第6号 令和8年4月10日(金曜日)
令和八年四月十日(金曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 武村 展英君
理事 高村 正大君 理事 中川 貴元君
理事 中西 健治君 理事 宗清 皇一君
理事 若林 健太君 理事 伊佐 進一君
理事 萩原 佳君 理事 田中 健君
浅田眞澄美君 東 国幹君
石井 拓君 稲葉 大輔君
井林 辰憲君 岩崎 比菜君
上原 正裕君 鹿嶋 祐介君
加藤 勝信君 田中 昌史君
棚橋 泰文君 長澤 興祐君
新田 章文君 藤丸 敏君
松本 泉君 三反園 訓君
森原紀代子君 吉田 真次君
米内 紘正君 渡辺 勝幸君
大島 敦君 大森江里子君
岡本 三成君 一谷勇一郎君
近藤 雅彦君 牧野 俊一君
峰島 侑也君 河村たかし君
…………………………………
財務大臣
国務大臣
(金融担当) 片山さつき君
内閣府副大臣 岩田 和親君
財務副大臣 中谷 真一君
内閣府大臣政務官 金子 容三君
財務大臣政務官 三反園 訓君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 中澤 信吾君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 茂呂 賢吾君
政府参考人
(金融庁総合政策局長) 堀本 善雄君
政府参考人
(金融庁総合政策局総括審議官) 柳瀬 護君
政府参考人
(金融庁総合政策局政策立案総括審議官) 尾崎 有君
政府参考人
(金融庁総合政策局審議官) 岡田 大君
政府参考人
(金融庁企画市場局長) 井上 俊剛君
政府参考人
(金融庁監督局長) 石田 晋也君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 橋本憲次郎君
政府参考人
(財務省主税局長) 青木 孝徳君
政府参考人
(財務省理財局長) 井口 裕之君
政府参考人
(財務省国際局長) 緒方健太郎君
政府参考人
(資源エネルギー庁資源・燃料部長) 和久田 肇君
参考人
(日本銀行副総裁) 氷見野良三君
財務金融委員会専門員 二階堂 豊君
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委員の異動
三月三十日
辞任 補欠選任
福原 淳嗣君 棚橋 泰文君
四月十日
辞任 補欠選任
三原 朝利君 田中 昌史君
同日
辞任 補欠選任
田中 昌史君 東 国幹君
同日
辞任 補欠選任
東 国幹君 吉田 真次君
同日
辞任 補欠選任
吉田 真次君 三原 朝利君
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四月九日
金融機能の強化のための特別措置に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第七号)
三月三十一日
インボイス制度廃止と負担を軽減する二割特例・八割控除の継続に関する請願(田村智子君紹介)(第一七八号)
同(塩川鉄也君紹介)(第二三八号)
同(辰巳孝太郎君紹介)(第二三九号)
同(田村智子君紹介)(第二四〇号)
同(畑野君枝君紹介)(第二四一号)
消費税率五%以下への引下げとインボイス制度の廃止に関する請願(田村智子君紹介)
(第一七九号)
同(塩川鉄也君紹介)(第二四二号)
同(辰巳孝太郎君紹介)(第二四三号)
同(田村智子君紹介)(第二四四号)
同(橋本幹彦君紹介)(第二四五号)
同(畑野君枝君紹介)(第二四六号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
金融機能の強化のための特別措置に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出第七号)
金融に関する件(破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告)
財政及び金融に関する件
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○武村委員長 これより会議を開きます。
金融に関する件について調査を進めます。
去る令和七年六月二十四日及び十二月十二日、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条の規定に基づき、それぞれ国会に提出されました破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告につきまして、概要の説明を求めます。金融担当大臣片山さつき君。
○片山国務大臣 令和七年六月二十四日及び令和七年十二月十二日に、金融機能の再生のための緊急措置に関する法律第五条に基づき、破綻金融機関の処理のために講じた措置の内容等に関する報告書を国会に提出いたしました。
報告対象期間は、通算して、令和六年十月一日以降令和七年九月三十日までとなっております。
御審議に先立ちまして、その概要を御説明申し上げます。
まず、今回の報告対象期間中に、金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分は行われておりません。
次に、預金保険機構による資金援助のうち、救済金融機関等に対する金銭の贈与は、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で十九兆三百十九億円となっております。
また、預金保険機構による破綻金融機関等からの資産の買取りは、今回の報告対象期間中にはなく、これまでの累計で六兆五千百九十二億円となっております。
なお、預金保険機構の政府保証付借入れ等の残高は、令和七年九月三十日現在、各勘定合計で三千四百四十五億円となっております。
ただいま概要を御説明申し上げましたとおり、破綻金融機関の処理等に関しては、これまでも適時適切に所要の措置を講じることに努めてきたところであります。
金融庁といたしましては、今後とも、各金融機関の健全性にも配慮しつつ、金融システムの安定確保に向けて万全を期してまいる所存でございます。
御審議のほどよろしくお願い申し上げます。
○武村委員長 これにて概要の説明は終わりました。
――――◇―――――
○武村委員長 次に、財政及び金融に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
両件調査のため、本日、参考人として日本銀行副総裁氷見野良三君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣府大臣官房審議官中澤信吾君外十二名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○武村委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。中川貴元君。
○中川(貴)委員 おはようございます。自由民主党の中川貴元でございます。
今日は、こうして質問をさせていただく機会をいただきまして、ありがとうございます。
早速でありますが、片山さつき大臣に質問させていただきたいと思います。
まず、国民生活並びに経済活動を守る決意についてお尋ねをしたいと思っています。
令和八年度の予算が先般成立をしたところであります。一方では、今朝の新聞報道等にもありましたが、ホルムズ海峡が再び封鎖ということもあります。一方で、高市総理におかれましては、石油供給については年を越えて確保できるめどがついた、こうもおっしゃっていただいておりまして、ある一定、国民の皆さんも安心をしていらっしゃると思いますし、今ここで余り右往左往するのもどうかとは思いますが、ただ一方で、予断を許さない、そういう状況であることも間違いないと思います。
そういう中で、国民生活や経済活動に影響を及ぼさないように、必要に応じて、令和八年度予備費の活用ですとか、あるいは補正予算の編成を含めて、政府として万全の対応を取っていく必要があると思いますが、まずは大臣の見解を伺いたいと思います。
○片山国務大臣 中東情勢を受けまして、足下で原油価格が一度、暫定的なシーズファイアということでかなり下がったんですが、また足下は上がってきたりしておりまして、政府といたしましては、緊急的な激変緩和措置を三月の十九日から実施しておりまして、三月の二十四日には、前年度の予備費から約八千億円を措置して、元々の基金と合わせて一兆円超、基金が確保できている状況にあるなど、皆様の暮らしと命に影響が生じないように既に様々な支援策を講じてきてはおります。
その上でですが、おっしゃったように、現時点で中東情勢の影響というのは、予断できないというか、予断が非常に困難でございます。必要が生じれば、七日に成立させていただいた令和八年度予算の予備費が一兆円ございますから、これも活用ができますので、再三、総理も私もいろいろなところで申し上げておりますように、現時点で補正予算の編成が必要な状況とは考えておりませんが、引き続き、中東情勢が経済に与える影響を十分に注視しつつ、状況に応じて必要な対応を図ってまいりたいし、そのようにきっちり、臨機応変で、漏れなく対応してまいりたいと思っております。
○中川(貴)委員 ありがとうございます。
これから予断を許さない状況が続くと思いますし、案外、この中東情勢、長引くかもしれません。そういう中において、エネルギーの価格あるいは為替、様々な必要な決断が迫られる状況もあろうかと思いますので、大臣におかれましては、多くの国民が大臣を信頼していらっしゃると思いますので、その辺のかじ取りを是非よろしくお願いをしたいなと思っています。
それから、続きましては、本年の一月五日でありましたが、東京証券取引所の大発会で片山大臣は、今年を、デジタル元年、こう力強く位置づけられたわけであります。デジタルを使った金融が日本経済や地方経済にもたらす効果ですとか、あるいはその道筋、この辺りについてお尋ねをしていきたいと思っています。
金融DXは、単なる業務効率化の域を超えて、国際的な金融エコシステムにおける日本の競争力あるいは信頼を維持するための必須事項だと思っています。特に、オンチェーン金融やトークン化預金といった新技術の進展に我が国の法制度やインフラが迅速かつ柔軟に対応できるか否か、このことが今後の世界的信認を分ける鍵だとも思います。当然、金融DXは、地域の金融機関にとっても非常に重要だと思います。この金融DXの流れをいかにして日本の信頼ある法制度と結びつけ、かつ地域金融の隅々にまでその恩恵を行き渡らせるか、ここが大切なところだと思っています。
そこで、まず大きな枠組みから伺っていきたいと思いますが、金融庁による金融DX等のイノベーション支援の在り方についてであります。
大臣はこれまでも、ステーブルコインの社会実装やデジタル金融改革に大変前向きな発言をされています。現在、三メガバンク等の金融機関で様々な検討や実証実験も行われていると承知をしていますが、今後、ブロックチェーン上で銀行預金を機能させるトークン化預金や資金決済を自動化するオンチェーン金融の本格普及など、我が国の決済の高度化、こうしたことに向けてイノベーションの後押し、これをどのようにお考えかということ。
それからもう一点、国際的な金融インターオペラビリティーと日本の地位についてでありますが、我が国では、資金決済のデジタル化などの金融DXの進展を踏まえて、世界に先駆けて、ステーブルコインなどの法制度を導入してまいりました。その後に、EUや米国が法整備を追随して行われてきたわけであります。こうした法制度の整備による安全性の確保というのは、これは非常に大切なことであります。一方では、イノベーションの促進、この観点も必要でありまして、国際的に見たときに、果たして、我が国の法制度が迅速、そしてかつスピーディーに、柔軟に対応できているのか、この点についても勘案をしながら進めていく必要があろうかと思っています。
日本のこの強みを生かしたオンチェーン金融のいわゆる国際標準化、これを推進するためには、規制当局が安全性とイノベーションのバランスをどのように取って、そしてグローバルな変化に適切に対応していくかが極めて重要であろうかと思います。
こうした認識の下、大臣は足下で国際的にどのような課題を認識をされていて、そして、国際交渉の場において片山大臣はどのようなリーダーシップを発揮をしていかれるおつもりでいらっしゃるのか、まずこの点についてお尋ねをしたいと思います。
○片山国務大臣 ブロックチェーン技術を活用した新たな決済手段としてステーブルコインやあるいはトークン化預金などが注目されておりまして、国内外で実用化や実証実験等が進んでおります。こういう取組は、やはり、決済の高度化、効率化に資するんですけれども、新規性のある取組でありますから、事業者にとって関連法令の解釈等に悩むケースが出てきます。
そこで、金融庁では、昨年十一月、決済高度化プロジェクト、通称PIPと呼んでいるんですが、これを設置しまして、金融機関等が行う実証実験について法令解釈などの面から支援する取組を進めておりまして、既に三件の支援を決定しております。三メガバンクによるステーブルコインの共同発行と、それをクロスボーダー決済に使う、これの円滑化、それから、大手の証券会社等によるブロックチェーン技術を活用した証券決済の高度化、さらに、トークン化預金の移転に伴う銀行間の決済の円滑化、この三件を支援決定を行っております。
こういった支援の枠組みを活用して、我が国において決済の高度化、効率化、それから、やはり重要なことは、利用者利便の向上と、それが経済の発展に資するということですから、それにつながるような前向きな金融機関の取組は、このように実務的にしっかりと後押しをさせていただいております。
その上で、仕組み自体や法制や国際的な協調ということも含めてということだと思うんですが、暗号資産やステーブルコインに関しての規制枠組みは、日本は、どこよりも早くというか、非常に早期に導入して、その後も必要に応じて制度の見直しも行ってきているわけでございます。常日頃から、諸外国の規制動向がどうかとか、技術が本当にすごいスピードで革新しておりますので、できるようになってしまうことも増えるので、それから、それを適切に規制、監督して利用者保護を図らなければなりませんし、金融システム自体の安定は確保されなければならない。ということで、官民の関係者を巻き込んだような実務的な対話や、実証実験の支援を通じてイノベーションの促進に取り組んでいるところでございまして、世界に先駆けて、国内できちっとワークするようなエコシステムをつくっていきたいなと思っております。
その上で、ジャパン・フィンテック・ウィークなど、国内外の関係者が一堂に会するイベント等を積極的に催して、主要な海外当局とは密接に連携協力しておりますし、G7は、蔵相それから中央銀行総裁の会合がオンラインを含めると非常に頻繁にあるので、この半年でもう何回もありましたし、来週は実際にワシントン会合もありますし、その翌月もありますので、そういった場でも様々な交流を深めていきたいし、それから、デジタルの資産は、G20の方で、これは今年、アメリカが議長国ですが、金融安定理事会、FSBの優先課題の一つになっていますし、EUやアメリカも含む世界各国で規制枠組みの整備が進展しつつある中で、それを十分に見ながら、国際的な一貫した規制、監督の適切な枠組みができるように貢献をしていって、オンチェーン金融の円滑な普及や金融システムの安定の両方の観点から、この重要な、今大きな動きですね、に率先して貢献をしてまいりたい、このように考えております。
○中川(貴)委員 ありがとうございます。
是非、国際的にもこの日本の優位性を保っていただけるように、引き続き取組をお願いしたいと思います。
次に、今は大きな枠組みからお尋ねをさせていただきましたので、次は金融DXと地域金融の関わりについて少しお尋ねをしていきたいと思いますが、地方銀行のウェブ3、AI活用と地域活性化の実現に向けてでありますけれども、大臣は、日本の成長戦略の加速のためには金融の力が必要であり、金融を通じて地方経済の潜在力を解き放つ、こういうふうにもおっしゃられています。この地方経済の潜在力を解き放つというのは、具体的にはどのようなことを意味していらっしゃるのでしょうか。
それから、例えばウェブ3やAIによる金融DXは、その成否が地方経済の活性化にも直結をしていくと思います。地方の金融機関の中には、もう既にトークン化預金等の技術を導入して、いわゆるトークンエコノミーの構築を目指している動きもあるわけです。金融機能強化法の改正法案では想定は今していないのかもしれませんが、いわゆる勘定系システムの共同化だけにとどまらずに、トークン化預金等を含めた未来志向の基盤、この基盤を共通機能として組み込むシステムについても支援をしていってはいかがかなというふうに思っています。地域における金融DXを進めていくことも地方経済の潜在力を解き放つ上で重要だと考えますが、大臣の見解を伺いたいと思います。
それからもう一点は、地域金融機関の再編についてであります。
現在、地域金融機関は、地銀、信金、信組、合わせて大体、全部で五百程度になろうかと思います。地域の金融を通じて経済を強くしていくためには、地域金融機関、今のまま残り続けた方が果たして経済の強化につながるのか、あるいは、人口減少といった構造的な課題もあるわけですので、金融行政として先手を打っていくというのも一つの考え方なのか。
かつて菅官房長官が、自民党の総裁選に出馬された際に、地方の銀行について、将来的には数が多過ぎるんじゃないか、こんな発言をされて注目をされたのを記憶をしています。今日は金融機能強化法の改正法案について具体的には触れませんけれども、これを活用していく以上は、この五年間で地域金融機関の再編を集中的に促していく、そういうある面勝負の年と位置づけていらっしゃるのか。もちろん、合併、経営統合というのはそれぞれの経営判断によるところでありますが、金融庁としてもある程度数値目標を定めた上で金融DXとともに進めていく、そういうお考えであるのか。片山大臣の見解をお尋ねをしたいと思います。
○片山国務大臣 昨年末に地域金融力強化プランを策定させていただいて、地域金融機関によって地元の取引先企業の企業価値が向上して地域の課題が解決する、そういう取組を強力に推進していくこととしておりまして、まず地域の金融DXの推進については、このプランを踏まえて、監督指針を改正して、デジタル化支援業務を金融機関が提案するソリューションの一つとして監督上の着眼点に位置づけたところであり、更なる地域金融機関による取組を促してまいります。
それから、地域金融機関のいわゆる再編についてですが、ちょうどたまたま、委員の御地元は名古屋でいらっしゃいまして、私も東海地方にかなりいることが多いんですけれども、静岡銀行と名古屋銀行が提携されまして。
ただ、こういったことについて今はあくまでも合併も経営統合もその他の連携も個々の金融機関の経営判断でやっていただいておりますので、昔の護送船団というのは、実際に裏表なくそういうものはないので、数値目標の設定とかもしていないんですけれども、ただ、今置かれた環境の中でこういう課題でこういう形に結論を出していただくということは非常に前向きなことで、まとまれば、選択肢の一つとして歓迎もいたしますし、支援もいたしますし。金融機能強化法の資金交付制度というのはこれまで七件の活用実績が実際あるわけですから。さらに、足下でも今言ったようなお話も出てきておりますので。
こういったことも含めて、基本的に、人口減少というテーマもありますが、成長戦略を掲げている高市政権では、地域で、そこの投資先において十分な金融が行われなきゃしようがないし、その中では、当然、国土強靱化や都市開発みたいなものも入ってくるわけですから、そのリーダー役になって、まさに資金が生きる資金になって動くために地域の金融機関がしっかりと活躍していただく、その上で、まさに地域のトークン化預金とか地域のデジタル通貨の取組も含めて、これの方も支援できる、そういう考え方で接していってまいります。
○中川(貴)委員 時間となりました。大臣、ありがとうございます。引き続き、期待をしておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
○武村委員長 次に、大島敦君。
○大島委員 大島です。
今日は、スチュワードシップ・コードとコーポレートガバナンス・コードについて質問をさせていただきます。
二〇一四年の四月十六日の法務委員会、会社法改正案のときに、企業統治を強めるために、ガバナンスを強化するために、社外取締役を増やした方がいいという発言をさせていただきまして、その後、二〇一五年の四月二十四日、当財務金融委員会でもコーポレートガバナンス・コードの質問をさせていただき、二〇二四年の十二月十日、衆議院の予算委員会でも、スチュワードシップ・コード、そしてコーポレートガバナンス・コードについて質問をさせていただいております。
両コードは、投資家そして企業の行動変容を促すソフトローだと考えております。したがいまして、賃金を上げるとか、あるいは、中小・小規模企業の受注価格、受注価格と言うと分かりにくいので、下請価格にコスト、人件費を転嫁する、そういう行動変容を促すには一つの大きな前提だと思っております。
まず、スチュワードシップ・コードについて質問をさせてください。機関投資家に向けた原則であるスチュワードシップ・コードについて伺います。
日本では、二〇一四年に金融庁がスチュワードシップ・コードを策定しました。どのような問題意識に基づき策定されたのか、策定の背景や基本的思想等についてまずは御答弁いただきたいと思います。その際、英国のスチュワードシップ・コードを参考にしたという理解でよろしいかについても御答弁をお願いします。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
スチュワードシップ・コードは、二〇一三年に閣議決定されました日本再興戦略において、「機関投資家が、対話を通じて企業の中長期的な成長を促すなど、受託者責任を果たすための原則(日本版スチュワードシップコード)について検討し、取りまとめる。」とされたことを受けまして、二〇一四年に策定したものでございます。
スチュワードシップ・コードは、委員御指摘のとおり、機関投資家が投資先企業との建設的な対話を通じて中長期的な企業価値の向上を促すことにより、顧客や受益者の中長期的な投資リターンの拡大を図る観点で有用と考えられる諸原則を定めているものでございます。その適用に当たっては、各機関投資家が自らの置かれた状況に応じて工夫すべきとの観点から、プリンシプルベースアプローチとコンプライ・オア・エクスプレーンの手法を採用しております。
また、コードの策定に当たっては、金融庁に有識者会議を設置し、御議論いただいた上で検討を進めておりましたが、その中で、御指摘のイギリスのスチュワードシップ・コードも参考にしておりました。
○大島委員 スチュワードシップ・コードの運用を開始して十年ほど経過しましたが、現時点までに機関投資家の行動変容はもたらされたと評価しているのか、金融担当大臣に伺います。
○片山国務大臣 スチュワードシップ・コードでございますが、機関投資家が、企業の持続的成長と顧客や受益者の中長期的な投資リターンの拡大というスチュワードシップ責任を果たすために、企業との建設的な対話が行われることを重視しているものでございます。
近年、企業と投資家の対話の機会というのは増加傾向であると承知しておりますが、コードへの対応がやや形式的なものにとどまっているのではないかという御指摘ですとか、機関投資家の間で取組の質に差があるという御指摘とかがあるものと認識をしております。
機関投資家の更なる行動変容に向けて、今後は、形式的な対応にとどまることなく、自律的な意識改革により、企業と投資家との建設的な対話が更に深度ある実効的なものとなっていくこと、すなわち、スチュワードシップ活動の実質化が進むことが重要であると考えております。
○大島委員 最近の報道によりますと、ニデックのようなワンマン社長による過度な業績プレッシャーを原因とする不祥事事案が発生いたしました。そういう内部統制が利きにくい会社ほど、外部の機関投資家が適切にエンゲージメントを行い、牽制していくべきであると考えます。
このニデックの事案では、スチュワードシップ・コードが適切に機能しなかったという評価でよろしいでしょうか。
○片山国務大臣 個別事案ということになりますので、その原因をちょっと断定的に申し上げるようなものは持ち合わせていないし、立場的にもちょっと差し控えたいとは思いますが、その上で、一般論として申し上げれば、スチュワードシップ・コードは、機関投資家に対して、投資先企業の持続的成長に向けてスチュワードシップ責任を適切に果たすため、企業の状況を的確に把握すべきということを求めております。
また、機関投資家が具体的に投資先企業のどの部分に、どの部門に注目するかというのは、やはり、個々の企業の置かれた状況にもよりますが、スチュワードシップ責任を果たすという観点からは、例えば、投資先企業との対話の中でガバナンスの状況を把握するということですとか、投資先企業の企業価値を毀損するおそれのある事項については、これを早期に把握するとともに、把握した場合には問題の改善に努めるということは重要ではあると考えております。
○大島委員 昨年行われたスチュワードシップ・コードの第三次改定の一つの柱は、協働エンゲージメント、つまり、機関投資家が投資先企業と対話するに当たり他の投資家と協働して対話することですが、協働エンゲージメントを重視する趣旨は何なのか、これに金融庁としてはどのようなエンゲージメントを期待するのか、御答弁をお願いします。
○片山国務大臣 昨年六月のスチュワードシップ・コードの第三次改定におきましては、協働エンゲージメントにつきましては、機関投資家のスチュワードシップ活動における質的、量的なリソースを補い、コスト削減につながり得る取組であることから、改定コードでは、対話手段としての重要な選択肢であるということを明記いたしました。
協働エンゲージメントの実践に当たっては、投資先企業の状況や、投資家の運用戦略に応じた適切なテーマ設定の下で対話が行われることが重要であり、金融庁といたしましては、先般のコードの改定が企業の持続的な成長を促すような建設的な対話につながっていくことを期待しております。
○大島委員 スチュワードシップ・コードはソフトローであり、賃上げの義務づけができないことは理解しております。しかしながら、金融庁自身、経営資源の成長投資への適切な配分、人的資本投資に関する開示の充実を打ち出している中で、企業と投資家の対話の焦点を株主還元偏重から人的資本投資としての賃上げに転換し、賃上げを含めた人への投資をコストではなく投資であると認識させる風潮を、スチュワードシップ・コードを通じて、機関投資家側からもつくり上げる必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○片山国務大臣 御指摘にありますスチュワードシップ・コードの策定、改定、運用を含めた我が国のコーポレートガバナンス、コーポレートガバナンス改革は、中長期的な企業価値の向上を図る観点から推進してきたものでありまして、必ずしも賃上げを直接の目的に掲げているというものではありませんが、企業が持続的な成長を実現するため、企業の利益を人的投資等の成長投資に活用していくことは極めて重要と考えております。
現在、この観点を踏まえたコーポレートガバナンス・コードの改定に向けた検討を進めているところでございますが、政府といたしましても、この考え方に立って、企業の長期的な成長に資する人的投資がより積極的に行われるよう、株主への還元も含めた企業の資源配分戦略を成長志向型に変容させてまいります。
また、機関投資家に関しても、投資先企業の置かれた状況に応じて建設的な対話を行っているか否かも含め、スチュワードシップ・コードに基づく対話の実施状況を金融庁としてフォローアップをしてまいりたいと考えております。
○大島委員 大臣の御答弁は重いと思っています。大臣の御答弁を通じて、投資家側あるいは企業側の行動変容が促されると考えております。
続きまして、コーポレートガバナンス・コードについて伺います。
現在、金融庁と東京証券取引所では、コーポレートガバナンス・コードを改定している最中と伺っております。今回の改定の目的は何か、実質化、プリンシプル化、スリム化についても併せて教えてほしいと考えております。
スリム化は結構なことですが、今回の改定で過度なスリム化がなされると、企業側が対応しなくてもよいと誤解するので、その点については留意してほしいと思います。参考人からの答弁をお願いします。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
我が国のコーポレートガバナンス改革には一定の進捗が見られる一方で、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するためには、形式的な対応にとどまることなく、企業と投資家の双方の取組によるコーポレートガバナンス改革の実質化が重要であると考えております。
こうした観点から、現在検討しておりますコーポレートガバナンス・コードの改定においては、企業がより本質的な取組に注力できるよう後押しすべく、コンプライ・オア・エクスプレーンの対象となる原則の内容を概念的かつ抽象的なものに限定すること、いわゆるプリンシプル化、スリム化ということでございますけれども、これによりましてコード自体の実質化を図ることを検討しております。
なお、今回の改定は、上場企業の対応コスト、開示負担の軽減のみを意図しているものではなく、企業においては、改定の趣旨を十分に理解していただいた上で、各、コードの各原則への対応の実質化に取り組んでもらうことを期待しております。
○大島委員 二〇一四年の四月十六日の法務委員会での会社法の審議の中で、企業統治を高めるためには社外取締役の人数を増やした方がいいのではないかと考えて、社外取締役を求めていましたけれども、なかなか質的な担保ができていないと考えております。
独立社外取締役や取締役会について、今回の改定では、独立社外取締役の人数要件という形式的要素よりも、質の向上や取締役会の機能向上に力点を置いている理由は何でしょう。
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
今回のコーポレートガバナンス・コードの改定は、先ほど御答弁させていただきましたとおり、形式的な対応にとどまることなく、企業が持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するための本質的な取組に注力できるよう後押しする観点から検討しているものでございます。
独立社外取締役について、旧東証一部、現在のプライム市場上場企業で見ますと、独立社外取締役を取締役会の三分の一以上選任している企業の割合は、二〇一五年の一二・二%から二〇二五年の九八・八%まで大幅に伸びるなど、形式の上では一定程度進捗が見られているものと考えております。
他方、このように独立社外取締役が増加する中で、その主たる役割、責務である監督機能をより効果的に果たしていただく必要があると考えておりまして、こうした背景から、今回の改定案では、独立社外取締役の質の確保の重要性を明記するなど、取締役会の機能強化に向けた改定を検討しているところでございます。
○大島委員 人的資本を含めた成長投資の促進には賛成ですが、コーポレートガバナンス・コードの中で、取締役会には、株主還元のみならず、研究開発や人への投資を含む成長投資の方を優先的に求めることをどのようにして明確に位置づけるのか、金融担当大臣からの御答弁をお願いいたします。
○片山国務大臣 コーポレートガバナンス・コードについては、企業が中長期的な企業価値の向上の観点から、自社の成長段階を考慮した上で、成長により得た利益を株主への還元とともに人的投資等の成長投資に適切に振り向けていくということが重要な課題と考えております。
このために、今検討している改定案におきましても、取締役の責務として、会社の成長の道筋を構築すべきであるということですとか、成長投資や事業ポートフォリオの見直し等の経営資源の配分について具体的に説明すべき旨を明記するほか、経営資源の配分が適切なものになっているかについて不断に検証を行うべき旨についても明記するということなどを検討をしております。
○大島委員 先ほどのことに加えて、金融庁は、最近の内閣府令改正において、人的資本投資に関する開示の充実として、有価証券報告書に従業員給与、報酬の決定方針や平均給与の前年比増減率等の開示を義務づけております。これ自体は評価をしております。もっとも、開示は手段であり目的ではなく、開示をしていても実際に賃上げにつながらなければ意味が薄いと考えます。
金融庁として、開示、対話、資源配分の見直し、賃上げという実行性の連鎖をどのように形成していくことを考えているのか、大臣の御答弁をお願いします。
○片山国務大臣 委員御指摘のように、今年二月に内閣府令の改正をしておりますので、中長期的な企業価値の評価に資するように、企業戦略に関連づけた人材戦略ですとか、これを踏まえた従業員給与等の決定の方針ですとか、平均年間給与の対前事業年度増減率といった人的資本開示の拡充を図るものでありまして、これも賃上げ自体を直接の政策目的としたものではありませんが、企業と投資家との間の建設的な対話の実現には資するものでございます。
こうした対応の中で、経営資源配分の見直しを始めとする経営改善についての議論がなされることによって、企業が自社の経営資源を株主への還元とともに人的投資等の成長投資に適切に振り向けていくこと、これを期待しております。
○大島委員 御答弁ありがとうございます。
賃上げを本気で進めるためには、会社が、人件費はコストではなく人的資本、将来の稼ぐ力への投資として扱い、取締役会が、資源配分の中でより高い優先順位として位置づけさせるべきではないかと考えます。すなわち、人材育成投資と処遇改善を株主還元と並ぶ経営資源配分の主要テーマとして位置づけさせるべきではないかと思いますが、御答弁をお願いします。
○片山国務大臣 長年、賃上げ促進ということで、歴代内閣、戦ってきたというか努力をしてきたわけでございますが、この経営資源の配分の問題というのは本当に実質的な問題でございまして、これをどのように振り向けるかというのは究極の企業の経営判断なんですが、それだけに、そこで、成長投資というものの中で、人的投資をほかの投資先に必ず優先させろということを一律に求めるルールというのはなかなかこれは難しいし、必ずしも、状況がいろいろ違い得るのは当たり前なので、適切ではないと考えておりますが。
ただ、適切な人的投資等の成長投資が中長期的には企業価値の向上に資するのは当然で、これはある程度ユニバーサルなことだと思いますので、政府といたしまして、今般のコーポレートガバナンス・コードの改定などを通じまして、株主への還元ももちろんですが、これを含めて、企業の資源配分戦略を成長志向型に変えたい、そういうことは一貫して、変容に向けて努力をしてまいりたいと思っております。
○大島委員 スチュワードシップ・コードと同様、コーポレートガバナンス・コードもソフトローであり、賃上げの義務づけができないことは理解をしております。しかしながら、取締役会が、なぜ賃上げできないのか、あるいはするのか、生産性向上とどう結びつけるのかを株主にきちんと説明し対話をすること自体は、コードの趣旨に合致するものと考えております。
このように、賃上げをめぐっても丁寧なエクスプレーンを促すという方向性であるという理解でよろしいでしょうか。
○片山国務大臣 何度も繰り返しになってしまって申し訳ないんですけれども、コーポレートガバナンス・コードは、その性格上、賃上げ自体を直接の政策目的とするということではないものですから、賃上げだけに特化した説明というのはなかなかそうはならないんじゃないかと思うんですけれども、人的投資等を含めた成長投資というのが、企業の持続的な成長や企業価値の向上に向けた判断材料として、企業と投資家との対話においても極めて重要な課題になり得るとは考えております。
そして、自社の取組、自分の会社の取組について、株主等のステークホルダーの理解が十分得られるように、このコードの趣旨や精神に照らして丁寧な説明を行うということを期待しておるということでございます。
○大島委員 続きまして、現在取り組んでいるコーポレートガバナンス・コードの改定が成功したかどうかは、実際に企業の成長投資が増え、企業価値が上がり、その果実が、賃金という形を含め、家庭にも回るという流れが形成されたかどうかによるのではないかと考えております。金融庁として、改定後の状況をどのような指標、観点でフォローアップする予定なのか、御答弁をお願いします。
○片山国務大臣 委員御指摘のお話は、まさにこのところ投資が圧倒的に足りなかったと。生産性ですとか成長率には様々な構成要素があって、コロナ禍で一番投資が足りなかったので、投資を集中的に取り組むことで強い経済をつくって、委員がおっしゃったように、企業価値も上がるし、それから賃金という形を含めて消費も増える。これは、我々の高市政権の成長戦略の流れそのものでございますので、まさにコーポレートガバナンスだけの問題ではないんですけれども、当然、金融庁としては、今回のコーポレートガバナンス・コード改定後の企業の取組状況についてはフォローアップをしていく必要があるというふうに考えております。
その際に、企業において、今回のコード改定の趣旨を十分に踏まえた対応が図られて、中長期的な企業価値の向上に向けた建設的な対話につながることが重要でありまして、かえってフォローアップが形式的な対応を促すようにならないように、十分注意して検討を深めてまいりたいと考えております。
具体的なフォローアップの手法につきましては、コードを改定いたしました後の企業の適用状況を見ながら、例えば先進的な取組を行っている企業の事例を収集、共有することも含めて、検討を進めてまいりたいと考えております。
○大島委員 御答弁いただいて、誠にありがとうございました。
賃金については、上場企業についてはコーポレートガバナンス・コードによって上がっていくのかなと想定をしております。ただ、中小・小規模企業の賃金は、今、上場企業の皆さんと大きく差がつき始めているという実感を持っています。
政府は、十年間、価格転嫁の問題をずっと取り組んでまいりましたけれども、一部には徐々に価格転嫁は進んできました。地元の会社でも、大手、大きな会社と直接やり取りをしているところは、コストについては人件費も含めて見ていただいているというお話は聞きます。ただ、ティア1からティア2、ティア3、徐々に階層が下ってくると、その受注先、発注元になるのかな、からは、なかなか今でも価格転嫁は難しいという話を聞きまして、やはり全体的な日本の給与を上げるためには価格転嫁についてももう一回踏み込んだ方がよろしいと考えていまして、今日は価格転嫁については質問はしていないんですけれども、私として、次回以降、伺いたい内容を述べていきたいと思っております。
四月三日のコーポレートガバナンス・コード改定案は、取引先と公正、適切な取引、サプライチェーンにおける適正な価格転嫁を含む、を入れております。その上で、単なる理念で終わらせず、取締役会の責任として明確にし、会社の開示項目にも入れて、コンプライ・オア・エクスプレーンの対象にして、実際に動く仕組みにするべきだと考えております。
そこで、コンプライ・オア・エクスプレーンの対象として提案したいのは、次の三点です。
一つ目は、上場企業の取締役会の責任として、価格転嫁をはっきり位置づけることです。つまり、下請企業にしわ寄せをしないこと、適正な価格で取引すること、支払い条件を無理のないものにすることを会社の重要な経営課題として取締役会がきちんと考え、方針をつくり、実行状況を確認するようにすべきと考えております。
二つ目は、企業に開示させることです。例えば、価格転嫁に関する方針、社長や取締役会がどこまで関わるのか、取引先と定期的に価格交渉をしているのか、支払い条件は適切か、取引先が困ったときに相談できる窓口があるのか、サプライチェーンの深い層にまでしわ寄せが行かないようにしているのか、こういう点を公表させれば、投資家や社会がその会社を比べられるようになります。
三つ目は、取引先が声を上げやすい仕組みをつくることです。例えば、値上げの相談をしたら取引を減らされるのではないかと下請企業が不安に思うことがあります。そこで、社内の通報制度だけではなく、取引先も相談できる窓口を整え、問題があれば取締役会まで報告させる仕組みにすべきです。
この提案のポイントは、国が価格を決めることではありません。そうではなく、上場企業の経営の在り方を変えて、下請企業に無理を押しつけない仕組みをつくることです。下請企業というワードは今はなくなっているんですけれども、分かりやすく、下請企業というワードを使わせてください。
つまり、ハードローは整ってきたが、経営トップ、取締役会、開示に乗せる回路がまだ弱いという整理です。つまり、主役はあくまでハードローです。
二〇二六年一月一日施行の改正下請法、済みません、正式名称は、製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律、略称中小受託取引適正化法、通称取適法は、中小受託事業者の給付に関する費用の変動その他の事情が生じた場合に、同事業者が代金額の協議を求めたにもかかわらず、委託事業者が協議に応じず、又は必要な説明若しくは情報を提供せず、一方的に代金を決定して中小受託事業者の利益を不当に害する行為を禁止しました。
さらに、二〇二六年一月一日付改正の労務費転嫁指針は、経営トップの関与、発注者側からの定期的な協議、サプライチェーン全体での適切な価格転嫁などを発注者として取るべき行動として明記しています。労務費転嫁指針を知っている事業者の方が価格引上げが実現しやすい傾向も確認されています。
ですから、コード改定の役割は、法執行後、置き換えることではなく、上場企業の経営、開示、投資家対話の回路を価格転嫁に乗せることと考えております。
以上、私の質疑は終わりにします。ありがとうございました。
○武村委員長 次に、伊佐進一君。
○伊佐委員 中道改革連合の伊佐進一です。本日もよろしくお願いいたします。
今の物価高、国民の皆さんが直面している物価高で、円安も大きな一つの要因だと思っておりますが、この円安をどうするかというところは、一つは、やはり財政の信認をどうしっかり得ていくかということだというふうに思っております。財政健全化、骨太の方針の議論がしばらくしたら始まると思っておりまして、五月、六月に始まっておりますが、ちょっとその財政の在り方について今日は議論したいというふうに思っております。
まず、ちょっと金利の話をしたいんですが、資料の一を見ていただいて、これは高市政権が発足した後の金利の動きになっています。一番右側の最新の金利を見ていただくと、三十年物が三・五九五%、十年物が二・三六五、二年物が一・三七五ということになっております。
今日の資料の一というのは、あくまで高市政権が発足した後の話ですので、ちょっと短い期間しか分からないので、長期で見て、今のこの金利水準がまずどうなのかということを説明いただければというふうに思います。
○井口政府参考人 お答えいたします。
今の国債金利につきまして、昨年の引け値と比較しますけれども、二年金利は一・三八五%で一九九五年五月以来の水準、十年金利は二・三九〇%で一九九九年二月以来の水準、三十年金利は三・六%でございまして、過去最高でありました三・八八〇%に近い水準となっております。
○伊佐委員 これは本当に、九五年以来とか九九年以来とか、ある意味、近年の中でもちろん最高水準に達しているわけですが、そもそも最高水準に中長期の歴史の中でも達している中で、じゃ、高市政権となって、この短期間でどう動いているかというのが、今、資料一であります。この期間、日銀の利上げもありました。ただ、やはりどうしても、これを見ていると、高市総理の積極財政の影響も大きいんじゃないかと思っています。
例えば、三十年債の方を見ていただくと分かりやすいので。例えば十月の初旬にぴょこっと上がっているのがあると思いますけれども、これは自民党の総裁選です。責任ある積極財政を掲げる高市総理が誕生したということで、これは市場が反応しているということです。十一月の上旬から下旬ぐらいにかけて、なだらかにぐぐぐっと上がって、最後ぐっと上がっていますけれども、これは補正予算の議論をしていたときです。補正予算が何兆円規模からどんどんどんどん報道では拡大していった時期です。一月の下旬にピークが立っています。これは過去最高です、三・八八%。このときは、衆院選で解散・総選挙、高市政権の公約に消費税減税を掲げたということです。
だから、これを見ると、この短期間の間でも結構分かりやすく連動しているというふうに思っております。高市総理になられて、全体的にやはりトレンドとしては金利がどんどん上昇傾向にある。加えて、今回のイラン情勢ということになります。
じゃ、ちょっと、イラン情勢が金融市場にどういう影響を与えているかということについて伺いたいと思います。
○井口政府参考人 お答えいたします。
金利を含みます金融市場におきまして、現在大きな変動が生じていることは認識しておりますが、金利は様々な要因を背景に市場において決まるものでございます。その動向について具体的に申し上げることは、マーケットにも影響しかねないため、お答えは差し控えさせていただきます。
○伊佐委員 もちろん、様々な要因というのは分かるんですが、ちょっとこの資料一のグラフを見ていただくと、二月末ですよね、イランに対する攻撃が始まったのが。そうすると、二月末から三十年債はぐぐっとやはり上がってきているわけですよね。やはり、事実、結果として、私は、上がっている、一つの要因だというふうに思っております。
その上で、こうして過去最高水準の金利、しかも高市総理になって責任ある積極財政の中で金利が更に上昇傾向を続けているという中で、当然、金利が上昇すると国債利払いが増えていきます。これが財政の圧迫要因になるわけですが、ちょっとまず、国債の利払い費がこれまでどういう感じで推移してきたのかというのを伺いたいと思います。
○井口政府参考人 お答えいたします。
一般会計の国債費におきます利払い費につきましては、数年前までは低金利による影響から減少傾向が続き、令和四年度決算においては七・一兆円まで減少いたしましたが、足下では金利上昇に伴い上昇傾向に転じ、令和六年度決算では七・九兆円となっております。
なお、令和八年度当初予算における利払い費は十三兆円となっておりまして、これは、過去、金利が高かった時期、平成初期の利払い費の決算額、十兆円台を超える水準となっております。
○伊佐委員 資料二を見ていただければと思いますが、これが過去の利払い費と金利の推移であります。
この黒い線が利払い費なんですが、バブルの時代とかを見ると、この辺はやはり金利が高いので、国債発行の、ブルーの線ですよね、国債残高というのが、今ほどじゃないにしても、ずっと横ばいになっている。二〇一〇年代ぐらいに入ると、急激に国債残高が増えていくので、そうすると、金利自体は結構下限に張りついているんですけれども、それでも利払い費は何とか横ばいで推移をしていたということですが、この最後の三年間です、令和六、七、八と急激に上がっています。七・九兆円から九・四兆円になり、そして十三・〇兆円までというふうに、この三年間で急激に利払い費が上がってきております。
このまま行ったらどうなるのかという見通しも政府は立てていただいていると思いますが、今後の政府の見通しと、さらに、ちょっと今、金利の話を冒頭にしましたので、金利がどんどん上がっていく、一%上がったらどれぐらい利払い費が膨らむのかということを伺いたいと思います。
○中谷副大臣 お答えいたします。
財務省では、令和八年度予算における制度や施策を前提に、向こう三年間、令和九年度から令和十一年度の一般会計の歳出歳入の姿を機械的に試算した後年度影響試算を策定、公表し、国会にも提出をしているところであります。
同試算において、利払い費は、名目経済成長率を三%とするなど前提を置いたケースで、令和八年度予算の十三兆円から徐々に増加し、令和十一年度には二十一・六兆円になるとの姿が示されております。
また、同試算では、令和九年度以降の金利が一%上昇した場合のストレステストも行っており、その場合は、利払い費は、高金利の国債に徐々に置き換わっていくことに伴い、令和十一年度には三・四兆円増加し、二十五兆円になるとの試算結果となっております。
以上です。
○伊佐委員 今副大臣から答弁していただきましたとおりですが、今、この三年間、直近でも、利払い費がぐぐっと上がってきているという状況で、このままの状況でも、つまり、金利が一%とか、今の後半の答弁を除いてそのまま行っても、恐らく令和十一年には利払い費が二十一・六兆円になるという推計であります。これは利払い費だけですので、国債の例えば償還費、ほかのものも含めると、多分、四十兆円台とか、百二十兆円の予算規模の中で三十兆円が国債の償還、あるいはそれ以上かもしれませんが、というような状況です。
一%上昇したらというのが先ほどの後半の答弁ですが、今、たしか三・八兆円とおっしゃいましたかね。これは多分償還費が入っているので、利払い費だけだと三・四兆円だと思っています。しかも、私も昨日ちょっと財務省と打合せをしていたんですが、恐らくこれは時間差で利いてくる、同じ一%上がったとしても、後になればなるほどこれが膨らんでいくわけです。
すごい単純な話をすると、今、日本の国債は、資料三ですが、公債発行額は千百八十四・六兆円、右の負債のところの一番大きなところが日本の公債、千百八十四・六兆円です。単純に計算すると、一%この負債に金利がかかるということは、大体、計算すると、十一・八兆円、十二兆円の利払い増です。ただ、これはあくまで借換えのときに利いてくる話なのですぐには来ないんですが、ただ、一%上がると、徐々に徐々にこれが利いてくるということになります。だから、三年後では三・四兆円ですが、徐々に上がり続けるということになります。
金利が財政を圧迫するという状況の中で、円の信認が失われていく、円安がますます高まる、そうなると、物価高、国民の皆さんの生活が大変になる、この状況を政府と日銀がどう連携していくのかということがポイントになるわけです。
せっかくですので、ちょっとだけ寄り道をしたいと思うんですけれども、この政府の資産と負債の資料三を出すと、よくテレビに出られる有識者の方とかが言われるのは、いやいや、利率が増えても、借金の方の利率が増えたとしても、国は資産を持っているんだ、そうすると資産の方だって利率が高まるから、結局収益が上がるから行って来いだし、むしろもうかるんじゃないかみたいなことをおっしゃっている方もいらっしゃって、これはとりわけ財務省出身の有識者の方がおっしゃる場合もあるので、具体的にちょっと確認をここだけしておきたいと思うんですが。
この資料三のバランスシート、右側は借金です。確かに、ここのところは利率が上がると負担増になります。じゃ、この左側、ここのところは、利率が上がったら、一%上がったら、どれぐらいもうかるかなんですけれども、有価証券、百三十九・七兆円ありますが、これは利率が一%上がるとどれぐらいもうかりますか。
○緒方政府参考人 お答えいたします。
外為特会におきましては、資産の側で満期が五年超の証券を含めて様々な満期の外貨証券を保有してございますので、金利上昇の影響が即座に収入に反映されるわけではないということ、それから、議員御指摘のように、資産見合いの負債として政府短期証券を保有しているということもございますので、こういった構造をしております外為特会におきまして、お尋ねの外貨証券の金利が一%上昇した場合の収益に与える影響を一概に計算することは困難であるということを御理解いただきたいと考えております。
○伊佐委員 今の話は、有価証券で一%上がると、確かに、その分、収益があるかもしれませんけれども、ここのお金を出すために負債で政府短期証券を発行しているので、これはひもづいているということですもんね、だから、借りている、調達している側でも、結局、利率の払いが発生するので変わらない。ちょっとここは、より複雑で、外貨で持っているので、アメリカの金利になるのでより複雑なんですが。
ちょっと、じゃ、分かりやすい下のところ、貸付金百三十二・三兆円。この貸付金、政府がお金を貸しているわけなので、一%利率が上がるとどれぐらいもうかるでしょうか。
○井口政府参考人 お答えいたします。
今の貸付金、主に財政融資ということになると思いますが、理財局で担当します財政融資は、国債の一種であります財投債の発行によって市場から調達した資金を活用いたしまして、国の特別会計や地方公共団体、政府関係機関、独立行政法人などに対して長期、固定、低利で行われる融資でございます。
この財政融資の貸付金利につきましては、国債の利回りを基準としておりますが、また一方で、収支相償、収支相償うことを念頭に置いて金利を設定しております。ですので、基本的に、金利は同じように貸付けと調達は動いていくということでございます。
その上で、お尋ねの貸付金利が一%上昇した場合の収益の変動につきましては、調達金利も貸付金利と同様に上昇していること、さらに、実際の貸付けと調達の時期につきましては完全に一致するということでもないことから、こうした状況を勘案いたしますと、お答えすることはなかなか困難であるということを御理解いただければと思います。
○伊佐委員 お答えするのは困難と言いながら、でも、大分もう言っていただいたと思っていまして、要は貸付金だって右の財投債にひもづいているわけですよね。そこが、収支相償うとおっしゃっていただいたとおり、ここで借りた分の金利と政府から貸し付けている貸付金の金利が、その収支が相償うとなっているので、プラマイ・ゼロなわけですよね、ここも。
更に言えば、ここって、貸付金って何を貸しているかというと、中小企業の皆さんの、いわゆる政策金融公庫であったりとか、要は低利で長期で貸し付けるであったりとか、あるいは、学生の皆さんの奨学金、低利でこれも貸し付ける、あるいは無利子のものもありますけれども、という財源になっているということなので、ここで一%上がったからそのまま収益が上がるというものでもないという答弁だったと思います。
ほかにもいろいろありますけれども、一個一個言いませんが、例えば運用寄託金だったら、これは年金ですので、百十八・一兆円、GPIFが運用している年金。当然、これは利率が上がってもうかりましたといっても、もうかったその収益の先は国民の皆さんの将来世代に還元するということなので、これも国の収益にならないとか、有形固定資産、これは、道路とかトンネルとか河川とか、売れないし利子もついているものじゃないしということで、決して、利率が上がって国の資産の部分が収益が上がるからとんとんとかという話でもない。むしろ、資産と負債のバランスを見ると圧倒的に負債の方が多いので、やはり財政を圧迫する要因になる。
ちなみに、もう一個言うと、そういう有識者の方が言うのは、日銀も足せばプラスなんだ、日銀がいっぱい国債を持っているじゃないかと言うんですけれども、ちなみに、日銀のバランスシートは、負債も、右側も左側も同じ額ですので、足し合わせても実は一緒ということもつけ加えておきたいというふうに思っております。
ちょっと大分それましたけれども、元に戻りますが、スタグフレーション、さっきの話に戻ります。今日は日銀の氷見野副総裁にも来ていただいております。よろしくお願いいたします。
今の経済状況、スタグフレーションじゃないかと言われておりまして、つまり、景気の悪化と物価上昇が同時に起こっている。普通、景気が悪化するとデフレで、物の値段が上がらない、物価は上がらないわけです。景気がよくなるとインフレで、物価も適切に上昇する。だから、スタグフレーションというのは、物価は上昇しているけれども景気は悪化しているという状況なんです。
ちなみに、今の状況、経済の状況は、政府はスタグフレーションだと認識しているということで、まず、いいんでしたっけ。この前提、もし答えられれば。これは通告していなかったんですが、スタグフレーションの質問をするので、多分、当然にスタグフレーションの認識は御存じかなと思ったので、どう判断しているかというのが。要は、スタグフレーションにどう対応しますかという質問を通告していたので、ちょっと認識だけ伺いたいと思います。
○氷見野参考人 お答えいたします。
スタグフレーションについて非常に明確な定義があるわけではありませんで、FRBのパウエル議長も、この間の記者会見で、今はスタグフレーションなのかと聞かれて、それは自分のイメージでは七〇年代の言葉なので今は全然違うというふうな答えをしておりましたけれども、先生おっしゃったように、景気が減速する方向に力が働いて、また物価が上昇する方向に力が働いていく可能性が、今後、中東情勢が緊迫するのが長期化した場合に、そういう方向の力が働き得る状況に今あるかということであれば、まさにその辺についてはよく見ていかなきゃならない状態になっているというふうに考えております。
○伊佐委員 氷見野副総裁、ありがとうございます。
まず、日銀の見解をおっしゃっていただきました。本当は政府の見解を聞きたかったんですが、政府の方はよろしいですかね。このまま続けますね。
でも、今、副総裁がおっしゃった、七〇年代の言葉だとパウエルさんは言ったかもしれませんけれども、そんなことを言うと、インフレ、デフレだってもっと昔の言葉だと思いますので。
ただ、今の状況がどういう認識か。私は、何か、政府も日銀もスタグフレーションとなかなか言いたがらないというか。物価の上昇は疑う余地がないじゃないですか、数字が既に出ているわけで。じゃ、景気が悪化しているかというのも、景気判断も、既に、政府の統計、例えば、おととい、内閣府が発表したのは三月分の景気ウォッチャー調査、景気の現状判断DIで、前月比マイナス六・七%ですよ。コロナ禍とウクライナの侵攻が重なったときが低水準だった、二〇二二年二月以来ということだったりとか。あと、昨日出たのは、内閣府の三月の消費動向調査が出ています。前月比で六・四ポイント低下。これも三か月ぶりに悪化、コロナの緊急事態宣言の二〇二〇年の四月以来。だから、普通、客観的に考えると、なかなか政府も日銀も認めたがらないですけれども、私は、今の状況はスタグフレーションだというふうに思っています。
その上で、通告していた質問になるわけですが、じゃ、このスタグフレーションに対してどう対応するかという話です。
つまり、物価の上昇と景気の悪化が同時に起こっているので、物価を落ち着かせようと思ったら、普通であれば日銀は利上げをするということになりますが、ただ、利上げをすると景気が悪化します。ただでさえ悪いのに、もっと悪化するということになります。じゃ、景気の方を優先させて、景気を回復させるために金利を下げるとなると、今度、ただでさえ高い物価がより進む、インフレが進むわけです。どっちにも振れないんですよね、このスタグフレーションというのは。だから、今の日銀の判断が非常に問われるわけですが、日銀としてはどうするつもりでしょうか。
○氷見野参考人 お答えいたします。
足下の状況につきましては、直近の消費者物価総合の上昇率は、ほぼ物価安定目標に沿った二%に近い水準ですし、GDP成長率も、潜在成長率をやや上回るような水準で達観して見ると推移しておりますので、足下がスタグフレーションだというふうには思ってはおりませんけれども、仮に、中東情勢の緊迫が長期化し、景気の減速と物価の上昇が併存するような状況になった場合の金融政策の対応につきましては、先生お話があったとおり、一種ジレンマがあって、難しい問題でありまして、なかなか一概にお答えすることは難しいわけですけれども、一般論として申し上げれば、ショックの規模や持続性に加え、その時々の経済環境などを踏まえた上で、最終的には、二%の物価安定目標の持続的、安定的な実現という観点から、最も適切な対応を選択していくということになるかと思います。
日本銀行といたしましては、中東情勢の影響を含め、その時点で利用可能な各種のデータや情報から、経済、物価の見通しやリスク、見通しが実現する確度をアップデートしながら、毎回の決定会合において適切に政策を判断していきたいと考えております。
○伊佐委員 今、スタグフレーションとは考えていないということなんですけれども、私、何か前も予算委員会で議論したときに、そのときも多分副総裁だったと思いますが、政府と日銀のアコードの議論をしたときに、アコードをそろそろ、デフレ経済からの脱却というのが目標として、より金融緩和をやっていくんだという方向になっているので、今やもう二%近くになったので、さっきおっしゃったように、物価の目標についても、達成されている、されつつあるとおっしゃったかもしれませんが、だったらアコードも変えるべきじゃないかと言ったけれども、そのときも、いやいや、まだまだデフレを脱したとは言えないんだとおっしゃって、スタグフレーションも、いやいや、スタグフレーションとは言えないんだと。
政府も日銀も、何か、いろいろな、今こういう状況なんだとなかなか定義づけるのがすごい慎重だなと思っているがゆえに、より打つ手が遅れてしまうような気がするんですね。よくビハインド・ザ・カーブと言われますけれども、遅くなればなるほど、やるべきことって、普通に金利を例えば上げるのでも下げるのでも、今やっておけばこれぐらいで済んだのに、後になったらもっと必要になるという状況になるのを恐れているので、ここはやはり早く定義づけをして、その上で、しっかりとした、どういう対応をするかというのを日銀と政府もちゃんとやるべきじゃないかというふうに私は思っております。
潜在成長率は維持されているとおっしゃるんですが、さっき申し上げたように、やはり景気というのは、現場の、我々は動向を聞いていると、今、景気がいいと言う人は、多分、私はほとんどいないと思っていまして、だから、やはり先手先手で手を打つことが私は大事じゃないかというふうに思っております。
副総裁はここで結構ですので、ありがとうございます。
○武村委員長 では、御退席ください。
○伊佐委員 じゃ、政府がどうするかなんですが、政府は金融政策じゃなくて財政政策なわけですが、少なくとも、物価高騰の一因が円安だったら、円高誘導というか、円高誘導も急激な恐らく為替変動のときしか使わないというのが建前だったと思いますので、水準を操作するというのはなかなか、歴史上、本当はやってきたと思うんですが、政府の今の立場では言えないと思っております。そういう意味では、円安のインフレを抑えるために財政規律が非常に重要だと思っておりまして、今々の財政規律、財政目標について、まず伺いたいと思います。
○岩田副大臣 ただいまの現在有効な目標についてでございますけれども、骨太方針二〇二五におきまして、二〇二五年度から二〇二六年度を通じて、可能な限り早期の国、地方を合わせたプライマリーバランスの黒字化を目指す、必要に応じ、目標年度の再確認を行う、債務残高対GDP比を、まずはコロナ禍前の水準に向けて安定的に引き下げることを目指すとしております。
○伊佐委員 高市総理がずっと言っているのは、債務残高対GDP比を大分強調されております。PB、プライマリーバランスについて、これは、今の考え方というのは、プライマリーバランスの目標をやめて、そっちから債務残高対GDP比に目標を移行させていく、今回の骨太の方向性として、ということでいいんでしょうか。
○岩田副大臣 お答えいたします。
高市内閣では、市場動向や経済指標を常に十分に注視をしながら、責任ある積極財政の考え方に基づく経済財政運営を行い、成長率の範囲内に債務残高の伸び率を確実に抑え、政府債務残高の対GDP比を安定的に引き下げていくことで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保していくとしております。
こうした考え方の下、単年度ごとのPB黒字化目標の達成状況を見ていく方針を、数年単位でバランスを確認する方向に見直すことを検討しているところでございます。
○伊佐委員 今の話は、PBもやるけれども、メインが債務残高対GDP比かなというふうに聞こえたんですが。
PBも複数年度でとおっしゃったんですが、これも私は意味が分からなくて、今まで、プライマリーバランスだって、五年後の目標とか、常に一定期間を置いてやってきたわけじゃないですか、複数年後の目標。今おっしゃった複数年度というのはどういう意味ですか。
○岩田副大臣 お答えいたします。
本年一月の経済財政諮問会議において、高市総理から、これまでの単年度ごとのPB黒字化目標の達成状況を見ていくという方針を、数年単位でバランスを確認をする方向に見直す、城内大臣を中心として関係大臣が連携をして、与党の議論も踏まえつつ、今年の骨太方針に向けた検討を進めるという指示があったところでありまして、こうした方針の下で今年の骨太方針の策定に向けて検討を進めているところでございます。
○伊佐委員 ちょっと今説明がなかったと思うんですが、もう時間がないので、最後、大臣、今までの議論を聞いてどう思われたか、ざくっとした質問で恐縮なんですが、よろしくお願いします。
○片山国務大臣 この間、経済財政諮問会議でブランシャール博士、ロゴフ博士をお呼びしていろいろお話を聞いた中で、幾つも有益な指摘があったんですけれども、まず、投資をこれから強い経済をつくるためにやっていくということと、投資はある程度別枠で管理して複数年度かけて見るということについては、大変いいことであるというふうに言われたんですけれども。財政目標については、いろいろ報道が出ていますけれども、債務残高対GDP比を何らかの形で見るということには非常に肯定的でありまして、それから、中長期の目標があるということが市場の信認につながるということ、それから中央銀行の独立性、これは我々はきちっといずれも同意しているようなことなので、非常によかったと思っておりますので。
今から骨太の方針に向けていろいろ議論を経済財政諮問会議等でしていく上で、やはり、市場の方が信用するような形というのはどういう形なのかということを、今の最先端の学者の方は、積極財政派の方を含めてかなり気にしていると思いますので、その点はまさに伊佐委員がおっしゃっているところと共通項があって、そこはみんなが同じものを見ている部分があるなというふうに思いますので。
もちろん、債務残高の対GDP比の引下げについては、それだけでは足りない部分も当然あると思いますけれども、要するに債務の管理が発散しない、拡散しないという信頼性が大事なんですよ。要するに、政府、民主主義の下における政府がちゃんとガバナンスを持って、財政赤字が発散してコントロールの下にないような形になるということが一番忌避されること。
その関連で、中央銀行の方と全く、政府の方との関係ということも今申し上げたんですが、そこの信頼性がある程度確保されれば、例えば、EUでも六〇%基準とか九〇%基準とかがあるにはあるんですよ。それが上回っている国ももうかなりあるんですけれども、じゃ、その国々の財政運営を破綻しているとは言っていないわけで、そこのたびに計画を出すわけですね、なだらかに引き下げるとか、かなり引き下げるとかいろいろありますけれども。それについて常に対話している、議会とも政府ともEU内でも、このことが大事なんだというような方向に、今、収束しつつあるのは事実で。
だから、絶対値という問題よりも、やはり予見可能性とか計画性とか信頼性とか、それが全て、実体経済が動かす金利や為替よりもマーケットの比率が日々大きくなっていますので、そこを無視しては語れないということが根底にあるので、その上で、委員もいろいろな御指摘をされているし、私どもは私どもなりに、中央銀行は中央銀行なりに、同じ方向は見ているんじゃないかなというふうに感じました。
○伊佐委員 丁寧な答弁ありがとうございます。また議論したいと思います。
ありがとうございました。
○武村委員長 次に、萩原佳君。
○萩原委員 日本維新の会の萩原佳でございます。
本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。
現在、いわゆる食品消費税ゼロ%、これについては、夏前の中間整理、これを目指して国民会議で議論が積み重ねられていることだと思っております。仮にこのまま順調に、食品消費税ゼロ%、これの議論が進んでいって食品消費税がゼロ%となった場合、結果として、適用される税率に関しては、現状のままですと、ゼロ%、八%、一〇%の三種類となることになって、どうしても目立ってしまうのが、現在、食品とともに八%の軽減税率の対象となっている、週二回以上発行されて定期購読契約に基づいて配達、郵送される新聞であると考えております。
かかる新聞の軽減税率適用に関しては、昨年五月にもこの委員会で質問させていただきました。その際、主税局長からは、新聞が軽減税率の対象になっている理由は、日常生活における情報媒体として、全国あまねく均質に情報を提供し、幅広い層に日々読まれていることなどの事情を総合勘案された結果、軽減税率の対象となっている旨、これを確認させていただいて、これに対して当方からは、新聞の発行部数などの推移を根拠に、軽減税率の対象とした根拠、これが失われているのではないのか、そういう懸念を示させていただいて、当時の加藤大臣より政府側の御意見をお聞かせいただいたところでございました。
ただ、当時とは異なって、食品消費税ゼロ%、これが現実味を帯びてきて、このまま新聞のみ八%の適用対象として残った場合、言い方は悪いですけれども、新聞の八%が悪目立ちしてしまって、かなり注目を集めて、軽減税率の対象品目としてよいのか等の議論が再燃する可能性は否定できないというか、確実に再燃するんだろうなというのを感じております。
ここで片山大臣にお伺いいたしますが、食品消費税ゼロ%の制度設計が終わって実行に至る場合、新聞の消費税率は、例えば、現状のまま八%の軽減税率として存在し続けるのか、新聞も消費税ゼロの対象とするのか、それとも、同じ新聞でも電子版媒体やキオスク売り等の新聞と同様、標準税率である一〇%とするのか等の方針や方向性等、現状で何か考えがございましたらお示しいただければと思います。お願いします。
○片山国務大臣 一定の定期購読契約に基づく新聞につきましては、日常生活における情報媒体として、全国あまねく均質に情報を提供し、幅広い層に日々読まれていることなどの事情を総合的に勘案し、八%の軽減税率の対象とされたものと承知しております。
その上で、現在、政府としては、消費税について、二年間に限った食料品の消費税率ゼロを検討しているところでございまして、軽減税率が適用されている定期購読契約に基づく新聞の税率を直ちに見直すことは、その検討の中には入っておりませんというか、考えておりません。
いずれにいたしましても、食料品の消費税率ゼロの詳細、その実施に伴って現行の軽減税率制度をどうするかといった論点について、引き続き社会保障国民会議において議論が進められていくものと考えておりますので、御党におきましても、連立与党でございますので、しっかりと御協力をいただいて、よりよい方向になればと考えております。
○萩原委員 ありがとうございます。
まだ決まっていないというところと、これは今後の議論だということ、軽減税率全体ですね、それについての議論だということでした。
とはいえ、新聞の軽減税率に関する私自身の考え方であるとか維新の考え方というのは、昨年質疑させていただいたとおり、変わっていませんけれども、再度、新聞の軽減税率については説明が求められることになると思っています。
去年五月、私が質問した際、日本新聞協会の新聞の発行部数、これを使って質疑させていただきましたが、そのときのデータは二〇二四年までのデータ、あれが十月改定ですので、最新の二〇二五年のデータも確認させていただきましたが、やはり、更に発行部数というのは減っていっているような状態、前年比で百七十万部以上、発行部数が減っている状態で、購読者数の減少に歯止めがかからないような状態となっていて、なぜ新聞が軽減税率の対象となっているのかの説明、これはやはり求められるものと考えています。
また、昨年度以降の変化でいうと、二〇二五年は、同じ新聞社が短期間に大きな誤報を二回出したりとか、兵庫県知事選の話で、本当は報ずべき話だったのを報じていなかったんじゃないのかという話がSNSで話題になったりと、新聞の公共財としての信頼性、これについても大きな揺らぎが生じた年であったと考えておりますので、より丁寧な説明、考え、対応が必要となっている状態と思っております。
加えて、仮に、現行のまま、先ほども申しましたが、三種類の税率が走るようになった場合、消費税の申告書、これも今どんどん枚数が増えていってかなり複雑になってきているんですけれども、それが更に複雑になる。また、それだけだったら、税理士頑張れというところでいいと思うんですけれども、経理区分、大本の経理区分も、やはり伝票上、別のフラグを立てたりとか、実務上の手間というのが相当面倒くさいなというところも想定されますので、その申告や経理上の事務処理の大変さというのは、所轄の税務署長を務められたこともある片山大臣であれば苦労というのは分かると思います。
このような手間が増えればやはり疑問の声というのも増えていくということも想定されますので、是非、新聞の消費税率の在り方、近年の状況も含めた時代の変化、事務処理等に対する懸念にも配慮いただき、国民の皆様が納得できる形で、軽減税率の在り方について、先ほども申していただきましたけれども、議論していただければと思っておりますので、そのことだけ申し上げて次の質問に移りたいと思います。
では、次は為替についてお伺いします。
現在、一ドル百五十八円から百五十九円、一時期、百六十円を超えたりという為替水準、これは、輸出企業に対して非常にポジティブな影響を与える一方、輸入に頼る我が国経済の物価には、ネガティブな影響、これを与えているのは間違いありませんが、そこで、現状認識について確認させていただきます。
片山大臣は、現在の円安、これを行き過ぎと認識されているのか、それとも、ファンダメンタルズに沿った動きで妥当なものと考えられているのか、答えられる範囲というのもあるかと思いますけれども、是非、大臣の御見解をお聞かせいただければと思います。
○片山国務大臣 為替の水準につきまして具体的にコメントすることはいつものように差し控えておりますけれども、特に二月の末にイラン情勢というか戦闘が開始して以来、中東情勢ですね、原油市場や原油先物市場に加えまして、為替市場でも非常に投機的な動きが高まっているとの声を聞いておりまして、私どももそのように認識をしております。私からは、かねてより断固たる措置にも言及しておりますが、今後の対応について具体的にいつどうこうということはちょっと差し控えをさせていただきたいと思います。
いずれにしても、政府といたしましては、為替が国民生活や経済に与える影響を踏まえて、あらゆる方面で万全の対応を取ってまいる所存でございます。
○萩原委員 あらゆる投機的な動きもある中、円安に対して対応を取っていかれるということでございましたが、やはり、私が言うのもなんですけれども、為替相場というのは国力を映す鏡であると考えております。現在の円安というのは、過去三十年間やるべきことをやってこなかった構造改革の遅れ、これが進んで、また、企業の力も失われている日本の現状を突きつけられているものなんじゃないのかなというのは感じております。
もちろん、今、政府の為替介入等々、これは市場が非常に意識、警戒していると思いますが、為替介入というのはあくまでその場しのぎの対応でしかないと考えており、びほう策でしかない。だからこそ、円安の状況の根源、これを断ち切るためには、やはり、強い日本経済の再構築、これが必要であると考えています。
そのための手法、やり方というのは様々あると思いますが、例えば今回の税制改正、これで、大胆な設備投資促進減税、この税制を入れたのもその一環であって、非常に期待が持てるところであると思っておりますが、ただ、ちょっと、今回の税制改正全般の話で少しだけ心配なのが、防衛法人特別税、これが導入されました。これによって、法人税の実効税率、それが三〇%を超える。その前までは、財務省の資料によれば、実効税率は二九・七四%ですけれども、それが、今回入ったことによって、三〇・六四%になるのが見込まれている。これは、ドイツの三〇・〇七%を超えて、G7で最も高い実効税率となります。
ここでお伺いしたいなと思うんですけれども、実効税率がG7で最も高い、これが海外からの国内投資であったり、また日本進出に与える影響をどのように考えるのか、政府参考人にお伺いします。
○青木政府参考人 お答えいたします。
外資系の企業の日本への進出につきましては、新規顧客の獲得見込みでございますとか、インフラの整備状況、人材確保の見込みなど、様々な要因が大きく影響しているとの調査結果も見られるところでございまして、税制を含めますビジネスコストの影響については、必ずしも明らかではないというふうに考えております。
その上でございますが、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中で、防衛力の強化は必須であり、そのための安定的な財政基盤の確保の一環として防衛特別法人税を創設し、本年度より適用を開始したところでございます。
ただ、法人税額五百万円までは付加税が課されないような仕組みとすることで、全法人の九四%は対象外となる見込みとなるなど、企業活動に対しまして過度な影響を与えるものとはならないような配慮も一方でしているところでございます。
○萩原委員 まずは、防衛特別法人税、これの導入に関しては必要なものであるというふうには考えていますので、それに対して何か言うということはないんですけれども、税率ですね。
進出に当たりのお話をしていただいたと思いますが、それは恐らく日本企業へのインタビューが、調査がメインになっているかと思っております。日本企業は、過去、シンガポールも含めて、法人税率だけ見てという言い方はよくないですけれども、法人税率を、負担を減らすために海外進出を図って多く失敗してきた経験があるからこそ、そのような結果になってしまうと思っておりますが、日本のインフラ状況を考えると、海外企業にとって、やはり、法人税率が何%であるのかというのは非常に重要なのは間違いありません。
何か、最近の税制改正の流れを見ていると、税率、所得税は上げられないけれども、だから代わりに大企業にその税率の負担を求めていくような流れが多く出ているように見受けられますけれども、安易にそのような手法というのは取るべきではないと考えておりますし、私個人の考え方としては、今の税率、G7で最も高いというのは、国際競争力の上ではマイナスになっていると思っておりますので、是非、安易に法人税を上げるというような手法は取るべきじゃないということをお願いして、質疑時間が終わりましたので、私からの質問とさせていただきます。
どうもありがとうございました。
○武村委員長 次に、田中健君。
○田中(健)委員 国民民主党の田中健です。
本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
私からは、地方銀行の不動産融資と地域金融の在り方についてまず質問をしたいと思っています。
今、地方銀行の不動産業向けの融資が大きく膨らんでいます。全国地方銀行協会の統計によりますと、地銀の不動産業向け融資残高は、二〇二五年の九月末で四十五兆円を超えて、前年の同月比でも六・六%増、また、五年前と比べると三二・三%増ということで、ここ数年で大きく膨らんでいます。四十五兆円を超えるというのは、もうこれは一部のニッチな話ではなく、日本の金融の資金配分そのものがどこへ向かっているのかといった規模だと思っています。
そんな中で、金融庁は、一部の地方銀行について不動産向けの融資のリスク管理に問題が見られたとして、今年の二月に、地方銀行の首脳との意見交換の場で警告を鳴らしました。報道によれば、融資全体に占める不動産向け融資割合の上限を定めていない先、また、ストレステストが不十分な先も確認されたとされていますが、まず片山大臣から、この現状をどう認識して分析しておられるのか、お聞きします。
○片山国務大臣 国内の不動産市場が、このところ、堅調な国内需要や建設資材の高騰などを背景に、東京や主要都市を中心に非常に価格が上昇しておりまして、御指摘のとおり、地域銀行における不動産業向け貸出しについても、前年同期比でプラスの伸びが継続をしております。
一般に、金融機関においては、不動産業向けを含め、特定の業種向けの貸出しを増加させる場合ですとか、与信のポートフォリオにおける業種集中を高める場合には、限度額管理の設定ですとかストレステストの実施など、与信の状況に応じた適切なリスク管理を行うことが必要でありまして、こうしたリスク管理体制の確保について、二月の地域銀行との意見交換会において事務方の方から申し上げた、こういう認識でございます。
○田中(健)委員 私も、不動産融資そのものが悪いという意味ではなく、不動産は経済活動に大変不可欠ですし、住宅供給、再開発、地域の町づくり、資金が必要です。しかし、問題は、地域を支えるはずの地方銀行のお金が、地域の事業や産業を育てる方向ではなく、より収益の上がりやすい不動産へと偏っているんじゃないか、その偏りを止める管理が十分ではないんじゃないかという点であります。
金融庁のFSAアナリティカルノーツ、いつも拝見させてもらっていますが、ここでも、地方銀行の不動産向け貸出しについての分析がこれまで行われてきました。資料でございます。下が二〇二四年七月の資料ですが、地方銀行の不動産向け貸出しの動向が示されております。また、上は二五年一月の公表の分析ですが、地域銀行の共通貸出先についても、圏外向け、つまり営業基盤の外ですね、本店がある外への貸出しの場合に、正常先となる確率が高いことが確認されておりまして、東京向けかどうかも含め、越境貸出しと定義しておりますが、実態が詳しく分析をされています。
金融庁自身も、地銀の貸出しが地元の中小企業だけでなく営業基盤の外へと広がっている実態を把握しています。
本来、地方銀行のお金というのは、その地域の企業や商店街、農林水産業、また事業継承や、そういった地域の未来を支えるために回るべきものであると思っていますが、この地域の貸出先が大変厳しい、細る中で、案件も大きく金額も大きいと先ほど大臣からありましたけれども、そういった都市部の不動産に流れている。こうなりますと、地域金融というのが、地域を支える金融というのではなく、不動産に偏る金融になってしまうんじゃないかといった懸念があります。片山大臣はこの点を地域金融のゆがみだと受け止められておられるかという質問をしたいと思っています。
というのは、金融庁は、昨年、二〇二五年の十二月に地域金融力強化プランを公表して、地域金融機関に対して、あくまで地域企業の価値向上への貢献、地域課題の解決を重視するという方針を明確に示しています。それにもかかわらず、このような今の、不動産に過度に偏っているとするならば、政府が進める政策と実態というのがずれているんじゃないかという問題意識です。
このずれをどのように是正していけるのかということで、地方銀行に対しても、しっかりと地域にお金が、資金が回るような、回すような、促すような、そういった考えも、大臣としては考えられているのか、併せて伺いたいと思います。
○片山国務大臣 地域金融機関においては、将来にわたる自らの持続可能性ということを考えますと、地元地域の課題解決等に向けた幅広い金融仲介機能を発揮していかないと、そして地域経済に貢献していく、この役割を果たさないといけない、そういう基本的な性格であるということは、一つ強く御認識としてなければいけないと思います。
この役割を果たしていただくためには、その地域の金融機関の財務の健全性やリスクの管理能力というのが大前提になるんですが、不動産業の貸出しの状況が一律にゆがみかどうかということはちょっと一概には言えないんですが、委員が御指摘いただいたFSAアナリティカルノーツにつきましては、地域銀行による本店所在都道府県以外への貸出し等の状況や信用リスク管理への影響等を分析しているということはそういうものでございますので、この分析結果が、各地方銀行に対するリスク管理体制のモニタリングに我々が活用しているということですから、そういう見方をきちっとしているという意味では、我々も対応は怠っていないと考えております。
いずれにしても、金融庁としては、地域金融機関において幅広い金融仲介機能がしっかり発揮されないと成長戦略につながらないものですから、地域金融力強化プランを通じて環境整備を行ってまいるとともに、不動産業向け貸出しも含めた財務の健全性の状況については、モニタリングを適切に実施してまいりたいという所存でございます。
○田中(健)委員 更に申し上げたいのは、これは銀行だけの問題じゃないということです。資金が不動産に集中すれば不動産価格も押し上げられやすくなりますし、また、住宅を買いたいという若い世代や子育て世代、あるいは地域で普通に暮らしたいという人たちにとって、住まいが遠のいていくという懸念もあります。
金融の資金配分のゆがみというのが最終的には国民生活の重荷になりかねません。片山大臣はこの問題を、今、金融システムの安定、リスク管理という言葉が何度も出ましたけれども、というだけでなく、暮らしの問題としても考えておられるのかという点でも伺いたいと思います。
○片山国務大臣 今、再三申し上げておりますように、不動産業向け融資だけではなくて、住宅ローンを含めて金融機関の貸出状況というのは全部モニタリングをしているわけですが、金融機関によって不動産業関連の貸出残高が増加しているということになりまして、また一方で、不動産価格につきましては、内外の金融問題や金融環境もありますけれども、近年、やはり、物件自体が供給される状況がどうなのかということになると、人的あるいは資材的物件制約というのもあるわけで、そういう要因もいろいろありますし、また期待収益がどのぐらいかということもありますし、企業や消費者の不動産に対する選好がどの程度かということも全部合わせてこの需給が決まってきますので、一律の評価について申し上げるのは難しいんですけれども、住宅購入の可否とか住宅購入をどうしようかしらとか、住宅ローンが割に若い世代でも高額のものを組まれる方が増えているという御指摘は、まさにメガバンクからも地銀からも、あるいはもっと小さな地域金融機関からも生まれて、おっしゃられておりますけれども、それは、不動産を投資と考えられて、担保価値があるというのを見込んでいらっしゃるのでそういうお考えをされるのかなと思いまして、絶対に組めないようなローンは今私が申し上げたような金融機関では提供していないですから、まさに昔の住専みたいなことは今は全く起きていませんので、そういうことはあります。
ですから、高額化とか借入期間の長期化ということが今実際に傾向としてある程度あって、それが、家計の中のやりくりがどうかというのは、当然、顧客本位の営業ということでしっかり考えていただかなければ困ると思っております。
ですから、金融庁としては、こういったミクロの借り手が置かれた環境変化やその影響にも留意しつつ、金融システム全体への影響も考えて、これらの一連の貸出動向はきちっと注視し、モニタリングをしてまいりたいと思っております。
○田中(健)委員 確かに、不動産の価格形成というのは一概には言えなくて、いろいろな要因があるというのも理解をしております。しかし、やはり今、五十年ローンという住宅ローンも出ていますので、今大臣から、ミクロもしっかりウォッチしていくということでありますので、是非とも注視をしていただきたいと思います。
今、金利のない時代、世界ではありません。金融庁の分析においても、近年の不動産価格の高騰や市場金利の上昇など、住宅ローン、不動産金融を取り巻く環境というのがレポートでも示されています。その中で、仮に、この金利上昇に加えて、今地価も上がっていますけれども、地価が下落をして、また空室率上昇が重なると、今表面化していなくてもリスクが一気に顕在化する、将来、不良債権化するおそれがあるんじゃないかといったことも一部言われていますが、片山大臣、この懸念ないしは危機感というのはお持ちになっているのか、認識をお伺いします。
○片山国務大臣 不動産バブルの崩壊、九〇年代がいつだったかという認定は難しいんですけれども、それこそ通達を出したときとか、日銀の一連の政策が始まったときとかいろいろ言われるんですが、九五年から六年にかけて住専会社の処理というのをやりまして、私は、ある日突然、主計局から、銀行局が当時まだこちらの省にあった頃ですけれども、住専担当室長を拝命して、それが、整理回収機構も全て含めた日本の債権と不動産の処理の流動化の部屋になったんですけれども、それを二年間やっておりまして。そのときに、当時の住専六社というか七社ですね、これらのいわゆる査定表を全部見たことがあるんですよ、二十万件ぐらいあるんですけれども。これの最初の、原初のローンはひどくて、それと同じようなことはないんですよ。つまり、グレードが違うんですよね、グレードが。貸し方の、目を覆うというか、目からうろこが逆に落ちるというか。
そういうものが、その後、自己査定ですとか金融庁における何度ものいろいろな指針の改定とかいろいろなものを踏まえて、少なくとも収益還元ぐらいはきちっとついておりますし、そのほかにも複数の査定がついておりますので、これは不正とは言えないけれども不適当だというのはどこかの例でもありましたけれども、そういうことがない限りは、普通の住宅ローンというか普通の建設、不動産融資において、かつてのような乱脈は見受けられないです。
ただ、その上で、より幅の狭いリスクの顕在化による返済の困難というのは、それは、完済の可能性はゼロじゃないわけですよ、景気変動もありますから。そういったことについては、金融リスクの負われている範囲がどのぐらいですとか、担保価値がどのぐらいに変動し得るのかとか、そういったところについてきちっとストレステストをしていただきたいということで、これも各地域銀行によってその検証をしていることを我々は期待しておりますので、そのようにモニタリングを実施しているところでございます。
この問題については、我が国は、主要諸外国に先駆けて不動産担保の膨大なローンをいろいろな手法で処理してきたという経験もございますので、その経験はちゃんと生かさなければいけませんので、しっかりとモニタリングというか、対応を抜かりなくさせていただきたいと思っております。
○田中(健)委員 これまでのまさに住専のときの、グレードが違うという説明を受けましたけれども、リスク管理またモニタリングを監督されてきたということでありますので、次の質問は飛ばさせていただくんですが、一問ちょっと追加をさせてもらって、大臣の考えを聞きたいんですけれども。
今回の警告というのが、マンション価格等も都内では高騰していまして、中長期的には金利上昇によって不動産需要が下がる可能性もあるから、早期に金融庁がある意味対応を促したんじゃないかと言う人もいます、そういった分析をしている人もおりまして。ですから、今回はあくまで金融庁は残高を伸ばすな、抑えろといった総量規制ではないということは分かっていますけれども、しかしながら、問題としては、管理が伴った残高なのか、金融庁の発言もありましたけれども、残高が増えていること自体よりも、その増え方が健全な管理下にあるのかということが問われているんだと思っています。
そういう意味では、再度、大臣に、今回の警告は、総量規制というわけではなく、更なるモニタリングや更なる地方銀行における強化を図ったということでよろしいのか、確認でお願いします。
○片山国務大臣 特に不動産業向けに貸出しを注力しているという先に対しては、ヒアリング等を通じて、今後の与信方針やリスク管理の状況をモニタリングということもしておりますが、それは、委員もおっしゃるとおりに、決して、かつてのような、ある程度意図的にバブルをあのときは潰そうとしたわけですよね。国論もありました。普通の方が家が買えないのではとか、マンションが買えないのではということで、たとえその後の状況がどのようになろうともこのようにするということで、かなり大きな政策のコンセンサスがあった時代ですが、それはその後どうであったのかという検証にさらされているわけですね。
つまり、そういうやり方が必要があるやり方で最適だったのかということを考えると、リスク管理上、体制が課題があるようなところについては、先ほどから繰り返しておりますように、ストレステストを十分にやるとかそういったことを見ているわけで、あくまでも、注力が結構ある程度のところに行っているなという地域銀行に対して、その銀行の健全性という観点から、市況をちゃんと見てくださいとか、限度額の管理とかですね、ミクロ的な、それからストレステストの徹底など、リスク管理を更に高度化してくださいということを申し上げているにすぎないということであります。
○田中(健)委員 ありがとうございます。
冒頭に言いましたけれども、やはり、今回、地銀の不動産融資の残高というのは、不動産業ですね、四十五兆円ということで大変に大きなボリュームであります。これは単なる一業種の話ではないと思いますので、特定の地域や、特定の分野、特定のプレーヤーに資金が偏り過ぎていないかとか、金利がこれから上がったらどうなるかとか、地価が下がったらどうなるか、また空室率が上がったらどうなるかというようなことも、そういったことを盛り込んだ、是非、地方銀行とのコミュニケーション、またリスク管理というのを徹底をしていただきたいと思っています。
その上で、関連して、投資用不動産ということでありますと、参議院の財金の中で大変議論になっておりますスルガ銀行の不正の融資事案について、一問だけお聞きしたいと思っています。
片山大臣、参議院の財政金融委員会において、情報の非対称性の問題及び制度的対応の必要性ということにも言及をされています。このスルガの例のみならず他の金融機関でも、被害というか、声が上がっているようなことを踏まえると、個別事案ということでなくて、金融システム上の制度的課題があるんじゃないかということも言われていますが、大臣の考え、認識を伺いたいと思います。
○片山国務大臣 委員の御質問は、三月二十六日の参議院の財政金融委員会におきまして柴委員よりございました、投資被害者の救済の法整備が必要ではないかとの御質問に対する私の答弁に関するものではないかと思います。
そのときの答弁では、私の方から、一般論として、金融商品につきましては、やはり、売手と買手の間に情報の非対称性が存在することが多い、そういう場合、情報が少ない立場にある買手に対して、いろいろな条件を付した上で何らかの手当てを行うような考え方もあり得るという旨は申し上げさせていただきましたが、これは、投資ですとかあるいは融資の被害というか、そこにあるトラブルというのは非常に多様なものがございますので、一律に何らかの法体系をつくるとか大きく見直すということになりますと、顧客保護をどうするのかとか、経済取引の安定性、これをどう考えるかとか、融資の実務上どういうことができるのかできないのかとか、かなり複雑多岐に幅広い観点から大がかりな検討をやっていかないと、なかなかできることではないというのは、過去もずっとそういうものはできなかったわけですけれども、論点としては当然あると思いますが。
まずは、こういう事件が残念ながら起きるわけですよ。そういうことに対しては、まず、その原因の徹底究明とともに、今ある制度の運用によってどういうことができるかについて、適切な運用を常に心がけていくということからやっていくということではないかと思っております。
○田中(健)委員 ありがとうございます。またこの議論をさせていただければと思います。
最後に、今日、中川委員からも詳しいお話がありましたが、今、金融庁は、ブロックチェーンを使った新たな決済や証券決済を後押しして、あわせて、金融分野のAI活用を本格化させようとしています。片山大臣も、このブロックチェーンは、もはや実験段階ではなくて金融インフラの新しい選択肢だということの現実味を帯びてきたと発言されていますが、私たちの生活にどう関わるかということを一つ入口としてお答えいただければと思います。現行の銀行預金や銀行送金と比べて、どう私たち国民生活に関係するのか、どう利便性向上につながるのか。
なかなか難しい世界でありまして、一般の人は分かりづらいことだと思います、これからということでありますが、一つ指標というか具体例でもあれば示していただければ国民に分かりやすいと思いますので、お願いいたしたいと思います。
○片山国務大臣 決済の高度化、迅速化、それから決済コストの低下ということは経済活動にとって全体的にプラスなんですが、どういうことが、では、実際の利用にあるかというと、今、実証実験とかを日本でも、金融庁も三つぐらいお手伝いをしておりますが、世界的に言われているのは、やはり、クロスボーダーの送金がまだまだ今のシステムだと遅かったり、非常に手数料が高かったりしているわけです、そういうところについて。
それから、証券の決済、これは日本もまだ最先端の証券決済の効率化まで行けていないものですから、この実装化、これには使えるだろうということ。
それから、プログラムによる自動処理が容易になるので商流や物流というのと連携すれば利用者利便は上がってくるんですが、より地域で、本当の地域通貨のような、例えば、ある地域の名前をつけて、一何とか一円で、その商店街がある金融機関の口座をほとんど持っているお店によって構成されている場合に、そこに一定のものを振り込んで、そこで、それはお買物補助として、消費を喚起するために、しかも、地域密着のところで使うというようなことが実際にはできますので、本当に地域的な小さな範囲では既にもうこの何年か、日本国内でもやっていますから、そういういい意味での地域の消費の囲い込みみたいなことにも実際に使われ始めております。
いろいろな用途があると思いますが、まず、そこが利用者保護に欠けていないということとか、市場の公平性、透明性が確保されているかということに目を配りながら、健全に育っていただくために促進に取り組んでまいりたいと考えております。
○田中(健)委員 ありがとうございました。これからの実装に期待をさせていただきます。
質問を終わります。
○武村委員長 次に、近藤雅彦君。
○近藤(雅)委員 国民民主党の近藤雅彦です。
本日もこの財務金融委員会において質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
本日は、足下の国際金融情勢、そして、とりわけ、中東情勢の緊張の高まりを背景とした資源価格の変動、そして、それに対応する我が国の市場インフラの在り方について、順次お尋ねをしてまいります。
まず、先日、アメリカとイランの二週間の即時停戦が合意されましたが、引き続き、予断を許さない状況が続いております。早期の恒久的な停戦につながることを期待したいと思っております。
足下で、中東地域、とりわけイランをめぐる地政学的なリスクの高まりによりまして、原油価格は不安定な動きを続けております。加えて、為替や金利も含め複数の重要な経済指標が同時に大きく変動する局面にあり、企業経営を取り巻く不確実性はかつてなく高まっていると認識しております。
私自身もかつて金融市場の運営に携わった立場から申し上げますと、重要なのは、単に価格が変動することそのものではございません。その変動リスクに対してどのような市場インフラを備えているか、この点にあります。すなわち、信頼される価格指標、いわゆるベンチマークと、それに基づいてリスクを適切にコントロールするためのヘッジ手段が十分に整備されているかどうかが、企業活動、ひいては我が国経済の安定性を大きく左右するものと考えております。とりわけ我が国のように資源の多くを海外に依存する経済においては、実態に即した価格形成とそれを支える市場の厚みは、経済安全保障の観点からも極めて重要な意味を持つものです。
こうした問題意識の下で、本日は、指標性のある市場の在り方、そして信頼される価格を生み出す市場、そして我が国のデリバティブ市場の育成という観点から政府の認識を伺ってまいります。
まず、石油の価格、この価格形成についてお伺いしたいと思います。資源エネルギー庁にお尋ねしたいと思います。
そもそも、石油の価格、これはどのような仕組みで決定されているのか、石油市場の基本的な構造と併せまして、我が国における取引の実態について御説明をいただきたいと思います。お願いします。
○和久田政府参考人 お答え申し上げます。
まず、原油取引でございますけれども、市場といたしましては、米国を代表するWTI、それから、欧州はブレント、アジアはドバイ原油、こういった市場がございます。
北米におきましては、これは、ニューヨークのマーカンタイル取引所におきまして、WTIの原油が大体一日当たり十億バレル規模で取引をされてございます。これは世界最大規模の出来高を誇っておりまして、国際指標になってございます。
それから、欧州ではブレント原油が取り扱われておりまして、これもWTIと同程度の出来高でございまして、これも国際指標となってございます。
それから、アジアでございますけれども、これは、ドバイ原油がアジア向けの中東産原油の取引において基準となる価格指標の一つとして使われております。我が国への原油輸入に関しましては、本価格指標が活用されているところでございます。
例えば、日本を含むアジア市場でのサウジアラビアの原油の価格についてどのように決まっているかということで申し上げますと、ドバイ原油それからオマーン原油のスポット価格の月間平均値に、サウジアラビアの国営石油会社が毎月設定する調整金、これを加減して設定をされておりまして、その価格に基づきまして取引が行われているというところでございます。
○近藤(雅)委員 ありがとうございます。
今おっしゃったように、WTI、それからブレント原油、ドバイ、オマーン、いろいろ指標について御説明をいただいたところでございます。失礼。オマーンについてはなかったかも分かりませんが、済みません。
そういった指標が広く参照されている現状があると思いますが、我が国の原油調達の実態を見ますと、その大宗、御存じのように中東産原油でありまして、実際の取引においては、先ほどの御説明にもありましたとおり、ドバイ原油等の指標が用いられているところかと存じます。品質の違いや価格決定のメカニズムの違いもありまして、WTIと実需、その間には必ずしも一致しない部分が存在すると思われます。また、中東産原油については、いわゆる自由な市場での取引量が相対的に少ないものと認識しております。価格形成の透明性や流動性の面で課題がこれまでも指摘されてきたところかと存じます。この点を踏まえますと、実際の商取引で市場で参照されるベンチマークとの間に一定の乖離が存在している可能性があるのではないかと考えております。
そこで、価格変動リスクへの対応についてお伺いします。
足下で為替、金利、資源価格のいずれもが変動が大きく、企業経営における不確実性は著しく高まっております。こうした中で、リスクヘッジ手段としてのデリバティブの重要性は一層高まっているものと思います。
そこで、経済産業省にお尋ねをします。
我が国企業が市場取引等を通じてこうした価格変動リスクに対するヘッジ手段を十分に活用できているのか、現状をどのように認識していらっしゃるか、また、課題があるとすればどのように対応していくのか、お考えをお聞かせください。
○和久田政府参考人 お答え申し上げます。
まず、一般に、原油価格は日々変動する一方で、その変動は基本的に週次で石油製品の卸価格に反映されるため、原油価格の変動リスクに対するヘッジ取引は一般的には行われていないというふうに認識をしてございます。
他方、為替相場の変動による影響を抑えるため、契約時点で為替レートを確定させるためのヘッジ取引を行っている、そういった事例はあるというふうに承知をしてございます。
それから、石油製品でございますけれども、契約時点における石油製品の市場価格と原油の市場価格の差分に関する先物取引を行うということで利益を確定させるという取組が行われていると承知をしてございます。
現在、中東情勢も踏まえまして、原油価格が乱高下していることも踏まえまして、今後、どのようなヘッジ手段の活用が必要か、検討をしてまいりたいと考えてございます。
○近藤(雅)委員 ありがとうございます。
今御説明があったように、週次、ウィークリーということだと思いますが、その取引価格が設定されたり、あるいは石油そのものというよりは為替のヘッジ等はあるという御説明かと思いますけれども、今、大分、原油価格の変動が激しい状態ですので、一般の国民の皆さんからすると、要は、原油の価格、あるいは実際、国内にどういう影響があるのか分からないよというような状況かと思います。
今朝の新聞報道でもありましたけれども、ガソリン価格に対する補助金の指標が、ドバイの原油価格から、基準を北海ブレント原油の方に変えられたとかいう記事もございました。エネ庁さんの方で御説明されているようなんですけれども。
そんな中で、どうにかして一定の標準的な仕様の金融商品、上場商品等を国内に設けていくような、そのような形で、これは市場参加者だけではなくて、国民の皆さんに対しても、足下の原油の状況、価格の状況は真にどういう状況なのかというのを広く知っていただく意味でも、こういったところに検討を是非進めていただければ、合理的な価格形成に向けてそうした不断の検討をお願いしたい、このようにお願い申し上げて、一旦、原油市場に関する御質問は以上とさせていただきます。
次に、金融先物関連についてお尋ねをしたいと思います。原油とは対象が異なりますけれども、デリバティブ市場全体の観点から申し上げます。
来週、週明けになりますけれども、十三日に、大阪取引所において通貨先物市場が新たに開設される予定となっております。我が国の市場デリバティブ取引の拡大に向けた重要な一歩であると認識しておりますし、私も大変大いに期待をしております。
そこで、金融庁にお尋ねをさせていただきます。
今回の通貨先物市場の開設の意義をどのように評価していらっしゃいますか。そして、これを我が国金融市場の国際競争力強化にどのようにつなげていくのか、御見解をお聞かせください。
○岩田副大臣 お答えをいたします。
委員御指摘のとおり、四月の十三日、大阪取引所が通貨先物の新規上場を予定しているものと承知をしております。個別の上場商品についてコメントすることは差し控えますが、我が国ではこれまで主に個人を対象とするFX取引が活発に行われているところ、今般の通貨先物の上場により、機関投資家や事業会社が新たなヘッジ手段を利用しやすくなることから、我が国の金融資本市場の機能強化の点でも意義あるものと考えております。
金融庁としましては、投資家等の様々な取引ニーズに応じて株式、債券などの現物市場やデリバティブ市場が整備をされ、金融資本市場がその機能を十分に発揮をしていくことが重要であると考えております。取引所の上場商品の多様化や流動性が高く効率的な市場の構築に向けて取り組み、我が国の金融資本市場の国際競争力強化にもつなげてまいります。
○近藤(雅)委員 ありがとうございます。
今回の新しい通貨先物ですけれども、市場関係者によりますと、元々、我が国の代表的な金融デリバティブとして、二二五先物等は、広く海外投資家の方も我が国のマーケットにエントリーいただいている状況かと思います。この投資に対する為替のヘッジの手段にもなり得る、むしろそういったところに大いに関係者は期待されていると伺っておりますので、今回のマーケットが大きく成長を遂げることを期待して、次の質問に移らせていただきたいと思います。
冒頭から申し上げているとおりですが、国際情勢の不確実性が高まっております。その中でのデリバティブ市場、この役割は極めて重要だと考えます。
そこで、金融担当大臣にお伺いいたします。
デリバティブの役割についてお聞きしたいところですが、デリバティブ市場の果たす機能や意義についてお考えをお聞きしたいと思います。また、国際的に指標性のあるデリバティブ商品を国内に持つことは重要と考えます。グローバルにおける日本のデリバティブ市場の位置づけをどのように御覧になっているか、確認をさせていただきます。今後、日本のデリバティブ市場を戦略的に育成していく必要性や市場の活性化に向けて、大臣の意気込みを伺いたいと思います。
○片山国務大臣 先物取引やオプション取引等のデリバティブ取引につきましては、一般にですが、事業のリスクヘッジですとか現物資産に関する将来の価格変動リスクの回避を可能とするということ、それから、証拠金を担保として差し入れることにより効率的な取引を可能とするということ、それから、原資産の将来価格等の予想に基づく取引が行われること、これらを通じて価格発見機能の向上に寄与する、こういった意義があるというのは昔から言われていることでございまして。
日本の旧証取法上は一九八七年から八年の改正で初めて入ったんですが、それから後、しばらくして日本の株式市場の第一次ピークが来ていますから、その間には非常に分かりやすく一定の効果を生じ始めてから、その後、長年発展していると思っておりますけれども、デリバティブ市場が日本で、グローバルにおいてどうかというと、早く法律上は位置づけたんですけれども、世界において主要かというと、主要とはとても言えない状況なんですね、理由はいろいろあると思いますが。おっしゃった日経二二五先物のように、海外にも上場して広く取引されている、国際的な指標性を有するという商品も生まれてはいるんですけれども、それがたくさんあるわけではないということでございます。
いずれにしても、国際金融市場としての日本というのを育てようということを、私はこの大臣に拝命する前からずっと、金融調査会長のときから掲げておりまして、その機能強化の観点からも、様々な流動性の高いデリバティブというのができていくということは非常に重要だと思います。
そこの関係では、JPXで、新商品の上場とか祝日の取引の開始といった利便性の向上をやっていただいていることと、それから、東京商品取引所、TOCOMの方で、JPXへの経営統合といった総合取引所化の推進などの様々な活性化策が進められているということは非常に歓迎をしておりまして、金融庁といたしましては、引き続き、日本の金融資本市場の機能強化の観点と、また国際的な地位の向上、これは魅力の向上ということですが、この上から努力をしてまいりたいと思っております。
○近藤(雅)委員 丁寧な御答弁ありがとうございます。
まさにおっしゃったような、私も今質問でお伝えしてきましたけれども、価格発見機能、投資家の方だけではなく、広く国民の皆さんの目線にも重要なことだと思いますし、我が国の金融市場の活性化に向けても、今触れていただいた総合取引所のお話ですとか、あるいは利便性の向上に向けた取組を引き続き進めていただきたい、このように考えます。
最後の質問になるかと思いますが、国際金融センターについてでございます。今日の関連と言っていいと思いますが、我が国の国際金融センターとしての位置づけについて確認させていただきます。
二〇二〇年十二月に閣議決定した国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策の中でも、世界に開かれた国際金融センターの実現がうたわれています。それから既に五年が経過しておりますが、以後、東京、大阪、そして私の地元福岡でも、地方自治体が中心となって類種の取組が進められています。
大臣にお尋ねしますが、これまでの取組、そして現時点での総括、今後の戦略についてお聞かせください。
○片山国務大臣 日本をもう一度世界の国際金融センターにということで、実は旗を揚げた張本人でございまして、二〇二〇年からずっと取り組んでいるので、金融庁にも御努力いただいて、関係省庁とも連携しながら、関連の施策はいろいろやってきております。
まず、国際プレーヤーを呼び込まなきゃいけないので、海外の金融事業者の新規参入の促進のために、今までにはなかったんですが、英語によるワンストップの支援窓口というのをつくりまして、それから、ジャパン・ウィークスというような、いろいろなイベントを通じて日本市場の魅力に関するプロモーション活動などに取り組んでまいりましたが、さあ、これでみんなでニューヨーク、ロンドンに売り込みに行こう、シンガポールも行こうといろいろ考えていたら、コロナがひどくなりまして、そこでちょっと止まったというような問題もあるんですが。
ただ、過去五年を累計しますと、この支援窓口を通じた参入事業者が五十を超えたということは、その前の何年かは、日本は国際金融市場というのは無理じゃないかみたいなことが言われていたところから見れば、頑張ってはきたというふうに思っております。
また、東京だけじゃないですからね、東京以外の地域にも金融や資産運用のサービスを集積して、地域の産業、企業の発展につなげるということが大変な地域活性化になりますので、二〇二四年六月には、北海道の札幌市、それから東京都、それから大阪府・大阪市、福岡県・福岡市の四地域を金融・資産運用特区として指定させていただいて、いろいろな規制改革ですとか行政手続の英語化等のビジネス環境の整備を進めております。
例えば福岡では、ベンチャーファンドからスタートアップ企業への投資を促進するような規制改革を実現しておりますので、今後とも、個人金融資産が非常に豊富である、そして治安や生活環境が良好であるといった日本の強みですとか、今申し上げた四地域の金融・資産運用特区、各々の特徴や強みを積極的に展開して、東京以外も含めた国際金融センターの実現をしっかりと推進してまいりたい、このように考えております。
○近藤(雅)委員 時間となりましたけれども、本当に、コロナで残念ながらこの意気込みが思い切って発揮できていないところもあったと思いますけれども、その中で着実に成果も上げられていると今お聞きしましたので、是非、いま一度、仕切り直しかと思いますけれども、この取組を推進していただきたいと思います。
質問を終わります。ありがとうございました。
○武村委員長 次に、牧野俊一君。
○牧野委員 参政党の牧野俊一でございます。
本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
現在、イラン情勢が非常に不透明な状況にあって、今後の、そういった状況を受けて、国内のいろいろな投資とかそういった部分でも、どうしていくかなかなか先が見通せないという状況ではありますけれども、高市内閣においては、予算の単年度主義そして過度な緊縮というものを見直して、投資的な性格の予算については複数年度でバランスを見ていくというふうに言っていただいています。こういったことは今後の日本経済をしっかりと支えていくために重要なことだと思いますので、非常に評価しているところではあるんですけれども、この複数年度でバランスを見ていくということについて、具体的に何年程度の期間で収支バランスを見るということを考えていらっしゃるのかということを問いたいと思います。
例えば道路建設においては、計画と調査段階から始まって、用地の買収、着工、完成に至るまで約十年近くも時間を要して、着工からだけで考えても最低でも四、五年程度はかかるといったことが普通でありますし、基礎的研究開発などはもっと時間がかかるものも多いです。こうした投資的な事業の収支について考えるためには、完成後に、実際のやったことによって経済効果が表れるまでの時間というものを考慮して、少なくとも十年程度という十分な時間の中で、当初の支出とインフレや経済効果を基にした税収増のバランスというものを考えていくべきだというふうに考えますけれども、財務省としての現時点でのそこに対する方針、考え方、財務大臣、お答えいただけますでしょうか。
○片山国務大臣 高市政権では、投資を上回るリターンを通じてGDP成長にも資する危機管理投資、成長投資などにつきまして、予算上、多年度で別枠管理する仕組みを導入し、当初予算で計画的に計上していくという考えでございまして、今後、予算編成改革の一環として検討を進めてまいります。
これまでも、今の八年度予算までの間で、GXの経済移行債を活用した十年間の先行投資支援ですとか、AIや半導体産業基盤強化フレームにおける七年間の公的支援については、特別会計において別枠管理しつつ、必要な財源を確保しながら、財源の裏づけのあるつなぎ国債の発行などにより、複数年度にわたる予算措置を行ってきておりまして、こうした取組を更に広げていくことを考えております。
お尋ねの年限の目安でございますが、具体的に現時点で何年と決まっているというわけではありませんが、既に昨年秋に、造船それから量子、重要鉱物など経済安全保障上重要な分野における投資に関し、新たな財源の枠組みについての検討に着手するということを決定済みでありまして、令和九年度予算からの導入を目指して検討を進めてまいりたいと考えております。
ちなみに、GXの十年の部分なんですけれども、改めて十年のGX経済移行債の発行対象の経費になっているものを幾つか見ますと、その多くは十年ではなくて五年とか、民間も関わってまいりますので、いわゆる予見可能な将来というのが十年のところが多いかというとそうではなくて、これはGX債の移行期間活用の先行投資支援のスパンが十年という意味でございますが、そういった状況になっております。
○牧野委員 お答えいただき、ありがとうございます。
こうした複数年で予算の収支といったものを見ていくということにあって、実際にお金を使った先に、それを満たせる、新たに需要が生じてくることに対して、それを満たす供給能力がどの程度あるのかということがまた一方で大事になってくると考えています。ちょっと質問が一個前後しますけれども、そうした新たな需要を満たす供給能力の見積りということに関して、内閣府の統計では、潜在GDPというものを現在、平均概念というもので計算しているというふうに承知しています。
これは、例えるなら、八月の東京の最高気温は何度ですかという問いに対して、過去の最高気温ではなくて、平年並みの気温で回答しているといったような状況になってしまいますので、最大概念でGDPを計算した場合よりも、潜在GDP、頑張ったらここまでできるというものの値が小さく見えてしまって、結果的に、デフレギャップというものを過小に、一方でインフレギャップを過大に評価してしまうということになりかねないと思っていますけれども、なぜ内閣府としてはこの平均概念というものを採用しているんでしょうか。
○茂呂政府参考人 お答えいたします。
内閣府におきましては、潜在GDPにつきまして、過去の経済のトレンドから見て平均的な水準で生産要素を投入したときに実現可能なGDPと定義しまして、それを推計しております。そういたしますと、これは、潜在GDPを景気循環の影響をならした平均的な経済の供給力として推計している、そういうことになります。
この定義につきましては、IMFやOECDなどの国際機関、それから各国の中央銀行などと同様の定義になっていると承知しております。
○牧野委員 国際標準と合わせるとそういった定義を使用せざるを得ないというところもあるかと思いますが、実際問題のところで考えますと、本気で頑張ったらどこまでいけるのかというところがやはり最も大事なところにはなってくると思いますので、そこも一つ勘案していただければいいのかなと思っております。
一方、向こう数年、複数年度にわたって投資というものを考えていくに当たって、後年度影響試算というものも考慮しなきゃいけませんけれども、後年度影響試算において、現在の税収弾性値というもの、一・二というものが採用されております。ここ数年の実績値よりも実際には随分低く出ているなというふうな印象でして、毎年のように、想定よりも税収の上振れというのが、ここ数年間は少なくとも生じてきた。
この原因としましては、昭和五十一年以降の名目GDP成長率と税収の前年比を幾何平均して税収弾性値というものを算出しているがために、バブル後のデフレ期に名目GDPと税収が長く伸びなかった時期の実績が足を引っ張っているようにも見えるんですけれども、昭和五十一年以降を全部幾何平均すると現在の一・二ですけれども、例えば、直近の十年の幾何平均を取った場合、あるいは、バブル崩壊前、実質GDPとか賃金が安定して上昇していた局面での幾何平均を取ると幾らであったかということを、それぞれ計算するとどうなるでしょうか。財務省の方からお答え願います。
○青木政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘の二つの期間でございます。直近の十年、これは、平成二十七年から、決算税収が直近出ています令和六年度までの十年間として、また、バブル崩壊前の実質GDPと賃金が安定的に上昇していた時期を昭和五十一年から平成二年度までといたしまして、幾何平均を基にした税収弾性値を計算いたしますと、まず、直近十年間でございますが、一・七でございます。それから、バブル崩壊前の実質GDPと賃金が安定して上昇していた時期につきましては、一・三でございます。
なお、後年度影響試算における税収の推計に当たりましては、名目経済成長率と税収弾性値を用いておりまして、本年二月に公表した令和八年度の後年度影響試算では、昭和五十一年から直近の令和六年度までの期間の平均的な税収弾性値である一・二を用いたところでございまして、こちらにつきましては、ショックを、経済的なショックを受けまして経済が後退し、また、逆にそこから回復する過程においては、税収弾性値が大きくなる傾向がまずございます。また、分母となる名目成長率が物すごく小さい数字ですと、税収弾性値が大きな振れを示す傾向も見られることなどを踏まえまして、こうした影響をならすために、長期間にわたる計数を参照しているところでございます。
○牧野委員 ありがとうございます。
計算式として、GDPの変化率を分母として、そして税収の変化を分子に置きますので、やはり、デフレ期に成長率が非常にちっちゃいというときには、分母がかなり小さくなって、上下の幅が大きくなるという話だと思いますけれども、実際の、特にここ数年においてはやはり上振れが生じているわけですから、計算に当たって、もう少し現実に即した値を取っていただいた方がいいのかなというふうに思っています。
一方、同じく後年度影響試算におきまして、金利上昇による国債の利払い費というものが、歳出の一部として計上されていると思います。現在、国の国債残高の五〇%超という大ボリュームを日銀が保有しているという現状では、日銀に対して支払われた利払いの大部分が国庫納付金という形で、例えば昨年ですと、約二兆円ほど払い戻されているというふうに承知していますが、この払戻金というものを相殺して試算とかそういったものを行うべきではないかと考えていますけれども、財務大臣としていかがでしょうか。
○片山国務大臣 二月の二十六日、国会に提出させていただきました後年度影響試算では、令和八年度予算における制度や施策を前提に、向こう三年間の一般会計の歳出歳入の姿を機械的に試算したもので、そういう計算でございまして、後年度影響試算においては、令和八年度予算と同様に、利払い費、これは、歳出のうち国債費の内数として、日銀納付金の方は、歳入のうちその他歳入の内数として、それぞれを試算を行うという形になっておりますので、その両方の差を見ることはできるんですけれども、歳出と歳入の差額を見た場合には、利払い費だけではなくて日銀の納付金も考慮した姿に一応なっているので、御覧はいただけると思いますけれども、当面、それを組み替えるということは、我々は考えておりません。
○牧野委員 ありがとうございます。
統計としては出てはいますけれども、もうちょっと、市場の関係者から見てもその辺りが見やすい形の表し方というものも一緒に示していただければいいのかなというふうには思っています。
一方で、現在、メディアを中心として、国債金利の上昇、先ほど伊佐委員の質疑の中でもございましたけれども、令和八年度においては利払い費が約十三兆円が見込まれていて過去最大になるという話もありますが、金利は足下で約二・三から二・四%、十年物ですね。これを受けて利払いの利率が上がっていくということを問題視する声も上がっていますけれども、現下のインフレの状況、特に今現在はイランの情勢の絡みもあって一時的なコストプッシュインフレという要素もかなり乗ってはいると思いますけれども、その状況を差し引いて考えても、今後も一定、基本的にインフレの状況が続くというふうに想定されますので、その状況を考えると、この十年物二・三から二・四パーという水準は決して高過ぎる水準ではないというふうには考えております。
一方、この利払い費というものを問題視するのであるならば、日銀と政府が保有する外国債からの利子収入、これを差し引いて、ネットの利払いで議論をしないといけないというふうに考えています。
こちら、お配りしましたG7の純利払い費対名目GDP比の推移というグラフを御覧ください。こちらを見ていただけますと、実際、G7の中で比較しましても、赤い線が日本になりますけれども、日本の純利払いはかなり、それでも低い水準に抑えられております。
確かに、グロスで見ると現在、上昇傾向ではありますけれども、グロスだけではなくて、海外からの受取利息というものを考慮した純利払い費というものを基にマーケットとの対話をしていただくことも重要だと考えますが、財務大臣の見解はいかがでしょうか。
○片山国務大臣 私は、着任もうじき丸半年になるんですが、経済財政のいろいろなデータについては、様々な指標を三百六十度から全部見て、それを全てテーブルの上にのっけて考えるべきだということを申し上げています。それは歴代財務大臣と比べて珍しいのかもしれませんが。
経済財政諮問会議の委員の方々が、それを委員の御提案の中に拾っていただいておりますので、今、諮問会議の方の意見もそうなっておりますが、今委員御指摘の資料を拝見して、ああ、なるほど、こうすると確かにこういうデータになるに違いないんですよ。金利の状況も違いますし、日本は保有債券、海外債券が大きいですからね。そうすると、確かにそういう比べ方をすると非常によく見えるので、ちょっとうれしいなと思ったりするんですが、悪い統計もあるものですから、いろいろなんですけれども。
純利払い費という指標は確かにあって、OECDでは、一般政府の支払い利子から受取利子を差し引いたものという定義がございまして、これを公表しておりますので、今申し上げたように、各々の特性を十分踏まえた見方をして、我が国の場合は、外為特会やGPIFがかなり、はっきりは申し上げられませんが、外貨建て債というか米債を持っていますから、金利の差を考えると当然かなりの差が出てくるわけですが、仮に国内の金利水準が上昇する場合には、支払い利子の増加というのもあって、受取利子の増加額を上回ることもあり得るので、常にネットアウトだけを見ていても、それが必ずしも有利ということもないということは踏まえる必要があると思います。
また、先般、諮問会議でIMFの元首席エコノミストお二人のお話を聞いたんですが、お二人とも、積極財政派の方ではあるんですが、今、世界的に金利が上がるし、金利の先高感がある状況の中では金利上昇に備えたリスク管理が大事であるということを異口同音に言っていらっしゃったので、これは、国内の金利上昇にも十分目配りしながら、純利払い費も含めて、先ほど申し上げましたように三百六十度の目線で我が国の経済財政の状況を多角的に評価して、いろいろなことを御参考にしながら、財政運営も情報発信も行ってまいりたいと考えております。
○牧野委員 丁寧なお答えありがとうございます。
そういったように、三百六十度いろいろな角度から市場関係者が現在の財政というものをしっかり評価できるような示し方をしていただきたいというふうに存じます。
一方、今年の予算というもの、先ほど複数年の考え方をお話ししていましたけれども、特に今年度ということを考えますと、足下でネットの資金需要が、先日こちらでお示ししたとおり、現在プラス化しているという状況で、市中からマネーストックが年間約十五兆円ほど消失しているというふうな計算となっていますが、令和八年度予算ではプライマリーバランスが黒字化し、メディアでは、百二十二兆円で予算規模が過去最大だということばかり取り上げられている一方で、例えば公共事業費においては、令和七年度で六兆八百五十八億円が令和八年度で六兆千七十八億円と、約二百二十九億円しか増えていない。対前年比で考えますと、〇・三八%しか公共事業費というものは増えておりませんで、こうすると、現状の物価の上昇は全く吸収できない。したがって、同じ令和八年度予算規模では、令和七年度よりもできることは減ってしまうことはほぼ間違いないというふうに考えますが、現時点では令和七年分の補正予算のまだ使っていない予算というものも残っているというふうに理解しておりますけれども、令和八年度予算というものは昨年の骨太二〇二五に縛られているため、このような形になったというふうに理解しています。
そうであるならば、今年度も最終的には補正予算の編成は必須になるというふうには考えていますけれども、現時点で、本年度の補正予算についてどうするか。恐らく、今はまだ何もありませんというふうな答弁になっちゃうかもしれませんけれども、何か最終的な姿として考えている方向性があればお示しいただければと思います。
○片山国務大臣 令和八年度予算、七日に成立したばかりなんですけれども、必要な予算は可能な限り当初予算で措置するという予算編成改革の、まだ第一歩ですけれども、第一歩としましては、複数年度の取組も歳出構造の平時化に向けた取組も始まっておりまして、重要施策について当初予算での増額を実現するとともに、財政の持続可能性にも十分配慮する、強い経済の実現と財政の持続可能性を両立させる、そういう仕組みの、そういうキャッチフレーズの予算となっておりまして。
今、確かに、六兆八百五十八億円から六兆一千七十八億円と、二百二十億円しか増えていないとお叱りを受けたんですけれども、実は、このところ、ずっと横置きかマイナスでございました。それをやっと何とかこの方向性に持ってきて、しかも、ハード、ソフトの一体的な取組ということの国土強靱化の一環として、この間の八潮の道路の陥没の教訓も踏まえて、様々な、重要幹線の更新ですとか、災害に対する、その後の迅速な機能確保等も含めて、かなり重点化も行って取組を行っているという自負はございまして。
これは何で横置きやマイナスをしてきたかというと、やはり効率化なんですよ。やはりこれだけの事業を発注しますから、効率化要求がないということはおかしいということでずっとやってきたんですが、それを上回るような単価、これは人件費も資材もそうですけれども、これがあるということでこの形になったということですから、これで予定されているものが発注できないということはないようにしていくつもりでございますが。
今回、今後の補正予算につきましては、総理も私も、現状お答えしているように、今、油の調達等もめどがついている状況の中で、燃料費予算につきましては一兆円以上が確保されている上に、いわゆる予備費もありますから、今これを考えるという状況にはないと思っておりますけれども、一般論として、次の九年度予算につきましては、できるだけ当初予算化していくということを本格的に要求段階から行える最初の予算、二年度かかるであろう取組の最初の予算になりますので、そこは、そこがどのぐらいの質、量になれるかということを、概算要求の様々な仕組みですとか骨太の方針等も見ながら考えて、いずれにしても、経済財政運営、経済は生き物でございますから、しっかりと臨機応変に対応ができるようにはしていこうと思っております。
○牧野委員 お答えありがとうございました。
現時点ですぐにという話ではないにしても、やはり、令和九年度予算においては、当初からしっかりと概算要求をのせて、当初予算で措置をしていくという方向性をしっかり目指していくという答弁、力強く受け取らせていただきました。
それで、やはり過去には、単年度主義というものが、年末になって駆け込みで、予算を使い切らないとまた減らされてしまうかもしれないからといってばあっと工事が進んだりとかして、それが一定、公共工事というものに対する批判を生んだりしたこともありましたので、そうした面も含めて、複数年度予算の使い方というものもしっかりと、皆さんが予見可能性を持って工事とかを進めていけるような状況をつくっていただければいいかなというふうに考えております。
時間になりましたので、本日の質問はこれで終わらせていただきます。ありがとうございました。
○武村委員長 次に、峰島侑也君。
○峰島委員 チームみらいの峰島侑也です。
本日は、財政健全化の在り方、食料品消費税減税に対する現時点でのお考え、そしてオープンバンキング施策について順次お伺いしてまいりたいというふうに考えております。どうぞよろしくお願いします。
最初に、まず、責任ある積極財政について御質問します。
まず、私は、前回の質疑でも申し上げましたが、成長投資によって強い経済を実現していくという方針について賛成しております。日本経済を再び成長軌道に乗せるために、積極的な成長投資、特に国内投資をしていくということは不可欠だというふうに考えております。
しかし、同時に、それをしていくためにも、現在の財政健全化目標の設定の仕方、これは一考の余地があるんじゃないかなというふうに考えております。すなわち、債務残高対GDP比を安定的に引き下げるということが掲げられていますが、これは、直近の名目GDPの成長であるとか、あとは税収の増加トレンドというものが今後も増加していくということがかなり前提として設計されたものではないかというふうに考えております。
私自身も、いきなりこの名目GDPの成長率がマイナスに転じるということは足下の物価高を考えてもないだろうとは思うものの、一方で、直近のホルムズ海峡の状況であるとか、先ほど、ほかの委員からの御質問の答弁にもありましたけれども、これがスタグフレーションのような形で景気が下がっていくということも十分に中長期を考えればあり得るというふうに考えております。
そういった中で、じゃ、この債務残高対GDP比を安定的に引き下げるということがどういうことなのかということを早い段階から市場に対して明確に打ち出していくこと、これというのは中長期的に必要な成長投資を行っていくためにも必要ではないかというふうに考えております。単年度ごとに債務残高対GDP比を引き下げるということをコミットされているというふうに思われると、難しい場面があるんじゃないかというふうに考えております。
なので、対案としては、例えば、三年から五年を通じて、中長期的にこの債務残高対GDP比を結果的に引き下げていくですとか、そういった時間軸も含めた明確なメッセージを早い段階から打ち出していくこと、これが適切な期待値設定を市場に対して行っていくことにつながるのではないかというふうに考えております。
特に、この時期、骨太の方針の記載も御検討が始められている時期かというふうに思っております。こうした公式のドキュメントの中でどのように記載されていくかというのは、今後の期待値調整の中でも非常に重要な論点だというふうに認識をしております。
現在打ち出しているこの債務残高対GDP比を引き下げるという目標に対して、中長期的な時間軸を追加する等を通じて継続的な成長投資を実現する投資家コミュニケーションについて、財務大臣のお考えをお伺いします。
○片山国務大臣 内閣府が一月に公表した中長期試算の成長移行ケースでは、国、地方の公債等の残高の対GDP比は、今後安定的に引き下がるという見通しが示されております。
一方で、委員御指摘のように、中東情勢による日本経済への影響が現時点では予断が困難な状況ではありますけれども、先般のG7のオンライン会合を行った時点では、IMFの見通しとしては、日本の経済は強靱性を保っているという御評価ですから、その後の四条コンサルテッドですね、今のところはそういう見通しが出ておりますが、予断は困難という状況は事実でございますので、御指摘のような様々なリスクを十分に幅広く認識しながら経済財政運営は行っていかなければいけないし、また、海外も含めた市場にも適切に発信していかなければならないということは常に留意しております。
責任ある積極財政を掲げる高市内閣におきましては、安定的に債務残高の対GDP比を引き下げていくということで、財政の持続可能性を実現し、マーケットからの信認を確保していくという方針としておりまして、債務残高GDP比、どうかという御意見も今日いろいろ出ておりますけれども、ストックの部分においては、これはかなり広く使われている指標でもあるんですよ。それが総債務なのか純債務なのか、両方でいいと思うんですけれどもね。
これについて、EUがマーストリヒトを作るときにも六〇%、九〇%とかありましたけれども、個別的な数字の絶対水準よりも、それが制御されているということが非常に重要だということを、この間、ブランシャール博士が諮問会議でもおっしゃったし、その後、私のところにも来ていただいて議論をしたんですけれども、そこを市場は一番見ているので、その意味では、委員御指摘のように、中長期の見通しがあることは重要だという指摘が一般的ですし、私どもも、まだ骨太の方針は、今議論してこれから作っていくんですけれども、今、現行の骨太においても中長期ということをもう既に申し上げておりますし、一年一年だけのプライマリーバランスには拘泥しないということも総理は既に何回もおっしゃっていますので、債務残高のGDP比につきましても、一般的に、毎年度の数値目標が必要かというと、国際的にも必ずしもそうではないというお話もいただいたので、そのように承知しておりますが。
財務省としては、引き続き、あらゆる入手可能なデータを参考にして、三百六十度いろいろな角度から全部見て、我が国の経済財政の強い面も弱い面も、どこから指摘されたら、こういう観点から見ればこういう指摘になるだろうということも既に今大体分かるわけですから、こういったものを多面的に評価しながら財政運営を図っていくということになるかと思います。
○峰島委員 御答弁ありがとうございます。
私も、債務残高対GDP比という指標については非常に納得感のあるものだというふうにも考えていますし、何も、それだけを見て運営するわけではないということは、ほかの委員の大臣の答弁の中から、三百六十度いろいろな指標を見ながら運営をしていくということで、非常に理解をしております。
国外もそうですが、国内の、国民の方々であるとか国会の場も含めて、どのような考え方で財政運営をしていくのかという特にコミュニケーションの部分ですね、実態のところと併せてコミュニケーションの部分について、何か、よりいろいろな情報、特に大臣が御覧になっているような景色を皆さんと共有するというのは非常に有意義かなというふうに考えておりますので、是非、今後、骨太の方針の記載を考えられる上でも御一考いただければというふうに考えております。
続きまして、財政の健全化を中長期的に担保するための体制についてお伺いします。
必要な投資を確実に行える体制を整える意味でも、やはり財政の健全化、規律ある支出を実現するということは非常に大切であることは論をまたないというふうに考えております。また、その意味で、支出を精査していく、租税特別措置・補助金見直し担当室といった取組も評価しております。
ただ、これも前回の質疑で御質問させていただいたとおり、その実効性というところについて私は懸念を抱いております。やはり、従来予算に既に織り込まれている措置を廃止するというのはただでさえ大きなエネルギーが必要であるという中で、削減目標を持たないといった組織が様々なしがらみを超えて実際的に支出を削減する、見直していくということができるのかというところは非常に懸念を抱いております。
政府の財政健全性を独立性を持って審査をする組織として、例えば財政制度等審議会であるとか会計検査院といった組織もあるかと思います。しかし、審議会や諮問委員会といったものも、やはり招かれた委員の方が積極的に支出削減を求めるという場面はなかなか想定しづらいんじゃないかというふうに考えておりますし、また、会計検査院といった組織も、会計処理の適切性の確認といったところが主な業務というふうになっていると感じます。そういった意味で、財政健全化を実質的に担保するような第三者機関というものは、構想としては、アイデアとしてはあり得るのではないかというふうに考えております。
参考として、例えばイギリスの予算責任局、いわゆるOBRと言われるものがございますが、こちらも二〇一〇年に法定された組織でございまして、政府から独立した立場から財政の見通しや政策コストの評価等を行い、その結果を公表している。特に、政府にとって不利な結果であってもそこは公表していくというところで、財政の信認が国全体として保たれているという事例があるかと思います。
これは一つの事例でありますので、これを日本にも必ずつくろうということをこの時点で申し上げているわけではございませんが、責任ある積極財政を掲げる上で、監視機能についても、今の租税特別措置・補助金見直し室等の取組にとどまらない、客観性と実効性を担保するような取組があるべきではないかというふうに考えております。そのような組織の必要性について、政府の御認識をお伺いしたいと思います。
○中谷副大臣 先般開催された経済財政諮問会議では、高名な経済学者でありますブランシャール氏やロゴフ氏をお招きをし、ブランシャール氏からは、経済の不確実性の中、独立した財政機関が財政の見通しを示すべきといったお話がありました。お二人に共通して、世界的に金利が高まり、不安定化が進む中、金利上昇に備えたリスク管理が大切であるとの御示唆もいただいたものと承知をしているところであります。
このように、経済の不確実性が増す中で、財政の中長期の見通し等について客観性が担保された形で示されるべきというお考えは、全くもってそのとおりだというふうに思っているところであります。
独立財政機関について、その在り方は様々であり、任命の仕方や職員の構成を含め、どの程度中立性が確保されているかについても留意が必要だというふうに考えております。
今委員おっしゃったように、海外にもそういうものがございまして、例えば米国はCBO、議会予算局というものがございます。これについては、その局長の任命は両院のトップによって行われるということで中立性がどうかなとか、また、先ほど御指摘ございました英国のOBR、予算責任局につきましては、その委員の多くが財務省出身だったりとか、こういったこともあるということであります。
よって、様々な議論が今ございますが、我が国といたしまして、現時点では、経済財政諮問会議において、専門的かつ中立的な知見を有する学識経験者なども参画し、その豊富な知見をおかりする形で、経済財政の見通しを含め、議論を行っており、引き続き、こうした体制の下で、適切に経済財政運営を行ってまいりたいというふうに考えております。
○峰島委員 丁寧な御答弁ありがとうございます。
おっしゃるとおり、この取組は非常にグラデーションがあると思っていまして、非常に、権限の持ち方であるとか、どういった方々を配置するであるとか、そういったことによって持ち得る力が変わってくるというふうに考えております。一義的には、ここのまさしく支出の引締めの部分を財務省が担ってきたという側面もあるのかというふうに考えておりますので、全体として見たときに、より外部の投資家からもしっかりと規律ある支出が保たれているということが分かるような体制をどうつくっていくかという議論は、今後もできればというふうに考えております。
次に、食料品消費税減税に対する現在の考え方についてお伺いをしたいというふうに考えております。
現在、社会保障国民会議において、食料品消費税の減税について、特に実務者会議で各ステークホルダーの皆様からヒアリングを行っている最中かと思います。こちらについては、また夏前に中間取りまとめをして政府に提出するというふうに伺っているので、現時点でそこの実際の話合いの結果について何かオフィシャルな受け止めをするということは必要ないかもしれませんが、しかし、既にヒアリングの中でいろいろな問題点が出てきている。
例えば、小売事業者の方からは、値札を貼り替えるような実務上の手間、しかも、それがまた二年間の時限措置で、それをまたやり直さなきゃいけないことであったりとか、価格転嫁は実際には難しいのではないかというところであるとか、あと、経済団体の方からは、食料品を扱う多くの業種において、消費税還付に係る業務の負荷であるとか還付されるまでの資金繰りの悪化等々、あらゆる課題が提言されております。
そこで、財務大臣にお伺いしたいところとして、このように食料品消費税減税について様々な課題が明らかになっておりますが、そういった課題をもってしても、つなぎ措置として消費税減税を行うメリットがあると現時点でお考えなのかというところを是非お伺いできればと思います。
○片山国務大臣 社会保障国民会議の実務者会議におきましては、御党にも御参加をいただいて、その中で、食料品の消費税率ゼロについて、これまで、小売の業界、それから主要経済団体と労働団体、システムメーカーなどに対するヒアリングが行われたものと承知しております。
その中で、事業者の方々のお立場から、準備期間の必要性を含めて様々な御意見が寄せられたところでございますが、今後の議論につきましては、この実務者会議の方では、自民党の税制調査会長であります小野寺議長が、取りまとめというか、議長でございますので、課題をどのように乗り越えて、どのようにして食料品の消費税率ゼロを実際に実現していくかについて、ヒアリングを踏まえて検討したいという御説明がされているものと承知しております。
できない理由をあげつらうのではなくて、実際にどうやって前向きに、この食料品の消費税率ゼロの実施に向けた諸課題を乗り越えて、具体的な対応の方向性を見つけて検討が進んでいくかということが大事だと思っておりますので、その検討が進んでいくことを期待しているところでございます。
○峰島委員 御答弁ありがとうございます。
我が党としましても、目下のこの物価高対策に対して何かしら対策を打っていくということについては全く同意するものでございまして、ただ、その手段というのは、より可能性が開かれたものである、よりよいものを選ぶということがどの時点でも求められているというふうに理解をしております。
ということで、本日、ちょっと通告させていただいた質問が一部できませんでしたが、次回に持ち越させていただきたいと思います。
本日、御質問させていただきまして、ありがとうございました。
○武村委員長 次に、河村たかし君。
○河村委員 減税こども、河村たかしでございます。
今日もまた、一分のところを十二分にしていただきまして、サンキュー・ベリー・マッチということでございます。
今、いろいろ聞いておりますけれども、だんだん重苦しい雰囲気で、やはり日本経済は駄目になっていくのではないかというふうにつくづく感じますね。
最後にまた大臣に聞きますけれども、やはり商売を盛んにせないかぬのです。三面等価の原則というのがありますけれども、商売をやる人がおって、そこで働く人がおって、その人が消費してということでお金が回っていって経済は成長していく。その原点にあるのは、こんな、何々省の役人とか、何とかの議員とか、そういうんじゃないんですよ。やはり、ラーメン屋のおやじ、まあ一番でかいのはトヨタ自動車です、それから次は大抵ソニーだと思いますけれども、そういう、よりよいものをより安く作ろうという不断の努力が、会社が倒産せぬように、それが社会を進めていっておるというのがないでいかぬわ。
マーケットの話が出てくると、そんなものはすぐは分からぬ、みんなで、全体的にと今も片山大臣言っておったけれども、何か、全体的なことを見な分からぬと、すぐそう言うでしょう。私は話を聞いておって、片山大臣とか、総理もそうだけれども、みんな、会社でいうと総務部長ですね。総務部長が会社をマネージしたら大抵潰れますよ。やはり営業部長が大事なんですよ。どういうものを作っていくかと、人の倍働いて、夜まで酒を飲んで、みんな飲みたくない酒を飲んで、そこから生まれてくるんですよ、付加価値が登場していくということでございますので。
結論を言うと、金はあるんです、日本には。お金はあるんです。どこにあるかというと、いろいろなところにあるけれども、一言で言えば日本銀行に五百兆円ありますよ、今、当座預金、使われぬ金が。そこに利息が払われて、銀行なんか、もうかってしようがないですよ、今。だけれども、そのお金を使うルールが間違っておる。
昭和二十二年、二十三年に作った、財政法四条が二十二年、二十三年が地財法五条で、これは初めて見る人がおるか分からぬ、何だということになるか分からぬが、財政法四条には、国、こういうところですね、政府、行政とかこういう部門は税金だけでやりなさいと書いてあるわけです。民間の金を使っちゃいけない、ただし、公共事業は別よと。何かあったら特例債で例外的にやれというのが今です。
それから、地財法五条の方がもっとひどいね。地財法五条も、地方の政府も、いわゆる全部税金だけでやりなさい、銀行の金は使ってはいけません、こういう条文があって、完全に政治部門というのは冷凍になっちゃっておるみたいだ、窒息状況です、はっきり言いますと。という中で、まあ、おりの中に閉じ込めていただいておるということです、皆さんの、財務省と総務省のおかげで。
みんな、地方自治とか最近余り言わぬようになったで、またそのおりの意識が強うなったか分からぬけれども、みんなおりの中に固まってしまって、民間にめちゃくちゃ金は余っておるんだけれども、それは使えない。ちょっと手を出すと借金だ、借金だと言う。とんでもないというの、本当に。ちいっとええものを安く作る努力でもしてきたのかと、本当に役所の部門は。ということで、積極財政なんてよう言っておるな、恥ずかしいということでございます。
その中でも、総務省と言った方がええかな、一緒に相談してやっておるんだけれども、ただ一つだけ、マイナンバーとか登録すれば社会主義政策みたいなことばかりやって、おりの方ばかり強うしておる中で、ただ一つだけやったのは、やはり減税を認めたということですね。
まだわしがおった頃だと思うけれども、あれは平成十二年、地方分権一括法の中で。それまでは減税はできぬかったんです、地方は住民税の減税。やりますと起債ができないということだったんだけれども、総務省は、何を思ったか、一つだけええことをやりまして、減税してもいいですよと。ただ、起債は届出制になったんだけれども、減税した自治体については許可制だというふうにやったわけだね。
それで、ちょっとここで総務省というか、本当は裏では財務省と同じなんだけれども、今、平成十八年から減税が、地方税の減税、これはどえらい工夫なんですよ。皆さん、何で褒めてくれぬのですか、大体。よりよいものをより安く作る努力は民間の努力、よりよい公共サービスをより安く提供する、これは、今千七百ですけれども、当時三千三百、この自治体の長としてやることじゃないですか。それをやらなかったら何なんですかということで、取りあえず総務省に来てもらって。政務官とか副大臣に来てもらったってどうしようもないので呼んでおるだけだで、あんたらの方が力を持っておるもんで。今の現状、平成十八年から減税が実行されて、やっておるところはどこがありますか、減税、続けておるところは。
○橋本政府参考人 お答え申し上げます。
平成十八年度以降、課税税率未満の地方自治体に対する建設地方債の許可制度が導入されたところでございますが、標準税率未満の税率を設定し、地方債の許可を得た地方団体は五団体あるところでございます。現時点におきましては一団体となっているところでございます。
○河村委員 その一団体はどこですか。
○橋本政府参考人 名古屋市でございます。
○河村委員 もう一回聞きましょうか。
今まで続けておるのは、総務省と財務省が相談しておると思うけれども、減税ですね、減税政策、税金を減らして実は税収を増やしていく、可処分所得を増やして。やっておるのは、今現在続けておるのはどこですか。もう一回言ってください。
○橋本政府参考人 お答え申し上げます。
現在、標準税率未満の税率を設定している地方自治体は、名古屋市一団体であると承知しております。
○河村委員 ちいっと褒めてもらったり、感謝状でも出したらどうですか。
○橋本政府参考人 このように、減税をどうするか、そして、それに基づいてどのような行政運営を行うかというのは、それぞれの自治体が適切に判断してされているものと承知しております。
○河村委員 訳の分からぬことを言っておるけれども、そういう経営努力ということじゃないですか、これは。
当時の総務省の中の、私も大分読みましたけれども、一つは、全国、当時三千幾つ、今は千七百かな、自治体が同じ税率というのはおかしいじゃないかと。どこのスーパーへ行っても同じ価格と同じ意味なんです。ということで、やはり競争させるべきだと。それから、行革をやる前において、減税というのが大きなインセンティブになるだろう。この二つが理由だったよね。どうですか。
○橋本政府参考人 お答え申し上げます。
地方債の許可、今、減税した団体については許可制度の対象となっているところでございますが、先ほど委員から御紹介ありましたように、元々は、従前は、標準税率未満の地方自治体に対しましては、建設地方債の発行は禁止されていたというところでございます。
それで、平成十一年の分権一括法によりまして、地方債制度全般の見直しの観点から、施行自体は平成十八年度からでございますが、地方債の発行については許可制から協議制に移行した。その際に、標準税率未満の地方団体の建設地方債の発行につきましては、課税自主権の尊重の観点から一律の発行禁止を見直すことといたしまして、一方で、財政の健全性や世代間負担の公平の観点から引き続き重要である、その観点の確保が重要であるということから、許可制に移行したというところでございます。
○河村委員 わしもそのとき国会議員でおったですけれども、十二年のときだったかな、いよいよ、日本も、役所も変わっていくかな、役所と、勉強だけしておる連中じゃなくて、やはり商売を大事にする国へ変わっていくかなと思ったんだ。ところが、一個しかないと。
そのときに、ちょっと、ここにおる中川委員は、それを議決した名古屋の市会議員だったんですよ。昔は新進党だったけれども、今は自民党ですけれどもね。(発言する者あり)
○武村委員長 不規則発言は慎んでください。
○河村委員 元々ね。前、海部さんのところにおって、新進党から自民党へ。まあ、ええわ、それは。
それでは、総務省に聞くけれども、あんたのところはせっかく制度改革をやったんだよ。すばらしいことを一個だけやったんだ。マイナンバーみたいなとろい共産主義をやらずに、一個だけやった。それが、現実にやっておるのが一市しかない。それについて、反省の言葉か何かある。
○橋本政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど御答弁申し上げましたとおり、標準税率未満の税率を設定する自治体は、かつても含めますと五団体ございました。現在においては、御指摘のとおり、名古屋市一団体であるところでございますけれども、各自治体において、それぞれの財政状況その他の事情を踏まえ、判断した結果であるというふうに認識しているところでございます。
○河村委員 反省がないな。役人というのは謝らぬのですか、役人というのは。こんなの民間企業だったらえらいことだよ。車を売ったけれども全然売れなかった、一人しか買わなかった、これは会社が潰れますからね。あんたのところ、潰れるかね、総務省。潰れますか、総務省は。
もう一回言いますと、そういう制度改革を国会にお願いして、平成十二年、地方分権一括法、十八年施行でわざわざ決めたんですよ、わざわざ。今までの画一的な地方税のシステムを変えていく、競争的にしていくんだと。だけれども、やっておる、続けておるのが名古屋市だけだったと。初めは五市だったけれども、みんなやめたんですよ。そんなの、責任を取らないかぬじゃないですか、本当は。
もう一つ言っておくけれども、それから、そのときはなかったけれども、許可制度なので、総務大臣の許可なんだけれども、その許可の内容が、行革を真水で出すこと。だから、物すごい努力が要るわけですよ。だから、わしも給料をどえらい下げて、公務員の皆さんも、総人件費です、一割下げて、それで財源をちゃんとつくって、日本ただ一つの減税を続ける。その効果は五年しか……
○武村委員長 河村君に申し上げます。
申合せの時間が経過をしておりますので、まとめに入ってください。
○河村委員 五年しかやらぬと言ったんだけれども、これは何ですか。何ということですか、減税を進めると言っておいてハードルを上げるということは。反省しておるんかね。
○武村委員長 申合せの時間が来ておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。
○橋本政府参考人 お答え申し上げます。
今申し上げましたように、標準税率未満の自治体に対する許可制度は、財政の健全性の確保や世代間の負担の公平の観点等から設けられているところでございまして、これを踏まえまして、当該年度に行われる減税の財源につきましては、原則として、減税のために当該年度に新規に実施する行政改革の取組等により賄われる必要があるというふうに整理しているところでございます。
○河村委員 最後ですけれども、せっかく大臣がおるもので、この話を聞いておって……
○武村委員長 時間が経過しておりますので、発言を終わってください。
○河村委員 なら、わしが言うだけにします。
千七百自治体があるんだから、その自治体がみんないろいろな工夫をして、財政法四条、地財法五条も廃止して、地元の金融機関に金は余っているんだから、そこで投資をしていくという仕組みを早くつくらないと、産業が全然育たぬよ。
質問はいかぬみたいだで……
○武村委員長 発言をまとめてください。
○河村委員 片山さんに申し上げておきます。
――――◇―――――
○武村委員長 次に、内閣提出、金融機能の強化のための特別措置に関する法律等の一部を改正する法律案を議題といたします。
趣旨の説明を聴取いたします。金融担当大臣片山さつき君。
―――――――――――――
金融機能の強化のための特別措置に関する法律等の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
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○片山国務大臣 ただいま議題となりました金融機能の強化のための特別措置に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
地域の人口の減少等の社会経済情勢の変化に対応して、金融機関等の経営基盤の強化を図ることが、喫緊の課題となっております。このような状況を踏まえ、本法律案を提出した次第であります。
以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、金融機関等に対して国が資本参加する制度について、申請期限を廃止し、当分の間の措置とし、大規模な災害等の事態における特例を創設するとともに、資本参加を受ける金融機関等の適切な業務運営を確保するための規定を整備することといたします。
第二に、合併や経営統合を行う金融機関等に対して、国が資金を交付する制度の申請期限を延長するとともに、共同で利用する情報処理システムの設計や開発を行う金融機関等に対して、国が資金を交付する制度を創設することといたします。
第三に、協同組織金融機関が、資本金等の額を減少して一般の優先出資を消却することができる制度を創設することといたします。
その他、関連する規定の整備等を行うこととしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○武村委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
次回は、来る十四日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時十八分散会

