衆議院

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第8号 令和元年11月20日(水曜日)

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令和元年十一月二十日(水曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 橘 慶一郎君

   理事 池田 佳隆君 理事 上川 陽子君

   理事 白須賀貴樹君 理事 馳   浩君

   理事 村井 英樹君 理事 川内 博史君

   理事 城井  崇君 理事 浮島 智子君

      青山 周平君    安藤 高夫君

      安藤  裕君    石川 昭政君

      上杉謙太郎君    上野 宏史君

      小此木八郎君    大串 正樹君

      神山 佐市君    佐藤 明男君

      櫻田 義孝君    柴山 昌彦君

      田畑 裕明君    高木  啓君

      高橋ひなこ君    谷川 弥一君

      出畑  実君    中村 裕之君

      百武 公親君    福井  照君

      古川  康君    古田 圭一君

      吉良 州司君    菊田真紀子君

      中川 正春君    牧  義夫君

      村上 史好君    山本和嘉子君

      吉川  元君    高木 陽介君

      鰐淵 洋子君    畑野 君枝君

      森  夏枝君    笠  浩史君

    …………………………………

   文部科学大臣       萩生田光一君

   文部科学大臣政務官

   兼内閣府大臣政務官    青山 周平君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房総括審議官)         串田 俊巳君

   政府参考人

   (文部科学省総合教育政策局長)          浅田 和伸君

   政府参考人

   (文部科学省初等中等教育局長)          丸山 洋司君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局長)            伯井 美徳君

   参考人

   (独立行政法人大学入試センター理事)       義本 博司君

   文部科学委員会専門員   吉田 郁子君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月二十日

 辞任         補欠選任

  神山 佐市君     高橋ひなこ君

  根本 幸典君     百武 公親君

  船田  元君     佐藤 明男君

  宮路 拓馬君     古川  康君

同日

 辞任         補欠選任

  佐藤 明男君     船田  元君

  高橋ひなこ君     神山 佐市君

  百武 公親君     安藤 高夫君

  古川  康君     宮路 拓馬君

同日

 辞任         補欠選任

  安藤 高夫君     上野 宏史君

同日

 辞任         補欠選任

  上野 宏史君     根本 幸典君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 文部科学行政の基本施策に関する件(高大接続改革)


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     ――――◇―――――

橘委員長 これより会議を開きます。

 文部科学行政の基本施策に関する件、特に高大接続改革について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、参考人として独立行政法人大学入試センター理事義本博司君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として文部科学省大臣官房総括審議官串田俊巳君、総合教育政策局長浅田和伸君、初等中等教育局長丸山洋司君及び高等教育局長伯井美徳君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

橘委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

橘委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。中村裕之君。

中村(裕)委員 自由民主党の中村裕之です。

 きょうは、質問の機会をいただきまして、理事の皆さん、本当にありがとうございます。感謝を申し上げ、質問させていただきます。

 文部科学省が取り組んでいる高大接続に関してでありますけれども、高校生に明確な学習目標を提示して、そして高等学校教育、大学教育を改革していく、こういった流れの中で、今まさにセンター試験から共通テストへという切りかえが行われようとしているところでありますが、その目玉であった英語の民間テストが延期をされることになりました。私にとっては非常に残念だという思いであります。

 英語四技能をしっかり学ぶことが高校生のときから必要であり、そのことをしっかり試験をした上で大学教育に入っていくという流れが非常に大事だったわけでありますけれども、そのテスト自体が延期をされることによって、高校ではやはり大学入試に即した授業が行われがちでありますので、四技能の必要性は皆さん御存じではあるけれども、高校での授業の力の入れぐあいが変わってくるのではないかというふうに思っています。

 しかしながら、そういった中でも、萩生田大臣の延期の判断を評価する声も世の中にはたくさんあることも承知をしております。何といっても、大学受験は公平性が担保されなければいけないんだろうというふうに思います。これは間違いなくそうだろうと思います。やはり不公平感があってはならない、そういった意味で、居住する地域や家庭の所得の状況によって不公平感が残るということはよくなかったということで判断をされたことと思いますが、公平感について少し伺いたいと思います。

 今年度で最後となるセンター試験でありますけれども、理科と社会においては、選択する科目によって難易度の違いがある場合が出てくると思います。日本史は難しかったけれども、世界史は易しくて平均点も高かったよというような状況で、社会、理科についてはそういった現象が起こるというふうに思いますけれども、それらの公平感を担保するために、文部科学省はどのような基準でどのような対応を行ってきたのか、まずその点について確認をさせていただきたいと思います。

伯井政府参考人 お答えいたします。

 難易度の差があった場合への対応についてでございますが、現行の大学入試センター試験では、地理歴史科、あるいは公民科、理科につきまして、原則として二十点以上の平均点差が生じ、これが試験問題の難易差に基づくものと認められる場合には、得点調整として、対象となる科目の得点の換算表を大学入試センターのホームページで公表するという対応をとっております。

中村(裕)委員 今、二十点以上の差があった場合という、そういった基準で得点調整が行われるという答弁でありましたけれども、高校生にとっては、一生の大勝負といいますか、人生のその後を左右する可能性が大きい、高い、そういった試験でありますけれども、それこそ一点、二点で合格しなかったりということになるんだと思うんですね。

 この二十点の違いというものに対して、これまで是正の、もっと、十点ぐらいでやってくれとか、そうした要望はなかったんでしょうか。私は非常に、二十点というのは大きな差だと思うんですけれども、いかがでしょうか。

伯井政府参考人 これまで得点調整は、平成元年の共通第一次学力試験、それから平成十年度の大学入試センター試験、平成二十七年度の大学入試センター試験、この平成二十七年度につきましては、生物と物理で二十一・五四点の平均点差が生じ、得点調整をしたというようなことでございましたが、いずれにせよ、そういう二十点以上の平均得点差が生じ、専門家による議論の結果、得点調整をしたというものでございまして、実績からはそういうことでございます。

中村(裕)委員 十年に一度ぐらいそういった現象が起きて、得点調整をされているようでありますけれども、むしろ、得点調整をされなかった年の中で、大きな平均点の差があった年もあるのではないかと私は思うわけです。

 今後、共通テストを行っていく上で、こういったことについて公平感を更に高めるような取組をすべきだと私は思うんですが、どのような検討がなされているのか、お伺いしたいと思います。

伯井政府参考人 大学入学共通テストにおける科目間の難易度の差への対応の方策につきましては、現在、大学入試センターにおいて検討を鋭意進めているところでございます。令和二年六月ごろに令和三年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト実施要項を公表しますが、それまでに検討結果を出していきたいということでございます。

中村(裕)委員 二十点の差がない場合、例えば十九点、十八点の科目間の平均点の差で得点調整が行われないというのは、つまりは、例えば記述式の採点で、多分、一問のウエートよりも相当高い、二十点という考え方だと思うんですね。それはやはり更に検討していただいて、不公平感がないような、そうした対応をしていただくように御指摘をさせていただきたいと思います。

 さて、英語の民間テストが延期になりました。残念ではありますけれども、この英語の民間テストが延期になったことによって、やはり高等学校並びに受験生には大きな動揺が広がっていると思います。

 文部科学省としては、この時点で延期をする方が混乱を招くおそれがあるということで十月三十一日までは進んできたわけでありますけれども、最終的には、居住している地域や家庭の所得の差による、そういった問題が解消し切れていないという状況で延期されたわけです。こうした中で延期をされたことによって、文部科学省がかえって混乱を起こすんじゃないかというふうに心配していた点について、これを解消していく必要があるんですね。

 早く解消していかなきゃならないと思うんですけれども、文部科学省が御心配をされていた、混乱を起こすという点について、きちんと確認をさせていただきたいと思いますので、御答弁をお願いしたいと思います。

伯井政府参考人 お答えいたします。

 大学入試英語成績提供システムを導入するという方針は、平成二十九年七月に決定したものでございます。高校生はこのことを前提に準備を進めてきたということでございます。また、既に多くの大学、短大がそのシステムを活用した英語の民間試験の利用方法を公表し、一部の民間試験団体は申込手続を開始している。そういう中でシステム導入を延期するということは混乱を招くというふうに考えていたものでございます。

 より具体的には、システム導入を延期した場合でも、大学の判断により民間試験を活用するということは、そのこと自体は可能でございますので、そうした場合、システム導入でございますと受験回数を二回までに制限するというようなルールのもとにやっておりましたが、そうした制限がなくなるといったことで混乱が生じるのではないかというふうな懸念をしていたものでございます。

中村(裕)委員 いずれにしても、受験生が安心して目標をしっかり持って、共通テストの全体像、自分が受験するテストの全体像をしっかりと把握し、志望校に合わせた目標を持って学習に励むことが重要でありますけれども、そういった受験生の不安を解消することが何よりも重要だと思っています。

 今、受験生の不安を解消するということは、文部科学省に課せられた最大の使命であるとともに、国会にもその使命は課せられていると思います。そうした見地から、受験生の不安を解消するために文部科学省としてどのような取組をしているのか、その点について確認をさせてください。

伯井政府参考人 英語成績提供システムの導入見送りにつきましては、十一月一日に発表させていただいたところでございますが、先週十五日に、改めて全国の国公私立大学あるいは高等学校の設置者等に対しまして正式にその旨を通知いたしました。

 その通知の中におきまして、大学がシステムを介さずに英語の民間試験を独自に活用するということも考えられることから、令和三年度大学入学者選抜における英語の民間試験の活用の有無、活用方法等につきまして、十二月十三日を目途に方針を決定し、公表していただくよう各大学に要請いたしました。

 それとともに、各大学の公表した情報を文部科学省において取りまとめ、ホームページであったりSNSであったり、そうしたものを通じて受験生等にきめ細かく提供する予定であるということもあわせてお知らせしたところでございます。

 また、今後大臣のもとに設置する予定の検討会議におきまして、大学入試において英語四技能についてどのように評価していくのか、できるだけ公平でアクセスしやすい仕組みとはどのようなものかといった点について、今後一年を目途に検討していく予定でございます。

 その際、受験生第一という立場に立ちまして、安心して受験できるような仕組みとすることができるよう検討してまいりたいと考えております。

中村(裕)委員 各大学は十二月十三日までに民間試験の大学受験での活用を公表するということであります。これが一日も早く公表されて、受験生の目標がきちんと定まっていくことを心から祈るところです。

 そうはいいながらも、国大協では、十一月二十九日までに各大学がどのように民間試験を活用するかしないかを公表するということを表明しておりますし、もしかしたら、もう既に学校の方針を公表しているところもあるのかなと思うんですが、ありますでしょうか。また、それはどういった傾向になっているか、教えていただければと思います。

伯井政府参考人 お答えいたします。

 御指摘いただきましたように、国立大学につきましては、活用の情報を十一月二十九日に各大学のホームページにおいて公表することを予定しているというものでございます。

 また、公私立大学につきましては、これは現在各大学において検討されているところですが、例えば早稲田大学におきましては、商学部、国際教養学部、文化構想学部及び文学部の四学部で独自に英語民間試験を活用することを公表しているものと承知しております。

 まだ傾向把握という段階には至っておりませんが、文科省としては、いずれにせよ、十二月十三日を目途に各大学が方針を決定、公表していただきまして、それまでに公表された情報とともに、しっかりと情報提供していきたいと考えております。

中村(裕)委員 早稲田大学が早く公表されたと。やはり大学としても、少しでも早く公表して、早稲田大学を目指す学生にきちんとした指標を示そうということなんだろうと思います。たしか早稲田大学は商学部が新たに導入することになるというふうに受けとめていますけれども、こうしたことが各大学で早く進むように期待をするところです。

 英検については、予約金の三千円を既に多くの学生から預かっていて、それを返還するのかしないのかというようなさまざまな手続に入っていく上で、民間試験の成績情報提供システムがない段階で、なくなったことによって、必要のない学生は返してもらうとかということがこれから起こってくるわけですけれども、それも、各大学の受験科目、方針が決まらなければ進まない事務になると思いますので、そうしたこともしっかり準備をしていただいて、進めていただくようにお願いをしておきます。

 次に、記述式についてであります。

 記述式問題についてですけれども、各大学で二次試験で記述式問題を出題するところが多いという指摘があるわけです。東北大学の二〇一六年の調査では、八八%の大学が二次試験で記述式の問題を採用しているというようなデータも出ているわけですけれども、そうした中で、共通テストにおける記述式問題を国語、数学で出していこう、出題するということを、文部科学省はどのようにその必要性を考えてこの施策を進めようとしたのか、お伺いしたいと思います。

伯井政府参考人 お答えいたします。

 共通テストあるいは個別選抜かにかかわらず、みずからの力で考えをまとめたり、相手が理解できるよう根拠に基づいて論述するということが必要な記述式問題の導入が重要であるというふうに考えているところでございます。

 その上で、国立大学の二次試験、東北大学のデータもございましたが、私どもは、国語、小論文、総合問題のいずれも課さないということでデータをとりまして、その場合の学部の募集人員、いずれも記述式を課していないというのが全体の六一・六%、平成二十八年度入試の段階でしたけれども、なっておりましたので、令和二年度からの大学入学共通テストにおいて記述式問題を導入することといたしました。

 また、私学で個別試験で記述式問題を課すというのは体制的にも実態的にも非常に困難であるという意見もございましたので、総合的にこういう大学入学共通テストでの記述式問題の導入が決定されたというふうに承知しております。

 文科省といたしましては、共通テスト、個別選抜双方において、それぞれの特質を踏まえながら記述式問題の充実を図るということが重要であり、それにより、高校教育あるいは大学教育の充実に好影響を与えるものというふうに認識しております。

中村(裕)委員 東北大学の調査の中身を見ると、例えば、答えに源頼朝と書いたら、それは正解ですと。でも源頼朝という名前を記述するだけで記述式というふうな受けとめもあったようですので、文部科学省の数字とは大分違いますけれども、文部科学省として、その重要性を感じ、導入するということにしてきたわけです。

 この共通テストの問題については、プレテストでは採点ミスが〇・三%あったとか、また自己採点において三三・四%の開きがあったとか、そうした課題が明らかになっているところですけれども、こうしたプレテストにおける課題について、その二つでよろしいでしょうか、確認をさせてもらいます。

伯井政府参考人 プレテストにおける課題認識でございます。

 大学入試センターが実施したプレテスト、試行調査におきましては、平成三十年度プレテストでは、国語で約〇・三%、数学で約〇・〇三%程度の採点結果の補正が生じるということ、さらに、国語の採点結果と自己採点の一致率が、平成二十九年、三十年度ともに六割から七割ということで、逆に、そういう不一致が三割程度生じたということで、採点の補正が生じるという採点の質の問題、それから自己採点と採点結果の不一致等の課題が、この二度の試行調査によりまして明らかになったというふうに考えております。

中村(裕)委員 五十万人を超える受験生が受験をするテストについて、二十日間で採点をしなければならないということから、民間に採点を委託するという形になっているわけです。

 民間が採点をするに当たって、民間事業者が試験実施前にその問題と解答を知り得ることになるのか、どのような状況になっているのか、お伺いします。

萩生田国務大臣 お答えします。

 まず、試験実施前においては、試験問題、採点基準、採点マニュアルなど、試験問題及び試験問題を類推できる情報がセンターに承認された者以外の採点者に開示されることはありません。また、採点者への試験実施前の研修でも同様に、これらの情報が使用されることはないと承知しております。

 さらに、大学入試センターと採点事業者の間で締結した業務請負契約書において、相手方から知り得た一切の情報を厳に秘密として保持し、第三者に漏えいしてはならないという守秘義務を課しています。仮に、問題漏えいなどの不正が明らかになった場合など、同社が契約上の義務を履行しない場合には、センターは、同社に対して契約解除や損害賠償の請求を行うことができます。

 また、採点者については、仕様書において、適正な試験等によって質の高い採点者を確保するとされています。採点者の選抜方法については、大学入試センターと採点事業者が事前に協議することとされており、今後、大学入試センターにおいて必要な対応を求めていくものと承知をしております。

中村(裕)委員 事務方になるかもしれませんけれども、採点基準ですとかそうしたもののために事前に問題や答えを知り得るという人は、一万人の採点者ではないということになるんだと思いますが、おおむねどのぐらいの数になろうというふうに考えていらっしゃるか、お伺いします。

伯井政府参考人 お答えいたします。

 試験実施前に試験問題、採点基準を知り得る者というのは、大学入試センターにおいて承認された事業者の特定の人でございます。

 ただ、それをどのぐらいの人数の人が、具体的には、採点基準策定委員会にその採点事業者から出席できる者なんですけれども、それをどの程度の人数にするかというのは、現在、センターと事業者の間でさまざまなやりとりをしながら決めていくということでございます。

中村(裕)委員 そういうことであれば、できるだけ少人数であり、また責任のある立場の方になっていただく必要があると思いますので、その点、御配慮をお願いしたいと思います。

 また、記述式の採点者について、大臣からも御答弁をいただいたところですが、新たにアルバイト情報なんかで募集をして、経験のない人も実際に採点に携わるのではないかという不安もあるわけですけれども、事務方、それについては、そうであってはいけないと思うんですが、どうでしょうか。

伯井政府参考人 そのとおりでございまして、大学入試センターと事業者が締結した契約書の前データの仕様書におきましても、採点者の確保、選抜方法等について、しっかりとセンターと協議しながら実施するということでございますし、センターと協議した上で必要な研修プログラムを編成するということになっております。

中村(裕)委員 再度の確認ですけれども、採点者の質はきちんと担保されると考えてよろしいですか。

萩生田国務大臣 記述式問題については、一定の条件を設定した上で、その条件への適合性を評価するものであり、多数の受験者の答案を短時間に正確に採点することが必要です。そのため、採点に当たっては、その観点からの処理能力や信頼性、実績などを有する民間事業者を活用することとしております。

 大学入試センターにおいては、採点事業者に対し、適正な試験等によって質の高い採点者を確保すること、必要な研修プログラムを行うことなど、採点者の質を向上するための取組を求めるとともに、一次採点は複数名で独立して行うこと、複数名の採点結果が異なる場合には、採点監督者が採点結果の確認や不一致のあった答案の採点などを行い、独立して採点した結果が一致するまで当該答案に対する採点作業を繰り返し行うことなど、採点の正確性を確保するための取組が求められているところです。こうした多層的な組織体制と品質チェックの充実により、採点の質は確保されるものと考えております。

 さらに、現在、大学入試センターにおいては、高等学校の協力を得て採点過程を検証し、一連のプロセスを改善するための準備事業を実施しており、この結果等も踏まえつつ、採点の質の維持向上に努めてまいりたいと思います。

中村(裕)委員 事前に問題が漏えいする、解答が漏えいするという心配をできるだけ排除し、そして採点者の質を確保するということは非常に重要なことですので、今大臣が御答弁されたように、しっかりとその質を確保していっていただければと思います。

 もう一点、自己採点についても非常に問題になっておりまして、なかなか自己採点が、実際の得点というか点数と合わないという状況があるようです。

 これは受験生側の、本人の資質による部分もありますので、一〇〇%一致するというのはなかなかいかないかもしれませんが、そういう中で、萩生田大臣は、きのうの記者会見で、もう一回検証する必要があるというふうに述べられ、検証の仕方も含めて再検討するというような発言をされておるようです。

 これは自己採点がしづらいという課題がいまだに残っているという大臣の認識なのかというふうに思うんですけれども、その検証の方法や時期について、大臣にお尋ねしたいと思います。

萩生田国務大臣 国語の自己採点と採点結果の不一致については、大学入試センターにおいて、正答の条件の意味や内容をわかりやすく整理して高等学校へ周知するとともに、その内容を生かして受験生が何らかの形で自己採点をシミュレートできるような仕組みを提供できないか、今、大学入試センターと協議をしております。

 また、現在実施中の大学入学共通テストの準備事業を通じた一連のプロセスの検証、改善を通じて、採点基準のあり方の改善等も図られ、受験生にとって自己採点をしやすくなることにもつながると考えております。

 準備事業を通じ採点基準の改善を図りますが、それを利用した自己採点の改善効果を実際に確認することを含め、大学入試センターと協議をしてまいりたいと思います。

中村(裕)委員 時間になったようですから終わりますけれども、私たちは本当に、受験生がきちんと安心をして受験に臨める、受験までの間、きちんと目標を持って学んでいける、そうした環境をつくることが非常に重要であります。それは、文部科学省はもちろん国会の方でも、いたずらに不安をあおることなく、しっかりその環境を整えていくことが重要だというふうに思います。

 ともに力を合わせて、受験生がしっかりと勉強できる環境をつくれればと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げ、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございます。

橘委員長 次に、古田圭一君。

古田委員 自由民主党、中国ブロックの古田圭一でございます。

 私は、山口県で高等学校を設置しております学校法人の理事長を務めておりますので、今回のこの高大接続改革には大変関心を持っているところでございます。

 まず、高大接続改革の全般についてお伺いしたいと思います。

 中央教育審議会におきまして高大接続改革の議論が始まったのは平成二十四年のことです。高大接続改革とは、高等学校教育、大学教育、そして高校と大学をつなぐ大学入学者選抜の一体的な改革を通じて、国際化、情報化の進展した社会においても自立的に活動していくための力を育てることを目的としております。

 その実現に向けまして既にさまざまな議論や取組が行われていると承知をしておりますが、各論に入る前に、改めて、高大接続改革全般について、その全体像及びこれまでの取組などについて御説明をいただきたいと思います。

伯井政府参考人 お答えいたします。

 高校教育、大学教育、そしてそれをつなぐ大学入学者選抜を通じて、学力の三要素、知識・技能、思考力・判断力・表現力、主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度、これを確実に育成、評価する三者の一体的な高大接続改革が重要であるということで、さまざまな施策を推進しているところでございます。

 文科省においては、まず、高等学校教育の改革につきましては、昨年三月に高等学校学習指導要領の改訂を行うとともに、高校生のための学びの基礎診断を創設し、本年度からの本格的な利活用の開始に努めております。

 また、大学の教育改革につきましては、その質の一層の向上を図るため、三つの方針、卒業認定・学位授与の方針、教育課程編成・実施の方針、入学者受入れの方針の一体的な策定、公表の制度化を行っているなど、質の向上を図っているところでございます。

 さらに、入試改革、大学入学者選抜改革につきましては、先ほど来御議論ございます二〇二〇年度からの大学入学共通テストの実施に向けた取組などを進めているところでございます。

 高大接続改革は、新たな時代を切り開く人材を育成するために極めて重要な改革でございます。着実な実施に向けて取り組んでまいります。

古田委員 ありがとうございます。

 次に、高等学校教育につきまして幾つかお伺いをいたします。

 高大接続改革の三本の柱では、大学入学者選抜改革に注目が集まっております。しかしながら、高等学校教育改革及び大学教育改革に関する議論は余り行われていないように思います。そこで、本日は、これまで余り注目されてこなかった高等学校教育についてお聞きしたいと思っております。

 先ほどありましたように、まず、本年度から本格的に各学校で利活用が始まった、高校生のための学びの基礎診断についてお伺いをいたします。

 この学びの基礎診断は、教育再生実行会議や中央教育審議会などの議論の過程にあっては、高等学校基礎学力テストという名前で検討が行われるなど、大学入学共通テストとセットで扱われる目玉政策であったかと思います。この高校生のための学びの基礎診断という仕組みは、高校生に求められる基礎学力の確実な習得と、それによる学習意欲の喚起を図ることを目指しておりましたけれども、社会一般での知名度は大学入学共通テストと比べると圧倒的に低く、学校関係者くらいしか知っている人がいないというのが正直なところではないかと思っております。

 今回、高大接続改革という名前が社会一般に知られるようになったのを機に、文部科学省は、高等学校教育改革に関しても広く周知を図って、特に学びの基礎診断について、なるべく多くの高校で実施してもらうよう取り組むべきと考えておりますけれども、見解を伺います。

丸山政府参考人 お答えを申し上げます。

 高校生のための学びの基礎診断は、義務教育段階の学習内容を含め高校生に求められる基礎学力の確実な習得と高校生の学習意欲の喚起を図るため、文部科学省が一定の要件を示し、民間の試験等を認定する制度であり、各高等学校が多様な学習成果を測定するツールの一つとして活用し、PDCAサイクルの構築を図り、教育の質の確保、向上に資することを目的としているものであります。

 今年度からその利活用開始に当たりまして、これまで、都道府県教育委員会等の学校設置者や私立学校を所管する都道府県知事に通知を発出するほか、全国の普通科高校等の各種会議における説明や文部科学省のホームページにおける内容の紹介等を行いまして、その周知に現在取り組んでいるところでございます。

 全国の高等学校がそれぞれの実態に応じて必要な基礎学力について目標を設定し、PDCAサイクルを構築し、指導の充実が図られるよう、今後とも広く周知を図ってまいりたいと考えております。

古田委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 今回の仕組みにつきましては、実施するかどうか、また、実施するとして、文部科学省が認定する民間試験である認定ツールのいずれを用いるかは各校の判断に任せられています。私のところの学校でも、スタディーサポートや実力診断などは以前から実施しておりまして、全国的にもかなりの生徒が昨年認定された測定ツールを利用したことがあるのではないかと思います。

 本年度から本格始動した制度であり、まだ十分なデータはそろっていないかもしれませんけれども、どれだけの学校が実施しているか、また実施する見込みなのか、可能であればお聞かせください。

丸山政府参考人 お答えを申し上げます。

 委員御指摘のとおり、学びの基礎診断、今年度が初年度ということでございます。

 今年度の高校における認定ツールの利活用の状況につきましては、年度終了後をもって、来年の六月ぐらいまでに各事業者から事業の概要報告を受けることにしているところでございます。報告を受け次第、認定ツールの利活用の状況、しっかり把握に努めていきたいというふうに考えております。

古田委員 ありがとうございます。

 できるだけ多くの学校が学びの基礎診断を実施することによって、指導の工夫や充実を図っていただきたいというふうに思っております。

 もう一点、学びの基礎診断についてお伺いしますが、認定ツールの受検料等は、原則本人負担になると承知をしております。学びの基礎診断の実施は各校の任意であって、導入が延期された大学入学共通テストの英語民間試験のように、受験生の多くが受けざるを得ないものとは異なるものとは承知をしておりますけれども、やはり生徒に経済的負担がかかることを危惧しております。

 受検料は認定ツールの実施者、すなわち民間業者が決めるものであるとはいえ、なるべく低廉であることが望ましいと考えておりますけれども、学びの基礎診断における費用負担の考え方及び国や地方公共団体による費用補助のあり方についてお伺いをいたします。

丸山政府参考人 お答えを申し上げます。

 高校生のための学びの基礎診断でございますが、各高等学校が多様な測定ツールを活用しながら、生徒の学習状況を多面的に評価し、PDCAサイクルを構築し、指導の工夫、充実を図っていくといったことを目的としているわけでございまして、文部科学省の認定ツールを利活用する場合においても、一般の民間の試験等の利活用同様に、委員御指摘のとおり、その費用というものが発生するわけでございます。

 当該費用につきましては、各高等学校やその設置者において負担をするものでありますが、文科省としましては、できるだけ多くの生徒が受検しやすくなることが望ましいというふうに考えておりますので、認定に当たっても、高校生のための学びの基礎診断として求められる要件と経費のバランスを踏まえながら、可能な限り低廉な受検料となるように民間の事業者に対して要請を行っているということでございます。

 それから、例えばでございますが、ある県の教育委員会におきましては、設置をする高等学校における生徒の基礎学力の定着を図るため、受検料についても、これは単独事業ということでございますが、予算措置をしている事例もあります。

 こうした事例の周知も含めて、今後とも、高校生のための学びの基礎診断の利活用を円滑に進める工夫を更にしっかりと図っていきたいというふうに考えております。

古田委員 どうもありがとうございます。

 これから受検者がふえればスケールメリットも出て、金額も安くできるのではないかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 引き続きまして、高等学校教育に関連してお伺いをいたします。

 今回のこの高大接続改革の議論が中央教育審議会で始まったのは平成二十四年のことですけれども、そのころからは、社会の状況もさまざまに変わってきております。

 本年五月十七日に公表された教育再生実行会議第十一次提言におきましては、新時代に対応した高等学校改革と称して、高等学校に対してさらなる改革の必要性を示しています。この中では、現在、生徒の約七割が在籍する普通科につきましては、生徒の意欲と関心を喚起し、能力を最大限引き出すことができるような改革の推進が重要であるとして、その一つの方策として、普通科の各学校が、教育理念に基づき選択可能な学習の方向性を示す類型として、例えば、キャリアをみずから形成する力の育成を重視するもの、あるいは、グローバルに活躍するリーダーや国内外の課題の解決に向け対応できるリーダーとしての素養の育成を重視するものなどの類型が示されております。

 少子化の進展によりまして大学に入りやすくなりますと、目的意識のないまま、とりあえず普通科に進学する生徒がふえてくるのは自然の流れかもしれません。しかし、生徒が漫然と高校生活を送るというのは、若い期間に大変もったいないことだというふうに思います。現在の普通科の画一的な教育内容を改め、生徒の学習意欲を高めるような内容に変えていく必要があります。

 そのために、各学校に学習の方向性に基づいた類型を示すことを求めているということだと思いますけれども、例えば、私のところの高校では、普通科、自動車工学科、生活クリエイト科、衛生看護科といった学科があります。また、普通科の中でも、大学進学に特化したコースや就職を目指す生徒が多いクラス、それから美容師、理容師を目指すコースなどがありまして、教育再生実行会議の第十一次提言の中で示された類型に、学校単位では当てはまりません。また、普通科の中でも目標の異なるクラスがあります。

 地方の私立高校には、このようにさまざまな教育をしている学校が多くて、学校一つで一つの類型を示すことはできませんけれども、このような場合、どういうふうに類型を示すことになるのでしょうか。伺います。

丸山政府参考人 お答えを申し上げます。

 教育再生実行会議第十一次提言において、高校生の約七割が在籍をする普通科について、生徒の意欲と関心を喚起し、能力を最大限に引き出すことができるよう、方策の一つとして、普通科の各学校が、教育理念に基づき選択可能な学習の方向性に基づいた類型の枠組みを示すこととし、先ほど委員の方から御紹介いただきました四つの類型が示されているところであります。

 現在、中央教育審議会におきまして、この提言を踏まえて、専門的、実務的な検討に今入っているところでございますが、委員の御指摘どおり、現行の高等学校は、生徒の能力や適性、多様な興味、関心、進路希望等に対応するため、例えば、普通科と専門学科を併設して設置している学校や、普通科の中にさまざまなコースを整備している学校など、各学校が掲げるさまざまな教育理念に基づき、多様な形態によって設置がされているところであります。

 文科省としましては、各学校が掲げる教育理念やその設置形態が多種多様なものである現状を十分に考慮しつつ、各学校が生徒の意欲や能力を最大限引き出すことができるよう、必要な検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

古田委員 要は、生徒の意欲を引き出すということでありますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 また、この提言の中では、実社会での問題発見、解決のために、各教科での学習を結びつける教育を重視して、文理両方バランスよく学ぶことを通じまして、ソサエティー五・〇をたくましく生きる人材の育成を図ることの必要性が示されています。

 現在、高等学校の普通科では、大学入試に備えて、二年あるいは三年から理系、文系に分けての指導が広く行われています。しかし、AIやビッグデータの発達により、さまざまな分野において、データサイエンスの重要性の高まりから、文系や理系のどちらかに偏ることなく、文理両方を学ぶ人材の育成が急務となっておりまして、高等学校におきましても文理融合型の教育を充実していく必要があります。そのためには、理系、文系に偏った大学入試が変わらなくてはいけないというふうに思います。

 このような状況を踏まえまして、文理融合型の教育を進めていくためのさらなる改革の方向性及びその具体策と、さらなる大学入試改革の必要性等について伺います。

丸山政府参考人 お答えを申し上げます。

 高等学校において、御指摘のとおり、約七割を占める普通科において、多くの生徒が二年生以降、文系、理系に分かれて特定の教科、科目については十分に学習しない傾向があることが指摘をされているところであります。

 しかしながら、ソサエティー五・〇においては、必要とされる資質、能力を全ての生徒が身につけるためには、文系、理系の類型にかかわらず、学習指導要領に定められたさまざまな科目をバランスよく学ぶとともに、生徒一人一人の興味や関心に沿って、地域社会、企業、NPO、高等教育機関といった多様な学びの場を活用し、社会に開かれた教育課程による学びを進めていくことが重要であると考えております。

 このため、各学校において、新学習指導要領に基づき、教科等横断的な視点で教育内容等を組み立てていただくなどを通じたカリキュラムマネジメントに適切に努めていただくといったこととともに、文部科学省としても、現在、中教審において、新時代に対応した高等学校教育のあり方について検討を行っておりまして、今後の検討を踏まえつつ、高等学校教育の改革に努めてまいりたいと思います。

 また、大学入学者選抜においては、AI戦略二〇一九において、文系、理系等の学部、分野等を問わず、情報一を入試に採用する大学の抜本的拡大に取り組むとしているところであります。

 また、大学入学者選抜は、各大学の自主的な判断により、入学者の受入れ方針に基づき、教育を受けるにふさわしい資質、能力を判定する観点から実施されるものですが、引き続き、学部・学科の別を問わず、実施科目の充実を促してまいりたいというふうに考えております。

古田委員 やはり現実問題として、大学入試が変わらないと、なかなか学校での教育課程というか、教える内容というのは変わっていかないと思いますので、ぜひ入試の方もいろいろ御検討いただきたいというふうに思います。

 次の質問は、今回導入される予定でありました大学入試英語成績提供システムについてであります。

 このシステムにおきましては、大学入学共通テストに利用が可能な民間試験の受験時期と回数について、高等学校や大学等の関係者を交えた議論を経て、受験機会の複数化を図りつつ、家庭の経済的状況や居住地による格差を抑制する観点から、受験年度の四月から十二月の間に受験した二回とされていました。

 大学入学共通テストは、学習指導要領に沿った高校教育の学習の達成度を測定するものであること、また、早い学年で取得した成績を大学入学共通テストに活用することによる大学受験の早期化を懸念し、二年生までの成績を使わないとした制度設計であると思いますけれども、他方、全国の地方自治体の中には、小学校、中学校、高校の児童生徒を対象として、独自に民間試験の受験料に対する補助金を支給しているところもあります。

 このような補助を受けて一年生の間に民間試験を受けた生徒の中には、せっかく受けた試験を、その結果を共通テストに用いることができないということに対しまして、疑問を持つ生徒もいるのではないかと思います。

 平成二十九年三月に公示された小中学校の新学習指導要領では、英語四技能を総合的に育成できるよう、小学校高学年から外国語教科化が図られるなど、各学校段階において外国語教育の充実が図られていまして、これを受けて、各教育委員会や学校等においてもさまざまな準備が進められています。

 昨日、新聞にも出ていましたけれども、東京都が二〇二二年度の入学分の都立高校入試から導入する英語スピーキングのプレテストを公開したとの記事も出ておりました。

 このような状況を踏まえれば、今後一年をかけて、大学入試における新しい英語試験のあり方について検討を行う中で、各教育委員会、学校等のさまざまな取組を国が後押しするためにも、学習指導要領に沿って英語四技能の学習を進めてきた高校生が、二年生までに取得した一定以上の試験の結果も含めて大学入学共通テストに利用可能とするのも一考に値するのではないかと考えますけれども、政府の見解を伺います。

伯井政府参考人 お答えいたします。

 大学入試英語成績提供システムに参加する資格試験につきましては、二十九年七月に決まりました大学入学共通テスト実施方針におきまして、大学入試センターが、受験者の負担、高校教育への影響等を考慮し、高校三年生の四月から十二月の間の二回までの試験結果を各大学に送付するということにしたものでございます。これは、今御指摘いただきましたように、受験機会の複数化を図る一方で、無制限に資格検定試験を活用することとした場合には、準備の早期化であったり、それに伴う高校教育への影響、家庭の経済的状況や居住地による格差等が懸念されるため、高校、大学等の関係者を交えた議論を経て回数を決定したものでございます。

 いずれにせよ、大学入試において英語四技能をどのように評価するか、そして、その場合どのような配慮が必要なのかといったことにつきましては、今後設置する予定の検討会議におきまして、高校、大学関係者などの意見も聞きながら、一年を目途にしっかりと検討していきたいというふうに考えております。

古田委員 ぜひ、よろしく検討をお願いしたいと思います。

 続きまして、萩生田大臣にお伺いしたいと思います。

 今回の大学入学共通テストへの英語民間試験の導入延期を受けまして、英検協会は、本年十一月十三日、既に予約申込みが始まっておりました英検二〇二〇SCBTの今後の対応につきまして、キャンセルせずに受験を希望する場合には、検定料を特別価格で提供するということを公表しております。

 しかし、キャンセルの場合には全額を返金するか否かについては、文部科学省と協議中のことで、いまだ取扱いについての公表はされていないということでありますけれども、国の決定によりまして英語民間試験を延期した以上は、予約した生徒には全額を返金して当然だというふうに考えております。全額返金すると、ぜひ萩生田大臣に発言いただきたいと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

萩生田国務大臣 英検協会が受験生から徴収していた予約金を返還する際の手数料の扱いについては、英検協会から事務的な相談を既に受けておりますが、大学入試英語成績提供システムの導入延期に伴う受験生への対応については、民間試験の各実施団体における全体の状況を踏まえつつ検討する必要があると考えており、システムの運営主体であった大学入試センター及び関係省庁と協議しつつ、真摯に検討してまいります。

 また、システムが導入されることを前提に受験生が支出した費用等の対応についても、あわせて、大学入試センター及び関係省庁と協議しつつ検討してまいります。

 先ほども答弁しましたけれども、国立大学では十一月二十九日、また私立は十二月十三日を目途に、試験の結果を入試に使うか使わないかという公表をしてほしいということをお願いしておりますので、それを見きわめた上で、文科省としても、システムの運営主体であった大学入試センターと協議しつつ、丁寧に対応してまいりたいと思います。

古田委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 それから、今後一年をかけて検討するということですけれども、この際ぜひともまた検討していただきたいのは、民間試験を活用する場合の受験料の負担です。

 今回の制度設計では、経済的に困難な受験生のために、民間試験の実施団体に対して検定料の減額をお願いしたということですが、見直しに当たっては、今回の導入延期の決定までにいただいた不安の声を重く捉えて、例えば、どの民間試験も一律の金額で受験できるように国が補助をする、あるいは、もっと進めて、大学入学共通テストの受験予定者には、バウチャーのような、英語民間試験の受験チケットを発行するなどの、わかりやすく、かつ、経済的負担を十分に軽減するための大胆な方策も視野に入れて検討すべきと考えておりますけれども、政府の見解をお伺いします。

伯井政府参考人 お答えいたします。

 英語の民間試験活用に当たっては、受験生の経済的状況にかかわらず、安心して受験できるような環境を整えるということが重要な課題であるというふうに認識しております。

 そういう意味で、御指摘いただいた経済的負担の軽減というのをどのような方途で行うのかというようなことも含めまして、大学入試において英語四技能をどのように評価するか、その場合どういう配慮が必要なのかといったことにつきまして、今後設置する予定の検討会議において、高校、大学関係者などの意見も聞きながら、しっかりと検討をしていきたいというふうに考えております。

古田委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 ちょっと質問、二問飛ばしまして最後の質問であります。

 今議論が行われております高大接続改革の一環としての大学入試改革は、英語の民間試験の活用と記述式問題の導入に注目が集まりまして、その他の部分については余り議論されておりません。例えば、現在も実施されているマークシート問題についても、思考力、表現力、判断力をより評価できるような問題へと見直しが行われることになっているなど、もっと多くの人々に周知すべき内容があると私は考えております。

 その一方で、注目の集まる英語民間試験と記述式の導入につきましては、英語民間試験導入が延期され、国語及び数学の記述式問題の導入についても、複数の問題点が指摘されているとの報道が連日なされて、生徒や保護者、教員等の関係者に懸念が広がっている状況です。

 このような状況にありましても、子供たちは日々勉学に励み、大学入試に臨む準備を進めています。生徒や保護者、それから教員の不安を解消して、受験生が安心して勉学に励めるための環境づくりに万全を期す必要があると考えますけれども、受験生が安心して臨める大学入試選抜の実現に向けた、萩生田文部科学大臣の御決意をお伺いします。

萩生田国務大臣 まず、英語の民間試験については、各大学の令和三年度大学入学者選抜における英語の民間試験の活用の有無、活用方法等について、十二月十三日を目途に方針を決定し、公表いただくよう各大学に要請するとともに、その情報を文部科学省において取りまとめ、ホームページ等を通じて受験生に提供する予定です。

 また、今後、私のもとに設置する予定の検討会議において、大学入試において、英語四技能についてどのように評価していくのか、できるだけ公平でアクセスしやすい仕組みとはどのようなものなのかといった点について、今後一年を目途に、受験生が安心して受験できるような仕組みとすることにできるよう検討してまいりたいと思います。

 また、記述式の導入について、課題である採点の質の確保に向けて、今後、大学入試センターにおいて、早期からのセンターと採点事業者の間における採点基準のすり合わせや採点者への事前研修の実施、高校の協力を得て採点過程を検証し、一連のプロセスを改善するための準備事業の実施等に取り組んでいます。

 国語の自己採点と採点結果の不一致については、大学入試センターにおいて、正答の条件の意味や内容をわかりやすく整理して高等学校へ周知するとともに、その内容を生かして受験生が何らかの形で自己採点をシミュレートできるような仕組みを提供できないか、今、大学入試センターと協議をしているところです。

 引き続き、受験生が安心して臨める大学入試選抜の実現に向けて全力で取り組んでまいりたいと思います。

古田委員 時間が参りました。

 どうもありがとうございました。

橘委員長 次に、鰐淵洋子君。

鰐淵委員 公明党の鰐淵洋子でございます。よろしくお願いいたします。

 本日は、大学入試英語成績提供システムの令和二年度からの導入見送りが決定されたことも踏まえ、高大接続という教育政策上大変重要な課題につきまして改めて議論するものと承知をしております。

 まず最初に、大臣の方にお伺いしたいと思いますが、大臣よりシステム導入見送りの発表後、公明党としましても、大学入試における英語四技能の評価について、今後の対応につきまして提言を取りまとめまして、十一月五日に提出をさせていただいております。その中で、我が党からも、大学入学者選抜における英語四技能の評価のあり方につきましては、経済的な状況や居住地域にかかわらず、そして障害の有無にかかわらず、ひとしく安心して受験できるようにすることを要請させていただいております。

 また、そのほかにも課題がございまして、これまでも指摘をされておりますが、参加試験のスコアとCEFRの対照表が適切ではないのではないか、また、受験の早期化につながるのではないか、国は試験団体に対して要請を行うのみで、指示や命令ができなかった、また、受験生を始めとする関係者への情報提供の対応が不十分だった、このような課題が挙げられております。

 文部科学省は、今後一年をめどに結論を得ることとしておりますが、高校、大学関係者、そのほか障害者の皆様、幅広い意見に耳を傾けまして、徹底して検討し、これらの課題を一つ一つクリアしていただきまして、受験生第一の対応を進めていただきたいと改めて強く要望したいと思います。

 大臣に、御見解と、これに取り組む御決意をお伺いしたいと思います。

萩生田国務大臣 お答えします。

 今後設置する予定の検討会議の具体的な論点については早急に検討してまいりますが、大学入学共通テストや各大学の個別試験の中での英語四技能評価をどのようにするのか、経済的な状況や居住地域、障害の有無にかかわらず、ひとしく安心して試験を受けられるような配慮が十分なのかなど、公明党の皆さんからも御提案をいただいた内容も踏まえて十分に検証しつつ、高校、大学関係者などの意見も聞きながら、今後一年を目途にしっかりと検討してまいりたいと考えています。

 その際、システム導入が延期となった原因や、導入に当たって指摘された課題についても検証し、英語四技能を適正に評価するシステムを国が責任を持って実施できる体制について、しっかりと検討してまいりたいと思います。

鰐淵委員 ありがとうございました。

 国が責任を持って対応していく仕組みということで、大臣からもお話がございました。年末におきまして、予算編成等さまざま大変な取組もございますが、やはりこの課題も重要課題ということで、大臣の責任のもと、徹底して取り組んでいただきたいと思います。

 また、我が党におきましても、この問題につきまして、英語の民間試験導入等へのフォローアップに関するワーキングチームを設置させていただきました。浮島智子座長のもと、私も副座長をさせていただきますが、昨日、第一回目の会合も持たせていただきまして、我が党の政調会長にも出席していただきましてスタートを切らせていただいております。

 その中で、私たちもやはり与党の一員として責任ある対応をしていこうということで、皆様に安心していただける、そういった制度にすること、また、これまでも課題になっておりますが、令和二年度から開始する大学入試共通テストの記述式問題、国語、数学、こういったことにつきましても、しっかりとフォローアップできるように、有識者の方、また学生、高校生の皆さんからもヒアリングを重ねて提言をさせていただきたいと思っております。

 繰り返しになりますが、私たちも与党の一員として責任ある対応をしっかりとやってまいりたいと思いますので、しっかりと、文部科学省におかれましても、大臣のもと、対応をお願いしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。

 続きまして、次の質問に入らせていただきたいと思いますが、システム導入見送り後の対応ということで、これも先ほど中村委員からも質問がありまして、伯井局長の方からも答弁がございました。ちょっと繰り返しになりますが、私の方からも改めて質問させていただきたいと思っております。

 このシステム導入が見送りになる前の時点におきまして、約六割の大学が、英語民間試験の成績を出願資格としたり、成績に応じて加点したりするなど、何らかの方法により英語民間試験を活用すると予定をしておりました。

 現在、これらの大学が、今回のシステム導入見送りの決定を受けて、引き続き英語民間試験を活用するのか、あるいは英語民間試験の活用を見送りとすることもあるのか、いわば宙に浮いた状況になっておりまして、現在も、志望大学の合格に向けて一生懸命に勉強している高校二年生や保護者、また高校の先生方、こういった方々の不安が依然として続いている状況にあると思います。

 この件につきましては、文部科学省では、先週十五日に、各大学に対しまして、システム導入見送りを受けて、英語民間試験の活用方針を十二月十三日をめどに決定するよう依頼する通知を出されていると承知をしております。

 そこで、本件に関しまして、文部科学省において、現時点での各大学における英語民間試験の活用に関する意向についてどの程度把握をしているのか、また、各大学の方針決定以降、高校生に対して大学の活用方針をどのように周知、広報していくのか、そして、その時点までに方針を明らかにしない大学があった場合の対応なども含めまして、文部科学省の現時点での見解をお伺いいたします。

    〔委員長退席、馳委員長代理着席〕

伯井政府参考人 お答えいたします。

 大学入試英語成績提供システムの利用予定につきましては、今御指摘いただきました、大学数で約六割でございます。ただ、この場合、一部の学部・学科又はその中でも特定の入試区分を使うという場合が多うございまして、選抜区分というので見ると、約三割程度となっておりました。

 この数字は、いずれにせよ、システム利用による英語民間試験の活用予定でございますので、このたびのシステム導入の延期によって各大学がどのように対応するのかについて、しっかり把握する必要があるというふうに認識しております。

 このため、御指摘いただきました先週十五日付の通知におきまして、全国の国公私立大学に対しまして、英語の民間試験の活用の有無、活用方法等について十二月十三日を目途に方針を決定、公表いただくよう各大学に要請するとともに、その情報を文部科学省において取りまとめ、ホームページ、SNSなどを通じて受験生等に幅広く提供する予定であることをあわせてお知らせしたところでございます。

 国立大学につきましては、先ほど答弁いたしましたように、十一月二十九日に各大学のホームページにおいて公表することを予定しているところでございます。公立大学、私立大学については、先ほどの早稲田大学のように、一部が公表しているところでございます。

 各大学における方針の決定というのが十二月十三日を目途ということで、それを随時載せていくということでございますが、仮にその十三日よりずれ込んだ場合でも、文部科学省としては、できるだけ早く公表するよう求めるとともに、受験生が安心できるよう、その情報を随時ホームページ、SNS等で掲載してまいりたいというふうに考えております。

鰐淵委員 ありがとうございました。

 できるだけ早く、随時ということで御答弁がございました。繰り返しになりますが、やはり高校生、保護者の方、先生方の不安を払拭するためにそういった対応をしっかりとやっていただきたいということと、これも繰り返しになりますが、前回も指摘がございました、高校生の皆さんはほとんどホームページを見ないということで、SNS等の活用ということで今御答弁いただきましたが、しっかりと工夫をしていただきながら、漏れなく周知していただくように、重ねてお願いを申し上げておきたいと思います。

 それでは、ここからは、英語四技能の習得につきまして、高等学校における英語教育のあり方などにつきまして質問させていただきたいと思います。

 そもそも、大学入試におきまして英語民間試験を活用することとなった経緯においては、読む、聞く、話す、書くといういわゆる英語四技能の育成がこれからの日本人にとって重要であるということが議論の前提となっております。ますます社会がグローバル化する中、将来を担う子供たちがこうした能力を身につけていく重要性については、多くの関係者が共有している方向性であると思います。

 英語四技能を習得するためには、生活環境などの影響も大きく、学校における教育だけではなかなか難しいということも承知をしております。しかし、経済状況がそれぞれであることや地域的事情もありますので、四技能の習得、育成には、学校教育において英語の授業の質を改善、向上させていくことが極めて重要であると考えております。

 こういった観点から幾つか質問させていただきたいと思いますが、まず初めに、我が国の高校生の英語力はどのような水準にあるのか、調査データなどに基づいて、その実態を簡潔に御答弁をお願いしたいと思います。

串田政府参考人 お答えいたします。

 平成三十年に閣議決定されました第三期教育振興基本計画におきましては、高校生の英語力の目標といたしまして、CEFR、A2以上、英検でいいますと準二級以上の取得をする生徒の割合を半数以上とするということとしております。

 平成三十年十二月時点におきます文部科学省の調査によりますと、この目標に到達している生徒の割合は全国平均で四〇・二%となってございます。都道府県により差はある状況でございますけれども、総じて、学習指導要領が求めている授業改善の取組が進んでいる地域ほど生徒の英語力に係る指標は高いという傾向が見られます。

 また、文部科学省が平成二十九年に行いました、全国六万人の高校三年生の英語力を測定いたしました調査におきましては、英語の四技能のうち、特に書くこと、それと話すことに課題があるということが明らかになっております。

 こうした課題を踏まえまして、平成三十年三月に改訂いたしました新しい学習指導要領におきましては、四技能のバランスのとれた育成に加えまして、生徒の話すこと、書くことの発信力の強化を重視いたしました科目を設定したところでございます。

 引き続き、高校生の英語力強化に向けて取り組んでまいりたいと思っております。

鰐淵委員 ありがとうございました。

 ただいま、我が国の高校生のレベルということで、現状、また目標、課題等も御答弁をいただきましてありがとうございました。

 まず、この目標達成に向けて、高校における英語の授業の改善にしっかりと取り組んでいきたいと思っておりまして、その点につきまして質問させていただきたいと思います。

 先日の参考人質疑でも、参考人の方より、英語四技能を習得するためには、JETプログラムによる外国語指導助手、いわゆるALTの充実や、ネーティブスピーカーを教員として採用すること、また、これらの方々と日本人の英語教員との協力が重要である、こういった御意見も頂戴をしております。高校生が実際に英語をコミュニケーションの手段として使用している方々と接する機会をふやすということは極めて重要であり、こうした人材の配置を更に拡充していくことが求められると考えております。

 そこで、高校におけるALTの配置や活用状況について、その規模や生徒が接する頻度は現状どの程度なのか、また、ALTと英語教員との連携協力が適切にできているのか、さらには、この配置拡充に向けた文部科学省の取組についてお伺いをしたいと思います。

串田政府参考人 お答えいたします。

 生徒が生きた外国語に触れる機会を充実させるため、ALT等の外国語が堪能な人材とコミュニケーションを図る機会は大変重要と考えております。

 文部科学省の調査によりますと、平成三十年十二月時点におきます高等学校におけるALT等の活用総数は二千七百九十四人となっております。また、外国語の授業でALTを活用する時数の割合につきましては九・七%となっております。

 小学校や中学校に比べますと活用状況が少ないという現状ではございますが、例えば、ALTと教員が協力して、生徒が行うディベートやディスカッションにフィードバックをしたり、あるいはライティングの添削をしたりということで、高等学校らしい活用例も一般的に見受けられるというところでございます。また、例えば熊本県におきましては、令和元年度からALTの配置数を一・五倍に増加するといった積極的な取組を行っている地域も見られるところでございます。

 文部科学省におきましては、総務省、外務省と連携いたしまして、海外の青年を招聘するJET―ALTプログラムを推進しておりますけれども、地方財政措置あるいは活用事例の紹介などを通しまして活用の拡大を進めてまいりたいと考えております。

鰐淵委員 ありがとうございました。

 恐らく人材の確保というところも大きな課題になってくるかと思いますけれども、御答弁もいただきました、外務省、総務省、関係省庁とも連携をとっていただいて、人材を確保し、学校現場で活用が拡充するように、文科省としても引き続き対応をお願いしたいと思っております。

 ALTの議論に関連いたしまして質問させていただきたいと思います。

 文部科学省におきましては、平成二十二年の高校学習指導要領改訂におきまして、高校の英語の授業は英語で行うことを基本とし、平成二十九年の中学校学習指導要領改訂におきましては、中学校においても英語の授業は英語で行うことを基本としております。

 しかしながら、先日の参考人質疑におきましても、こうした取組はなかなか実態として難しい面があるということでございました。英語で授業を行うという取組は、従来の指導方法を大きく転換することが求められ、先生方の大変な御尽力が必要となってまいります。

 既に学習指導要領において英語を基本とすることが定められて一定の年数が経過しておりますので、そういった高校の現場では現在どの程度までこの取組が進んでいるのか、高校の英語教員の英語力の問題も含め、必ずしも十分に進んでいないとしたら、その要因と対策について文科省の御見解をお伺いしたいと思います。

串田政府参考人 お答えいたします。

 平成二十五年度の入学者から適用されております現行の高等学校学習指導要領におきましては、「生徒が英語に触れる機会を充実するとともに、授業を実際のコミュニケーションの場面とするため、授業は英語で行うことを基本とする。」としたところでございます。

 文科省の調査におきましては、教師の英語力、授業における教師の英語使用の割合は改善してきておりますけれども、一方で、生徒が英語を使う言語活動の実施状況につきましては、都道府県による差が大きかったり、学年が上がるにつれて言語活動の割合が下がるといった状況も見受けられまして、授業を実際のコミュニケーションの場面とするという学習指導要領の趣旨の理解がいまだ十分ではないといったことが考えられます。

 文科省といたしましては、英語を使って話すことや書くことなどの指導を行うため、オンラインを活用した新しい研修の実践研究を行うとともに、具体的な授業例を動画で紹介するなどの取組を行っております。

 引き続き、学習指導要領の趣旨を徹底してまいりたいと思っております。

鰐淵委員 ありがとうございました。

 今御答弁いただきました、なかなかやはり現場では進んでいない、難しい状況であるということでございますけれども、やはり、学校の現場で対応していただく先生方、学校の取組を支援していく方策、これを更に充実させていかなければいけないと思っております。

 その上で、小学校における外国語指導についても伺ってまいりたいと思います。

 平成二十九年三月の小学校学習指導要領改訂を受けまして、小学校においては来年度から新たに教科として外国語が実施されることになっております。また、昨年度からは、新課程への移行措置といたしまして、外国語活動の開始時期をこれまでの小学校五年生から小学校三年生に引き下げられ、授業時数が増加していると承知をしております。

 英語を日常のコミュニケーションの手段として活用できるようにするためには、早い段階から英語の表現や音声に触れ、親しむことに効果があると思いますけれども、こういった取組を進めていくことは大変に意義があると思っておりますが、しかし、先ほども申し上げました、高校におきましてもまだまだ課題があるということで、現場も大変ということで伺ったところでございます。

 文部科学省におきましては、現場の準備を支援するために、これまでさまざまな取組をされていると思いますが、現時点におきまして、小学校における外国語指導の準備がどのように進んでいるのか、また、来年度以降における教科としての小学校での外国語指導についてどのような見通しを持っているのか、御見解をお伺いしたいと思います。

串田政府参考人 お答えいたします。

 来年四月から全面実施されます新しい小学校の学習指導要領におきましては、小学校三年生と四年生におきましては外国語活動、また、五年生と六年生におきましては教科としての外国語教育が始まることとなっております。既に昨年度から移行期間が始まっておりまして、また、来年度から各地域で使用されます五年生、六年生用の教科書の採択も行われたという状況にございます。各学校におきましては着実に準備が進められていると承知しているところでございます。

 文部科学省におきましては、これまで、新学習指導要領への円滑な移行に向けまして、教師の養成、採用、研修の一体的な改善、あるいは指導資料等の作成など環境の整備に努めてまいりました。具体的には、教師用指導書やデジタル教材、学習指導案の例など授業準備に役立つ資料を含めました、新学習指導要領に対応した教材等の整備、また、各地域で研修講師や助言講師としての役割を担います英語教育推進リーダーや各学校での指導の中核となります教師の養成、教職課程の充実等による教師の指導力や専門性の向上、また、専科指導のための教職員定数の充実やALT等外部人材の活用支援等に取り組んでおります。

 文科省といたしましては、来年四月に迫りました小学校学習指導要領の全面実施に向けまして、全ての小学校で遺漏なく準備が進むよう、各都道府県、指定都市の教育委員会の指導主事等と密接に連携して、しっかりと支援してまいりたいと考えております。

鰐淵委員 ありがとうございました。

 私も以前、外国語の、小学校の英語の授業を視察したことがありまして、現場の先生方がどういう授業をしているのか、また、どういうふうにすれば子供たちが関心や興味を持って楽しく学べるのか、そういったことをしっかりと、やはりぜひとも文科省の皆さんにも現場を見ていただいて、どういった支援が必要なのかということも、ぜひそういった現場を見ていただいた観点で進めていただきたいと思っております。今御答弁にもありましたが、効果的な指導方法の普及、また教員研修の充実、これが一つ大きな柱にはなると思いますけれども、ぜひ現場の実態に合った支援ということでお願いを申し上げておきたいと思います。

 今、高校また小学校の英語教育の現場の状況等を伺ってまいりましたけれども、しかし、さまざま現場では御苦労もあり、なかなか進んでいないという現状もあるかと思います。そういった中で、一つ、英語授業を進めていく上で、ICTの活用、これを更に進めていくことによって学習効果の向上が期待されるんじゃないかと思っております。

 このICTの活用推進につきましては、以前、当委員会でも取り上げさせていただきましたが、学校におけるICT環境の整備につきましては、地方自治体の厳しい財政状況もございまして、進んでいるとは言えないと思っております。こうした状況を改善していくためには、政府による予算面での支援や各自治体の取組事例を含めた情報の共有など、文部科学省を始めとする関係省庁が取組を一層充実させていくことが必要不可欠であると考えております。

 小中高校の英語の授業におけるICT機器の活用状況、どのような機器がどのような指導場面で活用されているか。また、ICT環境整備について、文部科学省ではどのような支援を行っているのか。学校現場の実態と今後の整備に向けた方針をお伺いしたいと思います。

    〔馳委員長代理退席、委員長着席〕

丸山政府参考人 お答えを申し上げます。

 英語の授業におけるICT機器の活用でありますけれども、委員の御指摘どおり、映像や音声を通して児童生徒がさまざまな英語に触れたり、話したり書いたりする言語活動を豊かにしたり、遠隔地の子供やALTと直接コミュニケーションをとることができたり、そういったことができるなど、英語の授業を充実する上で不可欠なものであるというふうに考えております。

 文部科学省が行いました平成三十年十二月の調査では、小学校の九九%、中学校の九六%、高等学校の八九%でICT機器を英語の授業に使っているという回答が得られております。

 具体的に活用されているものとしましては、音声や映像などのいわゆるデジタル教材が大半となっております。しかしながら、一方で、パソコン等を使った発表、発話や発音などの録音や録画、キーボードによる文書入力などの言語活動への使用は地域や学校による差も大きく、今後更に活用を進めていくためには学校のICT環境整備が不可欠であると考えております。

 現在、学校のICT環境整備に必要な経費については、教育のICT化に向けた環境整備五カ年計画に基づきまして、二〇一八年度から二〇二二年度まで、単年度で一千八百五億円の所要の地方交付税措置を講じているところでございます。しかしながら、学校のICT環境は自治体間で整備状況にばらつきが見られ、文部科学省としても現状に危機感を抱いているところであります。

 このため、最終的に児童生徒一人一人がそれぞれ端末を持ち、ICTを十分活用することができるハードウエア、ネットワークなどの環境整備を達成するため、端末と通信ネットワークをセットで、その整備促進をしっかりと図ってまいりたいというふうに考えております。

鰐淵委員 ありがとうございました。

 これも、私もICTを活用した小学校の英語の授業を見せていただくことがありまして、繰り返しになりますが、やはり、子供たちが関心を持って楽しそうに勉強していたのが大変に印象に残っております。

 ぜひとも、もう一つ、この課題は首長さんの意識改革も大変に重要になってくるかと思いますので、すばらしい取組事例をしっかりと情報共有しながら、もちろんお金の問題もございますが、まず意識革命をしていく上でしっかりと環境整備を進めていくということで、文部科学省の方もその点でしっかりと取組を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 次の質問でございますが、参考人質疑の中で、四技能の育成に当たっては、まず子供たちの意欲が重要である、そういった御意見も頂戴をしておりました。子供たち一人一人が、将来どのような職業につきたいか、またどのように社会とかかわっていきたいか、そういったことを、大人たちとかかわる中で、さまざまな出来事、また興味を持っていただくことによって、自分たちで決めていくということが大変に重要になってくるかと思います。

 そういった中で、これからのグローバル化する社会を視野に入れつつ、子供たちが多様な外国の文化に触れる機会、キャリア教育という観点を設けていくことが大変に重要になってくるかと思っております。各学校現場での取組状況、また今後の文科省の取組についてお伺いをしたいと思います。

丸山政府参考人 お答え申し上げます。

 グローバル化が進む社会において、言語や文化が異なる人々とも主体的に協働する力を育み、国内外で活躍する人材を育成することが重要であるというふうに認識をしております。

 このため、文科省では、グローバル人材を育成するため、小中高等学校を通じた英語教育の強化、初等中等教育段階からグローバル人材を育成するスーパーグローバルハイスクールなどによるカリキュラム開発の推進、語学力やコミュニケーション能力の向上及び異文化理解のための高校留学の推進、民間資金を活用して日本人の若者の留学を支援するトビタテ!留学JAPANの推進などに取り組んでいるところであります。

 また、グローバル社会を生き抜く上で、子供たちがみずからの生き方を考え、主体的に自己の進路を選択し、生涯にわたる自己実現を図っていくことができる能力や態度を育成するキャリア教育の充実を図ることが重要であることから、来年四月から順次実施をされます新学習指導要領においても、学校におけるキャリア教育の充実を明記するとともに、小中高等学校を通じてキャリア教育が体系的に推進をされるよう整理をしたところであります。

 文部科学省においては、これらの取組を通じて、今後とも、グローバル社会を生き抜く資質、能力を備え、日本人としてのアイデンティティーと幅広い教養を持ち、国内外で活躍できる人材の育成に努めてまいりたいと考えております。

鰐淵委員 ありがとうございました。

 それでは、最後に大臣の方にお伺いしたいと思います。

 これからのグローバル社会に向けまして、いかなる立場の子供であっても、それぞれの子供が持っている可能性を広げていくために、入試における四技能評価に限らず、初等中等教育から高等教育、いわゆる公教育を通じてこの四技能を習得していくということは極めて重要であると考えております。そのほかにも、先ほども申し上げましたが、ICTの活用推進、またキャリア教育の充実等も総合的に取り組んでいく必要があると考えております。

 これにつきましては、大臣の力強いリーダーシップなくして前に進めることは難しいと思っておりますけれども、ぜひ、大臣の今後に向けたお考えと取り組む決意を最後にお伺いしたいと思います。

萩生田国務大臣 先生御指摘のように、外国語によるコミュニケーション能力は、これまでのように一部の業種や職種の人だけでなく、誰しも生涯にわたりさまざまな場面で必要とされると考えております。このような中で、英語の四技能を使ってコミュニケーションを図る能力を育てることは、まさに喫緊の課題であると考えます。

 このため、初等中等教育段階においては、新たに早期化、教科化する小学校の外国語教育の指導体制の充実を始め、学習指導要領の趣旨の周知の徹底、各都道府県等が行う英語教育改善のための取組の支援、ALT等の人材やICT活用の推進など、着実に進めてまいりたいというふうに思っております。

 高等教育段階においては、英語力のさらなる発展、向上にもつながり得る英語による授業の実施などの取組が各大学においても進められているものと承知をしておりますが、文部科学省としても、徹底した国際化を進め、外国語によるコミュニケーション能力を持つ人材育成のための環境整備を進めるスーパーグローバル大学等への支援、留学促進キャンペーン、トビタテ!留学JAPANの展開や、官民が協力した海外留学支援制度の推進などによる支援策の充実等、グローバル人材の育成に向けた取組を推進してきたところです。

 今後とも、文部科学省としては、英語四技能を始め、グローバル社会を生き抜く資質、能力を備え、国内外で活躍できる人材の育成に努めてまいりたいと思います。

鰐淵委員 以上で終わります。大変にありがとうございました。

橘委員長 次に、吉川元君。

吉川(元)委員 共同会派、立国社、社民党の吉川元です。

 きょうは、大学入試改革の記述式の試験、このことを中心にお聞きをしたいと思います。

 これは、たしか前回の委員会でも質問で出ておりましたが、私からも改めて尋ねますが、報道によると、二〇二〇年度から始まる大学入学共通テスト、この国語の記述式問題の結果について、二次試験に進む際の二段階選抜の判断材料から外すように、そういうことを大学に求める検討を始めた、こういうことが報じられておりますが、この検討そのものは事実でしょうか。

伯井政府参考人 お答えいたします。

 文部科学省が、二段階選抜で記述式の試験結果の評価を除外するよう国公立大学に要請することを現時点で決定したというわけではございません。

 ただし、昨年度実施した試行調査における採点の質や自己採点と採点結果の不一致等の課題を踏まえまして、文部科学省では、本年四月から六月にかけて、国立大学協会あるいは公立大学協会の入試関係委員会の場で、国語の記述式問題の結果を第一段階選抜でどのように活用するかも含め、各大学において慎重に検討いただくよう説明している経緯はございます。

 ただ、入学者選抜の方法は、最終的には各大学が入学者受入れの方針に基づき決定するということでございます。

吉川(元)委員 なぜ使わないのかということでいうと、今御説明にあった、プレテストも含めて不一致率が非常に高い、それが一つ理由であるということの答弁だったと思いますが、一方で、数学については、特段そうした検討は行われているという話は聞かないんですが、この点はいかがでしょうか。

伯井政府参考人 数学についてのお尋ねでございます。

 本年六月に大学入試センターが策定した令和三年度大学入学者選抜に係る大学入学共通テスト問題作成方針におきまして、記述式問題の配点については、国語は点数化せずに段階表示するのに対しまして、数学は点数化することとしております。

 したがって、各大学においては、大学入学共通テストの数学の点数の中で、記述式問題に係る点数を取り出して把握することができないということでございまして、数学については、二段階選抜で記述式の試験結果の評価を除外するよう国公立大学に要請するということは検討しておりません。

吉川(元)委員 そうしますと、やはり国語の問題に関して言いますと、今答弁ありましたとおり、自己採点との不一致の問題、これが非常に問題になってくるということでありますが、これはやはり、現段階において、文科省として、国語の記述式の問題については、簡単に言えば、二段階選抜に使えるようなものになっていない、あるいは、使った場合に混乱が発生をする、そのように考えているということで理解してよろしいでしょうか。

伯井政府参考人 先ほども答弁いたしましたが、記述式問題につきましては、大学入試センターにおいて、平成二十九年度、三十年度に実施した試行調査によりまして、自己採点と採点結果の不一致が二カ年ともに課題として明らかになったわけでございます。

 もちろん、課題解消に向けてさまざまな取組を行っているところでございますが、その一つとして、二段階選抜において各大学で記述式の結果を使わないということの要請も一つの課題として検討しているというものでございます。

吉川(元)委員 だとすると、二段階選抜というものももちろんでありますが、これは、以前お聞きをしたところでは、あるいはヒアリング等々でお聞きしたときにも、この記述式問題の成績については、マークシートの成績に加点することも含めたその是非については国大協あるいは各国立大学が判断することというふうにお答えをされておられます。これは、もちろん二段階選抜ということで、そもそも、自分は何点とっているはずだからと思って願書を出したけれども、あなたは受けられませんよと言われることは、この記述式を二段階選抜に使わないことで防ぐことはできますけれども、合否の判定、合否を判定するかしないか、これは各大学が決めるということでありますが、今言ったように、当然、今は大分制度が変わってきておりますが、我々の時代は共通一次の時代でしたけれども、共通一次で何点とったから、二段階選抜とは関係なく、この大学に通りそうだ、あるいはこの大学はちょっと難しい、そういう判断をしていくわけでありまして、だとするならば、二段階選抜にたえられないようなもの、つまり、事前に、自己採点と大きく不一致が発生をする、これをいわゆる合否判定の中に加えること自体が矛盾をしているのではないかと思いますが、この点はいかがですか。

伯井政府参考人 いずれにせよ、各大学がどのような選抜資料を用いて選考するかというのは、各大学の入学者受入れの方針に基づき決定することになるということでございます。

 ただ、我々としては、試行調査の結果を踏まえまして、当然、自己採点をもっと採点しやすくする方途というのを考える一方で、自己採点の不一致ということから希望する大学に受験ができなくなるということを避けるために、そうしたことの要請ということも検討しているということでございます。

吉川(元)委員 私が聞いているのは、もう二段階選抜の話じゃないんですよ。例えば、記述式の問題について合否判定に使う、あるいは加点をするという大学が仮にあったとします。そこに、自分は記述式は満点をとったというつもりで受けて、結果的に、実は不一致、いわゆる実際の採点と自己採点が不一致が発生をしていて、その結果として大学に合格することができなかった、こういう問題が発生するんじゃないんですか、不一致率があるということは、そういうことも存在するんじゃないんですかと聞いているんです。

 二段階選抜に使わないというのであれば、合否判定にも使えるような質は担保できていないんじゃないんですか。

伯井政府参考人 繰り返しで恐縮でございますが、その不一致率が課題であるというのは我々認識をしているところでございます。そのため、正答の条件の意味、内容をわかりやすく整理して高等学校へ周知するなど、改善を図っていかなければならないという認識もございますが、今申し上げましたように、二段階選抜でどうするかということについても、その検討課題の一つとして考えているということでございます。

 ただ、もちろん、それをどう使うか、選抜資料にどのように使うのかというのは、各大学が最終的に判断していただくことでございます。

吉川(元)委員 ちょっと時間がありませんので次に進みますけれども、二段階選抜に使えるような質を持っていない試験を、更にその後の合否判定に使うなどということは、私は、これはあってはならないことだということをまず指摘をさせていただきたいと思います。

 それから、先ほど他の委員からも質問がありましたが、今回、数字がかなりかけ離れているなと思いますけれども、記述式の試験を二次試験において課していないというようなことで、これが半分以上だというようなことをもとにして、今回、センター試験にかわる共通テストの中で記述式を入れるということが議論をされたというふうに聞いております。

 一方で、これも指摘があったかと思いますけれども、他の調査では、募集人員ベースで八八%に相当する人が記述式問題を解いている。この違いというのはどこから生まれているんですか。

伯井政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の調査は、東北大学が行った調査というふうに承知しておりますが、これは、国語に限らず全ての試験科目を対象に、小論文や長文、短文のみならず、穴埋め、短答式の問題も記述式の範囲に含めたものでありまして、それらがどの程度の記述を要するのかというのは不明であるというところでございます。

 他方、文部科学省が根拠としてきたデータは、国語や小論文、総合問題のいずれも課さない学部の割合を示したものでございまして、一概に比較できるものではないというふうに考えておりますが、記述式問題を導入することは、思考のプロセスがより自覚的なものとなることにより、より論理的な思考力、表現力を発揮することが期待されるというふうに考えているものでございます。

吉川(元)委員 そこに議論のすりかえがあるんですよ。牽強付会と言ってしまえばいいと思うんですけれども、文科省がやっている調査というのは、国立大学の二次試験で国語を課していない募集人員数ということで出しているんでしょう。記述式の試験をしていない、あるいは記述式の試験をしているということで調査をしているわけじゃないでしょう。国語の試験があるなしで、記述式を入れる入れないというのを決めているんですか。

伯井政府参考人 御指摘の調査は、平成二十八年度の入学者選抜要項をもとに調査したものでございますが、国立大学の二次試験において、国語、小論文、総合問題のいずれも課さない学部の募集人員は全体の六一・六%であった、こういう調査でございます。

吉川(元)委員 いやいや、結局、だから、国語を試験科目として課していないところを集めてきたんでしょう。今、大学、どういうふうになっているかわかりませんが、学部によっては、例えば理工系の学部で国語の試験を課さないところがあるかもわからない。でも、イコールそれは記述式がないということで、そのように誤解をするような、あるいはミスリードするような形で、記述式が行われていないというふうに文科省は言ってきたんじゃないんですか。

 例えば理工系で、数学でありますとか、あるいは物理でありますとか、そこにおいて当然記述式の試験が行われて、そこには証明やあるいは論理を展開しなければいけない問題も出てきている。だとすれば、それはそれで記述式の試験が課されているわけじゃないですか。

 明らかにこの調査というのは、国語という試験を課しているかどうかをもって記述式が行われているか行われていないかということに、実は別の問題にもかかわらず、いかにも記述式が二次試験で行われていないかのごとく、世論あるいはいろいろな検討された委員の方々に誤解されるような、こういう調査結果とその発表の仕方だというふうに言わざるを得ないというふうに思います。

 そもそも、記述式ということであれば、二次試験でそれは課せばいいわけでありまして、事実、行われている大多数の試験は記述式だというふうに、先ほど八八%という数字が出ましたけれども、そのように理解をすべきだ。明らかに議論の最初からミスリードするような、そういう問題設定の仕方を文科省は意図的にやったと言わざるを得ないのではないかというふうに私は指摘をさせていただきます。

 次に、今回の記述式の問題ですけれども、ある大学では、合否判定には用いない、こういうことを、リリースを昨年十二月に行った大学もございます。

 また、ことしの五月の段階で、国語の記述式問題の活用方法がまだ決まっていない大学が約七割存在をしていた。そこから約半年ぐらいたっているわけですけれども、記述試験を利用しないとする大学、これはどの程度なのか、また態度を依然決めていない大学はどの程度存在するのか、答えてください。

伯井政府参考人 お答えいたします。

 大学入学共通テストにおける国語の記述式問題の利用につきましては、私どもの調査で、平成三十一年一月の時点で、約七割の大学、短大が未定というふうにしていました。

 その後、本年十月十一日現在で、これは、当時、大学入試英語ポータルサイトの民間英語の利用状況を我々調べておりましたので、それにあわせて、一般選抜を予定している入試種別のうち、国語の記述式問題の利用を予定していない入試種別というのも調べさせていただきました。

 その結果でございますが、一万二百六十四種別中五千二百二種別、入試区分が利用しないということで、割合でいうと約五一%となっております。国立は約一%が利用しない、公立が約四%が利用しない、私立は約六四%が利用しないということでございます。

吉川(元)委員 これは、何で利用しないというふうに文科省としては考えていらっしゃいますか。

伯井政府参考人 さまざまな理由があるというふうに認識しておりますが、特に私立が多うございまして、まださまざまな状況を見きわめておられるのかもしれませんし、そこは我々として十分に把握はできておりません。

吉川(元)委員 つまり、今回の記述式の試験というのは入試に使えるようなレベルに達していない、そのように各大学が判断をして、また、これを使うことによって、かえって受験生に混乱を生む可能性があると考えて、これを利用していない、利用しないというふうに決めているんだというふうに思います。

 そうした問題を、来年度の、再来年ですかの一月に行うということは、私はこれはやめるべきだということも言わせていただきたいと思います。

 次に、段階評価ということについてお聞きしたいと思います。

 英語の民間試験でも、CEFRの六段階で評価をしていくと。これ自体も大変問題があったということは当委員会で議論がありました。それでも、CEFRの場合は、六段階の各段階について評価基準を客観的に示して、欧州議会のオーソライズ、これもあったわけです。

 これに対して、国語については、記述式の五段階評価の基準、これは何なのか全くわからない。見させていただいた資料を見ますと、三問の設問をはめ込んだパズルのようなものがつくられて、これによって五段階の評価をするということですけれども、この仕方が正しい、この評価のやり方が正しいということを担保する客観的な基準は存在するんですか。

義本参考人 お答えいたします。

 国語の記述式の成績については、委員御指摘のとおり、段階表示をするということで、本年八月に、その表示の仕方について大学入試センターから発表したものでございます。

 その中におきましては、小問、これは三問ございますけれども、その成績につきましては、正答の条件を満たすか否かという内容面での評価と、それから、字数の上限など、解答するに当たっての書きあらわし方に関する評価を分けて評価しまして、内容面に関する評価につきましては、条件を満たしているかどうか等によりまして、a、b、cの三段階に表示をすることに加えまして、解答の書きあらわし方につきましては、マイナスがあった場合につきましてはアスタリスクを付記しまして表示する。大問、すなわち、その小問三問をまとめた全体的な総合の成績につきましては、小問の成績の整理を踏まえた上で、試行調査の際と同様に五段階の表示をすること。各大学は、大問の成績と小問の成績を用いて評価することというふうなことで公表させていただいたところでございます。

 この表示のあり方につきましては、平成二十九年七月に文科省により示されました実施方針によりまして、段階別の表示をするように検討がされたところでございます。

 この方針に基づきまして、入試センターにおきましては、試行調査の結果の検証ですとか、あるいはセンターにおきます共通テストの企画委員会等におけるテスト理論あるいは教科等の専門的な視点からの有識者の検討を経て、現在公表する表示方法としたところでございます。

吉川(元)委員 今、評価の仕方、非常にわかりにくい説明でございましたけれども、なぜ設問ごとに点数化をしなかったのか、その理由を教えていただけますか。センターの方は文科省からそう言われたからと今ほど答弁されましたので、文科省、この点いかがですか。

伯井政府参考人 お答えいたします。

 今、義本理事が答弁いたしましたように、国語の記述式問題の段階表示のあり方については、二十九年七月の大学入学共通テスト実施方針におきまして、段階別表示を検討するものとされたわけでございます。

 それは、当時の検討の背景といたしまして、一点刻みの試験からの脱却というのが一つございました。今回のセンター試験、共通テストの成績も、点数表示、点数の成績提供もいたしますが、段階別表示というのをできるだけやっていこうという考え方がございました。

 国語の場合、その成績のつけ方というのは、先ほど来あります、条件つき記述式で、条件適合性を判定していくというものでございますので、そうしたことから段階別表示の方がなじみやすいのではないかという判断が下され、こういうふうな検討結果となったものであると承知しております。

吉川(元)委員 そうやってやった結果として、へんてこりんなことになっているんですよ。

 今、私もいただきました、こういう資料、a、b、cと。aとbについては、ちょっとマイナスのアスタリスクがつく。そうすると、いえば、五つの段階に分かれるわけです、小問の採点が。

 小問の三はとりあえず除いておいて、小問の一、二だけ見ると、全部満点、つまりaaの人たちと、それから二問、ちょっとずつマイナスの点、a*の人たち、これは同じグループなんですよ。ここはまだ、aaとaa*とa*a*、これは同じグループ。もう一つ。次の真ん中の部分に行くと、これがもっと広がります。aとbという評価と、a*とcという評価が全く同じところに入っているわけです、同じ段階に。

 当然これは、例えば満点が五点とすると、アスタリスクがつくと一点マイナスするというふうにしていくと、aは五点、a*は四点、bは三点、b*は二点、cは一点というふうにしていくと、真ん中の分類でいうと、一番高い人は九点をとったことになる、aとbというのは。ところが、a*cというのは、これは五点なわけです。点数をつけると、九点と五点の人が同じ段階に評価をされる。

 これは明らかにおかしくないですか。

義本参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、小問三問ございまして、小問の一問、小問二問というのがいわゆる四十字程度の字数で、小問の三というのが、百二十字程度の、少しまとまった分量を書くということでございます。

 評価の考え方としましては、小問一、二のそれぞれの内容面についての評価を重んじ、あわせまして、書き方の、上限等についてのあらわし方についてはアスタリスクということで評価をさせていただくということでございます。

 それとあわせまして、小問の三、これはまとまった字数を書くということでございますので、その適合に合わせまして、より重きを置いた評価をする形によって総合的な評価をするというふうなたてつけになっているところでございます。

 このため、小問ごとの成績が異なる受験者においては、大問の成績が結果として同じになることはございますけれども、各小問の成績を反映したものであるために、各受験者の成績を保証するものとしては問題ないと思っております。

 また、小問ごとの成績につきましては、先ほど申しましたように、アスタリスク、書きあらわし方も含めまして、小問ごとの成績を大問の成績とあわせて各大学に提供することにしておりまして、各大学の判断で活用することは可能になっているところでございます。

吉川(元)委員 ちょっとね、これをテストに使うんですか、こういうやり方を。

 アスタリスクをつけて、私、これは何でこんなことを、こんな複雑なことをしているのか、こんなわかりにくい形になってしまうのか、何となく推測はつきます。どういう理由かというと、恐らくこれは、採点のぶれをこの段階の中で吸収しようと。aなのかa*なのか、あるいはabなのかa*cなのか、このぐらいの幅の採点のぶれが出るんだろう、それがそのまま合否判定に使われるのはまずいから、このぐらいの幅の採点のぶれがあらかじめ出るだろうということで、あえて段階的な評価にしているのではないんですか。

義本参考人 お答えいたします。

 先ほど答弁させていただきましたように、この方針につきましては、これまでの試行調査の結果の検証ですとか、センターに置きます企画委の中において、テスト理論の専門家ですとか教科の専門家の視点から総合的に判断しまして、大学に対して提供する情報量としては、選抜試験としての想定されるものとして整理して、こういう形でさせていただいたところでございます。

吉川(元)委員 受験をする人間は、入りたい大学に入るために必死に勉強するわけですよ。そして、一点でも得点ができるように努力するわけですよ。その結果として客観的な採点が行われ、その結果として合否が判定をされる。望みどおりに進学できない生徒もいると思います。ただ、その前提には、そうした正確な客観的な判断に基づいて採点がされている、それが前提にあるからこそ、涙をのんで、しかし結果については納得をするというのがこれまでの受験のあり方だったと思います。

 ところが、今回見ていると、これはどう考えても、テスト結果、プレテストの結果を受けてということは、つまり、プレテストで一番何が問題になったかといったら、やはり採点のずれなんですよ。自己評価とのずれなんですよ。そのずれが直接そのまま合否判定に使われるのは、これは幾ら何でもまずかろうということで、私はこういう段階評価、あえてこういうふうに大くくりにしたところで、同じように、同じ段階ですよと、これは採点の質が担保できないことを受験生に押しつけている、そういう中身だというふうに思わざるを得ません。

 もう時間がありませんので、ちょっとまた次回、次々回あたりにもう一回質問できる機会もあるかもわかりませんので、残りの問題についてはそのときに質問したいと思いますが、きょう、どうしても大臣に一問お聞きしたいと思います。

 今、恐らくこの後も、同僚議員がこの問題についてはいろいろな問題点をただしていくと思いますけれども、どう考えても、これは大学の入学に使えるようなものじゃないですよ。

 大臣は、十一月一日の記者会見で、英語の民間テストについて延期を決定した際に、こういうふうにおっしゃっています。文部科学大臣として、自信を持って受験生の皆さんにお勧めできるシステムになっていないと判断せざるを得ない、だから延期をしたんだ、こういうことをおっしゃっておられます。

 少なくとも今の段階において、この後恐らく採点の問題等々も、質の担保の問題も議論されると思いますけれども、少なくとも二段階選抜についてはお勧めできない中身だということで、文科省はそうしたことを通知する検討を始めているということであります。

 二段階選抜に使えないものが、そうしたものが合否判定に使われるというのは、これはとてもじゃないけれどもお勧めできない中身だというふうに、大臣、考えませんか。

萩生田国務大臣 記述式問題を導入することについては、解答を選択肢の中から選ぶのではなく、文や文章を書いたり式やグラフ等を描いたりすることを通じて思考のプロセスがより自覚的なものになることにより、より論理的な思考力、表現力を発揮することが期待されると考えております。

 記述式問題については、平成二十九年、三十年度に実施したプレテストの結果、採点の質や自己採点と採点結果の不一致等の課題があると認識しております。

 文部科学省としましては、課題の解消に向けたさまざまな取組を行っているところですが、記述式問題が受験者に自信を持って勧められるよう、引き続き、記述式問題の出題や採点方法についてどのような改善が可能であるか、さまざまな方策について検討してまいりたいと思います。

吉川(元)委員 今の答弁を聞きますと、少なくとも現段階においては自信を持ってお勧めできる段階にはないということでいいんですね。

萩生田国務大臣 課題の解消に向けたさまざまな取組を行っているところですが、記述式問題が受験生に自信を持って勧められるように、引き続き、記述式問題の出題や採点方法についてどのような改善が可能であるか、さまざまな方策について検討してまいりたいと思います。

吉川(元)委員 来年度、再来年の一月まであと一年ちょっとです。この段階においてまだ自信を持ってお勧めできないシステムをこのまま強行することはあってはならない。

 我々野党、中止の法案を出しています。しっかりこの委員会でこの中止法案を議論していただきたい。ぜひこのことについて理事会で検討をお願いして、私の質問を終わります。

橘委員長 後刻、理事会で協議します。

 次に、牧義夫君。

牧委員 先週に引き続いて質問させていただきますが、あらかじめお断り申し上げておきたいのは、質問通告で一番目に通告させていただいた課題については、時間があったら後でさせていただくということで、二問目から入らせていただきたいと思います。

 今の質疑を聞いておりまして、何か十月三十一日にも聞いた覚えのあるような、課題の解消に向けて努力するという、その翌日、大臣が突如として英語の民間試験導入に関する抜本的見直しについてというコメントをされたことを思い出しましたので、ひょっとすると、あすの朝ぐらいにまた見直しというような会見があるんじゃないかと大いに期待をしながら、質問をさせていただきたいと思います。

 そのときの話に戻るんですけれども、十月三十一日の委員会で、さまざま問題点が野党の各委員から指摘をされ、なお、あくまでも予定を変更することはないと十月三十一日の時点では大臣はおっしゃっていたわけですけれども、その翌日、今申し上げたように、さっきもお話がありましたが、自信を持って受験生の皆様にお勧めできるシステムになっていないという説明がありました。その十月三十一日の翌朝の話だったと思います。

 朝令暮改という言葉はありますけれども、暮改朝令というんですかね、暮令朝改というんでしょうか、何か突如として変わったんですけれども、大臣、これはいつ気が変わったんでしょうか。少なくとも前日までは、大臣の頭の中ではお勧めのシステムだったというふうに思うんですけれども、何か、夜、枕元にどなたかあらわれたとか、そういうことなんでしょうか。ちょっとその辺をお聞かせいただきたいと思います。

萩生田国務大臣 まず、牧先生、ちょっと記憶違いだと思うんですけれども、十月三十一日じゃなくて、委員会があったのは十月三十日でございまして、その間に一日ございました。

 各大学の入学者選抜における英語四技能評価の活用を支援することを目的とする大学入試英語成績提供システムについて、文部科学省が民間試験団体の取組を十分に指導監督することができないような、制度設計となっておらず、かつ、連携、調整が十分でなかったことから、各大学の活用内容、民間試験の詳細事項等の情報提供不足などが準備のおくれにつながることとなりました。

 また、十一月の時点に至っても、経済的な状況や居住している地域にかかわらず、ひとしく安心して試験を受けられるような配慮が十分なものになっていないなど、文部科学大臣として自信と責任を持って受験生の皆様にお勧めできるシステムになっているとは言えないと判断し、来年度からの導入見送りを決断したところです。

 大学入試において、英語四技能を適切に評価することの重要性に変わりはないことから、どのような評価にしていくのか、できるだけ公平でアクセスしやすい仕組みとはどのようなものなのかといった点について、検討会議を設けて、今後一年を目途に検討し、結論を出したいと考えています。

 御指摘のように、基本的には予定どおり進めさせていただきますと申し上げながら、さまざまな課題については率直に耳を傾けて、与党、野党問わず先生方の質問に耳を傾け、自分なりに努力もし、自分なりに逡巡もしながら、制度の限界というものを感じたのは十月の三十一日でございます。

牧委員 それで、その制度の限界が、その問題が解消されるかどうかということが私は問題だというふうに思います。これから一年をめどに見直しということですけれども、今大臣が挙げられた問題点、列挙された問題点のほかに、まださまざま問題点があろうかと思います。

 ここで一つ一つ聞いていくと時間かかりますので、私の方で整理した部分、今の大臣の答弁と重なると思うんですけれども、まず、地理的な条件、アクセスがきちっとできるかどうか、ひとしく。それからもう一つは、受験生の家庭の経済的な事情によって、受験料を払えば何度でも受験できる、練習ができるというのは不公平じゃないか、この辺はなかなか私は解消できない問題だというふうに思います。それから、種類が異なる試験の成績を、どうやって同列に並べて比較できるのかということ。また、仕組みが複雑で、大学ごとに成績の利用法が異なったり、その辺がきちっと受験生に周知徹底ができるのか。また、採点の質や公平性が担保できるのか。

 こういったことがきちっと担保できるということをしっかりとしていただくのが、なるべく、もう、すぐに大臣、着手するとおっしゃっておりますけれども、今、例えば高校一年生の方あるいは中学三年生、もう、その辺のところは多分かなり注視しているというふうに思いますので、そこをきちっと早目に結論を出していただく。できればこの民間試験というのは一旦中止をしていただくというふうに、するんであれば、この間みたいにぎりぎりじゃなくて、早く決断をしていただけますようにお願いをしたいと思いますので、これは、一旦中止するということも視野に入っているのかどうか、その辺もちょっと確認をさせていただきたいと思います。

萩生田国務大臣 今までもお答えをしてきましたけれども、どういう過程でこういうシステムにたどり着いたのか、また、どの時点でどういう、言うならば判断の間違いがあったのか、また、民間の皆さんに御協力をお願いしたわけですけれども、言うならば契約行為というよりは協定という形の中で、既存の、民間の皆さんが行っている試験を、そのまま、ある意味軒先をお借りするような形で入試に活用するという判断の中に、やはり制度上の大きな問題が私はあったと思っております。

 ですから、先生方からも御指摘がありますように、例えば、今までその積み上げとなった会議の中のやりとり、突然、私が大臣になって問題を意識したわけじゃなくて、きっと、かねてからこういうことは問題じゃないかということは指摘した人が大勢いらっしゃるんだと思います。しかし、それがなぜ改善されないまま前に進んだのか、こういうことを乗り越えていかないと、きちんとした制度にすることはできないと思います。

 あらかじめ中止をするとか、あらかじめ民間企業を使わないとか、あらかじめ民間企業を引き続き使うとか、こういうことを、予断を持って制度をつくっていくつもりはありませんので、しっかり検証して、検討して、そして、よりよい入試制度、公平で公正で受験生の皆さんが受けやすい、そういうものにきちんとつくり直していくために努力をしてまいりたいと思います。

牧委員 今、いみじくも大臣が、これまでのさまざまな議論の経過について、よく知らない部分もある、そこら辺をきちっともう一度レビューしてというお話をされたわけですよね。

 だからこそ我々は、まずこの場における議論の前提として、これまで共通テストを議論してきた検討・準備グループですとか、英語四技能評価ワーキンググループ、この議事録を、これはすぐにでも私は出せると思うんですよね。これはなぜ出さないのか。これを出していただいた上で、じゃ、今大臣がおっしゃるように、これは私、今、中止ということをあらかじめ言えとか言っているわけじゃないんですよ、そういうことも視野にあるのかどうかということをただ聞いただけで、それもこれもそういった判断も、こういった議事録が出てこないと何も議論できないじゃないですか。

 これは、すぐにでも私は出せると思うんですけれども、いつ出てくるんでしょうか。国会終わっちゃいますよ、もうすぐ。

萩生田国務大臣 時間稼ぎをしているつもりも毛頭ありません。既に指示をして、出席者の皆さんとの接触を図っていただいております。

 本検討・準備グループ等の議事概要については、もともと非公表を前提として文部科学省の判断で作成したものであり、委員の皆さんへの確認を行っておりませんでした。議事概要を公開する上では、委員が意図したとおりの正確な発言内容になっているのかも含めて、委員に御確認いただき、御了解をとっていく必要があります。しかしながら、委員はそれぞれ御多忙な方々もいらっしゃるので、御了解をいただくには一定の時間は必要だと思います。

 検討会議の第一回を年内にはスタートしたいと思っておりますので、それまでにはその準備を終わらせなくてはならないと思っておりますので、現在、委員の皆さんの御了解を得る作業を鋭意進めているところでありますので、整い次第、委員会の方にも御提示したいと思います。

牧委員 整い次第、一刻も早く出していただきたいということをお願いと、それと、大臣は、おおよそ、そのときのあらましというものは当然御存じの上でこの議論に立っているものだと思いますので、あえていろいろ聞かせていただきたいというふうに思います。

 多分、いろいろな検討会議の中で、民間のノウハウを生かすというような発言はあったと思います。ただ、民間の試験をそのまま使うということと民間のノウハウを生かすということは、これはまた違うわけですよね。いつの間にか、民間のノウハウを生かすという話が民間の試験を利用するという話に私はすりかわったんだと思います。そのすりかわったところがどの辺なのかということも、恐らく大臣は御存じだと思います。

 いずれにしても、一刻も早く議事録の提出をお願いいたしたいと思います。

 まだ、そういった議事録も何も出てきておりませんので、議論の前提がないといえばないんですけれども、ちょっと、私なりに、大臣の持論で結構ですから、お聞かせいただきたい数点の質問がございます。

 まず、四技能、四技能というんですけれども、そもそも、どんな目的で英語四技能を習得する必要があるのか。

 私たち日本人にとって英語というのはセカンドランゲージだと思うんですけれども、これをバランスよく全てネーティブスピーカーみたいに話ができるところまで、本当に私たちは求められているのか。あるいは、大学へ進んでから、例えば論文を書くために英語を習得しなきゃいけない人やら、あるいは、会社で営業して、海外を飛び回って日本の製品を売るために英語を覚える人もいるでしょうし、それぞれ全然目的が違うと思うんですよね。

 それを、何か一律、英語四技能、四技能と一くくりにしますけれども、そもそも四技能を習得する必要性について、大臣、どんな認識を持っているんでしょうか。

萩生田国務大臣 グローバル化が急速に進展する社会で活躍できる人材に求められている資質としては、豊かな語学力やコミュニケーション能力、主体性、積極性、異文化理解の精神等を有していることがあると考えております。

 このため、これまでのように一部の業種や職種の人だけでなく、誰しも生涯にわたりさまざまな場面で必要とされると考えているコミュニケーション能力は、英語の四技能を使って、しっかりとはかって、育てていくことが課題だというふうに思っております。

 そのために必要な英語のコミュニケーション能力については、現行の高等学校学習指導要領においても、読む、聞く、話す、書くの四技能を総合的に育成する指導を充実することとされており、多様な人々と互いの考えや情報を主体的に伝え合うためには、四技能を総合的に身につけることが重要である、こう考えております。

牧委員 ちょっと私の質問に的確に答えていただいたとは思いませんけれども。

 もう一つ。今、グローバル化とかグローバル人材とかというワードが頻繁に出てくるんですけれども、グローバル人材とは一体どんな人材なんでしょうか。

萩生田国務大臣 グローバル人材の定義というのは特別定めておりませんけれども、先ほど申し上げたように、日本人が日本語だけで仕事をし続けるという環境でなくなってきていると思います。公用語である英語を通じて国際社会の人たち、ビジネスの上でも、あるいはさまざまな場面でコミュニケーション能力をしっかりと備えるということが、今後のグローバル人材なのではないか。そのときには、当然のことながら、日本のこともきちんと説明でき、日本語で正しく説明する力というのも求められると思います。

牧委員 少々意地悪な質問だったかもしれませんけれども。

 またちょっと前の話を蒸し返して大変恐縮なんですけれども、大臣が例の身の丈発言をしたときに、あいつ予備校通っていてずるいよねと同じというような表現をされました。大臣の考え方が、この程度の不公平というのは許容範囲というように我々はちょっと捉えたわけですけれども、例えば、さっきおっしゃったようなグローバル人材を育てる必要性があるというふうに思われるのであれば、高校の教育課程の中で、予備校なんか行かなくたって十分それが、大学が求める、あるいは日本の国が求める生徒をきちっと高校の教育システムの中で育成できるシステムづくりを目指すべきじゃないかというふうに私は思うんですね。

 それを、文科省が民間の会社に試験も丸投げしてしまうというのは、まさに私、文科省が自己否定というか、存在を自己否定しているようなことにほかならないというふうに思うんですけれども、大臣はいかがお考えでしょうか。

萩生田国務大臣 番組の中での発言を、たらたらと言いわけをするのはここは避けたいと思うんですけれども。

 おっしゃるように、高等教育に限らず、例えば小中学校においても、せっかく日本の公教育、すばらしいものがありますから、この授業をしっかり学んでいただければ、一定の習熟度をもってきちんとした学力が身につくというのが一番望ましいところだと思います。そうすれば、外でお金がかからないという世の中をつくることもできると思いますので、それはもちろん、引き続き努力をしていきたいと思っています。

 今回の、英語の試験の、民間を活用というのは、これは、丸投げをしたわけじゃなくて、システム上、センターで五十万人のスピーキングの試験の採点をすることが技術的に不可能だという中で、いろいろな選択肢をいろいろ考えたんでしょうけれども、その中の一つとして、既にある民間のこういったシステムを利用しようという発想に至ったんだと思うので、決して責任を放棄して民間に丸投げをしたというプロセスではないと私は信じております。

牧委員 そのように信じたいと思いますが、どうも、教育まで何か新自由主義化の傾向に傾いていくような気がしてどうしてもならないものですから、私はその辺のところは警鐘を鳴らしてまいりたいというふうに思います。

 さて、共通テストへの懸念というのは、今の英語の民間試験だけじゃなくて、先ほど来話題になっております国語、数学の記述式問題でも広がっているところであります。

 これまでも、適正な採点が担保されるか否か、受験生の自己採点が困難じゃないか、事実上不可能じゃないかということやら、あるいは採点業者と教材会社、予備校などとの利益相反、それから問題の漏えいが心配されないか、さまざま問題点があるわけでございます。

 前にも当委員会で、たしか城井さんが指摘をしたと思うんですけれども、この採点業務を落札したベネッセですね、採点業務を落札したのは厳密には子会社の学力評価研究機構ですけれども、このベネッセについては、過去にもやはり関連会社による個人情報流出事件もあったことは既に指摘をされております。三千五百四万件ですね。

 これは、被害者の一部による損害賠償請求に対して一人三千三百円の判決というのが出ているんですけれども、ベネッセの責任は裁判所は認めず、ベネッセは先回りして一人五百円のおわびを払うということで、計二百億円の特別損失を計上したわけです。このとき、もしクラスアクションみたいな、この三千五百万件そのものに全て三千三百円の判決どおりの賠償責任ということになると、ベネッセはそのときもう倒産していたんじゃないかなと私は思うんですけれども、それぐらいの危機的な状況に、これが露見したのが二〇一四年ですかね、平成二十六年であります。

 このときの事件というのは記憶に新しいんですけれども、そもそも、そういう会社の信頼性に疑問がないと言い切れるのかどうなのか。そして、私は疑問があると思うんですけれども、そのベネッセが、同じ平成二十六年、二〇一四年から全国学力・学習状況調査の実施を受注している、それから五年間、小中ともにです。厳密に言うと平成三十年の小学校はベネッセの子会社ですけれども、いずれにしても全部ベネッセです。

 これは、そういう問題のある会社になぜ文科省が全国学力調査を発注したのか、ちょっとそのときのいきさつを、どなたかわかる方、教えていただければと思います。

浅田政府参考人 全国学力・学習状況調査につきましては、株式会社ベネッセコーポレーションの業務委託先の社員による個人情報漏えい事案が判明した平成二十六年七月以降、平成二十七年度から三十年度までの間に、毎年度、競争入札により、本調査実施事業を株式会社ベネッセコーポレーションに委託しておりました。

 この落札者の決定は総合評価落札方式で行い、入札価格とともに、競争参加者が提出する技術等に関する提案書に基づいて、有識者による技術審査を行い、総合的に評価した上で決定をしております。技術審査における評価基準には、機密保持や個人情報の取扱いの遵守を図るために必要な措置や、想定されるリスクを最小化する方策といったセキュリティー確保策が含まれております。

 株式会社ベネッセコーポレーションの提案につきましては、セキュリティー確保のために必要な方策を講じることが具体的に説明されていると審査委員会で評価されており、適正な手続により選定されていると考えております。

牧委員 適正な手続というお話ですけれども、多分、これだけの規模のものを引き受けるだけの能力というか力を持っているところがほかになかったということも同時に言えるのかなと思いますけれども、そういう発注先がなければこんなものはやらなきゃいいわけで、そういう懸念のあるところにそういう事業を、民間に投げるということそのものに私は疑問を持っていることだけは、改めて申し上げておきたいというふうに思います。

 このベネッセについては、例えば秘密保持ですとかそういったことについては、あるいは採点の客観的な正当性が担保できる、百歩譲ってそういうことがあったとしても、このベネッセという会社と採点業務との利益相反については、私は、最終最後まで否定できない部分があるんじゃないかなというふうに思います。

 この株式会社学力評価研究機構というのは、登記簿謄本を見ると、代表者が山中奈美子さんとなっていますけれども、これはベネッセコーポレーションの商品企画開発本部、これはベネッセコーポレーションのいろんな、ビューズレポートですとか、こういった発行しているものを見ると、そこに出てこられる服部奈美子さん、ちょっと名前が違って、これはどうして違うのかというと、ひょっとして個人的なプライバシーの問題に触れるかもしれませんのでなぜ違うかということは申し上げませんが、この服部奈美子さんという人はベネッセコーポレーションの商品企画開発本部本部長ということが、ベネッセが出しているもので出てきます。この人が、この学力評価研究機構のホームページ上でも服部奈美子さんとなっていますから、これはもうベネッセそのものが認めているものになっている。謄本とはちょっと違うんですけれども、明らかにこれは同一人物だというふうに思います。

 この商品企画開発本部本部長という人が採点をする会社の代表取締役ということになって、ベネッセそのものは、やはり例えば今受験生はもう興味は当然あるわけで、ネットで調べれば、大学入学共通テスト記述式対策ですとかあるいはトライアル模試だとか、こういう商品を販売していくわけですよね。まさにこの販売するところの総元締めみたいな方が採点の代表取締役ということは、もう明らかにこれは利益相反じゃないでしょうか。

 これは何でそう思ったかというと、ベネッセが落札したときの、これを見ると、落札価格が六十一億ですか、六十一億で、これは四年間ですね、六十一億。一万人ぐらいの採点者、この一万人が二十日間で採点すると、一万掛ける二十日間、一日八時間やったとして、それから時給がざっくり千円として、掛ける四年で六十四億ぐらいになるんですね。ということは、これは採算が合わないんですよ。合わないということは、どこか別のところでその穴埋めをしないと、落札した意味がないんですね、ベネッセとしては。

 これはどこでとるかというと、やはりいろんなところでちゃんと、もとはとれるように多分していると思います。

 東京個別指導学院ですとかお茶の水ゼミナールだとか、いろいろ教材もつくっています。ベネッセが独占的に採点をやっているということになると、受験生はどうしたって、これはベネッセのものを使うようになりますよ。これは絶対にそのもとをとるような仕組みだというふうに思うんですね。

 私、最近の受験事情というのは余り詳しくないんですが、最近の受験生とか親御さんのお話を聞くと、さっき申し上げた東京個別指導学院とか、今何か、個別指導というのがはやっているんですね。昔は本当に裕福な家庭の子しか家庭教師に見てもらえなかったんですが、今、個別指導というのは非常に主流になっているらしいですね。この個別指導で教える講師というのがいわゆる有名大学の学生だったりするわけで、そういう人たちが採点者になるんじゃないんですか。まさにこれもあわせて利益相反だと思うんですね。個別指導を受けた方がより有利だと。大臣、いかがですか。

萩生田国務大臣 さまざまな契約の事項の中で、そういった利益相反を誤解されるようなことがないようなことをセンターと企業の間で締結をしていると承知しております。

 今具体的な例をいろいろお示しいただきましたので、世の中の皆さんからそういう誤解を受けないような仕組みづくりというものは当然必要だと思います。

牧委員 これはまだ、私、この質問をすることが決まって、いろいろちょこちょこ調べているだけでもこれだけ出てくるわけですから。これはまさに、例えば、個別指導というと一対一ですよね。教室で今度こういう試験出ますよなんて言ったらすぐに大問題になりますけれども、一対一の個別指導で、あなただけ特別に教えますなんていうことが絶対ないなんということは言えないわけですよね。やはり、ここまできちっと担保できないものは私はやめるべきだというふうに思います。

 そして、時間もないのでもう一個だけ、せっかく資料もお配りしたのであれしますけれども、実際に、この記述式試験の導入に伴って、高校における授業の質、教育現場への影響というのも私はあるんじゃないかなというふうに思います。

 二〇二二年の新指導要領で国語の科目編成が変わりますけれども、多分、いろいろな有識者のお話を聞いていると、その中で、現代の国語、言語文化という二科目が必修で、そのほかは高校の判断だと、選択は。例えば、文学国語といったような科目はもう入試になじまなくなっちゃう、記述式の入試には。

 もう行間を読むとかそういう世界じゃなくて何か、資料をお配りしたのは、試行調査の二〇一八年の第一問の試験なんですけれども、高校の生徒会の部活動の規約が書いてあって、私、これが国語の試験かと目を疑ったんですけれども、何かもう一事が万事こういう無味乾燥なものになってしまうんじゃないかなというふうに私は思います。

 多分、この背景には、PISAの調査結果で読解力が低下しているとかそういうことを指摘されて、何か日本も世界からおくれないようにと、まさにグローバル化の中でこういう懸念をするんでしょうけれども、私はちょっとそれは違うんじゃないかなというふうに思います。

 令和というのは万葉集が出典とされていますけれども、日本では、古来、言葉には魂が宿っていると。行間を読むとか、言霊だとか、そういう言葉もあります。つまりは、日本語でしか表現できない心の機微だとか、物事の機微といったものがあるわけで、これは日本語以外のほかの言語にもそれぞれそういったものがあると思います。その言語じゃないとできない思考回路といったものも私はあるんじゃないかなというふうに思います。

 そういったものをやはり大事にすることこそが一番大事であって、そういうものはもう要らないんだというのであれば、もういっそ日本語を捨ててみんな英語にしたらいいじゃないですかと言ってもいいぐらいだというふうに思います。

 論理的な文章は読めるけれども空気が読めない、そういう若者が町にあふれ返るようだったら、私はもう日本にいたくないと思いますし、そういったことについて、大臣、最後にどう思われるか、保守系の大臣に日本の言葉の文化をどう守っていただくか問いかけて、私の質問を終えたいと思います。

萩生田国務大臣 先生の問題意識、極めて大切だと思います。

 受験が学校の教育現場に与える影響力の大きさというのは当然あるわけですから、今のような論理でいけば、論理国語に履修がどんどん集中して、例えば、いわゆる文学ですとか小説ですとか、こういったものを非常に軽視する世の中ができてしまうんじゃないかという問題は、しっかり踏まえて進まなきゃいけないと思っています。

 ただ、言語文化に加えて、選択科目の文学国語と古典探究の教材として取り上げることもきちんと示しておりますし、それぞれ専門の先生が高等学校にいらっしゃるわけですから、指導要領が変わって直ちにそういった先生方の授業がなくなるということではないと思いますので、少なくとも先生の問題意識が、そういう方向にぐっと寄っていかないように、日本語の大切さというものもしっかり踏まえて、教育現場で徹底をしていきたいなと思います。

牧委員 ありがとうございました。大臣の枕元にまた誰かあらわれることを御祈念申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

橘委員長 次に、城井崇君。

城井委員 国民民主党の城井崇です。

 きょうも大臣に集中して御質問をというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 まず、英語民間試験について、確認をせねばならぬニュースが昨晩飛び込んでまいりましたので、大臣に確認をさせてください。

 二〇一九年十一月十九日十九時のNHKニュースで報じられた、英語民間試験、下村氏、東大に活用するよう指導を、党内会議でについてであります。事実関係の確認を、まず大臣に認識を問いたいと思います。

 こういう発言でした。やらないですよ、東大はそもそも、東大はこれはやっぱり問題だと思いますよ、文部科学省はよく東大に指導していただきたい、やるということは、やるということを前提にぜひ指導していただきたい、この発言の録音音声が報じられました。

 大臣、この発言はございましたか、事実でしょうか。認識をお聞かせください。

萩生田国務大臣 御質問の下村議員の発言については、正式な議事録を持ち合わせていないため、また、私もその会議に同席をしていないため、正確な発言について回答することは困難ですが、今御披露いただいたように、昨日の報道で承知をしております。

城井委員 その場に文部科学省の官僚は同席をしていたはずで、このよく指導していただきたいという発言を聞いたというのは間違いないでしょうか。

萩生田国務大臣 正式な議事録もございませんし、私もその会議に同席していませんので、文科省の誰がそこに同席していたかは承知をしておりません。

城井委員 自民党内の会議でありますし、参加者の記録も含めて文部科学省にあるはずですが、そのあたり確認をいただけますか、大臣。

萩生田国務大臣 確認してお答えします。

城井委員 委員会に御報告をしていただきたいと思います。

 報道で知ったということでございましたが、この発言、録音音声でありまして、発言があったことは事実であります。この発言は極めて問題だということを大臣にぜひ御認識いただきたい、対応をお願いしたいというふうに思います。

 なぜか。それは、大学入試の方法や内容は、憲法二十三条が保障する学問の自由に基づいて、大学の権限で決めることになっているからであります。今回のこの発言は、憲法二十三条に抵触しているおそれが大きいと考えます。与党の会議で、強い影響力を持つ文部科学大臣経験者が、文部科学省の担当者を集めて事実上の指示をしており、大学に対する介入と受け取れる、一線を越えた発言であります。

 大臣、東京大学に対して英語民間試験を強要したことは、更に言えば、教育基本法が禁じている教育への不当な支配に当たります。教育への不当介入であります。この二年の間も、この文部科学委員会において、教育現場への不当な介入の問題については、愛知県の中学校であったり北海道の高校であったり、そこは厳に慎むべきだということを一つ一つ確認しながら進んできたというとても大事な内容であります。

 今回のこの大学入試への不当介入は極めて問題だ。憲法違反に大きく当たる可能性がありますし、教育基本法の禁じている教育への不当な支配に当たるというふうに考えております。

 大臣は、こうした個別大学を名指しした教育現場への不当介入を許すのでしょうか。お答えください。

萩生田国務大臣 文部科学省では、東京大学のみならず、全ての大学に対して、この自民党の会議より前から、大学入学者選抜実施要項により、英語四技能をはかることのできる資格検定試験等の結果の活用を促してきたところであり、昨年四月の自民党の会議における議員の発言を受けて活用を働きかけたということではありません。

 今先生御指摘がありましたように、確かに文部科学大臣経験者ではありますけれども、党内のさまざまな会議で自由闊達な意見を申し上げることは、私はそれぞれ保障されるべきだと思います。

 他方、大学に対して直接やはり物を言うということになれば、これは少し考えなきゃならないと思いますけれども、直ちに憲法二十三条を超越しているという指摘には当たらないのではないかと思います。

城井委員 では伺いますが、関連して、週刊新潮二〇一九年十一月十四日号に掲載をされました、下村氏が東京大学に圧力をかけたという話の事実認識についてはいかがでしょうか。五神東大総長を呼びつけたということはあったのかなかったのか。大学に何らかの圧力をかけたということが一切ないと言えるのか。あれば、これも憲法の保障する学問の自由の侵害に当たる可能性が極めて高い、そして、教育への不当介入にも当たるというふうに考えます。

 大臣、この点はいかがでしょうか。

萩生田国務大臣 御質問の、下村議員が東京大学と自民党本部で面会した件についての事実関係については、文部科学省としては承知をしておりません。

 また、東京大学に問い合わせたところ、御質問の週刊誌で指摘されているような事実はなく、文部科学省や政治家からの指導などはなかったと聞いております。

城井委員 そもそも、英語民間試験を使うか否かは各大学の判断に任されているというのがルールであります。

 大臣、先ほどのNHKニュースでの報道内容部分の文部科学省内での調査も含め、そして、先ほど私が指摘申し上げた部分も含めて、改めてきちんと調べた上で、当委員会に大臣から御報告いただきたいと思いますが、お願いできますでしょうか。

萩生田国務大臣 文部科学省とかかわりのある部分については、お調べして報告します。

城井委員 憲法二十三条が保障する学問の自由に抵触するおそれがあるということ、そして、教育基本法が禁じている教育への不当な支配に当たる可能性があるということ、この二つをもって十二分に、文部科学省として、文部科学大臣としてこの点はきっちり調べて、私どもに報告していただくべきだというふうに考えます。

 大臣、やっていただけますね。

萩生田国務大臣 報告させていただきます。

城井委員 それでは、本日議題の高大接続改革にかかわる質問をというふうに思います。

 今回の質問に当たりまして、大臣に質問通告をたくさん申し上げております。それは、記述式問題にかかわる問題点がとてもたくさんあることを改めて認識いただきたいからであります。

 採点体制や実施体制、そして国語や数学の出題、採点の質、加えて制度設計などを中心にして、私からは、十五項目の問題点について具体的に裏づけをもってお示しをして、ここを解決しなければとても記述式問題は実際の公的入試で使えるものではないという意味で申し上げております。

 きょうも同僚議員からも多くの指摘があったところでありますけれども、きょうはその中から、私からは、先ほど牧委員からも少しございましたが、今回の採点請負業者を含めた部分での利益相反のところについてお聞きをしてまいりたいというふうに思います。

 これまでにも、採点部門と、そして模擬試験や参考書をつくったり対策講座を設けたり、そういうふうなことをやっている部門が同じ会社の中にあるというので、やれるのか、採点をするところとそして対策をやるところが同じでいいのかという議論がありました。いわゆる利益相反であります。ただ、これを分離するというふうな話になっているわけですが、これは徹底できないというふうに考えています。

 先ほど、牧委員からの質疑でもございました。親会社のベネッセコーポレーションと学力評価研究機構の併任がされている、両方の会社に籍があって、そして大切な役員の役割を担っているということになっているわけであります。

 こんな一体的な運営のところが、どこが採点とそしてそんな対策を売るところは別ですなんて言えるんでしょうか。人が分かれていないのに、その取組が分けられるわけがないというふうに考えるわけであります。

 大臣、お聞きします。

 これらの部門を、あの会社ではいわゆる併任を禁じていない、今回の仕組みの中でも、採点にかかわる請負業者とそしてその親会社などとの併任は禁じていないという認識でよろしいですね。

萩生田国務大臣 御指摘のような懸念が生じないよう、具体策については、現在、採点事業者において検討しているところと承知しておりますが、センターにおいて確認をさせたいと思います。

城井委員 今時点で確認できていないだけでも大きな問題かと思います。

 更に伺います。

 採点部門の経験者が人事異動でもしや参考書などの部門に移る、こうした、今申した、同じ人が併任でということではないけれども、経験者を含めて人の出入りが人事異動上あるということが想定されますが、これは防げますか。認識、いかがでしょうか。

萩生田国務大臣 御指摘のような懸念が生じないよう、具体策について、現在、採点事業者において検討しているところと承知していますが、念のため、センターにおいても確認をさせたいと思います。

城井委員 民間事業者の人事異動まで国が縛れるとはとても思えないわけでありますが。

 今回の請負業者と大学入試センター並びに文部科学省ということになりますが、この関係、特に大学入試センターと請負業者の間で結ばれた業務請負契約を一つ一つ丹念に追っていきますと、これは見逃せないという大きな問題点がたくさんあります。

 まず一つ、御指摘を申し上げたいと思います。

 業務請負契約の第十六条にこのようにあります。乙というのは請負業者ですが、の作成物の著作権及びそのほか一切の知的財産権は、乙、つまり請負業者に留保されるとあります。つくったものは全部請負業者の権利、こういう話であります。

 万が一この仕組みが続いたら、運営ノウハウはこの請負業者にしか残りません。大学入試センターには残らないわけであります。だって、権利がありませんから。こうなれば、今回のことが進んで、例えば六年後以降も同じ事業者しかこの採点業務にかかわれないということになってしまいます。

 これまでにも、民間委託をするときに問題になった例は、ほかの分野でもあります。例えば、水道事業の民営化なんかのときもそうでした。自治体が民間事業者に水道事業をお預けしたときに何が問題になるかといえば、それまでは自治体が水道事業をみずから運営して、その収支を含めたノウハウを蓄積したけれども、民間企業に渡した瞬間に、そのことが自治体からはノウハウごと失われてしまう、こういう心配があったわけであります。

 こうしたことが、今回の、この第十六条にある著作権及び知的財産権の部分。入試センターに残るのは、何と採点結果の権利だけです。つまり、運営ノウハウ部分は、入試センターには権利は残らないのであります。

 大臣、これは本当に大きな問題です。このまま進むんでしょうか、大臣。見解をお聞かせください。

萩生田国務大臣 大学入学共通テストの記述式問題及び採点基準は、大学入試センターが作成することとしております。また、業務請負契約第十六条では、一切の著作権やその他の知的財産権が採択事業者に留保されるわけではなく、大学入試センターと採点事業者が、書面による合意がなされることによってその帰属を定めることができるとされております。

 なお、大規模な採点事業を実施する民間事業者はほかにもあり、当該業務への参入は、これは。失礼しました。

 話合いによってその帰属を定めることができるとされておりますので、今のような御指摘は当たらないと思います。

城井委員 基本的には請負業者に留保されるんですよね。そのことを確認しているんです。

萩生田国務大臣 業務請負契約第十六条では、別途、大学入試センターと採点事業者の間に書面による合意がない限り、採点事業者に留保されると書いてありますので、合意がない限り、採点事業者に留保されますから、当然のことながら、必要な帰属については話合いができるという担保がとれると思います。

城井委員 では、請負業者に残って入試センターには来ないというものは、例えばどんなところでしょうか。今の話だと全く理解できないんですが。そもそも入試センターに留保すべき部分ではありませんか。

萩生田国務大臣 どういったものをセンターの方できちんと管理するべきか、今後検討してまいりたいと思います。

城井委員 であるならば、そのように最初から、まず一義的に大学入試センターが留保するというふうに書くべきではありませんか。なぜそうなっていないんですか、大臣。

萩生田国務大臣 よく確認してみます。

城井委員 この業務請負契約書は、今申した一点だけでもかなり業者寄りです。

 もう一点、御指摘を申し上げたいと思います。

 業務請負契約の第六条に、乙、つまり請負業者は、本業務を受託する事実を利用して取引を誘引することにより、本業務の中立性及び信頼性を損なってはならないとあります。ただ、にもかかわらずなんですが、先ほどの、役員も兼任だということで、ほぼ一体の親会社、ベネッセがどんなサービスを今提供しているか。名づけて、自己採点力育成サービスの展開をしているということであります。

 採点請負業者が自己採点力向上をうたうサービスを売る、これは契約違反の営業活動じゃないですか。露骨な利益相反ですよ。大臣、こんなことを許していいんですか。お答えください。

萩生田国務大臣 お尋ねの自己採点育成サービスというシステムは、ベネッセコーポレーションが同社のこれまでの模擬試験の知見を使い、同模試の自己採点法を伝えるサイトを提供しているものだと承知しております。

 また、採点事業者は、大学入試センターとの契約において採点業務を遂行しますが、それに伴いセンターから得た一切の情報について、目的外で使用できないこととされています。このため、大学入学共通テストの公平性を損なうとは考えていません。

城井委員 いやいや、大臣、既にそうした、採点を請け負うことがわかっているところが自己採点力の育成サービスみたいなサービスを出していたら、受験生はどう受けとめますか。そういうことがないようにということで、この取引を誘引する云々という項目が一項目入っているはずなんですよ。これに目をつぶったら、何をやったって叱られませんよ、大臣。

 もう一個、御指摘申し上げます。利益相反はまだあるんです、ほかにも。平成二十九年にベネッセコーポレーションが首都圏の高校向けに行った研究会の資料、ここにあります、この研究会の資料の記載に利益相反が見られます。

 この資料の百二ページの上段に、大学入試センター試験記述式採点アドバイザリー業務受託とうたっています。プレテストの作成や採点アドバイザリー業務を受託したことを紹介しています。現場や受験生から見たら、ああ、なるほど、あの会社がつくった模試が有利なんだなというふうに思うわけであります。

 業務を受託する事実を利用して取引を誘引することにより、本業務の中立性及び信頼性を損なっております、大臣。いかがでしょうか。

萩生田国務大臣 事務方を通じて本件についてベネッセコーポレーションに確認をとらせたところ、御指摘のような資料が配付されていたことは事実であることが確認できました。

 学校現場に対してこのような資料を配付することは、記述式問題の採点業務の中立性及び信頼性に疑念を招くものであり、厳重に抗議し、是正を促していきたいと考えております。

城井委員 抗議は当然でありますが、契約違反であります。この点を強く申し上げたいと思います。

 こう書いているんです、そもそも。アドバイザリー業務の主な内容ということで、四角囲みでやっているところがこうです。記述式試作問題及び採点基準の作成に関すること、モニター調査の採点業務に関することをさわっています、扱っていますということをわざわざ強調しているんです。ふざけるんじゃないと言いたいと思います。どこがルールを守っているということになっているのか。

 厳重な抗議じゃ済みませんよ、大臣。契約違反です。この契約違反について、抗議では済まないということ、きちんと取り扱っていただけますね。

萩生田国務大臣 本日、先生の通告を機に事実確認ができましたから、きちんとした対応をしてまいりたいと思います。

城井委員 今申した、取引を誘引するために受託する事実をというお話でありましたが、ここはなかなか根が深いというふうに、大臣、思っております。

 この採点請負業者との関係の部分で一つ一つたどっていきますと、見逃せない事実が浮かび上がってまいります。

 きょう、通告の中で、平成二十九年プレテスト、国語及び数学等の問題作成及び採点基準に関するアドバイザリー業務についてということで、この落札をしたところがどこかという問いを立てておりますが、大臣、そこをまずお答えいただけますか。

橘委員長 よろしいでしょうか。(城井委員「時間をとめてください。ゆっくりでいいですから。時計をとめてください、委員長」と呼ぶ)

 ちょっととめてあげてください。

    〔速記中止〕

橘委員長 速記を起こしてください。

 萩生田大臣。

萩生田国務大臣 失礼しました。

 当該アドバイザリー業務は、大学入学共通テストにおける記述式試験の実施に向けて、大学入試センターが作成するプレテスト用の記述式問題や採点基準の作成について民間事業者等のノウハウを活用するためのものだったと承知しています。この時点でセンターに記述式問題の作問のノウハウがなかったので、民間事業者の有識者から助言を得ていたものと承知しています。

 応札した業者の数は三社であったと承知をしておりますが、落札者は株式会社教育測定研究所及び株式会社ベネッセコーポレーションであったと承知しています。

城井委員 今大臣からのお答えにも、作問に関するノウハウがなかったからというお答えがありました。つまり、このアドバイザリー業務にかかわった今の教育測定研究所さんとベネッセさんについては、当然、作問についても民間事業者が関与したということでよろしいですね。

萩生田国務大臣 問題作成は、センターから委嘱された委員の最終的な判断のもとで行われたと承知をしております。

城井委員 私が聞いておりますのは、今申したアドバイザリー業務にかかわる二社が作問にかかわったか、つまり、問題作成や採点基準作成に具体的な提案をして、採用された部分があるかないかということを聞いているんです。大臣、もう一回お答えください。

萩生田国務大臣 恐縮ですが、具体にちょっとわかりませんので、確認をさせてください。

城井委員 あるというふうに思いますので、確認をぜひお願いしたいと思います。

 続いて、平成二十九年度プレテストにおける実施補助業務、落札したのはどちらですか。

萩生田国務大臣 応札した業者の数は四社でありました。

 落札者は株式会社学力評価研究機構であったと承知をしております。

城井委員 学力評価研究機構、つまりベネッセの子会社であります。アドバイザリー業務はベネッセ、そして実施補助業務もベネッセの関連会社。

 続きまして、もう一点。

 平成二十九年度プレテストにおける国語及び数学の記述式問題採点関係業務について、落札者はどちらですか、大臣。

萩生田国務大臣 応札した業者は三社と承知しています。

 落札者は株式会社ベネッセコーポレーションと承知をしております。

城井委員 これもベネッセであります。

 今の部分で、じゃ、このベネッセコーポレーションは作問や採点基準の策定には関与しましたか。

萩生田国務大臣 これも同様なんですけれども、問題作成は、センターから委嘱された委員の最終的な判断のもとで行われたと承知をしております。

 大学入試センターは、受注者から記述式問題の採点という観点で助言を受けていますが、採点基準は、センターから委嘱された委員の最終的な判断のもとに策定されたものと承知をしております。

 アドバイザリー業務を落札したベネッセ及び教育測定研究所は、契約に基づき、記述式問題及び採点基準の作成支援及び助言を行ったと承知しています。しかしながら、問題作成及び採点基準の策定は、センターが委嘱した委員の最終的な判断のもとで行われたものと承知をしております。

城井委員 私が聞いておりますのは、そのベネッセなどの提案が採用された部分があるかというところを確認したいわけであります。大臣、もう一回お願いします。

萩生田国務大臣 詳細を確認して報告させてください。

城井委員 もう一点、平成三十年度プレテストにおける国語及び数学の記述式問題採点関係業務について、落札したのはどちらですか。

萩生田国務大臣 落札者は株式会社ベネッセコーポレーションと承知をしております。

城井委員 ベネッセということでした。

 そのベネッセは、採点基準の作成や作問に関与をしましたか。

萩生田国務大臣 問題作成は、センターから委嘱された委員の最終的な判断のもとで行われたと承知しています。

 採点基準の策定は、センターが委嘱した委員の最終的な判断のもとで行われたと承知をしております。

 問題作成は、センターから委嘱された委員の最終的な判断のもとで行われたと承知をしております。

城井委員 この業務の仕様書に、四ポツ、業務の概要の中の二、正答の条件等の作成支援という項目があり、ここに、可能な限り代替案、受注者と協議の上とあります。正答の条件等の作成支援にかかわるならば、ほぼ作問に関与したのと同じだというふうに考えます。

 大臣、この点いかがでしょうか。

萩生田国務大臣 確認してお答えしたいと思います。

城井委員 ここまで、いわゆるプレテストが二回あり、その試験をつくる業務、そこを補助する業務ということをいわゆる一般競争入札の形で進めてきたというのが国会に対する説明であったわけですが、じゃ、実際に作業に携わったのは誰ですか、落札者は誰かということを今ずっとたどってきました。全て、ベネッセかその関連会社が本体の作業にかかわっているということがこの場でも確認ができたと思います。

 つまり、これまでは、採点業務に民間企業がかかわるのはどうかということも一つ論点として申し上げてきたんですけれども、そもそもが、今回の本試験や追再試験の問題をつくるに当たって、そのベースとなる試行調査、プレテストをつくる段階から全部、ベネッセ、ベネッセ、ベネッセ、ベネッセなんです。つまり、もう既に下地が、特定の民間企業による下地のもとで作問をしたり採点基準をつくったりということですから、その作問したものや採点基準を、今度はその作問や採点基準にも関与した企業の子会社が採点業務に当たります、こういう話になっているわけであります。

 こういうのを世の中では何と呼ぶかといえば、利益相反というふうに呼ぶわけであります。採点の前に作問や採点基準のところに関与していて、そして、テストをしました、点数をつけますのところも同じ会社がやっているだと、これは文部科学省や大学入試センターは要らないんじゃないか、民間企業だけでやった方が中間経費がなくなるんじゃないかというふうに誤解されかねないぐらい、作問、採点基準、正答条件そして採点というところが一体で進んできたという事実をお示ししています。

 大臣、これは明らかな利益相反であります。お調べの上で、この利益相反が正されない限りは今回の試験はできない、記述式問題の導入はできないということを私は強く申し上げたいと思いますが、お答えいただけますか。

萩生田国務大臣 大学入学共通テストの本試験の問題作成については、これまでの試行調査の検証の結果も踏まえつつ、大学入試センターが委嘱した委員の責任のもと、大学入試センターにおいて実施するものです。

 しかしながら、今先生から御指摘が幾つかありまして、確認をしなきゃならない事態がありますので、しっかり確認の上、またお答えをさせていただきたいと思います。

城井委員 大臣は、きょうの答弁でくしくも、大学入試センターには作問のノウハウがないのでという趣旨の御発言をなさいました。つまり、この一連の落札者たるベネッセコーポレーションとその関連会社によるノウハウの提供が、本試験の作問や採点に至るまで脈々と受け継がれる形に結果としてなっているという、露骨な利益相反の状況だということが正されない限り、今回の記述問題導入については到底認めることはできない、中止すべきだということを申し上げまして、私の質疑を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

橘委員長 次に、川内博史君。

川内委員 大臣、よろしくお願いいたします。

 先日の予算委員会で安倍総理大臣が、この記述式問題の採点の難しさ等について、あるいは採点の質、あるいは自己採点のやりにくさ等について、自分は実務を全くわからないので、萩生田大臣に任せてあるんだという趣旨の御答弁をされました。

 この記述式の国語、数学の問題の難しさについて、きょう、午後三時間余り議論している中でも、もともと大臣は、受験生の皆さんに安心できるようにしていくということを累次にわたってお述べになられていらっしゃるわけですが、さらに一層、これはちょっと大変だなという思いを深めていらっしゃるのではないかというふうに思います。

 一点、下村先生のことについては、大臣の方で御確認いただいて、また委員会に御報告いただけるということでございますが、もう一つ報道で、東京大学の件に関しては、遠藤先生が、やはり東大の総長さんたちにお会いになられていらっしゃるわけですが、この件に関しても、冒頭ちょっと確認をさせていただこうと思うんです。

 遠藤利明先生と東大の総長との会合は、どちらがどういうふうに連絡をされてお会いになられたのか、文部科学省は同席していたのかということについて、わかる範囲で事務方から教えていただきたいと思います。

伯井政府参考人 お答えいたします。

 御質問のございました、東京大学五神総長が遠藤利明議員を訪問した件につきまして、本日、五神総長に確認をさせていただきました。その結果でございますが、昨年三月十五日の報道において、東京大学における英語民間試験の活用についての記事が掲載されたことを契機として、英語四技能評価の重要性等について意見交換をするため、東京大学の方からアポイントをとって、その年の四月中旬に訪問したという記憶があるということでございます。

川内委員 そのとき文科省の方は同席されたのかどうかも教えてもらえますか。

伯井政府参考人 五神総長によればでございますけれども、文科省からも、当時の高等教育局長が同席していたとのことでございます。

川内委員 当時の高等教育局長はそこにいるんですけれども、何か覚えていることはありますか。

義本参考人 本日は、大学入試センター理事として、きょうは参考人として招致いただいたと思っておりますので、本件についてのお答えは差し控えたいと思います。

川内委員 これは大学入試にも絡むことなんですけれども、東京大学の入試に関連することですから。だから、どっちの立場で答えてもいいですよ、大学入試センター理事として、過去、キャリアを積まれてきた中で高等教育局長もやられているわけですから。そのときに、どういうお話がその場であったのか。これは入試に絡むことですからね。

 英語四技能について意見交換するために遠藤先生に会ったよ、四月中旬だと。しかし、その後、東大は四技能に対する態度を変えるわけですからね。まあ、下村先生の場合もそうですけれども。

 その場でどういうお話があったのか、ちょっと、義本さん、教えてくださいよ。

義本参考人 川内先生の御指摘は、高等局長としての当時の行動についての話でございます。

 繰り返しになりますけれども、本日は、参考人として、大学入試センター理事としてお呼びいただいておりますので、本件についてのお答えは差し控えたいと思います。

川内委員 それでは、次回、金曜日の本委員会に、大学入試センター理事義本君を元高等教育局長として参考人招致を委員長に要求いたします。

橘委員長 後刻、理事会で協議いたします。

川内委員 それでは、大学入試共通テストについて聞かせていただきたいと思います。

 今、マークシート方式でセンター試験というのが三十年の歴史があるわけですよね、行われてきている。

 ここは入試センター理事としての義本さんに御答弁をいただきたいと思いますが、この三十年間のマークシート式のセンター試験で採点ミスというのはどのくらいあったのかということを教えてください。

義本参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、センター試験についてはマークシート方式という形で、受験生が塗り潰したものにつきましてOMRという機械で読み取りまして、それによって採点するというふうな仕組みでございますけれども、受験生のマークの塗り方が薄い等で読み取りが困難だったという事例はありますけれども、センター試験においてこれまで採点ミスが起こったということはございません。

川内委員 当たり前ですよね、委員長。入試で採点ミスなどというのは、一次選抜においてはあっちゃならないことですから。もう絶対に採点ミスがあってはならない。模擬試験じゃないわけですから、入試なんですから。

 さっき、きょうの議論を聞いていても、大臣、おかしいと思いませんでしたか、一点刻みをやめましょうみたいなね。これは誰が考えついた言葉か知りませんけれども、入学試験なんというのは、一点刻みで受験生というのはしのぎを削るわけですよね。段階評価にして五点刻みにしちゃったら、本当は入学できるはずが、五点差がついちゃって入学できませんでした、足切りされちゃいましたということになるわけで、ばかなことを言っているんじゃないよという話ですよ。一体誰が一点刻みをやめましょうなんて、その言葉を政府の正式文書に入れた人は、私ですと名乗り出てくださいという話です。冗談じゃない。

 一点刻みで人生をかけて勝負するというのが受験であって、そして、そこで絶対に採点ミスがあってはならないというのが受験じゃないですか。この三十年間、だから、センター試験は採点ミスはありません。しかし、今度の共通テストの記述式は、いや、なるべく採点ミスがないようにします、採点ミスがないように確率を上げていきますと、そもそも採点ミスがあることが前提なんですよ。そんな入試はあり得ないでしょう。ねえ、柴山さん。これは、受験生をばかにしちゃいけませんよという話です。

 大学入試センターの研究開発部というところが、平成二十八年三月に、大学入学希望者学力評価テストフィージビリティー検証事業総合報告書というものを出しています。

 この中で、センター試験の国語とか、あるいは数学について、センター試験ですよ、センター試験の国語、数学、マークシート式について総括しているんですね。

 単なる文学史的な知識を問う暗記問題は出題しない一方で、漢字や慣用表現、文法等の日本語に関する知識は問う、これは、知識の活用力の基礎となるのは言語の運用能力であり、表現の方法を学ばなければ表現力は生まれず、思考力も判断力も形をなさないからである、基本的な語彙の把握と文章の理解によって読解力をはかるとともに、内容を分析し、みずからの知識を拡充する思考力をはかることを目的に作問をしている。ちゃんと思考力や表現力をはかっているんですよ、マークシート式で。

 さらに、まとめとして、条件づけられた複数の選択肢の文意や差異を素材文と照合しながら正確に把握し選択する作業自体に、高度な思考、判断力が求められている。高度な思考、判断力が求められている、マークシートですよ。

 数学については、広く思考力、判断力、応用力を要求する問題になるように、その問題を変形していくことを常に意識して問題を作成している、つまり、型にはまらないように、わずかでも違いがある新傾向の問題をつくり続けることをしている。

 一生懸命、マークシート試験の中で判断力や表現力、思考力を問う問題をこの三十年間つくり続け、そして採点ミスはゼロであるというのがセンター試験の今までの実績である。そこに、記述式を持ち込みますと。

 先ほどから萩生田大臣は、いや、記述式にすれば思考力や判断力が子供たちにつくことが期待されていると考えていると。期待されていると考えていると、結局、断定できないんですよ。

 文部科学省に教えていただきたいんですけれども、記述式の試験を導入したら、ある集団で思考力、判断力、表現力が向上するという科学的なデータがあるんですか、あるいは論文があるんですか。

伯井政府参考人 お答えいたします。

 思考力そのものを比較したというわけではございませんが、同一又は同様の内容の問題について、記述式とマーク式という異なる解答様式でそれぞれ異なる受験者集団に解答させた場合、解答状況の違いを比較してみると、記述式の方がマーク式よりも正答率が低くなったという傾向が、というデータはございました。ただ、それは、先生が御指摘いただいた思考力の測定ということを直接的に科学的に論述したものではございません。

川内委員 このフィージビリティースタディーの中のことを今ちょっと解説されたわけですけれども、入試というのは、それこそ選抜試験なので、全体の受験生の、高得点をとる人からそうでもない人まで、どういう分布をするか、どこで合格者のラインを決めるかというのが入学試験ですよね。記述式とマークシート式を、試験の方法を違えた場合、じゃ、その受験生の分布に影響が出るかということについては、今、伯井さんが説明されたこのフィージビリティー報告書には何と書いてありますか。受験生の分布に、マークシート式と記述式とで分布に差があると出ていますか、書いてありますか。

伯井政府参考人 今御質問いただいたのは、平成二十七年度大学入学志望者学力評価テスト(仮称)フィージビリティー検証事業総合報告書でございます。

 これは、大学入学希望者学力評価テストの実現に向けて、適切な試験問題の内容と実施方法について知見を得るためのモデル問題を作成し、そのフィージビリティーを調査したというものでございますが、同報告書におきましては、数学については、同一又は同様の問題を記述式とマーク式で出題しており、それぞれの解答形式で受験者が異なりますが、どちらの解答形式でも、問題全体の識別力、これは、今御指摘いただいた選抜試験としての識別力があったとの分析がなされているものと承知しております。

川内委員 識別力があった、要するに、マークシートでも記述式でも選抜試験としては使えるということなわけですが、じゃ、生徒全体の分布は、マークシートと記述式で分布に差が出たのかということを聞いているんですけれども。五十九ページに書いてありますから、五十九ページの一番最後を読めばいいですから。

伯井政府参考人 報告書の抜粋でございますが、得点上位群になるほど正答率が高くなり、得点下位群になるほど正答率が低くなる傾向が見られたという、それぞれどちらの解答形式でも、冊子全体及び各大問の識別力があったというふうに分析しております。

川内委員 ちょっと事務方の方、ちゃんと局長に、私が聞きたいことをちゃんと答弁させてくださいよ。ひきょうじゃないですか、そういう答弁をさせるのは。

 私、きのうちゃんと言ったじゃないですか。記述式とマークシート式で全受験生の分布に差が出るんですかと、それを聞きますから答えてくださいねと言ってあるじゃないですか。何で違うことを答えているんですか。ひきょうじゃないですか。

 文部科学省というのはそういう役所なんですか。子供たちにそういうことを教える役所なんですか。堂々と受けとめて、ちゃんと、これはこうですよと説明するのが文部科学省の役人の矜持なんじゃないんですか。ねえ、義本さん。

 伯井さん、もう一回。

伯井政府参考人 御指摘のところを読み上げさせていただきますと、合計点の標準偏差、四分位範囲に着目すると、記述式とマーク式の間でそれぞれの値に大差は見られなかった。

川内委員 大臣、要するに、マーク式でも、判断力や思考力や表現力は、これまでの作問する先生方の物すごい努力で問われているわけですよ。記述式と比べた場合においても、受験生を選抜するということについて、記述式との間に差は見られない、大差は見られないということが、実証実験、科学的に証明されているということです。

 その上で、この記述式は、採点ミスが不可避だ、採点ミスが出ちゃうということなんですよね、あってはならない採点ミスが。

 じゃ、この委員会でずっと議論になっている試行調査。伯井さん、よく聞いていてくださいよ。平成二十九年十一月の試行調査の国語の百二十字で書く問題の問三。国語の問三。百二十字で書く問題の採点ミスは、何件中の何件ですか。

伯井政府参考人 平成二十九年度の試行調査の国語検収件数約一万三千五百件中、補正件数が三十一件でございます。率にしますと〇・二三%でございます。

川内委員 だから、問三と言ったじゃないですか。何でそうやって違うことを答えるかな。問三と言ったじゃないですか。

橘委員長 時計をとめてください。

    〔速記中止〕

橘委員長 速記を起こしてください。

 義本理事。

義本参考人 試行調査はセンターの方で実施いたしますので、私の方からお答えさせていただきますが、平成二十九年度の試行調査における国語の問三、すなわち、百二十字程度の上限の問題でございますけれども、その検収結果につきましては、検収件数約四千件中、補正件数が二十五件となっているところでございます。

川内委員 大臣、四千件中の二十五件が採点ミスでしたと。

 しかし、実は、これ、検収した後、要するに一回採点を終わった後、全部採点した後、更に再採点後の検収というのをこの一回目の試行調査ではやっているんです。再採点の後の結果の検収。

 そうすると、国語の問三は、何件中何件、採点ミスが出ていますか。二回目の採点ミスです。

義本参考人 お答えいたします。

 採点結果の検収で検収を行った解答以外を対象にいたしまして、国語の問一から問三まで含めて再検収、約五百件でございますけれども、そのうち、問三につきまして補正を行いましたのが九件になっているところでございます。

川内委員 だから、一回目の採点ミスのパーセントより、二回目、全部終わった後、もう一回やりましたら、採点ミスの確率が上がっちゃったという話ですよ。

 だから、大臣、これ、採点ミスがないように頑張るよと、幾ら頑張るよと言っても、結局、採点者が、アルバイトを含む、アルバイトはいけないとは言っていませんよ、大臣と私、同じ考え方ですから。アルバイトはすべからくだめだという気持ちは全然ないけれども、採点者の質は同質じゃないわけですよね。そういう中で、採点の同質性が担保されない。そして、記述式の採点はめちゃめちゃ難しい。そうすると、採点ミスというのは必ずあるんですよ。起きるんです。これは誰が悪いと言っているんじゃないんです。採点ミスは必ず起きるんです。それで、それは全部受験生に戻っていくわけです、受験生の皆さんに。

 自己採点もできないし、出願する大学、どこにしようか。本当に今、受験生がみんな、きのうも文部科学省に要請書を持っていかれたみたいですけれども、こんな試験で我々を試さないでくれ、本当の入試を受けさせてくれと多分思っていると思うんですよ。

 だから、何でここまで文部科学省さんが意地になっているのかがわからないんですよ、我々。何でそこまでして記述式を、やるんだやるんだ、なるべく安心してもらえるようにと。それはなるべく安心してもらえるようにはできるかもしれないけれども、採点ミス、ゼロには絶対できないですから。マークシート式はゼロですけれども、採点ミスは。そこが決定的な、私は、国語、数学の記述式の問題点ではないかというふうに思います。

 城井先生が御指摘をされた利益相反の問題もありますよ。だって、親会社があって、その親会社の本部長さんですか、親会社の本部長さんが採点会社の社長さんです。みんな、それは参考書を買いますよ。

 厳密に言うと、そこは法的な利益相反関係はありません、私たち信じていますからと。それはそうなるかもしれないけれども、でも、世の中的に見たら、参考書を出す、対策本を出す会社の本部長さんが採点会社の社長さんですといったら、みんな買いますよ、それは。

 だから、そういうことで、子供たちの、受験生の人生をある一定決めるであろう試験に五十万人臨ませるというのは、私は、立ちどまって、ちょっと思い違いがあった、ちょっと思い込みがあったということで立ちどまらなきゃ、一体大人は何をやっているのと。過ちを改むるにはばかることなかれという言葉もあるわけですけれども、ここでやはり本当に一回立ちどまってみて、五十万人が受ける試験をどういうふうに運用していくのかということについては、大臣、私は、牧先生の御質問の中に、大臣がこれからいろいろ考えるからという言葉の中には中止も含まれるのかということを聞いたら、そういう限定はいろいろかけていないというふうに、幅広に考えているんだという大臣の御発言、御答弁があったわけですけれども。

 大臣しか決められないんですよ、この問題。もう大臣に全ての責任が乗っかっているんです、受験生の人生が。受験生の人生が大臣の肩に乗っかっているんですよ、子供たちの人生が、一生が。このまま突き進むのか、そして混乱を生じせしめるのか、それとも、ちょっと一旦立ちどまって、いや、これももう一回よく考える必要があるねというふうに、これは大臣しか判断できないんですよ。

 事務方の方たちは、言われたことを言われたようにやるのが事務方の方たちのお仕事ですから、事務方の方から、大臣、これはちょっと考えましょうよとは絶対言わないですから、言ってくれないですから、大臣しか判断する人がいないんですよ。だって、もう総理も大臣にげたを預けちゃったんですから。俺はわからぬから、萩生田さんに任せてあるとおっしゃったんです。

 ぜひ、きょうと金曜日と来週の水曜日と三日間、この問題をじっくり議論させていただいて、大臣にお考えをまた改めていただければというふうに思うんですけれども、我々の言うことをきょう一日聞いて、大臣のまず御感想を聞かせていただければと思います。

萩生田国務大臣 与野党を超えて、先生方がこの問題について真摯に心配をされている。個々の具体的な例についてもきょうも聞かせていただきました。

 利益相反については、おっしゃるように、法律上は別法人だというたてつけになりますけれども、先ほどのように、高校の現場でそういった印刷物が配られているんだとすれば、これはやはり契約内容と異なることもありますから、こういった点一つ一つを改めていきたいと思っています。

 私としましては、英語は、やはりこれは制度上限界があって、これ以上改善の余地がないという判断をしましたし、時間的なこともありましたのであのような決断をさせていただきましたけれども、本件については、いろいろ先生方から真摯に御指摘いただいている課題を一つ一つ解決をして、さまざまな方策について検討してまいりたいと思います。これからも耳を傾けて、御意見をいただければと思っています。

川内委員 制度上改善が図れるものであれば今の大臣の御答弁でもいいのかもしれないんですけれども、大臣、民間に共通テストの採点をお任せするという制度上、採点ミスが不可避であるということについて、この採点ミスが誰の身に降りかかるかはわからぬわけです。みんな、子供がいる、孫がいる、おい、めい、受験生がいる。誰に降りかかるかわからぬが、必ず採点ミスが起きる。いや、それは運が悪かったねで済ますことなのかというと、私は違うというふうに思いますので、大臣の制度上の改善ができるんだという言葉が、来週の水曜日には、ちょっと制度上無理だねというふうに変えていただけるように、我々も一生懸命議論をさせていただきますので、よろしくお願いをします。

 終わります。

橘委員長 次回は、来る二十二日金曜日午後零時五十分理事会、午後一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時三十五分散会


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