第4号 令和8年3月10日(火曜日)
令和八年三月十日(火曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 斎藤 洋明君
理事 青山 周平君 理事 尾身 朝子君
理事 岸 信千世君 理事 永岡 桂子君
理事 深澤 陽一君 理事 浮島 智子君
理事 村上 智信君 理事 西岡 義高君
あべ 俊子君 石田 真敏君
井原 隆君 内山 こう君
黒崎 祐一君 下村 博文君
田中 昌史君 辻 秀樹君
辻 由布子君 渡海紀三朗君
丹羽 秀樹君 福田かおる君
藤沢 忠盛君 船田 元君
宮内 秀樹君 盛山 正仁君
山下史守朗君 山本 深君
山本 大地君 泉 健太君
菊田真紀子君 山崎 正恭君
市村浩一郎君 喜多 義典君
河井 昭成君 渡辺 藍理君
河合 道雄君
…………………………………
文部科学大臣 松本 洋平君
財務大臣政務官 高橋はるみ君
文部科学大臣政務官 福田かおる君
政府参考人
(文部科学省総合教育政策局長) 塩見みづ枝君
政府参考人
(文部科学省初等中等教育局長) 望月 禎君
文部科学委員会専門員 津田樹見宗君
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委員の異動
三月十日
辞任 補欠選任
船田 元君 山本 深君
同日
辞任 補欠選任
山本 深君 船田 元君
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三月十日
公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第九号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第八号)
公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第九号)
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○斎藤委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として文部科学省総合教育政策局長塩見みづ枝君、初等中等教育局長望月禎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○斎藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○斎藤委員長 これより質疑に入ります。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。深澤陽一君。
○深澤委員 おはようございます。自由民主党の深澤陽一です。
それでは、早速ですけれども、高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律案について質疑をさせていただきます。
今回の就学支援金制度の拡充によりまして、私立高校への進学者が増え、反面、公立高校は、少子化の影響も加わって生徒数が減少すると予測をされております。そのため、公立高校改革が確実に進められることが必要なわけですけれども、その方向性として、労働力の需給ギャップ、いわゆる理数系人材の不足を踏まえた文理融合型の教育への転換、あるいは、世の中が予測し難い中で、個人の興味や関心に応じ、個性や能力を伸ばす教育の実現といった視点がグランドデザインで示されております。
さて、理数系人材の不足という課題ですが、特に女性は、理数系の能力が高くても、高校段階で文系を選択するということが以前から指摘をされておりますが、そもそも、なぜ理数系の能力があるのに問題になるほどの文系への進学の偏在が起きているのか。実際、私立大学も、文系約七割、理系約三割の構成で、希望の大学が文系過多であるということがあるのかもしれません。
また、では、なぜ私立大学が文系偏在であったのか。これも、理工系学部を持つと、例えば、大学でいくと、投資が大変であるということも言われていたり、あるいは、出口である就職で文系人材が今までは有利であったのかなということも推察をされます。
これから日本社会を担っていく若者のミスマッチが起こらないように、高校、大学、大学院、一気通貫で改革を進めていただきたいというふうに思います。
その社会とのミスマッチの部分ですが、今回は、理系、文系の議論は非常に多くなされたと認識しておりますが、私は、もう一点、高卒か大卒かの議論がもっとあっていいのではないかなと常々感じておりました。高卒者の生涯年収よりも大卒者の生涯年収の方が多いというのは、大学無償化の議論の際によく言われておりましたが、それはあくまで平均で、個々で考えれば、当たり前ですが、そうなるとは限りません。
例えば、私の地元の優良企業では、調べてみたら、高卒者しか採用しない部署があったり、また、大卒者であるからこそ、就職の志願先が大卒者としての選択肢でしか選べず、結果ミスマッチが起こって就職できないでいる事例もたくさんあります。
今は八割以上の子供たちが大学や専門学校に進学する時代であるからこそ、それが適切であるのか、産業界とも話し合いながら、理系、文系の議論に加えて、高卒、大卒の選択肢についても組み込んでいただきたいというふうに感じております。
そのようなことも踏まえ、今回の就学支援金制度の拡充に併せて行う高校教育改革の趣旨について御答弁をいただきたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 今般の高等学校等就学支援金制度の拡充は、生徒等がその経済的な状況にかかわらず、自らの希望に応じた教育を受けることができる環境の整備を図るものであります。
同時に、これに併せて、生徒たちがそれぞれの将来を見据えながらより一層充実した高校生活を送るためには、産業構造の変化やデジタル技術の発展、そして少子化の深刻化といった社会の変化が極めて大きくなっている中にありまして、生徒一人一人がその個性や可能性を最大限伸ばしていくことができるよう、高校教育の中身についても同時に変革していくことが欠かせない、そのように考えております。
こうしたことから、今般の制度の拡充に併せまして、三党合意にもありますように、高校教育改革を同時に強力に進めていく必要があると考えております。
例えば、御指摘の高卒、大卒の視点につきましては、グランドデザインにおきましても、大学進学だけではなく、高校卒業後に地元に就職する即戦力の人材の重要性についても示しているところであります。
今委員御指摘のとおり、これは他省庁、経産省になりますけれども、二〇四〇年の就業構造変化といったような分析におきましても、もちろん、理系人材が不足をする、また同時に、AI、デジタルの発展によって、いわゆる文系人材はむしろ余剰になるというようなお話がある一方で、高卒人材というのはこれから足りなくなるというようなことが、その分析の中でも実際に指摘をされているところであります。そういう意味では、今委員御指摘の、高校を卒業して働かれる、また大学を卒業して働かれる、そして大学院を卒業して働かれる、それぞれ、こうした観点での人材をどのような形で育成をしていくのかというのも大変重要な観点だと考えております。
これからの高校教育改革を進めるに当たりましては、大きなこうした社会の変化というものも見据えながら、何よりも、生徒たちが自ら選択した道に進むことを後押しをしていくことが重要であると考えております。そのためには、各都道府県が、生徒や地域のニーズを踏まえ、産業界や高等教育機関、地域の方々と連携をしていくことが期待されております。
文部科学省といたしましても、その取組をしっかりと支援することができますように、令和七年度補正予算で認めていただいた約三千億円の基金なども活用しながら、引き続き取組を進めてまいります。
○深澤委員 御答弁ありがとうございました。
高校教育改革のいわゆる就業構造の話については後ほどの質問でも触れさせていただきたいと思いますが、また、子供たち、全体最適と個別の最適というのはちょっと違うところもありますので、是非、都道府県にも御指導いただきながら、しっかりと高校改革を進めていただきたいと思います。
次の質問に移ります。
就学支援金につきましては、大臣の法案説明にもありましたように、高校教育に係る費用の中核である授業料を支援することで、経済的な負担の軽減を図り、教育の機会均等を実現することを目的として実施してきたものと承知をしておりますが、元々、就学支援金制度はどのような経緯で始まり、これまでどのように変遷してきたのか、また、今回の法改正によってどのような高校教育を目指そうとされているのか、御答弁をお願いしたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 就学支援金制度は、教育の機会均等や高等学校等の教育に係る費用を社会全体で負担をしていくべきといたしまして、平成二十二年に創設をされた制度であります。
その後、低所得世帯における教育費負担が大きいことなどを踏まえまして、所得制限を導入をするとともに、私立の生徒への就学支援金の加算の拡充、授業料以外の教育費負担の軽減のための高校生等奨学給付金制度の創設などを行ってきたところであります。
目指す高校教育に関してでありますが、現在の人口減少社会にあって、高校教育には、将来の我が国社会を担う人材を育成、輩出することがより一層期待されていると認識をしているところであります。このため、経済的事情はもとより、公立、私立の別にかかわりなく、生徒一人一人の個性や可能性を最大限に伸ばす教育を行っていくことが求められております。
今般の就学支援金制度の見直しは、こうした高校教育を取り巻く背景を踏まえまして、また、これまでの三党間での協議や累次にわたる合意に基づき、将来の我が国社会を担う人材を育成するため、高校教育に係る費用の中核である授業料を社会全体で負担する考え方をより進めるものであります。
今回の法改正を通じまして、経済的な状況にかかわらず生徒の学びの選択肢を広げ、教育の充実を図ってまいりたいと存じますし、また、今回のこの法案とはちょっと違いますけれども、昨年の補正予算におきまして三千億の基金をお認めいただいたというお話は累次させていただいているところでありますけれども、私自身の、文部科学大臣の思いとしても、家庭の経済状況などに左右されない教育というものをできる限り実現をしていきたいという思いを持たせていただいております。
そんな中、昨年の三千億の基金を活用をいたしまして、今回、私自身の指示に基づいて、高校と地域の連携、協働による学力向上、学習支援のための取組というものもそのメニューの中に追加をさせていただいております。この制度によりまして、これも以前、委員会でも御答弁をさせていただいておりますけれども、例えば、公営塾などというようなものも実際にこの基金を活用してつくっていただくことも可能というような仕組みにさせていただきました。
家庭の負担というのは、当然、学校の授業料だけの話ではなくて、学校外教育に係る家庭の負担も非常に大きいというものも実態としてあるところだと思います。それは、より高度な教育を受けるという意味合いだけではなくて、なかなか学習についていくことができない生徒をいかにサポートしていくのかという意味でも、そういう意味合いというものはあるんだと思っているところでもありまして、こういうところを国として、今までとは違って一歩前に進んで支援をしていこうということも制度としてつくる、その一歩を踏み出したところでもあります。
こうした様々な制度というものをうまく使いながら、是非、子供たちの学びの場というものをしっかりと提供をし、そして質を高めていく、そうした取組というものを今回の法改正を含めた様々な施策を通じて進めてまいりたいと存じます。
○深澤委員 御丁寧な答弁、ありがとうございました。
将来の人材育成を、社会全体でその役割を担っていくという大変重要なテーマだと思っております。また、こういった授業料なども拡充されていきますと、それぞれの学校で余裕が出てくる。今、学習塾の話もありましたけれども、だんだん、例えば、私立高校などは高校の中に塾の役割を担うようなものも備えていったり、時代とともに、余裕が出てくると、そういったプラスアルファのことも拡充されてくると思います。
今、私たち、地元を回っていますと、特に若い世代にだんだんだんだんお金を充てていくと、比較的高齢の方が、何で若い人たちばかりにお金を使うんだというような御批判がたまにあるんですけれども、是非、そういったものを払拭できるように、丁寧に、これは重要なんだということを文科省として周知、広報をしていただければありがたい。私たちも精いっぱい頑張りますので、応援しますので、よろしくお願いしたいと思います。
続いての質問ですが、地方負担の導入についてお伺いいたします。
これまで、就学支援金制度は、全額を国が負担してきましたが、今回の改正で都道府県がその四分の一を負担することとされておりますが、まず、その理由の説明をお願いしたいと思います。
○望月政府参考人 お答え申し上げます。
今般の制度見直しにつきましては、高校の授業料の平均相当額につきまして社会全体で負担するという考え方を進めまして、将来の我が国の社会、あるいは各地域の地域経済を担うような人材の育成を進めていくものでございます。
昨年十二月の三党合意も踏まえまして、都道府県は、公立高校の設置者、あるいは私立高校の所轄庁としまして、高校教育を提供する責任がございます。その授業料の支援につきましても一定の責任を有していることから、現行制度では国が就学支援金の全額を負担をしてございますけれども、新たな制度におきましては、地方における安定財源の確保を前提として、都道府県が費用の四分の一を負担することとしたところでございます。
○深澤委員 ありがとうございます。
それでは、地方の四分の一負担についてなんですけれども、文部科学省から配付された資料の中でも、道府県の負担相当の金額がいわゆる基準財政需要額に追加算入され、普通交付税として交付されることが予定されていると説明されていますとおり、地方負担分は文部科学省から全額支払われるということなんですが、私のところには度々、地元の教育委員会や私学関係者から、本当は全額負担されないのではないかという質問が寄せられております。皆様のところにもあると思います。
その一つの理由といたしまして、一月二十三日付で発せられました総務省自治財政局財政課事務連絡がありますが、その中で、いわゆる高校無償化を実施するための安定財源につきましては、国の歳出改革や租税特別措置の見直し等によって捻出することを想定していること、地方公共団体分につきましても、租税特別措置の見直し等による増収分を充てるほかと書かれております。また、その最後に、地方公共団体の税財源の充実確保に努めることとしていると結ばれております。
そこを捉えまして、今、地方経済は、大都市や大企業の状況とは違いまして、大変厳しい状況が続いておりまして、もし十分増収分が得られなかったら、その分は地方負担になるのではないか、税財源確保も、「努めること」となっておりますので、国の責任はないのではないかと不安に思われているようであります。
改めて、国は租税特別措置等の見直しを行いましたが、それで間違いなく地方負担分の財源は確保できるのか、仮に確保できなかった場合は、地方負担が発生するのかどうか、その点について御説明をいただきたいと思います。
○望月政府参考人 今、深澤委員の方から御紹介いただきました地方負担分につきましての経緯につきまして、繰り返しになるところを避けながら申し上げますと、令和七年十月の三党合意、あるいは与党の税制改正大綱を踏まえた十二月の三党合意、そして財務省、総務省、文部科学省の行政間での取決めにおきまして、新たな制度に係る四分の一の地方負担につきましては、地方財政計画の歳出に確実に全額計上するとともに、一般財源総額を増額確保するということとされてございます。そして、個別団体の地方交付税の算定に当たりましても、地方負担の全額を基準財政需要額に算入し、各団体に見える形で普通交付税を算定することとしてございます。
不交付団体である東京都以外の道府県におきましては、普通交付税が確実に交付されるものでございます。
○深澤委員 ありがとうございました。はっきりと御答弁いただきました。
先ほどの総務省の事務連絡なども少し、そういったのを捉えて、地方の私学、あるいは自治体の皆さんがちょっと困惑するような状況もあると思いますが、文部科学省が所管ですので、是非そこは表現も統一していただいて、余分な説明はなしで、分かりやすくこれからも最後まで周知徹底に努めていただけたらというふうに思っております。よろしくお願いします。
それでは、次の質問です。
就学支援金の支給対象者につきましては、日本国籍を有する者、特別永住者又は永住者の在留資格をもって在留する者その他これに準ずる者として文科省令で定める者とされておりますが、今回の法律の第一の「目的」の冒頭に、「我が国社会を担う豊かな人間性を備えた人材を育成するため、」と書かれているのであれば、少なくとも、我が国の学習指導要領に基づいて教育を受けているであるとか日本語を学んでいることなどを条件とすることも考えられるのではないかと思います。例えば、北方領土、竹島、尖閣諸島は我が国の固有の領土であるということを正しく学び、日本の主張を理解していただいた上で、社会全体のために活躍する人材を育てていくことが、今回の法改正の目的の部分で解釈されるのだろうと私は思っております。
ただ、今回の法改正の中ではその部分は含まれておりませんが、法案五の(三)のいわゆる三年見直しの中でこのような考えを含めるべきだと私は考えておりますけれども、いかが考えますでしょうか。御答弁お願いします。
○松本(洋)国務大臣 今般の制度見直しは、昨年の三党間での合意に基づき、将来の我が国社会を担う人材を育成、輩出することに資する制度とすべく、法律の目的規定を見直ししております。
また、支給対象機関につきましても、こうした目的、趣旨に沿う教育機関を対象とする観点から見直しをいたしまして、いわゆる外国人学校については、法律上の支援の対象とはしないことといたしております。
他方、これまで支援の対象としてきた外国人学校に通う生徒につきましては、日本社会に根づいて働き定着し、社会を支える貴重な人材となっている者もいることから、直ちに不利益を生じさせないため、これらの外国人学校につきましても、在校生については、在学中は従前の支援対象とする経過措置を法令上講じるとともに、新入生につきましては、予算事業により、これまでと同等の支援が受けられるように措置することとしているところであります。
こうした制度の見直しを前提にいたしまして、御指摘のような一定の要件を満たす外国人学校について、法令上の支援対象とするのかどうかという点も含めまして、今後三年以内の期間に、国民の皆様からの様々な御意見、また、新たな制度の実施状況などを検証してまいりたいと存じます。
○深澤委員 大臣、答弁ありがとうございました。
今後、その点も含めまして検討いただける、それもテーマの一つだということではっきりと御答弁いただきましたので、是非、これは国民の皆さんが納得できるような形での結論が出てくることを期待をしております。ありがとうございました。
続きまして、今回の就学支援金制度の拡充に併せて、高校教育改革のグランドデザイン二〇四〇に向けたネクストハイスクール構想が策定をされました。それに基づき、都道府県に実行計画策定を求めており、そのための交付金等の新たな財政支援の仕組みの構築を、令和九年度に向けて構築することは三党合意となっておりますが、政府としても、令和九年度以降の財政支援の仕組みの構築に責任を持って取り組むべきと考えておりますので、この点についてお答えをいただきたいというふうに思っております。
加えて、グランドデザインについてもう一点お伺いしますけれども、改革のイメージで示されている専門高校の高度化や普通科改革による特色化を進めていくと、公立高校の再編によって残されていくのは、いわゆるトップ校と言われるような高校からではないかと考えられます。しかし、公立高校の大切な役割としては、広く地域の子供たちの受皿となることや、地域と結びつく高校を育て、地域を担う人材を輩出することもあるのだと考えます。そういった考えから、地理的アクセスを重視することも大変重要であると考えます。
そこで、地理的アクセスについて、文部科学省として、例えば指標を作って、都道府県内にバランスよく高校が配置されるよう取り組むべきことを考えていくことも大事だと思いますが、いかが考えますでしょうか。御答弁いただきたいと思います。
○望月政府参考人 御答弁申し上げます。
平成以降、高校改革につきましては、各自治体におきまして、それぞれの生徒の状況、あるいは生徒の多様な進路希望や実態に応じまして進めてまいりました。ただ、今後の社会構造の変化等を考えたときに、これからの高校生に対して学びを更に豊かにしていくという観点は国としても大変大事であるという観点から、国として初めて今回、高校改革の方針であるグランドデザインを策定をするとともに、都道府県の方が主体的に行う高校改革につきましても、高校改革のパイロットケースを創出するために、七年度補正で高校教育改革促進基金を設置をして、取組を促しているところでございます。
その上で、御指摘の三党間の合意にも明記されてございます、各都道府県が策定するこれからの実行計画の一定程度のものにつきまして、安定財源を確保した上で、交付金などの新たな財政支援の仕組みについても検討していくことが大事であるというふうに考えてございまして、その具体化に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
御指摘のように、公立高校につきましては、地域経済を支える、あるいは地域の多くの中学生が生まれ、学び、育ち、そしてそこに職を得ていくという、そうした循環がこれまでも、これからも大事だと考えてございます。高校教育の普及あるいは機会の均等を図る地域の社会に根差した公立高校はそういう重要な存在であるということは、深澤委員の御指摘のとおりでございます。
グランドデザインでは、まさに改革の視点の一つとして、一人一人の多様な学習ニーズに対応した教育機会、アクセスの確保という観点を掲げてございます。生徒の地理的アクセスの確保に留意する観点から、各都道府県が計画を作る際には、都道府県の実情等、都道府県の中でも様々でございますので、そうした実情をよく考えていただいて、学校配置や規模の観点、あるいは域内の、各地域のそうしたアクセスの観点も含めて検討をしていただくよう、都道府県の方にもお願いをしたいというふうに考えてございます。
文部科学省としても、しっかり伴走支援をしてまいりたいと考えているところでございます。
○深澤委員 ありがとうございます。
御答弁いただきましたけれども、繰り返しになりますけれども、専門化、あるいは個性を伸ばす魅力化みたいなところを進めていきますと、どうしても地理的アクセスという、合理的ではない部分も、ちょっと相反する部分が出てくると思いますので、是非そこは、余り都道府県だけに委ねるのではなくて、先ほどの伴走支援、この部分を強化していただければというふうに思っております。よろしくお願いします。
続きまして、グランドデザインの中で、二〇四〇年までに達成を目指す目標というものがあります。そもそもこのグランドデザイン自体が、将来予想は難しく、どのような将来が訪れるか分からないという背景を基に作られました。
公立高校の再編は大変重要ですが、二〇四〇年目標の中では、専門高校の生徒数を現在と同水準と書かれております。専門高校の人数を維持すると考えると、再編される多くは普通科となります。多様な学びの確保の観点から、普通科に入れずに、本来の志望でない専門高校に入ることがないようにとも考えなければなりません。
そのためにも、このグランドデザイン自体も、三年あるいは五年といった期間で見直していくべきと考えますが、その点についてお答えいただきたいと思います。
○望月政府参考人 お答え申し上げます。
今般、二月に策定をいたしました高校改革の方針、グランドデザインにつきましては、現在の教育振興基本計画が二〇四〇年の姿を念頭に置いて策定されていること、あるいは産業構造審議会でも二〇四〇年を見据えた人材需給の動向が示されているといったようなことを踏まえた上で、今後の社会、未来が不透明な中にありまして、現時点において、高校生の学びを豊かにするために必要と考える国のビジョンを示したところでございます。
今御指摘の、専門高校生の数が現在と同水準になるということを目標では定めてございます。ただ、これはあくまで、もとより専門高校の充実に力を国としても入れていくという方針の一方で、個々の進路決定は、個人の生徒、保護者との相談の上でも、生徒でございます。そうした進路選択の結果として、我々としては、専門高校、職業教育を選び学ぶ者が、これまでずっと、率としては二十年、三十年下がってきたという現状も踏まえまして、改めて目標値を定めさせていただいたところでございます。
したがいまして、今後のそうした社会の状況などの変化も見据えながら、アップデートの必要が生じた場合には、その見直しを検討してまいりたいと考えているところでございます。
○深澤委員 御答弁ありがとうございました。
なかなか私も、質問していて、そもそも人口減少そして労働力不足という中で、専門高校の重要性、また専門人材の重要性もよく分かっていますし、一方で、子供たちの多様なニーズというのを満たしてあげたい。ちょっとこれも矛盾しているかもしれませんが。そういった、苦しい、答えがあるかないか分かりませんけれども、そういったところも、都道府県の中で一律に求めるのではなく、そこの部分についても、是非、その多様な部分を満たすためにどうしたらいいのか、都道府県と一緒に伴走型で、悩みながらかもしれませんが、考えていただけたらありがたいと思います。
それでは、最後の質問ですけれども、今回、大きく制度改正が行われることになりましたが、保護者に対して、また地方自治体に対しても、丁寧な説明が必要だと考えます。特に、行政事務では国籍や在留資格の確認内容が変更になりますので、生徒に不利益が生じないようにしなければなりません。
文科省として、今回の制度改正についてどのように周知、広報に取り組まれるのか、お答えいただきたいと思います。
○斎藤委員長 望月初等中等教育局長、簡潔にお願いいたします。
○望月政府参考人 お答え申し上げます。
昨年二月の三党合意以降、収入要件を撤廃することや支給上限額の引上げなどが順次合意、発信されてきた。それを、文部科学省としてもいろいろな形で周知をしてまいりました。
今後、制度が確定した暁には、これまで行ってきた都道府県での説明会、これを更に充実いたしまして、受給資格の観点、あるいは経過措置の観点などを含めて丁寧に、都道府県、あるいはそれが生徒等にも届くように、正確かつ迅速な情報提供、情報発信に努めてまいります。
○深澤委員 終わります。ありがとうございました。
○斎藤委員長 次に、田中昌史君。
○田中(昌)委員 おはようございます。自由民主党の田中昌史です。
質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。斎藤委員長始め理事の皆様方に心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。松本大臣にも、是非今日はよろしくお願いいたします。
私は元々、理学療法士という医療専門職の出身でございました。北海道で二十三年ほど、専修学校の、専門学校の教員をしておりました。大臣が先ほど、所得に、経済的な状況に左右されない進路選択というお話をされていらっしゃいました。本法案の趣旨でもあります。本当に多くの御家庭、保護者の皆さんから、何とかこの道に進みたいんだが、経済的な問題があると断念された保護者の方が本当に多くいらっしゃったのを今でも覚えておりますし、何としてもなりたいがために、奨学金あるいは学資ローン、これをかなり積んで、卒業段階では七百万円の借金を今後四十八歳ぐらいまで返済しなきゃいけないという子供さんも本当に多くいたという経験があります。
高校段階から、小中高と授業料無償化によって経済的な負担が軽くなって、八四%が大学、短大、高等教育機関に進学する時代でありますので、そういった方向にしっかりつながっていくように、先ほど大臣は一歩目というふうにおっしゃいましたけれども、二歩、三歩と、こういった未来を目指す子供さんたちが進むような本法案を是非しっかりと実現をして、進めていただきたいなというのを冒頭申し上げまして、質問に入ります。
初めに、グランドデザインで目指す高校改革の方向性について伺います。
今般の就学支援金制度の拡充によりまして、生徒の選択肢が広がることは望ましいことであるものの、私立高校の志願者が増えて、公立高校の志願者が減少していると報道がされています。
学校基本統計によりますと、私立高校授業料の年収五百九十万円未満世帯を対象とした実質無償化を施行した令和二年度に比べまして、令和七年度の公立高校在学者数は約九・六%減、私立高校在学者数は約二%減と、公立高校在学生の減少幅は大きくなっています。
専門高校を始めとする公立高校は、これまでも地方創生の核として極めて重要な役割を担われており、地域経済、社会の発展や産業イノベーション人材の育成に不可欠な存在でありますが、このままでは公立高校が衰退するのではないかという懸念の声が私の方にも大きく聞こえてくるところであります。
先般、文部科学省として、高校教育改革に関する基本方針、グランドデザインを策定しましたが、改めて、グランドデザインで目指す高校改革の方向性について、このような懸念の声も踏まえてお聞かせください。
○松本(洋)国務大臣 一般論として申し上げますと、私立高校の授業料に対する支援を拡充し、私立高校への進学を希望する生徒が増加をした場合、公立高校への進学者数が減少する可能性があるなど、公立高校への一定の影響があるものと考えられます。具体的に数字でそうしたことをお示しをされているデータ、そうした指摘もあるというふうに承知をしております。
専門高校を始めとする公立高校は、多様な背景を有する生徒の様々な学習ニーズに応える役割を果たすとともに、地域経済、社会の発展、地域が求める人材育成などの観点から、高校教育の普及と機会均等を図る地域社会に根差した重要な存在であると考えているところであります。
そのため、今般のグランドデザインにおきましては、社会状況の大きな変化が見込まれる二〇四〇年を見据えまして、高校改革の方向性の視点といたしまして、AIに代替されない能力や個性の伸長、我が国や地域の経済、社会の発展を支える人材育成、一人一人の多様な学習ニーズに対応した教育機会、アクセスの確保の三つを示しているところであります。
その上で、高校改革の方向性につきましては、専門高校の機能強化、高度化を通じたアドバンストエッセンシャルワーカーの育成、普通科改革を通じた高校の特色化、魅力化による文理双方の素養を有する人材の育成、地理的アクセス、多様な学びの確保という観点からお示しをしたところであります。
今御指摘がございましたように、本当に、それぞれの地域によってニーズというものは大きく違っているところでもあります。また同時に、一方で、社会から必要とされる人材というものも、当然ではありますけれどもそれぞれ違っている、そして子供たちが目指す方向性もそれぞれ違うというような状況もある中で、我々としてしっかりとやっていかなければいけないのは、小学校、中学校、高校、大学、大学院、やはり最終的には一気通貫の教育改革というものを進めていかなければいけないというふうに考えているところであります。
ただ、その中のパーツの一つとして、今回、高校に関しましてこうしたグランドデザインを示させていただいたところでありますが、当然、そうした全体の将来像というものも改めてしっかりと見据えながら、その中においての高校教育というもののあるべき姿というものは、その地域の実情を鑑みながら、より一層ブラッシュアップをしていくことによって、それぞれ、小中高大、大学院、これらが有機的に連携をして、そして最終的には子供たちが、生徒の皆さんが能力を高め、そして自己実現を後押しをし、そして国や地域社会を支えていく、それによって国も地域も発展をしていく、こういう好循環を是非教育の分野からもつくり上げていきたい、そんな思いを持っております。
○田中(昌)委員 大臣、ありがとうございました。
一気通貫、地域の発展、様々な効果をしっかりと捉まえた制度づくりというお話をいただきました。是非、日本の地域それぞれが元気になっていく、そして何よりもやはり子供たちが未来に希望を持っていく、そういった高校教育改革につながっていかれるように是非お願いをしたいと思います。
次に、生徒、保護者への制度の周知について伺いたいと思います。
いろいろなネットとかを見ますと、高校無償化とか教育無償化という言葉が何か独り歩きしまして、あたかも何か教育に係る費用は全部無償になるんじゃないかというような誤解を持っていらっしゃる方も一定数いらっしゃるように聞いております。
株式会社スプリックスという進学塾が運営する会社が今年の一月二十六日に公表した資料で、小中学校の子供を持つ保護者五百十六人を対象にインターネット調査をしたら、高校授業料無償化について詳細は知らないという方が七四・四%いると。この四月からスタートであります。
今回の法律案は、授業料が無償化する、所得制限を撤廃し、そして支給上限額を引き上げるというものであって、入学金を始めとする様々な関連費用につきましては対象になっていないということでありますが、こういった部分で正しく理解されないまま進路選択をするということはできるだけ避けなければいけないということでありますが、こういった点の周知、広報について文部科学省としてどう取り組まれるのか、お聞きします。
○望月政府参考人 御指摘のように、今般の制度の見直しにつきましては、高等学校等の教育に係る費用の全てを無償にするものではございません。授業料に充てるための就学支援金を拡大するものでございまして、また、私学によっては、授業料の平均額以上に授業料を設定している学校もございます。授業料以外のそうした係る保護者の経費というのは、御指摘のように施設整備費でありますとかあるいは教材費とか、こうしたものもございます。
御指摘も私ども重く受け止めまして、就学支援金制度の拡充ということは、今回、制度が通りました暁には、誤解がないように、今の中学生あるいは保護者の方にもできる限り届くように、市町村教育委員会等とも連携をしながら、その周知、発信に努めてまいりたいと考えております。
○田中(昌)委員 是非よろしくお願いをいたします。教育委員会等もしっかりと国と連携しながら頑張っていただく。こういった情報にアクセスできる方もいれば、できない方もいます、自分では。ですから、やはりこういった部分では細やかな対応が必要かと思いますので、是非よろしくお願いをしたいと思います。
次に、専門高校に関連して二問伺いたいと思います。
今回のグランドデザインの二〇四〇年の達成目標には、専門高校に関する事項が数多く盛り込まれております。働くために必要な知識や実践的技術を学ぶことができる専門高校は、国民生活、健康、そして社会の安全を維持するために欠かせないエッセンシャルワーカーの育成など、地域産業の発展を支える観点から非常に重要な役割を担っていると思います。
一方で、生徒数の減少などの実態も耳にするところでありまして、生徒数や学科数の推移など、専門高校の現状及び課題がどうなっているのか、伺いたいと思います。
○望月政府参考人 専門高校についてのお尋ねでございます。
専門高校は、農業、工業、商業、家庭、水産、情報といったいわゆる職業に関する八学科、これを専門高校と称してございますけれども、その専門高校の生徒数につきましては、現在、全高校生の生徒数の約一七%でございます。そのうち、公立高校に通う生徒は約八五%となってございます。これは、御指摘のように、地域の社会経済を支える人材養成への重要な役割を果たしていると認識をしているところでございます。
専門高校の現状につきまして、二十年前、平成十七年度と令和七年度を比較してみますと、少子化の影響もございますけれども、生徒数の推移につきまして、全体として約七十五万人から四十八万人へと約三五%減少しているのに対しまして、また学科数の推移につきましては、二千四百十九学科から千八百八十九学科へと二二%減少をしてございます。
生徒数の減少幅で見ますと、普通科が約一九%減少になってございますけれども、専門高校の生徒数に関しましては約三五%の減少と、より大きくなっているというのが現状でございます。
○田中(昌)委員 極めて大きな減少幅だというのがよく分かりました。
先ほど、エッセンシャルワーカー等の地域を支える大切な人材を育成するという部分では、社会的には大きな使命、役割を持っているというのは事実であります。グランドデザインの視点である社会や経済を支える人材育成というのがあります。そのために、最先端を学ぶ高校の特色化、魅力化を推進するというのは、今回のグランドデザインでもうたわれているところでありますが、そう考えますと、専門高校への支援は急務であろうかというふうに思います。
加えて、グランドデザインに基づく取組を関係者が連携、早急かつ着実に進めていくことが重要であろうかなと思います。地域地域の中でのしっかりとした連携が極めて大事だというふうに思っています。その際に、国を始め都道府県が時代の変化、生徒、地域のニーズを十分に踏まえて、これからの専門高校の在り方を検討し続けることが重要でありまして、加えて、都道府県や学校現場が安心して取組を進めていくためには、しっかりとした財政支援が必要ではないかというふうに思います。
また、産業技術が急速に進化する中で、その変化に対応できる教育内容や指導力の向上、実習設備が産業現場に追いついていないなど、指摘されていることについてどのように対応されていくのか、伺いたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 専門高校は、我が国の産業、経済や医療、福祉の発展を担う人材の育成とともに、地域産業の発展を支える大変重要な役割を果たしているところであります。
文部科学省におきましては、令和七年度補正予算で設けました高校教育改革促進基金を通じまして、アドバンストエッセンシャルワーカー等を育成する役割を果たす専門高校を始め、公立高校を対象に先導的な学びの在り方を構築するパイロットケースの創出に取り組むこととしているところであります。
具体的には、産業界の伴走支援を受けながら行う教育内容の刷新、開発、企業の専門人材を、例えば工業エキスパートといった呼称で招聘することによる指導力の向上、産業界のニーズに対応した産業教育施設設備の整備などに必要な経費の支援も可能となっているところでもあります。
私も三党協議の実務者として出ておりまして、現場の皆さんからもいろいろとお話をお聞きをしたところでありますけれども、例えばそのときに例として出ていたのは、例えば農業高校の実習で使う機材などにつきましても、現在は例えばGPSの機能を使って自動的にトラクターが走り回るようなそういう農業形態というものもある中で、じゃ、実際に農業高校でそういう技術を教えられるのかというと、そういう機材が整備をされていないので、高校段階でそういうものを教えることができないとか、いろいろとそういう御意見というものも頂戴をしたところでありまして、そうした観点も踏まえまして、こうした取組というものを今進めようとしているところであります。
また、先般公表したグランドデザインに基づきまして、今後、各都道府県において、各地域の実情や就業構造の変化の推計、高校生の声を含む幅広い意見などを踏まえながら、地域の産業界や首長とも連携をして、域内の専門高校を含む高校改革を広く進めていくための実行計画を定めることとしております。
文部科学省としても、各都道府県の取組に伴走をいたしまして、引き続き必要な取組を進めてまいりたいと存じます。
○田中(昌)委員 ありがとうございます。
是非、積極的な取組をよろしくお願いをいたします。
続きまして、外国籍の生徒や外国人学校の扱いについて伺いたいと思います。
先ほど深澤委員の質問にもございましたが、この就学支援金制度、現行は、我が国に住所を有して高等学校に在学する生徒について広く支援をしていますけれども、今回の見直しに当たって、国籍や在留資格等に基づいて支給対象を限定するということになっています。また、各種学校のうち、外国人学校を指定する制度は廃止される予定ということでありますけれども、三党合意等の協議を通じて、どのような議論があってこのような見直しを行うようになったのか、なぜこんな制度にするのかという理由を伺いたいと思います。
○望月政府参考人 昨年六月の三党の検討チームでまとめました論点の大枠整理を御紹介いたします。
ここでは、日本社会に根づいて生活する外国人や日本の産業を支える外国人の子弟が安心して学べる環境を保証するといった観点や、我が国に継続的に在住、在学してきた者、あるいは高校留学のために初めて来日する者など、状況が様々な中でどのように扱うべきか、関連政策を含めて検討することが必要、そうした議論が取りまとめられたところでございます。
その後、引き続いて行われました三党間での協議等を経まして、十月末の合意におきましては、現行制度の受給資格を見直し、在留資格を要件とする制度を導入することとし、具体的には、高等学校の修学支援新制度と同様に留学等の我が国に定着することが見込まれない在留資格者を対象外とするとされたと承知をしているところでございます。
こうした三党合意を踏まえまして、今般の法案におきましては、将来の我が国社会を支える者になり得ると考えられる者を法律での支援対象とするため、受給資格を見直しまして、日本国籍を有する者、特別永住者又は永住者の在留資格をもって在留する者その他これに準ずる者として文部科学省令で定める者に限定をすることとしたところでございます。
○田中(昌)委員 ありがとうございました。
今回、その内容も踏まえて本法律案の第一条、目的規定もしっかりと改正されたということでありまして、是非、我が国を支える人材をしっかりと支えていくという趣旨をこの法律によって進めていっていただきたいなというふうに思っております。
続きまして、グローバル人材の育成に関する国際交流の促進について伺いたいと思います。
将来世界で活躍し我が国の発展を牽引する人材を育成することは、高校段階で多様なバックグラウンドを有する生徒とともに学び、共生の経験をすることが大変重要であると思います。我が国として、高校段階の留学生を積極的に受け入れるとともに、海外留学を促進することは今後とも必要であるというふうに考えています。
文部科学大臣として、高校段階の留学生の受入れ等の国際交流の重要性、この認識とその促進のためにどのように取り組んでいかれるのかお聞かせください。
○松本(洋)国務大臣 御指摘のとおり、高校段階での国際交流は、グローバルに活躍できる人材の育成や諸外国との相互理解の促進等の観点から、大変重要であるというふうに認識をしております。
このため、文部科学省におきましては、社会全体で高校生の留学機運を醸成をするため、学校などによる中高生の短期留学プログラムへの参加経費支援や官民協働による海外留学支援のほか、母国との懸け橋となる優秀な外国人高校生を日本の高等学校に招聘する事業などを実施をしているところであります。
さらに、令和七年度の補正予算になりますけれども、高校段階の留学に係る教育プログラムの開発や留学支援体制の構築などの取組について支援をすることとしているところであります。
我が国の将来を担いグローバルに活躍できる人材の育成は、喫緊の課題であると考えております。こうした制度、仕組みというものを使っていただきながら、今後とも、高校生の国際交流への支援に取り組んでまいりたいと存じます。
○田中(昌)委員 大臣、ありがとうございました。
インターネットの普及で海外へのアクセスが非常に促進されました。また、グローバルな経済環境の中で企業の海外進出というのも非常に多くなってきている状況の中で、海外に展開している輸出関連企業なんかでも、グローバル人材の確保がなかなか進まないという調査結果も散見されるというところでありまして、是非、そういった面につきましても、この留学促進が寄与していただけるように、期待をさせていただきたいと思っております。
一方、高校生の海外留学は、コミュニケーション力の向上ですとか問題解決力の向上とか、メリットはしっかりとよく聞くところでありますけれども、一方で、経済的な事情ですとか、なかなか語学が身につかなくてコミュニケーションがなかなか取れないとか、あるいは、紛争が起こったとか社会的な事情によってどうしても中断や中止しなければいけないという事態が発生するおそれがある。このことが海外留学をためらう一つの要因になっているということも、私は学生から何回か聞いたことがあります。
こういった中断、中止せざるを得ないようなケース、その後、国内に戻ってきた後の学習、高校等の支援はどんなふうに行われているのか。
三党合意でも、この論点整理の中で、高校間での単位互換ですとか、高校生の学期ごとの単位認定、学年による教育課程の区分を設けない単位制への移行、こういったものについて具体的な方策を検討するとなっていますが、こういった部分について留学生についても考慮されているのか、伺いたいと思います。
○望月政府参考人 お答え申し上げます。
高校段階での留学についてのお尋ねでございます。
海外に留学する高校生につきましては、これまで、日本の高校の卒業のために必要な単位修得に係る負担を軽減するために、平成二十二年度からでございますけれども、外国の高校に留学した場合には、校長は三十六単位を限度として我が国の高校の単位として認めることができるという制度改正を行いました。
また、学年をまたがって留学をした生徒については、留学が終了した時点において、学年の途中においても進級又は卒業を認めることができる。あるいは、何らかの理由で途中帰国した生徒、今、委員が御指摘のあったいろいろな事情もあると思います、生徒に対しまして、指導上の空白をつくることがないようにすることや、生徒の心の傷や挫折感等から早く立ち直れるよう適切なアドバイスなどを行うことなど、高校生の円滑な復学に向けまして各学校において柔軟に適切に対応いただくということを指導をしているところでございます。
また、授業料の支援の高校就学金支援制度につきましても、留学をした場合は休学をする、休学をした場合は、その算定期間が、これは支給が一旦休止をいたしますので、基本的には休学が明けてからまた就学支援金制度が継続をされる、その残りの期間でございますが、ということもございます。
今御紹介いただきました三党合意の中でも、グローバル人材の人材育成の強化を図ることが指摘されたことは御指摘のとおりでございます。その三党合意も踏まえましたグランドデザインの中におきましても、生徒の多様な学びを実現するための学校間連携などの推進に取り組むことを示してございます。
留学から途中帰国した高校生が安心して日本でも学習を継続することができるよう、グランドデザインに示したことも含めまして、都道府県教育委員会等に対して、海外から帰国する高校生に対する制度を周知し、各学校における柔軟な取組を促してまいりたいと考えているところでございます。
○田中(昌)委員 ありがとうございます。
本当に、空白をつくらない。留学するというのは非常に勇気といいましょうか強い意思があってのことでありますから、こういった高校生たちが安心して留学に取り組めるということを是非制度としても支援をしていただきたいと思っております。
次に、検討規定について伺います。
附則第五条に検討規定がありました。三年以内の期間に十分な検証を行った上で見直しをするということです。これは具体的に、検証や検討についてどのように行う予定なのか、あるものがあれば教えていただきたいと思います。
この際に、公立高校がゼロ又は一つしかない自治体が六三・九%、令和六年時点であるということです。こういった実態とか、通学や学力を始めとする生徒の背景を踏まえた存続すべき公立高校について、こういったことも考慮した検討、検証が行われるのかどうか、伺いたいと思います。
○望月政府参考人 委員御指摘のように、公立高校が一つもない市町村は二九・一%、一つしかない市町村は三四・八%というのが我々が把握している数字でございます。
要すれば、今回の就学支援金制度の拡充というものが、地域の重要な存在である公立高校にも影響を一定与え得る可能性はございます。法律の施行後三年以内の見直しにおきましては、その施行の状況を勘案しながら、受給資格そのほか支給の在り方について検討を加えますけれども、そうした新しい制度の実施状況の中では、公立高校へのそうした影響なども含めまして検証を行いたいというふうに考えているところでございます。
○田中(昌)委員 ありがとうございます。
私、生まれは北海道でございまして、北海道はゼロ又は一の市区町村が八二・四%という非常に高い数値でありますし、北海道はやはり広いものですから、通学に物すごい時間がかかる。まさに、選択肢はないんですよね。自分の家から通うという高校はもうほとんど選択肢がない状況の中で、公立高校が幅広い人材を受け入れていかなきゃいけない、その地域を守る人材を守っていかなきゃいけないということですので、是非こういった公立学校についても十分な配慮をお願いをしたいと思います。
最後に、ネクストハイスクール構想について伺いたいと思います。
産業イノベーション人材育成に係る高等教育改革促進事業ですが、これは、高等教育改革を先導する拠点のパイロットケース、先ほど御答弁でもありました、これも推進していくという話であります。アドバンストエッセンシャルワーカーの育成等も含めて、成長と発展に非常に期待しているところであります。
一方で、懸念するのは、学校の体制とか環境、在学生等の要因によって、なかなか改革が進みづらい高校があるのではないかということであります。そうなると、しっかりと成果が出ている公立高校、学校に目が行きがちになって、なかなか成果が出づらい高校への意識というか視点が薄れていくんじゃないのかなという懸念もありますし、是非、こういった部分についてどのような配慮をされていくのか、伺いたいと思います。
○斎藤委員長 松本文部科学大臣、簡潔にお願いいたします。
○松本(洋)国務大臣 はい。
今お話のありました先導的な学びの在り方を構築するパイロットケースの創出でありますけれども、この先導拠点の取組や成果につきましては、一つの学校にとどめることなく域内の高校に普及することを条件としておりまして、今後の高校教育改革の更なる推進を図ることとしているところであります。
また、グランドデザインに基づきまして、今後、各地域の実情や各学校の体制、生徒の多様性を十分に踏まえながら各都道府県において策定される高校改革の実行計画において、先導拠点の取組も含めて、域内の高校教育改革を広く進めていくための方針が定められることとなっているところでもあります。
また、こうした各都道府県の計画を着実に実施できるよう、交付金等の新たな財政支援の仕組みについて検討を行うこととしておりますし、さらに、地域の実情に応じて高校改革の取組を進めるために創設される高等学校教育改革等推進事業債の活用も期待されるところであります。
これからも、各都道府県の取組に伴走してまいりたいと思います。
○田中(昌)委員 ありがとうございました。終わります。
○斎藤委員長 次に、浮島智子君。
○浮島委員 中道改革連合の浮島智子です。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。
今議論になっておりますいわゆる高校の無償化、そして次に、法案もありますけれども、いわゆる三十五人学級、これは二つとも重要な法案であると私は思っております。
いわゆる高校無償化は、大臣とともに、おととしから、第一回目の三党協議から一緒にやってきました。そして、三十五人学級も、二〇一六年、このときに、文科省は予算が取れない、財務省も予算を締めたというところで、私は財務省に乗り込んでいって、どうしてもここは定数改善をやらなければいけないということを申し上げさせていただき、そして説得をし、そして二〇一七年にこの法改正、十六年ぶりの法改正になり、そしてそこから、小学校からということで、三十五人ということで四十年ぶりの法改正になり、今度は中学校という、本当に極めて重要な法案であります。真摯な御答弁をいただきながら、私もしっかりと議論をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
そして、これまで我々は、公明党として、半世紀にわたって、一九六九年の教科書無償配付、七二年の児童手当の創設など、子育て、教育を政治の柱とすることに全力で取り組んでまいりました。特に、この二十年間は、連立与党の責任ある立場から、幼児教育・保育、私立高校授業料、高等教育の三つの教育の無償化を実現させました。
同様に、人への投資、教育政策を重視してきた立憲民主党とともに結成いたしました中道改革連合として、今後とも教育政策をしっかりと推進し、子供たちや次代をしっかりと支えることに全力を尽くしてまいります。
本日は、高等学校等就学支援法案についてお伺いをさせていただきたいと思います。
今回の内容の基となる三党協議、これに関わってきた一人として、このような内容になった過程と課題を明らかにしつつ、子供や現場の目線で取組を進めるために質問をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
まず、今回の法案の中身について質問に入る前に、お伺いしたいことがあります。
二月二十日の施政方針演説において高市総理は、来年度予算について、全ては国民の皆様のため、今年度末までに成立が必要な法案の早期成立に御協力ください、また、八年度予算の迅速な御審議もお願い申し上げますとおっしゃいました。
今回の法案のように、四月一日から実施を広く国民の皆様や関係者の皆様にお知らせしている法案については、現場を混乱させることがあってはならないと思っております。四月からの実施が速やかにいくように成立させる必要があるということは、私も認識は同じです。私立高校への授業料の支援と拡充については、子供の進路に重大な影響があります。中学校三十五人学級の標準法も、四月からの学校のクラス編制や教師の人事異動に影響があります。
この委員会で審議する法案だけでも様々影響が想定され、全体ではより大きな影響が生ずると認識できるのにもかかわらず、一月の通常国会の冒頭で衆議院を解散し、総選挙を実施して、来年度の予算や関連法案の審議の開始を遅らせたのは高市総理の判断であります。野党の御協力をいただき、あるいはいただければと、野党のせいのようにも聞こえますけれども、違います。我々は、与党の時間を野党に譲ることではなくて、ただ早く通せばいいということではないと思います、しっかりと問題点などを出して議論をして、よいものにするのが大切だと思っておりますので、しっかりとした審議が必要であるということを申し上げさせていただきたいと思います。
そこで、松本大臣にお伺いをさせていただきますけれども、衆議院解散は高市総理の判断ですけれども、総理は先日の施政方針演説において、様々なお声に耳を傾け、謙虚に政権運営に当たってまいりますとおっしゃられておりました。この厳しい日程となった原因をつくったことに対して、まずは謙虚な気持ちを表すことが私は先だと思います。国会に対して、来年度予算と関連法案の早期成立、この協力を求めることについて、内閣の一員としての大臣の見解をお伺いしたいと思います。
また、とても残念なことですけれども、いわゆる高校の無償化、そして三十五人学級、この法案を一緒にやっていこうということをずっと話合いを進めてきたところでもありますけれども、明日の予算委員会、職権で立てられてしまいました。水面下で、こうして現場に支障がないようにということでいろいろ議論をしている中で、その水面下の交渉を分かっていながらこうやって職権で立ててくるということは、私はとても悲しく思いました。政府として、この文科委員会、これを軽く見ているのではないか。そして、明日予算委員会が行われるということを聞いておりますけれども、大臣が予算委員会に取られなければ、ここに来てこの三十五人学級を質疑したい、大臣が取られるのであれば、その時間は休憩とするというようなことも、いろいろ話が出てきているところでもありますけれども、私は、とてもこの文科委員会が軽く見られていると思っております。そして、この三十五人学級の法案も、そんなものでいいのかと私は憤りを感じているところでもあります。
また、予算や法案について、十分な審議を国民が見られる形で行うということ、また、来月、来年度の当初の高校無償化や中学校の三十五人学級の実現に取り組んでおられる教育関係者、そして何よりも子供たち自身が学びに向けて立ち止まることがないようにすることの両立を果たしていくことが重要だと思いますけれども、大臣の見解をお伺いさせていただきます。
〔委員長退席、尾身委員長代理着席〕
○松本(洋)国務大臣 ありがとうございます。
浮島委員におかれましては、本当に長きにわたって教育問題に取り組み、そして多くの御提言をいただき、形にしてこられましたこと、心から敬意を申し上げたいと思います。
まず、国会の運営についてでありますが、これは国会においてお決めいただくものでございます。ただ、国民の皆様の負託をいただいた国会において予算案や法案について御審議をいただくに当たりまして、御理解をいただけるよう説明を尽くす必要があると認識をしております。私自身といたしましても、その責任を最大限果たしてまいりたいと思います。
文部科学省から提出をさせていただきました高校就学支援金法の改正、そして中学校の学級編制の標準の引下げ、この両法案は、これからの子供たち、また社会全体にとって非常に重要な法案であるというふうに考えておりますし、また、同時に、四月からの施行を目指しているということでもありまして、そういう意味では国民生活にも大変大きな影響を与える両法案であるというふうに承知をしているところであります。
また、この実現に対しましては、委員の皆様と同様に、私も学校現場から大きなお声というものをいただいているところでもあります。各委員の御理解を得られるよう、法案について御審議をいただくに当たりまして、私自身、説明を尽くしてまいりたいと思いますし、それこそ、委員からお話がございましたように、私自身、謙虚な気持ちでこの法案審議に向き合ってまいりたい、そして責任を果たしてまいりたいと思います。
どうぞ御理解を賜りますよう、よろしくお願いをいたします。
○浮島委員 是非政府の中でも、文科委員会というのはとても重要なんだということをしっかりと認識をしていただくようにお願いをさせていただきたいと思います。また、緩みやおごりがないようにしっかりと進めていただきたいと思いますので、お願いいたします。
それでは、法案に入らせていただきたいと思います。
高校生の学びを支えるために、これまでどのような施策がどのような経緯で展開されてきたのかということを、まず振り返ってみたいと思います。
家庭の経済的環境により子供たちの進学が左右されることはあってはなりません。私は、誰一人取り残されない教育の実現を目指して、高校段階から大学段階にわたって、奨学金や就学支援金の拡充に一貫して取り組んできました。
高校については、二〇二〇年四月から、年収五百九十万未満の世帯で私立高校に通う場合は、授業料相当の三十九万六千円を支給する。また、私立高校等の授業料の実質無償化が実現いたしましたけれども、これは、二〇一九年の、衆議院選挙の当時の公明党が公約の一つとして掲げ、自民党との連立政権合意にも盛り込まれて、実現がなされました。
これまでも、子供が高校に通う年収九百十万円まで未満の世帯には、公立高校の授業料相当分の年間十一万八千八百円の就学支援金があり、公立高校の授業料は実質無償化をされておりました。しかし、私立高校の授業料は全国で年四十万円程度に上るため、従来の就学支援金では賄えず、家計の大きな負担となっていたところが事実でございます。そこで、我々が強く働きかけて、二〇二〇年度に年収五百九十万未満の世帯を対象に、就学支援金の上限を私立高校の授業料の全国平均額に達するように引き上げたところでもあります。
なお、東京都におきましては、国に先駆けて二〇一七年度から私立高校の実質無償化が実現しておりました。そのことが、国全体のこの私立高校の実質無償化の実現の後押しをし、この施策は、小池東京都知事が明言されているとおり、都議会公明党が実現をしたものであります。
この東京都の取組をモデルに、当時の公明党の山口代表は、二〇一七年十月の党首討論で、どこに住んでいても平等な支援策を受けられるようにすべきとして、全国的な授業料の実質無償化を安倍総理に直談判されました。当時の安倍総理からは、検討するとの回答を引き出しました。また、同年の二〇一七年十二月は、私の方から、この委員会におきまして、当時の林文科大臣への質問に対して、大臣からは、我々の提言も踏まえてしっかりと検討し取り組むという答弁もいただきました。
このような経緯があって、二〇二〇年度から私立高校の授業料の実質無償化、これが実現になったところであり、これまでの強い信念や行動の表れが現在の就学支援制度になっていると思います。
また、高校生等奨学給付金、この創設も長年訴えてきたものであります。これは、生活保護として非課税世帯を対象に、授業料以外の教材費あるいは学用品、そして教科外活動費、修学旅行費などを支援するものでありますけれども、高校就学支援金は、既に授業料が全額免除とされている低所得者、ここの世帯には恩恵が及んでおりません。また、高校での教育には授業料以外での費用の負担が重くのしかかっているのが現状でございます。
その支援の必要性を強く訴えて主張してきたところでもありますけれども、二〇一四年度に開始されたこの制度は拡充し続けてきております。具体的には、制度開始当初、国公立の高校に通う場合の支援額は三万七千四百円にとどまっておりました。二〇二五年度には、この予算の修正の中で更なる増額を実現し、十四万三千七百円と四倍になったところです。
高校無償化を始め教育費の負担軽減はこれまでも一貫して取り組んできたところでもありますけれども、誰一人取り残されない教育の実現に向けて強い決意の下、現場のお声もしっかりと伺って大切にしながら、これまでの経緯を確認しながら質問を続けていきたいと思います。
まず、今回の就学支援法案についてお話しするときに出てくるいわゆる三党合意という言葉でありますけれども、御承知のとおり、この法案審議の源となったいわゆる高校無償化に向けての政策の合意です。でも、この合意があるから、また政治的約束を守る必要があるから、また今回の法案を成立させなければならないかというと、そうではないと私は思います。
この高校無償化を実現することが、子供たちの活力ある明るい未来の実現に確実につながるということが全ての原点になっていると私は思います。政治約束ではなくて、子供たちの未来のために、すなわち、これらの時代に合った質の高い高校教育を全ての子供たちに提供できる環境をつくり上げること、ここに本来の目的があるということを共有させていただきたいと思います。
三党合意は、自民、公明、維新の三党で議論をし、進めてきました。これらは、昨年の二月の三党合意、六月の論点の大枠整理、十月の令和八年度以降の高校教育の振興方策についての合意、それから十二月に国と地方の役割分担の在り方を合意したもので、ここに至るまで本当に多くの方々のお声を伺い、悩み、そして真剣に検討を進めてきた結果としてでき上がったものと私は承知をしております。
大臣は、様々な中で、大臣就任までは、この三党協議の実務者として一緒に誠実に汗をかいてくださいました。その点につきましては、私は心から敬意を表したいと思っております。
昨年の二月の三党合意では、いわゆる高校無償化について、令和八年度、二〇二六年度から収入要件を廃止すること、私立の高校等への加算額を四十五万七千円に引き上げることを記載するとともに、令和七年度、二〇二五年度には十一万八千八百円の支援金を収入にかかわらず全世帯に支給するという内容になっています。
本法案の基となる三党合意に至った経緯について、法案審議のための参考としてその過程について触れさせていただきたいと思いますが、そもそもこの三党協議が始まったのは昨年度、まさに今年度の令和八年度の予算の成立を期してのところで、日本維新の会から高校無償化の提案があったところです。そして、三党協議での教育の検討チームによる協議は一昨年の十二月から始まりました。
当初は、十二月に始まりましたけれども、数か月後の四月、四か月後ですけれども、に迫る二〇二五年度から収入要件の撤廃や私立への加算をしろという意見もありました。例えば、授業料のキャップ制など大阪府の無償化の取組への懸念、所得制限撤廃の必要性、外国人などの対象範囲の考え方、支給の事務に当たってのシステム改修を含めて都道府県の事務が対応できるのか、また、恒久措置にするのであれば財源はどこから用意するのかといった様々な課題を議論した結果、二〇二五年度には、既に支給されている十一万八千八百円の支援金について、予算措置で収入要件にかかわらず支給するということになったものです。
当時は与党の立場として、生徒や保護者、学校現場が困らないか、都道府県が対応できるか、財源の見通しはつくのかといったことを真摯に訴えさせていただきました。与党であれば当たり前のことでございます。与党の組合せは変わりましたけれども、与党として姿勢をしっかりと今後も示していただきたいと思っております。
そこで、文科省にお伺いします。三党協議が始まった当初、大阪府で実施されている高校の授業料の無償化と同じ支援額を全国に広げるという考えがありましたが、その場合、年間どのくらいの予算が新たに必要になるのか教えてください。また、現行の高校の就学支援金事業は全額国負担として文科省が実施をしておりますけれども、今回文科省が提案されている就学支援金の拡充では、地方負担も含めて年間どのくらいの予算が新たに必要になるのか、併せてお答えください。
〔尾身委員長代理退席、委員長着席〕
○望月政府参考人 委員の方から、これまでの高等学校の就学支援の詳しい経緯、三党での議論につきまして詳細等を御紹介いただきまして、ありがとうございます。
今の御質問でございますけれども、大阪府におきましては、令和六年度から令和八年度までの三年間で段階的に実施をしております自治体独自の授業料支援の取組といたしまして、国の高等学校等就学支援金も含めまして六十三万円を上限とした授業料支援の上乗せ事業が行われているものと承知をしてございます。仮にこの方式を全国で実施をした場合、約六千億円の追加所要額が必要になると承知をしてございます。
また、新たな就学支援金制度におきましては、今回の法律改正によりまして、公立学校及び私立学校分につきましては国が四分の三を、支給権者である都道府県が四分の一を負担することとしてございますけれども、国と地方を合わせた令和八年度所要額は約八千億でございまして、追加所要額は約四千億となるところでございます。
○浮島委員 ありがとうございます。
今御答弁いただきました、大阪府が実施している支援額を全国に広げると新たに必要となる予算は約六千億ということ、また、今回提案されている拡充案では新たに四千億が必要となっているということでございました。子供たちの幸せのために無償化だけでは十分ではなくて、多様な子供たちが誰一人取り残されない質の高い教育を確保することと両輪で考えるべきだと思っております。
三党協議の検討チームの協議と並行して、私も、学校の関係者、生徒、保護者、それを支援する団体の方々から、高校教育、専門高校の充実、経済支援の必要性について御意見を伺いました。地元を回る中でも最も多くお声をいただきましたのが、特に収入要件の撤廃についてであります。これは、既に授業料が無償化されている低所得者の世帯には新たな支援がなくて、高所得者の世帯に支援が拡大するということになりますので、結果的に教育格差の拡大につながるのではないかという強い懸念のお声をいただきました。私も実際に高所得者の方にこのお話をさせていただいたら、その方々からは、無償になるのはありがたい、痛くもかゆくもない、だけれども、無償になった分、ほかのことに子供たちにいろいろな体験等もさせてあげられるからうれしいんだということもありました。
そんな中で、高所得者世帯に支援が拡大するということになりますので、結果的に教育格差が生まれてしまうのではないかと懸念がたくさん今出てきているところでもあります。また、多くの生徒にとって私立高校の進学の可能性が広がることになる一方で、いわゆる私学シフトが進んで、大阪で起こっているような公立高校の再編統合が加速して、地域の高校教育に深刻な影響を与えることにつながるという懸念もたくさんいただいております。
そこで、この懸念への対策として、公立高校の支援と、制服など学用品、また修学旅行費など授業料以外についての費用への支援として、手厚い支援を必要とする低中所得者世帯への奨学給付金、これを全額国負担として拡充すること、そして、専門高校を始めとする公立高校の特色化、魅力化に取り組む自治体への財政支援の強化ということを我々から強く主張させていただいてまいりました。財源として念頭に置いていたものは、先ほど御答弁いただきました当初想定されていた六千億と今回提案されている拡充案の四千億の差額の二千億であります。この捻出された二千億円で高校改革と授業料以外の負担軽減をセットで行うことを整理して合意に至っております。
そこで、高校生等奨学給付金についてお伺いをさせていただきますけれども、文科省にお伺いをさせていただきますが、昨年の十一月の本委員会において、高校生等奨学給付金を、国の負担割合を十分の十で実施していただきたいと質問をさせていただきました。松本大臣からは、十月の合意を踏まえ、令和八年度の予算編成過程において制度設計を進めますと御答弁をいただきました。負担割合の変更や前年度からの拡充金額が分かる形で、予算額など結果について教えていただきたいと思います。
○望月政府参考人 お答え申し上げます。
令和七年十月末の三党合意におきましては、高校生等奨学給付金につきまして、中所得層までの範囲の拡大や、地方に負担が生じることのないよう来年度から国の負担割合を十分の十とすることなど見直しをすることが合意されたと承知をしてございます。
この合意を踏まえまして、安定財源の確保を前提として、支援の対象を従来の低所得世帯、いわゆる生活保護世帯と住民税非課税世帯でございますけれども、から中所得者世帯、年収約四百九十万程度まで拡充する、給付額につきましては、高等教育の修学支援新制度も参考としまして、年収三百八十万未満世帯は住民税非課税世帯の三分の一の、私立でありますと約五万円、年収三百八十万以上四百九十万未満世帯は住民税非課税世帯の四分の一の約四万円とすること、地方の財政負担を少しでも軽減するよう従来の国庫補助率三分の一を見直しまして補助率二分の一とすることとしまして、令和八年度予算案におきまして、対前年度倍額となる国費としては百七十億円増の三百二十二億円を、公費全体としましては六百四十五億円を計上しているところでございます。
○浮島委員 今の御答弁で、今回、中所得世帯まで拡充をしていただいたことはありがたいことですし、国の負担割合も増えているということは理解をしております。しかし、予算額で見れば百七十億円の拡充です。今回の就学支援金の拡充には約四千億円が使われておりますけれども、経済的に厳しい家庭への新たな支援ではありません。国の負担割合を十分の十と主張した理由は、地方負担がある現状では実施しない自治体も出てきてしまう懸念があるからであります。高校生等奨学給付金の給付額を見ても、従来は想定されなかったタブレット端末の購入費、通信費が発生しております。小中は国でしっかりと見ておりますけれども、高校は小中と違って国からの一人端末の対象とはなっておらず、大きな負担になっているのが現状であります。
そこで、大臣にお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、この高校生等奨学給付金については、対象者の支援額も更に拡充が必要であり、また、国の負担割合も全ての都道府県において実施が確保されるよう国の負担割合の引上げをすべきと思いますが、いかがでしょうか。
○松本(洋)国務大臣 家庭の経済的な状況にかかわらず、子供たちが希望する高校等へ進学し学びを継続できるようにする観点から、授業料の支援と併せまして、授業料以外の支援の拡充も大変重要であると認識をしております。
今回の就学支援金の拡充とともに、高校生等奨学給付金につきましても、三党での合意も踏まえまして、令和八年度予算案におきまして、支援の対象を中所得世帯まで拡充するとともに、国の負担割合の引上げを行うこととしております。
今後の支援の在り方につきましては、委員にも御支援をいただきながら、安定財源の確保を前提に、現場の実情や御意見を踏まえていく必要があると考えていますが、まずはこの奨学給付金が確実に保護者や生徒に届けられるよう、準備を進めてまいりたいと考えております。
○浮島委員 是非とも大臣の力を発揮していただいて、この給付金、六千億から四千億になったこの二千億を使わせていただくということで合意もしておりますので、しっかりと進めていただきたいとお願いをさせていただきます。
そして、今いろいろ経緯を御紹介させていただきましたけれども、大阪府が実施している高校の授業料の無償化については、先ほど指摘をさせていただきました公立高校への影響、所得の格差拡大といった懸念点があり、三党協議の一番初めの検討のチームの協議の中で、うまくいっているところとそうでないところがあるというお話がありました。そこで、私の方からは、うまくいっているところとないところがあるのであれば、しっかりとした検証を出していただきたいということを初日にお伝えをさせていただきました。その場では、維新の方からは、お出しするという言葉もいただきました。そして、しっかりとした、懸念があるところを直していかないといいものができないという議論をその日はさせていただいたところであります。
そこで、文科省にお伺いしますけれども、大阪府が実施している高校の授業料の無償化について、検証したものがあればその内容を教えてください。
○望月政府参考人 お答え申し上げます。
今般の制度見直しにつきましては、先ほど来出ています三党間での累次の協議や合意を踏まえまして詳細の制度設計を行ってきたものでございます。
その過程で、教育関係団体、あるいは地方自治体等から、東京や大阪からもヒアリングを実施してきたものと承知をしてございますけれども、個々の自治体の実施状況の検証がされたものではないと認識をしているところでございます。
○浮島委員 検証したものがないという認識でよろしいでしょうか。
○望月政府参考人 繰り返しの答弁で恐縮でございますが、東京都あるいは大阪府からもヒアリングを実施してきたところでございますが、その中で、そうした個々の自治体の実施状況の検証がなされたというものではないと認識をしてございます。
○浮島委員 これは、一昨年の十二月からずっと、しっかりと国の制度をつくるためにはしっかりとした検証が必要だということをずっと訴えさせていただいておりました。その検証がない中でこの判断に至った令和八年度以降の高校教育の振興方策について、昨年の十月の合意に当たっては、先ほど述べました高校生等奨学給付金の拡充と、高校教育の質の確保、向上に加えて、国民の皆様の様々な意見、先行実施する大阪府の取組やその影響の分析等を踏まえて検証し、必要な見直しを行うことを提案させていただき、十月の合意文書においても、新たな制度の検証において記載がされているところであります。
今回の提出された法案の附則においては、初めは五年後と言われておりましたけれども、それを絶対に三年にしろということで、法律の施行後三年以内に検討を行うこととし、支給の在り方についても明示がなされました。今回の就学支援金については、学校が代理受領をするのではなくて、世帯や子供個人に支給する方法に変更するという意見があったことは承知をしております。
そこで、まず文科省にお伺いしますけれども、今回の就学支援金の支給方法に当たって、学校が代理受領をするのではなくて、世帯や子供個人に直接支給する方法に変更した場合、どのようなメリット、利点があり、どのようなデメリット、懸念があるのか教えてください。また、実際の事務を行う都道府県や私学の方々からはどのような意見が出ているかについても教えてください。
○望月政府参考人 現行の就学支援金制度につきましては、支援金が授業料以外に流用されることを防止する必要があること、また、直接支給する仕組みとする場合には事務的な負担が大きくなることなどの理由から、設置者が受給権者に代わって支援金を受け取り、これを授業料債権に充当する、いわゆる学校代理受領を法律上の仕組みとしているところでございます。
この裏返しになりますけれども、仮に直接支給にすることとした場合には、支援金が授業料以外に流用される可能性があること、学校現場や都道府県の事務的な負担が大きくなることなどが考えられるところでございます。
三党の教育チームの中におきまして、その中でのヒアリングにおきましても、直接支給につきましては、生徒の社会参画意識にプラスの効果はあるという有識者の御意見もございました。
一方で、直接支給につきましては、全国高等学校長協会から、学校に授業料を支払うための新たなシステム構築が必要になる、学校事務はかえって複雑になり負担増につながるという御意見、あるいは、全国都道府県教育委員会連合会から、目的外利用に伴う授業料不払いにより退学になる可能性もあるという御意見、また、日本私立中学高等学校連合会から、私立学校の安定的な経営や教育環境整備の観点から問題があるという御意見があったと承知をしているところでございます。また、そのほかにも、全国高等学校PTA連合会や全国知事会といった関係団体からも、代理受領につきましては肯定的な御意見があったと承知しているところでございます。
○浮島委員 ありがとうございます。
今回の就学支援金の拡充の対象とならなかった低所得者世帯の方々やフリースクールに通う子供たち、また不登校生徒などの支援は、就学支援金とは異なる手法でしっかりと対応する必要がありますけれども、今回の就学支援金の拡充に関する検証を行う際には、メリットとデメリットをしっかりと考慮し、また、実際の事務を行う都道府県や私学の方々の意見も踏まえて行うことが極めて大切だと思っております。
検証が必要なことはまだほかにもたくさんあります。私立高校への加算額を四十五万七千円に引き上げることに伴って懸念される合理性のない値上げ、いわゆる便乗値上げ。今回の私立加算額の引上げは、対策をしなければ便乗値上げが起こる可能性があります。
生徒が高校において多様で質の高い教育を受ける機会を確保する観点はとても重要であります一方で、多くの私立学校の方々からは、自らの建学の理念に基づき特色ある教育を行うために必要な施設や整備、優秀な人材をそろえるために必要な費用に基づいて授業料等の設定をされると伺っているところでもあります。
また、私は様々な私立学校に視察に行かせていただいておりますけれども、本当に特色ある教育をされているところがたくさんあります。先日は、札幌市にある立命館慶祥小学校を視察しましたけれども、英語教育に力を入れておりまして、ザ・プールと言われる本当のプールを図書館にされているんですね。なので、プールだから中に入れるようになっておりますけれども、そこに階段を造って、そこの階段に座って本を読めたり、約二万冊本がありました。とてもすばらしい環境で、施設であったんですけれども。
また、昨今の物価高、人件費の上昇等の環境を踏まえると、今回の加算額の引上げと同時に授業料を上げることがすなわち便乗値上げになるとは必ずしも思っておりません。昨年の六月の論点の大枠整理では、便乗値上げを抑える仕組みの必要性を指摘しつつ、一方で、私立学校の経営の特性を踏まえて、建学の精神に基づいた特色ある教育活動を進めることを阻害しないように配慮することも必要であるということも指摘をさせていただいたところでもあります。
そこで、文科省にお伺いしますけれども、便乗値上げを抑制する仕組みとして、昨年の十月の合意において取組の内容を示しておりますけれども、実施時期などの実施に向けた検討状況を教えてください。
○望月政府参考人 昨年十月の三党合意におきましては、今般の就学支援金の拡充に伴いまして、いわゆる便乗値上げの抑止につきましては、授業料の透明性等を確保するため、国において授業料等学納金に係る情報につきましてインターネット上で一元的に確認できる仕組みを整備すること、国におきまして、私学助成を交付する場合の減額措置の基本的な考え方や規定例などを示し、都道府県に対して合理性のない便乗値上げを防止する仕組みの構築を促すこととし、こうした仕組みが整備されない都道府県に対しては国からの私学助成に要する補助金を減額することが取りまとめられていると承知してございます。
この三党の合意事項につきましては、都道府県や私立学校関係者の皆様からの御意見もしっかりお伺いしながら具体化をしていくことが必要であると考えているところでございます。
来年度から新たな制度が実施できることとなった暁には、授業料等の透明性の確保につきましては令和八年度、合理性のない授業料の値上げを抑制する仕組みにつきましては令和九年度から円滑に実施ができるよう検討を進めてまいります。
○浮島委員 大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。
合理性のない便乗値上げの対応については、保護者、生徒、私立学校、また行政などの関係者がより納得できるようにしっかりと仕組みを求めて取り組んでいくことが重要だと思いますけれども、御見解をお伺いさせていただきます。
○松本(洋)国務大臣 三党の合意事項にありますように、今般の制度見直しの趣旨にそぐわないような教育の質の向上を伴わない合理性のない授業料の値上げは、生徒や保護者のためにならず、抑制する必要があると考えております。値上げの抑制に向けた仕組みの検討に当たりましては、建学の精神に基づき特色ある教育に取り組む学校法人の自主性や、所轄庁であります各都道府県において既に実施されている授業料の高騰を抑制するための対応などにも十分配慮することが必要と考えているところであります。引き続き、私立学校関係者や都道府県の意見も丁寧にお伺いをしながら検討をしてまいりたいと思います。
また、同時に、今御指摘をいただきましたように、保護者や生徒、また学校自体もそうですし、行政もそうであります、多くの目がそこに注がれる中において、それぞれの納得が得られるような、そうした取組を学校には求めていくということが大変大事なことではないかと思っておりますので、そうした観点からの検討というものを進めてまいりたいと存じます。
○浮島委員 ありがとうございます。
私学助成を活用した東京都の対応については大いに参考になるところではありますけれども、私学助成を受け取っていない株式会社立の高校については抑制の手段とはならないと思います。
そして、後ほど時間があれば取り上げさせていただきたいと思いますけれども、近年、株式会社立の通信制高校で学ぶ生徒が増えておりますけれども、教育の体制や内容について課題も多く指摘されているところでもあります。有効な対策を御検討いただくとともに、今回の就学支援金の改正に伴う今後の検証においても対応をしっかりしていただくよう、再度お願いをさせていただきたいと思います。
次に、支給対象者における外国人籍の生徒の扱いについてお伺いをいたします。
就学支援金の収入要件の撤廃を前提とした支援対象者の範囲については、当初から様々な整理と検討が必要であると思っておりました。昨年の二月の三党合意では、教育無償化に関する論点等の事項に収入要件の撤廃を前提とした支援対象者の範囲と明示をさせていただきました。共生社会の実現という観点からは、外国籍の方であっても日本を支える大切な人材であると思います。
しかしながら、今回、私立加算額が大幅に引き上げられ、収入要件も撤廃する中で、多額の予算を追加する支援の在り方として、整理と検討をする必要があったことは理解をしております。
外国人生徒について、授業料が高いインターナショナルスクールに通う高所得者世帯である場合、また、授業料が比較的安い民族学校に通う低中所得世帯の日本に長く住んでおられる永住者の方、高校留学のために初めて日本に来た方など、様々な状況がありますので、昨年の六月の大枠整理で課題を示しつつ検討を行ってきたところでもありました。
我々からは、家族滞在の在留資格で中学校段階以降に入国した方であっても、日本への定住の意思が認められる方については、従来の法律に基づく補助と同等の水準の支援を行うべきであること、また、外国人学校の扱いに関して、特にいわゆる民族学校については、地域における共生社会の実現のために重要な役割を果たしていることを踏まえて、予算事業等により現行の支援と同等の支援を行うべきであることを主張し、最終的には、昨年の十月の合意において、日本に定着することが見込まれない在留資格の方を対象から外しつつも、これまで支援支給の対象となっていた方には現行制度による支援と同等の水準の支援をすることが確保できたところであります。
そこで、大臣にお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、外国籍の生徒について、共生社会の実現の観点からは、家族滞在の在留資格で暮らしている子供であっても、日本への定住の意思が認められる方については、予算事業等により、従来の法律に基づく補助と同等の水準の支援を継続して実施していくことが必要だと思いますけれども、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 今般の制度見直しにおきましては、三党での合意も踏まえまして、支給対象者につきましても、将来の我が国社会を担う人材育成に資する観点から見直すこととしているところであります。
その観点から、家族滞在の在留資格を持つ一定の者についても法律上の支援の対象とすることを考えております。
○浮島委員 外国籍の生徒であっても日本を支える大切な人材ですので、しっかりと引き続き支援を続けていくように我々も頑張っていきたいと思っております。
ここで、外国籍の生徒であっても今回の支給の対象者となる、日本に定着が見込まれる、在留資格として一定の条件の下で対象となる家族滞在について取り上げさせていただきたいと思います。
幼少期に日本に来日して、日本で小中高を卒業して大学や専門学校に進学するような外国人の子供たちは、日本の企業に就職して日本を一緒に支えていく人材の方々であります。それなのに、在留資格が家族滞在であることを理由に、以前は日本学生支援機構、JASSOの奨学金や授業料等の減免の対象ではありませんでした。家族滞在の資格で日本に滞在する方の中では、日本で経済活動、お店とかレストランとかをされている、経営をされている保護者とともに来日した子供が多数含まれております。この子供たちは、地域の学校に通って、そして希望を持って学び、自分の進路を真剣に考えておられます。
二〇二四年の三月にこの委員会で質問をさせていただいた際に、バングラデシュからいらっしゃったハリマさんという女性の要望を御紹介させていただきました。この方は、生まれて一歳で日本に来日、保育園は日本に滞在して、小学校までは日本にいました。そして、小中学校はバングラデシュの学校、自分の母国の、自国のことを学ぶのも必要という観点からバングラデシュの学校に通い、高校に行っているときも、両親が日本で働いているために、毎年春には二か月日本に帰ってきていたそうです。そして、再度、高校生の頃から来日し、お会いしたときは武蔵野大学の一年生でした。将来は日本で働きたい、でも、家族滞在だったため日本学生支援機構、JASSOの奨学金は受けられず、アルバイトをしながら学費を稼いでいるという話でありました。このハリマさんは、日本語はもちろんのこと、ベンガル語、英語、ヒンディー語、四か国語を話せる、とても優秀な学生さんでありました。
なぜ家族滞在が対象外となっているかといえば、例えば貸与奨学金であれば、卒業後の返還が見通せないためということでした。
また、二〇二三年七月、子どもの夢応援ネットワークの金世話人とともに、当時の永岡大臣に、家族滞在の在留資格を持つ外国人の学生も受給の申請の対象に加えるよう要望をさせていただきました。その結果、二〇二四年度からは、日本の小学校から高校までを卒業し、大学等卒業後も日本で就労して定着する意思があるなど、一定の要件を満たす家族滞在の学生については、日本国内への定着が期待できるということで、家族滞在の在留資格の学生も支給申請の対象とする制度改正の実現をすることができました。
家族滞在であっても日本国内への定着が期待できるケースについては、今後も検討の余地があるものと私は思っております。そこで、まず文科省に、今回の就学支援金の受給対象となる家族滞在の外国人生徒の要件について教えてください。
○望月政府参考人 新たな就学支援金制度におきましては、家族滞在の在留資格で在留する外国籍生徒のうち、我が国の小学校と中学校の両方を卒業した者であって、新制度の対象となる、高校等卒業後、就労して引き続き我が国に定着する意思があると認められる者につきましては、法律上の支援の対象とすることを検討しているところでございます。
他方、家族滞在の生徒のうち新たな制度において対象とならない生徒につきましては、直ちに不利益を生じさせることがないよう、在校生については在学中は従前の支援対象とする経過措置を法令上講ずるほか、新入生につきましては予算事業によりまして従前と同等の支援が受けられるよう措置することとしているところでございます。
○浮島委員 大臣にお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、今回の就学支援金の受給対象となる日本国内への定着が期待できる家族滞在の条件については、今後もデータの分析等の検討を進めて更に拡大できるよう取り組んでいただきたいと思いますが、御見解をお伺いいたします。
○松本(洋)国務大臣 昨年の十月末の三党合意におきましても、新たな制度の実施状況等を踏まえ、収入要件や外国籍生徒、外国人学校の扱いなどについて、三党による検証の枠組みを設け、三年以内の期間に十分な検証を行った上で必要な制度の見直しを行うこととなっていると承知をしているところであります。
このことを踏まえまして、政府といたしましても、新たな制度について速やかな検証を行うべく、法案の附則に基づきまして、就学支援金の受給資格その他支給の在り方等について検討を加え、必要があると認められるときは、その結果に基づいて必要な措置を講じてまいりたいと存じます。
今御指摘をいただいた点につきましても、新たな制度の実施状況などのデータをしっかりと分析をいたしまして、検証をしてまいりたいと存じます。
○浮島委員 しっかりとデータの分析等々して検討していただくようお願いをさせていただきたいと思います。
次に、マイスターへの道を志す若者についての支援についてお伺いをさせていただきたいと思います。
今回の法案では、中学校を卒業して高校等に進学する生徒への支援が対象となっております。中学校を卒業して高校等に進学する率は、一九七四年に九〇%を超えて以来九〇%以上となっており、通信制を含めた進学率は約九九%となっています。このような状況の下、高校等に進学する生徒の授業料を社会全体で支えようということは多くの方に御理解をいただけるものと思います。
しかし、一%の生徒は高校には行きません。一%とはいえ、中学の生徒が約三百万人ですので一学年で約百万人、その一%ですので一万人。この一%のうち、いろいろな事情があると思います、でも、一部の方ではありますけれども、伝統文化や食などの物づくりのマイスターになる志を目指す方もいらっしゃいます。
昨年三月にこの委員会で、多子世帯の学生に対する大学等の授業料の減免制度を新たに創設するということで、大学等修学支援法案を扱いました。私もこの実現に力を注いでまいりました。その過程でも、この問題、中学校や高校を卒業した後に宮大工など物づくりや食などのマイスターの道へ進む方、この支援が必要であるということを改めて強く思ったところでもあります。
その三月の委員会で私から質問の中で御紹介をさせていただきましたけれども、京都国立博物館にお伺いした際、何度も行かせていただいておりますけれども、大仏や絵を修復する装こう師連盟の皆様が作業をしております、そこを視察させていただきました。その中で、将来日本の伝統文化をしっかりと守っていこう、守っていきたいという人たちが、専門学校に行くのではなくて、その現場に入って実際そこで修理等々の修行をされておりました。私も、いや、すごいなと思ったのは、一本の線を引くのに一年間これだけをやられているということでありましたけれども、本当に日本のしっかりとした伝統文化を守っていくのには、そういったことをしていかなければならないということでありました。
昨年の十月の三党合意においても、新たな制度の検証の項目において、高校等に進学しない子供たちや高校中退者の状況把握を関係機関と連携して行い、公的支援についてしっかりと検討するとしております。
そこで、大臣にお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、昨年三月の委員会において、中学校や高校を卒業した後にマイスターの道を志す若者に対する支援の必要性についてお伺いし、当時のあべ大臣からは、この御指摘のことにつきまして、どのような支援があるのか、他省との施策の研究、連携を含めて今検討している最中という御答弁をいただきましたが、現在の検討状況をお伺いしたいと思います。また、併せて十月の三党合意に基づいて公的支援の実施に向けてしっかりと検討を進めていただきたいと思いますけれども、御見解を伺います。
○松本(洋)国務大臣 三党協議のときに、例えば高校等に進学をしない、そういう生徒に対する支援もしっかりとということを委員が大変強くおっしゃっていたのを改めて今思い出しながらお聞きをしておりました。
物づくり分野を支えるのは、専門的な知識や技術を持つ人材であります。その育成は、我が国の伝統文化、技術の継承、持続的な経済成長のために大変重要と考えているところであります。
文部科学省では、昨年、まさに三月、委員から御質問をいただいて以降になりますけれども、経済産業省、国土交通省、農林水産省などのほか、自治体や大学、産業界等の皆様と産業人材の育成促進の取組について意見交換を行ってまいりました。その上で、例えば、国土交通省との間では、建設分野に関しまして、若年者入職促進に向けた業界団体等の取組の周知を実施し、今後、魅力発信の取組への協力を行うこととしております。
また、文化芸術分野につきましては、地域に継承される伝統芸能等の後継者養成拠点整備への支援を新たに令和七年度補正予算に計上をするなど、無形文化財や文化財保存に必要な技術の伝承支援に継続して取り組んでいるところであります。
また、コンテンツの制作を支える人材の育成につきまして令和七年度補正予算に計上するなど、人材育成への支援も進めているところであります。
さらに、本年一月には、日本成長戦略会議に私を座長とする人材育成分科会を設け、関係省庁と協力しながら議論を進めております。
令和七年度補正予算で設けました高校教育改革促進基金を通じ、将来のマイスターとして活動するアドバンストエッセンシャルワーカー等を育成する専門高校を始め、改革先導拠点のパイロットケースの創出に取り組むこととしております。
十月の三党合意では、高校に進学しない子供たち等に対しても、公的支援の実施などについて検討することとなっております。三党合意を踏まえまして、まずは、子供政策部局、福祉部局、労働部局等の関係機関と連携をした実態把握に努めてまいりたいと存じます。
以上です。
○浮島委員 是非しっかりと関係省庁、機関と連携を取って進めていただきたいとお願いをさせていただきます。
また、続けて大臣にお伺いをさせていただきます。検証が必要な事項について、個別にこれまでも、今お伺いをさせていただきましたけれども、これらを含めて法案の附則に基づく法律の施行後三年以内に行う検討については、例えば、検証委員会を設置して関係者からヒアリングやデータに基づく分析を十分に行った上で、必要があれば修正も含めて速やかに対応すべきと思いますけれども、大臣の御見解を伺います。
○松本(洋)国務大臣 新たな就学支援金制度につきましては、昨年十月の三党合意も踏まえまして、法案の附則第五条に基づきまして、法律の施行後三年以内という短い期間で速やかに検討を行うこととしております。
文部科学省といたしまして、今し方、委員からも検証の場を設置し、しっかりと検証をするべきだという御意見をいただいたところでありますが、そうした御指摘なども踏まえつつ、検証の場を設置いたします。そして、制度の運用状況などのデータを収集、分析をしながら、できる限り早くの検証を進めてまいりたいと考えております。
○浮島委員 ありがとうございました。いたしますという御答弁をいただき、心強く思います。しっかりと検証委員会を設置して続けていただきたいとお願いをさせていただきます。
次に、高校教育改革についてお伺いをさせていただきます。
所得制限を撤廃し高校の授業料を無償化するだけではなく、子供たちの幸せのためには無償化だけでは十分ではないと私は思います、多様な子供たちが誰一人取り残されない質の高い教育を確保すること、これが両輪であるべきと考えております。
昨年の六月に、大阪の西成にあります大阪府立西成高校の取組を拝見しました。この学校では、障害のある生徒を始め、外国にルーツのある生徒、また、様々な立場にある生徒たちが互いに励まし合いながら学んでおりました。知的障害のある生徒、この方々も、自立支援コースも設定がされていて、みんなと共に学んでおりました。また、先生が熱心に子供たちと向き合い、子供たちも先生をとても信頼している姿が印象に残っております。また、西成周辺では、靴作り、靴を作ることが盛んであるという背景がありまして、生徒が靴作りを学び自分で靴を作る靴作り部という部活がありました。
様々な困難を抱えて課題のある生徒が、生活面、社会面、また職業面で自立することを助ける役割が公立高校にはあると私は思います。
二〇四〇年に向けて、地域の社会経済を支えるエッセンシャルワーカーとされる方々の大幅な不足、また理系人材の不足が指摘されている中で、産業のイノベーションを支える人材の育成はますます重要となりますけれども、併せて公立高校における多様で質の高い教育が受けられることを確保することも非常に重要であります。
そのために、文科省から高校教育の改革のグランドデザインを示したところでありますけれども、都道府県においてしっかりとした計画が策定され、それが実施されることが非常に重要だと思います。
そこで、文科省に、文科省のグランドデザインを踏まえて都道府県が策定する実行計画について、その内容や実施について文科省としても責任を持って指導助言を行うべきと思いますけれども、見解をお聞かせください。
○望月政府参考人 今般の高等学校就学支援金制度の拡充と併せまして、一人一人の高校生がそれぞれの将来を見据えながら充実した高校生活を送るために、高校教育の在り方そのものを同時に変革していくことが不可欠でございます。こうしたことから、先ほど御紹介いただきました高校改革の方向性等を示したグランドデザインを公表したところでございます。
今後、グランドデザインを踏まえまして、域内の高校改革を広く推進していく実行計画を各都道府県が策定をしていただくことになりますけれども、文部科学省としましても、来年度から新たに省内に担当の課を新設いたしまして体制を整えた上で、あらゆる機会を捉えまして指導助言を行うなど、しっかりと伴走をしてまいります。
○浮島委員 しっかりとした伴走をお願いさせていただきたいと思います。
時間がもうなくなってきてしまったので、今日は定通についてもちょっと質問させていただきたいと思いましたけれども、それはまた次回に移らせていただきたいと思います。
今日はここまで法案に沿って質問させていただきましたけれども、最後に大事な論点について国会の場で明らかにして、政府の姿勢を確認させていただきたいと思います。この点については事前の通告はしておりませんが、冒頭でお話をさせていただいたこの経緯について、一番の当事者として高校無償化に関わってきた、いや、むしろ様々な意見の板挟みになってきた大臣だからこそお答えができると思います。
いわゆる高校無償化という政策をよりよいものにするために大事なことは、時代に合った高校改革の推進と授業料以外の教育費の負担の軽減。三党合意のベースは、まさに無償化、高校改革、授業料以外の負担軽減の三位一体。そのために昨年の補正予算で三千億円という巨額の予算を使った基金の成立をさせたのであり、また来年度の予算案の中で、授業料以外の負担軽減として高校奨学給付金の充実を盛り込んでいるものと考えております。
しかしながら、まだまだこれでは足りません。高校改革とその機会の確保については、これからも息の長く続く取組となります。要するに、これで終わりではなくて、ここがスタート地点であるということでございます。このスタート地点である松本大臣の責任は非常に大きなものがあります。
また、新たな財政支援については、都道府県への支援の途中ではしごを外すことのないよう、恒久的かつ安定した財源を確保して実施することが必要ですが、ほかの教育予算を減らしてということでは決してありません。また、今後の高校改革の方向性、とりわけ、先ほど、二千億円の部分の中核となるということで、まだ仮称ですけれども、教育改革推進交付金などについて大臣のお考えと質の高い高校教育の実現に向けての決意をお伺いさせていただきたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 ありがとうございます。私の思いを語らせていただきたいと思います。
まずは、本当に、浮島委員と長きにわたりまして、三党協議、御一緒をさせていただきまして様々な議論をさせていただきました。思い出してみますと、授業料の無償化という話の中で、いろいろと議論をする中で、ただ単に負担を減らすだけではなくて質を高めていくということ、そして、更なる、低所得者そして中所得世帯にまでしっかりと支援を拡充していくという、こうした取組というものを進めていかなければいけないということで、様々な議論の結果、三党協議というものが行われたというようなことを大変今も強く思い出しているところであります。
おっしゃるとおりで、今回は改革のスタートでありますし、また同時に、これは高校改革だけにとどまるものではなくて、小中高大、大学院、こうした全ての教育の改革を通じて、子供たちの教育の質を高めていく、可能性を広げていく、我が国の発展につなげていく、こうした大きな観点でのこれからの改革を進めていくためのその一つのパーツであり、一里塚だということだと思っております。そういう意味では、大変重要な節目を迎えているということだと思っております。
財源確保も併せまして、しっかりとこうした点を認識しながら努めてまいりたいと思いますし、当然、そのためには既存の教育予算に何かしら負担が生じることがないようにというか、そこに影響が生じないような形で、是非教育の予算の拡充並びに教育の質の向上、そして、もって日本の国が教育を基盤としてより発展をし、豊かになっていく、そんな社会を是非つくり上げてまいりたいと思いますので、委員の御協力をこれからもよろしくお願いしたいと思います。
○浮島委員 ありがとうございました。質問を終わります。
○斎藤委員長 次に、山崎正恭君。
○山崎委員 中道改革連合の山崎正恭です。
浮島委員に続きまして、私の方もこの法案につきまして御質問をさせていただきたいと思います。
私の方も三党協議におきましては、松本大臣とともに実務者としてずっと携わってまいりました。先ほど浮島委員からもありましたけれども、やはり本当に大臣がいてくださって、扇の要といいますか、この協議はまとまったなというふうに私は実感しております。今日は、そういった点も含めまして、今までの協議も振り返りながら、しっかりと確認をさせていただきたいことが何点かございますので、質問をさせていただきたいと思います。
まず、これは質問じゃないんですけれども、先ほど浮島委員からもありましたけれども、十月の三党合意のときに、特に高校無償化の合意のときに最後に私が手を挙げて言わせてもらったのが、先ほど予算の確認がありましたけれども、四千億円ぐらいが大体この授業料の無償化の本体に使われるということで、ただ、一貫して言ってきたことは、私は中学校の教員でもありましたので、私の教え子でも進路変更した子がいたときに、授業料が支援されたとしても、教科書代とか修学旅行とか、様々なことを考えたときには必ずこの給付金が重要であって、この必要性は一貫して訴えてきました。
それとともに、もう一つこだわったのが公立高校への支援であるということで、そこの部分の二千億とセットでずっと協議をしてきて、最後の合意の部分においてもそれを確認して合意したにもかかわらず、この二千億はどこに行ったのかなというふうなことを非常にすごく強く感じておるところでございます。
ここは本当に協議の上で最終確認でありましたので、しっかりとこの部分に対しては約束を守って今後政策に入れていただきたいというのが実務者として取り組んできたもので、そうでなかったら最後のあの合意は何だったのかなというふうに思いますので、まず質問に入る前に大事なところを確認させていただいて、質問に入りたいと思います。
先ほども浮島委員からもありましたけれども、やはり制度設計のときに相当言われたのが、所得制限を撤廃して本当に超高額所得者も対象にするのかということでありました。ですので、本当に、あったように、前倒しをしてしっかり検証していく必要があるなというふうに思います。だから、三年以内の見直しをどんな視点で行うのかという質問をしたかったんですけれども、もう今まで何人かの方が質問をされましたので、しっかりと様々な観点を入れていただきながらやっていただくということは分かったんですけれども。
もう一点、これは難しいと思うんですけれども、ずっと言われてきたのは、ただ無償化をするだけじゃなくて、これによってやはり教育の質も上げていかなければならないんだということも併せて言われてきたと思いますけれども、検証の中で、すごく難しいというのは分かっているんですけれども、教育の質の見直しについてはどんな視点で何をもって評価していこうと考えているのか、その点、まずお伺いしたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 委員におかれましては、本当に三党合意のときお世話になりまして、三党協議の際にお世話になりまして、また、議論を現場に即していろいろとリードしていただいたことに心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございます。
今般の制度見直しは、就学支援金制度の拡充とともに高校教育の質の確保、向上を両輪として進めていくということであります。今後、文部科学省において新たな制度の検証を行う際には、公立高校への影響など、委員の御指摘の点を含めて、検証を行う観点を定めていくことになると考えているところであります。
今御指摘がありましたように、例えばお金がどうなったのかとか、そういうところだけではなくて、やはり今回の改革の目的である質がどう高まったのか、どうこれを定量的に判断するのかというところは、率直に言ってなかなか難しい部分もあるなということは感じる一方で、小学校、中学校と違って、やはり高校教育ということもありますから、例えば、目指した方向にきちんと進めているんでしょうかとか、そういう意味では進路選択という観点から実はこういうものを評価をしていくというのも一案としてあるのかなと個人的には思いますし、そうした様々な視点というものを、高校の多様性にも留意をしつつ検討をしてまいりたいと思います。
何らかの形でこの質が向上をしているということも多くの皆様方にデータとしてお示しをした上で、いろいろと客観的な御判断、また客観的な様々な御指摘をいただくことができるような、そうした最大限の取組をしていきたいと考えております。
○山崎委員 大臣、ありがとうございました、丁寧にお答えいただきまして。
本当にこれだけが理由なのかということもあって非常に検証が難しいのは分かっているんですけれども、一方、多額の公費をつぎ込むことになりますので、先ほど大臣が言っていただいたような形で何らかの観点を持って、進路選択が広がったのはもちろんなんですけれども、この後の質問にも出てきますが、いろいろなこれを起点とする改革の中で、こういったところが進んだんだということがやはり国民の皆様方に何らかの根拠を持って説明できた方がいいと思いますので、難しい問題ですけれども、是非、文科省一体となって取り組んでいただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
それで、先ほど浮島委員からもこの点もございました。やはり、三党協議で繰り返し指摘されたのが、大阪や東京の先行事例の検証結果を全国展開の前提として示すべきだということで、先行自治体の中で、私立進学の増加、これは当たり前のことなんですけれども、公立普通科の倍率低下、専門学科志望者の減少等が指摘されていました。
これは予算委員会のとき総理にも質問したんですけれども、これも難しい問題と分かっていて質問するんですけれども、やはり、国として、公立高校の減少はどこまでが許容範囲としていくのか。
今回のこの法案は、経済的理由で私立に行けなかった子供さんたちが経済的事情に左右されることなく進学できるようにするための政策なので、もちろん私立高校の進学者が増えるというのは前提ですけれども、余り行き過ぎるとやはり駄目で、高校の配置は基本的に都道府県の裁量であるということが分かった上で、今回、国策として私立高校の授業料支援を行うわけで、やはり全くのノータッチというのは国民の皆さんからしてどうなのかなと。政策の検証をどの範囲、どの指標で行い、その結果をどのような形で国民の皆様方に示していくのかが重要だというふうに思います。
そこで、少子化の中で、国としては公立高校の減少をどこまで許容範囲としていくのか伺いたい。その際に、統廃合に関する注意すべき視点とか、先ほど、今日、田中委員からも出ていましたけれども、地理的アクセスについてどう求めるのかとか、そういった視点も含めて、どこまで国として関与していくのかというのをお聞きしたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 今、御案内が委員からもありましたように、公立高校につきましては、高校教育の普及や機会均等を図るために、高校標準法において都道府県に配置及び規模の適正化の努力義務が課されているところであります。
こうしたことから、学校の統廃合などの必要性を含めた公立高校の配置の在り方につきましては、その域内の事情などをしっかり把握できる都道府県が、その責任において地域住民の御意見を伺いながら判断をいただくということが大切であると考えております。
一方で、全国どこにいても多様で質の高い学びを提供できるよう、グランドデザインにおいて、今回の改革の視点の一つとして、一人一人の多様な学習ニーズに対応した教育機会、アクセスの確保を掲げております。生徒の地理的アクセスの確保に留意することを明記しているところでもありまして、各都道府県が実行計画を作る際には、都道府県の実情等に応じた学校配置、規模の適正化を図ることが必要であると考えております。
文科省といたしましても、その取組に伴走しながら、財政面も含めてしっかりと支援をし、多様な学びの確保に取り組んでまいりたいと存じます。
○山崎委員 ありがとうございます。
総理の方からも、やはり政府としても全国どこにいても多様で質の高い学びの保障をすることが重要というようなコメントもございましたように、なかなか強制力はないにしても、先ほどあったように、このグランドデザインの行動計画の中でしっかりと、先ほど来、伴走支援という言葉が答弁の中にもありました。そこの中で、しっかりと強い伴走支援をしていただきたいなというふうに思います。
やはり、若干、先行事例の中なんかで、今日これも話題になっていましたけれども、自治体の中に高校がなくなったというふうなお話もあります。そうなってくると、本当に経済的に厳しい事態になったときに、せっかく自転車で通えていた子供たちが通えなくなるという、今回のこの法案の経済的理由に左右されずに子供たちの進路選択ができるようにという方向性とちょっと相反する方向に行ってしまうようにならないように、やはり両方の目くばせがすごく大事かなというふうに思いますので、しっかりと、この政策の方向性も大事なので、きちっと進路選択もしていくけれども、今少子化が物すごく進んでいる中で、地方にある高校への目くばせも同じように怠らないようにしていかないと、子供たち全体にとって不利益が大きくなるんじゃないかなというふうに思いますので、大臣、よく御理解していただいていると思うんですけれども、文科省においてもその視点でお願いしたいなというふうに思います。
そういった点も踏まえまして、やはり地方の高校再編については、人口減少が激しく進んでいます。私が住んでいる高知県なんかも、本当に課題先進県で大きくなっておりまして、定員充足率なんかも恐らく六〇%ぐらいなので、地元紙に定員と志願者数が出るんですけれども、やはりそれを見て本当にみんな驚くような状況が進んでいるんですけれども。
この中で、国として、例えば具体的に通学圏の確保とか寮の問題とか下宿支援とかオンライン活用などの組合せなど、そういったものを含めて、こういった形で高校再編していこうというモデル的なものは示していく考えがあるのかどうか、お伺いいたします。
○望月政府参考人 高校改革のグランドデザインにおきましては、山崎委員からも御紹介いただいています少子化が加速する地域での学びのアクセスという観点を重視することが大事であるという点も踏まえながら策定をしているところでございます。まさに高校は地域創生の核となる存在であると考えてございます。
パイロット校も、今回補正予算に計上しました高校教育改革促進基金において各自治体で創出をいただいて、その成果を広げていくという観点がございます。小規模校を念頭に置きまして、多様な学習ニーズに対応した教育機会の確保の類型を掲げてございます。
このパイロットケースについて、例えば小規模校でも教育の質を向上させ多様な学びの機会を確保するような、そうしたモデルも提示をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○山崎委員 ありがとうございました。
この三つのパイロット校の三類型、僕はすごく評価していまして、専門高校の機能強化、高度化という視点と、文理融合で、普通科の子供さんたちがしっかりイノベーションを牽引する人材ということと、三点目の多様なニーズということで地方の高校の魅力化、これはもうずっと私自身が三党協議の中で言ってきたところなので、これが入って非常にうれしいというか有意義だなというふうに思っているんです。
そこで、このパイロット校の三類型であるんですけれども、一つだけ気になるのが、地域の実情によるとも思うんですけれども、余り三類型に手を挙げてくるところに偏りがあってもいけないと思うんですけれども、三類型の構想のバランスなんかというのはしっかり取っていくんでしょうか。
○望月政府参考人 高校改革のグランドデザインでは、今後の社会構造あるいは一人一人の可能性や希望をかなえていく、そういう教育機会を拡大、確保していくという観点から、高校改革の方向性、国としてのビジョンを示してございますが、その中で、今後の高校改革の方向性として、いわゆるアドバンストエッセンシャルワーカー等の育成支援と理数系人材の育成支援、そして多様な学習ニーズに対応した教育機会の確保の三つの類型を、各都道府県それぞれが改革先導拠点を創出することを示してお願いをしているところでございます。
したがいまして、三つの類型、いずれの都道府県におきましても、この三つの検討をしっかりしていただきまして申請をいただきたいと考えてございます。
こうした改革先導拠点の取組につきましては、その成果を域内の高校に是非共有、普及することによりまして、県内全域の改革を牽引する位置づけとなる、あるいは、文部科学省も伴走支援をする中で、全国のモデルとなるようなケースであるというものについては、その都道府県に伴走しながら、他の都道府県にも周知を図ってまいりたいと考えているところでございます。
○山崎委員 ありがとうございました。
そういった形で取り組まれるということで、非常に安心をしました。どの都道府県にとっても、三つの視点を持っていくということは非常に重要なことだと思いますので、是非そういった進め方でお願いしたいと思います。
次に、本当は、先ほど来出ております、どうやってこの授業料の便乗値上げを止めていくんだというような質問をしたかったんですけれども、かなり出ていましたので、ここにつきましては、私は、透明性の確保とか、学納金に関する情報が一元的にというふうな答弁があったんですけれども、一番大事なのは、やはり説明責任の強化かなというふうに思います。
やはり、企業なら当然であって、教育環境を充実させるためにこういった施設改修をしなければならないので、こういった値上げのために必要な予算なんだとか、あと、私立の方から言われるのは、教育の質を担保していくために、今政府全体でも賃上げのことが行われていますので、やはり賃上げしていくためには、それと教育の質というのは連動していて、そこが遅れてしまうといい先生が流出してしまうんだという私立の方からの切なるお声もありましたので、しっかり説明をできるということが重要なのかなというふうに思います。
次に、そういった中で、三党協議でも話題になりましたけれども、今回の制度において、授業料の上限額を決めるキャップ制を設けなかった理由についてお伺いします。
○望月政府参考人 私立高校の授業料につきましては、学校設置者の判断の下で適切に設定していくべきものと認識してございます。そういう意味では、先ほど山崎委員から御指摘ございました、今般の就学支援金の拡充を契機とした授業料の値上げにつきましては、一義的には各学校が保護者や生徒に対しての説明責任をしっかり図ることが肝要であると思ってございます。
その上で、教育の質の向上を伴わない、保護者の負担軽減に結びつかないような、合理性のない授業料の値上げについては、その抑制策について、三党間でも合意されたというふうに承知をしてございます。
その際、いわゆる授業料の上限を設けていく、私立高校の授業料の上限を設けていくといった観点につきましては、やはり、私立学校の経営の特性も踏まえながら、私立学校が建学の精神に基づき特色ある教育活動を推進することを阻害しないように配慮することも必要との方針を示されているところでございます。
この三党での協議も踏まえまして、現行の就学支援金制度の仕組みを前提としての、合理性のない授業料の値上げの抑制策についての議論がなされたと承知をしているところであります。
現在、都道府県や私立学校関係者の御意見を伺いながら検討を進めているところでございますけれども、今回の就学支援金制度の拡充に当たりまして、国として、私立学校の授業料の上限を一律に定めることは考えていないところでございます。
○山崎委員 ありがとうございました。
本当に難しい問題だと思うんですけれども、当初から出ていたんですよ。授業料だけじゃなくて、入学金と授業料と施設整備費、この三つが重要で、その三つが出せなかったら子供たちは通うことができないんだということは本当に難しいと思います。
ただ、授業料は上がっていないけれども、施設整備費と入学金が極端に上がってしまうと本当に子供たちが行けなくなりますが、他方、今日もお話が様々な委員さんからありましたけれども、私学も経営が厳しいので、なかなか、それをきつく締めてしまうものだと駄目だと思うので、やはり私は、生徒にも選択の余地があって、学校側にも選択の余地があると。やはり、学校側にも上げられる余地がないといけないのかなという、それは、選ばれるか選ばれないかというふうな決断も含めて経営者側の判断が要るでしょうし、子供たちも、国が出している以上に自分の家庭が払っていくのかというところも含めた選択の余地が重要だと思いますので、やはりキャップ制によらないような今の制度がいいと思いますし、全体を目くばせして授業料の、きちっとそういったチェックをお願いしたいと思います。
時間がなくなってしまって、次に行きます。
次に、東京都の先行事例等では、この決定時期が入試スケジュール時期だったんですけれども、端的に聞くと、今法案をしているぐらいなので、これが通ってというふうな形になったときに、本当にこの四月からのスタートに間に合うのかというのが心配なんですけれども、その点について、ちょっと答えにくい質問かもしれませんけれども、しっかり四月からスタートできるようになっていくのかということについてお伺いいたします。
○望月政府参考人 新たな就学支援金制度の認定事務につきましては、この法案が通った暁の話でございますけれども、収入要件の撤廃によりまして保護者等の収入状況の確認が廃止される一方で、在校生、新入生共に、生徒本人の国籍あるいは在留資格等に着目した確認が必要となるわけでございます。
昨年二月の三党の合意、あるいは十月における、来年度の受験生に間に合うように詳細を三党で決めていただいたその合意以降、その内容につきましては、都道府県担当者を含めまして周知に努めてきたところでございます。特に、この認定事務手続に関しましては一定の時間を要するわけでございまして、今後、そのためのシステム改修も予定をしてございますけれども、令和八年度におきましては、システム改修までは時間が間に合わないということがございますので、都道府県の担当者には、エクセル等による手作業によって認定事務を行っていただく必要があることなどについてより丁寧に説明をしてございます。
都道府県における支給事務に充てるための事務費も、令和八年度予算にも計上してございますけれども、これまでの都道府県に対する支給事務に関する三回の説明会のほかにも、個別の問合せにも丁寧に対応してきたところでございまして、引き続き、都道府県の相談に丁寧に対応し、円滑な認定手続が可能となるよう、法定受託事務を行う都道府県と十分に連携を図ってまいりたいというふうに考えております。
○山崎委員 ありがとうございます。
事務手続についてもう一点。
今、学校のDX化が進んでいます。生徒に対するいろいろな補助事業というのは、一台端末とかあると思うんですけれども、ちょっと現場からの声なんですけれども、学校事務に関する、そういったDX化に関するような補助事業が今は全くないというふうなことだったんです。今、全く補助事業というのはないのでしょうか、お伺いいたします。
○望月政府参考人 お答え申し上げます。
今、直接のDX化を対象とした、そうした補助事業はないと承知してございます。
○山崎委員 これはちゃんと通告していましたので、何かの手違いがあったと思いますけれども。
なかなか全体で、非常にDX化、DX化と言われている中で、学校事務の方にも、多分、今、人のいろいろな支援はあると思うんですよね。多分、作業を手伝ってくれる人とかそういったことはあると思うんですけれども、こういったDX化も進めていきながら、やはり、少しでもそういう経費の削減にもなるし、仕事の負担にもなるということがありますので、是非、こういった形での事務に関するDX化の事業なんかも今後検討いただけたらなというふうに思います。
次に、済みません、ちょっと質問の順番を変えたいと思いますので、お願いします。
今回の法案の中で、通信制の高校については、平均授業料三十三・七万円を上限額とすることだと思うんです。
実は、三月一日に、私の地元の通信制高校で、不登校の経験のあった生徒さんが六年かけて、通信制高校を弟さんとともに卒業をされました。実は、その卒業証書を渡した校長先生というのは、本当に高知県でもパイオニアのように、不登校の子供さんや発達に課題のある子供さんとか、様々な事情のある子供さんたちに本当に手厚く支援してきた学校の先生であって、それが今年で退職だったんですけれども、そういった形で、最後、生徒さんに渡したということであったんですけれども。
そのときに、やはり思ったんですが、いろいろな話をする中で、通信制高校なので不登校経験者もかなりいます。それとか、ヤングケアラーの子供さんたち、家計が急変したりということもあったり、様々介助等をしているその家族の容体が急激に変わったりとか、また精神疾患等で、やはり、なかなか四年間で卒業することが難しいといいますか、そういったケースが多いというふうな形で、先ほど言ったように、六年をかけて卒業するパターンなんかもございます。
現在、国においては、通信制高校とか定時制高校というのは、今回の支援については何年間支援されるのか、お伺いいたします。
○望月政府参考人 お答え申し上げます。
高等学校等就学支援金制度におきましては、所定の修業年限で卒業する高校生が受給する就学支援金の総額との均衡や、無制限に公費を支出し続けることがないようにする観点から、支給期間を通常の修業年限までとしているところでございます。
具体的には、全日制の高校につきましては、学校教育法におきまして修業年限を三年としていることから、就学支援金の支給期間を最大で三十六月としてございますが、通信制の高校、定時制の高校につきましても、学校教育法におきまして修業年限を三年以上と規定してございまして、実態として四年という状況もございますものですから、これらの課程に在学する高校生につきましては、在学している四年間支給を受けられるよう、支給期間を最大で四十八月としているところでございます。
○山崎委員 ありがとうございます。
四年間ということなんですけれども、先ほど言ったようなパターンで六年かけて卒業する。
実は、これは僕は知らなかったんですけれども、調べてみると、高知県なんかは、そういった特別な事情のある、先ほど言ったような不登校経験者とかヤングケアラーとか、そういった事情がある子供さんは、国が四年やってくれているので、それと同じ年限、プラス四年間を県が独自で支援してくれています。全日制は三年なので、それプラス三年、県が支援しています。
そういったことで、怠惰で行く子供さんたち、無制限にやるわけにはいかないので、本人も、どういった事情があってそういうことになったかという申請も出させますし、一番大事なのは、学校側がしっかりと、それに対する報告書といいますか、そういった形を、学校側も上げていくというふうなシステムを取っています。
県の方は、就学に対する意思が著しく欠けているものとか、支給することが余りにも公平性に欠けるものとか、支給することが適当でないもの、その三つのときにははじくんですけれども、基本、実質でいうと、学校の方がきちっとそこは判断していますので、特段の事情があった子供さんたちをしっかり上げてくるということで、最初の頃は認定委員会の方でやっていたようですけれども、今、ずっと慣れてきて、しっかり、そういった子供さんたちがその後卒業もしていくというふうなことがあって、これは実績数値でいうと、昨年は、高知県全体で六十二人がそういった修業年限を超えて県の支援を受けています。全日制は一人です。特別支援学校の子供さんが二人ですけれども、定時制、通信制は五十九人ということで、やはりそこには支援を要する子供さんたちが多いのかなというふうな形になっています。
こういった不登校、ヤングケアラー、先ほど言ったように家計の急変などといった子供さんたちが、校長先生が言っていたのは、なかなか、そんな自分でどうしようもないことのような事情で四年で卒業できない場合があるときに、そこでやはり駄目になってしまうと、もう一回入学してくることというのは、その子たちの場合は非常に考えにくいと。そういったときに、激励して、激励して、激励してつないでいった方が、先ほど言ったように六年で卒業できたということがやはり多いそうです。これは、本当に最前線でそういった子供たちを支えてくださっている実践者の方が言われていることなんです。
そこで、不登校やヤングケアラーや精神疾患、家計の急変などといった特別な状況がある生徒には、支給年限を超える場合の特例的な延長について、今県がやっていますけれども、やはりこれからは、少子化の中でも、国としても検討していくことが必要だと思いますが、大臣の認識をお伺いします。
○松本(洋)国務大臣 国の高等学校等就学支援金制度においては、主に通常の修業年限で卒業する高校生との公平性の観点から、中途退学者等への学び直しの支援を除いて、支給期間の延長は行っておりません。
一方で、高知県の例を御紹介いただきましたけれども、こうした修業年限超過者等への支援を行っている都道府県というのは十八都道府県あるというふうに資料がございますが、こうした取組を自治体独自の取組として、支給期間後も特例的に支給を行っている場合もあるというふうに承知をしております。
基盤としての国の制度と、地域の実情を踏まえて地方自治体が独自に実施する支援が適切なバランスで教育費負担の軽減を図っていくことが重要と考えているところであります。
文部科学省としては、国の事業と併せて、地方自治体によるこのような独自の取組や貸与型奨学金事業も含めまして支援が必要な方へ届けることが重要と考えており、引き続き都道府県と連携しながら周知を図ってまいりたいと考えております。
○山崎委員 ありがとうございました。
今、私が現場におるときから、中退の学び直しの支援とか、そこは文科省さん、国も、そういった形でやり直せるんだよということを若者にメッセージを与えていただいて、そういった支援をしていただいていることは本当にありがたいなというふうに思いますが、やはりもう一歩進んで。
先ほども言ったんですけれども、こういった通信制の、この高校なんかまさにそうなんですけれども、中学校のときずっと不登校だったとか小学校のときから不登校だったけれども、頑張って行き出したという子供さんたちがおって多くの子供さんたちが行かれています。そのときに、一旦、もう一回ここで、先ほど言ったような家庭とか事情、様々なことでやめてしまうということは、ある意味、二回しんどい思いをするという、僕は駄目なんだ、私は駄目なんだというふうな思いをさせてしまいます。やはり、こういったダメージを与えるのではなくて、しっかりと、そこでもう一回救っていきながら、一回入学した決意を大事にしながら、六年かけて、七年かけて卒業させていくということが極めて重要だなというふうに思います。
そこで、若者の自尊感情とか自己肯定感を下げない、頑張って頑張って卒業させていくという取組は非常に重要だと思いますので、済みません、しつこくて何度も言っていますけれども、何としても、そういった形で、こういった支援も今後検討していただけたらなというふうに思います。
次に、先ほど浮島委員からもございました、今回の法案では定住性のない在留資格者の留学生は支援対象外となっていますが、これについて、留学生の支援はほかに何らかの施策を考えていないのか、お伺いいたします。
○松本(洋)国務大臣 高校、大学での留学生の受入れは、グローバルに活躍できる人材の育成や諸外国との相互理解の促進等の観点から有意義であると考えております。
このため、文部科学省においては、これまで優秀な外国人生徒を日本の高校等へ招聘する事業等を実施してまいりましたが、留学生の受入れを一層促進するためには、地域の高校等において、円滑な受入れや質の高い教育を行うための環境整備も進める必要があります。
今回の補正予算による支援を通じまして、留学生の受入れ等に積極的な高校等の拡大や、高校生が国際的な素養を養うことができる教育体制の整備充実が進み、地域における留学生の受入れ拡大につながることを期待しております。
○山崎委員 これも先ほど来あるように、どこまで外国人の皆様方をこの制度の中で救っていくかということは様々な議論がありまして、やはり一定どこかで線を引かなければならなかったので定住性のない留学生についてはという形だったと思うんですけれども、現段階ではこういった形も一つ考えられるのではないかなというふうに思います。
例えば、私の地元の高知県には、皆さん名前は聞いたことがあるんですけれども、明徳義塾高校という高校があります。スポーツでも非常に有名なんですけれども、留学生も本当に早い段階からたくさん受け入れてきまして、有名な、サッカーで言うたら三都主さんとか、相撲で言うたらちょっとあれもありましたけれども朝青龍さんとか、様々な留学生がスポーツでも活躍していますけれども、それ以外に、優秀な、非常に学力も高くて頑張っている留学生をそこで育てられています。
先日、意見交換する中でもすごいなと思ったのは、そういった、せっかく高知で学んだ優秀な留学生の皆さん方をできるだけ定住させていきたい、それも高知で定住させて高知のこれからの活性化につなげていきたいということで、例えば地元の大学なんかと連携しながら、入試制度の中なんかも協力関係をしながら、是非、地元に貢献できるような留学生、定住するというふうなことも考えていっていますので、これは非常に政策の整合性も取れるなというふうに思っています。それが一点ということ。
他方、今回のこの政策全体に関わる中で私学の関係者の方から言われてきたのは、これは仕方ないんですけれども、子供たちへの支援なんですけれども、やはり学校に対する支援のメニューはないというふうな形で、それにもありました。
だから、そういった意味において、元の話に戻りますけれども、こういった留学生を積極的に受け入れている学校への支援につきましても今後力を入れていただいていきながら、定住につながっていけるような、外国人の皆様方、優秀な人が日本人と交ざり合って相乗効果を発揮していくということは非常に重要だと思いますので、予算を見ますと、まだまだ小さいですけれども、これをもう少し拡充していきながら、是非そういったところにも力を入れていただきたいなというふうに思います。
では、質問の順番、戻りまして、もう一点だけ聞かせていただきたいと思います。
先ほど来も、この制度のことについて周知はなされていたのかというふうなことがありました。
それは二つあると思うんですけれども、新しく高校一年生になる、もう卒業してしまっている子がほとんどだと思います、中学三年生にきちっと周知されたかということも重要だったかと思いますけれども、今後、中学一年生、中学二年生、更にもっと先の世代にはしっかりと政府として修学支援制度について学ぶ機会を設けるなど、制度リテラシー向上の教育的取組を行っていくことが重要だと思いますけれども、これについてはどのような考え方で今後行っていくのか、お伺いいたします。
○望月政府参考人 制度への周知につきまして御質問いただきました。
昨年十二月末の政府予算案決定以降につきましては、具体的な制度設計の方向性につきまして、文部科学省のホームページあるいはユーチューブ、フェイスブック、X等の、子供たちに伝わるようなそうした媒体も通じまして周知をするとともに、都道府県に対する説明会を複数開催をしてまいりました。
そして、これから進路を決定していくであろう中学校の生徒たちには、今回の就学支援金制度だけではなく、授業料以外の支援である高校生等奨学給付金、そして、公立高校がこれから変革をしていくであろう、そうした公立高校の魅力化を、高校段階の修学支援全体像とともにお示しをして、それを市町村教育委員会、あるいはPTA団体、あるいは校長会など、現場に近い方々とも協力をしながら、そして都道府県と密に連絡をして、御理解あるいは周知に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○山崎委員 ありがとうございます。
教育委員会、PTA、校長会とか、そういった形で抜かりなく、実際には、卒業生というか、今年行った高校生に後輩たちは聞くと思うんですけれども、そういった制度の抜かりがないようにお願いいたしたいと思います。
ホームページとか、あと動画も作っていただいたというので、何回ぐらいその動画が見られているか気になるところでありますけれども、余り現場から、これが周知されていないという声もありませんので、大丈夫だと思います。
様々、今日質問をさせていただきましたけれども、元はといえば、本当に経済的な理由で子供たちが進路選択を狭めることがないようにといってできた法案ですので、しっかりとこの後も検証しながら磨きをかけていって、本当にこの制度ができてよかったなと、子供たちもそういう選択ができるし、そして全体への波及効果もあって、グランドデザインも含めて、パイロット校も含めて、その中で教育の質も上がっていく、そういった起点になっていくことを願いまして、質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○望月政府参考人 先ほどの私への質問、一問間違いでございました。訂正をさせてください。
先ほど、学校事務のDXにつきまして、DXに特化した補助金はないというふうに御答弁させていただきましたけれども、正しくは、高校も含めて学校事務のDX化に使える補助金として、GIGAスクール構想支援体制整備事業で、次世代校務DX環境の全国的な整備に取り組んでいるところでございます。
○山崎委員 ありがとうございました。
○斎藤委員長 次に、村上智信君。
○村上(智)委員 日本維新の会の村上智信でございます。
質問の時間を与えていただきまして、誠にありがとうございます。
私は、この国会から初めて文部科学委員となりました。私の実家は幼稚園をやっておりまして、私自身もそのために教育に関心を持っておりますし、また、大学では理系の学部を出たものですから、その意味でも科学技術政策に関心を持っておりまして、今回希望しまして、それでこの文部科学委員を拝命することができました。どうぞよろしくお願いいたします。
それでは、法改正に関連しまして話を始めたいというふうに思います。
今回の法改正、日本維新の会といたしましては、高校無償化をずっと実現しようと推進してきていたものですから、大変今回の法改正を喜ばしく思っておりますし、また、高く評価をしております。就学支援金の引上げ、そして給付対象者の年収の撤廃、このようなことが行われるということで、大変すばらしい内容だと思っております。家庭の経済状況によらずに教育の選択肢の幅が広がる、このこと自体すばらしいというふうに思っておりますし、このことは同時に、少子化にもいい影響があるというふうに思っておりまして、そのことでも評価をしております。
今の日本の問題の中において、少子化の問題、これは非常に大きい問題だというふうに考えております。家庭を築いて、そしてこれから子供をどうしようか、そういうふうに考えておられる新婚の方にとっては、将来子供たちが大きくなっていってどれぐらい経済的な負担があるんだろうか、そういうことを考えたときに、大きな負担があるとやはり及び腰になると思いますけれども、こうして就学支援金を上げていただいて、そしてそのような負担が少しでも軽くなるということでしたら、子供を産むことについて前向きに考えるのではないかというふうに考えます。
少子化の問題は、このまま放っておくと大変なことになるというふうに私は考えております。当たり前の話ですけれども、子供が減り続けて、そして出生率が二を切った状態で長い間、時間がたてば、日本はなくなってしまうわけです。そうならないためには、出生率を二以上に上げる必要があるわけなんです。子供を産みたいと思う方、そういう方にチャンスを多く与えられる、そういうふうな政策を取るべきだというふうに思っておりまして、そのタイミングが早ければ早いほどいいと私は考えております。
さて、話を戻しまして、法改正に関して質問をいたします。
この高等学校等就学支援金、授業料に充当するために給付、支給するわけなんですけれども、この支給の仕方として、大きく方法として二つあるというふうに思います。支給先ですね。一つは、高校に支給する、授業料に充ててもらうために高校に支給する。そしてもう一つは、保護者の方に支給をしまして、保護者の方が授業料を払う。こういうふうな方法があるというふうに思います。それぞれについて、メリット、デメリット、利点と欠点がありますけれども、この給付方法について伺います。
高等学校等就学支援金は生徒の保護者に給付するのではなくて高校への給付としておりますけれども、この理由を教えてください。
○望月政府参考人 お答え申し上げます。
就学支援金制度につきましては、法律上、高等学校等に在学する生徒個人を受給権者としてございます。都道府県が学校の設置者を通じて支給する仕組みとしています。
現行の就学支援金制度は、支援金が授業料以外に流用されることを防止する必要があること、直接支給する仕組みとする場合には事務的な負担が大きくなることから、設置者が受給権者、要すれば生徒本人に代わって支援金を受け取り、これを授業料債権に充当する学校代理受領の仕組みとしているところでございます。
○村上(智)委員 ありがとうございました。
趣旨はよく分かります。就学支援金は、保護者に渡したらほかの使い道に使ってしまうんじゃないか、そういうことが心配されます。また同時に、もしその授業料を払わなかった場合、高校の事務職員の方は、更にそれに対応する仕事が増えてしまう、こういうふうなことが心配されるということで、それはよく分かります。そのために高校に渡しているということなんでしょうけれども、私が思うのは、このようなことというのは、この話だけではなくて、ほかの分野でも起こっている、心配されることだということです。
生活保護を考えてみたときに、よく心配されることですけれども、生活保護として渡しているのにもかかわらず、それをパチンコに使っているんじゃないか、このようなことが心配される、現にそういうことを問題視されているという面があります。
このようなことについて、政府として何か対策を取らないといけないんじゃないかというふうに私は思っておりまして、これは就学支援金のためにという話でもないんですけれども、今はもうデジタルの時代、ITがかなり発展しておりますので、例えば、そのような給付金をネットバンクのようなところに振り込んで、それは現金では引き出せないようにしておいて、そして振り込み先も限定する、そういうふうな仕組みをつくれば、このような無駄、せっかく政府が給付したものをほかのことに使われるような、そんな問題は起こらなくなるんじゃないかというふうに考えております。むしろ、これは政府全体としてそういう仕組みを考えたらいいんじゃないかという提案になりますので、文部科学省さんの話じゃないと思いますけれども、政府としてそういうこともまたいずれ検討していただきたいなというふうに思います。
話を戻します。
就学支援金については高校へ直接給付する方法を採用しているということですけれども、この方法にも欠点はあります。それはどういうものかといいますと、私立学校が授業料を上げるかもしれないということですけれども、ここで質問いたします。
高等学校等就学支援金が四十五万七千円にも引き上げられます。そうすると、これまで、これより低い授業料を設定していた私立高校におきましては、その四十五万円の辺りまで、授業料をその金額水準まで上げるんじゃないかというふうに思われるんですけれども、文部科学省としてはどのように考えているでしょうか。
○望月政府参考人 私立高校の授業料につきましては、生徒の教育環境の充実などのために学校設置者の判断の下で適切に設定していただくものと認識してございますけれども、今般、就学支援金の拡大ということにつきましては、昨年の二月以降の三党の合意の中で、かなり、保護者のみならず私学関係者にも多く広まってきているところでございまして、今般の就学支援金の拡大の際に、教育環境の充実、あるいは昨今のいろいろな物価高騰等も踏まえながら、授業料を上げるという学校もあるのではないかというふうに考えているところでございます。
なお、令和八年度の私立高校の授業料については、我々はまだそれをつぶさに調べているわけではございません。ですから、今後、法律をお認めいただいた後、いろいろな観点の検証を行っていくということにつきましても、私立高校の授業料の状況につきましては調査をすることを考えているところでございます。
○村上(智)委員 ありがとうございました。
そういうふうに、授業料を上げるというふうにもう既に考えている私立高校があるという話でした。人の人情といいますか、そこまで授業料を上げていいというふうに言われると、そっちに流れるということは往々にしてあるのかなというふうには思います。
また、私が御省の職員の方から聞いたところによると、過去の実績としては、やはり実際に上がったという話もお聞きしました。上げること自体は、それ自体は問題にならないとは思いますけれども、しかし、それが何に使われたかというのが問題になるというふうに思うんですね。多分、高校ごとに上げた理由は違うとは思いますけれども、教育内容を充実させる内容だったらいいんですけれども、そこで、関連して質問いたします。
私立高校が授業料を上げるというふうに予想されますけれども、授業料を上げる分をどのようなことに使われるのが望ましいと考えるでしょうか。また、このことについて通知など出すのでしょうか。教えてください。
○松本(洋)国務大臣 私立高校の授業料についてでありますが、学校設置者の判断の下、適切に設置していただくものというのが原則だというふうに認識をしております。
今回の件で授業料が上がるというようなお話でありますけれども、基本的には、合理性のない値上げというものは、我々としては抑制をしていかなければいけないというのが基本的立場であります。
その上で、値上げをするということであれば、それは当然、学校の教育の質を向上させていく、また、建学の精神に基づく特色ある教育活動を展開をしていただくというようなものであるというふうに認識をしているところであります。
まだ制度として始まっていませんので具体例というものはありませんけれども、でも、例えば、これまでも各学校では随時授業料の値上げ等を本件とはかかわらず行ってきているところもあると承知をしておりますが、例えば探求、文理横断、実践的な学びや、ソサエティー五・〇に対応したSTEAM教育の充実などという形で教育活動の向上を図っていただいているものと認識をしております。
授業料の値上げは各学校が特色ある教育活動の展開などを図る中で行われるものと考えておりますが、文部科学省としては、各学校が値上げを行う場合には、その趣旨や内容につきまして保護者や生徒に対して説明責任を果たすよう、通知などにおいて求めてまいりたいと存じます。
○村上(智)委員 ありがとうございました。
授業料を上げるのなら、やはり授業、教育を充実する方向で考えていただきたいと思います。そのために予算を使っていただきたいというふうに思います。
例えば、使い道はいろいろあるんでしょうけれども、理科の実験を充実させると、いろいろな機材を増やすのでお金はかかるでしょうし、外部から学識者を呼んできて講演をしようと思うと、やはりお金はかかると思います。そのようなことがちゃんと身になっていく、そういうふうな教育が充実される方向で是非取り組んでいただきたいなというふうに思いますし、文部科学省におかれては、通達を出すことによりまして、そのような方向に高校を導いていってほしいというふうに思います。
まさか教育者たるものが、この際、便乗値上げをして、余り教育に関係ないところにお金を使ったりしていては、これは本当によろしくないというふうに思います。どのようなことに使ったのか、それを確かに公開することが非常に大切なので、そういうことはしっかり文部科学省として見ていただきたいなというふうに思います。そして、もし仮に便乗値上げが行われている、多くの高校で行われているというふうなことが分かったときには、必要な対策を是非考えていただきたいなというふうに思います。
さて、次の質問に移ります。次の質問は私立の中学校に関係することです。
今回の法改正におきまして、改正する前からそうですけれども、高校は公立も私立も支援をすることになっておりますけれども、しかし、一方で中学校の方は、義務教育ではあるので、公立は無料ですけれども、しかし、私立の中学校については高い授業料を払っております。
そこで、質問いたします。
私立高校の生徒の保護者は高等学校等就学支援金によって支援されますが、私立中学校の生徒の保護者については同じような支援制度が設けられていませんが、理由を教えてください。
○望月政府参考人 お答え申し上げます。
高等学校段階におきましては、地域によって公立高校と私立高校の生徒の割合が都道府県で様々でございますけれども、全国的に見れば、生徒の約四割弱が私立高校に通っておりまして、全ての希望者が公立に進学することは困難な状況にございます。
そのため、私学も含めまして、高校生が安心して自らが希望する教育を選択することができるよう、社会全体で教育費を負担し、高校等の授業料に係る教育費負担の軽減を図ることが重要であり、今般の制度改正にもつながっているところでございます。
義務教育段階におきましては、憲法第二十六条の義務教育の無償を具体化した教育基本法第五条において、公立学校を無償とするとともに、市町村に小中学校等の設置義務を課してございます。全ての児童生徒が公立学校に就学できるようにしてございまして、無償でない私立学校への就学は自由な選択の結果によるものでございます。
なお、家計が急変した世帯におきましては、私立の小学校、中学校に通う児童生徒の修学の継続が困難な事例も生じることがある可能性がございまして、こうした家計急変世帯に対する支援につきましては行っているところでございます。
○村上(智)委員 ありがとうございました。
全体的な話としては、中学校は義務教育なので全ての生徒を受け入れられるように、法律的な義務を市町村に課しているという話でした。市町村にそういう義務を課しているので、それ以外に自由な選択として私立の中学校を選ぶのであるならば、それはもうその家庭の問題だから、それは支援をしないというのが基本的な話と。
それに加えて、今説明があったのは、事情があって、家計の急変などによって行けないような場合には、私立の中学校に行っていて家計が急変した場合には支援をするようなことがあるという話だったと思いますけれども、その前半の話、公立中学校は基本的に支援をしなくてもいいという話は分かりました。
そのことに関連して思うのが、地域ごとに違うと思いますけれども、公立中学校に進学するといじめに遭うとか、あるいはその地域の教育レベルが低かったり子供に悪影響がある、そんな地域がありまして、そのために私立中学校に進学しているというふうな例があるわけなんですけれども、実際にこのような親御さんから、どうしてもその地域の公立の中学校に行かせられないんだ、そういう理由があるんだ、それで私立の中学校に行かせるという話をお聞きしております。そして、そのような場合に支援を受けられないのかというふうな陳情を受けました。
先ほどの家計の急変は一回入学してからの話だと思いますので、なかなか最初、この入学からの話では当てはまらないと思いますので質問したいと思いますけれども、事情があって地元の中学校に進学したくない生徒が別の校区の私立中学校に進学する例を考えれば、就学支援が望ましいと思いますが、いかがでしょうか。
○望月政府参考人 市町村教育委員会は、原則として、就学予定者が就学すべき中学校、小学校についても同じですけれども、これを指定することとされてございますけれども、例えば委員御指摘のようないじめがあって行けなくなってしまったというような場合、あるいはそのほか特別な事情がある場合、市町村教育委員会が相当と認めるときには、保護者の申立てによりまして、市町村内の他の学校に指定を変更する、あるいは、他の市町村の学校に就学を希望する場合、住所を有する市町村教育委員会などの協議に基づきまして、他の市町村の教育委員会が受入れを認める場合には就学すべき学校を変更することが可能になっている、そういった制度もございます。
このような制度でございますけれども、制度を実際に活用している例も多うございます。こうしたことは周知を努めたいと思ってございます。
○村上(智)委員 ありがとうございました。
ほかの校区の公立校に行けるような特例措置、そういうようなことを準備されているということですけれども、是非そのような措置は柔軟に運用していただきたいというふうに思います。他方で、やはり事情があって公立ではなくて私立を選ばざるを得ない、そのような場合もあるかもしれないので、是非、文部科学省におかれては、今後も情報収集に努めていただいて、必要な検討をしていただければなというふうに思います。
さて、次の質問に移ります。法令の仕組みに係るテクニカルなことなので、政府参考人に伺います。
高等学校等就学支援金の支給に関する法律のうち改正しない部分ですが、その第三条では、生徒の在学期間が長過ぎれば就学支援金を支給しない旨を規定しておりまして、その第三項では、その月数の計算方法を定めています。
この条文に関連して質問をします。法第三条三項において「一月を超えない範囲内で政令で定める月数」とあり、これに対応する政令においては「一月の四分の三に相当する月数」となっていますが、仮に都道府県が条例において一月の四分の一に相当する月数と定めた場合、これは有効なのでしょうか、無効なのでしょうか。
○望月政府参考人 委員御指摘の法第三条第三項及び政令第二条第二項につきましては、就学支援金を支給する在学期間の計算につきまして、定時制、通信制の課程に在学する場合は、実態としての修業年限である四十八か月が支給対象となるよう規定を置いているものでございます。
条例と法令の関係につきまして御質問ございました。地方自治法第十四条第一項におきまして「普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて第二条第二項の事務に関し、条例を制定することができる。」と規定していることなどから、仮に都道府県が法律の委任を受けた政令に反する条例を制定した場合は、その条例は無効になると承知してございます。
○村上(智)委員 ありがとうございました。
政令において定めているのがこの場合では四分の三というふうに定めているわけですから、それと違うものを条例では定められない、無効であるということを今明確に答弁をいただきました。
当たり前の話のような感じもしますけれども、法律の条件として「一月を超えない」というふうに書いてあって、それに合致するように条例で定めたにしても、法律では「政令で定める」と書いてあるんですから、条例で定めても無効であるということで、当たり前といえば当たり前ですけれども、念のために確認をさせていただきました。
さて、次の質問に移ります。
今回の法改正では支給対象者の見直しが行われまして、外国から訪日している高校生については、定着の意思があるかどうかなどによって対象となるかどうかを決めると伺っております。このような海外との関係では、ほかの国で日本がどう扱われているのかを踏まえて相互に同じような条件にするという発想もありますけれども、関連して質問します。
外国から訪日、滞在している生徒も状況によっては就学支援金の対象とするようですが、逆に、日本から外国へ移り外国の高校へ通う場合、当該国の制度により日本人が授業料を免除される例はあるのでしょうか。
○望月政府参考人 文部科学省におきまして調べられる限りではございますけれども、主要国の状況を調べましたところ、海外で暮らす日本人など、当該自国民以外の者を対象として、今般の制度見直しにあるような公私立を問わず広く授業料相当額を個人に対して支援する制度、仕組みはないと承知しているところでございます。
○村上(智)委員 ありがとうございました。
そういうふうな状況だということですけれども、日本としてこのように外国から来る生徒さんに対して今回支給をする、このことにつきましては前向きに考えられる部分もありますので、そういう中で今回の判断だったんだろうなというふうに思います。海外から来て日本に定着し、そして日本で働く、これは日本全体にとっても喜ばしいことだというふうに思います。人手不足の解消にもつながります。仮にほかの国に帰ったにしても、その国で日本のすばらしさを情報発信していただけるでしょうし、また日本のファンを増やしていただけるのかなというふうに思います。
さて、最後の質問に移ります。早速、大臣にお聞きします。
高等学校等就学支援金の引上げは、家庭の経済状況によらずに教育の機会を確保するために大切な取組と評価しておりますが、この制度改正の実効性を高めるための大臣の意気込みを教えてください。
○松本(洋)国務大臣 今般の制度の見直しは、人口減少社会にある我が国社会の将来を担う人材を育成することが期待される中で、生徒等が経済的状況にかかわらず、その個性や可能性を最大限に伸ばすため、自らの希望に応じた教育を受けることのできる環境を整備するものであります。
このため、文部科学省としては、あらゆる機会を通じて改正の目的や趣旨を学校現場、生徒、保護者、また改めて地方自治体の皆さんに伝えていきたいと思っております。単なる負担の軽減だけではなくて、先ほど委員の御質問の中にも、値上げをしたものを一体どう使われることが望ましいのかという質問も頂戴をいたしまして、教育の質を是非高めるような形で使っていただきたいということも、私からはお答えをさせていただいたところであります。
いずれにいたしましても、この制度というものの趣旨を国民の皆さん、また関係者の皆さんにしっかりと理解をしていただいて、この制度というものを生きた制度に是非していかなければいけないというふうに思っております。また、この制度だけではなくて、併せて、三党合意でも示されたように、これは公立も含めてでありますけれども、教育の質の向上でありますとか、また、奨学給付金を通じた低所得者、中所得者への支援の拡充、こうした我々の思いというものを是非乗せて、それが多くの皆様方に御理解をいただいて、最終的には、これが教育の質の向上、そして子供たちの未来、生徒たちの未来につながっていく、そんなことになるようにしていきたいと思います。
また、支給事務が円滑に行われるよう、都道府県の相談等に丁寧に対応するなど、今回の制度改正が着実に実施されるように全力を尽くしてまいります。
○村上(智)委員 家庭の経済状況によらずに教育の選択肢を増やせるということで、大変すばらしい取組だというふうに思っておりますし、こうして質の高い教育を受けて、そして子供たちが社会で活躍できる、そういう社会を是非築いていただきたいと思います。
そして、最初にも申し上げましたけれども、今回の取組、少子化対策にもしっかりと効果があるというふうに思っておりますので、その点を期待しております。
予定しております八問の質問が全部終わりましたので、以上をもちまして私からの質問を終わります。誠にありがとうございました。
○斎藤委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
午後零時七分休憩
――――◇―――――
午後一時開議
○斎藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。河井昭成君。
○河井委員 国民民主党の河井昭成です。
機会をいただきましたので、高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律案に関して質問をいたします。
まず初めに、現行法では「高等学校等の生徒等がその授業料に充てるために高等学校等就学支援金の支給を受けることができることとすることにより、高等学校等における教育に係る経済的負担の軽減を図り、」とされていたものが、今般の改正案では「教育に係る経済的負担の一部を社会全体で負担し、高等学校等の生徒等がその経済的な状況にかかわらず当該高等学校等の授業料に充てるために」と改められています。これまでの高校授業料無償化の議論や説明では、家庭の教育負担の軽減に重点があったとの認識を持っておりますが、ここが変わっています。
改めて、今般の改正における高校授業料無償化の必要な背景と目的について、大臣にお伺いをいたします。
○松本(洋)国務大臣 人口減少社会にありまして、高校教育には、将来の我が国社会を担う人材を育成することがより一層期待される中で、経済的事情はもとより、公立、私立の別にかかわりなく、生徒一人一人の個性や可能性を最大限に伸ばす教育を行っていくことが求められております。
本法案では、三党での合意も踏まえまして、将来の我が国社会を担う人材を育成するために、高校教育に係る費用の多くを占める授業料を社会全体で負担をし、生徒などがその経済的な状況にかかわらず、自らの希望に応じた教育を受けることのできる環境の整備を図ることを目的としたところでございます。
○河井委員 次に、高等学校の教育に係る授業料負担の状況について、他国の状況はどのようになっていますでしょうか。国際的な比較を、公立、私立の違いを含めて、OECDなど主要国の状況との比較についてお伺いをいたします。
○望月政府参考人 お答え申し上げます。
国によりまして、我が国と必ずしも同じように公立、私立という制度があるかどうか、あるいは、国全体で一律の制度を取っているかどうか、この違いはあることを前提とした上でございますけれども、文部科学省におきまして調べられる主要国の状況を調べましたところ、公立学校につきましては授業料を不徴収としている国が多く、私立学校につきましては原則として支援を行っていないと承知してございます。
なお、海外で暮らす日本人など、当該自国民以外の者を対象として、今般の制度の見直しにあるような、公私立を問わず、広く授業料相当額を個人に対して支援する制度、仕組みはないと承知しているところでございます。
○河井委員 次の問いに移ります。
今回の法律の改正により、所得制限の撤廃、私立高等学校の授業料無償化の拡充がなされることとなります。令和八年度予算案においては、高校生等への授業料の支援として行われる高等学校等就学支援金等として六千百七十四億円が計上されています。事業の性質からも、持続的に事業が行われることが求められると考えると、恒久的な財源が必要となります。この財源の確保について、大臣にお伺いいたします。
○松本(洋)国務大臣 昨年の三党合意や与党税制改正大綱を踏まえまして、今般の就学支援金制度の拡充を含む、いわゆる教育無償化を令和八年度から実現するための安定財源につきましては、国の歳出改革や租税特別措置の見直しなどにより確保することとし、地方分についても、租税特別措置の見直しなどによる増収分を充て、財源確保が完成するまでの間は地方財政措置により対応することとされていると承知をしているところでもあります。
いずれにいたしましても、財政当局、また税制改正等々も見定めながら、しっかりとこの安定財源の確保というものに努めてまいりたいと存じます。
○河井委員 次の質問に移ります。
財源の確保に関連して、高校生の扶養控除についてお伺いをいたします。
これまでにも、二〇二四年から児童手当拡充に伴い縮小、廃止が検討されてきましたが、二〇二六年度は、子育て世帯の負担増への懸念から、現行水準を維持する方針となっております。
今回の制度改正でも財源の検討がなされておりますので、高校授業料の無償化の財源として、高校生の扶養控除の縮小や廃止がされるのではないかとの懸念があります。この時期は高校受験や大学受験など家計の負担の大変多い時期であることもあって、現役子育て世代の手取りを減らすことなく増やすということは重要な論点だと考えております。
高校生の扶養控除は縮小や廃止をしないということでよいか、これは財務省にお伺いをいたします。
○高橋大臣政務官 高校生年代の扶養控除について、今後どのように取り扱うのかという御質問でございます。
高校生年代の扶養控除を含め人的控除の在り方に関しましては、令和八年度与党税制改正大綱におきまして、我が国の経済社会の構造変化を踏まえ、格差の是正及び所得再分配機能の適切な発揮といった観点から、包括的に検討を行うこととされているところでございます。
そして、その際、高校生年代の扶養控除に関しましては、令和九年分の所得税及び令和十年度分の個人住民税における取扱いは現行制度を維持した上で、児童手当の支給対象の高校生年代までの拡充、あるいは高校無償化の所得制限の撤廃といった歳出面での対応や、また、本扶養控除の見直しの方向性を踏まえた子育て世代を対象とした住宅ローン控除や生命保険料控除の先行的な拡充も念頭に置きながら、引き続き検討を行うこととされているところでございます。
政府といたしましては、こうした与党における議論等を踏まえて、適切に対応してまいります。
以上でございます。
○河井委員 ありがとうございました。
財務省にわざわざお越しをいただきまして答弁いただきましたが、非常にここは大事なところだと思っておりまして、子育て世代のこの時期にちゃんと手元に残るお金があるということが、教育をしっかり受ける環境につながると思っております。是非ともここは維持をしていただく必要があると訴えさせていただきたいと思います。そのことをお伝えをして、今日はお越しをいただきまして、ありがとうございました。
○斎藤委員長 御退席いただいてよろしいということですか。
○河井委員 はい。
○斎藤委員長 では、高橋財務大臣政務官は御退席いただいて結構です。
○河井委員 引き続き質疑を続けます。
このような大規模な予算を必要とする事業が新たに始まりますと、ほかの事業に影響が出るのではないかと懸念されます。
大臣所信の質疑でも指摘をさせていただきましたが、令和八年度文部科学省所管の予算案では、七年度予算から三千七百十六億円、六・七%の増ですが、今般の高校生等への就学支援の拡充と給食の無償化の予算を除けば、増分は千百七十七億円で、約二・一%増となっております。
例えば、義務教育の小中学校の予算は十分かと問われると、非常に心もとない状況なのではないかと考えています。学校校舎の傷んだ箇所の修繕がおろそかになっていて、順番待ちだと言われて少し待機をしている状態があったり、教育活動で使っている大型、大判のプリンター、模造紙にきれいに印刷をできるプリンターになるんですけれども、こういうものが入っているんですけれども、例えばメンテナンス契約の継続だったりとか修繕、これが切れると修繕がしにくい、更新できるかというと更新はなかなか難しいみたいな話であったり、コピー用紙などの消耗品を節約しているなどなど、日々の学校運営にも大変苦労している状況がありまして、ここにも予算が回るようにする必要がありますが、現状は、現場が大変苦労している。
本来は、しっかりと予算計上されるべきところであると考えます。ほかの教育への必要な手当て、予算計上に影響が出るのではないか、出てはいないか、今後ここを改善できるのか、大臣にお伺いをしたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 令和七年十月の三党合意におきましては、今回の取組を恒久的に実施するためには新たに恒久的かつ安定的な財源が必要であること、現行の教育現場での活動に支障が生じないよう既存の教育財源を原資とすることなく、財源確保と今回の制度改正等を一体的に実施することとされているところであります。
昨年の三党合意や与党税制改正大綱を踏まえ、いわゆる教育無償化を令和八年度から実現するための安定財源につきましては、先ほどもお答えをいたしましたが、国の歳出改革や租税特別措置の見直しなどにより確保することとしているところであります。また、その他の教育施策につきましても、未来への投資として必要な予算を確保してまいります。
今、令和八年度予算につきまして御紹介をいただいたところでありますけれども、こうした観点に立って所要の額を積み上げさせていただいた結果、予算案として文部科学省分は計上をし御審議をいただいている、そのように承知をしております。
○河井委員 所要の額を計上していただいているということなんですけれども、でも、現場は、十分に学校の修繕費が措置をされていなくて費用の確保に苦労しているという状況があったり、学校の修繕をおろそかにすると子供たちの安全に関わることもありますし、教育の質を落とすことにつながりかねないという状況にあるんですけれども、所要の額を適切に見積もってきちっと必要額が出されているのかというところは、今の状況を見ると少し疑問に思います。
この辺を、改めて、義務教育に必要なところにきちっと予算措置を、必要な予算がどのぐらいなのかを図るということをされる必要があるのではないかと思うんですけれども、大臣に見解をお伺いをしたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 当然、我々といたしましては、予算編成に当たりまして、概算要求、そして財政当局による査定、様々な段階を経て年度予算というものを年末に編成をし、そして提出をさせていただいているところであります。
また、先ほど文部科学省予算全体のお話をされましたけれども、これは教育以外の部分もあります。加えて、例えば不必要であったり効果が薄かったりというようなところ、また様々な工夫をしながら、当然、国民の皆様方からお預かりしている税金でありますので有効活用をすることができるように、我々としても、一つ一つ数字の中身を見ながら積み上げをし、そして財政当局からも様々な御指摘をいただき、そして議論をしながら今回の予算というものをつくらせていただいて、御審議いただいているという状況であります。
そうした意味におきまして、委員の問題意識というものはお受け止めをしつつ、我々としては、こうした形でつくり上げた今回の予算については所要の額が十分に確保できているというような認識をしているところではありますけれども、しかしながら、そうした委員からいただいた御意見というものは我々に対する応援のメッセージとしてお受け止めをさせていただいて、引き続きしっかりと取組を進めてまいりたいと存じます。
○河井委員 次の質問に移ります。
今制度改正において、私立高等学校等の生徒を対象とした支援上限額は、これまで最大で三十九万六千円であったものが四十五万七千二百円に引上げとなります。
この金額はどのようにして決められたのか。平均授業料を勘案してとの説明が付されていますが、その根拠も含めて詳細に説明を求めます。また、この金額を見直す場合はどのような状況となったときなのか、何を基準に、何を根拠に支援上限額の見直しを行うのか、伺います。
○望月政府参考人 就学支援金制度において、今回、支援上限額を高めているところでございます。
これは、令和二年度に就学支援金制度の限度額を引き上げた際にも、文部科学省におきまして調査を行いました平成三十年当時の全国の私立高校平均授業料を勘案して定めた額としたところでございます。
今般、支援額については三党で合意を受けたことを踏まえてのものでございますけれども、その際、文部科学省が直近調査をいたしました令和七年度における全国の私立高校平均授業料を踏まえまして、支給限度額を四十五万七千二百円まで引き上げることを基にされたと承知をしてございます。
この支給上限額を今後どうしていくのかということにつきましては、まさに国民の皆様の税金でございます、国民の皆様の様々な御意見、あるいは私立学校の授業料の状況は、当然我々としても調査をまたいたします。
そうした中で、新しい制度の実施状況、あるいは先行自治体の取組の分析などを踏まえまして、三年以内の期間の十分な検証の中で検討をしてまいりたいと考えているところでございます。
○河井委員 今回の高等学校等就学支援金の支給が行われるようになりますと、四十五万七千二百円が上限となることから、今日の午前中の議論でもずっと指摘をされておりますけれども、便乗の値上げが懸念をされます。
便乗値上げの防止をするための措置が必要と考えますが、一方で、昨今の人件費や物価の上昇を受けて授業料の改定の必要があったんだけれども、先に四十五万七千円という、四十五・七万円という数字が皆さんに伝わっていて、支援の上限額が示されていることにより便乗値上げと受け取られる懸念から、授業料の改定を今回どうしようかとちゅうちょしたり断念をしているという学校側の声も聞こえてきたりします。
私立高等学校の経営の自主性を損ねることなく、適切な授業料改定であるということを示すことができる仕組みが必要であると考えますが、見解を伺います。
○望月政府参考人 御指摘のように、私立高等学校の状況につきましては様々でございます。
今回の就学支援金の拡大が約一年前に三党合意で支援額が高められるだろう、そういう情報を得た上で今の教育の、今回の就学支援金とともに質の向上や、あるいは施設整備や、あるいはいろいろな教材などを含めて教育の質の向上のために授業料を値上げをしようというふうに考えたところ、あるいは、これまで授業料の値上げをせずに、経営判断も含めて据え置いたところも含めて、様々でございます。
その中で、私立高等学校の所轄庁である都道府県の方では、一定、合理的でない授業料の値上げというのを防止する手だてを取っている自治体もあるわけでございます。
所轄庁である都道府県のそうした私学助成の仕組み、あるいは指導監督の権限と責任を有するところ、それから私立高等学校の自主性というところも考え合わせまして、よく関係者とも話しながら制度については検討を進めてまいりたいと思っているところでございます。
○河井委員 これはさっきの問いとも関連するところだと思うんですけれども、やはり私立高等学校の平均授業料でこの額を決めているところに少し由来しないかなと思っていたりします。平均授業料を基準にして四十五万七千二百円が決まっていることから、それぞれの学校で、この授業料の決め方は特色があってということになっているはずなんですよ。ここを基準とするとこうなる。逆に、ここを基準とせずに、必要な教育の質を高めるためのということを、こちら側で基準を設定するということもあっていいのではないかなと思うんですけれども。
平均であるということが難しくしているのではないかなと考えるところであって、この支給の上限額を何で決めるのか、平均でいいのかということも、是非制度を見直すときに検討いただけたらと思いますが、見解をお伺いをいたします。
○松本(洋)国務大臣 大変重要な御指摘だと思います。
そういう意味では、見直しというものが規定の中に今回置かれているわけでありますけれども、じゃ、次が単純にその平均額になるのかといえば、そうではないと思っております。
そういう意味では、今委員から御指摘がありましたように、今回のこの措置を受けて、どういう形で授業料というものが、それに関連しているのかどうかは別として、各学校によって設定をされていったのかといったようなことも、しっかりと、我々といたしましては、実際に上がった学校の例なんかも見つつ、また、先ほど答弁の中でも例えば教育の質というようなお話もさせていただきましたけれども、そういう意味では、そうしたあらゆる様々な要素というものを勘案をしながら、三年の見直しというものを行っていくということかと承知をしております。
○河井委員 次の質問に行きます。
大臣所信に対する質疑において、公立高等学校の役割について大臣に問いかけたところ、多様な背景を持つ生徒の学習ニーズに応えるセーフティーネットの役割、地域が求める人材育成などの観点から高校教育の普及や機会均等を図る役割を持つ、地域社会に根差した重要な存在であり、その役割は変わることはないという見解が示されました。
私立高等学校等の生徒を対象にした支援が大きく増え、公費の投入が増加することになりますが、教育における公費の投入という意味であれば、私立高等学校の役割は変わるのでしょうか。これまでの私立高等学校の特徴と役割、この制度改定によって変わる、若しくは付加される役割について、大臣の見解をお伺いします。
○松本(洋)国務大臣 私立高校は、従来から公教育の一翼を担うとともに、建学の精神に基づく特色ある教育を展開し、我が国の学校教育において重要な役割を担っていただいております。今般の制度改正によって、これら私立高校の位置づけ等が変わるものではないというふうに考えているところであります。
今般の制度改正によりまして、家庭の経済的な状況にかかわらず、自らの希望に応じ、私立高等学校への進学を選択することも可能となる中で、それぞれの私立学校においても特色ある教育活動の一層の充実が図られることを期待をしているところでもあります。
文部科学省といたしましては、私学助成を始めといたします私立高等学校の振興方策を通じまして、こうした私立高等学校の取組を支援してまいります。そういう意味では、役割が変わるものではないというふうに承知をしております。
○河井委員 次の問いに行きます。
公立高等学校と私立高等学校で授業料の差が縮小すると、行き届いた設備、特色のあるカリキュラム、活発な部活動など、ハード、ソフト共に充実している私立高等学校が公立高等学校より優位になるのではないか。また、私立高等学校は、手厚く面倒を見てくれるが、お金がかかる。公立高等学校は、授業料を始め教育費は安いが、塾などに通うことを考えると、結局お金がかかる。現状は両方お金がかかるんですけれども、無償化の影響によって、逆に、トータルでは私学の方が安くなるのではないかという声もあるようです。
ちょうど公立高等学校の入試の合格発表の時期ですが、本日も報道でありましたけれども、実際に私の地元滋賀県の今年度の状況として、県立、全日制の募集定員に対する志望者の割合、志望倍率が平均〇・九八倍、前年度は一・〇五倍でした。記録が残る一九七八年以降初めて一倍を割りました。逆に、私立高等学校は平均志願倍率が三・七三倍、前年度は三・六〇倍です。
今回の制度改定が公立高等学校に及ぼす影響の想定について、大臣にお伺いをいたします。
○松本(洋)国務大臣 一般論として申し上げれば、私立高校の授業料に対する支援を拡充し、私立高校への進学を希望する生徒が増加をした場合、公立高校への進学者数が減少する可能性があるなど、公立高校への一定の影響があるものと考えられます。実際、地方団体からは、今般の制度の見直しにより、公立高校への影響が生じるとの懸念が示されているところであります。
他方で、御指摘のとおり、公立高校は、地域が求める人材育成など、地域に根差した存在であり、その役割は今後ますます重要になると考えているところであります。
そういう意味では、そういう影響があるか、ないかということに関しては、文部科学省として、今申し上げたように、公立高校への一定の影響があるものと考えているということであります。
○河井委員 公立高等学校の倍率が下がると、多くの生徒がここに通うことになるんですけれども、言ってみれば、競い合う条件が大分低くなることになります。勉強しなくなるんではないかという懸念があったり、また、私立の方は、教科数が少なくなるので、これまた受験の大変さが少し緩和されるみたいなことがあります。生徒にとってみれば勉強の量が減るのかもしれませんけれども、学力の面で見ると非常に心配される影響が出るんではないかと思いますが、ここに関する大臣の見解をお伺いします。
○松本(洋)国務大臣 御指摘の点に関してお答えをするとすれば、だからこそ、やはり、今回のこの教育の無償化だけではなくて、昨年の補正予算でお認めをいただきました三千億円の基金、そして学校の教育の質を高めるための予算、こうしたものも組み合わせながら、是非、我々といたしましては、公立学校教育の質を高めていく、そして特色ある教育というものを実現をしていくということによって、公立学校の教育の魅力を高め、その質を高めていくような取組というものを進めていかなければいけないというふうに考えているところであります。
令和七年度補正予算で設けました高校教育改革促進基金を通じまして、改革を伴う施設設備整備に対する支援も含めまして、先導的な学びの在り方を構築するパイロットケースの創出に取り組むこととしておりますし、また、地域と連携、協働した学力向上、学習支援、これも午前中の質疑の中でも私から申し上げましたけれども、例えば学校外教育というようなものを支援をするような新たな公的な仕組みというものも、今回、まだ全面的にというわけではなくて、かなり一部という形にはなろうかと思いますけれども、こうしたところにも文部科学行政として一歩を踏み出させていただいたところでもあります。
例えば、放課後の時間でありますとか、夏休み、春休み、長期休暇中とか、こういうときにこうした制度というものをうまく活用をしていただきながら、そして、そういう意味では、私立ではなくて公立学校に通っていても安価にそうした教育支援というものを受けられるような、そういう仕組みというものも、今回、その一歩として取り入れをさせていただいた、三千億円の基金の中の制度の一つのメニューとして入れさせていただいたということであります。
また、国会での御審議を経て、この制度改正がお認めいただけた場合には、制度の実施状況とともに、委員御指摘の公立高校への影響なども含めまして、三年以内の期間に十分な検証を行ってまいりたいと考えております。
委員もいみじくもおっしゃっていただきましたけれども、今回の措置によって、私立と公立が敵対をするというよりも、やはりそれぞれが高め合っていただいて、全体としての教育の質を高めていただくということが極めて重要ですし、そうした結果に結びつけていかなければいけないということを私自身は強く考えておりますので、そうした結果を得ることができるように、委員の御指摘も含め、お受け止めをしながら、よりよい制度をつくっていくために頑張ってまいりたいと思います。
○河井委員 次の質問に移ります。
さきに述べたとおり、公立高等学校と私立高等学校を比較した際、学校施設の整備状況やICT環境、特色のある教育カリキュラム、さらには部活動の環境などにおいて、依然として一定の差があります。また、授業料の差が縮小していく中で、学校を選択する際には、こうした教育環境や学校設備の充実度がより重視される可能性もあります。こうした状況を踏まえますと、公立高等学校と私立高等学校に対して、国や自治体からどの程度の公費が投入をされているのか、そのバランスについても改めて整理する必要があるのではないかと考えます。
そこで、公立高等学校と私立高等学校、それぞれについて、生徒一人当たりの公費投入額は現状どの程度となっているのか、またその差についてどのように認識をされているのか、大臣にお伺いいたします。
○松本(洋)国務大臣 お答えをしたいと思いますけれども、率直に言ってなかなか難しいというのが実態であります。なぜかというと、私立高校は、主に生徒がアクセスしやすい都市部に展開をされる傾向がある一方で、公立高校は、高校教育の機会均等を図る観点から、離島や中山間地域など、生徒数が少ない地域においても配置する必要があることや、多様な専門学科の比率が高いなど、学校運営そのものに係る費用がかなり異なる、そういう前提があるということであります。
このように、公立高校と私立高校が置かれている状況がそれぞれ異なることを考えれば、議員御指摘のとおり、生徒一人当たりの公費投入額について簡単に算出、比較することは困難であるというふうに考えているところであります。
○河井委員 次の質問に移ります。
公立高等学校の学校校舎を始めとする施設について、また滋賀県の例で大変恐縮ではありますけれども、予算とマンパワーに限りがあることもあって、トイレ改修などの事業も行ってはいますが、体育館、空調などに手が届かず、私立との差が開いている状況となっております。
また、野球はグラウンドの質や屋内練習場の有無、サッカーであれば人工芝グラウンド、体育館や武道場で競技をするスポーツであれば空調などの環境の違いがありまして、部活動を含めたスポーツの環境にも差がある状況です。
高校改革基金、度々話題に上がりますけれども、これを利用できるとのことですが、これで対応できるのは、滋賀県の場合では最大でも四校程度となるとのことで、全学校を改修するには至らず、残った学校は施設で差があるままとなってしまいます。
私立高等学校の施設と比較して見劣る公立高等学校の設備の充実が必要となると考えます。どのような方法、スケジュールで実行していくのか、大臣のお考えを伺います。
○松本(洋)国務大臣 公立高校の施設整備につきましては、基本的に、設置者であります地方公共団体の一般財源や地方債の発行などで実施をされてきたところであります。
今般、いわゆる高校無償化による公立高校への影響を考慮をいたしまして、国が高校改革を牽引し、地域の実情に応じて高校改革の取組を進めるために、令和七年度補正予算に計上した高校教育改革促進基金や、令和八年四月に創設をされます高等学校教育改革等推進事業債の活用も期待されるところであります。
この高等学校教育改革等推進事業債でありますけれども、こちらの方は、知事会からの強い要望を受けてできた制度というふうに承知をしているところでもありまして、こうした新たな仕組みというものも使っていただきながらと思っているところであります。
安定財源を確保した上で、交付金等の新たな財政支援の仕組みの構築についても検討することとしておりまして、各都道府県の取組に伴走しながらしっかりと支援することができるように、引き続き取り組んでまいります。
○河井委員 次に行きます。
先日の大臣所信に対する私の質疑の中で、高等学校の魅力化について、大臣から、公立高校の特色化、魅力化は、地域や産業界との連携、また、校長のリーダーシップの下で、スクールポリシーに基づく学校運営を進めていくことが重要であるとの趣旨の答弁をいただきました。
また、国のグランドデザインに基づく都道府県での高校改革の計画策定や高校教育改革促進基金の活用、さらには交付金などによる財政支援についても御説明をいただいたところです。
一方で、私立高等学校との授業料の差が縮小していく中では、校長のリーダーシップの下で取り組まれる学校運営における高等学校の魅力化は、全ての公立高等学校で速やかに実行しなければならない状況にあると考えます。学校を選ぶ際に教育内容の魅力もこれまで以上に重視されることになると考えるからです。
そうした観点から、私立高等学校との比較の中で、公立高等学校の特色化、魅力化について文部科学省として今後どのような方向性、スケジュールで取組を進めていくのか、改めて大臣にお伺いをいたします。
○松本(洋)国務大臣 公立高校の特色化、魅力化を進めるに当たりましては、各学校の実情などに応じまして、地元自治体や産業界など、様々な関係者と連携、協働しながら、指導、運営体制の構築も含め、高校教育の充実に取り組むとともに、各高校におきましても、学校をより魅力ある場にするため、校長のリーダーシップの下、スクールポリシーに基づく学校運営や教育活動の具体化を図り、社会に開かれたものとしていくことが必要であると考えております。
このため、文部科学省では、度々御説明をしておりますが、公立高校を対象にいたしまして、昨年の補正予算で設けた基金を通じまして、各都道府県でパイロットケースを創出をする。そして、都道府県が中心となって、拠点となる高校とで予算を有効活用していくことが大切であり、そして、その先導拠点の成果というものを他校への普及に取り組むことを要件としているところであります。さらに、先導拠点の取組も含めまして、域内の高校改革を広く進めていくことが重要であると考えております。
安定財源を確保した上で、交付金等の新たな財政支援の仕組みの構築についても検討をしてまいりますが、新たに創設される高等学校教育改革等推進事業債、先ほども申し上げましたが、これらの活用も期待されるところであります。
財政面だけではなくて、人事面も含めて、各都道府県の取組に伴走しながら、しっかり支援をしてまいりたいと存じます。
○河井委員 今、人事面についてもというお話をいただきました。そもそもにおいて、魅力化の底上げをするためには優れた教員を増やすという取組が非常に重要なのではないかと思いますが、なかなかこの辺の言及がないなと感じていたところです。
是非、この点について、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 おっしゃるとおりでありまして、予算をつけたからいいというものではなくて、予算というのはあくまでも手段でありまして、その目的とするところは、これらの予算というものを使ってよりよい教育というものを実現をしていただくということにあると私自身、思っているところであります。また同時に、予算を伴わなくても、様々な制度を変えていったり、また工夫をしていくことによって教育を向上させることは幾らでもできるというふうに、幾らでもというのはちょっと言い過ぎかもしれないですけれども、そういうすべというものは存在をするわけであります。
そういう意味では、こうした予算、制度だけにとらわれることではなくて、そうした工夫であったり、またちょっとした様々な取組によって教育の質というものを高めることができるような、そういうものについても、我々としてはしっかりと目くばせをしながら推進をしていきたいと思います。
○河井委員 今回の制度改正において、公立高等学校の魅力そのものに焦点が当たっています。私立高等学校との差を解消することは、新たな要請となります。
これまでに指摘している内容など、時代に合わせて新しいことに対応する際には、財政的な裏づけが必要になります。今の公立高等学校の公費投入は適切かということを検証する仕組みが求められると考えますが、大臣の見解をお伺いします。
○松本(洋)国務大臣 先ほど来御説明をさせていただいておりますとおり、例えば今年の四月からは、高等学校教育改革等推進事業債というものも知事会からの強い要望によって実現をし、新たなそうした学校施設整備等々に使えるような財源というものも、そうした仕組みというものもつくらせていただいたところであります。
いずれにいたしましても、我々といたしましては、しっかりと所要の予算というものも確保しつつ、こうした学校の教育の質を高めていくための取組というものをしっかり進めていきたいと思いますし、そうした都道府県、各自治体の取組というものに対して、文部科学省として伴走をしながら支援をしてまいりたいと存じます。
○河井委員 ありがとうございます。持ち時間が終わりましたので、終了したいと思います。
○斎藤委員長 次に、西岡義高君。
○西岡(義)委員 国民民主党の西岡義高です。本日もよろしくお願いいたします。
それでは早速、高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律案について質問してまいります。
まず、支給対象が変更されたことについて伺いたいと思います。
我が国社会を担う豊かな人間性を備えた人材を育成するためとして、今回、日本国籍そして永住者等に限定されたことは、私としては評価しております。
その上で確認させていただきたいのですけれども、帰化した場合、直ちに受給資格を得ることになるのか。また、将来永住する意思があると認められた者であったり、家族滞在の、日本で就労して定着する意思があると認められた者、これらの点は、どのような基準で、誰がどのような手段で判断していくのか、これを確認させていただきたいと思います。
○望月政府参考人 お答え申し上げます。
新たな就学支援金制度におきましては、今御指摘がございましたように、日本国籍を有する者に加え、在留期間が無期限である特別永住者や永住者等の在留資格を有する者を支援の対象といたします。帰化によって日本の国籍を取得した者につきましても、もちろん、申請ではございますけれども、支給対象者とすることを考えてございます。
また、受給資格の確認に当たりましては、マイナンバーカードや住民票の写しなどの提出を求めることなどによりまして、公的な情報に基づき申請者の国籍や在留資格を確認することなどを検討してございまして、将来永住する意思や日本で就労して定着する意思につきましては、生徒本人の申告に基づきまして、支給権者である都道府県において受給資格を確認することとしてございます。
○西岡(義)委員 ありがとうございます。
本人の申告で申請がなされるということなので、その意思については内面の問題になってくるかと思います。うそであったり、あと、悪意というものが入り込まないような厳格な取扱いをお願いしたいと思います。
最近、都内の大手進学塾であったり有名公立小学校、こういうところに中国人の子供がとても増えているというようなことを耳にしたり、そういった記事を目にする機会がございます。こういった子供たちは、いずれ学力上位の中学、高校へと進学していく、そしてさらには学力上位の大学へ進学していくということが想像されます。その中で、例えば、外国政府から何らかの意思を持って日本に帰化して、そうした場合、国家公務員として省庁の内部に入り込んでいくこともできるかと思います。そうなれば、国の内部から様々な工作ができてしまうのではないかということを心配しております。
飛躍した話に聞こえるかもしれませんけれども、私は、党の中の安全保障調査会でインテリジェンス政策を担当しておりますので、こういった目線での懸念も持っているわけでございます。ですので、こういった受給資格を厳正に運用していっていただきたいというところでございます。
そこで、大臣に伺いたいんですけれども、在留外国人が約四百万人というこの現状において、このような国籍要件につきまして、これを厳格に様々な施策に適用していくというようなことについてどのように考えていらっしゃるのか、総論としてのお考えを伺いたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 総論としてという話でありますので、文部科学行政にかかわらずという、そういう理解ですか。(西岡(義)委員「文部科学行政に」と呼ぶ)文部科学行政についてですね。
今般の制度の見直しは、三党での合意も踏まえまして、多額の公費を充て、家庭の経済的な状況や国公私立の別にかかわらず、高校の授業料平均相当額を社会全体で負担するという考え方をより進めるものであります。このため、支給対象者についても、将来我が国社会を担う人材育成に資する観点から見直すということにしたものであります。
外国籍の生徒につきましては、一時的に来日し、短期間で帰国する方、そういう方がいらっしゃる一方で、日本社会に根づいて働き、定着するなど、我が国社会を支える一員となっている方もおられるというふうに認識をしているところでもあります。
このため、新制度においては、将来の我が国社会を支える者になり得ると考えられる者を法律上の支援の対象とする、一方で、新制度により対象とならない者は、これまで支援を行ってきた経緯を踏まえ、直ちに不利益を生じさせることがないよう予算上の支援を行うこととしているところでもあります。
また、今、政府といたしまして、この外国人政策に関しては、司令塔、大臣を置いていろいろと検討をしているところでもあります。そうした各省とも連携をしながら、文部科学省としてもどのように対応をしていくのか検討をしてまいりたいと存じます。
○西岡(義)委員 御丁寧な御答弁ありがとうございます。決まったルールについては厳格に運用していただくということを改めてお願い申し上げたいと思います。
次の質問に移ってまいります。高校生等奨学給付金との関係について御質問させていただきます。
高校生等奨学給付金は、平成二十六年度に、就学支援金に導入されました所得制限によって生み出された剰余金を財源として支給されている、このような認識をしております。
今回、高校生等奨学給付金も拡充が行われる予定となっておりますけれども、同時に、財源とされていた今回の法案の就学支援金の所得制限、これも撤廃されました。高校生等奨学給付金の財源について、どのように確保されるのか、教えていただけますでしょうか。
○望月政府参考人 昨年十月の三党合意を踏まえまして、授業料以外の教育費を支援いたします高校生等奨学給付金につきましては、支援の対象を中所得者世帯まで拡大をするとともに、国の負担割合を引上げを行うこととして、令和八年度予算案におきまして、公費全体としては六百四十五億円を計上してございます。
この合意とか、あるいは与党税制改正大綱を踏まえまして、高校生等奨学給付金の拡充を含みますいわゆる教育無償化というものにつきまして、令和八年度から実現するための安定財源につきましては、国の歳出改革や租税特別措置見直し等により確保することとし、地方分につきましても、租税特別措置の見直し等による税収分を充て、財源確保が完成するまでの間は地方財政措置により対応することとしていると承知をしているところでございます。
○西岡(義)委員 ありがとうございます。
この際、我が党が訴えている教育国債なども是非検討の材料に加えていただければと思いますけれども、その話はまた別の機会にさせていただきたいと思います。
次の質問に移ります。
今回の法改正で、年収九百十万円以上の世帯は、現在予算措置で行われている就学支援金十一万八千八百円から、最大で三十三万八千四百円支給増となるかと思います。一方で、年収五百九十万円未満の支給増となる額は、六万一千二百円にとどまるという状況でございます。この支給増の差が、塾や習い事などに使える金額の差となって、更なる教育格差であったり体験格差につながることが懸念されているわけでございますけれども、この格差を埋めるためには、低所得者には更なる支援が必要になってくるかと思います。
高校生等奨学給付金以外に具体的に検討している施策があるのか、そして今後の支援の在り方についてどのように捉えているのか、大臣のお考えを伺いたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 今御案内をいただいたとおり、今回の制度の見直しは、経済的な状況にかかわらず、自らの希望に応じた教育を受けることのできる環境を図ることを目的にしているところでありますけれども、委員からの御指摘は、逆に格差が広がるのではないか、そういう御指摘かと思っております。
その上で、文部科学省としては、御指摘のような点を踏まえまして、今般の制度見直しと併せまして、令和八年度予算案におきまして、授業料以外の教育費を支援する高校生等奨学給付金を中所得層まで範囲を拡充するとともに、本制度を知らないことによりまして児童生徒等が進学を諦めたり将来の選択肢を狭めたりすることがないよう、進路選択を行う中学校段階から、生徒に対する周知を充実させるために、プッシュ型で漏れなく情報を伝えていただけるような取組を市町村へ促してまいりたいと存じます。
加えて、令和七年度補正予算で新たに計上をいたしました基金を通じまして、高校教育改革を先導する拠点の創設に取り組む一環といたしまして、家庭の経済状況にかかわらず、先ほどもちょっと別の答弁をしましたけれども、例えば、放課後でありますとか、あと、夏休みとか冬休みといったようなそういう長期の休業の時間を利用いたしまして、高校と地域とが連携、協働して学力向上、学習支援を実施するための経費というものも計上をさせていただいたところであります。
ですから、そういう意味では、お金を、お渡ししてという言い方はよくないのかもしれない、そこを補助して支援をするだけではなくて、そもそも、今委員がおっしゃられたような教育に係る負担というものを、いわゆる学校外教育なんかもこうした制度を使ってもらうことによって逆に下げていくというような取組もしていくことが大変重要じゃないかと思います。
加えて、では何でそういうところにお金がかかるのかということになると、例えば、一つは、大学受験というものがその出口にはあって、それにどう対応するのかという観点でお金がかかるということもあろうかと思いますし、また、委員おっしゃられましたように、様々な体験だったり、いろいろな、やはりそういうこともあるんだと思います。
ですので、そういう意味では、特に大学受験というものも一つ考えるのであれば、小中高大、大学院、こういうものの一気通貫の教育というものを改めてしっかりと考える中で、その中での、それぞれの段階での教育のあるべき姿、そしてそれを測るための受験の在り方、こういうことも含めて、トータルで一緒になって本来考えていくことによって委員御指摘のような問題というものは解決に進んでいくのではないかと私自身は大変強く感じているところでありまして、そういう意味では、そうした全体の改革というものも、今、文部科学省としてどう進めていくべきなのかということを検討しているということであります。
○西岡(義)委員 ありがとうございます。御丁寧な御答弁をいただきました。
しっかりと引き続き低所得者を支えていただきたいというところと、今大臣から言及のありました大学受験、そしてそこに一気通貫型というところで、私も常々、誰もが大学を目指す単線型の教育制度、これが制度疲労を起こしていて、改革のときなんじゃないかという御提案は何度もさせていただいております。この点については、思われていることが共通する部分があるなと思いましたので、引き続き別の形で取り組ませていただきたいなと思うところでございます。
では、次の質問に移ります。
今回の就学支援金制度の拡充に当たりまして、これまで全額国庫負担だったものが、四分の一を都道府県負担とされております。二千億円と御説明を受けたんですけれども、都道府県分の財源の確保についてどのように配慮されているのか、改めて教えていただきたいと思います。
○望月政府参考人 今般の制度見直しに当たりまして、都道府県は、公立高校の設置者、そして私立高校の所轄庁として高校教育を担う責任を有していること、新たな制度が高校の授業料の平均相当額を社会全体で負担する、そういう考え方を進めまして、将来の我が国社会、各地域を担う人材の育成を進めていくということであることから、地方における安定財源の確保を前提としまして、新たに都道府県の負担を導入し、国と都道府県が一体となって支援をしていくということとしたところでございます。
その際、新たな就学支援金制度に係る地方負担につきましては、地方財政計画の歳出に確実に全額計上をするとともに、一般財源総額を増額確保することとしてございます。個別団体の地方交付税の算定に当たりましても、地方負担の全額を基準財政需要額に算入し、各団体に見える形で普通交付税を算定することとしてございまして、不交付団体である東京都以外の道府県におきましては普通交付税が確実に交付されるものとなるわけでございます。
○西岡(義)委員 ありがとうございます。
もう一点、確認させていただきたいと思います。今回の就学支援金制度の対象となる生徒は、居住地か若しくは通学先、いずれの都道府県から支給されるのか、確認させていただきたいと思います。
○望月政府参考人 お答え申し上げます。
今般の就学支援金制度の見直しでは、都道府県によらず、全国一律に国の就学支援金の支給限度額を高めるというものがございます。また、先ほど申し上げましたように、我が国社会を担う人材の育成に資するため、高校教育に係る経済的負担の一部を社会全体で負担するというものです。また、現行の就学支援金制度は、学校設置者による代理受領の仕組みをとってございます。
これらのことから、生徒が経済的な状況にかかわらず自らの希望に応じた教育を受けることのできる環境の整備を図るため、高校が所在する都道府県がそこに在学する生徒に対する支給事務を行い経費を負担する仕組みを維持することとしてございます。
○西岡(義)委員 ありがとうございます。
私のいる神奈川県川崎市は、多摩川を一本挟んで東京に隣接しておりまして、都内の私立高校に通うお子さんも多く、これまでは東京都が独自で就学支援を行っておりましたので、同じ学校に通っていても、川崎から通っている子供たちは就学支援を受けられない状況、いわゆる多摩川格差と呼ばれるものがございましたけれども、これの一つが解消されることになるのは喜ばしいことだと思っております。
一方で、私立高校の都道府県別学校数には地域差、ばらつきがございます。越境進学で、私立学校進学のために私立高校が多い大都市圏への流入が加速される懸念がございます。人が就学支援金というお金を背負って移動していくようなイメージにもなるかなと思っているんですけれども、約千七百自治体があるうち、高校がない市町村が約五百、一校しかない市町村が約七百、こういった状況で、地方を支えていくことにつながる高校を存続させていくこと、これも重要かと思っております。
この就学支援制度が、公私を問わず地方の高校に影響が及ぶ可能性がありますけれども、地域間格差に与える影響について、文部科学省としてどのように考えていらっしゃるんでしょうか。
○望月政府参考人 西岡委員御指摘の点、地域における高等学校に通う生徒というものがいわゆる都心部に流れていくんじゃないか、そうした御懸念、これは、全国知事会からは、採算性の高い人口集中地域で私立高校の寡占化が進むのではないかという懸念は示されてきたところでございます。
一方、私ども、令和二年度の就学支援金制度の中間所得層の拡大の制度変更のときの状況も確認いたしまして、私立高校の多い東京都の高校生が急に増加したという状況は確認できなかったところでございます。
今後、国会での御審議も経て、この制度改正がお認めいただけましたときには、就学支援金制度の拡充の、公立高校あるいは私立高校の授業料等のそうした影響度も含めまして、実施状況とともに、三年以内の期間の十分な検証を行ってまいりたいと考えているところでございます。
○西岡(義)委員 ありがとうございます。
最後の一問、時間がないのでまとめたいと思います。
これまでも度々指摘がありましたように、公立高校離れ、これが懸念されております。その中でも、私は専門高校について心配をしているところでして、これからAIの進歩等によってホワイトカラーと言われる人々の仕事が減っていくと言われております。その中で、専門高校を強化することが、一次産業、二次産業の活性化、そして地域経済の強化につながっていくと思っております。
そして、午前中、大臣からも言及ございましたけれども、経産省の資料を見ますと、二〇四〇年には工業高校卒が約九十一万人足りないという、職種、学歴間の需給ミスマッチが起こる可能性が指摘されているところでございます。
昨年、私は、工業高校の授業を見させていただいたり、神奈川県の専門高校が集まるSTEAMEXPOというものに行って、工業、農業、水産、看護、林業など様々な専門高校の取組や成果を見させていただきました。専門高校の役割の大きさと可能性を目の当たりにして、確かな技術を身につけて、そして地元企業とも密接に連携して、高い就職率を誇っている、そのような学校もございます。
今後どのように公立の専門学校を発展、強化していくのか、その道筋、そして、午前中の答弁で検証の場を設置するとありましたけれども、先ほどの地域格差、そして専門高校の影響も検証の場で検証していただけるのかどうかというところ、そこを御答弁いただきたいと思います。
○斎藤委員長 質疑時間が終了しておりますので、手短にお願いいたします。
○松本(洋)国務大臣 はい、分かりました。
公立高校に通う生徒が約八五%を占めており、専門高校は大変重要な役割を担っていただいております。そういう意味におきまして、是非、今回の三千億円基金を始めといたしましたこうした予算を通じて、専門高校での設備等々の更新、また高度化、こういうものも含めていただきながら、より教育の質を高めていただき、地域の経済に貢献できるような、そうした人材というものを供給というか送り出すことができるような体制というものをつくっていくことも大変大事だと思います。そういうこともしてまいりたいと思います。
三年後の見直しの中には、当然この専門学校というものも含めた形で検証が行われていくということで理解をしております。
○西岡(義)委員 終わります。ありがとうございました。
○斎藤委員長 次に、渡辺藍理君。
○渡辺(藍)委員 参政党、渡辺藍理です。
本日は、高等学校等就学支援金制度、いわゆる高校無償化についてお伺いしたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
この制度は、本来、家庭の経済状況に左右されず、全ての子供たちに教育の機会を保障することを目的として導入されたものだと理解しております。そして、令和八年度からは所得制限を撤廃し、経済的な理由で進学を諦める子供をなくす、その理念自体は大変重要であり、私自身もその趣旨には大いに賛同するところです。
しかし、一方で、今回の高校無償化の拡大については、令和七年二月の三党合意から今回の法案提出に至るまでの期間が非常に短く、制度設計や影響分析について十分な検討が行われたのかという点に疑問の声も上がっております。
教育政策というのは、本来であれば長期的な視点に立って慎重に検討されるべきものであり、とりわけ高校教育は地域社会や学校運営にも大きな影響を及ぼす重要な制度です。にもかかわらず、今回の制度見直しは、現場の関係者や地方自治体との十分な議論や検証を経ないまま、やや拙速に進められたのではないかという印象も否めません。
ここで、政府参考人にお伺いします。この制度改正に至るまでの検討過程において、政府としてどのような議論や意見聴取を行ってきたのか、特に、都道府県教育委員会や学校関係者、また保護者など、現場の声はどのような形で政策形成に反映されたのか、その説明をお願いしたいと思います。
〔委員長退席、尾身委員長代理着席〕
○望月政府参考人 お答え申し上げます。
今般の就学支援金制度の見直しにつきましては、三党の間での真摯な協議の上で、令和八年度からの新たな制度を実施するために必要な制度設計が行われたところでございますが、その協議の過程におきまして、教育関係の有識者とともに、高校関係団体や地方団体、具体的には全国高等学校長協会、全国都道府県教育委員会連合会、全国私立中学高等学校連合会、全国高等学校PTA連合会、全国知事会の御意見もお聞きしながら議論が行われ、十月に合意がなされたものと承知してございます。
文部科学省といたしましては、こうした三党の合意を踏まえて制度の具体化を行ってきたところでございますが、昨年十月の合意以降も、全国知事会や全国市長会などの地方団体からの意見聴取、中教審での初等中等教育分科会での御意見をいただいた上で、この度御審議いただいている法案を準備し、国会に御提出させていただいたところでございます。
○渡辺(藍)委員 御答弁ありがとうございます。今後も連携しながら進めていくとのことですが、是非引き続き丁寧に進めていただけたらと思います。
また、少子化の進行に伴い、公立高校の統廃合が各地で進んでおります。こうした状況の中で、公立高校は単に教育課程を提供する場にとどまらず、地域の人材育成を担うとともに、地域コミュニティーを支える拠点としての役割も果たしてきたのではないでしょうか。その意味で、高校教育は社会全体にとっても重要な意味を持つものであり、いわば社会に対して一定の普遍的な価値を提供している教育段階であると考えております。
そこで、松本文部科学大臣にお伺いします。政府として高校教育が社会に対してどのような役割を担うものと位置づけているのか、そして高校教育が社会に提供している価値をどんなことであると認識しているのか、その御見解をお伺いしたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 御指摘のとおり、公立高校は、地域が求める人材育成など、地域に根差した存在であり、地域社会を支える、その役割は今後ますます重要になるというふうに考えております。また、当然、コミュニティー維持という観点からも大変重要な役割を担っていただいているというふうに承知をしているところでもありますし、また同時に、こうした役割の大切さというものはこれからもしっかりと担っていただかなければいけない、そのように考えているところであります。
我々といたしましては、そうした公立高校の果たす意味というものをしっかりと理解をし、そしてそれに沿って施策を進めていきたいと思っておりますが、とりわけ、国として日本全体を見渡すというよりも、各都道府県がより一層そうした地元の事情というものをよく理解をし、どこに問題点があり、どこを守っていかなければいけないのかということを理解しているという観点に立って、是非都道府県においてはグランドデザインに基づいた計画というものをしっかりと考え、作っていただき、そして文科省としてはその計画策定、そして実施に向けて伴走をしてまいりたいと思います。
○渡辺(藍)委員 御答弁ありがとうございます。
高校無償化は、家計負担の軽減という点では非常に分かりやすい施策であると思います。一方で、教育政策として本当に重要なのは、その先にどのような高校教育の姿を描いているのかという点ではないでしょうか。日本の高校教育は、普通科教育だけでなく、職業教育や専門教育、さらには地域の人材育成など、多様な役割を担ってきました。こうした役割を踏まえながら、これからの高校教育をどのような方向に発展させていくのかという、いわば将来の日本全体のビジョンが重要であると考えております。
そこで、松本文部科学大臣に再度お伺いします。政府として、これからの高校教育においてどのような教育内容や学校像を目指していくべきだと考えているでしょうか。これからの高校教育においてどのような学校が求められていると認識しているのか、その御見解をお聞かせください。
○松本(洋)国務大臣 公立高校は、多様な背景を有する生徒の様々な学習ニーズに応えるセーフティーネットの役割も果たすとともに、地域が求める人材育成などの観点から、高校教育の普及や機会均等を図る地域社会に根差した重要な存在であると考えているところであります。
おっしゃるとおりでありまして、そういう意味では、例えば先ほど専門高校ということも委員からお話がありましたけれども、これもかなり地域によって状況が違います。都市部における専門高校の位置づけと、またそれぞれの地域、一次産業等々を中心に経済が成り立っている地域における専門高校の果たす役割というのは全然違いますし、また、実際に高校に進学をする生徒の割合という意味合いで見ましても、かなり地域によってもばらつきがあるというのが実態であります。
私の記憶ベースで大変恐縮ですけれども、四十七都道府県で一番専門高校に通っている生徒の割合が高いのは多分宮崎県だったと思うんですけれども、宮崎県ではかなり多くの子供たちが専門高校で学び、そして社会に出ていくというような状況でもありまして、そういう意味では、まさにそうした地域の支え手といたしまして公立高校が果たしている役割、専門高校が果たしている役割というものは非常に大きいものがあるというふうに考えているところでもあります。
我々といたしましては、是非、こうした高校教育が果たしている役割の重要性というものをしっかりと認識をしつつ、またそれらを伸ばしていくための方策というものに全力を尽くしてまいりたいと思います。そのためにも、各都道府県には自らどういう形で高校教育を展開していくのかをいま一度計画を作っていただき、それを我々文部科学省が国として伴走し支援をしていく、そして、結果といたしまして、それぞれの地域における高校教育の質が高まり、子供たちの自己実現を後押しをし、そして社会や経済というものがそれぞれの地域に発展をし、そして社会というものになくてはならない社会的な機能をしっかりと支えていく、そうした取組というものを是非進めていくことが重要ではないか、そのように考えております。
○渡辺(藍)委員 ありがとうございます。
今のお話にもありましたように、地域の人材育成を考える上で、高校の段階から大学や専門学校との接続を強化し、そして地域の産業と結びついた学びの体系を構築していくことは非常に重要であると考えております。高校で学んだ生徒が地域の大学や専門学校に進学し、その後、地域に残って働くことで、地域の産業や自治体を支える人材の循環が生まれることが期待されます。こうした観点から、高校教育と高等教育、いわゆる大学や大学院など、この接続は地域社会の持続可能性という点でも大きな意味を持つのではないかと考えております。
そこで、政府参考人にお伺いします。政府が示している高校教育のグランドデザイン二〇四〇年に向けたネクストハイスクール構想の中で、高校と大学また専門学校との連携をどのように位置づけているのか、また、地域の人材育成という観点からどのような施策を想定しているのか、その御見解をお願いいたします。
〔尾身委員長代理退席、委員長着席〕
○望月政府参考人 大臣からも、専門高校の地域人材の育成に関する重要性について今御説明を申し上げたところでございますけれども、先般出しましたグランドデザインの中でも、都道府県において実行計画を策定する際には、教育委員会が首長、首長部局、関係部局、地域の産業界の方々とともに、大学とも十分に連携、協働し、当該地域の将来を見据えた高校教育の在り方を検討していただくということを求めているところでございます。
今回のグランドデザインは、都道府県に対する国としての大きな方向性を示すビジョンであるとともに、これから高校生になる中学生や小学生、あるいはそうした保護者の方々にも、これから高等学校がこういうふうに変わっていくんだ、そういうようなメッセージを示したものでございまして、その観点では、地域の高等教育機関、大学、あるいは実務を学ぶ専門学校といったところとも十分に連携をしながら進めていただくことが必要かと思ってございます。
高等教育段階の側におきましても、将来の人材需要、あるいは大学が果たす役割につきまして、地域全体で認識を共有した上で、高校も含めた産学官等の連携による人材育成の取組を進めることが重要との認識の下で二〇四〇年を見据えた実効的なプラットフォームの構築を推進しているところでございます。高校、大学、大学院あるいは専門学校が地域の産業界とも全体で連携、協働しながら、改革を進め、個々の個人の可能性や夢やあるいは進路の実現といったことを進めていくために、文部科学省としましても、大臣が分科会長を務めます、高校、大学から一体として進めていく日本成長戦略会議の人材育成分科会の場でも検討してございます。
そうした場も引き続き活用しながら、グランドデザインで示しております高校改革、大学、専門学校との一体的な改革というのを進めるよう促してまいりたいと思っております。
○渡辺(藍)委員 ありがとうございます。
これまでお話ししてくださったように、政府は高校教育の在り方について一定の方向性を示しておりますが、その取組が実際にどのように評価され、どのような基準で検証されていくのか、こちらも余り明確ではないように感じております。
ここで、政府参考人にお伺いします。
具体的にどのような評価指標を用いて効果を検証していくのでしょうか。繰り返し出てきているグランドデザインではありますが、こうした高校教育のグランドデザインというのは、都道府県に実行計画が委ねられ、実際に現場で仕組みが再構築されるまでには一定の時間が必要であると考えております。この時間を、政府としてどの程度の期間を想定しておられますでしょうか。
また、今回の高校無償化の拡大というのが先行して進められているように見受けられますが、公立高校における具体的な制度設計や現場での仕組みがまだ十分に整理されていないようにも思われます。この段階で制度だけが先に進むことで公立高校にどのような影響が生じると政府は考えているのか、この点についても見解をお伺いします。
○望月政府参考人 今般の就学支援金制度の見直しにつきましては、これは授業料の支援だけでございますけれども、授業料以外の支援でございます高校生等奨学給付金、そして私立高校における就学支援金の拡大とともに公立高校にも一定の影響があるだろうという観点も踏まえて、また地域の人材育成の観点も踏まえて、専門高校も含めた公立高校の支援あるいは振興という観点を三者一体で進めていくことが必要であるということから、今回の三党合意も踏まえた各種の施策、そして国としてのグランドデザインも示しているところでございます。
したがいまして、今回の就学支援金制度の拡充に伴ういろいろな影響や効果検証につきましては、どういう手法でという観点につきましては、もちろん、今回の就学支援金の収入状況や支給の在り方、あるいは公立高校への影響などの高校教育改革の進捗状況などの、そうした指標を、検討の場を設けまして、できる限り、法案をお認めいただいた後、公立高校の入学の状況や私立の授業料の状況なども、データも取りまして検証に当たってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○渡辺(藍)委員 ありがとうございます。これから検討ということではありますが、本来この二つは並行して行われるべきなのではないかと考えております。無償化のみが進み、懸念点のみが置き去りになるようなことは是非避けていただきたいと思います。
では、次に、定員割れについてのお話をさせていただきます。
現在、地方では公立高校の定員割れが深刻化しております。例えば北海道では、十二年連続での定員割れ、また二百七十二校中二百十三校が定員割れをしている。また、私の住む愛知県では、かつて公立王国と呼ばれていたにもかかわらず、今年度では一九八九年以降過去最低値ということでした。さらには、福岡県でも九十八校中六十校が定員割れとのことで、このように地域によっては、都市部があるような地域でさえも高校の存続そのものが課題となっている状況があります。
そのような中で、高校無償化の制度だけが先行し、高校教育の中身や地域における人材育成の方向性についての議論が後追いになるようでは、教育政策としての整合性が十分に取れないのではないかという懸念点もあります。
また、高校無償化の拡大によって、特に都市部の私立高校への志願者が増え、結果として地方の公立高校の志願者減少を更に加速させる可能性も指摘されています。
そこで、松本文部科学大臣にお伺いします。定員割れが進む地域の高校について、教育環境をどのように維持し、また地域の人材育成をどのように支えていくのか、繰り返しではありますが、御見解をお伺いします。
○松本(洋)国務大臣 一般論として申し上げれば、私立高校の授業料に対する支援を拡充し、私立高校への進学を希望する生徒が増加した場合、公立高校への進学者数が減少する可能性があるなど、公立高校への一定の影響があるものと考えられているところであります。
公立高校は大変重要な役割を担っていただいております。一方で、私立は、その特性に鑑みまして、その自主性の尊重に留意することは必要ですが、やはり公教育の一翼を担っていただいていると考えているところであります。公立、私立にかかわらず高校に通う生徒の学びの質を高めていくことが必要であり、それぞれの学校が高校教育の充実に向けて取り組んでいくことが必要であると考えております。
今回の就学支援金の拡大とともに、公立学校の充実、魅力化、これを進めていくことが両輪であるというふうに考えているところでありまして、各都道府県におきましては、各地域の実情を十分に踏まえた実行計画を策定いただきますが、文部科学省として、各都道府県の取組に伴走しながらしっかりと支援をし、公立学校の魅力を高めていくことによって、高校に進もうとしている生徒たちにとって公立学校がより魅力的なものになっていくというような形をつくりながら、是非公私がそれぞれ高め合っていくような、そういう環境というものをつくってまいりたいと存じます。
○渡辺(藍)委員 ありがとうございます。
今もお話があったように、地方の公立高校、大変厳しい状況にあると思います。今回の高校無償化の拡大が高校の志願者の動きにどのような影響を与えるかという点も今後重要な論点になるのではないかと考えております。
また、公立高校は、これまで、私立高校と比較して学費負担が相対的に低いことから、進学機会の確保という観点では重要な役割を果たしてきたと考えております。しかし、高校無償化の拡大に伴い、今後は公立高校と私立高校がこれまで以上に同じ条件の下で選ばれることになると思われます。私立高校の中には、新しい施設整備や特色あるプログラム、教育プログラムなど独自の教育環境を整えている学校も大変多く、高校無償化が進むことで、結果として財政力のある私立高校に志願者が集中していくのではないかという懸念も指摘されております。
ここで、松本文部科学大臣にお伺いします。高校無償化によって公立高校と私立高校がより競争関係になることも考えられますが、教育は本来、単なる市場競争ではなく、社会全体で子供を育てていくという公共的な営みでもあると考えています。この点について、公立高校と私立高校の役割を政府としてどのように整理しているのか、そのお考えをお聞かせください。
○松本(洋)国務大臣 公立高校は、多様な背景を有する生徒の様々な学習ニーズに応えるセーフティーネットの役割を果たすとともに、地域が求める人材育成などの観点から、高校教育の普及や機会均等を図る、地域社会に根差した重要な存在というふうに考えているところでもあります。
ですので、単純に志願者が多いとか少ないとか、人口が多いとか少ないとか、そういうもので公立の学校というものを評価するのではなくて、社会の中における高校教育の立ち位置の中で公立高校というものは考えるということも同時に大変重要な観点ではないかと思っております。
そういう意味におきまして、私立は自分たちの学校の経営というものに対して比重が多く置かれがちな部分があるのは当然のことだと思いますけれども、一方で、公立というものに関しましては、地域がそれぞれ必要としている教育機能、セーフティーネットも含めた教育機能をどういうふうに発揮をしていくのかといったような、また私立とは違うような観点でのそうした公立学校の位置づけというものがあるのは当然のことだと思っております。
そうしたものをしっかりと勘案をしながら、各都道府県におきましては計画を作っていただきたいということであります。
○渡辺(藍)委員 ありがとうございます。
次の問いに関しましては幾つかこれまでも上がっておりますので、順を変えて、その次の質問九の方に行かせていただきます。
続いて、高等学校就学支援金制度の対象についてお伺いします。
この制度は、高校教育に係る家庭の経済的負担を軽減し、全ての生徒が安心して学ぶことができる環境を整えることを目的として導入された制度であり、対象となる学校の種類及び対象者については高等学校等に通う日本人等の生徒としているものと理解しております。
一方で、制度の運用においては、日本国籍を有する生徒だけでなく、外国籍の生徒や外国人学校に通う生徒の扱いについても様々な議論がこれまでも行われてきました。教育機会の確保という観点と公費によって支えられる制度であるという観点の双方を踏まえると、制度の対象範囲については、日本国民に対して分かりやすく整理されている必要があるのではないかと考えております。
そこで、政府参考人にお伺いします。現在、高等学校就学支援金制度において、外国籍の生徒や外国人学校に通う生徒については、どのような範囲で対象とされ、またその適用の考え方について政府としてどのように整理しているのか、繰り返しではありますが、再度御説明をお願い申し上げます。
○望月政府参考人 お答え申し上げます。
現行の就学支援金制度におきましては、日本に住所を有し、高等学校に在学している者につきましては、国籍や在留資格を問わず就学支援金が支給されるという仕組みになっているところでございます。
昨年の三党合意を踏まえまして、新たな就学支援金制度におきましては、将来の我が国社会を支える者になり得ると考えられる者を支援の対象としてございます。日本国籍を有する者に加え、在留期間が無期限である特別永住者や永住者等の在留資格を有する者を対象としてございます。加えまして、家族滞在の在留資格を持つ者につきましても、小中学校を卒業した者であって、将来我が国で就労を定着する意思があると認められる者など、一定の要件を満たす者は法律上の支援の対象とすることとしてございます。
一方、留学生、留学の在留資格を有する者につきましては、我が国の教育機関において教育を受けるために一時的な在留が認められた者であることから、新たな就学支援金制度における支援の対象とはしないこととしてございます。また、新たな制度の目的、趣旨に沿うよう支給対象期間も見直し、いわゆる外国人学校につきましては法律上の支援の対象とはしないこととしてございます。
他方、新制度によって対象とならない者については、直ちに不利益を生じさせることのないよう、法律上の支援の対象外となる外国籍生徒及び外国人学校の生徒に関しましては、施行日前から引き続き在学するいわゆる在校生につきましては、在学中は従前の支援対象とする経過措置を法令上講ずるとともに、留学生を除く新入生につきましては、予算事業によりまして従前と同等の支援が受けられるように措置をしているところでございます。
○渡辺(藍)委員 では、制度の対象者の認定についてお伺いします。
定住者のうち、この制度では、将来永住する意思があると認められた者についても支給対象とされる、このように承知しております。しかしながら、将来永住する意思があると認められた者という表現は非常に抽象的であり、具体的にどのような基準で判断されているのかが明確ではないように感じます。公費によって支えられる制度である以上、対象者の認定については透明性と公平性が確保されていることが重要であり、誰がどのような基準で判断しているのかという点は、国民に対して明確に説明される必要があるのではないかと考えます。
そこで、政府参考人にお伺いします。定住者のうち将来永住する意思があると認められた者とは、具体的にどのような基準で認定されるのか、また、その認定はどの主体がどのような手続によって判断していくのか、その見解をお伺いします。
○望月政府参考人 定住者のうち将来永住する意思があると認められた者の確認についてでございます。
これは、就労して定着する意思の確認につきましては、本人の申請以外では確認の方法はございません。生徒本人の申告によりすることにしてございます。
定住の在留資格で在留する外国籍生徒のうち将来永住する意思があると認められた者につきまして、その受給資格の認定は、将来永住する意思も含めまして、生徒本人による申告に基づき、支給権者である都道府県において確認することとする予定でございます。
受給資格の確認に当たりましては、マイナンバーカードや住民票の写しなどの提出を求めることなど公的な情報に基づきまして、申請者の国籍や在留資格を確認することなどを検討しているところでございます。
○渡辺(藍)委員 ありがとうございます。
こちらに関しては、やはり現場においては、日本人にとって不公平なのではないかという思いがとても強くなってきております。主な判断材料が自己申告となるとやはり納得がいかないという声は、これから更に増えるのではないでしょうか。
実際、地元で活動しておりますと、中学生、高校生と話をする機会もたくさんあります。そのようなときに、この高校の無償化というのは、基本的に保護者にとっての制度であるようにも感じますが、その現地で、現場でこれから学校教育を学んでいく子供たちにも不安があるという、その気持ちも置き去りにしてはいけないと私は考えております。
時間になりましたので最後になりますが、教育とは、教育機会を与えるということも重要ですが、同時に、子供たちが本当に力を身につけ、そして日本の社会や文化を支えていく人材として育つことが本来の目的であると思っております。この日本の未来に大きく関わる教育という分野において高校無償化という大きな制度変更を進めていく以上、教育の質の向上や地域における高校教育の在り方も含め、より幅広い観点から十分な議論を重ねていく必要があるのではないかと感じております。これまでももちろんたくさんの議論が交わされてきての今があると思いますが、ただ、この今日、本日だけでもこれだけの論点が挙がっているということも事実です。
これで終局になるということではありますが、まだまだ議論は必要ではないかと再度申し上げまして、私の質問時間を終わりといたします。ありがとうございました。
○斎藤委員長 次に、河合道雄君。
○河合委員 チームみらいの河合道雄です。
本日は、高等学校等就学支援金の支給に関する法律の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。
本法律案では、経済的な状況にかかわらず、自らの希望に応じた教育を受けることができる環境の整備という目的規定の見直しが含まれておりますが、この目的については、一人一人が自分に合った学びを実現するという方向性と重なるものもありまして、私はこれを評価しております。一方で、公費の投入が大幅に拡大される以上、制度の実効性や透明性、そして、利用者である生徒等又は家庭、保護者等の利便性を高め、安心して進学先を選べるような配慮の必要性や責任も同時に生じるかと思います。
上記を踏まえて、本日は五点に分けてお伺いしたいと思います。
まず、本政策の検証についてお伺いをいたします。
チームみらいの峰島議員が、予算委員会において松本大臣に、高校無償化のEBPM、すなわち証拠、根拠に基づく政策評価の重要性について質問をさせていただきました。その際、大臣から、具体的な検証方法を今後検討し、速やかに検証を開始したいという御答弁をいただきました。
本日何度も触れられておりますように、本制度は、今年二月に公表されました高校教育改革に関する基本方針、いわゆるグランドデザインにまとめられた高等学校等の改革へ向けた重要な一歩であるという位置づけもあるかと存じます。その観点から見れば、本政策でどのような変化が起きたか、それが政策的な意図に照らした場合にどう評価されるべきかを見定めることはとても重要なことだと考えております。
こうした議論を踏まえて大臣にお伺いさせていただきます。改正案の附則第五条では、法施行後三年以内の検討規定を定めておりますが、どのように検討項目を決めていくお考えか、そして、その際にはどのような観点が含まれるべきとお考えか、現時点でのお考えを是非お聞かせいただければと思います。
○松本(洋)国務大臣 新たな就学支援金制度につきましては、昨年十月の三党合意も踏まえまして、法案の附則第五条に基づきまして、法律の施行後三年以内に検討を行うこととしております。文部科学省といたしましては、制度の運用状況などのデータを収集、分析しながら検証を進めていきたい、そのように考えているところであります。
現時点では、今後の社会情勢や国民の皆様からの様々な御意見、新たな制度の実施状況、先行自治体の取組の状況など、また、例えば、収入要件や支給の在り方、公立高校への影響など、高校教育改革の進捗状況という観点が考えられます。また、先ほど、午前中は山崎委員からの御質問の中で、高校の教育の質というものをどう評価をしていくのかというお話もありましたけれども、こうした様々な点というものを、本法律をお認めいただき制度がスタートをした暁には、そうした様々な観点からデータを収集、分析をして検証を進めさせていただきたいと思います。
いずれにいたしましても、具体的な内容については、大変恐縮ではありますけれども、今後検討してまいりたいと存じます。
○河合委員 御答弁ありがとうございます。こういった制度には予期せざる帰結も多々あると思いますので、継続的なデータのモニタリングと検討を続けていただき、是非教育分野からEBPMを力強く推進いただきたいと思います。
続きまして、今、大臣の御答弁にもありましたデータの公開についてお伺いをいたします。
今回の改正により私立学校への支援の上限が広がることで、私立学校も含めて公費投入の規模が大きく拡大されます。公費による補助が拡大されるのであれば、その使途や教育成果の透明性に対する説明責任も増していくと考えられます。
午前中の委員会の中では、便乗値上げについての議論の文脈で、三党合意の中で、授業料等学納金をインターネット上で一元的に公開するという議論があったこと、これにも触れられておりました。英国、米国、韓国などの諸外国では、政府や地方自治体主導で学校情報を比較可能な形でオープンに公開する仕組みがありまして、高校についての情報を比較することができます。このように、一元化した情報公開の取組は、自らの希望に応じた教育を受けることのできるような環境の整備という観点から見ると、これもまた重要なことだと考えられるかなと思います。
例えば、現在、進学先の検討などでインターネットで皆さんが高校を検索されますと、偏差値ですとか口コミを基にしたポータルサイト、複数御覧いただくことがあるんじゃないかなと思います。こういったものの価値も非常にあると思いながらも、同時に、やはり偏差値などを基準にした学校選びが非常に強い尺度として世間に発信されるような側面もあるのではないかと個人的には懸念をしているところでもございます。
大臣にお伺いをいたします。高校教育改革に関するグランドデザインにあるような「生徒の学びの成果や課題を把握し、その結果等を学校の教育活動の改善に生かすとともに、公表する仕組みの構築が必要である。」という記載を踏まえ、高等学校等の情報公開の重要性についてどのように御認識されていらっしゃるでしょうか。また、その仕組みを検討するに当たり、どのように進めていくお考えか、お聞かせいただければと思います。
○松本(洋)国務大臣 中学生やその保護者による高校の選択や高校の教育活動に対する理解促進の観点から、積極的な情報公開を図るということは大変重要なことであると考えております。
また、御案内いただきましたように、グランドデザインで示しておりますとおり、各高校においては、学校をより魅力ある場にするため、校長のリーダーシップの下、スクールポリシーに基づく学校運営や教育活動の具体化を図り、学校評価等の活用によるPDCAサイクルを徹底する、そういう必要があると考えているところであります。
それぞれの学校の特色また強み、いろいろな観点で、その学校がどういうことを大事にしているのか、また実際にどういう教育が行われているのかということをより子供たちや保護者の皆さんに分かりやすく伝えていって、進路選択の糧にしていただくという、基本にしていただくということは極めて重要な事柄であると思っております。
そういう意味におきましても、各学校においてそうした充実した情報発信というものを我々としては促していかなければいけないというふうに考えているところでありますし、また、それらを中学生やその保護者の皆さんに極力見やすいような形で、伝えやすいような形でより理解をしてもらった上で、より深い理解の下に進路選択をしていただくことができるように我々としても努力をしてまいりたいと思います。
○河合委員 御答弁いただきまして、ありがとうございます。非常に重要性の認識を共有できたところをうれしく感じております。
こういった情報公開は学校側への負担にならないということも重要な観点かと思いますので、政策調査、検証の文脈と併せながらデータの開示が進められたりですとか、一元的な公開が進むというような座組に進むことも期待させていただきます。
続きまして、高等学校等での合理的配慮の推進についてお伺いをいたします。
今回の就学支援金の所得制限の撤廃により、より幅広い生徒が私立、公立を問わず高校を選ぶことになります。現在、特別支援学級、中学校ですね、こちらの在籍者の約五八%が高等学校等に進学しているというデータもあり、この層にとってどの学校を選んでも合理的配慮が適切に受けられるかという観点は、高校教育の無償化と併せて考えなければならない重要な論点です。一人一人に合わせた学びの実現においても、経済的な観点での機会平等だけではなく、学び方についても自分の希望に合った学校を選んでいくことが重要です。
発達障害のあるお子様がいらっしゃる保護者様のお悩みをお伺いすると、やはり高校進学についてのお悩みは非常によくお伺いすることがありました。より生徒の自立が求められる高校教育においてうまくやっていけるのかという御不安、そして、以前、中学、小学校となかなか学校になじめなかったお子さんにおかれましては、新しい学校生活の中で、更なるある種の失敗体験といいますか、つらい経験が積み重ならないようにするにはどうしたらいいかという御不安、あるいは、中学校等ではうまくいっていたとしても、何とかつくり上げてきた御友人ですとか学校の先生との信頼関係を改めて築いていかないといけないということに対する御不安、こういった不安なことは尽きないというふうに思います。
その不安を少しでも解消していくためには、高等学校等での合理的配慮についてもより一層の周知と徹底が図られていくべきだ、いっていただきたいと強く願っております。
まず、大臣にお伺いいたします。高等学校等における合理的配慮の重要性をどのように認識されているか、是非御見解をお聞かせください。
○松本(洋)国務大臣 特別支援教育を受ける児童生徒が増加をする中、高等学校においても特別支援教育の一層の充実を図ることが重要であるというふうに認識をしております。
障害者差別解消法に基づきまして、令和六年四月から、国公私立の全ての学校において合理的配慮の提供が求められているところであります。令和六年までは私立に関しましては努力義務だったものから、義務へと変わったということであります。
これを受けまして、文部科学省から、実施に伴う負担が過重でないときは必要かつ合理的な配慮を提供しなければならない旨を令和六年一月に都道府県教育委員会等に通知するなど、周知を行っているところであります。
また、現在、中央教育審議会におきまして、学習指導要領改訂の議論の中におきましても、高等学校を含む各学校段階における特別支援教育の重要性、これについて御議論をいただいているところであります。
引き続き、合理的配慮の提供を含め、高等学校における特別支援教育の充実に取り組んでまいりたいと存じます。
○河合委員 大臣、御答弁ありがとうございます。公立、私立問わず合理的配慮をしっかり求めていくということの法改正、並びに、次回学習指導要領で高等学校における合理的配慮、特別支援教育の一層の推進というところで、非常に期待していきたいと思います。
その上で、政府参考人の方にお伺いさせてください。高等学校等の学校現場への合理的配慮の進め方や事例などの周知はどのように進んでいらっしゃるでしょうか。特に、教員まで実際にしっかりと周知されることが重要だと考えておりますが、その辺りも含めて御回答いただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
○望月政府参考人 お答え申し上げます。
合理的配慮の提供につきましては、障害のある子供やその保護者と建設的対話を通じて相互理解を深めることが円滑な対応に資することから、学校の教員も含めまして、その趣旨や意義について理解をいただくことは大変重要であると考えてございます。
このため、教育委員会等の各学校設置者や各学校が合理的配慮を提供する際の判断に資するよう、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所におきまして、合理的配慮の提供の具体的事例を収集いたしました、我々、インクルDBといいますが、インクルーシブ教育システム構築データベースを整備しているほか、教職員を主な対象とした研修動画を作成しまして、教職員支援機構と連携をしまして、広く活用いただくよう促しているところでございます。
その上で、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたけれども、今の学習指導要領の検討の過程におきましても、各学校段階においての特別支援教育の重要性について御議論をしているところでございます。この中教審の議論は、非常に長きにわたる検討の中において、各学校それから教育委員会、私立学校も含めまして、非常に注視、注目をされながら、いろいろな議論を聞いていただいて、その上でいろいろな御質問もいただいているところでございます。
こうした審議の状況も見ていただき、また、特別支援教育の各学校における取組、そしてまた好事例なども含めまして、学校において一人一人の教師が意識を持って合理的配慮を適切に提供できるよう取組を促してまいりたいと考えているところでございます。
○河合委員 御答弁ありがとうございました。データベースの整備並びに研修動画の普及、大いに期待させていただきます。あわせて、さきに触れました一元的な情報開示、こちらの方でも合理的配慮の観点が反映されることを希望しております。
続きまして、申請手続のデジタル化についてお伺いをいたします。
就学支援金の申請はe―Shienを通じて行われています。e―Shienは、平成三十一年四月にマイナンバーを活用したシステムを導入し、随時改修を実施したものと理解しております。
事務の効率化が図られてきた一方で、令和七年度一月時点では、就学支援金の申請におけるオンライン申請利用率が八四・四%にとどまっているなど、まだ利用が十分でない可能性があります。
また、実際に手続をされた保護者の方からは、まだ紙の提出が残っていて煩雑だったというお声ですとか、学校事務職員の方からは、取りまとめの作業が膨大で負担が大きかったという声もいただいております。
今回の改正で制度の対象者が大幅に拡大されていきますと、こうした事務負担も更に増えることも懸念されます。利用者が制度を使いやすくするために、そして先生方、職員の方々が本来の業務に向き合える時間を取り戻すために、申請手続の業務デジタル化を一層進めることが必要だと感じております。
まず、政府参考人にお伺いいたします。e―Shienの改善をどのように進めていくお考えか、現状の進捗状況と今後の方針について教えていただきたいと思います。
○望月政府参考人 就学支援金のオンライン申請システムでありますe―Shienにつきまして御紹介いただきまして、ありがとうございます。
このe―Shienシステム、地方分権改革提案、あるいは国・地方デジタル共通基盤の整備・運用に関する基本方針に基づきまして、デジタル基盤の共通化の対象候補に選定されることを踏まえまして、制度の構築を進めているところでございます。
今般の制度改正では、就学支援金制度につきましては、所得の確認が必要なくなる、一方で国籍等の確認も必要になるところでありまして、このe―Shienシステムというものが更に使われるよう我々としても周知をしていきたいと思ってございますが、もう一つの課題でございます就学支援金と高等学校等奨学給付金の一体的なオンライン申請が可能となることも念頭に置きまして、令和八年度中に共通化の方法や今後のスケジュールを示しました推進方針案の策定を予定しているところでございます。
これには、就学支援金と奨学給付金につきましては、実施権者が国と都道府県の事業であって難しさはございますけれども、関係機関とも連携をしまして、各自治体における事務の効率化が図られるようなシステムの構築に向けまして、関係省庁と情報交換をしながら必要な対応を検討してまいります。
○河合委員 御答弁いただきまして、ありがとうございました。
就学支援金ならず奨学給付金の方にも拡大していくということはすごく重要なことだと思いますので、障害も多くあると思いますが、是非前向きに取り組んでいただきたいと思います。
続いて、大臣にお伺いいたします。グランドデザインの中には、更なるデジタル化の検討ですとかマイナンバーを活用した直接支給の実現可能性の研究といった文言もございます。こういった記載も踏まえつつ、こういった申請のデジタル化や利便性の向上についての大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○松本(洋)国務大臣 御紹介いただきましたように、昨年六月、三党による論点の大枠整理では、就学支援金や奨学給付金の支給方法の考え方として、DXによる効率化を推進することについて、グランドデザインにおいて検討することとされており、そして、先月公表されたグランドデザインでは、地方分権提案等を踏まえた申請手続の更なるデジタル化の検討を行い、手続の簡素化による負担の軽減を促進することとなっております。
具体的には、文部科学省におきまして、申請者の利便性の向上や、学校、地方公共団体の業務負担の軽減を考慮しつつ、地方公共団体独自のシステムや地方公共団体の事務の実態を把握した上で、国と地方を通じたトータルコストを最小化する具体的な方法について、今後検討を進めてまいりたいと考えているところでもあります。
文部科学省としては、こうした取組によって必要な方に必要な時期にしっかりと支援を届けることができるよう、プッシュ型の取組につながるように努めてまいりたいと思いますが、これは文部科学省単体でやるというよりも、政府全体のDXの取組の中でこれをどう位置づけていくのかということも大変重要な考え方だと思っております。
そういう意味では、今、政府といたしまして、ガバメントクラウドでありますとか、また自治体も含めた共通化等々も一生懸命進めようとしているというふうに承知をしているところでもありまして、こうした取組と連携をしながら、国が持っている情報、また、それぞれの各自治体が持っている情報、こういうものをうまく利活用できる仕組みの中に文部科学省の取組というものも乗せていくということが大変重要なのではないかというふうに私自身考えております。
○河合委員 大臣、非常に前向きな御答弁ありがとうございます。トータルコストの最小化というところで、学校と地方自治体もそうですけれども、社会全体でのコストが最小化するように連携していくことが非常に望ましいと思いますし、必要な方に必要な支援が届く、いわゆるプッシュ型の支援の仕組み、給付の仕組み、是非進めていければと期待しております。
では、最後に、公立、私立間の格差と入試方法についてお伺いいたします。
本日も、何度も公立学校、私立学校の格差については議論が出てまいりました。この問題の原因の一つに、入試制度もあると考えております。多くの都道府県では公立学校の受験は事実上一校のみであり、生徒は安全圏で受けられる学校を選ばざるを得ない傾向があります。これは、公立高校にとって構造的に不利であると言えます。同時に、生徒にとってもリスク回避の行動を誘発する側面があるため、本法案の理念を実現することを妨げる要因にもなり得ます。
既に一部都道府県では併願制が実施されていると承知しておりますが、データやアルゴリズムを用いて志望順に自動的にマッチングするような、いわゆるデジタル併願制の仕組みも含め、受験料の負担を増やさずに複数校へ挑戦できる仕組みは、生徒の選択肢を広げる重要な取組と考えます。
では、大臣にお伺いいたします。選抜方法において、公立学校が私立学校に対して不利になる側面もある中で、公立学校の併願を可能にする仕組みなど、各都道府県により一層のこういった制度の活用を進めることが必要だと考えておりますが、どのように進めていくお考えか、お聞かせください。
○松本(洋)国務大臣 高校の入学者選抜の実施方法等については、実施者である各都道府県教育委員会等が決定するものであり、文部科学省としては、各教育委員会等に対して、受験機会の複数化や選抜方法の多様化などに配慮いただくよう周知をしているところであります。実際、多くの自治体では、同一の高校又は課程において、複数の学科等を設置している場合、複数出願をすることも認められていると承知をしております。
また、生徒が複数の高校を受験できる実施方法については、地域の実情等に応じて様々な形態がありますが、いわゆる併願制を実施している都道府県も複数あると承知をしているところであります。これまで愛知、京都、兵庫、福岡でしたけれども、令和八年度からは奈良と大分も併願制を導入したというふうに承知をしているところであります。
デジタル技術を活用した併願制につきましては、生徒の多様な個性、能力が本当にデジタルで十分に評価されるのか、学校の特色や魅力が損なわれないか、地域人材を育成する専門高校に影響がないかなどの課題も想定されているところであります。
いわゆる併願制を実施している都道府県の実施状況なども参考にしながら、全国の教育委員会の高校入試担当者、有識者との意見交換を行っているところでありまして、引き続き、進学を希望する生徒が最もよい形で高校を選択することができるよう、丁寧に検討を進めてまいりたいと存じます。
○河合委員 ありがとうございました。
では、以上、今回の法律案の理念がしっかりと実現するように引き続き議論に参加してまいりたいという思いで、締めさせていただきます。どうもありがとうございました。
○斎藤委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
この際、暫時休憩いたします。
午後二時五十二分休憩
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午後五時三十分開議
○斎藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
ただいま付託になりました内閣提出、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
趣旨の説明を聴取いたします。松本文部科学大臣。
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公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
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○松本(洋)国務大臣 この度、政府から提出いたしました公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
令和七年度に小学校三十五人学級が完成することを踏まえ、中学校においても切れ目なく同じ学級規模で学んでいくことが重要です。また、教師の厳しい勤務実態や、不登校等の生徒指導上の課題の深刻化など学校を取り巻く環境は大きく変化しており、子供たちにきめ細かな対応を行うことが必要です。昨年成立した公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法等の一部を改正する法律の附則においても、令和八年度からの中学校三十五人学級の実施のため、法制上の措置等を講ずることとされております。
この法律案は、このような観点から、公立の義務教育諸学校の学級規模及び教職員の配置の適正化を図るため、公立の中学校等の学級編制の標準及び公立の義務教育諸学校の教職員定数の標準を改めるものであります。
次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
第一に、公立の中学校、義務教育学校後期課程及び中等教育学校前期課程の同学年の生徒で編制する学級に係る一学級の生徒の数の標準を四十人から三十五人に一律に引き下げることとしております。
第二に、公立の義務教育諸学校の教職員定数の標準を改正し、養護教諭等の複数配置に係る算定基準を引き下げるとともに、共同学校事務室を複数の学校に設置する市町村の数に応じて事務職員の数を新たに算定することとしております。
第三に、この法律案は、令和八年四月一日から施行することとしておりますが、令和十年三月三十一日までの間における一学級の生徒の数の標準については、段階的に三十五人とすることを旨として、毎年度、政令で定める学年及び特別の事情がある中学校にあっては四十人とするとともに、教職員定数の標準については、改正後の教職員定数の標準に漸次近づけることを旨として、毎年度政令で定めることとしております。
このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、十分御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
○斎藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後五時三十三分散会

