衆議院

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第10号 令和3年4月9日(金曜日)

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令和三年四月九日(金曜日)

    午前九時五分開議

 出席委員

   委員長 とかしきなおみ君

   理事 大岡 敏孝君 理事 門  博文君

   理事 菅原 一秀君 理事 長尾  敬君

   理事 橋本  岳君 理事 中島 克仁君

   理事 長妻  昭君 理事 伊佐 進一君

      青山 周平君    安藤 高夫君

      上野 宏史君    大串 正樹君

      大隈 和英君    神山 佐市君

      神田  裕君    菅家 一郎君

      木村 次郎君    木村 哲也君

      木村 弥生君    国光あやの君

      後藤 茂之君    後藤田正純君

      高村 正大君    佐藤 明男君

      塩崎 恭久君    繁本  護君

      高木  啓君    武井 俊輔君

      中谷 真一君    中村 裕之君

      百武 公親君    簗  和生君

      山田 美樹君    渡辺 孝一君

      阿部 知子君    池田 真紀君

      稲富 修二君    大島  敦君

      川内 博史君    黒岩 宇洋君

      白石 洋一君    津村 啓介君

      西村智奈美君    山川百合子君

      山井 和則君    早稲田夕季君

      高木美智代君    桝屋 敬悟君

      宮本  徹君    青山 雅幸君

      高井 崇志君

    …………………………………

   議員           早稲田夕季君

   厚生労働大臣       田村 憲久君

   内閣府副大臣       藤井比早之君

   厚生労働副大臣     三原じゅん子君

   厚生労働副大臣      山本 博司君

   内閣府大臣政務官     岡下 昌平君

   財務大臣政務官      船橋 利実君

   文部科学大臣政務官    鰐淵 洋子君

   厚生労働大臣政務官    大隈 和英君

   厚生労働大臣政務官    こやり隆史君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)

   (内閣府規制改革推進室次長)           彦谷 直克君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  梶尾 雅宏君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 海老原 諭君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 石月 英雄君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   宇波 弘貴君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房総括審議官)         山田 雅彦君

   政府参考人

   (厚生労働省医政局長)  迫井 正深君

   政府参考人

   (厚生労働省健康局長)  正林 督章君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬・生活衛生局長)         鎌田 光明君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局長)            吉永 和生君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局長)            田中 誠二君

   政府参考人

   (厚生労働省雇用環境・均等局長)         坂口  卓君

   政府参考人

   (厚生労働省子ども家庭局長)           渡辺由美子君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           橋本 泰宏君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    赤澤 公省君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  浜谷 浩樹君

   政府参考人

   (経済産業省商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官)         山本 和徳君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局次長)           大高 豪太君

   参考人

   (独立行政法人地域医療機能推進機構理事長)    尾身  茂君

   厚生労働委員会専門員   吉川美由紀君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月九日

 辞任         補欠選任

  小島 敏文君     神山 佐市君

  田畑 裕明君     菅家 一郎君

  百武 公親君     神田  裕君

  尾辻かな子君     黒岩 宇洋君

  白石 洋一君     阿部 知子君

同日

 辞任         補欠選任

  神山 佐市君     中村 裕之君

  神田  裕君     百武 公親君

  菅家 一郎君     中谷 真一君

  阿部 知子君     白石 洋一君

  黒岩 宇洋君     池田 真紀君

同日

 辞任         補欠選任

  中谷 真一君     高木  啓君

  中村 裕之君     簗  和生君

  池田 真紀君     尾辻かな子君

同日

 辞任         補欠選任

  高木  啓君     田畑 裕明君

  簗  和生君     小島 敏文君

    ―――――――――――――

四月八日

 高齢者の医療の確保に関する法律の一部を改正する法律案(西村智奈美君外十名提出、衆法第一一号)

 全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二一号)

同日

 じん肺とアスベスト被害根絶等に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第六四五号)

 同(笠井亮君紹介)(第六四六号)

 同(穀田恵二君紹介)(第六四七号)

 同(志位和夫君紹介)(第六四八号)

 同(清水忠史君紹介)(第六四九号)

 同(塩川鉄也君紹介)(第六五〇号)

 同(田村貴昭君紹介)(第六五一号)

 同(高橋千鶴子君紹介)(第六五二号)

 同(畑野君枝君紹介)(第六五三号)

 同(藤野保史君紹介)(第六五四号)

 同(宮本徹君紹介)(第六五五号)

 同(本村伸子君紹介)(第六五六号)

 腎疾患総合対策の早期確立に関する請願(赤嶺政賢君紹介)(第六五七号)

 同(石崎徹君紹介)(第六五八号)

 同(大西健介君紹介)(第六五九号)

 同(岡田克也君紹介)(第六六〇号)

 同(吉良州司君紹介)(第六六一号)

 同(城内実君紹介)(第六六二号)

 同(菊田真紀子君紹介)(第六六三号)

 同(岸本周平君紹介)(第六六四号)

 同(工藤彰三君紹介)(第六六五号)

 同(小宮山泰子君紹介)(第六六六号)

 同(佐々木隆博君紹介)(第六六七号)

 同(佐藤公治君紹介)(第六六八号)

 同(佐藤茂樹君紹介)(第六六九号)

 同(櫻井周君紹介)(第六七〇号)

 同(重徳和彦君紹介)(第六七一号)

 同(下条みつ君紹介)(第六七二号)

 同(鈴木淳司君紹介)(第六七三号)

 同(関芳弘君紹介)(第六七四号)

 同(田嶋要君紹介)(第六七五号)

 同(田畑裕明君紹介)(第六七六号)

 同(高市早苗君紹介)(第六七七号)

 同(高木啓君紹介)(第六七八号)

 同(高木美智代君紹介)(第六七九号)

 同(武村展英君紹介)(第六八〇号)

 同(寺田学君紹介)(第六八一号)

 同(寺田稔君紹介)(第六八二号)

 同(冨樫博之君紹介)(第六八三号)

 同(中曽根康隆君紹介)(第六八四号)

 同(西岡秀子君紹介)(第六八五号)

 同(根本幸典君紹介)(第六八六号)

 同(原田義昭君紹介)(第六八七号)

 同(福井照君紹介)(第六八八号)

 同(福田昭夫君紹介)(第六八九号)

 同(福山守君紹介)(第六九〇号)

 同(船田元君紹介)(第六九一号)

 同(古川元久君紹介)(第六九二号)

 同(細田健一君紹介)(第六九三号)

 同(馬淵澄夫君紹介)(第六九四号)

 同(前原誠司君紹介)(第六九五号)

 同(松田功君紹介)(第六九六号)

 同(三原朝彦君紹介)(第六九七号)

 同(宮澤博行君紹介)(第六九八号)

 同(宮下一郎君紹介)(第六九九号)

 同(村井英樹君紹介)(第七〇〇号)

 同(本村伸子君紹介)(第七〇一号)

 同(森山裕君紹介)(第七〇二号)

 同(八木哲也君紹介)(第七〇三号)

 同(山口俊一君紹介)(第七〇四号)

 同(山口壯君紹介)(第七〇五号)

 同(吉野正芳君紹介)(第七〇六号)

 同(井野俊郎君紹介)(第七三五号)

 同(井林辰憲君紹介)(第七三六号)

 同(伊藤忠彦君紹介)(第七三七号)

 同(石破茂君紹介)(第七三八号)

 同(泉田裕彦君紹介)(第七三九号)

 同(稲富修二君紹介)(第七四〇号)

 同(今枝宗一郎君紹介)(第七四一号)

 同(岩田和親君紹介)(第七四二号)

 同(上杉謙太郎君紹介)(第七四三号)

 同(江田康幸君紹介)(第七四四号)

 同(遠藤利明君紹介)(第七四五号)

 同(小野寺五典君紹介)(第七四六号)

 同(小渕優子君紹介)(第七四七号)

 同(大岡敏孝君紹介)(第七四八号)

 同(大口善徳君紹介)(第七四九号)

 同(大野敬太郎君紹介)(第七五〇号)

 同(勝俣孝明君紹介)(第七五一号)

 同(門博文君紹介)(第七五二号)

 同(金子恵美君紹介)(第七五三号)

 同(金子万寿夫君紹介)(第七五四号)

 同(金田勝年君紹介)(第七五五号)

 同(菅家一郎君紹介)(第七五六号)

 同(岸田文雄君紹介)(第七五七号)

 同(北村誠吾君紹介)(第七五八号)

 同(後藤田正純君紹介)(第七五九号)

 同(斉藤鉄夫君紹介)(第七六〇号)

 同(斎藤洋明君紹介)(第七六一号)

 同(武部新君紹介)(第七六二号)

 同(根本匠君紹介)(第七六三号)

 同(野田毅君紹介)(第七六四号)

 同(長谷川嘉一君紹介)(第七六五号)

 同(原口一博君紹介)(第七六六号)

 同(原田憲治君紹介)(第七六七号)

 同(日吉雄太君紹介)(第七六八号)

 同(平口洋君紹介)(第七六九号)

 同(堀井学君紹介)(第七七〇号)

 同(堀越啓仁君紹介)(第七七一号)

 同(渡辺周君紹介)(第七七二号)

 同(浅野哲君紹介)(第七八三号)

 同(岡本あき子君紹介)(第七八四号)

 同(橘慶一郎君紹介)(第七八五号)

 同(玉木雄一郎君紹介)(第七八六号)

 同(矢上雅義君紹介)(第七八七号)

 同(吉田統彦君紹介)(第七八八号)

 同(岡本充功君紹介)(第八〇八号)

 同(鬼木誠君紹介)(第八〇九号)

 同(高村正大君紹介)(第八一〇号)

 同(近藤昭一君紹介)(第八一一号)

 同(階猛君紹介)(第八一二号)

 同(古田圭一君紹介)(第八一三号)

 同(御法川信英君紹介)(第八一四号)

 同(緑川貴士君紹介)(第八一五号)

 同(山井和則君紹介)(第八一六号)

 子供のための予算を大幅に増やし国の責任で安全・安心な保育・学童保育の実現を求めることに関する請願(矢上雅義君紹介)(第七八二号)

 医療・介護の負担増の中止を求めることに関する請願(吉田統彦君紹介)(第七八九号)

 七十五歳以上医療費窓口負担二割化撤回に関する請願(吉田統彦君紹介)(第七九〇号)

 同(近藤昭一君紹介)(第八一八号)

 社会保障の連続削減を中止し、充実を求めることに関する請願(穀田恵二君紹介)(第八〇五号)

 減らない年金、頼れる年金を求めることに関する請願(清水忠史君紹介)(第八〇六号)

 七十五歳以上医療費窓口負担二割化に反対することに関する請願(宮本徹君紹介)(第八〇七号)

 安全・安心の医療・介護の実現と国民の命と健康を守ることに関する請願(近藤昭一君紹介)(第八一七号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二一号)

 高齢者の医療の確保に関する法律の一部を改正する法律案(西村智奈美君外十名提出、衆法第一一号)

 厚生労働関係の基本施策に関する件

 令和二年度子育て世帯生活支援特別給付金に係る差押禁止等に関する法律案起草の件


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     ――――◇―――――

とかしき委員長 これより会議を開きます。

 厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 令和二年度子育て世帯生活支援特別給付金に係る差押禁止等に関する法律案起草の件について議事を進めます。

 本件につきましては、先般来各会派間において御協議をいただき、今般、意見の一致を見ましたので、委員長において草案を作成し、委員各位のお手元に配付しております。

 その起草案の趣旨及び内容について、委員長から御説明申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症による影響が長期化する中、今般、政府は、特に困難な状況にあると想定される低所得の子育て世帯に対し、その実情を踏まえた生活の支援を行う観点から、子供一人当たり五万円の子育て世帯生活支援特別給付金を支給することとしたところであります。

 本案は、当該給付金の支給の趣旨に鑑み、その支給を受けることとなった者が自ら給付金を使用することができるようにするため、令和二年度子育て世帯生活支援特別給付金の支給を受ける権利の差押え等を禁止するとともに、給付金として支給を受けた金銭の差押えを禁止する措置を講じようとするものであります。

 なお、この法律は、公布の日から施行することとしております。

 以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。

    ―――――――――――――

 令和二年度子育て世帯生活支援特別給付金に係る差押禁止等に関する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

とかしき委員長 お諮りいたします。

 お手元に配付いたしております草案を令和二年度子育て世帯生活支援特別給付金に係る差押禁止等に関する法律案の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

とかしき委員長 起立総員。よって、そのように決しました。

 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

とかしき委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

とかしき委員長 引き続き、厚生労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、参考人として独立行政法人地域医療機能推進機構理事長尾身茂君の出席を求め、意見を聴取し、また、政府参考人として内閣官房内閣審議官・内閣府規制改革推進室次長彦谷直克君、内閣審議官梶尾雅宏君、内閣府大臣官房審議官海老原諭君、外務省大臣官房参事官石月英雄君、財務省主計局次長宇波弘貴君、厚生労働省大臣官房総括審議官山田雅彦君、医政局長迫井正深君、健康局長正林督章君、医薬・生活衛生局長鎌田光明君、労働基準局長吉永和生君、職業安定局長田中誠二君、雇用環境・均等局長坂口卓君、子ども家庭局長渡辺由美子君、社会・援護局長橋本泰宏君、社会・援護局障害保健福祉部長赤澤公省君、保険局長浜谷浩樹君、経済産業省商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官山本和徳君、国土交通省総合政策局次長大高豪太君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

とかしき委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

とかしき委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。木村弥生さん。

木村(弥)委員 自由民主党の木村弥生です。

 本日は、一般質問で、私は、日本の潜在力のパワーを生かしていく、誰もがより健康で活躍する社会について質問したいと思います。

 コロナ禍で大きなパラダイムシフトが起きています。これまでの、同じ属性の人たちが、主に男性の安定雇用によって生産性が保たれて、そして福祉が成り立っていた。しかしながら、今、少子化となり、人口減少社会の中で、一人一人が潜在力を発揮できる、意欲があれば就労できる、自分の存在が承認されることで、貧困や孤独を解消し、ひいては生きがいを感じながら健康につながっていく、そんな社会になっていくようにと私は考えております。

 そこで、一つ目の質問であります。

 コロナ対策、我が京都におきましても感染が急拡大しております。西脇府知事も蔓延防止等重点措置の適用を要請するという報道がありました。ワクチンの接種が順調に進むように、安定的な供給をいま一度要望したいところでございます。

 そこで、一つ目の質問であります。

 潜在看護職の活用について、二月四日の衆議院の予算委員会で質問いたしました。かつてないほどの規模で、今回、ワクチンの接種が全国展開されてまいります中で、この人材確保として、日本で看護職の資格を持ちながら今現場で働いていない、いわゆる潜在看護職、今、全国で七十万人と推計されております。推計と申しますのは、運転免許のような更新制ではないからであります。

 その潜在看護職の活用を予算委員会で提案いたしましたところ、翌週のNHKのニュースで、その潜在看護職たちが、今こんなときだからこそ役に立ちたいと、復職した看護師たちの活躍が取材をされておりました。

 また、我が京都府の看護協会におきましても、こういった潜在看護職たちの、ワクチンの接種の人材としての研修を行ったところでございます。

 ただ、今、全国展開する中で、その時給が各自治体によって違います。それはもちろん、都市部と地方とでは物価等も違いますし、感染の広がりも違うのは理解しておりますが、ただ、余りにも時給が低いと、自治体の看護師に対しての専門性の理解が乏しいのではないかとすら疑うような、そういうところもあるのは事実であります。

 そこで、質問であります。こういった時給の差異について国は把握しているのでしょうか、お聞かせください。

正林政府参考人 時給の差異は恐らくあるんだと思いますけれども、それを網羅的には把握はしておりません。

木村(弥)委員 確かに、それは、いろいろと地域によっての事情があるので、そこまで国がコミットしないという、そういったことも分かりますけれども、それでも、時給が低くても自分たちが役に立つのならと、看護職の皆さんの独特の本当に責任感や使命感で集まっているという話も聞きます。

 今、その人材確保状況というのは、そちらもいかがなんでしょうか。

正林政府参考人 お答えします。

 現在、自治体において、看護師の確保を含め、ワクチン接種に係る人的体制を整備していただいております。

 一部の自治体においては看護師が不足している会場もあることから、看護職員の確保に向けて、都道府県ナースセンターを通じた潜在看護職員や、民間の職業紹介事業所、事業者の活用、それから僻地のワクチン接種会場への看護職員の派遣について、自治体宛てに確保策を周知し、看護職員の確保に努めているところではございます。

 こうした取組を通じて、自治体の状況を適切に把握しながら、ワクチンの接種が円滑に行われるよう、引き続き看護師の確保に向けた支援をしてまいりたいと考えております。

木村(弥)委員 ありがとうございます。

 予算委員会のときに、コロナで亡くなった看護師はいらっしゃるんですかという質問をしたときに、そういった把握はしていないというお答えでありました、全体的なというお答えは田村大臣からあったかと思いますけれども。

 どこで、どういうふうに、今まだ確保できていないかということはこれからだと思いますけれども、東日本大震災のときもそうでしたけれども、こういった非常に厳しい状況のときに看護師は本当に頑張ります。自分たちの職責を果たそうと、そして、元々責任感と、あと非常に心優しい人たちが多いところを、やはりそこに甘えてほしくないです。きちんと専門性を評価して、そして、そういった対応を国としても支援するというのが、潜在看護職たち、先ほど七十万人推計でいると言いましたけれども、国の姿勢を今やはり見守っているんだ、そういうところもあると思いますので、是非そこのところをお酌みおきいただければありがたいです。

 二つ目の質問をいたします。夜勤要員の確保であります。

 結局、実習がコロナでできない中で、もちろん、例えば、シミュレーションのいろいろな機材等々を購入するための支援はしていただきました中で、やはりリアリティーショックというものがあります。

 私が四十で看護師になったという話は、もう委員の皆様、御存じの方が多いと思いますけれども、私が大学病院で看護師、新人になりましたとき、夜勤に入ったのは、忘れもしない六月の一日でございました。

 しかしながら、いろいろな中で、夜勤に入る時間がなかなか、今大変延びているという状況の中で、新人がまだまだ夜勤要員としてしっかりと確保できない中で、非常に医療体制は厳しいと聞いております。

 そこで、そういった例年よりも遅くなっている状況の中で、国としての策は講じているんでしょうか。

迫井政府参考人 令和二年九月に実施をされました日本看護協会の調査によりますと、新人看護職員の夜勤の独り立ちをする時期が例年より遅れていると回答した病院、約三割であったと承知をいたしておりまして、新人研修が計画どおり進まず、演習の機会の確保が難しい状況にあったことがその要因と考えられます。

 それから、令和三年度の新人看護職員においては、看護基礎教育の臨地実習の体験が少ないことなどから、例年よりも職場での業務修得に時間を要することなどが考えられております。

 厚生労働省といたしまして、こうした新人看護職員を指導する看護職員の負担軽減を図りまして、新人看護職員の職場適応を促進することを目的とした、新型コロナウイルス感染症の影響による看護基礎教育での実習の経験不足を補いまして、就業先の新人看護職員研修では補えない臨床現場での体験学習の機会を確保するための事業を令和三年度において実施をいたしております。

 それから、新人看護職員を迎える各現場に対しまして、基礎教育の状況を踏まえた丁寧なオリエンテーション、あるいはOJTの機会を確保した新人看護職員研修を計画していただくよう、令和二年十二月に事務連絡を発出し、対応をお願いしておりまして、引き続き、こうした取組を通じまして、看護職員、新人看護職員の職場適応を促進してまいりたいというふうに考えております。

木村(弥)委員 ありがとうございます。

 私がいた大学病院は、婦人科病棟でしたけれども、五十人のベッドで二人から三人で夜勤をやっていた、非常に責任を伴うところでありますので、そこのところはしっかりとやっていただきたいと思います。

 三番目です。保健所の体制支援について。

 昨年の十一月の二十日の厚労委員会で、私、質問いたしました。保健師の増員を訴えまして、当時、田村大臣と、また総務省から宮路大臣政務官が、非常に心強い御答弁をいただいて、結果、令和三年度予算において、感染症対応の業務に従事する保健師が一・五倍、二年間で九百名の増員というのが決定したのは大変感謝しております。

 そういった中で、まだまだ保健師、保健所が、依然として現場は厳しくて、そして混乱と不安を抱えていて、疲弊しているのが現状でございます。

 こういった中で、地元から聞いた話で、入院できずに自宅療養を余儀なくされておられます要介護者、障害のある方たちに対して、臨時的にケアをしよう、そういった訪問看護や訪問介護事業者の人たちが、その汗が報われるようにしていただきたい、要は、柔軟な対応をしていただきたいということです。

 質問通告のときには個別支援計画の作成のことについて書きましたけれども、ここは、要は、しゃくし定規に対応するのではなく、きちんと柔軟性を持って、そういうことを国としても支えていくのだ、そういう言葉をいただければと思います。

赤澤政府参考人 介護サービスや障害福祉サービスは利用者やその家族の生活に欠かせないもので、必要なサービス等が提供されるよう、ケアマネジャー等が、自治体と連携の上、調整することが重要であると考えております。

 介護サービス、障害者サービスの提供に当たって個別サービス計画等を作成しなければならないとされておりますが、緊急的にサービスを提供することになった場合には、提供する予定のサービスの内容を事前に口頭で説明し、同意を得ていれば、必ずしもサービス提供前に個別サービス計画等を作成する必要性はなく、報酬請求前までに作成すればよいものと考えておりまして、そういう柔軟な取扱いができると考えておるところでございます。

木村(弥)委員 きっと全国の保健所でそういった混乱が生じていると思いますので、是非そこのところはきちんとフォローしていただければと思います。

 コロナについての質問は終わりです。

 子供庁の創設についての期待を質問します。

 チルドレンファーストの子ども行政のあり方勉強会が我が党の若手議員を中心に立ち上がりまして、私も呼びかけ人の一人であります。三月の十九日に子供庁の創設に向けた緊急提言というものを官邸に提出して、菅総理からも、強い決意を持って取り組むという発言をいただきました。

 私が取り組んでおります日本版DBS、小児犯罪の、性犯罪の前科がないことを証明する書類を、子供と関わる職業、これはボランティアも含めてであります、に就く者は雇用主に提出するという、義務づけるこの制度。その創設についても、子供政策の、子供庁の勉強会が二月に実施したアンケートは、二週間で一万七千人、そして合計で四万八千の意見があった中で、三百件の、無犯罪証明書の提出の制度化を求めるという意見もありました。党の行革本部で、縦割り行政の打破PTや、また、自民、公明の有志による、わいせつ教員根絶立法検討ワーキングチームでも取り組んでいる問題であります。

 この子供庁の創設の目的は、縦割りを克服し、府省庁横断の一貫性を確保するための強い権限と総合調整機能を持たせるとあります。縦割り行政の打破、そして国民のために働くというのは、菅政権の真骨頂であります。現段階で明確な答弁は難しいと思いますが、田村大臣の決意をお聞かせください。

田村国務大臣 自民党の国会議員の有志の会、勉強会をやっておられて、子供庁の創設に向けた提言をいただいているというふうにお聞きいたしております。

 国の方も、内閣府の子ども・子育て本部を中心に、幼児教育、子育て、更に言えば保育等々いろいろなもの、こういうものを進めておるわけであります。

 今、一元的に進めておりますが、それ以外にも、我が省所管しておりますような分野、障害児の問題もあると思います、それから福祉の問題、子供の貧困の問題、さらには虐待の問題、本当に幅広い子供に関わる問題があるわけでございます。どういうような形で、その分野、所管をしていくのか、年齢で分けるという形なのか、いろいろな切り口があると思います。

 いずれにいたしましても、子供というものを、縦割りではなくて一つの形の中において様々な問題を解決に向かって検討していくこと、これは大変重要であろうというふうに思いますし、それ自体、国民の皆様方に、チルドレンファーストというお話がございましたけれども、子供を大切にする、そういう社会であり政府である、こういうようなメッセージが伝わるということでもございます。

 いただいた提言、しっかりと受け止めさせていただきながら、検討させていただきたいというふうに考えております。

木村(弥)委員 ありがとうございます。

 これは決して行政の肥大化というものではなく、しっかりと子供たちが隙間なく支援できるような、大切にするんだという、そういった国からのメッセージをこれからも打ち出していければと思います。

 次の質問、ちょっと時間がないので、子供宅食についてであります。

 先ほど児童虐待のお話もありました。子供宅食、私、議連の幹事長を務めております中で、支援対象児童等見守り強化事業につきましては、本当にありがたいことに、令和二年度第三次補正予算、また令和三年度に活用できる形で、非常に、十分の十の予算が計上されたところでありますが、全国の自治体におきましては、翌年度の予算の見通しが立たないという不安で、ちゅうちょしている原因であります。

 こういった点も踏まえて、予算の執行率と、そして本事業の評価、そして今後の見通しについて、ちょっと済みません、一回でまとめて御答弁いただければと思います。

渡辺政府参考人 御指摘のございました、まず、この事業の執行状況でございますが、令和二年度の二次補正で三十一億、それから三次補正で三十六億計上したところでございますが、現時点での執行状況、令和三年三月現在でございますが、六十五市区町村で五・一億円となってございます。

 この事業は、まさに宅食等を中心に、地域に根差した民間団体と自治体が協働するという取組でございまして、コロナ禍はもとより、コロナ後も見据えて、子供の見守りや安全確保に重要な役割を果たしているものと考えております。

 ただ、なかなかこの民間団体、市町村との連携ということに慣れていないということもありまして、市町村の側、民間団体、共に戸惑いもあるということで、私どもとしては、例えばオンラインセミナーなどで、実際にこの事業に従事していらっしゃる方に直接呼びかけることなども含めて、事業の周知等を行っておりまして、まだ予算の執行状況も必ずしも高いものではございませんので、今後ともしっかりと事業が活用されるように取り組んでまいりたいと考えております。

木村(弥)委員 今まで福祉は申請してというのがありましたけれども、この子供宅食はアウトリーチ型出前福祉と言われています。こういった形で本当に支援できるようにと思いますので、是非お願いいたします。

 ちょっと次の質問を抜かして、障害者優先調達推進法の方をお願いします。

 コロナを機に大きく変わったことの一つとして、今まで、例えば移動することがなかなか難しかった人たちが、それぞれの能力に応じて、テレワークや、またそういった社会参加の動きが加速したと思います。まさに、潜在力を発揮できる仕組みづくりが求められています。

 障害者優先調達推進法について調べました。これは、物品やサービスを国や地方公共団体が優先的に障害者の雇用施設等々から購入するというものでありますが、残念ながら余り進んでおりません。これは、私は障害者の方たちの経済面の自立に非常に資するものだと思っておりますけれども、例えば、金額ベースでいいましても非常に少額の案件しか発注されていない、こういったことが、各省庁における内部規定がありましたけれども、それが実はなかったということが分かりました。こういうことをしっかりと捉えて、更に進めていただきたい。

 この法律に大変力を入れて頑張られたという山本副大臣に、是非その決意をお聞かせいただけたらと思います。

山本副大臣 ありがとうございます。

 障害者優先調達推進法、議員立法、私も関わらせていただきまして、問題意識は木村委員と共通、同じだと思っております。

 まさしく、この法律に基づきまして障害者就労施設の受注機会を確保して拡大をするということは、そこで就労する障害者の自立の促進の観点から、大変重要であると思っている次第でございます。

 今、各府省においては、毎年度、この物品調達のための方針を作成して、そして、その目標達成に向けて真摯に取り組んでいると思いますけれども、まだまだ委員御指摘の課題はあると思います。

 厚労省としては、そうした意味で、各府省の調達の促進をするために、例えば、各府庁とそれから障害者就労施設を橋渡しする障害者優先調達情報交換会、例えば、二十三の府省庁七十二名、施設側が、共同発注とか特例子会社とか、八十四名の方々が交換をして、新たな取引先を拡大したとか、そういったことであるとか、さらに、取組事例の公表、こういったことを通じて実施をしているところでございまして、引き続き、委員御指摘の調達に向けた取組の推進をしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

木村(弥)委員 ありがとうございます。

 山本副大臣と、医療的ケア児のことでも一緒に頑張っております。宮城県、福岡県では協定を結んでいます。是非、ソーシャルファームの視点を含めて、多様な方々が生きがいを持って働ける、そんな環境づくりが孤独からの脱却にも健康維持にもつながると思いますので、是非そこのところを申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

とかしき委員長 次に、高木美智代さん。

高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。

 おはようございます。

 本日、基本的対処方針分科会が早朝から開かれたと伺っておりまして、手続が進めば、蔓延防止等重点措置が東京、京都、沖縄に適用される見込みと承知しております。是非とも、厚労省の皆様、昼夜問わず、今日まで御激闘と思いますが、改めて、医療提供体制の確保を始め、対処に万全を期していただきたいことをまずお願いをさせていただきます。

 やはり、感染者数を減らして、医療提供体制の逼迫、特に医療病床の逼迫を防ぐには、ワクチンが有効であると思っております。

 私は、昨年五月、我が党にワクチン・治療薬開発推進プロジェクトチームが設置されまして、その座長としても働かせていただいており、先般も、三月下旬になりますが、熊本の製薬会社の視察を行いまして、その課題等につきまして意見交換をしてきたところでございます。

 やはり、今声が高まっているのは、国産ワクチンを何とか早く使えるようにできないものかというお声が強くあります。

 そこで、まず最初に、国産ワクチン開発の重要性に対する田村大臣の御認識を伺っておきたいと思います。

田村国務大臣 国産ワクチンを開発して国内でこれを製造できるということは、非常に大きな意味があると思います。

 今、ファイザーのワクチンだけ、これだけが承認をされて国内に入ってきておりますが、これはヨーロッパ等々、EU等々の制約がある中で、非常に確保を、これは河野大臣に御苦労をいただいているわけであります。

 国内で製造できることができれば、そういうこともしっかりと解消できるわけでありますし、もっと申し上げれば、開発も国内であればもっと自由度が高まるわけであります。また、海外に対してのいろんな国際貢献ということもあり得てくるわけでございます。

 国といたしましても、ワクチンの研究開発、製造、それから臨床試験、こういうものに対して支援を行っておるわけでありますけれども、国内で幾つかのメーカーが、開発事業者が、今、研究開発をしていただいております。

 例えば、DNAワクチンですとアンジェスというところが主体でやっておられますし、メッセンジャーRNAワクチンですと第一三共、それから、組み換えたんぱくワクチンが塩野義、不活化ワクチンがKMバイオロジクスという形でやっていただいておりますが、この中で、今言ったKMバイオロジクスと、それからメッセンジャーRNAの第一三共、これがいよいよ治験に入ったというような形でございまして、臨床試験に入る中で、いろんな期待、DNAワクチン、アンジェスはもうちょっと先に入っておりますけれども、それぞれが今、ワクチンの開発に一生懸命努力をいただいているわけでありまして、是非とも、ワクチン開発、成功していただければ、我々としても期待をするところでございます。

 いずれにいたしましても、国内でのワクチン製造、もちろん開発、これは大変重要なものだというふうに考えております。

高木(美)委員 ありがとうございます。

 私も、やはり国産ワクチンという、日本企業が開発できる、新しい技術をつくり出せるようにするということは非常に大きな意味があると思っておりまして、一つ、やはり国民の命の安全保障、特に、今後何回このコロナワクチンを接種することになるか分からない。輸入が止まれば、今大臣から御答弁いただきましたとおり、そういう場合を想定すべきだとも思います。また、変異株への対応、日本固有のものが出た場合どうするのか、こうしたことを考えますと、やはり必要である。

 また、もう一つは、我が国経済のためという視点もあると思います。

 外国産ワクチンを購入するために莫大な額の国税が海外に流れているわけでございます。国産を使えるようになれば、税収入を少なくとも回収することができる。また、さらには国際貢献、中国は今ワクチン外交を展開していると言われておりますけれども、我が国は、そもそも、東南アジア諸国など、医療提供とか人材育成を始め非常に多くの貢献をしてきたわけでありまして、こうした我が国の一つのステータスというものは守るべきであるというふうに思っております。

 そこで、今大臣が、しっかりと後押しをしていきたいというお話もございました。そこで、関係企業などは、第三相試験を早ければ六、七月から始めていきたいと。しかし、日本では感染者数が少ない、国際的にはワクチン接種がもう既に始まっているので、国際的にも数万人規模の単位の治験は困難である、非常にここで困っております。

 今、有事と大臣は先般もおっしゃっていらっしゃいましたが、私も、まさにそういう事態を考えますと、アメリカのEUAのように、緊急承認の運用を考えてもいいのではないかと思います。若しくは条件付承認という手法もあります。

 中和抗体価で効果が確認でき、安全性が確保できれば推進するというお考えはあるのかどうか。また、そのほか、国産ワクチンの治験を早める手法としてどのようなお考えをお持ちなのか。お示しいただきたいと思います。

鎌田政府参考人 お答えいたします。

 国産ワクチンあるいは国内における治験の促進という観点、こうした緊急時でございますので、現在におきましても、実務的でございますけれども、治験相談なりを積極的に行うですとか迅速に行う、また、審査におきましても、最優先で迅速に行って対応しているところでございます。

 私どもといたしましては、こうした緊急時におきましても、国民の安全性、信頼性を確保する観点からは、科学的データに基づき有効性、安全性等をしっかり確認するということが基本方針でございまして、今お話のありました特例承認などにつきましても、アメリカのEUAで承認されましたレムデシビル、あるいは今回のファイザーワクチン、これも、データを確認した上で迅速に対応、あるいは、御指摘のありました条件付早期承認制度というのもございますけれども、この際もやはりデータというものをきちんと確認していく必要があるんだと考えております。

 それで、先生がおっしゃった、国内で第三相ができるのかということでございますけれども、この点は、ワクチンの接種が進めば大規模治験が難しくなるというのは、日本のみならず各国が直面する課題ということでございまして、現在、国際的に、発症予防効果を検証するプラセボ対照試験に代わる評価方法等に関する議論を国際規制当局間で進めているところでございます。

 今後、この議論が更に進むように、私どもとしては積極的に提案をしたりしているところでございますので、積極的に国際的議論が進むよう努力するとともに、それから、こうした状況、議論の内容というものを、国内のワクチン開発をされている企業に対しましても適切に情報提供、あるいは相談指導に乗るというようなことを進めてまいりたいと考えております。

高木(美)委員 ちょっと、鎌田局長と少し議論をさせていただきたいと思います。

 やはり、まず、治験をどうするか、入口が非常に重要でありまして、データがそろえばという先ほどのお話では、とても不十分になります。要するに、二万人、そしてまた更にプラセボで二万人、こんな四万人なんというのは難しく、日本ではとてもできない。先ほど申し上げたように、日本では感染者数が少ない、また、世界でもワクチンが普及し始めている、こんな数万人規模の治験が果たしてできるのかどうか。できないというのは、もう明確であるわけであります。

 第一三共、塩野義は、新型インフル、前回のときに設備を用意をし、その間もずっと投資をしながら設備を守り続けてくれておりましたけれども、これも持ち腐れになってしまうという状況にあります。メッセンジャーRNA、また組み換えたんぱく、これは要するに、このままでは日本では開発できない、こういうことになってしまうわけです。

 ファイザーなどの三社は、どこも承認を得たものではありません。アメリカの緊急使用、まさにEUAで、大規模な治験と組み合わせて実施をしているものです。

 このままいきますと、世界二番手のワクチン開発は日本ではできないということになります。それでいいのかどうかということです。

 先ほど、WHOなどの国際的議論に参画したい、その議論を待ちたいとおっしゃっていましたけれども、こんな議論はすぐには結論が出るはずないじゃないですか。

 ということを考えますと、やはり我が国独自のものをどういうふうにしていくのか、ここが重要だと思いますけれども、局長、どうですか。

鎌田政府参考人 まず、先ほどの国際的な議論ですけれども、確かに、いつ結論が出るのかということについては、話し合っている途上でございますので、確たることは申し上げることはできないんですが、私どもとしては、やはり大規模な治験を進めることの難しさということは認識しておりまして、大規模な第三相試験に代わって、発症予防を検証するプラセボ対照試験に代わる評価方法なども我々としては具体的に提案をしながらこの議論を進めるというのが、まず大きな方針、基本的な方針でございます。

 また、今回のコロナ対応に限らず、日本での治験環境の難しさというのは、今回の感染症での感染状況がございますし、また、国内の治験体制という意味では、治験を行う医療機関などの体制というのもございます。そういったものは進める一方で、もう一つ、やはり国際的な治験、共同治験を支援するということも私どもは考えられると思います。

 今回の補正におきましても、詳しくは別の担当でございますけれども、そちらにおきましても、国際共同治験を進めるとか、支援するとか、そういうところでありますので、それは、疾病あるいは製品に応じて、支援の在り方、あるいは治験をどこまで求めるかということは、具体的に議論すべきものと考えております。

高木(美)委員 いろんなトラックを走らせながら、そこでやっていくということは非常に重要だと思います。

 ただ、やはり、この六月、七月、もう今四月半ばに入りつつある、そういう段階を考えると、本当にやるのであれば、もう今の段階からほぼ打合せを始めながら準備をしておかないと間に合わないという、そんな状況かと思います。

 ですから、国際共同治験と、聞こえはいいようですけれども、本当に、じゃ、どこでやるのか、どこと組むのか、そこは今、案はあるんですか。

鎌田政府参考人 先ほど申し上げた国際共同治験は、国際共同治験をしやすい環境にする、あるいはそれを行う企業を支援するということを予算として確保していると申し上げてございまして、今、個別の企業の治験をどう行うかということにつきましては、相談には応じておりますし、考え方として国際共同治験があるということは申し上げておりますが、それは個別企業のことでございますので、ここではお答えは差し控えさせていただきます。

高木(美)委員 私も、ちょっとどうも最近、特にもう皆さんお疲れだと思うんですけれども、もっと攻めの戦いを厚労省はやっていただきたいなと。ワクチン、治療薬開発についても、厚労省がチームをつくって、こうやってやったからこれが前に進んだ、この結果が出た、こういうものが、やはりそれがまた、寝食を忘れて働いていらっしゃる厚労省職員のやる気にもつながりますし、それはまた、そのまま、国民の命を守るという、まさに皆様が願っていらしたその尊い理想を実現することになるんじゃないかと思います。

 したがいまして、今の国際共同治験という、これも、要するに、今、企業任せ、相談には乗っているという、そのことがよく分かりましたが、今、正林局長が答えたいそうですので、どうぞお答えください。端的にお願いいたします。

正林政府参考人 第三次補正で、国産ワクチン開発企業について、発症予防効果を評価する試験の実施費用の補助というものをつけております。これは全部で千二百億円だったと思います。

 これは何のためにつけたかというと、まさに国内の企業が治験をやりたいとき、例えば、日本の場合は感染者の数が少ないので治験はやりづらいんですが、海外に出ていって、海外のフィールドで治験をやりたい、そんなときにお金の面で苦労するのであれば、そこはきちんと支えてあげようということでこの三次補正を確保していますので、今後、国内の企業が国内とかあるいは海外で治験をやるときに、こういったものでお支えをしていきたいというふうに考えています。

高木(美)委員 お金を渡せばという話ではなくて、この条件をどうするのか、どうすれば我が国でできるのか。

 先ほど申し上げているように、世界もワクチンが普及し始めているわけですから、じゃ、どの国ができるのか、そこはやはり厚労省は一緒になって考えて指し示していくという、その具体策がないということは、やはり今、この段階でそこに一つ流れをつくる、つくるのはいいですけれども、頼りにならないというふうに私は考えていくべきだと思います。いずれにしても、それはきちんとやっていくということが重要であります。

 したがいまして、この条件付承認、これがなぜできないのか。鎌田局長、答弁をお願いします。

鎌田政府参考人 先般の薬機法改正において制度化されました条件付早期承認制度でございます。これは、患者数、治験の遂行が時間がかかるといったものを念頭に置きまして、第三相の臨床試験の成績の添付が不要という制度でございます。

 ただ、これにつきましては、その審議の際の附帯決議におきまして、ワクチンを含む予防薬を条件付承認の対象とするときには特に慎重に検討するように言われているところでございます。

 我々としては、これは、ワクチンなど、あるいは感染症の薬、新型コロナ治療薬等も本制度の対象から除外されているとは考えてございませんで、ただ、その場合におきましても、まさに、どのようなデータが出てくるのか、それで本当に有効性、安全性が確認されるのか、そういったことは、出されたデータを、企業と相談しながら、企業がどういった申請をしてくるのか、どのような段階で申請してくるのか、これは個別に相談して進めるべきものと考えております。

高木(美)委員 企業は、どういうルールでできるのかというところを今待っているわけです。治験ができない、苦しい、そこをどうするのかというところが今のネックになっております。

 そこで、やはりこの条件付承認、他に薬のないときというような、こういうルールがあります。また、今の附帯決議のルールも伺いました。この附帯決議の件を有事においてどう取り扱うか。ここはやはり政治としても何らかの後押しをしっかりさせていただきたいと思いますので、ここは与野党恐らく共感できる部分だと思っておりますので、御協力を野党の皆様にもお願いしたいと思います。

 そこで、例えば、ファイザーのワクチンなどと比べて中和抗体価がある程度確保できる、なおかつ安全性が確認できれば使用できるようにする、こういう新しい条件付承認、これが必要ではないか。この条件というのは、しかるべき治験を国内でも、またグローバルでもちゃんと実施をする、これを条件に認めるようにしてはどうか。

 私はやはり、こういうことを、大臣がおっしゃっているように、今は有事でありますので、ワクチン開発の重要性について御答弁を先ほどいただいたとおりに、やはりこれをスピーディーに、タイムリーに実現できるようにしなければならないと思います。

 例えば、万が一、日本特有の変異株が発生したときに、ファイザーなどが日本のために果たして対応してくれるか。自国ファーストの風向き次第ではありませんか。どうやって乗り越えるか。私はやはり、この課題解決に向けては大臣の強い御決意が重要でありまして、大臣の大所高所からの御決断の領域だと思います。しかしながら、これを厚労省だけで背負うのはとても無理だということも十分承知しております。政府全体で責任を負う必要がありまして、政府として決断する問題だと思います。

 大臣、是非とも、総理を含めて、総理をしっかり動かして、官邸を動かして、我が国民の命を守るために御決断をしていくべきではないか、動いていただくべきではないかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。

田村国務大臣 ファイザー、海外のワクチンも国内では大規模な三相はできないわけでありまして、国内治験をやって、そのデータは返ってきておりますけれども、中和抗体価がどれぐらいついているかというのが一つの大きな目安であったわけであります。

 そういう意味からすると、委員のおっしゃっておられることは合理性もあると思いますが、ただ、一方で、国内だけでそれを決めても、国際的に通用しないということになれば、多分、ワクチンというものは、国際的な下で信頼性がある程度得られるワクチン、つまり承認されているかどうかということでありますので、今言われたこと、多分、世界中がこれから次のワクチンに向かって日本と同じような思いをしてくるわけですよね。それは何かというと、ワクチンを打ちますから。

 ということは、どこの国もワクチンが打たれ出すと、要は第三相の大規模な試験がやりづらくなってくる。すると、世界中で同じようなことが起こる中において、じゃ、これから、新しい、次に来るワクチンに対してどういうような承認のシステムをつくっていくか、評価をするかという話が出てくると思うんです。

 ですから、海外、特にアメリカやEUになると思いますが、こういうところの薬事規制当局としっかりと話し合うことも大事でございます。

 いずれにいたしましても、日本、もうやがて来ますし、世界中も、そういう次のワクチンが来ますので、早急に、そういうような世界の薬事当局としっかり議論をして、今委員が言われるように、国内でもしっかりワクチン開発、そして審査、承認ができるように検討してまいりたいというふうに思います。

高木(美)委員 先ほど申し上げた条件付承認、これを再度検討していただきたいと思います。グローバルに認められるというよりも、我が国でまずしっかり使えるという、ここが重要だと思います。

 また、再度質問させていただきたいと思いますが、企業が本当に今、差し迫っている。やはり、企業についてもこれは命懸けですけれども、国民の命を我が国が守るために政治としてどうするかという最重要課題だと思っておりますので、世界の動向を注視してという、そこは私は、聞こえはいいようですけれども、反面、逃げのような、そんな印象もありますので、よろしくお願いいたします。

とかしき委員長 田村厚生労働大臣、申合せの時間が経過しておりますので。

田村国務大臣 委員のおっしゃっておられる意味はしっかりと受け止めます。

 ただ、一つだけ。ワクチンですので、一般の医薬品ではないので、要は、副反応というもの、どういうような副反応があるか、これは非常に安全性は重要でありますから、ここだけはしっかりと確認をさせていただきますようによろしくお願いいたしたいと思います。

高木(美)委員 そのとおりです。前向きによろしくお願いいたします。

 ありがとうございました。

とかしき委員長 次に、長妻昭君。

長妻委員 おはようございます。立憲民主党の長妻昭でございます。

 昨日、感染研の送別会の件で、厚労省の方が私のところに来て説明いただいたんですが、あれは一時間の送別会で二十一人ということだったんですが、挨拶がほとんどで、懇親は、お酒もあったけれども少しだったので、これは感染リスクは非常に低い、こういう送別会は基本的には問題ない、こういうことをおっしゃっておられたんですけれども、この程度の送別会であれば、ある程度国民の皆さんも許容範囲だ、本当にこういうようなことなのでございますか。

田村国務大臣 今言われたのは、感染研で、三月十八日十八時から十九時、庁舎内の食堂で、FETP、これは実地疫学専門家の研修といいますか、各地域で積極的疫学調査をやっていただく等々のプロフェッショナルを養成しているんですけれども、これでの、要するに、卒業のいろんな報告といいますか、そういうような会をやったようであります。

 感染管理も含めた、ある意味プロでありますので、十分に感染を防ぐという対応をしながらやった。ですから、食事が出たということでありますけれども、食事のときには、食べたら、口に入れたらマスクをするというような状況の中で対応し、そして、食事は十五分ぐらいだったらしいんですが、その後は、一人一人、席から立って、面接官といいますか報告者のところに来て、自分が学んだことに関してのいろんな反省、報告をするという会であったというようであります。

 ただ、私、重要に思っておるのは、若干量であったとはいいますけれども、缶酎ハイか何かが出ておったということのようであります。このこと自体は、やはり国民の皆さんに疑念を招くことだというふうに思います。

 ですから、感染防止はプロでありますからしっかりやったとはいえ、お酒が出ておったということ、これは、若干量とはいえ、やはり、好ましいといいますか、いいことではないということでございまして、厚生労働省の方からそこは厳しく注意をしたということであります。

長妻委員 そして、今朝分科会が開かれて、これは大臣も出席、大臣はされていないということで、蔓延防止重点措置ですかね、東京にも適用ということだと思います。

 これは我々もこの場でも口を酸っぱく申し上げていたんですが、先月の三月二十一日に東京の緊急事態、首都圏、これが解除された。解除前に、何が何でも解除するのは早い、これは危ないということを、我が党の枝野代表を含めて、私も解除前に何度も何度も申し上げていたんですが、オリンピックの聖火リレーが三月二十五日からあるからだとは思いませんけれども、そういうことも言われていますが、二十一日に解除を強行してしまった。そして、解除から二週間余りでまた、東京を中心に蔓延防止重点措置をやるということで、非常に振り回されているわけでございます。

 三月の年度末は送別会、歓迎会がたくさんあって、厚労省もされていましたけれども、人が相当出るということで、そこはさすがに、その前の解除はあり得ないということを強く申し上げていたんですが、大臣、これは反省というのはないですか。

田村国務大臣 関西地域はたしか三週間早く解除をした。東京がその後、二十一日に解除という形でありました。これは、東京をそれよりも早く解除することも基準的にはできたんですが、正直申し上げて、病床がぎりぎりフェーズ3ということであったので、フェーズ3ならば解除はできるんですけれども、安定的なフェーズ3を考えるともうちょっと減らしたいという思いで、減らしたい、つまり、病床使用率を減らしたいという思いで、実際、延長しました。

 ただ、一方で、やはり自粛疲れというのもあって、感染自体は思ったように、緊急事態宣言下でも減っていない、若干増えてきているという状況です。

 やはり、そういう意味からすると、日本の場合、よくハンマー・アンド・ダンスということを専門家の方々もおっしゃられますが、ハンマーではないんですよね、日本は。ハンマーは、強い力で抑え込むんですが、日本は、御承知のとおり、新しい法律を作っていただいても、これは過料という、しかも、お店等々に対する過料であって、国民の皆様方に対しては、家から出たら罰金というようなことはないわけで、ヨーロッパ、欧米と比べるとかなり緩やか。つまり、ハンマーじゃなくて、私はファイアベルと言うんですが、半鐘ですね。要は、カンカン、火事だ、カンカンと鳴らして、みんな、大変だぞと言って、それに気づいていただいて、皆さんが自粛いただく、こういうようなやり方であります。

 それだけに、なかなか、緊急事態宣言下でも若干増えてくるという中において、しかし、病床がこういう状況の中で、制約、国民の皆様方に、そうはいえどもいろんなお願いをしていますから、どこかではこれは解除せざるを得ない、解除をする。

 当然、次に向かって、何かあれば、新たに蔓延防止重点措置というものをつくったわけです。これはもう皆様も御協力をいただいてつくっていただいたわけでありますから、それを出させていただいて、なるべく緊急事態宣言を出さないように、それまでに抑えていくというのが、これは一つの日本のやり方でありますので。

 そういう意味では、こういうことを繰り返して、緊急事態宣言に入るのを何とか防いでいきたいという思いでありますが、しかし、本当に、先ほども言いました半鐘が皆さんに納得いただけないということであれば、これはやはり、いつも私が言っているとおり、納得と共感がないと国民の皆様方に御理解いただけないわけでありますから。それが、政府に対して納得いただけない、共感いただけないということ、これは国だけじゃなくて地方政府もそうなのかも分かりませんが、となれば、更に強い措置を出さなければならないわけでありまして、何とかそうならないように、今、我々としては、国民の皆様方に御協力をお願いをしていく。多分コロナというのは、専門家の方々もおっしゃっておられますけれども、そうやって対策をしていくというような疾病だというふうに私は考えております。

長妻委員 長々とおっしゃいましたけれども、私には言い訳にしか聞こえないですね。こういうことを繰り返すんだと、繰り返しては困ると思うんですよ。これは反省はあるんですかね。今与党からも何か失笑が漏れましたけれども、本当に大丈夫なんですか。

 感染の拡大局面で解除したんですよ。東京の、先月の二十一日に解除になりましたけれども、緊急事態宣言。その解除の判断の三月十七日水曜日、これは四百九人いて、一か月ぶりに四百人を超えたんですよ。増えている局面なんですよ。そこで解除の判断をしてしまった。翌日の、まさに判断する三月十八日の木曜日、これはその日の前までの一週間の平均が前週を上回っているんですよ。どんどん増えている局面で、まさか解除しないだろうと私は実は思っていたんですが、驚くべきことに解除してしまったということで、大臣、今、私の質問にも答えていただいていないんですね。少しでも反省はあるのかということで、反省がないとまた同じ過ちを繰り返すと思うんですよ。

 大臣、毎回言い訳ばかりで、何の反省もないじゃないですか。いや、反省したって、もうやっちゃったんだからしようがないじゃないんですよ。これからも起こるわけですから。必ず起こるわけですから。

 ですから、大臣、別に、国会は何かディベートで負けたら駄目で勝ったらいいとかそういうことではなくて、本当にこれは反省を共有して、それで、次、また拡大局面で緩くしようとした場合、大臣として、健康と命を守る大臣は厚生労働大臣が一番ですから、前から言っていますけれども、もうちょっと、これはおかしいんじゃないのかと言うことを期待しているんですよ、私は。国民も期待していると思いますよ。ちょっとこれはおかしいんじゃないのと。

 西村さんは経済再生担当大臣ですから、経済第一ですよ。いや、ちょっとこれは待ってくれということを田村大臣にちゃんと言ってほしかったし、これからもそういう局面はあると思いますから、今回の反省を、全く問題ないということではないと思うので、そこら辺をちょっと率直におっしゃっていただきたいんですね。

田村国務大臣 一〇〇%正しい答えではなかったというふうに思います、それは。世界中がそうやってこのコロナというものに対していろんな対策をして、それに対して学んだことを次に生かしていく、こういうことをやってきているんだと思います。

 感染症を抑えるということと同時に、いろんな制約をかけると、国民の皆様方の、ある意味メンタルだとかいろんな問題も当然のごとく起こってくるわけでありまして、できれば、なるべく自由に社会で動いていただいて、そういうような負荷をかけないということもしていきたい。

 ですから、世界中、いろんなことで緊急事態宣言等々を出しますけれども、ロックダウンにしますが、どこかで解除して、一旦国民の皆さんに解放感を味わっていただかないと、それは精神的に、ストレス等々、これはもたないという部分もあると思います。

 でありますから、そういうことを悩みながら、今回も、二か月以上、二か月と半、緊急事態宣言だったんですよ。これは異例の長さでございました。そういう中で、国民の皆様方の、いろんな御対応いただいている、そういう状況と、それから感染症と、こういうものを見ながら選びました。

 しかし、これが正しかったかどうかというのは、これからまたいろいろと反省をさせていただいて、次に向かって、我々としては、その学んだことを生かしてまいりたいというふうに思っております。

長妻委員 これは反省と検証がその都度なされないと、また同じ過ちを犯すと思うんですね。それが全くなっていないんですよ、今までも、反省の、検証も。

 感染自粛疲れというお話を何度もされますけれども、何か国民の皆さんが疲れるから、これはしようがないから解除するんだみたいに聞こえますよ、余りおっしゃると。やはり一番国民の皆さんが疲れるのは、中途半端に解除して、また増える。一回安心したのに、また来る。いつまでこれが繰り返し、イタチごっこが続くんだという方が私は疲れると思いますよ、国民の皆さんは。

 だから、そういう意味では、ただ、大臣の言うことも私は分からなくはないんですよ。めり張りをつけるということを私も何度もここで申し上げているんですが、是非、これは大臣が、西村さんなんかに任せないで、つまり、何でもかんでも自粛というのは、例えば蔓防が出ると、東京なんかだと不要不急の外出自粛なんですよ。

 私もいろんな高齢者の方とお話をすると、いや、長妻さん、蔓防が出ちゃうと散歩にも行けないよと言うんですよ。私に言わせたら、誰もいない早朝の公園にお年寄り一人で散歩するのはいいじゃないですか。不要不急かもしれないけれども、全部が駄目というのでは駄目ですよ。何か、皆さん、国民の皆さんは真面目だから、どこまで不要不急かというのが分からないんですよ。ジョギングを夜誰もいないところでしたっていいじゃないですか。

 そういうようなところで、私、田村大臣に是非提案なんですけれども、これは資料をつけさせてもらいましたが、八ページから、るる、ちょっと御覧いただきたいんですが、これは核心です。尾身先生もおっしゃられる、飲食店、飲食、これが急所だということで、これは分科会で配付された資料でございます、政府の。

 例えば八ページ。全部説明しませんけれども、歓楽街や飲食を介しての感染が感染拡大の原因、家庭内感染や院内感染は感染拡大の結果であると。

 その次のページ。これも全部政府の分科会の資料ですけれども、クラスターの発生は飲食店で先行する。その後に医療・福祉施設で発生するんです。つまり、同時じゃないんですよ。これが先行して、その結果、医療・福祉施設のクラスターが発生する。

 そして十ページ。レストランの再開が感染を最も増加させる。エビデンスをつけております、これも分科会の資料。

 十一ページ、見えない感染。見える感染だけを見ると家庭内感染が最も多いが、見えない感染を分析していただいているんですね。これは貴重なんですね。感染経路が分からない感染の多くは、飲食店における感染によるものだと考えられるとおっしゃっているんですよ。

 やはり、マスクを外して会話をする、一定の結構な時間。これは飲食なんですよ。これを私は規制を、緊急事態宣言を解除しようがしまいが、きちっとそこは規制を緩めないようにする。そして、やっと政府も、我々の要求に基づいて、事業別の飲食店への補償金、一か月最高六百万ですか、そういうことをやられるようでございますので。やはり時短要請は安易に緩めてはいけないし、あるいは定員も含めた、非常に、飲食店に対する規制については、ある程度きめ細やかにやっていく。

 一方で、マスクをしながら、屋外、あるいは換気のいい場所での活動は、これはかなり、ガイドラインを作って緩めていく、緊急事態宣言の下でも。

 そういうふうにめり張りをつけないと、これは長期戦なんですよ。大臣が言うように、長期戦なんです、短期で終わりませんから。そういう意味では、国民の皆さんも疲弊しますから、何でもかんでも不要不急の外出自粛です、こういうことだと皆さん非常に縮こまってしまうので、やはり、飲食を非常にきめ細やかな規制をしていくということを、是非大臣として、政府内できめ細かな提言やガイドラインを作る、それの先頭に立っていただきたいと思うんですが、いかがですか。

田村国務大臣 言われるとおり、飲食の場というのはもう我々もずっと言ってきまして、お願いもさせていただきました。

 委員がおっしゃられるとおり、早朝でありますとか夜、外へ出ていただいて健康のためにジョギングや散歩をしていただくのは不要不急じゃありませんので、これは必要なことでありますから、感染防護していただきながら健康を守る、そういうことはやっていただきたい。これは我々もお願いをしてきておりますが。

 飲食の場、マスクということは我々も言っているんですが、今委員規制とおっしゃられましたから、飲食上でマスクを外したら罰金を国民から取るというような、そういう規制というようなイメージでおっしゃっておられるのか、それとも今のようにお願いベース、若しくは、今回、蔓延防止の場合は、飲食店にマスクをせずに入ってきた場合はお店の店主が入らないでくれと言えるような、そういうような権限を持っていただきますけれども、ただ、これも、じゃ、マスクをして入ってきて、その後マスクを外してしゃべったらどうするんだというような、そういう問題もあります。

 ですから、世界中では確かにマスクをしなきゃ罰金だという国もありますが、それでも、その国は感染が収まっているかというと、完全に抑え切れていない。

 つまり、徹底して私権を制限するというような意味合いでおっしゃっておられるとすれば、それはまた一つの提案であるというふうには受け止めをさせていただきたいというふうに思います。

長妻委員 大臣も極端ですね。飲食店でマスクを取ったら罰金を科すなんて、マスクを取るに決まっているじゃないですか。食べるときにマスクを取るに決まっているじゃないですか。そんなことは言っていないですよ、私が言っているのは。

 私が言っているのは、飲食店に対して、例えば緊急事態宣言のときも、先月、私、東京、夜の町を歩きましたよ。自分は飲みに行っていないですけれども、見に行きました。十時、十一時、やっていますよ、店は結構。緊急事態宣言の下ですよ。これは与野党で協力して法律を作ったじゃないですか。そして、行政罰だけれども罰金を科すことにしたじゃないですか、命令も課して。そこをきちっとやはりきめ細やかに運用してほしいということなんです。

 その中で、一つは、例えばCO2センサー、換気をきちっとよくしていく、あるいは定員を一定の限度に抑えていくとかそういうガイドラインを作って、そして見回りを相当飲食店のところで増強をしていく。そういうような手当てをきちっとやはりしていく、これは緊急事態宣言だろうが蔓防だろうが。そういうことにもう少し、政府はガイドラインを作って積極的にする一方で、緩めるところは一定程度緩める。全部不要不急の外出自粛みたいな形で、国民の皆さんはそんな細かいことは分かりませんよ、これはいい、これは悪いとか。

 だから、マスクを外してしゃべる場、飲食、これが非常に急所なんだということで、そこは本当に注意いただきたい。あとのこういう場合は緩めていただいて、緊急事態宣言の下でも結構です、こういうメッセージを是非出していただきたいということをお願いを申し上げておきます。

田村国務大臣 マスク会食は以前から我々もお願いしているんですが、まだ十分に伝わっていない、委員と思いは同じです。

 それから、時間を過ぎて店をやっているというところに対しては過料をかける、これは立憲民主の議員の中でも、抑制的に使えというようなお話もその法律のときにはありましたが、委員の方から、これをどんどん使ってほしいというような今御提案だったというふうに思います。

 実際、東京都の方ではこういうものを使い出しているようであります、前回の緊急事態宣言のときの話でありますけれども。野党第一党の立憲民主党の方からそういった御提案もありましたので、都の方には、より厳しく対応するように、我々としても提案をしてまいりたいというふうに思います。

長妻委員 これは法律ですから、どんどん使うとかどんどん使わないとかじゃなくて、法律にのっとって、政府でしょう、運用するんですよ、法律というのは。法律の条文にのっとって運用するんですから、全体の状況を見ながら。どんどんやれと言うからやりますって、言われなくてもやらなきゃ駄目なんですよ、法律を作ったわけですから。大丈夫ですかね。

 それで、ちょっと次の質問に入ります。これはよろしくお願いしますね、感染については。

 今日、外務省も来られておられますけれども、中国の国家情報法というのは、これはどういうものなのか。ちょっと私も心配なのが、国家情報法の十四条というもの、これはどんなものでございますか。

石月政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の国家情報法第十四条は、国家情報工作機構が法に基づき展開する情報工作は、関係機関、組織及び公民に必要な指示、共助、協力を提供するよう要求することができる旨規定されております。

 したがいまして、中国当局が関係機関、企業や個人に対して協力を要求することができる旨規定されております。

長妻委員 そのとおりなんですね、中国の法律ですけれども。

 国会図書館にも詳細を調べていただきますと、この十四条は、国家情報活動機関が、関係する機関、組織及び国民に対し、必要な指示、援助及び協力の提供を求めることができる、この規定等により、非常に広範な情報についてガバメントアクセス、これは政府等による民間部門が保有する情報への強制力を持ったアクセスが認められるということで、つまり、民間が持っている情報の提出を政府に義務づけられる。日本じゃ考えられませんけれども、こういう法律なんですね、中国の。

 これは施行はいつですか。

石月政府参考人 お答え申し上げます。

 国家情報法は、二〇一七年六月二十八日に中国で施行されております。

長妻委員 二〇一七年の六月施行ということで、実は、二〇一七年の十月に、私も以前から問題にしておりますマイナンバー、年金関係のマイナンバーが、SAY企画というところに入力委託を政府がして、それが、法律ではなくて契約違反の形で中国企業に入力がされた。この入力作業を中国がしたのは二〇一七年十月なんですよ。つまり、この国家情報法が施行された後なんですね。情報が中国政府に流れる危険性があるんですよ。

 結局、具体的な件数、日本から、これは振り仮名と漢字のみということでありましょうけれども、それも確証はないんですよ、証拠はないんですから。それは何万件ぐらい流れたんですか。根拠はあるんですか。

田村国務大臣 振り仮名と名前ということでございまして、全体で流れたのが五百一万件であるというふうに、これはSAY企画から中国の事業者に再委託されたケースでありますけれども、五百一万件というふうに聞いております。

長妻委員 これは、SAY企画から中国企業に幾らぐらいの代金が払われたんですか。

田村国務大臣 支払い額に関しては、我々としては承知をいたしておりません。あくまでも、これはIBM等々が技術的検証等により、氏名と振り仮名のみが流れたというふうには聞いておりますが、金額自体は、我々としては承知をしておりません。

長妻委員 マイナンバーが流れていないというのは、何か物的な証拠みたいなものはあるんですか、名前と振り仮名だけしか中国企業には流れていないというのは。物証ですね、物証。IBMの報告書にはそういうふうに書いてありますけれども、物ですね、書類とか、そういうのはあるんですか。

田村国務大臣 実際問題、IBMが、このSAY企画等々のパソコン、サーバー等いろんなものを調べる中において、流れていないというのは技術的に確認をし、そのIBMが確認したことを、第三者機関でありますTIS社というところが確認をして、正当なといいますか、これはちゃんとした調査であるというふうに、お墨つきをいただいておるということであります。

長妻委員 これは物的なものはないんですかね。物的なもの、証拠とか書類。

 それと、これは中国企業ですね。田村大臣、私もIBMの報告書は全部読んでいます。物的なものはありません。受けた中国側には、名前と振り仮名だけだったという何か証拠のデータというのは具体的に残っていて、それはちゃんと年金機構は入手しているんですか。

田村国務大臣 いわゆる物的って、物が何なのかよく分からないんですが、少なくとも、SAY企画側のファイルサーバーでありますとか全てのPC、こういうものを、業務用のPC、ログの確認を一回しているわけですね。ですから、もし流れているようなことがあれば、記録的に、そこに何らかの物証が残っているわけで、でありますから、そういう意味からすると、そういうものがなかった。

 つまり、マイナンバーが流れていることはなくて、振り仮名と名前だけであったということでありますから、それをもって物証と言うのか言わないのかは、ちょっと委員と私の認識の違いだと思いますけれども、記録がなかったということであります、マイナンバーの流れたという。

長妻委員 いや、それも事後的にSAY企画に立ち入って、初め、十月の中旬から流れていますけれども、そのときの物証はないんですよ。そのログもないんですよ。受け手の中国側には何の証拠もないんですよ。

 六ページを見ていただくと、これは厚労省の審議会の部会の中につくられた検証作業班というところが作った報告書です。

 六ページを見ていただくと、こういうふうに書いてありますね。「中国の事業者には、氏名・フリガナのみが開示されていたとされているが、」これは去年秋に作られたやつですよ、去年秋ですよ。「実際には、その他の情報が開示されていた可能性がある」。IBMに調査を依頼した、氏名、振り仮名のみだったとするのは、機構が独自に確認したことをIBMに伝えていただけであると。

 こういうことを、これは私が言っているんじゃないですよ、部会の中の検証作業班の報告書ですよ。

 その下には、「情報漏洩の可能性についての機構の説明は不十分である。客観的証拠を示したうえで、情報漏洩の可能性の有無について説明する必要があるとの意見があった。」と。去年の秋ですよ、これは。

 これは重大なことが書いてあるのに、自民党も、いいんですか、何の調査もしないで。いいの、これは。中国、国家情報法という法律を知っていますか、皆さん。LINEだって問題になったじゃないですか。今、デジタル法案を審議しているじゃないですか。今、参議院に行きましたよ。まあいいかでいいんですか。証拠がないんですから、これは。

 それで、内部からこういう意見が出てきて、しかも、ちょっとびっくりしたのが、先週発売ですかね、週刊現代。一ページ目につけておりますけれども、この検証作業班のメンバーなんですよ、この岩瀬さんというジャーナリストが。そのメンバーそのものの人が、「田村厚労大臣よ、年金機構にダマされるな」、こういう見出しで。

 つまり、田村大臣は私の質問に、この検証作業班の四人の中のお一人がおっしゃっている話で、四人が合意しているわけじゃないんだ、さっきの紙はというふうにおっしゃったんですが、当のその四人のうちのメンバーの岩瀬さんが、いやいや、これは四人の中では合意していますと。そして、昨年十月二日、これは審議会の中の部会ですね、年金事業管理部会に提出するに当たっては、増田部会長から要望のあった記述変更についても四委員の同意を得て採用していたということで、この二枚のさっきの報告書は、四人の検証作業班の中で同意して作ったものなんですよ。

 だから、田村大臣、四人の中のお一人がおっしゃっている話で四人が合意しているわけじゃないというのは、何かこれは、多分、岩瀬さんを名指しで批判するのと同じことになると思うんですけれども、これは謝罪、撤回していただけませんかね。

田村国務大臣 長妻委員が勝手にお名前を出されているだけで、私が名前を出しているわけでもありませんし、実際問題、この委員会の中で……(長妻委員「勝手にって、ここに書いてあるじゃないですか」と呼ぶ)ちょっと静かにしてもらえますか。(長妻委員「これは週刊誌ですよ。世の中に出ているんですよ」と呼ぶ)

とかしき委員長 御静粛にお願いします。

田村国務大臣 要は、私が申し上げたのは、この岩瀬さんという方の名前を出したわけでもありませんし、その委員会の中の議事録の中で主張されている方がおられるというだけの話で、四人おられる中で、全員がそれに賛成されて、それが報告書になる。中間報告書って、そもそも中間報告書でもないわけで、まずそこで認められないと、皆さん合意いただかないと、それは報告書になってこない。

 それも含めて、私がそこにいたわけではございませんので、この作業班等々の対応をいただいているのが、一番トップが増田部会長でございますから、これは委員からおっしゃられて、増田部会長と一回話をしろということでございましたので、私、増田部会長とお話をさせていただきました。そうしたら、増田部会長がそうやって、いや、これはまとまっていないんですと。要は、まとまっていない作業班のものは報告書ではないので、報告書ではないものというような位置づけなんですというようなお話でございました。

 でありますから、私はそれを申し上げている話でありまして、ガバナンスからいえば、やはり増田部会長の御判断というものを私はお聞きをして、これは委員から私の方にお話があったことでございますから、それをそのままここで御報告をさせていただいているということであります。

長妻委員 ちょっとこれは苦しいんじゃないですかね。おかしいですよ、今の。ちょっとずらしていますよ、論点を。

 四人の作業班の話をしているんですよ、私は。大臣がおっしゃったのは、四人の作業班、四人の中のお一人がおっしゃっている話で、四人というのは、これは作業班が四人しかいませんからね。四人が合意しているわけではない、四人はあのペーパーに合意しているわけですよ、二枚のペーパーを。論点をずらさないでください。

 確かにまだ、部会に提出したけれども、正式に部会の議題には上がっていないですよ、これは事実ですよ。私は厚労省が抑えていると聞いていますけれどもね。これは、だから四人の中では、四人、作業班の中ではあのペーパーに合意しているんですよ、大臣。だって、本人が言っているんですから、メンバーの本人が。

田村国務大臣 誤解のないように申し上げますが、どなたがそうやっておっしゃっているのか、私は言っていませんから。それは、今委員がこの週刊誌のコピーをもってして言われているので。私は一切この方の名前も出しておりませんし、この方が何かうそをついているなんということも一切申し上げておりませんから。そこはどうか御理解ください。私は一切言っていませんからね。

 その上で、作業班の中でそういう主張をされた方がおられるけれども、作業班の中で他にそれに異論を唱える方がおられて、結果的に作業班の報告書になっていないと、これは年金事業管理部会の部会長である増田さんが、増田部会長がそうやって、これも委員が私に確認を取れとおっしゃられたから、私、増田部会長と御連絡を取らせていただいて、確認したんです。

 その結果、増田部会長が、作業班の中で意見がまとまっていないので、実際問題、これは認めていないという方がおられるというふうに確認したと増田部会長がおっしゃられて、だから、作業部会でまとまっていないものは報告書にならないですから、報告書というふうに認めていませんと言われたということでありまして、決してすり替えているわけでもなくて、私は、委員がおっしゃられるように確認をさせていただいた結果がこういうことであったという御報告をさせていただいているんです。

長妻委員 いや、今のは論点をすり替えていますね。

 これを見てください。五ページ、六ページのこの二枚の報告書がありますけれども、確かに両論併記されているんですよ、両論併記。確かにいろんな意見があって、一つの意見に集約はされていません。そのとおりです。増田部長の言うとおりです。田村大臣の言うとおりです。

 ただし、両論併記した上で、この二枚のペーパーは四人で合意したということなんですよ。そういうことなんですよ。

 大臣、これは是非きちっと、ちょっと自分で確認をして、このメンバーにもう一度確認して、両論併記で、昨年十月二日、部会に提出するに当たっては、増田部長から要望のあった記述変更についても、四委員の同意を得て採用している二枚のペーパーなんです。

 これは是非、自民党の皆さんも、まあいいかじゃなくて、再調査ぐらいしていいじゃないですか。再調査、何で拒むんですか。おかしいじゃないですか。これだけ相当重要な件ですよ。自民党、何で甘いんだろう。いいの、これを中国に仮に取られていたとしたら。大丈夫なんですか、本当に。五百万人以上ですよ。これはいいの、自民党は。こういうとき黙っちゃうんだよね。普通は、何か外交のこととか安全保障のところをいろいろ言うけれども、これも国家安全保障ですよ。何でこれをやらないんだろう、再調査。これだけ疑義があるのに、田村大臣、しないんですか、再調査。

 余計なことを答えないで、再調査するかどうかだけちょっと、検討するでもいいですよ、再調査を検討するでも。再調査するかどうか、ちょっとお答えいただきたいんですが。

田村国務大臣 これは、社会保障審議会の下の年金事業管理部会というのがあるんですね。そこの部会長が増田部会長なんです。その下での作業班をおつくりになられた中での出来事であります。

 ですから、最終的な責任者は増田部会長であって、増田部会長に私が確認を、長妻委員からこういう話があったというような、これはお伝えさせていただきますけれども、やはりガバナンス上、いきなり私が出張っていってというか、それはちゃんと、社会保障審議会の中での、部会の中での作業班の話でございますから。そういうことは、再度、長妻委員の御主張はお伝えをさせていただきます。

長妻委員 いや、そうであれば、出張って自分で確認できないんだったら、四人の中の一人だけが言っている話で、四人はまとまっていないなんていいかげんなことを言わないでくださいよ、確認していないのなら。

 これは是非、今、再調査するつもりが全くないですから、自民党、本当に大丈夫ですかね。再調査ぐらい、いいじゃないですか。これは是非お願いします。

 最後に、前回も私が質問いたしましたファイザーのワクチンの、常温、つまり冷蔵小口輸送の件でございますが、これも全国から反響がありまして、前回、私の質問で、自治体から問合せがありました。

 冷蔵バッグが、保冷バッグが送られてきて、これが四万個ぐらい、七億円かけて政府は送っちゃったんですかね。これは冷蔵ですよ、冷蔵バッグ。冷蔵でやろうとしていたんだけれども、本当に大丈夫かということで、田村大臣の答弁は、本来は冷凍で輸送した方がいいと。前回、私の質問にも、答弁、おっしゃられました。バイク便はおやめいただきたいと前回おっしゃられました。舗装している道ならば、短時間であればそれでいいとおっしゃられました。

 問合せが来たんですが、じゃ、舗装していない道、これは大丈夫なんですか。

田村国務大臣 大きく揺れ、振動があるのならば、それはお避けをいただきたいというふうに思います。

長妻委員 皆さん、分かりますか。自治体は困っているんですよ。

 じゃ、大きく振動というのは、例えば砂利道とか山道とか、いろいろあるじゃないですか。これを検査してくださいと言っているんですよ、政府がチェックして。

 じゃ、例えば、静かに、ちゃんと丁寧に運転すれば、砂利道でも山道でもまあ大丈夫だということなんですかね。

とかしき委員長 田村厚生労働大臣、申合せの時間が経過しておりますので、簡潔にお願いします。

田村国務大臣 大きな振動があるのならば、丁寧に運転していただいても、やめてください。

長妻委員 ですから、これは壊れた場合、自治体の責任になっちゃうんですよ、mRNAワクチンは壊れやすいので。

 そうすると、もう一回確認しますが、砂利道、山道でも丁寧に運転すれば大丈夫ということでいいんですね。

とかしき委員長 申合せの時間が経過しておりますので。

田村国務大臣 今、私、申し上げましたが、丁寧な運転をしようがしまいが、大きな振動があったら駄目でございますので、おやめをいただきたいというふうに思います。

長妻委員 皆さん分かりますか、大きな振動。分かった、橋本議員は分かったということなんですが。

 大きな振動というのは、じゃ、山道と砂利道でも、普通の、通常の運転であれば、舗装されていないところで運転する、舗装されていない、いろんな、かなり悪い道でも大丈夫ということでいいんですね。大きな振動には含まれないということでいいんですね。

とかしき委員長 申合せの時間が経過しておりますので、御協力をお願いいたします。

田村国務大臣 舗装されていなければ基本的にはお避けをいただいた方がいいと思いますが、責任を持って、自治体の責任で、振動がないというようなことであれば、それは自治体の責任においてやっていただければいいと思いますけれども、基本的に、舗装されていない道というのは振動があるということが前提だというふうに思いますので、なるべくおやめいただいた方がいいと思います。

長妻委員 橋本委員、分かりましたか、今ので。

 これは全く分からないので、是非、明確な試験と、ファイザーとのすり合わせをしていただきたい。

 ありがとうございました。

とかしき委員長 次に、阿部知子さん。

阿部委員 立憲民主党の阿部知子です。

 本日は、貴重な質疑の時間を頂戴いたしまして、感謝いたします。

 いただきましたお時間を目いっぱいに使わせていただきたいので、早速質疑に入らせていただきます。

 申し訳ありませんが、冒頭、田村大臣には、通告外のことですが、一つ確認とお願いがございます。

 昨年の九月でしたか、私がこの委員会で熊本の菊池恵楓園におけるハンセン病の患者さんの遺体の解剖の問題、同意なき、ほぼ強制的な解剖問題、四百七十九人を取り上げて、その後、十二月には、星塚敬愛園で千八十一人、また、この三月には岡山の長島愛生園で千八百三十四人、いずれも、ほぼ入所時に、同意というには余りにも不確かな形で、お亡くなりになった後の解剖が行われております。また、同様、岡山の邑久光明園でも調査が始まったと聞いております。

 あのときの私の質疑で大臣は大変よい御答弁をしていただきまして、園に保存されている様々な資料をしっかりと残しておくことの必要性。実は、今回の長島愛生園でも、十年ほど前にこの解剖記録が捨てられようとしたときに、お一人の医師がこれを残すべきだということで残されたので、千八百三十四人の解明が、そういう解剖があったということが分かったと聞きます。

 今ハンセン病を取り上げましたのは、コロナの感染症でも、大変広い範囲で社会的な差別、偏見、感染症は常に差別と偏見とその感染者の人権の問題を惹起をいたします。私どもは、ハンセン病に学んで、これからの社会を、そういう感染症があってもそういうことのないような社会にしなければなりませんので、その大事な記録、何が起こったかの記録は、今、全国の療養所にあろうかと思います。是非、全国的な調査と、そして保存ということに向けて、大臣のリーダーシップを発揮していただきたいですが、いかがでしょう。

田村国務大臣 状況等々を担当と確認した上で、どのような対応ができるのかということは検討したいというふうに思います。

阿部委員 もちろん今大臣は、現下のコロナの問題を含めて大変お忙しいとは思っております。でも、是非、今、現場にも確認をされて、資料の、要するに記録の保存というのは大変重要だと思いますので、お願いをしたいと思います。

 さて、本来の通告の質問に入らせていただきますが、一問目は、まず、この間、コロナ感染症は新しく出会ったものでございますので、治療薬についてもワクチンについても手探りと言わざるを得ないところがあると思います。その場合に、ワクチン、治療薬は、ベネフィットとリスク、リスク・アンド・ベネフィット管理ですが、特にワクチンとなりますと、健康なときに接種いたしますので、その副反応というものをどう見るかというのは重要な課題だと思います。

 お示しいたしました資料の一枚目、ここは、これまで判明いたしましたCOVID―19ワクチン、コミナティにおけるいわゆる副反応の発生率とされまして、百万回接種当たりに直すと二百五十七、医療機関からの報告の方のみ取り上げさせていただいておりますが、これは、従来、大変副反応が心配されております子宮頸がんワクチン、サーバリックスやガーダシルのそれをはるかに上回る、正直申しまして、サーバリックスやガーダシルの副反応の発生率も大変高うございまして、私ども小児科医はこれを懸念しているところでございますが、それの二、三倍の高い重篤な副反応報告となっております。

 下には、いわゆるアナフィラキシー、血圧が下がるとか呼吸困難が来るとか、場合によってはエピペン、アドレナリン処理をしなければならないような重篤なものもあるということで、これも、百万回接種当たりに直しますと、重篤度レベルで、ブライトン、確からしさレベルと言った方がいいでしょうか、ブライトン分類というのがあって、それでフィルターをかけたとしても八十一件。これは、WHOの報告等々では百万接種に対して二から三と従来言い習わされておりますので、大変に多い副反応率だと思います。

 大臣には、こうした実態があること、私は、だからやめろとか言っているのではなくて、副反応が起こりやすいものであるという認識をお伺いしたいと思います。

田村国務大臣 ワクチンというものは、基本的に副反応は必ずあるものであるというふうに認識しております。

 今委員がおっしゃられたとおり、アナフィラキシーを見ましても、これは審議会に報告された副反応疑いでありますけれども、百万回接種当たり三百十三回ということで、ブライトン分類にかけたとしても百万回当たり八十一ということであります。これがWHO等との比較で高いのではないかという話がありましたが、審議会の方からいただいております評価では、一つは、アナフィラキシーに関してはほとんど軽快をしているということであります。

 それから、メリットとリスクを考えると、それはメリットが上回っているわけでありますが、率からいっても同じような、今、日本の国は医療関係者でやっているわけでありますが、三月上旬にアメリカで同じように医療関係者でやられたそういうコロナワクチンの接種結果、これを分析すると、発生率が同じぐらいであるというようなことを審議会から御評価をいただいておりまして、おおむね今のところメリットがリスクを上回っているので、これに関しては問題がないというふうな御評価をいただいております。

阿部委員 大臣の認識は、アメリカの医療者におけるアナフィラキシー等々の発生率と大差がないのではないかと。これは、何を副反応と捉えるか、捉える体制と、重篤かどうか、すぐ処理できるかどうかがありますので、私はやはり、いずれにしろ、この数値というのは大変高いものと思います。だからといってどうこうではなく、処理できる、処置できる体制を整えなきゃいけないのと、もう一つは、今大臣もおっしゃいましたが、医療者を対象にしました場合は、副反応がある意味で捉えやすい、報告されやすい、分かるからということであります。

 では、今、これから始まろうとする御高齢者の接種やもろもろの接種の中で、どのような副反応疑いのいわゆる調査があろうかということで、二枚目をお開きいただきたいと思いますが、ここに三つの報告パターンがございます。

 先行接種、医療者に対して行われたもの、それから二番目が、右の端が、これから行われます御高齢者について、これは、例えばコミナティの場合は、百万人を対象に二週間ほど経過を報告していただく。それから、真ん中にございますのは、一年かけて先行接種の医療者のその後を報告していただくという体制になっております。

 プラス、ここからが大臣に伺いたいのですが、今回分かったことを含めて中長期の副反応というものが起こり得ますし、あるいは、今回、集団接種いたしますので、普通は、このお医者さんに打ってもらったから、何か変だからこのお医者さんに行こうというような、行く場所が、私に打ってくれたお医者さんは誰というのが分からない、あるいは看護師さんは誰というのが分からない状態が多数発生するわけです。

 このような中で、では、異変がある、何か不安だ、これは副反応かなと思ったときの窓口をどうするのか。これは、PMDA等々にも医師しか報告できませんが、その医師が自分とタグづけされないという中で接種が行われますので、このための窓口はどのようにお考えでしょう。

正林政府参考人 新型コロナワクチン接種後の副反応を疑う症状について被接種者が受診を希望する際は、まずは身近な医療機関を受診していただき、受診した医療機関が専門的な対応が必要であると判断した場合は専門的な医療機関を紹介するというふうにしております。

 このとき、各都道府県において、様々な症状に総合的な対応ができるよう、専門的な医療機関に協力依頼をあらかじめお願いをしていただくことにしています。

 また、普通は、実施主体が市町村ですので、何かお困りのことがあれば市町村にまたお問い合わせすると思いますが、より専門的な内容ということであれば、都道府県にも相談窓口を設けていますので、そちらに御相談いただけたらいいかなと思っています。

 このように、安心して接種を受けられるような体制の構築に努めてまいりたいと思っています。

阿部委員 今おっしゃられた、まずは身近な医療機関とおっしゃいますが、通常は、お医者さんというのは、自分が打ったものについてはかなり慎重に、また丁寧に対応します。でも、自分ではないという場合には、なかなか、そこから手間暇かけてその方の訴えに寄り添うことが現実にはできません。時間の制約もあります。

 是非、先ほどおっしゃった、それでは都道府県にしっかりしたそういう窓口を、まず、その受けたお医者様も、そこに言えば、そこから患者さんというか心配を持った人が受診できるような体制を積極的に整備していただきたい。

 今つらつらおっしゃいましたが、本来は、私は、そういうものが先に、受ける方にもしっかりと伝えられて、そうでないと、今後の自治体の窓口の混乱も含めて、大変懸念をされます。

 大臣に確認をいたしますが、自治体にしっかりとそうした窓口、今、都道府県が、駄目なら県とおっしゃいましたが、県まで一足飛びに行くのは本当に不安なことです、その症状を抱えた方には。

 私がこれを申し上げますのは、子宮頸がんワクチンで様々な異変を感じた方が、実は、どこのお医者様に行っても、自分が打ったのではない、あるいはそれは副反応ではない、精神的だと言われて大変苦しみました。せめて、しっかりとしたここの窓口があって、それは本当は副反応じゃないかもしれません、分からない。でも、安心して受け止められるということが全ての基本になりますので、今の官僚の御答弁を更に補強して、しっかりと受皿をやるんだとおっしゃっていただきたい。どうでしょう。

田村国務大臣 今局長が言ったのは、まず身近なというのは、接種をもしそこでやっておられればそこを、接種したところは、今委員がおっしゃられたとおり、自らが、医師が接種しておりますから、親身に相談に乗っていただくのであろうと思います。

 それから、かかりつけ医という意味からすると、本当にもうふだんからホームドクターのようにかかりつけのお医者様がいればそこは親身にやっていただけると思いますが、そうじゃない場合には、言われるとおり、余り行ったことのない身近な医療機関というのは、適切に対応していただくお医者様もおられますけれども、そうじゃない方も中にはおられるかも分からないということですが、自治体の相談窓口は、基本的にはワクチンの接種をどのような仕組みでやっていくかというようなことの御相談をするのが自治体の相談窓口であって、どこでやっていますかだとかそういうことを聞く話であって、副反応に関してはそこまで専門的知識を持っている方が自治体に、市町村には多分いないと思うんですね。ですから、都道府県に窓口をつくってそういうものに対して対応していただきたいということでございますので、それをより分かりやすくお伝えするようにいたしたいと思います。

阿部委員 私は、今大臣が御答弁されたとおり、そこに不安を覚えます。何度も申しますが、県というのは実は住民にとっては遠い。まして、それが副反応かどうか分からない。何か変、だるい、つらい。そのときに、わざわざ県にまで持っていきません。せめて市町村の窓口。これは、もちろん人を補強していただきたいが、安心した接種体制のために御検討いただきたい、市町村の窓口というものを。単に接種工程を伝えるだけではなくて、トータルにやっていただきたいと思います。

 そして、次の御質問。私は、この間、内閣委員会で、いわゆるワクチン接種に対してマイナンバーをタグづけすることのある意味のリスクと、そして、最もふさわしい方法かどうかということに疑問を持っております。

 マイナンバー、住民台帳にある番号を大きなデータベースに入れて、接種情報、打ったか打たないか以外は見ないということですが、私は逆に副反応などは見た方がいいと思いますし、マイナンバーとして大きなデータボックスをつくれば、当然、流出の危険性、可能性が出てまいります。

 今日藤井副大臣に来ていただいていますが、流出については、大きなデータベースというものをしっかりとミラボが管理する、それから、自治体の職員は、特定の人がそこに、マイナンバー等、予防接種台帳等々、個人が判明、タグづけされるものは管理すると言いますが、どちらにも流出の危険はあろうかと思います。マイナンバーがいろいろな情報とタグづけされている分だけ私はリスクを思いますが、いかがでしょう。

藤井副大臣 お答えいたします。

 本接種記録システムにおける情報連携につきましては、本接種記録システム内のDB間、データベース間で行われるものでありまして、ネットワークを介さないことから、そもそも第三者に情報連携の情報を傍受される脅威が存在せず、また、特定個人情報はマイナンバーと直接はひもづけずに、ほかの識別子を通じて連携させることとしております。

 ワクチン接種記録システムにつきましては、政府機関等の情報セキュリティ対策のための統一基準、サイバーセキュリティ戦略本部決定に準拠して必要なセキュリティー対策を講じることとしております。具体的には、不正アクセスの防止、セキュリティーパッチの適用、脆弱性検査、ログの蓄積、アクセス制御、サプライチェーンリスク対策等のセキュリティー対策を講じることとしております。

 御指摘いただきましたセキュリティー対策はしっかりと進めてまいりたいと思います。

阿部委員 それは表向きの答弁で、それらを理解した上での私の質問です。

 マイナンバーを符号化して他のものに換えてデータベースに入れてあって、そして打った打たないを管理している。この符号化した何か換えたものとマイナンバーの関連は自治体の方しか分からないということですが、この自治体の方しか分からなくて自治体で管理しているところにもいわゆる余分な負荷が加わって、これの流出問題がやはり絶えず懸念されるから、自治体としては極めて慎重になるわけです。

 それから、一方のビッグデータ管理というのは、これは、あり得てはならないけれども、やはりたくさんのものを集めれば集めるほどリスクが増すわけです。一億何千の符号化されたデータがそこには入ります。そもそも、接種したかしないかを確認するのにそういうことが必要なのか。転入したら困るからと言いますが、今までの自治体は転入者に対してもきちんと丁寧にやってきております。

 データというのは、個人がそれを利便性をもってデジタル化されるというところに私はデジタル社会の意味があるのであって、大きな固まりをそこに情報を集めて何か管理しようと思ったときに不測の弊害が起きると思います。

 そこでお尋ねがございますが、今度は田村厚生労働大臣にお願いいたします。

 私は小児科医でありますので、もう予防接種というのは私たちの仕事の今や半分以上になっております。ところが、予防接種は、しょっちゅう組合せが変わったり打つ時期が変わったりして、もう大変な、間違いがあってはいけないという、非常に緊張する中でやってございます。

 それらの記録は母子手帳に、お示しいたしました次のページにあるように、例えば、どのワクチンをいつ打ってロット番号が何であったかを全部母子手帳に貼っていきます。ちなみに、母子手帳というのは、極めて優れたジャパン・オリジンの、日本が世界に誇る、今や五十か国近いところがこれを何らかの形で採用する、母子のデータがそこには詰まっておりまして、また愛情も詰まったものだと思いますが、これを今デジタル化しようといたしております。

 まだ一部で試みているのですが、このデジタル化の意味は、例えば災害とかで母子手帳が流れてしまったりする場合もあるので、紙で持つことはお母さんが管理してとても重要だけれども、もう一つ、デジタル化したものもアクセスできれば更に補強されるだろうということであります。デジタル化した方のモデルが上に書いてあります。

 下を見ていただくと、この特徴は何かというと、個人と、この方には番号をつけますが、マイナンバーではないんですけれども、作った上で、以降はこのナンバーでずっと管理をしていく。ただ、このナンバーが誰であるかは御本人しか分からないという仕組みです。個人情報といわゆるデータを分離しているというところがこの仕組みの何よりのメリットでございます。

 大臣は、もしかして今日初めて聞かれるか、ずっと知っていたか分かりませんけれども、是非、小児の、子供の分野の予防接種管理ということを更に向上させ、そして、いわゆるデータ流出にならない仕組みが今取り組まれようとしているということについての御見解をお願いいたします。

田村国務大臣 母子手帳ですけれども、日本医師会横倉会長が世界医師会長だったときに、やはり世界中でこの日本の母子手帳というものが非常に評価が高いと。特に、紛争地域、難民なんかの方々が、お母さんが子供を連れて逃げられたときに、この母子手帳を持っていることによって、次に逃げたところでいろいろな子供の対応ができるということで、何を置いていっても母子手帳だけは持って逃げたというような、そんなお話を勉強会でお聞きをいたしました。そういう意味では、日本発の非常にすばらしい制度だというふうに思います。

 予防接種は、これは予防接種台帳で各自治体で管理いただきますけれども、一方で母子手帳でも管理いただいているわけでありまして、これをアプリという形でやられるんですかね、電子的に管理されるということ、これは非常に興味深い取組だなというふうに思います。多分民間でやられているんだろうとは思うんですけれども、すばらしい取組でありますので、我々も勉強したいというふうに思います。

阿部委員 ありがとうございます。

 藤井副大臣には、私は、マイナンバーではなくて、予防接種番号でいいですから、そういうもので、これから実は、コロナのワクチンも毎年毎年多分接種することになると思います、インフルがそうであるように。となると、マイナンバーだといろいろなものがタグづけされざるを得ないリスクがあります。予防接種管理について、よく厚労省とも御検討の上、今日私が御紹介したような仕組みについても御検討いただけたらと思いますが、いかがでしょう。

藤井副大臣 先ほど御指摘いただきました母子手帳のデジタル化、そういった、お一人お一人に便利になる、役に立つ、かつ個人情報はしっかりと保護しながらというのは、非常に大切な取組だと思っております。

 今回の、要はVRSにつきましては、情報提供ネットワークシステムにおける情報連携においては、マイナンバーを個人を特定する識別子として用いず、機関ごとに個人を特定する識別子を作成し、情報連携を行っております。これは、万が一、情報提供ネットワークシステムにおける情報連携の情報が第三者に傍受された場合であっても、芋づる式に特定個人情報が漏えいすることを防止するためということでございます。

 いずれにいたしましても、本接種記録システムにおいても、情報漏えいの危険が生じないよう、情報提供ネットワークシステムにおける対策を考慮した上で、安全管理措置を講じることとしております。

阿部委員 おっしゃったように、マイナンバーも符号化されていて、接種歴しか、打ったか打たないかしか取れないということは存じています。

 その一方で、母子手帳におけるナンバー管理のharmoケアと申しますが、これは、例えば、あるロットに問題があったら、それを打った人が誰かというのが逆に探れたり、あるいは副反応もそこに入れ込めたりという仕組みで、もうずっとこのワクチン行政は副反応とのある種の戦い、それをきちんと把握することで安心感をメッセージできる、あるいは、次に打つべき時期をこっちからプッシュ型で言うことができるということです。

 田村大臣がおっしゃったように、世界に誇る我が国の物すごい財産で、それをまた新たにデジタル化して予防接種の仕組みとして世界に普及させるというのはとても大事だと思いますので、両省御協議の上、よろしくお願いしたいと思います。

 引き続いて、COVID―19のいわゆる長期後遺症、長期予後と申しますが、これについて少しお伺いいたしますが、COVID―19は、昨年の一月、神奈川県に上陸をいたしまして、一例目はとてもうまく管理はできたわけですが、その後、一年ちょっとたちまして、様々な病状、特に、長期症状とか、随伴症状とか、遷延する症状とか、いわゆる後遺症、これはロングコビッドという言い方をいたしまして、イギリスの国立衛生研究所の研究報告によれば、肺と心臓への恒久的な臓器障害、呼吸がずっと十分できない、あるいは集中治療室に置かれた後の後遺症、さらに、ウイルス感染後の慢性疲労症候群のようなもの、これはもう大変大きな問題になっております。そして、COVID―19のその症状がずっと続いちゃうという人もあって、多種多様であります。

 そこで、大臣にはお伺いいたしますが、こういうことを日本においても解明をしていかなければならなくて、今、三つの研究班が走っております。開いていただきまして、COVIDによる後遺症の主な症状、倦怠感、気分の落ち込み、思考力の低下は八二%、頭痛、息苦しさ、体の痛み。下には、今ある調査研究班がございます。私は、是非、いわゆる慢性疲労症候群、あるいは筋痛性脳脊髄炎、これも世界で指摘されておりますので、日本においてもCOVID―19とこれらを結びつけて研究をしていただきたいが、いかがでしょう。

田村国務大臣 この後遺症はいまだ分からないことが多いわけでありますが、日本は元々欧米と比べると感染者数が少ないので、余計にこの後遺症自体も分かりづらいということがあるんだと思います。

 NCGMなんかでも、入院されていた患者の方々に電話調査等々をして、どういう症状があったかということを確認しているような、そんな調査もありますが、言われるとおり、日本では私が知っている限り三つの研究が今進んでいる、昨年度からやっていただいております。

 高知県はどちらかというと呼吸器でありますし、慶応大学は今言われたような頻度でありますとか期間、それからどういうような後遺症なのか、それから、金沢医大が嗅覚、味覚であったというふうに思います。

 そういう意味からいたしますと、一番近いのは慶応での研究が近いのかなと思いますが、筋痛性脳脊髄炎を始め、言うなれば、なかなか分からないといいますか、原因が分からないようなそういう症状の難病といいますか、難しい疾患というもの、原因不明のものも含めて、こういうような影響というものがもしかしたらこのCOVIDの後遺症から間接的に原因が分かってくることもあり得るのかも分かりません。

 いずれにいたしましても、こういう研究をしっかりと我々も注視させていただきながら、研究の成果が出てまいりましたら、そういうものを使って国民の皆様方に広く啓発をさせていただきたいと思いますし、治療法がもし開発できるのであるならば、それはいろいろな方々、もしかしたらCOVID―19での後遺症だけじゃなくて、同じような症状を持っている方々に対しても朗報になるかも分かりませんので、しっかり我々としてはアンテナを高くして注視してまいりたいというふうに思っております。

    〔委員長退席、橋本委員長代理着席〕

阿部委員 大変前向きな御答弁、ありがとうございます。

 実は、この慢性疲労症候群あるいは筋痛性脳脊髄炎等々の症状は、いわゆる子宮頸がんワクチンにおいて少女たちが訴えているもので、ただ、これはすごく不幸な経緯を取っておりまして、ワクチンか反ワクチンかみたいな論議ばかりで、長期に物を見るという仕組みがないのと、やはり研究がない。神経免疫系の異常ですから、今大臣がおっしゃったように広く研究されて、それに悩む皆さんに朗報になることを祈っております。

 続いて、今度はコロナの労災問題で少しお尋ねをいたしますが、コロナがこういう多彩な症状を示す中には、不安障害とか睡眠障害などの精神障害の発症というものもかなり広く指摘されております。これを普通の通常の呼吸器の症状で労災申請をしていた方が精神科に受診したら、その途端にコロナの休業補償を止められてしまった。すなわち、精神疾患とかそういうものの違うジャンルじゃないかと思われたんだと思いますが、私は、多様な症状を示す、特に精神疾患もかなり惹起しておりますので、これについては幅広い救済、そして、途中でそれが中断されることのないような補償を求めます。

 それで、今日は幾つかをまとめて吉永労基局長にお伺いしますが、精神疾患で、コロナ精神疾患ということで、今、労災認定は何人くらいおありでしょう。

吉永政府参考人 お答え申し上げます。

 新型コロナウイルス感染症にかかった方で精神障害を発病された方、これは、直接の後遺症というよりは、コロナの感染症にかかったことによりまして、職場で、様々な人間関係等々ということも含めてということになりますけれども、その精神障害につきまして労災認定がなされたものにつきましては、令和三年三月末時点で二件となってございます。

阿部委員 今、局長も御答弁のように、そこには差別も加わりますし、居場所のなさも加わってまいります。ただ、その一方で、やはり、かなり多くの抑うつ気分とか、あるいは、お示ししましたように脳内の病変も指摘をされておりますので、これは今後丹念に精神障害についてはフォローをして、そして、今局長おっしゃいましたが、幅広い救済ということに向けて取り組んでいただきたいですが、大臣、いかがでしょう。

田村国務大臣 今話がありましたとおり、まずは、幅広いといいますか、対応できるものはしっかり対応をさせていただきたいというふうに思います。

阿部委員 元々、労災と申しますのは労働災害でありまして、その職に従事したがゆえに患ったもの、そして、付随するものはどんなものでも出てまいりますけれども、特にこのコロナの場合に着目していただきたい精神障害ということは今後の十分私は検討課題だし、その検討している間、補償をやめちゃうんじゃなくて、検討している間は生活保障してもらわないと労働者は報われませんので、この点について、吉永局長、お願いします。

吉永政府参考人 お答え申し上げます。

 個別の事案につきまして内容をつぶさに申し上げることはできませんけれども、一般に、労災保険給付によります療養補償あるいは休業補償につきましては、その請求に基づきまして支払われるものでございまして、請求ごとに支給の可否を判断しているところでございます。

 このため、既に労災保険により支給が認められたものにつきましても、当初の疾病と名称が異なる疾病になってしまった場合、あるいは治療内容が大きく変更されてしまった場合、また、療養期間が長くなり症状が安定したと認められるものにつきましては、改めて支給の可否を判断する必要がございますので、支給決定までに時間を要する場合がございます。

 支給決定までに時間を要する場合につきましては、その旨を御連絡するというのが通常の取扱いとなってございます。

 一般論として、これも改めて申し上げますけれども、例えば、新型コロナウイルス感染症療養中の方が心療内科に受診をされた場合につきましても、治療内容は様々でございますので、請求ごとに主治医等に医学的知見を聞いた上で判断することとなるものでございます。

 いずれにいたしましても、委員御懸念の事態にならないように、被災労働者の救済のため、迅速、公正な労災保険給付に努めてまいりたいと考えてございます。

阿部委員 私が御相談を受けたケースは、心療内科に行った途端に休業補償が切られちゃって、これから審査といって四か月かかってしまったと。そうすると、患者さんたちは、じゃ、何か精神科は受診しない方が、患者さんというか、労災を求める方は、しない方がいいんじゃないかと思ってしまわれて、結局、症状を悪化させてしまいます。私はそれが懸念されたので今局長にお伺いいたしましたが、その間も、休業補償等々、審査中であれば当然絶やすことはないんだと思いますから、よろしくお願いをしたいと思います。

 最後の質問に移らせていただきますが、実は、この質問をしたいがために、ずっと中島理事にはお願いをしていた案件でございます。

 皆様のお手元に、漫画というか絵がございます。これは何の絵かというと、合成の香料のジアセチルというものの製造工場で働いていた二十歳代の女性が、いわゆる閉塞性肺疾患に罹患をいたしました。二〇一五年から働いて三年弱のところで、二十代で閉塞性肺疾患、ないことであります。苦しい、特に、終わりの六か月、一年弱ほどには症状が悪化して、もう働けないくらいになった。それで、一体自分に何が起きたんだろうといろいろ探してみたら、二〇〇〇年代の前半頃、既にアメリカでは、このジアセチル等々の香料の製造過程において閉塞性の肺疾患が起こるという報告があって、自分もこれじゃないかというふうに思って労災申請をされたケースです。

 どんな労働作業環境であったかを御自分で絵に描いて持ってこられました。それがこの絵であります。大変絵の上手な方でありますが、例えば、一番目の湯煎、香料をアルコールで溶いてお湯の温度を上げてかき回すんですけれども、このときたくさんの香料を吸い込んでしまいます。この溶かす過程から、ほかの調合をして、そして瓶に詰めて、最後、タンクで包装するんですけれども、実は、この大きなタンクの清掃もこの女性たちがやっていた。清掃工程は当然蒸気むんむんですし、香料は揮発性ですし、吸い込んでしまう。

 彼女は、この自分の一連の作業工程を自分で分析して、そして、もちろん労災の申請をして、支援する皆さんもありましたけれども、日本で初めてのジアセチルの労災として認められました。二十歳代の女性がここまでやるというのは、私は本当に、このお話を聞いたとき、涙が出そうになりました。でも、それからずっと、いわゆる就労はできない状態であります。

 そこで、お願いがありますが、再びこういう事態が起こらないように、それが彼女の何よりの願いですので、ジアセチルを扱う関連業界に対して注意喚起を是非していただきたい。特に、揮発、蒸発しますので、この方は、マスクも通常のマスクで、当然、吸入してしまうようなものだった、それから作業環境の換気もほとんどなかったということでありますので、私は、同様な環境で働く人がほかにもたくさんおられて、それが彼女のような経過をたどらないように、まず局長には、このことの注意喚起ですね、こういうことが起きましたということと、それから、同じような症状の方がいないかどうかの調査を行っていただきたいが、どうでしょう。

    〔橋本委員長代理退席、委員長着席〕

吉永政府参考人 お答え申し上げます。

 ジアセチルに関しましては、阿部先生より従前より御指摘いただいているところでございますけれども、先生御指摘のとおり、ジアセチルに基づきます労災認定事案というものが生じたことでございます。

 ただ、ジアセチルにつきましては、疾病との医学的な因果関係というものが必ずしも十分分かっていないという状況でございます。

 こうした中でございますけれども、私どもといたしましては、同様の事案が生じたときに問題のないような形で、改めて労働局あるいは労働基準監督署などに事案の適正な処理につきまして徹底してまいりたいというふうに考えているところでございます。

 また、ジアセチルにつきましては、現在、労働安全衛生法に基づきまして、ラベルの表示でありますとか、化学物質の危険有害性情報を記載いたしました安全データシートの交付、また、リスクアセスメント実施につきまして義務づけが行われたところでございます。

 これらにつきましては、業界団体に対しまして周知徹底を図っておるところでございまして、こうしたことを更に徹底していくことを通じまして、ジアセチルによります健康障害を防止するための取組を一層加速してまいりたいというふうに考えているところでございます。

阿部委員 恐縮です。大臣に一言だけ確認です。

 私は、この事案を見ると、アスベストが当初問題になったときととても似ていると思います。最初は一例から、そして、因果が分からないと言われて拡大をしていきました。

 今、局長も御答弁いただきましたが、是非そういう観点で広く、これは実は電子たばこの香料にも使われております。だからといって、電子たばこで閉塞性になると言っているのではありません。でも、香料は広く使われ、それの製造に関わるところの問題で他にも同じような事案がないかどうか、是非御検討、調査をお願いしたいです。一言。

とかしき委員長 田村厚生労働大臣、申合せの時間が経過しておりますので、御協力をお願いします。

田村国務大臣 どういうことができるのか、検討いたします。

阿部委員 ありがとうございます。

 終わらせていただきます。

とかしき委員長 次に、山井和則君。

山井委員 質疑の時間をいただきまして、ありがとうございます。正午ぐらいまで質問をさせていただきたいと思います。

 また、大変お忙しい中、尾身分科会長にもお越しをいただきまして、大変ありがとうございます。(発言する者あり)

とかしき委員長 また理事会で話しますので。済みません。

山井委員 分かりました。どうも済みません。いいです、いいです。ちょっと、何を言われたのか聞こえなかったので。どうも済みませんでした。

 それで、東京でも変異株が拡大しているということで、例えば、この変異株の割合が東京で増える中で、大阪の調査では、重症化の率が、三月中旬では五%だったところが、結局、六倍の三〇%の方が重症化していると。非常にこれは重症化のリスクが高まっているんですね。感染のリスクは高い、重症化はしやすい。重症化しやすいということは、致死率が高いということにもなるのではないかと思います。昨日も、新しいステージに入っている、新しい局面に入っているということを尾身会長がおっしゃったということを聞いております。

 前回の私との質疑で、配付資料三ページを見ていただきたいんですけれども、第三波、死者七千四百人、高齢者施設の感染、二波までの約五倍と。これは第三波の話で、今、第四波が来ているんではないかということです。

 前回の質疑の中で、尾身会長には、第四波は第三波よりも感染者が増えるんではないか、そういう答弁もいただきました。

 ついては、本当に、変異株、私は深刻だと思っております。相当危機感を持たないとこれは大変なことになると思います。

 そこでお聞きしたいんですが、第三波は死者七千四百人ということでしたが、もし第四波ということが今後拡大したら、死者は七千四百人以上、あるいは一万人以上になる、そういう危険性、可能性について、尾身会長、いかが思われますでしょうか。

尾身参考人 委員おっしゃるように、変異株がだんだんと首都圏にも多くなっていますので、一部ではやはり重症化にも少し、この変異株というのは既存株より強いものがあるということを考えると、最悪の場合は、感染者も、それから重症化する方も多くなる可能性というのは当然あり得るので、そうならないように、しっかりした危機感を持ってこれから対策を取っていく必要があると思います。

山井委員 あえてお聞きしますが、感染者、重症者が増える可能性があるということは、死者の数も、この七千四百人よりは増える可能性があるということですか。

尾身参考人 もちろん、一定の死亡者は当然出るということもあり得るんだと思います。

山井委員 そういう中で、東京都の蔓延防止策が決まりますが、私は、これは遅過ぎたんではないかなと思うんですね。これは非常に、なぜかというと、変異株じゃなかったらここまで私も言いませんけれども、変異株は感染力も重症化率も高いですし、釈迦に説法ですけれども、一旦入院したら長期入院になる傾向がある。その傾向はもう大阪で明らかなんですね。その明らかに大阪で蔓延しているものが、先ほども言いましたように、東京でどんどんどんどん増えてきているわけであります。

 そこで、尾身会長にお伺いしたいと思いますが、東京都の蔓延防止措置、やはり少し遅過ぎたんじゃないでしょうか。

尾身参考人 この重点措置とか緊急事態宣言の、出す時期については当然いろんな意見があって、この日とか、そう言うことはなかなか難しいと思います。

 しかし、私は先日の国会でも申し上げましたように、東京都の場合は、今、変異株のことは当然、東京都でも問題があります。それと、やはり東京がほかのところと随分違うのは、東京の特殊性というのは前から申し上げましたけれども、感染のいろんな疫学情報を見てみますと、いわゆる今週先週比というのがありますよね。これが実は東京は三週間以上連続して高くなっているという状況があります。それから、クラスターが多様化しているというのもあるし、それから、東京の人流ですよね、夜も含めた歓楽街の夜間の人口、人流というのはやはり多い。

 夜間の滞留人口が多いと、それに二、三週間のタイムラグがあって、かなり感染が増加するといういろんなデータもありますので、そういう意味で、私は、このタイミングは、これ以上遅いということはあり得ない、今出すというのは適切だと思いますし、これ以上前に出せるかどうか、そういう議論はあったと思いますけれども、これ以上延ばす、遅らすというチョイスは全くないと思います。

山井委員 いや、大阪のときもそうなんですけれども、尾身会長が出すべきだと言ったのに、政府がちゅうちょして一週間遅れた。私は、この一週間はかなり後手後手になったと思います。蔓延防止措置というのは先手先手で出すものなのに、今、尾身会長おっしゃったように、議論して議論して議論して、もうこれ以上待てない、もうこれはピンチだ、そこまで来て出すんであれば、それはもう蔓延防止措置というよりは緊急事態宣言になりかねないと私は思います。

 そういう意味では、このタイミング、私は遅かったんではないかと思いますし、何よりも、三月二十一日の解除、その際に、蓮舫参議院議員が菅総理に対して、緊急事態宣言を解除して本当に大丈夫なんでしょうかということを聞いたのに対して、菅総理は、そこは大丈夫だと思っている、こう答弁されているんですね。

 でも、本当だったら、一日百とか二百に新規の感染者が下がってから解除すべきところを、例えば三月十九日の時点では約三百人感染者がおられた。そういう段階で解除をして、結局、尾身会長、今リバウンドが来ているんじゃないんですか。

 私はなぜこういう質問をするのかというと、済んだことはいいじゃないか、そういう考え方もあるかもしれませんけれども、そんな軽い話じゃないと思いますよ。総理大臣が、多くの国民や多くの議員から、解除が早過ぎるんじゃないのか、リバウンドするんじゃないんですかと聞いていて、そこは大丈夫だと思っていると。

 尾身会長、やはりあの解除が早過ぎたんじゃないんですか。いかがですか。

尾身参考人 これは先ほど申しましたように、緊急事態宣言というものはなるべくそんなに長く出したくないという思いがあってああいう結果になって、我々はそのときは、これは政府がそういうことで、了承を基本的にはしましたけれども、むしろ、リバウンドというのは、緊急事態宣言を一週間遅くしようが早くしようが必ず出てくるというのが我々の認識です。

 したがって、緊急事態宣言や重点措置の、いつ解除するかということは非常に重要ですけれども、それと同時に、あるいはそれ以上と言ってもいいかもしれませんけれども、リバウンドが起きる、起きても、いわゆる非常に少ないレベルというか安定したレベルでいいですけれども、これが大きな山になるということがある、そういうことが分かったらすぐに打つという、そこが物すごく重要で、しかも、今委員がおっしゃるように、感染力も高くなっている、ほぼ間違いないと思いますが。そうであればなおさら、解除した後にまた、少しは安定しますけれども、またすぐ上がるという傾向がある程度分かってきた場合には、この重点措置というのは、緊急事態宣言と違って、なるべく機動的に先手を打ってやるというのがそもそもの考えですから。

 私は、これからも、今日議論がありました、三県が加わりましたけれども、これがまさに加わったのは、諮問委員会で了承して、最終的には対策本部、夕方やるので決まる可能性があると思いますけれども、ほかの都道府県もこういうことが当然あるわけですから、非常に機動的にやるという、先手を打ってやるということ。

 それから、一つ分科会として、昨日、大事な決定というか合意がありまして、分科会は、実は、それまで、去年の段階ですよね、八月にステージの考えを出したときには、あのステージの考えというのは分科会が作った設計図ですので、判断については分科会は何も言うべきではないというのが、この前の、去年の八月の、そういうたてつけでしたけれども、昨日の分科会で正式に、これからプロフェッショナル集団として、当然、緊急事態宣言や重点措置というのは国や自治体が、選挙で選ばれた人たちが決めるわけですけれども、今回は、分科会も、プロフェッショナル集団として、判断については、我々の判断を公表するということに決まりましたので、昨日。

 これからの新しいものには、我々としても、必要があれば我々の意見を政府や自治体の決定の前に申し上げるということはしようと思っております。

山井委員 それは大事なことだと思います。

 やはり様々な政治的配慮で、結果的に後手後手になってしまっているという部分があると思うんですね。今回の東京都の蔓延防止措置も、やはりこれは先手だと思う方はいないと思いますよ。もう変異株が入ってきて、どんどんどんどん増えていく、増えていくと分かっていて、今日に至ったわけです。

 それで、尾身会長、東京は蔓延防止措置が決まりましたけれども、どういう状況になれば緊急事態宣言に切り替えていきますか。といいますのは、私たちの認識では、感染が拡大する前の段階では蔓延防止措置だけれども、感染がかなり蔓延したら、もうこれは緊急事態宣言に切り替えざるを得ないというふうに思うんです。

 このまま蔓延防止措置だけで東京が終わるようには私は思えません。東京オリンピックのこともあるのかもしれませんが、判断が遅れて結果的にコロナが長引けば、経済的な打撃ははるかにその方が大きいんです。経済を守るためにも判断を後手後手にすべきではないと思います。ですから、様子を見ている間に後手後手になってきているんですよ、今までの過去、政府の取組は。だから言っているんです。

 尾身会長、今、蔓延防止措置が東京は始まりました。じゃ、どういう状況になれば緊急事態宣言に切り替えますか。

尾身参考人 どのような状況になったら緊急事態宣言に変えるかという委員の御質問の前に、私は、緊急事態宣言であろうが蔓延防止重点措置であろうが、この非常に重要な時期に差しかかっている今、一体何をやるべきかというのが物すごく重要で、それには一体何でこれが起きているのかという原因を分析しないといけないと思います。

 東京都についても、私は、やや一般論的に言いますと、今何が起きているかというと、いわゆるウイルスの密度と言ったらいいかもしれませんが、そういうものが去年に比べて圧倒的に高くなっています。したがって、何をやるべきかというのは、飲食店の時短ということはこれからも必要だと思います。しかし、私が強調させていただきたいのは、それはやるべきことの一つであって、それ以外に幾つか非常に重要なことがあります。

 最も強調させていただきたいことは、今は、いわゆる我々が去年ずっと三密というようなことを言っていましたけれども、今、いろんな場所でいろんな人が動いて、我々は、いわゆるデパートで普通に買物してうつることは、ほとんどそのリスクはないと思いますけれども、実は、今分かっていることは、いろんな場所で、あるショッピングセンターで何かセレモニーがあるとか、個々のことはともかく、もう今日はあれしませんけれども、人が一瞬、ディスタンスが非常に縮まって、グループが、このことが今いろんなところで起きている、飲食店以外に。

 そうすると、何を一番、今、これは緊急事態宣言であろうが重点措置であろうが、人と人の接触をなるべく避けるという、例の三密、ディスタンスですよね、これが非常に重要になっている。これは飲食店でのマスク会食が必要だということと別ではなくて、それに加えて、その間隔ということが、実は国や知事に、県民あるいは都民に今回重点措置という措置を出すときにこのことをしっかり言ってくれないと、これは緊急事態宣言を出そうが、重点措置でも一緒です。もう新しいフェーズに入ったので、人々の行動自体が変わらない限り、ますます。

 その前提としては、私は、政府と自治体が、やはり今までどおりでは駄目で、例えば重点検査というのがありますよね、高齢者施設での。これなんかももっと真剣に汗をかいてやるという姿勢を示さない限り駄目なので、そういう意味では、私は、いつ緊急事態宣言に、解除するとかというよりも、今回、恐らく今日の対策本部でこの重点措置が決まる。これを、重点措置か緊急事態宣言かよりも、何が今必要なのかということを、しっかりと国及び知事が市民、都民、国民に訴えてやってもらう。だけれども、そのためには、国や自治体が今まで以上に、言葉だけではもう通じませんから、アクションが必要なので、それを是非やっていただきたいと思います。

山井委員 いや、尾身会長、申し訳ないんですけれども、やはり私の質問に答えていただきたいんですね。緊急事態宣言を出す可能性は、当然東京もあるわけでしょう。どういう状況だったら出すんですか。

 私は、心配しているのは、何か今の発言を聞いていたら、もう永遠に出さないんですか、何があっても。いや、国民にとっては大きな違いですよ。蔓延防止措置、ああ、緊急事態宣言じゃないんだ、まだ大丈夫だと思いますよ、多くの国民は、当然。

 ちょっと言葉尻を捉えるようで申し訳ないけれども、緊急事態宣言でも蔓延防止措置でもやるべきことは一緒だとおっしゃるけれども、全く私はそう思いませんよ。国民にとっての最大のメッセージは、時短がどうだ、リモートワークがどうかよりも、緊急事態宣言か蔓延防止措置かというのは非常に大きいですよ。そこで判断するんですよ。これは重要ですよ。そこは似たようなものだということにはなりませんよ、それは。

 尾身会長、だから、ちょっと失礼なことを言ったかもしれませんけれども、お答えいただきたいのは、緊急事態宣言、東京になるのは、どういうふうな状況になったらなるんですか。

尾身参考人 緊急事態宣言を出す可能性は、私はあると思います。出す条件というのは、一言で言えば、今の東京の状況はステージ3になって、まだ4には少し、のところまではいっていませんけれども、いわゆる重点措置が効果がなくて、都民がなかなか知事あるいは国の要請に応えられなくて、インパクトがない。そのことはいろんな指標で分かりますけれども、恐らく、一番すぐに分かるのは夜間の人流です。このことがちっとも減らないというようなことが続けば、恐らく、どんどんどんどん感染は上がって、ステージ4に近づくようになる可能性はありますね。そうなった場合には緊急事態宣言というのを考慮するというのは、私は当然だと思います。

 そうならないように努力すべきだということを申し上げた。可能性としては、最悪のことを考えるのが危機管理の要諦ですから、ステージ4ということが視野に入ってきたら、当然、検討すべきだと思います。

山井委員 おっしゃるとおりで、この配付資料にも、ステージ4、緊急事態宣言となっているんですね。ということは、これは非常に大事なことです、当たり前のことだけれども、再確認します。

 ステージ4になると、緊急事態宣言なんです。今、そういう答弁でした。ということは、例えば、東京都の公表した新規感染者数の試算では、一・五倍、今後、感染者が一週間で五〇%増加した場合は四月下旬に千人を超える、二〇%ずつの場合は五月中旬に千人を超える、一〇%ずつだったら六月中旬に千人を超える。しかし、変異株が関西から入ってきますから、ドライブがかかっていく危険性があると思うんですね、ドライブ。

 東京、一日千人を超えたら、やはりこれは緊急事態宣言の可能性は出てきますか、尾身会長。

尾身参考人 数を正確に何千、何百人になったらということは、なかなか私は言うことは難しいと思いますけれども、結局、このことは二つのファクターを考える必要があると思います。

 感染が拡大するということを想定しているわけですけれども、そのスピードと、それから医療供給体制のバランスで、今、各都道府県、一生懸命、医療供給体制を強化しようと頑張っていますけれども、これは頑張っても限度があります。これは民間の医療機関にもやってもらおうとかということで今一生懸命頑張っていますけれども、あるいは大学病院もそうですけれども、これはある程度私は伸び代があると思いますけれども、それは無尽蔵にはあり得ないので。

 そういう意味では、感染の拡大のスピードというものが、最大限の、マキシマムのベッド確保のところに、ここをもう突き抜けてしまうような状況になったらば、そこにいく前の何週間前に対策を打たなければまたぞろ同じことが起きますから、そういう意味では、非常に厳しい判断を私はする必要が出てくると思いますので、しかも、今、変異株の問題があるので、これはかなりクリティカルな状況に我々は入っているという認識は、国民全員が持つべきだと思っています。

山井委員 東京都の試算によると、千人を超える可能性が高いということなんですね。

 そういう中で、念のために言いますが、私たちも経済は非常に重要だと思っています。でも、後手後手になってコロナが長引いた方が、経済的損失ははるかに大きいんですね。だから先手で強い措置を打つべきだというふうに私たちは考えています。

 そこで、これは大阪のときにもお聞きしたんですけれども、もちろん、こういう蔓延防止措置とかの効果というのは、普通に考えたら結果が出るのは二週間後ですよね、はっきり言って。ただ、二週間後まで待てないと思うんですよ。今、尾身会長おっしゃったように、蔓延防止措置が東京で始まった、二週間の結果を見たらどんどん増え続けていた、これでは効きません、緊急事態宣言あるいは蔓延防止措置をもう一か月延長します、もうそんな後手後手の対応はできないと思うんです。

 そこで、私からの提案なんですが、尾身会長もおっしゃったように、二週間待つことなく、先ほどおっしゃった夜間の人流ですね、夜間の人流が増えたら、残念ながら感染が一テンポ遅れて拡大するのはほぼ確実なわけですし、それに、変異株で今、加速度もかかっているということで、二週間を待たずして、夜間の人流を見る中で、これは蔓延防止措置、それほど東京で効いていないなということが分かれば、やはり緊急事態宣言というものも選択肢に入ってくるんではないかと思いますが、会長、いかがでしょうか。

尾身参考人 その他のいろんな指標がありますよね。疫学情報のPCRの陽性率だとか先週今週比だとか、あるいは年齢別の、若い人が多いのか、そういうようないろんなことを今我々考えているわけですけれども、一番直接的に早く分かるのは夜間の人流だと思います。

 そういう意味で、今回、今日夕方、東京都のことが対策本部で決まって始まりますよね。そして、始まって、かなり強い危機意識でいろいろ知事や総理や大臣が言っていただいて、それにどう都民が反応するかというのは、非常に重要な、今、コロナ疲れというようなことがあって、みんなもう今の段階ではなるべく普通の生活に戻りたい。今、特に年末年始、年末のあれですよね、そういうことで、新入社員が出張したり、いろんなことがあるので、そういう中での話ですから。

 今回の場合は、政府のあれは、五月の十一日まで、連休までとにかくカバーしようと、東京都の場合はですね。そういうことで、何とか委員が懸念されたようなことを防ごうという意図だと思います。しかし、それがうまく功を奏さない、これはそんなに長く見る必要がないと思います。ある程度、この重点措置がインパクトがないかあるのかというのは比較的早く分かって、そういうときには我々はプロとしての意見を申し上げるという気持ちでおります。

山井委員 そこは是非急いでいただきたいと思います。

 何でこんなことを言うかというと、一月の緊急事態宣言も遅過ぎた、その結果、菅総理は一か月で減りますと言って、二か月以上かかったんですよ。それが今までの現状なんですね。今回も同じようになって、蔓延防止措置はあったけれども効かなかった、五月の連休が明けても蔓延防止措置が解除できない、結局は緊急事態宣言だと、後手後手後手になるような気がしてならないんですよ。変異株も来ているわけですから、これは。そこを私たちは心配しているわけで。

 そう考えたら、少し大阪の話に移りますが、大阪は昨日、九百五人でした。そして、今の人流、減ってはいますけれども、まだまだ、まあまあ多いです。そういう状況では、そろそろ大阪も、緊急事態宣言、もうステージ4に、この二ページにもありますが、多くの指標で近づいてきています、大阪は。変異株の割合ももう七割以上。緊急事態宣言というものを検討すべきじゃないですか、大阪は。いかがですか。

尾身参考人 大阪の場合は、私は、かなり強い対策を打っていただいているので、今、その強い対策の効果が二週間後ぐらいに出てくると思いますが、出てきても、感染はそんな急には下がりませんから、どんどんどんどん、感染は当分続いていきます。そのスピードが、実は今、大阪でいろいろな対策を打って、医療のキャパシティーを増やそうと。これが今、本当に増やしたキャパシティーでその感染の拡大を吸収できるかどうかということが、非常に私は、今委員のおっしゃる緊急事態宣言を出すかどうかの判断だと思います。

 そういう意味で、つい最近出したばかりで、これが本当に、先ほどから言っている人流に、人流という意味は、つまり、人々の接触の機会がどのぐらい減るかによって、ちっとも減らない、あるいは思ったように減らないということであれば、当然、気がついたときには遅過ぎるということがあり得る。それが委員心配されていることで、それは我々もそう思いますので、早めにこの判断をする時期が来るのではないかと私は思います。

山井委員 田村大臣に質問する前に、もう一問ちょっと尾身会長に聞きたいんですけれども、先ほど、自粛疲れ、コロナ疲れという言葉がありました。それで、様々な取組を自治体も国もやるべきだと。

 私は、今までからも議論しているんですけれども、一つは、この後、田村大臣にも要望しますけれども、やはり、生活困窮者の方々約三千万人への十万円の給付金とか、あるいは、困っている飲食店のみならず、もう日本中のお商売の方、中小企業が苦しんでいるわけですから、二回目の持続化給付金、これを七兆円規模でやるべきと私たちも今、法案も出しております。

 やはり、そういう経済的な個人や事業者への支援、経済的な支援や補償とセットで自粛をお願いしない限り、経済的支援はほとんどやりません、補正予算もめどが立ちません、自粛してくださいと言ったって、それは私は国民は聞かないと思いますよ、政府もやるべきことはあるんじゃないか、国民に我慢我慢ばかり言うなと。自殺者も増えている、コロナ解雇も十万人に増えた、それに対して十分なことをせずに自粛自粛では、これは本当にもたないと思うんです。

 そこで、尾身会長にお聞きしたいのは、こういう、今から変異株と戦う、私たちが自粛なり行動変容をしないと駄目な中で、やはりそこは経済的な支援とセットでないと国民も従わない、そういうふうに思われませんか。いかがですか。

尾身参考人 一般も、このコロナで、日本の多くの人、ほとんど全ての人がいろんな苦しみを味わいましたよね。経済的な苦しみを味わっている人が多いと思います。そういう意味では、私は、分科会でも政府にはきめの細かい経済的な支援もお願いして、政府の方でもいろんなことをされて、随分、今回も、例えば飲食店に対しても規模によって少し柔軟にするとか、いろいろやっていただいていると思います。

 更に努力が必要だというのは、私はそう思います。経済支援が一つの、いわゆる感染対策だけじゃなくて、それが人々の納得感というものを得る、協力を得るために必要だというのは、私もそう思います。

山井委員 本当に、今、尾身会長がおっしゃったように、納得感なんですね。

 もう国民もたまったものじゃないし、生活は苦しくなるし、いろいろ話を聞いたら、大学を中退した、一日二食しか食べられない、一食しか食べられない、生理用品が買えない、国民はもう本当に苦しんでいるんです。それに対して、上から目線で自粛自粛だけでは無理で、その代わりこういう支援をやりますということが必要で、そこで、田村大臣にお聞きしたいんですけれども。

 田村大臣には子ども貧困議連の会長として頑張っていただいて、この度も低所得の家庭への給付金、一人五万円をやっていただくのは非常に感謝をしておりますものの、先週もお願いしましたように、二人親家庭が、どういう要件の人が五万円が出るのかがまだ決まっておりませんから、当然、いつまでに支給されるかも分かっておりません。

 今、四月ですけれども、せめて夏までには、低所得の二人親家庭のお子さんにも五万円は出しますと。一人親家庭は五万円、五月までというのは聞きました。一人親家庭は五月まで、二人親家庭も本来なら五月までなんですよ。そこを、私も千歩譲って、めどが立たないと田村大臣が先週おっしゃったから千歩譲って、せめて夏までには五万円出しますということをこの場で約束していただけませんか。

 尾身先生はお帰りください。どうもありがとうございました。大変ありがとうございました。お忙しいところ。

とかしき委員長 尾身先生、御退席をお願いします。

田村国務大臣 経済というのは非常に重要な部分で、日々の生活を守るためのいろんな対応をしなければならないということで、今般、閣僚会議等々で決定をさせていただいたわけであります。

 ただ、一方で、先ほど来申し上げておりますとおり、経済だけではなくて、国民の皆様方がずっと閉じこもっているというわけにもいかない、店にも行きたい、その気持ちもよく分かります。それがストレスとなって、国民の皆様方の精神衛生上いろんな影響が社会に出てくる。でありますから、どこかでは解除をしなきゃならない。しかし、解除するとこれまた広がりますから。その難しいところを、ハンマー・アンド・ダンスなのか、私が言っているようにファイアベル・アンド・ダンスなのか分かりませんが、どう国民の皆様方に御理解いただきながらこれをうまくやっていくかというのが難しいところであります。

 そして、今、委員からおっしゃられました、なるべく早くお手元にお届けをする、これは重要なことだと思います。ただ、これは御承知のとおり、やるのは自治体でございますので、自治体の皆様方にやっていただくためには、自治体の皆様方がやるための段取り、これをしっかりとつくらなければならないですし、そのために、限られているアイテムしか今ないんですね、日本の国は、もう御承知のとおり。

 でありますから、最も早い方法ではどういう方法でやるのか、そして、それが簡便で、自治体に負荷がかからず、間違いがなるべく少ない、こういう方法は何なのか、そういうことを今模索をしているわけでありまして、なるべく早くお配りをしたいという気持ちは委員と同じではございますけれども、そのためにはどうすればいいのかということを早急に検討させていただいて、もちろん、自治体の皆様方と話合いをさせていただく中において決定をさせていただきたい。そして、それを基に自治体の皆様方が体制をおつくりをいただいて、その上で給付をさせていただくということでございます。

 今、いつかというのは、申し訳ございませんけれども、これはお答えできない。これは、間違ったことをお答えして国民の皆様方に御迷惑をおかけするわけにはいきませんので、しっかりと自治体の皆様方が、この時期なら配れるということが、自治体の方々に大体納得いくような形で御理解をいただければ、そのときにはまた御報告をさせていただくということになろうと思います。

山井委員 だから、私たちは一月二十二日に子どもの貧困給付金法案を議員立法で提出したんですよ、一月二十二日ですよ。今回の給付金も、子供の進学や進級にお金がかかるからという話でしょう。何でそれが、夏までに配るということすらいまだに答弁できないんですか。余りにも後手後手過ぎる。

 それに加えて、私たちは、今日も配付資料を入れておりますが、子育て家庭だけじゃなくて、困っている方は多いですから、約三千万人の方に十万円の給付金を出してほしいというコロナ特別給付金法案もこの国会に提出し、今、この委員会でも審議してくれとお願いしています。約三兆円、合計。

 これも、今の話もそうだけれども、一月二十二日に私たちが提案したのが、夏までに出るかどうか分かりません。家庭崩壊しますよ。一家心中しますよ。遅過ぎるんです。だから、この法案も審議していただくなり、補正予算に入れてもらって、全員とは言いませんよ、理想は全員に十万円と言いたいけれども、この生活困窮者、大幅減収の、コロナで減収の方々の約三千万人、一人十万円、三兆円、こういうことを是非やっていただきたい。

 これは人の命が懸かっていますから。田村大臣、いかがですか。

田村国務大臣 お子さんをお持ちの家庭、低所得者の方々に対しての五万円の給付金、これは決めさせていただきました。これは母子家庭、一人親家庭のみならず、父子家庭のみならず、お二方、両親がおられてもお配りをさせていただくということを決めました。

 そういうこともありますので、総合支援資金、緊急小口資金があって……(山井委員「貸付けの話はいいです」と呼ぶ)いや、貸付けなら、申し訳ありませんけれども無利子なので、目の前で必要になればお借りをいただいて、その後、給付金が配られた後にお返しをいただければいい話でございますから。その点は本当に、御必要であれば使っていただかなきゃ困るんです、こちらとしては。

 要らないと山井議員が勝手にお決めつけになられなくて、ちゃんとそういう御事情であるならば断られないと思いますので、山井議員が御否定されるのではなくて、是非ともそういうものもお使いをいただきますようにお願いいたします。

 もし何かございますれば、また厚生労働省の方にお話をいただければ、我々もまた、いろんな形で各社会福祉協議会の方にはお伝えをさせていただきたいというふうに思っておりますし、これはもう伝えておりますが、しっかり対応したいというふうに思っております。

山井委員 いや、多くの方が自殺されていて、その自殺されている方の中にも、総合支援資金とか、申請して断られている方は山のようにいるんですよ。だから言っているんですよ。いつまで言っているんですか、こちらが給付金と言うのに、貸付け、貸付けと。断られている人がいっぱいいるんですよ。自殺がどんどん増えていきますよ。いつまで言っているんですか。貸付けは否定しませんよ。無理な人も多いから、給付金ということをお願いしているんです。

 次の質問に行きますけれども、休業支援金も、残念ながら、去年四月からずっとと言ったけれども、それができていないために、なかなか大企業の方の申請が伸びないんです。

 それで、大企業の申請は、一か月、申請からたちましたけれども、何件ですかという質問と、もう一つ、今、田村大臣、本当に深刻なのは、やっと休業支援金を申請したら、いや、あなたは七月にもう解雇していますよ、あなたは十二月に雇い止めしていますよ、休業支援金は出せませんよというケースが続出しているんですよ。

 田村大臣、本人に一言も言わずに、勝手に解雇しています、勝手に雇い止めしています、それを理由に休業支援金不支給というのは駄目だということを、労働局や、あるいは私たちとともに作ったリーフレットに書いてもらえませんか。もし本人に何も言わず解雇、雇い止めをすることが可能であったら、休業支援金なんか申し込んだって、これはもらえるはずがないじゃないですか。それはあんまりでしょう。本人が知らない間に解雇や雇い止めをしたという理由で休業支援金の不支給ということは駄目だ。このことは重要ですから、是非、リーフレットや、労働局に周知してほしいと思います。

 この二点、いかがでしょうか。

田村国務大臣 緊急小口資金って、私、総合貸付資金のことを言っていて、緊急小口支援金のことはちょっと、緊急小口じゃないや、休業支援金のこと、これはちょっと申し上げていなかったんですが。

 休業支援金に関して、今、多分シフトのことだと思うんですよね。シフト若しくは日々雇用等々だと思うんですが、これは雇用形態がどうであるかということが重要であって、どういう、日々雇用、明確に日々で終わる、例えば、元々、日々雇用若しくはシフトというのは、仕事があるときだけやるというような、そういう形態が本来のシフトでありますとか日々雇用であります。

 でありますから、雇用形態がそうであれば、それは雇い止めというか、契約がないわけでありますから、なければそれで終わりというのが、それは、後は失業手当等々に入っていくというのが本来であります。

 問題は、期待権があるかどうかということでございますので、そこは雇用形態がどうなっているか、契約上どうなっているかというところで個々に判断しますので、これは安定的に常に毎月毎月仕事が入っていて、そこに期待権が生まれるというような形であるならば、そこに関しては対象になるかも分かりませんし、本来の意味での日々雇用、シフトという形で、仕事があったときだけは雇う、お互いの契約の下に、ということであれば、それは雇い止めというよりかは契約終了という話でございますから、それぞれの形態で判断をさせていただくということになろうと思います。

山井委員 答弁漏れですが、大企業はどれぐらい申請されているか、支給されているか。

とかしき委員長 田村厚生労働大臣、申合せの時間が経過しておりますので、答弁は簡潔にお願いいたします。

田村国務大臣 大企業で働くシフト制労働者からの申請、これは一万七十四件ということで、三月十八日時点の数字でございます。

山井委員 もう終わりますが、同じ期間、中小企業の方は十万以上ですから、たった八%ぐらいで、本当に大企業の非正規は申請が進んでいないんです、今まで言った様々な理由で。それで、そういうものがもらえなくて、家庭崩壊、進学断念、大学中退、自殺されている方も残念ながらおられます。

 田村大臣に申し上げますが、ちょっと田村大臣の認識、私は間違っていると思います。なぜならば、そういう議論があったから、十月三十日のリーフレットを出して、日々雇用やシフトの契約が曖昧な人にも休業支援金を出しますよというリーフレットを厚労省が出してくださったわけですよ、今みたいな議論があったから。

 だから、今回の大企業の非正規の休業支援金も……

とかしき委員長 申合せの時間が経過しておりますので、簡潔にお願いします。

山井委員 シフトは対象ですとなっているわけですからね。そこを踏まえてちゃんと、田村大臣、言っていただかないと、そもそもシフトは契約が切れているから休業支援金の対象にならないと言ったら、今までやってきたことを全部ひっくり返すことになりかねませんから、そこはきっちりとまた精査をしてください。

 ありがとうございました。

とかしき委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    正午休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

とかしき委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。早稲田夕季さん。

早稲田委員 立憲民主党の早稲田夕季でございます。

 それでは、午前に引き続き質疑をさせていただきます。

 まず、コロナ対策を、今日は田村大臣と、そしてまた、お忙しい中、分科会会長、尾身会長にもお越しをいただきました。ありがとうございます。

 私も、また先ほどの質疑の中でもいろいろ議論がされておりましたが、特に今、変異株の感染拡大が重大な問題だと思っておりますが、今日、分科会の方に、東京それから京都、沖縄、これも蔓延防止措置の方をやるということで提示がされました。そしてまた、国会の方でも議運にかかる、報告があるということでございますけれども。

 この中で、関西が、非常にこの変異株、これまでの英国型が広がっているということでございますが、関東でもこの兆しが見えていて、本当にこれがどんどん広がっていくのではないかという懸念がされるわけですけれども。

 その中で、感染研の方で、従来の株よりも実効再生産数でいうと一・三二倍高いということの結果が明らかになりました。

 これについて、やはりこれがどんどん、ウイルス量も多いということを尾身会長はおっしゃっておりましたし、さらに、この一・三二倍ということ、これの御見解。それからまた、対策。特に、感染症の脇田研究所所長も、今までのだけではなく、急激な感染拡大につながる可能性があるから迅速な対応が必要だというふうにもおっしゃっておりますので、是非、尾身会長からも教えていただきたいと思います。

尾身参考人 委員おっしゃるように、この変異株が従来株よりも感染力が強いというのは、もうほぼ国内では間違いないと思います。したがって、これからの対策というものが、もちろん、例のモニターをして、しっかりと変異株の動向を見るということが非常に大事ですけれども、それと同時に、やはり今はもう私は新しいフェーズに入ったと思います。

 非常に重要なステージに入ったと思うので、これは本当に、国や自治体が県民や国民、市民に向けて出すメッセージというものが、今までのようにただお願いベースでは恐らく難しいので、この変異株のことについてもしっかりと情報を分かりやすく伝えて、一生懸命、国や自治体の方も汗をかいていただいて、その上で、この感染を拡大を防止するためには、一言で言えば人と人の接触をどれだけ避けるかという、飲食店だけの問題ではないので、本当に今、本気になってやる時期にかかっているので、どうぞよろしくお願いいたします。

早稲田委員 人と人との接触、いわゆる人流ということを先ほど来尾身会長はおっしゃっていらっしゃいますが、その人流ということが非常に一番難しい課題だと思っておりますが。

 特に、この変異株感染の場合、資料を見ていただきたいと思います、ウイルス量が多い、それからまた一・三二倍ということも出たわけですけれども、ごめんなさい、資料につけていませんでしたが。

 大阪の病院で、変異株の患者さんを、最初は、従来の方を二階、そして変異株の感染の方を三階と分けていたけれども、また少したってから、府の方から、これは別に従来の方に感染をする懸念はないから一緒にしてくださいと。どんどん従来の方が増えているせいもあるんですけれども、そういうようなことで非常に病院の方も対応に苦慮しているというような報道もございましたが、これが本当にそうであるのかどうか。

 それからまた、ほかの変異株についても今どんどん報告が上がっておりますが、この病床の逼迫、それからまた病床の扱い、これを尾身会長はどのようにお考えでしょうか。

尾身参考人 お答えします。

 私は、結論から言いますと、今の段階は、例えば変異株のイギリスの型と、それから例えば484、これを別に分けるということはもう現実的ではないと思います。今の時点では、しっかりと感染対策をして、これは弾力的にやらないと、もうあっという間に、こういう一人の患者さんがいれば、それを個室にしてまた分けるというようなことをすると、もうこれは、ただでさえ医療の逼迫というのが問題になっているので、これについては弾力的に、しっかりとした対策を取った上ですけれども、個室にみんな入れて、ほかの既存株と分けるというようなことは現実的ではないので、弾力的にしていくというのが、それによって感染が広がるという、それがこれからの感染拡大の主たる原因とは私は思いませんので、むしろ地域での感染にしっかりやって、院内での感染体制が普通のことで、しっかりと感染対策をするということでよろしいんじゃないかと思います。

早稲田委員 今の状況では、なかなか病室、個室の確保も難しいでしょうからというお話もございましたし、また、院内感染を防ぐための防護体制というものも、かなり医師の方では、また看護師さんも、そこで話されていたのは、二重に防護服を着たり、いろいろ、ありとあらゆることをやっているというお話でありましたけれども。もし、これが本当にそこを分けなければならないというようなことが、是非、いろいろなデータで分かってきた場合に、迅速な対応、それからまた御発信をお願いしたいと思います。

 それから、特に若い世代、子供を含めるところですけれども、この感染が広がっているのではないかというお話でございます。

 四月六日、十代以下の感染率が一九・八%ということでありまして、以前のデータでありますけれども、従来のウイルスですと三%前後だったのではないかと。そうしますと、非常にこれがまたどんどん増えているフェーズでもありますので、子供への感染の対策というのも非常に難しいし、それからまた、今までどおりということの更なる強化ということしかないのかもしれませんが、私は、介護施設、福祉施設のように、やはりこういうデータが出てきた限りは、子供関係の施設でもPCR検査を公費で広くやっていくべきだと考えますが、その点について尾身会長のお考えをお聞かせください。

尾身参考人 いろんなデータを見ますと、やはり今回は、子供だけが感染、欧米の結果でも感染力が高いことは分かっているわけですけれども、子供だけが大人に比べて割合が高いということはなくて、大人も子供も感染をしやすいということで、そういう結果として、日本の国内でも子供施設なんかの感染が多くなっていると思います。

 したがって、何か特別な検査というのを子供がいる施設でやるかということですけれども、私は、これが本当にもう少し、今は高齢施設のようなところで感染が広がっていまして、子供での感染というのが今よりもどんどんひどくなってくる場合にはいろんな対策を打つ必要があるので、そういう中では集中的に検査をやるということも当然視野には入ってくると思いますけれども、そういう傾向が見えたら、今委員おっしゃるように、我々としても必要な発信はしたいと思っています。

早稲田委員 視野には入れていかなければならないということだと思いますし、先ほどの議論の中では、介護施設、福祉施設、ここの検査も今しておりますけれども、もっと本気で、真剣にというような尾身会長の御答弁もあったと思います。

 私も、まだまだ少な過ぎる、高齢者施設、福祉施設の社会的検査についても少ないので、是非そこはもっとやっていただきたいし、これ以上、十代以下、子供の方で増えていくようなことがあれば、是非、子供の施設でも公費でのPCR検査ができるような体制を組んでいただきたいと田村大臣には要望させていただきたいと思います。

 そしてもう一点、今主流となっておりますN501Yの変異株に加えまして、新聞報道でも、東京や仙台などで広がっているものが、さらに、E484Kの変異株について、神奈川の民間の検査会社がゲノム解析した結果で、感染の方の百人中六割が、新たなE484K、これに感染をしているということの報道が出ました。

 これも従来から仙台の方でも注意をしていたことだとは思いますけれども、変異株としては余り感染力が強くないかもしれないけれども、非常にワクチンの効果が低いのではないかとも言われておりますが、このことについての尾身会長の御見解を伺いたいと思います。

尾身参考人 484のことについては、確かにこれは、今東京のお話を委員はされましたけれども、実はもう我々は、仙台、宮城ですね、これがあるということはかなり前から分かっていまして、それ自体は、この変異株というのは、アミノ酸の四八四番目ですけれども、このウイルスは、御承知のように、いろいろなところで、我々が今ディテクトしていない変異株というのはいっぱい私はあると思います。

 そういう中では、変異株があること自体が問題というよりは、やはり、今委員御指摘のように、感染力が強くなったんじゃないか、あるいは重症化しやすいんじゃないか、あるいは免疫逃避というものについては、これはしっかりと見ていく必要があるので、E484についても、今少し研究をする方法、もう始まりましたので、今のところは、特にこれがイギリス株と同じように非常に強い感染力というのは今のところないと思いますが、しかし、どうなるかは分かりませんで、しかしそれは、E484だけじゃなくて、ウイルス自体が今の性状より、病原性、感染性よりも強くなるというのは、これは型にかかわらずモニターしていくことが必要で、その変化があればそれに応じた対策というのが必要になってくると思います。

早稲田委員 E484Kにかかわらずというお話でありますけれども、まだ国立感染研の方ではこちらの解析というものは行われていないのではないかと思いますが、やはり、これだけ出てまいりますと、しっかりそこもやっていただきたいと思いますし、さらに、ゲノム解析、資料にもつけておりますが、もちろん当初よりは、一〇%を超えてこうなっておりますので、三〇%ぐらいスクリーニング検査もされておりますけれども、それでもまだまだ足りない中で、地方衛生研究所、こちらの方にゲノム解析ができる検査機器を国が主導で整備をしていただくように、私は、まだまだ少ない中でやっていただきたいと思いますが、その点について田村大臣のお考えを伺います。

田村国務大臣 ゲノム解析等々はやはり一定程度必要であろうということで、いろいろなところで、ゲノム解析に向かって御協力いただけるところは御協力をいただきたいというふうに思っています。

 その解析の機械等々に関しては、これは交付金でしっかり手当てするということになっておりますので、そういうものを使いながら手当てをしていただきたいというふうに思います。

早稲田委員 前回もそのような御答弁でございまして、それは分かっておるのでございますが、なかなかそれだけで進まない現状がありますので、仙台市も新たにこれを購入するということでございました。全国の地衛研でどれほどが整備されているのか。まだまだ少ない状況でありますので、是非、国ももっと積極的にここに整備をする手だてを更に考えていただきたいと要望させていただきたいと思います。

 尾身会長、ありがとうございました。

 次は、田村大臣に伺いたいのでございますが、今、尾身会長がずっと、人の流れ、人流、行動というものをどれだけ制御できるかということに懸かっているとおっしゃっておられるわけですけれども、第四波が懸念される中で、なかなか、飲食の御協力をいただいて八時、九時ということはやっておりますけれども、そうではない部分で、非常に今やっている政府の政策と相反しているものがたくさんあるのではないかということは、国民からも声として聞いております。

 そして、私が自分の生活の中で非常に心配だなと思うのは、飲食店が、飲み屋さんが早く終わるものですから、その後、やはり駅の周辺、公園で、自主飲みというような方で集まっていらっしゃる、そして、もちろんそのときはマスクを着けていない、そのような光景が非常に増えました。今まで駅の前であんなに、缶酎ハイやビールを飲んでいる方は少なかったと思うんですけれども、当然、お店がやらないから、そういうふうにどこかに流れていくということだろうと思います。このことも、マスクを着けないで大勢が密で集まるというのは、気持ちは分からないでもないけれども、やはりまずかろうと私は見ていて思うわけなんですね。それなので、そのことについて。

 それから、聖火リレーの在り方であります。これも、大阪の方では、もう走っていただかないで、集中でそこの場所でやっていただくということを選びましたけれども、全国でこの光景が放映をされております。みんなが静かに聖火リレーを待っている中で、すごい大音量で、そしてスポンサーの車が先導してくる、その後をみんながしいんと待っているというような状況が、非常に相反する光景に私は見えますし、たくさんの批判も出ております。そうしたことをやはりどういうふうに、命と生活と健康を守っていらっしゃる田村大臣の受け止めを伺いたいと思います。

 それからまた、自民党内で二階幹事長はGoToトラベルの再開にも言及をされました。これも、本当に今、一方で飲食に自粛をしていただいている、それから、尾身会長がおっしゃるように、人の流れを止めましょう、どれだけ止められるか政府の本気度が試されているんですとおっしゃる中で、なぜそこがGoToトラベルなんでしょうか。GoToトラベルのエビデンスがないというようなことも官房長官はおっしゃいましたけれども、そのことについて、私は、エビデンスがないというのは、その部分だけを調べられたんだと思うんですね。旅行に行けば、会食もする、飲食、それから飲む、飲み屋さんにも行くでしょう。そういうようなこともある中で、どうしてこういうことが平気でおっしゃれるのか。そしてまた、田村大臣も、そうしたところはしっかりと、命を守る立場でメッセージを出していただきたいと思うんですね。

 この三点について伺います。

田村国務大臣 第二波なのか一波なのか、ちょっとそれは言い方が難しいんですが、武漢株が一波だとすると二波という話になるんでしょうが。去年の四月の緊急事態宣言のときには、余り駅だとか公園で飲んでいる人はいなかったんですね。それが、夏、まあ季節もあったんでしょうけれども、夏に時短をやったときにはそういう方々が出られて、冬、寒い中でも、この年末年始、年明けから緊急事態宣言のときに、そういうものがテレビ等々でも放映をされて。

 難しい話です。先ほど申し上げましたが、ハンマー・アンド・ダンスといいますか、要するに、厳しいのをばんとやって、ある程度収まったら皆さん解放というようなことが日本ではできない。できないというのは、強権で、外へ出たら罰金よ、そういうことはできませんから。だから、要するに、半鐘を鳴らして、危ないですよと鐘を鳴らして、皆さんが、危ないから家に入ろうというような、そういう自主的な、言うなれば御協力にお願いしているというのが日本です。それでもこれだけ感染が海外と比べて少ないわけでありますから、そういう意味ではすばらしい国民だなと私は思うんですが。

 ただ、やはり、そんな中で言われるような方々が出てこられている。尾身先生が言われるのには、自粛疲れというお言葉を使われますけれども、ここをどうやって御理解をいただいていくのかというのは、本当に我々は昨年から頭を悩ませているところであります。

 個人の自由な行動ですから、それをもってして犯罪者を扱うようなことはできないわけでありまして、納得をいただいて、そして共感をいただいて、共に、では頑張って、そういうことをしないで感染を防ごうよという気持ちになっていただかなきゃならないというところが本当に難しいわけでありますが、これは、そうはいっても、我々としてはお願いをし続けていくしかないので、そういうことをお願いをし続け、御理解をいただいて、外で、店が閉まっているからといって、騒いで飲もうというようなことがないように。

 もっとも、これは日本だけではなくて、海外では、誰かの部屋で宴会をやっているというような、よくそういう若い人たちの例があって、結局はロックダウンしても感染が減らなかったなんという例もあるわけでありますから、日本だけじゃないんだと思いますが。そこは、我々としては、本当に御理解をいただきながら、しっかり徹底をお願いしていきたいと思います。

 それから、オリンピックの聖火リレーは、私、言われている意味がちょっとよく分からなかったんですが。わっと車でマイクで流してやってきて、聖火ランナーが通るときはみんな静かにそれを迎えているというのが批判があるということだったんでしょうか。ちょっと分からなかったんですが。

 いずれにしましても、大阪のように、もう体育館等々でしかやらないというのも一つの方法だと思います。感染拡大していない地域でも、やはり、外で聖火ランナーをお迎えになられるのはいいんですが、外は比較的密ではない、密といいますか、換気はいいので。ただ、マスクをして、ちゃんと、しゃべらない、大きな声援を出さないということを徹底をしていただかないと、やはり大きな声を上げると飛沫が飛びますから、外だとはいえ、感染リスクはあるわけでありますので、そういうことを徹底をしていかなければならないというふうに思います。

 あと、何かもう一つありましたか。(早稲田委員「GoToトラベル」と呼ぶ)

 GoToトラベルは、皆様もGoToトラベル自体は否定しないとおっしゃっておられるので、皆様というのは立憲民主党の皆様もですよ。だから、感染リスクが低まる、つまり感染リスクがある程度抑えられる、感染者が抑えられるという中において、経済も大事でありますから、GoToトラベルで、観光を中心に経済活性化されている自治体、全国に多くあります、そういうところを支援していくということでございますから、感染とはっきりと両立をしていくということが大事だと思います。

 なお、一応、GoToトラベルは、いろいろなGoToトラベルの対象になる事業者等々はこういう感染防止策をやってください、参加される方々もこういうような形で旅をしてくださいというようなことはお願いをされておられるようでございますから、これは国土交通省に成り代わりまして、そういう努力はしているということはお伝えをさせていただきたいというふうに思います。

早稲田委員 GoToトラベルについては、党の方でこれを認めないと言っている話ではないのは分かっておりますが、この今のタイミングにこうした発言をされるのがどうなのかということなんです。

 私たちは、もちろん、私の地元も観光地鎌倉ですから、GoToトラベルがあればたくさん来ていただけるけれども、その観光事業者でさえ、今はどうなのかと、やはりそういう懸念をお持ちなんですね。だから、事業者の方をお支えするために、事業者の方の持続化給付金の再支給、それからまたGoToトラベルに代わる支援というものを立憲民主党では今出させていただいております。

 ですから、もちろん、そうした事業者、飲食の方、観光事業者、小売業、こういうふうにお支えしなければならない方、もっともっと多岐にわたりますから、だから、そこの支援をもっと広く持続化給付金で、再支給をしていくべきではないかということは、もう法案を出させていただいていますので、与党の皆様もお分かりだと思うんです。

 今、人の流れを止めなければならない、止めた方が絶対いいですよと尾身会長もおっしゃっている中で、一方でGoToトラベルという、その認識が私にはちょっと信じられない状況であります。それで、それを与党の皆様も、まあ、しようがないねというふうにお認めなのか、私にはちょっと理解ができないんですけれども。国民にはやはり難しいと思います、相反する矛盾なことですから。そうではない支援をしていただきたい、その思いで申し上げました。

 それから、オリンピックの聖火リレーにつきましても、やはり国民が、しゃべらない、マスクをしましょう、なるべく密にならないと言っている中で、大音量で入ってくる。そういうことは、政府としてのこのコロナ対策における本気度を表すものなのか、大変ここも疑問ですので、よくよくそうしたことも調べていただいて、私は、聖火リレー、もちろん走っている方のことを申し上げているのではありません。これは期待があってやっている方ですけれども、先導する車ですね、一番最初に……(田村国務大臣「飛沫が飛んでいるんですか」と呼ぶ)いやいや、飛沫は飛んでいるかどうかは分かりませんけれども、最初は、ディスクジョッキーの方が、DJの方がすごく大音量でマイクでしゃべっていた、マスクもしないで。そこは改善されたと思います、これだけ批判があったので。

 でも、やはりその見え方です、見え方。やはりみんなが、自粛をお願いしている中ですから、そういう、国民にとって、こっちはいいんだね、オリンピックだから許されるんだねということのないように、やはりみんなで、そこは配慮を十分にしているということを政府も、真剣にというのはそういうことを見せていただくことではないかと私は思いましたので、田村大臣に御質問させていただきました。

 それでは、さらに、ワクチンの方に参りたいと思います。

 ワクチンの小分け移送、冷蔵移送のお話でありまして、先日もこれはやらせていただきました。午前中の方の質疑では、長妻議員の質疑に対して、たくさんの揺れは駄目なんですよということで、なるべく舗装のところでというようなお話もありましたが、非常にそこのところが分かりにくいですよね。

 私の方で、理事会に協議をしていただきまして、資料も出していただきました。今お手元にはお配りしませんでしたけれども。

 この資料によりますと、これは世界はどうですかという質問で、調べていただきました。各国の文書において、小分け移送は積極的に推奨されているものではないものの、冷蔵で小分けの移送も含め認められていると。あくまでも、これは文書のお話でございます。そして、プレスリリースなんかもイスラエルのはつけていただきましたが。

 じゃ、実際にどうなのか、本当にそうしたことをたくさん各国でやっているのかどうか調べていただきたいと申し上げておりますが、実態はどうなんでしょうか。田村大臣、お願いいたします。(発言する者あり)

とかしき委員長 筆記を止めてください。

    〔速記中止〕

とかしき委員長 筆記を起こしてください。

 田村厚生労働大臣。

田村国務大臣 イスラエルの話は、実態というのは何の実態でしょうか。

早稲田委員 こうやって文書では出ておりますが、この間も申しましたが、田村大臣には、お願いをしたのは、これももちろんそうですけれども、ほかの諸外国でこのように小分け移送の冷蔵移送をやっているかどうかを、大使館を通じてなどお調べいただきたいと申し上げました。その件についてでございます。

田村国務大臣 ですから、このペーパーをお出しをさせていただいたんだと思うんですが、イスラエルで冷蔵での小分け移送を行っていると承知しているということであります。

早稲田委員 どのくらいやっているかとか、そういうことは今調査中だと思うんです。そういうふうに私の方は聞いております。これはあくまでも文書の、プレスリリースから取ったものですから。そして、実際に外国の方でどうかということをカナダや何かに聞いてくださいということを申し上げておるわけなので。

 今は、じゃ、実態で把握しているものはないということでよろしいでしょうか。

田村国務大臣 この間、そういうような御質問をいただいたので、大使館を通じて今確認している最中であります。

早稲田委員 これだけ文書があるんですから、実際にやっていればすぐに調べられるのではないかと思います。

 それでは、大使館を通じてということでございますので、その大使館を通じて調べていただいたものを文書でお出しをいただきたいと思います。

 それから、これは文書の話ですけれども、私どもは立憲民主党の、又は野党合同で、ワクチン接種のフォローアップのチームをつくりまして、昨日もヒアリングをさせていただきました。これは与野党共にもちろん取り組んでいかなければならない課題なので、私たちもしっかりとやらせていただきたいと思います。

 その中で、冷蔵移送について世田谷区の保坂区長がこのペーパーを出されましたので、御覧をいただきたいと思います。

 その中にありますのは、三月八日のファイザー社のものですね、この取扱いから抜粋をされて、それから三月二十八日にも少し変更されておりますが、これは中身は同じなんですけれども。ここで、保坂区長もファイザー社に確認をされたところ、mRNAワクチンは壊れやすい、だから、ファイザーも、ファイザー社としては冷蔵移送は推奨しておりませんということを、職員も、それから御自身も確認をされたということでございます。

 是非、この間も申し上げたように、田村大臣から、やはりファイザー社にもう一度これを、冷凍で、マイナス二十ができるということになっておりますので、冷凍でやるのが原則で、推奨をしていないということは確認をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

田村国務大臣 推奨は我々もしていないので。

 小分けをしてどうしても運びたい、そういう自治体からのお声が相当程度来ました。数がどれぐらいかというのは細かくは取っておりませんが、相当程度そういう要望が来ました。

 その当時は、マイナス十五度からマイナス二十五でのこういう保管、移送というもの、これはファイザーの方からお示しをいただいておりませんでしたので、方法としては、言うなれば常温でこれを運ぶしかないわけで、そこでファイザーに御相談をさせていただいたら、やむを得ない場合はこれをやっていただくというのも致し方がないですねという話だったわけでありまして、元から我々もこれでどんどんやってくださいという推奨ではなくて、各自治体が、小分けをしないとどうしても体制が組めないというような、そういう御相談がある中で、じゃ、ファイザーと相談したら、こういうやり方が、まあ、推奨はできないけれどもあるので、こういうやり方をやるのならばやってくださいと。

 ただし、前から言っているとおり、ファイザーが運ぶわけではないので、そこは自治体が運ばれるわけでありますから、そこは自治体が自らの判断で、振動等のないような形でしっかりとお運びをいただきたいというような、そういう話をさせていただいているわけであります。

 何ら初めから言っていることは変わりません。

早稲田委員 自治体の判断に委ねられても困るわけなんですよ。もう十二月の一回目の自治体説明会の後に、本当に混乱しています、もう四万個配られていますから。配られれば、当然やるんだろう、それでやるのが当然なんだなという判断なんですね、当初。

 そして、世田谷区長がおっしゃっていたのは、国から、厚労省の通知、それから説明会でもこの冷蔵の話がずっとあったし、まさに保冷バッグまで届いてしまったから、これはやるのが当たり前だというような、そういうふうに思っていた。だけれども、今になってみたら、これは非常に、もしかしたら自治体の判断でやることになれば責任が取れないんじゃないかと大変混乱をしているので、冷凍の方に切り替えると。

 これは私の地元の神奈川もそうですし、横浜市、川崎もそういうふうに方針を転換しようということになっているんです。これは神奈川でもそうですし、ほかのところでも、今これは確かめておりませんけれども、区長のお話では練馬区も方針転換をしようとしているということでありますから、今、田村大臣がおっしゃった、本当にあちらこちらから、冷蔵で、小分けでという話がどれだけ来たのか。これも私調べていますけれども、一切分からないとおっしゃるんですよ、厚労省の皆さん。分からないことはないと思いますよ。自治体説明会でどの意見が出たかなんということはつぶさに皆さん資料として残しておられるはずだと思うので、是非これも教えていただきたいと思います。

 それで、国の責任で、自治体が混乱しないように、そして、国民の皆さんが打っても、これが成分が壊れていたとかいうことがまかり間違ってないように、冷凍でやることが一番いいというメッセージを、田村大臣、やはりしっかり出していただいて、また、ファイザーにも再度確認をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 それから、続いて質問させていただきます。

 ワクチンの移送についてでありますけれども、お手元の資料を御覧ください。二ページ、三ページであります。

 自治体の、全国知事会の方から緊急提言が出されております一つですけれども、ワクチンの供給状況に応じ、基本接種施設から基本型接種施設への移送を可能とするなど、V―SYSの仕様により都道府県の運用が制限されることのないようにしてほしいというような、弾力的な運用を求めるものでございまして、神奈川の方からは黒岩知事がいろいろこの中で発言もされております。そうしたところでありますけれども、もちろん神奈川だけではない、この新聞報道でいえば、鹿児島県が非常に困っているという報道がございます。

 つまりは、供給量が足りていればこうした問題は起こらなかったはずです。でも、ファイザー社もそこまで考えていらっしゃらなかったのでしょう、想定していらっしゃらなかったのでしょう。だから、ファイザーから直接移送する基本型施設については、そこできちんとやっていただいて、連携型にはいいけれども、基本型の横展開をしないようにというお話だったと思いますし、また、V―SYSでもそういう運用をされています。

 そしてまた、四月の五日にも通知を出されていて、いや、できるんだ、一回、一時的に連携型施設に変わってもらって、そしてやることには平気ですとおっしゃるんだけれども、これも非常に現場からはやりにくい話なんです。

 そうではなくて、ロット番号が振ってあるので、基本型施設から基本型にやることは、きちんとV―SYSにその旨を、ロット番号で、何本バイアルをAからBに移送したかということが分かれば絶対に混乱はしないはずですし、やはり、皆様方が昼夜を問わず知恵を絞って制度をつくっていただいていることには本当に感謝をしております。でも、やはり、現場に落ちてきたときに、それが下りてきたときに、使いにくいというものも多々あると思うんですね。

 是非、そこは、移送をしたときに分かるように、ロット番号をV―SYSに入力するなり、そうしたことで運用を改善していただきたい。基本型から基本型にも移送できるということを、必要があれば弾力的に認めていただきたいと思います。いかがでしょうか。

田村国務大臣 基本型から基本型に移すというのは、V―SYSとしては組めない、システム上の話であります。

 ただし、全て使い切った、一度送ったものを使い切った場合には、そこにワクチンがないので、一時的に連携型に変わることはできます。連携型から今度基本型に戻るためには、連携型で全部ワクチン、そこに来たものを使い切れば、また基本型に戻れる、こういうことであります。

 ロットで管理といいますと、同じ基本型のところにロットを送っていますので、そのロットがほかのところに行った場合に、どちらのロットなのかがよく分からない、ロット自体はロットですから。だから、そういうような問題が起こるので、ロットで管理しろというのは、ちょっとなかなか難しいんだろうというふうに思います。そういうふうに聞いております、ファイザーから。

 いずれにいたしましても、基本型から基本型に移すというのは、先ほど申し上げたように、一時的に連携型に変わればそれはできるという運用上のことをお示しをさせていただきましたので、これは実は、委員だけではなくて、いろいろな皆様方から非常に使いづらいというお声は我々も聞いておりました。そこで、いろいろな工夫をする中で、そういう形をさせていただいたということで、比較的皆様方からは、これで何とか対応できるというようなお声もいただいております。

 是非とも、この間送らせていただきました事務連絡、通知、これに合わせて運用の方をうまくやっていただければありがたいというふうに思います。

早稲田委員 四月五日のも読ませていただきましたし、ロットで管理できないということが、やはり自治体には分からないという意見もございます。

 というのは、例えば、ファイザー社の方で何か回収しなければならないというときには、箱単位しか回収できないわけですよね、結局。一本一本なんて回収できないので。箱で、一回出荷をするその単位でしか回収ができないので、ロット番号さえ分かれば、そこを全部回収すればよろしいので、そういうことにはならないはずで、私も厚労省の方とお話ししたときに、ロットで、そうですよねと言ったら、そうですねとおっしゃっていましたし、また、ロットの番号を書いて、そしてV―SYSに入力してAからBにやるということ、きちんとそこで入力できればいいんじゃないんですか、それを考えていただけませんかということも申し上げました。

 是非、今大臣からも、少し改善したんだとおっしゃっていますけれども、更にそこのところをもっと使いやすいようにしていただかないと、本当に、たくさんの箱数が来ていればこういう問題は起きないんです、お分かりだと思いますけれども。来ていないから、そしてまた、さらに、高齢者の方と並行して行うということですね。そうすると、更に医療者が遅れるのではないかということで、皆さん、一日も早く、一人でも多くの医療者に打ちたい、接種をしたいという気持ちで、こういうことが現場から上がってきておりますので、是非そこはお考えをいただきたいと思います。

 そして、最後に、失業対策の観点からでございますが、先ほども、一人親、そしてまた二人親でも大変困窮世帯にということで、私たちもこの法案を出していましたけれども、残念ながら、この三月末、四月になっても支給がされておりません。これはもう本当に年度替わりで困窮世帯がより苦しくなることは明白だったにもかかわらず、この遅れを取り戻せていないということは大変残念だと思いますし、そのためにも、また、コロナの特別給付金法案を私たちは出しております。

 本日の報道の方でも、コロナの解雇、雇い止め十万人超ということになりましたし、完全失業者も百九十七万人で、さらに、実質的な失業、これも百四十七万人という本当に恐るべき数字が上がっておりまして、もっと困窮者が増えていくのではないかと思いますので、是非、今からでも十万円の給付、困窮の世帯、それからまた、学生さんでも、アルバイトがなくなってもう退学をせざるを得ないという方の声もたくさん上がっております、届いております。大臣のところにもあると思いますけれども、そういう方たちを是非支援するためにも、このコロナの十万円給付、特別給付金、これについても是非御検討いただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

とかしき委員長 田村厚生労働大臣、申合せの時間が経過しておりますので、御協力をお願いいたします。

田村国務大臣 もう何度も申し上げて恐縮なので、またお叱りをいただくんでしょうけれども。十万円ではなかなか対応できないという家庭も、たくさん、多々おられると思います。そういう意味で、緊急小口、総合支援資金というものを最大二百万までという形で、昨年から貸付け、これも御承知のとおり、非課税であれば償還免除というような形でやらせていただいております。こういうものを活用いただければというふうに思います。

とかしき委員長 早稲田夕季さん、申合せの時間が経過しておりますので、御協力をお願いします。

早稲田委員 はい。

 貸付けでは、返さなくていいこともあるけれども、それだけでは足りないので更に申し上げていることでありますから、是非更なる御検討をお願いして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

とかしき委員長 次に、西村智奈美さん。

西村(智)委員 立憲民主党の西村です。よろしくお願いいたします。

 今日は、蔓延防止等重点措置が他の地域にも適用拡大になるということで、先ほど尾身会長も当委員会で、現状認識、また今後の課題についていろいろと答弁してくださいました。非常に印象的だったのは、今がクリティカルな状況であるということ、それを国民全員が共有すべきであるということ、また、政治が意思決定をする前の段階で専門家会合として意見を言う、そういうスタンスに専門家会合が切り替わっていくということを尾身会長は今日この場で宣言をされたんだというふうに受け止めております。非常にこれは重たいことだと思っておりまして、私たち国会にいる者としても、この危機感を共有して対応していかなければいけないと改めて強く感じております。

 ところで、やはりこの間の感染拡大に変異株が影響しているということは、これはもう紛れもない事実だろうと思っております。であるからこそ、厚労省の対策本部でも変異株への対応ということでいろいろなことを取り組んでおられるんですけれども、私の目から見ますと、この変異株に対する対応そのものが、ちょっとやはりまたこれも、PCR検査体制の充実が遅れてきたのと同様に遅れているんじゃないかというふうに申し上げざるを得ません。

 具体的に、先日、この委員会で川内委員と政府参考人との議論がいろいろありまして、そのときに、要は、その週でPCR検査で陽性となった人に対してスクリーニング検査をやるんだけれども、人数が必ずしも一致していない。スクリーニング検査は地方衛生研などでやったものは把握されているんだけれども、民間でやっているものについては把握できないということ、これは私も確認をしております。ですので、やはり、その辺りの体制も含めて、正確で迅速な分析、これがやはり変異株の封じ込めのためには必要なのではないかというふうに感じております。

 それで、変異株スクリーニング検査だけではなくて、私はゲノム解析も必要だというふうに思うんですよね。今日は、この二点についてまず伺いたいと思います。

 総理と大臣は、まずこの変異株スクリーニング検査で四〇%、全陽性となったうち四〇%の変異株スクリーニング検査を目指すというふうにおっしゃっていますけれども、それで本当に十分だというふうに大臣はお考えになっているんでしょうか。

 私は、先ほど申し上げたように、政府参考人も、結局、タイムラグができたり、ほかの機関でやっているところの足し算をすることがなかなか難しいのでということを認めていらっしゃるということもあれば、やはり四〇%ということではなくて、最終的には一〇〇%を目指していくということをはっきりと宣言をしていただいた上で取り組む必要があるんじゃないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。

田村国務大臣 まず、感染研の、感染症研究所の専門家の方々の元々の助言は、スクリーニング検査、これは前も申し上げたと思いますけれども、全体の五%から一〇%でいい、それで状況はよく分かる、その地域でどれぐらいの変異株が広がっているか、こういうものをサーベイランスするのはこれで分かる、こういう話でありました。

 ただ一方で、なるべく見つけて、積極的疫学調査、これを丁寧にやって囲い込むということをした方が、感染の拡大、もうやがては、これは尾身先生もおっしゃられるとおり、全て変異株に替わっていくであろう、それはもう避けられないであろうというのは、これは専門家の方々も皆さんおっしゃっておられるので、それをなるべく遅らせて、その間にいろんな対策を組んだり、感染を遅らせる。特に、N501Yの場合は感染力が強いという話でございますので。

 そういうことで、なるべく多くというので、今、現実的にすぐできるというのは四割だろうということで、今それに向かって三〇%まで来ておりますけれども、民間の大きな検査会社、これは厚生労働省は連携できますから、そういうところにお願いして、週単位で集計していただいて、これぐらい全体の中でN501Yがありましたというようなことが分かるような形でお示しをさせていただいております。

 その上で、実は、一〇〇%までというと、多分、東京なら東京都それから区、そこが検査の方をそれぞれお願いしておられますから、そういうところと連携して、例えば民間に出されているのならその民間に技術移転をしてということになろうと思います。それはお願いをすれば、ちょっと区、都は大変だと思いますけれども、お願いをすればそれなりにやっていただけるんだと思うんですが、問題は、ここが一番のポイントで、やるのは、結局、保健所を中心とする疫学調査をする方々なんです。しかも、深掘りでありますから、一〇〇%やろうと思うとかなりの人手がかかる。

 今、感染が広がりつつある中で、そちらにばかりまた人を取られると、本来、保健所は御承知のとおりいろんな機能を担っておられますから、そういうところの問題があるので、そこをどれぐらいまでできるのかということをやはり確認しないと、我々も、できれば一〇〇%全部やって、それでそれを、全て出てきたものに対してはそこで囲い込みという思いはあるんですが、そこはマンパワーとの兼ね合いということもございますので、今そういうことを、都といいますか区といいますかとも、どれぐらいできるのか、保健所協会ですかね、の皆さんとも御議論をしてくれということで指示をいたしております。

西村(智)委員 今、大臣からは、できれば一〇〇%を目指したい、囲い込むためにはそれが必要だというお話、本当に心強く思いました。やはり囲い込む、封じ込める、そういう決意を持っていただかないと、やはり検査体制の充実というのは進んでいかないことだと思います。

 先日、私、ちょっと聞きましたら、要するに、抽出するのがまた大変だと、四〇%を。毎日毎日その中から四〇%ずつ抽出するというのもそれはまたなかなかこれも作業が大変なのでということもあって、私は一〇〇%を目指した方がいいんじゃないかというふうにも思っているわけなんです。

 ちょっとそこのところは、大臣から今技術移転ということもいただきましたので、是非それをやっていただきたいというふうに引き続きお願いいたします。

 そこで、次は、ゲノム解析の問題です。

 今、大臣、ゲノム解析がどのくらいの割合でできているか把握していらっしゃいますでしょうか。

田村国務大臣 以前、一〇%ぐらいやっていたんですけれども、ちょっと今すぐには出ませんので、確認をいたしたいと思います。

 第何波かという言い方はあれですが、年末年始のあの感染が拡大する前は一〇%ぐらいやっておりまして、これは世界の中でも、一〇%ゲノム解析をやっているという国は優秀な部類の類いの国だというふうに専門家の方々もおっしゃっておられましたが、今どれぐらいなのかはちょっと分からないので、確認します。

西村(智)委員 地方衛生研などでゲノム解析を行っているところは全国で十であるというふうに、先日の川内委員への答弁でもありました。

 これも、私、確かに、有識者の方々からは、世界的にはやっている方だという評価は受けておられるのかもしれないというふうに思います。なんだけれども、先ほど大臣がおっしゃった変異型は、やはり感染力が強いものもあるし、それから、後でまた質問したいと思っているんですけれども、ワクチンが効きにくくなる可能性があるかもしれないと指摘されている変異もありますよね。そういったことからすると、やはりゲノム解析もちゃんとやっていって、実態を把握して、まさに封じ込める、囲い込む、そういう考え方でやっていく必要があるんじゃないかというふうに考えています。

 今、全国で十しか地方衛生研でゲノム解析をやっているところはないんですけれども、そのほかの地方衛生研がゲノム解析を実施するということも、大臣、これは当然排除しない、やれるところがあればやっていただきたいというふうに考えておられるんじゃないかと思うんですけれども、同じ考えだということでよろしいでしょうか。また、もしそうであれば、予算措置等は行われているのかどうか。お願いします。

田村国務大臣 十の自治体で可能ということで、今、実施件数含め最新の状況について改めて調査を、できることはできるんですが、どれぐらいやっているかということを改めて調査を実施しているところであります。

 委員言われたとおり、地衛研でゲノム解析を行っていただくことは可能なんですけれども、必要な機器等がこれは当然要るわけでございまして、そういう意味で、これは、それこそ緊急包括支援交付金ですか、これを使って支援できますので、こういうものをお使いをいただきながら、ゲノム解析用の機器等々をそろえていただいてやっていただければありがたいということで、お願いいたしております。

西村(智)委員 ゲノム検査のための機械、シーケンサーと呼ぶそうでありますけれども、これはやはりPCR検査の機器と比べると桁が一つ違うぐらい高いというふうに聞いています。なので、例えば地方衛生研究所が予算要望しても、自治体の財務当局にはねられてしまってなかなか買えないというような話も私聞いているんです。この緊急支援包括交付金があったとしてもです。あったとしても、やはりそういうようなケースがある。

 こういった地方に対して、ゲノム解析、もっと幅を広げてできるように、厚労省として何か支援策、もっとありませんか。いかがでしょうか。要するに、緊急支援包括交付金があるにせよ、やはり自治体の財務というそのスクリーンが入ると、そこではねられてしまうというケースがあるということなんですよ。どうですか。

田村国務大臣 ちょっと御理解いただきたいのは、スクリーニングとゲノム解析、今ゲノム解析、どうしても時間がかかります。ですから、スクリーニングならば比較的早く見つかるので、そこで封じ込めというのがやりやすいんですけれども、どうしてもゲノム解析はそれより時間がかかりますから、その分だけ遅くなりますから、スクリーニングと比べると、その抑え込みの効果というものはどうしても減ってしまうという状況がありますから、ゲノム解析を、例えば全部というのは事実上無理なんですが、やって、抑え込むというよりかは、どちらかというと、どういう広がり方をしているかだとかそういうことを検証したりだとか、あとは、新たなウイルス、つまり変異がどう起こっているか、そういうことを見ていく。実際、それがまたどう広がっていったかということを疫学的に調べる結果になるんですが、そういう使い方を主に今やってきておるわけであります。

 言われるとおり、今、E484Kという、こういう変異株は、どうも感染力はN501Yほどはないんですけれども、しかし、場合によっては、言われるとおり、ワクチンや免疫の力を低下させるのかも分からないと言われていますので、今これは感染研の中でしっかり検証いただいておりますので、そういう結果を待って、どうしていくのか。そのときには、場合によってはゲノム解析というものをもっと大々的にお願いをしていくということも考えていかなきゃならないんだというふうに思いますが。

 いずれにしても、ゲノム解析は我々もまだやっていかなきゃならないと思っていますので、各自治体に、今のところこの緊急包括支援交付金しかないわけでありますけれども、これを使ってしっかりとお願いをしてまいりたいというふうに思います。

西村(智)委員 やっていただきたいと思うので質問しているんですけれども、やはり、緊急支援包括交付金の仕組みだけではなかなか自治体は動かないという現実がある。それはPCR検査体制の強化のときもそうだったので、重ねて質問させていただきます。

 大臣、ちょっと一点だけ確認なんですけれども、先日、川内委員との質疑の中で、変異株スクリーニングの検査でゲノム解析をやらない、その後やらないという、スクリーニングだけでE484Kが確認できるかどうかということについて、大臣、ちょっとうにゃむにゃと答弁されたんですけれども、そこをもう一回。

 つまり、スクリーニングをやりますと、N501Y、これは大体ひっかかる、その後ゲノム解析をやると484Kが見つかるということもあるということを答弁されたんですよね。ということであれば、変異株スクリーニング検査だけをやったときにE484Kの変異というのは確認できないということで確認させていただいてよろしいですか。

田村国務大臣 スクリーニングをやった結果、今委員が言われたみたいにゲノム解析をその後やりますが、確定検査で、それで分かるということはありますが、E484Kのみの変異というもの、これを確認しようと思うと、スクリーニング関係なしに、陽性であるもののうちからゲノム解析をしたものの中でしか見つかってこない。つまり、E484K単独という言い方がいいのか分かりませんが、変異を見るという意味ではそういう話であります。

西村(智)委員 そういたしますと、四月六日の時点で、N501Yの変異はないがE484Kの変異がある変異株が日本国内で千五百五十三例確認をされているということなんですけれども、これは全てゲノム解析によって把握した事例ということでしょうか。

田村国務大臣 N501Yの変異はないがE484K、先ほど言われていましたけれども、スパイクの、アミノ酸の484がEからKに変わったという変異でありますが、これが確認されたのが千五百五十三例。これは、国立感染症研究所におけるゲノム解析の結果ということであります。

西村(智)委員 結構多いと思うんですよね。つまり、例えばイギリス型、南アフリカ型、ブラジル型、この三つの変異があったというふうに確認をされているケースが今、千ちょっと超えたところだと思うので、それよりも多い数がE484Kの、言ってみれば単独のと言ったらいいのか、そういった変異であって、やはりこれはきちんとフォローしていく必要が私はあるというふうに思うんです。尾身先生も、やはりきちんと今後分析をしていきたいと。感染力がN501Yほどではないかもしれないけれども、そこはやはり、あらゆる変異についてきちんとフォローしていきたいというふうにもおっしゃっていたので、ここはやはりきちんと対応、分析ですね、やっていく必要があると思っています。

 先ほどの、自治体にどうやったらゲノム解析の体制を取ってもらえるかということで、厚労省と文部科学省が三月二十四日に事務連絡を発出しています。自治体でもゲノム解析の体制の整備を行っているということで、大学等でも自治体から要請があれば協力してほしいというような通知、事務連絡が三月二十四日に出されました。これは非常に重要なことだと思っていて、できるだけスピーディーに、そしてまた効果的にやってほしいと強く思っているところです。

 現時点で、民間や大学等でゲノム解析を行っているところはどのくらいありますでしょうか。先日川内さんが質問されました。私も実は同じ日に通告をしていたので、今週中にというようなことだったかと思いますが、そろそろ答弁していただけるのではないかと思いますけれども、いかがでしょう。

田村国務大臣 申し訳ありません。実は、これは四月六日締切りだったんです。ところが、半数近くの自治体が未回答ということでございますので、これに関しては再度問合せを行っている状況でございます。

西村(智)委員 やはりすごく時間がかかるんですよ。これはなぜかというと、私も、去年この場で文部科学省の方に、大学でPCRの機器を持っているところがあるだろうから、そこを調査していただいて、協力をお願いしたらということで、まずその大学の調査に物すごく時間がかかった。

 出てきたのが七月の一日だったんですけれども、このときに、検査能力でいうと全国で七千二百二十四件の検査能力があるということでお話をいただいていたんですけれども、またその後いろいろあって、今年の三月三十一日時点では八千八百三十七件、合計で、そのくらいの検査能力があるというふうになりました。

 ところが、実際に検査に協力できる体制が構築されていますよという大学が、今、二十七大学三十四部局、結構な数に上っているんですけれども、実際にそういった大学でどのくらいの検査件数がさばかれているのかということが明らかになっていないんです。何回も文部科学省に、これは厚労省のお話もあるんですけれども、文部科学省にも聞いたんですけれども、なかなか出てこなくて。確かにいろいろなことはやっていただいているようなんですよね。大学と自治体が連携して、地域において検査体制の整備に取り組んでいますよという話とか、それから、これは第二次補正だと思うんですけれども、PCR機器を活用した検査体制を整備して、検査に協力する大学には支援を行いますよとか、その公募をしたりとか、いろいろなことをやっていただいているんだと思うんですけれども、なかなか出てこない。

 これは文部科学省の方に聞いたらいいのかと思うんですけれども、調査の後、実際このくらい回答が来ましたというようなところに対して、一体どういうアプローチをして実際にPCR検査に協力をしてもらったのか、定量的なお答えをいただければと思います。

鰐淵大臣政務官 お答えいたします。

 大学等におけるPCR検査につきましては、地域における検査体制の整備を促進するという観点から、厚生労働省と密に連携して、大学等に対してアプローチを行ってまいりました。

 具体的には、先ほど委員からも御紹介いただきましたが、令和二年度第二次補正予算におきまして、大学等が保有する機器のPCR検査への活用を促進するための事業を実施したり、また、令和二年六月十七日付で、文部科学省の補正予算のみならず、厚生労働省の交付金を含め、検査に協力する大学等が活用可能な予算上の支援措置等につきまして、厚生労働省と連名で周知をしております。また、令和三年二月十九日付で、大学等と自治体が連携し、各地域の検査体制の整備を行う好事例等につきまして、厚生労働省と連名で周知をしております。

 また、先ほど、前回委員の方から御質問いただきまして、どれだけ増えたのか、そういったことも御質問いただいております。

 昨年七月一日に、当時の加藤大臣の方から御答弁されておりますけれども、その検査体制以降、八大学九部局で、また、二十七大学三十四部局へと現状は増えているところでございます。

 ただ、御指摘のとおりまだまだ課題がございますので、引き続き、厚生労働省と密に連携をしながら、大学等のリソースの活用をしっかりと促進してまいりたいと思います。

西村(智)委員 このように、大学への支援も、今年度三月にようやく第二次補正による応募、大学への支援の応募が始まったということで、やはり遅いんですね。遅いんです。

 心配しているのは、今、ゲノム解析の調査をしていただいています。六日の締切りだったということで、まだ半分ぐらいしか回答が返ってきていないということなんですけれども、申し上げたように、さっき触れたように、自治体の方ではなかなかシーケンサー、高くて買えない、買わないというところもどうもあるようです。

 緊急支援交付金、包括交付金をもってもやはり買わないというところがあるようなので、やはりこういった大学だとかに協力していただくことが必要なんだと思うんですけれども、ゲノム解析を大学等に協力依頼をしていく際にどういうインセンティブを働かせるのか、これはやはり素早く出していただいて、大学が乗りやすいように、また自治体も大学と相談しやすいように、何か策をきちんきちんと出していく必要があるんじゃないかと思うんですけれども、まずは厚労省に伺います。厚労大臣に伺いたいと思います。

田村国務大臣 今もお話がありましたとおり、文科省と協力して、自治体、大学に協力していただきたいというお願いをしておりますが、そういう意味では何の経済的支援という話なんですが、これは当然、検査をやっていただいたその費用等々、人件費も含めてかかりますので、そういう意味では、これは行政検査の扱いでございますから、全額、国が実質的にお支払いをさせていただくということになっております。

西村(智)委員 文科省の方はいかがでしょうか。やはり、去年のPCR検査の話が三月から応募開始というのだと、ちょっとやはり、なかなか腰が上がらないですよね。いかがでしょうか。

鰐淵大臣政務官 お答えいたします。

 現在、我が国におきましても、新型コロナウイルスの変異株が複数確認されておりますし、今後の感染症対策を適切に進めていく上でも、委員御指摘のとおり、新型コロナウイルスのゲノム解析及びそのデータ収集は大変に重要であると認識をしております。

 大学等で行いますゲノム解析につきましては、地方自治体から要請があった場合の協力、国立国際医療研究センター等が行うゲノムデータを集約する事業への協力、こういったことを、厚生労働省との連名で全国の大学等に対しまして依頼をしているところでございます。

 また、協力する大学等に対しましては、ゲノム解析のための費用を地方自治体が支弁いたします。

 文部科学省といたしましては、引き続き、厚生労働省を始めとした関係府省庁と連携をしつつ、新型コロナウイルスへの対応をしっかりと進めてまいりたいと思います。

西村(智)委員 大学等でゲノム解析するときに必要な費用を自治体が支弁するというのは、それはもう当然の話で、それ以外に何か考えないと、自治体がちゃんと大学に対して協力依頼をするにしても、何かインセンティブになるようなものがないとそれは難しいんじゃないですかということなんです。

 今年三月に第二次補正を使って始まった大学保有検査機器活用促進事業、これは非常にいいことだと思うんですけれども、PCR機器を活用した検査体制の整備だけですから、ここにゲノム解析のことは何一つ含まれないわけですよね。やはり、何かこういったことは必要なんじゃないかと思うんですけれども、検討していただけませんでしょうか。

鰐淵大臣政務官 お答えいたします。

 ゲノムデータを集約する事業に協力する大学等に対しまして、集約したゲノムデータを活用する研究開発を支援することも厚生労働省の方で検討していると聞いております。

 しっかりと、文科省としましても、連携をとって進めてまいりたいと思います。

西村(智)委員 済みません、私、それがどの程度インセンティブになるのかどうか、正直言ってここで大臣政務官の答えをどういうふうに消化したらいいのか分かりませんけれども、何かやはりもうちょっと必要なんじゃないでしょうかね、もう少し。是非検討していただきたいと思います。

 それで、厚労大臣、検査関係での質問の最後は、例えば理化学研究所、ゲノム解析できる体制は整っていると思います。例えばこういったところに協力をお願いするとか、もちろん、民間に今お願いしているところだとは思うんですけれども、やはり大手の理化学研究所にもゲノム解析は協力をお願いするべきではないかと思うんです。

 私、本当に、今、検査の件数は増やしていかなければいけない局面だというふうに思います、PCR検査も、変異株スクリーニングも、ゲノム解析も。そうでないと実態が分からないし、対応がなかなか分からない。これからワクチンが始まっていくときの検証といったものも出てくると思います。いかがでしょうか。

田村国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、自治体そして大学には、文科省と連携で通知を出させていただいてお願いをさせていただきました。

 理化学研究所は、私もそういえば昔、文科省の科学技術担当の政務官をやっていたなというふうに思い出したんですけれども、たしか、大学じゃないのでその通知は行っていないと思うんですよね。

 ですから、ちょっとこれは文科省と、これは文科省所管でございますから、文科省と連携してというか文科省にお願いをさせていただいて、理化学研究所にも御協力いただけないかというような声かけをさせていただきたいというふうに思います。

西村(智)委員 この答弁を大臣からいただいたので、もう私、今日は半分ぐらい満足でございます。ありがとうございます。ただ、まだ質問は続きますので、よろしくお願いします。

 先日ちょっと触れさせていただいた、看護師の日雇派遣についてです。

 やはり、驚くべきことが次々と明らかになりまして、先日の委員会の際には、規制改革推進会議の規制改革ホットラインに連絡、要請をしてきた団体が、NPO法人とされているその住所に実は看板も出ていない、本当に実体があるのかどうか極めて疑わしい、そういう団体であるということをお話ししました。

 それで、まずは内閣府の方に伺いたいと思うんですけれども、この規制改革推進会議に、そういった実体のよく分からない団体からホットラインを通じて話がありました。一番最初に厚生労働省はそれを蹴ったんです、対応不可ということで。対応不可ということで一度蹴ったはずなのに、なぜかその後、専門チーム会合でしたっけ、そこで、要請をした団体の人からヒアリングを受けることになりました。それは、どういう経緯でそういうふうになったのか。

 そして、その後、一度厚労省は蹴っているにもかかわらず、ニーズ調査をすることになるんですよね。平成三十年十一月二十八日のその専門チーム会合で、担当課長が出席をされて、いろいろ懸念があるという話をしながら、ニーズについては自分たちもよく分からないのでニーズは調査しましょうということになったんですけれども、そもそも対応不可としていたわけなので、ニーズの調査そのものも必要じゃなかったんじゃないかというふうに思うんですけれども。

 まず、内閣府に伺いたいと思います。この間の経緯、一体何があってこういうふうになったんですか。

岡下大臣政務官 お答えいたします。

 規制改革ホットラインは、広く国民から、企業等から、規制改革に関する提案を受け付けることを趣旨として設けられたものでございまして、個人、法人を問わず、どなたでも提案できるものでございます。

 当時、規制改革推進会議に設けられておりました、ホットライン提案に関する専門チームの会合は、規制改革推進会議の有識者委員であるホットライン対策チーム主査が重要と判断した事項につきまして、議長又は議長代理の了承を得て検討されることとされていたところでございます。

 本件につきましても、この取扱いに従いまして、当時のホットライン対策チーム主査が本件提案を取り上げることとし、平成三十年十一月十九日の規制改革推進会議に諮った上で、同年十一月二十八日の専門チーム会合で、提案者と厚生労働省からヒアリングを行い、議論したものと承知しております。

西村(智)委員 主査が判断して、それで必要となったので専門チーム会合にかけるとしたと。

 その間の議事録はありますか。議事録がないとすれば、その間の政策決定を裏づける公文書は公開していただけますでしょうか。

 ちょっと止めていただけないと。

とかしき委員長 筆記を止めてください。

    〔速記中止〕

とかしき委員長 筆記を起こしてください。

 岡下内閣府大臣政務官。

岡下大臣政務官 済みません、議事録についてのことでございますが、ちょっとそこで精査して、また御報告させていただきたいと思います。

西村(智)委員 委員長にお願いです。

 今、主査が判断して専門チーム会合にかけることにした、その間の議事録については今整理をして後でというようなお話がありました。

 それから、私、もしそれがない場合に、それの政策決定を裏づける行政文書が何かあると思いますので、それの公開を是非理事会で諮っていただきたいと思います。

とかしき委員長 ただいまの件につきましては、理事会で協議いたします。

西村(智)委員 非常に重要なことなんですよね、これは。

 厚生労働省は、やはり当初、対応不可というふうに方針を明確にこれは言っています。また、平成三十年の十一月二十八日の会議でも、相当懸念があるということを伝えています。これがなぜ、規制改革推進会議の力によって規制が緩和されることになったのか、それを裏づけるものだと思いますので、是非よろしくお願いします。

 それで、厚労大臣、最初、対応不可という方針だったんですけれども、それが何で変更されたんでしょうか。どうして対応不可という方針が撤回をされることになったのか。これはおととい、私はこの場で、次にお願いしますと通告しているはずです。

田村国務大臣 御承知のとおり、平成二十四年に労働者派遣法の改正で日雇派遣というのは原則禁止になったわけでありますが、その中で例外的に、専門的な知識や経験、技術、こういうものを持っているような、そういう者に関しては政令に定めるということで、適切な雇用管理ができているということ、これは確認をしなきゃいけませんが、そういうことで、一応認めるということでありまして。

 ただ、この十一月二十八日ですか。これは、私が聞きましたのは、やはり適正な事業運営、これは介護事業者が本当に適正な事業運営ができるのか、それから労働者が適正な雇用管理ができるのか、こういうことを確認しなきゃいけないので、慎重な検討が要る。ただし、そういう意味では、本当にニーズがあるのかというのを聞かなきゃいけないので、ニーズ調査をやろうということで、十一月二十八日に関してはそのような御回答になったということでございます。

 その後、ニーズ調査をしまして、最終的に、専門的な、確かに、知識、技術、経験、これは当然のごとく看護師でありますからあるのは確かでございますから、そこで適正な事業運営、適正な雇用管理、こういうものができるかということを勘案した上で、これは労政審にも当然おかけをいたしております。六回ぐらい議論したと思いますが。それから、社会保障審議会医療部会の方にも議論をおかけして、安全面からも、それから雇用管理の面からもこれに関してはいいであろうということでございまして、最終的には認められたということであります。

西村(智)委員 今、大臣は手続のことについて説明してくださったんですね。労政審にかけたとかいうことは、それは厚労省が対応の方針を変更した後の話であって、私が聞いたのは、なぜ対応方針を変えたのかということであります。つまり、なぜ労政審にかけるという判断に至ったのかということ。今は何もお答えになっていないと思うんですよね。

 まさに平成三十年十一月二十八日に、本当にいろんな懸念が言われています。雇用管理上の懸念があるとか、その他もろもろ、本当にもろもろ、たくさんの懸念が言われているんですけれども、それらの懸念はどういう理由で払拭をされたんでしょうか。払拭されたからこそ対応方針を変えたということだと思うんですけれども。どういう理由で変えられたか。

田村国務大臣 ニーズ調査をしなきゃいけないですよね、本当にそういうニーズがあるのかということであったわけでありまして、そこそこのニーズがあったということであります。

 その上で、言われた雇用管理でありますとか事業運営上の適正さというもの、こういうものがやはりしっかりと確認されませんと、これは勝手に厚生労働省で決められませんので、そこで、先ほど申し上げた労政審でありますとか医療部会、こういうところにおかけをして、懸念のあったところをいろいろと御意見をいただいた上で、最終的におおむね妥当という御議論をいただいたわけでございまして、それをもってして今般に至ったということであります。

西村(智)委員 今の大臣の答弁は、要約いたしますと、厚生労働省として平成三十年十一月二十八日に示した懸念は解決されないまま、解消されないまま労政審に諮った、こういうことですかね。

 いや、そういうふうに言っているように聞こえますよ。だって、どういう理由をもって解消されたのかということについては何もお答えになりませんでした。何か懸念があるということだけを示しながら、いきなりニーズ調査に入って、ニーズがあるというふうに分かったので労政審にかけたということなんですけれども。

 じゃ、ニーズがあったら何でもかんでもやっていいんですか。ニーズがあったら何でもかんでもやっていいんだったら、これはもう、労働者派遣法だってもっともっとずるずるになっていくということなんじゃないですか。

 私、ニーズの問題も、それも当然あるでしょう、需給の話だから。なんだけれども、これはとにかく働く人の問題であり、看護師さんが関わるのはやはり人なわけですよ。人に対してやるときに、まさに日雇でやることでどれほどのリスクがあるのか、そのことを十一月二十八日に課長は得々と言っているわけでしょう。言っているにもかかわらず、何かニーズ調査をやって、ニーズがあるということだけを取り上げて、不安の解消、懸念の解消はおいておいたまま労政審にいきなりかけた。どうもこういうことなんですよね。

 私、このままこれを許していってしまうと……

とかしき委員長 申合せの時間が経過しておりますので、御協力をお願いします。

西村(智)委員 失礼しました。

 大臣、最後に一点だけ伺いたいんですけれども、この専門家会合で、本当に課長は頑張って慎重意見を言っています、反論しています。それから、平成二年の三月にアンケート調査もしています。このとき、でも、田村さんは大臣じゃありませんでした。この当時、田村さんが大臣であったら、同じように対応すると判断していますか。どうですか。

とかしき委員長 田村厚生労働大臣、申合せの時間が経過しておりますので、簡潔にお願いいたします。

田村国務大臣 仮定の話ですのでお答えできませんけれども、当時、私が大臣であれば、大臣として適切に判断をしたんだというふうに思います。

西村(智)委員 ため息ですが、終わります。

とかしき委員長 次に、川内博史君。

川内委員 よろしくお願いいたします。川内でございます。

 まず、新型コロナウイルス感染症対策について、今日は、尾身会長、お忙しい中、ありがとうございます。心から感謝を申し上げます。

 御教示いただきたいのは、先ほども本委員会で、非常に危機的な厳しい状況だ、変異株が心配だよという趣旨のお話をいただいたわけでございますけれども、私は、危機的な状況だ、大変なことになるんじゃないか、だからみんな気をつけてねと言いながら、他方で、みんなが心配している変異株について、そのスクリーニング検査は四割が目標ですと。四割が目標ということは、六割はやらない、やっていないということになるわけで、感染対策をする場合、今どういう感染の状況になっているのかということをまず知ることが大前提ではないかというふうに考えておりまして、そういう意味では、科学者として、あるいは専門家として、変異株ウイルスのスクリーニング検査、N501Y、そしてE484K。E484Kだけの変異の場合にはスクリーニングではつかまえられない、しかし、どっちもつかまえていかなきゃいけないということを考えると、変異株ウイルスのスクリーニング検査をN501にしてもE484Kにしても一〇〇%を目指すべきであると少なくとも分科会としては政府にきちんと提言をして、ちゃんとやってよというふうにおっしゃるべきではないかというふうに思うんですけれども、会長、いかがですか。

尾身参考人 お答えいたします。

 実は、私ども分科会は、私の意見もそうですけれども、一〇%、二〇%というときに、もう少し上げて五割ぐらいということを申し上げて、実際にはキャパシティーがあるので四割ということで。

 実は、ウイルスというのは、もう委員御承知のように、ウイルス自体は人に感染すると体内で増殖する、コピーを作るということで、変化というのはもう刻々起きているわけですね。理想的に言えば、全てのウイルス、何兆あるか分かりませんけれども、その動きを全部見るということが理想的ですね。しかし、それは現実的ではございません。

 実は、一〇〇%かどうかというのに、私は、今の状況でやはり傾向を見るということは非常に重要です。それを毎回全てのものに、例えばゲノム分析を全てにやるというのは、話は分かりますけれども、これは公衆衛生的に実際的ではありません。そのためのリソース。

 今は、はっきり分かっているのは、イギリス株というものが感染力が強い。これが関西から関東にだんだん増えているということが分かって、これが分かっているんです、大体。今、一番大事なことは、四〇%を一〇〇%にやるということよりは、それはやった方がいいですけれども、今起きている感染をどれだけ早く下方に転じるということがもうハイエストプライオリティーです。

 したがって、一〇〇%というのは、やるかやらないか、それは四〇より分かりますけれども、今の段階で、限られたリソースを一〇〇%にやるということに最大のプライオリティーをやるというのは、私は現実的でない。

 むしろ、今分かっているのは、イギリスの変異株がだんだんと、感染力が高い。このまま放っておくと医療が逼迫になるということを分かっている。限られたリソース。そうすると、何をやるかということは、当然四〇%、今まだいっていないわけですね。それについてはみんな努力をする、当然ですけれども、それに全てのリソース。一〇〇%にいけば今の感染状況が抑えられるということはありません。

 むしろ、今はっきり分かっているイギリス株、484の方はまだ分からないから研究をこれからやる、イギリス株の方は増えていて、これがどんどん感染が広がって関東も大阪も医療の逼迫ということがあり得るので、早くここを下方に転じるということが私は今のハイエストプライオリティーで、四〇%を一〇〇%に、今三〇ですから、それを四〇に上げるというのは国の約束ですから、そこはしっかりやっていくんですけれども、ほかのことを置いて全てそこにリソースをやっても、傾向が分かっています、大体、今。これ以上のリソースを更に費やすということは、もちろんやった方がいいです。私は、それはやった方がいいですけれども、世の中、現実のリソースのリミテーションというのがあって、今やるべきことは、感染対策で下方に行くということが私はハイエストプライオリティーだと思っています。

川内委員 会長、ウイルスの専門家であり、大家であり、世界的にも大変名声を博していらっしゃる尾身会長にこのようなことを申し上げるのは大変口幅ったいことでございます。ただ、庶民の気持ちはもしかしたら尾身会長より私の方が分かるかもしれません。

 この一年以上ずっと、瀬戸際だ、勝負だ、大変なことになる、ずうっと言われ続けて、会長自身も、みんなに自粛疲れが出ているかもしれないということもおっしゃっていらっしゃる。実際に、田村大臣の足下の厚労省でも、自粛疲れなのか何か分かりませんけれども、宴会しちゃいました、国立感染研でも会合しちゃいました、自衛隊では百二十人の大宴会が行われましたというようなことが報道されている。それは、もう本当に、我々普通の人間からしてみたら、いつまで続くの、いつまで我慢すればいいのということを思っているわけですよね。

 そういう中で、ああ、これはもうちょっと我慢しなきゃいけないねというふうに私たちがもし本当にしんから思うとすれば、感染力も強いよ、そして強毒性、毒性も強いよというようなN501Yがこんなに広がりつつあるんだ、こんなに広がっているよという現在の感染状況がしっかり分かったときに、みんな、これはちょっと気をつけなきゃというふうに思うのではないか。だから、スクリーニング検査はなるべくたくさんのスクリーニング検査をした方がいいよねということを私は考えたので。

 ただ、私などがそんなことを言っても誰も相手にしてくれませんから、会長がおっしゃられたときに初めて田村大臣も、ちょっとこれは行政のお尻をたたかなきゃいけないね、あるいは菅総理大臣もそのようにお思いになられるのではないかということで、スクリーニング検査の実施率を一〇〇%にしてくださいなんて言っていないです、一〇〇%を目指す、目指すですから。

 そういうふうに科学者として御提言をされたらいかがかということを申し上げたということなんですけれども、私の考えは間違っていますかね。会長、いかがですか。

尾身参考人 委員のおっしゃる、人々が非常に大変な思いをしてコロナ疲れしているから、その人々の気分は非常に委員は理解していただいて、私もそう思います。人々は、何とかこれを早く。そういう意味で、国や自治体や関係者が全力をやって、一般の人に、これならという気持ち、そういう気持ちがあって、一〇〇%を目指した方がいいという気持ちはよく私は分かります。

 同時に、実は、今、国がやるべきこと、関係者がやるべきことは検査の方をしっかりやるということですけれども、今私が申し上げているのは、そのほかにいっぱいやるべきことがあって、例えば経済政策というのが先ほどありましたよね、そのことも一つだし、それから、いわゆる高齢者施設での検査というのもまだ道半ばである。それから、これからは、先ほど私は申し上げましたけれども、感染対策上、人の接触をもう少し制限するということは、直接これは感染の下方に行くので、そちらでもまだ不十分なんですね、はっきり言って。

 私は、国民の気持ちはよく分かる。国民の気持ちは、今、早く感染を下火にしてほしいということだと思います。その中で、検査の充実というのは重要な一の要素であります。そういう意味では、なるべく高くした方がいいという委員の御発言は、私も大賛成です。

 今、では、大臣に一〇〇%にするように、今大臣のところでは、いろいろな課題が、私はもっとやってほしいことがいっぱいある。それがうまくいってないところもあるので、それについて、私は、責任ある者として、四〇%にまだいってないので、早く四〇%。いずれ、いろいろなことができたら、当然一〇〇%ということもある。そういう意味で申し上げて、一般の人々、市民の人が、もっと高くして、安心という気持ち、それについては私もよく同感であります。

川内委員 実際に行政を執行される側というのは、本当に悩みに悩み、苦しみに苦しみ、様々なことをおやりになられなければならないわけですから、大変だろうということは私も想像いたします。感謝もいたしております。ただし、もうちょっとこうしていただければいいなということについては、国民の側に立って発言をさせていただくわけですけれども。

 そこで、やるべきことはたくさんあるんだよと今尾身会長に御教示をいただいたわけですけれども、飲食店の時短、蔓延防止重点措置が発令されると、また八時までになります。飲食店だけが何か悪者であるかのごときに飲食店、飲食店、飲食店と言われるわけですけれども、先ほど国立感染症研究所の方々の会合について言及しましたけれども、感染症について、委員長、専門家が国立感染症研究所というのはそろっているわけじゃないですか。そのいろいろなことを分かっていらっしゃる方たちが二十人を超えた人数で会合をする、ちょっとお酒も出たと。そのくらいというか、工夫すればそういうことができるんじゃないのかなということも逆に思ったりするわけですよね。

 ただ単に時短しなさい、時短しなさいと言うだけではなくて、山梨などではいろいろ工夫してやっていらっしゃるみたいですけれども、例えば時間入替え制で店を回すとか、いろいろな感染対策の工夫というのがあるんだろうというふうに思いますけれども、分科会などでは、そういう何か、これまでずっと時短を続けてきたことに関して、みんな、ああと思っているわけです。

 じゃ、ちょっと目先を変えて、こういうふうにすれば同じような感染防止効果があるよ、その代わり時短しなくていいよというような科学的な考え方みたいなものは議論されないんでしょうか。

尾身参考人 私は記者会見なんかでもこのところずっと申し上げているのは、去年の、第二回の緊急事態宣言と違って、今は、飲食店での感染ということは今も大事な一つの感染の契機になっていますけれども、それ以外のいろいろな多様なところで出てきているということで、今回のいわゆる重点措置、蔓延防止措置についても、私は、分科会も、昨日も今日も二つ会議がありまして、そのとき申し上げましたけれども、言ってみれば、飲食店というものを二回目のときには重点にしましたけれども、今は、飲食店だけではなくて、その他のパッケージが非常に重要だということを申し上げて、今委員のおっしゃっている飲食店を閉める時短要請ということではなくて、例えば二酸化炭素のモニターをするとか、入る人の人数を絞るとか、それから距離を取る。

 それから、もう一つ私は非常に大事だと思うのは認証制度ですよね。そこが先ほど私が、リソースをもっと、認証制度をつくるためには人が行かないといけないですよね。ただ紙を配って、チェックしてくださいで判こを押すというわけにいかない。やはり誰かが行く。そういう意味のリソースの使い方。

 そういう意味では、飲食店以外にも、実は、今、飲食店以外のいろいろな場所が公共の場所でありますよね、そこで何人かが集まって、そこで感染が起きているということで。そういう意味では、そういうところにどうするのか。例えば人数の制限をしていただくというようなことが実は一番今求められているので、それが必ずしもできていないで、いろいろなところで、昼カラオケも含め、個別のことは申し上げませんけれども、いろいろなところで小さなグループがマスクなしでの会食、これが今至る所で起きているんです。

 これを何とかして止めることが一番今求められていて、そういう意味では、飲食店だけなんという話は、私ども分科会はずっとパッケージだと申し上げていて、この前は飲食店ということで私は効果があったと思います。ただ、それだけでは限度があって、こんなになっているわけです。

 そこの理由は感染が多様化しているということで、飲食店もまだあります。それ以外のところでいろいろな場面でそういう密ができちゃっているので、それを何とかしないとこれは絶対に収まりませんので、そこについての危機感を政府にも今日もお願いしましたけれども、変異株のことも含めて十分分かるように、一般の人に。

 日本の一般の人は聡明ですから、しっかりとデータをもってやれば分かってくれる可能性があるので、私は、是非、そういう意味で、今の飲食店以外の、パッケージということが重要で、変異株の懸念もしっかりと伝えて行動変容に結びつけるということが今一番求められていることだと思います。

川内委員 だから、大事なのは、密を避ける、あるいはマスクをちゃんとするという本当にごくごく基本的なことをきちんとできるか否かということだろうというふうに思うんですけれども、他方で、田村大臣、政府は、一生懸命オリンピックに向けて聖火リレーをして密をつくっちゃっているわけですね、自ら。まあ、政府がしているわけじゃないですね。組織委員会が、政府も絡んでいるという意味において。私ども国民にだけは、とにかく自粛しろ、自粛しろ、正念場だ、瀬戸際だ、こういつもおっしゃる。

 今、尾身会長から図らずも出た、科学的にいろいろなことを考えてみんなでやっていこうねということは、みんなそう思っているわけです。だから、そういう対策というものを、やはり、みんな仲間と御飯を食べたいわけじゃないですか。久しぶりに会おうね、会いたいね、仕事が終わってから会いたいねということもあるわけじゃないですか。じゃ、そういうときにどうすればいいのということについて、私は、ただ時短だけではなくて、もっと違うアプローチも政府としてお考えになられる必要があるのではないかということを御提案を申し上げておきたいというふうに思います。

 そういう意味で、昨年、今日経産省に来てもらっているんですけれども、予算委員会で、保健所による行政検査とは別に、無症状の方に対するPCR検査を安く提供できる体制を経済産業省がつくるべきであると。行政検査ではなくて、旅行に行くときに検査しようね、あるいは大きな会合に出るときに検査しようね、そういう社会経済活動を回すための検査は経済産業省が担当してやったらいかがかということを御提案申し上げて、予備費で十九億円予算がついて、早期、大量のPCR検査を実現するための実証事業というのが行われました。

 これは、経産省の事業にしては珍しく、一者入札とかじゃないわけですよ。三十者ぐらい応募があって、めちゃめちゃみんな期待をかけて、慶応大学、東大、筑波大、阪大、京大、北里大などがそれぞれ企業と組んで、実証事業が始まって、三月三十一日でその実証事業が終了したということで、成果があったか否かということについて教えていただきたいというふうに思います。

山本政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘いただきました事業につきましては、経済産業省が行っております早期・大量の感染症検査の実現に向けた実証事業でございます。こちらにおきましては、複数の検体を同時に検査できる手法の確立や、検査におけるロボットの活用等、新たな検査システムを確立するための実証支援を行ってまいりました。

 本事業は、先ほどお話にございましたように、令和三年三月末に事業が完了しております。これを踏まえまして、複数の機関が事業化に向けた取組を実施しております。例えば、先日も報道もございましたが、四月一日より、筑波大学による実証成果を活用いたしまして、筑波大学発スタートアップのiLACというものが新型コロナウイルスの全ゲノム解析サービスを開始した、こういったことが一例になるかと存じます。

川内委員 これは全てPCR検査なんですけれども、PCR検査とは別に、抗原定量検査も厚生労働省さんが言うにはPCR検査と同等であるというふうに言われているわけでありまして、尾身会長、PCR検査だけではなくて抗原定量検査も私は大いに活用すべきではないかというふうに思うのですけれども、素人としては。一緒だと言うんですから。尾身会長はどのようにお考えになられますか。

尾身参考人 今委員がおっしゃったのは抗原の定量の方ですか。もう定量の方は、今、検疫とかで使われて、いろいろな検査が今あるわけですよね。LAMP法もあるし、PCRも、定量、定性もあるし。これはそれぞれ、利点と欠点といいますか、課題があるので、これは、今あるリソースを最大限生かすために、それぞれの長所をうまく生かしていろいろな組合せをやるということが一番必要で、だんだんそういう傾向になっていると思いますけれども、限られたリソースですから、あらゆるものをうまく活用するということで、抗原の定量検査もそうだし、定性検査も、PCRも、LAMP法も、そういうことだと思います。

川内委員 この抗原定量検査はスクリーニングには私はうってつけであろう、非常にコストも安くできますので。

 経済産業省にまたお願いしたいんですけれども、この抗原定量検査を使ったスクリーニング、社会経済活動を回すための検査というものを経済産業省にまた実証事業としておやりいただきたいと思うんですけれども、御検討いただけませんか。(発言する者あり)

とかしき委員長 御静粛にお願いします。

山本政府参考人 お答えいたします。

 抗原定量検査につきましては、先ほど尾身会長からのお話もございましたが、現在、医療機関、検査機関、空港検疫等に多数導入されてございます。この導入に際しましては、日本医療研究開発機構を通じた新型コロナウイルス用の試薬の開発支援や機器の導入支援、これらを厚生労働省においてしっかり行ってきておりまして、抗原定量検査の有用性については既に広く認識されているという状況だと思います。

 このため、社会経済活動のためのスクリーニング検査、こういったものを行う場合は、民間ベースでの取組が基本になるのではないかなということで私ども考えてございます。

川内委員 民間ベースを支援するためにも、経産省の方で何らか工夫をお願いをしておきたいというふうに思います。

 田村大臣が何かしゃべりたくてうずうずしていらっしゃるみたいなので、次、御答弁いただきたいんですけれども。

 今日、三回目のワクチン副反応検討部会が開催されたというふうに聞いております。アナフィラキシーが何人になったのか、そのうちブライトン分類の一から三は何件か、ブライトン分類の四、五はそれぞれ何人か、死亡例、そしてまた、ブライトン分類で四、五だけれども重篤な副反応だというふうに判定をされたものが何件だったのか、それぞれ詳細な内訳を、いや、田村大臣がしゃべりたそうだから、田村大臣に。

鎌田政府参考人 お答え申し上げます。数字ですので、私の方から御答弁申し上げます。

 御指摘の本日行われました審議会で御報告のあった件ですが、四月四日までに医療機関からアナフィラキシーとして報告があったのは三百五十件でございます。そのうち、ブライトン分類レベルの一から三に該当するのは七十九件です。また、レベル四は二百六十八件、レベル五は三件でございました。

 また、レベル四のうち重篤なものはどれかという御指摘がございました。レベル四の二百六十八件のうち重篤なものは百十七件、レベル五の三件のうち重篤なものは一件でございました。

 また、死亡例についてもお尋ねがございました。医療機関から報告があった死亡例は、合計六件となっているところでございます。

川内委員 ありがとうございます。

 総接種件数をちょっとお聞きし忘れましたが、総接種回数というんですかね。

鎌田政府参考人 先ほど申し上げた医療機関からの副反応報告疑いのベースは、先ほど申し上げましたとおり四月四日時点でございます。四月四日時点の推定接種者数は百九万六千六百九十八回でございます。

川内委員 百九万回、そのうち、二回接種された方もいらっしゃるでしょうから、実質的には百万人を切る段階で六件の死亡例が出ている。

 この六件については、判定は全部ガンマですか。評価できないという評価なんでしょうか。

鎌田政府参考人 失礼いたしました。

 報告があった六件については、全てガンマということでございました。

川内委員 大臣、評価できない、要するに、まだよく分からないということですよね。

 ただ、百万回の接種回数のうち、六人の方が残念ながらお亡くなりになっていらっしゃる。因果関係は全然分からないわけですけれども、これについて、大臣、何か受け止めはありますか。ちょっと多いなとか、ちゃんと調べなきゃいけないなとかですね。

田村国務大臣 今委員言われたとおり、因果関係は分からないということで、一定期間内にお亡くなりになられた、これは多分、医師の御判断で報告されているんだというふうに思います。

 これから高齢者の皆様方の接種が、まず第一にこの後来ます。もちろん、高齢者の中では、そもそもがワクチンを打てないような体調の方々もおられて、その方々から残念ながら、何人かというか、もっと大きなオーダーで毎年残念ながら御寿命も含めてお亡くなりになられるわけで、接種されるような体調の方の中でも一定定数の方々が、残念ながらでありますけれども、毎年、日にかなりの数で亡くなられる。それは、日本は長寿国でありますから、これは残念ながら致し方がないことであります。

 でありますから、そういうことも含めてちゃんと国民に情報発信していくこと。もちろん因果関係があるようなことで亡くなられる方もおられますから、それも含めてちゃんとした情報をどうやってお伝えしていくか、そこが今一番の課題であるなというふうに思っておりまして、他の国でも、やはり長寿国の中には日本と同じような悩みを抱えられながら発表している国もあられますから、そういうところを参考に、しっかりとした情報を国民の皆様方にお伝えしたいというふうに思っております。

川内委員 国民の全員に対して、国民に対してしっかりした情報を伝えることもそうなんですけれども、残念ながらお亡くなりになられた方々の御遺族に対しては、救済制度がありますからね、何かあったら申請してくださいねということをお伝えをきちんとするということも大事なことだというふうに私は思うんですけれども、大臣、どう思いますか。

田村国務大臣 自治体等に周知はさせていただいているというふうに思いますが、そのために法律もお通しをいただいてこういう形で予防接種をさせていただいておりますので、しっかりと伝わるように努力してまいりたいというふうに思います。

川内委員 それでは次、日雇看護師問題について聞かせていただきます。

 尾身会長、ありがとうございました。心から感謝申し上げます。

 先ほど西村委員の方からも聞かせていただいたわけですが、もうあと五分しかございませんのでたくさんのことを聞くことはできないんですが、この規制緩和のホットラインに御提案をいただいた際に、団体から、先日の参議院の厚生労働委員会では、資料を提出していただいていると思います。その資料について、規制改革推進室の方でも、また会議体の方でも事前に確認した上で議論を行ったものと承知しております、こう書いてあるんですけれども、ホットラインに提案があった書式以外に資料をいただいているということでよろしいですか。

彦谷政府参考人 お答え申し上げます。

 提案者であるNPO法人日本派遣看護師協会でございますが、十一月二十八日の専門チーム会合の前に資料を事前に御提出いただくようにお願いをしていた、それを提出していただいたということでございます。

川内委員 十一月二十八日の前ですか。五月十七日じゃなくて、十一月二十八日、どっちですか。

彦谷政府参考人 お答え申し上げます。

 五月にいただいておりましたのはホットラインの提案でございます。そちらについては、ホットラインの提案として処理をさせていただいたということでございます。

 その後、十一月の二十八日に専門チーム会合が開かれまして、その場におきまして、提案者それから厚生労働省に来ていただいて議論を行ったわけでございます。その会合の前に資料を御提出いただいたということでございます。

川内委員 この規制改革ホットラインに、この規制改革ホットラインが設けられてこの団体から提案があるまでの間、全部で何件提案があったのか、そしてまた、専門チーム会合に取り上げられた提案というのは何件あったのかということを教えてください。

彦谷政府参考人 お答え申し上げます。

 当時の規制改革ホットラインでございます。平成二十八年八月一日から平成三十一年四月三十日までの数字が手元にございますが、受け付けた件数は千六百九十一件でございます。そのうち、当時ございました専門チーム会合でございます、ホットラインの提案を基に七つのテーマを取り上げております。重複する提案がございますので、ホットラインに提出いただいた提案数としては、三十三件でございます。

川内委員 千六百九十一件の提案のうち、取り上げられた七件の中の一つであった。この団体はNPO法人を名のっていらっしゃったわけですが、このNPO法人の社員、役員の中に看護師の人材派遣業と関係のある方がいたのか、いなかったのかということについて教えてください。

彦谷政府参考人 お答え申し上げます。

 御質問の件については、規制改革推進会議としては承知しておりません。

川内委員 この団体のホームページを見ると、協力会社として人材派遣業の会社の名前が出ております。御存じでしたか。

彦谷政府参考人 私自身はホームページは見ておりませんので、確認しておりません。

川内委員 是非御確認をいただきたいんですけれども、最後に一点、この会社が実体があるかないかということが議論になっていますけれども、事務所の所在地に事務所があるということは確認されましたか。

とかしき委員長 彦谷内閣府規制改革推進室次長、申合せの時間が経過しておりますので、簡潔に答弁をお願いいたします。

彦谷政府参考人 お答え申し上げます。

 規制改革推進室として確認したというふうには承知しておりません。

川内委員 是非確認して教えていただきたいと思いますが、NPO法上では、先ほども出たように、法律上、事務所の所在地に事務所がなければならない、こう書いてあります、NPO法六条。法違反の団体から、もしかしたらですよ、提案を受けて、それを実現しちゃったということだと、こっぱずかしいという話になっちゃいますから、是非御確認をいただきたい。

 終わります。

とかしき委員長 次に、宮本徹君。

宮本委員 日本共産党の宮本徹です。

 質問をいたします。

 まず、同一労働同一賃金について、この四月一日から中小企業についても適用が開始される、パートタイム・有期雇用労働者法の改正の適用が始まります。

 ところが、幾つかの職場では、正社員に支給されている精勤手当だとか物価手当、こうしたものを基本給に組み込むということで非正規労働者への同一支給を逃れようとする動きが出ている、こういう話を伺いました。

 こうした法の潜脱は、私は許されないと思うんですね。これは実態を調査して、指導すべきじゃありませんか。大臣に。

    〔委員長退席、長尾(敬)委員長代理着席〕

坂口政府参考人 お答え申し上げます。

 個々の事案についてのお答えは差し控えさせていただきますけれども、一般論といたしまして、パートタイム・有期雇用労働法におきましては、基本給、賞与、諸手当など全ての待遇について正社員と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差や差別的取扱いが禁止されております。

 このため、正社員のみに支給される手当を廃止して基本給に組み込んだとしても、それをもって同法の適用を免れるものではありません。基本給における均等・均衡待遇ということが求められるということとなります。

 すなわち、基本給として待遇差を見て、不合理性があるやなしやということを見ていくということで、職務の内容、あるいは職務の内容、配置の変更の範囲、その他の事情、このその他の事情には、労使交渉の経緯といったようなもののうち、当該待遇の性質及び目的に照らして適切と認められるものを考慮して、不合理な相違を設けてはならないということで判断をしていくというものでございます。

 法の履行の確保のためには、私ども都道府県労働局におきまして管内の企業の状況を確認しております。法違反が確認された場合は、助言、指導等を適切に行ってまいりたいと思います。

宮本委員 法違反があれば指導していくので、そういういろいろな手当をこの際基本給に入れちゃって逃れようというのは駄目なんだというのが今の趣旨だったと思うんですけれども、それなのにやられているという話も聞くわけですね、労働組合ルートなんかでは、私。

 これはちゃんと、そういうのは事実上の脱法行為ですよ、許されないですよという周知徹底をかなりこの段階でやらなきゃいけないと思うんですが、それを是非大臣にお願いしたいんですけれども。

田村国務大臣 周知は、今まで、施行される前もずっとやってまいりました。今も話がありましたとおり、労働局、それぞれ管内を持っておりますので、管内企業に関してはそういう状況を見つけ次第対応していますし、場合によっては、いろいろな情報を仕入れるだけじゃなくて、端緒等々、なかなか言えないわけでありますが、そういうものがある中において、管内の企業に対しては是正指導等々も含めて対応しておるということであります。

宮本委員 当然、是正指導。だけれども、周知してきて、実際起きているわけですから、改めてこの段階で、それは明示的に、こういう、この際、正社員だけに出ていた手当を基本給に入れちゃおうということで逃れようという、今回の同一労働同一賃金の法改正の適用を逃れようというのは駄目ですよと、明示的に、是非啓発していただけませんかというお願いをしておりますが。

田村国務大臣 基本給、賞与、手当、それぞれにおいて、やはりこれはしっかりとした、正社員と非正規社員の間で均等・均衡待遇をしていかなきゃならないということでございますので、それははっきりと、この場をおかりいたしまして、私の方から再度申し上げたいというふうに思っております。

宮本委員 徹底的に、こうしたことは許されないんだという立場で臨んでいっていただきたいと思います。

 それからあと、今日、二つ目ですけれども、資料もお配りしておりますが、放課後等デイサービスの報酬体系の改定で、これまで手厚く支援を行ってきた事業者から、大幅な減収になるということで、悲鳴の声がたくさん上がっております。

 これまで区分一、区分二とあったわけですが、区分一だった地元の放課後デイ、幾つかにお話を伺いましたけれども、大体定員十人の放課後デイで四百万から五百万ぐらいの減収という話であります。一人分以上の人件費に相当するという減収なんですね。

 あと、放課後連の皆さんが全国の数十事業者に今聞き取りをやっているということで、少しお話を伺ったんですけれども、全国の法人でいえば、二つ事業所を持っているところだったら一千万の減収になりますし、どうするのかということになっているわけですよね。人を減らすのか、賞与をゼロにするのか。人を減らしたら今までのような支援ができなくなるということで、大変なことになっております。

 それで、幾つか声も紹介したいと思いますけれども、例えばこういう声があります。

 一人減らすとなると、今までやっていた活動はできなくなる。たくさん歩いて体を動かすこと、お金を持って駄菓子屋さんに行って自分で選んだお菓子を買うこと、少し難しいけれども挑戦したいと思う気持ちを後押しすること、仲間づくりをすることなどなど。支援が必要でない子は一人もいない、必要でない子は放デイに来ていない。最低の人数でやればいいというやり方では質の悪い事業所をつくり出すことになってしまうという声だとか、あるいは、人手が減ることにより、公園などの外出の機会は少なくせざるを得ない。結果として、室内で安全に過ごすことがメインとなり、DVDを見せるだけという批判を受けている事業所の支援内容に近づいていかざるを得ないという声だとか、そういう、今まで手厚く支援してきたところからは、本当に一人一人に寄り添ってやってきた支援活動ができなくなってしまうという悲鳴の声がたくさん上がっているわけであります。

 なぜそうなるのかというので、この資料ですけれども、区分一、区分二。区分一の場合は、これまでは二人まで加配の加算が認められていたわけであります。今度の見直し後は、加配の加算は基本は一人まで、もう一人、専門的支援加算というのに変わります。ただ、この専門的支援加算というのは理学療法士等ということになっていまして、ここには保育士さんは入らないということなんですね。今まで、現行の方、現行と書いていますね、今までの方は、一、理学療法士等加配加算で二百九単位というのは、これは保育士さんも入っていたわけですよ。ところが、今度は、専門的支援加算では、保育士さんはここには入らないということになってしまったわけです。

 厚労省の放課後等デイサービスのガイドラインを見ても、個別への支援と同時に集団活動が大事だということが書いてあるわけですよね。

 もちろん、理学療法士だとか作業療法士の皆さんなんかは個別への支援、訓練という点ではプロだと思いますけれども、集団活動という点でいえばやはり保育士さんがスペシャリストということだと思います。なぜこの保育士さんを専門的支援加算に入れないのかというのが、全く、放課後デイというのをどう考えているのかという声も上がっているわけですね。

 それで、資料二の方も見ていただきたいんですけれども、これは放課後デイの前ですね、児童発達支援事業所の報酬等の見直し。こっちも同じように専門的支援加算というのが一人変わるわけですけれども、こちらは、保育士さんあるいは児童指導員で五年以上児童福祉事業に従事した方は専門的支援加算として認めているわけであります。

 最低でもこの児童発達支援と同じように、放課後デイでも保育士さんについて専門的支援加算に認めるということをやらないと、これまでやってきた支援は、手厚く支援をやってきたところはできなくなってしまう。あるいは、本当に今でも物すごい低い給与で皆さん頑張られているのは大臣も御存じだと思いますけれども、もう賞与をカットするだとか、そういうことをせざるを得なくなるということになってしまうわけであります。

 ちょっと大臣、至急に事態を把握していただいて、改善していただけませんか。

    〔長尾(敬)委員長代理退席、委員長着席〕

田村国務大臣 御承知のとおり、障害福祉サービス事業者経営実態調査をいたしました。結果、平均が五・〇%プラスだったところが、この放課後デイはプラス一〇・七%ということがございました。

 限られた財源の中で、それぞれ厳しいところに対してもつけていかなきゃならぬということがある中で、そうはいいながらも、やはり質の高い放課後デイサービスを提供いただいているところに関しては加算をつけさせていただくということで、委員がおっしゃられましたけれども、専門性の高いといいますか、そういう方々に関しての加算でありますとか、あとは、ケアニーズの高い障害児の皆様方を預かっていただいているところに対する加算でありますとか、虐待のおそれがある障害児の皆様方に対する加算等々、あと、医療的ケア児に対する、これは加算ではなくて基本報酬、これも創設をいたしました。

 今委員おっしゃられたところの専門的支援加算というのは、言うなれば、今、理学療法士という話がございましたが、ここはそうなんですが、その下の児童指導員等の加算、加配加算、ここは保育士も入っておるわけでありますし、そもそも基準人員のところに保育士が入っているわけでございます。

 そういう意味では、保育士を全く評価していないというわけではございませんので、評価はしっかりさせていただく中において、より専門性の高い方々を評価しようという形で今回見直しを、よりといいますか、要はその専門性、理学療法というような専門性の高いところ、そういうところに対しての評価をしようということと同時に、スタートしたばかりでございますので、状況をまた我々もしっかりと把握をさせていただきたいというふうに思っております。

宮本委員 先ほど申し上げていましたように、今まで加配二人、保育士さんで取っていたところは、今度のものでは加配は一人しか取れなくなってしまうわけですよ。支援ができないじゃないですか、今までと同じ支援が。

 首を切るんですか、辞めてくれと言うんですか。でも、そういうわけには、そういうことを絶対求めちゃいけない話なわけですよね。

 じゃ、給料をカットしてくれと言うわけですか。三百万円とかそういうレベルですよ、本当に。三百数十万円とか、本当に低い年収で、本当に誇りを持って、この子供たちの発達、成長にやりがい、生きがいを持って支援している方々なわけじゃないですか。

 しかも、私、先ほどから言っていますけれども、確かにリハはリハで、個別のいろいろな訓練という点でいえば、そういうことができる方々というのは、そういう面での専門性はあると思いますよ。

 でも、学校じゃないんですからね、放課後デイサービスというのは。小学校でいえば学童に相当するわけじゃないですか、特別支援学校の放課後デイサービスというのは。元々は、この仕組みが始まる前から、放課後活動ということで、多くのお子さん、障害があるお子さんを預かって集団活動をやってきたところがこの放課後デイを担っていっているわけですから、そういう放課後の豊かな集団活動の場、のんびり過ごして遊ぶことも含めて、そういう中で、いろいろな、できることを一つ一つ増やそうということを支援してきているわけですよ。そのスペシャリストであるわけですね、保育士さんは。区別するのはおかしいじゃないですか。

 だって、先ほども言いましたけれども、児童発達支援事業所の方では、もう一つの方では、保育士さんも専門的支援加算として認めているわけですから、区別する必要はないんですよ。何で児童発達支援事業所だけ保育士さんを専門的支援加算として認めて、放デイの方では認めないのか。これは全く私は筋が通らないと思いますよ。

田村国務大臣 先ほど申し上げましたけれども、実態調査というのをやっているのは委員も御承知だというふうに思います。その中において、障害福祉サービス事業所、いろいろな種別がありますけれども、その中で一〇・七%という数字が出てまいりました。こういうものを見ながら、それぞれ改定期に見直していくわけでございまして、低いものもあれば高いものもあるわけであります。限られた中で、収支差が高いところがあれば、若干なりともそれを、財源を出させていただいて低いところに対応させていただくということも必要であろうということでございます。

 ただ、その中で、やはり質の高いサービスを提供していただいているところに関しては、一律に減らすというのではなくて、しっかりとそれを評価していくということは大切であろうということでございますので、今般のような見直しをさせていただいたということであります。

宮本委員 ですから、そういう質が高いことをやってきているところですよね。元々、人は加配してでも是非やることを考えてくださいというのが放課後デイサービスの厚労省の作っているガイドラインですよ。そういう中で人も加配をしてやってきた。

 確かに、もうけ本位のところというのはこの間たくさん出てきていますよ。そういうところがあるがために、見た目の利益率が高い事業所があるがためにそういうふうに映っているのかも分からないですけれども、それは利益率が高い事業所についてそういうふうに見ればいいわけであって、多くの真面目に人を配置して丁寧な支援をやっているところからいったら、本当に、これまでやってきた、子供に寄り添っての、子供を一歩でも二歩でも成長させようという支援ができなくなっちゃうわけですよ。

 そういうことを厚労省は目指しているんですか。違いますよね。そこをちゃんと、実態を聞いてもらえませんか。

田村国務大臣 だから、先ほども、冒頭申し上げましたけれども、要は、改定したばかりでございます。ですから、そういうような状況も関係団体からいろいろとお話はお聞きをさせていただきたいというふうに申し上げているわけでありまして、決して話を聞かないと言っているわけではございませんから、お話もお聞かせをいただきたいというふうに思っております。

宮本委員 本当に、しっかり聞いて、速やかに改善を図っていただきたいというふうに思います。私から話を聞くよりも当事者の皆さんから話を聞いた方がよく分かると思いますので、強く求めておきたいと思います。

 それから、障害者への支援に関わって、もう一点。今日、資料をお配りしておりますが、その次のページで、公共交通機関における精神障害者等に対する運賃割引についてもお伺いします。

 関係者の要望を基に、高橋千鶴子議員もこれはずっと取り組んできた問題なんですが、資料三ページ目のグラフにありますように、少しずつ精神障害者についての公共交通機関での運賃の割引の実施率は広がってきておりますが、身体障害者や知的障害者と比べれば、まだまだ差がある状況でございます。

 ただ、この間の大きな変化では、ほとんどやっていなかった航空業界がこれを一気に取り組み始めたということでございます。この辺の経過について教えていただけますか。

大高政府参考人 お答え申し上げます。

 障害者に対する公共交通機関の運賃割引については、事業者の自主的な判断により行われている中で、精神障害者割引についても、機会を捉えて、公共交通事業者等に対し、理解と協力を求めてきたところでございます。

 こうした取組の結果、精神障害者に対する運賃割引を実施している交通事業者は増加傾向にあり、令和二年四月現在、鉄道、軌道事業で九十三者、乗り合いバス事業で八百八十四者、タクシー事業で二万三千八百二者、旅客船事業で二百十九者、航空事業で十七者となっております。

 先生御指摘の航空業界についても理解と協力を求めてきたところでございまして、平成三十年十月以降、大手航空会社二社が導入したことが契機となって、業界に広く普及したものと承知をしております。

宮本委員 大手がやり始めて全体に広がったということですが、鉄道でいうと最も大きなJRが進んでいないわけですよね。

 資料を四ページ目につけていますけれども、これは国会で採択された請願ですけれども、JRを、しっかり名前も明記して、精神障害者についても交通運賃の割引制度の適用対象にされたい、これは国会の意思としてなったわけですが。

 これは、JRにはどういう働きかけをやっているんですかね。航空業界でここまで進んでいるわけですから、これは航空局に比べて鉄道局の努力が足りないということなんですかね。

大高政府参考人 お答え申し上げます。

 精神障害者割引については、先生が今、お話にあったように、令和元年の第百九十八回通常国会において、精神障害者の交通運賃に関する請願が採択されたところでございまして、我々、大変重く受け止めております。

 鉄道局におきましても、JRに対して精神障害者割引について理解と協力を求めるよう、しっかり取り組んでおります。

 国土交通省といたしましても、精神障害者割引の導入が広がっていること、そして、障害者団体等から度重なる要請があることについて、JRも含めて、交通事業者等の関係者に幅広く周知するとともに、機会を捉えて、交通事業者に対し、理解と協力を求めてまいりたいと考えております。

宮本委員 JRは、この間、身体障害者でいえば、新幹線に車椅子用のスペースを拡大したりという努力もしているわけですよね。何でこっちが、精神障害者の運賃割引についての対応が進まないのかなと思うんですけれども。

 ちょっと本腰を入れて、国交省からしっかり働きかけをやっていただけませんか。やはり三障害差別なく取組をしていただくというのは当然だと思いますので、本腰を入れて、びしっとやっていただけますか。

大高政府参考人 お答え申し上げます。

 身体障害者、それから知的障害者、精神障害者、それぞれの方が社会に進出できる環境をつくるということは大変重要だと思っております。

 JRに対してもしっかりと協力と理解を求めてまいりたいと思います。

宮本委員 次回はこういう質問をしなくていいように、よろしく取組をお願いしたいと思います。

 次に、厚労省のことについてお伺いしますが、パワハラ相談員がパワハラを行っていたという報道もあり、そして先日は大変ショッキングな週刊誌の報道もありました。

 厚労省の改革若手チームの提言なんかも出ているわけでありますが、パワハラを受けたことがある方というのはかなりたくさん厚労省の中でもいらっしゃるわけですよね。ずっとパワハラが繰り返されている。

 これは、ハラスメント問題の研修というのは十分なのか。あるいは、ハラスメントや健康だとかいろいろなことについて気軽に相談できる体制、ケアする体制というのは十分なのか。この点、どうなっていますか。

山田政府参考人 ハラスメントの防止のためには、管理職向けの幹部研修、それから階層別の研修、それからEラーニングによる全職員の研修等をしております。それで、ハラスメント相談員について、各部局の人事担当の課長補佐級から選定していて、そのハラスメント相談員に対しても一定の研修をしておるところであります。

 最後に先生が言われた健康、メンタルヘルス等への対応については、精神科医、保健師、精神保健福祉士等の医療スタッフ職員による相談体制、それから二十四時間年中無休での相談体制をしいております。

 今回の事案も踏まえまして、新たにパワハラ相談のあった事例について定例的なフォローアップを行う措置を導入することにしておりまして、そういったことでパワーハラスメントの防止を図ってまいりたいと思います。

宮本委員 今回の事案を踏まえてというお話でありますけれども、厚労省の若手の皆さんの改革提言を見ると、こういうことを書いているんですよね。

 人事評価の基準を明確にしてほしいと。セクハラやパワハラを行っている幹部、職員が昇進を続けているというのが今の現状だと見ている人がかなりいらっしゃるわけですよね。そういう下で、やはりこういうハラスメントをした人については、あるいはハラスメントをするということについては、人事評価、昇進にしっかり反映する。こういう、人事評価について改革が必要だ、厳正に評価すべきだという提言が出ているわけですよね。

 これは私、至極もっともな提言だと思うんですよね。これは検討は進んでいるんですか。

山田政府参考人 先生の方の御指摘があった若手チームの提言を踏まえた改革工程表の中で、いろいろな研修だとか相談体制のことも書いてありますが、直接人事評価ということではないですけれども、数年前に入れた、部下から上司を評価するという仕組みを入れておりますが、そうした部下のコメントの方から、あるそういった上司に対して、パワハラ等の傾向が認められる者については、その本人に対して面談を行ってその旨を伝達するとともに、怒りをちゃんと静めることが自分でできるようにというアンガーマネジメント研修等の受講勧奨を実施するといった取組を導入しております。

宮本委員 そうじゃなくて、部下からの評価じゃなくて、厚労省自身の人事評価として、ハラスメントをやる人が昇進するというのはおかしいじゃないかという声が上がっているわけですよ。そこはちゃんと直さなきゃいけないんじゃないですか。

 これは、大臣、そこの検討をちゃんとしっかりやらなきゃいけないんじゃないですか。人事評価として、ハラスメントをしている人については厳しい評価をしていく、こういうことを考える必要があるんじゃないですか。

田村国務大臣 今話があったのかも分かりませんが、評価の仕方で、上の者が評価するだけではなくて、下も含めて全体で評価をするというような方式に変わってきています。

 その中で、そのような話があれば、当然のごとく、そういう評価というものがその中で考慮されるわけでございますので、そういう意味では、評価の方法という意味からすると、ただ単に上にいい顔をして、下に対してパワーハラスメントをするというような者が、言うなれば、隠れて出世していけるというような、そういう仕組みにはなっていない。どんどん評価の方法は変わってきておる。そういう形の中で、今言われたようなことの危惧のないように我が省としても人事評価を行ってまいりたいというふうに思います。

宮本委員 ですから、評価基準として明確化した方がいいのではないですかというのが若手の皆さんの提言だと思いますので、今までやってきたことでも、なかなか、このハラスメントが繰り返されているということなわけですから、更にどうするのかというのを、真剣にこの機会に考えていただきたいということを申し上げておきたいと思います。

 それから、ワクチンについてお伺いしたいと思います。

 先ほど、今日の副反応の部会で、ワクチン接種後に亡くなられた例が六人というお話がありました。資料を拝見いたしますと、脳出血関係ですね、くも膜下も含めて脳出血関係で亡くなられた方が四人、いずれも女性ということになっているわけでありますが、これは海外に比べて日本は多いとか、こういうことはあるんでしょうか。

鎌田政府参考人 まず、ワクチンの接種による副反応でございますけれども、接種対象者ですとか、報告制度が違いますですとかあるので、発症の件数などで単純に比較することはなかなか難しいのではないかというふうに考えております。

 それで、今先生御指摘の脳出血についてですが、死亡四例を含めまして、今日新たに死亡四例が報告されてございましたが、本日、審議会でちょうど行われたところでございまして、申し訳ございません、審議会での御意見は存じ上げておりません。

 いずれにいたしましても、今後とも、副反応の疑いを収集して、評価するとともに、先生御指摘のように、海外における情報についても収集してまいりまして、国民の皆様に適切な情報提供に努めてまいりたいと存じます。

宮本委員 早急に海外との比較というのをやっていただきたいというふうに思います。

 あと、脳出血以外に、海外と比べて国内での接種の方が接種人数比で多く出ている大きな副反応というのは何かあるんでしょうか。

鎌田政府参考人 繰り返しで恐縮でございますが、ワクチンの接種による副反応の単純な国際比較は難しいところでございまして、あと、まだ、先生、その大きいというのがどの程度かでございますけれども、例えば、前回の三月二十六日に開催した審議会におきまして、アナフィラキシーについては、国内の報告件数は欧米で公表されている報告件数と比較して多いと考えられるけれども、海外の報告についても、接種開始当初は報告の頻度が高かったことですとか、あるいは丁寧に報告を求めた研究報告においては発生頻度が高かったなどの御指摘もあり、やはり海外との単純な比較は難しいという御意見をいただいたところでございます。

宮本委員 国内治験、第三相をやらずに接種を始めているということがあるわけですから、やはり海外との比較というのは、副反応についてはしっかり日本政府の責任でやらなきゃいけないことだと思いますよ。それで何らかの傾向があるんだったら、その方に既往症があったり何とかがあるんだったら、それはちゃんと調べて、こういう場合は注意しましょうという情報提供もしなきゃいけなくなるわけですよ。それをしっかり、その点を取り組んでいただきたいというふうに思います。

 あわせて、この間、突発性難聴のお話を前回させていただきましたけれども、二週間前の報告で二名で、今回も二名なんですよね。これは何かおかしいんですよね。その事例の二名以外に、私自身が突発性難聴で相談を受けた方がおりますので、少なくとも三名はいるはずなわけですけれども。

 これは、いろいろな副反応がしっかり全部反映する仕組みという点でちょっと疑問が生じているんですけれども、集計漏れが起きるだとか、あるいはそういう副反応の集約の仕組みでちょっとどこか目詰まりが起きているとか、何かあるんですか。

鎌田政府参考人 突発性難聴、先生前回お尋ねになりまして、私の方からそのときに二例ということで、先生はもう一例あるのではないかということですが、今回は御指摘のとおりに、御報告はございませんでした。

 それで、目詰まりがあるかどうかということでございますが、私どもといたしましては、医療機関から報告があったものを全て審議会に出しておりますので、目詰まりという点はないというふうに考えてございます。

宮本委員 では、医療機関の方で精査してから、後で上がってくる可能性があるということで、どこかで目詰まりはない、あるいは集約漏れがないという理解でいいわけですね。じゃ、いずれ出てくるのではないかというふうに思います。

 あと、たくさん通告していたんですけれども、ちょっと時間切れが迫っていまして、あと五分ありますね。

 今、感染拡大がずっと広がっている下で、この間、陽性者や濃厚接触者への所得保障が大事だというのを私はもうずっと前から言い続けているわけです。去年の二月の予算委員会から同じことを言っているんですけれども。

 介護施設で社会的検査が行われているわけですよね。どうも検査日と発症日が同じというケースが結構あるという話が、アドバイザリーボードでもあったという話を伺いました。パートの人なんかが、体調が少し悪くてもいろいろな事情で休めない、社会的検査で受けたときに、そういえばという話が、なるという話があったというふうに伺っております。

 つまり、いろいろな事情で休めない、少々体調が悪くてもいろいろな事情で休めないうちの一つというのは、やはり収入面だと思います。場合によっては、職場によってはやはり解雇というのも起きています。私の地元なんかでも、非正規の人が陽性になったということで解雇というのも起きた例もあります。

 ですから、そういうのが本当に起きない社会にしていかなければならないですし、やはり、陽性になった場合や濃厚接触者になった場合のしっかりとした所得保障がなされていかないと、ちょっと体調が悪くても働くということになってしまうんじゃないか。

 今、傷病手当、国保については一定部分つくっていただいていますけれども、これは三分の二ですからね、収入の。これでいいのかとか思いますし、個人事業主やフリーランスについてはないわけですよね、いまだに。

 やはり、私も本当に一年以上言い続けている感じもするんですけれども、アドバイザリーボードだとか、あるいは分科会でも議論になったかも分からないですけれども、調子が悪くても休めなくて、検査も受けに行かない、こういう事態をどう解決するのか。そこを一つ解決していかないと、感染拡大防止ということでいえば、やれることをやり切ったということは、全部やったということは言えないと思うんですよね。是非、考えていただけませんか、大臣。

田村国務大臣 一つは、介護従事者は、今委員の言われた傷病手当という形になるんだと思います。それから、これも、私もそのときアドバイザリーボードに出ていたんですが、それだけじゃなくて、ああ、あの症状だったのかというような人も中にはいるんだと思います。

 何を言いたいかというと、やはり、それだけ定期的に検査をやることによって、早めに見つけて、そして療養いただいて、何といっても介護施設ですから、入所者の方々は重症化するおそれがありますので、早く感染管理をしていくということ、これが重要であろうというふうに思っております。

宮本委員 介護施設は、とにかくこれは頻回なんです。これも去年からずっと私は言い続けていますけれども、頻回、できれば毎週これをやっていただくというのが大事だと思うんですけれども、社会全体の感染の広がりということを考えた場合は、調子が悪くても働いているというのは別に介護施設だけの話じゃないわけですよね。これまでの感染事例でもたくさんあったわけですよ。やはりそこは、もっとしっかりとした所得保障をやっていく、フリーランスや個人事業主も含めて。そこを是非考えてください。そこを改めて申し上げておきたいと思います。

 あと、最後ですけれども、これは通告していないですけれども、この間のこの場での尾身会長のいろいろな発言を聞いて、私も本当に、改めてお願いしたいことは、やはり政府の本気の必死のメッセージが国民に伝わるというのが、そのための努力をもっとしなきゃいけない、そういう思いを本当にいつも尾身会長の発言から感じるんですよね。

 そういう点で、やはり私は、菅総理が本当に必死になって、国民に、尾身さんと一緒に並んで連日記者会見をやる、それぐらいやって、国民とコミュニケーションをやって、本当に今極めて重大なところに感染状況は来ていると思うんですよね。やはりワクチンを高齢者が打ち終わる、そこまでが一つの山なわけですから、そこが山なんだ、そこまでみんな一生懸命こうしようじゃないかというのを、連日、必死に、尾身さんと一緒になって菅総理が会見をする、こういうことを私は是非やっていただきたいと思っているんですよ。何か去年から同じことを言っている気もするんですけれども、是非大臣から進言していただけませんか。

田村国務大臣 やはり総理は、必要なときにしっかりと国民の皆様方に、危機感を訴えていただきながら、一方で御協力いただかなきゃならないところは多々ございますから、しっかりとお願いをいただく、大変重要なことだというふうに思います。

 日々は、担当大臣の西村大臣が毎日のように会見をいただいておりますので、そこでしっかりと現状等々、状況を御報告をいただいて、要所要所で総理がしっかりと国民の皆様方にお願いをしていく、大変重要なことだというふうに思っております。

宮本委員 西村大臣は連日会見をされて、本当に立派だと思います。頑張っていると思います。でも、メディアは余り報じてくれません。総理が出て、尾身さんが並んでやれば、専門家の皆さんの知見も含めて国民に毎日伝わる、こういう状況になっていくわけですよ。

 是非そういうことを考えていただきたいということを重ねて申し上げまして、時間になりましたので質問を終わります。

 ありがとうございました。

とかしき委員長 次に、青山雅幸君。

青山(雅)委員 日本維新の会・無所属の会、青山雅幸です。

 本日も、大変貴重な時間、ありがとうございます。

 まず冒頭、先日の当委員会で、私、変異株の退院基準について、兵庫県の現場でお困りだということで、早急に何とかしていただきたいと。大臣は検討するとお答えいただきまして、そうしたところ、今日その方からメッセージがございまして、四月八日付で厚労省が早速文書で出していただいて改善された、大変ありがとうございますというお礼の言葉がありましたので、私もこの場をかりてお礼を申し上げておきます。ありがとうございます、迅速な対応。

 続いて、ちょっと今お聞きしていて、衝撃な話なわけですけれども、日本ではなぜか、アストラゼネカ製ワクチン、これは欧州の医薬品庁、EMAが、関連は明白ということで認めた。今、欧米各国が、これについて、相当早い手段で接種対象年齢を見直ししているわけですね。我が国もたしか六千万回分ですかね、契約しているわけで、これは非常に我が国にとっても重要なニュースなんですけれども、なぜか余りメディアは取り上げていない。

 さらに、今お話をお聞きしていると、更に四例の、日本、今、ファイザー社ですけれども、死亡例が追加されて、いずれも女性だということなんですね。ということでよろしいんですかね。六例になったということでいいんですか、ファイザー社製の死亡者。六例ですね、いずれも女性。これは、いずれも出血ということでよろしいですか。

鎌田政府参考人 お答えします。

 ファイザーに関してですが、脳出血関係でございますが、先ほど申し上げましたように、百九万六千件程度の接種で死亡例が四例、それから、それ以外にも四例報告されているところでございます。

青山(雅)委員 合計八例ということですね、死亡例。

鎌田政府参考人 失礼いたしました。死亡例は合計で六例でございます。うち脳出血関係が四例ということでございます。

青山(雅)委員 それで、私、これは是非きちんと調べてもらいたいんですけれども、なぜかというと、御承知のとおり、アストラゼネカ社製のワクチンも、当初、アストラゼネカ社、因果関係は否定していました。今回、急に、急にではないですね、EMAがずっと調べてきて、あるということになったわけです。

 これは、ちょっと怖いのは、例えばアストラゼネカ社製について、イギリス政府のウェブサイト、これはイギリス政府の保健省外局、医薬品医療製品規制庁のサイトですけれども、七十九例出ている。そのうち十九例が死亡しているんですけれども、うち十三人が女性だと。やはりこれも女性が多いわけです。十九人のうち、十一人は五十歳未満であり、三人は三十歳未満です。

 これは、日本に置き換えると、絶対に死なない方たち、恐らくは。それが、ワクチンを打ったことによって死亡する。というのは、御承知のとおり、三十代九人ですか、まだ、亡くなっているの。二十代三人ですから、三十歳未満でしたら二十代三人ですからね。イギリスなら、イギリスの方が人口は少ないですから。どう考えてもリスクに見合わない。

 しかも、そこの、今御紹介した同じところが発表している医療従事者向けの情報はこのメカニズムについてまで推定していまして、ワクチンが非定型ヘパリン誘発性血小板減少症などの障害につながる免疫応答を引き起こす可能性があると考えられているということなんですね。

 まず、こういった情報を厚労省はつかんでおられるか、お聞きしたい。

鎌田政府参考人 アストラゼネカ社のワクチンについては、御案内のとおり、現在、PMDAにおきまして審査を進めているという状況でございます。

 御指摘のアストラゼネカ社のワクチンに関する血栓なども含めた安全性に関する情報につきましては、私どもとしては、申請企業であるアストラゼネカ社から詳細な情報を収集し、報告するよう求めているところでございますし、また、WHO、あるいは、今おっしゃられた各国の保健当局、薬事規制当局とも連携して、安全性、有効性に関する情報収集に努めているところでございます。

 その上で、薬事審査におきましても、御指摘の血栓症に関する情報などについても精査、確認の上、承認の可否や適正な使用条件などにつきましても判断するということとしております。

青山(雅)委員 一応、この話を受けて、この話以前からそうしているところもありますけれども、各国はどういうふうにしているかというと、御紹介すると、ドイツ、オランダ、アイスランド、フィンランド、イタリアが六十歳以上に限っています、接種対象を。フランス、カナダは五十五歳以上、スウェーデンは六十五歳以上。スペインは、急遽この話を受けて、それまで五十五から六十五歳にしか適用しないと言っていたのを、六十から六十五歳に絞りました。いずれも、リスクとベネフィットを、きちんと均衡を考えてこういう適用の対象を限っているわけですね。

 その発想は私は日本でも絶対に必要だと思うとともに、先ほどの、やはり、ファイザー社も、アメリカの事例もそうなんですけれども、血栓症とか出血傾向がずっと指摘されているわけですよね。死者も出ている。だけれども、当然、会社の方は否定する。でも、日本で僅か百万例で六例、同じことで、女性。女性の方が出血傾向が強いと言われていますからね、そもそも。出ているということはすごく重要なので、これはきちんと厚労省としても本格的に検討をしていただきたいんですけれども、審査会に任せるのではなくて。

 これはちょっと通告していませんが、大臣の御見解をお伺いしたいんですけれども。

田村国務大臣 やはり、専門家の評価が大変重要だというふうに思います。しっかりと審議会の方で御議論いただいた上で御評価をいただきたいというふうに思います。

青山(雅)委員 実は私のところにもそういう声が届いているんですけれども、医療従事者が優先的にやるものですから、多いのはやはり看護師さんなんですよね。看護師さんは若い方が多い。そうすると、若い女性というのは、繰り返し言っていますけれども、新型コロナによって死亡するリスクは極めて低いんですよ。そういう方たちが、万が一にも有害事象、因果関係があるもので死亡するなんてことがあってはならないので、私は、こういった数が積み重なってきているのであるならば、やはり少し慎重に、より慎重に、一旦海外みたいに見合わせるとか、それは、ファイザー社のワクチンでも我が国でそういう結果が出ている以上は真剣に検討すべきだと思いますので、この問題はまたやらせていただきますので、是非検討をしておいてください。

 それから、もう一点。日本では二週間に一遍発表されていますけれども、アメリカのVAERSみたいに、全ての有害事象について事細かくデータベース的に出してはいないんですね。それはどうしても必要だと思うんですよ、やはりこういったことを分析するに当たっては。それは検討していただけないでしょうか。

正林政府参考人 お答えします。

 厚生労働省においては、法律に基づき、医療機関や製造販売業者から報告のあった全ての副反応疑い報告に係る情報について、審議会で専門家に評価していただいた上で定期的に公表することを基本としています。

 また、公表に際しても、単に各事例を列挙するのではなく、専門家や国民の皆様に御理解いただきやすいよう、各種情報を整理した上でお示しをしています。

 加えて、先行接種を受けた医療従事者等に対して別途健康調査を行っており、この中ではファイザー社のワクチンについて軽微な副反応も含めて報告していただいているところ、現在、二回目接種後の情報を含む健康観察日誌の集計の中間報告を公表しています。

 今後も、重篤な副反応疑いの情報を収集しつつ、審議会を通常より高頻度に、必要があれば緊急時にも開催することとしており、こうした取組などを通じて、引き続き国民の皆様に適切な情報を速やかに提供できるよう努めてまいりたいと考えております。

青山(雅)委員 従前に比べれば、公表の度合い、あるいは公表の内容については透明性が確保されつつあると思います。

 ただ、私がお願いしているのは生データですね。やはり、どうしても人の評価とかが加わると、それは、正しい、医学的な検討の対象になりにくいと思うんですよね。ですから、もっと透明性のある生データの公表も検討されるべきだと思います。

 ちょっと時間がないので、今日はそこの指摘だけにとどめますけれども、是非検討をお願いいたします。

 続きまして、前回、前々回と提言させていただいております高齢者施設対策です。

 ようやく、昨日、高齢者施設の職員への検査実績について、私どもの方に御回答がありました。資料一です。日経の数字と大分違うんですね。日経の数字は計画対象施設がこの半分の一万五千くらいですから、僅かな期間で倍に増えている、二万九千ですから約倍ですね。それから、実際に調べられた数字も、日経の数字だと一万四百四だったのが、いただいたデータだと一万五千だから、一・五倍に増えているんですよね。

 つまり、やろうとすればできるなということがよく分かるわけですけれども、今まで集計していなかった理由について、簡単でいいので政府の方からお伺いしたいんですけれども。

正林政府参考人 恐らく、日経新聞の、この配られている資料の数字と、時点が違ったり、あるいは、これは多分政令市が入っていないんじゃないかと推測しますが、そんなこともあって数字が違うのかなと思います。

 二月に緊急事態措置区域であった十都府県において高齢者施設の従事者等の検査の集中的実施計画が策定され、三月中までを目途に集中的に検査を実施することとされていました。この実績については、現在、十都府県から報告いただいている最中であり、取りまとめに向けた確認などの作業を行っています。

 今回お示しする数字については、今後報告される分もあるので、四月一日までに確認ができた粗い数字でありますが、合計一万五千程度の施設で実施済みとの報告を受けております。その都道府県別の内訳は、いずれも単位は施設数で、東京都は六百三十三、埼玉県は千三百三十三、千葉県は二千三百七、神奈川県は二千五百九十八。(青山(雅)委員「もういいです、数字はもう出していますから」と呼ぶ)もうよろしいですか。

青山(雅)委員 ありがとうございます。

 私が言ったのは、こういうのをどんどん速報値でもいいからやっていかないと、対策は遅れますよね。ゆっくりやればいいというものではないので、是非迅速な報告をお願いしたいんです。

 多分、大臣の答弁なんかも今までのこの数字が分かっていれば変わっているところがあると思うんですよ。というのは、ぱっと見れば分かるように、既に一万五千も実施されていて、五〇%ですね、つまり、計画対象の。

 私は何を言いたいかというと、大臣は前々回の質疑で、高齢者施設への頻回検査については若干消極的とも取れる答弁をされているんです。何を言われたかというと、それからもう一つは、これも私は頭を悩ませているんですが、あれだけやってくださいと一都十一県にお願いしているんですけれども、当初は余り上がっていませんでした、お願いしてもと。その原因としては、介護施設の中でも問題があって、陽性が出た場合に濃厚接触者で従業員の方々が何人か引っ張られてしまって、結果的に運営できなくなるとか、そういうこと、確かにそういうふうな心配をされる方もいるんだろうけれども、そういう御答弁をされている。

 四月九日にもう一回お聞きしたところ、前向きになっていただいて、これは去年の九月くらいから、大臣就任からずうっとお願いをしてきました、なかなか進まなかった、これにはいろいろ理由があると思いますと。同じような理由を言われた上に、強制的にはなかなかできません、私権の制限とか。ただ、最終的には、感染拡大しましたから、皆さんがそれぞれにやはりもうやらなきゃいけないという御意識をお持ちいただく中において、この三月そして四月からは、かなりの施設の皆様方が御協力をいただけるようになったと。そのとおりなんですよ。

 つまり、やればできたことをずっとやってこなかったという側面があって、何でかというと、資料二を見ていただきたいんですよ。

 ある方から私のSNSに御連絡があったものですから、岐阜県がなかなかいい取組をしているという話を聞いたので、早速、岐阜県の方にお電話して聞いてみました。

 これはびっくりしました。岐阜県は独自に、やはり、福祉施設でのクラスターが複数発生して、施設にはハイリスクの方がいる、職員などが無症状で持ち込み、感染させてしまう可能性がある、そうしたら高齢患者は入院期間も長期化し、重症化、死亡も増え、医療供給体制に影響を及ぼすと。まさに言われているとおりですよ。ですから、岐阜県というのは、まだ岐阜市でしかやっていない、それで数も少ないみたいなんですけれども、まずは予防的PCRモデルをやってみようと考えたと。まさに私が提言させていただいたとおりのこと。そうしたら、国からもタイミングよくそういうような通知があったと。

 ここからが、黄色い線を引かせていただいているところです。二月の二日から十七日に設けた申込期間に大変多くの申込みがあった、そこで再度申請期限を延ばして追加募集を行ったと。これを見ると、大臣がおっしゃっているように施設が後ろ向きというよりは、施設もやりたがっている部分はあるわけですね。

 これは当たり前の話で、なぜかというと、これは普通で考えると、自分のところでクラスターが発生したら、自分が日頃すごく大切にケアされている高齢者の方々はかなりの確率で亡くなる可能性があるわけですよ。そんなこと絶対やりたくないですよね。私が施設長だったら、そんなの一人も出したくないですよ。それに、もし経営者だとすれば、そんなことがあれば評判がすごく悪くなりますから、どっちの面から見てもこれは真剣になるに決まっているわけですよ、日本人ですからね、我々は。そういうところは一生懸命になる。

 ということは、やり方さえきちんとしていればやるはずなんですよ。大臣がおっしゃったような心配をされる方がいるというのも、私も承知しています。でも、そういう方よりも、よく尾身先生言われるように、やはり心理的な部分は多くて、やりたいんだという真面目な方の方が多いに決まっているわけですね。

 そして、何でこの岐阜の取組を紹介したかというと、この資料二の二番目を御覧ください。この下のポンチ絵を御覧いただきたいんですけれども、これはすごいびっくりするんですけれども、岐阜県、岐阜市の方で全部用意してくれるんですよ。検査機関から、採取キットや説明を、岐阜県の方で、高齢者施設は検査の申込みさえすればいいんですよ。そうすると、岐阜県、岐阜市の方で検査機関を手配してくれて、キットは送るわ説明はしてくれるわ、それで検体回収や結果通知もしてくれるわ。こういうふうにすれば、高齢者施設、手間ないわけですから。

 ただ、今厚労省がやっているみたいに通知するだけだったら、自分でこんなものを手配しなきゃいけないし、どこに頼めばいいか分からないし。そんなんじゃなくて、こういうふうにすればみんなやるんですよ。さっき言ったように、申込みが殺到するんです。

 なので、是非そういうふうに手取り足取りの準備までやるという気持ちがないと、私はずっと厚労省に言っているんですけれども、本当に防疫対策にはならないと思うんですね。そういうところが足りていないから、せっかく日本は優位なのに、感染者数が少ないのに、医療逼迫だなんて起こすんだと思うんです。

 そこで、大臣と尾身先生にちょっと御提案をしたいんですけれども、この二回、ずっとその議論をさせていただきました。

 私なりにその到達点というか、お二人のお考えを総合すると、まず一番としては、当面の間、任意。これは当たり前です、それを支える法的なものが今のところないわけですから、任意。それはそれでいいんだと思います。

 ただ、任意でもこれだけ、五〇%を超えるような実施があるわけですよ。大阪なんか、日経のお話だと、すごい低い数字だったのが、六百三十八だったのが、今、二千五十一ですよ。やりさえすれば増えるわけですね、大阪はここまで増やしている。

 ただ、緊急事態宣言や蔓延防止発令が出れば、政令でこれを定めれば、ある意味半強制的にできるわけですから、それは検討してもらいたい。

 そして二番目として、対象地域は、やはり感染確率、陽性確率が多いところでやらないと意味がない。それは尾身先生のおっしゃるとおりなので、流行地域でいいんだと思うんです。ほぼほぼ大都市圏ということになろうかと思います。

 それから三番目として、入所者は動かないわけですから、週一回くらいで足りるんだろうな、PCR検査でいいんだと思うんです。ただし、従事者はやはり三日に一度くらいやらないと、今日の陰性はあしたの陰性を意味しませんから、PCR検査でもいいです。岐阜県はこの資料二の二のときにはPCR検査に限っていたんですけれども、抗原検査、今やっている事業では入れているようです。どちらでもいいと思います、私は。とにかく頻回の検査をする。

 それから、広報と、きちんと実施率の把握を厚労省がやらなきゃ駄目です。報告を求められれば自治体だって少しでも増やそうと思って頑張るわけですから。

 それから最後に、これは通告には入れていませんでしたけれども、この岐阜市のように、検査の手配は行政でやればいいんです、どうせお金も出すんだから。こうすれば絶対増えると思うんです。間違いなく重症者は減少する。死亡者も。

 これについて、尾身先生それから厚労大臣の順で、恐縮ですけれども、お考えをお聞かせください。

尾身参考人 委員の五つの提案ですよね。

 一つ目の、当面の間は任意と。任意ということは、私は今の日本ではふさわしいと思います。

 それから、対象地域はほぼ大都市圏という。感染が進行していると、全くないところにやっても意味がないですから、そこは賛成です。

 あと、五番目の広報と実施率の把握というのは、今、今日議題になったことで、これはもう私も大賛成。

 あとは、何回やるかという、具体的に示す。これは私も前から申し上げていますように、なるべく頻回の方がいいですので、ここで絶対に従事者は三日に一度とかというのは、私は絶対ということはなかなか申し上げられませんけれども、なるべく頻度を上げるということ。

 それから、PCR検査と、それからほかの抗原検査、キットですよね、これをうまく活用するというのも、私は、非常に重要なことです。

 それとあと、最後、委員の岐阜の話ですよね。今の岐阜の話は、結局、今、自治体の方が準備をするということでこれがうまくいっているという話ですけれども。

 これと一緒に、実は、高齢者施設での感染が起きたときの、今でも起きているわけですよね、これの対応も、実は、ほかの市ですけれども、やはり自治体が非常に強いサポートをしているところは、二次感染、誰か一人見つかっても、それがどんどん感染が広がるというのを防げるという事例もあるんですよね。

 したがって、実は高齢者施設の場合には、医療機関に比べて医療の専門家がたくさんいるわけじゃないですよね。どうしてもいろいろなことを自分のところだけでできるというわけにはいかないので、そういう意味では、今の文脈での岐阜のサポートと同時に、実際に感染が起きたときのということも含めて、自治体の高齢施設へのサポートというのは非常に重要で、これは非常に参考になるのではないかと私も思います。

田村国務大臣 当面の間は任意でやって、本当は行政検査なのでやっていただきたいというのが本当なんですけれども、強制はなかなか、制度的にはできるんですが、実態は難しいんだというふうに思います。

 それから、流行地域、おっしゃるとおりで、我々はよく、前回、緊急事態措置ですね、このエリア、十都府県等々、まずここは必ずやっていただきたいということでお願いをさせていただいております。

 五番の広報、これも、そういうものを出せれば。ちょっと、これは各自治体とも、いきなり国がやりますとは言えませんが、自治体ともいろいろな調整はしなきゃいけないと思いますが。

 今言われるとおり、岐阜市のような事例は、本当にいい事例だと思います。当初、我々、なかなか、保健所がやるものですから、行政検査は基本的には。ここが、保健所がどうしてもそれをずっとやり続けるというのはもう物理的に無理なので、それで事業所の皆様方にそれぞれ、こういうような民間とのやり方がありますよというようなことはお示ししてきたんですが、言われるとおり、一番身近な基礎的自治体がやっていただければ、それは一番ありがたい話でございまして、そういうやり方もある。これもまた、強制というのはなかなか難しいものでありますから、好事例としてお示しできればなというふうに思います。

 問題は、頻回にやるというところがどうなんだと。この間も専門家の方が言われておりましたが、この専門家も聞かれた話だとは思うんですけれども、なかなか一週間に一回というのもきついので、何とか二週間に一回にしてもらえないかというような施設もあるようでございます。

 ここは、我々は、少なくともやはり二週間に一回ぐらいはやってほしいなという思いはあるんですけれども、なるべく、言われるとおり、頻回な方がいいのは確かなので、委員がおっしゃられるような三日に一回というのが本当は理想的で、こういうことでやっていただければありがたいというふうに思いますが、そこはまた業務とのいろいろな兼ね合いがあると思いますので、そこも含めて制度設計も自治体がやって、これをまとめていただくのならば、例えば基礎的自治体がそういうことをるるお決めをいただいてということをやっていただくのが一番ありがたいのかなというふうに思います。

青山(雅)委員 今お二方のお話を聞きまして、基本的に前向きな話だと思います。

 尾身先生に是非お願いしたいのは、人にはいろいろな考え方があるので、私は、尾身先生が呼びかけておられる飲食店の対策と高齢者と両輪だというところ、これは是非、両輪の方の高齢者の方がどうもうまく伝わり切っていないところがあります、マスコミにも。あるいは、今のお話を聞いていると政府にもちょっとかなと思うところがあります。是非そこを、比重をちょっと上げていただきたい、提案していただきたい、この頻回検査。間違いなく重症者を減らし、重症者が減れば、重症者が出ちゃったらどうしようということで、手間もかかるしということで、民間病院は受入れをしていないところも、結構、実質、聞くとあるようなんですね。私、ある医師会の幹部というか会長の人のお話を聞いたら、そんな話をしていました。減らせば日本の状況は劇的によくなる可能性があるので、先生には、是非ここの点も更に強調して提言していただきたいし、マスコミにも言っていただきたいとお願いをしておきます。

 それから、大臣の方にも、尾身先生が頻回検査はそれは間違いなくいいと言っていらっしゃるわけですから、いろいろな抵抗があるのは分かりますけれども、是非、大臣の突破力で、この間迅速にやっていただいたように、是非、御検討の方、よろしくお願いいたします。

 それで、次の質問です。社会生活と防疫の併存についてです。

 私は、尾身先生がおっしゃっているように、ずっとやっていたらもう息が詰まってしまう、自粛疲れも出てしまう、本当にそう思うんです。

 というのは、そもそも、社会的距離政策、緊急事態宣言はそうですけれども、これは元々ハーバードのリプシッチさんがこの感染症が出た当時に言われたことだと思うんですね。まあ、それ以外にも出ているんでしょうけれども。ハーバードのリプシッチ教授は、御存じの方は御存じのこの手の話の権威の方ですけれども、二年は続くと。

 それこそ、ハンマー・アンド・ダンスじゃないですけれども、増えたら医療機関が逼迫してしまうので締める、ロックダウンをする、減ってきたら緩める、その繰り返しでもって何とか時間を稼いで集団免疫の方向に持っていこう、ワクチンも含めてですね、という戦略のはずなんです。

 そうすると、私、そこを政府とか委員会がきちんともっと発信しなきゃ駄目だと思うんですよ。どうしても早い遅いの議論になる。早い遅いの議論よりも、原則はそういう政策なんだから、増えたら締めるけれども、減ってきたらこれは緩めるのが原則なんだということを強くきちんと一回説明しないと、いつまでもこの議論が進み、いつまでもそこのところにもやもやしたものが続いてしまう。だから、政府がこの政策を取って、実際にそうやっている以上、そこはもっとびしっと説明すべきだと思っているんです。

 それで、例えとしては、例えばこういうところから出血する、自分で縛る、これを縛りっ放しにしていたら、三十分もしたらもう壊死しちゃいますよね、手が。当然、止血帯をやったら一回緩めるわけです。血を通わせつつ、止血するまでずっと縛っていく。私は社会的距離政策はそういうものだと思うんですけれども、尾身先生のお考えをちょっとお聞かせいただけますでしょうか。

尾身参考人 私は、感染がひどくなれば少しみんなで不自由を我慢する、それで、感染が今で言う下火になって、ステージ2とか1になったら普通の社会に戻るという、いわゆるハンマー・アンド・ダンスの考えを、私はそれはもう当初からそう思っていますし、これから。そのためには、やはり人々が、さっき、ずっとやっていると窒息感が出てくるということで、やはり国や自治体の仕事は、無理しなくても感染対策が持続できるという環境づくりですよね。そのことが実は、私は、感染に強い社会ということで、やはり、一般の人がここぐらいなら長く続けられる、そういうことができる環境づくり、その中に検査のことも入っているし、いろいろな、高齢者施設等の対策なども入ってくると思います。

青山(雅)委員 まさにおっしゃるとおりだと思います。私は、この社会的距離政策というのは、早い遅いの議論よりも、今先生おっしゃったようなところが大事なのかなと思っています。

 その上でですけれども、要は、何はよくて何は悪いのかというのをもうちょっとめり張りをつけないと、もう一年を超えてみんな疲れています。そして、これも、日本のワクチン接種速度からすると、そして、さっき言ったようにアストラゼネカに問題が出てきたりすると、ワクチンの供給という意味でも、これはまだまだ、あと一年以上間違いなく続くと思うんですね。

 別にそれはやっても構わないんだよということはもっと積極的に発信すべきだと思うんです。何かというと、まず屋外の問題です。

 資料三をつけました。これはカンタベリー大学のマイク・ウィード教授の分析だと思うんですけれども、ジ・アイリッシュ・タイムズというところの記事です。屋外感染は州のCOVID―19症例の〇・一%しか占めないと。屋外じゃ、当たり前ですけれども密にはならないわけですから、余り感染しないわけですよね。

 日本ではどうかということを、まず政府にお伺いしたい。

正林政府参考人 自治体のプレスリリースなどを基にして、同一の場で二名以上の感染者が出たと報道されている事案の件数を集計しています。

 屋外イベントの集団感染についてですけれども、報道等では施設類型が明確でないものもあるため、確定的な件数は申し上げられませんが、現段階で把握している中にはごく少数含まれているというふうに承知しています。

青山(雅)委員 件数、パーセントは言ってくれませんでしたけれども、屋外イベントはほとんどないということですね、今の話では。その言い方でよろしいですか。今うなずかれました。それは理屈からいっても当たり前の話なんですよ。

 そこで、私がお聞きしたいのは、これは尾身先生にお伺いしたいんですけれども、屋外イベントや公園での市民の活動を制限するのは非常に必要性が乏しいと思うんです。

 ところが、東京都は、昨年の十二月二十二日から上野動物園を閉めたままなんです。公園のテニスコートや野球場を閉めたりもしています。

 一方で、逆にこういうことをやっているとまずいなと思うのは、屋外での運動、特に高齢者にとってみれば、最大のリスク要因である肥満や高血圧の防止にもなりますし、日光を浴びて、免疫力を高めると言われているビタミンDの生成にも当然役立つわけですね。これは子供たちにも同じです。公園を閉めたら、子供たちの精神的ストレスは更に上がります。

 だから、私は、高齢者を家の中で閉じ込めてフレイルにさせたりとか、そういう逆効果になるような不要な規制はやめるように、逆に、屋外のイベントや動物園なんかは別に幾ら行ってもいいですよ、あるいは散歩はどんどん行ってくださいというような呼びかけはすべきだと思うんですけれども、尾身先生の御意見を伺いたい。

尾身参考人 先日、例の、年度末のときに、東京都が公園を閉めて桜なんかを見られないようにしたとか、そういう実例がありましたよね。そのことに関して言うと、私は、今回、この一年の経験で、恒例行事のときに、忘年会とかで感染がいったので、そういう意味で、公園を一時、その時期に閉めるというのは、私は、公衆衛生対策上、ある意味で合理的なことだったと思います。

 さて、もう一つの、委員の、全部が駄目で、今、全部やめてくださいというよりも、何はやってよいのかということをはっきりメッセージを出すべき、それは大賛成で、私どもも実は、もう何度も分科会の方からは、やって駄目なことはたった一個か二個しか、それはマスクを外した会話だとか三密、それから例の五つの場面を、これは避けて、今でもそれは一緒です。それ以外の、例えば、普通のそれほど混んでいないところのショッピングだとか、普通の屋外でのジョギングだとか散歩とか、そういうことでうつることはほとんどない。ただし、普通に言って、いろいろな場所で、さっきから言っているように人が集まってくるところ、そういうところをはっきりと。

 なかなかそれが一般に伝わらない部分があるので、これについては、今まで以上に、はっきりとめり張りのついた、全部が駄目ということで、ここだけは注意してくださいというのはある。それが感染対策に非常にキー、鍵になりますので、そういうめり張りのついたメッセージ、対策というのは大事だと思います。

青山(雅)委員 花見も、多分心配されているのは、そこで飲食が発生したり、後でとかその場でとかいうところだと思います。普通に通り抜けて見ている分には全く何の心配もないと思います。そういった細かいところも含めて是非発信していただきたいですし、今、意見の一致があるところは、是非これからも広報していただきたい。

 最後に、一つ御提案。ほかの委員の方も大変言われているんですけれども、スウェーデンは、毎日十四時から省庁合同記者会見が行われて、公衆衛生局から感染自体に関する情報、社会庁からは医療に関する情報、緊急事態庁からはその時々に必要な分野が何かということを報告されている。これについて徹底的に記者との間でも議論する。やるのは専門家である。有名なテグネルさんという方は感染症専門医師、つまり尾身先生と同じ立場だと思います。

 私は、そういうことをきちんとやはりやらないと、過剰な報道や誤った報道、誤った論評が今本当にまかり通ってしまっていると思うんですけれども、それを是非尾身先生にやっていただきたいんですけれども、そういったことに関して、厚労大臣、決めるのは厚労大臣でしょうから、通告は厚労大臣じゃなかったですかね、これ。大臣の方からお答えいただきたいと思います。

田村国務大臣 言われますとおり、スウェーデンでありますけれども、感染症の専門家、公衆衛生庁等の関連省庁の代表が、少なくとも昨年の夏までは毎日やっておられたということで、現状は、毎週火曜日と木曜日に記者会見をやっておられるようであります。

 尾身先生も、分科会の後等は必ずやっていただいております。週に一回、何らかの形で、分科会、若しくは今まででいいますと諮問委員会ですか、これも分科会という新しい名前になりましたので、やっていただいておりますし、それから、厚生労働省は、アドバイザリーボードでは、これも大体週に一回、たまに抜けるときがありますが、やっておりまして、これは脇田所長が専門家の方々と合同で、記者会見を毎週その後やっていただいています。もう一つは、西村大臣が担当大臣としてほぼ毎日やっていただいておりますので、そういう意味ではしっかりと情報発信はやっていただいておりますので、よりそれを国民の皆様方に分かりやすくしていくために、我々厚生労働省といたしましても努力をしてまいりたいというふうに思っております。

とかしき委員長 青山雅幸君、申合せの時間が来ております。

青山(雅)委員 はい。

 要は、怖がらせる情報ばかりではなくて、先ほどから言っている、やっていいことは何だとか、そういったことも是非やっていただきたいと思います。

 今日は大変実りある議論になったと思います。ありがとうございました。

とかしき委員長 次に、高井崇志君。

高井委員 国民民主党・無所属クラブの高井でございます。

 連日夕方までの審議、お疲れさまでございます。今日は金曜日の夕方ということで大分寂しくなっていますけれども、あと三十分、おつき合いいただけたらと思います。

 それでは、先ほどからというか、おととい質疑したときから、やはり僅か二日で本当に状況はどんどん悪化しているな。もちろん、蔓延防止措置が東京を始め出るということにもなりましたし、また、東京都の発表したシミュレーションでは、五月には一日の感染者が四千人になる可能性もあると、かなり衝撃的な数字も出てきているわけで、やはり、こうなると、本当に、今まで再三言っていますけれども、医療崩壊、病床逼迫を何としても防ぐためにありとあらゆる手段を私は総動員すべきときが今来ていると思います。

 前回御指摘した、千九百五十万円の補助金の使い道を広げましょうとか、あるいは、コロナ患者に対応する医師や看護師の給与を二倍に増やしましょうとか、あるいは、PCR、抗原検査をもっともっと拡大しましょう、これも是非、予算、財源を気にせず、今日は財務省にも来てもらっていますけれども、本当に、人、物、金、全てを投入して私はやるべきだと思います。

 加えて、今まで通告したけれども質問できていなかったことが二つあって、大臣にぎゅっとまとめて聞きたいと思うんです。

 一つは、都道府県に要請している病床計画の見直しですね。これは四月中の計画策定、それから五月中の体制整備と伺っていますが、これは党内でも今日議論したんですけれども、やはりこれはもうちょっと前倒しをしていただかないと、大変なのは分かりますよ、現場があって都道府県も絡むから。しかし、五月には東京都で一日四千人なんてことになったら、五月中に体制整備しましょうなんということでは、ちょっとやはり生ぬるいのかな。これは是非前倒しをお願いしたいということ。

 もう一つは、これは新たに申し上げますけれども、コロナの専門病院をつくる、あるいは既存の病院あるいは病棟そのものを公費で借り上げるくらいの、やはり本当に思い切った策を打つべきときに来ていると思いますが、大臣の御見解をお聞かせください。

田村国務大臣 三月の二十四日でしたか、要は、医療というものを考えた場合に、五月中にはそういう計画を作って整備をいただきたいというお願いをいたしました。

 これは、要は一般医療とどう両立するんだというのが大きな問題点で、多分、病院関係者、病院経営者等々としっかり自治体が打合せをしていただかなきゃなりません。無理やりやれというわけにはなかなかいかない。これはがちっとした体制をつくっていただくわけでありますので、そういう意味では、やはり、実は、昨日、おとといですか、アドバイザリーボードでも話があったんですけれども、やはり若干時間がかかるよというようなお話もありました。ですから、五月までという話のようであります。ようでありますと私が言うのも変ですが。

 私は、緊急事態宣言が解除される前に役所に指示しまして、今回の反省を教訓として、急激に感染者が伸びても対応できるような、よく二倍ぐらいと言うのは、一つの目安として、感染者があの二倍ぐらいで増えたとしても何とか持ちこたえられるような、病院だけじゃなくて、療養施設でありますとか自宅でのいろいろな健康観察でありますとか、そういうものを総合的に対応できるように各都道府県にお願いをしてほしいと言ったら、五月という話になってきたんです。

 私も、三月の早い時点で、五月じゃ遅くなるかも分からない可能性が高いよ、そういう言い方も変なんですが、いつ何があるか分からないというのは我々は年末年始に本当に体験いたしましたので、四月に対応できるようにしてほしいと言ったんですが、私が今言ったような話でございまして、がちっとしたものは、それはさすがに、いきなりえいやと、上から命令というわけにはいかないし、それは一時的なものじゃありませんから、そういう体制をコロナに向かってずっとこれから対応いただきたいということでございますので、時間がかかるという話でありましたから、それならば、四月、来るかも分からない次の波に向かってそういう両立できる計画は計画として作ってもらってもいいけれども、両立できなくても対応せざるを得ないときが来るかも分からないんだ、それに向かって自治体にちゃんとダブルトラックでもう一つの方も作ってもらうように計画をやってもらいたい。もちろん、五月に向かっていろいろなものが整備されていれば、それを前倒しということもあると思います。

 ということを指示いたしまして、各都道府県、特に十都府県ですね、ここは前回やはりああいう形になりましたので、こういうところには特にお願いをいたしたということでありますが、若干大阪はまだ間に合っていなかった。それでも私の指示も遅かったのかも分かりません。ちょっと思ったよりも早かったということがあるのかも分かりません。それが、新種、変異株501Yというのは、やはり感染性というものがかなり強いということが感染研のいろいろな研究でも出てまいりましたので、そういう意味で、今、大阪にはいろいろな形で我々も支援をさせていただきながら、東京はもうこういう状況でありますから、しっかりと次の波が更に大きなのが来たときにも対応できるように、この四月中にもいろいろな対応を今お願いすると同時に、我々も協力をしていこうということであります。

高井委員 ですから、三月とか二月とおっしゃいましたかね、そのくらいの頃から考えてのことだと思うんですけれども、今言ったように、おとといからしても状況が、おととい私はここまで言わなくてもいいかと思っていましたけれども、二日でこれだけやはり危機的な状況になっていますから、そういう意味では、この要請もどこまでできるか、もちろん現場があることですから分かりませんけれども、やはり厚労大臣としては一日でも早くということで、私は前倒しをお願いしていただきたい。国民民主党でも改めてそれを要請しようということになって、改めて要請しますけれども、お願いしたいと思います。

 それでは、今度は、病床逼迫も大変なんですけれども、やはり生活困窮者の方の対策、これも非常に待ったなしになっています。

 私が何度も取り上げてきた総合支援資金ですけれども、今日も私のツイッターに寄せられた主な意見というのを配らせていただきました。全部は読みませんけれども、一つ二つだけちょっと読ませてください。

 私は自営業でコロナでの減収が続いており、昨年は持続化給付金などで何とかしのいだものの、飲食関係ではないため受けられる支援も限られています。

 総合支援資金を申請したところ、不承認となりました。十二月に公庫の追加融資もお願いしたのですが、業績回復のめどが立たないので断られてしまい、これが最後の頼みの綱でした。

 昨年四月の緊急小口資金の申請の際は、社会福祉協議会の担当職員の方が丁寧にヒアリングをしてくれ、申請が通るよう書類の書き方なども丁寧に教えてくださいました。しかし、今回は担当も別の方になり、忙しいせいか、流れ作業で事務的なヒアリングと書類提出で終わりました。

 不承認になると困るので、面談の際に不承認になるケースを確認したのですが、外国人である場合、高齢で返済能力がない場合、一つの世帯で複数申請している場合は不承認のケースがあるとのことでしたが、いずれも該当しないため、大丈夫かなと思っていましたが、結果は不承認でした。

 申請窓口の社会福祉協議会に問合せしてみたものの、不承認の理由は開示されない、申請は厳正に行われているとの一点張りで、そのほかの支援策を案内されるわけでもなく、取り合ってはもらえませんでした。ツイッターで情報収集したところ、ほかにも不承認になるケースが相次いでいるようです。

 一か月半ほどたつ頃に不承認の通知の紙一枚だけが郵送で届きました。せめて不承認ならもう少し早く教えてもらえると助かるのですが、さんざん待って不承認、理由も開示されないので、どうしたらいいかも分からず途方に暮れている状態です。

 総合支援資金に関しては厚労省が問答集を作成し、各社会福祉協議会にできるだけ申請者に寄り添った柔軟な対応をするよう働きかけているようですが、なかなかその指導は反映されていないようです。シングルマザーやシングルファーザーで生活に困窮している世帯でも不承認になるケースがあるようです。

 長くなっちゃうので全部読みませんけれども、次は、正社員の方でも仕事がなくなって、本当に財布には数百円しか残っていないというような方の思いとか。

 それで、実は一から五まではこれは千葉県の例なんです。国民民主党で鴇田さんという千葉の総支部長がいるんですけれども、彼が取りまとめてくれてお寄せいただいた。私のところにもいろいろな自治体が来ます。余り都道府県名は挙げないようにしているんですけれども、ちょっと千葉県の数は多いし、鴇田さんからも切実な要望があったので、千葉県ということは名前を挙げさせていただきますけれども。

 これを読んでいただくと、本当に社会福祉協議会も頑張っていただいていますが、やはり制度そのものが相当厳しい状況になっている。いい制度をつくっていただいて、人気の制度だからどんどん申請が相次いで、それで結局、延長も六か月から九か月まで増やしていただいた。九か月までになると最大二百万円まで借りられるとなると、今度は、二百万円も借りてしまって本当に返せるのかということで、社会福祉協議会がかなりちゅうちょをして、不承認がかなり多く出ているというのが実態だと思います。

 私は、是非ここは、でも、不承認になった人が一番かわいそうなんですよね。二百万借りてもまだ足りなくて、もう最後、あと三か月何とかと言って借りて、それで不承認になってしまって、それで、今、このメールにもあったように、じゃ、何か別の策を示してくれているのかというと、そうではない。結局、不承認という通知が紙一枚来るだけで、何で不承認なんですか、今後どうしたらいいんですかと問合せをしても、いやいや、今混み合っていますから対応できませんということで、やはりこの方々を何とかしてあげなきゃいけない。でも、何とかするにはマンパワーも制度もない。

 となれば、私は、不承認をやめる、もう承認するしかないんじゃないか。当座この方々を承認してあげる、あるいは、一度却下された方でももう一度再申請を認めて、そこは厚労省からもう一度通達などを出していただいてやるという以外、方法はないと思いますけれども、大臣、いかがですか。

田村国務大臣 前回も申し上げましたが、三月一日に問答集、これを事務連絡で出して徹底をし、さらに、二十三日に改めて、特段の理由なく、給与明細等、こういうものを条件とすること、こういうことは必要がないというふうなことも申し上げ、不適切な運用等々、厚生労働省に御連絡をというような、こういうようなことをお願いいたしました。

 一般論として申し上げれば、最初の申請時から状況の変化がある場合には再度相談いただくということは、これはあるんだというふうに思いますが、更に申し上げますと、四月の二日の議論、これを踏まえて七日にこれはまた事務連絡を出したんですが、結局、自立支援機関でありますとかいろいろなところに本人の希望を確認した上でつないでいく。次がない、そこが一番の問題で、もうこれで貸せませんよ、理由も言いませんよ、はい終わりですよということになると、御本人はにっちもさっちもいかないわけですよね。

 ですから、次につなげていく。ハローワークもそうでありましょうし、自立支援のいろいろな制度もそうでありましょう、訓練給付もあるわけでありますから、そういうものにつなげていくということが重要なので、それを改めて、場合によっては連絡や同行、申請、こういうことも含めてこの支援をやっていただきたいということを事務連絡として発出をさせていただきました。

 前回も申し上げましたが、それで終わりというのは本当におつらい。もうにっちもさっちも、本当に困られて行かれるわけですから。そこから次が何か道があるということを、本来はお貸しできればお貸しするのが一番いいんですけれども、どうしても返済能力がない、このままではもうどうしようもないということであれば、次につなげるということをしっかりやっていただく、これが重要だと思いますので、こういう事務連絡を委員とのいろいろなやり取りの中で出させていただいたということでございます。

高井委員 この委員会で取り上げて、事務連絡をすぐ出していただいたことは評価しています。ただ、それがちゃんと浸透しているのかというか、あと、現場で対応できるのか。

 この間、局長の答弁では、問合せに対応してしまったり理由の開示なんかをしていると事務が満ぱんになって、かえって貸付事務が滞ってしまうと。それも一定理解しますが、貸付事務は今後終わりますから、終わった後はせめて、社協の職員も空くわけですから、そうなったときにはやはりきちんと連絡をしてあげる。不承認になった方には、なぜ不承認になった、それで、それによってどういう対策をすればいいかということをちゃんとアドバイスしてあげるべきだと思いますし、少なくとも問合せに応じないというのは、向こうが困って電話してきたのにそれはできませんというのは、これは解消していただきたいと思いますけれども、大臣、それはいかがですか。

田村国務大臣 それは、社会福祉協議会が問合せに応じないという話ですか。問合せに応じないというのは、電話がかかってすぐ切っちゃうということはないんだと思いますけれども、ちゃんと、かかってきたもの、お困りであればそういうものに対して丁寧に相談に乗るというのが社会福祉協議会の一つの大きな役割でございますので、しっかり対応していただきたいというふうに思っております。

 そういうふうに我々としても常日頃からお願いを社会福祉協議会にはさせていただいているつもりであります。

高井委員 大臣から今明言いただきましたので、是非、局長も現場にその旨をきちんと周知、社会福祉協議会にお願いだと思いますけれども、お願いをきちんとしていただきたいというふうに思います。社会福祉協議会も本当に御苦労されていますから。

 それでは、あと、やはりそうはいっても、私は、次なる制度は、あとは生活保護か、あとは求職者支援制度くらいしかなくて、なかなかそれも、このツイッターにも、生活保護は受けられないとはじかれましたという人も結構多いんですよ。それで不承認になっちゃったら、本当にもうないんですよね、間の策が。であれば、私は、さっき申し上げましたように不承認を承認すべきだし、もう一つは、次なる問題が迫っていまして、これでもなかなか苦しい。やはり、コロナ禍はどんどん長引いていますから。

 元々この制度というのは、本則というか通常は、十二か月、一年の制度なんですよね。そう考えれば、私は、一年の本則に戻す、あと三か月延長する、しかも、またそのときになって考えるというんじゃなくて、今回も、そのときになって考えるといってぎりぎりに決定したことによって申請が多発、殺到して、そして事務が滞って、もう一か月、二か月入金されないで非常に苦しんでいる。

 そういう、やはり先手先手を考えたら、今のうちから、あと三か月の延長、本則に返り一年にするべきだと考えますけれども、大臣、いかがですか。

田村国務大臣 これは、緊急小口まで含めて二百万までの貸付けをさせていただくことになりました。これは最大、一月、それでも一万八千円強お返しを、もちろん住民税非課税ならばそういうことにはならないわけでありますけれども、最大それぐらい住民税課税になればお返しいただかなきゃならぬという形になります。これ以上更に広げていくというのは、まさにそれならば違う方法を選んでいただく。

 生活保護が受けられないという方も、もしかしたら、そこの自治体によってまたいろいろな運用でお叱りをいただくことが我々はあるのかも分かりませんが、基本的には、全ての持てる能力を発揮いただくこと、それでも駄目な場合は生活保護というふうに一応生活保護の原則はなっておりますので、そこで、働ける方はハローワークでありますとかいろいろなそういうものにつないでいただいているはずなんですね、各自治体で。

 それで、例えば、どうしようもないという場合は、それが本当は、そこで福祉貸付で、社協が本来ならばそこで活躍をいただいて、一般の緊急小口、特例じゃないものを使っていただいて当座は何とかしのぎながら、働く中において収入を得ていただく、こういうような話になるわけであります。

 でありますから、そういうような流れの中で、やはり働く場所等々を確保いただく。それがもう無理であるならば生活保護というような話になるんだと思いますけれども、そういう形の中で対応いただく。

 これをまた三か月、また三か月となりますと、結果的には生活破綻という下において生活保護に行くかというような話になってまいりますから、是非とも、そういうような形の中で、その後、将来的に自立をいただくということが目的でのこのお貸付けでございますので、そういうところは御理解をいただければありがたいというふうに思います。

高井委員 繰り返しますけれども、やはり不承認になった方が一番困って、不承認になって生活保護にも行けないという方ですからね、一番困っているのは。私はすっきり給付がいいと思うんですよ。そういう方には給付すればいい。

 だから、給付と返済免除はほぼ同じようなことですよね。貸して、返せなくなった方には返済を免除する。だから、返済免除を、今、住民税非課税世帯としていますけれども、そこをもうちょっと拡大する。今日も、このツイッターの中でも、六番目に書いた中に提案していただいています。年収二百から三百万世帯は八〇%免除とか、年収三百から四百万世帯は五〇%免除とか。一律全額免除じゃなくても、こういう形で半分返してくださいとか、そういうやり方もあると思います。

 あと、私が今日の朝、党のヒアリングで聞いたら、この緊急小口と総合支援資金で合わせて七千三百二十六億円。ただ、これは予算額の六三%しかまだ執行していないと聞いています。ですから、まだまだ予算額には余裕があるんじゃないかと思うのと、あと、これは貸し手金額だと思いますから、全部給付したとしても七千三百二十六億で済む。持続化給付金に五兆円、それから一律六万円の時短要請金に三兆円ですから、あれだけいろいろ不公平で、あれですごいバブルみたいなことになっているその金額から比べれば、私は、七千三百億円、全額給付してもいいんじゃないかというくらい。

 でも、それはちょっと言い過ぎとしても、今、不承認になった人に給付するなんて、この何十分の一ぐらいにしかなりませんから、是非、この返済免除をもうちょっと柔軟にする、返済免除をもうちょっと拡大する、これは大臣、お願いできませんか。

田村国務大臣 さすがに、個人に二百万円給付するというのは国としてなかなかそういう形は難しいんだというふうに思います。ですからお貸付けという形になっているわけでありまして。

 これももう委員御承知であろうと思いますけれども、例えば、住民税非課税じゃなかったから返済が始まるわけですよね、据置きが終わると。ところが、どこかで住民税非課税になれば、そこの残りの部分はこれは免除になるわけなので、返せなくなる。つまり、住民税非課税、どこかでまた厳しい状況になったときには同じような返済免除がかかるという、非常にそういう意味ではフレキシブルな、フレキシブルという言い方がいいのかちょっとよく分かりませんが、情に厚いという言い方もちょっと変かも分かりませんけれども、そういう厳しくなったときによく配慮をさせていただいている仕組みなんだと思います。

 それは、いろいろな形の中で、今日は宇波さんがおります、私が最も信頼している財務省のお役人でございますけれども、宇波さんなんかにも御理解をいただきながら、財務当局もいろいろと、本来は厳しい、いつもは厳しいんですけれども、何とかこういうコロナのときだからということで御理解をいただきながらの制度設計ということでございますので、どうかお願いをいたしたいというふうに思います。

高井委員 全員に二百万給付してくださいと言っているわけじゃないわけです。本当に返せなくなる人。まだ、借りられて住民税非課税世帯になった人は、返済免除になるからいいんですよ。一番困っているのは、だから借りられなかった人ですよ。借りられなかった人は、もう何の救いの手もない、生活保護か求職者支援制度しかないわけですから、ここの方をどうするかということを是非もう一度、大臣、考えていただきたい。

 大臣はこのことはすごく、ずっと私は、もう四、五回やって、結構借りている人がみんな動画を見て、大臣は原稿も見ずにさらさら答えて、非常に寄り添ってくれてありがたいと当初は言っていたんだけれども、最近この一、二回は、何か冷たい大臣だなという感想が増えていますので、ちょっと不承認対策はここは考えていただきたいですし、この後ちょっと財務省に聞きますけれども、私は財源のことはもう考える必要はないと思います。七千億くらいの、七千億全てじゃないですから、ことであれば、やはりやるべきだと思います。

 それでは、財務省に来ていただいていますので。

 私は、これはいろいろ議員の中でも意見が分かれるところですけれども、今この時点で国債をやはり発行してやるべきだ。アメリカが一・九兆ドル、二百兆円の経済対策を決めました。プラス、八年間で二兆ドルのインフラ投資ということで、すごいですよね。もちろん法人税の増税で、これも私は法人税増税をやるべきだと思いますが、大企業に二・五兆ドルかな、二百七十五兆円の増税を十五年間でやるんだという報道が出ていますけれども。ただ、当座は国債を私はまだまだ発行して全然問題ない。

 よく財務省は国の借金をこれ以上増やすのかと言いますけれども、私は、財務省が借金という言葉を使うのはやめた方がいいと思いますね。国の借金というのは、何度も委員会でも財務省も認めていますけれども、国の借金は国民の資産ですよね、国民の貯蓄ですよ。

 個人で考えれば、私が例えば一億円を誰かから借金したら、それは大変だということになりますけれども、私が例えば親から一億円借金したって、高井家の中では別に問題ないわけですよ。一億円貸せる親がいる、その家にあるから。ということと一緒ですよ。私はよく選挙の演説なんかで分かりやすい例えだと思って言っているんですけれども。

 ですから、政府がやる借金というのは一般の個人とか家とか企業がする借金とは違うんですから、私は、国の借金イコール国民の資産とか貯金とかと括弧して書いてもらいたいな。それが今一千兆とかと書けば、国民の受け止めも変わるわけですよ。

 ですから、そういうふうにしていただきたいと思いますが、財務省に来ていただいているので、ちょっと確認ですけれども、これは、MMTとよく言われますが、MMTの経済学者だけじゃなくて、それに反する主流派経済学者も一致している見解だと思いますけれども、変動為替相場制を取り、かつ自国通貨を持つ国で、自国通貨建ての国債はデフォルト、債務不履行はしないというのは、これはもう経済学的には当たり前だと思いますけれども、財務省もそれでよろしいですか。

宇波政府参考人 お答え申し上げます。

 財政状況が厳しい中で、現在、日本国債は大量の国債を発行しておりますが、これが円滑に市場で購入いただいている、消化されているというのは、日本の財政運営に対する信認が前提になっております。

 その観点から、自国通貨建て国債であっても、その債務の持続可能性に対する市場の信認を失う事態が発生すれば、金利の上昇などを通じて市場からの資金調達が困難になるという可能性は否定はできません。

 財政の持続可能性に対する国民あるいは市場の信認を確保するために、経済の再生とそれから財政の健全化に両方取り組んでいくことが必要であるというふうに考えております。

高井委員 私の質問には直接答えなかったんですけれども、でも、いいですよ、おっしゃるとおりです。世界の信認がなければ国債はデフォルトします。

 だから、さっきの私の例でいえば、私が親に一億円借金できるのは、高井家に一億円あるからですよ。だから問題ないわけです。だから、日本が一体幾らまで借金できるのかということだと思うんですね、政府が。

 そのメルクマールがインフレ率ですよ。インフレ率がハイパーインフレとかそういうふうにならなければ、借金という言葉を使いたくないんですけれども、国債を発行していいわけですよ。普通に考えて、インフレ率二%であれば、私は、そこまで国債を発行することには何の問題もないと思いますけれども、いかがですか。

宇波政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、インフレ率と財政政策の関係、これは、インフレ率そのものはマクロ的な需給の関係ですとかその他の要因によって決まってくるので、これだけを取り出して議論することは困難なんですが、その前提の上で申し上げれば、先ほど申し上げたように、現在、巨額の国債が低金利で安定的に消化されているというのは、財政運営に対する信認が前提となっているということがまず一点でございます。

 それから、今、インフレになるまではというふうな御指摘でありましたけれども、日本の財政赤字の拡大は、これは、少子高齢化の進行を背景に、社会保障の受益と負担のアンバランスが拡大している、こういう構造的な要因によって主に生じております。

 御指摘のような、インフレになるまでは財政赤字を容認する、インフレになったらそこで財政赤字を締めるという考え方を取った場合には、物価上昇局面において、歳出の大きな部分を占める社会保障の減額、あるいは増税というのを、インフレ局面において行わざるを得なくなります。これは国民の生活に大変大きな悪影響を与えかねないというふうに考えます。

 したがいまして、政府としては、御指摘のような、インフレ率が一定程度になるまで国債を発行する、その後は財政赤字を締めるというような考え方に立って財政運営は行っていないところでございます。

高井委員 今きれいに言いましたけれども、私は財務官僚と話したことがあるんですけれども、結局、政治家を信用できない。インフレ率が高くなったときに増税できるんですか、歳出削減をやめられるんですか、そういうことを、いや、私も信用できないと思いますよ。だったら、法律で決めればいいじゃないですか。インフレ率二%になるまで国債は発行するという法律を作ればいいんですよ。ということを、次回、全世代社会保障は財源論が大きな議論になりますから、議論したいと思います。

 政務官、申し訳ありません、消費税のことを聞きたかったんですけれども、済みませんでした。

 終わります。

     ――――◇―――――

とかしき委員長 次に、内閣提出、全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案及び西村智奈美君外十名提出、高齢者の医療の確保に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。

 順次趣旨の説明を聴取いたします。田村厚生労働大臣。

    ―――――――――――――

 全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

田村国務大臣 ただいま議題となりました全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明いたします。

 少子高齢化が進展し、令和四年度以降、団塊の世代が七十五歳以上の高齢者となり始める中、現役世代の負担上昇を抑えながら、全ての世代が安心できる社会保障制度を構築することが重要です。このような状況を踏まえ、医療保険制度における給付と負担の見直しを実施するとともに、子ども・子育て支援の拡充や、予防・健康づくりの強化等を通じて、全ての世代が公平に支え合う全世代対応型の社会保障制度を構築することを目的として、この法律案を提出いたしました。

 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。

 第一に、全ての世代が安心できる社会保障制度の構築に向けた給付と負担の見直しを図るため、後期高齢者医療の窓口負担について、負担能力に応じて負担いただくとの考えに基づき、現役並み所得者以外の被保険者であって、一定の所得や年収以上である方の負担割合について、二割とすることとします。

 また、傷病手当について、出勤に伴い不支給となった期間がある場合、その分の期間を延長して支給を受けられるよう、支給期間の通算化を行うとともに、任意継続被保険者について、健康保険組合の規約で定めることにより、その保険料の算定基礎となる標準報酬月額を被保険者の資格喪失時の標準報酬月額とすることを可能とします。

 第二に、子ども・子育て支援の拡充を図るため、短期の育児休業の取得に対応して、月内に二週間以上の育児休業を取得した場合には、その月の保険料を免除することとし、また、国民健康保険の保険料について、未就学児に係る被保険者均等割額を減額し、その減額相当額を公費で支援する制度を設けます。

 第三に、全ての世代の予防・健康づくりの強化を図るため、保険者が保健事業を行うに当たり、労働安全衛生法等による健康診断の情報を活用し、適切かつ有効に保健事業を行うことができるよう、事業者等に対して健康診断の情報を求めることを可能とするとともに、健康保険組合等が保存する特定健康診査等の情報を後期高齢者医療広域連合へ引き継ぐこと等を可能とします。

 第四に、国民健康保険制度の財政運営の安定化を図るため、都道府県が国民健康保険の財政安定化基金を国民健康保険事業費納付金の著しい上昇の抑制等のために充てることを可能とするとともに、都道府県国民健康保険運営方針について、都道府県内の市町村の保険料水準の平準化や財政の均衡に関する事項を、記載事項に位置づけます。

 第五に、生活保護制度の医療扶助について電子資格確認の仕組みを導入します。

 最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、令和四年一月一日としています。

 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要でございます。

 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。

とかしき委員長 次に、早稲田夕季さん。

    ―――――――――――――

 高齢者の医療の確保に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

早稲田議員 ただいま議題となりました高齢者の医療の確保に関する法律の一部を改正する法律案につき、提出者を代表し、提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 少子高齢化が進む中、二〇二二年以降、団塊の世代が後期高齢者となり始め、医療費は増加し、後期高齢者支援金を拠出する現役世代の負担も増大していくことが見込まれています。社会保障制度を持続可能で安心できるものにしていくためには、現役世代の負担軽減は喫緊の課題です。

 政府案では、単身世帯で年収二百万円以上の後期高齢者の窓口負担割合を二割に引き上げることで、現役世代の負担軽減を図ろうとしています。新型コロナウイルスの感染拡大による受診抑制が懸念される中で、窓口負担割合を引き上げることは、更なる受診抑制による症状の重症化を招きかねず、コロナ禍での現状での窓口負担割合を引き上げるべきではないと考えます。受診抑制による重症化は、命にも関わる問題です。

 コロナ禍の今、行うべきことは、政府案のように病気の方が受診する際の窓口負担を増やすことではなく、まず保険料についての応能負担を強化していくことであると考えます。病気になった後期高齢者の患者さんたちに窓口負担の形で負担をお願いするのではなく、後期高齢者の中でも高所得の方に保険料の支払いの際に応能負担をお願いする方が、より公平な制度になると考えます。具体的には、保険料の賦課限度額を引き上げ、後期高齢者の中で特に高所得の方に負担をお願いすることによって、公費の投入と併せ、政府案の見込みと同程度、現役世代の負担を軽減できると考え、本法律案を提出いたしました。

 次に、本法律案の概要を御説明いたします。

 第一に、令和四年度以降の後期高齢者負担率について、当分の間、現行の算定方法により算定された率に、後期高齢者支援金の額の更なる縮減を通じて現役世代の負担の軽減が図られるようにする観点から政令で定める特別調整率を加える特例を設けることとし、現役世代の負担を軽減します。

 第二に、後期高齢者の負担能力に応じた保険料を課することができるよう、政府は保険料の賦課限度額の引上げの特例を設けるとともに、後期高齢者負担率の特例に対応するための保険料の見直しの影響が中低所得者に及ばないよう、後期高齢者医療広域連合が講じる保険料の減額措置に要する費用を、国が負担する仕組みを設けることとしております。

 第三に、高齢者の医療に要する費用の負担の在り方については、将来における医療に要する費用の見込み、高齢者の一部負担金に係る負担の割合を引き上げることとした場合における高齢者の必要かつ適切な受診の機会の確保に与える影響及び医療費の動向、各世代の負担能力等を勘案して検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとすることとしております。

 なお、この法律は、公布の日から施行することとしております。

 以上が、本法律案の提案理由及び内容の概要であります。

 何とぞ御賛同いただきますようよろしくお願い申し上げます。

とかしき委員長 以上で両案の趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時二分散会


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