衆議院

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第2号 令和8年3月5日(木曜日)

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令和八年三月五日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 古川  康君

   理事 上杉謙太郎君 理事 鈴木 英敬君

   理事 橘 慶一郎君 理事 福原 淳嗣君

   理事 渡辺 孝一君 理事 田嶋  要君

   理事 岩谷 良平君 理事 許斐亮太郎君

      浅田眞澄美君    伊藤  聡君

      今岡  植君    内山 こう君

      遠藤 寛明君    神田 潤一君

      国定 勇人君    坂井  学君

      島尻安伊子君    谷  公一君

      中野 英幸君    新田 章文君

      古井 康介君    前川  恵君

      松下 英樹君    向山  淳君

      村上誠一郎君    森原紀代子君

      吉田 有理君    米内 紘正君

      神谷  裕君    中川 宏昌君

      平林  晃君    うるま譲司君

      喜多 義典君    高見  亮君

      高沢 一基君    青木ひとみ君

      武藤かず子君

    …………………………………

   総務大臣         林  芳正君

   内閣府副大臣       津島  淳君

   総務副大臣        堀内 詔子君

   総務副大臣        高橋 克法君

   内閣府大臣政務官     若山 慎司君

   内閣府大臣政務官     古川 直季君

   総務大臣政務官      中野 英幸君

   総務大臣政務官      向山  淳君

   総務大臣政務官      梶原 大介君

   国土交通大臣政務官    永井  学君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  清水 雄策君

   政府参考人

   (内閣官房地域未来戦略本部事務局審議官)     金澤 直樹君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 岡本 直樹君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 遠藤  剛君

   政府参考人

   (デジタル庁審議官)   三橋 一彦君

   政府参考人

   (デジタル庁審議官)   岡田 智裕君

   政府参考人

   (総務省大臣官房総括審議官)           田中 聖也君

   政府参考人

   (総務省大臣官房総括審議官)           藤田清太郎君

   政府参考人

   (総務省大臣官房地域力創造審議官)        恩田  馨君

   政府参考人

   (総務省自治行政局長)  小川 康則君

   政府参考人

   (総務省自治行政局公務員部長)          加藤 主税君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           長谷川 孝君

   政府参考人

   (総務省自治財政局長)  出口 和宏君

   政府参考人

   (総務省自治税務局長)  寺崎 秀俊君

   政府参考人

   (総務省情報流通行政局長)            豊嶋 基暢君

   政府参考人

   (総務省情報流通行政局郵政行政部長)       牛山 智弘君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局長)            湯本 博信君

   政府参考人

   (消防庁次長)      田辺 康彦君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           榊原  毅君

   政府参考人

   (国土交通省航空局安全部長)           石井 靖男君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 成田 浩司君

   参考人

   (日本放送協会副会長)  山名 啓雄君

   参考人

   (日本放送協会専務理事) 小池 英夫君

   総務委員会専門員     山本 麻美君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月五日

 辞任         補欠選任

  浅田眞澄美君     国定 勇人君

  神田 潤一君     内山 こう君

  うるま譲司君     喜多 義典君

同日

 辞任         補欠選任

  内山 こう君     神田 潤一君

  国定 勇人君     浅田眞澄美君

  喜多 義典君     うるま譲司君

    ―――――――――――――

三月五日

 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第四号)

 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第四号)

 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)

 地方自治及び地方税財政に関する件(令和八年度地方財政計画)

 行政の基本的制度及び運営並びに恩給、地方自治及び地方税財政、情報通信及び電波、郵政事業並びに消防に関する件


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     ――――◇―――――

古川委員長 これより会議を開きます。

 行政の基本的制度及び運営並びに恩給に関する件、地方自治及び地方税財政に関する件、情報通信及び電波に関する件、郵政事業に関する件及び消防に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 各件調査のため、本日、参考人として日本放送協会副会長山名啓雄君及び日本放送協会専務理事小池英夫君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房内閣審議官清水雄策君外二十名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

古川委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。国定勇人君。

国定委員 おはようございます。自由民主党の国定勇人です。

 まずは、質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございました。委員長を始め理事の皆様方にも心から感謝を申し上げる次第でございます。

 さきの衆院選で三期目の当選を果たさせていただくことができましたけれども、昨年までの三年間、ひたすら政務官を続けておりまして、質問に立ちますのは実に四年近くぶりになります。大変緊張しておりますが、どうかよろしくお願いをしたいと思います。

 それでは、早速質問に入らせていただきたいと思います。

 まず初めに、除排雪費用に関します地方財政措置につきましてお伺いをさせていただきたいと思っております。

 この件につきましては、さきの二月二十七日の予算委員会におきまして、同じ新潟県で隣の選挙区であります鷲尾英一郎委員から指摘をされたところでありますが、大変重要な課題であります。同じ雪国に住む人間として、重要な政策課題だというふうに捉えておりますので、この委員会で改めて取り上げさせていただきたいと思います。

 今回の衆院選は、御案内のとおり、真冬の中の選挙でありました。お隣の福原委員も、大変な大雪に見舞われる中での選挙だったというふうに伺っているところでありますけれども、私自身も、選挙をしているさなかから、選挙区内の首長さんから、今冬は、この冬のシーズンは例年の二倍以上の除排雪費用の支出を既に余儀なくされているんだという切実な現状をお訴えをいただいたところでございます。

 これは私自身もそのように実感をしているところでありますけれども、まず、この点につきまして、この冬のシーズンの降雪に対します基本的認識、そして、除排雪費用に関するこの冬の地方財政措置、つまり、普通交付税、特別交付税の対応状況につきましてお伺いをさせていただきたいと思います。

高橋副大臣 御質問ありがとうございます。

 国定委員におかれましては、雪国、そしてまたその雪国の市町村長を長くお務めになり、その地域の方々の生活に責任を持ってこられた、さらに、国土交通大臣政務官として今度は雪寒対策にも積極的に取り組まれたという御経歴をお持ちの委員でありますから、最も詳しい、そして厳しい質問を覚悟しております。

 この冬の大雪によりまして亡くなられた方々に心からお悔やみをまずは申し上げたいと思っております。そして、被災された全ての方々に対してお見舞いを申し上げたい。

 今年に入りましてから、多くの地域が大雪に見舞われました。全国各地で多額の除排雪経費が生じているというふうに認識をしております。

 地方団体の除排雪経費につきましては、国土交通省の所管する補助事業がありますほか、普通交付税の算定において標準的な所要額を措置をしておるところです。

 加えまして、一般財源の所要見込額が普通交付税の措置額を超える場合には、特別交付税により更に対応することとしています。

 現在、特別交付税の三月交付に向けまして算定作業を進めておりまして、除排雪経費の実態をしっかり丁寧にお伺いをしながら、地方団体の財政運営に支障が生じないよう、適切な算定に努めているというところであります。

 以上です。

国定委員 ありがとうございます。

 高橋副大臣には、国土交通政務官時代、大変お世話になりまして、本当にどうもありがとうございました。

 今ほど御指摘をいただいたところでありますけれども、そもそも、私自身、三条で十四年間市長をさせていただきましたが、そのときのことを振り返ってみますと、私の記憶では、その多くの降雪シーズンにおきまして、普通交付税では賄い切れず、特別交付税に頼らざるを得なかったというふうに記憶をしているところでございます。

 地方財政措置としてのあるべき姿としては、普通交付税で賄うこと、今ほど副大臣の御答弁にもありましたけれども、これが基本でございまして、それを上回る、いわば通常ではない事態が生じた際の特別な対応として特別交付税による措置があるというふうに承知をしているところでありますが、この基本前提が揺らいでいるのではないかというのが私自身の問題意識でございます。気候の激甚化が進む中で、この基本前提がますます不安定さを更に増しているのではないかというふうにも捉えているところでございます。

 そこで、まずは事実関係につきまして確認をさせていただきたいというふうに思います。

 除排雪費用につきまして、地方公共団体の所要額が普通交付税措置額を超過している団体がどの程度あるのか、言い換えれば、普通交付税のみでは除排雪経費を賄い切れていない団体がどの程度あるのかということをお伺いをしたいと思います。全体の割合がどの程度であるかということも併せて確認をしたいものですから、除排雪費用が基準財政需要額の算定に入っている団体との比較をする形でお答えをいただければというふうに思います。

出口政府参考人 お答えいたします。

 除排雪経費につきましては、普通交付税によって標準的な所要額を措置しているところでございます。

 具体的に申し上げますと、寒冷地の地方自治体を積雪の度合いによりまして、比較的積雪が少ない一級地から、積雪が多い四級地に区分いたしまして、各級地に応じて所要額を措置することとしております。

 令和四年度から令和六年度においてこの措置の対象となった団体は五百九十二団体となっております。

 このうち、除排雪経費の所要額が普通交付税措置額を超過する団体は、令和四年度は三百七十六団体、令和五年度は三百十八団体、令和六年度は三百九十九団体でございまして、平均すると三百六十四団体となっております。

 これは、先ほど申し上げました普通交付税措置の対象となる五百九十二団体に対する割合で申し上げますと六一%程度でございまして、このような団体が特別交付税の措置の対象となっております。

 以上でございます。

国定委員 ありがとうございます。

 今ほど局長からの答弁にもありましたとおり、実に六一%の地方公共団体におきまして、普通交付税では賄えない状況になっているということであります。これはやはり、先ほど来申し上げております、普通交付税のみで賄うという基本前提が今は成立しにくくなっている、こんな時代を迎えているのではないのかなというふうに確認ができたかと思っております。

 そこで、除排雪費用に関する普通交付税の算定方法につきまして、もう一点だけ確認をさせていただきたいと思います。

 それは、現在、我が国は物価上昇局面を迎えているわけでございますので、この点について、算定方法にどのような入れ込み方をしているのかということについても関心があるわけでございます。

 例えば、除排雪機のリース代であったり、作業員の人件費であったり、これは物価高の上昇局面には如実に影響を受けるわけでございますけれども、これらが極力タイムラグが生じぬように算定に反映をしていく必要があるというふうに考えているところでありますけれども、この除排雪費用に関する普通交付税の算定の際、物価上昇分をどのように反映させているのかを伺いたいと思います。

出口政府参考人 お答えいたします。

 除排雪経費に係る普通交付税の算定に当たりましては、まず、おおむね三年に一度、地方自治体の除排雪経費に関する実態調査を行っておりまして、それを踏まえて所要額を積算することとしております。

 その上で、毎年度の普通交付税の算定におきまして、近年の物価高に伴う燃料費、機械リース料等の増加や、運転手、作業員等の労務単価の上昇を反映しております。具体的には、ガソリンなどに係る消費者物価指数や、毎年度国土交通省において示される公共工事設計労務単価等の動向を踏まえまして、所要額を積算するということをしております。

 令和七年度の普通交付税の算定におきましては、こうした積算に基づき、千七百八十一億円を措置しておりまして、これは、令和元年度の千五百億円と比較をいたしますと、二百八十一億円の増額となっております。

 今後とも、物価等の動向や各地方自治体の経費の実態なども踏まえまして、適切な算定に努めてまいりたいと考えております。

国定委員 ありがとうございます。

 今ほどの答弁にもありましたとおり、令和元年と令和七年度の比較での上昇率を考えますと、近年の物価上昇の肌感覚とは相当乖離をしているのではないかというふうに受け止めたところでございます。

 そもそも令和七年度の措置内容を、まあ、令和七年度でやった場合には令和八年度の冬の降雪期に充てていくわけですから、少なくとも半年以上のタイムラグが生じてしまう、こういう問題もあるわけでございまして、やはりこの物価上昇を適切に反映できない構造となっているのではないかというふうに改めて指摘をさせていただきたいと思います。

 続きまして、普通交付税のみでは賄い切れなくなった場合に交付されます特別交付税の算定の在り方について確認をさせていただきたいと思います。

 先ほどの副大臣からの答弁にもありましたように、特別交付税の算定、実績ベースと見込額ベースに大別されているというふうに認識をさせていただいたところでありますけれども、改めて、除排雪費用に関する特別交付税の算定の考え方、とりわけ実績額として組み込まれる実態調査の締切り時期、締め切られた後の見込額の算定方法について伺いたいと思います。

出口政府参考人 お答えをいたします。

 除排雪経費に係る特別交付税につきましては、一般財源の所要見込額が普通交付税による措置額を超える場合に、三月分の特別交付税により措置をいたしております。

 具体的には、市町村分について申し上げると、所要見込額が普通交付税額を上回る額の五〇%か、所要見込額の七五%から普通交付税措置額を控除した額のいずれか大きい額を特別交付税で措置しておりまして、これは普通交付税と特別交付税を合わせた措置額が所要見込額の七五%以上となるように措置を講じているものでございます。

 また、措置対象となる除排雪経費の所要見込額をどのように積算しているかということでございますけれども、各地方団体の二月中旬までの除排雪経費の実績額をまず調査をいたします。今年度で申し上げますと、二月十二日までの実績額の報告をいただいております。この額に、過去の決算額を基礎として計算をいたしました、その時期以降の、二月中旬以降の見込額を加える形で、年度の所要見込額を計算しておるところでございます。

 以上でございます。

国定委員 ありがとうございます。

 今回の質問作成に当たりまして、改めて、私自身が市長を務めておりました三条市の事務方の方に確認をしましたところ、確かにこの冬のシーズンは執行調査の締切りが二月十二日であったということでありますが、通常レベルですと、一月下旬にはもうこの執行調査が終わってしまうというような肌感覚をお持ちのようでありました。

 それでも、私たちは、この雪国に住んでいる人間として、雪が降っていない地域とただひたすら同じ生活を維持したい、その思いだけのために除雪をせざるを得ないわけでございます。この点については是非とも御理解をいただきたいというふうに思っておりますし、この除排雪執行調査の締切り後の除排雪費用が特別交付税の見込額を上回ったとしても、今ほど申し上げました、地域住民のささやかな、そうした日々の生活をひたすら続けていきたい、こういう願いをかなえるために、雪の降る地域の県や市町村は除排雪を続けていかなければいけない、これが雪国の実態であるということを、是非とも皆様方と共有をさせていただきたいと思っております。

 最後に、大臣に伺わせてください。

 私自身は、近年の気候の激甚化も踏まえまして、除排雪費用に関するこの地方財政措置につきましては、特別交付税に極力頼らなくても済む、例えば、直近までの物価高要素が十分に反映されるといった普通交付税の算定の見直し、あるいは、降雪期全体の実績額が反映される特別交付税の算定方法に向けた見直し、あるいは、過年度運用を見越した補完的な制度の創設といった抜本的な制度の見直しが必要ではないかというふうに考えているところであります。

 幸い、さきの予算委員会での鷲尾委員からの発言にもありましたとおり、この抜本的制度の見直しに向けた検討の場を、自民党内におきましても部会横断の検討体制を設けるということで進めているというふうに伺っているところでございますが、私自身もこの場の中で積極的に発言をし、関わってまいる所存ではございますけれども、こうした全体の話を受けた中での大臣の見解を改めて伺わせていただければと思います。

林国務大臣 仕組みについては今局長から答弁したとおりでございますが、やはり、先生の御質問を聞いておりまして、構造的に、雪の降る量、激甚化が右肩上がりになっていくというようなことをどう捉えるかとか、それから、ずっとデフレ局面でございましたけれども、今物価が上昇局面になってきている、こういうことをしっかり頭に置いていかなきゃいけないということを、今御質問を聞いていて思ったところでございます。

 もとより、しっかりとそれぞれの団体の実情をお聞きして算定を行うということが我々の使命でございますので、これまでもそれはやってきたところでございますが、今後、自民党におかれて部会横断の検討体制が設けられる、こういうことでございますので、いろいろな角度から御検討いただいて、検討をしっかりとやっていただければというふうに思っておりますし、総務省としては、その検討結果を受け止めて、地方団体の御意見をお聞きしながら適切に対応してまいりたい、そういうふうに考えております。

国定委員 力強い御答弁、本当にどうもありがとうございました。しっかりと党内の中でも検討を加速をしていきたいというふうに思っております。

 続きまして、郵政事業関係についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 郵政事業が民営化されまして十九年を迎えようとしております。この十九年という歳月は郵政事業全体にとって決して短い時間軸ではなく、かつて、目をつむっていても郵政三事業は一体的で密接不可分であると自他共に認めていた国営時代とは異なり、日本郵政株式会社、日本郵便株式会社、株式会社ゆうちょ銀行、株式会社かんぽ生命保険の四社化体制の下では、それぞれの意思の違いが現れ始め、いわゆるクロスセル事案の発生やそれに対する再発防止策の徹底など、やむを得ない事情はあれども、郵政三事業に遠心力が働き始めているのではないかとの声が耳に入ってくるようになったのも私だけではないと思っております。

 他方で、社会全体を見渡しましても、この十九年もの間、少子高齢化や過疎化、そしてデジタル化などが想像を上回るスピードで進展し、これらが郵政事業にも多大なる影響を与えていると考えております。その多くはマイナスの影響であるということでありますけれども、他方で、プラスに捉えるべき変化も生じつつあるように感じております。

 その代表的なものが、全国津々浦々に張り巡らされている公的基盤の最後のとりでとしての郵便局に対する地域住民からの期待感の高まりではないかというふうに感じております。

 昨年秋、私の地元加茂市の七谷地区で、郵便局の移転開局が行われました。この七谷地区は典型的な中山間地域で、市役所の支所機能を持つ拠点はなく、数年前にこの七谷地区唯一の小売店舗であった農協の直売所も撤退し、再来年には中学校が、そして令和十二年には小学校が統廃合によって廃校する予定となっている、そんな地域であります。

 このように、様々な公的基盤が失われつつある状況の中で、七谷地区唯一の郵便局であります七谷郵便局も老朽化が著しく、また、諸事情から現地建て替えが困難な状況で将来見通しが立たなかったところ、地元から、郵便局がなくなれば公的基盤の拠点が完全に失われる、郵便局だけは何とか維持してほしい、こうした声が上がり、土地の融通も地域の皆様方からの協力をいただきながら、近隣への移転開局が実現した、地元悲願の新生郵便局であります。

 この郵便局維持の必要性につきまして、改めて地域の方々に話を伺ってみますと、地域の皆様方の郵便局に対する期待は、単に郵政三事業を提供する郵便局という位置づけにとどまらず、市役所の窓口機能を始めとする公共サービスとしての拠点、見守りや防災、集いの場、ちょっとした買物の場といった公的サービスを提供する郵便局という認識に広がっていることがよく見て取れました。

 十九年という長い年月の中で過疎化は進行し、それに伴い、様々な公共、公的サービスの提供拠点の統廃合が進み、その分、郵便局という公的基盤の拠点に対する期待が相対的に高まっていることは、今紹介した加茂市七谷地区にとどまらず、広く全国に見られる傾向であることには、委員各位も御賛同いただけるのではなかろうかというふうに感じております。

 そこで、事実関係について総務省に伺わせていただきたいと思います。

 現在、自治体からの委託を受け、公共サービス、公的サービスを提供している郵便局の数と代表的な提供サービスの内容をそれぞれ伺いたいと思います。

牛山政府参考人 お答え申し上げます。

 自治体から委託を受けて自治体窓口業務等を提供している郵便局、令和七年十二月末で五千四百八十五局でございます。

 その代表的なサービスといたしましては、戸籍謄本などの証明書の交付、国民健康保険関係の届出書などの受付のほか、オンライン診療、空き家の調査業務などがあるところでございます。

国定委員 ありがとうございます。

 現状でさえ、今ほどお答えいただいたように、これだけの地域の、これだけの数の郵便局において、郵政三事業以外の公共、公的サービスが提供されております。

 現在、政府を挙げて少子化対策に取り組んでいるところでありますけれども、これが功を奏するにはいましばらくの時間が必要で、その間にも過疎化は進み、皮肉なことでありますけれども、公的基盤の最後のとりでであります郵便局に対する地域住民の期待は、更に高まっていくことがあれども、これを減ずることは決してなかろうというふうに考えております。

 これまで、郵政民営化開始以降の日本郵政グループ内部事情の変化、そして郵政事業を取り巻く環境の変化について改めて概観をさせていただきましたが、こうした郵政民営化開始以降に生じた内外の変化に対応し、改革を更に進めていくため、郵政三事業のユニバーサルサービスを確保するとともに、郵政三事業以外の公的サービスの提供業務を本来業務化することで新たに生まれつつある地域住民の郵便局に対する期待に応えることなどを内容とする郵政民営化法等の一部を改正する法律案を、私たち自由民主党は、国民民主党さん、そして当時の公明党さんとともに昨年の通常国会に提出をさせていただいたところでありますが、残念ながら、今般の衆議院解散に伴いまして本法案は廃案となったところでございます。

 しかしながら、本法案が試みようとした郵政事業の改革の必要性は、解散・総選挙を経た今となっても、変わらぬどころか、むしろその必要性、緊要性は増していると考えております。

 この法案提出時よりも緊要性が増したと考えられる論拠の一つが、郵便事業収支の悪化でございます。

 そこで、総務省さんにお伺いをしたいと思います。

 一昨年十月、郵便料金が値上げをされたところでありますけれども、値上げによります郵便事業の収支の当初見通しと実績、それを受けての今後の対応について伺いたいと思います。

牛山政府参考人 お答え申し上げます。

 郵便物数の減少などの影響による郵便事業の収支の悪化を受けまして、令和六年十月に郵便料金の値上げが行われたところでございますが、値上げに際して試算を行った際には、郵便事業の収支が令和六年度に四百九億円の赤字となり、令和七年度に黒字化した後、令和八年度以降に再び赤字となる見通しとなっておりました。しかし、実際には、郵便物数の想定以上の減少などの影響もあり、令和六年度の赤字は六百三十億円に拡大しており、今後、郵便事業の収支は当時の想定以上に厳しいものとなることが予想されるところでございます。

 総務省といたしましても、こうした状況を踏まえまして、日本郵便の令和七事業年度事業計画の認可の際に、持続的な収益の改善の観点から、収益の具体的な改善策の進捗状況を報告すること、利用者利便の一層の向上と持続的な収益の改善に向け、ユニバーサルサービスの確実な提供に加え、利便性、付加価値の高いサービスの開発、提供に取り組むことなどについて要請を行っているところでございます。

 このほか、昨年七月に情報通信審議会において取りまとめられた答申を踏まえまして、郵便料金の設定に関し、郵便事業における収支相償の規定を見直し、日本郵便の経営判断の余地を拡大し、上限認可制度のような日本郵便の発意に基づき上限料金設定の手続を行う制度へ見直すなどの制度見直しを行う郵便法等の改正案を今国会に提出すべく、検討を進めているところでございます。

 郵便事業の安定的な提供を将来にわたって確保することは非常に重要でございまして、総務省といたしましても、引き続き適切に対応してまいりたいと考えております。

国定委員 ありがとうございます。

 今ほどの答弁にもございましたとおり、郵便料金が値上げされたにもかかわらず、値上げ前に想定していた収支見通しよりも実際には赤字幅が拡大をしてしまっているのが郵便事業の現実でございます。郵便法等の改正法案を本通常国会に提出するということでございますけれども、郵便事業におけます収支相償の原則を見直すことは、これはもちろん必要でございますけれども、それだけでは不十分だというふうに捉えているところでございます。

 御存じのとおり、郵政三事業にはユニバーサル提供義務がかかってございます。とりわけ郵便は、欧米各国とも重要なライフライン基盤として位置づけ、ユニバーサルサービスの確保に向けた様々な取組がなされているところであります。

 私たちは、この郵便事業が持つ社会的使命を遂行させる環境づくりを担っているという深い自覚の下、さきの通常国会に提出した議員立法案をベースとしつつも、いま一層の経営効率化に向けた取組や、郵便事業の安定的な業務遂行の確保といった観点も新たに加えることも念頭に、改めて各党の皆様方とも十二分に御相談を申し上げつつ、新たな議員立法案をこの国会に提出をさせていただき、何とか成立を目指していきたいというふうに考えているところでございます。この場をおかりをいたしまして、各党の皆様方には御協力をお願いを申し上げる次第でございます。

 続きまして、情報通信関係について伺わせていただきます。

 先般、日本成長戦略本部におきまして、政府が掲げる十七の戦略分野の一つとして、情報通信分野が明確に位置づけられたところでございます。この情報通信は、十七の戦略分野を支える、まさにインフラの中のインフラであるとともに、安全保障の確保という観点からも重要であり、今後の我が国の成長を担う、エンジンとしての役割を担う分野であるというふうに認識をしているところでありますし、この点につきましては総務大臣の力強いリーダーシップが必要だというふうに捉えているところでございます。

 そこで、現在の情報通信分野の検討状況、それから、取りまとめに向けました総務大臣としての意気込みについて伺いたいと思います。

林国務大臣 日本成長戦略本部、第一回が昨年十一月四日に開かれまして、今委員からございましたように、情報通信分野、十七のうちの一つ、総務大臣が担当ということになりました。

 おっしゃっていただきましたように、社会活動、安全保障、災害対応に不可欠な基盤となっておりまして、大きな期待の表れだと受け止めております。先手を打って、官民が連携して戦略投資を促進する、これが非常に肝要だと思っております。

 総務省において、今年の一月から、情報通信成長戦略官民協議会、これを既に開催をしておりまして、関係する事業者、団体から生の声を伺うなど、官民連携の戦略的投資策について既に検討が始まっております。

 特に、情報通信分野のゲームチェンジャーとして期待をされておりますオール光ネットワーク、光ですと、例えば量子コンピューターが常温で作動するようになる、こうした期待もあるわけでございますし、また、海底ケーブルは社会的に大変重要なインフラとなっております。これ以外にもたくさんございますが、こうした大変重要な技術について議論を深めております。

 まさにこの分野への戦略的投資を通じて、我が国の強い経済を実現するために、大胆な投資促進や研究開発、さらには海外展開の支援、これはデジタル赤字の解消にもつなげていかせたい、こういうふうに思っておりますが、それを支える人材育成、さらには産学連携、こういった観点も踏まえて、春頃に取りまとめるということで議論を進めていきたいと考えております。

国定委員 時間も迫ってまいりましたので、済みません、駆け足で防災、減災について一点だけお伺いさせていただきたいと思います。

 緊急消防援助隊の存在は非常に重要だというふうに思っております。これから先どのようにこの充実強化に向けまして取り組んでいくのか、これだけお伺いをして質問を終わりにしたいと思います。

古川委員長 答弁は簡潔に願います。

田辺政府参考人 緊急消防援助隊は、過去の災害の教訓も踏まえた充実強化を図ってまいりました。

 そのため、令和七年度補正予算においては、昨年の大船渡市における大規模林野火災の教訓も踏まえ、夜間監視可能なドローン、遠距離に大容量の送水が可能な特殊車両、大型水槽付放水車等を配備するとともに、南海トラフ地震等に備えて消防庁ヘリの増強を図っております。

 今後とも、部隊運用の更なる強化を図りつつ、車両、資機材の配備を進める等、質、量両面からの充実強化に努めてまいります。

国定委員 質問を終わります。ありがとうございました。

古川委員長 次に、高見亮君。

高見(亮)委員 日本維新の会、高見亮でございます。

 国会議員になって初めての質疑でございまして、いろいろ拙いところもあるかもしれませんが、御容赦のほど、よろしくお願いします。

 まず、私の方からは、自由民主党と我々日本維新の会との連立合意書にある副首都制度についてお聞きいたします。

 私、この度の衆議院選挙で初当選する前は大阪市の市会議員を十年務めさせていただきまして、その間も、大阪市の中では、東京のバックアップとしての副首都の議論をずっと続けてまいりました。今回、この国政の場で副首都の議論ができることを本当に感慨深く思っております。

 首都直下型地震とか富士山が噴火したとか、東京に何かあったときのバックアップとなる都市が必要ではないかという議論が行われておりまして、ただ有事の際の首都機能分散という議論に終始するのではなく、日本の更なる経済成長を目指す観点から、連立合意の中では、多極分散型経済圏を形成するという合意内容を盛り込んでおります。

 この合意内容に示す、日本全体の経済成長を促すという観点からの副首都の位置づけについて、大臣の所見をお願いいたします。

林国務大臣 大都市圏におきましては、自治体の区域を越えて都市が連担するほか、とりわけ規模、能力が大きい大都市というのが存在をしております。指定都市と都道府県の間で特に生じやすいとされる二重行政等の課題への対応として、これまで様々な大都市制度の在り方が議論されてきております。

 具体的には、現在、いわゆる大阪都構想ということで、これは委員の方がお詳しいと思いますが、大都市地域特別区設置法に基づいて大阪市を廃止して特別区を設置し、広域的な事務を府に一元化すること、また一方で、いわゆる特別市を制度化し、都道府県と市町村の事務を一元的に処理できるようにすること、こうしたことを目指す動きがある、こういうふうに承知をしております。

 大都市地域における行政体制の在り方については、今後の社会情勢を見据えて幅広い検討が必要である、そういうふうに考えておりまして、今年の一月にスタートしました地方制度調査会における議論の進展を期待しておるところでございます。

高見(亮)委員 ありがとうございます。

 今おっしゃったような二重行政の問題は、本当に大阪市ですごく議論されておりました。

 もうちょっとだけ踏み込んだ話をお聞きできればと思っております。

 先日の所信を拝見いたしまして、人材不足等の課題に対して、持続可能かつ最適な形で行政サービスを提供していくため、国、都道府県、市町村間の役割分担や大都市地域における行政体制の在り方について、総務省としても必要な検討を進めるとありました。

 今おっしゃっていただいたように、大阪市の方では、大阪都構想という形で、大都市地域における最適解を二度の住民投票によって問いかけるという形になりまして、改めて、今回副首都制度を考える中で、二重行政を解消する手段というか、副首都にふさわしい都市を考えていく中で、もちろん大都市法というのがふさわしいと我々は思っているところではございますが、都市によってもいろいろな最適解があろうかと思います。

 総務省として、大都市地域においてどういった形の制度がふさわしいと思っているのか、所見をいただけたらと思います。

林国務大臣 先ほども申し上げましたように、二重行政等の課題への対応等々、様々な大都市制度の在り方が議論されてきております。

 その例として、具体的に今、大阪都構想ですとか特別市、これはまだ議論の段階だ、こういうふうに思いますが、いろいろな御議論がありますので、総務省としては、地方制度調査会に総理からの諮問で、大都市制度についても議論するように、こういうふうに来ておりますので、今の段階で我々が、これがいいとかこれは駄目だとかいう段階ではなくて、地方制度調査会にしっかり御議論を賜りたいと思っておりますし、委員は与党政策責任者会議の統治機構改革協議体のメンバーでもいらっしゃいますので、そちらでの議論もしっかりと踏まえて対応してまいりたいと思っております。

高見(亮)委員 ありがとうございます。

 もちろん、二重行政の問題であったりとか副首都にふさわしい制度設計に当たりまして、都市ごとによっていろいろ最適解は違うかと思います。ただ、大阪市におきましては、都道府県のど真ん中に政令指定都市があるというある種特殊な事情もございまして、二重行政の問題がより濃く出やすい状況であると思います。しっかり総務省の中でも取り組んでほしい、私自身もしっかり頑張っていきたいと思っております。

 次に、地方財政計画についてお伺いいたします。

 所信では、経済、物価動向等を適切に反映すること等により、交付団体ベースの一般財源総額について、令和七年度を大幅に上回る三・七兆円の増を確保し、地方交付税総額を約一・二兆円増額するとともに、臨時財政対策債の発行額を引き続きゼロとした上で、臨時財政対策債償還基金費を創設するとありました。

 少子高齢化に苦しむ地方自治体において一般財源総額の増額は本当に必要であり、物価高騰を反映するとともに、いわゆる教育無償化に関わる地方負担の増などを考慮していただいております。軽油引取税、地方揮発油譲与税、環境性能割廃止を伴うような減収についても、当分は地方特例交付金により全額補填いただいているということでございます。

 そこでお聞きしたいのですが、まず、新しく創設される臨時財政対策債償還基金費でありますが、地方に積み上がった臨時財政対策債を償還するための財源として措置していると聞いておりますが、取りあえずは単年度のものと聞いております。今後、地方自治体に計上されている臨時財政対策債に関してはきっちり減らしていく必要があると思いますが、その辺の所見についてお伺いいたします。

出口政府参考人 お答えいたします。

 令和八年度の地方財政対策におきましては、臨時財政対策債の償還のための基金の積立てに要する経費といたしまして、臨時財政対策債償還基金費〇・八兆円を措置することといたしました。

 これは、臨時財政対策債の残高が令和八年度末で三十八・八兆円に上る見込みであることや、基金の積立てにより将来の公債負担の軽減につながることを踏まえたものでございまして、地方財政の健全化に資するものであると考えております。

 引き続き、安定的な行政運営に必要な地方財源を確保した上で、地方財政の健全化に取り組んでまいりたいと考えております。

 以上でございます。

高見(亮)委員 ありがとうございます。

 本当に、地方に積み上がった臨時財政対策債、やはりそれがいわゆる借金ベースで残ってしまっていますので、これをしっかり解消していくことは注視していきたいと思っております。

 そして、先ほどお聞きいたしました、軽油引取税、地方揮発油譲与税、環境性能割、以上の廃止など地方財源にマイナスの影響を与える部分について、地方特例交付金で当分の間カバーするとのことでございますが、ちょっとお聞きしたいのは、まず、この当分というのが一体どれぐらいの期間を考えておられるのかというのと、また、この地方財源の穴を埋めるための安定財源確保を考えられているところでございますが、これを一体どういう形でというか、責任を持ってしっかり財源を考えていただきたいと思っているところなんですが、いかがでしょうか。

高橋副大臣 軽油引取税等の当分の間税率の廃止、自動車税、軽油自動車税の環境性能割の廃止に伴う地方団体の税収減につきましては、委員御指摘のとおり、令和八年度においては、地方特例交付金によって全額を補填することとしているところです。

 その上で、今後の安定財源の確保に向けまして、軽油引取税等の当分の間税率に係る財源については、令和七年十一月五日の与野党六党合意を踏まえまして、令和八年度与党税制改正大綱において、租税特別措置の見直し等による地方増収分を活用するほかに、具体的な方策を引き続き検討し、令和九年度税制改正において結論を得る、安定財源確保が完成するまでの間、地方の財政運営に支障が生じないよう、地方財政措置において適切に対応するとされております。

 また、環境性能割に係る財源につきましては、同大綱におきまして、安定財源の確保をするための具体的な方策を検討するとされております。

 総務省といたしましては、こうした大綱の記載を踏まえまして、地方の安定財源の確保に向け、適切に対応をしてまいります。

高見(亮)委員 ありがとうございます。

 地方に新たな財源という話、これはなかなか難しいところではありますが、少子高齢化社会を迎え、本当に自治体の財源というのは苦しくなる一方でございまして、また一方で、本当に世の中がすごく複雑になっていく中、地方の仕事というのは本当に増える一方なんですよね。本当は、道州制のような抜本的な権限、財源の在り方を考える必要があるかなとは思っておりますが、今はとにかく地方財源を確保することが急務でございますので、よろしくお願いいたします。

 次に、ちょっと目先を変えまして、デジタル的な内容についてお伺いいたします。

 まずは、所信表明の中で、我が国がAIの国際的な普及に積極的に取り組み、またAI事業者ガイドラインの普及啓発もする、AI分野における基盤整備について総務省が主導して行おうとしているところというのがすごく感じられました。

 ただ、AI分野に関しまして、民間はそれぞれ独自に進んでいる、しっかりやっていただいて、どんどんどんどん進んでいるところである一方で、地方自治体におけるAI活用について、民間と比べてなかなか進んでいるとは言えない状況がございます。特に小規模自治体におきまして、本当に進んでいないところが多いです。

 民間におけるスタンダードも大事ではありますが、そういうのはそれぞれ民間でやっていただいたらいいと思うんですが、地方自治体におけるスタンダードというか、しっかり軌道に乗せていくというのが大事なのかなと思っているところでございます。先を進んでいる自治体は独自にやっていただいたらいいとは思っているんですが、AIに手が回らないような自治体に対する支援というか、これを突き動かしていくような、加速させるようなことが急務だと考えておりますが、大臣の見解をお願いいたします。

林国務大臣 大変大事な御指摘をいただいたと思っております。

 地方自治体、今お話がありましたように、人手不足等の資源制約が深刻化しておりまして、生成AIを利活用して業務効率化が期待されている。一般的にもそうですが、とりわけ、今お話のあったような小規模自治体においては飛躍的な効果が見込めるという見解もございまして、より積極的に導入を進める必要があると思っております。

 現状では、やはり、都道府県とか指定都市の多くで生成AIが導入されている一方で、その他の市町村においては少数にとどまっております。その理由として、やはりデジタル人材の不足、またAI生成物の正確性への懸念、こういうものが課題として指摘をされておるところでございます。デジタル人材というのがAIになると、本当に必要なのか、こういう議論もあるところでございます。

 このため、総務省では、生成AIの具体的な利活用の方策、また人材育成の考え方等の留意事項を示したガイドブックの改訂版、これを去年の十二月に公表したところでございまして、今後は、専門アドバイザーの派遣による生成AI利活用のノウハウの支援、また、都道府県と市町村が連携したDX推進体制の構築など、小規模自治体を含む多くの地方自治体において生成AIの利活用が進むように、支援に取り組んでまいりたいと思っております。

 その際、今御指摘のありました小規模自治体に関しては、同様の規模の団体においても生成AIを効果的に利活用している事例などを御紹介を申し上げてその横展開を図るなど、実情に即した支援を進めてまいりたいと考えております。

高見(亮)委員 ありがとうございます。

 今言ったような、ガイドブックであったりとか指導とか、既にある知見をしっかり広げていく、その観点も本当に大事でありますので、しっかりやっていただきたいという一方で、AIの進化スピードというのは本当に日進月歩でございまして、既にできたやつをなぞるだけではやはり十分に、足りない部分もあるかなと。どうしても周回遅れになりがちになっております。動いている間にもフェーズというのはどんどんどんどん進んでいくところがあろうかと。そういうマニュアル対応、これはそれで進めていただきたいと思いますが、どこの自治体でもどんどんどんどん先をリードしていけるような体制というのも一方で必要であろうかなと思っております。

 本当に、今、技術革新というのは物すごく激しい状況でございます。先日、高市総理の施政方針にあったとおり、挑戦しない国に未来はありません的な姿勢を本当に実践していかなければならない分野だと思っております。なので、今後は、取りあえずトライさせてみる、そのための人材をばんばんつけていくという体制づくり、こっちも必要かなと思っておりますので、人材の方の充実、これを地方に対してもしっかり行き渡らせる、そういった政策運営に関しても考えていただきたいと思っております。

 そして次は、地方自治体に関して、AIはAIでもちろんそうなんですが、この間ずっと取り組んできておりました地方自治体のDXについてお聞きいたしたいと思います。

 DXを支える人材の確保、育成、これに関しても、所信で、しっかり取り組んでいくというのがございました。その一方で、今、各地方自治体におけるDXの取組に関しては、本当に相当な幅があるのが現状でございます。

 私自身、今回初当選させていただいて、事務所に着いたらいきなりいろいろな事務がいっぱいあるなというのをすごく思いましたが、何かやはり紙に必死に書いているなというのが、すごくどうしても感じてしまったところなんですよね、若干アナログ的だなと思いながら。ただ一方で、イントラネットとかを見ますと、ぽちぽち押したらいろいろな申請がデジタルでできたり、こういったいわゆるDXができているなと思うところも一方であったというのが、今感じているところでございます。

 こういった状況に何でなっているのかなという話なんですけれども、理由は多々ございますが、やはりICTの専門職員というのが極端に少なくて外部ベンダーに依存しているというのが常態化しておりますし、ベテラン職員さんはやはり紙にすごく慣れている、一方、若手の方にいろいろやらせようとしても、どうしても全体業務の理解が不足していて、リテラシーの断層が生じてしまっている。

 結局、デジタル人材というのは、国においてもなかなか難しい中、地方自治体に本当にほとんどいないということが、DXが進まない最も大きな理由になっているのかなと思っております。

 私がいました大阪市でもデジタルに関する専門部署等もありまして、割と進んでいる方なんだろうかなとは思う一方で、それでも、やはり公務員の給与体系の中ではなかなか確保できない人材というのが世の中いっぱいありまして、大きく進めていくのがなかなか難しいんですね。実際、大阪市でも、民間公募でそういったデジタルの責任者を連れてきたりもしたんですけれども、なかなかうまく進みにくかったという部分もあります。

 やはり、地方で進めていくには、コンサルの導入とかも含めて、DXに踏み出すに当たっての何らかの初期投資が必要になる、その費用を捻出するというのも難しい、これが現状としてあります。

 今、総務省さんとしては、都道府県がそのようななかなか進まない自治体に対して補完機能を発揮できたらいいという方針でいろいろやっていらっしゃるかなと思うんですが、今後、総務省さんとしてどのように自治体DXを進めていくつもりなのか、所見をお願いします。

恩田政府参考人 お答えいたします。

 総務省におきましては、自治体DXの推進に向けまして、自治体DX推進計画を策定し、自治体のフロントヤード改革、地方公共団体情報システムの標準化、AIの利用といった、自治体が重点的に取り組む事項や、具体的な手順を示しておるところでございます。

 こうした取組を実現するためには、委員御指摘のとおり、DXを担う人材の確保、育成が重要な課題と認識しておりますので、各自治体におけます人材の確保、育成の支援、国からのアドバイザーの派遣、こういったことに取り組んでおります。

 また、委員御指摘がありました、特に小規模な市町村ではデジタルの人材の確保というのが急務でございますので、都道府県において市町村支援を実施するための人材プール機能を持ったDX体制の構築を図っておるところでございます。また、この人材確保に必要な経費については地方財政措置を講じているところでございます。

 今後とも、小規模な自治体も含めまして、DXの推進に必要な人材が確保され、その恩恵を全国に広げていくことができるよう、着実に取り組んでまいります。

高見(亮)委員 ありがとうございます。

 都道府県が補完機能を発揮するというのももちろん大事ではありますが、その補完するという一手間を待っている余裕もないという現状もございます。やはり、もう一段階スピードを上げていくための施策を本当に望んでいるところでございまして、よろしくお願いいたします。

 そして、もう一つデジタルで、自治体情報システムの標準準拠システムへの移行についてお聞きいたします。

 これも所信の中で、しっかり支援し、地方自治体における円滑、安全な移行に向けて取り組むというのがございましたが、現実としては、目標としていた二〇二五年に移行完了しているという自治体は相当少ないのが現状でございます。

 その遅れの原因としましては、そもそも対応できるベンダーの数が限られている一方で、全自治体が一斉に標準化について突き進もうとしてしまうと、当然、ベンダーがなかなか対応し切れないというのがあろうかと思います。

 今後、ちょっと遅れている現状もある中、現実的に移行完了に困難が伴っている自治体に対して、総務省としてどのような支援を考えているのか。また、これは標準化するのが目標ではなくて、された先に、データベースが標準化されると、ビッグデータを活用できたりするであったりとか、いろいろな活用方法があるというのが、そこを使っていくのが大事だと思うんですが、そういった標準化された先のデータ活用等についてどういうお考えであるのか、お伺いいたします。

小川政府参考人 お答えいたします。

 地方自治体の標準準拠システムへの移行が令和八年度以降にならざるを得ない特定移行支援システム、これの該当見込み数につきましては、昨年十二月末の時点で、標準化の対象となります全三万四千五百九十二システムのうち八千九百五十六システム、割合にして二五・九%、それから、自治体数で見ますと、全千七百八十八団体のうち九百三十五団体、五二・三%、このような状況になっていると承知をしておるところでございます。

 総務省といたしましては、移行に要する経費につきまして基金を設置しまして、国費十分の十の補助金によりまして措置をしておるところでございますけれども、特定移行支援システムを有する自治体を支援するために、昨年五月の法律改正によりまして、基金の設置期限を令和十二年度末まで五年間延長をいたしますとともに、令和七年度の補正予算におきましては、五百五十九億円を新たに確保したところでございます。

 また、自治体DXの専門家から標準化に関する助言等を受けられるアドバイザー派遣制度を設けておるほか、随時、自治体からの相談に丁寧に対応する、こうしたことによりまして、全団体が円滑かつ安全に移行できるように引き続き支援してまいりたい、このように考えておるところでございます。

 また、データの利活用についても御質問いただきました。

 データの利活用に関しましては、人口減少の下、限られた人材で社会や経済の活力を維持していく上で重要な課題であるというように考えてございまして、政府では、昨年夏に、データ利活用の在り方に関する基本方針、これを定めておるところでございます。

 この基本方針におきましては、データ利活用のための環境整備の一つとして、データ標準化、これを掲げておるところでございまして、御質問いただきました自治体に係るデータに関しましても、二十業務の標準化を始めとして整合的な取組を進めていきたい、このように考えておるところでございます。

高見(亮)委員 ありがとうございます。しっかり対応していただくよう要望いたします。

 次に、消防力の充実強化についてお聞きいたします。

 人口減少、高齢化の進展に伴う救急需要の高まり、大規模災害の激甚化、頻発化、感染症の拡大等、本当に社会環境の変化に的確に対応するため、消防本部の規模を引き上げることの必要性を総務省さんとしては考えておられると思います。

 ただ、そもそも、昔のような人口増加社会の頃ならいざ知らず、今、消防自体が市町村事務となっていること自体、なかなか時代に合っているのかなと感じているところでございます。質、量両面について地方自治体の人材の確保が困難になってきている今、これをどうフォローするのか、持続可能な体制をどう構築するのかが課題になっております。

 そこでお聞きしたいのですが、防災庁の議論が進んでおりまして、消防と防災をどう連携していくのかということと、さっきの、規模を引き上げるという議論の中、消防の広域化、これを更に加速させていくため、総務省としてどう取り組んでいくのか、所見をお願いします。

高橋副大臣 防災庁設置に関しましては、年末に閣議決定をされました防災立国の推進に向けた基本方針におきまして、人命救助等の防災初動対応や個々の行政分野における防災対策等については、専門性、即応性等の観点から、防災庁設置後におきましても、所管する各府省庁において実施をすることを基本とすること、防災庁は、司令塔として、社会全体を見渡した広い視野から、各府省庁等の防災対策を推進、加速することとされております。

 このため、これまで総務省消防庁が取り組んでまいりました緊急消防援助隊や消防団の充実強化を引き続き進めていくほか、防災庁設置に伴い充実することとされている自治体の災害対応力の向上、デジタル防災や防災技術の研究開発、地域防災の充実などの施策につきましては、防災庁の省庁横断的な取組を総務省消防庁としても積極的に活用することによりまして、これまで以上に消防力の強化につなげていきたいと考えております。

 また、消防の広域化につきましては、昨今の人口減少の進行や大規模災害が頻発している現状を踏まえますと、更なる推進に取り組んでいく必要があると考えておりまして、そのため、総務省消防庁としては、広域化に伴う指令センター等の施設整備について、緊急防災・減災事業債等による財政措置を講じてきたところでもあります。

 また、消防の広域化の効果について分析が可能なシミュレーションシステムを消防本部に提供するほか、消防広域化推進アドバイザーを派遣するなど、今後とも、消防の広域化の取組を積極的に推進してまいります。

高見(亮)委員 ありがとうございます。

 広域化は望ましいと思っているところで、もう一言だけ副首都ネタで。

 やはり、副首都制度を確立するに当たって、しっかりとした消防力が必要である、広域強化された消防体制がやはり副首都の中でふさわしいと思っているところなんですが、よかったら所見をお願いできたらと思います。

林国務大臣 いわゆる副首都構想については、与党における協議体において精力的に議論されているものと承知をしておりまして、この与党内の議論を注視してまいりたいと思います。

 その上で、一般論として申し上げますと、やはり人口減少が進行していることや大規模災害が頻発している現状を踏まえますと、緊急消防援助隊の充実による広域的な応援体制の強化、また、消防の広域化の推進による消防本部の体制強化、これは大変重要であると認識しております。

高見(亮)委員 ありがとうございます。

 しっかり副首都の議論を進める上でも、消防力の強化というところは外さずに頑張っていきたいと思っているところでございます。

 あと、最後に一問だけ、主権者教育について所信にありましたのでお聞きしたいと思います。

 私も税理士でございまして、租税教育という形で、小学校とかへ行って税金の授業とかをやったりはしているんですけれども、本当にこういったことが結局投票率に一番つながると思っております。

 ただ、なかなか進まないというか、余裕がないところもある中、総務省さんの方と文科省さんの方で連携していただいて、主権者教育、これをもっと前に進めていただきたいなと思っているんですが、いかがでしょうか。

林国務大臣 主権者教育は大変大事だと思っております。

 総務省は、文科省と連携しまして、政治や選挙に関する副教材を作成して学校の授業において活用いただけるようにしておりまして、学校における模擬選挙などの実施を推進しております。

 各選挙管理委員会でも、教育委員会と連携しまして、学校における選挙出前授業の実施など、積極的に主権者教育に取り組んでおられます。

 また、税務のお話がありましたが、税務署とも連携しまして、租税教室と模擬選挙の共同開催、こういう取組も行われていると思っておりまして、総務省として、こうした取組を動画、事例集等にまとめまして各選挙管理委員会や教育委員会に周知をするとともに、研修会などを通じて横展開を推進しておるところでございまして、今後も社会全体で主権者教育の充実を図ってまいりたいと考えております。

高見(亮)委員 ありがとうございました。

 済みません、ばたばたしてしまって申し訳ございません。これで私の質疑は終わらせていただきます。ありがとうございました。

古川委員長 次に、田嶋要君。

田嶋委員 中道改革連合・無所属の田嶋要でございます。よろしくお願いいたします。

 林大臣、どうも御就任おめでとうございます。

 初めて林大臣に質問させていただくことになりますが、これは幾つ目の大臣ですか、大臣は。

林国務大臣 御通告がございませんでしたが、防衛大臣、経済財政担当大臣、農林水産大臣、文科大臣、外務大臣、官房長官の後、今総務大臣でございます。

田嶋委員 ありがとうございます。

 重職をずっとやっておられて、本当に敬意を表したいと思います。

 私も林大臣とは長いつき合いでございますけれども、だからこそ、最初にちょっと通告なしでお伺いしたいのは、昨今メディアをにぎわす、にぎわすというか、ニュースがいっぱい流れているのは、言うまでもなくイランの問題でございますね。その前はベネズエラでございましたけれども、その間に入って、エプスタインという、よく訳の分からないような話もいっぱい流れているわけで、しかし、あれも政界、財界、いろいろなところに飛び火をしておるわけでございます。

 確認でございますが、林大臣、そういうような人間関係の中の問題はないという理解でよろしいですか。

林国務大臣 エプスタインという人は、会ったこともないし、何の関係もございません。

田嶋委員 大臣も私も、ワシントンも長いわけでございまして、いろいろな人脈ができるのもメリットでありますけれども、他方、どこに落とし穴があるか分からない。我々野党の国会議員であっても、国によってはちょっと気をつけなきゃいけないというようなことを聞くこともあります。

 そういう意味では、大臣、有名な、もう大臣をいっぱいやっておられる方なので、くれぐれも気をつけていただきたいというふうに思います。国益に関わるというふうに思っております。実際、アメリカでは、クリントンさんとかいろいろな方がニュースに流れております。マイクロソフトのビル・ゲイツさんも。本当に残念な状況でございますので、気をつけていただきたいというふうにまず申し上げたいと思います。

 次に、もう一点、イランの状況でございますが、昨日も予算委員会で林大臣、御答弁されておりましたけれども、改めて、こんな状況になって、エネルギーの問題に直結でございます。

 大臣、政治家になられる前は商社におられたわけで、イランは非常に関係が深い国でもあったというふうに拝察するわけでございますが、改めて総務大臣の立場から、こうしたイランの情勢を見ながら、今、日本は何をこれから更にねじを巻いて頑張らなきゃいけないというふうに総務大臣としてお感じになっておられるかということを、もしよろしければ御所見をいただきたいと思います。

林国務大臣 ありがとうございます。

 私、商社が社会人のスタートでありまして、三井物産でございましたので、入社当時はIJPCというプロジェクトが結果として失敗になって大きな損害を抱えた、その後に入社をした世代でございますので、大きなことがあったんだなと。まさにそれが、現体制といいますか、今、体制がどうなるかということもありますが、それが始まったことによって大きな政治的なリスクを負わざるを得なかった、こういうことでございました。

 まさにカントリーリスクということで、当時は、また国会議員になってからも認識をしておりますが、日本におりますと、なかなかそういうことに対してピントというかセンスが、どうしてもそういう必要もないものですから鈍りがちでございますが、お互いワシントンで一時期共有しておりましたので、そういうアンテナはしっかりと持ちながら対応していきたいと思っております。

 予算委員会でも少し議論になりましたけれども、外務大臣のときに痛感いたしましたのは、ウクライナの侵攻が始まった時点では余り小麦の話がなかったんですが、実は攻撃したロシアと攻撃されたウクライナは、合わせると世界の何割かの小麦の生産地であったわけで、後々そのことが、日本は直接ではございませんでしたが、特にアフリカ等は大きな影響を受ける。

 こういうことでございますので、今どういうことが起きているか、足下でどういう影響があるかということに加えて、これは長期化しないことを祈るばかりでございますが、時系列的にどういうことが起こり得るのかということをしっかりと見据えながら、総務大臣でございますので、特に、地域の皆様に対して、最終的にどういう影響が及ぶ可能性があるのか、それをどうやってしっかりと防いでいくのか、こういうことに心を砕いていきたいと考えております。

田嶋委員 ありがとうございます。

 おっしゃるとおり、総務大臣として地域のことを考えていただいておると思うんですが、私も、このイランの話、まさにIJPCというのは頭からやはり離れないですよね。私は関与はしていませんけれども、やはりそういう言葉は忘れないぐらい当時インパクトの強い出来事で、商社が非常にリスクのあるビジネスを海外でやっておられるということをまざまざと見せつけられた記憶がございます。

 それで、やはりあのニュースを見ると、物価高ということに直結をする、エネルギーコストのことがすぐ頭に思い浮かぶわけでございまして、ホルムズ海峡の封鎖という話、今いろいろ言われておるわけでございます。

 だからこそ、私は、総務大臣に考えていただきたい。エネルギーコストを考えたときに、我が国のエネルギーの自給率というのは、食料と並んで非常に低い国であるということですね。そして、やはり中東依存を続ければ続けるほどこういったときに振り回されるわけでありますし、同時に、自治体の財政という観点からはどんどん首が絞まっていくような状況にあるから、やはり一日も早く、自然エネルギー、再生エネルギーを広げることこそが、こういった国際的な状況が出てきますと、改めて私は、総務大臣の大変重要な使命になってくるのではないかと。

 後ほどワット・ビットの話も今日は触れたいと思うんですが、そこにつなげていく前振りとして今日はこういうようなホットなテーマから入らせていただいたことを御容赦いただきたいと思うんですが、改めて後ほど質問をさせていただきます。

 それで、次に、質問通告しております順序に従ってお伺いしていきますが、大臣は、所信の中で書かれておりますけれども、就任以来、一生懸命地域を回って声を聞いてきたというお話でありますが、これは誰でもやりますね、我々もやります。

 ただ、大臣でありますから、声を聞くと実際そこからいろいろなことを感じるわけでございますが、大臣、この間、いろいろ回られたということで、どんな声を一番よく聞かれたかということをまず御答弁いただきたいと思います。

林国務大臣 昨年の十月の就任以来、総務大臣として九府県回っております。その中には福岡のような大きなところもあって、まず大きな印象は、やはり都市と地方で全く違うということでございます。活力とか、見たところの違いというのもあると思いますけれども、半導体に対してどういう対応をするかというような物すごい先端的な前向きな話があるところと、それから、非常に厳しい過疎で人口が減っていく、財政も厳しい、そういうところの中で本当にぎりぎりの工夫をしながら何とかやっていく、こういうところと、本当に様々なところがあるなと。

 制度としては一律にということもあるんでしょうけれども、それぞれの事情というのをよく踏まえてやっていく必要があるなということを痛感を改めてしておるところでございます。

田嶋委員 大きな違いがあるというのは本当にそのとおりだと思うんですが、しかし、共通するのは、どこもそれぞれの事情に合わせた成長機会を見出していかなきゃいけないということは間違いないし、例えば、今コストが非常にかさばっている部分に関してどのようにして削減ができるのかという観点は、どの自治体にとっても共通のテーマだろうというふうに思います。

 今日、私、たまたま古い本を出してきたんですが、「里山資本主義」という、これは三・一一の後にあの有名な藻谷さんという方が書かれた。この中では高知県が紹介されておるんですが、やはり高知県にとっても一番県からお金が出ていく大きな理由というのが、ガスとか電気とか石油とか、そういうエネルギー関連だということが書かれてグラフになっておるわけでございまして、それは、都市部であっても、あるいは限界集落のような地方の田舎の場所であっても、事情は似たようなものではないか。なぜならば、日本全体で二十五兆円から三十兆円の国富が出ていっているわけでありますから、そのトータルの細分化をしていけば、一個一個の千七百以上の自治体が、それぞれにやはりそうした部分に関して当たり前のようにお金がかかって出ていってしまうと。

 だからこそ、このエネルギーの部分に関して、総務大臣が、イランの情勢も含めて、ワット・ビット連携というものを一つの大きなチャンスと捉えて、私は、取組を考えていただきたいというふうに思っております。それは後ほどお話ししますけれども。

 今おっしゃった、いろいろな声を聞かれた中で、大臣、こうもおっしゃっておりますね。そのサイクルを回していくことが重要だということなので、大臣として、そういう現場の声を聞いた結果として、いいサイクルを回して政策実現に、つまり、声から政策へとここに書いてありますから、声から政策へのサイクルが実現した例というのを教えていただきたいと思います。

林国務大臣 幾つかございますが、昨年十一月に長野県を訪問させていただきました。地域おこし協力隊員と意見交換をいたしまして、二十代から六十代という幅広い年代の方が、棚田保全、やはり棚田を守っていくためには稲を植えなきゃいけないので、協力隊がいないと実質的に回っていかないということを保存会の会長さんからお聞きしたりとか、農業、観光誘客、空き家活用と、いろいろな分野で活動されております。

 協力隊という制度をきっかけに多くの方が移住して地域振興に関わっているということを改めて感じさせていただきまして、引き続き、そういうことを受けて、やはりこれは本当に必要だなということで、隊員数を増加させるとかいうことに向けて、広報、それから自治体のサポート体制を強化したいということで指示を出したところでございます。

 また、福岡県、先ほどちょっと申し上げましたが、ここは、地域経済の活性化に関する企画から事業の実施、推進までを一体的に行うシンク・アンド・ドゥー・タンク、シンクタンクというのがよくございますが、シンクタンクだけじゃなくて、そこで考えて企画したことを実際そこでやっちゃうというシンク・アンド・ドゥー・タンクという事例、じっくりお話を聞かせていただきました。ここはすばらしいなと思ったのは、福岡の中だけではなくて、近隣の、福岡県の外の者も会員になったりして、そこのシンク・アンド・ドゥーも一緒にやってあげる、こういうような取組でございまして。非常にいいなと思いましたので、今、広域リージョンの連携の取組をやっておりますが、このシンク・アンド・ドゥー・タンクを、積極的に活躍していただけますように、今年一月に、広域リージョン連携推進要綱、これを改正しまして、福岡地域の取組について、自治体にも情報提供を行っております。

 それから、高知のお話も今ありましたけれども、ここも非常に知恵を出して、いろいろ頑張っておられます。地域の農業体験、それからイベント参加等を通じて関係人口を創出するということをやっておられます。オモシロガリストというのを商標登録されておられて、通常、例えば、わなにイノシシがひっかかって捕まっているところを見回りに行くというのは大変な作業なんですが、これをゲームのようにして、参加を求めて、幾つ見つけたらスコアが幾つみたいな形でゲーム化して面白がることによってそこにいる人の負担を下げる、こういうのは大変いい工夫だなと思いました。

 実際にそういう関係人口をつくってデータベース化されておられるということをお伺いいたしました。まさに、我々、今年中にはと思っておりますが、ふるさと住民登録制度を検討しておりますので、これを参考にしていきたい、こういうふうに考えておるところでございまして。

 これからも、そして、ただ行ってみておしまいということになってはいけませんので、委員おっしゃるように、しっかり政策に生かしていくように視察を続けていければと思っております。

田嶋委員 ありがとうございます。

 それは、やはり、大臣がじかに見て、百聞は一見にしかずで、ああ、これはそうだなということで大臣側にそれを受け止める感度があったから、これを実行しようということでサイクルが動き始めたんだろうというふうに思うんですね。

 しかし、私は、もう一つ大臣に提案したいのは、現地に行って見てくる、それで、感受性が高くて、そういういろいろなことを見聞きして、それが政策につながるというのもいいんですが、私は、もう一つ、いろいろなところへ、自治体に行くことがありますけれども、つくづく思うのは、現場に行って何か不都合をいろいろ感じたときに現場の方と話すと、それは私たちには分かりません、上に聞いてくださいということをよく言われるんですね、分からないと。要するに、現場で起きていることは、なぜこうなっているのかということは自分たちが決めているわけではないので上に聞いてください、こういう回答が非常に多くて、それは無理もないと思うんですけれども、そうしたときに、もったいないな、こういう声をどういうふうに届けたらいいのかなということを私は常日頃感じるんですね。

 例えば、大臣は御自身でマイナンバーカードを入手されましたか。

林国務大臣 当時は選挙区が変わる前でございまして、宇部市に住んでおりまして、市役所に行って、自分で取得を、たしかしたというふうに記憶しております。

田嶋委員 多分、マイナンバー、自分じゃないと駄目なんですよね、多分ね。だから、自分でやるしかなかったのかもしれないけれども。

 自分でなくてもやれるような、そういう手続もいろいろあろうかと思うんですが、しかし、そういうときも、それこそ、週末にスーパーでお買物をされるとか、そういうことと同じで、自分でやらないと実感として分からないことはたくさんあると思うんですね。私は、週末よくスーパーに行くのが好きなのでお買物をしていますけれども、物価がどのぐらい動いているかということをやはり行ってこそ分かるけれども、大臣のようにもうずっと大臣をやっておられると、いろいろなことを人に任せられるようなお立場でしょう。私は、それは世の中から離れていくきっかけになっていると思うんですね。

 例えば、大臣、海外に行かれるでしょう。御自身で飛行機チケットとかホテル、取らないでしょう。非常に僕はよくないと思うんですけれども。そういうことは努めて、何も変わらない状況を維持していかないと、生活者の目線というのはどんどんどんどん私は薄れていくというふうに思っているんですね。

 一個、地元の千葉市で、今どうなっているか、ちょっと確認していないんですけれども、フィックスマイストリートという言葉は御存じですか。

林国務大臣 知っているわけではございませんが、恐らく、自分の近所の道路を自分で何とかしようということなのかなと思いましたけれども。

田嶋委員 通告なしで済みませんが。

 フィックスマイストリートというのは、これは英語で、外国から、多分アメリカからなんだと思うんですが、住民が壊れている公園のベンチとかの情報を、今だったらスマホで写真に撮って行政に上げると、行政がすぐに直しに行く。私も使ってみたことはあるんですけれども、それは千葉市だけじゃなくて、幾つかのところでそんな試みが始まっている。

 何を申し上げたいか。大臣は感受性が高かったから、現地に行って視察をして、いろいろなことが、全部周りの人に準備していただく視察であっても、その中で発見した事実、見聞きした事実を基にして、政策、施策につながるようなすばらしいケースを先ほど御披露いただきましたが、私は、いろいろな世の中の人たちの声をもっと的確に吸い上げる仕組みがあった方が、どんどんスピードを上げて行政のありようということを変えていくことができるんじゃないのかなというふうに思っているんです。

 やはり、霞が関だけで考えても限界があります。私は、マイナンバーに関しても日本のデジタルに関しても、そして、最近だったら大阪の関西万博も、いろいろな仕組みも御苦労がいろいろあったと思うんですが、私は四回大阪万博に行っているんですが、行くたびにいろいろなことをやはり感じるものですから、それを全部デジタル庁などにフィードバックもしてきましたけれども。

 やはり、それぞれの自治体の現場、行政手続のエントリーポイントのところに何がしかフィードバックできる仕組みを用意していただいた方が、私は総務省の所管で様々な課題のアップグレードにつながるのではないかなというふうに感じるんですが、大臣、その点に関して、今後、財政措置のようなことというのは必要かなと思っているんですが、いかがでしょうか。

林国務大臣 まず、大臣として行きますと、セキュリティーもあって、自分で勝手に飛行機を取って、勝手に乗り込んでいくというのはなかなか難しいところはあると思いますが、大臣でないときはそういうこともございませんので、少し若い時代、議員になってからですけれども、一人でいろいろなところへ行くとびっくりされることはありますけれども、自分で電車に乗って自分で行くとかというのは大変大事なことだろうなと今聞いていて思いました。

 恐らく、委員がおっしゃっているようなことは、自分の選挙区で、ぐるぐる回りますよね、そうすると、お膳立ても何もないので、大体、昼間の会合で意見ありますかと言っても出ないんですけれども、ちょっと夕方以降で、お酒も入って、ところでどう、こう言うと、いろいろなことが出てくるんですね。先ほど委員がおっしゃったように、いや、これは誰が悪いのか分からないんだけれどもさと。知らないじゃなくて、そこはどういうことなのと聞くと、意外としゃべってくれるんですね、それは、まあまあずっと長いつき合いというのもあって。そうすると、時系列的にどういうことが変わってきたのかとか、昔はできていたことができないとか、先ほどの御質問にあったように、最近は雪が昔より降っているとか、私の地元は余り雪はありませんけれども、雨の降り方が変わったとか、そういうことがありますので、やはり、こうやって国会で御議論いただいて、それぞれの地元を抱えていらっしゃる先生方から、実際こうなっているよというフィードバックというのは、大変そういう意味でも貴重なことだ、こういうふうに思っております。

 また、総務省としては、御通告がなかったので私の記憶だけですが、行政相談員というのを持っていまして、いろいろな、これはどうしたらいいんだろうか、これはどこへ行ったらいいんだろうかというのを、まず来ていただけるというようなところも用意しておりますので、そういうところにどういう相談が来ているのかというのもしっかり見ていくというようなことも、あるいはあるのかなというふうに思いました。

田嶋委員 大臣が現地に行くのもよしでありますが、それは一つのアプローチでありますから、是非、声をいろいろ吸い上げる仕組みというのを財政面も含めて考えていただきたい。私は、現地で普通の生活者としていろいろな行政手続をするにつけ、そういうことを本当に痛感をいたしますし、もっといっぱい改善できるのにその声がなかなか届かないということを私も感じる一人でございますので、是非御検討いただきたいというふうに思っております。

 物価高が今生活者の一番の課題でございますけれども、一点、今回の政策の中に、官公需の価格転嫁の関係のテーマがございました。要するに、コストを下げるという点と併せまして、価格転嫁をしっかりやる、すなわち給料がちゃんと上がる国にしていくということでありますけれども、この普通交付税の算定に差をつける政策に関して少しお尋ねをしたいと思うんですが、なぜこの価格転嫁に関してこのようなスキームを導入することにしたのか、御答弁いただけたらと思います。

出口政府参考人 お答えいたします。

 物価高の中で、官公需の価格転嫁が重要な課題となっております。特に、地域経済におきましては、地方自治体の発注する契約の割合が大変高く、ここで価格転嫁が進まない場合には、地域における賃上げが実現しないといった課題もございます。

 そこで、令和八年度の地方財政計画におきましては、官公需の価格転嫁が進みますように、地方自治体の委託料、維持補修費、投資的経費などにつきまして、まず〇・六兆円の増額計上を行ったところでございます。

 その上で、普通交付税の算定におきまして、地方団体の価格転嫁の取組を反映することといたしまして、入札の見直しですとか委託契約などの増額改定といったものに積極的に取り組んでいる自治体に対しまして、普通交付税の算定に反映をしていきたい、このように考えているところでございます。

田嶋委員 ということは、何がしかの基準を設けて、おたくは積極的だね、おたくは積極的じゃないねというふうに振り分けるということでいいですか。

出口政府参考人 お答えいたします。

 普通交付税の算定でございますので、客観的な統計指標に基づいて算定を行う必要があるものと考えております。

 例えば、入札の見直しに関して言えば、具体的に、行政分野のうちどの程度の割合で見直しが進んでいるかですとか、委託契約の改定であれば、具体的にどの程度の増額改定率であったかといったものを指標といたしまして、全国平均との比較などによりまして、具体の交付税の算定上の係数を作っていく、このようなことを検討していきたいと考えております。

田嶋委員 そうした係数を作るのは総務省ということでございますか。それと、それによって判断される千七百の自治体の同意というのも取るということですか、こういう基準でやるよということに関しては。

出口政府参考人 お答えいたします。

 算定の基準は、普通交付税に関する省令に規定をすることになりまして、そういう意味では総務省の方が計算式を作っていくということになりますが、毎年度、地方交付税の算定方法につきましては、地方自治体が意見を申し出るという仕組みがございます。実際、これまでも幾つか成果指標などに基づく算定を行っているところでございますけれども、毎年度、地方自治体の方から多数の御意見をいただいておりまして、そうした御意見を地方財政審議会に諮りながら、毎年度の算定の見直しを行っているところでございます。

田嶋委員 ありがとうございます。

 ただ、大臣所信にもこういう記述があります。価格転嫁に積極的に取り組む地方団体というのは、私ちょっとここは違和感を感じるんですが、私、経済産業委員会に長いんですけれども、公取とか中企庁が一生懸命、民間の価格転嫁、頑張っていろいろな取組をしていると。それでもまだ半分ぐらい、まだまだ道半ばだということで、特に中小零細とかフリーランスとか、なかなか給料が上がらない、つまり、人件費に関する価格転嫁というのは、物件費、エネルギーなどに比べても非常に遅れてしまっているという現状があるんですが、まず隗より始めるというか、やはり自治体とか行政というのはそういうときに率先して先導役になっていかなきゃいけないとなると、何か、価格転嫁に積極的じゃない自治体というのは本来あっちゃいけないんじゃないかなというふうに私は感じるんですが、その点はどうなんですか。

出口政府参考人 先ほど来申しておりますように、地域経済におきましては官公需のウェートが高くて、ここできちんとした価格転嫁が進みませんと、地域における賃上げが実現しないという課題があると思っております。

 そうしたことから、私どもも、機会あるごとに、地方自治体の皆様方に対しましては、価格転嫁に必要な財源をきちんと確保したことを踏まえまして、それぞれの団体によって、積極的な入札の見直しや契約におけるスライド条項の適用、そして実際の契約におけます適切な価格の設定等をしていただきますようお願いを申し上げまして、また、それらの結果については、調査の上、フォローアップを重ねているところでございます。

田嶋委員 だから、本当は、私は、全自治体が積極的であってほしいなと思っているので、こういう峻別することを前提にした政策支援というのはない方がいいというふうに理解しているんですけれども、そこはどうですか。

林国務大臣 今、局長が答弁したとおりでございますが、まさに、みんなでこれをやりましょうよ、こう言って、実際に全員がやってくれれば一番いいんですが、なかなかいろいろな事情もあって、できないところと、工夫してやったところがあって、その結果、やったところにはそれなりのインセンティブがつくように今計算していますよ、こういうことでありますので、それを、インセンティブ構造を通じてなるべく全員がそっちになってもらえるようにということは今説明したとおりであった、こういうふうに思います。

田嶋委員 私は、そのインセンティブ構造に反対している立場ではないので、そこは何を基準にということによっては非常にもめるのではないかな、あるいは不評を買う可能性もあるのかなとは思うんですが、是非取り組んでいただきたいなというふうに思っております。

 もう一問、大臣にお尋ねは、このようなインセンティブを含んだ政策目的を実現するための施策というのは、他の政策にもひょっとしたら横展開できないのかなというのがございまして、今日配付している資料を御覧いただくと、この自治体における公営電気事業の実施団体の一覧というのを御覧いただいて、これは、前、実は何度か使っておる資料でございます、総務省から出していただいておるんですが、これはワット・ビット連携にもつながっていく話なんです。

 先ほどのイランの話から今日は始めさせていただきました。一番エネルギーコストが自治体には利いてくるものの一つである、これは会社の経営も同じだと思うんですけれどもね。じゃ、その自然エネルギー、再生可能エネルギーをどうやって広げていくかというのは、先ほどの過疎地、田舎の方であっても都市部であっても、それぞれに様々なツールがありますね。東京都が屋根上ソーラーをメーカーさんに義務づけているということですね。メガソーラーが日本中で問題になっていますけれども、そんなところにつけなくても、都市部だったら屋根の上に設置をするというようなことがまだまだ広がってはいないわけでありまして。

 そういうことを考えると、私は、総務大臣、今回、この普通交付税で、言ってみれば、自治体を、少し頑張っているところとそうじゃないところを分けるような政策、私は決して反対ではないんですが、この政策は、結構、ほかの目的、政策目的に、私が申し上げているのは、再生可能エネルギーを広げて、それによって自治体のそれぞれの財政負担を大きく下げていく余地があるということ、その目的に私は使い得るのではないかなというふうに感じておるんですが、その点、いかがでしょうか。

出口政府参考人 お答えをいたします。

 自治体における再生可能エネルギーの導入というのをどのように地方財政上後押しをしていくかということでございますけれども、再生可能エネルギーの普及は地域の脱炭素という観点でも重要な課題でございますので、これまで、公共施設などにおいて再生可能エネルギーを整備する場合には、脱炭素化推進事業債という地方債と交付税を組み合わせた措置によりまして地方自治体の財政需要を賄うということをしておったところでございます。

 ただ、公共施設における再生可能エネルギーは、これまで施設で自家消費をするということを前提に仕組みをつくっていたところでございますけれども、どうしても、施設における消費電力量が必ずしも大きくなくて、発電量の方が大きいものですから、この脱炭素化推進事業債が活用しづらいといった御意見を地方自治体の方からいただいておりました。

 そこで、令和八年度から、発電電力を地域内で消費するための売電を主目的として自治体が整備をする事業につきましても対象に追加をいたしまして、こうした取組を普及していきたいと考えているところでございます。

田嶋委員 いろいろやっていただいているのは全然結構なんですが、私の申し上げているのは、大臣、御答弁を何かいただけたら、あるいは副大臣、せっかく今回この普通交付税に、こういうふうに、頑張ってやっていただいている、頑張ってという言葉がいいかどうか分かりませんが、積極的にやっていただいているところにより優遇するような政策というのは、私は使い方によっては非常に効果をもたらすのではないかなと。現に、かつて聞きましたけれども、自治体も国の方も、全然、再生可能エネルギー、進んでいないんですよ。全く二〇三〇年の目標の足下にも及んでいないという惨たんたる状況なんですね。そこに輪をかけてメガソーラーなんということが出てきちゃったので、もうみんな、それを何か積極的にやらないような空気が日本中に広がっていて、これは本当によくないと私は思っているんです。

 そういう意味では、国民の賃金を上げるためという大変大事な目標のために今回このような措置を考えられているということなので、同じようなことが、同じように重要な政策目的の実現のためには考え得るのではないかということを申し上げているので、大臣、可能性を御答弁いただきたいと思います。

林国務大臣 委員がおっしゃるように、普通交付税の算定の中で、先ほどのような、インセンティブといいましょうか、そういうものを入れるやり方と、今局長が御答弁させていただきましたように、いわば、経産委員会風に言うとプロジェクトファイナンスみたいなことでございまして、こういう新しいことをやります、それを借金でつくって後から返していく、こういうことをされるときに、先ほど申し上げたように、起債を認めて、そしてそれを返していくときに、逆に言えば、交付税で見るというところにインセンティブが利いてくるということでございますので、そういう仕組みを通じて、しっかりとこういうことをやるところを後押しをしていきたいと思っておりますし、更なる検討が必要であれば、御指摘を踏まえてやってまいりたいと思います。

田嶋委員 ありがとうございます。

 是非御検討いただきたいと思うんですが、先ほど申しましたワット・ビット連携に関して少し御質問したいと思います。

 これを所信の中で、十五ページに記述されております。通信インフラと電力インフラというのは、言うまでもなく、これまでだって高度に連携してきたはずでありまして、例えば、私がかつていたNTTなんというのは、日本全体の電力消費の一%を一事業体で消費しているというような話も聞いたことがありまして、そういう意味では通信というのと電力というのは密接不可分でありますが、今回、ワット・ビット連携というのは何がそんなに特別なのか、これまでと何が違って、これからどういうことをやっていきたいと考えているのかをちょっと御答弁いただきたいと思います。

林国務大臣 これは、実は官房長官の時代から取り組んでおることでございますが、電力需要が、委員お詳しいと思いますが、例えば十年前ぐらいと比べると、データセンターとか半導体の工場ができたりとかということで、将来的な需要が一層見込まれるようになったということでございます。

 このデータセンターなどを、ビットの方、電力がワットの方なのでございますが、私も興味を持っていろいろと聞いてみると、データセンターの方が系統に寄った方がいいのか、系統がデータセンターの方に新しく行くのか、どっちが全体としていいのか、こういう議論をいたしまして、やはり全体としては、系統を動かすというのが非常に時間もかかるしコストもかかるということで、データセンターなどが、今ある系統で比較的余裕のあるところに計画的に行っていただければ、こういうこともあって、電力系統と通信基盤の一体的な整備を図っていくワット・ビット連携を推進していくこと、こういうことになっております。

 これの推進に当たって、国土強靱化、GX、それから地域活性化の観点で、データセンター、これを脱炭素電源が豊富な地方へ立地を進めていくということが重要であります。

 特に海外の顧客は、どうやって発電した電気でやっているのかということを非常に強い関心を持って、それを要件にしているようなところもございますので、そういうことを進めていくということでありまして、総務省としては、経済産業省と連携しまして、通信、電力、それからデータセンターに関連する企業や団体の方々と政府の関係者が一堂に会するワット・ビット連携官民懇談会、これを去年の三月から開催をしておりまして、昨年の六月に取りまとめ一・〇の公表にまでこぎ着けたところでございます。

 これを踏まえて、総務省において、今どうしてもデータセンターが東京圏、大阪圏に集中しておりますので、これを地方で立地することを支援する、それから、GXの実現に向けたデータセンターの新たな大規模集積拠点の実現、さらには、これは委員の方がお詳しいと思いますが、オール光ネットワーク、これを活用した地方に分散したデータセンターの効率的運用に向けた実証、こういうことを行ってまいりまして、ワット・ビット連携をしっかり推進していきたいと思っております。

田嶋委員 今、大臣、事前の説明でも聞いておりましたけれども、大臣もビットの方をワットに近づけるという話をされて、系統に近づけるということがベターじゃないかという御答弁でしたよね。ということは、恐らく、イメージとしては、大規模集中的な発電選択肢、従来型の火力や、あるいは原発の再稼働、そうしたことがワット・ビットのワットの方の主力というふうに期待されているのかなというふうに思うんですが。

 そこで、私は、この自治体の公営電気事業のこと、これを配らせていただいたのは、これは、御存じのとおり、昔々は、電力というのはもっと分散的に発電しておりまして、今でこそ沖縄電力を含めて十電力体制という形になったのは、むしろそんなに歴史の長い話ではなくて、元々はちっちゃい電力会社がたくさんあったので、イノベーションによってそういう時代に戻ってきたということも言えると思うんですね。

 だから、ワット・ビットと言うときのイメージとして、私は、これは世界を見ていても、実は、ワット・ビットが出てきたときは、何か原発なのかなという感じもしていたんですが、意外とアメリカなんかでもそうじゃなさそうで、再生可能エネルギーがやはりワット・ビットのワットの方になってくるということを感じているんですね。

 例えば、自治体は、ソーラーシェアリング、営農の発電なんというのはまだ一つも事例がないんですが、これも日本発なのに世界の方が広がっている。

 どうも日本は再生可能エネルギーは大変なブレーキが今かかってしまっている状況でありますので、是非、大臣、これはワット・ビットの、ビットにとっての大事なワットの方ですけれども、ワットの選択肢を広く考えていただいて、これは地熱発電なんかもあると思うんですけれども、是非、本当の意味での分散型で、いろいろな自治体の利益に、固定資産税も含めて、いろいろな自治体を裨益するようなワット・ビット連携ということを考えていただきたいというふうに思います。

 最後に、もし御答弁いただければお願いします。

林国務大臣 議論の経緯でビットがワットにと申し上げましたが、もちろん、今後、連携を考えていく上で、そこでもう完結したというか、系統ではないものとデータセンターという組合せは否定するものではございませんので、いろいろな可能性を考えていくと。

 恐らく、今委員がおっしゃったことは、時系列的に、足下すぐやるやつと、少し時間を長く取って考えるやつと、その辺をしっかりと立体的に考えるということではないかと思います。

田嶋委員 先ほどのインセンティブ制度も含めて、足下の、時系列の意味では、リードタイムの短い分野は特に、再生可能エネルギーは短いものもたくさんありますので、まだまだ地域に眠っているエネルギーの宝は山ほどあるんですよ。それをやはり広く捉えてもらって、総務大臣が中心になって日本のエネルギー事情を劇的に変えていただきたい。それがイランに対する最大の安全保障だと考えております。どうぞよろしくお願いします。

 ありがとうございました。

古川委員長 次に、中川宏昌君。

中川(宏)委員 中道改革連合・無所属の中川宏昌でございます。

 本日は、大臣所信に関する質疑の機会をいただき、感謝を申し上げたいというふうに思っております。

 まず、大臣は所信におきまして、活力ある地域社会の実現や、安全、安心な暮らしの実現に向けた力強い決意を述べられました。

 私の政治に携わっている者としてのモットーといたしまして、安心、安全で勢いのある国づくりを私はモットーとしておりまして、大臣そのもののお言葉は、私としても非常に心強く受け止めさせていただいたところでございます。

 一方で、私が、首長の皆さんですとか地方自治体の現場の職員、また地域住民から直接お話をお伺いする中で感じますのは、国が描く将来像と、また現場が直面している厳しい現実との間には、まだ少しギャップがあるのではないかというふうに思っております。

 急速な人口減少や少子高齢化の波は、地方としてはもう待ったなしの切実な課題となっております。そこへ追い打ちをかけるような物価高騰ですとか、また老朽化するインフラ、そして激甚化する自然災害への対応など、現場からは、国の方針は理解できますけれども、それを実現するための財源や人手がどうしても不足している、こういった率直な声が寄せられているところでございます。

 今日は、地方に過度な負担が生じていないかという建設的な視点から、防災・減災、国土強靱化、また地方の活性化策、そして地方財政の基盤確立について伺ってまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。

 まず、能登半島地震への対応と今後の災害への備えについて伺ってまいります。

 国はこれまで、被災地の復旧復興支援策といたしまして、応援職員やインフラ復旧工事事業者等の宿泊場所につきまして、石川県が一元的に確保する費用に対する特別交付税措置を創設するとともに、石川県が創設をします復興基金に対しても特別交付税措置を講じてきました。そしてまた、広範な地域で液状化の被害が発生している富山県また新潟県が単独事業で実施する液状化対策に係る特別交付税措置についても創設をされました。これらの一連の迅速な地方財政措置については一定の評価をさせていただきたいと思っております。

 しかしながら、被災地の復旧復興は数年で終わるような短距離走ではありません。これからが正念場となる息の長い取組であるというふうに思っております。

 さらに、能登半島地震におきましては、応援職員等の執務スペースの確保、またネットワーク環境の整備、宿泊施設等のリスト化など、自治体が他機関から応援を迅速的確に受け入れるための受援計画や業務継続計画の実効性向上という重い課題、これが浮き彫りになったところでございます。

 また、通信の途絶、これも深刻でありました。衛星インターネットの機器等につきまして、据付けや設定対応等の運用面で困難があったということも報告をされているところでございます。

 自治体職員自らが被災するような激甚災害下におきまして、国やほかの自治体からの支援を円滑に受け入れるための受援体制の構築は、自治体単独の努力また財源では困難でありまして、これは全国共通課題でありまして、国の制度的支援が必要であるかというふうに思っております。

 そこで、大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。

 まず一つ目といたしましては、能登半島地震の被災地に対する単年度の枠に縛られない弾力的な財政支援を、被災自治体が復旧復興の必要性が解消したと判断できる段階まで、しっかりと国が責任を持って継続的に支援していくこと、これが私は大事だと思いますが、それについての御見解。

 そして、現在想定されております南海トラフ地震、また首都直下地震、さらには噴火火災など大規模災害の発生、これが懸念をされているところでございますけれども、こうした事態に備えまして、全国の自治体において、業務継続計画や、また受援体制の整備を加速してその実効性を一段と高めていく、これが非常に重要だと思っております。このことにつきましては、国としてこれからの取組を更に強化していただきたい、このように考えるところでございますが、大臣の御見解をお伺いさせていただきます。

林国務大臣 令和六年能登半島地震によりまして甚大な被害が生じた石川県におきましては、年度を超えて、長期にわたって復興に向けた取組が必要と見込まれたことから、総務省として、今触れていただきましたが、県が創設した復興基金に対して、令和六年六月でございましたが、五百二十億円の特別交付税措置を行いました。

 また、令和七年三月に、内閣府において創設された能登創造的復興支援交付金五百億円、これも交付をされております。県ではこれを原資に既存の基金を積み増しておるところでございます。

 石川県におかれましては、これらの基金を復旧復興施策に柔軟に活用されているものと承知をしております。

 委員もおっしゃいましたが、長期間にわたるということでございますので、今後も、毎年度の特別交付税の算定などにおきまして、被災地の事情を丁寧にお伺いして、被災団体の財政運営に支障が生じないように適切に対応してまいりたいと考えております。

 また、二つ目の御質問でございますが、自治体が災害対応などを的確に行うためには、やはり業務継続計画を策定して、その中で、首長不在時の明確な代行順位ですとか職員の参集体制の構築、こういう重要な要素を定めておくということ、そして、これに加えて、外部からの応援を迅速的確に受け入れて、情報共有、各種調整等を行うための受援計画を定めていくということが重要であると考えておるところでございます。

 消防庁では、これまで、内閣府と連携いたしまして、業務継続計画や受援計画の策定、それから内容充実に関する通知を発出してございます。また、市町村の職員向けの研修会を実施しておりまして、こうしたことなどを通じて、業務継続計画の策定、また受援体制の整備に対する支援、これを行ってきたところでございます。

 今後とも、関係省庁と連携しながら、研修会の充実強化を進めていきたいと思っておりますし、また、職員の参集や応援職員の受入れを含む実践的な訓練の実施を働きかけていくことなどによって計画が実効性があるものにする、これを、自治体に対して必要な支援を行っていくことによって確実なものにしていきたいと考えております。

中川(宏)委員 大臣、ありがとうございます。今後に向けての重層的な支援、このように受け止めさせていただきました。

 現場の実態を見てみますと、例えば、お金の手当があっても人がいない、こういった現状、また通信がない、こういった厳しい状況は私も見てきております。

 そして、財政的な措置だけではなくて、発災直後の通信途絶に備えた衛星通信の配備費用に対する全額国費の支援ですとか、また、国主導で専門職員を派遣していく人的スキームの強化、現場が真に助かる実効性あるサポート、こういったことも是非国が今後責任を持って継続していただきたいと、要望させていただきたいと思います。是非よろしくお願いしたいと思います。

 次に、防災・減災、国土強靱化の推進についてお伺いをさせていただきます。

 国は、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策の後継となる取組におきましても、地方負担を抑える地方債措置を継続をしております。

 また、喫緊の課題であります防災、減災の施設整備等に取り組むために、緊急防災・減災事業費として〇・五兆円、また緊急自然災害防止対策事業費として〇・四兆円が令和八年度の地方財政対策において計上をされております。さらに、これらの事業期間につきましては、自治体から強い要望がありまして、中長期的な視点で取り組むよう、令和十二年度まで延長されました。

 また、さらに、地方単独事業として河川等のしゅんせつを実施する緊急浚渫推進事業費〇・一兆円につきましても、事業期間を令和十一年度までに延長する措置が講じられるところであります。

 こうした措置の延長、計上、これは自治体から相当強い要望が来ている重要な部分であるかというふうに思っておりますけれども、課題はそのたてつけにあるかなと私は思っているところでございます。

 この事業債の名前が示すとおりに、これらはあくまでも緊急的、時限的、こういった特別措置という位置づけにとどまっております。しかし、近年の気候変動に対する風水害の激甚化、頻発化ですとか、また大規模地震の切迫を考えれば、防災、減災のための公共施設等の耐震化、また社会基盤の整備、これはもはや緊急時の特例ではなくて、今後数十年単位で続く自治体の基本業務ではないかと私は考えるところであります。

 そこでお伺いをさせていただきますが、この時限的な特例措置の延長を繰り返すのではなくて、地方自治体が中長期的な展望を持って計画的に防災、減災投資が行われるよう、地方単独事業に対する地方財政措置を恒久化していくように考えるべきではないかというふうに思っておりますけれども、大臣の見解をお伺いさせていただきたいと思います。

林国務大臣 委員からお話がありましたように、地震や豪雨などの自然災害が激甚化、頻発化しておりまして、こうした中で、自治体が単独事業として実施する緊急的な防災・減災対策、これに積極的に取り組めるように、緊急防災・減災事業債、そして緊急自然災害防止対策事業債、緊急浚渫推進事業債により措置を講じておるところでございます。

 これらの対策は、自治体におきましてできる限り早期に取組をしていただく、これが望まれることから、事業期間を区切って、地方債充当率一〇〇%、それから元利償還に対する交付税算入率七〇%と、極めて特別な措置を講じているところでございます。

 このため、緊急浚渫推進事業債は令和六年度まで、緊防債と緊急自然災害防止対策事業債は令和七年度までと期限を設けておったところでございますが、今委員からお話があったように、地方自治体から強い要望やニーズがあったということ、さらには、昨年六月に閣議決定されました国の第一次国土強靱化実施中期計画、これが令和八年度から五年間ということで計画期間を設けておりますので、こうしたことを踏まえて、それぞれ五年間の期間延長を行ったということでございます。

 したがいまして、自治体においては、まずはこれらの事業期間内に各事業債を積極的に御活用いただいて、必要な事業に早急に取り組んでいただきたい、そういうふうに考えております。

中川(宏)委員 ありがとうございます。

 今大臣から、自治体が早期に取り組めるようにということで、こういったお話がございました。そして、単独でやっていくということでありますけれども、私が首長といつもお話をさせていただくのには、相当な、この期限の延長というのは、毎回毎回心配しているわけですね。

 ということは、単年度というよりも、むしろ、首長、自治体は、単年度ではなくて、長期的に見た中で単年度でどうやってやっていくか、こういうスパンでやっているかというふうに思っておりますので、今度次期計画の検討をされるに当たっては、恒久的な部分をどういうふうに見ていくかということも是非議論の中に加えていただいて検討をしていただきたい、このようにお願いをさせていただきたいというふうに思っております。

 次に、防災の最前線を担う消防体制についてお伺いをさせていただきたいと思っております。

 令和八年度の地方財政対策におきましても、引き続き、緊急消防援助隊の無人走行放水ロボットの整備ですとか、また、サイバーセキュリティー対策の強化に必要なシステム整備などが推進をされております。こうした機材の高度化、これは大いに賛成であります。

 しかしながら、どれほど最新鋭の機材を配備しても、それを熟練した技術で操作する人がいなければ本来の力が発揮できないということ。また、地域防災の中核である消防団員の数は年々減少を続けておりまして、各自治体におきましては、消防団に救助用資機材の整備、また車両の無償貸付けなど、こういったことを行っておりますけれども、地域の存亡に係る危機的な状況ではないかというふうに思っております。

 さらに、多様な人材確保という観点で見ましたら、女性消防吏員の活躍推進、これも重要なことだというふうに思っております。現在、消防庁も、比率の向上のために、SNS等、様々広告等の広報活動を展開しておりますけれども、それで急激に増えるというわけではなくて、根本的な課題として、相談のしやすさ、また、職場環境、ハラスメント防止体制の実効性などが今指摘をされております。小規模な消防本部では人間関係が濃密でありますから、相談窓口があっても通報しづらい、こういった声もあります。

 そこでお伺いをさせていただきますけれども、単なる広報や数値目標の提示にとどまらず、ドローン等の高度な専門人材の育成につきまして、標準的なカリキュラム、また、共同訓練、広域での共同運用まで含めて、国がしっかりと支援していくこと、さらに、消防団員の報酬等の処遇を抜本的に引き上げていくための財源保障を行っていくこと、さらには、ハラスメント防止対応につきましては、自治体の任命権、服務監督の枠組みを前提にしつつ、匿名性を担保した外部相談窓口、また第三者レビューの仕組みを整備していくなど、実効性ある体制強化、これをしっかりと取り組んでいくべきではないかというふうに思っておりますけれども、この点につきまして見解をお伺いさせていただきます。

田辺政府参考人 中川委員から三点御質問いただきました。

 まず、ドローン等の高度な専門人材の育成についてですが、消防庁では、ドローン活用の普及啓発を行うドローン技術指導アドバイザーを育成するための研修を実施するとともに、そのアドバイザーを消防本部へ派遣し、消防職員の操縦技術の向上や運用時の留意事項に関する助言を行っております。

 また、令和七年度からは、消防職員がドローンの国家資格を取得する経費について新たに特別交付税措置を講じたところであり、こうした様々な施策を通じて消防現場におけるドローンの活用を支援してまいります。

 次に、消防団員の処遇改善について、消防庁では、消防団員の報酬等の基準を定めるとともに、報酬に対する地方財政措置を令和四年度及び令和六年度に拡充してきた結果、令和七年四月時点で約九割の市町村で基準を満たすなど着実に処遇改善が図られているところですが、引き続き、消防団員の処遇改善にしっかりと取り組んでまいります。

 最後に、ハラスメント対応については、消防本部が設置する相談窓口に職員が相談しにくいと感じる場合に備え、総務省消防庁内に消防庁ハラスメント等相談窓口を設置し、全国の消防職員から相談を受け付けるとともに、必要に応じ、関係消防本部に適切な対応を取るよう助言等を行っております。

 また、今年度開催した消防本部における女性活躍推進に関する検討会の報告書を踏まえ、本年一月に通知を発出し、ハラスメント対策の徹底に向け、通報窓口、相談窓口におけるハラスメントに関する知見を有する第三者の活用や、年齢、性別など多様な属性の窓口員の配置等に取り組むよう消防本部に要請したところです。

 引き続き、消防の現場におけるハラスメントの撲滅に向け、しっかりと取り組んでまいります。

中川(宏)委員 引き続き、しっかりとした対応で臨んでいただきたい、このように思います。

 次に、地方創生二・〇と地域活性化策、これについてお伺いしてまいります。

 国は、地方への人の流れの創出、拡大に向けまして、令和八年度の重点施策といたしまして、ふるさと住民登録制度について制度設計を進める方針を示しております。これは、関係人口の規模や地域の関係性を可視化して、誰もがアプリで簡単に登録ができて、都市部の住民が各種情報提供、またサポート体制を受けながら地域に貢献する仕組みとのことであります。

 この理念は大変すばらしいと思います。しかし、私は、この制度が現在のふるさと納税制度が抱える負の側面を再現してしまうのではないかという思いも抱いております。

 ふるさと納税は、豪華な返礼品を用意できる、あるいはPRの資金が潤沢な一部の自治体に寄附が集中をしてしまって、本来支援を必要としております条件不利地域には恩恵が及ばない、自治体間の過当競争と格差、これを生み出してしまいました。

 今回のふるさと住民登録制度も同じであります。風光明媚な観光地がありまして、魅力的な特産品がある、発信力のある大都市周辺の自治体には人が集中する可能性があります。限界集落を超えて、本当に草刈りですとか雪下ろしなどの担い手を求めている過疎の町村には、国がプラットフォームとなるシステムをつくっても登録が進まないおそれがあるのではないかと思っております。

 そこで、この制度が資金力や発信力のある自治体ばかりを利するような結果にならないように、特に過疎地域ですとか小規模町村に対しましては、国が寄り添った形で関係人口の偏在と格差を防ぐための具体的な歯止め策を講じていくことが非常に大事であると私は思っているところでありますが、この点につきましてお伺いをさせていただきたいと思います。

恩田政府参考人 お答え申し上げます。

 ふるさと住民登録制度は、住所地以外で継続的に関わる地域をスマホのアプリで登録する仕組みを導入することで、関係人口を可視化し、地域の担い手確保、活性化につなげることを目指すものでございます。

 国におきまして共通システムを構築することで、各自治体において、財政力等にかかわらず、イベントや担い手活動募集等の情報を全国に向けて簡便に発信することが可能となるものでございまして、この点については小規模の自治体からも評価する声をいただいているところでございます。

 また、都道府県と市町村の連携による広域的な対応も推進することとしておりまして、人口減少等を背景とした課題を抱える小規模な自治体も取り残されることなく対応できるように考えていきたいと思っております。

 今後は、過疎地域も含めまして、各地域の実情を踏まえた具体的な検討を深めていくということで、モデル事業を実施するということでございますので、そのモデル事業の中で小規模自治体の取組につきましてもしっかりと伴走して支援をし、そのノウハウの横展開を図ることでサポートをしてまいりたいと考えております。

中川(宏)委員 今、これからモデル事業を実施していく中でしっかりと検証もしていくということであるかと思いますけれども、例えば、私の提案でありますけれども、やはり過疎地域、小規模町村に対しまして、過疎地域に登録し、活動した場合のポイント付与率の優遇ですとか、また、企業版ふるさと納税と連動させて、条件不利地域への優先的なマッチング機能ですとか、制度設計の根幹に格差是正の仕組みを組み込んでみても、どうかなというふうに私は提案をさせていただきますが、この点についてはいかがでしょうか。

恩田政府参考人 具体的なガイドラインにつきましては三月を目途に発出する予定にしておりますけれども、実際の運営のスタートは来年度中ということで目指しておるところでございます。

 引き続き、小規模自治体とかの御意見も踏まえながら、そのガイドラインをどうやって構成していくのか、必要に応じて検討してまいります。

中川(宏)委員 是非よろしくお願いいたします。

 次に、新しい地方創生の形として掲げられております広域リージョン連携の推進についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 複数都道府県の区域における自治体と経済団体等の多様な主体が連携をしまして、イノベーション創出のための取組、これを面的に展開をして、国が省庁横断的に支援を行うとしております。

 広域的な連携の必要性は理解をするところでございますが、これもまた、大学や研究機関、大企業が存在をする力のある地域が国からの手厚い支援を受けて、そうした資源を持たない過疎地域が置き去りにされる懸念があるのかなというふうに思っております。

 同時に、過疎地域では、高度なイノベーション以前に、日々の生活の足、これが崩壊の危機に瀕しております。国は、令和八年度地方債計画におきまして、辺地、過疎対策として計六千七百億円を計上して支援を行っていくとしておりますけれども、地方の現場が本当に困っているのは、コミュニティーバスですとか乗り合いタクシーの車両を買う初期費用ではなくて、それを日々運行をしていって、そしてドライバーを確保し続けるためのランニングコストなのだと私は感じているところであります。

 そこで、まず一点目にお伺いさせていただきたいのが、人口が減って運賃収入が見込めない中で、自治体の単独財源で赤字を補填し続けるのはもう限界だというふうに思っております。そこで、広域リージョン連携において条件不利地域が取り残されないための配慮をどう担保していくのか、この点につきまして、まずお伺いをさせていただきます。

小川政府参考人 お答えをいたします。

 広域リージョン連携につきましては、今委員から御紹介をいただきましたとおり、都道府県の区域を超えまして、官民の多様な主体がプロジェクトベースで柔軟に連携して施策に取り組むことができる、こうした枠組みをつくっておるところでございますが、こうした都道府県を超えた課題、広域での経済成長やイノベーション創出につきましては広域リージョン連携を進める一方で、人口減少や高齢化に伴い、今御紹介をいただきましたような課題が既に顕在化している地域につきましては、これまで総務省が行ってきた過疎対策の取組を一層深化させていきたい、このような形でそれぞれ推進してまいりたい、このように考えておるところでございます。

中川(宏)委員 その上で、過疎地域におきまして、移動する権利というナショナルミニマムを保障するために、交通や生活インフラの維持に必要なランニングコストへの支援を含めて、地域住民の生活をどのように維持していくお考えなのか、改めてお伺いをさせていただきたいと思います。

恩田政府参考人 お答えいたします。

 過疎地域におきましては、人口減少や高齢化に伴いまして、買物、通学、通院などの日常生活上の移動が難しくなっているケースもございます。また、交通事業者の経営環境の悪化、担い手不足の深刻化などの課題も生じていると認識しておるところでございます。

 このため、総務省におきましては、ICTを活用した交通システムの導入などをいわゆる過疎交付金によって支援しているほか、生活交通を確保する事業に過疎債を活用可能としていることを始め、地方バス、デマンドタクシーに対する地方財政措置も、ソフト事業も含めて支援を行っているところでございます。

 今後とも、関係省庁と連携し、地方自治体の取組を適切に支援してまいりたいと考えております。

中川(宏)委員 地方の現状を見ますと、起債や特別交付税による一定の後追い支援で足りない、こういったことから、全国で路線バスの廃止が相次いでいる、これが現状の姿だというふうに思っております。

 ハードの支援だけではなくて、やはり移動する権利を守っていくために、普通交付税の基準財政需要額における公共交通維持経費の算定を大幅に引き上げるなど、抜本的な運営費支援の拡充、これを重ねてお願いをしておきたいというふうに思っております。

 次に、地域経済の好循環に向けた取組についてお伺いをさせていただきます。

 国は、物価上昇を上回る賃上げを実現するため、地方の官公需においても最新の実勢価格を踏まえた適切な予定価格の設定や価格転嫁を促進し、低入札価格調査制度等の導入状況を見える化して公表するとされております。地域の雇用を支える中小企業を守るために、適正な価格転嫁、これは絶対に必要であります。

 地方自治体の立場で考えれば、これはダイレクトに事業費の圧迫を意味するというふうに思っております。

 令和八年度の地方財政計画では、ごみ収集や学校給食費等の委託料、公共施設の維持管理等のコスト増に対応するために、一般行政経費において新たに五千八百五十億円増額計上するとともに、適切な価格改定を行う自治体の財政需要を反映する価格転嫁分といたしまして、一千億円を地域の元気創造事業費に創設したとしております。

 しかし、現実の価格高騰や人件費上昇のスピードにこれらの措置が十分追いついているかといえば、どうかというところであります。入札の不調、また不落が全国で相次いでおります。自治体は財源がないため、必要な公共事業やサービス維持を先送りせざるを得ない、こういった状況かというふうに思っております。

 そこで、国が自治体に、適正な価格転嫁を行ってくれ、このように号令をかけるのであれば、実勢価格に対してしっかり見合った価格転嫁分に対する完全な財源保障を行うことが必要であると思いますが、この点についての見解、そして、あわせて、物価高、官公需の価格転嫁への取組状況を踏まえた普通交付税の算定見直しの検討のプロセス、この点につきましてもお伺いをさせていただきたいと思います。

出口政府参考人 普通交付税の算定に用います基準財政需要額は、各地方自治体の標準的な水準における行政を行うための財政需要を客観的に算定するものでございますので、各自治体の実際の決算や予算とは異なるものとなってしまいます。

 その上で、自治体による価格転嫁の取組の重要性が増していることを踏まえまして、令和八年度地方財政計画において、物価高対応として、委託料など〇・六兆円の増額計上を行うことといたしました。この際には、各地方自治体が契約をどのように積算しているのか、そういうふうな実態などもよくお伺いした上で、経費に占める人件費の割合ですとか、その人件費をどのように積算しているのか、どういう指標を用いているのか、そういうことをしっかりと把握した上で、必要な額を積み上げたものでございます。

 関係経費の単位費用措置額をこれから引き上げることを通じまして、標準的な価格転嫁の取組に必要な財源はしっかり確保していきたいと考えております。

 加えまして、御紹介いただきましたように、普通交付税の算定費目、地域の元気創造事業費におきまして、新たに一千億円程度の価格転嫁分を創設して、各自治体の価格転嫁の取組状況を反映することとしております。

 具体的には、令和八年四月一日時点の各自治体における低入札価格調査制度等の導入状況ですとか、民間委託契約額の増加率等を調査いたしまして、これに基づいて価格転嫁に積極的に取り組む団体の財政需要を算定に反映したいと考えております。

 算定方法の詳細につきましては、今後、先ほど申し上げました調査の結果を踏まえながら、今年夏の普通交付税の交付決定に向けまして検討を進めてまいりたいと考えております。

中川(宏)委員 年度当初の増額計上だけでは、期中の高騰スピードについていけるか、こういった課題も今後出てくるかというふうに思っております。リアルタイムでどういうふうに反映させていくかということも非常に大きな課題であるというふうに思っておりますので、そういった視点も、是非とも今後見ていっていただきたい、このようにお願いをさせていただきたいと思います。

 次に、地域の重要なインフラである、今日、質問で国定委員からもお話がありましたけれども、郵便局の活用、この点についてお伺いをさせていただきます。

 情報通信審議会の答申等を踏まえまして、自治体の支所等の縮小が進んでいる中で、郵便局に窓口事務等を委託して、行政サービス、また住民生活支援サービスを提供するコミュニティーハブとしての利活用、これが推進をされております。

 令和七年度から開始されました委託に伴う初期費用に対する特別交付税措置、措置率〇・五ですけれども、継続的な支援を求められるというふうに思います。生活拠点としての郵便局の活用は、私も大変有意義なものがあるというふうに思っております。

 そこで、まず一点目にお伺いさせていただきたいのが、郵便局への事務委託を進めるに当たりまして、住民の個人情報保護の徹底、また現場の郵便局員の負担軽減、これも生じてくるわけですが、この点につきまして、国としてはどういうふうに担保するのか、お伺いをさせていただきます。

牛山政府参考人 お答え申し上げます。

 全国約二万四千局のネットワークを持つ郵便局は、地域の重要な生活インフラとしての役割を担っており、郵便、貯金、保険の三事業のユニバーサルサービスの提供に加えまして、自治体窓口の受託といった地域の実情やニーズに合わせた取組への期待もますます大きくなっているところでございます。

 こうした中で、日本郵便におきましては、郵便局において自治体窓口事務や住民生活支援サービスの受託を進めるに当たりましては、住民の個人情報保護について、マニュアルや研修により適切な取扱いを徹底すること、また、現場の社員の負担につきまして、個々の郵便局の状況を確認した上で受託局を選定することなどの取組を行っているところでございます。

 総務省といたしましては、日本郵便におきましてこうした取組が着実に行われていくことが必要であると考えておりまして、今後も適切に同社の方を監督してまいりたいと考えております。

中川(宏)委員 そして、過疎地域というか、小規模自治体で、自治体自らが行う移動窓口車ですとかアウトリーチ支援、こういった対応に対しても手厚い財政支援を行って、公的な行政サービス網を国が責任を持って維持していく、これが非常に大事だと思いますが、この点につきましてお伺いをさせていただきます。

小川政府参考人 お答えをいたします。

 自治体自らが行う取組について御質問いただきました。

 これに関しましては、自治体窓口改革といたしまして、デジタルツール等の活用による多様な窓口の実現を進めておるところでございます。

 まずは原則手続のオンライン化を進めつつ、オンライン申請が難しい住民のサポートや、対面、非対面の対応を適切に組み合わせまして、庁舎だけでなく、自宅あるいは郵便局や公民館といった住民に身近な場所でも手続が可能となるようにするために、住民との接点の多様化あるいは充実化を図っているところでございます。

 具体に申しますと、自治体職員が本庁舎とオンラインでつなげた車両で出張いたしまして行政サービスの提供を行う移動窓口でありますとか、あるいは郵便局や公民館などの窓口と担当部署をビデオ会議システムでつなぎまして行政サービスを提供するリモート窓口、こうした取組を進めておるところでございます。

 これら含めまして、好事例のモデル都市を全国の自治体へ横展開を図りますとともに、必要となるシステムの導入経費につきましては、令和七年度から、特例的な地方債として創設されたデジタル活用推進事業債、これを活用可能としておるところでございます。

 こうした取組を進めまして、引き続き、持続可能な行政サービスの提供、これを進めてまいりたいと考えてございます。

中川(宏)委員 ありがとうございます。

 最後に、大臣にお伺いさせていただきます。

 令和八年度の地方財政計画におきましては、地方の一般財源総額について前年度を上回る水準を確保しまして、臨時財政対策債の発行を抑制をしている点、これは一定の評価をさせていただきたいと思っております。

 その上で、実態といたしましては、こども・子育て支援加速化プランに伴う地方負担の増ですとか、こういったこともありまして、国の政策決定や方針による地方の義務的な財政需要、これは増加をしております。

 国の政策のツケですとか物価高のしわ寄せを地方のやりくりに負わせるのではなくて、地方が真に自立し、将来を見据えた政策を打ち出すようにしていくためには、算定項目の調整だけでなく、地方交付税の原資そのものを恒久的に増やす地方交付税の法定率の引上げ、こういったことを抜本的に考える時期が来ているというふうに思っておりますが、最後に大臣にお伺いをさせていただきます。

林国務大臣 令和八年度の地方財政計画では、一般財源総額につきまして、交付団体ベースで前年度を三・七兆円上回る六十七・五兆円を確保するとともに、地方交付税総額について、前年度を一・二兆円上回る二十・二兆円を確保したところでございます。

 また、例えば物価高対応ですが、〇・六兆円を増額計上したほか、地域における強い経済の実現の観点から、地域未来基金費〇・四兆円を創設いたしました。

 地方単独事業を含めて、自治体が様々な行政課題に対応しつつ、行政サービスを安定的に提供できるよう、必要な歳出を適切に計上し、一般財源総額をしっかり確保できたものと考えております。

 委員から御指摘のありました交付税率の引上げにつきましては、臨時財政対策債に頼らない財政運営が可能となっている状況などを踏まえつつ、今後も、地方財政収支の状況等を見極めながら、政府部内で必要に応じて議論してまいりたいと考えております。

中川(宏)委員 時間が参りましたので、以上で終わります。ありがとうございました。

古川委員長 次に、平林晃君。

平林委員 中道改革連合の平林晃でございます。

 およそ二年ぶりに総務委員会に戻らせていただくことになりました。立場はいろいろ変わりましたが、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 では、所信で大臣が述べられたことに関しまして質問させていただきます。

 日本成長戦略本部におきまして、情報通信分野が総合的に支援すべき戦略分野に指定をされたわけでございます。言うまでもなく、同会議は十七の分野を指定されておられます。それらの分野を眺めますと、日本の技術力が必ずしも優位である分野ばかりではない、このように認識をさせていただいております。

 筆頭のAIにしても、やはり、米国、中国が覇権を争っていて、日本は必死に追いかけようとしている、半導体に関しましても、一九八〇年代頃は世界のシェア五割を占めていた頃もあったわけですが、現在でも製造装置、部素材は強みを有するものの、チップに関しては台湾、韓国、米国を必死に追いかけている、こんな状況であり、造船あるいは航空・宇宙、しかりであります。

 そうした中で、情報通信分野は、コンテンツ分野やマテリアル分野とともに日本が従前から強みを持ってきた分野の一つであると認識をしております。言うまでもなく、NTTを代表とする通信事業者が世界トップクラスのインフラサービスを提供している、また、大学等の研究機関におきましても、研究者のレベルも高く、人数も多くおられる、このようにも認識をさせていただいているところでございます。今、日本の研究力の相対的な地位の低下も言われているところではございますけれども、そういった中でも力強い分野であると認識をしております。

 このような分野が日本成長戦略本部において戦略分野に指定されたということは、日本が当該分野でより一層の強みを発揮をして、世界をリードしていく分野に成長させよう、こういう指示にほかならないのではないかと考えているところでございます。

 そうした意味におきまして、今後の取組にかける意気込みを、是非とも林大臣に伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。

林国務大臣 この分野の御専門である委員から大変ありがたい御質問をいただきました。

 昨年十一月四日に、日本成長戦略本部第一回会合で、まさに総合的に支援すべき戦略分野の一つとして情報通信分野が指定され、総務大臣がそれを担当するということになったわけでございます。

 社会活動や安全保障、災害対応、こうしたものに不可欠な基盤となっております情報通信分野に対する期待の表れであろう、こういうふうに受け止めておりまして、まさに強みを持った分野の一つであるということではございますが、半導体のように油断をしておりますと抜かれてしまいますので、やはり、先手を打って、官民連携の戦略的投資、これを促進することが大変重要であると思っております。

 今年の一月から情報通信成長戦略官民協議会を開催しまして、関係する事業者、団体の皆様から生の声を伺いまして、情報通信分野における官民連携の戦略的投資促進策について検討を進めているところでございます。

 この分野における我が国の強み、これを生かして、強い経済を実現するため、大胆な投資促進、研究開発や海外展開への支援、さらには人材育成、そして標準化、国際標準をしっかりと、我が国に不利にならない若しくは有利になるように、こうした観点もしっかり踏まえて、春頃の取りまとめに向けた議論をしっかりと進めてまいりたいと思っております。

平林委員 先手を打って戦略的投資をしていっていただくということでございまして、いろいろな分野があろうかというふうに思います。もちろん、オール光とか、インフラ分野もありますし、また、最先端の研究分野というものもあるかというふうに思います。

 こういったところを本当に、幾つかあると思いますので、しっかりと後押しをさせていただいて、また、これは本当に標準化が取れる分野ではないかなというふうに思います。決して日本も全部が全部取れるわけではないというふうに私は勝手に思っていますけれども、この分野についてはもう間違いなく強みを持っているという意味におきましては、是非それも進めていっていただいて、やり遂げていただきたいというふうに思っておりますので、心から御期待を申し上げて、関連した質問に行かせていただきたいというふうに思います。

 関連というか、データセンターに関しましても所信で述べられた部分がございますので、少しこの部分を聞かせていただきたいというふうに思います。

 地方分散のことをおっしゃられていたかというふうに思いますが、地方分散の意義、当然私も認識をしております。太陽光や風力などの再生可能エネルギー資源が豊富な地域にデータセンターを配置をして、高速大容量通信でネットワークでつなぐ、いわゆるワット・ビット連携の観点から当然重要であるというふうに思いますし、これと並行した意味におきまして、都市部への集中を防いでやれば、災害への対処能力も向上させることができる、これは当然のことでございまして、経産省さんとも連携をされながら、これまでも一貫して進めてこられたと認識をしているところでございます。

 その一方で、なかなか進んでこなかった、こういう現実もあると認識をしております。事業者ともお話をさせていただく中で、新しいデータセンターを建築するときにはやはり都市部やその周辺を選ぶことが多い、こういう状況もあると伺っています。千葉だったり、多摩だったり、大阪だったりということでございますが。これはやはり、その地域に一定程度の需要がなければ、そのエリアへの進出は難しいということであるわけであります。売れないマンションを建てても仕方がない、これと同じことだというふうに認識をしておりますけれども、需要がなかなか難しい地域にデータセンターを建築するということができない、こういう現実があるわけであります。

 ここを乗り越えなければ、データセンターの地方分散はなかなか進んでいかないわけですけれども、ここをどう乗り越えようとされているのか、総務省の御見解を伺います。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 AIの急速な発展やクラウド利用の進展などによりまして、データセンターに対する需要が急速に拡大しているところでございます。

 データセンターの具体的な立地につきましては、先ほども委員から御指摘がございましたとおり、需要地からの近さ、また地盤の安定性や海底ケーブルの陸揚げ局からの近さ、そういった観点から特定の地域に集中する、こういったことが今の現状だと思います。

 一方で、国土の強靱化やGXの推進、さらには地域活性化の観点からは、特定地域に集中するデータセンターにつきまして、将来的な電力需給の逼迫等も考慮した上で、地方への分散を進めていくということも重要な政策的な課題と認識しているところでございます。

 データセンターの地方分散に当たりましては、まさに地方で一定の需要、そういったものがあることが前提でございまして、それぞれの地域で需要を喚起する、こういった施策が重要だと考えているところでございます。

 具体的に申し上げれば、例えば、分散した複数のデータセンター間を、大容量、低遅延といった特徴を有するオール光ネットワーク、これで接続することにより、他の地域からの需要を取り込む、こういったことや、また、各地域で、データセンターを活用して、人口減少等の地域課題の解決につながるAIを活用した新たなサービスの創出を推進するといったようなことが有効だと考えているところでございます。

 総務省におきましても、そのための必要な予算を、令和七年度補正予算、また令和八年度当初予算案に盛り込んでいるところでございまして、地方におけるデータセンターの需要喚起と立地促進に向けた取組をしっかりと進めてまいりたいと考えているところでございます。

平林委員 需要喚起、複数データセンターを接続する、あるいはその地域地域のAIサービスを展開されていく、こういったことを考えていらっしゃるということでございました。本当にそれをしっかりと進めていかなくてはいけないというふうに思っておりますし、私も、地元ともしっかり連携しながら推し進めさせていただきたい、このように考えているところでございます。

 需要喚起の一つとして期待されているのが、自動運転ということになろうかというふうに思います。

 私の地元である中国地方におきましても、人口減少が進んで、過疎化は本当に深刻でありまして、鉄道やバスなどの公共交通が廃線されたり減便されたりしております。住民の方々、高齢化していらっしゃって、免許を返納されることによって移動手段が失われていく、こうしたいわゆる交通空白地が増加をしているという状況で、これは先ほど中川委員もおっしゃっておられましたけれども、移動の権利ということが損なわれている、こんな状況になりつつあるわけでございます。

 これに対抗するために、各自治体、デマンドタクシーや地域住民によるボランティア運送、あるいはMaaSを導入するなどして解決を目指しておられますけれども、ここに自動運転が導入されれば、地域にとって明るい光となることは間違いないわけであります。

 そこで伺いたいのは、大臣所信でも述べられたことでございますが、自動運転の社会実装に向けた通信環境を確保するということでございまして、そもそも自動運転は省庁横断的に事業が進められているということで、デジタル庁による総合調整の下、車両開発であったり道路のことであったり、また通信のことということで、その部分を総務省が所掌しておられるということで認識をさせていただいております。

 島根県の美郷町におきましても、レベル4の自動運転の走行を実施しておられるわけでございますけれども、山間地域であって、電波不感地帯があって、そこの通過は課題になっている、こんなことも聞かせていただきました。

 そこで、お聞きしたいのですけれども、大臣所信で述べられておられました自動運転のための通信環境の確保、どのような考え方の下に進めていかれるのでしょうか。よろしくお願いいたします。

湯本政府参考人 お答えを申し上げます。

 我が国におきましては、自動運転の早期実現に向けて、民間事業者あるいは地方自治体と連携しつつ、政府全体で様々な取組を進めているところでございますが、自動運転の円滑な運行を支える上で、通信インフラの整備は重要かつ急務な課題だと認識しているところでございます。

 具体的に申し上げれば、例えば、無人での自動運行の安全を遠隔で常時監視するためには、安定的な無線ネットワークが必要でございます。また、車両単体では、例えばでございますが、高速道路の合流先の状況といった内容を把握することが困難なケースというのも想定されることから、それらの情報を車両に伝達をし、自動運転を支援する、こういった通信システムが必要となってきます。総務省といたしましては、実証事業や補助事業を通じて、こうした通信インフラ、ネットワーク整備に対する支援を行っているところでございます。

 さらに、中長期的な観点で申し上げれば、通信事業者も含む民間事業者のビジネスモデルが確立し、通信インフラが本格的に整備されることが必要となると考えているところでございます。現状におきましては、通信事業者からは、自動運転の社会実装の見通しが不十分だとインフラ設備投資のインセンティブがなかなか働かないといったような点や、通信インフラ整備に係る多額のコスト回収の見通しが立たないといったような指摘もあるところでございます。このような指摘も踏まえまして、総務省におきましては、昨年の九月から、自動運転時代の“次世代のITS通信”研究会を開催し、多様な関係者の御参画をいただきながら、将来的な通信インフラの在り方について検討を行っているところでございます。

 総務省といたしましては、既存の取組による短期的な方策と、今後必要となる中長期的な政策、この両面から検討を進め、自動運転の早期実現に向け、必要な通信インフラ整備を推進してまいりたいと考えているところでございます。

平林委員 事業者からの声も聞かれているということで、見通しが立たなければ設備投資もしていけないということで、本当におっしゃるとおりであって、そのニーズにしっかりと応えながら通信環境整備を進めていっていただきたいと本当に思うところでございます。

 その上で、今のお話も全くそのままの内容になりますけれども、事業者が自動運転を事業として継続するためには、やはり採算が取れなければならない。

 私も事業者に話を聞く中で、自動運転バスは一台数千万円ということもお聞きをして、当然、一台では事業になりませんから、複数台購入する必要がある、そうすれば、すぐに億単位のお金が必要になってくるということもお聞かせいただきました。こうして初期投資をして、ランニングコストもかかってくる、そうすると、採算を取るのは本当に容易ではないので、事業者はなかなか参入が難しい、こういうこともお聞きをしたところでございます。

 このためにどうすればいいのか、現場も知恵を絞っていらっしゃるところだというふうに思うんですけれども、行政として、この点を克服して、自動運転を地域で実装していくためにどのような支援をしていかれるお考えなのか、この点については、総合調整を担っておられるデジタル庁に御見解を伺えればと思います。

岡田政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、我が国において自動運転サービスの社会実装、事業化を早期に実現していくためには、事業として継続可能なビジネスモデルを構築していくことが重要であると認識しております。

 そのため、昨年六月にデジタル社会推進会議におきまして策定いたしましたモビリティ・ロードマップ二〇二五に基づきまして、現在、先行的事業化地域の選定を行っているところでございます。選定に当たっては、応募された各自治体からの提案につきまして、収支計画あるいは事業継続性も有識者の方に御審議いただいているところでございます。

 先行的事業化地域に選定された地域に対しましては、関係府省庁の自動運転に係る支援策を集中的に投入をすることに加えまして、デジタル庁が中心となりまして、関係府省庁と連携した伴走支援体制の構築に取り組むこととしております。

 この取組によりまして、選定地域において、継続的な自動運転サービスの事業化を全国に先行して実現をいたしまして、さらに、そこで得られた成果について、ほかの地域に横展開することによって全国での自動運転サービスの社会実装につなげていきたい、このように考えております。

平林委員 先行して事業を、伴走支援をしながらやっていただいているということでございました。

 いろいろな地域でやっていただいて、ほかの地域が、あそこをモデルにしよう、こういったことを考えていかれるというふうに思います。その中でも、しっかりとこの事業の継続性ということを意識をしながらモデル事業を進めていただきたいなというふうに思っているところでございます。ありがとうございます。

 続きまして、これも先ほど出ていた議題になりますけれども、広域リージョン連携に関しましてもお聞きをさせていただきたいというふうに思います。

 この広域リージョン連携に関しましては、昨年の通常国会の施政方針演説で、当時の石破総理が、地方創生二・〇の五本の柱の中の第五の柱として提唱されたものでございます。地方公共団体と企業、大学、研究機関など多様な主体が、県域、市町村域を超えて広域に連携をして、省庁横断的に、産業振興、観光政策、インフラ整備等の取組を推進をすることとされておられます。

 政権が新しくなられたわけでございますが、その新内閣におかれましても、経済の活性化に重点を置いた地域未来戦略の推進を打ち出され、広域リージョン連携も、地方に投資を呼び込む、新政権の理念と一致するということで引き継いでおられる、このように認識をしているところでございます。

 私も、この構想は地方の活力を生み出すためにとても重要な取組であると考えておりまして、政府においてもしっかりと進めていただきたいというふうに思っております。

 その推進要綱ですけれども、昨年九月二日に公表をされて、本年一月二十八日に一部が改正をされて、その通達がなされたようでございます。その改正の内容は、主に、地域未来交付金に広域リージョン連携枠を創設をして、最大五件、十億円までの申請を可能とする、こういった内容だったと認識をしております。

 この制度設計に時間を要したということでありまして、改訂版の公表が遅くなったということに関しましては一定理解するところでございますが、その締切りが公表から二週間後の二月十日ということであったようでありまして、少しタイトなスケジュールになったのではないか。リージョン側としては、十分に準備ができないままに申請することになったというような声もお聞きしているところでございまして、振り返ってみると、この日程はほぼほぼ今回の衆議院選挙と重なっておりまして、自治体職員の皆様、いろいろな意味で大変な中、この申請を作業されたのかな、こんなふうに推察をするところでございます。

 このような状況でありまして、今回の申請におきまして万が一不本意な結果となるようなことがあったとしましても、再チャレンジできるように、二回目の申請もしっかりやっていただく、あるいは採択枠もきちんと確保していただくなど、広域リージョン構想をしっかりと進めるための支援をお願いしたいと思っておりますが、担当副大臣の御見解を伺います。

津島副大臣 平林晃委員の御質問にお答え申し上げます。

 地域未来交付金につきましては、従来の地方創生に資する取組のみならず、各自治体による産業クラスター計画や地場産業の成長戦略が真に地方の活力を最大化することにつながるような取組を推進するものとして、新たに設けたところでございます。

 本交付金は、来年度当初から円滑な事業執行を可能とするため、二月十日に募集を締め切ったところでございますが、昨年九月二日時点の広域リージョン連携推進要綱において、交付金の活用の可能性について示しておりまして、交付金の活用に御関心の団体からは相談を受けていたところでもございます。

 一方で、制度開始初年度ということもあり、推進要綱の改定から交付金の申請までの期間が比較的短くなってしまったことについては、今後、改善したいと考えております。

 今後、第二次募集を行うかどうかについては、地域未来戦略の議論の動向とともに、委員の御指摘も踏まえて検討してまいります。

 活力ある地域をつくっていくために、広域リージョン連携によって都道府県域を超えて施策に取り組むことは重要であると考えておりまして、内閣府としても、これらの取組が真に地方の活力を最大化することにつながるよう、地域未来交付金においてもしっかりと支援してまいります。

 以上です。

平林委員 ありがとうございます。

 改善もしていただけるということでございましたし、二回目に関しましてもしっかりと検討していただけるということで、推し進めていただきたいというふうに思っているところでございます。

 その上でですけれども、少し細かい話になりますが、本事業における国からの支援には、各宣言リージョン等の抱える課題解決に向けた助言等の伴走支援というものが含まれております。この伴走支援、当該担当者がつかれるということなわけでありますけれども、このリージョンごとの担当者の方には、広域リージョン連携が、立地する地域のことをしっかりと学んでいただきまして、リージョン側からの質問や相談に受け身で答えるだけではなくて、担当者の方からリージョン側に建設的な提案をするぐらいの、本当に重要な活躍を期待申し上げたいと存じるところでございます。

 制度の中身だけではなくて、地域に即したアイデアを出していただければ、リージョン側もとても助かるのではないかと考えておりまして、この伴走支援者にどのような役割を想定しておられるのか、御見解を伺います。

小川政府参考人 お答えいたします。

 総務省におきましては、今ほど御紹介がありましたとおり、広域リージョンごとに担当者を配置して、各リージョンの抱える課題の解決に向けた助言等の、いわゆる伴走支援を行っておるところでございます。

 具体的には、伴走支援担当者は、各リージョン担当者とまずは顔の見える関係を構築した上で、広域リージョン連携宣言でありますとか、連携ビジョンの作成に関する助言、あるいは国の支援措置に関する情報提供、さらには関係省庁との連絡調整、こうしたことを行うほか、各リージョン担当者間で共有した検討状況も踏まえまして、プロジェクトの効果をより高めるための提案、こうしたものを行うことによって各リージョンの施策がより実効的なものになるよう、このようなことを考えておるところでございます。

 既に、例えば、これまでの提案としましては、広域観光を推進するための取組の中で、データを活用して新たな観光ルートの開発を行う、こうしたことができるのではないか、こんなようなことを伴走支援者から提案をする、こういったような事例も出てきておるところでございまして、今後も、こうした提案を含めまして、しっかりと伴走支援を行ってまいる、それによって各地域のプロジェクトを着実に支援してまいりたい、このように考えておるところでございます。

平林委員 ありがとうございます。

 是非、申請型ではなくてプッシュ型で働いていただけたらというふうに思いますので、よろしくお願いを申し上げます。

 続きまして、選挙制度に関して質問をさせていただけたらというふうに思います。

 まず、今、様々、選挙制度に関しまして議論がなされているところでございますけれども、私はやはり民意の反映ということが重要であると考えております。それは、すなわち得票率と議席率、これができる限り符合していく、こういうことが重要ではないかというふうに思います。

 小選挙区制においては、どうしても死に票が多くなってしまいますけれども、その一方で、民意の集約なる効果、私は若干この言い方は微妙に感じますけれども、そういう効果はあるということでございます。一方で、比例代表制というのは、得票数が議席数に直接反映される、これはまさに民意を反映する制度になるわけですけれども、多くの党が乱立するようなことについての懸念も示されるところであります。であるからこそ、両者の長所、短所を組み合わせて活用しているのが現行の小選挙区比例代表並立制であるということでありまして、その比率こそが重要な意味を持つと考えております。

 平成六年に同制度が導入されたときには、小選挙区が三百、比例区が二百として、比率を三対二としたわけでございます。その後、累次の改正によって、現在は小選挙区が二百八十九、比例区が百七十六となっておりまして、三対二の比率と見比べてみますと、小選挙区が二十五多い、こういう状況になっているということでございます。

 今後も、選挙制度の議論は続いていくことと存じますが、民意はよりよく反映される、こうなる方向での議論を求めた上で、公職選挙法に関しまして二点ほど伺いたいというふうに思います。

 まず一つ目ですけれども、現在の公職選挙法におきましては、有料インターネット広告は、政治活動としては許されていますけれども、選挙活動としては許されておりません。ただし、選挙期間中の政治活動は、選挙活動と区別がつきにくく、何らかの制限も必要なのではないかと考えておりますが、総務省の御見解を伺います。

長谷川政府参考人 御答弁申し上げます。

 インターネットを利用した選挙運動につきましては、各党各会派における御議論を経まして、議員立法による公職選挙法の改正により解禁されたものでございます。

 お尋ねの選挙期間中の有料インターネット広告の在り方につきましては、政治活動は原則自由とされている中での政党等の政治活動への新たな規制となり、表現の自由や政治活動の自由に関わる事柄でございます。各党各会派において、御議論をいただくべきものであると考えております。

平林委員 そういう御答弁ということだというふうには思いますけれども、しっかり論点を整理しながら議論を深めていけたらというふうに思っております。

 また、平成二十五年の公選法改正によれば、候補者、政党以外による電子メールを用いた選挙運動は禁止されておりますけれども、SNSを用いた場合には禁止はされていないというのが現状のルールでございます。この点につきまして、平成二十五年の制定当時は、現在のように、ここまでSNSが広く利活用されている状況ではなかったこと、一方で、電子メールに関しましては迷惑メール等が念頭に置かれていて、その時代背景を基にこのような禁止規定になっていると経緯を伺いました。

 現在、その頃の社会状況とは大きく変わっておりますので、抜本的な検討の必要があるのではないかと考えておりますが、この点に関しましても、総務省の御見解をお聞きいたします。

長谷川政府参考人 御答弁申し上げます。

 インターネット選挙運動に係る公職選挙法の改正は、先ほども触れましたが、各党各会派における御議論を経て行われたものでございます。

 その結果、今委員からも御紹介がございましたけれども、選挙運動期間における候補者に関する情報を充実させる、また、有権者の政治参加の促進等を図るという観点から、SNSを含めたウェブサイト等を利用する方法による選挙運動、こちらにつきましては、一定の条件の下、候補者の方又は一般の有権者の方、これらが行うことが認められているという状況となっております。

 一方で、選挙運動用電子メールの頒布につきましては、密室性が高く、誹謗中傷や成り済ましに悪用されやすいこと、また、複雑な送信先規制などを課しているため、一般の有権者の方が処罰され、さらに、公民権停止になる危険性が高いこと、また、悪質な電子メールにより、有権者に過度の負担がかかるおそれがあることなどから、送信主体が候補者、政党等に限定されたものというふうに承知をいたしております。

 以上、当時の議員立法における改正の経緯を申し述べたところでございます。御指摘のように、当時の社会情勢が背景にあるものと承知しておりますが、インターネットの利用を含めた選挙運動の在り方につきましては、その見直しの必要性も含めまして、各党各会派において御議論をいただく事柄であると考えております。

平林委員 いずれにしても、各党各会派の議論ということになるわけでございますけれども、各党協議会、今、総選挙が行われて発足していないという状況でございますので、まずは発足していただいた上で、しっかりと議論を進めていただきたい、このように考えているところでございます。

 関連して、投票率についても、ちょっと述べさせていただきたいと思います。

 衆議院選挙の投票率、直近では持ち直しておりますけれども、傾向は減少にあると認識をしております。昭和三十年当時は七五%前後を推移をして、平成二年においても七三%ということであったようですけれども、その後、急速に低下が進行しまして、平成十七年、二十一年には、行ったり来たりするんですけれども、直近の十年では五五%前後になっている。要するに、結構、この期間で二〇%も低下をしているということでございます。参議院選挙におきましても似たような傾向が見られています。

 こうした傾向の要因は詳細に分析しておられることとは存じますが、世代別には、やはり若い世代の投票率がシニア世代の投票率よりも低い傾向にあります。調査によっては、六十代が七割であるのに対して二十代は四割を切っている、こんなことも示されています。

 それを向上させるためにも、例えば投票所の拡充があります。私が勤務をしておりました大学におきましても、いろいろな学内のルールはあったんですけれども、それを何とかうまく乗り越えて投票所を設置するということもやっていましたし、あるいは、ショッピングモールにも設置をされることは今はもう珍しくなくなってきております。

 こうした取組にも加えて、意識そのものを向上させる主権者教育の更なる充実も重要と考えております。

 よく知られたことかもしれませんが、北欧のノルウェーでは、十代、二十代共に投票率が二〇二五年の数字で七五%を超えている。日本の数字から比べると、本当にびっくりするような数字になっているわけでございます。

 こうした違いの背景の一つは、いわゆる各政党に学生部組織というものがあるということです。日本においても各政党に学生部組織は存在しているのは私も認識をしておりますけれども、昨年現在、政党合計の数字を、これはどこまで正確かというのは若干微妙かもしれませんけれども、ざっくり二千名程度というふうに言われております。

 一方で、ノルウェーの数字は、少し古い数字になります、二〇〇八年なので大分古いんですけれども、その当時の数字でいえば二万一千人以上が各政党の青年委員会のメンバーであるということで、これも、本当に聞いたときには驚きました。

 人口規模は、日本は一億二千万人という状況で、ノルウェーは五百万人とか六百万人とかそのぐらいの人口規模で、二十倍ぐらい違うにもかかわらず、この学生組織の規模は逆転現象にあるということなわけであります。

 その青年組織、学生組織が全国の高校生を対象に模擬選挙などの活動を展開をして、そのための予算が国からつけられているということだそうであります。若い世代が主体的に活動をして切磋琢磨している様子をうかがうことができます。国の規模は異なりますので、そのまま当てはまることではございませんが、非常に参考になる事例だなと思って学ばせていただきました。

 主権者教育への取組には今次予算にも計上がなされていますけれども、投票率向上のために今後どのような取組に注力をしていかれるおつもりであるのか、総務省の御見解を伺います。

長谷川政府参考人 御答弁申し上げます。

 主権者教育につきましては、社会参加の推進、政治意識の向上を図るという観点から、国や社会の問題を自分たちの問題として捉え、自ら考え、自ら判断し、行動していく、そういった主権者を育てるため、極めて重要であるというふうに考えております。

 総務省といたしましては、これまで、出前授業等で使用可能な動画教材を作成いたしまして、全国の選挙管理委員会や教育委員会と共有をすること、また、各地で行われております模擬選挙や模擬議会といった先進的な取組事例を横展開することの推進、こういった取組を行ってまいっております。

 また、各選挙管理委員会におきましても、教育委員会と連携しまして、積極的に学校における選挙出前授業、模擬選挙の実施等に取り組んでいるところでございます。主権者教育に知見のあるアドバイザーの派遣ですとか、研修会の開催等を通じ、総務省としましても、これらの取組をより一層推進、支援してまいりたいというふうに考えております。

 今後とも、都道府県、市町村、民間団体などの様々な主体と連携協力しながら、社会全体で主権者教育の充実を図ってまいりたいと考えております。

平林委員 学校と連携をしていく、これはもう本当に当たり前というか、非常に重要なことだというふうに思いますし、若い人が強い意識を持って活動していらっしゃる、そういう動きも本当にいろいろなところで見られますので、そういう人たちの意見もしっかりと伺いながら進めていけたらなというふうに思っているところでございますので、是非ともよろしくお願いいたします。

 恐らく、当たり前ですけれども、文科省さんとも連携しておられるというふうに思いますけれども、是非そちらの方もしっかりやっていただきたいなというふうに思っているところでございます。ありがとうございます。

 続きまして、インターネット上の偽情報、誤情報、そして権利侵害について伺おうというふうに思っているんですけれども、大分時間が短くなってまいりましたので、質問に関しましては、次の質問に使わさせていただきたいというふうに思います。

 情プラ法が施行されて一年になってきているということでございます。この情プラ法では、大規模事業者を指定をして、そしてその大規模事業者が自主的に取組を進めることによって、言論の自由に阻害をしないということとともに、権利侵害に対してもしっかりと迅速に対応する、また透明性を持って対応していく、こういったことを実現するために情プラ法が施行され、一年になってきたということでございます。

 ホームページを見ますと、大規模プラットフォーム事業者として九社が指定をされておりまして、そして違法、有害情報の削除基準が制定、公表をされている、リンクをクリックすればそこに飛んでいける、こういうような状況になって、私も確認をさせていただいているところでございます。

 そうした環境整備に基づいて、どれだけの対応がなされてきたのか、すなわち、申出がどれだけあって、そのうち何件が削除に応じて、何件が応じられなかったのか、こういった個別対応の状況が、本年五月までに各社によって公表されることになっていると伺っておりまして、その内容もしっかりと確認させていただきたいというふうに思います。

 一点だけ、済みません、お聞きします。その上で、電気通信事業者は、大規模だけですけれども、小規模の事業者におきましても権利侵害は起きているところでございます。それに対してどのように対応しておられるのか、総務省の御見解を伺います。

藤田政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、中小のプラットフォーム事業者が提供するサービスでも一定の被害が生じていることは事実でありまして、大規模なプラットフォーム事業者に準じて対応していただくことが重要です。

 総務省が運営する違法・有害情報相談センターでは、中小のプラットフォーム事業者が提供するサービスも含め、インターネット上の誹謗中傷等の被害に遭われた方からの相談を受け付けておりまして、具体的な削除要請の方法などについてアドバイスを行っております。

 また、総務省では、中小のプラットフォーム事業者に対しまして、業界団体と協力しつつ、情報流通プラットフォーム対処法に規定された削除申出窓口や手続の整備、公表、削除基準の策定や公表などを周知したほか、どのような情報が法令違反や権利侵害になるかなどを例示しました違法情報ガイドラインも併せて周知することで、中小プラットフォーム事業者に対しまして、権利侵害情報への適切な対処を促しております。

 加えまして、例えば、選挙の場面におきまして、業界団体を通じて、事業者に対し、利用規約等を踏まえた適切な対応を求めることを随時要請しているところでございます。

 引き続き、インターネット上の誹謗中傷等への対応につきまして、関係団体と協力しまして、適切な対応を促進してまいります。

平林委員 法令適用外ではあるけれども、しっかりと指導していただいているということで、よろしくお願いいたします。

 まだ質問が残っていますけれども、また別の機会にさせていただきたいと思いまして、質問を終わらせていただきます。大変にありがとうございました。

古川委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午後零時四分休憩

     ――――◇―――――

    午後四時六分開議

古川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。許斐亮太郎君。

許斐委員 国民民主党の許斐亮太郎です。

 会派を代表いたしまして質問をいたします。

 大臣所信において、消防の役割が増えていること、消防体制の強化が述べられていました。そこで、本日は、安全管理の観点から、まずは消防の質問を行いたいと思います。

 二〇二五年八月十八日に大阪市中央区で発生したビル火災において、懸命に消防活動に当たっていた消防職員二名が行方不明となり殉職するという痛ましい事故が発生いたしました。改めてお悔やみを申し上げます。

 まずは、この事故に対しての大臣の受け止めをお聞かせください。よろしくお願いします。

林国務大臣 昨年八月に発生をいたしました大阪市のビル火災によりまして、消防隊員のお二人が亡くなられました。国民の皆様の生命、身体、財産を守るため、日々懸命に活動されておられました消防隊員を失いましたことは、消防行政を所管する総務大臣として痛恨の極みであり、誠に残念でならないわけでございます。

 心より哀悼の意を表するとともに、御遺族の皆様に対して衷心よりお悔やみを申し上げます。

 本事故を受けまして、大阪市消防局において事故調査委員会が設置をされ、総務省消防庁も参画して助言、協力を行ってきたところでございまして、本年一月三十日に報告書が公表されております。

 この報告書で、火災の状況ですとか事故発生のメカニズム、こうしたことに加えまして、事故の再発防止策についてまとめられておりまして、総務省消防庁では、全国の消防本部に対し、報告書の内容を周知し、安全管理体制の再点検等に活用するよう要請するとともに、屋外看板の安全性確保に向けた国土交通省の事務連絡を周知し、建築主務部局との連携について要請をしたところでございます。

 さらに、総務省消防庁としては、更なる安全管理の徹底を図るため、今回の報告書を踏まえ、消防職員の安全管理マニュアルの改正作業を進めているところでございます。

許斐委員 ありがとうございます。

 まさに、そのおっしゃったマニュアルは、最近では二〇二五年十一月に改正が行われています。その契機となったのは、二〇二五年二月に発生した大船渡の林野火災です。この林野火災を受けて、総務省消防庁は、大船渡市林野火災を踏まえた消防防災対策のあり方に関する検討会を開催して、この検討会の報告書を踏まえてマニュアルの改正が行われたわけです。

 そこで、今回の大阪のビル火災の殉職事故についても、大船渡の林野火災と同様に、消防庁が検討会を開催して、そこで整理された事故の課題を踏まえて、現場に即したマニュアルの改正を行うべきだと考えます。具体的にどのような検討がされているか、消防庁にお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

田辺政府参考人 この火災につきましては、消防庁も参画した大阪市消防局の事故調査委員会において分析、検討が行われ、火災の状況や事故発生のメカニズム、再発防止策等についてまとめられた報告書が公表されたところでございます。

 消防庁といたしましては、この報告書を踏まえ、新たに消防隊員が危機的な状況に陥った場合の対応を追記することなどの安全管理マニュアルの改正に向けた作業を進めております。

 今後の検討に当たっては、各消防本部の意見も伺いながら、先進的な取組もマニュアルに反映させていきたいと考えております。

 これらの取組を通じ、消防隊員が安全に現場活動を行えるよう、しっかりと取り組んでまいります。

許斐委員 ありがとうございます。

 事故の検証と課題を踏まえてのマニュアルの改正、何とぞよろしくお願い申し上げます。

 また、大阪市の報告書では、今回は想定外の事態であったことから、要綱、マニュアルなどの規範が遵守されていなかったことを認めていますが、幾ら想定外といっても、遵守できないマニュアルなど意味をなしません。緊急時の対応も盛り込まれるべきであり、各本部において現在のマニュアルを再点検して、写真や動画を使用するなど、隊員の安全を確保できるよう、改めて消防庁から、安全管理の考え方を再検討して発信していただきたいと考えます。

 そこで、緊急事態発生時の対応については、脱出不能となった隊員を助けるための小隊を設置している消防本部もあると聞いています。こうした全国の本部における取組の共有も必要だと考えますが、これらについて消防庁の見解をお願いします。

田辺政府参考人 消防隊員は、危険と隣り合わせの災害現場において想定外の事態に陥る危険性を有しており、隊員の安全管理は極めて重要と考えております。

 緊急事態発生時の対応については、委員御指摘のとおり、脱出不能となった隊員を救助するための小隊を編成している消防本部や、消防隊員の緊急脱出要領を定めている消防本部があると承知しております。

 今後の検討に当たっては、各消防本部の意見も伺いたいと考えており、安全管理を統括する部隊の設置や消防隊員の緊急脱出訓練など、各消防本部の安全管理に資する取組についても参考にさせていただき、マニュアルに反映させていきたいと考えております。

許斐委員 ありがとうございます。

 その話の中で、緊急脱出の訓練というお話がありました。今回の大阪市の事故報告書を確認したところ、消防隊員が想定外の事態に対応するための訓練が不足したのではないかと感じています。

 殉職した消防隊員は、突然の熱気と濃い煙によってパニックとなって、退路を失って脱出不能となったと推定されていますが、こうした想定外の事態に対応するためのスキル向上について消防隊員に尋ねたところ、多くが自己啓発に委ねられているということでした。やはり、全国的に統一的な教育が必要だと考えます。

 今後、消防大学校や各都道府県の消防学校において、状況の分析力、判断力、対応力などを組み合わせた、想定外の事態に対応するための研究、教育、研修などの実施を検討されているか、消防庁にお伺いいたします。

田辺政府参考人 消防庁では、消防学校の教育訓練の基準において、初任教育における消防活動における安全管理や、警防科における消防戦術と安全管理等を標準的な教科目として位置づけており、これらを踏まえ、全国の消防学校において、例えば熱気や濃煙等による過酷な環境を再現した施設での活動訓練等が行われているものと承知しております。

 さらに、幹部としての高度な教育訓練を行う消防大学校においても、特に災害現場における指揮者として必要な安全管理について教育訓練を実施しているところです。

 今後、消防庁において、消防学校の教育訓練に関する検討会を開催する予定であり、本検討会において、消防職員が想定外の事態に対応するための教育、研修等の必要性についてもしっかり検討してまいります。

許斐委員 ありがとうございます。

 人を助けるだけではなく、自分の身を守るという視点の教育の充実を是非ともよろしくお願い申し上げます。

 続けます。

 火災救助の際、防火服を着用します。現場で使用した防火服の取扱いについて、海外の消防では、隊員の健康を最優先に考えて、有害物質が付着した防火服は、専門業者に委託し洗浄している例もあるようです。我が国においては、各消防本部において職員個人が洗浄を行っている状況です。また、防火服の更新期間が、六年や九年など、消防本部ごとに様々であります。

 個人の防火装備は、火災現場における消防隊員の安全を防護するために重要であるにもかかわらず、地方公共団体の財政事情により更新年限が異なり、経年劣化し、安全基準に達しない防火服を着用して現場に出動している実態もあると聞いています。

 消防庁は、まずこうした実態を把握して、消防隊員用個人防火装備に係るガイドラインにおいて耐用年数の基準を設定するとともに、各本部に遵守を求めていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。

田辺政府参考人 消防庁では、消防隊員がより安全に消火活動を行えるよう、個人防火装備に求められる機能等を示したガイドラインを作成しております。このガイドラインでは、火災現場において防火服に付着した化学物質等による健康への影響を防ぐため、防火服の洗浄方法等を示しております。

 一方、防火服の耐用年数については、使用状況等により劣化の程度が大きく異なることから、一律に基準を定めることは困難と認識しているところでございます。

 このため、消防庁では、ガイドラインにおいて、経年劣化や使用に伴う損傷による防護性能の低下を日常的に点検し、必要に応じて、修復や、使用を停止することを示しております。

 引き続き、必要に応じてガイドラインの見直しを行うなど、消火活動における消防隊員の安全確保が図られるよう取り組んでまいります。

許斐委員 ありがとうございます。

 重ねて、機材に関して質問です。

 大都市消防本部においては、消防隊員が建物内で活動する際、隊員が何階にいるかを含めた正確な位置を外部の指揮本部でリアルタイムに把握する実証実験のほか、ウェアラブル端末を活用して、消防隊員の活動時の健康管理、熱中症対策を行うなど、先進技術の実証実験が進められています。

 実証実験の結果、実用可能な最新技術について、隊員の安全確保を図るために全国の本部でも導入できるよう、結果のフィードバックや財政措置をすべきだと考えますが、これらについて政府の見解を求めます。

田辺政府参考人 消防隊員の位置情報の把握や、ウェアラブル端末を用いた健康管理、熱中症対策については、一部の大都市消防本部において、新技術を活用した実証実験が進められていると承知しております。

 これらの新技術は、隊員の安全確保に資するものであり、消防庁としては、消防本部における実証実験の成果等も踏まえ、現場のニーズが高いものから順次全国の消防本部での導入を図っていくことが重要と考えております。

 消防庁といたしましては、令和七年度補正予算及び令和八年度予算案において、競争的研究費を活用した消防技術の研究開発、消防本部において新技術の導入、運用を試行的に実施するモデル事業に係る経費を計上しているところです。

 引き続き、消防本部の規模や地域にかかわらず、より一層隊員の安全が確保されるよう、これらの事業の活用を通じて、現場実証の結果などを全国の消防本部にフィードバックするとともに、新技術の導入を支援してまいります。

許斐委員 ありがとうございます。

 やはり隊員の命を守る取組ですので、現場での不公平感が起こらないように推進していただきたいと思います。

 続いて、関連してメンタルヘルスについてお伺いいたします。

 今回の殉職事故は、火災現場で救助に当たった隊員はもちろん、大阪市消防局の職員のみならず、全国の消防職員に衝撃を与えています。凄惨な現場活動での惨事ストレスは消防職員の心身に悪影響を与えることから、事故が発生した消防本部の職員に対するメンタルヘルスケアが必要です。

 ケアの必要性について、大臣はどのようにお考えになっているでしょうか。

林国務大臣 まずは、日々過酷な環境の中で活動を行っていただいている消防職団員の皆様に改めて敬意と感謝の意を表したいと思います。

 昨年八月に発生した大阪市のビル火災など、殉職事故が発生した災害では、活動に当たった消防職団員が精神的に大きなショックやストレスを受け、身体、精神に様々な支障を生じるケースが懸念をされます。そのため、過酷な環境の中でも消防職団員が安心して活動できるように、惨事ストレス対策は極めて重要であると考えております。

 総務省消防庁では、大規模災害や消防職団員の殉職等が発生した場合に、臨床心理士等の専門家で構成いたしました緊急時メンタルサポートチーム、これを派遣して、消防本部の惨事ストレス対策を支援しております。

 引き続き、消防職団員が安心して活動できますように、惨事ストレス対策の充実に取り組んでまいります。

許斐委員 非常に感情のこもった御答弁、ありがとうございます。

 大臣がおっしゃった緊急時メンタルサポートチーム、これは大規模災害や特殊災害の発生時ということがメインだと思いますが、緊急のみならず、消防に関しては、各本部において組織的にメンタルケアの意識の浸透が必要だと考えます。

 消防現場で自分の子供と同じ年齢の子供が命を落としていたことで感情が揺さぶられるなどの事例もあります。日常的なケアの体制の徹底について消防庁は把握されているか、そして、その徹底に向けてどのような取組をされているのか、重ねてお伺いいたします。

田辺政府参考人 消防庁では、平成十五年四月から臨床心理士等の専門家で構成した緊急時メンタルサポートチームを運用しておりますが、これまでに延べ四千七百六十三名の消防職団員に対し、本サポートチームによる惨事ストレスの緩和を目的としたカウンセリングを実施しており、先般の大阪市の事案においても、大阪市消防局の要請を受け、十二名の消防職員に対してカウンセリングを実施したところです。

 また、日常的なケア体制の徹底については、例えば、相談対応を行う保健師等の常時配置、惨事ストレスについて相談対応ができる職員の養成などの取組を実施している消防本部があるものと承知しております。

 消防庁では、平成二十四年に大規模災害時等に係る惨事ストレス対策研究会を開催し、積極的な専門家の確保による支援体制の構築、惨事ストレス対策に関する教育の推進など、消防本部が取り組むべき平常時の惨事ストレス対策を示した報告書を各消防本部に周知しておりますが、引き続き、消防本部における惨事ストレス対策の徹底に向け、しっかりと支援を行ってまいります。

許斐委員 ありがとうございます。

 過酷な任務に当たっている消防隊員の多角的なサポートを引き続きよろしくお願い申し上げまして、次の質問に移っていきたいと思います。

 話題は変わりまして、次は通信・放送インフラの強靱化についてお伺いいたします。

 私は、二〇二四年三月まで二十五年間、NHKの報道カメラマンとして働いていました。その中で、政治取材には現場カメラマンとして、またデスクとして携わってきました。その視点から気になったことがありますので、まず質問したいと思います。

 日米首脳会談でのNHK映像の破綻の件です。

 昨年十月二十八日に行われた日米首脳会談、すなわち高市総理とトランプ・アメリカ大統領の首脳会談において、その模様を生中継するNHKの中継映像に破綻、映像トラブルがありました。この映像トラブルは、東京元赤坂の迎賓館の入口で高市総理がトランプ大統領を出迎えるところから始まり、国歌斉唱などの会談前のセレモニーにとどまらず、首脳会談後の署名式でもひどい映像破綻がありました。

 公共放送の信頼を損ねかねないこの映像トラブルについて、放送行政を所管する総務省の大臣としての受け止めをお伺いいたします。

林国務大臣 NHKを始めとする放送事業者は、放送法上、自らの責任において番組を編集し、放送を行うこととされておりまして、今委員から御指摘のあったような個別の番組についてコメントすることは差し控えたいと思います。

 その上で、一般論として申し上げますと、NHKにおいては、国民・視聴者の信頼に応える質の高い番組の提供等に努めていただきたい、そういうふうに考えております。

許斐委員 ありがとうございます。

 続きまして、この映像破綻が起こったことの原因について、総務省はNHKから何か報告を受けていますでしょうか、お答えください。よろしくお願いします。

豊嶋政府参考人 ただいまお尋ねいただいた事項について、NHKからは報告を受けておりません。

許斐委員 NHKから報告を受けていないことを承知いたしました。

 それでは、NHKさんに確認です。

 今回は、携帯電話回線を数回線束ねて映像の伝送を行う簡易的な映像伝送装置、すなわち簡易中継システムで中継を行っていた、そして、多数のメディアが殺到したために、いわゆる電波の食い合いが起こって映像が破綻したと私は認識しています。それでよろしいでしょうか。

 加えて、改善、再発防止策をどのように取るのでしょうか。原因も含めて、NHKさん、お答えください。

山名参考人 お答えいたします。

 去年、二〇二五年十月、高市総理大臣と米国トランプ大統領が出席して行われました迎賓館での行事、これをお伝えした特設ニュースで、日米の代表取材の映像を使用して放送しておりましたけれども、この中で一部映像が乱れました。

 こうした中継映像の乱れの詳しい原因を特定するというのは難しいことなんですけれども、当時、迎賓館では日本、海外のメディアによる取材がたくさんのポイントで同時に行われておりまして、電波が安定しない状況にはなっていたということであります。放送に使用していた映像の乱れが激しくなったことから、途中で別の映像に切り替え、放送を継続いたしました。

 今回は代表取材の映像ということでしたけれども、NHKとしましては、生放送などで映像を確実に伝送する必要がある場合には、できるだけNHKが専用で使うことのできる回線を利用することにしております。

 重要な報道における映像の確保、こちらは国民の関心事に応えるため必要不可欠なものであるというふうに理解しております。今後も安定した映像の確保に万全を期してまいりたいと考えております。

許斐委員 詳しい説明ありがとうございました。

 この現象は容易に想定できます。この簡易伝送装置の利点は、別名がモバイル伝送装置と言われるとおり、携帯性です。屋内、屋外、船の上や車の中からでも移動しながら中継ができる利点があります。一方で、やはり映像の安定性がないことが不安要素です。

 そこで、公衆回線を利用した伝送を行う場合、今回のような重要な政治報道に加えて、災害報道などのことも考えれば、放送局や自治体が優先的に接続できる回線技術の確立は必要だと思いますが、総務省のお考えをお聞かせください。また、技術の進歩の状況があれば、認識と課題を併せてお聞かせください。よろしくお願いします。

豊嶋政府参考人 放送局が映像や音声を中継する場合、大きく分けて、専用の周波数を使用する中継回線、それと、先ほどから御指摘のございました公衆回線の利用、大きくこの二つなど、様々な選択肢があるものと認識をしております。

 このうち、公衆回線にも、さらに、モバイル通信あるいは衛星通信など複数の選択肢がございますが、中には一般的な通信よりもある程度優先的に取り扱うということが可能となっているサービスもあるというふうに承知をしております。

 放送事業者におきましては、取材現場、あるいは中継の内容、あるいはその伝送容量などに応じて、その都度、公衆回線を含む様々な選択肢の中から適切なものを自ら判断をして利用していただけるものと認識をしております。

許斐委員 詳しい御答弁ありがとうございます。

 国民が関心がある報道において、自前の回線や衛星回線の確立といった映像伝送の安定性確保も必要だと思います。中継車も必要かもしれません。当たり前ですが、各放送局は事前準備をしっかりしましょうということだと思います。

 しかし、私も様々な報道現場に携わってきましたが、取材に向けた各所との交渉が大変ということも理解できます。例えば、中継車の位置からケーブルをどう延ばすかということ一つ取っても、交渉相手が官邸だったり外務省であったり、複雑です。

 そこで、重要な国際イベントの場合はワンストップで許可申請ができる政府の窓口も必要だと思いますので、国民の知る権利の観点からも、今後政府内で前向きに検討をお願いしたいと思います。これは要望です。

 続きまして、質問を変えたいと思います。4K、8Kについてお伺いいたします。

 二〇一八年十二月に、日本の放送業界に新たな時代を告げる新4K、8K衛星放送が開始されました。ハイビジョンよりも高精細、肉眼で見えなかったものも見える、私も、当時カメラマンとして、新たな映像表現の広がりにわくわくしたものです。しかし、残念ながら、昨年、民放キー局系BS五局が4K放送から撤退する方針と報道されております。

 そこで質問です。この撤退の受け止めと原因をお答えください。

豊嶋政府参考人 お答えいたします。

 総務省としましては、個別の報道内容についてのコメントは差し控えさせていただきますが、先ほど御指摘のございました民間放送事業者におけるBS4Kにつきましては、衛星放送に関する総務省の有識者会議におきまして、一部の事業者におきまして、BS4Kにつきまして、BS2K放送と比較をすると番組の制作費用が増えることや、BS2K放送と同一の番組が多いため広告収入が伸びないことなどの理由により、厳しい事業環境である旨指摘をされているところでございます。

許斐委員 最初は、東京オリンピック・パラリンピックでは4K、8K放送が普及して、多くの視聴者が市販のテレビで4K、8K番組を楽しんでいることが目標となっていました。さらに、パリでは8K放送がメインという声も上がっていましたが、お話を聞くと、目標達成どころか、むしろ後退局面になっていると感じます。

 民放の撤退だけでなく、NHKの4Kニュースなど、コンテンツも縮小され続けています。今後4K、8K放送はどうなっていくのでしょうか。総務省はどうリードしていくのでしょうか。具体的にお答えください。

豊嶋政府参考人 お答えをいたします。

 総務省の有識者会議におきまして、BS4K放送を含むいわゆる4Kコンテンツの流通や利用の拡大に向けた方策を検討したところでございまして、令和七年十二月に取りまとめを公表したところでございます。

 この取りまとめの中で、諸外国におきましては、放送のみならず、配信も含めて4Kコンテンツの普及が拡大をしておること、それと、日本国内におきましても同様の状態が起こりつつある、今後4Kコンテンツに係る市場を拡大していく観点からは、放送のみならず、インターネット配信等も活用していく必要があること、これにつきまして、総務省としても、こうした流れを踏まえ、産業界の取組を引き続き支援していくべきであることなどを含む今後の方向性が示されたところでございます。

 総務省としましては、この有識者会議の取りまとめも踏まえ、関係事業者、団体とも協力、連携をして、対応を適切に進めてまいりたいと考えております。

許斐委員 ありがとうございます。

 配信に委ねるというお答えもありましたが、私の周りには4Kテレビを購入した人が結構います。4K放送が当たり前になることを楽しみにしていました。しかし、民放各社のBS4K撤退によって4Kテレビの存在価値はなくなってしまったと思う国民は少なくないと思いますが、見解を重ねてお尋ねします。

豊嶋政府参考人 お答えいたします。

 現在、衛星放送におきましては、民放キー局と言われるBS4K放送以外にも、NHKのほか、民間放送事業者二者によるBS4K放送が行われているところでございます。

 さらに、いわゆる4K対応の受像機につきましては、ケーブルテレビサービスで提供される4Kコンテンツを視聴できるとともに、最近の4K、8K対応テレビは、ブロードバンドの進展がございまして、いわゆるコネクトTVという形でインターネットも利用することができております。

 このインターネット配信される4Kコンテンツの普及の拡大が今進んでいるところでございまして、いわゆるデバイスとしての価値というものはこういう形で向上していくものというふうに考えております。

許斐委員 ありがとうございます。

 映像配信、動画ストリーミングとしての4Kテレビという答えがありました。加えて、ゲームグラフィックを引き出すこともできると思いますが、いわゆるテレビ放送を見たかったという人にとっては、4K放送が少なくなっていくことに対してはやはりもやもや感が拭えないと思います。

 コンテンツの提供の主戦場が配信となってきている今、テレビというメディアの限界を突破できるような政策が必要であると申し上げて、私の質問を終わらせていただきます。

 本日はどうもありがとうございました。

古川委員長 次に、高沢一基君。

高沢委員 国民民主党の高沢一基です。

 先般の衆議院選挙で初めて当選をさせていただきまして、国政での初の質疑になります。林大臣始め政府の皆様、そして委員長、委員の皆様には何とぞよろしくお願いしたいと思います。ありがとうございます。

 では、まず初めに、通告に基づいて質疑をさせていただきます。最初に、第三十四次地方制度調査会についてお伺いをしたいというふうに思います。

 ちょうど今、一月の十九日に第三十四次の地方制度調査会の総会が開かれたというところで、そこに高市首相からの諮問という形で、持続可能かつ最適な形で行政サービスを提供していくため、国、都道府県、市町村間の役割分担、大都市地域における行政体制等を調査審議をしてほしいという諮問がなされました。

 その後、二月の十八日には専門小委員会が開会されたというようにお聞きしております。そこでお配りされている資料におきまして、国・都道府県・市町村の役割分担のあり方に関する検討の方向性という案文が示されているんですが、その中に、役割分担の原則として、市町村中心の完結的な業務遂行という項目で、市町村、基礎自治体優先の原則をこれまで以上に実現をする、基礎自治体に対しては積極的に事務や権限を移譲する、国、都道府県については、国は本来果たすべき役割を重点的に担い、住民に身近な行政はできる限り地方公共団体に委ねることが基本である、都道府県は、その規模又は性質において一般の市町村が処理することが適当でないものについて、補完的に処理をするというふうに資料に明記されています。

 そういった中、先般の三月三日に行われました林大臣の所信の表明をお聞かせいただく中で、地方制度調査会のところに触れられていて、国、都道府県、市町村間の役割分担や大都市地域における行政体制の在り方等々、そして市町村間の広域連携や都道府県による補完について取り組みますという表明がなされました。

 そこでお伺いしたいんですが、市町村間の広域連携や都道府県における補完というふうにおっしゃられておられますが、先ほど申し上げた基礎自治体優先の原則というのは変更されずに、それを元にして検討されていくということに解してよろしいでしょうか、お聞かせください。

林国務大臣 この一月に立ち上げられました第三十四次地方制度調査会では、今委員からも触れていただきましたが、高市総理から、将来にわたり、持続可能かつ最適な形で行政サービスを提供していくための国、都道府県、市町村の役割分担の在り方などについて諮問が行われたところでございます。

 この調査会においては、人材不足やデジタル技術の進展といった社会情勢の変化を踏まえた議論が進められておりまして、役割分担の在り方に関しても、今委員からお尋ねのありましたいわゆる市町村優先の原則、これが実質的なものになるように、市町村間の広域連携、そして都道府県による補完を始めとした議論、こうしたことが進められることを期待しております。

高沢委員 どうもありがとうございます。

 私は、東京都板橋区の区議会議員を四期やらせていただきまして、都区制度改革も、区議会の立場でありますけれども、いろいろ取り上げて勉強させていただいてまいりました。

 特別区は、昭和十八年に東京都ができまして、そこで特別区が誕生したというふうに教えていただいているところではあるんですけれども、その後、戦後については、特別区としては基礎的自治体としてしっかり責任を持ってやっていきたいということで、東京都に対して、下部組織や補完的な組織ではなくて、あくまでも主体の組織であるということを東京都に言いながらいろいろ動いてきた。

 戦後の都区制度改革というところですと、まず、昭和三十九年に行われた地方自治法の改正で、特別区税や都区協議会の法定化というのが示されたりとか、あるいは東京都が担っていました福祉事務所の移管というのが特別区にされたり、それから十年後の昭和四十九年には、区長の公選制、区長の選挙も行われておりませんでしたので、区長の公選制が昭和四十九年復活、保健所の移管も東京都からされたということがございました。

 平成十年、ちょっと時間がたちましたが、平成十年には、特別区は基礎的な地方公共団体であるというふうに地方自治法の改正で明記をされまして、あと、事務については清掃事務を移管をされて、特別区も、一般市といいましょうか、基礎自治体としての役割を担わせていただいて、責任も担っているところであります。

 そういった中で、平成十一年には地方分権一括法が施行されて、基礎自治体優先の原則というのが明確になったというふうに理解をさせていただいているんですけれども、その中で、大阪におきまして大阪都構想というのが表明をされて、いろいろ議論をされたり動きが出ているかと思うんですけれども、私が承知している限り、大阪都構想というのは、大都市地域特別区設置法が成立した以降、これを基に大阪府が大阪市を吸収するような形で大阪都というのをつくっていくというようなお話も伺っております。東京都は逆に、昭和十八年に東京市が東京府に吸収をされて行った。それは戦時下という特別な事情があったので権限を集中しようという意図があったんだろうと思いますが、戦後はそれとは逆方向に、基礎自治体としての責任を果たしたいということで、都区制度の改革が進んできたというところであります。

 そういった中で、先ほど申し上げた平成十一年の地方分権一括法では、基礎自治体、市町村が優先であるという原則と、都道府県は広域調整機能を持つということが明記をされております。

 そういった中で、いわゆる大阪都構想と言われているものと地方分権一括法によります都道府県と市町村の事務分担の関係について、どのような見解を総務省としてお持ちか、お聞かせいただきたいと思います。

小川政府参考人 お答えをいたします。

 現行の地方自治法では、一般の都道府県と市町村に関する制度のほか、大都市地域における特例的な制度といたしまして、都区制度あるいは指定都市制度等を定めているところでございます。

 このうち都区制度につきましては、今し方御説明ございましたとおり、特別区は基礎的な地方公共団体というふうに位置づけられておりますけれども、大都市地域における行政の一体性、統一性の確保の観点から、累次の都区制度改革を経た今でも、例えば水道でありますとか消防のように、都が一体的に処理する事務というものを設けるなど、事務分担についても特例的な扱いを行っているところでございます。

 いわゆる大阪都構想につきましては、この根拠となる大都市地域特別区設置法、これは東京都以外の道府県においても特別区を設置することを認める、こういうものでございまして、従いまして、その場合における事務分担というのは、一般の都道府県におけるものとは異なるものとなる、これが予定されているというように考えてございます。

 なお、この法律におきましては、新たに置かれる特別区と道府県の具体的な事務分担、これは、両者で構成される協議会が作成する特別区設置協定書、これに基づきまして定める、このような手続となっておるところでございます。

高沢委員 どうもありがとうございます。

 時代も背景も違うし、まだできているものではないので、それはなかなか言えないというのはおっしゃるとおりだと思います。一方、今回のこの地方制度調査会においては、特別市というものについても注目をされているようであります。

 私ども国民民主党の玉木代表が、今般の代表質問におきましても、特別市のことを取り上げさせていただいておりまして、ちょっと読み上げさせていただくと、国民民主党が提案する特別市制度は、一元的な大都市行政と圏域全体の活性化を両立させるものですが、地方制度調査会の検討対象に特別市は含まれますかという質問をさせていただいたところ、高市首相からは、第三十四次地方制度調査会に対しては、私から、大都市地域における行政体制の在り方についても諮問を行いました、今後、調査会において、特別市に関する事項も含め、具体的な審議事項を決定した上で議論が行われるものと考えておりますということで、御答弁をいただきました。

 指定都市制度というのも、これは指定都市市長会さん等も提案をされているというところで、まだ形もはっきり固まっているものでもないし、これから議論されることですから一概には言えないと思うんですが、指定都市市長会さんの提案によると、特別市は都道府県に包含されない一層制の地方公共団体だ、要は、都道府県がない段階で特別市だけが存在する形になる、市域内における都道府県の事務と市町村の事務を一元的に行う、つまり、基礎的自治体としての機能と広域調整の機能を両方行うということをどうも目指されているようであります。

 こういった形なんですけれども、これからの議論なので御答弁できる部分は少ないとは思うんですけれども、今注目されておりますいわゆる特別市というのは基礎自治体としての位置づけで行われるというふうに私申し上げたんですけれども、そのように解してしまってよろしいのでしょうか。総務省として、もし御見解がありましたらお聞かせください。

小川政府参考人 お答えいたします。

 いわゆる特別市につきましては、指定都市市長会等から提言がなされている、こういった段階でございます。その性格を始め詳細な制度設計につきましては、今後、地方制度調査会を中心として議論されることとなるもの、このように考えてございます。

 なお、参考でございますが、地方自治法が昭和二十二年に制定されたときには特別市という制度がございました。これは実際には指定されることなく昭和三十一年に廃止されたものでございますが、この旧特別市につきましては、当時、府県と市の両方の性格を兼ね備える、このように解説されていたところでございます。

高沢委員 どうもありがとうございます。まだ固まっていないものを質問して大変申し訳ないところではあるんですけれども、御答弁いただいてありがとうございます。

 そうしますと、まだこれからの議論なのであれなんですが、いわゆる特別市が創設された場合、今、大阪都構想というものも言われているんですが、大阪都構想自体は不要になってしまうのかな、特別市で済むのかなというふうに私としては個人的見解があるんですけれども、そういった見解に対して何かお考えがあったら、お聞かせいただけたらありがたいと思います。

小川政府参考人 お答えをいたします。

 いわゆる特別市におきましては、今し方御説明ありましたとおり、その区域内における都道府県及び市町村の事務を特別市が一元的に処理することで二重行政の解消を図ろうとするもの、このように考えておるところでございます。

 他方で、いわゆる大阪都構想につきましては、大阪市を廃止して特別区を設置することにより、二重行政の解消と住民自治の拡充を図ろうとするもの、このように説明をされているところでございます。

 これらは、いずれも大都市地域における課題への対応を図るということで共通するものではございますが、両者の効果、影響あるいはその特質等につきましては、今後、地方制度調査会を中心としまして議論がされるもの、このように考えておるところでございます。

高沢委員 どうもありがとうございます。

 今御答弁いただいたんですけれども、大阪都構想がもしできた場合は、先ほど言った、大阪市と大阪府が一緒になるという形で市がなくなって、都区の協議がこれから行われてどういう事務分担になるかというので、どういった形になるのかというのは分からないところはあると思うんですが、二重行政の解消ということと、あと基礎自治体の優先の原則、これをもし両立させようということであるならば、この特別市というのも一つの有力な選択肢としてあるのかなというふうに私自身としては感じているところがあります。

 いずれにしても、これから調査会で検討されるということでありますので、私自身も調査会での議論を見守らせていただきながら、今後のことについても考えさせていただきたいと思います。ありがとうございました。

 では、次の質問の「しおかぜ」、二波送信の中止についてお伺いしたいというふうに思います。

 「しおかぜ」というのは、特定失踪者問題調査会、拉致の可能性が著しく高いと思われる方々の救出や支援を行っている会がございます、そこが平成十七年から、皆様御存じと思いますが、「しおかぜ」という名前で北朝鮮向けの短波放送を実施をしております。短波放送の目的としては、拉致被害者に対して日本で救出の努力をしていることを伝える、あるいは、北朝鮮当局に注意しつつ情報を外部に出してもらうよう伝える、その他北朝鮮に関わることについて外部から情報を注入する、あとは、もし北朝鮮の体制崩壊等何か特別な変化が起きた場合に、緊急情報や避難場所等を伝えるということを目的に民間の立場から行われている事業であります。

 私もいろいろ以前から伺っていて、妨害電波を受けて周波数を変えて送ったりとか、いろいろなことをやっていたようでありますけれども、平成三十一年から二波送信という、同じ内容を同じ時刻に違う周波数で同時に送信をするということを実施をして、妨害から逃れようということで取り組んでいるということを伺っております。

 そういった中、三月一日の夜、午後十時より、この「しおかぜ」の二波放送ができなくなって、片方、一波だけしか送信できない状況になったというふうに、特定失踪者問題調査会の方から聞いております。

 こういった状況について把握されているのか、現在どういった状況になっていると認識しているか、総務省の御見解をお聞かせください。

豊嶋政府参考人 「しおかぜ」につきましては、特定失踪者問題調査会、それとKDDI、NHKの三者間の取決めに基づき運用されているものというふうに承知をしております。

 今般のイラン情勢の変化に伴い、NHKにおいて中東向けの臨時送信を開始したことによりまして、当該三者間の取決めに基づいて「しおかぜ」に使用する送信機も活用する必要が生じたことから、「しおかぜ」の一部の送信時間帯においていわゆる一波送信になっているものというふうに認識をしております。

高沢委員 どうもありがとうございます。

 イランの情勢で、聞いたところによると、NHKは二十四時間の対外放送をされるということで、それで「しおかぜ」の部分が足りなくなって一波だけになったというようなことは伺っているところではあるんですけれども。

 今回のこの「しおかぜ」の二波送信の中止というのは、これは政府が決められたことなのか。イランの在外邦人等にしっかり情報を届けなくちゃいけないからということで決めたのか、あるいは、これはNHKの放送でありますから、NHKが独自に判断をして、イランの方は二十四時間やるけれども「しおかぜ」の方は一波に変えるというふうに判断されたのか、お聞かせください。

豊嶋政府参考人 NHKの中東向けの臨時送信につきましては、NHKの判断で実施したものというふうに承知をしております。

高沢委員 NHKの判断で「しおかぜ」の二波送信を中止したというお話をいただきましたけれども、それでは、その中止するということについて、総務省に対してとか政府に対しては、事前にNHKから報告はありましたでしょうか。お聞かせください。

豊嶋政府参考人 NHKからは、中東向けの臨時送信の実施につきまして、三月一日の午前十一時頃に連絡を受けて把握をいたしました。

高沢委員 では、その中東向けの放送をするので「しおかぜ」の放送は一波しかできなくなった、そういった理由で連絡を受けたというように理解してよろしいでしょうか。

豊嶋政府参考人 お答えいたします。

 先ほどの答弁とちょっと一部かぶりますけれども、NHKから中東向けの臨時送信の実施について連絡を受けたというふうに先ほど申し上げましたが、この臨時送信の実施に当たりましては、特定失踪者問題調査会、KDDI、NHKの三者間の取決めに基づいて「しおかぜ」に使用する送信機も活用する必要が生じたということから、この取決めに基づいて「しおかぜ」の一部の送信時間帯においていわゆる一波送信というふうになったと理解をしております。

高沢委員 ありがとうございます。

 特定失踪者問題調査会の方にも聞き取りをしまして状況は聞いているところではあるんですけれども、イランの方のやはり放送があるので、「しおかぜ」の二波放送は無理だというような形でなっているというお話を伺っています。

 もちろんイランのことも重要なので、そこを二十四時間放送していただいているということについては感謝をしたいところではあると思うんですが、ただ、イランの情勢、すぐに、今日あしたで終わるとは決して思えない情勢であります。

 それでは、この「しおかぜ」の二波送信の中止というのはいつまで続くのか。NHKさんが主体でやっておられるということですので、NHKさんの中では、内部でどのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。

小池参考人 お答えいたします。

 特定失踪者問題調査会が送信します「しおかぜ」に対しまして、NHKは、人道上の見地から、業務に支障がないことなどを条件に、「しおかぜ」の円滑な送信環境の維持、確保に向けて、可能な限り協力しております。

 NHKが短波による国際放送の発信に使っておりますKDDI八俣送信所の送信機の一部を、調査会、KDDI、NHKの三者による覚書に基づいて、調査会がKDDIに費用を支払い、KDDIが「しおかぜ」を送信しております。

 イランでの情勢の変化に伴い、NHKは、現地に滞在する日本人の安全の確保に向けた情報を提供するため、三月一日に、短波による日本語のラジオ国際放送の臨時送信を開始し、中東向けの放送枠を、通常一日六時間のところ、二十四時間に拡大いたしました。これにより、「しおかぜ」の放送枠四枠のうち三つの枠で二つの周波数による放送ができなくなり、一波での送信となっていると認識しております。

 イラン情勢をめぐる先行きは不透明であり、臨時送信をいつまで続けるか、現時点で見通すことは難しい状況です。現地に滞在する日本人の安全確保のため必要な情報を届けることは、国際放送の重要な使命であり、今後の放送について適切に判断してまいります。

高沢委員 どうもありがとうございます。

 イランやそのほかの在外邦人のために、もちろん必要なことですので、それ自体をもちろん否定するものではありません。ただ、その一方、イランにアメリカが攻撃をしたということで、北朝鮮の当局、体制側が敏感になっているというのも事実だろうというふうに思います。どういった動きが出るかというのが見えない。

 それだけじゃなく、北朝鮮に拉致された被害者の方々、もし、「しおかぜ」の放送を聞いていただいているとすれば、なおかつイランの状況をもし知っているということであれば、自分たちの身にどのようなことが次に起こるのかという不安もお持ちじゃないのかなというふうに想像されます。

 そういったところにおいては、一波で放送はできているわけでありますけれども、イランの放送だけではなくて、やはり妨害のことも考えると、「しおかぜ」の二波放送、この時期だからこそ、やはり実施をするということが必要ではないのかなと、私個人としては考えます。

 そういった中で、林大臣は、官房長官としても拉致問題担当大臣も兼務されましたし、外務大臣としても邦人保護にもいろいろ尽くされてこられたかと思います。そういった中で、事情も非常にお詳しいし、家族も含めて、拉致被害者のお気持ちも理解していただいているというふうに承知をしておりますけれども、こういった、今、状況的には三者の協議というお話をされてはいるんですけれども、「しおかぜ」の二波送信の再開というのは、政府としてもやはり求める必要があるのかなというふうに思うんですけれども、林大臣として、「しおかぜ」二波送信の再開についての御見解をお聞かせください。

林国務大臣 「しおかぜ」の送信体制については、先ほど御説明があったとおりでございます。

 イラン情勢の変化に伴って、NHKにおいて中東向け臨時送信を開始し、このことも大変重要だと思います。当該三者間の取決めに基づいて「しおかぜ」の一部が一波送信となっている、こういうことでございますが、政府としては、「しおかぜ」の担う重要な役割、これも踏まえて、やはり拉致被害者等に向けた情報発信に引き続き努めていただきたいと考えておるところでございます。

高沢委員 ありがとうございます。

 なかなかすぐには、イラン情勢が、難しいというお話ではあったんですけれども、NHKに対してもこの「しおかぜ」二波送信の再開を求めたいと思いますけれども、御見解をもう一度お聞かせください。

小池参考人 お答えいたします。

 NHKとしては、現地に滞在する日本人に安全の確保に向けた情報を提供するため臨時送信を行っていること、「しおかぜ」に対しては、人道上の見地から、NHKの業務に支障がないことなどを条件に、可能な範囲で協力していることを御理解いただきたいと考えております。

 その上で、NHKは、臨時送信を実施している間も、「しおかぜ」の送信については可能な限り協力していく姿勢に変わりはありません。

高沢委員 ありがとうございます。

 業務に支障がない限り御協力いただいているということで、本当にそれはありがたいところではあるんですけれども。

 できなくなっている状況は、やはり、先ほどNHKさんの方でも御紹介いただいたKDDIの八俣送信所、ここの設備の問題というのは大きいのではないのかなというふうに思います。昨年までは七台の送信機があったけれども、昨年、老朽化により二台を廃棄をして、現在、五台体制ということで、そういったやはり台数の問題のこともあって放送もできないということもあるんじゃないのかと。

 あと、いろいろ、特定失踪者問題調査会に伺ったところ、今ある機器もかなり古い機器のようで、今年に入ってからでも故障で送信できなくなった事例がたくさんあると。一月三十日には三十七分間、停波というんですかね、止まってしまった。一つだけは送信できたそうなんですが、二波送信ができなくなった。一月三十一日は百二十分、二月二日は五十四分、二月三日は百二十分、二月四日は六十分というふうに止まってしまっているというふうに伺っています。

 NHKさんを責めるという意味ではなくて、設備を更新をして、こういうイランのような緊急事態にも対応できるし、NHKさんの国際放送にももちろんしっかり使うこともできるし、この「しおかぜ」の放送もしっかりと担保できる、そういった送信機の更新の体制をつくる必要があるのかなというふうに思っているところであります。

 その体制をつくることについて、NHKの経営努力というだけではなくて、やはり政府として、拉致問題に取り組んでいるわけでありますので、在外邦人の保護の目的もありますので、こういった八俣送信所の送信機の更新について、何か支援をするということはできないのか、お聞かせください。

林国務大臣 今委員からお話のありました送信機の老朽化に伴う修繕を含めて、運用保守業務の実施につきましては、まずはこの三者間、すなわち特定失踪者問題調査会、KDDI、NHK、この三者間の取決めにより対応されるものと考えております。

 その上で、一般論でございますが、NHKにおいては、国際放送の安定的な実施が確保されるように、設備の維持管理や運用体制の構築に取り組んでいただきたいと考えておるところでございます。

高沢委員 ありがとうございます。

 そういった中で、KDDI、NHK、そして特定失踪者問題調査会ということになるんですけれども、その中で、そこだけで送信機をというのはなかなか難しい部分もあるのかな。そういった中においては、やはり政府としても、そういった送信機を自前で確保するということも必要なのではないかなと。

 特定失踪者問題調査会の話ばかり言って申し訳ないんですが、この「しおかぜ」の送信を行うに当たって、やはり政府管理の百ワットの送信機というものをしっかり確保するということも必要じゃないかという要望が度々されているかというふうに思いますけれども、そういったことについては、やはりしっかり政府としても取り組んでいただきたいというふうに思います。

 先般の高市首相の所信表明演説の中でも、拉致問題は内閣の最重要課題というふうにおっしゃっておられます。なおかつ、あらゆる手段を尽くして取り組んでまいりますともおっしゃっていただきました。その言葉を私も信じておりますので、是非、こういった「しおかぜ」の支援等についても、送信機の管理、新設も含めて是非実行していただいて、あらゆる手段で本当に拉致被害者を取り戻すんだという姿勢と行動を起こしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。お聞かせください。

若山大臣政務官 お答えいたします。

 北朝鮮域内への情報伝達手段として、こういったものが限られる中で、拉致被害者の方々を始め北朝鮮住民や北朝鮮当局に対して、日本政府や日本国民、さらには国際社会からのメッセージを伝達する手段として、北朝鮮向けラジオ放送は極めて効果的であるというふうに考えております。

 そのため、日本政府は、日本語及び朝鮮語での北朝鮮向けラジオ放送、日本語においては「ふるさとの風」及び朝鮮語での「日本の風」を運営しているほか、「しおかぜ」にも「ふるさとの風」の放送を委託しているという状況でございます。

 これらを合わせますと、毎日約六・五時間、北朝鮮への情報発信を精力的に行っておるところでございますが、北朝鮮向けラジオ放送は現行体制でもその役割を果たしているものと考えますが、拉致被害者救出とその御家族のお気持ちを思いますと、今仰せのとおり、あらゆる手段について引き続き検討していくことの重要性を御指摘いただいているものと承知をしております。私も全く同じ思いでございます。今後とも、特定失踪者問題調査会とも連携して取り組んでまいります。

高沢委員 ありがとうございます。

 政府の放送も是非引き続き拡充していただきながらやっていただきたいですが、民間の立場でも、被害者や被害者家族とも連携をしながら救出活動をしている会でありますので、是非連携を深めていただきたいと思います。

 時間がありませんが、インターネットにおける主権者教育について、まとめて一問で質問させていただきたいと思います。

 さきの衆院選で、インターネットを活用した選挙、投票率を上げるための啓蒙活動等をされたようですが、その実例を示していただくとともに、選挙以外のところで、SNS世代に対しての主権者教育的なアプローチ、動画配信やネット広告とかを利用して、SNS世代に刺さるという言い方でいいのかあれなんですが、が興味を持っていただけるような、そういった、学校等の現場だけではないネット上の主権者教育も進めていただきたいと思いますが、併せて御答弁をお願いいたします。

林国務大臣 さきの選挙、衆議院議員総選挙におきましては、新聞広告、テレビCM、交通広告、ポスター、ホームページなどを活用した啓発のほか、主に若年層をターゲットにして、SNS等を活用した広告を展開するなど、幅広い世代の皆様に投票いただけるよう周知啓発を行いました。

 インターネットやSNSを活用した取組としまして、具体的には、総務省特設ホームページを活用しまして、投票方法ですとか選挙QアンドAの掲載、さらには投票日の周知、期日前投票の周知、投票手順の解説などの動画、これを掲載するとともに、候補者や政党等の情報提供を行ったところでございます。

 また、検索サイトのトップページへのバナー広告ですとか、動画配信サイトへの動画広告、SNS広告等などにも積極的に取り組んだところでありまして、多くの方々に御覧いただけた、こういうふうに考えておるところでございます。

 公職選挙法六条で、総務大臣、また各選挙管理委員会は、選挙が公明かつ適正に行われるように、常にあらゆる機会を通じて選挙人の政治意識の向上に努める、こういうふうになっておりますので、選挙制度、投票方法等につきまして周知を行っているところでございます。

 若者世代に向けた政治や選挙への興味、関心を高めるためのイベントも開催しておりまして、その様子も動画配信しておりますが、昨年度開催したイベント動画の視聴回数が約十五万回ということで、結構刺さっているのかな、こういうふうに思っております。

 今後も、従来どおりの啓発活動に加えて、今、委員からも御指摘のありましたインターネット、SNSなども活用した周知啓発に力を入れてまいりたいと考えております。

高沢委員 済みません、少し時間が過ぎてしまいまして。

 どうもありがとうございました。

古川委員長 次に、青木ひとみ君。

青木委員 参政党の青木ひとみです。

 本日、歴史あるこの総務委員会において初めて質問に立つ御機会をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。

 私は、これまで看護師として医療の現場で働いてまいりました。新しい命が産声を上げる瞬間から、静かに人生の幕を閉じる瞬間まで、患者様やその御家族に寄り添い、現場の喜びや悲しみ、そして切実な声を肌で感じてまいりました。

 と同時に、一人の国民として、我が国の行く末を深く憂慮しております。少子化、地域の過疎化、高齢者の孤立、そしてデジタル化に伴う情報格差。現場で出会う方々の暮らしの中に、日本が今まさに直面している課題、それが浮き彫りになっておりました。

 先人たちの知恵と努力によって守られてきた我が国の誇りを次の世代へいかに手渡すのか。その重責を果たすという使命感こそが、私をこの場に突き動かした原点でございます。至らぬ点も多々ございますが、現場で感じてきた実感を大切にして、一人の国民としての切実な思いを胸に、学ばせていただく姿勢で誠実に努めてまいります。

 総務省は、地方自治を支え、情報通信の基盤を整え、行政の仕組みをつかさどる、国家の重要な土台を担うところでございます。だからこそ、その仕組みが国民の暮らしや命に真に寄り添うものであってほしいと願っております。

 私たち参政党は、国民一人一人が我が国の課題を自分事として捉え、共に未来を切り開いていくことを重視している政党です。私自身もその一員として、現場の声を丁寧にお伝えしながら、少しでもお役に立てるように努めてまいります。本日は、看護師として、そして国民として感じてきた疑問や気づきを皆様に御質問させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 初めに、公立病院の経営状況についてお伺いいたします。

 先ほども申し上げましたが、私はこれまで看護師として現場で働いてまいりました。今もその仲間たちが、過酷な環境の中で患者さんの命を守るために頑張っておられます。その現場の苦しさは身をもって感じてきました。

 公立病院は、救急や小児、産科、過疎地の医療など、民間では採算が取れない医療を担う地域の命綱です。さらに、地震や水害などの大規模な災害、万が一の有事の際にはとりでとなる、国民の安全保障を支えるインフラであると認識しております。

 しかしながら、現実は、令和六年度の赤字病院の割合は八三・三%、経常収支赤字は三千九百五十二億円に上り、赤字幅は前年度と比べて二倍近くまでに膨らんでおります。

 このような状況に対して、国は今年度の診療報酬改定を待たずに医療・介護等支援パッケージを緊急措置して、加えまして、病院事業に対する繰り出し金を増額して計上するなど一定の努力をなさっておられますが、果たしてこれらの措置が厳しい状況にある公立病院の経営を改善させるに当たり十分であると認識しておられるのか、お伺いいたします。

 あわせて、これらの緊急措置や繰り出し金の増額等の措置について、増額の引上げ幅の算定根拠を具体的にお聞かせください。

出口政府参考人 お答えをいたします。

 公立病院は、医師や看護師などの不足、人口減少などを背景として厳しい経営環境に置かれております。直近の令和六年度決算におきましては、このような事情に加えて、物価高騰や人件費の増加などによって、約八割の公立病院が経常収支赤字となったところでございます。

 公立病院につきましては、公営企業でありますので、診療報酬等の料金収入などによって独立採算で経営することが原則でございます。その上で、公立病院が不採算医療や特殊医療などの地域医療にとって重要な役割を担っていることを踏まえまして、総務省では必要な地方財政措置を講じてきたところであります。

 診療報酬等に関しましては、厚生労働省において、公立病院も含めて、医療機関が賃金、物価の上昇などに直面しているとの認識の下、令和七年度補正予算で、御紹介のありました医療・介護等支援パッケージによる支援を実施するとともに、令和八年度の診療報酬改定は、二か年平均プラス三・〇九%という水準の本体改定率とされたと承知をしております。

 その上で、令和八年度におきましては、公立病院が地域に必要な救急医療等を引き続き提供できますよう、病院事業に対する繰り出し金として、前年度比六%増の八千三百五十三億円を地方財政計画に計上し、救急医療等の交付税措置を拡充しますとともに、周辺人口が少ないといった不採算地域において、二次救急など地域医療の中核的な役割を担う不採算地区中核病院がその機能を維持できるように、特別交付税措置の基準額を三〇%引き上げるといった地方財政措置を講じることとしております。

 今後とも、関係省庁と連携し、公立病院の状況を踏まえつつ、持続可能な地域医療提供体制を確保するために必要な地方財政措置を講じてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

青木委員 ありがとうございます。

 公立病院は国民の命に関わる大切なインフラであることを考えると、まだまだ十分な措置とは言えないのではないかと考えております。あわせて、デジタル化など病院経営の効率化や、過剰医療の改善など、国がなすべき課題は多いと思いますので、是非一丸となって取り組んでいただきたいと思います。

 次に、赤字の問題と切り離せないのが、慢性的な看護師不足です。

 資格を持ちながら現場を離れている潜在看護師が約七十万人いる一方、今後更に看護師不足が深刻化していくと推計されております。

 なぜ現場を離れるのか。過酷な勤務、重い責任、働きに見合わない給料、地域の皆さんの命と心に寄り添う看護師が、労働環境の過酷さによって現場を去っていく。これは単なる人手不足ではなく、地域の皆さんの命の支えが失われていくということです。

 先ほども触れた措置の中で、国は特別交付税の基準額を引き上げておりますが、せっかくの支援が赤字の穴埋めに消えてしまって、現場のスタッフの賃上げに届いていないのではないでしょうか。特別交付税による支援が実際に現場の処遇改善につながっているとは感じられないのですが、その点、どうお考えでおられるのか、お伺いいたします。

出口政府参考人 お答えをいたします。

 公立病院の医療従事者を含め、公営企業職員の給与につきましては、地方公営企業法などの規定に基づきまして、同一又は類似の職種に従事する民間従業者の給与との均衡等を考慮して各団体において定めるとされているところでございます。

 総務省におきましては、公立病院が、不採算医療、特殊医療といった地域医療にとって重要な役割を担っていることを踏まえまして、繰り出し基準に基づく経費について一般会計が負担するものとして、病院事業に対する繰り出し金に対し必要な地方財政措置を講じてきております。

 令和七年度の補正予算におきましては、地方公務員の給与改定に必要な経費を措置するために地方交付税の増額をいたしましたけれども、この給与改定所要額には人事院勧告による病院事業に対する繰り出し金への影響額を含んでおります。また、このような補正予算での対応を踏まえまして、病院事業に係る特別交付税の単価も引き上げる予定としているところでございます。

 今後とも、公立病院が医療従事者を確保して必要な機能を発揮できますように、関係省庁と連携して、適切に対応してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

青木委員 ありがとうございます。

 では、看護師及び医療従事者の処遇改善について国はどう考えておられるのか、お伺いさせてください。

榊原政府参考人 お答え申し上げます。

 委員からも御指摘のありました、看護職員も含めました現場、医療現場で働く方々の処遇改善は喫緊の課題であると認識しているところでございます。

 医療分野で申し上げますと、令和七年度補正予算におきまして、医療機関の経営状況も踏まえつつ、医療機関が看護職員も含めた従事者の賃金を三%分半年間引き上げられる規模の支援を措置いたしますとともに、令和八年度診療報酬改定においては、医療機関に勤務する幅広い職種の賃上げに向けて、令和八年、九年度にそれぞれ三・二%のベースアップを実現するための措置を講じることとしたところでございます。

 こうした取組を通じまして、看護職員も含めまして、現場で働く幅広い職種の着実な賃上げにつなげていきたいと考えているところでございます。

青木委員 ありがとうございます。

 今この瞬間も、患者さんの命を守るために必死に汗を流している仲間がおります。その仲間たちが誇りを持って働き続けられる環境を整えること、それが地域を守り、かつ日本の安全保障を守ることに直結いたしますので、数字の上の話ではなくて、現場で頑張っている人たちのことをどうかお忘れなく、各省庁と連携し、共通の課題として現場に届く実効性のある支援を強くお願い申し上げます。

 続いて、不正投票についてお伺いいたします。

 公職選挙法違反は後を絶ちません。昨年行われました参院選においても、多くの逮捕、書類送検があり、うち詐偽投票は最も多い罪種となっており、二〇二二年の参院選と比べて増加したと聞いておりますが、これは本当でしょうか。

 昨年の参院選における詐偽投票事案の件数と人数及び前々回の参院選と比較して増加しているのかどうか、教えてください。

遠藤政府参考人 お答えいたします。

 お尋ねの詐偽投票の検挙状況につきましては、令和七年七月施行の第二十七回参議院議員通常選挙におきましては、検挙件数は二十一件、検挙人員は二十五名となっておりまして、令和四年七月施行の第二十六回参議院議員通常選挙と比較いたしますと、検挙件数が十六件、検挙人員が十八名、それぞれ増加しております。

 警察といたしましては、引き続き、刑事事件として取り上げるべきものがあれば、法と証拠に基づいて適切に対処してまいりたいと思います。

青木委員 検挙数が増加しているとのことですが、現在、公職選挙法第四十四条第二項では、投票に当たって身分証の提示が義務づけられておりませんが、現行の選挙人名簿との照合だけでは成り済ましなどのリスクを十分に抑え切れていないのではないかと心配しております。

 この成り済ましの危険性も含めて、検挙人数が増加していることについて、大臣のお考えをお聞かせください。

林国務大臣 選挙の投票におきましては、選挙の公正を確保するため、本人確認、これを確実に行うことが重要であると考えております。

 投票の際の手続といたしましては、今お触れいただきました公職選挙法第四十四条の規定におきまして、選挙人は選挙人名簿との対照を経なければ投票することができないとされております。

 今回の衆議院選におきましても、管理執行に関する総務省選挙部長通知によりまして、選挙人名簿との対照に当たり、投票所入場券を活用すること、投票所入場券を持参しない場合には、不正防止の見地から、身分証明書の提示を求めることや氏名、住所等を確認することなどにより本人確認を徹底するよう、各選挙管理委員会に対し要請をしております。

 また、他人に成り済まして投票を行うこと、これは公職選挙法第二百三十七条に規定する詐偽投票罪に当たる旨を周知しているところでございます。

 総務省としては、引き続き、投票所における適切な本人確認の徹底について、各選挙管理委員会に対し要請をしてまいります。

青木委員 ありがとうございます。

 言うまでもなく、投票の公正性は健全な民主主義の土台となっております。全国で一定の共通ルールや指針を設けていく必要性を感じておりますので、是非、成り済まし事件の実態とか、各自治体における本人確認の運用状況を丁寧に調査していただいて、投票の公正性をより強固にするために、制度改善についても検討をしていただきたいと思います。

 昨今、投票率の向上や投票機会の拡大のためにインターネット投票の議論も一部でありますけれども、その一方で、選挙の公正性や、本人確認、不正投票の防止などの課題も指摘されております。不正投票の懸念、選挙の信頼性をどう確保するのかは、今後しっかりと議論する必要があると思いますが、インターネット投票について、外国の事例など、政府として調査研究をしているのか、また、将来的な導入を検討しているのか、政府の御見解をお伺いいたします。

長谷川政府参考人 御答弁申し上げます。

 インターネット投票に関しましては、現在、投票しにくい状況下にございます在外選挙人の方々の利便性向上の観点から、総務省におきましても、郵便等投票が広く認められている在外選挙につきまして、技術面、運用面などの検討を進めてきたところでございます。

 インターネット投票につきましては、先ほども御言及いただきましたが、確実な本人確認、また二重投票の防止、投票の秘密保持、システムセキュリティー対策、また選挙人の自由意思によって投票される環境の確保などの課題や論点があると承知をいたしております。

 また、在外に限らず、国内のインターネット投票ということにつきましては、こういった課題のほか、投票管理者や立会人の下で行うことが原則である投票、これを特段の要件なく、こういった方々が不在の中で認めるということの是非、また、有権者の規模が大きくなりますので、一斉アクセスなどに対応できる大容量のシステムの整備といった課題があると承知をいたしております。

 総務省としましては、先ほど申し上げましたとおり、在外選挙インターネット投票について、引き続き検討し、課題の整理、対応など調査研究を進めてまいりたいと考えております。

 一方で、選挙の公正の確保という観点からは、投票は、先ほど申し上げたとおり、投票管理者や立会人の下で行うという原則の中で、インターネット投票となりますと、こういった方々が不在となって行われる新たな投票方法ということになります。こういった新たな投票方法を導入することにつきましては、選挙制度の根幹にも関わる問題であると考えております。各党各会派で十分な御議論をいただきたいと考えております。

青木委員 ありがとうございます。

 有権者の持つ一票一票は日本の未来を決める大切なものでありますから、不正を許さない、公正な選挙を守り、誰もが安心して政治に参加できる社会をつくるために、投票率の向上のため、主権者教育の推進と併せまして、今後とも、警察との連携強化、そして制度的な透明性の確保を、国として今後どう責任を持って推進していくのか、議論が深まることを強く期待しております。

 続いてですが、地域未来基金についてお伺いさせていただきます。

 大臣は、所信の中で、広域リージョン連携を推進して地域の成長を促すと述べておられました。

 都道府県の境を超えて、自治体や企業、大学などが力を合わせて地域を元気にしていくことは大切なことだと考えております。しかし、広域で連携するためには、調整する力、情報を集める力が必要で、既に余裕のある大きな自治体や企業が中心になってしまって、小さな町や村、地元の小さなお店や工場を置いてきぼりにしていかないか、少し心配しておるところです。

 その上で、来年度四千億円の地域未来基金がつくられると聞いておりますが、地域ごとの産業クラスター形成や地場産業の付加価値向上など、大枠の方向性は示されている一方で、その具体的な政策メニューや配分の基準を定める地域未来戦略は、令和八年、今年の夏の取りまとめを予定とされており、詳細が見えない段階で、先に四千億円の基金費が計上されている状況です。

 国民の税金の使い方としてもう少し丁寧な説明が必要ではないかと感じますが、なぜそのような計上の仕方になったのか、お聞かせください。また、四千億円の積算根拠をお示しください。

林国務大臣 令和八年度地方財政計画におきましては、地域未来基金費〇・四兆円を新たに計上することとしております。

 今お話がありましたように、この八年の夏を目途に取りまとめられる地域未来戦略を踏まえまして、強い経済の実現の観点から、地域ごとの産業クラスターを全国各地に形成するとともに、地場産業の付加価値向上と販路開拓を推進し、地方から日本を成長軌道に押し上げる、このことを念頭に創設することとしたものでございます。

 この段階で計上しておきませんと、夏にできたときに、戦略はできたけれども配るお金がないということになってしまってはいけないわけでございまして、都道府県におかれては、地域未来基金費を活用して、地域における強い経済の実現にしっかり取り組んでいただきたいと思います。

 地域未来基金費は、地方団体において、産業クラスターの形成、拡大、地場産業の付加価値向上、販路開拓にしっかり取り組んでいただけるよう、所要の財源を確保するものでございます。

 既にこうした取組が進んでいる地方団体の実態等を踏まえまして、複数年度で計画的に取り組むこと、これを想定しまして、令和八年度地方財政計画に四千億円を計上したところでございます。

 また、各都道府県の基準財政需要額の算定等については、全国どのような地域でも一定規模で財政需要が生じると考えられる一方で、人口育成の取組などは、やはり人口規模に連動して財政需要が生じると想定されますことから、これらの要素を均等に反映するため、二千億円程度を各都道府県に対して均等に、そして残りの二千億円程度、これを各都道府県の人口に応じて算定することを基本といたしまして検討しているところでございます。

 今後、各都道府県において、知事主導で地域産業の成長プランを策定することとされておるところでございますので、こういうことをしっかりと周知をしてまいりたいと思っております。

青木委員 ありがとうございます。

 大臣がおっしゃられたように、基金の半分が人口に応じて配られるということなんですが、そうなると、人口の多い都市にお金が集まって、元々人が少なく疲弊している地方には十分届かないのではないかというような疑問を感じております。また、このお金が、大企業や外国資本ではなく、地域で長年頑張ってきた日本の中小企業や地場産業のために使われるのかどうかという点も大変心配であります。

 地域に根を張って、その土地を愛して働いてきた人たちの産業や技術を守り育てること、それこそが本当の意味での地域を守ることであり、国益につながると私は考えております。国として、地域経済の未来につながる投資にしっかり結びついているのか、その方向性とチェックの仕組みについて一定の責任を持って関与すべきではないかと考えます。

 そこで、この基金が、疲弊している地域ほど、きちんと手厚く、そして確実に地場産業を守るために使われるように、しっかりと、何に使われたのか確認、管理できる仕組みになっているのか、そこをお聞かせください。

出口政府参考人 お答えをいたします。

 先ほど大臣の方からお答えいたしましたように、基金費の基準財政需要額の算定に当たりましては、産業クラスターを全国各地に形成するという目標がございますので、全国どのような地域でも一定規模で財政需要が生じるといった事情を勘案いたしまして、四千億円のうち二千億円程度は各都道府県に対して均等に算定をしたいというふうに考えているところでございます。

 その上で、各都道府県の取組につきましては、知事主導で地域産業の成長プランを策定し、それに基づく取組を進めていただくということになっているわけでございますけれども、このプランに基づく取組が、お話ございましたように、地域にとって真に必要な事業に充てられているかどうか、その点につきましては、地方議会や地域の住民の皆様にしっかりと御判断いただく必要があるのではないかと考えております。

 このため、総務省におきましては、地方自治体に対しまして、地域未来基金費の措置に対応して、新たに基金を設置するなど、まず適切に対応いただきたいということに加えまして、地域未来基金費の活用に当たっては、基金の積立状況や活用状況等について公表情報の充実を図るように努めていただきたいと依頼しているところでございまして、こうした情報に基づき、各地域で様々な議論をしていただいて、必要なことに資金を投入いただければと考えているところでございます。

青木委員 ありがとうございます。

 是非、国として、基金の使い道について一定の責任を持って、今後調査等をよろしくお願いいたします。

 最後になりますが、災害時におけるペットの同行、同伴避難についてお伺いさせてください。

 私は、幼い頃から動物とともに育って、今もそのぬくもりに毎日支えられております。私にとって、ペットは動物ではなく、かけがえのない家族です。

 近年、犬と猫を合わせた飼育頭数は約千六百万頭を超えて、十五歳未満のお子さんの数を大きく上回っております。東日本大震災以降、日本の多くの家庭においてペットが家族の形となっていて、災害時におきましては、環境省は平成二十五年に、災害時におけるペットの救護対策ガイドラインを策定されました。これは大きな前進です。

 しかし、一方で、まだ、避難所までは一緒に来てもいい、でも中には、一緒にいられないという対応が多くの自治体で続いております。その結果、ペットを置いて逃げられずに、自宅にとどまったり、危険な車中泊を選んだりする方が後を絶ちません。

 そこでお伺いいたします。

 各自治体の地域防災計画にペットの同行避難、同伴避難がどの程度明記されているのか、全国の実態を把握しておられるでしょうか。また、災害現場でのペットと飼い主の避難の環境やルールについて統一的な対応マニュアルなどがおありになるのか、お伺いさせてください。

成田政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、地域防災計画にペットの同行、同伴避難が記載されている実際の数はどの程度かといった御質問でございますが、令和七年四月時点で、四十の都道府県及び千四百二十程度の市区町村の地域防災計画にペットの同行避難や同伴避難に関する記載があることを確認いたしております。

 また、国の、同行、同伴避難に関するガイドラインについてのお尋ねでございます。

 これにつきましては、環境省では、自治体が地域の状況に応じて人とペットの災害対策を検討する際の指針となるよう、平成三十年に、人とペットの災害対策ガイドラインを策定いたしまして、その周知を進めてきたところでございます。

 ガイドラインでは、災害対応における基本的な視点、避難所でのペットの同行避難者の受入れに関する事項、平時からの備えなど飼い主に普及啓発すべき事項といった内容を整理いたしております。

 現在、能登半島地震の経験等を踏まえまして、ガイドラインの改定作業を進めているところでございます。来年度早期の公表を目指しているところでございます。

 引き続き、自治体や関係省庁と連携いたしまして、人とペットの災害対策に取り組んでまいります。

青木委員 ありがとうございます。

 是非、ペットと家族が一緒に過ごせるように整備を、整えていただきたいと思います。

 大臣は、所信において、防災・減災、国土強靱化による安全、安心な暮らしの実現を掲げていらっしゃいました。避難所でペット同伴スペースを設けようとする自治体は、仕切りの設置とか衛生管理の費用など、現実的なコストにも直面いたします。国土強靱化を本気で進めるのであれば、ハードの整備と同様に、誰もが家族とともに安心して逃げられる環境への財政的な裏づけも是非前向きに検討していただきたいと思います。

 参政党は、もちろん人命救助が最優先であることは十分承知の上でお伝え申し上げますけれども、人間も動物も分け隔てなく大切にできる国、それが本当の意味で強く温かい日本の姿だと信じておりますので、生きとし生けるものを大切にする日本の心をどうか守り抜いていただきたく思います。

 これで私の質問を終了させていただきます。ありがとうございました。

古川委員長 次に、武藤かず子君。

武藤(か)委員 チームみらいの武藤かず子です。

 さきの衆議院議員選挙において、北関東ブロックより選出されました一期目でございます。本日、初めて委員会で質問をさせていただきます。

 地方行政のデジタル化、またそれを支える通信網など、総務省が担う役割は非常に重大であるというふうに感じております。皆様からいただいた信託を胸に、誠実に努めてまいる所存でございます。委員の先生方の御指導、御鞭撻を賜りながら、一生懸命取り組んでまいる所存でございます。今後ともよろしくお願いいたします。

 それでは、質問に移らせていただきます。

 林大臣の所信において、デジタルの力を最大限に活用し、地方団体や地域社会におけるDXを推進するとともに、それを支える人材の確保、育成に取り組むというふうに述べられていらっしゃいました。

 本日は、その中核を成すフロントヤード改革についてお伺いしたいと思っております。

 総務省の自治体DX推進計画における重点取組事項の一つであるフロントヤード改革では、モデル事業等を通じ、住民の希望に沿った窓口の実現と職員の時間を生み出す業務フローに重点を置いた汎用性のある人口規模別のモデルや先進的な取組を行うモデルを構築されており、書かない窓口、またオンライン申請、ワンストップ窓口を中心的な取組として進めてこられていると承知をしております。これらは確かに意義のある施策であると私自身も考えます。

 しかしながら、私が懸念しておりますのは、このフロントヤード改革が利用者の利便向上という文脈の下で、いつの間にかオンラインで申請できること、あるいは、申請に当たって必要な情報があらかじめ入力されていることを最終ゴールとして設計されているのではないかという点でございます。

 住民の側に立って考えていただくと、やはり、この行政サービスを必要となられる子育て中の親御さん、また、突然仕事を失った方、介護に追われている方、こうした方々は支援が今必要であるにもかかわらず、自分が今どのような支援を受けられるのか、また、どこに申請をしなければならないのか、調べる余裕がありません。今すぐ助けを必要としている、今すぐ行政サービスを受けたい、しかし、そのために窓口に行く気力も時間もないという状況、支援を必要としている人ほど行政の入口にたどり着けない実情があります。

 また、私自身、選挙期間中にも、制度のことを知らなかったから申請ができず、サービスを受けられなかったと涙ながらにお話をいただくことが数多くございました。これが今の申請主義の最大の課題であると私自身捉えております。

 オンラインで申請できますと、ホームページを整備するだけではこの問題の解決には至りません。住民の皆様、国民の皆様の体験を起点に考え、問われるべきは申請できるかではなく、必要な方々に確実に届くかといったところであると私自身考えております。

 また、私たちチームみらいは、この申請主義からの脱却のため、プッシュ型行政サービスの展開を提案しております。

 令和七年十一月二十五日に開かれた参議院総務委員会においても、安野委員より同趣旨の質問をさせていただき、その際、林大臣の御答弁は、プッシュ型の支援の導入を含む、自治体業務全体のデジタル化には、業務内容、プロセスの見直し、BPRが重要であるというふうにいただきました。

 そこで、お伺いをいたします。

 現行のフロントヤード改革は、オンラインで申請できることをゴールとした手続のデジタル化にとどまっていないでしょうか。また、申請主義からの脱却という視点が政府全体の改革設計に明確に組み込まれておられるか、現状を是非お聞かせください。

小川政府参考人 お答えをいたします。

 ただいま御指摘いただきましたプッシュ型の仕組みの導入、これによりまして申請の手間を解決し、また住民へのアウトリーチを伸ばしていく、こうしたことは住民の利便性を向上する上で大変重要な課題であるというように考えてございます。

 自治体のフロントヤード改革は、自治体窓口業務について、業務の内容やプロセスの見直しを行うBPRを徹底しておりまして、単に紙の手続をデジタルに置き換えるということにとどまらず、より住民に寄り添ったアウトリーチを伸ばすサービスが提供できるように、住民のニーズあるいは現場の課題を踏まえて必要な業務改革を行う、これが重要であるというように考えておるところでございます。

 総務省といたしましては、人口規模別の先進モデルの構築を行いまして、BPR実施のノウハウも含めた改革の手順書を作成しまして、全国の自治体への横展開を図っているところでございます。

 これらのうち、プッシュ型の仕組みに関連するものといたしましては、例えば、一度登録手続を行っていただくことで継続的な給付を以後は自動的に受給できるようにする、こういったことでありますとか、あるいはプッシュ型の通知によって給付等の行政サービスのお届けをスムーズに行う、こうした取組が始まっておるところでございまして、今後とも、関係省庁とも連携しまして、こうした取組の促進を図ってまいりたい、このように考えておるところでございます。

三橋政府参考人 デジタル行政の観点からお答え申し上げます。

 行政サービスの提供の在り方につきましては、各行政手続の所管府省におきまして法令等に基づき判断されるものではございますが、申請によらずに行政サービスを必要としている方が必要なサービスを受けることができる、いわゆるプッシュ型による行政サービスの提供をデジタル技術を活用した仕組みとして構築することは、住民の利便性の向上のために重要であるというふうに考えております。

 デジタル庁としては、これまでも、マイナンバーによる情報連携、マイナポータルの整備、公金受取口座登録制度の創設などの簡素かつ迅速な行政手続に資する取組を進めてきたところでございます。

 一方で、利用者目線に立った行政を実現するためには、単なる手続のデジタル化にとどまらず、デジタルを前提とした行政サービスの在り方や、業務そのものの見直しも重要であるというふうに考えております。

 今後も、行政サービスのデジタル化により国民一人一人が利便性を感じられるよう、関係府省や自治体とも連携しながら取組を進めてまいります。

武藤(か)委員 御答弁いただき、ありがとうございます。

 私どもと同じ方向を向かれているということをお聞きできまして、非常に心強く思っております。今後とも、是非、現状を踏まえつつ検討していければというふうに思います。

 それでは、次に、DXの成否を測る評価軸についてお伺いいたします。

 現在、総務省がDXの進捗を測る指標として用いられているのはどういったものでございましょうか。手続のデジタル化率、またマイナンバーカードの普及枚数、これらの手段は普及度であり、住民また国民が実際に感じる行政サービスの質の改善とは必ずしも一致しないというふうに考えております。

 総務省が自治体に対してDX支援を行った結果、住民また国民の体験が本当に改善されたのか。また、その検証を定性、定量の両面から行う仕組みが存在するのか。存在するのであれば具体的な中身を、存在しないのであればその理由と今後の方針を、是非お示しください。

小川政府参考人 お答えいたします。

 フロントヤード改革の実施によりまして、デジタルツールの導入による個別事務の最適化にとどまるのではなくて、業務全体の最適化を図ることによりまして、住民利便性の向上、それから職員の、あるいは職場の業務効率化という効果の実現を目指している、これが基本でございます。

 例えば、住民利便性の向上につきましては、すぐに手続ができる、あるいは同じ内容を何度も書かない、あるいは、先ほどお話がありましたプッシュ型による場合には、申請のプロセスを経ることなくサービスを受給することができる、こうした効果が考えられるところでございます。一方で、職員の業務効率化につきましては、処理にかかる時間を削減できる、あるいは人為的ミスを抑制できる、こういった効果も考えられるところでございます。

 フロントヤード改革のモデル事業を通じた効果の検証におきましては、各モデル自治体におきまして、例えば、住民の来庁から手続完了までの削減時間でありますとか、住民の満足度などの最終的に達成したい数値目標の設定、あるいは費用対効果の検証を行うようにしておるところでございまして、総務省としてはその進捗をフォローアップする、このような取組を進めておるところでございます。

 総務省といたしましても、フロントヤード改革に取り組んでいる自治体数の数値目標を設定するにとどまらず、全国の自治体の取組状況をダッシュボードにより見える化するといったこと、こうしたことを進めることによりまして、モデル事業による好事例の横展開を図ってまいりたい、このように考えておるところでございます。

武藤(か)委員 御答弁ありがとうございます。

 是非、定量、また定性的な評価を継続いただき、その結果をもって新たな改善というところを目指していただけたらというふうに思います。ありがとうございます。

 続きまして、お伺いをいたします。

 林大臣の所信でも、人材不足等の課題に対応し、持続可能かつ最適な形で行政サービスを提供していくため、国、都道府県、市町村間の役割分担や大都市地域における行政体制の在り方が審議されており、総務省としても必要な検討を進めるとともに、市町村間の広域連携や都道府県による補完、自治体DXなどに取り組みますとお話をいただきました。

 また、令和八年度の予算案を拝見いたしますと、自治体DX、地域社会DXに関する取組の多くが単年度の事業として設計をされておられます。フロントヤード・バックヤードの一体的な改革の推進・横展開に七億、また、地域社会DX関連の実証事業なども計上をされておられます。

 こうした個々の事業には一定の意義があるということも承知をしておりますが、一方で私が問いたいのは、この単年度の取組が、一体最終的に何を目指した活動なのかという点でございます。

 単年度予算で実証をし、手順書を作り、横展開を促す、この繰り返しの先に総務省としてどのような社会の姿を描かれているのか。国民、住民にとって何がどう変わることを達成として定義をされているのか。もしそうであるとすると、細切れの施策となってしまい、日本全体の底上げに至らないのではないかと懸念をしております。是非、国民、住民の、体験を本当に変えるために、単年度を超えた継続的な取組と、それを支える明確な目標設定が不可欠なのではないでしょうか。

 林大臣にお伺いをいたします。

 自治体DX、また地域社会DXの取組について、総務省として最終的に何を目指しているのか、国民、住民にとっての到達点をどのように描かれているのか、お聞かせください。また、単年度の事業の積み重ねではなく、中長期的な視点からDXを推進していくための方針をお持ちでしたら、併せてお示しをください。

林国務大臣 今後、急速な人口減少が見込まれる中で、自治体が住民に必要な行政サービスを提供し、持続可能な地域社会を形成する、そのためにデジタル技術を活用して行政手続等における事務の効率化、住民の利便性を向上させる、こういう地域社会における課題を解決するということが重要だと思っております。

 今いろいろ御議論いただいたフロントヤード改革を始め、自治体が重点的に取り組むべき事項等を盛り込んだ自治体DX推進計画、これを策定するとともに、実務の参考となる手順書や事例集の公表、デジタル活用推進事業債の創設など、いろいろな支援を行っているところでございます。

 さらには、AIや自動運転等のデジタル技術を活用した各種実証を通じて、地域課題解決につながる先進的ソリューションの創出や、その早期実用化を促進するなど、地域社会のDXも推進しておるところでございます。

 やはり、国として一律に、今委員がおっしゃったような、これが到達点ですというのを、例えば、私が申し上げるとか、総務省としてこうですということでは必ずしもないのかなと。様々な自治体がございますので、やはり自治体が持続的に住民に必要な行政サービスを提供して、持続可能な地域社会を形成していける、こういった一般的な目標に応じて、どうしてもDXというのは手段になりますので、この手段としてこういうものを活用して、今申し上げたような目標にそれぞれ到達していってもらいたい、こういうことではないかというふうに今考えておるところでございます。

 まさに、人口減少と申し上げましたけれども、住民も減少すると同時に、役場、市役所といったところの人員も減少していくということでございますので、先ほど来UXのような議論をいただいておりますけれども、これは住民の方のUXもあるんですが、使っている方の、職員のユーザーエクスペリエンスといいますか満足度、こういうものも同時に高めていかないと持続可能ではない、こういうことだろうと思いますが、いずれにしても、地方自治の中で、それぞれの自治体がこういった道具を使ってしっかりと住民の福祉向上につなげていく、このことが大事ではないかというふうに考えております。

武藤(か)委員 御答弁いただきありがとうございます。重々承知をいたしました。引き続き、DXの推進のところ、私自身も注視していきたいというふうに思います。

 続きまして、自動運転の社会実装に向けて質問をさせていただきます。

 高市総理の施政方針演説においても、先行的実証地域を選定し、関係省庁の施策を集中的に投入する取組を開始したと御発言がございました。これはすなわち、デジタル庁が推進しておられます自動運転社会実装先行的事業化地域事業であると理解をしております。

 自動運転の社会実装に当たっては、車両技術の高度化のみならず、安定した通信環境の整備が不可欠であり、その意味で、総務省の果たす役割は極めて重大であるというふうに認識もしております。また、総務省においても、自動運転の社会実装に向けた通信環境の整備ということで、三・八億の予算が計上されておられます。

 そこで、まず、デジタル庁にお伺いをさせてください。

 第一に、今般の通信環境整備について、具体的にどの地域を対象とし、また、過疎地、山間部、都市部といったどの類型のエリアを想定されているのか、お示しをください。また、先行的事業化地域として選定された地域への通信環境整備との整合性はどのように図られているでしょうか。

岡田政府参考人 お答え申し上げます。

 我が国におきまして、自動運転サービスの社会実装、事業化を早期に実現するため、事業として継続可能なビジネスモデルの構築をしていくことが重要であると考えておるところでございまして、そのために、昨年六月にデジタル社会推進会議におきまして策定いたしましたモビリティ・ロードマップ二〇二五に基づき、先ほど委員から御紹介がございましたけれども、現在、先行的事業化地域の選定を行っているところでございます。

 この事業におきまして、令和九年度をめどに自動運転サービスの先行的な事業化を実現し、継続的なサービス提供ができる取組であること、あるいは、自動運転サービスの事業化の実現後、ほかの地域に横展開するにふさわしい取組であることを対象といたしまして、自動運転技術の発展段階及び運行形態の特性に応じまして、三つの類型に分けて公募しているところでございます。

 一つは、最新技術活用型と呼んでおりますけれども、いわゆるロボタクのような、任意の地点間を移動するような類型でございます。どちらかというと、これが都市部になるかと思います。それから、運行エリア拡大型ということで、現在、既に実証等で運行しているところにつきまして、そのエリアを拡大するところ。それから、技術的課題解決型ということで、例えば、右折とか路駐の回避とか、こういう技術的課題が残っているところについてその課題を解決していく類型という、三つの類型に分けて公募をしているところでございまして、その選定に当たりましては、類型ごとに有識者に御審議いただいているところでございます。

 選定された地域に対しましては、関係府省庁の自動運転に係る支援策を集中的に投入するということに加えまして、当該地域の課題解決に向けて、デジタル庁が中心となって関係府省庁と連携した伴走支援体制の構築に取り組むこととしております。先ほど通信のお話がございましたけれども、総務省ともしっかり連携をして、集中的に支援をしていきたいと考えております。

 この取組によりまして、選定地域において継続的な自動運転サービスの事業化を全国に先行して実現して、さらに、そこで得られた成果をほかの地域へ横展開することによって、全国での自動運転サービスの社会実装につなげてまいりたい、このように考えております。

武藤(か)委員 ありがとうございます。

 次に、国土交通省、また、経済産業省、デジタル庁等、関係省庁並びに地方自治体との連携体制についてお伺いをしたいというふうに思っております。

 自動運転の社会実装には、通信インフラを担う総務省、道路インフラ、運行基準を担う国土交通省、また、車両、産業政策を担う経済産業省、デジタル連携を担うデジタル庁、そして地域の実情を最もよく知る自治体、これらが全て有機的に連携しなければなりません。通信環境を整備したにもかかわらず、肝腎の自動運転が活用されないという事態は断じて避けなければなりません。

 技術整備と社会実装は一体として設計、推進されるべきであると考えております。単なるインフラ整備にとどまらず、実装までを明確に見据えた連携や対応はどのように行われているのか、具体的にお示しいただけますよう、総務省より御回答をお願いいたします。

藤田政府参考人 お答えいたします。

 自動運転の社会実装に当たりまして、地域の実情に応じた通信インフラが整備され、自動運転サービスを下支えする手段の一つとして十分に活用されることが重要と認識しております。

 このため、総務省におきましては、地域がその特性に応じて最適な通信インフラが選択できるよう、地域における実証事業を行い、そこで得られた成果を取りまとめ、自治体や事業者と共有を図っております。

 また、総務省では、昨年九月より、自動運転時代の“次世代のITS通信”研究会を開催しております。この研究会の中では、自動運転社会が本格的に到来する二〇三〇年代を見据えまして、自動運転が導入、運行される状況下で必要となる通信インフラの姿を整理した上で、国の政策や民間事業者等の取組の在り方について検討を行っておるところでございます。

 総務省としましては、以上のような取組を通じまして、各省庁それから民間事業者とも連携し、自動運転の早期社会実装に向けて、通信インフラの整備の観点からより一層貢献してまいりたいと考えております。

武藤(か)委員 ありがとうございます。

 是非、総務省のミッションであられる、「常に変貌し続ける日本において、誰もが健やかに暮らせる舞台を創造するために、総務省は新たなる挑戦を続けていきます。」とありました。これに背くことなく、自動運転についても、先行的事業化地域事業をより発展させ、日本全体を見据えた取組にしていただきたく、私自身も今後とも注視をしていきたいと存じます。

 次に、最後のトピックになりますが、信頼できる情報通信環境の整備、施策について御質問をさせていただきます。

 林大臣の所信でも、インターネット上では、例えば災害時や選挙の際に、偽・誤情報や、誹謗中傷等の権利侵害情報の流通、また拡散が深刻化しています、令和七年四月一日に施行した情報流通プラットフォーム対処法の着実な運用を通じて、事業者による削除対応の迅速化や運用状況の透明化を図りますとお話しをいただきました。また、インターネット上の偽・誤情報、違法・有害情報対策等の推進にも八・五億の予算を計上されており、更なる信頼できる情報通信環境の整備を施策として推進されているものと認識をしております。

 そこで、林大臣にお伺いをさせてください。

 特に選挙期間中における偽・誤情報の拡散が有権者の意思形成及び選挙の公平性に与える影響について政府としてどのように認識されているのか、お示しください。

 現行の公職選挙法における虚偽事項公表罪、第二百三十五条などの規定は、匿名かつ大量、高速で拡散するSNS上の偽情報に対して実効的に機能していないと指摘があります。例えば、令和七年に出されております参議院の常任委員会調査室の論考においても、SNS等における選挙運動をめぐる諸問題の対応策として、虚偽事項公開罪の適用可能性が検討される一方、その課題が整理されております。また、令和六年十二月の参議院本会議においても、SNS上の偽情報が選挙の結果に影響を与えたのではないかという問題意識から、同罪の実効性について質疑がなされているということを確認をしております。

 こうした法的課題について政府としてどのように認識をされているのか、是非見解をお聞かせください。

林国務大臣 民主主義の根幹を成す選挙におきましては、表現の自由、政治活動の自由に配慮しつつ、選挙人の自由な意思による公正な選挙が確保される、これが大変重要であると考えております。

 候補者や有権者によるSNS等を利用した発信、収集、これが活発化する中で、選挙に関する偽情報の流通、拡散に伴うリスクや候補者等への悪質な誹謗中傷等が発生しておりまして、重要な課題であると認識をしております。

 委員からは情報流通プラットフォーム対処法についても御言及がありまして、昨年の四月一日からこれは施行されているわけでございますが、例えば、発信者開示を請求して実際に分かっていくまでの時間というのは、それなりの時間がございます。選挙ですとその前に終わってしまいますので、なかなかそういう難しさを含んだ問題であるというふうに考えておるところでございまして、選挙におけるSNSの利用の在り方については、今申し上げたことに加えて、表現の自由ですとか政治活動、選挙運動の自由、こうしたものが関わってきます重要な問題でございます。各党各会派において御議論いただくべき事柄であると考えております。

武藤(か)委員 御答弁ありがとうございます。

 私どももこの問題は民主主義の根幹に関わる問題というふうに認識をしており、今後も議論をしていけたらというふうに思っております。

 以上、私、チームみらい、武藤からの質問とさせていただきます。本日、質問の機会をいただき、どうもありがとうございました。

     ――――◇―――――

古川委員長 次に、地方自治及び地方税財政に関する件について調査を進めます。

 この際、令和八年度地方財政計画について説明を聴取いたします。林総務大臣。

林国務大臣 令和八年度地方財政計画の概要について御説明を申し上げます。

 本計画の策定に際しては、通常収支分については、物価高の中での官公需の価格転嫁や、いわゆる教育無償化への対応等に必要な経費を計上するとともに、地方団体が住民のニーズに的確に応えつつ行政サービスを安定的に提供できるよう、物価高、社会保障関係費や人件費の増加を適切に反映しております。

 これらの結果、地方の一般財源総額について、交付団体ベースで、令和七年度の地方財政計画を大幅に上回る額を確保するとともに、地方交付税総額を増額して確保することとしております。

 また、東日本大震災分については、復旧復興事業について、補助事業に係る地方負担分等を措置する震災復興特別交付税を確保することとしております。

 以上の方針の下に、令和八年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出総額の規模は、通常収支分については、令和七年度に比べ五兆三千七百八十三億円増の百二兆四千四百二十七億円、東日本大震災分については、復旧復興事業が二千二百十七億円などとなっております。

 以上が、令和八年度地方財政計画の概要でございます。

古川委員長 以上で説明は終わりました。

     ――――◇―――――

古川委員長 次に、本日付託になりました内閣提出、地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。

 順次趣旨の説明を聴取いたします。林総務大臣。

    ―――――――――――――

 地方税法等の一部を改正する法律案

 地方交付税法等の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

林国務大臣 地方税法等の一部を改正する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして御説明を申し上げます。

 まず、地方税法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 現下の経済情勢等を踏まえ、地方税に関し、所要の施策を講ずるため、本法律案を提出した次第でございます。

 以下、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

 第一に、個人住民税の改正です。ひとり親控除の額の引上げ等を行うとともに、道府県民税利子割に係る清算制度の導入を行うこととしております。

 第二に、車体課税の改正です。米国関税措置の影響を緩和し、国内自動車市場の活性化を図るとともに、自動車ユーザーの取得時における負担の軽減等を図るため、自動車税及び軽自動車税の環境性能割について、令和八年四月一日に廃止することとしております。

 第三に、軽油引取税の改正です。軽油引取税の当分の間税率について、令和八年四月一日に廃止することとしております。

 その他、税負担軽減措置等の整理合理化等を行うこととしております。

 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要でございます。

 次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 地方財政の状況等に鑑み、地方交付税の総額の特例等の措置を講ずるため、本法律案を提出した次第です。

 以下、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。

 第一に、地方交付税の総額の特例です。令和八年度分の通常収支に係る地方交付税の総額は、地方交付税の法定率分に、法定加算額及び地方公共団体金融機構の公庫債権金利変動準備金の活用等による加算額を加え、交付税特別会計借入金の減少額及び同特別会計における借入金利子支払い額等を控除した額二十兆一千八百四十八億円とすることとしております。

 また、交付税特別会計借入金のうち七千億円を一般会計に帰属させるとともに、令和八年度の償還額を増額し、令和三十一年度までに償還することとしております。

 第二に、地方交付税の基準財政需要額の算定方法の改正です。令和八年度に限り、都道府県における産業クラスターの形成、拡大や地場産業の付加価値向上に要する経費の財源を措置するため地域未来基金費を、臨時財政対策債の償還に要する経費の財源を措置するため臨時財政対策債償還基金費を設けるほか、各種の制度改正等に伴って必要となる行政経費の財源を措置するため、令和八年度分の普通交付税の算定に用いる単位費用を改正することとしております。

 第三に、東日本大震災の復旧復興のための財源となる震災復興特別交付税の確保です。令和八年度分の震災復興特別交付税については、新たに四百五十六億円を確保することとし、総額五百三十九億円としております。

 第四に、地方特例交付金の拡充です。軽油引取税及び地方揮発油税の当分の間税率の廃止による地方公共団体の減収額を埋めるため、軽油引取税減収補填特例交付金及び地方揮発油譲与税減収補填特例交付金を、自動車税及び軽自動車税の環境性能割の廃止による地方公共団体の減収額を埋めるため、自動車税減収補填特例交付金及び軽自動車税減収補填特例交付金を創設することとしております。

 その他、当分の間の措置として、サービスの提供の在り方の見直し等による公営企業の廃止に伴って必要となる一定の経費に充てるための地方債を起こすことができることとしております。

 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要でございます。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同を賜りますようお願いを申し上げます。

古川委員長 これにて両案についての趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後六時十三分散会


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