第5号 令和8年4月22日(水曜日)
令和八年四月二十二日(水曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 工藤 彰三君
理事 井原 巧君 理事 小林 史明君
理事 新谷 正義君 理事 土田 慎君
理事 中山 展宏君 理事 山岡 達丸君
理事 東 徹君 理事 鈴木 義弘君
石川 昭政君 伊藤信太郎君
伊藤 達也君 稲葉 大輔君
上原 正裕君 鹿嶋 祐介君
加藤 大博君 こうらい啓一郎君
小森 卓郎君 今 洋佑君
斉木 武志君 白坂 亜紀君
鈴木 英敬君 鈴木 淳司君
世古万美子君 世耕 弘成君
園崎 弘道君 永田磨梨奈君
古井 康介君 細野 豪志君
松下 英樹君 丸川 珠代君
水野よしひこ君 武藤 容治君
山際大志郎君 山田 美樹君
山本 裕三君 落合 貴之君
河野 義博君 吉田 宣弘君
阿部 司君 若狹 清史君
丹野みどり君 伊藤 恵介君
牧野 俊一君 河合 道雄君
小林 修平君
…………………………………
経済産業大臣 赤澤 亮正君
内閣府大臣政務官 金子 容三君
経済産業大臣政務官 小森 卓郎君
政府参考人
(内閣官房地域未来戦略本部事務局審議官) 北尾 昌也君
政府参考人
(内閣府科学技術・イノベーション推進事務局審議官) 恒藤 晃君
政府参考人
(総務省総合通信基盤局電気通信事業部長) 吉田 恭子君
政府参考人
(外務省大臣官房審議官) 石川 誠己君
政府参考人
(財務省大臣官房審議官) 植松 利夫君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 古田 裕志君
政府参考人
(経済産業省大臣官房総括審議官) 佐々木啓介君
政府参考人
(経済産業省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官) 西川 和見君
政府参考人
(経済産業省大臣官房脱炭素成長型経済構造移行推進審議官) 伊藤 禎則君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 河野 太志君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 竹田 憲君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 西脇 修君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 今村 亘君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 畑田 浩之君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 田中 一成君
政府参考人
(経済産業省大臣官房エネルギー・地域政策統括調整官) 佐々木雅人君
政府参考人
(経済産業省経済産業政策局長) 畠山陽二郎君
政府参考人
(経済産業省経済産業政策局地方創生担当政策統括調整官)
(経済産業省イノベーション・環境局イノベーション政策統括調整官) 宮本 岩男君
政府参考人
(経済産業省通商政策局長) 荒井 勝喜君
政府参考人
(資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官) 山田 仁君
政府参考人
(資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官) 木原 晋一君
政府参考人
(資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長) 小林 大和君
政府参考人
(資源エネルギー庁資源・燃料部長) 和久田 肇君
政府参考人
(中小企業庁次長) 山本 和徳君
政府参考人
(中小企業庁経営支援部長) 山崎 琢矢君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 田島 聖一君
政府参考人
(国土交通省海事局次長) 河野 順君
経済産業委員会専門員 花島 克臣君
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委員の異動
四月二十二日
辞任 補欠選任
古井 康介君 今 洋佑君
水野よしひこ君 稲葉 大輔君
武藤 容治君 鈴木 英敬君
山際大志郎君 上原 正裕君
山田 美樹君 白坂 亜紀君
牧野 俊一君 伊藤 恵介君
河合 道雄君 小林 修平君
同日
辞任 補欠選任
稲葉 大輔君 水野よしひこ君
上原 正裕君 世古万美子君
今 洋佑君 古井 康介君
白坂 亜紀君 山田 美樹君
鈴木 英敬君 石川 昭政君
伊藤 恵介君 牧野 俊一君
小林 修平君 河合 道雄君
同日
辞任 補欠選任
石川 昭政君 武藤 容治君
世古万美子君 鹿嶋 祐介君
同日
辞任 補欠選任
鹿嶋 祐介君 加藤 大博君
同日
辞任 補欠選任
加藤 大博君 山際大志郎君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一五号)
――――◇―――――
○工藤委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、経済産業省大臣官房総括審議官佐々木啓介君外二十六名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○工藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○工藤委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。落合貴之君。
○落合委員 おはようございます。中道改革連合の落合貴之でございます。
本日は、政府提出の法案の、経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案についての審議でございます。
まず冒頭、広範囲の産業に影響を与えている中東情勢の悪化を受けた資源高等についても取り上げさせていただければと思います。
今日は、事前の質問通告は政府参考人に三問ぐらいしているんですが、念のためつけたい場合はどうぞと言ったら、済みません、十人も登録されていまして。お呼び立てしたわけではありませんので、経産省の判断で呼んでいますので、お忙しい中、ありがとうございます。
まず、残念ながら、イラン情勢の悪化というか、長引いていることで原油高等が続いてしまっています。政府は、これらの影響、国民生活ですとか事業活動への影響への調査をしっかりしているか、これから施策を打っていくでしょうから、そのための調査を始めているかどうかについて、まず大臣、いかがでしょうか。
○赤澤国務大臣 まず冒頭、委員が御配慮で必要に応じてと言ってくださったのに、どうも大臣が頼りないと思っているみたいで、十人もぞろぞろと参りましたようで、知りませんでしたが、誠に申し訳ないです。済みませんでした。
直接国民の皆様の声を聞き取っていただいた、実は、中道、立憲、公明の三党合同のイラン情勢に伴う原油高などによる影響調査をしていただいたということを承知をしておりまして、そのことにまず感謝を申し上げたいと思います。拝読させていただきました。政府の対策に対して、様々な御期待と併せて、御不安、御不満の声があるということを改めて認識させていただいた次第です。
経産省においても、中小企業、小規模事業者の方々の声を、全国約千か所の特別相談窓口や全国の地方経済産業局を通じてお聞きをしている次第です。具体的には、塗料などの建材の調達が遅れたことに伴い当面の資金繰りに苦労しているというお声や、クリーニングで使用する溶剤が値上げしたが価格転嫁ができず利益が減少しているといったような具体的な声が寄せられているところです。
また、担当大臣であります私の下に設置したタスクフォースで供給状況を総点検するとともに、関係省庁に設置された情報提供窓口、あるいは、ネットに開設をしたポータルサイトとかあるいは連絡窓口などを通じて需要家の調達状況も含めたサプライチェーンの情報を集約し、供給の固まりや目詰まりを一つ一つ確実に解消してまいりたいと取り組んでいるところでございます。
○落合委員 今大臣から言及いただきましたアンケート調査、中道改革連合と立憲民主党、公明党で合同で行いました、三月二十七から四月十三日まで。今日は資料で、五ページ分ですが、お配りをさせていただいております。
思った以上にアンケートがたくさん集まりました。これは、結果を見てみると、要は、困っているからアンケートを返そう、答えようという方々が多かったんだと思います。二週間ぐらいの間で、全国から返ってきたアンケートが何と一万二千件を超えております。業種の分類も書いてありますが、それなりにまばらに業種もアンケートが取れております。
一万二千件以上のうち個人の回答が七千三百六十六件。そのうち、物価上昇を実感していると感じているという人は、ほぼ全員、九八・二%。その中で、家計に影響を与えています、購入を控えていたり、出費するときにいろいろ考えてしまいますという人が九二・八%。これは、我々国会議員の感覚よりもアンケートの結果の方が高い数字が出ているのではないかなというふうに思います。
それから、法人の回答は五千百九十六件。原油高や原材料費高騰の影響が大きくあると答えた法人が六割近く。ややあるも含めると八割を超えます。この調査は今日の時点よりも一週間以上前の調査ですので、あれからも原油がどんどん入ってきているわけではありませんので、更にこの状況が厳しくなっている可能性も高いというふうに思います。
私の実感よりもかなり高い数字が出ているんですが、大臣、この数字、まあ、どんなアンケートも偏りは出てしまうとは思うんですが、ただ、一万二千件を超えているアンケートの数字です。大臣、そこそこ高いこの数字を見て、いかがお考えになりますでしょうか。
○赤澤国務大臣 まさに、今委員から御説明いただいたような内容が明らかになる、この三党でのアンケートをやっていただいたことに、大変大きな意義があるというふうに思います。二週間の間に一万二千件以上寄せられたということでありますし。
実際、実は私もなかなか最近地元に戻れないのですが、先週末、ちょっと戻ったんです。聞いたところ、集まった人それぞれ、こちらから聞くところもあるんですが、基本的に、やはり影響を受けていないという人はなかなかいない状況であることも肌で感じて、私はやはり、中央にいて、経産省の諸君、一生懸命やってくれていますけれども、そこから上がってくる話だけ聞いていてそういう生の声を聞かないと、ちょっとどうもこれは認識を誤るなという感じを先週末特に強く持ったところでありますので、なかなかこれは、アンケートを実際にやられた委員ほどきちっと切実に分かっているかどうかはともかく、相当国民の皆様の不安の声が強い、不安になっておられるということは、私自身の経験としてもちょっと最近実感をしたということは申し上げておきたいと思います。
○落合委員 それなりの母数ですので、このアンケートの結果とそれから対策、このアンケートを見ると、これをやった方がいいんじゃないかという対策を今練って、三党代表が官邸に届けようという形で、なかなかちょっとアポが取れないようなんですが、届けようという準備をしております。
施策は何をやるべきかなんですが、ここにどういったことをやってほしいかというアンケートも取っています。個人は、やはり分かりやすいところで、昨年やった電気代、ガス代の引下げを望みますという方々が四分の三ぐらいいらっしゃるわけです。それから、法人は、いろいろ要望が多岐にわたっていてまばらなんですが、まず、個別の声も見てみると、例えば建設業界ですと、契約した工事のその契約の後に原材料費が上がってしまっているので、しかし、もう契約しちゃったから契約金額を変えるのがなかなか難しい、したがって、コストばかりかかってしまって利益率がかなり下がってしまっていると、キャッシュフローに困ってしまっている事業者がかなりいることが分かります。
そういったことを考えますと、ある程度の金融支援、こういうときは中小企業庁もいろいろな施策を打っていますが、これは経産省としても打っていく必要があるというふうに思います。
それから、先ほど大臣も言及されました、物が入ってこなくて工事ができないということも起こっています。要は、契約したのに仕事ができない、したがって、社員に働いてもらう現場がない。こういった場合は、元々、厚労省の管轄かもしれませんが、雇用調整助成金というのが制度としてあります。こういったものの拡充も重要なのかもしれません。
それから、政府の施策として、賃上げをどんどんしていこうというふうなことをやってきました。これは、原材料高でどんどん世の中の物価が上がっているのに利益率が圧迫されることで賃上げが難しくなる、社会全体として、実質賃金が下がっていく圧力が更にかかってしまうわけでございます。
これは、残念ながら、今は平時ではない状況であり、国際情勢というのは一企業が努力しても何とかなる問題ではありません。やはりこういった状況では、緊急経済対策を国で打っていくしかない状況であるというふうに思います。大臣、この前も私は、補正予算を早めに組んだ方がいいのではないかという質問をいたしましたが、緊急経済対策、早く打っていくべきではないでしょうか。
○赤澤国務大臣 経済産業省としては、まずは、物価高対策を盛り込んだ経済対策や令和七年度補正予算を着実かつ迅速に執行するとともに、今般の中東情勢を受けて、先月十九日から緊急的な激変緩和措置を実施をし、先月二十四日には、令和七年度予備費を活用して、元々の基金残高と合わせて一兆円超の基金規模も確保をいたしました。また、事態が長期化した場合には、総理も述べられているとおり、令和八年度予算に計上されている予備費も活用可能であります。委員御案内のとおり、生活にも経済活動にも必要なガソリンなどについて、一定の手を打ってきているところであります。
その上で、電気・ガス料金については、これも何度か発信させていただいていますけれども、燃料輸入価格がそろそろ今月ぐらいから上がると思いますが、その二か月から四か月後に、その価格を参照して価格が決定されるというのが一般的であるので、まだちょっと直ちに上昇するという状況にはないという認識であります。
中小企業、小規模事業者への支援としては、既に、特別相談窓口の設置、あるいはセーフネット資金の金利引下げでありますとかコストの上昇を考慮した価格転嫁要請といったような支援を行っているところでありまして、引き続き、原油価格の動向や中東情勢が物価に与える影響をなお一層見極めながら、必要な対応をちゅうちょなく実施していくという考え方で取り組みたいと思っております。
○落合委員 この状況ですと、どう考えても、近いうちに総理が、緊急経済対策をやりますということを打ち出すというふうに思います。そのときのために、是非的確な具体的施策が打てるように、大臣から準備の指示を是非いただければというふうに思います。
では、政府参考人に伺えればと思います。
先ほど大臣からも、特定の原材料が滞っていることについて、しっかり対応を、相談窓口等々も開いていますということですが、明らかに、特に建設業界、それからクリーニング屋さんもそうですが、石油由来、原油由来の原材料、部材を使わなければならない業界の方々からは、具体的で、しかも深刻な声が寄せられています。ナフサを原料とするシンナー等ですとか塗料ですとか、あと、先ほどのクリーニング屋さんの洗剤ですか、あと、医療関係もあるかもしれません。具体的にそういう声が幅広く上がっております。
これについて、具体的にしっかり対応しているのかということと、これはこれからも残念ながらしばらくは続いていきます、更にしっかり、更なる施策をしていきますという予定なのか、確認をさせていただければと思います。
○田中政府参考人 お答え申し上げます。
原油や石油製品は、日本全体として必要な量を確保できております。その上で、委員御指摘のシンナーの川上の材料であるナフサにつきましては、少なくとも化学品全体の国内需要四か月分を確保できており、日本全体として必要となる量を確保しております。さらに、中東以外からのナフサの輸入量の増加により、川中製品の在庫使用期間を半年以上に延ばすことが可能となっております。また、シンナーにつきましても、平時と同様に国内需要量に応じた必要量を供給することができております。
一方で、一部には供給の偏りや流通の目詰まりが生じていると認識しております。
経済産業省としては、国土交通省とも連携いたしまして、シンナーを含む溶剤等関係事業者に対して改めて安定供給に係る要請を実施するとともに、建設業者団体などへの周知を実施しております。
企業へのヒアリングに加えまして、関係省庁が連携して分野横断で重要物資の供給状況を総点検するとともに、関係省庁の情報提供窓口を通じて需要家も含めたサプライチェーンの情報を集約して、今後とも供給の偏りや流通の目詰まりを一つ一つ確実に解消していきます。
○落合委員 対応はされていますが、日頃多くの方々と接している私の感覚からしますと、経産省も全部の事業者から話を聞くことはできないとは思います。どうしても大きい企業ですとか業界団体に偏ってしまう。
私の感覚ですと、世の中全体の物資が確保されていたとしても、大手は手に入ったとしても個人事業主ですとかはほとんど手に入らなくて、ほとんどのその業界の個人事業主は困っている状況です。これはなかなか施策としては難しいんですが、既にそういう状況であるということは認識の上で、どう具体的に施策を打っていけばいいかを是非考えていただければというふうに思います。
平時から何でもかんでも国が民間を支援しろというふうには私も考えませんが、今は平時ではない状況ですので、是非こここそ経産省、中小企業庁等政府が働かなきゃいけないところだと思いますので、是非しっかり状況を認識した上で施策を打っていただければと思います。
大臣に伺います。
全体的な話ではありますが、五、六年前からコロナが始まりました。その後、ウクライナ情勢の問題、それからイラン情勢、ずっといろいろな問題があちこちで、世界で起こってしまっているわけです。残念ながら、グローバルに平和な下に自由に貿易をするというのができない、それが当たり前の時代がやってきてしまっているわけでございます。今までとは認識を変えて、この不確実性の中で通商政策始め対応していかなきゃならないわけでございます。産業政策もそうであると思います。
今回何とか原油も確保したり原材料も確保できたとしても、今後何があるか分かりません。やはり、短期的な施策をまずばしっと打っていくことも重要ですが、この先こういった問題が続くことも見越して、例えば国産の再エネを、自給率を高めていくことですとか、あと、プラスして、オイルショックのときにやっていたような省エネも、同じように本腰を入れて打っていかなければならないと思います。
まだ省エネ家電等は日本はある程度強い部分がある。したがって、世界にも、今世界中で同じような問題が起きていますので、世界にも日本の技術をアピールする場があると思います。車もそうです。残念ながら電気自動車ですとかはそんなにリードしていませんが、ハイブリッド車ですとか燃料電池車も世界の中でそれなりに優位性があります。
日本の省エネ政策、これを世界にアピールというか世界に売っていく意味でも、ここでこれを機に強化していくべきであると思いますが、大臣、いかがでしょうか。
○赤澤国務大臣 委員と問題意識を完全に共有をいたします。おっしゃっていることはそのとおりだと思います。
我が国では、石油危機を契機として、官民が連携して徹底した省エネルギーの取組を一貫して推進をし、エネルギー効率は世界的にも高い水準にあることは御案内と思います。七三年、七九年の石油危機では相当省エネをやり、実際問題として、例えば、原油の消費量、絶対量でいくと、二〇二四年にはその当時と比べると半分になっています。かなり省エネの努力はしてきた。
昨年閣議決定した第七次エネルギー基本計画においても徹底した省エネの重要性は不変であるとしており、我が国が強みとしてきた省エネを更に加速、徹底していく必要があります。
御案内のとおり、夏、冬にも省エネ月間みたいなものをつくって対応しておりますし、具体的には、数千億円規模の予算を活用して、例えば事業者の皆様の省エネ設備への更新とか、あるいは、省エネ効果の高い断熱窓への改修や高効率給湯器の導入といった住宅の省エネ化に対する支援を、関係省庁とも連携し、実施しているところでもあります。
一方で、アジアのサプライチェーンの強靱化というのは、実は、アジアが日本に石油製品を供給してくれているようなところもあるので、そこも重要で、最近でいえば、高市総理が提案をしたパワー・アジア、アジアのサプライチェーンをエネルギーの面で強靱化していこう、ああいう取組の中でも、一方で、各アジア諸国に省エネの努力をしてもらうというようなことも、アジア全体としてエネルギー制約を少しでも減らしていく動きにつながると思うので、そういったあらゆることを考えながら、我が国の優れた省エネ技術もフルに活用し、国富も生む形で、引き続き徹底した省エネを促進をし、経済的発展にもつなげていきたいというふうに思います。
○落合委員 これまで以上にエネルギー分野での地域的な連携というのは重要性が高まっているというふうに思います。今までは地球の裏側からでも持ってくればいいやということでやっていたわけですが、だんだんとこの十年ぐらいで認識が変わってきました。
例えば、私も三年前ぐらいにヨーロッパにエネルギーの現状の勉強に行きましたが、ヨーロッパは、初めはヨーロッパ全体で連携してエネルギーの供給について協力してきたわけですが、最近は、北アフリカも含めて、北アフリカからは化石燃料が出ますので、そこで連携しながら、北アフリカの化石燃料でヨーロッパで水素を作ってですとか、そういう構想を投資を集めて実行し始めておりました。
それを考えると、やはり日本は、東南アジアとの連携、それからオーストラリアぐらいまで含めた、そういった連携というのはまだまだ余地がありますし、世界的にも需要があるところと連携できるわけですから、かなり可能性が残っている部分だと思います。これを機に、中東を中心に世界が、エネルギーが回ってきた状況を見直していくために、主体的に日本が政策を打っていくべきときが来ているのではないかなというふうに思います。
それから、基本的なことなんですが、やはり、そうとはいっても、石油の依存度は一気に下げることはできない。オイルショックのときからすると石油の消費量は半分になっているわけですけれども、まだ日本のエネルギーの中核を占めているわけでございます。
これは昔から言われてきたことですが、原油の調達の多角化をした方がいいと。オイルショックのときからどんどん多角化が進んできて、ただ、九〇年代ぐらいからまた中東依存度が上がってきて、戻ってきてしまったという状況であるというふうに思います。
やはり、またこれは多角化というものを施策として進めていかなきゃいけないと思いますが、大臣、いかがですか。
○赤澤国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。中東依存度を一度下げたんですけれども、ロシアへの制裁とかああいう国際情勢の変化の中でまた再度高まってきてしまい、なおかつ、一度中東依存度が高くなると、精製も中東の油の性状に合っているものに今なっているということもあったり、いろいろな、なかなかそれを脱せないような力も働きますが、きちっとやっていかなきゃいけないことは間違いありませんので。
足下の原油の代替調達については、供給余力に優れる中東や米国を始め、民間事業者と連携しながら代替調達先の確保に今も全力で取り組んでおります。現時点においては、四月に前年実績比で二割以上だったものが五月には過半の代替調達にめどがつき、そういう意味では順調と言える面があり、特に米国からは、五月に前年比約四倍まで調達が拡大する見込みであります。
こうした中で、足下だけでなく中長期にわたってエネルギー安全保障を確保する観点からも、原油の供給源の多角化は、委員御指摘のとおりで、不可欠であることは認識をしております。積極的な資源外交や資源国における開発支援を始め、原油調達の多角化を進めるために必要な措置を、あらゆる選択肢を排除せずに検討してまいりたいと考えます。
○落合委員 この十数年は、レアアース、レアアースということで、レアなものの調達をしっかりしていかなきゃいけないというふうにやってきたわけですが、残念ながら、基本的なものの調達さえも、国がしっかりと確保していかないとそれが入ってこないというような時代がやってきてしまったということであると思います。
そういった視点も踏まえて、産業競争力強化法についての質問を続けていきたいというふうに思います。
今回、この法案の表紙を見てみますと、産業競争力強化法の一部を改正する法律案という名前だけではなくて、その前置きがあります。これは、「経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための」ということをわざわざつけているわけで、やはり今までの産業競争力の強化だけでは産業競争力を強化できないという認識があるのであるというふうに思います。
この経済社会情勢の変化というのは何なのかというと、大きく考えると二つあるかなというふうに思います。
まず一つ目は、次回の私の質問でその分野は取り上げますが、地方の経済。今回の産業競争力強化法の中で、エッセンシャルワークの維持をどうやってサポートしていくかというようなことも書かれていますが、人口減少の結果、基本的な仕事さえも地方で維持できなくなりつつある、それをしっかり維持できるように施策を打っていくというようなことが今回書かれて、施策が打たれようとしております。
それからもう一つは、今回の原油高等を見て分かるように、国際経済の状況が変わってきたなというところがあるというふうに思います。四十年近く前に冷戦が終わったときは、これからは経済のグローバル化だ、人、物、金を障壁なくどこでも活用できるような経済をつくっていくことが富の拡大につながっていくということで、企業活動も、それから国の経済施策も、それを前提として日本も施策を打ってきたわけでございます。
しかし、振り返ってみると、リーマン・ショック以降ぐらいでしょうか、グローバル化のひずみってあるよねということが言われ始めてまいりました。格差が拡大してしまう、お金がグローバルにボーダーレスに動いてしまうので、一か所にお金がだあっと集まってしまう。それから、人の移動も自由化したので、二〇〇〇年代半ばぐらいからは移民問題が出てきました。それから、今回の紛争の頻発による物の移動も制約が出てきた。
結局、グローバル経済をつくろうとしたわけですが、世界を全部ボーダーレスにつなげてしまったことで、地球の裏側の問題も各地域に影響を及ぼすようになってしまった。これはある程度、日本の経済の健全な発展を考えていく上では、グローバル化を一〇〇%礼賛して、世界とボーダーレスにつながるということを前提とした施策では日本の産業は強くすることができない、そういった観点から、今回のいろいろな産業競争力の強化法の改正が検討され法案になったというような認識で、大臣、よろしいでしょうか、ちょっと抽象的ですが。
○赤澤国務大臣 今委員がおっしゃったようなこと、傾聴に値するということで、大変興味深く聞かせていただきました。
なかなか、大きな経済の流れとかいうことというのは、定説というか、全員がそれでそのとおりだということにならないとは思うんですが、少しメッシュを細かくすると、委員がまさにおっしゃったように、人口減少の結果、地方ではエッセンシャルサービスの担い手がおらず大変な人手不足になっている。まさに事実で、克服しなければいけない課題であります。
また、一方で、グローバル経済、あるいは新自由主義と言われるような動きだと思いますが、それに伴う問題が生じているじゃないかというのも御指摘のとおりです。
特に私が気になっているのは、やはり特定国がレアアースとかを支配をして、それを経済的威圧に使うみたいなことというのは、我が国、あるいは米国もそうですけれども、基幹産業が大変な影響を受けて経済が立ち行かなくなりかねないような面を持っていることは確かでありまして、そういうことを本当に考えながら、やはり、じゃあ何かといえば、私どもとしては、結局、産業競争力を今まで以上に強化をする、経済安全保障の観点も含めて、やはり自律性、不可欠性といったようなものは確保していかないと駄目だなという感を極めて強くしたということがあります。
そういう前提の中で、本法案においては、国内投資の促進により、事業の高付加価値化を後押しするための諸外国と比べて遜色のない大胆な投資促進税制であるとか、海外需要開拓や安定的な原材料確保を通じた供給網の強靱化、そして、事業活動の基盤となる産業用地の整備や担い手の確保に資する生活維持に必要なサービスの持続性確保などを一体的に措置することで、これら非常に困難な課題を抱える我が国において、企業の事業活動の持続的な発展を図っていけるだけの産業競争力の強化、これを成し遂げたいという思いで取り組んでいるところでございます。
○落合委員 もう一つ、グローバル化しても日本の経済もそして国民生活もそんなによくならなかったし、むしろ、もしかしたら悪化したかもしれないという例を挙げさせていただければと思います。
お配りしている資料の一番最後にグラフをつけております。私、このグラフは、遡って調べたら、七年前ぐらいから使っているんですが、今、政府の審議会等でもこのグラフが使われるようになってきました。
これは、日本の産業政策は果たして成功したのかということなんですが、結局、グローバル化に対応するということで、金融はある程度グローバル化に対応したというふうに思いますが、売上げが横ばいなのに経常利益が四・五倍になったということは、ほかの部分で節約したところがあるわけです。売上げよりか下にあるのが二つ、従業員平均給与と設備投資です。設備投資が一番上がっていないというか、この三十年近くでむしろ金額は下がってしまっている。
設備投資を増やすことこそ経産省の仕事であったのに、下がってしまっているんです。残念ながら、経産省の産業政策、反省しなきゃいけない点があると思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○赤澤国務大臣 これまでの日本経済を振り返ると、人口減少に伴う将来悲観やデフレマインドの広がりを背景に、企業は短期的な収益確保、コストカットを優先するようになったことで、国内投資が諸外国に大きく後れを取ってきたというふうに認識をしております。委員御指摘のとおりだと思います。
政府も、市場に任せるべきという新自由主義的な考え方の下、新たな価値創出に向けた取組が少なくとも結果的に不十分であったというふうに認識をしております。
一方、地政学リスクの高まりや技術革新の進展など、世界を取り巻く情勢変化の中で、産業政策の成否が国力を左右するという世界に今はもうなっていると思います。
こうした認識の下、本法案では、国内投資の促進による事業の高付加価値化、海外需要開拓や安定的な原材料の確保を通じた供給網の強靱化、また、事業活動の基盤となる産業用地の整備や産業の担い手の確保に資する生活基盤の維持を一体的に措置をすることで、産業競争力の一層の強化、これを実現していきたいというふうに思っています。
○落合委員 端的に伺いますが、このグラフを見て分かるように、設備投資額だけ上がっていないというか、下がっているわけです。したがって、経産省の施策に間違いがあったというような認識でよろしいですか。
○赤澤国務大臣 設備投資額に影響するのは、経産省の施策だけではないと思います。
一政治家として私の反省があるのは、例えば税でいうと、これは国際的に法人税の引下げ競争がありました。その中で、我が国もそれに乗って下げたときに、やはり、経済界との対話の中では、法人税を引き下げてくれれば、諸外国並みにしてくれれば設備投資もやります、人件費も上げますという流れがあった。それに、そういう言い方がいいのか、党の税調も乗っかったわけであります。
そんな中で起きたことは、法人税を下げたら、なかなか期待した結果になっていないということは、例えば党の税調の大綱の中にも書き込まれていることであって、今はもう法人税引下げ競争というのは一段落をして、新たな流れができています。
そういう意味では、委員の御指摘は本当に深く受け止めますが、何か経産省の施策の誤りがあったからそうなったというような認識かと言われれば、私は、それ以上に、ほかの部分で政治家として責任を感じます。
○落合委員 私としては、経産省はもっとやるべきことがあったのではないかなと。
その反省を基に、今回の産業競争力強化法の法改正の部分も、まあ、ある程度反省しているんだなということが分かる部分があります。
ちょっと私の時間配分があれで、もう時間が来始めちゃっているわけですが、まず、今おっしゃっていた税金関係ですけれども、今回、事業の高付加価値化のために設備投資を促進しようということで、大規模な投資促進税制が規定されています。要は、法人税全体を下げるのではなくて、投資したら法人税をおまけ、おまけというか考えますよというようなことであります。
これも、今までの投資促進税制が不十分だったという認識があってこういったことをやると思うんですが、これは今までの投資促進税制と何が違うのか、政府参考人からお願いします。
○畠山政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘の大胆な投資促進税制でございますけれども、欧米各国の投資支援策の強化ですとか米国関税の影響を受けた設備投資の手控え、あるいは産業の海外流出、こういったものを防いで、二〇四〇年度に二百兆円という官民の国内投資目標の達成に向けて、大規模で高付加価値な国内投資を促進したいということで盛り込んでいるものでございます。
こうした観点から、この税制では、投資収益率一五%以上の高付加価値な投資であり、大企業三十五億円、中小企業五億円の投資下限額を満たす大胆な設備投資を対象としてございます。
この税制の特徴でございますけれども、これまでの違いという御指摘もありましたけれども、まさに建物を含む幅広い設備投資に対して即時償却又は高い税額控除の選択が可能であること、それから二つ目に、三年の間に投資計画の確認を受ければ、そこから五年を経過する日までの間に事業の用に供されれば税制優遇措置を受けられること、そして三つ目に、認定を受けた事業者に対して最大三年間の繰越税額控除を認めていること、こういったことが大きな特徴になっていると思います。
大規模で高付加価値な設備投資に対して、相当強力なインセンティブを付与することとしてございます。
○落合委員 これに関連して、財務省にお越しいただいているので、あと一問だけ伺えればと思います。
即時償却の話が出ました。そもそも、減価償却について、いろいろな企業や業界から、減価償却の償却期間が実態とずれているんじゃないかというような話をよく聞きます。例えば、ソフトウェアの減価償却期間と実際の更新が、実際の更新の方がもっと早くやる、だからもっと短くするべきじゃないかという話が出てきています。これは、実態と合っていないとどうなるかというと、減価償却期間がまだ残っているから設備の更新をもうちょっと待とうかなという話になってしまうわけでございます。
減価償却期間のずれ、これはしっかり直していくべきであるということと、経済的な効果を考えると、実際よりもちょっと短くしてもいいんじゃないかと思うんですが、財務省、いかがですか。
○植松政府参考人 お答えいたします。
減価償却資産の耐用年数につきましては、それぞれの資産について、その使用実態を踏まえているかということに加えまして、費用配分の期間として適切かなどの観点から定めているところでございます。これまでも、必要に応じ、見直しを行ってきているところでございます。
耐用年数の在り方につきましては、まずは所管省庁等におきまして、その使用実態等を適切に把握した上で、どのような対応が必要かを検討していく必要があるものと考えております。
○落合委員 更新頻度が高まっている業界については、先を見越して短くするということも施策としてはあり得ると思いますので、是非御検討いただければと思います。
では、今回は終わりにします。ありがとうございました。
○工藤委員長 次に、吉田宣弘君。
○吉田(宣)委員 おはようございます。中道の吉田宣弘でございます。
今、落合委員の質疑を聞いておりまして、非常に共感するところ多々でございました。私も、赤澤大臣の答弁も非常に充実したもので、感謝申し上げたいと思います。私自身もこれに倣って充実審議に努めていきたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
それでは、本法改正のまず背景について今日はお聞きをいたします。かなりちょっと大ざっぱな聞き方になりますが、お許しいただければと思います。
言うまでもなく、米国トランプ大統領の関税政策には、世界各国がその対応に追われて、また、今でも追われているのかもしれないなというふうに感じています。まさに赤澤大臣は、この始まりのときから終始一貫して、今でもこの対応に当たっておられます。日本の国益を守るべく激しい交渉に当たっていただき、そして、私自身、大臣の取組が成果を上げてこられたと心から感謝を申し上げたいと思っております。引き続きよろしくお願いしたいところでございます。
そこで、まず、国民の皆様の素朴な思いとして、かなり大ざっぱですけれども質問いたしますが、昨年来、赤澤大臣の御活躍もあり、トランプ関税については、何とか国内産業を守ることができたんだろうというふうに私は評価しております。ただ、激しいディールの結果だと思いますが、日本から米国への八十兆円にも上る投資がお約束をされたということです。
そこで、大ざっぱな聞き方で本当に繰り返し恐縮ですが、この日本から米国への投資、これは米国の関税率を引き下げるための交渉材料であったという認識でよろしいかどうか、大臣にお答えいただければと思います。
○赤澤国務大臣 米国との関税協議は、両国とも国益を懸けたぎりぎりの交渉といいますかやり取りを経て、昨年の七月に米国と合意に至り、九月には、実際に日本への関税率を引き下げる大統領令が発表をされました。
日米間の合意により、我が国は、自らの関税は一切引き下げることなく合意に至った数少ない国、唯一かどうかはちょっと確認があれですけれども、ほとんどないということです。そういう意味では針の穴を通すような交渉だったと思うんですが、我が国に毎年五兆円超課されるはずであった関税を二兆円超削減をいたしました。
ということで、これはやはり、二点申し上げておきたいのは、一つは、これがないと、我が国の基幹産業である自動車産業の中で、複数の大手メーカーが年間利益がなくなるということで、非常に経営に大きな打撃があったろうということが回避をできたということと、あと、五兆円超のまま課されると、我が国経済に与える影響がリーマン・ショックやコロナを超える感じになるので、そこは本当に大打撃になっていたところを何とか回避したということであります。
戦略的投資イニシアチブは、この日米間の合意の中核を成すものであります。おっしゃった八十兆円というものの、原文では五千五百億ドルの投資ということでありますが、これは日本企業の売上げ増加やビジネス拡大に貢献するものであり、日米がお互いを特別なパートナーと認めて、共に利益を得られる取組であるというふうに考えております。
だからこそ、ただ関税を課されるというのは我々日本として受入れ不能ですけれども、この投資イニシアチブの形なら相互利益の促進になるので受け入れるという方向にちょっと米国の発想を変えてもらって、合意に至ったということです。
なので、日米間の合意の着実な実施を通じて、日米の相互利益の促進、経済安全保障の確保、経済成長の促進を実現してまいりたいと思っております。
〔委員長退席、土田委員長代理着席〕
○吉田(宣)委員 ありがとうございます。
今の大臣の答弁は非常に重要でございまして、こちら側も何かネガティブな印象だけを持ってはいけないんだと思うんですね。関税を課されるのは確かにつらい、けれども、相互共存、相互でウィン・ウィンの関係になるために、大臣の認識というのを私どももしっかり共有をして、ある意味、ネガティブなマインドというものではなく、それを超えてこちらがマインドセットしていかなければいけないんだろうというふうに思ってお聞きをさせていただきました。
その上で、例えば、大臣も今お話をしていただきましたが、現在、自動車の対米関税率は一五%ということでございまして、これは、日本の自動車を米国に輸出する際に価格に一五%関税が課せられてしまいますから、販売価格もその分高く設定しなければならない、普通に考えればそうなります。ただ、それだけ価格競争が不利になるという側面もあります。
その上で、低く抑える一方で八十兆の米国への投資ということでございますけれども、報道などからいろいろと知りましたけれども、この八十兆円の投資のうち、人工ダイヤモンドに関するもの、AIデータセンター向けの火力発電所建設、それから原油輸入プロジェクトなどが発表されて、これでまず第一弾というふうにお聞きをしております。そしてさらに、SMR、これは小型モジュール炉ですね、次世代革新炉の建設、それからペンシルベニア州の天然ガス発電施設の建設、またテキサス州の天然ガス発電施設の建設が追加になったということでございます。
第一弾では五・六兆円にも上る案件ということで、第二弾についてはまだこれからということなんでしょうけれども、私は、恐らく八十兆円まではまだ遠く遠く及んでいないんだろうというふうに感じております。
そこで、これは政府参考人にお聞きをいたしますが、これ以降の投資案件がどの程度進んでいるかについてお聞かせいただければと思います。
○荒井政府参考人 お答えさせていただきます。
委員御指摘の第三陣以降のプロジェクトでございますけれども、これは、三月十九日、高市総理の訪米時でございますが、その際に日米両政府が発出いたしました日米間の戦略的投資に関する共同発表、ここに記載されております。SMR、大型原子炉及び日本への輸出増加のための原油インフラ、これらを含みます、重要かつ有望なプロジェクトについて考慮すべく、了解覚書に沿って協議委員会プロセスを進めることを期待する、そういう状況でございます。この発表を踏まえまして、今後日米間で議論を進めていく予定でございます。
こうしたエネルギー関連のプロジェクトにつきましては、日米がエネルギーの安定供給に共に取り組んでいく、このことは、現下の中東情勢に照らしましても、また、国際的な電力需要が急激に増大する中でも非常に重要と考えてございます。
いずれにいたしましても、収支相償、償還確実性、日本企業への裨益といったことを前提に、日米両政府でしっかり協議してまいりたいと思ってございます。
以上です。
○吉田(宣)委員 ありがとうございます。
エネルギー政策は、米国と共同して進めるということは非常に有意義でもございますし、このようなイラン情勢の事態を受けて備えておくということは当然今後の取組では必要になってくるんだと思いますので、引き続きよろしくお願いしたいと思います。
その上で、今改正案にありますNEXIについてお聞きをしたいと思います。
本改正案では、日本国政府と日本国以外の国の政府との間の取決めとして経済産業大臣が定める取決めに係るものを特定引受業務として新設をする、そして当該業務に関する所要の規定を整備するというふうにされています。特定引受業務の経理について特別勘定を設けて整理するものとし、特別勘定の健全性の確保等のための国債の交付等に係る措置を講ずるとされております。予算規模としてお聞きしているのは、ここに言う国債というのは交付国債であり、その発行額は三兆円、そのうち、先日成立した令和八年度本予算においては一兆七千八百億が計上されているとお聞きをしております。
そもそも、このNEXIは、対外取引において生ずる通常の保険によって救済することができないリスクがある危険を保険する事業であるとお聞きをしております。
そこで、この貿易保険法を改正するに当たって、戦略的政策イニシアチブのプロジェクトはリスクが高く、民間金融機関だけでは対応できないからではないのかなというふうに私は感じているんですけれども、改めて今回の法改正の目的について大臣からお聞かせいただければと思います。
○赤澤国務大臣 まず、前提として、戦略的投資イニシアチブでは、了解覚書に基づき、日米両政府の協議委員会における協議を通じて、収支相償、償還確実性、あるいは日本への裨益、メリットですね、などについてしっかりと精査を行うため、個々のプロジェクトについては十分な採算性を確保した上で進めていく仕組みとなっております。
ただし、民間金融機関による対応が期待される金額は相応の規模になります。そのため、民間金融機関による融資の意思決定を後押しするためにNEXIの役割が不可欠だと思っています。
今回の貿易保険法改正は、投資イニシアチブを進める上で、NEXIが求められる役割を確実に果たされるように、所要の措置を講じることを目的としております。具体的には、NEXIのこれまでやってきた業務の延長線上ではもちろんあるんです、同じ考え方でやりますが、ただ、これまでの業務に比して規模の大きな保険引受けが求められることになります。民間金融機関が安心してNEXIを利用できるよう、NEXIの財務基盤を強化し、保険金支払いの資金確保に万全を期すために交付国債の措置を講ずるとともに、NEXIのこれまでやってきた業務、米国以外の、これに影響を与えることがないように、通常の業務とは区分して経理を行うといった措置を講じることを目的としたものでございます。
〔土田委員長代理退席、委員長着席〕
○吉田(宣)委員 御説明ありがとうございます。
様々な事情の下、私は必要な措置なんだろうというふうに認識をしているところでございます。
ところで、まだ、当然ですけれども、この改正案は成立をしていないわけですね。今審議中でございます。しかし、さきの六案件ですけれども、これは法改正が行われる前の案件というふうなことになるんですね。
そこでお聞きしたいのは、これは確認ですけれども、これら六案件は、本法案が改正された後に、成立した法律が遡及的に適用を受けることができるのかどうかについて、政府参考人の方から答弁いただければと思います。
○荒井政府参考人 お答えさせていただきます。
委員御指摘がございました、既に投資決定に至っております戦略的投資イニシアチブの第一陣プロジェクト、三件ございますが、これにつきましては、令和七年度補正予算におきましてNEXIに対して行われました一千億円の政府出資の措置、これを受けまして、現行の貿易保険上でありましても保険の引受けをできる状況を整えてございます。
その上で、さらに、今回の貿易保険法改正におきまして、今後の本イニシアチブの着実な実施に向けまして、保険の引受業務を特定引受業務とする、この業務を経理する特別勘定をNEXIに設け、政府が交付国債を発行し、NEXIに交付することができるといった措置を盛り込んでいるところでございます。
委員御指摘の遡及適用につきましては、NEXIが法律の施行日より前に引き受ける本イニシアチブのプロジェクトに係る保険につきましては、もしそうしたものがございましたら、特別勘定で経理することができるように、必要な経過措置を盛り込んでいるところでございます。
○吉田(宣)委員 念のための確認でございました。できるということでございます。
その上で、これはまた大臣にお聞きをいたしますけれども、本改正案が成立をしてNEXIが利用されれば、これから先の案件も、適用される案件について万が一失敗をするという事態になれば、その分国民負担ということになってしまうわけですね。したがって、私は、この戦略的投資イニシアチブというのは絶対失敗させられない、何が何でも成功しなければいけないというふうに思っております。
そういった意味におきまして、重ねてではございますが、この戦略的投資イニシアチブにおけるプロジェクト、これは必ず成功させるんだという大臣の決意をお聞かせいただければと思います。
○赤澤国務大臣 日米間の関税協議の結果、戦略的投資イニシアチブによって、日米両国が双方を特別なパートナーとして認め合い、共に発展する、極めて強いきずなを新たに確立し、ウィン・ウィンの流れをつくることができたと私は確信をしておりまして、日米の新たな黄金時代が始まったという認識でおります。
本イニシアチブのプロジェクトが成功すれば、日米の相互利益の促進、それから日米による強靱なサプライチェーン構築を通じた経済安全保障の確保、中小企業を含む日本企業の製品の売上げ増加を通じた経済成長の促進といった我が国への大きなメリットも見込まれるため、全てのプロジェクトを必ず成功させることが不可欠であると思っています。
この点は私が思っているだけではなくて、ラトニック商務長官とはいつも、この関係の話をするときはもう合い言葉のように、この日米投資イニシアチブで日米のいかなる企業も絶対に損をしないようにやっていこうということで、案件を選ぶときには、わざわざ彼から、例えばその案件はちょっとリスクが高いかもしらぬからこっちにしようとか、そういうような議論を本当に繰り返してきているところでありまして。
これは何かやはり一部誤解があるようなんですが、何か日本が米国からむしられているみたいな意識で取られて、八十兆円自腹で払えとか、最近は円安も加味して八十六兆円自腹で払えというようなのがSNSで時々来ますが、そういうものでは断じてないということで、引き続き、日米間で緊密に連携し、全てのプロジェクトを必ず成功させるべく、日米でよく協議をした上で全力で取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○吉田(宣)委員 大臣、是非これからも御努力をお願いしたいと思います。
その上で、私、先日の経済産業委員会で、国内投資の近年の伸びについて客観的な数字だけ質問をさせていただいたところでございます。今、投資は正直伸びているというふうにお聞きしていますから、これを粘り強く続けていくことが重要であるというふうに指摘もさせていただきました。
今、米国への投資の話をお聞きしたのですけれども、正直、複雑な気持ちも一方であるんですね。これは、率直に私の気持ちを申し上げれば、アメリカに投資をするよりも、是非国内に投資をしてほしいな、日本国への投資を優先してほしいなという気持ちが正直ございます。
この点、昨年の十一月十日に開かれた第一回日本成長戦略会議の資料の中に、実質投資額は名目投資額と比べて伸びが鈍く、また、国内設備投資の伸びは海外設備投資の伸びと比べると限定的であるとの指摘があります。
では、経済産業省としてこうした国内投資の現状についてどのように分析をしておられるかについて、これは政府参考人から御答弁いただければと思います。
○竹田政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘いただきましたとおり、国内投資につきましては、名目設備投資と比べて実質設備投資の伸びが鈍く、海外設備投資と比べて国内投資の伸びが限定的と見ているところでございます。
こうした状況は、人口減少に伴う将来悲観やデフレマインドの広がりを背景に、企業が短期的な収益確保、コストカットを優先するようになったことが一因となって生じたものと認識してございます。
そのため、高市内閣における成長戦略の肝であります危機管理投資、成長投資を通じて、国内投資の更なる拡大を推進していくことが重要と考えているところでございます。
○吉田(宣)委員 コストカット型のマインドというものの転換がその時点でまだ図られていないんだろうというふうなことも感じますし、やはり粘り強くマインドを変えていくことが非常に重要なんだろうというふうに思いますので、経産省にはその御努力をよろしくお願いしたいと思います。
その上で、国内設備投資には工業用地の確保というのが欠かせません。私の地元の熊本は、TSMCというのが進出をしてきたおかげでかなり工業用地の開発が進んで、多くの企業が来ていただいてにぎわっている状況でございますけれども、ただ、そういったチャンスがあったからそういうふうになっているわけであって、普通の状態で、地方からしてみると、これはやはり財政力がどうしても関わってくるんですね、地方の。
工業用地を造成する余力がない自治体というのは私はたくさん存在しているんだろうというふうに思っています。全て自由競争、全て自治体に任せて、財政力の違いにより、放っておけば、私は、その地域の工業用地というのはいつまでたってもできずに、格差ばかり広がってしまうということになりかねないんだというふうに思っています。
この点、本改正案では産業用地等の産業基盤の整備が盛り込まれていますけれども、政府は地方公共団体間の財政力の差によって誘致活動にどのような影響が生じていると認識をしているのか。また、本改正案によって固定資産税減免に伴う減収補填措置が拡充されるということで、その影響がどのように緩和をされると見込んでおられるのかについて、これもまた政府参考人からお示しいただければと思います。
○宮本政府参考人 お答え申し上げます。
一般的に、自治体が企業を誘致する上では、産業用地を整備するためのノウハウや資金の不足といった課題がありまして、今般の法改正で、中小機構による自治体向けの助言業務や低利融資などを新たに創設することとしています。
その上で、自治体において、立地企業に対する税制優遇措置や補助金等の支援策を通じ企業誘致の取組が行われる場合もございますけれども、これらはその支援規模が自治体の財政力によって大きく影響されるため、財政力の低い自治体は相対的に実施可能な取組の選択肢が限定されるおそれがあるというふうに認識しております。
このため、現行法では財政力の低い自治体が行う土地、建物に対する地方税の減免による減収への補填を行う措置を講じているところでございますけれども、今回の法改正におきましても、この減収補填措置の対象を機械装置にも拡充することとしておりまして、財政力の低い自治体における企業誘致の取組の幅を更に広げるということとしております。こうした取組によりまして、国内のポテンシャルのある地域での成長投資が更に一層促進されるものと考えております。
○吉田(宣)委員 その上で、今度は本法案の効果についてちょっとお聞きをしたいんですけれども、令和八年度税制改正大綱によれば、本税制では平年度の減収額が四千百億円に上ると見込まれているとのことでございます。しかし、これは、この税制をやって四千百億減収となって、そして、かえって、四千百億しか返ってこないということになれば余りやる意味はないわけでありまして、行って帰って差引きゼロということではいけないと思うんですね。
そこで、本改正案によって減収額以上の投資効果を生み出さなければならないと私は考えますけれども、本改正案ではどのように対応していこうとしているのかについて、これも政府参考人からお聞かせいただければと思います。
○畠山政府参考人 お答え申し上げます。
この大胆な投資促進税制でございますけれども、大規模かつ高付加価値である大胆な設備投資を促進する観点から、大企業三十五億円、中小企業五億円という投資下限額に加えまして、投資利益率一五%以上であることという要件を設定しているところでございます。
年間約四兆円の設備投資がこの税制の適用対象となると見込んでおりますけれども、高付加価値な設備投資の拡大に伴いまして、それに伴う関連産業の需要拡大ですとか、あるいは、企業の生産性が向上することによる持続的な賃上げの原資の確保など、幅広い効果が見込まれるというふうに考えてございます。
その上で、EBPMの観点からは、税制の政策の効果検証を行うことも重要であるというふうに考えております。大胆な投資促進税制につきましては、産業競争力強化法改正案の中で、新たに設備投資の状況に関する調査の規定を設けまして、投資金額や投資収益性の実績などを事後的にも検証を行うことを予定してございます。本税制が企業の国内投資の増加などにどの程度寄与するかについてもしっかりと把握、検証していきたい、このように考えてございます。
○吉田(宣)委員 ありがとうございます。
話を少し最近のテーマに変えさせて、私もイラン情勢に基づく質問に入らせていただければと思います。
報道によると、イランのアラグチ外相は十七日、Xへの投稿で、イスラエルとレバノンの停戦が実現したことを踏まえて、残りの停戦期間はホルムズ海峡を完全に開放すると宣言したとお聞きをしました。その瞬間、すごく私はうれしかったわけでございますが、その直後に、イラン革命防衛軍が、いやいや、そうじゃなくて、海峡の閉鎖は継続するぞという情報も入ってきて、非常に混乱を来しているかなという気がしております。
開戦からやがて二か月が経過しようとしておりますけれども、日本船籍や日本関係船籍及び邦人の現在の状況はどうなっているのか、国民の皆様も心配されていることと存じますので、国土交通省から答弁をお願いします。
○河野(順)政府参考人 お答え申し上げます。
ペルシャ湾内の日本関係船舶は四十二隻であり、その四十二隻の乗組員数は千人以上であると報告を受けております。
また、本日八時の状況としまして、ペルシャ湾内の日本関係船舶における日本人乗組員は、新たに四人が下船したことに伴い、十六人であると報告を受けております。この下船した四名の日本人乗組員の健康状態に問題はないと報告を受けております。
国土交通省としましては、日本関係船舶に対し、各運航会社を通じて毎日安否確認を実施しておりますが、各船員共に無事であるほか、水、食料、燃料などの必要物資につきましては必要に応じて現地において補給がなされるなど、現在までに特段の問題には至っていないと報告を受けております。
いずれにしましても、日本関係船舶、とりわけ船員の安全の確保は最重要であり、国土交通省として、情報収集を徹底し、関係者への情報提供を丁寧に行うとともに、外務省を始めとする関係省庁とも緊密に連携してまいります。
○吉田(宣)委員 是非それも継続をお願いしたく存じます。
今回発生している事象は、今後の備えへの教訓にしていかなければならないんだろうというふうに思います。
そのために、少しまた国土交通省に確認をさせていただきますけれども、日本は資源が少ない国ですけれども、資源だけでなく、食料も多く海外に依存しております。その食料もコンテナ船を用いた海上輸送で輸入しているケースも多いのではないかというふうに思いますが、そこで、輸送の実態をお聞きしたいんですね。
といいますのも、私も正直素人でございまして、どんなふうにして船が日本にやってきて、そして、やってくるためには燃料が要るわけですけれども、元々、出港した港で燃料を積んで、日本に来て荷を降ろして、そしてそのまま帰るのか、それとも、出港するときに燃料を補給して、来て、またさらに日本で今度は燃料を補給して帰るのかというふうなことが実はよく分かっていなくて、すなわち、日本に寄港するコンテナ船の燃料の補給、そういったものについてどのような実態になっているのかについて、ちょっと教えていただければと思います。
○河野(順)政府参考人 お答え申し上げます。
コンテナ船の給油につきましては、それぞれの船舶の状況に応じまして各運航会社において判断されるものですけれども、一般論として申し上げれば、外航コンテナ船は、世界各地の寄港地において、必要に応じて燃料の補給を行っていると承知しております。
日本に寄港するコンテナ船につきましては、日本において燃料を補給する場合もありますけれども、補給しない場合もあると承知しております。
○吉田(宣)委員 あちこちの港を巡りながら、補給するときもあれば補給しないときもあるし、別の港で補給することもあるしというふうなことなんだなというふうにお聞きをしました。
私がなぜこんな質問をしたかというと、やはり、エネルギーというもの、そして原油が日本に入ってこないという事態が長期間継続すると、日本に物を運びたくても日本で給油できなければ運びようがないというか、来られないということを意味していて、それが食料であれば、日本の食料自給率はもう皆様御存じのとおりカロリーベースで三八%ぐらいしかありませんから、残りは全部海外に依存しているということであれば、こういうふうなことになってしまうと、日本は即効飢えかねないというふうな素朴な怖さがあったからでございます。ありがとうございました。
その上で、先日、私、本会議で登壇させていただきましたが、人工透析排液を管理する容器というものが七割方タイから輸入をされていて、タイにその容器を作るためのナフサが今月、もうもしかすると止まっているのかもしれません、もう入ってこないというふうな事態があり、とすれば、タイから輸入していた排液を管理するための容器というものが日本に届かなく、透析患者の治療に支障を来すというふうな質問もちょっとさせていただいて、これは実は厚労大臣から本会議では答弁いただいたところでございますが、そういうようなこともさせていただきました。
また、ほかにも、ヘリウムというものがあって、これもかなり中東から入っているようでございますが、ヘリウムは、MRI、すなわち医療ですね、診察するためのMRIを動かすための素材なわけですけれども、これがないと検査ができない、検査ができないと診断ができない、診断ができないと治療ができないということになってしまう。ヘリウムも、医療を継続するためには不可欠な素材であるということであります。
四月二日付のロイター通信によると、日本はヘリウムを全量輸入で調達しているけれども、昨年は、中東のカタールから三七・三%、米国から五九・八%輸入したと。今般の事態を受けて、経産省の御努力もあり、米国からカタール分も確保する見通しになったということでございまして、経産省には本当に心から感謝を申し上げたいと思います。
また、ただ、このヘリウムは実は半導体の生産や溶接、製造や設備の微少な漏れを高感度で検出するために使われているということでございまして、カタールは世界へのヘリウム供給の三分の一を占めていると。日本は何とか確保したけれども、ほかの国はどうなのかということで、半導体サプライチェーンの観点から考えると、韓国や台湾にこのヘリウムが入っていないという状況になれば、サプライチェーン全体ではこの半導体の流通について途絶するんじゃないかという危機感も感じるということでございます。
ほかにも、私も今回初めて知ったんですけれども、トラックのディーゼル車を動かすために尿素水というのが必要だというふうにお聞きをしました。この尿素についてもかなり中東から入れているというふうなことをお聞きしておりまして、先日、十六日の日に赤澤大臣も御自身で鳥取県の平井知事から御要望を承ったというふうなこともお聞きをしております。尿素がなければ物流が停止するということで、日本経済は打撃を受けることは間違いない。
さらに、尿素、リン酸、塩化カリウムなどは化学肥料の原料であって、農業にも非常に影響をする、これも中東からかなり入っているということでございまして。
私の拙いいろいろなことを調べ物をした中で、このくらいぱっと出てくるわけですけれども、こういうことというのは、非常に、私は、今回の件を受けて、正確にサプライチェーンの森羅万象全てを何か調査して全て分かっておけというのはなかなか難しいとは思うのですけれども、できる限り可能な分野でシナリオシミュレーションみたいなものを是非実施をして、サプライチェーンのどの部分に断絶が生じたらどんな影響が生じるのか、そして生じた場合の対応シナリオというものも数多く準備しておき、そして備えておいた方がいいのではないかというふうに思うのですけれども、こういったことを提案したいのですけれども、赤澤大臣、お受け止めをお聞かせいただければと思います。
○赤澤国務大臣 全くおっしゃるとおりだと思います。
経済産業省では、これまでも経済安全保障の観点から様々なリスクシナリオを作成し、リスクが発現した場合に生じることが予想されるサプライチェーンへの影響を分析して課題を抽出し、こうした課題への対応策を検討する取組を行ってきているところであります。
安全保障に関わる部分があるため、その詳細を申し上げることは控えますが、議員御指摘のとおり、地政学リスクが高まる中にあってこうしたシナリオ分析の重要性はより一層高まっていると考えておりますし、引き続きこの取組をもちろん強化をしていきます。
また、改めて今からやることを待つまでもなく、やはり、アジア諸国で石油製品を作ってもらって、それを日本が提供を受けているというサプライチェーンが非常に複雑に入り組んででき上がっていることが今分かってまいりましたので、そういう意味で、まさに、パワー・アジア、総理が提唱した取組も含めて、アジアの諸国における備蓄とかあるいは石油製品の確保みたいなこと、これをしっかりやっていって、アジア全体でのサプライチェーンの強化にもつなげていきたいというふうに考えております。
○吉田(宣)委員 是非お取組をお願いしたく存じます。
次に、赤澤大臣の経産委員会で御答弁もお聞かせいただいておりますけれども、よくピンチをチャンスにというふうにお話をされておられます。私もそのとおりだと思います。高市総理の危機管理投資も、私は、ある意味昔から言われている言葉でありまして、原型なのかなというふうなことも感じたりするんですけれども。先日、ペロブスカイト太陽光電池について国際標準化の観点から質問をさせていただきましたが、これは言うまでもなくGXの一部ということですけれども、私は、Xという言葉、これが非常に重要だと思っています。
このXはトランスフォーメーションを今意味しております。トランスフォーメーションというのは直訳をすれば転換ということでございますが、GXもDXも、最近赤澤大臣が盛んにおっしゃっておられるAX、AIX、これも、Gであればグリーンで脱炭素、Dであればデジタル、AIはもう言うまでもなく人工知能。これら全て、私は、社会経済的には、一つ一つ取り入れるためにはコストなんだろうというふうに思うんですね。余計なお金を払って備えていかなきゃいけないというふうなことなんだろうと思っております。
GXというのはもうその最たるものでありまして、CO2の排出に気を遣わなくてよければこんなに経済的なことはないんですよ、多分、恐らく。でも、地球温暖化対策というものは世界的な課題で、全世界で取り組みますから、もはや技術競争になっているというふうなことです。ですから、脱炭素を進めるのはコストであるけれども、世界に需要が発生するので、もしどこよりも早く供給技術、いわゆる提供技術を開発して、これを国際標準に高めて日本の技術で世界中に使ってもらえたら、コストだけれども実はその先にあるのは企業利益として返ってくるというふうなことなんだろうというふうに思います。このコストというマイナスを利益というプラスに転換させることを私はトランスフォーメーションだというふうに理解をしております。
原油がなければ、脱炭素と絡めて作ることもできるんだと思います。合成燃料という取組がございます。また、半導体には素材が要りますけれども、シリコンウェハーというのは日本企業に世界的な技術優位性があります。日本はかなり勝っています。しかし、その原料のほとんどを中国から輸入しているとお聞きをしており、カントリーリスクを考えれば、例えば二酸化炭素とケイ素を化合させて炭化ケイ素を日本で自給をするということもあってもいいのかもしれません。その分、リスクを減らすことができる。
高齢化ですら私はトランスフォーメーションの射程だと思っております。お年寄りが体を痛めたり様々衰えていくときには介護保険の対象になっているわけでございますけれども、介護保険というのはやはり財政的にもかなりあっぷあっぷの状態がいつも続いていて、ぎりぎりぎりぎり胃が痛い仕事をやらなければいけないということになっています。その介護保険の中に踏み込まずに、元気に健康で長生きをしていただくお年寄りというふうな、私もそうありたいと思いますけれども、恐らくそういう、やはりいつまでも元気でいたいという気持ちは行動になって表れて、例えばフィットネスクラブに自主的に体を鍛えるために行ったりとかというふうなことにお金を落としてくれるということにもなるかもしれないし、また、介護保険の中に踏み込んだとしても、これをデジタル化することによって介護保険の負担というものを減らすというふうなことも考えていいでしょうし、これはヘルスケアという概念です。
今少しだらだらしゃべりましたけれども、今申し上げたような取組は全部経産省でやっているんですよね。私はすごいことだと思います。私は、日本の未来は経産省に懸かっていると言っても過言じゃないぐらい期待をしております。
そういった思いから、最後に赤澤大臣からお気持ちをお聞きしたいんですけれども、赤澤大臣がピンチをチャンスにと、トランスフォーメーションへの取組について、その思いを最後にお聞きをして、質問を終わりたいと思います。
○赤澤国務大臣 経済産業省への大変熱いエールを送っていただきまして、ありがとうございます。職員も大分やる気が上がったんじゃないかと思いますけれども。
あと、ピンチをチャンスにというのは私は大事なことだと思っていて、吉田松陰だったと思いますけれども、リーダーは楽天的でないとやっていけないということを言っていたと思います。どんなピンチにあってもチャンスに変えられると思ってやはり取り組むことが本当に大事だと思っていまして、高市内閣の成長戦略の肝である危機管理投資、成長投資の推進を通じて、世界共通の課題、ピンチの解決に貢献する製品、サービス、インフラを国内外に提供することで、更なる日本の成長というチャンスにつなげる。委員のお言葉で言えば、コストであるものを国富を生むような投資だと思って力を入れてやっていくということだと思います。
その肝となるのが、これも委員御指摘のとおりで、あらゆる産業分野におけるトランスフォーメーションであり、特に今はAX、AIトランスフォーメーションだと思います。
ビッグデータ掛けるAIの時代と言われて久しい、もう十年ぐらいですけれども、そうなると、どこにビッグデータがあるかが勝ち筋を決めるということで、我が国であれば超高齢社会の災害大国であることです。すなわち、高齢者が多い、災害が多い。そうすると、高齢者のヘルスケアとか、何かいい介護プランを作るとか、あるいは、センサー、カメラを使って、介護施設利用者さんの見守りを人手を極力少なくしてやり切るとか、いろいろなまた勝ち筋があると思いますし、災害対応技術、私がよく申し上げているのは、瓦れきの中から迅速かつ安全に生存者を見つけて助け出すロボットとか、今、廃炉の関係であれば、高線量の水の中を自由に泳いでデブリを取ってくる蛇型ロボットとか、そういうものに、本当に勝ち筋だと思って、一点集中、技術開発に努める。
あるいは、世界一の製造現場が経産省の所管の中には当然ありますし、申し上げたように、廃炉の現場も世界でここしかありません。そういうところで蓄積されたデータ、産業用ロボット等の技術基盤といった日本の強みを生かし、フィジカルAIの分野で基盤となるデータを作る、それを極力、汎用のデータ基盤に結びつけていくといったようなこと、ロボットのデータ基盤もしっかり構築して、世界をリードしていくことを実現したいと思います。
特に、併せて申し上げておきたいのは、地域に根差し、現場現業型でスピード感のある中堅・中小企業にとって、やはり特にエッセンシャルサービスに関わる部分は圧倒的な人手不足でありますので、AIトランスフォーメーションが、人手不足というピンチを乗り越えて、大企業をむしろ生産性で一気に追い抜くような、いわゆるリープフロッグのチャンスにもなってくると思うんです。なので、地方も起点としたAIトランスフォーメーションも経産省として強力に後押しをしてまいりたいというふうに思います。
○吉田(宣)委員 ありがとうございました。
終わります。
○工藤委員長 次に、河野義博君。
○河野(義)委員 中道改革連合の河野義博です。
前回、所信質疑で、金融経済偏重を脱して実体経済をよくしていくべきだということを申し上げました。そのために、企業が中長期的な視座に立って経営をできるような仕組みをつくるべきだと考えますし、そして、やはり、企業が大胆な投資をできるように、中長期的視座に立って大胆な投資をしていく、そのことによって、一人の手取りを百万円増やすのではなくて、百人の手取りを一万円増やす、そっちの方がはるかに難しいわけでありますが、実体経済をよくしていって、皆の給料を増やしていく、そういった取組を促進していくべきだということを大臣と論議をさせていただいたわけであります。
法案の中身に入っていきたいと思いますが、経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法の一部を改正する法律案ということで、経産省が関係ない法律を束ねるのによく使われるこのラッピングでございますが、今回はそんなに違わない法律なので、まあいいかな、そんなに悪くないかなと思っているんですけれども。でも、よく関係ない法律を束ねるので、それは今後もしっかり見ていっていただきたいなというふうに思いまして、そんなに悪くないなということで、中身に入らせていただきたいと思います。
二回質問させていただく予定でございますので、今回は、産業競争力強化法に絞って質問をさせていただきます。
平成二十五年のこの法律制定以来、累次にわたって法改正がなされております。改正の理由は、その都度その都度であります。その理解はしていますが、今回、改めて法改正に至った経緯、これまでどういうことが足りなかったか、どういうふうにお考えか、経済産業省の意見を聞きたいと思います。
○畠山政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘のように、平成二十五年制定の産業競争力強化法、これは元々、過少投資、過当競争、過剰規制という日本経済の三つのゆがみ、これを是正するということが目的でございました。
過少投資につきましては、生産性向上設備投資促進税制、これで八万件超の投資に適用されまして、平成二十六年度から三年間で民間企業の設備投資は八十兆円から八十七兆円まで増加をいたしました。
過当競争につきましては、石油精製業や情報通信機器製造業など幅広い分野の約百七十社が事業再編計画に基づく税制措置などを活用して、生産性向上に資する事業再編を実施をいたしました。
過剰規制につきましては、グレーゾーン解消制度といった制度で約四百件の規制改革を強力に支援し、競争力強化に一定の貢献をしてきたと考えてございます。
しかし、日本経済全体としてみれば、この三十年間、デフレ経済の下で企業がコストカットを重視する傾向に陥り、成長分野への国内投資や産業構造の転換が必ずしも十分には進んでこなかった、こういう点が指摘できると思います。また、近年では、GXやAX、経済安全保障の分野に対する各国の産業政策も一層強化をされているところでございます。
こうした中、我が国は、官民が連携し、二〇四〇年度二百兆円の国内投資を目指すという目標の下、投資促進策を講じていく方針でございまして、今回のこの法律はそのドライバーとなるということで考えてございます。
○河野(義)委員 二〇一三年、アベノミクスの柱、構造改革等をやるということで、当時は、失われた二十年間を取り戻すんだということでこの法律が、新法が立てられ、その後、二〇一八年、生産性革命、二〇二一年、ポストコロナ対策、二〇二三年、経済安保ということで、累次に政策、まあ政策が変わったというか、法改正が行われました。
大切なことは、やはり中長期的なビジョンを示して産業界を牽引していくということだろうと私は思います。経済産業省のすばらしいところは、機動的に政策を転換をして旗を振りますが、悪く言えば、制度がころころ変わって、何がしたいんだかよく分からない。しっかり旗を立てて、目標を定めていくということが大切なのではないかと私は思います。
その上で、本法案が、全体戦略の下、どのように制度設計がなされているのでありましょうか。中長期的な構造転換をどのように実現していくのか、ロードマップを示すことが産業界を牽引していくことにつながると思いますが、大臣の御所見をお伺いします。
○赤澤国務大臣 現在の地政学リスクの高まりや、AIなどを含めて非連続な技術革新といった構造変化は、今後十年間も続いていくだろうと思います。こうした中にあっても、我が国企業の事業活動を持続的に発展させるためには、政府が一歩も二歩も前に出て、積極的な産業政策を展開しなければならないという時代が再来したというふうに認識をしております。
こうした認識の下、強い経済を実現する成長戦略を強力に推進するため、本法案では、国内投資の促進による事業の高付加価値化、あるいは海外需要開拓や安定的な原材料の確保を通じた供給網の強靱化、また、事業活動の基盤となる産業用地の整備や産業の担い手の確保に資する生活基盤の維持を一体的に措置することで、全体として産業競争力の一層の強化、抜本的強化を図っていこうと思っています。
こうした国内供給力の強化に向けたあらゆる施策を進めることで、二〇三〇年度に百三十五兆円、二〇四〇年度に二百兆円という官民で掲げる国内の民間投資額の目標を実現をし、経済社会情勢の変化を踏まえた中長期的な構造転換を図ってまいりたいというのが全体図でございます。
○河野(義)委員 金額の目標も非常に大事だと思います。その中身も大事だと思います。先ほどの政府からの答弁にも、八十兆円の投資が実現したとはいうものの、そこで大規模な投資がどれだけ行われてきたか。恐らく、それは細かな設備やソフトウェアの投資なども寄せ集めた金額になっているんだと思います。やはり、実体経済をよくしていくために大胆な投資は進めていかなければならない。今回、その方針に沿った設備投資の様々な促進策であると私は考えています。
実際の政策効果は予算や個別の税制、補助金に依存しておりまして、この法律自体がなかなか直接的な効果というのを評価しにくい構造にあるのではないかとは拝察するものの、本法案においては、誰がどのように事業評価を行って、その結果をどのようにフィードバックするのか、具体的な目標を含めて大臣にお伺いできたらと思います。
○赤澤国務大臣 大変重要な御指摘だと思います。
近年、経済産業省においては、更なる経済成長には国内設備投資による供給力の強化が特に重要だという観点から、国内投資促進のための政策に一貫して取り組んでおり、二〇三〇年度百三十五兆円、二〇四〇年度二百兆円という国内投資の民間投資の官民目標、これを掲げております。御案内のとおりです。
本法案は、こうした目標の実現に向けて、年間約四兆円の適用を見込む大胆な投資促進税制による大規模かつ高付加価値の国内投資の促進のほか、日米投資イニシアチブに基づく五千五百億ドルの投資の着実な実施を通じた国内の企業の供給網の強靱化、それから、事業に要する用地整備や担い手の確保に資する生活基盤の維持を一体的に進めるものです。
今般の法改正によって講ずる措置の政策効果を高めていくため、新設する調査規定に基づく実施状況の検証、事後的な検証をしっかりやってまいります。既存、新規の計画等における目標の設定や、その達成状況のフォローアップなどを通じて、政策のいわゆるPDCAを適切に回していきたいと思っています。
例えば、大胆な投資促進税制については、設備投資の状況に関する調査の規定に基づき、経済産業省として、投資金額や投資収益性の実績などを事後的に検証を行うことを予定をしております。本税制が企業の国内投資の増加などにどの程度寄与するかについてしっかりと把握、検証してまいりたいというふうに思っています。
○河野(義)委員 キャッチーなテーマだと、経済産業省は、わわわわわっと政策を打って、だだだっとやるんですけれども、終わった後、誰も知らぬ顔ということが結構ありますので、しっかり旗を立てて、結果がどうなったんだと、打率十割というのはやはりあり得ないと思いますが、それは当たる政策もあれば当たらない政策もあるんだろうと思いますが、しっかり評価をして次に進んでいくということが大事じゃないかなと私は思っています。
その上で、設備投資の支援策に関して伺います。まずは税制であります。
私は従来、大企業にこそ即時償却制度を認めるべきだということを申し上げてまいりました。昨年の公明党参議院マニフェストの中にも、より柔軟性を高めた即時償却などの税制優遇措置を大胆に講じるなど、大企業も含めた事業者による国内投資加速に向けた投資促進策を推進するというふうに書かせていただきました。
中小企業に対しては、即時償却制度を含め、投資促進に向けた税制優遇策がこれまでもありましたが、大企業にはなかった。なぜ私が大企業にこそ入れるべきかというと、やはり規模が大きいということと、大企業は往々にして投資効果を判断するに当たって内部収益率、いわゆるIRRを軸に投資判断をいたします。でありますがゆえに、初年度投資回収がどうだったかというインパクトが非常に大きい。ですから、初年度大幅に税務上の赤字を取ることによって税額を減らす、その減らしたキャッシュ分はリターンとしてみなせる会社が多いと思いますので、タックスポジションがある大企業こそこの制度を使わせるべきだということで、累次にわたって提案をしてきたわけであります。
減税と言われますが、減税といえば減税なんですけれども、タックスポジションを翌年度に繰り越す、税の繰延べでございますので、取り漏れるかというと、いつかは回収できるという税制でありまして、減税というよりは税の繰延べだろうと私は考えますし、補助金行政から脱却すべきかどうかは議論がまだありますが、やはりフレッシュマネーを使わずに税効果で投資を促進できるという観点から、大企業に対する投資促進税制というのは非常に大切で、大きな一歩を踏み出してくださったと私は感謝を申し上げるわけであります。
具体的な内容をお伺いしたいと思いますが、全業種を対象とする特定生産性向上設備等というのが支援の対象になりますが、この特定生産性向上設備等というのは具体的には何を示されますでしょうか。
○河野(太)政府参考人 お答え申し上げます。
いわゆる大胆な投資促進税制の対象となる特定生産性向上設備等でございますが、これは原則として全業種を対象といたしました上で、機械装置、それから器具備品、工具、建物、構築物、建物附属設備、ソフトウェア、こういったものが対象となる一方、土地ですとか船舶、航空機、自動車などは対象外となってございます。
また、特定生産性向上設備等につきましては、投資利益率が一五%以上と見込まれること、それから大企業については三十五億円、中小企業等につきましては五億円の投資下限額を満たしていることなどについて経済産業大臣の確認を受けた投資計画について、税制の適用対象とするということとしているところでございます。
○河野(義)委員 今回、船舶は対象外になっています。新たなルール作りですから、最初は小さく産んで大きく育てていただけたらいいんだと思いますが、何で船舶が入っていないんですかというと、生産設備でないということと、やはり船舶特別償却制度があるということでありますが、造船、船舶というのは我が国が競争力を有する数少ないアイテムだと思いますし、今回の政権の中でもしっかり造船を応援していくんだと。造船所の設備投資は当然入りますよということは伺いましたが、役所が、ちょっと所管が違いますけれども、大臣は運輸省御出身でございますので、しっかりと船舶サイド、海事産業とも、以降、連携をしていただきながら、物流にも使えるようになると私はいいんじゃないかなと思っております。
次に、選定プロセス等がどうなるかということを確認しておきたいと思っております。
恣意性を排除するために透明性と公平性が必要だと思いますが、対象設備はどのように選定されますでしょうか。
○畠山政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘のとおり、この税制、透明性、そして公正性が担保された制度設計、これが非常に重要だというふうに認識をしております。
このため、この税制につきましては、投資計画が、投資利益率や投資下限額といった定量的、客観的な要件を中心に審査をすることとしてございまして、事業者の予見性の確保をするとともに、透明性を高める制度としているところでございます。
また、投資計画の投資利益率の算定に際しましては、事業者の事業予測が含まれますため、公認会計士、税理士による事前チェックを求めた上で地方経済産業局で審査を行うなど、制度の公正性の確保を図る方向で検討をしてございます。
また、産業競争力強化法改正案の中で、新たに設備投資の状況に関する調査の規定を設けまして、投資金額や投資利益率の実績などについて事後的に検証を行うことも予定してございます。
この税制を広く事業者に御活用いただけるよう、今後とも、制度の丁寧な設計、そして運用に努めまして、その周知、広報をしっかりと進めてまいりたい、このように考えてございます。
○河野(義)委員 大変丁寧な御答弁をありがとうございました。
これは、選ぶ、選ばないではなくて、要件に当てはまれば全て該当するということだろうと思います。うなずいていますので、そういう議事録になるんですけれども。
その中で、ROI一五%以上、設備投資三十五億円以上とした理由をお聞かせいただきたいと思います。
○赤澤国務大臣 大胆な投資促進税制は、二〇四〇年度二百兆円という官民の国内投資目標の達成に向け、全業種を対象として大規模かつ高付加価値な国内投資を促進することを目的としております。こうした本税制の制度趣旨を踏まえ、投資利益率を投資計画の中で一五%以上との要件を設定することで高付加価値な設備投資に対象を限定しているのは委員御指摘のとおりです。
この水準は、平成二十六年度から三年間実施された生産性向上設備投資促進税制において、大企業向けに同じ基準を採用し、幅広い業種で活用された実績があること、また、企業が行う設備投資の中で、投資利益率の高い上位約三割に相当する水準であることを踏まえて設定したものでございます。
また、併せて申し上げると、投資下限額については、大企業について投資計画単位で三十五億円に設定しておりますが、これは平均的な大企業一社当たりの年間の総設備投資額の三倍以上に相当する高い規模ということであります。
ということで、本税制では、設備投資として高付加価値なものであり、かつ、平均的な企業の投資水準を大きく上回る規模の投資計画を対象とすることで、大胆な設備投資を促進したいという考え方でございます。
○河野(義)委員 これは平成二十六年につくったROI一五%以上という基準が援用されていると承知をしています。当時と今では全く環境が異なっていまして、金利が上がっています。また、CAPEXももう倍近くになっています。という中で同じ基準であっていいのかということは、今回はこれでいいと思いますが、これからちょっと見直しを不断にしていくべきだと私は思っています。
ROI一五%以上だったらこれを使えますよと言ったときに、はいはいと来る人は多分少ないと思うんですね。インフラ物はまず二桁リターンなんてないですから、まずここでしゅんとしてしまいます。ソフトウェアとかはいけるんでしょうが、ソフトウェアの投資を我々が支援したいからこのルールを作っているかというと、多分そうじゃないんだと思うんですね。半導体は入るんだと思いますが、では、鉄鋼メーカーに一五%以上の投資となるかというと、恐らくならないんだと思うんですね。
という観点から、このROI一五%というのは、できれば今見直していただきたいんですけれども、そういうわけにもいかないでしょうから、法律が成立したら速やかに実績とも見合いながらやっていきたいと思いますし、再生可能エネルギーの投資なんてこれはまず当てはまらないと思うんですよ。投資環境が悪くなっていく中で、従来、補助金や様々なインセンティブで足りないから即時償却若しくは税控除を認めると言っているのに、使える業者が限られているということであればちょっと寂しくなるんじゃないかなと思いますので、大臣、是非、執行状況を見ていただきながら不断の見直しをお願いしたいというふうに思います。
次に、金融支援の内容に関して確認をさせていただきたいと思います。
今回、改正で新たに追加されました国際経済事情激変型と事業上昇型は、従来からあるDXや脱炭素を目指した事業適応型とはやや趣を異にするものでありますが、認定の基準や計画内容、どういうことが確認が必要となりますでしょうか。
○河野(太)政府参考人 お答え申し上げます。
今般の改正案でございますけれども、米国の関税措置等のいわゆる国際経済事情の変化、それから資源価格の変動等によるインフレ圧力などの経済社会情勢の変化の中、我が国企業の事業活動を持続的に発展させるため、国内投資による事業の高付加価値化の推進を図るものでございます。
その上で、まず、国際経済事情激変事業適応につきましては、国際経済事情の急激な変動に対応して生産性向上のための設備投資を行うものでございまして、設備投資を通じた事業の高付加価値化を図っていくかや事業者の実績がどの程度悪化しているかを認定に当たって確認していきたいというふうに考えてございます。
他方で、また、事業費上昇事業適応につきましては、事業費の継続的な上昇に対応して生産性向上のための設備投資を行うものでございまして、設備投資を通じて新商品ですとか新サービスの創出、それから商品、サービスの生産、提供効率の大幅な改善などをどのように図っていくのかといった辺りを認定に当たって確認していきたいというふうに考えているところでございます。
○河野(義)委員 様々な事業適応計画を立てて、大臣に認定をもらえました、さあどんなベネフィットがありますかといったときに、大きく三つ書いていただいていますけれども、政策金融公庫のツーステップローン、これは何度かこれまでも取り上げさせていただきましたが、ツーステップローン、金利が安い局面ではほぼ使われないと思うんですね。
今上がってきていますから、やっとツーステップローンが使えるかもしれないと思いますが、恐らく、計画認定を受けました、じゃ、無審査で公庫がツーステップローンを貸してくれるんですかというと、多分そうじゃないんじゃないかなと思うんですが、ツーステップローンの直近五年間の利用実績、また、計画が認定された場合、公庫側からはどういうふうな判断をされるのか、また、金融公庫の平均的な審査期間というのはどのような期間が標準的なものでしょうか。
○河野(太)政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘のとおり、過去のデフレ、低金利の環境下の中で、実績でございますけれども、経済産業省が所管するツーステップローンにつきましては、過去五年間でいいますと一件、七十億円の実績ということになってございます。
融資に当たってのプロセスでございますけれども、ツーステップローンの利用につきましては、実務上は、主務大臣による計画認定手続と並行しながら、指定金融機関が与信審査も行い、そういったものを踏まえた総合的な観点から融資を決定することとしてございますので、認定だけで与信判断が変わるということが、必ずしも確かに制度的に仕込まれているわけではないという実務になってございます。また、審査期間につきましては、案件ごとに異なるために一概には言いにくいところがございますけれども、一般的に申し上げれば三か月程度ということを想定しているところでございます。
○河野(義)委員 既存の取引先から借りられるような会社が恐らく多いんじゃないかなと。借りられないから助けてと言っている人に、三か月待ってくださいとなかなか言いづらいなと思いますので、今回、これでいいんだと思うんですけれども、ツーステップローン、今までは金利が低かったので、めちゃくちゃ文句を言ってきましたけれども、今回はちょっとしか文句を言いませんので、これもしっかり考えていただきたいなと思います。
中小機構による債務保証、こちらも、これまでの実績、また審査にどのぐらい期間がかかるのか、教えていただきたいと思います。
○河野(太)政府参考人 お答え申し上げます。
中小企業基盤整備機構による債務保証の契約実績でございますけれども、直近五年間で見ますと十六社、約二百四十八億円となってございます。
また、機構での具体的な審査の開始から貸付けの実行まで、これも案件によって様々ございますので、一概に言いにくいところがございますが、一般的に申し上げれば、これもおおむね三か月程度を要するというふうに承知しているところでございます。
○河野(義)委員 文句ばかり言っていると嫌われるので、この件に関してはコメントしないでおこうと思います。
次に、中小企業の社債発行も一般化されている現在において、社債管理者設置義務の特例、これは具体的なニーズはそもそもあるのか、私はないんじゃないかと思うんですけれども、いかがですか。
○河野(太)政府参考人 お答え申し上げます。
この社債管理者の制度でございますけれども、まず、企業が社債を発行する場合は、社債権者保護を図るため、会社法におきまして、金融機関などを社債管理者として設置することが原則として義務づけられているというところでございます。
この論点でございますが、他方で、社債管理者は、発行体企業のモニタリングや迅速な債権保全、それから回収を行うことが義務づけられるため、リスクが相対的に高いような成長途上の企業については、金融機関から社債管理者への就任を拒まれるという事例もあるというふうに承知をしてございます。
このため、こういった企業にとりましては、その円滑な社債発行の観点から、社債管理者設置義務の免除を受けるニーズはあるのではないかというふうに認識をしているところでございます。
具体的には、本法案では、社債権者保護のための一定の要件を満たす事業計画の認定を受けた事業者につきましては、それを免除する特例というふうにしているところでございますけれども、これは、いずれにいたしましても、日本は社債市場がなかなか活性化しないという構造的な環境にある中で、発行体の方が潜在的には非常に発行のニーズを持っていたとしても、なかなかそれが顕在化されないという市場の状況にあることは認識してございますので、御指摘も踏まえながら、しっかり業界団体などと協力しながら、この制度の趣旨、活用方法を丁寧に説明して、必要な企業に制度が適切に届くようにしっかりと努力していきたいというふうに考えているところでございます。
○河野(義)委員 二十年前、銀行員をやっておりまして、中小企業にもばんばん社債を発行してもらっていました。貸出しで出すと、三%で貸出ししますと、毎期三%という収益なんですけれども、社債を発行しますと、手数料で頭でいただけますので当期の実績になりやすいということで、社債シフトというのが一時期はやった時期がございまして、社債が日本に定着していないというのは、それも割とちょっと的を射ていない答弁な気がしますので。
そもそも、社債を発行したいのに金融機関が社債管理者を受けませんというところは、やはり社債を発行しちゃ駄目なところだと私は思うんですね。
ですので、ツーステップローン、中小企業の保証、社債管理者、このメニューをつくっていただいたこと自体は悪くないんじゃないかなと思うんですけれども、じゃ、一生懸命事業適応計画を書いて、認定されて、さあ受けられるメリットがこれですと言われると、ややがっくり感がありますので、大臣、いかがでしょうか。そのほかにもお考えのことがおありだと思うんですけれども、よろしくお願いします。
○赤澤国務大臣 二〇三〇年度百三十五兆円、二〇四〇年度二百兆円という官民国内投資目標の達成に向けて、民間企業の積極的な大規模投資を喚起していくことが非常に重要だと思っています。
一方で、投資期間が長期にわたる大規模な成長投資について、貸し手の資金流動性とか事業リスクといった観点から、民間融資による調達に一定の制約が存在するため、必要な投資資金の調達が困難になることもあり得ると思っています。
本法の金融支援は、こうした事業について認定制度を設けた上で金融支援を講じるものでありまして、民間融資の量的補完、リスク補完及び企業による社債活用のコスト低減に資する点で、私自身は一定の効果があるというふうに思っています。
その上で、委員からいただいた御指摘も踏まえ、引き続き政策効果の検証をしっかり行いながら、ニーズのあるところに制度が届くように周知などを徹底してまいりたいと思います。
○河野(義)委員 よくあるのは、政策公庫に経済産業省から通知が行って、早く案件一件目を出せというのが来るんですね。ですので、それはそれでいいんですけれども、本当に正しく政策評価ができるようにしていただきたいなと私は思います。
次に、エッセンシャルサービスの質問に移ります。
同じようなことが、金融支援に関しては質問通告をしているんですが、残りの時間がありますので、ちょっと質問の順番だけ変えさせていただきまして、まずは過疎地域のSSに関して伺います。
人口減少社会において、少子高齢化に伴う構造的な人手不足こそ、我が国経済が直面する最大の構造的問題の一つであります。人手不足は、労働集約的な対人サービス産業の中でも、人々の生活に不可欠な物品及び役務を提供するエッセンシャルサービスで先鋭化をしています。今回の改正においては、食品など生活必需品の卸小売、バス、タクシーなどの交通、運送、ガソリンスタンド、自動車整備その他の生活の維持に必要なサービスを提供する事業者が計画を申請する制度などが盛り込まれております。
私が最も心配しているのは、サービスステーション、ガソリンスタンドであります。ガソリンスタンドの減少は全国的な傾向でありまして、給油所の数は、平成の終わり頃は辛うじて三万か所をキープしていましたが、令和六年度末には二万七千か所と、六年間で一割減少しています。
過疎地のSSが減少する要因は、言うまでもなく経営者の高齢化であります。高齢の御夫婦だけで経営されているSSも多いため、入院や要介護によりお一人が欠けると、配達ができないために営業をやめるといったケースは珍しくありません。また、タンクの更新に予算が必要という観点から廃業に至るケースもあります。
資源エネルギー庁は、自治体の中でSSが三か所以下の市町村を公表していますが、市町村合併が進めば、SSの数は単純に足されるので、SS過疎から卒業するという奇妙な現象も起きていまして、自治体の中にはSSの減少に課題意識が乏しい場合も見受けられます。
国土交通省では、エッセンシャルサービスを集約した小さな拠点という構想を打ち出していますが、この中にはSSも含まれております。このSSの移転は地下タンクの新設を伴うことになることから、高齢の経営者では二の足を踏むというケースがあると聞いております。
今回、経済産業省が打ち出した信用補完や低利融資は、SSの投資を後押しすることになり得ますでしょうか。経済産業局と自治体とが課題認識を共有することが、私は何よりも重要だと思います。小さな拠点という形の話になれば国土交通省との連携も必要だと考えますが、大臣のお考えをお聞かせいただけたらと思います。
○和久田政府参考人 お答え申し上げます。
過疎SSについてのお尋ねでございます。
SSは、住民生活や経済活動にとって不可欠な地域の燃料供給を担う、いわば最後のとりででございます。そのネットワークを維持することは極めて重要だと考えてございます。
経済産業省では、委員からも御指摘ございましたけれども、SS過疎地につきましては、SSが三か所以下の市町村と、それからSSと居住地までの距離が長い地域を含めた市町村、これをSS過疎地と定義をいたしまして、そうした自治体に対しまして、毎年、地域の燃料供給に関するアンケートを実施をしております。それによりまして、SS過疎の問題に対して自治体が意識的に取り組むよう促してきているところでございます。
その上で、そうした自治体が地域の燃料供給を維持する計画を策定する場合にはそれを支援してございますし、その計画に基づく設備導入の支援も実施をしてきてございます。
それから、地方経産局の話もございましたけれども、経産局を通じまして、SS過疎地の自治体向けに、これらの施策や先進事例に関する情報提供を行って、自治体への直接的な働きかけも強化をしているところでございます。
こうした取組を通じまして、地方経産局と連携しつつ、それから自治体とも問題意識を共有しながら、地域のエッセンシャルサービスであるそういったSSをしっかりと支援してまいりたいと考えてございます。
○河野(義)委員 最後、端的に都市部のSSについても伺います。
大型ショッピングセンターの併設店が増えておりまして、四月十六日調べでありますが、私がネットで直接検索しますと、郊外の大型SS店は一リットル当たり百四十六円でした。全国に比べて二十円ほど安いという状況にありました。薄利多売であることから、これをなし得るんだと思います。また、供給網も明らかにされていないからこそできるんだと思いますが。
地域のSSは、単なるガソリンの販売所ではなくて、地域の防災拠点でもあり、地域のコミュニティーのベースでもあり、公共性の高い役割を担っている中で、都市部のSSは、こうした都市部のSS過疎の進行にもつながっているんじゃないかなと思いますが、政府としての認識また対応策に関して最後に伺って、質問を終わります。
○和久田政府参考人 お答え申し上げます。
大規模販売店でございますけれども、これは大規模な調達などを通じまして優位な仕入れや価格設定が可能である一方、地域のSSの中には大規模販売店との価格競争にさらされている事業者がいる、そういう指摘があるというふうに認識をしてございます。
業界団体からも、大規模販売店の進出が周辺のSSの経営に影響を与えまして、地域のSSが廃業することで災害時の安定供給に支障が出るとの問題提起がなされていると承知をしてございます。
他方、SSの減少の背景でございますけれども、人口減少、それからガソリン需要の減少、後継者不足、施設の老朽化、様々な要因がございまして、大規模事業者の進出が周辺の地域の燃料供給にどのような影響を与えているかにつきましては、地域の実情も踏まえながら更に精査をしていく必要があると考えてございます。
経済産業省といたしましては、国民生活や経済活動にとって不可欠な石油製品が安定的に供給される環境を整える必要があると考えてございますので、SSの経営力強化に向けた設備導入支援、それから経営支援のための金融支援なども通じまして、SSのネットワークの維持のためにしっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。
○河野(義)委員 終わります。
○工藤委員長 次に、山岡達丸君。
○山岡委員 山岡達丸です。
質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。
今日は、経済社会情勢の変化を踏まえた企業の事業活動の持続的な発展を図るための産業競争力強化法等の一部を改正する法律案ということで、その審議でございますが、幾つかの法案が束ねられておりますけれども、基本的には、国内の産業の競争力を高めていくということでございます。
その中で、今回の法案に特に含まれています産業競争力強化法の頭出しされている本体につきましては、過去累次の改正も行われていますけれども、今回の中身は、本当に、国内への投資を大きく呼び込もうという、本気でこれをやっていこうという、税制もあるいは制度も、そうしたことが含まれているということを強く感じるわけであります。
その背景の一つと見られますのが、米国でトランプ政権が誕生するということで、トランプ大統領もまた、米国内に大きな投資を呼び込んでいくんだという法案、OBBA法案、ワン・ビッグ・ビューティフル・ビル・アクトという、一つの大きな美しい法案という名称だそうでありまして、トランプ大統領らしい法案名かもしれませんが、この中に、国内投資を促すための即時償還あるいは大規模な減税ということで、まさにその年に投資したものを一〇〇%経費にできるということで、そうしたことが米国も動こうとしている。そしてまた、各国それぞれ、各国諸国が国内への投資を大きく呼び込もうという中で、ここに日本としても、過去の反省で、余りにも国内投資が乏しかったという分析の下で、今回の法案が大胆な措置として今提起されたんだということを理解しているところでございます。
ただ同時に、束ねられている法案でございますけれども、貿易保険法の改正案ということが含まれていますが、これにつきましては、赤澤大臣も最前線でコミットされてこられましたが、米国トランプ政権と日本との間で、米国内への投資に関して五千五百億ドルと。これは、当初は八十兆円と言われていましたが、今の為替水準で、仮に百六十円だとすると八十八兆円だそうであります。この五千五百億ドルの米国内への投資のことについて日本としてもコミットするということを、日米合意を結んできたということで、そのことに対応するための中身も含まれております。
すなわち、大ざっぱに言いますと、今回の法改正は、国内への投資と米国内への投資を同時に促進するという、ただ、米国につきましては、基本的には直接投資ではなくて金融措置、金融支援という形ではありますけれども、大きいスケールで考えますと、理念的には相反するとも言えるかもしれませんし、非常に無理が生じかねない中身なのではないかという指摘もあるんじゃないかというふうに思うわけであります。
国内の産業競争力強化というのは、私も、我々もみんな、大いにこれは進めていくべきだという思いは持っているわけでありますけれども、トランプ大統領との約束の中で米国への巨額な投資のコミットメントも解決していくという、そうした中でどのように日本の国益が守られていくのかということ、このことは、交渉の最前線に携わられた赤澤大臣と、特に経産省側で汗をかかれている荒井局長に今日お越しいただいております、荒井通商政策局長にもまたお伺いをしていきたいと思います。
振り返りますと、米国トランプ政権による言うなれば一方的な相互関税と自動車などの分野別関税が発表されたのは昨年の四月でございまして、当時、日本に対しては二四%から二五%ぐらいだということでございました。
その後、赤澤大臣が、当時は特命大臣ということで何度も米国に足を運ばれて、七月に、この相互関税と自動車関税、おおむねといいますか、一五%の税率に抑制すると。さらに、大事なポイントは、他国と比較しても、最恵国待遇ということで、ほかの分野で更に他国が低い税制があれば日本としてもそれに合わせるということでございまして、その一五%の関税が残っているということは大きい障害ではありますが、ただ、大きく見ますと、ほかの国との比較の中で日本が劣後しないことが、競争力、もちろん米国内との競争力は関係しますが、他国との競争力は劣後しないということで、これはこれで一つの大きな成果なんだろうと。もちろん関税がかかることそのものについては、これは一方的だとは思いますが、そのことは大きな前進をしたんだろうと思います。
ただ、その代償という表現を使いますが、その代わりとして、米国への五千五百億ドルの投資のコミットメントということもあるということが今回の流れであろうということを思うわけであります。ただ、直接投資じゃなく金融措置であるということなので、日本国の企業の直接投資余力がそのまま米国に向くわけではないということでございます。もちろんリスクは日本として、金融措置ですから取っていくということであり、かつ、政府系金融機関でありますJBICとNEXIが関わるということで、これは国内の法律に基づいて運用が厳格に定められていますから、日本企業の裨益につながるものとして案件として選ぶ、法律に基づいて選ぶという枠組みになっていることでございますので、こうした大きな交渉の中でも、できるだけ日本に国益をもたらすという中身になっているということについては、私も、それはよく考えられている仕組みだと思いますし、そのことには本当に敬意を表する次第であります。
しかし、この案件生成は原則としてトランプ大統領の任期中でありますので、残り二年九か月であります。そこに、八十八兆円とも六兆円とも言われていますけれども、そうした案件を生成する、そして、そのための、政府系金融機関NEXIの財政基盤の強化のための交付国債三兆円を今回法改正で整えていくということであります。
ただ、大臣にまず確認させていただきたいことでありますが、この一連の経過があって、我々の国として法改正までしてこの対応をしていこうということでございますが、これは少なくとも昨年の日米合意の関税の約束がトランプ政権下でこれからも守られていくということが大前提であろうと思うわけであります。
というのは、トランプ大統領が発した相互関税あるいは分野別関税は、米国内の最高裁判決の中で違憲だとされて、今、その適用法令、関税の適用の根拠を、法律を変えて、通商法の百二十二条ということで、USTRが権限を持つ税法に変えたということで、一〇%の追加関税と。結果として、従前より税率が上がっているものもある、もちろん下がっているものもあるわけでありますけれども、ただ、もう既に、前回の日米合意の中で、不安定な状況になり始めています。この税率も百五十日間の措置というのが、限度があるということで、七月二十四日頃には通商法三百一条を根拠とした関税に更に振り替えていくんじゃないかということも観測として伝えられています。
昨年十月もトランプ大統領が日本にお越しになって、改めて確認されたこの関税に対する約束。もちろん日本はそれに対しての五千五百億ドルのコミットメントがあるんですけれども、今後、またラトニック商務長官とも大臣はコミュニケーションを取られると思いますが、七月二十四日の改正を機に、例えば合意を超えるような水準の関税が課されるとか、あるいは、この合意に入っていない新たな追加の譲歩を求められるようなことがあってはならないと思います。
そのことについて、絶対そういうことはないんだということも含めて、大臣からまず御答弁をいただければと思います。
○赤澤国務大臣 三月六日にラトニック商務長官と行った会談で、米国による新たな関税措置に関して、日米双方が引き続き昨年の日米間の合意を実施していく旨を確認をし、今後、日本の扱いが昨年の日米間の合意より不利になることがないようにすること、昨年の日米間の合意以上の追加的な措置を日本に対して求めないことを申し入れております。
また、三月の十九日の日米首脳会談でも、高市総理とトランプ大統領の間で、昨年の関税に係る日米間の合意の着実な実施ということが改めて確認されております。
さらに、米国の今後の対応は予断しませんが、グリア通商代表は、相互関税が違法との判決が出された二月二十日に、米国とのこれまでの通商合意は有効であり、今後も維持される、私たちはそれらを遵守すると発言したと承知をしています。
我が国としては、昨年の日米間の合意を着実に実施していく考えであり、また、米国に対しても合意を着実に実施するよう引き続き求めるなど、我が国が不利益を被ることがないように取り組んでまいりたいと思います。
○山岡委員 是非、今回の法改正の大前提だと思っておりますので、そのことはよろしくお願いいたします。
直接投資ではなくて金融支援としてコミットするということで、繰り返しになりますが、日本国企業の直接投資余力というのはそがれないと。これは願わくば日本国内に投資をしてほしいという思いなわけでありますが、その中で、枠組みとして、日本の企業は、サプライチェーンへの参画、製造品の提供とか、いろいろな形でプロジェクトには参画していくということで、リスクは取るものの、この直接投資のプロジェクトは、日本国内に余力を残しながら日本のいろいろな企業が米国のプロジェクトに関わっていくということで、これは本当に、うまく運用することによって、非常に日本の経済にプラスになるんだろうと思っています。
他方で、国内のサプライチェーンの余力といいますか、製造余力というのにも、それはそれで上限はあるんだと思っております。
例えばですけれども、私が個人的には思うのは、電力の系統の整備。今、秘書官として後ろにおられる筑紫さんが前職のときのお仕事でありましたけれども、特別高圧の変電設備とか受電設備等も逼迫をしていまして、今、エネルギーの分野も相当プロジェクトの案件に多いそうでございます。系統整備も含めてコミットしろ、日本企業もそれに総動員しろというと、今回の国会でも法案改正の審議がありますけれども、やはり国内の電力系統整備の遅れにもつながっていくとか、いろいろなほかの、日本の経済成長の阻害をすることにつながっていくようなサプライチェーンの提供の在り方につながっていかないかどうかが非常に懸念するところでございます。
やはり、大臣、日本国内の経済成長を最優先にするし、国内の産業基盤、投資の支えになっていくことを第一に考えながら米国のプロジェクトに参画していくんだ、このことを御答弁いただければと思いますが、いかがでしょうか。
○赤澤国務大臣 実際に委員御指摘のような問題が生じないと承知をしておりますし、そのようにやっていかなければならないと思っています。
戦略的投資イニシアチブは、日本企業が米国に製造拠点を移管、新設するといった米国投資の促進を目的としたものではありません。国内向けに必要となる供給能力を犠牲にしてまで参画を求めていないということです。
その上で、御指摘のとおりで、JBICやNEXIという我々の政府系の金融機関が、今までの業務の延長線上で、今までより規模の大きな、そういう仕事をするということが一つ。これはこれでまたメリットだと思いますし、また、むしろ直接的には、日本企業がこの戦略的投資イニシアチブに、サプライヤーや、あるいはオフテイカーですね、例えば半導体工場がアメリカにできたときに、そこでできた半導体を優先的に我々が買い受けますよみたいなこととか、あるいは、原油輸出施設について投資しておいて、いざこういう上昇になったときには我々が優先的にオフテイクを、買い取れるようなことを結んでおくとか、いろいろな意味でプラスがあります。
まずサプライヤー、オフテイカーとして参画し、旺盛な需要の見込みが立つことは、日本企業がサプライヤーとして入っていくということは、日本国内での設備投資の後押しにも実はつながるということがあると思います。
投資額の規模については、我が国の国内投資について、二〇三〇年度百三十五兆円、二〇四〇年度二百兆円という目標を政府は掲げておりまして、今回の戦略的投資イニシアチブの規模も、今、円安傾向も入れれば八十八兆円ということですけれども、極端に巨額ということは考えていません。
米国との戦略的投資イニシアチブもてこにしつつ、本法改正による大規模な設備投資促進減税を含め、危機管理投資、成長投資を促進し、強い経済の実現に取り組んでまいりたいと思います。
○山岡委員 ありがとうございます。
国内の供給力を犠牲にしてまでそういうことが進むことはないということをお話しいただきました。
国内の設備投資も進むんじゃないかというふうなことでございますが、国内には人的な制約も今大きな課題でございます。これは別途また議論させていただきますが、是非、総合的な供給力の確保というのはまた別に議論すべきことだと思いますので、そのこともしっかり進めてまいりたいと思います。
サプライヤーとオフテイカーのそういう利益もあるんだ、優先的なそういう確保の部分も日本企業への裨益ではないかということのお話がありまして、なるほど、そうだなということも感じました。
是非、日本の実力からすれば、もちろん一定程度関わるし、これはつながりはあるんですけれども、今回の枠組みがあるからこそ、私たちが、まだまだ世に眠っているような中小企業も含めて、いろいろな企業が可能性を持って参画していくような、そういうビジネスチャンスにも変えていただきたいということを思います。
当然、国内企業のマッチングみたいなことが重要になるんですが、経産省が御自身たちでお持ちのつき合いのあるリストというのは大手の企業ばかりなわけでありますけれども、そこだけで終わってしまうようなプロジェクトじゃなくて、中小企業も含めて、深掘りした参画につながっていくような取組をしていただきたいと思いますが、大臣に是非御見解をいただきたいと思います。
○赤澤国務大臣 私どももまさに今委員がおっしゃったように考えております。
第一陣プロジェクトについて、まさに、委員御指摘のとおり、日本企業とプロジェクトのマッチングを進めてきておりまして、具体的には、経済産業省から参画可能性のある各企業と密にコミュニケーションを取るとともに、米国政府や各プロジェクトの具体的な事業の運営を担う企業に対して日本企業の参画機会を強く求めてきております。実際、こちらから申し入れて、あっ、じゃ、こっちに変えようみたいなことをやってもらってきているところです。
大企業のみならず、サプライチェーンを通じて製品を納入する中小企業が増え、技術向上や市場獲得につなげることも重要でありまして、この観点から、三月三十一日に越智政務官がプロジェクトへの参画に関心を持つ中小企業をわざわざ集めて車座会談を主催し、私も出席をして強い期待を述べたところです。参加した中小企業からは、本イニシアチブへの参画が彼ら自身のビジネスにとってよい機会となるといった力強い言葉もいただきました。
引き続き、中小企業も含めて、できるだけ多くの日本企業が参画できるように後押しをしてまいりたいと思います。
○山岡委員 今回の経過が、米国トランプ大統領との約束で、五千五百億ドルの約束を日本はさせられたというような伝わり方もしていることもあり、また、米国のことでもあり、そうしたプロジェクトが自分たちの事業に大きくチャンスにつながるんだということはなかなかまだまだ伝わっていかないのかなと思いますし、もっと言えば、私たち、議員たちもそうかもしれませんが、本当に自分たちの身近な地域のそういう事業者がつながっていくのかということも我々ももっとよく知って、つながりをつけていかなければならない、今回の枠組みをそういうチャンスに変えていくものにしていかなければならないということは、本当に強く思うわけでございます。
その上で、あえて聞くわけですけれども、今回、枠組みの要件として、日本の法律に基づいて進めると、日本企業の裨益というのが要件になっているわけでございまして、そこをフルに活用しようということでございますけれども、ただ、大臣に確認しておきたいのは、僅かでも日本企業が関与すれば法的要件をクリアしたことになるのかという点でございます。
先ほど、サプライヤーだけじゃなくてオフテイカーという概念もあるんだということもございました。私は、付加価値一定割合以上の製品やサービスが日本企業によって提供されるとか、先ほどのオフテイカーのお話であれば、日本企業にとって優先的に確保できるような具体的な見通しとか、少なくとも、何か量的な要件といいますか、そういうことをきちんと課していかないと、八十八兆円の米国投資が日本の国益にもつながるんです、日本企業も関わるんですということが具体的な形として立証して説明できないんじゃないかということを思うところであります。
是非、大臣、僅かでも関わっていればいいとかそういうことではなくて、量的にも、一定程度説明できる、そういう基準を設けて進めるべきだと思いますが、御見解をいただきたいと思います。
○赤澤国務大臣 国益の追求ということでありますので、日本への裨益、これを最大化していくということは当然念頭に置かなきゃいけないとは思っています。
戦略的投資イニシアチブのプロジェクトは、日米間の了解覚書に明記されているとおり、日米両国によって構成される協議委員会において、日本への裨益、メリットを含む、法的な面はもちろんですけれども、戦略的観点からの確認、精査もなされます。
日本企業への裨益については、実は多様な形態が想定され得る。先ほどから御説明しておるところですけれども、具体的には、関連機器やサービスの供給による経済成長の促進といった面もありますが、委員にも先ほどから御認知いただいたように、日本企業による生産物のオフテイクといった日米両国の更なる相互利益の促進、あるいは我が国の経済安全保障の確保みたいな面もありますといったような裨益があるので、なかなか単純に数値比較することが困難であり、量的な基準による機械的な判断にもなじまないかなと思っておりまして、様々な観点を考慮し、総合的な確認、精査を行うことにより、我が国への裨益を確保していくというのが適切だという考え方をしております。
○山岡委員 なかなか具体的にはならないんだというお話でございましたが、是非、結果としては本当にプラスだったのだという形が説明できるような形に進めていただきたいということは強く求めるところでございます。
ただ、もちろんリスクがあるわけであります。そのうちの幾つかをまた大臣にも質問をしていきます。
それは、今回のプロジェクトの決定というのは、いわゆる戦略的投資イニシアチブに関する協議委員会というところで決めていくということでございます。この協議委員会には、当然、日本の政府系金融機関でありますJBICであったりとか、NEXI、貿易保険機構であったりとかも参画し、経産省、財務省、外務省も直接参画をされるということでよろしいんですよね。じゃ、一言答弁してください。
○荒井政府参考人 お答えさせていただきます。
委員御指摘のとおり、経産省、外務省、財務省が参画しております。
○山岡委員 直接、省が参画もして案件を決めていくということでございますので、米国からも商務省が参画しているということであります、非常にグリップは握って進めているんだということは感じるわけでありますが。
第一陣案件は決定されました。内容を見ますと、プロジェクト自体は十年を超えるような規模のものでございます。巨額の投資でそれが続いていくことがもう決定されているわけでありますが、この十年という数字を見ますと、トランプ政権は残り二年九か月なわけであります。そのトランプ政権が終わった後も、向こうのルールでこれ以上の継続はないわけでございますから、後もこの協議委員会が本当に機能がしっかりと維持されるのかということはよく考えていかなければならないということでございます。
長期のプロジェクトですから、不測の事態で遅延が起きたり、あるいは何かの事態で追加の経費の増額とか採算性の悪化を生じることもあり得る中で、協議委員会の機能がきっちり果たされていればまたいろいろ対応のしようもありますが、そのときにラトニック商務長官が、今も赤澤大臣との関係の中で、そのことに影響力をもたらすことができるのかということも含めて、そういう状況じゃなくなっているだろうということの可能性の方が高いわけでございますが、協議委員会で決めていくんですけれども、その後も形骸化せずにきちんとこの枠組みが続いていく、このことをどのように担保していくか、確保していくか、大臣に御見解をいただきたいと思います。
○赤澤国務大臣 戦略的投資イニシアチブの下で対応するプロジェクトについては、了解覚書に基づき、協議委員会において、収支相償、償還確実性、あるいは日本への裨益といったようなことについてしっかりと精査を行うこととなっており、第一陣プロジェクトにおいても、計画の遅延や経費の増加の可能性も踏まえても採算性に問題が生じないということを見込んで精査、確認しているところです。
プロジェクトの実施中においても、日米で連携して着実にフォローアップすることなど、プロジェクトの円滑な実施のために必要となる基本的な考え方は、あらかじめ日米双方で認識を合わせております。
さらに、具体的な事業の運営を行う各社に対して、プロジェクトの進捗状況や業績に連動して各社が受け取る収益が決まるようなインセンティブの仕組みを導入しております。円滑な事業運営が期せるようになっている。
このような取組を通じて、計画の遅延や経費の増加といった事態が生じないよう取り組んでまいりますが、万が一プロジェクトに想定外の問題が生じた場合を含め、必要な場合には、協議委員会あるいは他の協議の場を通じて、日米両政府で問題への対処を行うべく連携してまいりたいと思いますし、これは、私ともちろんラトニック商務長官の間に信頼関係がありますけれども、ここについて言えば、当然ながら大統領の了解も得て動かしているものであり、日米両国政府の間に信頼関係があって進めている話でありますので、今の委員が御懸念されるような事態に至っても、しっかり日米両政府がよく連携をして解決をしていきたいと思います。
○山岡委員 万が一遅延がとか、お話ありましたけれども、長大なプロジェクトですから、私は結構あるんだと思います。
あと、大臣ももうよく御承知のとおりだと思いますが、政権が替われば、トランプ大統領に象徴されるように、前政権の否定もあったり、様々なものががらっと変わるということで、この瞬間、ちょっとこの問題は解決できるような答弁はいただけないということは思っておりましたが、そういうリスクがある。協議会の形骸化とか、このプロジェクトが本当に私たちのコントロール下にならなくなるような事態というのは避けなければならないということの問題意識は是非ここでもお伝えしたいし、このことには是非取り組んでいただきたいと思います。
ここからは荒井局長に伺います。
局長もまた、最前線でこの枠組みを考えていろいろ進められたということで、財務省の皆様ともよく連携しながら進められてきたということも伺っております。
先ほど大臣の御答弁でも、失敗する事業はつくらないんだ、そういうのは選ばないんだということは、それはもう大前提としてそういう思いなのはよく承知していますが、もちろん、保険機構なわけでございますから、そうじゃなかったときのための措置ということで金融的な支援のバックアップ、民間金融機関のバックアップがついているわけであります。プロジェクトの失敗ということがあるとやはり保険金を支払うことにつながるわけでありますけれども、野方図にこれを支払うということにはならないということを思います。
貿易保険法上もそのことが制限されているということを承知していますが、今回のように、政治的な要素も非常に強い、そういう背景もある中で、モラルハザードみたいなことがやはり生じる懸念もある中で、法律に基づいて厳格に運用されるべきなんだろうということを思うわけでありますが、NEXIの保険金を払うという状況について、まず局長に御見解を伺えればと思います。
○荒井政府参考人 お答えさせていただきます。
戦略的投資イニシアチブにつきましては、NEXIが保険金支払いを行う場合につきまして、貿易保険法に七十一条というものがございます。この規定に合致した場合のみに保険金支払いは限定をされてございます。
具体的には、例えば、外国における戦争、内乱とか為替取引の禁止といった規定もございますし、また、いわゆる信用リスクというんですか、融資の相手方の破産手続開始の決定、それから融資の相手方の債務の履行遅滞といった、この規定に記載される事由に合致する場合のみ保険金を支払うということになってございます。
また、そもそも、各プロジェクトにつきましては、協議委員会において、収支相償、償還確実性についてしっかり確認、精査を行っております。万が一保険金支払いの必要が生じた場合であっても、貿易保険法の規定に基づき対応していくこととしております。野方図な保険金支払いは想定しておりませんし、そのようなことは行いません。
○山岡委員 続いて局長に伺いますが、今回は区分経理をされるということで、仮に保険事故があっても既存のNEXIの事業には影響しない、つまり、通常の保険商品の掛金が上がるとか積立てが使われるということはないということでございます。それが大きな特徴だということの改正でございます。
逆に言いますと、保険の本来の仕組みは、広く様々なユーザーが保険料を積み立てることで、その中の僅かな可能性で発生する事故に対応するということであります。区分整理の中だけで、その範囲だけでリスクをしょうということになりますと、例えば、今回最大三兆円の交付国債ということで財政強化しますが、プロジェクトというのは十兆円とか二十兆円と、それが倒れれば一回でこれは交付国債の額を超えていくということになることも、限られた範囲でリスクをしょうわけでございます。
結局のところ、その支払いの原資というのは国庫による追加的な資金投入ということになるという理解でいいのか、局長に御答弁いただければと思います。
○荒井政府参考人 大変大事な質問をいただきました。
まず、そもそも論といたしまして、日米政府が参加する協議委員会において、個々のプロジェクトの収支相償、償還確実性についてはしっかりと精査、確認をしております。巨額の保険金支払いが生じるということは基本的には想定していないというのが大前提でございます。
その上でございますが、本イニシアチブへの保険引受けであります特定引受業務につきましては、委員御指摘のとおり、NEXI内に特別勘定を設けまして、通常業務とは区分して経理を行うことにしてございます。
委員御懸念の点は、保険のいわゆる大数の法則ということが、それが働かないんじゃないかということだと思いますが、この特別勘定におきましても、八十八兆円ありますので、相当数の案件の引受けが行われまして、リスクの分散が図られる、したがって、保険の仕組みとしての対応が十分可能だと考えてございます。
こういう仕組みでございますので、万が一特定引受業務について保険金支払いが生じた場合でありましても、通常業務においてこれまでに得た保険料等から保険金を支払うことは想定しておりません。
そのために、特別勘定において、保険金支払いの原資が不足してしまう、そして民間金融機関や金融市場からの適時の資金調達が困難である、そうした場合については交付国債の償還を行って対応することとしておりまして、この交付国債については、今回必要な交付額三兆円ということで適切に見込んでおります。
さらに、一般論として申し上げますと、貿易保険法に二十八条というのがございます。これは、NEXIにおいて資金調達が困難な場合には、政府が必要な財政上の措置を講じる、そうしたことを規定されております。これも踏まえまして、確実な保険金支払いのために、政府として必要な対応を行うことが可能になっていると考えてございます。
○山岡委員 八十八兆円の案件もあるから、その中でリスクヘッジをするということでございます。何が何でも失敗する案件はつくらないという決意でやっておられるんだと思いますが。
併せて伺いたいんですけれども、やはり政治色の強い今回の経過がありますので、政治的なリスクについても伺います。
具体的に言えば、トランプ大統領御関心案件みたいな話が今後ないかということでございます。今回の第一陣はもう決定済みですが、第二陣の発表の経緯は、まだ協議委員会で承認をされていないにもかかわらず、先日の高市総理の訪米の際の発表で、大々的にトランプ大統領と並んで第二陣はこれですと発表したわけであります。理論上はまだ承認していないわけですから、これは決定されない可能性もあるんですけれども、両国の首脳が肩を並べて大々的に発表されたものが、後からこれを認めなかったということが果たして政治的に可能なのかということを懸念するんです。
これは、もちろん第二陣はエネルギー関係など手堅いものになっていると思いますけれども、こういう、承認前にどんどん発表していくような、外交の手土産的な形になっていくと、今後、無理な政治案件みたいなことが生じるんじゃないか。そういうことはないということは荒井局長に断言していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○荒井政府参考人 お答えさせていただきます。
第二陣の三件のプロジェクトでございますが、これは、三月十九日、日米首脳会談のときに、日米両政府が日米間の戦略的投資に関する共同発表というのを発出をいたしまして、そこでは、プロジェクトの詳細について、連携しつつ、誠実かつ迅速に、更なる作業を行うということとなってございます。
この詳細につきましては、第一陣案件と同様に、協議委員会において、収支相償、償還確実性及び日本企業への裨益という観点からしっかりと精査、確認をしてまいります。
決して外交の手土産などで無理につくっていくということではなく、しっかりと精査を行っていくつもりでございます。したがって、御懸念は当たらないということでお答えさせていただきます。
○山岡委員 是非よろしくお願いいたします。
今回の経過も含めて、トランプ大統領のキャラクターが大変特別であるということは私もよく承知しておりますけれども、日本の本当に国民の皆様の税金が投入されるプロジェクトということでございまして、そういうことがないように是非お願いしたいと思います。
局長に続いて伺いますが、第一陣案件に人工ダイヤの製造等のことも含まれております。人工ダイヤは、今、具体的には中国企業が世界を席巻していますから、日本にとっても、人工ダイヤというのは、宝飾用のダイヤではなくて、製造業の加工設備に必要なそういうものでありますけれども、一国のみに依存するのはよくない。米国に新たな製造拠点ができれば、それは大事な話なんですけれども、ただ、既に市場がもう中国によって席巻されている中で一定の市場を確保するには、米国内の市場を確保していくということも重要なんですけれども、そうすると、結局、米国内の競争力を確保するためにトランプ大統領の関税に頼る、米国関税に頼る、そういうことも前提にしたプロジェクトであるというふうに見えるわけでありますけれども、今回のプロジェクトはまさにトランプ関税を織り込んだ計画になっているんでしょうか。局長に御答弁いただければと思います。
○荒井政府参考人 お答えさせていただきます。
人工ダイヤにつきましては、委員からお話がありましたとおり、製造業の加工プロセスにおいて必要不可欠なものでございます。それが特定国への依存度が大変高いということで、このプロジェクトは、経済安全保障上もサプライチェーン強靱化の観点からも大変重要なプロジェクトだと考えてございます。
このプロジェクトを含め、本イニシアチブのプロジェクトにつきましては、昨年九月の了解覚書に基づきまして、米国側が土地や水、エネルギーの提供、それからオフテイク、引取りの契約といった様々な貢献を行うこととされてございます。
この人工ダイヤのプロジェクトについても、協議委員会における議論の中で、米国政府が日本企業や米国企業によるオフテイク、引取りに関するアレンジをする、支援をするということを確認をしてございます。
その他、米国政府が様々な政策的措置を含むということを前提として、そうした措置を通じて、十分に販売量が確保される、スケールしてコストダウンして競争力が得られるということを前提に、このプロジェクトについて合意をしているということになってございます。
○山岡委員 米国企業が引き受ける、政策的措置を前提にしているという話でございました。
質問はしませんが、やはり、自由貿易の旗手として、私たちは、米国トランプ政権の関税のことを指摘した中で、どうしてもプロジェクトを成功させるためには関税を前提にしていくということも考えるということでございまして、今後の貿易の、私たちの国の在り方、考え方も一つ大きくいろいろ考えていく機会になるのかなと思っております。難しいテーマでございますけれども、是非、日本の国益の最大化のための議論というのも、私の立場からもまた皆様にいろいろな形でお話しいただきながら、研さんを深めさせていただきたいと思っております。
その上で、大臣にお伺いします。
それぞれ、いろいろなリスクとか様々な課題もあると思っておりますが、他方で、今回、トランプ大統領のコミットメントというのは、日本以外でも、EUとか韓国とか、あるいは地域でいえば台湾なども、関税の引下げと引換えにいろいろなことを行っています。直接投資の案件もあるし、具体的な企業名を要請されているケースもあるわけでございます。理屈の上では、日本が、金融措置で、そうしたトランプ大統領とほかの国とのコミットメントにも金融として関わっていくということも、模索することもあり得るんじゃないかと思っております。
その中で、もし仮に、これまで以上に、具体的に言えば台湾のTSMCが米国に進出を更にするんですよというときに、これまでだって日本の関わりはあっても、それ以上に日本が関わりながらそういうプロジェクトに一緒に参画していくということも十分チャンスになるんじゃないかと思いますが、こうなりますと、米国のみならず、ほかの国との連携というか呼びかけというのも赤澤大臣からしっかりとやっていただきながら進めていく必要があるんじゃないかと思います。そうした今回のトランプ関税のチャンスを最大に生かしていくような戦略を大臣に是非主導して進めていただきたいと思いますが、御答弁いただければと思います。
○赤澤国務大臣 今回の五千五百億ドルの日米間の戦略的投資イニシアチブについて言うと、これは米国内に投資をすることで経済安全保障を確保するということが目的になっています。そういう意味では、経済安全保障に関わらないものはちょっと含まれないとか、いろいろな意味がありますが、そんな中、やはり大事なのは同志国ですね、日米だけでなくて、同志国も含めてそれが必要であればサプライチェーンをつくり上げて経済安全保障を確保するとか、そういった考え方も当然ありますので、今の委員の御指摘をきちっと踏まえて、日米に必ずしも限らず、当然ながら、プロジェクトの結果、日本にメリットがあることは確保した上で、もちろん収支相償、償還確実性といったようなことも満たしながら取り組んでいくという考え方でございます。
○山岡委員 時間も迫ってきました。最後に大臣に一つ決意だけ。
いずれにしても、日本企業の技術的優位、不可欠性もなければ進みません。劣後していたら選ばれないわけであります。日本の産業基盤の強化と技術の強化、このことも同時に進めることを、最後に御決意を一言いただけますでしょうか。
○赤澤国務大臣 今委員がまさにおっしゃったことが私どもが本当に考えていることでありまして、米国とお互い特別なパートナーと認め合って、世界の覇権国が経済安全保障を確立するに当たって、日本を特別のパートナーとする。日本からいろいろなものを調達するとなれば、我が国はそれに応えるための国内投資も活発になることが期待できますし、また、技術革新も進んでいく。得るところをしっかり得て、我が国の競争力の強化、経済発展にしっかりつなげていきたいし、経済安全保障も確保していきたいと思っております。
○山岡委員 よい形で進めていけるよう、私たちもまた議論させていただきます。
ありがとうございました。
○工藤委員長 次に、丹野みどり君。
○丹野委員 よろしくお願いします。国民民主党、丹野みどりでございます。
先週、大臣に、石油の供給体制について伺いました。今日は、法案質疑の前に、シンナーの供給体制について改めて伺いたいと思います。
先週、どういう試算をして、こういう備蓄があるから、いろいろな準備をしていて、例えば半年、一年分は大丈夫なんだという見通しも教えていただきました。あとは、流通は目詰まりしているところもあるので、そこを細かく把握して対応していくというお答えをいただきましたけれども、地元に帰りまして、やはり物すごく切実なお声を伺ったんです。なので、今日は、とりわけシンナーについて、お声を伺ってまいりましたので、ちょっと代読したいと思いますので、よろしくお願いします。
赤澤大臣の四月十四日の定例会見で、ナフサ等の原料は前の年に比べて同じくらい製造されているため、メーカー並びにうちのような卸売業者が、本当は在庫があるんだけれども販売を渋っているような、そういった趣旨の御発言もありました。しかし、弊社では在庫に回せるようなシンナーは三月末からありませんし、前年比でのシンナーの入荷量は三分の一もありません。全く入ってきていないシンナーも多々ある状態です。この状況下においても、入荷してくるものを探して、何とか取引先様へ御迷惑がかからないように供給を保つべく尽力しているつもりですが、現場との感覚の乖離がすごくあるなと思い、衝撃を受けました。
シンナーはかなり騒がれておりますけれども、各メーカーではさび止めや塗料にまで影響が出ています。待てば入る状態から、受注停止へと状況は悪化の一途をたどっている状態です。塗料以外にも、ペイントポットやマスキングテープ、ペーパー類まで出荷規制が入ってきていて大変困っています。
価格についてなんですが、シンナーは七五%値上げといったかなりの値上げがあります。更なる値上げの可能性も拭えない雰囲気も出ています。高価になり過ぎて取引様に困惑もあって、何とかしていただきたい、こういう状況です。
開店休業状態にあるところも多々あります。とにかくシンナーが足りません。死活問題です。何とか、本当に供給が足りているというのであれば、どこで止まっているのか、そして、いま一度調べていただいて、本当にいち早い解決策をお願いしますというお声でございました。
各社、例えば、受注停止についてとか、価格改定についてとか、こういったいろいろなものも出されている、こういう状況でございます。
本当に、シンナーは複雑ですので、いろいろな段階で目詰まりもしていると。本当にあるのかもしれないんですけれども、本当に死活問題で、現場の方は本当に困っていると。当然、医療用のものも命に関わりますけれども、こういった経済も、本当に暮らしていけませんから、命に関わってまいります。
なので、こういった状況をどういうふうにお考えで、まず、この現状の認識と、そして、ここに対する対応方針、どうなっているのか、教えてください。
○畑田政府参考人 お答え申し上げます。
シンナーについて御指摘をいただきましたけれども、上流かつ全体の、まず原油や石油製品ということから申し上げますと、これは日本全体として必要な量を確保できているというのが今の状況でございまして、その上で、シンナーの川上に位置します材料としてのナフサ、これにつきましては、少なくとも化学品全体の国内需要の四か月分は確保できているというのが全体の状況でございまして、日本全体として必要となる量、これを確保しております。
さらに、中東以外からのナフサの輸入量、これを増加することによりまして、川中製品の在庫から使うという、この使用期間を半年以上に延ばすことが可能ということに今なっておりまして、また、シンナーにつきましても、平時と同様に、国内の需要量に応じた必要量を供給することができているというのが全体としての認識でございます。
その一方で、一部には、御指摘のとおり、供給の偏りですとか流通の目詰まりが生じているということも認識をしておりまして、経済産業省としては、国土交通省などと連携をしまして、シンナーを含む溶剤等の関係事業者に対して改めて安定供給に係る要請を実施するとともに、建設業者の団体等への周知なども実施をしております。
また、個別には企業へのヒアリングも行っておりますし、これに加えて、関係省庁で連携して分野横断で重要物資の供給の状況を総点検するということを行っております。
関係省庁の情報提供窓口を通じまして、需要家も含めましたサプライチェーンの情報を集約しまして、どこで何が起きているか、供給の偏りや流通の目詰まり、こういうことを一つ一つ把握した上で確実に解消しているというのが現在の状況でございます。
○丹野委員 本当に、是非お願いします。今伺っていると、上流は大丈夫なんだけれども、やはり中流以降、本当に皆さん困っていらっしゃるので、是非よろしくお願いいたします。
では、法案の質疑の方に移らせていただきます。
政府は、二〇三〇年度に百三十五兆円、二〇四〇年度に二百兆円という極めて高い国内投資の目標を掲げております。しかし、企業の投資行動はどうかというと、人口減少によって将来の需要がなかなか見通せないというところもありますし、様々な要因が絡んで、なかなか投資行動が慎重になっています。
現場のお声からすると、投資目標は理解するんだけれども、やはりこれも、現実の実感と、現場の実感と乖離しているとか、投資余力はなかなかない、土地がない、電力、水といったインフラが追いつかない、自治体の許認可は時間がかかる、人材がいない、本当に技能人材も確保できない、投資をしても稼働率が上がらないんだと、いろいろなお声が上がっております。
資料によれば、今回の法案の対象資産が機械装置、器具備品、建物、構築物、運搬用機械、ソフトウェアと本当に幅広いなと思うんですけれども、これはそもそも三十五億円という投資下限があります。これは実質的に、やはりなかなか使えるところが、大企業はデータがありましたというお答えがさっきありましたけれども、中小企業向けの五億円であっても、やはり地方の製造業にとっては極めて高いハードルだと思っております。
質問ですけれども、この投資下限というのはどの程度の企業が利用可能だと想定しているのでしょうか。とりわけ、五億円投資ができるという中小企業が一体どれぐらい存在するのか、教えてください。
加えて、日本政策金融公庫の調査によりますと、中小企業の八割近くが老朽更新ということにとどまっているんですね。こうしたことからも、今回の法案が求めている、付加価値をつけるんだ、高付加価値化を求めるための投資をお願いします、こういうことも、老朽更新で精いっぱいの中小企業からするとなかなか難しいのかなと思うんですが、この辺りも含めていかがでしょうか。
○畠山政府参考人 お答え申し上げます。
この大胆な投資促進税制については、御指摘のように、全業種を対象に大規模で高付加価値な国内投資を促進することを目的としてございまして、大企業につきましては三十五億円、それから中小企業につきましては五億円、そして投資利益率の要件を満たすということを求めてございます。これによりまして、我々の方としては、その対象になる設備投資、これが四兆円に上るというふうに考えておりまして、利用の機会は相当多くなりますし、増えてまいると考えております。
とりわけ中小企業についてでございますけれども、先ほど申し上げましたように、五億円以上ということでございまして、投資利益率、それも満たしたら、例えばですけれども、中小企業が工場の新設や増設に際して建物や機械装置などを一体的に投資するような案件に御活用いただけるというふうに考えてございます。実際に、そうした具体的な案件についてもお声をお聞きしているところでございます。
また、中小企業につきましては、この税とは別に、基本的に投資規模などの要件がない中小企業経営強化税制という既存の税制がございます。大胆な投資促進税制との選択が可能となってございます。実際、この中小企業経営強化税制につきましては、令和六年度の実績でも二万件を超える投資に適用されているところでございます。
もちろん、どちらを御活用いただくということになるのかは、先ほど申し上げたように、建物と機械設備一体のそういう投資なのか、それとも、御指摘のような、そこまでの投資ではないような案件なのか、それはケース・バイ・ケースによると思いますけれども、いずれにせよ、そうした企業のニーズに応じて税制の措置を御選択していただけるように、この二つの税制、しっかりと周知、広報をして御利用いただくように努めてまいりたい、このように考えてございます。
○丹野委員 何割ぐらいの中小企業が対象になりますというのがちょっと欲しかったんですけれども、なるべく使ってもらいたい気持ちは分かるんですけれども、今お話がありました投資利益率一五%以上という、この要件も非常に厳しいなと思うんですね。
ちょっと釈迦に説法になってしまうかもしれませんが、改めて押さえたいと思います。
ROAとよく言われますね。これは企業全体の稼ぐ力ですね。企業の全部の資産を使ってどれだけ稼いだかというのがROAです。一方で、ROIは、今回ですけれども、今回の特定な投資をしたときの回収がどれだけできたかという力ですね。
今回は、このROIの方の一五%以上となっているわけですけれども、日本の製造業のROAは三%から六%と言われておりまして、つまり、企業全体の収益が三%―六%しかないのに、個別の投資で一五%を求めるというのは、平均の二倍から四倍のハードルがあって非常に厳しいかなとこれも思うんですけれども、この要件というのはどういうデータに基づいて設定したのか、そして、制度として本当に使われるのか、教えてください。
○河野(太)政府参考人 お答え申し上げます。
この大胆な投資促進税制でございますけれども、繰り返しになりますけれども、これはやはり大規模かつ高付加価値な国内投資をしっかりと促進する制度ということでございますので、この本税制では、御指摘がありましたけれども、投資計画の投資利益率一五%以上との要件を設定することで、高付加価値な設備投資に対象を限定しているという考えでございます。
この水準でございますけれども、これは平成二十六年度から三年間実施された生産性向上設備投資促進税制などの過去の制度も参考としつつ、この生産性向上設備投資促進税制においても同じような要件を設定してございますけれども、こういった過去の制度も参考としつつ決定をしているということでございます。
なお、先ほども言及がございましたが、中小企業に関しましては、中小企業経営強化税制におきましてはこの投資利益率は七%以上という要件になっておりますので、ここは企業のニーズに応じて、中小企業の方については選択が可能な仕組みというふうにしているところでございます。
こうした制度を活用することにより、事業者のニーズに合わせた国内投資をしっかり後押しをしていきたいというふうに考えているところでございます。
○丹野委員 ありがとうございます。
本当に大型な高付加価値の投資ということを国が求めていて、そこに見合う企業がこの制度を利用するみたいな感じなので、幅広く投資を推すということではないんだなという理解はしましたけれども。
今回、建物、構築物の税額控除が四%となっております。今回の税制が、即時償却又は税額控除は七%と説明されておりますけれども、建物、構築物に限っては四%控除にとどまっているんですね。ただ、半導体工場とかデータセンターといったものは建物の比率が非常に高いかなと思うんですけれども、建物部分の控除率を四%にした理由を教えてください。
○河野(太)政府参考人 お答え申し上げます。
いわゆる建物、構築物等につきましては、一般にやはり取得価額が大きくなりやすいということから、やはりこれまでの、大企業向けに税額控除が広く措置されることは多くはなかったということと認識をしてございます。
そういった状況でございますけれども、本税制におきましてはしっかりと控除の対象とさせていただいた上で、その他の類似税制の水準も踏まえながら、税制全体のバランスや生産性向上への寄与度、財政への影響などを総合的に勘案しつつ、与党の税制調査会で御議論いただいた方針を踏まえて設定したものであるというふうに認識をしてございます。
なおでございますけれども、先ほども言及いたしました生産性向上設備投資促進税制、これは平成二十六年度から三年間実施されたものでございますが、この制度におきましては、建物等の税額控除率が三%、四%ではなく三%でございました。それ以外の機械装置や器具備品等は五%と設定されておりまして、やはりこうした過去の大型の類似制度と比較しても、今回の税制措置は高いインセンティブ水準となっているものと理解しているところでございます。
○丹野委員 ありがとうございます。
もう一つ、ちょっと数字について教えてください。
繰越控除が三年間となっております。税額控除は当然黒字じゃないと使えないと思うんですけれども、当然重要かなと思いますが、この繰越控除を三年にした理由を教えてください。
○河野(太)政府参考人 お答え申し上げます。
繰越控除の制度でございますけれども、これは、米国関税影響など国際経済事情の急激な変化による影響を受けている事業者の場合、やはり収益が減少することによって本税制のインセンティブが十分に機能しないことも想定されるところでございまして、こういった背景で、こうした事業者の皆さんが本税制のインセンティブを十分活用することができるように、一定の場合に税額控除の繰越しを認めるということとしております。
御指摘ございました繰越控除が認められる期間でございますけれども、これはやはり、国際経済事情の急激な変化による影響が複数年度に及ぶ可能性もあるだろうということを踏まえまして、そうした場合においても事業者の皆さんの予見性を高めて税制のインセンティブが最大限発揮されるよう検討したということでございますけれども、これはやはり、ほかの税制措置においては繰越期間が一年の制度も多くある中で、最大三年間しっかりと繰越控除の期間を設定させていただいた、そういう趣旨でございます。
○丹野委員 ありがとうございます。
質問は、お昼を挟みまして一時からまたございますので、ちょっとここで午前中の部は切りたいと思います。また後ほどお願いします。
ありがとうございます。
○工藤委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
午前十一時五十九分休憩
――――◇―――――
午後一時開議
○工藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。丹野みどり君。
○丹野委員 引き続きよろしくお願いします。
午前中の質疑で、五億円も投資ができる中小企業はやはり僅かではないかとか、全体を総動員して稼いだROAでさえ三%から六%であるのに、個別の投資で一五%はやはり難しいんじゃないかとか、いろいろ申しましたけれども、もう一つ、中小企業について伺いたいと思います。
今回の法案は、もちろんこういうレベルに来てほしいというところを対象にしているのはよく分かったんですけれども、現実的には中小企業が対象にはなりにくいなと思ってしまいます。
そういった中で、今回の法案を超えて、中小企業の投資に対してどういった支援をしていくのか、教えてください。
○山本政府参考人 お答えいたします。
成長型経済に向けて、中小企業、小規模事業者による設備投資を促し、稼ぐ力を高めていくことが大変重要と認識してございます。
先ほど来議論のありました中小企業経営強化税制のほかに、金融支援の面では、新事業活動促進資金として、例えば、中小企業経営強化法に基づく経営力向上計画の認定を同じく受けた事業者に対しまして、設備投資資金も含め、最大十四・四億円まで融資を行うことができる制度を措置しております。
なお、百億宣言を行い、大規模な設備投資を行う事業者も、併せてこの三月から融資の対象に追加したところでございまして、この百億宣言を行い、積極的な設備投資を行う事業者に対しましては、成長加速化補助金というような形での補助制度での支援も行っております。
このような様々な施策を動員いたしまして、中小企業の前向きな設備投資を後押ししてまいる所存でございます。
○丹野委員 ありがとうございます。
今いろいろ今回の法案の枠を超えてお答えいただきましたけれども、実は、次の質問は、先日の質疑でちょっと積み残してしまったんですけれども、ここで組み入れることをお許しいただきたいと思います。
というのも、中小企業の支援にまつわることでして、今お話がありました補助金についてなんですね。デジタル化対策とか人手不足対策とか、そういったいろいろな支援策において、経産省の皆さんが本当に一生懸命いろいろな支援策をつくっていらっしゃって、そこには本当に敬意を表します。
例えば、IT導入補助金、DX支援、専門家派遣、採用支援、教育訓練、移住支援、外国人材制度、補助金制度は本当に山ほどあるんですけれども、残念ながら、中小企業のデジタル化とか人手不足解消、これも進んでおりません。
よく皆さんからお聞きするのは、やはり補助金の申請書類が多過ぎるとか、難し過ぎるとか、手続が複雑、それで、かといって専門家を雇うこともできないし、そういうお金も余裕もないと。こういうお声から、本当に必要としている人ほど申請ができないという現状があると思います。
こういった現状をどう改善していくのか、そして、この補助金の難しいと言われている制度をどんなふうに簡素化していくのか、教えてください。
○山本政府参考人 お答えいたします。
各種補助金の申請に係る煩雑さへの対応に関しましては、御利用いただく中小企業、小規模事業者のお声を踏まえまして、手続の簡素化等の見直しを実施しておるところでございます。
例えば、新事業進出補助金におきましては、当初はシステム上のそれぞれのページの項目にそれぞれ入力してもらう形式でございました。しかしながら、収益計画等の一部についてシステムへの入力が煩雑であるという御意見があったことを踏まえまして、その部分については専用のエクセルに必要事項を入力する形とし、それをアップロードすることで一つ一つの項目への入力を省くというような工夫を現在行っておるところでございます。
また、中小企業省力化投資補助金、カタログ注文型におきましては、中小企業が省力化のための汎用製品を導入する際に、カタログから簡易に選べるというような申請の仕組みも取り組んでおるところでございます。
引き続き、このような、中小企業の皆様に広く活用いただけるような観点から利便性を高め、手続につきまして不断の見直しに取り組んでまいる所存でございます。
○丹野委員 ありがとうございます。
本当に補助金制度を必要な方に利用してほしいなと強く願いますので、この簡便化、是非不断の見直しをお願いいたします。
これまでずっと中小企業について伺ってまいりましたけれども、じゃ、今回の法案、やはりメインとなる大企業はどうなんだろうと思うわけですね。やはり、将来の需要が不確実だよなとか、地政学リスクもあるしサプライチェーンが不安定だし人材不足だしという、本当に大企業にとっても構造的な問題がいっぱいあると思います。
こういった問題に手をつけない限り、税制だけではどこまでいっても、大企業であっても投資は増えないと思っております。こういった点をどう認識して、どこまで効果があると思いますか。
○赤澤国務大臣 高市内閣の成長戦略の肝であります危機管理投資、成長投資の推進に向けては、委員の御指摘は全くそのとおりだと思っておりまして、大胆な投資促進税制を始めとする税制措置だけではなくて、需要の不確実性を軽減する官公庁による調達、官公需をきちっとつくっていくとか、あるいは排出量取引制度のような制度をつくる、そういうことで、規制・制度改革を通じた需要の不確実性の軽減、あるいは、地政学リスクを含むサプライチェーンの不安定性を乗り越える有志国連携とか国内産業、技術基盤の強化、さらには産業構造転換に合わせた人材育成の推進など、これも本当に委員が御指摘のとおりで、企業が投資の意思決定を行う際の構造的な課題、これに対応した支援策をできる限りきめ細かく講じていくことで、企業の投資の予見可能性を高めて、官民の投資が少しでも積極的になってほしいということで取り組んでまいりたいと思います。
○丹野委員 大臣に課題感を共有していただいて本当にありがたいんですけれども、是非これを実践していただきたいと思っています。
今の状況もまさにそうなんですけれども、本当に、戦争ですとかテロとか経済制裁、輸入制限、こういった民間ではカバーし切れないリスクがたくさん増大しています。こういう中で、やはり半導体ですとか蓄電池、重要鉱物、これを日米で供給網を強くしていくんだということが必要と思います。
そのための資金調達を支えるのが特別な引受業務の創設と理解しておりますけれども、様々な、本当にこの大きなリスクを国がどこまで負担するのか、教えてください。
○赤澤国務大臣 日米政府の戦略的投資イニシアチブは、我が国にとって特別なというか、お互いに特別なパートナーと認め合った日米が、共に利益を得られる強靱なサプライチェーンを構築をし、経済安全保障を確保していくためのものです。MOUですけれども、了解覚書に基づき、協議委員会において、収支相償、償還確実性、あるいは日本への裨益、メリットなどについてしっかりと審査を行うために、巨額の保険金支払いが生じるような事態は基本的に想定をしておりません。
一方、NEXIが本イニシアチブの複数かつ巨額のプロジェクトの保険引受けを行うために、今回の法改正では特定引受業務を創設をし、この業務に関して発行上限を三兆円とする交付国債の措置を盛り込むこととしております。
万が一、保険金の支払いが生じ、特別勘定において原資が不足してしまい、かつ、民間金融機関や金融市場からの適時の資金調達が困難である場合においては、交付国債の償還を行って対応することとしたいと考えておりますが、そういう事態が生じることは基本的には想定していないというのは繰り返させていただきたいと思います。
この措置を通じ、NEXIの財務基盤を強化をし、保険金支払いに万全を期することを通じて、本イニシアチブに参画する民間金融機関のリスクが低減をされ、融資並びにプロジェクトが進むというふうに考えております。
○丹野委員 今お話がありましたけれども、交付国債三兆円、これについて伺いたいと思います。
資料には交付国債三兆円とあるんですけれども、ただ、半導体とか蓄電池といった投資に対しては、三兆円というのは日米の戦略的イニシアチブの実効性に影響しないのかなというふうにも思うんですけれども、この三兆円とした根拠を教えてください。
○荒井政府参考人 お答えさせていただきます。
交付国債の上限三兆円の考え方についてでございます。まず、日米政府の戦略的投資イニシアチブの合意金額、約八十兆円ということで設定をしております。NEXIとJBICがこの八十兆円のうちどのくらいの比率をカバーするか、これを機械的に二対一としております。その場合、NEXIが引き受ける最大見込額は約五十三兆円となると想定をしてございます。
その上で、現状の実績をベースに、機械的にレバレッジ、すなわち引受額に対してどのくらいの資本金、自己資本が必要かというところを十倍で計算いたしますと、NEXIに必要な自己資本は五・三兆円、五十三兆円なので五・三兆円になります。一方、引受けに伴って得られる保険料収入、これが二・六兆円と想定してございます。さらに、令和七年度補正予算で措置しました出資金、一千億円ございます。これを足し上げると、二・七兆円、既に収入があることになります。この二・七兆円を五・三兆円から引き算して控除しますと、残りの金額は二・六兆円になりますが、この二・六兆円に、所要額が変動する可能性を加味しまして、総額三兆円と算出しております。
ちなみに、午前中、山岡委員の方から、八十兆は八十七から八十八兆円になっているんじゃないかという御指摘がございました。その場合、為替の変動に伴って若干数字は変動いたしますが、この三兆円という数字は基本的には変わらないと考えてございます。
○丹野委員 ありがとうございます。
続いてです。区分経理の透明性確保のための具体策を教えてください。
○荒井政府参考人 お答えさせていただきます。
NEXIが提供する貿易保険は、日本企業の輸出、それから海外向け投融資、これらに伴い生じ得るリスクをカバーするものでございます。我が国企業の海外展開や海外市場の獲得に大きな役割を果たしていると考えてございます。
そのため、複数かつ大きな金額の日米政府の戦略的投資イニシアチブの案件が想定される中でも、NEXIの通常業務に影響を与えることなく対応していくことが大変重要になってございます。
こうした観点から、今回の法改正では、本イニシアチブに係る保険引受けの業務であります特定引受業務、これにつきましては、NEXIにおいて特別勘定を設けて、通常業務とは区分して経理を行う措置を盛り込んでおります。
これによりまして、万が一特定引受業務について保険金支払いが生じた場合も、特別勘定から支払われることになりまして、通常業務の保険引受けに対しては影響を与えないことになります。
その上で、御指摘の透明性でございますが、NEXIは、株式会社として、会社法など関連の法令に基づきまして、一般勘定とは別に、特別勘定についても財務諸表を作成、公表することとなっております。こうした対応を通じて透明性確保に努めてまいります。
○丹野委員 ありがとうございます。
次は、用地不足の深刻さについて伺ってまいりたいと思います。
資料によりますと、分譲可能な産業用地が十年で半減しているとか、八割以上の自治体が五年以内に用地が枯渇するというデータもあります。その一方で、政府は、半導体とかデータセンターとか蓄電池といった、土地がいっぱい要るという集約型の大型投資を積極的に誘致をしております。
こういったギャップもある中で、政府はこの用地不足の現状をどのように認識しているのか、まずは教えてください。
○宮本政府参考人 お答え申し上げます。
実態として、産業用地は不足している状況と認識しております。経産省が令和五年に実施したアンケートでは、都道府県及び政令市の八割超が、五年以内に産業用地が枯渇する可能性があるというふうに回答をしているところです。
実際、工場立地法に基づく工場立地動向調査によりますと、一千平米規模以上の工場の二〇一四年における立地面積は約千三百ヘクタールでありましたけれども、近年増えておりまして、二〇二四年では約二千ヘクタールに増加してきております。また、さらに、先ほどのアンケートでは、六割超の都道府県及び政令市において、企業からの立地に関する相談も増加しているという状況でございます。
その上で、都道府県及び政令市の八割が産業用地の開発意向を示しておりますけれども、足下では、産業用地の造成に当たり、工業用水の不足、あるいは地権者交渉、それから開発資金の確保、土地利用の調整が課題というふうに認識されている状況でございます。
○丹野委員 今回の法案が、既存敷地の活用をしていくんだ、加えて、新規であってもなるべく活用しやすいようにということで、いろいろな意図が盛り込まれているかなと理解をしておりますけれども、今回の枠組みを使って、この用地不足改善に対してどういった対応をしていくのか、教えてください。
○宮本政府参考人 今回の法改正では、産業用地の確保に向け、既存の産業用地の最大限の活用と新たな産業用地の整備を両輪で進めてまいりたいというふうに考えております。
既存の産業用地の活用の観点では、生活環境の保持、地元の理解を前提に、工場立地法に基づく緑地面積率の規制を特例緩和する、それから、データセンターに対する工業用水の供給を義務づけ、立地を後押しする、企業誘致を後押しするために、財政力の弱い自治体が行う機械装置の固定資産税の減免による減収を補填するといった措置を講ずることとしております。
また、新たな産業用地整備については、創設した産業用地整備に係る計画承認制度に基づきまして、中小機構による低利、長期の融資や計画作成、実施に関する助言、官民連携を前提に、民間開発事業者に対する土地等の譲渡に係る課税特例、こういった措置を講じることとしています。
開発資金の確保やノウハウを持つ職員の不足といった自治体の課題にもしっかり対応しながら、産業用地確保に向けて全力を挙げて取り組んでまいりたいと思っております。
○丹野委員 ありがとうございます。
今の御説明で、一定の前進にはつながることが認識できました。
ただ、何かその場所に造るというときに、必ず地権者の方との交渉というのがあるわけですね。道路にしても工場にしても、何かの施設を造るというときも、どんな案件でも、なかなか進まない。やはり地権者との交渉がすごくネックになっていて、自治体の御負担にもなっているという現状もあるかと思います。
こういった状況において、自治体任せにすることなく、国が地権者交渉においても全面的に前に出てきて支援をしていく、そういうお考えはあるでしょうか。
○宮本政府参考人 地権者交渉について御質問いただきましたけれども、先ほど申し上げましたように、地権者交渉の合意というのが大きな課題とはなっておりますが、実際にそれに当たる自治体等職員のノウハウの不足、こういったものも対応が必要かというふうに考えております。そのため、今回の法改正では、産業用地整備を進める自治体に対して中小機構が助言を行うことで、地権者交渉を含め、ノウハウを補完するような措置を設けております。
加えまして、官民連携で民間事業者のノウハウを活用し、地権者交渉の円滑化を図ることも有効と考えております。
しかし、地権者が土地等を自治体に譲渡する場合には課税措置がある一方で、官民連携を行う民間事業者への譲渡の場合には税制措置がなかったという状況でございましたので、今回の法改正によりまして、官民連携を行う民間事業者へ土地等を譲渡する場合についても、地権者の譲渡所得にかかる所得税等の軽減措置を講じることとしたところでございます。
こうした措置によって、地権者交渉の円滑化も図って、迅速な産業用地整備を進めてまいりたいと考えております。
○丹野委員 産業をするときに、当然、水も欠かすことができないわけですけれども、工業用水について教えてください。工業用水の整備における国の支援はどうなっているのか、教えてください。
○宮本政府参考人 お答え申し上げます。
工業用水、まさに重要な産業インフラでございますが、既に敷設されている工業用水道施設については、強靱化対策が急務となっておりますので、第一次国土強靱化実施中期計画に基づきまして、工業用水道事業費補助金によって、地方公共団体が進める強靱化対策を支援しております。
また、半導体等の戦略分野に関するリーディングプロジェクトの産業拠点整備にとって必要となる工業用水を含む関連インフラの整備については、内閣府の下で創設した地域産業構造転換インフラ整備推進交付金を通じて支援をし、国内投資の促進や国際競争力の強化等を図っているところであります。
さらに、今般の地域未来投資促進法の改正によりまして、地域経済を牽引するデータセンターに対する工業用水の供給の義務づけを行うことで、データセンターにも安定的に供給することが可能となるように措置をしたところであります。
このように、産業にとって重要な工業用水を更に有効活用できるよう、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
○丹野委員 ありがとうございます。
法案の質疑は以上なんですけれども、冒頭に申しましたシンナーの不足についてです。
やはり現場は本当に苦労されていて、流通の目詰まりとか、いろいろなことがあるんだけれども、実感としては全くそれはない、もし仮に流通が目詰まりしていて、大本では上流で足りているんだということであれば、それを本当にいち早く解消してほしいというお声がありました。
最後に、ここについて、大臣の決意というか御意見もお願いいたします。
○赤澤国務大臣 冒頭にいただいた大変重要な御指摘だと思っています。
私どもは、やはり日頃から経済産業省がつき合いのある大手企業とまず真っ先に話をするようなところがあるものでして、シンナーについても、四月、五月の見通しを石油化学メーカーが、四月は今までどおり、五月は未定と言った途端に、そこから原料をもらってシンナーを作るメーカーがいきなり四月の供給を半分にしちゃったみたいなことは、これは日本でも本当にトップクラスの大手のメーカーについて起きたことであって、そこについて、お願いをし、目詰まりを解消しましたが、やはりそこが、今委員が本当に声を拾ってきておられる、例えば町場の、本当に小規模でシンナーを使っているような、自動車整備事業者の方でありますとか、あるいは建築関係の方とか、一人親方もいますし、なかなかそういうところに全部行き届いていないというのは、そのとおりなんだと思います。
私どもができる努力として、当然、マンパワーの限りとかはありますが、お声を届けていただけば、一つ一つサプライチェーンを実際にたどる、職員が電話をかけたり足を運んだりということをやらせていただいて、全力を挙げて解消を目指しておりますので、ちょっと時間がかかることはありますし、気づかないことも多いのでありますが、是非情報をお寄せいただいて、しっかり対応させていただきたいと思います。
繰り返しになりますが、私どもは、国全体として必要な量は確保できているということは確信を持っておりますので、足りない分を必ず備蓄から放出をし、ほかの国よりもはるかにきちっと備えをしていたというつもりでありますので、その効果がしっかり国民お一人お一人に行き渡るように、御指導いただきながらしっかり取り組んでまいりたいと思います。
○丹野委員 ありがとうございます。
大臣の今の心強いお言葉を基に、また地元に帰って、いろいろな皆さんとお話をしたいと思っています。
今日はありがとうございました。
○工藤委員長 次に、鈴木義弘君。
○鈴木(義)委員 先週に引き続きまして、国民民主党の鈴木義弘です。
かぶるところもあろうかと思うんですが、そこは御容赦いただきたいと思います。
今日も石油だとか塗料の話題になったんですけれども、これも言い古された言葉なんですけれども、衣食住足りて学遊という言葉が昔からあったと思うんですね。この業種で、いろいろな業種、今多岐にわたっていますので、五つの分野に、また、複数の分野に関連するのが大半だと思うんです。全て人の営みのことを言っていると考えます。
コロナのときに、人の移動に制約をかけたことによって、食と住だけは何とか、これがないと生活できないから、衣と学と遊という業種の方が一番苦しまれたんですね。食は、食べないと生きられません。住は、夏場暑いときはやはりエアコンをつけないと生活できない、野っ原で生活できるわけじゃないので。そうすると、この二つは必ずなくちゃいけないし、これに携わる業種、サプライチェーンも含めて、それは、何ということはない、全ての人の営みのことを言っているんだと私は考えます。
アベノミクスから十三年、十四年目に入ったんだと思うんですけれども、成長戦略、成長投資に重点を置く政策を矢継ぎ早に打ち出してこられたんだと承知しています。本当にそれだけで人の営みを支えられるのか、この国の民は何で御飯を食べていけばいいのか、今やっている仕事はそんなに時代遅れなのか、これからの社会に必要とされていないのかというふうに問いかけられたら、どんな言葉を大臣はおかけになりますか。
○赤澤国務大臣 まず、委員がおっしゃったことは非常に重要な御指摘だと思います。
当然、職業に貴賤はないという言い方ももちろんございますし、それから時代遅れなのかどうかという点についても、全ての営みが極めてひとしく重要なものであって、我が国にとっても国民生活にとってもなくてはならないものだということは確信をしております。
その上で、きっと委員の今御案内のところだと思うんですけれども、成長戦略の十七の戦略分野、我々が選び出したことについて、じゃ、それ以外はどうなんだ、時代遅れかということなんですが、十七分野について言うと、経済安全保障の確保の観点から重要であることと、将来的には世界でも市場が広がる分野だということに加えて、やはり足下ではそこで何か成功しようとするとリスクが高い投資になるというために、政府としても大胆な政策を講じなければならない分野として技術を十七個取り出してきたつもりでございます。
そういう意味で、ここで先陣が切られる積極的な民間投資の流れを日本全国に広げていく政策を講じることで、国民の皆様にも成長の果実が行き渡るよう取り組んでいきたいと思いますし、その上で、十七の戦略分野ではない業種も我が国経済の成長や国民生活のために極めて重要であることは論をまちませんので、様々な業種の生産性や稼ぐ力の向上を図り、物価高に負けない賃上げを実現することで、確かな所得とやりがいを得られるようにしていきたいと思っています。
そういう意味で、今御議論いただいている大胆な投資促進税制も、これは業種は限らないということでやらせていただいています。
今申し上げたような確かな所得、やりがいといった意味で、一つ鍵になると思うのはAIの進歩ですね。その普及、スピードに驚かされるばかりで、AIトランスフォーメーションという切り口はどの業界にあっても大事なのかなと。特に、現場現業型でスピード感のある中堅・中小企業にとっては、AIは、人手不足を乗り越え、大企業を一気に追い抜き、生産性を一気に向上させて、時代遅れどころか時代を先取りするような、いわゆるリープフロッグのチャンスがあると思っていますので、地方も起点としたAIトランスフォーメーション、これも念頭に置いて、強力に後押ししていきたいというふうに思っております。
○鈴木(義)委員 何日か前のラジオのニュースでたまたま耳に入ったんですけれども、ここ三、四年なんですかね、労働市場の引く手あまた、どんどんどんどん人を採りたい、大手企業も中小もみんな人手不足だということでどんどん採るんですけれども、とうとう来年の新卒からはちょっと求人の陰りが見えてきたというニュースだったんです。何でといったら、AIをどんどん入れることによって、そのAIでカバーするような業種に携わっているところは人を募集しないんですね。
先ほど、今大臣が御答弁されたように、日進月歩よりもっと速い速度でAIが普及していって、私たちの社会の中に知らず知らずのうちにそれが活用されて、まあいいことなんでしょう、ということは、逆に、あと一年先、二年先たっていってそれがもっと拡大していったときに、私、あそこに就職したいんだけれども、この仕事はあなたにはありませんよと。それは何年もしないうちに来るかもしれないんですね。
だから、先ほど申し上げましたように、後で議論させてもらおうかと思うんですけれども、生産性の話と付加価値の話をするんですけれども、今回の競争力強化法の改正も、高付加価値という言い方をされるんですね。
じゃ、例えば、一つの切り口を変えたとして、私、県会議員から衆議院の方にお世話になっているんですけれども、二十年ぐらい前かもうちょっと前ぐらいのデータで、日本の企業はローテクとハイテクというような区分けの仕方をしたときにどのぐらいのパーセンテージがあるのかといったら、ハイテクだったらこういう業種とか部門とか、ローテクはそれ以外とかで、大体一五%対八五%ぐらいの割合だったんですが、昨日、問取りのレクに来られたときに、今は時代が違って、特にローテク、ハイテクで区分をしようとすると、結局、物というより業種を入れ替えちゃうんだそうです。
そうすると、私が今頭の中に残っているのは一五%か八五%の割合だったのが、今どのぐらい伸びているんですかというのが最初のお尋ねだったんですけれども、業種を入れ替えられちゃうと経年変化が分からないんですね。そういう答弁をされると思って、そういうことですよね。今はどういう割合になっているか、教えてください。
○宮本政府参考人 今、ローテク、ハイテクの割合について御質問いただきましたけれども、過去からのデータを追いかけているものとして、OECDの分類というのがございまして、OECDによりますと、粗付加価値に対する研究開発費の割合、これを五段階ぐらいのレベルに分類しまして整理をしています。その分類の中で、一番研究開発の割合が大きい分類、それが、ハイテクノロジー産業という名前がついていますけれども、これは業種の偏りがいろいろ出てくるものですけれども、具体的には、医薬品、電子機器、航空・宇宙がハイテクノロジー分野に分類されている、そういうことでございます。
これの経年を追いかけているものとしまして、我が国においてどうなっているかということですけれども、文部科学省の科学技術・学術政策研究所のレポートでこの数字を追いかけているわけですけれども、このOECDの定義に基づきますと、ハイテクノロジー産業の輸出額に占める割合につきましては、三十年前は大体三〇%程度であったんですけれども、その後減少して、二〇一〇年頃からは一五%程度で横ばいに推移しているというふうに理解しております。
○鈴木(義)委員 そうすると、高付加価値な、私のイメージだと、ハイテクをどんどんこの国で広げていけば、そこで、要するに、国内だけじゃなくて、海外にそれを御愛顧いただいて、製品として、サービスとして買ってもらって稼いだ金で、ローテクで食べている人たちにその富を分配することができるんじゃないかというふうに思ったんですけれども、これはパーセンテージだから、金額に換算するともっと違った数字が出てくるんだと思うんですね。
だから、産業競争力というふうに一口で言ったとしても、やはり、切り口を幾つか用意した中で、この切り口だったらこういう考え方であります、この切り口だったらこういう考え方でやりますと言わないと、どうしても、じゃ、ハイテクを育てていけばラッキーなのかというと、先ほど申し上げましたように、AIを入れてハイテクの分野をどんどん伸ばしていこうとすると、人は要らないんですよ。ということは、GDPに換算する人件費が少なくなる。まあ、それ以上給料を払って外国のいい人材を呼び込むといえば別の話になるんですけれども、逆に、今の場合は、日本から自分のことを評価して高く給料を払ってくれる企業にどんどん行ってしまうというのが今の現状なんだと思うんですね。
だから、割合のところは、文科省でも経産省でも構わないと思うんですけれども、一つは、OECDで見るのかそれとも国内で見るのかは別にしても、ハイテク、ローテクといったときに、一昔前は、第一次、第二次、第三次産業と昔は言っていたんです、昭和四十年の前ぐらいまでは四〇、四〇、二〇だったんです。第一次産業が四〇%、製造業が四〇%、残りがサービス産業で二〇%。今は、第一次産業が二%いるかいないか、第二次産業の製造業が二七、八%、第三次が七割を超えている状況の中で、いまだに製造業を主体にしたような経済政策を打っていった方がいいと思って今回の競争力強化法につながっていくんだと思うんですけれども、でも、圧倒的に、働いている人の七割を超えている人がサービス業。この中には、AIを使うとかロボットを使う、こういうものを開発することによって利便性を上げたり効率性を上げる、こういうところの業種。だから、先ほど申し上げましたように、五つのジャンルの中に複合的に仕事をされているところがあるんだろうという考え方なんですね。だから、そこのところは今後も追いかけて。
あとは、今回はパーセンテージしかお聞きしなかったんですけれども、やはり金額ですよね。金額となおかつ利益率、そういったものも併せて追っかけてもらうようにしないと、本当に、この国の民が、私も含めて、何を仕事、なりわいにして御飯を食べていけばいいのか分からない時代が、もっともっと難しい時代に入っていくんじゃないかと思うんです。
だから、地方にいればいるほど、情報は取りやすくなったんですけれども、例えば、百軒の家で一軒の床屋さんがありました、理容師さんがいて、そこで御飯を食べられたんですね。でも、自分の息子が理容師の資格を取って、もう一軒、その百軒の集落のところでお店を開業したいというと、五十軒では食べられない。じゃ、どうするか。人のいるところに移っていくんです。サービス業はそういう宿命にあると思います。全部じゃありません。人のいるところじゃないと商売が成り立たないということです。でも、農業だとか製造業は、今度は逆に、地べたがなければ商売にならない。それをごっちゃにして競争力という言葉で表してしまうと、どうしても見誤ってしまうんじゃないかという考え方なんですね。
もしその辺に御所見があれば、大臣の方で。質問通告は入っていないかもしれないですけれども。
○赤澤国務大臣 大変興味深い視点を今教えていただいたというふうに思っております。
なかなか、単体で見たときに、生産性というものを我々は計算するわけですけれども、それがよければいいのかというと、お客さんがいなければいけませんので、今まさにおっしゃったような、その地域に必要なだけのお客さんがいるかどうかというようなことで実際に商売できるかどうかも決まってきてしまうので、大変重要な視点だというふうに思います。
そういう意味で、我々も、いろいろな戦略の中で、経産省も生産性向上を一生懸命やりますけれども、また一方で、地域未来戦略とか、前政権では地方創生と言っていたようなもので、地域としてしっかり必要なサービスが整えられて、そこで、そこに住んでいる人がちゃんと職があり、やっていけるかみたいなことは、また別の視点で、別の役所が所管をして考えているところで、全体、総合力として、国民のお一人お一人が今日より明日豊かになれるというような感じの方向を目指していくということかなというふうに感じた次第でございます。
○鈴木(義)委員 これもちょっと古い話なんですけれども、商店街の活性化がよく話題になったときがあったと思うんですね。
商店街はどうやってできているのかなと、いきなり十軒、二十軒の商店街ができるわけではなくて、八百屋さんができて、魚屋があって、肉屋があって、揚げ物屋があって、荒物屋があって、クラスターを形成していくんですよね。
小泉改革のときにまちづくり三法を緩和して、結局、田んぼの中でもスーパーが出られるようになって、消費者はすごくラッキーだったんですけれども、旧市街地が衰退していくことになるんです。
では、スーパーが出てきたときに何が強みなのかなと思ったら、商店街は駐車場が基本的にない、だから駐車場を広く取るんですね。スーパーが出てきました。では、その次に出てくるスーパーは何をやるかといったら、ここにある商店街で売っているようなものプラス、薬局屋さんを入れたり、花屋さんを、まあ花屋さんは商店街でもあるんですけれども、今度は歯医者さんを入れたり、こういったことで、複合化をすることによってお客さんを呼び込む。今度、それからアウトレットみたいなものになって、大きな駐車場を造って、今度はいろいろな多業種をいっぱい入れていって、そこにお客さんを呼び込む。そことの競争をしなくちゃいけないのが旧商店街になっていくわけです。
だから、商店街にないものでスーパーが出てきて、スーパーがないもので結局アウトレットを造っていこうとするから、そことの競争になったときに、同じような考え方では勝負にならないという。
それでも、ほかの省庁になってしまうんですけれども、例えば、昭和四十五年に都市計画法というのができて、あなたの地域は居住地域、あなたは商業の地域、あなたは工業の地域、あとは調整区域よと区分けをしたんですね、乱開発をさせないと。そのときに、居住用のところで何十年もお店をやっているところが、お店を広げて集客をもっと増やしたいと思ったら、何ということはない、売場面積の一・五倍しか法律上認めないんです。こっちは田んぼの中で大手のスーパーが出てくるといったとき、市が開発を認めて、農地転用も含めて、それで許可をするんです。こっちは一・五倍の売場面積しか広げられないで、ここで勝負しろという。
これは、経産省の所管ではないから、国交省の所管になってしまうんですけれども。結局、そういった、所管外のところでどうしても制約がかかったり、何かこっちを後押しするような政策を取られてしまうと、ここはもうやらなくていいのか。私の地元でも、古くから、四十年、五十年では利かないぐらいやっていたよろず屋さんがもうみんな閉めていっています。それが現実。困るのは、そこの地域に住んでいる人たちが、買物はどこへ行くんですか、あそこのスーパーと言うんですね。
だから、そこのところをやはり少し、所管外かもしれませんけれども、産業政策の中の今回は競争力強化という形になるんですけれども、その辺の規制というんですか制約も踏まえて町づくりを、また産業の後押しをしていくというところで、是非、こっちの人たちも意欲のある人もいますから、そこを何か特別にサポートしてあげられるような制度をやって、同じ土俵で戦うんだったらまあしようがないなというふうになるけれども、もう最初からこういう規制の中で頑張れ頑張れと言っても、これは難しいと思うんですね。特に、そういった規模でやっているのは小規模事業者、個人事業主が多いものですから、そこのところを是非次の政策展開をするときに頭の片隅にでも置いておいてもらえればなというふうに思います。
次の三問目のところは、製造業の開業率の地域要因の影響、こういう題材で、レポートを読んだんです。先ほど申し上げましたように、ハイテク業種とローテク業種の比較分析という記事なんです。
次のように分析結果が述べられています。
製造業全体では、大学卒業者の割合が低く、失業率が高く、事業所密度と製造業の比重も高く、小規模な事業の多い地域では開業率が高いという結果が出ていたんです。一方で、期待される利益と地価と開業率の相関関係は見られない、平均賃金との関係も強くないというものなんです。
ハイテク業種とローテク業種に分けた分析では、ローテク業種では、失業率が高い地域ほど、また大学卒業者の割合が低い地域ほど開業率が高いことが示されています。ハイテク企業ではこのような傾向は見られない一方で、ハイテク業種の比率が高いほどハイテク業種の開業率が高いことが分かりました。
分析結果からどのような政策を取るべきことが誘導されるのか、その問いにこの研究者は、失業率の高い地域では製造業全体とローテク業種で開業率が高いとの結果です、失業者による開業は失敗することが多いという指摘もなされているんです。失業した後に開業してもなかなかうまくいかない。これは、資金や技術などの面で十分な準備ができていないまま開業するケースが多いからだと考えられている、特に、生き残るためには、最初からある程度の規模と競争力を持って開業することが大切です、資金面や技術面での支援が鍵となりますと述べられているんですね。
もう一つこの方がおっしゃっているのは、都道府県単位とか市町村単位よりもう少し小さい、工業団地や旧村単位。昔は三千市町村ありましたから、今は千七百の自治体に合併していますから、私の地元でも、昭和三十二年に三村合併で今の三郷市というのが形成されているんですね。そうすると、ちょっと時代錯誤かもしれませんけれども、その村は村でのやはり生い立ちがありますから、工業が集積する地域もあれば、農業が盛んな地域もあるし、人がいっぱいいれば商業が盛んな地域、その辺をもう少し細かくリサーチした方がいいんじゃないか、それを、開業後の存続や成長に対する地域要因がどのように影響しているのかを調査、分析して産業の活性化を図るべきだと考えていますけれども、御所見をいただきたいと思います。
○宮本政府参考人 今御指摘いただきましたとおり、行政区分単位のみならず、地域の産業の状況を踏まえたきめ細かな単位で分析していくということが非常に重要なことだというふうに考えております。施策を打つ単位は行政区画によることがあったりするんですけれども、経済はそれと余り関係がないということもございます。その辺りをしっかり見ていく必要があるかと思います。
このような考え方の下、政府としては、産業集積やサプライチェーンの果たす機能に着目し、それらの機能を強化する施策も実施しているところであります。
例えば、産業集積の形成に関しましては、地域未来投資促進法において、自治体が地域の特性を分析し、事業を促進する分野や区域を定め、基本計画を作成することとしており、この計画ごとに、計画実施による付加価値目標値を設定し、政策効果の事後的な検証を行うようにしております。
なお、この基本計画は、地域経済の実態に応じてということでございますので、都道府県の一部など、柔軟に区域設定をできるようにしているところであります。また、計画の中では、重点的に産業集積の形成等を図るべき区域として、工業団地や観光地など、行政区域よりも小さな単位で自治体が重点促進区域を設定することができるようにしておりまして、国がその単位で必要な支援を実施する仕組みも設けているところであります。
地域経済振興施策の効果を高める観点から、引き続き、経済実態に合わせた単位で効果検証をしつつ、取り組んでまいりたいと思います。
○鈴木(義)委員 私の記憶が間違っていなければ、二十年じゃ利かないね、三十年ぐらい前に経産省が、一つの産業クラスターをつくりますと。埼玉でいえば川口から草加、八潮。松戸も入っていましたかね、千葉の。それと流山、柏が。一つのクラスターにするんですと言ったんですけれども、今ほとんど聞かないんです。だから、そのときに指定はしたんですね、ここをクラスターにしていくんだというのを経産省が打ち出したんだけれども、その後何だか今誰も言わなくなっちゃって、じゃ、それでいい結果が出たのか、いや、うまくいかなかったのかが、担当の人が異動しちゃうと、その後就いた人は、全然私は分かりません、そういう状況なんですね。
だから、いろいろな施策を打とうとするんだけれども、今回の産業競争力強化法の改正もそうなんですけれども、何となく皆さんは、ぼやっと、ああ、こういうことをやっていきたいんだよなと思っても、いただいた資料を見る限り、今私がお話ししたような切り口のことはほとんど書いていないんですね。じゃ、出てきました、三年でポシャりましたといったら誰が責任を取るのかという話。これも、本来だったら、事業ですから、五年とかじゃなくて十年、二十年、三十年。地元は、もっと長く、誘致したときにそれを望んでいるはずですよ。五年で終わっちゃいました、うまくいかない、もうからないから撤退します、側だけ残されて、はい、さようなら、後は好きにやってくれ、それじゃ手を挙げないよね。それを誰が、じゃ、担保するのかというのが今回いただいている資料の中では全然見て取れていない。何かうまくいっちゃいそうな書き方をしている。
でも、過去に経産省が打ち出してきた中で、うまくいったのか、うまくいかないのか。昨日のレクのときも申し上げたように、アメリカのシリコンバレーでうまくいったやり方を日本に輸入してきて、ある地域で日本版のシリコンバレーをやろうとした、やった。でも、四、五年ぐらいしかやっていないで、その後何だかよく分からない、うまくいったのか、うまくいかなかったのか。何がうまくいかない原因だったのか。まあいろいろな要因があったんでしょう。そこを検証しないで幾ら競争力強化といっても、強化になるのかなというのがまず一つ目の私の感想なんですね。
だから、地域要因は、もう少し細かく経産省もデータとしてストックすることによって、手を挙げてきた自治体で、そこのところを逆にデータを持つことによって、相手の自治体なり事業者に対してここはクリアになっていますかというのを確認する作業ができるはずなんですね。
だから、例えば、重厚長大、鉄を造るところ、それに付随して鉄板を造るところ、造船するところ、いろいろな、プレスで金属加工するところ、一帯の地域で必ずあるはず、それがサプライチェーン。それで、そこから独立した人が全然違うところで、ちょっと距離は離れているけれども、船で運ぶか鉄道で運ぶかトラックで運ぶかして、部品を作って納入する。うちの方は土地代が安いから工場を安く造れるから、うちの方で安く入れますよといって仕事を引き込んでいるんだと思います。
その地域地域の特産もあるし、だから、そこのところをもう少しやはり分析して産業競争力という言い方を私はしていった方がいいんじゃないかなというふうに思います。
次の質問で、産業競争力強化法の改正で、大臣は、民間企業の国内での高付加価値な成長投資を促し、我が国の産業競争力の一層の強化を力強く後押ししていく必要がありますというのを提出理由で述べられているんです。これは一つの例示です。
しかし、シリコンバレーのミリオネアたちのインタビューから抽出された成功者に共通する法則は、次の五つに集約されるということなんですね。
第一に、顧客第一主義。顧客が必要としているものを売れ、自分が持っているものを売るなというシンプルな原則。第二に、価値提案の明確化。売上げがゼロでも、買手にとっての構築コストを上回る価値を提供できれば高額のMアンドAが成立する。第三に、逆張り思考。全員がAIに向かう時代こそ、ローテク産業や周辺インフラに大きなチャンスがある。四つ目、長期コミットメント。起業だけでなく、成長企業への早期参画と株式の長期保有も有効な資産形成手段になる。五つ目、これが私は一番大事かなと思ってこの記事を読んだんですけれども、逆境を力に変えるマインドセット。学歴や恵まれた環境ではなく、粘り強さと信念が成功を導きます。なるほどな、この五項目、うなずく五項目なんですね。自分ができていれば私もミリオネアになれたのかなと思うんですけれども。日本のビジネスパーソンにとって、キャリア戦略や事業開発の指針として大いに活用になるはずだとこの方は述べているんですね。
法案の提出の理由とは相違があるんですけれども、今までの過去の産業政策を一度数値化、見える化を図り、強い経済になったのかならなかったのかを検証すべきだと考えるんですけれども、今例示を挙げたことも踏まえて、大臣の任期期間中にできるかは別として、大臣、どうお考えになっているか、お尋ねしたいと思います。
○赤澤国務大臣 過去の経済産業政策では、市場に任せるべきだという、政治、行政は余り経済に口を出すなという新自由主義的な流れが潮流であった時代、かなり、もう数十年続いていたと思いますが、ここ数年は、政府も一歩前に出る積極的な産業政策に転換してきた効果もあり、国内投資も賃上げも過去最高水準となるなど、強い経済実現に向けて一定の貢献はできているというふうに認識をしております。
産業政策の成否が国力を左右する世界は今後も継続する、もう何十年と継続するという前提に立った上で、本法案では先ほどまで説明してきたようなことをやっているわけです。
ただ、委員御指摘の点について言うと、例えば、まさに顧客第一主義に対して技術至上主義で、技術でいいものを作ればそれで勝てるんだと思ったら、ずっと技術で勝ってビジネスで負けるということが何十年も日本については言われてきているということが一つあります。
あるいは、価値をきちっと提案すれば高額のMアンドAが実現をするというようなことの関係でいえば、私自身の認識として、日本のスタートアップは頑張ってきているんですけれども、とてもいい芽が出てきていますが、ちょっと冷やかしぎみに、冷やかしぎみに言うのが許されるかはあれですけれども、日本のスタートアップは割と、小さく産んで小さく育てて、小さく売るというような形にちょっとなっていないか。一桁億ぐらいのMアンドAとかがあれば利益は出る、あるいは売れるわけですけれども、何かいつまでたってもGAFAが出てこないねというようなこと。
そういう意味で、日本企業が陥りがちな職人気質とか技術にこだわっちゃうとか、あるいは徹底的に成長とか利潤追求を目指すアニマルスピリッツがどうも欠けていないかとか、そういった点をどのように克服していくかというのが本質的な議論だと、委員がまさにされている議論だと思います。
現在議論中の日本成長戦略では、スタートアップファイナンスを進化をして、徹底的に、それこそ一桁億のスタートアップというよりはGAFAみたいなものを目指していくような方向、こういったことも含め、本質的課題に対応した政策を盛り込んでいきたいということで、今取りまとめを急いでいるところでございます。
○鈴木(義)委員 先々週、地元を回っていて、町工場なんですけれども、何を作っているのと、スプリングなんですね。昔みたいに手作業のスプリングじゃなくて、全部オートメーションで、ワイヤーを入れていってぐるぐるとやると先に金具みたいなのが出てきて、くるくるとそれを巻いていって、ピッチが決まっていて、径も決まっているんでしょうね、ぷつっと切ってそれをぽろぽろと。それを焼き戻しするなり焼き入れしたりして製品にして納める。
後輩ですからちょっとぶっきらぼうに私も言ったんですけれども、これはどこでも作れるんじゃないかと。うちの一番これがオリジナルなんだと。こういうガラスのコップに、蓋がありますよね、蓋のついたやつ。そこの回りについているワイヤーがあるんですね。それをちょっと、蓋をくっとやると閉まるんです。これはほかでは作れない、だから日本全国からオーダーが来るんだと。ただ、ロットが小さいので、そんなに、じゃ、こうやってもうかるかといったら、そこはいかないんです。だって、出る量が決まっちゃうわけだから。そういう、特殊というんですかね、オリジナリティーを持った企業もあるということなんですね。
だから、そこのところを、何千億も使って、五年前は、TSMCを産業の米だ、種だということで五千億を超えるお金を支出して、では、幾らもうかって日本にリターンがあるんですか。サプライチェーンでもうかる企業もあるだろうし、そこに勤める人の所得でもうかる部分もあるだろうし、その辺もやはり概算として、五千億入れたら一兆円もうかるとか、二兆円もうかるとか、八千億しかもうからないとか、そういう予測を立てて私はやるべき。だから、数値化するというのはそういうことなんですね。
何百億じゃ利かないぐらいの投資をして日本の産業を底上げしていこうというのがこの競争力強化法で、減税という形で恩恵を受けて来てもらう、保険の方にお金を入れてサポートしましょうというんですけれども、では、企業が進出して三十五億以上の投資をすることによって、そのエリア、出ていった先の市町村でも結構ですし、エリアの中でどのぐらい経済波及効果があるのか、そこをやはりきちっとリサーチしないと、メリットを与えてあげて、ではどれだけその地域、日本全体にメリット、まあどこまで行くかというのはあるんですけれども、やはりそれを出すべき。
それと、レクのときにも申し上げたんですけれども、安全管理をするために講習をやりましたといったときに、これは売上げにはつながらないじゃないか、こういうふうに、答弁じゃないけれどもやり取りがあったんです。私が申し上げたのは、負のBバイCという、これは私が勝手に名づけたんです、負のBバイC、正じゃない。だから、この投資をしないと被害が大きくなりますよという、裏返した言い方なんです。
費用対効果は、結局、では、十億入れれば百億になる、逆に、十億入れなければ百億の損害が起こる可能性がある、そういう発想で事業を見れば、予算措置をしたときに、では、これは三年、五年でどのぐらいリターンがあるのか、リターンがなくても災害が起こらなくて済むとか、そういう見立てで予算を組んでもらった方がもっと説明責任が果たせるし、財務省とかけ合ったときにやはりお金を引き出してもらうすべになるんじゃないかと思うんですけれども、その辺について大臣にお尋ねしたいと思います。
○赤澤国務大臣 今の御指摘について私の思うところをちょっと述べさせていただきますが、今委員がおっしゃった点は、実は命に関わる分野ではもう既に非常に重要な考え方になっていまして、私、国土交通省出身ですが、国土強靱化の世界だと、例えば、河川改修に百億かけておくと、まだ余り堤防とかが整備できていない時代は係数の七、八倍で七、八百億円の被害を防げる。だから、国土強靱化を一生懸命やることは、あれなんかはもう公共事業で無駄で、政治家が利権でみたいなことを言われやすかったんですけれども、しっかりそこで百億かけておくと、将来の七、八百億の損害、復旧にかかる予算を節約できる。今それが大分進んできて、係数五、六倍で、百億で五、六百億のあれを防げる。
ただ、逆に、必ずしも直接命に関わらないような産業分野、それが経産省の分野とまで言う気はないんですけれども、そこに今みたいな考えが入ってきているかというと、必ずしもそういう説明になっていないと思うんですけれども、経済安全保障とかということを考えたときに非常に重要な考え方であると思いますので、今ここで、例えば、ラピダスもそうですけれども、このお金をかけておかないと、我が国のAIの発展とかフィジカルAIでデータ基盤をつくろうとしてもGPUが足りなくてそこはもう手も足も出なくなるんだとか、そういうふうなことをきちっと見積もって、何かしら数値で出るかどうかはともかくとして、だからこのお金、例えば一兆円はかけなきゃいけないみたいなことはよく考えて整理をした上で、そういう説明も説得力を十分持ち得るのかなと今お話を聞いていて感じたので、多少勉強させていただきたいと思います。
○鈴木(義)委員 なかなか河川改修をやるときにお金を出してくれないんですよね。国交省は所帯が大きいからですけれども。
県単位だと、大体、河川の事業費は、埼玉県の場合は、今だって二百八十億か三百億ぐらいしかないんですね。一番多いときで土木事業費は一千四百億ぐらいあったんですけれども、どんどんどんどん減らされて。だから、新しい道路を造ります、道路の維持管理、河川で、大体三百億ずつで九百億というのが埼玉県。管理している河川は百五十六河川あるわけですね。では、河川の整備の進捗率はどのぐらいと聞けば、五〇%ちょっとしか行っていない。これは埼玉県の一つの事例です。
だから、今みたいな考え方でおっしゃられるのであれば、そこに建設国債を発行してでも早く河川整備をやらせればいいんだと思うんですよね、ちんたらちんたら何十年もかけてやるんじゃなくて。
だから、その辺のスピード感を出すのに、ラピダスのお話をされたんですけれども、最終的には七兆円ぐらいの資金量でやっていくという説明は聞いていますけれども、じゃ、七兆円突っ込んで、安全保障の観点から大事なんだと言うけれども、それで実質的にどのぐらい戻ってくるのかというのが、ある程度の積算というのかな、概算でもないと、やはり納得感が。じゃ、ほかもこういうことをやりたい、ここも安全保障ですといったら、何兆円もこれからどんどんどんどんやっていくのかという話になっていくと思うんですね。
今はどっちかというと、賃上げして、物価高に対して賃上げだといってどんどんやっていくんですけれども、賃上げができないとか価格転嫁ができないと公取が入っていろいろやってもらっているのは承知しているんですけれども、気をつけなくちゃいけないのは、それを一つの理由づけにして、ふわっと自分でもうけちゃう人が出てきちゃうと、本当にそれが自由競争になっていくのかなというのが一番心配事です。今は、賃上げして、物価が上がったものですから価格転嫁して自分たちの取り分を取りましょうという時代なんですけれども、それがずっと続いてしまうと、やはりちょっと、そうしなくてももうけられちゃう人たちが出てきちゃうんじゃないかなと。それが今回の法律の改正とは言わないんですけれども。
じゃ、次に、もう一点。
生産性の向上ということが経済産業委員会でよく言葉になるし、今回は法律の改正で直接の理由にはなっていないんですけれども、ある識者は、生産性という言葉がよく使われるようになったんだ、いろいろな人が生産性を用いて様々な文章を発表していて、一方で、生産性が非常に幅広い使われ方をしているため、生産性という指標が分かるようで分からないものになっているんじゃないかと。私も生産性向上とかと言うんですけれども、生産性は、何らかの形で計算された数値でしかないが、定義に幅があるため、意味づけや評価も様々だとこの人は述べているんです。
今更ながら、生産性の認識をどう経産省は考えておられるのか、御答弁いただきたいと思います。
○竹田政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘いただきましたとおり、生産性は定義に幅のある言葉と承知しておりまして、労働生産性は、労働者がどれだけ成果を生み出したかを定量的に数値化したもので、産出量又は付加価値額を労働投入量で割って算出されるもの、資本生産性は、保有する設備や土地といった資本がどれだけ成果を生み出したかを定量的に数値化したもので、産出量又は付加価値額を資本ストックで割って算出されたもの、全要素生産性は、資本や労働といった生産要素の投入量だけでは計測できない全ての要因による生産への寄与分を指すものと認識してございます。
経済産業省としましては、デジタル化、省力化した投資支援を通じて中小企業の労働生産性の向上を図るとともに、中堅企業や売上高百億円を目指す中小企業に対する成長投資支援を措置することで企業の稼ぐ力を強化しているところでございます。
○鈴木(義)委員 ありがとうございます。
生産性の指標を定義的に言えば、生産性イコール、アウトプット、生産量や付加価値額などの成果を割ることのインプット、働く人数や時間、各種の整備などとして表されていて、例えば一時間当たり働いたときに生み出される付加価値額、これが労働生産性となっているんですけれども、などとして指標化されているという、御説明いただいたのとちょっと注釈が違うんですけれども、生産性というと大体労働生産性を示すことが多いんですけれども、これは企業や個人がより少ない労力でどれだけアウトプットを生み出したかを数値化したものと述べているんです。もう御案内だと思います。
よく日本の労働生産性は主要国より低いと言われるんですね。何かの数字を見ると、日本の労働生産性は主要先進国からいくと下の方だとか、ほかの国も入れると二十位ぐらいだとか十五位だとかというふうに言われますよね。じゃ、企業レベルの生産性向上は、十年前、二十年前、もっと前から、バブルがはじけた後、こうなったんですけれども、生産性は確実に進んでいると言っていいんじゃないか。
企業レベルの生産性向上が進んでも、国レベルの労働生産性向上には必ずしもつながらない部分がある、日本の生産性の低さはいわば国レベルのもので、付加価値をベースに測定したものだというふうにこの人は言っているんですね。国レベルで見ると、当然ながら様々な分野で経済活動が行われているため、企業のように、働いている人数や時間当たりの生産数量や販売量、契約件数といった尺度で生産性を測ることができない、そのため付加価値で測ることになる、いわば、経済学的な尺度で測定したものであり、その違いが生産性の分かりにくさにもつながっているとこの方は述べているんですね。
俗に、中小・小規模事業者は生産性が低いんだ、大手は生産性が高いんだという数値を皆さん方が私たちに提示してくれるんですけれども、本当に、じゃ、中小企業の生産性は低いのかとお考えになっているのかどうか、まずお尋ねしたいと思います。
○山本政府参考人 お答えいたします。
日本の労働生産性が米国やドイツといった他の先進諸国と比較して低いという結果を示す分析が存在することは、委員御指摘のとおり、事実でございまして、私どもも認識しております。
これに対しまして、日本の中小企業の現状でございますけれども、日本の中小企業には、丁寧なサービスや顧客対応といった、労働生産性に反映されにくい部分に強みを持っていることもあるというふうに承知をしております。
一方で、中小企業個々を見ますと、中小企業の中には、大企業と全く遜色のない、むしろそれ以上の労働生産性を有する企業も存在しております。
こうした点を踏まえまして、経済産業省としては、様々な中小企業が自社の商品、サービスの適正な対価を受け取ることを含め、中小企業の稼ぐ力を強化していくことが重要と認識しておりまして、官公需を含む価格転嫁、取引適正化の徹底、省力化、生産性向上の支援、またAX、AIトランスフォーメーションの推進や、事業承継、MアンドAによる事業再編、さらには経営力向上に向けたプッシュ型の伴走支援などの対策に取り組んでいるところでございまして、引き続きこれらを推進してまいります。
○鈴木(義)委員 私がお尋ねしたのは、中小企業は生産性が低いかと。その中には高いのもありますよというお話なんですけれども、先ほど御答弁いただいた中で、数値に表せない、例えば、オリンピックのときにはやった言葉で、おもてなし。サービス業はすごくウェートが高いと思うんですね。おもてなしの心を持って、それは金額にカウントされているかどうか分かりませんけれども、じゃ、それを数値化して、一人当たりの売上げが、一人一万円の料理を出しました、おもてなしの心で接しました、でも、それ以上はもらえない。今、チップをもらうというのは余りはやっていないから。
私が子供の頃、親に連れられて旅館に行くと、仲居さんにちょっとチップというのは当たり前にやっていたと思うんだよね。私が子供の頃、どこかの家にこれを持って行けというと、そこのうちで駄賃をくれたんだよ。今、駄賃も駄目。雑所得ですかね、委員長。何か殺伐とするんだよね。
だから、生産性が上がっているのかというと、そういった目に見えないものが日本の価値、文化、商習慣の中でやはり脈々と継がれてきたんだと思うんですね。
だから、労働生産性で先ほど例示を挙げたように、一時間当たりで一人当たり百個作るのか二百個作るのかで生産性が高いの低いのという話になったら、やはりそれはちょっと、言葉を返すようだけれども、世界的に生産性で見るんだったらそれでいいんだけれども、うちの国はこういうことに価値観を置いているんだというのもちょっと整理してもらった方が、やはりそれで製品を作り出している、サービスを提供しているところに日本の競争力があるんだというところをもう一回見直してもらえないかなと。同じことの繰り返しなんですけれども、産業競争力というと、その辺のことは全然出てこないんですね。
もう一つ、付加価値というのは何だと。今日、大臣も答弁で高付加価値と、こういうふうに言うんだよね。これもよく分からないと言われている用語の一つと言われているんですね。何が付加価値なのかよく分からない。
私がこれを百円でもし作ったシャープペンだとしますよね。でも、名前の知っているLYというマークが入っちゃうと、十倍にも二十倍にもなっちゃうんです。それがブランド力、ブランドです。それが付加価値なんでしょうね。でも、私が作ったのが百円だったら買うけれども、いや、もう少し、九十円だったら買うよと言われちゃうと、付加価値がつかないですね。だから、そこが付加価値なんだかよく分からないんですけれども、ブランド力を上げていきましょうという努力はまた違う分野でやっていくんですけれども。
付加価値とは、何らかの加工をして価値をつけた分を示す、粗利に近い概念であり、国レベルで見るとGDPに相当する、より少ない労力でどれだけの粗利を稼ぎ出したかを測る経済指標ということになる。じゃ、日本の労働生産性が国際的に見て低いかどうかといったときに、基本的に付加価値ベースで比較されるため、どれだけ効率的に働いたかどうかが要因になるわけではないんだということなんです。むしろ、真面目に休まず効率的に働いているかどうかだけ見れば、日本は主要国の中でもかなり上位になるのではと思う人も多いと思うんです、外国の研究者からも似たような意見を聞くので、国際的な共通認識と言っていいかもしれないとこの識者は言っているんですね。
そうしますと、かぶせた質問になってしまうんですけれども、行政側の生産性と付加価値の考え方をいま一度整理をしたらどうだろうか。もう少し、学術的とかいろいろなことで使われているんだけれども、経産省としては生産性というのはこういうことを表しているんですというのをきちっと捉えて、付加価値というのはこういうことなんですというのをやはり指し示す必要が今後出てくるんじゃないかと思うんです、ばっくり、何となく、ふわっとやるんじゃなくて。その辺をもし御答弁いただければ。
○小森大臣政務官 付加価値という言葉でございますけれども、委員御指摘のとおり、今朝から何度も使われているところでございます。委員の方から本質的な問いかけをいただいて、ありがとうございます。
先ほど委員の方からも付加価値についてお話がありましたけれども、経済センサスの定義によれば、企業等の生産活動によって新たに生み出された価値、生産額から原材料等の中間投入額を差し引くことによって算出するものであります。
したがいまして、これは、どんなに働いても売上額が増えたりとかしなければ付加価値というのは上昇しないことになりまして、おもてなしですとか細やかなサービスというのも、売上げに換算されたときにこの付加価値が上がるといった関係にあるものでございます。
その上で、生産性と付加価値の関係についてであります。なかなか申し上げるのが難しい点ではございますけれども、例えば、物的な生産性、委員がおっしゃるような、短時間で多くのものを作るみたいなことが向上して時間当たりの生産量が増加しても、原材料価格の高騰などによって利幅が確保できなければ付加価値の増加につながらないといったようなこともあり得るわけでございまして、生産性と付加価値の関係は、仮に物的な生産性が向上しても必ずしも付加価値が増大するという関係にはないといったところでございまして、それぞれ、生産性という言葉、どういう意味合いで使うかによってしっかり考え分けていかなければならないものと考えております。
○鈴木(義)委員 懸命に働いたときの成果として認識されることが多いのは、物的労働生産性、括弧、生産性割ることの労働である、しかし、物的労働生産性を改善しても、適切な値づけを行い、利幅を確保できなければ、付加価値労働生産性や賃金は改善しない。当たり前ですよね。
現在、ウクライナ紛争や円安の影響もあり、今回のイランの戦争もそうです、エネルギーを始めとする原材料価格が高騰している状況の下で、より効率的に働く、物的労働生産性を向上させるだけでは、企業利益や付加価値の拡大につながるわけではない。これも御理解いただくと思うんですね。そのため、付加価値ベースで見た国レベルの労働生産性も向上しない。
先ほどから御答弁いただいているように、高付加価値を呼び込むとか、高付加価値のある産業を誘致するとかというふうにおっしゃるんですけれども、この考え方からいったら全然伸びないですよね。この辺をどう捉えるか、お尋ねしたいと思います。
○小森大臣政務官 ありがとうございます。
今おっしゃっていただいたとおり、より効率的に働くだけでは、それが付加価値の向上につながらないといった面があるのは事実でございます。
もちろん、より効率的に働くことによって付加価値が上がっていくこともございますので、それを一概に否定するものではないんですけれども、先ほど来おっしゃっているように、利幅をどうやって適切に確保していくこと、あるいは、例えばブランディングなども含めてになると思うんですけれども、どのようにして自社の働きというのをお金に換えていくのかというのも併せて考えていかなければいけないことだというふうに捉えております。
○鈴木(義)委員 三十分まであると思ったんですが、終わります。
○工藤委員長 次に、牧野俊一君。
○牧野委員 参政党の牧野俊一です。
本日も、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
まず冒頭、今回の産業競争力強化法の法改正において、予見し難い国際経済事情の急激な変化に対応して控除を繰り越すというふうな類型が新たに追加されるというふうになっております。
まさに、法案が作られる過程では、今回のイラン情勢というものは予見できていなかったという状況ですけれども、この中東情勢のような地政学的なショックをできるだけ緩和できるような方策を今回こうやって法律によって、もしものことが起きても一定企業にとってその影響を、控除を繰り越すことによって緩和できるということにはなるんですが、政府の、行政のサイドとしては、仮にこういった地政学的なショックがあっても、できるだけそういったショックを緩和できるような方策を平時から練っておくということが非常に重要になるというふうに考えています。
なので、先日から、オイルショックが昔あって、その頃から中東に依存度が高くて、そこから五十年たってまた同じような状況が生まれて、今でも日本の石油精製の設備というものは、主に中東産の石油を精製することに特化したような設備環境になっているので、なかなか、輸入先を多角化しても、すぐに性質が違うオイルの精製をするためにはまた別途設備投資が必要になるとか、そういったこともございますから、オイルショックの教訓を十分に生かせていなかった五十年間は何していたんですかというふうな指摘も何度か、こちらの委員室でもされておりました。
エネルギー資源の調達先を分散するという議論の中で、ロシア産の原油とか天然ガスの調達というものも、いわゆるロシア制裁が発動する前はある程度量があったと認識しております。ただ、ロシア制裁の影響でこの調達が困難になりましたというふうなことが、この五十年間において教訓が生かされていなかったんじゃないかというふうな回答の答弁の中にも、ロシア産が今は制裁の影響で手に入りにくいんだというふうな答弁もございました。
ただ、日本というのは、安全保障の根幹をアメリカに依存しているというふうな環境ですから、その状況において日米同盟を決しておろそかにすることはできないのはもう当然ですけれども、例えばインドのようにアメリカと同盟関係にありながらもロシアとも経済関係を維持している、こういった国もございます。
ですから、この対ロ制裁についてアメリカにシンプルに追従していくという判断が本当に日本の国益にかなっていたのかどうか、今改めてこの状況下において検証するべきときだというふうに考えますが、これまでの対ロ制裁の在り方について政府はどのように評価をしていらっしゃって、今回このイラン戦争によって生じた状況を教訓にして、今後の外交方針を一定見直す考えがあるのかということについて、外務省に伺いたいと思います。
○石川政府参考人 お答え申し上げます。
ロシアによるウクライナ侵略は国際秩序の根幹を揺るがす暴挙でありまして、国際社会全体の平和と安定を損ねている、こうした観点から、我が国としてG7を始めとする国際社会と連携しながら対ロ制裁を行ってまいりました。この方針に現在も変わりはございません。同時に、海外からのエネルギーの確保につきましては、我が国のエネルギー安全保障上極めて重要でありまして、調達先の多角化を含め、日本への安定的な供給に向け、万全を期していく考えでございます。
引き続き、我が国外交全体において、ウクライナの公正かつ永続的な平和を実現するために何が効果的か、我が国の国益にとって何が必要かという点を総合的に判断しながら適切に対応していく考えでございます。
○牧野委員 ありがとうございます。
そういったような回答に政府としてはならざるを得ないのかなとは思いますけれども、そもそもこのロシアとウクライナの戦争というものが始まるきっかけになったものが、冷戦終了後にNATOはもうこれ以上東へ拡大しないと最初は言っていたものが、どんどん欧米を中心として東へ東へ拡大していって、ロシアの側からするといわゆる緩衝地帯が減ってきて、ついにウクライナもそこに含まれようとしてしまったということで、こういった危機が誘発されたという側面もあると思いますので、今回起きたことはまさにロシアが最初の手を出したというのは間違いない事実ですけれども、そこに至る過程において、例えばNATOがどんどん東に拡大していこうとするみたいな、そういうことに対して、日本としてもうちょっと積極的に、外交の場で、そういうことをすると危ないんじゃないかみたいなことを言って関わっていくみたいな、こういう態度があってもよかったんじゃないかなというふうにも考えています。
この質問をしたのは、まさに産業の根幹を支えるエネルギー政策ということについて、ちょっともう一回、国策そのものと関わってくるところですから御質問させていただいた次第ですけれども、外務省についてはこの第一問目でおしまいですので、退室していただいて結構でございます。ありがとうございました。
○工藤委員長 どうぞ退室してください。
○牧野委員 それで、ちょっと具体的な法案の中身の方に入らせていただきたいと思うんですけれども、今回、特定生産性向上設備を認定するということに当たって、投資利益率一五%というのが一つの要件になっておりますが、この計算は一体誰がやるのか、企業が作成したその特定設備を用いた事業計画の認定プロセスはどうなっていて、その情報は一般に公開されるのかどうかといったことも含めて御回答願えればと思います。
○河野(太)政府参考人 お答え申し上げます。
この大胆な投資促進税制でございますが、今お話ありました投資利益率の一五%以上であること、その他の要件につきましては、経済産業大臣の確認を受けたものについて適用対象とする、そういうまずスキームになってございます。
その上ででございますけれども、この要件となる投資計画の投資利益率の計算でございますけれども、これはまず一義的に事業者の方が投資計画を作成し、その中で投資利益率を算定するものでございます。その際、当然、投資計画にはその事業者の方の事業予測が含まれますので、公正性を確保する観点から、公認会計士又は税理士のチェックを受けた数値を申請していただきまして、これを地方の経済産業局が確認を行うという形を想定しているところでございます。
なお、投資計画に関する経済産業大臣による確認のプロセスでございますが、個社の投資計画の内容を確認するという性質上、それぞれの個社の機密情報などが含まれる可能性がございますので、これは、情報公開法の趣旨も踏まえて、その在り方については慎重に検討していく必要があるというふうに考えているところでございます。
○牧野委員 ありがとうございます。
そうしますと、企業が作って、それをその企業の中にいらっしゃる公認会計士とか税理士の方がやる場合もあるかもしれませんし、外部の税理士さん、公認会計士さんを使われる場合もあるかと思いますが、そうした方のチェックを受けた上で、地方の担当の方がチェックをして、そして、最終的に大臣確認というプロセスになっていくというふうに理解しました。
そうすると、ROI一五%というのは、例えば投資総額が百億円あったときに、それを一体何年間のスパンでこの一五%を達成する必要があるというふうに計算されるのかということが大事になってくると思うんですけれども、認定された事業を実施する中では、実際には、それこそさっき出したような予見し難い国際情勢の変化もあるかもしれませんし、災害で取引先が壊れて倒産しちゃったとか、そういったことで当初立てた目標を計画どおりに達成できないという可能性も十分に出てき得るとなります。一方、わざと、中にはずさんな事業計画を提出して不当に税額控除を受けようとするようなケースももしかしたらあるかもしれない。
となると、もし万一、この目標を立てたとおりに達成できなかった場合には、何らかの、控除した税額を納めてくださいとか、そういったペナルティーがあるのかどうか、ここについてシステムを教えてください。
○河野(太)政府参考人 お答え申し上げます。
まず、期間でございますけれども、この税制におきまして投資利益率の算定期間をどのように考えるかでございますが、投資計画に含まれる設備等の耐用年数を踏まえまして、これは長さがまちまちでございますので、その償却期間の平均値で判断することとしておりまして、これによりまして、設備投資後に営業利益の上昇までに例えば一定の時間が必要となるような投資計画も御活用いただけるような、柔軟な制度設計とするべく検討を進めてございます。
その上ででございますが、こういうある種の複数年度で見ていくということとの絡みでも、今御指摘いただいたような、例えば災害の発生ですとか取引先の倒産など、事業者の責めに帰すべき事由によらずに、結果的に事業者の方が投資利益率一五%を達成できなかったような場合もそれは当然想定されるわけでございます。こうした場合に、一律にペナルティーを設けることは、事業者の方に対する予見可能性を低下させ、本税制の利用をちゅうちょさせるということになりますので、事業者の皆さんの予見可能性を確保する観点から、こうした場合の対応をどうしていくのかというところは、今後、詳細、しっかり検討を進めていきたいというふうに考えているところでございます。
一方、御指摘ございましたけれども、投資計画に虚偽の内容が含まれている場合ですとか、意図的に著しく実態と乖離した投資計画を提出した場合も想定されるところでございます。
このため、まずは、先ほど申し上げた投資計画の確認の時点でしっかりとした審査を行うということが基本でございます。その上で、設備が事業の用に供される段階、これは若干時間が、タイムラグがございますので、設備が事業の用に供される段階で、再度、投資計画との照合、照らし合わせを行う方向で、これはまだこれからでございますが、制度の詳細の検討を進めているところでございます。また、必要な場合には、しっかりとした調査を行った上で、公表など何らかの措置を取ることができないかについて、これはまた、しっかり運用についての詳細は検討していきたいというふうに考えてございます。
○牧野委員 ありがとうございます。
ちょっとごめんなさい、補足して、その詳細の中身についてもうちょっとはっきりさせたいところがあるんですが。
今回の税制、大臣が確認した場合に即時償却ができるというふうなものも入っています。先ほど、設備の償却の期間の平均値とおっしゃったんですけれども、即時償却した場合の扱いはどうなりますか。
○河野(太)政府参考人 お答え申し上げます。
設備の、即時償却かどうかにかかわらず、利益率を計算するときには、それぞれの対象の設備なり建物の償却年数で利益を割っていって、一年の平均の数字で見るということになります。
○牧野委員 そうしますと、制度上は即時ということもできるけれども、一般の耐用年数をベースにした償却期間を基に計算するという理解でよろしいですね。はい、ありがとうございます。
それで、投資規模三十五億円、中小企業だと五億円という基準についてですけれども、事業によって総投資額の一部に、まあ事業内容によりますけれども、一部に補助金を使ってその事業費を賄っているというふうなケースも出てくるとは思います。こうなったときに、補助金との併用ルールがどうなっていくかということですね。例えば、投資額から補助金分を差し引いた自己負担の額が五億とか三十五億の基準値を満たせばということになっているのか、あるいは何か補助金の利用率によって違うのか、その辺の仕組みはどうなっているんでしょうか。
○河野(太)政府参考人 お答え申し上げます。
大胆な投資促進税制につきましては、その重複につきましては、政府としては、各種補助金との重複排除を行う制度とはまずしてございません。ただ、本税制と補助金の重複適用を行う際に、取得価額の基準としてどう考えていくのか、税の対象となる取得価額をどう考えるのかという点につきましては、補助金額を差し引いた圧縮記帳後の取得価額を基準として税の効果を適用するというふうにすることを考えてございます。
他方、本税制は、事業者として取締役会等の適切な機関で意思決定された投資計画が対象となるという見込みでございますけれども、補助金につきましては、応募したものの事後的に交付決定を受けられない場合なども考えられるため、そのような実態も踏まえながら、詳細な制度設計については今後しっかり検討してまいりたいと考えてございます。
○牧野委員 ありがとうございます。
事実上、補助金の分を差し引いた額で考えるということです。より詳しい実際の運用については、今後しっかり詰めていただければと思うんですが。
ちょっと似たような話にはなるんですけれども、今回の投資促進税制については、性風俗業などの一部の業種を除いて、基本的に全産業が対象になっているはずです。これを何か一部の業種に限らなかったということについては、何の業種がこれから本当に成長するのかということをあらかじめ国の方で予見するということでは、もちろん、いわゆる十七の戦略的に投資する分野というのは出てはいますけれども、そこに入っていない、例えば農業、林業、水産業とか、一次産業も含めてこの制度を使えるというのはいいことかなというふうに思っています。
ただ、例えば、大規模風力発電などを新設するケースにおいて、利益率一五%という数字が、FITとかFIPとかを使って、通常の、一般の電力価格よりも高値で電力を買い取られるということを前提にその一五%という数値が算出されているケースであったとしても、三十五億円以上使って一五%以上の利益率という基準さえ満たせばこの制度の対象になるんでしょうか。
○河野(太)政府参考人 お答え申し上げます。
本税制は、おっしゃるとおり、原則として全業種を対象として、高付加価値かつ大規模な設備投資を促進するための制度ということになってございまして、こういったことを考えますと、事業者の予見可能性を高めるために、個別の業界に関する様々な制度とか支援策というのは勘案せずに、ある種一律の基準を設けることが重要であるというふうに認識をしてございます。
投資計画の投資利益率の算定に際して、個別の業界に関する制度、支援策のようなものを勘案しますと、制度が複雑となりまして、事業者の予見可能性を損ない、事業者の申請コストを大幅に増加させる可能性もあることから、それは望ましくないのではないかというふうに考えているところでございます。
なお、平成二十六年度から三年間にわたって措置された生産性向上設備投資促進税制におきましても、これはFIT制度との併用というのは認められていたというふうに理解をしているところでございます。
○牧野委員 ありがとうございます。
つまり、今例に挙げた、新設する大規模風力発電みたいなので、ちょっと高めに電力を買い取ることを前提として一五パーが算出されても一応対象にはなるという理解ですね。はい、ありがとうございます。
なので、今回の投資促進税制において、いかにフラットで分かりやすく、ユーザーとなる企業の方々が簡素に手続をできるようにするかということが、できるだけ多くの方に、多くの事業者にこの制度を使っていただくためにはとても重要だと私も思いますけれども、実際に制度を運用していく段になると、それこそ例えばFIT、FIPを使って、あれはいわゆる皆さんのところ、国民から再エネ賦課金という形で、通常に上乗せする形で電気料金を取るということを前提として制度が成り立っているわけですので、それによって利益率一五%を達成するところに対してこれだけの大幅な控除が認められるというのは、ちょっとさすがにずるいんじゃないですかというふうな考え方も出てくるかもしれないとも思います。
ですし、実際にこれを運用していくと、さっき言ったような、あらかじめちょっと計画がずさんだったとか、あるいはまた運用していく中で恣意的な悪用と取れる、そういったケースが出てくることも決して否定はできないと思いますので、実際にこの制度をどういうふうな運用方針にするかというのはまさにこれから詰めていかれるところだとは思うんですけれども、いざ施行した後は、定期的にこの制度の運用状況、これによってどれぐらい実際に実体経済が成長したのかという効果の検証を含めて、運用状況は本当にこれでいいかということを定期的に見直しをかけていくべきだというふうに思いますけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか。
○赤澤国務大臣 大胆な投資促進税制については、国内での高付加価値かつ大胆な設備投資に対して強力なインセンティブを措置するものであり、透明性や公正性が担保された制度設計が重要と認識をしております。そのため、投資利益率や投資下限額といった定量的、客観的な要件を満たすかを中心とする確認手続ということにしております。
また、産業競争力強化法改正案の中で、新たに設備投資の状況に関する調査の規定を設け、投資金額や投資収益性の実績などを事後的に把握、検証することを予定しております。これらによって得られる本税制の運用状況を踏まえ、透明性と公平性の観点から、継続的に制度の運用改善を進めていく方針でございます。
加えて、本法案では見直し規定が設けられておりまして、法律施行後五年を目途として、経済社会情勢の変化を勘案しつつ、施行状況について検討を加え、必要な措置を講ずることとしております。
○牧野委員 ありがとうございます。
実際には五年後に見直しが入るということですので、そのときに、本当にこの効果があったか、そして何かおかしなところが出ていないのか、そういったことも含めてきちっと検証をしていただきたいというふうに思います。
そうしまして、今回の大胆な投資促進税制によって、これは民間での大規模な設備投資がやりやすい環境をつくるというふうな税制ですけれども、政府の側として、大規模で長期で計画的な、何かの国家プロジェクトであるとか国土計画みたいなものを策定して、設定している十七の戦略的投資分野とか、あるいはその他の産業分野において、国の側がこういう分野にこれだけ投資するんだということをしっかり予見性が確保できていなければ、民間の投資というものを効果的に引き出し続けるということは難しくなってくるかなというふうに思います。
政府としては、二〇四〇年の民間投資目標額を二百兆円を目指す、現状、足下は百二十兆円規模ですけれども、これを、四〇年に向けて、今から約十五年でプラス八十兆円ということを目標とされていますけれども、これは民間側の目標です。なので、政府の側として、政府の側の具体的な投資目標額とか、何かこういうプロジェクトを用意しているとか、そういうのは何かありますでしょうか。
○赤澤国務大臣 大変重要なお問いかけでありますので、ちょっと私から。
委員御指摘のとおり、投資予見性を高め、民間企業の投資を引き出すことは重要であります。民間投資の目標が二〇四〇年二百兆円というだけだと民間の側だけですので、まさに委員御指摘のとおりであります。高市内閣の成長戦略の肝である危機管理投資、成長投資において、投資内容やその時期、目標額などを含めた官民投資ロードマップの策定を今まさに現在進めているところであります。夏の成長戦略の形でしっかり出てくるものと思っています。
こうした取組の中で、危機管理投資、成長投資について、官民で目標とする投資額に関しても具体化されていくものと承知をしております。
○牧野委員 ありがとうございます。
やはり高市総理の所信表明演説の中でも、行政が一歩前に出てしっかりと民間の投資を牽引する形で産業政策を行って強い経済をつくっていくんだという、これが、最近まで続いてきたいわゆる新自由主義的な政策、民間の自由に経済を回すということに、民間に任せておけばいいんだということから一歩ちょっと変わったような世界的なトレンドがある中で、そういった方向性に持っていくんだというふうな総理の決意表明もございましたので、しっかりそのことをやっていただきたいと思います。
ちょっと一問飛ばしまして、地域未来戦略において、大胆な投資の促進とインフラ整備を一体的に講ずることによって、地域ごとに産業クラスターを戦略的に形成するというふうな文言がございます。ここにおいて、どの地域にどういう産業クラスターを形成していくのかということは、その地域のそれぞれの強みもありますし、どういう伝統産業があるかによってもまた違ってくるところはあると思いますし、さっき鈴木委員からの御指摘にもあったとおり、ここを産業クラスターにしますと言って、何年かたってやはりうまくいきませんでしたみたいなことに結構なりがちになってしまいますので、そこをどうやって、どの地域にどんなクラスターをつくろうかという計画をどうやって作っていくのかなということを、これは内閣官房地域未来戦略担当の方にお答えいただきたいと思います。
○北尾政府参考人 お答えいたします。
地域未来戦略では、産業クラスターの形成や地場産業の成長に向けまして、三つの類型の計画を進めてまいります。
一つ目は、熊本のTSMCや北海道のラピダスを支えるクラスターのように、十七の戦略分野に関する検討が主導する形で、企業の大規模投資を中心に形成されるものでございます。
二つ目は、知事主導で形成されるクラスターであって、複数自治体の連携促進や中堅企業支援策の適用など、政府の施策の戦略的活用をプッシュ型で提案していくことでその形成、拡大を目指すものでございます。
三つ目は、地場産業の更なる付加価値向上や販路開拓等を支援し、地域経済の拡大を目指すものでございます。
こうした三つの類型の計画につきまして地域発のアイデア創出を募りまして、各地に産業クラスターを戦略的に形成してまいります。例えば、戦略産業のクラスターにつきましては、政府として、成長戦略における十七分野の官民投資ロードマップと整合を図りながら、地域ブロックごとに、自治体や経済団体等とも連携の上、地域の特性を踏まえた検討を進めることにより、戦略産業クラスター計画を策定し、その形成を推進してまいる所存でございます。
地域未来戦略本部の下、関係副大臣等会議におきまして具体的な検討を進め、夏までに政策パッケージを取りまとめていきたいと考えてございます。
○牧野委員 お答えありがとうございました。
これから国が主導して十七の戦略分野について地域と連携して作っていくもの、それと、各地域で知事とか市町村の方がその地元の強みを生かして上げてくるもの、二つの方向性があると思いますので、これをその中でもしっかり連携をさせながら強い地域クラスターというものをつくっていただきたいと思うんですが、こうやって地域の産業クラスターをつくっていくということが、地域創生をやるという上でも非常に重要になってくるとは思います。
その中で、例えば、十七の戦略分野の一つに宇宙航空産業というのがもちろん入っておりますが、ちょっと航空産業についてお尋ねしたいんですけれども、この航空産業は、今後も世界的な需要が確実に見込まれ、かつ非常に裾野の広い産業分野の一つであるため、産業クラスター戦略の非常に重要な候補になり得ると思いますが、いわゆるMRJ、三菱のリージョナルジェットの計画が残念ながら失敗し、撤退ということになってしまいまして、非常に悔しいなと思いながら見ておりましたけれども。
このMRJの失敗を受けて、政府として、国産の旅客機開発に新たなプロジェクトをつくろうという計画があると思うんですけれども、MRJの失敗の本質が一体どこにあったというふうに分析されているのか。その失敗を繰り返さないために、ここに航空機産業のクラスターをつくるんだとやっても、そもそも大本の計画一本目がこけたら全然また話にならないわけですから、いかにあの失敗から教訓を得て、そして、それを繰り返さないためにどのような対策を講じようとされているのか、教えていただけますでしょうか。
○田中政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のMRJ、これは後に三菱スペースジェットと名称を変えましたけれども、その旧MRJが開発中止に至った主な要因といたしましては、まず、安全性に関する認証取得プロセスへの経験やノウハウの不足により開発期間が長期化したこと、さらに、それに伴う度重なる設計変更がサプライヤー対応も含めた事業コストの増大につながったこと、同時に、リージョナルジェット市場が当初の見通しから大幅に縮小するなど先行きが不透明となったことなどが挙げられ、これらによって事業性が見通せない状況に陥ってしまったものと認識しております。
こうした認識を踏まえまして、二〇二四年四月に、我が国航空機産業の課題と成長の方向性を示す航空機産業戦略を取りまとめました。この戦略の中では、海外主要航空機メーカーとの国際連携の枠組みの中で、部品サプライヤーとしての地位に満足せず、収益性が見込まれる具体的な開発プロジェクトにおいて設計などの上流工程にも参画し、完成機事業を実施する技術的、事業的な能力をステップ・バイ・ステップで獲得していくということとしております。
経済産業省としては、この航空機産業戦略の下で、我が国航空機産業の更なる成長に向けて、その取組をしっかり支援してまいります。
○牧野委員 ありがとうございます。
航空機に関しては、今おっしゃっていただいたように、特に、日本の企業の中には、アメリカのいわゆる型式取得に関連する規制にいかに対応していくのかという、ここのノウハウが非常に欠落していた部分があるというふうに指摘されていて、そのためにこそ、今度は、欧米のボーイングとかエアバスとか、そういった既存の航空会社が新機種を造っていくときの開発のより上流の段階から関わることで、その型式取得とかに関連するノウハウを蓄積していくというふうなことだと思います。
同じようなことは、航空機に限らず、今挙げられている十七の戦略分野、やはりこれからの時代に必要な新しい価値を創出するような、そういう分野をつくろうということになるわけですから、新しくこれから世界で導入される規制への対応であるとか、そういったことがほかの分野でも当然必要になってきます。
もちろん、なので、国内において一生懸命つくって、この技術でしっかりできているからこれで世界と戦えるだろうとやったら、先ほどから出ているように、技術で勝って商売で負けるみたいな、そういう状況になってしまいますので、ほかの分野においても、国際的な協力関係をつくりながら、しっかり世界的に商売を展開していくというふうな、そういう前提で、より開発の上流から世界のほかのところとも関わってノウハウを蓄積していくということを是非やっていただきたいというふうに思います。
そこも含めて、先ほどちょっと、このブロックの一番最初の問いで大臣にお答えをいただきましたので、この後、大臣にちょっと今後の意気込みとかを聞こうと思っていたんですけれども、一点だけ。
設備投資を民間に任せ切らず、しっかり政府が一歩前に出て本当にロードマップを作って、そして民間の投資を牽引していくんだということを力強くお答えいただきましたので、これについて、いわゆる骨太の方針とかに書き込むような形で明文化するような、そういう方針があるのかについて御確認させていただきたいと思います。
○赤澤国務大臣 私は、前職が骨太の方針を書く書き手であったわけでありますけれども、今は城内実大臣が担当されていますが、基本的な考え方として、骨太の方針は、まさに経済財政の基本方針ということでありますので、そこについてしっかりロードマップを決めて、しかも、今、高市総理が目指しておられるのは、複数年度にわたる予算措置のコミットメントをする、あるいは、AI・半導体分野のようなフレームを他の戦略分野に広げていく、大胆な投資促進税制など、政策のベストミックスを見つけて実行していくということなので、その中にしっかり、分量の制約とかもありますので、どこまで書き込めるかというのはあると思いますけれども、確実に書き込まれる方向であると私たちは承知をしております。
○牧野委員 ありがとうございます。
そこをしっかりと書いていただくと同時に、やはり去年までの骨太の方針は、いわゆるプライマリーバランス黒字化目標というものがその中に入っていたので、今回の令和八年度予算の中では、総額ベースで見ても各省庁の予算、これからやろうとしていることに本当に十分な予算がつけ切れなかったんじゃないかなというふうに見ていまして、去年までは補正予算を組むということを前提として当初予算が設定されていたことに対して、総理の御発言からも、ここから先は補正予算を毎年組むということを前提とせず、当初予算で必要な分を確保していく、そのための概算要求をこれから受けてつくっていくんだというお話がございましたので、そこを含めて、しっかりと骨太の方針も産業政策とセットにしてつくっていただきたいというふうに御要望したいと思います。
そして、少しトピックが変わりまして、AI時代に向けたデータセンターの増強に関して、用地とか水を確保するということが今回の法改正の中に盛り込まれていますけれども、まず、データセンターが地域経済を活性化、牽引するために一つ誘致を目指すようなところもあるというふうな発想においてこの法改正になっていると思うんですが、データセンターというのは、建設するときは確かに人手も使いますけれども、一度完成してしまうと余り人手を必要としない、そういう業種になりますので、データセンターを地域に持ってくるということが本当に地域経済を牽引して活性化する結果になるのかどうか、ここのお考えについてお聞かせいただきたいと思います。
○宮本政府参考人 データセンターにつきましては、データセンターの立地は、建屋の建設に加え、サーバー設備の定期更新で大規模な投資が伴うため、固定資産税を始めとした税収の増加が期待されるところであります。
例えば、地域未来投資促進法に基づく基本計画で、地域の特性を戦略的に活用する分野としてデータセンター事業を掲げる石狩市では、データセンター誘致の経済効果として税収の増加を挙げております。
実際に、令和元年度には約四十億円であった固定資産税収は、令和六年度には約五十五億円に増加し、増収分を福祉や子育て支援などの市民サービスの向上に活用しているというふうに認識しております。
また、税収のほかにも、運用、保守のための雇用の創出を始めとした地域経済への波及が期待されているところでありまして、改正法案に基づく措置を含め、引き続き、地域の特性を活用したデータセンター事業の促進を後押ししてまいりたいと考えております。
○牧野委員 ありがとうございます。
確かにデータセンターそのものは人がいなくても回っていくけれども、そこに入ってくる固定資産税とかそういうことを通じて地域の行政が潤うということがあると思いますので、特に、過疎化して人がいない地域だと逆に人手を必要とせず税収が上がるような、そういう仕組みがあることによって、行政サービスを充実させたり、交通インフラをしっかり守るということをやって、それを基にその地域に新たに人を呼び込むというふうな施策に生かしていただけたらいいのかなというふうに思っています。
今回の法改正では、データセンターに対する冷却水を安定供給するということが意図されて、工業用水を供給する対象にするということが入っていますけれども、データセンターでより高度に集積した半導体を使ってたくさん計算をすると、当然物すごい熱を発生しますので、効率的な冷却をしたい。
ただ、これを考えると、さっきちょうど石狩市のお話がございましたけれども、できるだけ寒い地域にデータセンターを置いてあげた方が、特に冬なんかは外から風を入れるだけでしっかり冷えるということになりますので、場合によっては、地域によっては、例えばデンマークのオーデンセというところでは、既に七千世帯分の冬季の地域の熱源、暖房とかあるいはハウス栽培の熱源として、データセンターから出てくる排熱を有効利用して地域の中で活用していくみたいな、そういうことも実施をされていますので、今後そういったポテンシャルもあるかなと。
今後、北海道など寒冷地にデータセンターを集積していくことのポテンシャルについてどのように見ていらっしゃるか、お答えいただきたいと思います。
○西川政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、冷涼な気候はデータセンターの冷却効率をよくするといったようなメリットが当然ございます。他方、データセンターの実際の立地については、電力や通信ネットワークの充実、需要地からの距離、また地盤の安定性、こういった要素から総合的に決まるというふうに承知してございます。
以上でございます。
○牧野委員 ありがとうございます。
当然、そういった寒いという点での利点の一方で、首都圏から遠く離れてしまうと、特に、自動運転とかリアルタイム証券取引みたいな、ミリ秒単位の遅延じゃないと許容されないみたいな、そういうケースにおいては遠いところに置くと不利になる。これが、現状、データセンターの約六割が首都圏に集中してしまっているというふうな原因になっていると思います。
今後、北海道など地方への立地を進めるに当たって、そうした次世代の通信インフラ、オール光ネットワーク、中継地点で一回光の情報を電気信号に置き換えて、また光に戻して飛ばすというんじゃなくて、全部光で伝送してしまうことによってロスタイムをできるだけ減らすという、有名なところだとNTTのIOWNというのがございますけれども、こうした次世代の通信インフラを一体的に整備をしてこそ、インフラと一体的な整備によってつくっていく、地域経済を活性化していくというのがこの地域未来戦略でございますから、そういったことをやっていく必要があると思いますけれども、そのような計画はありますでしょうか。
○吉田政府参考人 お答え申し上げます。
AIの発展やクラウド利用の進展等により、データセンターに対する需要が急速に拡大している中、データセンターの立地は、需要地からの近さ等の観点から特定の地域に集中する状況にあります。
他方で、国土強靱化、GX、地域活性化の観点から、特定地域に集中するデータセンターについては、地方への分散を進めることが重要な課題であると認識しております。このため、データセンターの地方への分散立地に当たっては、電力系統と通信基盤の一体的な整備を図っていく、いわゆるワット・ビット連携を進めることがますます重要となっていると認識しております。
総務省といたしましては、現在、東京圏と大阪圏に集中するデータセンターの地方での立地を支援するとともに、通信基盤である海底ケーブルの分散立地支援や、委員御指摘のオール光ネットワークを活用した分散データセンターの効率的運用に向けた支援について、令和七年度補正予算や令和八年度当初予算に盛り込んでおり、データセンターの地方分散への支援とともに、それを支える通信インフラの整備に向けた支援をしっかりと進めてまいります。
○牧野委員 ありがとうございます。
まさに、そこに何かを誘致するなら、それを支えるのに必要なインフラと一体的に整備をしていくということが非常に大事になってくると思いますので、そのワット・ビット連携の通信網の整備、しっかりとこれからコミットしてやっていただきたいと思います。
今回の法改正では、冷却水を供給するということに関する改正ですけれども、データセンターの冷却水需要が増える背景には、半導体を冷やすために空冷から水冷にやった方が効率が高いというトレンドの変化があると認識していますが、エクサスケーラー社というふうなところが造っている、基板をそのまま、高機能フッ素流体に基板自体をぼたっと浸すような、そういう液浸冷却システムというのを開発しているところもございます。
半導体工場ですと、非常にきれいな、超ピュアな純水で何度も何度も洗浄を繰り返すという工程が必要になりますけれども、それと違って、データセンターは、冷却水をぐるぐる循環させたり、そもそもこうやって水を使わないというふうな仕組みを使うということを通して、水資源にもやはり限りがありますから、可能な限り水を節約することを前提として考えていくべきだとは思うんですけれども、この冷却水をできるだけ節約する技術開発というのを国として支援する仕組みはあるんでしょうか。
○西川政府参考人 お答え申し上げます。
データセンターの冷却水の節約は、資源利用の効率の観点から大変重要と認識してございます。
御指摘の液浸冷却技術、これはサーバーをオイルに浸して冷却する技術でございますけれども、このオイルの冷却に冷却水を用いているケースもございます。データセンターの設備構成によっては、冷却水ではなく外気との温度差によりオイルの冷却を行うことも可能でございます。こうした工夫によって、データセンター全体の水の使用量を減らした構成とすることもできる、こういったイノベーションがいろいろなところで起きてございます。
経済産業省としては、データセンターの省エネを進める観点からも、液浸冷却技術を始めとするこういった技術は大変重要であると考えてございまして、ポスト5G基金において研究開発支援を実施することとさせていただいてございます。
以上です。
○牧野委員 ありがとうございます。
しっかりとそうした水を、資源を大切にして節約する技術開発というのも支えていただきたいと思います。
ちょっとここでトピックが変わりまして、今回、エッセンシャルサービスをいかに地域で支えていくかという観点も法改正の中に入っておりますけれども、エッセンシャルサービスを担う地域の企業を支えるためにいろいろな支援メニュー、支援パッケージが用意されていますけれども、どの制度が自社に最もいいのかということがなかなか、特に、自社の中に担当する税理士とかそういった方が、会計士とかがいないような企業、あるいは、本当に山村地域とかだと、何か家族でガソリンスタンドをやっていますみたいな、そういうちっちゃい、本当に何人かだけで会社をやっていますみたいなケースもあって、そういう人たちにとっては、いろいろある支援パッケージのどれがいいのかというのはなかなか分かりにくいというふうな声がございます。
政府からは、令和七年度補正予算で措置された中小企業庁の予算に加えて、重点支援地方交付金などを活用して、商工会とか商工会議所やよろず支援拠点などによるプッシュ型の伴走支援体制を強化するという方針が示されていますが、実際には、個々の企業がどういったニーズを抱えていて、どんなところで困っているのかという、経営の細かいところまで一元的に行政のサイドでばっと把握することはかなり困難というか、ほぼほぼ非現実的だと思います。
なので、今後どうやって、そういった本当にきめ細やかな、それぞれのエリアでエッセンシャルサービスを支えるために頑張っていらっしゃる方々に対してプッシュ型の支援というものを拡大していく方針なのか、教えていただけますでしょうか。
○山本政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘がありましたとおり、エッセンシャルサービスを担う地域の小規模事業者の皆様の中には、情報収集の手段や経営資源に制約があることから、単独で支援策の活用や経営力向上を図ることが困難な方々も多いと認識してございます。
一方で、経営環境の急速かつ大規模な変化に対応するためには、これまで経営支援を受ける機会の少なかったこれらの小規模事業者の皆様に対しても、経営課題に関する気づきの機会を提供し、必要な支援につないでいくことが重要と認識しております。
そのため、御指摘いただきましたとおり、令和七年度補正予算より、都道府県や市町村が実施する、地域の実情に応じたプッシュ型伴走支援体制の構築に対する支援を開始してございます。その中で、事業者が抱える経営課題に対し、複数の支援機関や地域の金融機関等が連携して、支援策の活用を含めた経営支援を行える体制整備を進めているところでございます。
それに加えまして、本法案に基づく認定支援機関の枠組みによりまして、エッセンシャルサービスを担う小規模事業者に対して、更に手厚い伴走支援が行われることになるものと考えてございます。
今後とも、エッセンシャルサービスを含めて、地域を支える事業者のニーズや経営課題に寄り添って細やかに対応できる支援体制の整備に取り組んでまいる所存でございます。
○牧野委員 ありがとうございます。
今回の法改正に入っています、地域の中のいろいろな商工会とか、生協さんとか、農協さんとか、そういった方々を支援機関に認定して、それぞれの小さな事業者の方々のニーズを拾っていくということが入っていますので、そこをしっかりと進めていただきたいというふうに思います。
エッセンシャルサービスに関連しまして、地域のエッセンシャルサービスの一つに、交通手段の維持というのがとても重要になってくると思いますが、北海道とか四国ではJR単体での路線維持が非常に困難なところが多くて、特に北海道では、JRが自治体に上下分離方式を、もう単独では無理だからということで提案している一方で、自治体の側にも財政的な余力がなくて、なかなか対応が難しい。
ただ、これだけ物流の分野で人手不足が顕在化して問題になっている中で、鉄道による貨物輸送というのは、非常に少ない人数で大量の物資を運搬することもできますし、あるいは、地方の遠隔地にしっかりと鉄路が通っているということは、いざ何か有事が起きたみたいなときに、自衛隊とか、そういう防衛装備品を効率的に運ぶという意味においてもとても重要なことだと思います。
なので、鉄道貨物輸送という観点は、北海道だけじゃなくて日本全国におけるいろいろな物流を下支えする非常に重要な基幹インフラだと思いますので、そういった、食料安全保障上もしっかりと、北海道から大量のタマネギを送ってくるとかそういうのもありますから、地域の旅客輸送を支えて、災害に備えて、意図的に人が分散居住ができるような環境をつくるという意味でも、この上下分離方式での鉄道インフラ維持というのを、自治体に投げるんじゃなくて、そろそろもう国の責任でこれを行うんだという決断が必要な段階なんじゃないかなと思いますが、これについて国交省の意見を聞かせてください。
○田島政府参考人 お答え申し上げます。
JR北海道の路線の中には、旅客輸送のみならず貨物輸送においてもネットワークの一部を構成しているものがあり、多様な役割を発揮しているものと承知をしております。一方で、北海道は広大で人口密度が小さく冬場の自然環境が厳しいことから大量輸送という鉄道特性が発揮しにくく、JR北海道は長らく厳しい経営環境に置かれております。
このような中、JR北海道が単独では維持困難であるとしている赤字八線区については、令和六年三月に国土交通省としてJR北海道に対して監督命令を発出し、今年度末までに線区ごとに抜本的な改善方策を確実に取りまとめるよう求めているところでございます。
改善方策の取りまとめに当たっては、線区ごとの利用特性や各地域の事情を踏まえて、地方自治体を含む地域の関係者が一体となって地域における最適な交通の在り方について議論を深めていくことが重要と考えております。国土交通省としても、引き続き、議論の場に参画をしてまいります。
また、JR北海道に対しては、国鉄債務等処理法に基づき、経営安定基金の運用益の安定的な確保、助成金や出資等により、国として継続的に支援を行っているところでございます。赤字八線区は、JR北海道の経営の観点からの課題であると同時に、地域における最適な交通の在り方についての課題であり、まずは地域の関係者において十分に御議論いただくことが重要と考えております。
○牧野委員 ありがとうございました。
基本的に、基幹路線に関しては維持することを前提として今は進めていただいていると思いますので、これが経産省の方で進める産業政策とも深く関わってくる分野になると思いますから、しっかりと連携を取って進めていただきたい、線路を守っていただきたいと思います。
最後に、貿易保険法に関連することについて質問をしたいと思います。
ちょっと一問、最初に飛ばさせていただきまして、対米投資イニシアチブ、日米で構成する協議委員会が米国投資委員会に対して投資の方向性や日本側の関連法制などについてインプットを行って、米国投資委員会が大統領にプロジェクトの提案をするという手はずになっています。この協議委員会が米国投資委員会に適切なインプットができていることを担保するには、協議委員会の中でどういう議論、プロセスがあって、どういう決定がされたのかということが、可能な限り、まあ全部は国防上公開できないこともあるかと思いますが、可能な限り公開されることが望ましいと思いますが、この情報公開はどこまで行われる予定でしょうか。
○田中政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど委員からありました、了解覚書に基づきます協議委員会、そこにおける議論の内容には個別のプロジェクトに関する情報や外交上のやり取りが含まれ得るため、可能な範囲内で公表させていただいております。情報の性質も踏まえつつ、政府として説明責任を果たすべく、適切に対応してまいりたいと考えております。
○牧野委員 ありがとうございます。
もちろん、今おっしゃったとおり、全部は公開できないと思いますが、可能な限り、日本の国民の税金を使って一部やっていくことですから、説明責任が果たせるような形で進めていただきたいというふうに思います。
米国投資委員会が大統領にプロジェクトの提案を行って、大統領がプロジェクトの選定をやるということになっていますが、事業開始後に思ったような利益がもしも出なかった、そういうときに備えていわゆる交付国債三兆円の枠が設定されて、もちろん、さっき大臣がおっしゃったように、これはもう使わない前提なんだということだとは思いますが、いざプロジェクトが走り始めてしまったら、スタートした後は、日本からはもう何も口出しできない、アメリカがもう全部進めていくみたいな状況にならないかどうかという点がちょっと懸念事項で、そこだけお願いします。
○赤澤国務大臣 戦略的イニシアチブにおけるプロジェクトの選定に当たっては、もう委員が今説明してくださったとおり、協議委員会を通じて、収支相償あるいは償還確実性、それから日本への裨益、メリットといった、法令上求められている要件、これをしっかりと精査、確認を行います。
また、プロジェクト組成時において、具体的な事業の運営を担う各社に対しては、プロジェクトの進捗状況や業績に連動して各社が受け取る収益が決まるような仕組みを導入することで、インセンティブづけを行い、円滑な事業運営を促すようにしております。
事前には今言ったような工夫がされており、プロジェクトの決定後においても、プロジェクトが円滑に実施されるよう、日米で連携して、着実にフォローアップすることにしております。
了解覚書では、仮に各プロジェクトについて何か課題が生じた場合には、日米両国から構成される協議委員会を含め、相互協議を通じて友好的に解決するということが規定されています。政府としても、プロジェクトの成功に向けて、必要に応じて米国政府と協議を行うこともあり得るということでございます。
○牧野委員 今の仕組みを聞いて安心いたしました。
最後に、対米投資イニシアチブの在り方、具体的な進め方については、現状は赤澤大臣と何度も会われた向こうのラトニック商務長官との間の個人的な信頼関係とか資質に依存している側面もあるのかなと思っていますけれども、今後、それぞれの担当大臣がいずれ替わっても、しっかりと日本の国益に資するプロジェクトとして存在し続けることを担保する仕組みというのはどのように考えていますでしょうか。大臣、お願い申し上げます。
○赤澤国務大臣 昨年九月四日に取り交わされた本イニシアチブに関する了解覚書については、日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の了解であり、これについて、トランプ大統領が来日された際に、総理と一緒に、この合意をちゃんと誠実に、しかも迅速に両国が実施していくということについて署名をいただいているところです。なので、担当大臣が将来替わっても、これに基づき、この合意に基づいて両政府の間できちっと実施されていくべきものと考えています。
引き続き、日米の相互利益の促進、経済安全保障の確保、経済成長の促進につながるようなプロジェクトの実施に向けて、日米間で緊密に連携して取り組んでまいりたいと思います。
○牧野委員 ありがとうございます。
アメリカは大統領が替わると大統領令で全部ひっくり返すみたいなことがたまに起きる国ですので、日本はそんなことはしないと思いますけれども、今後もしそのような兆候があったときは、しっかりと日本の国益を守る形で動いていただきたいということを希望いたしまして、本日の質疑を終了したいと思います。
ありがとうございました。
○工藤委員長 次に、河合道雄君。
○河合委員 よろしくお願いいたします。チームみらいの河合道雄です。
早速、まず、大胆な投資促進税制についてお伺いをいたします。
今回の産業競争力強化法等の改正においては、大胆な投資促進税制が新たに設けられます。本税制は、事業適応計画の認定を受けた企業が、投資利益率一五%以上、投資額が三十五億円以上、中小企業においては五億円以上の投資計画について、特定生産性向上施設等と経済産業大臣が確認した場合に、即時償却又は税額控除七%を適用できる仕組みでございます。国内投資を呼び込むために大胆な支援策を打ち出したことは評価いたします。
一方で、みずほリサーチ・アンド・コンサルティングによる二〇二四年の調査によると、中小企業の売上高経常利益率の全産業平均が令和四年度において四・二九%にとどまっているという結果もございました。
こういった点を踏まえますと、今回の投資利益率一五%という閾値、これは広く中小企業一般を対象とした要件とは言い難いと考えます。また、その一五%という水準は、おのずと応募できる業種も制約を受けるものと理解されます。
本当に、終日通して、改めてでございますけれども、大臣にお伺いいたします。
本政策の意図として、政府がどのような業種の活性化を意図しているのか、改めてお伺いをさせてください。
○赤澤国務大臣 大胆な投資促進税制は、二〇三〇年度百三十五兆円、二〇四〇年度二百兆円という官民の国内投資目標の達成に向けて、大規模かつ高付加価値な国内投資を促進することを目的としております。
このため、本税制は、製造業、サービス業も含め、全業種を対象として、投資利益率一五%以上の高付加価値な投資であり、大企業は三十五億円、中小企業は五億円以上の大規模な国内投資を促進するものでございます。
強い経済の実現に向け、本措置も含めた危機管理投資、成長投資を促進し、投資と賃上げの好循環を定着させるように取り組んでまいりたいと思います。
○河合委員 大臣、御答弁ありがとうございました。
今回の税制の類似の制度を振り返りますと、二〇一四年に創設されました生産性向上設備投資促進税制B類型がございます。旧B類型と申し上げますが、こちらにおいても、投資収益率一五%以上、その当時は中小企業は五%以上という要件として採用いたしまして、平成二十六年から二十八年度の三年間運用がされていました。こうした過去の類似施策の知見を生かしていくことは重要と考えられます。
政府参考人にお伺いをいたします。
当時どのような業種でこの要件が充足されていたかであるとか、採択された業種の分布について得られた知見が今回の制度設計にどのように生かされているのか御教示ください。
○河野(太)政府参考人 お答え申し上げます。
今御言及ありました、平成二十六年度から二十八年度に措置されました生産性向上設備投資促進税制でございますが、今般の税と同じく、原則全業種を対象としております。投資利益率一五%以上などの、そういった設備投資を対象に実施をされたということでございますが、その結果というか実績でございますが、件数的に申し上げますと、八万件を超える投資に適用されました。
御指摘、御言及ございました業種の話でございますけれども、製造業からサービス業まで、かなり幅広い業種でこれは活用されたものだというふうに承知をしてございます。
そういった意味では、今回のこの大胆な投資促進税制につきましては、この生産性向上設備投資促進税制の活用状況、これもしっかりと踏まえまして、同じく基本的に全業種を対象とし、一定規模以上の高付加価値な国内投資を促進するということとしておりますので、これは製造業、サービス業を始め幅広い業種で利用を想定しているところでございます。
具体的な事例でございますが、想定事例でございますけれども、例えば、自動車の部品を供給する中小企業の場合は、即時償却を選択することで厳しいキャッシュフローを改善して、むしろ投資が拡大できるというような活用事例も想定されますし、サービス業で申し上げますと、物流サービス事業者が、労働供給制約を乗り越えるためのいわゆる省力化への投資、それから、高付加価値化に向けた低温物流の整備のために本税制を活用する、そうしたことで物流拠点の最適化を進めていくというような想定事例など、様々な活用事例があり得るというふうに考えているところでございます。
○河合委員 御答弁いただきまして、ありがとうございます。過去の広範な範囲からの採択を今回も生かしているということを聞くことができ、感謝しております。
加えまして、こういった投資促進税制については、税収減という財政コストを払って民間投資を引き出す仕組みと承知しております。そう考えますと、政策的な価値といたしましては、実際にどれぐらい投資が増えたか、あるいは収益改善につながったかというところ、これを事後にしっかりと検証することで初めて確かめられる、そういった性質があると理解しております。
令和八年、今年の三月四日の財務金融委員会においては、峰島委員の方から片山財務大臣に対して、二〇一四年に実施された制度をどう生かしながら制度設計しているかという質問をさせていただいて、それに対しての大臣のお答えとして、事後的な効果検証も今回に関しては数字がはっきり出る仕組みに改善しているという答弁があったと認識をしております。
これに関連して、三つちょっと関連した質問を続けてお伺いいたします。まず、旧B類型に関しまして、制度終了後に、計画時に提出されたROIが実際に達成されたかどうかの事後検証は行われたのでしょうか。また、その上で、今回の投資促進税制において、計画ROI、提出時のROIと実績のROIの照合をどのように行うつもりかお伺いさせてください。そして、最後に、繰り返しになりますが、国内投資の呼び込みを意図するものと認識しておりますが、こういった税収減に見合う投資増が生まれているかの把握、これをどのように進めていくおつもりかお聞かせください。
○河野(太)政府参考人 お答え申し上げます。
かつて措置されておったこの生産性向上設備投資促進税制でございますけれども、これは、先ほど申し上げましたが、約三年間で八万件を超える実績があったということは把握をしているところでございます。また、その間、国内の設備投資額でございますけれども、これは平成二十五年度の約八十兆円から約八十七兆円まで拡大をしていて、ある種一定の投資促進効果はあったというふうに認識をしているところでございます。
他方、当時の制度では、投資計画のフォローアップに関する調査の規定が存在しなかったということでございまして、投資後の、先ほど御言及ありました投資利益率などに関する網羅的な実績等の把握が困難であったということは、これはまた事実でございます。
実際は、様々、必要に応じて任意ベースで事業者の方々から聞き取りを実施して数字を把握したりですとか、経済産業研究所、これはRIETIといいますが、におきまして、税制の利用の有無による設備投資額への影響についてサンプル調査をすることで、しっかりとした定量分析を経産省と連携しながら実施するといったような努力は当然しているわけでございますが、網羅的なデータの把握というところまでは困難であったということでございます。
このため、先ほどもお話がございましたけれども、大胆な投資促進税制におきましては、産業競争力強化法の改正案の中で、投資計画を事前に確認する規定に加えまして、新たに設備投資の状況に関する調査の規定を明記することにいたしました。これによりまして、投資金額のみならず、投資利益率の実績などを事後的に検証を行うということを今想定をし、その制度の詳細について検討を進めているところでございます。
これによりまして、いわゆるEBPMの観点から税制の効果検証をしっかりと行っていく方針でございまして、今後、本税制が国内投資の増加や収益率の向上などにどの程度しっかり寄与するかについて把握、検証をしていく所存でございます。
○河合委員 御答弁いただきまして、ありがとうございます。今般新しくそういった検証の項目を導入されたということで、引き続きEBPMの推進に期待したいと思います。
加えまして、中小企業についてのまなざしもお伺いをさせていただきます。
今回の産業競争力強化法改正案には、今回の投資促進税制のほかにも、事業適応計画の認定に基づく金融支援も一体的に設けられており、この点を評価しております。ただ、再三触れているところでもございますけれども、投資利益率一五%ですとか、中小企業の場合でいうと規模が五億円以上という要件は、比較的中小企業の実態と乖離している側面も指摘できるかなというふうに考えております。
改めまして、中小企業の支援についてお伺いをいたします。中小企業に対して、今回の大胆な投資促進税制を通してどのような投資活動を期待しているのでしょうか。また、既存の支援メニューがたくさんあると思いますけれども、こういった支援策との使い分けや他の中小企業支援の政策パッケージ全体との役割分担をどのようにお考えか、お伺いをいたします。
○畠山政府参考人 お答え申し上げます。
大胆な投資促進税制につきましては、大規模かつ高付加価値な国内投資へのインセンティブを付与する観点から、御指摘ありましたように、中小企業は五億円以上の投資案件を対象とすることとしております。例えばですけれども、中小企業が工場の新設や増設に際し建物や機械装置などを一体的に投資するような案件に御活用いただけるというふうに考えておりまして、実際そういうお声もお聞きしているところでございます。
加えまして、これまた御指摘がありましたけれども、中小企業につきましては、この税制とは別に、投資規模の要件を基本的に求めずに、即時償却の措置も含む、中小企業経営強化税制という既存の税制がございまして、これは適用件数も相当多くなっておりまして、こうした措置の活用も選択いただくことができるというふうに認識をしております。
それから、金融についても御指摘ございました。中小企業による大規模投資につきましては、事業リスクの観点から、民間金融機関の融資による調達に一定の制約が存在しているということもこれまた現実問題でございまして、民間金融機関の融資のリスク補完の観点から、中小企業整備基盤機構による債務保証などの金融支援の制度も設けているところでございます。
○河合委員 御答弁ありがとうございます。様々なパッケージの中で、目的ですとか状況に応じて使い分けを期待されているということを認識いたしました。
中小企業のこういった支援の中で、政策パッケージが複雑になっていくと、どの支援を使っていくのか、制度を使っていくのかに関しての支援、こういったものも必要になってくるという認識を持っております。
その中で、中小企業の支援、省力化ですとか設備投資を促す手段として、プッシュ型の伴走支援の取組をされていると承知しております。こちらでは、認定経営革新等支援機関約三万五千者、商工会、商工会議所の経営指導員約七千五百人、金融機関等をいわばかかりつけ医のようにして支援体制を構築しているとお伺いしております。
こういった種々の地元に根を下ろしたステークホルダーが関係性を生かしながら支援をしていく、こういった仕組みは非常に大事だと考えますが、あわせて、デジタルツールを活用しながら表出しづらい支援ニーズを酌み取っていく、利用できる支援を通知していくことも重要と考えております。
本点につきまして、順に二問お伺いをいたします。
まず、一つ目の質問です。
これだけの規模の支援機関が積極的に働きかけるとされておりますけれども、支援機関の役割の範囲と関与度の深さ及び支援の質を担保するための目標の仕組みがあるかなど、このプッシュ型伴走支援の実現に向けた制度設計の詳細をお伺いできればと思います。
○山崎政府参考人 お答え申し上げます。
今委員御指摘の中小企業、小規模事業者の方々に対します伴走支援につきましては、これまで、商工会、商工会議所の全国約七千五百人の今御指摘のような経営指導員、さらには、全国四十七都道府県に設置されたよろず支援拠点、こういったところによる経営支援を通じて精力的に行っているところでございます。
しかしながら、これらは、自ら相談に訪れられた中小企業、小規模事業者の方々への支援が中心になっておりまして、昨今の経営環境の急速かつ大規模な変化がある中では、これまで経営支援を受ける機会の少なかった中小企業、小規模事業者の方々に対しても、まさにプッシュ型で経営課題に関する気づきの機会を広く提供して必要な支援につないでいく、こういうことが必要だというふうに考えてございます。
このため、令和七年度の補正予算を活用した事業がございまして、新たに、賃上げ環境整備に向けたプッシュ型伴走支援体制の整備、これを進める事業というものを開始をしたところでございます。
具体的には、自治体連携型補助金というのがございますが、その一類型としまして、都道府県、さらに市町村が主導しまして、それぞれの地域の、先ほど委員の御指摘にありました支援機関、さらには金融機関、専門家等による最適な連携体制を構築した上で、中小企業、小規模事業者に対してプッシュ型の働きかけを行う取組、こういったものに関して国としても支援を開始をしたところでございます。昨年から、都道府県、市町村への周知、PRを始めまして、三月末時点で合計で六県三市、件数としては十件の事業について採択をしたところでございます。
今後とも、これらの事業を踏まえまして全国でのプッシュ型伴走支援のモデル事業の創出拡大を進めまして、地域を支える事業者の方々のニーズ、経営課題を拾い上げて、細やかに対応できる、そういった支援体制を整備していきたいと考えてございます。
○河合委員 御答弁いただきまして、ありがとうございます。こういった取組が令和七年度の補正予算からということで、既に十件採択されているということで、その成果を引き続き見ていきたいと考えております。
こういった取組に関しまして、かなり地域の中でも関係性を基に見つけていくということが志向されていると理解しております。その上で、表出しづらいニーズをつかんでいくためには、経営情報ですとかデータ連携を基にしたプッシュ型のデジタルな支援を組み合わせることで、より効果が上がると考えられます。この点について、御見解があればお伺いいたします。
○山崎政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど御答弁申し上げましたプッシュ型の伴走支援、こういったものの実施に当たりましては、委員まさに御指摘のとおり、様々な情報、データを基に、デジタルツールを活用しまして事業者の課題に応じた的確な支援を行っていくということが極めて重要だと考えてございます。
中小企業庁としましても幾つかの取組を開始しておりまして、例えば、具体的には、今年三月から新たに省力化ナビと呼ばれる支援サイトを創設してございます。これは、中小企業の方々が業種等の質問に簡単に答えますと、省力化、さらには生産性向上の取組の方法、さらには事例が紹介をされまして、さらに、それを商工会、商工会議所等の伴走支援の中でも使っていただける、こういったようなこともやってございます。
また、まさに商工会、商工会議所で、経営相談、経営支援を行っている過去のデータをAIに学習をさせまして、個別の相談対応において効果的な支援方法を提案できるような、こういった仕組みを早期に導入するべく検討をしてございます。
さらに、先ほど御紹介を申し上げました、令和七年度補正からスタートをしています都道府県や市町村が実施するプッシュ型の伴走支援の取組におきましても、例えば、既に、ある事業者に関する経営情報等を活用、分析をしまして、資金繰りに課題のある事業者を対象として絞り込んだ上で働きかけを行うとか、そういった取組も推奨してございます。
今後とも、デジタルツールの活用を更に進めまして、状況に合わせた支援にしっかり取り組んでまいりたいと考えてございます。
○河合委員 御答弁いただき、ありがとうございます。省力化ナビ、私も拝見いたしましたけれども、非常に情報が業種ごとに網羅的にですとか詳しく書かれていて、非常に有益な情報だなと感じました。こういった情報が先んじて届くような仕組み、そういったところが次に期待されるところかなと思いましたので、お話しいただいたような取組の推進の中で実現することを期待したいと思います。
加えまして、中小企業を支える支援として、地域の人事部という取組をされていると理解しております。地域の人事部は、地域の企業群が抱える人事課題、これを地域の自治体、金融機関、教育機関等の関係機関と連携しながら取り組む仕組みであり、各企業が一社単体では持ちにくい機能を地域で支えるものとして評価をしております。
経済産業省におかれましては、以前より、人材をコストではなく価値を生み出す資本として捉える人的資本経営の推進にも取り組まれてきたと承知しております。こういった考え方も踏まえますと、適切な人材戦略、人事戦略の重要性はますます高まっておりまして、地方においてもこういった人事戦略をしっかりと立案できるような機能を各事業者が持てるように支援することは極めて重要と考えております。
地域の人事部は、令和四年から七年度で累計百十五件が採択されて一定の成果を上げている一方、令和八年度からは、採択回数の上限ですとか補助率の逓減により自走化を促す方針に転換したと認識しておりますが、アンケートの中では、なかなか採択事業者の中でも補助金なしでは難しいというようなデータがあるという状況が示されていると認識しております。
この取組をより持続的なものに広げていくための検討状況をお伺いいたします。自走化に向けた現状の主な課題と打ち手、そして今後の本事業の展望について是非お伺いできればと思います。
○宮本政府参考人 お答え申し上げます。
まさに委員御指摘いただきました地域の人事部事業につきましては、地域企業や自治体、金融機関が一体で人材確保、育成、定着に取り組み、モデルとなる事例の創出を目指して、四年間で延べ百十五件を支援してきたところであります。
事業の立ち上げ期では、委員御指摘のアンケートでも四七%の採択事業者が補助金なしでは赤字になると回答するなど、運転資金の確保といった財務面の課題が多いと認識をしております。
ただ、一方で、採択が終わった後も、過去の採択事業者について補助期間終了後の取組状況を確認したところ、九割以上が取組を継続しており、運転資金も確保しつつ取り組まれているというふうに承知をしています。
経産省としては、自走化支援に更に力点を置くべく、自立化に成功している事業者による自立化ノウハウを横展開する、伴走するような支援制度を令和七年度より開始しておりますし、加えまして、地域の人事部事業の補助期間が終了後も地域の人事部のロゴマークというものを活用可能にしておりまして、事業者がその後も広く人材確保等を行うための広報活動、これを後押ししているというところでございます。
こうした取組を通じまして、地域の人事部事業の定着、自走化を後押しして、地域における人材確保とか、それを通じた自立的成長を促してまいりたいと考えております。
○河合委員 御答弁ありがとうございます。
実際に、この地域の人事部の事業で取り組まれた人からも話を聞きましたけれども、こういった地元企業で、やはり、より人的資本経営が重要だという認識が高まっていくことですとか、それぞれの地方自治体においても集約して説明会をするみたいな、自治体としてもメリットがあるような取組、あるいは、都市部から人が派遣される場合などは越境学習の効果みたいなところがより周知されると使われやすいのではないかという意見もありましたので、そういったところも、もしよろしければ、今後の政策に御反映いただければと期待しております。
続きまして、データセンターについての話題に移りたいと思います。
今回の産業競争力強化法の改正においては、データセンターに産業用地の供給の件が盛り込まれております。データセンター等由来の電力需要というところが、二〇二五年度の四十七万キロワットから二〇三四年度には六百六十六万キロワットへと増加するという見通しがある一方で、供給側の対応は遅れているというような現状もございます。データセンターを始めとする電力需要は大幅に増えていく一方で、この供給は短期的に劇的に変えることは難しいという、そういった現状がございます。
ここで質問をさせていただきます。
この需給のギャップを埋めていくためには、既存インフラの最大活用、短期的な取組と、系統の先行整備、中期的な取組の両輪が必要と考えますが、政府としてどのように進めるつもりか、お伺いをいたします。
○赤澤国務大臣 委員御指摘のとおり、データセンターの急激な増大などに伴い送電網の増強が必要になっている一方で、送電網の増強の設備投資には時間を要するという性質がございます。こうした需給両面の性質を踏まえつつ、既存の送電網の最大限の活用と送電網の新規整備の両面から計画的に対応していくことが重要であるというふうに考えています。
既存送電網の活用については、早期に電力供給が開始可能なエリアを示すウェルカムゾーンマップを通じて、送電網の制約が小さい地域への立地を促していくこととしております。
また、中長期的には、データセンターなどの需要に対して送電網の計画的な整備を進めていくこととしています。具体的には、GX戦略地域制度の枠組みを活用をし、電力インフラの先行整備と連動した形でのデータセンター集積地の形成を進めてまいります。また、今国会に提出している電気事業法の改正案におきまして、送電網の整備に必要な資金調達の円滑化を促すため、財政投融資を活用した大規模な送電網への貸付制度も盛り込んでいるところでございます。
データセンターは我が国の成長にとって不可欠であり、その円滑な立地に必要な送電網の活用や整備が着実に進むよう、経済産業省として引き続き全力で対応してまいります。
○河合委員 大臣、御答弁ありがとうございます。非常に重要な問題との御認識の下推進されていることを、非常に期待を持って見ております。
ちょっと質問の順番を入れ替えまして、今ちょうど、GX戦略地域制度、データセンター集積型についての言及がありましたので、こちらについての質問を先にさせていただきます。
こちらのGX戦略地域制度のうちのデータセンター集積型、これは、ワット・ビット連携、こちらの地方分散構想を現実のインフラに落とし込むという観点でも非常に重要な枠組みであるというふうに認識をしております。
実際に、制度の具体化に向けた提案募集においても、データセンター集積型は九十件の提案が集まり、ほかの類型と比べても多いという結果があったと承知をしております。
そして、既に公募は本年二月に締め切られており、多数の応募があったのではないかと推測をしているところではございますが、裏を返しますと、この選定発表においては、選外となる応募者も当然出てくることになるかなというふうに捉えられます。
この需要が大きい現状を考えますと、意欲ある提案をそのまま外してしまうというのは、いささかもったいないものとも言えるかなというふうに捉えております。その点で、今回の結果を踏まえて、後続の制度設計を速やかに進めることを期待しております。
その観点から御質問をさせていただきます。
今回のGX戦略地域制度の応募状況の受け止めについてお伺いをいたします。また、今回の公募で見えてきた課題を踏まえた後続の制度設計をどのように進めていくか、御所感をお伺いいたします。
○伊藤政府参考人 お答えいたします。
委員から今御指摘いただきましたGX戦略地域につきまして、データセンター集積型の類型は、大変多くの電力を消費し、電力系統の整備や脱炭素電力の活用が大きな課題となっております。データセンターの立地に関しまして、まさにおっしゃっていただきましたワット・ビット連携、電力と通信基盤の整備を計画的に進め、効率的に大規模な集積地を形成していくことを狙いとしてございます。
二月十三日までの公募期間を経まして、現在、外部有識者から成る審査委員会による厳正な審査を行っているところでございます。
まさに審査期間中でございまして、日本国内で世界の趨勢にも負けないように大規模なデータセンター集積地を地域に分散立地していくという趣旨に沿いまして、日本各地から脱炭素電源の活用やAI産業の呼び込みなどを含めた創意工夫や意欲的な提案が多数寄せられた、このように認識してございます。
まずは、今般自治体からいただきましたこれらの提案につきまして、審査委員会の審査を経て適切に選定してプロセスを進めていくことが第一でございまして、その上で、今後の制度設計につきましては、その結果なども踏まえ、必要に応じて検討してまいりたいと存じます。
○河合委員 御答弁ありがとうございます。審査中という状況を鑑みると、なかなか具体の言及は難しいという状況は承知しておりまして、その中でも、期待感が大きい提案がたくさんあったというところは非常によい話かなというふうに受け止めさせていただきました。引き続き発表を待っていきたいと思います。
今、地方分散という話もありましたが、いろいろなデータセンターの形態について少しお伺いをいたします。
データセンターは、設置形態や、本日も質問にもございましたが、冷却技術など、技術革新が進んでおります。一層の供給を進めていく観点からは、大型のビル型以外の形態の普及も検討する必要があると理解しております。
まず、コンテナ型についてちょっとお伺いいたします。
コンテナ型は、着工から開設まで比較的短期間での展開が可能であり、即応性が高い形態だと評価できるかなと考えております。既存系統が余力がある地域において、データセンターを展開する形態として、先ほども言及がありましたウェルカムゾーンマップの提示ですとか、既存のGX戦略地域の施策とも親和性が高いと考えております。環境省、総務省の連携事業において、このコンテナ型についてのメニューが設けられているとも認識をしております。
ここで政府参考人にお伺いをいたします。経産省として、コンテナ型のメリット、デメリットをどのように認識をされているでしょうか。また、コンテナ型をデータセンター地方分散戦略にどのように位置づけて振興策を講じているか、お伺いをいたします。
○西川政府参考人 お答え申し上げます。
コンテナ型のデータセンターでございますけれども、御指摘のとおり、着工から開設まで短期間での展開が可能、柔軟な対応が可能というメリットがございます。他方、コンテナの中に設備を高密度に配置する、また、保守作業スペースや動線をどうするかといった、そういった論点もございます。現在のところ、長期間の運用実績がまだ少ないというような実態でもございます。運用に係る知見が十分に蓄積されていないことなどがデメリットというか、今の現在地でございます。
こういう中で、どうした工法を選ぶかということは、現在地でのメリット、デメリットを踏まえて個々の事業者に判断いただくというのが現時点での判断でございます。経産省としては、工法に制約を置くことなくデータセンターの整備を今は推進させていただいてございます。
昨年二月に閣議決定したGX二〇四〇ビジョンに基づいて、データセンターを脱炭素電源や電力インフラの観点で適した地域へ誘導して、通信インフラも整合的に整備するワット・ビット連携を引き続き進めていきたいと思います。
以上でございます。
○河合委員 御答弁ありがとうございます。長期間の運営実績がないというのは非常に重要な御指摘かと理解いたしました。引き続き、どういった事態があるかを注視しながら、社会実装を進めていくということを期待したいと思います。
今お話にも少し出てきました脱炭素みたいな観点も踏まえますと、これから普及が期待されている形態の一つとして、洋上浮体型のデータセンターがございます。これは、二〇二六年三月に日本郵船ら五者による世界初の再エネ一〇〇%稼働の実証が横浜港で開始されて、二〇二七年度の商用化を目指しているという認識を持っております。これらは、浮体式の係留施設の上にコンテナ型のデータセンターですとか太陽光発電設備ですとか蓄電池の設備を設置して、洋上のデータセンターを再生可能エネルギーで運用することを目指すものでございます。
こういった洋上浮体型のデータセンターについて、実証から商用化のフェーズを見据えて、どのような支援を御検討されているか、あればお伺いをいたします。
○西川政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘のとおり、民間企業による洋上浮体型のデータセンターに関する実証、これが横浜市さんの支援の下で開始されたところというふうに承知してございます。
データセンターの整備を振興する経済産業省としては、こうした民間企業の先進的な取組、また国際的な技術動向、こういったものをしっかり注視をしながら、必要に応じて、関係省庁とも連携しながら、事業化に向けた課題の整理、またその解決、こういったものに取り組んでいきたい、こういうふうに考えてございます。
以上です。
○河合委員 御答弁ありがとうございます。民間事業者の革新的な技術に対して、いち早く市場投入ですとか社会実装に対して動向を見守りながら関与していくことは、今の状況においては非常に重要かと考えておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。
続いて、ワット・ビット連携の技術基盤、こちらについてお伺いをいたします。
データセンターの普及については、本日も度々言及がありますけれども、電力と通信の効果的な連携、いわゆるワット・ビット連携が重要となります。
ワット・ビット連携の取りまとめ、二〇二五年六月に出たものの中では、既存電力設備の活用を念頭に置いたデータセンターの柔軟な運用に資するオール光ネットワーク、今日も出てきましたが、いわゆるAPNの研究開発やユースケースの拡充を推進するとございます。
APN、オール光ネットワークは、データセンター間を低遅延、大容量でつなぐ技術でありまして、地方分散のデータセンターのサービス品質を維持する、ワット・ビット連携の技術的実現性を左右する基盤であるというふうに捉えております。
これは、データセンター間を情報のやり取りというところで低遅延、高品質、高効率に接続することができれば、設置戦略もより柔軟性が増すというところだと認識しております。これは、種々の通信事業者が研究開発を進めており、実現可能な段階に達しているとの認識を有しております。
これらのAPNの接続性向上等による効率的かつ柔軟な利用に向けた技術開発や国際標準化を官民一体で推進することが重要だと、先ほど触れた取りまとめでも言及があったと認識しております。
こういったAPNのデータセンター地方分散向けのユースケースの実証、展開支援、こちらをどのように進めていくか、お伺いをいたします。
○吉田政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のオール光ネットワークは、分散するデータセンターの間を大容量、低遅延で接続することを可能とすることから、今後のワット・ビット連携の推進やデータセンターの地方への分散の鍵となるインフラであると認識しております。
このオール光ネットワークについては、現在、大手通信事業者により、主要都市間を中心に整備が進められているところと承知しております。
総務省といたしましても、オール光ネットワークのユースケースを拡充し、一層の社会実装を進めるため、分散データセンター間をオール光ネットワークで接続し、仮想的な大規模データセンターとして運用する実証などを推進することとしており、必要となる予算を令和七年度補正予算や令和八年度当初予算に盛り込んでおります。
また、総務省では、本年一月より情報通信成長戦略官民協議会を開催し、官民投資を優先的に支援することが必要と考えられる主要な製品、技術の一つとしてこのオール光ネットワークを位置づけており、今後の官民投資ロードマップについて検討を進めているところです。
総務省におきましては、こうした取組を通じ、ワット・ビット連携に資するオール光ネットワークの社会実装が促進されるよう、しっかり取り組んでまいります。
○河合委員 御回答ありがとうございます。既に、データセンター間を束ねて、仮想データセンターとして捉えるような実証が進んでいるということを理解いたしました。こちらもしっかり動向を見ていきたいというふうに考えております。
このワット・ビット連携の懇談会の取りまとめの中に、各データセンターにおける蓄電池、コジェネ等の整備という記載がございます。このデータセンターの展開において、蓄電池の役割も非常に重要になってまいります。電力の需給状況ですとか天候予測、計算需要等を踏まえて稼働状況を調整するという上でやっている、いわゆるワークロードシフトというものでございますが、その鍵となる技術だと認識しております。また、再生可能エネルギーの主力電源化に向けても、定置用の蓄電システムの役割は増しています。
一方で、政府自身のヒアリングですとか調査をまとめているものを拝見しますと、安全性、持続可能性の確保、早期の運転開始、そして事業収益性の確保の三課題を認識しており、特に、収益予見性の低さが長期投資判断を阻害している、そういう認識があると捉えております。
太陽光、風力においてはFITやFIPというような収益安定化の枠組みがございました。同じくGX実現の要であると言える系統用蓄電システムに対して同様の仕組みがなく、収益が電力市場のボラティリティーに依存しているというところ、これは事業者の声の中でも不安視されているものということだと認識しておりまして、長期の投資判断を阻害している要因だと認識しています。
ここでお伺いをいたします。蓄電システムが提供する調整力や系統安定化サービスに対して長期固定的な収益保証の仕組みを設ける考えはあるか、お伺いをさせてください。
○赤澤国務大臣 系統用蓄電池は、再生可能エネルギーが余剰となる時間帯に発電された電気を貯蔵可能であり、迅速な応答性を有する調整電源としても重要な役割を担っております。
系統用蓄電池の導入に向けては、委員御指摘のとおり、二〇二五年六月に開催をした第六十九回総合資源エネルギー調査会基本政策分科会において、市場予見性、導入費用の見通しが立てにくく導入が進まないリスクを課題の一つとして取り上げています。まさに委員御指摘のとおりであります。
こうした課題に対応するため、経済産業省としては、系統用蓄電池を長期脱炭素電源オークションの支援対象とし、固定費の収入を確保することにより、事業者の投資予見性を確保をしております。こうした取組の成果もあり、系統に連系済みの案件や系統への接続申込みを行っている案件は着実に増加してきていると認識をしております。
引き続き、安全性や持続可能性が確保された系統用蓄電池の導入の促進に向けて、必要な対応を講じてまいりたいと思います。
○河合委員 大臣、御答弁ありがとうございます。
今まさに触れていただきました長期脱炭素電源オークション、こちらは二〇二三年から実施されていることと認識しております。これは長期的な収入の予見可能性を付与する取組として適用されているものと認識しております。
この仕組みに関連しまして、サプライチェーンの強靱化に関する質問をいたします。
この長期脱炭素電源オークションにおいては、第三回の入札からセル製造国の一国当たりの三〇%上限というものを導入していると認識しております。一方で、GX経済移行債を財源とする系統用蓄電池等導入支援事業というものがまた別途ございまして、これは令和七年度の当初予算で四百億円が措置されており、三十七案件、約三百六十三億円の交付が決定されていると認識しております。この補助金の要件には安全性やサイバーセキュリティー等は盛り込まれておりますけれども、セルの調達先や製造国に関する要件は設けられていないと認識をしております。
こういった、大きく見れば同一の蓄電池の導入を支援していく制度に関しまして、若干の政策的意図のそごが生じているのかなと捉えられる状況があると理解しています。
欧州においては、二〇二六年三月に産業加速法案で域内生産費優遇方針、これを明示されておりまして、韓国も、昨年、二〇二五年十一月にKバッテリー競争力強化策というところで需要創出と産業育成の接続を掲げるなど、全世界的に域内や国内での産業振興を重視している政策、傾向が見られると認識しております。
ここでお伺いをいたします。改めて、日本の導入補助制度の政策目標というのはどういうところにございますでしょうか。特に、調達多様化や国産優遇の視点を組み込む考え方はあるのかという点についてお伺いをいたします。
○小林政府参考人 お答えいたします。
エネルギー安全保障の観点から、電池セルなど電池システムの主要部品のサプライチェーンリスクに対応した系統用蓄電池の導入を進めることは重要でございます。
こうした考え方の下、長期脱炭素電源オークションにおいては、セル製造国一国当たりの募集上限を設定してございます。委員御指摘のとおりでございます。
他方、御質問いただきました導入補助金においても、その審査において、サプライチェーンの途絶リスクが低い場合にはこれを高く評価するという仕組みとしているところでございます。
また、さらにということで、今後でございますが、長期脱炭素電源オークションにおいては、サプライチェーンの強靱化の取組を行っているメーカーが製造する蓄電池を導入している場合には優先的に約定するという方針を審議会でお示ししているところでございます。そして、導入補助金においても、まさに同様の観点から、サプライチェーンの強靱化の取組を行っているメーカーが製造する蓄電池を導入している場合には、これをより高く評価するという方針で審議会で御議論中ということで、今後、詳細設計を進めていくこととしております。
こうした取組を通じて、引き続き、安全性と持続可能性が確保された蓄電池の導入に向けて取り組んでまいりたいと考えております。
○河合委員 御答弁ありがとうございます。サプライチェーンの途絶リスクという形で評価に組み込まれているということを理解いたしました。そして、今後も見直しが更に入るということで、産業育成の観点も非常に重要かなと思いますので、今後の検討を期待しております。
そして、こういった蓄電池の観点で見ますと、再三出てきておりますが、自然エネルギーの観点ですと、例えば九州の地域において、再エネの出力制御により、スポット価格が非常に下がる時間帯が四から八時間という長時間に及ぶケースが既に発生していると聞いております。これは、要するに、太陽光、風力などの再エネが発電し過ぎて系統が受け止められないという状況だと認識しております。その観点から見ると、六時間以上の長時間の充放電が可能な電池へのニーズが顕在化しています。
この領域は、ナトリウムイオンの電池ですとかレドックスフローの電池ですとか、日本企業が先行する強みがある領域と認識しておりますが、こういったいわゆるLDES技術について、どういうふうに、オークションに限らず、導入補助ですとか市場の評価軸、調達要件など、支援をしていくお考えがあるか、お伺いさせてください。
○小林政府参考人 お答えいたします。
再生可能エネルギーの主力電源化及び出力制御の抑制に向けて、長時間の充放電が可能な長期エネルギー貯蔵システム、いわゆるLDESが極めて重要でございます。委員御指摘のとおりでございます。
また、このLDESには様々な技術があり、技術によってはレアメタルなどの部素材の特定国への依存度が低く、エネルギー安全保障にも資する技術であるというふうに認識をしております。
令和七年、昨年二月に閣議決定された第七次エネルギー基本計画においても、再生可能エネルギーの普及拡大が進むにつれて必要性が高まると考えられる長期エネルギー貯蔵を特徴とする電力貯蔵システム、LDESの導入を目指すというふうにしているところでございます。
一方で、このLDESの導入拡大に向けては、費用面が一つの課題となっておりますため、系統用蓄電池導入補助金においてこのLDESの導入支援を実施するとともに、長期脱炭素電源オークションにおいても対象電源に追加するという措置を講じております。
引き続き、こうした支援措置を通じてLDESの導入を促進するとともに、この導入を検討している事業者の皆様の御意見も伺いながら、必要な対応を検討してまいりたいと考えております。
○河合委員 御答弁ありがとうございました。引き続き注視してまいりたいと思います。
時間となりましたので、以上で質疑を終了いたします。どうもありがとうございました。
○工藤委員長 次回は、来る二十四日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後四時三分散会

