第4号 令和7年3月26日(水曜日)
令和七年三月二十六日(水曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 宮崎 政久君
理事 小泉進次郎君 理事 新谷 正義君
理事 山下 貴司君 理事 荒井 優君
理事 山岡 達丸君 理事 山崎 誠君
理事 斉木 武志君 理事 丹野みどり君
岩田 和親君 鬼木 誠君
小池 正昭君 坂本竜太郎君
島田 智明君 鈴木 英敬君
関 芳弘君 世耕 弘成君
西村 康稔君 細野 豪志君
松本 洋平君 宮内 秀樹君
向山 淳君 東 克哉君
大島 敦君 岡田 克也君
落合 貴之君 小山 展弘君
鈴木 岳幸君 田嶋 要君
福森和歌子君 吉田はるみ君
東 徹君 村上 智信君
岡野 純子君 平岩 征樹君
福重 隆浩君 吉田 宣弘君
佐原 若子君 辰巳孝太郎君
吉良 州司君
…………………………………
経済産業大臣 武藤 容治君
農林水産副大臣 笹川 博義君
経済産業副大臣 大串 正樹君
内閣府大臣政務官 勝目 康君
文部科学大臣政務官 金城 泰邦君
防衛大臣政務官 金子 容三君
政府特別補佐人
(原子力規制委員会委員長) 山中 伸介君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 福島 健彦君
政府参考人
(文部科学省大臣官房文部科学戦略官) 松坂 浩史君
政府参考人
(農林水産省大臣官房審議官) 西 経子君
政府参考人
(農林水産省農村振興局農村政策部長) 神田 宜宏君
政府参考人
(経済産業省大臣官房長) 片岡宏一郎君
政府参考人
(経済産業省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官) 西村 秀隆君
政府参考人
(経済産業省大臣官房原子力事故災害対処審議官) 宮崎 貴哉君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 井上誠一郎君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 田中 一成君
政府参考人
(経済産業省大臣官房福島復興推進グループ長) 辻本 圭助君
政府参考人
(経済産業省商務情報政策局長) 野原 諭君
政府参考人
(経済産業省商務情報政策局首席国際博覧会統括調整官) 茂木 正君
政府参考人
(資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官) 山田 仁君
政府参考人
(資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長) 伊藤 禎則君
政府参考人
(資源エネルギー庁資源・燃料部長) 和久田 肇君
政府参考人
(資源エネルギー庁電力・ガス事業部長) 久米 孝君
政府参考人
(中小企業庁事業環境部長) 山本 和徳君
政府参考人
(環境省大臣官房審議官) 飯田 博文君
政府参考人
(環境省大臣官房審議官) 堀上 勝君
政府参考人
(防衛省大臣官房審議官) 伊藤 哲也君
参考人
(原子力損害賠償・廃炉等支援機構理事長) 山名 元君
経済産業委員会専門員 花島 克臣君
―――――――――――――
委員の異動
三月二十六日
辞任 補欠選任
山口 良治君 吉田 宣弘君
同日
辞任 補欠選任
吉田 宣弘君 山口 良治君
―――――――――――――
三月二十五日
情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一一号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一一号)
経済産業の基本施策に関する件(エネルギー・物価高等)
――――◇―――――
○宮崎委員長 これより会議を開きます。
経済産業の基本施策に関する件、特にエネルギー・物価高等について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、参考人として原子力損害賠償・廃炉等支援機構理事長山名元君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、経済産業省大臣官房長片岡宏一郎君外十九名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○宮崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○宮崎委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。坂本竜太郎君。
○坂本(竜)委員 皆様、おはようございます。自由民主党の坂本竜太郎でございます。
経済産業委員会で光栄なことに質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
私は、初めて御質問させていただきますので、若干自己紹介させていただきますけれども、宮崎委員長始め委員の皆様、ほかの会派の先生方にもこの間触れていただいているんですけれども、そして、武藤大臣始め経産省の皆様方には本当に長い間、この間、十四年にわたってお世話になっておりますが、原発事故、原子力災害を受けた福島県の浜通りの選出であります。
しかも、今回この小選挙区制の下で初めて福島県の沿岸部である浜通りが一つの選挙区となった、その選挙区から送り出していただいた者として、生涯をかけてこの課題に、これほど皆さん方にお力をいただいているわけでございますから、地元の選出議員として文字どおり命懸けで、この復興と、さらに、この国のあるべき姿を見出すべく汗をかいてまいりますことを冒頭お誓い申し上げさせていただく次第であります。(発言する者あり)ありがとうございます。
何と申しましても、原発事故でございますから、この国のエネルギー政策に基づいて今日があるわけでございます。しかしながら、あの事故が起きてしまったから、起きてしまったけれども、じゃ、福島県の浜通りはこの国のエネルギー政策から離れていくのか、そういう話ではございません。むしろ、ますますこの経験、教訓を生かして、我が国の生命線であるエネルギー政策に責任を持っていくんだ、貢献していくんだ、そういう覚悟で私は国政に臨ませていただいている次第でございます。
そもそも、幕末に私の地元で石炭が発見された、このことをもってこの国の近代化に、燃料の供給から始まって電源の供給に至るまで、今日に至っているということでございます。さらには、広く見渡しますと、福島県内、会津地方におきましても、御承知のとおり水源地でありますから、水力発電の電源開発がもう明治期から行われておった。
震災を受けて、再生エネルギー先駆けの地として福島県が掲げて、もう既に、昨年度、二〇二三年の時点で福島県内で消費される電力は全て再エネで賄うことが可能なほどにまで行き渡ってまいりました。おかげさまでございます。また同時に、中通りにおいても、福島県は様々な温泉がございますから、そこからしても御理解いただけるように、火山もございます。すなわち、地熱バイナリーについてもいろいろとこの間お力をいただいております。
これまでも、これからも、しっかりとこの国のエネルギー政策に貢献していく、水素の取組もお力をいただいておるところでございます。そういった観点から、私は、是非、この福島県での経験を生かして、今の取組を通じて、日本の、今は難しい局面にある我が国のあるべきエネルギー政策に貢献していきたいとの思いで臨んでおります。
まずは、この福島県での取組を通じた我が国の責任あるエネルギー政策の在り方について、どのように国としてお考えであるか、お尋ねをさせていただく次第でございます。
○辻本政府参考人 お答え申し上げます。
経済産業省におきましては、福島の思いをしっかり受け止め、福島が再生可能エネルギーや未来の水素社会を切り開く先駆けの地になるよう、福島新エネ社会構想の実現に向けて全力を尽くしておるところでございます。
まず、再エネにつきましては、例えば、次世代の国産技術であるペロブスカイト太陽電池の先行活用といたしまして、Jヴィレッジ、サッカーの聖地になっているところでありますけれども、Jヴィレッジへの設置などに現在取り組んでおります。また、御指摘の水素におきましては、浪江町の福島水素エネルギー研究フィールド、FH2Rであります、と連携した民間主体での実用化、水素モビリティーの利用拡大、産業集積の実現に取り組んでいるところでございます。
また、原子力につきましては、政府として、福島第一原子力発電所の廃炉に関する研究開発、また廃炉現場を支える人材の育成を進めております。
また、先ほど御指摘あった石炭に関しまして、火力につきましても、福島県は、高い発電効率と環境性能を誇る次世代型の火力発電システムであるIGCCの実証拠点の役割を担っております。勿来と広野の両発電所におきまして、二〇二一年にはIGCCの商用運転が開始されたところでございます。
政府としましては、こうした福島における取組は、福島の復興再生にとどまらず、日本の責任あるエネルギー政策の実現に資する重要なものだと考えております。福島での取組を通じて得られた知見も活用しながら、エネルギー安定供給と脱炭素の両立に向けて取組を進めてまいりたいと思います。
○坂本(竜)委員 ありがとうございます。
是非、だてじゃないんです、これまでの蓄積と今の取組が。そこを踏まえて、国全体の在り方に結びつけていただきたいと思います。
お話ありましたように、石炭火発もそうなんですけれども、原子力もそうですけれども、長い間培ってきたノウハウ、技術、人材、そして地域挙げての文化となっている部分があるんです、エネルギー、電力供給に関して。これを生かしていかない手はない。是非、新しい局面を迎えている原子力政策についてもそうですけれども、この石炭火力についてはなおさら、もう二代目、三代目の皆さんが活躍しているという自負とプライドがありますから、今、逆境にありますけれども、どこに問題の所在があるのかというのをしっかり把握していただいた上で、これを活用して確たるエネルギー政策をつくり上げていただきたいと思うんです。
そこで、今、バランスが非常に難しゅうございますけれども、脱炭素の取組、GXを進めていただいておりますけれども、その中にあって、健全な火力発電をどういうふうに進めていくのか、果たすべき役割があるわけでございます、再エネをしっかり進める意味でも。そこについて、責任ある役割の在り方について考えをお示しいただきたいと思います。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
火力発電は、安定的かつ経済的な電力供給を実現する観点や、再エネの更なる導入拡大が進む中、再エネの変動性を補う調整力を確保する観点から、引き続き重要でございます。
福島県の浜通り地方は、大規模な火力発電所が総計一千万キロワット程度と数多く立地しており、御地元の皆様の御理解を賜りながら、長きにわたり経済的で安定した電力供給を支えていただいてきたと承知してございます。
今後、DXやGXの進展に伴い国内の電力需要の増加が見込まれる中、足下の電力需要の増加に対しては、あらゆる電源を活用して安定供給を確保する必要があり、現時点で電源構成の約七割を占める火力発電についても、当面は重要な役割を果たすと考えてございます。
その上で、二〇五〇年カーボンニュートラルに向けては、技術開発やコスト等の動向を踏まえつつ、水素、アンモニアやCCUS等を活用した脱炭素型の火力への置き換えを進めていく方針であります。
このため、脱炭素電源への新規投資を促す措置である長期脱炭素電源オークションなどを通じて、火力の脱炭素化に向けた取組を後押しし、カーボンニュートラルと電力の安定供給の確保の両立を図ってまいります。
○坂本(竜)委員 先ほどもIGCCについても言及いただきましたけれども、高効率化を図りながら、間違っても、火発が悪い、石炭が悪いんじゃないです、CO2をどうするかという観点に立っていただいて、間違いないエネルギー政策を確立していただいて、国民の皆さんの生活、経済、そして、何と申しましても命だけは守り抜いていただく、こういう覚悟でこれを、あるべき形を推し進めていただきたいと心からお願いを申し上げさせていただく次第でございます。
今日はエネルギーと物価高についてのテーマでありますから、さらに、我々の足下に目を落としますと、電力もそうですけれども、直接的な燃料ですね。今年も、浜通りは雪が降らないんですけれども、会津地方を始め全国でも大変な豪雪に見舞われました。やはりまだまだ地方や山間部は、電力も便利でございますけれども、灯油等を活用して暖を取り生活を成り立たせる方々、特に御高齢の方が多い社会でございます。
それが今非常に難しい、またこれ局面にある中にあって、何と申しましても、価格もそうですけれども、一番は、安定的に、確実に供給していただかなければ、命を守り抜けない、地方を守れない、すなわちこの国が成り立たないということでございますので、その観点から、エネルギー、特に燃料の安定供給についての確たるお考えをお示しいただければと思います。
○和久田政府参考人 お答え申し上げます。
まず、特に災害時におきましては、被災地の住民生活、復旧活動を支えるガソリンそれから灯油、そうした燃料の確保は極めて重要だと考えてございます。
東日本大震災などの教訓を踏まえまして、業界と連携しながら、有事対策として様々な取組を行ってきたところでございます。
具体的には、特にハード面につきましては、製油所や油槽所の出荷設備の耐震強化、それから、製油所、油槽所、ガソリンスタンドへの非常用発電機の設置等を実施をしてまいりました。特にガソリンスタンドにつきましては、全国二万七千ございますけれども、その半分以上に当たる一万五千か所への非常用発電機の設置を実施をしてきたところでございます。
それから、ソフト面につきましては、石油元売会社に対しまして、広域の災害時に石油会社が連携して石油供給を行うことを定める災害時の石油供給連携計画の作成を義務づけまして、計画の発動に備えた訓練も実施をしてまいります。
それから、加えまして、平時におきましては、ガソリンスタンドは平時から健全に経営されてこそ災害時に最後のとりでとしての役割を果たし得るということで、ガソリンスタンドの経営多角化に向けた設備の導入支援、それから、SS過疎自治体が地域の状況に応じてその燃料供給体制を構築するための計画策定、それからその計画に基づく設備導入に対する支援などを実施をしてまいりまして、ガソリンスタンドのネットワークの維持強化を図っているところでございます。
こうした取組を通じまして、石油製品の供給に万全を期してまいりたいと考えてございます。
○坂本(竜)委員 是非、今も有事であるという御認識で、この福島への御支援を賜りながら、この国のあるべき形にお力を賜れればと思います。
時間が終了いたしましたので、これで終わります。御清聴、誠にありがとうございました。
○宮崎委員長 次に、山崎誠君。
○山崎(誠)委員 おはようございます。立憲民主党、山崎誠でございます。
今日も、エネルギーの集中ということで、貴重なお時間をいただきました。早速ですが、質問に入らせていただきます。
東日本大震災、そして東京電力福島第一原発事故から十四年がたちました。いまだに避難生活を強いられている方は大勢いらっしゃいます。そしてまた、廃炉作業も大変、本当に皆さんの献身的な御努力あってでありますけれども、それでも厳しい状況が続いているということでありまして。
お亡くなりになられた方には本当に心から哀悼の誠をささげます。そしてまた、避難されている方々にはお見舞いを申し上げる次第であります。
今日は、原賠機構、原子力損害賠償・廃炉支援機構の理事長、山名理事長にもお越しをいただきました。是非、こうした今の福島の現状について、そしてまた原子力行政に関わる諸課題について、お聞きをしてまいりたいと思います。
まず、原賠機構の理事長として、十四年目を迎えた損害賠償、また廃炉作業の最前線に立っていらっしゃいますけれども、簡単で構いませんので、御所見をいただければと思います。
○山名参考人 山名でございます。
先生御指摘のように、事故から十四年たちました。現在つくっておりますこの原賠・廃炉機構のメカニズムを使って東京電力にこの事故の責任を果たさせる、そのために東電に経営をしっかり改善させる、その目標に沿って私ども十四年間頑張ってまいりました。
賠償について一定の進捗をしておりますし、廃炉についても進捗しております。ただ、まだまだ難しい問題が控えておりますので、また、国中が総力を挙げて対処をしていくという所存で取り組んでおります。
○山崎(誠)委員 ありがとうございます。
今、東京電力の経営にも厳しくチェックをしていくという御姿勢をお示しをいただいたこと、非常に心強く思うのであります。
先日も、特別事業計画、賠償だとか廃炉だとか、このベースになる特別事業計画と認識しておりますけれども、三月の十七日には変更の認定を受けて、三月の二十四日には追加の資金の交付も行われたということで報道もあります。
機構法を読みますと、この特別事業計画というのは、機構が原子力事業者と共同で作るものだということ、その中にはこういう記述もあります。機構は、特別事業計画を作成しようとするときは、当該原子力事業者の資産に対する厳正かつ客観的な評価及び経営内容の徹底した見直しを行うとともに、当該原子力事業者による関係者に対する協力の要請が適切かつ十分なものであるかを確認しなければならない、こういうお話であります。
先ほど御挨拶の中でございました、このスタンスは、私は、非常に大事でありまして、今日、実は取り上げていきたい話題というのは、そういう経営の問題であります。東京電力が本当に正しい経営をしているのかというお話になりますので、この機構の前提で、今日は山名理事長にもお聞きをしていかなければいけないと思っております。
資料一を配付をしておりますが、問題は、日本原子力発電、原電に対して、電力料の前払いという形で支払いが起きているということでございます。
東京電力エナジーパートナーは日本原電に、東海第二原発の関係、毎年約五百五十億の基本料を払って、さらに、これとは別に、二〇二一年から三年間で、基本料金の前払い費用、約一千四百億円というものを払っている。この資金は、日本原子力発電、日本原電の安全対策費、堤防の設置のための資金協力ということになっています。
東京電力は、金融機関に債務保証をする信用力がないために、基本料金の前払いという変則的な形でこうした資金協力を行っています。その結果、二〇二二年には東京電力エナジーパートナーは赤字となって、東京電力ホールディングスはその年度の特別負担金を払わなかった、免除されたということになります。この特別負担金というのは、原賠機構に東京電力から戻す、返済するお金でありまして、この返済がある意味焦げついているということの意味を持っていると思います。ゼロではありませんけれども、一般負担金などもある。ただ、特別負担金という、この原発事故を契機にして、どうしてもこれは負担していただかなければいけないお金でありまして、それが滞ってしまっている。そういう事実があるということで、新聞記事にもなっているところであります。
ここで、私は、日本原電の原発が今どういう状況なのかということについて、まずは御確認をしたいと思っております。
規制委員長、今日はお忙しい中お越しいただきまして、ありがとうございます。この日本原電の持っている原発の審査の状況について、お尋ねをしたいと思います。
○山中政府特別補佐人 お答えをいたします。
まず、日本原子力発電東海第二発電所につきましては、平成三十年九月に本体施設の設計変更許可処分を行いました。現在、施工不良のあった防潮堤の設計変更に関する設計及び工事の計画について審査を行っているところでございます。
保安規定につきましては、今後、設計及び工事の計画に関わる審査の内容が反映される予定であり、その際には厳正に審査を進めてまいる予定でございます。
また、バックフィットとして対応を求めております高エネルギーアーク放電による火災発生防止に関する設計及び工事の計画の申請がなされており、審査を進めているところでございます。現時点で、審査の今後の見通しについて申し上げられることはございませんが、引き続き、厳正な審査に努めてまいる所存でございます。
一方、敦賀発電所二号炉の設計変更許可申請につきましては、敷地内断層に関して審査した結果、規制基準に適合していると認められないことから、令和六年十一月十三日に許可をしないとする処分を行いました。敦賀発電所二号炉につきましては、日本原子力発電に改めて設置変更許可を申請をしたいという意向があることは承知しておりますけれども、申請がいつなされるかについては、規制委員会としては承知しておりません。
○山崎(誠)委員 ありがとうございます。
委員長、敦賀ですけれども、活断層が原子炉の下にあったということで不許可ということであります。これはかなり重い事実だと思うのでありますけれども、これを、こういうような、安全だという証明というのはなされる可能性、これはちょっとなかなかお答えにくいと思いますけれども、その困難性、いかがお考えでしょうか。
○山中政府特別補佐人 お答えをいたします。
日本原子力発電敦賀発電所二号炉につきましては、これまでの審査の経緯を様々踏まえまして、K断層という一つの断層の活動性と連続性に論点を絞りまして、昨年、審査の判断を下したところでございます。
今後、様々な断層が存在しますので、敷地内の断層の活動性について、あるいはその他の規制基準への適合性について、全て事業者が適合するということについて立証する必要がございます。非常に困難な作業になるかというふうに私自身は認識しております。
○山崎(誠)委員 ありがとうございます。的確な御回答をいただいたと思います。
敦賀はそういう状況で、動くのは非常に厳しい、かなり、これはもう、ある意味、廃炉にせざるを得ないという状況かと思います。
東海第二については、これも、防潮堤の工事で大きなミス、コンクリートが行き渡っていないというミスが発見されて、それを今修正しなきゃいけないということでございます。これも、造り直さなきゃいけないんじゃないかというような話もあるぐらいで、大変時間もかかるし、これから先、見えていないということだと思います。
こうした状況の中で、この二つの原発を東京電力は電源として頼りにしているのかと思うのでありますけれども、本当にそれが正しいのかどうかという話であります。
東京電力はこれまでどのぐらい日本原電に支払いを行ってきたのか、これは原賠機構の方でお答えできますか。
○山名参考人 卸売に関わる金額の御質問と承りました。
こういった契約上の情報は、競争にも関わる情報でございまして、個社の契約内容に当たるということでございますので、私からは回答を差し控えさせていただきたいと思います。
○山崎(誠)委員 ここでお聞きしたいのは、基本料金、日本原電に、五百五十億払って、そして千四百億円、追加の資金援助などもして、そういうものをこの十三年、十四年間になりますかね、この期間、どのぐらい負担を、協力をしたかということであります。これは是非お答えいただきたいんですけれども。
○山名参考人 私どもは、総合特別事業計画というのを東京電力と共同で、経済産業大臣の認定をいただいた上で、一つの長い時間軸で大きな方向性を共有するようにしております。その中に、一つの収益計画、収益見通しというのを作って、その中で東電が経営を改革していくということを求めているわけです。
したがって、その中で行われている電源の調達あるいは契約、そういったものについては、東電の経営の裁量に任せる、委ねる、それが総合特別事業計画の大きな方向性の中で行われているということを、運営委員会の方で審議した上で、我々は判断しているということでございます。
○山崎(誠)委員 これは、単純に計算をしても、これまで全く動いていない原発に、いいですか、一キロワットアワーも調達できていない原発、それに八千五百億円、そういうお金が流れているのであります。そして、五百五十億円という毎年の基本料金は、これは原価に乗ってきますから、電気代に跳ね返るわけです。
いいですか、これだけ物価高と言われて、電気代が高いということで税金も使って補助をして、そういう中で、この五百五十億円、毎年毎年動かない原発に投入をしている、こういう経営が正しいかどうかなんですよ。その判断を大株主である国は、原賠機構のこの特別事業計画等の仕組みを使ってチェックをして、経営を正せ、そう言っているんですよ。
では、金額は答えられなくてもいい、この日本原電に支払っているお金というのは適切ですか。いいですか、調達の見込みはありません、今、原発は動きません、敦賀はアウトです、第二も、工事、これから先どのぐらいかかるか分からない、こういう中で、日本原電にこれからもずっと基本料金を払い続け、それが今ある東京電力の経営、正しい経営だとお考えですか。
○山名参考人 御指摘の点は理解しました。
ただ、この電気事業というのは、原子力だけではなく、火力からの電気調達、再生可能エネルギーからの電気調達、全てを含めて、いわゆるポートフォリオですね、カーボンニュートラルに持ち込むという重要性、それから料金をできるだけ下げるという視点、全ての全体を最適化して、こういった長期の契約やそのときの支払いの額が決まっていくものだというふうに理解しております。
その全体方向性が総合特別事業計画で今我々が求めている長期の収支計画の範囲にある限りは、その中で経営陣による裁量に任せるべきだと思いますし、その部分に、我々が細部に介入することは適切ではないと考えております。
○山崎(誠)委員 ポートフォリオがあるからね、今お話ありましたよ。化石燃料は、これを減らさなきゃいけないけれども、化石燃料もある。再エネはまだまだ、この後も議論したいんだけれども、どんどん入る、入れればいいんですよ。そこにもっと投資をすればいいんですよ、東電だって。そうしたら、未来に新しい電源があるんですよ。そういうポートフォリオがあるにもかかわらず、何で日本原電のこの原発にこれだけの支出をするのかと。
理事長の今の御説明を受けたら、じゃ、こういう電源については見直さなきゃ駄目だねというのが経営判断にならなきゃいけないと思いますよ。大きな事業計画の枠内に入っていると言いますよ。でも、その枠内に入っているのに特別負担金も払えなかったんですよ。枠に入っていたってそれができない、義務を果たさなかったということは、大事なんじゃないですか。その点、どう御判断されているんですか。
○山名参考人 まず、二〇二二年度に特別負担金がゼロ円になったというのは、先生の御指摘のとおりです。
ただ、あのときはウクライナ情勢がありまして、化石燃料価格の急騰がありまして、全電力事業者、赤字になった状態でありました。その状態で、私たちは東電に、持続的に経営を続けさせるために、機構法で定めておりますように、事業継続の経理的基礎を毀損しない範囲で特別負担金は最大限取るという約束にしているわけです。そのウクライナの情勢に応じて二〇二二年度はゼロ円にせざるを得ないという判断をして、これは経済産業省からも認定をいただいたということでございます。
一方、将来的なポートフォリオの議論は、まさにエネルギー政策と一体で考えられるべきものであるというふうに思いますが、そのときに、自社で持っております柏崎刈羽のような原子力発電、それから買電する原電の原子力発電、それから火力、再生可能エネルギー、全てのものが、ある長い時間軸で見ていったときに、どこにどういう電源を入れていったら最適になるかというポートフォリオを組むわけです。
ですから、その全体像の中で、経営層が最適なポートフォリオを、リスクを考えて判断しているというふうに私たちは思いますから、総合特別事業計画が目指している、収益を上げて企業価値を上げるという枠に入っていると考えております。
○山崎(誠)委員 長期的ということで逃げないでいただきたいんですよ。これは、毎年毎年五百五十億円、基本料金を納めている。この事実は重いですよ。
ではお聞きしますけれども、じゃ、これは何年後に東海第二の原発の電気を調達する、そういう見込みを理事長はお持ちですか、だから必要なんだと。それは十年後ですか、二十年後ですか、三十年後ですか、どういう見通しを持っているからこの五百五十億円は生きているんだと。あと幾ら原電に払えば電気が調達できるか、教えてください。
○山名参考人 私ども、総合特別事業計画を三月に改定したわけですが、その計画の中ではある一定の収支計画というのを想定しているわけです。その中に、原子力発電とすれば、柏崎刈羽と買電も含めてその収支計画は作っておりますから、その収支計画のバックグラウンドとして、原電の電力を買うという計画が入っておるというふうに承知しております。(発言する者あり)
○山崎(誠)委員 では、経産省に聞きましょう。
経産大臣、原発の調達、日本原電からの調達、どういう見込みですか。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
まず、国が株式を持っておる趣旨でございますけれども、国が東京電力へ出資しておりますのは、賠償や廃炉を始め福島の責任を貫徹させるためでありまして、個別事業の経営判断については東京電力が行うことが基本であります。その上で、個別の電源調達に関する契約状況、ポートフォリオを含む東京電力の個別の事業に関わる判断につきましては、第四次総合特別事業計画の履行の確保に支障がない限り、東京電力の経営陣において判断すべきというふうに考えてございます。
したがって、賠償、廃炉に必要な資金の安定的な捻出ができておるか確認するということについて、東京電力に対して、経産省としてしっかり監視をし指導していくという立場でございます。
○山崎(誠)委員 全然答えていない。ひどいよ、今の。
大臣、答えてください。(武藤国務大臣「もう一回」と呼ぶ)
○宮崎委員長 じゃ、もう一回質問してください。
○山崎(誠)委員 日本原電の原発はいつ動いて、いつ電源が調達できるか。その見込みは十年後なのか、二十年後なのか、三十年後なのか。そういう見込みについて、今の五百五十億円の基本料金というものを払い続けることが電源調達という意味で正しいのかどうかですよ。大臣に。
さっき答えないんだから。ひどいよ、さっきのはひどい。さっきの答弁はひどいです。
○宮崎委員長 じゃ、そうしたら、久米部長がまずしっかり答えてください。その後、大臣、答弁をお願いします。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
東海第二発電所につきましては、防潮堤工事で確認された不具合を受けた原子力規制委員会の審査や安全対策工事が進められておりまして、日本原電は、その終了時期を二〇二六年十二月と見込んでいるというふうに承知をしております。
ただ、その実際の稼働時期につきましては、規制委員会の審査等もございますので、経産省としてコメントすることは差し控えたいというふうに考えてございます。
○山崎(誠)委員 東海第二は、そのほかにも避難計画の問題もありますよ。私も避難計画の話を聞きに行きましたけれども、複合的な災害に対しての対応なんかまだまだできていない。水戸をどうやって避難させるんですか。
そういう課題があって、これから規制委員会の審査も、いろいろな段階がまだ残っていますよ。
だから、私は、いや、日本原電、悪者にするつもりはないんですよ。でも、客観的事実として、これからお金をつぎ込んで、電源としていつどれぐらいの調達ができるか、それが安全にできるのかどうかも分からない中で、何でこういう経営を許すのか。東京電力に対して、政府は大株主ですよ。国民の皆さんが税金を納めて、その税金も入っているし、また電気代も納めているんですよ。だから言っているんです。
これは、私は、国の責任として、やはり日本原電の将来性についてもきちっと議論をして、東京電力だけではありません、ほかの電力会社からもいろいろなお金が入って、動いていないのに黒字がずっと続く。場合によっては、これは、日本原電の次の役割というものも考えながら、未来にちゃんとこの日本原電の資産を残していくということが必要だと思いますよ。今のままだと、日本原電は、ある意味動かない原発を抱えたまま、ほかの会社からお金が入って、それで動くのがいつになるか分からない、動いても原発一基、二基。そんな話ではもったいないと思いますよ、逆に言うと。
廃炉のいろいろな作業だとか原子力のエンジニアのノウハウを生かすとか、たくさんあるはずですよ。それをやってもらうようなそういう新しい組織に日本原電にも生まれ変わってもらう、東電や廃炉機構もそういうところに焦点を当てて応援をしていく、そのぐらいのことをやっていかないと、日本のエネルギー政策というのはよくならないと思いますよ。大臣。
○武藤国務大臣 山崎委員のお持ちになっている問題意識というのは、もうこれまでも経産委員会で御一緒でしたので、いろいろなところで承知をしているつもりであります。今の日本原電の話も、委員の御指摘からすれば、大変な問題意識で、一刻も早く改善をしろというお気持ちもよく分かります。
ただ、先ほど来、山名理事長だったり、またうちの事務方からもお話ありましたように、今、七期のエネ基を作り、そして今の日本の電力需要というものを考えると、どうやって安定を確保していくのか。これはもう山崎先生もよく御存じだと思いますけれども、その中で、今おっしゃられましたけれども、電気代負担ということもありますので、是非、そういう意味で、安定した、いわゆるSプラススリーEの話を具体化するこの計画でありまして、二〇二六年十二月という東海第二の話もあります。今まで一つ一つ着実にやってきておりますので、どうかここはひとつ御理解をいただきながら日本のエネルギー政策を前に進めていきたいというふうに思っていますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
○山崎(誠)委員 ありがとうございます。
やはりポートフォリオの考え方は大事だと思うんですよ。それは電源構成であり、どういう積み上げをしていくか、この後、再エネの話もしたいのでありますけれども。是非、やはり、そこは一つ一つの電源についても、電力会社の判断に任せるのではなくて、ちゃんと皆さんの、経産省あるいは機構あるいは規制委員会、力を合わせて正しい方向に持っていっていただきたい、これは強くお願いをいたします。
段階的にちゃんとやってきたというのは、あの堤防の不具合を見ると、そう言えないんですよ。大変大きな問題が発覚、それも後から発覚して、今、大慌てでがちゃがちゃやっているわけですよ、済みません。なので、それで本当にこの先うまくいくんですかというのが私からの問いであります。
また続けてこの話はしないといけないかなと思います。場合によっては東電に、経営について語れないというのであれば東電をお呼びしたいと思います。
委員長、そのときは理事会でお諮りをいただきたいと思います。
○宮崎委員長 これは理事会の協議申入れですか。
○山崎(誠)委員 東電を呼ぶこと、いつの委員会か分かりませんけれども、協議をいただきたいと思います。
○宮崎委員長 そのお申出の件につきましては、理事会で後刻協議をいたします。
○山崎(誠)委員 残り僅かになりましたけれども、エネルギーの問題、再生可能エネルギーの問題でありますけれども、第七次のエネルギー基本計画、この中で、二〇四〇年の再エネの導入目標、四〇から五〇%ということで示されているわけであります。
私があれっと思ったのは、第六次のエネルギー基本計画、二〇三〇年の目標が三六から三八%ということで、これは十年間で、例えば二〇三〇年に三八%まで導入が進んだとして、いいですか、第七次の四〇年の下位の目標だと四〇%ですから、この十年間で二%しか伸びていない。私は、この十年間、何なんだと、二〇三〇から二〇四〇、この導入の目標の設定は非常に低いんじゃないの、そう感じているんですよ。
これは、二〇三〇から二〇四〇で、どういうふうに積み上げるとこういう数字になるのか、お聞きをしたいと思います。
○武藤国務大臣 七期の再エネの導入目標について、低過ぎるのではないかという御質問をいただいております。
二〇四〇年の再エネ比率は四割から五割という水準ですが、再エネ発電率を現状のレベルからいうと二倍から三倍近くに増加させる水準に相当するところです。
FIT制度が導入された背景、二〇一二年度から十年で再エネ発電量を倍増しながら、日本の状況は、平地の面積当たりでいえば既にドイツやイギリスよりもはるかに多く、主要国最大ということになりますが、欧州のように、再エネの出力変動等があった場合に大陸間の各国で電力を融通し合えるという地勢的な面とか、そういう意味の中でいって、日本は国土が急峻な山地であります。七〇%が森林でもあり、また、洋上風力発電は、設置できる浅くて風況のよい面積がイギリスの八分といった地理的制約もあり、こうした水準の中で、今回の再エネ導入するものは、大変、十分に野心的であるというふうに考えております。
割合でありますので、余りとうとうと長く答弁すると、しかめ面をされているのでもうここら辺りにしますけれども、四〇年、先に向けまして、いわゆる再エネルギーを含めてエネルギーのまさにトランジションをどう構築していくかですから、さっき山名理事長の話もありましたけれども、様々な形で電エネも作っていかなきゃいけないということだと思います。地熱だったり洋上風力だったりペロブスカイトだったり、様々なことをチャレンジング、これをしていかなきゃいけないこの七期の計画だということを御承知くださるとありがたいです。
○山崎(誠)委員 ありがとうございます。
時間になりましたので、残念ながら、ちょっと続きをお聞きできなかったんですけれども、そのために、営農型太陽光発電とか屋根置きの太陽光のポテンシャルとかという話をしたかったんですよ。十分にまだまだポテンシャルがありますから、それを生かしましょうよ。是非お願いしたいと思います。
続きます。ありがとうございます。
○宮崎委員長 次に、荒井優君。
○荒井委員 おはようございます。立憲民主党の荒井でございます。
エネルギーの集中審議ということで、今日は三十分御質問をさせていただきたいと思います。
第七次のエネルギー基本計画が出たわけですが、やはりエネルギーの自給率をどうやって高めていくのかというのがこの日本国にとっては非常に重要なんだというのを改めて感じております。
七次のエネ基を考えていく際に、当然、第六次のエネルギー基本計画というものがあったわけで、これについてしっかり検証をして、その上で第七次、今後どうするかということを経産省も含めてされたと思うんですが、振り返ってみると、まず、第六次というのを実際どうやって実行できたのかという検証を伺いたいと思っています。
第六次はちなみに二〇二一年に制定されていると思いますが、このときは総理大臣は菅総理大臣でした。ちょうど小泉筆頭理事が環境大臣でもあったと思いますが、二〇五〇年のカーボンニュートラル宣言ということを大胆に打ち出して、その中で、今まさに二〇三〇年度の温室効果ガスを四六%削減していく、二〇一三年比でやっていこう、そういうことを本当に高らかに唱えた、非常に野心的なエネ基だったと感じていました。
ただ、その後、振り返れば、コロナのパンデミックがあって非常に難しい時代を踏まえて、かつ二〇二二年にはロシアのウクライナの侵攻という予想だにしないような事態が大きく起きて、それを踏まえて第七次になっているんだと思っています。
まず、経産省に伺いたいんですが、この第六次のエネ基、非常に高らかな目標を出した中で、世界中で想定外の事態がたくさん起きてもいるとは思いますが、そもそもこの六次のエネ基はどれほど達成をしてきたのか、何%達成してきたというふうに総括をしているのか、まず教えてください。
○山田政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘ございました、二〇二一年十月に閣議決定いたしました第六次エネルギー基本計画では、二〇三〇年度温室効果ガス四六%削減を目指す中、徹底した省エネや非化石エネルギーの拡大を進めた場合のエネルギー需給の見通しとして、二〇三〇年度エネルギーミックスを示してございます。
今、その二〇三〇年度エネルギーミックスの進捗状況でございますが、例えば、再エネでございますと、二〇三〇年度三六から三八%に対しまして、二〇二二年度は二一・八%。原子力は、二〇三〇年度二〇から二二%に対して、二〇二二年度で五・六%。火力は、二〇三〇年度四一%に対しまして、二〇二二年度七二・六%。水素、アンモニアは導入段階ということでございます。エネルギー自給率、御指摘ありましたが、二〇三〇年度三〇%程度に対しまして、二〇二二年度は一二・六%という状況でございます。
施策の進捗状況ということでございますが、再エネにつきましては、FIT、FIP制度などの導入を通じまして、地域との共生を図りながら最大限導入を進めることによって、震災前の約一〇%から約二倍の二二%まで拡大しております。原子力につきましては、安全性の確保を大前提に、地元の理解を得ながら既存の発電所の再稼働を加速させまして、現在十四基が稼働中でございます。
需要側では、横断的に省エネを進めながら、産業部門では、生産設備の更新や製造プロセスの非化石転換の促進、業務、家庭部門では、住宅、建築物の省エネ性能の向上や再エネ導入の拡大、運輸部門では、自動車分野のライフサイクルを通じたCO2排出削減や物流分野のエネルギー効率の向上などの取組を進めてきたところでございます。
○荒井委員 ありがとうございます。
もちろん大きな世界的な事象がたくさんあったとは思うんですが、やはりなかなか進んできていないということが現実にあるんだというふうに思います。
例えば、六次のエネ基のときには、EVに関しても積極的に進めていく、二〇三〇年度には電動車を一〇〇%にしていくという目標だというふうに思いますが、その中でEVも非常に重要な戦略的な車としてやっていくんだというふうに言っていたかと思うんです。
僕も、実は、五年前にちょうど車を買い換えるタイミングがあり、そのときにどういう車を買おうかなと思って、いろいろと国産の電気自動車も乗りに行ったりしながら、今年はまだ、五年前ですけれども、電気自動車というのはまだまだインフラが少ないし乗れないなというふうに思って、結局普通のガソリン車を買ったわけですが、でも、次に買い換えるときには、ひょっとすると五年後にはもう世の中じゅうがEVになっているかもしれない、そんな未来も感じながら、今年買えないのは少し残念だななんて思って妻と買ったんですが、でも、五年後の今も全くEVが普及していないんじゃないかというふうに思います。
最近、日本の新聞やニュースを見ていると、世界的にEVのマーケットがシュリンクしている、そんな報道も大変散見されるんですが、でも、世界の人たちに話を聞くと、いやいや、全く売れていっているよという、そんな話を聞くわけです。
例えば、先日、経産省にレクを受けた際に、この第六次のエネ基を作ったときと今と、EVはどれだけ世界でシェアが広がっているのかというふうに聞くと、中国は二倍、二〇二一年から二〇二四年ですね、欧州も一・五倍、アメリカは二倍になっている。やはり二倍とかになっているんですよ、二倍とかに。日本も実は三倍になっているんです。三倍はすごいよなと思うんですけれども、でも、〇・四%から一・四%になっているという意味での三倍なんですね。中国は既に二〇二一年のときから一〇%だったものが今二倍の二二・六%になっているというふうに、どんどんどんどんマーケットが膨らんでいるんだというふうに思います。
どうして日本は、このEVに関して、〇・四%だったものを一・四%にしかなっていない、この低迷の理由というのは、やはりこれはしっかりと政策を推し進めてこれなかったからじゃないかと思うんですが、経産省としてはどう考えているんでしょうか。
○田中政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の数字、日本はまだ一・四%にとどまっている、低い数字にとどまっているという御指摘がございました。
御指摘のEVの普及が海外と比較して遅れている原因の一つとしましては、先ほども御指摘のありました、車両購入時の取得費用がまだ高額であること、さらには、保有時のランニングコストを含めた費用、これも一定の条件を置いて試算しましても、やはり合計の費用についてはEVがガソリン車よりも割高となっているという現実もあります。加えて、先ほどまた御指摘ありました充電インフラの整備状況、こういった課題も考えられるところでございます。
このため、施策としまして、国内におけるEVの普及を更に進めるべく、蓄電池の国内製造基盤強化のほか、車両購入補助、さらには充電インフラ整備支援などを総合的に取り組んでまいりたいと考えております。
○荒井委員 この五年間、エネ基の第六期の、この期間にガソリンへの補助というのも大分行ったというふうに思います。もちろん僕も地元の皆さんから、ガソリンが高くなっている、どうやったら安くなるんだ、そういうふうな声もいただいていますし、政府も延長を予定しているかと思いますが、でも、この期間、どれだけの補助をガソリンに関しては行ったのか教えてください。
○和久田政府参考人 お答え申し上げます。
燃料油価格の激変緩和事業でございますけれども、二〇二二年一月から事業開始をしてございまして、現時点、これは令和七年一月末時点でございますけれども、支出総額は約六・六兆円となってございます。
○荒井委員 やはり、それだけの金額を、もちろん既存のガソリン車に出すのも大変重要だとは思いますが、でも、同時に、こういったEVへのまさに先行投資みたいなことをしていかない限り、なかなか日本の世の中が変わらないんじゃないか、まさにイノベーションのジレンマに完全に陥っているんじゃないかというふうに思うんですね。
物すごく個人的には既視感がありまして、ちょうど二〇〇七年にiPhoneが日本で発売されたときに、まさにソフトバンクにいましたが、あの当時は、このiPhone、世界では一年前に発売されたんですけれども、日本人には全く受け入れられないだろうというふうに、マーケットもそういう評価をしていた、アナリストもそういう評価をしていたということをよく覚えています。フリックしながら変換するみたいなことは、決してこれは日本の特に女子高生がやらないだろう、そう言いながらみんな日本製の端末を使っていた時代から、やはりもう十七年たつと、ほぼほぼ日本製の携帯電話というものが駆逐されてきたというふうに感じています。そして、気がつけば普通に中国のメーカーの携帯電話のシェアが日本でも増えてきているわけですね。
同じことが日本の基幹産業である車でももう既に起きつつあるんじゃないか、そういう既視感がありますので、やはりEVに対してしっかりと投資をしていくということをしていかないといけない、そういうふうに思いますので、引き続き経産省には是非頑張っていただき、僕としても背中を押していきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
そして、今回、六次のエネ基の総括に基づいて七次のエネルギー基本計画が出されたんだというふうに思います。でも、この七次のエネルギー基本計画は、これまでと大きく異なるのが、先ほども山崎委員からも様々に御指摘もありましたが、やはり原子力発電のことだというふうに思います。
これまでは、六次のエネルギー基本計画までは、原発依存度を可能な限り低減する、そういうことを特に二〇二一年で発表している、これは東日本大震災のちょうど十年目にも当たるわけですが、そのときには原発依存を減らしていくという表現でしたが、それを今回、第七次では撤回して、代わりに再エネルギーと並ぶ脱炭素電源として最大限活用するというふうに明記をされたわけですが、この政策の転換は一体どういう理由だったのか、お答えください。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
DXやGXの進展によりまして電力需要増加が見込まれております中、脱炭素電源の確保が国力を左右する状況となってございます。低いエネルギー自給率や火力発電への高い依存といった課題を克服する観点でも、脱炭素電源の確保が求められております。
第七次エネルギー基本計画では、特定の電源や燃料源に過度に依存しないバランスの取れた電源構成を目指すとともに、必要な脱炭素電源を確保するため、再エネと原子力について、二項対立ではなく、共に最大限活用していく方針をお示ししたところであります。
委員御指摘のとおり、これまでのエネルギー基本計画では、可能な限り原発依存度を低減するという記載がございましたが、それに加えまして、必要な規模を持続的に活用するということも記載されておりました。これは、原発依存度が東日本大震災前の約三割を下回り、一方で必要な原発は活用していくという趣旨でありました。この考えは、第七次エネルギー基本計画においても変わりません。
一方で、原子力に対する様々な御懸念の声があることは承知しております。これを真摯に受け止めまして、それぞれの課題にしっかりと取り組み、丁寧に説明を行いながら、原子力を活用してまいりたいと考えております。
○荒井委員 日本の原子力の政策は、やはり東日本大震災の福島原子力発電所の事故によって、大きくそこに転換があったと思いますし、そこへの反省と、そこにしっかり向き合うんだということから改めて始まっている、リスタートしているものだというふうに思うんです。
そして、そのリスタートするときの一番根幹になるのは、まさにあの当時、立法府、国会の方で、国会事故調を立法府としてつくり、そして調査し、様々な提言を、日本の憲政史上初めてというふうに伺いましたけれども、そういう形で、立法府としてそういう調査をし、そして、これからこういう方向でやっていくべきだということを有識者の皆さんに提言を書いていただいたんだというふうに理解しています。
ですから、原発政策の何らかの転換をする際には、やはり改めて、政府ももちろんそうですが、立法府である我々国会も、その事故調について、ここを原点としてしっかり向き合っていくべきだと考えているんですが、経済産業大臣として、大臣はどのようにお考えなのか、教えていただけますでしょうか。
○武藤国務大臣 国会事故調の件でお問合せをいただきました。
福島の事故ということを基にこういう事故調も開かれ、これもいろいろな、各、国会を始めとしたものが出てきた。
私も、ちょうど当時は落選をしたときでありましたので中に入っておりませんでしたけれども、大変、復活した後も、副大臣として、原子力災害対策本部長として一年ずっと福島にも寄り添わせていただきましたけれども、まさにそういう重さを持って、今回、こういう立場になって、七期のエネルギー計画を作ることになりました。
まさに、我々日本の将来、あるいは人口減少、様々な今、日本が抱えている問題の一つとして、エネルギーをどうやって安定確保していくのかという、これをリアルにもう一回考え直さなきゃいけないという大前提であります。
そういう中で、事故調の話は原子力政策の原点でもあり、そういう意味において、安全神話というものに二度と陥らないことを教訓に、肝に銘じなきゃいけない。
ですから、原子力も、今事務方からお話ありましたように、今までのように、これからなくしていきますよということじゃなくて、全体的には割合からすると変わらないんですね、そんなに。ただ、それもまだ、正直申し上げて、再稼働していないものが随分ある中で、いかに安全を前提にしながら、そして、バックエンドや最終処分の話だったり、いろいろなまだまだ国民の理解を得なきゃいけない話があります。そういうものも並行してしっかりと国民の理解を進めながらやっていかなきゃいけない。これがまさにリアルで、我々が課せられた使命だというふうに思っているのが今の現状です。
○荒井委員 大臣、ありがとうございます。
全く同じ思いです。本当に難しい問題だというのを僕も国会議員になって改めて感じていますし、ただ、そこにどう向き合う、答えを出さなければいけないのが行政も立法もお互いあるんだと思いますので、ここは真摯に向き合っていく必要があると思っています。
昨年の五月十五日に原子力問題調査特別委員会の方で、まさに黒川清、国会事故調の委員長だった黒川先生を含めて参加されている中で、御勇退された共産党の笠井先生が原子力規制行政にどういうものが求められますかということを参加されている有識者の方に問い合わせたところ、黒川委員長からは、透明性が必要だ、あと、石橋さんも、事故調の関係者ですが、やはり透明性、公開性、そういうことをおっしゃられているわけですね。ほかの参加された委員の皆さんも、人を守る、あと、独立性が大事だということをおっしゃられていました。
やはり僕も透明性というものが物すごく大事なんだと思うんです。やはり、何らか、エネルギーの行政、特に原子力の行政は、何だか不透明で、非常に上から、かさにかかってきて、地方にすごく負荷をかけている、でも、エネルギーを使っているのは都市部の人、特に東京の人、そういうところをやはりしっかり透明性を高くしてやっていくという姿勢が今すごく問われているんじゃないかというふうに思いますので、エネ基でこういうふうに原子力を進めていくというふうに言うのであれば、その在り方も透明性をしっかりと説明をしていく、そういうふうにマインドをがらっと変えていく必要があるんじゃないかというふうに思っています。
そういう中で、大変本当に残念だったことが、今年の一月二十三日に東京都内で核のごみ最終処分に関する説明会で、その参加者から、ロシアの核のごみの分も含めて北方領土に最終処分場を造ることを条件に四島を返還してもらったらいいんじゃないか、そういう声があり、そこにエネ庁の課長が、実現するのであれば魅力的な提案だ、また、NUMOの専務理事も、一石三鳥、四鳥だ、そういうことを回答されたということで、僕も北海道選出の国会議員の端くれでもありますので、やはり、公開性、透明性以前の問題として、本当に、こういう国民の感情を逆なでるようなことをする人たちが、こういった原子力の、特にこの最終処分場、大変難しい仕事をされているのは重々承知していますが、軽々と言うことに対しては、非常に怒りを感じた、残念な思いだったと思っています。
このことについて政府としてどのように感じているのか、改めてお答えください。
○大串副大臣 御指摘の資源エネルギー庁職員や原子力発電環境整備機構、いわゆるNUMOの幹部の発言につきましては、配慮に欠ける軽率な発言だったと考えております。
当該発言を行った職員及びNUMO理事長に対しては、速やかに資源エネルギー庁長官より指導、注意を行ったところでございます。
高レベル放射性廃棄物の最終処分につきましては将来に先送りできない課題でもございますし、今後このようなことがないように、細心の注意を払いながら、丁寧な説明を徹底してまいります。
○荒井委員 ありがとうございます。
今日は資料一をお持ちいたしましたが、重延浩さんという人が書いた「ボクの故郷は戦場になった」、これは岩波ジュニア新書の本なんですが、実は、重延さんのおじいさんは、愛媛から札幌にやってこられて、札幌で初めてお米を作るのを成功した、そういう札幌の、作ったときの、建国者の一人でもあるんですが、そのお孫さんが、サハリンで生まれて、サハリンで育っているときにロシアによって攻められて、そして札幌に避難してくるということを、今回、特にウクライナへのロシアの侵攻のさまをテレビで見ていて、自分の幼少期のことを思い出してこの本を書いたということが書かれています。子供向けの非常に分かりやすい本なんです。
でも、こうして、重延さんにも僕もお会いしてきましたけれども、やはり、みんなが心を痛めるような、元島民そして関係者の人たちの気持ちを逆なでするようなことは、これは全ての行政や立法に関わる人たちが気をつけなければいけないことだというふうに思いますので、NUMOだけじゃなく、エネ庁だけじゃなく、どうぞ肝に銘じてやっていただきたいというふうに思っています。
時間がなくなってきましたが、こういうふうに、僕自身は、原発の再稼働をしっかりと規制の中でやっていくことはやむを得ない、エネルギーをしっかり満たすためにはやむを得ないというふうに思っていますが、同時にやはり再エネもしっかりやっていくことが当然必要だというふうに思っています。
その中で、北海道では洋上風力の適地としてたくさんの洋上風力が既に稼働しているわけですが、ただ、その稼働している洋上風力がほとんど外国製だというふうにも伺っています。そして、今、海外での経営状況が悪いので潰れていく生産会社もあるみたいな話も聞きますが、でも、こういうときだからこそ日本が技術力を持って国産の洋上風力をたくさん造っていく、そういうことが必要じゃないかというふうに思っています。
今こそ国産化に向けてしっかりと投資をしていく、国が後押しするべきじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
○大串副大臣 まさに御指摘のとおり、洋上風力発電は、足下では世界的なインフレの影響を受けるなど、様々な課題を有していると承知をしております。
他方で、産業の裾野が広く、雇用創出にも貢献するなど、経済波及効果も期待される電源であることから、第七次エネルギー基本計画におきましても、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた切り札と位置づけております。
また、洋上風力発電については、我が国の産業競争力強化の観点からも、国産比率を高めていくことが重要であると承知をしております。
このため、我が国の企業がグローバル風車メーカーとの連携の下で洋上風車用の発電機の組立て工場を建設するなどの計画に対し、経産省としても支援を行っているところでございます。こうした取組を通じて国内企業に技術や製造ノウハウが蓄積していくことは、風車の国産化を進めていく上でも重要であると考えております。
さらに、将来的には風車本体を国産化していくことも目指して、まずは技術者を確保、育成し、次に設計、製造に係る技術開発を進めていきます。その上でブレードや発電機といった主要製品の生産体制を構築するなど、段階的に進めていくこととしております。
また、それらを担う事業主体も必要であることから、産業界の協調体制である浮体式洋上風力技術研究組合、FLOWRAにおいて、発電事業者がメーカーとの連携も視野に入れつつ、国産風車の実現に向けた検討を進めていると承知をしております。
経産省としても、こうした民間の意欲的な取組を支援していくことで、御指摘いただいたような国産風車の実現を目指してまいりたいと思います。
○荒井委員 ありがとうございます。
副大臣から大変前向きな国産洋上風力の生産を目指すという言葉をいただいて、是非頑張っていただきたいと思っていますし、北海道はまさに広い土地と風がありますので、そういったものを造れる工場立地、しっかり頑張っていきたいと思いますので、後押しをよろしくお願いいたします。
最後に、今日も人材の育成のお話が少しありましたが、まさに人づくりこそが僕は復興だというふうに思っております。
資料の二を見ていただきたいと思うんですが、これは、日本経済新聞に載っていました、福島は学びの宝庫だという記事なんですが、実は、経済産業省の参事官が、この方はずっともう震災の事故以降福島にいらっしゃる方ですが、その方がずっと授業を高校生向けに行っているんですね。しかも、県外から来た人たちの修学旅行と合わせて、来た人たちに対して、福島の現状、特にエネルギーの在り方、そういった授業をしているという形になっています。この上の四角でちょっと囲ったところ、中をお読みいただくと、何となく、生徒たちは、こういった状況で原発の再稼働というのはリスクがあるんじゃないかみたいなことを素朴に、素に質問していて、そこに対して経産省の参事官も様々な答え方をしているわけです。
これはともすると若いうちから何か思想を植え付けようとしているみたいなことの見られ方もしなくはないんですが、僕は、でも、学校現場にいた経験からしますと、そうではないというふうに直感的には感じています。やはり福島はそれだけの学びの現場があるというふうに思っていて、その中で、高校生一人一人が、まさに原発も含めて、エネルギーの在り方というよりも、やはり正解のない問いを肌身で感じる大変貴重な場になっているというふうに思いますので、まさに、特に下の方の四角で囲っていますが、福島第一原発の廃炉は我々の世代では終わらなくて、将来にわたってという話でもありますので、是非こういう学びの場をしっかりとつくっていっていただきたいというふうに思っているわけです。
ちなみに、資料の三には、これは二〇一四年の新聞記事ではありますが、僕も震災の復興の仕事をしていたときに出会った高校生の記事になります。お父様は東電の職員で、当時の吉田所長の右腕として活躍されていた方ということで、ただ、その後、ここの記事には、家族が非常に複雑になったんだということを彼女が記者に対してしっかり答えてくれた。でも、実は、今彼女は、去年結婚されるんですけれども、転職して東電に就職して、まさに復興の現場で働いているわけですね。まさにこういう世代が生まれてきている。
もう一枚おめくりいただいて、資料の四は、僕自身も関わりましたが、双葉郡にはふたば未来高校という高校がございますが、この高校から、これも二〇一三年に議論をしてつくってきたんですけれども、この高校卒業の学生さんが、今はまさに、ここに書いてあるのは、デブリを取るための研究を修士課程で勉強していて、自分がそういうことをしっかり取り組んでいきたいと。彼は震災のときに小学校四年生だったわけですけれども、そういう人が本当に未来を担うためにやっているわけです。
まさにこの二人は地元出身の子たちではありますが、こういう人たちとまた全国の高校生、中高生が出会うことも本当に非常に重要なんだというふうに思っていますが、経産省の参事官にどうやったらこの取組がもっと広められるかという話を聞いたところ、できれば、高校生にたくさん来てもらうというよりも、まず先生たちにこういった現状を理解してほしいということを、そうなんです、やはり学校の先生が鍵になるんですね。
学校の先生たちをこういった現場に一度連れてくる、見てもらう、そういう研修を僕は文科省としてももっともっと推進していいんじゃないかというふうに思いますが、今日は文科省に来ていただいていますが、いかがでしょうか。
○金城大臣政務官 お答えをいたします。
震災の教訓等を踏まえて、被災地の現状を見たり、当時の体験を聞いたり、あるいはそれを踏まえて未来を考えていくといった取組は、次代を担う子供たちにとって有意義なものと考えているところでございます。
このため、文部科学省といたしましては、これまでも、復興庁や観光庁と連携をし、風評に惑わされることなく、正確な情報に基づき福島県への修学旅行等が実施されるよう、各都道府県教育委員会等への通知などを行うとともに、各都道府県教育委員会への通知で紹介することや、全国の教育関係者等が集まる会議などにおいて情報提供を行う取組を実施してきたところでございまして、文部科学省としましては、引き続きこうした取組を通じて学びの機会の情報の周知に取り組んでまいりたいと思っておりますし、今先生御指摘のように、教員研修とかそういったものを通じて、各都道府県の教育委員会等の研修の実施権者の判断とはなりますけれども、文部科学省としては、先ほど申し上げたように、今、ホープツーリズムのような取組、それを含めた各都道府県教育委員会等への情報提供に引き続き努めてまいりたいと考えております。
○荒井委員 どうもありがとうございます。是非進めていってください。
もう時間になりましたが、最後に資料の五だけ簡単に説明させてください。
これは、ふたば未来高校をつくるときに、まさに最初の委員会で僕の方が委員会の皆さんにお示しした資料になります。まさにどういう高校をつくるのかというときに、東大脳、東大を目指すような学校というのは、でも、東大で学んでいくと、一番の難問を先送りすることを実は身につけてしまうような授業をしてきたんじゃないかということをこの記事では書いていて、我々が新しくつくる高校は、そういった難問に取り組んでいくための教育なんじゃないか、そんな話をしてきました。
まさにこの原子力政策に関しては難問だらけだと思いますが、これにしっかりと向き合っていく、逃げていかないということをしっかり今の現役の我々がやっていく必要があると思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
以上になります。ありがとうございました。
○宮崎委員長 次に、田嶋要君。
○田嶋委員 立憲民主党・無所属の田嶋要でございます。
今日は、エネルギー基本計画でございます。
冒頭、まず大臣、すぐ答えられる質問を一つさせていただきたいんですけれども、審議会のメンバー十数名を選ばれるのに、大臣はどのように関与なさいましたか。
○武藤国務大臣 私が就任したのは十月一日で、そのときはもうメンバーが決まっておったはずですが。
○田嶋委員 それは御正直で、ありがとうございます。
本当に、前の大臣がどう関与したかも聞きたいところでありますけれども、これは、大臣、耳に入っていますよね。ちょっと偏り過ぎているというかなり強い批判が出ているんですね。お名前を出していいと先ほど許可いただきましたので、橘川先生ですよ。政府も大変多くの審議会に入っていただいている、我々もいろいろな意味で御教示いただいている。決して、原発即廃止とか、そんなことはありませんよ。非常にバランスのいい、いろいろな意見で、我々と違うこともたくさんおっしゃっている。そういう方が、はっきりおっしゃっていますね、おかしいと。だから、経産省は圧倒的多数が原発推進派である委員構成を直ちに見直すべきだ、ここまで断言されているんですよね。
いろいろ問題はあるけれども、先ほどの公開性ということもありました、国民の納得のいく、それには議論の土台が最初から余りにも偏ったメンバーじゃおかしい。大臣はそれは就任するときに決まっていましたということですけれども、ちょっとこれは見直した方がいいというのがやはり大臣としての力だったと私は思いますよ。
これは質問通告していないですけれども、そもそもエネルギー基本計画が国民の声を正しく反映しているのか。審議会メンバーが相当ずれていると私は思いますね。私以上に、こういうお方がおっしゃっているというのは、私は悲しい、橘川先生ね、悲しいことだと思いますよ。日本の民主主義をちょっと崩していると私は思います、それは。よくよく反省していただきたいと思いますし、議事録を残していただいて、これから気をつけていかなきゃいけない。私たちが政権を取っても、そういうことまでにはならないと思いますよ。それは色は入りますよ。だって、政策の方向性をそれぞれの政権は持っているんだから。だけれどもひどいというのがこの先生のおっしゃっていることだと思います。このことを申し上げたいと思います。
それで、この間、公明党の先生もおっしゃっていました。アンケート調査を取ると、特に経営者のアンケート調査なので非常に印象的なんですけれども、石破政権にやってもらいたいことの一番が再エネの拡大なんですよ。ちょっと私もびっくりしましたけれども、あっ、分かっていらっしゃるんだ、世の中の経営者はと私は思いました。そして、原発に関しての新増設は圏外ですからね。一〇%ですよ、支持が。そして、再エネは三〇%ですよ。一番。これはこの間、公明党さんも御指摘になりましたよね。これが世論ですよ。
では、エネ基の第七次はそれにのっとっているかということを今日は問うていきたいと思います。
今日お配りの資料は三枚でございます。御覧ください。
一枚目、一番、蓄電池産業の戦略、古い、二〇二二年の資料ですが、これは珍しい。反省文から始まっているんですよ。経産省に反省はほとんどないですから。だけれども、是非委員の皆さんもこれはよく見ておいてください。これからこういうものが半導体に関して出てきたら嫌ですよね、これからでっかい投資が控えているんですから。珍しいなと私は思って非常に注目したのが当時のこの電池の反省文ね。
次の文書、次の円グラフ、日本がどれだけ電池でもだんだんだんだん縮小しているか。
最後の文書は、これは電中研ですよ。電中研の方の記事を載せるのは私は珍しいんですけれども、その中で非常に注目すべき御指摘をいただいていると私は思います。非常にいい論説だと思いますね。
それで、お伺いしますけれども、電池産業のかつての敗北と反省というのがここにしっかり書いてあるんですよ。これを受けて、要は、じゃ、今はよくなっているのかというのが、どうも私は怪しい雲行きになっている。ペロブスカイトもちょっとこの間言いましたけれども、電池は大丈夫かということでございますが、どうですか。
○武藤国務大臣 蓄電池産業の、これは大丈夫なのかという話だと思いますけれども、御指摘の蓄電池の産業戦略におきましては、二〇三〇年までに国内における蓄電池の年間製造能力百五十ギガワットアワーの確立、二〇三〇年にグローバルシェアについては二〇%の製造能力の確保、そして全固体電池の二〇三〇年頃本格実用化といった目標を掲げてきているところですが、現実までに着実に取組は進んできておりますが、国内の生産基盤の確立に向けて、設備投資等の支援を通じて約百二十ギガワットアワーの規模の計画が進行中であります。今後順次稼働していく見込みです。
まさにグローバルシェアの拡大に向けては、カナダなど有志国との連携を進めているところで、北米を中心に海外市場における日本企業の蓄電池開発投資も進んできておるところです。
さらに、これは私も昔から一番関心がありますけれども、全固体電池ですけれども、技術開発を支援しているところですが、トヨタが二〇二七年から八年頃に実用化に挑戦するなど、本格実用化に向けた取組が加速しているものだと承知をしているところです。
引き続き、あらゆる施策を総動員して、蓄電池産業の、強力に全力で取り組みます。
○田嶋委員 この一枚目の資料の注目していただきたいのは最初の文章ですね。これまでの蓄電池産業は、ゲームチェンジにつながると言われる全固体電池の技術開発に集中投資をしてきた。ところが、四つ目の丸ポチ、このまま全固体電池の実用化に至る前に、日本企業は疲弊し、市場から撤退する可能性、車載用のみならず定置用蓄電池までも海外に頼らざるを得ない状況になる流れ。大変強い危機感を、この当時、二〇二二年、今から三年前ですよ、示している。
要は、次の勝負である今大臣おっしゃった全固体電池にちょっと力を入れ過ぎて目の前がぐらついている、そもそも全固体電池の前に倒れてしまうんじゃないかという、非常に大丈夫かなということを当時言っているんですけれども、これを当時認めて、以来三年余りが時間がたっているわけでございます。
次のページを御覧ください。この円グラフの、車載用と定置用とあるんですが、左側の車載用、これは電気自動車に使われるわけですが、これだけ劇的に下がってしまった、二一%の日本の市場。
最新データの数字は幾らですか。
○西村政府参考人 お答えいたします。
電池産業戦略の策定時に参考にした民間機関の調査によると、日本企業の世界シェアの実績については、車載用電池については、二〇二〇年の二一・一%から二〇二三年の七・六%に低下しております。
定置用電池については、戦略策定時に参照した……(田嶋委員「それでいいよ、もう終わったから」と呼ぶ)はい。
○田嶋委員 定置用はデータがないそうでありますので。
この車載用に関して、七・六……(西村政府参考人「はい、七・六です」と呼ぶ)大臣、何か反省してもトレンドは変わりませんよね。どんどんどんどん。これはどこかで見た風景じゃありませんか。かつての太陽光、かつての半導体、かつての有機EL、全部同じですよ。これは何かの時間差でこうなっているだけという説明をちょっと言い訳っぽく聞いたんですけれども、本当にそうなのかということですよね。だから、経産省のいろいろ手がけるものは多くがこういう風景なので、次のラピダスも非常に心配になってくるというのがみんなの感覚だと思うんですね。
これは、要は出口であるマーケットが大きくないからということを、この三枚目の有識者の方、電力中央研究所、おっしゃっているんですよ。再エネの大量導入が進まず差し迫った必要性がないから例えば定置型の電池は売れないんですよ。当たり前じゃないですか。電気自動車の普及率が先進国で最下位だから車用も売れないんですよ。売れない理由は、市場がないからですよ、出口をつくっていないからですよ。非常に明快じゃありませんか、ほかの理由もあるかもしれませんが。私は、こういう状況はあるべくしてこういうふうにできている、だから、決して不思議はないと思います。国内にマーケットがないんだから。EVもほとんどない。そういう状況を私たちは国のリーダーシップで変えていくべきではないか。
エネルギー基本計画の中に、全固体電池とペロブスカイトという言葉、何度出てきますか。
○西村政府参考人 お答えいたします。
第七次エネルギー基本計画の中で、ペロブスカイト太陽電池は三か所、次世代型太陽電池又は次世代型太陽光は六か所に記載されております。
また、全固体電池は最も有望な次世代電池であり、次世代電池又は次世代蓄電池という記載に包含しており、これらは二か所に記載されております。
○田嶋委員 全固体電池の表記は一つも見当たらなかったわけでございます。私が調べたところ、ペロブスカイトは一か所だと理解しておりますけれども。
いずれにしても、鳴り物入りで新聞には言葉が躍っても、どうも何か先行きが怪しい、あるいは逃げ水のように、量産ができるタイミングが遅れていくという感じが全固体電池もしております。ペロブスカイトも同じであります。それと同時に、やはり中国の勢いをどちらに関しても感じております。本当に半導体で同じようなことにならないように、半導体は量産が二七年でありますから。
そこで、私は一つ出口をつくる提案というのを農水委員会でも大臣に取り上げさせていただきました。改めてこの経産委員会のメンバーにも知っていただきたいと思います。今日は、農水副大臣、ありがとうございます。
太陽光の出口をつくる。余りに太陽光は評判を落としましたね。これもこの十年間の大失敗でありますが、これを取り返すためにも、だからといって、太陽光、経営者もナンバーワンに挙げている、これから拡大してほしい、そういう声でありますから。
私の提案は、荒廃農地はどのぐらいあるのか。
それからもう一つは、今、施設園芸をなさっていますね。今日、副大臣、どんぴしゃですよ。群馬県が日本で一番やっていますから、太陽光、行政が。群馬県庁もやっているし、前橋とかのそういう自治体も、全国で一番やっている。そして、現地を見に行きましたけれども、施設園芸の屋根が全部太陽光になっているんですよ。スルーで光が中にも入って、だから、下でも野菜を作れるけれども発電もする。
こういうのを標準化をして、私は是非全国で国が展開を、リーダーシップを取ってほしいと思いますが、どのぐらいのキロワット、どのぐらいのキロワットアワー、どのぐらいのパーセンテージが実現できるか、御答弁ください。
○笹川副大臣 いろいろと群馬県を御指摘いただきまして、大変ありがとうございました。
恐らく、委員御指摘の太陽光可能地とするならば、まずは荒廃農地をどうするかということになれば、全国で九・四万ヘクタールの荒廃農地は、再生利用のということでございますので……(田嶋委員「いろいろ聞いているから、短く言ってください」と呼ぶ)はい。ということであります。
ただ、現実問題として、今委員がおっしゃった、太陽光に適切なものかどうかという数値を出せということについては、残念ながらここでは申し上げることができない、調査をしていないということであります。
○田嶋委員 昨日もそんな御報告が夜の八時にありましたので、そういう意味では、ちょっと言っておきますけれども、いいんですよ、荒廃農地にこだわっているわけではない。ただ、荒廃農地もAとBがあるそうでございますし、昨日詳しい方に聞いたら、それは電気を作れない場所ばかりじゃないですよ、それはいいところを探せばいいんだから。
それから、先ほど言ったビニールハウスというのはもう日本中にいっぱい建っているでしょう。ありますよね。あれは目障りかもしれないけれども、風景に溶け込んでいるじゃないですか。だから、太陽光と大分イメージが違うんですよ。だから私は申し上げている。
それは今日は数字は持っていませんよね。持っていますか。(笹川副大臣「持っていない」と呼ぶ)持っていらっしゃらない。事務方は、農水省、答弁できますか。
○西政府参考人 お答え申し上げます。
全体のハウス面積、四万ヘクタールの農地において面積をということでございますと、年間約三百三十億キロワットアワーとなりまして、そして我が国の電力消費の約九千億キロワットアワーの約三・七%になるというふうに試算をしております。
○田嶋委員 ありがとうございます。
これは農水大臣にも御説明したところでございますが、四万ヘクタールということは、四百万ヘクタールある農地、水田と畑を合わせた全体の一%ですよ。その一%が今実はもう既にハウスが建っているんです。そのハウスが、随分老朽化しているのもたくさんあります、その屋根を全部ソーラーパネルに置き換えたハウスにすれば、目障りじゃないですよ。だって、もう存在しているハウスだから。それだけで今おっしゃった三・七%のこの国の発電容量を賄うことができる。これは膨大じゃありませんか。
では、それのイメージから、そのハウスの二倍、三倍にすれば、全発電容量の一割ぐらいを農地の上で、ソーラーシェアといいますか、ハウスでもいいし露地でもいいし。私も五年間ぐらい畑をやっておりますけれども、夏は暑くて畑作なんてできないですよ。だから、これからは露地に関してもソーラーシェアがあった方が、できるような時代が来るから、もう来ていますから、そろそろ、今年も。ハウスなんかは全部パネルにしていただきたいというふうに考えるんですね。
私は、農水副大臣、ありがとうございます、群馬県がナンバーワンですから、是非群馬県が先頭に立って。自治体がやるだけじゃなくて、私のポイントは、経産大臣、これはこれだけ遅れた先進国最下位の再生可能エネルギーの今立ち上がりですから。ずっと過去数年間伸びていないでしょう。それはエネ基に書いていますよね。伸びていない先進国はもう日本だけですから。これを変える切り札が、公共事業的にやる。民間は民間でどんどんやってくれればいいですよ。国が先頭に立って。
それからもう一つは、FITの国民負担という問題もありますので、ノンFITでやればいいんですよ。群馬県が、周りの重要な工場がみんなグリーン電力を欲しがっているんですよ。だから、今群馬県で進んでいるのは直接のオフサイトPPAなんですよ、御存じのとおり。だから、ノンFITをベースにして、しかも、WTOにひっかからない程度に日本の製品だけにして、千葉県のヨウ素もしっかり使ってもらって。ペロブスカイトが来なくたって、その手前だってやれることはたくさんありますよ。
是非、公共事業で、自治体と連携して全国展開をしてほしいんですよ。そうしたら再エネは一気に上がりますよ。ビニールハウスと同じ面積で三・七%作れるんですから。真面目に考えましょうよ。原発、新しい原発、どんなに頑張ったってこれから二十年先ですよ、話は。これから十年、二十年の電力需要には何も関係ない話。この間、岡田先生も御指摘ありました。是非、皆さん、もうちょっと真面目に、この足下のできる技術で世の中に受け入れられる太陽光を広げていっていただきたい。どうですか、大臣。
○武藤国務大臣 御提案をいただきましたので、農水省ともまたよく研究しながら、進められるものは進めていきたいというふうに思います。
○田嶋委員 ちょっとさらっとしていましたけれども。
これは、農水省だけでも困る、経産省だけでも困る。自民党の先生方にも、ソーラーシェアはちょっと駄目だと言っている声もあるのを聞いているんですよ。だけれども、いいところはちゃんとできるんだから。
だから、たちの悪いのは絶対やらせない。私も今戦っていますから、鴨川で。いますよね。ありがとうございます、本当に。だから、たちの悪いのはやらせちゃ駄目。だけれども、良質なものを全国で一気に広げることが、再エネなしなんてあり得ないんだから。是非みんなで力を合わせて頑張りましょうよ。農水省、お願いしますね。副大臣が群馬というのは本当にうれしい。
しゃべりたいですか。どうぞ。(笹川副大臣「もうそれだけ御指摘いただきましたので、しっかり受け止めさせて、持ち帰らせていただきます」と呼ぶ)
○宮崎委員長 ちょっと、指名を受けてから発言してください。
笹川農林水産副大臣。
○笹川副大臣 改めて、もとい、ということで、大変すばらしい御指摘をいただきましたので、受け止めさせていただきます。
○田嶋委員 ありがとうございました。
すばらしいと言っていただいたんですが、なかなか進まないんですよ。ちょっと頭を切り替えて、公共事業なんというふうに考えずに。オフサイトPPAというところもポイントなんですよ。FITがあってもいいんだけれども、オフサイトPPAのニーズはいっぱいあるから、企業にどんと。それから、国産の技術と国産の製品、WTOにひっかからない程度に、それをいろいろ工夫してやりたいというふうに思っています。法案も出したいと思っていますので、是非よろしくお願いします。
それから、一つ飛ばしますが、ミサイル攻撃に関して、原発の話に移りますけれども、ミサイル攻撃に関しても、前回も岡田先生にも御答弁が経産大臣からございましたが、PAC3の機動展開訓練というのはどこで行われているんですか、今。
○金子大臣政務官 お答えを申し上げます。
防衛省・自衛隊では、各種ミサイル対処に係る能力の維持向上を図るため、平素からPAC3の機動展開訓練を実施しております。
これまでに、約三十か所の自衛隊及び米軍施設と八か所の民間施設において訓練を実施しております。(田嶋委員「原発サイト」と呼ぶ)
原子力発電所近傍の民間施設におきましては、令和四年十一月に、福井県の大飯原発の近傍である福井県おおい町に所在する長井浜海浜浴場の敷地内においてPAC3の機動展開訓練を実施いたしました。
○田嶋委員 ありがとうございます。そういう答弁が前回、委員会でございましたですね。
これは武藤大臣、武藤大臣というのは私は正直な方だと思うんですよ。だから非常に好感が持てるんですけれども、十二月十八日の経産委員会の私に対する答弁はこうだったんですね。島根、原発に視察に行ったときも、これはどうするんだ、特重は今やっている、ずっとやってきましたが、じゃ、ミサイルが撃ち込まれたときはどうするんだと、御自身がそういうふうにおっしゃって、それはどこが守るかというところがまだ抜けているのは事実だと思います、これを日本の安全保障という観点の中で防衛省にやらせるのかというのも一つではあるんですけれども、これはまだまだ正直言って議論が詰められていないところだという答弁を私に対してなさって、同じ日の午後一で、先ほどの、抜けているのは事実と申し上げたけれども、防衛省・自衛隊としては、原子力発電に対する武力攻撃の対応については、先ほどのイージス艦、PAC3、多層防衛での対応が考えられるということに訂正したい、こういうふうにおっしゃったんですね。
これは、訂正は結構ですよ。訂正は結構なんですが、大臣、最初におっしゃったことが当時の大臣の正直な感覚でしたよね。知識だったですよね。どうぞ。
○武藤国務大臣 当時のことを覚えておりますけれども、私がエネルギーの事務局長を党の方でやっているときの知識で申し上げたんですけれども、自衛隊の方、防衛省の方からそういう訂正が、違いますよということがあったので、御訂正をさせていただいたところです。
○田嶋委員 ありがとうございます。
そういう知識に基づいて正直に大臣の言葉で言っていただいたのは、私は大変よかったと思います。ということは、やはり、最新状況がどうなっているかということを大臣ですら分かっていらっしゃらなかったということは、ほとんど全ての国民は知らないということですよ。そうですよね、大臣。こんなことをやっていると。
これは、御存じのとおり、ロシアがどうのこうのという話がロンドンの方のマスコミから流れました。ミサイルが東海第二原発に向かって配備されているような情報ですよ。それはスクープかもしれません。そうなってくると、原発再稼働をされている町、これから再稼働を考えている町、それは不安で仕方がないでしょう。
だから、私の二つ目の提案は、防衛省と経産省が話し合って、今のような訓練は一か所で終わらせちゃ駄目だと私は思うんですよ。今、たった一か所の話がございました。PAC3も二十数か所にあるんだから、それをそれぞれの既に原発再稼働をしているところでちゃんと訓練をやっていただきたい。地域の皆さんがこうやってまさかのときには守られるんだということを、大臣ですら最新情報を分かっていなかったんだから。どうですか。
○金子大臣政務官 原子力発電所などに関する攻撃に際しましては、自衛隊は、事態に応じ、関係機関と緊密に連携しながら対処していくこととなります。
その上で、弾道ミサイルによる攻撃に対しては、まず、我が国全域を防護するイージス艦を展開をさせ……(田嶋委員「そういうことを聞いていないから」と呼ぶ)はい。拠点防護のため、全国各地に分散配備されている航空自衛隊のPAC3を状況に応じて機動的に移動、展開して対応することとなります。(田嶋委員「ほかのサイトということを言っている」と呼ぶ)
最後に申し上げます。PAC3の機動展開訓練につきましては、関係自治体との調整も含め、様々な要素を考慮し、訓練実施場所の選定等を行ってまいりたいというふうに考えております。
○田嶋委員 いや、それじゃ駄目なんですよ。だから、原発はもう再稼働しちゃっているんだから、十四か所で。ミサイルが来るかもしれません、想定していませんでしたとまた言うんですか。
大臣、正直な大臣、御自分のお言葉でしっかり答えてください。やった方がいいでしょう、やらないより。そんな官僚答弁はいいですよ、防衛省の。やった方がいいでしょう。大臣ですら知らなかったんですよ、最新状況。
○武藤国務大臣 済みません、知らなかった、知らなかったで、知識の浅かったところをおわび申し上げますけれども……(田嶋委員「いやいや、結構ですよ、それで」と呼ぶ)はい。防衛省とよく検討してまいりたいと思います。
○田嶋委員 いろいろなことは誰でも知りませんから、いいと思うんですけれども、だけれども、それをやはりどんどんどんどんアップデートしてくださいよ。それが一つ。
もう一つは、最後の質問になると思いますが、実効性のある避難計画ですね。
これも予算委員会でも取り上げましたけれども、五億六千万円という予算を柏崎刈羽のために、これは経産省がつけたんでしたよね、内閣府かな、つけましたね。これはちょっと前例のない予算だという話をこの間役所から聞きました。どういうところが、つまり、五億六千万の話だけじゃないよ、国がどうコミットしているのかに関して御答弁ください。
○勝目大臣政務官 お答え申し上げます。
令和六年度補正予算のことだと思います。厳密には五・七二億円ということでありまして、こちらの使途については、避難経路改善調査ということで、橋梁であるとか、のり面であるとか、消融雪であるとか、道路拡幅、こういうものの調査費として計上させていただいたところであります。
これは、経緯を申し上げますと、昨年九月……(田嶋委員「いや、経緯はいい。何が画期的かです」と呼ぶ)申し上げました。はい。原子力関係閣僚会議で、避難路の整備促進に向けた協議の枠組みというものを立ち上げるということ、そして、避難経路を関係省庁で整備する方針というのを確認をして、そして、この会議において、経済産業省が県の実負担相当額の措置など必要な規模の予算を継続確保するといった対応方針が確認されたということでございます。
○田嶋委員 今、御答弁がありました。要は、調査費だけを国が全額出すんじゃないんですよ。調査の結果、複合災害にも耐えられるような避難道、避難設備の建設関係、全て一〇〇%国が持つ。今、それを言ったんでしょう。そういうことを言ったんでしょう、ありていに言えば。分かりやすい言葉で言うとそういうことでしょう。自治体の負担はない、新潟じゃなくて全部国のお金だ、だから画期的なんですよね。
この五億六千万の同じやり方は、ほかの地域、石川県のみならず、豪雪のときに地震が来て、そして原発事故が起きたらどうするんだとみんな言っているわけですよ、今。まさに避難道、避難計画の実効性を日々高めていくために一番やらなきゃいけないことじゃないですか。避難計画の策定の義務づけだけされて、何の発言権も再稼働に関してない、そういう言葉が地域からたくさん聞こえてきますよね。立地自治体以外には発言権はないんだから。
大臣、最後の御答弁をお願いしたいんですけれども、今、聞いていただきましたね。内閣府の今回の五億六千万円は、五億六千万円の調査費を国が全部出すだけじゃないんですよ。調査の結果、ここの道路の拡幅、ここにいろいろなトンネルを新たに造る、そういうこれからかかってくる何十億円、何百億円は、国が全部持つんですよ、新潟の場合だけ。それはちょっとおかしくないですか。
全ての稼働している原発最優先に、経産大臣、内閣府と連携をして、予算を国がしっかり持って、複合災害に実効的に住民が逃げられるような避難道を造っていく予算を計上していただきたいと思いますが、どうですか、大臣。
○武藤国務大臣 避難計画及び避難道路を造っていくということが今後大変重要なことになるんだ、私自身はそう思っております。
今、内閣府の政務からお話がありましたように、今回、そういう形で新潟という形になりましたけれども、我々も、新潟県特有の状況があることは踏まえてこれを判断しているものと思っておりますし、総理も出席をされました原子力関係閣僚会議で対応方針を確認して実施してきているものだというふうに承知をしているところです。
今先生のおっしゃられるように、これを全国に展開しろという話だと思いますけれども、原子力発電所の各立地地域をめぐる経緯だとか課題、これはそれぞれ様々であるということを認識しておりますので、地域の実情とか財政制約を踏まえながら、それぞれの状況に応じて対応していきたいと思っております。
○田嶋委員 違うと思いますよ。地域の実情よりも、安全は全ての国民にとって一緒でしょう。安全最優先なんですから。再稼働して、毎日怖い気持ちはあるけれども、それを考えないようにして生きている人だっていっぱいいるでしょう。
だから、三・一一だって、石川県の能登半島だって、神戸だって、みんな冬に大地震が起きちゃっているんですよ、残念ながら。複合災害というのはリアルな話なんですよ。是非再稼働しているところを最優先に今回の柏崎刈羽と同じことをやってくださいよ。まず数億円のお金をつけて調査をする。それを国主導でやる。そうしなかったら、多くの方は、なんちゃって避難計画で今終わらせているんですから。義務があるから、作らなきゃ仕方がないからみんな作っているんですよ。なんちゃって避難計画では最後に国民が苦しむことになると思いますよ。
以上、お願い申し上げまして、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。
○宮崎委員長 次に、東徹君。
○東(徹)委員 日本維新の会の東徹でございます。
通常国会での経済産業委員会の質疑、初めてということになります。
昨日の日経新聞だったんですけれども、キャリア官僚の人材確保は危機的という記事を見まして、また我々の維新の会、実は国会改革も実現すべきだということをずっと申しておりまして、ちょっとそのことを冒頭にお話をさせていただければなというふうに思います。
通告なんですけれども、これはもうできるだけ早くしないと、やはり官僚の人たちが答弁書を作るのに大変ですから、ですから、維新の会は、通告を出すのを質問の二日前の午後五時に出すということを維新の国対方針で決めております。これをやっていこうと思うと、今度、もし次の金曜日が普通の質疑であれば今日の五時に出さないといけないわけですね。となると、これはまたなかなか難しくなってくるんですけれども。
ただ、やはり、理事会で次回とそれから次々回まで日程を決めていただけると、かなりそれが、早め早めに質問通告を出すことができるということで、我々としては、国会改革の中で、質問通告は委員会で質疑がある二日前の午後五時、そして、委員会の理事会では次回、次々回まで決めていただく、決まらなかった場合は頭出しだけでもやっていただきたいということを国対の方針として掲げさせていただいておりまして、これは、全体的にやれば、私は、ブラック霞が関とよく言われておりますけれども、そういったことへの改革にもつながっていくのかなと。やはり、生産性の向上というふうによくこの経済産業委員会でも言われているわけですから、国会こそ生産性の向上をやっていかなきゃならないというふうに思っております。
その中で、まず最初に通告に従って質問をさせていただきたいと思いますが、まず、大臣に我が国の経済状況についてお伺いしたいなというふうに思います。
これはよく言われる話ですけれども、我が国の名目GDPですが、現在世界で第四位でありまして、今年はインドに抜かれる見通しだということもよく言われております。
昨年の名目GDPが六百兆円を超えたというふうに言われておりますけれども、五百兆円を超えてから六百兆円を超えるまで、何とこれは三十二年かかったということでありまして、世界ではもっともっと伸びているということです。一人当たりの名目GDPを見ましても、韓国に抜かれまして、OECD加盟国中二十二位ということに後退をいたしております。
世界のGDPに占める我が国のシェアでありますけれども、僅か四%しかないというような状況でありまして、二五・九%の米国、それから一六・八%の中国、こういったところと大きく差が離れてしまっているというのが今の日本の経済の状況だというふうに私は思っておりまして、こんな状況の中でも日本というのは経済大国と言えるのかということについて、武藤大臣にちょっとその認識についてお伺いしたいなというふうに思います。
○武藤国務大臣 東委員から御指摘をいただきましたけれども、委員御指摘のとおりかなと私自身も思っております。
近年、日本のGDPが世界のGDPに占める割合が低下している、これは為替とかいろいろな影響もあるんだろうと。私も最近勉強不足でちょっとここは原因究明できていないんですけれども、現実、そういう形でデータが出ているのは事実であります。
依然として、日本の経済規模は、これは世界でも有数なものであるということは、私も、いろいろな各国の友人と会いますけれども、肌で感じているところだし、今は日本はまだ経済大国と言えると私は考えているところであります。
いずれにしましても、持続的な経済成長を実現することが重要であることは論をまたないということだろうと思いますし、高付加価値化に資する戦略的な成長投資の促進、また、これは従来から言っていますけれども、企業の稼ぐ力の強化によって賃上げの原資を確保しながら、賃上げと投資が牽引する成長型経済への移行を確実なものにしていかなくてはいけないこの今だというふうに思っております。
○東(徹)委員 私は、もう経済大国とは言えないんじゃないかと。この失われた三十年がこのままだと失われた四十年になっていきませんかと非常に今危機的な気持ちを抱いておりまして、国会議員として、与野党関係なく、ここにおって、結果を出すのがやはり我々の仕事でありますから、結果を出せていないということで、本当に自分自身もじくじたる思いをしておりまして、何とか国益をしっかりと上げていく、そのことに是非全力を挙げていきたいなというふうに思います。
そんな中で、もう一つ、我が国の経済に影響を与える少子化、人口減少問題についてお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
先月公表された厚生労働省の人口動態統計の速報値ですけれども、昨年、令和六年ですが、我が国における出生数ですけれども、七十二万九百八十八人ということで、前年よりも三万七千六百四十三人、今減っておって、過去最少ということです。これは外国人も含むものでありまして、日本人だけに限ると、初めて七十万人をとうとう下回るということになるというふうに言われております。
GDPに占める個人消費というのはやはり約半分ぐらいを占めておるわけですから、少子化それから人口減少というのは、日本の国力が小さくなっていくということを私は意味しているというふうに思います。
若年世代にとっては、社会保険料などが、これはまた重く負担がのしかかっていくわけですね。そうすると、若年世代にとっては、この日本の未来を見たときに、どんどんどんどんと負担がまた増えていくのか、そう思えば、夢や希望がちょっと見えにくくなってくる。そういうこともあって、これが経済に与える影響というのは非常に大きいというふうに考えるわけですけれども、大臣、この認識についてお伺いしたいと思います。
○武藤国務大臣 少子化とそれに伴う人口減少は、経済成長のマイナス要因であります。これはもう私も委員と全く同じ問題意識を共有しているところでありますから、少子化対策、これは今も様々なところで議論をされておりますけれども、私どもとしても、人口減少下でも国内投資とイノベーションの創出、これを、生産性を向上させることで経済成長を実現していかなくてはいけない。
その下で、GXあるいはDX、社会の今の趨勢、この社会問題の解決分野を成長の源泉と捉えて、国内投資、イノベーション、所得向上の好循環を目指しながら、産業政策強化に取り組んでいるところであります。
人口減少、大変な問題でありますけれども、民間企業のそれぞれの予見可能性を高めながら、国内投資を引き出して、国民一人一人が豊かに生活できる経済社会を目指していきたいというふうに思います。
○東(徹)委員 GX、DX、そういったもので経済を成長させていこうということでありますが、そうなってくると、大臣は、この少子化問題はもう仕方がない、これはもう歯止めをかけることはできないんだ、少子化、人口減少は止まらず、その人口減少社会の中で経済成長を目指していくんだということなのか、いやいや、やはりここは人口減少、少子化問題に歯止めをかけて、歯止めどころか反転攻勢をかけていくんだというふうに思っておられるのか、その辺はどっちなのか、お伺いしたいと思います。
○武藤国務大臣 先ほども田嶋先生からあなたは正直者だと言われましたけれども、いずれにしても難しい判断だというふうに思います。
今、人口減少、いわゆる労働生産性を何とか支えようと、いわゆる外国人の労働者の問題とか、いろいろな、様々な問題が今ありますね、解決策として。あるいは生成AIも出てきている昨今ですから、様々なことでそういう労働生産性を上げるということで考えると、人口減少が、増えればいいんでしょうけれども、現実、今この時点でいうと、晩婚の問題とかいろいろな形で今指摘をされているものですから、早々に、例えば数年先に人口がまた増え出すというのは正直なところ難しいかなと思っております。
○東(徹)委員 私はそういうことを聞いているんじゃなくて、出生数を増やすことを、少子化対策はやはりしっかりやっていかないといけないんじゃないですかというふうなことを是非お聞きしたかったんですけれども、もうやめておきます。
今大臣の方からもお話がありましたけれども、外国人労働者の問題なんですけれども、これは、今、出入国在留管理庁によりますと、昨年末、二〇二四年末ですけれども、在留外国人が三百七十六万九千人ということで、三年連続で過去最多を更新していっておるわけですけれども、国の想定の二倍のペースで増えていることになります。
少子高齢化で日本人の生産年齢人口が減少していく中で、今後も我が国の働き手を確保していって経済成長を続けていくために外国人の受入れをこれからも増やしていくということについて、私は、ちょっとこれはこれでまた問題が出てくるのではないのかというふうに思っておりまして、将来の日本の社会の在り方についてお聞きしたいと思います。
私は、外国人の人材を入れていくのであれば、高度人材でしっかりと日本の経済をやはり成長させていく、そういう人たちを増やしていくという分にはいいと思いますが、単に、生産年齢人口が減少するので、労働者を増やすために外国人をどんどんと受け入れていくというのはやはりちょっと違うのかなと、そろそろ立ち止まっていかないと将来にまたいろいろな問題が出てくるのではないのかなというふうに思っておるわけですけれども、武藤大臣、どのようにお考えなのか、お聞きしたいと思います。
○武藤国務大臣 外国人労働の受入れにつきましては、政府として、第九次の雇用対策基本計画において、我が国の経済社会の活性化等の観点から、専門的、技術的分野の外国人労働者の受入れをより積極的に推進をし、それ以外の分野の外国人については、国民のコンセンサスを踏まえつつ、十分慎重に対応することとされているところだと承知をしております。
ちょっと、経済産業省でやっていることは、日本企業の国際化ですとかイノベーションの促進を目的とした高度外国人材の受入れについては、日本企業と海外学生のマッチング支援等をやっているところでありまして、国内人材の活躍促進や生産性向上の取組についても、人材の確保が困難な産業の分野において適切に受入れを行うこととしております。
私自身は、これは経産省だけじゃなくて、当然ですけれども、法務省も厚生労働省も、法務省の方は入管でありますし、また文科省、これはある意味では、誰が子弟さんを教えるかとか、そういう問題は、非常に、私の岐阜県でも、過去、随分問題になりました。
そういうことの中で、こういう人材が不足して高度な人材を入れていこうという形での今の法の流れだというふうに承知をしていますので、ある意味で、経産省としてはこういう形で今対応をしながら、各省連携の中で今後の対応を政府としてやっていかなきゃいけないと思っております。
○東(徹)委員 先ほども申しましたように、高度人材を受け入れていくということについては、私も日本の経済を成長させていくためにやはり必要なのかなというふうに思いますが、どんどんどんどんとなし崩し的に受け入れていくというのはやはりちょっと違うのかなというふうに思っております。
続いて、企業・団体献金についてお伺いをいたしたいと思います。
なぜこれを聞くかというと、今回も、経済産業省の方から、昨日、斉木議員からも本会議で質問させていただきましたけれども、ラピダスへの支援ということで、想定した法案が提出されております。
GX関連で、官民合わせて百五十兆円の投資が見込まれているわけですし、ラピダスプロジェクトについては、既に九千二百億円の支援が決まっております。今回、一千億円の出資を含む予算が組まれるということで、多額の税金をこれから企業につぎ込んでいくということになっているわけですね。
昨年の産業競争力強化法もそうだと思うんですね、戦略分野の国内生産促進税制とかいうことで、EVだったら一台当たり四十万円とか、そしてまた、グリーンスチールだったら一トン当たり二万円だとか、そういった促進税制というのもあったりするわけですね。
だから、日本の経済をやはり成長させるために補助金をどんどん入れていったり、そしてまた税優遇していったりしていっているわけですね。そうすると、じゃ、そういったところの企業はどこかというのは分かったとしても、そういった企業と取引しているところがどこなのかというのはやはり分からないですよね。そういった取引をして、そういったところも潤っているというか成長していっているというか、そういった企業もあると思います。
そんな中で、やはり、税金を入れて企業が成長していって、そこから企業・団体献金をもらっていたら、これはちょっとおかしいんじゃないかというのが国民の感覚につながっていくのではないかというふうに思うわけです。だから、企業・団体献金を禁止ということを我々は立憲民主党さんと一緒に今、法案を提出させていただいているわけですけれども。
そういったことで、今、政治家というかは、国民から非常にやはり信頼されていない、言ってみれば分野だと思うんですね。やはり、国民から信頼を取り戻していくためにも、私は企業・団体献金の禁止というのはやっていくべきだというふうに考えておりまして、大臣、この点についてどのようにお考えなのか、お聞きいたしたいと思います。
○武藤国務大臣 企業・団体献金の扱いについては、現在、各党で様々な提案がなされている、国会で議論がされていると承知をしているところです。ですから、私の立場で、今この立場でコメントは控えさせていただいた方がよろしいかと思います。
ただ、その上で、ラピダスについて、この前も国会で、本会議場で御質問いただきましたけれども、国民の疑念を持たれないようにする必要があるとの問題意識は全く共有するところであります。
政府からラピダスに対して、一応御説明しますけれども、これまで研究開発委託費として、今おっしゃっていただいた最大九千二百億円の支援を決定しているところでありまして、その執行状況については、行政事業レビューシートあるいは基金シートなど、政府のルールに基づく情報公開を行い、透明性を確保しているところであります。
加えて、ラピダスによる外注先の選定につきましては、二者以上の相見積りを原則とし、設備や役務ごとの選定プロセスあるいは金額の妥当性等については委託元であるNEDOが検査を行うなど、公正な手続を確保しているところだというふうに承知しています。
透明性や公平性の確保を通じて、御指摘の懸念が生じないように取り組んでまいります。
○東(徹)委員 先ほども申しましたように、ラピダスから業務を受注した企業とか、そういったところから企業・団体献金とかが入っていたりとかすると、非常にやはり、これは分からないわけですから、そういった意味でも、企業・団体献金を禁止していった方がより政治に信頼をされるようになっていくというふうな思いで質問をさせていただきました。
続いて、福島第一原発の処理水のことについてお伺いをさせていただきたいと思います。
福島第一原発の処理水の放出ですけれども、これは二〇二三年の八月二十四日に処理水を放出したわけですけれども、一年半以上過ぎて、もうすぐしたら、この夏にはもう二年を迎えるということになると思います。
三月二十二日に日中のハイレベル経済対話が開催されました。そこでは、福島第一原子力発電所の処理水放出を理由に中国が日本産の水産物を輸入禁止したことについて、岩屋外務大臣が早期の輸入再開を要請したということなんですけれども、これは、昨年十一月にも石破総理が習近平国家主席と、日本産水産物の輸入再開に向けた昨年九月の日中合意の着実な履行も申し合わせているわけです。
いまだに日本産水産物の輸入再開は成らないわけですけれども、中国が日本の水産物の輸入を禁止することは、これはそもそも間違いであるというふうに私は思いますし、そして、再開するにも時間がかかり過ぎているのではないのかというふうに思うわけですけれども、武藤大臣はそういうふうに思いませんか。福島第一原発の処理水、これは、国際原子力機関、IAEAを含めて、科学的に安全だということを経済産業省としてもやはり証明してきたというふうに思っているわけですね。だから、その点について、いかがなのか、改めてお伺いしたいと思います。
○武藤国務大臣 中国による日本産水産物への輸入規制措置について、そもそも科学的根拠に基づかないものでありまして、規制は即時撤廃されるべきだと私自身も考えております。
この前、この前と言ってはあれですけれども、先般、王文濤商務部長ともお会いしたこともありますけれども、そのときも私からもお願いをしておりますし、お願いというのか、ちゃんとそれをお話ししているところでもありますし、この前の岩屋外務大臣、そして石破総理もそういう形で強く発しているところであります。
○東(徹)委員 これまでも経済産業省として、処理水の安全性について科学的根拠を示してこられたわけですよね。今大臣がおっしゃったとおりだと思います。
でも、これは、昨年の九月の日中合意以降、国際原子力機関、IAEAの監視を拡充することになったわけですよね。経済産業省としてこれまでの調査では十分ではなかったということになるんですかということをお伺いしたいと思いますが、いかがですか。
○宮崎政府参考人 お答え申し上げます。
ALPS処理水の海洋放出につきましては、先日も報告書を公表されましたけれども、IAEAのレビュー、あるいはIAEAの枠組みの下で行っております第三国の分析機関が参加する形でのモニタリング、こうしたものを通じまして、一貫して、議員御指摘のとおり、安全に行われているということは確認をされております。
また、この結果につきましても、国内外に対して、科学的根拠に基づきまして透明性高く説明ないしは情報発信を繰り返し行ってきているところでございまして、この点につきまして、これまでの対応について不十分であったというふうには考えてございません。
その上で、昨年九月、御指摘のとおり、IAEAとの間で追加的モニタリングを実施するということで一致をいたしたわけでございますが、これは、国際社会に対して更に透明性の高い情報提供を行っていくという観点から、関係国の関心を踏まえまして、現在行っておりますIAEAの枠組みの下でのモニタリングを拡充する形で、第三国の分析機関による海水等の試料の採取、これを実施するというものでございます。
私どもといたしましては、ALPS処理水の海洋放出につきまして、国内外の一層の理解を醸成していく観点から、先ほど申し上げましたモニタリング等を通じた安全性の確認、あるいは国際社会に対する透明性高い情報提供に引き続き努めてまいりたいと考えております。
以上でございます。
○東(徹)委員 拡充ということで、第三国の採取ということですけれども、これは具体的にどういうことか、ちょっと説明していただけますか。
○宮崎政府参考人 お答え申し上げます。
今、現行のALPS処理水のモニタリングにつきましては、まず分析する対象物、例えば希釈前の処理水であるとかあるいは海水、これをこれまでは日本側の方で採取をいたしまして、それを分水する形で各国の分析機関に分析をしていただくというやり方にしておりましたけれども、関係国の方から、自らその海水なり希釈前処理水なりを採取したいというような御希望もあるということで、それを踏まえてIAEAの方で検討された結果、現行のモニタリングを拡充する形で、そういった第三国の分析機関による採取というものを認めるということで、実施をされているというものでございます。
○東(徹)委員 ということは、中国が処理水を採取して検査をするということになるんですか。
○宮崎政府参考人 こちらは、IAEAの監視といいますか監督の下で、決められたやり方、これに基づきまして、まさに、中国等、参加国はIAEAの方で募集をして決めるわけでございますけれども、その分析機関の方が来日をしまして、その機会に自ら採取をし、それを本国に持ち帰って分析をするということでございます。
○東(徹)委員 これまでも安全性はしっかりと経産省としてもやはり取り組んできたわけでありまして、世界を見れば、トリチウムの海洋放出というのはもうどこの国でもやっている話ですから、それに比べて日本はもっと安全性を高めてやっているわけですので、大臣、もっと頑張っていただきたいなというふうに思っております。
続きまして、大阪・関西万博のことについて質問をさせていただきたいと思います。
いよいよ四月の十三日から大阪・関西万博、開幕まで一か月を切っております。今週の土曜日ですか、日本館の内覧会とか、そんなのもあるというふうに聞いておりますけれども。
前売り券についてでありますが、これまで前売り券が売れていないというふうに言われていましたけれども、修学旅行などで見込まれている二百万枚程度を追加、加えると、販売見込み数が一千二十一万枚になるというふうに発表されております。一千二十一万枚になると、愛知博のときは前売りが九百三十九万枚だったそうですので、それを上回るということになるわけですけれども、当初の目標は一千四百万枚でありますから、そこから考えると、やはり七割程度になるということになるわけです。
今回の万博は、想定どおり来場者数が来ると、二千八百二十万人、確保できれば、これは経済波及効果が三兆円ということになっていくわけですけれども、何としてもやはりこれを成功させていかなくてはならないというふうに考えるわけです。
十月までの会期の前半でどれだけ来場者を呼び込むかということが非常に大事になってくるわけですけれども、開幕までに前売り券の販売を更に進めていっていただきたいと思うわけですが、どのように取り組むのか、お伺いしたいと思います。
○武藤国務大臣 いよいよ大阪・関西万博まであと十八日になりました。お得な前売り券の販売促進へ向けて、例えば、最近ですと、アンドロイドとかiPS心臓などの最先端技術、また、我が国では初めて見ることのできる世界の芸術の数々、本当にすばらしいいろいろなものが出ていますけれども、世界各地のお祭りだとか、大相撲とか、毎日開催される壮大な水上ショーなど、いわゆるコンテンツを、万博の魅力というのはこうですよというのが、正直申し上げて、やっと、先月ぐらいからこうやって外へ出るようになりました。
ガイドブックができたり、また「ぴあ」が発売されたりということで、相当また関心も高くなってきて、ちょっと最近また上ってきていると思いますし、また、団体客の申込みが大分増えてきているのは事実だというふうに思います。今後も引き続いて、テレビ番組の企画だったりSNSを利用した発信など、様々にぶわっとこうやって盛り上げていく雰囲気が出てくると思いますが。
あと、四月四日から三日間、いわゆるテストランが始まります。大変重要な機会だと思っていますので、大屋根リングを始めとする万博会場の魅力ですとか、趣向を凝らしたパビリオンの中身など、来場された皆様に御覧になっていただいて、このリアルな体験を経験していただく、そして発信をしていただくということになると思います。
開幕券や前期券など、お得な前売り券の販売は開幕直前までとなっていますので、私もこの前、二回目、買いましたけれども、是非、前売り券を御活用しながら、万博を訪れていただける人を増やしていきたいというふうに思っております。
○東(徹)委員 経産省を含めて、協会の皆さんたちが一生懸命努力していただいていることは本当に重々分かっておりますし、感謝しております。でも、やはり何とか気を緩めることなく成功させなきゃいけないという思いで、ちょっと聞かせていただいているわけです。
ちょっと大臣の方から団体のお話が今ありましたけれども、武藤大臣、私の地元は住之江区なんですけれども、万博会場に、万博会場は此花区というところなんですが、地下鉄というかメトロで行けるんですけれども、私の地元から万博会場まで、メトロを使って行くと三百六十円で行けるんですよ。万博のチケットが七千円として、七千三百六十円。お昼代を入れても一万円しないんですけれども、何と、団体でバスで行くとなると、やはりお金がすごく高くつくんですね。バス旅行を企画された方がおられて、それを見ると一万六千円なんですよ。一万六千円で行くのかな、一万円以内で行ける場所なのに一万六千円も出して行くのかなと思うと、やはりこれは、一万六千円で募集したら、すぐ埋まるんですね。
だから、やはり、万博に行きたいんですけれども、どうやってこの手続、チケットを入手したらいいのかとか、また、パビリオンの予約はどうしたらいいのか分からないとかいう人がたくさんおられて、やはりそういう方々はお金を出してでもいいから行きたいんだということも、たくさんおられるということをちょっと御案内しておきたいなと思いました。
目標来場数二千八百二十万人ですので、その達成に向けて、最大限、この万博が開催してからも、更に大臣、取り組んでいっていただきたいなと思いますので、そこはもうよろしくお願いいたします。
続きまして、MアンドAのことについてお伺いをさせていただきたいと思います。
昨年もこのMアンドAの法改正もありましたけれども、東京商工リサーチによりますと、昨年、二〇二四年の社長の平均年齢、六十三・五九歳ということになるそうですが、調査が始まった二〇〇九年以来、過去最高ということで、経営者の高齢化というのも目立ってきております。事業承継先がない、これはよく言われてきている話ですけれども、そういったことで、MアンドAでやられているところが増えてきているということです。
あと、新聞報道では、ゾンビ企業という、これはゾンビ企業の定義があるそうですが、それも増えてきていますよね、ゼロゼロ融資とか、そんなのが返済がなかなかできなくてとか、そういったことにもなってきているというふうなことでありますけれども、中小企業が廃業することによって地域経済の地盤沈下が進むことを防ぐということが大事だと思いますし、そして、そのことによってまた雇用も守られていくわけですから、非常に大事だというふうに思うわけですね。
事業承継目的のMアンドAが進むには非常に大事なことなんですけれども、MアンドAを仲介する業者によっては、手数料が高いとか悪質な業者もよくありまして、こういったこともよく報道で見るわけです。帝国データバンクによりますと、事業承継の実態について、分析可能な約二十七万社を調べたところ、後継者が不在の企業は全体の半数を超えておって、MアンドAの仲介業者の質の確保というのが喫緊の課題だというふうに思います。
以前にも、法案審議の際にも申し上げたんですけれども、中小企業のMアンドAには、情報も人脈も持っている地域の金融機関やその関連するファンドが仲介する方が、経営者の安心感も増しますし、MアンドAもスムーズに進むということで、金融機関にとっても人口減少の中で自分たちが生き残っていくための必要なことだというふうに思うわけですけれども、中小企業のMアンドAの仲介を地域の金融機関、そのファンドに限定していってはどうなのかなと。特に、今悪質業者が絶えないという状況がありますので、その方が、中小企業の経営状況は地元の例えば信金だとかそういったところもよく分かっているわけですから、そういったところがやはりしっかりと取り組んでいってもらう、そっちにもっと力を入れていった方がいいのではないかというふうに思うわけですけれども、武藤大臣、この点についてはどのように思われますでしょうか。
○山本政府参考人 お答えいたします。
中小企業のMアンドAにおいて、不適切な買手によるトラブルが発生しておりまして、質の高いMアンドA支援機関が求められているという認識は委員の御指摘のとおりと存じます。
その中で、地域金融機関は、地域の企業との長年の取引関係がありまして、有力なプレーヤーだと認識しております。国のMアンドA支援機関登録制度にも多数登録いただいておりまして、更なる取組を期待しておるところでございます。
同時に、中小企業庁といたしましては、こうしたトラブルを踏まえまして、中小企業MアンドA市場の健全化に向け、昨年八月に中小MアンドAガイドラインを改定し、支援機関に対して不適切な買手の排除に向けた取組を求めることとしたところでございます。本年一月には、この制度に登録されているMアンドA仲介事業者について善管注意義務違反が認められたことから、登録取消しを実施したところでございます。
○宮崎委員長 部長、もうちょっとコンパクトに。
○山本政府参考人 恐れ入ります。
中小企業庁といたしましては、現在、地域金融機関によるMアンドAの取組は、その大宗が地域金融機関という状況ではございませんということも認識しながら、地域金融機関によるMアンドA支援を推進してまいりますとともに、MアンドA支援機関全体に対するガバナンス強化などによりまして、支援機関全体の質と量を高め、中小企業にとっての、売手、買手共に有効なMアンドAを進めてまいる所存でございます。
○東(徹)委員 もう時間ですのでこれ以上質問しませんけれども、MアンドAを更に進めていくということが日本の経済構造改革にもつながっていくし、やはり日本の経済が成長していく上においては非常に大事なことだと思うんですね。
でも、そんな中で、やはり悪質業者が後を絶たないという状況。その中で、今答弁にもあったように、やはり金融機関というのは非常に有利なプレーヤーだというふうに思うわけですね。一方、金融機関というのはやはり今は非常に厳しいわけですから、ですから、やはりそういったところに、金融機関がもっと表でやれるようにしていくべきだというふうに考えておりまして、武藤大臣にこれはまた質問していきたいと思いますけれども、地銀、信金がもっともっと活躍できるように取組をしていっていただきたいなと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○宮崎委員長 次に、丹野みどり君。
○丹野委員 国民民主党、丹野みどりです。
次世代型太陽電池、ペロブスカイトを取り上げます。
武藤大臣の先日の所信の中にも、国産再エネの導入拡大に向けたペロブスカイト太陽電池の導入等を進めますとありました。そして、第七次エネルギー基本計画の中には、再エネ拡大の鍵とされていまして、実用化を急ぐ方針を打ち出しています。
そこで、このペロブスカイト、長所は三つあります。軽くて薄い、曲げることができる、そして材料が日本でたくさん取れる、そして製造工程が少ない、この三つがあって、もう本当に魅力的な新しい技術だなと思うわけですけれども、その前に、まずは、日本全国に設置されまくりましたシリコン系太陽電池、太陽光パネルについて伺いたいと思います。
この太陽光パネル、二〇〇〇年頃は世界シェア五〇%を誇っておりましたけれども、二〇〇五年以降は中国に押されまして、一気にシェアを落としました。現在の日本のシェアは一%未満にまで落ち込んでおります。
本当に悔しいんですけれども、もうこのパターンがとても多いんですよね。日の丸半導体もしかりですし、ジャパン・アズ・ナンバーワンだったのが今は昔で、これは、企業はもちろん責任はあると思うんですけれども、国としてのやはりサポートも適切ではなかったのではないかと思うわけですね。
地元で、私、ある中小企業の社長さんから、こういったお話を伺いました。我々は、本当に世界一の技術で物を作っている、そこは誇れる、しかし中国に負けるんだと。中国はやはり国として強烈にバックアップをしているから、そこで戦っていくのが非常に我々は厳しいというお声なんですね。
本当に、こういうお話を聞いて、私は、日本企業は孤軍奮闘だなと感じました。もちろん、官は官とか民は民、民間に手は出さないという姿勢もあったかと思うんですけれども、やはり結果として国が強烈に後押しをしているような中国に負けているという現状を見ると、やはりやり方を変えていかなきゃいけないんじゃないかなということも思います。
そこで、まず質問です。
この太陽電池産業に関して、過去の教訓があるということはありますけれども、どういった反省点を認識されているんでしょうか。
○武藤国務大臣 お尋ねの太陽電池産業についてですけれども、一九七三年、オイルショックを契機に策定をしましたサンシャイン計画というのが当時ありまして、これを皮切りに、本格的な研究開発が進められたところです。二〇〇〇年の前半、これには世界市場シェアの五割、もう先生がおっしゃられるとおりで、世界のリーダー的な存在でありました。
しかし、その後、欧州ですとか、特に中国の海外市場が猛烈なスピードで拡大をする中で、原材料のシリコンの安定調達、そして市場の拡大に対応した十分な規模の設備投資がなされず、厳しい価格競争にさらされ、急速にシェアを落としていったものと認識をしているところです。いわば、これはもう今、定説でよく言われる話ですけれども、技術で勝ってもビジネスで負けたというような典型的な事例が多くございます。
政府としても、この間、固定価格買取り制度等、いわゆるFIT導入を進めた一方で、量産体制の確立ですとかサプライチェーンの強化などの面では、必ずしも対応が十分ではなかったものと認識をしております。
官民共に事業環境や市場が大きく変化する中で適切に対応ができていなかったことを真摯に反省をしながら、今後の太陽電池産業については、国内外で新たな市場を創出しつつ、世界に引けを取らない規模とスピードで、生産体制の整備、またサプライチェーンの強化に取り組んでいくことが大事だというふうに思っております。
○丹野委員 今、大臣の中に官民という言葉がありました。もちろん、官だけではなくて民間側にも反省すべき点はたくさんあると思うんですけれども、やはり国のリードが足りなかったのかなと感じるわけですね。
資料を御覧ください。
まず、一番です。再エネの比率を高めたい、そのうち太陽光が担う部分を増やしていきたいよという、その実情と目標のデータなんですけれども、この目標があったので、太陽光パネルをめちゃくちゃ設置したわけですよね。
資料裏面になりますが、その設置した結果、こうなりました。本当に日本は、狭い国土ながら、世界一になるほど、傾斜地ですとか住宅の近くに設置しまくったんですよね。なので、やはり弊害も起きてしまったということで、例えば神戸市では、二〇一八年の西日本豪雨の際に土砂崩れがあった。そのパネルが山陽新幹線の線路近くまで崩落した。これを受けて、土砂災害警戒区域などなんかには設置しないようにという、そういう条例も制定されております。置きまくったんだけれども限界があるという状況だと思っております。
加えて、今大臣からいろいろな反省をお聞きしましたけれども、その反省の一つとして、海外での製造委託というのもあると思うんですけれども、これによって、本当に言葉は悪いんですけれども、ぱくられたみたいなのがあって、中国にシェアを奪われる、その要因の一つじゃないかなと思うんですけれども、こちらについてはいかがでしょうか。
○武藤国務大臣 シリコン型の太陽電池につきましては、二〇一〇年以降、生産技術の発展に伴って比較的容易に製造が可能になってきたところであります。その結果、大量に最新の製造装置を導入し、パネルを大量生産することで、いわゆるコスト競争力を生んでいくという事業モデルが出現したところです。
日本の企業は、パネルの高性能化で競合との差別化を試みたと思います。私は、この太陽光だけじゃない、いろいろなものがそうなんですけれども、高品質化、いわゆる、ある意味で、海外からいうと過剰仕様みたいなところはあったと思いますけれども、自社での量産体制の構築を行わず、中国を始め海外への生産委託をこの時期に進めたところでもあります。このため、量産のノウハウが蓄積されずに、大量生産する海外企業に対してコスト競争力を失っていったものと認識をしているところであります。
こうした事実を踏まえて、次世代型太陽電池については、複雑な材料加工や成形、温度、湿度の管理など非常に高度なノウハウの塊である製造工程、これに係る知的財産を適切に管理するなど、国内に強靱な生産体制を構築していくことが必要であると認識しているところであります。
○丹野委員 ありがとうございます。
本当に律儀に埋め尽くしたんだけれども、大臣がおっしゃったような様々な課題があった。生産体制の整備、サプライチェーンの強靱化、それが本当に対応できていなかったというところもあるわけですよね。本当に同じ失敗を絶対してはいけないと思います。
今回のペロブスカイトにおいては、その反省を踏まえて、官と民がしっかり話し合う協議会が開催されたようですけれども、この会議では、一体どんなことが話し合われて、どんな結論が出たんでしょうか。
○伊藤(禎)政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘いただきましたとおり、有識者、メーカー、ファイナンスなどの関係業界団体、そして百六十を超える地方自治体、環境省を始めとする関係省庁など幅広い関係者を集めまして、官民協議会を昨年五月より開催をいたしました。そして、十一月に次世代型太陽電池戦略を取りまとめたところでございます。
官民協議会におきましては、次世代型太陽電池の導入目標の策定、導入拡大に向けた課題と対応、国内サプライチェーン構築等について御議論を行っていただきました。
そういった議論を踏まえまして、過去の太陽電池産業をめぐる反省も踏まえて、昨年十一月に策定した戦略におきましては、結論としまして、需要面で、二〇四〇年までに約二十ギガワットの導入目標、そして供給面では、二〇三〇年までの早期にギガワット級の生産体制の構築、そして環境省と連携した公共施設における率先した導入促進といった内容を盛り込んでいるところでございます。
国内外の市場を獲得していくべく、官民力を合わせて、量産技術の確立、生産体制の整備、そして需要の創出に三位一体で取り組んでまいりたいと存じます。
○丹野委員 ありがとうございました。
本当に今度こそ官民一体となってこの計画を進めてほしいと思うわけですけれども、このペロブスカイトを、国としてはどういった活用法を想定されていますでしょうか。
○伊藤(禎)政府参考人 お答え申し上げます。
ペロブスカイトにつきましては、様々な用途を想定してございます。
御指摘いただきましたとおり、軽量で柔軟という特徴を有し、建物の壁面など、これまで設置が困難であった場所にも導入が可能であるということでございます。
具体的には、公共施設、ビルなどの建築物の壁面、また工場、倉庫、学校施設などの耐荷重性の低い建築物の屋根、そして鉄道ののり面などの公共インフラといった様々な分野への導入が見込まれるところでございます。
実際に、一例としまして、大阪・関西万博のバスターミナルへの設置、また、東京内幸町において開発予定の世界初のメガソーラービルの建物壁面への設置に向けた取組も進めているところでございます。
二〇四〇年の約二十ギガワットの導入目標に向け、官民で連携しながら、様々な利用用途、需要創出に取り組んでまいりたいと存じます。
○丹野委員 ありがとうございます。
軽くて薄くて曲げられるという特性を生かして、本当に幅広くいろいろなところに置くんだなというのは分かりますけれども、今お話を伺っていますと、今ある置きまくった太陽光パネルに取って代わるんじゃなくて、追加してどんどん増やしていくということがよく分かりました。
次の特性に移ります。
この材料なんですけれども、日本でたくさん取れるという点なんですよね。主要な原材料がヨウ素になります。ヨウ素は、日本は世界第二位の産出国になります。
資源のない我が国にとっては本当にうれしい原材料だなと思うわけですけれども、ヨウ素の国際シェア二六%という現実を、この強みを国としてはどう生かしていくでしょうか。
○武藤国務大臣 先ほどのシリコン太陽電池がなかなか、ああいう形で凋落してしまったというところは、まさにこの原材料の話もあるんだと思っています。
今のペロブスカイトですけれども、おっしゃられるように、ヨウ素というものが、これは日本が世界第二位の産出量を有しております、安定的な原料調達が可能となる非常に珍しい一つの製品だと思いますけれども、産業競争力においても大変大きな強みとなるものであります。特定国に依存しない、より強靱なエネルギーの供給構造の実現に役立てていきたいと考えております。
○丹野委員 ありがとうございます。
今ずっとお話ししてきましたペロブスカイトなんですけれども、実は製品として完成した場合に三パターンの形があるんですね。一つは、ずっと今お話ししてまいりました、薄くて軽くて曲げることができるフィルム型というものです。二つ目が、住宅の窓ガラスなどに応用ができますガラス型というもの。そして、三つ目が、これまでのシリコン太陽電池とペロブスカイトを一体型にしたようなタンデム型というもの。この三つがあるんですね。
なんですが、このガラス型とタンデム型は中国とイギリスなどでも開発、生産をしておりまして、競争が激しい。だからこそ、日本は、製品化の技術で大きくリードをしている軽くて薄いフィルム型、ここに一点張りしていくべきじゃないかなと私は思っております。
最も可能性を秘めているフィルム型なんですけれども、課題は何でしょうか。
○伊藤(禎)政府参考人 お答え申し上げます。
今御指摘いただきましたフィルム型ペロブスカイト太陽電池につきましては、軽くて薄い、壁面等にも貼れるなどの点で優れている一方で、その実用化に当たりまして、耐久性の向上や大型化での量産技術の確立が課題となってございます。日本企業にはこうした技術の面で一定の強みがございますので、そういった課題を乗り越えられるものと認識してございます。
また、施工方法の確立も重要な課題でございまして、このため、グリーンイノベーション基金等を通じた設置形態等に関する社会実証の内容も踏まえつつ、経産省としまして施工に関するガイドラインの作成にも着手していく所存でございます。
グリーンイノベーション基金を通じまして、フィルム型のペロブスカイト太陽電池の技術開発から社会実装まで切れ目なく支援を行うとともに、サプライチェーンの構築を支援し、民間投資を強力に後押ししてまいりたいと存じます。
○丹野委員 ありがとうございます。
今お話を伺ったように、太陽電池産業はこれまでの反省もある、世界的にリードしている技術もある、今おっしゃった課題もある。こういったもろもろ全てを踏まえて、次世代型太陽電池の戦略として、生産体制、それから需要の創出、量産技術の確立、今課題もありましたけれども、これを実際に具体的にどのように計画をしていくでしょうか。
○武藤国務大臣 ペロブスカイトの生産体制については、二〇三〇年までに早期にギガワット級の体制を構築していくこととしております。
具体的には、既に民間企業において量産ラインの構築に向けた準備が進んでいるところですけれども、政府としても、設備投資支援、必要なものはちゅうちょなく行ってまいります。
需要の創出の方ですけれども、二〇四〇年に約二十ギガワットの導入を目指すべく、令和七年度より環境省と連携をしながら、自治体を含めた公共部門等を念頭に、需要家向けの導入支援を実施していく予定です。
量産技術の方の確立につきましては、今もお話がありましたけれども、GIの基金を活用して、二〇三〇年に一キロワット当たり十四円が可能となる技術を確立をし、二〇四〇年には自立可能な発電コストである一キロワットアワー当たり十円から十四円以下の水準を目指していきたいと思っております。
あとは、国内外の市場を獲得していくべく、量産技術の確立、生産体制整備、需要の創出に三位一体で取り組んでまいりたいと思います。
いずれにしても、実装は始まっていますので、しっかりと技術を確立していきたいと思っています。
○丹野委員 ありがとうございます。
先ほども少し触れましたけれども、産業競争力を高める上で、やはりぱくられないというのが重要と思っておりまして、反省も生かすと知的財産の管理も重要と思っております。この点は今回はどう取り組まれるでしょうか。
○伊藤(禎)政府参考人 お答え申し上げます。
先ほども御指摘いただきましたとおり、日本企業がいっとき世界シェアの五割を占めていたにもかかわらず、その後、競争力を失ってしまったという経緯があるわけでございますけれども、その反省の一つとしまして、人材や製造装置を通じた技術流出により競争力を失ったということが挙げられてございます。したがいまして、次世代の国産再エネ技術であるペロブスカイト太陽電池については、この過去の反省も十分に踏まえて適切に対応していく必要があると認識をしております。
具体的には、ペロブスカイト太陽電池に関しまして、材料加工や製造プロセスに関するノウハウが産業競争力を左右する状況にあるという観点から、特許と製造プロセスのブラックボックス化を最適に組み合わせ、技術と人材の両面から戦略的な知財の管理を行っていくことが大変重要と承知をしております。
この観点から、ペロブスカイト太陽電池の国内生産体制の構築を支援する事業におきまして採択した案件についても、専門家の視点も取り入れながら、生産規模拡大の進捗に加え、事業者による知財管理の状況をしっかりと確認していくこととしております。
引き続き、国内事業者と丁寧に対話をしつつ、このような取組を通じまして、技術流出を防ぎ、国内においてペロブスカイト太陽電池の強靱な生産体制を構築してまいりたいと存じます。
○丹野委員 ありがとうございます。
もう本当に、作るときはしっかり国内でと思うんですね。需要はもちろん国内にもというお話がありましたけれども、やはり海外でも展開していかないとと思っておりまして、海外での商品展開を視野に入れた場合、どういった対策を考えているでしょうか。
○伊藤(禎)政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘いただきましたとおり、海外市場は国内市場に比べて大変大きく、ペロブスカイト太陽電池においても、当初から海外展開を視野に入れることは重要な課題と認識してございます。
その観点から、国内外で製品の品質等を確認する試験条件等が確立していない状況であるため、今後の海外展開を見据えますと、ペロブスカイト太陽電池の性能評価に関して、日本がリードして国際標準の策定を進めることが大変有効な対策だと考えてございます。
こうした国際標準の策定を進めつつ、連携が見込める研究機関を有する同志国や、早期に市場が見込まれる国に順次展開をしていく。その上で、二〇三〇年のギガワット級供給体制の構築時をめどに、本格的に海外展開を進め、世界をリードしてまいりたいと存じます。
○丹野委員 ありがとうございます。
本当にルールを作るというのが日本はなかなか遅れていたので、これをやってほしいなと思いますが、半導体への投資も同じなんですけれども、いわゆる下山する勇気というのが要るかなと思っておりまして、行け行けどんどんの投資計画はいいんですけれども、ここの見通しがうまくいかなかったら投資をこうしていくみたいな、そういう想定はありますでしょうか。
○武藤国務大臣 御指摘のとおりで、戦略分野における投資に当たって、これはもう今までもずっと、このペロブスもそうなんですけれども、半導体もそうですし、政策支援を実施する前提となる投資計画の進捗等を絶えず注視することが大変重要だと思っております。
とりわけ、ペロブスカイト太陽電池の設備投資に関しましては、これも外部の専門家から成る第三者委員会によりまして、投資計画の進捗、市場や技術進展の動向について中間審査を行うなど、事業支援の継続について適切に確認していくこととしているところです。
このように、戦略分野の投資促進に当たっては、政策支援の前提をしっかりとモニタリングをし、支援の見直し、加速化、継続を含めて、適時柔軟に対応してまいりたいと思っております。
○丹野委員 ありがとうございます。
第七次エネルギー基本計画でこの再エネを増やしていくということがうたわれておりますけれども、当然、曇りや雨の日になると、今でも火力がその分頑張っているという現状があると思います。今後増やしていくわけですから、その分、火力が頑張らなきゃいけない日も増えていくと思うんです。そうなると、それは脱炭素の流れに逆行すると思うんですけれども、思いどおりに発電できない場合の備えというのも聞かせてください。
○伊藤(禎)政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘いただきましたとおり、太陽光発電や風力発電などの再エネにつきましては、季節や天候によって発電量が変動するとの特徴を有してございます。
こうした再エネの発電量の変動に対応しまして、脱炭素化と安定供給の両立を進める観点から、第七次エネ基にも明記しておりますとおり、まさに備えとしまして、蓄電池の導入支援等を通じて、蓄電池や揚水発電といった脱炭素化された調整力の確保を進めることに加えまして、水素、アンモニア、またCCUS等を活用した火力の脱炭素化を進めていくこととしております。
なお、自然変動する再エネの設備容量が増加するにつれて調整力の確保に伴うコストも増加をする、こういった課題もございますので、このため、政府としまして、エネルギー安定供給、経済成長、そして脱炭素を同時に実現していくため、特定の電源や燃料源に過度に依存しないよう、バランスの取れた電源構成を目指してまいりたいと存じます。
○丹野委員 ありがとうございます。
技術立国日本と言われて、もう一度世界でトップに立つために、そして、しかも人口減少がしているこの日本が本当に未来に向かって大きくなっていくためにも、半導体もそうですけれども、日本はこれでいくんだという技術を力強く後押ししていって、本当に日本の国力を上げていきたいというのが私の強い強い思いであります。
最後に、別のテーマにちょっと移りたいと思います。
トランプ大統領の自動車関税なんですけれども、今日の朝刊で、四月二日の公表を待たずに数日中に発表するという報道もありました。
先日、大臣も訪米されまして、日本の貢献を丁寧に説明されて、人間関係も構築されてきたというお話もありましたけれども、なかなか向こうは色よい返事をくれないという状況がありまして、私の地元が愛知県豊田市とみよし市になっておりまして、トヨタ自動車のお膝元でもありますし、自動車産業の集積地でもあるんですね。
今回、本当に自動車関税が発令されるとその影響が大きいなと思っておりまして、中部地方からアメリカに輸出される自動車に対して二五%の関税がかかった場合、ある試算によりますと、中部圏社会経済研究所の試算です、全産業の生産額を二兆二千億円押し下げるというのがあるんですね。しかも、これはカナダとメキシコの関税が入っていないんです。打撃は更に広がる可能性もありますが、そこで、最後の質問になります。
自動車にも関税が発動される、もう明らかですけれども、国としてどういった対応を取られますでしょうか。
○武藤国務大臣 私も、先生とお隣の岐阜県でありますので、今の、中部地方のいわゆる影響というのは大変大きなものというふうに覚悟しているところであります。
政府としては今、私自身も、この前、自動車業界、また鉄、アルミ業界とも懇談させていただきましたけれども、とにかく、アメリカへの今までの貢献策とか、様々な形で、日本を除外するようにということは申し入れてきているところであります。アメリカ政府といいますかトランプ大統領がどういう判断をされるのかというのは、今日の報道もありますけれども、我々としては、アメリカとウィン・ウィンの関係を何とか構築できるように、引き続いて、彼らとまた折衝し続けていくことになるんだろうと思っておりますので、御地元の御懸念はよく分かっているところでありますので、しっかり私も頑張らせていただきます。
○丹野委員 ありがとうございました。
今、日本の経済がしっかり上を向いていこうとみんなが頑張っているときに、この影響は本当に懸念されますので、引き続き、これに対しても質問を続けてまいります。
今日はありがとうございました。
○宮崎委員長 次に、佐原若子君。
○佐原委員 れいわ新選組、佐原若子です。どうぞよろしくお願いいたします。
本日は、正直な大臣に質問の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。
大臣、本日は、エネルギー政策のうち、省エネの推進と再生可能エネルギーの導入可能性についてお伺いします。
経済産業省は、二〇四〇年度の電源構成において原子力を一定割合含める方針を示されています。そして、一昨日、原発の審査期間を上乗せして運転可能期間を延長するルールが出されました。安全性の担保はあるのでしょうか。省エネの徹底と再生可能エネルギーの最大限の活用により、原発なしでも電力を賄える可能性はないのか、改めて議論する必要があると考えます。
そこで、以下の点についてお尋ねします。
二〇四〇年までの電力需要の増加要因と省エネの見通しについてお伺いします。
三月十九日の御答弁では、二〇二三年から二〇四〇年の間に電力使用量が年間千億キロワットアワーから二千億キロワットアワー増加すると見込まれているとのことでした。しかし、同時に省エネの進展も想定されるともおっしゃっていました。この電力需要増加の具体的な要因は何であるのか、そしてどの程度でしょうか。また、同期間にどの程度の省エネが見込まれ、その省エネの具体的な手段は何でしょうか。お答えいただきます。
○山田政府参考人 お答えいたします。
二〇四〇年度のエネルギーミックスでは、二〇四〇年度温室効果ガス七三%削減、二〇五〇年カーボンニュートラルを前提に、再エネ、水素等、CCSなどの分野において技術革新が実現することを想定した上で、将来のエネルギー需給の姿を一定の幅でお示しをしております。
将来の電力需要の増加要因といたしましては、データセンターや半導体工場などのDXの進展によるものや、電動車や産業部門の電化などのGXの進展によるものが想定をされておりまして、光電融合のような技術革新により省エネが進展してもなお電力需要は増加するとの見通しとなっております。
具体的には、二〇四〇年度エネルギーミックスでは、二〇四〇年度の発電電力量は一・一から一・二兆キロワットアワー程度として、二〇二三年度から一から二割程度増加するとの見通しを示しております。
二〇四〇年に向けましては、省エネに加えまして、電化や非化石転換などの需要側の対策を一体的に進めていく必要があるところ、二〇四〇年度エネルギーミックスでは、最終エネルギー消費量について、二〇二三年度の約三億キロリットルから二・六から二・七億キロリットル程度まで一割程度削減が進むと見込んでおるところでございます。
○佐原委員 ありがとうございました。
AI、半導体の省エネ貢献と電力消費量のバランスについてお伺いします。
半導体小委員会などでは、AIや高性能半導体の発展が省エネに貢献するとの指摘があります。しかし、一方でデータセンターの電力消費量の急増が懸念されています。AIや半導体技術の進展によって、具体的にどの程度の電力消費削減が可能と見込まれているのでしょうか。また、データセンターの電力消費量は、現在全体の何%を占めていて、今後の増加見通しはどうなっていますか。
○山田政府参考人 お答えいたします。
今ほど申し上げましたとおり、エネルギーミックスで将来のエネルギー需給の姿を一定の幅でお示ししているところでございますが、今ほど御指摘ございましたAIやデータセンターによる電力需要については、DXやGXの進展による電力需要増加の可能性と、光電融合、先ほどもお伝えしましたが、のような技術革新により省エネが進展する可能性の双方を踏まえる必要がございまして、具体的な水準については、将来の技術革新の影響を大きく受けるものと考えております。
このため、二〇四〇年度のエネルギーミックスでは、AIやデータセンターによる電力需要につきまして具体的な数字を示していないものの、その作成の前提となる地球環境産業技術研究機構、RITEと申しますが、このシナリオ分析におきましては、総電力需要の約一割程度との結果が示されているところでございます。
○佐原委員 ありがとうございました。
経済産業省は、省エネの更なる推進と再生可能エネルギーの拡大によって需給構造を見直し、二〇四〇年の電力需要を原発なしで賄う可能性を検討したことがありますか。もし試算があるなら、公表していただけますか。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
脱炭素電源、特に再エネ一〇〇%を目指すべきではないかという御趣旨の質問かというふうに拝聴しておりますけれども、二〇四〇年度の再エネ比率四割から五割という水準は、再エネ発電量を現状の約二倍から三倍近くに増加させる水準に相当いたしまして、十分に野心的というふうに考えております。
その上で、残りは火力と原子力で賄う必要があるのが現実でありまして、脱炭素電源を確保する観点からは、原子力の活用は不可欠と考えてございます。
○佐原委員 環境省による再生可能エネルギー導入ポテンシャルのデータでは再生可能エネルギーで賄えると捉えることができますが、エネルギー需給の検討には、他分野、他領域の方々の見識を集積し、総体的にしっかり検討いただきたいと思いますが、そのような体制はおありですか。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
二〇四〇年度のエネルギーミックスでお示ししております電力需要の見通しにつきましては、外部の六者のエネルギー環境分野のシンクタンクの方々に、前提条件をそろえた上で、技術進展を踏まえた複数パターンのシナリオ分析を依頼しておりまして、その結果を基に政府が採用した見通しはこれら複数の分析のおおむね中間的な水準となっており、妥当なものだというふうに考えてございます。
○佐原委員 先週、企業団体が柏崎刈羽原発を視察の折に、再稼働ができないと日本の原子力に暗雲という声が上がったという報道がありました。既に大きな犠牲を生み、解決策が見出せない原子力をまだ追求するということなのでしょうか。日本の原子力回帰に関しては、イギリスのガーディアン紙も、福島の原発事故から十四年、それは裏切りの行為と評しています。
新しいエネルギー技術と省エネ技術へ転換し、これからの国際的な市場で競争していくことが日本の産業にもプラスではないのかと思います。
かつて、日本人には新しい物を見せるな、見せるともっといい物をもっと安く作ると言われた時代がありました。日本人の物づくりの才能、伝統の技術、物に対する愛といったものがあるからではないか、イノベーションの才能と探求心のたまものではないかと私は思います。
ですから、省エネ、再エネで世界をリードする、覇権をするようなチャンスがあるように思うんです。大臣の御見解をお聞かせください。
○武藤国務大臣 委員からの御質問は、ある意味で、原子力という問題を、使わない方がいいんじゃないかということだろうと思いますけれども、先ほど来ずっと参考人から申し上げているとおり、今回のエネ基もそうですけれども、再エネを、これは別に全く否定はしておりませんし、再エネもフルに活用していかなきゃいけない。そして、二項対立じゃなくて、原子力というものも安全性を前提にやはり動かしていかないと、先ほど来申したように、日本のエネルギー事情からして国民の安心、安全を守れないという大前提から、今リアルにこれを作ってきているところであります。
一方で、今、いろいろな話で御批判的なことは私どもも承知していますけれども、私自身も、海外等々、いろいろ会いますと、非常に、各国から、原子力というものへの再帰の、新しい動きがまた動いているのも、これも事実であります。
これは何かというと、やはり今の生成AIですとか新しい技術が非常に電力を要してくるというところがあって、脱炭素といいますか、脱化石燃料をしながらも、再エネと、原子力という形での再利用ということを、世界的な動きで動き出してきているんだろうというのを承知しているところであります。お答えになっているか分かりませんけれども、よろしくお願いいたします。
○佐原委員 ありがとうございました。
国は時々うそをつくと思います。
私の友人の一人は、福島原発事故の後、給水車の前に、長蛇の列に子供を連れて並びました。でも、そのとき、そこは放射能のフォールアウトがあったんですね。それを彼女は非常に悔やみまして、彼女は、その怒りを、自分が政治を動かすということで、地方議員に立候補しました。正しい情報を正しく伝えるという公約の下に、彼女は当選いたしました。政治家や役人は、愛と理念と哲学を持って、国が間違った方向を目指したときには修正する努力をしていかなければならないと思うんです。
日本企業はリサイクルできる太陽光パネルも開発したという記事もございました。
日本は資源に乏しいから、国産エネルギーの原子力は不可欠だ、その確保が必要だと常に聞かされ、説明されてきました。しかし、視点を変えれば、この日本の地形、それから豊富な水量、それなども資源と考えられます。小水力発電など、自然の水流を工夫して発電できるものがあるのにもかかわらず、あえて原発ありきの政策を取り続けることは、これは将来にわたって禍根を残すような気がします。大企業のことだけではなく、ここに暮らす人々、そして子供たち、この人たち、このかわいい小さな者たちのことを考えていってほしいなと思うんです。
大臣、どうかもう一度、国民のことを考えて、将来のことを考えて、精査をするということを考えていただけないでしょうか。そのことを、最後の質問ですが、どうでしょうか。
○武藤国務大臣 決して原発ありきということではありません。先ほどから申し上げているとおり、再エネも、そして原子力も、ある意味で、もちろん原子力は安全大前提ということが先に立っておりますし、今先生がおっしゃられたような、本当に真実というものをリアルに国民にも御理解をいただきながら進めていかなきゃいけない話だと思っております。
○佐原委員 ありがとうございます。
時間となりましたのでここで終わらせていただきますが、是非とも愛と理念と哲学を持って行政に当たっていただきたい、そう思います。
今日はお疲れのところありがとうございました。失礼いたします。
○宮崎委員長 次に、辰巳孝太郎君。
○辰巳委員 日本共産党の辰巳孝太郎でございます。
ある意味エネルギーに転換することのできるメタンガスが引き続き噴出している大阪・関西万博、この会場、夢洲について聞いていきたいと思います。
まず、大臣、先日の時事通信の三月の世論調査で、この四月十三日に開幕する大阪・関西万博に行きたいかと思うかどうかを聞いたところ、思う、これが二二・〇%にとどまりました。思わないは六五・三%。つまり、行きたいより行きたくないが三倍に上っているんですね。
これは驚くべき結果だと思うんですよ。幾ら機運醸成だといって国があるいは自治体がお金をつぎ込んでも、盛り上がらない、行きたいと思わない、これが今の国民の大勢だということなんですけれども、何でこういう結果になっていると大臣自身思われますか。
○武藤国務大臣 今日の通告にはいただいていないと思いますけれども、日頃委員ともお話をしてきている中で、今感じていることは、まずは、正直に申し上げて、やっと、どういう内容のパビリオンなの、どういう事業をやっているの、何があるのというところが、告知が大分正直言って遅れて、急激に進んできているものと承知をしているところです。
売上げの方ももちろんそういう意味では伴っていない中で、あと残すところ二十日も切っちゃったわけですけれども、現在、先ほど申し上げたとおり、「ぴあ」が出たり、あるいは公式ガイドブックが出たり、大分内容が周知できるようになってきているのもこれは事実だというふうに思いますし、チケットの売り方も少しずつ変わって、いろいろなものがバリエーションで増えてきたりしておりますが、現実、そういうところの周知がまだまだし切れていない。先ほどのお話にもありましたけれども、何かお金が高いとか、そういうところも、批判的なところもあるのかもしれません。
ただ、このイベント自身は、私自身も、非常に子供たちには、期待を持って皆さんに見ていただきたいところもありますので、今後とも周知に努めていきたいというふうに思っております。
○辰巳委員 私、逆なんじゃないかなと思っておりまして、パビリオンの中身、万博の中身が分かれば分かるほど、もう行かぬでいいわという人が増えてきているんじゃないかというふうに思うんですね。
同時に、夢洲特有の問題がやはりつきまとう、これはもう最後までつきまとうんですよね。
我が党は、ごみの最終処分場である夢洲ではメタンガスの排出が止められないとして、その危険性について警鐘を鳴らし続けてまいりました。前回の質疑においても、いまだにごみが運び込まれているそういう現役のごみの処分場での大型イベントというのは、全国でもこの夢洲しかない、夢洲が初めてということであります。これを政府は認めたわけですね。その結果、去年の三月にはメタンガスが爆発する重大な事故があったわけですけれども、無論、その危険性が今も、あるいは四月十三日の開幕以降もなくなったわけではありません。今もガスは出続けているということであります。
さて、この万博会場における火気の使用、火の使用については、営業参加の飲食施設での調理は原則ガスを使用することはできないと一応規則などではされているということであります。昨年十二月十八日の当委員会における私への答弁でも、環境負荷の低減という観点から、会場全体で、調理には原則的にガスの使用はできないということになっており、IH、電気調理器の使用を条件に公募を行っていると答弁をしております。
経産省、これで間違いないですね。
○茂木政府参考人 お答え申し上げます。
昨年十二月十八日の経産委員会において私が答弁しておりますが、今委員から御指摘あったとおり、会場内の営業施設でございますが、これは、まず、環境負荷の低減という観点から、会場全体で、調理には原則的にガスの使用はできないということになっておりまして、IH、電気調理器の使用を条件に公募を行っておりますとの答弁を行っております。
○辰巳委員 続けて聞くんですけれども、とりわけこの爆発事故のあった一区では裸火が禁止されているということも記載をされているんですけれども、これもあくまで環境負荷の低減ということで裸火あるいはガスの使用というのは認められていないという、そういう認識でよろしいですか。
○茂木政府参考人 お答え申し上げます。
裸火の使用についても含めまして、環境負荷の低減という観点から、原則的にIH、電気調理器の使用を条件に公募を行っていたということでございます。
○辰巳委員 続けて確認します。つまり、あくまで環境負荷の低減ということで会場内のガスは原則的には使用できない、爆発の懸念があるからガスの利用を禁止しているわけではないということで確認したいと思います。
○茂木政府参考人 お答え申し上げます。
趣旨は私が先ほど申し上げたとおりでございます。(発言する者あり)
○宮崎委員長 ちょっと静粛にしましょうか、皆さん。
○辰巳委員 答弁していただきたいんです。あくまで環境負荷の低減ということでよろしいですね。爆発の懸念があるからということでガスの使用を禁止されているわけではない。これはしっかり答弁してください、次の質問にも関わりますから。
○茂木政府参考人 お答え申し上げます。
御趣旨のとおりでございます。
○辰巳委員 それでは聞きたいと思うんですが、万博協会は、携帯型ガス検知器を二百台、レーザー式携帯型ガス検知器を四台購入をしていますけれども、これは何のために購入したものなんでしょうか。
○茂木政府参考人 お答え申し上げます。
これは、会期中の会場におけるガス濃度を測定して、会場内の各施設において計測をするためのものでございます。会場内の各施設では、地下ピット、それから室内、あるいはメタンガスは上にたまりますので天井付近、こういったところの各施設のガス濃度を常時測定するためにこうした調達を行ったものというふうに承知をしております。
○辰巳委員 この入札の仕様書にはこう書いてあるんですよ。埋立てガスの発生する万博会場で、来場者に安心して御来場いただくために、各施設において継続的にガス濃度を計測すべく、委託業者に貸与する携帯型ガス検知器を調達するものである。今おっしゃったとおりだと思うんですね。本当にメタンのガスの心配がない、安全だというのであれば、こういう検知器を購入する必要は万博協会はないわけなんですよ。
ところが、万博協会は、本年三月のカジノに反対する団体懇談会の質問、要望への回答でこう答えています。一区におけるプロパンガスの使用については、有識者への構造等の事前確認及び運用等の助言を受け、協会及び出店事業者が、適正管理及び運用、また定期測定などに取り組むことで、プロパンガスの使用を認めている。
これは事実ですか。
○茂木政府参考人 事実でございます。
○辰巳委員 今私が読み上げたこの条件なんですが、これは、プロパンガスの使用の際、法定事項による管理運用とされているものなんでしょうか。あるいは、これはメタンガスが出続ける夢洲の特性に応じた対応ということなんでしょうか。いかがですか。
○茂木政府参考人 お答え申し上げます。
博覧会協会が御指摘の団体からの御質問に対して回答したことの報告は私ども受けておりますが、その中で出てくる確認や助言というのは法定事項ではございません。
○辰巳委員 法定事項でないものをなぜわざわざ万博協会は確認するということにしているんでしょうか。いかがですか。
○茂木政府参考人 お答え申し上げます。
最初に私答弁申し上げましたけれども、博覧会協会としては、会場内の各施設において常時ガス濃度の測定を行うということでガス検知器の調達をしました。
そして、プロパンガスを使用するに際しましては、プロパンガスの使用の際の安全を確保する観点から、換気施設がどのように設置されているか、あるいは火気を使用する位置に問題がないのかどうか、こうした点を確認する、専門家から助言をいただきながら確認をした、そういう趣旨でございます。
○辰巳委員 メタンガスというのは見えないから怖いんですよ。だからこそ、検知器を万博協会は購入をして、検査しようということをやっているんですよね。爆発をしてからでは遅いわけなんですよ。夢洲一区というのは、それは前々から様々な対応はしていたけれども、工事中の溶接のときの火花にメタンガスが引火をして大爆発を起こしてしまったわけですよね。
冒頭、原則的にはガスの使用は認めないんだ、火を認めないんだ。これは例外でむちゃくちゃ穴を空けているんですよ。例外で穴を空け過ぎているんですね。これは大臣、例外をつくっちゃ駄目ですよ。原則的に駄目だというんだったら、ガスの使用、火の使用は会場内では少なくとも禁止をしなければならないと思いますけれども、大臣、いかがお思いですか。
○武藤国務大臣 今日ずっと事務方の話を今聞いていまして、私もこの前、会場へ行って、辰巳先生から、あそこは、PW、一区というんですか、皆さんが言うのは。あそこの上が空いていたのが、それをこういうふうに直したり、いろいろやっているところも一応見てまいりました。
そういう形で、非常に気を遣っていらっしゃるというのはよく分かるんですけれども、今おっしゃったように、最初ガスは駄目だったはずじゃないかということもありますが、ある意味で、e―メタンを使ったりなんかして、新しい技術としての実証も含めてやっていらっしゃるところもあるようですから、そういうものを、来ていらっしゃる方に安心感を持っていただくという意味で今のいろいろメーター類も購入しているようでありますから、告知をしっかりしながら、機運を醸成していきたいというふうに思っているところであります。
○辰巳委員 全く安心できないから私は質問しているんですけれども。
今少しちょっと大臣もしかしたら触れていただいたかもしれませんけれども、この度、大阪ガスがメタネーション実証事業ということを万博会場で行うことを決めております。これは、会場内で出たごみと水素を反応させてメタンガスを作るというものなんですね。メタンガスが出過ぎていて困っている夢洲でわざわざメタンガスを作るという事業になっているわけなんですけれども、そして、そのガスを会場内の熱供給設備やガス厨房で利用するということがされております。しかも、それを迎賓館のガス厨房で利用する。これはホームページで記載がされております。
ガス厨房で利用するというのは、もちろん火を使うということになりますけれども、外国からの来賓をもてなす迎賓館でこういうことはやめるべきじゃないですか、大臣。いかがですか。
○茂木政府参考人 まず、大阪ガスのプレスリリースにございますガス厨房でございますけれども、これは、今委員からも御指摘があったとおり、会場内で製造するグリーン水素、それから会場内で回収されるCO2、これを合成して作られるe―メタン、これを実証で製造いたします。このe―メタンを迎賓館の厨房の調理に活用するということになります。
これはもう委員からも御指摘がありましたが、夢洲一区というのはグリーンワールド工区、グリーンワールドエリアということになります。一方で、迎賓館はパビリオンワールドの方にあります。御指摘のとおり、グリーンワールドの方はガスの対策を入念に行っております。一方で、パビリオンワールドの方は、ガスの方は一区に比べると格段に状況は違うというふうに承知しておりますが、当然こちらでも私どもとしては安全対策は万全を期しているところでありますので、迎賓館の厨房においてこうしたe―メタンを活用することにおいて問題はないというふうに考えています。
○辰巳委員 今おっしゃったように、一区は出ている、だけれども、二区だって、迎賓館のところだって出ているということをお認めになったと思います。
本年三月に大阪市立環境科学研究センターより出されたごみ埋立地からの発生するガス調査報告書というのがあるんですね。ここにはこう書いてあるんですよ。今年度メタン濃度が高かったG6は、近年は余り検出されていなかったガス抜き管である、そのほかにも今年度高かった地点で過去に高くなかった地点で見受けられた、これらのガス抜き管は、二〇二五年四月から開催を予定されている万博のために駐車場を始めとして造成が進められている区域にある。
つまり、造成をすればするほどガスの濃度が高くなっていく地域があったんだ、この駐車場というのは、万博遠足で子供たちがバスで降り立つ駐車場なんですよ。こんな危ないところ、夢洲で万博開催はやるべきじゃないということを改めて、再三にわたって申し上げて、私の質問を終わります。
以上です。ありがとうございました。
――――◇―――――
○宮崎委員長 次に、内閣提出、情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
これより趣旨の説明を聴取いたします。武藤経済産業大臣。
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情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
―――――――――――――
○武藤国務大臣 情報処理の促進に関する法律及び特別会計に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
生成AIは、我が国の産業が革新的な製品、サービスを創出し、経済成長を実現するとともに、人口減少による構造的な人手不足等の社会課題を解決するために不可欠な技術であります。また、生成AIの利活用の急速な拡大に伴う計算需要の大幅な増加に対応し、生成AIの社会実装に関する他国への依存を低減するためには、国内において、半導体、データセンター等のハードウェアと生成AI等のソフトウェアが相互に連携の上、高度化していくエコシステムを構築するとともに、生成AI等のデジタル技術の利活用促進を牽引するデジタル人材の育成を進めることが急務であります。
加えて、半導体産業は、世界需要がこの十年で大きく増大する成長産業であり、経済効果も極めて大きく、既に投資、雇用、賃上げを通じた地域経済の大きな牽引役となっております。
諸外国においては、半導体、AI産業を基幹産業とすべく、必要な財源を確保しながら大胆な支援策を展開しているところ、我が国においても半導体、AI分野の大規模な官民投資を誘発することで、その成長需要を取り込むとともに、各産業の国際競争力の強化につなげていくことが必要です。こうした状況を踏まえ、情報処理の高度化を推進するための環境の整備を図るため、本法律案を提出した次第であります。
次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
まず、情報処理の促進に関する法律の一部改正です。
第一に、指定高速情報処理用半導体の生産を安定的に行うために必要な取組について、その実施に必要な資金の出資や施設設備の現物出資、必要な資金の借入れに関する債務の保証等の支援措置を講じます。また、これらの支援措置の対象となる者は、公募により選定をし、これらの支援措置に関する業務は、独立行政法人情報処理推進機構が行います。
第二に、独立行政法人情報処理推進機構の業務に、情報処理サービス業を営む会社が大量の情報につき高速度での処理を行うことができる性能を有する設備の導入を行うために必要な資金に関する債務を保証することを追加します。
第三に、独立行政法人情報処理推進機構の業務に、情報処理に関する業務を行うために必要な専門の知識及び技能を有する者を養成し、及びその資質の向上を図ることを追加します。
第四に、政府は、令和七年度から令和十二年度まで、先端的な半導体の安定的な生産の確保等の施策に関する措置に必要な財源について、エネルギー対策特別会計の負担において、公債を発行することができるものとし、その償還等に必要な財源に充てるため、財政投融資特別会計の投資勘定から、エネルギー対策特別会計において今般創設する勘定へ繰り入れることができるものとします。
次に、特別会計に関する法律の一部改正です。
第一に、エネルギー対策特別会計に、先端半導体・人工知能関連技術対策を追加し、先端半導体・人工知能関連技術勘定を創設した上で、独立行政法人情報処理推進機構に対する出資金等の歳入歳出項目を規定します。
第二に、今般追加する対策に必要な財源に充てるため、エネルギー需給勘定及び一般会計から今般創設する勘定へ繰り入れることができるものとします。
以上が、本法律案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。
○宮崎委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
―――――――――――――
○宮崎委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。
本案審査のため、来る二十八日金曜日午前九時、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○宮崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
次回は、来る二十八日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時二十一分散会