第2号 令和7年5月21日(水曜日)
令和七年五月二十一日(水曜日)午後三時開会
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出席委員
衆議院
委員長 泉 健太君
理事 小渕 優子君 理事 丹羽 秀樹君
理事 平井 卓也君 理事 青柳陽一郎君
理事 後藤 祐一君 理事 手塚 仁雄君
理事 岩谷 良平君 理事 玉木雄一郎君
小野寺五典君 木原 誠二君
坂本 哲志君 菅 義偉君
鈴木 俊一君 田所 嘉徳君
中西 健治君 福田 達夫君
村井 英樹君 森山 裕君
大串 博志君 小川 淳也君
小宮山泰子君 野田 佳彦君
笠 浩史君 前原 誠司君
斉藤 鉄夫君 高井 崇志君
鈴木 敦君 島田 洋一君
参議院
委員長 浅田 均君
理事 古川 俊治君 理事 松山 政司君
理事 榛葉賀津也君 理事 小池 晃君
阿達 雅志君 生稲 晃子君
加藤 明良君 古賀友一郎君
滝波 宏文君 中田 宏君
山本佐知子君 斎藤 嘉隆君
牧山ひろえ君 水岡 俊一君
谷合 正明君 西田 実仁君
片山 大介君 吉良よし子君
天畠 大輔君
出席国務大臣
内閣総理大臣 石破 茂君
国務大臣
(内閣官房長官) 林 芳正君
出席政府特別補佐人
内閣法制局長官 岩尾 信行君
委員外の出席者
衆議院事務局
国家基本政策委員会専門員 大野雄一郎君
参議院事務局
常任委員会専門員 金子 真実君
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本日の会議に付した案件
○国家の基本政策に関する調査
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〔浅田均君会長席に着く〕
○会長(浅田均君) ただいまから国家基本政策委員会合同審査会を開会いたします。
この際、一言御挨拶を申し上げます。
参議院国家基本政策委員長の浅田均でございます。
衆議院の泉健太委員長とともに、衆参両院の皆様方の御協力を賜りまして、その職責を全うしたいと存じますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)
この際、合同審査会における発言に関して申し上げます。
野党党首及び内閣総理大臣には、申合せの時間内で活発な討議が進められるために、御発言はそれぞれ簡潔にされるようお願い申し上げます。また、本日は時間表示装置を使用いたします。表示装置は発言者の持ち時間を示します。持ち時間が終了したときに表示がゼロとなり、赤色のランプが点灯しますので、御承知願います。
なお、委員及び傍聴議員各位におかれましても、不規則発言等、議事の妨げとなるような言動は厳に控えていただきますよう、御協力をお願い申し上げます。
それでは、国家の基本政策に関する調査を議題とし、討議を行います。野田佳彦君。(拍手)
○野田佳彦君 立憲民主党代表の野田佳彦です。
総理、よろしくお願いします。
この国会では、重要広範議案、四本決まっておりました。国税、サイバー防御、そして給特法、それぞれきちんと提出時期は守られて、そして活発な審議が行われてまいりましたけれども、もう一つ、ある意味最も重要な重要広範議案であった年金法案、これなかなか出てきませんでした。最初は三月の中旬までに提出されるはずでありましたけれども、四月末まで待ってくれということでありました。四月末になっても出てこない。ようやく金曜日に提出をされました。いつ出すんだ、いつ出すんだと聞くと、近いうちに近いうちに、どんどん延び延びになって、まさにそば屋の出前みたいな感じでしたよね。
私は国対委員長を二回経験しておりますけれども、重要広範議案が提出期限に守られないなんてことはなかったというふうに思います。その結果、会期末は六月二十二日、あと一か月しか審議する時間がないんですね。重要広範議案というのは、まさに総理も本会議に出て、各党がしっかり議論して、討論は各党が討論に立つ、丁寧に議論をしていこうということを与野党で合意したことであります。こんなに遅くなってしまった責任をどう感じるのか。
と同時に、出てきたはいいけれども、一番大事な現役世代の、あるいは若者の将来の年金に関わること、三割下がってしまうかもしれない、放っておくと三割下がってしまうかもしれない、そういう状態を放置して、まさにあんこが入っていないあんパンを出してきた。一番大事な肝に当たる部分をですね、基礎年金の底上げの部分が入っていない。あんこの入っていないあんパンなんて、私、連ドラ見ていますけど、やなせたかしも泣きますよ。何で遅れた上に一番大事な肝の部分が入っていないのか、まず御説明いただきたいというふうに思います。
○内閣総理大臣(石破茂君) 重要広範議案であります。もっと早く提出をすべきであったという御批判は、それは、私どもとして、少なくとも党総裁たる私としてそれは甘んじてお受けをしなければならないと思っております。
ただ、党内で何もいたずらに引き延ばしてきたわけではございません。特に重要であります今代表が御指摘の部分、就職氷河期の方々、そういう方々も念頭に置いた基礎年金の底上げをどうするかということについてどのような手法を取るべきなのか、これは政府の審議会の中におきましても専門家の方々の中で意見が割れておりました。この部分をどうすべきなのか。基礎年金の底上げ部分を、それでは厚生年金の積立金を活用するということはいいのか悪いのか、このことについて我が党の中で本当にかんかんがくがくの議論が行われたということで今日に至ったものでございます。
あんパンかどうかは存じませんが、あんの部分が抜けているのではないかという御指摘でございます。この法案はそれだけが目的なわけではございません。
今、百六万円の壁と言われております。パートの主婦の方々、そういう方々が月額八・八万円、年額百六万円、それ以上になりますと保険金が掛かるということで、そこで働き控えが起こってしまう。これをどうするのだということで、そういう方々に加入していただくために、御負担を減らす、あるいは七五%負担することになる事業主の負担も減らしていく。その手法はどうなのかということも含めて、これは極めて重要な部分だったと思っております。あるいは、高齢の方々が給与が一定の額を超えますと年金が減額される、本当にそれでいいのかという議論がございました。ここも改善をいたしてまいります。あるいは、これは私的年金でございますが、iDeCoの活用も増やしていきました。
この部分だけがあんこでそれ以外は違うということではございません。私どもは、いかにして厚生年金の加入者を増やすか、高齢の方々が働いていけるかということもこの法案には含んでおるものでございます。その点も併せまして、残り会期僅かでございますが、我が党としても、本当に誠心誠意この濃密な審議に力を尽くし、成案を得てまいりたいし、このことは決して政争の具にしていいものではございません。本当に野党の皆様方と誠心誠意議論をしていきながら、良い結論を見出すために我が党は最大の力を尽くしてまいります。
○野田佳彦君 まず、いろんな意見があったと。例えば厚生年金の使い方についても専門家の意見もあったとかおっしゃっていました。それはどんなテーマだっていろんな意見がありますよ。だけど、リーダーの役割は、決まった期限に結論を出して、そして懸案を先送りにしないということですよ。一番重要なテーマですよ。さっき言ったように、厚生年金、国民年金の底上げの話なんです。基礎年金というけれども、厚生年金、国民年金の底上げ、これをやらないと、放っておくと、現役世代や若い人たちが年金もらう頃には生活保護に陥るかもしれない、低年金に陥るかもしれない、これが一番のあんこじゃありませんか。
在職老齢年金とか厚生年金の適用拡大はもちろん重要なテーマですけれども、最も重要なのは今申し上げたところであります。その懸案を五年後に先送りしようというんですか。私は、その次の総理大臣が決めるんじゃなくて、今の総理がきっちりといろんな意見があっても決めて国民を説得する、それが私はリーダーのあるべき姿だというふうに思います。
今回、結局そのあんこが入っていない状況になったというのは、それこそ御党が参議院選挙に向けて批判を恐れて、そして政権党としての責任逃れをした、そういうことじゃありませんか。いかがですか。
○内閣総理大臣(石破茂君) このままほっておけばというふうに代表はおっしゃいました。
私どもとして、経済の在り方をコストカット型の経済から付加価値創出型の経済に変えていくということは就任以来申し上げておることでございます。
仮に経済が順調に推移をいたしました場合に、基礎年金の給付水準、これはおおむね維持されるという見通しでございます。これは算式からいっても明らかなことでございます。経済が順調に推移をしていった場合に基礎年金の給付水準はおおむね維持される、これは間違いのないことでございます。まずはその実現に全力を挙げるということであって、そんなことになるはずがないといったら、議論はそもそも成り立ちません。そのために努力をしていくということでございます。
そして、次の五年後の財政検証、この結果も踏まえまして、国民の皆様方のコンセンサスを得ていくということでございます。これは、それでは、労働者の団体の皆様方、そういう方々が全て納得をしておられることなのだろうか。そういう方々が、ほとんどの方々が厚生年金に加入をしておられる、受給者でおられるということでございます。そういう方々が積み立てた、あるいは、事業主と折半でございますから、その積立金の活用ということについて本当に多くの理解が得られているだろうかということでございます。
私どもは、民主的な政党として、理解が得られないままにリーダーシップの名の下に決めてしまうということは、我が党のやり方として取っておりません。どれだけ多くの方々に御理解をいただくかと、そういう努力は誠実に地道にしてまいりますが、だから法案そのものを出さなくていいというお話にはならない。それがどれだけ大事か大事じゃないかという、そういう軽重の議論をするつもりはございません。
いかにしてパートタイムの主婦の方々、そういう方々が安んじて厚生年金に入っていただけるか、そして在職老齢年金、この活用をどのようにしていくか、iDeCoの活用をどのようにしていくか、それも重要な内容でございます。そのことについてきちんと御審議をいただく、そして経済が順調に推移するように全力を尽くしていくと、これが我が党の姿勢だというふうに考えておるところでございます。
○野田佳彦君 五年後の財政検証を見てというお話でありますけれども、今のやっぱり財政検証の中で基本的には今の総理は判断をすべきであると。最大の懸案は、さっき言ったように厚生年金と国民年金の底上げになるようにするということだと思いますね。
総理、ちょっと今また誤解されているんじゃないかと思いますけれども、何か労働団体とか理解していないんじゃないかとかおっしゃいましたけど、それは、与党審査も含めて議員がちゃんと理解していないからですよ。むしろ、あらゆる世代が、若い世代も現役世代にとってもきちっと我々が手当てをすればプラスになるということを説明していかなければいけないんじゃないでしょうか。
もちろん、一部のね、一部の人たちが少し減る部分があると、その手直しはしなければいけないという修正はしなければいけませんけれども、きちっと我々がお互い、何の与党審査やったのかと、私、本当思いますけれども、きちっと理解した上で、誤解をされている皆さんには説明をしていくということをやらなければいけないというふうに私は思います。
その上で、その上で、これは我々単に遅いから駄目とか批判ばっかりするんじゃなくて、我々も政権を目指しているわけですので、年金の問題については責任を持った対応しなければいけないと思っています。その意味では、修正案を、修正案の骨子案を昨日政府と御党にお示しをいたしました。
本来は、各党に説明をし、各党に修正案作りに参加してもらってと、丁寧な審議をしていかなければいけないと思いますけれども、時間がありませんね。月末までには衆議院を通過させて、来月から参議院の審議にしなければ、私は間に合わないと思います。だとすると、比較第一党と第二党が真剣に修正の協議をして成案を得るということをしなければいけないと思うんです。総理、いかがでしょう。
○内閣総理大臣(石破茂君) この国会は第一党と第二党だけで成り立っておるわけではございません。多くの党の御理解を得なければなりませんが、今代表御指摘のように、お示しをいただいた修正案というもの、それはどうして財源をどこから確保するかということも踏まえて、社会保障の問題でございますから、一方において消費税は減税するというような主張をしておられるわけでございます。そこにおいて、税と社会保障の一体改革という言葉が正しいかどうか分からないが、そのことについて、財源も含め、その実現可能性も含め、そして社会保障の将来像も含め、案をお示しいただいた立場として、これは濃密に議論をしていかねばならないと思っております。
その過程においても、ほかの党の御意見も承りながら、第一党、第二党の責任において、その結論を得るための努力は我が党としてしてまいりたいと考えております。
○野田佳彦君 今の修正協議、年金の話はもうちょっと最後にまた詰めたいと思いますけれども、今消費税の話が出ましたので、この件に触れなければいけないと思います。
物価高対策について議論を移したいというふうに思うんですけれども、今年四月だけで食料品の値上げが四千品目を超えました。値上げラッシュだったというふうに思います。このまま放っておくと、恐らく年内に千四百、千五百品目の値上げになるだろうと言われています。エンゲル係数が二八・三%という四十三年ぶりの高い数字になりました。家計の中に占める食費の割合がどんどん高くなってきています。単身世帯とか、お子さんをたくさん持っていらっしゃる世帯とか、あるいは年金だけのそれこそ高齢者世帯のエンゲル係数はもっと高いだろうというふうに思います。
仁徳天皇が都の高台に立って、夕刻、炊事の時間なのに煙が立ってこないのを見て、景気が悪いんだなと、生活苦しいんだなと思って、民のかまどを見て、しばらくの間、税金取ることをやめたというエピソードがありますけれども、今、民のかまどから煙が見えなくなってきている状況じゃありませんか。
だとすると、特にこの食料品の問題が大きい、特に米の問題が大きいんですけれども、この現状がある中で、我々は、党の方針として、消費税、食料品についてはゼロにするという方針を固めさせていただきました。期限は、一年を原則として経済情勢を見て一年間延期することができる。財源はもう既に明記をしています。期限と財源をしっかりと明示しながら、責任を持って減税をやるというのが我々の立場であります。赤字国債は発行しない、地方に御負担をお願いをしない、こういう方針の下で責任ある減税をやっていきたいというふうに思っています。その後に消費税の逆進性対策として最も有効であるという給付付き税額控除に移行をしていこうということでございますけれども。
総理は物価高対策どうするんでしょうか。ガソリン十円下げるようなお話は聞いておりますけれども、だったら、暫定税率、五十年続いているわけですから、リッター二十五円の暫定税率を廃止して、四十リッター給油したら千円安くなるようにした方がよほど効果的だと思いますけれども、秋の補正予算まで何にもやらないんですか。減税もやらない、給付もやらない、無策じゃありませんか。具体的にどうやって考えているか、まず総理のお考えをお伺いしたいと思います。
○内閣総理大臣(石破茂君) それによって幾ら税収が落ちるかということを明確にしていただいて議論をしたいと思っております。
食料品をゼロにすると幾ら減収になるか、五兆円減収になります。その分は基金を崩すということで十分なのかということです。そして、そうなった場合に、一年というふうにおっしゃいました。これは、三%が五%になり、五%が八%になり、一〇%と。税率変更するときに一体どれぐらいの期間が掛かるかということでございます。これは我々が経験してきたことだ。それは簡単に変わるものではありません。スーパーを見れば分かりますが、そのシステムを変えるだけで一年は掛かるということでございます。今までがそうでしたから。そうすると、じゃ、仮にゼロにするといたしましょう。実際にそれが効果を生むのはいつなのかといえば、一年後ということになるはずです。じゃ、それで本当にその間どうするのだということを考えていかなければなりません。
当然のことですが、消費税を減税するということになりますと、これは所得が高い、消費が多い方ほど裨益をすると、そういうことになります。そのことをどう考えるのかということ。
そしてまた、その減収になった分、この五兆円を本当にどこから持ってくるのか。消費税は全部充ててもまだ足りませんが、社会保障の財源として使っております。これは法律にも明記をしております。じゃ、その分、先ほど年金のお話をなさいましたが、社会保障で充てられなくなった部分は一体どこからどのように持ってくるのかということについて、これはお話をしていかなければならないと思っております。
そのように、問題が多々あるということを前提の上に、私どもとして、例えば今、私どもは、エネルギー、そして食料品、これに多くを海外に依存いたしております。その部分をどうやって下げていくかということで、ガソリンは段階的に十円下げてまいります。一遍に下げますと買い控えとか長蛇の列とか起きますのでね。これは間違いなく十円下げて、ウクライナ戦争が始まる前の水準に戻してまいります。米については、新しい農林水産大臣の下で必ず米を下げるということをやってまいりますが、同時に、ここにおいてなぜこのようなことが生じたのかということを解明しなければ、これは根本的な解決にはなりません。米が安定的に安くなるということも目指してまいります。
一つ一つのものについて、どうやって下げるか、そして、減収するとするならば、それをどういうように補填をするか、社会保障をどうするかということもパッケージとして示しませんと、それこそ選挙目当てにすぎないということでございます。私どもは、次の時代に責任を持ちたいと思っています。次の選挙に責任を持つのは当然ですが、次の時代に責任を持つ、そういうような政策を我々自由民主党は展開をいたしてまいります。
○野田佳彦君 まず、お尋ねがあった、要は一旦下げたら戻せるかというようなこと、可能性のお話ありましたけど、これは法律に明記しますので、必ず戻すということにします。だから、期限を決めるんですね、期限を決める。
戻せないじゃないかということをいうんですけれども、そうじゃなくて、これ、傘が必要なときって雨が降ったときじゃないですか。雨が降ったら傘を差す、雨がやんだら傘を畳む、そう柔軟な税財政にすることが我が国にとっては必要だと思います。暫定税率が五十年続くような国じゃ駄目なんですよということをまず申し上げたいと思いますね。
それから、今、私の質問は、物価高対策はどうするんですかということだったんですけれども、具体的に今何にもなかったです、具体的に。さっきの十円の話はしていましたけど、そのほかの話、していませんでしたね。
我々は、お尋ねのあった財源については具体的に、減収は、消費税率、食料品ゼロ%にすると減収は五兆円なんですよ。二年分、もしかすると二年掛けるかもしれないということ含めて、十兆円分の財源のプランというのはもう提出をしています。考え方はお示しをしています。これからもしっかりと、給付付き税額控除についても、あるいは短期的な経済対策についても財源を示しながら議論をしていきたいと思っていますので、そこは是非御認識をいただければというふうに思っていますが。
その上で、私がお尋ねをした短期的な物価対策については何にもないんですね、今。我々は、少なくとも一律二万円、一人当たり二万円、所要二・五兆円の給付付き税額控除と整合的な給付案というのを示しています。それは、要は一定の所得がある方についてはこれは税金払ってもらうんですね。二万円給付なんだけど税金払ってもらうと、所得の多寡によって税負担もしてもらうというやり方なんです。というような給付措置をとろうとしています。
それはちょうど、例えば今農政のお話出ました。米どうやって安くするか、お話は全くなかったですけれども、全くなかったですけれども、大体一人当たり年間で三十五キロ食べるんですよ、米って、三十五キロ。ちょうど今五キロ四千二百円ぐらいじゃないですか。ということは、約三万円弱、年間食べるために必要なんです、米を食べるために。そのうち、これ年度の途中からスタートする制度になりますので、三万円のうち二万円を給付するということは相当助かるんじゃないでしょうか。しかも、去年の値から比べると倍になっているわけで、去年の値上がり分はカバーできる額だと私は思っています。そういうような緊急性の物価対策やらないんですか。
四月の街角ウォッチャーとかいろんな景気の先行き指標を見ると、やっぱり四月の消費も冷え込みなんですよ。一月―三月マイナス成長だったでしょう、一年ぶりに。四月―六月もマイナス成長になる可能性ありますよ。手をこまねいていくんですか。今やるべき物価対策語ってほしいと思います。いかがですか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 私どもは、物価上昇を上回る賃金上昇ということをずっと唱えてまいりました。実際、昨年が三十三年ぶりの賃金上昇ということになりました。今年はそれを上回る賃金上昇というのが実現をしつつあります。これを更にいかにして賃金上昇を実現するかということが最大の眼目だと思っております。
そして、先ほど申し上げましたように、食料もエネルギーも海外に依存をいたしております。そうすると、これは為替の水準について政府としてあれこれ申し上げるべきではございませんが、これをどのようにしていくかという問題がございます。どのようにしてそれぞれの品目について物価を下げていくかということ、あわせまして、賃金が上がる、そして価格が適正に転嫁をされるということが起こりますと、物価上昇というのは起こってまいります。
それでは、米なら米をどう下げるか。今レタスが物すごく下がっていますね。去年の半分ぐらいになっていますね。そういうふうにして下がっていく品目がございます。どうやって一つ一つの品目を下げていくかということについて、我々自由民主党としては、一つ一つ精緻な議論をして物価の上昇を止めてまいります。
と同時に、賃金上昇を、更に今を上回る賃金上昇というのを実現をしていかねばなりません。王道は物価上昇を上回る賃金上昇、そして、一つ一つの品目について、なぜ高いのかということを考えながら下げていく。
一遍に消費税を下げるということだけが物価上昇対策だと私は思っておりません。高所得者が裨益をするということ、そして期間が一年以上掛かるということ、そしてそれによる減収はどこから手当てをするのかということ、そのことについて総合的にお示しをしなければ、それは責任ある政策ということにはなりません。
○野田佳彦君 要は、物価高対策、具体的にないということじゃないですか、今のでは。
物価を上回る賃金上昇、それは望むところであります。春闘でも今御奮闘いただいているし、中小企業に波及するような御努力もいただいているところでありますけれども、それが経済の好循環につながると私も思いますよ。でも、さっき言ったように、現実は一―三がマイナス成長でしょう。四―六も消費の冷え込みでやっぱりマイナス成長になる可能性があるんです。という現実を見て、どうするんですかって聞いているんですよ。あるべき論じゃないんですよ、あるべき論じゃない。しかも、トランプ関税によって実体経済にもっともっと大きな影響が出つつある、出てくるかもしれないというときに、具体的な物価高対策は自民党はないんですか。
○内閣総理大臣(石破茂君) これは何度も御説明をいたしておりますが、六年度補正予算、七年度予算、これを成立をさせていただきました。お一人様二万円から四万円の所得税減税を行います。そして、世帯当たり三万円にお子様一人当たり二万円を加算する、こういう給付金も予算には含まれております。住民税非課税世帯以外の方も対象とする給付金、学校給食の無償化、これが実施できる重点支援地方交付金も、これは予算に入っております。あるいは、ガソリン価格を下げる。そして、今までは七月は電気・ガス料金の値下げというものをやっておりませんでしたが、七月も暑いです、この七月も含めて電気・ガス料金の支援を行ってまいります。
そのように、私どもとして、この国会の御審議を経て、六年度補正、そして七年度予算、そこに今申し上げましたような物価高対策というものは講じております。それを何にもやっていないという評価は、それは間違いだと思う。国民の皆さん方の税金をどのように使って物価高対策をやっていくかということについて、私どもとして、成立させていただいた予算、これの早期執行に努めてまいりたいと思っております。
○野田佳彦君 何か繰り返しになっていますけど、補正予算でこんなのやりましたよと、今年度予算にこんな項目入れていますよという説明です、今。それは言い訳ですよ。それをやっているけれども、一―三はマイナス成長じゃないですか。四―六もマイナス成長になりそうじゃありませんか。という現実を見て、どうするんですかと聞いているんです。今までの補正予算と今年度の予算の中身の説明であって、今の現状を踏まえた物価高対策予算には、全く対策にはなっていませんということを申し上げたいと思います。
その上で、私どもは、社会保障に関連しますけれども、また物価高対策に関わりますけれども、究極は給付付き税額控除を目指しています、消費税の逆進性対策。臨時、時限的に消費税のゼロ税率についてこれ実行しようと思っています。短期的な政策さっき申し上げました。この三つの政策について、方向性について、総理の評価をお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(石破茂君) 私、野田代表との間であんまり決め付けの議論はしたくないんです。
皆様方にもお力をいただいて成立させていただいた予算、それは給付金もそうです。あるいは、ガソリンについてもそうです。電気代についてもそうです。重点支援地方交付金というのを何のために充実をさせてきたかということでございます。私どもとして、まだ五月です、成立をさせていただいた予算、これの早期執行というものにこれから力を尽くしてまいりたいと思っています。
じゃ、おまえは給付付き税額控除というのをどう考えるんだ、このことについても私自身随分と長いこと考えてまいりました。これは一つの解だとは思っております。そこにおいて何が問題になるかというと、いかにして資産を把握をするかということでございます。これは、これから先、代表との間で、あるいは立憲さんと私どもとの間で、公明党さんも含めて、給付付き税額控除を実現するために解決していかねばならない課題というのは何なのか。私は、特に資産をいかにして把握をしていくかということだと思っております。それができますと、随分とこの問題は前進をするというふうに考えております。
私は、それを等閑視をするつもりは全くございません。そこに至るまでの間に、私どもは私どもとして物価高対策を講じてまいりました。それが消費税をゼロにするという、これをスーパーの経営者の方に聞いてみてください、どれぐらいの期間が掛かるのか。それは一年は掛かりますと、私はあちこちで聞いてみました。それが実現するのはいつなんですか、そしてまた戻すためにどれぐらいのコストが掛かるんですか、どれぐらいの期間が掛かるんですか、高額所得者の方ほど得をする、本当にそれでいいんですか。そういうことについて、何も対立のための対立ではない、そこに至るまでにどうするのかということについて更に議論させていただければ有り難いと思っております。
○野田佳彦君 今御答弁の中で私ちょっと驚いたのは、給付付き税額控除については前向きな御検討をいただくようなお話をいただきました。従来は、自民党、公明党、軽減税率だったでしょう。これは、私、方向性としては一致しましたので、こういう議論を大いにしていきたいと思います。
そのためにも、そういう議論をするためにも、ごめんなさい、ごめんなさい、最後ね、やっぱり年金の協議、真剣にやりましょう。いかがですか。(拍手)
○内閣総理大臣(石破茂君) もちろん真剣にやらせていただきます。この年金が老後の大きな支えであるということは私どももよく承知をいたしております。氷河期の方々がどれほど不安にさいなまれているか、そういう方々がこれからよわいを重ねていかれたときに、じゃ、どうなっていくんだろうかと、御両親も年を取られる、家も老朽化する、どうするんだという、そういう方々の思いというものを正面から受け止めて、また実りある議論をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。(拍手)
○会長(浅田均君) 以上で野田佳彦君の発言は終了いたしました。
次に、前原誠司君。(拍手)
○前原誠司君 日本維新の会共同代表の前原です。
江藤農水大臣が辞任をされました。どこに言葉の問題があったのか。私は買ったことがない、そして、もらっていて、売るほどある、この言葉がいかに消費者をいら立たせたか、怒らせたか。物価高で米の値段も上がっている。そして、ほかの食べ物の値段も上がっている。ガソリンも上がっている。ちょっとでも安いところを探して、そして一円でも安いところを探してやりくりをしている国民に対して逆なでするような言葉を言った、それが最大の問題だと私は思います。
物価上昇に賃金上昇が追い付いていない、だから実質賃金が下がり続けて国民の生活が厳しくなっている。それに対して、何らかの対応策を私は政治は取らなきゃいけないと思っていますよ。だからこそ、二年間は消費税を食料品は下げる、そして我々が最も今こだわっているのは社会保険料を下げる、このことをしっかりやっていきたいと思います。
まず、この社会保険料について総理と議論をさせていただきたいと思います。
税は上げるのに法改正が必要、しかし社会保険料は法改正が必要ありません。その結果、社会保険料だけどんどんどんどん上がっていったということであります。過去二十五年間、賃金は、所得は年率〇・四%ずつ上がってきた、〇・四%しか上がらなかった。社会保険料どのぐらい上がっていったと思われます。一・五%ずつ上がっていったんですよ、平均して。そして、二十五年間で一・五倍になったんですよ。取れるところから取る、ステルス増税ではありませんか、これは。それをしっかり認識をしてもらわなければいけないというふうに思います。
例えば、具体的に申し上げますと、月給三十万円の方が、月ですよ、大体所得税は二万円なんです。払う消費税は平均して一・五万円なんですよ。社会保険料は幾らぐらいだと思われますか、月、払うの、五万円ですよ。そして、それについては会社側も払わなければいけないということでありまして、この社会保険料を下げることが生活を少しでも楽にさせる大きな要因になると、総理、思われませんか。
だからこそ、我々日本維新の会は、野党ではありながら本予算に賛成しました。教育の無償化、そして社会保険料を下げる改革。だから、我々は大所高所に立って、野党だけれども、いろんな批判がありますよ、だけれども、我々は予算に賛成をいたしました。
そして、四点、この合意文書、総理もサインされましたよね。この合意文書に四つのことが社会保険料では書かれている。OTC類似薬保険適用見直し、そして応能負担。つまりは、先ほど総理は資産を把握することは大事だということでありまして、そのとおりですよ。言うだけじゃなくて、資産を把握して応能負担をこの社会保険料にも取り入れていく。そして、医療DX、また医療、介護の産業分野に対して成長産業にしていくと。この四つを明記し、石破総理もサインをされました。
約三か月たって、三党協議が行われていますけれども、全く前進がない。我々は具体的な提案をしているけれども、与党からされるのは、まさに、こうこうこういう理由でできませんというネガティブなオンパレードですよ。やる気あるんですか。三党合意をほごにするつもりなのか、まずその点をお聞かせいただきたいと思います。
○内閣総理大臣(石破茂君) 予算に賛成をいただきました。いろいろ困難な立場におられる中にあって、それがどれほど重いものであったかということは、我々自由民主党として、与党として決して忘れてはならないことだと思っております。予算が成立したら、もういいやというような、そんな信義に欠けるようなことは絶対にあってはなりません。
したがいまして、このことは、私として、もう一度党に対しまして、誠心誠意、全身全霊、この出された社会保障の改革案、その一つ一つおっしゃいました。過剰な病床の削減、じゃ、病床を削減したら、本当今でも空いているわけですからね、これを削減したらどうなるのかという議論は当然ございます。電子カルテの義務化、これは進めていくべきだと私は思いますが、それぞれの医療機関においてそれが円滑に実施されるためにどうするかということ。
また、一番難しいのはOTCなんだろうと思っております。オーバー・ザ・カウンター、要するに、そのカウンター越しに薬を受け取るという、処方箋なしでということでございますが、これを実施するに当たってどれほどの負担が増えていくかということも、我々は恐れずに議論をしていかねばならないと思っておりますし、処方箋は単にこの薬くださいというだけではございません。風邪は万病のもとと申しますが、その裏にはいろんな病気があるのかもしれないということもございます。
いかにして国民の医療を守っていくか、社会保障を守っていくかという点について、私自身、代表率いられる日本維新の会と本当に濃密な議論を最大限の努力でやるということはここで申し上げておきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
○前原誠司君 我々も、社会保険料を下げるということで、一部懸念がありますよね。命に関わる医療の核は守りつつ、しかし社会保険料を下げて現役世代の生活を守るというのが日本維新の理念なんです。やみくもに全てのOTC類似薬を保険適用から外せということは一言も言っていない。だけれども、我々の議論の中で、例えばこれは外せませんねというものもあれば、保険適用して買う場合と保険適用じゃなくてドラッグストアで買う場合と、ドラッグストアで買う場合の方が安いものもあるんですよ。そういうことが議論の中で言ってみれば培われてきたわけです。
三党合意の文にはこのような記述があるんですね。令和八年度以降の措置については骨太方針二〇二五に記載して、令和八年度以降の予算に反映させる。つまりは、骨太方針二〇二五に記載をすると書いてあるんです。我々は、このことについて、努力目標のようなものでお茶を濁すつもりは全くありません。具体性を持たせなければ合意しても意味がないと思うんですね。ですから、具体的な私はものを求めたいと思います。
例えば余剰病床の削減、これについては削減をしようなんていうことだけでは駄目で、具体的な数を根拠を持って示してもらいたい。それが合意できなければ改正医療法にも賛成をいたしません、我々は。
また、後発医薬品のアクセス向上、そしてまた先ほどおっしゃったOTC類似薬については、おおむねこういう方向ですねというようなことでは我々は到底ながら賛成はできないし、そんなものが骨太に書かれても全く満足をしない。本当に改革をするんだと、国民の皆様方に、あっ、社会保険料がこれで本当に下がるんだということが明確にならない限りは、私は意味がないというふうに思っています。
具体的に保険料を下げる、そしてそれをもう一度ワーキングチームに指示をしてもらいたいと思います。これは、ほごにされれば、我々、先ほど総理おっしゃっていただいたように、野党の立場で様々な問題点を感じながら賛成したわけです。これ守られなかったら不信任に値しますよ。我々はその覚悟でやっているんです。その意味において、もう一度これをしっかりと骨太方針に具体的に書かせるように指示するという答弁をお願いします。(拍手)
○内閣総理大臣(石破茂君) 私は、公党間の約束というのはそういうものだと思っております。いわゆる骨太の方針というもの、国政選挙の時期もございますので、そんなに時間が残っているとは思っておりません。
代表おっしゃるように、病床数の削減も、あるいはOTC薬の扱いも、みんながもろ手を挙げて賛成するというものではないと思っております。しかしながら、私どもが守っていかねばならないのは、いかにして保険料を下げるかということと同時に、このフリーアクセス、どこでも誰でも保険証一枚で医療にアクセスできる、これは何としても守っていかねばならないことでございます。
私は、責任政党の長として、御党との約束、これをほごにすることは絶対に許されないと思っております。御指摘踏まえてそのように指示をいたします。(拍手)
○会長(浅田均君) 以上で前原誠司君の発言は終了いたしました。
次に、玉木雄一郎君。(拍手)
○玉木雄一郎君 国民民主党代表の玉木雄一郎です。
総理に米について伺います。
先ほど、新しい大臣の下で米の値段必ず下げるとおっしゃいました。どのように下げるのか、いつまでに五キロを幾らまでに下げますか、明確にお答えください。
○内閣総理大臣(石破茂君) なぜ高いのかということが分からなくて下げることはできません。私は、スーパー、小売の現場から、卸、そして生産者、集荷業者に至るまで、どこに、なぜ、どれだけのものが滞留しているかということをきちんと把握しないと、おまじない言っても仕方がないし、気合で下がるわけでもないので、それは下げる方針というものが分からない。でも、それは、実際どこにどれだけあるのかということを明確にしたいと思います。
一つの仮説ですが、価格弾力性が小さいお米というものです。ということは、僅かの供給の上下によって値段が物すごい振れるというのは価格弾力性が小さい商品の特性でございます。それが利いていないというのはどういうことなんだろうかということは根源的な問題でございます。
私自身、どのようにして、米の供給というものが安定的になされるということになれば、こんなに価格が上下をするはずはございません。安定的な米の供給というものがなされるということは、私は政策として必ず実現をしなければならないことだと思っております。
米の商品特性によく着目をしながら、米は三千円台でなければならないと思っております。四千円台なぞということはあってはならない。それは、一日でも早くその価格を実現する、何月何日とは申しませんが、今日の食事どうしようというふうに不安に思っていらっしゃる消費者の方は大勢おられるんですから、一日も早くということは申し上げておきます。
○玉木雄一郎君 五キロ三千円台に下がらなければ、総理として責任取りますか。
○内閣総理大臣(石破茂君) これは、責任を取っていかねばならないと思っております。それは、下げるというふうに申し上げておるわけでございますから、仮に下がらないとするならば、なぜ下がらないかということをきちんと説明するのは、それは政府の責任でございます。
○玉木雄一郎君 米の高騰が続いてもう一年ぐらいになりますけれども、いまだにその分析ですか。だって、下げ方が分からなければ、下げる方法も分からないじゃないですか。
総理に根源的なことを一つ聞きます。総理の認識、米は余っていますか、それとも足りないんですか。
○内閣総理大臣(石破茂君) 余っていたら、このようなことにはなりません。私は、余っているとは申しません。
どれほど足りないのかということについて、これだけ生産調整を続けてきて、米価というもの、米の値段というものを、それは下げてはならないというのが多くの政党のコンセンサスでした。私も何十年も農政やってきましたから。そこにおいて、米の値段を下げるべきだと御主張をなさった党を私は知りません。みんなでそれをやってきたはずなのです。結果として、農地も減った。作況指数がいいじゃないかというのは、それは田んぼ一枚の作況指数であって、農地面積が減っていると全体の収量は減るはずなんです。
そういうことも含めて、米は私は足りないと断言はしませんが、ぎりぎりの需給状況は超えているというふうに考えております。
○玉木雄一郎君 総理、そこの認識を明確にすることが必要だと思いますね。
私も総理とも農水委員会でもいろんな御議論もさせていただいた記憶もありますが、生産調整ということを前提に、つまり年間十万トンずつ需要が減っていくと、その中で、この間、何十年も米政策はつくられてきました。大きく根本的に変えるんであれば、減っていくという前提ではなくて、増産にかじを切る必要があるんじゃないか。
そのときに、もちろんおっしゃるとおり、たくさん作ると下がりますよね。下がると、今物価高ですからコストを割り込む可能性があると。そのときに、営農継続可能な所得を直接支払でしっかり補償していく。この米政策の根本的な政策変更なくしてこの高止まりを解消することができないと考えているんですが、総理、新たな直接支払で米政策を変えていく、総理、お考えを伺います。
○内閣総理大臣(石破茂君) その問題意識を持って、十五年前、麻生内閣で農林水産大臣を務めてまいりました。幹部は辞表を出すわ、倒れる人は続出するわ、大変なことでした。史上最低の農林水産大臣と言われました。ですけれども、それはやっていかねばならなかったことだと思っております。
そして、いかにして、直接支払ということをおっしゃいました。それは、国民の税金が財源ですから、どのような努力をされた方に国民の税金を使って直接支払をするのかということ、その対象にならない方の農業というものをどのように守っていくのかということ、どこかに犠牲やしわ寄せを生じさせるということは最小限にしていかねばなりません。ただ、増産の方向にかじを切れという御主張は、私は同意をいたします。
○玉木雄一郎君 これ、明確な答弁ありがとうございます。
それは、まさに党派を超えてこの農政についてしっかり考えていきたいと思っております。このことを、米政策の見直しは二〇二七年度からやるということになっていますが、小泉新大臣に前倒しでこの米政策の見直しの議論は是非指示していただきたい。
最後に、残った時間で自動車のことを聞きます。
赤澤大臣が交渉に行くと思いますけれども、一つ、アメリカから輸入するものを増やすことによってトレードデフィシットを小さくしていくということを一問だけ聞きます。
アメリカでアメリカ人が造った車を日本に輸入すればいいと思います、日本メーカーのね。そのときに、安全基準が違うので、例えば、具体例言います。ウインカーの色がアメリカは赤で日本はオレンジなので、こういったことについては国交省に指示して、例えばアメリカで造ったカムリを輸入することによって……
○会長(浅田均君) 玉木雄一郎君、申合せの時間を過ぎておりますので、簡単にお願いします。
○玉木雄一郎君 貿易赤字を縮小する、これ是非指示してください。
○内閣総理大臣(石破茂君) 私はそうだと思っています。
そのときに、基準をどう考えるかということで、ウインカーは昔は赤でしたよね。オレンジになったの最近の話、最近というか、二十年ぐらい前かな。
アメリカと日本と、代表御存じのとおり、交通事情が違いますので、交通事故は、アメリカの場合には自動車対自動車だ、日本の場合には自動車対歩行者だということがございます。
そうすると、今おっしゃったアメリカで造った日本メーカーの車を、アメリカの車が売れないのは、やれ左ハンドルだとか、でかいとか、燃費が良くないとか、悪口ばっかり言っても仕方ないけど、そういう理由もありますが、もう一つはディーラーの数が決定的に少ないということでございます。それを活用するということはあり得るだろう。
しかし、安全基準については、私は、日本の国民、消費者、歩行者、ドライバーも含めて、これを犠牲にするということはあってはならないが、どうやってアメリカで造った日本の車、言い方は難しいですけど、それを販売するかということも私は手法の一つとしてあり得ることだと考えております。(拍手)
○玉木雄一郎君 国益をしっかり守った交渉をお願いしたいと思います。
終わります。(拍手)
○会長(浅田均君) 以上で玉木雄一郎君の発言は終了いたしました。
本日の合同審査会はこれにて散会いたします。
午後三時五十一分散会