衆議院

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第1号 令和4年2月25日(金曜日)

会議録本文へ
本国会召集日(令和四年一月十七日)(月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。

   委員長 義家 弘介君

   理事 橘 慶一郎君 理事 根本 幸典君

   理事 宮内 秀樹君 理事 山本ともひろ君

   理事 菊田真紀子君 理事 牧  義夫君

   理事 三木 圭恵君 理事 浮島 智子君

      青山 周平君    石橋林太郎君

      尾身 朝子君    勝目  康君

      神田 憲次君    木原  稔君

      国光あやの君    小林 茂樹君

      柴山 昌彦君    下村 博文君

      田野瀬太道君    谷川 弥一君

      丹羽 秀樹君    船田  元君

      古川 直季君    松本 剛明君

      三谷 英弘君    山口  晋君

      荒井  優君    坂本祐之輔君

      白石 洋一君    吉川  元君

      吉田はるみ君    笠  浩史君

      早坂  敦君    掘井 健智君

      岬  麻紀君    山崎 正恭君

      鰐淵 洋子君    西岡 秀子君

      宮本 岳志君

令和四年二月二十五日(金曜日)

    午後零時十分開議

 出席委員

   委員長 義家 弘介君

   理事 橘 慶一郎君 理事 根本 幸典君

   理事 宮内 秀樹君 理事 山本ともひろ君

   理事 菊田真紀子君 理事 牧  義夫君

   理事 三木 圭恵君 理事 浮島 智子君

      青山 周平君    石井  拓君

      石橋林太郎君    石原 正敬君

      尾身 朝子君    勝目  康君

      神田 憲次君    木原  稔君

      国光あやの君    小林 茂樹君

      柴山 昌彦君    下村 博文君

      田野瀬太道君    谷川 弥一君

      土田  慎君    松本 剛明君

      三谷 英弘君    保岡 宏武君

      山口  晋君    荒井  優君

      坂本祐之輔君    白石 洋一君

      吉川  元君    吉田はるみ君

      笠  浩史君    早坂  敦君

      掘井 健智君    岬  麻紀君

      山崎 正恭君    鰐淵 洋子君

      西岡 秀子君    宮本 岳志君

    …………………………………

   文部科学大臣       末松 信介君

   国務大臣

   (東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当)       堀内 詔子君

   文部科学副大臣      田中 英之君

   文部科学副大臣

   兼内閣府副大臣      池田 佳隆君

   文部科学大臣政務官    鰐淵 洋子君

   文部科学大臣政務官

   兼内閣府大臣政務官    高橋はるみ君

   文部科学委員会専門員   但野  智君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十五日

 辞任         補欠選任

  尾身 朝子君     土田  慎君

  丹羽 秀樹君     石原 正敬君

  船田  元君     石井  拓君

  古川 直季君     保岡 宏武君

同日

 辞任         補欠選任

  石井  拓君     船田  元君

  石原 正敬君     丹羽 秀樹君

  土田  慎君     尾身 朝子君

  保岡 宏武君     古川 直季君

    ―――――――――――――

二月十五日

 教職員の業務の見直し、定数増の早期実現等に関する請願(吉良州司君紹介)(第一四号)

 同(稲富修二君紹介)(第四三号)

 教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(大石あきこ君紹介)(第二六号)

 同(守島正君紹介)(第二七号)

 同(足立康史君紹介)(第四四号)

 同(阿部弘樹君紹介)(第一四六号)

 同(稲富修二君紹介)(第一四七号)

 同(尾崎正直君紹介)(第一四八号)

 同(緒方林太郎君紹介)(第一四九号)

 同(吉田久美子君紹介)(第一五〇号)

 同(吉田宣弘君紹介)(第一五一号)

 全ての私立学校に正規の養護教諭を配置し、子供の命と健康が守られる教育条件を求めることに関する請願(大石あきこ君紹介)(第二八号)

 豊かな私学教育の実現のための私学助成に関する請願(手塚仁雄君紹介)(第五八号)

 教育費負担の公私間格差をなくし、行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(白石洋一君紹介)(第六〇号)

 教育の無償化を目指して全ての子供たちに行き届いた教育を求めることに関する請願(井出庸生君紹介)(第一四五号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 国政調査承認要求に関する件

 文部科学行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

義家委員長 これより会議を開きます。

 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。

 文部科学行政の基本施策に関する事項

 生涯学習に関する事項

 学校教育に関する事項

 科学技術及び学術の振興に関する事項

 科学技術の研究開発に関する事項

 文化芸術、スポーツ及び青少年に関する事項

以上の各事項につきまして、本会期中調査をいたしたいと存じます。

 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長に対し、承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

義家委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

義家委員長 文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 文部科学大臣から所信を聴取いたします。末松文部科学大臣。

末松国務大臣 失礼いたします。

 末松信介と申します。

 至らぬ者でありますけれども、義家委員長、理事の先生方、委員の先生方には大変お世話になりますけれども、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 後ほど堀内大臣、そして副大臣、政務官、御挨拶等がございます。よろしくお願い申し上げます。

 それでは、所信を読ませていただきます。

 第二百八回国会において各般の課題を御審議いただくに当たり、私の所信を申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症は発生から二年以上を経ていますが、いまだ収束に至っておりません。まずもって、困難な状況下で活動の継続に尽力されている全ての関係者に改めて敬意を表します。

 文部科学省が担う分野の歩みを決して止めてはいけないという強い決意の下、引き続き、新型コロナ対策を迅速かつ柔軟に実施してまいります。

 明治五年の学制発布から、今年で百五十年となります。先人たちのたゆまぬ努力によって築き上げられてきた日本型学校教育は、子供たちの知徳体を一体で育むものとして、諸外国からも高い評価を受けています。

 他方、グローバル化や少子化の進展など、学校教育を取り巻く環境は大きく変化しています。また、コロナ下で臨時休業を余儀なくされる学校も出る中で、学校の持つ福祉的機能や教師の存在意義、対面で実体験を通して学ぶことの価値が再認識されつつあります。

 このような中で、全ての子供たちの可能性を最大限に引き出す令和の日本型学校教育の具体化、その直接の担い手である教職員が安心して本務に集中できる環境づくりに全力で取り組んでいきます。

 令和の日本型学校教育の実現には、同一年齢、同一内容の学習を前提とした教育の在り方に過度にとらわれず、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実させることが不可欠です。

 社会の急激なデジタル化は多くの果実を生み出していますが、実体験からの学びも大事という声もいただいております。GIGAスクール構想による一人一台端末環境を前提として、個人情報を保護しつつ教育DXを着実に進め、リアルとデジタルの最適な組合せによる価値創造的な学びを具体化していきます。その際、デジタル教科書については、紙の教科書との関係整理も含め、課題を検証しながら本格的な導入に向けた検討を進めます。

 また、特例制度も活用し、授業時数の弾力化や学年を超えた学びの検証、開発に取り組みます。あわせて、国際バカロレアの普及を加速させるなど、グローバル人材の育成を進めます。

 不登校を始め、様々な課題を抱えている子供たちを誰一人取り残さず、可能性を最大限に引き出す学校教育。その理念を実現するため、支援が必ずしも十分でなかった子供たちへの教育機会の保障にこれまで以上に力を入れて取り組みます。

 障害のある児童生徒、日本語指導が必要な児童生徒、貧困や不登校、虐待等の困難を抱える児童生徒、特異な才能のある児童生徒、僻地の児童生徒等については、特例校の設置促進やオンライン指導、取り出し指導を促進するなど、支援の充実を図ります。

 医療的ケア児支援法を踏まえ、看護師等の配置を拡充します。夜間中学については、各都道府県、指定都市で一校以上という目標達成に向け、設置を促進してまいります。いじめ問題については、痛ましい事案が続き、学校や教育委員会の対応が不十分と指摘される事例も見られます。課題を早急に整理し、必要な施策を講じてまいります。

 こどもまんなか社会の実現の司令塔として、こども家庭庁の創設には大きな意義があります。その円滑な設置と連携体制の構築に向け、積極的に協力してまいります。

 高校段階では、来年度より、新学習指導要領がスタートします。新科目、公共や情報1の趣旨の徹底や指導体制の充実を図り、着実な実施に努めます。また、普通科改革、専門高校と産業界が一体となった人材育成、通信制高校の質保証を推進します。

 義務教育修了段階では、比較的高い理数リテラシーを持つ子供が約四割いるにもかかわらず、大学学部段階では理工系が約二割となっていることを踏まえ、理数系教育を一層充実します。また、課題の発見、解決や、それを価値の創造に結びつけていく資質、能力を育成するため、STEAM教育等の教科等横断的な学びを推進します。

 教師の資質、能力の向上も喫緊の課題です。現職研修の更なる充実と免許更新制の発展的解消を実現する法案を提出するとともに、私の下に学校DX推進本部を設置し、デジタル技術の活用も含め、研修の高度化の方策を検討します。児童生徒に対する教師の性暴力は、決してあってはなりません。教育職員性暴力等防止法を踏まえ、取組の抜本的充実を図ります。

 昨年三月、義務標準法を改正し、公立小学校の学級編制の標準を三十五人に引き下げました。令和三年度から五年間かけて、計画的に定数改善を図るとともに、小学校高学年の教科担任制を四年程度かけて段階的に進めます。また、来年度には勤務実態調査を実施し、給特法等の法制的な枠組みを含めた教師の処遇の在り方や、多様な専門人材、支援スタッフを含めた教職員の配置の在り方、勤務形態の柔軟化を検討します。特別免許状の積極的な活用等を促進し、多様な専門性を持つ社会人が教職に就きやすい環境整備も進めてまいります。

 こうした取組に加え、学校DX推進本部の下、校務の情報化を始め、働き方改革を具体化する抜本的方策を検討し、強力に推進します。

 さらに、調査のデジタル化を進め、現場の負担軽減と、エビデンスに基づく教育政策の両立を目指します。

 子供たちに豊かな学びを保障するためには、社会が一体となって教育活動を支えていくことが必要です。まず、全ての学校でのコミュニティースクールの導入に向けた取組を加速させてまいります。その中で、地域住民や地元企業と連携した学習支援や、起業家との触れ合い、異年齢集団での地域活動やボランティア、職業体験など豊かな体験機会を学校内外で抜本的に拡充します。そのためには、学校と地域だけの取組では限界があります。経済界とも直接対話し、企業やNPOを学校の活動に本格的に巻き込むための大きな流れをつくっていきます。

 学びの場であり、災害時には避難所ともなる学校施設について、教育環境の向上と老朽化対策を一体的に進めます。通学路を含む学校安全の取組も推進してまいります。

 幼児教育の質の向上も重要です。小学校以上の学びや生活の基盤を全ての子供に育むため、幼保小の架け橋プログラムを実施します。

 大学等においては、遠隔授業にいち早く取り組むなど、コロナ下にあっても学びを止めない工夫がなされてきました。引き続き、対面授業と遠隔授業を組み合わせた質の高い学修機会を確保するよう促してまいります。

 ソサエティー五・〇に向けた人材育成やイノベーション創出の基盤として、大学等への期待は高まるばかりです。教育、研究、ガバナンスの一体的改革を推進し、教育研究基盤の強化を図ってまいります。特に、我が国の公教育を支える私立学校が社会の信頼を得て一層発展していくため、学校法人の沿革や多様性にも配慮しつつ、社会の要請に応え得る、実効性のある改革が必要です。関係者の合意形成も丁寧に図り、成案が得られ次第、法案を提出できるよう最大限努力してまいります。

 数理、データサイエンス、AIなどの成長分野や分野横断的な教育研究の展開、グローバル化の推進、専門職大学や専修学校における専門職業人の育成についても着実に取組を進めてまいります。また、総理が表明された水際措置の緩和も踏まえ、日本留学を心待ちにしている多くの外国人学生が一日も早く入国できるよう、全力を尽くします。

 我が国の将来を担う若者が未来を切り開くために必要な資質、能力の育成を目指して、高大接続改革を引き続き進めます。また、本年の大学入学共通テストで発生した試験の公平性、公正性を損なう事案などを踏まえ、専門家の協力も得ながら実効性ある対策を検討してまいります。

 新型コロナ対応において、大学病院は大変重要な役割を果たしています。医療による貢献とともに、感染症分野など地域のニーズを踏まえた医療人材養成を一層推進してまいります。

 高等専門学校は、産業界や諸外国から高い評価を受けてきました。制度創設六十周年を迎え、更なる機能の高度化、海外展開と国際化、地域の人材ニーズを踏まえた取組の促進に努めます。

 また、これらの政策を実現するためにも、国立大学法人等の運営費交付金や施設整備費補助金、私学助成など基盤的経費を安定的に確保してまいります。

 総理を議長に、関係閣僚が幅広く参画した教育未来創造会議において、高等教育を始めとする教育の在り方や、社会人の学び直し、教育と社会との接続の多様化、柔軟化について議論を進め、本年初夏までに第一次の取りまとめを目指します。

 経済事情に左右されず、誰もが質の高い教育を受けられるようにすることは大変重要です。幼児期から高等教育まで切れ目ない形で、教育の無償化や負担軽減を着実に実施するとともに、コロナ下で学びの機会が奪われることがないよう、必要な支援措置を講じ、その十分な周知に努めてまいります。

 また、障害者の生涯にわたる多様な学習活動の充実にも取り組んでまいります。

 本年二月、次期教育振興基本計画について中央教育審議会に諮問を行いました。国内状況や国際環境の変化を踏まえた教育政策の方針をしっかり検討してまいります。

 以上述べてきた施策の着実な実現のため、教育投資の充実に努めてまいります。

 科学技術立国の実現は、岸田政権が掲げる成長戦略の重要な柱です。成長のエンジンである科学技術イノベーションへの投資を力強く実行してまいります。

 近年、我が国の研究力が相対的に低下しており、その強化は喫緊の課題です。

 世界との研究力の差を埋めるには、大学の研究基盤への長期的、安定的支援が不可欠です。このため、世界と伍する研究大学の実現に向けて、十兆円規模の大学ファンドを創設します。令和六年度予定の支援開始に向けて、支援対象大学の認定等について定めた法案を提出するとともに、ファンドの運用を本年度中に開始します。あわせて、地域の中核大学や特定分野に強みを持つ大学に対する政策パッケージを具体化し、多様な研究大学群の形成に向けた取組を総合的に推進してまいります。

 科学技術イノベーションの担い手は人であり、若手研究者への支援も強化してまいります。博士後期課程学生への生活費相当額の支援の充実を図るとともに、博士号取得者が幅広く活躍できるキャリアパスの整備に取り組みます。

 また、持続的なイノベーションの創出には、学術研究、基礎研究の充実が極めて重要です。科研費や戦略的創造研究推進事業、創発的研究支援事業等の充実、国際共同研究の加速等により、研究者の挑戦を支援してまいります。

 そうした研究から生み出された成果を社会に実装していくため、産学官共創の場の形成等を進めます。加えて、大学発スタートアップを次々と創出する環境の整備や、社会に新たな価値を生み出す人材を育てるアントレプレナーシップ教育の産学官による充実を図ります。

 研究施設・設備やデータの活用も重要です。次世代放射光施設等の世界最高水準の大型研究施設の整備、次世代計算基盤の調査研究を進めるとともに、分野を超えた全国的な研究データ基盤を構築するなど、研究活動のDXを推進してまいります。

 社会課題の解決と重要技術の研究開発にも積極的に取り組んでまいります。

 新型コロナウイルスワクチンの開発をめぐっては、我が国の感染症研究分野の層の薄さや、平時からの備えの不足が指摘されました。将来の感染症発生に備え、国産ワクチン開発のための世界トップレベル研究開発拠点の整備等を進めます。

 二〇五〇年カーボンニュートラルの達成に向けては、半導体等の革新的な環境・エネルギーに関する研究開発やITER計画等の核融合研究を推進するとともに、高速実験炉「常陽」の早期運転再開を含めた高速炉開発等にも着実に取り組みます。

 また、AI等の情報科学技術、再生医療等のライフサイエンス、量子技術、マテリアルなど、重要技術の研究開発を戦略的に進めてまいります。

 宇宙分野は、フロンティアとしてのみならず、新たな産業創出や安全保障の観点からも重要性を増しています。日本人初の月面着陸を目指したアルテミス計画を含む宇宙科学・探査や、革新的将来宇宙輸送システムの研究開発等を進めてまいります。

 さらに、地震、津波、火山、豪雨等の防災・減災に関する研究開発や、北極域研究船の建造を含む海洋・極域に関する研究開発、「もんじゅ」や「ふげん」の安全、着実かつ計画的な廃止措置の実施等の原子力に関する取組も推進してまいります。

 こうした科学技術分野において、経済安全保障を推進することが重要です。関係府省と連携し、先端的な重要技術の育成と、それらの技術を適切に守るための取組を車の両輪として進めてまいります。

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会や北京冬季大会では、アスリートの活躍が、人々に夢や希望を届けてくれています。アスリートが自身の限界に挑戦する姿、仲間と一緒に一つの目標に向かってひたむきに努力する姿、負けてもライバルと互いに健闘をたたえ合う姿に多くの国民が心を打たれたと思います。スポーツには、国民一人一人の人生を豊かにするのみならず、社会を変え、未来をつくり上げる力があります。

 全ての人々がスポーツをする、見る、支えるの機会を確保することを通じ、スポーツ立国の実現を目指します。

 コロナ下でも、安全、安心にスポーツ活動を実施、継続するための環境整備を進めてまいります。

 また、デジタル技術も活用しつつ、アスリートの競技力向上やセカンドキャリア形成支援、学校体育の充実や運動部活動改革による子供のスポーツ機会の充実、スポーツ団体のガバナンス改革や経営力強化、ドーピング防止活動等のスポーツの誠実性、健全性、高潔性の確保等を進めてまいります。

 さらに、スポーツを通じた健康増進や経済活性化、地域振興や共生社会の実現に取り組むとともに、東京大会後のレガシーを継続、発展させるための第三期スポーツ基本計画を今年度中に策定いたします。

 文化芸術は、人々の創造性を育み、生活を豊かにするとともに、地方創生の実現など無限の可能性を秘めています。困難な状況にある今こそ、人々の心を癒やし、勇気づける文化芸術の力が必要です。このため、コロナ下における文化芸術活動の再開、継続、発展を支援してまいります。また、子供たちの文化芸術体験の機会を充実させます。

 二〇一九年の国際博物館会議で提唱された文化をつなぐミュージアムの理念や、地域の文化拠点としての役割の多様化、高度化を踏まえ、博物館の設置主体の多様化を図りつつ、適正な運営を確保するための法案を提出いたしました。あわせて、日本語教育機関の水準の維持向上等を図るための法案の提出に向けても検討を進めてまいります。

 日本博を推進するとともに、文化芸術のグローバル展開、日本遺産を始めとした地域の文化資源の磨き上げ、文化施設の機能強化、地域と一体となった文化観光の推進への支援や食文化の振興を進めてまいります。また、文化財の匠プロジェクトの推進、DX時代に対応した著作権政策の充実等に取り組みます。これらを通じて、幅広い文化芸術による国づくりを推進し、日本の文化の魅力を国内外へ発信してまいります。

 ユネスコ世界文化遺産に推薦された佐渡島の金山については、高い文化的価値が評価され、登録が実現するよう、関係省庁と連携して取り組んでまいります。

 昨年は、東日本大震災から十年という節目の年でした。引き続き、就学支援や心のケア、学校再開支援を始め、復興を支える人材育成、文化財の復旧など、被災者に寄り添った復興に取り組みます。また、復興庁を中心とした福島国際研究教育機構の設立に協力するとともに、廃炉に関する研究開発や人材育成、原子力損害賠償にも着実に取り組みます。

 子供は国の宝、国の礎です。岸田総理も、人への分配はコストではなく未来への投資と述べています。文部科学省が担当する行政分野は、人を教え育み、人の英知や創造力を最大限引き出すことにより、国民の人生を幸福で豊かなものにし、我が国の成長の源泉ともなる、極めて重要な行政分野です。私としては、できる限り現場に足を運び、その声にしっかりと耳を傾け、文部科学行政が直面する様々な課題に対して果敢に取り組んでまいります。引き続き、関係各位の御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

義家委員長 この際、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当大臣から発言を求められておりますので、これを許します。堀内国務大臣。

堀内国務大臣 二〇二〇年東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会を担当する国務大臣として、一言御挨拶を申し上げます。

 史上初の延期となった東京大会については、コロナ禍による様々な制約の中での大会となりましたが、関係者の方々の御尽力や国民の皆様の御理解、御協力により、開催国としての責任を果たし、無事に大会を終えることができました。

 大会期間中の感染防止対策については、安全、安心な大会とするため、定期的な検査や厳格な行動管理、健康管理などの防疫上の措置の徹底が図られ、結果として、大会期間を通じ、保健所によりクラスターとされた事例はなく、海外から入国した大会関係者等から市中に感染が広がったという事例も報告されておりません。

 大会の柱の一つである復興オリンピック・パラリンピックについては、被災地における競技の開催に加え、福島県で製造された水素の聖火への活用、被災地産食材の選手村での提供、PR、ビクトリーブーケへの被災地の花の活用など、被災地と連携した取組を進め、被災地が復興を成し遂げつつある姿を世界に発信し、海外の方にも被災地の復興しつつある姿や魅力を実感していただくことができたものと考えております。

 また、政府として、パラリンピックの開催を契機に共生社会の実現を目指すユニバーサルデザインの町づくり、心のバリアフリーなどに取り組んできたところであり、こうした取組を通じて、我が国が共生社会に向けた大きな一歩を踏み出すきっかけとなったものと考えております。

 さらに、大会参加国・地域と自治体がスポーツ、文化などの交流を行うホストタウンについては、ホストタウン自治体は五百三十三、相手国・地域は百八十五となりました。各地のホストタウン自治体では、オンラインによる交流を含め、感染症対策を講じた上で東京大会に際して来日した選手等と交流が行われました。

 引き続き、大会を契機として創出された、成熟社会にふさわしい、次世代に誇れる有形無形のレガシーについて、一過性のものとならないよう、大会組織委員会や東京都、関係大臣と緊密に連携し、担当大臣として継続的に国内外に発信できるよう努めてまいりますので、義家委員長、理事、委員の皆様方の御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。(拍手)

義家委員長 次に、令和四年度文部科学省関係予算の概要について説明を聴取いたします。池田文部科学副大臣兼内閣府副大臣。

池田副大臣 文部科学副大臣兼内閣府副大臣の池田佳隆でございます。

 副大臣として、末松大臣をよく補佐し、日本の将来を担う人を育てる教育の振興、スポーツ立国実現や東京オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシーの発信に全力を尽くしてまいります。

 今後とも、義家委員長を始め理事、委員の皆様方の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いを申し上げます。

 続きまして、令和四年度文部科学省関係予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。

 まず、新型コロナウイルス感染症への対応について、長引くコロナ禍において国民が安全、安心に過ごせるよう、これまでも文部科学省として、補正予算などにより、各学校における感染症対策を始め、スポーツ、文化芸術活動の支援、研究開発の推進などを図ってまいりました。

 令和四年度予算においても、引き続き、教育や科学技術イノベーション、スポーツ及び文化芸術の振興がコロナ禍においても決して歩みを止めることがないよう、必要な施策を盛り込んでおり、一般会計五兆二千八百十八億円、エネルギー対策特別会計一千八十六億円などとなっております。

 第一に、令和の日本型学校教育の推進として、小学校高学年の教科担任制や三十五人学級の推進等による個別最適な学びと協働的な学びの実現、学校における働き方改革の推進に向けた教師等の指導体制の充実を図ります。また、教師の養成、採用、研修の一体的改革を進めるとともに、GIGAスクール構想を加速するための支援体制の整備やデジタル教科書の普及等を促進します。

 さらに、幼児教育の質向上と小学校への円滑な接続、高等学校改革、子供たちの学びを着実に継続させるための感染症対策等を引き続き進めます。

 第二に、新しい時代の学びを支える学校施設整備として、教育環境の向上と老朽化対策の一体的整備、キャンパスの共創拠点化、脱炭素化など、計画的、効率的な整備を推進します。

 第三に、高等教育機関の多様なミッションの実現として、大学からの社会変革を目指した基盤的経費の充実やめり張りある配分により改革を徹底するとともに、国立高等専門学校の高度化、国際化を推進します。

 また、ソサエティー五・〇の実現及びポストコロナ時代における高度専門人材の育成等を推進します。

 第四に、誰もが学ぶことができる機会の保障として、いじめ、不登校、虐待、自殺対策等の推進や夜間中学の設置促進、日本語教育、外国人児童生徒等への教育等の充実とともに、在外教育施設の機能強化や地域と学校の連携、協働、子供の体験活動、学校安全体制の整備を引き続き進めます。

 また、医療的ケアが必要な子供への支援を含め、生涯を通じた障害者の学びの推進とともに、大学、専修学校等におけるリカレント教育等社会人が学び直す機会や職業教育の拡充を進めます。

 さらには、高校生等への修学支援や高等教育の修学支援の確実な実施など、各教育段階の負担軽減により学びのセーフティーネットを構築します。

 第五に、スポーツ立国の実現を目指し、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の成果を踏まえたスポーツ施策を総合的に推進するため、スポーツ参画人口の拡充、障害者スポーツの振興、子供の体力向上、運動部活動改革の加速化とともに、スポーツによる地方創生、スポーツ産業の成長促進、持続可能な競技力向上体制の確立やドーピング防止活動等に取り組みます。

 第六に、文化芸術立国の実現を目指し、文化芸術のグローバル展開や創造性豊かな子供の育成等、文化芸術の創造、発展と人材育成に取り組みます。

 また、文化財の修理人材の養成や材料等の確保のための文化財の匠プロジェクト等を推進するとともに、博物館の機能強化を始め文化振興を支える拠点等の整備、充実を図ります。

 第七に、我が国の抜本的な研究力向上と優秀な人材の育成のため、世界と伍する研究大学の実現に向けた大学ファンドを創設するとともに、博士課程学生を含めた若手研究者支援を強化します。加えて、科研費を始め、研究者のキャリアや研究成果に応じた切れ目のない研究費の支援の充実を図ります。

 また、ソサエティー五・〇を実現し未来を切り開くイノベーションの創出とそれを支える基盤の強化のため、地域の中核大学や特色ある研究大学の強化、スタートアップ支援などを推進します。加えて、マテリアル分野を先導的事例としつつ、分野を超えた全国的な研究データ基盤の構築等、研究DXを推進するための取組を実施します。

 さらに、次世代放射光施設を始めとする世界最高水準の大型研究施設の整備、成果創出や次世代計算基盤の調査研究等に取り組んでまいります。

 第八に、AIや量子技術、健康・医療等の国家戦略を踏まえた重点分野の研究開発を戦略的に推進してまいります。

 また、国民の安全、安心やフロンティアの開拓に資する課題解決型の研究開発として、アルテミス計画を含む宇宙科学・探査や宇宙活動を支える基盤の強化等の宇宙・航空分野、北極域研究船の建造を含む海洋・極域分野、海底地震・津波観測網の構築や運用等の防災・減災分野、核融合や脱炭素技術などカーボンニュートラルの実現に向けた環境エネルギー分野の研究開発を推進するとともに、原子力分野については、基礎基盤研究とそれを支える人材育成、「もんじゅ」や「ふげん」の安全かつ着実な廃止措置に係る取組などを推進します。

 以上、令和四年度文部科学省関係予算の概要につきまして、御説明申し上げました。

 なお、これらの具体的な内容につきましては、お手元に資料をお配りいたしておりますので、説明を省略させていただきます。

義家委員長 以上で説明は終わりました。

 この際、田中文部科学副大臣、鰐淵文部科学大臣政務官及び高橋文部科学大臣政務官兼内閣府大臣政務官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。田中文部科学副大臣。

田中副大臣 文部科学副大臣の田中英之でございます。

 副大臣として、大臣をしっかりと補佐し、日本の更なる経済成長の原動力となる科学技術イノベーションの推進及び文化芸術立国の実現に全力を尽くしてまいります。

 今後とも、義家委員長を始め理事、委員の皆様方の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。(拍手)

義家委員長 次に、鰐淵文部科学大臣政務官。

鰐淵大臣政務官 文部科学大臣政務官の鰐淵洋子でございます。

 大臣政務官として、大臣、副大臣とともに、教育及び文化芸術の振興に全力を尽くしてまいります。

 今後とも、義家委員長を始め理事、委員の皆様方の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。(拍手)

義家委員長 次に、高橋文部科学大臣政務官兼内閣府大臣政務官。

高橋大臣政務官 文部科学大臣政務官兼内閣府大臣政務官の高橋はるみでございます。

 大臣政務官として、大臣、副大臣とともに、科学技術イノベーションの推進、スポーツの振興及び東京オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシーの発信に全力を尽くしてまいります。

 今後とも、義家委員長を始め理事、委員の皆様方の御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いをいたします。(拍手)

義家委員長 次回は、来る三月二日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四十九分散会


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