第1号 平成30年3月9日(金曜日)
本国会召集日(平成三十年一月二十二日)(月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次のとおりである。委員長 高鳥 修一君
理事 後藤 茂之君 理事 田村 憲久君
理事 橋本 岳君 理事 堀内 詔子君
理事 渡辺 孝一君 理事 西村智奈美君
理事 岡本 充功君 理事 桝屋 敬悟君
赤澤 亮正君 秋葉 賢也君
穴見 陽一君 安藤 高夫君
井野 俊郎君 大岡 敏孝君
木村 哲也君 木村 弥生君
国光あやの君 小泉進次郎君
小林 鷹之君 後藤田正純君
佐藤 明男君 塩崎 恭久君
繁本 護君 白須賀貴樹君
田畑 裕明君 高橋ひなこ君
長尾 敬君 船橋 利実君
三ッ林裕巳君 山田 美樹君
池田 真紀君 尾辻かな子君
長谷川嘉一君 初鹿 明博君
吉田 統彦君 下条 みつ君
白石 洋一君 山井 和則君
柚木 道義君 伊佐 進一君
中野 洋昌君 篠原 孝君
高橋千鶴子君 足立 康史君
平成三十年三月九日(金曜日)
午後零時十分開議
出席委員
委員長 高鳥 修一君
理事 後藤 茂之君 理事 田村 憲久君
理事 橋本 岳君 理事 堀内 詔子君
理事 渡辺 孝一君 理事 桝屋 敬悟君
赤澤 亮正君 穴見 陽一君
安藤 高夫君 井野 俊郎君
上杉謙太郎君 大岡 敏孝君
木村 哲也君 木村 弥生君
国光あやの君 小林 鷹之君
後藤田正純君 佐藤 明男君
塩崎 恭久君 白須賀貴樹君
田畑 裕明君 高橋ひなこ君
長尾 敬君 船橋 利実君
三ッ林裕巳君 宮路 拓馬君
山田 美樹君 中野 洋昌君
鰐淵 洋子君 浦野 靖人君
…………………………………
厚生労働大臣 加藤 勝信君
厚生労働副大臣 高木美智代君
厚生労働副大臣 牧原 秀樹君
厚生労働大臣政務官 田畑 裕明君
厚生労働大臣政務官 大沼みずほ君
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委員の異動
三月一日
辞任 補欠選任
下条 みつ君 大西 健介君
同月五日
辞任 補欠選任
篠原 孝君 平野 博文君
同月六日
辞任 補欠選任
足立 康史君 浦野 靖人君
同日
辞任 補欠選任
浦野 靖人君 足立 康史君
同月八日
辞任 補欠選任
足立 康史君 浦野 靖人君
同日
辞任 補欠選任
浦野 靖人君 足立 康史君
同月九日
辞任 補欠選任
小泉進次郎君 上杉謙太郎君
繁本 護君 宮路 拓馬君
伊佐 進一君 鰐淵 洋子君
足立 康史君 浦野 靖人君
同日
辞任 補欠選任
上杉謙太郎君 小泉進次郎君
宮路 拓馬君 繁本 護君
鰐淵 洋子君 伊佐 進一君
浦野 靖人君 足立 康史君
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二月十五日
若い人も高齢者も安心できる年金制度を求めることに関する請願(宮本徹君紹介)(第四一号)
保険でよい歯科医療の実現を求めることに関する請願(岡本あき子君紹介)(第五三号)
同(生方幸夫君紹介)(第九一号)
同(大島敦君紹介)(第九二号)
同(奥野総一郎君紹介)(第九三号)
同(櫻井周君紹介)(第九四号)
同(宮本徹君紹介)(第九五号)
同(山井和則君紹介)(第九六号)
同(山本和嘉子君紹介)(第九七号)
同(岡島一正君紹介)(第九八号)
同(佐々木隆博君紹介)(第一一九号)
同(櫻井周君紹介)(第一二〇号)
同(下条みつ君紹介)(第一二一号)
同(務台俊介君紹介)(第一二二号)
同(関健一郎君紹介)(第一四三号)
同(青山大人君紹介)(第一四六号)
同(高橋千鶴子君紹介)(第一五五号)
ベンゾジアゼピン系薬物に関する規制強化の実施及び副作用による被害者の救済等に関する請願(柿沢未途君紹介)(第一三九号)
新たな患者負担増をやめ、窓口負担の大幅軽減を求めることに関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第一五一号)
介護保険制度の改善、介護報酬の引き上げ、介護従事者の処遇改善と確保に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第一五二号)
子供のための予算を大幅にふやし国の責任で安心できる保育・学童保育の実現を求めることに関する請願(森山浩行君紹介)(第一五三号)
さらなる患者負担増計画の中止に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第一五四号)
同月二十七日
介護保険制度の改善、介護報酬の引き上げ、介護従事者の処遇改善と確保に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第一五八号)
同(笠井亮君紹介)(第一五九号)
同(穀田恵二君紹介)(第一六〇号)
同(志位和夫君紹介)(第一六一号)
同(塩川鉄也君紹介)(第一六二号)
同(田村貴昭君紹介)(第一六三号)
同(高橋千鶴子君紹介)(第一六四号)
同(畑野君枝君紹介)(第一六五号)
同(藤野保史君紹介)(第一六六号)
同(宮本岳志君紹介)(第一六七号)
同(宮本徹君紹介)(第一六八号)
同(本村伸子君紹介)(第一六九号)
子供医療費無料制度に関する請願(佐藤公治君紹介)(第一九五号)
同(赤嶺政賢君紹介)(第二五四号)
同(笠井亮君紹介)(第二五五号)
同(穀田恵二君紹介)(第二五六号)
同(志位和夫君紹介)(第二五七号)
同(塩川鉄也君紹介)(第二五八号)
同(田村貴昭君紹介)(第二五九号)
同(高橋千鶴子君紹介)(第二六〇号)
同(畑野君枝君紹介)(第二六一号)
同(藤野保史君紹介)(第二六二号)
同(宮本岳志君紹介)(第二六三号)
同(宮本徹君紹介)(第二六四号)
同(本村伸子君紹介)(第二六五号)
同(矢上雅義君紹介)(第二八〇号)
同(岡本あき子君紹介)(第二九三号)
同(笠井亮君紹介)(第三〇七号)
最低賃金引き上げ、食品衛生監視員を大幅にふやすこと等に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第二一七号)
同(藤野保史君紹介)(第二一八号)
社会保障費の大幅削減を中止し、保育、医療、介護、年金などの拡充を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二一九号)
同(笠井亮君紹介)(第二二〇号)
同(穀田恵二君紹介)(第二二一号)
同(志位和夫君紹介)(第二二二号)
同(塩川鉄也君紹介)(第二二三号)
同(田村貴昭君紹介)(第二二四号)
同(高橋千鶴子君紹介)(第二二五号)
同(畑野君枝君紹介)(第二二六号)
同(藤野保史君紹介)(第二二七号)
同(宮本岳志君紹介)(第二二八号)
同(宮本徹君紹介)(第二二九号)
同(本村伸子君紹介)(第二三〇号)
保険でよい歯科医療の実現を求めることに関する請願(村上史好君紹介)(第二三一号)
同(笠井亮君紹介)(第三〇六号)
国の責任でお金の心配なく誰もが必要な医療・介護を受けられるようにすることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第二六八号)
同(笠井亮君紹介)(第二六九号)
同(穀田恵二君紹介)(第二七〇号)
同(志位和夫君紹介)(第二七一号)
同(塩川鉄也君紹介)(第二七二号)
同(田村貴昭君紹介)(第二七三号)
同(高橋千鶴子君紹介)(第二七四号)
同(畑野君枝君紹介)(第二七五号)
同(藤野保史君紹介)(第二七六号)
同(宮本岳志君紹介)(第二七七号)
同(宮本徹君紹介)(第二七八号)
同(本村伸子君紹介)(第二七九号)
同(高橋千鶴子君紹介)(第二九四号)
同(宮本徹君紹介)(第二九五号)
医療・介護の負担増の中止に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第三〇五号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
国政調査承認要求に関する件
厚生労働関係の基本施策に関する件
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○高鳥委員長 これより会議を開きます。
開会に先立ちまして、立憲民主党・市民クラブ、希望の党・無所属クラブ、無所属の会及び日本共産党所属委員に対し御出席を要請いたしましたが、御出席が得られません。
理事をして再度御出席を要請させますので、しばらくお待ちください。
速記をとめてください。
〔速記中止〕
○高鳥委員長 速記を起こしてください。
理事をして再度御出席を要請させましたが、立憲民主党・市民クラブ、希望の党・無所属クラブ、無所属の会及び日本共産党所属委員の御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。
国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。
厚生労働関係の基本施策に関する事項
社会保障制度、医療、公衆衛生、社会福祉及び人口問題に関する事項
労使関係、労働基準及び雇用・失業対策に関する事項
以上の各事項について、その実情を調査し、対策を樹立するため、小委員会の設置、関係各方面からの説明聴取及び資料の要求等の方法により、本会期中調査を進めたいと存じます。
つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高鳥委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
――――◇―――――
○高鳥委員長 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。
この際、厚生労働大臣から所信を聴取いたします。加藤厚生労働大臣。
○加藤国務大臣 所信を申し上げる前に、一言申し上げさせていただきたいと思います。
働き方改革に関して、一般労働者と裁量労働制で異なる仕方で選んだ数値を比較して答弁したことは不適切でありました。
また、平成二十五年度労働時間等総合実態調査のデータに不整合が指摘され、原票との突合など、精査が必要な状況にあります。
さらに、このような裁量労働制のデータは、国民の皆様に今回の裁量労働制の改正について疑念を抱かせることになりました。
この間、国会の皆様、国民の皆様に御迷惑をおかけしましたことにつきまして、深くおわびを申し上げます。
厚生労働委員会の開催に当たり、私の所信を申し上げます。
国民の皆様の安全、安心の確保に万全を期すとともに、我が国の経済社会の発展に寄与すべく、厚生労働行政の諸課題に全力で取り組みます。
働き方改革は、誰もが活躍できる一億総活躍社会の実現に向けた喫緊の課題です。
一人一人の意思や能力、置かれた事情に応じた多様な働き方の選択を可能とするため、長時間労働の是正や同一労働同一賃金を始めとする改革を総合的に推進するための法案を今国会に提出します。
具体的には、働き方改革を総合的かつ継続的に推進するための基本方針を定めるとともに、罰則つきの時間外労働の上限規制、専門性の高い仕事における時間によらず成果で評価する制度の創設、勤務間インターバル制度の普及促進、産業医、産業保健機能の強化、さらには、雇用形態にかかわらない公正な待遇を確保するため、非正規雇用労働者について不合理な待遇差を解消するための規定の整備なども盛り込みます。
違法な長時間労働など不適切な働き方が行われている企業に対する監督指導を徹底します。また、非正規雇用労働者の正社員転換や待遇改善等に取り組む企業に対する支援を進めます。さらに、地方の中小企業まで働き方改革の取組が浸透するよう、全都道府県に働き方改革推進支援センターを設置し、関係機関等とも協力しながら、中小企業、小規模事業者の個別の相談に応じるなど、きめ細かく支援します。
昨年十二月に閣議決定された新しい経済政策パッケージに基づき、人づくり革命、生産性革命の実現に向けた取組を進めます。
待機児童の解消に向けて、子育て安心プランを前倒しし、二〇二〇年度末までに三十二万人分の保育の受皿を整備するとともに、そのために必要な保育人材の確保や処遇改善等を更に進めます。幼児教育、保育の無償化については、二〇一九年四月からの段階的実施に向けて、関係省庁とも緊密に連携した上で検討を進めます。
放課後児童対策については、引き続き、量的拡充を進めるとともに、社会のニーズに応じ、子供の自主性、社会性を育む観点から、放課後子ども総合プランの進捗状況も踏まえ、今後のあり方について検討します。
家族の介護のために離職せざるを得ない状況を防ぎ、働き続けられる社会の実現を目指します。このため、介護の受皿五十万人分の整備を進めるとともに、他の産業との賃金格差をなくしていくためのさらなる処遇改善のほか、介護分野へのアクティブシニア等の参入を促すための入門的研修の普及、介護の仕事の魅力の全国的発信など、介護人材の確保に総合的に取り組み、二〇二〇年代初頭までに介護離職ゼロを目指します。
また、介護、生活衛生分野等におけるICT化や業務改善を進めるとともに、中小企業等による賃金引上げや生産性向上に向けた取組への支援、働く方の希望や能力に応じた転職や再就職支援等を進めます。
人的投資を強化するため、リカレント教育への支援の抜本的拡充などにより、生涯にわたる学び直しと新しいチャレンジの機会を確保します。また、二〇二三年の技能五輪国際大会の我が国への招致等を通じた技能尊重機運の醸成に取り組むとともに、我が国産業の基盤である物づくり技能の一層の向上に努めます。
また、駐留軍関係離職者等の雇用の安定を図るため、所要の措置の継続を内容とする法案を今国会に提出しました。
近年、単身世帯の増加や高齢化の進展、地域社会との関係性の希薄化等の中で、生活保護受給者数は減少傾向にあるものの、生活保護受給世帯数や高齢の生活保護受給者は増加傾向にあるなど、生活に困窮する方への多様な支援の必要性が高まることが予想されます。こうした状況を踏まえ、生活保護に至る前の段階における支援を含め、生活に困窮する方等への一層の自立支援を図るため、包括的な支援体制の強化、生活保護世帯の子供の大学等への進学支援、一人親家庭に対する児童扶養手当の支払い回数の見直し等を内容とする法案を今国会に提出しました。
生活保護基準については、健康で文化的な最低限の生活の需要を満たすに十分なものであって、かつ、これを超えないものとして適切なものとなるよう、定期的に見直しを行う必要があります。このため、現行の生活扶助基準額における年齢、世帯構成、地域のそれぞれにおけるバランスと、一般低所得世帯の消費実態でのそれぞれにおけるバランスの乖離を是正します。
自殺対策については、自殺総合対策大綱に基づき、関係府省と連携し、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現に向けた取組を一層強化します。また、座間市における事件の再発防止に向けて、若者向けSNSを活用した相談機会の確保等、関係閣僚会議で取りまとめた再発防止策に基づく取組を進めます。
今後とも、地域住民が抱えるさまざまな生活課題を解決につなげていくための包括的な支援体制の構築等を進めることで、地域共生社会の実現を目指します。
受動喫煙対策については、国民を望まない受動喫煙から守るため、二〇二〇年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて対策を徹底することが必要です。望まない受動喫煙のない社会の実現に向けて、子供や患者等に特に配慮しつつ、施設の類型や場所ごとに禁煙措置や喫煙場所の特定を行うとともに、喫煙場所にはその旨の掲示を義務づけることなどを内容とする法案を今国会に提出します。あわせて、各種支援策の推進、普及啓発の促進など、総合的かつ実効的な取組を進めます。
がん対策については、第三期がん対策推進基本計画に基づき、がんゲノム医療の実現や希少がん、難治性がん対策の充実、がん患者の就労支援の推進等、総合的な対策を進めます。
団塊の世代が全員七十五歳以上となる二〇二五年に向けて、地域包括ケアシステムの構築を一層推進していくことが必要です。四月からは、医療計画、介護保険事業計画、障害福祉計画の新たな計画期間や、国民健康保険の財政運営の都道府県単位化が始まりますが、これらの準備を着実に進めるとともに、六年に一度となる診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等報酬の同時改定等を通じて、質が高く効率的なサービス提供体制の整備や自立支援、重度化防止に資するサービスの実現など、国民一人一人に必要なサービスが提供され、地域で安心して暮らすことができる体制の構築を目指します。
また、薬価制度の抜本改革についても着実に実施します。
さらに、健康、医療、介護に関するデータ利活用基盤の構築を軸に、被保険者の予防、健康づくりなど保険者が果たすべき役割の強化やゲノム医療、AI等の最先端技術の活用など、データヘルス改革を戦略的、一体的に推進するとともに、審査支払い機関の改革を進めます。
人生百年時代を見据え、健康寿命の延伸等を目指し、予防、健康づくりを推進していくことが重要です。第二次健康日本21に基づき、疾病の発症予防や重症化予防に向けた取組を進めるとともに、保険者による特定健診、保健指導や糖尿病の重症化予防などの取組について、インセンティブも活用しながら進めます。少子高齢化に伴う多様な医療ニーズに対応するとともに、質が高く効率的な医療提供体制の構築に向けて、地域医療構想の達成に向けた取組を一層進めます。
医師の働き方改革については、医師法に基づく応招義務等の特殊性を踏まえ、質の高い新たな医療と医療現場の新たな働き方の実現を目指し、時間外労働規制の具体的なあり方、労働時間短縮策等に向けた検討を進めます。
医師の地域偏在、診療科偏在については、二〇〇八年に医学部定員を増加させたものの、依然として格差が広がっており、その解消が急務です。このため、医師の偏在を可視化できる指標を整備し、都道府県が主体的に医師確保対策を推進する体制を構築するとともに、医師の地方勤務を後押しすることなどを内容とする法案を今国会に提出します。
医薬品、医療機器産業については、革新的な医薬品等の開発を促進する環境の整備に取り組むとともに、後発医薬品の使用促進やベンチャー企業への支援を実施します。
また、医薬品等の製造、販売における法令遵守の徹底、医薬品等の品質、有効性、安全性の確保を図るとともに、制度見直しに向けた検討を進めます。
さらに、危険ドラッグの撲滅や大麻を始めとした薬物乱用防止に向けた啓発等に取り組みます。
国際保健の分野においても、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの推進、薬剤耐性菌を含む感染症対策等のグローバルな課題に的確に対応します。
水道施設の老朽化の進行、人口減少等が課題となる中、水道事業の基盤強化を図るため、水道施設の計画的更新、広域連携の推進などを内容とする法案を今国会に提出します。
また、我が国の食を取り巻く環境変化等を踏まえて、食品の安全を確保するため、国際標準との整合性を確保した食品衛生管理の制度化、広域的な食中毒事案への対策強化などを内容とする法案を今国会に提出します。
さらに、昨年十二月に成立した改正旅館業法に基づき、いわゆる民泊サービスの制度化にあわせた旅館業の規制緩和を進めるとともに、無許可の民泊に対する取締りの強化等を着実に行います。
障害のある方々がみずからの望む地域生活を営むことができるよう、生活や就労の支援を充実させるほか、グループホームの整備などに取り組みます。
また、精神障害を持つ方々が地域で安心して生活できるようにするため、措置入院者が退院後に医療等の継続的な支援を受けられる仕組みづくりを進めます。
アルコール健康障害対策や依存症対策については、専門医療機関の選定や相談体制の整備、民間団体の活動支援等を総合的に推進します。
本年四月から精神障害者が雇用義務の対象となり、障害者の法定雇用率が二・二%に引き上がります。障害者の雇用促進、職場定着に向けて、経営トップへの働きかけを含めた企業等への一層の周知啓発等に加え、新たに就労定着支援事業所による支援等にも取り組みます。
女性活躍推進法に基づく女性活躍に関する企業情報の見える化の推進、育児休業制度を始めとした両立支援制度の普及等、女性が輝く社会の実現に向けた取組を進めます。
また、妊娠期から子育て期まで切れ目なく支援する子育て世代包括支援センターの全国展開、産後ケアの充実、不妊治療への支援等にも取り組みます。
全ての子供には、適切な養育を受け、健やかな成長、発達や自立等を保障される権利があります。地域における児童虐待の発生予防から自立支援まで一連の対策を推進するとともに、新しい社会的養育ビジョンの内容を受けとめ、里親委託等を推進し、家庭養育優先の理念の実現に向けた取組を進めます。
さらに、さきに述べた児童扶養手当の支払い回数の見直し等に加え、一人親家庭を支援し、子供の貧困に対応するため、児童扶養手当の全部支給の所得制限限度額を見直すとともに、就職に有利な資格の取得支援等に取り組みます。
年金制度については、引き続き、短時間労働者への被用者保険の適用拡大の促進や年金積立金管理運用独立行政法人の体制強化などを着実に進めるとともに、次期財政検証とその結果を踏まえた制度改正に向け、受給開始時期の選択肢の拡大など人生百年時代を見据えた年金制度のあり方を含めて検討を進めます。
また、個人型確定拠出年金や五月から施行される簡易企業型年金制度など、私的年金制度の一層の普及を図ります。
年金事業運営については、引き続き、昨年八月から施行されている年金受給資格期間の二十五年から十年への短縮の周知等に万全を期すとともに、日本年金機構改革を着実に実施し、事務処理誤り等の総点検で把握した事項を確実に改善するとともに、国民年金保険料の収納対策、国民年金保険の適用促進、情報セキュリティー対策等に着実に取り組みます。
援護施策については、戦没者遺骨収集推進法に基づき、国の責務として、可能な限り多くの御遺骨を収容し、御遺族に引き渡すことができるよう、全力を尽くします。
また、慰霊事業に着実に取り組むとともに、戦傷病者、戦没者遺族、中国残留邦人等に対する支援策について、引き続き、きめ細かく実施します。
東日本大震災の発生から間もなく七年が経過しますが、引き続き、私自身も復興大臣であるとの強い意識のもと、被災者の心のケア、医療・介護提供体制の整備、雇用のミスマッチへの対応などに全力で取り組みます。
また、全国各地で発生する自然災害からの一日も早い復旧復興に向けて、関係省庁とも連携しつつ、スピード感を持って全力で取り組みます。
済みません、先ほどの申し上げた中で、国民年金保険と読みましたが、厚生年金保険の適用促進でございましたので、一部誤りを訂正させていただきたいと思います。
委員長、理事を始め委員の皆様、国民の皆様に一層の御理解と御協力を賜りますようお願いをいたします。(拍手)
○高鳥委員長 次に、平成三十年度厚生労働省関係予算の概要について説明を聴取いたします。高木厚生労働副大臣。
○高木副大臣 厚生労働副大臣の高木でございます。
牧原副大臣、田畑、大沼両政務官とともに加藤大臣を支え、高鳥委員長を始め委員の皆様の御理解と御協力を得ながら、厚生労働行政の推進に邁進していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
平成三十年度厚生労働省関係予算案の概要について説明いたします。
厚生労働省所管一般会計予算案については、昨年度より一・四%増の三十一兆一千二百六十二億円となっており、また、厚生労働省所管特別会計予算案については、労働保険特別会計、年金特別会計及び東日本大震災復興特別会計に所要の予算案を計上しています。
以下、平成三十年度予算案の重点事項について説明いたします。
本予算案においては、成長と分配の好循環の拡大に向け、質の高い効率的な保健、医療、介護の提供の推進や総合的な子育て支援など全世代型社会保障の基盤強化を図るとともに、働き方改革、生産性向上などの取組を推進することとしています。
第一に、働き方改革の着実な実行に向けて、いわゆる同一労働同一賃金を達成するための非正規雇用の処遇改善、長時間労働の是正や、柔軟な働き方を選択しやすい環境整備を進めるとともに、生産性向上や賃金引上げのための支援などに取り組みます。あわせて、高齢者も若者も、女性も男性も、難病や障害を抱える人も、誰もがその能力を存分に発揮できるよう、人材投資の強化や人材確保対策の推進などを進めます。
第二に、質の高い効率的な保健、医療、介護の提供を一層推進するため、団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年に向けて、質が高く効率的な医療、介護の提供体制の整備を進めるとともに、データヘルス改革などのICT技術の利用、医療におけるイノベーションの推進、医療の国際展開、国際保健への貢献を図ります。また、受動喫煙防止対策、がん・肝炎・難病対策を推進するとともに、医薬品、食品の安全対策の確保、強靱、安全、持続可能な水道の構築などを推進します。
第三に、全ての人が安心して暮らせる社会に向けた環境づくりとして、待機児童の解消に向けた子育て安心プランに基づく保育の受皿の整備や子供を産み育てやすい環境づくりを進めるとともに、児童虐待防止対策の推進、社会的養育の充実を進めます。あわせて、障害者施策を総合的に推進するとともに、地域共生社会の実現に向けた地域づくり、生活困窮者、生活保護受給者の自立支援、自殺総合対策のさらなる推進などを図ります。
以上のほか、戦没者遺骨収集等の推進、持続可能で安心できる年金制度の運営、東日本大震災及び熊本地震からの復旧復興の支援などを図ります。
また、社会保障・税一体改革による社会保障の充実については、消費税増収分に加え、社会保障改革プログラム法等に基づく重点化、効率化による財政効果も活用し、各種施策を推進します。
今後とも、国民生活の安全、安心の確保と質の向上、雇用の安定を図るため、厚生労働行政の推進に一層努力していきますので、皆様のなお一層の御理解と御協力をお願いいたします。(拍手)
○高鳥委員長 以上で大臣の所信表明並びに平成三十年度厚生労働省関係予算の概要についての説明は終わりました。
次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時三十九分散会