衆議院

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第20号 令和4年6月8日(水曜日)

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令和四年六月八日(水曜日)

    午後一時三十分開議

 出席委員

   委員長 薗浦健太郎君

   理事 井林 辰憲君 理事 越智 隆雄君

   理事 中西 健治君 理事 藤丸  敏君

   理事 稲富 修二君 理事 末松 義規君

   理事 吉田 豊史君 理事 角田 秀穂君

      井上 貴博君    石原 正敬君

      門山 宏哲君    川崎ひでと君

      神田 憲次君    神田 潤一君

      国定 勇人君    小泉 龍司君

      小島 敏文君    小森 卓郎君

      高村 正大君    塩崎 彰久君

      鈴木 隼人君    田野瀬太道君

      中川 貴元君    平沼正二郎君

      藤原  崇君    古川 直季君

      松本  尚君    三ッ林裕巳君

      八木 哲也君    柳本  顕君

      山田 美樹君    山本 左近君

      若林 健太君    鷲尾英一郎君

      江田 憲司君    櫻井  周君

      下条 みつ君    中川 正春君

      西村智奈美君    野田 佳彦君

      赤木 正幸君    沢田  良君

      藤巻 健太君    金城 泰邦君

      中川 宏昌君    岸本 周平君

      田村 貴昭君

    …………………………………

   財務大臣

   国務大臣

   (金融担当)       鈴木 俊一君

   内閣府副大臣       黄川田仁志君

   財務副大臣        岡本 三成君

   内閣府大臣政務官     宗清 皇一君

   総務大臣政務官      鳩山 二郎君

   法務大臣政務官      加田 裕之君

   財務大臣政務官      高村 正大君

   財務大臣政務官      藤原  崇君

   厚生労働大臣政務官    深澤 陽一君

   国土交通大臣政務官    泉田 裕彦君

   政府参考人

   (金融庁総合政策局政策立案総括審議官)      井藤 英樹君

   政府参考人

   (金融庁企画市場局長)  古澤 知之君

   政府参考人

   (金融庁監督局長)    栗田 照久君

   政府参考人

   (金融庁証券取引等監視委員会事務局長)      油布 志行君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 川窪 俊広君

   政府参考人

   (財務省大臣官房長)   新川 浩嗣君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   阿久澤 孝君

   政府参考人

   (財務省主税局長)    住澤  整君

   政府参考人

   (財務省国際局長)    三村  淳君

   政府参考人

   (国税庁次長)      重藤 哲郎君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           川又 竹男君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           横幕 章人君

   政府参考人

   (観光庁観光地域振興部長)            大野  達君

   参考人

   (日本銀行総裁)     黒田 東彦君

   参考人

   (日本銀行政策委員会室長)            千田 英継君

   財務金融委員会専門員   鈴木 祥一君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月八日

 辞任         補欠選任

  石井  拓君     国定 勇人君

  石原 正敬君     川崎ひでと君

  塩崎 彰久君     柳本  顕君

  田野瀬太道君     山本 左近君

  八木 哲也君     小島 敏文君

  伴野  豊君     西村智奈美君

  中川 宏昌君     金城 泰邦君

同日

 辞任         補欠選任

  川崎ひでと君     石原 正敬君

  国定 勇人君     小森 卓郎君

  小島 敏文君     八木 哲也君

  柳本  顕君     古川 直季君

  山本 左近君     平沼正二郎君

  西村智奈美君     伴野  豊君

  金城 泰邦君     中川 宏昌君

同日

 辞任         補欠選任

  小森 卓郎君     松本  尚君

  平沼正二郎君     田野瀬太道君

  古川 直季君     塩崎 彰久君

同日

 辞任         補欠選任

  松本  尚君     石井  拓君

    ―――――――――――――

五月二十五日

 所得税法第五十六条の廃止に関する請願(新垣邦男君紹介)(第一三三七号)

 同(大河原まさこ君紹介)(第一三三八号)

六月一日

 所得税法第五十六条の廃止に関する請願(近藤昭一君紹介)(第一四〇三号)

同月六日

 消費税率五%への引下げに関する請願(田村貴昭君紹介)(第一五六九号)

 同(志位和夫君紹介)(第一六二三号)

 消費税率の引下げと適格請求書等保存方式導入中止に関する請願(志位和夫君紹介)(第一六二四号)

同月七日

 所得税法第五十六条の廃止に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一九一〇号)

 同(笠井亮君紹介)(第一九一一号)

 同(穀田恵二君紹介)(第一九一二号)

 同(志位和夫君紹介)(第一九一三号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一九一四号)

 同(田村貴昭君紹介)(第一九一五号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第一九一六号)

 同(宮本岳志君紹介)(第一九一七号)

 同(宮本徹君紹介)(第一九一八号)

 同(本村伸子君紹介)(第一九一九号)

同月八日

 消費税率五%への引下げに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二二六七号)

 同(笠井亮君紹介)(第二二六八号)

 同(穀田恵二君紹介)(第二二六九号)

 消費税率を五%に引き下げ、複数税率・インボイス制度の即時廃止を求めることに関する請願(志位和夫君紹介)(第二二七〇号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第二二七一号)

 同(田村貴昭君紹介)(第二二七二号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第二二七三号)

 消費税インボイス制度の実施中止に関する請願(井坂信彦君紹介)(第二二七四号)

 同(神谷裕君紹介)(第二二七五号)

 同(菊田真紀子君紹介)(第二二七六号)

 同(たがや亮君紹介)(第二二七七号)

 同(長友慎治君紹介)(第二二七八号)

 同(牧義夫君紹介)(第二二七九号)

 同(宮本岳志君紹介)(第二二八〇号)

 同(宮本徹君紹介)(第二二八一号)

 同(本村伸子君紹介)(第二二八二号)

 同(早稲田ゆき君紹介)(第二二八三号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 財政及び金融に関する件


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     ――――◇―――――

薗浦委員長 これより会議を開きます。

 財政及び金融に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、参考人として日本銀行総裁黒田東彦君、政策委員会室長千田英継君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として金融庁総合政策局政策立案総括審議官井藤英樹君、企画市場局長古澤知之君、監督局長栗田照久君、証券取引等監視委員会事務局長油布志行君、総務省大臣官房審議官川窪俊広君、財務省大臣官房長新川浩嗣君、主計局次長阿久澤孝君、主税局長住澤整君、国際局長三村淳君、国税庁次長重藤哲郎君、厚生労働省大臣官房審議官川又竹男君、大臣官房審議官横幕章人君、観光庁観光地域振興部長大野達君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

薗浦委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

薗浦委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。井上貴博君。

井上(貴)委員 自由民主党の井上貴博です。

 まず冒頭に、本日、財務金融委員会で、薗浦委員長、それから両筆頭理事、そして理事の皆様方の御配慮で、東証と日銀の視察をセットしていただきまして、本当にありがとうございました。いい勉強になりました。今日の質問にも若干関わってまいりますので、そういう面では非常にありがたい視察でもございました。

 今日の質問ですけれども、国際金融センターとG20のことについて質問をさせていただきたいというふうに思います。

 現在、アジアの経済規模は、GDPでいうと世界のGDPの約三割を占めるという大規模なものであり、アジアの資本力は世界に大きな影響力を持っているところであります。

 現在、領土を拡大し、資源も豊富で、人口も多く、軍事力も強大な中国が、経済力を持ち、アジアで台頭しているのが実情であります。そういう中で、中国は、自由で、民主主義、人権、法の支配が確立されているというふうには言えない国家だというふうに思っています。そういう中で、二〇二〇年には、一国二制度を求められていた香港について、国家安全維持法により急に方針転換が図られたことは記憶に新しいところであります。

 このような国家に、資源、食料、軍事力のみならず、金融、経済まで覇権を握られてしまうということには、危機感を感じ得ません。

 また、今、二月の二十四日のウクライナ侵攻以降、緊張感が増しています。そういう状況下で、台湾海峡を含むアジアの情勢も大きく変化をしております。台湾の有事の可能性だって、ある可能性だって秘めています。

 そういう状況下の中で、香港の金融センター自体が、公正性、中立性を保ってその役割を今後も果たしていくことが難しくなってきているのではないかというふうに感じる昨今であります。

 自由と民主主義、人権、法の支配を確立されている日本だからこそ、それができるものだというふうに思っていますし、日本の国際金融センターとしての強み、役割は何であるか、まず、政府としての御見解をお聞かせいただきたいと思います。

井藤政府参考人 お答え申し上げます。

 世界に開かれた国際金融センターを確立するためには、日本がビジネスを行う場としてより魅力的な国家であることが必要だというふうに考えてございます。

 この点、日本の強みといたしましては、先生もおっしゃったとおり、確固たる民主主義、あるいは法治主義に支えられた安定した政治、良好な治安や生活環境などが、まずもって挙げられるというふうに考えてございます。また、我が国は、大きな実体経済と株式市場や、約二千兆円という家計金融資産もあり、資産運用ビジネスにとっての大きなポテンシャルといったものもあろうかと考えてございます。

 こうした日本の強みやポテンシャルを生かし、国内外の資金を成長分野へとつなぐ国際金融センターとして、魅力あるマーケットを構築することが必要であるというふうに考えてございます。

 また、こうしたことを取り組むことによりまして、例えば、グローバルにパンデミックや自然災害あるいは地政学的なリスクが高まる中、危機時においても世界の金融マーケットの機能が健全に維持されるといった観点からも、国際的なリスク分散にも貢献できるというふうに考えてございます。

井上(貴)委員 ありがとうございます。

 ただいま参考人からも言及がありましたとおり、法の支配、民主主義、資本主義を確立している日本だからこそ、アジアにおける国際金融センターのハブ的な役割をコントロールすることができるんだというふうに思っています。その役割は世界からも求められているのではないかというふうに感じています。そういう中で、それが経済にとっての経済安全保障につながるのではないかというふうにも思います。

 そこで、日本へのハブ的な国際センターの誘致の現状はどういうふうになっているのかをお聞かせいただきたいというふうに思います。

井藤政府参考人 お答え申し上げます。

 日本が国際金融センターとしての地位を確立し、世界における日本の金融面での重要性を高めていくことは、先生も御指摘していただいたとおり、経済安全保障の観点からも重要だというふうに考えてございます。

 日本の金融市場の魅力を高めるための取組につきましては、所要の税制改正、あるいは資産運用業者の参入手続の簡素化、在留資格の特例の創出、さらには英語によるワンストップでの支援窓口の創出などを盛り込んだ総合的パッケージを二〇二〇年末に策定したところでありまして、海外資産運用業者の誘致に積極的に取り組んできてまいってございます。

 こうした取組の結果、コロナの影響によりまして外国人の入国が必ずしも容易ではなかったという状況下でありましたが、海外資産運用業者が、英語によるワンストップ対応を通じまして、これまで以上に迅速かつ円滑に参入できた事例がコンスタントに出てきているところでございます。

 今後、ポストコロナも見据えまして、こうした動きを更に加速すべく、海外金融事業者の参入促進に向けた取組を本格稼働してまいりたいというふうに考えてございます。

井上(貴)委員 ありがとうございます。

 今日も視察の中で、東証も、英語力の強化、そして英語での報告書の提出など様々な改革を行って、環境整備を整えてくれている感じは受けさせていただきました。

 そういう中で、国際センターを本格的に誘致するためには、今言われたように、税制面での課題、それから環境整備をしっかりと進めていく必要があると思いますが、政府として、こういった課題を乗り越えてでもやるという覚悟はお持ちなんでしょうか。今後の方針をお聞かせください。

井藤政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の税制については、昨年、法人税、相続税、所得税につきまして抜本的な措置を講じていただいたところではございます。さはさりながら、今後とも、国内外の金融関係者の声を聞きながら、更に講ずべき課題があれば継続して把握し、是非解消していければというふうに考えまして、こうしたことを通じまして、海外の金融機関や高度金融人材を呼び込んでいきたいというふうに考えてございます。

 また、世界に開かれた国際金融センターを確立するためには、ビジネス環境の整備に加えまして、日本の金融資本市場そのものが魅力的であるということも同時に必要だというふうに考えてございます。

 この点、今般閣議決定されました経済財政運営と改革の基本方針や新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画におきまして、スタートアップ等への円滑な資金供給に向けた日本の金融資本市場の機能向上やサステーナブルファイナンスの推進といった施策に重点的に取り組んでいくこととしておりまして、金融庁といたしましては、こうした取組を通じて、併せて日本市場の魅力向上にも努めてまいりたいというふうに考えてございます。

井上(貴)委員 時間がありませんので、次の質問に移らせていただきたいと思います。

 四月の二十日、二十一日、ワシントンで行われたG20、G7財務大臣・中央銀行総裁会議が行われました。

 この会議は、現在のウクライナ情勢の中で行われた会議であります。G20にロシアが入っていることもあり、コミュニケとしてまとめられなかったとお聞きしていますが、その要因は何であったんでしょうか。また、G20の中では、ロシアに対して、G20から外すか、そうではなくて、G20に入れたままで猛省を促していくか、どのような意見が出ているのでしょうか。このような点も含めて、G20、G7財務大臣・中央銀行総裁会議の総括をお聞かせいただきたいというふうに思います。

三村政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、先生の御質問の中で、四月のG20、コミュニケが出なかったのではないかというお尋ねでございましたけれども、事実として、御指摘のとおりでございまして、四月のG20においては共同声明は発出をされてございません。

 その要因とお尋ねでしたけれども、一般的に、G20を開催した際に、共同声明、いわゆるコミュニケを出すかどうか、これは基本的には議長国が判断をするということでございますので、今年の場合、インドネシアが議長国でございますけれども、この四月のG20では、まさにインドネシアが議長国として、コミュニケは出さない、こういう判断をしたということだと認識をしてございます。

 実際の会議でございますけれども、日本としては、我々G7を始め各国と連携をしてロシアに断固たる対応を取らせるということで、例えば、ロシアの財務大臣はオンライン参加にとどまる一方で、これはG20のメンバーではないわけでございますけれども、ウクライナの財務大臣は対面で参加をしてリードスピーカーも務めた。こういう中で、G20の多くの国が、これは日本も含めまして、発言の中でロシアを厳しく非難をする。こういった形で、かなり異例の会議になったというふうに、異例の対応が取られたというふうに認識をしてございます。

 各国でロシアについてどういう意見があったのか、これは、先生も御承知のとおり、G20の中で、他国の発言については触れないというのは慣例でございますので控えますが、鈴木大臣からは、非常にロシアに対して厳しいメッセージを発信いただくとともに、このG20の直後にG7も開催しまして、ロシアの侵略戦争を非難する、こういう共同声明をG7としては発出をしているということでございます。

 もとより、ロシアのウクライナの問題以外にも、例えば国際保健ですとか債務ですとか、日本としても重視をしております様々な課題についても、内容としても一定の前進、成果が得られた会議であったというふうに総括をしてございます。

井上(貴)委員 ありがとうございます。

 このG20、G7の財務大臣・中央銀行総裁会議で、鈴木財務大臣、黒田総裁はどのような発言をされたのか、お聞かせいただきたいというふうに思います。

鈴木国務大臣 四月のG20及びG7会合では、ウクライナのマルチェンコ財務大臣の参加を得まして、ロシアのウクライナ侵略による世界経済への影響等について議論をいたしました。

 私からは、ロシアの侵略について、明白な国際法違反であり、最も強い言葉で非難すること、エネルギー、食料価格高騰を始めとする世界経済が直面する多くの困難の元凶であること、一刻も早く平和を取り戻すことが世界経済にとっても最も重要であり、国際社会が一致団結してロシアに圧力をかける必要があること、現下の情勢においてロシアはG20に参加すべきではないことなどを表明し、ロシアに対して厳しいメッセージを発信いたしました。その上で、こうした困難を乗り越えるため、多国間協調が一層重要であると申し上げたところでございます。

 日銀の黒田総裁からは、ロシアのウクライナ侵略が日本経済や物価に与える影響について説明されました。

 特に、G7では、ロシアのウクライナに対する侵略戦争を非難する共同声明を取りまとめ、発出することができました。ロシアに対して、戦争の代償を高めるため、協調した行動を取ることを確認したところでございます。

井上(貴)委員 ありがとうございます。

 このG20財務大臣・中央銀行総裁会議は本当に重要な会議だというふうに思っています。特に、今の有事の状況下で決定しなければいけないことは様々ございます。

 その中で、野田元総理から、二月の十五日財務金融委員会、それから二月の十八日の予算委員会でも、G20は世界のGDPの九割を占める主要な国が集まる会議で、国際会議の中でも極めて重要な会議であるので、財務大臣が出席するべきであるという趣旨を言っていただきました。

 私も全く同じ意見でありまして、こういう有事の際には必ず必要だ、こういうときは、ある意味では、与野党共に結束をして、政争の具にすることなく、財務大臣、総理大臣、様々な主要閣僚を主要な会議に出席をさせるということというのを、是非、国対の中でも、国会の運営の中でも御議論していただき、そして、気持ちよく送り出していただけるような環境をつくっていただければありがたいと思っています。それが我々にとっての、全ての国民のための国益だということを考えて我々は行動しなければならないんだということを改めて思った今回のウクライナ情勢であり、そして今の現状だというふうに思っております。

 これから様々な議論があると思いますけれども、こういう有事の際の国家としての方向性を示す大事な会議であります。何とぞ野党の皆様方も御協力をいただいて、そういう会議には出席できるような環境整備を与野党共につくっていければと思いますので、何とぞ御協力をお願いしまして、私の質問を終わらせていただきたいというふうに思います。

 ありがとうございました。

薗浦委員長 次に、中川宏昌君。

中川(宏)委員 公明党の中川宏昌です。よろしくお願いいたします。

 先週、大変遺憾な、あり得ない事件が報道をされております。国税局の現役職員による巨額給付金詐欺事件であります。与党の一員として、国民の皆様に大変に申し訳ない気持ちと怒りの思いでいっぱいであります。事もあろうに、行政の人間として行政手続を熟知している立場を悪用し、給付金を不正に我が物にするという、極めて悪質で言語道断な事件であり、当局としても、厳正な調査と原因究明、再発防止に努めていただきたいと思います。

 まず、この点について御答弁をお願いしたいと思います。

鈴木国務大臣 東京国税局管内の税務署に勤務する職員が、六月一日に持続化給付金の詐欺の容疑により逮捕されました。国民に税金を納めていただくという業務に関わり、高い倫理意識を求められる税務署職員がこのような事態を招いたことは誠に遺憾なことと考えており、私から改めておわびを申し上げるところでございます。

 本件につきましては、引き続き事実関係を確認しているところでありますが、綱紀の厳正な保持について、直ちに、翌六月二日に全国の国税局長に対して注意喚起を指示するとともに、全職員に対して指示文書を発出しております。これは六月の六日でございます。

 また、今後、職員向けのコンプライアンス研修の内容を工夫して、継続的に注意喚起するとともに、より効果的かつきめ細やかな身上把握の手法や指導方法を検討、実施するなど、再発防止策の強化に取り組みつつ、国民の皆様方の信頼回復に努めてまいりたいと考えております。

中川(宏)委員 ありがとうございました。

 二度とこのような事象を発生させない、そういうような思いの中で再発防止に努めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

 続きまして、デジタルの国際課税の問題についてお伺いをいたします。

 近年、巨大IT企業に注目が集まり、デジタルビジネスが加速度的に拡大をしております。現在の国際課税原則では、外国企業の支店等の物理的拠点、PEが市場国にある場合のみ、事業から生じた所得へ課税できます。しかし、PEがない場合、その市場国では課税が行えない問題が顕在化をしている状況であります。加えて、過度な法人税の引下げ競争により、各国の法人税収入基盤が弱体化してきているとともに、企業間の公平な競争条件が阻害される状況が生じていると言われております。

 これに対する取組といたしまして、OECDとG20、約百四十か国・地域が参加をし、税源侵食と利益移転、BEPS包摂的枠組みにおいて長年議論が進められ、二〇二一年十月に、市場国への新たな課税権の配分、グローバルミニマム課税の二つの解決策を合意しているところであります。

 我が国においては令和五年度以降の税制改正の予定と聞いておりますが、その実現に向けました財務省の取組をお伺いしたいと思います。

住澤政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、OECD、G20のBEPS包摂的枠組みにおきまして、昨年十月、経済のデジタル化に伴う課税上の課題に対する、二本の柱から成る対応策が合意されたところでございます。

 このうち、第一の柱は、今御説明がありましたとおり、物理的拠点を置かずにビジネスを行う多国籍企業に対しても市場国において課税を行えるようにするための国際課税原則の見直しであり、第二の柱は、法人税の引下げ競争に歯止めをかける観点からのグローバルミニマム課税の導入でございます。

 このうち、第一の柱につきましては、現在、多国間条約や詳細なルールの策定に向けて、引き続き関係国間で議論が行われているところでございます。また、第二の柱につきましては、各国国内法のモデル法が既にOECDより公表されておりまして、主要各国において法制化に向けた動きが生じてきていると承知しております。

 我が国といたしましても、本合意の早期の実施に向けて、引き続き、国際的な議論に積極的に貢献するとともに、今後の議論の進展を踏まえまして、令和五年度以降の税制改正における国内法の整備に向けて検討を行ってまいりたいと存じます。

中川(宏)委員 続きまして、暗号資産についてお伺いしたいと思います。

 先般、資金決済法が成立をいたしました。今後、ステーブルコインが資金決済に使われる時代に入ります。最近、ビットコインは下落、また、ステーブルコインも、五月に、テラUSDの暴落が暗号資産市場全体に影響を及ぼしました。一方、中国は、デジタル人民元の早期導入を目指しており、我が国としても、インターネット空間でのデジタル決済の在り方を慎重かつ早急に対応していかなくてはいけないと思います。

 デジタルマネー類似型ステーブルコインや法定通貨はいわゆる中央集権型と言われ、元々の暗号資産は分散型であり、中央集権型を嫌っていると言われます。ただ、ビジネスベースになりますと、中央集権型でないとリスクが高くなって、扱うことが難しいとお聞きをいたします。

 デジタルマネー類似型ステーブルコインでの決済が来年スタートするわけでありますけれども、海外を見ると、様々な事件が見受けられております。これは大事な制度でありますので、導入に際して細心の注意をしていただきたいと思いますが、今後の制度の行方も含めて、御見解をお伺いしたいと思います。

古澤政府参考人 お答え申し上げます。

 近年、法定通貨と価値を連動させましたステーブルコインを用いた取引が海外において増加してございます。将来的に幅広い分野で送金・決済手段として用いられる可能性がある、国際的に利用者保護、マネロン上の課題が指摘されているということを踏まえまして、先日、六月三日に成立いたしました改正資金決済法において、広く送金・決済手段として用いられるステーブルコインについて、その取引を行う事業者を登録制とするということなどの規律を導入したところでございます。

 法案の成立を受けまして、先生の問題意識もきちんと受け止めながら、今後、改正法の施行に向けて、政令、内閣府令、ガイドラインなどについて適切に準備を進めてまいりたいと考えてございます。

 また、先生の御指摘にもございましたが、ステーブルコイン、暗号資産を取り巻く環境は、グローバルに、かつ急速に変化してございます。金融庁といたしましては、こうした変化を踏まえつつ、利用者保護やマネロン対策の確保、イノベーションの促進による利便性の高いサービスの実現、これらを両立させていくことが重要というふうに認識しているところでございます。

 引き続き、規制、監督に関する国際的な議論の動向や民間事業者によるビジネスの実態、これらを丁寧にフォローし、制度改正などに反映させてまいりたいと考えてございます。

中川(宏)委員 よろしくお願いいたします。

 続きまして、防災・減災、国土強靱化のための五か年加速化対策についてお伺いをします。

 私は、三月二十五日のこの委員会でも質問をさせていただきましたが、この加速化五か年で、十五兆円のうち、三月時点で、全体でおおむね七兆円台半ば、そのうち国費ベースは約三兆五千億円という御答弁をいただきました。

 令和四年度になりまして、早速、この二か月の間に、多くの自治体の首長から御要望等をいただいているわけでありますけれども、必ず話題になるのが加速化五か年の行方とその後のことであります。現在、五年のうち二年で約半分が措置をされておりまして、ラスト一年、またその先はどうなるのか、大変危惧していらっしゃいます。

 災害への対応の取組では、この六月一日から線状降水帯予測が始まりました。これは半日から六時間前までに気象情報の中で伝える取組であります。大雨の様々な対策が急務であります。

 通常国会も最終盤になりますので、改めて、インフラ整備、町づくりなどの国土強靱化の取組の継続性の重要性についてお考えをお伺いしたいと思います。

岡本副大臣 中川委員におかれましては、防災・減災、国土強靱化、現場の実情をつぶさに把握をしながら政府に御助言をいただきまして、心から感謝をしております。

 激甚化そして頻発化いたします災害やインフラ老朽化等から国民の皆様の命を守ることは、国の重大な責務であります。そのような認識の下、例えば、昨年夏の大雨等を踏まえまして、先ほど委員御指摘をいただきました線状降水帯の予測精度向上の取組を加速化するなど、関係省庁と連携をして、現在、国土強靱化の取組を強化をしております。

 今後も、関係省庁と連携を密に取りまして、五か年加速化対策の推進を含めまして、中長期的かつ明確な見通しの下、災害に強いインフラ整備や町づくりなど、防災・減災、国土強靱化の取組を継続的に推進していきたいと考えています。

中川(宏)委員 副大臣、ありがとうございました。是非、中長期的に対応をお願いしたいと思います。

 最後の質問になろうかと思いますけれども、若者の自殺対策への予算措置についてお伺いをしたいと思います。

 日本においての自殺者数でありますけれども、近年、減少傾向で推移してきましたが、コロナ禍の二〇二〇年は一転し、前年比で九百十二人増の二万一千八十一人に上りました。世界同時不況を招いたリーマン・ショック直後の二〇〇九年以来十一年ぶりのプラスとなり、女性や小中高生が増加した点が特徴であります。男性は十一年連続で減りましたが、女性は七千二十六人で、二年ぶりに増えまして、小中高生も一九年度比で約二五%増の四百九十九人になっております。

 公明党としても、この若者の自殺対策に力を入れてきておりまして、二一年には、公明党の訴えで、自殺を考える人の社会的孤立を省庁横断で対応する孤独・孤立対策担当室が政府内に新設をされました。また、二一年度予算案で地域自殺対策強化交付金の増額が実現をしました。

 そういった状況の中で、若い人によりしっかりとやっていこうということで、近年は、SNSを活用した相談窓口、こういうのもできておりまして、寄り添った対応をしておりますけれども、こういった取組をやっている中で、課題も浮かび上がりました。まず、対応するスペシャリストの育成、そして対面相談など、次にどうつなげていくかであります。これだけで十分だというカウンセラーのお話もございますけれども、いわゆるゲートキーパーの育成ですとか、スキルアップが重要な鍵となるというふうに思っております。治療型から予防型への社会に早く移行していくことが大事でありまして、SNS等により発信者が増えましても、それを受け止める側が足りなければ元も子もないことになります。

 相談体制の構築、人材育成の支援の充実など、地方公共団体が現場できめ細かく対応するのが必要であると思いますけれども、ここに思い切った予算措置をしていただきまして、自殺を根絶する強い意思をお示ししていただきたいと思いますが、この点について、最後、お伺いしたいと思います。

川又政府参考人 自殺対策の推進は重要な課題と認識をしております。

 厚生労働省では、地域自殺対策強化交付金などにより、地方自治体における自殺対策の取組を支援をしており、地方自治体において、ゲートキーパーの育成、相談対応を行う人材の育成も含めたSNS相談体制の強化などに取り組んでいただいております。

 令和二年に自殺者が増加するなど、新型コロナウイルス感染症の影響による自殺リスクの高まりが懸念されていることから、令和四年度当初予算の地域自殺対策強化交付金の増額を図るとともに、令和三年度補正予算で計上しました新型コロナウイルス感染症セーフティネット強化交付金も活用し、地域における自殺対策の強化をしているところでございます。

 引き続き、地域の実情に応じた自殺対策を講じることができるよう適切な執行を図るとともに、財政当局ともよく相談してまいりたいと考えております。

中川(宏)委員 ありがとうございました。

 命を守る予算につきましてはしっかりと重点的に配分していただいて、特に、これは、地域がしっかりと見守っていただける体制の予算をしっかりと組んでいただきたいというふうに思っております。

 時間となりましたので、以上で終わりたいと思います。ありがとうございました。

薗浦委員長 次に、西村智奈美君。

西村(智)委員 立憲民主党の西村智奈美です。

 私は、今日は、桜を見る会前夜祭での安倍晋三後援会の有権者への違法寄附疑惑、この疑惑問題についての結末にも私自身は納得しているわけではございませんが、この違法寄附疑惑の中で新たに発覚いたしましたサントリーからの酒類無償提供問題について質問をいたします。

 本日、参考人として、安倍元総理、そして安倍氏の元秘書である配川氏、そしてサントリー社長の新浪氏を参考人としてお呼びすることをお願いしておりましたが、大変残念ですが、お越しいただけませんでした。事実関係を明らかにするためには、これらの参考人の方々からお話を聞くことが不可欠ですので、次回以降も参考人としての出席を、是非、委員長、お願いをいたしたいと思います。

薗浦委員長 後刻、理事会で協議をいたします。

西村(智)委員 それでは、当事者の方々がいらっしゃらない中で、本日聞けることを確認をいたしたいと思います。

 今日は、総務省からもお越しいただきました。政務官、まず、公職選挙法のことについて伺うんですけれども、企業は政治家の後援会に政治活動に関連して金品を寄附できますか。お答えください。

鳩山大臣政務官 御質問にお答えをさせていただきます。

 一般論として申し上げて、政治資金規正法においては、会社、労働組合、職員団体その他の団体は、政党及び政治資金団体以外の者に対しては、政治活動に関する寄附をしてはならないとされております。

西村(智)委員 公職選挙法ではなくて、政治資金規正法の方でした。失礼いたしました。

 今の御答弁、できないということでございます。

 今回のサントリーの安倍後援会行事への酒類の寄附は、こうした、今の御答弁にもございましたとおり、政治資金規正法違反の疑いがあります。あります。

 今日は法務省からもお越しいただいておりますけれども、法務大臣政務官、この件について、やはり新たに明らかになった事実ですから、改めて捜査すべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。

加田大臣政務官 西村智奈美議員の質問にお答え申し上げます。

 お尋ねは捜査機関の活動に関わる事柄でありますので、一般論として申し上げましたら、捜査機関の活動内容等を公にした場合、他人の名誉やプライバシーの保護の観点から問題があるなど、今後の捜査、そして公判に重大な支障がおそれ、恐れることがありますので、したがって、お尋ねにつきましてはお答えを差し控えさせていただきたいと思います。

西村(智)委員 捜査するのかしないのか、はっきりお答えはいただけないということなんですかね。しかし、これは、やはり政治資金規正法に係る本当に重要な事件だったわけです。

 そもそも、私、冒頭で申し上げましたけれども、違法寄附疑惑のこの結末についても私はやはり国民感情からして納得できていない、納得していないところが多々あるというふうに思うんですね。

 是非これは捜査すべきだというふうに私は考えますし、もし捜査をしないということであれば、我々として、今後も、参考人招致、今後例えば閉会中審査、開かれるということであればそれ前提ですけれども、参考人招致をしっかりと行って、事実関係を明らかにしていく責任が私はあるというふうに思っております。

 さて、この問題については、実は、政治資金規正法以外の問題点も指摘をされております。

 この酒類の寄附が行われていた二〇一六年そして二〇一七年、サントリーにとって大変重要な課題が政治の争点でありました。ビール、それから第三のビール、発泡酒、この税率統一問題であります。この税率統一は、何度も課題になりながら先送りが繰り返されて、二〇一六年十二月の税制改正でようやく決定されたわけなんですが、何と、税率が実際に一本化をするのが、その時点から数えて十年後、今日この時点から数えても四年後の、二〇二六年ということなんです。

 十年もの移行期間が設けられた、この理由は何でしょうか。財務大臣、お答えください。

鈴木国務大臣 酒税改革につきましては、ビール系飲料の税率格差の解消だけではなくて、清酒とワインとの税率格差の解消や、いわゆる缶酎ハイの税率引上げなど、幅広い品目を対象として、税率の引上げ、引下げを行ったものであります。

 これは多くの消費者や事業者に関係するものであることから、その影響が急激なものとならないよう、十分な経過期間を確保しつつ段階的に進めることとされたもの、そのように承知をしているところでございます。

西村(智)委員 ビール四社、大手四社ですね、本当に、そのほかの会社もあるんですけれども、今回はビール大手四社ということで私は取り上げさせていただくんですけれども、いわゆる第三のビールが得意なところ、それから、ビール、一般的なビール、これが得意なところ、会社によって特性はいろいろだというふうに思うんですよね。ビールの税率が、ビールの税金が高かった、これを下げていく、他方で、発泡酒の税金、これはちょっと最後の段階で上げる、新ジャンルと言われているものの飲料については段階的にこう上がっていくということでありますと、税率統一で不利になる会社と逆に有利になる会社、これは、一般的に考えて、やはりあるんだろうなと思うわけなんです。

 第三のビールが販売比率が大きかったところ、新ジャンルと言われているところが販売比率が大きかったところは税率統一で不利になる、逆に、ビールの比率が高い会社は有利になる、こういった会社があるということを、財務省としては把握していましたでしょうか。

鈴木国務大臣 酒税改革の議論が与党の税調等で中心にされていた当時、ビール各社の販売数量の状況、これは把握をしておりました。

 そして、与党の税制調査会に対しまして、各社の販売数量の資料、これを提出をいたしました。その上で与党の税調において必要な議論が行われた、そのように承知をしているところでございます。

西村(智)委員 把握しておられたということです。しかも、販売数量についても、自民党の税調に数字として提示をしていたということであります。

 実は私、昨日から資料要求をしておりました。一つは、大手ビールメーカー四社別の税率統一による影響の試算そしてその比較、また、四社各社から財務省に対して要望があったと思います、その要望の内容、あるいは、財務省と四社との面談の記録、そして、総理官邸とこの問題についての協議の記録、自民党税調に財務省が提出した資料の提出というのをお願いしてきました。

 最後に申し上げた自民党税調に対して財務省が提出した資料の提出は、これはいただいたんですけれども、前の三つについて、全くこれはいただけていないんです。これは財務大臣の方からもう一回指示していただけませんでしょうか。

 先ほど、自民党税調の方に販売数量についても提示をしたというお話がありました。昨日、待てど暮らせど出てこないんですよ。これを出していただきたいんですけれども、もう一回お願いできませんか。

鈴木国務大臣 与党税調に出した資料は先生の方にお出しをした、こういうふうに思っておりますが、この酒税改革につきまして四社からの要望はあったのかということ、それから面談はしているのかということでありますが、この酒税改革につきましては、酒業界全体からの要望は受けておりますけれども、個別の各社からの税制改正要望については受けていない、そのように承知をしております。この面談記録も、したがいまして、現時点では確認できていない、そのように承知をいたしております。

 そして、総理官邸との協議記録はないのか、そういうお話でございましたが、これも、現時点では面談記録は確認できていない、そのように承知をしております。

西村(智)委員 いや、おかしいと思うんですよね。当時とても問題になっていたビール系の飲料の税率問題です。報道もたくさんありましたし、財金委員会でも質疑がありました。それについて、いろいろな資料が出てこない、残っていない、これはやはりちょっとおかしいというふうに思います。

 それから、ビールメーカー四社ごとの税率統一による影響の試算、これはやはり可能だったんじゃないですか。これはやっておられたんじゃないですか。これぐらいは出てくるはずだと思うんですけれども、いかがですか。

鈴木国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、酒税改革の議論が行われた当時、ビール各社の販売数量の状況、これに対して各社の販売数量の資料、これを与党の税調に対して提出をいたしました。

 なお、これ以外の資料については、現時点では確認できていないと承知をいたしております。

西村(智)委員 この税率統一による影響の試算は行ったんでしょうか、行わなかったんでしょうか。

鈴木国務大臣 試算を行ったかどうか、分からない、資料がないということでございます。

西村(智)委員 委員長、このような状況でして、きちんと探していただいているのかどうかすらも分からないんです。

 面談記録も、これは皆さん御経験からお分かりだと思いますけれども、面談した記録、やはり取りますよね、メモ。あるいは、総理官邸との協議の内容について、私はやはりきちんと取っておられるはずだというふうに思いますので、もう一回、委員長の方からも、財務省に対して資料提出の要求をお願いしたいと思います。

薗浦委員長 その取扱いについても、理事会でお話をさせていただきたいと思います。

西村(智)委員 この報道など、私も当時のものをずっと見てまいりましたけれども、税率統一を十年先送りにしたということは、サントリーの政治力の結集の結果だというふうに随分当時報道されておられました。

 時期的にもいろいろ符合するんですよね。二〇一六年、一五年当時ですか、一五年の十二月に税制改正、ビール税についての改正が先送りにされた後に、一六年の桜を見る会前夜祭にサントリーからの酒類の無償提供が行われております。また、一六年の十月二十四日、これは安倍総理始め大変多くの方々が佐治会長と面会になられておりますけれども、その翌々日に、ビール税の一本化を来年度中は見送りだというふうに報道もされておられます。

 私、こういった企業から、言ってみればお友達の企業からの疑惑、これがやはり問題だというふうに、問題の本質だというふうに思うんです。大臣は、こうした企業から安倍後援会に違法の疑惑がある寄附が行われていたということを財務大臣自身はどういうふうにお考えになりますか。

鈴木国務大臣 酒税改革は、ビール系飲料でなく、清酒やワイン、いわゆる缶酎ハイなど幅広い品目を対象とした見直しでありまして、これは今の税制改正の決定プロセスでありますが、与党の税調において議論を重ねて決定される、そういうことでございまして、この酒税改革についても幅広く与党税調において議論が行われ、その結果このような形で決定されたと承知をしております。

 そして、併せてのお尋ねでありますが、政治家の後援会が企業から寄附を受けたか否かなどにつきましては、財務大臣としてはお答えする立場にはない、そのように思っております。

西村(智)委員 サントリーは新ジャンルのビールの比率が高い企業でした。ですから、税率統一によって不利になる企業のカテゴリーに入っていたというふうに思います。

 今日の質疑では、参考人の方からもお越しいただいていません。また、お願いをしていた資料についても全く出てきておりません。改めてこれらの要求をしつつ、私としては、引き続きこの問題を明らかにすべく質問をしていきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 終わります。

薗浦委員長 次に、櫻井周君。

櫻井委員 立憲民主党の櫻井周です。

 本日も質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。持ち時間二十分と大変短うございますので、早速質問に入らせていただきます。

 まず最初に、森友学園事件に係る諸問題、残っている問題、たくさんございますが、その中でも、公文書改ざん事件に巻き込まれ自殺に追い込まれた赤木俊夫さんの妻の赤木雅子さんが原告となって国に対して国家賠償法に基づく損害賠償を請求した裁判において、国はこの認諾をすることで裁判を終わらせたということがございました。役人の悪事の尻拭いに一億七百万円もの国民の税金を使う、そんな財務省は信用できない、国民が税金を納めるのはばかばかしいと感じてしまうのではないかと大変危惧をするところです。

 こうした問題について、二月十五日の財務金融委員会において、私、大臣に、これは国民に対して申し訳ないと思いませんかというふうにお尋ねをしました。しかし、ついぞ、大臣は、国民に申し訳ないという答弁はされませんでした。

 私は、国民に大変申し訳ないというふうに思います。ですので、国家公務員制度改革基本法九条三号の「国家賠償法に基づく求償権について、適正かつ厳格な行使の徹底を図るための措置を講ずること。」、この趣旨が徹底されるべきだというふうに思います。そこで、昨日、国家賠償法の一部を改正する法律案、これを衆議院に提出させていただきました。

 そこで、大臣にお尋ねをいたします。

 財務省に真っ当な行政を取り戻す、国民の信頼を取り戻すために、この法案、是非賛同していただきたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。

鈴木国務大臣 森友学園の案件でございますが、今、櫻井先生からもお話ございましたが、二月十五日、先生から御質問を受けているところでございます。

 本件訴訟につきましては、昨年十月、原告側の主張の全体像が示されまして、その内容も踏まえて方針を検討した結果、赤木氏が公務に起因する心理的、肉体的負荷を原因として自死に至られたことについて、国の責任は明らかとの結論に至りました。そうである以上、認諾、つまり、国の賠償、損害賠償義務を認めるとの判断に至ったものでございます。

 赤木氏が公務に起因して自死という結果に至ってしまったことについて、御遺族には改めておわびをし、お悔やみを申し上げます。

 また、先生からも御指摘ございましたが、多額の賠償金を支払うこととなったことについても、国民の皆様に申し訳なく思っているところでございます。

 そして、昨日、御党が、御指摘の国家賠償法の一部を改正する法律案を提出されたということは承知をしているところでございます。議員立法でございますので、政府の立場からのコメントは控えさせていただきたいと思います。

櫻井委員 いや、大臣も衆議院議員でいらっしゃるわけですから、是非賛同いただきたいというふうに思います。

 そもそも、今回、それ以外にも、持続化給付金の詐欺事件で現職の国税庁の職員が逮捕される、こういう事件がございました。

 当該職員が犯行に及んでいたということであれば、これは重大な問題です。国税庁というと、政府の中でも最も国民に信頼されていなければいけない、そういう部署だと思います。なぜなら、税金を徴収するという、本当に非常に重い責任のある、信頼されていないとこの業務の遂行は難しい、そういう立場だからです。その職員が犯行に及んだということであれば、これは大変ゆゆしき事態です。

 こうしたことが起こってしまった背景に、やはり森友学園事件、これで、元国税庁長官が、公文書は改ざんする、国会では虚偽答弁する、職員を自殺に追い込む、それでも財務省は真相究明を認諾で封じ込める、そして、損害賠償の求償権は行使しないということで、身内をかばう。これだったら、悪いことやっても犯罪やっても、やった者勝ちじゃないか、こんなふうに職員がある意味勘違いをしてしまう、おごってしまうということが財務省、国税庁の中に蔓延しているのではないか、こんなふうにも思ってしまいます。

 ですから、この際、求償権を行使するという方法でしっかりとけじめをつける。そのことによって、財務省、国税庁の綱紀の粛正が図られる、このように考えますので、是非大臣、衆議院議員として、この法案への賛同を改めて、重ねてお願い申し上げます。

 そして、ちょっと今日は時間が短いので、次の質問に移らせていただきます。

 物価高の影響について質問させていただきます。今日は厚生労働大臣政務官にも来ていただいておりますので、よろしくお願いいたします。

 物価高の診療報酬それから介護報酬への反映についてお尋ねをいたします。

 前回の改定、診療報酬改定は令和三年の十二月、介護報酬改定は令和三年の一月だったというふうに承知をしております。つまり、岸田インフレの影響を盛り込んでいないというふうに考えます。

 最近の物価高で支出は増えている、しかし収入は増えていないということで、医療機関や介護施設では経営が大変難しくなっているというふうに聞いております。次回の診療報酬改定は来年末、介護報酬改定は再来年ということになりますと、それまでの間は、経営が難しい、厳しい状況が続くことになってしまいかねません。

 そこで、政務官、おいでいただいておりますので、お尋ねをします。

 この最近の物価高で医療機関や介護施設は困難に直面している、こういう認識を厚生労働省としてお持ちでしょうか。また、物価高に対して医療機関や介護施設を支援するということを私としては提案させていただきますが、厚生労働省として、この支援の必要性、どのように認識をされているのか。もし支援が必要と考えるならば、どのような支援を検討されているのか、お答え、お願いいたします。

深澤大臣政務官 お答えをいたします。

 御指摘の診療報酬、介護報酬につきましては、医療機関や介護サービス事業所等の経営状況や物価、賃金の動向、保険料負担や患者、利用者負担といった国民負担の在り方等を総合的に勘案して、原則として、先ほど御指摘いただきましたように、診療報酬は二年に一度、介護報酬は三年に一度に改定を行っております。

 医療機関や介護サービス事業所等の経営状況につきましては、御指摘の物価の動向だけでなく、患者、利用者数の動向といった様々な要因の影響を受けるものでありますが、いずれにしましても、こうした要因を引き続き注視してまいりたいというふうに思います。

 なお、食材料費等の高騰の影響を受けている医療機関や介護サービス事業所等につきましては、各自治体の判断によりまして、新型コロナウイルス感染症対策地方創生臨時交付金を活用しました支援が可能でありまして、事業者等の負担軽減に向けた取組を進めていただくよう自治体に依頼しているところでございます。

 以上でございます。

櫻井委員 ちょっと、本来これは国がやるべきことではないのかなと私は考えるんですけれども、国がお金を出して、地方自治体にあとはよきに計らえ、こういうことでされているということですが、ともかく、困難に直面しているというこうした医療機関であるとか介護施設があるのであれば、これはしっかり支えていただきたいということを重ねてお願い申し上げます。

 政務官への質問はこれで終わりになりますので、もし退席されるようでしたらどうぞ。

薗浦委員長 深澤政務官、御退席いただいて結構です。

櫻井委員 続きまして、日本銀行総裁、黒田総裁にもお越しいただいておりますので、質問をさせていただきます。

 異次元の金融緩和の家計への悪影響ということで質問させていただきます。

 四月十五日金曜日の閣議後の記者会見で鈴木財務大臣は、悪い円安と認識という発言をされています。

 一方で、黒田総裁は、円安は総合的にはメリットの方が大きいという認識を度々発言されてまいりました。

 四月二十八日木曜日の日本銀行の金融政策決定会合の後に円安が大幅に進み、また、おととい、六月六日月曜日の黒田総裁の講演の後にも円安が進みました。

 日本銀行が発表した企業物価指数の輸入物価指数を見ますと、三分の二は資源価格の高騰などが要因でしょうけれども、三分の一は円安が要因で物価が上がっているというふうにも分析できます。

 日本銀行の黒田総裁は、おとといの講演で、家計の値上げの許容度の改善につながっている可能性があります、こういう発言がございました。

 一方で、マスコミが行った節約と消費に関する意識調査というのがありまして、これによりますと、昨年よりも節約意識が強まっているという方が四一%、昨年同様に節約意識が強いと答えた方が三四%、合わせて七五%。四人に三人は節約意識が強いということなので、決して値上げを許容しているというわけではないというふうに受け取れます。

 また、医療や介護の分野でも物価高で苦労しているということは、先ほど政務官が御答弁されたとおりでございます。

 それから、内閣府の政策統括官経済財政分析担当が昨年十二月に調査結果を発表しておりまして、エネルギー関連品目の価格上昇は低所得者層になるにつれて負担が大きいことに加え、食料品の価格上昇は消費者心理に大きな影響を与える可能性があるなど、物価指数の動きで見られる以上に消費行動に大きな影響を与える可能性があるという分析をしております。このとき、昨年十二月から更に物価は大きく上昇しておりまして、特に食品やエネルギーの上昇が大きいことから、低所得者層の暮らしを直撃している、こういう可能性がございます。

 企業物価指数は一〇%の伸び、これは四月の分ですけれども、消費者物価指数は二・五%の上昇ということから分析しますと、企業が価格転嫁できていない、そういうふうにも分析できます。つまり、消費者が値上げを許容していないから価格転嫁できない、このように分析できるわけでございます。

 昨日の経済財政諮問会議の後に、黒田総裁は記者団に対して、誤解を招いた表現で申し訳ない、こういうふうに謝罪をされたというふうに承知をしております。

 ただ、ちょっと、総裁にお尋ねをいたします。

 これは誤解を招いたのではなくて、この家計の値上げ許容度の改善につながっている、こういうような認識が間違っているというふうに考えますので、発言は撤回された方がいいと思いますが、いかがでしょうか。

黒田参考人 まず、家計が値上げを受け入れているという表現についてですが、家計が苦渋の選択として値上げをやむを得ず受け入れているということは十分認識しております。その意味では、家計が値上げを受け入れているという表現は適切でなかったというふうに考えておりますので、誤解を招いた表現で、申し訳ないというふうに思っております。

 その上で、先日の講演の御指摘の箇所ですけれども、米国で典型的に見られたような、コロナ禍における行動制限下で蓄積した貯蓄の取崩しによって個人消費が支えられている間に、賃金がやはり上昇しやすい環境を整えることができるかどうかというのが重要なポイントであるという趣旨で申し上げました。

 ただ、こうした貯蓄の取崩しによって個人消費が支えられる状況というのはあくまでも一時的なものでありまして、個人消費が持続的に拡大していくためには、やはり物価上昇を上回る、ベースアップを含めた賃金上昇を実現することが何よりも重要であるというふうに考えております。

 そういった意味で、我が国経済は感染症による落ち込みからの回復途上にあります上、資源価格上昇による海外への所得流出という下押し圧力も受けておりますので、良好なマクロ経済環境が実現できるかどうかは非常に不確実性が高いわけですけれども、日本銀行としては、現在の緩和を続けていくことによって、我が国の経済をしっかりとサポートして、賃金が上昇しやすいマクロ経済環境の醸成に貢献してまいりたいと思っております。

 それにつきましても、先ほど申し上げた、家計が値上げを受け入れているという表現は、全く適切でなかったということで、撤回いたします。

櫻井委員 撤回されたということで、承知をいたしました。

 続いて、ちょっと物価上昇と賃金上昇の関係について質問をさせていただきます。

 先ほど、今まさに御答弁もいただきましたし、また、六月三日の参議院予算委員会において、白眞勲議員の質問に対して黒田総裁は、日本銀行が目指しているのは、経済活動や賃金が改善する中で物価も緩やかに上昇する好循環の形成、こういうふうに答弁をされています。

 一方で、これはちょっと大分前の話になりますが、二〇一四年三月二十日の日本商工会議所での黒田総裁の講演、「なぜ「二%」の物価上昇を目指すのか」という中で、物価が上昇している局面においては賃金の上昇率が物価の上昇率を上回って推移している、賃金が上昇せずに物価だけが上昇するということは普通には起こらない、こういうふうに発言をされています。

 しかし、今まさに起きていることは、直近、四月の統計では、企業物価は一〇%の上昇、消費者物価は二・五%の上昇、しかし、実質賃金はマイナスの一・二%ということでございました。

 やはり、物価と賃金、この相関関係ですが、因果関係を逆に捉えてはいけないというふうに考えます。賃金が上がれば、購買意欲が高まって物価も上がる、こういう関係は起こると思いますが、逆はつまり起こらない、物価が上がったからといって賃金が上がるとは限らないというふうに考えますし、今実際起きているのは、物価は上がっているけれども賃金は下がっているという状況です。

 改めて確認をさせていただきますが、この全体の政策目的はあくまで賃金の上昇であって物価の上昇というわけではない、物価の上昇というのは賃金が上昇すれば後からついてくるもの、こういうふうに理解をしているんですが、こういう理解で、黒田総裁、よろしいでしょうか。

黒田参考人 もちろん、国際的な商品市況の高騰によって、輸入物価が上がり消費者物価も上がるということはあり得るわけですけれども、そういったものは、いわばよい物価上昇ではなくて悪い物価上昇であり、長続きしない。

 やはり二%の物価安定の目標というものを、これは、消費者物価指数がラスパイレス指数のためにやや上方バイアスがあるということ、それから、金融政策について常に政策の余地を確保していく必要があるということ、それから、今、世界的に、先進国は全て二%の物価安定目標を目指して金融政策を運営しておられて、その下で、為替レートが長い目で見ますと比較的安定してきているということだと思います。

 そういった意味で、二%の物価安定目標というのが、各国の中央銀行も物価安定の目標として掲げているわけですけれども、御指摘のように、それが安定的、持続的に実現されるためには、賃金が上昇していなければ、物価だけが上昇しても長続きしませんし、それから、それは経済成長にもプラスになりません。

 したがいまして、我々が目指しておりますのは、金融緩和を通じて経済活動が活発になり、労働需給が引き締まって賃金が上がり、そういう下で物価も上がっていくという形を目指している。ただ、中央銀行としての目標自体は物価の安定であるということでございます。

櫻井委員 おっしゃられているのは、賃金が上がれば物価もついてくるということであるので、そこは認識は共有できたと思うんですが、ただ、例えば、平成二十五年一月二十二日の内閣府、財務省、日本銀行で、「デフレ脱却と持続的な経済成長の実現のための政府・日本銀行の政策連携について(共同声明)」、いわゆるアコードでは、目標は消費者物価の前年比上昇率で二%とするというふうに書いてあるんですが、賃金上昇という言葉は一切出てこないんです。

 結局、アコードでは、物価が目標というふうに書いてあって、賃金は目標にはなっていないということから、物価の方ばかり注目してしまうと、今回のように、物価は上がれど賃金が下がってしまうというようなことが起きてしまうのではないのかというふうにも思うわけです。

 そこで、これは日本銀行、それから財務大臣兼金融担当大臣にお尋ねをしたいんですが、アコードを改定して、実質賃金の上昇を目標とするということの方がよいのではないのか、このように提案をさせていただくんですが、いかがお考えでしょうか。

黒田参考人 御指摘の政府と日本銀行の共同声明、二〇一三年の一月に合意されたものですけれども、その前に、同じく一月の金融政策決定会合において、日本銀行が自主的に、二%の物価安定目標というものを掲げて金融政策を運営するということを決めております。それを踏まえて政府と日本銀行が合意して、あのような文章になっているということであります。

 もちろん、その共同声明の中でも、政府が、いわゆる成長戦略というか、規制緩和やその他の様々な施策、機動的な財政運営等によって経済成長を持続的に高めていくということもうたわれておりまして、そのことは当然のことながら賃金の上昇というのも含んでいると思いますけれども、御指摘のように、賃金の上昇というものが表面上うたわれていないということはそのとおりだと思いますけれども、日本銀行としては、先ほど申し上げたように、賃金の上昇を伴って、物価が安定的、持続的に二%に達するということが目標でありまして、その点は日本銀行として常に申し上げていることでございます。

鈴木国務大臣 昨年の十一月であったと思いますが、改めまして、政府と日本銀行の共同声明、これを岸田内閣として再確認をさせていただいたところであります。今時点におきまして、これを見直すという考えは持っておりません。

櫻井委員 ちょっと、見直していただけないということで残念ですが、もう時間になりましたので、これで質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございます。

薗浦委員長 次に、野田佳彦君。

野田(佳)委員 立憲民主党の野田佳彦でございます。

 質問に入る前に、先ほど井上貴博委員が、二月十五日の私の財金の質問に触れていただいて、そのとき、G20の財務大臣・中央銀行総裁会議に大臣は出るべきだという主張をしたことに対して御賛同いただいて、大事な国際会議は与野党協力して大臣が出るようにしましょう、そういう確認をされました。全くそのとおりなんですが、この間質問したときは、野党は待っていたんですよ、要請が来ることを。来たらオーケーだったんです。だけれども、与党内の調整ができなくて、多分、大臣は行きたかったんですよ、行けなかったわけなので、よく与党内調整をやっていただきたいということをまず申し上げておきたいというふうに思います。野党は基本的にオーケーで、邪魔しようと思っていませんから。ということでございます。

 その上で質問に入りますけれども、黒田総裁に来ていただいております。私も、先ほどの櫻井委員と同じように、六月六日の講演の、家計の値上げ許容度も高まってきているという発言は、一部修正とか謝罪じゃなくて撤回してほしい、そういう思いで質問しようと思っていたら、撤回しちゃいました、さっき。

 ですから、少し観点を変えて質問したいと思うんですけれども、たまたまなんですけれども、六月の「金融ジャーナル」は読まれましたか、総裁。読んでいらっしゃらない。

 総裁があの調査研究を使った、いわゆる値上げの許容度も高まっていると言った、東京大学の大学院の渡辺努先生が一文書いているんですよ。異次元の金融緩和から十年、これからの日銀という趣旨で書いているやつなんですが、非常に分かりやすい文章で、今、日銀が直面しているのは、急性のインフレという病と慢性のデフレという病、両方を克服しなければいけないんだけれども、まずは慢性のデフレとの戦いに力点を置いているんだ、アメリカのように急性のインフレとの戦いならば利上げをしたりとかということが可能なんだけれども、慢性のデフレとの戦いが大事なんだという意味で、日銀に親近感を持って、理解度を示している論文でありました。

 そのときに、先ほど話題になっている調査の、要は値上げの容認の話が出ているんですわ。要は、インフレ予想が高い場合は、ずっと同じ店に通っていても、値上げしたと分かったら、ほかに行かないんだ、ほかの店も高いだろう、高くなっているから。インフレ予想が低ければ、ほかの店へ行けば安いかもしれないと思って行っちゃうんだと。そういう傾向を調べた調査結果をやっているんですが、これは、表現は、家計の値上げ容認度ではないんですね、許容度じゃないんですよ。どんな表現で先生が書いていらっしゃるかというと、値上げに対する耐性です、耐性。

 許容度と耐性は違いますよ。耐性、耐えるということは、これは言葉で当てはまっていて、だんだん値が上がってきたことによって、買物に行く回数を減らそうとか量を減らそうとして、現実に立ち向かってこらえることが耐性ですよ。そういう耐性が高くなってきているという研究を示されていました。それをあえて許容度と言ってしまうのは、私は、これは、誤解を生むどころではなくて、その研究の意味を履き違え過ぎていると思いますが、いかがでしょう。

黒田参考人 渡辺教授は、実は、日銀において行われたコンファレンスでいろいろな学者の方と同時にこの研究も発表されて、大変有意義な示唆をいただいたというふうに思っております。

 先ほど申し上げたとおり、許容度という言葉、表現は全く適切でないと思いますし、渡辺教授が直接的に許容度という表現を使っておられないということもそのとおりでありますので、先ほど来申し上げているように、全く不適切な表現であったというふうに考えております。

野田(佳)委員 うかつに許容度という言葉を総裁は語ってしまったんですか。

 許容度という言葉、家計の値上げ許容度という言葉を、日銀では共有している言葉なんですか、これ。文書では存在すると聞いています。あるいは、当然、講演の原稿ですから、幹部が目を通しているはずであって、スルーするはずがない。ということは、個人的な言い間違いではなくて、組織として使っている言葉を、値上げに対する耐性に置き換えて言った、そう理解してよろしいですか。

黒田参考人 物価の動向を調べる場合に、企業側それから消費者側の様々なアンケート調査を活用して今後の物価動向を推し量るということをしておりまして、御案内のとおり、様々なアンケート調査は日本銀行自身もやっておりますし、それを公表もしております。

 そうした中で、企業側の販売価格DIというのが、その先行きというのが企業側としての価格設定方針というかそういうものを示していることは事実でありますけれども、それがそのとおりになるかどうかはまた別の話で、それは、消費者側の物価見通しというか、あるいは、そういった企業側の価格転嫁の動きを受け入れるかどうかということはまた別問題であります。

 そういった意味で、許容度という言葉を日銀の中で使っていることは事実でありますけれども、これは別に歓迎するという意味ではなくて、まさに、最終的な、何というんですか、苦渋の選択としてやむを得ず受け入れているという意味でありまして、何か、家計がもう、価格引上げという、値上げというものを自主的に容認するというか受け入れるというものではなくて、そういう意味ではなくて、家計側の消費行動、価格を企業側が引き上げてきたときの消費行動の分析の道具としてそういった言葉を部内で使っていたことは事実であります。

 ただ、先ほど来申し上げているように、その意味は、家計が、企業の価格引上げを、前向きというか、自主的というか、受け入れているという趣旨で使っている言葉ではありません。

 ただ、そういう誤解を招きやすい言葉であることは事実でありますので、そういう表現を使ったことは全く不適切であったというふうに思っております。

 いずれにしましても、家計側が消費行動として価格に対してどのように反応していくか、どういうふうに行動していくかということは非常に重要でありまして、その下で、一番重要なファクターは、やはり賃金の上昇ということが大きいというふうには考えております。

野田(佳)委員 私も副大臣の頃に、ここでも御披露したかもしれませんが、日銀の金融政策決定会合に出席させていただきまして、みんなが、経済学のゼミのように、持ってきた原稿を読み上げながら、正確に議論をするじゃないですか。言葉の定義をきちっと踏まえて、きちっとした数字を置いた上での議論をしているでしょう。外側から見るとつまらないですよ。そのつまらない議論をしている人たちが講演をするときだって幹部のチェックがあるから、大体、日銀関係者の講演ってつまらないじゃないですか、言葉はちょっと悪いかもしれないけれども。でも、それぐらいに言葉の定義をちゃんと踏まえてやるというのが大事な私は姿勢だと思います。

 この許容度の問題は、今のお話、組織として使っているということですけれども、もうちょっときちっとした定義の上でやるべきじゃないですか。しかも、その許容度という範疇の中で渡辺先生の耐性の話を使ってしまった。論理の組立てとしては、私は粗雑過ぎると思います。その粗雑な上に、加えて、強制貯蓄のような話まで、仮説まで持っていっちゃう。粗雑の上に粗雑だと思いますよ。

 私は、何でこんな議論をしてしまっているのかというと、私の推論でありますけれども、ほかの中央銀行は、日本以外は、インフレとの戦いのために金融緩和を縮小し、利上げをする、そちらにみんな専念しつつありますよね。日本だけはデフレとの戦いに重点を置かざるを得ない。もし利上げなどすれば、それは日銀の財務内容は悪化するわ、そして政府の利払い費は急騰して日本の財政は壊れるわ、いろいろなことが起こり過ぎちゃっているからインフレ対策にかじを切れないというのが現状じゃありませんか。その苦しい現状があるために、そのスタンスを正当化するための理屈を、私は、今回の値上げ容認みたいな発言につながってきているんではないかと思わざるを得ないんですよ。いかがですか。

黒田参考人 御指摘のようなことは私はないと思っております。

 値上げ許容度という言葉自体も、あくまでも、ウェルカムするという意味ではなくて、部内で使っている場合も、消費者行動として、値上げがあったときにどのように行動するかということで使っていたわけでありまして、そういう意味では、渡辺教授の言う耐性というか、やむを得ず究極の選択として受け入れざるを得ないという、そういう姿勢と全く同じものだと思いますが、言葉として、表現として、確かに、値上げ許容度と言うと何かウェルカムしているような、そういう意味合いで取られる可能性のある表現でありまして、これは全く適切でなかったということは委員御指摘のとおりであります。

 ただ、私どもの中で議論しているときに、何か、今言ったような意味で、まさに渡辺教授が言った耐性といったのとよく似た、要するに究極の選択として値上げを受けざるを得ないという、そういう態度、対応というものについて様々なツールを使って分析をしてきた。渡辺教授のアンケート調査というのはある意味で新しい、海外との比較もしたアンケート調査ですので、それを使わせていただいた。

 ただ、何回も申し上げますけれども、値上げ許容度、受け入れているというような言い方、表現は全く不適切であり、好ましくないということは委員御指摘のとおりであります。

野田(佳)委員 御指摘のとおりと言われればそうですかという話でもなくて、耐性、耐えているという国民の現実が中央銀行には分かっていないんじゃないか、総裁には分かっていないんじゃないかということが広く国民に伝わったということは、私は組織として大きく信頼を失ったと言わざるを得ないということを指摘をしておきたいというふうに思います。

 その上で、この同じ日の発言で、これまたもう一つ、私は気になる発言があるんです。急激な変動ではなく安定的な円安方向の動きであれば、経済全体にプラスに作用する可能性が高いと。従来からも、円安というのは日本経済にとってプラスであると。枕言葉を換えたりして少し表現をしたりしながらも、基本的にはプラスであるという認識をずっと示され続けてきていますよね。これでまた、若干、円安が助長されたように私は思いました。岸田インフレと言う人もいますけれども、岸田インフレを助長しているのは黒田円安だと私は思います。

 立場によっては、為替の水準というのは、プラスに思う人もマイナスに思う人もいる、輸出産業か、輸出型の産業か。もうちょっと何でニュートラルな発言ができないんですか。ましてや、平成を振り返って、国の底力がどんどんなくなってきているという危惧が高まっているときに、自国通貨が弱くなるようなことを歓迎するような発言をするというのは、私は、中央銀行の総裁としていかがなものかと思いますよ。

 なぜこれは、プラスに作用しているというような発言を言い続けるんですか。

黒田参考人 それは、様々なマクロモデル等で調査したところでもプラスという結果が出ております。そういうことを踏まえて発言しているわけですが、何度も申し上げているように、為替相場は、経済や金融のファンダメンタルズを反映して安定的に推移することが重要であるということは全くそのとおりであると思っておりまして、最近のような短期間での大幅な円安の進行ということは、先行きの不確実性を高めて、企業による事業計画の策定を困難にするものであって、望ましくないということも申し上げているわけであります。

 その上で、安定的な円安方向の動きであれば、我が国経済全体にとってはプラスに作用するということは事実であります。ただ、その影響は、もとより、業種や企業規模、経済主体によって不均一であるということも指摘しております。

 したがいまして、そういったことを踏まえて、もちろん、為替政策は中央銀行の権限ではありませんので、当然、政府、財務省の権限でありますので、為替について何か具体的なことを申し上げることは差し控えたいと思いますけれども、あくまでも、為替の動向が日本経済にどのような影響が及ぶかということは常にやはり注視しておりまして、そういった点を踏まえてもちろん金融政策を運営していかなければならないというふうに思っております。

 いずれにいたしましても、前から申し上げているように、円安がプラスになるというのは、主体別に見ますと、グローバル企業の収益が円安によって、輸出採算の改善、それから海外子会社からの配当の増額を通じて押し上げられるということはあるわけですが、他方で、円安による輸入物価の上昇が、家計の実質所得あるいは内需依存型の中小企業などの収益にマイナスの作用を及ぼすということも事実であります。

 したがいまして、我が国経済にとって大事なことというのは、今、円安によって収益の改善した企業が設備投資を増額させたり賃金を引き上げるということによって、経済全体として、所得から支出への前向きの循環が強まっていくことが最も重要で大事であるというふうに考えております。

    〔委員長退席、中西委員長代理着席〕

野田(佳)委員 賃金とか、お話はそのとおりで、結論としてそちらに持っていくことはそれはいいと思うんですけれども、ただ、為替の問題で、円安について常に、いつもプラスの評価に持っていく表現が多過ぎるんですよ。そのたびに、中小企業、零細企業の人たちからの怨嗟の声というのが私の事務所にはいっぱい届きます、日銀に届いているかどうか分かりませんけれども。そういう声が届いていないのかなと私は不思議でしようがないんですね。

 例えば、四月二十八日に日本商工会議所が公表した中小企業への円安の影響調査、これは全国の日商会員を対象に二千二十八社回答していますけれども、円安のメリットの方が大きいは一・二%、メリットもデメリットもないは一八・六%、デメリットの方が大きいは五三・三%。メリットが大きいは一・二で、デメリットが大きい、五三・三、これが中小企業の声じゃないですか。輸入物価が上がって、しかも消費者になかなか価格を転嫁しにくいという七転八倒している人たちの気持ちが、私は総裁に届いていないと思わざるを得ませんね。

 なぜなのかなと思うんです。日銀の短観というのは、年四回発表するじゃありませんか。短観の対象企業は一万社ですよね。その一万社も、資本金二千万円以上を対象じゃないですか。資本金の二千万円以上というのは、全国で二十一万社なんですよ。全国の法人の数は、二百八十万社でしょう。中小企業というくくりで分析もするけれども、資本金二千万円以上を対象じゃありませんか。資本金一千万円以下という法人は、二百三十万社もあるんですよ。二百八十万社あるうちの限られたところを、大企業、中堅企業、中小企業と分けて調べているけれども、日本銀行の本店と支店から見えている経済風景というのは限られているんじゃないですか。

 今日、日銀に視察に行かれたそうでありますけれども、日銀の本店から何が見えたかですね。私も行けばよかったなと思いますけれども、中小零細企業の現状が見えていない、声が聞こえていない、それが私の事務所に来る怨嗟の声だと思います。

 きちっとこの為替の問題については、そういう声もあるということを踏まえた発言を私はしてほしいと思いますが、いかがでしょう。

    〔中西委員長代理退席、委員長着席〕

黒田参考人 もとより、私どもも、様々なチャネルを通じて、中小零細企業の声、その経済動向も、完全ではないとしても相当に把握するように努めております。したがいまして、この急激な円安について、様々な批判、不満が表明されているということはよく存じております。

 そうしたことも踏まえつつ、日本経済全体がコロナ禍からの回復途上であって、まだコロナ感染症以前のGDPを回復していない。欧米はもう既に回復して、さらに、欧米の場合はインフレが八%を超えているという状況であります。我が国の場合は、輸入物価の上昇を反映して二・一%、生鮮食品を除くベースで二・一%の上昇になっておりますけれども、先ほど申し上げたように、まだコロナ禍からの回復途上にあり、この経済を支えていくということが最も重要である、できるだけ早くマイナスのGDPギャップを解消し、労働需給がタイトになり、賃金、物価が緩やかに上がっていく、そういう状況をつくり出すことが最も重要であると。

 委員御指摘のその零細中小企業の状況も、私どもとしては最大限努力して把握しようと思っておりますけれども、今後とも、様々な御意見を踏まえて、一層努力してまいりたいというふうに思っております。

野田(佳)委員 私はやはり、先ほど来主張しているように、家計とか中小零細企業、今の円安については実害を感じている人たちがたくさんいるという中での御発言というのは、よく注意をしていただかないとと強く思います。重ねてこれは指摘しておきたいというふうに思いますが。

 その上で、先ほどもちょっと質問が出ていましたけれども、大臣に、この円安についての発言が、四月十五日の閣議後の記者会見で、悪い円安と認識しているというお話をされました。

 これは、物価の高騰との文脈の中でこういう悪い円安という認識を示されたと思いますが、昨日一段と円はドルに対しても、そしてユーロに対しても安くなったと思います。こういう現状で、四月当時の御認識と、基本的には御認識は変わりませんか。いかがでしょうか。

鈴木国務大臣 一般論として申し上げさせていただきますが、円安方向への動きにはプラスとマイナスの両面がある、これは先ほど野田先生も御指摘になられたところでございますが、したがって、円安が一概によいとか悪いとか言えるものではないと思っております。

 四月の私の発言につきましては、円安のマイナス面の議論の中で、円安には輸入価格上昇を通じて企業や消費者に負担増になり得るという負の側面があることをお答えをしたところでございます。そのとき申し上げたのは、円安によって輸入価格が上昇をする、そうした場合、それを補うだけの賃上げというものがあれば、これはそういう状況にあれば、ある意味、許容されるのかもしれませんが、しかし、まだまだ賃上げの力というものが弱いという状況下においてはやはりマイナス面があるんだ、そういうふうに思って発言をしたところでございます。

野田(佳)委員 ありがとうございます。基本的には御認識は変わっていないということでありますが。

 私も財務大臣のときには、よく発言をしたのは、為替についての発言というのは、過度な変動や無秩序な動きがあった場合には何かコメントするんですよ。一種の口先介入ですね。円高だろうが円安だろうが、過度な変動、無秩序な動きは好ましくないと言って、介入をしますよね。大臣の場合は、これは過度な変動とか無秩序な動きとは関係なく、物価との関連でおっしゃったので、私はこれは一つの御見識だと受け止めました。

 一方で、質問は黒田総裁には終わっちゃったんですが、残っていただいているのは、おとといの発言というのは、急激な変動ではなく安定的な円安の動きであればという言い方をしているんです。急激な変動は駄目だよ、でも安定的に円安ならばプラスの方向というお話ですよね。

 そこで、私は大臣にお聞きしたいんですけれども、急激な変動とか無秩序な動きじゃなくて、安定的に円安に動いているという場合には今のお考えは変わりませんか。いかがですか。

鈴木国務大臣 為替の水準についてはコメントを控えるということで、どの程度が適切な水準なのか、どの程度が安定的なのかということも相場の水準に関わることであると思いますので、ここでの私の不用意な発言が妙な影響を与えてはいけないと思いますので、発言は控えさせていただきたいと思います。

野田(佳)委員 別に不用意な発言を引き出そうとは思っていませんので、今のお答えでは慎重なお立場だったということでありますが。

 じゃ、総裁、次、御予定があるようでございましたら、ちょっと為替から離れた、あるいは物価から離れた話になっていきますので、退席されて結構でございます。

薗浦委員長 黒田総裁、御退席いただいて結構でございます。

野田(佳)委員 あっ、もう時間ですか。

薗浦委員長 はい。

野田(佳)委員 もうほとんど時間みたいなんですね。

 一つだけ、同じ四月の発言で、四月十一日、参議院決算委員会において、これは自民党の西田昌司議員が日銀が持つ国債は政府の借金として考えなくてもよいというような主張をされていて、大臣はそのとおりだと認めてしまったかのような報道がありましたし、議事録を拝見しましたが、確かにそう言っていると思うんです。それは真意ではないと思うので、明確にここで否定をしてほしいと思います。

鈴木国務大臣 野田先生御指摘の決算委員会における答弁でございますが、あのときは西田先生から信用創造について、何というんですか、段階ごとに政府委員に質問をして、最後に私に感想を求める、そういうような質疑でございました。

 その一つ一つについてでございますが、我が国財政は借金の返済のために借金をしている状況にある、そして民間銀行に国債を購入してもらい、国内の企業や家計に財政支出する場合、その取引に着目した仕訳では民間預金が増加する、日銀の国債利息収入は経費等を除いて国庫納入されるといった、その部分部分の個別のやり取り一つ一つについてはそのとおりかな、こういうふうに申し上げたものであります。

 しかし、全体として、日銀が保有する国債に関しましては、日銀が物価安定目標の実現に向けて金融政策の一環として国債を購入しているものでありまして、その国債保有残高は時々の金融政策により大きく変動することもあり得ることから、日銀が保有する国債を債務残高から除外する考え、その考えは政府として取っていないところでございます。

 こうした点も含めまして、西田先生の御意見について、全体としてそのとおりであるという趣旨を申し上げたわけではございません。

野田(佳)委員 気をつけていただければ結構です。声の大きい人に振り回されないように。これから骨太の方針も聞こうと思ったんですが、趣旨は同じことを言いたかったんです。

 質問を終わります。ありがとうございました。

薗浦委員長 次に、末松義規君。

末松委員 立憲民主党の末松義規でございます。

 今日は二十五分ということで、本当に時間がないものですから、すぐに質問に入ります。

 まず、もう今日も二人の委員が指摘されましたけれども、国税の職員が持続化給付金をだまし取った詐欺事件ということで、こういった不祥事が起こったというのは私も非常にショックでございまして、元々、ほかの委員も言われていましたけれども、この不況下で、コロナ不況下で、そこで徴税をしなきゃいけないという本当に厳しい立場で、国民の皆さんも、ある意味じゃ喜んで税金を払う人は余りいないと思うので、そういった中で国税職員がああいう信用を傷つけることをやってしまったということ、本当に私はショックでございます。

 といいますのは、私も、毎年毎年、努力を私なりにして、国税職員を増やしてくれと頼み込んできた議員の一人でありますし、また、去年もおととしも、今年もですね、この委員会のメンバーの方々が、国税職員の増員に対して、みんな応援メッセージを送ってきたわけです。それが、何か、増えると質が落ちるのかよ、こんな批判が起こると、やってきた我々もむなしいわけですね。そこの責任を大臣はどういうふうに考えておられるのか、そこを是非お聞きしたいと思います。

鈴木国務大臣 私も、税を国民の皆様方から納めていただくということに関わる、極めて高い倫理意識が求められる税務署職員がこのような事態を招いたこと、これは本当に遺憾なことでありまして、おわびを申し上げるところでございます。

 今後、どう責任といいますか、どういうふうに対応していくのかというお話でございますが、本件につきましては、引き続き事実関係を確認をしているところでございますが、綱紀の厳正な保持につきまして、事件発生の翌日であります六月二日に全国の国税局長に対して注意喚起を指示し、そして、六月六日の日に全職員に対して指示文書を発出したところでございます。

 今後でありますけれども、職員向けのコンプライアンス研修の内容を工夫をして、継続的に注意喚起するとともに、より効果的かつきめ細やかな身上把握の手法や指導方法を検討し、それを実施するなど、再発防止策の強化に取り組みつつ国民の皆様方の信頼回復に努める、これを徹底することによって責任を果たしてまいりたいと考えております。

末松委員 ですから、二度とこのようなことが起きないように、是非最善を尽くしていただきたいと思います。

 次に、私の方から一つ提案をさせていただきます。

 それは、確定申告の期限、今、三月十五日ですけれども、これを、この三年間、延長で四月十五日にしたんですね。この四月十五日という期限を、できれば、私は提案したいのは、これを恒久的な形で四月十五日にしていただきたい、これが私の要望でございます。提案です。

 逐次、ちょっとこの議論をさせていただきます。

 まずもって、確定申告期限が三月十五日になったということについて、これは法定事項ですよねという確認と、もう一つは、資料の二に書いてございますけれども、各国の確定申告書の提出期限、これを見ると、アメリカは四月十五日、ドイツは五月三十一日、イギリスは翌年の一月三十一日、フランスは六月五日、中国は三月三十一日ですか、韓国も五月三十一日、香港で六月初旬、シンガポールで四月十五日。これは税理士会さんの方でお調べいただいたことでございますけれども。やはり各国も、ちょっと三月十五日というのは、一番早過ぎるようなことをやっているわけですし。

 また、資料の一を御覧いただければ、東京税理士政治連盟さん、これは日本税理士政治連盟さんも要望いただいていますけれども、こちらに、経常的に三月十五日を延長して、結論は書いていませんけれども、私の方で、四月十五日を、やはり延長すべきではないかと考えているところでございます。

 こういうことについて、大臣の方で何か感想はございませんか。今までやってきたからそのままなんだという話なのか、それとも、何か、いろいろな、メリット、デメリットをきちんと考えてやってこられるということなのか、まず感想を伺います。

鈴木国務大臣 末松先生の最初のお尋ねであります、三月十五日というものは法定で決まっている事項なのかどうかということでありますが、これは、所得税法におきまして三月十五日と確定申告期限が定められているところでございます。

 先生御指摘のように、一方におきまして、諸外国におきましては所得税について様々な確定申告期限が定められていること、これは承知をしているところでございます。

 確定申告期限は、ばらばらなのはそれぞれの各国の事情に基づき定められているものと考えておりますけれども、日本におきましては、速やかな納税を確実に確保しつつ申告書作成等の事務作業に配慮する観点、その二つの観点から、確定申告期限を課税期間の翌年の三月十五日としているところでございます。

末松委員 これを四月十五日に変えよう、変えてくださいと私は言っているわけですけれども。

 この三年間、コロナの関係で申告期限が四月十五日になっていました。こういう実績があるわけですね、この三年間。これで大きな混乱とかあるいは弊害というものは基本的になかったと聞いているんですけれども、これはどうですか。

重藤政府参考人 お答えいたします。

 まず、今委員御指摘のとおり、所得税の確定申告の期限につきましては、令和元年分と令和二年分は、確定申告相談会場の混雑回避の徹底を図るといった観点から全国一律で一か月延長し、令和三年分につきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により期限までに申告が困難な方につきましては四月十五日まで簡易な方法により期限を延長するという取扱いをしたところでございます。

 これらの延長をしましたことによります影響としましては、まず、税務署では、申告を受け付けた後、その内容の審査を行い、また、必要に応じ、納税者の方に申告内容の確認のお願いや税務調査などを行っているわけですが、申告期限の延長によって全体的にこの事務が後ろ倒しになることで、これらの後続事務に影響が及んだというのが一つ。

 それから、もう一つは、所得税の確定申告の情報は、国税庁から地方税当局に提供され、五月末に行われます地方税の税額決定や、六月以降順次様々な社会保障サービスの給付や負担の額などにも反映されていく仕組みとなっているわけですが、通常であれば、確定申告期限までに税務署で受け付けた申告につきましては四月中旬までに速やかに地方税当局に申告書データを送信しているところでございますが、過去三年間においてはその送信が五月中旬までずれ込んだ、そういった影響が出たところでございます。

末松委員 それは、基本的に教科書に書いてあるとおりなんですね。

 要は、私が聞きたいのは、あなたが言っていた、事務に影響があったと言うんですけれども、本当に事務に影響のあった、深刻なものがあったのかと聞いているわけ。あなたはそこを答えていない。あとは手続を言っているだけであって、どんな深刻な事態が発生したんですか。

 私が言っているのは、とにかく、デメリットはそんなにないんじゃないかということを私はこの四月十五日の提案で言っているわけですよ。

 じゃ、言ってくださいよ、具体的に。

重藤政府参考人 お答えいたします。

 過去、申告期限を延長しました令和元年分、二年分におきましては、ちょうどそのときに新型コロナウイルス感染症の影響によります出勤制限でありますとかいろいろな要因もありましたので、そういった要因も合わせてということでありますが、結果的に、申告書の審査の事務などが後ろに倒れたことによって、また、税務調査、適正な申告内容を確認するための調査などの件数も少なくなるといったことが起きました。

 また、地方税当局における影響におきましては、これは私どもが申し上げるべきことではないかもしれませんが、地方税当局にデータを送るのが遅れたことによって、地方税当局においても何がしかの影響が発生したのではないかと考えております。

末松委員 じゃ、あなたの言う税務調査の影響は、どのくらいできなくて大変だったんですか。そこは問題になっていないですよね。多少、少し少なくなったというのは私も聞いているんですよ。でも、そんなに大きな混乱という話でもなかったし、それは話題にもならなかったし、この三年間ちゃんとやっているんですよ。どうですか。

重藤政府参考人 税務調査の件数等に関しましては、令和二年、三年と、今ちょっと手元に数字はありませんが、かなり件数は落ちております。

 ただ、それは、確かに、先ほども申し上げましたように、そもそも新型コロナウイルス感染症の影響によって行動が妨げられていたことによる影響とかもありますので、それの全てが申告期限を延長したことによる影響だというわけではもちろんございません。

 ただ、実際のところ、件数はかなり落ちているのは事実でございます。

末松委員 もし落ちていると言うんだったら、その数を言ってくださいよ。あなたはそこは今持っていないからと言うんだけれども、数を言ってくれよ、そこは。印象で言われたら困るんだよ。

重藤政府参考人 申し上げます。

 所得税の実地調査の件数ですが、令和二年分は、令和二年の事務年度、我々が事務年度と言っておりますのは七月から翌年六月までですが、令和二事務年度は対前年比で三九・九%、すなわち六割減です。その前の令和元事務年度は前年比で八一・一%、二割減。二割減、その後、約六割減、そういう件数でございます。

末松委員 それで、だんだん、六割から二割、それは実際そうなんでしょうね、減り方が減ってきているわけですよね。それなりに慣れてきたということでしょう。

 税務調査が全部きちんとされないと、それはその期間内に、そこは深刻な混乱、影響という話ではないですよね。まずは、ちょっとそこは指摘しておきたいと思います。

 それと、私の方で、税務署の方も、ちょっと私も聞いたんですけれども、それほど大きな影響はなかったよという話は聞いているんですよ。だから、そういった意味で、あなたの方に件数で言ってきたのはあるかもしれないけれども、そこが本当に深刻で大混乱だという話ではなかった、それは問題にされなかったというところをまず再度指摘していきたいと思います。

 次に、総務省について聞きます。

 先ほど地方税の関係で、四月十五日になったということで、これについて事務が混乱したり、あるいは自治体事務の方に混乱が生じた、こういった報告はほとんどないというふうに聞いていますけれども、いかがですか。

川窪政府参考人 お答え申し上げます。

 所得税の確定申告の情報は、国税庁から市町村に提供されまして、個人住民税の税額決定や様々な社会保障サービスの給付や負担の額等に用いられる仕組みとなっておりまして、これを正確に処理することは市町村の重要な役割となっております。

 昨年度、すなわち令和三年の春の実務の状況についてでございますが、市町村におきましては、所得税の確定申告期限の延長に伴います住民税の課税スケジュールへの影響をできるだけ回避したいということで、時間外勤務、休日勤務等を増やして対応したというような事例でございますとか、あるいは、例年の課税日程に間に合わずに、やむなく企業に対する天引き税額の通知を送り直して、二回送付することにせざるを得なかった事例、こういったものがあったものというふうに承知しているところでございます。

末松委員 その事例がどのくらい、何件ぐらいあったのかというのを私は聞きたいんです、詰めて。と同時に、三年間やっているんだから、それはだんだん慣れていって、一年目より二年目の方がもっと慣れてきて、二年目より三年目の方がもっと慣れてきて、もうちょっと、日本人の優秀な官僚システムだったらそれはクリアできると思うんですね。

 そこについてはどうですか。全く、元々進歩がなくて、同じような問題をずっと毎年抱えていたんですか。

川窪政府参考人 三年間という御指摘でございますけれども、まず、令和二年度課税、令和三年度課税につきましては、一律の申告期限延長ということで、今、先ほど申し上げましたような実務への影響がかなり出ていたものというふうに承知しております。一方、この春につきましては、期限内に申告することが困難な方についての延長という位置づけでの延長が行われたと承知しておりますので、この春の影響がどのような影響であったのかにつきましては、現時点では、まだ六月の初めということもございまして、詳しい実情につきましては承知をするに至っていないという状況でございます。

 いずれにいたしましても、先ほど申し上げました昨年の状況などを見てみますと、国税庁からの答弁もございましたように、申告データの送信が五月に入る、五月の中旬頃になるということが起きている中におきまして、六月からの天引きに間に合うように、まさにその五月の中旬には企業に対する天引き通知を発送するという事務を例年行っておりますことから、どうしても一定の実務影響というものは出ざるを得ないのかなというふうに感じているところでございます。

末松委員 そういうのは結構、何か、質問レクのときにも聞きましたけれども、いろいろな電子化の進展とかそういったことで、昔みたいに手書きとかなんとかといったらそれは大変なことになるんだけれども、電子化でデータをそういう形で移設するだけの話ということであれば本当に大きな混乱という話にはならないし、あなた方はある程度うまくやってきたわけですよ。だから、そう感じると、この四月十五日にやってもそんなに大したデメリットというのはないよねというのを私は感じたところなんです。

 逆に、今度はメリットについて申し上げたいと思います。

 この資料の四を御覧いただきたいんですけれども、これは、給与所得者の配偶者控除等の申告とか、あるいは扶養控除の申告なんです。

 ここで米印でちょっと私がコメントしているんですけれども、これは、年末調整事務は十二月末の給料で実施することが原則であり、配偶者や扶養親族等の所得金額は見積りでするしかない。つまり、見積りなんですよ、これは。それで、配偶者等の所得金額が変更となった場合は、本人に確定申告をさせるか、若しくは税務署からの修正通知に応じて修正する必要があると。つまり、これは、年末調整では見積りなので、きちんともう一回提出し直せという話なんですね、確定数字を。こういうことを国民にさせているわけですよ。これは国民にとって非常に手間なんですね。

 資料五についても、これは生命保険料控除の証明書ですね。

 これも、年末調整だとどうしても、年末調整に合わせてこの時期に控除証明書を発行している。したがって、年末調整事務はこの見込額をもって行っている。つまり、見込みなんですね。だから、一月から九月か十月まで、大体、これでいくと十、十一、十二月はこのくらいの見込みになるでしょうと。これも確定額じゃないんですね。だから、年末調整になっちゃうと非常に曖昧な形の額になって、それをまた確定で数字を持ってこいと国民に要求するわけですから、そうなるとまた二度手間で、非常に事務作業が大変だ、国民にとって。だから、それを年末調整じゃなくて年始調整にすれば、最初から確定額が分かっているわけですから、その意味では、国民で一手間でできるということにもなるわけですね。

 そして、更に申し上げれば、医療費で、資料の三を開けていただきたいんですけれども。

 医療費も、大体、黄色いラインマーカーで引いているんですけれども、読みますと、令和三年の一月から九月までの医療費を記載していますので、医療費控除に御活用ください、なお、令和三年の十月から十二月については、医療機関からの領収書に基づき作成した医療費控除の明細書を申告書に追加して添付しろと。つまり、また追加事務というのが発生しているわけ。これは、やはり年末調整でやっちゃうとどうしても見込みみたいな形になるので、きちんとした証明書をもう一回やれと。これも国民にとって非常に負担なんですよ。これを年始調整にすると、まさしくこれはその負担がなくなるということで、国民にとっては非常にいいじゃないかというのがメリットであるんですね。

 ですから、私として申し上げたいんですけれども、大臣に、ここは、国民の負担を減らして、そして、優秀な官僚の皆さんですから、国税にしても、それから総務省にしても、あるいは自治体にしても、基本的に、だんだん、三年やって慣れていって、そういったことがやれる体制になってきた。もし、これがやれないという話になるならば、深刻な混乱とかそういったことが起きていて、もう冗談じゃないよ、クレームだって何か千件、二千件あって、そのうちの、本当にめちゃくちゃなクレームが来て大変だというのであれば、こういうことを私も申し上げませんけれども、本当にそんなに大きな混乱あるいは社会問題になるような混乱もないということであれば、これは、役所の業務の調整あるいは電子システム、デジタル化による調整によって解決できると思うんですね。

 ですから、是非大臣、これは、国民の手間を省くという意味でも是非そこは御検討いただいて、これは法定事項と言われましたから法を改正しなきゃいけない、四月十五日とするか、あるいは政令に落とすという形にしてもいいんですが、是非そこを御検討いただきたいと思いますが、いかがですか。

鈴木国務大臣 先生から、確定申告期限を今の三月十五日から四月十五日なりにずらしたらいいのではないかというお話の中で、先ほど、年末調整を年始調整にすべきだというお話も重要な柱としてお話しになられました。

 先生の御指摘のように、年末調整に関連する一連の事務作業を年始から開始できるとした場合には、確定申告に係るスケジュールも後ろ倒しとなりますけれども、所得税の確定申告の情報は、国税庁から市町村に提供され、五月末に行われる地方税、個人住民税でありますが、これの税額決定や、六月以降順次様々な社会保障サービスの給付や負担の額などにも反映されていく仕組みとなっているところでありまして、そうした市町村の事務や各種制度に与える影響にもやはり留意する必要があるんだと思います。また、年末調整による税額調整の恩恵を早期に受け入れられなくなるといった事態も想定をされます。

 年末調整後に控除等に係る情報に更新がある方は一部の人に限られているということも考えられるところでありまして、今申し上げましたような影響やデメリットも踏まえますと、年末調整を遅らせることについては慎重な検討が必要であるのではないかと考えております。

 なお、先生も最後にお示しになられました医療費控除につきましては、マイナポータルとの情報連携を利用していただくことで、年末までに医療費情報を確定申告に利用いただける仕組み、これが既に実現をされているところでございます。

末松委員 最後のところは保険診療のみのマイナポータルの話なので、それ以外のところはまた別途ありますねというのは指摘させていただきますけれども。

 いずれにしても、是非、この三年間、実際に実現してやってきているんですから、そこをもっと事務の効率化を含めてやっていただきたいということを申し上げまして、この質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

薗浦委員長 次に、藤巻健太君。

藤巻委員 日本維新の会の藤巻健太でございます。

 午前中の視察、ありがとうございました。日銀も東証も初めて中に入りましたので、元金融マンとしては非常に感慨深いものがありました。この視察、しっかり今後に生かしていき、議論を深めることにつなげていきたいと考えております。

 それでは、早速質疑に入らせていただきます。本日もどうぞよろしくお願いいたします。

 プライマリーバランスの黒字化について伺います。

 昨年度の骨太の方針では、プライマリーバランスの黒字化達成に関して、二〇二五年度を堅持すると明記してありました。しかし、昨日閣議決定された今年度の骨太の方針で、その二〇二五年という目標年限が削除されました。これは、二〇二五年にプライマリーバランスの黒字化達成を諦めたということなのでしょうか。

鈴木国務大臣 昨日閣議決定をされました骨太方針二〇二二でありますが、そこにおきましては、「財政健全化の「旗」を下ろさず、これまでの財政健全化目標に取り組む。」とされておりまして、財政健全化に取り組む姿勢に変更はございません。

 我が国が財政健全化目標として二〇二五年度のプライマリーバランス黒字化等を掲げていること、これはもう、これまでの累次の決定等によりまして、既定のこととして明確であります。本年一月の経済財政諮問会議においても、現時点で目標年度、二〇二五年度の変更が求められる状況にはないこと、これが確認をされていることから、政府としてその方針に変更はないところでございます。

藤巻委員 いろいろな報道を目にしておりますけれども、いかようにも解釈できる玉虫色の表記といったところなのでしょうかね。

 二〇二五年の黒字化達成、目標として下ろしていないということを伺いましたけれども、果たしてプライマリーバランスの黒字化は本当に二〇二五年に達成できるのでしょうか。

 二〇〇六年に閣議決定された経済財政運営と構造改革に関する基本方針では、二〇一一年度には国、地方の基礎的財政収支を確実に黒字化するとありました。二〇一〇年の財政運営戦略では、遅くとも二〇二〇年度までに黒字化という表現を使っています。事実上の国際公約とも言える二〇二〇年度の黒字化も断念しております。

 この一連の流れを見ると、来年か再来年あたりには、実は真の目標は二〇三〇年度だったとも言い出しかねないような感じを受けてしまいます。こう何度も何度も黒字化達成目標時期を引き延ばされていては、国民の皆様、国際社会からの我が国の財政に対する信認が大きく毀損されてしまいます。

 二〇二五年度のプライマリーバランスの黒字化、本当に達成できるのでしょうか。具体的な道筋をお答えください。

鈴木国務大臣 プライマリーバランス黒字化目標等の達成に向けましては、その前提といたしまして、成長と分配の好循環の実現等に向けた取組を強化をして、まず力強い成長を実現すること、これに加えて、歳出歳入両面の改革を継続していくこと、これが必要であります。こうした取組を前提とした上で、二〇二五年度にプライマリーバランスの黒字化が達成できると考えております。財務省としても、経済再生と財政健全化の両立にしっかりと取り組んでまいります。

 そのため、令和四年度予算におきましても、新型コロナ対応に万全を期しつつ、成長と分配の好循環による新しい資本主義を実現していくための予算とするとともに、骨太の方針二〇二一で定めた取組を継続をして、めり張りのついた予算としておりまして、経済再生と財政健全化の両立にしっかりと対応していると考えているところでございます。

藤巻委員 非常に難しいチャレンジかなとは思うんですけれども、我が国の財政状況は待ったなしの状況です。財務省のかじ取りに懸かっています。よろしくお願いいたします。

 続いて、財務省の働き方に関してお伺いいたします。

 先日、財務省の総括審議官の方が、酒に酔ってほかの乗客の方を暴行し、逮捕されるということがありました。もちろん、いかなる理由があっても暴力は駄目であり、擁護するわけではございませんが、もしかしたら、この方、仕事上で過度のストレスを抱えていたということもあったのかもしれません。この事件の背景やこの方の置かれた状況を存じ上げておりませんので、この件と労働環境を結びつけるのは適切ではありませんが、いずれにせよ、霞が関の働き方、財務省の労働環境について質問させていただきます。

 世間一般のイメージではありますが、官僚の方々は、深夜遅くまで働いていたり、過酷な労働環境にあるというイメージがあります。民間の一般的な企業と労働時間がどれほど違うかといったデータ等はありますでしょうか。

新川政府参考人 お答えいたします。

 財務省の本省職員を例に取りますと、超過勤務時間、これは、コロナ禍への対応ですとかあるいは補正予算の編成など、そうした時々の状況に左右されるということは留意する必要がありますが、令和三年の数字を見ますと、職員一人一か月当たり平均三十四時間でございます。

 それから、民間企業でありますけれども、事業所の規模ですとかあるいは業態によっていろいろありますので単純な比較は難しいのですが、厚労省の毎勤統計によりますと、従業員三十人以上の事業所における常用労働者の所定外労働時間でございますが、これは令和二年の数字でございますが、一か月当たり平均十・八時間と承知しております。

藤巻委員 ありがとうございます。

 働き方改革以前の話ではあるんですけれども、私もサラリーマン時代そうだったんですけれども、実際として、実際百時間働いても二十時間で申請していたり、まあ、サービス残業と言われるやつですね、あるいは、パソコンで勤務時間を管理されていたので、パソコンを切ってから仕事を何時間も続けるというようなことをやっておりました。今はテレワークも進んでおり、家で幾らでも仕事ができてしまいます。

 建前上の数字は分かるんですけれども、職員の方の実際の勤務管理、勤務実態はしっかり把握できているのでしょうか。

新川政府参考人 お答え申し上げます。

 職員の勤務実態の管理を適切に行うことは、職員の執務環境等々あるいは体調等々も考えまして、極めて重要なことと認識しております。

 そして、特に超過勤務に関しましては、人事院からの運用通知に基づきまして、上司が事前に命令を出しまして、事後にも上司が勤務実績を確認することを原則としております。また、突発的な状況等においてやむを得ず行った超過勤務につきましては、例外として内容や時間等を事後に確認する、こういったことで時間管理をしております。

 それから、先ほど先生の方からも端末の話がございましたが、加えて、昨年八月からは、今申し上げたような取組を補完するものとして、政府方針を踏まえまして、勤務時間の客観的な把握ということで業務端末の使用時間の記録を利用するということで、職員の勤務時間の見える化を図っております。

 こうした取組によりまして、勤務時間の適正な把握に努めているところでございます。

藤巻委員 上司より先に帰りづらいとか、早く帰ると周りに仕事をしていないように思われるから残業するとか、こういった非効率なことはどんどんやめていくべきだと思います。

 安倍政権が進めた働き方改革以降、こういった意識だったり勤務実態というのは変わりましたでしょうか。

新川政府参考人 財務省におきましては、財務省再生プロジェクトという形で、ここ数年間、働き方の改革を進めてきております。働き方の物理的な時間もさることながら、職員の働きがいという点にも留意しながら、勤務内容あるいは執務環境の充実に努めてきているところでございます。

 勤務時間ということで申し上げますと、先ほど申し上げたように、様々なそのときの事情で職員の労働時間というのは左右されるわけでありますけれども、先ほど申し上げました数字は令和三年であったと思いますけれども、過去三年分の数字を申し上げますと、令和元年が一人当たり月平均が三十五時間、令和二年が三十三時間、令和三年が先ほど申し上げたように三十四時間という形で推移しており、若干ではありますけれども、傾向としては減少傾向にあるのではないかと考えております。

藤巻委員 ありがとうございます。

 今、若い世代の間では、官僚の方は労働環境が過酷であるという話が広く伝わり、就職を避け、報酬の高い外資系金融機関などへの就職が増えているという話をよく聞きます。優秀な人材が日本のかじ取りを担う省庁への就職をためらうのは国益の逸失でもあります。もちろん、今いる職員の方々のワーク・ライフ・バランスを改善していくことが重要です。前向きな取組の方、どうぞよろしくお願いいたします。

 続いての質問に移らせていただきます。

 ここ数日、また為替相場が大きく動きましたので、少しだけ為替についてお伺いいたします。

 為替については、私自身、何度も質問させていただき、また、なかなかお答えが難しいのは承知しておりますが、様々な角度、切り口から質疑させていただくこと自体に意味があると考えております。

 ドル・円は、この三か月ほどで十七円ほど、この一週間で五円以上円安に振れております。鈴木大臣は昨日の記者会見でも、急速な変動は望ましくないとおっしゃっておりますが、ここ数日の動きは急速な変動に該当するのでしょうか。

鈴木国務大臣 形にはまった答弁で恐縮なんですが、為替の動向等については、私の不用意な発言が影響を与えてはいけませんので、コメントは控えさせていただきたいと思います。

 どのようなものが急激なのか、急激でないのか、そのことも為替の水準等に関わることでありますので、お答えは控えさせていただきたいと思います。

藤巻委員 分かりました。

 円安の作用、先ほど、プラスマイナス、様々な面があるとおっしゃっておりましたが、ちょっとここから観光のことについて質問させていただきたいんですけれども、事観光業に関して言うと、円安というのは大きなプラスなのではないかというふうに考えております。コロナの感染拡大状況に左右されるとは思いますが、この円安を踏まえて、コロナ後の観光振興政策についてどのようにお考えになられているのでしょうか。

泉田大臣政務官 お答えをいたします。

 現在、政府全体で段階的な水際措置の緩和を進めているところでございます。今月一日からは、入国者総数を一日一万人めどから二万人めどに拡大をしたところでございます。さらに、今月十日からは、添乗員付パッケージツアーによる外国人観光客の受入れを開始することといたしております。

 国交省では、外国人観光客の受入れ対応に関するガイドラインを策定する等、円滑な受入れ環境の整備に取り組んでまいります。

 また、委員も御承知のとおり、観光は成長戦略の柱と認識しておりますし、また、地方創生の切り札でもございます。今後も、インバウンドの重要性に変わりはないと考えております。

 その上で、当面なんですけれども、やはり感染拡大の防止と社会経済活動のバランス、これをしっかり取っていく必要があるだろうと考えております。コロナによる旅行者の意識の変化も踏まえて、戦略的に受入れを進めてまいりたいと思います。

 具体的には、地域の観光コンテンツの魅力の向上、受入れ環境の整備、これに取り組むとともに、デジタルマーケティング、これを活用しつつ、国別、そしてまた年代別、きめ細かな訪日プロモーションを行ってまいります。これによりまして、消費額の増加、地方部への誘客促進、持続可能な観光の推進などにつなげてまいりたいと思います。

藤巻委員 私も本当に旅が大好きで、国内外、多くの旅をしました。

 ただ、観光という観点から見ると、日本は本当に魅力的だと思います。独自の歴史や文化があり、四季折々の風景がある。英語も割と通じますし、食べ物の種類も豊富でおいしい。何よりも、清潔で治安がいい。欧米から来ると、ちょっと遠くて、時差がきついのが弱点かなとは思うんですけれども、観光立国としての素養は十二分にあると考えております。この円安を一つの契機に、更なる観光振興に取り組んでいただければと思っております。

 これで私の質問を終わらせていただくんですけれども、最後になりますけれども、今国会での財務金融委員会の質疑は本日が最後になる可能性があると聞いております。私は、ほかで議員を務めておらず、この委員会が人生初の委員会でした。皆様の御指導、御鞭撻の下、多くを経験させていただき、多くを学ばせていただきました。極めて微力ではございますが、財務、金融に関して少しでも議論を深めることができていたならば幸いでございます。

 今国会でのこの財務金融委員会のことは一生忘れないと思います。皆様のこともずっと忘れません。本当にありがとうございました。

 これで私の質問を終わらせていただきます。

薗浦委員長 次に、沢田良君。

沢田委員 日本維新の会、埼玉の沢田良です。

 ほかの委員の皆様からもありましたが、午前中に財務金融委員会の視察がありました。日本銀行や東京証券取引所に訪問させていただき、黒田日銀総裁、清田日本取引所グループCEOと意見交換の機会をいただきました。

 準備から進行に至るまで仕切ってくださいました薗浦委員長を始め、理事の皆様、そして委員部の皆様、貴重な経験をさせていただいたことに、この場をおかりしてお礼を申し上げます。

 本日も、鈴木財務大臣を始め、関係省庁の皆様、委員部の皆様、是非よろしくお願いいたします。

 先日、骨太の方針が決まり、資産所得倍増プランを年末までに作るという閣議決定がされたという報道がなされました。二千二十三兆円ある家計の金融資産を投資に向かわせるという動き自体は大変鋭い視点であり、私もずっと以前から提案をさせていただいておりました。

 それによって動かなくなっている資金を流動化していくことで経済にいい流れを生み出していく、これはやはり、今の日本の問題を考えると、経済を強くしていくこと、賃金を上げること、そして、そういった中で、インフレ、物価も上げていくという状況をつくり出していきたいというところでは、私は大変いい流れだというふうに考えております。

 ただ、岸田総理は、二〇二一年の九月に行われた自民党の総裁選の公約として令和版所得倍増というものを掲げておりましたが、ある一時期より一切その手の発信が、ちょっとなくなっているように私は感じております。

 そんな中、資産所得倍増プランと、少し、話がちょっと狭まったような流れを見ると、プランができても実現ができるのかということと、やるとしてもどれだけダイナミックに、そしてスピーディーに動かれるのかという意味では、少し心配をしております。

 質問です。

 岸田総理が個人の金融資産を貯蓄から投資にシフトさせる資産所得倍増プランというものは、どういったプロセスでやられるんでしょうか。

井藤政府参考人 お答え申し上げます。

 昨日閣議決定されました経済財政運営と改革の基本方針二〇二二及び新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画におきましては、自律的な経済成長の実現には、人への投資を拡大することにより、次なる成長の機会を生み出すことが不可欠である。さらに、人への投資が最も重要な投資であり、賃金等のフローはもとより、教育、資産形成等のストック面からも人への投資を徹底的に強化するため、賃金引上げの推進、さらには、貯蓄から投資のための資産所得倍増プランの策定などに取り組んでいくこととされておりますことは、先生御指摘のとおりでございます。

 こうした中で、我が国の家計金融資産の半分以上を占める現預金を投資へとシフトされることにより、家計の金融資産を大きく拡大させるポテンシャルがあると考えてございますが、金融庁といたしましては、今後、新しい資本主義実行計画等を踏まえながら、どのような施策を講じていくべきか幅広い観点から検討し、その実現に尽力してまいりたいというふうに考えてございます。

沢田委員 ありがとうございます。

 丁寧に御説明いただいたんですけれども、正直に言わせていただくと、やはり、賃上げからこの資産所得倍増への話になると、私は大変壮大な話として聞こえてしまうんですね。

 というのも、一定以上の貯蓄を持っている方にとっては、ある程度の提案が出れば、すぐにお金を使えるということで、資産所得倍増に対して一歩踏み出せるんですけれども、どうしてもそれ以外の方が、一定以上の賃金を、貯蓄を継続してつくっていく、生み出していく、また、投資に回そうと考える余裕が生まれるほどの賃上げという面で見れば、ここ数十年たっても全然実現できていないという水準でもあります。

 今年度実施されている賃上げ税制など賃上げへの取組も、コロナやロシア、ウクライナ、高騰するエネルギーといった外圧の中で強い動きにつながったという話も聞いておりません。

 そんな中で、賃上げを巻き込んだ資産所得倍増へのプロセスには余りにも時間がかかり過ぎるというふうに私は考えます。やはり、今、このコロナを乗り越え、ロシア、ウクライナを乗り越え、そして、しっかりと高騰するエネルギーの中でも経済を強くしていくという強いメッセージを出していくためにも、私は、こういった時間のかかることももちろん当然なんですけれども、ダイナミックかつスピーディーに動いていくというメッセージが必要だというふうに考えます。

 ちなみに、JNNの世論調査では、今後、貯蓄を投資に回そうと考えるかと聞いたところ、投資に回そうと思うが二三%、投資に回そうと思わないが四〇%、投資に回す貯蓄がないが三四%との回答とあります。もちろん一部への聞き取りですから数値をうのみにするわけではありませんが、やはり投資できる資産や余裕がない方が多くいらっしゃるのは事実であり、投資に回す貯蓄がないと言われた三四%の方々への配慮というか対応、このようなことをどのように考えているのか、大臣、教えてください。

鈴木国務大臣 新しい資本主義におけます成長と分配の好循環を実現する上で、フローとストック両面で人への投資を伸ばしていくこと、これが重要であると考えます。

 そして、沢田先生からはちょっと疑問符がつけられたわけでありますけれども、まずはフロー面で賃上げをしっかりと実現していく、これは重要なことなんだと思います。

 そのため、賃上げ税制の拡充に加え、下請対策の強化など中小企業が適切な価格転嫁を行うための環境整備など、あらゆる施策を動員をいたしまして、引き続き官民連携して賃金引上げの社会的雰囲気を醸成していくこと、これが大切なことであると考えております。

 あわせて、ストック面での人への投資、これを促進するため、貯蓄から投資へのシフトに取り組んでいく必要があると考えます。

 我が国の家計金融資産の半分以上が現預金であること、それを踏まえますと、この現預金を投資へシフトさせることによりまして、家計の金融資産を大きく拡大させるポテンシャルがあると思っております。これを一部だけでなく幅広い層に広げることが重要であると考えてございます。

 そうした方々が将来のライフプランを見据えて、投資余力がないと答える方もおられるわけでありますけれども将来のライフプランを見据えて、投資余力がないと言われましてもその中でも、少額ずつでも継続的にかつ長期的に投資をしていただくこと、これが肝要ではないか、そのように考えております。

沢田委員 大臣、ありがとうございます。

 本当に、大臣がおっしゃるメッセージ、ずっと以前からなんですけれども、結構やはり本当に、賃上げのことであったり、丁寧に御答弁いただけるので、私は、やはり、その言葉を一国民として信じて、前に進んでいっていただきたいと思う反面、今、現状で、国民負担率が四八%と大変高い水準にあり、広がる少子高齢化と増える社会保障、こういった状況でいくと、一般的な国民の感情でいえば、まだまだ負担率が上がってしまう、そして、コロナの後にやはりコロナの増税が来るのではないのかという不安も、私も地元を歩いていると、まともな考え方を持っている方から普通に言われるんですね。

 こういうマインドが、やはり多くの方々にとって、少しずつ貯金をしなきゃいけない、そして備えなきゃいけない、そういう流れになってしまっている。ということは、やはりこの負担率をどういうふうに見ていくのかということも当然考えていかなきゃいけないというふうに私は考えております。

 投資できる余裕のない人を取りこぼすことなく、格差と不公平感をどうやって生み出さないのか、それはやはりアベノミクスのときも私はあったと思っております。私は、アベノミクスというものは一定の成果を出したものとは思うんですけれども、やはり株価が上がり、株を持っている人、大企業で働く人は大きな恩恵を受けた、そういう中で、その他の方々への再分配のメッセージ、これはちょっと足りなかったように感じているというのは、今度はしっかりと押さえていってほしいというふうに思います。

 この国民負担率を根本的に見直すことで、国民の手取り収入である可処分所得を増やすことを考えたり、さらに、賃上げの工夫や投資への喚起とつなげていってからこそ、持続的な投資への喚起につながると私は考えております。

 質問です。

 現在の国民負担率、これは税金と社会保険料が給料のどのくらいを占めているのかというものになりますが、最新の国民負担率、そして、うち、その租税負担と社会保障負担の割合について教えてください。

阿久澤政府参考人 お答えさせていただきます。

 令和三年度の国民負担率でございますけれども、四八%となる見込みでございます。このうち、いわゆる租税負担率、租税の負担率ですけれども、こちらが二八・七%、また、社会保障負担率、こちらが一九・三%となる見込みでございます。

沢田委員 私が注目しているのは、昭和四十五年の国民負担率は二四・三%、現在の半分でした。そのうちの租税負担、税金の負担は一八・九%、社会保障の負担は五・四%だったんですね。現在の租税負担は、先ほど答弁いただいたんですけれども、約一・五倍、税金において。社会保障の負担は何と約三・六倍にもなっているんですね。計画的に上げているのはもちろん分かっているんです。ただ、社会保障の負担が大変大きく国民の皆様にのしかかっているという現状は、我々政治家として理解しなきゃいけないというふうに考えております。

 消費税増税の際にも、逆進性、これがよく言われて、公明党の皆さんのおかげもあり、いわゆる軽減税率というものができることになりました。逆進性を少しでも緩和しようという動きがあったというふうに覚えております。いわゆる収入が低い人になればなるほど負担率が高くなるという現象が社会保障にも強く出ております。

 例えば、申告所得で年収二百万くらいの負担が一番高いんですね、実は。そして、千五百万円になると負担がその半分になる、三千万円になれば三分の一、百億円、大変大きな数字ですけれども、百億円まで行くと三千分の一ぐらいになるというこの負担率の度合いが大変問題になっているんじゃないのかなと私は考えております。

 質問ですが、社会保障は所得の低い方になればなるほど大きな御負担になっているという認識、逆進性があるということは把握されているんでしょうか。

横幕政府参考人 お答えをいたします。

 社会保険の負担についてのお尋ねでございます。

 社会保険の仕組み、これは、保険料負担を元に疾病等の保険事故に対して給付を行うものであります。こうした仕組み全体を通じて、高所得者から低所得者に所得再分配を行うという効果がございますので、保険料負担と併せて、給付の面も含めて見る必要があると考えております。

 こうした仕組みを通じて所得再分配機能が発揮をされまして、所得格差の是正に寄与している、こういうふうに考えております。

沢田委員 私は、是非ここをしっかりと取りこぼさないでいただきたいというふうに考えております。

 今のコロナの対応、それから、ウクライナ、ロシア、エネルギーの問題も含めて、やはり期間を絞ってでも、低所得者世帯の社会保険料の大幅な減免や免除といった再分配提案を資産所得倍増とワンセットでお伝えしていく。もしこういうことができれば、あのアベノミクスのときの再分配ができていないんじゃないのかということも、そして、これからの、やはりしっかりと皆さんが投資をできる、賃上げにつなげていく、時間はかかるかもしれないけれどもしっかりとその足腰を強めていくというところにおいては、私は、双方に動いていく、両輪になっていくというふうに考えておりますので、是非考えていただければと思います。

 余談にはなりますが、岸田総理が勤労者皆保険というものを提案されています。

 質問です。

 勤労者皆保険は社会保険の仕組みの延長となるのでしょうか。

横幕政府参考人 お答えをいたします。

 勤労者皆保険でございます。

 兼業、副業、フリーランスなども含め、どのような働き方をしてもセーフティーネットが確保され、誰もが安心して希望どおりに働くことを可能とする、また、これらを通じて社会保障の支え手を増やし、全ての世代が支え合う、持続可能な社会保障を構築する、こういった改革でございます。

 先般、全世代型の社会保障構築会議で中間整理がまとめられておりますけれども、これを踏まえまして、まずは、令和二年の年金制度改正法に基づき、被用者保険の適用拡大を着実に実施し、さらに、企業規模要件の撤廃も含めた見直しや非適用業種の見直し等の検討を行っていく。その上で、フリーランスなども含め、より幅広い社会保険の適用の在り方につきまして総合的な検討を進め、勤労者皆保険の実現に向けた取組を進めていきたいというふうに考えております。

沢田委員 やはり、その具体性というか前に進んでいる感じが、どうしても感じられないんですね。

 我が党の藤田文武衆議院議員が一月の二十五日と二月の七日の予算委員会で、再三、勤労者皆保険について未整備になっている部分や穴があるという質問をさせていただきましたが、その際に、後藤厚生労働大臣から、今後議論すると答弁いただきました。今日でほぼ四か月たっています。四か月というのは大変長い期間でして、国民の皆様に夢を見せるというのは我々政治家の大きな役割でもあると思います。

 ただ、こういった逆進性のある社会保障システムを政府がよしとしている中で、細かい制度設計を新たに議論している形跡がちょっと現実的に感じない以上、このままの延長線上でいろいろなことがつながっていくのかというふうに思えば、私は、この今の社会保障が抱えている逆進性であったり、ほかの負の側面が生まれてしまうのではないかというところも考えております。

 例えば、低所得者が多い中小企業従業員や個人事業主への実質的な社会保険料の増税になるのではないか。事業主負担が急激に増え、失業の増加や賃金の下落につながってしまうのではないのか。そして、現役世代、特に中小零細やフリーランスの低所得者の可処分所得を大幅に引き下げて、それを資産、ストックがある高齢者に分配することが、世代間格差を更に助長してしまうのではないのか。是非、こういった面も含めて急ぎ議論を進めて、制度設計をしていただけるようにお願い申し上げます。

 少し話がそれましたが、大臣に、資産所得倍増のプランBとして御提案したいことがあります。

 政府は、よく○○対策という名前で、五万円とか十万円、こういった支給をしておりますが、それを現金ではなく、国が保有する金融資産を現物で国民全体に配るということはできないのでしょうか。

鈴木国務大臣 政府が保有する現預金以外の金融資産といたしましては、例えば、外為特会の外貨資産や政府が保有する特殊会社の株式などが挙げられますけれども、外為特会の外貨資産につきましては、本邦通貨の外国為替相場の安定を目的として保有をしており、政府が保有する特殊会社の株式については、法人の業務の的確な実施や経営の安定性の確保等の観点から政策的に出資、保有しているなど、それぞれの目的を持って保有されていると認識をいたしております。

 その取扱いにつきましては、各管理運用主体において目的に応じて適切に判断する必要があると考えておりまして、こうした政府が保有する金融資産を国民に直接配ることは考えていないところでございます。

沢田委員 ありがとうございます。

 日銀が保有するETFがもう三十六兆円と大変大きな数字となっております。九一年、ソ連が崩壊したときに、国営企業がクーポンにして配ったということが過去にありますので、こういったことも含めて、是非、国民一人当たりにすると約三十万円近く、これだけの金融資産を多くの方が享受できれば、まさに所得倍増、金融所得倍増、私、すぐ実現可能だと思いますので、こういった提案も考えていただければと思います。

 どうもありがとうございました。

薗浦委員長 次に、赤木正幸君。

赤木委員 日本維新の会、赤木正幸です。

 本日もまた貴重な質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 今日は、私は、家計の金融資産、特に二千兆円を超えたというところに着目するとともに、今同僚の沢田議員が質問しましたこの資産所得倍増プランの中でも、特に貯蓄から投資へに絡めた質疑とさせていただきます。

 日本銀行から三月に発表された資金循環統計の速報によると、去年の十二月末で前年比四・五%増の二千二十三兆円ですね、初めて二千兆円を突破して、これが七四半期連続、家計の金融資産が増えているということでした。これは、ある意味では、各個人さんがお金持ちになったというふうに受け止めてもいい結果かなと思うんですが、ニュースとか世の中の反応は結構微妙だったと私自身は受け止めています。

 今日の質疑では、この二千兆円にどれだけの可能性、逆に課題があるか、そして、国民の皆様の家計が、今後、家計の金融資産が、五年後、十年後にどういった形が目指されるべきなのかについてお話しさせていただければと考えています。

 私自身のバックグラウンドが、元々不動産のビジネスとか不動産ファンド、あとスタートアップの経営もしていましたので、完全に、このリスク、リターンの世界では、もうリスクを取ってリターンを追求するという、どちらかというと少しリスク寄りな、リスクを取りがちな生き方をしているんですが、極力中立的な質疑にしたいと考えております。

 そこで、最初の質問になるんですが、この家計の金融資産の状況、内訳、特にこの現預金の割合の水準、また、こういった水準に至った理由、さらに、それについての、政府としてどういった評価をされているか、さらに、このコロナ禍の直近二年間でやはり増加し続けていることについて、岡本財務副大臣より御見解をいただけますでしょうか。

岡本副大臣 先ほど赤木委員、御指摘をいただきましたように、日銀の資金循環統計によりますと、昨年二〇二一年十二月末の家計金融資産は二千二十三兆円ございまして、そのうち現預金は千九十二兆円と、半分以上を占めております。コロナ前の二年前と比較をいたしますと、家計金融資産は百三十三兆円増加をしておりまして、そのうち現預金は八十四兆円の増加となっております。

 現預金の増加の要因につきましては、一概には申し上げることはできませんが、新型コロナの感染拡大の影響で家計の消費が抑制をされたことに加えまして、支援を必要とする家計、企業等に、例えば給付金等の必要な資金を提供してきたことなどが挙げられるのではないかというふうに考えています。

 ちなみに、現預金以外では、株式、投資信託が三十九兆円増えておりまして、その背景には株価等が高値で推移したことがあるというふうに考えています。

赤木委員 そうですね、まさに、家計の金融資産が確かに増えていて、誤解を恐れずに言えばお金持ちになっているのに、やはりニュースでは必ずしも肯定的ではないのかなと受け止めております。逆に、所得若しくは給与が増えていないことと、ある意味、少ない根拠で結びつけられて、高齢者だけがお金持ちになっているように受け止められている可能性も少し懸念しております。

 そこで、質問となるんですが、この家計の金融資産の年代別の内訳がもし分かれば御説明いただきたいことと、あと、先に生まれた世代より後から生まれた世代の方たちが資産形成できる金融資産が少なくなるという、いわゆる負の世代間格差の発生についてどういった御見解を持たれているかということを、宗清内閣府大臣政務官よりお答えいただけますでしょうか。

宗清大臣政務官 お答えをさせていただきます。

 今先生御指摘の、年代別の保有金融商品の合計額に関するデータを見てみますと、年代が上がるに連れて平均保有額が多くなる傾向が見られまして、現状、退職後世代の方がより多くの金融資産を保有しているということは言えるというように思います。

 金融庁では、従前から貯蓄から資産形成という方針の下に家計の安定的な資産形成を後押ししているんですけれども、これは決して世代間格差を解消するためではなくて、昨今では、人生百年時代と言われるように、非常に長寿化、長生きになってきましたし、働き方を含む、人生が非常に多様化してきました。そして、社会環境が変化していること。こうした中で、各個人が生涯にわたって豊かな人生を送るために、老後だけではなくて、人生の様々なステージで必要となる資金を確保することが重要であるというふうに考えておりまして、各個人が安定的な資産形成に取り組んでいくことが重要であるというふうに考えています。

 こうした観点から、金融庁では、例えばNISA制度を設け、安定的な資産形成に取り組みやすい環境整備を行ってきました。

 先生の御指摘も踏まえながら、引き続き、幅広い国民が資産形成に取り組めるように、こうした制度の普及促進に努めてまいりたいと考えております。

赤木委員 そうですね、まさに、世代間格差の議論ではなく、そもそも金融資産の総額が増えればこういった問題は解消すると考えています、私個人も。

 ここで少し、海外との比較の中で議論したいんですけれども、家計の金融資産について、日本とアメリカ若しくはユーロエリアと比べた際の特徴といったようなものがもしあれば、これも同様に宗清政務官より御見解をいただけますでしょうか。

宗清大臣政務官 お答えをさせていただきます。

 金融庁にて一定の期間のデータを基に試算をさせていただきますと、過去二十一年間でマクロの家計金融資産は、米国では三・四倍、英国では二・三倍と伸びている一方で、日本では一・四倍にとどまっております。

 日本の家計金融資産の伸びが米国や英国と比べて低いということは、様々な原因があると考えられるんですけれども、投資による運用リターンの差も大きく影響しているのではないかというふうに考えております。

赤木委員 そうですね、まさに、ここ数年、株価が好調な時期においては、株式の割合が多いことは伸び率に直結すると私も理解しております。

 一方、このリスク、リターンというのはバランスしているので、逆にマーケットが逆転した場合というのは、悪化した場合、目減りする量も増えてくるので、正直ちょっとここは、私個人の見解になるんですが、高齢化を避けて通れない日本において、本当にリスク資産を増やすことが正しいかどうかというのは、すごく慎重に考えなければいけないなと思う一方、私、ベンチャー企業の経営者でもあった、これも一個人としては、金融資産が投資に向かって、新しいビジネス若しくは日本の国力を上げることにつながることも非常に重要とは考えております。

 そこで、岸田総理が、資産所得倍増プランとして、貯蓄から投資へのシフトを大胆に進めると発言されています。投資を重視されていると理解していますが、この貯蓄から投資へのシフトを大胆に進めるの中身について、鈴木金融担当大臣より御見解、御説明をいただけますでしょうか。

鈴木国務大臣 先ほど来、度々答弁をさせていただいておりますが、我が国の家計金融資産の半分以上が現預金であるということを踏まえますと、この現預金を投資へとシフトさせることによりまして、家計の金融資産を大きく拡大させるポテンシャルが我が国にはある、そのように思います。そして、こうした金融資産拡大が幅広い層に広がっていくこと、これが重要であると思います。

 新しい資本主義実行計画等は昨日閣議決定されたところでありまして、具体的な施策の内容につきましては、本年末までに総合的な資産所得倍増プランの策定をするということで、それに向けて今後議論をされていく予定であります。

 その中で、金融庁といたしましては、NISAの抜本的な拡充を含め、どのような施策を講じていくべきか、幅広い観点から、これから議論を進めていきたいと思っております。

赤木委員 ありがとうございます。まさにこの貯蓄から投資へに関しては、幾つかこれ以外の各論、懸念点等もありますので、少し私の時間が許す限り、更に深掘りした質疑をさせていただきます。

 貯蓄から投資に向かわない理由としてよく言われるのが、日本人がそもそもリスクを好まない気質が強いんじゃないかということを耳にしますが、私自身、どちらかというとリスクを好んで生きている人間なので、少し理解がそこはしづらいんですけれども、もっと言うと、日本の経済がそもそも低迷を続けてきたからこそ、日本企業への株式投資に向かわずにずっと現預金での運用若しくは貯蓄に向かったのではないかというふうに考えている方も実際にいらっしゃいます。

 そうですね、投資環境を整える、投資しやすい仕組みとかをつくるのも大事ではあるんですが、日本の景気をよくして、日本を魅力あるマーケットにすることも大事だと考えております。この点について、宗清政務官より、どういった御見解を持たれているか、お答えいただけますでしょうか。

宗清大臣政務官 お答えをさせていただきます。

 先生御指摘のように、日本の家計金融資産はその過半数が現預金でございまして、米国等と比較して、株式や投資信託などのリスク性資産の保有割合は低くなっていると思います。

 その理由としまして、市場、経済情勢の影響や家計のリスク回避傾向が強いことなど、様々な要因が考えられまして、一概に申し上げることは難しいと思いますけれども、リスク性資産の保有に積極的と見られているアメリカでも、かつては家計の株式や投資信託の保有比率は日本と同程度にとどまっていた時期もありまして、それで、アメリカにおきましては、家計の資産形成を支援する様々な政策的な対応を通じて、現在のような姿を実現したものであるというふうに思っております。

 我が国においても、現状、家計金融資産の半分以上を占める現預金を投資へとシフトさせることによって、家計の金融資産を大きく拡大させるポテンシャルがあると考えておりまして、金融庁といたしましても、昨日閣議決定された新しい資本主義実行計画等を踏まえながら、どのような施策を講じていくべきか、幅広い観点から検討をしてまいりたいと考えております。

赤木委員 そうですね、まさにアメリカはそういった形でどんどん貯蓄が投資に向かったと私も理解していますので、是非、そういった投資しやすい環境というものをつくっていただければと考えております。

 そうですね、そこで、家計資産の現預金が投資に向かったときに、ちょっと言い方というか、そこまで考えるのかと言われるかもしれないんですが、必ずしも国内の投資に向かうだけではないのかなと私は考えています。例えば、国内の株式ではなく、海外に魅力を感じて、例えば外貨建ての資産をどんどんどんどん投資していくということも十分想定されるとは思うんですが、その際は、いろいろな要因はあれども、円安になる可能性も十分あるかと考えております。

 そこで、質問となりますが、家計資産の現預金が外貨建ての資産の投資に向かった場合、こういった円安になる想定というか、そういったことは想定されているか、若しくはそういった場合にどういった対処法をされようとしているか、岡本副大臣より御見解をいただければと思います。

岡本副大臣 お答えいたします。

 簡潔に申し上げます。

 為替レートは、家計の投資行動のみならず、様々他の要因もあり市場において決定されるものですので、その変動の要因を一概に申し上げることは困難です。

 その上で、今委員御指摘いただいたような状況に仮になりましたときであっても、この為替政策につきましては、これまでG7等で合意された考え方、今日も委員会でも議論がありましたので言及は再びはいたしませんが、その考え方に基づきまして、米国等の通貨当局と緊密な意思疎通を図りつつ、政府として適切に対応してまいります。

赤木委員 非常に丁寧な御回答をいただき、ありがとうございました。私も十回以上質問していて、各委員の為替に関する質疑は聞いていて、なかなか具体的な回答はできないということは承知した上での質問でしたが、これは、学習していないわけではなくて、まさに貯蓄から投資に行った場合に、必ずしもコントロールを全てし切れるわけではなくて、そういった円安が起こってしまうようなことも是非想定していただきたいということの意図での質問でした。

 さらに、もう時間も迫っていますので最後の質問になりますが、貯蓄から投資にシフトした場合に、銀行の現預金が当然減る、もちろん現金も増えればいいんですけれども、銀行の現預金が減ることも想定されると思います。これは、言い換えると、国債に関連して言うと、実質的な国債の買手が減少する可能性も十分あるかなと私は考えております。

 なぜなら、家計が保有している国債はたしか一%ぐらいであり、銀行、生損保で三五%程度国債を保有しているので、こういったときに、貯蓄から投資にシフトした際に国債の受け手が減る可能性について、宗清政務官より御見解をいただけますでしょうか。

宗清大臣政務官 お答えをさせていただきます。

 先生御指摘の貯蓄から投資にシフトという考え方は、市場から見れば、銀行に代表されるような間接金融に偏重している資金を、直接金融や市場型間接金融を活用することによってより効率的に運用をしていくとともに、銀行等に過度に資金が集中することを回避することによって経済システム全体の適切なリスク分散を図るものでございまして、必ずしも国債を他の有価証券によって代替しようとするものではないというふうに考えております。

 また、貯蓄から投資への流れが更に加速して、金融資本市場において我が国の金融資産がより多く運用される状況になった場合も、国債は安全資産として引き続きポートフォリオの重要な一角を占めるということを考えれば、国債の消化と貯蓄から投資への流れは決して矛盾するものではないというように考えておりまして、金融庁としても、国債市場を始め様々な金融商品市場の動向を引き続き注視をしながら、資金の運用者及び調達者の双方にとってより効率的でかつ利便性の高い市場を構築していくことが重要であるというように考えております。

赤木委員 そうですね、まさに、直接各家計が国債を保有していく、そういう流れも当然あるとは思います。

 私自身、今回、本日の質疑の結論としては、まさに、貯蓄から投資にシフトした際のいろいろな課題は、日本の景気がよくなって日本にもっとどんどん投資していこうという魅力的な国になれば、かなりの、大部分の課題が解決すると考えております。是非、日本の景気をよくすることというのがこの貯蓄から投資へのシフトの大前提になるということを考えていただいて、進めていただければと考えております。

 以上、私の時間も来たようですので、本日の質問を終了させていただきます。

 ありがとうございました。

薗浦委員長 次に、岸本周平君。

岸本委員 岸本周平でございます。

 本日は、一般質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。

 今日は、昨日閣議決定をされました骨太の方針について、まずもって御質問したいと思います。

 今年の骨太の方針では、昨年までは明記されました、いわゆる二〇二五年度にプライマリーバランスを確保するという財政再建目標堅持の記述が消えております。ただ、政府としては目標そのものは変えていないんだという御説明でありまして。

 その閣議決定の文書を読ませていただきますと、「財政健全化の「旗」を下ろさず、これまでの財政健全化目標に取り組む。経済あっての財政であり、現行の目標年度により、状況に応じたマクロ経済政策の選択肢が歪められてはならない。」いろいろ書いてありますけれども、「状況に応じ必要な検証を行っていく。」ということが書いてありまして、これ、何を言っているのかよく分かりません。どっちなんでしょうかということですよね。

 私自身は、この委員会でも質問してまいりましたけれども、二〇二五年にプライマリーバランスが黒字化することを目標にすることは合理的でないという、そんな名目三%のバラ色の成長で解決するというようなことはないので、その目標はおかしい、もっと現実的な目標にすべきであるということを言ってきた立場の人間なんですけれども、この文章は、私も、霞が関におりましたので、こういう作文、いろいろやってきましたけれども、官僚作文としても、これはいかがなものかと。

 私、これを読みましたときに思い出しましたのは、当時、大東亜戦争に向かうときの日本政府の国防方針を決めるとき、その後、太平洋戦争という言い方にもなっていますけれども、和平への道というのはあるわけですけれども、戦うとした場合に北進するのか、南進するのか、当時の国力から両方はあり得ない。しかし、いろいろな議論の中で北進と南進が両論併記された歴史をつい思い起こしてしまいました。

 どっちなんやねんということは、ここからはなかなか、両方書いてあるということなんですね。一方で、二〇二五年、プライマリーバランスを回復するというおよそ非現実的な目標は変わっていないんだけれども、文章として、財政再建の旗は降ろさないと言っていますが、その目標年度についてはなぜか文章から落ちているということなんですけれども、財政規律として、財務大臣として、これは一体どういうことなのか、是非御説明を賜りたいと思います。

鈴木国務大臣 骨太の方針、昨日閣議決定されたわけでありますが、これが閣議決定されるまでの間、与党内等また政府部内等においていろいろな議論がなされまして、最終的にこの形になったわけでございますが、私どもといたしましては、財政健全化の旗は降ろさず、これまでの財政健全化目標に取り組むというのが基本でありまして、財政健全化に取り組む姿勢、これはいささかも変更がないという立場でございます。

岸本委員 だったら、「現行の目標年度により、状況に応じたマクロ経済政策の選択肢が歪められてはならない。」というのは何なんだろうかという思いもいたします。何か言い訳が書いてあるわけですね。

 そして、現実に、実は、安倍内閣、菅内閣の間は歳出歳入の改革の議論が行われず、もちろん決定も行われていないんです。

 この間行われていたことは何かというと、実は、小泉政権の時代に大変な議論をされて、年金百年安心プラン、これは二〇〇四年に決定されています。そのときに何をしたかというと、年金の保険料を上げていきましょうという国民にとって負担を伴う決定がされて、二〇一八年まで着々と、少しずつ年金の保険料を上げていくことをそのとき決定して、その実行はされましたけれども、それが一つ。

 もう一つは、野田内閣のときに、三党合意です。自民党、公明党、当時の民主党と三党合意で行われた税と社会保障の一体改革で、消費税を上げていくと。これは何回か延期されましたけれども、行われました。

 しかし、この決定はそれ以前の決定なんです。安倍内閣、菅内閣では、この歳出歳入の改革については議論も決定もされていないということであります。

 そして、今回、防衛費を充実させる。いろいろな歳出についてのバラ色のお話もあります。しかし、経常経費を増やすのであれば、必ずこれは財源の議論が必要です。唯一、この骨太の中でグリーンボンドという、グリーンについての歳出についてはグリーンボンドを発行するという意味で、これは、つなぎの債券を発行して、しかし、これは受益者からいずれ回収するというようなたてつけなんだろうと思いますけれども、唯一それぐらいでして、あとは、財源の話は全く触れられていないわけであります。私も防衛費の充実は必要だと思います。しかし、防衛費は借金でやるわけにはいきません、これは。

 そういう財源の話、財政改革の話がおよそ、今増税しろと言っているのではありません、毎回言うように。そういう根っこの議論が何か、たがが外れて、行われていないということについて、大変私は残念に思います。せめてこの財務金融委員会では、所属会派を超えて委員間の討議でもして、きちんと将来の財政の在り方についてフリーディスカッションするような場を是非設けていただきたいと思うわけであります。

 先ほどの骨太の方に戻りますけれども、是非財政再建の旗は降ろしていただきたくないんですが、一方で、これ、本当に二〇二五年に黒字化するという目標は変えていないとおっしゃるんですけれども、これは無理ですよね、大臣。

 第一生命保険研究所の推計では、名目三%の成長をしても、大胆な歳出削減がなければ、PBの、プライマリーバランスの黒字化は二〇三一年度で目いっぱいだという推計も出ています。二〇二五じゃないです、二〇三一です。しかも、名目三%の成長というのは、この十五年間で一回しかやっていないですよね。それは、ほとんど名目三%の成長なんてやったことがないわけなんです、この日本は。潜在成長率ゼロなんですから、今。

 いわゆるイールドカーブの政策によって国債の金利がマイナスになっていて、幾らでも国債が発行できる、日銀が引き取る。その中で、生産性の低い企業ですら生き延びてこられるから、生産性が上がらない。生産性が上がらないから、賃金が上がらない。こういうことが起きていることも事実でありますし、何より、アベノミクスが目標とした二〇二〇年度の名目GDPは六百兆円、掲げておられました。バラ色の成長率を前提に、いろいろな推計が行われて、いまだにそれがプライマリーバランス二〇二五年達成の前提になっているんです。

 二〇二〇年度のGDPの実績は幾らだったでしょうか。五百三十兆円台です。もちろん、いろいろなことがありましたけれども、仮にコロナがなくて、トレンドで延ばしても、五百六十兆円が目いっぱい。六百兆円なんてできなかったんです。バラ色の将来を見通しても、なかなか実現できない。実際、IMFの対日経済審査、今年行われましたけれども、成長実現コースなんか無理ですよ、ベースラインケースですら楽観的に過ぎるとIMFに指摘をされているわけであります。

 ですから、二〇二五年度プライマリーバランスということにこだわることが、かえって財政規律をゆがめているのではないかと思うんですが、大臣、いかがですか。

鈴木国務大臣 岸本先生から大変厳しい御指摘があったわけでございますが、本年の一月に経済財政諮問会議に提出されました中間試算、その中間試算に基づきまして、現時点で目標年度、二〇二五年度でありますが、これの変更が求められる状況ではないと確認をしたわけでございます。

 そして、確かに、先生が御指摘のとおり、この試算の前提といたします経済成長率、これは過去の成長率の実績と比較いたしますと高いケースが用いられていること、これはもう御指摘のとおりでございます。

 私どもといたしましては、だからこそ、将来の成長に向けた重点的な投資を行って、成長と分配の好循環の実現を目指して、そうした経済成長率を実現をしていくこと、それとともに、様々な経費の合理化、効率化に努める、歳出歳入両面の改革をきちっと継続していくこと、これが必要であると考えまして、財務省として、経済再生と財政健全化の両立にしっかりと取り組んでいきたい、そういうふうに考えているところでございます。

岸本委員 別に、私、厳しいことを申し上げているわけではなくて、今おっしゃいました、じゃ、歳出歳入改革の具体的な議論をこれまで、安倍内閣、菅内閣ではしてこなかったではありませんかということです。岸田内閣でも、今日までには、それは行われていないわけです。

 そして、今回の骨太の方針のいろいろな文章を読ませていただきましたけれども、これはもう十年前、場合によったら二十年前、日本政府が言っていたことの焼き直しのようなことがたくさん並んでいますですよね。具体的に実現されてこなかったわけです。アベノミクスだって、骨太の方針も、最初の方の文章はアベノミクスと同じですよね、機動的な財政政策と、金融政策と、成長政策と。成長政策を、じゃ、この八年間やってきて、潜在成長率はゼロなんです、ゼロ近辺なんですね。それが、じゃ、今年、来年、新しい資本主義と言ったから、魔法のつえのように、シンデレラが、カボチャが馬車になるようなことが本当にできるんでしょうかということを国民は薄々感じているんだろうと思いますね。だから、生活防衛に走らざるを得ないということなんだろうと思います。

 そして、内閣府なり財務省が今答弁されたようなポジションを取られることは、これも理解はできます、政府なんですから。政府経済成長の目標、毎年出しますよね。政府経済見通しというのは、見通しと書いていますけれども、これはやはり目標なんですよ。これだけの予算を使ってこれだけの政策をすれば、こういうようになりますよと、これは、ある意味、行政を預かる政府はそういうのを言う立場でありましょう。そこは分かります。

 だからこそ、諸外国では、特にこの十年ぐらい、独立の財政機関がOECDでも過半数の国でつくられています。アメリカのように、議会の予算局、一九七〇年代からできているような国もありますけれども、割と比較的、OECD、最近なんです、独立の財政機関をつくり始めた。イギリスやドイツのように政府の中につくっているものもあります。任免なんかの仕方で、議会がチェックするという形で独立性を保たせるイギリスやドイツのような政府部内、アメリカのように議会の中に独立の財政機関をつくっているというところがあります。

 こういうところもそれぞれ少しずつ性質は違いますけれども、政府としては、どうしても甘い推計になって、バラ色の見通しで、五年後には財政再建できますと言う傾向があるので、そうではなくて、独立の財政機関が、非常に保守的な控えめの成長率なりを前提に中長期の財政見通しを出す、あるいは政府が出している中長期的な財政見通しをチェックするというようなことが行われているわけであります。

 これは、国によって、制度によって、議院内閣制なのか、大統領制なのか、いろいろ違いますよということは、ここの場で大臣とも議論をさせていただきました。しかし、そろそろ、財務省として、あるいは経済を所管する内閣府としての立場とは別の独立の財政機関をつくってチェックをするということについて、真剣に考えていただく時期が来たのではないかというふうに私は考えます。今年の骨太の方針の文章を読んで、ますますその感を強めました。

 イギリスとドイツは、政府の中ですので、規模もそんなに大きくないです。イギリスですと職員数が三十名ぐらい、ドイツはもう本当に小さな委員会なんですけれども、やはりアメリカの議会予算局は、職員だけでも二百六十名近くいらっしゃいますし、年間の予算だって五十億円という大変大きな規模でチェックしているわけですけれども。

 どうでしょうか、大臣、財務省のお立場として、財政は俺たちがやるんだというのは分かりますけれども、しかし、一方で、バラ色の絵も描かなきゃいけない政治的な立場、議院内閣制ですから、やはり財政機関を、財務省から独立のをつくったらどうかというふうにお考えいただくことはできませんでしょうか。

鈴木国務大臣 政府から独立した財政機関をつくるべきであるという御指摘、岸本先生からこの委員会でも以前も御指摘をいただいたところでございますが、我が国では、経済財政諮問会議におきまして、専門的、中立的な知見を有する外部の有識者なども参画する下で経済財政運営について議論を行っておりまして、こうした今ある体制で引き続き適切に政策運営を行っていくものと考えております。

 重要なことは、そうした手段ではなく、経済財政運営の方針について、専門的、中立的な知見も含め、様々な観点から検討を重ねることであり、その上で決定した方針に従い、政府一丸となって経済再生と財政健全化の両立に取り組むことである、そのように考えております。

岸本委員 大変残念であります。

 そして、最後に、これも毎回申し上げているところですけれども、今回のコロナ対策、予備費の使い方については苦言を呈したいと思いますけれども、ある程度必要やむを得なかったコロナ対策の費用も何十兆円という残高になっています。借金です、これ。そして、今回も、原油価格、物価高騰対策で予算が使われます。これも財源は借金です。

 今は仕方ないですけれども、これを無造作に、野方図に、何でもかんでも借金にして、その財源についての議論をしないというのは、もうここで勘弁していただけないでしょうか。少なくとも、我々が十年前にやった東日本大震災の特別税のような形で、未来の子供たちの世代には、今、私たちが対策を行ったツケは回さないという意味の財源について、是非議論を、せめて議論でも、あるいは議論をする場でもつくっていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

鈴木国務大臣 国民の命や暮らしを守るために、危機に必要な財政出動、これはもう、ちゅうちょなく行わなければならないと考えております。一方におきまして、我が国においては、新型コロナについて、これまでにない巨額の補正予算等により対応してきたところでありまして、それにより、足下の財政状況がより一層厳しさを増していること、これは事実であります。

 財政は国の信頼の礎でありますので、財政健全化の旗はしっかりと掲げ続けなければならないと思います。今後、まずは新型コロナの危機を乗り越えまして、経済を立て直し、財政健全化に向けて取り組んでいかなければならないと思います。

 岸本先生御指摘の、コロナ対応の財源確保につきましては、こうした方針を踏まえて検討をする必要があると考えます。

岸本委員 ありがとうございます。

 是非検討をお願いして、質問を終わります。

 御清聴ありがとうございました。

薗浦委員長 次に、田村貴昭君。

田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。

 日本銀行の黒田総裁が、六日、家計の値上げ許容度も高まっていると発言したことは、物価高に苦しむ国民感情を逆なでする許し難い発言だと言わなければなりません。

 午前中、日本銀行の視察とそして懇談の際に、私も総裁に直接申したところでありますけれども、国民は、総裁が述べた、自主的にも、あるいは苦渋の選択肢としてやむを得ずとしても、値上げを納得はしていません。耐えられない値上げであります。この瞬間、死活問題に陥っている国民、業者さんもおられるわけであります。黒田総裁は先ほど発言を撤回したわけでありますけれども、こうした発言が飛び出すこと自体、政府も、日銀も、国民生活が見えているのかと言わなければなりません。民のかまどに煙が立っているかどうか、ちゃんと見ていないと言わなければならない。異常円安、そして物価高騰に実効ある対策を打つことを強く求めていきたいと思います。

 それでは、防衛費に対する財務省の考え方について質問をします。

 お配りしている資料の一は、四月二十日に開催された財政制度審議会歳出改革部会に提出された防衛に関する財務省の資料であります。防衛関係予算についてとして、赤字で強調してあります。中期防衛計画に基づき予算を編成し一貫して増加、他の経費を削減、効率化することで手厚い増額を確保と書いてあります。一貫して増加、他の経費を削減することで手厚い増額を確保。

 鈴木大臣に伺います。

 防衛費というのは、財務省にとって特別扱いですか。聖域なんでしょうか。この意味について説明をしていただきたいと思います。

鈴木国務大臣 これまで、骨太方針を踏まえまして、防衛費を含め、非社会保障関係費につきまして、歳出改革の取組を継続してまいりました。その中で、防衛費については、中期防衛力整備計画におきまして複数年度にわたる金額のめどが定められておりまして、これに基づき毎年度の当初予算において所要額を計上しております。

 防衛費は、この計画に基づきまして、毎年の予算編成の結果として継続的かつ安定的に増額を確保してきたところでありますが、田村先生御指摘のような特別扱いをしてきたわけではありません。

田村(貴)委員 財務省発行の「日本の財政関係資料」というのには、次のように述べられています。

 国の財政は歳出が税収を上回る状況が続いている。その差を建設公債、特別公債の借金によって賄っている。税収やその他の収入では、歳出全体の約三分の二しか賄えていない。

 こうした財政状況の下で更に防衛予算を増やすということになれば、更に先ほど述べた他の経費を削減、効率化することにほかなりません。そうしたやり方を続けていくんですかね。

 岸田首相は、五月二十三日の日米首脳会談で、防衛費の相当な増額を述べました。昨日閣議決定された経済財政運営と改革の基本方針、骨太の方針では、防衛力を五年以内に抜本的に強化するという文言が新たに盛り込まれました。また、財政については、重要政策の選択肢を狭めないと記述されました。

 大臣、防衛予算は増額ありきで論議をされていくんですか。

鈴木国務大臣 防衛費につきましては、まず行うべきことは、国民の命や暮らしを守るために何が必要なのか具体的かつ現実的に議論をし、積み上げていくことでありまして、その結果、必要となるものの裏づけとなる予算をしっかり確保していく、そのことが重要であると考えております。

 こうした考え方の下に、防衛力強化を裏づける防衛費の規模につきましては、新たな国家安全保障戦略等の策定や今後の予算編成過程において、防衛力強化の内容や財源の在り方とともに一体的に検討していくこと、これが重要であると考えております。

田村(貴)委員 増額ありきで議論をしていきますかと聞いているんですけれども、次の問いでお答えいただきたいと思います。

 財務省は、二〇二二年度から二〇二四年度までの三年間について歳出改革努力を継続するとし、予算編成の方針の一つとして次の点を掲げています。一般歳出のうち非社会保障関係費については、経済、物価動向等を踏まえつつ、これまでの歳出改革の取組を継続する。この非社会保障関係費についてはこれまでの歳出改革の取組を継続するというのは、これは防衛費も例外としない、そういう理解でよろしいでしょうか。

 それと、先ほど言った、増額ありきで議論するのかということについての結論をお願いします。

鈴木国務大臣 骨太方針におきまして、非社会保障関係費につきまして、これまでの歳出改革の取組を継続したところでありますが、田村先生御指摘のとおり、その中で、防衛費も非社会保障関係費の一つであり、歳出改革の例外とはしてきておりません。

 昨日決定をいたしました骨太方針二〇二二におきましても財政健全化に取り組む姿勢に変更はなく、その上で、重要な施策の選択肢を狭めることがないよう、年末の予算編成等に対応していくこととしております。

 こうした考え方の下、防衛分野について、新たな国家安全保障戦略等の策定や今後の予算編成過程におきまして、防衛力強化の内容、防衛費の規模、裏づけとなる財源の在り方、これを一体的に検討していくことになると考えてございます。

 そして、初めに額ありきということではなくて、こうしたことで積み上げていくということになるんだと思います。

田村(貴)委員 防衛費の増額を国債で対応すべきとの声も上がっています。

 資料二は、同じく財政審歳出改革部会での資料なんですけれども、この右側の記述、「第二次世界大戦に関する財政状況について」というところに私は注目しました。戦時中の臨時軍事費特会の公債発行額、借入金額の合計が千四百九十八億円に達したこと、そして、歯止めなき公債発行は国民の資産を毀損した、こういうふうに述べているわけであります。

 軍事公債の膨張が国民資産を毀損した、これは戦争の教訓として取り上げたと私は受け止めましたけれども、大臣、これは重要な教訓ですよね。あえて戦時中の軍事特会の公債を掲載した意味について説明をしていただけますか。

鈴木国務大臣 御指摘の資料でありますが、これは財政制度等審議会における議論の参考といたしまして、第二次世界大戦当時の臨時軍事費特別会計の公債発行額、借入金額の推移や、戦前から戦後までの債務残高と物価の推移をお示ししたものであります。

 その上で、当時の歯止めなき公債発行等が結果的にハイパーインフレーションの発生や新円切替え、財産税の創設などにつながり、現預金等の国民資産の価値の毀損を引き起こしたという歴史的事実を紹介しているものであると認識をいたしております。

 防衛費をめぐって国民の関心が高まっている中、過去のこうした事実があったことも忘れることなく、国民的な議論をしっかりと積み重ねることが重要であると考えているところでございます。

田村(貴)委員 果てしない軍備拡大、借金を重ねた先にあったのは戦争による破局と悲劇しかなかった、あの過ちを二度と繰り返してはならない、決して忘れてはならないという教訓であります。

 鈴木大臣は、五月三十一日の会見で、プライマリーバランスの黒字化、債務残高対GDP比の安定的な引下げを目指して経済財政運営を進めていくことが重要と述べられました。

 そうであるならば、他の経費を削減、効率化することで手厚い増額を確保してきた防衛予算の拡大を更に借金をしてまで賄っていくということは、これは到底できないと考えますけれども、いかがですか。

鈴木国務大臣 先ほどの答弁の繰り返しになる部分がございますが、防衛力強化を裏づける防衛費の規模につきましては、新たな国家安全保障戦略等の策定や今後の予算編成過程において、防衛力強化の内容や財源の在り方とともに一体的に検討する、このことが重要でありまして、財源のみを切り出して議論するのは適切ではないのではないかと思っております。

田村(貴)委員 そして、GDP比二%の防衛費の論議があっていますけれども、二%といいますと十一兆二千億円ですよ。際限のない軍備拡大は国の財政を破綻させます。国民の暮らし、経済活動を犠牲にします。そして、軍事リスクを拡大することにもつながります。戦争を起こさないためには、憲法九条を生かした外交に知恵と力を尽くすことこそが政治の役割でありませんか。無謀ともいうべき軍拡議論に財務省はくみすることがないよう強く求めて、次に移ります。

 インボイスについて質問します。

 元請企業から下請企業、納入業者に対して、インボイスの発行事業者登録を促す意向調査が始まっています。

 例えば建設業です。ある元請会社は、一人親方に対して、次のようなお知らせ文書を送っていました。現在、請求書にて消費税充当分としてお支払いしてきました一万五千円については、本年三月三十一日をもって終了させていただきます、ただし、現在始まっております国税庁の適格事業者登録申請書、インボイス制度をされた方のみ、継続してお支払いさせていただきます。また、全国展開しているリフォーム会社は、インボイス登録ができない施工店様とは今後のおつき合いを検討せざるを得ないと書いた依頼文書を取引業者に送っています。どちらも、課税業者にならなければ契約金額が減らされると読める内容です。

 フリーランスにしても、各業界においても、類似の意向調査が今行われています。

 私、公正取引委員会に確認しましたけれども、意向調査自体は独占禁止法の優越的地位の濫用には当たらないとの回答でありました。すなわち、法律で下請業者は守ることができないということです。

 そこで、お尋ねします。

 意向調査を受けた免税業者の可処分所得は、課税業者になったとしても、免税業者のままであったとしても、契約金額はそのままならば減らざるを得ません。大臣は、インボイスの制度実施によってこうした影響が生じることを認識されておられますか。

鈴木国務大臣 そうした意向調査が行われているということは私も聞きまして承知をしたところでございますが、事業者が取引先の免税業者に対しましてインボイス発行事業者になるよう要請をするということ自体、それは独占禁止法上で直ちには問題となるものではありませんけれども、それにとどまらず、課税事業者にならなければ取引価格を引き下げるとか、それにも応じなければ取引を打ち切るなどと一方的に通告するといった行為、これは独占禁止法又は下請法上問題となるおそれがあると承知をしております。

 また、発注者の要請に応じ課税事業者となる場合に、価格交渉の場において明示的な協議なしに価格を据え置く場合、これも同様でありまして、こうしたことにつきましては、本年一月に公表した独占禁止法や下請法等のQアンドAにおきまして明らかにしているところでございます。

 さらに、免税事業者を始めとした事業者の取引環境の整備については、下請かけこみ寺や駆け込みホットラインで相談対応を行う、下請Gメンや書面調査による状況把握や発注者側への牽制を行うといった各種の取組を関係省庁で連携して行ってまいります。

 今後とも、制度の円滑な移行に向けて、関係省庁で連携をしながら、制度の周知、広報を始めとして、こうした取組などを丁寧に進めてまいりたいと考えております。

田村(貴)委員 大臣、そうおっしゃいますけれども、もうこれは契約解除、それから一方的打切りが起こってまいりますよ。これがインボイス制度の中身だからであります。

 インボイス制度で課税業者を選択する免税業者が納める消費税額は二千四百八十億円程度、これにフリーランスなど一千万事業者以上が課税業者への転換が迫られるとするならば、もっと大きな税収となって免税業者の可処分所得を奪うことになります。

 岸田政権挙げて賃上げを推進するのではないんですか。昨日の骨太の方針、決定されましたけれども、「働く人への分配を強化する賃上げを推進する」と言っているじゃありませんか。言っていることとやっていることが逆行していますよ。

 学校給食でも、インボイス制度に伴う意向調査が行われています。これは九州のある自治体での、学校給食協会が納入業者に対して次の内容の手紙を送っています。

 当協会は、課税事業者であるため、学校給食用物資納入業者が適格請求書発行業者でないと仕入れ税額控除ができなくなり、その分の負担が増えるということになります。したがって、当協会としては、学校給食用物資納入業者の皆様へ適格請求書発行事業者への登録をお願いしたいと考えております。

 これは、地産地消、食育の学校の現場で、農家とか小さな業者の方が真心込めて作った食材、食品を納めている、ここがこのインボイス制度によって除外されてしまう、こんなことになっていいんですか。

 意向調査は元請だけではありません。国税庁もやっていますよね。最近、中小企業や個人事業主に税務署から封筒が届いています。資料三を御覧いただきたいと思います。

 消費税のインボイス制度に関するお知らせとして、登録申請手続はお済みですか、手続は電子申請、e―Taxでお早めに、この機会に是非登録申請を。これは、登録を何度も呼びかける内容になっています。免税業者にも送られています。

 どういう目的でこれを行っているんですか。誰に送っているのか。全国でどれだけの事業者に送っているのか。お答えいただきたいと思います。

重藤政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘のございましたお知らせにつきましては、令和五年十月から開始いたしますインボイス制度の周知、広報の一環として、過去に消費税の申告を行っている方、具体的には、令和二年分の消費税の申告を行った個人事業主、全国で百十二万人ほどおられるわけですが、それらの中で、税理士の関与がない方など、約三十二万人の個人事業者を対象としてお送りしているものでございます。

 制度の開始に向けまして、早めの準備をしていただけるよう、税務署主催の説明会などを御案内するために、本年五月下旬に送付したものでございます。

田村(貴)委員 さらりとお答えになりましたけれども、突然、国税庁と書かれた文書が、「重要」として封書が送られてきたら、みんな驚きますよ。全ての納税者が登録しないといけないと勘違いするような書き方になっていますよね。そもそも、登録番号を取得することが消費税の課税業者になるということは書かれていません。誤解を招く文書を配付するのはやめるべきではありませんか。

 大臣にお伺いします。

 制度の説明もしないで登録を呼びかける。無責任ですよ。大臣、正してください。

 財務省の担当者の方は、ある職域組合の質問にこういうふうに答えています。これは新聞で見ました。何の検討もなく登録申請するのでなく、消費税の負担について検討や交渉を行う必要がある、元請に言われたからといって、課税事業者になると慌てて判断しない方がいいでしょう。

 ここ、大事ですよね。どういう利害が生じてくるのか、特に免税業者にとって。それを説明しないで登録を呼びかけるだけなんというのは、これは本当に言語道断のやり方です。そういう立場を一方で取っているんだったら、それをちゃんと説明したらどうですか。

 大臣、国税庁のこの手紙のやり方、一方的な登録の呼びかけ方、おかしいと思いませんか。是正してください。

鈴木国務大臣 先ほど国税庁からお答えしましたとおり、消費税のインボイス制度に関するお知らせは、先ほど答弁をさせていただいた趣旨で行わせたものでございます。

 いずれにいたしましても、来年十月の導入ということが法律で決まってございますが、それまでに、様々な面において十分な周知、そしてQアンドA等によるしっかりとしたお答え、そうしたものを更に進めてまいりたいと考えております。

田村(貴)委員 何の情報も提供せず、ただ登録を推奨するのは、業者の置かれた立場、利害を顧みないやり方だと言わざるを得ません。

 いよいよインボイス制度は、その内容においても、そして導入に当たってのやり方についても問題だらけとなっていることを指摘せざるを得ません。

 インボイスの中止を求めて、今日の質問を終わります。

薗浦委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時八分散会


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