衆議院

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第2号 令和6年12月18日(水曜日)

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令和六年十二月十八日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 中村 裕之君

   理事 今枝宗一郎君 理事 小林 茂樹君

   理事 永岡 桂子君 理事 青山 大人君

   理事 亀井亜紀子君 理事 坂本祐之輔君

   理事 美延 映夫君 理事 日野紗里亜君

      遠藤 利明君    小渕 優子君

      木原  稔君    柴山 昌彦君

      渡海紀三朗君    萩生田光一君

      船田  元君    松野 博一君

      簗  和生君    山本 大地君

      阿部祐美子君   安藤じゅん子君

      五十嵐えり君    小山 千帆君

      佐々木ナオミ君    高橋  永君

      辻  英之君    中谷 一馬君

      波多野 翼君    吉川  元君

      高橋 英明君    藤巻 健太君

      前原 誠司君    西岡 義高君

      浮島 智子君    金城 泰邦君

    …………………………………

   文部科学大臣       あべ 俊子君

   法務副大臣        高村 正大君

   文部科学大臣政務官    金城 泰邦君

   政府参考人

   (こども家庭庁長官官房審議官)          高橋 宏治君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 吉田 雅之君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房長) 西條 正明君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房学習基盤審議官)       森  孝之君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部長)   笠原  隆君

   政府参考人

   (文部科学省総合教育政策局長)          茂里  毅君

   政府参考人

   (文部科学省初等中等教育局長)          望月  禎君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局長)            伊藤 学司君

   政府参考人

   (文部科学省科学技術・学術政策局長)       井上 諭一君

   政府参考人

   (文部科学省研究開発局長)            堀内 義規君

   政府参考人

   (スポーツ庁次長)    寺門 成真君

   政府参考人

   (文化庁次長)      合田 哲雄君

   文部科学委員会専門員   藤井  晃君

    ―――――――――――――

十二月十三日

 民間委託を推進するような積算単価を見直すとともに、学校現業職員の法的位置づけを求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一号)

 同(志位和夫君紹介)(第二号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第三号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第四号)

 同(田村貴昭君紹介)(第五号)

 同(田村智子君紹介)(第六号)

 同(堀川あきこ君紹介)(第七号)

 同(本村伸子君紹介)(第八号)

 豊かな私学教育の実現のための私学助成に関する請願(福田玄君紹介)(第九号)

 同(馬淵澄夫君紹介)(第一〇号)

 同(青山大人君紹介)(第二一号)

 同(荒井優君紹介)(第二二号)

 同(安藤じゅん子君紹介)(第二三号)

 同(おおつき紅葉君紹介)(第二四号)

 同(川原田英世君紹介)(第二五号)

 同(高松智之君紹介)(第二六号)

 同(堤かなめ君紹介)(第二七号)

 同(西川将人君紹介)(第二八号)

 同(山岡達丸君紹介)(第二九号)

 同(柚木道義君紹介)(第三〇号)

 同(池田真紀君紹介)(第五七号)

 同(大河原まさこ君紹介)(第五八号)

 同(神谷裕君紹介)(第五九号)

 同(辻英之君紹介)(第六〇号)

 同(中谷一馬君紹介)(第六一号)

 同(牧義夫君紹介)(第六二号)

 同(青山大人君紹介)(第八〇号)

 同(阿久津幸彦君紹介)(第八一号)

 同(吉良州司君紹介)(第八二号)

 同(堤かなめ君紹介)(第八三号)

 同(波多野翼君紹介)(第八四号)

 同(東克哉君紹介)(第九四号)

 同(梅谷守君紹介)(第九五号)

 同(川内博史君紹介)(第九六号)

 同(小山展弘君紹介)(第九七号)

 同(末松義規君紹介)(第九八号)

 同(阿部祐美子君紹介)(第一〇二号)

 同(石川香織君紹介)(第一〇三号)

 同(海江田万里君紹介)(第一〇四号)

 同(松原仁君紹介)(第一〇五号)

 同(吉川元君紹介)(第一〇六号)

 教職員が教育に専念できる環境整備等を求めることに関する請願(馬淵澄夫君紹介)(第一一号)

 同(小林茂樹君紹介)(第九九号)

 私立学校の保護者負担軽減、教育環境改善のための私学助成充実に関する請願(荒井優君紹介)(第一二号)

 直ちに学費半額・入学金ゼロ、奨学金を給付中心にすること及び奨学金返済の半額免除に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一三号)

 同(志位和夫君紹介)(第一四号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第一五号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第一六号)

 同(田村貴昭君紹介)(第一七号)

 同(田村智子君紹介)(第一八号)

 同(堀川あきこ君紹介)(第一九号)

 同(本村伸子君紹介)(第二〇号)

 教育環境の整備及び教職員の待遇改善に関する請願(三谷英弘君紹介)(第八五号)

 全ての私立学校に正規の養護教諭を配置し、子どもの命と健康が守られる教育条件を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第八六号)

 同(志位和夫君紹介)(第八七号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第八八号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第八九号)

 同(田村貴昭君紹介)(第九〇号)

 同(田村智子君紹介)(第九一号)

 同(堀川あきこ君紹介)(第九二号)

 同(本村伸子君紹介)(第九三号)

同月十六日

 豊かな私学教育の実現のための私学助成に関する請願(落合貴之君紹介)(第一二二号)

 同(亀井亜紀子君紹介)(第一二三号)

 同(城井崇君紹介)(第一二四号)

 同(佐藤公治君紹介)(第一二五号)

 同(道下大樹君紹介)(第一二六号)

 同(小宮山泰子君紹介)(第一七七号)

 同(篠田奈保子君紹介)(第一七八号)

 同(白石洋一君紹介)(第一七九号)

 同(鈴木庸介君紹介)(第一八〇号)

 同(逢坂誠二君紹介)(第二〇六号)

 同(坂本祐之輔君紹介)(第二〇七号)

 同(高橋永君紹介)(第二四三号)

 同(手塚仁雄君紹介)(第二四四号)

 同(森山浩行君紹介)(第二四五号)

 同(山岸一生君紹介)(第二四六号)

 同(菊田真紀子君紹介)(第二七八号)

 同(櫛渕万里君紹介)(第二七九号)

 同(松木けんこう君紹介)(第二八〇号)

 同(吉田はるみ君紹介)(第二八一号)

 教育費負担の公私間格差をなくし、子供たちに行き届いた教育を求める私学助成に関する請願(大石あきこ君紹介)(第一五七号)

 同(八幡愛君紹介)(第一五八号)

 同(島田智明君紹介)(第一八一号)

 同(森山浩行君紹介)(第二四九号)

 同(岩谷良平君紹介)(第二八四号)

 同(尾辻かな子君紹介)(第二八五号)

 同(辰巳孝太郎君紹介)(第二八六号)

 同(平岩征樹君紹介)(第二八七号)

 直ちに学費半額・入学金ゼロ、奨学金を給付中心にすること及び奨学金返済の半額免除に関する請願(志位和夫君紹介)(第二四七号)

 同(堀川あきこ君紹介)(第二四八号)

 同(志位和夫君紹介)(第二八三号)

 学費値下げ、給付奨学金拡充、奨学金の返済免除に関する請願(田村貴昭君紹介)(第二七七号)

 教職員が教育に専念できる環境整備等を求めることに関する請願(吉良州司君紹介)(第二八二号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 文部科学行政の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

中村委員長 これより会議を開きます。

 文部科学行政の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人としてこども家庭庁長官官房審議官高橋宏治君、法務省大臣官房審議官吉田雅之君、文部科学省大臣官房長西條正明君、大臣官房学習基盤審議官森孝之君、大臣官房文教施設企画・防災部長笠原隆君、総合教育政策局長茂里毅君、初等中等教育局長望月禎君、高等教育局長伊藤学司君、科学技術・学術政策局長井上諭一君、研究開発局長堀内義規君、スポーツ庁次長寺門成真君、文化庁次長合田哲雄君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

中村委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。今枝宗一郎君。

今枝委員 自民党の今枝宗一郎でございます。所信質疑の機会をいただきまして、心から皆様に感謝を申し上げます。

 それでは、早速質問に入ります。

 ちょっと今日は順番を変えて、まずは喫緊の課題である学校での感染症対策からお聞きをしたいと思います。

 副大臣時代は、私、学校感染症対策は担務ではなかったものですから公に話すことはできませんでしたが、この間の学校現場の対応には強い問題意識を感じておったというのが正直なところでございます。

 令和五年三月、当時私は、政府入りはしておりませんで、たしか党本部の経済産業部会長代理か何かだったと思いますけれども、当時の文部科学省の、学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル、いわゆる衛生管理マニュアルはすばらしいものだというふうに考えておりました。

 つまり、何も考えずにただマスク着用という状況から、きちっと状況に適切に応じた対応をするべく、マスク着用を求めないことを基本としながらも、感染流行時の対応ですとか、平時でもせきエチケット、また、一般社会と同様の対応を行っていくということにされていたからであります。

 一般と同じ対応ですとか、また流行期の対応としては、例えば厚生労働省、これは感染症全般をやっているわけでありますけれども、厚生労働省が昨年の秋も、また今年も既に感染対策を示しております。しかし、実際にはなかなか学校現場においてはそのような対応が行われていないと、現場から数多くの声が寄せられております。

 このようなグラフを作ってきましたけれども、これはうちの事務所でいろいろなデータから引っ張ってきたものではありますが、これはピンクがインフル、そしてグリーンが、緑がコロナ、そして、最近少しはやっていた青色のマイコプラズマですとか、またリンゴ病は黄色、リンゴ病だけすごくスケールが小さいので、基本的には右のスケール、数字で見ていただきたいんですが、リンゴ病だけは左のスケールなので大体十倍ぐらい違いますけれども、十分の一になるとリンゴ病は全く見えなくなっちゃうのでちょっとスケールを変えましたけれども、そういうものであります。

 これを見ていただきますと、緑のコロナは確かに昨年よりも今年の方が落ち着いてきていますし、マイコプラズマもリンゴ病もこれぐらいの水準であります。

 ただ、現在、この赤のインフルについては、これは今、足下から二週間、二倍、二倍で増えてきているというふうな状況であります。明らかに流行してきているというところでございまして、早急に対応すべきであります。

 文部科学省として、今後どのようにしていかれるのか、特に学校現場に感染対策が正しく伝わっているか、どのように考えておられるのか、教えていただければと思います。

あべ国務大臣 委員にお答えさせていただきます。

 各学校におきましては、感染状況が落ち着いている平時におきましては、マスクの着用を求めないことを基本とさせていただいた上で、手洗い等、また、せきエチケットの指導を行う。出席停止、学級閉鎖が発生するなど、感染が流行している場合には、教職員がマスクを着用する、児童生徒に着用を促すなど、感染状況に応じた対応を、対策を適切に講ずることが重要だというふうに考えています。

 このため、文部科学省といたしましては、こうした対策につきまして、例年、インフルエンザ総合対策に関わる事務連絡、この発出や、都道府県教育委員会等の担当者が集まる会議の場などを通じまして、周知に努めさせていただいているところでございます。

 文部科学省といたしましては、今後も、厚生労働省の感染症対策の考え方なども踏まえつつ、教職員に正しく御理解いただけるよう、引き続き周知に努めてまいります。

今枝委員 ありがとうございます。是非ともよろしくお願いをいたします。

 それでは、副大臣時代に担当していた一つでありますイノベーションについて次はお聞きをしていきたいと思います。

 私が座長といたしまして、フュージョンエネルギーワーキングチーム、十五回ほど開催をさせていただきまして、全国また世界中を回り、フュージョンエネルギーの我が国でのいち早い社会実装、産業化に向けて尽力をしてまいりました。

 非常に多くの皆様にお力をおかりしまして、本当に感謝申し上げますが、今年はとうとう、十年以上これまでよりも前倒しをした目標、二〇三〇年代に原型炉の発電実証をするということを政府としてコミットするというところまで至りました。

 ただ、問題があります。これはワーキングチームの取りまとめの十二ページと十三ページ、二つ資料を持ってきました。

 まず、十二ページの方ですが、これはQSTの資料でもあるんですけれども、現在のQSTの考え方では、同時期に発電実証を考えるイギリスより、発電規模が実は十分の一しかないということなんです。これを見ていただくと、これはQSTの考えているところですが、ここですね、出力〇・一七ギガワット、そして、いわゆる発電出力〇・〇七ギガワットというのが、今のQST、日本の一つの目安であります。

 一方、ワーキングチームの取りまとめの十三ページ、これが資料でございますけれども、イギリスは二〇四〇年に、実は、ここにあるとおり、ちょっと単位が違って申し訳ありませんけれども、出力が、これはギガワットに直すと約一・六から一・八ギガワットでありまして、そして発電出力が、これは〇・一から〇・二ギガワット。大体十分の一ぐらい違うわけでございます。

 実は、イギリスはITERを抜けております、EUを抜けるのと同時に抜けておりますので、技術レベルは我が国の方が、JT60SAもありますので、明らかに高いというふうに思っておる中で、それでも二〇三〇年代と二〇四〇年の目標が十分の一以上違うというところでございまして、このように低い目標では困ってしまうわけでございます。

 なので、結論のところで、我が国の原型炉が目指す目標として、先ほどのQSTのものでいいのかということが、検討が必要であるということで一応副大臣としての取りまとめを終わらせていただいているわけなんですけれども、これは考えますと、今のQSTや日本の目標は、やはり十倍化していく必要があるというふうに思います。他国に遜色がないものにしていく必要があると思いますので、どのように考えておられるのか、お答えください。

堀内政府参考人 お答え申し上げます。

 フュージョンエネルギーは、次世代のクリーンエネルギーとして、環境・エネルギー問題の解決策として大きく期待されておりまして、世界各国が大規模投資を実施するなど、国策として取り組んでいるところです。

 原型炉の発電実証の前倒しに向けましては、これまで、数百メガワットの電気出力を目標にした場合、ITERよりも装置が大型になりまして、建設に時間を要するということから、ITERと同じ程度の大きさの原型炉が、現在、その発電実証という観点から技術的に成立するかどうかということについて文科省の審議会において議論を重ねているところであります。

 原型炉の電気出力につきましては、審議会の検討では、早期に発電実証を目指すとともに、段階的に改造を行いまして、プラント規模の発電を目指すという方向で、現在議論を進めております。

 文科省としましては、引き続き、諸外国の状況も踏まえつつ、審議会において議論を重ねるとともに、内閣府などとも連携しまして、早期の発電実証に向け、努めてまいりたいと考えております。

 以上です。

今枝委員 どうもありがとうございます。その早期の発電実証に加えて、その規模感ということも含めて、是非御尽力いただければと思います。このためにも、推進をする基本法のようなものが必要であるというふうに思いますので、どうぞよろしくお願いをしたいというふうに思います。

 次に、次世代半導体であります。

 副大臣時代に検討会も開催をいたしまして、報告書もまとめることができましたけれども、その肝は、エッジAIに使える二ナノを超える小型化、また強靱化、電力消費の効率化など、更なる高度化でありました。

 これを踏まえて、次世代半導体の研究拠点ですとか、また、マザー工場、さらには量産工場もそうですけれども、こういったものを今後造っていかなければなりません。

 そのときに、どのような場所が適地かというと、例えば、物づくりの基盤があるよとか、半導体人材の育成をする大学が近隣地域にあるよなどなど、考えられるわけでありますけれども、政府として、どのような地域が適地と考えておられるのか、教えてください。

堀内政府参考人 お答え申し上げます。

 今枝議員に文部科学副大臣として御尽力いただきました次世代半導体アカデミアにおける研究開発等に関する検討会の報告書では、世界的なエネルギー問題や日本の労働力不足解決に資するため、二〇三〇年代以降を見据えた研究開発、研究基盤整備、人材育成を一体として、アカデミアへの支援を抜本的に強化する必要があると指摘されております。

 委員の御指摘のとおり、半導体産業の持続的な発展のためには、地域の関連産業と大学等が密に連携しつつ、研究開発や人材育成に取り組んでいくことが重要であるというふうに考えております。

 文部科学省としましては、産業界へのタイムリーな橋渡しや地域経済の活性化なども見据えまして、経済産業省とも連携しつつ、アカデミアにおける研究開発、研究基盤整備、人材育成を一体的にしっかりと取り組んでいきたいと考えております。

 以上でございます。

今枝委員 御指摘のとおりというふうに言っていただいて、ありがとうございます。

 人材確保も考えますと、半導体人材育成に大きな力を持っている豊橋技術科学大学があり、物づくりの力もある三河地域がいいのではないのかなということも考えます。是非、共に考えていただけたら幸いでございます。

 続いて、災害対策についてお聞きをいたします。

 今年は、元旦に能登半島地震があり、また、十号台風、線状降水帯、南海トラフ巨大地震注意報などがありました。心からお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。

 復旧復興、そして国土強靱化、徹底して行わなければなりませんけれども、被害軽減に災害予知も重要であります。その中で、地震の予知についてお聞きをします。

 京都大学の梅野教授が、電離層異常ですとか、また、プレスリップ観測からノイズを排することで地震を数十分から数時間前に予知できる可能性について提唱されておられます。

 地震予知研究に関する寄与として、文科省がどのように考えているのか、今後このような地震予知に関する研究について推進していくべきではないか、お答えをいただきたいと思います。

堀内政府参考人 お答え申し上げます。

 地震予知を含めた地震の予測に関しましては、委員の御指摘の電離層異常や地殻変動の観測など、様々な学術的な研究がなされているものと承知しております。

 一般に、現在の科学的な知見からは、地震の規模や発生時期を短期的なタイムスケールで高い確度で予測する、いわゆる地震予知は難しいと言われております。

 委員の御指摘の研究は、地震予測研究の一つとしまして、まだ基礎的研究の段階にあるものと承知しております。まずは、学術界におきまして、論文発表や学会での十分な議論などを通じて評価されていくものと思っております。

 政府の地震調査研究を一元的に推進する地震調査研究推進本部の取組では、大学等により生み出された基礎的研究の成果も取り入れながら推進をしていくこととしておりまして、地震本部としまして、学術界の評価も踏まえ、必要に応じて適切に対応してまいりたいというふうに考えております。

今枝委員 ありがとうございます。

 エビデンスレベルが高いものが出てきましたら、観測体制整備などにもつなげるべく、是非、様々、アンテナを高くして御尽力いただければ幸いでございます。

 では、続いて、文化政策について、特に重要無形民俗文化財についてお聞きをしたいと思います。

 重要無形民俗文化財の指定は、評価の考え方として、いわゆる過去から大きく変容していないということがあるかと思います。この大きく変容していないとは何を意味するのか、お聞きをします。

 お祭りなんかを例に挙げますと、文化として重要なのは、例えば、歌ですとか踊りですとか、また山車の在り方みたいなものだというふうに思っておりますし、本当に本質みたいな部分というのはそういうところだと思います。

 例えば、山車が走る経路なんかが町づくりが変わっていったことによって多少変化するということ、こういったことは当然時代が進めばあると思うんですけれども、ただ、祭りの本質が変わらなければそれは大きく変容していないというふうに考えるべきだ、判断するべきだと考えますけれども、いかがでしょうか。

合田政府参考人 お答え申し上げます。

 無形の民俗文化財につきましては、その中でも特に重要なものを重要無形民俗文化財に指定することができるとされており、その中で、委員御指摘のとおり、例えば、今日に至るまで完全に伝承が途絶えていたり、伝承の過程で文化財の内容に根本的な変容が生じていると認められるような場合は、その文化財としての重要性の評価に一定の影響が生じ得るものでございます。

 他方で、御指摘のとおり、無形の民俗文化財については、世代から世代へと繰り返し受け継がれていく中で必然的に一定の変容が生じる性質のものであることから、一般論として申し上げれば、自然環境や社会環境の変化に伴って本質的ではない部分に変更が生じても、当該文化財の価値は基本的に維持されると考えてございます。

 この点につきましては、全国各地の無形文化財の本質的な価値は文化財ごとに様々であることから、最終的には具体の事例ごとに個別に判断をさせていただくということになろうかと存じます。

今枝委員 どうもありがとうございます。

 私の地元の三谷祭りというのは、実は山車が海を渡るという海中渡御がございまして、非常に珍しくて、いわゆる港町、漁師町らしい非常に盛大な、すばらしいお祭りであります。これはまだ県の重要文化財にもなっていませんけれども、私は国レベルの重要文化財じゃないかなぐらい思っておるものですから、今後、是非御理解のほどをお願い申し上げたいなというふうに思っております。

 それでは、教育についてお聞きをしていきたいというふうに思います。

 次代を担う子供たちの成長というのは、全ての皆さんの、我々一人一人の願いであり、全国どこでもひとしく良質な学校教育を受けられるようにすることは我々の責務であります。

 一方、教職員を取り巻く環境は厳しい状況であります。過労や長時間勤務、また、質の向上をどんどんやはりしていかなくちゃいけない、研修をしていかなくちゃいけない。しかし、それが可能となるような余力がなかなかない。こういう非常に厳しい状況にあると思っております。教職員の定数改善や働き方改革を推進しなくてはなりません。

 さらに、優秀な教職員を確保するために、いわゆる人材確保法制定の初心に今立ち返って、教職調整額の率、これは一〇%以上を実現していただきたいというふうに強く考えております。これに関して大臣の決意をお聞きしたいと思います。

あべ国務大臣 委員にお答えさせていただきます。

 まさに教師は学校教育の充実発展に欠かせない存在でございまして、今、本当に厳しい勤務実態がある中にございまして、教師を取り巻く環境整備、私ども、委員におっしゃっていただいたように、学校における働き方改革の更なる加速化、教師の処遇改善、また、学校の指導、運営体制の充実を一体的、総合的に進める必要があるんだというふうに考えております。

 文部科学省といたしましては、学校における働き方改革の加速化に向けまして、特に学校、教師が担う業務に係る三分類ということに基づく業務の更なる厳選、見直し、また、自治体ごとの在校等の時間の公表の制度化、さらには、働き方改革に関わる観点を校長の人事評価に導入をさせていただいてマネジメント力を強化することなどに取り組んでいきます。さらに、小学校の教科担任制の拡大など教職員の定数を改善していく、さらには、教職の調整額の引上げ等の処遇改善の要求を今まさにしているところでございまして、教師を取り巻く環境整備をしっかり進めてまいります。

今枝委員 どうもありがとうございます。

 是非とも、与党も頑張りますので、一緒に頑張らせていただきたいと思います。また、定数増も、過去二十年で最大ぐらいを目指して、実現を必ず皆さんと一緒にしていきたいと思います。

 財源がどこにあるんだとよく言われるかもしれませんが、財源はあると思っています。一つは、自然減が、子供たちの数が減っているということは、これはこれとして子育て支援を徹底してやって抑えていかないといけないわけでありますが、自然減が今あるというのは実態でありますから、これは一つの財源だというふうに私としては考えております。

 さて、それでは続きまして、高校の無償化についてお聞きをしていきたいと思います。

 私、高校時代に、学費が払えずに高校に通えなくなる仲間の高校生のために募金活動を行っておりました。当時は愛知県中の高校の生徒会メンバーなどが協力してくれまして、五百人もの高校生が一斉に各それぞれのターミナル駅で、街頭で募金を募るということをやったりもしておりました。

 それ以来、高校の無償化、公立高校はもちろんですけれども、私学もそれぞれ子供たちが学びたいという思いで入学しているわけですから、子供たち、若者たちの選択肢を狭めるのはやはりよくないというような気持ちで必死に必要性を訴えてまいりました。そうした中で、公立高校無償化のみならず、高校の就学支援金で私学の無償化なども進んできております。

 御案内のとおり、今、公立は九百十万円、そして私立は五百九十万円、これらの所得世帯までが無償になっておりますけれども、これを拡充すべきだと私個人として考えております。

 現在は都道府県が独自財源で上乗せをしている状態となっておりますけれども、これですと、財政力が強い都市部は独自財源で高校無償化がどんどん進んでいく。それによって近隣県から人口を奪っていく。一番、子育て世代とか、それを奪っていくような、そういったことが起きてしまうと、政権の目標である分散型の国づくりとは逆の方向となってしまいます。

 さらに、多子世帯は四月から大学無償化が準備されておりまして、多子世帯では高校授業料負担が大学授業料負担を超える逆転現象も生じてしまうというふうに思っておるものですから、高校の完全無償化、是非推進をしていただきたいなというふうに思っているわけであります。

 私自身の試算といたしまして、三千億から六千億程度の財源がかかるんじゃないかなというふうに思っておりますけれども、これには政治決断が必要だと考えますけれども、いかがでございましょうか。

あべ国務大臣 様々地方の違いがある中にございまして、今、国における高校生の就学支援に関しましては、所得制限を設けることで捻出した財源で低所得者世帯の支援を拡充するなど、教育の機会均等に向けて支援を拡充し、充実をさせていただきました。

 こうした中、高校の授業料を支援する高等学校等の就学支援金の所得制限を撤廃した形で高校の授業料を無償化すべきという御指摘に関しましては、私ども、今、高校の進学率が九九%の現状におきまして、どこまで家庭の負担軽減を図るべきかという観点、また教育に関する重要施策が様々ある中に、こういうことも踏まえまして、総合的な観点からしっかり考えさせていただきたいというふうに思います。

今枝委員 どうもありがとうございます。

 今、教育の機会均等と言っていただきました。これは非常に大切な観点であります。それと同時に、今の現状を考えれば、やはり教育、そしてまた子育て支援的な発想というものも高校においてはやはり考えていく必要があるんじゃないかな、こういうふうに考えております。是非頑張っていきたいと思います。

 ここまで教育についてずっとお聞きをしてきまして、特に大臣には、副大臣として約一年活動を私とともにさせていただいて、私のような若造を温かく御指導いただいたこと、改めて感謝を申し上げたいというふうに思っております。最後の質問になってくるかなというふうに思いますので、本当に、大臣には頑張っていただいて、是非是非、教育行政を引っ張っていただけたらと思っております。

 副大臣時代にやりました教育の無償化プロジェクトでありますと、大学や専門学校の多子世帯の授業料、入学金の無償化を考えておりまして、これはまさに来年四月から行うべく政府として準備をしていただいております。本当に感謝を申し上げたいと思います。大学、専門学校では、所得制限なしの初めての本格的な無償化と言えると思います。実現への思いを是非お聞かせください。

 また、今後、更に多くの子育て世帯が希望が持てるように、財源が見つかれば、多子世帯のみならず拡充をしていくということも考えられると思いますが、大臣の決意を教えてください。

あべ国務大臣 高等教育の無償化につきましては、国におきまして、これまで、低所得世帯を対象に授業料の例えば減免と給付型奨学金の支給を併せて実施してきたところでございますが、この上で、こども未来戦略に基づきまして、今、令和六年度から給付型奨学金の多子世帯及び理工農系の中間層の拡大を行うとともに、さらに、委員が御指摘のありました、令和七年度から、子供三人以上を扶養している場合に、国が定めた一定の額まででございますが、大学等の授業料、入学料を無償とすることとさせていただいています。

 政府といたしましては、このような教育費負担の軽減を着実に進めさせていただきながら、その実施状況、効果を検証していき、引き続き教育費の負担軽減に取り組んでまいります。

今枝委員 どうも簡潔にありがとうございます。

 時間ももう少しだけありますので、軽くあと一問だけお話をしたいと思います。

 給食費の無償化についてお聞きをいたします。

 現在の政府の方針ですと、年末に課題を整理するということになっております。完全無償化になれば四千八百億円の財源が必要になってくると思いますけれども、財源確保が必要であると思いますが、どのように考えているのか、御答弁ください。簡潔で大丈夫です。

森政府参考人 お答えを申し上げます。

 学校給食費の無償化に必要な予算額につきましては、公立の義務教育諸学校及び特別支援学校の幼稚部、高等部につきまして、都道府県別、学校種別、給食種別の給食費の相当額にそれぞれの在籍児童生徒数を掛け合わせた額、合計額を推計をいたしますと約四千八百三十二億円となるところでございます。

 その上で、給食費の無償化についてでございますけれども、今年の六月に公表いたしました学校給食の実態調査の結果を踏まえまして、給食未実施校、また実施校でも喫食をしていない児童生徒には恩恵が及ばないといった児童生徒間の公平性、また、低所得世帯の児童生徒は既に無償化されているということに伴う支援対象の妥当性、さらに、給食費に係る就学援助につきまして、いわゆる三位一体改革によりまして税源移譲、一般財源化を図った経緯を踏まえた国と地方の役割分担、そして少子化対策としての政策効果、法制面等の観点から考えられる課題について、年末を目途に整理をしてまいりたいと存じます。

今枝委員 どうもありがとうございました。

 終わります。

中村委員長 次に、山本大地君。

山本委員 ありがとうございます。自由民主党の山本大地でございます。

 この度は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 この度の総選挙によって、和歌山一区より選出をいただきました。少し自己紹介をさせていただきます。

 私は、平成三年生まれの三十三歳でございまして、小中高と和歌山で過ごして、そして大学卒業後に和歌山で地方銀行の銀行員として就職をし、その後、国会議員秘書を経て、生まれ育った和歌山のために、少子高齢化が進む日本において、東京一極集中、そして地方と都市の格差が開いていく現状を何とかしなければならないとの思いでこの政治の道へ進み、この十月まで和歌山市議会議員を二期途中まで務めさせていただいておりました。地方の現状を、私は一番現場を経験していると思いますので、初めての委員会質問でございますけれども、かなり緊張しております、精いっぱい頑張ってまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。(発言する者あり)ありがとうございます。

 では、まずは、済みません、この分野から質問をさせていただきます。宇宙分野についてでございます。

 本日、ちょうど十一時より、本県、和歌山県の串本町において、カイロスロケット二号が打ち上げをされる予定でございます。本来は、この土曜日、十四日十一時からの打ち上げ予定でございましたが、天候の影響により二回の延期を経て、本日の打ち上げとなっております。

 成功すれば、射場も機体も全て民間で衛星を打ち上げるという初めての事例となり、今後、二〇二〇年代中に年間二十機、三〇年代初めに年間三十機の打ち上げをコンスタントに行っていくことが目標となっており、宇宙分野での我が国の国際競争力の確保に大きな一歩となると言われておりますが、民間とはいえ、政府、JAXAからも支援をいただいているとお聞きをしております。

 私も、十四日に、打ち上げ成功の瞬間をこの目で見たいと思い、現地へ行かせていただきましたが、前述のとおり延期となってしまいましたが、現地打ち上げ場付近は、非常に多くの観光客が、観光バスも何台も来ているような状況で、かなりにぎわいを見せておりまして、特に土曜日ということもあって子供連れの家族連れも多く見られ、観光としても、そして町おこしとしても、このロケット分野、また宇宙分野は非常に魅力のあるものだということを改めて肌で感じることができました。

 我が国においても、昨年、宇宙基本計画が改定され、宇宙安全保障構想なども示されましたが、大臣にお聞きしたいと思います。

 宇宙分野は子供たちを含めた国民全体に夢と希望を与える非常に重要な分野であるというふうに思いますが、文部科学省として、宇宙開発分野における取組についてお教えいただけたらというふうに思います。お願いいたします。

あべ国務大臣 委員にお答えさせていただきます。

 スペースワン社のカイロスロケットにつきまして、本日この後打ち上げが予定されているところでございまして、国民の皆様からも関心が集まっているというふうに承知をしております。今回の打ち上げに成功すれば、民間企業主導で開発したロケットによる人工衛星の軌道投入事例として我が国初となることから、私自身も期待をさせていただいております。また、我が国の宇宙政策上におきましても重要な一歩となり得るものであり、打ち上げの成功を心から願っているところでございます。

 さて、山本委員からの質問でございますが、宇宙開発利用につきましては、宇宙基本計画に基づき取組を進めさせていただいているところでございまして、我が国の自立性確保と、また国際競争力の強化に重要な基幹ロケットに関しましては、H3ロケット、イプシロンSロケットの開発、高度化を着実に進めてまいります。

 また、月面探査に関しましては、日本人の宇宙飛行士二名の月面着陸の実現等に向けまして、有人与圧ローバーの開発本格化など、アルテミスの計画に向けた研究開発等に着実に取り組んでまいります。

 さらに、宇宙戦略基金によりましての支援を通じまして、民間企業、大学等における更なる宇宙分野への関与や裾野拡大に向けた取組を推進してまいります。

 文部科学省といたしましては、これらの取組が広く国民に夢と希望を与え、次世代を担う人材育成にもつながるよう、引き続き宇宙開発利用の推進に取り組んでまいります。

山本委員 御答弁ありがとうございました。

 今後とも、是非とも、また和歌山のロケット開発にも、御支援をよろしくお願いをしたいと思います。

 では、次に行きたいと思います。

 国立大学の授業料に関する問題について質問したいというふうに思います。

 東京大学が来年度の入学生より約十一万円引き上げることを発表したことに世間でもかなり注目を集めましたが、今回は、留学生の授業料について取り上げたいというふうに思います。

 今年の四月一日の省令の改正により、これまで日本人学生と留学生の授業料が同額だった国立大学に通う外国人留学生の授業料の上限を撤廃し、外国人留学生の授業料の値上げが可能となりましたが、現在、国立大学における外国人留学生の授業料の置かれている状況について文部科学省はどのように把握をしているか、お聞きをしたいと思います。

伊藤政府参考人 お答え申し上げます。

 外国人留学生の授業料につきましては、昨年四月の教育未来創造会議第二次提言及び国立大学協会からの提言を踏まえまして、委員御指摘のとおり、今年四月から、留学生の受入れ環境の整備その他の事情を考慮し、特に必要があると認めるときには、各国立大学の判断により自由に授業料を設定できるよう制度改正を行ったところでございます。

 この制度改正から間もないこともございまして、現時点においては本制度を活用している大学はまだないものの、活用を検討している大学もある、このように認識をしてございます。

山本委員 ありがとうございます。

 私は、この外国人留学生の授業料値上げについては、国内の一般学生に対する授業料値上げとは切り離して考えるべきだと思っております。

 政府は、二〇三三年に二〇一九年時点から三割増の四十万人を留学生として我が国へ招き入れる目標を掲げておりますが、国立大学の経営を考慮し、世界に対して対抗できるような優秀な学生を確保するために、欧米の一流大学は留学生の授業料は高く設定をしており、経済開発機構、OECDによれば、米国の州立大学に通う学部学生の授業料は平均して八千七百八十ドルとなっており、留学生は約二・八倍、二万四千五百ドルであるとのことです。

 欧州は三・八倍、カナダは約四倍、英国も同様で、全体のデータは公表されておりませんが、オックスフォード大学では二・九から四・一倍、ケンブリッジ大学も二・四倍から六・三倍となっております。

 このような国や大学では、留学生が高額な授業料を払うことで、国内の学生の授業料を日本の国立大学と同レベルに据え置いているとされております。

 大臣にお聞きしたいと思います。今後、国立大学の授業料全体の見直しに伴い、外国人留学生の授業料について、値上げについて、大臣のお考えをお聞きしたいというふうに思います。

あべ国務大臣 外国人留学生の授業料に関しましては国立大学法人が定める仕組みとなっているところでございますが、委員御指摘のように、米国、ニュージーランド、海外におきましては留学生に対して異なる授業を課していることなども踏まえまして、今回、各大学におきまして、留学生の受入れ環境を充実させる、また、大学の国際の通用性また競争力が向上するよう、適切な授業料の設定に向け検討していただきたいというふうに思っておりまして、文部科学省といたしましても、この制度の趣旨を各大学に適切に周知をしていきたいというふうに考えております。

山本委員 ありがとうございます。

 今後とも、どうか授業料を上げる方向で考えていただきたいというふうに思います。

 次に、国内の教員不足問題についてお伺いをさせていただきます。

 私は、今や超少子高齢化社会、人口減少社会に突入している日本において、もちろん、政治が主導をし、少子高齢化の人口ピラミッドの改善、人口増加に立ち向かっていかなければならないと強く思っているところではございますが、現状歯止めがかからないことに対して、人口が減る中、日本の国力維持は一人一人の能力の向上が必須であり、これからの日本における人材、ひいては教育の重要性は、皆様、もう共有されているところであると存じます。

 ただ、その人材を育てる教員の不足について、今年五月時点で少なくとも四千三十七人に上ることが、全日本教職員組合の調査でも浮き彫りになっているところでございます。

 この教員のなり手不足は様々な理由があると考えられますが、現状、この社会の変化、教育課題を踏まえれば、教師には質の高い優れた人材を得ることが不可欠であると考えるが、文部科学省の認識はいかがでしょうか。

茂里政府参考人 お答え申し上げます。

 生産年齢人口の減少やAI等の技術革新が進む中で、これからの学校教育においては、新しい時代で活躍するために必要な力を培えるよう、教科横断的、探求的な学習など、子供たちの新たな学びを実現することが極めて重要になってございます。

 しかし、その一方、不登校、いじめや暴力行為への対応、さらには特別の教育支援や日本語指導を必要とする児童生徒数の急増、こういったことなど、子供たちの抱える様々な課題が複雑化、困難化しておりまして、教師は様々な支援人材と協力しつつ、こうした課題にも対応していく必要があると考えております。

 文部科学省といたしましては、人材が社会発展の鍵である我が国におきまして、学校教育は最重要課題と認識しております。その担い手であり、公教育の要である教師に優秀な人材を得ることは、大変重要であると考えています。

 今後とも、多様な専門性を有する質の高い教職員集団の形成に向けまして、全力を挙げて取り組んでまいりたいと思います。

山本委員 ありがとうございます。

 ちょうど私の同級生も地元で教員をしている子がかなり多く、小中高といろいろな現場で働いている同級生がかなり先輩、後輩も含めいらっしゃいますが、現場のお話を伺っておりますと、この教員という仕事に対してかなりやりがいを持って生徒と日々向き合っておられ、休日であっても、また夜遅い時間であってもトラブルがあれば業務に当たっているようなことをよく聞くのですが、全てが全てこの教員のように甘えているような状況では、優秀な人材はなかなか集まりにくいというふうに私は考えております。

 ここでお伺いをしたいというふうに思います。

 優れた人材、先ほどるる申し上げていただきましたが、それを確保するために、文部科学省の取組としてどういったことをされてきたのでしょうか。

茂里政府参考人 お答え申し上げます。

 文部科学省におきましては、優れた教師人材確保に向けまして、本年八月の中教審答申も踏まえながら、学校における働き方改革の更なる加速化、教師の処遇改善、学校の指導、運営体制の充実などの取組を一体的、総合的に進めているところでございます。

 また、こうした教職の魅力向上に向けた勤務環境や処遇改善のほか、同答申におきましては、教師の質の向上に向けた教員免許や教員の養成の在り方等につきまして、専門的な検討を行うことの期待も示されているところでございます。

 文部科学省といたしましては、同答申を踏まえ、例えばでございますが、最新の学校現場の教育課題に応じた教職課程の在り方、あるいは社会人の方が教師を目指しやすくなる入職経路の拡大、こういったことも視野に入れながら、教師に優秀な人材を得るための必要な方策について検討を進めてまいりたいと思います。

山本委員 御答弁ありがとうございます。

 先ほども申しましたとおり、人づくりこそが国づくりでありますが、現在、我が国の公教育は危機に瀕している、私はそう感じております。

 いじめや不登校、特別な支援や日本語指導を要する児童生徒数の急増など、学校を取り巻く環境が複雑化、多様化しています。そうした中、教員の長時間勤務の状況は非常に厳しく、教員採用試験の倍率も低下をしております。学校を取り巻く環境が複雑化、困難化する中、教員の社会的な職責も増しております。働き方改革と併せて、こうした職責に見合った処遇を実現する必要があります。

 こうした現状を踏まえ、自由民主党では、令和の教育人材確保に関する特命委員会を設置し、働き方改革の更なる加速化と、高度専門職である教師の処遇改善、指導、運営体制の充実、教師の育成支援を一体的に進めるべく、累次の提言、決議を行ってまいりました。中央教育審議会でも八月に答申が執り行われ、骨太の方針にもしっかり方向性を位置づけて、概算要求が行われたところでございます。

 しかしながら、財政制度等審議会の建議では、時間外在校等時間が一定の水準を下回ることを条件として、教職調整額を引き上げる案が示されました。勤務時間の縮減を給与の引上げの条件とすることは、働かない方が給与が上がるという仕組みをつくることにつながります。目の前で困っている子供がいて、早く帰る方が先生の給料がよくなるという制度は、公教育の崩壊を招くのではないでしょうか。

 喫緊の課題である教師の給与改善に当たっては、教職調整額の引上げを何ら条件づけを行うことなく確実に実施すべきと考えますが、大臣の見解をお伺いしたいというふうに思います。

あべ国務大臣 教師は、本当に委員おっしゃるように学校教育の充実発展に欠かせない存在でございまして、やはり、総合的、一体的に、私ども、働き方改革の更なる加速化と処遇改善と、また学校の指導、運営体制の充実、一体的に進めていく必要がある中で、財務省の見解に関しましては、時間外在校等時間の縮減が容易でない地域、学校も確実に存在をしている中にありまして、時間外の在校等時間の縮減を教職調整額の引上げの条件とすると、まさにこの真に必要な教育指導が行われなくなるというおそれがあるなど、非常に課題の多い提案であるというふうに考えています。

 文部科学省といたしましては、学校における働き方改革の取組の徹底と、さらには教職員定数の改善と併せまして、教師の処遇改善について、条件をつけることなく確実に実施すべきと考えているところでございます。

山本委員 力強い御答弁ありがとうございます。

 財政審建議では、働き方改革を進めることが提言されている一方、学校現場の定数改善については一切盛り込まれておりません。教師にとってやりがいの小さい業務を縮減していくことで働き方改革を進めていくように提言をしておりますが、果たして、それでどれだけの時間外在校等時間が縮減されるのでしょうか。

 学校現場を取り巻く状況は、先ほども触れたように、いじめ、不登校、特別な支援や日本語指導を要する児童生徒の増加など、複雑化、多様化をしております。学校が働き方改革を進めつつ子供たちにとって真に必要な教育活動を実施していくためには、マンパワーの充実は必要不可欠です。

 働き方改革の推進と学校教育の質の確保を両立させていくための教職員定数の改善の必要性について、文部科学省の見解をお聞かせいただきたいというふうに思います。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 学校における働き方改革、これは待ったなしの課題でございまして、教師の業務の仕分を行いました学校、教師が担う業務に係る三分類に基づく業務の更なる厳選、見直し等をしっかり進めていく必要がございます。

 一方で、委員御指摘のとおり、複雑化、多様化する教育課題への対応と一人一人にきめ細かな教育指導を可能とするためには、教職員定数の改善等の学校の指導、運営体制の充実を図ることは極めて重要なことだと考えてございます。

 令和七年度の概算要求におきましては、中央教育審議会あるいは骨太の方針等を踏まえまして、小学校中学年への教科担任制の拡充、あるいは若手教師への支援、中学校の生徒指導担当教師の配置拡充、あるいは小学校三十五人学級の計画的整備などに必要な定数改善を計上しているところでございます。

 文部科学省といたしましては、持続可能な学校の指導、運営体制の強化充実を図るために、引き続き教職員定数の改善に取り組んでまいります。

山本委員 ありがとうございました。今後とも、どうかよろしくお願いをしたいというふうに思います。

 済みません、最後に、ちょっと時間が余ってしまったところもあるので。どうしても、私、和歌山市議会議員として今まで取り組んできた中で、一つだけ、文部科学省に対して要望というか、お伺いしたいことがございます。中核市における県からの教職員の人事権等の問題について質問をさせていただきたいというふうに思います。

 都道府県が持っている人事権を中核市を始めとする一定の自治体に譲渡することについて、平成二十七年一月に、平成二十六年の地方からの提案等に関する対応方針として閣議決定されておりますが、現在の文部科学省の考えは、これについてはいかがでしょうか。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 県費負担教職員制度につきましては、政令市を除く市町村立小中学校等の教職員の人事と給与制度、これを都道府県が担うことによりまして、一定水準の教職員の確保を図り、教育水準の維持向上を図る制度となってございます。この制度の下で都道府県の圏域全体を見渡した人事を行うことで、圏域の全ての地域にバランスよく必要な教職員を配置することが可能となってございます。

 この都道府県の教職員の人事に関する事務につきましては、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第五十五条に基づきまして、関係自治体の協議など一定の手続を経て、都道府県の条例で定めるところによりまして、市町村が処理することも可能となっているところでございまして、現在、大阪府内の一部の市町において活用されてございます。

 文部科学省といたしましては、引き続き、教職員の人事に関するこうした仕組みの活用状況、あるいは小規模市町村を含めた関係者の御意見を注視してまいりたいと思っています。

山本委員 ありがとうございます。

 以上で質問を終わらせていただきます。

中村委員長 次に、青山大人君。

青山委員 立憲民主党の青山大人です。

 まずは、あべ大臣にお伺いします。

 先日の大臣挨拶、ヘレン・ケラーの、人が希望を持つことの重要性、希望は人を成功に導くという言葉がとても印象的でした。あべさんらしいな、そう感じた次第でございます。

 多岐にわたっていろいろなことが述べられていましたが、あべさん、大臣としてこの任期中に一番何を成し遂げたいのか、まずはお伺いいたします。

あべ国務大臣 委員にお答えさせていただきます。

 文部科学省が非常に多岐にわたる分野を持っている中で、私は、特に教育に関しましては、誰一人取り残されない、そういう社会の実現に向けていくということがまさに大切だと思っています。

 やはり、社会の強靱さを求めていく、また、日本が国際社会の中でしっかりと尊敬される中にあっては、私は、やはり人づくりこそ国づくり、またその中で、子供たち、また日本にいる人たちが、自分らしさ、多様性があるということをしっかりと支える文部科学行政、これを目指していきたいというふうに思っておりまして、特に、人々や社会が希望を持ち、未来を切り開くために、まさに重要なポイントなんだというふうに思っておりまして、これを着実に前に進めてまいりたいというふうに思っています。

青山委員 様々な思いがあるのは分かります。

 ただし、文部科学省、発足して以来、今まで歴代の大臣を見ますと、ほとんどが一年で替わっているんですよ、一年で。過去二十四人の大臣が、ほとんど一年で替わっています。

 本来であれば、私も、国家百年の計に立って文部科学行政を推進するためにも、やはり大臣として、三年とか五年ぐらい携わって、そういった今おっしゃったようなことを一つ一つ確実に進めるべきだと思いますが、それは、大臣を替える、替えないは、ここで議論しても我々でコントロールできる話ではないので、ですから、任期一年という限られた時間の中で、具体的に、あべさん、あなたは何をしたいのか、そこを私は今問うたんです。具体的に教えてください。

あべ国務大臣 委員にお答えさせていただきます。

 やはり、私は、人づくりは国づくりという中にあって、今一番大変なのは、教師を取り巻く環境整備だと思っています。子供たちが、やはり、先生方に一言、頑張っているね、今日元気、大丈夫と言ってもらえるだけで、実はとても、それで生きていくことの支えができると私は思っています。特に、おうちの中で居場所がない子供たちが確実にいます。そういう中で、先生方が笑って、子供たちにおはよう、元気と言うことができるような環境に、今、学校の先生たちが大変厳しくて、なっていないんじゃないか。

 また、親御さんたちは、子供たちを何とか学校、教育を続けたいと思っているけれども、やはり教育費の負担軽減、ここのところが大きいのではないか。実は、社会の中におけるこの貧富の格差は、私は確実に広がっているというふうに思っておりまして、その負担軽減をどのようにしていくか。

 またさらには、海外との状況を見たときに、日本の研究力が確実に下がっています。この下がっているのをしっかり上げていくことが、日本がしっかりと稼ぐ力、また国際競争力を続けていく力、そこがまさに大切なんだと思っておりまして。さらには、昨日もあるところで申し上げましたが、スポーツは世界を変えます。ここのところも大切にしていきたいと思いますし、最後にもう一個、文化の部分も是非頑張りたいと思いますので、よろしくお願いします。

青山委員 それは何でもかんでも、それはみんなやりたいですよ。分かっています。だから、大臣にその優先順位づけを今聞いたんですよ。もちろん、それはそうですよ。みんなそれはやりたいですよ。過去の大臣だって、みんなそれはやりたいと思って、でも、それがなかなかできないから中途半端になっている。

 ただ、大臣、今おっしゃった中で、教育費の負担軽減、これは大臣、この一年間でここを最優先に是非私はお願いしたい、そう思っています。歴代の大臣も、委員会の所信表明でほとんどの大臣がこう言っているんですよ。いかなる経済的な状況下であっても、質の高い教育へのアクセスを確保できるよう、幼児教育から高等教育の段階まで教育費負担の軽減に粘り強く取り組む。ほとんどの大臣がこれを所信でおっしゃっています。そして、ここ数年は、ここのところに、少子化対策の観点からも教育費の負担軽減に取り組む、そういったことが歴代の文科大臣からも強調されています。

 あべ大臣、ここをこの一年で一番取り組む、そうしてほしいんですけれども、どうでしょうか。

あべ国務大臣 まさに委員のおっしゃった部分は大切だというふうに思っております。

 私は、いわゆる教育の無償化ということもまさに重要でございますが、しかし、それ以前に、学校の教育の質と、多様な子供たちをしっかりと包括できる教育体制、それの方が優先されるというふうに考えておりますので、また御一緒に考えていきたいと思います。

青山委員 教育の無償化、負担軽減について、少し具体的に質問します。

 まず、多子世帯の大学の無償化政策について伺います。

 令和七年度、来年四月から、子供三人以上を扶養している世帯の学生等について、所得制限なしに、授業料や入学金を国が定めた一定額まで無償とする措置が講じられます。

 これは、私がこの文部科学委員会で通常国会で聞いた際にも、この制度の趣旨、少子化対策の一環ということが強調されましたが、改めて、この多子世帯大学無償化の制度趣旨についてお伺いいたします。

伊藤政府参考人 お答え申し上げます。

 令和七年度以降の多子世帯におけます大学等の授業料等の無償化につきましては、子育てや教育費により理想の子供の数を持てない状況は、三人以上を理想とする夫婦が特に顕著であること、また、三人以上の子供を持つ家庭にとって最も経済的に厳しい状況にあるのが、三人同時に扶養している期間であることを考慮いたしまして、財源が限られている中で、このような内容を設定をしているところでございます。

 今回の支援策、支援拡充によりまして、高等教育費の負担を理由として理想の子供の数を持てない状況を払拭してまいりたい、これを目指しているところでございます。

青山委員 いわゆる少子化対策なんですけれども、これは、あべ大臣、是非この制度をちょっと次年度以降変えてほしいのが、扶養する子供が三人未満になった場合、この制度の恩恵を受けられないんですよね。ここを大臣、是非変えてほしいんですよ。

 例えば、今、二人子供がいるとします。来年から、再来年から大学に入学する中で、あっ、もしもう一人子供が生まれれば無償化になるじゃないですか。それとか、今、三人いる子供で、第一子が卒業してしまった場合、二子、三子はこの恩恵を受けられない。三つ子だったら全員同時に恩恵を受けられますけれども、第一子が今大学生、二番目、三番目が小学生以下だったら、これは結構不公平だと思うんです。なので、本当に少子化対策というのであれば、今二人、大変だけれども、もう一人子供ができればみんな無償化になるんだ、それこそ少子化対策になると私は思っています。

 大臣、この辺、私はこれは前の盛山大臣とも議論しまして、今後検討しますという答弁をもらっています。その後の検討状況並びに大臣の考えをお伺いします。

伊藤政府参考人 お答え申し上げます。

 多子世帯への支援におきまして子供三人以上を扶養していることを要件としてございますのは、例えば、第一子が大学に進学しており、下の子供が高校生と中学生であるなど、三人以上を同時に扶養している期間が最も経済的な負担が重い状況にありますので、財源が限られている中で、負担が集中している期間の世帯を優先して支援をすることとしたところでございます。

 文部科学省といたしましては、まずはこうした拡充を着実に実施に移し、その上で、教育の機会均等や少子化対策の観点から、その効果を見定めつつ、引き続き取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

青山委員 これはちょっと大臣に聞きますね。これは大臣ですよ。

 異次元の少子化対策といって始まった制度だと思うんですよね。正直、私もこれは、いやあ、思い切ったことをするなと思ったんですよ。財源は大丈夫なのかと思ったんです。この後質問しますけれども、大学に行く前に、高校の授業料の所得制限九百十万円を撤廃するとか、本来であれば高校から先にやるべきところを、いきなり多子世帯への大学。いやあ、思い切ったことをするなと思ったら、結果的にこういう中途半端な制度なんですよ。これは少子化対策にもならないし、家庭で不公平感も生むし。来年から制度の恩恵を受ける方たちは、もちろんそれは感謝していますよ。ただ、どうせやるんだったら、ここまでやるんだったら、思い切ってやりませんか。大臣、どうでしょう。

あべ国務大臣 委員のお話を承っておりながら、本当にまさに重要なことだというふうに思っている中です。

 しかしながら、限られた財源でございまして、限られた財源の中で、三人以上のお子様をお持ちになりたいという、理想とする御夫婦が、やはり教育費の負担が一番大きいということが、調査上、六割ぐらいと分かっておりまして、まずはそこから一歩を始めさせていただきたいと思っておりますので、またしっかりと財源確保を考えていきながら、共に検討してまいりたいというふうに思います。

青山委員 大臣、私がこれを何回も提言するのは、これに約二千七百億円費やして、本当に、始まってから、私はこれは結構逆に批判が来ると思うんですよ。少子化対策にもならないし。だって、そうじゃないですか。うちも今、小学校一年生と幼稚園年中がいて、仮に今子供が生まれるとしたって、兄弟間で受けられる差が出た場合、兄弟間でこれはかわいそうじゃないですか。

 例えば、第一子は、本来であれば、私は大学に行かずに、高校を卒業してすぐ働きたいと思っているかもしれない。でも、親としては、第一子は無償化になれば大学に行ってくれ、そう思うじゃないですか。本当は第一子は大学に行く気がない、第二子は私立の医学部に行きたい、でも、年が離れて、この制度の恩恵を受けられないとか、そういうことが起きてしまうんですよ。

 突然つくったこの制度によって、これから未来の日本を担う子供たちの将来の人生がゆがめられるおそれがある。だから、私は、この制度は、せっかく導入するのであれば、もう少し、財源のことは分かりますよ、そこはしっかり考えてほしいなというところが私の意見ですし、これは多分、今このまま続けても同じ答弁になってしまうので、大臣、これは本当に真剣に私は議論してほしいと思っています。

 次の質問に行きます。

 多子世帯の大学無償化。例えば、じゃ、第一子が海外の大学に留学したい、そう思った場合、これは参考人で結構です、海外の大学に留学する場合は多子世帯の大学無償化の制度の恩恵は受けられるんでしょうか。

伊藤政府参考人 お答え申し上げます。

 海外留学につきましては、経済的負担の軽減を図るべく、海外留学支援制度におきまして、給付型奨学金を支給しているところでございます。

 また、高等教育の修学支援新制度では、国内の対象大学等に在籍をし、大学等に授業料を納入している場合には、留学期間中であっても支援をするなど、本制度が留学の妨げとならないよう配慮をしているところでございます。

青山委員 要は、高校を卒業して、最初から海外の大学に留学しよう、そういう人はこの制度を受けられない、そういう認識でよろしいでしょうか。

伊藤政府参考人 失礼いたしました。

 この制度については、国内にございます大学等を対象にしてございますが、直接海外留学支援をする場合には、給付型奨学金等別途の留学支援の政策はございますが、直接この制度の対象にはなっていないところでございます。

青山委員 この前の大臣の挨拶で、余り海外留学について述べられていなかったんですよね。

 私は、少子化が進行する現代において、我が国では、個々の能力を高め、グローバル化した社会で活躍する人材を育成することが大切だと思います。そのため、日本人の若者の海外留学の促進が重要だと私は考えております。

 以前の大臣では、日本人のグローバル人材育成ということで海外留学の促進、そういったことを述べていた大臣もこれまでいました。コロナもあったので多少状況は変わってしまいましたが、私は、これからどんどんどんどん、日本人をそういうふうに海外留学、促進すべきと考えますが、大臣、その辺の考え方はいかがでしょうか。

あべ国務大臣 まさにグローバル人材の育成に関しましては、日本人学生の海外留学と優秀な外国人留学生の受入れをトータルで考えていきながら、大学の多様性、流動性を高めることが重要でございます。

 そうした中、実は、教育の未来創造会議の第二次提言で、二〇三三年までに、外国人留学生の受入れを四十万人、日本からの留学生、日本人学生の留学五十万人の目標が実は盛り込まれているところでございます。これは委員御承知のとおりだと思いますが、この目標実現に向けまして、令和七年度の概算要求に関しましては、外国人留学生の受入れの予算確保とともに、特に日本人の学生の海外留学支援、これに関しまして、物価高騰等の影響を踏まえた奨学金単価の拡充ということを盛り込んでいるところでございまして、日本人学生の海外留学と外国人の留学生を受け入れる、この好循環の実現に向けて、つなげてまいります。

 また、海外への留学に関しましては、経済的負担、ここのところの軽減を図るべく、海外留学の支援制度につきまして、給付型の奨学金を支給しているところでございまして、また、高等教育の修学支援の新制度におきましては、国内の対象大学等に在籍をしていながら、この大学等に授業料を納入している場合においては、留学期間中であっても支援をするなど、本制度が留学の妨げにならないように配慮をさせていただいています。

青山委員 大臣、なので、いろいろな制度があるのは分かります。ただ、大臣も御存じのように、日本人が、日本人の子供が海外に留学したい、今の為替、物価高、なかなか経済的な事情で行けない。そういったいろいろな政府の後押しも分かりますけれども、なかなか狭き門じゃないですか。ですから、多子世帯の大学無償化、ここの適用範囲に、例えば海外の大学に行きたい、そういう場合も、私は、適用すべきではないですかということを言っているんです。いかがでしょうか。

あべ国務大臣 お答えさせていただきます。

 本当に、海外への留学、日本人学生が留学することは、まさにグローバル人材の育成においては重要でございます。

 先ほどの繰り返しになりますが、海外留学の支援制度、ここにおきましての給付型奨学金を支給しているところでございますし、また、先ほども申し上げました、国内の対象大学に在籍している学生に関しましては、留学期間中であっても、この大学に授業料を納入している場合には支援することとしておりまして、この正規の手続を経て休学をして留学した場合についても、復学後、修業年限を超えない範囲におきまして支援をしているところでございまして、しっかりと財源を確保していきながら、この制度をまずは確実に振興させていただきながら、取り組んでまいります。

青山委員 それだったら、多子世帯の大学の無償化だって、そういった給付型の奨学金とか含めて、いろいろな制度があったと思うんですけれども。

 私は、繰り返しになりますけれども、少子化問題や格差解消のためにも、経済的な事情によらずに、誰もが質の高い教育を受けることが大変重要、幼児期から高等教育まで切れ目のない形で教育の無償化や負担軽減を実施すべきという観点からこれまで質問したのですけれども、多子世帯の大学無償化、本当に、もう来年四月から始まりますので、これについて今更もうやめることはできないので、是非、やる以上は、繰り返しですけれども、扶養から外れて三人未満になった場合としてもそこを適用してほしいということと、海外に留学する場合も適用してほしい、この二点です。

 本来であれば、やはり私は、この前に、順番としては、高校授業料の無償化を確実にすることが本来は優先順位が高かったのではないかと思うんですよ。

 御存じのように、かつて民主党政権が高校授業料の無償化をしたわけでございますけれども、その後、自民党政権になって、年収九百十万円という線引きで所得制限が設けられてしまいました。この所得制限、仮に撤廃するとしても、あと三千億円の財源なんですよ。これは、多子世帯の大学の無償化、二千七百億円とそんなに変わらないんですよ。本来だったら、私はこちらの所得制限を撤廃すべきか、又は、この高校授業料の無償化について、それこそ多子世帯向けの支援制度を本来であれば導入すべきだったのではないかと思います。

 大臣、高校授業料の無償化、九百十万円の所得制限の撤廃については、何かお考えはありますか。

あべ国務大臣 国における高校生の就学支援、実は、御存じのように、所得制限を設けることによって捻出した財源によって低所得者世帯への支援を拡充するなど、限られた財源の中で有効活用させていただきながら、教育の機会均等に向けてこれまで支援を充実してきたところでございます。

 そうしたところにおきまして、高校の授業料を支援するこの高等学校等就学支援金の所得制限を撤廃して高校授業料を無償化すべきという委員の御指摘に関しましては、高校の進学率が、今、九九%に達する現状におきまして、どこまで家計負担の軽減を図るべきかという観点と、また、教育に関する重要施策が様々ございまして、それを踏まえて、総合的な観点から考える必要があるんだというふうに考えているところでございます。

青山委員 いろいろ大臣と議論させていただいたんですけれども、私も、もちろん我が党としても、幼児教育から高等教育、三子、大学まで無償化というのは本当に実現したいと思って訴えていますけれども、多子世帯の大学無償化のこれは、唐突感が、私は本当に違和感を持っているんですよ。何でいきなりそこに行ったんだというところなんですよ。

 でも、繰り返しますけれども、それを導入してしまった以上は、せめて、何度も言いますけれども、扶養から一人外れて三人未満になった、そこは絶対適用しないと少子化対策にならないし、それまで三人のお子さんを育てる中でも、大学以外にも当然お金も負担もかかっているわけですから、私は、そこは是非、重ねて検討していただき、一年間の文部科学大臣の任期の最中にその政治的な決断をしてほしいということを重ねて要望し、私からの質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

中村委員長 次に、阿部祐美子君。

阿部(祐)委員 立憲民主党の阿部祐美子と申します。

 十月の選挙で初当選をいたしまして、今日が初めての委員会質問となります。質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 少し先例に従って自己紹介をいたしますと、私は、実家のある岡山県で地方紙の記者、そして、その後、東欧のポーランドで働いた後、東京で約十年間、教育専門紙で新聞記者として再び働いてまいりました。いざ自分が子供を産んでみると、子供たちを取り巻く環境、育てにくさということを痛切に感じて、そして、東京の品川区で区議会議員、また東京都議会議員として、子育てや教育の問題を中心に取り組んでまいりました。

 衆議院の選挙区であります東京三区は、品川区だけではなくて、伊豆諸島や小笠原諸島も含んでおり、都市部と離島、そしてまた地方都市や海外、多様な地域で育つ子供たちが、それぞれ安心できる環境の中で自分の可能性を広げていくことができる、倉橋惣三が言う育ての心、すなわち、自ら育つものを育たせようとする心を持って、教育環境の充実にこだわっていきたいと思っております。

 先般の大臣の御挨拶の中でも、誰一人取り残さない社会を実現するため、あらゆる人がどのような地域においても最適な教育を受けることができるよう全力を挙げていく、そういう言葉があって、大いに期待とそして共感を寄せているところです。

 一方で、誰一人取り残さないという目標とは裏腹に、学びへのアクセスがしづらい子供たちも大勢います。その一つが不登校であると思っております。文科省が十月に公表をした令和五年度の調査によると、不登校は、小中学生で三十四・六万人、高校を含めると四十二万人に達しています。また、不登校の定義に当てはまらないケースも含めると、その数は更に膨らむはずです。不登校の背景は多様であって、望ましい対応は個々の状況によって変わってくると思います。その上で、より子供のニーズに適した質の高い学びの継続をどのように図っていくか、それも問われていると思います。

 その受皿として役割が高まっているのが、通信制高校ではないでしょうか。通信制高校は増加の一途をたどり、通信制の在籍者は高校生の今は約九%、来年度には大手教育産業も参入すると聞いておりますので、近いうちに一割、すなわち、日本の高校生の約十人に一人が通信高校生となるはずです。過去十五年間では、高校の公立の通信制の在学者は六万人程度を推移しているのに対して、私立は倍増して、約二十三万人となっております。少し古いですけれども、平成二十九年の調査研究報告書においては、通信制高校在籍生徒の約半数に不登校の経験があるとの結果でしたし、また、発達の課題や心療内科への通院歴がある、こうした生徒も約一割おりました。

 長期の不登校経験や発達の課題がある生徒に対しては、少し質問の順番を変えます、心理系の専門職などのスタッフを含めた手厚い支援が必要です。文科省では、かねてより、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー活用事業を行っておりますが、果たして、潜在的なニーズが高いであろう通信制高校、とりわけ私立の通信制高校にもこうした制度が行き届いているのか、通信制高校にも、必要に応じて、実態を把握し、そして一定の支援を行うべきではないかと考えますが、御所見をお伺いいたします。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、近年、通信制高校に通う生徒は増えていることは事実でございます。

 通信制高校につきましては、特に経済的な面にも課題を抱える生徒も多いことから重要な機関であると考えてございまして、一層の魅力向上や機能強化を図っていくことが必要であるというふうに考えてございます。

 不登校など様々な課題を抱える児童生徒に対して、先ほど御指摘がございましたように、心理の専門家であるスクールカウンセラー等と教師が連携協力してチームで支援を行うことが重要でございますけれども、スクールカウンセラーの活用など、教育相談体制の整備等の充実につきましては、公立、私立にかかわらず、教育委員会や学校法人が必要な支援を行っているところでございます。

 様々な悩みを抱える児童生徒に対しましてこうした適切な対応をなされるよう、教育相談体制の充実に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

阿部(祐)委員 今、必要な支援を行っているという御答弁がありましたけれども、果たして本当にそうでしょうか。

 大変手厚い支援を行っている通信制の学校もあるというふうに認識をしておりますが、一方で、通信制の中には、ただただ配信した動画、視聴履歴があればそれで単位を出していくような、そうした学校もあるということで、保護者の方々からの不安の声というのもいただいているところです。こうした手厚い学校と、そして必ずしもニーズに応えられていない学校、これを一緒くたにしちゃいけないと思うんですよね。

 今、三十万人近く通っている学校ですので、そこは是非丁寧な見極めと、それから、まさに手厚い支援をやっている、あるいはしようとしている学校にはしっかりと支えていただきたいと思いますし、そうでない学校であれば、子供たちがそうした状況の中でより必要な支援を行ってくれる学校を選べるように、そうしたことも含めて是非実態の把握ということをやっていただきたいと思います。

 そうしたお考えはございますでしょうか。改めて御答弁いただきたいと思います。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 高等学校の生徒につきまして、様々な学びの形態があるというふうに考えているところでございます。

 通信制高校に通う生徒につきましても、本校に通う一方でサポート校に通ったり、あるいは通信制とともに定時制を併修している生徒、あるいは専門学校に通いながらも通信制課程に学びを続ける生徒、多様な生徒がございます。一方で、通信制高校に関しましては、質の確保の観点から課題があるような事例も過去見られたところでございます。

 こうした高等学校教育での質をしっかり担保をしながら、生徒一人一人がしっかり学びに向かうことができるような支援ということが必要だと考えてございます。

 一方で、一人一人の状況は、先ほども申し上げましたように大変多様でございますので、それぞれの一人一人の実態について、これを把握していくことはなかなか難しいことというふうには考えてございます。

 我々としては、通信制高校の質の担保ということも含めまして、この制度面も含めましてガイドラインも作成しましたので、これを周知徹底をして、保護者あるいは生徒が安心して高等学校の教育を受けることができるような環境を整備をしていきたいというふうに考えてございます。

阿部(祐)委員 ガイドラインを作成するなど、様々な御努力をされていることは承知しておりまして、ただ、ガイドラインを作成するだけではなくて、それを実際に実施できるような様々な支援策も併せて考えていただければと思います。

 ところで、通信制の中で公立と私立という視点で見ますと、かつて、公立の通信制の年度内退学者、この割合は私立より低かったんですね。ところが、私立での退学者割合が低下する一方で、公立はむしろ上昇傾向にあります。私立通信制の経済的な負担ができない家庭にとって、公立通信制の存在は非常に貴重なものと考えております。

 生徒の実態に合わせて公立通信制のサポート体制をてこ入れすべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

望月政府参考人 御指摘のとおり、公立の通信制高校につきましては、特に経済的な面にも課題を抱える生徒にとりまして重要な教育機関であると考えてございます。

 文部科学省では、通信制高校の学び充実に係る支援事業を実施してございまして、公立の調査研究校におきましては、個別最適な学びに焦点を当てました面接指導の実施、あるいは探求的な学びを取り入れました添削課題の開発、あるいは学校生活の相談に継続的に応じる担任以外の教師を登録してもらって相談に当たるとか、あるいは相談員による進路等の対応などに取り組んでいるところでございます。

 こうした好事例を創出していただいて、それを横展開を図ることなどを通じまして、公立の通信制高校への支援の継続に努めてまいりたいと考えてございます。

阿部(祐)委員 ありがとうございます。

 冒頭に述べましたように、公立に比べて私立の在籍者数がどんどんと増えていて、学校数もどんどんと増えている。それはやはり、私立の方に選ばれる何かがあるということも含めまして、これからの公立の通信制高校、是非、より魅力のある、そして続けやすい学校へと、しっかりと衣替えをしていっていただきたいと思います。

 先ほどからもちょっとサポート校という言葉が出ておりましたけれども、主に私立の通信制高校に併設するサポート校、これは、学校そのものではなく附帯活動として、こういう言い方がいいか分からないですけれども、附帯活動として行われるものであって、そこにかかる費用というのは高校無償化の対象に入っておりません。しかし、年間数十万円から百万円ぐらいかかるような実態もあるというふうに聞いております。

 これは、教育行政にとっては学校ではないというくくりになるかもしれませんけれども、保護者や生徒にとっては、これはもう高校に通うことと、在籍することと不可分なつくりになっております。そうした意味では、これの負担に関する実態把握というのも是非必要だと思っているんですね。

 というのも、先ほどから高校無償化の話、教育費用の無償化の話が出てきているところです。ところが、高校の十人に一人が通おうとしているその学校の形態の中で、無償化といってもこの通信制の本校部分だけで、実際には数十万から百万かかっていくという、その教育費が無償化や軽減の対象になっていないというのでは、結局は、高校無償化、あるいは教育の無償化に向けた方向からこぼれ落ちてしまうということになってしまいます。

 その点も踏まえて、この私立高校、サポート校等のサービス利用も含めた何らかの軽減策を打っていくことが必要ではないか、そのための負担の実態把握というものも必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。御答弁お願いします。

望月政府参考人 通信制高校につきまして、サポート校のお話をいただきました。広域の通信制高校につきましては、本校に通いながら、分校、あるいは協力校、あるいは技能教育施設、あるいは他の学校といった、サテライト施設で通う生徒のほかに、御指摘ございましたサポート施設といった、提携をしているところで教育課程外の学校活動に関することを生徒が学んでいる施設、人たちがございます。

 ただ、このサポート校に通っている生徒につきましても、この通信制の本校には必ず通ってございまして、高等学校の就学支援金につきましては、年額二十九万七千円が、これは確実に支給はされているところでございます。この本校にかかる授業料によりまして、就学支援に関わる支援というものは一定の負担軽減が図られているところでございます。

 御指摘のサポート校を含めた通信制高校にかかる費用につきましては、先ほど申し上げましたけれども、生徒一人一人の状況が連携で違うということでありまして、学校施設、生徒が様々な状況がございまして、その実態の一人一人の把握というのは難しいというふうに考えているところでございます。

阿部(祐)委員 一人一人の実態の把握というよりも、その経済的な負担の実態の把握をしてほしいという質問だったんですけれども、ちょっと分かりにくくて済みません。

 それで、御答弁があったような私立の本校部分に対して支援がある、このことはもう十分承知しているわけで、ただ、やはり経済的負担が大きくなっているのはそれ以外の部分、連携あるいは提携、そしてサポートといったところが負担が大きくなっているわけで、そのことが、保護者や生徒にとっては、その御家庭にとっては結局は一体的な教育費として負担になっている、それによって教育へのアクセスがハードルができてしまっているという実態を問題視しております。

 これに対して、文部科学省として何かできることはないかということでお伺いをしました。よかったら、大臣、お答えいただけますか。

あべ国務大臣 サポート校を含む費用負担についての実態把握のところでございますが、サポート校は、いわゆる教育課程外の支援を行う施設でございまして、高等学校等の就学支援金の実は対象になっていないところでございます。

 でも、本校に関わる授業料の部分は、先ほども政府参考人が説明をさせていただきましたが、この就学支援金による支援を行っている一定の負担軽減が図られているところでございまして、繰り返しになるところでございますが、いわゆる御指摘のサポート校を含む通信制の高校に関わる費用、学校や施設、また生徒によって様々でございまして、その実態の詳細について把握することは、今、大変困難なところでございます。

 そうした中で、その様々なところの実態の詳細について把握することは本当に困難なところでございますが、御指摘を踏まえまして、私ども、また中で検討もしてまいりますが、非常に厳しい中でございまして、しっかりとその実態を把握することをすべきかどうかも含めて中で検討させていただきたいと思います。

阿部(祐)委員 今、日本の高校生の十人に一人が通っている通信制高校ですから、その実態を是非踏まえていただきたい。十人に一人の子供たちが、どれだけの経済的な負担を持ってここに通っているのか。特に、不登校であった子供たち、あるいは非常に学校の中でケアが困難な子供たちの割合が多いとされている、そうした教育形態ですので、是非そこは取り残さないでいただきたいと思います。

 いわゆる不登校ビジネスについてもお伺いしたいと思います。

 近年、不登校対策をうたった家庭向けのビジネスの中に、短期間で再登校させることをうたって高額の対価を前払いさせたり、結果として、親子関係や子供の状態を悪化させるなどの事例が散見をされております。自治体との連携で注目されたケースもあります。

 不登校ビジネスをどう定義づけるかなど難しい問題もありますけれども、少なくとも、不登校で悩んでいる保護者に対して、追い詰めると言ったらなんですけれども、判断がしにくいような状態の中でこうしたビジネスが広がっていくということは、私は問題であると思っております。

 是非、教育行政を所管する、学校がなければ不登校もないわけですから、やはりこれは教育行政でと思うわけですけれども、文部科学省として何らかの対応を行っていくべきと考えますが、大臣の御見解をお願いします。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 不登校児童生徒の支援につきましては、教育委員会や教育支援センター等に加えまして、民間事業者においても様々な活動が行われているものと承知してございます。

 その上で、一般論として申し上げますと、仮に法令に反する行為が行われていましたら、その内容に応じまして、関係省庁とともに所要の対応を検討することが必要になるものと考えてございます。

 文部科学省といたしましては、何よりも不登校の児童生徒やその保護者が一人で思い悩むことがないようにすることが大事であるというふうに考えてございまして、このために、各教育委員会において作成しました相談支援機関等に関する情報をホームページにまとめて情報発信をするとともに、令和六年度補正予算におきましても、不登校児童生徒の保護者に対する相談体制強化のための予算も計上してございます。

 こうしたことも含めまして、引き続き、不登校児童生徒やその保護者への支援や相談体制の充実に努めてまいりたいと考えてございます。

阿部(祐)委員 これは、文科省として取り扱っていこうとするのは難しいというのは分かるんです。違法行為というわけでもないんですし、ちゃんとした事業者がいたり、あるいは団体があるというのもありますので、その線引きや弁別は難しいと思うのですけれども、さはさりながら、やはり学校の問題、不登校の問題で孤立してしまっている御家庭、保護者、子供たち、そうした人たちが苦しんでいる、そして、それが学校に関わるものであるということを含めて、そのことを考えると、やはり何らかの情報提供、あるいはもうちょっとプッシュ型に取り組んでいく必要があるのではないかと思っております。

 ちょっと時間が随分たっておりますので、先に進みたいと思います。

 ところで、不登校の児童生徒数、コロナ後には増加率が高くなっております。問題行動調査では、コロナ禍の影響による生活リズムの乱れや、あるいは学校活動、登校意欲の減少と解説がされておりますけれども、その視点だけでいいのでしょうかという問題です。急増した不登校児童生徒の中にもコロナ後遺症の子供も潜っているのではないか、数字として、というふうに感じているところです。

 私は、今月の四日、コロナ後遺症患者と家族の会による厚労省の吉田政務官への要請に同行をしてまいりました。コロナ罹患者の約五%は何らかの症状が続いていることが国の調査で報告もされております。厚労省では治療と仕事の両立について情報提供を行っており、政務官からは事業者への啓発を強めていくことなどについてコメントもいただきました。

 後遺症は子供にも起こりますが、子供の後遺症は周囲の大人に理解されにくく、そしてまた本人も認識しづらいと思います。学校の中で、実態の把握が必要ではないか。そして、不調の中で無理をすることが、いわゆるクラッシュと呼ばれるような重篤化を招くこともあると報告されております。教職員や保護者への啓発また理解を進めていくことが必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。

望月政府参考人 委員御指摘の新型コロナウイルス感染症の代表的な罹患後症状、いわゆる後遺症としまして、これは多岐にわたる症状がございますから、その詳細を把握することは難しいと考えてございます。

 一方で、学校におきましては、日々の健康観察等によりまして児童生徒の状況をしっかり把握するほか、罹患後症状を含めまして健康上の課題を有する児童生徒に対しましては、医療機関への受診を勧める、教育活動の実施に当たりまして適切な配慮を行う、児童生徒間の間で差別や偏見などがないように指導することなどの対応を行うことが重要と考えているところでございます。

 今後も、教職員あるいは保護者に正しく理解をいただきまして、適切な対応がなされるよう、都道府県教育委員会などの担当者が集まる会議の場などを通じまして、周知に努めてまいります。

阿部(祐)委員 学校や先生方が子供たちの健康についていろいろと御留意いただいていることは理解をしております。その中に、コロナ後遺症ではないかという一つの目線を持っていただくだけでも大分違うのではないかと思いますので、是非御留意をいただければと思います。

 次に、日本語指導が必要な子供への教育についてお伺いをしたいと思います。

 文科省でも、日本語指導が必要な子供への教育、かなり様々な政策を打ってきたところではありますけれども、今どの程度の到達点にあるのかということを、また、現状認識と課題解決に向けた取組について伺います。

あべ国務大臣 日本語指導が必要な児童生徒数は、実は、令和五年度に約六・九万人ということで、この十年間で一・九倍に増加しておりまして、支援の充実がまさに求められているところでございまして、これらの児童生徒のうち一割程度が日本語指導等の特別な指導を受けられていないという課題が実はございます。

 そうした中で、文部科学省としては、日本語指導のための特別の教育課程の制度化、また、教員定数の着実な改善、また自治体に対する支援などを行ってきたところでございますが、引き続き、外国人児童生徒が適切な教育を受けることができるよう、きめの細かい支援にしっかりと取り組んでまいります。

阿部(祐)委員 課題をどのように感じているかというのが少し分かりにくかったんですけれども、例えば、そのうちの一つ、日本語指導の補助者がなかなか増えていかない、あるいは、その多くは、交通費程度の、プラスアルファ程度のボランティアで、なかなか質と量の確保が難しいという問題もあるかと思います。

 例えば、日本語指導の補助者の方々を制度的に裏づけることで、学校の中で制度を構築しやすくしたり、あるいは待遇改善を図っていくということができるのではないかと思いますが、見解を伺います。

茂里政府参考人 お答え申し上げます。

 外国人児童生徒等への指導、支援に当たりましては、教員とともに、日本語指導補助者や母語支援員等の専門人材が連携、協働して取り組むことが有効であると考えております。

 今御指摘がありました点でございますが、文科省では、こうした人材の派遣等に取り組む自治体を補助事業、予算事業でございますが、これで支援しているところでございます。

 現在、これらの方々の制度的な位置づけはございません。今後、外国人人材、そして外国人の児童生徒の増加が見込まれる中、その確保が極めて重要な課題と認識しております。現場の実態やニーズ、そういったものをしっかりと踏まえながら、まずは自治体における取組をしっかりと支援し、その声などを拾いながら、更に加速を進めてまいりたいと思います。

阿部(祐)委員 制度をつくっていくのは文科省の仕事でもあると思いますので、どうぞ前向きに検討していただければと思います。

 最後になりますけれども、生命(いのち)の安全教育について伺いたいと思います。

 性教育に対してはなかなか文科省、前に進めてくれていない一方で、保健体育や道徳など、様々な形で行っているというような立場でもあろうかと思います。これらを総合的、意図的、体系的に関連づけることによって、一つの、子供たちの安全に、そして様々な性の危険からも守っていく、そうしたことが達成できるのではないかというふうに考えておりますが、総合的にこれらの授業を行っていくことについての文科省あるいは大臣の御所見、お考えをいただきたいと思います。

中村委員長 あべ文科大臣、時間が過ぎていますので、コンパクトにお願いします。

あべ国務大臣 生命(いのち)の安全教育でございますが、命の貴さを学び、自分や相手、一人一人を尊重する態度を身につけることを目標としている中にございまして、性に関する指導、性に関して正しく理解し、自身の体や心の変化に対して適切な行動が取れるよう、学習指導要領を踏まえて学習が行われているところでございまして、教育活動全体を通じまして、必要な知識と能力を、習得に体系的に取り組むことが重要でございまして、これを着実に進めてまいります。

阿部(祐)委員 以上です。ありがとうございました。

中村委員長 次に、小山千帆君。

小山(千)委員 立憲民主党、小山千帆でございます。

 本日は、質問の時間をいただき、誠にありがとうございます。この質問が、私、国会議員になって初めての質問でございます。不手際や至らぬ点があるかと思いますが、御容赦いただければ幸いです。

 それでは、質問に入ります。

 十二月十一日の大臣からの所信を聞かせていただきました。重要な事業について広範に述べられましたが、私には、その目指すところ、教育のあるべき姿といいますか、最終的なゴールといいますか、教育行政の全体像を思い描くことができませんでした。国の行政を始め、大きなプロジェクトを進める際は、まず理想像、最終的なゴールを提示、そのためにこの事業が必要だ、この施策が重要だ、この予算をつけてほしいという話になるのが自然な流れではないでしょうか。

 少し文脈は違いますが、八月二十七日の中央教育審議会答申においても、教師を取り巻く環境整備の最終的な目的を全ての関係者が明確に共有した上で、文部科学省を始めとする関係府省において、提言した施策の速やかかつ確実な実現に向けた取組を進めることを強く期待すると一文があります。このような最終的な目標、目的を明確に共有するとの重要性は、教育行政全体について見るとより一層大きいことではないでしょうか。

 そこで、教育行政の全体像、最終的なゴールについて、大臣のお考えをお聞かせください。

あべ国務大臣 委員にお答えさせていただきます。

 私どもの目指すべき教育の姿ということでお話をさせていただきますが、私自身は、いつの時代も教育は国家、社会の礎でございまして、発展の原動力になるというふうに考えているところでございます。

 教育の目的につきましては、教育基本法におきましては、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者としての必要な資質を備えた心身共に健康な国民の育成を期して行われなければならないというふうに規定されているところでございますが、同法に基づく教育振興基本計画におきましては、今後の教育の基本的な方針といたしまして、まず、誰一人取り残されず、また全ての人の可能性を引き出す共生社会の実現に向けた教育の推進、また、社会の持続的な発展に向けまして学び続ける人材の育成、デジタル社会における問題解決や価値創造ができる人材の育成に向けた教育DXの推進などを挙げているところでございます。

 文部科学省といたしましては、これらを教育の根幹に据えていきながら、引き続き、所信で申し上げたような様々な施策の推進に全力で取り組んでまいりたいというふうに思います。

小山(千)委員 御答弁ありがとうございます。私も、教育DX、とても大切だと思っております。

 それでは、具体的な施策について、以下御質問させていただきます。

 実は、私の子供は、二人おりますが、一人、中学二年生の息子は、学習障害があり、不登校です。次男、四年生は、日本で六百人しかいない指定難病で、知的障害を持っております。その二人の子育ての経験から、通常級、通級指導教室、特別支援学級、特別支援学校を経験させていただいております。ですので、私は、生の現場の現状、保護者の声、そして子供たちの現状、声を、何としてでも変えていきたいという思いから、以下質問させていただきます。

 まずは、インクルーシブについてお尋ねいたします。

 大臣は、所信において、特別支援教育の充実のため、インクルーシブな学校運営のモデルの構築、発達障害のある子供や特別支援学校等に約一万人在籍する医療ケアが必要な子供に対する支援の充実などに取り組みますと述べておられました。

 インクルーシブについては、国際連合が二〇二二年の九月、障害者の権利に関する委員会による第一回日本政府報告に関する総括所見を採択し、その中で、「委員会は、以下を懸念する。 医療に基づく評価を通じて、障害のある児童への分離された特別教育が永続していること。障害のある児童、特に知的障害、精神障害、又はより多くの支援を必要とする児童を、通常環境での教育を利用しにくくしていること。また、通常の学校に特別支援学級があること。」と記述してあります。

 総括の所見が指摘するように、特別支援学校や特別支援学級による分離教育には問題があり、障害のあるなしにかかわらず、子供たちが地域の学校で共に学び、育つ教育が重要ではないでしょうか。その際、その全ての学校、教室において、障害のある子供や支援が必要な子供に対し適切な合理的配慮が行われていることが更に必要ではないでしょうか。

 このことの視点からお尋ねしますが、令和六年度から始まっている学校運営モデルの構築とありますが、これは具体的にどういうことで、何を構築するのでしょうか。目指すゴールはどこでしょうか。政府の見解をお伺いいたします。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 特別支援が必要な子供たちに対して、文部科学省では様々な施策を実施をしているところでございます。

 その中の一つといたしまして、今委員御指摘のインクルーシブな学校運営のモデル事業というものを実施をしているところでございます。これは、障害のある児童生徒の学びの場の連続性を高めるために、特別支援学校と小中高等学校のいずれかを一体的に運営するインクルーシブな学校運営モデルを構築いたしまして、障害のある児童生徒と障害のない児童生徒が交流及び共同学習を発展的に進め、一緒に教育を受けるという状況と、柔軟な教育課程及び指導体制の実現を目指しまして、実証的な研究を実施するものでございます。

 その際、異なる教育課程を踏まえた柔軟な教員配置も含めた校内体制等について併せて研究を行うものでございまして、モデルを構築するために、令和六年度の予算におきましても新しい新規の事業として取組を進めているところでございます。

小山(千)委員 御答弁ありがとうございます。

 やはり、インクルーシブとは適切な合理的配慮をする側の環境と気持ちがとても大切だと思っております。お互いを理解し合う、違いを認め合う、尊重し合う、共生し合うことが大切なのですが、小学校に入ってインクルーシブ、多様性を学ぶのではなく、やはり、就学時、生まれたときから、小さいときからインクルーシブな環境や経験、多様性を考える、知る機会が当たり前にある社会づくりがもっと今後は必要だと思っております。今後ともよろしくお願いいたします。

 次の質問です。

 所信にもありましたが、医療的ケアが必要な子供が約一万人という数字はどこから出てきているのでしょうか。根拠は何でしょうか。お答えください。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 近年、日常的にたんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが必要な児童生徒等が増加傾向にございます。医療的ケア児が安全、安心に医療的ケアを受けられる体制の整備を図るために、文部科学省では、学校における医療的ケアに関する実態を把握するための調査を実施をしているところでございます。その調査におきます令和五年度の状況といたしまして、特別支援学校に八千五百六十五人、幼稚園、小中高等学校等に二千百九十九人の医療的ケア児が在籍をしていることが分かってございまして、これらを合わせて約一万人となっているところでございます。

小山(千)委員 ありがとうございます。

 では、所信にもありました医療的ケアが必要な子供たちに対する支援の充実の内容についてもお聞かせください。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 医療的ケア児あるいはその保護者に対する負担の軽減を図るために、保護者の付添いの負担軽減を図るための、令和七年度概算要求におきまして、登下校時の送迎車両への同乗も含めまして、各自治体における医療的ケア看護職員等の配置に係る補助事業について拡充をする。また、災害時を含む医療的ケアに関するガイドラインの策定に向けました調査研究を実施するための経費も新たに計上をしているところでございます。

 これらの予算の確保に努めまして、医療的ケアを必要とする児童生徒あるいは保護者に対する負担の軽減、支援の充実に努めてまいりたいと考えてございます。

小山(千)委員 ありがとうございます。

 やはり、子供たちの学びを保障するためには、スクールバスが利用できない子供たちの福祉タクシーの送迎や看護師の同行、とてもありがたいと思っています。しかし、今、スクールバスに運転手と添乗員が一名しかいない、でも、医療的ケアまではいかないけれども、知的障害で、多動で動いてしまうとか、そういうお子さんも問題になっています。ですので、スクールバスに対するケア、支援の方の充実も今後お願いしたいと思います。

 次の質問に移ります。次は、D―ESTについてお尋ねさせていただきます。

 初めに、令和六年能登半島地震とその後の豪雨によりお亡くなりになられた方々に哀悼の意を表しますとともに、被災された方に対し心からお見舞いを申し上げます。

 このD―EST、輪島の被災のところでトピックになったと思いますが、所信において大臣も、あわせて、仮に災害が生じた場合でも子供たちの学びを止めることがないよう、被災地学び支援派遣等枠組み、D―ESTの構築を進めますと述べられたように、大規模化、頻発化する災害に対して、子供たちの学びを保障することはとても重要なことです。

 令和六年能登半島地震での被災地の学校における課題として、施設の被害、避難所開設、教員の被災により学校教育活動の再開に遅れが発生したこともあります。

 このような課題に対する各都道府県の支援状況として、各都道府県から被災した学校へ教員等による学校支援チームを派遣することや、被災学校の学びの継続や学校の早期再開に向けた支援を実施するといったことがありました。

 この取組を強化するため、文部科学省の令和七年の概算要求において、被災時における地方公共団体学校支援の取組強化事業として、新規で〇・五億円要求されています。

 この動きは望ましいことであり、是非推し進めていただきたいのですが、その際、災害規模が大規模化しているため、部分的に整備しても、そこが被災すると動きが取れなくなるため、全国的に整備する必要があることや、新規での立ち上げはいいが途中でやめてしまうなど、意味がなくなるので、この事業は継続的に進めていくのかという二点が心配されます。

 そこで、D―ESTについて、全国的に整備していくのか及び継続的に取り組んでいくのか、この二点について政府の見解をお伺いいたします。

あべ国務大臣 委員にお答えさせていただきます。

 能登半島地震におきましては、実は教職員の皆さんも被災されていく中で、早期の学校再開が困難となった中で、被災地外から学校支援チームの派遣が行われたところでございます。

 文部科学省といたしましては、今後の大規模災害に備えまして、被災地外から教職員等を派遣する枠組み、D―ESTの構築に取り組んでいるところでございまして、令和六年度の補正予算に関しましては、こうした取組を全国に広げていくために、学校支援チームの取組の概要の発信や、また、この新設についての経費を計上しているところでございます。

 こうした取組を継続的に支援をさせていただきながら、これがまさに重要だというふうに考えておりまして、引き続き、被災地における早期の学び確保、ここに向けた体制の充実を図ってまいります。

小山(千)委員 継続的な支援、ありがとうございます。

 さらに、被災地における子供たちの学びについて、もう一つ確認したいと思います。

 学力以外の要素も懸念されています。八月二十七日の中央教育審議会の答申においても、「子供たちの状況を総合的に把握して指導を行う「日本型学校教育」として、知・徳・体にわたる全人的な教育を提供していることが国際的にも高く評価されてきた。」と指摘があるように、体の健康確保の教育も重要な役割です。

 能登半島地震の際、被災地では、少ない平地に仮設住宅を建設し、体育館もない状態で子供たちが運動することができず、精神的にも肉体的にも疲弊するといった事態も発生しています。

 このように、学力だけではない、体の健康確保をどのようにしていくか、政府の見解をお伺いいたします。

笠原政府参考人 お答えいたします。

 D―ESTの枠組みは、学校再開に向けた支援、助言を行うため、国、自治体職員やスクールカウンセラーの派遣調整、災害復旧等の支援につなげるものでございます。

 また、能登半島地震では、学校グラウンドに仮設住宅が整備された事例もあることから、文部科学省としましては、代替施設として近隣に仮設グラウンドを整備することについても災害復旧事業の補助対象とすること、身近な場所で手軽にできる子供向けの運動遊びなどを紹介したコンテンツを提供することなどにより、児童生徒が体を動かせる機会の確保等を図ったところでございます。

 引き続き、被災地の子供たちの学びの確保、充実に向け取り組んでまいります。

小山(千)委員 ありがとうございます。

 私もボランティアに行ったとき、子供たちの笑顔、やはり体力が落ちているのをとても感じました。是非引き続きよろしくお願いします。

 そして、体の健康の確保に関連して、スポーツの重要性についてもお尋ねいたします。

 所信においても、スポーツは国民一人一人の人生を豊かにします、また、それだけではなく、地域や社会を変え、未来をつくり上げる力がありますと述べられています。さらに、来年度日本で開催される世界陸上やデフリンピックを始めとした大規模国際大会に向けた機運醸成を図るとともに、ミラノ・コルティナ二〇二六オリンピック・パラリンピック競技大会等を見据えた国際競技力の向上に取り組みますとも述べられています。

 そこで、このような国際競技力向上に関する取組について、現状について政府はどのような見解をお持ちでしょうか。お伺いいたします。

寺門政府参考人 お答えを申し上げます。

 我が国で国際競技大会が開催されますことは、国際親善、スポーツの振興、共生社会の実現等に大きな意義を有するものでございまして、大会でのアスリートの活躍は多くの方々に喜びや感動など、大きな活力を与えると考えてございます。

 来年には東京でデフリンピック及び世界陸上が、二〇二六年には愛知・名古屋でアジア・アジアパラ競技大会が、二〇二七年には関西広域でワールドマスターズゲームズが開催が予定されておりますが、スポーツ庁では、それぞれの大会の意義に鑑みまして、各大会の組織委員会等と連携し、必要な協力支援を行っております。

 具体的には、大会の成功に向けまして、スポーツ振興くじ助成金を活用した財政支援、機運醸成のためのイベントの協力を始めとした大会PR、スポーツ庁を窓口とした関係省庁による連携体制の構築などに取り組んでおります。

 スポーツ庁では、引き続き、各大会の成功に向けまして、必要な支援、協力を行ってまいりたいと存じます。

小山(千)委員 御答弁ありがとうございます。

 先ほども言っていただきましたが、私の地元の愛知県名古屋市でも、二〇二六年の九月十九日から第二十回アジア競技大会が行われ、二〇二六年十月十八日からは愛知・名古屋二〇二六アジパラ競技大会が予定されています。私も、本当に周りの子供たちが頑張って、知り合いも頑張っておりますので、是非皆さんで応援していただけたらと思います。政府としても、本当に、このような取組を一貫として御支援いただきますこと、今後ともよろしくお願いいたします。

 それでは、私の質問はこちらで終わらせていただきます。本日はありがとうございました。

中村委員長 次に、波多野翼君。

波多野委員 立憲民主党の波多野翼です。

 今日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 簡単に自己紹介させていただきますと、福井県の越前市役所で十五年勤めまして、十月の八日まで勤めておりまして、こういったところで質問するというのは人生初ということで緊張しているのと、ちょっと福井弁が、大丈夫ですかね、ちょっと聞き取りにくいところもあるかとは思いますけれども、質問に答えていただきたいと思います。

 また、私自身、福井県の永平寺町で暮らしていまして、三人の娘がいて四世代九人家族で同居しているということもありまして、学校教育の部分に関してはとても当事者として意見を言える立場にあるなと思いますのと、また、PTAの会長とかそういったところもやっていた経験もありますので、そういった先生たちとのつながりとか保護者たちのそういった声をここで皆さんにお届けできればなというふうに思っております。どうかひとつよろしくお願いいたします。

 それでは、早速、学校給食についてお聞きをしたいなと思っております。

 文部科学省の方が今年の六月に公表した学校給食に関する実態調査の方で、完全給食を実施する学校の割合が年々増加していて、小学校で九八・九%、中学校で八九・八%ということで、結構高い割合で実施しているということなんですけれども、こうした学校完全給食が年々増加しているその要因をどのように分析、評価しているのかというところと、学校で給食が提供される意義、重要性みたいなところを大臣の方から聞かせていただければというふうに思います。よろしくお願いいたします。

あべ国務大臣 まさに、波多野委員からの御質問で、本当に、お地元で聞かれたお話などを今回の委員会でも私どもと共有していただけるのかなというふうに思います。緊張している割にはしっかりとした質問をされていて、さすがだなと思いましたが。

 学校給食でございますが、やはり大きな意義があると私も思っております。

 学校給食は、栄養バランスの取れた食事の提供によりまして、特に、子供たちの健康の保持増進、また望ましい食習慣の形成、また地域の食文化、産業への理解、委員のお地元では給食オリンピックでも賞を取られたと私、記憶をしているところでございます。また、御自宅の方で、実は、栄養バランスをしっかり考えている御家庭だけではない中で、給食の意味が大変大きいという中にありまして、また、生産者への感謝の気持ち、これを作ってくれたお米農家や、お野菜や、また漁師さんたちに感謝の気持ちを育むなど、子供たちの食に関する理解を深めるための生きた教材として、まさに重要な役割を果たすものと認識をしているところでございます。

 非常に、戦後の厳しいときの学校給食と違っておりまして、私は、違った、栄養バランス、また御家庭における栄養の取れなかったところの補足としての意味など、総合的なところでまさに重要性が増しているというふうに思っているところでございます。

波多野委員 ありがとうございます。

 ただ食べればいいというわけではなくて、やはり、教育としての食という部分が学校で給食が提供される意味かなというふうに思っております。

 もう一つ、増えてきている要因というのも併せてお聞きできればというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

望月政府参考人 給食の意義につきまして、今大臣から御答弁をさせていただきました。

 学校給食の実施につきましては、法令上、学校設置者に対しまして努力義務が課せられているところでございます。これまでも、研修会等の機会を捉えまして、学校給食法の考え方あるいは学校給食が有している教育的意義につきまして、学校あるいは教育委員会等に対して周知をいたしまして、学校給食の普及促進を図ってきたところでございまして、その結果もあって学校完全給食の実施率が向上したものというふうに考えているところでございます。

波多野委員 ありがとうございます。

 まさに、文部科学省の方がこういった意義をしっかりと伝えて、学校の方が、努力義務の中、自主的にやっているということで、大変分かりました。ありがとうございます。

 そういった学校給食が増えていく中、私が住んでいる福井県永平寺町の方も、学校給食の無償化を小中、行っております。子供がいる私からしたら本当にありがたい制度でありますし、実際に学校給食の無償化に取り組む自治体も本当に増えてきているということで、昨年の調査では、全国の千七百九十四自治体の中、七百七十二自治体が何らかの形で無償化を実施しているということで、二〇一七年の約四%からは大幅に増加をしているというふうに認識をしております。

 こういった学校給食の無償化に取り組む自治体が増えているその理由、要因などを分かっていらっしゃったら、教えていただければというふうに思います。よろしくお願いいたします。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 議員御指摘の、今年六月に公表いたしました学校給食に関する実態調査におきまして、各自治体が学校給食費の無償化の実施に至った経緯、政策目的についても調査をしたところでございます。

 その調査結果によりますと、保護者の経済的負担の軽減、子育て支援との回答が約九割と最も多く、次いで、少子化対策、定住・転入の促進、地域創生の順に回答が多いという結果となったところでございまして、自治体独自の子供、子育て支援策の一環として給食の無償化というものが増加したものと考えておるところでございます。

波多野委員 ありがとうございます。

 経済的支援というところで実施している自治体が多いということで、先ほど大臣の方からも、今回いろいろ力を入れて取り組みたい中に教育の負担軽減という話もありましたけれども、その一つにもなり得る施策かなというふうに思っております。

 ただ、私も基礎自治体にいていろんな話を聞きますと、やはり、給食無償化の財源というものが、自治体の自己財源だったりとか、あとは地方創生臨時交付金、あとは、ふるさと納税、そういったものを充てている。

 私自身もふるさと納税の事務をしていたことがありまして、やはり、毎年確保するのはすごく難しいんです。やはり、上限があって、それを当てにするとなると、なかなか財政を、その入ってくる歳入を当てになかなかできないという部分があると、学校給食というのも、ふるさと納税とかそういった交付金という部分で、いつ終わるか分からない、いつ急に歳入が減るか分からない、そういったところで不安な部分もあると思います。

 ただ、そういった中で、自治体からも多くの要望が出てきているのかなというふうに思いますけれども、今いろいろ調査をしているところということで聞いておりますが、学校給食無償化に対する支援や対応について、いつ頃までに結論を出して、どういうふうに進めていくのかという見通しがあれば、お聞かせ願えればというふうに思います。よろしくお願いいたします。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 今年六月に公表いたしました、先ほど申しました学校給食の実態調査の結果を踏まえまして、給食未実施校や、実施校でも喫食していない、つまり具体的に、食べることができていない児童生徒には恩恵が及ばないといった児童生徒間の公平性の問題、あるいは低所得者世帯の児童生徒は既にこれは無償化されているという支援対象の妥当性のこと、あるいは、いわゆる三位一体改革によりまして地方に税源移譲、一般財源化といった経緯を踏まえた国と地方の役割分担や、少子化対策としての政策効果など、考えられる課題につきまして、年末をめどに整理をしたいというふうに考えてございます。

 他方、今回の補正予算におきまして、学校給食費の保護者負担軽減を含む重点支援地方交付金の推薦事業メニュー分として〇・六兆円が計上されたところでございまして、まずは、文部科学省といたしましては、教育委員会等に対してこの積極的な活用を促しまして、その状況や、他の子育て支援、政策等の効果等も踏まえての対応について、検討をしてまいりたいと考えてございます。

波多野委員 今回の補正予算でもそういった交付金がという話はありますけれども、やはり、それがどれだけ続くかというのが自治体としてはすごく不安なところでもありますので、恒久的な財源の確保をできたらなというふうに思っておりますし、何より、全国の自治体から要望があるということは、それだけ地域の保護者の方々からの声があって要望が上がってきているということなので、まだ先の見通しは立っていないということですけれども、是非、ここまでに結論を出すというところ、さらには前向きにやっていくんだという姿勢を見せていただければなというふうに思っております。

 今、学校給食の話をさせていただきましたが、そこに学校給食を作る人たちもいますので、次に調理員さんの話もさせていただきたいなというふうに思います。

 実際、今、学校給食が、いろんな効率化若しくは合理化という背景の中で、委託が進められているというふうに思います。市町村の学校で七三・二%、指定都市で九五・二%と、高い委託率が示されていますけれども、そういった中、物価の高騰とかそういったところで、委託による弊害というか、そういったものがあれば、何かしら文部科学省の方で把握している事例があれば、是非教えてください。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 学校給食の調理業務の委託につきましては、昨年、自治体等と契約を締結していました給食事業者が業務不履行に至り、一定期間、給食の提供がなされないという事態も発生したという事例がございます。

 こうした状況を踏まえまして、学校における食事提供等の安定的、継続的な運営を図る観点から、昨年十一月に、各自治体に対しまして通知を出しまして、契約の途中でエネルギー価格や食料品価格、労務費等の価格変動や最低賃金額の改定が生じた場合には、契約金額の変更や受託事業者への支援などを適切に対処すること、また、複数年にわたる契約を結ぶ際には、あらかじめ賃金又は物価の変動に基づく契約金額の協議及び変更等について規定をすることなどを含めまして、委託契約の適正な実施を周知したところでございます。

波多野委員 ありがとうございます。

 また、調理員さんが働く調理場のことですけれども、毎年気温が上がって暑い日が続いておりますけれども、給食の調理場の空調、単独調理場で八三・六%、共同調理場で九一・四%ということで、設置は高い率でされているんですけれども、この中にスポットクーラーが含まれているんです。となりますと、学校の給食の衛生管理基準を満たす温度や湿度を保てないというところが、単独調理場で五一・三%、共同調理場で三六・六%もある。

 こういった現状について、どう考えているのか。また、是非、この空調の交付金もありますけれども、しっかりとこうした基準を満たしていない自治体に対してどう対応していくのか、そこのところを教えていただければと思います。よろしくお願いいたします。

笠原政府参考人 お答えいたします。

 給食施設の衛生環境を改善し、給食調理に携わる教職員の健康を確保するため、給食施設への空調設備の設置を進めることは重要であるというふうに認識をしてございます。

 このため、文部科学省におきましては、委員御指摘の全館空調が可能な空調設備を給食施設に整備するために必要な経費につきましては、学校施設環境改善交付金による国庫補助を行っているところでございます。また、全国の地方公共団体における学校施設整備のニーズにしっかり応えられるよう、給食施設における空調整備を含む公立学校の施設整備につきまして、令和六年度補正予算におきまして、まず二千七十六円を計上させていただいておりますし、令和七年度当初予算案におきましても、所要額を計上する方向で調整をさせていただいております。

 文部科学省といたしましては、給食施設への空調整備も含めて、補助事業の内容を紹介する通知ですとか各種説明会を通じて周知を行っていきたいというふうに思ってございます。

 いずれにしましても、計画的に学校給食施設への空調設備の設置を行うことができるよう支援をしてまいります。

波多野委員 ありがとうございます。

 やはり、大事なところは、基準を満たす温度や湿度でしっかりと調理ができるというところだと思います。設置しているかどうかというよりかは、そっちの、基準を満たした設備かどうかがすごい重要なところだと思いますし、何より調理員さんたち、暑い中で火を使って給食を作る、そういった部分ではすごい大変な仕事ですし、あとは、やはり温度、湿度をしっかり保てないと、食中毒も含め、いろいろな問題が出てきますので、こういったところ、しっかりと取り組んでいっていただきたいなというふうに思います。

笠原政府参考人 再度、委員御指摘のとおり、空調設備、調理に携わる教職員の健康を確保するために進めてまいりたいと思います。

 それで、先ほどちょっと補正予算におきまして、二千七十六というふうにお話をさせていただきましたけれども、二千七十六億円でございます。失礼いたしました。

波多野委員 ありがとうございます。

 そうしたら、次は、小学校の教職員の処遇について。

 あべ大臣の挨拶の中にも、公教育の再生の要は教師であるという言葉があり、また私も全く同感だと思いますけれども、私自身の周りの教職員の方々も本当に大変な中働いていて、実際、報告によれば、過労死ラインのそういった時間外労働というのが、小学校で一四・二%、中学校で三六・六%もある。

 そんな中で、文部科学省としては、教職調整額の方を一三%まで引き上げていく、そういった意気込みはすごく分かるんですけれども、これが実際実現したときにどういった効果が得られるのか、また、財源の確保とかそういったところの見通しがどうなのかというのを教えていただければと思います。

あべ国務大臣 まさに、教育は人なりと言われるように、学校教育の成否はまさに教師に懸かっているところでございますが、学校の先生方の魅力をしっかりと向上させていきながら、教師に優れた人材を確保していくことが重要な中にありまして、この教師の処遇については、人材確保法におきまして、優遇措置が講じられなければならないというふうに私も思っているところでございます。

 現在、この優遇分は〇・三五%と僅かになっておりますので、この教職の調整額の率を引き上げていくことで、人材確保法の制定後の優遇分をしっかりと確保することを目指しているところでございます。こうした教師の処遇改善と併せて、学校の働き方改革の更なる加速化と学校の指導、運営体制の充実、一体化、総合的に推進させていただきながら、教師に優れた人材を確保するための環境整備を図ってまいります。

 また、財源確保に関しましては、地方への影響、これも含めまして、財政当局と調整を進めてまいります。

波多野委員 教職員が働く環境が本当に大変な状況で、実際、ここで引上げをされたとしても、今働いている、それにやっと見合うような形になっていくのかなと思っております。なので、ここをしっかりと上げていただいて、教職員が今働いている、それに見合った待遇を是非実現していただきたいなと思う一方で、ただ給料が増えても、給料が増えたんだからより働けよというところは対応できないという声も聞いております。なかなか今増えたからといって更に働けと言われても働けない、そういった声も、本当に切実な願い、聞いております。

 そういった中で、財源がなくてもできる部分でいいますと、学習指導要領の見直しによって、今、英語の教育ですとかプログラミング教育とかも追加になって、それに対応する教職員も大変。更に言えば、子供たちが、六時間授業が週の四とかあって、うちの子供たちも、帰ってきたら、ああ、疲れたって、下手したら、時々、ああ、忙しいと言って帰ってくるんですよ。子供に忙しいと言わせる、こういった学校教育はどうなんだというふうにも思いますので、そういったところでは、この学習指導要領の見直しとか、そういった部分に関して、指導要領を減らしていく、内容を減らしていくということはどう考えているのかというところと、指導要領の改訂の今後の見通しなどあればお聞かせ願います。よろしくお願いします。

あべ国務大臣 教育課程の実施に伴う負担の御指摘に関しまして、私ども、この負担や負担感が生じている構造を丁寧に議論していくことが本当に重要だというふうに思っておりまして、令和六年の九月の有識者会議におきましての論点整理、ここでも、学習指導要領の解説のみならず、教科書、また入試、また教師用の指導書の影響も含めた全体を捉えた上で、過度な負担が生じにくい仕組みを検討すべきだというふうにまさにされているところでございまして、改訂の時期は決まっておりませんが、今後の教育課程の在り方につきまして、十二月二十五日の中央教育審議会で諮問する予定でございまして、さきに述べました視点を踏まえながら、審議の過程で丁寧な検討を行ってまいりたいというふうに思います。

波多野委員 もう時間もあれですので、是非、私も、こうして地元の教師の声、しっかりと届けていきますので、こういった処遇、待遇の改善、一緒にしていきたいなと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。

中村委員長 次に、佐々木ナオミ君。

佐々木(ナ)委員 立憲民主党、佐々木ナオミでございます。(発言する者あり)ありがとうございます。

 神奈川県の県西部の方から参りました。三市九町の自治体がある、そして海、山、川に恵まれた小田原や箱根、また秦野や南足柄といった観光地もあるような地域から参りました。

 私は、市議、県議と十八年間地方議員として活動してまいりましたが、こうして国会の中で衆議院議員として質問するのは初めてですので、大変緊張しておりますが、頑張ってまいりたいと思います。

 それでは、早速質問に入らせていただきます。

 今回は、日本語指導が必要な外国人児童生徒の支援について、まずは伺ってまいります。

 先ほど大臣からもありましたように、文科省が今年八月に発表した二〇二三年度の調査結果によりますと、公立中小高校などに在籍する日本語指導が必要な児童生徒、過去最多、六万九千百二十三人、その数は十年間で約二倍、そして、注目すべきは、前回二年前の調査から増加幅が過去最大の一八・六%も増えている、この急増の状況であります。

 国の在留資格の変更に伴い、今後も外国人が増えていくことが予想され、令和元年六月、日本語教育の推進に関する法律も成立して、国も尽力をしておりますが、この急速に増える外国籍の児童生徒に現場の指導が追いついておりません。ましてや、学校外に支援を求めても、先ほど地域の日本語指導の補助支援員のお話もありましたけれども、そもそも、外国人が少ない自治体はそのノウハウも財源も乏しく、そして、学校への支援に行く人もなかなか少ないという中で、学校現場の負担感を減らすことが難しい状況にあります。

 学校現場の負担感を減らすこと、そして、何よりこれからこの国で学び育つ外国籍の子供たちに、まずは日本語の指導により、共通言語によるコミュニケーションを確保をしていくこと、そして、地域コミュニティーの一員として共に生きていく、共生社会の実現のために、国として注力すべきテーマだと考えております。

 実は、このテーマは、私が市議会、県議会と自治体議員としてずっと取り組んでいた思い入れのあるテーマでもあります。政治家になる以前の二十年前、私自身が、地元の小学校に通う小学一年生の外国籍の児童の支援をボランティアで行っておりました。フィリピンからやってきたそのお子さんは、英語も、そして母国語であるタガログ語も話せないという状況で、意思の疎通がままならず、そして何の専門知識もない私であったので、十分な支援が行えず、学校でみんなと一緒に学べず、まさに取り残されている現状を目の当たりにいたしました。この状況を変えていきたい、そんな思いで市議会、県議会と課題解決に取り組んでまいりましたが、やはり国が人材と財源をしっかりと充てなければ、地方自治体の支援、充実をしていかない、このことを痛感しております。

 今回、改めて現場の皆さんからお話もお聞きしてまいりましたが、この二十年前からの状況、今も変わらず大変な状況で、何とかしてほしいという切実なお声を伺ってまいりました。

 例えば小田原市では、現状、外国籍の児童生徒、学校の中で一人とか二人とかという学校が大変に多い状況であります。そのために、県の支援の枠からも外れていて、市の単独事業で有償ボランティアさんによる派遣事業をずっと行っております。しかし、人材不足と財源の問題から、受ける児童生徒側、これが月に二回ほどしか受けられない。これでは全く足りないので、学校側が、地域で外国人の支援をする無償のボランティアさんを独自で探して対応してくださっているという状況です。

 また、私の地元である、世界に冠たる観光地であります箱根町、今ここが、コロナ以降、観光客がインバウンドも含め増え続けておりますけれども、受入れ側の日本人労働者が不足し、その影響で、ここ数年、観光産業は外国人人材に支えられている実態があります。

 これに伴い、この数年で外国籍の児童生徒が急激に増え、十年前は全生徒に対し〇・一%しかいなかった外国籍の児童生徒が現在は四・七%にまで増加し、さらに、児童生徒の国籍も様々で、対応できる人材が地元で全く見つからず、現場の先生方が大変に苦慮しているということでございます。

 先ほどの文科省の調査結果、日本語指導が必要な児童生徒の在籍人数が五人未満の市町村が全体の約四割と出ております。私の地元である小田原や箱根と同様の課題を抱える自治体は決して少なくないのではないでしょうか。

 大臣の所信表明でも、日本語指導が必要な外国人児童生徒について言及がありました。先ほど、大臣からは、誰一人取り残されないことが大事だという御答弁もいただいたところでございます。

 この日本語指導が必要な児童生徒の支援において、まさに取り残されている、児童生徒が少ない散在地域の問題に、どう受け止め、どう対応していくのか、まずは大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

茂里政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のありました、日本語指導が必要な児童生徒の件でございます。

 現在、在籍する公立の小中学校一万二百六十六校のうち、その約七割に当たります七千百四十三校は在籍人数が五人未満であり、日本語指導が必要な児童生徒は散在していると考えられます。

 また、外国人児童生徒等が散在している地域におきましては、こうした児童生徒の受入れ経験が少ないといったことも見られるわけでございます。その上で、適切な指導体制が構築されていない、これは今ほど御指摘があったとおりでございます。

 そのため、文科省では、令和五年度より、散在地域における教育委員会と関係機関が連携したネットワークというものを構築しようと考えております。それに加えまして、ICTを活用した遠隔での児童生徒の実態把握の方法、体制を開発しようというところでございます。

 なかなか一遍に進むものではございませんが、一歩一歩着実にこういった事業を実施しながら、しっかりと支援体制を構築してまいりたいというふうに思ってございます。

佐々木(ナ)委員 是非大臣のお言葉を聞きたかったのですが、ちょっと残念ですが。

 その中で、先ほどありました、ICTを活用した教育支援、そういうことを、ネットワークを構築してということになっております。恐らくこれは、今文科省の方が行っているきめ細かな支援事業のメニューとして取り組まれているものなのではないかというふうに認識をしております。

 今、一歩一歩というところですが、子供たちの成長は一年一年大事です。これが、先ほど申し上げたように、私、二十年前の状況と変わらない状況だということに愕然としておりますので、これは早急に本来やらなければならないことだと思います。そうした中で、このきめ細かな支援事業、是非ともしっかりと増額をしていただきたいと思っております。

 例えば、神奈川県、今この事業を活用しまして、五自治体に支援を行っております。やはり、限られた財源の中で、どうしても外国籍の子供が多い地域に行きがちなところでもあるんですね。だけれども、この散在地域でこれを活用していくのを是非とも行わなければならないと思っております。是非ともそれをお願いしたい。

 それからもう一つなんですが、この事業の補助率なんですが、これは三分の一が自治体負担となっております。私がおります神奈川十七区は、三市九町、小さな町がたくさんあります。先ほど申し上げた町も、財政的には大変厳しい。この三分の一の自治体負担が手を挙げにくい状況をつくっております。

 この二点、どのようにお考えか、お答えいただきたいと思います。

茂里政府参考人 お答え申し上げます。

 今議員御指摘のありました予算事業、きめ細やかな支援を行う事業、略してきめ細と言っているわけですけれども、このきめ細の事業が、やはり、市町村、そして都道府県に非常に好評と伺っております。この事業の拡充に向けて鋭意努力してまいりたいというふうに思います。

 加えまして、補助率の話でございます。確かに三分の一でありますが、国全体の補助事業の中で、やはりその並びということで三分の一とさせていただいているところでございます。

 必要な見直しはるるやりながら、都道府県そして市町村の意見を聞きつつ、その事業の充実を図ってまいりたいと思います。

佐々木(ナ)委員 是非市町村の御意見を聞いていただきたいと思います。なかなか財源が厳しいというところで手が挙げられない、その中で、取り残されている子供たちがいまだいる。現場の先生方、それから地域の外国籍の支援をしていただく方たちも本当に胸を痛めています。是非よろしくお願いしたいと思います。

 それから、もう一つなんですけれども、昨年度の調査、先ほどから、行われている調査でも、日本語の指導の必要な児童生徒のうち、その約一割は日本語の補習などの支援を受けていなかったということも書いてありました。そうした児童生徒が学校や地域コミュニティーから孤立してしまうこと、これが一番学校の先生方が心配をしているところでございます。

 先ほど申し上げたように、きめ細かな支援や、また今回、国の方では特別の教育課程の制度化、こういうことに取り組んでいることは重々承知はしているんですけれども、そうした中でも、指導できる人材が見つからない、またこの教育課程の制度化に入っていかないような中で、例えば箱根町では、外国籍の子供を校長先生自らが対応してくださっているということもお聞きしました。

 地元からは、特別な教育課程、しっかりとどの子供にも安心して受けられるように、自治体単独では難しい、複数の自治体で広域的に支援する仕組みができないかという声もいただいております。

 こうしたことに対応する仕組み、国として支援ができないでしょうか、お尋ねいたします。

茂里政府参考人 お答え申し上げます。

 自治体には様々な規模がございまして、基礎自治体、市町村に対しての支援と同様に、都道府県に対する支援があると考えております。

 特に、その空白地域をなくすための取組として二つ考えておりまして、一つは、やはり、広域自治体であります都道府県に対する支援。これは、都道府県がキーとなりまして、各その域内の市町村の状況を見極めつつ必要な支援を行うということを進めているところでございます。これが確実に進むように、先ほどのきめ細事業の充実も含めて取り組んでまいりたいというふうに思います。

 また、基礎自治体の中でも、空白の地域を放置している状況が見受けられるところもあります。そういったところには、国として積極的に、都道府県を超えまして、基礎自治体にこのきめ細事業の活用について呼びかけているところでございます。

 いずれにしても、国、都道府県、市町村、そして関係機関と協力しながら、しっかりと子供たちの支援を進めていきたいと思います。

佐々木(ナ)委員 是非、国、県それから市町村と連携をしっかりとしていただきたいと思います。

 私、やはり、市議、県議とやってきた中で、どうしても、いろいろな課題にぶち当たると、いや、県がとか、いや、国がとかという話になるんですね。何となく、この責任のなすりつけ合いの中で現場が疲弊し、そして結局そのツケを払うのは子供たちであったりします。こういうことは絶対になくしていきたいという思いでおりますので、是非、そのことも含め、また、日本語教育の必要な子供に関してはやはり国が責務を持つというふうに法律の中でもうたっておりますので、是非ともしっかりと行っていただきたい。また今後も、この問題、取り組ませていただきたいと思っております。

 そして、もう一点、この日本語教育の中で大事だなと思っているのは、日本語教室に地域で取り組んでいるボランティアの問題であります。

 先ほどの大臣からの所信表明の中にも言及がございました。この日本語教室に取り組んでいるボランティア団体、私の神奈川県西地域では、小田原市内に一、又は、実動しているのは二団体しかありません。小田原市以外の周辺市町は、いわゆる日本語教室の空白地域となっております。

 先ほど申し上げましたように、学校での支援が十分でない中で日本語教室に通ってくる児童生徒さんもいるというふうに聞いておりますが、神奈川は、私の十七区、大変広い地域でありまして、小田原にある日本語教室に、山北であるとか箱根であるとか、そういうところから生徒さんが一時間ほどかけて電車賃を使って通っているということでございます。

 教室に通ってくるのは、ただ日本語を学びたいだけではなくて、例えば暮らしの問題、友達の関係、進学に関することなど、多岐にわたる困り事を日本語教室のボランティアの皆さんが受けているということで、これが小田原にしかない中で、もっと充実していかなければいけないとは思っているんですけれども、やはり、ボランティアさんの高齢化や、そして人材不足というところで、なかなかやってくださっている方も疲弊をしているという状況でございます。

 この空白地域をなくすために、地域日本語教育の総合的な体制づくり推進事業に取り組まれているのは承知しておりますが、年々減ってきているとはいえ、まだ現状四割程度ある日本語教室の空白地域の解消、是非強化していく必要があると思いますが、御見解をお願いいたします。

あべ国務大臣 本当に、様々なボランティアの方々から御支援いただいている中で、人材が確保できない地域もあるということも聞いております。そうした中で、我が国の在留外国人、令和五年の十二月末には三百四十二万人ということで、過去最高となっているところでございます。その中で日本語学習者は二十六万人を超えている段階でございますが、やはり、そういう外国人の方々が自立して生活していく上で必要な日本語能力を身につけられるように、地域で日本語教育環境を整備することが重要なところでございますが、委員御指摘のように、三八・九%の市町村、ここが日本語教育の設置されているところでございまして、日本語教室の空白地域が本当に多いということを私どもも理解しておりまして、この地域差の格差をどうしていくかという課題に関しましては、やはり、日本語指導の補助者また母語の支援員を配置していくなどの自治体の補助事業で支援しているほかに、人材が確保できない地域に関してはオンラインを活用とした遠隔支援も考えられるところでございまして、これも補助事業の対象としておりますので、これからもしっかりと、日本語指導が必要な外国人児童生徒に対する支援は積極的に取り組んでまいります。

佐々木(ナ)委員 是非積極的にお願いしたいと思うんです。ただ、ICTの活用というのは、基本的には私は補助的な役割だと思っております。やはり人、人が大事だと大臣もおっしゃっていただいたので、人材確保をしていかなければならない。それには、やはり、ボランティアでやっていらっしゃる方たちの活動費、これも大変苦慮しているということでございます、それがしっかりと、県からでもよいのですが、確保できるような取組、国も現場を見て行うべきと思うんですが、御見解をお願いいたします。

茂里政府参考人 お答えいたします。

 ただいままさに御指摘のありましたとおり、地域における日本語教育の充実のためには、人材の確保が難しい地域においてもしっかりと日本語教育の機会を確保していく、拡充していくということが重要だと考えております。

 このため、文部科学省といたしましては、幾つか取組を進めております。まず、質の部分でございますが、日本語教師や学習支援者の養成、研修ということを行ってございます。また、都道府県等における人材育成を含めました、地域日本語教育の総合的な体制づくり、プラットフォームの支援を行っております。また、各市町村に対する地域日本語教育コーディネーター等の配置により、日本語教育の開設支援、こういったことも行ってございます。さらには、十九の言語によるICTの教材の、これは教育コンテンツでございますけれども、こういった教材提供も行っているところでございます。

 こういったことをしっかりと組み合わせながら、取組を進めてまいりたいと思います。

あべ国務大臣 済みません、先ほどの意見に関してはしっかりと受け止めさせていただきながら、ちょっと訂正がございまして、日本語教室の設置の空白地が三八・九%でございました。失礼しました。

佐々木(ナ)委員 ありがとうございます。

 時間となりましたので、最後に要望を申し上げさせていただきたいと思います。

 深刻な人材不足の中で、外国人人材を入れるのは国の国策でございます。そして、その定着に向けて、家族帯同を進めていくのも国の方向性です。そうであるなら、子供たちの支援、国が責任を持って取り組むべきと思っております。

 これから更に増えていく日本語指導が必要な児童生徒へ、来日したときからしっかりと支援を行う責務が国にあるのではないでしょうか。子供にとっての一年は大きい、その後の人間形成にも影響します。支援がないまま不登校になる児童生徒、また、高校生に至っては中途退学者の数も増えているということでございます。

 外国籍の児童生徒がこの社会の担い手として育っていくのか否か、文科省のこれからの支援の充実に懸かっています。様々申し上げましたが、財政的な支援も含め、是非ともしっかり取り組んでいただくことをお願い申し上げまして、私からの質問を終わりといたします。

 ありがとうございました。

中村委員長 次に、坂本祐之輔君。

坂本(祐)委員 立憲民主党の坂本祐之輔です。

 それでは、質問をいたします。

 現在、国民民主党と自民党、公明党の間で、大学生などの子供を扶養する親の税負担を軽減する特定扶養控除の年収要件百三万円からの引上げについて協議されていることと承知をいたしております。

 この特定扶養控除の引上げについては、手取りを増やすという経済対策としての考え方はよいと思いますが、教育対策の観点から考えたとき、私としては疑問を持っております。この特定扶養控除の年収要件の引上げについては、年収百三万円の壁の引上げとは異なるもので、経済対策という視点のみで安易に進めると誤ったメッセージを発することになるのではないかと懸念をいたしております。

 そもそも、特定扶養控除は、子供が大学など高等教育機関に進学することで家庭の教育費負担が増すことから、その親の税負担を軽減するために設けられている制度であります。現状は、百三万円までは特定扶養控除を受けられます。

 学生が百三万円近くまでアルバイトをする、又は、百三万円を超えてアルバイトをしたい理由としては、学費や学生生活を送るための生活費を学生自身が負担していて、さらに、それだけの収入がないと学費の支払いや学生生活に支障があるからなのではないでしょうか。

 長期にわたり停滞する実質賃金と近年の物価高騰により、家庭からの支援はより一層厳しくなる一方で、大学など高等教育にかかる学費、学生生活にかかる生活費は増加し、学生を取り巻く経済環境はますます厳しくなってきております。奨学金を利用する学生も増加しており、独立行政法人日本学生支援機構の令和四年度学生生活調査結果によれば、大学学部昼間部で何らかの奨学金を受給している学生の割合は五五%となっております。

 むしろ、今考えなくてはいけないのは、奨学金を利用しても、更に百三万円以上稼がないと大学などで高等教育を受けることができないのであれば、その高等教育の仕組み、在り方を改めることを考えるべきではないかと思います。

 また、別の視点からですが、仮に東京で最低賃金の時給千百六十三円で現状の特定扶養控除が適用される百三万円までアルバイトをしようとすると、年間で八百八十五時間働くことができます。十二か月で割ると一月当たり七十三時間。この時間を、学業を本分とする学生が働く時間としてどのように考えるか。さらに、今回の特定扶養控除の年収要件引上げでもっと働くことができるとしたらどうなのか。働く時間が増えれば、学業にかける時間が短くなる可能性も大いにあります。

 大学など高等教育機関での学業や研究が軽視されているのではないかと感じてしまうのは私だけでしょうか。大学など高等教育機関に進むということがどういうことか、大学などで学ぶということがどういうことか、国として高等教育というものをどのように捉えているのか、そういったことをいま一度考え直さなければいけないのではないかと思います。

 今年の三月十三日のこの委員会で、当時の盛山文科大臣と大学など高等教育の在り方について議論させていただきましたが、やはり高等教育ですから、学びたいと高い志を持つ若者が学費など経済的な心配がなく学業や研究に専念できる環境を整備すること、すなわち大学改革、高等教育改革こそが必要であり、現在のような状況を放置してきた文部科学省に根本的な問題があると私は考えております。

 特定扶養控除の年収要件の引上げについては、引き上げることについては国民民主党、自民党、公明党の間で既に合意し、現在引上げ幅については協議中のようですが、あべ文部科学大臣としては、この特定扶養控除の年収要件引上げについてどのように考えているか、答弁をお願いいたします。

あべ国務大臣 この百三万円の壁に関しましては、政党間の議論でございまして、文部科学大臣としてコメントすることは控えさせていただきたいと思います。

 また、アルバイトに費やす時間、実は学生にとっても様々であるというふうに承知をさせていただいているところでございますが、いずれにいたしましても、文部科学省といたしましては、学生が学業にしっかりと取り組みつつ、希望する学生についてはアルバイトとも適切な形で両立できることが重要であるというふうに考えております。

 また、文部科学省といたしましては、経済的な理由で学生が学びを諦めることが決してないように、授業料等の減免、奨学金などの経済支援について充実を図ってきたところでございまして、引き続き、学生の経済的な負担の軽減に努めてまいります。

坂本(祐)委員 特定扶養控除の年収要件の引上げについて、国民民主党が取り上げ、多くの大学など高等教育機関に通う学生やその保護者の皆さんから支持の声が上がったことについて、あべ文科大臣、そして文科省は十分に反省をしなければならないのではないかと私は思います。

 大臣も先日の所信的挨拶の中で、人づくりこそ国づくり、そして高等教育機関の使命を述べられた上で、高等教育の質の向上を図るとおっしゃられました。あべ大臣にはその発言のとおり御対応していただきたいと思います。

 次の質問に移ります。

 我が国の少子化が止まりません。厚生労働省が発表している人口動態統計によりますと、昨年の出生数は確定数で七十二万七千二百八十八人で過去最少、対前年四万三千四百七十一人減少となりました。さらに、先月十一月五日に発表された今年一月から六月までの六か月間の出生数は三十二万九千九百九十八人でした。今年も前年を下回る可能性があると同時に、七十万人を割ってしまう可能性も出てきています。

 これまでも指摘してきましたが、少子化が止まらない大きな要因の一つに教育費、特に大学など高等教育にかかる費用が大き過ぎるという問題があると私は考えております。文部科学省が作成している国公私立大学の授業料等の推移という資料があります。配付をさせていただきました資料一でございますけれども、仮にその資料の金額を使って計算すると、令和五年度で入学金と四年間の授業料を合わせて、国立大学はおよそ二百四十万円、公立大学はおよそ二百五十万円、私立大学はおよそ四百万円になります。子供が二人で、二人とも私立大学に通えば、およそ八百万円です。このほかにも、施設整備費、教科書代、実家を離れれば家賃などの生活費も増えてまいります。

 子育てにおいて大学など高等教育にかかる費用は、高校生までにかかるものと比べても一桁違うと思います。多くの親御さんとしては、子供を授かるときには、子供に苦労はさせたくない、できれば大学まで不自由なく行かせてあげたいと思っていると思います。しかし、実際には、親の賃金が増えず、物価も高騰している中で、学費などを出してあげたくても出してあげられず、奨学金を利用したり、先ほども特定扶養控除の収入要件の引上げのところで話しましたけれども、子供自身がアルバイトをして学費を稼がなくてはいけない、そのようなケースが増えているのだと思います。このような状況の中で、子供を産もう、もう一人産みたいとどれだけの人が思うでしょうか。

 岸田前総理がおっしゃっていた、少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンスであります。これまでも言い続けてきましたけれども、大学など高等教育の学費の無償化、軽減をすぐにでも行わないと、ラストチャンスを逃します。我々立憲民主党は、国公立大学の授業料無償化、私立大学や専門学校に対して国公立大学と同額程度の負担軽減を掲げております。

 あべ大臣に伺います。大学など高等教育の学費の無償化、軽減を早急に行うべきと考えますが、いかがでしょうか。

あべ国務大臣 高等教育の無償化におきましては、国におきましては、これまで低所得世帯を対象に、授業料の減免と給付型奨学金の支給を併せて実施してきたところでございます。

 その上で、こども未来戦略に基づきまして、令和六年から給付型奨学金の多子世帯及び理工農系の中間層の拡大を行うとともに、令和七年からは、子供三人以上を扶養している場合、子供が定めた一定の額まで大学等の授業料、入学料を無償としているところでございます。

 限られた財源の中でございますが、やはり、財政的な理由で教育を諦めないということをまずは優先させていただきまして、文部科学省といたしまして、こういう教育費の負担の軽減を着実に進めさせていただきながら、その実施状況、効果を検証させていただきながら、引き続き教育費の負担軽減に取り組んでまいりたいと思います。

坂本(祐)委員 私はかねてより、日本経済の長期停滞の大きな要因の一つに、様々な将来に対する備えや不安からお金が貯蓄に回ってしまい、うまく循環していないのではないか、このような問題があると考えております。

 大学などへの進学には数百万円の規模の費用がかかります。子供が生まれると、大学などへの進学に向けて貯蓄が始まります。数百万円の学資保険に入る家庭もあります。さらに、日頃の生活の出費を抑えたり、多少の余裕があっても使うのを控えたりして、子供の大学進学に向けて少しでも多くの生活費を貯蓄に回すのは当然のことであると思います。

 経済活動が最も活発になるこの子育て世代がこのように経済活動を縛られている状況を考えれば、日本経済が活性化しないのも当然であると私は思います。大学など高等教育にかかる学費が日本の発展にとって大きな足かせになっていることからも、これを無償化又は軽減し、子育て世代の経済活動を活発にすることは、必ずや日本経済の再生に、そして活性化に資するものと考えております。

 あべ大臣に再度伺いますが、大学など高等教育の学費の無償化、軽減化を早急に少しでも前に進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

あべ国務大臣 先ほど申し上げましたが、まずは、令和七年度からの多子世帯における授業料等の無償化を着実に進めてまいります。その上で、教育の機会均等、少子化対策の観点から、その効果を見定めつつ、引き続き教育費の負担軽減を着実に進めてまいります。

坂本(祐)委員 今決断できなければ、必ずや我が国の将来に禍根を残すことになると思います。我が国の少子化や停滞する経済の深刻さをいま一度よく考えていただきたいと申し上げさせていただきます。

 次に、学校給食の無償化について質問をいたします。

 今国会に入って、我が党の野田代表からも学校給食の無償化について質問がありましたが、私も質問させていただきます。

 私は、今年の二月七日の予算委員会において、岸田前総理に対し、学校給食を無償化するよう要請いたしました。岸田前総理からは、全国ベースの実態調査を行って、公表を六月までに行い、その上で、課題を整理して、結論を出していくとの答弁をいただいておりました。

 六月十二日に、学校給食に関する実態調査の結果が公表されました。そして半年が過ぎましたが、いまだに結論は出されず、石破総理からは、岸田前総理と同じく、課題を整理するとの答弁であります。そして、今回も重点支援地方交付金での対応です。

 学校給食の無償化を行わない理由に、岸田前総理も石破総理も、児童生徒間の公平性を挙げています。文部科学省の学校給食に関する実態調査では、千七百九十四自治体中、七百七十五自治体において、何らかの形で令和五年度中に学校給食費の無償化を実施しているとのことであります。自治体間の公平性はどうなのでしょうか。義務教育における給食において自治体間でこれだけ差があること、これをこのまま放置してよいのでしょうか。隣の市では給食が無償なのに、自分の市では無償ではないという状況が、今、全国各地で起こっているということであります。児童生徒間の公平性とともに、自治体間の公平性が大きな問題になっていると考えております。

 そのほかにも、以前にも申し上げておりますが、教職員の給食費徴収の負担や、給食費未納による子供への心理的影響の問題もあります。

 重点支援地方交付金による支援は今回で最後にして、来年度からは、文部科学省として、しっかりと予算措置をして、国の責任で全国一律に学校給食の無償化を実現するべきと考えますが、大臣、いかがでしょうか。

あべ国務大臣 お答えさせていただきます。

 現下の物価の状況を踏まえますと、いわゆる給食費に係る保護者負担の軽減はまさに喫緊の課題でございます。

 自治体のかなりの違いがあるということも委員の御指摘のとおりでございまして、今回、令和六年の補正予算におきましては、給食費の保護者負担軽減を、まず、重点支援地方交付金のうち、推奨事業メニュー分として〇・六兆円を計上させていただいたところでございまして、今、文部科学省としても、教育委員会などに対して積極的な、まずこちらの活用を促すことによって、地域の実情に応じた迅速かつ柔軟な支援につなげてまいりたい。

 また、その上で、委員御指摘の学校給食の無償化につきましては、先ほど委員の御指摘のありました今年六月の実態調査のところで様々課題が出てきたところで、今年の末までにその課題の整理をするところでございますが、喫食しない児童生徒に恩恵が及ばない、また、低所得世帯の児童生徒には既に無償化されているという、この支援対象の妥当性と、さらには、委員御指摘のようなところのほかに、三位一体改革の税源移譲と一般財源化、これを図った経緯を踏まえた、国と地方がどのように役割分担をしていくか、また、少子化対策としての政策の効果、さらには学校給食法の在り方のいわゆる法制面なども含めて、年末を目途にしっかりと整理をさせていただくところでございます。

坂本(祐)委員 是非これは早急に実現をしていただきたいと考えますが、学校給食の無償化をやらない理由として政府が掲げている、給食未実施校や、実施校でも喫食しない児童生徒には恩恵が及ばないといった、児童生徒間の公平性についてでありますが、これは二月七日の予算委員会でも訴えましたけれども、私の考え方としては、給食未実施校の児童生徒や、実施校でもアレルギーなどを理由に喫食しない児童生徒も、お弁当は持っていっていると思います。お弁当を作るのにも当然お金はかかります。さらに、物価高騰で食料品は値上がりしています。お弁当に入れる冷凍食品も値上がりしています。値上がりしていないなと思うと量や数が減っている、こういうこともあろうと思います。令和の米騒動がありました。米の値上がりがありました。現在、スーパーのセールでは、安くても米騒動前の一・五倍、通常は二倍くらいになっているのではないでしょうか。

 むしろ、お弁当持参の家庭の負担はより一層大きくなっており、現状において、学校給食にかかる家庭負担とお弁当持参による家庭負担とを比べた場合、お弁当持参の家庭の方が負担額が相当大きくなっている可能性が考えられないでしょうか。

 給食未実施校の児童生徒や、実施校でもアレルギーなどを理由に喫食しない児童生徒など、給食の恩恵が及ばない児童生徒には、学校給食相当額を支給することで、学校給食がある児童生徒との公平性は確保でき、かつ、お弁当にかかる負担の軽減にもつながるのではないかと考えております。この点について、あべ大臣の見解をお伺いいたします。

あべ国務大臣 学校給食でございますが、児童生徒の心身の健全な発達に資するところでございまして、また、食に関する正しい理解、また適切な判断力を養う上で重要な役割を果たすものでございまして、学校給食法によりまして、各学校の設置者に実施の努力義務が課されているところでございます。

 このため、国が給食の未実施校などに対しての、児童生徒の保護者に対して給食費の相当額の現金給付を行うこと、これは必ずしもこうした学校給食法の趣旨に沿うものではないというふうに私ども考えております。

 繰り返しになりますが、学校給食費の無償化については、児童生徒間の公平性、支援対象の妥当性、国と地方の役割分担、政策効果といった観点、法制面などから課題の整理を進めてまいります。

坂本(祐)委員 いろいろお伺いいたしましたけれども、私立の小中学校についてもですけれども、給食の未実施校の児童生徒や、実施校でもアレルギーなどを理由に喫食しない児童生徒など、給食の恩恵が及ばない児童生徒に対して給食相当額の支給による対応が可能であれば、私立などの小中学校に通う児童生徒にも同様に給食相当額の支給という形で支援でき、全ての小中学生に給食無償化の恩恵が行き渡ると思います。

 学校給食費の無償化を実現する際には、私立の小中学校についても同時に対応していただきたいと考えますが、大臣、いかがでしょうか。

あべ国務大臣 学校給食法におきましては、私立学校も含めた上で、学校の設置者に学校給食の実施の努力義務が課せられているところでございます。

 先ほども答弁させていただきましたように、国が給食の未実施校の児童生徒の保護者に対して給食費相当額の現金給付を行うことは、必ずしもこうした学校給食法の趣旨に沿うものではないというふうに考えております。

 繰り返しになりますが、私立学校も含め、学校給食費の無償化に関しましては、児童生徒間の公平性、支援対象の妥当性、また国と地方の役割分担、政策効果といった観点、法制面から課題の整理をしっかりと進めてまいります。

坂本(祐)委員 是非、課題の整理をしっかりと進めていただきたいと思います。

 また、給食の恩恵が及ばない家庭にとって大変なのは、経済的な負担だけではないと考えます。お弁当は、毎朝作り続けることだけでも大変なことです。働きながらであればなおさらです。お子さんにアレルギーなどがある場合も大変だと思います。このようなことも考慮に入れていただきながら、早急に学校給食の無償化を決断していただければと思います。

 次に、GIGAスクール構想について質問いたします。

 あべ大臣からも、所信的挨拶の中で、一人一台端末は、個別最適な学びと協働的な学びに不可欠な公教育の必須ツールです、そして、デジタル教科書の導入やCBTシステムの充実により、児童生徒の学びの充実を進めますとの発言がありました。まさに、我が国では、義務教育段階における一人一台端末の整備が完了し、デジタル教科書の導入、活用が進められているところだと思います。

 しかしながら、十月二十二日の読売新聞に、「スウェーデン 端末重視で学力低下 教科書「紙」に回帰」との記事がありました。これも、参考資料二でございます、御覧になっていただければと存じますが、その記事によりますと、IT先進国のスウェーデンで、二〇〇六年には学習用端末の一人一台配備が広まり、教科書を含めデジタル教材への移行が進んだ、だが、昨年、学習への悪影響があるとして、紙の教科書や手書きを重視する脱デジタルに大きくかじを切ったとのことです。また、授業での端末の使用により、子供たちの集中力が続かない、考えが深まらない、長文の読み書きができないという影響があったとの事例も紹介されました。

 子供たちにとっても、デジタルの活用やデジタルの対応は大変重要であり、学校において活用していく重要性も十分認識はしておりますが、このスウェーデンの事例は無視できない重要な前例であると思います。

 大臣に伺います。このスウェーデンの事例をどのように受け止めているでしょうか。また、スウェーデンの事例のように、学力が低下してしまう、では、使用しない方がよいということになりますので、今後、我が国のGIGAスクール構想を進めていくに当たって、授業での端末使用が子供の学習にどのような影響があるか、しっかりと確認しながら進めていくべきと考えますが、いかがでしょうか。

あべ国務大臣 いただきました資料も見させていただきながら、スウェーデンにおける事例を含めまして、ICT教育に関しましては、実は様々な御指摘がございます。

 そうした中で、我が国の調査におきましては、考えをまとめ、また、発表、表現する場面でICTを活用していきながら課題解決に取り組む学習活動を行っている学校の児童生徒は、各教科の正答率が高いということが出ています。一人一台端末やデジタル教科書を併用した学習と、紙の教科書と、また紙のワークシートで学習を比較した結果、記憶テスト、理解テストの結果は同様といった結果も実は出ております。

 また、ICTを活用することで、不登校、また、病気療養中の児童生徒、特別な支援を要する児童生徒の学びの保障に実は大きく寄与していることも分かっているところでございます。

 引き続き、諸外国の状況も注視するとともに、授業での端末使用の効果について確認をさせていただきながら、GIGAスクール構想を進めてまいりたいというふうに思います。

坂本(祐)委員 終わります。ありがとうございました。

中村委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午後零時十三分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

中村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 この際、文部科学大臣から発言を求められておりますので、これを許します。あべ文部科学大臣。

あべ国務大臣 済みません、答弁の訂正でございますが、坂本議員から、大学等の無償化につきまして、子供が定めたと言っておりましたが、国が定めた一定の額の間違いでございました。失礼いたしました。気をつけます。

中村委員長 質疑を続行いたします。高橋英明君。

高橋(英)委員 日本維新の会の高橋英明でございます。

 では、所信質疑をさせていただきます。

 大臣、国家百年の大計は教育にあり、まさにそのとおりだと思いますけれども、私は、来年でもう戦後八十年になりますけれども、この間に我が国は本当の敗戦国にさせられてしまったと考えております。その大きな要因の一つは、やはり教育にあるというように思っています。

 そして、今回、所信で、公教育の再生、これをうたっていますけれども、要は教師ということですけれども、もちろん、教員の待遇改善、これは非常に大切だというように思いますけれども、やはり一番大切なのは、どんな教育をするか、これは当たり前だと思うんですけれども。そういった部分で幾つか質問をさせていただきたいと思うんですが、今、少子化、非常に我々の国家においては重大な問題になっていますけれども、私は、少子化の要因も、一つには教育にあるというように思っているんですね。

 教育にはお金がかかるだとか、子育てにはお金がかかって大変だ、大変だ。大変だ、大変だばかり言っていたら結婚するのが嫌になってしまいますけれども、やはり、結婚して子供を持って、家庭の大切さ、家族のよさとか、そういったものをきちんと伝え、教えるべきだというふうに思っているんですけれども、そういった部分で、そういった家庭の教育ですか、今の現行の教育ではどのようになさっているのか、お聞かせください。

あべ国務大臣 高橋委員にお答えさせていただきます。

 本当に、家族の大切さをしっかり教えていくことはまさに重要だというふうに思っているところでございまして、我が国の将来を担っていく子供たち、発達の段階に応じて、家族の大切さ、また、それぞれの役割などを学んでいくことが大変重要であると、委員の御指摘のとおり、私どもも思っているところでございます。

 学校教育におきましても、義務教育段階を通しまして、学校指導要領に基づきまして、今、家族や家庭の在り方などについて教育を行ってきたところでございます。

高橋(英)委員 ちゃんと教えているんですか。具体的に教えていただけますか。

あべ国務大臣 私ども、この学校指導要領の中でも、現行のところでございますが、例えば、特別の教科、道徳というのがございまして、その中では、命の、生命の大切さや家族愛、また家庭生活の充実、また、小学校の家庭科の中では、家庭生活と家族の大切さ、さらには、中学校の技術・家庭科におきましては、家族や地域の人々と協力をして家庭生活を営む必要性という教育を行うこととしているところでございます。

 文部科学省といたしましては、各種の教員の研修、また、優れた授業のアーカイブの配信をしておりまして、それを通じまして、学習指導要領に基づく教育の推進を図るとともに、次期の学習指導要領の検討におきましても、この指導上の成果、課題をよく分析させていただきながら、更なる充実を図ってまいるところでございます。

高橋(英)委員 教科書に載っているだけでは駄目だと思いますので、これは必ずやっていただきたいというように思います。なるべく重きを置いてやっていただきたいと思います。

 やはり、子供の頃から家庭というのはいいものだなというふうに思うのと思わないのでは、これは大きな違いが生まれますので、私なんか家族がいなかったらもうとても生活できないなと思っていますけれども、是非これはしっかり教えていただきたいというように思います。

 そして、次に移りますけれども、午前中、小山さんかな、からも質問がありましたけれども、やはり、将来、国がどんな国家を目指すか、社会を目指すかというふうに、将来像をきちんと示して、だからこういう教育をする、しなければいけない、これは当たり前なことだというように思うんですけれども。

 今の教育ですね、私は、競争を是としていないような教育が散見されると思うんですけれども、こういう教育を受けて育って社会に出た子供がどのような国を形成していくのかというふうにちょっと想像すると、ちょっと想像できないんですけれども、社会に出たら競争があるのは当たり前ですし。

 この競争を是としない教育、これに関して考えをお聞かせください。

茂里政府参考人 お答えいたします。

 教育は、一人一人の輝く個性を持つ子供たちがその可能性を最大限伸ばしていけるようなものとすべきと考えております。

 そして、そうした多様な子供たちが集う学校は、子供たちがお互いに異なる考え方に触れたり、時には切磋琢磨、そして今御指摘がありました競争して勝ったり負けたりする中で、互いに認め合いながら一層自らの力を伸ばしていく教育の機会を提供するべきものと考えております。

 また、学校は、決して狭い意味での勉強だけを行うところではなく、多様な教育活動を通じまして、子供たちの知徳体、これを一体として育んでいく場所であり、引き続き、全ての子供たちの可能性を最大限に引き出す教育に取り組んでまいりたいと思います。

高橋(英)委員 私の地元の秘書に、二人かな、ゆとり教育世代がいるんですけれども、彼らが言っているのは、僕らは犠牲者ですと。僕らは犠牲者ですと言っているんですね。

 だから、おかしな教育というのがやはり絶対にあったんだと思うので、こういったものは、間違いは間違いでやはり認めて、どんどんどんどん直していかないと絶対に駄目だというように思うので、そういった意味で、しっかり、過去のいいものは絶対あるんだから、過去に立ち返るというのも必要だなというふうにも思いますし、是非ちょっとそういった考え方を持っていただきたい。

 とにかく、将来像、国家の将来像をしっかりと描いていただきたいというように思います。

 ちょっと教育基本法のところで、「日本国憲法の精神にのっとり、我が国の未来を切り拓く教育の基本を確立し、その振興を図るため、この法律を制定する。」と教育基本法にあるんですけれども、要は、やはりこれは日本国憲法だと思うんですよ。やはり、与えられた憲法じゃなくて、日本独自の憲法をしっかりと、日本人に合ったものを作って、そして教育もそれに準じてやっていくというのが私は絶対に必要だというふうに思っています。

 憲法改正も踏まえて、大臣のお考えをお聞かせください。

あべ国務大臣 文部科学省におきましての、教育基本法の趣旨を踏まえながら、私ども、幼児教育、保育の無償化、高等学校等の就学支援金による授業料の支援とか、また、高等教育の修学支援新制度など、学校の段階全体を通じた教育の無償化、負担軽減に努めてきた中にございますが、また、そうした中で、今委員のおっしゃった憲法改正についてでございますが、この文部科学大臣の立場で具体的にちょっとお答えすることは控えさせていただきたいところでございますが、家庭の経済事情にかかわらず、誰もが希望する質の高い教育を受ける機会が得られるように、しっかりと取り組んでまいります。

高橋(英)委員 何で控えるのかがよく分からないんですけれども、自民党さんの党是だともいうふうに思いますので、しっかりお願いしたいなというふうに思いますけれども。

 では、次に移らせていただきます。ちょっと外国人児童生徒について。

 私、地元、川口市なんですけれども……(発言する者あり)ああ、じゃなくてね。めっきり全国的に有名になってしまいましたけれども。でも、いい町なんですよ、本当は。

 非常に外国人が多いですね。不法滞在者を入れたら、恐らくもう人口の一割ぐらいになっているんだと思います。

 そして、ほかにもやはり外国人の多い町というのは結構あると思うんですけれども、ほかとやはりちょっと違うところは、ほかの多いところは、例えば大きな工場があるとか、会社があって、大きな工場があって、そこに外国人が集まって、だからその町には外国人が多いとか、そういったケースがやはり多いと思うんですけれども、そういったケースの場合は、どこで何をやっているかが明確になるじゃないですか。だから、会社でも教育してくださいよとか、そういったことも言えるんだろうと思うんですけれども、この川口市の場合は多種多様ですから、どこから、いつの間に来ているのかもよう分からぬ外国の方々もいるので、非常にこれは対応が難しいんですね。

 ある学校だと、生徒の半分が外国人とか、こういうところもあるんですよ。何か、第二外国語が日本語になるんじゃないかみたいな。これは笑い事じゃなくて、本当にそんな学校もあるんですよね。

 そういった川口市をちょっと念頭に置いていただきたいんですけれども、日本語指導教員、今、十八人に一人と言われているんですけれども、これは、十八人とか、余り決め打ちにしないでいただきたいな。もっと実は多くしていただきたいんですよ。

 学校に聞くと、これは、学校というのは面白いですね。校長先生、教頭先生に聞くじゃないですか。どうですかと聞くと、いや、うちの学校はうまくやっていますよと、どこの学校へ行っても同じことを言うんですよ。そんなわけないでしょう。そんなわけないんですよ。PTAに聞くと、いやいやいや、とんでもない、もう学級崩壊状態です、こう言うんですね。

 だから、やはり一人でも多くそういった指導者がいた方がこれはいいに決まっているので、ちょっとこの点、考えをお聞かせください。

茂里政府参考人 お答え申し上げます。

 今議員の御指摘のところは、教員の定数であったり、加配の話だと思います。

 きめ細かな指導を行うには、教員の充実というのは数的にもこれは不可避だと思っております。そのために、文科省といたしましては、財政当局に対して、教員の加配の話であったり、サポートするスタッフの増員について今要求しているところでございます。

 今御指摘がありました、日本に住む外国人児童生徒の指導についても、しっかりと教員の数を確保すると同時に、取り出した授業がしっかりとなされるような環境整備をしっかり図っていきたいと思っています。

高橋(英)委員 先ほど言った、十八人に一人という、これにはこだわっているんでしょうか。

望月政府参考人 先生御指摘のとおり、学校において、日本語能力に困難を抱えた児童生徒も増えているということでございます。

 日本語能力に応じた特別な指導を行うための教員を安定的に確保していくこと、これは重要と考えてございまして、このために法律改正をさせていただきまして、平成二十九年のまさに義務教育標準法の改正によりまして、御指摘のとおり、十八人に一人という定数算定が可能となるように、これは令和八年度までに、計画的に、十年間で定数改善を行っているところでございます。

 この定数改善をしたことを踏まえまして、各自治体においては、それぞれの地域の実情に応じて、必要な教員の配置をしているところでございます。

 まずはこの現在進めている計画を着実に進めていくことが必要というふうに考えているところでございます。

高橋(英)委員 これは、聞いたところでは、国から県でという話なんだと思うんですけれども、これは県と市で協議をして、例えば川口市は多いから十人に一人でいいですよと、県と協議をして、それが成り立つようなら可能なんでしょうか。

望月政府参考人 それぞれの教職員の定数につきましては、先ほど申し上げました法律に基づきまして、都道府県の方に国が、小中学校は三分の一負担、地方財政措置は三分の二という全額を交付する形で措置をしておりまして、具体的な教員の配置につきましては、都道府県と市町村の方で、状況に応じまして、協議したり話していただきながら配置をするということになろうかと思います。

高橋(英)委員 ということは、県と協議がまとまれば、十八人にこだわらなくて十人でもオーケーだということでよろしいんですね。再度、ごめんなさい。

望月政府参考人 今の具体の教員の配置につきましては、任命権者である都道府県教育委員会におきまして、地域や学校の実情を踏まえて適切に行っていくということでございます。

高橋(英)委員 分かりました。ありがとうございます。では、しっかりと県と協議をすれば可能だということだというように分かりましたので、ありがとうございます。

 次に移りますけれども、先ほど、半分ぐらいが外国人だという学校があるというふうに言いましたけれども、これは受入れ体制なんですけれども、一つのところにやはりどうしても固まっちゃうのかなと思うんですけれども、例えば、もうここの学校は外国人は何名までとか、そういったやはり縛りを設けたりできないのかというのと、あと、これはちょっと、近い将来だと思うんですけれども、北朝鮮がもう崩壊間際じゃないかなんて言われていますけれども、そうすると、恐らく日本に難民が来るんだと思うんですね。これはもう出稼ぎじゃなくて本当の難民ですからね。そうなると、彼らは何を頼るか、どこを頼るかというと、やはり親戚縁者だと思うんですよ。川口は、在日の方々が非常に多いんですね。そうすると、そういった方々も、子供も含めて、また川口が増えるような恐らく状況になるんだろうなというふうに思っているんですね。

 だから、そういった部分で、受入れ体制というのは教育機関としてはどのように考えているのか、お聞かせください。

茂里政府参考人 申し上げます。

 外国人の子供の公立義務諸学校への受入れにつきましては、希望がある場合には、国際人権規約等を踏まえまして、日本人と同一の教育を受ける機会を保障しているところでございます。今御指摘がありました、上限を設けているようなことはございません。

 御指摘がありました、難民が押し寄せた場合の対応につきましては現時点で具体的な検討をしているわけではございませんが、そのような場合には、出入国在留管理庁を始め関係機関とも連携の上、政府全体で適切に対応してまいりたいと思います。

高橋(英)委員 子供の国際条例に日本は、我が国は批准していますので、それは分かるんですけれども。やはり、でも、何か、無計画でどんどんどんどん入れるというのは、これは絶対駄目だというように思いますので。そして、今、難民の話もありましたけれども、これは早急にやった方がいいですよ、絶対に。いつなるか分からないし、今、育成就労だとかいろいろありますけれども、大体、無秩序状態になっているのでね。

 これはやはり、日本として、しっかりと、外国人の受入れはどうしなきゃいけないのかというのは、これは入管だけじゃないですから、こういった学校関係者も絶対に関わっていることなので、これは早急にやはりつくっていかなければいけないというふうに思っていますので、ちょっと大臣の考えを聞かせていただけますか。

あべ国務大臣 この外国人の子供たちの件に関しましては、やはり国際人権規約を踏まえまして、当該市町村の義務教育段階の公立学校に受け入れるということでございまして、今、そういう形で、非常に難しい中でございますが、やはり私ども、国際人権規約をしっかりと踏まえていくという対応を今段階ではさせていただいているところでございます。

高橋(英)委員 いずれにしても、日本独自の受入れ方というのは早急につくらないといけないというふうに思いますので、今後も、この文科委員会のみならず、ほかの委員会にも出て、ちょっと質疑はやっていきたいというように思っています。

 そして、次に移りますけれども、具体的に、自分の町だから川口市なんですけれども、仮放免中で退去命令が下った、下る保護者、これからどんどん出てくると思うんですけれども、その子供たちというのも学校に通っている子もいるんだと思うんですが、その子供たちに対する対応はどのように考えているのか。

あべ国務大臣 我が国におきましては、在留資格のない外国人の子供であっても、居住の実態があって、その保護者が希望する場合におきましては、国際人権規約、先ほども申し上げましたが、等を踏まえまして、当該市町村の義務教育段階の公立学校に受入れをしているところでございまして、退去強制令書の執行に関しては、実は出入国在留管理庁の所管業務でございまして、これについて学校が関わることは想定していないところでございます。

高橋(英)委員 想定していないから駄目なんだと思いますよ。これは絶対に関わりが出てくるんだから、想定した方がいいですよ。

 これは、要は、親が退去命令が下った、子供もやはりスムーズに一緒に退去できるようにしっかりケアしなきゃいけないと思うんですが、その点はいかがですか。

茂里政府参考人 この外国人の問題、特に、今御指摘がありました、外国人の退去命令の問題につきましては、文科省の所掌を超えるところでございます。

 ただ、それは、様々な意味で影響があるということも事実でございますので、外務省、法務省、そういった関係省庁としっかりと連携を図ってまいりたいと思います。

高橋(英)委員 だから、もう完璧に文科省も巻き込まれていますからね。これは完璧にもう巻き込まれているんですよ、現場ではね。巻き込まれているので、そして、やはり子供をアンカーにして帰らないとか、そういうことがあっては絶対にならないので、その辺のしっかりとしたケアをしていただきたいんですけれども、大臣、どうですか。

あべ国務大臣 私ども、やはり、外国人の子供の受入れに関しましては、国際人権規約を踏まえているということがまず前提条件になっておりまして、日本人と同一の教育を受ける機会を保障しているということが前提でございます。

 いずれにいたしましても、様々なことがありましたとき、また、出入国の在留管理庁を始め関係機関とも連携の上、しっかりと対応をしてまいりたいというふうに思いますが、いずれにいたしましても、私ども、国際人権規約、まずそれを踏まえた上での対応をさせていただきたいということでございます。

高橋(英)委員 国際人権規約、それはもう重々分かっているので。子供には責任がないとよく言いますけれども、それは重々分かっているので。やはり、同等の教育が受けられるようにというのは非常に分かりますけれども。ちなみに、トルコというのは教育無償化なんですよね。知っていましたか、大臣。まあ、いいや。無償化なんですよ。だから、逆に日本より進んでいるんじゃないかなというふうにも思っているんですけれども。

 とにかく、大臣は所信で、私は現場にどんどん行くんだみたいなことを言っていましたので、是非、ちょっと川口に来てくださいよ。現場をしっかりと目で見ていただきたいと思いますので。お願いします。

あべ国務大臣 外国人の児童生徒が多く在籍して日本語指導に取り組んでいる学校の現状も、まだいろいろな現状を確認させていただくために、機会があれば視察させていただきたいと思います。

高橋(英)委員 一時間かからないですから。行くのにはね。視察時間を加えるともっと要るんだろうけれども。是非見ていただきたいと思います。結構ディープですから。是非お願いしたいなというように思います。

 では、次に行きますけれども、文科省の予算なんですけれども、税収が上がって予算がどんどんどんどん増えているのに、何で文科省だけ増えないんですか、これ。

西條政府参考人 お答えいたします。

 今委員御指摘の点でございますけれども、喫緊五年間、文部科学省所管の一般会計の当初予算額でございます。五年前、令和二年度におきましては五兆四千百五十二億円。この場合、このときには、消費税率の引上げに伴う対応の措置も取られていましたので、それを除くと五兆三千六十億円でございます。一番喫緊でございます令和六年度は五兆三千三百八十四億円となってございます。

 ただ、いずれにいたしましても、これは毎年度必要な予算というのを確保させていただいているというように我々の方では考えてございます。

高橋(英)委員 では、もう要らないということですか、これ以上。必要ないということですか。

あべ国務大臣 引き続き、必要な予算をしっかり確保し、十分に施策を進めて実行することができるよう、委員の御指摘も踏まえ、頑張ってまいります。全力で取り組んでまいります。(拍手)

高橋(英)委員 いえいえ、ここでは終わらせられませんけれども。

 大臣が考えている予算、考えていることを実行するには、予算はどのぐらいあればいいんですか。

あべ国務大臣 どれぐらいあるかというのは一概には申し上げられませんが、限られた財源、また、財源を確保したときに、その財源が次世代に負担になっていかないかということも全体的に考えた上で私ども決めさせていただきたいと思いますので、引き続き、頑張りますから、委員の応援をよろしくお願いします。

高橋(英)委員 いや、もちろん応援するんですよ。もちろん応援します。

 概算要求だと結構増やしていますよね。どのぐらい増えていたかな、四千億ぐらい増えていたんでしたか。まあ、いいや。とにかく増えているので、これはしっかり財務省とやり合ってくださいよ。是非お願いしたいと思いますので、ちょっと決意のほどをもう一回お願いします。

あべ国務大臣 しっかり頑張ります。

高橋(英)委員 やはり先立つものがないと、いろいろな計画を立てていますけれども、駄目だというように思いますので、是非お願いをしたいと思います。

 そして、冒頭も言いましたけれども、本当に我が国は敗戦国にさせられたと私は本当に思っているので、これを正すには時間がかかるかもしれないですけれども、やはり教育からしっかりと見直していかなければいけないというように思いますので、是非ともその考えは常に持っておいていただきたいというように思います。

 では、現場、川口でお持ちしておりますので、今日は以上とさせていただきます。ありがとうございました。

中村委員長 次に、藤巻健太君。

藤巻委員 日本維新の会の藤巻健太でございます。

 本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。

 それでは、早速質問の方に移らせていただきます。

 まず、いじめ問題についてちょっとお尋ねさせていただければと思っております。

 大臣の所信で、いじめ重大事態に言及されておりました。学校内でのいじめを完全にゼロにするというのは現実問題としてなかなか難しいのかもしれないんですけれども、少なくとも、被害児童を自殺に追い込むような本当に残忍ないじめ、これはゼロにすべく、国としても最大限の努力をすべきというふうに私は考えております。

 このような深刻な、取り返しのつかない、そんな結果を生んでしまうようないじめが起きたとき、教育委員会だったり学校、あるいは担任の先生、対応がどうだったかとか地域の連携がどうだったかとか、そういうような話によくなるんですけれども、確かに、教育委員会あるいは学校の側の責任が全くないとは言わないんですけれども、被害児童を集団で肉体的に精神的に追い詰めて自殺まで追い込んでしまうような事件において、圧倒的に悪いのは、やはり責任があるのは、罪を犯してしまったのは、これは加害児童本人たち以外何物でもないというふうに私は考えておりますけれども、大臣のお考えをお聞かせください。

あべ国務大臣 いじめは決して許されず、いじめによって貴い命が奪われるようなことは決してあってはならないと思います。そうしたいじめの問題が発生する背景、実は様々な要因がございまして、個々の事案に応じて、関係する児童生徒に対応していく必要があります。

 いじめの加害児童生徒に関しては、自らの行為の悪質性を理解させるとともに、日頃の警察との連携を通じた加害の状況を踏まえての措置、学校教育法に基づいた懲戒や出席停止などの毅然とした対応を行うことが必要でございます。また、そうした中に、あわせて、加害児童生徒が抱える課題と家庭環境、事案の内容も踏まえつつ、必要な指導、支援を行ってまいります。

 そうした中で、実は今、いじめに関しては、風土の調査というのもちょっと始めておられまして、いじめているという感覚が、実は、本人はそうでもないつもりである子たちも確実にいる中にあって、そういうことは実はいじめなんだということも含めた教育も必要だというふうに考えているところでございまして、文部科学省としては、加害児童生徒に対する適切な指導、これは、いわゆる学校全体の文化、風土も含めた上で徹底していきながら、いじめの未然防止、早期対応、再発防止、特に、いじめは始めないということが大切なので、しっかり取り組んでいきたいと思います。

藤巻委員 様々な要因があると言っていたんですけれども、逆に言うと、私は、様々な要因があると言って責任の所在を不明確にすることがやはり問題だというふうに思っています。

 それから、今、いじめている認識がない子供もいると言っていましたけれども、それは、確かに一般的な、普通のいじめであったらそのロジックは通じると思うんですけれども、被害児童を自殺に追い込むようないじめで、いじめている加害者たちがいじめている認識がないなんということは、通常、ありませんよ。もしいじめている感覚がなかったら、やはり、その加害児童は人間として、正直、圧倒的に問題だと思います。人を追い込んで自殺に追い込んでしまったけれども、いじめている認識がないなんということは、はっきり言って、ちょっと厳しい言い方をするけれども、通常の人間であれば、そんな感覚はあり得ません。やはり、特に重大ないじめに関しては、重大ないじめに関してですよ、自殺に追い込んでしまうような重大ないじめに関しては、やはり加害児童が圧倒的に悪いというふうに私は考えておりますので、意見として述べさせてください。

 近年の重大ないじめに関して、加害児童本人たちに法的にどのような処分が下されたか、お答えください。

吉田政府参考人 公刊物によりますと、例えば次のような事案があるものと承知しております。

 すなわち、被害者に対して不当な現金の要求をしたり、空き巣を命じたりして、被害者をいじめの対象としていた当時少年の被告人が、共犯者とともに、被害者に凶器を用いて一方的に暴行を加えて死亡させた傷害致死の事案について、懲役刑の実刑判決が言い渡された事案、あるいは、被害者に使い走りをさせたり、汚れた池に入らせたり、橋の欄干から川に突き落としたりして被害者をいじめていた当時少年の被告人が、共犯者らとともに、被害者を岸壁から海中に転落させて溺死させた傷害致死の事案について、懲役刑の実刑判決が言い渡された事案などがあるものと承知しております。

藤巻委員 そういうような事例において、いじめている、いじめという言葉すらもはや違うと思うんですけれども、いじめている実感がないなんというのは、ちょっと、大臣の認識、甘いんじゃないでしょうかね。これはもういじめじゃなくて、ほぼ殺人事件だと思うんですけれども、いじめの認識がないなんという、いじめはいろいろな要因がありまして、本人たちはいじめている認識がないなんという甘い認識をすべきではない。それはもう、あくまでも本当に一般的な、ささいなという言葉を言っていいのか分からないですけれども、小さないじめであって、本当に重大ないじめにおいて、そんなロジックは私は全く通用しないと思います。

 実刑判決があったと思うんですけれども、これは懲役何年とかというのは分かりますか。

吉田政府参考人 先ほど、一つ目に申し上げた事案については、判決によりますと、懲役七年以上九年以下という不定期刑が言い渡されているものと承知しております。また、二番目に申し上げた事案については、懲役二年以上三年以下の不定期刑が言い渡されているものと承知しております。

藤巻委員 二、三年ですよ。そんなに残忍な、もう殺人事件と言わせていただきますけれども、殺人事件を犯して、たった二、三年。二、三年少年院に入って、けろっとして出てきて、けろっと人生を過ごしていく、生きていくと。果たしてそんなことが許されるんでしょうかね。

 私、酌量の余地のない殺人などの凶悪な犯罪に関しては少年法の適用除外とすべきというのが私の政治信条であります。

 この話は少年法に大きく関係してくるところではあるんですけれども、被害児童を自殺に追い込むような凶悪ないじめに関して、これはもう、やはり、先ほどから繰り返しているように、明らかに悪いのは、明らかに罪を犯したのは加害児童本人たちであるということを明確にすべきだと思います。人を肉体的に精神的に追い込んで自殺に追い込むような、これはもう、大人であろうが未成年であろうが、社会的にも法的にもやはり厳罰を受けるべきだというふうに考えております。

 少年法を改正すべきだというふうに私は考えているんですけれども、重大ないじめ事件において、加害者の責任を明確化して、社会的にも法的にも厳しい罰を下す、これは、被害者を自殺に追い込むようないじめは国家として絶対に許さない、そういう強い意思を示すことこそが抑止力につながるというふうに、そして、その抑止力がいじめの自殺者をなくすことにつながるというふうに私は考えております。

 いじめによる深刻な結果は減っていません。大臣所信にありますように、むしろ増えています。これは、今までの対策では駄目だったということです。このままでは、いじめで命を落とすような子供たちがなくなりません。行動すべきというふうに私は考えるんですけれども、お考えをお聞かせください。

高村副大臣 お答えいたします。

 現行の少年法において、家庭裁判所は、死刑、懲役又は禁錮に当たる罪の事件について、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは検察に逆送しなければならないとして、いわゆる逆送について定めております。

 また、家庭裁判所は、故意の犯罪行為により被害者を死亡させた罪の事件であって、その罪を犯すときに十六歳以上の少年に係るものについては原則として逆送の決定をしなければならないとしていて、いわゆる原則逆送について定めております。

 さらに、特定少年、すなわち十八歳又は十九歳の少年については、罪名にかかわらず、その罪質及び情状に照らして刑事処分を相当と認めるときは逆送しなければならないと定めております。

 その上で、検察官は、家庭裁判所から逆送を受けた事件について、公訴を提起するに足りる犯罪の嫌疑があると思料するときは、公訴を提起しなければならないと定めております。

 このように、現行少年法は、個々の事案において、少年の特性も踏まえつつ、必要に応じ厳正な刑事処分を科すことも可能な制度となっております。

 また、一般論として申し上げれば、検察当局においては、家庭裁判所から検察官に逆送された少年の事件を含め、刑事事件の捜査、公判を遂行するに当たり、関係機関と連携しつつ、法と証拠に基づき、悪質な事情を含め適切に主張、立証することで厳正な科刑の実現に努めており、引き続き適切に対処していくものと承知をしております。

 その上で、令和四年四月に施行された少年法等の一部を改正する法律の附則では、政府において、施行後五年を経過した場合に、罪を犯した十八歳以上二十歳未満の者に係る事件の手続及び処分並びにその者に対する処遇に関する制度の在り方等について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとされているところであり、改正後の規定の施行の状況並びにこれらの規定の施行後の社会情勢及び国民の意識の変化等を踏まえて、不断の検討をしてまいりたいと思います。

藤巻委員 少年法が厳罰化の方向に進んでいるということは私も認識しております。さらに、悪質な事件に関して、少年法がどうあるべきなのかというのは法務省内でも引き続き検討を続けていただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 いじめの加害者、これはもう、責任をやはり明確化して、社会的にも法的にも厳しい罰を下すべきだと思います。それを抑止力とすべきだと思います。国家として、法務省、文科省、もちろん連携していただいて、被害者を自殺に追い込むようないじめ、これは絶対に許さないという強い姿勢を示していただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

 時間も限られていますので、続いての質問に移ります。

 大臣の所信で、女子中高生の理系選択者の増加に向けた取組を推進するとありました。その取組についてお答えください。

井上政府参考人 お答え申し上げます。

 女子中高生の理系選択者が少ない要因といたしまして、女性にとって理系進学後のロールモデルに接する機会が不足していることや、女性に理系分野の進路は向いていないという本人や保護者の意識等が影響しているものと考えられております。

 こうしたことを踏まえまして、文部科学省では、第六期科学技術・イノベーション基本計画や、女性活躍・男女共同参画の重点方針に基づきまして、女子中高生の理系選択者の増加に向けて総合的に取り組んでおります。

 具体的には、女子中高生に対して、ロールモデルとなる研究者等との交流機会の提供や、出前講座の実施、保護者や教員への働きかけへの支援、また、大学の理工系分野における女子学生の確保を含む多様な入学者を確保する選抜の促進、大学が民間企業等と連携して行う理工農系の女子学生の修学や卒業後の活躍機会の確保の取組の促進などに取り組んでいるところでございます。

藤巻委員 理系の魅力を伝えて、女子生徒に理系を選択してもらって、女性の理系の方を増やすという考え自体には私も賛同するところであり、全く異論ないところであるんですけれども、さっきありましたように、各学校の入試における女性枠というのには私は反対しております。

 近年、大学の理工系学部を中心に、入試において女性枠の実施をするところが増えております。女性枠というのは、つまるところ、本来合格すべき学力のある男子生徒を意図的に不合格にして、本来合格できない学力の女子生徒を合格させるということだと思います。

 これは、女性枠というと、女子生徒が増えていいことじゃないかというふうにメリットだけに目を向ける人が多いんですけれども、その裏では、本来合格するはずの男子生徒が不合格にさせられているという事実から目を背けるべきではないと思います。大学には定員があるわけです。入試制度を操作して女子生徒を無理やり増やすというのは、当然、男子生徒を無理やり減らすということと表裏一体になるはずです。

 これは、科学者になりたい、技術者になりたい、研究者になりたい、その夢に向かって一生懸命勉強を頑張って、何とか合格点に達した男子生徒に対して、女子学生を増やすために女子枠を設定したから、大学は定員があるわけですから、その分男子学生を減らさなきゃいけない、本来なら君は合格できる学力があったけれども、女子学生を増やさなきゃいけないから、君は不合格で、夢を諦めてください、そんなことが果たして許されるんでしょうか。

 男女は完全に平等でなければいけない中で、こんな男女不平等が許されるんでしょうか。男性であるというだけで大学に不合格になる、夢を諦めなくちゃいけない、そんなことが許されるんでしょうか。

 これは、まさに男女不平等の極み、男性差別の極みだというふうに考えるんですけれども、大臣、お考えをお聞かせください。

あべ国務大臣 理工系学部を卒業した学生、男女問わず産業界などにおいて幅広く活躍していくことが求められているところでございまして、これまで男性が多数を占めてきた理工系の分野におきまして、多くの女性が活躍していくことが特に今期待されているところでございます。

 こういう背景も踏まえまして、令和五年度の大学入学者選抜の実施要項から、理工系分野における女子を含む入学者の多様性を確保する選抜の実施を工夫することが望ましいとしたところでございまして、各大学の取組が進むことを期待しているところでございます。

 一方で、このような選抜を実施する場合、委員がおっしゃるような逆差別ととらわれることがないよう、その趣旨や方法が合理的であることについて社会に対して丁寧な説明を行うことがまさに必要でございます。また、入学志願者の学力についても適切に評価した上で各大学が合否判定をすることが重要であるというふうに考えております。

藤巻委員 逆差別と捉えられることがないようにというか、私は、逆差別そのものだというふうに思います。

 女子生徒数を増やしたいというのは、何度も言うように、賛成です。だったら、入試を操作して合格者数を無理やり増やすんじゃなくて、女性の入学希望者数自体そのものを増やせばいいじゃないですか。

 例えば、女性の入学希望者百人のうち三十人が受かるという、倍率三倍というような試験があったとします。この三十人を無理やり五十人にするんじゃなくて、女性の入学希望者を二百人にすれば必然的に六十人受かりますから、そうすることによって女子生徒は増えます。

 女性の合格者数を入試制度を無理やり操作して増やすのではなくて、平等な入試制度を維持した上で女性の入学希望者を増やすという努力をすべきというふうに当然ながら考えるんですけれども、違いますでしょうか。

伊藤政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど科学技術・学術政策局長の方から御答弁を申しましたとおり、高校以下の段階で、早い段階から女性に理工系分野、理科、こうした分野に興味を持ってもらう、また、その後のライフプラン等も踏まえて、活躍の場というものがあるということをしっかりお示しすることによって、やはり志願者を増やしていくというものは大変重要だというふうに考えてございます。

 同時に、これらの取組と併せまして、やはり大学における入学者の多様性の確保に向けた選抜ということも必要なことであるというふうに思ってございますので、先ほど大臣が申し上げましたように、まさに逆差別と捉えられることがないような、その趣旨、方法が合理的である、こういうことをしっかり社会に丁寧に説明をしていく、そして、そうしたことを踏まえて多様な入学者を確保していく努力を各大学の方にも取り組んでいただきたいということを、私どもは後押しをしてまいりたいというふうに考えてございます。

藤巻委員 いや、だから、女性を増やすことは賛成なんですよ。それで、魅力を伝えて、入学希望者を増やすこと、そこまでは私も完全に賛成なんですけれども、なぜ不平等な入試制度を築き上げるのか、そこが全く理解できないというところであります。

 都立高校は、今年から男女別の定員を撤廃しました。男女問わず平等に点数で合否を判定することとしました。遅きに失しましたけれども、当たり前です、これは。男性枠、女性枠というのは、これは性差別そのものです。

 大学の入試の理工系学部における女性枠の設定、これは明確に私は性差別だと思います。本来合格できる学力のある男子高校生を不合格にして夢を諦めさせる、そして、本来合格できる学力にない女子高校生を合格させ、無理やり女子生徒数を増やす、それが果たして本当の意味で男女平等なのでしょうか。

 最後に大臣に、お考えをお聞かせください。

あべ国務大臣 合理的な理由がなく、性別などの属性を理由として一律に取扱いの差異を設けることは公平性また公正性を欠くものであり、不適切な入試であるというふうに考えます。

 文部科学省といたしましては、この理工系分野における女子を含む入学者の多様性確保に向けた選抜の実施に当たり、留意すべき事項をしっかりと周知をしていきながら、各大学の取組が促進されるよう後押ししていきたいというふうに考えています。

藤巻委員 今の話を聞くと、女性枠そのものが不正な入試というふうに私には聞こえますけれどもね。

 目指すべき社会は、真に男女が平等な社会でございますが、男性というだけで不利になる、あるいは有利になる、女性というだけで不利になる、あるいは有利になる、こういったことはあってはなりません。

 その意味をいま一度考えて、入試における女性枠、これが本当に正しいものなのか、男性差別に本当に当たらないのか、改めて考え直していただければと思います。

 これで私の質問を終わります。ありがとうございました。

中村委員長 次に、西岡義高君。

西岡(義)委員 国民民主党の西岡義高です。

 本日は発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。今日何人かいらっしゃいますけれども、私も初当選、初質問ということですので、何とぞよろしくお願いいたします。

 簡単に自己紹介させていただきますと、私、地元が神奈川十八区、川崎市の中原区、高津区という場所になります。川一本、多摩川一本渡ればすぐ東京というところで、都内に通勤されている方、たくさんいらっしゃいまして、都内の教育支援、子育て支援との差について都度言われるような、そういう地域柄でございます。

 私自身は、就職氷河期世代。長く会社員として働いておりました。会社員として働く傍ら、PTAの活動、PTA会長をやったりですとか、空手や護身術の指導、そして放課後デイサービスでの子供への運動指導などを通して、日頃から多くの子供たちと直接触れ合ってまいりました。

 大臣もおっしゃっておりました、人づくりこそ国づくり、これは我が党も政策の柱としてずっと掲げてきた言葉でございます。この国の将来のため、そして子供たちの未来のためにも、この言葉をしっかり実践できるようにこれから励んでまいりますので、よろしくお願いいたします。

 それでは、質問に移りたいと思います。

 まず、大臣の御挨拶の中にもありました、最重要課題として挙げられていた中の一つの、教師の処遇改善に対して質問いたします。

 まず、働き方改革をしっかり進めていくこと、これは大前提にあるかと思いますけれども、その中で、やはり依然として疲弊している先生の処遇を改善して、学校教育の現場が若い人たちからの就職先としての魅力を増していく、そのためには、まず教員の方の賃上げ、これも重要な面だと考えています。

 民間企業は今、大幅な賃上げを実現しておりまして、どこの業界を見回しても、人手不足、そういった声を多く聞いております。そういった状況の中で、高度専門職であるべき教師は、非常に優秀な人を集めていかなければいけない。その中で、ほかの業界との人材の獲得競争、採用競争の中で勝ち上がっていくためにも、やはり早急な賃上げ、これが必要ではないかと考えています。

 その第一手として、まず、現状四%の教職調整額、これを段階を踏まずに来年度から一三%程度に一気に引き上げて、職場としての給与面の魅力を増していくべきではないかと考えているんですけれども、大臣のお考え、いかがでしょうか。

あべ国務大臣 西岡委員にお答えさせていただきます。

 まさに、教育は人なりというふうに言われるように、学校教育が教師に懸かっている部分が大変大きく、教職の魅力を向上させて、教師に優れた人材を確保していくということがまさに重要でございます。

 教師の処遇に関しましては、人材確保法におきまして、優遇措置が講じられなければならない、委員がおっしゃるとおりでございまして、現在、この優遇分は〇・三五%と僅かでございます。また、教職の調整額の率を引き上げることで、この人材確保法の制定後の優遇分を確保していくということを私どもも目指しているところでございます。

 こうした教師の処遇改善と併せながら、また学校における働き方改革、更なる加速化、学校の指導、運営体制の充実、一体、総合的に教師に優れた人材を確保するために環境整備をしっかり図ってまいります。

西岡(義)委員 ありがとうございます。

 やはり、最近の若い人は、単純に、働いて給料が割に合わないと思えば、すぐ転職、離職が進んでいくというような状況にあると思います。しっかりと教師の手取りを増やしていかなければ、やはり人材も集まらないですし、離職も加速してしまう。離職が加速すれば働き方改革もままならないと考えますので、是非賃上げに取り組んでいただきたいんですけれども、それに来年度からしっかり取り組んでいただける、もう一度ちょっと決意を、あればお聞きしたいんですけれども。

あべ国務大臣 しっかりと努力してまいります。

西岡(義)委員 改めてお願いしたいと申します。

 続きまして、学校の指導、運営体制の充実について御質問いたします。

 教師の負担軽減の面と、あと、実際に学ぶ子供たちの教育環境、こういったことを考えますと、将来的には一学級二十人程度の少人数学級を目指していくべきではないかと私個人は考えているわけではありますけれども、現状におきましては、小学校における三十五人学級、これが令和七年度に六年生まで完了するという状況だと思います。

 小学校における六年生までの少人数学級、三十五人学級の結果が出て、その効果検証後に中学校の体制を構築していくという形になっているかと思いますけれども、小学生の間、三十五人学級で学んだ子供たちが中学進学後も違和感を覚えずに学級の中で学んでいけるように、間を置かずにしっかり、続く令和八年度から中学校でも少人数の学級、これを導入していただけるように大臣にはしっかりリーダーシップを発揮していただきたいのですが、大臣のお考えはいかがでしょうか。

あべ国務大臣 まさに委員がおっしゃったように、令和三年に義務標準法を改正してから小学校における三十五人学級の計画的整備を行ってきたところでございまして、この附則におきまして少人数の学級等の効果に関する実証的な研究を行う旨が実は規定をされておりまして、小学校における三十五人学級の効果検証、これをしっかり行った上で、中学校を含め、学校の望ましい教育環境、指導体制の在り方を、検討を進めてまいります。

西岡(義)委員 是非、その効果検証をしっかり、スピーディーに行っていただいて、令和八年度からスムーズに移行できるようにお願いしたいと思います。

 続きまして、教師の人数不足の部分について御質問させていただきます。

 この春には担任の先生が足りなくなるというような声も聞いております。先ほど申し上げたように、しっかりと処遇改善を行って、職場として魅力もあるものにしていくということは当然だと思いますけれども、その中で、更に少人数学級を目指していくということになると、より一層の採用強化というものが必要となってくると思います。

 先ほども申しましたけれども、私自身はいわゆる就職氷河期世代なんですけれども、私が大学を卒業した平成十二年、その頃は、教職の採用倍率が十三・三倍と過去最高という状況でございました。さらに、倍率が高いだけではなくて、私は実際、高校地歴の免許を取得して、学校の先生にちょっとなりたいなと思ったんですけれども、私のいた神奈川県は、高校地歴は採用ゼロでした。東京とか北海道に行けば若干名というような形で、採るのか採らないのか分からないという状況で、倍率以上に、先生になりたくてもなれなかった、要は、出願自体を諦めてしまったという教職免許所持者というのが多くいる世代だと考えています。

 一説によると、あるデータによると、就職氷河期世代における採用に至っていない教員免許取得者は百万人以上いる、世代の中でいると推定されています。既に、社会人採用であったり、様々な取組はされているかと思うんですけれども、教師になりたくてもなれなかった就職氷河期世代、ここに、就職氷河期世代対策の問題とも併せて、積極採用を加速していただきたいというところがあります。

 例えば、一定の社会人経験を積んだ教員免許取得者が、ある程度の一定期間、半年ないし一年研修を受けてそのまま採用につながるというような、採用試験を飛ばして、しっかりと研修から教員に流れていくような新たな制度であったりとか、先ほども採用の窓口をどんどん広げていくようなお話もありましたけれども、採用試験によらない別の手法、あらゆる角度を検討していただきたいと思うんですけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか。

あべ国務大臣 他分野で活躍されてきた社会人の方々に教職を志していただき、これまでの社会経験を子供たちの教育に生かしていただくこと、これは大変意義深いと私も思っております。

 このため、文部科学省といたしましては、各教育委員会に対しまして、民間企業等の勤務経験、これを加味しながら、試験の一部を免除するなど、特別な選考の拡充、また、現職以外の教員の免許保有者向けの研修の実施、これなどを行って、多様な教師人材の確保を強化する取組を、要請を今しているところでございます。

 今後、更に多様な専門性、背景を有する方々、社会人が教職へ円滑に参入をしていただけますように、このような取組が必要か、引き続きしっかりと検討してまいります。

西岡(義)委員 ありがとうございます。

 この世代は、能力がありながらも非正規雇用になっている人間もたくさんいますので、一定の社会人経験といったところを幅広く見ていただけるよう御検討いただければと思います。

 続きまして、テーマは変わりまして、学校給食の無償化に対して御質問させていただきます。

 実態調査の結果が今年六月に公表されました。

 その実態調査の結果の公表、これまでに一年以上かかっているというところで、スピード感のなさを非常に感じているところでございます。

 そしてさらに、その結果を受けての課題の整理が年末を目途にということでお話ございましたけれども、この点もどうしてもスピード感がないなというのが率直な感想でございます。

 なぜその課題の整理、そんなに時間がかかってしまうのかというところと、時間をかけて整理した課題、これは速やかに公開していただきたい。その公開していただくときに、どのような形で、どのような方法で発信、公開していただけるのかも併せてお聞きしたいと思います。

森政府参考人 お答え申し上げます。

 学校給食費の無償化に関する課題の整理につきましては、児童生徒間の公平性、また支援対象の妥当性、国と地方の役割分担、政策効果、法制面などの観点から丁寧に行ってまいる必要がある、このように考えてございます。

 また、その際には、独自に給食無償化を実施をしている自治体の傾向ですとか、その成果の検証状況等についても更なる分析が必要であるということから、一定の期間を要しているところでございます。

 文部科学省といたしましては、年末を目途といたしまして課題を整理をし、公表してまいりたいと考えてございます。

 以上でございます。

西岡(義)委員 なぜ時間がかかるのかという御説明をいただきましたけれども、その結果について、公表の方法であったり発信の方法というのも併せてお伺いしたいんですけれども、お願いいたします。

森政府参考人 お答え申し上げます。

 現在、年末を目途として課題を整理をしているところでございまして、その具体の整理の方向性また公表の方向性ということについては、現在まだお答えできる段階にはないところでございますけれども、いずれにしても、年末を目途に速やかに整理をし、公表してまいりたいと考えているところでございます。

西岡(義)委員 ありがとうございます。公表の方法も含めて検討中ということで理解いたしました。

 また、その調査の結果、約四割の自治体が何らかの形で無償化を実施しているということですけれども、なかなかやりたくてもできない自治体がある中で、この積極的、前向きな取組をしている無償化実施団体、非常にいい取組なので、是非国からも公表していただいて、成功事例をほかの自治体にも見ていただいて、横展開していただくために、是非国の方からも一覧で公開していただきたいのですが、何で公開されていないのかというところと、是非ここを取り組んでいただきたいというお願いなんですけれども、いかがでしょうか。

森政府参考人 お答えを申し上げます。

 今回、学校給食費の無償化の実態状況に関しまして文部科学省が行った調査におきましては、取組の全国的な状況、これを把握をするという観点から行ったものでございます。個別の自治体名を公表するという前提で調査を行ったものではございませんので、文部科学省から各自治体名を列挙して公表するということは予定をしていないところでございます。

西岡(義)委員 ありがとうございます。

 今回、いろいろ課題も整理されるかと思いますので、その中で成功事例、情報共有できるようなものがあれば是非積極的に公開していただいて、ほかの自治体の参考になればなと思います。

 給食に続けまして、国が学校の授業時間を決めて、お昼をまたぐ就学義務というのを課している、こういう観点から考えましても、学校給食費、これは国にもある一定の責任があるのではないかと考えています。

 その観点から、義務教育における給食の完全実施、完全無償化に向けて、しっかりと国が支援を行っていく、推進していく必要があると思うんですけれども、大臣のお考えをお聞かせください。

あべ国務大臣 学校給食費につきましては、現在の物価高の状況を踏まえまして、令和六年度の補正予算において、学校給食費の保護者負担軽減を含むところの、この重点支援の地方交付金のうち、推奨の事業メニュー分といたしまして〇・六兆円が計上されたところでございます。文部科学省といたしましても、教育委員会等に対して積極的な活用を今促しているところでございまして。

 また、その上で、委員のおっしゃるところの学校給食の無償化につきましては、今年六月に公表した学校給食の実態調査の結果を踏まえまして、また、先ほど委員からも御指摘ございました、給食の未実施校、また実施校でも喫食しない児童生徒、恩恵が及ばないという児童生徒間の公平性、実はこの児童たちは六十一万人いるわけでございますが、また、低所得世帯の児童生徒には既に無償化されていることに伴う支援対象の妥当性、さらには、給食費に関わる就学援助について、いわゆる三位一体改革によりましてこの税源の移譲と一般財源化を図った経緯を踏まえた国と地方のこの役割分担、また、少子化対策としての政策効果、給食に関わる経費の負担を踏まえた学校給食法の在り方などのこの法制面なども含めて、考え得る課題について、年末を目途に整理をしてまいります。

西岡(義)委員 ありがとうございます。

 先ほど、ずっとお話の中で、大臣自身も、学校給食の重要性、健康の保持増進であったり、食育の面からも意味は大きいということでおっしゃっておりました。

 そして、年末を目途に課題を整理していくということなんですけれども、大臣の心意気としまして、その出てきた課題に対して、学校給食のその意義に対して、その課題をクリアして前向きに無償化に取り組んでいくという意気込みがあるのか。また、逆に、この課題に対して、できない理由を並べて消極的な姿勢なのか。是非大臣の心意気をお聞きしたいんですけれども。

あべ国務大臣 まずは課題を整理させていただきまして、今いろいろなことの無償化も叫ばれている中でございますが、何を優先順位として限られた財源の中でやっていくかも含め、整理をさせていただきたいと思います。

西岡(義)委員 承知いたしました。ありがとうございます。

 次に、テーマを変えまして、生命(いのち)の安全教育に関して御質問させていただければと思います。

 性犯罪、性暴力対策の強化のために、子供たちが性犯罪、性暴力の加害者にも被害者にも傍観者にもならないよう、生命(いのち)の安全教育、こちらを推進されていらっしゃると思いますけれども、まず、そもそも、学習指導要領に、小学校五年生の理科には、人の受精に至る過程は取り扱わないものとする、また、中学校の保健でも、妊娠の経過は取り扱わない、いわゆる歯止め規定、これが書かれていることによって、そもそも性交とは何なのかを教えずに性犯罪、性暴力について教育していくという、いびつな教育体系になっているのではないかと考えています。そのため、障害を持つ子供などに多いんですけれども、自分が何をされているのか正しく理解できないまま性被害に遭ってしまう、そういった児童生徒も存在している。

 今や、若い世代も子供も、スマホがあれば簡単にエロ画像、エロ動画、こういったものにアクセスできてしまう、そんな時代です。簡単に言ってしまえば、アダルトビデオが教科書になってしまっている。そんな状況だからこそ、しっかりと学校教育の中で子供たちに正しい性の知識、これを身につけさせる必要があるのではないでしょうか。

 自分自身、子供たちが性犯罪、性暴力から身を守るために、そして若年層の望まない妊娠、こういったことも防いでいくためにも、まずは学習指導要領の内容をしっかり改訂して、学校の教育現場でちゅうちょや遠慮なくしっかりと、性交であったりとか避妊具の正しい使用方法、これを教育していく必要があると思いますけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか。

寺門政府参考人 お答えを申し上げます。

 学校における性に関する指導につきましては、子供たち自身が性に関して正しく理解し、適切な行動が取れるように、体育科、保健体育科や特別活動を始めとする学校教育全体を通じて指導をすることといたしております。

 具体的には、児童生徒の発達段階に応じまして、受精、妊娠、性感染症の予防などの身体的な側面のみならず、異性への尊重、性情報への適切な対処など、様々な観点から指導が行われているところでございます。

 また、個々の生徒間で発達の段階の差異も大きいことなどから、集団で一律に指導をする内容と、個々の生徒の抱えている問題に応じて個別に指導する内容とを区別して指導をいたしているところでございます。

 学校における性に関する指導に当たりましては、発達段階を踏まえること、また学校全体で共通理解を図ること、保護者の理解を得ることなどに配慮することとなっておりまして、これを踏まえた指導が行われるべきというふうに考えております。

 こうした中、全ての生徒に共通する内容としては妊娠の経過は取り扱わないものとしておりますけれども、個々の生徒の状況などを踏まえまして、個別に指導することも含めまして、現行の学習指導要領に基づく着実な指導に努めてございます。

 文部科学省といたしましては、各学校において、子供たちの性と健康に関する課題に対応するため、個別指導の実施に向けた指導、相談体制の充実を図るとともに、各自治体の保健部局などが実施する性と健康に関する普及啓発、相談対応につきまして、教育委員会や学校との連携協力が一層促進されるように努めてまいりたい、このように考えているところでございます。

西岡(義)委員 今のお答えの中で個別指導というお話がありましたけれども、それこそ、性教育ガチャじゃないですけれども、教えてもらえる子、教えてもらえない子、そこの差が生まれてしまう。先ほども申しましたけれども、障害を持つ子が狙われる。要は、知識がない子が狙われてしまう。そういう状況を防ぐためにはやはり一律教育が必要になってくると思うんですけれども、その点、いかがでしょうか。

あべ国務大臣 委員のおっしゃるように、本当に生命(いのち)の安全教育、これは障害を持っている子も含めて、全ての子たちに必要だと私も思っておりまして、命が本当に貴いんだということをしっかりみんなで学び合って、また、自分や相手、一人一人を尊重するための態度を身につけていくということが私はまさに生命(いのち)の安全教育だと思っております。

 性に関する指導に関しては、正しく理解をして、自分の体、心、この変化に関してもしっかりと適切な行動が取れるように、学習指導要領を踏まえて学習が行われているところでもございますが、性犯罪とか性暴力から子供たちを守るためには、これらを含めた形で、教育活動全体を通しまして、必要な知識と能力、このいわゆる習得に体系的に取り組むことが重要でございますので、本当に生命(いのち)の安全教育としての取組を着実に進めてまいります。

西岡(義)委員 ありがとうございます。

 着実に進めていただけるということですので、若年層の性犯罪、小児性犯罪、非常に顔見知りの犯行も多いというところで、やはり学校現場における犯行であったり、そういったものも課題になってくると思います。しっかりと子供たちが知識を身につける、それがまず第一歩だと思いますので、取り組んでいただきたいというところです。セックスするときにはちゃんとコンドームをつけましょうねと言いながら、つけ方をしっかり教えない、そんな中途半端な教育ではしっかりとした教育と言えないと思いますので、より深い教育に取り組んでいただければと思います。

 済みません、初めての質問でペース配分を誤りましてちょっと時間が余ってしまいましたので、最初に通告していない質問になってしまうんですけれども、ちょっと何点か御質問させていただければと思います。

 石破総理の所信表明の中にもありましたけれども、闇バイトについて触れられたときに、闇バイト、犯罪によって、これまでの日本社会における価値観や道徳観が揺らいでいるというようなことをおっしゃっていました。

 現在の日本における、そもそも、その道徳教育の在り方、その点は大臣、どのように所感をお持ちでしょうか。

茂里政府参考人 お答えいたします。

 ただいま委員から二点、御指摘があったと思います。

 一つは闇バイトの話でございます。闇バイトについては、今非常に社会的な問題になっていることを重々理解しております。

 その上で、先般、警察庁と連携を図りまして、闇バイトが犯罪であるというような趣旨のリーフレット、パンフレットを作りまして、それを教育関係機関に送付し、その周知徹底に努めているところでございます。

 道徳教育については、担当からまた御答弁させていただきます。

望月政府参考人 道徳教育についてのお尋ねがございました。

 道徳教育につきましては、平成三十年度、令和元年度から小学校、中学校で特別の教科として実施をしているところでございます。

 そこでは、道徳教育の中では、社会の中での善悪、あるいは社会の基本的なルールを守るということを発達段階に応じまして、つまり、小学校低学年、中学年、高学年、中学校と、それぞれの指導目標と指導内容につきましてしっかり定めまして、それを具体的に、教科書や教材、あるいは外部の講師などを学校に派遣するような事業も行っておりますけれども、そうしたところで子供たちに社会において悪いことということをしっかりと学習してもらうということを徹底周知をしているところでございます。

西岡(義)委員 ありがとうございます。

 道徳観、倫理観、日本も伝統的な中でそういったものが培われてきたものがあるかと思いますので、その点、大事に教育していっていただければと思います。

 済みません、ちょっと時間が余ってしまいましたけれども、これにて質問を終わらせていただきます。

 最後に一言、少子化対策も大切ですけれども、私自身、生まれてきた命を大切に、そして健全、安全に育てていくことが重要と考えておりますので、その点、今日は様々な質問をさせていただきましたけれども、そのためにも是非前向きな議論をお願いしたいと思います。是非これをお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

中村委員長 次に、浮島智子君。

浮島委員 公明党の浮島智子です。本日、最後のバッターとなりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 まず初めに、私の方から、災害時に大切な避難場所となる学校体育館の空調整備についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 先週の十一日、予算委員会でも、石破総理そしてあべ大臣の方にも、この体育館の空調整備についてお尋ねをさせていただいたところでもありますけれども、この体育館の空調整備につきましては、公明党として国会などで質問を繰り返し続けてきた結果、その設置率を増やそうと言ってきたんですけれども、まだ一八・九%というところで、全国でとどまっているところでもございます。

 でも、東京都では一方、都議会公明党の提言を踏まえて、小中学校の体育館の空調設備の設置率というのは八八・三%にもなっておりまして、財政力の豊かな大都市部と地方の設置率の大きな格差があるというのが現状であります。

 また、現在の学校体育館の空調整備の進捗のペースは年三・四%にとどまっておりまして、大幅な加速が求められております。また、現在の仕組みは補助率の引上げが令和七年度までとなっておりますけれども、この現在の進捗ペースや地方公共団体の声を踏まえますと、令和八年度以降の支援の延長も必要であるということも前回訴えさせていただきまして、また、公明党として、五年をめどに一〇〇%設置を目指すと提言をさせていただき、避難所となる全国の学校体育館の空調整備について、ペースの倍増を目指して計画的に進めると盛り込まれた経済対策や補正予算を踏まえますと、石破総理からも、整備のペースを二倍に加速する、また、臨時特例交付金の補助率では二分の一とし、対象期間は令和六年度から令和十五年度までとする予定という力強い御答弁を先日いただいたところでもあります。

 二倍に加速するためには、予算委員会でも申し上げさせていただきましたけれども、臨時特例交付金の活用、そして、夏休みとか冬休みの決まった期間だけではなくて、通年を視野に入れた期間も活用した工事の実施、そして、必ずしも、空調と同時に断熱材、これをセットでやるということがネックになっていたので、セットを求めないということを、柔軟な運用をしてもらいたいということを訴えさせていただいたところでもあります。

 でも、これを訴えさせていただき、していただく方向で今やっていただいているということは承知をいたしておりますけれども、これをどれだけ早く地方の皆様にお知らせしなければいけないかということも課題になっております。

 そこで、大臣にお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、総理が明言なさった整備を、ペースを二倍に加速、文部科学省として、財源の確保、工事の期間の設定、柔軟な運用などを組み合わせて、地方自治体や学校ごとに異なる事情に応じて、いかにきめ細やかく、そして、対応して整備のペースを二倍にしていくのか、その具体的な方策、計画、見通しについてお伺いをさせていただきたいと思います。

あべ国務大臣 浮島委員にお答えさせていただきます。

 文部科学省といたしましては、御党の提言も踏まえまして、今般成立いたしました令和六年度の補正予算におきまして、避難所となる公立小中学校の空調の整備の加速化に必要な経費として七百七十九億円を計上しているところでございまして、新たに臨時特例交付金を創設をしているところでございます。今回の臨時特例交付金においては、その算定割合を二分の一とし、対象期間は今年度から令和十五年度までとする予定でございます。

 また、補助の要件となる断熱材の確保について、御提案もいただきまして、柔軟な運用や、また、通年で臨機応変に工事を実施、平準化している自治体の事例などの周知と、これまでの国庫補助と同様に、LPガスの使用、エネルギーの多様性ということで補助対象とすることなどを通じまして、地域の実情に応じた整備が可能となるように取り組んでまいります。

 文部科学省といたしましては、こういう取組を通じまして、整備のペースを二倍に加速をしたいというふうに考えております。

浮島委員 是非よろしくお願いいたします。

 今もLPガスの話もありましたけれども、地方の皆さんにとっては、LPガスが使えるのか、電気式なのかガス式なのか、様々、皆さん苦労されておると思いますので、それぞれの防災計画を踏まえて整備していくこと、これが求められておりますので、どうか、予算を確保するだけではなくて、確保ができた、であれば、しっかりと執行に向けて御努力をいただきたいとお願いをさせていただきたいと思います。

 また次に、学校の空調整備のリースについてお伺いをさせていただきたいと思います。

 二〇一九年度の補正予算がスタートしたGIGAスクール構想については、情報端末をリース契約で整備する自治体も少なくなく、リースを選んだ理由をお聞きすると、複数年度にわたって費用を平準化できる、また、単年度の財政負担が軽くなる、リース期間の設定によっては、劣化や不都合などが進行する前に更新し、その時点で最新の機種を児童生徒に配備することが可能となる、端末の固定資産の管理が不要となり、保守のサービスやリース終了後の端末の処分までリース業者に一括して依頼できて事務負担が軽減されるなどのメリットがあることをお伺いしているところであります。

 そこで、望月初等中等局長にお伺いをさせていただきますけれども、GIGAスクール構想において子供たちの情報端末を整備するに当たり、どの程度の自治体がリース方式を採用しているのか、またリース契約のメリット、デメリットについて、初中局でどのように認識しておられるのか、お伺いをさせていただきたいと思います。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 GIGAスクール構想により整備された一人一台端末につきましては、現在、自治体数ベースで約一五%、台数ベースで約三〇%がリース契約方式により整備されているところでございます。

 リース契約には、必要経費をリース期間で分散でき、単年度の負担額を軽減できる、また、リース期間満了時の端末の返却、廃棄等についても併せて契約することが一般的でございますので、端末入替え時の事務手続を軽減できるといったメリットがございます。

 一方で、購入する場合に比べまして、リース料が加わるということによりまして、地方自治体の支出総額が増加する場合もあるといったデメリットもあると考えられます。

 このため、一人一台端末の更新における補助におきましては、購入又はリース契約の方式から選択をできるようにしてございまして、各教育委員会におきまして、メリット、デメリットを踏まえながら、各地域の実情に応じて、最適な方法で整備されているものと考えております。

浮島委員 ありがとうございます。

 今の、必要経費を分散できる、また単年度で負担軽減できるということでありましたけれども、この空調整備につきましても、特に業務用についてはリースの契約で整備したいという自治体が多くございます。

 そこで、政務官にお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、これからの学校体育館の空調整備についても、GIGAスクール構想による情報端末と同様にリース契約にすることも自治体の選択肢の一つとなると考えておりますけれども、リース方式による空調整備については、現在の公立学校施設整備費に係る国庫補助において対象にならないと承知しております。

 このリース方式が対象外となっている理由、そして、その場合、各自治体の財政負担の平準化を図るために、どのような対応ができるのか、政務官にお伺いをさせていただきたいと思います。

金城大臣政務官 浮島委員にお答えさせていただきます。

 公立学校施設整備への国庫補助は、その財源が財政法第四条に基づく建設公債であるため、長期的に使用され、公の資産の形成に資する事業が対象となります。

 リース方式による施設整備につきましては、その経費の性質が賃貸料や維持管理費等のランニングコストであって、公の資産の形成に資するものではないということから、建設公債を財源とすることができずに、国庫補助の対象とすることが困難であると考えております。

 他方で、今回の補正予算では国の補助率は二分の一であり、地方負担分には全額地方債を充当できるため、初期投資費用が抑えられ、かつ、後年度負担も平準化されるリース方式と同様の効果があるものと認識しております。

 その上で、委員からの御指摘も踏まえまして、各自治体がその実情に応じて多様な選択肢を検討できるよう、リース方式による整備事例や活用できる関係省庁の国庫補助の紹介等に取り組んでまいります。

浮島委員 ありがとうございます。

 今の御答弁ですと、備品と違って、やはり建設公債を財源としているのでできないということでありますけれども、今回は、この初期投資の費用が抑えられて、また支払いも平準化できるということで理解をさせていただきたいと思います。

 でも、その上で、これをしっかりと地方の皆様にお伝えをいただきたい。それと、昨日、また我々公明党の地方議員さんから御連絡をいただきました。それは何かというと、単価など様々なことを早く知らせていただきたいと。じゃないと、地方自治体でもなかなか計画が立てられないのでお願いしますという要望をいただきましたので、どうか文科省としても早急に皆さんに情報を伝えるようにお願いをさせていただきたいと思います。

 次に、部活動の地域展開についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 十二月の十日に、文部科学省におきまして、地域スポーツ・文化芸術創造と部活動改革に関する実行会議というのが開催されたと聞いております。部活動の改革の理念は、将来にわたって生徒が継続的にスポーツ、文化芸術活動に親しむ機会を確保、充実すること、また、スポーツ、文化芸術活動を地域全体で関係者が連携して支え、生徒の豊かで幅広い活動機会を保障することであり、その趣旨をより的確に表すため、これまでの部活動の地域移行と言っていたことを、地域展開するという議論が行われたということを私は承知しております。

 そのこと自体は大事なことだと思いますけれども、この地域展開において何よりも重要なのは、指導者の質の保証と量の確保であることは言うまでもないと思います。

 これまで、自治体単位で、スポーツや文化芸術の経験があり、そして部活動等指導者となる方が、可能となる、人材の個別の学校、地域のニーズとマッチングするための人材バンクをつくるといった工夫が行われていると思いますけれども、この人材バンクは、より広域を対象にして、マッチング可能な幅を広げることも重要であると思います。

 そこで、大臣にお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、部活動の地域展開、令和の八年度から十年度を前期、そして十一年度から十三年度を後期と分けて加速化するに当たっては、国全体を見渡した部活動指導者の人材バンクが不可欠だと思います。また、人材バンクの登録者につきましては、スポーツ科学や不適切な行為の防止などへの理解を確かなものにする取組も求められると思います。

 この地域展開に向けて、文部科学省として、スポーツや文化芸術の経験のある部活動指導者の人材バンクを創設し、人材を広くマッチングすべきだと思いますけれども、見解をお伺いさせていただきたいと思います。

あべ国務大臣 委員御指摘のとおり、部活動の改革を進めるに当たりましては、指導者の量、この確保と質の保証はまさに大きな課題というふうに認識をしております。

 文部科学省といたしましては、令和五年度から令和七年度まで改革推進期間とさせていただきまして、文部科学省が実施する実証事業を通じまして、地方公共団体の取組を支援しているところでございます。

 委員御指摘の人材バンクの設置、また指導者の資質向上のための研修会等の実施に関しましては、本実証事業を活用して多くの地方公共団体で取組が進められているところでございまして、実証事業に係る経費に関しましては、昨日成立をいたしました補正予算におきまして二十九億円を計上させていただいたところでございまして、令和七年度予算においても必要な予算を確保し、実証事業の成果として、好事例の全国的な普及を図ってまいります。

 さらに、現在、有識者会議におきまして、令和八年度以降の部活動改革の在り方について検討を行っているところでございまして、その中で、指導者の量の確保、委員の御指摘の質の保証につきましても、御指摘の人材バンクの設置、あわせて、マッチングの在り方も含めて、更にしっかりと検討してまいります。

浮島委員 部活動については、時間があるようでもう時間がなくなってきておりますので、スピード感を持って対応していただけるよう、よろしくお願いいたします。

 次に、東京二〇二五のデフリンピックについてお伺いをさせていただきたいと思います。

 先週の予算委員会では時間がなかったので要望だけにとどめさせていただきましたけれども、来年、東京でデフリンピックが行われます。デフリンピックは、言うまでもなく、国際的な、聞こえない、聞こえにくい人のためのオリンピックでありまして、国際ろう者スポーツ委員会が主催し、四年ごとに開催されるデフアスリートを対象とした国際スポーツ大会であります。一回目は一九二四年のフランスのパリで開催されました。東京の二〇二五デフリンピックは百周年の記念すべき大会であり、日本では初めての開催となります。

 しかし、私も今日バッジも着けさせていただいて、大臣も着けていただいておりますけれども、先週の土曜日もある会合に出させていただいたら、そのバッジは何と聞かれて、デフリンピックというんですよと言ったら、是非是非会合で皆さんに御紹介してくださいと言われて、紹介もさせていただいたんですけれども、まだまだ、国内においてこのデフリンピックが周知できているかというと、なかなかできていないのが現状であります。これをしっかりとやはり機運を盛り上げていかなければならないと私は思っております。

 そこで、大臣にお伺いをさせていただきたいんですけれども、先日の十二日、私も顧問を務めさせていただいている議連があります。この議連において総会があったんですけれども、全日本ろうあ連盟のデフリンピックの運営委員会の久松委員長、また、たくさんの方々より御要望がありました。それは何かというと、特別支援学校としっかりともっとつながりを持ってもらいたい、またNFとの関わり、JOC、JPCの関わり、ここをしっかりともっと進めてもらいたいという現場のお声をたくさんいただきました。

 全ての人に可能性があることを示して多くの人に希望と感動を与える東京二〇二五のデフリンピック、これを大人も子供もしっかりと知って、そして関心を持って観戦をしていただき、盛り上げるための取組を今すぐに全国的に展開しないと、もう来年の十一月ですので、遅いと思います。

 今後の取組について、大臣の決意をお伺いさせていただきたいと思います。

あべ国務大臣 今日、委員がしていらっしゃるデフリンピックのバッジ、私もしてまいりまして、よかったです。忘れたらどうしようとずっと考えておりました。

 それで、東京のデフリンピックに関しましては、日本パラスポーツ協会や全日本ろうあ連盟を通じまして、各地の体験イベント等を支援してまいりました。本当に希望と感動を与えるという大会になるように、私どももしっかり努力をさせていただきながら、これまで、青森県、徳島県、鳥取県、北海道で実施をいたしました。参加者から、県のゆかりの選手が紹介され、大会への親近感が増したという声も聞かせていただいているところでございます。

 全国的な盛り上がりによる大会の成功は、スポーツを通じた共生社会の実現の上でも、まさに委員がおっしゃるように極めて重要でございまして、委員御指摘のとおり、今般の補正予算も活用させていただきながら、大会を主催する全日本ろうあ連盟や東京都に加えて、日本パラスポーツ協会、日本オリンピック委員会とも連携をしながら、全国各地でイベント開催の支援と協力を、また広報をしっかり行ってまいります。

浮島委員 是非よろしくお願いいたします。

 本日は、議連の会長の遠藤先生も委員会に入っていただいておりますけれども、我々議連としても全力を尽くしてまいりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。

 また、次に、子供たちを性暴力から守り抜くための子供性暴力防止法、いわゆるDBS法の審議において宿題となった、課題となった点についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 本年六月に成立し、令和八年度中に施行されることになっているこのDBS法の審議の過程において、私は、自ら提案者として議論をリードしてきた児童生徒性暴力防止法、いわゆるわいせつ教員を二度と教壇に立たせないという議員立法ですけれども、この法律としっかりとした連携が不可欠であるということを申し上げてまいりました。

 この児童生徒性暴力防止法とDBS法が、確認の対象となる者の範囲、法に基づく措置の対象となる者、データベースを利用する者、法的効果、確認対象期間の、法律上の位置づけとなることが異なっています。教員免許など特定の資格が求められる教師と保育士、DBS法がなくても、免許が失効する等、失効する仕組みを整備しており、対応が既になされておりますから、DBS法を求められるのは、教員の免許法の資格が失効して教師や保育士に就けなくなった人が、学習塾や放課後児童クラブなどにおいて子供と密接に関わる職を得ることを未然に防ぐことであると思います。

 そのために、文部科学省の教員免許、そして厚生労働省の保育士資格において、それぞれの資格失効者データベースの情報を一元化し、学習塾等を含む教育、保育等を提供する事業者に対して、照会された人が子供に対する性暴力により資格が失効しているかどうかについて回答する仕組みをつくることによって、児童生徒性暴力防止法とDBS、この日本版DBSを連携させるということが不可欠であります。

 そこで、こども家庭庁にお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、この文科省の教員免許、厚生労働省の保育士資格における、それぞれの資格失格者データベースの情報をDBS法においても活用することにより、教員免許等の資格が失効して教師や保育士に就けなくなった人が、学習塾や放課後児童クラブなどにおいて子供と密接に関わる職を得ることを未然に防ぐ仕組みの確立について、現在の検討状況を教えてください。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 子供性暴力防止法の立法化に当たっては、先生には大変御尽力いただきまして、本当に感謝申し上げるところでございます。

 その過程で、今御指摘があったものも含めて、この制度をよりよいものにしていくための様々な御意見を頂戴いたしておりまして、本日、教員データベース等との一元化、連携ということについてのお尋ねでございます。

 現在、私どもこども家庭庁におきましては、この子供性暴力防止法の犯罪事実確認等を実施するためのシステムの構築に取り組んでおるところでございまして、その中で、この法律による犯歴照会と、それから既に稼働している教員データベースあるいは保育士のデータベースに基づく確認、これをいずれも行う必要がある事業者、具体的には学校とか、あるいは保育園とかの関係になってくるかと思いますが、これらの方々がなるべく簡便に双方の確認を行えるような連携ができないかを検討しておるというところでございます。

 その上で、今お尋ねのあった、学習塾も含めた子供性暴力防止法の対象事業者全てが教員やあるいは保育士のデータベースの情報を活用できるようにすることは、子供に対する性暴力を防止する観点からも極めて重要な御指摘というふうに考えております。

 ただ一方で、先生からも御指摘があったとおり、その実現に当たって様々な課題がございます。例えば、学習塾は教員データベースの利用者として想定されていない、現状においてされていないところ、そのような学習塾が利用する、利活用することについての関係の整理であるとか、そうした様々な課題がございますので、私どもこども家庭庁といたしましては、子供性暴力防止法の施行に向けた準備の中で、できるところから着実に取り組みつつも、三年後の見直し、これは法律の附則で、三年をめどに見直すということになってございますけれども、この三年後の見直しを待たずに、御指摘の点について、どうしたら課題を克服できるかという視点から、文部科学省とも連携して、しっかりと検討していきたいというふうに思います。

浮島委員 是非とも、子供を守るために、三年を待たずにというところで、文科省と連携をしてしっかりと進めていただきたいとお願いをさせていただきます。

 あべ大臣にもお伺いをさせていただきたいと思います。

 このような仕組みの確立に当たっては、文部科学省が持っている教員免許失効者データベースの活用、そしてDBSの連携という点で、文科省の果たすべき役割が大きいと私は思っております。子供たちを守り抜くという観点から、あべ大臣の意気込み、そして決意をお伺いさせていただきたいと思います。

あべ国務大臣 子供と関わる職に就く者が性暴力を行うということは、断じて、断じて許されるものではなく、文部科学省といたしましても、子供への性暴力等の未然防止に全力を尽くす決意でございます。

 委員が現場の声を聞いて、議員立法としてまとめていただいた教員性暴力等防止法のデータベース、また子供性暴力防止法の性犯罪歴確認の仕組みの連携については、双方を活用することによって、より効果的に子供に対する性暴力等の防止に資すると考えております。

 これらの法律は、子供たちを性暴力から守り抜くという目的を、いわゆる軸を一つにするものでございまして、こども家庭庁としっかり連携をしながら、両制度の具体的な連携の在り方について検討を進めてまいります。

浮島委員 是非ともよろしくお願いいたします。

 性暴力につきましては、この法律、議員立法、いわゆるわいせつ教員を二度と教壇に立たせないというのを作らせていただきました。それは、二〇二〇年の夏に、あるおじいちゃん、おばあちゃん、お母さんが私のところに来ていただき、涙ながらに語られたんです。

 というのは、そのお嬢様は、特別支援学校に通っている小学校四年生の女の子でした。そして、一家団らんのときというのはお夕食のときで、みんなで楽しく、今日学校で何があった、どうだったというような話をするのが一番楽しい。そのときに、そのお孫さん、お嬢さんが帰ってこられて、今日もね、先生に呼ばれて先生のところに行ったら、今日もお洋服を脱ぎなさいと言うから、お洋服を全部脱いだの、先生が優しくしてくれたと。その女の子は自分の身に何が起こっているか分からないからといって、先生は毎日わいせつ行為を繰り返していたんです。おじいちゃん、おばあちゃん、お母さんは号泣されました。

 その涙を見て、絶対にこんな教員は二度と教壇に立たせてはいけないというふうに決意をし、そして、二〇二〇年の暮れからこの議員立法を作り始めました。そして、二〇二一年の五月二十八日、全会一致をもって、八十九日というスピード感を持って、この議員立法を成立させることができました。

 こうして、何か作って、子供たちを守っていかなければならない、その思いで作らせていただいたんですけれども、今回、DBS法ができて、こども家庭庁とそして文科省、しっかりと連携を取って、一人でもこういう犠牲者、子供たち、性暴力を受けることがあってはならないと思いますので、どうか、こども家庭庁、そして文科省とともに、全力で子供たちを守る対策をよろしくお願いいたします。

 これで質問を終わります。ありがとうございました。

中村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時四十四分散会


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