第12号 令和7年4月10日(木曜日)
令和七年四月十日(木曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 竹内 譲君
理事 あかま二郎君 理事 塩崎 彰久君
理事 島尻安伊子君 理事 おおつき紅葉君
理事 岡島 一正君 理事 吉川 元君
理事 黒田 征樹君 理事 向山 好一君
石橋林太郎君 大西 洋平君
加藤 竜祥君 川崎ひでと君
小寺 裕雄君 小林 茂樹君
小森 卓郎君 佐藤 勉君
島田 智明君 田所 嘉徳君
中野 英幸君 福原 淳嗣君
古川 直季君 山口 俊一君
若山 慎司君 おおたけりえ君
岡本あき子君 奥野総一郎君
杉村 慎治君 高松 智之君
武正 公一君 西川 厚志君
福田 昭夫君 松尾 明弘君
道下 大樹君 山花 郁夫君
阿部 弘樹君 藤巻 健太君
守島 正君 福田 玄君
中川 康洋君 高井 崇志君
山川 仁君 辰巳孝太郎君
…………………………………
総務大臣 村上誠一郎君
総務副大臣 阿達 雅志君
総務大臣政務官 川崎ひでと君
総務大臣政務官 古川 直季君
政府参考人
(個人情報保護委員会事務局審議官) 小川久仁子君
政府参考人
(総務省大臣官房総括審議官) 玉田 康人君
政府参考人
(総務省国際戦略局長) 竹村 晃一君
政府参考人
(総務省情報流通行政局長) 豊嶋 基暢君
政府参考人
(総務省総合通信基盤局長) 湯本 博信君
政府参考人
(防衛省防衛政策局次長) 上田 幸司君
総務委員会専門員 阿部 哲也君
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委員の異動
四月十日
辞任 補欠選任
小森 卓郎君 島田 智明君
高市 早苗君 小林 茂樹君
守島 正君 阿部 弘樹君
山川 仁君 高井 崇志君
同日
辞任 補欠選任
小林 茂樹君 高市 早苗君
島田 智明君 小森 卓郎君
阿部 弘樹君 守島 正君
高井 崇志君 山川 仁君
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
電波法及び放送法の一部を改正する法律案(内閣提出第一九号)
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○竹内委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、電波法及び放送法の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として個人情報保護委員会事務局審議官小川久仁子君、総務省大臣官房総括審議官玉田康人君、国際戦略局長竹村晃一君、情報流通行政局長豊嶋基暢君、総合通信基盤局長湯本博信君及び防衛省防衛政策局次長上田幸司君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○竹内委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。中野英幸君。
○中野(英)委員 おはようございます。自由民主党の中野英幸でございます。
本日は、質問の機会をいただき、心から感謝と御礼を申し上げます。
今般の法案におきまして新たな周波数割当て方式を導入することとなっておりますが、これは、これまで前例のない価額競争の手法を取り入れるものでありますので、社会的に大きなインパクトを及ぼすものと考えております。ただし、これはあくまでも手段であって、目的を見失うことがないように十二分に注意する必要があるかと存じます。
そこで、是非質問をさせていただきたいと存じます。まず、例えば携帯電話の場合、周波数割当てについては現行制度ではどのように行われているのか、お伺いしたいと存じます。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
携帯電話用の周波数につきましては、同一の者が広範囲において基地局を多数設置する必要があることから、総務大臣の認定を受けた携帯電話事業者のみが一定期間、排他的に無線局の免許申請を行い、周波数の割当てを受けることができる制度を設けているところでございます。
具体的には、総務大臣が審査基準等を盛り込んだ開設指針を制定し、それに基づき、携帯電話事業者が申請した基地局の整備計画である開設計画について、周波数の経済的価値を反映した金額に加えエリアカバーの整備計画等も含め総合的に評価を行い、認定することとしているところでございます。
なお、複数の携帯電話事業者から開設計画の認定の申請があった場合には、金額の多寡やエリアカバーの整備計画等の比較審査項目に基づき審査を行い、周波数を最も有効利用できると認められる携帯電話事業者に対し周波数を割り当てることとしています。
○中野(英)委員 分かりました。ありがとうございます。公正かつ利活用に不便のないような制度となっているものと理解をいたしました。
では、その上で、今回それとは別に価額競争による新たな周波数割当て制度を導入する理由はどういう意味でしょうか。政務官にお伺いをしたいと存じます。
○川崎大臣政務官 お答えいたします。
近年、電波の利用が急速に進むにつれ、電波が逼迫した状態となっているため、比較的空いている六ギガヘルツを超える高い周波数帯の活用を進め、電波の逼迫の解消につなげることが必要となっています。
さらに、六ギガヘルツを超える高い周波数帯の利用技術が進展してきたことによって、今後、新規サービスの創出等を通じた我が国の持続的な経済成長や競争力強化への貢献も期待できます。
こうした状況を踏まえ、総務省では、六ギガヘルツを超える高い周波数帯の活用促進のための方策について検討を進めてまいりました。
その中で、六ギガヘルツを超える高い周波数帯においては、周波数の特性を踏まえたスポット的な利用を前提として、農業や工業、観光など様々な利活用方策が検討されている状況にあることも踏まえ、多種多様な事業者の創意工夫を反映しやすい新たな割当て方式を導入する必要があると考えました。
○中野(英)委員 ありがとうございます。是非、工業、農業そして観光を始めとする業態に対する電波帯の有効活用が実現することを期待いたしております。
次に、政府参考人にお伺いをしたいと思います。その落札で得られた収入につきましてお伺いをさせていただきたいと存じます。その収入につきましては使途を法定することとしておりますが、具体的にはどのようなものを考えているのか教えてください。また、それぞれ、そのような使途に充てる理由も教えていただければと思います。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
今回の法案におきましては、落札金の使途について、六ギガヘルツを超える高い周波数帯の能率的な利用の増進を目的として行う事務の処理に要する特定高周波数対策費用に充てるものとしているところでございます。
具体的には、まず、価額競争の実施又はその企画のための事務として、例えば、指針を策定するための価額競争の詳細設計等に係る必要な調査、価額競争に用いるシステムの調達、運用等を想定しているところでございます。
これらの事務は、価額競争により周波数を割り当てるための前提となる事務であり、六ギガヘルツを超える高い周波数帯の能率的な利用の増進につながるものであることから、落札金を充てることとしております。
次に、価額競争の対象となる周波数帯を使用している既存無線局の移行や共同利用等のための事務として、例えば既存免許人が移行し又は落札者と既存免許人が共同利用するために必要となる無線設備への変更や導入の工事等に要する費用に充てるための給付金の支給等を想定しております。
これらの事務は、落札者が早期に周波数を利用する上で必要不可欠であり、六ギガヘルツを超える高い周波数帯の利用の促進につながるものであることから、落札金を充てることとしております。
○中野(英)委員 ありがとうございます。目的にかなう使途に充てられるものと期待をいたしているところでございます。
私は、かつて復興大臣政務官を務めていたという関係もありまして、常日頃から災害対策には大きな関心を抱いているところでございます。今般の法案においても、災害対策に寄与すると思われる事項が幾つか見られますので、その内容や目的を確認させていただければと存じます。
まず、今般の電波利用料制度の見直しで、電波利用料の使途として、携帯電話基地局の強靱化のための補助金の交付を追加することとした理由を教えていただければと存じます。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
自然災害発生時における救助、救命活動等における通信手段の確保の観点から、携帯電話の重要性が増しているところでございます。
令和六年能登半島地震におきましては、携帯電話基地局の停波により被災地での通信が途絶し、結果として被災状況の把握等に支障を来したため、救助、救命活動等にも影響が生じる事態が見られたところでございます。
こうした課題を踏まえて、大規模災害時におきまして停電又は通信回線の断線に伴う携帯電話基地局の停波を回避するため、大容量化した蓄電池の設置や衛星回線による冗長化といったようなことを推進する必要があると考えているところでございます。
そのため、発生確率が高いと予想され、かつ大規模な被害が想定される南海トラフ及び首都直下地震の被災想定地域のうち、都道府県庁舎、市区町村役場等の災害対策本部、災害拠点病院、救助部隊集合拠点の周辺等を主な対象とする携帯電話基地局の強靱化のための補助金の交付を電波利用料の使途に加えることとしているところでございます。
○中野(英)委員 ありがとうございました。災害時は特に携帯電話は必需品とも言えるものでありますので、途切れのない稼働ができるような環境整備が不可欠でありますので、どうぞ引き続きよろしくお願いをしたいと存じます。
また、今般の法案ではHAPSの実用化を見据えた上での改正を行うこととしております。HAPSの実用化によりどのようなことが実現できるのでしょうか。特にどのような面において災害に対して有効な手段と言えるのでしょうか。お答えをいただきたいと存じます。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
HAPS、いわゆる高高度プラットフォームとは、高度二十キロから五十キロまでの成層圏を飛行する無人航空機等に携帯電話基地局を搭載したものであり、HAPSが実用化し、陸上の携帯電話基地局と一体的に運用することで、離島、海上、山間部を含め効率的にエリア化することが可能になるものと見込まれております。
HAPSにつきましては、例えば地上のネットワークが被災した場合におきましても携帯電話サービスの提供が可能であるといったような特徴を有しているところでございまして、地理的な要因また災害の影響を受けにくい柔軟かつ強靱な通信環境の実現につながるものと期待されているところでございます。
○中野(英)委員 ありがとうございました。HAPSの実用化がやはり何といいましても災害対策に大きく寄与することとなることがよく理解できました。今後の活動について是非期待をしているところでございます。
さて、そういった中で、今回の法案では電波法と併せて放送法も改正することとなっております。地上基幹放送事業者が中継局を廃止する際に受信者を保護するための規律を導入することとされております。このような規律を導入する背景及び概要についてお伺いさせていただきたいと存じます。
○川崎大臣政務官 お答えいたします。
地域の人口減少や視聴環境の変化等、放送を取り巻く環境が急速に変化する一方で、地上デジタル放送への移行から約十五年が経過し、中継局の更新時期が到来してきており、地上基幹放送事業者がこれまでの放送ネットワークをどのように維持し続けていくかが重要な課題となっております。
特に、小規模な中継局については、カバー世帯数が少ないにもかかわらず、中継局全体に占める維持費用の割合が高いことから、放送事業者の経営を圧迫する要因にもなっております。他方、現在ではケーブルテレビやブロードバンドが全国的に普及しており、放送番組を届けるために利用可能な手段が多様化してきていると認識しております。
こうした状況を踏まえまして、本法案においては、地上基幹放送事業者がやむを得ず中継局を廃止する際でも受信者つまり視聴者が放送番組を視聴し続けることができるよう、受信者保護規律を導入することとしております。
具体的には、地上基幹放送事業者が中継局を廃止する際にケーブルテレビや配信サービスの提供を確保するなど、視聴を継続するための代替措置を講じることを地上基幹放送事業者の新たな努力義務とするとともに、その実施内容に係る公表義務を課すこととしております。
○中野(英)委員 ありがとうございます。全ての受信者に不便や負担がかからないよう、これからもよろしくお願いをさせていただきたいと存じます。
さて、近年ではネットフリックスやアマゾンプライムといった動画配信サービスが伸長し、特に若い人の間ではテレビ離れの傾向が見られるというような話もありますが、フェイクニュースが氾濫するこのデジタル社会において、取材に基づく情報を広く社会に向けて発信するという放送の役割はむしろ重要性を増していると認識いたしております。
今回の放送法改正は、そうした放送事業が人口減少などを始めとする社会の大きな変化に対応するために必要なものであると評価できます。放送事業者におかれましては是非、自分たちが公共的な役割も担っているのだという使命感を持っていただき、引き続き魅力的な番組作成に取り組んでいただきたいということを是非お願い申し上げ、私の質問を終わりにさせていただきたいと存じます。
ありがとうございました。
○竹内委員長 次に、岡島一正君。
○岡島委員 おはようございます。立憲民主党の岡島一正であります。
電波法の改正、放送法の改正について、今日は主に三点の視点からお伺いします。
今、中野先生もお話しになった電波利用料とかそういったものの使途がどうなっているのかということを確認したいということ、それから、今度、電波オークション制度を初めて高周波数帯で導入する、高周波数帯だけでなく今後はどうなっていくのかというオークション制度についての確認。
また、私は基本的に通信インフラの整備というのは、かつて私が高校とか子供の頃は、国家というのは、人口とか領土とか、もう一つ運輸というか物の輸送というのがしっかりしていないと国家の要素としては不可欠なんだよという話を聞きましたが、今の社会においては通信基盤の強化、通信基盤こそ国家のフレームワークというかしっかりとした基盤、これがまさに国家を形作るものだと私の認識ではあります。そういった意味においてお聞きしたいと思っております。
まず、電波利用料の使途についてお伺いいたします。
今回の電波法及び放送法の改正内容において、電波利用料の改定が行われています。基本的に三年に一度ということでありますので、料額について今年を見ますと大きく変わっているようには見えませんので、特に何か大きな問題があったとは思えませんが、ちょうど前々回の電波利用料の改定の際、二〇一九年、六年前、私が委員会また本会議でも電波法の改正について質疑に立ちました。
そのときに私が御指摘させていただいたのは、電波利用料の収支の差額、歳入と歳出、これの差額が累積一千億円あったわけであります。一千億円のお金が使われずにたまったままだった。電波利用料というのは、電波を使う業者や個人を含めてそのためにお金を払っているのに、それが使われずに収支差額として積み上げられてしまったという結果について、これを使わないのはおかしいだろう、財務省の一般予算案の会計に入れて何に使っているか分からないというのでは払っている人たちにとっては、電波法において使途が定められていますからね、このことを指摘させていただきました。電波利用料のお金の使い方を、電波法の条文でも規定されているわけですから、このことをしっかりしてほしいということでやったわけであります。電波利用料をためた収支差額をそのままにしておいちゃいけないということから質問いたしたことを覚えております。
では、その電波利用料についてですが、確認させていただきますが、基本的なところから、電波利用料制度が始まったのはいつで、電波利用料の用途、規模が直近の中でどのように変化してきたのか、これをお伺いしたいと思います。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
電波利用料制度は、電波監視や総合無線局管理ファイルの作成、管理等の費用に充てることを目的として、平成四年に電波法を改正し、平成五年度から導入しており、平成五年度の歳出決算は約六十七億円でございました。
本制度は、電波の適正な利用の確保に関し、無線局全体の受益を直接の目的として行う事務の処理に要する費用を、その受益者である無線局の免許人等に負担していただくというものでございますが、制度の基本的な性格は維持しつつ、電波利用の変化や技術の高度化に対応するため、累次にわたり、その使途の追加等の必要な見直しを行ってきているところでございまして、令和七年度予算における歳出規模は約七百五十億円となっているところでございます。
○岡島委員 電波利用料が十倍ぐらいに始まった頃から広がっているわけですが、その間に、差額が一千億あったり、しかし、その差額もだんだん減ってきているというふうに思いますけれども。
電波利用料というのは、積算の根拠がどこにあるのか、ちょっと知りたいですね。というのは、昨今の日本の経済情勢というか経済の状況でいうと、円安が二年ぐらい前から極端に進みました。輸入資材、建設業、土木業、電気事業、様々な建設資材がすごく高騰しているわけですよね。そういった中で、人材不足もある。また、ウクライナによって希少なレアメタルなんか、そういったものの流通も減っている、難しくなる。様々にいろいろな事業をする上での資材の高騰ということがあります。
そうすると、今年も七百五十億円ぐらいで電波利用料の総額規模というのは据置きとなっているわけですけれども、足りるのかなと私は心配もするし、逆に言うと、これだけ資材が高騰しても影響を受けないぐらいもしかしたらルーズだったのかな、うがった見方をすればそんな印象を持ちます。そういった意味において、算定の根拠、簡単で結構です、御説明ください。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
繰り返しになりますが、電波利用料は、電波の適正な利用の確保に関し、無線局全体の受益を直接の目的として行う事務の処理に要する費用を、電波の利用状況に応じてその受益者である無線局の免許人等に負担していただくものでございます。
今般の見直しに当たりましては、使途を幾つか追加しておりますが、一方で昨今の経済状況を勘案しつつも免許人等の過度な負担とならないよう既存の事務を見直しておりまして、その結果、費用の節減も行っておりまして、現在の歳出総額の規模である年平均約七百五十億円を維持することとしたところでございます。
○岡島委員 そういう努力をされているのは分かるんですが、しかし、日本の民間企業とか経済情勢を見ますと、その努力だけでは追いつかないぐらいに元々の輸入資材の値上がりや人材が足りないということで、結局、価格転嫁されていくものの高騰が進んでいる、そうすると、同じ総額を維持できるというのが、内部のいろいろな節約とか努力だけで本当にできるのかなと私はやはり思うわけです。そういった意味で、この七百五十億円という総額は努力の結果とも言えますし、しかし、もしもそれで十分でないというような事態はきちんと皆さんに言っていただきたいし、そのときのためにも収支差額をきちんと使うということが大事だろうと思うわけであります。
その収支差額ですが、私が指摘しました二〇一九年から六年経過しました。直近までの収支差額の推移というのはどのようになってきているのか、簡単で結構です、教えていただけますか。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
電波利用料制度を創設した平成五年度以降の歳入決算と歳出決算の差額の累積額でございますが、かいつまんで申し上げますと、二〇一九年度末時点から二〇二三年度末時点までの各年の推移といたしましては、二〇一九年度は一千百五十億円、二〇二〇年度は約七百六十三億円、二〇二一年度は約七百七十五億円、二〇二二年度は約七百二十三億円、二〇二三年度は約六百八十七億円となっているところでございます。
○岡島委員 徐々にそういった差額をきちんとお使いになって、電波事業の展開に使われているというふうに思っておりますが、いずれにしましてもこういったものが七百億円残っている。今、新たな衛星とかいろいろなものが始まりました、電話、通信の中にもですね。どのようにその差額をお使いになる展望をお持ちでしょうか。簡単で結構ですが、どうぞ。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
電波利用料は、先ほど御答弁申し上げたように、無線局全体の受益を直接の目的として行う事務の処理に要する費用を免許人全体に負担していただくものであり、原則、各年度の歳入と歳出を一致させることが適当と考えているところでございます。
こうした基本的な考え方の下、電波利用料の歳入と歳出の差額につきましては、必要性があるときには予算の定めるところにより共益費用に充てるものとされるところでございまして、これまでもその差額の一部を活用し、携帯電話のエリア整備促進等の実施に取り組んできたところでございます。
委員から御指摘がありましたとおり、今後も電波利用料が免許人にとって過度の負担とならないように配慮しつつ、必要な事務につきましては財政当局と相談しつつ適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。
○岡島委員 この収支差額、財務省の皆さんが一般会計の中でしっかりと見てくれるんでしょうが、使ってこそ意味がありますので、是非よろしくお願いしたいと思います。
続いて、二点目として、大きな課題としてはオークション制度の導入ということがあります。
今回のオークション制度の導入については、以前から、これを放送とかいろいろな電波で導入すべきだといういろいろな意見があります。そうした中で、今回、高周波数帯、聞いているところでは六ギガヘルツ超ですか、そういったところにお使いになるということですけれども、なぜこのタイミングでオークション制度を高い周波数帯に導入するのか、簡潔にお答えください。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
近年、電波の利用が急速に進むにつれ、電波が逼迫した状態となっているため、比較的空いている六ギガヘルツを超える高い周波数帯の活用を進め、電波の逼迫の解消につなげることが必要となっております。
さらに、このような高い周波数帯の利用技術が進展したことによって、今後、新規サービスの創出等を通じた経済成長、競争力強化への貢献も期待できるところでございます。
こういった中で、六ギガヘルツを超える高い周波数帯の活用を促進する上では、周波数の特性を踏まえたスポット的な利用を前提として、様々な利活用が検討されている状況にあることも踏まえ、割り当てる者に求める条件を極力少なくして、専ら金額の多寡のみで評価する価額競争による新たな周波数割当て方式を導入することが有効であるとの結論に至り、今回の法案を提出するに至ったところでございます。
○岡島委員 私も多少勉強しましたけれども、六ギガヘルツ帯の電波というのは特徴が、大量のデータを一気に送る速度とかは持っているけれども距離が届かないという中で、使途がなかなか難しいということで結果、空いているんだろうと思いますが、オークション制度を導入することでそれを何とか活用できないかということ、また、オークション制度をどういうものにするか、試金石にもなるんでしょう。
そういった中で、オークション制度というのは必ずしもいいことばかりじゃないから日本ではなかなか進んでいないという点もあるでしょうし、いい点もあるでしょう。ただ、海外を見ますと、失敗例がかなり続いておりました。私がオークション制度を少し調べただけでも、アメリカですか、平成二十二年の総務省の電波利用制度に関する専門調査会の資料にありましたが、九四年から九七年にかけて、当時、まだ2Gですよ、2Gのサービスのオークションで落札されたものがあったものの撤退となった事業が八件、アメリカでありました。あるいはドイツでは、さらに、二〇〇〇年、3Gの事業において、既存業者が四社、あと新規参入が二社ですか、新規の事業者は経費の問題もあって落札をしたものの撤退、免許を返上したということがありました。
そういったことにおいて、様々なデメリットのことについてきちんと触れなければ、それをどう検証し、どう対応したかがなければ安易にオークション制度という話にはならないんだろうと思うわけですが、その点について総務省はどのように検証されているのか、教えてください。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
価額競争の導入に当たりましては、御指摘のとおり、例えば落札額の過度な高騰や特定事業者への周波数の集中等、デメリットへの対応策を併せて検討することが必要であるという考え方の下、総務省におきましても丁寧に検討してきたところでございます。
こうしたデメリットへの対応策について、私どもの方の有識者会議におきましては、例えば十分な周波数枠を確保するとか周波数キャップの設定等々が有効であり、実際に諸外国のオークションにおいてもこうした方策が取られた事例もあると承知しているところでございます。
いずれにいたしましても、本法案が成立した暁には、こうした有識者会議の議論また諸外国における周波数オークションでの取組状況も踏まえつつ、本法案に基づく価額競争のための指針におきましてデメリットへの対応策を適切に講じてまいりたいと考えているところでございます。
○岡島委員 オークション制度に当たって、キャップを設けるとか、あるいは新規事業者に対しての何らか優遇措置を設けるとか、いろいろなことに気を遣いながらというとオークション制度の特性そのものを否定することにもなるわけで、なかなか難しい問題だと思いますが、是非そういったところに留意して進めていただきたいと思うわけであります。
今回の六ギガヘルツ超でいろいろな意味での試金石になるんでしょうけれども、これが今後進んだ場合に、他の周波数帯へのオークション制度といったことは何か視野に入っているんでしょうか。簡単で結構ですが、教えてください。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
六ギガヘルツ以下の周波数帯は、比較的伝送距離が長いという特性があることから、全国的に広いエリアをカバーすることが求められる携帯電話又は放送等に適しているものと考えているところでございます。
例えば携帯電話について申し上げれば、周波数の割当てに関しては、金額の多寡だけではなくエリアカバーの整備計画等も含めて総合的に評価し、最も優れた者に周波数を割り当てることにより携帯電話のインフラが全国的に早期整備されてきたということがあると考えておりまして、現時点では現行の割当て方式が適当と考えているところでございます。
その上で、こういった割当て方式につきましては、技術の進展、社会環境の変化に的確に対応すべく、その在り方について今後とも不断に検討してまいりたいと考えているところでございます。
○岡島委員 とにかく電波といったものは国民にとって、私は、申し上げましたが、通信は国家のフレームワークまさにそのものだと言えるわけですから、そういったものが安定して国民に安価で供給されることが重要だという視点をお忘れいただきたくないと思っております。
今回のオークションでは落札、入札金というのが収入というか入るようになるわけですが、落札、入札金がどういうふうに規定されていて、また、これが収支差額につながるようなことになっては元も子もないというか意味がなくなりますので、その辺のありようを教えていただければと思います。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
落札金の収入は、電波利用料とは別の収入として一般会計に納められることになります。
その上で、落札金の使途につきましては、六ギガヘルツを超える高い周波数帯の能率的な利用の増進を目的として行う事務の処理に要する特定高周波数対策費用に充てるものとしており、具体的には、価額競争の実施又はその企画、価額競争の対象となる周波数帯を使用している既存無線局の移行や共同利用に要する給付金の支給等に要する費用に充てるものとする旨を規定しているところでございます。
○岡島委員 ちょっとお聞きしますけれども、六ギガヘルツ超という高周波数帯でのオークションによる落札金ですから、その収入というのは六ギガヘルツ超の活用に向けられるのか、それと限らず電波事業全体なのか、そこをちょっとだけ教えていただければと思います。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど御答弁申し上げたとおり、この落札金の使途は主に六ギガヘルツを超える高い周波数帯の能率的な利用の増進ということを目的として行う事務の処理に充てるということでしておりますので、基本的には六ギガヘルツ超のことに使うというふうなことでございます。
○岡島委員 六ギガヘルツの可能性に懸けるということも分かりますが、広く本当は電波事業全体にという視点もあってもいいのかなと個人的には思います。
続いて、三つ目の大きな観点ですが、通信インフラの整備方針についてお聞きします。
携帯電話がまずつながってこそデジタル社会、いろいろ言っていますけれども、基本は携帯電話がちゃんとつながる国なのかということです。日本は私がかつて取材していたアジアや中東の諸国と比べれば圧倒的につながっていると思いますが、今の携帯電話のつながっているエリアのカバー率はどのぐらいなのか、教えていただけますか。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
総務省では、地方自治体等に対し携帯電話の不感地帯に対する調査を毎年を行っており、令和五年度末現在、携帯電話の人口カバー率は九九・九九%、またサービスエリア外の集落は五百十九か所となっているところでございます。
○岡島委員 今のは、人口の中での比率としてはそうだと理解できますが、つながらないエリアがどうなのかというカバー率、そういった視点から見るとまだまだ課題があるのかなと思いますので、その辺もしっかりしていただきたいと思っているわけです。
さらに、今日は衛星電話の活用についてお伺いします。我が国で利用できる衛星電話のサービス、その特徴、スターリンク等々があるでしょうが、そういったことについての、いかにつながるか、現状を含めてお答えいただければと思います。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
我が国におきましては、様々な衛星通信サービスが提供されており、目的や用途に応じた利用がなされております。
例えば、長い歴史があるインマルサットや一九九〇年代後半に登場したイリジウムは、音声通話やデータ通信をグローバルに提供しております。これらは世界中で安定した通信が可能であることから、航空機又は船舶等でも広く利用されているところでございます。
また、我が国の事業者も衛星を打ち上げ、日本やアジア太平洋地域を中心に音声通話やデータ通信を提供しているところでございます。その中では、例えばワイドスターといったようなものは、日本全域で利用でき、緊急通報なども可能であることから、非常時の通信手段として公共機関でも活用されているところでございます。
加えて、近年では、低軌道衛星コンステレーションによる新しい衛星通信サービスが登場しております。例えばスターリンクにつきましては、我が国でも離島、海上、山間部などで利用が進んでいるほか、災害時の代替用の回線としても活用されているといったところでございます。
○岡島委員 インマルサットは、私もアフガニスタンでもカンボジアでもよく使いました。
スターリンクなんですけれども、イーロン・マスクさんですか、今話題の方ですけれども。スターリンクはすばらしい仕組みだと思いますが、同盟国とはいえアメリカのイーロン・マスクさん。今回、トランプさんが大統領になって、関税問題、相互関税、トランプさんの意思と発言で世界経済がばたばたっと。日本も影響を受けております。そういった意味では、ああいったものを国内の総務省なりが、きちんと日本国が管轄したり管理できる仕組みとして持つべきだと私は思うわけですね。スターリンクを全部否定するわけじゃありませんが、そういった意味で国内で、村上大臣がきちんと国内基盤としてコントロールできるという仕組み、どんなふうにお考えでしょうか。
○村上国務大臣 岡島委員の御質問にお答えします。
衛星と携帯電話のダイレクト通信サービスにつきましては、岡島委員の御指摘どおり、スターリンクを始めとする海外事業者が先行しているところであります。
こうした状況の中で、我が国の事業者においても衛星と携帯電話のダイレクト通信サービスの提供に向けた技術開発が進められております。
誠に委員の御指摘どおり、衛星通信サービスについては、海外事業者のみに依存することは避ける必要がありまして、我が国事業者の技術開発を総務省としても支援してまいりたい、そのように考えております。
○岡島委員 本当に進めないといけないんだろうと思うんですね。
私たちの国は、特に明治以降資本主義が進んで、さらには戦後は民主主義も加わってですね。資本主義の社会というのは、成長が大きな前提の中でいろいろ進んできました。しかし、人口減少とか様々な国際環境の中で、必ずしも膨張する、成長だけの資本主義じゃいけないということで、質がやはり向上しなきゃいけないということを求められる社会です。
そういった中では、私はやはり、かつて国家に大きな橋、大きな道路、大きな高速道路がなきゃいけないという時代も必要だった、しかし、時代としては通信基盤、目には見えないけれども目に見えるものを生み出す、その基盤は通信基盤だ、そういう国家プロジェクト的な視点、発想こそが求められていると思うわけです。
私が何でこのようにつながることにこだわるかというと、私の原点はNHKの海外特派員だったということで、しかも紛争地域にいた最後の世代だと思います。八八から九年にかけてソ連軍のアフガニスタン撤退、最後のアントノフが飛び上がるまで私が残りました。あのときもインマルサットを持って行きました。そのときに、東京の渋谷とつながった電話、自分でアンテナをこうやって向けるんですよ、インマルサット、三十キロ以上ある。二百キロ以上の荷物を持って私は戦争に行きましたけれども、そういったインマルサットがまさに安心でした。
そういったことは日本の災害現場でも同じだろうと思うんですね。この前の石川県能登半島も、熊本もみんなそうなんです。つながることこそが水であり食料につながるんです。
そういった意味で、私は大臣に、今後総務省として大臣が様々なことを、ただつくるだけじゃない、活用する、インフラをシェアリングするといったことを含めて、国家の基盤としての情報通信のありよう、大臣の決意というか展望をお聞かせ願いたいと思います。
○村上国務大臣 岡島委員の御指摘、誠にありがとうございます。
人口減少等の社会課題の解決に貢献し、新しい地方経済や生活環境を創生する地方創生二・〇の推進に向けまして、国民生活や社会経済活動の根幹を担うライフラインとしてのデジタル基盤の整備は必要不可欠だと考えております。
総務省におきましては、一つ、地方における光ファイバーや5G等の整備、二番目、データセンターの地方分散、三番目、非地上系ネットワークの展開支援など、デジタル基盤の整備強化について、インフラ整備計画に基づいて財政支援や制度整備の取組を今進めているところでございます。
総務省としましては、引き続き、地域の皆さんの声を丁寧にお伺いしながら、国民の誰もがデジタル化の恩恵を実感できる社会の実現に向けて、官民が連携してデジタル基盤の整備にしっかりと力強く取り組んでまいりたい、そのように考えております。
○岡島委員 通信基盤はまさに国家のフレームワーク、通信基盤は国家基盤、そんな思いでこれから皆さんと一緒に取り組んでいきたいと思います。大臣、よろしくお願いします。
以上です。
○竹内委員長 次に、松尾明弘君。
○松尾委員 立憲民主党の松尾明弘です。
質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
村上大臣、先日の本会議ではお互い大変でしたね。今日もよろしくお願いします。
さて、本日は電波法の改正。この電波法の改正において、高周波数帯域について新たな周波数の割当て方式を導入する、いわゆる電波オークション制度を導入することとされています。この点について幾つか質問させてください。
そもそも、今回、電波オークションの制度を導入する政策目的、これによって何を実現したいのかというのが正直よく分からないんですね。電波の状況が逼迫をしているですとか国際競争力の強化、それ自体は理解できるものの、どうつながっているのか、これをやることで何が実現できるのか、そういった目的を教えてください。
○阿達副大臣 お答えいたします。
近年、電波の利用が急速に進むにつれ、委員御指摘のとおり、電波が逼迫した状況となっております。そういう中で、比較的空いている六ギガヘルツを超える高い周波数帯の活用を進め、電波の逼迫の解消につなげることが必要となっております。
さらに、六ギガヘルツを超える高い周波数帯の利用技術が進展してきたことによって、今後、新規サービスの創出等を通じた我が国の持続的な経済成長や競争力強化への貢献も期待できます。
こうした状況を踏まえ、総務省では、電波をデジタル社会の成長基盤として捉え、ビジネスチャンスの一層の拡大につなげることが重要との観点から、デジタルビジネス拡大に向けた電波政策懇談会を開催し、その中で六ギガヘルツを超える高い周波数帯の活用促進のための方策について検討を進めてきたところです。
その中で、六ギガヘルツを超える高い周波数帯の活用を促進するためには、周波数の特性を踏まえたスポット的な利用を前提として、大小様々な主体において農業や工業、観光など様々な利活用方策が検討されている状況にあることも踏まえ、割り当てる者に求める条件を極力少なくして、創意工夫による周波数の経済的価値の最大化を図る者を選定する仕組みとして、専ら金額の多寡のみで評価する価額競争による新たな周波数割当て方式を導入することが有効であるとの結論に至り、今回の法案を提出することとしたものです。
○松尾委員 分かりました。
そういった政策目的を実現するのと、今回、電波オークションを採用する、実行する条件というか要件として、法文上は電波の公平かつ能率的な利用を確保するために有効であると認められるときということがあるんですけれども、具体的にどういった状況にあると公平かつ能率的な利用を確保するために有効であると認められるのでしょうか。一方、認められたときにオークションを実施することができるとあるので、こういった状況が要件を満たしているにもかかわらずオークションを実施しないということもあるのでしょうか。その辺の総務省の裁量というのがどうなっているのか、教えてください。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま副大臣の方からも御答弁申し上げたとおり、六ギガヘルツを超える高い周波数帯は比較的利用が進んでいない一方で、低い周波数帯の逼迫の解消、また我が国の持続的な経済成長、競争力強化への貢献を図る上でも、今後その活用を促進していくことが重要でございます。
そのためには、求める条件を極力少なくし、創意工夫を重視して周波数を割り当てるための手法として、専ら金額の多寡で評価する価額競争が有効であると考えております。
このため、六ギガヘルツを超える高い周波数帯の割当てにつきましては、原則として価額競争により決定することが電波の公平かつ能率的な利用を確保するために有効であると考えられるところでございます。
その上で、個別具体的な周波数の割当てに当たっては、利用意向調査の結果や利用技術の動向等も踏まえ、最も適当な時期また割当て方式を検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○松尾委員 今の御説明で、その前の説明とも併せてなんですけれども、低周波数帯の利用状況が逼迫しているというのはそうだと思うんですね。ただ、先ほど前の委員の質問への答弁にもあったように、低周波数帯と高周波数帯はやはり性質が違うので、同じ用途には用いることができないわけなんですよ。低周波数帯の利用状況が逼迫しているから高周波数帯でオークションを実施するというのが、いまいちつながらないんですよ。これをどのように整理されているんですか。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
委員からもお話がありましたとおり、現行、比較的低い周波数帯の逼迫が進んでおりまして、ますますそれが進んでいる中で、今後、我々といたしましては、高い周波数帯をいかに活用を促進して、その周波数帯が使いやすいものとして結果的になっていくという視点が非常に重要であると考えております。
そのためには、現行の割当て方式に加えまして、できる限り条件を少なくして、事業者の創意工夫、また大小様々な事業者、そういった方々が参入できるというようなことを何とかつくりたいと思っておりまして、そういった観点から、専ら金額の多寡というふうに評価をする、できる限り条件を少なくする価額競争というものを導入して、六ギガ超の周波数帯をできる限り活用を促進して、最終的に逼迫解消にもつなげたいと考えているところでございます。
○松尾委員 いまいちかみ合っていないような気もするんですが、時間もあるので先に進みますね。
先ほどの岡島委員の質問への答弁で、今回の高周波数帯でのオークションがうまくいくようなことがあれば低周波数帯に関する電波オークションも行い得るのかということに対しては、現時点では考えていないけれども将来的にそういったことも不断に検討するみたいな、そういった答弁をいただいたというふうに承知しています。
その上でなんですけれども、今回の電波オークションを導入する目的でもある公正かつ能率的な利用を確保するということは、通信事業のみではなくて、放送事業においても同じような社会的な要請というものはあるというふうに考えています。電波オークションが通信事業についてうまくいくようなことがあったら、その先には放送事業者を対象とする電波オークションといったものも採用し得るのか、検討されているのかという点について教えてください。
○豊嶋政府参考人 お答えいたします。
放送用周波数につきましては、事業計画の実施の確実性や放送対象地域内の世帯のカバー率などを総合的に評価して割当てをしておりまして、これによって全国的に放送を受信できる環境が整備されるという仕組みになっております。
これに対して、放送用周波数において金銭の多寡のみの評価を行うオークションを行う場合につきましては、放送事業者が放送を継続できるかというような課題もあると認識しております。
また、現状でございますが、放送においては新規参入のニーズが乏しく、新たな周波数割当て方式への要望もないというのが今の現状でございまして、オークションの導入につきましては現時点では慎重な検討が必要であるというふうに考えております。
○松尾委員 放送事業者に対する電波の割当ても、国民の共有資源を一部の事業者が独占している状況がいいのかという議論は常に行われているところですから、是非検討の方もしていただきたいというふうに思います。
話をまた高周波数帯の電波オークションの方に戻しまして、今回、電波の割当てをオークション方式にするということはいいことばかりではないと思うんですね。先ほども岡島委員からもありましたけれども、いいことばかりであれば世界中で同じ方式が使われていて、日本でも採用を当然されていたはずなのにそうではなかったということは、やはりマイナスの面があるだろうということは容易に想像がつくわけです。
先行して行っている諸外国を見ても、オークションをすることによって利用料が非常に高額になってしまう、落札価額が何百億円とか何兆円というふうに高額になってしまう、結果的にはそれが、利用者の利用料、こういったものに転嫁をされることによってかえって使いにくいものになってしまうということがあったりですとか、それと裏表ではあるんですけれども、費用が高いがゆえに特定の事業者に対して割当てが集中をしてしまって、結局、寡占、独占といったものが進んでしまう、こういったことも、オークションという形で市場を開放することによる弊害というものは当然あり得るというふうに考えています。こういった海外の先行事例を踏まえて、今申し上げたような、それ以外も含めて、オークション方式を採用することによるデメリット、マイナスの影響といったものをどういった方法で回避しようと考えているのか、その点について教えてください。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
総務省におきましては、いわゆるオークションを導入する際には、今委員からも御指摘がございました落札額の過度な高騰、また特定事業者への周波数の過度な集中、それによる利用者料金への過度な転嫁の可能性といったいわゆるデメリットに対する対応策も併せて検討することが必要である、こういった考え方の下、丁寧に検討を進めてきたところでございます。
今申し上げました利用者料金にどの程度転嫁するかにつきましては、各社の経営判断によるものでございますが、オークション全体のデメリットへの対応策について、総務省の有識者会議におきましては、例えば、過剰な競争を避けるための十分な周波数枠の確保、落札可能な周波数幅の上限としていわゆる周波数キャップの設定、競り上げのラウンド制限といった方法が有効であることが示され、実際に諸外国のオークションにおきましてもこうした方策が取られた事例があると承知しております。
本法案が成立した暁には、こうした有識者の会議の議論も踏まえるとともに、諸外国における周波数オークションでの取組状況、こういったものを参考にしながら、本法案に基づく価額競争のための指針においてデメリットへの対応策を適切に講じてまいりたいと考えているところでございます。
○松尾委員 今おっしゃったように、そういった対策を考えられている、講じられているというのは分かったんですけれども、ただ、法文を見るとそういったことは一切書かれていないで、ただ実施をすると。具体的な入札金額だと何とかというので、すごく抽象的な記載しかないわけですから、法律ができました、実際に運用することになりましたというときに今言ったようなデメリットの回避策がきちんと実施されるように十分御留意いただきたいというふうに思っています。
もう一つ、電波オークションによる落札金の使途ですね。落札金の使途がこれでいいのかと、正直私は思っています。
一番最初に答弁をいただいたみたいに、オークション形式を取る目的が、需給の逼迫の解消もさることながら、国際競争力の強化ということも言っておりますし、先ほどの答弁の中では、ビジネスを拡大していこう、農業、工業、観光業といったものを促進していく、こういったこともおっしゃっていたにもかかわらず、条文を見ると、オークションの収入の使途というものがすごく限定されていて、現に使用している無線設備の周波数の変更であったりとか共同利用促進設備への変更、こういったものに使途が限定されていると、結局、既存の事業者が固定化されてしまって、多様な事業者による高周波帯域の開発、利用促進、こういった政策目的というものが実現できないんじゃないかというふうに考えられるわけです。
こういった最初におっしゃっていただいた高邁な政策目的を実現するためには、例えば落札金を使って地方の活性化という意味では、少子高齢化が進んでいる地方で自動運転を進めるとか、介護のDXを進めるであったりとか、あと災害時の情報共有の仕組みをつくるものに活用するとか、そういった実際に高周波帯域を使ったビジネスを促進できるような用途に使えるようにしていくべきだと考えますが、その点についてお考えを教えてください。
○川崎大臣政務官 お答えいたします。
六ギガヘルツを超える高い周波数を円滑に割り当てるためには、既存免許人の移行や共同利用等を積極的に進めるための費用が新たに生じることとなり、その財源が必要です。
こうした費用については、受益と負担の関係を考えれば、六ギガヘルツを超える高い周波数の割当てを受ける落札者が支払う落札金収入を充てることが最も合理的であると考えており、本法案においてその旨を規定しているところです。
本法案による改正後の規定の施行状況については、本法案の附則において、法律の施行後三年を目途として検討を加えることとしており、価額競争に係る制度についても、落札金の使途を含め六ギガヘルツ超の周波数帯の利用の促進という、委員がまさにおっしゃるように政策目的に沿ったものであるかどうかというところを引き続き検討していきたいと思います。
○松尾委員 是非お願いします。限られた電波ですから、利用の促進を進めていければというふうに思っています。
話は変わりまして、ネット上の誹謗中傷対策についてお話しさせてください。一応関連づけると、こうやってネット上の利用が進めば誹謗中傷も残念ながら増えていくかもしれないということで、対策をしなければいけないと思っています。
昨年の総務委員会で私の方から、ネット上の誹謗中傷対策を進めるために、コンテンツプロバイダーやアクセスプロバイダーが保有しているアクセスログですね、こういったものを保存するといったことについて今はガイドラインの解釈みたいなふわっとした根拠に基づいてやっているところを、ガイドラインに明記するであったりとか法律に書き込むとか、きちんと制度化するべきではないかといったお話もさせていただきました。その後、研究会であったりとかワーキンググループで議論がされていると承知をしておりますが、今年に入ってからの総務省内での議論の状況について教えてください。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
発信者情報を含む通信ログの保存につきましては、様々な課題が指摘されていると承知しているところでございます。
通信ログ保存の在り方の検討に当たっては、事業者側の意見のみならず、被害者を含む発信者情報開示請求を行う方々の御意見も十分に踏まえながら検討を進める必要があると考えております。
現在、総務省におきましては、有識者を構成員とするワーキンググループにおいてこの点に関しまして事業者のヒアリングを実施しているところでございまして、今後も請求する側を含めて様々な観点からお話を伺いながら検討を進めてまいりたいと考えているところでございまして、本年の夏頃をめどにワーキンググループでの議論を踏まえ一定の結論を示したいと考えているところでございます。
○松尾委員 今答弁がありましたように、ワーキンググループ、三月の二十六、二十七日で一回目、二回目が行われたと承知していますが、まだ通信事業者からヒアリングをしている段階だと思っています。やはり一方当事者だけの話を聞いていてもフェアな制度はできないと思っていますので、是非、多くの当事者の声を聞いていただきますよう、よろしくお願いします。
誹謗中傷対策も、別に私も政府が野放しにしているというふうにはもちろん考えていなくて、様々な対応をされているということと承知しています。ただ、なかなか、それが功を奏しているかというと必ずしも十分とは言えないかなというふうにも思っています。
二〇二〇年に旧プロバイダー責任制限法が改正されて二〇二一年に施行されて、発信者情報開示の裁判手続が大きく変わりました。ただ、それによってもなかなか十分に問題が解消できていないというふうにも聞いておりますし、発信者情報開示の請求をしても大体半分ぐらいしか加害者、発信者の特定に至らないというような話も聞いております。こういった法改正後の発信者情報開示の実効性についてどのように総務省として把握しているのか、教えてください。
○玉田政府参考人 お答え申し上げます。
SNS上の誹謗中傷を含むインターネット上の違法、有害情報は、短時間で広範に流通、拡散し、国民生活や社会経済活動に重大な影響を及ぼし得る深刻な課題であると認識してございます。
委員御指摘の発信者情報開示制度につきましては、迅速な被害者救済を図る観点から、令和三年にプロバイダー責任制限法を改正し、簡易迅速に発信者情報を開示する裁判手続を創設することといたしました。この改正によりまして、発信者情報の開示に要する期間が短縮され、手続の迅速化が図られているものと認識をしております。
また、この改正の一環としまして、開示命令が決定されるまでの間に発信者情報が消去される事態を避けるため、発信者情報の消去禁止命令の手続が新たに創設をされてございます。
委員御指摘のように、インターネット上の誹謗中傷等への対応としまして、法改正による被害者の救済の効果が表れてくるということが重要であるというふうに考えておりまして、総務省としましては、発信者情報開示制度の運用状況や、同じように誹謗中傷等への対応としまして、権利侵害情報の削除対応の迅速化を規定した情報流通プラットフォーム対処法の運用状況もしっかりと把握した上で必要な対応を検討してまいります。
○松尾委員 よろしくお願いします。
それで、司法統計等を見ると、やはり発信者情報開示請求の件数自体は増えてはいるんですね。ただ、件数が増えると処理をする裁判所の負担も当然増えてくるわけで、その負担が増えることによって逆に事案の処理が滞ってしまって時間がかかっているのではないか、そういった指摘もされているところです。こういった裁判所の負荷がどのようになっているのか、件数が増えたり減ったりしてどのように審理に時間がかかっているのかという辺りを、総務省として把握されているようであれば教えてください。
○玉田政府参考人 お答え申し上げます。
最高裁判所から聞いておりますところでございますけれども、全国の発信者情報開示命令事件の九割以上が係属しております東京地方裁判所におきましては、弁護士会とも協議の上で、定型的な申立て書式やチェックリストの整備、またオンライン審理の活用などを進め、発信者情報開示命令事件の合理的かつ効率的な審理に努めているというふうに承知をしております。
○松尾委員 一生懸命工夫をされているということはよく分かっているんですけれども、人手には限りがあって、人手、時間には限りがあるわけですから、是非、法律を改正するだけじゃなくて、裁判所で実際に実務が円滑に行われるような体制の充実であったりとか様々な制度の整備といったものも併せて進めていただければと思っております。
一方で、通信事業者に対して、弁護士会照会と呼ばれている、弁護士法二十三条の二に基づいて契約者情報というものを開示の請求をするといった手続があります。弁護士会照会を用いて弁護士会を通じて、通信事業者、アクセスプロバイダーであったりコンテンツプロバイダーに対して契約者情報の問合せがなされた場合に、これに対して通信事業者が回答することについて何か法的、制度的な障害といったものはあるのでしょうか。教えてください。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
通信事業者が保有する契約者情報については、弁護士法に基づく弁護士会照会により開示されている例があると承知しているところでございます。
この点につきましては、総務省等が定める電気通信事業における個人情報等の取扱いに係るガイドライン及びその解説におきまして、弁護士会照会により個々の通信とは無関係の契約者情報を開示することは電気通信事業法が定める通信の秘密を侵害するものではないと示されているところでございます。
○松尾委員 ありがとうございました。
個人情報保護法との関係ではいかがでしょうか。
○小川政府参考人 お答えさせていただきます。
個人情報保護法では、事業者は、原則として、あらかじめ本人の同意を得ないで個人データを第三者に提供してはならないとされています。他方で、法令に基づく場合には本人の同意なく個人データを第三者提供することが認められており、弁護士法に基づく弁護士会からの照会に対応して事業者が本人の同意なく個人データである契約者情報を提供することは、個人情報保護法上、許容されております。
○松尾委員 ありがとうございます。
今日お話しした、電波の活用で情報通信産業を発展させていくことと併せてネット上の誹謗中傷にきちんと対応していくというのは非常に日本の社会にとって重要なことだと思っておりますので、いろいろな物事の流れ、移り変わりも激しくて大変だと思いますけれども、是非頑張っていただきたいと要望を申し上げまして、私の質問を終わりとさせていただきます。ありがとうございました。
○竹内委員長 次に、藤巻健太君。
○藤巻委員 日本維新の会の藤巻健太でございます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、早速質問の方に入らせていただきます。まず、電波利用料に関してお伺いいたします。
携帯キャリア各社と地上波テレビ局は、電波を利用するに当たって年間でどの程度の電波利用料を支払っているのでしょうか。ここでは例えば、地上波テレビ局はフジテレビ、TBS、日テレ、携帯キャリアはドコモ、ソフトバンク、auについて具体的な金額を教えていただければと思います。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の地上波テレビ局や携帯電話キャリアの令和五年度の電波利用料の負担額についてでございますが、フジテレビ、TBS、日本テレビにつきましてはいずれもそれぞれ約七億円、NTTドコモにつきましては約百七十七億円、ソフトバンクにつきましては約百三十億円、KDDIにつきましては約百四十六億円となっているところでございます。
○藤巻委員 フジだったりTBSだったり日テレだったり地上波テレビ局が大体七億円に対して、ドコモだったり携帯キャリアは大体百五十億円前後ぐらいですかね。
少し感覚的な意見になってしまうんですけれども、地上波テレビ局が支払う電波利用料は、その規模から考えると、各携帯キャリアが支払っている電波利用料と比べるとかなり低いような印象を受けるところでございます。この差が生じる背景というのはどのような理由があるのでしょうか。お答えください。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
電波利用料は、電波の適正な利用の確保に関し、無線局全体の受益を直接の目的として行う電波利用共益事務に要する費用を電波の利用状況に応じて免許人等に負担していただくものでございます。
電波利用料の料額につきましては、その無線局が使用する周波数の幅また無線局の数などに基づきまして客観的に算定しており、各無線局の料額の算定につきましては適正に行っているところでございます。
そのため、各社が保有する無線局の数、その使用する周波数の幅などに応じて結果として負担額が異なってくるといったようなことでございます。
○藤巻委員 機械的な計算方式、これがふさわしいものなのかどうかという議論はあるところではあると思うんですけれども。
今後、高周波数帯においては電波オークションが導入されるわけでございます。この制度が実現すれば、市場原理に基づいて電波の価値が適切に評価され、価値の高い電波にはそれ相応の対価が設定されることとなると思います。そうした状況を踏まえると、現在地上波テレビ局が納めている電波利用料というのは電波の社会的、経済的価値に照らして低過ぎるのではないかというような疑問も残るところでございます。
仮に、地上波テレビ局が今利用している低周波数帯の電波をオークションにかければ、現在の電波利用料と比べ格段に高額がつくのではないかということも考えられます。放送の公共性など経済性以外の要素が存在することは理解するんですけれども、仮に本質的な価値と現状の電波利用料に大きなギャップがあるとしたら、それは既得権益そのものではないでしょうか。この観点からして、地上波テレビ局の電波利用料は本当に妥当なものであるのか、見直しの余地はないのか。大臣、どうお考えになるでしょうか。
○村上国務大臣 藤巻委員の御質問にお答えします。
無線局の電波利用料の料額につきましては、その無線局が使用する周波数の幅や無線局の数などに基づいて客観的に算定しております。
お尋ねの地上テレビジョン放送の無線局につきましては、例えば携帯電話の無線局と比較すれば、使用する周波数の幅や無線局の数などが少ないため電波利用料の負担は比較的小さくなるものと考えておりまして、適切に算定した結果であり、過小との御指摘は当たらないと考えております。
電波利用料制度につきましては、これまでも有識者会議を開催しつつ適時適切に見直しを行ってきたところであります。今後も引き続き有識者や関係者の御意見を幅広く伺いながら不断の見直しを行ってまいりたい、そのように考えております。
○藤巻委員 今度は逆に、ドコモだったり携帯キャリアの観点から質問させていただくんですけれども。
地上波テレビ局と比較すると、同じことなんですけれども、各携帯キャリアが支払う電波利用料は非常に高額なのかなという感覚も持つところでございます。そのような中、もし各携帯キャリアの支払う電波利用料を引き下げることができたら、その分を原資として、本当に僅かな分だとは思うんですけれども、携帯電話の料金の引下げといった形で消費者に還元できる可能性もあるのではないかなというふうに考えるところでございます。このような観点から各携帯キャリアの電波利用料の負担軽減の余地はないのか、携帯電話料金の引下げに関する現状も併せてお答えいただければと思います。
○村上国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、携帯電話に係る無線局の電波利用料も同様に、個々の無線局の電波利用料の料額につきましては、その無線局が使用する周波数の幅や無線局の数などに基づいて客観的に算定しております。
お尋ねの携帯電話に係る無線局につきましては、例えば地上テレビジョン放送の無線局と比較すれば、使用する周波数の幅や無線局の数などが多いため電波利用料の負担は比較的大きくなるものの、適切に算定した結果であります。過大との御指摘は当たらないというふうに考えております。
電波利用料制度につきましては、引き続き有識者や関係者の御意見を幅広く伺いながら不断の見直しを行ってまいります。
なお、携帯電話の料金は市場競争の中で決まるものであり、制度的に電波利用料と関係しているものではないと考えております。携帯電話の料金につきましては、総務省において、事業者間の競争がしっかり働くよう、解約時の違約金の上限を千円にするなど、事業者間の乗換えの円滑化等に取り組んできているところであります。
以上であります。
○藤巻委員 携帯電話料金の引下げ、これは一つ社会全体にとっても大きな恩恵があると思いますので、健全な競争環境は維持しつつもしっかりと取り組んでいっていただければなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
話題をちょっと変えまして、今度は、電波法に基づく技術基準適合証明マーク、技適マークというのがあるんですけれども、これについて質問させていただきます。
技適マークとは、電波法で定められた技術基準に適合している無線機であることを証明するマークです。郵便局のマークにもちょっと似ているようなマークなんですけれども。これは一見、トランシーバーのような専門的な機器にのみ必要と思われがちなんですけれども、実際には私たちが日常的に使用する多くの機器が対象となっております。例えばワイヤレスイヤホン、スマホなどもそうです。私も、自分の使っているブルートゥースイヤホンを見てみると、ちゃんと技適マークがあるかどうか見てみたんですけれども、ちゃんとついていて安心しました。iPhoneも、設定のところから見ると、総務省指定の番号とともに技適マークが画面に表示されるようになっております。
本来、無線機器は、許可されている周波数以外の電波を出すことがないよう検査に合格し無線局免許を受ける必要があるんですけれども、国内一億台を超える携帯電話全てを検査し免許を交付するのは現実的でないため、技適マークを取得すればキャリアが包括的に無線局免許を取得でき、国内利用が可能となります。
この技適マークなんですけれども、普通のちゃんとしたお店に並んでいるようなスマホやワイヤレスイヤホンには当然ついているんですけれども、海外の製品にはついていないものも多くあります。最近、ネットなどでは海外製のワイヤレスイヤホンなども簡単に購入でき、そのイヤホンに技適マークがついていないということも多くあるということも聞いております。技適マークがついていないワイヤレスイヤホンを使うと、メーカーではなく使った本人が電波法違反者となってしまうということになっています。このように、技適マークのことを知らないだけで、悪意がなくとも技適マークのついていないワイヤレスイヤホンを使ってしまったがゆえに電波法違反となるケースが多く見られているということなんですけれども、そういった現状についてどのように捉えられているでしょうか。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
無線機器の使用により他の無線局に妨害を与えないようにするため、我が国においては技術基準適合証明等の制度を設けており、当該証明等を受けた無線機器には今御指摘がありましたようにいわゆる技適マークといったものが表示されているところでございます。
現在、無線機器は、委員の御指摘のとおり、インターネットショッピングサイト等を含め幅広く販売されているというところでございまして、例えばの例でございますが、海外製品等において技適マークが付されておらず、インターネットのショッピングサイト等においてそうした製品が販売されていることもあると承知しているところでございます。
このため、そのようなサイトを通じて技適マークのない無線機器を知らずに一般国民が購入し使用してしまう可能性があるものと認識しているところでございまして、総務省におきましては、このような無線機器を購入することのないよう、周知啓発に取り組んでいるところでございます。
○藤巻委員 そういったリスクがあるということでしたが、技適マークのついていないワイヤレスイヤホンやスマホを使ってしまったがゆえに電波法違反で検挙されてしまったという例は実際にはあるんでしょうか。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
技適マークのない無線機器を使ったことによる事例といたしましては、例えばでございますが、令和元年に外国規格の無線機器を繁華街の店舗の業務連絡用の不法無線局として開設した経営者を摘発したといったような事例はございます。
○藤巻委員 技適マークのついていない、つまり日本の技術基準に適合していないワイヤレスイヤホンやスマホは、実際のところ、ほかの電波を妨害するなど、実害は及ぼし得るものなのでしょうか。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘のように、技適マークがない場合におきましては、対象の無線設備が我が国の技術基準に合致していることを確認できないということになります。したがいまして、それが利用された場合には我が国の電波利用環境に悪影響を与えるおそれというのはあるところでございます。
例えばの例でございますが、過去に技適マークのない技術基準不適合のワイヤレスヘッドホンが実際に携帯電話の基地局に妨害を与えた、そういった事例もあったところでございます。
○藤巻委員 技適マークなんですけれども、電波法には訪日外国人向けの条項があります。一定の条件を満たしていれば、技適マークがなくても九十日間であれば使用を認めるというものであります。
今後、訪日外国人観光客は更に増えていくだろうことが予想される中、先ほど答弁にあったように、技適マークのない、つまり日本の技術基準に適合していないスマホやワイヤレスイヤホンの使用が実害を及ぼし得るならば、増え続ける訪日外国人観光客がそれらを使うことによって他の周波数の電波が妨害されるなどの悪影響というのはないのでしょうか。もし悪影響がないのであれば、国際基準さえ満たしていれば別に技適マークがついていなくてもいいのかなというような思いも出てくるんですけれども、その部分も含めてお答えいただければと思います。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
訪日外国人を始めとして我が国に入国する者が自ら持ち込む無線設備についての取扱いでございますが、国際基準に合致しているなど、一定の条件を満たす場合であれば、九十日以内に限り、技適マークを取得していない機器であっても国内で利用可能とする特例制度を設けているところでございます。
これらの特例の対象となる無線設備は、ただいま申し上げたとおり、国際基準に合致し、事実上、我が国の技術基準にも整合しており、他の無線局の運用を大きく阻害するものではないと判断されることから、その影響は軽微であると考えられ、このような特例制度を設けているところでございます。
なお、過去にこのような特例制度の対象である無線設備による国内の無線設備への混信等の実例は確認されておりませんが、今後、技術の進展状況、無線設備の普及状況、またさらに訪日外国人等を含むいろいろな、その方々が使う無線局の実際の種類等に着目して、今後も必要に応じて特例制度の見直しについては検討していきたいと考えているところでございます。
○藤巻委員 技適マークなんですけれども、ほとんど知られていないんじゃないかなというふうに思っております。私も周りの何人かに技適マークを知っているかというようなことを聞いても、ほとんど誰も知らないというような状況でございます。技適マークの存在を知らないがゆえに、悪意はなくとも知らないうちに電波法を犯してしまっているというような事態も多く予想されるところであります。多くの人が悪意もないのに知らないうちに法律違反をしてしまっている、この状態は法治国家として全く望ましい状況ではないなというふうに考えております。このような事態を防ぐためには技適マークの存在をより多くの人に認識してもらう必要があるのかなというふうに考えているんですけれども、技適マークの認知度を向上させるために総務省としてどのような取組をしているのでしょうか。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
無線機器の利用が国民の生活に浸透する中で、混信、妨害等の電波障害のない良好な電波利用環境を維持する上では、電波利用のルールに関する理解の向上、こういった点が非常に重要だと考えているところでございます。
このため、総務省におきましては、ポスター掲示、リーフレットの配布、SNSへの動画投稿などを通じて、無線機器の技適マークなどの電波利用のルールについての周知啓発活動を広く継続的に実施しているところでございます。
特に、毎年六月一日から十日までを電波利用環境周知啓発強化期間と位置づけ、公共交通広告や専門紙、業界紙等への広告掲載なども行い、重点的に実施しているところでございます。
技適マークの認知拡大、ひいては電波利用のルールの理解の向上に資するため、まだまだ不十分な点はあると思いますが、私どもとしてもしっかりとこういった周知啓発活動に今後とも取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
○藤巻委員 年々複雑さを増す電波環境の中で法律がしっかりと対応していく必要がある、しっかり対応していかなければならないと感じているところでございます。
時間も参りましたので、これで私の質問を終わらせていただきます。本日はありがとうございました。
○竹内委員長 次に、黒田征樹君。
○黒田委員 日本維新の会、黒田征樹でございます。
本日は、電波法、放送法の改正についてということで質疑をいたします。
今回の改正案では、オークションが一部解禁されたことが大きな改正だと言えると思います。これまで質疑に立たれた方々もおっしゃられておりましたけれども、大きな改正点ということです。
周波数オークションというのは、言うまでもなく、国が携帯電話会社など必要な周波数を割り当てる際に各社から入札を行う、そういう方式でありまして、これまで日本では比較審査方式というものが採用されておりました。比較審査方式は、周波数を割り当てる際に複数の基準を設けて、申請した民間企業がそれらをどれぐらい満たしているか審査する仕組みであります。
そもそも周波数オークションについては、一度、二〇一一年頃に導入に向けた議論が行われたものの頓挫をしてきたという経緯もあります。その後、二〇一七年、当時の安倍首相が、電波のダイナミックな利活用が可能となるように割当て制度の改革は待ったなし、これは大変固い岩盤ではあるが皆様とともに挑戦していきたいという決意を述べられて、導入に向けて動き始めたというふうに認識をしております。
これまで電波についての規制緩和が進まず紆余曲折を経てきたわけでありますけれども、今回、総務省が一歩前進して価額競争、すなわち周波数オークションを導入しようとする、その背景と目的、これについてお聞かせいただきたいと思います。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
近年、電波の利用が急速に進むにつれ、特に低い周波数帯を中心として電波が逼迫する状態となっておりまして、その傾向は今後ますます拡大するというふうに想定しているところでございます。その一方で、比較的六ギガヘルツを超える周波数帯につきましては空いているという状況がございますので、私どもといたしましては、高い周波数帯の活用を進め、こういった電波の逼迫の解消につなげることが大変重要であると考えているところでございます。
さらに、六ギガヘルツを超える高い周波数帯につきましては近年その利用技術も進展しつつあるということによって、今後、新規サービスの創出が期待されるところでございまして、この点につきましては我が国の持続的な経済成長また競争力への貢献といったことにも期待できるというふうに考えているところでございます。
こうした状況を踏まえまして、総務省におきましては、電波をデジタル社会の成長基盤として捉え、ビジネスチャンスの一層の拡大につなげることが重要との観点から、デジタルビジネス拡大に向けた電波政策懇談会を開催し、その中で六ギガヘルツを超える高い周波数帯の活用促進のための方策について検討を進めてきたところでございます。
その中で、六ギガヘルツを超える高い周波数帯の活用を促進するためには、周波数の特性を踏まえたスポット的な利用を前提として、農業や工業また観光など様々な利活用方策が既に検討されているような状況も踏まえて、割り当てる者に求める条件を極力少なくして、専ら金額の多寡のみで評価する価額競争による新たな周波数割当て方式を導入することが有効であるとの結論に至り、今回の法案を提出するに至ったところでございます。
○黒田委員 ありがとうございます。
今余り使われていない高周波数帯での利活用を進めるということで、それがすなわち様々な産業の新たな技術革新にもつながっていく、国民にとっての利便性向上にもつながるんじゃないかということを模索されたということであると思います。
まさにこの法案の提出理由として、電波の有効利用を促進し、及び情報通信技術の進展等に対応した規制の合理化を図るため、特定高周波数無線局を開設することができる者を価額競争により選定する制度の創設、無線局の免許状及び基幹放送事業者の認定証のデジタル化、電波利用料制度の見直し等の措置を講ずる必要があるということであります。
ただ、改正案では、総務大臣は価額競争実施指針を定めることができるという、できる規定があります。当該指針を定めるか定めないか、要は価額競争をするかしないか、これは総務大臣の判断に委ねることになっています。そもそも、価額競争による決定が電波の公平かつ能率的な利用を確保するために有効であると認めるという中において、総務大臣が同指針を策定しない、要は価額競争を実施しないと判断することはあるのでしょうか。あるとすればどのような場合なのか、お聞かせいただきたいと思います。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど御答弁いたしましたとおり、六ギガヘルツを超える高い周波数帯は比較的利用が進んでいないという一方で、電波の逼迫解消、また我が国の持続的な経済成長、競争力強化への貢献を図る上でその活用を促進していくことが重要でございまして、そのためには求める条件を極力少なくし、創意工夫を重視して周波数を割り当てるための手法として、専ら金銭の多寡で評価する価額競争が有効であると考えているところでございます。
このため、六ギガヘルツを超える高い周波数帯の割当てにつきましては、原則として価額競争により決定することが電波の公平かつ能率的な利用を確保するために有効であると考えられているところでございます。
その上で、個別具体的な周波数の割当てに当たっては、利用意向調査の結果また利用技術の動向等も踏まえ、最も適当な時期や割当て方式を検討してまいりたいと考えているところでございます。
具体的にどういう場合であれば価額競争以外の割当て方式を採用することになるかといったような点でございますが、あくまでも現時点で想定され得る例として申し上げれば、例えばでございますが、利用意向調査の結果として割当てを希望する者が複数存在するとは到底見込まれないような場合、この場合には、現行の制度でもございます、先に申請した者に周波数を割り当てるいわゆる先願主義を採用するといったようなことも可能性としてはあり得ると考えているところでございます。
また、例えば、利用技術の今後の進展等の状況変化に伴って高い周波数帯であってもエリアカバーの早期拡大というのが期待される状況となり、また、エリアカバーを重視して割り当てることが結果として電波の有効利用のために適当である、そういったことが認められる場合には、我が国の現在の携帯電話システムへの割当てと同様に、エリアカバーの整備計画等も含めて総合的に評価する方式を採用する、こういったこともあり得るんじゃないかと考えているところでございます。
○黒田委員 今もろもろ御説明いただいた内容を要は最後は総務大臣が決めるというところで、いわゆる通常の行政手続の中での話、そういった認識でよろしいでしょうか。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
今の点につきましては、電波法上の、今回出している改正案におきましても、総務大臣が定める認定方針で定めることになっているというような制度でございます。
○黒田委員 ありがとうございました。
我々も、これまで、周波数オークション導入、これは求め続けて、法案も提出してきたこともあります。その法案の内容としては、基幹放送局の免許を含む無線局について周波数オークションを導入するもの、そしてもう一つは、放送、情報通信に関する行政のうち規制に関するものを総務省から切り離して新設する独立行政委員会に移管するというものであります。
今回、高周波数帯でのオークションが一部解禁されるわけですけれども、我々としては他の周波数帯についてもオークション制度を導入するべきだと考えておりまして、そこでお聞きしますけれども、価額競争、いわゆるオークション制度における課題又は効果等があればお聞かせいただきたいと思います。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
価額競争の効果でございますが、先ほど御答弁申し上げたとおり、まさにこの周波数帯を活用促進する上で、求める条件を極力少なくし、創意工夫を重視して割り当てるということによって、結果としてこの周波数帯の活性化につながるというのが効果でございます。
一方で、課題と申しますかデメリットでございますが、例えばこれまで海外のオークションでも、幾つか指摘がございましたが、落札額の過度な高騰また特定事業者への周波数割当ての過度な集中といったような点が考えられることでございます。
こうしたデメリットへの対応策につきましては、過剰な競争を避けるための十分な周波数枠の確保、落札可能な周波数幅の上限としていわゆる周波数キャップを設定する、又は競り上げのラウンド制限といったような対策を講じたことは有効であるといったことが示され、実際に諸外国のオークションにおいてもこうした方策が取られた事例があると承知しているところでございます。
私どもといたしましても、本法案が成立した暁には、こうした諸外国における周波数オークションでの取組状況というのも参考にしつつ、有識者の意見も聞きながら、先ほど申し上げました本法案に基づく価額競争のための指針においてデメリットへの対応策につきましても併せて適切に講じてまいりたいと考えているところでございます。
○黒田委員 今お答えいただきましたように諸外国でも様々な課題があったりする中で、今おっしゃられた落札額の高騰、特定の事業者に周波数が集中する、そういったこともあったように聞いていますけれども、そこら辺も課題としてはクリアをしているというような状況であるということで、引き続き検討していただくのはいいんですけれども、それは早急に進めていただきたいというふうに考えております。その理由はそもそも電波というものは限られた貴重な資源であるということで、総務省として、公共の電波に対するその認識、そこについてお聞かせいただきたいというふうに思います。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
電波は、委員御指摘のとおり公共のものでございます。特に近年、言うまでもないことでございますが、携帯電話を始めとして生活のためになくてはならないものでございますし、例えば放送につきましても従前よりも国民にとってなくてはならないものと考えているところでございます。その他、重要な無線通信であったり様々な場面について電波というのは使われておりまして、しかもそれが近年更に急速に拡大しているというような状況にございます。
そういった中で、電波の公平かつ能率的な利用というのは非常に重要でございますし、今後もその点については十分に配意をしながら行政も進めていくということが肝要だと思っているところでございます。
○黒田委員 能率的な利用というようなお話も今ありましたけれども、電波というのはそもそも広義の意味で国有財産だというふうに考えておりまして、その利用について一般的には入札というものが原則であって、どんな国有財産であってもそれは適用されるべきだというふうに考えております。ですから公平公正な手続が必要でありまして、それによって価格も適正化されていくというふうに考えております。要は貴重な国有財産なので公平に公正に、そういう単純なロジックで我々は主張をさせていただいているわけです。
各国は電波をどうやったら有効利用できるのかということを考えて、様々な課題を乗り越えて電波オークションを導入しておるわけでありまして、OECD諸国で電波オークションを導入していないのは日本だけということで、電波オークションもなかなか他の周波数帯についても実現をしていくのかというところが分からないという状況でありますけれども、今後の価額競争も含んだ周波数の割当てについて総務大臣のお考えをお聞かせいただきたいというふうに思います。
○村上国務大臣 黒田委員の御質問にお答えいたします。
周波数の割当てにつきましては、技術の進展、周波数の特性やニーズ等を踏まえまして、電波の公平かつ能率的な利用の確保に最も資すると考えられる手法を採用することとしております。
今委員御指摘の六ギガヘルツ以下の周波数帯は、伝送距離が長いという特性がありまして、全国的に広いエリアをカバーすることが求められる携帯電話や放送などに適しております。
携帯電話につきましては、金額の多寡だけではなく、エリアカバーの整備計画等も含めて総合的に評価し、最も優れた者に周波数を割り当てることにより、携帯電話インフラが全国に整備されてきたものであります。現行の割当て方式が適当であるというふうに考えております。
また、放送につきましても、その社会的役割の実現を確実かつ適正に図る観点から、事業計画の実施の確実性や世帯カバー率等の比較審査を行うことにより全国的に放送を受信できる環境が整備されてきたものと考えております。現行の割当て方式はその面においては適当であると考えております。
その上で、周波数の割当てにつきましては、技術の進展や社会環境の変化に的確に対応するため、その在り方についても不断にいろいろ検討していきたい、そういうように考えております。
○黒田委員 大臣、ありがとうございます。
様々な課題があるし、社会的なインフラとしてしっかりと機能しないといけないというところは我々も理解しているところではありますけれども、そういった様々な課題を乗り越えていって、よりよいサービスの拡充に向けて我々は進むべきだというふうに考えております。
今日は電波法、放送法についての法案審議ということなので深くは申し上げませんが、そもそも我々が提出した法案の中の周波数オークションと規制と振興、いわゆる活用の部分を分けて考えようというところですけれども、この辺、政府が直接免許を出すという制度自体が威圧的な部分も放送事業者側からしたらそれは否めないところはあるというふうに考えておりますので、規制の部分と振興の部分を分けて行政として管理していく、そういう在り方についても今後議論を深めていくべきじゃないかなということを申し上げまして、質疑を終わらせていただきます。
ありがとうございます。
○竹内委員長 次に、福田玄君。
○福田(玄)委員 国民民主党、福田玄でございます。
本日も質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。
まず、高周波数帯のオークション制度の導入について質問をさせていただきます。
周波数オークション、今回の法案は、政府、総務省が一律にニーズや活用法を想定して提供できるものではなく、民間事業者のアイデア、提案を促すという、そういった民間の活力を引き出すという意味合いにおいて前向きに進めていかなければいけないというふうに理解しております。
この法案が成立したとして、その後、事業者候補のニーズ調査などが行われ、詳細が決まってくるというふうに伺っております。そのため、今日の質問では、決定していない詳細事項ではなくて、電波オークション制度を活用する場合に我々の生活にどのようなメリット若しくはリスク、デメリットがあるのかというような、活用の意義の視点から質問させていただきたいというふうに思います。
まず、現行の電波利用についてお伺いをさせていただきます。
最近、週末の東京駅であるとか新宿駅であるとか、携帯電話のデータ通信が、非常に回線が混んでいるためか、つながりが悪くなっている印象がございます。新しい電波オークションを実施した際に、総務省として、いわゆるパケ詰まりと言われるような、電話ではなくてデータ通信の今の混雑している状況、これにどのように対策をしていくおつもりがあるのか、そして電波オークションで高周波数帯が使えるようになった場合にこれを活用することが可能なのかどうか、お聞きしたいと思います。
〔委員長退席、あかま委員長代理着席〕
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
社会全体のデジタル化が進展し、携帯電話のトラフィックは年々増加を続けているというのは言うまでもないことでございます。そのような中で周波数の逼迫というのは現実の問題として起きておりまして、特に主に利用されている低い周波数帯につきましては今後ますます逼迫していくということが想定されることから、高品質な携帯電話サービスを今後とも確保するためには、高い周波数帯へ活用を促していく、こういったところが非常に重要であると認識しているところでございます。
総務省におきましては、昨年夏にこうした高い周波数帯を活用したインフラについて整備目標を策定し、携帯電話事業者による整備といったものを促進しているところでございます。
さらに、今回の電波法改正案では、六ギガを超える非常に高い周波数帯域を価額競争の対象にしているところでございます。このような制度の導入を通じて、高い周波数帯の活用が促進され、今申し上げました周波数の逼迫の解消や高品質な通信サービス、こういった実現につながるということを我々も期待しているところでございます。
○福田(玄)委員 活用を促しているということでございますが、電波オークションが成し遂げられた暁には是非その部分をしっかりと活用していただいて、実際、今、携帯電話で例えば新幹線の予約を取ったりして、予約の変更を駅でしようと思ったらなかなかつながらなくて、そのまま変更できなくて乗れないみたいな、そんなケースも伺っておりますので、是非その辺りの手当てをしっかりとしていただきたいというふうに思います。
続きまして、オークションの手法についてお伺いをいたします。
各地でスポット的な利用を想定しているというこのオークションでありますが、その意味では基礎自治体が一つのエリアの想定にもなるというふうに理解をしております。例えば一気にオークションが解禁されたときに、高周波数帯も複数の高周波数帯があると思います、その場合、非常に多くのオークションが行われる可能性もあると想定されます。そもそもオークションの窓口はどこに置かれて、そして、多数のオークション希望が重なった場合は一斉に行われるのか、それともそれぞれのニーズの高い地区や周波数が優先的に行われるのか、そういったオークションの手法についてどのように想定をされているのか、現在の総務省のお考えをお聞かせください。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
価額競争により割り当てる周波数、また周波数の使用区域、実施時期等につきましては、総務大臣が、対象とする周波数の特性やニーズを踏まえた上で、価額競争の実施に関する指針において個別具体的に定めることとしております。
また、オークションの実施に当たりましては、総務省自身が窓口になることを想定しておりますが、委員からもお話がございました参加者のニーズまた利便性といったようなものを踏まえて、例えばでございますが、総務省の地方支分部局である総合通信局等も活用することも含めて今後検討してまいりたいと考えているところでございます。
○福田(玄)委員 初めてやることなので、やってみなければ分からないというところではあるとは思うんですけれども、想定外に申込みが重なったりとか、その際に準備ができていないというようなことにならないようにしっかりと準備をしていただきたいと思います。
その上で、地方でのオークション実施とその結果について伺いたいと思います。
地方においてのオークションと落札の予想をどのように今想定されているのかということですが、今回は事業者がその採算性を考えながら価額を提出していくことになるということを先ほど来御答弁でもいただいております。そのため、全般の傾向として人口が集中しているエリアとか工業地帯、工場団地といったようなニーズが高い地域では落札価額も多分高くなるんだろうと、オークションですから、想定されるのではないかと思っておりますが、逆に地方、特に過疎地、こういったところでは落札価額は安くなるのではないかと考えられます。これにはある意味ではオークションですので利点もありますが、かえって地方の場合は参入のハードルが低いということを指すとも言えます。地元の企業や地域発のスタートアップ、場合によってはNGOやNPO、そういった主体がオークションに参加をして地方経済の活性化にも貢献できる可能性もあるのではないかというふうに思います。
そもそもスタートアップを含む中小企業やNGO、NPOがオークションに参加することは可能なのかどうか、また、人口減少地域の経済の活性化についてこの電波オークションがどのように寄与されるのかということをどのように考えられているのか、総務省、御見解をお聞かせください。
〔あかま委員長代理退席、委員長着席〕
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
価額競争による新たな周波数割当て方式は、既存の携帯電話事業者に限らず多種多様な分野の主体が参加することを想定した方式であり、我々も期待しております。御指摘いただいたスタートアップを含む中小企業やNGOといった方々が価額競争に参加することも当然可能な仕組みを予定しているところでございます。
また、価額競争による割当てを行う際には、地方でサービスの提供を希望する者が参入しやすい制度設計を検討していきたいと考えているところでございます。具体的には、例えばでございますが、一部の周波数帯について使用区域を都道府県また市区町村などの単位で設定することであったり、新規参入事業者にのみ参加者の資格を与えること、こういった方策も考えられるというふうに思います。
このように、価額競争を通じて六ギガヘルツを超える高い周波数帯の利用を促進することにより、様々な新規サービスの創出を実現し、特に地方では深刻な課題となっている人口減少等に伴う地域課題の解決や地域の持続的な発展にも貢献できる、そういったことを期待しているところでございます。
○福田(玄)委員 様々な利用状況が想定されるということでありますけれども、しっかりとその部分も総務省として促していきながら地域経済の活性化に寄与してもらう仕組みにしていただきたいと思うわけでございますが、その反面、リスクについてどのようにお考えなのかをお伺いしたいと思います。各地域のスポット的な利用とはいえ、やはり通信には安全保障の観点も必要なのではないかというふうに、このことは私は非常に危惧をしておりまして。
例えば、今後、各地で外国人とか外国企業が応募してオークションで買い占めるというような事態、オークションですのでお金を払えば高く入札したところが買えるということですよね。善意では、利用しやすいところが高いお金を払ってそこを買って、それを活用してもうけを出して企業としてやるんだろうというようなことが想定されるかもしれないんですが、例えば、そもそも善意ではなくて、そのエリアの電波を買い占めて、日本企業が使えないとか活用できないというようなことも想定されるのではないか、想定外があるかもしれないということがあるのではないかと思います。
その意味では、オークションの中にもなかなか電波法で安全保障のことを規定するのは難しいのかもしれないですけれども、例えばそういった事態が実際に起こった場合に免許を剥奪するとか停止してほかの事業者が使えるようにするとか、そういったところまで想定する必要があるのではないかと思いますが、総務省の御見解をお知らせください。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
まず、オークション一般、価額競争のデメリットとしては、その一つとして特定事業者への周波数割当ての過度な集中といったようなことがございまして、これにつきましては、例えばでございますけれども、落札可能な周波数の幅の上限を設ける、いわゆる周波数のキャップを設定するということが考えられます。
また、安全保障に関する点でございますが、電波法上、放送用の無線局は五分の一、その他の無線局は原則として三分の一の外資規制が存在する一方で、電気通信業務用の無線局につきましては、WTO協定、CPTPP、EPA等での約束内容を踏まえ、外資規制は設けておりません。
その一方で、いわゆる外為法におきましては、電気通信事業も含む対内直接投資等を行おうとする外国投資家に対して事前の届出義務を課し、国があらかじめ審査を行うことを可能としておりまして、審査の結果、国の安全を損なう等のおそれがあると認めるものについては投資等の変更又は中止を勧告、命令できるといったことになってございます。
また、本法案におきましては、価額競争の実施のための指針におきまして、価額競争の参加資格、また落札者が遵守しなければならない条件、こういったものを定め得ることとしておりまして、こういった参加資格や条件として、例えばでございますけれども、サイバーセキュリティー対策のほか、通信施設の安全性、信頼性の確保を求める、こういったことも想定しているところでございます。
○福田(玄)委員 今御答弁の中で、審査の結果、入札に入れないというような御答弁があったと思うんですけれども、多分、最初に入ってくるときには、審査でそんなひっかかるような書類を提出してきて入ってくるとは多分想定できないと思うんですよね。その場合にやはりもう少しブレーキをかけたり免許を剥奪したりするような規定が必要なのではないかと思いますけれども、その点、もう一回お答えいただいてもよろしいでしょうか。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど御答弁申し上げたとおり、現行の安全保障等に対する対応といたしましては、現在存在する様々な関連する制度を組み合わせて対処していくことにより、国家や国民の安全を損なうことがないよう、電波の適正な利用の確保を図ってまいりたいと考えておりまして、委員の御指摘があったような話につきましても、今後、制度につきましては見直しを行っていくので、そういう中で検討していきたいと考えているところでございます。
○福田(玄)委員 ありがとうございます。
是非、その部分、しっかり盛り込んでいただいて、例えば気づいたときにはその周波数帯を買われちゃっていて国内の事業者は手が出せないみたいな、そんな安全保障上のリスクが生まれるようなことがないように、しっかりと制度をつくり込んでいただきたいというふうに思います。
次に、放送法の関連に質疑を移りたいと思います。
ネットで番組を放映する際に画面が見られなくなる、いわゆる蓋かぶせという状況があります。テレビでは見られるんだけれども、インターネットでテレビ放送を見ようとしたときに著作権の関係があって放映できないというようなことで、動画ではなくて写真がずっと映っているような状況がある、これを蓋かぶせというふうに言われていると思うんですが。昨今厳しいと言われている民放の経営についての総務省の考えを伺いたいと思います。
先ほど申し上げました蓋かぶせについてなんですが、一番見たいところでなかなか動画が見られなくなるというような状況がまだまだ起こっているという状況がございます。こういった状況は、海外を含む一部のスポーツ、例えばメジャーリーグとかサッカーとか、こういった放映料が高くて著作権料が高くてなかなか手を出せないというような状況があるということも聞いておりますが、個別の利用料は契約ごとに違うとは思いますけれども、例えば短い秒単位での使用になってしまうなど、コスト的制約から番組作りが難しくなっているのではないかということをちょっと危惧しております。
今後は番組視聴がよりインターネットに寄っていく、今放送で固定のテレビで見ているものよりも今後はインターネット放送に寄っていくのではないかという中で、蓋かぶせの問題について総務省としてはどのようにお考えなのか、あくまでこれは放送局の経営努力であるというふうに思われるのか、それとも政府として何らかの対策を取る必要があるというふうにお考えなのかをお聞かせください。
○豊嶋政府参考人 お答えいたします。
放送番組をインターネットで同時配信する際に権利処理上やむを得ず映像を差し替える、いわゆる蓋かぶせは、委員御指摘のとおり、視聴者の利益を図る観点から可能な限り避けるべきというふうに考えております。
これまで放送番組のインターネット配信に係る権利処理の円滑化に向けまして文化庁とも連携をしまして取り組んできておりまして、例えば令和三年の著作権法改正におきましては許諾推定規定というものの導入、権利者が別途の意思表示をしていなければ放送だけではなくて同時配信等での利用も許諾したものと推定するという規定の導入などを行ってきております。
また、委員の御指摘にあった例えばスポーツ等の放映権料、これは著作権とはまた別物になりますけれども、この点につきましては、権利保有者と放送事業者のビジネス上の交渉によって決定されるものでございまして、これは放送事業者が自らの経営判断により権利処理を行うものというふうに承知しております。
なお、昨今、放送局におきましては、放送番組の放映に関しまして、放送とインターネットを同時に提供するということを当初から目的とするというような番組制作を心がけて取組をされている事例もございまして、番組制作時点からインターネットと放送と両方の権利処理を進めながら番組制作をして提供しているというような取組も見られているところでございまして、総務省としましては、多様で質の高いコンテンツが引き続き視聴者に届けられるように、放送事業者におきまして権利処理も含めて適切な対応が行われるということを期待しているところでございます。
○福田(玄)委員 御答弁いただき、ありがとうございます。
利用者のニーズに沿った放送がネットに寄っていくということですから、多分、視聴者からしたら放送なのかネットなのかというのは関係なくて、番組を見たいという、そのニーズが一番大きいことになっていると思いますので、是非その点にも御配慮いただきながらお願いしたいと思います。
同時に、地方における放送停止の可能性について伺います。
本改正案では、地上波の中継局を廃止する際にはケーブルテレビや配信サービスなどを使って引き続き番組を視聴できるような努力義務が課せられているということでございます。逆に言えば、努力義務であり、絶対に対応しなければいけないという義務ではない、努力義務ですから義務ではないわけであります。一方、令和五年の放送法改正で民放とNHKが中継局設備を共同利用するための制度が整備されたと承知しております。
この直前の改正を考えると、撤退する場合の努力義務というものではなく、共同基地局を積極的に活用して地上波を届けるということが義務化されてもよいのではないかと思います。高齢世帯ではインターネットを使っておらず地上波しか見ていないというケースがまだまだ多々あるという状況であります。そもそも地方では民放が二、三局しかないというような場合もありますが、それが一つ一つ見られなくなっていくというようなことは避けてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
○豊嶋政府参考人 お答えをいたします。
まず、委員の御指摘にありましたとおり、令和五年の放送法改正によりまして、中継局の維持コストの負担軽減のためにNHKと民放による中継局の共同利用が可能となったところでございます。
その上で、現状の制度で申し上げますと、民間放送事業者による中継局の設置そのものが努力義務に基づいているところでございまして、したがいまして、共同利用の場合も含めまして中継局の維持、更新は放送事業者の経営判断によるというふうに現行法上はなっておりまして、中継局の維持、更新を義務づけるというところまでは至っていない、困難であるというふうに考えているのが現状でございます。
また、地域の人口の著しい減少といった放送を取り巻く環境の変化が続く中で、一部の小規模な中継局につきましては、共同利用を進めてもなお経済合理性の観点から維持、更新が困難となってきているというふうに認識しております。
こうした状況を踏まえまして、今回の改正におきましては、地上基幹放送事業者が万が一やむを得ず中継局を廃止する場合でも受信者が放送番組を引き続き視聴できるように措置するという観点から今回の新たな努力義務を設けたというものでございまして、総務省としましては、放送事業者におきましてこの新たな責務を十分踏まえた上で、仮に中継局を廃止する際には適切に受信者の視聴環境の維持を図っていただきたいというふうに考えております。
○福田(玄)委員 適切に視聴環境を守るということであります。
先ほどの質問から少しつながってはいるんですが、最悪、ネット放送に切り替えて番組が見られるように状況を担保するとかそういったことも含まれると思いますが、それに関連して民放の経営が今相当苦しいのではないかという状況があると思っております。村上大臣が、どんどんどんどん、これから先、五十年先、人口が急激に減ってしまうというようなお話がずっとありますけれども、これだけ地方から人がいなくなったときに視聴者がいなくなる、広告収入が集まらなくなるといったことがあるわけであります。
そして、人口減少地域への、ビジネスですから投資が難しいというようなことも理解はできます。特に、地方の民放は、東京の民放のように不動産収入や放送以外の収益が期待できない場合が多いのではないかというふうに考えております。また、その都市部の民放を見ても放送そのものの収益は決して多くないというふうに考えております。端的に言って、放送事業がもうからないものにもなってしまっています。
総務省としては、民放の現在の経営状況についてまずどのような認識を持っていらっしゃいますでしょうか。
○豊嶋政府参考人 まさに委員御指摘のとおりでございまして、民間放送事業におきましては、特に収入面、近年、放送収入の減少というふうに見られております。特に地方の民間放送事業の経営環境がここ数年非常に厳しくなっているという状態になっておりまして、例えば、先ほども答弁しましたけれども、こういった状況に鑑みながら、共同利用あるいは今回の法律の措置に基づくような形で放送ネットワークの維持というのをいかに効率的に図るかということにすぐに取りかからなきゃいけないような事態になっているというふうに理解しております。
○福田(玄)委員 そのような事態に直面をしているということでありますが、地域の情報を取るという意味でも、地域の民放の存在というのは非常に大きなものであると思っています。しかしやはり経営をしていかなければいけないということとの板挟みにあるんだと思いますが。
特に若年世代、若い世代はもうほとんどインターネット、例えばユーチューブであるとか動画サービスに移っていっているというような状況があります。その意味では、東京、大阪からネットを介して、確かに大きな番組を放送すればそれは見られるんですが、しかし、逆に、地方の細かな情報であるとか地域情報であるとか、こういったものを地域密着で拾ってくれる放送局自体がなくなるというような事態も考えられるのではないかと思っております。
地方の民放のその意味では長期的な在り方を総務省さんとしては今どのようにお考えなのか、特に地域情報だけじゃなくて報道、ニュースの部分においてもしっかりとカバーしていく必要があると思いますが、そのビジョンがあればお知らせください。
○豊嶋政府参考人 お答えをいたします。
先ほど委員御指摘のとおり、非常に今、民間放送事業、経営が非常に厳しいと言われている状況でございます。
一方で、これも委員の御指摘にありましたように、インターネットを通じた様々なコンテンツの視聴ということが広まっているということもございまして、例えば、今現在インターネットを通じた動画配信が広く普及している中で、地方の民間放送事業者におきましても、例えばTVerという民放の番組を見られるサイトというのは非常にユーザー数が増えておりますけれども、この中で例えば放送コンテンツのインターネット配信に地方のローカル局も参画するというような形で、放送番組についてインターネットを通じた事業展開を自ら多角化あるいは強化を図るという観点から取り組まれているということも承知しているところではございます。
こうした状況も踏まえまして、総務省におきましても有識者会議を設置しておりまして、民間放送事業者の動きも踏まえまして、放送の将来像あるいは放送制度の在り方につきまして中長期的な視点も入れながら検討を進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○福田(玄)委員 ありがとうございます。
まさに中長期的な視点を持って、日本全体として、放送というものがどのように保っていけるのかということを考えていただきたいというふうに思います。
最後の質問に移ります。
先ほど来、中野委員、そして岡島委員からも御指摘がありましたが、HAPSについてちょっと聞いておきたいなと思います。
成層圏を飛行する物体、いわゆるHAPSですが、今回の法改正では、成層圏以下の空域を基地局の開設場所として範囲に含めるという理解で、この改正自体はしっかりと前に進めていってほしいというふうに思っております。
このHAPSは、今後想定される南海トラフ地震で沿岸部の地上基地局が作動しなくなった場合などでも直接HAPSと携帯を結ぶことができるため、災害時のバックアップとしても有用だと思っております。現時点でのHAPSによる通信事業はどのような段階にあるのか、いつ頃日本でサービスが開始されるのかなど具体的なスケジュールを、もしお分かりであればお聞きしたいと思います。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
HAPSにつきましては、現在我が国においてNTTドコモとスペースコンパス及びソフトバンクがそれぞれ実用化を目指しており、現在、両者において無線設備の技術開発等に取り組んでいるところでございます。
総務省におきましては、令和五年度から技術的条件の策定に向けた調査検討を実施しており、令和七年度に技術基準等の制度整備を行うことを予定しているところでございます。
その上で、NTTドコモとスペースコンパスが令和八年に島嶼部等をスポット的にカバーするサービスや災害時での活用を皮切りにサービスを開始する意向を示していると承知しているところでございます。
○福田(玄)委員 近い将来というか、もう目の前までサービス提供も見えているということであります。
日本では携帯網が全国に行き渡っていると思われていますが、先ほどの質問の御答弁でもありましたが、山間地や、私も広島が選挙区ですから、瀬戸内の島嶼部ではまだまだWiFiが届いていないというようなエリアがあります。そういう意味では、是非HAPSは前に進めていただきたいと思っております。
この技術では、先ほどの御答弁の中でも日本企業が先行しているという印象がございます。今からスターリンクのような衛星通信を、岡島委員からはしっかり衛星も整備してというお話がありましたけれども、なかなか一足飛びに衛星通信を整備してというのは難しいという状況があるのではないかと思っております。
その意味では、衛星と地上の間にHAPSがあれば、もはやサービスが行われる直前まで来ておりますので、安全保障上も有用であるのではないかと思います。例えばスターリンクというのはアメリカの企業でありますから、今回のトランプ大統領の関税のことを見ても、何かがあって止められたときに日本は災害でもサービスが提供できないというようなことがないようにするためにHAPSを生かしていく必要があるんだろうと思っておりますが、今後更にHAPSを前に進めていくために政府としても資金的な援助等を含めて前に進めていくようなお考えがあるのかどうか、お聞かせください。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
HAPSは、効率的なエリア化、柔軟かつ強靱な通信環境を実現するといった観点から有効な通信手段の一つであると考えておりまして、総務省におきましても、これまでHAPSの早期実用化に向けて、例えばでございますけれども、令和元年及び令和五年に開催された国際的な周波数の利用目的等を定める国際会議におきまして、HAPSが日本を含めて国際的に携帯電話用の周波数を用いることができるよう議論を主導し合意に導くといったようなことであるとか、令和二年度からHAPSに関連する通信技術の開発の支援、さらには、先ほど御答弁申し上げたとおり、技術的条件の策定に向けた調査検討等を行ってきているところでございます。
総務省といたしましても、今後、様々な取組、支援を通じて、令和八年のHAPSの実用化を目指して必要な取組を実施していきたいと考えているところでございます。
○福田(玄)委員 令和八年ということで、もう来年ですので、しっかりと前に進めていただきたいと思います。
御答弁いただきまして、ありがとうございました。
○竹内委員長 次に、中川康洋君。
○中川(康)委員 公明党の中川康洋でございます。
今日も質問の機会をいただきまして、大変にありがとうございます。
今日は、電波法及び放送法の改正案ということで何点か質問をさせていただきたいと思いますが、既に何人かの方が御質問されておりまして、重なっている部分もありますので、極力そこは省きながら質問をさせていただきたいと思います。最初に価額競争実施指針に関連して質問しようと思ったんですが、既に答弁が出ておりますので、二つ目のオークション収入の使途を限定する理由について、これは電波法に関連するものですが、ここから質問をさせていただきたいと思います。
これまでの電波利用料制度は、いわゆる受益者負担の原則から、電波の利用状況に応じてその受益者である無線局の免許人に負担を求めていたものを、電波法に限定列挙されております例えば電波監視の実施や電波の安全性調査など、電波利用共益事務全体に使うという、こういった仕組みでございました。しかし、今回導入する新たな制度では、そのオークションで得た収入を、例えば既存免許人の移行や共同利用のための改修など、六ギガヘルツを超える高い周波数帯の更なる活用促進のためにのみ使用するという仕組みとしております。そこで、伺いますが、今回の特定高周波数帯のオークションによる収入をこれまでの電波利用料制度には組み込まずにその使途を限定した理由、これについて総務省の見解を伺いたいと思います。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
電波利用料は、電波の適正な利用の確保に関し、総務大臣が無線局全体の受益を直接の目的として行う事務の処理に要する費用の財源に充てるものでございます。
一方、落札金につきましては、価額競争により六ギガヘルツを超える周波数の割当てを受けた者が負担するものであるといった性格に鑑みまして、受益と負担の関係から、総務大臣が六ギガヘルツを超える周波数の能率的な利用の増進を目的として行う事務の処理に要する費用の財源に充てることとしているところでございます。
このように、電波利用料と落札金はその使途となる事務の目的が異なることから、落札金について電波利用料とは区別して使途を限定するといったような制度になってございます。
○中川(康)委員 ありがとうございました。
今までは電波利用料は無線局全体に関わるところに使っていたという、こういった仕組みだったものを、今回は目的をより明確化するということでその方式を変えるという新たな制度だと思います。今後もこういったオークション収入によるものについては目的を明確化していくという方向性だと思いますので、そのところをまず確認させていただきました。
次に、放送法について何点か伺います。まず、中継局設備の共同利用制度と、今回の法案にあります中継局の廃止による引き続き視聴措置との関係についてお伺いをいたします。
現在、NHKと民間放送事業者は、令和五年の通常国会における放送法の改正により実施可能となりました中継局設備の共同利用について、中継局共同利用推進全国協議会を発足させるのとともに、子会社の設立などその準備を進めているところでありますが、そのような中継局の共同利用制度を進める中での、今回の地上波の基幹放送事業者が中継局を廃止する場合の受信者保護規律の整備の内容は、現在取組を進めている中継局の共同利用制度をある意味飛び越えるものであり、私は少し違和感を感じる内容だというふうに認識いたしております。また、両制度の間に果たしてお互いの整合性が取れるのかについても疑問を感じているところであります。
そこで、総務省に伺いますが、令和五年改正の中継局設備の共同利用制度と本改正案にあります中継局の廃止による引き続き視聴措置との関係性及びこの整合性について、ここのところ、総務省の見解を伺いたいと思います。
○豊嶋政府参考人 お答えをいたします。
まず、令和五年の放送法改正によりまして、中継局の維持コストの負担軽減のため、NHKと民放による中継局の共同利用が可能となりました。現在、放送事業者は、各地域の状況に応じ、この中継局の共同利用も含め、放送ネットワークの維持に向けた検討を現在進めているところでございます。
その上で、地域の人口の著しい減少といった放送を取り巻く環境の変化が続く中で、一部の小規模な中継局につきましては、共同利用を進めてもなお経済合理性の観点から維持、更新が困難となってきているというふうに認識しております。
こうした状況を踏まえまして、本法案におきましては、地上基幹放送事業者がやむを得ず中継局を廃止する際でも受信者が放送番組を引き続き視聴できるように措置する新たな努力義務を設けることとしたものでございます。
放送事業者におきましては、中継局の共同利用等により中継局の維持、更新を図りつつ、それでもなお中継局を廃止せざるを得ない場合には、本法案により導入される受信者保護規律を踏まえて適切に措置を実施することで放送ネットワークの維持に努めていただきたいというふうに考えております。
○中川(康)委員 ありがとうございました。
令和五年の改正で、共同利用制度をいわゆる法改正したわけであります。そして、民放というのはどこまでも努力義務ですから中継局を絶対設置しなきゃいかぬということはないわけでありまして、ですからNHKとの共同利用制度という新たな方向性。NHKはあまねくというようないわゆる義務がかかっていますのでそこに来たというので、その間もない中で、廃止する場合においてはCATVとかそういったところにしっかりとお願いをしていくというところは、ちょっと展開が早過ぎるんじゃないかなというふうにも感じたところがあります。しかし、それぞれの状況等を考えると、中継局をしっかりと整備していくというところ、それぞれ今、地域によって協議会が発足をされて進んでいくわけでありますけれども、それでもやむを得ず状況が厳しいところがあるという認識の中で今回の法改正がなされているのかなというふうに認識をさせていただきました。
その上で、そこについて踏み込んで質問をさせていただきたいと思いますが、中継局を廃止する場合の受信者保護措置の整備について、これも放送法に関連するところですが、伺わさせていただきます。
今回の改正案では、地上波の基幹放送事業者が中継局を仮に廃止する際には、放送番組を引き続き視聴できるようにするための措置、具体的にはケーブルテレビでありますとか配信サービスなどの有線回線による代替措置を講じるよう努力義務を課しております。しかし、この措置はあくまで努力義務でありますから、結果的に放送、民放を視聴できなくなる地域が出てくることも考えられるのではないか、このように危惧するところでありますが、この点についての総務省の見解を伺います。あわせて、将来的に、また近い将来、このような措置を行わなければならない地域は主にどのような条件の地域を想定しているのか、この点につきましても総務省の見解を伺います。
○豊嶋政府参考人 お答えいたします。
本法案におきましては、地上基幹放送事業者の小規模な中継局の維持、更新が困難となりつつある中で現状の規律では受信者を十分に保護できないこと、他方でケーブルテレビやブロードバンドが全国的に普及し放送番組の伝達手段が多様化してきていること、民間放送事業者による中継局の設置はこれまで努力義務に基づいていたことを踏まえまして、廃止する際の努力義務の規定を導入することとしております。
放送事業者におきましては規定の趣旨を踏まえて適切に対応していただきたいというふうに考えておりますが、加えて、総務省としましては、施行に当たりまして、例えばガイドラインにおきまして具体的な措置を具体化するとともに、現在各地域で協議会が設置されておりますので、ここに総務省も参加をするというような様々な手段におきまして、放送事業者が中継局を廃止する際には適切な措置を実施するように促してまいりたいと思います。
また、この法案によりまして放送事業者が講ずる措置の内容につきましては公表義務を課すという規定も設けておりまして、放送事業者には地域の受信者の皆様への説明責任をしっかり果たしていただきたいと考えております。
さらに、NHKには、他の放送事業者が行う措置の実施に必要な協力を行うということも併せて義務づけているところでございます。
これらの仕組みを併せながら受信者保護規律の実効性を確保してまいりたいと思います。
なお、具体的な対象地域につきましては、今現在各地域の放送事業者において検討が進められているところでございますので、確定をしているところではございませんけれども、例えば、中継局によりカバーされる世帯数が例えば数百世帯以下とかと極めて少なくなってきており、かつ現在広く普及しているケーブルテレビあるいはブロードバンドが利用可能な地域につきまして、地域の受信者の皆様の理解を得た上で今回の措置が行われることを想定しております。
○中川(康)委員 ありがとうございました。
ここはやはりしっかりと公表しながら、また協議会等を行いながら、視聴者に対してそごが生じないように、また不利にならないように配慮をお願いしたい。例えば、私、地元は三重県の北部ですけれども、ケーブルテレビが非常に普及しております。九割を超えておりまして、そういったところなんかは将来的にいけるんじゃないかなと思うんですが、しかし残り一割のところに対してはどういう対応をしていくのか、こういったところもきめ細やかな御対応をお願いしたいと思います。
そうしたら、次に、今質問があって重なるんですが、私もHAPSの件につきましては大変に興味を持っておりますので、このところ、重なる内容になりますが、お伺いをさせていただきたいと思います。
今回の改正案では、実用化に向けて、これまでの陸上であったものに成層圏以下の空域を追加しております。そして、現在ソフトバンクやスペースコンパスなどが開発しているHAPSは、自然災害時とか島嶼部における通信の確保、さらには将来的には高速大容量のサービスの全国展開においてその活用が大変期待をされております。そこで、総務省に伺いますが、この災害時等にも大変有効な通信手段となるHAPSの実用化に向けての進捗状況、重なっての質問になりますが、お伺いをしたいと思います。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
HAPSにつきましては、NTTドコモとスペースコンパス及びソフトバンクがそれぞれ実用化を目指しており、現在、両者におきまして関連する技術開発等に取り組んでいるところでございます。
総務省におきましては、令和五年度からの技術的条件の策定に向けた調査検討を経て、令和七年度には技術基準等の制度整備について行うということを予定しているところでございます。
その上で、NTTドコモとスペースコンパスにつきましては、令和八年に島嶼部等をスポット的にカバーするサービス、また災害時での活用、こういったことを皮切りにサービスを開始する意向を示していると承知しているところでございます。
○中川(康)委員 ありがとうございました。令和八年度というお話をいただいて、非常に期待をするところであります。
私は、特に災害時に地上波が使えなくなるという状況、能登でも非常に散見をされました。そのときにHAPSを活用するということは非常に大事な視点だと思いますので、早期の実用化、ここをお願いしたいと思います。
最後に、情報流通プラットフォーム対処法、いわゆる情プラ法についてお伺いをいたします。
誹謗中傷など不適切な投稿への迅速な対応を大規模プラットフォーム事業者に義務づける情プラ法が四月一日に施行されました。この施行によりSNS上の悪質な誹謗中傷がなくなることを願うのとともに、国民の平穏な生活が守られることを願うばかりであります。
しかし、今回の改正では、他者に対する誹謗中傷や著名人に成り済ました偽広告などの権利侵害情報に対する削除対応の迅速化は義務化されておりますが、例えば闇バイト情報などの違法情報や災害時の虚偽の救助要請など、明らかに違法とは言い切れない有害情報への対策については、大規模プラットフォーム事業者自らによる運用状況の透明化の義務づけ、ここにとどまっております。
現在、総務省並びに有識者会議では、こうした投稿についても行政機関の要請に基づいてSNS事業者に削除を促す措置などの検討や、大規模プラットフォーム事業者も参画してのICTリテラシー向上に関する官民連携プロジェクトを開始しておりますが、表現の自由とのバランスもしっかりと考える中、更に実効性ある対処を行っていくために総務省としては今後どのような取組を深めていこうとしているのか、このところ、見解をお伺いしたいと思います。
○玉田政府参考人 お答え申し上げます。
SNS等のインターネット上の違法、有害情報は、短時間で広範に流通、拡散し、国民生活や社会経済活動に重大な影響を及ぼし得る深刻な課題であると認識してございます。
このため、総務省では、SNS等の健全な利用環境の確保に向けまして、制度的な対応、幅広い世代のリテラシー向上、対策技術の研究開発等の総合的な対策を進めております。
まず、制度的な対応につきましては、御指摘がございました本年四月一日に施行されました情報流通プラットフォーム対処法の適切な運用にしっかりと取り組んでまいります。
また、違法、有害情報対策には国民一人一人のリテラシーの向上が必要不可欠でございます。このため、総務省では、本年一月に立ち上げました普及啓発プロジェクト、デジタルポジティブアクションを通じまして、官民の取組などを集約したプロジェクトのウェブサイトの立ち上げと充実、多様な関係者によるセミナー、シンポジウム等の開催、普及啓発のため対象年齢やトピックに応じた多様な教材の作成と活用などに官民連携して取り組んでおります。
さらに、生成AIによる偽・誤情報の流通、拡散に技術的に対応することも重要でございまして、対策技術の開発、実証を推進し、更にその高度化を進めてまいります。
総務省では、インターネット上の違法、有害情報等につきまして、国際的な動向も踏まえつつ、表現の自由に十分配慮しながら、引き続き、制度的な対応を含め、総合的な対策を積極的に進めてまいります。
○中川(康)委員 ありがとうございました。
この件については、総務委員会で村上大臣ともやり取りをさせていただきましたが、表現の自由とのバランスはありますけれども、より実効性のある内容を引き続き御検討いただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
以上で終わります。ありがとうございました。
○竹内委員長 次に、高井崇志君。
○高井委員 れいわ新選組の高井崇志でございます。
今日は二十分、質問の機会をいただき、ありがとうございます。
まず、法案の審議に入る前に、玉田総括審議官に過去三回ぐらい質問通告をして空振りに終わっておりますので、私、ずっと聞きたかったことなので最初に聞かせていただきます。
私は総務省の出身でございまして、旧郵政省からずっと、情報通信行政を十三年間、総務省でやってまいりました。その頃から、郵政省のときは通産省ですね、その後、経済産業省になってからも、総務省と経済産業省が情報通信行政を両方でやっている。経済産業省は商務情報政策局ですね、そこが中心にやっているわけですが。
ここがやはりちょっと、一緒になった方がいいんじゃないかということをずっとこの国会でも訴えてきて、当時、菅官房長官のときに、菅さんならやれるんじゃないかと思って、私は内閣委員会でそのことをかなり強く訴えました。菅さんは、前向きな答弁はなかなかしませんでしたけれども、お顔を見ていると、かなり、うんうんとうなずいていただいて、理解していただいているようで。その後、デジタル庁ができたわけです。そういう意味では私は、デジタル庁をつくるに至った一つの、私の提案が受け入れられたと思っているんですが。ただ、そのデジタル庁がまたちょっと今不十分だと私は思っていまして、結局、デジタル庁と総務省と経済産業省がそれぞれ残って今度は二重行政が三重行政になっている、そんなふうな気がいたします。
ここは思い切って、デジタル庁と総務省と経済産業省の情報通信部局が一緒になって情報通信省をつくるぐらい、やはりIT政策というのはこれから強く進めていかなきゃいけない分野だと思いますが、ずっとこの分野で働いてこられた総務省の玉田総括審議官のお考えということで結構ですので、是非お聞かせください。
○玉田政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘のデジタル庁は、デジタル社会の形成に関します司令塔としまして、各府省が共通で利用する情報システムの整備、運用、マイナンバー関連業務及び自治体システムの標準化、共通化についての政府全体の方針の策定や推進などを担っていると承知しております。
情報通信技術は、人々のコミュニケーションはもとより、企業の業務効率化や事業継続性の確保、災害時の安全、安心の提供などにとって不可欠な社会経済活動の基盤となっており、その活用に各省連携して取り組んでいるところでございます。
総務省としては、これまで、光ファイバー、5G等のデジタルインフラの整備、デジタル技術の活用による地域課題解決の支援を始め、基盤整備から活用まで幅広い政策課題に取り組んできたところでございます。
これに加えまして、昨今では、SNS等のインターネット上の誹謗中傷、偽・誤情報の拡散、流通が社会的課題になっていることから、情報流通プラットフォーム対処法の適切な運用とともに、対策技術の研究開発、実証、幅広い世代のリテラシーの向上など、デジタル空間の健全性の確保にも取り組むなど、その時々の政策課題に機動的に取り組んでおります。
今後とも、総務省としましては、デジタル庁を始めとする関係省庁としっかり連携しながら機動的かつ総合的に情報通信行政に取り組んでまいります。
○高井委員 こういう場でなかなか本音は言えないでしょうけれども、まあ、建前の答弁だと思いますね。
デジタル庁の幹部名簿とかを見ても、兼務が多くて、デジタル庁にいるんだか総務省にいるんだか経産省にいるんだかよく分からないんですよ。民間の人にとっても誰がやっているんだというのがよく分かりにくいし、私はやはりちょっとうまくいっていない面の方が大きいと思いますので、是非総務省で働く皆さんは、一年、二年でできることじゃないかもしれませんけれども、いずれ情報通信省をつくるんだ、そのくらいの気概で働いていただきたい、そして三者の連携もよりよくしていきたい。現状のままでいいとは全く思えませんので、是非これは問題提起をしておきます。
それでは、法案の中身に入りますが、先ほどから電波オークションの話がたくさん出ております。
電波オークションというのは、二〇〇九年、政権交代したときに民主党政権が最初に言い出した。当時はすごく盛り上がっていたんですね。海外も電波オークションで物すごく収益を上げて、携帯電話がどんどん伸びていた時代で。ところが、総務省は一貫して反対の姿勢を取ってきました。そこから何となく下火になって誰も電波オークションのことなんか言わなくなった頃に、ようやく今頃、電波オークションが入ると聞いて、私はびっくりしているんですけれども。
れいわ新選組としては反対です、電波オークションは。そういったオークションというやり方によって、結局、資金が大きいところにだけ電波が割り当てられて、小規模なところには電波が割り当てられない。そうなると、特に地方なんかで小さな放送局もそうだし、放送局は今回は関係ないかもしれませんけれども、情報発信の主体が小規模なところにいかない、そのことが結局、都市部中心の情報発信になって過疎地とか地方が取り残される、そういうことにつながると思いますので私はこの制度は反対いたしますが、私が今申し上げた点、大臣はいかがお考えでしょうか。
○村上国務大臣 高井委員の御認識どおり、今回の法改正は六ギガヘルツを超える高い周波数帯において新たな周波数割当て方式を導入するものであり、放送用の周波数は対象となっておりません。
放送用周波数につきましては、事業計画の実施の確実性や放送対象地域内の世帯カバー率などを総合的に評価して割り当てており、これによって全国的に放送を受信できる環境が整備されております。
これに対して、放送用周波数において金銭の多寡による評価を行うオークションを行う場合には、今委員御指摘のように、地方の情報発信を担うローカル局を含めて事業者が放送を継続できるかという課題もある、そのように認識しております。
○高井委員 放送会社だけじゃないと思いますけれどもね、情報発信の主体というのは。そういう意味では今回の制度だって、小規模事業者が応札できないということは、同じような、地方、過疎地に対する情報発信が手薄になるというおそれは引き続きあるんだろうと思います。
放送のことをおっしゃったので私も、でも地方放送局については非常に大きな、これも十年、二十年前からの懸念でありますが、日本というのは本当に特異なというか、電波の関係でそれぞれの地方ごとにローカル局というのがあって、しかしローカル局では独自の番組制作というのをできる体制が資金力も人員も整わないので、キー局という東京の大きな局が番組を作ってそれを半分以上流しているという、かなり特異な体質だと思うんですね。でも、その体質をもってしても地方局は独自の番組制作がどんどんできなくなっているという状況は、これは長年の課題なんですけれども、そろそろここで、私は、大きな転換点、変更策を総務省は考えなきゃいけないところに来ているんじゃないかと思います。
私、総務委員会の筆頭理事だったときに、視察でヨーロッパにこの委員会で行きました。スイス、スペイン、それからフィンランド、山口さんも一緒に行きましたけれども。行ったんですが、そのときに、公的な資金供給の在り方というのは、公共放送だけじゃなくて、各国でいろいろな工夫をしていました。
日本の場合、民放は民間だけで全部コマーシャルでやる。でも、そのことがやはり弊害を生んでいて、結局、スポンサー重視、お金を持っている大企業に反する報道ができないみたいなことが様々な日本の放送業界へのいろいろな問題も引き起こしているわけですから、私はここは、公的資金を投入してでも放送というものをしっかり守るということを、私は総務省は本気で考えるべきだと思いますが、村上大臣ならそのくらい、地方選出の議員でもありますし、そのくらい思い切ったことを是非、村上大臣のときに完成はしなくても問題意識をつけるぐらいのことを是非やっていただきたいと思いますが、大臣、いかがですか。
○村上国務大臣 実は私も地元のあるテレビ放送局にちょっと関係しておりまして、委員のおっしゃることは、よく意味は分かっているつもりであります。
ただ、近年、広告収入が減少するなど、特に地方の民間放送事業者の経営環境が厳しくなっていることは私もよく認識しております。
こういった状況に対応するため、総務省としましては、令和五年の放送法改正により、中継局の維持コストの負担軽減のために、NHKと民放による中継局の共同利用を可能とする制度改正を行ったところであります。
各地域の放送事業者におきましては、この中継局の共同利用、加えてケーブルテレビや配信サービスによる地上波放送の代替も含めて、放送ネットワークの維持が効率的に実施できるよう検討が進められていくものと考えておりますし、そういうようにしたいと考えております。
さらに、一の者が保有することができる放送局の数の制限を緩和し、資本連携や経営統合をより柔軟にできるように制度整備を行ってきたところであります。
これらを含めまして、地方の民間放送事業者自らが経営基盤強化を図ることで、災害や地域に密着した公共性の高い情報などをあまねく提供する放送の重要な役割を引き続き果たしていただきたいと考えております。総務省としましては、これらの措置の効果や放送事業者の現状も踏まえつつ、放送事業者の経営基盤強化について不断に検討し努力していきたい、そういうふうに考えております。
○高井委員 愛媛の放送局はどうか知りませんけれども、岡山のときは大体が天下りなんですよね。キー局の人が社長に来る、そういう支配関係もあります。でも、手をつけようと思うと実はなかなか難しかったのは、日枝さんのような大物の民放の社長がいて、それが安倍総理と仲がよかったりして、なかなかこれは難しかったんですけれども。今がチャンスなんじゃないですかね、日枝さんもいなくなりますし、そういったことを反対する人たちというのは少ないように思います。そういう意味では、総務大臣がまさにリーダーシップを取ってまずは私的な勉強会から始めるぐらいのことを、誰かが問題提起しないと、ずるずる今のままいけばどんどんどんどんローカル局は細っていくだけで、これが地方の情報発信にとって非常にマイナスだと思いますので、是非大臣にはお考えいただきたいと思います。
それでは、今フジテレビの話になりましたので、この話もしたいと思うんですが、先般大臣は、四月三日ですかね、行政指導をフジテレビに出しています。
私、過去の行政指導を調べたんですけれども、少なくとも過去三年、大臣名で出したという例はないんですね。局長であったり、あるいは地方局から出している行政指導というのはあるんですけれども、大臣名で行政指導を過去に行ったことはあるんですか。あるなら件数を教えてください。それから、今回のフジテレビに対する行政指導は経営全般のかなり広範な中身にわたった行政指導なんですが、こういう例も過去にあるんですか。教えてください。
○豊嶋政府参考人 お答えをいたします。
今委員御指摘がありました大臣名による行政指導でございますけれども、過去五年間においてはそういう事例はございませんで、更に遡りますと、約十年前にNHKのクローズアップ現代の案件につきまして大臣名で指導した事例がございます。加えまして、三十年遡って確認できる限りでやったところ、平成六年から三十年間を見たところ、大臣名のものが十五件あったというふうに存じております。
その中で、いわゆる経営全般にわたる指導の案件としては、これも確認できる限りでございますけれども、一例としまして、平成五年、これはフジテレビと同様の事例ではないんですけれども、平成五年にテレビ朝日の前身である全国朝日放送の当時の報道局長が放送法に定める政治的公平の規定に違反した放送を行ったと疑われる事案がございましたけれども、その際は、放送に携わる責任のある者の発言により引き起こされたことに鑑みて、役職員の人事管理等を含む経営管理の面で問題があったということで、平成六年に当時の郵政省が同社に対して厳重注意を行ったという事実はございます。
以上でございます。
○高井委員 今のは椿事件という有名な、政界を揺るがすような大スキャンダルでしたから、でも、それ以来ということだと思いますよ。大臣名でこういう行政指導が、これも極めて重い行政指導だということを、もっとマスコミもちゃんと報道してほしいと思いますね。
私はもう一つ疑問なのは、事前に公表しなかったですよね。すごくテレビを見て違和感を覚えたのは、社長がこそこそっと入って、何をしに来たんですか、言えませんみたいなね。ああいうことは過去にあるんですか。私の記憶ではあんなシーンを見たことがないんですが、あるんですか。
○豊嶋政府参考人 お答えをいたします。
放送事業者に対する行政指導におきましては、一般的に行政指導の実施後速やかに報道発表を行ってきたところでございます。
本事案に関しましても、事実関係及びそれを踏まえた総務省の対応につきまして国民の皆様に正確に知っていただくことが重要であるというふうに考えておりますので、これまでと同様に行政指導の実施後速やかに報道発表を行うとともに、記者に対する説明の場を設けたというものでございます。
○高井委員 私が過去、大体、行政指導は指導する場を、局長から渡したり大臣から渡したりみたいなところを映していますよね。非常に違和感を感じました。
大臣名の行政指導文書で、再発防止に向けた取組が十分でないと認められる場合には、貴社が、フジテレビが真摯に取り組むよう必要な措置を求めることがある、最後にこういうふうに書いていますが、どのような措置を想定しているのか。大臣、お答えください。
○村上国務大臣 御高承のように、今回の事態は誠に言語道断でありまして、放送業界全体の問題として、総務省も本腰を入れて対応していく覚悟であります。
その上で、今回の事態は放送事業者による自主自律を基本とする放送法の枠組みを揺るがすものであり、放送法の目的に照らし極めて遺憾であると考えております。
そのため、四月三日にフジテレビ及びフジ・メディア・ホールディングスに対して総務大臣名の文書により厳重注意を行い、その中で、同社の再発防止に向けた取組の具体化については四月中に、その実施状況については三か月以内に、それぞれ国民・視聴者及びスポンサー等の関係者に対してその内容を明らかにするとともに、総務省に報告することを求めたところであります。
委員のお尋ねどおり、厳重注意の文書には、再発防止に向けた取組が十分でないと認められる場合には貴社が真摯に取り組むよう必要な措置を求めることがあると記載しました。まずは、同じような事態が絶対に繰り返されることのないよう、社を挙げて全力で取り組んでいただきたいと考えております。
その上で、残念ながら両社からの報告では再発防止に向けた取組が不十分であると考えられる場合には、その時点における報告の内容や状況等を踏まえてフジテレビが真摯に取り組むようにする観点から必要な措置の内容を検討するものであり、そういう面におきまして、両社の取組を見てからでありますので、現時点においては予断を持ってお答えすることはできません。
○高井委員 免許の停止あるいは免許取消しも可能性としてはあり得るんですか。
○村上国務大臣 今も申し上げたように、両社の対応を見てから判断いたしますので、現時点においては何も申すことはできません。
○高井委員 慎重な御答弁ですね。
では、最後、もう一問だけ聞きます。大臣、率直に、フジテレビのどこに一番問題があって、その問題を改善するにはどうすべきだと大臣はお考えですか。
○村上国務大臣 まず、放送事業者は本来、公共性や言論報道に関わる社会的責任を有しておりまして、高い倫理観や正義感が求められているにもかかわらず、これが欠如したということは大変に遺憾であると考えております。
今回の事態は、第三者委員会の報告書において人権意識の低い企業体質や思慮の浅い経営判断の誤りを犯したといったフジテレビの経営の在り方についてまで指摘がなされているものと認識しております。
そういう面におきまして、フジテレビ及びフジ・メディア・ホールディングスにおいて、今回の事態を厳粛に受け止め、放送法の基本理念に立ち返り、国民・視聴者及びスポンサー等の関係者の信頼回復に社を挙げて全力で取り組んでいただきたい、そのように考えております。
そのためには、両社において、特に、経営陣の意識改革を進め、企業体質を抜本的に改める取組が必要である、そのように考えております。
今申し上げたように、厳重注意文書において真剣に取り組むようにしていただきたいということを書いてありますことも念頭に置いて真剣に取り組んでいただきたい、そのように考えております。
○高井委員 時間になったので終わります。
元上司の湯本局長には質問できなくて申し訳ありませんでした。
以上で終わります。ありがとうございます。
○竹内委員長 次に、辰巳孝太郎君。
○辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
本法案では、これまで利用が進んでいなかった高い周波数帯、いわゆるミリ波と言われる周波数帯のうち、二十六ギガヘルツと四十ギガヘルツの割当てにおいて、新たな周波数割当て方式としてオークションを導入するというものであります。限られた資源である電波は国民共有の財産でありまして、国民の理解の下、公平に割り当てられ、有効利用がなされる必要があると私たちは考えております。まず、確認しますけれども、この二十六ギガヘルツと四十ギガヘルツの割当てをオークションにする理由というのは何なんでしょう。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
近年、電波の利用が急速に進むにつれ、電波が逼迫した状態となっているため、比較的空いている六ギガヘルツを超える高い周波数帯の活用を進め、電波の逼迫の解消につなげることが必要となっているところでございます。
さらに、六ギガヘルツを超える高い周波数帯の利用技術が進展したことによって、今後、新規サービスの創出等を通じた我が国の持続的な経済成長や競争力強化への貢献も期待できるところでございます。
こうした状況を踏まえまして、総務省におきましては、有識者会議における会合を開催し、六ギガヘルツを超える高い周波数帯の活用促進のための方策等について検討を進めてまいりました。
その中で、六ギガヘルツを超える高い周波数帯の活用を促進するためには、周波数を割り当てる者に求める条件を極力少なくして、専ら金額の多寡のみで評価する価額競争による新たな周波数割当て方式を導入することが有効であるとの結論に至り、今回の法案を提出することといたしました。
○辰巳委員 続けて聞くんですけれども、このオークションに参加する条件というのはあるんでしょうか。
○湯本政府参考人 価額競争における参加資格につきましては、総務大臣が価額競争の実施に関する指針において個別具体的に定めることとしております。
本法案が成立した暁には指針において検討を進めてまいるものと思いますが、委員から御質問がありました参加の条件といたしましては、例えばでございますけれども、電波法上の罪を犯して二年を経過しない者など電波法上の欠格事由に該当しないことや、反社会的組織に属していないことなどを設けることが想定されます。
また、より幅広い事業者の参入による市場の活性化や、特定の事業者への過度な割当ての集中を避けるといった観点から、例えば特定の周波数帯の価額競争への参加資格として新規参入であることを定める、そういったことも想定されるところでございます。
○辰巳委員 多くの事業者の参加で多様なサービスの展開を行って高周波数帯の利用を開拓していきたいんだ、こういう話だと思うんですね。ただ、オークションということは、入札又は競りによって最も高い価額を申し出た者に対して利用権を認めるということになるわけですので、経済的価値が利用者を選定する唯一の基準というふうになるわけですね。そうなると、結局は、より高額の落札額を出せる事業者が最終的には落札するということになって、電波を活用して事業を行いたいといっても、資本力が弱ければ、脆弱であれば排除されるということになります。
電波利用について、公共性に対する考慮というのを私たちはやはり必要だというふうに考えているんですね。入札参加事業者に、従来の比較審査方式で条件とされる整備計画あるいは通信網の開放、これも求めるべきではないかと思うんですけれども、いかがですか。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
周波数の割当てにつきましては、それぞれの周波数の特性又はニーズ等を踏まえて、電波の公平かつ能率的な利用の確保に最も資すると考えられる手法を採用するといったような考え方をしております。
そのため、伝送距離が長いなどの特性を生かして全国的なエリアカバーを重視して割り当てることが電波の有効利用に適当であると認められるような場合には、委員御指摘のような、従来の割当て方式を採用することとなるというふうに考えているところでございます。
一方で、六ギガヘルツを超える高い周波数帯におきましては、先ほど御答弁申し上げたとおり、その活用を促進するといった観点からは、求める条件を極力少なくし、創意工夫を重視して割り当てるといったことが電波の有効利用に適当であると認められるような場合には、今回導入する価額競争による割当て方式を採用することとなると考えているところでございます。
○辰巳委員 何かちょっと聞いたこととずれるんですよね。今回のでも採用することはできるんじゃないかというふうにも思いますね。一定地域における高周波数帯の割当てでやっても、公共性に対する考慮がやはり求められると思うんです。具体的な制度は、政府の政治的な判断にそれこそ白紙委任するということだと思うんですね。現在は利用が少ないミリ波帯を中心とする高周波数帯を民間資本を集中的に投入して利用開拓を進めるということになっていくと思うんですけれども、結局は電波の公共性は一定犠牲にせざるを得なくなるということへの懸念があります。国民共有の財産である電波の公共利用に反すると言わなければならないと思うんですね。
法案では、成層圏に飛行させる無人機、HAPSですね、これを携帯電話の基地局として実用化、商用化するための免許を与えるという規定を設けるということもあります。確認しますけれども、HAPSの実用化、商用化の目的を説明していただけますか。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
HAPSとは、高度二十キロから五十キロまでの成層圏を飛行する無人航空機等に携帯電話基地局を搭載したものであり、HAPSが実用化し、陸上の携帯電話基地局と一体的に運用することで、離島、海上、山間部も含め効率的にエリア化することが可能になると見込まれているところでございます。
HAPSは、地上のネットワーク等が被災した場合におきましても携帯電話サービスの提供が可能であることから、地理的要因や災害の影響を受けにくい柔軟かつ強靱な通信環境の実現に貢献すると期待されているところでございます。
HAPSを実用化することを通じまして、こうした効率的なエリア化、柔軟かつ強靱な通信環境の確保を目指すものと理解してございます。
○辰巳委員 続けて聞くんですけれども、HAPSなんですが、実用化にはまだハードルがある、海外でも実用化、商用化した例はほとんどないと聞いているんですけれども、これはいかがですか。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、海外においてHAPSを実用化したとの実例は承知してございません。一方で、先ほど申し上げましたとおり、HAPSが実現することで、離島、海上、山間部を含め効率的な携帯電話のエリア化を実現し、災害の影響を受けにくい通信環境が実現できると期待されているところでございます。
我が国におきましては早期のHAPS実用化に向けて複数の事業者が取組を進めておりまして、NTTドコモとスペースコンパス社におきましては令和八年に、島嶼部等をスポット的にカバーするサービス、また災害時での活用を開始する予定となっているところでございます。
○辰巳委員 HAPSはまだ開発途上の技術である、NTTやソフトバンクが計画しているような、飛行翼を持ったタイプでの先行する事例も今のところはありません。幾つかのハードルを越えていかなければならないという状況なんですね。
我が党は、国民の利便性に資する技術の開発に対してはもちろん否定するものではありません。ただ、ミリ波を含むビヨンド5GやHAPSによる高速大容量での低遅延の通信といった、次世代通信に対して注目をしているというのは今紹介いただいたような民間企業だけではないということなんですね。
一般社団法人防衛技術協会が発行している防衛技術ジャーナル二〇二二年の二月号で、「ミリ波通信ネットワーク技術」という防衛装備庁職員による論文が掲載をされております。ここには、ミリ波通信等による高速大容量長距離ネットワークの実現を目指す研究を進めているというふうに記述がされております。
防衛省に確認しますけれども、ミリ波による通信を含む次世代通信技術は、今後、防衛上、安全保障上重要な技術ということなんでしょうか。
○上田政府参考人 お答え申し上げます。
国家安全保障戦略、国家防衛戦略、防衛力整備計画の下で、現在、防衛力の抜本的な強化を進めておるところでございますが、これを支えるためには情報通信基盤の強化が必要と考えてございます。そのため、通信に関する様々な技術も含めまして、次世代情報通信技術をしっかりと活用していきたいと考えてございます。
○辰巳委員 そういうことなんでしょうね。
昨年、二〇二四年の一月三十日に開かれた情報通信審議会情報技術分科会技術戦略委員会、これの第四十四回で、防衛省の防衛政策局戦略企画参事官付企画官がこう言っています。防衛省としては最先端の通信技術を貪欲に防衛力に取り込むため日々検討作業を重ねている、省内において民間分野における情報通信技術の急激な進展の成果を防衛力に活用していくため二〇二三年の夏に次官をヘッドとする次世代情報通信技術導入推進委員会を設置した、こう述べているんですね。その上で、民間企業も相当の知見を持っているので民間企業とも連携をして行っているというふうに述べられました。
最先端の通信技術を貪欲に防衛力に取り込むため日々検討作業を重ねているというのは、具体的にはどういうことなんでしょうか。
○上田政府参考人 お答え申し上げます。
国家防衛戦略におきまして、我が国の防衛体制の強化においては、先進的な技術に裏づけられた新しい戦い方が勝敗を決する時代において、先端技術を防衛目的で活用することが死活的に重要となっていると規定してございます。そして、その上で、先端技術の研究開発を防衛目的に活用していく、そういった記述がございます。
こうした方針に基づきまして、通信の分野におきましても、抗堪性のある通信、システム、ネットワーク及びデータ基盤を構築するためには、委員御指摘のような次世代情報通信技術の活用、これを積極的に活用していくことが重要と考えてございますので、委員御指摘の防衛省職員の発言というのはこうした趣旨を申し上げたものということでございます。
○辰巳委員 続けて聞くんですけれどもね。先ほどの第四十四回の技術戦略委員会の中で防衛省が示した資料があるんですけれども、その中にHAPSもあるんですね。つまり、そうした技術も含めて次世代情報通信技術として貪欲に防衛力に取り込むため日々検討作業を重ねている、こういう話ですか。
○上田政府参考人 お答え申し上げます。
防衛省が活用を考えてございます先端技術の一つとしまして、委員御指摘のHAPS、成層圏プラットフォーム、これを活用した通信の実証を行う調査研究事業を現在行っているところでございます。
○辰巳委員 調査研究という話が今ありましたけれども、HAPSを活用した通信の実証を伴う調査研究の仕様書を防衛省に提出してもらいました。事業を委託しているんですね。これはNTTコミュニケーションズが落札をしております。実証試験の必要性及び概要等、この仕様書の中にあるものを読み上げていただけますか。
○上田政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の成層圏プラットフォーム、HAPSを活用した通信の実証を伴う調査研究事業の仕様書三の一、実証試験の必要性及び概要等の部分につきましては、このように書かれております。
防衛省・自衛隊において領域横断作戦での優位性を確保するためには、複数の通信網を利用する等により通信の抗堪性を向上させることが喫緊の課題である。また、島嶼部への攻撃に対し、我が国の地理的な特性を踏まえつつ、必要な部隊(人員、装備、補給品等)を迅速に機動展開するためには、機動展開能力の高い部隊運用が求められている。このような状況への対処として、HAPSによる通信網の抗堪性の向上は有効と考えられる。また、電気通信事業者がHAPSを中継装置として活用した5GスタンドアローンやLTEなどの所要通信サービスの展開を予定している。これにより、島嶼部などの不感地帯において軽量・小型化された一般所要端末や各種センサーを活用また応用することで、部隊の機動展開能力の向上が期待できる。このため、HAPSを活用した通信網の抗堪性や部隊における機動展開能力の向上への寄与を分析・評価しHAPS活用の有効性を確認すると記載されてございます。
○辰巳委員 今読み上げていただいたところに島嶼部との記載があるんですけれども、この島嶼部の中にいわゆる南西諸島というのは含まれているんでしょうか。
○上田政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま申し上げました島嶼部には、南西諸島を含めまして、我が国の島嶼部が含まれてございます。
○辰巳委員 つまり、今まだ民間ではなかなか実用化、商用化できていないHAPS、これをもう既に防衛省が先取りというような形で、有事、台湾有事でしょう、これに備えて南西諸島の、それこそ今地域住民の皆さんが懸念されているのが軍事要塞化だと思いますけれども、防衛省の今の動きは、ここを戦場として想定して次世代通信を活用していくんだ、それが表れているんじゃないかというふうに思います。私は、住民が戦争に巻き込まれかねないと危機感を募らせている中、今の動きというのはそれを補完するものと言わなければならないというふうに思います。
聞きますけれども、仕様書には調査報告書の納期が本年三月末となっているんですけれども、これは提出されたんでしょうか。
○上田政府参考人 お答え申し上げます。
当該調査研究事業でございますが、令和五年度からの二年間の事業として行う計画でございましたが、現在、機体トラブル等の影響がございまして、事業工程に遅延が発生しております。現時点においては、成果物たる最終成果報告書はまだ受領していないところでございます。
○辰巳委員 調査の内容については、国民に隠すことなく公表を求めていきたいと思うんですね。
最後に大臣にお伺いするんですけれども、総務省の方に戻りますけれども、総務省の技術戦略委員会の報告書というのがあるんですが、ここで、総務省は安全保障を含む公共領域におけるシステムでのビヨンド5Gの活用に向けた橋渡しを図る、こう記載をされているんですね。総務省として、民間の開発とまさに防衛省の研究、協力、それの橋渡しを行うということなんでしょうか。
○村上国務大臣 辰巳委員御指摘の昨年六月の情報通信審議会の答申は、ビヨンド5Gの早期実現の方策について提言をいただいたものであります。
その答申の中で、委員御指摘の記載は、総務省が安全保障を含む公共領域におけるビヨンド5Gの活用ニーズを把握し、産業界に共有することにより早期普及につなげることを意図したものと認識しております。
以上であります。
○辰巳委員 国民の利便性を図ると民間に開拓させたインフラ技術を、有事となれば、軍事利用することを優先することになりかねないと思います。総務省はそういう橋渡しをやるなということを申し上げて、私の質問を終わります。
以上です。
○竹内委員長 この際、暫時休憩いたします。
午後零時五分休憩
――――◇―――――
午後三時二十一分開議
○竹内委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。武正公一君。
○武正委員 立憲民主党の武正公一です。
最後のバッターということで、質疑をさせていただきます。
委員長、あるいは理事、また委員の皆さんの御配慮に感謝を申し上げたいと思います。
お手元の方に資料をお配りさせていただいております。いわゆる電波オークションにつきましては、こちらは議法ということで右側に書いておりますように、二〇〇三年以来、過去五回、議員立法を提出してまいりました。最後は電波の見える化法案ということで、二〇一七年ということでございます。また、民主党政権時代も閣法として提出をしてきた経緯があるということでありまして、併せて通信・放送委員会設置法案、日本版FCCの法案も逐一提出をしてまいりました。
当時、民主党案と言われるオークション法案については当初は放送も含めておりましたが、二回目からは放送を除外いたしましたのは、放送の独立あるいは報道の自由に対する配慮ということでございました。また、通信・放送委員会については、例えばオークションをどこでやるのか、あるいはまた電波利用料額を総務大臣が決めるのではなくて第三者機関が決めるのがいいのではないか、電波に関わる振興とルールを決める規律は切り分けよう、また、NHKの会長人事なども大きく国会でも取り上げられましたが、NHKに関することも第三者委員会に置くべし、こういうような案を逐次、この間、二十三年にわたりますが出してきたという中で、今回の電波法改正ということになったわけでございます。
二〇〇二年四月に当時の片山虎之助総務大臣とこの総務委員会で私の方の質疑で電波の経済的価値を認める答弁があってから、今回の電波オークションに関わる法案が政府から提出されるまで、歴代総務大臣は電波オークションをずっと否定し続けてこられましたが、今国会に提出に至った経緯について総務大臣に伺いたいと思います。
○村上国務大臣 武正委員の御質問にお答え申し上げます。
近年、電波利用が急速に進むにつれまして、電波が逼迫した状態となっているために、比較的空いている六ギガヘルツを超える高い周波数帯の活用を進め、電波の逼迫の解消につなげることが必要になってきております。
さらに、六ギガヘルツを超える高い周波数帯の利用技術が進展してきたことによりまして、今後、新規サービスの創出等を通じた我が国の持続的な経済成長や競争力強化への貢献も期待できるわけであります。
もっとも、高い周波数の特性としまして、伝送できる情報量が多い一方で、伝送距離が短く、利用のために高度な技術を必要とするため、現状ではスポット的な利用を前提として、様々な利活用方策が試行錯誤されている状況にございます。
こうした中で、総務省の有識者会議での検討を踏まえまして、割り当てる者に求める条件を極力少なくしつつ、多種多様なサービスを提供する者の中から最も電波を有効に利用できるものを決定する方式として、専ら金額の多寡のみで評価する価額競争による新たな周波数割当て方式を導入することが有効であるという結論に至ったわけであります。そういうことで今回の法案を提出することに至りました。
以上であります。
○武正委員 政府にあっては、規制改革会議で電波オークションの検討、こうしたことがあったり、今回の法案提出に当たっては審議会での答申というかそういった方向性が打ち出される経緯、また、令和四年九月でありますが、新たな携帯電話用周波数の割当て方式に関する検討会取りまとめに対する意見募集の結果及び意見に対する考え方で、それまで電波オークションに慎重であったNTTドコモ、KDDI、ソフトバンク、これがおおむね賛成ということで、楽天モバイルさんは資金力のあるところがどうしても落としてしまうのではないかということで慎重な意見ということでありましたが、そういったところがあり、令和四年十一月、令和五年六月、当時の松本剛明総務大臣がミリ波帯オークション導入検討を参議院において答弁というような流れの中で今日を迎えているということかと思います。
ただ、二〇一七年十月時点でありますが、既にオークション導入は七十七か国に及び、当時はOECD三十五か国中三十四か国で導入。日本だけが導入をずっと拒んできたという中からすると、法改正は歓迎をするものとはいえ、やはりもっと早くできたのではないかと考えるところでございます。そこで、今日も取り上げられておりますが、いわゆる高騰対策、これについてどういったことがなされていくのか、政務官、よろしくお願いいたします。
○川崎大臣政務官 お答えいたします。
委員が御指摘をいただきました落札の高騰対策については、海外でも様々な事例がございます。
一例を申し上げますと、例えばセカンドプライシングといった方法、こうしたものはイギリスやカナダで導入をされております。
また、そのほかに、周波数のキャップ方式、こうしたものはオランダやオーストリアにて設けられております。
それ以外に、競り上げのラウンド制限といった方法、こうしたものはオランダ、オーストリアで設けられており、また韓国でも同様のオークションの方式を取っているという事例がございます。
この状況を踏まえまして、総務省の有識者会議も踏まえて、今後しっかりとどういった方式を取るべきなのかを検討してまいりたいと思います。
○武正委員 今のお話でいうと、セカンドプライシング、その名のとおり、一番目で落札した価額ではなくて二番目の価額で落札価額とするというような形で高騰を抑えるやり方、また、キャップ方式は、お金があるところが全ての帯域を押さえるのではなく、ある程度押さえられる帯域は制限するというようなやり方、また、ラウンド、競り上げ方式というような形でも高騰を抑えるやり方があるというようなことだと思います。電波オークションも導入されて三十年近くになっていると思うんですが、そういった高騰対策を各国で駆使しながらやっているということですので、そうした諸外国のやり方も我が国として大いに参考にしながら、委員からも高騰対策の懸念が出されておりますので、それについて政府としての取組をお願いしていきたいというふうに思っております。
そこで、本法案では、電波オークションの収入を国庫に、あるいはまた一般財源化という言い方なんでしょうか、これは、電波法によって電波利用料を一般財源化する、この限りでないという百三条の三第一項の書きぶり、牛肉関税の国内農家対策がそれに続くと言われ、今回で三例目ということも言われておりますが、なぜ、この限りでないということで一般財源化ができるようにオークションの収入についてはしているのか。その使途について、特定高周波数対策費用を上回る額の使途は何か。また、特定高周波数対策費用を上回る額はいわゆる国の収入になるのか。あるいは、今日も議論がありますが、千百億円ぐらい、今は七百億円ぐらい電波利用料については蓄積があるんだというような形で、あくまで総務省は電波、通信に関して使うのか。この点について伺いたいと思います。
○村上国務大臣 六ギガヘルツを超える高い周波数を円滑に割り当てるためには、既存免許人の移行や共同利用等に要する費用である特定高周波数対策費用が新たに必要となります。
この特定高周波数対策費用の財源としましては、受益者負担の原則に基づきまして、六ギガヘルツを超える高い周波数の割当てを受ける落札者が支払う落札金収入を充てることが合理的である、そのように考えております。
その上で、年度ごとの落札金収入が当該年度の予算により定められる特定高周波数対策費用を上回る場合には、その余剰分につきましては、本来の使途に充てる必要がないものとして、他の施策の財源に充てられることになっております。
以上であります。
○武正委員 先ほどちょっと触れましたが、施策というのがあくまで電波、通信に関わるものということが、財務省とやり取りが既にされているということでしょうか。
○川崎大臣政務官 お答えいたします。
余剰分につきましては、本来の使途に充てる必要がないものに関しましては、他の施策の財源に充てられるということになっております。
○武正委員 重ねて聞きますが、他の施策というのは電波、通信施策に関わるものなのか。いかがでしょうか。
○川崎大臣政務官 お答えいたします。
電波等に限らず使えることになっております。
○武正委員 そうすると、それは国庫に入るということで、総務省所管の施策以外にも充てられる可能性があるということでしょうか。
○川崎大臣政務官 委員の御認識のとおり、広く一般財源として用いることになります。
○武正委員 そういった表向きで言ってもらえると、当初私などが提出をしていた法案というものは国庫収入というようなことも念頭にあったものですから、オークションという今までと違ったステージに入っていく中では、オークション収入の使途というものは今までの電波利用料の使途とするものとはやはり一段変わってくるということを是非御認識いただきたいと思いますし、そうした御答弁というふうに承りました。
それでは、今日も質疑にありましたが、そもそも電波利用料はなぜ七百五十億円と決めているんでしょうか。また、電波利用共益事務の項目を見直す必要があるのではないでしょうか。また、今回、電波利用料の料額を見直しておりますが、資料二ページ目にその一覧表をちょっと小さい字ですがお配りいたしましたが、どういう理由で見直しをしたのか。また、今回、例えば電波オークションを行うことで電波利用料を決める際の参考にすることが可能になるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○村上国務大臣 委員御高承のように、電波利用料は、電波の適正な利用の確保に関しまして、無線局全体の受益を直接の目的として行う事務、すなわち電波利用共益事務の処理に要する費用を電波の利用状況に応じてその受益者である無線局の免許人等に広く負担していただくものであります。
今般の電波法改正案における電波利用料制度の見直しにつきましては、免許人等の過度な負担とならないように、費用の節減により、現在の歳出規模である年平均約七百五十億円を維持することとしております。
また、電波利用料を財源として充てることのできる電波利用共益事務については、例えば、令和六年能登半島地震での課題等に対応するため、携帯電話基地局等の強靱化のための補助金の交付に要する費用を追加するなど、必要な事務を今般の電波法改正案に盛り込んでおります。
さらに、電波利用料の料額につきましては、無線局数の増減などの電波の利用状況の変化を踏まえた見直しを行っております。
加えまして、今般導入しようとしている価額競争は経済的価値に基づくものである一方、電波利用料は電波利用共益事務の受益者である無線局の免許人等に広く負担していただくという受益者負担の原則に基づくものでございます。このため、電波オークションを行うことで電波利用料を決める際の参考にすることが可能かどうかとのお尋ねについては、両者の性格が異なるものと考えております。
いずれにしましても、電波利用料制度につきましては今後とも有識者などの御意見を幅広く伺いながら不断の見直しを行ってまいりたい、そのように考えております。
○武正委員 総額七百五十億円というパイが決まっているものですから、例えば携帯電話の端末の台数、令和七年改正案では約二億三千百二十五万局と見込んでいるんですね。令和四年から二千万局以上増えているというような状況ですよね。
ですから、総額七百五十億円で決まっていれば、当然携帯電話がどんどん増えていけば収入が上がっていって、携帯電話の利用料も若干減らしたりはしておりますが、十円、二十円減らしていっても、もしそれほど額への影響がないとすると、ほかの部分をいかに抑えていくか。総額が決まっている中で抑えるやり方、やりくりをするやり方がそろそろ限界に来ているのではないか、携帯電話の増えている中ではですね。ということが一つと、今大臣の方からは、電波利用料を決める際の参考に今回のオークション、経済的価値がマーケットで決められることは切り離すんだということなんですが、やはりこれは非常に解せないなというふうに思っております。
先ほど触れましたように、二〇〇二年に電波に経済的価値があると初めて片山虎之助大臣がこの場で認めてから、電波の経済的価値、しかも電波は国民共有の資源であるというような認識で、ようやくここで六ギガヘルツ超で電波オークション、市場に、マーケットにそのことを尋ねるわけですから、その価額が電波利用料を決める際の参考にならないというのは非常に解せないというふうに思うんですけれども、再度、この認識を伺いたいと思います。
○川崎大臣政務官 お答えいたします。
総務省としましても、電波については経済的価値があるというふうに理解をしております。
一方で、お尋ねのありました、電波オークションを行うことで電波利用料を決める際の参考にすることができるかどうかという点につきましては、先ほどの回答と同様になりますけれども、両者の性格が違うものというふうに理解をしております。
いずれにしましても、電波利用料制度については今後とも有識者からの意見を幅広く伺いながら不断の見直しの努力をしてまいる所存でございます。
○武正委員 電波は国民共有の資源である、国民のものであるといいながら、その国民の代表である事業者が競りを行って電波帯について価額を決定していくわけですから、ある面、国民の声ということを体したら、電波利用料を決める際の参考にというぐらいできないのかというふうに思わざるを得ないんですが、総務大臣、いかがでしょうか、御所見をお願いいたします。
○村上国務大臣 委員のお気持ちはよく分かります。ただ、これを価額競争としたことによって、ある程度一定の価値基準を決めなきゃいけないので、今後、それを参考にさせていただきながら、将来の課題として考えさせていただけたらと思います。
○武正委員 将来が近いことを祈るばかりであります。参考にというところまでは踏み込んでいただきまして、ありがとうございます。
次に、六ギガヘルツ超のミリ波帯で電波オークションを行うについて、価額競争実施指針、ただ、これが余り今までのようなカバー率とかをかなり細かく決めてしまうとハードルが高くなって参入が減ってしまう、できれば地域の中小企業なんかがどんどん入ってきてほしいということからすると、ちょっとこの指針の在り方はある程度、アバウトとは言いませんが、緩やかでいいのではないかと思いますが、大臣の御所見を伺います。
○村上国務大臣 先ほども答弁申し上げたとおり、今回の価額競争による割当ては、割り当てる者に求める条件を極力少なくして、専ら金額の多寡のみで評価する仕組みとして導入するものでございます。
その中で、武正委員の御指摘どおり、地方でサービスを行う多種多様な事業者が参入しやすい制度設計を行っていきたい、そのように考えております。
これによって六ギガヘルツ超の高い周波数帯の活用が地方においても進むよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○武正委員 資料では、三ページが総務省さんが作った具体例ということで、スマート工業、ドローン、モビリティーというような形で、使い勝手がいいように、どう生まれてくるかということなんですが。
政務官に伺います。ローカル5Gとして積極的に取り組んでいる徳島県、これは、医療だったり、河川管理だったり、農業だったり、ドローンだったり、ファクトリー支援だったり、ローカル5G免許の申請も行って、ミリ波、サブミリ波でも免許を取得しておりますが、こういった徳島県、あるいは徳島だけですとちょっとエリアが狭いとすると四国全体をターゲットに、国として何らかの支援をしていくような形で地方で中小企業が様々関われるようにすべきだと思いますが、御所見を伺います。
○川崎大臣政務官 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、あるいはまた先ほど大臣が答弁をさせていただいたとおり、今回の電波オークションに関しては、幅広く様々な事業者あるいは企業が入れるような形を設計しております。
その上で、先ほど委員から御紹介がありました徳島県など、例えば一部の周波数帯について使用区域を都道府県や市区町村に限定するといった方法、あるいは新規参入事業者にのみ参加者の資格を与えることなど、そうした対策を今回考えることができます。
こうした工夫の下で価額競争を行うことにより、例えば医療分野、農業分野において高精細な映像をやり取りするなど、多様な分野でのサービス創出につながることを期待しております。
また、人口減少下の我が国では、地方における5Gなどのデジタル技術の利活用を進めることが重要であり、総務省としては、必要十分な周波数の割当てと併せて、地方におけるデジタル技術の利活用の推進にもしっかりと取り組んでまいりたいと思います。
○武正委員 最後に、八百メガヘルツ帯というか、正確には七百五十メガヘルツから七百六十五メガヘルツにおきまして、ITS、高度情報交通システムということで、トヨタ自動車などが自動運転で使用している帯域があると聞いておりますが、SUBARU自動車のアイサイトは同帯域を使っていないと聞いております。利用実態を把握しているのか。また、国際電気通信連合、ITUは五・九ギガヘルツ帯を自動運転の国際共通電波帯域としているので、そちらを使えば空きが生じるのではないか。政務官、いかがでしょうか。
○川崎大臣政務官 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、七百六十メガヘルツ帯の電波を使って車のドライバーの運転を支援するITSシステムの利用状況については、平成二十七年よりトヨタ自動車から対応車両が発売されており、現在では一般車において約五十六万台に搭載されております。また、全国の救急車の約三割に当たる二千台に搭載されたほか、昨年度から消防車の一部にも搭載されております。
そして、委員御指摘のとおり、SUBARU自動車においても七百六十メガヘルツ帯については開放させていただいております。実際に使うかどうかは企業の御判断という形になります。
一方、国際的なお話、先ほど委員から御指摘がございました。国際的には、自動運転社会の進展を背景として、米国や欧州等で五・九ギガヘルツ帯の電波を自動運転に利用する動きが本格化しております。
我が国においては、五・九ギガヘルツ帯は現在放送事業者の無線システムに利用されておりますが、五・九ギガヘルツ帯を自動運転に使えるようにするために、放送事業者の無線システムを別の周波数に移行するなどの取組を進めております。
一方で、先ほど申し上げたように、七百六十メガヘルツ帯はトヨタを始めとして多くの車両で使われておりますので、その部分との調整を図りながらしっかりと五・九ギガヘルツ帯と七百六十メガヘルツ帯の双方を有効に活用して、自動運転を実現すべく取り組んでまいります。
○武正委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○竹内委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
―――――――――――――
○竹内委員長 これより討論に入ります。
討論の申出がありますので、順次これを許します。山川仁君。
○山川委員 れいわ新選組の山川仁です。
ただいま議題となりました電波法及び放送法の改正案に反対の立場から討論をいたします。
第一に、電波オークションについて、本日の質疑でも委員の皆様方が懸念点を示しておりました、落札価格の高騰や、特定の業者、金持ちしか落札できなくなるおそれ、電波の独占、その仕組みは多様性という観点からどうなのでしょうかというところです。それが利用者の負担増につながることへの懸念事項などが払拭をされておりません。
次に、電波利用料制度の見直しについてです。少なくとも三年ごとに見直すこととされている電波利用料制度の使途の見直しに、そもそも能登地震を教訓とした強靱化なのかはっきりした答えはなく、決まっていません、これから検討というように聞こえ、実際に強靱化が図れるのか保証が全くありません。そのままでは法案改正をする意味が見出せず、場合によっては全く意味のないことをやることにつながりかねないのではないでしょうか。
最後に、中継局を廃止する際の受信者保護規律の整備についてです。中継局を廃止しようとする際の受信者保護規律の整備について、総務省には、中継局を廃止しようとしている地方テレビ局などはどのくらいあるのか把握はしているのかと問い合わせたところ、把握はしていないという回答が来ました。総務省に、なぜ努力義務なのかを問い合わせたところ、放送法にそういった規定がないの一点張りでしたが、これではまるで、鉄道路線廃線を認めてくださいよ、そうしたらバス路線をつくるように努力義務が課せますからと言っているように聞こえます。結果的に被害を受けるのは地方在住者です。
特に、私の地元である沖縄県は離島が多く含まれておりますが、離島などのアクセスが難しい地域に中継局を設置するためには多額の費用が必要なのは理解できます。しかし、商業的に採算が取れないという理由で、ただでなくとも中継局の数が他県に比べて少ない沖縄県が更に中継局が減り情報弱者が増えてしまうこと、法的根拠がないから努力義務しか課せないということには納得ができません。
地方テレビ局は、地方在住者の特にインターネットを使えない方にとっては貴重な情報の収集源であり、公共インフラ的な役割の認められる民間事業者が地域でサービスを続けられるように、国が財政支援をすべきではないでしょうか。
地方在住者に対して国がしっかりと配慮を強く要望した上で、電波法改正案の反対討論といたします。
以上です。
○竹内委員長 次に、辰巳孝太郎君。
○辰巳委員 私は、日本共産党を代表し、電波法及び放送法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
反対の理由は、本法案が六ギガヘルツ超の高周波数帯における新たな周波数割当て方式として、オークション方式を導入することです。
企業が電波を利用するときに適切な経済的価値を置くこと自体は合理的です。しかし、本法案のオークションによる新たな割当て方式は、複数の市区町村など一定の広がりを持った地域ごとに、携帯電話事業者以外にも大小様々な主体で行うことを想定しているものの、実際に参加できる事業者は、高い落札額の価額競争に耐えられる事業者に限定されかねません。
また、地域を限った高周波数帯の割当てであっても、公共性に対する考慮が求められます。従来の比較審査方式で条件とされる整備計画や通信網の開放などを事業者に求めることは必要です。総務省は、高周波数帯の活用にそぐわないことを理由にこれを排除し、今後、総務省令等で条件を具体化するとしています。これは政府の政治的判断に白紙委任するものであり、国民の共有財産である電波の公共的な利用に反すると言わざるを得ません。
本法案では、地上波基幹放送事業者が中継局を廃止するに当たって、具体的な基準は示さず、事業者の経営判断に委ねます。現行法は電波の送信によって基幹放送があまねく受信できるように努めるものとするとされているものを、中継局を廃止した場合、ケーブルテレビや配信によって放送番組を引き続き視聴できるよう努めればよいという努力義務へと緩和するものです。中継局が廃止されれば、その地域に住む視聴者・国民は代替の対応を新たに迫られるものであり、問題です。
なお、成層圏を飛行するHAPS搭載の携帯電話基地局の実用化、商用化は、既に災害時のドローン等を利用して地上の基地局を補完する例もある一方、国際的にも先例のない発展途上の技術です。国民利用に広くつながることが必要です。
その上で、私の質問で明らかにしたように、HAPSを含む次世代通信技術の利用を軍事優先にさせないことを求め、討論といたします。
○竹内委員長 これにて討論は終局いたしました。
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○竹内委員長 これより採決に入ります。
電波法及び放送法の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○竹内委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
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○竹内委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、あかま二郎君外四名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ及び公明党の五派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
提出者から趣旨の説明を求めます。西川厚志君。
○西川(厚)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
案文の朗読により趣旨の説明に代えさせていただきます。
電波法及び放送法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、本法の施行に当たり、次の各項の実施に努めるべきである。
一 電波利用料の歳入と歳出の累積差額については、電波利用料が電波の適正な利用の確保に関し無線局全体の受益を直接の目的として行う事務の処理に要する費用を免許人等が負担するものであることを踏まえ、必要性や緊急性の高い電波利用共益事務への積極的な活用を図ること。
二 価額競争における落札価額が著しく高額となり、事業者ひいてはそのサービスの利用者にとって過度な負担とならないよう、価額競争実施指針を定めること。
三 価額競争の仕組みを積極的かつ適切に活用すること等により、都市部のみならず都市部以外の地域においても、電波の公平かつ能率的な利用を促進し、地域に根差した電波利用サービスが生まれるよう努めること。
四 価額競争の運用状況を踏まえ、より公平性及び透明性の高い周波数の割当ての実現に向け、将来的に他の周波数についても価額競争を導入することも含め継続的に検討すること。
五 電波が有限・希少な国民共有の財産であることに鑑み、価額競争における落札者が我が国の経済安全保障上の利益を損なうことなく落札した周波数を活用したサービスを長期的かつ安定的に提供するよう、十分に留意すること。
六 電波の逼迫状況を解消するため、電波の再配分のみでなく、未利用周波数帯の開拓等の技術開発を含め、電波の有効利用に引き続き取り組むこと。
以上であります。
何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○竹内委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○竹内委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
この際、総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。村上総務大臣。
○村上国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。
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○竹内委員長 お諮りいたします。
ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
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○竹内委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後三時五十七分散会