まさに今先生、例でもおっしゃっていた宜野湾と北中城村と中城村、例えばですね、そういった自治体が一緒になって考えていただいて、アイデアをということであれば、我々の方もしっかりと丁寧に相談に応じてまいりたいということでございます。
以上でございます。
○新垣委員 是非、一緒になって考えていただきたいと思っています。
私が言った中城村、北中城村、宜野湾市だけではなくて、沖縄市、大きなアリーナがあります、そしてイオンライカムができて、そういう形でコミュニティーバスで回していくと、北谷町に宿泊をして、沖縄市でバスケットを見て、買物を北中城でやる、あるいはイオンライカムでやるというような形のものがつくれたら、そんなに駐車場も要らないし、自家用をちょっと規制しながらやってもらえたらうまい具合にいくんじゃないかという個人的な見解なんですが、これはなかなか、またハードルも高いところはあろうかと思っているんですが、是非、そういう意味では、市町村と連携をしながらアイデアをいただきたいなと思っているので、よろしくお願いしたいと思っております。
それと、今ちょっと、沖縄振興というわけではないんですが、今沖縄で問題になっているのが、放置船、船やプレジャーボートがそのまま港湾にずっと放置されているという実態がございます。国交省が四年ごとに行っている二〇二二年度の実態調査によると、県内で登録のある三千百二十六隻のうち、約四割に当たる千三百四十一隻が放置船なんですね、マスコミ発表なんですが。
放置船には二種類あるということで、プレジャーボートは国交省、漁船は水産庁が管轄しているようです。国交省が行った二〇二二年度実態調査の放置は千三百四十一隻なんですが、これは全てプレジャーボートということでいいんですか。
○西村政府参考人 御指摘のとおり、全てプレジャーボートでございます。
○新垣委員 沖縄では漁船の方が多いんですね。港湾施設というのはほぼ市町村の管理だったり県の管理だったりするんですが、県管理の方は非常に多いんですよ。だから、何とか県とタイアップをしながらやっていこうとしているんですが、なかなか、放置が長くて所有者が見当たらない。
これは簡単に動かせない、個人の財産なので動かせないということがあって、是非これを何とか動かせる体制、動かせるというより処理できる体制ができないかということで、これは私の首長時代に非常に苦労して、もう放置されっ放しということで、そこに、今日は資料も添付したんですが、家電や、こういうのがたくさん放置されるんですね、放置されている船の隣には。困ったものだなと思っているんです。
撤去命令を出しても、なかなかそれが片づかない。誰の所有か分からないということで、当然県が全てを掌握できないはずなんですが、市町村や当該漁業組合に、管理委託というんですかね、そういう形でやれないのかなと思っているんですが、港湾管理者が撤去命令を出してもそのまま放置され続けていて、行政代執行による撤去は可能になるのかどうなのか、その要件があれば教えていただきたいと思うんですが、よろしくお願いします。
○田中政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘になりました放置艇となった状態の漁船についてということでございますので、漁港の関係についてお答え申し上げたいと思います。
漁港の放置艇につきましては、漁港管理者であります県や市などが管理条例を定めた上で、漁業協同組合との協力の下で、見回りなどの日々の状況の確認でございますとか、所有者情報の把握等を行っているところでございます。
本来的であれば、漁港に放置されております漁船については所有者の責任によりまして処理するべきものでありまして、基本的には所有者が対応することが必要と考えてございます。
ただ、漁港の適切な管理上早急に放置艇の撤去が必要な場合につきましては、漁港管理者である県や市町の判断の下で、法令に基づきまして放置等の禁止の物件と区域を指定し、期限を定めた上で措置を行うべきとして公示を行った上で、代執行による撤去をすることが可能というふうになってございます。
○新垣委員 分かりました。
この詳細については、またちょっと次回に詳しくお尋ねしたいと思っているんですが。
国交省にお尋ねしたいんですが、時間がないのでちょっとはしょっているんですけれども、沖縄県は、二〇二〇年度から放置艇対策として五か年計画を策定しているんですが、年度ごとに所有者不明などの三十隻の処理を目標に掲げたものの、実績は、二〇年度が二十九隻、二一年度は十五隻と、目標に達しておりません。
国としては、放置船ゼロを掲げて、船の処分費用の三分の一を補助する予算を地方自治体に交付しておりますが、沖縄県では、国の補助金を使っても撤去作業が追いつかないというのが実態であります。全国的に見て同様の問題が生じているのかどうなのか、これをお聞かせ願いたいと思います。
○西村政府参考人 お答えいたします。
全国で見ますと、令和四年度、プレジャーボートの放置艇の数は、平成三十年と比べて約二割減少しているというような状況でございまして、自治体別に見ますと、御指摘のように沖縄県のように増加してしまった自治体がある一方で、ほぼ解消できた自治体などもございます。
放置艇の増減はばらつきが見られておりまして、例えば大分県では、河川において本来係留が禁止される区域から港湾の係留区域へと誘導を推進する条例を制定するとともに、所有者不明船の処分や代執行の手順を整理したフローの作成に加え、必要な予算の確保による放置艇の廃船処理の集中的な実施などを行って、県内の放置艇をほぼ解消した、そういった事例もございます。
○新垣委員 結構、じゃ、大分県は先進的な取組をやっているということなんですね。分かりました。じゃ、これは是非沖縄県にも教えていただいて、何とか頑張ってやってくれということを是非お願いしたいなと思っているんですが。
もう一点は……
○佐藤委員長 新垣君、時間が来ております。
○新垣委員 あっ、そうですか、ごめんなさい。失礼しました。
じゃ、詳細については、また次回によろしくお願いしたいと思います。
ありがとうございました。
○佐藤委員長 次に、屋良朝博君。
○屋良委員 立憲民主、共同会派の屋良朝博でございます。よろしくお願いします。
今、新垣委員からも、沖縄は車社会からの脱却が大きなテーマである、コミュニティーバスとか自治体単位でやっているんだけれども、やはり公共交通の問題がずっとあるということを踏まえて、大臣、そろそろ鉄道をやりませんか。そろそろ発車させていこうじゃありませんか。
この問題は、二〇一〇年に調査に着手して、二〇一二年からスタートした第五次振計で、十年余りもBバイCをクリアできずに、今、第六次振興計画に入って、今なお、状況は余り変わっていないという現状があります。二年前の振興法の一部改正の附帯決議でも鉄軌道の導入がうたわれているところでございますけれども、この間、その事業が塩漬けになっているという印象がどうしても拭えないんですよ。
これについて、なぜ事業が進まないのか、大臣の認識をお願いします。
○自見国務大臣 お答えいたします。
内閣府におきましては、沖縄振興特別措置法の規定に基づきまして、沖縄における新たな鉄軌道等の整備の在り方につきまして、継続的に調査を実施してきているところであります。
調査開始当初の平成二十三年度の調査におきましては、事業効率性を評価するBバイCは〇・三九、事業の採算性を表す開業後四十年の累積損益は約六千五百億円の赤字であったものが、それぞれの数値を改善すべく、部分単線化やあるいは小型車両の導入などのコスト削減方策や、また、効率的なルートの検討、そして観光客の車離れや県民の公共交通への転換に伴う需要への反映など、事業の見直しに関する工夫を行ってきた結果、直近の令和四年度の調査におきましては、BバイCが〇・七四に、そして累積損益が約五千二百十億円の赤字となったところでございます。
しかしながら、依然としてBバイCは一を下回ってございまして、また、開業後四十年の累積損益も赤字であるといった課題が引き続き残されているところでございます。
現在の第六次振興計画の期間の中におきまして事業化できる見通しについては、現時点でお答えすることは困難でございますが、いずれにいたしましても、引き続き、様々な工夫を行いながら調査を進めてまいりたいと考えてございます。
○屋良委員 大臣、今の答弁は、私が三年前にこの委員会で質問させていただいたときの事務方の説明とほぼほぼ同じでございました。あのときから全く変わっていないということなんですけれども。
御提示しました資料で最初の資料一なんですけれども、これもそのときに提出させていただいた資料なんですよ。沖縄のバス運賃がかなり高いということを示している数字であります。東京都営地下鉄、とても便利、最長四十六・三キロメートル走るそうです。東京都営地下鉄は四百三十円。ところが、沖縄で同じ距離をバスで移動した場合、千四百二十円もかかってしまうということですね。これは先ほど来、子供の貧困とか様々、所得が低いという問題もありますけれども、生活コストがすごく高いんですわ、移動コストが。
それをどうにかしようということを訴え、議論させていただいたところ、その当時の河野太郎大臣は、移動コストがこれほど高ければ、BバイCがなぜそんなに低いのか、本来ならもっと数字がよくならなければならないんじゃないか、もう少し現実的に、どういうことをやったら移動コストが安く、定時性が担保される乗り物が導入できるのか、これはやはり真剣に考えないといけないというふうに述べられました。河野大臣は続けてこうもおっしゃいました。みんなが車を運転し、結果、渋滞がひどいというのでは、ほかのデメリットも出る、鉄軌道を導入した結果、気候変動対策にもなり、定時性も担保され、コストも下がるというのであれば、これは積極的にやるべきだろうというふうに思いますというふうに語ったんですね。
どうでしょう、大臣、河野大臣は積極的にやろうというようなお立場だったんですね。それを表明されたんですけれども、自見大臣はどういうふうにお考えでしょうか。
○自見国務大臣 お答え申し上げます。
沖縄におけます鉄軌道の導入につきましては、県民、観光客の移動の利便性の向上やあるいは交通渋滞の緩和など、様々な効果も考えられることでございまして、その意義は私も十分に理解をしてございます。
今現在、調査ということでございますが、今後は北部の地域にテーマパーク、ジャングリアの開業も予定されているほか、また、中部、北部ではリゾートホテル等の開発も引き続き見込まれるなど、需要の増加につながる動きが見られることもあり、鉄軌道のBバイCへの影響について引き続き調査を行っていく必要があると考えてございます。
○屋良委員 続きまして、資料一の裏側になります資料二を御覧いただきたいんですけれども、沖縄総合事務局が渋滞に巻き込まれる時間ロスを試算しております。年間八千百四十四万時間、これはすごいんですね。単純計算で給与に換算すると、県民一人当たり年間十万円のロス、県全体では千四百五十五億円にも相当するそうです。内閣府がBバイC調査を続けたこの十年余りで、これは単純に一兆四千五百五十億円の経済ロスが生まれているということになるわけです。
そして、那覇市のラッシュ時の平均旅行速度は全国で一番悪い、一番遅いんですよ。東京、大阪、名古屋の三大都市圏より渋滞は深刻です。
もはやこの損失はおざなりにできない問題じゃないかと私は本当にもう深刻に受け止めておりまして、私が住んでいる沖縄市、中部圏なんですけれども、もう朝のラッシュ時に那覇に出ようとしたら二時間近くかかっちゃうときがあるんですよ。すいている時間は三十分とか四十分ぐらいで行けますよ。
この経済的なロスは余りにもひど過ぎるということを、私たちは、この間ずっと放置しているような感じがしてなりません。この状態を放置しておくというのがいつまで続くんですか、もうそろそろ方向性を見出しましょうよということで、実は提案がございまして、大したことじゃないんですけれども、まずは実現可能な区間を先行してみてはどうでしょうかということでございます。
例えば、東京地下鉄の大江戸線、多摩都市モノレールなどが、開通できるところからまずやって、区間での採算性などを踏まえて取りあえずはやってみると。最初から全線開通での採算性を考慮しなければ動かないという結論ありきでは、どうも沖縄の交通利便性がよくなるかどうか、それを念頭に置いた場合、やはり実現可能性がある部分から先にやって、徐々に徐々に増やしていけばいいという立場になぜ立たれないのかということを私はずっと疑問に思っているんですよ。
大臣、その辺、まずは実現可能性を、それで突破口を開いて、それから延ばしていく、それでいいんじゃないかと私は思うんですけれども、どうでしょう。
○自見国務大臣 お答えいたします。
内閣府の鉄軌道調査は、沖縄県が平成二十二年に策定をいたしました沖縄二十一世紀ビジョンに、沖縄本島内の均衡ある発展のため、中南部都市圏を縦貫し、北部圏域に至る軌道系を含む新たな公共交通システムの導入を図ると記述されたことを踏まえ、その実現可能性等について調査をしてきたところでございます。
また、令和四年に沖縄県が策定をいたしました第六次沖縄振興計画におきましても、那覇から名護を一時間で結ぶ速達性、定時性等の機能を備えた鉄軌道を含む新たな公共交通システムの導入と記載をされてございます。
内閣府といたしましては、これらを踏まえまして、沖縄の中南部都市圏から北部に至る沖縄本島を縦貫するルートについて、調査検討を行っているところでございます。
○屋良委員 ありがとうございます。
ところで、自見大臣、長崎県佐世保生まれで、福岡県の北九州市でお育ちになったということでございますよね。北九州市には鉄道がたくさん走っています。JRもあれば、私鉄もあれば、モノレールもあるということですね。政令指定都市なので、それだけの人口とエリアがあるから採算性が担保されているということだと思いますけれども、実は、沖縄県の中南部地域を一くくりで見た場合、北九州市と結構同じぐらいの規模と人口になるんですよ。
例えば、北九州市は人口九十六万人、沖縄の中南部圏は百十二万人、沖縄県全体の人口は百四十五万人なので、その八割なんですね。面積でいうと、北九州市が四百九十二キロ平方メートル、沖縄の中南部圏は四百七十八キロ平方メートルでありまして、人口密度は実は沖縄の中南部圏の方が高いということなんですよ。
だから、どう見ても、北九州市で鉄道が何本も走っているのだから、沖縄の中南部圏でも鉄道が走らないわけはないというふうに考えるのが私は普通じゃないかなと思っているんですよ。北九州市は条件を満たしていますけれども、面積も人口もほぼ同じ沖縄の中南部圏で鉄道を導入できないという道理は通らないんじゃないのかなというふうに単純に思ったりするわけですね。
先ほど資料二で見ていただいた沖縄総合事務局の調査で、毎年の時間ロス、八千百四十四万時間のうち、人口が密集する中南部で渋滞による時間ロスは全体の八四%、約七千時間でございます。その間でまずは鉄道を回してみて、そうすると、かなりの時間ロスが解消できるというふうに、だから沖縄総合事務局ですよ、内閣府の出先じゃないですか、そこがやった調査を見ただけでも、それが十分想定できるわけですよ。
先ほども、大臣、沖縄県が提示した計画を基にBバイCを取っていますというふうな御発言なんですけれども、現実的な対応を追求してみてはいかがでしょうか。もちろん、私たち、当然全力で応援します、これ。もう、渋滞もひどい、沖縄の交通、車社会、本当に脱却しないといけないという瀬戸際になっていると思うんですね、この渋滞を見ると。だから、できるところから先にやっていく、知恵を出し合っていくというのはそんなに難しいことなんだろうかと思うんですね。
どうか、内閣府、沖縄県と一緒に、ルートも含めてやり方を考えて、BバイCが取れるところから、一をクリアできるところからやってみようというふうな考えに立っていただきたいと思っているんですけれども、どうでしょう。
○自見国務大臣 お答えいたします。
私の育った北九州では、私はバスで通学をしておりました。
沖縄県が策定をいたしました沖縄二十一世紀ビジョンや沖縄振興計画では、中南部と北部を結ぶことが前提とされておりまして、内閣府としても、こうした地元の考えに即して調査を行っていくことが必要であるというふうに考えてございます。
先ほども一部申し上げましたが、いずれにいたしましても、内閣府におきましては、県土の均衡ある発展を支える鉄軌道の導入に向けた調査を行ってございますが、今後は北部のテーマパークの開業も予定され、また、リゾートホテル等の開発も引き続き見込まれるなど、需要の増加につながる動きも見られていることでございます。
こうした動向も注視しつつ、引き続き、中南部都市圏から北部に至る路線を前提に、調査検討を進めていく考えでございます。
○屋良委員 大臣、事務方が書いてくれたその原稿をそのまま平たく読んでいただくのもいいんですけれども、ただ、もうこれは十年以上もBバイCを取り続けてきた、クリアできない、いつまでやるんですかということですよね。だから、できるところから先にやって、それから延ばしていけばいいんじゃないですかという提案なんですけれども。
仮に、この計画を策定している沖縄県が見直しに同意すれば、例えば、玉城デニー知事が見直しましょう、できるところからやりましょうというふうな立場に立っていただければ、物事は進むんじゃないでしょうか。どうですかね、大臣。沖縄県とともに、事業計画の見直しも含めて、北九州市と同規模の中南部でまずは着手して、バスで通学されていたということなんですけれども、将来的に北伸を目指す、そんな長期的なビジョン、あるいは本当に現実的な対応で一歩ずつ進んでいくというふうな対応がやはりあってもいいんじゃないかと思うんですけれども。
大臣、是非とも御自身のお言葉で、もうこれは十年以上もBバイCをやっていて、〇・三から〇・七になりました。毎年、大体一億円ぐらいの予算をかけて調査しているから、十億円以上かかっているわけですよ。十億円以上かけて、〇・三から〇・七ですと。これは、その調査自体のBバイCが問われるというようなことだと私は思いますよ。
どうですか、例えば、玉城デニー知事と一緒に、じゃ、計画をちょっと見直しながらゆっくり進んでいきましょうというふうな立場に立たれませんか。お願いします。
○自見国務大臣 お答えいたします。
鉄軌道の導入につきましては、私も、沖縄県の皆様の地元に伺うたびに、やはり交通渋滞の緩和が大変重要だというお話を伺ってございますので、その意義は十分に理解をしてございます。
繰り返しで恐縮でございますが、沖縄県が策定をいたしております沖縄二十一世紀ビジョンやあるいは沖縄振興計画においては、中南部と北部を結ぶことが前提とされてございます。地元の自治体の皆様と密なコミュニケーションをしつつ、内閣府としても、こういった考えに即して調査を行っていくことが必要であろうと思ってございます。
○屋良委員 大臣、ですから、それは県が出した計画がそうだからという前提の今の答弁ですよね。じゃなくて、見直しを含めて、当然、将来的には、県が求めているような北部までつなぐ、これは僕は必要だと思います。移動コストが高過ぎる。今、BバイCが問題になっているのであれば、まずは、できるところ、範囲で着手して、それから将来的にと。それを沖縄県と一緒にやりませんかというのが質問なんですね。どうもそこが、沖縄県の最初の基本計画、そこも踏まえつつ、今、現実的にできるところをまずやってみませんか。計画の見直しも含めて、ルートの見直しも含めてやらないと、これはいつまでたってもBバイC、BバイCと言っていて、そのBバイCの調査自体が全く現実性を無視した調査ばかり、塩漬け事業にされているんじゃないかというふうな印象を持たざるを得ない。
だから、子供の貧困は当然大事、それはもうとても深刻な問題ですから。だけれども、生活コストが物すごく高いんですよ。一人一人が車を持てば、それは駐車場は必要でしょう。一家に一台、二台、今みんな持っていますよ。そのためには土地を確保して家に駐車場を造らないといけない。行った先でも、それは駐車場を確保しないといけないから、駐車料金を払って、ガソリン代も払って、これはちょっと、余りにも問題を、この交通のシステムが貧弱である沖縄の現状を、やはりまずは手をつけていかないといけないと思うんですね。
どうか大臣、そこは、決意というか、新たな対応も見据えながらやっていくというふうなことをどうにかやってもらわないと、この問題は全然進まないと思うんですけれども、答弁を求めてももしかしたら同じかもしれないので、もうやめておきますけれども。
次の質問に移ります。
ちょっと質問の順番を変えて、先ほど来、子供の貧困の問題があったので、子供の貧困の解決を目指す拠点整備についてお伺いします。
国立拠点の整備構想、国立こどもまんなかウェルビーイングセンターin沖縄について、政府が検討に入り、自公で議連が発足するというふうな報道がなされております。この計画の現状をお聞かせください。
○自見国務大臣 お答えいたします。
御指摘の点につきましては、先週、四月十七日水曜日に、自民党、公明党の関係議員の先生方によりまして議連の設立準備会合が開催されたと承知をしてございます。
沖縄は、アジアの玄関口に位置する地理的特性などの、他県にない優位性、潜在性を有しているほか、出生率が全国で最も高く、独自の温かい地域コミュニティーが根づいているなどの優れた面を持ってございます。
また一方で、所得あるいは世帯の状況や、それらにも影響を受けた学力などに起因する親世代から子世代への貧困の連鎖を断ち切ることも重要な課題であると認識してございます。
また、今回の個別の議連について私の立場から具体的にコメントすることは差し控えさせていただきますが、子供のウェルビーイング、すなわち、バイオ・サイコ・ソーシャル・ウェルビーイングと申しますが、身体的、そして精神的、そして社会的に、将来にわたって子供たちが幸せな状態で生活を送ることができるようにするということが重視されているということは、貧困の連鎖を断ち切るためにも意味のあることだと考えてございます。
今後も、議連の動きなども注視しながら、政府として必要な取組についてしっかりと検討してまいりたいと存じます。
○屋良委員 必要なことだと私たちも思いますので、是非とも頑張っていただきたいと思いますけれども、やはりこれは、地域、地元のことを知っている沖縄県とか市町村とか、そういったところも最初の検討段階から絡めて計画を是非とも立案していきたいと思うんですけれども、地域との連携、今どのようにお考えでしょうか。
○自見国務大臣 お答えいたします。
子供政策におきましては、国、都道府県、市区町村、それぞれの役割がある中で、特に基礎自治体の役割も大きいものでございます。一番の、母子保健事業ですとか子供の貧困対策等々において、やはり地域での実情のフロントラインは基礎自治体でございます。また、それらの基礎自治体の要、要で足りないところを補っていくという県の役割もまた同時に非常に重要でございます。
国と県とそして基礎自治体との中で、子供たちのウェルビーイングがしっかりと達成されるよう、内閣府としても対応してまいりたいと存じます。
○屋良委員 その際、事業費なんですけれども、先ほども、新垣委員、沖縄県のハード交付金などが削られているというふうなことが指摘がありましたけれども、沖縄振興予算の中にこれを押し込むとなると、これまた削られていくというふうなことが心配されるんですけれども。
まだ具体的に決まっていないということだと思いますけれども、これはよもや沖縄の予算の中に入れ込んでいくというふうなお考えはないというように理解してよろしいでしょうか。
○自見国務大臣 現在、議連の活動などについては注視をさせていただいているところでございますので、私の立場から現時点において予算について言及すること自体は差し控えさせていただきたいと存じますが、いずれにいたしましても、沖縄の子供の貧困対策をしっかりやっていくということには何ら変わりはございません。
○屋良委員 予算をちょっと気にしたのは、やはり、沖縄県の予算が削られているというか、沖縄県の地方向けの補助金を含む予算が一方的に削られているという印象があるんですね。
資料三、おめくりいただきたいんですけれども、この薄い青と濃い青、これが国直轄分です。これは余り変わっていないんですよ、ずっと。過去、経年を見てみると、ほとんど変わっていない、千二百億ぐらいで推移しているんですけれども。沖縄県の一括交付金を含む地方向けの予算ががんがん削られているというふうな状況にあっては、やはり地元の事業、沖縄県の事業が大変厳しい状況、環境の中にある。
もうそろそろ時間なので、最後のページなんですけれども、公共事業関連費、国の一般、平均的には過去十二年間でプラス六四%なんですね。ところが、沖縄県はマイナス四七%。これは余りにも削り過ぎだというふうに思っております。
もう時間なので答弁はいただくことはないと思いますけれども、鉄軌道も含めて、実現可能なことをまずやって、少しでも県民の生活を向上させる。これはやろうと思えばできるわけですから。みんなやっているわけだから、現実可能なところから手をつけていきましょうと。それをまずやっていただき、沖縄県とルートの変更などを含めて検討する用意があるのであれば、是非とも進めていただきたいということを要望して、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○佐藤委員長 次に、松木けんこう君。
○松木委員 松木でございます。
それでは、質問させていただきますけれども、その前に、自見さん、参議院にも呼ばれているでしょう。だから、早めに出てもそれはしようがないので、そのときはぴゅっと行ってください。大丈夫です、怒りませんから。
ということで、一つ、両大臣にまず聞きたいことがあるんです。
沖縄では戦争があったわけですよね。大きな戦いがあって、たくさんの方が亡くなったという事実がある。
その中で、日本軍の大田中将という方がいて、その方が何と言ったか。それは、後世、沖縄の人を頼むというような、そういう打電をされてから自決をなされたんだったでしょうかね、そういうことがあったと思いますけれども、それにはどういうふうに、お二人、感じるもの、ああ、これは予算をとにかくいっぱいつけなきゃ駄目だなとか、そんなことも含めて、ちょっとお答えいただけたらありがたい。
○自見国務大臣 お答え申し上げます。
大田中将のせりふは、言葉は非常に重たいものがあると思っておりまして、私も時折読み返しております。また、その言葉を私の担当になってから幾度か沖縄担当部局の職員の方々と共有させていただきながら、やはり気持ちをどこに持っていくのかというところにおいてこの言葉が非常に重たいということは、常々、私なりの言葉で話をさせていただいてございます。
また、初代の沖縄北方担当大臣は橋本龍太郎先生でございましたけれども、やはり、橋本、小渕内閣で沖縄振興策をしっかりと力を入れて、そして全人格的に施策を推進してきたという歴史もございます。
そういった過去の、与野党を超えて、先人たちがどのような思いで沖縄振興策に取り組んできたかということは、私の今置かれている立場として、最も重要なことであろうかと思ってございます。常に沖縄の皆様とともに仕事をしてまいりたいと思ってございます。
○上川国務大臣 沖縄の置かれている状況につきましては、地政学的な、地図の中に位置づけられているところも含めまして、日本の中で大変重要な役割をこの間担ってこられたというふうに私自身思っております。
また、戦争の時代の中で、様々な犠牲を伴う、また市街戦も含めて、そして平和の礎のところに刻まれた一人一人の命がそれに関わっているということを考えると、今、国際社会の中におきましては様々な地域で紛争が起きているところでございますが、時間が過去のものであるということよりも、今なおその記憶を鮮明にしながら今の問題についても向き合う、こういう姿勢で、絶えず沖縄のことを心に刻みながら、外交の努力もしているところでございます。
○松木委員 ありがとうございました。
お二人とも、さすがに私が尊敬する大臣だなというふうに思いました。非常にいい答えだったというふうに思います。
そこで、沖縄、やはり何だかんだ言って予算というのは大切ですよね、当然のことながら。何をやるにも予算がなきゃできないわけだから。
ということで、一番初めの資料をちょっと見てもらいたいんですけれども、これは過去十年のやつをちょっとグラフにしたんですけれども、大田中将の言葉と反するとまでは言わないけれども、もうちょっと沖縄の予算というのはお考えになった方がいいのではなかろうかというように感じます。
仲井真さんのときに、安倍さんとともに辺野古の基地のことをたしか合意したんですよね。そのとき、たしか平成二十六年かな、二十六年ぐらいだったと思うんですけれども、このときというのは概算要求を上回るぐらいお金をもらっているんですよ、沖縄は。そして、安倍さんは、令和三年までは三千億円以上は絶対確保するぞ、こういうふうに言ってくれたんですね、このとき。さすが安倍晋三さんで、ちゃんとこれを確保してくれたんです。
確保してくれたんですけれども、これが終わった途端に、翁長さんが県政を担って、二十六年から三十年、そして平成三十年の十月から玉城デニー君が県知事をやっているということなんですけれども、ここら辺から、初めの何年かは三千十億というのは守られているんですけれども、とにかく、令和三年が終わって、令和四年、五年、六年、これは、二千六百八十四、二千六百七十九、二千六百七十八、こうなっているんですけれども、簡単に言えば、三千十億の一割は三百億、そうやって考えたら一割以上落ちていることになるんですけれども。
基地のことで県と国がちょっともめごとになっているというのも分かるし、それはお互いにしっかりまた、どんどんどんどんやはり話し合わなきゃいけないというふうに思いますけれども、これはちょっといろいろな意味で、やはりこの沖縄の振興予算というのが一割以上減らされているということを考えると、水道の設備の老朽化によって断水が起きたり、老朽化した学校施設の改築が先送りされるとか、いろいろなことが起きているわけでございます。
まあ、もうちょっと、その気持ちも分かるんだよね、何となく。それは人間だから、今まで協力してくれたからここまでつけたんだぞと、しかしちょっと違ってきたじゃないかというのも分かるんだけれども、沖縄というやはり土地柄のことを考えたときに、これだけ予算を削ってしまったというのはちょっと残念な気がして、是非これを取り戻してもらうように、私の尊敬する自見大臣はやってくれるんじゃないかなと思っているんですけれども、いかがでしょうか。
○自見国務大臣 お答えいたします。
令和六年度沖縄振興予算につきましては、強い沖縄経済の実現や沖縄健康医療拠点の整備などに係る経費として、国としても考える必要額を積み上げて決定されたものでございますので、御指摘は当たらないものかと思ってございます。
なお、私といたしましては、沖縄振興予算について、今後も地元の様々なお声に丁寧に耳を傾けながら、必要と考える額をしっかりと確保してまいりたいと考えてございます。
○松木委員 分かりました。もめているから減らしたとかなんとか、そんなこと、もちろん、そうですなんという話には、そちらの方から見たらならないわけで。
でも、県が出してきた要求と大分幅がありますので、一割ぐらいあるわけだから、まあ、そっちの方もちゃんと積み上げてやっているという事実ももちろんありますよ。でも、県の方もそれで頑張っているので、是非そこら辺は、いい結果が出せるように協力してやっていただきたいというふうに思っております。
外務大臣の方は何か、もしあれだったら。いいかいいか。言っていないからいい。何かしゃべる。(発言する者あり)大丈夫ね。オーケーオーケー。
分かりました。じゃ、沖縄のことは一応このぐらいにして、北海道のことを聞く人が誰もいないというのは寂しい話で、私が北海道のことに関してはちょっとお聞きをさせていただきます。
内閣府の北方対策本部の予算は、平成二十八年十二月のプーチン大統領の訪日、平成三十年十一月のシンガポールでの日ロ首脳会談など、北方領土返還に向けて大きな動きがあった平成二十八年度から今年度まで十六、七億円ほどで推移をしています。
ホームページなどで確認できる北方対策本部の活動目的は、「外交交渉を支える国民世論の結集と高揚を図るための広報・啓発の充実や返還要求運動の支援、北方四島との交流事業等、北方領土問題解決に向けた諸施策を推進しています。」となっているんですね。平成二十八年から三十年度と比較して、北方領土返還に向けた国民世論が高まっているとはなかなか言えないというふうに思っているんですけれども、その結集や高揚のための広報啓発は、でもやはり重要なんですね。
また、自見北方担当大臣、上川大臣の所信にもあったように、日ロ関係は厳しい状態であり、北方墓参を始めとする北方四島交流事業の再開に向けて取り組んでいる状況でもあるわけですけれども、このような時期だからこそ、北方対策本部予算の更なる増額を行い、活動を強化する必要があるというふうに私は考えているんですね。
そこで、資料の二枚目を見ると、ずっと大体こんな感じで予算が推移しているんですよ。これを、ちょっと是非、何かもっといろいろと考えて増やしていったらどうかなというふうに私は思っているんですけれども、どうでしょうか、大臣、そこら辺は。
○自見国務大臣 お答えいたします。
北方領土問題の解決には国民の理解と関心が不可欠であり、特に若い世代に関心を持っていただき、理解を促進していくことが重要であると考えてございます。
このため、内閣府におきましては、元島民の方々への援護や、あるいは北方四島交流等事業の再開、今は特に墓参ということでございますが、に向けて取り組むとともに、国民世論の啓発に向けて力を尽くしているところでございます。
具体的な取組といたしましては、修学旅行の誘致を含めた北方領土教育の充実や、SNS、オンラインを活用した情報発信など、若い世代の正しい理解と関心につながるための働きかけを重点的に進めているところであります。
さらに、北方領土啓発次世代ラボの開催を通じまして、若い世代の視点を幅広く取り入れ、有効なアイデアを今後の啓発手法としても蓄積、検討していくなどの取組も行ってございます。
今後とも、必要な予算をしっかり確保しながら、関係省庁や関係団体とも連携しつつ、こうした取組を着実に展開していくことで、国民の皆様に北方領土問題に対する理解と関心を一層深めていただけるよう取り組んでまいりたいと存じます。
○松木委員 ありがとうございます。是非これは頑張っていただいたらいいなというふうに思っております。
ちょっと後で聞こうかなと思ったんですけれども、途中でいなくなったら寂しいので先に聞きますけれども、世論調査をやっているじゃないですか。実は、私がちょうど初当選したときかな、北方委員会に入って、世論調査ってやったことあるんですかという話を聞いたことがあって、実はなかったんですよ。それで、そのときから五年に一遍やるようになったんですね。
それで、この間、北海道新聞かどこかの新聞に、だんだん、皆さん、北方領土問題があるということを忘れてきているというような、そういう報道もあったんですね。ところが、よくよく考えてみたら、実はそれは新聞の書き方が悪くて、意外とみんな知っていたんですよ、実は。
ただ、やはりちょっと心配はあるなという感じはあるので、私は、例えば世論調査、これは四ページ目を見てもらいたいんですけれども、ここに予算額とか書いてあるんですけれども、これは、いろいろなのをやって、その世論調査だけでかけている金じゃないんですけれども、こういう予算があるんですけれども、五年に一遍やっているわけですよ。
五年に一遍じゃなくて、もうちょっと、どうですかね、スパンを短くして、本当だったら、私、考えたのは、世論調査をうまく利用してPRに使って、例えば、世論調査というのは三千人ぐらい取ったら本当に大体いい数字が出るというのは分かっているんですけれども、それをわざわざ十万人ぐらいに聞いて、それで、そこでPRをしていくという手もあるなというふうに思ったんですけれども。
まあ、それもそれとして、まず、世論調査の回数はもうちょっと増やしてもいいような気がするんですけれども、自見大臣、どうですかね、これは。
○矢作政府参考人 お答えいたします。
北方領土問題に関する世論調査につきましては、内閣府政府広報室が実施する世論調査の一環といたしまして、平成二十年以降、五年ごとに実施しております。
この調査は五年ごとの定点観測を行っていることから、期間を短縮等変更した場合にはこれまでのデータとの比較が難しくなる、また、他府省からも世論調査の要求がある中、これまで実施できていた五年ごとの調査の実施にマイナスの影響も考えられるということから、五年という期間は妥当であるというふうに考えてございます。
他方で、五年以内に調査を行う必要がある事項等が発生することも考えられますけれども、その際には、内閣府のみならず、独立行政法人北方領土問題対策協会においても必要な事項を調査してございます。
引き続き、同法人による調査も含めまして、必要な調査を実施してまいりたいというふうに考えてございます。
○松木委員 五年に一遍が大体いいところという感じに思っているのかな。いや、いいよ、いいよ。でも、五年というのは結構長くないかね。もうちょっと短くしてもいいような気がするんだけれども、一回ちょっと検討してみてくれませんか。
大臣、是非、答えはいいや、答えはいい。一度、本当に、五年というのはどうもちょっと長く感じるので、もうちょっと短くやっていって、それで、それをマスコミにやはり載せてもらう、これは結構大切かなというふうに思いますので、是非頑張っていただきたいというふうに思います。
ありがとう、済みません、あなたの言っていることを否定しているわけじゃないから。
それで、若い人たちに対しての働きかけもしていきたいというお話がありましたけれども、三ページ目を見てください。ここにユーチューブの公式チャンネルの登録者数というのがあるんですね。官邸が十四万九千、総務省が一万九千五百、法務省は四万二千四百、外務省はすごいですね、十二万三千ありますね。財務省はやはり難しいんですかね、お金のことだから、三千四百八十人しかいない。文科省も十万人以上、厚生労働省も十万人以上。
その中で、これはちょっと、内閣府というのが、ユーチューブの公式チャンネルというのが存在しないんですよね、だからちょっと分からないところもあるんですけれども、北対協が一応公式チャンネルを持っているんですけれども、これは四百八十四人しかないんですよね。これ、もうちょっと何かうまくやっていったらいいのではなかろうかなというふうに思うんですけれども、どうですか、自見大臣。
○矢作政府参考人 お答えいたします。
北方領土問題の解決には、国民の関心と理解が不可欠であり、特に、若い世代の関心の喚起と理解の促進が重要と考えてございます。
総務省の調査によりますと、ユーチューブの利用率はソーシャルメディア系サービス等の中で大変高く、さらに、若年層ほど高い傾向にあると承知してございます。これを受けまして、内閣府でも本年度、個人の北方領土問題への関心度レベルに沿ったネット動画を作成、発信することで、広告やショート動画に関心を持っていただいた方をユーチューブに誘導するなどの事業を行う予定でございます。
今後とも、北方領土問題に対する理解を深め、関心を持っていただけるよう、時代の変化を見据えながら、デジタル媒体など適切な手段を用いて、広報啓発に取り組んでまいりたいと考えてございます。
○松木委員 多分、そこら辺、大切なことになっていくので、是非頑張ってください。
それと、自見大臣、いいですよ、大丈夫、大丈夫。ちょっと早めに行った方がいい。いろいろな用意がありますから。
○佐藤委員長 申合せのとおり、自見大臣、退席して結構でございます。
○松木委員 では、質問を続けます。
平成の二十八年十二月の日ロ首脳会談、これは山口県、東京都なんかで行われたやつですけれども、漁業、海面養殖、観光、医療、環境その他の分野を対象とした、平和条約締結交渉に関する日ロの立場を害さない特別な制度の下での北方四島における共同経済活動の協議を開始することが平和条約の締結に向けた重要な一歩になり得るとの相互理解に達し、両国間で協議が進められてきました。
そして、平成二十九年九月の日ロ首脳会談において、共同経済活動に関して、早期に取り組むプロジェクトとして五件、一件目は海産物の共同増養殖、二件目は温室野菜栽培、三つ目が島の特性に応じたツアーの開発、四番目は風力発電の導入、五番目はごみの減容対策の、この五つの候補を特定し、令和元年八月から九月にはごみ処理に関する専門家の相互往来、同年十月から十一月には国後島及び択捉島への観光パイロットツアーが実施され、北方領土問題の解決の糸口になるのではと期待が高まっていました。
しかしながら、令和四年の二月二十四日、ロシアはウクライナへの侵攻を開始し、翌三月には、ロシア外務省は、日本の対ロ制裁に対する措置に関して声明を発表し、ロシアには現状において日本との平和条約に関する交渉を継続する意思はないとした上で、共同経済活動から撤退することなどを表明し、日ロ間の交渉は頓挫することとなったわけです。特に、水産業を主産業とする根室市など北方領土隣接地域が期待していたのは、海産物の共同増養殖について。何ら進展がないまま現在に至ったことは、誠に残念だなというふうに思っております。
ロシアによるウクライナ侵略以降、日ロ関係は非常に厳しい状況に置かれていることはもう重々承知はしておりますが、日本側からこの海産物の共同増養殖を含めた共同経済活動に関する協議の再開を今、呼びかけているような状態であるのでしょうかどうか、教えてください。
○池上政府参考人 お答え申し上げます。
北方四島における共同経済活動でございますけれども、これは、戦後七十五年以上、もう八十年近くなりますけれども、この歴史の中で、初めて日本人あるいは日本の企業が北方四島に行って経済活動を行うことになる、こういう意味において、平和条約締結交渉を推進する上でも大変重要な取組ということで位置づけてまいりました。
今、委員御指摘ありましたとおり、ウクライナ侵略を開始した後、ロシア側は、ウクライナ情勢に関連して日本側が行った措置というのが一方的かつ非友好的な措置であるというふうに指摘しまして、二〇二二年三月に共同経済活動についての対話から離脱する旨を表明いたしました。
しかしながら、こうした事態は全てロシアによるウクライナ侵略に起因して発生しているものでございまして、それにもかかわらず、日本側に責任を転嫁して対話から離脱するという、こういったロシア側の対応は極めて不当なものでありまして、我が国として断じて受け入れられないということで強く抗議をして、撤回を申し入れているところでございます。
日本政府といたしましては、領土問題を解決して平和条約を締結するという方針を堅持しておりまして、本件に関わる今後の対応につきましても、北方領土隣接地域を含む関係者の皆様の御意向も踏まえつつ、情勢を見極めつつ、適切に対応していく考えでございます。
○松木委員 はい、分かりました。
いや、ロシアの方が一方的に言っているわけですから、これはしようがない、我々がどうのこうのという話じゃない部分もあると思いますので。ただ、どこかでまた進展したら、これは大切なことなので、特に今言った共同増養殖の事業、これは非常に地元も期待なさっているようですから、動いたときには、是非頑張っていただきたいというふうに思っております。
それと、何か、結構ロシアも日本に対していろいろなきついことを言ってきているようでございますけれども、北方四島のいろいろな交流事業をやってきたわけなんですけれども、その中で二つ、千島連盟と北方同盟というのがありますよね。これに対して、ロシアも生意気にも、望ましくない外国NGO団体というものに指定してきたというふうに聞いているんですけれども、言葉はちょっと慎まなきゃいけませんのであれですけれども、ちょっとこれはひどいなと思っているんですけれども。
外務省の方、ちょっとこれ、ふざけるなというぐらいのことはロシアに向かってちょっと何かやったんですか。
○池上政府参考人 お答え申し上げます。
昨年の四月二十一日になりますけれども、ロシアの最高検察庁が、千島歯舞諸島居住者連盟、いわゆる千島連盟でございますけれども、この組織を、また、続きまして、今年の二月六日には、ロシア法務省が、北方領土復帰期成同盟、いわゆる北方同盟でございます、この二つの組織を、それぞれ望ましくない外国NGO団体というものに指定するということを発表したということでございます。
これまで、我が国はロシアとの間で北方領土問題の解決を目指して平和条約交渉を行ってきたわけでございます。そうした中で、これらの団体は長年にわたりまして国民の世論を高め、まさに日ロ政府間の平和条約交渉を支えるための運動を行ってきた団体でございます。
したがって、我々として、ロシア側によるこれら団体の望ましくない外国NGO団体指定というものは極めて一方的なものであり、受け入れられないということで、発表後、速やかに抗議を行うとともに、指定の撤回ということを求めてきている次第でございます。
もちろん、両団体は例えば四島交流等事業でも非常に大きな役割を果たしてきた団体でございます。これが今後、今停止されている四島交流等事業にどういうふうに影響してくるかということも、ちょっと予断を持ってこの場でお答えすることは差し控えたいとは思いますけれども、いずれにいたしましても、この指定によりましてこれら団体の活動に悪影響が出ることがあってはならないというふうに考えておりまして、政府として引き続き適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○松木委員 是非しっかり頑張っていただきたいと思います。
そして、これは北方領土の問題もそうだと思うし、戦争があってからもう随分たちましたよね。そういう意味では、その後継者、それを語り継いでいく人たちがだんだんだんだん、やはり減っているんでしょうね。千島連盟によれば、引揚げ時に一万七千二百九十一人の島民の方がおられたんですよ。今、これが、令和六年三月三十一日現在で存命されている方が五千百三十五人、平均年齢も八十八歳超え、こういうふうに、だんだんだんだんなってきているんですね。
やはり、語り部というのは非常に大切なんですけれども、でも、だんだん高齢になってくる。それをやはり次につなげていかなきゃならないというふうに思っておりますけれども、そこら辺の後継者の育成事業、こういうことを、予算もつけて、やってはいただいているんでしょうけれども、政府の方から、是非、これは諦めないでちゃんとやっていくんだぞというような答弁で結構ですから、お答えいただけますか。
○矢作政府参考人 お答えいたします。
北方四島の元島民の皆様が御高齢になられている現状に鑑みまして、今後の担い手となる後継者の育成を図るため、千島連盟や北方領土隣接地域が行う後継者育成事業に対しまして、北海道が設置している基金や北対協から補助を行っているところでございます。
具体的には、令和六年度におきましては、元島民二、三世等を主たる対象として行われる語り部育成や後継者研修会等の事業を支援するため、千島連盟に対しまして、北方基金により約二千八百万円を、北対協を通じまして約一千九百万円を補助しているところでございます。
引き続き、関係団体の御意見も丁寧にお伺いしながら、また緊密に連携しながら、次の世代の北方領土返還運動を担っていく後継者がしっかりと育成され、着実な活動につながっていくよう、内閣府としても力を尽くしてまいりたいと考えてございます。
○松木委員 是非頑張ってくださいね、これ。広島なんかでもこの育成事業をやっているみたいで、それなりに人も増えているみたいですから、それを参考にして、しっかり頑張ってやっていただきたいというふうに思います。
もう時間、駄目、終わり。もう一問あったんだけれども、諦めましょう。しようがない、時間が時間だしね。
じゃ、これで終了します。ありがとうございました。
○佐藤委員長 次に、東国幹君。
○東委員 大変限られた時間でございますので、早速質問をさせていただきたいと思います。上川外務大臣そして工藤副大臣、本当にありがとうございます。
大臣所信の中では、上川大臣は、漁業などの経済活動や海洋における安全に関わる問題にもロシア側への働きかけを含め対処していくということを表明されておりますけれども、しかしながら、先々週、今月十一日午後八時から十七日午後八時までの間、北方領土周域で、外国艦艇そして公船の航行を認めない措置をロシア側は発令をいたしました。
岸田内閣が、折しも、十日の日米首脳会談などで、日米の安全保障分野の連携強化を打ち出したことが念頭にあるのではないかとの観測があるわけなんですけれども、政府としては、その因果関係というか関連性というか、そういったところの方ではどのような見解を持っておられるのか、お伺いします。
○上川国務大臣 ロシア政府でありますが、四月十一日、同日午後八時から四月十七日午後八時までの間、北方四島周辺の我が国領海を含みます水域におきまして、外国艦船及び外国公船の無害通航を一時停止する旨の航行警報を発出したところであります。
さらに、四月十六日には、四月十七日午後八時から四月二十七日午後九時までの間、同様の航行警報を発出したところでございます。
これを受けまして、四月十二日朝及び四月十七日朝でありますが、外交ルートを通じまして、ロシア側が北方四島周辺の我が国領海における外国船舶の無害通航の一時停止を対外的に通報することは、北方四島に関する我が国の立場に反するものであり、受け入れられない旨、抗議をいたしました。
政府といたしましては、これらの措置に関しまして、ロシア側の意図等につきましてコメントをする立場にはございませんけれども、引き続き、状況の注視をしていくとともに、適切に対応してまいりたいと考えております。
○東委員 ロシア法務省は、先ほど松木委員からの質疑にもありましたとおり、千島歯舞諸島居住者連盟及び北方領土復帰期成同盟の二つの団体、これについて、二月六日以降なんですけれども、タス通信においては、好ましからぬ団体に指定されたわけなんです。外交上のハードルの高さというものがここで表れるわけなんですけれども。
しかし、返還運動に向けて、今後も、やはり積極的に、力を減退させないような運動を推し進めるべきだと思いますけれども、今後とも、どのような意気込みを持って対処していくのか、お伺いしたいと思います。
○工藤副大臣 お答え申し上げます。
我が国の北方領土返還要求に関わる団体は、長年にわたり国民世論を高め、日ロ政府間の平和条約交渉を支えるための運動を行ってこられました。ロシアによる望ましくない外国NGO団体の指定が、北方領土返還要求運動等に関わる方々などの活動に悪影響が出ることがあってはならないと考えております。
裾野の広い北方領土返還要求運動を粘り強く推進していくためには、関係団体が着実に活動を行っていただけるようにすることが重要と認識しております。このため、政府としては、千島連盟等が行う各種事業に対して、北対協等からの補助を通じて支援を行っているところであります。
私も、昨年十二月一日に行われました北方領土返還要求中央アピール行進に参加し、元島民の方々と接する機会をいただきました。
引き続き、関係団体と緊密に連携しながら、北方領土返還要求運動を強く推進してまいります。
○東委員 根室海峡の海域、これは北海道、そしてオール日本の中で、この産業体というのは大変重要だと思っております。しかし、昭和六十三年頃より、ロシア連邦のトロール漁船が操業が始まって、それ以来、当該海域のスケトウダラ資源がかなり減退したわけでございます。
羅臼地区においては、減船や休漁などの自主的な対策を余儀なくされましたし、そしてここ最近は、羅臼地区のみならず、標津や野付地区においても、スケトウダラ、コマイ、カレイ、それらの沿岸資源に大きな影響が見られて、そして、これ以上資源が減少した場合、根室海峡海域で操業する漁業者の経営が成り立たなくなる。そればかりか、漁業を主産業として発展してきた地域の産業構造そのものが崩壊につながる、極めて重大な局面を迎えているということでございます。
平成十年からの長きにわたって操業が行われてきた北方四島周辺水域における安全操業は、これまで、ロシア連邦トロール漁船における漁具被害が相次いで発生する中、操業を続けてきましたけれども、令和五年の一月から、枠組み協定に基づく政府間協議が行われていない。出漁すらかなわない状況が続いているということでございます。漁業者の経営はもとより、水産加工や流通、関連産業を含む地域経済への一層の影響が危惧されております。
これは、三月から四月の延べ操業隻数というのが過去三十年で最多となるなど、ロシアのトロール漁船はもう活発に動いているわけなんですね。そういったところで、沿岸資源の減少に拍車をかける、そういう憂慮すべき事態となっております。
そこで、国においては、根室海峡海域で操業する漁業者の安定的な経営の継続はもとより、地域経済の存続に向けて、当該海域であるロシア連邦トロール漁船操業の抑制など、実効ある措置が早期に行われる必要があると考えますけれども、政府の見解をお伺いしたいと思います。
○池上政府参考人 お答え申し上げます。
北方四島周辺水域におけるロシアのトロール漁船の操業から生じる問題について御指摘ございましたけれども、まさにこの問題については、地元の皆様からも繰り返し、累次にわたり御要望いただいているところでございます。
そもそも、こういった操業そのものが北方四島に関する我が国の立場に反するものではございますけれども、それを踏まえても、さらに、資源の持続的な利用の観点から適切な操業をロシア側もするべきではないかということで、繰り返しロシア側に対して申入れを行う等の働きかけをしてきているところでございます。今後も適切にしっかりと対応してまいりたいと考えております。
それから、北方四島周辺水域操業枠組み協定の方でございますけれども、こちらについては、二〇二三年の一月、ロシア外務省から在ロシア日本国大使館に対しまして、現時点では枠組み協定に基づく政府間協議の実施時期を調整することはできないという旨の通知がございました。
ロシア側がこのような対応を取ったことは受け入れられませんので、その後、枠組み協定の下で操業が実施できるように、ロシア側との間で様々な働きかけを行ってきております。しかしながら、残念ながら、これまでのところ、ロシア側から操業の実施に向けて肯定的な反応は得られておりません。
政府としては、枠組み協定の下での操業を早期に実施できるよう、引き続きロシア側に強く働きかけていきたいと考えております。
○東委員 これは、北方水域、そして北海道の漁業の皆さんだけではなくて、やはり、オール日本の中での産業の一角というものが担われている地域だというふうに踏まえております。ありていに言えば、福岡のからしめんたいこにも影響を及ぼすというスケトウダラでございますので、是非これは、外交上のハードルが高いというのはこれも重々承知しているものの、やはりそこを乗り越えるような意気込みの中で対処していただきたいということを願って、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○佐藤委員長 次に、島尻安伊子君。
○島尻委員 自由民主党、島尻安伊子でございます。
私の質問時間も限られておりますので、もう早速、質問に入らせていただきたいと思います。
今年三月三十一日、沖縄県中部地区にありますキャンプ瑞慶覧のロウワー地区、これはアッパー、ロウワーのロウワーと言いますけれども、ロウワー住宅地区が、ロウワー・プラザ緑地ひろばとして一般開放されました。
この前日に行われました記念式典に私も御招待いただきまして、広場の中も見学させていただきましたが、二十一ヘクタールという広さは、もうイメージよりもはるかに広くて、きれいなグリーンの芝生が遠くまで整備されておりまして、とても開放感のあるすてきな場所だというふうに思いました。
正式に返還されるまでの間も、米側との共同使用という形で地元の皆さんの土地が有効に活用されるということの今回の取組は、非常にいいものであると考えております。まさに、目に見える形の基地負担の軽減を目指す政府の取組であって、ここに至るまでには、防衛省、外務省、そして関係者の大変な努力があったことは事実でありまして、敬意を表したいというふうに思います。
こういった政策を、沖縄のみならず、国内外の皆さんにも知っていただきたいというふうに思っておりまして、是非これまでの経緯やこの意義についても、改めて御披露いただきたいと思います。防衛省。
○松本大臣政務官 ロウワー・プラザ地区ですけれども、幹線道路からのアクセスが非常に良好でございまして、近年は大型商業施設も隣接しております。非常に恵まれた環境にございます。
返還条件の達成までの間も、多く人々に有効活用いただくために、レクリエーションや交流の場として利用いただける緑地広場とすることとしたものであります。また、一般開放をこの度行うということになりまして、地方の皆様、地元の皆様に、この広場の中がどうなっているかというのを確認してもらうことで、返還後にこの土地をどういうふうにこれから利用していくか、また跡地の利用を積極的に検討するということが促進されるというふうに思っております。
このように、今回の緑地広場の一般開放というのは、地元の皆様の生活の利便性の向上に加えまして、跡地利用の検討に資する空間と時間を与えるということになろうかと思っています。こういった意義というものを考えまして、沖縄の基地負担軽減の目に見える形での成果というふうに我々は考えております。
ありがとうございます。
○島尻委員 皆さんに知っていただく中で一番いい方法は、この場に来て、利用してもらって、そして魅力を感じていただくということが一番かというふうに考えております。
この緑地広場は沖縄県沖縄市に所在しておりますが、沖縄市は、今年、市制施行五十周年を迎えるということで、様々な記念イベントを企画されているようです。是非この緑地広場を使ったイベントを考えてもらいたいなというふうにも考えておりますし、さらに、ここは、せっかく日米の共同使用ですので、広場に隣接するキャンプ瑞慶覧にお住まいの皆さん、特に子供たちの交流イベントなどもいいのかな。地域を盛り上げて、地元の人々の交流を深める大規模なイベントの場となるといいなというふうに考えておりますけれども、防衛省に再度お聞きいたしますが、このような活用は可能でしょうか。
○松本大臣政務官 御質問ありがとうございます。
非常に委員から前向きな御提案をいただいたというふうに思っております。感謝を申し上げます。
今のロウワー・プラザ地区でございますけれども、多くの方に、レクリエーション、それから交流の場として利用いただくということを目的としていることは先ほど申し述べたとおりでございます。そのため、委員が今御指摘になられたような大規模イベントなどにも、是非我々としては活用していただきたいというふうに思います。防衛省としては、非常に望ましいというふうに考えているところです。
この広場については、利用申請手続について、沖縄の防衛局のホームページにも、その手順というか、それが出ているところでございますので、これも併せまして、しっかりと広報を行うとともに、沖縄防衛局にいただく問合せ等に関しましても、適切に対応していきたいというふうに思っております。
ありがとうございます。
○島尻委員 ありがとうございます。
今回のように、返還される前の米軍施設を共同使用という形で開放するということは、沖縄県内では初めての取組だと認識をしております。
先ほども申し上げましたけれども、正式に返還されるまでの間も土地が有効活用できるということは、経済効果にもつながりますし、先ほど政務官からも御指摘いただきましたけれども、今後、返還が予定される基地跡地利用計画の検討も加速されていく可能性があるというふうに考えております。
このようなやり方で沖縄の基地負担軽減を図る取組は今後もほかの返還予定地でも是非とも行っていただきたいというふうに考えておりますけれども、政府としての考えをお聞かせいただきたいと思います。
○松本大臣政務官 今委員御指摘のとおり、返還が予定されている土地については返還が実現するまでの間において有効活用ができないかということを、日米間の調整を行いながら、今回は地元の理解を得て実現したということでございます。返還の前に先立って共同使用ができるようにするということは、今回の件は非常によいモデルケースであるというふうに防衛省としても考えております。今後も引き続きまして、こういった有効なアプローチの実現可能性をしっかりと検討してまいりたいというふうに思っております。
また、沖縄の基地負担の軽減を図るということは、我々にとっても、政府にとっても非常に重要な責任であると考えております。今回のこのモデルケースを一つの糧としまして、今後も全力を挙げて取り組んでまいりたいというふうに思います。
ありがとうございます。
○島尻委員 是非ともお願いしたいというふうに思います。
もうこれまでのこのロウワー・プラザの取組に関しては、本当に目の当たりに、関係者の皆さんの努力のみならず、関係者の皆さんの胆力といいますか、これが必要だということはよく見させていただきましたので、是非ともそれをいま一度、ほかの返還跡地にもこの取組をまたやっていただきたいというふうに重ねてお願いを申し上げたいというふうに思います。
それでは、次は内閣府にお聞きいたしますが、返還後の基地の跡地利用につきましては、跡地利用法に基づいて内閣府が進めていくことになります。今回のようなこの取組は、基地利用計画がまだ見えていない場所においても周辺の自治体や地主の皆さんの跡地利用への期待が膨らむでしょうし、議論も加速していくということは容易に想像ができます。
前回の質問でも触れたんですけれども、早めに返還予定の基地の周辺自治体と県と国が協議会などをつくって返還までにできる総合的な都市計画を作るべきだと考えておりますが、お考えを聞かせていただきたいと思います。
○工藤副大臣 お答え申し上げます。
委員御指摘のキャンプ瑞慶覧ロウワー・プラザ住宅地区については、平成二十五年五月に跡地利用特措法に基づく特定駐留軍用地の指定を行い、返還後の跡地利用を見据えた地元自治体、沖縄市及び北中城村の土地取得を支援してきたところでございます。
駐留軍用地の跡地利用の推進は沖縄全体の振興にとって極めて重要な課題です。同地区においても、地元である沖縄市、北中城村、そして地権者の方々を中心に跡地利用計画の策定に向けた取組が進められていると伺っており、内閣府としても、今回の一般開放を一つの契機に、こうした地元の皆様の御検討が加速するようしっかりと後押ししてまいります。
○島尻委員 もう終了の時間になってしまいました。
この後、こどもまんなかウェルビーイングセンターについての質疑をお願いしていたところですけれども、今、我々政権与党で連携を深めまして、この議連を発足させております。是非とも内閣府の皆様にも連動していただきますようにお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○佐藤委員長 次に、金城泰邦君。
○金城委員 こんにちは。公明党会派、金城泰邦です。
私の方からは、初めに沖縄における子供の貧困対策に関して質問させていただきます。
沖縄は、今年は終戦から七十九年、復帰から五十二年を迎えます。沖縄本土復帰後、これまで多岐にわたる振興策を推進していただきました。おかげで、本当に、インフラ整備など、充実した状況を日々目の当たりにしているところでございます。
しかしながら、今もなお全国最下位の県民所得や、高い若年妊娠率などにより、親世代から子供への貧困の連鎖が生じております。全国でも高い出生率を誇る沖縄ですが、こうした家庭の状況により、公衆衛生や母子保健、福祉や教育などが満足に受けられない世帯の割合も、全国と比べると割かし高いのではないかと思っております。身体的、精神的、社会的な幸福が損なわれている状況もそこにはあろうかと思います。
そうした貧困の連鎖を断ち切るため、先ほど島尻安伊子先生からもありましたように、この度、自民党の菅義偉元総理や公明党の山口那津男代表ほか、こちらの西銘先生や島尻先生も含めた十五名の先生方を発起人として、国立こどもまんなかウェルビーイングセンターin沖縄、仮称、これの設立に向けた議員連盟が設置されました。
本議連は、琉球大学などと連携をし、国立のセンターを拠点としてアカデミアや諸外国の機関等と連携しつつ、沖縄において先駆的かつ実証的な取組を行うことで、教育、医療、福祉の融合を起点とした子供のウェルビーイングの実現を強力に進めていくことを目的としております。
こどもまんなか社会を目指す政府として、このような動きをどのように捉えているのか、政府の見解をお伺いします。
○工藤副大臣 お答え申し上げます。
先週、四月十七日に、与党の関係議員より、今お尋ねの、議連の設立準備会合が開催されたことは承知いたしております。
個別の議連について副大臣の立場から具体的にコメントすることは差し控えますが、新たに発足した議連において、子供のウェルビーイング、すなわち、子供が身体的、精神的、社会的に将来にわたって幸せな状態で生活を送ることができるようにすることが重視されているのは、議員御指摘のとおり、貧困の連鎖を断ち切るためにも意味のあることと考えており、今後の議連の活動を注視しながら、政府として必要な取組についてしっかりと検討してまいります。
○金城委員 ありがとうございます。
これまでも、政府の取組としては、子供の貧困対策費なども十億を超える予算なども充てていただいて、この度も、議員の側からこういった議連を立ち上げて、子供の貧困対策に対してしっかりと手を打っていく重要な取組だと思いますので、よろしくお願いいたします。
次の質問に移ります。
沖縄の健康医療拠点についてですが、平成二十七年六月三十日に閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針二〇一五において、「西普天間住宅地区について、関係府省庁の連携体制を確立し、国際医療拠点構想の具体的な検討を進めた上で、同地区への琉球大学医学部及び同附属病院の移設など高度な医療機能の導入をはじめとする駐留軍用地跡地の利用の推進を図る。」とされました。
また、平成二十九年四月に発表されました西普天間住宅地区における国際医療拠点の形成に関する協議会報告では、日本及び沖縄の健康医療の状況を踏まえ、西普天間住宅地区跡地における医療拠点の大要が示されました。その中で、「「高度医療・研究機能の拡充」、「地域医療水準の向上」、「国際研究交流・医療人材育成」の三つを柱として整備を進める。」とされております。
これらの検討を受けて、現在では、西普天間住宅地区跡地において、令和六年度中に事業完了予定の琉球大学医学部及び大学病院の移設を中心とする、沖縄健康医療拠点の整備を促進する計画が進んでおります。
三つの柱のうちの高度医療・研究機能の拡充では、がんセンターの機能強化を掲げられております。がんの治療においては、がんを切らずに仕事をしながら治すことができ、エックス線の放射線治療と比べて副作用も少なく、痛みもないため、高齢で体力的に衰えている方も治療ができるという重粒子線の治療の需要が高まっております。しかしながら、重粒子線治療ができるがん治療センターは国内でも限られており、沖縄県からは、佐賀県にある九州国際重粒子線がん治療センターが最も近いがん治療センターとなります。
そこで、沖縄県のがん患者が飛行機で移動することなく重粒子線を使ったがん治療を受けられるよう、西普天間地区に新たに整備される沖縄健康医療拠点にも重粒子線を活用したがん治療の機能を導入するよう要望いたします。政府の答弁を求めます。
○工藤副大臣 お答え申し上げます。
重粒子線治療施設の設置については、平成二十九年に取りまとめられました、沖縄県、琉球大学、内閣府、文部科学省、宜野湾市により構成される沖縄健康医療拠点に係る協議会の報告書において、沖縄県において引き続き検討することとされております。
重粒子線治療施設を含むがん医療の提供体制の整備については、一般的には、各都道府県において、がん患者に対するがん医療の提供の状況等を踏まえ検討されるものと承知しております。
今般、改めて内閣府より沖縄県に検討状況について問い合わせたところ、専門人材の確保が難しいこと、及び、県外や海外から相当数の患者を集患できなければ運営維持費など採算性の確保が難しいことなどが課題とされ、引き続き情報収集するとのことでありました。
いずれにせよ、沖縄健康医療拠点については、令和六年度末までの琉球大学医学部及び同大学病院の移転完了に向けて整備を進めておりまして、病院機能の拡充、医療水準の向上によって、がん治療に関しても高度な医療提供が行われることと期待しております。
○金城委員 是非、可能性を秘めていますから、推進していただければと思います。
次の質問に移ります。
昨年八月の台風六号によって沖縄県内の多くの地域で停電したことを受け、政府は令和六年度の新規事業に離島も含めた無電柱化の事業を盛り込み、県内の一部地域で無電柱化事業が推進されてきました。
沖縄県におけるこれまでの無電柱化の進捗状況及び今後の方針や課題についての政府の考えをお伺いします。
○工藤副大臣 昨年八月に襲来した台風六号により発生した沖縄県内の電柱倒壊等による広範囲かつ長時間にわたる停電被害を受け、令和五年度の補正予算において、沖縄振興公共投資交付金、ハード交付金などの増額、沖縄の離島を対象に無電柱化に係る電線管理者の負担を軽減するための補助の新設等を行っているところでございます。
また、現地においても、台風六号の後、道路管理者や電線管理者などで構成される沖縄ブロック無電柱化推進協議会において県内全四十一自治体の協議会への参画を得るとともに、新たに七自治体が無電柱化推進計画を策定し、今後、県内全自治体で無電柱化推進計画を策定することとしております。
今後も内閣府として、関係省庁と連携の上、沖縄総合事務局より県内自治体に対して個別に技術的助言を行うこと、新設の補助制度等を通じ電線管理者等と密に連携協力することなど、無電柱化の推進に向けて着実に取り組んでまいります。
○金城委員 ありがとうございました。
次の質問ですが、沖縄県における農林水産物の物流条件の不利性解消についてお伺いします。
沖縄県は、全国で唯一、首都圏等の大消費地と陸続きでない地域でありまして、輸送コストや時間的ロスがかさむことから、他産地との競争力の面で不利性を抱えております。
近年は、環境負荷低減の観点から、船舶輸送へのモーダルシフトが推進されており、令和四年度に改正された農林水産物流通条件不利性解消事業についても、航空、船舶で分かれていた補助単価が船舶輸送単価に寄った形で一本化されました。
一方で、船舶輸送へのモーダルシフトを実現するにはまだまだ物流施設のコールドチェーン体制の整備が十分ではありません。東京市場で品質が評価されてきた一部の品目については、現状の体制では船舶輸送に切り替えることで品質劣化が懸念されるため、航空路線からの切替えができずに農家が負担している実情もあります。
沖縄県の温暖な気候や大消費地から離れていることなど、物流条件の不利性に合わせてコールドチェーン体制の整備や輸送コストの更なる補填等の支援策を講じていただきたいと考えておりますが、政府の考えをお伺いします。
○水野政府参考人 お答えいたします。
沖縄における輸送条件の不利性解消は、沖縄の農林水産業の振興の観点からも重要な課題であると考えてございます。
こうした観点から、現在、内閣府において、ソフト交付金を活用し、沖縄県が実施する農林水産物の県外への輸送費の支援や、品質確保等を図るためのコールドチェーン体制整備に係る検証の取組の支援などを行っているところでございます。
コールドチェーン体制の十分な整備への取組や、同体制が整備され、モーダルシフトが実現するまでの間の航空輸送コストの削減については、事業を実施する沖縄県に、本日の議員の御指摘も共有し、より沖縄の農林水産業の振興に資する形で一括交付金が活用されるよう、政策対話に取り組んでいきたいと思います。
以上でございます。
○金城委員 ありがとうございました。是非、推進をお願いしたいと思います。
続きまして、沖縄畜産振興についてお伺いします。
沖縄県の畜産業は、県内農業の基幹的な地位を築いておりますが、生産基盤の近代化の遅れに加え、今般の急激な飼料価格の高騰による飼養規模の縮小や廃業、さらには食肉処理施設の稼働率低下など、生産基盤の維持、継続が危ぶまれる状況にあります。
特に、肉用子牛については、コロナ禍から継続する枝肉の買い控えによる国内需要の低下に加え、配合飼料価格の高騰などにより、育成期間の短縮や早期出荷の傾向が強まり、子牛価格が下落し、価格が上昇しない状況が続いております。
県内の肉用子牛生産者のほとんどが小規模生産者で、このような状況を打破できるまでの設備投資や用地確保などの打つ手を講じるだけの体力がないのが実情です。
一方で、著しい円安の影響もあり、海外における和牛需要は高まっていると伺っております。この状況を乗り越えるためには、県内で子牛から育成、肥育、枝肉化までを行い、県産ブランド牛としてインバウンドや海外輸出向けに販売するためのサプライチェーンを整備していく必要があると考えております。
そのためには、生産者支援だけでなく、マーケティングに関する支援や、県内における輸出用HACCP認定を取得した食肉センターの増設と屠畜や解体に従事する方々の増員など、サプライチェーン全体としての投資も必要だと考えております。政府の見解をお伺いします。
○関村政府参考人 お答えします。
沖縄県は、豊富な草地基盤を背景に、国内有数の肉用子牛の生産地となっておりますが、石垣島では肥育、屠畜まで島内で行い、国内のみならず、海外マーケットを視野に入れた取組も行われていると承知しております。
農林水産省としましても、オール・ジャパンのプロモーションや産地主導で取り組む新たな商流構築、輸出対応型食肉処理施設の整備等を通じて、牛肉の輸出促進やインバウンド需要の開拓を後押しすることとしております。
また、食肉処理施設の人手不足は全国的な課題となっており、農林水産省としましても、稼働率の低い食肉処理施設の再編合理化による労働力の集約化や自動化機械の導入による省力化等への支援を通じて、円滑な食肉流通の維持、安定を図ってまいります。
引き続き、輸出やインバウンドを見据えた産地の前向きな取組を支援してまいります。
○金城委員 時間が参りましたので、以上で質問を終わります。
ありがとうございました。
○佐藤委員長 この際、暫時休憩いたします。
午後三時休憩
――――◇―――――
午後三時十八分開議
○佐藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。高橋英明君。
○高橋(英)委員 日本維新の会・教育無償化を実現する会の高橋英明でございます。
大臣、どうぞよろしくお願いいたします。
十数年前かな、私、地方議員をやっている頃に稚内に行ったんですけれども、一緒に行った同僚が、稚内で北方領土はどこだと言ったんですよね。ちょっと見えないだろうと、びっくりしたんですけれども、要は全然教育されていないんですよね、恐らく。
ちょっとお聞きしたいんですけれども、北方領土問題、これは学校教育で現状はどうなっているのか、お聞かせください。
○自見国務大臣 お答えいたします。
我が国の領土に関する教育等の一層の充実を図る観点から、平成二十九年、三十年に公示されました小中学校の社会科並びに高等学校の地理歴史科、公民科の学習指導要領等におきましては、北方領土や竹島、尖閣諸島につきまして、それぞれの領土が我が国の固有の領土であること、そして、我が国の立場が歴史的にも国際法上も正当であることなどが新たに明記をされたところでございます。
この指導要領を踏まえまして作成された教科書は、小学校は令和二年度から、中学校は令和三年度から、そして高等学校は令和四年度から使用され、それぞれの学校において指導の充実が図られていると伺ってございます。
また、教科書を用いた授業に加えまして、関係省庁が連携をいたしまして、子供向けの教材やリーフレットなどの提供や教員の研修の実施など、領土に関する学校教育の充実に向けた様々な支援を行っているところでございまして、内閣府におきましても、インターネット動画など、北方領土学習に役に立つ教材の提供等を行ってございます。
今後とも、関係省庁と連携しながら、こうした取組を通じまして、北方領土学習の充実にしっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。
○高橋(英)委員 ありがとうございます。
小学校が令和二年、中学校が令和三年、高校が令和四年というのは、これは始めたばかりだということですよね。だから、それ以前というのは全然教育がなされていないということなのかなというふうに思いますけれども。
これは、実際、現場で本当にきちんと授業等々でしっかりやっているんですかね、今は。ちょっと確認でお願いします。
○自見国務大臣 お答え申し上げます。
直接の所管は文科省ということになってございますが、それぞれの学校におきまして指導の充実が図られているというふうに伺ってございます。
○高橋(英)委員 どの辺の時期でやるかは分かりませんけれども、歴史なんかは近代史というのは余りやらないし、これはちょっと一度よく調べた方がいいと思いますので、よろしくお願いいたします。
じゃ、次に移りますけれども、今日も、沖縄の交通渋滞、非常に皆さん質問されていましたけれども、先日、那覇市のLRTですか、新聞等々に載っていましたけれども、ちょっとこれに関して現状をお聞かせ願えますか。
○菊池政府参考人 お答えいたします。
那覇市では、町中に入る自動車交通を減らしながら公共交通を更に便利にすることで、人を中心とした町づくりや誰もが移動しやすい町づくりを進めていくために、モノレールと並ぶ市域内の基幹的な公共交通として、LRTの導入に向けた検討を進めていると承知してございます。
令和六年三月に公表された那覇市LRT整備計画素案では、中心市街地、真和志地域、新都心地域の三つの拠点を結ぶ基幹的公共交通としてLRTを位置づけ、既存の公共交通と連携した公共交通ネットワークを構築し、人や環境に優しく、誰もが移動しやすい町づくりを目指すものとされております。
なお、この計画素案は那覇市の考え方を取りまとめたものであり、今後、この素案を基に関係機関との協議を行い、令和八年度を目指して整備計画を策定していくと聞いてございます。
以上でございます。
○高橋(英)委員 ちょっと素人なのでよく分からないんですが、これは交通渋滞の解消も目指しているのかなとは思うんですけれども、何か道路四車線のうち二車線をLRTが使うという話だったんですけれども、余計渋滞しないのかなとふと思ったんですけれども、どうなんですか。
○菊池政府参考人 お答えいたします。
これまでLRTを整備した事例としては、昨年八月に開業した芳賀・宇都宮LRTがございます。
以前から、宇都宮市においては慢性的な渋滞が課題となっておりました。このため、宇都宮市では、LRTの整備と併せてバス路線の再編やデマンド交通を導入するとともに、乗り継ぎ拠点の整備や公共交通間の乗り継ぎ割引制度など運賃負担軽減策を総合的に実施することで、公共交通の充実や利便性の向上を図り、車から公共交通への転換を促す取組を行っております。
開業後は、LRTの利用が順調に進み、車からの転換が推測され、自動車交通量が減少していると聞いております。
現在、那覇市でも、町中に入る自動車交通を減らしながら公共交通を更に便利にすることで、人を中心とした町や誰もが移動しやすい町をつくる必要があると考えており、LRT導入に向けた検討を進めていると承知しております。
国土交通省としても、公共交通の利便性を向上させることで自動車交通から公共交通への利用転換が進めば、渋滞の緩和につながるものと考えており、今後、LRT整備計画の策定に当たり、那覇市から協議、相談がございましたら、必要な助言を行ってまいりたいと考えております。
以上でございます。
○高橋(英)委員 じゃ、渋滞解消につながるんだなという答弁でしたけれども、今、那覇市から来たら助言という話ですけれども、助言よりお金を出した方がいいんじゃないかなという気がしますが。
ちょっとこれは通告していないんですけれども、ちょっと自見大臣にお聞きしたいんですけれども、経済損失が渋滞で一千四百五十五億円という話がありました。先ほど来、鉄道なんかの話もありましたけれども、要は、非常にお金がかかるわけですよね。予算も全然増えていない。昨年度の臨時国会で、私も、予算を頑張って取ってきてくれという話をして、頑張りますみたいな返答をもらったと思うんですけれども、全然変わっていない状況なんですけれども。
この二千六百七十八億円ですか、令和六年度、沖縄の振興予算。そのうち、社会資本整備、道路なんかに使うのが千二百六十二億なんですね。年間の経済損失が一千四百五十五億もあるというのは、予算よりも損失の方が多いような現状なんですよ、これはびっくりしたんですけれども。
これは、大臣、魔法の予備費みたいなのがあろうかと思うので、是非ちょっと取ってきてほしいんですけれども、予算を。どうですか。
○自見国務大臣 お答えいたします。
必ずしも魔法の予備費というものが何を意味するところか明らかではないものの、地元の自治体の、基礎自治体の方々、また県の方々、様々な関係者としっかりとコミュニケーションを取りながら、必要な予算の確保にしっかりと努めてまいりたいと思ってございます。
○高橋(英)委員 地元の方々が言っているんだから必要なんですよ、どう考えても。ですので、本当にちょっと、遠慮しないでどんどん取ってきていただきたいなと思いますので、これはよろしくお願いします。お金がないと始まらないと思いますので。
では、次に、ちょっと長いので、見ながら言いますけれども、重要施設周辺及び国境離島における土地等の利用状況の調査及び利用の規制等に関する法律に関してちょっとお聞きします。
やはり、指定区域は沖縄とか北海道が多いと思うんですけれども、全部で五百八十三区域が、びっくりしたんですけれども、今月の四月十二日にやっと区域指定が終わったみたいなんですけれども、そのうち百三十四、北海道と沖縄で占めているようなんですが、しかしながら、この土地なんですけれども、地上権も含めて売買規制とかがないんですけれども、そうすると外資なんかにも普通に買われてしまうと思うんですけれども、やはりこれは売買規制をする必要があると思うんですけれども、いかがでしょうか。
○平沼大臣政務官 御質問にお答えいたします。
土地取得を規制することについては、重要土地等調査法案の作成時に開催した有識者会議の提言において、あらかじめその基準や要件を明確に定めておくことが困難であり、その在り方については慎重に検討していくべきことであるとされたところでございます。
また、重要土地等調査法に基づき、今月行った告示により、現在、想定した区域指定の作業が完了した段階、先ほど委員からも御指摘ありましたけれども、でございまして、まずは、本法に基づいて、対象となる区域内の実態把握を着実に進めていきたいと考えております。
その上で、本法の附則第二条には、法の施行後五年を経過した時点での見直し規定が置かれているところでありまして、今後の法の執行状況や安全保障をめぐる内外の情勢などを見極めた上で、更なる政策対応の在り方について検討をしっかりと進めてまいりたいと思っております。
○高橋(英)委員 やはりこれは、外交防衛上、非常に大切なことだと思うんですけれども、今、五年で見直しという話だったんですが、指定するだけで二年ぐらいかかるので、ちょっと心配なんですけれども。
これは現状、重要土地、売買等がもしあったら、情報は入ってくるんですか。要は、自然に情報が国に入ってくる仕組みみたいなのはあるんですか。
○伊藤政府参考人 お答えいたします。
施設五百八十三か所の中に特別注視区域というものがございまして、特別注視区域の売買につきましては、届出という形で我々の方に届出が参る仕組みになっております。
○高橋(英)委員 では、まず届出をしないと売買ができないということなんですか。
○伊藤政府参考人 届出をしないと罰則規定はありますけれども、売買をできないということではないということでございます。
○高橋(英)委員 やはり、できるんですね。
地上権の場合はどうですか。
○伊藤政府参考人 地上権に関しては届出という仕組みはありませんけれども、この重要土地等調査法は利用規制でございますので、地上権を設定して、例えば重要施設に妨害行為、機能阻害行為と呼んでいますけれども、そういうものがあれば、我々はそれに対して勧告、命令ができるという仕組みになっております。
○高橋(英)委員 それは、やられてからじゃないと分からないということなんですかね。
地上権というのはもう所有権と同じようなもので、地上権を設定されちゃったら、はっきり言って、所有権と同じで、何でもできると言っても過言ではないと思うんですよね。
だから、外資に地上権を設定された時点でもう所有権が移るようなものですから、ちょっと何か考えた方がいいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○伊藤政府参考人 政務官の方からお答え申し上げましたけれども、附則に見直し規定というものがありますので、そこも念頭に置いて、更なる政策対応の在り方について検討を進めてまいりたいと思っております。
○高橋(英)委員 では、しっかり見直してください、これはちょっと本当に問題があるだろうなというふうに思いますので。
最後に、ちょっと御意見だけ。
今、沖縄は、非常に土地とか、とんでもない何十倍にも跳ね上がっている部分があるんですけれども、石垣も宮古もそうなのかな、向こうで、例えば仮枠大工なんかが人工五万円ぐらいするというんですね。東京より全然高いというんですよ。だから、向こうにそういった職人が流れているという話なんですけれども。
これだけ土地が高騰していると、一般の方々は買えなくなると思うんですけれども、ちょっとこの点は今後どのように、大臣、お考えになるのか。
○自見国務大臣 お答えいたします。
私が宮古島、石垣島に視察に行きました際にも同様の御意見を伺ったところでございます。特に若い世帯の方々の住宅費については深刻だというお話も聞いてございまして、私ども内閣府といたしましても、それぞれの自治体の御要望をしっかり受けて、寄り添った対応を引き続き行ってまいります。
○高橋(英)委員 時間ですので終わりにしますけれども、予算、予算、予算でよろしくお願いいたします。
終わります。
○佐藤委員長 次に、奥下剛光君。
○奥下委員 日本維新の会・教育無償を実現する会の奥下です。
時間も限られておりますので、早速質問に移りたいと思いますけれども、私、党内の沖縄を担当させていただいている関係で沖縄によく足を運ぶことがあるんですけれども、そうしたときに、やはり一番多く寄せられるのが、子供の貧困問題、これはよく言われます。我々が大阪で行っている教育無償ということもあるんだと思うんですけれども、やはり教育無償にしてほしいというお声が一番多いんですね。
大臣の所信にもありますように、貧困化は深刻な、解決すべき問題だというふうにおっしゃっていただいているので、これは何も反対するものでもなく、是非どんどん進めていただきたいなというふうに思っておるんですけれども。
いきなり教育無償化できたらいいなと思いますけれども、予算あっての話なので、いきなりは難しいと思うんですけれども、まず、我々が大阪でやっているような給食の無償化から入ってはどうかなというふうに私は考えておりまして、全体の予算は減っているとはいえ、子供の貧困化、予算の中での予算の配分は増えておりますので、沖縄県の試算では、給食、全員にすると七十三億七千九百万円という試算が出ているみたいなんですけれども、こういった予算を増やしていって実施していただけないかなと思うんですけれども、大臣の御所見、お願いいたします。
○自見国務大臣 お答えいたします。
学校給食費の無償化につきましては、これまで、それぞれの自治体ごとの判断により自主財源等で対応していると承知してございます。
その上で、一般論として申し上げれば、学校給食費の無償化の検討に当たっては、学校給食が実施されていない自治体、学校もある中で、児童生徒間の公平性等の観点の論点があるものと承知をしてございます。
こうした状況の中でありますが、現在、文部科学省におきまして、小中学校の給食実施状況の実態調査を行うとともに、法制面等を含めた課題を整理し、今後、結論を出す方針だというふうに伺ってございます。
私といたしましては、まずは文部科学省における全国調査や検討の状況を注視してまいりたいと考えてございます。
○奥下委員 ありがとうございます。
大阪でも、当初、自治体によって当然状況が違ったので、そういった問題もぶつかってきて、乗り越えてきたということもあるので、いろいろまた御協力できることはあると思うので、何なりとお申しつけいただけたらなというふうに思います。
次に、今、高橋さんが質問されたのにちょっとかぶって恐縮なんですけれども、国内における外国人による土地取得についてお尋ねしますが、土地を取得するに当たり幾つかの法律が関連して規制されていることは承知しておりますが、一般論として、まず、このことに関して、先ほどと答弁は一緒になるかもしれませんけれども、御所見、お伺いできたらと思います。
○平沼大臣政務官 お答え申し上げます。
先ほどの御質問と同類の質問かなと思っておりますけれども、先ほどもちょっと御答弁させていただきましたけれども、土地取得を規制することに関しては、今回の重要土地等調査法の作成時に開催した有識者会議の中において、なかなか明確に規定をしていくことは困難であるという見解が示されております。
また、外国人の方に絞った形みたいな形も、いわゆるGATSの協定等に違反するということで、これもなかなか難しいということで、今回の土地等調査法に関しては、いわゆる利用調査という形で施行させていただいております。
先ほども、これは繰り返しになりまして恐縮ですけれども、見直し規定等も設けておりますので、引き続きしっかりと対応してまいりたいと思います。
○奥下委員 ありがとうございます。
高橋さん、済みません、僕、そのとおりだと思っていて、やはり日本がバブルのときに、日本も海外に土地を買いに行きました。そのときに海外がどういう対応を取ったかというと、税率をどんどん外国人に対して増やしていったんですよね。最後は、外国人は土地を持てないという法律に変えられて撤退してきたという。フランスなんかはそういったことをして、実際、そうやって撤退してきたという知り合いもおります。だから、我々側が覚悟を持ってそういったことに対応してやっていけば、全然、僕はそんな問題ないかなというふうに思っております。
ただ、これはやはり場所によると思うんです。今御相談を受けている案件があって、いわゆる第一列島線付近の島の地主さんから、ちょっと売りたいというお話が、相談がございました。それは、今までは沖縄本島で商売をして、そこで稼いだお金で何とか維持管理していたんですけれども、やはりコロナ禍が過ぎてから、そういったことも難しくなってきたと。御高齢になってきたということもあって、売りたいんだよねという御相談、誰かいたらみたいなことを言われたんですけれども、やはり第一列島付近なので、これはちょっと、さすがに場所にもよって問題かなというふうに思っているんですけれども。
先ほどから話があるように、五年の見直し等もありますけれども、そういった第一列島線付近という観点もなかなか視野に入れて考えていないというような、役所からお話を聞いたんですけれども、これはやはり普通のところと違いますし、国防的にも問題かなと思っておりまして、今後、こういった話もいっぱい出てくるかと思うんですけれども、こういったときに、以前、尖閣だと、東京都が買おうとしたりとかそういったこともあったかと思うんですけれども、国として、場所によっては、きちんとそういったことも含めて考えていく必要があるんじゃないかなと思うんですけれども、御所見をお伺いできたらと思います。
○平沼大臣政務官 お答え申し上げます。
まず、内閣府といたしましては、重要土地等調査法に基づき、我が国の領海等の保全及び安全保障に寄与する等のことから、領海基線を有する国境離島等について区域の指定を行い、土地などの利用状況の調査等を行っているところでございます。
現在、同法に基づいて、八十五か所の国境離島等を含めて、現在想定している区域指定の作業が完了した段階でございまして、まずは、対象となる区域内の土地等の所有、利用状況の実態把握を着実に進めてまいりたいと思っております。
○奥下委員 ありがとうございます。
それにちょっと関連するといいますか、またお尋ねしたいんですけれども、日韓大陸棚協定についてお尋ねしたいんです。
上川大臣は所信でも、「中国に対しては、主張すべきは主張しつつ、冷静かつ毅然と対応していきます。」と心強いお言葉をいただいておるんですけれども、この協定に関して、二〇二八年と、もうあと四年ということで、最低効力期間を迎えるに当たり、中国が何か物を言ってくるんじゃないかなというふうに危惧しております。
排他的経済水域とか向こうはいろいろ言っていますけれども、言っている論点が違うのは十分承知しているんですけれども、我々の常識が通用する相手ではなくて、いろいろな角度からいろいろなことを言ってくると思うんです。こういったことをやはり今からきちんと考えて対応していく必要があるんじゃないかなというふうに考えているんですけれども、韓国、中国に対して今後どういった方針を取っていかれるか、大臣のお考えをお聞かせください。
○上川国務大臣 日韓大陸棚の南部共同開発協定でございますが、これは一九七八年の六月に発効したものでありまして、五十年間効力を有し、二〇二八年の六月に有効期間が満了するものであります。
いずれの締約国におきましても、三年前に他方の締約国に対して書面による予告を与えることにより、この五十年の有効期間の終わりに又はその後いつでも終了させることができることとなっているところであります。
中国の反応等も含めまして、仮定の御質問に予断を持ってお答えすることにつきましては差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、日本政府として、本協定につきましては、諸般の事情を総合的に判断をして適切に対応してまいりたいと考えております。
○奥下委員 ありがとうございます。
役所の話を聞いていても、外交上言えないこともいっぱいあると思うのであれですけれども、もうちょっと危機意識を持ってやっていただけた方がいいんじゃないかなというふうに感じました。是非、大臣には頑張ってやっていただけたらなというふうに思います。
先ほどから自見大臣の答弁とか先ほどの松木先生のお話とか質疑とかを聞いていてちょっと思い出したんですけれども、初代担当大臣が橋本龍太郎先生、そのときに財務大臣をしていたのが、僕が秘書をやっていた宮沢喜一さんだったんですけれども、当時、橋本龍太郎先生は、足しげく通われて、基地問題とかいろいろやられておられました。そのときに橋本龍太郎先生から宮沢に言われたのが、今後、沖縄県との関係もあるけれども、やはり沖縄県民のために、沖縄県は沖縄県だけの問題じゃなくて日本全体の問題として考えていくためにも、宮沢に対して、予算をたくさん、もうちょっとつけてほしいというような話があったんですね。当然、宮沢はそれに対して、君の言うことだからそのとおりだということで予算をつけていたんですけれども。
やはり、先ほどからあるように、年々予算が減っていっている中で、将来、今言われているような貧困の問題が多分、全国で一番最低のところだと思うんですけれども、本当に、これは通告しておりませんけれども、自見大臣、教育無償化、これは絶対、僕はやはり最終的には人だと思うんですけれども、ここに対して取り組んでいっていただけるというお心積もりとかはないでしょうか。
○自見国務大臣 お答えいたします。
沖縄に関わってこられた先人の先生方の言葉をしっかりと胸に刻みたいと思ってございます。
人というのは、まさに沖縄を形作るそのものでございますし、また、沖縄の子供たち、若者たちが置かれている現状も大変厳しいものがあるのもそのとおりだと思ってございます。しっかりと先人たちの言葉を胸に刻みながら、私に与えられた役割、沖縄の振興策をしっかりと進めていくということに邁進をしてまいりたいと存じます。
ありがとうございます。
○奥下委員 本当に、我々、この特別委員会、与野党関係なく、前向きに協力してやっていく委員会だと思っておりますので、是非頑張っていただけたらと思います。
これで終わります。ありがとうございました。
○佐藤委員長 次に、藤巻健太君。
○藤巻委員 日本維新の会・教育無償化を実現する会の藤巻健太でございます。本日はどうぞよろしくお願いいたします。
今月の三日、台湾の東部沖で、マグニチュード七・二の大きな地震が発生いたしました。お亡くなりになられた方々に心からの哀悼の意を表しますとともに、被災された多くの皆様にお見舞いを申し上げます。
この地震では、沖縄本島地方、それから宮古島・八重山地方に津波警報が出されました。春休みで観光客も多い時期だったと思いますし、住民の方、観光客の方、しっかりと避難することはできたのでしょうか。何か大きなトラブル等、報告されていますでしょうか。
○水野政府参考人 お答えいたします。
令和六年四月三日に台湾付近を震源とする地震が発生し、同日九時一分頃、沖縄本島地方、宮古島・八重山地方では、津波が到達する可能性があるとのことで津波警報が発表され、実際、宮古島・八重山地方では、最大三十センチの津波が到達していたものと承知してございます。
本地震によりまして、沖縄県では三十二か所の避難所が開設され、その中で、八百七名が無事に避難されたものと承知してございます。
なお、現時点におきましても、人命に関わる人的、建物等の被害の報告は受けていないところでございます。
以上でございます。
○藤巻委員 そこに関しては安心しました。
石垣島には、津波避難困難地域が多くあります。離島には高い建物などが少なく、避難が難しい地域も多いかと思います。また、古い建物も多く、地震による倒壊も懸念されます。
石垣島や宮古島、また、その周辺の島々の防災体制、これはしっかりと整っているでしょうか。状況をお聞かせください。
○自見国務大臣 お答え申し上げます。
まずは、台湾において被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げたいと思います。
台湾東部沖地震に際しましては、私からも、当日でございますが、津波警報の発令直後に、沖縄部局に対しまして、沖縄部局としての体制を万全に整えるとともに、対策本部等の立ち上げを指示したところでございます。沖縄総合事務局に災害対策本部を設置するとともに、八重山地方への職員の派遣を行うなど、必要な被害情報の収集等を行ったところでございます。
また、平時におきましても、毎年、沖縄総合事務局におきまして防災対応推進会議を開催いたしまして、課題等の分析や取り組むべき事項の検討を行っているほか、一括交付金を活用して、避難所の整備や観光関連事業者の危機管理体制の強化などの地元自治体の取組を支援しているところであります。
沖縄振興を進めるに当たりまして、地元の皆様の安心、安全の確保は極めて重要だと考えてございまして、私といたしましても、引き続き、沖縄振興の観点から、地元の皆様の御意見を丁寧に伺いつつ、必要な措置を講じてまいりたいと存じます。
○藤巻委員 是非、その部分、しっかりとよろしくお願いいたします。
続いて、石垣島周辺の島々の観光振興についてお尋ねいたします。
新型コロナの感染法上の分類が五類に移行されてから、一年たちました。さらに、今、円安が進んでおります。それらを鑑みると、今後、沖縄には多くの観光客が訪れることが予想されます。
円安が進むとインバウンドが増えるというようなイメージが強いかもしれないんですけれども、インバウンドだけでなく、日本人観光客も増えることが予想されます。今までハワイに行っていた人が、ハワイは高過ぎる、沖縄にしようとなるからです。
私も昔から島が好きで、いろんな島に行って、原付バイクで、レンタルして、よく島巡りをしているんですけれども、そのとき思うのは、もう少しいろんな種類のレストランがあったらいいなとか、もう少しいろんな趣のホテルがあったらいいなというようなことはよく感じております。
先ほども申し上げたように、これから観光客が増えることが予想されます。もちろん、島の豊かな自然だったり素朴さを壊してしまうような、そんな開発は駄目だと思うんですけれども、もちろんそれらをしっかりと守った上で、石垣島周辺の島々の観光インフラの整備を一定進めていくべきかと思いますけれども、お考えをお聞かせください。
○自見国務大臣 離島の観光振興につきましては、強い沖縄経済の実現という観点からも、ハード、ソフト両面からの観光客の受入れ環境の整備が重要だと考えてございます。
こうした考えの下、内閣府におきましては、離島地域における宿泊施設の新設、改修を後押しするため、沖縄の離島の旅館業に係る税制措置を講じているほか、宿泊施設や観光施設を含めました沖縄の観光人材不足に緊急に対応するための予算を本年度措置したところでございます。また、観光客が快適に移動できるようになる道路の整備や、あるいはフェリーや高速船の受入れ環境の向上にもつながる港湾の整備などにつきましても、沖縄振興予算を活用して支援を行っているところであります。
今後とも、地元の御意見を丁寧に伺いながら、必要な支援をしっかりと行ってまいります。
○藤巻委員 現在、石垣港の離島ターミナルからは六つの島に定期便が出ていて、観光客はそれらの島々に気軽に訪れることができます。私も島巡りは大好きですので、当然、六つ、全て行きました。ほかの島にも行ってみたいなという思いもあるんですけれども、まあ私の思いはいいんですけれども。
今後増えていく観光客により多くの島の魅力を知ってもらって、観光振興につなげていくためにも、離島ターミナルからの定期便の運航数や行き先の増加、増やしていってほしいなというふうに思うんですけれども、これについてもお考えをお聞かせください。
○望月政府参考人 お答え申し上げます。
委員御承知のとおり、船舶の増便や航路の増加、こちらにつきましては、利用者のニーズ等を踏まえまして民間事業者の方で行われるものだというふうに認識しております。
その上ではございますが、委員御指摘の石垣島と周辺離島ですね、竹富、西表、黒島、小浜、鳩間、波照間という形になりますが、これを結ぶ船舶が発着する石垣港離島ターミナル、これは、まず一つは、住民生活の基盤であるという点で非常に重要だということ、その上で、観光等、地域活性化の観点からも重要であるというふうに考えているところでございます。
内閣府におきましては、このような考え方に基づきまして、定期の高速船の便数増加に的確に対応できるように、また安定的な運航とか利便性の向上を図れるようにということで、石垣港の離島ターミナルの浮き桟橋、この整備支援とか、また石垣港の防波堤、さらには竹富の南航路の整備、しっかりさらっていくということになりますが、こういったことを行っているところでございます。
今後とも、地元の御意見を丁寧に伺いながら、しっかりとした支援を行ってまいりたいと考えております。
○藤巻委員 是非、民間と連携して、しっかりと進めていっていただければと思っております。
ちょっとテーマは変わるんですけれども、沖縄はバスケ王国でもあります。これはバスケットボールの沖縄の競技人口は人口比率で全国一位であり、また、沖縄をホームタウンとする琉球ゴールデンキングス、Bリーグきっての人気チームで、ホームゲーム平均来場者数はB1平均の約二倍、二二―二三年シーズンには初優勝を果たして、名実共にBリーグを代表するチームです。
二〇二一年に完成した沖縄アリーナ、これは私も行きましたけれども、本当にすばらしくて、そこで開催された昨年のバスケワールドカップは大きな盛り上がりとともに幕を閉じました。
バスケは、沖縄経済にとってまさに起爆剤であると同時に、ゴールデンキングスを始めとした各チーム、これは県民の誇りでもあると思います。今後も更にバスケを通じて沖縄を盛り上げていくことにつなげていってほしいと考えますけれども、具体的な方策等、どうお考えでしょうか。
○自見国務大臣 お答えいたします。
沖縄県におきましては、温暖な気候などを生かし、スポーツチーム等の合宿、キャンプのほか、イベントなどのスポーツに関係する多くの取組が行われ、観光やあるいは地域活性化に貢献していると伺ってございます。
こうした中にあって、委員も言及していただきました、昨年八月には沖縄市におきましてFIBAバスケットボールワールドカップ二〇二三が開催をされまして、十二万人を超える観戦者を迎えるなど、大きな盛り上がりを見せたところでございます。
内閣府におきましても、沖縄振興特定事業推進費を活用いたしまして、FIBAバスケットボールワールドカップ二〇二三の会場として使用された沖縄アリーナの整備の支援を行ったほか、この世界最高峰の大会の開催を契機といたしました、県外からの観光客の増加に向けた取組や、子供たちの様々な体験機会の創出、また、沖縄におけます大規模大会の開催に必要な知見をレガシーとして継承する取組に対する支援を行ってございます。
また、市町村における、バスケットボール合宿等の誘致なども見据えました体育館の機能強化やスリーXスリー施設の整備につきまして、一括交付金や北部振興予算を通じて支援を行っているところであります。
引き続き、御地元の皆様のお声を幅広くお伺いしながら、バスケットボール等のスポーツに関係する取組を始め沖縄振興に資する様々な取組をしっかりと進めてまいります。
○藤巻委員 先ほど申し上げたように、琉球ゴールデンキングス、これは、集客力はBリーグ随一です。試合演出だけではなくて、女子トイレの数を増やしたりキッズスペースを充実させたり、おじいちゃん、おばあちゃんが孫と手をつないで来れるエンターテインメントという考えの下、三世代にわたって愛されるチームをテーマに掲げています。
これは、バスケのみならず、日本のプロスポーツにおける顕著な成功例の一つであるかなというふうに考えるんですけれども、このゴールデンキングスの考え方や手法を用いて、日本のバスケ界全体の活性化につなげることはできないでしょうか。お考えをお聞かせください。
○橋場政府参考人 お答えいたします。
スポーツ庁では、プロバスケットボールも含め、スポーツの成長産業化に取り組んでおり、その一環として、例えば沖縄アリーナなどの、Bリーグのチーム等が使用するアリーナの整備を、スタジアム・アリーナ改革という形で経済産業省などの他省庁とも連携しながら進めております。
具体的には、改革のモデルとなる拠点の選定に加え、各主体におけるアリーナ整備プロジェクト検討を後押しすべく、運営管理や民間資金活用に関するガイドブックの策定、相談窓口の開設、個別プロジェクトに対する構想や計画の策定支援等を進めてきており、今後も新たなアリーナの開業が予定されております。
また、日本代表などトップアスリートに対する支援については、競技力向上事業により、日本バスケットボール協会に対し、日常的、継続的な選手活動やコーチ等の設置を支援しているところです。
スポーツ庁としては、バスケットボールを盛り上げるための施策を引き続き進めてまいります。
○藤巻委員 そもそも、バスケなんですけれども、中高生年代では人気スポーツの一つです。私が中学生の頃、ちょうど「スラムダンク」の影響もあって、学年二百名のうち五十名がバスケ部でした。これは体育の授業でやる学校も多く、ルールも知られております。「スラムダンク」という国民的人気漫画もあります。
これは、サッカー、野球という二大人気スポーツに並び得るバスケット、十分な下地があるにもかかわらず、プロスポーツにおいてはバスケットはサッカー、野球の人気には及んでいないのが現実です。その原因、どう分析されていますでしょうか。
○橋場政府参考人 お答えいたします。
バスケットボールにおける中体連、高体連の加盟生徒数はサッカーなどの他競技と比べても多いと言えますが、昨年度のBリーグ、二〇二二から二〇二三シーズンの観客動員数は三百二十三万人となっており、Jリーグの二〇二二シーズンの七百五十四万人と比べると半数以下となっています。
一方で、Bリーグは二〇一六年に開幕してから直近七年目のシーズまでで観客動員数は約一・五倍に増加しています。Jリーグと比べてBリーグは後発ではありますが、Jリーグは一九九三年に開幕してから七年目までに観客動員数の増加は約一・一倍であったことを踏まえますと、Bリーグの先ほど申しました一・五倍という伸びの勢いは、途中コロナ禍があったにもかかわらず、Jリーグの開幕以来のその伸びを大きく上回っており、Bリーグの人気は急上昇しているものと考えています。
また、昨年は、先ほど委員からもお話がありましたとおり、日本でバスケットボールのワールドカップも開催され、さらに、近年新たなアリーナの整備も進んでいることから、今後もBリーグの観客動員数は着実に増えていくことを期待しています。
○藤巻委員 昨年のワールドカップ、あれだけ盛り上がったので、今こそが千載一遇のチャンスです。なかなかあんな奇跡みたいな試合が続くことはないかなというふうに思っておりまして。
この夏にはオリンピックがあります。これは日本バスケ界にとっては大きな分岐点です。ここで結果を出すことができれば、日本バスケ界、もう一段も二段も盛り上がると思います。
私は、そのためには八村選手が必要かなというふうに思うんですけれども。もちろん、招集権限はトム・ホーバスヘッドコーチにあるんですけれども、仮にトム・ホーバスヘッドコーチが八村選手の招集を望んだら、レイカーズとJBAと八村選手本人の話合いになるのかなというふうに思うんですけれども、そこにはスポーツ庁としてはできることはないとは思うんですけれども、スポーツ庁として、バスケ日本代表、後悔のない戦いをすべく最大限のサポートをしてあげるように、どうぞよろしくお願いいたします。
質疑時間が終わりましたので、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○佐藤委員長 次に、赤嶺政賢君。
○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
今日は、水道料金の問題について質問をいたします。
今、全国で水道料金の値上げが問題になっています。ちょうど一昨日のNHKの報道番組でもこの問題を取り上げていました。水道管の老朽化や耐震化による施設の更新に多額の費用がかかり、その上、人口減少が進み、水道料金の値上げに踏み切らざるを得ない自治体が相次いでいるという内容でした。
番組では、この春以降に値上げをする主な自治体として、二十の自治体を一覧で紹介していました。四年ぶりに値上げに踏み切る自治体や、三五・九%という大幅な値上げに踏み切る自治体もありました。その影響は、人口減少の著しい地方だけでなく、都市部にまで及んでいます。
まず、国交省に伺いますが、こうした全国で起こっている水道料金値上げの現状について、どのように把握していますか。国交省としてどのような対策を講じているのか、お答えをお願いします。
○こやり大臣政務官 お答えいたします。
まず、地方公共団体が水道事業を行う場合には、地方公営企業として、水道料金については条例に基づき定めることとなっております。
日本水道協会が毎年発行しております水道料金表によりますと、近年、全国的な平均でいいますと、僅かに上昇傾向に価格としてはあります。また、例えば、令和五年四月一日までの一年間に値上げを行った水道事業者は、全国で約千四百ございますけれども、そのうちの五十九事業者となってございます。
水道事業の経営に要する経費につきましては水道料金により補うことが原則となっておりますけれども、地形あるいは水源等の条件によりまして施設整備費が割高となる水道事業者等に対しましては、施設整備費に要する費用について国交省としても財政支援を行っているところでございます。
国交省としては、引き続き、官民連携あるいは広域連携の推進を進めることも含めまして、水道事業の持続的な経営を確保するための対応について、地方自治体の御意見に耳を傾けながら、引き続き検討してまいりたいというふうに考えております。
○赤嶺委員 今起こっている問題というのは、従来の枠組みでは解決できないレベルに立ち至っていると思います。これまで自治体が値上げに踏み切ることができなかったのは、それが住民の生活に直結するからです。
こうした下で、今、高度成長期に整備した水道管が一斉に更新時期を迎えています。抜本的な対策を進めようにも予算も人員も足りず、人口減少や節水機器の普及によって、料金収入も減少傾向にあります。これでは、負のスパイラルに陥って、更なる値上げに踏み切らざるを得なくなるのは明らかだと思いますが、多くの自治体や議会が国に財政支援の拡充を求めています。こうした要望に応えて、国がこれまでの延長線上ではない抜本的な対策に踏み切る必要があるのではないかと思いますが、国交省、いかがですか。
○こやり大臣政務官 お答えいたします。
水道料金の傾向といたしましては、先ほどお答えをしたとおりでございます。議員御指摘のとおり、老朽化の進展等、水道のストックの老朽化が近年進行しているという問題点を把握をしております。
水道事業につきましては、今年度からまさに厚労省から国交省に移管をいたしまして、例えば、上下水道一体的な整備でありますとか、あるいは官民連携、広域連携、様々な経営の効率化も含めて、これから地方自治体と議論をしながら継続的な事業経営につきまして検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○赤嶺委員 この間のNHKの番組を見ても、今早急にこれまでの延長線上ではないような手だてを国が講じなければ、どんどん水道事業が行き詰まってくるということを強く感じました。
それで、沖縄県もこの十月から水道料金の値上げを決めました。ただ、他県と違うのは、国の予算の削減が原因で値上げに踏み切らざるを得なくなっているということです。県が試算した値上げの原因を見ると、値上げ全体の四八%がハード交付金の減額による影響だとしています。
沖縄県は、この間、一括交付金の増額を毎年求めてきました。昨年も、主なものだけでも七月、八月、十一月と繰り返し予算要望を行い、一括交付金の増額を求めています。八月の要請では、この水道の問題についても、減額による影響が具体的にどのように出ているのかの資料も示して増額を求めております。そこでは、水道管の老朽化、耐震化の更新に遅れが出ていることを具体的な事例も挙げて紹介をしています。ところが、内閣府はそれに応えず、抜本的な増額は踏み切りませんでした。
大臣、今回の値上げに至った原因がこうした内閣府の対応にあることは明らかだと思いますが、この責任、どのように認識しておりますか。
○自見国務大臣 お答えいたします。
水道事業は公営企業でございまして、事業の費用を利用者からの料金収入で賄う独立採算が原則であると承知をしてございます。
その上ででありますが、地理的な事情などにより施設整備費が割高となるなど、経営条件の厳しい水道事業者が行う施設整備事業を対象といたしまして、その整備に要する費用の一部に国庫補助が充てられていると承知してございます。
この点につきまして、沖縄県の場合には、県の水道用水供給事業にハード交付金が、市町村の上水道事業や簡易水道事業に沖縄簡易水道等施設整備費補助金がそれぞれ充てられているところでございます。
そして、県と市町村を合わせました水道施設整備に対する昨年度の国庫補助でございますが、沖縄県を除く全国平均で一県当たり約十五億円であるのに対しまして、沖縄県では約七十億円が措置をされてございます。
委員御指摘の水道料金改定の主な原因、要因につきましては、県の企業局によりますと、今後、老朽化した水道施設の更新等を行うための原資として確保すべき額を新たに計上したこと、また、ポンプなどの水道施設を稼働するための電気料金が上昇したことなどが挙げられ、また、PFAS対策も含まれているというふうに承知をしてございます。ハード交付金の減額の影響について一概に申し上げることは困難であると考えてございます。また、ハード交付金の水道事業への配分につきましては、沖縄県の自主的な選択に基づき判断されるものであると承知してございます。
内閣府といたしましては、引き続き、関係部局とも連携しながら、必要な施策、また必要な予算の確保に努めてまいりたいと存じます。
○赤嶺委員 ハード交付金を沖縄県の水道事業に充てるのは、これは全国の例に倣って当然で、しかも、沖縄的な特殊性に応じて充てられてきたわけですね。
それで、沖縄の交付金の優先順序も全部沖縄で決めればいいじゃないかという調子の答弁も先ほどから続いておりますが、ハード交付金はこの十年で約五百億円以上減らしているんですよね、内閣府は。一括交付金は、全体でいえば一千億円の減額であります。こうした下で、今言われたような対応では、焼け石に水であります。
水道は、憲法の生存権を保障するものです。命のインフラとも言われています。今県民は、物価高騰で生活のあらゆる分野で切り詰め、大変な生活を強いられています。そうした中で水道料金の値上げに踏み切らざるを得ない状況に追い込んだ、これは、県の企業努力ではどうにもできないような要因があって、それをハード交付金で補ったり、PFOSであったりするわけですよね。だから、政府の責任が極めて重いと言わなければなりません。
大臣、こうした事態を招いた政府の責任、認めるべきだと思いますが、いかがですか。
○自見国務大臣 お答えを申し上げます。
繰り返しで、一部、恐縮でございますが、水道事業は公営事業でございますので、独立採算が原則であると承知しております。
その上ででありますが、大変厳しい条件の水道事業者が行う場合、地理的条件などによりまして、その費用に国庫の補助が充てられているということでございます。
沖縄県の場合は、そうした県と市町村を合わせまして、沖縄県以外の全国平均で約十五億円であることに対しまして、沖縄県では約七十億円ということが措置をされてございます。
そういったことも踏まえながら、一方で、委員おっしゃるように、様々な御不安、そしてまた県民の皆様の安心、安全ということも水道事業には直結をするわけでございます。
内閣府といたしましては、引き続き、関係部局と連携し、必要な施策、また必要な予算の確保に努めてまいりたいと存じます。
○赤嶺委員 大臣、ハード交付金を充てるのは何も特別なことじゃないですよね、全国も国からの交付金が出ていますから。それが必要以上に多く充てられているのではない。今の水道管の老朽やいろいろなPFOSの対策などで、企業努力ではどうしようもない面がある、だからハード交付金を増やしてほしいということになっているわけですよ。何か、たくさんもらっているような、たくさんもらっていて水が確保できるならいいですよ、そんな状態にないから増やしてほしいということを沖縄県は要望しているんじゃないですか。
やはり今、全国的にもいろいろな理由で水道事業が困難にぶつかっております。沖縄は企業努力ではどうしようもない問題をぶつけられております。
今からでも政府が抜本的な対策に踏み切るべきだと思います。私は、補正予算を組んで、ハード交付金を増額すれば、値上げ幅を縮小するなどの対応を取ることも可能になるはずです。
大臣の責任で抜本的な予算措置を検討すべきだと思います。いかがですか。
○自見国務大臣 お答えをいたします。
現時点で、今後の補正予算の編成の有無につきまして予断を持ってお答えをするのは困難でございますが、その上で、一般論として申し上げれば、お尋ねのハード交付金につきましては、第六次沖縄振興計画開始後の令和四年度以降、国として必要と考えられる所要額を計上し、当初予算で三百六十八億円を計上しているところでございます。
さらに、必要性や緊急性などについても検討した上で、令和五年度の補正予算におきましても所要額を確保したところでございます。
いずれにいたしましても、内閣府といたしましては、引き続き、地元の皆様の安心、安全を求める、そういったお声にも丁寧に寄り添いながら、しっかりと対応してまいりたいと思います。
○赤嶺委員 一括交付金はピーク時より一千億円減らして、ハード交付金も五百億円減らして、国が責任を果たしているかのような答弁はやめていただきたいと思います。これは、やはり補正予算を組むように大臣は努力すべきだと思います。
もう一つは、PFAS対策です。値上げの全体の一一%がPFASの対策費となっています。
沖縄県は、二〇一六年に嘉手納基地周辺の河川から高濃度のPFOSが検出されて以降、汚染源特定のために、再三にわたり、基地への立入調査と対策費用の負担を政府に求めてきました。ところが、八年以上たった今なお、立入調査は実現していません。米軍が応じないからです。
こうした下で、沖縄県はこれまで約十二億円をPFAS対策のために負担しました。今後も、毎年十億円の予算が必要になる見通しです。
ところが、米軍は一切負担していません。本来、汚染者負担の原則に基づいて、汚染者である米軍が支払うべきものであります。ところが、日米地位協定の下で立入調査ができず、対症療法的に県が負担している状態です。
外務大臣に伺いますが、汚染者である米軍が一切の負担をしていない現状はおかしいと思うはずですが、いかがですか。そういう認識にありますか。
○上川国務大臣 このPFAS等につきましては現時点ではいまだ十分な知見がなく、日本国内におきまして、PFAS等の摂取が主たる要因と見られる個人の健康被害が発生した事例は確認されていないところ。
政府といたしましては、科学的根拠に基づく総合的な対策の策定が必要であると認識をしているところであります。
その上で、PFAS等は、国内におきましては、一般的にコンビナートや、また、飛行場等の消火薬剤や半導体等の洗浄や、また、撥水加工などの工業用途など、様々な用途に使用されてきているところであります。
現時点におきまして、在日米軍施設・区域周辺におけるPFAS等の検出と米軍の活動との因果関係は明らかではなく、費用負担につきまして予断を持って検討する状況にはないと考えているところであります。
○赤嶺委員 米軍基地の嘉手納基地と、それから沖縄県の企業局、それから防衛局が三者協というのを持っています。ここでも米軍は、いや、自分たちだけがPFOSを出しているわけではないだろう、ほかにも要因があるだろうと言い張っております。
しかし、嘉手納基地のそばの大工廻川がPFOSで汚染され、それが沖縄県企業局の取水地である比謝川に流れ込み、比謝川は沖縄県企業局の水源地なんですよ、PFOSがあることを知りながら、企業局は、これは外務大臣が言うように、米軍のものであるかどうか分からないからと、汚れた水を県民に提供するわけにいかないわけですよ。毎年十億円とかかかっている、これが値上げの引き金にもなっている、原因にもなっている。
ところが、米軍は、いやいや、沖縄県の、今、粒状活性炭を日本政府が使ってPFOSを低減する方法でいいじゃないか、もしも米軍が汚染源となると分かると、土壌の改良など大変な費用が米軍にはおぶさってくる、だから今のままでいいんだと言っているんですね。
しかし、県は、蓋然性があるから立入調査をさせてくれ、そして、原因がはっきりすれば、米軍が負担すべきじゃないかということですよ。この点でも、沖縄県の水道料金の値上げ、外務省にも責任があると思いますよ、立入りを認めて、ちゃんと調査をさせるべきだと思います。いかがですか。
○上川国務大臣 今、これまで沖縄県から普天間飛行場、嘉手納飛行場、キャンプ・ハンセンへの立入要請がなされているものと承知をしております。
一九七三年の環境に関する協力につきましての日米合同委員会の合意におきまして、米軍施設・区域に源を発する環境汚染が発生し、地域社会の福祉に影響を与えていると信ずる合理的理由のある場合には、県又は市町村若しくはその双方が調査を要請することができるとされておりまして、政府としては、この要望につきまして、適切に米側に伝達をしてきているところであります。
外務省といたしまして、米軍施設・区域内外の環境対策が実効的なものとなるよう、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
○赤嶺委員 基地の中からPFOSの汚染水があふれ出てきたときには、目の前であふれ出てきたときには、それは立ち入っていますよ。しかし、今みたいに水源地に徐々に徐々に汚染されている、数十年も。それが水道料金の引上げになっている、この場合も立入りを認めるべきです。
県民の負担を軽減するためにも、外務省も内閣府も、それぞれの責任を感じて、努力していただきたいということを申し上げまして、質問を終わります。
○佐藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後四時二十三分散会