衆議院

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第2号 令和4年10月26日(水曜日)

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令和四年十月二十六日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 宮内 秀樹君

   理事 池田 佳隆君 理事 橘 慶一郎君

   理事 中村 裕之君 理事 根本 幸典君

   理事 森山 浩行君 理事 柚木 道義君

   理事 堀場 幸子君 理事 鰐淵 洋子君

      青山 周平君    石井  拓君

      石橋林太郎君    泉田 裕彦君

      上杉謙太郎君    勝目  康君

      小寺 裕雄君    柴山 昌彦君

      鈴木 貴子君    谷川 弥一君

      辻  清人君    丹羽 秀樹君

      西野 太亮君    船田  元君

      古川 直季君    穂坂  泰君

      松本 剛明君    三谷 英弘君

      山口  晋君    山本 左近君

      義家 弘介君    荒井  優君

      梅谷  守君    菊田真紀子君

      白石 洋一君    牧  義夫君

      吉川  元君    金村 龍那君

      高橋 英明君    早坂  敦君

      平林  晃君    山崎 正恭君

      西岡 秀子君    宮本 岳志君

    …………………………………

   文部科学大臣       永岡 桂子君

   文部科学副大臣      井出 庸生君

   文部科学副大臣      簗  和生君

   文部科学大臣政務官    伊藤 孝江君

   文部科学大臣政務官    山本 左近君

   政府参考人

   (内閣官房国際博覧会推進本部事務局次長)     井上  学君

   政府参考人

   (総務省大臣官房政策立案総括審議官)       武藤 真郷君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房長) 望月  禎君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部長)   笠原  隆君

   政府参考人

   (文部科学省総合教育政策局長)          藤江 陽子君

   政府参考人

   (文部科学省初等中等教育局長)          藤原 章夫君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局長)            池田 貴城君

   政府参考人

   (文部科学省科学技術・学術政策局長)       柿田 恭良君

   政府参考人

   (スポーツ庁次長)    角田 喜彦君

   政府参考人

   (文化庁次長)      杉浦 久弘君

   政府参考人

   (文化庁次長)      合田 哲雄君

   文部科学委員会専門員   但野  智君

    ―――――――――――――

委員の異動

十月二十六日

 辞任         補欠選任

  柴山 昌彦君     石井  拓君

  中曽根康隆君     西野 太亮君

同日

 辞任         補欠選任

  石井  拓君     柴山 昌彦君

  西野 太亮君     小寺 裕雄君

同日

 辞任         補欠選任

  小寺 裕雄君     泉田 裕彦君

同日

 辞任         補欠選任

  泉田 裕彦君     中曽根康隆君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 文部科学行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

宮内委員長 これより会議を開きます。

 文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房国際博覧会推進本部事務局次長井上学君、総務省大臣官房政策立案総括審議官武藤真郷君、文部科学省大臣官房長望月禎君、大臣官房文教施設企画・防災部長笠原隆君、総合教育政策局長藤江陽子君、初等中等教育局長藤原章夫君、高等教育局長池田貴城君、科学技術・学術政策局長柿田恭良君、スポーツ庁次長角田喜彦君、文化庁次長杉浦久弘君、文化庁次長合田哲雄君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

宮内委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。船田元君。

船田委員 私にとりましては久しぶりの、本当に久しぶりの質問でございまして、慣れておりませんので、よろしくお願いいたします。また、十五分と限られた時間ですので、コンパクトにやります。答弁の方もよろしくお願いいたします。

 まず、昨年のオリンピック、パラリンピック、無観客ではありましたけれども、また、一年遅れではありましたけれども、本当に実行できてよかったなというのが今の印象でございます。

 また、たまたま今年が、私の地元の栃木県での国民体育大会が行われました。スポーツ大会はこの後でございますけれども、大臣にもお越しをいただきまして、花を添えていただきました。

 このような、スポーツが国民の皆さんに本当に勇気、力、感動を与えるということはもう言うまでもないことでございますが、昨年、三重で中止になった、その前が鹿児島で延期になった、非常にコロナの影響は大きかったと思っております。

 そういう中で、スポーツ大会の持つ力、どのように大臣はお考えでございましょうか。よろしくお願いします。

永岡国務大臣 船田委員にお答えいたします。

 東京オリンピック・パラリンピックの競技大会は、コロナ禍によりまして、本当に史上初ではございましたが、開催が一年延期をされました。様々な制約の中で行われましたが、アスリートの真摯な姿勢やたゆみない努力による最高のパフォーマンスが世界中に感動を与えてくれたこと、これが、世界が一つになって難局を乗り越えられたことを伝えられたと本当に思っておりますし、また、共生社会の実現に向けた大きな契機となったなというふうに感じておりまして、意義を果たしたかなというふうに考えております。

 また、本年十月には、コロナ禍でございましたので、三年ぶりに栃木県で国民体育大会が開催されました。私も、総合開会式に出席をさせていただきまして、本当に雲一つない晴天の中で開催された開会式、多くの県の、多県の方々がそろいまして、本当に元気に開催されました。それぞれ、全国の地域から集まりました選手たちによりまして繰り広げられました熱戦の数々、これは本当に国民の皆さんに大きな感動を届けてくれたと考えております。

 このような大会を通じまして、改めてスポーツの持つ価値を再確認できたと考えております。こうした大会を契機といたしまして創出されます有形無形のレガシー、これを発展させることが重要であると本当に考えているところでございます。

船田委員 ありがとうございました。

 国体の結果が、開催県が優勝するのが慣例のようになっておりましたが、今年は、ちょっと残念ながら、東京に続いて天皇杯も皇后杯も第二位ということでございました。でも、本当によく頑張った選手たち、それからスタッフの皆さん、そして文科省、スポーツ庁の皆様にも大変お世話になったこと、まずお礼を申し上げたいと思います。

 しかし、一方で、オリンピックにつきまして、商業化ということが以前から懸念をされております。記憶によりますと、一九八四年、ロサンゼルスでオリンピックがありました。あのときに、アメリカの三大テレビネットワークが放送権利をめぐって大変熾烈な戦いをした。また、オリンピック関連の様々な事業も非常に拡大をして、そのことによって非常にオリンピックの商業化、ある程度やむを得ないところはありますけれども、しかし、一方で、その商業化の悪い影響が様々なところに出ているということも併せて考えておかなきゃいけません。

 言うまでもなく、昨年のオリンピックの後、大変残念ですけれども、組織委員会の元理事に絡む汚職事件が摘発をされ、現在捜査中ということでございますが、極めて残念に思っております。この点では大臣にお答えをいただかなくて結構でございますが、ある意味でオリンピックの負の遺産部分、もう一つ、実は皆さんに聞いてもらいたいことがあります。

 以前、牧先生もお話しいただいたかと思うんですけれども、神宮外苑の再開発計画が現在進められている、そういう状況にあります。

 皆様のお手元の図で、ちょっと先なんですが、4というのを御覧ください。ちょっと横になっちゃって申し訳ないんですけれども、これが新しい計画で示された施設の概要であります。一番目立つのは、現在の神宮球場が秩父宮ラグビー場の方に移ります、逆にラグビー場が神宮球場の方に移る、交換をする、こういう感じであります。

 そういうことの結果として、ここに生えていた樹木、約千三百本ほどあるようでありますが、そのうち、当初の計画では九百本以上が伐採をされる、こういう計画でした。反対運動もありまして、半分の五百本程度を伐採をするということで一応収まったように思いますけれども、しかし、それでも、工事の結果として、本当に、数えていけば千本近くが枯れる危険性があるということで、非常に憂慮する部分であります。

 実は、この木は、多くは百年以上たっております。百年前、大正八年から十五年にかけまして明治神宮の造営が行われました。そのときに、併せて明治神宮外苑の整備もしようということで、全国から樹木が集められました、寄贈されました。そして、それを、当時の連合青年団とか、様々な団体の方が奉仕団をつくりまして、それで植樹をしたという非常に由緒ある樹木である、単なる樹木ではないということなんですね。

 特に、この木をそういう形でないがしろにするということは、ちょっと古い話ですけれども、明治天皇、それから昭憲皇太后を慕って、あるいは尊敬をして造られた地域、そこにおける樹木、これを伐採するというのは、そのときの、百年前の人々の気持ちを、これを切ってしまうことになりかねないんじゃないか、こういうおそれがあります。

 それと、幾つか申し上げますと、都市計画の変更がここでございました。平成二十五年の六月が一回目で、あと都合四回、修正をしながら都市計画変更が行われてきたということでございます。そういう中で、超高層ビルが実はこの地域に三つ、三本建つ、こういう計画であります。一つが百九十メートル、百八十五メートル、もう一つが、ちょっと低いんですけれども、八十メートルということです。ここでは、元々は風致地区でありましたので、高さ制限もありました。また、都市計画公園でもありましたので、余計にそれは守られてきたわけでありますが、いつの間にかこの都市計画公園の一部が外されるということがあり、そして、空中権のやり取りによってそのビルが建ってしまうということです。景観が、まず壊れる。

 御承知かもしれませんが、私が示しました図の1を御覧ください。これは、青山通り、青山二丁目交差点から見たイチョウ並木方面であります。九十メートルというのが現在の商社ビルであります。これが倍以上になりまして、百九十メートルがどんと建つということであります。

 これは五月初旬ないしは八月上旬の午後三時頃を想定した図でありまして、これはある設計会社に依頼をいたしました。設計会社、名前は出さないでくれということ、仕事がなくなるので出さないでくれ、こういうふうに言われておりますので、そこは匿名といたしますけれども、これは、得られたデータを基に、なるべく正確に描いてもらったものであります。

 2を御覧ください。これは絵画館前からイチョウ並木を見たところでございます。こんな感じに将来なってしまう。

 それから、3、ありますけれども、これもちょっと上から眺めたイチョウ並木であります。イチョウ並木のすぐそばまで実は新しい神宮球場が建てられる。間隔は八メートルしかないということですので、ここで工事が行われ、当然、地下の掘削も行われるわけですから、そのイチョウの根っこが切られる危険性は十分にあるということで、これは大変ゆゆしき問題だと思っております。

 4の下の図の方も、ちょっと詳しく描かせていただきました。

 5、これは、歩いていくと、こんな感じに暗がりになってしまう、こういう状況でございます。

 そこで、申し上げたいのは、実は、スポーツゾーンといいながら、この計画が行われますと、いわゆるスポーツとして供する床面積は全体の三割、あと七割が商業地域かオフィスである、こういう状況でありますので、こういう、スポーツゾーンといいながらこういった開発をしてしまうということについて、スポーツ庁の方ではどう考えておられるか、お知らせいただければありがたいと思います。

角田政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねの神宮外苑地区の再開発事業につきましては、東京都が平成三十年に策定しました神宮外苑地区のまちづくり指針等に基づきまして、歴史や景観に配慮した計画とするべく、東京都及び関係区が関係事業者と協議しながら検討を進めてきたものでございます。

 本件につきましては、東京都及び関係区におきまして、地権者を始めとする関係事業者と協議しながら適切に対応していくべきものと考えており、スポーツ庁としては、その検討の状況等を注視してまいりたいと考えております。

船田委員 多分、そこまでしかお答えできないと思っておりますので、やむを得ないことかと思います。

 最後になりますけれども、このイチョウ並木を何とか守ろう、そういう方々が、住民を含め、多くの人々が署名運動などもして、十万筆以上集まっている、こう言われておりますけれども、このイチョウ並木をやはり我々は守る必要があるんじゃないだろうか。景観の上でもそうですし、歴史的なことでもそうだと思っております。

 そこで、このイチョウ並木を例えば名勝に指定するということができないだろうか。実は、関係者の間で、イチョウ並木を名勝に指定したい、こういう声もかなり上がってきているわけでありますので、是非、このイチョウ並木を名勝にしていただく。

 所管である文化庁のお考えを聞きたい。

合田政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねの神宮外苑のイチョウ並木につきましては、大正時代末期に造成されたものであり、日本イコモス国内委員会が、十月三日に取りまとめた提言において、当該イチョウ並木の名勝指定について言及されていると承知をいたしております。

 当該イチョウ並木については、文化庁が設置した名勝等の専門家による検討会において、近代の庭園、公園に関する研究として平成二十四年にまとめた報告書において、今後、保護措置を充実させる必要性が高いと認められる重要事例として評価しているところでございます。

 今後、御地元の港区、新宿区などから名勝としての指定等の相談がございましたら、文化庁としても、専門的な助言を行うなど丁寧に対応してまいりたいと考えているところでございます。

船田委員 是非、前向きの対応をしていただいて、この地区を守っていただきたいと思っています。

 非常に由緒のある樹木、それからスポーツゾーンとして都民にとっても憩いの場であること、それから都市公園としてふさわしい地域であるということ、これを壊さないように、是非、文科省におきましても、関係のところにおきましても、注目をしていただいて、しっかりとその都度その都度意見を出していただければありがたいな、こう思っております。

 以上でございます。

宮内委員長 次に、中村裕之君。

中村(裕)委員 おはようございます。自民党の中村でございます。

 早速質問に入ります。

 まずは、旧統一教会についてであります。

 文化庁は、昨日、報告徴収、質問権の適切な行使に向けて専門家会議を開催したと承知をしております。この会議、宗教法人制度の運用等に関する調査研究協力者会議という名称ですけれども、大学教授等の有識者に加えまして、宗教法人関係者も多く委員を務められていると承知しております。

 さて、重要な会議だったと思いますが、どのような議論がなされたのか、まず伺いたいと思います。

永岡国務大臣 中村委員にお答えいたします。

 昨日二十五日に行われましたお尋ねの有識者会議では、宗教法人法において報告徴収、質問権が平成七年に規定された経緯等につきまして委員の間で共有された上、どのような場合に当該権限を行使できるかについて基準を明らかにすることが必要との認識で一致をいたしました。

 文部科学省といたしましては、宗教法人法に定めます報告徴収、質問権の適正な行使のためには、その行使の一般的な基準について定めまして、明確にすることが必要と考えております。

 引き続きまして、有識者会議における活発な議論に期待をしているところでございます。

中村(裕)委員 行使に当たっては基準を明らかにすることが重要だ、そういった議論だったというふうに伺いました。もちろん、法令を踏まえた明確な基準を定めて進めていくべきだと考えています。

 総理の答弁等からすると、組織性や悪質性や継続性など、そういったところが一つの基準になるんだろうというふうに思いますけれども、今後の進め方についてお伺いしたいと思います。

永岡国務大臣 文部科学省では、先般の総理からの御指示を踏まえまして、旧統一教会に対します報告徴収、質問権の行使に向けた手続を進めているところでございます。

 委員御指摘の宗教法人法に定めます報告徴収、質問権は、平成七年の創設以降、一度も行使したことがないわけでございます。宗教法人法の規定以外に、どのような場合に行使するかについて定めた基準は存在いたしません。

 そのために、宗教法人法を所管いたします文部科学省といたしましては、今後、同法に定める権限を適切に行使する上で、報告徴収、質問権を行使する一般的な基準を定めまして、内外に明確にすることが必要と考えております。

 次回の会議は十一月の八日火曜日に予定をしておりまして、文部科学省といたしましては、法に定めるプロセスを適正に踏みつつも、最大限速やかに対応することが必要であると考えておりまして、年内のできる限り早いうちに権限を行使できるよう手続を進めてまいります。

中村(裕)委員 一般的な基準を定めて、年内の行使を目指していくという答弁がございました。

 もちろん、速やかな質問権の行使、報告徴収というのが大事なことでありますけれども、私自身は、更に重要なことは、実態をしっかり把握をできる、そうした質問権の行使、報告徴収が重要だというふうに考えています。そのことがその後の手続等につながっていくものだというふうに思っていますが、宗務課、文化庁、文部科学省内だけでは情報の収集等に限界があるのではないかと私は思っていまして、法務省ですとか関係の、そうした情報の取れる関係省庁との連携も重要だと思っています。

 そうした各関係機関との、関係省庁との連携をしながら体制の充実を図っていくべきと考えますが、どのようにお考えか、お伺いします。

永岡国務大臣 現在、これまでに、宗務課の八名の職員に加えまして、文化庁内、それから文部科学省内からの応援として十六名を配置をして、計二十四名で対応に当たっているところでございます。

 また、今後、法務省等の関係省庁と連携をいたしまして、法曹や会計の専門家の協力を得つつ、体制を強化してまいる所存でございます。

中村(裕)委員 本件については、たくさんの先生方から御質問もあるでしょうから、私からはこの辺にとどめますが、実態を把握するというのが一番大切なことだと思いますので、スピード感も大事ですけれども、その点、心してかかっていただければと思います。

 次に、教師の処遇改善について伺ってまいります。

 教師のなり手が少ない。学校現場はブラックな職場だ、非常に長時間労働であるとか負担が大きい、また、様々な保護者からの強い意見もあるという中で、教師のなり手が少ないということが指摘をされています。

 しかし、教師というのは、例えば、スポーツでも文化部でも、部活動の指導者がいい人が来ると子供たちが非常に伸びていい成績を上げるというようなことがあるように、学習面でも教師の存在というのは学校教育の中で子供たちに大きないい影響を与える存在だと思っています。

 その意味では、優秀な教員の確保というのが非常に重要だと思っていますが、現在の現行給特法では月額四%の教職調整額が乗せられていますけれども、これは時間外手当に換算すると月八時間にしかすぎないんですね。これはやはり実態に合っていないというふうに指摘せざるを得ません。

 永岡大臣は、所信の中で、本年度実施の勤務実態調査の結果等を踏まえ、給特法等の法制的な枠組みを含めた教師の処遇の在り方を検討すると明言されております。これは私、相当思い切った処遇改善が必要ではないかというふうに考えていますけれども、大臣の所見を伺いたいと思います。

永岡国務大臣 お答えいたします。

 文部科学省におきましては、学校における働き方改革の様々な取組と成果等を踏まえつつ、本年度実施の勤務実態調査におきまして、教師の勤務実態や働き方改革の進捗状況をきめ細かく把握する予定でございます。その結果等を踏まえまして、教師の処遇を定めた給特法等の法制的な枠組みを含め、検討することとしております。

 具体的に申し上げますと、今年八月、十月、十一月の勤務実態を調査しているところでございまして、調査後のスケジュールといたしましては、前回、これは平成二十八年になるんですけれども、前回の勤務実態調査のスケジュールを踏まえますと、令和五年の春頃に速報値を公表した後、回答データの精査、きめ細かな分析をするということになります。

 学校教育の成否というのは教師に懸かっております。教職の魅力、これを本当に向上させまして、優れた人材を確保していくというのは今喫緊の課題でございますので、私といたしましては、あらゆる手だてを講じまして、全力で取り組む決意でございます。

中村(裕)委員 実態調査も進んでいて、取りまとめにはまだ半年以上かかるということですし、時間がかかることですけれども、大臣から、あらゆる手だてを講じてという言葉もありました。本当に、優秀な人材が教師になりたい、そういうふうに思えるような処遇に変えていけるように、私たちも協力をしていきたいと思います。

 次に、岸田内閣が掲げる新しい資本主義、特に人への投資についてであります。

 この点、文部科学省の役割は非常に大きなものがあると思っています。とりわけ、日本の成長を支えていく、デジタル人材を含む高度専門人材の育成は必要不可欠な分野であります。

 この高度専門人材の育成、拡充に向けては、大学や高専が学部を再編して成長分野に転換をしていく、また、成長分野の定数を増やしていく、そして、設備投資やそうした初期投資に対しての投資をしっかり国として支えていくことが重要になるわけであります。

 そしてまた、こういった支援は、一時的なものではなくて、計画的、継続的に行うべきでありまして、やはり、五千億円程度の充実した十分な規模の基金を今回の総合経済対策の補正予算で求めていって、新たに基金を創設し、十年計画でそうした高度専門人材を育成することが必要だというふうに考えておりますけれども、文部科学省の所見を伺いたいと思います。

簗副大臣 お答えいたします。

 まず、中村委員におかれましては、党の文部科学部会長として、デジタル分野等の高度専門人材の育成に向けた緊急決議を取りまとめいただきまして、文部科学省に対し御要望もいただきました。力強い御支援を賜っておりますことに心から感謝を申し上げたいと思います。

 我が国の成長や発展のためには、成長分野を牽引する高度な専門人材の育成が急務でありまして、とりわけ現在不足するデジタル人材につきましては、政府全体で、二〇二六年度末までに二百三十万人育成するという目標が掲げられております。その育成、確保はまさに待ったなしの状況でございます。

 こうした中、文部科学省においては、数理、データサイエンス、AI教育の全国的な展開や教育プログラムの認定制度等の各種施策の実施に加え、デジタルを始めとした高度専門人材の育成に向け、意欲ある大学、高専が予見可能性を持って再編に取り組めるよう、基金を含め、継続的支援策の創設を検討しております。

 文部科学省としましては、御指摘を踏まえ、初期投資や当面の運営経費に対する継続的な支援を行えるよう、必要な準備を加速してまいりたいと考えております。

中村(裕)委員 自民党文部科学部会としても決議をしておりますので、一生懸命後押しをしてこれを実現していきたいと思いますので、文部科学省としても積極的な取組をお願いします。

 次に、科学技術イノベーション投資についてであります。

 私は、世界の、国際社会の中で日本がなくてはならない国になる、不可欠性を持つことが非常に重要だと思っておりまして、そのことが、ある意味安全保障上も非常に大きな役割を果たすというふうに考えております。科学技術イノベーションの投資を拡大して、世界が求めるような先端技術を我が国が開発し、保持することが最も重要なことであります。

 現在、十兆円ファンドの果実による国際卓越研究大学への研究開発投資を行おうとしているところでありますけれども、衆参両院の附帯決議にもあるように、卓越大学のみならず、地域の中核となる大学や特色ある研究大学での研究を始め、海外の研究者との共同研究を進める、国際頭脳循環や革新的GX研究も、これは単発ではなく、継続的に支援するべきだと考えます。

 これらの研究分野にも十分な規模の基金を創設し、補正予算で確保して進めるべきだというふうに考えています。この考えについて、文部科学省の所見を伺いたいと思います。

井出副大臣 お答えを申し上げます。

 科学技術イノベーションは我が国の成長のエンジンとなるものであり、科学技術立国の実現は岸田総理の掲げる成長戦略の重要な柱でもございます。

 研究者の、本当にその探求心と継続的な取組に応え得る知の基盤ともいうものを整備しなければなりません。

 そのために、国内の研究力発展のための研究大学群の形成、それから、国際ネットワークにきちっと参画をできるような戦略的な共同研究、また、グリーン成長を始めとする重要分野の戦略的な研究開発を強力に進めなければならないと考えております。

 これを踏まえ、文科省といたしましては、地域中核、特色ある研究大学の抜本的強化、政府主導による国際共同研究、国際頭脳循環の推進、カーボンニュートラル実現に必要な革新的技術開発について、継続的な支援が実施できるように検討しております。

 研究というものは、単年度ということは決してございませんので、先生のおっしゃる継続的な支援、基金も含めた、継続性というものが極めて大事だと考えております。

 経済対策の取りまとめに向けて、先生の御指摘を踏まえつつ、対応してまいります。

中村(裕)委員 我が国の研究力の低下が指摘をされています。ここでしっかり転換をして、腰を据えて、知的欲求を基にした研究がしっかり進められるように共に頑張っていきたいと思いますので、これからもお力添えといいますか、省としての頑張りを期待し、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございます。

宮内委員長 次に、鰐淵洋子さん。

鰐淵委員 おはようございます。公明党の鰐淵洋子でございます。

 今日、永岡大臣に初めて質問させていただきます。どうか最後までよろしくお願いいたします。

 早速質問に入らせていただきますが、子供たちを取り巻く環境は、特にここ二、三年で劇的に変化をしております。

 コロナの感染拡大によりまして、これまで当たり前だった学校生活が送れなくなりました。例えば、給食を食べるときも、話さずに静かに食べる。また、楽しみにしていた学校行事も中止にもなったりしました。そのほか、子供たちの家庭も様々な影響を受けております。そして、今年に入りましてからはロシアによるウクライナ侵略もございまして、その光景を見ながら、どうしてこういった戦争が起きるのか、心を痛めた子供たちもいらっしゃいました。

 このように様々な環境の変化がある中で、また、子供たちは、不登校、いじめ、児童虐待、自殺等の課題も浮き彫りになっておりまして、このような劇的な変化の中、また、様々な環境が多様化、複雑化、深刻化している中で、子供たちがしっかりと生き抜く力を育んでいかなければならない。改めて、誰一人取り残さない教育が更に重要になってくるかと考えております。

 改めまして、永岡大臣の教育に対する思い、今後取り組まれる決意をお伺いしたいと思います。

永岡国務大臣 鰐淵委員にお答えいたします。

 本当に国の中でも何しろ宝は子供であるということ、そして本当に子供は国の礎だと思っております。

 昨今の国際情勢、社会情勢が本当に不確実さを増す中で、様々な課題を抱えます子供たちを誰一人取り残さず、また、可能性を最大限に引き出す、そういう教育をやはり行っていくということは大変重要であると考えております。

 子供たち一人一人が家庭の経済事情にかかわらず質の高い教育を受けられるよう、幼児期から高等教育まで切れ目のない形での教育費の負担軽減、これを図るというのも本当に大事だと思っておりますし、特別支援教育の充実、そして、いじめや不登校への対応、これも全力で取り組んでまいりたい、そう思っております。

 また、これからの社会を生き抜くための、子供たち一人一人が、やはり個性を磨きまして、創造性を伸ばし、そして国際社会で活躍できる、心豊かな国民に成長しますように、教育政策をしっかりと進めてまいりたいと考えております。

鰐淵委員 ありがとうございました。

 文科行政、様々課題は抱えておりますが、今大臣述べていただいたとおり、その思いのままに是非とも走り抜いていただきたいと思います。しっかり私も力を合わせて、心を合わせて取り組んでまいりたいと思っております。

 それでは、具体的な質問といたしまして、先ほど大臣の御決意の中にも触れていただきました特別支援教育の充実について質問させていただきたいと思います。

 特別支援教育へのニーズや認識の高まりから、特別支援教育を受ける子供たちが増加をしておりまして、様々な課題が指摘をされております。

 私は、障害の有無にかかわらず、誰もがその個性や能力を伸ばし発揮できる環境を整備することが重要との思いで、文部科学大臣政務官を二年間務めさせていただきましたが、その間、今後の特別支援教育の在り方に関するタスクフォースを主宰をさせていただきました。

 このタスクフォースでは、学校現場の視察やオンラインヒアリング、また文科省の中で関係者の皆様とも議論させていただきまして、成果を取りまとめることができました。改めて、この場をおかりいたしまして、関係者の皆様に感謝を申し上げたいと思います。

 タスクフォースでは、障害のある子供の教育支援の手引の改定、特別支援学校設置基準の策定、特別支援教育を担う教師の養成の在り方等への道筋、また、そのほか、病気療養児への教育支援等についてまとめさせていただいておりまして、本日は、具体的に、その後の取組状況、検討状況について質問させていただきたいと思います。

 まずは、特別支援教育に関わる教師の専門性の向上でございます。

 これは言うまでもなく、特別支援教育に関わる先生方の役割、使命は大変に大きいものがございます。特別支援教育の専門性を担保しつつ、関わる教師を増やしていかなければならないと思いますけれども、しかし、課題は多く、例えば、特別支援教育に関わる、携わる経験がないという校長先生が小学校で七〇・六%、中学校で七五・四%いるとの、そういった報告もございます。

 タスクフォースでも検討させていただきました特別支援教育に関わる教師の専門性向上に向けた方策につきまして、その後の取組状況をお伺いいたします。

藤原政府参考人 お答えいたします。

 全体の子供の数が減る中で、特別支援教育を受ける子供の数は直近十年間で倍増しておるわけでございますが、今御指摘もございましたように、特別支援学級等を置く小学校及び中学校の校長のうち三割程度しか特別支援学級等での教職経験がないなど、教師の専門性の向上が喫緊の課題であるというふうに考えております。

 文部科学省といたしましては、鰐淵前政務官の下に設置をいたしました今後の特別支援教育の在り方に関するタスクフォースで取りまとめた方針に基づき、教師の養成の在り方等に関する有識者会議を立ち上げ、本年三月、関係者が取り組むべき方向性を示したところでございます。

 具体的には、全ての新規採用教員がおおむね十年目までに特別支援学級や特別支援学校を複数年経験することとなる状態を目指すということ、また、管理職の任用に当たり、特別支援教育の経験を考慮すること、また、特別支援学校教諭免許状コアカリキュラムの策定により、養成段階で学ぶべき内容を明示する、こういった内容を都道府県教育委員会等に通知をしたところでございます。

 引き続き、この取りまとめた方向性の周知徹底などにより、教師の専門性向上にしっかりと取り組んでまいりたいと存じます。

鰐淵委員 ありがとうございました。

 先ほど中村委員からも教師の処遇改善のお話もございましたが、そういったことも取り組みながら、専門性の向上、また確保ということで、大変に重要な課題でもありますし、時間もかかるかと思いますが、しっかりと引き続き地道に取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 続きまして、病気療養中の子供への教育支援の充実について質問させていただきたいと思います。

 平成三十年度に行った実態調査におきまして、学習指導等の支援を受けていない病気療養児が一定程度存在することや、ICTの活用状況が二%にとどまるなど、そういったことが確認をされておりますが、しかし、これは平成三十年度の実態調査でございまして、まだまだ病気療養児の学びの現状や課題等を把握し切れていないと思っております。

 病気療養中の子供たちが、病気と闘いながらも夢や希望を持って学んでいけるように、教育機会の保障と教育支援の充実にしっかりと取り組んでいかなければなりません。

 この点につきましても、取りまとめさせていただきました政策方針につきまして、見解と対応状況についてお伺いをいたします。

永岡国務大臣 お答えいたします。

 今委員おっしゃいますように、病院や自宅等で療養中の子供につきまして教育機会を保障すること、これは本当に重要でございます。

 委員が政務官でいらっしゃいましたときに設置をいたしました今後の特別支援教育の在り方に関するタスクフォースにおきましてまとめられました方針に基づきまして、今後、病気療養児の学びの実態等について調査をいたします。そして、今年度中を目途に、同時双方向型のみならず、オンデマンド型の授業を可能とするための制度の見直しを図ることとしております。また、令和五年度の概算要求におきましては、オンデマンド型の授業の効果的な活用方法等の調査研究に係る経費、これも要求しております。

 引き続きまして、病気療養中の子供も含め、様々な課題を抱える子供たちを誰一人取り残さず、可能性を最大限に引き出す教育の実現に向けまして取り組んでまいる所存でございます。

鰐淵委員 ありがとうございました。

 先ほど申し上げたとおり、現状掌握からの取組にはなるかと思います。しっかりと着実に進めていくことと、また病気によっても、またそのときの子供たちの病状によっても変わってくる大変に難しい課題でもありますけれども、医師やまた病院の方々とも協力していただきながら、この課題、しっかりと進めていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願い申し上げたいと思います。

 次に、誰一人取り残さない教育の実現ということで、関連いたしまして、不登校特例校について質問させていただきたいと思います。

 不登校は、もう御存じのとおり、原因は様々でございまして、大変に複雑であると思っております。例えば、その理由といたしまして、分からないけれども何となく、そういった理由で登校できなくなった子供たちもいらっしゃると聞いております。

 そういった中で、学校現場での不登校の取組は、防止の取組も含めまして、引き続き重要になってまいります。例えば、相談体制の充実、専門家等との連携、教師の専門性の向上、こういったこともそうですし、また、学びの機会の確保、こういったことをしっかりと総合的に、切れ目のない支援を進めていかなければなりません。

 そういった中で、その取組の一つといたしまして、我が党といたしまして、不登校特例校の全都道府県等での設置、これを提案をさせていただいておりまして、こういったこともしっかりと具体的に進めていきたいと思っております。

 この実現に向けてどのように取り組んでいるのか、伊藤政務官に御見解をお伺いいたします。

伊藤大臣政務官 お答えいたします。

 今般、公明党不登校支援プロジェクトチームからいただきました提言を受け止め、政府におきましても、骨太の方針二〇二二におきまして、不登校特例校の全都道府県等での設置や指導の充実を図ることとしております。それを踏まえ、令和五年度概算要求におきましては、不登校特例校の設置に向け、不登校特例校の設置準備等に必要な経費を計上しております。

 引き続き、不登校の児童生徒の社会的自立を目指し、こうした様々な支援措置を積極的に周知し、不登校特例校の設置促進及び指導体制の充実を図ってまいります。

鰐淵委員 ありがとうございました。

 設置とともに、今政務官にもおっしゃっていただきました、やはり当事者の方、その御家族、また関係者の皆様にもこういった不登校特例校のこと自体をそもそもまだ御存じない方もいらっしゃると思いますので、周知も含めて、しっかりとお取組の方を重ねてお願い申し上げておきたいと思います。

 それでは、次の質問で、部活動の地域移行につきまして質問させていただきたいと思います。

 この課題につきましては、これまでも本委員会でも質疑がされておりましたし、また、公明党の部会でも取り上げさせていただいております。

 本日は、私からも、首長さん、また地方議員の方、現場の方から様々声をいただいておりますので、具体的に質問していきたいと思っております。

 まず、この部活動でございますが、言うまでもなく、これまで学校教育の一環として行われておりまして、生徒同士や教師と生徒等の人間関係を深めたり、また、自主性の育成に寄与し、自己肯定感を高めることもできたと思います。また、部活経験者の中には、この部活動経験があったから今を頑張ることができると、生き抜く力を育んでこられた方もたくさんいらっしゃるかと思います。

 部活動は、子供たちにとっては、なくてはならない学校教育の一つでございます。しかし、一方で、少子化が進む中で、部活動の持続可能性という観点で難しさが増していること、また、教師にとって負担となっているとの一部の課題もございまして、将来にわたり子供たちがスポーツ、文化に継続して親しむことができる機会を確保するためにも、部活動の地域移行と地域スポーツ、文化環境の一体的な整備に向けた取組として、今回の部活動の地域移行があると承知をしております。

 しかしながら、先ほども申し上げましたが、首長や教育委員会等、現場からは様々な声をいただいておりまして、例えば全体像が見えない、部活動の位置づけがこれからどうなるのか、また、指導者がいない、費用負担がどうなるのか、そういった声もいただいております。

 先日も首長、教育委員会等の関係者の皆様のオンライン会議に参加をさせていただきましたが、その会議でも、この地域移行につきまして、意義は理解しつつも、このままでは地域移行は難しい、できないといった厳しい声もいただいております。

 そこで改めて、部活動の地域移行につきまして、現場の課題をどのように把握をしているのか、極力簡潔にお伺いをしたいと思います。

    〔委員長退席、中村(裕)委員長代理着席〕

角田政府参考人 お答え申し上げます。

 部活動の地域移行につきましては、有識者による検討会議の提言におきまして、多様なスポーツ、文化芸術団体等を実施主体として整備していくことや、指導者、施設の確保、また、会費や保険の在り方、大会の在り方など様々な課題、そして、そのための対応策が示されているところでございます。

 一方で、少子化が進む中でも、子供たちのスポーツや文化芸術活動の機会を確保できること、また、専門的な指導を受けられること、子供のニーズに合った多様なスポーツ、文化芸術活動ができることなど、メリットもあると考えているところでございます。

 先ほど御指摘もございましたとおり、文部科学省といたしましても、今後とも全国の自治体や学校関係者、スポーツ、文化芸術団体、PTA関係者など、幅広い方々のお話も聞きながら、連携協力しながら、各地域の実情に応じまして、取組を進めてまいりたいと考えております。

鰐淵委員 ありがとうございました。

 文化庁、スポーツ庁もそれぞれ、様々な声を聞いていただいていると思いますけれども、改めて具体的に、私の方からも重ねて質問させていただきたいと思います。

 まず、部活動は学校教育と切り離せないということを改めて申し上げておきたいと思いますが、やはり習い事ではなくて、子供たちにとって重要な学校教育の一つであると考えております。

 地域移行後、部活動の位置づけはどうなるのか、お伺いをしたいと思います。

角田政府参考人 お答え申し上げます。

 学校における部活動は、生徒の自主性、自発的な参加を通じ、責任感、連帯感の涵養に寄与するなど、教育的意義を有しており、現在、学習指導要領上、学校教育の一環として位置づけられているところでございます。

 一方、先ほどお話もございましたが、少子化の進展の中、部活動を従前と同様の体制で運営することが難しくなってきている、学校や地域によっては存続が厳しい状況にある中、将来にわたり生徒のスポーツ、文化芸術活動を持続可能なものとしていく必要がございます。

 地域移行後の活動につきましては、社会教育の一環として捉えることができ、また、スポーツ、文化芸術の一環として位置づくものでございます。

 なお、部活動指導員として外部人材を活用して行う部活動につきましては、従前どおり、学校教育の一環と位置づけられるものと考えております。

 地域のクラブ活動は、集団の中で仲間と切磋琢磨することや、学校の授業とは違った場所で生徒が活躍することなど、生徒の望ましい成長を保障していく観点から、教育的意義を持ち得るものと考えております。

 今後、地域移行を進めるに当たりましても、部活動の教育的意義、役割を継承、発展させ、新たな価値が創出されるよう、学校、家庭、地域の相互の連携、協働の下、スポーツ、文化芸術活動による教育的機能を一層高めていくことが大切だと考えているところでございます。

鰐淵委員 ありがとうございました。

 社会教育にはなるけれども、学校教育の意義はしっかりと残すということで、一番そこが大事だと思っておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 そのほか、大きな声といたしまして、部活動の地域移行に伴いまして、地方自治体や保護者の方の費用負担がどうなるか、これもまた大変に大きな不安の声の一つでございます。

 自治体の財政力、また、家計によって格差が出るようなことが絶対にあってはならないと思っております。

 この費用負担についての御見解をお伺いいたします。

角田政府参考人 お答え申し上げます。

 地方公共団体における取組に対する支援につきましては、来年度概算要求におきまして、関係者との連絡調整等を行いますコーディネーターの配置、また、運営団体、実施主体の整備充実、実技指導等を行う指導者の配置や人材バンクの設置などに対する支援を盛り込んでいるところでございます。

 また、保護者負担につきましては、生徒や保護者、地域住民等の理解を得つつ、活動の維持運営に必要な範囲で可能な限り低廉な会費を設定するとともに、家庭の経済事情からスポーツ、文化活動をすることを諦めてしまうことのないよう、経済的に困窮する世帯に対する支援につきましても概算要求に盛り込んでいるところでございます。

 文部科学省といたしましては、地方公共団体を通じた必要な支援を行いながら、将来にわたる子供たちのスポーツ、文化活動の機会の確保のための取組を進めてまいりたいと考えております。

    〔中村(裕)委員長代理退席、委員長着席〕

鰐淵委員 ありがとうございました。

 これも先ほども申し上げましたが、今は、費用負担につきましては一つの大きな皆様の、現場の不安でもございまして、これは引き続き丁寧に、相談にも乗っていただきながら対応していただきたいと思っております。安心して部活動に取り組めるということで、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 次の具体的な課題といたしまして、指導者が少ない、指導者がいない、そういった声もいただいております。これにどのように対応していくのか伺っていきたいと思いますが、この課題につきましては、部活動指導者といたしまして、例えばアスリート、オリンピアンやパラリンピアン、こういった方々、そのほかアーティスト等の方々に担っていただくということ、こういったことができないかということで、公明党の部会、当時浮島部会長の下で検討させていただいて、提案、要請をさせていただいております。

 こういった取組は、子供たちにとりましても、またアスリートの皆さんにとりましても大変すばらしい体験にもなると思っておりまして、是非とも積極的に取組を進めていただきたいと思います。御見解をお伺いいたします。

角田政府参考人 お答え申し上げます。

 部活動の地域移行を進める上で、指導者の確保、非常に重要な課題でございます。地域の様々な人材を活用していくことが必要であると考えております。

 昨年度から実施しておりますモデル事業におきましては、実施主体の指導者のほか、公認スポーツ指導者、スポーツ推進員、部活動指導員、退職教師などの活用、また、教師の兼職、兼業、企業やクラブチーム、大学との連携、地域のスポーツ団体等と連携した人材バンクの設置など、指導者確保のための様々な取組がなされているところでございます。これらの先行事例について周知を図り、各自治体における指導者の確保のための参考にしていただくことも予定してございます。

 また、来年度の概算要求におきましても、都道府県が行います広域的な人材バンクの設置に対する支援、日本スポーツ協会の公認スポーツ指導者資格の取得促進のための講習機会、講習内容の充実等に対する支援も盛り込んでおります。

 さらに、学校部活動における部活動指導員の配置拡充のほか、学校現場におきまして、アスリート、アーティスト等の人材が教師として勤務するモデルの調査研究事業等にも取り組んでいく予定でございます。

 文部科学省といたしましては、これらの事業を通じまして、地域の実情等に応じました総合的な支援に取り組んでまいりたいと考えております。

鰐淵委員 ありがとうございました。

 是非とも積極的に、充実した部活動になるようにということで、指導者の確保、是非進めていただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。

 また、部活動といいますと、どうしても運動部が中心のような、話題が中心になってしまっているところもございますが、文化部も大変に重要でございます。運動部が大体全体の七、八割、文化部が二、三割ということで、圧倒的に運動部が多いのは事実なんですが、繰り返しになりますが、文化活動も大変に重要ということで、しっかりと文化部の活動、これも取り組んでいただきたいと思っております。

 どのように取り組んでいくのか、改めてお伺いしたいと思います。

杉浦政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘のとおり、文化部に所属している中学校等の生徒の割合はおよそ二、三割と言われており、文化部活動についても地域の実情に応じた地域連携、地域移行を進めていくことが重要でございます。

 こうした中、本年八月、文化部活動の検討会議で取りまとめられた提言では、運動部活動に共通する課題が多いこと、また、異なる点としましては、総合型スポーツクラブと同様の総合的な受皿が想定されないこと、音楽室、美術室など校舎内の特別教室の活用、学校外では文化施設の活用が想定されることなどが指摘されたところでございます。

 これらを踏まえまして、文化庁におきましても、スポーツ庁と足並みをそろえまして、事例集の作成、周知やガイドラインの改定に取り組むとともに、運動部活動と異なる課題に対処するため、休日の活動日数、時間数の多い吹奏楽部等の課題に対するモデル構築などにも取り組んでまいりたいと考えております。

 こうした部活動改革を通じて、子供たちが文化芸術に継続して親しむことができる環境整備に努力してまいります。

鰐淵委員 ありがとうございました。

 文化部ならではの、文化活動ならではの課題ということで、やはり施設の問題、また、そもそも楽器が高いとか、そういったこともあるかと思います。子供たちがしっかりと、文化芸術に引き続き触れながら、また、活動を充実できるようにということで、引き続き、文化庁を中心にしっかりと頑張っていただきたいと思っております。

 今も様々、部活動につきまして質問をさせていただいておりましたけれども、先ほども申し上げましたとおり、この部活動の地域移行の全体像が見えないとか、最終的な、どういった方向に持っていくのか分からないとか、そういった声をいただいている中で、首長とか教育委員会、そういった関係者との連携も大事なんですけれども、保護者の方、また地域の方々の理解を、また協力を得ることも大変に重要になってくるかと思っております。

 改めて、この部活動の地域移行の意義とか、また、このように変わっていくとか、そういったことをしっかりと、地域と一体となって取り組んでいくためには、やはり御理解していただいて協力をしていただくことが重要ですので、より丁寧に分かりやすく周知していく、地域の方、保護者の方にも是非ともそういったことを取り組んでいただきたいと思っております。

 御見解とお取組についてお伺いをしたいと思います。

角田政府参考人 お答え申し上げます。

 文部科学省におきましては、部活動の地域移行に関する検討会議の提言公表以降、全国の自治体関係者、学校関係者、関係団体、PTA関係者など、様々な方々との意見交換を進めてきているところでございます。

 また、昨年度から実施をしております実践研究におきまして、延べ約百三十の市町村、延べ約二百九十の中学校におきまして取組をしていただいております。その中で、多様な自治体、都市部や地方部、また、外部人材の活用など多様なモデル創出がなされており、こうした成果を事例集として取りまとめ、公表することとしているところでございます。

 また、地域移行の全般的な考え方や必要な対応につきまして、平成三十年に策定いたしました部活動の在り方に関する総合的なガイドラインを改定する作業を進めてございまして、今後お示しさせていただきたいと思っております。

 文部科学省といたしましては、今後とも、丁寧な情報発信や広報を行って、関係の方々から御意見を伺いながら取組を進めてまいりたいと考えております。

鰐淵委員 ありがとうございました。

 今質問させていただいて、逆に、全体像を話すと分かりづらくなるのではないかとか、いろいろな御意見もいただいておりまして、いずれにしても、変わっていきますので、そのこと自体も含めてしっかりと周知もしていただきたいと思いますし、その上で、首長、教育委員会、保護者、地域の方々、それぞれの立場によって不安なこと、課題も様々違いますので、先ほども丁寧にとおっしゃっていただきましたが、もう是非とも丁寧に引き続き相談に乗っていただいて、一つ一つ解決をしながら前に進めていただきたいと思いますので、重ねて要望させていただきたいと思います。

 今、しっかりと現場の声を聞いていただきたいということで改めてお願いを申し上げましたが、やはり、この部活動は何よりも子供たちのための部活動でなければなりませんので、当事者である子供たちからもしっかりと意見を聞いていただきたいと思います。スポーツ庁、文化庁はもちろんです。また現場におきましても、各市町村において、また学校におきましても是非とも子供たちの声を聞いていただきまして、不安だったり課題も含めて聞いていただいた上で、この地域移行を進めていただきたいと思っております。

 その上で、やはりこの課題は、今も答弁ありましたとおり、運動部はスポーツ庁、文化部は文化庁ということで、それぞれが対応していただいておりますが、しかし、これは、文科省として、これから部活動の在り方、方向転換をしていくわけです。移行をしていくわけですので、文科省として、やはり大臣のリーダーシップの下、しっかりと進めていくことが重要ではないかと思っております。

 この地域移行につきましては、しっかりと各自治体、また現場が円滑に取り組めるように、財政支援も含めまして、今、様々質問をさせていただきました。こういった課題も含めまして、大臣の下、文科省がしっかりと中心となって進めていただきたいということを、改めて、決意も含めて、大臣にお伺いしたいと思います。

永岡国務大臣 鰐淵委員、本当に本当にそのとおりでございます。

 委員、もう既に政府参考人の方からいろいろ質問の答弁をいただいたかと思いますけれども、やはり、何といっても、今までの部活動というのは、学校の先生が主体となって、子供たちを、リーダーシップを取ってくれたということでございますが、それを学校のある地域に落としていこうということでございますので、いろいろな問題が起きるということでございます。

 そんな中で、まだ想像もつかないような話だなと思っている首長さんの方もいらっしゃるということでございますが、やはり少子化の中でも、将来にわたり子供たちがスポーツ、文化芸術に継続して親しむことができる機会を確保するために、文部科学省の関係部局が、先生、本当に、御指摘ありましたように、一丸となって、部活動の地域移行と地域の持続可能なスポーツ、文化芸術環境の一体的な整備、これを目指してまいる所存でございます。

 このために、今後、文部科学省のモデル事業の成果や課題を事例集としてまとめまして、広く自治体に周知するほか、子供の声、これもしっかりと現場の声を広く把握しながら取組を進めてまいる所存でございます。

 また、令和五年度の概算要求におきまして、地域におけるスポーツ、文化芸術活動の運営体制や指導体制の整備への支援、そしてコーディネーター配置への支援、困窮世帯の子供の参加費用負担に係る必要経費、これを要望しております。

 必要な予算確保に向けても、しっかりと頑張ってまいります。

鰐淵委員 ありがとうございました。

 以上で終わります。

宮内委員長 次に、柚木道義君。

柚木委員 ありがとうございます。立憲民主党の柚木道義でございます。

 野党のトップバッターとして質問させていただきます。

 後ほど、それぞれの委員の皆さんもしっかりと質問をさせていただく予定でございますので、まさに、大臣を始め、皆様の誠実な御答弁をお願い申し上げます。

 冒頭、今日、実は傍聴席に、匿名ではありますが、旧統一教会被害者、宗教二世という報道もされますが、仮名で井田雫さん、一番最後部の一番左側ですね、我々から見て。匿名でございまして、カメラの方、今日、取材もお越しですが、顔出しNGという中で、本当に、是非この委員会での最初の質疑を聞きたいということで、お仕事もある中、予定をおつけいただいてお越しいただいております。

 また、報道等もよく出ている小川さゆりさんもこの生中継を傍聴されているというふうにお聞きをしておりまして、そういったことも含めて、永岡大臣を始め、皆さん、是非、一番、先ほど直接お聞きしたら、おっしゃっていたのは、やはり、今の被害者救済、今、超党派でやっている悪質献金被害救済法案の成立あるいは解散命令の請求、これもやってほしいんだけれども、自分のことはもとより、同じ苦しみ、同じ被害をほかの後の人たちに味わってもらいたくない、そういうことをおっしゃっていました。そういった観点からも質問させていただきますので、是非よろしくお願いいたします。

 冒頭、通告しております、井出副大臣はちょっと後でお願いします、政務三役まとめて、通告一の二と一の三というところをまとめて、それぞれ、永岡大臣、それから、そうですね、それについては両副大臣そして両政務官、それぞれまとめてお答えをいただきたいと思います。

 自民党議員の方々と旧統一教会の関連団体の方々とが推薦確認書、今日、資料の一枚目に、報道で出ているそれぞれ様々な関係、関わりがあった方の報道資料をつけておりますが、その中で、推薦確認書、いわば政策協定、これを提示され、署名を求められたことがあるか。実際に議員本人若しくは秘書さんなどが署名をしたか。自民党さんの行った所属国会議員と旧統一教会との接点調査でそれぞれどのような報告をされたのか。そして、自民党さんでない伊藤政務官におかれましては、その内容について、どのような接点があったかお答えいただければと思います。また、これまで党に報告した以外に、つまり報告漏れや接点調査項目にないものも含めて、旧統一教会との接点が何かあったか。

 そして、一の三ですが、それぞれ、政務三役、世界大使協議会及び世界平和議員連合に入会しているか、あるいは、現在入会していなくても、入会していたことがあるか。そして、入会している場合は、自民党さんは関係を絶つとおっしゃっているわけですから、即退会するということでよいか。

 これはちなみに、理事会では宮内委員長も誠実に御回答いただいておりまして、御自身が関連団体の会合に出席したことについては党に修正申告、報告をしたと大変誠実な御答弁をいただいておりますので、是非、それぞれ、政務三役の皆さん、御答弁をお願いいたします。

永岡国務大臣 柚木委員御指摘の推薦確認書、これには、提示されたこともなければサインもしたことはございません。全く関係ございません。そして、私の知る限りですけれども、旧統一教会関係の団体とも今まで一切関係がない、そういう認識でございます。

 そして、何か、議会ですか、協議会、それから議員連合に入っていたか、入会したかということでございますが、そこに入会したということはございません。

 以上です。

簗副大臣 お答えいたします。

 御指摘の推薦確認書の類いにつきましては提示されたこともなく、同団体とは今までも関係はございません。

 そして、もう一つの、質問のありましたこの協議会や議員連合等でございますけれども、こちらについても入会したことはございません。

 以上です。

井出副大臣 推薦確認書につきましては、先般参議院の予算委員会でお話をしましたが、推薦確認書というものを提示され、署名を求められたことはございます。その場でお断りをしております。そのことにつきましては、お断りをしましたので、党の調査等には報告をしておりません。朝日新聞の報道がありましたその当日に、信濃毎日新聞や共同通信など数社から取材がありまして、提示があったこと、サインをお断りしたこと、そのことは御説明をしております。

 それから、それ以外の接点ということでございますが、八月の二日にSNSで私の方から直接御説明をしておりますが、過去に一度、出席を求められた会合にお断りをして、そこに電報を送ったことが去年の三月に一度ございます。それと、昨年十月の私の衆議院の総選挙の際に、九月に応援をしたいという御希望があって、面談をいたしました。私からは、こういう応援をしてほしいというような具体的なことは一切お願いはしませんでした。先方からも、では何をするというようなことは、お話は一切ございませんでした。選挙戦の最中に街頭演説に数名の方で何か所かにお越しいただいていることは、その都度、当日、確認をしております。

 それから、関連団体やそれに関係する議員連盟とかそうしたものは一切入ったことがございません。

 今申し上げました過去に接点があったことにつきましては、今政府がやっております相談の内容ですとか昨今の報道を踏まえれば、私の認識が浅かったと反省をしておりますし、今後、そうした団体との関係は持たずに、また、社会的な問題が把握される団体ですとか個人とはやはりおつき合いというものは厳に慎んでいかなければならないと思います。そして、今日、傍聴にも来ていただいているということですが、被害を訴えられている方の声にしっかりと向き合うことが、今委員の質問の冒頭でもございましたが、この問題で取り組まなければいけない一番のことだと考えております。

伊藤大臣政務官 旧統一教会より推薦確認書を提示されたことはございません。また、今までも同団体との関係はありません。そしてまた、御指摘の団体に入会を現在していないとともに、これまでも入会をした事実はありません。

山本大臣政務官 お答え申し上げます。

 旧統一教会から推薦確認書を提示されたことはありません。また、関係団体から会合への出席を求められましたが、お断りいたしました。ただ、一般的な祝電を複数回、送付したことはございます。

 御指摘の団体に入会したことはございません。

 今後は、当該団体との関係は一切持たないことをお約束いたします。その上で、永岡大臣の下で、襟を正して文部科学行政に取り組んでいるところでございます。

柚木委員 それぞれ誠実に御答弁いただいたと思っております。この後、辞任をされた山際大臣のように後出しで出てくることはないと信じておりますので、ゆめゆめ辞任ドミノというようなことにならないように、よろしくお願いいたします。

 それで、井出大臣に一、二点だけ確認をさせてください。

 誠実に御答弁いただいたと思っています。ただ、この資料一にもありますように、自民党さんの行ったこの調査の中で、まさに今お答えになられた、選挙において、こちらからはお願いしていないけれども、相手が、皆さん御存じのように、選挙の演説とかに来ていただける方というのは大変ありがたい、まさに応援でございまして、そういった選挙におけるボランティア支援、ここに回答されていない。これはなぜなんですか。あるいは修正報告を既にされているんですか。

 さらに、会合に出席のところにも、私が今も改めて確認しました限りでは、出席のところに上がっていないんですが、これは修正報告をしたのかしていないのか、お答えをください。

井出副大臣 会合の方は、私、参加したということは一度もございません。

 それから、御指摘のあった選挙の応援に係るところですが、私はフェイスブックで公表しておりますが、応援をしたいという御希望があって、具体的に提案をしていただきたいと。私の方からは何もお願いをしなくて、そこはそこで終わったんですね。その後、例えば、何かボランティア支援をするとか演説に動員をするとか、そういう連絡もいただきませんでした。街頭演説が現に行われるその場所に行ったときにそうした皆さんとお会いをしたということですので、それで、私は、そのボランティア支援とか組織的な支援、動員、そういうものの類いではなかった、そういう思いで党の調査の方に報告はしております。

 ただ、御説明した経緯を踏まえれば、応援をしたいという御意向もありましたし、具体的なお願いはしませんでしたが、私はフェイスブックでは、応援をいただいたということを私なりの思いとして書かせていただいております。

 先般の予算委員会でも、参議院でも御質問いただいたんですが、党の調査に私の名前がないというところの御指摘につきましては、私の公表したことですとか事実関係が、フェイスブックだけじゃなくて既にマスコミにもお話をしておりますし、そのことは変わることはございませんので、先ほど申し上げましたとおり、反省を踏まえて、これからしっかりと被害の声に向き合っていく、そのことをしっかりやりたいと思っております。

柚木委員 ちょっとほかの質問に行きたいので、もう最後一つにしますが、井出副大臣は、私は大変誠実な方だと存じております。今の説明はちょっと井出さんらしくないんじゃないんですかね。

 応援に来ていただけるのも、どの方もそうですけれども、それはボランティアで来ていただくというのは、街頭演説のときでも、大変な本当に応援なわけですよね。ましてや、このコロナ禍でですよ。ですから、そこは是非、まさに……(発言する者あり)ちょっと、やじは、済みません。選挙におけるボランティア支援のところに、私ははっきり修正報告をされたらいいと思いますよ。そして、その上で関係を絶つ、そういうふうにされた方が、傍聴に来られている方も含めて、やはり皆さん、心の中はずっともやもやしているんですよ。やはり、きちっとそこでけじめをつけて、関係を絶つ。

 修正報告をされる考えは本当におありでないですか。是非修正されたらいかがでしょうか。

井出副大臣 修正をしたらどうかという御意見は御意見として承りたいと思います。

 党の調査に関する私の考えですとか、統一教会との接点については私なりに正直に公表をさせていただきました。そのことは党の調査と関係なくきちっと公表されておりますし、そのこと自体は揺らがないことだと思います。そのことを私はしっかりと反省をして、今後のことにつなげていく、そういうことに尽きると思っております。

柚木委員 是非私は修正報告をされた方がいいということを申し上げて、次の質問に入りたいと思います。是非御検討ください、今ちょっと意見としてというのをおっしゃったので。

 それで、今日一番のテーマは、まさに被害者の救済、そして被害防止であります。

 これ以降、永岡文科大臣に伺います。

 まず、報道でも出ているように、昨日の専門家会議、これで、永岡大臣も非常に強い意欲を示されている、大臣会見でも承知しております。

 その中で、今回、ちょっと具体的なことを伺いますが、専門家会議では、今後、一般的、具体的な基準を作成をすると。具体的な質問項目、内容については、宗務課が原案を作った上で、宗教法人審議会で決まるということなんですが、この調査項目の方は専門家会議が基準を決めた後に作るというようなことで報じられてもおります。

 昨日も国対ヒアリングの中で私はお願い申し上げたんですが、まさに私たちの、今日傍聴の方も、先ほども改めて伺いましたが、お願いは、大臣がおっしゃっている年内の質問権行使、行使は当然なんです、行使だけでは一円も献金は返ってきませんし、被害者救済に、防止につながりませんので、是非、解散命令の請求を裁判所に年内にやっていただきたいんですね。

 そこから逆算して考えると、本当に、十一月に入って毎週のように専門家会議とそれから宗教法人審議会とそれぞれ並行して進めて、十二月の上旬には質問権行使をしないと、その後、様々専門家からも伺っていますが、例えば回答に二、三週間、それを精査して、解散請求。例えば一週間ぐらいで精査しても、年内ぎりぎりですから。

 そのスケジュール感の中でいくと、逆算した場合に、まず、この調査項目について、宗教法人審議会、これは専門家会議で運用基準が作られた後ではなくて、並行して作成をいただいて、そして、具体的な質問項目を決める宗教法人審議会もまだ開催は決まっていないということでありますから、十一月の八日の二回目の専門家会議までに開いていただいて、来週は開かれないわけですよ、どちらも、このままだと。そして、質問項目作成を並行して進めていただきたいと思うんです。

 迅速に進めると首相も永岡大臣も答弁されているので、是非、宗教法人審議会も開いて、質問項目、内容、この作成。来週中にでも開いていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

永岡国務大臣 まずは宗教法人審議会を開きまして、そしてその基準等を決めていただきまして、質問に移る、この順番というのは変えることはできません。これは宗教法人法にのっとった……(柚木委員「専門家会議」と呼ぶ)専門家会議、はい。専門家会議にお諮りをいたします。そして、宗教法人法にのっとりまして審議会にお聞きをし、そしてまた、質問等、一般的な規律を決めて、それから質問項目に入っていくということ、これは法で決まっておりますので、それを並行するということはなかなか難しいかと思っております。

柚木委員 私は、実質的に、後で開くということになると、基準が決まってから作るということになると後手後手になるので、せっかく宗務課が段取り、ロジをして、そして、メンバーも同じわけですから、宗教審と今回の専門家会議と。ですから、具体的な、一般的な基準、この基準を想定しつつ、調査項目についても、決まってから作るじゃ、その分、後倒しになりますから、並行して作業を進めていただいて、開いた際には一発で決めていただく、そういう本当に前倒しの対応をお願いしたいと思いますが、それは可能ですか。

永岡国務大臣 まずは一般的基準を決めまして、それにのっとりまして考えていくというのが、これが常識かと思いますし、また、法にのっとりましてしっかりとやるということが非常に重要かと思っております。

柚木委員 それで、本当にそのペースで年内の解散請求に間に合うのか、非常に私は心配をしております。

 では、大臣、私たちはまさに申し上げていますように、被害者の方の思いは、一刻も早い被害救済法案の成立と、橋田達夫さんもおっしゃっています、もうなくなってほしいんだ、本を絶ってほしいんだと。被害救済はもちろん重要ですよ。バケツに水がだだ漏れをしている。バケツを、しっかり救済法案を作っても、だだ漏れの元を閉めてくれないと被害がなくならないんだとおっしゃられています。

 そこで、仮に、大臣、この質問権行使を年内に目指して迅速に今作業をしている、では、行使したとしましょう。行使して、旧統一教会側から回答が来るまでに大体どれぐらいの期間を想定しているのか。そして、回答が来た場合、それを踏まえて解散請求をするまでにどれぐらいの期間を想定されているのか。こういったスケジュール感がなければ、一切物事は進んでいきません。お答えください。

永岡国務大臣 ただいま委員御指摘の回答期限につきましては、質問内容を作成する段階で、必要な情報やデータが対象となる法人から得られまして効果的な報告徴収、質問権の行使となるよう、様々な観点から質問内容を整理、精査の上、その内容ごとに必要な期限を区切りまして、報告徴収、質問権を行使をしたいと考えております。

 これは、一遍に質問をして、全ての回答を一度に欲しいということではなくて、質問した、複数質問することはあるかと思いますけれども、その期限を、一つ一つの質問の期限ですね、それを区切ることができるということでございます。

 そして、期限のことでございますが、やはり、解散命令の要求の適否につきましては、旧統一教会の問題に詳しい弁護士さんを始めとする関係者から広く情報提供を受けるとともに、報告徴収、質問権の行使を通じまして収集される情報など、総合的に分析をして判断を行うことが大変必要であるというふうに感じているところでございます。

柚木委員 ちょっと今、弁護士さんたちのことを触れていただいて、そこの質問通告しているところを先にいきますけれども、まさに大臣おっしゃっていただいたように、全国霊感商法対策弁護士連絡会の皆さん、私たち、既に国対ヒアリングの中で二十回以上、こういうヒアリングの中でお話をお聞きをしてまいりました。紀藤弁護士さん等、本当に、ある意味役所の方以上にお詳しい方々がたくさんおいででいらっしゃいます。

 その中で、刑事十一件、民事、本体の不法行為を入れて二十九件、まさに有罪判決、そういったことにもつながっているわけでありまして、是非大臣、お願いは、今回の専門家会議に、あるいは、それが無理であったらば、実質的な、調査、質問チーム、今増員をして、文化庁の方々、本当に一生懸命されていると思うんですね。そこに実質的に加わっていただく形で、そうすることが、まさに迅速、最速の質問権の行使、そして解散請求につながると思うんですよ。

 この弁護団の方々に実質的に加わっていただく、大臣前向きにお考えだと聞いていますので、是非御答弁をお願いします。

永岡国務大臣 今御指摘の、弁護団の皆様方の御意見ではなく参加ということでございますが、やはり、他省庁の把握をしている情報の提供を受けたり、また、御指摘の旧統一教会の問題をよく知る弁護士さんによる団体などからの情報提供を受けたりすることは考えられます。本当に必要かもしれません。

 しかしながら、有識者会議では、個別の事案についてだけではなく、今後の、所轄庁であります文部科学大臣が報告徴収、質問権を行使する場合に関する一般的な基準につきまして検討していただくものでございますので、議論の公平性、中立性、それの確保のためにも、有識者会議に旧統一教会問題をよく知る弁護士さんなど、これは係争の当事者であるということも考えられますので、その方々を加えることというのは考えられないと思っております。

柚木委員 是非、いろいろな今の規約は分かりますので、実質的に宗務課の皆さんとコミュニケーション、今大きくうなずいていただいています、宗務課の皆さんも大変なのはよく分かっていますから、実質的なコミュニケーションを取っていただきたいんです。

 なぜならば、岸田首相も、まさに教団本体の不法行為、民事で二件、そして、皆さんの資料におつけしている、ちょっと紙を大きめにしておりますが、二十件、使用者責任。そして、刑事では新世事件、大きい紙です。これは、我々がまさに弁護団と一緒に、この資料をつけているのは、最後からばあっと分厚い資料が全部そうなので、皆さん見てください。刑事十一件、民事二十八件。これは、使用者責任も含めて二十九件が最新だったと思いますが、七件のギャップがあるという、長妻委員と総理との間のやり取りがありましたよね。

 まさに、皆さんが検索システムで検索する、出てくること以外のことも含めて、弁護団の皆さん、把握されています。全国にどういう信者さんがおられて、どういう被害者の方がおられて、どういう資料があってというのは、宗務課の皆さんが把握していないことも含めて把握されていますから、実質的な連携、やり取りを取っていただきたい。そこは是非お答えください。お願いします。

永岡国務大臣 ただいまの柚木委員のお話でございます。

 やはり、もう既に答えておりますけれども、他省庁が把握をしております情報の提供を受けたり、また、御指摘の旧統一教会問題をよく知る弁護士さん方による団体などから情報提供を受けたりすることは考えられております。

柚木委員 しっかり連携をお願いします。明確な御答弁をいただいたと思います。弁護団の方々も、協力する、資料提供もするとおっしゃっていますので、よろしくお願いします。この質疑も聞かれていると思いますので。

 そして、質問権の行使の基準ですね、具体的、一般的基準の内容について伺います。

 これは、次回の会議までに一定の方向性を示すということなんですが、まず私は、一定の方向性を示すだけではなくて、次回の、質問権行使の具体的基準を示すと同時に、次回で是非その質問権の行使をするということまで決定をする、それぐらいのスケジュール感で、大臣、一週またぐんですから、お願いしたいんです。

 私、逆算して今日質問していますので、そういう段取りでいかないと、その後、宗教審にかけたり、質問をして回答を待ったり、精査したり、十二月上旬のまさに質問権行使と、何回かするということもおっしゃっていますからね、そして年内の解散請求、裁判所へ、間に合いません。

 これは、まず具体的な基準の内容に入る前に、是非次回で、かなり次長さんも決意を持った記者ブリーフをされたと思いますよ。次回で決めて、基準だけじゃなくて、質問権行使を行うということを決定をいただきたい。お願いします。いかがでしょうか、十一月の八日。

永岡国務大臣 次回は十一月の八日という期日は決まっておりますが、次回までに決定をということは、ここでは……(柚木委員「次回の会議で決定」と呼ぶ)次回の会議で決定ということは、今この段階では申し上げられません。

柚木委員 申し上げられませんの中に、私はちょっと頑張らなきゃという決意を感じているんですよ、実は。いや、本当に、大臣の閣議後会見でも、これまで以上に。これはある意味、岸田総理がちょっとここのところ山際大臣のことで大変で、答弁に熱が感じられなかったんです、はっきり言って。反論されていましたけれどもね。いつまでにやはり質問権を行使する、解散請求するという、このスケジュール感を示しながらやっていくということで、大臣、質問権を行使して解散請求できなかったら、これは教団にお墨つきを与えることになりますからね。もう後戻りできないんですよ。

 資料にもおつけしておりますが、まさに、文科省で宗務課長も務めて、トップの次官まで務められた前川さんの記事を資料の中につけておりますので、御覧ください。もう後戻りできないんだと。これは二ページ目につけておりますが。

 大臣、これはもう、質問権を行使する以上は、解散請求を大臣御自身の職を賭してやる、それぐらいの覚悟を持ってやらないと、私はできないんじゃないかと思いますよ。大臣、本当に大臣職を賭して解散命令請求に向けて質問権を行使する、そういう覚悟で臨んでいただけませんか。いかがですか。

永岡国務大臣 報告徴収、質問権の行使によりまして情報収集をした結果として解散命令を請求するに足る事実関係を把握した場合は、当然のことながら、宗教法人法に基づきまして厳正に対処いたします。

 旧統一教会への解散命令につきましては、個別の案件でございまして、予断を持ってお答えすることは差し控えさせていただきます。

柚木委員 大臣、後ほど改めて、この後最大のポイントの質疑に入りますので。

 本当に、今回、法案ゼロですよ、この文科委員会。もうこの一点集中で、大臣、この国会中は、質問権行使と解散請求、年内にやる。だって、年内にやって、数年かかるんじゃないかという意見もあるんですよ、実際に裁判所が解散命令を発令するまで。少なくとも一年とか。

 そういう中で、被害者の方、この間、失われた三十年……(発言する者あり)ちょっと今やじが何回か聞こえるんですけれども。与野党共に、三万四千件、総額千三百億円、直近でも、九月に入って二千件、九百件を超える金銭相談、いまだに、つぼを売ったり、一億円以上の被害とか上がっているじゃないですか。教団のコンプライアンス宣言なんか、何にも機能していないじゃないですか。だから、もうお尻を切ってやる。その覚悟がなくて質問権を行使するんですか、解散請求できる見通しもないのに。教団にお墨つきを与えるんですか。

 職を賭してやるぐらいの覚悟をここで一言述べてくださいよ、大臣。お願いします。

永岡国務大臣 文部科学省といたしましては、法に定めるプロセスを適正に踏みつつも、最大限速やかに対応することが必要と考えております。

 年内のできる限り早いうちに権限が行使できるように、一生懸命手続を進めてまいる所存でございます。

柚木委員 是非、これは委員のどなたが大臣になられても、私が担当でも同じだと思います。これは職を賭して、質問権行使、解散請求する覚悟で臨む案件だと思いますよ。お願いします。

 そして、その一番肝となるのが、次の質問です。

 岸田首相はこう答えています。二十四日の参議院予算委員会で、民事上の事案だけで解散事由に該当するとは明確には言えないという意見があるのも事実と述べられ、だからこそ、質問権行使による調査、報告徴収などで事実関係を積み上げ、次の段階へ進めていきたいと。

 これは、元々は岸田首相が言われていたこと、本当にこの間、ちょっと申し訳ないですけれども、二転三転されていますが、もしこの答弁どおりだとした場合に、調査、報告徴収などで事実関係を積み上げ、次の段階へ進めていきたい、この内容について確認をしたいんです。

 何か新しい事実が出てこないと次の段階に進めないということであれば、つまり、この間、不法行為、本体も含めた二十九件の民事裁判、法令違反で、これでは解散請求できないと言っているに等しいんじゃないんですか。そうでないようにしないと、新たな事実が質問権行使で仮に積み上がらなかった場合には解散請求できないことになってしまいますから。

 文科大臣、伺いたいのは、この事実関係を積み上げの内容です。この間、資料にもつけています、例えば五ページ目で、二つの民事裁判で、教団本体に約三千八百万円、東京高裁が賠償命令、二〇一六年判決。二〇一七年には一千万円以上の賠償命令判決が出ていますし、その他二十七件の使用者責任も、本当に教団本体の責任に、不法行為責任に匹敵するような内容の判決でもありますし、まさに文化庁が作ったこの四ページ目の資料に、わざわざ二〇〇九年の新世事件を挙げているんですね。これはまさに、新世社長を始め、実刑判決、懲役刑ですよ、執行猶予はつきましたけれども。しかし、そのマニュアルが全国で使われた。教団本体の組織的関与も疑われる。実際に、教会単体には捜査が入っていますからね。

 こういったものを、過去に確定している民事や刑事の判決に基づいて、これからの調査で新たな事実が出てこなくても質問権行使並びに解散請求できる、こういう一般的、具体的基準の策定でなければ、ハードルが上がっちゃいますよ。ですから、この総理答弁をちょっと精査、整理して、これまでの確定判決の中からまさに具体的基準、一般的基準、解散請求できるというたてりにしていただかないと解散請求できないことになりますから。いかがですか、大臣。

永岡国務大臣 宗教法人法に基づきまして解散命令を請求するためには、報告徴収、質問権の行使に係ります疑いがあると認めるだけでは足りません。法令に違反しまして、著しく公共の福祉を害することが明らかに認められる行為をした等に該当する事由があると認められることが必要となります。

 このため、文部科学省といたしましては、宗教法人法に照らしまして解散命令の請求の適否を判断するためにも、まずは報告徴収、質問権の行使を通じまして当該団体の行為の組織性、悪質性、持続性等について具体的な証拠や資料などを伴います客観的な事実を明らかにした上で、法律にのっとりまして必要な措置を講じてまいりたいと考えております。

柚木委員 今の御答弁の中で、今後の質問権行使の中で何か新しい事実、あるいはこの間の被害相談の中で、警察につないでいる、省庁がやっている百件以上のもの、あるいは直接警察に行っている二百件以上のもの、こういったものの中から、もちろん新たな事実、あるいは刑事訴追、あるいは有罪判決、つながるもの、出てき得ますよ。しかし、それは何年もかかる話ですから。ですから、ちょっと整理していただきたいんですよ、ここで明確な御答弁をいただかなくてもいいので。

 岸田首相が、一旦、今回の解散請求の要件として、民事での教団本体の不法行為、これは入ると言って、入らないとなって、やはり整理したら使用者責任も含めて入り得ると述べられました。もちろん、朝令暮改とかいろいろな御批判もある。私もそうかもしれないと思うけれども、しかし、やはり改めることをはばかるなかれ、その精神でこれを一遍整理していただいて、この間、皆さんが、まさに文化庁が作られているこの表に加えて、弁護団からの資料提供、情報提供もいただいて、連携も実質的にいただいて、そして、この過去の確定判決の中での様々な新たな、判決を精査した上で、いろいろな事実が出てくる可能性はあるんですよ。

 ですから、過去の確定判決、刑事十一件、民事二十九件、これも精査した上で、その中から何らかの形で解釈、整理ができて、これを具体的基準、一般的基準、解散請求への要件とすることができるということも含めて整理して、そしてまた答弁をいただきたい。

 ちょっと、検討したいということぐらい述べてください。お願いします。そうじゃないと請求できなくなりますよ。年内に請求。

永岡国務大臣 それだけ早急にということをやはりここでお約束するわけにはまいりません。まだ決まったことではございませんし、これから始まる審議会等への、こちらからの質問等を決めることがまずは重要でございます。

 本当に、無理無理やるということではなく、やはり宗教法人法にしっかりとのっとりまして、その規定にのっとって着実に進めていくというのが今の文部科学省の使命だと考えております。

柚木委員 使命はよく分かります。

 それで、じゃ、大臣、皆さんも是非考えていただきたいんですよ。この旧統一教会が、勅使河原さんが六回も会見しているけれども、二〇〇九年コンプライアンス宣言以降、全く実体、今でもばんばん被害が出ていて、会見を六回やっているけれども、私は、国民の皆さんも、毎日の調査で八二%が解散命令を出すべきだと。誠意を感じていないんです、実効性も。

 そんな中で、じゃ、質問権行使をしたときに、本当に皆さんが期待している、つまり解散請求に資する回答が来ると想定されますか。過料十万円ですよ。この過料十万円、解散命令を出されるぐらいだったら払った方がいいんじゃないですか、教団からすれば。

 もしゼロ回答だったときも想定して準備しておかないと、そんなもの、こっちが期待してくるものを出すわけないじゃないですか、強制力ないんだから。是非、ゼロ回答であった場合も想定して準備をいただきたい。どういう準備をするかというのが一つ。それは、まさにこれまでの確定判決の中から精査、調査した上で、それを解釈し直して、そして行使、請求、解散命令につなげていくということだと思います。

 ゼロ回答だった場合も想定した準備をお願いしたいのと、じゃ、それで回答がいつまでに返ってくると想定して今準備をしていますか。お答えください。

永岡国務大臣 失礼いたします。先ほどの持続性と答えたところ、申し訳ございません、継続性の誤りでございましたので、まずは修正をさせていただきたいと思います。

 本当に、ゼロ回答である場合もあるだろうからというお話でございますが、やはり解散命令の請求、それの適否につきましては、旧統一教会の問題に詳しい弁護士さんなどを始めとする関係者から広く聞く、情報提供を受けるというのも一つの手でございますし、また、行為の組織性、悪質性、継続性について、具体的な証拠や資料などを伴います客観的な事実をまずは明らかにした上で、法律にのっとりまして必要な措置を講じてまいりますので、御理解よろしくお願いいたします。

柚木委員 是非、最後の、後段の、事実を明らかにした上での中に、まさに既存の確定判決を刑事、民事含めて精査して、弁護団とも情報共有して、新たな発見、あると思いますので、そういったことの中で今お取り組みいただきたいということ、ちょっと時間がないので、お願いをしておきます。今後の質疑の中でそこはまた詰めさせていただきたいと思います、八日の専門家会議以降ですね。

 それで、年内解散となぜ私が言っているかというと、被害者の方々の声ももちろん切実ですが、私、地元で回っていて、家庭崩壊させて、家族の命が、息子さんが庭で焼身自殺して、自分の人生をむちゃくちゃにされて、進学も諦めて、いじめられて、こういう状況で、不法行為を行って得た献金が何で税制優遇されるんだ、みんな真っ当に税金を納めているのにおかしいじゃないかと。

 大臣、こういう団体が現在も税制上の優遇措置を受けていること、おかしいと思いませんか。いかがですか。

永岡国務大臣 宗教法人に対します税制上の優遇措置、これは、宗教活動には他の公益法人など非営利法人の公益活動と同様に公益性が認められることから措置されたものでございます。その内容につきましても、ほかの公益法人等と同様になるわけでございます。

 公益法人等に関します税制上の優遇措置につきましては、文部科学省では所掌しておりません。その在り方についてお答えすることは困難でございますので、御理解をいただければと思っております。

柚木委員 最後にします。

 それは政治家としての見解を聞いたんですよ、国民感覚で。私はおかしいと思いますよ。

 最後に、今日、傍聴も来られていますので、橋田達夫さんや小川さゆりさんもそうなんですが、まさに、本当に会見中にこの子は病気だからと言って会見を中止しろとか、奥様が顔出しで、家族の本当にプライベートな情報を御主人の了解もなくしゃべらせるとか、まさに、これは被害の公表とか被害相談自体をある意味怖くなっちゃってできない。橋田さんは、勅使河原さんが来たとき、怖くて一晩寝られなかったと言っていますよ。実際、教団に関わるいろいろな事件も起こっていますよ。

 ですから、こういう、まさに被害相談あるいは公表、こういったことを妨害するような行為は、これは是非、文化庁として何らかの形で指導、やり取りしていただいて、みんな今、本当に、ここで被害相談して公表して、何とかなくなってほしいと思って今日も来られている。是非そういう妨害行為はやめていただくように、そして、この間の教団の六回の会見、私はとても誠実なものだとは思えない。この六回の会見についての受け止めも含めて、最後、御答弁お願いします。

永岡国務大臣 まず、個別の団体の行為につきましてのお答え、これは、申し訳ございません、差し控えさせていただきたいと思っております。

 旧統一教会が記者会見を行いまして、政府によります報告徴収、質問に関する受け止めですとか、また教団改革の進捗状況等について報告したことは承知をしております。

 もとより、宗教団体も社会の一員でございます。そして、社会の一員として関係法令を遵守しなければならないということは、言うまでもないことでございます。旧統一教会におきまして、法令遵守等について取り組むのは当然のことであると認識しております。

 会見のいかんにかかわらず、文部科学省といたしましては、まずは報告徴収、質問権の行使を通じまして具体的な証拠や資料などを伴う客観的な事実を明らかにした上で、法律にのっとりまして必要な措置を講じてまいりたいと考えているところでございます。

柚木委員 終わりますが、私は今日の野党トップバッターとして質疑させていただきましたが、大変不安が大きくなりましたよ、永岡大臣。総理答弁より後退するような答弁をこの文科委員会でやるのはやめてくださいよ。是非、教団より被害者に寄り添った御対応、御答弁を切にお願いして、質疑を終わります。

 ありがとうございました。

宮内委員長 次に、菊田真紀子さん。

菊田委員 立憲民主党の菊田真紀子です。

 今日は大臣所信に対する質疑をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 九月に立憲民主党に次の内閣が設置をされまして、私はネクスト文部科学大臣を拝命いたしました。立憲民主党の次の内閣では、泉ネクスト総理大臣を入れますと閣僚は十三人でございます。そのうち女性が五名ということで、女性の占める割合が三八・五%となりました。

 一方、第二次岸田改造内閣においては、岸田総理を入れると閣僚は二十名で、うち女性は二人ということで、割合にすると僅か一割でございます。私たちの次の内閣と比較しても、政府の女性閣僚の割合が三分の一しかないということは、自民党政権、女性活躍というスローガンを掲げておられますけれども、まだまだ不十分ではないか、空疎なものに感じられます。永岡大臣には、是非先頭に立って頑張っていただきたいというふうに、まずはエールを送らせていただきます。

 さて、二十一日にお伺いいたしました所信演説の中で大臣がおっしゃったとおり、まさに教育は国家、社会の礎であります。

 しかしながら、親の所得格差が教育格差に直結をし、学ぶ機会が奪われてしまう子供が大変多くおられます。また、コロナ禍で十代の自殺が増えていること、このことに対する真剣な対策も求められます。教職という仕事が、今やブラック職場と言われるほどに劣悪な環境に置かれていることも喫緊の課題であります。

 そもそも、我が国の公財政教育支出の対GDP比はOECD平均よりも低くて、子供たちへの投資、人への投資が不十分です。立憲民主党は、既に、教育、子育て予算の倍増法案を提出いたしました。そして、新たに、子ども・若者応援本部を泉代表を本部長として設置をいたし、全ての子供の育ちを応援していきたいと考えております。

 さて、文化庁が不可解な名称変更を認めたことや解散命令請求を行わなかったことによって被害が拡大し続けた旧統一教会の問題や、スポーツレガシーを継承するどころか、全世界に汚点をさらしてしまった東京オリンピック汚職、そして、幹部職員が懲戒処分を受けることになった幼稚園連合会の横領事件など、文部科学行政の分野においては、残念ながら、巷間をにぎわせてしまっている不祥事や、政府の不作為が招いたとも言える事案が相次いでいます。

 永岡大臣には、こうした不祥事にしっかりと向き合い、国民の信頼を取り戻すために大きな指導力を発揮していただきたいとまずは申し上げます。

 さて、質問に移りたいと思いますが、まず、学校教育における性教育の問題について取り上げさせていただきます。

 現在の学習指導要領には、性教育について、いわゆる歯止め規定があります。

 お手元の資料の一ページ目を御覧ください。資料にありますように、学習指導要領では、小学校では人の授精に至る過程は取り扱わないものとし、中学校では妊娠の経過は取り扱わないものとされています。これがいわゆる歯止め規定でございます。

 十月五日の衆議院本会議において、我が党の泉代表が、この性教育の歯止め規定を撤廃すべきではないかと岸田総理に質問をいたしました。残念ながら、歯止め規定を撤廃すると岸田総理から明言していただけなかったために、一昨日、十月二十四日ですが、文部科学省に、改めて立憲民主党として申入れを行わせていただきました。残念ながらその日は、大臣は予算委員会に出席をされていたため、伯井審議官に直接お渡しをさせていただきましたが、申入れを資料二ページにつけさせていただいておりますので、御覧いただきたいと思います。

 時間の関係がありますので一つ一つは読み上げませんけれども、この四項目、我が党の申入れを永岡大臣がどう受け止めていただいているか、御答弁をいただきたいと思います。

永岡国務大臣 菊田委員にお答えいたします。

 ネクスト文部科学大臣ということでございますので、私も真摯にお答えさせていただきたいと思っております。

 一昨日でございました、立憲民主党の文部科学部会のジェンダー平等推進本部から、「学校教育における包括的性教育推進を求める申し入れ」をいただきました。

 私といたしましては、性感染症や性犯罪、そして性暴力、また予期せぬ妊娠など、子供たちの性と健康に関する現代的な課題に、まずは、子供たちが性に関して正しく理解をし、適切な行動が取れるよう、学習指導要領に基づきます着実な指導に努めるとともに、生命(いのち)の安全教育の推進などに取り組んでいくことが重要だと考えているところでございます。

 また、歯止め規定というお話がございました。歯止め規定をなくしてということではございますが、今学校で、御指摘の包括的性教育につきましては、具体的に言えば、初経ですとか精通、異性への関心の高まりや性衝動など思春期の心と体の発育と発達、また、受精、妊娠、出産とそれに伴う健康課題、エイズ及び性感染症とその予防、異性の尊重、性情報への適切な対処や行動の選択など、身体的側面のみならず、様々な観点から学習が行われております。

 文部科学省といたしましても、生徒児童が性に関しまして正しく理解をし、適切な行動が取れるよう、今後とも指導の充実に努めてまいる所存でございます。

菊田委員 岸田総理が本会議場で答弁されたときに、「教育活動全体を通じて指導の充実に努めてまいります。」このようにおっしゃったんですね。

 この教育活動全体を通じた指導というのは具体的にはどういうことを意味しているかということですけれども、資料の三ページを御覧いただきたいと思います。上の方から、一から四を見ていただきますと、指導に当たっては、発達の段階を踏まえること、学校全体で共通理解を図ること、保護者の理解を得ることなどに配慮するとともに、事前に、集団で一律に指導する内容と、個々の児童生徒の状況等に応じ個別に指導する内容を区別しておくなど、計画性を持って実施することが大切である、このように明記されています。

 学習指導要領に歯止め規定が明記されている現状において、性教育を実施するにはこの一から四までのハードルを越えなければならないんですね。それが可能かどうかということは、校長先生など管理職の考えによっても大きく左右されるというふうに思います。

 例えば、秋田県は、二〇〇〇年に全国平均より高かった十代の人工妊娠中絶の実施率を、県を挙げて性教育を継続的に実施することによって全国平均より下回って、この十代の人工妊娠中絶を減らしたんですね。その中の取組では、中学校に産婦人科医を派遣して、命の大切さ、性感染症、男女交際、妊娠、出産、避妊、中絶、こういった講義を行ったと聞いています。こういう取組がしっかりできているところもあれば、プリントを配るだけの学校もあるので、地域や学校によって違いが大きいのが現状です。

 二十年ほど前に、性教育バッシングとも言える動きが国会や地方議会でありました。山谷えり子議員は、国会での質問で、学校での性教育が行き過ぎていると批判を繰り返していました。また、自民党内では、安倍晋三元総理を座長、山谷議員を事務局長とする、過激な性教育・ジェンダーフリー教育実態調査プロジェクトチームなるものが設置されました。

 かつて、性教育バッシングの流れの中で有名な事件に、七生養護学校で起きた事案があります。七生養護学校で行われていた性教育はそれまで高く評価する声も多かったんですが、突然、東京都議会議員と都の教育委員会が学校に押しかけて、教材を没収しました。そして、教育委員会は教員に処分を行ったんです。二〇〇三年に起きたこの事件は、その後、教員が提訴をして、二〇一三年に最高裁判決で教員の勝訴が確定しました。教師の裁量権に対する不当な介入であることが裁判によって認められたんですね。しかし、こういうことがあって以降、性教育を学校で行うことはためらわれる、ちゅうちょするというふうに言われるようになりました。

 また、性教育バッシングが盛んだった二〇〇五年に、文部科学省は、全国の全ての教育委員会を対象として、性教育の実態調査を行いました。調査の結果、不適切な指導や教材はゼロだったんですけれども、しかし、この調査によって、学校や先生方は萎縮してしまったとも言われているんです。

 当時の調査が現場の萎縮を招いてしまった、こういう自覚はおありかどうか、文部科学省の見解を伺います。

永岡国務大臣 先生、大変ないい事例として秋田県のことを挙げていただいて、大変うれしいなというふうに私は感じた次第でございます。

 文部科学省では、平成十七年に、公立の義務教育諸学校等におけます性教育の取組の実態を把握し、その後の学校における性教育の充実に資するため、実態調査を行いました。調査結果によりますと、指導内容等を学校全体や学年全体で決定するのではなく、各教諭に任せている学校が約四割弱、そして、指導内容を保護者へ知らせないでおくという学校が約二割弱あったほか、小中学校に対しまして保護者等から苦情や問合せがあることなどの状況を把握をいたしました。

 こうした結果も踏まえまして、学校における性に関する指導の実施につきましては、児童生徒の発達段階を十分踏まえつつ、学校全体で共通理解を図ることや、保護者の理解を得ること、そして、集団で一律に指導する内容と、個々の児童生徒の課題等に応じて個別に指導する内容と区別をすることなどに留意をすることとしておりまして、地域、学校の実情に応じた指導に取り組んできたところでございます。

菊田委員 私は、文部科学省自体がこの性教育に対して萎縮してしまったのではないかというふうに思うんです。二〇〇七年には、中教審の分科会専門部会で、文部科学省から、性教育を性に関する指導に言い換えるように提案をして、その後、文科省は、性教育という用語そのものを使用しなくなりました。

 でも、SNSなどで性に関する情報はちまたにあふれていますが、子供たちは、性交や妊娠、避妊、中絶等の本当に正確な正しい知識を持っていないんです。したがって、望まない妊娠、十代の中絶、悲しいことが本当にいろいろなところでたくさん起こっていると思うんですね。体について学ぶことは、イコール、人権について学ぶことです。自分の自己決定権を持つことの大切さを、先生が萎縮することなく堂々と教えられるようにすべきだと私は思うんです。

 その第一歩として、まずは、歯止め規定を撤廃して、包括的性教育の推進に取り組んでいただきたい、このように考えますが、久方ぶりの女性の文科大臣、先ほどからうなずいていただいております、御見解を伺いたいと思います。

永岡国務大臣 学校におけます性に関する指導に当たりましては、個々の生徒間で発達の段階の差異も大きいこと、また、児童生徒や保護者、教職員が持つ性に対する価値観がまた多様でございます。本当にそういう中でございますので、集団で一律に指導する内容と、個々の生徒の抱えている問題に応じまして個別に指導する内容とを区別をして指導することとしているところでございます。

 こうした中で、全ての生徒に共通する指導内容としては、妊娠の経過は取り扱わないこととしておりますけれども、文部科学省といたしましては、今後とも、子供たちが性に関して正しく理解をし、適切な行動が取れますように、まず、まずは現行の学習指導要領に基づく着実な指導に努めてまいります。

菊田委員 歯止め規定を撤廃していただけますか、いただけませんか。

永岡国務大臣 撤廃することは考えておりません。

菊田委員 何か、随分前向きな答弁をしてくださるのかと思って期待したんですけれども、結果は全然駄目ですね。

 私たち立憲民主党だけじゃなくて、日本財団も、八月に、この性教育の惨状を見かねて、歯止め規定の見直しと、それから包括的性教育の導入というのを提言されているんですね。是非、大臣には、先ほど申し上げました同じ問題意識を持っておられると思いますので、私の提言、前向きに、積極的に検討していただきたい、是非実行していただきたいというふうに思います。

 時間が迫っていますので、次の質問に移らせていただきます。

 次に、統一教会の問題に移ります。

 今回、改めて旧統一教会の問題がクローズアップされるようになって以来、私たちは、野党国対ヒアリングの場で、いわゆる二世と呼ばれる方々の関係者から壮絶な実体験を伺ってきました。子供の頃から誕生日やクリスマスのプレゼントはもらえない、服はお下がり、修学旅行のお小遣いは持たせてもらえない、クラスのみんなが購入する卒業アルバムも買ってもらえなかった、見た目の貧しさから仲間外れにされたりいじめを受けていた、こういう告白をたくさん聞きました。親が親戚中を勧誘したり、お金を要求したり、バイト代も全て親に没収され、隠していた貯金や奨学金まで無断で献金に使われてしまった。もう本当に筆舌に尽くし難いお話でした。

 このような被害を生んでいる旧統一教会に、宗教法人として、国がいわば存在のお墨つきを与えている現状は決して許されません。一刻も早く解散命令請求を行っていただきたいというふうに思います。

 さらに、文部科学大臣には、現在も旧統一教会によって苦しめられている子供たちに手を差し伸べ、相談できる環境整備を是非行っていただきたいと思います。

 宗教が関係すると、学校等教育現場も及び腰となり、消極的になりがちだと思いますが、先ほど申し述べましたとおり、いわゆる二世と呼ばれる子供たちは悲惨な状況に身を置いています。家庭が崩壊しているケースが多く、親戚とも疎遠になっていたり、どこにも、誰にも内心を打ち明ける場がありません。実際に、勇気を振り絞って市役所に相談したら、宗教のことは関われないと断られた、こういう話もいわゆる二世と呼ばれる方々からお聞きしました。

 学校において相談体制を充実させて、子供たちが相談しやすい、手を差し伸べられやすい環境をつくるべきだと考えますが、大臣の見解を伺います。

永岡国務大臣 お答えいたします。

 学校におきまして、様々な課題を抱える児童生徒が安心して相談できる体制、これを整備することが重要だと考えております。スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーによります様々な相談支援や二十四時間子供SOSダイヤルの設置等、教育相談体制の整備を図っております。

 また、文部科学省といたしましても、「旧統一教会」問題関係省庁連絡会議の取りまとめを踏まえまして、相談内容が宗教に関係することのみを理由として消極的な対応をしないことですとか、児童生徒の心理的、福祉的視点の観点から、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーによる支援の推進を図りつつ、児童相談所等の関係機関と緊密に連絡しながら必要な支援を行うことにしております。また、各都道府県教育委員会等に対しまして通知を発出したところでございます。

 文部科学省といたしましては、引き続きまして、これらの取組を通じて、教育相談の体制の充実に努めてまいります。

菊田委員 それでは不十分だということを申し上げているんですね。更に一歩踏み込んだ対応、対策をやっていただきたいということを申し上げているんです。是非前向きに御検討いただきたいというふうに思います。

 日本には幾つの宗教団体があるのか。文部科学大臣所管と都道府県知事所管のそれぞれ幾つ、合計で幾つあるのか、文化庁に伺います。

合田政府参考人 お答え申し上げます。

 宗教法人法に基づき設立された宗教法人の数は、統計上の最新の状況である令和二年度末現在で十八万五百四十四法人となってございます。文部科学大臣が所管する宗教法人は一千百四十七法人、都道府県知事が所管する宗教法人は十七万九千三百九十七法人でございます。

菊田委員 文化庁が所管する宗教法人だけでも千百四十七ということなんですが、しかし、この文化庁宗務課、常勤職員が八人しかいないということで、十月十九日の参議院予算委員会で我が党の辻元清美議員が、その人数で宗教法人法に基づく調査が本当に可能なんですかと大臣に質問をしましたら、そのとき大臣は、頑張ってやりますとお答えをされました。気合だけでできる次元の話なのかなと私は不安に感じたんですけれども、しかし、先ほどの答弁で、人員をしっかりと増やして体制を強化していくということでございました。

 是非、迅速、かつ解散命令請求につながる十分な調査が必要ですので、体制を強化して対応していただきたいというふうに思います。

 柚木議員の質問でも取り上げられましたけれども、二〇一五年の統一教会から世界平和統一家庭連合への名称変更は、なぜ文化庁が方針を一変して認めることになったのか、政治サイドの介入があったのかどうか、いまだに明らかになっていません。

 教団は、一九九七年に悪評がついた統一教会の名称を世界平和統一家庭連合に変更しようと文化庁に対して試みましたが、文化庁は、教義が変わるわけではないので認めなかった経緯があります。教義を変えず、中身が何も変わらないまま名称だけを変更することを認めなかった文化庁の当時の判断は正しいものであったと私は考えます。

 ところが、第二次安倍政権の下村文科大臣のときに名称変更が行われたんです。形式的には文化部長の最終決裁ですけれども、本当にそのレベルで決められるものなんでしょうか。官僚の方々は、よほどのことがない限り、前例踏襲が基本姿勢です。統一教会の名称変更について、名称を変更したことは何か大きな力が働いた結果ではないか、このように考えるのは当然ではないでしょうか。

 下村元文部科学大臣以前は民主党政権でした。統一教会の名称変更は認めませんでした。それが自民党政権になって、下村大臣時代に一転して名称変更を認めたんです。なお、下村大臣以降も、柴山元大臣、萩生田元大臣と、統一教会との関係を自ら認めた方々が文部科学大臣に次々と就任しています。政治サイドや統一教会からの働きかけに文部科学行政が影響を全く受けなかったのか、納得できる説明を求めたいと思います。

 国会閉会中から私たち野党は、統一教会の名称変更に関する資料を要求してきましたが、名称変更の理由は黒塗りのまま、それから、応接録等の当時の資料について、文化庁は三か月以上たってもいまだに確認中ですと繰り返すばかりで、提出に応じていません。一体いつになったら提出するのか。統一教会や政治家との応接録をこのまま提出しないのであれば、国民の疑念はますます深まるだけです。

 資料の四ページを御覧ください。

 二〇一五年八月の名称変更の際に、教団の弁護士から不受理の違法性を指摘されたと当時の末松大臣は記者会見でおっしゃっています。この教団の弁護士の発言はどうやって確認したんでしょうか。応接録を確認したのか、当時の担当者に聞き取りをしたのか、お答えください。

合田政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十七年の受理以前における旧統一教会とのやり取りに関する資料というのは、なお継続的に探索中でございます。ただ、これまで確認できたところ、先ほど、末松大臣から御説明申し上げましたように、当時、統一教会の方から名称変更に関する弁護士の意見書というのをいただいたということは確認できたものでございまして、それについて、末松大臣の方からお答えをさせていただいたという経緯でございます。

菊田委員 だから、それはどうやって確認したんですか。その資料はどこにあったんですか。

合田政府参考人 平成二十七年の名称変更に関する当時の資料というものは、私ども、先ほど来申し上げておりますように、探索いたしているところでございまして、その中でそういった資料があったということでございます。

菊田委員 だから、都合のいい、まあまあ出してもいいというものは見つかるんですよね。でも、都合の悪い、国会に出したらまずいというのは、いまだに探索中、確認中と。これは立法府に対する姿勢として誠に不誠実だというふうに申し上げたいと思います。

 全ての応接録、名称変更の理由が分かる資料を速やかに提出をいただきたい。それが駄目なら、当時の担当者にこの委員会に出席してもらって、私たちの質問に直接答えていただくことを求めたいと思います。

 大臣、いかがでしょうか。

永岡国務大臣 お答えいたします。

 平成九年から十年にかけて五回、また、平成十五年から十六年にかけまして三回、合わせて八回、旧統一教会から名称変更に関する相談があったと承知しておりますが、いずれの回におきましても、相談の結果として、申請はございませんでした。

 また、平成二十七年に行われました実際の名称変更の申請の際も旧統一教会と面会をしていると承知をしております。これらの面会の内容につきましては、個別の法人の内部情報に関わることから、面会における詳細なやり取りをお示しすることは控えさせていただきます。

 また、平成二十七年の名称変更を認証した際の決裁文書の規則変更理由の欄につきましては、法人が提出をした規則変更の理由を要約して転記した箇所でございまして、これらを明らかにすることで、法人が提出をした非公知の事実を含みます書類を開示するのと同じ効果をもたらし得るということから、不開示としております。

 以上です。

菊田委員 全然説明になっていないですよ。私たちは納得できません。

 委員長、是非、私が先ほど申し上げました、名称変更の理由が分かる資料、それから応接録、是非当委員会に提出いただくように理事会で協議していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

宮内委員長 ただいまの件につきましては、理事会で協議いたします。

菊田委員 よろしくお願いいたします。

 それで、先ほど柚木議員の質問の中で、文部科学省の政務三役と統一教会の関係を確認されました。その中で、井出副大臣、政策協定の署名は断りましたと。それから、応援したいという依頼があったけれども、副大臣は特にお願いをしなかったと。だけれども、街頭演説に行ったら、数名の方がお越しをいただいていたことは確認したと。こういうふうに御答弁されたんですけれども、ちょっと一点確認させてください。

 街頭演説って物すごく、特に井出副大臣は選挙にお強いですから、物すごく大勢の聴衆が集まられると思うんですね。でも、そういう中で、ああ、この人が統一教会の人なんだと、どういうふうに確認するんですか。

井出副大臣 私の街頭演説は、先生御指摘のような大規模なものはほとんどございませんで、実際確認したのは、応援の希望をされた方がお越しになっている、選挙を応援したいという御意向をお伝えになった方、その方は私、顔を存じておりますので、その方が数人、二、三人とか四、五名でいらっしゃったところは確認しておりますが、その方がいらっしゃらないところは、もしちょっと来られていたとしても分からないというような状況でした。

菊田委員 私はなかなか人の顔を覚えるのが苦手でして、名前と顔が一致しなかったり、結構苦労しているんですけれども、副大臣はちゃんと、顔見知りになって、顔を覚えていらっしゃったということなんですね。

 それで、全国霊感商法対策弁護士連絡会の弁護士の先生から、私たち、ずっとヒアリングを受けているんですけれども、統一教会の組織というのは全国に広がっていて、長野県というのは特に活発で信者が多いという話を聞いたことがあるんですね。

 井出副大臣は、選挙のとき以外にも統一教会の関係者と接触したり、接点があったということはございますか。

井出副大臣 私が統一教会の方と接点を持ったのは、一つは、去年十月の衆院選の前、九月ですが、応援をしたいというお申出があったときに関係者の方と面談をして、その方が、先ほど答弁しましたけれども、街頭演説に何人かで来てくださったということでございます。それと、もう一つ、柚木委員との質疑に戻りますが、誓約書の提示、署名を求められて、それをお断りした際も直接の面会をしております。その二度です。

菊田委員 ですから、政策協定への署名は断ったけれども、なぜか応援してくれたりですとか、普通、断るとなかなか応援してくれないというのが普通だと考えるんですけれども。

井出副大臣 私も委員と全く同じ思いでございましたが、街頭演説に来ていただいたことは、その場でお会いしましたので、応援をいただいたということをフェイスブックで公表した次第です。

菊田委員 今後は一切関わらない、このようにおっしゃっておられると思いますので、その言葉を信じたいというふうに思います。

 ようやく山際大臣が辞められましたけれども、その場をやり過ごせば何とかなるだろうというようなことが繰り返されていますので、厳に慎んでいただきたいというふうに思います。

 それでは次に、オリンピック、パラリンピックについて質問をさせていただきます。

 永岡大臣の所信演説を拝聴いたしまして、驚きました。オリンピックについて言及されていたのはたった一文だけだったんですね。しかも、東京オリンピック・パラリンピックについて、誰もが知っている大不祥事については全く触れられていませんでした。大臣が所信を読み上げているときに、我々野党の委員席から失笑とあきれる声が上がっていたのは御存じだったでしょうか。いいです、質問じゃないです。

 それで、資料の五ページから六ページを御覧いただきたいと思いますが、これは衆議院文部科学調査室にまとめていただいた資料になります。非常に分かりやすく、上手にまとめていただきました。感謝申し上げます。

 資料にありますように、大会組織委員会の理事であった高橋治之氏が現在までに四回も逮捕されています。もしかしたら今後五回、六回と続く可能性があるのかもしれませんけれども、スポーツレガシーを継承するどころか、全世界に恥をさらす結果になってしまったと言わざるを得ません。

 この元組織委員会理事が絡んだ贈収賄等の不祥事について、大臣はどのように受け止めておられるのか、所感を伺います。

永岡国務大臣 この度、同組織委員会の元理事らが逮捕、起訴されたことは本当に遺憾であると考えております。

 現在、捜査の途上にございますこの本件は、関係者が捜査に協力して、事実関係が明らかになるものと考えておりますが、仮に不正が行われていたとすれば、フェア、公正性が求められるスポーツの世界では決して許されるものではない、そう考えております。

菊田委員 捜査の途上にあったとしても、この東京オリンピック・パラリンピックは、安倍当時の首相を先頭に、国を挙げて招致をして、そして開催したということですから、国だって責任があるんですよ。我々国会だって責任があるんです。

 関係者によりますと、高橋氏の組織委員会理事就任と組織委員会による電通のマーケティング専任代理店指名は既定路線だったといいます。電通はJOCに社員を無償派遣するなどしてきました。オリンピックのスポーツマーケティングは高橋元理事がいないとほとんど動かなかったというふうに語る関係者の報道があります。

 高橋元理事が東京オリンピック・パラリンピックの招致、開催にどのような役割を果たして、どのような貢献があったと考えますか。

永岡国務大臣 もう既に清算法人でございます同組織委員会によれば、スポーツビジネスに関する高い見識を有していたことから、二〇一四年六月の同組織委員会の評議会の決議により、高橋元理事は選任されたということでございました。

菊田委員 東京オリンピック・パラリンピックは、費用総額で一・四兆円を超える巨額となりました。東京都と国で約八千億円、国だけでも約二千億円もの公的支出が行われているんですね。まさに巨額のビッグプロジェクトであります。その招致、開催の中心人物と言われている人が収賄に問われているわけです。内部で何が行われていたのか、しっかりと検証するために、組織委員会が保持する資料や情報を公開すべきではないでしょうか。

 大会組織委員会が情報公開制度の対象になっているかどうか、これは総務省に伺います。

武藤政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の資料につきましては、行政機関の保有する情報の公開に関する法律、また独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律、いずれも対象ではございません。

菊田委員 お答えいただいたように、大会組織委員会は情報公開制度の対象になっていません。

 昨日から、東京オリンピック大会組織委員会の文書の公開が都立の図書館で始まりました。しかしながら、先ほど申し上げた、汚職事件に関連したスポンサー契約の資料などは公開されておりません。対象は限られたものになっています。

 しかし、今回起こってしまったような、オリンピックを食い物にするような事件が繰り返されないように、外部から検証できる資料、情報を開示すべきです。そうでなければ、二〇三〇年に予定されている冬季オリンピック、札幌招致が今進められている最中ですけれども、ここにも大きな影響を与えるというふうに私は思うんです。

 今からでも、汚職事件に関連する情報を含めて広く情報公開すべきではないかと考えますけれども、オリンピックを担当する大臣として、永岡大臣に認識を伺います。

永岡国務大臣 清算法人でございます東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会によれば、スポンサー契約については、第三者の権利に関わるものであり、また、守秘義務の観点からお答えしかねるということでございました。

 このように、同組織委員会が民間事業者と行っている個々の契約の詳細につきましては、双方の契約に基づきまして公開していないものと承知をしているところでございます。

菊田委員 このような対応では、私は、また同じようなことが繰り返されるのではないかというふうに心配しています。

 二〇三〇年のオリンピック札幌開催について、世論調査が幾つも行われています。朝日新聞の世論調査では、全国では賛成が五五%、反対が三八%と賛成が上回りましたけれども、地元の北海道では反対が賛成を上回る結果になっているんですね。

 地元の北海道では望まれていないオリンピック招致を進めてよいものなのか、判断が難しいところでもありますけれども、この世論調査の結果について、大臣はどのように受け止めておられますか。

永岡国務大臣 文部科学省といたしまして、個別の調査に関しますコメントということに関してのことは、お話しするということは控えさせていただきますが、札幌市、JOCが招致活動を進める中で、地元の機運醸成が一層図られまして、国民、道民、そして札幌市民の皆様の御理解や支持を得ていくことが大変重要である、大切であると認識をしているところでございます。

菊田委員 この贈収賄事件が札幌オリンピック招致にマイナスの影響を与えてしまうということを危惧していますが、大臣はどのように考えますか。

永岡国務大臣 東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会の汚職事件について、札幌五輪に与える影響ということでございますが、本件につきましては既に東京地方検察庁より捜査が行われているところでございまして、国としては、今後の捜査の状況を注視をしていきたいと考えております。

 一方、札幌の招致に当たりましては、JOC及び札幌市は、本件は直接の関係はないものの、オリンピック、パラリンピック全体のイメージが大きく損なわれているとの認識の下で、本年九月、大会運営の透明性、公正性の確保について宣言文を取りまとめました。

 JOC及び札幌市におきましては、適切な大会運営となることをより一層重視するとともに、国民、道民、札幌市民の皆様に理解をいただけるよう丁寧に説明していくことが大切であると認識をしております。

菊田委員 振り返りますと、東京オリンピックは、招致の段階において、不正疑惑で、招致委員会の理事長を務めた竹田恒和氏がフランス司法当局の捜査対象となり、責任を取って竹田氏はJOC会長と組織委員会副会長を退任しています。

 残念ながら、オリンピックに関わるお金の問題には非常に深くて大きい闇があるというふうに思われてなりません。この闇を放置して、札幌へのオリンピック誘致を進めることは許されないと思います。

 不正流用チェックの枠組みを含め、東京オリンピックでの贈収賄事件が二度と生じないように、断固たる再発防止、体質の根本からの転換を国内外にはっきり示す対応が必要ではないかと思いますが、最後に大臣の見解を伺います。

永岡国務大臣 本件につきましては、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の組織委員会が個別の企業と結んだスポンサー関係に端を発するものでございます。

 また一方、二〇三〇年の冬季オリンピック・パラリンピック競技大会の招致に当たりまして、JOC及び札幌市は、今年の九月、大会運営の透明性、公正性の確保につきまして宣言文を取りまとめました。さらに、今月の十七日、スポーツ関係団体とのスポーツ庁によります円卓会議におきまして、今後の大規模な競技大会の円滑な開催に向け決議を取りまとめたところでございます。

 本事案がスポーツ界全体に及ぼす影響は本当に重大であるとの認識の下に、文部科学省といたしましても、スポーツ関係団体との連携協力が必要でございますし、また、もっと必要な取組、なお進めていきたいと考えているところでございます。

菊田委員 時間が来ましたので、終わります。ありがとうございました。

宮内委員長 次に、森山浩行君。

森山(浩)委員 立憲民主党の森山浩行でございます。

 大臣の所信に対する質疑ということでございます。

 大臣、この所信の中で、子供という言葉を使われております。この子供という言葉については、文部科学省においては漢字で「子供」とある。昨年来、内閣の中で議論されてこられましたこども家庭庁あるいはこども基本法、こちらにおいては平仮名の「こども」というような表現をしております。

 平仮名の「こども」につきましては、基本的に十八歳までの者を念頭に置いているが、こどもが大人として円滑な社会生活を送るようにできるようになるまでの成長の過程は、その置かれた環境にも大きく依存をし、こどもによって様々でありというような文で始まり、十八歳や二十歳といった特定の年齢で途切れることなく行われ、思春期から青年期、成人期への移行期にある若者が必要な支援を受けることができというような形で、いわゆる年齢で切るとか、あるいは身分で切るとか、こういうことはやめようというような形で法律ができてきています。

 これに対して、今回、文部科学省、文部科学大臣としての所信の中では、あえて漢字の「子供」というのを使われているということですけれども、これはどのような意図でしょうか。

永岡国務大臣 御質問ありがとうございます。

 まず、法令や公用文におけます政府全体のルールにおいて、漢字の「子供」と表記することが原則になっております。それにのっとりまして、所信的挨拶におきましても、原則として、漢字を使いました「子供」と表記をしております。

 一方で、特別な漢字使用等を必要とする場合は、これによらなくてもよいこととなっているわけでございます。

 例えばこども家庭庁につきましては、根拠法令におきまして、こども家庭庁と書いてあるところの「こども」は平仮名の表記とされているため、それに従いまして、所信的な挨拶でも平仮名を使わせていただいております。

 このように、文部科学省といたしましては、こうした政府全体のルール、これを踏まえまして、適切な表記に努めているところでございます。

森山(浩)委員 意味を聞いているんですね。要は、漢字の「子供」の表記というのは、法的にはそうなんだけれども、今、こども家庭庁あるいはこども基本法というような形で新たな展開になっている政府の子供政策の中で、文科省としては、十八歳だ、二十歳だというような線引きにこだわることなく支援していくんだという中に大臣のお考えがあるのかというところです。

永岡国務大臣 しっかりとございます。

森山(浩)委員 ということは、表記は漢字の「子供」であるけれども、子供というのは、平仮名の「こども」が含意される部分、いわゆる切れ目のない支援であるとか、あるいは十八歳、二十歳で切るんじゃないよというところについては意識を持って大臣の任務に当たっていただけるということでよろしいですね。

 続きまして、包括的性教育について菊田委員からの質問もありました。最後、ちょっと聞き漏らしましたんですけれども、歯止め規定について、見直ししませんと言った後、いや、検討はしますよね、よろしくねということで菊田さんの質問、終わっておりますので、検討はしていただけるんですよね。

永岡国務大臣 規定については、これは撤回ということはございませんが、できるだけ菊田委員の気持ちに寄り添いまして、できることをその中でやらせていただきたいと考えております。

森山(浩)委員 解釈を変えるというような意味かと思いますけれども、性暴力なりあるいは性被害というのを止めるんだという、三ページのところでおっしゃっているということもありますので、性教育しないままで、何が性暴力かというのが分からないというような子供たちを量産をしてしまうというような体制になってしまっては、これは、何とかするんだということ自体が夢物語になってしまいます。

 ここについては、解釈を広げるというような形も含めて、きちんと対応いただくということで御検討いただきたいと思います。どうぞ。

永岡国務大臣 森山委員御指摘の、性感染症や性犯罪、性暴力、また、予期せぬ妊娠等の性と健康に関する現代的な課題に対応していくことが大変重要であると思っております。

 学校におきましては、児童生徒の発達段階に応じて、受精、妊娠、性感染症の予防などの身体的側面のみならず、異性の尊重、性情報への適切な対処など、様々な観点から性に関する指導を行うこととしております。

 子供たち自身が性に関して正しく理解をし、適切な行動が取れるよう、教員の資質、能力の向上も含めまして、学習指導要領に基づく着実な指導に取り組んでまいります。

 また、各自治体の保健部局が実施をします性と健康に関します普及啓発、相談対応等につきまして、これは教育委員会や学校との連携協力が促進されるように、各関係府省との連携を図ってまいります。

 これらの取組を始めといたしまして、子供たちを性犯罪、性暴力の加害者、被害者、傍観者にさせないための生命(いのち)の安全教育を含めまして、地域、学校の実情に応じた取組が充実されるように努めてまいりたいと思っております。

森山(浩)委員 やっているつもりですよというふうに聞こえるんですよ。そうじゃなくて、今、萎縮しているんじゃないかという問題意識でありますので、いやいや、今までとは違うんだ、しっかりやるんだよということで、一言いきますか。どうぞ。

永岡国務大臣 しっかり取り組んでまいります。

森山(浩)委員 ありがとうございます。

 現場が萎縮している、そんなつもりはなかったというようなことでも、やはり権力を持っている者というのの一挙手一投足というのは非常に大きな影響を持ちますので、心して御答弁をいただければと思います。

 特に教育の問題につきましては、私も大学で東京に出てきまして、下宿をする。そうしたら、生活の中にいろいろなものが入り込んでくる。政治、宗教、性の問題、お金の問題。大体、一学期が終わって、夏休みが終わって帰ってくると、学校に出てこなくなってくる者の中には、過激な政治思想にかぶれていなくなっちゃったり、カルト宗教にひっかかって来られなくなったり、あるいは大きな借金をしてしまったり、あるいは性の問題ではまってしまったりというようなことで、学校に来られなくなる。

 これは、基本的な知識、これが足りないというようなことにも起因をしているかと思います。そして、それは、大人の側が、子供には教えるべきではない、タブーとしてきたというような部分が大きな影響を与えていると思いますので、これは我々大人の責任として、タブーなき形で、必要な、生きるための教育というのをやっていただきたいというものをお願いをしたいと思います。

 さて、東京五輪の問題ですが、神宮外苑の並木を守れという船田委員の御質問もありました。これは大事な観点だと思います。しっかり御検討いただければと思います。

 また、スポーツの誠実性、健全性、高潔性ということで大臣の所信の中で触れられておりますが、先ほどあったように、五輪の汚職については余り触れられていなかったというようなことで、これも、聞きようによっては、いや、あれはオリンピック・パラリンピック大臣がおったから、私たちは知らぬよというふうにも聞こえるわけでございます。

 ですので、これについてはしっかり取り組んでいただくという中で、組織委員会が民間ベースでやり取りをしているお金には守秘義務がかかっていて、政府でも見ることのできない経費があるという答弁、二百四回国会、令和三年四月十九日の決算委員会ですけれども、ここまで大きな問題になっています。政府としては、この答弁には変わりはないんでしょうか。

永岡国務大臣 清算法人であります東京オリンピック・パラリンピック競技大会の組織委員会によれば、スポンサー契約につきましては、第三者の権利に関わるものであり、また、守秘義務の観点からお答えしかねるとのことでございました。

 このように、同組織委員会が民間事業者と行っている個々の契約の詳細につきましては、双方の契約に基づき公開していないものと承知をしている次第でございます。

森山(浩)委員 組織委員会が言っているから無理なんだという話ですが、令和三年度東京オリンピック競技大会特別措置法の二十八条、「組織委員会の役員及び職員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。」と規定されております。

 これは、組織委員会というのがみなし公務員というのに当たるんだという条文と解してよろしいでしょうか。

角田政府参考人 お答え申し上げます。

 今委員御指摘のとおり、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会特別措置法の第二十八条によりまして、組織委員会の役員及び職員は、刑法その他の罰則の適用について、法令により公務に従事する職員とみなすとされ、いわゆるみなし公務員とされているところでございます。

 今回逮捕、起訴されました組織委員会の元理事につきましては、このみなし公務員に該当するということと考えております。

森山(浩)委員 その高橋理事なんですけれども、みなし公務員に当たると知っていたら理事にはならなかったと話しているというような報道もありますけれども、このような場合でも、当然、同様に扱われるということでよろしいですか。

角田政府参考人 お答え申し上げます。

 この規定につきましては、本人が知っている知っていないというところにつきましては規定がないところでございますが、現在、この適用も含めまして捜査の途上にあるところでございますので、その中で判断されるものというふうに考えているところでございます。

森山(浩)委員 そうなんですね。だから、みなし公務員であれば捕まるけれども、公務員でなければ捕まらないし、資料も出さなくてもいいというようなことになっているということで。

 ちょっとこれは今現在進んでいます関西万博の件なんですけれども、関西万博について、地位利用においていろいろなことが行われているのではないかという報道が出始めていますけれども、この関西万博についての今の組織の状況を教えてください。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 令和七年に開催される国際博覧会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律第三十六条においては、博覧会協会の役員及び職員は、刑法その他罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなすと規定され、いわゆるみなし公務員となってございます。

 委員御指摘の大阪府市パビリオンの関係者は、大阪・関西万博の出展者の立場でございますので、いわゆるみなし公務員にはなっていないと承知しております。

 御指摘の大阪パビリオンの事業は大阪府市の事業であり、まずは大阪府市において適切に適用するべきものと考えてございますけれども、国としても、大阪・関西万博の円滑な準備、運営の観点から、博覧会協会や経済産業省等各省とも連携しながらしっかり対応してまいります。

森山(浩)委員 ありがとうございます。

 パビリオン推進委員会というのをその下につくると、これは、みなし公務員じゃなくていろいろなものを募ることができるというようなことになっていくということで、二段、三段かませていくことによっていろいろなことが起こる。

 国際イベント、もちろんスポーツは文科省ですけれども、それ以外のイベントも含めて、こういう、半年やる、あるいは一過性のイベントをやるときに、いろいろな形で汚職というのが起こりやすい。というのは、これは終わったらもうそのまま逃げられるというようなイメージもあるでしょうから、そういう形でスポーツ自体が汚されるというようなことがあってはならぬというふうに思いますので、こういう部分については、関わった部分についての契約、これはオープンにするべきだと考えます。

 これは政府全体で共有をしていただきたいと思うのですが、大臣、いかがでしょうか。

永岡国務大臣 二〇三〇年の冬季オリンピック・パラリンピック競技大会の招致に当たりまして、JOC及び札幌市は、本年九月、大会運営の透明性、公正性の確保について宣言文を取りまとめました。さらに、今月十七日には、スポーツ関係団体とスポーツ庁による円卓会議におきまして、今後の大規模な競技大会の円滑な開催に向けた決議を取りまとめたところでございます。

 本事案がスポーツ界全体に及ぼす影響は重大であるとの認識の下、文部科学省といたしましても、スポーツ関係団体との連携協力、そして今後の大会運営の透明性、公正性の確保のための必要な検討をしっかりと進めてまいりたいと考えているところでございます。

森山(浩)委員 今後のことは頑張っていただきたいと思うのですが。

 こういう形で、いわゆる理事がみなし公務員であると知っていれば受けなかったというような人たちがいる、そういう人たちが今訴追を受けているという状況ですから、あらゆる契約についてはこれはオープンにするということを前提にしないと、どんどんどんどん悪事が裏に潜ってしまうというようなことが考えられます。

 これについては政府で共有をしていただくということとともに、この東京五輪の汚職については、今後の問題の検証、それから責任、この所在についてはどうお考えですか。

永岡国務大臣 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、二〇二二年六月三十日に解散をしております。しかし、その後も清算手続が完了するまで清算法人として法人格は継続しております。

 本件につきましては、同組織委員会が個別企業と結んだスポンサー契約に関連するものであることから、現在は清算法人となっている組織委員会が責任を持って対応すべきものと考えているところでございます。

 以上です。

    〔委員長退席、根本(幸)委員長代理着席〕

森山(浩)委員 非常に大きく信頼が損なわれているという状況だと思います。これについては文科省もしっかりバックアップをして、問題の所在を明らかにする、そして責任の所在を明らかにする、どういう枠組みでこんなことが起こったのか、これから起こらないようにするにはどうするか、二重三重に団体をかませれば何をやっても大丈夫だというようなメッセージにならないようにというようなことは、やはり信頼回復のためには非常に大事だと思いますが、文科省、大臣としてはいかがですか。

永岡国務大臣 今の委員の御指摘でございます。

 確かに、責任を負うのは組織委員会というところではございますが、今回の内閣改造におきまして、東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会担当の大臣の職はなくなりました。オリンピック、パラリンピックが国際的な規模において行われるスポーツ事業であることから、スポーツを所管をいたします文部科学大臣が担当となるものと考えておりますので、しっかりやってまいります。

森山(浩)委員 それを最初に言っていただきたかった。オリパラ大臣がいなくなったから知らぬよという態度はやめてくださいねというのを最初に言いましたけれども、この部分も、本当に力を入れてやっていただくことによって信頼回復ということにつながっていくかと思いますので、これは是非お願いをしたいと思います。

 さて、統一教会の問題です。

 解散請求についてこれまで議論がありましたが、宗教法人を設立をするときに、これを認めるか認めないかという中に、例えば反社会的な勢力がそのまま宗教法人を名のるというようなことがあってはならぬということで、法律を犯してはいけないというふうになっていますけれども、これについてはそれでいいですか。

合田政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘は、平成九年二月五日に文化庁次長決裁ということで、宗教法人の規則等の認証に関する審査基準、留意事項という資料でございます。その中で、審査基準、この中で、認証に当たり、法定の要件の中で、宗教団体性の確認の観点から、法令に違反し、公共の福祉を害する行為を行っていると疑われる場合には、その疑いを解明するための調査を行うということになっているところでございます。

    〔根本(幸)委員長代理退席、委員長着席〕

森山(浩)委員 ということは、現在、我々はもっとあると言っていますが、刑事事件で二件、そして民事で二十件以上の判決を受けている統一教会が、現在法人格を持っていないとして宗教法人を取りたいという申請をした場合には、これは出ないということですね。

永岡国務大臣 宗教法人法では、宗教法人の設立に係る規則の認証につきまして、所轄庁は、その申請が同法に掲げる要件を備えているかどうかを審査をいたしまして、要件を備えていると認められたときは、その規則を認証する旨の決定をしなければならないとされております。

 具体的な要件につきましては、申請団体が宗教団体であること、申請された規則がこの法律その他の法令の規定に適合していること、そして、設立手続が法第十二条の規定に従ってなされていることとされておりまして、一般論で言えば、民事責任を認められたという事実により不認証とすることは困難と考えております。

森山(浩)委員 刑事事件はどうですか。

永岡国務大臣 刑事事件についても、やはり困難ではないかと考えております。

森山(浩)委員 大変重要なお答えだったと思いますが、ということは、これは解散請求して解散をしても、刑事事件、民事事件、どのような判決を受けていても、もう一度統一教会が、宗教法人格を奪われた後であっても、これは受け付けざるを得ないということでよろしいですか。

合田政府参考人 申し訳ございません。今いろいろ仮定のお話をいただきました。大臣から民事判決それから刑事判決ということを申し上げましたのは、民事判決、刑事判決にも様々な幅がございますので、それで一概に申し上げることはできないと申し上げたところでございます。

 今回の事例、これは今まさに私どもが報告徴収、質問権を行使するということで、手続、準備を進めているところでございますけれども、そういった状況において、仮に、改めて、解散命令が出た後、宗教法人として解散をし、清算をした後、実体的にそれと同じものが申請したときにつきましては、これはちょっと仮定の話なので何とも申し上げられませんけれども、それらの経緯を踏まえて、その都度、個別具体で判断をしていくということになろうかと存じます。

森山(浩)委員 大臣の答弁を役所が上書きをするというのは、これはちょっと大臣、恥ずかしいですよ。いいですか。どうぞ。

永岡国務大臣 仮定の話でございますので、確たることは申し上げられませんけれども、旧統一教会のような宗教団体が宗教法人の設立の申請をしてきた場合に、審査基準の当該条項に基づきまして疑いを解明するための調査を行った上で、法第十四条第一項の規定に基づきまして認証すべきか否かの判断を行うことになる、そういうふうに考えております。

森山(浩)委員 つまり、設立のときのハードルと解散請求のハードルはイコールであるという答弁ですか。

宮内委員長 文化庁合田次長。(森山(浩)委員「大臣」と呼ぶ)

合田政府参考人 済みません、委員長から御指名を賜りましたので、ちょっと事務的な観点で御説明をさせていただきます。

 宗教法人法は、宗教法人の設立は認証ということになってございますので、法定の要件が整っていれば行政庁はそれを認めるという仕組みになってございます。

 他方で、宗教法人の解散命令というのは宗教法人格を剥奪するという重い行為でございますので、宗教法人法の八十一条第一項第一号、第二号前段という、著しく公共の福祉を害すると明らかに認める場合、そういう要件が定まっているということでございまして、どちらが重いというふうなことをちょっと質的に申し上げるのは難しいわけでございますけれども、制度としてはそういう仕組みになっているということでございます。

森山(浩)委員 ということは、調査をして、それを認証するという段階があります。調査して認証をした、でも、その段階の中で解散請求をするといったときに、新しい不法行為がなかったとしても解散請求になる可能性があるということですか。

宮内委員長 文化庁合田次長。(森山(浩)委員「大臣、大臣。手を挙げているんだから」と呼ぶ)

合田政府参考人 恐縮でございます。委員長から御指名を賜りましたので。

 恐縮でございます、それは、解散命令事由に該当するような事実が客観的事実として明らかであるといって解散命令を受けるような法人が認証を申請したときに、認証されるかという御趣旨でございますでしょうか。

 もしそういう御趣旨でございましたら、先ほど申し上げましたように、宗教法人法上、解散命令事由に該当する、解散命令自体が非常に重い措置でございますし、それに該当するというのも非常に重い措置でございますので、もしそういう事由がある場合は、これは、先ほど申し上げましたように、実体として同じ組織体が宗教法人格を認証申請をしてきた場合には、その都度判断をするというところではございますけれども、一度解散命令事由があるといって解散命令を発せられた事実というのは非常に重いということは非常に大きな判断材料になろうかと存じております。

森山(浩)委員 では、申請の方が軽い、解散は重いという答弁ですね。

合田政府参考人 軽重で申し上げられるものではないかもしれませんが、先ほど申し上げましたように、設立は認可ではなくて認証である、そして、解散命令については、先ほど申し上げた、法定の、かなり客観的な事実が明白であることが求められているという仕組みかと存じております。

森山(浩)委員 裁判所の判決は客観的な理由ですか。

合田政府参考人 お答え申し上げます。

 過去の事例で申し上げれば、明覚寺事件につきましては、文部大臣が解散命令請求をしたところでございますけれども、その際の解散命令を請求した根拠というのは、名古屋地方裁判所において明覚寺の代表役員が詐欺罪で懲役六年という実刑判決を受けたということをもって、根拠にして解散命令請求をいたしましたので、解散命令請求におきましては一つの根拠になり得るというふうに考えてございます。

森山(浩)委員 二つしか今まで命令を出していませんからね、請求ね。これは、今回制度をつくる、これまではほったらかしだったけれども、基準を作るんだというような形で、これまでの行政の不作為という部分についてはこれは反省をしてもらわなければなりませんけれども、設立について、じゃ、解散をしました、別の団体でということなら、これは設立はできるわけですね。

永岡国務大臣 同じ団体がということはあり得ないとは思いますが、個別それぞれの団体につきましての審査ということは、認証まで、頑張ればいくということだと思います。

森山(浩)委員 先ほどもありました、公益法人というのは税制の優遇もあるようなものでありますので、出したからそれでいいんだということではなくて、調査するんだということですけれども、さらに、毎年の報告というのがあるかと思います。これはどういうものですか。

合田政府参考人 宗教法人法に基づきまして、第二十五条の四項の規定に基づきまして、財産目録などを所轄庁に毎年提出しなければならないという規定がありまして、そのことを御指摘かと存じております。

森山(浩)委員 これはみんな出していますか。

合田政府参考人 この書類の提出の状況でございますが、直近の数字で、令和三年度で申しますと、文部科学大臣所管につきましては九四%、それから令和二年度、これは都道府県所管の宗教法人でございますが、九二・九%ということでございます。

 なお、これは宗教法人法に基づいて提出をしなければならないものでございますので、私ども、提出がない場合には、提出義務を、つまり会計年度終了後四か月後から生じて、二か月提出がなかったときは督促状を送付し、その後三か月以内に提出がなかったときには再度督促状を送付あるいは電話で督促し、その後、提出がなく、提出義務が生じてから一年を経過したときには、地方裁判所には過料事件通知書を発出するということで徹底を図っているところでございます。

森山(浩)委員 過料にはなるけれども、解散事由にはならないということですか。

宮内委員長 文化庁合田次長、もっとゆっくり、はっきり御答弁をお願いします。

合田政府参考人 申し訳ございませんでした。

 お答え申し上げます。

 まさに解散命令請求事由に該当するかどうかというのは個別具体に判断するということでございますので、一概には申し上げられませんけれども、法令に違反し、著しく公共の福祉を害すると明らかに認められる場合という宗教法人法八十一条第一項一号の要件と、それから、過料を科されたという事実につきましては、法的な評価についてはいささか差があるのかなと存じております。

森山(浩)委員 明らかとか客観的とか、割とふわっとした抽象的な文言が並んでいますが。

 大臣、被害者の皆さんとか二世の皆さんにお会いをして、直接お話をお伺いになったことはありますか。

永岡国務大臣 お話を伺ったり、お会いしたことはございません。

森山(浩)委員 総理が直接聞きたいというようなことも予算委員会でおっしゃっていましたけれども、大臣についてもお伺いなさったらどうでしょうか。

永岡国務大臣 それは、この間の記者会見でも同じようなことを聞かれましたけれども、やはり総理が被害者の方々や関係団体の方々からお話を聞くということは大変重要でありまして、直接お話を聞きたいと考えている旨の答弁があったことは承知をしております。

 私も、報告徴収、質問権を行う内容の原案を作成するに当たりまして、情報収集が重要であると考えております。その観点から、被害者の方々にお話を伺うことも考えられると認識をしている次第でございます。その認識の下で、具体的にどのような形で情報を集めるのが望ましいかについて、適宜適切に判断をしてまいりたいと考えております。

森山(浩)委員 目の前のことですからね。もうこれは会議が始まっているわけですよね。基準を作りますよというところまで来ている中ですから、ずっと先の話ではありませんから、会いますよとおっしゃったらどうですか。

永岡国務大臣 やはり、具体的にどのような形で情報を集めるのが望ましいかにつきまして、適宜適切に考えてまいりたい、判断をしてまいりたいと思っております。

森山(浩)委員 調査、質問ということなんですが、もちろん判例の分析、これはしていただかなきゃいけない。また、被害者の弁護団の皆さんのお話も聞きたいというような話もあった。被害者あるいは宗教二世の皆様のお話というのもあるだろうし、教団本体から、自分たちに不利な、客観的な事実が山ほど出てくるというようなことはちょっと考えにくいのではないか、この委員会でもこれまで繰り返されていますけれども、そういったときに、本体からの資料がゼロ回答だったときのことも想定をして、あらゆる情報を収集しますよということでよろしいですか。

永岡国務大臣 もうおっしゃるとおりでございます。

森山(浩)委員 非常にいいお返事をいただきましたけれども、質問権を行使して解散請求までたどり着かなかったときには、非常に、これは教団に対してお墨つきを与えることになりますよというような御意見もありましたけれども、大臣としては、それは意識はありますか。

永岡国務大臣 報告徴収、質問権が執行できますように、しっかりと頑張ってまいります。

森山(浩)委員 報告徴収、質問権があるということは、その先まできちんと見通してやるんだという御決意ということですね。

永岡国務大臣 政府といたしましては、宗教法人法に照らしまして解散命令の請求の適否を判断するためにも、まずは報告徴収、質問権の行使を通じまして行為の組織性、悪質性、そして継続性について具体的な証拠や資料などを伴います客観的な事実を明らかにした上で、法律にのっとりまして必要な措置を講じてまいります。

 なお、解散命令請求の適否、これにつきましては、統一教会の問題に詳しい弁護士さんを始め、関係者から多くの情報をいただく、受け入れるということとともに、報告徴収、質問権の行使を通じて収集されました情報を総合的に判断をいたしまして、分析をいたしまして、行うことが必要であると考えているところでございます。

森山(浩)委員 政治家が大臣という役職に就かれるというのは、これは役所のいわゆる法律あるいは文面の中で四角四面にやるんじゃなくて、より国民の皆さんの思いであるとか、あるいは実態というものをしっかりと後押しをしていくためのものだと考えています。そういった意味では、情報をたくさん入れるというのも大事なんですが、被害を受けた皆さんの思いというのをしっかり受け取っていただくためにも、是非お会いをいただければと思います。

 この間、一連の調査であるとかあるいは解散請求というところにおいて、信教の自由を害するのではないかというようなことをおっしゃる方がいますけれども、これについてはどうお考えですか。

宮内委員長 文化庁合田次長。(森山(浩)委員「大臣だよ、どう考えているかだから」と呼ぶ)合田次長、じゃ、まず答弁して。その後、大臣に。

合田政府参考人 委員長の御指示をいただきましたので、お答え申し上げます。

 報告徴収、質問権の行使あるいは解散命令の請求に当たって、信教の自由と抵触するかという御質問でございまして、宗教法人法は、御案内のとおり、この法律のいかなる規定も宗教上の行為を行うことを制限するものと解釈してはならない、あるいは、宗教法人法の、宗教上の特性及び習慣を尊重し、信教の自由を妨げることがないように特に留意する必要があるということが定められてございます。

 したがいまして、報告徴収、質問権につきましても、先ほど来お話がございましたように、それをする際の一般的な基準を定め内外に明確にする、あるいは宗教法人審議会の意見を聞くという法のプロセスを着実に踏むということにおいて、信教の自由に抵触することがないように手続を進めていくということが重要かと思っております。

 なお、解散命令でございますけれども、解散命令に関する規定の合憲性が問われたオウム真理教の解散命令に関する最高裁判決におきましては、解散命令によって宗教法人が解散しても、信者は、法人格を有しない宗教団体を存続させることが妨げられるわけではなく、解散命令は、信者の宗教上の行為を禁止したり制限したりする法的効果を一切伴わないものであるとしつつ……(発言する者あり)はい。恐縮でございます。解散命令が確定したときはその清算手続が行われ、その結果、信者が行ってきた宗教上の行為を継続するのに何らか支障を生ずることがあり得るとした上で、憲法が保障する精神的自由の一つとしての信教の自由の重要性に思いを致し、憲法がそのような規制を許容するものかどうかを慎重に吟味しなければならないという判示をいただいておりまして、これを踏まえてしっかりと判断していただく必要があると存じております。

永岡国務大臣 解散命令の請求につきましては、その適否を判断するためにも、宗教法人法に基づき、まずは、報告徴収、質問権の行使を通じまして具体的な証拠や資料などを伴う客観的な事実を明らかにすることが必要と考えております。

 御指摘のように、信教の自由に抵触することのないよう、法にのっとりまして対応することが当然と思っております。

森山(浩)委員 大臣、お聞きさせていただいたときにはお答えいただきますよう、ほかの、役所の人が勝手に手を挙げたりするようなことがないように、御指導をお願いしますね。

 時間が終わっちゃいましたので今日はこれで終わりますけれども、やはり、この問題をきちんとやっていただくためには、これまでの条文、書かれたものだけでは十分ではないと思います。リーダーシップを持って解決に向けて努力いただきますようお願いをいたしまして、今日の質問を終わります。

宮内委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時十七分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

宮内委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。早坂敦君。

早坂委員 日本維新の会、早坂敦でございます。

 通常国会のときも文部科学委員会の委員をさせていただいておりまして、そのときも、オリンピックの件で、大変成功しまして、そして、未来を担う子供たちのためにキャリアをもっとアップさせて、アスリート育成をたくさんしてくれると、当時の担当大臣に大変喜ばしい回答をいただいて感謝申し上げますが、そこで、東京オリンピックをめぐる贈収賄事件について、文科省、スポーツ庁の受け止め、対応についてお伺いしたいと思います。

 新型コロナの感染拡大で史上初の一年延期になり、感染防止のためにほとんどの種目で無観客となるなど、異例ずくめの東京オリンピックでしたが、ボランティアスタッフを含めた関係者皆様の御尽力で成功裏に閉幕することができました。アスリートたちはすばらしいパフォーマンスを見せ、そこには様々なドラマがありました。スポーツの力が新型コロナの閉塞感に包まれていた社会に勇気と元気、そして感動を与えてくれたことは、記憶に新しいと思います。

 それが、一年もたたないうちに、オリンピックのスポンサー契約をめぐる贈収賄事件が連日報道されております。成功裏に閉幕したオリンピックが汚された思いでいっぱいです。たくさんの子供たちも、どう思ったんでしょうか。

 大臣、この一連の事件を受け、どんな感想をお持ちでしょうか。そしてまた、捜査中で全容解明には至っておりませんが、二〇三〇年の札幌オリンピック招致活動も始まっております。今後に向けて改善すべき点は何かをお考えをお示しください。

永岡国務大臣 早坂委員にお答えいたします。

 東京オリンピック・パラリンピック競技大会の特別措置法におきまして、組織委員会の役員及び職員は、いわゆるみなし公務員とされております。今回逮捕、起訴されました組織委員会の元理事は、このみなし公務員に該当することになります。この度、同組織委員会の元理事らが逮捕、起訴されたことは、誠に遺憾であると考えております。

 本件につきましては、現在、捜査の途上ということもありまして、関係者が捜査に協力し、事実関係が明らかになるものと考えておりますが、仮に不正が行われていたとすれば、フェアまた公正性が求められるスポーツの世界では決して許されることではない、そう考えております。

 また、本件につきましては、既に東京地方検察庁より捜査が行われているところでございまして、国としては、今後の捜査の状況、これを注視をしていきたいと思っております。

 また一方、二〇三〇年冬季オリンピック・パラリンピック競技大会の招致に当たりまして、JOC及び札幌市は、今年九月、大会運営の透明性そして公正性の確保について宣言文を取りまとめました。さらに、今月の十七日には、スポーツ関係団体とスポーツ庁によります円卓会議におきまして、今後の大規模な競技大会の円滑な開催に向け決議を取りまとめたところでございます。

 本事案がスポーツ界全体に及ぼす影響は本当に重大である、その認識の下に、文部科学省といたしましても、スポーツ関係団体と連携協力をいたしまして、必要な取組を進めてまいりたいと考えております。

早坂委員 是非よろしくお願い申し上げます。

 全国の小学生が選んだオリンピックマスコット、ミライトワとソメイティまでもが賄賂の対象になったことは、本当に悲しくなります。国として再発防止に徹底的に取り組んでいただきたいと思います。

 次に、私、宮城出身でございまして、東日本大震災、十一年目を迎えますが、経過しましたが、その当時の避難所にての対応、そしてまた、家屋を流された方々が避難所に来てずっと寝泊まりをしたその光景は、もう本当に悲しい、本当に大変だった、皆様の思いがあります。今度十一年目を迎えまして、公立学校の施設整備の状況について、その耐震化について、ちょっとお伺いしたいと思います。

 文科省が今年八月に発表した資料、公立学校施設の老朽化状況調査及び耐震改修状況フォローアップ調査によりますと、公立学校施設において、建築後二十五年以上経過した施設が八割を占め、築四十五年以上、改修を要する老朽化面積は平成二十八年度、前回調査と比較して一千五百四万平方メートル増加するなど老朽化が深刻であり、対策が急務となっております。校舎の構造体耐震化率は九九・七と高水準でありますが、いまだ耐震性がない建物が二百八十八棟存在するのも事実です。

 老朽化した施設及び現行の耐震基準を満たさない施設や非構造部材の耐震化を必要とする施設はどのぐらい存在するんでしょうか。また、避難所として指定されている公立学校の非構造部材等の耐震化がなされていない施設は存在するのでしょうか。耐震化の状況について説明をお願いします。

笠原政府参考人 先生の方から公立小中学校の耐震対策の状況について御質問いただきました。

 先生今御紹介いただきましたけれども、令和四年四月一日現在で、まず、御紹介のありました構造体の耐震化率は九九・七%になってございます。一方、屋内運動場等のつり天井の落下防止対策につきましても、九九・五%ということで、おおむね完了してございます。しかしながら、つり天井以外の非構造部材の耐震対策の実施率は六六・一%となってございます。今後更に整備を進めていく必要があるというふうに認識してございます。

 それと、耐震対策につきましては、学校施設の環境改善交付金で国庫補助を行っているところでございます。

 引き続き、公立学校施設の耐震対策の取組が進むよう、しっかりと支援してまいりたいと思います。

早坂委員 そうですね。非構造部材の耐震点検実施率は、本当に、九六・一、高水準なんですが、耐震対策実施率は六六・一%と、七割にも届かないんですよ。自然災害はいつ来るか分かりません。国としても、早急に、しっかりと後押しをお願いしたいと思います。

 次に、現在の耐震化点検費用などはどのようになっているんでしょうか。

 工事を前提とするものについては補助があるとお聞きしましたが、公立学校施設、九割以上が災害時には住民の緊急避難所や避難所として地域の実情に応じた役割を果たすことから、耐震化のより一層の促進のため、全ての公立学校施設の非構造部材の点検費用を財政支援措置の対象とすべきじゃないでしょうか。いかがでしょうか。

笠原政府参考人 先生のお話のございました点検の費用でございますけれども、まず、非構造部材の点検費用に関する経費につきましては、耐震対策工事を行う際に併せて国庫補助を行っているところでございます。

 一方、通常の点検でございますけれども、学校設置者が関係法令に基づきまして学校の施設及び設備を管理する義務がございます。また、施設を常時適法な状態に維持することが求められております。このことから、公立学校施設の維持修繕や保守点検に関わる経費につきましては、設置者が適切に行うものとして地方財政措置が講じられているところでございます。

早坂委員 ありがとうございます。

 宮城、東北では年に一回ぐらい大変大きな地震が起きていまして、三・一六も、津波の被害がなかったとか死亡率が少なかったということで全然取り上げられていないんですが、実は、私、視察をしたときに、本当に、スーパーマーケットだったりコンサート会場の天井が落ちていて、あれは夜中に地震が起きていなかったら大変死亡者も出たと思います。

 点検は一回限りでよいものではありません。定期的に、恒常的に行われるものです。児童生徒はもとより、地域住民の安心、安全を担う施設ですので、点検実施率が少しでも、一〇〇%になるように、財政面でも国の後押しを是非お願い申し上げます。

 次に、防災機能強化事業はどのようなものでしょうか。児童生徒数の減少などにより不要となった老朽化施設、減築又は解体に係る費用はこの事業の対象になるんでしょうか。

 今後、不要となった老朽化施設は増えると思われます。厳しい財政の状況下において人口減少や少子高齢化が進展している。将来を見据えると、維持すべき機能の適正化を図るとともに、官民が連携してそれらを賢く使うなど、戦略的に維持管理、更新などを行うことが重要だと思います。減築、解体も含めて防災機能強化として考えられないでしょうか。

笠原政府参考人 先生御指摘のございました防災機能強化事業についてでございますけれども、これは、基本的には、非構造部材の耐震対策工事など児童生徒の安全確保に取り組むほか、備蓄倉庫ですとか給水槽ですとか防火水槽、自家発電設備の導入等に対しての国庫補助はできる仕組みとなってございます。

 先生がお話のございました減築についてですけれども、これはまた別な大規模改修等の事業を行う場合に並行して実施する場合では対象となる場合もあるかというふうに思います。個別の案件ごとにいろいろ御相談をさせていただければというふうに思います。

早坂委員 解体もですよね。

笠原政府参考人 改築と併せて解体をする場合には対象になる場合もございますので、個別の案件ごとに御相談をさせていただければというふうに思います。

早坂委員 そうですね。でも、解体費用は大変かかりますし、やはり今の老朽化した学校も再利用してもらえればなと私は考えます。

 今、コロナ禍による、建築資材が高騰しています。そして、私、十年前、地方議員をやらせていただいているときに、学校が廃校になりました。そのときに、地域の人のために図書館をつくると言っていたんですね。誠に悲しいというか残念というか、言い方は悪いですが、センスがないなとちょっと思わせてもらいましたけれども、私は。

 しかし、やはり図書館にするなら、広島市にあります広島まんが図書館とか、今子供たちに人気の、大人も人気のアニメのミュージアムをつくるとか、そういうこともやっていただければなと思いますし、また、今、スケートボードパーク、スポーツ振興くじのtotoやBIGの助成金をもらってつくりたい方もたくさんおります。

 しかし、今、文部科学省で「みんなの廃校」プロジェクトというのを平成二十二年九月からやっておりまして、今、百三十九の福祉施設だったり民間企業、そういうふうに再利用しているというのはすごいすばらしいことでございます。吉本興業さんも学校を使って会社にしています。

 学校ではないんですけれども、私の地元の石巻市では、市役所を百貨店を再利用してやっておりますので、是非そういう活用を民間と、また、あと地方自治体と共同してやってほしいと思います。

 続きまして、最後の質問になりますが、家庭で洋式トイレが一般化している中、児童生徒の健康面、衛生面から、トイレの洋式化は喫緊の課題だと思っております。現在、洋式トイレの改修状況、進捗状況はどうなっているんでしょうか。補助対象に高等学校が含まれていませんが、今後も補助対象にはならないんでしょうか。

笠原政府参考人 洋式トイレの御質問がございました。

 先生御指摘のように、洋式トイレにつきましては、菌等の飛散防止ができて衛生的であるため、感染症対策上も有効であること、また、避難所等として多数の方が利用することが可能であることから、その重要性は高いというふうに認識してございます。

 現在、令和二年九月一日現在の調査でございますけれども、小中学校の洋便器率は五七%ということになってございます。高等学校につきましては、これは今、一般財源化されておりまして、補助については公立小中学校等を中心としたものになってございます。

早坂委員 あともう一点ありますが、ちょっと時間の関係がありますので、是非、児童生徒の健康面、衛生面を考慮し、安心、安全の学校環境を確保して、お願いを申し上げます。

 東日本大震災から十一年、そして毎年のように、宮城、東北は特に地震が多いんですが、風化させることなく、心のケアも大切ですが、まだまだ復興は終わらないと思いますので、是非とも最後まで、大臣、御尽力を、学校施設がやはり避難所になりますので、よろしくお願い申し上げます。

 これで質問を終わります。ありがとうございました。

宮内委員長 次に、高橋英明君。

高橋(英)委員 日本維新の会の高橋でございます。

 文科委員会、初質問でございますので、大臣、よろしくお願いいたします。

 では、早速質問に移らせていただきます。

 いじめ、不祥事問題についてですけれども、まず、大臣所信の中で、「現場の状況も踏まえ、法律や基本方針等の理解の徹底を図るとともに、早期の組織的対応の徹底、関係機関との連携推進等を教育委員会に強力に指導し、」とあるんですけれども、大臣、この教育委員会が極めて問題だなと私は思っておりまして、私も地方議会出身ですけれども、当時から思っていますけれども、恐らく今も変わっていないんじゃないかなと思いますけれども、ほとんど首長だとか教育長だとかと、もうイエスマンですよね、もう本当にお知り合いばかりの集まりで、全く機能していないんじゃないかなと、形骸化していて。

 こういったことを考えますと、例えば教科書選定の問題もしかりですけれども、いま一度、教育委員会の現状と設置の目的というのを確認のために教えてください。

永岡国務大臣 お答えいたします。

 高橋委員は川口市の市議会議員をなさっていらっしゃったということで、そのときの経験上の今の御感想かなというふうに思っております。

 教育委員会制度につきましては、様々な課題が指摘される中で、平成二十六年の地方教育行政法の改正によりまして、首長が教育長を直接任命することとともに、首長が主宰をいたします総合教育会議を制度化いたしまして、首長の教育行政への関与を強化いたしました。

 教育委員会制度は、引き続きまして、政治的中立性や継続性、安定性等の観点から必要と考えておりますが、委員御指摘のように、事務局の案を追認するなど、機能が形骸化している教育委員会もあるとの御指摘もございます。一層の活性化を図っていくことが重要と考えております。

 教育委員会の活性化のためには、まず、どのような人を教育委員に任命するかが重要でございます。首長と議会が役割を果たして、適切に任命を行う必要があると考えております。その上で、教育委員による議題の提案ですとか、事前勉強会、自由討議の機会などの確保など、教育委員会会議の議論が活発になるような取組を各教育委員会において意識的に行っていくことが重要であると考えております。

 各自治体において適切な取組が行われるよう、文部科学省といたしましても、引き続きまして、機会を捉えて指導助言等を行ってまいる所存でございます。

高橋(英)委員 ありがとうございます。

 でも、任命者が首長とかだと余り変わらないんだろうなと思いますけれども。

 例えば、これは日本に合うかどうかは分かりませんが、イギリスだと学校単位で、選挙で選ばれた親とか職員、校長、生徒の代表などが学校理事会というのをつくってやっているようでございますけれども、そういったもの、日本で、合うかどうか分かりませんけれども、取り入れたらどうなんでしょうか。

永岡国務大臣 今、委員のお話を伺いますと、今、日本の国の制度でコミュニティースクールという制度がございます。それは、学校だけではなくて、地域の方々、御近所の方々ですね、それとPTA、本当に地域コミュニティーでの学校の組織体ということでございますので、そういうところは似ているので、しっかりとコミュニティースクールを立ち上げるのも一つの手かと思います。

高橋(英)委員 ありがとうございます。

 学校評議員制度とかもあるのかなと思いますけれども、あれも立ち上がってからもう十年以上たっていると思いますけれども、一向にやはり、いじめだとか不祥事だとか、なかなかなくならない。まあ、難しい問題なんだと思いますけれどもね。

 教育委員会に関しては、もう少し積極的に改革を行っていただきたいというふうに思います。

 次に行きますけれども、やはりこういった問題が起きるというのは、ある種、学校の閉鎖性というんですか、閉塞感じゃないですけれども、非常にこれは感じておりまして、教員の方々というのは、学校というのが自分たちのものだと思っているんですよね、公立学校。これは大きな間違いで、これは当たり前に住民のものであり、子供のものであり。もう学校を守るためだったら何でもやろうみたいな、そんな感覚が非常にするんですね。だから、問題が起きると、教育委員会でも駄目、第三者機関みたいなのを設けてやっておりますけれども、学校の閉鎖性、これの解決方法というのはどのようにお考えですか。

永岡国務大臣 教育委員会の構成は、年齢とか性別、また職業等に偏りが生じないよう配慮するとともに、保護者である者を含めるなど、多様な者を首長が任命することとしております。

 どのような理由がありましても、やはり不祥事を隠蔽するというようなことがあってはいけないんですね。本当に、教育委員によります多様な意見を反映をいたしまして、学校や教育長に対するチェック機能、これが果たされることが重要だと考えております。

 その上で、例えれば、いじめ重大事態などの調査におきましては、利害関係を有しない専門家を参加させるとか、あとは、首長が総合教育会議を主宰をいたしまして、積極的に関与することなどにより、より広範な意見を取り入れていくことが望ましいと考えております。

 なお、現在、地方教育行政の在り方に関します有識者会議を立ち上げておりまして、その中で、教育行政への多様な人材の参画も含めまして、議論をしているところでございます。引き続きまして必要な検討を行ってまいります。

高橋(英)委員 ありがとうございます。

 今、答弁でも、いろいろな会議をつくったりとか、有識者会議だとか、いろいろありましたけれども、だったら、今の教育委員会というのは要らないんじゃないですか。ちょっとお考えをお聞かせください。

永岡国務大臣 教育委員会ではなく、第三者機関に対応を任せるべきではないかという御質問かと思います。

 一つの機関に権限を集めるのではなくて、当事者である執行機関を第三者的な立場からチェックをする重層的な体制があることが重要だと考えております。

 教育行政の執行機関である教育委員会に対しまして、教育長やそれから教育委員を任命する首長、執行機関をチェックする議会、それぞれが自らの権限をもって牽制機能を発揮するとともに、案件に応じまして専門家の第三者の協力を求めることが必要であると考えております。

高橋(英)委員 第三者的ななんですね。

 結局、教育委員会を見ていると、やはり学校から上がってきたものはほとんどうのみにしているような気がしてならないので、先ほども言いましたけれども、この教育委員会、積極的に見直しをしていただきたいなというように思います。

 そして、先ほどから出ておりますけれども、総合教育会議、こちらの成果を教えてください。

永岡国務大臣 総合教育会議では、各自治体が抱えます教育課題のほか、子育て支援や児童福祉等の福祉部局と連携をした取組についても様々な協議がされているものと承知をしております。

 例えば、首長の理解や関心を得ることにより、学校教育におけますICT活用支援のための外部人材の配置につながった、教員の多忙の解消と子供へのきめ細やかな教育のための協議を行い、人的体制の整備が進んだ、福祉、教育の両方を包括的に支援する支援センターの設置につながった等の様々な成果が各自治体におきまして上げられているものと承知をしております。

 総合教育会議は首長により招集権があるため、各自治体の首長におきまして積極的に活用していただきたいと考えているところでございます。

高橋(英)委員 ありがとうございます。

 確かに、この制度が導入されてから、例えば学校の中に福祉関係の施設ができたりとか、そういった面ではプラスになっているのかなと思いますけれども。

 このメンバーなんですけれども、これは首長が招集して催される会議だと思いますけれども、このメンバーの中身というのは、要は教育委員会のメンバーが横滑りになっているんですかね。

永岡国務大臣 それは、いつも同じというわけではなく、首長の方がしっかりと選定をしていただくということになると思います。

高橋(英)委員 ありがとうございます。

 くれぐれも、またお友達同士のようなことにはならないようにお願いしたいというように思います。

 では、次に移ります。

 学校給食についてお尋ねをしたいと思います。

 こちらの所信でも大臣は言っていますけれども、物価高騰の状況を踏まえ、各自治体における学校給食費等の保護者負担軽減に向けた取組を促進していくとありますけれども、我が党は学校給食無償化、これを推進しているんですけれども、大臣、これは無償化のお考えはないですか。

永岡国務大臣 学校給食の無償化につきましては、学校の設置者と保護者との協力によりまして学校給食が円滑に実施されることが期待されるとの学校給食法の立法の趣旨を踏まえまして、各自治体において適切に御判断をいただくべきものと考えております。

 その上で、やはり、家庭の経済状況が厳しい児童生徒の学校給食費につきましては、生活保護による教育扶助ですとか就学支援により支援を実施しているところでございます。

 今般の学校給食における食材費の高騰に対しましては、文部科学省におきまして、地方創生臨時交付金を活用いたしまして、学校給食費の保護者の負担軽減に向けた取組を促しまして、ほとんどの自治体におきましてその取組が進んでいるところでございます。

高橋(英)委員 ありがとうございます。

 この軽減措置なんですけれども、これは時限的なんだと思いますけれども、できれば恒久的にやってもらえれば、各自治体も、給食費の無償化、多少なりともやりやすくなるのかなと思いますけれども。

 軽減措置をやめる基準というのは、目安というのは、どの段階でなるんですかね。

藤原政府参考人 お答えいたします。

 先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、現下の状況を踏まえまして交付金による措置が行われておりまして、これを活用して保護者の負担軽減の措置が講じられているという状況でございます。

 今後ということでございますけれども、物価高騰が更に続くということもあり得るわけでございますけれども、これにつきましては、今後、政府全体の取組の中で検討されるものと考えておりまして、今後、そうした動きを見ながら適切に対応してまいりたいと考えております。

高橋(英)委員 ありがとうございます。

 取りあえずの現在決まっている予算というのはどのぐらいなんですか。

藤原政府参考人 お答えいたします。

 九月に、政府の物価高騰に対する追加策といたしまして、臨時交付金に六千億円規模の電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金が創設をされたところでございます。

 この中に、学校給食費の保護者負担軽減支援、こうしたものも推奨事業のメニューとして位置づけられたわけでございまして、こうした交付金を活用して、各自治体が御判断をいただいて対応していただいている、こういう状況でございます。

高橋(英)委員 ありがとうございます。

 次に、ちょっと外国人の生徒の増加についてお聞きしたいんですけれども。

 私の地元の川口、この間、川口警察署長とお話をしましたら、全国で一番外国人の多い町だと言われたんですね。確かに、中国の方は二万人以上いるし、トルコ系クルド人の方は二千人以上いるし、とにかくたくさんいるんですよ。やはり小学校に通っている子供らもいますので、学校の生徒の半分は外国の方々だというような状況にもなっているんですね。今後もどんどんどんどん増えていくんだろうと思いますし、子供たちにはちょっと関係のないことだと思いますけれども、学校での対応というのはどうなっているのか、ちょっとお聞かせください。

藤江政府参考人 お答え申し上げます。

 今、外国人の子供の学校への受入れについての御質問でございますけれども、我が国では、外国人の保護者が子供を公立の義務教育諸学校に就学させることを希望する場合には、国際人権規約等も踏まえまして、日本人児童生徒と同様に無償で受け入れているという状況でございまして、住民票がない場合であっても、居住の実態がある場合には、入学を希望し、入学の許可を得ることによって、当該市区町村の義務教育段階の公立学校に入学することができるということでございます。

 こうした児童生徒を受け入れている学校の多くでは、特別の教育課程を編成いたしまして日本語指導を実施しているところでございまして、文部科学省といたしましても、日本語指導に必要な教員定数の義務標準法に基づく着実な改善に取り組むとともに、日本語指導補助者ですとか母語支援員等の外部人材の配置など、外国人児童生徒へのきめ細かな支援に取り組む自治体を補助事業で支援しているところでございます。

高橋(英)委員 ありがとうございます。

 もう時間になってしまいますけれども。これは今後も増えていく可能性も多いんですけれども、やはり正しく共存していかないとこれはどうしようもないので、子供の頃から日本語がしっかりできるようになると、大人になっても大分、日本の文化等々にも慣れ親しんで、変わってくるのかなというふうに思います。

 しかしながら、今の入管法はもう穴だらけ状態でございますので、私は、入管法の改正、ちょっと廃案になっていますけれども、文科省にとっても関係のないことではないというふうに思いますので、是非とも入管法改正に向けて大臣の御協力を頂戴したいなというふうに思います。

 以上で質問を終わります。以上です。

宮内委員長 次に、堀場幸子さん。

堀場委員 日本維新の会、堀場幸子です。

 この度、文科委員となりまして、皆様と一緒に質疑させていただくことを本当に楽しみにしております。是非よろしくお願いいたします。(発言する者あり)ありがとうございます。

 旧統一教会の問題が大きな社会問題となっております。日本維新の会では、まずはあらゆるトラブル団体からの被害救済ということで、先日の十月十七日に立憲民主党さんと一緒に、特定財産損害誘導行為による被害の防止及び救済等に関する法律案を提出させていただきました。

 一方で、宗教二世の皆様の問題を通らずしてこの問題の解決はないと考えております。日本維新の会では、皆様もされていると思いますけれども、宗教二世の皆様へのヒアリングをさせていただき、厳しい現実にある子供たちがいるということを改めて教えていただきました。その中で、今の日本では、明らかな虐待に値する案件でも、宗教という信教の自由を理由に受け入れてもらえないことが常態化しているという御指摘がありました。

 永岡大臣にお尋ねいたします。

 現在の学校教育の現場で宗教を理由にする虐待についての対応を教えてください。

永岡国務大臣 虐待というのは、いかなる理由があっても許されないと考えております。

 十月六日付で厚生労働省通知に記載されている虐待例は児童虐待に該当し得るものであり、学校においても、これらに該当する行為を発見した場合には、これは適切に対応すべきと考えております。

 また、同日付で、文部科学省におきましても、学校において、宗教に関することのみを理由として消極的な対応をしないことなどを内容とします通知を各都道府県教育委員会等に発出をいたしました。

 今後とも、教職員が宗教の信仰を理由とした虐待と思われる事案を発見した場合でも、学校といたしましてしっかりと適切に対応できるよう、必要な取組を進めてまいる所存でございます。

堀場委員 ありがとうございます。それは恐らく、「「旧統一教会」問題関係省庁連絡会議の結果を踏まえた児童生徒の教育相談の取組について」という通知のことだと思います。こちらはいただきまして、拝読させていただきました。

 文部科学省としては、引き続き、SC及びSSWの配置拡充を含めた教育相談体制の充実に向けた施策を講じていくこととしておりますが、貴職におかれましても、下記を踏まえ、教育相談体制の充実に一層努められるようにお願いいたしますというふうに記載されています。

 今まで学校内でいろいろな、様々なカウンセリングをしている、若しくは支援につなげていくお仕事をされているスクールカウンセラーそしてスクールソーシャルワーカーという、SCさん、SSWさん、いらっしゃいますけれども、この人たちは、宗教を理由にする虐待及びしんどいなと思っている子供に対するケアというものを今までやってこなかった、つまり、それは余り専門ではないという状態にあると認識しています。

 今回、この発出が出ることによって、教育現場で、つまり学校の現場でどのようなことが起こるかと想定されるかと想像されますか。永岡大臣、お願いいたします。

永岡国務大臣 申し訳ございません、なかなか、想像と言われても、すぐには思い浮かばないということで御勘弁いただければと思います。

堀場委員 ありがとうございます。

 恐らく、学校の現場では、今まで宗教を理由にしていたけれども、それを全て扱わなければならないとなりますと、一番最初にしんどい思いをする、それは学校の先生たちです。なぜならば、信者である保護者との最前線に立つことになるからです。それを意味するというのは、本当に、どういうことをするのか想像しただけでも、私自身はすごく恐ろしくなります。モンスターペアレントと言われる人たちが本当にたくさんいて、その対応をしていることも学校の教職員の先生方の業務を非常に圧迫しているというのは、社会問題として取り上げられるほど有名なお話です。そして、そこに信仰という大きなものが加わったときに、より強くそういったものが出るのではないかということを想定しています。

 そう考えたときに、私たちがしてあげられることは何なのかなということを、私は、この委員会に来たら議論ができると思っていました。行き過ぎた信仰により虐待に遭っている子供を学校で発見することができると私は思っています。

 そして、実際にヒアリングをさせていただいたときも、幼稚園、保育園の頃は、お母さんやお父さんに連れられて教会とかに行って、温かい中にいたから気づかなかったけれども、学校という社会の縮図に出たときに、あれ、ちょっと私、違うかもというふうに気づくという最初のステップが学校だと私は思っています。小学校だと思います。そして、成長して、中学校では本当に苦しくしんどい思いをされる宗教二世の方がたくさんいらっしゃるのであろうということは、ヒアリングを通じてお聞きしたところでございます。

 そういったときに、支援の手を伸ばす相談窓口をつくっても、私は、電話をしないと思います。すぐそばにいて、しんどい子供にとんとんと背中をたたいてあげられる大人を私たちが配置をする、それがこの委員会の大きな役目だと思っています。議論を逃げないで、ここで毎週一回、本当は二回なんですが、最低でも一回、しっかりと議論していただいて。

 スクールカウンセラー、そしてSSWの人たちは各校に毎日いますか。いないのに、どうやって宗教の、こういった新しい、二世の問題について対応することができるんですか。

 そういったことも含めると、やはり喫緊の課題として、SCそしてSSWの配置を増やすということは絶対に必要だと思っているんですけれども、永岡大臣、いかがでしょうか。

藤原政府参考人 お答えいたします。

 今委員御指摘のように、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーが果たす役割というのは大変大きいものがあるというふうに考えております。

 また、御指摘のように、学校という場が最初に子供たちの状況に気づくことができる場であるというふうに思っておりまして、こうしたスクールカウンセラー、ソーシャルワーカー、そうした方々を中心としながら、学校全体で子供たちへの支援をしっかりしていくということが肝要だと思っております。

 また、それに加えまして、学校だけで抱えられる問題でもございません。これは児童相談所など関係機関と連携を取りながら全体としてしっかりとした対応をしていく、これが重要だと考えているところでございまして、文部科学省といたしましては、スクールカウンセラーやソーシャルワーカーの増員を来年度の概算要求で要求をしているところでございますけれども、その体制の充実と併せまして、関係機関の連携をしっかりと取ってまいりたいと考えております。

堀場委員 ありがとうございます。

 私自身は、SCとSSW、特にSSWですけれども、配置を増やしてほしいということで、こども家庭庁の議論のときに、野田大臣に、もう文科のお金ではなかなか増やせないということのようなので、こども家庭庁で入れてくださいと言いましたらお断りされたんですけれども、それぐらい必要だということを言っています。

 日本維新の会が学校における教育と福祉の一体化というものを非常に強く訴えさせていただいている背景には、そういった支援が必要な子供がいて、その子供たちは声を上げられない可能性が高いんですよということをお伝えさせていただいているからだと受け止めていただきたいと思います。

 そして、一つ、これは大臣にお尋ねいたします。

 教義と称するものが組織的な違法行為や人権侵害に当たるとするならば、総理の言う、裁判のほかの例も含めて情報を収集するというものに当たるのかどうか、これは解散権のときの話ですね、当たるという理解でいいのか、これについて教えていただいてもよろしいですか。

永岡国務大臣 教義そのものは解散権に当たるかということは、当たらないのではないかと思っております。

堀場委員 ありがとうございます。

 行き過ぎた教義ということを理由に、保護者が子供たちに対して虐待行為をしていたとするならば、それは、私自身は、解散の要求の一つ、質問権の中でどういう答えが出てくるか分かりませんけれども、一つに入ってもいいのではないかというふうに思っています。これは人権侵害に当たりますので、立派な、憲法の違反だと私自身は思っております。そういったこともお伝えさせていただきまして、次の質問に行きたいと思います。

 同じように、文化庁のお話でございます。

 まず、さっき菊田さんがおっしゃっていたんですけれども、宗務課が管轄している宗教法人の数と、宗務課の人員が二十四人になったのはお聞きしましたので、同時に、民法上の訴訟判決が出ている宗教法人の数を教えてください。

合田政府参考人 お答え申し上げます。

 端的に申し上げますと、私ども、民事判決というのは当事者でないと謄写できませんし、そういった事情もございますので、御質問のような、全国の宗教法人の民法上の訴訟判決の数などの網羅的な情報は、私ども網羅的に把握しているわけではないということでございます。

堀場委員 ありがとうございます。

 では、通常八名で行われている職務の内容を教えてください。

永岡国務大臣 お答えいたします。

 文化庁宗務課では、宗教法人法に基づく規則や規則の変更等の承認事務、それから、提出書類の確認をやっております。そして、全国の宗教法人数や信者数等に関します宗教統計調査の実施ですとか、宗教法人の事務担当者や都道府県の宗務行政担当者を対象といたします研修会の実施であるとか、不活動宗教法人対策に関するモデル事業の実施などを行っております。

 憲法の定めます信教の自由の観点から、宗教法人に対します所轄庁の関与は抑制的であることが求められておりまして、宗教法人法上、所轄庁には、宗教法人の一般的な調査権、監督権が付与されておりません。一方で、宗教法人からの規則変更等の相談の機会や、毎年度提出されます財産目録及び収支報告書等の写しの確認などを通じまして、宗教法人の活動状況について確認をしているところでございます。

堀場委員 ありがとうございます。

 つまり、現行の宗務の行政では、権限を最小限のものに限定しており、宗教弾圧という歴史的背景で、宗教の教義に踏むことができないということで理解をしています。

 一般的な監督命令や調査権を有していない宗教法人も、認証制であり、許可制ではない、つまり、申請があれば通し、そして税制優遇が受けられるという理解でよろしかったでしょうか。大臣、お願いします。

永岡国務大臣 そのとおりと思っております。

堀場委員 ありがとうございます。

 この内容については、また、次、お時間をいただいたときにゆっくりやらせていただきたいと思います。

 次に、文化庁の全面移転に関するスケジュールを教えてください。

 私自身、京都の人間でございます。文化庁が京都に来ることを心待ちにしている一人です。今、京都の町は、いろいろなところで、文化庁全面移転、三月二十七日と、来年の三月二十七日に京都に全面的に移転してくることを楽しみにしているところです。

 しかし、宗務課が行けるかどうかは分からないというような御発言があったと思っています。

 是非、このスケジュールについて教えていただきたいと思います。

永岡国務大臣 御答弁する前に、先ほど、承認と答弁をしてしまいましたが、正しくは認証でございますので、御了承いただければと思っております。

 文化庁の京都移転につきましては、来年三月以降の移転に向けまして、現在、準備を着実に進めているところでございます。

 その際、宗務課など、京都移転の対象となります組織が担当する業務におきまして、東京で対処しなければならない課題が生じた場合には、東京を拠点とした対応を取ることが重要であると考えておりまして、先週二十一日の会見で発言した趣旨は、こうした考え方に基づいたものでございます。

 いずれにいたしましても、文化庁では、こうした事態に備えまして、令和五年度に向けて、東京でも職務を遂行するために必要となる旅費ですとか、東京―京都間の連絡、連携をしっかりと図るためのオンラインの環境整備の経費等を予算要求するとともに、文化庁の体制を強化するなど、必要な準備を進めているところでございます。

堀場委員 ありがとうございます。

 私ども日本維新の会は地方分権政党でございますので、こういった、地方に行くということに関しては本当に歓迎しているところでございます。けれども、やはり、この業務というものがどうなるのかなというのは非常に注視しているところです。

 そもそも、全面移転といえども、文化経済・国際課であったり企画調整課というのは来ないですし、芸術文化担当、文化観光そして食文化担当などの参事官も来ない、そして文化庁を二つに分けるというようなイメージになってしまうんですけれども、文化庁内でうまくコンセンサスや人間関係というのはオンラインだけでつくることができるとお考えですか。

永岡国務大臣 宗務課につきましては、旧統一教会に対する報告徴収、質問権の行使に向けた準備等に取り組んでいるところでありまして、こうした取組の状況等を踏まえながら、来年三月以降の具体的な対応の仕方について検討してまいりたいと思っているところでございます。

 また、文化庁の京都移転については、政府といたしましては、平成二十八年三月の政府関係機関移転基本方針におきまして決定をしているところでございます。その後、内閣官房、文化庁、京都市、京都府などの関係者から構成されます文化庁移転協議会におきまして、本庁、これは京都でございますが、本庁においては、国会対応、外交関係、そして関係府省庁との連携調整等に係る政策の企画立案業務を除く全ての業務を行うとされました。

 文化庁の京都移転につきましては、全面的な移転をいたしますが、文化庁の機能を最大限に発揮するため、外交関係や国会対応等の業務を東京で行うこととしたのでありまして、御指摘のようなことではないということを御理解いただければと思っております。

堀場委員 ありがとうございます。

 質疑時間が残り一分となってしまったので、これだけ、一つだけお聞きしたいと思います。また別なお話です。

 私的録音録画補償金制度に係る政令の改正について、文化庁の審議会の著作権分科会が著作物等の適切な保護と利用・流通に関する小委員会において議論し結論が出なかったブルーレイの指定になった、その理由だけ教えてください。

永岡国務大臣 今回、政令改正につきましては、今年六月の知的財産推進計画二〇二二に基づきまして、利用実態を踏まえた関係府省との協議を踏まえまして、ブルーレイディスクレコーダーを対象機器の追加指定の候補といたしました。

 また、同じく六月には補償金の徴収などを担います管理団体が設立されるなど、著作権の著作者団体におきまして運用面での準備が進められてきたことなどから、今回の政令指定の決定に至ったところでございます。

 なお、今回の指定は、政令案に対します意見募集におきまして国民の皆様方からいただいた様々な御意見を考慮をして決定したものでありまして、引き続きまして、関係者の御理解を得られるよう、必要な取組を進めてまいります。

堀場委員 済みません、ぎりぎりに。ありがとうございました。

 また質疑をさせていただくチャンスを是非頂戴したいと思っております。よろしくお願いいたします。

宮内委員長 次に、西岡秀子さん。

西岡委員 国民民主党、西岡秀子でございます。

 本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 永岡大臣、御就任おめでとうございます。本日は、大臣所信に対する質疑ということで、よろしくお願いいたします。

 まず、岸田総理は、就任以来、聞く力という言葉を使われております。前任の文部科学大臣であった末松先生は、就任に当たって、自分は見る力を大事にしていきたいというお話がございました。

 永岡大臣は、この文部科学大臣という重責を担うに当たり、何を一番大切にして職務に取り組まれるのか、まずこれをお尋ねをさせていただきたいと思います。

 また、大臣所信を読ませていただきますと、改めて、我が国の文部科学行政、様々な極めて重要な課題が山積しているということを実感するわけでございますけれども、とりわけその中でも永岡大臣が自分自身の手で何としても実現したいテーマがございましたら、このことについても御見解をお伺いしたいと思います。

永岡国務大臣 西岡委員にお答えいたします。

 末松前大臣と同様に、私自身も、やはり現場に向かいまして、行きまして、そして現場の状況を把握するということ、大変重要だと思っております。

 国会議員として、地元の方々の御意見を、たくさんの方に意見を聞かせていただくんですけれども、その中ではやはり大人の意見というものが多うございます。ですから、現場の学校の先生の意見は学校を離れたところで聞けるということが、御実感されていると思うんですが、やはり学校は、週五日、ウィークデーでございますし、また、子供たちのところにそれこそ視察をしますといいましても、そうそう簡単にできることはないので、そこのところを思いますと、やはりこの立場ですね、申し訳ないけれども立場を利用いたしまして、しっかり現場での子供たちの様子と、そして学校の先生がどうやって子供たちと対話をしているか等、これをしっかりと私も拝見をさせていただきたい、そういう気持ちで今頑張って課題に取り組んでいるところでございます。

 それと、文部科学行政、本当に重大な課題が山積しております。今日、先生方の質問で一番多いのが、やはり宗教法人法の報告徴収、質問権の話でございました。これをまず、目の前にあることでございますので、しっかりと質問権の行使に向けた対応をしなければいけないと思っておりますし、私が、結構長いこと生きております、まだ七十にはなっておりませんけれども、三十年前のことを思い返しますと、子育てをしていて何が大変だったかといえば、実は教育費でございました。この教育費の負担軽減、これだけはやりたい、そう思っておりました。(発言する者あり)はい、頑張りましょう。

 それと、やはり教育費も、大学だけではなくて、これは幼児教育につきましても、まだ結婚したての若い夫婦にとりまして結構大変だったということを覚えていらっしゃる方も多いと思うんですね。でも、幼児教育の無償化が果たされまして、そこは本当に私もうれしかったと思いますが、やはりこれからは高等教育の方の話の負担軽減というのが私にとりまして一番の問題になると思っております。

 そして、やはり学校の先生方の働き方改革、これも重要だと思っております。部活の地域移行にいたしましても、土日、おんぶにだっこですね、学校の先生方にそれをしてきてしまったということで、やはり人口減少、少子化の下で、何とかそれを地域の方々に学校の先生に代わってしょっていただく、地域一丸となって、子供たちの部活、運動部もそれから文化部もありますけれども、それの実行、それをしっかりやっていきたいと思っております。

 また、研究力の向上、これも非常に重要だと思っております。それの環境整備等もやらせていただきたいと思いますし、このところで本当にウィズコロナで大変な思いをしてきた文化芸術活動の支援の充実、これもしっかり取り組んでまいりたいと思っております。

西岡委員 永岡大臣、ありがとうございました。

 まず取り組みたいということに、今大変深刻な問題となっております旧統一教会の問題、これをまず最初に大臣がおっしゃっていただいたことを大変心強く思います。

 今回、宗教法人法に基づきまして岸田総理が報告徴収そして質問権を行使するということを表明されましたけれども、やはり所管大臣である文部科学大臣、永岡大臣がどうこのことに取り組まれるかということが大変大きなことだというふうに私は思っておりました。

 実は二問目は、大臣がどういう認識を持ってこのことにお取り組みになるかという問いを用意をしておりましたけれども、先ほど、まずこのことを解決をしたいというお言葉の中で一番目におっしゃっていただきましたので、是非、永岡大臣、所管大臣として、今本当に大変な状況にある皆さんのことを一番に考えていただいて、報告徴収、質問権の行使、しっかり準備をしていただいて、なるべく早急にこのことを解決をしていただいて、私自身は、今の現状を見たときに、やはり解散請求をして、その後は裁判所が判断されることではございますけれども、そうするべきだというふうに考えております。

 大臣、なかなか、お立場上、こうするべきだというところまではおっしゃられないかもしれませんけれども、一言、お取組について、もう一度お言葉をいただければと思います。

永岡国務大臣 旧統一教会の問題につきましては、やはり、近時、法人自身の組織的な不法行為責任を認めた民事判決の例があること、また法務省の合同電話相談窓口に多く相談が寄せられておりまして、中には法テラスとかまた警察などに紹介されているということを踏まえまして、報告徴収、質問権の行使を検討しているわけでございます。

 解散命令の請求の適否を判断するためにも、まずは報告徴収、質問権の行使を通じまして具体的な証拠や資料などを伴います客観的な事実を明らかにした上で、法律にのっとりまして必要な措置を講じてまいります。

 以上です。

西岡委員 ありがとうございます。

 事実を明確にするために、是非リーダーシップを取っていただきますようにお願い申し上げます。

 次でございますけれども、先ほどから先生方からも質問があっておりますけれども、ちょっと十分なお答えというか、なかったように、私自身、聞いておりまして感じましたので、事務方、文部科学省の方からの御説明で結構でございます、二十五日に行われた専門会議で決まった内容について、再度御説明をお願いできませんでしょうか。

合田政府参考人 お答えを申し上げます。

 昨日行われました宗教法人制度の運用等に関する調査研究協力者会議でございますけれども、宗教法人法につきまして、報告徴収、質問権等が平成七年に規定された経緯等について委員等で共有された上で、どのような場合に当該権限を行使できるのかについて一般的な基準を明らかにすることが必要だという認識で一致をしたところでございます。

 今後、文部科学省としては、宗教法人法に定める報告徴収、質問権の適正な行使のためには、この行使のための一般的な基準について定め、明確にすることが必要であると考えておりまして、引き続き、有識者会議における議論をしっかり進めてまいりたいと考えてございます。

西岡委員 今御報告いただいたこと以外で、何も議論にはならなかったんでしょうか。

合田政府参考人 失礼いたしました。

 今は、共有されたことを申し上げたところでございますけれども、中に、御意見としては、この基準の在り方につきましては、総理がこう答弁なさっておられる、解散命令請求の判断の基準であります組織性、悪質性、継続性という観点が重要ではないかという点。

 それから、報告徴収、質問権については、宗教法人法上、この法律、すなわち宗教法人法を施行するために必要な限度についてという制限がかかっておりますので、こういった部分についても、今後、宗教法人審議会で報告徴収、質問権を議論する際には留意が必要ではないか。

 あるいは、一般的な基準を作るということについては、宗教法人制度自体の信頼を高めていくという観点からも重要ではないか。

 他方で、信教の自由ということについては、きちんと踏まえる必要があるのではないかといったような議論が行われたところでございます。

西岡委員 これからまたいろいろな議論が深まって、現在進行形でこのことが進んでいくわけでございますので、先ほど堀場委員からもございましたけれども、やはり、法律案が出ていなくても、この文部科学委員会を定期的に開いて、しっかり、様々な会議で議論された内容も含めて、私たちがそのことについて質問したり御報告をいただくという委員会を是非開いていただきたいということを改めて申し上げたいと思います。

 それでは、続きまして、所信に対する質疑ということで質問を続けさせていただきます。

 現在、ロシアによるウクライナの侵攻や記録的な円安などによりまして原材料やエネルギー価格、物流コストが高騰し、物価高が国民生活、暮らしを直撃をいたしております。国民民主党は、九月十三日、総額二十三兆円の、物価高から国民生活を守るための緊急経済対策を提案をしています。

 今、電気代の高騰で、自治体によっては、予算額をオーバーして、補正予算を編成をしたところもございます。そういう中で、食料品価格が高騰、これが大変長期化をして、中でも学校給食の食材費の高騰に対しては、今、コロナ対策地方創生臨時交付金の拡充枠を活用して負担軽減に取り組んでいただいております。

 文科省として、その活用状況について調査をされておりますけれども、この調査から見える問題点、また、更なる値上げに向けて支援の取組、今後どのような方針で取り組んでいかれるかということをお伺いをいたしたいと思います。

 また、それに加えまして、一方で、従来より、給食の持つ役割の重要性、例えば、唯一の食事が給食であるというお子さんもおられる、また、お子さんの栄養の面も含めて、大変この給食というものの持つ役割が重要であるということを考えますと、保護者の皆さんの負担の軽減の面からも、恒久的な給食費の無償化が必要ではないかということを党の政策でも打ち出しております。このことについても併せて見解をお伺いをいたしたいと思います。

藤原政府参考人 お答えいたします。

 今般の学校給食における物価高騰に対しては、四月の原油価格・価格高騰等総合緊急対策により拡充された地方創生臨時交付金を活用した学校給食費の保護者負担軽減に向けた取組を促し、ほとんどの自治体において学校給食費の値上げが抑制され、保護者の負担軽減が進んでいるところでございます。

 また、九月に、政府の物価高騰に対する追加策として、臨時交付金に六千億円規模の電力・ガス・食料品等価格高騰重点支援地方交付金が創設をされ、物価高騰による学校給食費の保護者負担軽減支援が推奨事業メニューに位置づけられたことを受け、各自治体に対し、その周知と積極的な活用を依頼をしたところでございます。

 なお、学校給食費の無償化につきましては、学校の設置者と保護者との協力により学校給食が円滑に実施されることが期待されるとの学校給食法の立法趣旨を踏まえ、各自治体において適切に御判断いただくべきものと考えております。

 その上で、家庭の経済状況が厳しい児童生徒の学校給食費については、生活保護による教育扶助や就学援助により支援を実施をしているところでございます。

 文部科学省といたしましては、引き続き、様々な機会を捉え、臨時交付金の活用を促し、各自治体における学校給食費の保護者負担軽減に向けた取組をしっかりと後押しをしてまいりたいと存じます。

西岡委員 ありがとうございます。

 今、電力・ガス・食料品等高騰重点支援地方交付金の創設のお話がございましたけれども、教育現場、また、研究開発の現場、研究資材の高騰というのも大変深刻な状況だというふうに思っております。

 この高騰によって、研究開発の現場にも深刻な影響を与えているというふうに考えますけれども、文科省として、このことに対する支援やお取組について御説明をお願いいたします。

池田政府参考人 お答えいたします。

 電気代等のエネルギー価格や研究資材が高騰する中で、大学においては、安定的、継続的な研究活動の実施に支障が生じかねない例もあると承知しております。

 文部科学省といたしましては、大学の研究活動の継続は重要なことであると考えており、必要な対応が取られるよう、大学の状況も伺いながら、具体的な支援について調整しているところでございます。

西岡委員 これから様々現場の声を聞いて調整されるということでございますので、しっかり現場の皆様のお声をお聞きをいただいて、早急に対応していただければと思います。

 引き続きまして、国民民主党は、公約として掲げた政策を法律という形で国会に様々提出をしてまいりました。その一つとして、今国会の冒頭、子供たちがひとしく健やかに成長できる社会の実現を目指して、子供に関する給付金については子供本人に支給されるべきものであるという視点に立ち、子供に関係する公的給付については所得制限を撤廃すべきであるという内容で、所得制限撤廃法案を提出をいたしました。

 このことについて、永岡大臣からの御所見をいただければと思います。

永岡国務大臣 授業料等減免と給付型奨学金、例えば、この二つを比べますと、高等教育の修学支援新制度というのは、やはり、住民税非課税世帯に加えまして、これに準ずる世帯といたしまして、目安が年収三百八十万円程度の世帯までを対象としております。

 これは、低所得者世帯において進学率が最も低い実態も踏まえまして、真に支援が必要な低所得者世帯に限って支援を行うという考え方によるものでございます。

 同制度の所得制限の撤廃につきましては、やはり慎重な議論が必要と考えますが、骨太の方針二〇二二におきまして、同制度の対象を支援の必要性の高い多子世帯であるとか理工農系の学生の中間層への拡大をする方針が示されまして、これを受けまして、文部科学省におきましては、令和六年度の導入に向けまして、有識者会議にて検討を進めているところでございます。

西岡委員 ありがとうございます。

 例えば児童手当も含めまして、やはり、中間層の世帯には支援が届かないという状況もありますし、一人一人の子供たちに届けるべき支援策であるという視点に立って、引き続いてこの所得制限についてはお訴えをしていきたいというふうに思います。

 続きまして、我が国の教育、科学技術予算につきまして質問させていただきます。

 これは、大臣も、また委員の先生方も全て御承知のように、我が国の教育、科学技術予算につきましては、他国と比べて、微増、ほとんど増えていない、増加していない状況が続いております。諸外国においては大変この教育、科学技術予算を増加、増やしていっているという一方で、我が国はほとんど増えていない、微増というような状況が長年続いておりますし、教育機関に対する公的支出の対GDP比も、OECDの中で平均を下回り、依然として低い状況が続いております。

 また、世界大学ランキングにおいても、日本は中国の大学が躍進する一方で停滞している状況が続いております。また、生まれた家庭の環境の経済状況が子供たちの進学に大きな影響を与え、教育格差が大変大きい、これも日本の大変今深刻な状況だと思います。

 様々なデータが大変厳しい現実を示しておりますけれども、先ほど、取り組みたいという中にも研究開発というお言葉がありましたけれども、今我が国が大変国際競争力を失っている現状について、永岡大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

永岡国務大臣 今、西岡委員がおっしゃいましたように、OECDのデータによりますと、二〇一九年度においては、我が国の公財政教育支出の対GDP比が、OECD諸国の平均四・四と比べますと、三・〇と低い水準にあることは事実でございます。

 また、科学技術予算に関しましては、アメリカでは、二〇〇〇年の十一・二兆円が二〇二一年には十六兆円になっておりますし、中国では、二〇〇〇年の三・三兆円がやはり二十年後には約七倍の二十四・四兆円となるなど、高い伸びを示しております。やはり、日本では、二〇〇〇年の四・二兆円が二〇二一年は八・二兆円となっておりまして、GDP比で見れば見劣りしないものの、実額で見たアメリカの伸び幅、中国の伸び幅に比べたら劣っているというのが事実でございます。

 文部科学省といたしましては、今後も人への投資や科学技術イノベーションへの投資を強化するために、教育、科学技術予算の着実な確保に努めてまいります。

西岡委員 ありがとうございます。

 岸田政権も、人への投資ということで、教育、科学技術予算を倍増するということを掲げておられるんですけれども、現実問題としては、少子高齢化の中で社会保障費が急増し、なかなか予算を倍増していくというのは困難であるということが現実であるということも事実です。

 国民民主党は、人づくりこそ国づくりという理念の下で、人への投資が我が国の最重要課題であるという認識の下、財源論については様々な御意見があると思いますけれども、今、やはり教育、科学技術に予算を振り向けていかなければ日本は国際的にも大変な状況になるという危機感の中で、教育国債を数年前から提案をし、法案としても提出をさせていただいております。

 実は、末松前大臣が退任された会見のときに、私がこの委員会室で教育国債のことをお聞きしたときには、それは岸田総理におっしゃってくださいというような御答弁をいただいたんですけれども、退任されるときに、教育国債が必要だということを末松前大臣がおっしゃられました。この場でおっしゃっていただければよかったと思ったんですけれども、やはり教育国債の必要性というのが御理解いただけた部分もありますし、自民党の中でも議論があるということの前提でのお話でございましたけれども、この教育国債について、永岡大臣の御見解、どのようにお考えになるかということについてお聞きをしたいと思います。

永岡国務大臣 確かに、委員御指摘の教育国債、これは自民党でも議論がございました。人材力強化の調査会の提言でそれが入っておりました。

 子供は国の宝でございますし、国の礎でございます。人への投資は、新しい資本主義を起動いたしまして、成長と分配の好循環の流れを加速していくための鍵でもございまして、極めて重要だと思っております。

 西岡先生御指摘の教育国債につきましては、安定財源の確保や財政の信認確保の観点から、慎重に検討する必要があると考えております。

 私といたしましては、様々な手法を駆使しながら、必要な教育予算を引き続き着実に確保をしまして、人への投資を通じて、成長と分配の好循環、これを実現してまいりたいと考えております。

西岡委員 ありがとうございます。引き続き議論を是非させていただければというふうに思います。

 次の質問に移ります。

 GIGAスクール構想につきましては、コロナ感染症の感染拡大ということもあって、前倒しで、今、子供たちに一台端末、ほとんど行き渡っている状況となりました。多くの皆様が本当に御尽力をいただいた結果だと思っております。

 ただ、現場は、前倒しして機材はついたんですけれども、体制がなかなか整わないという状況もありまして、特に、これまでも委員会の中で議論となっておりますけれども、私も一度質問をさせていただいておりますけれども、通信機器の保守、更新費について、財源措置がこの先どういうふうになっていくのかということが全く示されておりませんで、地方公共団体の皆様も大変このことを心配をされております。

 今後予想される財政負担を大変懸念をされている現実がございますので、このことを早急に明確にする必要があると考えておりますけれども、御見解をお伺いをしたいと思います。

 これに加えて、ソフトウェア費ですとか情報セキュリティーの対策の整備や維持費についても同様の御意見をいただいております。御見解をお伺いいたします。

藤原政府参考人 お答えいたします。

 GIGAスクール構想における一人一台端末及び高速大容量の校内通信ネットワーク環境につきましては、累次の補正予算や地方財政措置等の措置により、全国の自治体における整備がおおむね完了し、環境整備の段階から利活用推進の段階へと移行しているところでございます。

 こうした中で、学校の無線LAN環境における通信機器の整備、更新、又は、インターネット通信費やセキュリティー確保に必要なソフトウェア等を含めて、学校のICT環境整備に必要な経費につきましては、教育のICT化に向けた環境整備五か年計画に基づき、単年度で千八百五億円の地方財政措置が講じられているところでございます。この計画は今年度を計画期間の最終年度としているところでございますけれども、来年度も引き続き必要な措置が講じられるよう、関係省庁と調整をしているところでございます。

 また、今後の持続的なICT機器等の活用や更新等に係る費用負担の在り方については、大変重要な課題であるというふうに認識をしております。

 その検討を進めるためにも、まずは、今般整備されたICT端末等を積極的に活用していただくことが重要であると考えておりますが、その上で、引き続き、地方自治体の意見等を聞きながら、関係省庁と協議し、検討をしてまいりたいと考えております。

西岡委員 前回お尋ねしたときもほとんど同じお答えでございましたけれども、このことについては早急にお示しいただく必要があるというふうに思いますので、引き続き、是非早急な御対応をお願いして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

宮内委員長 次に、宮本岳志君。

宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。

 大臣の挨拶についてお伺いいたします。

 配付資料一を見ていただきたい。二〇一四年に鳥取地裁米子支部において和解が成立した、統一協会問題に関連しての初の国賠訴訟の和解調書の二枚目であります。先日の予算委員会では、更正決定がされているとか、和解調書の文言が削除されたとか、反論を試みておられましたけれども、これは、八月五日、紛れもなくその更正調書に添付された和解調書、まさに最終確定版であります。

 下線部は和解条項の二項目めでありますけれども、和解条項として、「被告国(所轄庁たる文部科学大臣)は、裁判所からの和解の提案を受けて、今後とも、宗教法人法の趣旨目的に則り、適切にその職務を行っていくことを確認する。」と明記されておりますね。間違いありませんね、大臣。

永岡国務大臣 そのように書かれていると認識しております。正しいです。

宮本(岳)委員 適切な宗務行政と言うけれども、果たして本当に適切に行われてきたのか、政治家によってゆがめられたのではないか。この鳥取地裁国賠訴訟の原告側の弁護士から話を聞きました。和解の翌年に統一協会の名称変更を認めたことに一番憤っておられました。岸田首相は今後の関係を絶つとおっしゃいますけれども、なぜこうしたことが起こってしまったのかを、過去を検証し、真剣な反省に立たなければ、決して関係を絶つということにはなりません。

 宗教法人法改正後の宗教法人審議会、この議事録でありますけれども、第百三十二回、百三十三回、百三十四回の議事録は、一九九六年の会議の中で公開されることが確認されていたにもかかわらず、公開されずに放置をされてまいりました。先日、私がそれを指摘して、ようやく、二十六年ぶりに公開されました。

 これは文化庁次長に聞きましょう。なぜこれを公開しなかったんですか。

合田政府参考人 大変恐縮でございます。特段の意図があったわけではございません。御指摘をいただいて、抜けておるということを確認いたしましたので、ホームページ上に上げさせていただいたということでございます。大変失礼いたしました。

宮本(岳)委員 特段意図なく二十六年間放置したと。それだけで済むんですかね。

 私がこれを申し上げているのは、初めて今回公開された百三十四回の宗教法人審議会のこの議事録、私の手元に出ましたけれども、これは、前川喜平宗務課長が出席し、宗教法人法に基づく提出書類の取扱い、当時まだ法案段階であった情報公開法案との関係などについて説明をしている宗教法人審議会なんですね。

 先ほど大臣も、昨日の調査研究協力者会議で、報告徴収、質問権の行使について、この規定が入れられた一九九五年の宗教法人法改正時の議論に遡って検討いただく、こうおっしゃいました。まさにそのときの宗教法人審議会の議論こそ、私が議事録を公開させたこの回より以前の、百三十一回以前の議論なんですね。

 この際、百三十一回以前、百三十二回からは取り立てた理由もなく二十六年間ほってきたんですが、理由をつけて公開していないのは百三十一回以前なんですけれども、これについても、この際、公開すべきではありませんか、大臣。

永岡国務大臣 宗教法人審議会では、平成七年の九月の二十九日の閣議決定であります、審議会等の透明化、見直し等につきましてを踏まえて、当該決定の直後に開催されました第百三十二回、これは平成八年の四月からでございますが、原則として議事要旨を、その次回となる第百三十三回、これは平成九年六月からになりますが、原則として議事録を公開をするという申合せをしております。

 御指摘の、宗教法人制度についての審議を行った頃を含めまして、それ以前の回については、公開を前提とした会議となっておらず、委員におきましてもその合意がなされていないことから、会議の議事録等を公開することは困難であると考えております。

宮本(岳)委員 もう四半世紀以上たっているんですよ。

 そして、宗教法人法の改正案の議論の中で、この宗教法人審議会でどう議論がされたのかと、国会は既に文化庁、文部省に聞いているわけですよ。そこで、一体第何回でその議論をやったかということも出ております。一九九五年四月二十五日に開かれた百二十七回から、同じ年の九月二十九日の百三十一回まで、この間で宗教法人法改正案についての議論が宗教法人審議会で行われているんです。このときの議事録が出なければ、これはどういう議論になってきたのかは分からないわけですよ。

 プライバシーに関わるところはともかく、七十八条の二や八十一条一項の法の適用に係るところが読めるようにするのは当たり前ではありませんか。

合田政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘のありました平成七年六月から九月にかけての宗教法人審議会では、特別委員会を設置をして宗教法人制度に関する審議を行い、九月二十九日に取りまとめた報告書「宗教法人制度の改正について」を踏まえ、その後の国会において宗教法人法の改正が行われてございます。

 平成七年当時の宗教法人審議会は、議事録や議事要旨を公開する取扱いにはなっておりませんでしたが、宗教法人制度に関する審議については、国民の関心の高さ等を踏まえ、会議終了後に記者ブリーフィングを行っていたようでございます。

 文化庁において、御指摘を踏まえて、本件資料を継続的に探索をしているところでございますが、現時点までに確認ができていないという状況でございます。

宮本(岳)委員 いや、探して見つかっていないというんだから。早く出してくださいよ。記者ブリーフィングをやったということは国会答弁で出ているんですからね。どういう議論をやったかを明らかにする必要があります。

 そこで、そもそも統一協会に文化庁はどのような態度を取ってきたのかということから始めましょう。

 一九九八年四月二十八日の衆議院法務委員会において、我が党の木島日出夫議員が統一協会についての文部省の認識を尋ねると、当時の前川喜平宗務課長は、「この解散命令の請求に当たるようなところまで至っているという判断はしておらないわけでございまして、私どもとしては、今後とも関心を持って見守ってまいりたいと思っております」と、こういう答弁をしております。

 解散命令の請求にまでは至っていないが、関心を持って見守る、この文化庁の認識は変わったんですか。

合田政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘をいただいた当時の宗務課長、説明員の答弁、関心を持って見守っていく、その態度に変わりはございません。

宮本(岳)委員 変わりはない、こういう答弁なんですね。

 資料二は、文化庁宗務課が先ほどの鳥取地裁国賠訴訟に提出した報告書乙第八号証というものであります。下線部を見ていただきたい。「問題意識は、そのような指摘が出始めて以来、常に持っておりました。」「憲法上及び宗教法人法上許容される範囲内で統一協会に対する何らかの対応が必要であると考え、平成八年九月十五日に統一協会の所轄庁が東京都知事から文部大臣(当時)に変更されてから原告が本件訴訟を提起した平成二十一年四月二十三日までの間に、統一協会に関する報道、訴訟に関する情報等をもとにしながら、少なくとも九回、同協会の任意の協力を得て、面接により活動状況を聴取するとともに、一連の民事事件の確定判決で認定された使用者責任を踏まえた宗教法人としての適正な管理運営や個別事案への誠実な対応をするよう、口頭でではありましたが、明示的に、強く求めてまいりました。」と述べております。

 つまり、文化庁は統一協会を問題ある団体として認識しており、それは今も変わっていないということで、大臣、いいですね。

永岡国務大臣 社会的に問題のある組織である、団体であるという認識は変わっておりません。

宮本(岳)委員 名称変更について、統一協会は一九九七年から申請を行おうとしてきたものの、前川喜平氏によれば、安易な名称変更を認めれば新たな被害者を生み出す懸念もあります、宗教団体としての実体が変わっていない以上、認証するわけにはいきませんでした、名称変更については門前払いをしてきたと証言をされております。

 前川氏は、実体が変わっていない以上、認証するわけにいきませんと証言しておりますけれども、文化庁の認識はいかがですか。

合田政府参考人 お答え申し上げます。

 実体が変わらないので認証ができないという前川喜平氏の説明の件でございますけれども、これは大臣からも御説明申し上げておりますように、規則の変更の認証というのは、法律に定める、つまり、その名称変更が法令に合致しているか、それから宗教団体内の手続を経ているか、この二つの要件に合致していれば、三か月以内に認証しなければならないという羈束行為でございます。

 東京高裁の平成十四年の判決でも、規則変更の動機あるいは実質的な目的の有無といったような、法二十八条第一項各号に掲げる要件以外の事項を審査する権限を有するものではなく、かえって、そういった審査をすることは許されないという判示が出ておりまして、その意味においては、実体が変わっていないのに名称変更は許されないということは考えられないと存じますが、それまでの申請に対しては、様々な課題が旧統一教会にあったということもあるので、私どもとしては、粘り強く申請を取り下げるように慫慂したということかと存じます。

宮本(岳)委員 そうなんですよ。そういうことなんですよ。

 資料三は、文化庁自身が発行している「宗教法人の管理運営の手引 第一集 宗教法人の規則(二訂版)」というものです。規則の変更について、「規則と実際の運営とは常に一致させておく必要がある」、ここ、書かれてありますね。

 また、文化庁次長通達、「宗教法人に関する認証事務等の取扱いについて」を見ると、「最近宗教法人の脱税その他その運営が不適正と思われる事例等が見受けられ、宗教法人に対する社会的な信頼が失われかねないことが憂慮されております。」こうあり、留意されたい点として、これは収益事業等についてでありますけれども、「宗教法人の本来の目的から見て著しく適切を欠く場合は、規則の変更等は認証せず、これを改めるよう指導すること。」というふうになっております。

 さらには、「逐条解説 宗教法人法 第四次改訂版」では、規則の変更の認証について、「規則変更申請の添付書類は、単に形式的に証明文書の記載ある文書が整っているだけで足りるものでなく、証明書類は存していても、証明事実の虚偽であることが所轄庁に知れているときはもちろん、所轄庁において証明事実の存否に理由ある疑いを持つ場合には、その疑いを解明するためにその事実の存否につき審査をする権限も有するものと解される」と、逐条解説にははっきりそう書いています。

 この点につき、前川氏は、仮に申請が出ていたら、受理した上で認証しないという決定になっていただろう、申請をお出しになっても、言ったように、受理はしますよ、それは、受理しなければ違法になると。受理はするけれども、認証はそう簡単じゃないですよとお伝えをして、統一協会の方々にも納得して引き下がってもらったと証言をしております。

 二〇一五年に初めて申請があったから受理し、認証したなどと言うんですけれども、二〇一五年以前には、相談があっても申請しなかったのは、相談の結果、統一協会が引き下がったということなんです。

 ところが、文化庁の統一協会に対する認識は変わっていないにもかかわらず、これまで門前払いをしてきた名称変更を、百八十度方向転換して、なぜこのとき認証したのかに最大の疑問があるわけですよ。

 資料四を見ていただきたい。二〇〇九年七月十四日付の世界日報であります。統一協会の徳野英治会長が、いわゆる新世事件と呼ばれる、印鑑販売会社新世社長ら二人が特商法違反の容疑で逮捕、起訴された事件の道義的な責任を取って、二〇〇九年七月十四日付で会長職を辞任いたしました。この新世事件は、二〇〇九年十一月には東京地裁で有罪判決が確定しております。

 そこで聞きますけれども、この新世事件を受けて引責辞任をした徳野英治第十一代会長が再び会長職に返り咲いたのはいつのことでしたか、次長。

合田政府参考人 お答え申し上げます。

 代表役員であった徳野英治氏については、当該法人の登記によれば、二〇〇九年七月十四日に辞任し、二〇一二年十二月二十七日に再び就任しているということを把握してございます。

宮本(岳)委員 二〇一二年十二月二十七日に再び会長職に選ばれているんですね。

 では、大臣に聞きますけれども、大臣、第二次安倍内閣が成立したのは、一体、何年の何月何日ですか。

永岡国務大臣 申し訳ありません、間違っていたら済みません、二〇一二年でしょうか。

宮本(岳)委員 これはすぐ出るかと思ったんですが。二〇一二年は間違いないんです。十二月二十六日。先日、衆議院本会議で野田元総理が、二〇一二年十二月二十六日のことです、解散・総選挙に敗れ、敗軍の将となった私は、皇居で、あなたの親任式に前首相として立ち会いましたと追悼演説で触れておられましたから、間違いなく二〇一二年十二月二十六日というのが、あなた方が政権を取り戻した日なんですね。

 二〇一二年の十二月二十六日に第二次安倍政権が誕生したら、その翌日には、引責辞任した徳野氏が再び息を吹き返して、待ってましたとばかりに会長に返り咲いた。これは偶然だと思いたいでしょうが、残念ながら、偶然ではありません。

 二〇〇九年のコンプライアンス宣言以降、統一協会は表面上は一応反省しているかのように装いながら、コンプライアンス宣言以降も、統一協会被害は依然として続いてまいりました。

 さらに、資料五を見ていただきたい。毎日新聞の九月八日付であります。下線部、全国弁連の渡辺博氏の報告によると、教団の責任者が二〇〇九年に何を反省したかというと、政治家とのつながり、きずなが弱かったから警察の摘発を受けた、今後は政治家と一生懸命つながっていかないといけないと機関紙で語っていたと証言をしておられます。

 文化庁、宗務行政は、このような統一協会の実態をつかんでおりましたか。

合田政府参考人 お答え申し上げます。

 何度か御説明申し上げましたように、私ども、一般的な指揮権、命令権、調査権等ございませんので、こういった事実は承知をいたしてございません。

宮本(岳)委員 それは、知らなかったと言うほかないですよね。知っていて放置したら、それだけでアウトですよ。ところが、これにはちゃんと結果が出ているんです。

 資料六は、統一協会の名称変更後の団体名、世界平和統一家庭連合の機関誌である「世界家庭」の二〇一七年三月十日発行号であります。その結果について、宋龍天前統一協会総会長は、「救国救世基盤造りのために、日本の統一運動が何よりも重点を置いたのは、ほかでもなく議員渉外と原理教育でした。それまで統一運動では、後援会の結成を通じて多くの議員を支援し、これを通して統一運動を紹介する二時間ブリーフィング、統一原理の二日セミナー、四日セミナーなどで数多くの議員を教育しました。」と、議員教育の推進について語るとともに、これを基軸に、昨年の世界平和国会議員連合日本創設大会では、現役の国会議員と議員秘書など、百人を超える人々が集い、このうち三分の二が新規として参加したと、その成果を誇っております。

 これは、統一協会による議員教育が功を奏して、日本の政界に百人を超える統一協会の息のかかった議員をつくることができたと、しゅんとしているどころか、一九八〇年代の勝共連合を中心として政界工作したときよりも大きな成果が上がったと豪語しているわけですね。

 大臣、二〇一二年十二月二十六日、第二次安倍政権が発足して下村博文文科大臣になったら、統一協会は途端に息を吹き返し、二〇一五年六月二日に名称変更を申請すると、同七月十三日には受理、そして何と八月二十六日には認証の決裁がされた。申請から認証までに三か月を切るスピード認証ですよ。これはまさに政治家とのつながりやきずなが功を奏したということではありませんか、大臣。

永岡国務大臣 宗教法人法上、形式上の要件を備えた申請は所轄庁において受理される必要がございます。所轄庁は、申請を受理した場合に、同法第二十八条に基づく審査を行いまして、要件を備えていると認めたときは、認証する旨の決定を行う必要がございます。

 旧統一教会の名称変更につきましては、このような宗教法人法上の規定に従って手続を行いまして、その審査の過程において法的な検討を重ねた結果として、本件は認証すべき案件であると事務的に判断したものでございまして、政治家の政治的な関与や圧力はなかったと認識をしているところでございます。このことは改めて調査することではないと考えております。

宮本(岳)委員 何の確証もなく、調査もせずに、なかったということを繰り返すだけじゃないですか。

 大体、受理と認証、これは別の手続なんですよ。決裁文書があって、受理の決裁文書と、そして認証の決裁文書と、二つあるんですよ。私の手元に出ていますよ。前川喜平さんが語っていることも、受理はしなきゃなりませんと、それは。しかし、受理したからといって認証までいくかどうかは定かでないですよ、こういうことを言ったら、そもそも申請を出さずに引き下がってくれたと言っているわけですよね、言っているわけですよ。

 でも、大臣の説明は、もうとにかく認証まで、形式がそろっていたらいかないかぬと。たとえ今私が紹介したような、無反省で、政界工作をやっている団体であってもですよ、あるいは、先ほどから議論があったように、一回これで解散命令が出て解散したものがもう一遍出してきても、形式さえ整っていたらやらねばならぬと。そんなことになるんですかといえば、さすがに、そのとおりですとならないじゃないですか。そうじゃないですか。

永岡国務大臣 平成九年から十年にかけて五回、また、平成十五年から十六年にかけて三回、合わせて八回、旧統一教会から名称変更に関する相談があったと承知をしております。いずれの回におきましても、相談の結果としては、申請はございませんでした。

 また、平成二十七年に行われました実際の名称変更の申請の際にも、申請時と認証書の交付時の二回、旧統一教会と面会をしていると承知をしておりますが、事前相談のための面談は行われておりません。

 なお、平成二十七年の旧統一教会からの名称変更の申請については、文化庁からの申請の取下げの行政指導には従わない明確な意思表示があったというところでございます。

宮本(岳)委員 今の、その明確な意思表示があったというのは、一体どこに書いてあるんですか。どう証明できるんですか。

永岡国務大臣 二十七年以前ですね。それまでは、相談をしながら、話し合いながら、申請書というものは出したり出さなかったりだったと伺っております。出したりといっても、見せたりということですね。しかしながら、それは、預かったかどうかということではなくて、二十七年の統一教会からの名称変更の申請については、文化庁からの申請の取下げの行政指導には従わなかった。つまり、持ってきて、しっかりとやってくれという意思表示があったということで、こちら側とも拒否はできなかったということでございます。

宮本(岳)委員 全く、その二〇一五年以前と二〇一五年のときとは様相を異にしているわけですよ。そして、今申し上げたようなことがずっとその前段であるわけですよね。

 下村博文さんという人がこの統一協会と深い関係にあったということは、これはもう否定し得ない事実なんですよ。今日おつけした資料の七を見てください。第二次安倍内閣の下で文部科学大臣であった下村博文氏のインタビュー記事が、二〇一三年三月、統一協会の月刊誌ビューポイントに掲載されております。さらに、二〇一四年二月にも新春座談会、同年十二月にもインタビューが行われております。

 永岡大臣、この資料の写っているバックの写真、いずれも、今あなたのいる部屋、文部科学大臣室ではないですか。

永岡国務大臣 ちょっとその確認はできかねます。よく分からないですね、これが。どちらの場所で写真を撮ったかというのはよく分かりません。(宮本(岳)委員「そうですか、覚え、ないですか」と呼ぶ)はい。よく分かりません。

宮本(岳)委員 おかしいですね。これ、実は私、それを全部、もちろん表紙だけ見て論じているんじゃないですよ。私、全部ここに持っているんですけれどもね、中身も、記事も。いいですか。文部科学省の大臣室で論じ合ったと書いているんですよ。見たら分かるでしょう、あなたの日頃使っている部屋なんだから。違いますか。

永岡国務大臣 大変失礼いたしました。私は、自室、つまり議員会館の会議室だと思いました。申し訳ございません。

宮本(岳)委員 大臣室なんです。

 まさに、この図柄を見ても、やはり当時の文部科学大臣と、そして統一協会の間に深い結びつきがあったと。だから、出せば認証まで大丈夫だという確証を得て、もう引き下がりませんという話になっているんですよ。そこをちゃんと調査して、どういうやり取りがあったか、どういう動きがあったか。

 だって、下村さんだって、もちろんいらっしゃるわけですよ、あなた方の会派に。ちゃんとその中身を聞いて、この中身を明らかにしないと、もしもそのことがこの認証に影響を与えているとしたら重大な問題になると思うんですよね。

 私は、これを徹底的に解明するためには、是非とも下村博文さんを当委員会に参考人として御招致いただきたい。

宮内委員長 ただいまの件につきましては、理事会で協議をいたします。

宮本(岳)委員 二〇一五年三月には、全国弁連が文科相、文化庁長官並びに宗務課長に対し、名称変更の拒否の要請を行っております。名称変更を許せば統一協会が新たな被害者を獲得するとともに、被害者回復請求を抑制する目的で行うものだと弁護団が訴えているんですね。それに耳を傾けることもなくスピード認証に突っ走ったと。

 この認証に当たっては、先ほど申し上げました受理とそして認証という二つの手続を、決裁文書を作ってやっている。受理の前と認証の前に下村文科大臣に報告したことが明らかになっています。大臣への報告は説明資料や大臣レクなどのメモを基に行うというのは、大臣だって、御自分がいつも報告を聞いているから分かるでしょう。

 この大臣レクの際の説明資料や備忘録を示していただきたい。大臣、約束してください。

永岡国務大臣 平成二十七年の旧統一教会の名称変更の認証に際しましては、申請を受理することと認証を決定することについて、それぞれ事前に当時の文部科学大臣に報告をいたしました。

 このうち、申請を受理することの報告を行った際の資料は確認できました。また、認証を決定することの報告を行った際の資料については、それ自体は確認できなかったものの、担当者がメモ書きを追加したと思われる、極めて近い資料が確認できております。

 これらの報告資料は、法人の非公知の事実に関する情報を含みまして、かつ、行政の内部の意思形成過程に関する文書であることから、この資料自体を開示することは控えさせていただきます。(宮本(岳)委員「何だ、それは。駄目ですよ、駄目ですよ」と呼ぶ)

宮内委員長 それでは、ただいまの件につきましては、理事会で協議をさせていただきます。

宮本(岳)委員 是非きちっと出していただきたい。

 時間が来ました。全く時間が足りません、委員長。本当に、毎週ということで野党の側は要求していますが、私は、もう毎定例日、是非やっていただいて、徹底的に、まだまだたくさん問わなきゃならないことがあります。是非とも、今後ともこの審議を徹底的に続けていただくことを要求して、質問を終わります。

宮内委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時五十六分散会


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