衆議院

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第10号 平成30年5月11日(金曜日)

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平成三十年五月十一日(金曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 冨岡  勉君

   理事 安藤  裕君 理事 神山 佐市君

   理事 亀岡 偉民君 理事 工藤 彰三君

   理事 鈴木 淳司君 理事 川内 博史君

   理事 城井  崇君 理事 浮島 智子君

      池田 道孝君    池田 佳隆君

      石川 昭政君    上杉謙太郎君

      尾身 朝子君    大西 宏幸君

      大見  正君    小林 茂樹君

      櫻田 義孝君    下村 博文君

      田野瀬太道君    高木  啓君

      根本 幸典君    馳   浩君

      古田 圭一君    松本 剛明君

      宮内 秀樹君    宮川 典子君

      宮路 拓馬君    八木 哲也君

      櫻井  周君    日吉 雄太君

      山本和嘉子君    源馬謙太郎君

      西岡 秀子君    平野 博文君

      中野 洋昌君    鰐淵 洋子君

      畑野 君枝君    串田 誠一君

      吉川  元君    笠  浩史君

    …………………………………

   文部科学大臣       林  芳正君

   内閣府副大臣       あかま二郎君

   内閣府副大臣       田中 良生君

   経済産業副大臣      西銘恒三郎君

   総務大臣政務官      小林 史明君

   文部科学大臣政務官    宮川 典子君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  原  邦彰君

   政府参考人

   (内閣府地方創生推進事務局審議官)        村上 敬亮君

   政府参考人

   (内閣府知的財産戦略推進事務局長)        住田 孝之君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房長) 藤原  誠君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房総括審議官)         中川 健朗君

   政府参考人

   (文部科学省生涯学習政策局長)          常盤  豊君

   政府参考人

   (文部科学省初等中等教育局長)          高橋 道和君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局長)            義本 博司君

   政府参考人

   (文化庁次長)      中岡  司君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           八神 敦雄君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    宮嵜 雅則君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           小川 良介君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           吉田 博史君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官)         小澤 典明君

   文部科学委員会専門員   鈴木 宏幸君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十一日

 辞任         補欠選任

  船田  元君     池田 道孝君

  宮路 拓馬君     大西 宏幸君

同日

 辞任         補欠選任

  池田 道孝君     船田  元君

  大西 宏幸君     宮路 拓馬君

同日

 辞任

  源馬謙太郎君

同日

            補欠選任

             金子 恵美君

    ―――――――――――――

五月十日

 文化財保護法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三五号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 文化財保護法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第三五号)

 文部科学行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

冨岡委員長 これより会議を開きます。

 文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官原邦彰君、内閣府地方創生推進事務局審議官村上敬亮君、知的財産戦略推進事務局長住田孝之君、文部科学省大臣官房長藤原誠君、大臣官房総括審議官中川健朗君、生涯学習政策局長常盤豊君、初等中等教育局長高橋道和君、高等教育局長義本博司君、文化庁次長中岡司君、厚生労働省大臣官房審議官八神敦雄君、社会・援護局障害保健福祉部長宮嵜雅則君、農林水産省大臣官房審議官小川良介君、経済産業省大臣官房審議官吉田博史君及び資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官小澤典明君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

冨岡委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

冨岡委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。櫻井周君。

櫻井委員 立憲民主党・市民クラブの櫻井周です。

 本日、一般質疑の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。

 早速、一つ目の質問に参らせていただきます。

 まず、公益財団法人日本相撲協会による女性差別問題についてお尋ねをいたします。

 大相撲の地方巡業、四月四日に舞鶴市で行われまして、このときに、舞鶴市長、土俵の上で御挨拶をされていた。そのときにちょっと倒れられて、救命に当たった女性の看護師の方々、救命のために土俵の上に上がったわけですが、そのときにアナウンスで、女性は土俵からおりてくださいということがあった。これに対していろいろ御批判もあり、また、文部科学大臣からも、ちょっとおかしいんじゃないのかというような御答弁もいただいているところでございます。

 実は、その後、四月六日には私の地元の宝塚市に巡業で回りまして、そこで同じように、宝塚市長、土俵の上で挨拶したいというふうに言ったんですけれども、それは聞き入れられなかった。土俵の下で挨拶してくださいと。なぜか、宝塚市長が女性だからだ、こういうことでございました。

 これは、市長さんが挨拶するというのは、まさに市民を代表して挨拶をするわけでございます。私の地元の市長さん、土俵の上に上げてもらえなかったというのは、市長御本人のみならず、やはり市民全員に対するある種の侮辱といいますか、そういったものではないのかということで、私、大変憤りを感じているところでございます。

 安倍内閣は、女性活躍、こういうふうにうたっているわけでございます。宝塚市の市長、三期に入られまして、九年、市政運営に尽力されているわけでございます。こうした活躍をされてきた、活躍をしていて、舞台の上に上がろうとしたらだめだと言われる、これはおかしいんじゃないか、こういう問題意識のもとで本日質問をさせていただきます。

 そこで、これはスポーツの問題でもございますけれども、スポーツというよりは公益財団法人という観点から、内閣府の田中副大臣に本日お越しいただいております。よろしくお願いいたします。

 まず、公益財団法人ということでございますが、この公益性というのは何でしょうか。

田中副大臣 一般的にお答えさせていただきますが、公益法人というのは、広く社会全体に、また国民に対して広く公益をもたらす、そういう活動をする法人ということであります。

櫻井委員 そうですね。法律的に四角く言えば、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与する、平たく言えば、多くの人を幸せにする、楽しませる、ハッピーにする、こういう法人のことだと思います。

 次に、ちょっとお尋ねをいたします。

 先ほど申し上げたように、市長が男性であれば土俵の上で挨拶する、市長が女性であれば、本人が土俵の上でしたいと言っても、それは断られて、土俵の下で挨拶をするというふうにした。これは女性差別だと思うんですが、副大臣、いかがお考えですか。

田中副大臣 まず、民間法人であります公益法人がどのように事業活動を実施するかについては、基本的には法人自治の問題であります。

 委員指摘のこの問題についてでありますが、これは日本相撲協会において今後調査を行って、外部の意見も聞くなどして検討する意向であるということは聞いているところであります。

 本件については、国民各層の意見の動向、これを踏まえつつ、日本相撲協会において自主的に判断されるべきものと考えております。内閣府としては、この協会の対応、これを注視してまいりたいと考えております。

櫻井委員 私の質問は、相撲協会がどう考えているかではなくて、副大臣、あなたが、男性だったら土俵の上に上がれる、女性だったら、市長でその職責があったとしても土俵の上に上げない、これは女性差別かどうかということを聞いているんですね。

 女性差別に当たるとお考えですか。

田中副大臣 まず、女性が大相撲の土俵に上がることについて、これは男女同様の取扱いにすべき、こういう意見もあったり、また、これまでの伝統、慣例、これを守ってもよいのではないか、そういう意見などさまざまな意見があることは承知しております。時代の変化とともにさまざまな意見が生じるものと思っております。

 そのような国民各層の意見動向を踏まえつつ、公益財団法人相撲協会においてこれは判断していくべきものだ、そのように考えております。

櫻井委員 いや、私は、副大臣の、政治家として、副大臣としての見解を聞いているんです。相撲協会の見解を聞いているわけじゃないんです。

 これは明らかに女性差別だと思うんですけれども、副大臣はそう思われませんか。

田中副大臣 内閣府の立場としてこれはお答えさせていただいているところでありますが、やはり民間法人であります日本相撲協会の対応について、これは私個人としての意見を述べることは差し控えさせていただきたいと考えております。

櫻井委員 では、ちょっと質問を変えまして、例えば、三十歳、男性と女性がいる。男性だったら投票できる、女性だったら投票できない、これは明らかに女性差別ということになりますよね。どうでしょうか。

田中副大臣 当然、そのようなことだと思います。

櫻井委員 ですから、難しい話じゃないんですよ。もう小学生でも中学生でもわかる話なんですよ。

 男性だったら土俵の上に上げる、でも女性だったら土俵の上に上げない、おかしいじゃないか。これは別に、一般人が勝手に上がるとかそういう話ではなくて、市長としての職責ですよ。市長としての職責として、市長がたまたま男性であれば土俵の上に、市長がたまたま女性だったら土俵の上に上げずに下でやる、おかしいじゃないか、こういうことなんですよ。

 いや、男性であろうが女性であろうが、土俵の上は相撲をとる場所だ、力士とそれから行司以外は上がっちゃいけないんだ、そういうふうに扱うんだったら、それはそれで一つのやり方だと思うんですけれども、たまたま市長が男性だったら上がって、たまたま市長が女性だったら上げない、おかしいじゃないか、こういう問題意識なんですよ。

 だから、それは別に、公益財団法人の自治とか言いますけれども、完全に民間の組織だったら、まあそれもそうで、余り政府とか政治家が口を挟むべきものではないというふうにも思いますけれども、公益財団法人で、しかも税の免除とかいろいろな恩恵を受けているわけですよ。そうした中で、こういう差別を行っていいのかどうなのか、おかしいじゃないかという観点で聞いているんですよ。

 しかも、私もきのう内閣府の役所の皆さんにレクを受けましたけれども、大臣が今おっしゃったような話をされていました。しかし、これはまさにおかしいんじゃないか、不条理だということを正していくのが我々政治家の役目だと思うんですよ。

 もう一度大臣にお尋ねしますけれども、市長がたまたま男性だったら土俵の上に上がれる、たまたま女性だったら土俵の上に上げない、これは女性差別じゃないですか。どうですか。

田中副大臣 これは、民間法人であります日本相撲協会、この公益法人に関する事業活動ということであります。こうした事業を実施するに当たっては、基本的にはやはり法人自治の問題であるということであります。

 そして、公益法人を所管する内閣府といたしましては、公益認定法上、法律的にはこれは違反するものではない、なり得ないということであります。

櫻井委員 では、もう少し別な角度からお尋ねします。

 日本相撲協会、この相撲事業は公益目的事業というふうに認定をされておりまして、昨年の収支を見ますと、約百五億円の収入というか売上げというのがございまして、支出が、費用の方が百二億円ということで、差引き大体三億円ぐらい。いわゆる収益事業であれば利益に相当する部分が三億円ということですので、本来だったらこの三億円に対して税金が課せられるということなはずです。ところが、公益目的事業ということで税金はかからない。この三億円に対して幾ら税金になるのか、一億になるのか幾らか、ちょっと私はわかりませんけれども、大体それぐらいの税金が免除されている。そして、次の公益事業に投資をすることができるということなんですけれども、一億円ぐらいのお金がある種間接的にないしは実質的に税金投入されているようなものなわけでございます。

 そうした税金が使われているという観点で、この女性差別をある種促進するようなことをやっていて、それで本当にいいんですかということでお尋ねしているんです。

 それでもやはり、法人の自治に任せるんだ、税金投入されていてもそれでいいんだ、こうおっしゃるわけでしょうか。

田中副大臣 今の御質問でありますが、先ほども、繰り返しになりますが、公益認定法上においては、これは今、女性が土俵に上がる上がらない、この部分に関して違反するものではないということであります。

櫻井委員 安倍内閣は、女性が活躍する社会、こういうことをうたっているわけでございます。ところが、これはよその役所のことですけれども、財務省においてセクハラがあった、またその後の対応についても非常にまずいものがあったということで、安倍内閣は本当に女性活躍をやる気があるのかどうかというのがまさに問われているわけです。

 今回、私質問させていただいているのは、女性が市長として一生懸命仕事をされている、その中で、女性だからといってほかの市長と別の扱い、格を下げられた扱いをされている、おかしいじゃないか、こういう観点で申し上げているんです。

 やはり法人に対して、公益法人、まさに公益法人ですよ、税の減免を受けている、そういった観点から、公益になかなかそぐわない、こうしたことをしっかりと政府の側として、内閣府として申し上げるということが必要なんじゃないですか。

 その上で、相撲協会の方が、いや、もう公益は返上します、伝統を守る方を優先します、しきたりを守る方を優先します、それは法人の自治だと思いますけれども、明らかに女性差別をやっているということについて、これは公益性という観点からおかしいのではないか。まさに、安倍内閣の姿勢が今問われているんだと思うんですよ。

 もう一度御答弁いただけますか。安倍内閣、女性活躍を本気でやる気があるのか、女性差別を解消する気があるのかどうか、その点でお答えください。

田中副大臣 安倍内閣のもちろん方針といたしましては、女性活躍、これは推進するということは基本的にしっかりと後押しをするものであります。

 しかし、民間法人であります公益法人、これの事業活動に関しては、何度も申しますが、基本的には法人自治の問題であります。

 しかし、一般論として、古くからの伝統やしきたりに基づく男女の取扱いの違いというものが日本相撲協会にある、これに関してはさまざまな意見もあります。そしてまた、時代の変化とともにそうした意見も、違いも生じてくるものと思っております。この件に関しては、相撲協会においてやはり自主的に判断されるべきものと考えております。

 内閣府としては、協会の対応を公益法人を所管する立場として注視していきたい、そのように思っております。

櫻井委員 いや、本当に残念ですね。女性活躍というんですから本当にやる気があるのかと思ったら、セクハラに対する対応はまずい、それからこの女性差別、内閣府としては見逃す、こういう御答弁なわけですから本当に残念です。言っていることとやっていることが違う。結局、安倍内閣はうそばかりじゃないのか、こういう御批判もある中で、やはりそうなのか、こういうふうに思わざるを得ません。

 そこで、ちょっと別な観点で、もう内閣府に聞いてもしようがないので、文部科学大臣にもお尋ねをいたします。

 相撲事業に関しましては、ちびっ子相撲とかわんぱく相撲とか、こういうところもあるわけでございまして、以前は、わんぱく相撲では女の子も土俵に上がっていたんですけれども、最近は、こうした問題も表に出てきて、女の子はもう土俵に上がれない、こういうことにしてしまっているようです。

 子供に対してまで女性差別を進める、こういうことは本当に教育上も大変な悪影響だと思うんですけれども、教育を担当する大臣として、この公益財団法人日本相撲協会による女性差別、これをどういうふうにお考えでしょうか。

林国務大臣 ちびっ子相撲の件でございますが、日本相撲協会によりますと、今回の要請は、力士が土俵上で子供たちに稽古をつけるちびっ子相撲に関して、これは安全面への配慮のために男子児童のみを土俵に上げることを要請したというふうに聞いております。

 巡業中の現場の運営は、基本的には相撲協会が自主的に判断すべきもの、そういうふうに考えております。

櫻井委員 いやいや、小学生ぐらいですと、男子も女子もそれほど運動能力に差はないですよ。体格もそんなに違わない。むしろ女の子の方が大きい子だっているぐらいです。ですが、けがが危ないというんだったら、別に女の子だけじゃなくて、男の子だって同じですよ。男の子であろうが女の子であろうが、しっかりと安全配慮しなきゃいけない。なぜ女の子だけそうやって特別扱いといいますか、排除するのか。おかしいじゃないですか。

 結局、女の子は幾ら頑張ったって上げてもらえないんだ、こういうことになってしまったら、本当に教育に対して悪い影響があると思いますよ。大臣、それでいいんですか。

林国務大臣 四月の二十八日付で理事長の談話というのが出ておりまして、いろいろなことがそこに書いてございますが、このちびっ子相撲についても、協会の考え方というのがここに示されているわけでございます。

 そこには、ちびっ子相撲では、関取が胸をかし、子供たちは関取にぶつかります、子供たちが転倒することもあるので、けがが心配です、女子の参加がふえるにつれて、関取らから特に女子の顔に傷を負わせることを心配する声が上がってきました、また、関取は裸に稽古回しという姿なので、小学生でも高学年の女子が相手になると、どう体をぶつけていいのかわからないと戸惑う声もありました、関取らの声を受けて、執行部は昨年秋、女子の参加は御遠慮いただこうとの方針を決め、春巡業の各地の勧進元へ伝達しました、ただ、どの勧進元に対しても、なぜ女子の参加を御遠慮いただくかの理由を説明しておりませんでした、そのせいで、女人禁制を子供にまで当てはめ、子供たちの楽しみを奪ったと、多くの方々から誤解される事態となってしまいました、まことにざんきにたえません、こういう考え方が示されております。

櫻井委員 何か、言っている話がどんどんかわるんですね。最初はけが防止だと言っていたのが、今度は、女の子、小学生といえども高学年になったらという話で、話がだんだんすりかわってしまっていますよね。

 結局のところ、女性差別をやっていることの理由を後づけで、あれを言ってみてだめだったらこれを言ってみてみたいなことをやっていて、本当にああ言えばこう言うみたいな形で、真実は何なのか。ある種、まことがどこにあるのかというのを全く見失うようなことをやっていて、本当に教育上も悪い。道徳教育も教科化ということで今年度から始まっておりますけれども、全くその道徳に反するんじゃないでしょうか。

 安倍内閣として、本当に女性活躍を本気でやる気があるのかどうか、まさに問われているところですよ。政府として、文部科学省として、また内閣府として、まさに安倍政権の姿勢が問われている。きょうの御答弁だと、やる気がない、看板、言っていることとやっていることは違うんだ、そういう御答弁でしたので、本当に残念に思います。

 いち早く本気でやっていただくようにお願い申し上げて、ちょっと次の質問に移らせていただきます。

 次、特別支援教育についてお尋ねをさせていただきます。時間もあと五分しかありませんけれども、実は、地元で私も地方議員をやっているときに、特別支援教育を必要とする児童、やはりこの五年間でも急激にふえているなというふうに感じておりました。大体五割ぐらいふえているというのが地元での実感でございます。

 そこで、大臣にお尋ねをいたします。

 この急激な増加、この要因、文部科学省としてはどのように把握して、原因をどのように分析されていますでしょうか。

林国務大臣 文部科学省の調査によりますと、平成二十九年の五月一日現在で、特別支援学校の幼児児童生徒は約十四万二千人でございます。小中学校等の特別支援学級の児童生徒が約二十三万六千人、公立小中学校等で通級による指導を受けている児童生徒は約十万九千人となっておりまして、これらの合計の約四十八万七千人は、十年前と比較すると約一・八倍ということになっております。委員が大体五割増しと言っていたところぐらいの、少し上回る程度ということでございます。

 この要因でございますが、特別支援学校、特別支援学級、通級による指導といった一人一人の教育的ニーズに対応した多様な学びの場の整備が進んできたということ、さらには、早期からの教育相談や就学相談、これを充実してきたことによってこの特別支援教育への理解が進んできたこと、こういうことが考えられるのではないかというふうに思っております。

櫻井委員 文部科学省として、この原因について、特別支援教育に対する理解が進んできたということを一つ理由に挙げていらっしゃいますけれども、そもそも特別支援教育が必要な児童がふえているのかどうなのか。理解が進んで、必要な子に対して、よりその教育を提供するようになったという一つのものもありますけれども、つまり、割合がふえているという側面もあるでしょうけれども、そもそもの母数がふえているのかどうなのかということについて、これは医学的な見地にもなってくるかと思いますが、いかがでしょうか。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 障害児の数につきましては、厚生労働省におきましては、在宅の障害児や障害者等の生活実態とニーズを把握するために五年ごとに実態調査を実施しておりまして、その中で、身体障害者手帳や療育手帳を所持している者の数の推計値を把握しております。

 直近の調査結果で見ますと、平成二十三年の二十二・五万人から二十八年度の二十八・二万人というふうに増加しております。内訳について見ますと、身体障害者手帳を所持する十八歳未満の児童につきましては、七・三万人から六・八万人に微減という状況でございますが、療育手帳を所持する十八歳未満の児童につきましては、十五・二万人から二十一・四万人というふうに増加しているという状況でございます。

 増加の原因につきましては、必ずしも詳細な分析を行っているところではございませんが、要因の一つといたしまして、知的障害の社会的認知度が高くなっていることによって療育手帳の取得者が増加しているのではないかと考えているところでございます。

櫻井委員 結局、療育手帳については、社会的な認知が高まってきて療育手帳を取得する割合がふえてきているというんだったら、結局、母数のところはどうかというのはちょっとよくわからないということだろうと思います。ただ、ともかく、そうした児童生徒がふえてきているというのは現実でございます。

 現行、特別支援学級におきましては、児童生徒と教員の配置基準、八対一ということでやっておりますけれども、私も現場を見せていただきました。その中で、やはり八対一というのはなかなか難しいのではないのかというふうにも感じているところです。

 以前であれば、八対一といいながらも、一クラスの中で実際にいるお子さんは、障害別にクラスが分かれているものですから、多くても三人とか四人ということだったので何とかなってきたのが、こういうふうにふえてくると、やはり一つの学校でも、知的障害の子、情緒の子がふえてきて、一クラス六人、七人、八人というふうになってくると、なかなか実際問題回らない。そして、現実問題として足りないから、専科の先生が、本当はいけないんでしょうけれども、音楽、図工、家庭科の専科の先生をちょっとあいている時間、融通してやったりというようなことまでやっているという学校現場の話を聞きます。

 働き方改革ということで、学校現場の働き方も変えなきゃいけないという中におきまして、八対一というのは無理があるんじゃないか、やはり障害別に見直していくべきではないのかと思うんですが、大臣、どうお考えでしょうか。

林国務大臣 公立小中学校の特別支援学級の学級編制の標準につきましては、知的障害学級、言語障害学級など、障害の区分ごとに、今お話ししていただきましたように、一学級の児童生徒八人を上限として学級編制するということになっておりまして、この編制された学級数に応じて必要な教員の定数が算定されております。

 この標準のもとで、実は現状、公立小中学校等の特別支援学級の学級規模は、半数以上の学級で四人以下というふうに実はなっております。

 さらに、小中学校における特別支援教育の充実に向けて、これまで加配として措置をしてきました障害に応じた特別の指導、いわゆる通級による指導に係る教員定数の基礎定数化、これを平成二十九年三月の法律改正によって実現しておりますので、引き続き、必要な教員定数の確保に努めてまいりたいと思っております。

 さらに、障害のある幼児児童生徒の学校生活上の介助とか、それから学習活動上のサポートを行う特別支援教育支援員、この配置につきまして、配置実績を踏まえて所要の地方財政措置が講じられておりまして、平成三十年度には、対前年度約七千人増の六万三千百人、これを配置するために必要な経費が措置をされておるところでございます。

 こうした取組を通じて、引き続き、特別な支援を必要とする児童生徒に対して適切な支援が実施されるように努めてまいりたいと思っております。

櫻井委員 もう時間になりましたので、最後、一言要望させていただきます。

 この特別支援教育に関する教員それから支援員の方、現場では全然足りていないという現状がございます。児童生徒がふえている、この割合に応じてしっかりと充実させていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

冨岡委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午前九時三十分休憩

     ――――◇―――――

    午前十時五十五分開議

冨岡委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。川内博史君。

川内委員 戦後最大の拍手をいただいて、ありがとうございます。川内です。

 きょうは内閣官房からも来ていただいておりますので、まず教えていただきたいんですけれども、ことし四月十四日の予算委員会で、議員の質問に対して総理の後ろから、私どもから言わせれば大きな声でのやじ、政府的に言えば総理に対する答弁のアドバイスを大声でして有名になった佐伯耕三総理秘書官は、総理秘書官になる前の役職というのは何だったのか、また、その職務は、今井秘書官との連携のある職務であったのかということを教えていただきたいと思います。

原政府参考人 お答え申し上げます。

 佐伯総理秘書官につきましては、平成二十九年七月五日付で総理秘書官になったわけでございますが、その直前は、内閣副参事官として安倍総理や総理秘書官を補佐する業務に携わっていた、こういうことでございます。

川内委員 今井秘書官との連携もあったというふうに確認をさせていただきました。

 それでは、昨日の柳瀬元総理秘書官の参考人質疑での答弁、二〇一五年四月二日の首相官邸における加計学園、愛媛県、今治市と柳瀬元総理秘書官との会合に、文部科学省、農林水産省からそれぞれ出向していた、当時内閣官房内閣参事官二人に同席を求めたと柳瀬参考人は御答弁されました。

 昨日の参考人質疑はあくまでも参考人質疑であって、政府として、この内閣官房内閣参事官お二人の同席をお認めになられるか、この会合のことをお認めになられるかということをまず確認させていただきたいというふうに思います。

原政府参考人 お答え申し上げます。

 五月九日の当委員会におきまして、委員の御質問に対しまして、私の方から、どのような対応が可能か、持ち帰らせていただきたいと存じます、関係省庁ともしっかり相談してまいりたいと存じますと答弁させていただいたところでございます。

 その後、関係省庁間で相談いたしました結果、内閣官房からの指示ということで、文科省及び農水省で確認等を行うということとしたところでございます。

川内委員 それでは、文部科学省にお尋ねをいたしますが、当時、文部科学省から官邸、内閣官房に出向していた角田内閣官房内閣参事官、現在の文部科学省高等教育局私学部私学行政課長に直接確認をして御答弁をいただきたい旨、通告してございますが、この平成二十七年四月二日の柳瀬元総理秘書官と加計学園会合に同席をしたかということについて、御答弁をいただきたいと存じます。

林国務大臣 昨日の国会での質疑等を踏まえ、内閣官房の指示を受けて、当時、文部科学省から内閣官房に出向していた職員に確認を行いました。

 その結果、平成二十七年四月二日とされる面会について、明確な記憶がないが、柳瀬参考人の答弁の内容を踏まえれば、同席していたのではないかと思うという回答だったというふうに聞いております。

川内委員 同席していたのではないかと。まだ政府としては、いたのではないかということで、本当に、まあ政府というのは大変だなと思うわけでございますけれども、同じく農林水産省、当時の青山内閣官房内閣参事官、現在の農水省大臣官房秘書課長に直接確認をして御答弁いただきたいというふうにお願いをしてございますけれども、結果を教えていただきたいと存じます。

小川政府参考人 お答え申し上げます。

 内閣官房からの指示を受けまして、当時、農林水産省から内閣官房に内閣参事官として出向していた職員に直接確認を行いました。

 その結果、平成二十七年四月の官邸での面談につきまして、当時の柳瀬秘書官からの求めに応じ自分も同席したと思うとのことでございました。

 以上でございます。

川内委員 政府は、思うものではなくて、事実を確定させるものでありますから、四月二日という日付は議論をおいておいて、同席していたか否かということについては、政府として事実を確定させていただく必要があると私は考えます。

 当時の文科省、農水省からのお二人の官邸への出向者が当該会合に出席していたということを、両省として、政府として確認していただきたいと思います。思うじゃなくて、そういう会合があったんだということを確定してもらいたいんです。日付はまた後で議論するとして、そういう会合があったということを政府として、きのうは、柳瀬さんは参考人ですから、政府としての答弁じゃないですからね、きのうの柳瀬さんの御答弁は、政府として、平成二十七年四月二日、会合があった、まあ四月二日と思われる会合があったと。これは内閣官房、会合の事実を確定させてください。

原政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど両省から答弁があったということでございます。

川内委員 委員長、柳瀬元首相秘書官が、会合しました、首相秘書官として会合しました、官邸で、そのときに両省から呼びました、こう昨日答弁されたわけですけれども、政府としては、と思うという言葉をおつけになられるわけですよね。こんなこと、あり得ますか。政府ですから、ちゃんと委員長として、政府として事実を確定せよ、出席していたのなら出席していたというふうにちゃんと答弁せよというふうに御指導いただきたいです。

冨岡委員長 私に質問されているみたいなんですが。

 その事実関係をしっかり答弁してください。確認できなかったんですか、できたんですか、農林水産省あるいは内閣官房。

 小川大臣官房審議官。

小川政府参考人 お答え申し上げます。

 直接本人に確認したところ、自分は同席したという記憶を確認させていただいたというのが、このヒアリングの結果でございます。

義本政府参考人 お答えいたします。

 大臣が答弁させていただきましたように、内閣官房の指示を受けまして、当時、文部科学省から内閣官房に出向していた職員に確認を行いまして、その結果、四月二日とされる面会について、明確な記憶はないけれども、柳瀬参考人の答弁の内容を踏まえれば、同席したのではないかと思うというのが回答であった、それが事実でございます。

川内委員 公務員が公務として出席した会合に関して、と思うとか、私はあり得ないと思いますね。別にプライベートを聞いているわけじゃないんですよ。三年前の四月二日、お昼何食べましたとか聞いているわけじゃないんですよ。公務員が公務としておやりになられたお仕事について聞いているわけですね。個人的な行動を聞いているわけではないわけです。

 それでは、文科省と農水省にお尋ねいたしますが、大臣官房付、それぞれ親元の省の大臣官房付で、文科省からいえば、文部科学省文部科学大臣官房付で首相官邸に出向していらっしゃる内閣官房内閣参事官、これは小泉内閣のときに設けられた制度だそうで、連絡室参事官と呼ばれているそうでございますけれども、職務として首相官邸と本省との連絡調整を担うことが期待されているという理解でよろしいでしょうか。

藤原政府参考人 お答え申し上げます。

 委員お尋ねの内閣官房内閣参事官につきましては、内閣官房の指揮命令のもとで職務に従事しており、当該職務を遂行する上で必要があれば関係省庁との連絡調整を行うこともあるものと承知しております。

川内委員 農水省も同じ質問です。

小川政府参考人 お答え申し上げます。

 農林水産省から官邸に出向している内閣参事官は、内閣官房の指揮監督下で総理官邸の業務に従事しております。この業務を遂行する上で必要があれば農林水産省も含めた関係省庁との連絡調整を行うこともあるものと認識しております。

 なお、農林水産大臣官房付という肩書でございますけれども、これは、当該内閣参事官の給与を農林水産省が支払う都合上、付されているものでございまして、この肩書がついていることが農林水産省との連絡調整を担うということを意味するものではございません。

 以上でございます。

川内委員 御丁寧に最後のことまで教えていただいて、ありがとうございます。

 それでは、必要があれば本省との連絡調整を行うことが仕事として期待されていると。文部科学省にとって、あるいは農林水産省にとって、獣医学部の新設というテーマは重要な、必要があるテーマではないかというふうに私は考えますが、いかがでしょうか、文部科学省。

藤原政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど御答弁申し上げましたとおり、関係省庁との連絡調整ということでございまして、委員御指摘の獣医学部の設置関係も、当然その職務を遂行する上で含まれるものというふうに考えております。

川内委員 そうすると、文部科学省から出向していた内閣官房内閣参事官は、文部科学省の内閣府からのメールの調査報告の中にも記載されているとおり、この内閣官房内閣参事官は、加計学園の官邸訪問に先立って、何か獣医学部のことについて官邸に陳情が来るみたいだから教えてねというふうに本省に連絡をしている。さらに他方で、昨日、柳瀬元秘書官は、事前にレクを受けたということも証言をされていらっしゃるわけで、そうすると、文部科学省は、当然、この内閣官房内閣参事官から事前レクの報告、あるいは、この会合後に、こんな会合でしたよという報告を、連絡を受けていなければならない、受けていることが当然であるということになるわけですけれども、いかがでしょうか。

義本政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほどから答弁させていただいております、内閣官房に当時出向した職員、当時の角田参事官でございますけれども、確認を行いましたが、その確認の中におきまして、柳瀬元総理秘書官への事前の説明等につきましては、明確な記憶はないが、柳瀬参考人が答弁したとおり、獣医学部の状況について質問があり、調べて説明したと思うという回答がございました。

 また、会合の後にその内容について文科省に連絡をしたのかにつきましては、明確に覚えていないけれども、連絡しなかったのではないかなと思うというふうな回答があったところでございます。

 それぞれについてメモ等記録を残しているかについて確認しましたけれども、記録は残していないということでございました。また、事前に説明したものにつきましてのメモがあるかどうかについても確認いたしましたけれども、文科省から聞き取った内容について柳瀬秘書官に説明するためのメモは、つくったかもしれないけれども残していないということでございました。

 ちなみに、文科省が四月二十日付で公表しました確認作業におきます聞き取り調査におきまして、事前事後についてそういう連絡があったかどうかについての確認をしたところでございますが、事後において、平成二十七年四月二日に愛媛県関係者が官邸を訪問したとされていることについての報告を受けたことがある、また、記録を見たことがあると答えた者は確認できなかったところでございます。

川内委員 四月二十日に報告された報告書のことを今この時点で、この段階でこう書いてありますとか言われても、それはめちゃめちゃ古い情報ですよね。

 昨日、フェーズは新たなフェーズに入ったわけで、首相官邸で平成二十七年四月二日に、柳瀬元総理秘書官が加計学園を呼んで、そこに今治、愛媛も同席をして会合が行われたというのは、柳瀬秘書官はそれをお認めになられて、政府的には、と思うということを今おっしゃられていらっしゃる。そして、その会合に出席された公務員の皆さんは、と思うを連発されているわけですね、公務員であるにもかかわらず、公務としての仕事であるにもかかわらず。

 これは、官房長、新たな事態が発生した場合には更に調査を進めますというのがこれまでの文部科学省の累次の答弁ですから。会合があったと思うと、あったんですよ、これは。あったに決まっていますよ。だったらば、あったということを確定させ、そして、その会合がいかなるものであったのかということについて更に調査をするという新たな事態が発生をしているというふうに私は考えますが、官房長、いかがでしょうか。

藤原政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の点につきましては、既に昨日、当時内閣参事官だった角田課長に事情聴取いたしましたし、また、それ以前にも、四月二十日に公表いたしました聞き取り調査の結果もございますので、先ほど高等教育局長から答弁申し上げましたとおり、既に確認済みということでございますので、新たな調査をする予定は現時点ではございません。

川内委員 大臣、こんなことでいいんですかね。公務員の方が公務としておやりになられた仕事について、何にも記録はありません、レクはしたかもしれないけれども記録はとっていません、会合はあったと思うけれどもどんな会合であったか記録もとっていません、したがって、わかりませんと。公務員としての仕事として許されるんでしょうか。

 私みたいな人間でも、会合に出たらノートを持っていって、そこで誰がどんなことを言うかとか、どういうことになるかというのは一生懸命メモしますよ。ノートぐらいとっているでしょうからね。そのために陪席しているわけですから、その内閣官房内閣参事官の方も。

 改めて、きちんと報告せよ、過去のノートをまとめて報告せよというぐらいのことはしないと、これは、公務員としての行政に対する信頼性が大きく損なわれるということになるというふうに思います。

 文部科学大臣として、今官房長は事務方としてあのような答弁をされたけれども、民主主義を擁護する内閣のメンバーとして、きょうはきちんと、行政を指揮監督する立場として、もう一度きちんと調査をさせるということをこの場で御答弁をいただきたいというふうに思います。

林国務大臣 今官房長から答弁を差し上げたとおりでございますが、過去のことでございます。大体三年前でございましょうか。したがって、先ほど農水省からも記憶という話がありましたが、過去のことをしっかりと確認するためには、記憶若しくは記録ということで、四月二十日の調査もそういうことで、記録がないか、記憶はどうかということを調査したところでございます。

 また、委員から今、新たなフェーズということがございましたが、きのうの柳瀬参考人でしょうか、この発言も踏まえて、新たに、昨日、先生からの御通告もあったということも踏まえて、改めてこの参事官には確認をさせていただいたということでございますので、記憶、記録と両面から現段階でできる限りのことをやっておる、そういう認識でございます。

川内委員 できる限りのことをやっておるということでございますけれども、私は、できる限りのこと、最大限に全てやり尽くしたかというと、やり尽くしていないこともあるのではないかというふうに思います。

 そういう意味では、林大臣、やれることを更にやっていただけるのかどうか。

 藤原さんは、もう何もしませんと言ったんですよ。もういいんだもんと言ったんですよ。私は、そんなことはない、やれることはまだありますよねということを申し上げているわけで、大臣として、やれることがもっとほかにあるのであれば、それはやるよというふうにお考えになられるかということをちょっと聞かせていただきたいんです。お願いしますよ。

林国務大臣 これは私も事務方も共通して、また先ほど委員からもその旨の御指摘もありましたが、新たに必要性が生じるようになった場合にはまた改めて検討するということは常に申し上げてきておりますので、我々としては、今の段階では私が先ほど申し上げたとおりですが、今後そういう事態があったと判断した場合には改めて検討したい、こういうふうに思っております。

川内委員 この内閣官房内閣参事官角田さんは、四月二日の会合のことを覚えていないと言ったんですよ、最初。きのうの柳瀬さんの証言を踏まえて、出席したと思われるに変わったわけですよね。十分新たな要素だと私は思いますけれども、また、ちょっとこの押し問答をここで続けても時間がもったいないので、事実確認を次々にさせていただきたいので、次に移らせていただきたいというふうに思います。

 内閣府にも来ていただいておりますが、藤原当時国家戦略担当の次長ですけれども、平成二十七年八月五日、六日に、加計学園岡山理科大学、そして今治市に御出張をされていらっしゃいます。このときに、加計学園から、岡山理科大学から便宜供与を受けていたのではないかということでございますけれども、ずっと以前からお尋ねをしております。調査をするということでございました。その調査の結果を教えていただきたいと思います。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘いただいていることは現在調べてございます。当時の出張における実際の移動手段についてということですが、お話にもありました、記録、記憶、両方から実際の移動手段を確認ということで今やっているのでございますが、本当のところの実際の移動手段がまだ確認できておらない状況にございます。この点につきましてはしっかりと調査をしてお答えを差し上げたいということで、もうしばらく、実際のところがちゃんと確認できるところのお時間をいただければというふうに考えてございます。

川内委員 まあ何でこんなに事実確認を、私はただ事実確認をしているだけなんですけれども、全然答えていただけないことに関しては本当に残念だなと。しっかり調査をして、早急にしかるべく、速やかに教えていただきたい。月曜日、予算委員会がありますから、そこでは答えていただけるようにしていただきたいと思います。

 四月二日付のメールですね、内閣府から文科省に打たれたメール、これは行政文書ということでよろしいですね。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のメールでございます。文部科学省の方から調査の結果出てきていることは確認をしてございますが、私どものところからまだ直接は出てきてございません。現時点では、当時のステータスとしてどのようなものであったか確認ができない状況でございますが、今の時点におきましては、文部科学省さんの調査の結果明らかになったものという形での文書としては持ってございますので、現時点では、行政文書として文科省さんの方から公表されたメールの方は保有をしている、こういう状況でございます。

川内委員 先生方、四月二日のこのメールさえ余り認めたくないということなわけですよね、ちょっと信じられないなと思うんですけれども。

 じゃ、四月二日に、藤原次長が、加計学園関係者、そして今治市、愛媛県に会った、会合をしたその端緒は何だったのかということを教えていただきたいと思います。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 この時期は、まさに短期集中提案をこれから始めるということで、三月にもアナウンスをさせていただき、四国に出向きましての一般的な都道府県向けの説明会等も行い、そうした声を集めて、自治体の方々からも、どんな提案があり得るのかということをいろいろ聞いておった時期でございます。

 そうした中で、今治市からも、ほかの自治体さんと同様でございますが、御説明、御相談に伺いたいという話がございましたので、また、前年の二十六年のあの新潟市の提案以来、民間議員の御指摘も含めて、獣医の問題につきましてはワーキンググループの方でも積極的に議論している課題となっていたということもありまして、今治市からのオファーに応じて話を、当時、このころ伺わせていただいた、こういうふうに理解をしてございます。

川内委員 今治市からのオファーに基づいてと、今政府として御答弁になられました。

 その根拠文書を下さい。エビデンス。いいですか。最後、答弁させてください。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 現時点で、どのような形でオファーがあったのか、その方法は何であったのか、まだ確認がとれてございませんが、きょう御質問いただきましたので、持ち帰ってもう一度確認をしてみたい、かように思います。

冨岡委員長 時間が来ておりますので、簡潔に。

川内委員 ありがとうございます。

 終わらせていただきますが、事実を確認しているだけにもかかわらず、なかなか事実について、公務員がどんな仕事をしているのかお答えいただけないというのは大変残念なことであるということを申し上げて、終わらせていただきます。

冨岡委員長 次に、源馬謙太郎君。

源馬委員 国民民主党の源馬謙太郎でございます。

 きょうは、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 早速質問させていただきたいと思います。

 本日は、著作権の問題とそれから子供の貧困について主にお伺いをさせていただきたいと思います。

 まず、音楽教室の著作権に関する問題でございます。

 昨年、JASRACが音楽教室から著作権使用料を徴収するという方針を打ち出しまして、それに対して、ヤマハ音楽振興会ですとか河合楽器製作所を始めとする音楽教室を運営している二百四十九の団体が、音楽教室での演奏は著作権法で定める演奏権には当たらない、こういう主張をしてJASRACを提訴いたしました。

 音楽教室の多くでは子供たちが、子供だけではありませんけれども、子供たちが音楽を学んで、これからプロを目指したりとか、音楽の人材の育成のみならず情操教育にも大変大きな貢献をしているというふうに思います。

 さらに、加えて言うと、この音楽教室ではほとんどの場合がPDという、いわゆる作曲家が亡くなってから五十年たって権利が消滅した楽曲ですとか、あるいはJASRACに信託していない曲であったりとか、演奏するにしても、一曲丸ごと演奏するんじゃなくて、指導者が部分的にテクニックを教授したり、そういった演奏の仕方をしているのが実情でございます。

 こういった観点から見ても、私も、この音楽教室での演奏というのは、すなわち演奏権に当たるかどうかというのは非常に疑問に思いますし、大きな違和感を感じます。

 こうした中で、音楽教育を守る会の人たちは文化庁に対して、JASRACが求めているこの演奏著作権料の徴収に反対する署名を出し、またさらに、裁判の判決が出るまで徴収を保留してもらいたい、こういう裁定を文化庁に申請しましたけれども、三月の七日に文化庁長官はこの徴収を容認するということに至りました。これを受けて、JASRACは四月一日から音楽教室から音楽著作権料の徴収を始めたというふうに聞いています。

 この背景で、文化庁長官が徴収の先送りをもし命じると、JASRACが仮に勝訴した場合でも、過去にさかのぼって徴収ができなくなってしまう、一方で、音楽教室側が勝訴をした場合には、過去に支払ってきた著作権料の返還を求めることができる、ですから、これはすなわち公正だ、こういった背景を述べております。また同時に、演奏権の存否について争っている者への督促は行わないという行政指導を行った、これをもって音楽教室側に配慮しているというように言っております。

 ただ、音楽教室サイドにいろいろお話を伺ってみると、今まで徴収されてこなかったものが係争中に徴収されるようになるので、これはやはり不公平感を感じるし、非常に上から目線を感じる、あるいは行政もJASRAC側に立っているというふうに思わざるを得ないという意見を多く聞いています。

 そこで、参考人にお伺いしたいんですが、音楽教育を守る会が、不完全な使用料規程によって徴収する不正義を許さないように行政指導を求めます、こういう談話を発表しておりますけれども、この談話に対する見解を教えていただきたいと思います。

中岡政府参考人 お答え申し上げます。

 音楽教室における演奏にかかわる使用料徴収をめぐりましては、昨年六月に日本音楽著作権協会、JASRACから届出のあった使用料規程につきまして、昨年十二月に音楽教育を守る会から、著作権等管理事業法に基づく文化庁長官の裁定を求める申請がございました。

 そこで、文化庁長官は、文化審議会に諮問いたしまして、その答申を踏まえて、本年三月七日に、使用料規程の実施の留保は行わないという裁定を行うとともに、JASRACに対して、使用料規程の実施に当たっての適切な措置について通知、これは事実上の行政指導でございますけれども、行いました。

 この通知によりまして、演奏権が及ぶことを争う音楽教室事業者に対しましては、司法判断等によって請求権が認められるまでは個別の督促を行わないことを要請しており、JASRACもその要請に応じていると承知してございます。

 JASRACと音楽教室事業者との訴訟は係属中でございますが、文部科学省といたしましては、関係当事者が建設的に解決策を見出していくことが必要であると考えておりまして、引き続き、当事者間の動向を注視してまいりたいと考えております。

源馬委員 ぜひ音楽教室側への配慮も引き続きお願いをしたいと思います。

 文化審議会の場でも、これも音楽教育を守る会の皆さんの御意見ですけれども、音楽教育を守る会の皆さんが主張されていることを認める専門家の意見も多かったというふうになっておりますけれども、それでも、この審議会自体は、手続論に終始をして、なかなかそうした演奏権の存否ですとかそういったところまで話が及ばなかったということも聞いております。

 仮に、今係争中のこの結果が、演奏権が肯定されてしまった場合も、では、どこからどこまでの範囲が演奏権が及ぶのかであるとか、先ほども言いましたけれども、一部分の演奏でもどれだけの演奏権に当たるのかとか、著作権料がそこでどれだけかかるのか、算定が非常に難しいというふうに言われています。今現在は、その難しい算定もごった煮にして算定の額が決まっているわけなので、これもやはり不公平感を生んでいるところだと思いますので、そうしたところの配慮もぜひよろしくお願いしたいと思います。

 続きまして、前回も取り上げさせていただきましたが、海賊版サイトへのサイトブロッキングについてお伺いをしたいというふうに思います。

 前回、四月の十三日に、この委員会でこの問題、質問させていただきました。その同日の四月十三日に、知的財産戦略本部・犯罪対策閣僚会議において、インターネット上の海賊版サイトに対する緊急対策が議論をされました。

 その会議の資料ですけれども、きょうお配りした一枚目の資料です。

 ここにあるとおり、「ブロッキングは、「通信の秘密」を形式的に侵害する可能性があるが、仮にそうだとしても、侵害コンテンツの量、削除や検挙など他の方法による権利の保護が不可能であることなどの事情に照らし、」云々というふうにあります。

 まず、「緊急避難の要件を満たす場合には、違法性が阻却されるものと考えられる。」というふうにありますけれども、私は、海賊版サイトのブロッキングについて、緊急避難の対応内であるというふうにはなかなか思えないわけであります。

 そしてさらに、このサイトブロッキングは、あくまでも法制度整備が行われるまでの間の臨時的かつ緊急的な措置であるというふうにされております。

 この対応を受けて、四月の二十三日にNTTグループは、漫画やアニメを作者に無断で掲載する海賊版サイトに対して接続の遮断を実施するという発表がありました。

 私、これで非常に心配するのは、これはアクセスを単に遮断するという、いろいろな誤解があると思うんですが、アクセスを遮断するというそのことだけではなくて、論理的には、全ての通信について事業者が行き先を取得する必要があるという裏表の部分があると思います。つまり、通信の秘密に抵触するのではないかというふうに思いますけれども、このことについてまずお伺いをしたいというふうに思います。

 このサイトブロッキングはあくまでも応急措置的な対処でしかないというようなことでしたけれども、この臨時的で緊急的で、あくまでも一時的な応急的な措置であるこのサイトブロッキングという措置はいつまで適用されて、そして法整備はいつぐらいをめどに考えていらっしゃるのか伺いたいと思います。

住田政府参考人 御指摘のとおり、四月十三日に、知財戦略本部・犯罪対策閣僚会議において、インターネット上の海賊版サイトに対する緊急対策を決定したところでございます。

 この緊急対策におきましては、御指摘のとおり、あくまで法制度整備が行われるまでの間の臨時的かつ緊急的な措置として、民間事業者による自主的な取組として、特に悪質と考えられる三サイト及びこれと同一とみなされるサイトに限定してブロッキングを行うということが適当だと考えられるというふうにしておるところでございます。

 お尋ねの期間でございますけれども、同じこの会議におきましては、必要な法制度整備についても検討を進めるということとしまして、その時期については、次期通常国会というのを目指して速やかに検討を行うということをこの会議においても確認したところでございます。

 したがいまして、早期に法制度整備を図るべく、関係省庁とともに連携して検討してまいりたいというふうに考えてございます。

源馬委員 ありがとうございます。

 なるべく早い検討をしていただいて、一日も早く問題解決に資するようにしていただきたいというふうに思います。

 このサイトブロッキングについては、そもそも海賊版サイトで被害を受けている漫画家の人たちも、サイトブロッキングはないんじゃないかというような意見を出されています。

 お配りした資料の二枚目、「あしたのジョー」で有名なちばてつやさん、ここにもありますけれども、まさに、漫画の危機に真剣に向き合ってくださっていることには感謝するけれども、サイトブロッキングはどうなんだろう、表現の自由や知る権利、これを侵すもろ刃の剣になりかねないという危惧も発表されておりますので、ぜひこれは速やかに検討していただきたいというふうに思います。

 加えて、先ほども少し触れましたが、緊急避難、これは、児童ポルノの問題のときは緊急避難的に解釈をされましたが、この緊急避難が適用される条件として、現に危険が迫っている中で、やむを得ない回避方法であって、しかも、それによって生じた害が避けようとした害を超えない、こういう場合に限るというふうになっていると思います。私は、この海賊版サイトがこれに当たるというふうにはどうしてもやはり思えないわけなんです。

 そういった中で、先ほどのちばてつやさんの言葉にもありましたが、憲法二十一条が保障する通信の秘密、こういったものに抵触するおそれがあるのではないかというふうに思いますが、政府の見解をお伺いしたいと思います。

住田政府参考人 今回の緊急対策は、児童ポルノのブロッキングにおける考え方を踏まえつつ、あくまで民間事業者による自主的な取組として行われるブロッキングについての考え方というのを整理したものでございます。

 ブロッキングにつきましては、通信の秘密、これを形式的に侵害するという可能性はあるわけでございますが、仮にそうだとしても、御指摘のありましたとおり、刑法第三十七条の緊急避難の要件を満たす場合には違法性が阻却されるというものだというふうに考えてございます。

 また、この対策の中では、やはりこうした通信の秘密などへの影響ということが考えられますので、「極めて重大な被害を拡大させている特に悪質な海賊版サイト以外の、違法・有害情報一般に関する閲覧防止措置として濫用されることは避けなければならない。」ということを明確に確認しているというところでございます。

源馬委員 済みません、確認させていただきたいんですが、緊急避難の要件を満たしているということなんでしょうか。

住田政府参考人 この三つのサイト及びそれと同一とみなされるサイトですけれども、これについての考え方というのを今回の対策では整理したところでございます。

 この考え方を整理した上で、当面の対応として、民間事業者による自主的な取組としてのブロッキングが適当と考えられる、こういう考え方を示したものでございますけれども、最終的に、この具体的なサイト、それに対するブロッキングという措置が実際にこの三十七条の要件に該当するかどうか、この最終的な判断は司法に委ねられているというふうに考えてございます。

源馬委員 わかりました。

 早急に対応策、法整備を進めていただきたいわけなんですけれども、その一つに、以前もこの委員会でも話が出ましたが、やはり広告をどうとめていくかというところが大きなポイントになるのではないかというふうに思います。

 ただ、今、インターネット上の広告というのは、リスティング広告ですとかターゲット広告、こういう運用型がメーンになっておりまして、これはもちろん釈迦に説法ですけれども、企業が広告を出したいと広告会社に依頼をしても、実際にどのサイトで表示をされるかというのはなかなかつかむことが難しいというのが実態だと思います。

 実際に今回も、漫画村のサイトに広告が載っていた例えばDMM.comとか有名企業もありましたけれども、そういったところも、まさかうちの広告が漫画村に載っているとは思わなかったという声もたくさんあります。

 こうした難しい中でも、例えばイギリスの場合は、ロンドン市警と広告会社や広告主、権利者団体が一体のプラットホームをつくって、そこでいわゆるブラックリストを作成して、これも政府の恣意的なリストになってはいけませんけれども、警察が、イギリスの場合はロンドン市警がしっかりとした基準をつくって、リストをつくって、このことによって、二〇一三年から一五年までの二年間の間で海賊版サイトへの広告を七三%減少させたという例がありました。

 こういったことも含めて、広告規制が必要だというふうに考えますけれども、現在の検討状況をお伺いしたいと思います。

吉田政府参考人 お答えいたします。

 海賊版対策に関しては、一つの施策で解決ということはない、十分ではないと考えております。したがいまして、関係省庁、今、連携いたしましてさまざまな施策、例えば削除申請や法的措置、あるいは消費者への広報啓発活動というようないろいろな取組をやっておりまして、その中の一つとして広告出稿抑制ということがございます。また、車の両輪として、正規版の流通促進ということも当然海賊版対策のために重要なことと考えています。

 そういういろいろな対策を行っていくんですが、そういう中の広告ということに関して申し上げますと、これまで、権利者団体から広告業界に対して、コンテンツ侵害サイトへの広告出稿抑止について協力要請ということを行ってきているような取組があります。

 御指摘のとおり、インターネット上の広告の出し方というのは非常に複雑になってきておりますので、そういう広告抑制をどうやって実効性があるものにしていくかということも重要になってくるかと存じます。

 こういう広告出稿抑制というのは資金源という観点から重要と考えておりますので、今後とも、こういう取組が行われることは重要であり、経済産業省としても、関係省庁あるいは関係団体とも連携し、引き続き取り組んでまいりたいと思います。

源馬委員 ぜひ引き続き速やかな検討をお願いしたいと思います。

 続いて、子供の貧困についてお伺いをしたいと思います。

 厚生労働省が発表した国民生活基礎調査によりますと、二〇一五年の時点で子供の貧困率一三・九%、子供の七人に一人がいまだに貧困状態にあるというふうに発表されました。一人親世帯の貧困率は五割を超えておりまして、OECD加盟国の中では依然として最低水準にあるというふうに思います。

 まず初めに、こうした現状、子供の貧困化が、私は、二〇一二年に比べると二〇一五年はちょっとよくなったというデータもありますが、それでもまだ深刻だというふうに捉えておりますけれども、この問題についての大臣のお考えをまずお伺いしたいと思います。

林国務大臣 この貧困の問題は、雇用や所得などの社会経済状況に関連するものと考えられます。昨年公表されました厚生労働省の調査結果によりますと、平成二十七年、今お話がありましたように、子供の相対的貧困率は一三・九%で、平成二十四年と比べて低下はしておりますものの、やはり、子供たちの未来が貧困の連鎖によって閉ざされることはあってはならないと考えておりまして、家庭の経済状況に左右されることなく、質の高い教育を受けられるということが大変重要だと考えております。

 このため、文科省としては、幼児期から高等教育段階までの切れ目のない形での教育費の負担軽減、スクールソーシャルワーカーの配置拡充や貧困対策のための重点加配等の学校をプラットホームとした子供の貧困対策、さらには中学生、高校生等への学習支援を行う地域未来塾の充実等、地域の教育資源を活用した子供の貧困対策に取り組んでいるところでございます。

 今後とも、子供たちがそれぞれの夢にチャレンジできる社会の実現に向けて、全力で取り組んでまいりたいと思っております。

源馬委員 さまざまな取組があると思いますが、特に、御飯を食べることができないぐらい困っている子供たちもいるというふうに聞いております。これは事前のヒアリングで教えていただいたんですが、一〇%ぐらいの子供が夕食を家でとることができていないというようなデータもあります。

 もちろん、先ほど大臣から御答弁あったような、さまざまな取組があって初めて貧困対策の総合的な推進はあるんですけれども、この御飯を食べるということについての、すごく局地的ですけれども、食事を満足にとることができていない子供たちに対する予算を伴った対策、どんなものがあるのか、まず教えていただきたいと思います。

常盤政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず、文部科学省からお答えをさせていただきたいと思います。

 文部科学省におきましては、家庭において食事を満足にとれない子供に限った支援というものは行っておりませんが、一方で、学校給食において、低所得世帯向けの支援といたしまして、生活保護制度による教育扶助のほかに就学援助制度を行っているという状況でございます。

八神政府参考人 お答え申し上げます。

 厚生労働省としましては、平成二十八年度より、一人親の子供に対しまして、悩み相談を行いつつ、基本的な生活習慣の習得の支援あるいは学習支援とあわせて、食事の提供等を行う子どもの生活・学習支援事業を実施してございます。これは、母子家庭等対策総合支援事業、平成三十年度で百二十二億円の全体の内数となっております。

 また、さまざまな困り事の相談を受け付けて必要な支援につなげている生活困窮者自立支援制度がございます。この相談窓口に、例えば、子供のいらっしゃる世帯も含めて、きょう食べるものがないという方が相談に来られる場合がございます。こうした場合に、当座につきまして、いわゆるフードバンクなど食事の提供を行う民間事業者と連携をし、つないでいく、あるいは社会福祉協議会で食料支援を行う、こういったことを活用しつつ、あわせて、親御さんに対する就労支援など、自立に向けた支援といったものを行ってございます。これも、生活困窮者自立支援制度全体の施行関連の予算で、平成三十年度四百三十二億円ということになってございます。

源馬委員 ありがとうございます。

 今御答弁いただいたような取組の中で、各自治体でも子供食堂というのが今全国的に広がりを見せているというふうに思います。二〇一二年ごろから始まった子供食堂ですけれども、民間の調査によりますと、現在、全国に二千二百八十六カ所ある。私の地元の浜松にもあります。

 こうした子供食堂の取組も、私は、子供たちの貧困を救っていくためにはいいことだと思いますが、一方で、やはり食事は本当は家庭で、家族で食べるのが望ましいものだという思いもあります。しかし、そうは言っていられない今のこの現状があるので、今、子供食堂というもののニーズがふえているんだと思いますけれども、一つに、この子供食堂がどれだけ継続していけているのか、こういったところもこれからしっかり調査をしていただいて、そして、始まったはいいけれどもすぐなくなっちゃったということがないように、ぜひ後押しをしていただきたいということが一つ。

 それから、先日、これは報道でありましたが、宗教がこの子供食堂にもかかわり始めているという記事がありました。これは宗教といってもお寺でしたけれども、何となくやはりお寺ですとか教会というのは安心感がありますが、これは可能性を考えると、ほかの宗教団体とか、何か実施している団体がどういうものかわからないまま、子供たちを集める子供食堂というのが今後できてきてしまわないか、こういった懸念もあると思いますので、そういったところもぜひ、これからしっかり実態の調査とさらなる支援をしていただきますようにお願いを申し上げまして、私の質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。

冨岡委員長 次に、城井崇君。

城井委員 国民民主党の城井崇です。

 本日も質問の機会をいただき、ありがとうございます。早速質問に入らせていただきます。

 本日は、戦略的イノベーション創造プログラム第二期事業についての質問から始めたいと思います。

 内閣府の担当事業でございますが、文部科学省も深くかかわっておりますので、関係省庁も含めて政務三役の皆様にきょうは御質問申し上げたいというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 お手元に資料をお配りしております。ごらんください。

 一枚目が、このプログラムの概要です。二枚目が、このプログラムによって選ばれた課題とプログラムディレクターです。三つ目が、このプログラムに関する問題についての報道の一例でございます。四枚目が、この選ばれる過程で各省庁がどのようにかかわったかというものを示す図でございますので、参考いただきながらごらんいただけたらというふうに思います。

 このプログラムの事業は、公募の研究と称しておりました。しかし、事前に、各省庁との協力も通じてということでありますが、プログラムディレクター、そしてそこにかかわる課題の候補者というものを事前に決めておりました。しかも、各課題の詳しい状況を伝えて、応募を促しておりました。最終的に十二の課題ということになりましたけれども、このうち十の課題で候補者がそのまま選ばれ、うち九つの課題は何と応募した候補者が一人しかおりませんでした。

 この事業はかなり多額の税金が使われます。補正予算での枠組みでございましたが、当面使われるだけでも三百二十五億円という多額の税金が使われます。最終的に使われる税金の総額は一千五百億円規模にもなります。これだけの大きな事業でございますが、募集は何とわずか二週間、しかも、ホームページ掲載のみの募集でございました。広く声をかけましたよねと内閣府の担当の方にも伺いましたが、実際には一者しか声をかけていないというところが大半でございました。

 お手元の資料の四枚目が、各省庁に呼びかけをお願いして、プログラムディレクターをやっていただけませんかとお声がけをした数、幾つございましたか各者に声がけした状況の実際の数字でございました。二とか三とかはまだわかる、一って何でしょうかという話であります。

 公募は形ばかりであります。中立性も公平性もありません。中央省庁の都合の候補者が選ばれる仕組みになっています。公募と名乗るのも大変恥ずかしい状況だと思っております。内容自体はいいんです。せっかくの前向きな取組が本当に台なしだというふうに思っています。募集と選考をやり直すべきだと思っています。

 きょうは内閣府から副大臣にお越しいただきました。副大臣、これはおかしい、見直しが必要だと思います。御答弁をお願いします。

あかま副大臣 今、城井委員の方から御質問のございましたSIP第二期のプログラム、これの選定、選考という話でございます。

 この戦略的イノベーション創造プログラムでございますが、府省連携が必須要件というふうなことでございますので、この課題選定に当たっては、十八の課題候補をまず選んだ上で、当初段階から関係省庁を巻き込む、そうした観点から、それぞれにおいて中心的に検討を進める省庁を決めて、当該省庁を中心に、関連する省庁を含めた府省横断的な検討チームを構成し、検討を行ってきたところでございます。

 この際でございますけれども、各課題の検討に当たっては、課題内容の検討を行うだけではなく、プログラムディレクターになり得る人材の検討もあわせて行ってもらうことといたしました。

 そのことでございますけれども、まず、プログラムディレクターには関係省庁や産業界を束ねる相当程度の能力が求められることから、検討チームにおいてそのような人物を積極的に発掘してもらうということも期待したということでございます。

 あわせてですけれども、SIPは産官学連携のプロジェクトでございますから、各省庁のみの検討におさまることなく、広く産業界等からも意見を聞きながら内容を検討してもらう必要があり、その一環として、プログラムディレクターになり得る人材の意見も聞きながら検討を進めてもらうこと、こうしたことを期待したということ、これによるものでございます。

 長くなりますけれども、これらの検討を経て、最終的には、お話ございましたとおり、十八課題候補のうち十二課題を第二期の課題として選定をし、プログラムディレクター公募を行いました。

 これらの全体の検討の進め方についてでございますけれども、プレス等の対外的にも公表しながら進めてきたところではございます。

 結果としてでございますが、検討チームで発掘された人物も応募されたところでございますが、それ以外の方からも応募があり、公正に審査をした結果、選定した十一課題のうち、プログラムディレクターになり得る人材は十名となり、残りの一課題は再公募となったというところでございます。

城井委員 ホームページに二週間掲示で公表というのは、少々無理があるというふうに思います。

 今、副大臣から御答弁ありましたように、今回の件は、広く各省庁と連携しながら積極的に発掘をしていくことを期待しているということでありましたし、広く募るはずであります。その意味では、複数者による公募というところが大前提であるというふうに考えますけれども、この点はそういうことで間違いないですね。

あかま副大臣 今御答弁しましたとおり、まず、プログラムディレクターというのは産業界を束ねる相当程度の能力ということが求められるということで、そうした人物を積極的に発掘すること、これが必要だというふうに思っております。その上では、より多く、また複数ということが望ましいというふうにも考えます。

城井委員 複数者に当たるのは当然だと思います。発掘ですから、可能性の追求ですから、一人で終わるという話にはならないというのは当然だと思います。

 さて、この事業ですが、内閣府から各省庁への協力も得ていたということでございます。先ほどの表のとおりであります。

 プログラムディレクター候補への打診状況、先ほどのペーパーのように確認をいたしました。文部科学大臣、科学技術分野で文部科学省もこのプログラムディレクターの候補者選びなどにかかわっておりました。例えば、材料開発基盤分野の統合型材料開発システムによるマテリアル革命という課題で、このプログラムディレクター候補の打診を文部科学省とも相談しながら行ったということであります。

 ところが、打診はたったの一名、応募もその一名、そして選定された課題もそのプログラムディレクターのかかわる候補者ということになっております。

 大臣、これは文部科学省もこの名ばかり公募の片棒を担がされてしまっています。意識的じゃないと思います。これはおかしいと思いますので、この名ばかり公募の片棒を担がされているという点も含めて、発掘といいながら、文部科学省の協力した部分でも、結局、役所都合の一者しか選ばれていない、この状況について、大臣、どうお考えですか。

林国務大臣 昨年末ですが、内閣府で材料開発基盤分野、これが第二期SIPの課題の候補として選定されたことを受けまして、内閣府において内閣府及び当省の材料分野担当者を中心とする検討チームが編成をされまして、当該テーマに係るさまざまな検討が行われてきたと承知をしております。内閣府のこのチームでは、PD候補についても検討が行われたと当省の担当者からも聞いておるところでございます。

 一方で、第二期SIPとしての最終的な課題設定、それからPD、プログラムディレクターの選定においては文科省は関与をしておりませんで、当省としてはお答えする立場にないと考えております。

城井委員 ということは、大臣、今私が御指摘した部分は内閣府が段取りをしたという理解でよろしかったでしょうか。

林国務大臣 今お答えしたとおり、我が省からも材料分野担当者を中心に検討チームが編成をされておりまして、その当該チームでPD候補についても検討は行われたということでございますが、最終的にこのプログラムディレクターを選定するというところは我々は関与していない、こういうことでございます。

城井委員 協力をしたということ、最終決定は内閣府ということで理解をいたしました。

 さて、その当の内閣府もひどい状況になっております。

 内閣府が打診をし最終的に決定したとされる、サイバー空間基盤技術分野のビッグデータ・AIを活用したサイバー空間基盤技術という課題、フィジカル空間基盤技術分野のフィジカル領域デジタルデータ処理基盤技術という課題、防災・減災分野の国家レジリエンス(防災・減災)の強化という課題、そして海洋分野の革新的深海資源調査技術という課題も、公募だったにもかかわらず、結局、プログラムディレクター候補の打診は一名、応募も一名、選定された課題もそのプログラムディレクターにかかわる候補者でございました。お手盛りそのものであります。

 内閣府の副大臣、これ、おかしいですよね。やはり改めるべきだと思いますが、見解をお願いします。

あかま副大臣 お答えいたします。

 戦略的イノベーション創造プログラムでございますけれども、先ほど御答弁申し上げましたとおり、府省連携のプログラムでございますため、第二期においては、課題ごとに府省横断的な検討チームを組成することといたしまして、内閣府からは、関連する分野の参事官等が参画した上で、課題の内容とともに、プログラムディレクターになり得る人材について検討を行ってきたところでございます。

 御指摘の四課題についてでございますけれども、これらに関連するそれぞれの検討チーム等において幅広く検討したものの、プログラム全体を掌握するリーダーとして適切な人材を複数名発掘することができず、結果として一名にとどまることになったというふうに聞いております。

 また、応募に当たっては、より幅広い人材からの応募を期待していたところでございますが、これもまた結果としてそれぞれ一名の応募にとどまったこと、これはまことに残念でございますが、内閣府としては、より多くの方々から応募いただける状況をつくること、これが望ましいということは理解をしております。

 そして、再公募となった一課題についてでございますけれども、これについては、より長く応募期間をとり、あわせて、内閣府や関係の研究開発法人のウエブサイトに募集を掲載するのみならず、関連学会にも学会関係者への情報提供の協力を求めました。そうした改善等を行ったことによって、一つのポストに対して五名の応募というものがございました。

 そうしたことを踏まえると、今後もより適切な公募が行われるよう、改善というもの、工夫というものをしてまいらなければならないというふうに思っております。

 以上です。

城井委員 ホームページだけの掲示で、情報提供も打診も来なければ応募のしようがないというのが応募する側の受けとめだというふうに思います。今のお話は、役所の都合が随分過ぎるというふうに思います。副大臣、そこはよくよくお考えいただきたいと思います。

 さらに、総務省も残念ながら巻き込まれておりました。

 総務省が打診したとされる、セキュリティー分野のIoT社会に対応したサイバーフィジカルセキュリティーという課題も、公募だったにもかかわらず、やはりプログラムディレクター候補の打診は一名、応募も一名、そして選定された課題もそのプログラムディレクターがかかわる候補者でした。ここでも、公平性も中立性もありません。

 総務省、きょうは大臣政務官にお越しいただきました。この点、やはりおかしいと思うんですが、改めていただけませんか。見解をお願いします。

小林大臣政務官 委員御指摘の点ですけれども、先ほど林文科大臣がお話をされた立場と総務省は同じでありまして、タスクフォースが設置をされるわけですが、その下のサブタスクフォースに我々は入って、そこで何をテーマにするのか、候補者として誰を推薦するのかというような形で上げるわけであります。

 ですから、その点についてはかかわっているんですが、まさに最終的なPDの選定のところは内閣府がしっかり適切に実施されているものと承知しておりまして、結果として、この分野ですぐれた研究成果を上げている方がPDとして選定されたというふうに認識をしております。

城井委員 大臣政務官、当初の打診の段階で一名になっているというところは、総務省側が扱いましたか、それとも、そこも内閣府、検討した上で内閣府が打診から当たりましたか。どちらですか。

小林大臣政務官 この打診については、うちから、総務省からであります。

 これはかなり専門性の高い分野で、セキュリティーだけを研究していれば候補者になるかというとそうではなくて、やはりプログラム全体をマネジメントできるかどうかという観点で、いい方をというふうに、推薦をするならばこの方でしょうと。

 これは一般的な感覚として、推薦しますよというときには、一応、推薦しますからねというふうに御本人に確認をしておくというのは、全く意向がない方を推薦するというのも、その後の選定で全く出てこないという、本人に確認するというのは通例上あるかなというふうに思います。そのような過程で打診をしているということであります。

城井委員 推薦となって一名となりますと、公募になってこないというのが実際かというふうに思います。

 さて、もう一点お伺いをと思います。

 経済産業省についても触れざるを得ません。

 経済産業省の部分では、エネルギー・環境分野の脱炭素社会実現のためのエネルギーシステムという課題、これも、公募だったにもかかわらず、プログラムディレクター候補の打診は一名、応募も一名、選定課題もプログラムディレクターにかかわる候補者でございました。一体どうなっているんでしょうか。

 これもやはり打診はかかわったという理解でよろしいでしょうか。副大臣、お願いします。

西銘副大臣 委員御指摘のように、リーダーが内閣府で、サブリーダーが経産省のエネルギー・環境分野の方が検討チームにかかわっております。その意味では、エネルギー・環境分野の推薦にかかわっているという意味では、経産省の担当者が接触をしたと承知をしております。

 いずれにしましても、内閣府でこれは全体を所管しているものでありますから、内閣府で適切に処理をしたものと理解をしております。

城井委員 今、るる各省庁で、特に一名の打診、一名の応募、一名の決定という一番極端なケースだけを取り上げさせていただきましたが、そのほかの分野でも数は少ないというのが実際だというふうに思っております。

 先ほど、あかま副大臣さんからは、今後の内閣府の取組として、今後の公募のあり方についてはという御発言もございましたけれども、問題は今回の分です。今回の分がこれから五年は続くということになります。そういたしますと、ここ以降の部分が、そうした不適切で中立性がなく、公平性もないプロセスで選ばれてしまった今回の各課題のプログラムディレクター及びそこにかかわるチームの皆さんが走るということになってしまいます。

 これでは、行政の取組として正当性が失われた状況が続いてしまいます。選考とそして決定をもう一度やるべきだ。公募と選考、もう一回やり直すべきだ。公募と名乗るならば、しっかりとしたそれにふさわしい形、もし公募でやらないということにしても、じゃ、随意契約でやるのかという場合にも、そのやり方は、きちんと、広く情報は公開をされて、説明責任が果たせる形にすべきというふうに思いますけれども、この公募と選考、やり直すべきだ。先ほどからのお話ですと、やはり最終的な決定のところは内閣府がかかわったということが各省庁からのお話からも明らかになっておりますので、副大臣、ここは見直すということを一言おっしゃっていただけますか。

あかま副大臣 内閣府といたしまして、今回の募集の結果でございますけれども、プログラムディレクターの役割というものを果たすという中で、適切な経験と能力を有している方を選定できたというふうに判断をしており、募集さらには選定というものをやり直すということは考えておりません。

 ただ、先ほど申し上げましたとおり、今後における公募、今のような指摘というものがございますので、今後の公募について、周知の期間の長期化であるとか、さらには複数人材への打診であるとか情報提供の内容、また手段の拡充、そうしたこと、さらに、全体としてのプロセスの透明化ということをしっかり取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 以上です。

城井委員 今後の公募を含めた取組の改善については今おっしゃっていただいた方向でぜひお願いしたいというふうに思いますが、今回の部分は、補正予算で組まれた予算だけで終わる話ではないというのを私は申し上げているわけであります。

 選ばれた候補者がだめだと言っているわけではありません。選ばれた候補者の取組や内容について、だめ出しをしているわけではありません。申し上げているのは、そこが選ばれるに当たる公募のやり方、決定の方法、そこでの裏づけが乏しい、公正性や中立性に乏しいということを申し上げているわけであります。

 これから幾ら税金を使うか、副大臣も御存じですよね。全部で一千五百億円規模だと思っています。

 これから使う金額の規模、税金の規模の見込み、副大臣、おっしゃっていただけますか。

あかま副大臣 今年度という……(城井委員「総額」と呼ぶ)五年間の、今、約一千五百五億円という数字、これで間違いありません。

城井委員 ということなんであります。

 約一千五百億円規模での税金を今後も投入していく事業に当たって、入り口の段階で選び方に瑕疵があった。公募と言っておきながら、複数者の打診もなければ応募もないというのがこれだけ多数にわたっている中で、今後、一千五百億円規模の税金を投入していくというだけの正当性は乏しいと思います。

 もう一回お伺いします。この公募、選考、やり直していただけませんか。

あかま副大臣 今回の募集の結果選ばれたPDでございますけれども、先ほど御答弁申し上げましたとおり、適切な経験、また能力を有している方、そうした方々を選定できたと判断しており、今回について、募集、また選考というものをやり直すというふうな考え方はございません。

城井委員 それでは、それだけの税金が、一千五百億円という税金が使われるに当たって、複数者に当たらずに名ばかりの公募でやったということをお認めになるということでよろしいんでしょうか。

あかま副大臣 委員もう恐らく御承知であろうかと思いますけれども、複数者に当たった省庁、また、探したが一人しか打診できなかったところ、さらには、各省庁から当たった、しかし、その方々が、PDになり得る人材だという中で上がってきた、しかし、審査結果等を通じて、結果的には、そこは打診したにもかかわらず選ばれなかったというようなプログラムもございます。その意味でいえば、公募という形についてはしっかりプロセスを経たというふうに思っております。

城井委員 副大臣、プログラムディレクターの選定の部分もおかしかったというふうに申し上げておりますが、ホームページで二週間の公表で、募集、しっかり広く声をかけましたという、最終的な候補者、課題に対する候補者の募集をする、そのプロセスも適切だったか、中立的で公平であったかといったときに、その情報が一部の人しか行っていなかったというのが実態だったわけです。

 この点を踏まえて今見直しを申し上げているわけでありますが、広く声もかけられていなかったということも含めて見直しを申し上げたいと思いますが、この点、もう一回お願いします。

あかま副大臣 今回の募集と選考をやり直す、また見直す、再度やるということは考えておりません。

城井委員 質疑時間が終わりましたのでこれで終わりたいと思いますが、この点、見直しを強く申し上げて、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

冨岡委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午後零時十六分休憩

     ――――◇―――――

    午後二時四十六分開議

冨岡委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。串田誠一君。

串田委員 日本維新の会の串田誠一でございます。

 選択的夫婦別氏制度というのが、取り入れるべきかどうかという議論が今起きておりまして、我が党においても、どうしたらいいのかというようなことを検討しているわけでございますが、その一つの懸念材料といたしまして、学校の子供を持っている両親が離婚をしたときの氏をどうするのかというようなことについて、子供がかわいそうな思いをするのではないかというような、これが一つの懸念材料としてよく挙げられているわけでございます。

 そこで、きょうは、離婚に伴う通称使用と子供に関連する質問をさせていただきたいと思います。

 まず、離婚に伴う、学校がそのようなときにどのような対応をしているのかをお聞きしたいと思います。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 両親の離婚によって当該児童生徒の親権者が一人になった際の生徒指導のあり方について、文部科学省としてマニュアルなどの統一的な指針を示しているものはございません。

 なお、両親の離婚によって当該児童生徒が悩みや不安を抱えることも考えられることから、当該児童生徒の個別の状況に応じ、そのニーズも踏まえながら、学校において教師やスクールカウンセラー等も含めた十分な支援を行うことが望ましいものと考えております。

串田委員 指導ということをいろいろな形でやっていくということが望ましいという話なんですが、ガイドラインがないということでございます。そうしますと、現場の教師がそれを考え対応していくということになるわけだと思いますが、いろいろな意味でまだまだ経験の少ない教師もいるかと思うんですけれども、ガイドラインを今後つくって、余り現場の教師がその場その場で悩まないというようなことをするように検討していくというお考えはありませんでしょうか。

高橋政府参考人 文科省において全国の状況をつまびらかに把握しているわけではございませんが、個々の教師というよりは、学校においてある程度の対応を決めている例が多いのではないかと思いますけれども、いずれにしても、学校における児童生徒の通称利用の可否については、個別の事情を踏まえて各学校において柔軟に判断していただけることが基本ではないかとは考えております。

 文科省として、何か一律にそういった方針を示すかどうかについては、今後必要があれば、その状況について検討してまいりたいと考えております。

串田委員 学校がいろいろな対応というのは、もちろん御両親の面もあるでしょうけれども、名字が変わることによる子供の心的な影響というのもやはり非常に大きいでしょうし、子供が悩むということだけではなくて、それが一つのいじめにつながるというようなことも全く考えられないわけではないと思うんですが、子供に対するメンタル的なケアというか、そういったような事例も含めまして現在どのように対応されているのか、お聞かせください。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 委員から御指摘いただきましたように、両親の離婚によって当該児童生徒が悩みや不安を抱えることも考えられることから、当該児童生徒の個別の状況に応じて、そのニーズも踏まえながら、学校として教師やスクールカウンセラー等による十分なメンタル面のケアを行うことが望ましいと考えております。

 文部科学省といたしましては、心理の専門家であるスクールカウンセラーの配置促進に努めるとともに、教育相談に関する研修を実施するなどしておりまして、学校における教育相談体制の充実を図っておるところでございます。

串田委員 そこで、現場で通称利用をしている割合といいますか、名字をそのままにしている場合と名字を変える場合と、そこら辺の部分の統計学的というか何かデータというものは既にお持ちなんでしょうか。

高橋政府参考人 親が離婚したときに名字が変わった児童生徒が通称を用いるかどうかについては、文部科学省としては全国的な状況を把握はしてございません。一部にそういった通称を使用している事例があるということは承知しておりますけれども、全国的な傾向についてはお答えができかねる状況でございます。

 実際には、保護者や本人の意向、生徒指導上の配慮などを踏まえて、各学校において適切に判断されているのではないかと考えております。

串田委員 その際、学校の校長が決定するのか教師が決定するのかというのはいろいろとあるんでしょうが、通称を利用するというのは、通称といいましても、本名と違う名前を使ったタレントみたいな意味で通称というわけではなくて、これまでは戸籍上の名前だったというのが、ただ単に戸籍が変わることによって今までの名前を使うという意味では、別の名前を使ってきたわけではないという、そういう意味で、むしろそのままにしていたいという気持ちが非常に強いのではないかなと思うんです。

 先ほど、学校側で適切に対応しているという話でしたが、通称を使っている状況の中で本名が何らかの形で出てしまうようなことはございませんでしょうか。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま御指摘がありました、通称を利用している児童生徒が本名を使わなければならない場合があるかということでございますが、その一つの例として指導要録というものがございます。指導要録は学齢簿の記載に基づいて作成されており、この学齢簿は住民基本台帳に記載されている氏名を記載することとなっているため、仮にその児童生徒が通称を使用している場合であっても、基本的に、この指導要録には住民基本台帳に記載されている氏名を記入することになります。もちろん、一般的にほかの子供が目にするような書類ではございませんけれども、一例としてはそういうものがございます。

 ただ、指導要録の場合には、仮に本名を記載するに当たっても、通称名がある場合には、その通称名について氏名欄に括弧書きをしたり、あるいは、指導要録には指導に関する記録の参考となる諸事項というような欄がございますので、その欄に通称名を記載するなど、実際にはそういった運用が行われているところでございます。

 その他の事例について網羅的に把握しておりませんが、保護者や本人の意向、生徒指導上の配慮等を踏まえて、各学校で適切に対応されているのではないかと考えております。

串田委員 学校がそういうお渡しする書面というものにいろいろとあるんだとは思うんですが、高学年の子供であればいろいろな事情がよくわかっていて、それを現在は、今までの名前で学校を卒業するまではいていいんだよというのを両親に言われるのか、離婚したということであれば親権者になった人に言われるんでしょうけれども、非常に低学年の小学校一年とか二年は、そこら辺の部分を両親が非常に細かく説明をしていないまま行かせたいという子供もいると思うんですね。そういう子供が何にも知らないで、片親がいなくなってしまった事情というのは小さくても薄々感づいてはいるんだろうけれども、名前をそういうふうに通称にしているんだというような細かいことまで事細かに説明を受けていない子供もいると思うんですよ、小学校一年生ぐらいになると。

 そういうときに、学校から受け取った書面には、括弧書きにせよ、あるいはまた本名で書かれているにせよ、すごくびっくりするというようなこともあるかと思うんですが、そういうことはないんでしょうか。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 ちょっと先ほど説明が不十分なところがございましたが、先ほど申し上げました指導要録というものは、その学校に在学する児童等の学習及び健康の状況を記録した書類の原本でございまして、これは生徒が進学したような場合には送られますが、直接生徒に見せたりするそういった書類ではございません。

串田委員 そうしますと、よく通信簿というようないろいろなものもあると思うんですが、学校から配付される氏名が書かれた書面、これは通称を希望したところにおいては一貫して通称で、子供も、名前が変わっているとか、あるいはそれを、場合によっては、子供が見て、周りの子供が見ないとも限らないわけでございますので、そこの名前が違うというような書面を学校の間には子供が受け取るということはないんだという理解でよろしいでしょうか。

高橋政府参考人 一般的に、子供、あるいはほかの子供が目にするような書類において本名の使用を義務づけているような書類は、この指導要録以外は法令上はございませんので、あとは、実際に通称の使用を認めるかどうか、あるいはそういったものにどう記載するかについては、国として明確な方針というものは定めておりませんので、保護者や本人の意向、生徒指導上の配慮を踏まえて、各学校において適切に判断されるものと考えております。

串田委員 それでは、その手続についてお聞きをしたいんですが、通称というのは、離婚して戸籍上は名前が変わっているわけですけれども、学校にそれを言わない限りは、学校側もまたそれを把握することはないわけですけれども、何も両親がそういうようなことを言わない限りは、むしろ、戸籍上は名前が変わりましたよということを届けない限りは学校側としてはなかなか知ることはないのかと思うんですが、そうすると、通称を利用したい親権者は、そのまま学校に何も言わずに通わせておけばいいという理解でよろしいでしょうか。

高橋政府参考人 親が離婚して、児童生徒が通称を使用する際の何か手続があるかということでございますが、国として、特段、制度上の手続などは設けておりません。

 したがいまして、この点につきましても、各学校において、保護者や本人の意向、生徒指導上の配慮などを踏まえて適切に判断されていくものと考えております。

串田委員 次に、子供のメンタル的なところが心配という部分が基本的な質問の趣旨なんですが、例えば、父兄参観日というような言い方があったかと思うんです。今は、そういう意味では、これからは、男女共同参画というものも叫ばれているわけでございますし、ましてや、離婚すると、一人の親権者が仕事をしていかなければとても学校に行くことができないというようなこともあるかと思うんですけれども、現状も、まだそういう父兄参観日というものは設けられているんでしょうか。

高橋政府参考人 学校が保護者に対して授業を公開する取組については、学校での児童生徒の様子や教師の生徒に対する指導の様子を保護者が知るとともに、学校と保護者の間で関係を構築する有意義な機会であると考えております。

 こうした取組については、全国の多くの学校で実施されているものと考えますが、お尋ねいただきましたように、その公開の呼称を父兄参観日、父兄といった形で呼称を用いている事例があるかについては、文科省としては全国的な状況は把握していないところでございます。

 御質問の通告をいただきまして、文科省には全国の教育委員会、学校現場から来ている職員もおりますので、そういった職員に少し聞いてみたところ、最近では保護者参観日とかあるいはただの参観日、そういった例があるのではないかといった話はちょっと私も聞き取りはいたしましたが、大変恐縮でございますが、文科省として調査をしていないものですから、正式に全国の状況はお話しできる状況にはございませんことは御理解いただきたいと思います。

 なお、具体的な呼称については、各学校において、児童生徒や家庭の事情を踏まえた適切な配慮を行った上で実施されているのではないかと考えております。

串田委員 従来からつけられている父兄参観日というものも、そういったような問題意識を持たないと、見過ごされて聞き逃してしまうと思うんですが、父親がいないようなそういう子供にとっては、父兄参観日という名前をそのまま使うというようなことで、実は子供にとっては非常に心苦しいようなこともあるのかなと思うんですね。

 ですから、そういう意味では、全く、何となくごくごく自然に使っていたようなそういう言葉も、今非常に離婚率も高くなっていて、そういうような子供もたくさん学校に通われているので、そういう名称もちょっと考え直していくというような改善も進めていただきたいと思います。

 また、例えば親の顔を描く、きょうはお父さんの顔を描いてとかお母さんの顔を描いてとか、あるいは、母の日だからカーネーションを贈ろうねと言っても贈る相手がいないというような、父の日もそうでしょうけれども、本来であれば親と子供のきずなという非常に重要な行事であるし、私もそれは尊重しなければいけないとは思うんですけれども、昨今、そういうようなものの対象が、子供にとっては本当はいたいのにいない、そういう現状もあるかと思うんです。そういう行事についてはいかがでしょうか。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 例えば、今、委員から例示として御指摘いただきました、学校の授業で子供に両親の顔を描かせたりするようなことがあるかということにつきましては、現行の学習指導要領、あるいは昨年三月に公示した新しい学習指導要領のいずれの教科等においても、そのような取扱いは盛り込んでいないところでございます。また、実態としてそういったような事例が学校の授業で行われているのかどうかについては、これは文科省として必ずしも全国的な状況は把握はしてございません。

 なお、児童生徒によって家族構成や家庭生活の様子が異なるため、学校の授業において家族や家庭などについて取り扱う際には、プライバシーの保護に配慮するとともに、それぞれの家族構成や家庭の事情などに十分配慮することが必要であると認識はしております。

串田委員 そういうものも含めまして、本当に今までごくごく当たり前の行事が、よくよく考えてみると子供を傷つけたりするようなことというのは、これからもしかしたらもっと多くなっていくのかなと思うので、そういったようなところは細心の注意を払うしかないのかなと思いますので、よろしくお願いをしたいと思います。

 次に、今度は、まだ離婚になっていない別居期間中の件についてお聞きしたいと思うんです。

 別居期間中というのは、まだ法律的には両方の両親が親権者であるということであります。その際、いろいろな話合いのもとに別居している場合もあれば、DVなどで知られない間に子供を連れて出ていく、そんなようなこともあるかと思うんですけれども、一番心配なのは、そういう状況のときに子供を今度は連れ去りに来るというようなことが考えられるわけでございます。その一番の要するにタイミングというのは学校の通学時間だと思うんですが、こういう別居期間中の子供の連れ去りに関しては、学校としては何らかの対応というのは考えているんでしょうか。

林国務大臣 父母間での子供との面会等をめぐるトラブルによりまして、連れ去りなど子供が巻き添えになる事案が発生している、こういうことを踏まえますと、やはり学校としては、子供への安全上の配慮等の観点から、非同居の親からの要求については慎重に対応する必要があると認識をしております。

 文科省において全ての学校における対応状況を把握しているわけではないのですが、例えば一部の学校においては、学校行事への参加等、子供と面会をする場合には父母間の協議が調っていることを前提にすること、それから、子供の学校の様子や居住地等の情報提供については個人情報保護法等の関係法令に基づき対応すること、こういう事例があると承知をしております。

 また、非同居の親がDV等の疑いがある事案もあると承知をしておりますので、学校が教育委員会や福祉部局等と連携しながら、やはり子供の安全を第一に考えて適切に対応することが重要であると考えております。

串田委員 シングルマザーとかシングルファーザーというような言葉もあると思うんですけれども、今、大臣がいろいろな適切な対応もしていただいているということをお聞きしましたが、一方、子供を学校に放課後すぐに迎えに行けないというようなこともあるかと思うんです。

 以前と比べて、そういう離婚をした後の子供が放課後どういうふうな過ごし方をしているのか。学校で、私の時代などは、時間が終わっても下校の時間までは校庭で遊べたとか、そんなこともあるんですが、今は、そういう多様化している中で、子供がどういうような形で放課後過ごしているのか、教えていただきたいと思います。

高橋政府参考人 御家庭の事情はさまざまありまして、一概にお答えすることが困難でございまして、子供の放課後の過ごし方につきましては、例えば放課後子供教室とか学童保育とかさまざまな受皿も整備をされておりますが、私ども、必ずしも、シングルマザーのお子さんあるいはシングルファーザーのお子様がどういった形でというような形での調査を行っておりませんので、大変恐縮でありますが、ちょっと一概にお答えすることが困難であることを御理解いただきたいと思います。

串田委員 ここはどういうふうな、誰が責任を負うのかというのもいろいろあるかと思うんですけれども、いろいろ多様化していく中で、男女共同参画というような部分も含めまして、学校側がどの時間までは子供の面倒を見てあげられるのか。それがまた先生の重労働というものにもつながってはいけないですし、だから、そこら辺の部分の時間、どこまでが学校としてフォローできるのかというのは非常に重要な課題だとは思っています。

 そういうシングルマザー、ファーザーが、離婚に伴う部分も含めまして、子供をどうやって扱うのかというのが、いきなり、そういう離婚をした親の方も非常に戸惑っている部分があるかと思うんですが、そういうような契機の中で、学校側に何か相談をしてくるというようなことはよくあることなんでしょうか。

高橋政府参考人 文部科学省としては、シングルマザー、シングルファーザーから学校での子供の様子に関する相談やお問合せについて、個別具体にどんな事例があるということについては把握はしていないところでございます。

 なお、両親が離婚した児童生徒が悩みや不安を抱えることは十分考えられることから、御指摘の相談や問合せ等に対しては、各学校において、個別具体の事情において適切に対応すべきものと考えております。

 現在、各学校にはスクールカウンセラーの配置を拡充しております。スクールカウンセラーは、子供だけの相談ではなくて、保護者や教職員のそういった心理相談に応じるといったことも行っておりますので、そういった中で、各学校において適切に対応することが期待されていると考えております。

串田委員 今のお話ですと、スクールカウンセラーに相談に行けば、ある程度のいろいろな回答をしていただけるというようなことでありました。

 そういう意味では、追い詰められて、シングルマザー、ファーザーの方々が非常に悩まれるというようなことがこれからも多いかと思うんですけれども、学校に行っても相談相手はいるんだというようなことを理解していただいて、自分だけが悩んで追い詰められるということがないというようなことを知っていただくということは大事なのだろうと思いました。

 最後に、子供の側からそういうようないろいろな、先ほどのメンタルな部分もあるかと思うんですけれども、どういうような方に子供は相談をしたらいいのか、これは担任に相談するのか、スクールカウンセラーというものに相談しやすい体制が今学校の中にあるのか、最後にお聞きをしたいと思います。

高橋政府参考人 まず、親が離婚した子供からどんな相談があるかということにつきまして、これも全国的な状況を把握しておりませんが、御通告いただきまして、幾つかの教育委員会にちょっと聞き取りをしたところ、親の離婚によって、例えば名字が変わることにより不安を感じる、親が就職して帰りが遅くなってしまう、それから離れてしまった親になかなか会えなくなる、こういったような相談が子供からあるような事例があったということは聞いております。

 それから、今もう一つ御質問いただきました、では誰に相談しているかということでございます。これにつきましては、親が離婚した子供についてのデータはないんですけれども、若干関連するものとして、いじめられた小中高、特別支援学校の児童生徒についてデータをとったものがございます。

 二十八年度の文科省の調査では、いじめられた児童生徒が相談した相手は、これは複数重なっておりますが、全体の七七・七%が学級担任に、三・一%が養護教諭に、二・三%がスクールカウンセラーなどの相談員に、八・五%はその他の学校の教職員に、こういったようなことがございます。そのほか、学校の教職員以外では、保護者が二三・九%、友人七・二%といったことがございます。

 ちょっといじめの場合とは違うかもしれませんけれども、こういったことから、学級担任に多いというような傾向が見てとれるところでございます。

串田委員 子供も悩んで相談していくのだと思いますので、丁寧な対応をお願いいたしまして、終わりにいたします。

 ありがとうございました。

冨岡委員長 次に、畑野君枝君。

畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。

 昨日、五月十日の予算委員会で、柳瀬唯夫元首相秘書官に対する参考人質疑が行われました。

 昨日柳瀬氏は、二〇一五年四月二日の加計学園との面会を認めました。この点について、政府としてもそのことでよろしいかどうか、まず確認をさせていただきます。

義本政府参考人 お答えいたします。

 昨日の国会での御審議等を踏まえまして、内閣官房の御指示をいただきまして、当時文科省から内閣官房に出向していた官房参事官、角田参事官でございますけれども、確認を行ったところでございます。

 その結果、平成二十七年四月の二日とされる面会につきましては、明確な記憶がないが柳瀬参考人の答弁の内容を踏まえれば同席していたのではないかという回答をしたところでございます。

畑野委員 重ねて、林芳正文部科学大臣にもその点、確認をさせてください。

林国務大臣 今、局長から答弁したとおりでございます。

畑野委員 お認めになるということですから、きのう柳瀬元秘書官は、大変よく覚えているところもあれば忘れているところもある、記憶にないところもある、曖昧なところもあるということですから、これはぜひ角田現課長にもお話を聞きたいというふうに思っております。

 それで、きのうの参考人招致で柳瀬元秘書官の発言した内容、愛媛文書や農水省の文書やまた文部科学省のメールなど含めて聞きたいと思っていることがございますし、また、きのう柳瀬元秘書官は、四月二日以外に二回加計学園と面会しているという発言もございましたので、角田氏がそこに同席していたのかということなどを御本人に確認したいことがございます。

 きょう参考人として来ていただくようにお願いしましたが、きょうの時点ではかないませんでした。これをどのように進めていただけるのか、担当に伺います。

義本政府参考人 お答えいたします。

 角田当時の内閣参事官に文科省として内閣官房の指示を受けて確認をいたしました中においては、四月二日の面会がどのような内容であったのかということにつきましても確認いたしました。角田当時の参事官によれば、面会の内容については、三年前の話であり、明確に覚えていない、面会の内容に関するメモ等はつくっていないと思うし残してもいないというふうな回答でございました。

 また、委員お尋ねの、柳瀬元秘書官が四月二日以外に二回加計学園と面会しているということについての点につきましても、角田当時の参事官に確認いたしましたけれども、柳瀬元総理秘書官が答弁しておられました、平成二十七年の二月から三月ごろとそれから六月の加計学園の面会についても同様に確認いたしましたが、それぞれの面会につきまして、柳瀬秘書官から確認や指示等があったかどうかについて覚えていなく、同席した覚えもないというふうな回答をいただいたところでございます。

畑野委員 きのうの柳瀬氏の参考人招致の後のお尋ねかもしれませんから、まだ一日ということですので、柳瀬さんも一年かけて思い出していただいたこともあるし、まだないこともあるので、これは引き続き詳しく聞いていただきたいとお願いをしておきます。

 それで、四月二十日に公表された文科省メール、二〇一五年四月二日と、前回の委員会で私も御紹介をさせていただきました。九日の私の質問ではちょっと確認ができなかったんですが、きのう参考人招致もありましたので、もう一回確認です。

 メールにある二〇一五年四月二日、藤原地方創生推進室次長、柳瀬首相秘書官との面会があったということを確認したいんですが、まず内閣府に伺います。藤原次長については、この面会というのは事実だったということでよろしいですか。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 以前より、藤原にも確認したところ、いずれにせよ、この時期に今治市の方とお会いをしているというのは確かだということは以前から申し上げてございます。

 その期日が四月二日であるかどうかということにつきましてでございますが、恐縮でございますが、内閣府で調査をした限りは、内閣府の中から当該メールは存在が確認されなかったということと、当時の職員にも直接確認をいたしましたが、記憶が曖昧である、こういう説明でございました。

 恐らく四月二日であったであろうということをうかがわせる内容であるというふうには考えてはございますが、これだけをもって確実に四月二日であるかという確たることはちょっと申し上げるのは難しいかな、こういうふうに思っているところでございます。

畑野委員 大体四月二日に照準が合ってきたということだと思います。

 ですから、文科省に調べてくださいというふうにお願いしておりましたが、午後の分につきましては、柳瀬さんはきのう、面会をされたとおっしゃっていた。それから今、藤原さんについても、四月二日であろうというふうに内閣府からもお答えがあったので、あの文科省のメールというのは、そういう面会を行った事実があったということは、そういうことでよろしいですか。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 内閣府での調査の結果ということで申し上げますと、本人にも確認をいたしましたが、記憶が曖昧であるということでございましたので、先ほど申し上げたとおり、そのタイミングをうかがわせる内容であるとは思いますが、このタイミングであるということを確実にこの調査の結果から申し上げるのは、ちょっとまだ断定は難しいというふうに考えてございます。

畑野委員 伺いますけれども、送ったとされる職員の方に聞いていただきましたか。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 当時は内閣府に在籍したということでの内閣府側の調査としては、直接本人に内閣府の者がヒアリングをさせていただきました。

畑野委員 それで、そういうことでこのメールが出ているということでよかったんですか。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 内閣府の調査の中では、内閣府の中からはこのメール本体が出てこなかったということと、本人が記憶が曖昧であるということと、いずれにせよ、異動したときに全て、これに限らずメールその他一切の記録は本人が消去しておりますと言っているものですから、先ほど御説明したとおり、うかがわせる内容ではあると思いますが、内閣府の調査では確定ができなかったというところでございます。

畑野委員 内閣府に調査をお願いしていると。

 文科省として、今文科省に戻ってきている職員であれば、それはそれで確認できると思うんですけれども、そういう調査はやらないということですか。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 内閣府は、当時の職員ということでの調査はできますが、戻られてからは文部省の職員ということでございますので、その立場に対する調査というのは私どもの権限外かなというふうに考えてございます。

中川政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいまの、四月二十日に文部科学省が公表したメールについての御質問かと思います。

 こちらにつきまして、文部科学省としては、先回の委員会で畑野議員がお読みになられたメールでございますけれども、これを受信した立場ということでございまして、四月二十日に公表した確認結果の中でも、当該メール、この報告の中では別紙文書として、そのやりとり、内容などについて、この受け取った三名、こちらについて改めて聞き取りを行いました。その結果、時期は特定できないが、メールやその内容について心当たりのある者はいたとしているところでございます。

畑野委員 少し見えてきましたね。

 それだけやっている時間がないので、また続きは、皆さんいろいろと記憶も思い出していただいて、本当は具体的にお名前も聞きたいので、また今後出していただければ、黒塗りになっている部分を含めて教えていただきたいと思います。

 それで、きのうの柳瀬参考人の発言含めて一層疑惑が深まったというふうに思うんです。林大臣は九日の私の質問に対して、国家戦略特区のプロセスは適切だったと御答弁されたんですが、きのうの参考人招致で、本当にそうなのかという疑念が新たに生まれているわけです。

 それで、ちょっと伺いたいんですが、きょうお手元の資料に、国家戦略特別区域制度の仕組みという資料、それと、それに基づく法律の概要についてという二枚をつけさせていただきましたので、これをちょっと伺いたいと思います。

 この中に国家戦略特別区域会議というのが左にございまして、そこでどのようなメンバーが構成に入っているかということが書かれております。三者が対等の立場だということで、国、自治体、民間事業者、この三者が書かれております。それで、民間事業者というのは区域計画にかかわる事業を実施する事業者ということなのかということと、これは公募するということになっておりますが、なぜそういう仕組みになっているのか、伺います。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 御存じのとおり、国家戦略特区制度では、特例措置の制度の提案そのものは自治体の方も事業者の方もいずれも可能だということで特段の制限を設けない仕組みになっているかわりに、でき上がった特例措置そのものについては、誰が活用するか、極端な話、自分が提案したものであっても公募を経て選ばれない限りは使えないというところは法律が保障、自治体が自分でやる事業であるとか相談センターをやりますとかいったような特殊な性格の事業を除けば、公募をするということになってございます。

 ですので、そのような形で実施する方の公平性を期すということでは、提案者が誰であれ、それを活用する人は公募という手続を経て選ばれるようにという趣旨で、法律はそのような制度を想定しているというふうに理解をしてございます。

畑野委員 つまり、公募というのは公平性のためだと。公平性の担保のためだという説明でした。

 それでは、伺いますが、愛媛県今治市の獣医学部新設に関する事業者の公募はいつ行われましたか。

村上政府参考人 先生御存じのとおり、実際に特例措置をするということを諮問会議で決めたのは二十八年の十一月九日ということでございまして、その後、共同告示、制度化のためのパブリックコメントの手続等を経まして、共同告示が最終的に設定をされたのが二十九年の一月四日。できるだけ迅速にということで、我々も早期実現性ということでやってございましたので、同日付で公募を開始したということで、共同告示がセットされ次第速やかに公募を開始させていただいたということというふうに理解をしてございます。

畑野委員 つまり、二〇一七年の一月四日に公募が行われたということですね。

 この公募について、条件がついていますか。

村上政府参考人 お答えを申し上げます。

 公募の際に要件が付されてございます。公募要件として書類に記載されました趣旨は、二十八年十一月九日の諮問会議取りまとめに適合しているものであること、平成三十年度開設に向けた事業の確実な実施が見込まれるものであることということでございます。

 このような要件を設けさせていただいた理由でございますが、これは一月四日に公布した共同告示の内容、すなわち、獣医学部新設の制度改正を決定した諮問会議取りまとめにある、獣医師が新たに取り組むべき分野における具体的需要に対応するための獣医学部をいわゆる空白区域において一校に限り設けるものであること、いち早く事業の効果を発現させるため、最速で事業が実現するスケジュールである三十年度開設に間に合う獣医学部であることといった要件を満たすということを担保するという形で、書類上こういった要件をつけさせていただいたということでございます。

畑野委員 不思議なんですよね。二〇一七年の一月に公募しているんですけれども、その条件がわずか一年後の二〇一八年四月開学。そういうところ、オープンするわけですよ、皆さんどうぞと。すごくハードな条件じゃないでしょうか。どうですか。

村上政府参考人 お答え申し上げます。

 共同告示に三十年度開設ということを規定した御趣旨ということのお尋ねだと思いますけれども、共同告示に三十年度開設というふうに規定をいたしましたのは、いち早く具体的な事業を実現させ、効果を検証しようということでしたためでございます。

 具体的な時期の設定でございますが、開学前年の三月末に設置認可申請、その後、夏ごろに認可を行うという例年の設置審の方のスケジュールを勘案いたしまして、最速で事業が実現するスケジュールである平成三十年開設というものを選択させていただいたということでございます。

畑野委員 おっしゃいましたよね、公募したのは公平性のためですと。一体、こんな一年間でオープンにして、どうやってみんなが手を挙げられると思ったんですか。これが公平性と言えるんですか。

村上政府参考人 お答えを申し上げます。

 公平性ということではございますけれども、この公募の期間そのものは、他の特例措置におきましても、大体同等の期間でやらせていただいてございます。

 まずは、事業の早期実現性を図り、いち早く効果を検証し、特区制度そのものは、なかなか本件の場合はいろいろ難しい事情等もあるわけではございますが、最終的に全国展開も目指すということも含めてできるだけ早く効果を検証し、もちろんだめな場合はだめなわけでありますけれども、そういったようなことも含めてやっていくという意味では、できるだけ改革の果実を早くとるというところからとのバランスを見て、このような形をとらせていただいたところでございます。

畑野委員 だから、結局、柳瀬さんが二〇一五年の四月二日に加計学園に会っていたということになるじゃありませんか。そういうことでしょう。既にもうお膳立てはできていて、でも、フルオープンにするのは二〇一八年四月開学の一年前と。これで誰が競争に乗れますか。

 特区制度を私は別にいいと思っているわけじゃありませんよ。ですけれども、少なくとも、あなたたちが公平性で公募にしたんだという理屈、国会でもほかの委員会でされてきたでしょうけれども、これは改めて、きのうの参考人招致で、なぜ、二〇一五年四月二日に、あるいはその前とその後に、三回も首相官邸で柳瀬首相秘書官が加計学園に会っていたか。これは私、公正な公募のルールじゃないと思いますよ。だって、手を挙げようと思っていた京都産業大学は、これを知ってあんまりだと。普通そうですよ。一年前に、さあ一年間でやってくださいと。教授も集めなくちゃいけない、建物も建てなくちゃいけない。どうやって公正に競争して、手を挙げられますか。林大臣、こういうことですよ。

 では、もう一つ伺いますけれども、さっきちょっとおっしゃいましたけれども、二〇一七年一月四日に公募を条件つけてやった、二〇一八年、平成三十年四月開学と。その同じ日に、さっき御自分が図らずもおっしゃったけれども、同じ日に何が起きていたかというと、告示が変えられたということじゃありませんか。

 ここでは、内閣総理大臣安倍晋三、文部科学大臣松野大臣ということで、まさに、「一校に限り」、そして「平成三十年度に開設する獣医師の養成に係る大学の設置」というふうになっているわけですよね。ぴったりとこの日に合わせて、ほかは誰もみんな、特に京都産業大学は諦める、そのためのような設定を皆さんがやったということじゃありませんか。

 こういうことをよく、林大臣、御存じでしたか。

林国務大臣 こういうことというのがどういう意味かあれですが、この一連の経緯は私も、一月四日にこういうことがあって、その後、一月十二日、今治市分科会ですか、これは去年随分見せていただいた資料でございますので、あったこと、いつあったかというのは存じ上げております。

畑野委員 それで、林大臣、きのう、そういうことで柳瀬さんがお認めになったわけですよ、もう既にそういう話が進んでいたと。ですから、私は、もう一回、このプロセス、きちっと政府として、また文科省として確認をすべきだというふうに思います。

 最後に、私紹介したいのは、今治市の市議会の議事録なんです、国家戦略特区特別委員会記録、議員の皆さんが参加をしている。その中で、なぜ平成三十年四月開学が間に合うのかと。そもそも、途中で半年おくれるんですよ、参議院選挙とかあって。大丈夫なのかと。そうしたら、市の方から、毎年三月、年に一回文科省の新設認可申請がある、それに間に合わせなくちゃいけない、そこに向けて内閣府が頑張ってくれているという話ですよね。

 当初の予定から最速でも半年過ぎておくれているのに、なぜか開学だけはもうお尻が決まっている。こんなことが普通、まともな大学をつくろう、獣医学部を新設しようと、そんなふうにできるわけないですよ。

 フェアな競争が、あるいは公募が行われてきたのか。どうでもいい大学をつくろうということなのか。あるいは、その前にとっくに、公募という形をとりながら、もう事前にずっと名前を隠しながらお膳立てをしてきた、こういうことなのか。全く公平性が担保されていない、こういう国家戦略特区のプロセスだったということではありませんか。

 もう時間が参りましたので、委員長に申し上げたいんですけれども、きのうの予算委員会の中でも柳瀬氏の証人喚問が求められております。私は、そのことをここでも求めたいと思いますし、さらに、先ほど政府の方から、大臣の方から確認された角田さんについて、ぜひ当委員会に来ていただいて、直接、思い出していただきながらお話も伺いたい。そして、文科省のメールに載っている加計学園関係者を始め、きょうは愛媛の知事も、きのうの柳瀬さんのああした発言は事実と違う、私たち県の職員は一生懸命訴えてきたという文書も公表されております。そして、今治市の関係者の皆さん、こういう皆さんにもぜひ参考人として来ていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

冨岡委員長 理事会にて諮りたいと思います。

畑野委員 時間が参りました。また引き続き質問したいと思います。

 終わります。

冨岡委員長 次に、吉川元君。

吉川(元)委員 社会民主党の吉川元です。

 本日は、この間ずっと、何度かニセコの高校の問題について質問させていただきましたので、これについて何点かまずお聞きをしたいというふうに思います。

 まず冒頭、けさの理事会で、このニセコ高校の公開授業について経産省、エネ庁が介入したのではないか、そういうことがあったわけですけれども、これについての文書、具体的にはメールでございましたが、提出をされました。提出していただいた経産省の皆さんはもちろんですが、委員長そして理事の皆さん、お取り計らいいただいたことに心から感謝を申し上げたいというふうに思います。

 けさ初めて見ましたので、ちょっと読みますと、これは非常に問題が多々含まれているメールだなというふうには思うんですが、具体的な内容についてはまた別の機会に質問させていただきますが、ただ少し、確認を何点かさせていただきたいことがございますので、最初にそのことについて尋ねさせていただきます。

 まず、今回提出いただいたメール、全部で三通ということでありますけれども、これ以外に、もう文書、メール等々の文書、あるいはそれ以外の文書は存在をしない、メールやあるいは行政文書は存在をしないということでよろしいんでしょうか。

小澤政府参考人 お答えいたします。

 今回提出させていただいたもの以外は確認してございません。

吉川(元)委員 いや、ちょっとほかにもあるんじゃないかというようなのを、きょういただいたメールを読むだけでも感じました。

 といいますのも、見ておりますと、北海道の経産局の方から、それぞれの、科学振興財団でありますとか、あるいはいわゆるエネ庁の方にでありますとか、メールを送られているんですが、それに対しての、当然、メールが送られてきたら、それについて、受け取った側は何らかの返信をするのではないか、普通は。それが全く、きょう見た限りでは存在をしないということが一点。これは実はあるんじゃないかというふうに思います。

 それともう一つ。三通目のことしの三月三十日のメールですが、その中で、週明け四月二日に毎日新聞の取材を受けることになりましたということで、この経緯について報告をしている文章があります。その一番最後のところに、週明け再度続報いたしますと。実際にこれは四月二日だったかどうかわかりませんが、毎日新聞の取材を受けた後に、具体的にこういう取材を受けましたということ等々について、恐らく、お知らせしますという意味だと思います。だとすれば、当然、この四月の二日以降にメールが、やりとりがあったのではないかというふうにも思うんですが、この二点についていかがですか。

小澤政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のメール、三通でございますけれども、例えば一番最初のメールは、昨年の十月十二日の夜の九時過ぎに発信されてございます。それで、例えば一番下、あしたまたお電話させていただきますというようにございまして、これは実際に、その次の日に電話のやりとり、そういったものはあったようでございます。

 あるいは、次のメールにつきましても、これは十月の十三日に送られて、それについての電話のやりとり、そういったものはあったようでございます。

 三通目につきましても、そこで書いている続報というのは、電話のやりとりでそういった対応というのがなされたというような状況でございます。

吉川(元)委員 電話でやりとりをされたということですけれども、特に、普通は、メールで来た場合にはメールでやりとりを、返信をするのではないかというふうに思いますが、それがないというのは非常に疑問だなというふうに思います。

 それで、もう一点。ところどころ黒塗りの部分がございます。例えば、一つ目のメールの宛先、個人の名前を消しているというのは、これは十分理解をいたします。

 二通目のメールの宛先ですけれども、これはどなたに送ったものなのか。もちろん、個人名を明かせないのであれば、どういった機関あるいは肩書の方に送られたのか。

 それから、その下に、オリジナルメッセージということで、黒塗りにされております。これは、要は一つ目のメールを転送したということだと思うんですけれども、一つ目を見ますと、フロムのところも、当然、そのまま一枚目は出ているわけですよね。二枚目はなぜ消してあるのか。

 それから、宛先ですね、ツー。これについても、一枚目では個人名が三名、一通目は出ておりますが、転送した際のオリジナルメッセージのところは消されて、CCのところですね、ごめんなさい、宛先じゃなくてCCのところですけれども、カーボンコピーで送ったというこのCCのところが消されている。しかも長さが違う。これは一体どういうことなんでしょうか。

小澤政府参考人 お答えいたします。

 一通目の黒塗りのところでございますけれども、これは日本科学技術振興財団の担当者の名前のところでございます。経済産業省なり経済産業局、いわゆる公務員の人間は、まさに公務でやっていますので、そういったところについて黒塗りはせずにこういうふうな形で出させていただいておりますけれども、団体でございますので、そこの部分については名前を黒塗りにさせていただいているということでございます。メールアドレスも、その意味では消しているということでございます。

 それから、北海道経産局の人間においては、固有名詞は出すんですけれども、メールアドレスについては黒塗りをさせていただいているということでございます。

 二通目の差出人のところでございますが、これは日本科学技術振興財団の方の差し出しの名前あるいはメールアドレスが書いてありますので、ここは黒塗りにさせていただいて、名前のところ、小さな箱のところは名前を消させていただいて、その下のフロムのところは、北海道経産局の職員のメールアドレスがここにちょうど書いてありましたので黒塗りをさせていただいて、その下のツーというのは、まさに日本科学技術振興財団の関係者でございますので、ここは黒塗りにさせていただいたということでございます。

吉川(元)委員 CCのところもそういうふうにメールアドレスが出ているということの認識でよろしいんですね。(小澤政府参考人「はい」と呼ぶ)わかりました。結構です。大体わかりました。

 あともう一点。これを見ますと、これはちょっと内容にも踏み込むのかなというふうには思うんですけれども、二通目のメールで、これは恐らく、今のお話ですと、北海道経産局から科学振興財団の方にメールが来たのを、これを、奥戸さんというんですかね、エネ庁の方だと思うんですが、この方に転送をした、こんなことが起こっていますと。

 それで、この件で御報告がありますというふうになっています。恐らく、この後、報告が当然、まず一報として、こういうメールが入りましたということを送って、この件について御報告がありますというふうになっているわけですけれども、その報告も電話でやりとりをされたということですか。

小澤政府参考人 お答えいたします。

 その件は、まさに電話でやりとりがあったということでございます。

吉川(元)委員 内容についてはまた別の機会に質問させていただきますが、ちょっと読ませていただきますと、非常に驚くような内容であります。

 例えば、最初に北海道の経産局から送られてきた一通目のメールなんかを見ますと、今回のニセコの高校の問題、講師に関して、驚きで、講演の内容が反原発となっておりましたというふうに書かれております。それからその後に、これは科学振興財団の方にお願いをしているんですが、そちらからも、あす、ニセコ高校に対して指導をお願いいたします、こういう文言が入っているわけです。どういう意味でこの指導という言葉を使われているのか。これはまた、きょうは通告しておりませんので、じっくり聞かせていただきたいと思いますけれども、明らかにこれは、私が読む限りにおいては、この日本科学振興財団の方から高校に対して圧力をかけろというふうに読み取れる内容であります。あるいは講師を変更しろ、まあ、もう時間がありませんので講師の変更は無理にしても、何でこんな者を呼んだんだ、こんな人を呼んだんだというようなことを言えと言わんばかりの内容であって、非常にこれは大きな問題だというふうに思います。

 それで、文科省に次に尋ねたいと思いますけれども、まず、高校の先生、教諭個人に対して行政機関が授業の内容についてその変更を直接求めるようなことは、法的に許されるのでしょうか。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 教育課程の編成や学習指導の実施など学校が行う教育活動は、一義的には、学校の設置者である教育委員会若しくは学校の権限と責任において適切に行われるべきものです。

 こうした基本的な考え方を前提としつつ、文部科学大臣は、地教行法四十八条に基づき、教育委員会に対して必要な指導、助言等を行うことができることとされており、ここでは、学校や教諭個人ではなく、学校の設置者である教育委員会に対して指導、助言等を行うことが想定をされているところでございます。

 他方で、例えば、文科省組織令第三十五条においては、教育関係職員その他の関係者に対し、初等中等教育の教育課程に係る専門的、技術的な指導及び助言を行うことが教育課程課の所掌事務として規定されておりますので、文部科学省が学校の教諭等の求めに応じて指導、助言を行う場合はあり得るものと考えております。

 また、国の行政機関一般においては、それぞれの所掌事務の範囲内で、その行政目的を達成するため、例えば、学校からの任意の申請を前提としつつ、学校が一定の教育を行うことに対して、その実施に係る経費の支援を行う委託事業などに際して、当該事業の目的を遂行する立場から、その経費の支出対象となる教育内容にかかわることは考えられるところであります。その際、必要な意思表示をする直接の対象となるものが学校の教諭となることも考えられると考えます。

 ただし、これらの場合であっても、学校の教育内容は学校の判断と責任において決定される必要があり、個々具体の事例について教育内容へのかかわりが妥当であるかどうかについては、それぞれのケースの実情に応じて個別具体に判断すべきものと考えております。

吉川(元)委員 今お話があったとおり、基本的には、文部科学大臣は教育委員会に対して、これはもう名古屋の問題でさんざんやりましたけれども、四十八条、五十三条に基づいて調査やあるいは助言等々が行えるというふうになっております。ただし、これは主語は文部科学大臣であります。決して経産大臣でもなければエネ庁の長官でもありません。

 今回の問題について言うと、これはいろいろ、閣議決定は後ほど少し触れることができれば触れますけれども、閣議決定で、今回の問題、誤解を招くようなことだった、遺憾であるというようなことが表明されておりますが、明らかにこれは法的根拠を欠いた、教育に対する不当な介入だと言わざるを得ないというふうに私は思います。

 今回は高校の教育課程の一環として行われた公開授業に対してこうした介入、圧力が加えられたということですが、一方で、これは、実際に教授をしたのは大学の助教授の方でいらっしゃいます。

 そこで、文部科学大臣に伺いますけれども、大学の助教授に対して、大学の教諭に対してその授業内容の変更を求めるというようなことは、憲法二十三条で保障された学問の自由、その中でも教授の自由、研究発表の自由に抵触するのではないかというふうにも思いますが、この点、大臣、いかが認識されていますか。

林国務大臣 この憲法第二十三条は、「学問の自由は、これを保障する。」こう規定しておりまして、学問の自由は憲法により広く全ての国民に保障されたものでございまして、特に大学における学問研究及びその成果の発表、教授が自由に行えることを保障したものであると承知をしております。

 一般論としては、講演内容についての指摘が授業実施上の要請の範囲にとどまるものであれば、直ちに学問の自由を脅かすものではない、こういうふうに考えております。

吉川(元)委員 いやいや、一般論としてはそうかもわかりませんけれども、このメールを見ますと、先ほど言ったとおり、驚きで、講演の内容が反原発となっておりました、あるいは、ニセコ高校に対して指導をお願いいたします、こういう文言のやりとりが一方で行われているわけです。だとするならば、明らかにこれは圧力であり、学問の自由に対する侵犯だというふうに私は言わざるを得ません。

 今回は、高校の授業で、なおかつ大学の助教が行った公開授業、これに対して、その教授の内容の変更を求めることが行われた。そういう意味でいいますと、先ほど言いました地教行法上もいわゆる法的根拠がなく、なおかつ、大学の助教に対して行ったということでいうと、学問の自由を侵犯する、これはやはり重大な案件だというふうに言わざるを得ません。

 そこで、文部科学省にもう一点お聞きしたいと思いますけれども、今回のこの問題発覚以降、どのような対応、前回、詳細をいろいろと調査している最中だということでしたけれども、最終的にどのような対応をとられたのでしょうか。

高橋政府参考人 お尋ねの件につきましては、四月五日に初等中等教育局の担当課に対して報道機関からのお問合せがあり、北海道教育委員会及び町教育委員会に対して電話にて問合せを行い、事実関係を確認しておりました。

 その途中段階では、前回の審議でも御答弁いたしましたが、その後、さらに、当該講演の教育課程上の位置づけについて町教育委員会に対して電話にて確認を行い、町教育委員会としては、当該高校での講演は、エネルギーと環境をテーマとして、同校の教育課程における各科目の学習内容に密接に関係するものとして実施されたとの報告を受けております。

 文部科学省としても、町教育委員会を通じて確認できているこれらの情報によれば、当該講演が明確に何らかの法令に違反するというような事実は確認できていないところでございます。

吉川(元)委員 そういう答弁になるんだろうというふうに思いますけれども、やはりこれは憲法で保障された学問の自由、あるいは教育基本法で、教育に介入をさせない、不当な圧力に屈しないということでやられている、それが侵犯された可能性がある事案だというふうに私は思いますし、文科省としてはしっかりとした対応をしていただかなければならないというふうに思います。

 ちょっと視点を変えまして、少しお聞きしたいと思います。

 よく、本屋でもそうですが、参考書等々を見ますと、隅っこの方に学習指導要領準拠という文言が入っている本等々がありますが、この学習指導要領準拠という標識といいますか、印刷をする場合に、文科省は何らかの関与をされているのかどうか、いかがですか。

高橋政府参考人 委員御指摘のように、一般に学習指導要領準拠と銘打った教材や参考書などが市販などされていることは承知しておりますが、こうした教材等の内容と学習指導要領との関係について、文科省が何か特段の承認をするなどの行為を行っているものではありません。これは、各出版者が独自に判断して記載しているものであります。

 したがって、各出版者等が学習指導要領準拠という表現をどのような意味合いで記載しているのかについて、文部科学省としては承知、把握をしておりません。

吉川(元)委員 では、経産省にお聞きをしたいと思います。

 今、配付資料を配らせていただきました。これは実は文科省が行っている小学校、中学校向けの副教材を、きょうは小学校向けの副教材ということで、「かがやけ!みんなのエネルギー」、実際にはこのぐらいのカラフルな、こういう冊子でありますけれども、この右上に学習指導要領準拠というふうに書かれておりますが、これは今ほど文科省の説明だと、出版者、そういうところが独自につけているものだということですが、これは経産省、エネ庁だということですけれども、資源エネルギー庁が独自にこの学習指導要領準拠ということをつけたということでよろしいんでしょうか。

小澤政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の副教材につきましては、エネルギーに関しまして、小学校や中学校の先生の方々あるいは生徒の皆様にできる限りわかりやすく、そして使いやすい形でデータを提供し、総合的な理解が得られるよう、経済産業省がエネルギー教育を推進する委託事業の一環として作成したものでございます。

 なお、作成に当たりましては、大学の教育学部の教授の方あるいは教育関係者から成る編集委員の皆様の御意見をお聞きしながら、学習指導要領を踏まえて教科の単元ごとにひもづけて活用できるように配慮しており、そのことをもって学習指導要領準拠という表現をさせていただいているところでございます。

吉川(元)委員 文科省にちょっとお聞きしますが、かつて私は、これは必要ないのではないかということで国会の当委員会でも質問させていただきまして、今から三年ほど前だと思いますけれども、「学校における補助教材の適切な取扱いについて」ということで通知が出されております。

 その中には、特定の事柄を強調し過ぎたり、一面的な見解を十分な配慮なく取り上げたりするなど、特定の見方や考え方に偏った取扱いになってはならないということや、あるいは、多様な見方、考え方のできる事柄あるいは未確定な事柄を取り上げる場合にはそういう配慮が必要だというふうに通知を出されております。

 私が当時これを質問させていただいた際に、こういうことを一々縛るのはいかがなものかというふうに言わせていただきましたが、仮に偏った見方あるいは誤った見方がその中に含まれている、事実と違う事柄が含まれているとすれば、それはやはりいわゆる教育の中で使われる副教材としては不適切だということでよろしいですか。

高橋政府参考人 教材は、学校教育法第三十四条第二項に基づき、有益適切なものに限り校長や設置者の責任と判断で使用できるものであります。

 文科省としては、今御指摘いただきましたような通知によりまして、教材の使用に当たっての留意点を示しておりまして、その中には、多様な見方や考え方のできる事柄、未確定な事柄を取り上げる場合には、特定の事柄を強調し過ぎたり、一面的な見解を十分な配慮なく取り上げたりするなど、特定の見方や考え方に偏った取扱いとならないことといったことも示しておりますので、こういったことを踏まえて校長や設置者が教材を適切に取り扱うものと考えております。

吉川(元)委員 だとしますと、このエネ庁がつくっているいわゆる副教材、これは私は、非常に偏っているし、一部事実と違うことが書かれているのではないか、直接書いているかどうかは別にして、書かれているのではないかというふうに感じます。

 これは全体で六十ページを超える冊子になっております。その中で、これは発電だけではなくていろいろな、電気の仕組みだとか含めて書いておりますので、もちろんその周りとのバランスというのはあるんだと思いますが、原発の事故を取り扱った表記というのはわずか三分の一ページか四分の一ページ程度、この二枚目の資料二の右側の下のところに小さく書かれてある、これだけなんですね。なおかつ、今でも汚染水が環境に放出され続けている、そういう状況、そうしたことも全く指摘がされておりません。

 また、原発の場合、やはり福島第一原発もそうですが、チェルノブイリやスリーマイルといった非常に大きな事故が過去にも何度か起こっております。こうしたこともほとんど、ほとんどというか全く触れられていない。

 そういう意味でいうと、非常にこの取扱いというのが偏っているのではないか。とりわけ国民の中には、原発を続けるのかどうか、これについては意見が二分をされておりますし、原発については将来どうしていきますかと言った場合には、六割を超えるような方が原発はなくすべきだというふうに答えておられます。

 そういう中にあって、インターネットで調べようというのがございます。「電気について」、これをばっと見ますと、電力会社ばかりです。例えば電力会社というのは、沖縄電力は原発を持っておりませんから関係ないと思いますが、どこの電力会社も原発の再稼働を目指して動いております。しかし一方で、原発の再稼働に反対をする、あるいは原発をなくそうという人たちも当然この社会には存在をするわけです。そして、運動も行われている。それが全く入っていない、この中に。それも入っていればまだ公平性が担保されるのかもわかりませんけれども、全く入っていない。

 しかも、一番下のNUMOキッズというのがあります。これは、どうもきのうから、地下に埋設する住民説明会を半年ぶりに再開したということでありますが、そこのホームページを見ますと、三枚目です、資料三というところです、こういうアニメーションが出てまいります。

 これ以外にもいっぱいあるんですけれども、例えば、日本の電気のおよそ三分の一は原子力発電所でつくられているんだよと。これは、今全く事実と違うことがずっと流されております。それから、原子力については、ウランはリサイクルもできるし地球に優しいと。非常に一方的な見方。では、福島で起こっていることは一体何なんだと言わざるを得ない。

 こういうものが載っている副教材なるものは、これは直ちにホームページ上から削除して、教育現場で使えないようにすべきではないですか。いかがですか。

小澤政府参考人 お答えいたします。

 この副教材につきましては、先生御指摘のように、石油、石炭あるいは天然ガス、再生可能エネルギー、原子力などの各エネルギー源ごとの特徴、あるいは我が国のエネルギー自給率、地球温暖化への状況、それから将来期待される技術等々、エネルギー全体について幅広く、広範に記載したものでございます。

 したがいまして、個々の項目について見た場合に、ある分野の記載の分量が少ないという御指摘はあろうかもしれませんけれども、編集に当たっては、できる限り中立公平なものとなるよう、編集委員の皆様の御意見もいただきながらまとめているところでございます。

 それから、インターネットで調べるというところは、電力会社がこれは載ってございます。それ以外にも、ガス協会とか石油連盟とか、そういったところのインターネットのアドレスが載っているわけでございますけれども、これは、エネルギーを供給している事業者を中心に確かに載せているわけでございますが、こういった事業者は、エネルギーに関する詳細な情報を持っていますので、そういったことに接することができるようにという配慮でこういうふうに載せているものでございます。

 それから、最後に、その中でNUMOキッズTVというのがございまして、この中の情報、これは、先生御指摘のように確かに古い情報が載っておりまして、二〇〇七年時点のままの情報が更新されずに載ってございました。これはやはり適切ではございませんので、直ちにNUMOの方に我々の担当部局から注意をしてコンテンツを削除するように指導したところでございます。

 今後、関係団体も含めて、こうしたことがないように十分に注意して取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

吉川(元)委員 時間が来ましたので終わりますけれども、確かに削除されていました。けさ見たら、もう見られなくなっていましたから、非常に素早い対応をされたんだなというふうに思います。

 ただ、さっき言ったのは、電力会社を載っけちゃだめだとは言っていないんですよ。それ以外に、例えば、原発はやめた方がいいという方のホームページもきちんと載っけないと、子供たちに原発について正しい知識が伝わらない。だから、私はこれはおかしいと。

 ですから、このNUMOの方をなくしたのは結構ですけれども、こちらの方も、そういう意味では公平性を担保できるような内容、それができないのであればホームページ上から同じく削除すべきだということを最後に指摘をして、質問を終わります。

 以上です。

     ――――◇―――――

冨岡委員長 次に、内閣提出、文化財保護法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 趣旨の説明を聴取いたします。林文部科学大臣。

    ―――――――――――――

 文化財保護法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

林国務大臣 このたび政府から提出いたしました文化財保護法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 近年、過疎化や少子高齢化などを背景とする文化財の滅失や散逸、担い手不足への対応が喫緊の課題となっております。未指定を含めた文化財について、町づくりに生かしつつ、次世代に確実に引き継いでいくことができるよう、地域社会総がかりで取り組むことが必要です。

 この法律案は、地域における文化財の総合的かつ計画的な保存及び活用を図るため、都道府県が文化財保存活用大綱を定めることや、市町村が作成する文化財保存活用地域計画及び所有者等が作成する重要文化財保存活用計画等の文化庁長官による認定と、これらの計画に基づく現状変更の許可等の特例について定めるとともに、条例により、地方公共団体の長が文化財の保護に関する事務の管理等をすることができることとする等の措置を講ずるものであります。

 次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。

 第一に、都道府県教育委員会は、区域内の文化財の保存及び活用に関する総合的な施策の大綱を定めることができることとするとともに、市町村教育委員会は、都道府県の大綱が定められているときはこれを勘案して、区域内の文化財の保存及び活用に関する総合的な計画を作成し、文化庁長官の認定を申請することができることとするものであります。また、認定を受けた市町村においては、文化庁長官の権限に属する事務の一部を行うことを可能とすることとします。

 第二に、重要文化財等の所有者等は、当該重要文化財等の保存及び活用に関する計画を作成し、文化庁長官の認定を申請することができることとするとともに、認定を受けた計画に記載された現状変更の許可等について手続の弾力化を図るものであります。

 第三に、地方公共団体は、条例の定めるところにより、当該地方公共団体の長が、文化財の保護に関する事務を管理し、及び執行することができることとするものであります。

 このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。

 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。

 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。

冨岡委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時七分散会


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