衆議院

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第2号 平成30年3月14日(水曜日)

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平成三十年三月十四日(水曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 高鳥 修一君

   理事 後藤 茂之君 理事 田村 憲久君

   理事 橋本  岳君 理事 堀内 詔子君

   理事 渡辺 孝一君 理事 桝屋 敬悟君

      赤澤 亮正君    秋葉 賢也君

      穴見 陽一君    安藤 高夫君

      井野 俊郎君    大岡 敏孝君

      門山 宏哲君    木村 哲也君

      木村 弥生君    黄川田仁志君

      国光あやの君    小泉進次郎君

      後藤田正純君    佐藤 明男君

      塩崎 恭久君    繁本  護君

      白須賀貴樹君    田畑 裕明君

      高橋ひなこ君    長尾  敬君

      百武 公親君    船橋 利実君

      山田 美樹君    伊佐 進一君

      中野 洋昌君    浦野 靖人君

    …………………………………

   厚生労働大臣       加藤 勝信君

   厚生労働副大臣      高木美智代君

   厚生労働副大臣      牧原 秀樹君

   厚生労働大臣政務官    田畑 裕明君

   厚生労働大臣政務官    大沼みずほ君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房少子高齢社会対策等企画調整室長) 嶋田 裕光君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           白間竜一郎君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           小林 洋司君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  武田 俊彦君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  福田 祐典君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬・生活衛生局長)         宮本 真司君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長)            山越 敬一君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用環境・均等局長)         宮川  晃君

   政府参考人

   (厚生労働省子ども家庭局長)           吉田  学君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           定塚由美子君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    宮嵜 雅則君

   政府参考人

   (厚生労働省老健局長)  浜谷 浩樹君

   政府参考人

   (厚生労働省人材開発統括官)           安藤よし子君

   厚生労働委員会専門員   中村  実君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十三日

 辞任         補欠選任

  足立 康史君     遠藤  敬君

同日

 辞任         補欠選任

  遠藤  敬君     足立 康史君

同月十四日

 辞任         補欠選任

  小泉進次郎君     門山 宏哲君

  小林 鷹之君     黄川田仁志君

  三ッ林裕巳君     百武 公親君

  足立 康史君     浦野 靖人君

同日

 辞任         補欠選任

  門山 宏哲君     小泉進次郎君

  黄川田仁志君     小林 鷹之君

  百武 公親君     三ッ林裕巳君

  浦野 靖人君     足立 康史君

    ―――――――――――――

三月十二日

 社会保険料の負担軽減に関する請願(宮本岳志君紹介)(第三五六号)

 若い人も高齢者も安心できる年金制度を求めることに関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第三五七号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第三六五号)

 同(笠井亮君紹介)(第三六六号)

 同(穀田恵二君紹介)(第三六七号)

 同(志位和夫君紹介)(第三六八号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第三六九号)

 同(田村貴昭君紹介)(第三七〇号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第三七一号)

 同(畑野君枝君紹介)(第三七二号)

 同(藤野保史君紹介)(第三七三号)

 同(宮本岳志君紹介)(第三七四号)

 同(宮本徹君紹介)(第三七五号)

 同(本村伸子君紹介)(第三七六号)

 同(志位和夫君紹介)(第四〇七号)

 子供医療費無料制度に関する請願(務台俊介君紹介)(第三五八号)

 過労死と職場における差別の根絶に関する請願(志位和夫君紹介)(第四〇五号)

 同(志位和夫君紹介)(第四八六号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第四八七号)

 同(田村貴昭君紹介)(第四八八号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第四八九号)

 同(畑野君枝君紹介)(第四九〇号)

 全国一律最低賃金制度の実現を求めることに関する請願(志位和夫君紹介)(第四〇六号)

 介護保険制度の改善、介護報酬の引き上げ、介護従事者の処遇改善と確保に関する請願(志位和夫君紹介)(第四〇八号)

 子供のための予算を大幅にふやし国の責任で安心できる保育・学童保育の実現を求めることに関する請願(志位和夫君紹介)(第四〇九号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第四三八号)

 同(稲富修二君紹介)(第四三九号)

 同(生方幸夫君紹介)(第四四〇号)

 同(笠井亮君紹介)(第四四一号)

 同(穀田恵二君紹介)(第四四二号)

 同(志位和夫君紹介)(第四四三号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第四四四号)

 同(田村貴昭君紹介)(第四四五号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第四四六号)

 同(畑野君枝君紹介)(第四四七号)

 同(原田義昭君紹介)(第四四八号)

 同(藤野保史君紹介)(第四四九号)

 同(宮本岳志君紹介)(第四五〇号)

 同(宮本徹君紹介)(第四五一号)

 同(本村伸子君紹介)(第四五二号)

 同(柚木道義君紹介)(第四五三号)

 同(大河原雅子君紹介)(第四七九号)

 同(中川正春君紹介)(第四八〇号)

 同(宮本徹君紹介)(第四八一号)

 同(山井和則君紹介)(第四八二号)

 同(赤嶺政賢君紹介)(第五〇一号)

 同(笠井亮君紹介)(第五〇二号)

 同(穀田恵二君紹介)(第五〇三号)

 同(志位和夫君紹介)(第五〇四号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第五〇五号)

 同(田村貴昭君紹介)(第五〇六号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第五〇七号)

 同(畑野君枝君紹介)(第五〇八号)

 同(藤野保史君紹介)(第五〇九号)

 同(宮本岳志君紹介)(第五一〇号)

 同(宮本徹君紹介)(第五一一号)

 同(本村伸子君紹介)(第五一二号)

 同(山本和嘉子君紹介)(第五一三号)

 じん肺とアスベスト被害根絶等に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第四三一号)

 同(笠井亮君紹介)(第四三二号)

 同(穀田恵二君紹介)(第四三三号)

 同(志位和夫君紹介)(第四三四号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第四三五号)

 同(田村貴昭君紹介)(第四三六号)

 同(照屋寛徳君紹介)(第四三七号)

 同(吉川元君紹介)(第四九一号)

 物流をとめないための時間外労働の上限規制の適用に関する請願(神谷裕君紹介)(第四七二号)

 同(近藤昭一君紹介)(第四七三号)

 同(佐々木隆博君紹介)(第四七四号)

 同(武内則男君紹介)(第四七五号)

 同(宮川伸君紹介)(第四七六号)

 同(石川香織君紹介)(第五一四号)

 同(大河原雅子君紹介)(第五一五号)

 同(海江田万里君紹介)(第五一六号)

 同(辻元清美君紹介)(第五一七号)

 同(松田功君紹介)(第五一八号)

 同(山井和則君紹介)(第五一九号)

 労働時間の短縮と安定した雇用で男女ともに、人間らしい働き方を求めることに関する請願(本村伸子君紹介)(第四七七号)

 保険でよい歯科医療の実現を求めることに関する請願(吉川元君紹介)(第四七八号)

 同(松田功君紹介)(第五〇〇号)

 国の責任でお金の心配なく誰もが必要な医療・介護を受けられるようにすることに関する請願(藤野保史君紹介)(第四八三号)

 同(宮本岳志君紹介)(第四八四号)

 同(宮本徹君紹介)(第四八五号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 厚生労働関係の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

高鳥委員長 これより会議を開きます。

 開会に先立ちまして、立憲民主党・市民クラブ、希望の党・無所属クラブ、無所属の会及び日本共産党所属委員に対し御出席を要請いたしましたが、御出席が得られません。

 理事をして再度御出席を要請させますので、しばらくお待ちください。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

高鳥委員長 速記を起こしてください。

 理事をして再度御出席を要請させましたが、立憲民主党・市民クラブ、希望の党・無所属クラブ、無所属の会及び日本共産党所属委員の御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。

 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房少子高齢社会対策等企画調整室長嶋田裕光君、文部科学省大臣官房審議官白間竜一郎君、厚生労働省大臣官房審議官小林洋司君、医政局長武田俊彦君、健康局長福田祐典君、医薬・生活衛生局長宮本真司君、労働基準局長山越敬一君、雇用環境・均等局長宮川晃君、子ども家庭局長吉田学君、社会・援護局長定塚由美子君、社会・援護局障害保健福祉部長宮嵜雅則君、老健局長浜谷浩樹君、人材開発統括官安藤よし子君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高鳥委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

高鳥委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。高橋ひなこ君。

高橋(ひ)委員 ありがとうございます。自由民主党の高橋ひなこです。

 厚生労働大臣所信に関しまして質問の機会を頂戴いたしました。感謝を込めて質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 厚生労働省の所管事項は大変多岐にわたります。この世に生まれ、成長し、就職をし、子育て、介護などなど、人生の最期を迎えるまで、まさしく国民の人生そして命に直結する行政を担っていただいています。そして、戦後から、高度経済成長期を迎え、右肩上がりの経済情勢の中で、我が国の社会保障制度は確立され、世界に誇れる安心で豊かな暮らしが送れる国となったと先人たちの御努力に感謝を申し上げます。

 私たち自民党も、政府と一体となり、超少子高齢化時代を迎える中でさまざまな取組を行っております。

 そこで、まず最初に、加藤大臣に、日本の安心で豊かな生活を支える社会保障制度を持続可能なものとしていくための決意をお聞かせいただきたいと思います。

加藤国務大臣 委員御指摘のように、社会保障制度というのは国民の安心で豊かな生活を支えていく基盤になっているわけでありますけれども、これからの我が国の人口構造の変化を見据えた場合、いわゆる団塊の世代が七十五歳以上となる二〇二五年に向けて高齢者人口が急速に増加をし、その後も緩やかに増加を続けていくということ、他方で、生産年齢人口については、一九九五年がピークとなり、その後減少に転じ、二〇二五年以降には更に減少していくということが見込まれているわけであります。

 こうした人口構造の変化を踏まえると、医療や介護の必要性が高まる後期高齢者人口が急速に増加する二〇二〇年代初頭から二〇二五年、これが一つの節目になるんだろうというふうに思いますが、良質で効率的な医療・介護サービスを保障するための医療、介護の提供体制の改革、また、データヘルスの活用も含めた医療費の適正化、疾病・介護予防や重症化、重度化防止の取組を進め、高齢化を乗り切る土台をつくっていくことが必要だというふうに考えております。

 また、生産年齢人口の減少が急速に進む中で、我が国の経済社会が活力を維持し発展していくためには、女性や高齢者を始めとして、誰もが活躍できる一億総活躍社会を実現をしていく、その最大のチャレンジである働き方改革を進めていく、このことが必要であります。

 また、若い世代の結婚や出産に対する希望を実現していく、また将来の社会の担い手である子供たちの健やかな成長を保障していく、そういったことも含めて、全世代型の社会保障への転換にもしっかりと取り組んでいかなければならない、こう考えております。

高橋(ひ)委員 ありがとうございます。

 ぜひ、加藤大臣、期待をしております、よろしくお願い申し上げます。

 次に、働き方改革についてお尋ねいたします。

 日本は古来から、農作物の収穫を喜びとして、働くことをたっとんでまいりました。働くということは、自分の生活と命をつないでいく、そういうことでもあると私は思っています。働き方を選択できる社会に先人の皆様の御努力で少しずつなってきていますが、課題は山積しています。働き過ぎで健康を害して、命を縮めてしまうようなことがあっては決してならない。

 ただ、職種によっては、労働時間を延ばすことで生活のレベルを維持している方もいらっしゃいます。御承知のように、企業の比率は、中小企業が九九・七%、大企業がわずか〇・三%。労働者数でも、中小企業で働く方が全体の七〇%で、大企業が三〇%と聞いています。ある中小企業で働く男性の方から、労働時間の上限を厳しく規制されたら、子供たちの学費や生活費が足りなくなるというお話をお聞きしました。

 基本的に、そういう労働者の方々に対しては働き方改革の中でどのようにフォローアップしていくのか、お聞かせいただきたいと思います。

牧原副大臣 御指摘のとおり、まず、命を縮めるというようなことがあってはならないということがございまして、今回、史上初めて、労働界、経済界の合意のもとに、三六協定でも超えてはならない、罰則つきの時間外労働の限度を設けます。これは、どんなにやっても月百時間、六カ月平均で八十時間、年間七百二十時間という極めてアッパーな時間ですので、その以内は残業は例外的とはいえできるということにまずなります。

 その上で、長時間労働を是正すれば、女性や高齢者が仕事につきやすくなり、男性も子育てを行う環境が整備され、そして経営者においては、労働者にどのように働いてもらうかに関心を高めて、時間当たりの労働生産性向上につながると考えております。

 労働生産性を向上させる中で労働時間の短縮を図れば、少ない労働時間で成果を出すことができ、給与原資は減らず、残業代の減少を原資にして基本給などの賃金に反映していただくことが可能になります。

 安倍政権が掲げる生産性革命として、政府としてもそのような取組が広がるよう働きかけていきたいと思っています。

 厚生労働省では、生産性を高めながら時間外労働を削減する中小企業主を支援する時間外労働等改善助成金を拡充するなど、働き方改革に向けた支援をしっかりと進めていきたいと考えております。

高橋(ひ)委員 ありがとうございます。

 さまざまな働く人たちの声を十分にお聞きいただきながら進めていただければと思っております。

 次に、未来を担う子供たちのための質問をさせていただきます。

 自分で子育てをする、休職して子育て後に復帰する、働きながら子育てをする、この選択をできることが大変重要です。

 所信に、子育て安心プランを前倒しして、二〇二〇年度末までに三十二万人分の保育の受皿を整備する、そのために必要な保育人材の確保や処遇改善を更に進めることとあります。

 女性が活躍できる社会をつくることと少子化を食いとめることを両立していくには、子育て安心プラン、そして放課後児童対策について放課後子ども総合プランの推進が不可欠です。どのように進めていくのかお知らせいただきたいと思います。

吉田政府参考人 保育の受皿整備と人材確保、それと放課後児童対策の二つのお尋ねをいただきました。

 まず、保育でございますが、待機児童の解消は待ったなしの課題ということで、最優先で取り組ませていただいております。

 具体的には、昨年末に閣議決定されました新しい経済政策パッケージに基づきまして、子育て安心プランを今御指摘いただきましたように二年前倒しをして、二〇二〇年度末までに三十二万人分の受皿を確保することにしております。

 この三十二万人分につきましては、今年度は企業主導型保育を含めて約六万人分を前倒しで確保させていただくつもりです。さらに、この二十九年度の補正予算では三万人分、それから三十年度予算案においても企業主導型保育を含め八・五万人分の整備、それぞれ計上してございまして、合計で十一・五万人分の整備を図ることにより待機児童の解消に取り組んでまいりたいと思います。

 また、受皿拡大を支える人材の確保のため、平成二十五年度以降、合計約一〇%の処遇改善を実現し、これに加えて、技能、経験に応じた月額最大四万円の処遇改善を行ったところでございます。

 また、二十九年度の補正予算及び三十年度の予算案に一・一%の処遇改善を盛り込んでおりますほか、二〇一九年度も更に一%引き上げる、そして他の産業との賃金格差を埋めるということを考えてございます。

 さらに、こうした処遇改善のほか、新規の資格取得、就業継続、離職者の再就職といった支援に総合的に取り組むことにより、保育人材の確保に取り組ませていただきたいと思います。

 また、二つ目の柱でございます放課後児童対策につきましては、現在、平成二十六年七月に策定した放課後子ども総合プランに基づいて、二〇一九年度末までに新たに約三十万人分の受皿整備を進めておりまして、二〇一七年の五月現在で新たに約二十三万人分、合計で百十七万人分が既に確保されてございます。

 新しい経済政策パッケージにおいて、この確保を二〇一八年度までに前倒しをする、さらに、状況を踏まえ、その後のあり方について検討するとされておりまして、これに沿って引き続き取り組んでおるところでございます。

 また、厚生労働省におきましては、放課後児童対策に関する専門委員会を昨年設置いたしまして、放課後児童クラブの量の拡充、質の確保、役割とメニューの充実など、今後のあり方について現在検討を進めさせていただいているところでございます。

高橋(ひ)委員 ありがとうございます。

 大臣の決意にもございましたが、女性の活躍ということが非常に重要となってまいります。ぜひよろしくお願いいたします。

 次に、介護離職問題について伺います。

 政府は、二〇二〇年代初頭までに介護離職ゼロを目指すとのことです。二〇二五年問題も控えている中で、その実現に向けた対策についてお聞かせいただきたいと思います。

浜谷政府参考人 お答えいたします。

 厚生労働省におきましては、御指摘のとおり、介護離職ゼロを目指して取組を進めております。

 具体的にでございますけれども、まず、介護サービスが利用できず、やむを得ず離職する方、もう一つは、特別養護老人ホームに入所が必要であるにもかかわらず自宅待機をされている方、これをなくすために、二〇二〇年代初頭までに五十万人分の介護の受皿を整備することとしております。

 また、受皿の整備のためには、介護人材の確保が非常に重要な課題でございます。こういった介護人材の確保のため、これまでも処遇改善を行ってまいりましたけれども、さらなる処遇改善を行うほか、介護人材の総合的な対策を強化してまいりたいというふうに考えております。

高橋(ひ)委員 産んでくださった親の面倒を見るというのは当然のことですが、それぞれの事情もあります。大変、大変なことだと思いますが、国民の十分な理解を得て、全力でお取り組みいただきますようお願い申し上げます。

 次に、生活困窮者支援について伺います。

 生活保護を受けている方、さまざまいらっしゃると思うんですが、自立できる、又は一週間に一日か二日でも働くことができる方をどのようにサポートしていくかというのは非常に重要だと思います。生活保護を受けざるを得なくなる前に支援をして自立を支えるということもとても大切だと思って、これまでもいろいろ提案をしてまいりました。

 自立支援のためにどのような取組がなされるのか、提出予定の困窮者自立支援法改正案についてお聞かせいただきたいと思います。

定塚政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、働くということを、生活保護受給者あるいは生活保護に陥る前の困窮者の方にしっかりとその機会を与える、あるいは、働くことがかなわなくても居場所をつくっていくということは大変重要なことであると認識をしております。

 実際、困窮者に対する就労支援につきましては、その方の状態に応じて段階的な支援を行っているところでございまして、就労に向けた課題が比較的少ない方についてはハローワークと自治体が連携した支援を、また、就労に向けて一定の支援が必要であるという方については福祉事務所や自立相談支援機関の専門職員による支援を進めているところでございます。さらに、就労意欲が低い方、基本的な生活習慣に課題がある方などにつきましては、まず就労に向けた準備ということで、就労準備支援事業や被保護者就労準備支援事業を実施をしているところでございます。

 こうした取組を更に推進するために、御指摘ありましたとおり、今国会に提出をしております生活困窮者自立支援法等の改正法案におきまして、生活困窮者に対する就労準備支援事業につきまして、その実施を努力義務化するとともに、また、その適切な実施を図るために必要な指針をつくったり、利用促進や定着支援に係る費用についての加算措置をつくるということを予定をしてございます。

 また、生活保護受給者の就労支援につきましては、好事例の収集、分析などに取り組みながら、有識者や自治体の方に参加していただく研究会を開催して、より効果的な就労支援のあり方を検討することとしているところでございます。

 こうした取組を通じて、生活保護受給者あるいは困窮者の自立を今後とも支援してまいりたい、このように考えてございます。

高橋(ひ)委員 ぜひ、支援制度維持のためにも納税者である国民の理解が不可欠ですので、さまざまな不公平性というんでしょうか、低所得者の方々とのそういうことがないような配慮もお願いを申し上げながら、自立支援を促していただきますようお願いします。

 次に、医師の地域偏在、診療科偏在について伺います。

 二〇〇八年の医学部定員を増加後も格差が広がっていると聞いていますが、その改善のためにどのような対策を講じられるのか、お聞きしたいと思います。

武田政府参考人 お答えいたします。

 厚生労働省におきましては、これまで累次の医師偏在対策をとってきたところでございますけれども、地域偏在、診療科偏在は依然として解消されていないという御指摘をたくさんいただいております。

 さらに、平成二十年度以降の医学部の臨時定員増等による地域枠での入学者が地域医療に従事し始めておりまして、こうした医師の派遣調整が各都道府県におきまして喫緊の課題であるなど、この医師偏在対策につきましては待ったなしの状況であるというふうに認識をしております。

 例えば、東北の岩手におきましても、特に沿岸部の医療機関において医師の安定的な確保が厳しい状況であることなどを踏まえて、地元の岩手医科大学において地域枠が設定されるなど、こうした対策がとられ、今後、こうした地域枠の医師が増加をしていくことが見込まれているところでございます。

 こうしたことを受けまして、昨日閣議決定をされた医療法及び医師法の一部を改正する法律案につきましては、医師少数区域等で勤務した医師を評価する制度の創設、都道府県における医師確保対策の実施体制の強化、医師養成過程を通じた医師確保対策の充実などによりまして、地域間の医師偏在を解消し、地域の医療提供体制の確保を図るものでございます。

 患者の医療アクセスの向上、医師の勤務負担の軽減等の観点から、これまで以上に実効性のある医師偏在対策が早急に求められている状況でございますので、本法律案によりまして医師偏在対策を進めてまいりたいと考えております。

高橋(ひ)委員 今の岩手のお話ございましたが、本当に、地域偏在、診療科偏在は大変な問題になっております。大都市や偏在を実感しない地域の皆さんの御理解もいただいて、提出予定法案が早期に成立をして、偏在が改善されることを心から期待をしております。

 最後に、障害者福祉や高齢者福祉に関連した質問をさせていただきます。

 超少子高齢化社会で社会保障制度を維持していくためには、さまざまな取組が必要です。そこで、一つの例として車椅子シーティングについてお話をしたいと思いますので、お配りをした資料をごらんいただければ幸いです。このシーティング前とシーティング後の違い、ごらんいただきますと、どれだけよい姿勢になっているか、おわかりいただけると思います。

 車椅子は、日本では、人が移動するあるいは人を移動させるための道具ですが、欧米では、生活の場として、あるいは自立支援や二次障害の予防の道具として認識され、日本では福祉機器ですが、欧米では医療機器として活用されています。

 車椅子シーティングは、欧米では三十年以上の歴史があり、当たり前の技術として年々向上され、自立支援や医療費の削減に役立っています。

 日本では、介護や支援が必要な高齢者の方や障害をお持ちの人たちの二次障害を避けることが難しいとされてきました。二次障害とは、褥瘡、変形、拘縮、脱臼、誤嚥、筋緊張、肺炎とかさまざまありますが、医療費、薬剤費等は莫大な費用がかかっております。

 このシーティング技術、積極的に政府として取り組んでいただきたいと思うんですが、時間が終了したということで、簡単でよろしいですので、取組をぜひ、こうしていきたいという決意など、お話しいただければと思います。

浜谷政府参考人 お答えいたします。

 シーティング技術は、先生御指摘のとおり、重要な技術であると考えております。

 まず、高齢者介護の分野におきましては、介護保険制度におきまして、車椅子の貸与に当たりまして、福祉用具専門相談員が、褥瘡予防のクッションを使用いたしましたり、あるいは、高さ、幅、角度などの調整を行うといったシーティング技術を取り入れております。

 また、障害分野におきましては、補装具費の支給制度におきまして、同様に、車椅子等を給付するに当たりまして、医師の意見、処方を踏まえまして、個々の障害者の身体状況に適合するよう、シーティング技術を取り入れて対応しております。

 さらに、平成三十年度の診療報酬改定におきまして、脳血管疾患等により車椅子上での姿勢保持が困難な方に対しまして、身体機能を評価した上で、体圧分散やサポートのためのクッション等の選定、調整を行った場合に、疾患別リハビリテーション料の算定が可能であることを明確化したところでございます。

 厚生労働省といたしましては、今後とも、シーティングも含めまして、高齢者や障害のある方の自立支援に関する取組を進めてまいりたいと考えております。

高橋(ひ)委員 ありがとうございます。介護軽減の切り札になります。ぜひよろしくお願いします。

 ありがとうございました。

高鳥委員長 次に、井野俊郎君。

井野委員 自民党、群馬二区選出の井野俊郎でございます。

 早速ではございますけれども、大臣所信に対する質疑に入らさせていただきたいと思います。

 大臣所信の冒頭にもありますとおり、「働き方改革は、誰もが活躍できる一億総活躍社会の実現に向けた喫緊の課題です。」と大臣は申されております。

 私も全くの同感でございまして、今、これだけ少子高齢化という中にあって、いわゆる現役世代が減っていく、そういった中で我が国の経済力を維持していくためには、できるだけ多くの方に労働市場に入ってもらって、働いてもらわなきゃならない、活躍してもらわなければ、我が国の経済規模といいましょうか、経済力は落ちていくわけでございます。

 そういった中において、やはり働き方改革、昔のように、男性が、お父さんが一人会社に遅くまで残って働く、そういうことであっては、誰もそういった市場に、例えば高齢者だったり若い女性、特に女性、そういった方は労働市場に入ってきてくれないわけでございます。

 そういった思いを込めて、働き方改革ということが一億総活躍につながるんだということでありますが、大臣は、厚生労働大臣になられる前、一億総活躍担当大臣でございました。そういった意味では、この一億総活躍につなげる働き方改革について、ぜひ大臣、どのようにこういった課題を進めていこうと思っているのか、その経験を踏まえた課題そして意気込みを、まずお聞かせいただきたいと思います。

加藤国務大臣 少子高齢化、また人口が減少していくという我が国の構造的な課題に対して、この壁を乗り越えていくためにも、高齢者、また、若い方々、女性、男性、障害や難病のある方も、全ての方がそれぞれの希望や状況に応じて活躍できる、こうした一億総活躍社会の実現が大事であるということで一つ一つの施策に取り組み、また、その最大のチャレンジが働き方改革というふうに位置づけをしております。

 働き方改革においては、働く方の立場に立って、一人一人の実情に応じた多様な働き方を選択できる社会を実現していく、そのために、労働基準法制定以来七十年ぶりの大改革でもあります長時間労働の是正、また、多様で柔軟な働き方の実現、同一労働同一賃金などを進めていくことにしております。

 例えば、長時間労働を是正していくことは、女性や高齢者が仕事につきやすくなる、また、男性も子育てを行う環境が整備をされていく、さらには、経営者においても、どういうふうに労働者に働いてもらうかということに関心を高め、結果において、時間当たりの労働生産性の向上にもつながっていくと考えております。

 また、働き過ぎを防止するための措置を講じた上で、高度プロフェッショナル制度を創設するということは、まさに高度なプロフェッショナリティーを持っている方々が、意欲や能力、そしてその創造性を十分に発揮をしていただく、そういった環境整備にもつながると考えております。

 また、同一労働同一賃金の実現に向けて、正規雇用労働者と非正規雇用労働者との理由のない待遇差、まさに不合理な待遇差を埋めていくということは、人々が自分のライフステージに合わせて多様な働き方を自由に選択できるようにしつつ、自分の能力を評価されているという、そうした納得感、また、働くモチベーションを高めていくことになり、ひいては労働生産性の向上などにも資するものと考えているところであります。

 こうした一連の改革を通じて、働く方の健康の確保は、これは大前提としつつ、ワーク・ライフ・バランスを改善し、子育て、介護など、さまざまな事情を抱えている方々が意欲を持ってその思いが実現できる、こういった社会をしっかりと実現していきたいと考えております。

井野委員 私も本当に大臣と同意見でございまして、やはり、これから、だらだらと働いても生産性は上がらないわけでございます。いかに短時間で労働生産性を上げていくか、それが我が国の経済力にとって大変重要なことだと思っております。

 そして、今回の働き方改革の柱は二つ、先ほど大臣のお話にありましたとおり、長時間労働の是正と同一労働同一賃金の実現、私は待遇格差の是正だというふうに思っておりますけれども、この二つであるというふうに思っております。

 そして、まず一つ目の同一労働同一賃金、いわゆる待遇格差の是正についてでございますけれども、これは資料が、きょうお配りさせていただきましたけれども、派遣と正社員との賃金カーブというものを示させていただきました。

 これによりますと、最初、働き出しのころ、年収が約二百万円ぐらいでしょうか、このころについては余りそういった差はないんですけれども、明らかに差が出てくるのが、やはり勤続年数等によりましょうか、年齢が、中堅、三十代、四十代、五十代になると、明らかに差が出てくるということであります。正社員以外ですと全然昇給せずに、ずっと二百万円台ぐらいのところにへばりついている。他方、正社員になると、大体五十代ぐらいになると四百万円ぐらいに上がっていく。こういった差、これがまさに大きな弊害になっているのではないかというふうに思っております。

 このいわゆる課題。派遣というのは、確かに長期間その場に一緒に、日本の、ある意味、労働、働くということになると、どうしても年功序列というものが出てきて、勤続年数に応じて昇給していくということでありますが、他方で、派遣というのは、どうしても期間が区切られるということでありますので、何年間かということになってくると、なかなか昇給しにくいという慣行があるのではないかというふうに思われます。

 問題は、こういった同一労働同一賃金を実現していくに当たって、やはり能力に見合った賃金を、いかに会社そして本人に支給させるか。当然、長く働いている人からすると、後から入ってきた人がなぜ給料が高いんだという問題も実は出てくるかもしれません。それによって職場がまたおかしくなるのも、これまたおかしいことになっていく。

 ですので、なるべく客観的な基準で、ああ、この人はこういう能力を持ってこれだけの賃金が払われるんだというような、そういった、能力に応じる、どのようにそういったものを担保していくのかということが大事だと思っていますが、こういった能力に応じた昇給、こういったものの給与をどのように確保するか、これはどういうふうに考えていらっしゃるんでしょうか。

宮川政府参考人 雇用形態にかかわらず、仕事ぶりや能力が適正に評価され、その評価に応じた処遇を受けられるようにすることが重要であると考えております。

 こうした観点から、現行の労働者派遣法におきましては、派遣元事業主に対しまして、派遣労働者に対する段階的かつ体系的な教育訓練の実施を義務づけているほか、能力や経験等を勘案した賃金決定の配慮義務を課すなどの措置を講じております。

 現在、提出に向け準備を進めております働き方改革関連法案におきましても、仕事ぶりや能力が適正に評価され、意欲を持って働けるよう、いわゆる正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇差の解消を図ることとしております。

 この中で、派遣労働者につきましては、派遣先の労働者との均等・均衡方式、あるいは労使協定による一定水準を満たす待遇決定方式の、いずれかの選択制とすることとしております。

 派遣先の労働者との均等・均衡方式につきましては、派遣労働者と派遣先の通常の労働者との間で、職務内容と、職務内容・配置の変更範囲が同じであれば同じ待遇を求めまして、職務内容あるいは職務内容や配置の変更範囲が同じでなくても、個々の待遇ごとに不合理な待遇差を禁止することとしております。

 労使協定により待遇を決定する方式につきましては、同種の業務に従事する一般の労働者の平均的な賃金水準と同等以上の賃金であること、段階的、体系的な教育訓練を実施すること、能力の向上等があった場合には賃金を改善することなどを内容とする労使協定を締結する必要がございます。

 このような二つの方式の選択制としましたのは、派遣労働者の納得感を考慮する上で、派遣先の労働者との均等・均衡は重要な観点ではございますが、その一方、派遣先との均等・均衡による待遇決定は、派遣労働者の所得が不安定となったり、中長期的なキャリア形成支援が困難となったりすることを踏まえたことによるものでございます。

 こうしたことを通じまして、派遣労働者につきましても、納得の得られる処遇が受けられるよう取り組んでまいりたいと考えております。

井野委員 いろいろな取組をされているのはわかるけれども、ちょっと私的にはいまいち、客観的に能力という評価はどこがするかというか、そういったものがいまいち私は見えない。職務内容だとか、そういったものというのは、それは、事務をやれと言われれば事務の給料しかもらえないわけです。だけれども、長い間働いている人というのは、それがやはり、これは日本の労働市場といいましょうか、仕事慣行上、どうしても勤続年数に応じて昇給していくというのはあるわけなんですよね。だから、そこをどう見るのかというのが大事なんですよ。

 これもカーブを見てわかるとおり、勤続年数が多いから、これが上がっていくんでしょう、これも。余り能力云々じゃないと私は思っています。同じ会社で、貢献度だとかいろいろあると思う、それによってどんどん昇給していく、だけれども、派遣は上がっていかないんですよ。それは何年かで交代していくから。だけれども、派遣労働者というのは、ずっと派遣で働いていれば、それなりの能力を持っている。十年働いて、二十年働いていて同じ能力を持っている、だけれどもこの会社では数年しか働いていない、だけれどもそれなりの待遇を得られるという環境、これをやっていかないと絶対これは上がっていかないですよ。

 そこを、では客観的に、ああ、この人はこれだけの能力があるんだ、だから周りも納得しているし、使用者、お金を払う方も納得して払っていく。その仕組みづくり、これをやっていかないと、本当に上がっていかないと私は思っていますので、ぜひその点は、多分もう出てこないからいいんですけれども、今後の課題として、ぜひやってもらいたいと思っています。

 その上で、中小企業について。もう一つ、長時間労働の部分になってくるんですけれども、今度は、格差是正じゃなくて、同一労働同一賃金じゃなくて、長時間労働の是正についてなんですけれども。

 やはり、中小企業は問題なんですね。中小企業は、組織や役割分担が、皆さんが働いている厚生労働省のようにはっきりしているわけではないし、一人一人がさまざまなことをやっているケースが大変多いんですね。そのため、例えば有給休暇の取得率が低かったり、残業等についても多くなったりとかする場合がありますよね。だから、やはり、そうすると、例えば、長時間労働を是正して、中小企業がその結果潰れるというか、仕事がとれなくなるということになっては私は困るし、これをどう中小企業への配慮をしていくかということが大事なんだと思います。

 私は、よく言われるのが、労基法も、結局、大企業と同じ基準を中小企業に適用された結果、中小企業は本当にいろいろ御苦労される部分があるんですよ。ぜひ、こういった意味で、中小企業への配慮はしっかりとやってもらいたいなと思うんですけれども、その点はどう考えていらっしゃいますか。

山越政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘をいただきました長時間労働の見直しでございますとか休暇の取得でございますけれども、これは、働く方の健康を確保し、また、ワーク・ライフ・バランスを改善いたしますとともに、女性や高齢者も働きやすくするようにするためのものでございまして、中小企業、小規模事業者の皆様にも取り組んでいただく必要があると考えております。

 ただ、今御指摘もいただきましたように、中小企業、小規模事業者におかれましては、人員体制の問題でございますとか労務管理体制が十分とは言えないといった配慮すべき事情があるということも事実であるというふうに認識をしております。

 こうしたことも踏まえまして、中小企業や小規模事業者の事情に応じたきめ細やかな支援を行っていくために、まず、全都道府県に働き方改革推進支援センターを設置してまいります。このセンターにおきまして、中小企業、小規模事業者の相談に対応いたしまして、必要な労務管理のノウハウなどを提供していきたいというふうに考えております。

 また、労働基準監督署におきましても、中小企業、小規模事業者の相談に対応するための特別のチームを編成することとしておりまして、中小企業の事業者には、この特別のチームによりまして相談に対応するということとしていきたいと思っております。

 それから、中小企業が生産性を高めながら時間外労働を削減するといった取組をするための支援策といたしまして、時間外労働等改善助成金を拡充するということを検討しております。こうしたことによりまして、中小企業の働き方改革に向けた支援をしっかり進めていきたいと思っております。

 このような取組によりまして、中小企業、小規模事業者に十分配慮しながら、長時間労働の是正とか有給休暇の取得促進が進むように取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。

井野委員 ぜひ中小企業に配慮してもらいたいんだけれども、先ほど言った働き方改革推進支援センターなんだけれども、これ、相談に乗るぐらいならいいんですけれども、決してこれは規制するような形にはしてほしくないんですよね。労基署のように、何でもすぐ違反だ違反だなんて言って、中小企業にぼんぼこ入られても困るから、ぜひそういったことのないように配慮してもらいたい。

 もう一つ。女性活躍なんですけれども、やはりこの女性活躍、今まで昭和時代は、女性は家でということの中において、これからは一億総活躍の中で、どうしても女性には働いてもらわなきゃならない、活躍してもらわなきゃならないということの中で、やはり家事、育児は女性にという負担が余りにも強過ぎた。私も人のことを言えた身分じゃないけれども、私も妻に家事、育児を任せてはいますけれども、ぜひ、これからは女性に働いてもらうということも必要だ。その中で、家事、育児の負担をどう軽減していくか、これは社会がやっていかなきゃならぬ。

 やはり、家族が近くにいればいいけれども、なかなか職場から遠いところに住んでいる、田舎におじいちゃん、おばあちゃんがいるとなると、やはり家族、親族じゃなかなか頼りにならない人もいる。そういう中で、やはり会社や社会が理解がないとだめだけれども、この点はどのようにして女性活躍を推進していくのか、教えていただきたいと思います。

宮川政府参考人 お答えいたします。

 男性が積極的に育児や家事を行うことは、女性の継続就業、あるいは出産意欲の向上の観点からも重要であると考えております。

 一方で、男性の育児休業取得率は三・一六%と低水準でございますし、また、育児時間につきましては、女性の三時間四十五分に比べて、男性は四十九分と短時間にとどまっております。

 このため、厚生労働省ではイクメンプロジェクトというものを実施しておりまして、男性の育児参加の実例紹介ですとか企業等への表彰を行うなど、男性の育児参加に関する機運の醸成を図っているほか、男性の育児休業を促す企業への助成金の支給などに取り組んでいるところでございます。

 また、男性の育児参加を更に促進するため、昨年六月から開催しております、仕事と育児の両立支援に係る総合的研究会において、ニーズを踏まえた両立支援策について検討しているところでございます。

 引き続きこれらの施策に取り組み、男性の育児、家事参加を促進してまいりたいと思います。

井野委員 ぜひこの点は大沼政務官に答えてほしかったところであったんですけれども、ちょっと役人が来て残念だななんて思いました。

 ちょっとあと、もう時間がなくなりつつあるので、まず一つ、先ほどの医師偏在だけ、これは指摘だけにとどめますけれども、私は資料を配らさせてもらいました。専門医一次登録についての人数割合なんだけれども、これを私が調べたら、東京、神奈川、愛知、大阪、福岡、この大都市圏だけで医師約五〇%なんです。これに、岡山や、神戸がある兵庫、京都、千葉、埼玉、札幌、これを入れたら、七〇%がこういった都市に集中している。これはぜひ考え直してもらいたいというふうに思っております。

 最後一点だけ。これはちょっと済みません。地元のことなんで、ぜひ聞かせていただきたい。

 がん対策なんですけれども、地元群馬大学では、PSA検査を用いた前立腺がんの検診が、積極的に行おうという空気があるんですけれども、血液検査だけでがん検診ができるということでありますけれども、これは費用も安く、手軽にできるんですけれども、これについて、ぜひ取組状況を教えていただきたいと思います。

高鳥委員長 福田健康局長、時間が来ておりますので、簡潔にお願いします。

福田政府参考人 お答えいたします。

 昨年十月に閣議決定いたしました第三期のがん対策推進基本計画におきましては、国内外の知見を収集し、科学的根拠に基づいたがん検診の方法などについて検討を進めるとともに、早期診断技術の開発などに関する研究に取り組むこととしています。

 委員御指摘の、血液検査によります前立腺がん検診につきましては、現時点では有効性に関する科学的知見の収集が十分でないため、国が推奨する、市町村が実施するがん検診の検診項目の中には含まれてございません。

 一方、がんの分野で新たな技術開発が進んでおり、これらをがん検診及びがん医療に結びつけることは重要であると認識をいたしてございます。

 厚生労働省といたしましては、指針に基づいた適切な検診の実施を促すとともに、国内外の知見を収集し、科学的根拠に基づいた検診の方法などにつきまして検討を進めてまいりたいと考えております。

井野委員 済みません。ありがとうございました。

高鳥委員長 次に、伊佐進一君。

伊佐委員 公明党の伊佐進一です。

 本日も質問の機会をいただきまして、御礼申し上げたいと思います。

 早速質問に入らさせていただきます。

 働き方改革関連法案、これは我が党でも今精力的に議論しております。まさしく今、与党プロセスの真っ最中ということでございますが、私も、予算委員会、ずっと議論を聞いておりまして、その中で、今回、裁量労働制の部分は、ここは総理からの指示を受けて全面削除ということになりました。今、全面削除したものについて与党の中で議論しているということですが、今まず冒頭伺いたいのは、大臣の現在の思い、伺いたいと思います。

加藤国務大臣 政府、特に、今回の働き方改革の議論の前提にもなります平成二十五年度の労働時間等総合実態調査に関しては、本当にさまざまな問題が指摘をされ、国会での答弁を撤回する等々、国会また国民の皆さんにも大変御迷惑をおかけし、本当に深くおわびをしなければいけない、こういうふうに認識をしております。

 その上で、政府の裁量労働制に関するデータに関しても、国民の皆さんに今回の裁量労働制の改正について疑念を抱かせることになり、この裁量労働制の部分については今回の改正から全面削除するということになりました。裁量労働制の実態についてはまず厚生労働省においてしっかりと把握をし直す、そして、その上で議論をしていきたいというふうに考えております。

 他方、今回の法案においては、労働界、経済界の合意のもとで、三六協定でも超えてはならない、罰則つきの時間外労働の上限規制の導入、また、正規と非正規の労働者の方の不合理な格差を埋めていく、そして、若者が将来に明るい希望が持てるようにする同一労働同一賃金の実現、さらには、高度プロフェッショナル制度のもとで、高度なプロフェッショナリティーを持っている方々がその創造性を十分に発揮をしていただく、そうした環境の整備など、働く方にとって早急に実現しなければならない内容が含まれております。

 働き方改革関連法案、アベノミクス最大のチャレンジであり、今国会の最重要法案というふうにも位置づけているところでございます。裁量労働制以外の部分について、今与党で御審議をいただいております。その審査を経た上で今国会に提出し、そして成立を図っていただけるよう、私どもも最大限努力をしていきたいと思っております。

伊佐委員 我々も非常に残念だったのは、裁量労働制というものは、そもそも、柔軟な働き方というものを目的としていたはずです。そもそも、だから、裁量労働制によって働く時間が短くなるとか、こういう目的じゃなかった。ところが、今もう予算委員会の議論でも、裁量労働制になったら短くなるのか長くなるのか、そういうところばかりに焦点が当たってしまった。

 また、監督的調査、目的は監督ですから、その監督をする中で集めた労働時間の数字、必ずしも精密なものじゃない数字だったわけですが、この数字を使って、野党の意見に反論したいばかりに、これを活用してしまった。これが私は誤りだったんだというふうに思っております。

 その上で、返す返す残念なのは、大臣もさっきおっしゃっていただいたように、裁量労働制に対する疑念が国民の皆様の間で払拭されていない、解消されていないということであると思います。裁量労働制で働いている方、実際に働いていらっしゃる方に聞けば、例えば、子育て中の方がいて、こういう方々はこの裁量労働制で助かっているという声もあるわけです。この裁量労働制そのものに対する疑念をどうやって払拭するのか。

 大臣は、再調査するとか、あるいはヒアリングということもおっしゃっておりますが、実態把握ということで、この疑念の払拭に全力を挙げていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

加藤国務大臣 裁量労働制、もう委員御承知のように、業務の遂行方法を大幅に労働者の裁量に委ねる必要がある、こういう業務、そして、業務の遂行手段及び時間配分の決定方法について使用者が具体的な指示をすることが困難な業務、これは専門業務型になりますし、使用者が具体的な指示をしないこととする業務、これは企画業務型ということでありますが、こういったことのみを対象としているわけでありまして、一定の知識経験を有して働く方本人に、会社が決めた一律の定時、就業時間に縛られることなく、出勤、退勤時間を自由に決めていただき、仕事の進め方をお任せし、より効率的に成果を上げていただこうということでございます。

 実際、こうした制度のもとで働いている方においても、今委員御指摘のように、めり張りがついた、子育てに少し自分の時間を使えるようになったとか、いろいろなそれを評価する声もあるのは事実であります。しかし一方で、労働時間が長くなる、また、残業代も払わずに長く働かされている、こういう御指摘があることも、これも事実であります。

 今回、総理からは、先ほど申し上げた、裁量労働制の実態について厚生労働省においてしっかり把握し直すようにという指示もございました。

 具体的な把握方法としては、平成二十五年度のこうした実態調査というものではなく、新たな適切な制度を設計して、そして調査を実施していく、そして、その際には専門家の御意見もいろいろとお聞かせをいただきたいと思っておりますし、加えて、ヒアリング等、必要な実態把握もあわせて行いたいというふうに思います。

 その上で、よい面、そして先ほど申し上げた改善を要する面、これも含めて、制度のあり方について労働政策審議会で御議論をいただき、国民の皆さんの理解が得られるように努めていきたいと思っております。

伊佐委員 いろいろな制度もそうだと思うんですけれども、メリットもあるし、デメリットもあると思うんです。一〇〇%全く問題のないようなところというのはなかなかやはり、ないと思います。そういう意味で、裁量労働制もそうだと思いますが、もちろん、この制度を違法に悪用してやっているようなところがあれば、これはもう論外ですので、これは厳しく取り締まらないといけない、これはもう当然です。その上で、デメリットがもしあるのであれば、そこを減らす制度上の何か仕掛けというようなものも必要じゃないかというふうに思います。そしてまた同時に、メリット、このメリットについてもしっかりと国民の皆さんに理解していただく、このメリットについての発信、好事例の発信というものも必要だと思いますので、しっかりと対応していただきたいというふうに思います。

 その次、アレルギー対策について伺いたいと思います。

 私がいなければこの子は生きていけない、こういう重いアレルギーの子供を抱えるお母さんの声、こういう声を聞いて公明党が署名活動を始めて、全国からアレルギー疾患対策を求める千四百六十四万の人たちの署名を集めて政府に提出したのが二〇〇〇年です。西暦二〇〇〇年。そこからさまざま調査をさせていただいて、二〇〇八年に議員立法の法案作成に着手をした。いろいろ紆余曲折がありました、いろいろなことがありましたが、最終的には、二〇一四年、アレルギー対策基本法が国会で全会一致で可決をいたしました。

 この基本法を受けて、昨年、厚労省からは指針というものを出していただいて、また、医療提供体制についての報告書、これも昨年の夏、まとめていただきました。これに沿って、いよいよ今、各自治体で体制整備というものを行っていく、このタイミングになっておりますが、ところが、自治体では今、一生懸命取り組んでいるところもあれば、おくれているところもあります。

 今、各都道府県では六年間の保健医療計画をつくっています。パブコメにかけています。この四月から発行されるものですが、この保健医療計画、パブコメにかかっているものを見てみますと、アレルギー疾患対策の記述が出てこないという都道府県が十二県ございます。記述はあるけれども具体的な施策が書かれていないところが四県。パブコメの情報がないところが一県。つまり、三分の一は具体的なものがないんです。

 各都道府県では、拠点病院というものを指定することになっています。あるいは、連絡協議会を設置するということにもなっていますが、ある調査では、この四月の医療計画の発効に間に合うように三月の末までに拠点病院の指定と、そして協議会の設置をやっているのは、実は大阪くらいという調査の結果がありました。

 国が一生懸命この基本法をつくって旗を振ってきたわけですが、自治体がついてきてくれないと現場は何も変わりません。そういうこともあって、この都道府県の取組が私はポイントだと思っておりまして、ぜひ厚労省、ここを後押ししていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

福田政府参考人 お答えいたします。

 アレルギー疾患対策につきましては、委員御指摘のとおり、アレルギー疾患対策基本法に基づきまして医療提供体制の整備等を進めておりまして、昨年三月には、アレルギー疾患対策の推進に関する基本的な指針を告示いたしました。

 また、これを踏まえまして、やはり昨年の七月ですが、先ほどお話ありましたように、都道府県に対しまして、都道府県アレルギー疾患医療拠点病院の選定及び都道府県アレルギー疾患医療連絡協議会の設置を進めるよう依頼をしたところでございます。

 厚生労働省といたしましては、アレルギー疾患を有する者が、居住する地域にかかわらず適切なアレルギー疾患医療や相談支援を受けられることが重要と考えており、都道府県の担当に対しまして、全国会議等の機会を通じ、アレルギー疾患医療提供体制の整備を働きかけているところでございます。

 今後とも、各都道府県の拠点病院の選定及び協議会の設置の進捗状況を定期的にフォローアップし、都道府県におきますアレルギー疾患の医療提供体制の整備の推進に努めてまいりたいと考えております。

伊佐委員 働きかけているという御答弁でしたけれども、働きかけていても今この状況ですから、しっかりと前向きに、今は大事なタイミングだと思います。

 このアレルギー対策というのは公明党がこうして強力に進めてきたわけですが、高木副大臣もその一員でいらっしゃいまして、これまで一生懸命取り組んでいただきました。これは予算も含めてぜひしっかりと頑張っていただきたいんです。

 というのは、この拠点病院、指定される拠点病院、どういうようなことをやるかといったら、やることはたくさんあるんです。例えば、診断、血液検査、パッチテスト、アナフィラキシーの原因同定。当然治療もします。管理、疾患の長期管理、食物アレルギーの長期管理。情報提供、講習会などを開いて、定期的な実施、啓発活動。あるいは人材育成、医療従事者に対する研修の実施、保健師や栄養士、学校、児童福祉施設の職員に対しても研修をする。あるいは研究もする。教育委員会にも助言を行う。やることがたくさんあります。

 ところが、この拠点病院に対する支援、予算はどれぐらいついているかといいますと、三千百万円。全国で三千百万円です、厚労省の予算。

 拠点病院の指定というのは、アレルギー疾患だけじゃなくていろいろな疾病でやっております。例えばがん、がん対策拠点病院というのもあります。難病もあります。肝炎の拠点病院もあります。例えば肝炎とか見てみますと、拠点病院、厚労省からの支援の予算、四・五億円なんです。アレルギー疾患は三千百万円。ちょっと余りにも少ないんじゃないかというふうに思います。国の補助も、ほかの、こうしたがんや肝炎については国が二分の一補助というふうに決まっています。アレルギーはそうなっていません。

 こういうのも含めて、ぜひ、この予算、来年度の、まあ再来年度の予算になりますが、予算の充実も含めて、しっかりと厚労省として取り組むという副大臣の決意をいただきたいと思います。

高木副大臣 お答えいたします。

 我が国では、現在、国民の二人に一人が、花粉症や気管支ぜんそくなど何らかのアレルギー疾患を有していると言われ、長期にわたって生活の質を著しく損なう場合が多く、また苦しんでいらっしゃる方も多くいらっしゃいます。アレルギー疾患対策基本法に基づいて着実に対策を進めていくことが重要でございます。

 来年度予算におきましては、新たな事業として、アレルギー疾患医療の中心拠点病院である国立成育医療研究センター、また国立病院機構相模原病院を支援するためのアレルギー疾患医療提供体制整備事業、また、都道府県がアレルギー疾患医療提供体制を構築する上で参考となるように、アレルギー疾患都道府県拠点病院モデル事業の実施、またさらには、最新の知見に基づいた正しい情報等を提供するためのホームページの作成などにつきまして、必要な予算を盛り込んでおります。

 今後とも、アレルギー疾患医療提供体制の整備の推進、また、アレルギー疾患の本態解明や予防、診断、治療の研究などを通じまして、アレルギー疾患を持つ方が安心して生活できる社会の構築に向けまして、私自身も引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

 公明党におかれましては、伊佐委員を始め、アレルギー対策につきましてこれまでも格別の御指導をいただいてまいりました。今後とも引き続きお力添えを賜りますよう、お願い申し上げます。

伊佐委員 我々も、しっかりとこの予算面についても応援をしていきたいというふうに思っております。これだけ、基本法、難産してようやくできた法律がいよいよ形になる、魂を入れていく最後の大事なタイミングでございますので、ぜひ自治体ともしっかりと連携しながら進めていただきたいというふうに思います。

 次に、障害児の皆さんへの支援について伺いたいと思います。

 私は地元で、障害をお持ちのお子さんのお母さんの集まりで定期的にそういう方々と懇談をしておりますが、よく、障害があるというだけで何でこんなに苦労せなあかんのかというふうにもお母さん方は言われております。いろいろな制度上の不備があったりとか至らないところがあって、御苦労されている声を伺っております。

 その一つは、療育を行う施設と学校の連携、ここでいろいろ指摘があります。

 お母さん方に聞くと、例えば、療育をやっている放課後デイとかあるいは療育について学校が余りよく理解してくれていないという声、あるいは、両者の間の引継ぎ、これがしっかりとなされていない、こういう声も伺います。デイの方に聞くと、放課後デイの方は、学校と連携したくても、例えば学校の敷居が高いと言われます。あるいは、連携したくても学校の誰が窓口になるのかわからないということも言われる。学校に聞くと、学校は、デイの受入れの基準がわからないと言われるんです。

 つまり、今、保護者の皆さんと学校と放課後デイの連携する枠組みというものが要るんじゃないか、重要なんじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、障害児に対して療育を行う児童発達支援や放課後等デイサービス等の事業所と学校との連携は大変重要と考えております。

 このことから、平成三十年度に行われる障害福祉サービス等報酬改定では、事業所が学校等と連携し、療育を行うための個別支援計画の作成や会議の開催等をした場合に算定できる関係機関連携加算の拡充を図ることとしております。

 また、昨年十二月には、文部科学省の丹羽副大臣とそれから厚労省の高木副大臣のもとに、家庭と教育と福祉の連携を推進するためのプロジェクトを設置いたしまして、先進的な取組を行っている自治体や有識者等からヒアリングを行いまして、支援が必要な障害児やその保護者が地域で切れ目なく支援が受けられるよう、より一層の連携を推進するための方策を検討しているところでございます。

 こうした取組を通じまして、教育と福祉の連携の一層の推進を行い、子供たちを地域でしっかりと受けとめる体制を構築してまいりたいというふうに考えております。

伊佐委員 時間的に最後の質問になると思いますが、障害児の皆さんへの支援の中での相談支援専門員について伺いたいと思います。

 いわゆる、介護でいいますケアマネ的な立場の方です。支援が必要な子供たちに対して計画相談支援というものを行う、サービスの利用計画を個々人に合わせてつくっていく、こういうものですが、この計画相談の利用者というのは毎年物すごい勢いで今ふえています。皆さんに資料を配っていませんが、平成二十四年度からのグラフを見てみますと、二〇〇%増、九〇%増、三〇%増と物すごい勢いでふえています。ふえているんですが、それに比べて相談支援専門員というのは、ふえてはいますが追いついていないという状況。この相談支援専門員の初任者研修を受ける人は、過去五年間で五万人を超えています。五万人を超えているんですが、実際になる人は一万七千人なんです。研修をせっかく受けても相談員にならない人がたくさんいるわけですね。

 これは何でかといいますと、一つの原因は、事業所が計画相談を丁寧に一生懸命やっても、やったら赤字になる、結構大変な割には赤字になる、割に合わないと言われます。

 ここは、計画相談をしっかりと行っているところの事業所は評価すべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。

宮嵜政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、障害児の相談支援専門員は、障害児支援利用計画を作成する役割を担っておりまして、障害児が適切なサービスを利用するために大変重要な役割を担っているというふうに思っております。

 そのような観点から、養成に当たっても、委員からも御指摘ありましたが、県を通じて、いろいろ、専門別研修などの中でも取り入れて供給をふやすようにと。あるいは、平成三十年度から始まります自治体の第五期障害福祉計画においても、障害者等の特性に応じた支援を提供できる人材を確保できるように、都道府県に促しているところでございます。

 さらに、委員から御質問のありました評価の関係ですが、平成三十年度の障害福祉サービス等の報酬改定では、相談支援全般について評価させていただいておりますが、その中でも障害児の相談支援につきましては、関係機関と連携するなど質の高い支援を実施した場合とか、あるいは医療的ケアが必要な子に対して専門的な高い支援を実施できる体制を整えている場合などの各種加算を創設するなど、報酬上の評価の充実を今般図ったところでございます。

 引き続き、各自治体の研修の実施状況とか、あるいは報酬改定の影響を注視しつつ、必要な相談支援サービスが提供できるように努めてまいりたいというふうに考えております。

伊佐委員 しっかりと現場の状況を正確に把握して対応していただきたいと思います。

 時間になりましたので、終わります。ありがとうございました。

高鳥委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時九分散会


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