第3号 令和7年2月18日(火曜日)
令和七年二月十八日(火曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 竹内 譲君
理事 あかま二郎君 理事 塩崎 彰久君
理事 島尻安伊子君 理事 おおつき紅葉君
理事 岡島 一正君 理事 吉川 元君
理事 黒田 征樹君 理事 向山 好一君
石橋林太郎君 大西 洋平君
加藤 竜祥君 川崎ひでと君
神田 潤一君 小池 正昭君
小寺 裕雄君 小森 卓郎君
田所 嘉徳君 中野 英幸君
丹羽 秀樹君 福原 淳嗣君
古川 直季君 森下 千里君
山口 俊一君 若山 慎司君
安藤じゅん子君 おおたけりえ君
杉村 慎治君 高松 智之君
武正 公一君 西川 厚志君
福田 昭夫君 松尾 明弘君
道下 大樹君 柳沢 剛君
山花 郁夫君 藤巻 健太君
守島 正君 福田 玄君
中川 康洋君 高井 崇志君
山川 仁君 辰巳孝太郎君
…………………………………
総務大臣 村上誠一郎君
総務副大臣 冨樫 博之君
総務副大臣 阿達 雅志君
総務大臣政務官 川崎ひでと君
総務大臣政務官 古川 直季君
総務大臣政務官 長谷川英晴君
政府参考人
(内閣官房新しい地方経済・生活環境創生本部事務局審議官) 岩間 浩君
政府参考人
(警察庁長官官房審議官) 松田 哲也君
政府参考人
(消費者庁政策立案総括審議官) 藤本 武士君
政府参考人
(総務省大臣官房長) 出口 和宏君
政府参考人
(総務省大臣官房総括審議官) 恩田 馨君
政府参考人
(総務省大臣官房総括審議官) 玉田 康人君
政府参考人
(総務省行政評価局長) 菅原 希君
政府参考人
(総務省自治行政局長) 阿部 知明君
政府参考人
(総務省自治行政局公務員部長) 小池 信之君
政府参考人
(総務省自治行政局選挙部長) 笠置 隆範君
政府参考人
(総務省国際戦略局長) 竹村 晃一君
政府参考人
(総務省情報流通行政局長) 豊嶋 基暢君
政府参考人
(総務省情報流通行政局郵政行政部長) 牛山 智弘君
政府参考人
(総務省総合通信基盤局長) 湯本 博信君
政府参考人
(消防庁次長) 田辺 康彦君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 奥家 敏和君
参考人
(日本放送協会経営委員会委員長) 古賀 信行君
参考人
(日本放送協会会長) 稲葉 延雄君
参考人
(日本放送協会専務理事) 山名 啓雄君
総務委員会専門員 阿部 哲也君
―――――――――――――
委員の異動
二月十八日
辞任 補欠選任
小寺 裕雄君 小池 正昭君
小森 卓郎君 神田 潤一君
佐藤 勉君 丹羽 秀樹君
若山 慎司君 森下 千里君
岡本あき子君 安藤じゅん子君
山川 仁君 高井 崇志君
同日
辞任 補欠選任
神田 潤一君 小森 卓郎君
小池 正昭君 小寺 裕雄君
丹羽 秀樹君 佐藤 勉君
森下 千里君 若山 慎司君
安藤じゅん子君 柳沢 剛君
高井 崇志君 山川 仁君
同日
辞任 補欠選任
柳沢 剛君 岡本あき子君
―――――――――――――
二月十八日
地方税法及び地方税法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二号)
地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
地方税法及び地方税法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二号)
地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第三号)
地方自治及び地方税財政に関する件(令和七年度地方財政計画)
行政の基本的制度及び運営並びに恩給、地方自治及び地方税財政、情報通信及び電波、郵政事業並びに消防に関する件
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○竹内委員長 これより会議を開きます。
行政の基本的制度及び運営並びに恩給に関する件、地方自治及び地方税財政に関する件、情報通信及び電波に関する件、郵政事業に関する件及び消防に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
各件調査のため、本日、参考人として日本放送協会経営委員会委員長古賀信行君、日本放送協会会長稲葉延雄君及び日本放送協会専務理事山名啓雄君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
引き続き、お諮りいたします。
各件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房新しい地方経済・生活環境創生本部事務局審議官岩間浩君外十五名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○竹内委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。藤巻健太君。
○藤巻委員 日本維新の会の藤巻健太でございます。三年間財務金融委員会に所属していたんですけれども、今国会から総務委員会の方に所属させていただくことになりました。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、早速質問の方に入らせていただきます。
大臣の所信にも、選挙について投票環境の整備というお言葉がありました。そこで、まず公職選挙法関連についてお尋ねいたします。
現在、夏の都議選や参院選に向けて、超党派でポスター掲示における品位規定が議論されております。政見放送においては、既に公職選挙法第百五十条の二に、政見放送としての品位を損なう言動をしてはならないと、品位の保持が規定されているところでございます。この品位という言葉、品位とは一体何なんでしょうか。少し哲学的な質問になってしまうんですけれども、大臣の考える品位とはどのようなものか、お答えいただければと思います。
○村上国務大臣 藤巻委員の御質問にお答えします。
お尋ねの政見放送の品位については、公職選挙法第百五十条の二において、他人又は他の政党等の名誉を傷つけること、善良な風俗を害すること、営業に関する宣伝をすることなどを政見放送としての品位を損なう言動として規定しているところであります。
この規定は、政見放送としての品位を損なう言動をしないよう候補者の自覚を促す規定であるというふうに考えております。
○藤巻委員 政見放送において品位が保持されているのか、それも品位が損なわれているのか、最終的にそれを判断するというのは一体誰になるんでしょうか。
○笠置政府参考人 お答えいたします。
先ほど大臣からもお話がございましたけれども、公職選挙法第百五十条の二、これは政見放送としての品位を損なう言動をしないよう候補者の自覚を促すものでございまして、その品位は候補者自身が顧みて判断すべきものであろうと思います。
その上で、一般に、選挙におきましては、各候補者は政見放送も含めた選挙運動を通じて有権者に自身の政見を訴え、有権者は政見放送の内容も含めてこれらを踏まえて自身の代表を判断し投票するということになってございます。
○藤巻委員 それでは、過去、政見放送において品位が損なわれていると判断されたケースはあったのでしょうか。また、仮に品位が損なわれているというふうに判断された場合、放送中止というような措置があり得るのでしょうか。
○笠置政府参考人 先ほど申し上げましたが、政見放送の品位につきましては、候補者自身が顧みるべきものでございまして、品位の保持は候補者自身の良識に基づく自律に任せられているということでございます。
その上で、一方、公職選挙法第百五十条第一項におきましては、放送事業者は、政見を録音し又は録画し、これをそのまま放送しなければならないと規定されております。その趣旨は、放送事業者が作為的に政見放送の内容を改編することはもちろん、放送事業者が内容を審査、検討して放送の諾否を決するようなことは、政見放送の自由を侵害するおそれがあるため、これを禁止し、選挙の公正を保障しようとするものと解されてございます。
このように、政見放送の品位が損なわれたかを放送事業者が判断し、一律に放送中止とするような仕組みとはなってございません。
今お尋ねのありました過去どういったものがあったかということでございますが、過去、日本放送協会が政見放送の音声の一部を削除し、候補者から損害賠償請求を受けた事例として、まず昭和五十八年参議院比例代表選挙におきまして身体障害者に対する差別用語の部分の音声を削除した例、平成二十八年東京都知事選挙におきまして卑わいな言葉を連呼した部分の音声を削除した例があると承知いたしております。
これらの事案の判決におきましては、日本放送協会は行政機関ではなく、自らの判断で本件音声を削除して放送をしたのであるから憲法二十一条二項後段に言う検閲に当たらない、公職選挙法百五十条の二の規定に違反する言動がそのまま放送される利益は法的に保護された利益とは言えない旨、判示がされ、いずれも日本放送協会が勝訴したものと承知をいたしております。
○藤巻委員 昨年の都知事選挙では内野愛里氏という方が、二〇年の都知事選では後藤輝樹氏が、政見放送の中で服を脱ぎ始めて、裸に近い格好で政策を訴えているというようなことがありました。
今答弁にありましたように、NHKは自らの判断で一部放送しないというようなことを行ってきた中で、内野氏や後藤氏の政見放送は全てそのまま放送されたわけでございます。逆に言うと、つまり、これらの政見放送はそのまま放送するにふさわしい内容であったというような判断をNHKはしたということでよろしいのでしょうか。
○山名参考人 お答えいたします。
政見放送は、放送法にのっとってNHKが自主的に制作している番組とは明確に異なり、公職選挙法でNHKと民放に対して政見をそのまま放送するということを義務づけておりまして、去年の東京都知事選挙においてもこうした規定に基づいて実施いたしました。
NHKでは、政見放送の収録に当たりまして、全ての候補者に対して、公職選挙法で定められた品位の保持、これにつきまして事前に説明しており、抵触しかねない言動があったときはその旨を指摘し、注意を促しております。
それでも候補者側の理解が得られない場合は、平成二年の最高裁判決に付された補足意見で、候補者の政見につきまして、いかなる内容のものであれ、政見である限りにおいて、日本放送協会等によりその録音又は録画を放送前に削除し又は修正することは公職選挙法の規定に違反する行為と見ざるを得ないとされたことも踏まえまして、その候補者の政見をそのまま放送することを基本としております。
○藤巻委員 ありがとうございます。
政見放送は基本的にはそのまま流さなくちゃいけないということで、これはある意味選挙の平等性を保つ上で当然のことかなというふうに考える一方で、昨年の東京都知事選挙において、河合悠祐氏が掲示板にほぼ裸の女性の画像が掲載されているポスターを掲示したとして、警視庁が都迷惑防止条例違反の疑いで河合氏に警告を出しました。その警告を受け、河合氏はポスターを撤去しました。この警告、都の迷惑防止条例のどの条項に基づいたものになるのでしょうか。
○松田政府参考人 お答えいたします。
個別の事案についてのお尋ねでありまして、詳細なお答えは差し控えさせていただきますが、昨年の東京都知事選挙におきまして、裸体を表示したポスターについて、東京都の迷惑防止条例第五条第一項第三号違反として警告した事例を一件把握しております。
○藤巻委員 掲示責任者が書いていないとか大きさが規定を超えているとか、そういった形式的なものではなく、内容に基づいた、内容に関して、選挙ポスターの内容について警告を出したということだと思うんですけれども、選挙の自由、表現の自由がある中で、警視庁は非常に強い覚悟の下、重たい決断を下したんだというふうには認識しているんです。その重たい決断はもちろん尊重されるべきだというふうには思うんですけれども、では、二〇一五年千代田区議選において後藤輝樹氏がほぼ裸の男性の画像が掲載されているポスターを掲示したことに対して、このとき警視庁は後藤氏に対して警告を出したのでしょうか。
○松田政府参考人 お答えいたします。
同じく個別の事案についてのお尋ねでありますので、個別の事案ということではなく、平成二十七年の千代田区議会議員選挙における警告の状況ということでお答えをさせていただきますが、同選挙におきまして、裸体のポスターについて警告した事例というものは把握しておりません。
○藤巻委員 ほぼ裸の女性が掲載されているポスターを掲示した河合氏は警告を受けてポスターの撤去を余儀なくされた、一方、ほぼ裸の男性が掲載されたポスターを掲示した後藤氏は警告を受けなかったということで、この差は一体なぜなんでしょうか。
○松田政府参考人 お答えいたします。
警告の有無の差ということについてのお尋ねでありますが、選挙違反取締りにおきまして、警察は、個別の事案ごとに、具体的な事実関係に即しまして、法と証拠に基づき対応をしております。この二つの選挙における警告の有無につきましては、そういった個別事案ごとの対応の結果であると承知をしております。
○藤巻委員 私は警告の是非を問うているわけではないんですけれども、同じように裸のポスターを掲示した二人に対して、片方には警告を出して片方には警告を出さなかった、片方には警告を出してポスターを撤去させる一方、片方はおとがめなしというところで、この不平等の理由を非常に疑問に思っているわけなんです。条例に基づいて、警告を出すなら両方に出す、出さないなら両方に出さない。先ほど、個別の事案についてそれぞれ判断していくという話だったんですけれども、あいつのポスターの内容はオーケーで大丈夫で、あいつのポスターの内容は駄目だと、警察が果たして判断していいものなのでしょうか。
警察が恣意的にあいつのポスターはオーケーであいつのポスターは駄目だと個別にケース・バイ・ケースで判断するようなことがあったら、それはもう選挙の平等性みたいなものが極めて大きく損なわれてしまうような事態だというふうに私は考えております。警察が、あのポスターはよくてこのポスターはよくない、そういうふうに恣意的に個別に判断することは、選挙の平等性を欠きかねないようなことかなというふうに非常に危惧しているところなんですけれども、総務大臣としてのお考えをお聞かせいただければと思います。
○村上国務大臣 警察における取締りについては総務省の管轄外なのでコメントは控えたいと思いますが、一般に、捜査機関としましては、個別の事案ごとに把握した事実関係に即して、法と証拠に基づいて対処されているものと認識しております。
以上であります。
○藤巻委員 これ以上言ってもあれなんですけれども、やはり警察においても総務省においても当然、表現の自由、選挙の自由をしっかりと守った上で平等性というものをしっかりと担保していく、選挙においては民主主義を守る上でこれは非常に大事なことだと思いますので、その部分はお願いしたいというふうに考えております。
変わりまして、予算委員会でも少しやらせていただいたんですけれども、放送局の在り方について質問させていただきます。今世間で取り上げられている一件については、事実関係は分からず、また第三者委員会が調査中ですので、その一件についてではなく、あくまで一般論として質問させていただきます。
グループ七十八社から成る日本最大級のメディアグループであるフジサンケイグループは、報道によると、代表である日枝氏の独裁的な体制がしかれているとのことです。あくまで報道ベースでございますが、経営方針や人事に関して日枝氏の意向が絶対視されているというふうに報じられております。
報道ベースですので、フジサンケイグループの内実がどうなっているかは分かりませんが、あくまで一般論として聞かせていただきたいんですけれども、国民の財産たる電波を放送免許を得ることによって使用している放送局において一個人による独裁的な体制がしかれているとすれば、それは望ましい形ではないんじゃないでしょうか。極端な言い方をすれば、国民の共有財産たる電波の私物化とも言えるというふうに考えますが、大臣のお考えをお聞かせください。
○村上国務大臣 今委員が御指摘の独裁的な経営体制というのがどういうものか、ちょっと私には分かりかねるんですが、民間企業の経営体制は企業ごとに多種多様でありまして、また、経営体制の在り方について一概にお答えすることは困難ではないかと考えております。
その上で、東京証券取引所が公表しているコーポレートガバナンス・コードにおいて、取締役会は適切に会社の業績等の評価を行い、その評価を経営陣幹部の人事に適切に反映すべき、また、取締役会は内部統制やリスク管理体制を適切に整備すべきといったことが上場企業には求められているものと承知しております。
一般論として申し上げれば、国民の知る権利を満たし、国民生活に不可欠な情報を提供する等の社会的役割を担う放送事業者においても内部統制やリスク管理を適切に果たせる体制の構築が必要である、私はそう考えております。
○藤巻委員 フジ・メディア・ホールディングスなんですけれども、営業利益の半分以上が都市開発・観光事業ということらしいです。本業以外のビジネスに注力することが一概に悪いというふうには言えないと思うんですけれども、私、以前銀行員をやっていたんですけれども、融資するために会社の財務状況を分析する際、本業以外のビジネスのウェートが大きいと、仮にその部分で利益が出ていたとしても余り望ましいことではないというふうに分析する、そういう認識を持つのがあくまで銀行員のスタンダードな分析であると思います。
ましてや、放送免許を与えられて国民の共有財産たる電波を使用しているメディアグループが、本業以外のビジネスに注力して結果として利益の半分以上を占めているというのは望ましい形なのでしょうか。本業以外のビジネスで利益が出ているうちはまだいいとは思うんですけれども、そちらの方で大きな損失が発生した場合、それを埋め合わせるべく、本業である放送業、メディア業にしわ寄せが来るのは明らかです。本業以外のビジネスの損失を埋めるために、本業の放送業やメディア業でコスト削減を図るということが目に見えております。国民の共有財産たる電波を使用しての放送の質が下がるということです。
これは一般論としてではなくてフジ・メディア・ホールディングスの問題としてお聞きしたいんですけれども、フジ・メディア・ホールディングスが本業の放送業、メディア業以外の都市開発・観光事業で営業利益の半分以上を占めている今の状態、果たしてあるべき形なのか、これも総務大臣のお考えをお聞かせください。
○村上国務大臣 委員の御指摘については、私は各社の経営判断により行われるものであると考えております。
フジ・メディア・ホールディングスの傘下であるフジテレビにおいては、国民の知る権利を満たし、国民生活に不可欠な情報を提供する等の社会的役割を担う放送事業者として、その役割を十分果たす放送番組の制作が行われることを期待しております。
○藤巻委員 分かりました。
私たちがテレビを見るとき、まずNHK、日テレ、TBS、フジ、テレ朝、テレ東、この六つのチャンネルからどれを見ようかなというふうにするのが、一般的な、多くの方のテレビの視聴形態だというふうに思います。一方、放送形態や視聴者の習慣の違いはありますけれども、アメリカとかだったら、数十チャンネルからどの番組を見ていこうかなというふうに決めるのが主流であります。
日本でも、今、テレビ視聴以外に、ネットフリックス、あるいは国内資本だとアベマTV、こういったネットでの番組視聴がシェアをどんどん大きくしているところであります。ネット放送を含め、衛星放送やケーブルテレビなどの新規参入を促して、放送業界全体で活力のある健全な市場をつくり上げていくべきとも考えますが、これも大臣のお考えをお聞かせいただければと思っております。
○村上国務大臣 委員の言われるとおり、放送の多元性、多様性、地域性を確保する観点から、様々な伝送手段を通じて多種多様な放送番組を視聴可能とすることは重要であるというふうに考えております。
藤巻委員御指摘の放送業界への新規参入については、地上放送については中継局の共同利用を可能とするなど新規参入の促進にも資する法改正、衛星放送については新規事業者であることを考慮した審査基準による認定といった取組を行ってまいりました。
今後とも、時代の変化に応じた変革は重要という認識の下、放送業界の発展に向け、必要な制度整備等の検討を不断に進めてまいりたいと考えております。
○藤巻委員 ありがとうございます。引き続き、健全な放送業界、活力のある放送業界を生み出すべく不断の努力をしていただければと思っております。
時間が参りましたので、私の質問を終わらせていただきます。本日はありがとうございました。
○竹内委員長 次に、向山好一君。
○向山(好)委員 国民民主党の向山好一でございます。よろしくお願いいたします。
まずは、私からは、今世界的に急速に利用が拡大しておりますAIサービスについて質問させていただきたいと思います。
先月二十七日、中国の開発企業、ディープシークが新たなモデルを公開しました。その高度なAI技術、さらに無料で提供していることから、世界中に短期間で急速に拡大をしています。一方で、ユーザーデータが中国のサーバーに保存され、中国の法令が適用されることから、情報セキュリティーやプライバシーに関する懸念が各方面から指摘をされています。
政府は二月六日付でAIの業務利用に関する注意喚起と題して政府機関に通達を出しておりますけれども、総務省として、海外製生成AI利用の危険性についてはどういうふうな問題点を把握しておられて、同じように個人情報や機密情報を扱う地方自治体への周知徹底はどうされていらっしゃるのかということをまずはお伺いいたします。
○阿部政府参考人 お答えいたします。
政府機関につきましては、お話がありました二月六日付で、ディープシークを含む生成AIの業務利用に関する注意喚起がなされてございます。
総務省におきましては、これを受けまして、同日付で地方公共団体に対しても注意喚起を行ってございます。
具体的な内容でございますけれども、生成AIを含む外部サービスにつきまして、政府機関と同様に、画一的な約款等への同意のみで利用可能となるものでは機密性の高い情報を扱わないこと、サービスによっては海外の法令等が適用され、現地の政府による検閲や接収を受けるリスクがあることを助言し、適切な対応を促しているところでございます。
引き続き、地方団体の生成AIを含む情報システムの適正な利用について推進してまいりたいと考えてございます。
○向山(好)委員 今の御答弁にありますとおり、機密情報の扱いなんというのは慎重にやらなければいけない、今そういうような状況になっているんですね。ですから、全ての利用の内容とかあるいは個人情報というのが、ディープシークなら中国へ、あるいはチャットGPTだったらアメリカの方に全部吸収されていくという可能性もあるわけですから、やはりこのように個人情報の保護とかあるいは安全保障の面でも海外のAIサービスへの依存を続けるということは非常にリスクが高くて、何の対策にもなっていかないんじゃないかと思います。
そこで、国産AI産業の支援、国内のAIインフラの整備というのをこれからは更に強力に推進するということが非常に重要で、日本の産業の振興とデジタル主権の確立にとっても不可欠な日本の課題じゃないかというふうに思っています。日本国内のAI開発の競争力を高めるためには、政府として、優遇税制であるとか補助金とか、現在どのような支援策を講じていらっしゃるのですか。あるいは、AI開発力強化及び育成、国産AI開発についての大臣の決意なり今後の方向性なりをお聞きしたいと思います。
○村上国務大臣 向山委員の御質問にお答えします。
生成AIについては、世界中で活発な開発競争が行われており、海外の一部の事業者が膨大な投資により先行している状況であります。
外国製の生成AIへの過度な依存を避けるためにも、我が国におけるAIの開発力強化が必要であると考えております。
現在の外国製の生成AIでは、英語を中心とした学習データが用いられております。このため、高品質な日本語データをAIの学習に用いることで日本の利用者の視点に立った的確で正確な回答を出力できるようにすることが、我が国のAI開発力強化に向けた有効な方策と考えております。
こうした観点から、総務省では、情報通信研究機構の保有するAI学習用の高品質な日本語データを整備、拡充し、民間企業や大学、研究機関等に提供する取組を行っております。
引き続き、こうした取組を進めるとともに、情報通信研究機構を中核として、関係府省や企業との連携を強化し、我が国の生成AIの開発力の向上に一生懸命貢献してまいりたい、そのように考えております。
○向山(好)委員 一生懸命開発に努めていきたいということをお聞きしましたけれども、今の実態としまして、アメリカでは官民合わせても七百億ドルほどの投資がされていったり、中国では百億ドルです。だけれども、日本では、予算書を見ましても三百億円程度なんですね。額にしたら二億ドルです。桁が二桁ほど違うんですね。民間への投資というのが非常に重要なので、それを促すようなことも必要でしょうけれども、もう少しその辺りの政府としての後押しもしっかりしていただきたい、このことは要望させていただきたいと思います。
それと併せて、インフラ整備というのも非常に重要な要素じゃないかと思っているんですね。そのことについてお聞きしたいと思います。
AI開発、活用を推進していくためにも、その基盤ですね、データセンターあるいは海底ケーブル、こういったデジタルインフラの整備が重要です。前回の大臣の所信表明でもしっかりその辺は触れておられまして、偏在化というのを防ぎたいと。要するに、今首都圏と大阪圏へ集中しているのを是正して、そして日本海の空白地帯を解消していく、そういうことが書かれています。
しかし、ここにまた問題点がございまして、まずそこに需要がなければ民間企業には来てもらえません。そして、安定的な電力というのがそこにあらなければいけません。あるいはケーブルの陸揚げ局、そういった光ファイバーのしっかりしたインフラがあるのかどうか、こういったことも重要になってきておりますけれども、総務省として、こういったデジタルインフラを推進する上での課題、これをどういうふうに認識されていらっしゃって、今後どういうふうな対応策を考えていらっしゃるのか、この辺りをお答えいただきたいと思います。
○阿達副大臣 向山委員の御質問にお答えいたします。
社会のあらゆる活動をつなぐ神経系として重要な役割を果たすデジタルインフラの中でも、データセンターや海底ケーブルなどについては、通信トラフィックの増加、AIの利用推進等により需要が急速に拡大しており、その整備の推進は我が国において非常に重要なものと認識しております。
他方で、データセンターや海底ケーブルの陸揚げ局については、主に経済合理性や地理的条件などの観点から特定の地域に集中する現状にあります。加えて、データセンターの新増設などによる将来の電力需要の一層の増加が見込まれるという課題もあります。
このため、総務省では、AIの開発や利活用の促進、国土強靱化や地方創生、国民の利便性向上を図るため、特定地域に集中するデジタルインフラの地方分散等を進める施策を推進しております。
具体的には、これまで地方におけるデータセンターの整備支援に取り組んできたところですが、さらに、令和六年度補正予算を活用し、追加の支援に向けた準備を進めているところです。
さらに、今後は、次世代の通信インフラであるオール光ネットワークの低遅延性を生かし、データセンターと需要地を低遅延で結ぶことにより、脱炭素電源が豊富な地方等へのデータセンターの立地誘導を更に推進することが可能になると期待できます。
また、オール光ネットワークは、データセンターを含めたICTシステムそのものの省エネルギー性能の根本的な向上にもつながります。地方分散と併せ、オール光ネットワークの導入を推進していくことは、GXの観点でも極めて重要です。
総務省としては、経済産業省と連携し、電力と通信の一層の効果的な連携、いわゆるワット・ビット連携を進め、AI活用を通じたDXを加速させるとともに、成長と脱炭素社会実現の両立を図ってまいります。
以上でございます。
○向山(好)委員 分かったような分からないような御答弁もあったんですけれども、結局、房総半島と伊勢志摩ですか、そこに陸揚げ局が集中しているというのは、太平洋の、北米とのケーブルが集中しているということから来ているんじゃないかと思うんです。やはりこれからはアジア、それとの接点というのが非常に重要になってきていると思うんですけれども、そういった戦略というのをちゃんと持ってこれから、今後はそれを整備していく。というのは、日本海とかあるいは九州あたりというのは非常にアジアとは地理的にも重要な状況にあると思うんですけれども、その辺りの考え方はどんなことになっているんでしょうか。
○阿達副大臣 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、海外ケーブルの問題、非常に重要な問題がございます。現在、陸揚げ地がどうしても一部地域に偏っているということで、海底ケーブルからの支線をそれ以外の地域にどういう形で揚げられるか、そういう検討も進めているところでございます。
そういう中で、やはりアジアとの関係、これも非常に重要だというのは御指摘のとおりでございますので、総体的に進めてまいりたいというふうに思っております。
以上です。
○向山(好)委員 そういうハードな整備と併せて、やはり人材育成というソフトの部分というのもこれからまた重要になってくると思うんですけれども、しかし、日本の優秀な技術者が海外で活躍するということはよく聞く話でして、非常に残念なんですね。そういう意味では、国内でのAIの人材あるいはデータセンターの活用の技術者、こういった優秀な人材の確保というのは海外から取り込むことも一つの方法だというふうに思うんですけれども、その辺りはどういうふうに考えられているんでしょうか。
○奥家政府参考人 お答え申し上げます。
まず、議員御指摘のとおり、これからの時代を支えるAIに関わる人材の育成というのは大変重要な課題でございます。
まず、開発を担う人材の育成でありますけれども、経済産業省では、優れたアイデア、技術を持つ突出した若手IT人材を発掘、育成する未踏事業というのを二十五年実施してきています。この事業から日本を代表する生成AIを始めとするAIスタートアップの創業者も輩出してきておりまして、こうした形で突出した人材が我が国のAI技術を牽引しているというところでございます。さらに、AI開発に必要な計算資源の調達というのを支援しております。こうした活動を通じて、実際に開発の経験を積んでもらうことを通じて人材を育成していく。また、アメリカのビッグテック、ここの有識者を招いて国内事業者向けのセミナーなども開催しています。こういうような形で、AIモデル開発の取組を支援する中で人材の開発を進めているというところです。
また、AIにつきましては、利活用をする人材、こちらも重要になってきます。デジタル人材の育成につきましては、政府全体で二〇二二年度から二〇二六年度末までに二百三十万人を育成するという目標を掲げて、関係省庁一丸となって取り組んでおります。
こうした取組の中で、経済産業省では、様々な民間のいわゆるAIを含めた学習コンテンツを一元的に提供するためのポータルサイトを整備しております。現時点では、このポータルサイト、七百三十講座を提供しているんですけれども、そのうちAI関連で百七十講座、さらに生成AI関連では約三十講座が存在しておりまして、AI人材を育成するための環境というものも整備しております。
こうしたAIの開発や利活用を行うための人材の育成というものについて、引き続きしっかり取り組んでまいりたいと考えております。
○向山(好)委員 その辺り、共通認識があるというふうに思いますので、これからもこの問題というのは議論を進めていければというふうに思います。
時間の関係で、次の質問に移らさせていただきます。次は、選挙制度の在り方について伺います。
このことは、私、さきの国会のこの委員会でも質問いたしました。しかし、その後、私にとっても衝撃的な出来事が起こったんです。阪神・淡路大震災から三十年を経過した今年の一月十七日の翌日、兵庫知事選挙後に辞職していた元同僚の兵庫県議会議員が自死をしました。辞職後にも止まらないSNS等での個人攻撃に耐えかねての死を選んだということのようです。事ここに及ぶと一刻も早く対策を打たないといけない、こういう強い思いで改めてまた質問させていただきます。
現在、それぞれの政党内あるいは政党間で法律改正に向けての協議が進み、今週にも法案が出されると聞いています。その中で、自らの当選を目的とせず他候補の当選を目的とした立候補、いわゆる二馬力選挙、このことの規制も入っているようです。
そこで、大臣に基本的な認識として伺いたいんですけれども、この規定というのは非常に難しいことは私もよく理解しています。だけれども、同時に立候補している他の候補者の当選に資する行為を禁止する、こういった概念規定というんでしょうか、そういうことを設けるということにして、その適用は個別的、具体的な事例で判断する、こういった法改正の方向というのも十分あり得るというふうに思うんですけれども、その辺りの御見解というのをお伺いしたいと思います。
○村上国務大臣 向山委員のお気持ちと、私も同じような気持ちを持っております。
選挙は、御承知のように、国民が主権者として政治に参加する最も重要かつ基本的な機会であります。また、選挙運動は、有権者に対して、誰を選択すべきかの判断材料を提供するものだと考えております。候補者におきましては、選挙のルールを遵守し、判断材料を提供するにふさわしいものとなるように選挙運動を展開していただく必要があるというふうに考えております。
一般論で申し上げますと、選挙運動は公職選挙法で認められる範囲内で行われる必要がありまして、公職の候補者が他の候補者の選挙を行う場合には、その態様によっては公職選挙法上の数量制限などに違反するおそれがあると考えております。
その上で、御指摘のような行為が現行の公職選挙法の規定に該当するか否かについては、残念ながら、総務省としましては実質的調査権を有しておらず、具体的な事実関係を承知する立場にはありませんのでコメントは差し控えたいと思いますが、もっとも、向山委員の問題意識は非常に共通に理解できるものと考えておりまして、お話しの点については選挙運動に関する各党協議会においても重要な課題として議論がなされているものと承知しており、私としても今後の議論に非常に期待しております。
○向山(好)委員 ありがとうございます。
大臣も御存じのとおり、兵庫県の選挙管理委員会が大臣宛てに私の今の趣旨と同じような要望書を出されておりますし、昨日、十九知事も緊急声明を出しています。結局、放置してはいけないぞという世間の警告が出ているわけですから、是非とも私たち立法府もしっかりとやっていきたいと思いますし、行政府の方もしっかり対応していただきたい、このことをお願いしたいと思います。
そしてもう一つ、避けて通れないのがSNS対策なんですね。特に、選挙中に拡散されたSNS上のデマ、誹謗中傷は、個人攻撃や尊厳、名誉の毀損だけではなく、民主主義の根幹である公正な選挙をねじ曲げることにつながっております。現在でも情報流通プラットフォーム対処法なりがありまして、まだ未整備な部分がありますけれども、その対処法の一つとしましてノーティス・アンド・テイクダウン手続というのがあります。つまり、余りにもひどい誹謗中傷、個人攻撃には即座に削除する手法の導入、積極的な運用が必要になっているのではないかな、あるいは検討の余地もあるんじゃないかなというふうに思っています。
総務省はこのノーティス・アンド・テイクダウンには見解としては否定的なものを出されておりますけれども、このような悲劇を繰り返さないために、選挙に限ってということでもいいので適用拡大を行うべきだというふうに思いますけれども、御見解をお伺いいたします。
○玉田政府参考人 お答え申し上げます。
SNS上の違法、有害情報の流通、拡散は深刻な問題でございまして、SNSが国民生活や社会経済活動を支える社会基盤になる中で、プラットフォーム事業者としてもデジタル空間における健全性の確保について一定の社会的責任が求められる立場になっていると認識をしております。
選挙におきましても、インターネットの特徴であります伝播性や速報性の高さから、候補者等に対する悪質な誹謗中傷が行われるおそれが指摘されているところでございます。
こうした誹謗中傷につきましては、現行において、刑法の名誉毀損罪や侮辱罪、公職選挙法の虚偽事項公表罪の規定が設けられているところであります。
また、御指摘もありました昨年成立しました情報流通プラットフォーム対処法は、大規模プラットフォーム事業者に対してSNS上の誹謗中傷を含む権利侵害情報の削除対応の迅速化を促すことなどを内容としておりまして、総務省として今年の春頃の施行を目指して取り組んでおります。
委員よりノーティス・アンド・テイクダウンにつきましての言及がございました。この点については様々な論点があるものと考えておりますけれども、いずれにしましても、選挙におきますSNSの利用の在り方につきましては、表現の自由や政治活動、選挙運動の自由に関わる重要な問題でございますので、各党各会派で御議論いただくべき事柄であると認識をしております。
○向山(好)委員 今の御答弁ではノーティス・アンド・テイクダウンというのはなかなか難しいというようなことでして、私も正解というのがなかなか見出せなくて困っていることは困っているんですけれども、だけれども、一方で、やはり放置してはいけない問題じゃないかとは思っているんですね。これは立法府と行政府がしっかりと知恵を出し合って、抑止力にできるような法整備というのをやっていきたいなというふうに思っています。
もう一つ質問をさせていただきたいと思っておったんですけれども、時間もないので、若干コメントにさせていただきたいと思います。ポスターの件が今も質問でありましたけれども、品位じゃなくてですね。
兵庫県知事選挙のときも、N党の方が十人以上出すと選挙前に公言して、選挙管理委員会はそれに対応しなきゃいけないので、掲示板を増設したんですね。そうしたら、結局、一人しか出なかった。余っちゃったんですよ、だから選挙中に撤去したんですね。そして、かかった費用が神戸市の選挙管理委員会の数字でいえば、設置と撤去で三千四百万以上かかっているんですね。事務料を合わせたらもっとすごい額になるし、市役所の方々がどれだけ苦労したかというふうに思っているんですね。神戸市だけでそれだけの金額になれば、兵庫県全体だったら優に億を超えているんですよ。全部税金の無駄遣いですよ、地方の税金を使っているんですよ。これをしっかりと考えたら、それも放置できないじゃありませんか。品位保持だけでは済まされない問題もしっかりそこにあるということも認識していただきたいというふうに思います。
とにかく、兵庫県知事選挙の問題では、優秀で正義感あふれて将来有望な政治家が犠牲になっているんですね。その個人と御家族の無念さというのは計り知れないものがあります。是非とも立法府と行政府がその無念さを晴らすためのしっかりした機能を発揮していただくことを心から私はお願い申し上げて、私の質問を終わらさせていただきたいと思います。
本当にありがとうございました。
○竹内委員長 次に、福田玄君。
○福田(玄)委員 国民民主党・無所属クラブ、福田玄でございます。
早速質問に入らせていただきたいと思います。
今後の日本に即した行政区分の在り方についてということをまず質問させていただきますが、最近、私、村上大臣のことをすごく追いかけていまして、ネットも含めて様々な文献等々を読ませていただいているんですけれども、先日の週刊誌にコメントで、選挙制度も絶えず見直しを行っていかなければならないし行政区分の在り方も考え始めなければいけないと思っていますとのコメントを拝見いたしました。また、先週の総務委員会で、あくまで個人的な、私はこのあくまで個人的な意見は好きなんですけれども、個人的な意見としてだが現状の地方行政機構の仕組みは人口減少が進んだ段階では大きく変える必要があるというお話を伺いました。
これがああいう形で記事になって盛り上がるとちょっとかなわぬなという気もすると思うんですけれども、ただ、問題意識としては、本当に方向性はいろいろあるとは思いますが、人口減少がこれだけ大きく進んで、これからも減り続けるであろうという段階で、まさに現状の行政機構の仕組みは大きく変える必要があると私も思っております。その中で、今の行政機構を将来世代に渡していくというのは、今の形のままというのは本当に難しいのではないかという問題意識を大きく持っております。
しかし、これはまた難しい話ですが、どういった方向性を取っていくのか。先週、村上大臣からもありましたが、いきなり結論が出るものではないと思っています。しかし、地方行政機構のあるべき姿について、厳しい現実を前提として、根本的な考え方からの議論を行っていく必要があると思っておりますが、御意見をお伺いしたいと思います。
○村上国務大臣 福田委員の御質問にお答えしたいと思います。
実は、先日のインタビューや衆議院総務委員会での発言は、あくまで個人的な意見なんですけれども、私は、五十年、六十年先の長期的スパンを考えて、人口が急激に減少した状況において、果たして、今、千七百以上の市町村があるんですが、それが維持できるのかどうかというのが基本にありました。それで、今のシステムをある程度考えながら、様々な自治の在り方を考えていくことが必要ではないか、そういう意味で問題提起をさせていただきました。
現在、我が国は急激な人口減少と少子高齢化に直面しておりまして、御承知のように二〇四〇年問題というのがありまして、その中で住民に必要な行政サービスを提供していくために、自治体の行財政を持続可能なものにしていくにはどうしたらいいのかなと考えることが重要だと考えています。
このため、総務省としましては、国、都道府県、市町村の役割の在り方を含めどのような方策が考えられるか、現在、研究会を立ち上げ、自治体の声をお伺いしながら議論を行っているという状況であります。
○福田(玄)委員 御答弁ありがとうございます。
現在、研究会を立ち上げているということであると思うんですけれども、我々は政治家です。国家百年の計と言われましたが、これだけ時代の流れが速いので、なかなか百年先を見通すというのは難しい部分があると思いますが、まさにその研究会若しくは審議会、様々な媒体があると思いますけれども、例えば二〇四〇年であるとか二〇六〇年であるとか、ある程度の期限を区切ってその議論の方向性を示していくという、その議論を行う必要があると思いますが、いかがお考えですか。
○阿部政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘がございましたとおり、人口減少への対応について検討する際に、どの時点においてどのような人口構造にあると想定するかというのは非常に重要な前提でありまして、それを意識しながら議論することが重要だと考えてございます。
このため、持続可能な地方行財政の在り方に関する研究会におきましても、二〇四〇年から二〇五〇年にかけまして高齢者人口がピークを迎えることを踏まえつつ、例えば二〇五〇年の時点での人口でありますとか高齢化率、自治体ごとの人口規模などの入手可能な推計も踏まえた上で、どのような対応方策が考えられるか、今議論しているところでございます。
○村上国務大臣 今、阿部さんが御答弁したとおりなんですけれども、私は残されている時間は少ないんじゃないかと思っています。だから、本当はもっと早め早めに議論して、そうしないと、この急激な人口減に対するシステムに、気がついたときには、今の市町村の組織ができないところがかなり出るんじゃないかと個人的に心配しています。
○福田(玄)委員 まさに、既に町内会が維持できないような状況が始まっているわけですので、非常に急いで、ある程度の方向性を持って進めていく必要があると思っております。
次の質問に移らせていただきます。
昨年の十二月に政治資金規正法の改正案が成立をいたしました。私も政治改革の特別委員会の委員でもございますので、この議論に携わらせていただきましたが、収支報告のデータベースのことと収支報告書の提出のことについてお伺いをしたいと思っております。
政治改革特別委員会の議論で、データベースの構築、運用は総務大臣所管の認識ということでこの委員会で取り上げさせていただきますが、収支報告書のデータベース化の現在地についてお伺いしたいと思います。現在、データベース化については、予算措置、実際の構築プロセスについてどの段階にあるのか。
また、単に情報が表示されるだけでなく、ユーザー、国民から見て使いやすいものであるべきだというふうに思っております。多くの議員から要望、質問のあった機能、例えば使いやすいワード、文字での検索機能であるとか、事務所単位や寄附した企業単位での名寄せ機能、データをダウンロードしユーザー側で分析することができる機能などについてはその際の議論どおり搭載される方向かどうか。
そして、予算のタイミングがあると思いますけれども、国民から非常に関心の高い分野であります。そもそもデジタルという世界ですので、こういったものの導入に時間がかかり過ぎているのではないかという、そういった印象がございます。できるだけ早く、場合によってはできるものからやるというようなアジャイルな進め方も検討する必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○笠置政府参考人 収支報告書のデータベース化ということでございます。現在の検討状況等のお尋ねでございますが、昨年六月の通常国会と十二月の臨時国会で成立いたしました政治資金規正法の一部を改正する法律等におきまして、政党本部、政治資金団体又は国会議員関係政治団体の収支報告書について令和九年の一月一日以降オンライン提出が義務化をされるとともに、これらの団体からオンライン提出された情報をデータベースを用いて公表することとされました。このデータベースの構築につきましては、六月ではなくて十二月、二か月ほど前の十二月の臨時国会で成立したものでございます。
これによりまして、改正法の規定によりまして、令和八年定期公表分以降の収支報告書に係る情報につきまして、令和十年四月一日までにデータベースの提供を開始するということが法律で定められてございます。
現在、総務省におきましては、こうした改正法の規定や国会審議における提案者の答弁等を踏まえましてデータベースの内容の検討を行っているところでございます。
先ほどの検索可能なということで、データベースの内容につきましては、改正法案の審議の際に提案者から、収支報告書の記載事項のうち個人寄附者及び個人のパーティー対価支払い者等に係るものを除いた全ての事項について文字情報で検索できるようにする機能を持たせるであるとか、寄附をした団体名の欄を検索すればその団体から寄附を受けた政治団体の一覧が分かるといったこと、あるいは代表者や会計責任者の氏名も情報に含まれるのでこれらのいわゆる名寄せのようなことも可能になることを想定しているといったこと、また、データベースに搭載した元データをダウンロードできるようにし、ダウンロードした者が加工、分析できる方向が望ましいといったような趣旨の答弁がなされております。
我々といたしましては、こうした提案者の答弁等も十分に尊重してデータベースの内容の検討を進めてまいりたいと考えてございます。
見やすいということでございますけれども、予算措置の状況でございますが、昨年六月の改正を受けまして、まず国会議員関係政治団体に係るオンライン提出が義務化をされたということに伴いまして、既存のシステム改修のために六年度の補正予算に所要額五・八億円を計上いたしておりまして、ログイン後のトップページのデザインの改善でありますとか、システム利用時のユーザーアンケート機能の搭載といったような、利用者、ユーザー向けに利用環境の改善につながる対応を予定しているというところでございます。
また、利用環境等によりましては表計算ソフトの動きが重くなるといったような御指摘もあると承知をしておりますので、政治団体の皆さんにとって更に使いやすいものとなるように検討していきたいと考えてございます。
また、今後も、各政党において国会議員事務所向けに行われる説明会の場などを利用したり、先ほど申し上げましたけれども、システム利用時のユーザーアンケート機能なども通じて意見を伺いながら、政治団体の皆様が円滑にオンライン提出の義務化に対応いただけるよう、都道府県選管とも連携をして取り組んでまいりたいと考えてございます。
○福田(玄)委員 御答弁ありがとうございます。
私、実は、収支報告書のデータベース、今は基本は閲覧する方のことについてお答えをいただいたと思うんですが、非常に強い思いを持っておりまして、実は私は国会議員の秘書を十五年やって、地方議員も一期四年やらせていただいて、二十年近く自分で収支報告書を作ってまいりました。その中で、収支報告書の作成のシステムが非常に重くて不便。多分すごくお金をかけていらっしゃると思うんですけれども、非常に使い勝手の悪いものなんです。意図的に不記載であるとかということはよくない、これは断じてよくないんですけれども、そうじゃなくて作成のシステム自体が非常に使いづらいという状況があります。これをもっとユーザーに寄り添った形で変えていく必要があると思っております。
その中で、御提案させていただきたいんです。一つは、今後、今御答弁いただいたのは閲覧する方のシステムなので、収支報告書の作成する方のシステムについてはお話がなかったと思うんですが、令和八年度予算以降、本予算等で予算措置もしていただきたいと思いますが、しっかりと提出するシステムを使いやすいものに変えていただきたい。その際に、例えば、国会議員でいえば国会議員の秘書協議会なんかもありますし、都道府県選挙管理委員会の担当者もいらっしゃる、もっと言えば都道府県の県議会議員、市議会議員で、このシステムでオンライン提出している方はいらっしゃるので、そういった方をしっかりピックアップしていただいて、しっかりユーザーの声も聞いて反映したシステムにしていただきたいというのが一点。
もう一つは、この実務作業を行う、多分、今、人材不足です。総務省の中でも人がそんなにいないと思うんです。しっかりとデジタル庁とも連携していただいて人の手当てをしてシステムができることによって、私が十五年、二十年悩んできた収支報告書を作成する業務の負担を、これから先の後輩の秘書とか後輩の議員たちに引き継ぎたくない。一回つくってしまえば、あとはちょっとずつ修正していけばいいと思うので、是非そこは強くお願いをしたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
三つ目の質問に入らせていただきたいと思います。地域の防災、消防の在り方ということでございます。
これから防災庁ができていくという段階に今なっていますが、南海トラフもそうですし、首都の直下型の地震もそうかもしれませんが、大規模災害が想定されている中で防災庁がこれから設置をされていくことであると思いますが、所信表明の中で大臣が消防団を中核とした地域防災の向上を述べられたこと、非常に強く共感しております。私自身も消防団員でさせていただいておりました。
地方では、地域に根づいて、しかも災害時に体を動かせる年齢の人たちのコミュニティー、ネットワークは消防団以外に今ないのではないかというふうに思っております。同時に、地域の防災を担う主体として、町内会を基本単位として自主防災組織というものがあると思います。組織人員は、少し古い資料ですが、五年ほど前の資料で四千万人を超えています。その実態は町内会の延長にあることが多く、特に地方部では、町内会の維持すら難しくなっている地域が散見されています。
今後、防災庁が設置されていく中で、防災の手足となるのは消防団と自主防災組織となるのではないかと想定されますが、消防団と自主防災組織、町内会に行って話を聞いてみると、私たちは自主防災だから消防団に余り手を出してほしくないとか、逆に消防団も、手を出して町内会の偉い方から怒られても嫌だみたいな、そういった心理的な壁も含めて、ちょっと連携が取れていない地域も散見されるというふうに思っておりますが、その部分についてしっかりと連携を図るように総務省として促進していくべきではないかというふうに思いますが、お考えはいかがでしょうか。
○田辺政府参考人 地域防災力の中核を担う消防団と自主防災組織の連携は非常に重要と認識しております。
そのため、消防庁では消防庁長官通知により、消防団や自主防災組織等、多様な主体が連携した取組を優良事例として取り上げ、全国に周知を図り、各自治体においてこのような取組を進めていただくようお願いしているところです。
また、消防団の力向上モデル事業や自主防災組織等活性化推進事業により、消防団と自主防災組織等が連携した取組を支援しております。
消防庁としては、地域防災力の充実強化のためには消防団を始め多様な主体が相互に連携協力して取り組むことが重要と考えており、引き続き、消防団と自主防災組織等、多様な主体の連携を促進してまいります。
○福田(玄)委員 御答弁はそのとおりなんですけれども、今、自主防災組織の現状もしっかりと調査していただく必要があるのではないかというふうに思っています。最初は勢いよく、例えば市町村から自主防災をやってくださいといってつくられた組織が、最初の五年、十年でやっていた人たちが高齢化して誰も動けなくなっちゃっているみたいな、そういった自主防災組織が実際にあると思います。その部分もしっかりカバーしていかないと、特に南海トラフが起こったときには広域災害になりますから、そのときの手足をしっかりとできるように、まさに防災庁の議論の中にも消防のことを織り込んでやっていただきたいというふうに思っております。
そして、消防の課題についてですが、これは明確で、団員減少、新規団員獲得の難しさにあるというふうに思っております。
その団員減少、新規消防団獲得の難しさの一つに、消防操法大会、訓練大会ですね、これが一つのハードルになっているというふうに認識をしております。今、これは義務化じゃなくて、各消防団は任意化する流れもあると承知しておるんですが、場合によっては、任意にしたことによって昔ながらの先輩方は、操法をやめるのか、おまえらと。若い人たちは操法をそろそろちょっと変えていきたいというような中で、任意にしたことによって消防団の中で分断が起こっているようなケースもあるというふうに思います。
その意味では、消防団自体が、消防設置法が昭和二十二年で消防法が三十三年で古い法律ですのでずっと積み上げてきたものはあると思うんですが、まさにこういった防災庁という形で新たな組織ができたりするタイミングで、消防団の在り方、今、火を消すという業務よりもどちらかというと防災をするような業務が多くなっていると思います。その中で、もう少し操法訓練大会の在り方も縮小する、場合によっては廃止をして更に効果的なものに変えていくような、そういった消防団の所掌事務の見直しをする必要があるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○田辺政府参考人 消防操法は、火災から国民の生命等を保護するために必要な消防技術の習得や向上を図ることを目的としており、消防団員が災害現場で安全かつ迅速に活動するためにも重要と考えております。
一方、操法大会については、消防庁の検討会においても、操法大会を前提とした訓練が大きな負担となっている、大会での行動が形式化しているといった指摘があったことを踏まえ、全国の操法大会についてはパフォーマンス的、セレモニー的な動作を審査対象としないなど、より実効性を高める見直しを行ったところです。
また、都道府県や市町村の操法大会においても、消防本部と連携した実践的な訓練の導入など、消防団の災害対応能力の強化を図る様々な取組が行われているところであり、消防庁としては、こうした各地域の優良事例の横展開を図っているところです。
消防団の活動は、消火活動のみならず、災害時の住民の避難誘導、被災者の救助活動など、多岐にわたる役割に取り組んでいただいておりますが、操法大会を含めた消防団活動の在り方については、各地域の実情を踏まえて判断いただくことが適切と考えており、消防庁としましては、本年一月に発出した自治体に対する通知においても、消防団活動の趣旨を十分踏まえつつ、消防団員の負担軽減や、御家族や地域住民の理解促進等を勘案した適切な対応をお願いしているところであり、引き続き、各地域の声もよく伺いながら、優良事例の横展開を図るなど、より実効性の高い活動を促してまいります。
○福田(玄)委員 是非、消防団の在り方です。消防団の維持をすることだけが大変ということではなくて、消防団も含めた地域の防災体制を築いていく必要があると思っておりますので、そのことも含めて今後是非検討を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
済みません、ちょっと時間がなくなってまいりましたので、質問を一つ飛ばして、質問五に移らせていただきたいと思います。地方自治体の人材不足や離職などについてということでございます。
地方自治体も人が足りない、足りないという状況でございます。男性の育児休暇の取得促進などのフレキシブルな働き方を進めるなど、総務省としても努力されているところだと承知をしております。しかし、地方公務員になりたいという人材自体が減少しているという印象がございます。加えて、離職者が増加しており、中でも若い層の離職が目立っているという認識がございます。新たになりたい人を集めるということと同時に、今頑張っている人が辞めない体制を構築すること、これが重要であるというふうに思います。
対策を打つためにまずは実態把握が必要であると思いますが、実態について、総務省として離職者数の数値だけじゃなくてその離職原因などは把握をされているのかどうか、お聞きしたいと思います。
そして、アンケートを取るということも考えられますが、離職原因というのはなかなか本音が出てきにくい部分であると思います。そこで、一つ提案なのですが、一部事務組合を含めて退職手当組合というものが存在しますが、退職手当組合が有する退職時の手当などのデータも使って、匿名性を確保した上でより真実に迫る調査方法も検討してよいのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○恩田政府参考人 総務省におきまして、毎年地方公務員の退職状況等調査を実施し、自己都合による普通退職者数の把握は行っておるところでございますけれども、その離職原因までは把握していないというのが実態でございます。
なお、委員御指摘のとおり、令和四年度の自己都合などによる普通退職者数については、前年度から五千人余り増加し四万六千百三人となっております。これを年代別で見ますと、二十歳代で一万八千二百三十一人、三十歳代で一万五千百六十一人となっているところでございます。
こうした状況も踏まえまして、総務省といたしましては、今後とも、各自治体におけます人材確保や働き方改革の取組が着実に進むよう、自治体の御意見もお聞きしながら、必要な助言、情報提供をしっかりと行ってまいります。
また、委員から御提案のありましたデータの利用に関しましては、個人情報の観点も踏まえまして、十分に検討してまいりたいと考えております。
○福田(玄)委員 ありがとうございます。
ちょっと時間が来ているんですけれども、最後にもう一言だけ答弁をいただきたいと思います。
会計年度任用職員で、今日資料をお配りしましたが、産休、育休を伝えて雇い止めという現状があるという地元紙のニュースがございました。こういった現状があるということを把握されているかどうかということでありますが、フェアな制度の運用をやってもらいたいと思うんですけれども、最後に一言だけ答弁してください。
○恩田政府参考人 お答え申し上げます。
産休、育休を理由とする不利益な取扱いは地方公務員法第十三条や地方公務員育児休業法第九条により禁止されており、制度上不利益な取扱いができないこととなっております。
総務省といたしましては、各自治体におきまして育児休業の適正な運用が行われるよう、今後とも情報提供や助言をしっかりと行ってまいります。
○福田(玄)委員 ありがとうございました。
○竹内委員長 次に、中川康洋君。
○中川(康)委員 公明党の中川康洋でございます。ありがとうございます。
本日、大臣所信に対する質疑ということで、村上大臣以下皆様、大変にお世話になりますが、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
最初に、放送百年の節目に関連をいたしまして、公共放送のあるべき役割についてお伺いをしたいと思います。
本年、二〇二五年は日本でラジオ放送が始まって百年という大きな節目を迎えますが、このラジオ放送が始まるきっかけとなったのが一九二三年の関東大震災だというふうに言われております。未曽有の大災害が起きる中、根拠のない流言飛語が広がり社会に不安が充満した反省を踏まえ、まさしく当時の人々が正確で信頼できる情報を誰もが入手できる手段が必要だと感じた結果、放送というメディアが生まれ、まさしくラジオ放送が百年前に開始をされました。
それから百年を経た今でございますが、私は、国民の本当のことを知りたいという気持ちはより一層強まっているのではないか、このように感じるのとともに、まさしくSNS等で真偽の確かでない情報が氾濫する今、かえって本当のことや確かな情報を入手しにくい状況、こういった状況になっているのではないか、こんなふうにも感じている一人でございます。
また、公共放送であるNHKを始め我が国のメディアは、放送百年という歴史の節目に、健全な民主主義の発達に貢献するため、今こそ視聴者や国民が本当に知りたいと思っていることに真正面から向き合わなければならないのではないかというふうに考えておるものでございます。
そこで、まず放送並びに情報通信を所管する総務大臣に伺いますが、放送百年という節目の今、改めて公共放送のあるべき使命また役割について総務大臣にそのお考えを伺いたいと思います。大臣、お願いします。
○村上国務大臣 中川委員の御質問にお答えしたいと思います。
我が国の放送は、御承知のように、公共放送と民間放送による二元体制の下で、お互いが切磋琢磨することによって発展してきたものと認識しております。
公共放送としてのNHKは、放送法において、あまねく日本全国において豊かでよい放送番組を受信できるよう放送を行うとともに、放送全体の進歩発達などに貢献することが目的とされております。
こうした目的を実現するために、NHKの中期経営計画においては、健全な民主主義の発達に資することなどが示されているところであります。
NHKにおいて、こうした計画を着実に実行し、正確で信頼できる社会の基本的な情報を提供するという公共放送としての役割を引き続き果たしていただきたいというふうに考えております。
○中川(康)委員 ありがとうございます。
今年、放送百年という節目ということで、そのきっかけが関東大震災だった、ここで不安が増す中で流言飛語が広がり、正確な情報が大事だ、こういった状況からラジオ放送が始まった、このスタートはすごく大事にしなければいけない。
今日は公共放送に限って聞きましたけれども、公共放送と民間の二元制を持っている中で、放送法の中には民間放送の役割等も書いてあるわけでございます。今日はあえて聞かなかったわけでありますが、そういった状況の中で、やはり正確なことを知りたいという国民・視聴者の思いに応えていく、こういったことを確認したいと思いまして、冒頭にこの質問をさせていただきました。
次に、偽・誤情報等に対する対応についてお伺いをいたします。この問題については向山議員も少し触れていただいたところはありますが、まずはインターネットの偽・誤情報に対する対応について特化して聞きます。
総務省では、昨年の通常国会において、誹謗中傷を始めとするインターネット上の違法、有害情報に対処するため、大規模プラットフォーム事業者に対し権利侵害情報に対する対応の迅速化であるとか運用状況の透明化を義務づける情報流通プラットフォーム対処法、いわゆる情プラ法を提出しまして、成立をさせたところでございます。また、令和六年度補正予算及び令和七年度予算案におきましても、インターネット上の偽・誤情報等への総合的対策の推進として、多くの予算の計上をいただいておるところでございます。
そこで、大臣に伺いますが、インターネット上の偽・誤情報等の氾濫は、今や人々の生活を脅かすだけではなく、場合によっては犯罪に巻き込んだり、先ほども紹介がありました、命にも及ぶ重大な危険をはらんでおるということでございます。大臣といたしましては、この偽・誤情報等から国民の命や平穏な生活をどのように守っていくのか。その具体的な取組と総務省としての決意、これは川崎政務官から御答弁をいただきたいと思います。
○川崎大臣政務官 お答えいたします。
SNS等のインターネット上の偽・誤情報は、短期間で広範囲に流通、拡散し、委員御指摘のとおり、国民生活や社会経済活動に重大な影響を及ぼし得る深刻な課題であると認識しております。
このため、総務省では、SNSを健全に利用できる環境の確保に向けて、制度的な対応、対策技術の研究開発、幅広い世代のリテラシー向上等の総合的な対策を進めております。
委員もおっしゃっていただきました、昨年成立した情報流通プラットフォーム対処法、情プラ法に関しては、大規模なプラットフォーム事業者に対しネット上の偽・誤情報を含む権利侵害情報の削除対応の迅速化を促すとともに運用状況の透明化を求めるものであり、ネット上の偽・誤情報対策として一定の効果が期待できます。このため、同法の早期施行に向けて省令等の整備に取り組んでまいります。
また、生成AIが日進月歩で進化している中において、生成AIによる偽・誤情報の流通、拡散に技術的に対応することも重要です。このため、総務省では、例えば、ネット上の画像、映像が生成AIにより生成されたものか否かを判別するための技術開発等を行っているところ、引き続きこのような技術の開発、実証を進めてまいります。
さらに、偽・誤情報対策には国民一人一人のリテラシー向上が必要不可欠です。このため、総務省では、官民の幅広い関係者による取組を推進するために、本年一月にデジタルポジティブアクションという官民連携プロジェクトを立ち上げたところです。幅広い世代の利用者、国民のリテラシー向上に向けて、官民連携で社会の機運醸成を進めてまいります。
このように、総務省では、インターネット上の偽・誤情報について、国際的な動向も踏まえつつ、表現の自由に十分配慮しながら、引き続き積極的に総合的な対策を進めてまいります。
○中川(康)委員 大変ありがとうございました。
この情プラ法によって一歩進んだ対応、対策を進める、これは総務省の意思として是非進めていただきたいというふうに思いますし、技術的な対応と同時に、今御答弁いただきましたリテラシーの向上も非常に大事だというふうにも私も感じております。そういったところをしっかりとやりながら、さらには表現の自由等があるのも理解をしているところでありますが、しかし、生活を脅かしたり命を脅かすような状況も時にはあるというところ、ここはやはり重く受け止めて総務省としてのお取組をしていただきたい。
特に、川崎政務官は、政務官になる前から御党でそういったことを専門的に研究なされていたということでございますので、総務省の中でリーダーシップを取っていただきたいという思いで今日は答弁を求めた次第でございます。
さらには、選挙の在り方についても、今日も種々出ておりましたが、この問題というのは看過できないというふうにも思っています。私、明日の予算委員会でそこのところをもう一歩踏み込んで総務大臣にも問いたいというふうにも思っていますので、そのことも併せてよろしくお願いしたいというふうに思いましたら、ちょっと今大臣がおられないので、誰か伝えていただきたいと思いますけれども、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
次に、地方自治体における技術系職員の減少についてお伺いをいたします。
近年、地方自治体の上水道や下水道、さらには橋梁や堤防など、住民の生活を守る公共インフラの老朽化、これが大変大きな問題となっております。また、その公共インフラの整備及び改修が進まない理由の一つとして指摘されておりますのが、地方自治体、特に小規模自治体における技術系職員の減少でございます。
国交省の資料によりますと、技術系職員が五人以下の市区町村が既に半数近くに上っている、また、全くいない、ゼロ人という市区町村も全体の約二五%というふうになっております。また、公共岸壁などを管理する港湾管理者の技術職員についてもこの二十年で二割以上減少しておるというふうに聞いておりまして、具体的な数字の上からも、技術職員の不足に伴う技術力の低下、これが深刻なのは明らかでございます。
大臣は、先日の所信の中でこの地方公務員について、地方公務員については人材育成、確保の取組を推進します、また会計年度職員を含む地方公務員がその力を十分発揮できるよう環境や制度の整備に取り組みますと述べていただいておりますが、私は、この地方公務員における特に技術系職員の確保は住民の平穏な生活及び安心、安全の確保の面からも喫緊の課題、このように捉えております。
そこで、伺いますが、地方自治を担う総務省としては、公共インフラ整備及びメンテナンスの直接の所管である国交省と連携を図りながら、これら地方自治体の技術系職員の確保を図ることが重要と捉えますが、総務省の見解を伺います。
○恩田政府参考人 お答えいたします。
公共施設等の老朽化対策に加えまして、大規模災害からの復旧復興に対応するためにも、地方公共団体におけます技術職員の確保は重要な課題だと認識しております。
全体として見ますと、国土強靱化への対応の必要性などから、例えば、近年は、建築技師は増加傾向、土木技師は微増から横ばいといった傾向にございます。
ただ、委員御指摘のように、小規模市町村での課題もございますし、また、採用に当たって、技術職員につきましては、民間との競合等により必要な人材の確保は難しいとの声も伺っているところでございます。
このため、都道府県等が技術職員を確保し、平時に技術職員不足の市町村を支援するとともに、大規模災害時の中長期派遣要員を確保する復旧・復興支援技術職員派遣制度を令和二年度に創設し、登録された職員に係る人件費に対して地方交付税措置を講じておるところでございます。
関係省庁とも連携しながら、地方公共団体の技術職員の確保に向けて取り組んでまいります。
○中川(康)委員 ありがとうございました。
連携という話がありましたが、自治体本体での確保、ここもお願いをしたいと思います。
最後に、能登半島地震における特別行政相談の取組と今後の対応方針についてお伺いします。
能登半島地震から一年有余が経過する中、総務省としては、発災直後から特別行政相談活動を石川県内百十五か所で展開しております。
具体的には、特別行政相談所の開設を始め、生活支援情報を一冊にまとめたガイドブックの配布など、こういったものを行っておりますが、この件については大臣も所信の中で、特別行政相談活動では被災者向けガイドブックの活用などを図るため地方団体との連携を強化しますというふうに述べられております。この強化というところが私は大事だというふうにも思っておりまして、今後全国で想定される災害においても被災者支援に万全を期すため、自治体との連携を今まで以上に強化し、被災地における特別行政相談活動を更に充実させるとの方向性が示されております。
そこで、伺いますが、これまで行ってきた能登半島地震における特別行政相談の具体的取組状況とその効果、さらには能登半島地震での取組を教訓とした国としての今後の対応方針、これについて御答弁をいただきたいと思います。
○菅原政府参考人 お答えいたします。
ただいま御指摘いただきましたように、総務省では、能登半島地震の被災者を支援するため、これまで、生活支援情報をまとめたガイドブックを避難所等に約二万部配布するとともに、災害専用フリーダイヤルや、被災者の相談にワンストップで対応する特別行政相談所を開設し、約五千四百件の相談に対応しているところでございます。
こうした取組によりまして、どこに相談してよいか分からないといった被災者の方々に対しまして生活支援情報を迅速に提供するとともに、関係機関と連携して被災者の方々の困り事にきめ細やかに対応しておりまして、相談者からは、相談できてよかった、非常にありがたいといったような声をいただいておるところでございます。引き続き、被災者に寄り添った相談活動を展開してまいりたいと考えております。
また、能登半島地震での教訓を踏まえまして、被災者支援に万全を期するため、平時から全国の自治体との連携強化に取り組んでいるところでございます。例えば、自治体の地域防災計画にガイドブックの取組を始めとする特別行政相談活動を盛り込んでいただくなど、更に取組を進めてまいりたいというふうに考えております。
○中川(康)委員 ありがとうございました。
これは能登半島地震においても大変に大事な取組だと思うんですね。特に、相談所は百十五か所展開をしていただいていますし、ガイドブックの配布もしていただいている。まさしくどこに行っていいか分からない、どこに相談したらいいか分からないという状況においてこういったものがあること、そして、災害はいつ起こるか分からぬものですから、平時から自治体との連携を図っていくことによって、いざとなったら即自治体との連携の中でそういった取組ができる、こういったことの部分として大事だと思っております。
今日は郵便局のユニバーサルサービスの確保と公共サービスの連携についてもお伺いをしようと思いましたが、ちょっと時間になりましたので、これは次の質問に回させていただき、公明党を代表しての質問を終わりたいと思います。
大変にありがとうございました。
○竹内委員長 次に、高井崇志君。
○高井委員 れいわ新選組の高井崇志でございます。
今日は、山川委員に代わって質問の機会をいただき、ありがとうございます。
私は、実は総務省の出身でございまして、二〇〇九年の初当選以来、総務委員会一筋でやってきて、総務委員会の野党の筆頭理事もさせていただいて、そのときは、吉川筆頭理事や岡島理事にも大変お世話になり、あかま理事にも大変お世話になりました。あと、竹内委員長、前の委員長だったときにも、たしか筆頭理事をさせていただいていたので、大変お世話になりました。
今日は久しぶりにこの総務委員会で質問させていただきますが、今日はNHKの会長、経営委員長にお越しいただきました。
もう六年前ですかね、当時、私が筆頭理事だったときは、毎回のように経営委員長、NHK会長に来ていただいていたんですね。それは、NHKはいろいろなことがあって、例えば、籾井会長という方がいて、就任のときの記者会見でいきなり、政府が右と言うものを左と言うわけにはいかないという発言をして物議を醸したり、いろいろあったんですけれども。
その中で、今日お越しいただいたのは、経営委員会の議事録を国会で幾ら出してくれと言っても出さなかったという件がありました。ところが、裁判になって、ようやく和解をして、去年の十二月、この議事録を公開するという裁判が和解になったということで、今日はちょっとその件を、当時の経営委員長はもういないし会長もいないんですけれども、今後の再発防止のためにも是非伺っておきたいと思います。
これはほとんどの議員の方は知らない事件だと思うんですけれども、実は、日本郵政グループのかんぽ生命が、NHKの「クローズアップ現代+」という番組で、かんぽ生命のいろいろ不祥事を取り上げる番組をやったことに対して、日本郵政グループから当時の経営委員長代行の森下さんにちょっと抗議があって、そしてそれを森下委員長代行がNHKの会長に厳重注意をしたという。これは非常に重いことだと思うんですね。経営委員長がNHK会長に厳重注意をする、しかしそれが全く非公開のまま行われていた、それが新聞の取材か何かで明らかになって、国会で、どういう経緯でどういう注意をしたんだと。
しかも、NHKの規定、放送法上は、経営委員会というのは番組の内容にはタッチしてはいけないというルール、法律なんです。なのに、番組の内容がおかしかったというような趣旨で厳重注意をしたという疑いがあった。名目上はコンプライアンス上の問題だと言っているんですけれども、どう見ても、その話の中身から、議事録を読めば明らかに番組の内容に対する厳重注意だろうということで、それで国会でも議論になって、私も再三にわたり、その後、森下委員長代行は経営委員長になった、その森下経営委員長に議事録を出してくれとさんざんお願いしましたけれども出さなかった。当時は、録音もないみたいな、残っていませんみたいな答弁をしたわけですけれども、結局、それから四年、五年たって、議事録はあって、裁判によってようやく和解して出すということになったわけですけれども。
ちょっとこれはやはり国会軽視だとも思いますし、今、森下経営委員長はいないので、次の後任になった古賀経営委員長に伺いたいんですけれども、こういったことがあって、二度とこういうことを起こすべきではないという経営委員会としての反省と、今後こういったことを二度と起こさないための策について経営委員長からまず伺いたいと思います。
○古賀参考人 経営委員長の古賀でございます。
先生がおっしゃるように、経営委員会で議論したこと、これは遅滞なく公表するというのが法律で定められていることでございます。したがって、大変遺憾な点が私が感じますにあるのは、決定した事項、議論した事項はやはり速やかに公表する、ここの部分は、さっきおっしゃったように厳重注意というのを決定したわけですから、この経緯について速やかに公表するというのが筋だろうというふうに思います。
したがって、私、就任して以来、経営委員会でも申し上げていますけれども、とにかく、ここで議論して決定した事項は遅滞なくきちんと公表しようと。それからもう一つは、発言によっては番組介入とも受け取られかねないとさんざん言われるわけですから、経営委員会の委員の皆様にも申し上げておりますけれども、番組について経営委員会の場で論評するのはやめようと。私自身、これをやるのはやめようと思っていますし、そういう呼びかけをいたしているところでございます。
○高井委員 歴代の経営委員長は大体、事務方が書いた答弁を逐一読んでいましたけれども、今の経営委員長は御自身の言葉で語っていただいていたと思いますので、そこは評価して、そういう思いをきちんと持っていただいているんだということは評価したいと思います。
くれぐれも、番組に介入することは放送法違反ですから、そもそも厳重注意を決めたこと自体も私は疑義があると。そこは多分、いろいろ、そうじゃないという言い分もあると思いますが、これ以上今日は聞きませんが、そこはくれぐれも御注意いただいて。
私はずっと総務委員会だったので、経営委員会の議事録を毎回読んでいますけれども、非常に重要な議論をしています。NHKの在り方、それから会長を決めるのは経営委員会なんですね、なので、これは非常に重要な組織であります。私はもうちょっとメディアに詳しい、放送に詳しい方が経営委員会に入るべきだと思っていますけれども、しかし、重要な立場でありますので、そこはゆめゆめ今後も職務遂行をお願いいたします。
あわせて、NHK会長にも伺いたいんですが、実は、これは経営委員会だけの問題じゃなくて、NHKの理事会というのも議事録を公開しているんですね。この理事会の議事録を取り上げて私も何度か質疑したことがあるんですが、実は理事会をやる前に、経営委員会もそうなんですよ、委員のみの会というのは非公開にして、その後、ここから公開しますよと言って経営委員会になっている。NHKの理事会も、理事の皆さんがまず集まって、いろいろな公開できないような話をして、ここから公開しますと言って理事会を公開しているやに私は聞きました、以前。
まあ、話せないこともあると思うんですけれども、それだと世間の皆さんからすれば出来レースというか、公開できることだけをそこで話しているのかということになりますので、私は、できる限りNHKは、特に受信料で成り立っている公共放送のNHKなんですから、できるだけ情報は公開すべきだと。私は以前、私が総務委員会にいたときに、NHKと対峙しているときはやはり非公開の隠蔽体質が非常に強いなと感じたので、そこの部分、現状どうなっているか、そしてこれをどう今後改善していくかということを、今回の経営委員会の不祥事の件も併せて会長に決意をお聞きしたいと思います。
○稲葉参考人 NHKの情報公開の件でございますけれども、本件の最初の御判断は経営委員会に係るお話でございましたけれども、NHKとしては、全体として、私、受信料で成り立つ公共放送といたしまして、経営をできるだけ説明可能、アカウンタブルな状況にしておくというのは非常に大事なことではないかと思っております。就任以来、その徹底を私自身図ってきたつもりでございます。
今後も、NHKの情報公開基準にのっとりまして適切に情報公開を行うとともに、国会とかあるいは記者会見などの機会も通じて説明責任を果たし、事業運営の透明性を確保するという心構えでしっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。
御質問の理事会の議事録でございますけれども、これは、施行規則どおり置いて公表が義務づけられている以前から、NHKとしては自主的な取組で公開してございます。一方、いわゆる役員会、これは役員による情報共有とか意見交換が主たる会議でございまして、随時行っているわけですが、これは一応情報共有とか意見の交換ということなので議事録は取ってございませんが、いずれにしても、それを決定するというプロセスになりましたらば、理事会の場できちんとそこが漏れなく国民、視聴者の皆さんに伝わるように記述をして開示していくということとしたいと思います。
いずれにしても、大事なことは、意思決定プロセスをより透明化し、アカウンタブルな経営を行っていくということが大事だと思っておりまして、今後ともしっかり取り組んでまいりたいと思っております。
○高井委員 役員会というのは理事会の前に開かれて、そこは非公開なんですね。ところが、私が以前、籾井会長のときだったと思いますが、籾井会長と理事の皆さんとの間にいろいろな対立があって、意見の違いがあったりして、そこが結構問題になって、それが実は非公開の役員会でいろいろ行われていた、それがなぜか新聞報道とかに出て明らかになった。そういうことをできる限りなくしていくためには、できる限り公開するということをやはり原則にしていただきたい。そういう意味では、理事会での議論がどのくらいちゃんと公開されているかということでそれは見て取れると思いますので、これからもしっかりチェックをさせていただきたいと思います。
関連してというか、NHKさんについてもう少し質問すると、これは国会議員の皆さん感じているんじゃないかと思うんですけれども、昨日も予算委員会がNHKで中継されて、私も質問に立たせていただいてありがたかったんですが、しかし、やはり私は、よく視聴者の方からも、いわゆる有権者から何でもっと放送してくれないんですかと。
予算委員会の中も、総理入りのときだけテレビ中継があって、総理が入らないと一般質疑は中継されないとかね。あるいは、こういう委員会はほとんど中継がないじゃないですか。唯一NHK予算のときだけ、三月にNHKで放送されるんですけれども、皆さんそれの出番を争って楽しみに待つみたいな感じで。だけれども、もっと、重要な議論を国会でしているわけですから、NHKはチャンネルがいっぱいありますから、BSまで入れれば四チャンネルあるんですか、それだけあるわけですし。
あと、NHKは公共放送なのに、受信料で成り立っているのに視聴率を考え過ぎじゃないかと。例えば、NHK紅白歌合戦、何%になりましたみたいな、そのための番組宣伝を一生懸命、前からやるとか。そういうことに番組の枠を使うんだったら、私はやはり国会の中継というのをもっと増やしてほしい。番組内容に踏み込むことは本当はいけない、さっきも経営委員会も駄目だということで、いけないというのを前提に置きつつもね。だから、何かそれを強制しているわけじゃありませんけれども、やはり議論としてもっと国会中継というのをNHKでやってほしいというのは多くの国会議員の願いじゃないかと思いますけれども、いかがですか。
○稲葉参考人 御指摘のとおり、NHKは公共放送でございます。したがいまして、いわゆる視聴率といったような量的評価だけを追い求めるべきではないというふうに考えてございます。番組の評価というのは、視聴者がどれだけ満足していただいたか、どのくらい役に立ったのかとかいう、そういういわば質的評価も重要なポイントだというふうに考えてございます。
その延長線で、国会中継あるいは政治討論番組などをめぐりましても、視聴者の方からは更なる充実を求める声、意見が確かにございます。その一方で、その時々のニュースあるいは生活情報あるいは教育、文化、スポーツ中継、そういった放送に対する幅広い要望も併せて寄せられてございますので、そうしたことを総合的に判断して放送を実施していくということであろうと思っています。
引き続き、視聴者の声を聞きながら、正確で公平公正な情報、豊かで良質な番組を幅広く提供する、そして健全な民主主義の発達に資する、そういうNHKの役割を果たしてまいりたいというふうに考えてございます。
○高井委員 今会長が言われたニュースは大事ですよ、あるいはスポーツとか、そういった生活情報も大事ですけれども、番組宣伝は私はそんなにやる必要があるかなと思いますよね。それをやっているとやはり視聴率のためにやっているんじゃないかというふうに思われますので、その時間があったら、もっと国会中継であったり、あるいは政治討論番組、「日曜討論」というのをNHKで日曜の朝九時にやっていただいていますけれども、ああいうのをもっと増やしていただきたいなというふうに思います。
あと、ちょっとNHKさんだけ責めるのはかわいそうで、実はこれは国会の中でNHKテレビが入るかどうかを決めているんですよね。予算委員会の与党と野党の理事同士で入るかどうかを決めている。結局、与党は余り見てほしくないんでしょうかね、総理入りのときしか駄目だみたいなということなので。こういったことは与党に改善を求めたいと思いますが、少なくともNHKとしてはどんどん放送する枠はありますよという姿勢をもっと見せていただきたいなと思います。政治討論番組も増やすべきです。これも余り番組の中身に介入は、できるだけ控えめに言いますけれども、やはりああいう番組をもっと、時間も、枠を増やすとか、たくさんやって。
なぜそう言うかというと、私たちれいわ新選組はようやく出られるようになったんですよ。政党要件をずっと前から満たしているのに五人以上いなきゃ駄目とか、NHKの方でそういう基準を作って出られなかったけれども、ようやく出られた。だけれども、今、五人以下の少数政党は出られていませんよね。そういった政党にも機会を増やしてあげるべきだし、あと、番組の中でも大きな政党だけが質問の回数がたくさん当たって、れいわ新選組は毎回少ないんですよ、質問、当ててもらう回数が。こういったことも番組の枠が広がればできると思うので、ここも是非、NHKの番組の中身に具体的に踏み込まない範囲で、答えられることを答えていただきたいと思います。
○山名参考人 お答えいたします。
「日曜討論」では、与野党同席での討論の場合、どの政党に御出演を依頼するかや、番組内での政党ごとの発言回数などにつきましては、放送時間の物理的な制約などから、国政選挙の結果、国政への参加の状況、こうしたものを踏まえまして、自主的な編集権に基づいてその都度決めているところでございます。
この中で、いわゆる少数政党につきましては、例えば、毎年一月の各党党首インタビューでは、原則としまして、公職選挙法の政党要件を満たす政党にはVTRでの御出演を依頼しているところです。
公共放送として、健全な民主主義の発達に資するため、引き続き、自主自律を堅持しながら、公平公正な情報を多角的な観点からお伝えしてまいりたいというふうに考えております。
○高井委員 結局、だから、時間数が少ないからそういうことになるんだと思うんですよね。しかも、一月の番組は小さな政党はビデオ出演だったりね。枠を増やしていただければ、もっと出るチャンスもあるし、少数政党も発言の機会も増やせる。民主主義を支える重要な政治、国会、選挙、そして受信料で成り立つ公共放送、非常に密接に関連すると思うので、公共放送だからこそ視聴率に関係なく政治を取り上げた番組を作っていただくということが、民主主義の発展のために、まさに放送法のNHKの設立の趣旨にかなうことだと思いますので、是非前向きに検討していただきたいと思います。
それでは、今専務理事が答えられました番組の中身ということでということなんですが、やはりそういう大きな方針を決めるのは会長ですよ、最終的には。私は、稲葉会長は大変よくやっていらっしゃるし、稲葉会長を責めるものでは全くないんですが、実は、私は二〇〇九年に初当選以来総務委員会にずっといますが、六代続けて、福地会長から、松本会長、籾井会長、上田会長、前田会長、稲葉会長と、皆さん経営者なんですね。会社の経営で成功された方が、経営委員会が決めるんですけれども、経営委員会が大体そういう人を選んでいますが、その前は、橋本会長や、海老沢会長とか、島会長とか、そういう方はNHKの生え抜きの方だったんですよ、それまでは。
ところが、今名前が出た島会長はシマゲジとか呼ばれたり、あと海老沢会長はエビジョンイルとか、そんな名称で言われたように、不祥事があったり独裁的な体制があった。ちょっと今のフジテレビの問題に似ていると思うんですけれども。こういうことがあって民間の人にしようとなったんですけれども、さすがにもう六代続いたら、そろそろ生え抜きの方であったり。あるいは、私は総務の筆頭理事のときにヨーロッパに総務委員会で視察に行ったんです。そのときにいろいろなヨーロッパの国のメディアのまさに公共放送をやっている方と意見交換をしたんですけれども、必ず私が会長はどういう出身ですかと聞いたら、皆さん生え抜きかメディア関係者ですよ、ほかのテレビ局から移ってきたとか、新聞から来たとか。経営者がやっているなんて答えはなかったですね。
六代続けて経営者というのは私はちょっと、そろそろ替えてもいいんじゃないかということなので、ここも会長の人事権に踏み込むのかと思われるかもしれませんけれども、こういう大きな視点から、経営委員長には是非そういう視点も持っていただきたいなと思いますが、経営委員長、お考えはいかがですか。
○古賀参考人 会長の要件ということでありますが、経営委員会の最も重要な役割の一つは会長を決定するという事項だろうというふうに承知いたしております。三年が任期でありますから、来年一月が稲葉会長の任期。ということは、多分、夏場ぐらい、半年ぐらい前からはいろいろな議論をしていかなきゃいけないというふうに思っています。
その際は、どういう人がいいだろうかというのは、先生がおっしゃるように出身母体というのもありますが、様々な要件を一回きちんと整理して、余り予断を持って決めることなく、やはり虚心坦懐に、三年に一回のチャンスですから、どういう人が本当にふさわしいのかというのをきちんと議論した上で、コンセンサスを取って人選を進めてまいりたい、現時点ではこのように考えております。ここはしっかりやってまいりたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○高井委員 まさに夏ぐらいから、これは経営委員会の議事録を見れば分かるわけですよ。だけれども、そういう議論を見ていても、今私が言ったような視点の発言をされた委員は多分いないんじゃないかなと思うんですよね。代々、六代続けて経営者だから、どこか民間の優秀な経営者を探さなきゃみたいな感じで経営委員会はみんな思っているんですけれども、それは日本だけだ。ヨーロッパ各国を見たら、与党の皆さんも一緒に行った総務委員会の視察で議事録も残っていますから、是非そういう視点で。私は、公共放送のトップというのは、やはりメディア、ここに造詣があるというか、思いを持った、そういう方がふさわしいと思いますので、そういう視点を持って是非見ていただきたいと思います。
実は、安倍政権のときからそうなったんじゃないかという疑いがあるんです。総務大臣、通告していませんけれども、総務大臣は安倍政権に一家言あるでしょうから。
安倍政権のときから、民間企業の経営者、特に、松本会長というJR東海の方が会長になったんですけれども、松本会長の上司だったのは葛西さんですよ、JRの。安倍さんと大変仲よくしていて、私は、当時、松本会長が引っ張ってこられたのはそういう背景があったと。そして、経営委員会のメンバーもそういう近い方がなって、つまり政権と経営委員会とNHK会長が連動しているという時期がやはり私は安倍政権のときにあったと思うんですね。
それが今は薄まってはいると思います。私は総務省にいたので、総務省がいろいろ会長の人事とかは表に裏にというか、裏でしかないけれどもアドバイスをしたりとかそういうこともあるわけで、そういったときに、政権の忖度というか、政権がNHK会長も選べるみたいな空気になってきたのが安倍政権からだと思うんですけれども、そういうことはゆめゆめないように、総務大臣としてもNHK会長人事というのには気を配っていただきたいと思いますが、いかがですか。
○村上国務大臣 唐突の質問で、どう答えたらいいか分かりませんけれども、総務大臣としては、あくまで公平公正に人事をやっていきたい、そういうふうに考えております。
○高井委員 歯にきぬを着せぬ総務大臣ですので、もうちょっと踏み込んだ答弁を期待しましたけれども、でも、そういうことなんですよ。総務大臣がこの場では言えないけれども、明らかに安倍政権でそういうことが起こって、NHKも、その後になった籾井会長というのは政府が右と言うものは左と言えないと記者会見で言い放ったんですからね、そういう人を選んでしまっているということも、経営委員会が選んでいるわけですから、そこは是非しっかり見ていただきたいと思います。
大分時間がなくなってきたので、一問飛ばして、フジテレビの問題、これは総務大臣に通告していますが、さっき藤巻委員からも質問があって、同じ、かぶっちゃっているので、かぶったことは聞きません。
結局、日枝さんという、四十年ですかね、取締役を続ける方が、しかも相談役なのに取締役っておよそないんですよね。民間企業で、しかもオーナー会社ならありますよ。だけれども、そういうのはちょっとやめようよみたいな時代の中にあって、フジテレビという、しかも公共の電波を、免許を割り当ててもらって放送している会社が、そういう一人の人がずっと長く君臨して、しかも人事権があるのはもう明らかじゃないですか。多分、番組のいろいろなことにも関わっていますよ。
例えば、極端な話かもしれませんけれども、イーロン・マスクさんという人がいますよね。あの方はお金の力でもって、ツイッター、Xを買収しているわけですよ。さらに、ほかのメディアも買収するかもしれない。それは、百歩譲って、何も規制もない、ああいうSNSだから許されていますけれども、もし電波を割り当てられている放送局でそういうことが起こったらどうなんですか。特定の偏った思考を広めようという意図を持ってお金の力で買収して、そういう人が君臨するようなオーナー会社が免許を持つということになったら、それは放送法で規制できるんですか。私はできないと思う。だったら放送法を改正すべきだと思うんですけれども、いかがですか。
○村上国務大臣 放送法は、委員御承知のように、一九五〇年にできたと考えております。なぜあの当時できたかというと、終戦直後から五年たって、民主主義の基本として、表現の自由、報道の自由をいかにきちっと担保するかという趣旨でできていると思います。そういう面で、今回の問題についても、そういう観点から、そう簡単には判断できない問題だと考えています。
各社の経営体制の在り方については、それぞれの会社の在り方でありますのでお答えすることは差し控えますが、一般論としては、国民の知る権利を満たして、国民生活に不可欠な情報を提供する等の社会的役割を担う放送事業者においては、内部統制やリスク管理を適切に果たせる体制の構築が必要であるというふうに考えております。
いずれにしても、フジテレビにおいては、早急に事実関係を明らかにし、視聴者やスポンサーの信頼を回復することが私は必要じゃないかと考えております。
以上であります。
○高井委員 総務大臣は記者会見で、コンプライアンス違反では免許は取り消せないとおっしゃって。確かに、放送法は私もよく知っていますから、できないと思うんですよ。今言ったような、極端な事例かもしれないけれども、偏った思想を持った独裁者がもし経営を握っても、なかなか放送法で取り消せないんですよ。だけれども、それは私は放送法がおかしいと思います。だったら、私は放送法を変える努力をすべきだと。
是非、大臣の私的勉強会の下、公式なものじゃなくてもいいですよ、豊嶋局長とか優秀な局長がいらっしゃいますから、そういった下でそういう場合が起こったらどうなんだということをこれを機会に研究していくということは非常に大事だと思いますので、総務大臣には是非お願いしたいと思います。
済みません、ほかの質問、あと三問あったんですけれども、来ていただいた皆さんにはできなくて申し訳ありませんでした。
質問を終わります。ありがとうございました。
○竹内委員長 次に、辰巳孝太郎君。
○辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
今日は公益通報者保護制度について聞きたいと思うんですが、その前にSNSのプラットフォームの問題にも少し触れたいと思います。
SNS上で人権侵害が起こり、人命までも失われてしまう問題が繰り返されております。二〇二〇年、フジテレビの恋愛リアリティー番組「テラスハウス」に出演して五月に自死をしたプロレスラーの木村花さん、当時は二十二歳だったんですが、に対する中傷がウェブ上で繰り返されておりました。花さんが亡くなった後でも、被害者に非があるなどの非難の声がやみませんでした。
今年一月の十八日、兵庫県の齋藤元彦知事のパワハラ疑惑に関して兵庫県議会が設置をした百条委員会のメンバーで、県議であった竹内英明さんが亡くなりました。竹内さんは、百条委員会で齋藤知事の疑惑を追及する中で、SNS上の誹謗中傷を受けてきました。
竹内さんは、昨年、知事選挙が終わった直後に、十一月十八日に県議を辞職しております。その理由は、言葉の暴力、ネットの暴力が拡散したため家族が重い精神的負担を抱えていた、家族を守るためと報じられております。竹内さんに対しては、この百条委員会の追及をめぐって、疑惑をでっち上げ知事を陥れた、クーデターを計画した黒幕といった、根拠のないデマや誹謗中傷が繰り返されました。議員の辞職後も攻撃は続いて、東京大学の鳥海教授によりますと、昨年の十二月以降では批判の投稿が擁護の八倍超になっていたということであります。
また、竹内県議が亡くなる直前は同じ人とは思えないほど憔悴していた、顔が見えない集団リンチのような状況にとてもおびえていた、信頼している人からもネットでのことは本当ですかと責められて一番つらかった、こうしたことがまかり通る社会に絶望するなどと言っていたと報じられております。
大臣に聞きますけれども、地方議会の地方県議ですよね、こういうSNSなどの誹謗中傷によって命まで奪われてしまった、こういうことは絶対にあってはならないと思いますけれども、いかがですか。
○村上国務大臣 辰巳委員の質問にお答えします。
私自身も、今回の事件は本当に痛ましい事件だと思っております。特に我々政治をやっている者からすると、ああいうことが起こればなかなか正論も本音も言えなくなる。非常に私は民主主義の危機じゃないかなという気がしています。
本当に、竹内元県議の御逝去につきましては、謹んで哀悼の意を表します。
インターネット上の誹謗中傷等の違法、有害情報の流通は依然深刻な状況でありまして、被害者の皆様からは、投稿の削除に関する相談が多く寄せられております。
こうした課題に対応するため、昨年成立した情報流通プラットフォーム対処法は、大規模なプラットフォーム事業者に対し誹謗中傷等の権利侵害情報の削除申請について一定期間内の応答義務を課す等の対応の迅速化を求める内容となっております。
表現の自由の下、主張は自由に行われるべきでありますけれども、その主張の是非にかかわらず、人を傷つけるような誹謗中傷は絶対に許されないと考えております。
総務省では、情報流通プラットフォーム対処法の早期施行に向けて省令等の準備に取り組むほか、引き続きインターネット上の誹謗中傷等の違法、有害情報対策にしっかり取り組んでいきたい、そのように考えております。
○辰巳委員 大臣からは、物が言えなくなってしまうと民主主義の危機になるという答弁もありました。
今大臣に少し触れていただいたんですけれども、私、プラットフォームの問題、今最も責められるべきは、デマやフェイクを発信して誹謗中傷をした当人だと思います。ただ、それがSNS上、プラットフォーム上に放置をされること、あるいはそれが拡散をされることで、そのデマやフェイクを信じ込む人が出てくる。私は、法改正という話も今ありましたけれども、デマやフェイクに実効性のある対応をプラットフォームに対して求めていくべきじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがですか。
○村上国務大臣 委員がおっしゃるとおりで、SNS等のインターネット上の偽・誤情報は、短時間で広範に流通、拡散し、国民生活や社会経済活動に重大な影響を及ぼし得る深刻な課題である、そういうふうに考えております。
先ほど申し上げた情報流通プラットフォーム対処法は、大規模なプラットフォーム事業者に対しインターネット上の偽・誤情報を含む権利侵害情報の削除対応の迅速化などを求めるものであります。これにより、ネット上の偽・誤情報対策として一定の効果が期待できることから、早期施行に向けて準備を進めてまいりたいと考えております。
これに加えて、幅広い利用者のリテラシーの向上に関しては、総務省において、本年一月に、プラットフォーム事業者を含む官民の幅広い関係者により取組を推進するため、新たな官民連携プロジェクトを立ち上げました。
総務省では、インターネット上の偽・誤情報について、引き続き国際的な動向も踏まえつつ、表現の自由に十分配慮しながら総合的な対応を積極的にやっていきたい、そういうふうに考えております。
○辰巳委員 積極的に対応をということなんですけれども、課題はそこに実効性があるのかということだと思うんですよね。今日は時間がないので踏み込みませんけれども。今のSNSの問題、アテンションエコノミー、いわゆる関心を集めるために様々な偽・誤情報というのがあえて流されてしまう。そっちの方が拡散力があるとも言われていますので。そういうアテンションエコノミーに基づいた例えばフィルターバブルあるいはエコーチェンバー、そこの基にある収益構造ですよね。プラットフォームの収益構造にまで踏み込むか、どう迫っていくのか、ここの課題というのも非常に大きいんじゃないかというふうに思います。これは次の質問でやりたいと思います。
今日はまさに公益通報制度について改めて聞きたいと思うんですね。
兵庫県では昨年来、知事によるパワハラ等を告発した職員の対応をめぐって不適切な取扱いがされたのではないかということで、百条委員会が設置され、議論されてきました。これは兵庫県政の問題にはなるんですが、もちろん国が定めた法令が適切に執行されているのかという問題でもあるので、今日は立ち入って質疑をしたいと思います。
後に亡くなった元西播磨県民局長が、昨年三月十二日に齋藤知事のパワハラなどを告発する文書を報道機関に送付をいたしました。知事は三月二十日にその告発文を把握し、告発者は元県民局長ということを把握したわけですけれども、三月二十七日にはこの文書についてうそ八百、公務員失格と告発者を批判して、四月四日に元県民局長は改めて県の公益通報制度を利用して通報を行いました。兵庫県は五月、核心部分が事実ではない、誹謗中傷性が高いなどとして、この元県民局長を停職三か月の懲戒処分に処しました。その後、内容の一部に事実があるということが判明をして、権限の強い百条委員会が開かれて調査が始まりました。
元県民局長は、県の人事課が入手した文書のうち知事の問題と無関係のプライベートな事柄を公表されることを大変気にしており、百条委員会にプライバシーに配慮してほしいと求める書面も出していました。しかし、元県民局長は、百条委員会での証言を前にして、一死をもって抗議するとのメッセージを残して自死されました。
元県民局長の告発が適切に扱われなかったのではないか、これは議論が繰り返されてきました。私も、元県民局長の告発が公益通報として正しく扱われていればこのような事態にならなかったのではないかという思いを抱かざるを得ません。
今日は、この制度について、消費者庁に来てもらっています。そもそもこの公益通報制度というのは何のためにつくられたのか、まずここから説明いただけますか。
○藤本政府参考人 お答え申し上げます。
公益通報者保護法は、公益通報をした労働者等の保護を図るとともに、事業者による国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法令の遵守を図ることを目的として策定されております。こうした目的の下、労働者等がどこへどのような内容の通報を行えば通報したことを理由とする解雇その他不利益な取扱いから保護されるのかという保護の要件、あるいは公益通報に関して事業者、行政機関が講ずべき措置などを定めております。
制度の実効性が確保されることで、事業者の自浄作用の発揮や不正の早期発見と是正につながると考えております。
○辰巳委員 そもそも、公益通報者保護法は、当初、食品偽装表示や車のリコール隠しなどの企業の不祥事がきっかけになって二〇〇六年に施行しました。当初は脱税とか補助金不正受給とか違法政治献金とか談合とかは保護の対象にはなく、外されていた問題などもあったんですが、それは法改正で改善をされてきました。
そこで、大臣に聞くんですけれども、地方行政が健全に運営されるためにもこの公益通報制度が適切に運用されることが重要だと思うんですけれども、いかがですか。
○村上国務大臣 公益通報者保護制度は我が総務省の所管ではありませんけれども、消費者庁が自治体向けに作成しているガイドラインにあるように、この制度の適切な運用が自治体の法令遵守の確保や住民からの信頼確保等に資すると承知しております。
こうしたことから、自治体において公益通報者保護制度が適切に運用されることが必要である、そのように考えております。
○辰巳委員 この制度の趣旨は、内部の不正を当制度によって正しくしていくということにあって、一番の肝は通報者が守られることなんですよね。通報しても報復的な人事や処分が行われてしまえば、誰も通報しなくなるわけであります。
兵庫県の知事は、報道機関へ告発文書が出された後、知事は誰が出したか徹底的に調べてくれと指示をして、五月に当該職員を停職処分にしました。今でも誹謗中傷性が高い文書で公益通報に該当するとは思っていないとしております。職員の通報が公益通報に当たるかどうかがまさに争点となっているわけです。
消費者庁に聞きます。まず、公益通報というのは、内部通報、一号通報、外部通報先として、行政機関等に対しての通報、これは二号通報、報道機関や組合などその他事業者外部への通報、三号通報があります。いずれの通報者に対しても、公益通報者保護法に基づく保護の対象となるという認識でいいですね。
○藤本政府参考人 お答え申し上げます。
公益通報者保護法では、一号通報、二号通報、三号通報を行った者が通報先に応じた保護要件を満たす場合には保護の対象になると考えております。
○辰巳委員 確認しました。内部通報、外部通報にかかわらず、同様に保護されるということであります。
そこで、法文解釈について確認をしていきたいと思います。
公益通報者保護法第十一条二項において、こうあります。事業者は、前項に定めるもののほか、公益通報者の保護を図るとともに、公益通報の内容の活用により国民の生命、身体、財産その他の利益の保護に関わる法令の規定の遵守を図るため、第三条第一号及び第六条第一号に定める公益通報に応じ、適切に対応するために必要な体制その他の必要な措置を取らなければならない。こういう条文なんですね。
昨年十二月二十五日に行われた兵庫県の百条委員会において元副知事が、外部通報においては、法にある必要な体制整備やその他の必要な措置を取らなければならないという部分は適用されないのではないかという解釈を述べているんですね。消費者庁、そういう解釈、理解でよろしいんですか。
○藤本政府参考人 お答えいたします。
公益通報者保護法第十一条第二項に規定する必要な措置には、法及び法定指針の定めによりまして公益通報者を保護する体制整備に関する措置が含まれております。ここで言う公益通報者には、事業者内部に公益通報をした者、一号通報のほか、行政機関に公益通報をした者、二号通報、報道機関等に公益通報をした者、三号通報、こうした公益通報をした者も含まれると認識しております。
○辰巳委員 つまり、県の認識が間違っている。第三号通報者であっても、公益通報者の保護をするための必要な措置、これはちゃんと取らなければならないということであります。
兵庫県知事は、告発者からのうわさ話を集めて作成、配付された文書だということや、あるいは、真実であることを裏づける証拠、そして関係者による信用性の高い供述などは存在しないとして、こうした状況から、信じるに足りる相当の理由が存在したというのは認められず、法律上保護される外部通報に当たらないと判断をしたと記者会見でも述べております。
そこで、確認しますけれども、外部通報を行った場合、今回の場合でいうと報道機関に通報した場合、通報者は必ず証拠を示さなければならないんでしょうか。
○藤本政府参考人 お答えいたします。
報道機関等への通報であります三号通報として保護されるためには、通報対象事実が生じ、又はまさに生じようとしていると信ずるに足りる相当の理由、いわゆる真実相当性が必要となります。これは、単なる臆測や伝聞などではなく、通報内容を裏づける証拠や関係者による信用性の高い供述などがあることを意味するものと認識しております。
ただし、これは、通報時におきまして通報先に対して通報対象事実と併せてその根拠となるものを示すことが求められているものではないと考えております。
○辰巳委員 そういうことなんですよね。
元県民局長がうわさ話だと答えたということもあるんですけれども、これは情報提供者を守るためであって、そういう発言があったということだと思います。そのことで保護を怠るということがあってはならないということだと思うんですね。
今消費者庁からありました真実相当性について聞きたいと思います。報道機関などへの外部通報が認められるためには、告発内容に真実あるいは真実相当性があるかどうか、これが必要だということになっているんですね。誤りや思い込みが含まれていれば、真実相当性に該当しない、保護に該当しないということになるんでしょうか、お答えください。
○藤本政府参考人 お答えいたします。
個別の通報が公益通報に該当し、保護要件を充足するかどうかにつきましては、民事裁判の中で判断されるものでありまして、一概にお答えすることは難しいと考えております。
なお、複数の事実を含む一つの通報において、全ての内容に真実相当性があるか明らかにされないが、主要な事実については真実と信じるについて相当の理由があったなどとして通報者が保護された裁判例はあると承知をしております。
あくまで総合的な判断となりますけれども、一般論として申し上げれば、通報内容の一部に思い込みや誤りがあった場合にあっても、直ちに公益通報として認められないものではないと考えております。
○辰巳委員 多少の誤りあるいは思い込みがあったとしても、そう信じるに足る相当の理由があれば公益通報に該当するということであります。
知事側がうわさ話と言うんですけれども、告発文そのものには実際に起きたことが記載をされており、この一部については知事も認めているということもあったわけですね。そして、問題は、この真実相当性の有無を誰が判断するのかということなんですね。
兵庫県の場合、報道機関に文書が送付されてすぐに県側は告発者を特定をいたしました、元県民局長。三月二十五日にこの告発対象者の一人である副知事が聞き取りを行って、そこで、今あったような、うわさ話を集めたなどの回答を得ているわけですね。しかし、そもそも、告発対象者にされているわけですね、この副知事というのは。告発されている側が、つまり利害関係者がそのような調査を行っていいはずがないと私は思うんですけれども、いかがですか。
○藤本政府参考人 お答え申し上げます。
公益通報者保護法では、通報者を保護するということが法の目的になっております。実際に公益通報に当たるか当たらないか、あるいは公益通報を行った後に不利益な取扱いを受けたという場合には、最後、裁判で争っていただくということになろうかと考えております。そこで、裁判では状況を見て総合的に判断されるものというふうに考えております。
○辰巳委員 今、質問の趣旨をきちんと受け止めていただいていないと思うんですけれども、改めてもう一回。議会関係者が調査をしていいのか、つまり告発をされた側が、当人が、これが真実かどうかという調査をしていいのかということについて、もう一回お答えいただけますか。
○藤本政府参考人 お答え申し上げます。
法定指針の中では、事実に関係する者を公益通報対応業務に関与させない措置を求めております。この事実に関係する者を公益通報対応業務に関与させない措置につきましては、事業者内部からの公益通報、すなわち一号通報への対応体制において求められる措置でありまして、報道機関等への三号通報によって事業者外部から不正行為を指摘された場合の措置ではないと認識しております。
ただし、一般論として申し上げれば、外部から不正行為について指摘された事業者においては、顧客や取引先等の信頼確保に向けて自らが行う調査、是正に当たり事実に関係する者を関与させないことなど、適切な対応が取られることが望ましいと考えております。
○辰巳委員 ということなんですよね。ですから、本来は関与させるべきではないというのが法の趣旨であり、私はそれは当然だと思うんですよね。一連のやり取りで明らかなように、兵庫県側の公益通報者保護法の運用は、到底、法の趣旨あるいは法令にのっとったものとは言えないと思います。
県職員へのパワハラ疑惑をめぐっては、九千七百人の県職員に対してアンケート調査も行われております。そこでは、エレベーターに乗り損ねた際に、おまえはボタンも押せないのかと大声でどなられた、俺は知事だぞと言われた、瞬間湯沸器、暴君と呼ばれていたなどの記載もありました。
あるいは、県立考古博物館の出張で、出入口の約二十メートル手前で公用車から降ろされたということに激怒をして、職員に対して叱責をして、どなられたという認識なんですね。それは、社会通念上必要な範囲とは思わない、理不尽な叱責だと感じていると当該職員は語っております。ここでも知事は、大きい声でそれなりに強く指摘したと思うと述べて、告発内容が事実であるということを認めております。また、職員に対して、机をたたいたり、あるいは附箋を投げたりしたこともあったということも認めました。
齋藤知事は、言い方が厳しかったり強くなったりしたことは、もし職員の皆さんに不快な思いをさせたということであれば反省したいということを述べております。同時に、業務上必要な指導だったとも言っております。しかし、行為そのものがあったことについては認めているわけですね。本来は公益通報者保護制度によって保護される元県民局長が対象であることは疑いがなく、告発者を特定して不利益な処分を科した知事側が取った行動というのは、私は許されないというふうに思います。
最後に大臣に聞くんですけれども、大臣、一連の兵庫県の対応、もちろん地方と国との関係ですからなかなか踏み込むことは難しいかもしれませんけれども、兵庫県のような対応で、公益通報者保護制度が適切に運用されていないようなところで、これでは職員は安心して働くことはできないというふうに思うんですけれども、いかがですか。
○村上国務大臣 公益通報者保護制度については、その自治体における運用を含め、消費者庁が所管していることでありますので、お答えすることはある程度差し控えさせていただきたいと思います。
ただ、その上で、一般論として申し上げれば、公益通報者の保護制度が適切に運用されることは必要であると考えております。
ただ、最後に個人的見解を言わせていただきますと、これは問題にならないとは思うんだけれども、最初の二馬力の問題から、SNSの問題から、またこの問題も含めてなんですけれども、我々が四十年前に選挙を経て出てきた頃は、これはそれぞれの良心だとか常識の問題だったと思うんですね。それが四十年たってこういう我々が想像しなかったような問題が起こっているということは、やはり国民全体でもう一回考える時期に来ているんじゃないかと思います。
以上であります。
○辰巳委員 次回は、ネットの誹謗中傷、冒頭質問しましたけれども、兵庫県議を追い込んだプラットフォームの責任について深掘りして聞いていきたいというふうに思います。
終わります。以上です。
○竹内委員長 この際、暫時休憩いたします。
午前十一時二十五分休憩
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午後三時十八分開議
○竹内委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
地方自治及び地方税財政に関する件について調査を進めます。
この際、令和七年度地方財政計画について説明を聴取いたします。村上総務大臣。
○村上国務大臣 令和七年度地方財政計画の概要について御説明申し上げます。
本計画の策定に際しては、通常収支分については、地方創生、防災・減災対策、自治体DX、地域社会DXの推進等に対応するために必要な経費を計上するとともに、地方団体が住民のニーズに的確に応えつつ行政サービスを安定的に提供できるよう、社会保障関係費や民間における賃上げ等を踏まえた人件費の増加を適切に反映した計上等を行う一方、国の取組と基調を合わせた歳出改革を行うこととしております。
あわせて、引き続き生じる財源不足については、適切な補填措置を講じることとして、地方の一般財源総額について、交付団体ベースで、令和六年度の地方財政計画を上回る額を確保するとともに、地方交付税総額を増額して確保しつつ、臨時財政対策債については制度創設以来初めて新規発行額が生じないこととしております。
また、東日本大震災分については、復旧復興事業について、補助事業に係る地方負担分等を措置する震災復興特別交付税を確保することとしております。
以上の方針の下に、令和七年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出総額の規模は、通常収支分については、令和六年度に比べ三兆三千七百七億円増の九十七兆九十四億円、東日本大震災分については、復旧復興事業が二千七百四億円などとなっております。
以上が、令和七年度地方財政計画の概要であります。
○竹内委員長 以上で説明は終わりました。
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○竹内委員長 次に、ただいま付託になりました内閣提出、地方税法及び地方税法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
順次趣旨の説明を聴取いたします。村上総務大臣。
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地方税法及び地方税法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案
地方交付税法等の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
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○村上国務大臣 地方税法及び地方税法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。
まず、地方税法及び地方税法等の一部を改正する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
現下の経済情勢等を踏まえ、地方税に関し、所要の施策を講ずるため、本法律案を提出した次第です。
以下、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
第一に、個人住民税の改正です。物価上昇局面における税負担の調整及び就業調整への対応のため、特定親族特別控除の創設等を行うこととしております。
第二に、軽自動車税の改正です。新たな排ガス規制の適用開始等に伴い、新たに追加された二輪車の車両区分を踏まえ、当該二輪車に係る軽自動車税の種別割の標準税率を定めることとしております。
第三に、税務手続の電子化に関する改正です。一定の納税者等に対する通知により通知した事項について、地方税関係手続用電子情報処理組織により地方税共同機構を経由して提供することを可能とすることとしております。
その他、税負担軽減措置等の整理合理化等を行うこととしております。
以上が、法律案の提案理由及び内容の概要であります。
次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
地方財政の状況等に鑑み、地方交付税の総額の特例等の措置を講ずるため、本法律案を提出した次第です。
以下、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
第一に、地方交付税の総額の特例であります。令和七年度の通常収支に係る地方交付税の総額は、地方交付税の法定率分に法定加算額及び地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金の活用等による加算額を加え、交付税特別会計借入金償還額及び同特別会計における借入金利子支払い額等を控除した十八兆九千五百七十四億円とすることとしております。
また、交付税特別会計借入金について、令和七年度の償還額を増額し、令和三十三年度までに償還することとしております。
第二に、地方交付税の基準財政需要額の算定方法の改正であります。各種の制度改正等に伴って必要となる行政経費の財源を措置するため、令和七年度分の普通交付税の算定に用いる単位費用を改正することとしております。
第三に、東日本大震災の復旧復興のための財源となる震災復興特別交付税の確保です。令和七年度分の震災復興特別交付税については、新たに六百八十四億円を確保することとし、総額八百七十一億円としております。
その他、令和七年度から令和十一年度までの間に限り情報システム又は情報通信機器の整備に要する経費に充てるため地方債を起こすことができることとするほか、河川等におけるしゅんせつ等に要する経費に充てるための地方債の特例の期限を五年間延長するとともに、公営競技を施行する地方公共団体の地方公共団体金融機構に対する納付金の納付制度を五年間延長することとしております。
以上が、この法律案の提案理由及び内容でございます。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
以上であります。
○竹内委員長 これにて両案についての趣旨の説明は終わりました。
次回は、来る二十日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後三時二十五分散会