第5号 令和8年4月21日(火曜日)
令和八年四月二十一日(火曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 大串 正樹君
理事 畦元 将吾君 理事 井上 信治君
理事 鬼木 誠君 理事 勝目 康君
理事 古賀 篤君 理事 浜地 雅一君
理事 伊東 信久君 理事 浅野 哲君
上野 宏史君 大空 幸星君
岡本 康宏君 尾花 瑛仁君
加藤 貴弘君 金澤 結衣君
草間 剛君 栗原 渉君
小池 正昭君 斉藤 りえ君
繁本 護君 高階恵美子君
田野瀬太道君 田畑 裕明君
田宮 寿人君 田村 憲久君
橋本 岳君 藤田 誠君
藤田 洋司君 丸尾なつ子君
丸田康一郎君 山本 裕三君
吉村 悠君 渡辺 勝幸君
沼崎 満子君 山本 香苗君
早稲田ゆき君 阿部 圭史君
梅村 聡君 岡野 純子君
日野紗里亜君 豊田真由子君
古川あおい君 辰巳孝太郎君
…………………………………
議員 浜地 雅一君
議員 早稲田ゆき君
議員 古川あおい君
議員 辰巳孝太郎君
厚生労働大臣政務官 栗原 渉君
参考人
(早稲田大学法学学術院教授)
(早稲田大学理事) 菊池 馨実君
参考人
(一般社団法人日本難病・疾病団体協議会代表理事) 大黒 宏司君
参考人
(健康保険組合連合会顧問) 佐野 雅宏君
参考人
(日本労働組合総連合会副事務局長) 林 鉄兵君
参考人
(全国保険医団体連合会理事・政策部部長)
(東京保険医協会副会長) 中村 洋一君
厚生労働委員会専門員 森 恭子君
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委員の異動
四月二十一日
辞任 補欠選任
衛藤 博昭君 渡辺 勝幸君
栗原 渉君 小池 正昭君
丸田康一郎君 山本 裕三君
同日
辞任 補欠選任
小池 正昭君 大空 幸星君
山本 裕三君 丸田康一郎君
渡辺 勝幸君 衛藤 博昭君
同日
辞任 補欠選任
大空 幸星君 栗原 渉君
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四月二十日
全ての国民が安心して医療を受けられる環境の整備を図るための高額療養費等の制度の在り方に係る措置に関する法律案(浜地雅一君外三名提出、衆法第七号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二五号)
全ての国民が安心して医療を受けられる環境の整備を図るための高額療養費等の制度の在り方に係る措置に関する法律案(浜地雅一君外三名提出、衆法第七号)
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○大串委員長 これより会議を開きます。
浜地雅一君外三名提出、全ての国民が安心して医療を受けられる環境の整備を図るための高額療養費等の制度の在り方に係る措置に関する法律案を議題といたします。
提出者より趣旨の説明を聴取いたします。早稲田ゆき君。
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全ての国民が安心して医療を受けられる環境の整備を図るための高額療養費等の制度の在り方に係る措置に関する法律案
〔本号末尾に掲載〕
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○早稲田議員 おはようございます。
ただいま議題となりました全ての国民が安心して医療を受けられる環境の整備を図るための高額療養費等の制度の在り方に係る措置に関する法律案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。
現在、内閣提出の健康保険法等の一部を改正する法律案が審議をされておりますが、今後、政府は高額療養費について段階的な見直しを予定しており、多数回該当や年間上限に該当しない場合の患者負担が現行より増加することが想定されております。
しかし、そもそも現在の高額療養費制度においても、経済的な負担から治療を断念したり、生活の困窮に陥る場合があると認識しており、憲法第二十五条が生存権を保障した趣旨に適合するよう、実態に即した改善を図る必要があります。
また、現在の物価上昇など経済社会情勢も踏まえれば、患者負担の増加には慎重な議論が必要であり、特に、現役世代については、大きな病気を患った場合に家計への影響が大きく、十分な配慮が必要です。
こうした認識の下、全ての国民が安心して医療を受けられる環境の整備を図るため、高額療養費の制度の在り方に係る措置について定める本法案を提出いたしました。
次に、本法案の内容について御説明申し上げます。
第一に、趣旨規定において、高額療養費制度が医療保険制度において欠くことのできない中核的な役割を果たしていることを明記しております。
第二に、高額療養費等の制度の在り方に係る措置について、基本方針を定めております。具体的には、療養等に必要な費用の負担により生活に困窮することのないよう、費用の負担の家計に与える影響や必要かつ適切な受診に与える影響についても考慮して、高額療養費の支給額等を定めることとしております。
また、現役世代への影響を念頭に、高額療養費等の支給を受ける者の給与等の収入の状況や収入の変動状況の調査や扶養に係る支出、とりわけ教育費に係る支出の状況について調査をすることとしております。
加えて、高額療養費の支給要件等については、収入の状況に応じて、きめ細かく、利便性に配慮したものとすることとしております。
さらに、高額療養費の支給に関する事項を定めるに当たっては、社会保障審議会の意見を聞くとともに、これに当たり、あらかじめ高額療養費等の支給を受ける者等の意見を聞くための措置を講じることとしております。
第三に、政府は、速やかに、このような基本方針に基づき、必要な法制上の措置その他の措置を講じなければならないとしております。
以上であります。
何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○大串委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
―――――――――――――
○大串委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
本案審査のため、本日、参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○大串委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
なお、ただいまお諮りいたしました件につきましては、内閣提出、健康保険法等の一部を改正する法律案についての参考人から併せて意見を聴取いたしますので、御了承願います。
―――――――――――――
○大串委員長 内閣提出、健康保険法等の一部を改正する法律案及び浜地雅一君外三名提出、全ての国民が安心して医療を受けられる環境の整備を図るための高額療養費等の制度の在り方に係る措置に関する法律案の両案を一括して議題といたします。
本日は、両案審査のため、参考人として、早稲田大学法学学術院教授、早稲田大学理事菊池馨実君、一般社団法人日本難病・疾病団体協議会代表理事大黒宏司君、健康保険組合連合会顧問佐野雅宏君、日本労働組合総連合会副事務局長林鉄兵君、全国保険医団体連合会理事・政策部部長、東京保険医協会副会長中村洋一君、以上五名の方々に御出席をいただいております。
この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、誠にありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただき、審査の参考にいたしたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。
次に、議事の順序について申し上げます。
最初に、参考人の方々から御意見をそれぞれ十分以内でお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。
なお、発言する際はその都度委員長の許可を受けることになっております。また、参考人は委員に対して質疑することができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。
それでは、まず菊池参考人にお願いいたします。
○菊池参考人 早稲田大学の菊池でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
私は、平成三十一年四月から令和八年二月まで約八年間、社会保障審議会医療保険部会の部会長代理として、また、令和七年五月からは医療保険部会の下に設置された高額療養費制度の在り方に関する専門委員会の委員として議論に関わってきた立場から、意見を述べさせていただきます。
我が国の医療保険制度は、国民皆保険の理念の下、長年にわたり国民の健康と生活基盤を支えてきましたが、少子高齢化の進行とともに、制度の持続可能性が重要な政策課題となっております。
少子高齢化が我が国に与えたインパクトは非常に大きく、今後、生産年齢人口の急激な減少が見込まれる中にあって、社会保障の領域では、給付は高齢者中心、負担は現役世代中心という高齢者中心型の社会保障の構造を見直し、全ての世代で広く安心を支えていく全世代対応型の社会保障制度を構築するという方向性が示されています。こうした方向性は、医療保険部会でも共有されておりました。
令和二年健康保険法等一部改正、令和五年健康保険法等一部改正と、高齢者にも関わる窓口負担や保険料負担の見直しが行われました。全世代型社会保障に向けた方向性の延長線上で、こうした負担と給付の在り方は、負担能力別負担という基本原則を堅持しつつ、今後も必要に応じて行っていかざるを得ません。
こうした中で、医療分野の特殊性として、最近、がん領域を始めとして、患者の生命を救い、生活の質の大幅な向上をもたらす医薬品や医療技術が次々に登場しています。これらの医療への保険適用は、全ての国民に対する受療機会の実質的平等という医療保険の根本理念から見て、基本的に望ましいものと考えます。
他方で、これらの医薬品は往々にして極めて高額であり、しかも長期間、場合によっては生涯にわたって継続使用することが必要となるケースも少なくありません。今後もこうした高額医薬品が続々と登場することが見込まれる中で、医療保険制度全体の持続可能性をどのように確保するのかという課題を避けて通ることはできません。
重要なのは、社会保険制度として、限られた保険財源を、医療保障として真に必要な分野に重点的に配分し、給付と負担のバランスを社会経済の実態に即して調整していくということです。
昨年十二月、取りまとめられた医療保険部会の議論でもこうした認識は共有されており、本法案は、そうした方向性を具体化するものとして評価できるものと考えております。
以下三点、意見を述べさせていただきます。
第一に、OTC類似薬の保険給付範囲の見直しです。
OTC類似薬をめぐる議論は、医療保険における給付の重点化を象徴する論点の一つです。日常的な医療について、医療保険制度を使わず、ドラッグストアで販売されている一般用医薬品を自ら購入し、使用している方がおられることを踏まえ、一定の自己負担を徴収するという今回の見直しは、医療給付の重点化を進める上ではやむを得ない方向性と考えます。
ただし、保険給付から完全に外すといったドラスチックな改革は行うべきでなく、医療保険部会でも、がん、難病、アトピー疾患の患者さんなど関係者の声も伺った上で、保険給付から完全に外すのではなく、また、該当する医薬品について画一的に見直すのでもなく、医療上の必要性などを踏まえた丁寧な配慮措置を講じる方針が示され、新設の六十三条八項で配慮すべき事項が示されました。
保険外併用療養費のうち、将来的な保険収載を前提としない選定療養には様々な性格のものが含まれており、整理が必要と考えておりますが、今回、一部保険外療養という形で別建てとすることには賛成です。具体的な対象医薬品の範囲や配慮すべき患者の具体的基準などは大臣の判断に委ねられていますが、検討に当たっては、医学、薬学等の専門家や患者などの意見も聞きながら進める枠組みを設定することが必要と考えます。
第二に、出産給付の見直しです。
出産費用が上昇し、地域差や施設間の差が顕著になっている中で、全国一律の出産育児一時金という現金給付で、誰もが安心して分娩、出産に関わるサービスを享受できる環境を医療保険制度として確保することはもはや困難です。このため、保険診療以外の分娩対応に要する費用について、保険者から医療機関等に対して直接支給する方式にするという今回の見直しは、妊婦さんの経済的負担を確実に軽減するためにも適切なものと考えます。
今後の課題として、医療機関等に直接支給する新しい方式を導入する際、従来の現金給付も経過措置として認めるということですが、新制度への移行に関して相応の準備期間が必要であるとしても、制度の整合性を確保するという観点からは、二つの方式の併存期間はできるだけ早期に解消できるよう、新制度の給付水準に優位性を持たせるなどの取組が求められると考えております。
第三に、高額療養費の見直しです。
この制度は、医療費が高額となった場合、家計を破綻から守るための、医療保険制度における最後のセーフティーネットであり、その基本的な役割は今後も堅持されるべきであることは言うまでもありません。
一方で、冒頭申し上げたとおり、患者さんの生命を救い、QOLの向上をもたらす優れた医薬品は往々にして高額であり、今後も続々登場することが見込まれることからすれば、医療保険制度の持続可能性の観点からも対応策を考えざるを得ません。
今回の法案では、制度の根幹を維持しつつ、新たに、長期に療養する方への配慮を求める旨の文言を百十五条二項に追加しています。また、政令以下に委ねることにはなりますが、政府として、こうした法改正の精神を踏まえ、多数回該当限度額を据え置き、新たに年間上限を設け、また、以前からの宿題であった、所得三百七十万円未満の課税世帯について多数回該当の限度額を引き下げるといった給付改善もなされることになりました。年間上限の所得の刻みを更に細分化するなど、今後の課題は残りますが、こうした見直しは、負担の在り方をより精緻化し、制度の公平性と持続可能性を高める改革と位置づけられます。
最後に、制度改正の議論を行う際の当事者とされる方々との関係について、一言したいと思います。
一枚物の紙が先生方のお手元にあるかと思いますが、医療保険制度は、国民誰もがライフステージを通じて関わり得る重要な社会的インフラです。私は、物事に直接関わりを持つ当事者とそれ以外の非当事者を固定的かつ二項対立的に捉えるのではなく、その間に立つ、共に事に当たるという意味での共事者という視点、これは福島県いわき市の地域活動家である小松理虔さんが編み出した造語ですが、この共事者という視点が制度への理解と納得を形成する上で重要であると考えます。
現在は直接の当事者でない人も、保険料を納付する立場にあり、将来的には患者となり、親となり、あるいは介護や出産を支える立場になる可能性があります。同時に、現在患者である方も保険料を負担する立場にあります。
制度改正をめぐる議論が特定の立場の利害対立として受け止められると、多くの直接の当事者でない人は、自らを非当事者として距離を置いてしまいます。その溝を埋めるためには、実体面の妥当性とともに、直接、間接に影響を受ける人々の声をどのように聞き、反映させるのかという手続面の工夫が欠かせません。
昨年五月以降開催された専門委員会は、患者団体、保険者、医療従事者、学識者など、多様な関係者が委員として参画する中で議論を進めました。今後もこうした取組を継続することを期待しています。
薬害のような国家補償、損害賠償的な側面を持つ課題への対応と異なり、みんなで支え合う社会連帯の理念を基盤に置く医療保険制度の在り方を議論するには、当事者の意見を傾聴するという姿勢を大切にしながらも、制度を支える関係者も加わった今回の専門委員会のような場で、共事者の視点も大切にした制度設計と検討プロセスが、長い目で見た医療保険制度への国民の理解や支持を確固たるものにしていくことにつながるものと期待しております。
以上でございます。ありがとうございました。(拍手)
○大串委員長 ありがとうございました。
次に、大黒参考人にお願いいたします。
○大黒参考人 よろしくお願いします。
ただいま御紹介賜りました一般社団法人日本難病・疾病団体協議会代表理事の大黒宏司と申します。
本日はこのような意見陳述の機会をいただきましたことに、心より感謝申し上げます。
資料をおめくりいただいて、二ページ目をお願いいたします。
私ども日本難病・疾病団体協議会は、難病や長期慢性疾患、小児慢性疾患の患者会及び各都道府県を中心に地域で活動する地域難病連から成る、計百五団体、延べ十七万人で構成される全国組織です。私自身も、膠原病という患者の本人です。
私は、社会保障審議会医療保険部会の下に設置された高額療養費制度の在り方に関する専門委員会の委員を務めましたので、本日は、高額療養費制度の見直しについて意見を述べさせていただきます。
資料をおめくりいただいて、三ページ目を御覧ください。
高額療養費制度の見直しについて、二〇二五年十二月二十四日、当会と全国がん患者団体連合会は共同声明を公表いたしました。そこでは、多数回該当の据置きと年間上限の新設により、長期にわたり継続して治療を受ける患者の年間負担軽減を着実に実行する一方で、月ごとの限度額については十分に抑制されていないため、仮に月ごとの限度額を引き上げる場合であっても、治療断念や生活破綻につながることがないよう、更なる抑制を検討すること、また、高額療養費制度は我が国の公的医療保険制度の根幹を成し、大きなリスクに備える重要なセーフティーネットであることから、医療費節減に資するほかの代替手段について、引き続き優先的かつ十分な検討を行うことなどを要望しております。
高額療養費の対象となる水準の医療費の負担を伴う医療においては、たとえ一度の治療であっても、受診を控えることが身体的な危険につながる可能性があります。そのため、治療の断念が生じないよう、制度設計には最大限に慎重さが求められると考えます。
資料をおめくりいただき、四ページ目を御覧ください。
図のとおり、高額療養費は医療費総額の約六・八%にすぎません。本当に高額療養費の急増が医療保険財政を圧迫しているのか、私は疑問に思います。この六・八%の中には重篤な病態にある方々の医療が含まれており、また、保険制度の根幹である重要なセーフティーネット機能があります。そう考えると、今直ちに高額療養費の自己負担上限の引上げを行うことには大きな疑問があります。
資料をおめくりいただいて、五ページ目を御覧ください。
医療費の増加は被保険者の保険料にも影響し、とりわけ現役世代の負担増が深刻化されていると言われます。しかし、高額療養費は、先ほど述べたように医療費総額の六・八%程度にとどまるため、見直しによる医療費抑制効果は限定的です。また、保険料への影響も小さく、今回の見直しによる一人当たりの保険料軽減額は平均で月百二十円程度にとどまるとされています。
その一方で、医療費総額の六・八%程度しかない高額療養費を見直して給付費を減額しようとすれば、患者の自己負担は大きく増え、身体的な危険を伴うおそれがあります。
つまり、高額療養費制度の見直しは、その性格上、得られる効果が小さい一方で、患者にとっては極めて大きなリスクを伴う改革であると言えます。
資料をおめくりいただいて、六ページ目を御覧ください。
政府は、子ども・子育て支援金制度について、医療分野の歳出削減などにより、実質的な負担は生じないと説明しています。そして、その医療分野の歳出削減の一つに、今回の高額療養費制度の見直しが含まれているとの報道もあります。
私たちは、子供、子育て支援の重要性を否定するものではありませんが、けれども、その支え方が患者の自己負担増によって成り立ってよいのでしょうか。
資料をおめくりいただいて、七ページ目を御覧ください。
たとえ間接的であるとしても、高額療養費制度を子育て支援の財源確保のために用いることは、大きな違和感があります。病気のときに十分に支えられない社会で、安心して子供を産み育てることができるのでしょうか。子供も患者もどちらも守る社会こそが、本当の意味で持続可能な社会だと考えます。
子供、子育て支援も、高額療養費制度も、いずれも極めて重要な制度です。重要な制度だからこそ、抱き合わせるようなことはせず、それぞれを正面から真剣に議論すべきだと思います。このままでは、本来直ちに改革を要するとは言えない高額療養費制度が、子ども・子育て支援金制度の財源確保のために見直されてしまうのではないかとの懸念を抱かざるを得ません。
資料をおめくりいただいて、八ページ目を御覧ください。
高額療養費制度の議論の中では、医療の高度化による医療費の増大も取り上げられています。この点について、希少疾患患者の立場から心配する声が上がっています。一言で申し上げれば、高額療養費制度の見直しに関する議論が、希少疾患治療薬の開発に影響を及ぼすのではないかという懸念です。
希少疾患は約七千種類もあるとされ、その九五%にはいまだ治療法が存在しないと言われています。ようやく、ここ数年、一部の疾患で新薬が生まれ始めた段階です。
資料をおめくりいただいて、九ページ目を御覧ください。
希少疾患のための薬剤は、これまで救えなかった命を救うものであり、医療の進歩を象徴する成果でもあります。ようやく開発された高額な新薬が唯一の選択肢となる希少疾患の患者にとって、医療の受益は選べるものではなく、病気になった人が必要に迫られて利用するものです。
医薬品の価格や保険制度の在り方は、社会全体で支えるべき課題であり、必要な医療を受けている患者に負担を押しつけることで解決してよい問題ではありません。誰もが経済的理由で治療を諦めることのない社会、そして、治療法を待つ人々の希望が失われることのない社会を求めます。
専門委員会でも紹介しました特定非営利活動法人アスリッドが行った高額療養費に関するアンケートでは、仮に自己負担額の上限が引き上げられた場合には、治療面への影響のほかにも、生活費を切り詰める必要が出てくる、また、進学、結婚、出産などを諦めるしかない、治療制限の結果、仕事を辞めざるを得なくなる、医療費が高額になると自分は生きていない方がいいのではという思いになる、あるいは、親の治療費の増加が子供の養育費や教育費も切り詰めざるを得ないというところでも影響するという御意見を頂戴しております。
難病にかかわらず、多くの疾患は予防が難しく、突然発症します。高額療養費制度は誰にとっても不可欠なセーフティーネットであり、その自己負担上限の引上げは、国民の安心と安全を支える社会の基盤を揺るがしかねません。たとえ一度の治療であっても、受診を控えることが身体的な危険につながる可能性があります。どうか、治療の断念が生じることのないよう、更なる慎重な制度設計をお願い申し上げます。
以上で発言を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○大串委員長 ありがとうございました。
次に、佐野参考人にお願いいたします。
○佐野参考人 ただいま御紹介をいただきました、健康保険組合連合会の佐野でございます。
本日は、このような場を与えていただきまして、誠にありがとうございます。
私は、保険者の立場として、今回の法案に関しての意見を述べさせていただきたいと思います。
お手元のパワーポイントの資料に従ってお話をいたします。
おめくりいただきまして、まず、今回の法律案に対する健保連の基本的な考え方、一ページでございます。
まず、その前に、健保組合の概況でございますけれども、賃上げ等々の効果がございまして保険料収入は増えておりますけれども、やはり赤字の基調は変わっておりません。依然として、全健保組合約千四百のうち、七割を超える組合が赤字となっております。この中において、やはり高齢者拠出金の負担が重くて、今後も、医療費の増加、また現役世代の減少によって、これまで以上に負担が増加するということが見込まれております。
そういった中で、私どもとしては、まさに持続可能な医療保険制度の実現に向けて、現役世代の保険料負担の軽減、これが不可欠だというふうに考えております。
そういった中で、今までも申し上げておりますが、給付と負担のアンバランスの解消、負担能力に応じた負担、負担の公平性の確保、また、保険給付の適正化、重点化、この観点から見て、今回の法律案はまさにこの考え方に沿ったものと考えておりますので、評価をしております。
具体的に、法案につきまして、二点コメントをしたいと思います。
まず一点目は、二ページでございます。
今回、書かれております、一部保険外療養の創設でございます。これにつきましても、やはり、医療費の増大が大変厳しい中で、将来にわたって医療保険制度を維持するためには、保険給付範囲を見直すべきだというのが基本的な考え方でございます。
そういった中で、今回、OTC医薬品で対応している患者との公平性の確保、また、現役世代を中心とする保険料負担の上昇の抑制、この観点から、一部保険外療養の創設には賛同いたしますけれども、次の点を要望したいと思います。
まず一点は、円滑な導入に向けてということでございまして、やはり、負担の公平性にも留意して、配慮が必要な患者の方の範囲を適切に設定をいただきたいということ、それから、国民、患者、またお医者さん、薬剤師の理解を得るためにも、周知広報を徹底、お願いしたいという点でございます。
それからもう一点は、今般の創設は賛同いたしますけれども、今後の見直しに向けて、やはり、保険料負担への変化、影響とか受診状況の変化について実態を検証いただきたいということ、それから、更なる保険給付の効率化、重点化についても対応を御検討いただきたいというのが私どもの要望でございます。
次に、三ページをお開きいただきまして、もう一点、出産の標準的な費用に係る給付体系の見直しでございます。
本件につきましては、私自身もこの検討会に参加をさせていただきまして、多くの関係者の御意見を聞かせていただきました。そういった中で、私ども健保連としての考え方を上に三点書いております。
まず一点は、やはり現行の出産育児一時金による支援方法では限界がある、そういう中で、出産費用の見える化、透明性、公平性の担保、さらに、適切な保険適用範囲の設定、これが必要だというふうに考えております。
また、昨今大変課題になっております周産期医療体制の整備についても、重要性は大変認識をしておりますけれども、これについては、出産費用の保険適用ということとは切り離して、別途解決策を考えるべきであるというふうに考えております。
そういった中で、全体としては、やはり現役世代の保険料負担、これについての納得感を得ることも極めて重要であるというふうに考えております。
そういった中で、今回法案が出ていますところの妊婦の経済的負担の軽減に向けて、もちろん新たな給付体系の導入には賛成でございますけれども、次の点を四点要望したいと思います。
先ほど述べた部分にも関連しますけれども、まず一点目は、やはり、この制度の導入に当たっては、妊婦の方の経済的負担の軽減等々、また、サービスを選択できるための環境づくりが極めて重要でありますので、そのためにも、前提となるサービス内容と費用の見える化、またこれに基づく標準化を確実に実施をいただきたいというふうに考えております。
また、さっきも申し上げましたけれども、分娩施設の体制維持、確保、また、産科医の先生方の確保、地域偏在の解消等々、周産期医療体制の整備は、これはやはり何といっても国のインフラ整備に関わる問題でございますので、出産の新たな給付体系の導入とは切り離して、公費による支援を含めて別途解決策を検討いただきたいと思います。
また、三点目でございます。新たな給付体系の導入は、やはり妊産婦の方の選択に不利益ですとか不公平が生ずることのないように、また保険者にとっても過度な事務負担が生ずることのないよう、移行期間、これはあくまでも時限的なものとして期限を区切っていただいて、できる限り速やかに新制度の方に移行をお願いしたいと思います。
最後、四点目でございますけれども、やはり分娩費、出産時一時金等の金額設定に当たっては、医療保険の財政、また保険料負担への影響についても十分に考慮をいただければというふうに思っております。
以上、法案に関する二点でございますが、せっかく今日はこういう意見陳述の場をいただきましたので、健保連として制度見直しを要望しているところについて若干御説明をしたいと思います。
次の四ページでございます。
参考として、今後の制度改革に向けた健保組合、健保連の主張というふうに書いておりますけれども、上に二点入れております。やはり、持続可能な医療保険制度の実現に向けて、年齢にかかわらず負担能力に応じた負担、これを目指して、以下の見直しをすべきだと考えております。
一点目は、高齢者の方の自己負担割合の見直し、年齢区分の見直しでございます。また、二点目は、後期高齢者の現役並み所得の方の給付費に対する公費投入でございます。
具体的には、下に絵を入れておりますけれども、高齢者の自己負担割合については、今、一割、二割、三割というふうになっているわけですけれども、可能な限り負担能力のある方には負担をいただくという観点から、年齢区分を引き上げ、また負担割合についても引上げをお願いしたいというふうに思っておりまして、将来的には、高齢者の方についてもやはり自己負担割合については三割を目指すべきだというのが私どもの考え方でございます。
また、下の方については、先ほどの二点目の方でございますけれども、現在、後期高齢者の方については、一割、二割の負担の方については公費が五〇%入っておりますけれども、現役並み所得の方は、自己負担は三割なんですが、給付の方には公費が入っておりません。直近のところでは、本来公費が入るべきだと考えている我々の部分が五千八百億円という大変大きな金額になっていまして、これが現役世代の過重な負担につながっているというふうに考えておりますので、この二点につきまして、是非とも早期に御検討をお願いしたいと思っております。
ちなみに、この二点につきましては、次の五ページでございますけれども、昨年厚労省の方でおまとめいただきました、社会保障審議会医療保険部会の中でも、年末の議論の整理の中でこの項目は取り上げていただいております。
アンダーラインを引いておりますけれども、この二点についても、令和八年度中に具体的な制度設計を行って、順次実行するということで書いていただいておりますので、是非ともこういった点の実施に向けても引き続きの御検討をお願いできればというふうに思っております。
以上をもちまして私からの説明を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)
○大串委員長 ありがとうございました。
次に、林参考人にお願いいたします。
○林参考人 ありがとうございます。連合副事務局長の林と申します。
本日は、意見表明の機会をいただきまして、ありがとうございます。
健康保険法等改正法案に関する連合の考え方につきまして、大きく六点申し述べたいと思います。それぞれ、ポイントにつきましては資料を配付させていただいておりますので、適宜御覧いただければというふうに思います。
一点目は、出産への支援強化、現物給付化についてです。
連合は、かねてより、希望する人がどの地域であっても安全、安心に子供を産み育てることができる環境整備に向けて、負担軽減措置を講じつつ、正常分娩も含め保険適用すべきと求めてまいりました。
今回、出産への支援強化として、標準的な出産費用を無償化する、保険診療以外の分娩対応に要する費用を全国一律の水準で現物給付化するとし、妊婦の自己負担が生じない仕組みにすることは評価しているところでございます。
今後は、費用の見える化をしながら、具体的な制度設計を着実に進めていただきたいと思いますし、昨今、無痛分娩へのニーズが高まっているところでもありますので、安全や質の確保を前提に、無痛分娩だけではなく、助産師の行う産痛緩和ケアについても保険適用とする方向で検討いただければと考えています。
また、全ての医療機関で保険適用が行われるまでの移行期間において、経過措置として現行制度を一部で適用することについては、やむを得ない点はあるかと思いますけれども、医療機関によって対応が異なれば、妊婦からすれば分かりにくく、不公平と受け取られるのではないかとも考えますので、あくまでも例外ということで取り扱い、期限を区切って対応していただければと思っています。
二点目は、医療機関の業務効率化、勤務環境改善についてです。
安全、安心で質の高い医療提供体制を確保するためには、それを担う人材確保と離職防止の取組が欠かせません。そのためには、医療現場で働く方の勤務環境の改善は不可欠であり、ICTなどを活用して、現場の負担軽減、業務効率化を図ることは重要だと考えています。
ただし、ICTなどを活用したからといって、人員削減が可能になるといった単純なことではないと考えますので、人員確保、離職防止という観点からも、人員配置基準を緩和することなく、真に働く者の負担軽減に資する取組となるようにしていただきたいと考えています。
また、各医療機関における取組を組織的に進めていくためには、まず計画の策定段階から労使でしっかり話し合うことが重要だと考えています。その上で、進捗状況を確認しながら、現場の実態や従業員の声を踏まえて必要な見直しを行うとともに、計画の内容や進捗状況について、従業員に丁寧に周知していくことが求められると思います。
国が取組を支援するに当たっては、こうした点も踏まえ、指針等で考え方を示すとともに、実態の把握や検証を行っていくことが重要だと考えています。
三点目は、一部保険外療養の創設についてです。
今回の対応につきましては、必要な受診を確保するという前提で整理されたものだと受け止めております。ただ、患者の立場から見ると負担増となる面もありますので、対象とする薬剤や要配慮者の範囲など、詳細を詰めていくに当たっては丁寧な検討が必要だと考えています。
その際には、国民や患者の理解と納得が得られるよう、なぜこの薬剤を対象とするのか、なぜ患者負担をお願いするのかといった点について分かりやすい説明を行うことはもちろん、今後の議論の進め方についても透明性の確保が重要だと思っております。
また、本制度による影響を把握し、実態を踏まえながら、必要に応じて見直しもすることを必要だと考えています。
四点目は、高額療養費制度における考慮事項の明確化についてです。
長期療養者への配慮というのは、高額療養費制度の見直しの議論においても指摘がありましたし、連合としても必要と考えておりますので、この考え方を法律上明確化すること自体は評価しています。
その上で、重要なセーフティーネット機能である高額療養費制度の役割の観点から、支給要件などを見直す際は、必要な療養を受けられるよう、家計への影響を配慮することが重要と考えます。
加えて、患者、国民の納得や理解を得られるよう、見直しの趣旨も踏まえて、丁寧に説明し対応することが求められます。見直しによる影響を注視し把握することも必要となりますので、制度を利用する方の負担感がどう変化したのかなど、分析したデータを示すことも求められると考えます。
また、長期療養者への配慮として、今回、年間上限の設定など機能強化された点はありますが、退職し保険者が変わると多数回該当の合算がリセットされてしまうなどの課題は残されていますので、課題解消に向けた検討も必要と考えます。
なお、応能負担の観点から、所得区分が細分化され、引上げ幅が大きい所得区分もあります。連合としては、この制度の役割、社会保険加入への納得性確保という観点から、各所得区分の自己負担上限額において、社会保険料も応能負担している中で重ねて応能負担を強めることは問題であると考えていることは申し添えておきたいと思います。
五点目は、後期高齢者医療制度における金融所得の勘案についてです。
確定申告の有無によって保険料の賦課対象が変わるという点については、支払い能力に応じて公平に負担を求めるという社会保険の原理原則も踏まえ、公平性の観点から課題解消に向けた対応が必要と考えます。
一方で、法定調書のデータベース構築や、市町村、広域連合におけるシステム改修など、実務面では制度移行に伴う様々な課題が生じることも想定されます。そのため、関係者の意見を丁寧に聞きながら、現場に過度な負担が生じないよう、無理のない形で移行を進めていただきたいと考えています。
そもそも、公平な負担の実現に向けては、年齢別で区切られた医療保険制度から、支払い能力に応じた負担の在り方へ見直していくことが重要であり、高齢者医療制度の在り方の検討や、全世代の所得をより正確に把握する方策の確立と併せて、総合的に議論していく必要があると考えています。
最後、六点目は、協会けんぽへの国庫補助に係る特例減額の見直しについてです。
協会けんぽの財政状況は、近年安定していますが、主に中小企業で働く労働者が加入していることから、標準報酬月額の水準は高いわけではなく、構造的な問題は変わっていません。
今回、特例減額の見直しは三年間の時限的な措置ですが、今後については、国庫補助の見直しと併せ、医療保険料率を含めた保険財政運営の在り方を検討するとされています。
国庫補助は、協会けんぽの構造的な課題、財政基盤を支える目的で行われているものです。今回、特例減額だけではなく、保健事業の推進も盛り込まれているところですので、中長期的な安定運営の下で保険者機能を十分に発揮できるよう、国庫補助は少なくとも現行制度を維持すべきと考えています。そのことについて、国会議員の皆様に御理解と御賛同を賜るとともに、その趣旨について、是非、委員会としての意思が確認される形で整理していただきますよう切に要望いたします。
以上です。ありがとうございました。(拍手)
○大串委員長 ありがとうございました。
次に、中村参考人にお願いいたします。
○中村参考人 この場で陳述を許していただくことを感謝申し上げます。
私は、中野で長年、内科医として、外来診療、在宅医療、また、がんの末期患者、それから難病、いろいろなことを経験してまいりました。全国保険医団体連合会を代表して、健康保険法、今回の改正案と、高額療養費に関する議員立法について意見を述べさせていただきます。
まず、一部保険外療養についてです。
我が国では、疾病、負傷に対して、診察、薬剤、処置、手術、看護など、必要な医療を患者にひとしく給付してきました。これらをセットで保険給付することで、患者に安心、安全な医療を保障してきました。
今回の一部保険外療養は、患者を線引きして、薬剤について給付を制限することになります。公的医療保険制度の運用を根底から覆す制度改変です。法案からの削除を求めます。
以下、問題点を述べます。
第一に、現役患者は負担増になる点です。
薬剤負担増に関わって、現役世代の保険料の軽減が強調されていますが、見直しに伴う保険料軽減は僅か年四百円、月三十三円にすぎません。他方、受診したら薬代には保険が利かず、負担増を被ります。
一枚目のスライドを御覧ください。
例えば、花粉症で受診した患者で、内服薬を一種類、点眼薬、点鼻薬を処方されたときには、今回の一部保険外療養で薬剤費の四分の一が追加負担となると、月千五百円の負担増になります。このように、現役世代にとっては負担増でしかありません。同じように保険料を支払っているのに、受診したら薬代で大幅な負担増となれば、有権者たる国民の納得は到底得られません。
第二に、受診を抑制させ、市販薬の利用を促進する問題です。
そもそも、軽い症状でも、実は重大な疾患の症状であるなどの事例は少なくありません。議員の中にもお医者さんがいらっしゃいますので、経験があると思います。軽微なせきなどであっても、感染症だった場合、放置していたり、受診せず市販薬に頼っていると、周囲に感染を広げる形も出てきます。
自己判断による市販薬の使用も危険です。ロキソニンの長期服用などは、心血管系イベントや腎臓、肝臓の機能低下、障害の悪化や血球数の低下など様々な副作用があります。臨床症状が出ず、検査によって状態が分かるケースもあり、自己判断での漫然とした使用は危険です。
二枚目のスライドを御覧ください。
ロキソニンは、ほかの薬と併用した場合、ほかの薬の効果の増強や減弱などを招きます。これらには、血液をさらさらにする薬や血圧、血糖値を下げる薬、いろいろあります。
例えば、国内で高血圧症の患者は四千三百万人と言われています。自己判断でのロキソニン服用により、血圧の上昇や降圧薬の効果の減弱などで高血圧が悪化して、脳血管障害や心血管障害を発症する方が増えることが危惧されます。つまり、保険支出が増えるということになりますね。
こうした副作用や併用作用は、OTC薬全般で問題になります。薬物療法は医師による指導管理が大切と考えます。
また、スイッチOTCでセルフメディケーションの推進というのも問題が多いと思っております。
三枚目と四枚目のスライドを御覧ください。
私どもの協会でも講演していただきましたが、この間、市販で購入できる医薬品のハードルが下げられてきたことを背景に、中高生を中心に市販薬の過剰摂取利用、いわゆるオーバードーズが広がり、自殺につながる社会問題となっております。一部保険外療養に伴うセルフメディケーション推進によって安易な薬物利用の風潮が促進されて、オーバードーズが助長される事態を危惧します。
第三に、対象薬剤や金額の拡大の歯止めがなく、負担増が際限なく広げられていきます。
五枚目のスライドです。
東京新聞の報道ですが、昨年十二月、自民党と維新の会の与党の協議の場では、最大で約千二百成分で薬剤費の全額負担を求める案、医療費にして約二兆円を給付削減し、患者負担増とする案も検討の俎上に上がっております。約七千品目に相当して、薬価収載された品目数が一万六千弱なので、半数近くに及びます。
こうした協議を背景にして、昨年末の厚労省と財務省の大臣折衝事項では、医療用医薬品の相当部分にまで対象範囲を拡大することを目指し、二〇二七年度以降に対象範囲を拡大していくとしております。負担割合についても、大臣折衝事項では、負担割合の引上げについて検討するとしています。事実上、医師が投与する薬の大半で給付を大幅に制限していくことが既定路線となっております。
第四に、更に重大なのが、実は負担増の対象が薬剤にとどまらない問題です。
本法案の一番の問題点として、健保法第六十三条第二項に新設される第六号の文言により、厚労大臣の告示一つで保険給付の範囲を、薬剤費にとどまらず、診察、検査、処置といったあらゆる医療行為まで広げて縮小できる、いわば白地の授権条項が埋め込まれております。これは事実上の混合診療に道を開くものです。
一部保険外療養において、診察、治療材料、検査、診断、処置、手術などの治療、在宅療養や入院療養といった、健康保険法第六十三条第一項で定める療養の給付で掲げる範囲についても給付を制限できるのではないかと国会質問がありました。大臣と間保険局長とも、現時点では考えていないという答弁に終始しておりますが、医療全体の給付を制限できることを否定していません。今回は検討しないが、その後はあるかもしれないということです。
一部保険外療養が導入されれば、OTC類似薬、医療用医薬品の全般の給付の制限、除外にとどまらず、政府が軽度だとみなす疾患を保険から外すことができることになります。例えば、一般的な採血、水分点滴や皮下注射、簡易な外科処置や短期のリハビリ、心理療法、軽い麻酔など様々な医療が、重度な疾患、治療ではないとして、給付が制限されていくのではないでしょうか。しかも、こうしたことは全て、国会審議を経ない省令によって実施できます。
最後に、配慮対象も一部に限定されている点です。
政府は、がん患者や難病患者など配慮が必要な慢性疾患などは配慮するとしています。つまり、多くを占める花粉症などの季節性の患者、季節の変わり目や一定時期の疼痛、便秘症などの患者は配慮されません。
答弁では、がんにしてもがん治療に伴う副作用での使用に限られ、アトピーも年間を通じて症状があり通院する患者に限定しています。がん患者が花粉症で受診する場合や、夏場、乾燥期などに症状が悪化して通院するアトピーでは負担増ということになります。難病にしても、指定難病で医療費助成を受ける者に限定されることが危惧されます。
これら配慮対象にしても、あくまで具体的な中身は法案成立後に審議会などで決めるため、確約されたものではありません。
次に、妊娠、出産に対する支援の強化です。
現在、十万ある診療所のうち、分娩に対応できる施設は一%にしかすぎません。この診療所が全国の分娩数の半数近くを担っており、産科診療所なくしては我が国のお産医療は成り立ちません。ベテラン、高齢の開業医が長時間労働の下、地域のお産医療をぎりぎりのところで守っています。
こうした中、制度変更などで負担を無理強いすれば、地域からのお産医療がなくなりかねません。給付方式の選択はあくまで産科施設の任意に委ねるとともに、周産期医療提供体制の確保に向けて、給付方式を選択できる当分の間は、十分な期間を担保すべきというふうに考えます。拙速な導入によって、中小のお産を担当する医療機関が閉院してしまう可能性は非常に高いと思います。
高額療養費に係る議員立法案についてです。
制度を変更する場合、長期療養者だけでなく、全ての支給者の家計と受診への影響に関わって、収入の減少や扶養、教育支出など、詳細な生活実態を把握するよう求めるものです。本議員立法については、患者負担増ではなく、負担の軽減に向けて活用されることを期待いたします。十分な専門家を交えた審議は必要と思います。
そして、もう一度、最後にですが、薬剤を用いた療養となっている点がこの六十三条のところで問題であります。一連の医療行為を対象にしていることも、大臣の諮問によって削減、縮減が可能になるということですね。
第二に、その他の適正な医療という包括文言です。OTC類似薬と無関係な医療行為まで、この一句で射程に入ってしまいます。現行の評価療養、選定療養、患者申出療養が対象を具体的に限定しているのに対し、この第六十三条第六号だけが限定なき白地の条項です。
第三に、その対象を厚生労働大臣が定めるとしている点で、国会審議が不要になってしまいます。これではどんどん保険外しが進んでしまって、私たち地域でやっている医療者、患者、地域住民が一番の被害を被ってしまうのではないかと危惧しております。
以上で陳述を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○大串委員長 ありがとうございました。
以上で参考人の方々の御意見の開陳は終わりました。
―――――――――――――
○大串委員長 これより参考人に対する質疑を行います。
質疑の申出がありますので、順次これを許します。草間剛君。
○草間委員 おはようございます。自民党の草間剛でございます。
質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。また、参考人の先生方には、大変お忙しい中、本日は本当にありがとうございます。
健康保険法の一部改正につきましては、今先生方からお話しいただいたように様々な論点がございますけれども、私からは、私自身も実は二歳と七歳の子育て中でございまして、二年前には妻の出産に立ち会い、産前産後の通院にも立ち会わせていただきまして、支払いも私がさせていただいたということでございますので、今回の議論になっております負担軽減と、それから分娩体制の維持というのは大変重要な課題だと思っておりまして、医療保険制度における出産に対する支援の強化について、今日は関係の参考人の先生方にお伺いをさせていただきます。
まず、菊池先生にお伺いをさせていただきます。
厚生労働省の社会保障審議会会長代理も務められて、大変御議論をいただいております。特に、先ほどありました、当事者それから非当事者ではなくて、共事者の重要性というのは、先生のお立場からしても大変重要なことだと思いますし、この国の保健医療行政にとっても大変重要なことだと思います。
今回の医療保険制度における出産に対する支援の強化なんですが、先生は長年取り組まれておりまして、先ほどもお話しいただきましたけれども、改めてその意義をお伺いするとともに、社会保障審議会の中では様々な立場の皆さんからヒアリングも行われております。多くの課題も御認識されていると思いますので、その所感をまずは伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。
○菊池参考人 ありがとうございます。
なかなか全体を通じての評価というのは難しいのですが、まず、現在の現金給付のやり方ですと、つい数年前、四十二万円から五十万円に一時金を引き上げましたけれども、データを見ますと、もう既に医療機関にかかる費用は五十万円を上回っている、イタチごっこであるということがうかがえます。
現物給付化した場合に報酬をどの水準に設定するのかという、それは大変難しい問題でありますけれども、私が卒業生のいろいろ調査をした限りでも、百万円以上かかる場合もあるようですし、もちろん五十万円で済むところもある。
やはりこれは、負担の均衡を図るためにも、今の一時金のやり方ではない、現物給付化する、極力自己負担を抑える、療養の給付は三割負担ですけれども、そうではなくて、基本的には負担が発生しないようにする、通常分娩の場合ですね、それはやはりやらなければいけないことであると思っております。
その上で、都市部ですとか、あるいは、だから、リスクのある妊婦さんを診ていらっしゃる医療機関をどう見るかというのは、それはまた加算その他で見ていかなければいけないと思いますけれども、基本的な方向性として私は今回待ち望んでいたといいますか、そういった改正だと思ってございます。
以上です。
○草間委員 先生、ありがとうございます。
先生がおっしゃるとおり、出産費用というのはかなり地域によって差がありまして、私、川崎市の宮前区と横浜市の都筑という、横浜の北部と川崎の北部なんですけれども、横浜でも川崎でもやはり大体五十五万円から八十万円、九十万円、さっきおっしゃった百万円程度の医療機関もございまして、これは様々でございます。
一方で、例えば、私の神奈川県では、昨年四月の時点で分娩施設数は百二十九施設、これは全国的には多い方だと思いますけれども、これでも実は年々減少をしております。分娩の取扱件数も昨年から二千九十三件減少していて、一年で二千件以上減少しているということで、特に、診療所での出産が一千三百十七件減少していて、今でも減少傾向、要は都市部においても減少傾向にあるということでございまして、医療機関の先生方も大変御苦労されているところでございます。
皆さんの審議会の中でも、先生おっしゃったように、正常分娩の出産費用は都道府県によって平均額で二十万円以上差が、地域差も先生御指摘いただいたようにあるんですね。東京都が六十万五千円で、一番下、熊本県ですかね、三十六万円程度の平均額もあるということでございまして、この中で分娩費を決めなければいけないということで、先生方にも大変審議会で御苦労をいただいているところだと思います。
特に、産科の皆さんからは、このまま正常分娩が保険適用になった場合、分娩の取扱いをやめると答えた医療機関が、これは産科の皆様のアンケート調査でございますけれども、七百八十五施設中六十施設ある、こういった資料も提出をされたと思うんです。
産科の先生は、私の息子を取り上げていただいた先生も大変不安を感じておりまして、先生のお立場の中で、産科の先生方の今の御不安、先生も審議会で感じられたと思うんですけれども、これを解消していくためにはどうしていけばいいのかということを御示唆をいただきたいと思います。
○菊池参考人 ありがとうございます。
なかなか難題でございますが、私は法学者でございますので、データに弱いので、大体このぐらいの水準でということを申し上げられないんですけれども、審議会でも、このぐらいの水準がいいのではないかというそういった具体的な数字を挙げて、このぐらいにしようという議論をしたわけでございます。
その辺りはやはり、これから厚生労働省さん、それから専門家の皆様で、まさに当事者の先生方も入った中で議論が行われていくと認識していますが、先ほども私は述べさせていただきましたが、現物給付と現金給付、併用のときが長く続くとやはり望ましくない。それはやはり妊婦さん側からしてもよろしくないと思います。その場合に、例えばこのぐらいだったら移行してもいいなと思っていただけるような報酬の設定も一つの考慮要素になるのではないかと思います。
それから、この問題を医療保険の制度の枠組みの中で議論するというのは、やはり十分ではないと思っています。やはり、そもそもの医療提供体制、それから医師の配置その他、トータルで考えていく必要がありますので、今回も大変重要な議論ですけれども、是非、医療体制とか、そちらの方を御議論いただきたいなと思ってございます。
以上でございます。
○草間委員 ありがとうございます。
先生の今の御指摘と、最後ちょっとかぶってしまうかもしれないんですけれども、仮に法案が成立した場合、まさにこれからの議論が大変重要になってまいります。
先生も御示唆をいただきましたけれども、これからの議論において大切にしなければいけないこと、先ほどの医療体制の整備というのもありましたけれども、再度御確認をさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○菊池参考人 もう既に述べさせていただきましたけれども、子供がどんどん少なくなっていく、そして産科の先生方も減りつつある中での改革ですので、関係者の皆様の不安を払拭というか、もちろん、報酬を幾らに設定するかというのも大事ですけれども、やはりきちんと説明を尽くしていく、そういうプロセスも重要なのではないかと思います。
そして、医療保険の問題のみにフォーカスするのではなく、産科医療の在り方をどうしていくのかという広いパースペクティブで、関係者の皆さんも含めて御議論いただきたいなと思っているところでございます。
以上です。
○草間委員 菊池先生、ありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いをします。
続きまして、佐野参考人にお伺いをさせていただきます。
佐野参考人は、妊娠・出産・産後における妊産婦等の支援策等に関する検討会委員として、一年強ですかね、審議会で議論をいただきまして、その検討会の議事録も私は読ませていただきまして、いつも的確な御意見をいただいているんだと思いますけれども。
今回の支援強化の意義と課題認識、これは菊池参考人と同じ質問なんですけれども、この課題認識についてお聞きするとともに、特に、今日の資料にもいただきましたけれども、サービス内容と費用の見える化については大前提だというお話がありました。検討会の中では厚労省やまさに医師会の皆様から様々な資料も提供されたと思うんですけれども、それでもなお足りなかったものは何かということもお聞きをさせていただきます。
○佐野参考人 ありがとうございます。
足りなかったものというのは、なかなかお示しするのは難しい部分がございますけれども、検討会の方に参加させていただきまして、まず感じたのは、特に、その場で、出産を経験された方から、要は、出産に幾らかかるのか事前に分からなかった、若しくは出産後に初めて知ったという方もいらっしゃいました。また、いわゆるお祝い膳のようなサービスが自動的にセットされてしまっていたというような声もありまして、先ほどおっしゃったように、確かに出産費用、分娩費用というのは地域によっても医療機関によっても大きな差があるんですけれども、要は、実際、妊産婦の方から見てもよく分かっていない部分がたくさんあると。
こういった声は私ども健保組合の加入者からも上がっている部分でございまして、今後、保険適用の検討に当たっては、一体どういうことにどういうお金がかかっているのかという費用の見える化、これを進めていくことがまずは第一義といいますか、スタートラインではないかというふうに強く感じております。
その上で、いわゆる保険適用の検討に当たっては、標準化ということを、やはりこれはやっていかないといけないと思いますので、この部分が非常に重要であって、見える化をして、データを集めた上で、この分析をきちんとやっていくということが一番大事なのではないかというふうに考えております。
○草間委員 佐野顧問、今の御議論にちょっと深掘りさせていただくんですけれども、この一年間の議論の中でも、厚労省なり、それから医師の立場から、費用については様々な資料が出されておりまして、私も拝見をさせていただきまして、それでも保険者の立場としてちょっとまだ見えないなというところは、まさにサービス部分のところかもしれないんですけれども。
これは菊池先生にもお聞きしたんですが、これからの議論の中で、それをやはり皆様としてはしっかり検証していかなければいけない。この検証の、一年やった上での難しさというのはどのようにお考えでしょうか。
○佐野参考人 ありがとうございます。
そういう点においていいますと、私自身全く経験はないんですけれども、やはり出産、分娩というのは、いわゆるお医者さんの立場で見ても大変難しいお仕事なんだなというのは痛感した部分でございます。
ある意味でいうと、当たり前ですけれども、二つの命を扱っておられて、しかも、いわゆる出産、分娩と一くくりにしますけれども、個別のケースにおいてはやはり相当に違いがあるというのは十分認識をした部分です。
ただ、一方で、やはり、全体としての費用というか、先ほど申し上げたように、どんどん、出産育児一時金を幾らアップしても、これでは賄い切れない部分が出てきているのも事実でございますので、二つの難しいテーマだと思いますけれども、この部分をどう協調を取っていくのかというのは重要だと思いますし、これは法案成立後も含めて検討する必要があるのではないかというふうに考えております。
以上でございます。
○草間委員 ありがとうございます。
まさに先生も、保険の立場ではございますけれども、先生方も大変さや難しさというのは議論を通じてよく御理解といいますか、のみ込まれたということを今お聞きすることができました。
特に、私の息子を取り上げていただいた先生も、もう休みなしなんですね。審議会の中でもたしか、代表して出られた先生も、一泊以上の外泊というのは全然したことがないみたいなお話もありまして、リスクも大変高い中で休みもなく働いている先生方に、私としては、利用者としても、やはりどうにか守ってあげたいという気持ちでいっぱいなんですね。
これは最後になりますけれども、先ほどもお話をいただきました負担軽減と分娩体制の維持、これは菊池先生にもお聞きいたしましたけれども、今後の議論がまさに重要でございます。これから大切にしなくちゃいけないことを、再度よろしくお願いいたします。
○佐野参考人 ありがとうございます。
まさに、妊婦の負担軽減と分娩体制の維持というのは極めて重要な課題だと思っています。
この中で申し上げますと、大変難しい問題ではありますけれども、先ほども申し上げましたように、分娩体制の維持、特に周産期医療体制の維持については、これはやはり、全てを保険料財源で賄うというのは大変厳しいと思っておりますので、まさにこれは国のインフラ整備に関わる部分でございますし、ここについては国の方で、公費投入も含めて、是非、いわゆる出産費用の保険適用という課題とは別に、切り分けて、別途解決策を図っていただきたい、こういうふうに考えております。
以上でございます。
○草間委員 時間ですので、終わります。どうもありがとうございました。
○大串委員長 次に、早稲田ゆき君。
○早稲田委員 中道の早稲田ゆきでございます。
本日は、五人の参考人の皆様にお忙しい中御出席を賜り、誠にありがとうございます。
それでは、質問をさせていただきます。
まず、大黒参考人に伺いたいと思います。
昨日、私ども中道改革連合、チームみらい、そして共産党の三党で、議員立法、通称で申しますと、国民が安心して利用できる高額療養費制度の見直し法案、これの提出を衆議院にさせていただきまして、先ほど趣旨説明を行わせていただきました。
この議員立法につきまして、大黒参考人の受け止め、評価を伺いたいと思います。
○大黒参考人 ありがとうございます。
今回提出された法案についてですけれども、法案提出ありがとうございます。私たちの要望でもある、生活破綻につながることがないよう、更なる抑制を検討することにつながるものであり、また、高額療養費等の支給要件、支給額、そのほか支給に関する事項を定めるに当たり、私たちの意見を尊重する内容となっております。これについても評価したいと思います。
何より、高額療養費制度に正面から真剣に向き合っていただいていることに感謝申し上げます。是非、この法案について、皆さんに議論していただけるようによろしくお願いいたします。
○早稲田委員 ありがとうございます。
まさに、この議論の中では、多数回該当、それから年間上限というものは新たに、多数回該当はそのまま維持、それからまた年間は新たに設置ということにはなりましたけれども、やはり月額上限といえばということで申し上げると、七%から三八%引上げということが大変患者さんの負担増になるのではないかということを私も懸念をしておりまして、こうした法案、特に家計に対する調査をしっかりやっていくというものを入れ込みましたこの法案を提出をさせていただいた次第でございます。
その上で、参考人は、高額療養費制度の在り方の専門委員会に委員として参加をされてこられました。その九回にわたる議論の取りまとめと今回政府から示されました制度の見直し案との間に、患者の負担とそれから制度の趣旨という視点から、どのような相違点があるとお考えになりますか。
それからまた、特に議論の中で共有をされてきた認識と最終的な制度の間にそごがあるとしたら、どのようなものかということを率直にお聞かせいただきたいと思います。
○大黒参考人 ありがとうございます。
私たち高額療養費制度の在り方に関する専門委員会は、先ほどありましたように、九回審議いたしましたけれども、基本的には八回まずは審議させていただいて、そのときに基本的な考え方というのが取りまとめられました。
その中では、現役世代の保険料負担に配慮する必要がある中で、制度改革の必要性は理解するけれども、その際には、高額療養費制度だけではなく、ほかの改革項目も含め、医療保険制度改革全体の中で全体感を持って議論していくことが必要であるというふうにされました。さらに、この考え方の中では、医療保険部会において医療保険制度改革全体の議論が行われている現状であって、具体的な金額の方向性を含む形で本専門委員会で議論する段階には至っていないというふうにあります。
八回ありましたけれども、この段階では金額が示しておらず、その話は私たちはしていないというような形になっています。私たちの方向性としましては、今後もこの高額療養費制度を堅持していく必要性についての認識は一致いたしました。さらに、先ほどもありましたように、高額療養費制度だけではなく、医療保険制度改革全体の中で議論していくというところが方針として示されたと考えております。
その考え方では、残念ながら、保険制度全体の改革の中で高額療養費制度のこの金額が決まったと私自体は認識しておりません。この八回が終わった後に金額が示されたわけですけれども、私としましては、この具体的な金額について、議論したというよりは提示されたという形で思っていまして、残念ながら、私たちは基本的にきちんと議論したわけではなくて、そのために、先ほどもありました共同声明というものを出させていただいたというような経緯になっております。
○早稲田委員 ありがとうございます。
九回でありますけれども、八回までの議論の中で、医療費全体でこれを考えていく、改革を考えていくということは共通認識であられたと。しかしながら、その金額を提示されて、それを議論したということはなかったということもはっきりいたしました。そこに、皆様の思いと、それからまたこの制度見直しにそごがあるのではないかと私も考えております。
参考人の先ほどの陳述の中で、高額療養費が医療費全体の約六・八%にとどまり、見直しによる財政効果が限定的である一方で、非常に患者さんにとってはリスクが大きいということの御指摘があり、効果の小ささとそれから患者リスクの大きさの非対称性について、難病患者にどのような影響が具体的に懸念をされるのか、そしてまた、そのような制度見直しというものは本当に適切なのかどうか、大黒参考人に伺います。
○大黒参考人 先ほど意見陳述させていただいたとおりですけれども、やはり難病患者にとって、一度の高額療養費の使用の機会であったとしても、その医療については非常に危険性が高いという部分があります。その一回を逃したがために、実は、不可逆的な体の影響が出て、元に戻すことができないという状況になります。そういった場合に、一度体が悪くなったときに障害などが出た場合には、より多くの社会保障費がかかるという状況も私たちも経験しています。
今の現状であってもそのようなことですから、更に高額療養費の引上げということが起これば、更に多くの事例が発生するということは明らかであります。私たちの仲間をずっと見ていますので、是非そのような仲間を増やさないでほしいというのが私たちの思いであります。
○早稲田委員 大黒参考人からもるる御回答いただきましたが、高額療養費制度は、資料に書かれてあるとおり、財政調整の道具ではなく、命を守る制度ですということが一言、大変重い、この高額療養費制度の在り方ではないかと私も感じております。
その上ででありますが、医療保険制度における負担の在り方とそれからまた社会的合意形成という観点から、今回の見直しがどのような問題をはらんでいるかということを大黒参考人に最後に伺いたいと思います。
○大黒参考人 ありがとうございます。
基本的には、負担については応能負担というのはあり得るということだと思うんですけれども、給付ということに関しましては必ずしも応能負担ではないはずであって、できる限り必要な医療を提供していただくということをまず第一に考えていただいて、制度設計をしていただくというのが基本であるというふうに思っています。
今回の高額療養費制度の改革につきましては、やはり私たちは危険性を伴っているというふうに感じておりますので、そういう意味では、是非、命に関わる事例ですので、より慎重に、更にもう一歩検討していただければありがたいというふうな形で、今回の法案が提出されたことには非常に感謝申し上げております。ありがとうございます。
○早稲田委員 ありがとうございます。
議員立法も並行審議ということになりましたので、皆様と議論をしてまいりたい、深めてまいりたいと思います。
それでは、佐野参考人にお尋ねをいたします。
二点まとめてお伺いいたしますが、まず、出産に関わる給付体系についてです。
サービス内容の見える化、それから周産期医療整備体制への支援、これは社会インフラでありますから、ここは大変重要だと思っておりますし、また、現在の出産育児一時金から新たな給付体系にこれが移行するわけですけれども、移行期間の在り方について御意見を伺いたいと思います。
それからもう一つは、今後の制度改革の課題としておっしゃっておりましたけれども、後期高齢者のうち、現役並み所得者への給付費に公費が入っていないこと、この点の二点について御意見を賜りたいと思います。お願いします。
○佐野参考人 ありがとうございます。
まず、出産の方の移行時期の問題でございますけれども、施設の状況によって、従来の制度と新しい制度が併存するというのは一定期間やむを得ないと思うんですけれども、例えば、地域によっては旧制度を適用する医療機関しかないといった場合には、選択できないことになってしまいますので、そうすると、結局、せっかくの新制度をメリットが享受できないということも発生しますから、そういった点を踏まえても、やはりできるだけ早期に新制度の方に移行するような仕組みが重要だというふうに考えております。
それから二点目の、現役並み所得の方についての公費が入っていないところでございますけれども、これはどういう経緯でできたのかというのは、なかなか私も詳しくはありませんけれども、やはりこの部分が、先ほどもおっしゃったように約六千億円ぐらいになって、現在、現役世代の過重な負担につながっているというのは間違いないわけでございまして、その後を考えても、現役世代の負担軽減のためにも、早期にここの部分についての公費投入、これを図っていただくことは、全体の給付と負担の、世代間の負担のアンバランスを解消するためにも大変重要なことだと思っていますので、早期の実施をお願いしたいというふうに思っております。
以上でございます。
○早稲田委員 佐野参考人からは、保険者の立場としての御意見も賜りました。そしてまた、大黒参考人からは、難病という当事者のお立場からの御意見も承り、また、今日五人の皆様から御意見を伺いました中で、菊池参考人からは、当事者と非当事者ということで対立することではなく、両方の意見をきちんと聞いていく、共事者という大変御教授もいただきましたので、私たちも双方の立場で、また、持続可能性も含め、そして皆様にとって本当に安心できる、利用できる高額療養費制度も含め、国民皆保険、日本が誇る制度でございますので、このことについて議論を深め、国民のために資するように、更に皆様の御意見を踏まえて審議をしてまいりたいと思います。
大変ありがとうございました。
○大串委員長 次に、梅村聡君。
○梅村委員 日本維新の会の梅村聡です。
今日は、五人の参考人の皆様、貴重な御意見、お話をありがとうございました。
早速ですけれども、お一人ずつ御意見をお聞きしたいと思います。
それでは、まず最初に、菊池参考人にお伺いをしたいと思います。
今回の法改正の目的は、持続可能な医療保険制度の実現に向けて、必要な保険給付等の適切な実施と世代間や世代内での負担の公平性の確保を図るため、こういう目的のためにこういう法改正が目指されているという今の状況です。
一方で、我々維新の会は、この皆保険を守りながら、現役世代の方の特に保険料の負担、これをどのようにやはり持続可能なレベルにしっかりコントロールしていくか、このことが私たちの問題意識としてはあります。
今回の様々な改正案の中は、一つは、いわゆる医療費全体の自然増を抑えるというものも入っていますし、それから、後期高齢者の方の金融所得、こういったものに関しては応能負担をより徹底していこう、こういう考え方が入っている、こういう整理でいいかと思うんです。
一方で、自然増を抑えるという効果はあるかと思いますが、今の特に勤労世代の方の負担を目に見える形で落としていこうと思えば、考え方としてはいろいろありますけれども、やはり一定、公費の負担を入れていかないと、自然増を抑えるだけで本当に現役世代の方の負担は軽くなるのかという問題意識があると思います。
でも一方で、医療保険制度というのは社会保険ですから、野方図に公費を入れていくのはどうなんだという議論も当然あるかと思います。現役世代の負担を中心に考えれば、やはり一定の公費を入れていくということも私は議論として要るんじゃないかなと思いますが、こういったことは、学術的に、あるいは今までの審議会等の議論の中で何か議論をされてきたのか、あるいはどういう整理として考えていけばいいのか、お教えいただきたいと思います。
○菊池参考人 ありがとうございます。
社会保障全体の大きな流れとしては、高齢者中心型から全世代型社会保障へ。その中には、やはり現役世代も拠出する一方ではなく、受益も受けながら負担もしていくという、ただ、それはあくまで負担能力別負担という、これは年代を通じてその考え方は徹底していきましょうという、そういう流れで一連の制度改革は動いていると思います。
その中で、これは医療保険部会の中でも、あるいは、私、介護保険に所属していましたが、介護保険部会でもよく皆様から、委員から出ていましたが、保険料だけでどこまで賄うのか、やはり公費財源をもっと入れられないのかという御意見は非常に多くいただいていたところです。
私も、社会保険という枠組みでやっている以上は、保険料で賄う部分と公費で賄う部分の限界はもちろんあると思いますが、やはり、公費財源を活用しながら給付に充てていくという方向性は十分あり得ると思います。ただ、そのためには財源が必要である、そういう話にはなってくるんだと思います。
○梅村委員 ありがとうございます。
これは我が党の中でも非常に議論がありまして、現役世代の方の負担というのを公費で、現役世代の方のを公費で負担すると、社会保険料が税に替わっただけじゃないか、こういうことにもなりかねませんので、ここは仕組みは考えないといけないんですが、やはり私は、本当にこれから真剣に下げていくということを考えれば、一定検討に値するのではないかなと思っておりますので、また様々な審議会等で取り上げていただければなというふうに思っております。
それでは、続きまして、大黒参考人にお伺いしたいと思います。
今日は、難病患者さん、そして希少疾患の当事者としても、団体の代表として御意見をいただきまして、ありがとうございます。
高額療養費の見直しによる様々な御心配、あるいは命の危険が出てくるということにつきましては、我々もしっかり重く受け止めさせていただいて、しっかり検討していきたいと思っておりますので、その点は今日はちょっと質問から外させていただいて。
一方で、真ん中で御説明がありましたけれども、いわゆる希少疾患に対する薬剤の問題ですよね。これは高額療養費の問題だけではなくて、今、日本が、特に高額な新しいお薬の治験の場にも選んでもらえない、あるいは日本で薬を上市することがもはや利益につながらない、こういう状況が広がってきているわけです。
これは、政府のサポートがもっと必要だということもあれば、薬価のつけ方にも当然課題があるわけですけれども、当事者の皆さんから見られて、この問題に関する今の危機感や問題意識、あれば教えていただきたいと思います。
○大黒参考人 お答えいたします。
難病患者さんに治験というのは、なかなか、行われたことがほとんどないんですね。そういう意味では、治験に対する認識もかなり希薄なんです。ですから、希少疾患の方について、そのような、世界では認められているのに、日本では認められていないということ自体も知らない方がおられるという状況も懸念しています。
いわゆるドラッグロスという問題なんですけれども、このような問題は、やはり日本では、皆保険制度が非常に優れているものであって、ただ、残念ながら患者さん自体は受け身であるという状況で、治験に対しても今までなかなか求めていないという状況もあります。
ただ、本当に希少な難病でも治験が行われてきてという状況が私たちにも分かるようになってきた段階ですので、このことにつきましては、希少難病の方にも知っていただくこともありますけれども、このためには、やはり一般市民の方にも、治験の大事さであるとか希少疾患の今置かれている状況を私たちも公表して、皆さんに知っていただくということが大事なのではないかというふうに思っております。
○梅村委員 是非、知っていただく機会をしっかり確保することが大事だと思いますので、それと併せて、治験にまでたどり着かない、こういった薬も日本はやはり多くなっているとありますから、そこに対する取組もしっかりやっていきたいと思いますので、またいろいろお声を聞かせていただければと思います。
それでは、続きまして、佐野参考人にお伺いをしたいと思います。
先ほどから御答弁、あるいは最初の説明に対しても、特に後期高齢者の三割負担の方への公費投入、これは五千八百億円というお話がありました。先ほどから申し上げておりますように、現役世代の保険料を下げるという観点からすれば、このまま三割負担の方が増えてくれば、現役世代の方の負担は増えてくるわけですから、それは当然、若い世代は困るわけなんですね。
それで、実は先週、このことについて当委員会で質問をしました。どういう経緯で三割負担の方には公費が入らないんですかと聞いたら、これは平成十四年に遡ると。だから、今から二十四年前に初めて二割負担の方ができた、この二割負担の方には一定の所得以上だから公費は要らないだろうということでそれがスタートして、三割負担ができたので、そこにスライドをした。
後期高齢者医療制度が平成二十年に始まったので、それをそのまま引き継いだんだけれども、後期高齢者医療制度というのは、拠出金を、現役世代からの高齢者支援金、そして公費と明確に分けたものだから、理屈としては、三割負担の方が増えれば、現役世代の方の負担が増えるという構造になりました。そこは一切、途中は見直しはしていないです。数がどんどん増えて百四十二万人になりましたというこの二十四年間の歴史を私は勉強したんですけれども、その説明で納得できるのかどうか、ちょっとお伺いをしたいと思います。
○佐野参考人 なかなかお答えしにくい、済みません、今まで余り存じ上げないことを先生が教えていただいて、感謝を申し上げたいと思うんですが、ただ、やはり現実として、いわゆる現役並み所得の方については公費が入っていなくて、その分が現役世代の過重な負担になっている。
現役並み所得の方は、増やすということについては、応能負担を促進するという面で、これはやはりどんどん進めるべき必要があると思うんですが、それらの方が増えると現役世代の負担が増えるというのは、どう見てもやはりいびつとしか申し上げようがないので、結果、今の現役世代の保険料負担の中で、高齢者に対する拠出金の割合がもう四割を超えています、健保組合によっては五割を超えているところもありますというところがございますので、じゃ、そのアンバランス解消のためにも、是非早期に進めていただければというふうに思って。
済みません、回答になっているかどうか分かりませんが、以上でございます。
○梅村委員 多分納得できないだろうなと思って御意見をお伺いをしましたので、またこれは我々、政治の側でもしっかり取り上げていきたいなというふうに思っております。
それから、時間が来ましたので、林参考人は今日ちょっと質問なしで、申し訳ございません。
最後に、中村参考人にお伺いをしたいと思います。
OTC類似薬に対する負担の在り方、それから、それに対する医療の受け方が変わってしまうじゃないか、結果として、患者さんに様々な有害なことも起こるのではないか、そういうお話をいただいたと思うんですが、そうしますと、逆に聞くと、今のOTC医薬品、スイッチOTC化の方針であるとか、あるいは基準であるとか、スピード感であるとか、これに対して逆に御意見があったら是非教えていただきたいと思います。
○中村参考人 OTC薬については、本来は医薬品として使っていたものです。医師が処方して使っていたものを、効能、効果等を期待して、量を少なくして、成分量を少なくして、一般の人でも買えるようにしたということがそもそもの始まりだったと思いますけれども、それ自体がやはり問題が、スタートが間違っていたんじゃないかなというふうには思います。
現在、ロキソニンがいろいろ宣伝なんかでやっておりますけれども、ロキソニンばかり責めちゃいけないんですけれども、医師が処方する薬と同じ同量入れていますと言っていますけれども、同量入れることによって弊害が出てきてしまうということがあるわけですから、そこは慎重にやるべきだろうと思いますし、何でも害が少ないだろうから使っていいというわけじゃありませんし、例えば風邪薬でも、前立腺肥大の人に投与すれば尿閉になってしまうということは、私のクリニックでも年に二、三例はあります。
ですから、そういう、患者さん自身が安易に判断して薬を買ってしまうことの危険性の方がやはり問題じゃないかなというふうに思っています。
○梅村委員 今回は負担の在り方ということでこの法改正はされていますけれども、同時に、今先生がおっしゃっていたような中身の議論というのも、これも非常に大事だと思っています。
例えば、ステロイドの塗り薬等でも、ヨーロッパは実は弱い一段階の部分しか市販化されていないんですが、日本は下から三段階までがスイッチOTC化されているということで、ですから、そういった、我々は負担の問題として今回これを進めておりますけれども、やはりその中身についてもこれから更にしっかり検討していかなければいけないなと考えておりますので、また御意見を頂戴できればと思います。
私からの質問、これで終わらせていただきます。
参考人の皆様、どうもありがとうございました。
○大串委員長 次に、日野紗里亜君。
○日野委員 国民民主党の日野紗里亜です。
質疑の時間をいただきまして、ありがとうございます。参考人の皆様、本日はありがとうございました。
早速質疑に入らせていただきたいと思います。
冒頭、出産の標準額やその負担の在り方についてお伺いしようと思っていたのですが、先ほど来、ほかの議員の先生方から似たような御質疑がありましたので、それについても菊池参考人を始めとして皆様にお答えいただいたこともありましたので、次の質問に入りたいと思います。
高額療養費制度の議論が進んでおりますが、私、本会議登壇の場でも申し述べさせていただきましたが、まずはやはり、患者さんの自己負担を上げる前に、制度の外側で優先的に取り組むべき医療費の適正化があるのではないかというふうに考えております。
元気な状態で病院に行く方というのはおられませんので、本来であれば、全ての皆様に十分な医療サービスを提供できることが一番ですが、少子高齢化の今、医療費にも限りがあるかと思います。そんな中で、例えば、私としましては、残薬の対策でしたりとか、検査や受診の重複、こういったことを見直しをすることによって財源をまだまだ確保できる余地があるのではないかと思っております。
そういったことで、高額療養費制度の自己負担の見直しに先立って優先して取り組むべき医療費適正化策は何かということについて、これは全ての参考人の皆様にお伺いできればと思います。お願いします。
○菊池参考人 ありがとうございます。
いろいろあり得るとは思うんですけれども、例えば先生がおっしゃったような方策ももちろんあると思いますし、そもそも、保険給付の給付範囲をどういう考え方の下でどこからどこまでに設定するかという議論について、きちんとした議論を行っていないと思います。
一部、ここまでは保険で給付しなくてもいいのではないかという、それは今回のOTCの議論もその一つだと思いますし、あるいは、専門委員会の議論の中で、専門家の目から見ても明らかに治療効果がない、あるいは低い、そういったものに保険適用されている、そういったものの保険適用の在り方について考えるべきだという専門家の先生からのお話も伺いました。
そういったものもきちんと議論していくのも一つあると思いますし、あるいは、これは逆なんですけれども、どんどんこれからも様々な治療法、薬が出てきます、非常に高い、高額なものが出てくる。もちろん、それを受けることで社会生活が通常どおり営める、それは何よりのことですが、しかし、やはりコストの話がある。
これは、諸外国では、そういった議論をし、制度に反映している国もあると聞いていますが、どこまでの、そういった今後出てくる高額のものも含めたものを保険適用していくのか、そこの考え方を整理をしていく、もう日本もそろそろそういう時期になってきているのではないかというのは、私、個人的には思ってございます。抽象的な話で申し訳ありません。
以上です。
○大黒参考人 ありがとうございます。
私自身も理学療法士でして、医療の過程はある程度分かっているんですけれども、無駄ではなくて、効率化できるという部分はやはりあると思いますので、医療の範囲の中で効率化できることがあれば、是非やっていければいいと思います。
また、残余薬品という部分もあるんですけれども、私たちも多くの科にかかっておりますので、同じようなお薬が投与されている場合もあります。やはり、かかりつけの薬局、薬剤師さんをもうちょっと推進していただいて、効率よく薬品が届けられる、無駄な医薬品を飲むというようなことは生じないような形でしていただければ、かなりの効果は実はあるんじゃないかというふうに思いますので、細かいところから多くのことが出てくるような気がしますので、お願いできればと思っています。
○佐野参考人 ありがとうございます。
先生の方からは、高額療養費制度に優先して取り組むべきというお話がございましたけれども、高額療養費制度に優先してというよりは、高額療養費制度も含めた全体としてどう進めていくかというちょっと私の意見を述べたいと思います。
基本的には、まず給付の方について申し上げるならば、やはり、年々全体の医療費が増えているということを踏まえますと、保険給付範囲の見直しを含めた医療費の適正化、効率化という取組は不可欠だというふうに思っております。
また、負担の方について申し上げるならば、いずれにしても、負担は、公費と保険料と自己負担、この三つしかないわけでございまして、この三つのバランスをどう取るのかということに尽きると思いますし、その点では、よく言われている部分でございますけれども、やはり負担能力に応じた負担というものを進めていくしかないのではないかというふうに考えております。
以上でございます。
○林参考人 お尋ねの給付の適正化についてはちょっとお答えになっていないと思いますが、まず社会保障制度というのは、連合としては、安心して働き続ける大前提なんだというふうに思っています、医療保険も含めてです。
ただ、それがまず、そうなっていない。不安があるからこそ、例えば若者が結婚をちゅうちょする、そんなこともあるんだろうというふうに思っていまして、お尋ねの点につきましても、医療保険の中だけで考えるのではなくて、例えば金融所得の課税強化とか所得捕捉の強化など、税の負担も含めて考えていくべきだというふうに考えてございます。
以上です。
○中村参考人 日本では、新薬の薬価の価格設定が高過ぎるという問題があります。私たち現場の医師からしてもそのことは常々考えられていて、例えば、メバロチンというコレステロールの薬は、イギリスで発売している額より日本の方が高いです。日本で開発した薬なのに、日本の方が高い。つまり、そういう薬剤メーカーの戦略なんでしょうけれども。それから、オプジーボが抗がん剤として非常に高いということが言われておりました。そういったところで、適正な薬価というのはやはり検討していかなくてはいけないんじゃないかというふうに思っております。
一方で、私たち医療現場では、皆さんも御存じのように、医療従事者の給与が大変低い。平均、労働者の給与よりも一〇%以上落ちているということが分かっております。それは、やはり診療報酬が低いということがあって、給与へ割けないということですね。
そういった点で、医療費というのは、日本全体で見れば、この規模の国であって、高齢者がこれだけたくさんいる国であれば、やはりもっと増やすべきであろうというふうに思います。そのための財源としては、金融所得の多い人についてはやはり税を強化すべきだろうと思いますし、大企業なんかの内部留保が六百兆円以上あるということを言われておりますので、そこら辺の課税強化をしてもいいのではないかというふうに考えます。
以上です。
○日野委員 参考人の皆様、ありがとうございました。
続きましての質疑に入らせていただきたいと思います。こちらは林参考人にお伺いさせていただきたいと思います。
協会けんぽにおきましては、事業主や被保険者の意見を反映させ、協会の業務の適正な運営を図るため、運営委員会を設置しており、将来の見通しを踏まえて、毎年、保険料率に係る議論を行っていると聞いております。
林参考人は協会けんぽ運営委員会の委員も務めているということなので、運営委員会において今回の特例減額の時限的措置、国庫補助についてどのような意見があったのかという点も含めて、お考えを補足いただけましたらと思います。お願いします。
○林参考人 ありがとうございます。
特例減額の時限措置というのは協会運営に大変大きな影響を与えるものでございまして、私どもとしても唐突感が否めないというふうに思っています。この運営委員会でもそうでしたけれども、各都道府県にあります支部評議会においても、今回の措置に、唐突感は否めない、納得感がないという意見がございました。
加えて、この時限措置が終了した後に、国庫補助の見直しと併せて、医療保険料率も含めた保険財政運営の在り方を検討するということが言われていまして、非常にこの点についての不安を感じる、将来を見据えて国庫補助率を維持してほしいという意見も多くございました。
協会けんぽの試算でも、将来的には単年度で収支が赤字になるというふうに示されておりまして、決して今の準備金の水準が高いわけではございませんので、見直しに当たっては慎重な検討をお願いしたいというふうに考えているところでございます。
以上です。
○日野委員 ありがとうございました。
続きまして、またこちらは再び林参考人と、あと佐野参考人にお伺いできればと思っております。
健康づくりに資する取組についてでございます。
先ほど医療費適正化のことを質疑させていただいたんですけれども、本当に、単に給付を削るばかりではなくて、健康づくりや予防によって医療ニーズそのものを減らしていくという視点もすごく重要だと思っております。政府もこの方針で進んでいるかと思います。
こういった観点におきまして、具体的に、健康づくりに資するものとしてどのような施策だったりとか仕組みが考えられるか、そういったことをお聞かせいただけたらと思います。お願いします。
○佐野参考人 それでは、私の方から。
御質問ありがとうございます。
私ども、もちろん健康保険組合としても、健康づくりというのは大変関心の強い部分でございます。
今聞かれまして、改めて考えてみますと、そんなに秘策があるわけではないと思っておりまして、まず一点目は、毎年の健診、これをきちんと受けて、加入者の皆さんの健康状態をチェックしていただいて、知っていただくというのがまず一番だと思います。
その上で、二つ目としては、健康状態について問題があった場合、若しくは何らかの予兆があった場合においては、やはり改善のための取組をしてもらうということが大事でございまして、そういった中で、健保組合は、当然ながら、この取組を被保険者、加入者の方がきちんと行うように促していくということで、申し上げるまでもない基本的な事項でございますけれども、これをきちんとやって加入者の方の行動変革につなげていただく、これが極めて重要だと思っています。
そういった中で、健保組合は、まさに加入者に近い存在として、事業主と連携をしてこの取組をより強力に進めていくというふうに考えております。
以上でございます。
○林参考人 働く者にとって、健康の維持増進については、一日の三分の一以上を職場で過ごすわけでありまして、そこの環境がとても大事だというふうに思っています。長時間労働の抑止や夜間勤務の負担の軽減、ワーク・ライフ・バランスを確保できるような、そうした勤務体制の確保は重要だと思っていますし、とりわけ、今メンタルヘルスの課題が大きくクローズアップされています。使用者の安全配慮義務の徹底など、労働安全衛生の強化が必要だと思っています。
保健の方からいえば、ふだんから運動を実施すること、生活習慣病予防のための指導の確立とか栄養改善の取組など、働く者一人一人の取組に対する積極的な支援を、行政や職場、保険者は当然ですけれども、それぞれが取り組んでいくことが重要だというふうに思っています。
以上です。
○日野委員 今の点で、済みません、もう一点、中村参考人にも同じ質疑をさせていただいてもよろしいでしょうか。お願いします。
○中村参考人 例えば、昨今問題になってきています認知症の問題ですけれども、とっとり方式という方式があります。鳥取大で開発していまして、認知症の健康診断をして早期発見をして、早期にその地域でグループをつくって、改善の運動だとか座学だとかを組み合わせていくという方式ですけれども、これによって軽度認知機能障害の人がかなり減るということが分かっております。
同じように、国立の長寿医療研究所でもそういう取組を、南信州だとか愛知県で取り組んでおりますので、やはりそういう取組を普及するということが高齢者にとっては大事かと思います。
私は、中野区で、社会保障協議会の依頼で高齢者に対してそういう健康講座をやっておりますけれども、それに対しては非常に関心が高くて、いっぱい来ますけれども、実は実践する場がなかなかないんです。その人たちを集めて、実践して体操したり運動したりする場がないということがあって、そこの取組を進めるということがこれからの地方行政にとっては大事じゃないかなというふうに思っております。
以上です。
○日野委員 質疑を終わります。ありがとうございました。
○大串委員長 次に、豊田真由子君。
○豊田委員 豊田真由子でございます。
本日は、参考人の皆様、大変有意義な、示唆に富むお話をありがとうございました。
私も、皆様方のインタビューですとか、いろいろお書きになったものを拝読をしてまいりまして、大変今日は興味深く御質問させていただきたいと思います。
五人の皆様にお伺いをしたいと思っておりまして、恐縮ながら、できるだけ簡潔にお答えいただけたらと思います。よろしくお願いします。
まず、菊池参考人にお伺いをいたします。
社保審の部会長代理としていろいろな御苦労があったとお伺いをしておりまして、一つは、様々なお立場、お考え、利害、特に命に関わる話でございますので、これをどうやって調整をしながらまとめていくかというのは、私も役所に、厚労省に長くおりましたので、本当に難しいと思っておりまして、この辺りは普遍的な問題だと思うんですけれども、そのときに大切にしておられたことは何かということを一つ。
そしてまた、当事者ではなくて全ての人が共事者であるべきというお話、また、人対人ではなくて客観的な事対事で捉えるべきだ、議論すべきだということも、本当にそうだなと思っておりまして、ただ、ここで難しいのが、それをどのように当事者の方、いわゆる当事者とされている方だけではなくて一般の方も含めて巻き込んでいくかというところが非常に私も政治におって難しいなと思いまして。
私も常に、国民の皆様はお客様ではなくて、この国を共によくしていく同志であるという言い方をするんですけれども、それは目の前の方には伝わるんですけれども、なかなか、要は、自分は関係ないと思っている方が大多数の中で、どういうアプローチを、それはメディアなのか、国なのか、制度なのか、政治なのか、いろいろあると思いますけれども、お考えがありましたらお伺いをしたいと思います。
○菊池参考人 ありがとうございます。
私は、医療保険部会では部会長代理で、部会長の隣に座っていただけですので、取りまとめという立場ではありませんが、ほかに、介護保険ですとか福祉ですとかに関わらせていただきまして、やはり様々な当事者の方、利害関係者の方がいらっしゃいますので、とにかくお話ししていただく、語っていただく、できれば、会議は二時間ですけれども、今日は二時間半コースとか三時間とか、とにかく、納得はできないけれどもしっかり言いたいことは言ったという、そういった場でなければ最後にまとめることが難しいなということを痛切に感じてまいりました。
それから後半部分ですが、先生が多分やっていらっしゃるように、私も基本的には、向き合うのではなく同じ方向を向いて歩んでいく、そういうイメージで取り組んでいます。そして、なかなか広まらないということもあるんですが、私は、地域共生社会もそうですし、連帯もそうなんですが、やはり地域から、地域づくり、地域から一つ一つ積み上げていくことで、それがこの社会を変えていくことにつながればいいなと思って取り組んでおります。
その意味で、医療保険、先ほど健康づくりの話がありましたが、医療保険の中に地域づくりまで踏み込めるあと一歩のツールがちょっとなかなかないので、個人の健康のところで法律上終わってしまいがちなので、そこを何か階段をつけていただけるとありがたいなと思っているところでございます。
以上です。
○豊田委員 ありがとうございます。
次に、大黒参考人にお伺いをしたいと思います。
理学療法士という医療専門職として、また、難病に向き合う長い闘いの中で、本当に多角的で有意義な発信を続けていらっしゃることに心から敬意を表させていただきます。
そして、私も医療の現場に、元々厚生労働省なんですけれども、この九年間ほど医療、介護の現場のお手伝いをしておりまして、もやもやすることがやはりいっぱいあって、それについて非常に明確に言語化をしていらしたので、御紹介をさせていただきたいと思うんです。
大黒参考人は、まず、分かったつもりにならない支援が大事だとおっしゃっていて、私も、難病ですとか末期がんとか児童虐待の被害者の方とかの前で、お前に何が分かるんだとやはり思っていらっしゃるんじゃないかと思って、どう接したらいいのか、お声をかけたらいいのかということを悩んでいたときに、参考人は、安易な共感ではなくて、自分の理解の枠に押し込めずに一緒に考える姿勢が大事だということを明確におっしゃっていて、本当にそうだなというふうに思いました。
また、働けないと見られる現実が非常に嫌なんだというお話でございまして、やはり今も、例えばがんになっても仕事をし続けて、共に生きていくんだという時代でございますが、まだまだいろいろな、職場ですとか、介護や医療の現場ですらも、また広く社会全体においてはまだまだ理解が足りないと思います。
やはりそれは選択肢が狭められていってしまって、また、参考人のおっしゃるとおり、十分に働けなくて迷惑をかけるんじゃないかという御不安の中で頑張り過ぎて悪化するというようなこともございまして、そういった、周りは気を遣うんだけれどもそこまで考えが至らない、あるいは忙しくて考えられないといったようないろいろな状況の中で、どういうふうなアプローチをしたらよいか、そのために、それを実現してもらうためにはどういうふうに、私どもであったり国であったり現場はどうしたらいいかということにちょっとアドバイスをいただければと思います。
○大黒参考人 お答えします。
合理的配慮ということはよく言われるんですけれども、やはり職場の中でも配慮は要ると思うんです。ただ、合理的配慮と言われてしまうと、やはり私たちは受け身になってしまうという状況であると思うんですけれども、実際はお互いさまの配慮ではないかというふうに思っています。
私たちもできることはありますし、基本的には、私たちはできることをする、できないことをどなたかにやっていただけるという役割のすみ分けであって、私たちが全てを頼りにするというのではなくて、私たちはできることはします。そこら辺は、合理的配慮と言われますけれども、実際はお互いさまの配慮の中でやっていけば、同僚たちも一緒に育んでいけるという状況が醸成することができるのではないかというふうに思っていますので、今後、皆さんも、難病患者さんもとても大事な課題になっていますので、是非考えていっていただければよいかというふうに思っています。
○豊田委員 ありがとうございます。
大黒参考人は、とてつもなく大きな、たくさんのことをやっていらっしゃると思うので、余り無理をなさらないように、引き続き御指導をお願いいたします。
次に、佐野参考人と林参考人にちょっと同じ問いを伺いたいと思います。
お二方はそれぞれ、やはり現役世代も代表する方たちでいらっしゃると思いまして、現役世代の負担が非常に重いという問題がございます。
私は、いたずらに世代間の対立をあおるような風潮はよくないとは思っておるんですが、しかし、そこでいわゆる適正、公正なものにバランスを取っていくのは非常に大事だと思っていまして、今いろいろ、高齢者の拠出金が多過ぎじゃないかとか、あるいは、前期高齢者納付金が、報酬の水準をもっと加味するべきじゃないかとか、いろいろなやり方はあると思うんですけれども、本当に現役世代の方の大変さを一番分かっていらっしゃる方として、これをやるんだというようなことがあったらお知らせいただきたいということ。
一方で、お二方とも、患者と国民の行動変容も大事だとおっしゃっていると思います。佐野参考人は、薬剤フォーミュラリーなどのローバリューケアについては是正していくべきだ、あるいは、林参考人も、残薬問題を始めとする薬のもらい過ぎは是正すべきだというようなことで、そのほかにもいろいろな、本当に、命や健康に関わらない過剰な医療というのは非常に多うございまして、それを、それぞれの組織の方に対してどのように行動変容を促す方策をやっていらっしゃって、実行されていらっしゃるか。
この二点を簡潔にお願いしたいと思います。
○佐野参考人 ありがとうございます。
まず、一点目の方の世代間については、おっしゃるとおり対立をあおるものであってはいけないと思うんですけれども、一方で、やはり社会構造が大きく変わっているということは全てにおいて大前提で考える必要があると思っています。
要は、従来の、以前のようなピラミッド型の、多くの現役世代が少数の高齢者を支えるということが、今やピラミッド構造が変わっているわけでして、大変高齢化が進む中で現役世代はどんどん減っているというこの現実の中でどのような方向を持っていくのか。やはりここはパラダイムシフト、変えないといけない、ここは一番大事なのではないかなというふうに思います。
それから、二つ目の方の行動変容は、おっしゃるとおり、これほど難しいことはないと思います。やっておっても、なかなかにうまくいっていないのはここの部分だと思いますけれども、一つには、地道にやっていくしかないと思いますし、もう一つは、子供のときから含めた教育といいますか、リテラシーをいかに醸成するかということがやはり一番重要なのではないかなということで、両方とも、意識をいかに変えていくかというのが大事なのではないかなというふうに考えております。
以上でございます。
○林参考人 私どもは現役の労働組合、組合員さんを組織する立場でありますけれども、現役世代と高齢者世代の対立ということではなくて、今は現役時代だけれども、我々もいつかはシニア時代になるわけで、そこはもう対立軸じゃないんじゃないんですかというようなことをしっかり共有するということなんだろうというふうに思っています。
したがって、社会保障制度全体の、大きい制度はなかなか理解は難しいかもしれませんが、負担は負担で、しっかり負担すべきものは負担すべきだというようなことを組織の中でもしっかり訴えているところでございます。
行動変容ともちょっとつながりますけれども、例えば、薬局や病院に行ってたくさん薬をもらった、あるいは湿布をもらったみたいなお話が現場からあったりしますけれども、それは、自分たちが入っている協会けんぽだとか健康保険組合のやはり財政を傷める、そういうことは駄目なんですよというようなことをしっかり、これは医療保険の世界かもしれませんけれども、そのこともセミナーなんかで、それぞれの構成組織であったり組合員さんに伝わるような形で取組を進めているところでございます。
なかなか簡単に伝わるようなことじゃありませんけれども、引き続き粘り強く取り組んでいきたいというふうに思っています。
以上です。
○豊田委員 ありがとうございます。
最後に、中村参考人にお伺いをしたいと思います。
参考人は、本当に診療、医療の最前線で、いろいろ孤軍奮闘をされながら、たくさんの思いを受け止めていらっしゃると承知をいたしております。
今日は、薬を中心にお話を伺いまして、薬の使い方を間違えると、いろいろな意味でそれは、処方薬また一般薬共に大変だということは本当にそのとおりだと思いまして。
その中で、今回、OTCの類似薬の関係で、配慮が必要な方というときに、参考人からもお話がありましたけれども、例えば、難病の方でも公費負担の対象にならない方がいらっしゃいます。あるいは、入院ではないけれども、在宅で人工呼吸器をつけながら、入院と同じような療養をされている方というのもいらっしゃいまして、こういう方たちが特別な配慮の対象になるのかどうかというのがこれから決まるというときに、私もそれは非常に懸念を持っております。
本当にまだまだ、現場から御覧になられたときに、この方たちも大変なんだよということがおありだと思いますので、その辺りの、どういうふうにやっていったらいいかということと、あと、薬の乱用というお話がございましたけれども、国の方も、これまで乱用防止を求めていろいろやってきましたけれども、実効性がなかなか上がっていない中で、薬局に限らずですけれども、どういうふうにしていったらその問題は参考人としてはもうちょっとよくなるかと思われていらっしゃるかというのをお聞きしたいと思います。
○中村参考人 先日、百五歳の在宅の患者さんがぜんそくの発作が出るようになって、一度救急車まで呼んだんですけれども、幸い、私が出勤途中にそこの現場に行ったので、入院はせずに、搬送せずに済んだんですが。
なぜぜんそくが起きたかというと、ロキソニンテープを買って貼ったからなんです。手首が痛いからといって貼ったからなんですが、ロキソニンがぜんそくを誘発するということはもうよく分かっていることですので、やはり、こういうことが勝手に行われてしまうということが非常に問題だというふうに思うんですね。
そういった点が大事なんですが、難病患者等々、高齢者でも、在宅になったときには医療費が非常に高くなっております。難病患者の場合は、幸いに、一か月の自己負担額上限というのが制度としてありますので、所得によりますけれども、状態にもよりますが、千円で済む人と、五千円で済む人とありますけれども、そうなれば薬剤費はおおむね、その認定を受けていればその範囲内で収まるということになりますので、場合によっては薬剤費がかからないということもあります。
でも、難病の対象にならない病気になったとき、その人が、ALSで人工呼吸器をつけている人を一人診ていますが、花粉症なんです。それで、そのときは本当にひどいんですね。二月から六月まで、いろいろな人が、介護の人が出入りすると、そのたびに症状が悪化していくということで、そういう人は、でも、難病の対象疾患ではないので、その部分は自己負担になってしまいます。
元々、ALSの人たちなんかでは、介護費用が平均で月に四十万ぐらいかかるというふうに言われております。そのうち何割かはもちろん国の保険制度、介護保険制度等でありますけれども、しかし間に合わないので、やはり自費で出していく部分が多いです。
それから、在宅患者においても、やはり介護保険だけでは間に合いませんし、一割負担というのが非常に重いので、そういった点で、余計な費用がかかってしまうという病気そのものについてはやはり配慮も当然必要なんだろうというふうに思います。
以上です。
○豊田委員 ありがとうございました。
私、ちょっと勉強不足、理解不足で、なかなか御趣旨に沿わないことを申し上げていたかもしれませんが、御容赦ください。
どうもありがとうございました。
○大串委員長 次に、古川あおい君。
○古川(あ)委員 チームみらいの古川あおいでございます。
本日は、質疑の時間をいただき、ありがとうございます。委員の皆様方も、本日、大変貴重なお話、ありがとうございました。
それでは、早速質問に入らせていただきたいと思います。
まず、菊池参考人に質問いたします。
菊池参考人の資料としていただいている、こちらの「当事者と非当事者のあいだ」、大変興味深く拝読させていただきました。
その中で、菊池参考人が昨年の高額療養費の見直しの検討会におきまして、振り返りの一言として、長期療養者への自己負担の重さなどをデータ分析する必要などにもっと言及すればよかったというような振り返りがございました。私としても、こういった見直しにおけるデータ分析とかデータに基づいた議論の必要性というものを強く感じているところです。
そこで、これは昨年の振り返りのお話ですけれども、そこから一年たって、高額療養費の委員会もございましたけれども、この高額療養費の専門委員会を振り返って、こちらで昨年ちょっと反省というかをされていたような必要なデータ分析というのは十分に行われたとお考えでしょうか。また、もっとこういうデータがあったらよかったのにとか、こういう分析ができたらよかったのにというようなことがありましたら、是非教えていただければと思います。
○菊池参考人 ありがとうございます。
先ほども申しましたが、私はデータを扱う学者ではないので、どこまでが適切でどこから足りないのかという適切な判断ができないのですが、一旦まとめに向かった部会では、やはり、振り返って、不十分だったなと。これは委員の皆さん、後づけと言えば後づけですけれども、おっしゃっていましたが、やはり当事者の皆さんのお話を伺わずに進めた面がありましたので、そこは反省すると同時に、しっかりした裏づけのあるデータに基づく議論も足りなかったなというところでございまして、それは昨年の委員会の方で一定程度なされたかなとは思っております。ただ、それで十分だったかどうかというのは、評価は分かれるかもしれません。
例えば、私、教育費を経済的負担の中に含めて考えるということは違和感を感じています。確かにそういった部分までの分析はなされていませんでしたけれども、医療保険制度の中で、もちろん、医療費が払えない、そのための経済的な負担に対応するのが医療保険制度ですが、その中で衣食住と異なる教育という部分は、やはり異なるニーズではないかと。それは、医療保険制度という枠組みではないところで、福祉、あるいは何らかの所得保障、あるいは教育施策の中で対応するのが筋ではないかと思いまして、私はそこまで踏み込まなくても十分ではないかなとは思いましたが、ただ、そこは評価は分かれるかもしれないとは思ってございます。
以上です。
○古川(あ)委員 ありがとうございます。
確かに、医療は生活全般に関わってくる話ですので、必ずしもどこまでを保険で考慮しなければいけないのかという点など、様々な論点があると思います。
先ほど菊池参考人は、データは余り得意ではないというようなことをおっしゃられておりましたけれども、ただ、委員会全体の在り方として考えると、やはり、まさにこれは、金額をどう動かすとどのような影響が出て、それは本当に大丈夫なのだろうかという、かなり数字の話になってくるなと思いまして、審議会の委員におきましても、もっと、データ分析の専門家ですとか、例えば医療においても医療経済の方ですとか、そういった方を委員の構成として入れていくべきなのではないかなというふうに私は考えているんですけれども、こういった委員の構成についてどうお考えでしょうか。菊池参考人、お願いします。
○菊池参考人 ますます私の居場所がなくなってしまいそうですけれども。
医療保険部会に関しては、お一方、医療経済学者の方が入っておられますが、やはり今、制度全般にEBPMが求められているわけでございますので、費用対効果も含めて、そういう中では、定性的な議論ではなく、もっとしっかりデータに基づく議論がなされてもいいと思いますし、そのために、これは本当に越権の部分ですけれども、データを読める学者さんがお一方というのは、もっと、もう少しそういった方が、更に公益的な立場から大所高所で見てくださる方がいてくださってもいいのかな、そういう時代状況かなというふうには思ってございます。
以上です。
○古川(あ)委員 ありがとうございました。
続いて、佐野参考人にお伺いしたいと思います。
佐野参考人のこれまでの御発信などを見ていると、健保連として、データに基づく医療DXの推進ですとか、データに基づく議論というのはかなり親和的なのかなというふうに考えておりました。
佐野参考人におかれましても、これまでの検討会の中で委員として参加いただいたと思いますけれども、佐野参考人の目から見て、データに基づく議論という点についてどのような課題があったかという点ですとか、また、健保連さんの方は、多分、独自に持っていらっしゃるデータとかもいろいろあると思います。そういったものについて、本当であればもっとデータに基づいた議論をしたいんだけれども、自分たちのデータはあるんだけれども、それを、じゃ、出していいのかとか、そういったところで、データを厚労省だったりとか研究者だったりとかに提供する際の何か課題みたいなものとか壁みたいなものがありましたら、教えていただければと思います。
○佐野参考人 ありがとうございます。
正直なお答えとしては、検討会において、データ等において大きな課題はなかったと思います。
正直申し上げて、じゃ、どういうデータを持ってきてやるのかというときに、今の国の持っているデータの中でも、なかなかきれいにまとまっていない部分があるのではないかなというふうに思っていまして、これはある面でちょっと課題というふうに言えるかもしれませんけれども、なかなかに取りにくいデータがあるのも事実だと思いますので、ではどこまでデータを見ればいいのかという辺りのところはもう少し検討の余地があるんじゃないかなと思っています。
それと、私ども健保連が持っているデータについては、可能な限り対外的な公表もしておりますし、これは行政当局も含めて提示をさせていただいています。相当いろいろな局面で審議会等においても使っていただいている部分もございますので、特に、持っているデータについては出させていただいている。もちろん、例えば個別データの中で個人情報に係る部分ですとか、こういうものについては隠さなきゃいけないのは当然でございますけれども、基本的にはオープンにさせていただいているというふうに考えております。
以上でございます。
○古川(あ)委員 ありがとうございます。これまでもいろいろデータを提供していただいているということで、ありがとうございます。
続いて、林参考人にお伺いしたいと思います。林参考人にお伺いしたいのは、治療と仕事の両立についてのお話です。
今回の法改正の内容の中で、出産に係る話ですとか高額療養費の話ですとかありますけれども、私がいろいろ話を聞いている中でも伺う声として、出産はやはり費用がどれぐらいかかるか分からないとかというところから、結局、出産ぎりぎりまで無理して働いてしまうみたいな方とか、そういうお話も伺っております。
また、高額療養費に関しては、やはり治療が進んでいくにつれて、仕事の量を減らしたりだとか、仕事を替えたりとか辞めたりとかしなくてはいけなくなったけれども、そこと実際の負担に反映されるまでのところのタイムラグであったりとかというところに課題があるというふうに私は聞いておりますけれども、林参考人のこれまでの御知見とかお立場からして、治療だったりとか出産だったりとかというところと働き続けること、仕事との両立のために必要な支援ですとか、その際に保険制度というのはこのようにあるべきだというところについて、お考えがあれば教えていただければと思います。
○林参考人 お尋ねありがとうございます。
働いてきた中で、確かに、職場の仲間が大変な病気をされる、もちろん出産なんかもありますけれども、その中で、最終的に辞めざるを得なかったというケースは幾つもあります。ただ、それは、どうしても最後は、どこかで収入が途絶えてしまうというようなこともありますし、御自身が、もう専念するためには仕事を辞めざるを得ぬみたいなこともあるんだろうというふうに思っています。
なかなか、保険の世界でやっていくというと病気の予防とかそんなことになってしまうのかもしれませんけれども、職場の中でいかに治療と仕事を両立させていくのかというのは非常に難しい。いっときはやはり休んで治療に専念していただくことも必要ですし、他方で、疾病によっては、ちょっと言葉が適切かどうか分かりませんが、だましだまし、休みをちょっと増やしながら、あるいは軽い負担にしながらみたいなことを求められると思いますが、そこはやはり、雇用の側も、使用者側のところでも様々な工夫が求められていると思いますし、職場の中での支え合いも必要だろうというふうに思っています。
お尋ねのとおり、非常に難しい、なかなか、これをやったら両立できますみたいなことがあるわけではありませんけれども、是非、労使共に知恵を絞って、あるいは保険制度の中でも何かできることがないかみたいなことは是非委員会でも御議論賜れたらと思います。よろしくお願いいたします。
○古川(あ)委員 ありがとうございます。なかなか、これさえやればというようなことは明確なものはないかと思いますので、これは引き続き考えていきたいと思います。
続いて、大黒参考人にお伺いします。今、林参考人にお伺いしたのと同じことをお伺いさせていただければと思います。
治療だったり出産だったりということと働き続けることということの両立の難しさというところ、御承知かと思いますので、その点について、課題でありますとか、どのような保険制度が望ましいかという点についてコメントいただければと思います。
○大黒参考人 お答えいたします。
現在、手帳制度を持っていない難病患者の雇用というのを考えられていまして、障害者の雇用率制度に入れるかどうかということもあります。そういう意味では、こういうことを通じて難病患者の働くということが社会化されるということで、皆さんの理解が広まっていければいいかと思います。
それと同時に、病気の休暇制度であるとかショートタイムの働き方を推進するとかいうのが一般的になっていけば、難病患者も働きやすくなるのではないかというふうに思います。
残念ながら、こういうことが一般化されていない状況では、難病ということを開示しないという働き方というのもまだまだあります。そういう状態ではなかなか社会化されていかないという状況でもありますので、これはなかなか、どっちも大事なんですけれども、社会化されてきて、普通に難病患者もオープンに自分たちの病気を開示して働ける環境ができて、それが更に難病患者の働き方の理解につながるということに通じると思いますので、是非、一人でも難病患者をまずは雇用していただくというところから始めていただければ、理解が深まるのではないかと思います。
○古川(あ)委員 大黒参考人、ありがとうございました。
続いて、中村参考人にお伺いしたいと思います。
今回の高額療養費の見直し、昨年の話があって、今年の話があるわけですけれども、政府としては、当事者の方にも参加していただいて話を聞いたというふうに説明がなされていますけれども、やはり、そういった説明に対して、納得ができないという声も上がっているかと思います。
そこで、中村参考人にお伺いしたいと考えているのが、今回、高額療養費に係る委員会ができたというところで、一定、当事者を参加させるという枠組みというのができたわけですけれども、こちらの枠組みに対する評価をお答えいただければと思います。
○中村参考人 当事者を参加させるということは当然だというふうに思って、大変評価しております。
特にがん患者等々は、命の危険にも遭いながら、就労も十分できない中で、収入が減ってしまう、そういう非常に苦しい経済状況の中で子育てだとか家計の維持だとかをやっているわけですから、高額療養費を払っている人たちの苦悩をしっかり知ることが大事だろうというふうに思って、大変評価しております。
○古川(あ)委員 ありがとうございました。
時間になったので終了したいと思いますが、本日皆様から聞いたお話も含めて、検討に活用させていただきます。
ありがとうございました。
○大串委員長 次に、辰巳孝太郎君。
○辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
五人の参考人の皆さん、貴重な御意見、本当にありがとうございました。
まず最初に、中村参考人にお聞きをしたいというふうに思います。
私も、先日の当委員会で、今回の法案の中でOTC類似薬の一部保険適用除外ということがやられようとしているんですけれども、ただ、この健康保険法改正の中で、条文を読めば、法文を読めば、一部保険適用除外というのは薬以外も対象にすることができるんだと。政策的にはやらない、今はやりませんよ、現行は考えていませんよと言うんですけれども、法文上はできるようになる。つまり、診療とか診断とか処置とか手術とか在宅、入院、健康保険法第六十三条第一項で定められている、療養の給付で掲げる範囲も給付制限することができるんだ、このことを明らかにしました。
OTC類似薬の保険適用除外、今回、一部、多大な影響が出るということなんですが、もし今のような、それ以外にも広げる、保険適用除外というのを更に広げていくということで、混合診療という話もありますけれども、もちろん患者としては負担が増えるんですけれども、臨床の医療の現場として、どんどんどんどん保険適用除外になっていくことでどのような臨床の現場での影響が出てくると想定されるのかということを是非教えていただけたらというふうに思います。
○中村参考人 御質問ありがとうございます。
まず、自己負担が増えるというのは、それは大問題でして、同じ状態であっても治療の差が出てくるということになって、やはり、お金を持っている方は自費部分として出せるけれども、持っていない方は治療を受けられない、そういう国民の間に分断を引き起こすということになって、医療保険が担っている公正で公平な医療を提供するというその趣旨からしてもう崩れてしまうのではないかというふうに思っております。
また、我々医療者側は、今診療報酬が低いので、ある程度自費もあっていいんじゃないかという議論をする人もいます。しかし、歯科医師の現状を見てもらえば分かりますけれども、歯科医師は、義歯とかいろいろなことが自費になってしまいました。そのために、彼らの収入は一定の制限がかかってしまって、現在の個人の歯科医療機関の平均での収入は、中央値で一千万を割っております、年間ですよ。歯医者さんは決してお金持ちじゃないんですよ、インプラントをやっている人はお金持ちですけれども。
つまり、そういう、非常に経営が厳しくなってしまうということになってしまいますので、そうすると、医者の方も欲が出てきて、これを稼ぐためにはこうやってやろうというふうな、いかがわしい、インチキな治療もはやってきてしまうということが想定されます。
ですから、やはり皆保険制度を守って、きちっと医療は提供するという体制を保ってほしいと思っています。
○辰巳委員 よく分かりました。
患者側にとっても、医療機関側にとっても、臨床の現場でも、いいことが起こることはないということだったというふうに思います。
続けて中村参考人にお聞きしたいんですけれども、今日の資料の中で、三ページ、四ページ目ですかね、乱用市販薬ということでお示しをいただいているんですけれども、私、このグラフといいますか、見て、本当に驚きました。乱用市販薬、要するに、市販薬ですから、買えるお薬ということですよね。とりわけ若年層、十代にこういった乱用が広がっているということが示されていると思うんですけれども、このオーバードーズ問題がなぜ起こっているのかということですね。
市販薬の取扱いについて問題があるということなのか、あるいは、その解決のためには、オーバードーズ問題、乱用問題をどうすればいいのかということを、御意見を聞かせていただければと思います。
○中村参考人 スライドの三番にありますように、乱用市販薬人気ランキングというのがあります。この中にコデイン類というのが入っております。せき止めです。これを買う彼女、彼らは、コデインが覚醒剤のような雰囲気になるということをよく知っているんです。そのことは多分、高校の中で共有されちゃうんでしょうね。具体的な医薬品名でいえば、パブロンゴールドです。皆さんも風邪薬として飲むかもしれませんが、それを薬局に行って買う。小児科から情報をちゃんと得ておりますけれども、買う際に、お母さんに買ってきてと言われたからと買うんですね。じゃ、そうすると、薬局にいる薬剤師さんはそれをうのみにして売る。また別の薬局に行って、また買うということになって。
実は、この問題、次の四ページのところに十代の薬物乱用、依存患者数のグラフがあります。二〇一六年から右肩上がり、ウナギ登りです。現在、数字でいうと、百三十のラインに到達していますね。これが依存して、自殺に進んでしまったり、重度の依存症なんですが。
この二〇一六年の前に、二〇一五年、薬局における薬剤師の管理が緩和されたんです。したがって、緩和されたために買いやすくなっちゃったんですね。買いやすくなったということが二度あったんです、二〇一八年にもあったんです。したがって、そういう買いやすくなった状況がこのような社会現象を起こしていて、これが更に増えていくだろうというふうに思います。
十代の若者は昔から日本では自殺率が高いんですけれども、そこら辺は、家庭環境の問題、社会環境の問題、教育の問題、いろいろあると思いますけれども、やはりそこに手を出しやすくなったという状況が一つの要因だろうというふうに思います。
右のグラフを見ていただきますと、七〇%が市販薬によるオーバードーズです。ここを何とかしていかないと、我々の未来はなくなってしまうんじゃないかというふうに思います。
○辰巳委員 よく分かりました。
いわゆる規制緩和の流れの中で、こういうことが起こってしまう背景にあるんじゃないかということだというふうに思います。ありがとうございました。
続きまして、日本難病・疾病団体協議会、大黒宏司参考人からお話をお伺いしたいというふうに思っております。
先ほどのやり取りの中で、八回における専門委員会の中で議論をしてきたんだけれども、九回目に示された、結論的にはこれは提示されたという認識で、共同声明でもその旨声明を出したという話がありました。
私、昨年の衆議院での議論も思い出すんですけれども、それこそ当事者の皆さんが国会に来ていただいて、衆議院あるいは参議院で当事者の皆さんの声を聞かせていただき、そして衆議院でも修正、参議院でも修正ということで、昨年はこの高額療養費の見直しというのは凍結ということになったわけなんですよね。
今日も冒頭でお話があったと思うんですけれども、やはり改めて、今回の見直しによってどういうことが起こってしまうのか、いわゆる難病の当事者の皆さんがどういう思いを持っておられるのか、抱いておられるのか、懸念をされているのかということをいま一度示していただければと思います。
○大黒参考人 ありがとうございます。
今回、高額療養費の上限ということが引上げという御案内があったんですけれども、これが常態化する可能性があるという部分も含めて、今後のことも考えると、これが今回の第一段階だけでは終わらないで第二段階もあります、その後どうなるのかという状況の中で、じゃ、どういうふうに推移していくのかということも考えると、やはり不安が募るわけです。私たちの費用というのがどこまで上がってしまうのかということも含めて。
そうなりますと、実際、生活のプランが成り立たないという状況になります。本当に破滅的なという状態の医療支出という部分も出てきています。今現在でも出てきているという状況ですので、これが更に増えると、その一定割合で増えていくという状況ですので、それがどんどん広がっていくというのが、さらに、私たち患者団体が入った会合だから許されるんだというような話になってしまうと、これまた私たちも、実際は、こういう会議であれば参加できないという状態に陥ってしまいます。
ですから、やはり私たちの意見をきっちりと聞いてもらうという状況、本当にきっちりと聞くんだという。私たち、最初も言ったんですけれども、患者の納得という中で決めていただきたいというところがあります。今の現状では、納得というまではいかないという状況で共同声明を出したという状況になります。
○辰巳委員 ありがとうございました。
まさに、患者団体が専門委員会の中に入っているんだからというようなことを何か免罪符のようにして認められたというような様々なやり取り、答弁がこの国会でもありましたので、それは違うよというお話だったと思います。本当にそうだというふうに思います。
示していただいた資料の中で、医療費全体に占める高額療養費の割合というのは六・八%にすぎないという話もありました。占める割合を見てみますと、鈍化しているんですよね。ですから、今回の高額療養費の見直しということで何か医療費全体でどうなるという話でもないわけですし、当然、おっしゃっていただいたように、一回の療養をためらうことが命に直結するようなこともあり得るわけですから、これはやはり、私たちとしても、議員立法を今回提出しておりますので、負担の軽減に資するようにやっていきたいというふうに思います。
最後に、林参考人にお聞きをしたいというふうに思います。協会けんぽの国庫補助についてです。
今回、特例で、三年にわたって減額されるという話でございます。ただ、三年で終わるのかということについては、大臣折衝で、措置終了後、医療保険料率を含めた保険財政運営の在り方については、令和十年度までの間において、国庫補助率の見直しと併せ、持続的な保険財政運営の観点から必要な検討を行いということで、三年が終わった後もどうするかという話が出てきかねないと思っています。
中小企業の方々、労働者が加入する協会けんぽにおいて、改めて、国庫補助が財政安定化に寄与しているんだという話をお話しいただけたらというふうに思います。
○林参考人 お尋ねありがとうございます。
ほかの保険者さんと比べるのが適切かどうか分かりませんけれども、今、協会けんぽは大変準備金がたくさんあるんじゃないかというような御指摘をいただいているということを聞いておりますけれども、一人当たりに直せば、協会けんぽは十二万円、健保組合は二十三万円、共済組合でいけば十二万六千円ということで、そう変わらぬわけです。
今、たまたま、たまたまというか、毎年黒字で準備金が積み立っていますけれども、それは、国会議員の皆様方に一六・四%ということで決めていただいてから徐々に増えてきた、ようやく財政としては健全になったということで、それまでは毎年赤字、赤字、赤字ということで、大変な経営努力を、当該協会けんぽを含め、してきたわけでございまして、そのことは、すなわち受益者たる構成員の中小企業さんもそうですし、そこで働いている者たちも非常に不安に思う、負担が増していくのでは、現実に負担も増してきたわけですから。
そうしたことを考えますと、最低限、今の保険料率を保つためには、一六・四%をこれは何が何でも維持していただきたいというのが私どものお願いでございます。
以上です。
○辰巳委員 ありがとうございました。
国庫補助を下げる、引き上げるということになれば、今政府自身が掲げている社会保険料の軽減とか、そういうことにも反するんじゃないかというふうに思いますので、これは絶対に下げたらあかんという立場で論戦もしていきたいというふうに思います。
済みません、お二人の参考人にはちょっと時間の関係でお聞きすることができませんでした。貴重な御意見、ありがとうございました。
以上です。
○大串委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。
この際、参考人の方々に一言御挨拶を申し上げます。
参考人の方々におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
次回は、明二十二日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十一時三十八分散会

