第14号 令和8年6月17日(水曜日)
令和八年六月十七日(水曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 工藤 彰三君
理事 井原 巧君 理事 小林 史明君
理事 新谷 正義君 理事 土田 慎君
理事 中山 展宏君 理事 山岡 達丸君
理事 東 徹君 理事 鈴木 義弘君
東 国幹君 伊藤 聡君
伊藤信太郎君 伊藤 達也君
長田紘一郎君 こうらい啓一郎君
小森 卓郎君 今 洋佑君
斉木 武志君 斉藤 りえ君
鈴木 淳司君 世耕 弘成君
園崎 弘道君 東田 淳平君
古井 康介君 細野 豪志君
松下 英樹君 松本 泉君
丸尾なつ子君 丸川 珠代君
丸田康一郎君 水野よしひこ君
三原 朝利君 武藤 容治君
森原紀代子君 山田 美樹君
山田 基靖君 山本 左近君
山本 裕三君 落合 貴之君
河野 義博君 吉田 宣弘君
阿部 司君 若狹 清史君
丹野みどり君 牧野 俊一君
土橋 章宏君
…………………………………
経済産業大臣 赤澤 亮正君
経済産業大臣政務官 小森 卓郎君
政府参考人
(人事院事務総局給与局次長) 植村 隆生君
政府参考人
(消防庁審議官) 鳥井 陽一君
政府参考人
(文部科学省科学技術・学術政策局科学技術・学術総括官) 俵 幸嗣君
政府参考人
(林野庁森林整備部長) 齋藤 健一君
政府参考人
(経済産業省大臣官房脱炭素成長型経済構造移行推進審議官) 伊藤 禎則君
政府参考人
(経済産業省大臣官房技術総括・保安審議官) 湯本 啓市君
政府参考人
(経済産業省大臣官房審議官) 畑田 浩之君
政府参考人
(経済産業省商務情報政策局半導体戦略統括調整官) 西川 和見君
政府参考人
(経済産業省電力・ガス取引監視等委員会事務局長) 新川 達也君
政府参考人
(資源エネルギー庁長官) 村瀬 佳史君
政府参考人
(資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長) 小林 大和君
政府参考人
(資源エネルギー庁資源・燃料部長) 和久田 肇君
政府参考人
(資源エネルギー庁電力・ガス事業部長) 久米 孝君
政府参考人
(中小企業庁次長) 山本 和徳君
政府参考人
(中小企業庁経営支援部長) 山崎 琢矢君
政府参考人
(原子力規制庁原子力規制部長) 大島 俊之君
経済産業委員会専門員 花島 克臣君
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委員の異動
六月十七日
辞任 補欠選任
永田磨梨奈君 今 洋佑君
細野 豪志君 長田紘一郎君
丸川 珠代君 斉藤 りえ君
山際大志郎君 三原 朝利君
河合 道雄君 土橋 章宏君
同日
辞任 補欠選任
長田紘一郎君 細野 豪志君
今 洋佑君 東田 淳平君
斉藤 りえ君 東 国幹君
三原 朝利君 山田 基靖君
土橋 章宏君 河合 道雄君
同日
辞任 補欠選任
東 国幹君 丸川 珠代君
東田 淳平君 丸田康一郎君
山田 基靖君 森原紀代子君
同日
辞任 補欠選任
丸田康一郎君 丸尾なつ子君
森原紀代子君 山本 左近君
同日
辞任 補欠選任
丸尾なつ子君 伊藤 聡君
山本 左近君 山際大志郎君
同日
辞任 補欠選任
伊藤 聡君 松本 泉君
同日
辞任 補欠選任
松本 泉君 永田磨梨奈君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
電気事業法の一部を改正する法律案(内閣提出第三六号)
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○工藤委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、電気事業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
この際、お諮りいたします。
本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、経済産業省大臣官房脱炭素成長型経済構造移行推進審議官伊藤禎則君外十五名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○工藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○工藤委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。河野義博君。
○河野(義)委員 中道改革連合の河野義博です。(発言する者あり)鈴木義弘先生より、義博、頑張れと。ありがとうございます。私、自称ヨシヒロ二号でございまして、一号の先輩の質問をいつも勉強させていただいております。ありがとうございます。
今回の電気事業法改正、東日本大震災以降の一連の電力システム改革の足らなかった部分を補うという意味で、それぞれ必要な法改正だと思いますし、その内容に関しては全てもっともだと思っておりますし、法案の中身自体には私は当然賛成でございます。
その中で、まず、ちょっと大臣と幾つか論議させていただきたいと思っておりますが、この一連の電力システム改革がどうだったかというのは、やはり立ち止まって考える時期に来ているのではないかなと思っています。
小売の自由化と、また、発送電分離、地域独占をやめさせる、そういうお題目の下、この一連の改革を行ってきたわけでありますが、その綻びも見られている中で、経済産業省として、これまでのシステム改革、どのように評価をされておられるでしょうか。
○赤澤国務大臣 おはようございます。
東日本大震災以降、安定供給の確保、それから電気料金の最大限の抑制、需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大といった三つを大きな目的として、小売の全面自由化は二〇一六年、そして発送電分離は二〇二〇年といった電力システム改革を行ってまいりました。これにより、広域融通による安定供給の確保や、料金メニューの多様化による需要家の選択肢拡大などは図られてきたと考えています。
一方で、世界的な脱炭素化の流れ、あるいはDX、GX、さらにはAXの進展により電力需要の増加が見込まれるといった、電力システム改革をやった当初、必ずしも想定していなかった変化が生じてきている。
このため、事業者の創意工夫を最大限に生かしつつ、安定供給、脱炭素化、安定的な価格水準での電気の供給が実現できるように、電力システム改革を次のフェーズに進めていく必要があるというふうに認識をしており、そのため、本法案を提出させていただいたところでございます。
○河野(義)委員 システム改革以前に予見できなかった事象に対応するという意味でも、今回の法改正の内容というのは、その流れと軌を一にしているものだと私は評価をさせていただきたいと思います。
その上で、安定供給に関して、本当にこれがこの十五年間で盤石なものになったか。私はそうじゃないと思っています。当初から申し上げましたが、やはり発電所は、基本的には送電線と一体として開発をし、地理的に分散させて、そして、テクノロジー、発電技術も分散させておくということが肝要ではないか、かつ、資本力のある、資本調達コストの安い人たちが安定的に安価な電源を造っていくというのが国民生活にとっては最適な解なんだろうと私は思っておったのですが、今回の法改正がなされて、悪質な事業者が撤退するということは必要であります、このまま、小売事業者に供給義務を課して、最終的には送配電会社に最終責任を負わせておくというこのままの仕組みで本当にいいのかなという思いもあるわけであります。
また、供給責任は、エリアごとの責任がなくなりまして、容量市場などに電源確保が委ねられた結果、電源の価格水準は不安定になっておりまして、電源確保の責任の所在、それ自体が不明確になっています。
限界費用で形成される卸売電力市場、これも当初は、旧一般電気事業者が一割マーケットに出しなさいということで、限界費用だけで出させられた、燃料代だけで出させられた。設備費用は回収できていなかった。そのコンペンセーションとして、次は、じゃ、容量市場を入れますということでありますが、容量市場は、価格水準が必ずしも十分でなかったりボラティリティーがある。そういった中で、固定費の回収不足も課題になっております。
小売事業者は短期的な収益志向となる一方で、発電事業者は、長期間にわたる巨額の電源開発や燃料調達のインセンティブを失って、電源投資に対するリスクテイクが今困難になっています。結果として、需給逼迫や価格変動によって需要家がリスクにさらされていると私は承知しています。
経済産業省としてどのように認識しておられるか、また、今後の基本方針をお示しいただきたいと思います。
○赤澤国務大臣 恐らく委員との共通認識は、エネルギー、特に電力の安定供給は国家の生命線であるということだと思います。その上で、委員と、需要家の負担を極力抑えるという問題意識も共通しているつもりでございます。
電力システム改革後は、小売電気事業者が供給能力の確保義務を負うとともに、一般送配電事業者が最終的な需給バランスを維持する義務を負うということで、委員が御指摘のような電力の安定供給を担保する仕組みといたしました。
一方、小売全面自由化後の市場取引の拡大や再エネの導入拡大が進んでいく中で、発電事業者にとっては電源投資の回収について予見性を確保しにくいとの課題が顕在化してきているということも委員御指摘のとおりでございます。
このため、発電事業者の投資回収の予見性を高める観点から、供給能力確保の義務を負う小売電気事業者の費用負担の下で、電源の維持費用を支弁する、これも委員から触れていただきました、容量市場や、脱炭素電源やLNG火力の新設を支援する長期脱炭素電源オークションを創設してきたところであります。
さらに、足下では、増加が見込まれる電力需要への対応や脱炭素化への対応のため、長期かつ大規模な電源投資が必要になっております。これに対応するために、これまでの措置に加えて、国による電源投資の後押しが更に必要との考えで、本法案において電源投資を促進するための貸付制度の創設を盛り込んでいるところでございます。
冒頭申し上げましたが、電力の安定供給は国家の生命線であります。情勢の変化に伴って生じる課題に機動的に対応しながら、引き続き万全を期してまいりたいというふうに考えております。
○河野(義)委員 従来、地域の旧一般電気事業者が電源投資をしてきたわけであります。今回、それがもうできなくなっているからこういう支援措置が必要になっているんだということは、是非認識を共有していただきたいなと思っています。
送電網も同様の課題があります。
本来、先ほど申し上げましたが、電源開発と送電網整備というのは、私は一体として行われるべきだと考えます。電力システム改革による発送分離の結果、レベニューキャップシステムによって送配電会社に収入が保障されているにもかかわらず、資金調達が困難になっている、だから、このような支援のスキームが必要となっているというふうに私は承知しますが、大臣、どのようにお考えになっておられるでしょうか。
また、今回の措置導入は評価いたしますけれども、電力系統は、そもそも国民生活や産業活動を支える極めて重要な社会インフラであります。現状は一般送配電事業者が主体となって整備を進めていますが、今後の脱炭素化や広域連系整備の重要性を踏まえれば、電力系統を社会的な重要な基盤であるというふうに位置づけをして、国家戦略として国がより主体的に関与すべきではないでしょうか。レベニューキャップの見直しの検討状況と併せて見解を教えてください。
○赤澤国務大臣 再エネの導入拡大やデータセンターによる電力需要増大に対応するため、送電網設備の重要性がこれまで以上に高まっています。
こうした中で、送配電事業者は、送電網増強のための追加的な投資資金が必要になっております。こうした投資は、レベニューキャップ制度により運転開始後に託送料金として回収することになっておりますが、費用回収までに長期間を要するため、建設期間中の資金調達に課題があると認識をしております。
こうした背景を踏まえ、これまでより踏み込んだ国の対応が必要との認識の下で、今般の電気事業法改正案では、資金調達の円滑化に向け、財政投融資を活用し、送電網整備を対象とした貸付制度を盛り込んだところでございます。
レベニューキャップ制度については、二〇二三年度から二〇二七年度の第一規制期間中において、物価や金利の上昇が適切に料金に反映できるよう制度措置を行ってまいりました。二〇二八年度からの第二規制期間に向けて、必要な投資水準が確保できるよう、物価上昇の適切な料金への反映を含めて、引き続き必要な対応を進めてまいりたいと思います。
繰り返しになりますが、電力の安定供給は国家の生命線でありますので、こうした取組を通じ、社会インフラとしての送電網整備を着実に進めていきたいと考えております。
○河野(義)委員 力強い御答弁をいただきました。
レベニューキャップ一・五%の中で、金利を賄って、配当を出して、利潤をやるというのはおよそ不可能なんじゃないかなと私は思っていますので、これはしっかり見直しが必要だと思います。
次に、脱炭素化社会実現に向けた取組に関して。これも、これまでの委員会質疑の中で大臣に繰り返しお願いをし、大臣からも答弁をいただいてきた内容でありますが。
二〇五〇年脱炭素化に向けては、電化の促進と電力の脱炭素化というのが何より大事だと私は考えています。電力の大宗を再エネと原子力で賄って、残りの部分の調整を火力発電や蓄電池、そして環境価値などで調整していってネットゼロを目指すというのが、今、GX実行計画や第七次エネ基で目指している姿だと私は承知をしています。
ホルムズ海峡の閉鎖などによって、今こそ国産のエネルギーである再生可能エネルギーへの投資を大胆に進めるべきだと私は考えます。エネルギー安全保障、成長戦略の観点からも極めて重要です。単なる脱炭素という手段を超えて、国家存立の基盤とも言える再生可能エネルギー導入促進に向けた大臣の御決意を伺いたいと思います。
具体的に提案をしていることは、やはり、今まで再エネは出なりの電源で、系統負荷が高い、制御しにくいというものでありましたが、そこを系統調和型へ進化させるために、FIPへの移行をより進めるですとか、アグリゲーターを活用するとか、蓄電池を一体活用する、系統接続を容易ならしめる政策や、第七次エネ基では、原子力が先々週の報道によってちょっと誤解を生んでいる部分もありますが、新増設がどんどん進むのではないかというような社会的な不安もある中で、そうじゃないんだ、震災前の水準は上回らないということが大前提でエネ基とGX実行計画を作っているわけでありますが、この誤解も払拭していただきたいと思いますし、石炭、LNGのサプライチェーンも、これはしっかりと維持していかなければならない。
いろいろな電源をいろいろな場所に張っていくということが大事でありますが、何といっても、やはり再エネを第一に考えていくべきだろうと私は思います。大臣の御所見をお聞かせください。
○赤澤国務大臣 今般の中東情勢の緊迫化により、原油の中東依存度の高さや低いエネルギー自給率といったエネルギー政策上の課題を克服していくことの重要性が再認識されたところでございます。
再生可能エネルギーは、エネルギー自給率の向上に寄与する国産エネルギーでございます。政府としては、エネルギー安定供給と脱炭素を両立する観点から、需給調整のための蓄電池も活用しながら、これは委員の御指摘されたところでありますけれども、再エネの導入をしっかりと進めてまいりたいと思っています。
例えば、地域共生がしやすい屋根設置太陽光発電のポテンシャルを積極的に活用することや、ペロブスカイトなどの次世代型太陽光発電の開発、導入を支援してまいります。
その上で、SプラススリーEの大原則の下、原子力や火力を含め、特定の電源や燃料源に過度に依存しないバランスの取れた電源構成を目指していくということを考えております。
○河野(義)委員 次に、何となく世にある再エネ悪玉論みたいなことを是非払拭したいなと思うんですが、その上で必要なことは、再エネ賦課金に対して国民理解を深めるべきだと私は思っています。
例えば、化石燃料の輸入額というのは、二〇二二年、三十四兆円であります。大体二十兆円から三十兆円の間で各年推移していますが、三十兆円規模の国富流出が行われている。また、電気代、ガス代補助というのをやっています。電気代のこれまでの助成措置、補助金で電気代を下げますということを毎年やっていますが、これは四兆五千億円使っています。ガソリン代の補助金は九兆円に上ります。また、原子力発電の事故対応コストはこれまで二十三兆円と経済産業省は報告しています。
こういったことと併せて考えて、じゃ、再エネ賦課金がどういう位置づけなんだということを議論をして、国民理解につなげなければならないと思います。何かあるたびに構造転換をやらなきゃいけないとは言うものの、進んでこなかった。やはり、国民理解を深めていくということが非常に大切だと私は思います。将来燃料代のかからない電源への投資を進めるということは、脱炭素化の議論を超えて、私は国家戦略の柱になり得るものだと思っています。
例えば、太陽光発電も、当初は、とてもこんな値段が必要かと思うような値段でありましたが、今はもう主力電源になっていまして、昼間の電気代は、お日様が照っている日はほぼゼロ円に張りついています。もはやもう主力電源になっている中で、今後立っていく太陽光は必ず国民に利益があるということももう証明されているわけであります。
賦課金に対する国民理解を醸成し、再エネ推進をより強固なものにすべきと考えますが、御所見はいかがでしょうか。
○赤澤国務大臣 再エネ賦課金は、再エネ特措法に基づき、電気の需要家に御負担いただいているものであり、国民の皆様の御理解、御協力の下で成り立っている制度でございます。今後も、国民の皆様の理解を得ていくことが重要であるということでございます。
現在の賦課金の水準は、二〇一二年のFIT制度開始後三年間の再エネ発電事業者の利潤に特に配慮する措置が大きく影響しております。
今後の再エネ賦課金の水準については、卸電力市場価格等の影響を受けることから正確に見通すことはなかなか困難でありますが、買取り価格の引下げなどにより近年の再エネ電気の買取り総額は抑制されつつあります、また、制度開始初期の高い価格での事業用太陽光発電の買取りが終了をいたしますといったことなどにより、二〇三二年以降は減少に転じる蓋然性が高いと見込んでおります。
引き続き、国民負担の抑制も図りながら、再エネの導入拡大を進めてまいりたいと思います。
○河野(義)委員 賦課金の大宗を占める太陽光発電、これは初期のものが多いです。初期の四十二円、四十円、三十六円といった高いFITが二〇三二年から急激に減ってきます。劇的に賦課金が減っていく中で、やはり、新たな投資をして、次の太陽光に次ぐ再エネの柱というのをしっかりつくっていかなければいけないと思います。
本年四月に官公需における価格転嫁・取引適正化プランというものが発表されまして、国などの契約の基本方針が閣議決定されました。その主要な項目をお示しいただきたいと思います。
○山崎政府参考人 お答え申し上げます。
昨今、労務費、原材料費、さらにはエネルギーコストなどが上昇していく中で、適正な価格転嫁を推進していくこと、これが不可欠でありまして、国や地方自治体が率先して取り組むこと、これが重要でございます。
このため、今委員御指摘のように、本年四月に、官公需法に基づいた国等の契約の基本方針、これを閣議決定するとともに、この基本方針に盛り込まれた措置のうち、特に令和九年度末までに取組を加速する、そういう項目を特定をしまして、官公需における価格転嫁・取引適正化加速化プランを公表したところでございます。
その主要項目は、予定価格に労務費、原材料費、エネルギーコストなど最新の実勢価格を反映すること、さらに、ダンピング防止のため、低入札価格調査制度などの導入を徹底すること、さらには、契約期間中に発生した労務費、原材料費、エネルギーコスト等への上昇について誠実に協議に対応すること、こういった措置を盛り込んだところでございます。
○河野(義)委員 まず国が隗より始めよで、適正価格ということが私は大事だと思います。その上で、発電事業者に対しても適正な利益が大事だと私は思います。送配電事業者の件もさっき伺いましたけれども、暴利を貪ってはいけないこの装置産業、国内のインフラ産業でありますが、適正利潤がなかりせば投資もできないという状況です。足下の急激なインフレによって、FITやFIP認定の下、開発を進めた案件ですら、事業継続が困難なものが多く占められていると言われています。
まずは、価格等算定委員会でしっかり状況を調査していただきたいと思います。建設コストは二倍近くに膨れ上がり、金利も上昇しているこの局面で、適正な利潤で投資意欲を減退させないということが大切だと思います。FIT、FIPの上限、下限価格は、適正なものというのが求められていると私は思います。
また、これは提案ですが、RE一〇〇目標のためだけに需要家に再エネを買え買えと言うのも、ちょっともう限界が来ているのではなかろうかというふうに思います。これは全ての事業とは言いませんけれども、需要家が再エネ電源を持続的に調達するために、例えば、PPA、買電契約の需要家側、オフテイカー側に、再エネを導入するには何らかの税制優遇や賦課金減免などのインセンティブを与えるとか、FIT、FIP基準価格にインフレスライドを導入するとか。
これは従来から申し上げているんですが、いろいろな国で発電事業をやらせていただきましたが、二十年間価格が変わらない契約で収益回収するという国は恐らく日本しかないと思うんですね。二十年間数字が変わらない国というのは、私は見たことがない。
是非ともこれは、FIPやFIT価格の基準価格にはインフレスライドを導入すべきであるというふうに思いますし、一部、太陽光に導入されているような、初期のタリフの方が高い、初期の売電代金の方が高い、これは初期回収をさせることによって投資家のリターンを上げるためです。手前のリターンの方が割引現在価値に直すと高くなりますので、初期に手厚く後ろは薄く、こういったスキーム、いろいろ考えられると思いますけれども、適切な利潤が確保できることが何より大切だと思いますけれども、御所見をお伺いしたいと思います。
○赤澤国務大臣 再エネについては、国民負担の抑制を図りつつ導入拡大を進めていくことが重要だと思っています。
このため、FIT制度における買取り価格については、再エネ特措法上、再エネの供給が効率的に実施される場合に通常要すると認められる費用等を基礎に、適正な利潤等を勘案して定めることとされております。何よりも、きちっと利潤を確保されることという、委員と同じ問題意識でつくらせていただいているつもりでございます。
こうした中で、本年二月の調達価格等算定委員会では、特に効率的に事業が実施された場合においても足下のインフレによるコストデータの上昇が見られること等を確認した上で、上昇分については適切に買取り価格に反映するとの考え方が示されたところでございます。
こうした考え方を踏まえ、二〇二六年度及び二〇二七年度における陸上風力の調達価格等については引上げを行ったところで、引き続き、経済産業省としては、適切な対応を行ってまいりたいと思います。
また、FIT制度から自立した形での再エネ電源への新規投資、再投資を促進することも重要だと思っています。再エネへの需要を喚起し、再エネの価値が適切に評価される事業環境を整備することで、再エネへの需要がこうした投資につながる流れを拡大してまいりたいと思います。
○河野(義)委員 買取り価格や投資インセンティブとともに大切なことは、産業育成だと思っています。単なる脱炭素化にとどまらない、国内で産業を育てていくということが大事だろうと思っています。
再エネ主力電源化小委員会の議論の中で、慎重な御意見の先生からは、脱炭素や国富流出の抑制といった価値は再エネだけが持つものではない、それでも再エネを支援し続けるのであれば、ほかの電源にはない固有の価値、例えば産業政策上の意義などを明確に切り分けて示すべきという意見が出されています。これはまさに、経済産業省がこれまで行おうとしてきた洋上風力発電事業の国内サプライチェーンの構築そのものであると私は考えます。
先般、新たに世界最大手の風力発電機器メーカーとの覚書を締結をしました。そして、そのことで新たに国内で産業を起こそうと引き続き努力をしている経済産業省の取組を私は高く評価をし、感謝を申し上げたいところでありますし、高市総理が先週末ヨーロッパに行かれまして、イギリスとの政府間で、洋上風力に関する新たな政府間協力の枠組みの創設合意というものをなされました。
従来は、三菱重工が世界シェアの一〇%を風車で持っていた時代があったんですが、三菱重工がやめてしまいました。日立が追いつけ追い越せで頑張っていた時代もあったんですが、日立もやめてしまいました。洋上風力がいざ始まるぞということで、東芝がGEと組んで日の丸風車を造るんだという機運もありましたが、洋上風力ラウンドワンの撤退によってこれもしぼんでしまったという中で、やはり、産業があるからこの国民負担も納得できるといいますか、総合力で再エネを推進していく力を推進できると私は考えております。
今般の高市総理訪英の成果を教えていただきたいと思います。
○小林政府参考人 お答えいたします。
事業規模が大きい洋上風力のサプライチェーンを国内に構築することは、国内の関連産業への波及効果といった観点で産業政策上の意義が大きいと考えております。
こうした国内サプライチェーン強化の観点から、本年三月には、委員御指摘のとおり、経済産業省とデンマーク・ベスタス社との間で協力覚書を締結いたしました。
また、今月十四日の日英首脳会談に際しては、洋上風力の導入促進、供給網構築によるエネルギー安全保障の強化及びコスト低減に向けた政府間協力枠組みを立ち上げまして、今後、日本企業による英国プロジェクトへの参画促進、さらに、サプライチェーン構築について協力を具体化していくことといたしました。
世界でも有数の導入実績があり、先進的な経験、知見を有するイギリスとの協力を通じて、両国の洋上風力の導入を促進し、サプライチェーンの構築を進めてまいりたいと考えております。
○河野(義)委員 イギリスは従来、大臣御案内のとおり、産ガス国であって、ガスを輸出していました。私が子供の頃、社会の教科書には、イギリスというのはエネルギー自給率が高くてガスを世界中に輸出しているんだと学びましたが、二〇〇〇年代に入る頃、ガス田が枯渇していくという中で、洋上風力に大きく国がかじを切りました。二十年かけて主力電源化をし、そして、インセンティブも少なくても、競争力のある電力価格で供給できるという体制を二十年かけてつくっていきました。日本もその機運をそいではいかぬと思いますし、今回の総理の訪英に続いて大臣も行かれるでしょうから、是非ともこの洋上風力を応援していただきたいなというふうに思っています。
法案の中身に戻りまして、ファイナンス支援のスキームに関しましてでございます。
プロジェクトファイナンスコストは増加しています。これは、金利が上昇していることに加えて事業採算が悪化していますから、どうしても、金融機関はマージンを取らないとやれませんということになります。こういった環境下、財政投融資を活用して資金調達を応援するというスキームは、私は極めて適切だと考えています。
その中で、改めて今回のファイナンス要件を確認しておきたいと思いますが、五ギガワットを持っている人たちが三分の一以上投資をする五百メガワット以上の案件が対象となるというような議論もあるようではありますが、ここは要件をしっかり見てやらないと、結局、旧一般電気事業者が投資する原子力かガスか洋上風力かしかできないようなことにならないように、ある程度の規模のものは対象となるように、是非とも御配慮をいただきたいというふうに思います。
また、対象の発電も、今、原子力と洋上風力に限定されているような方向性のようですが、そうじゃなくて幅広く電源を入れていただきたいし、LNGの計画が至る所であります、LNGは、脱炭素化に向けて、トランジションに向けて必要な電源でありますので、脱炭素に限らず、脱炭素に資するLNGでありますので、LNGも是非入れていただきたい。
また、融資だけではなくて出資を可能にしておくべきだと思っていまして、メザニンという形で、優先株のような形で入れられるようにしていただきたい。何とならば、一案件当たりのプロジェクトコストが増大しています。設備費は倍になっていますから、五千億でできていた発電所は一兆円になります。一兆円の三割のエクイティーというと、三千億円のエクイティーです。三千億円のエクイティーが必要な案件です。一千億円投資しても三割しか議決権がないということになると、なかなかプレーヤーも集まってこないです。
本来、ファイナンススキームを使って発電所や送電網を効率的に整備していこうというのに、使える事業者が極めて限定されてしまうことになってはいけませんので、是非メザニン拠出もできるようにしていただきたいというふうに考えます。さらには、保証行為などの信用供与もできますれば、プロジェクトファイナンス組成にも大きく役立つと思っています。
今後議論して決めるということでありますので、ここでしっかりとお願いをしておきたいと思いますが、御所見をお願いいたします。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
本法案に盛り込んだ貸付制度は、民間金融を補完し、資金調達が難しい、投資期間が長期かつ大規模な電源の整備を促進するものでございます。
本制度は、特定の電源種のみを対象とするものではありませんが、電力の安定供給の確保を図りつつ、脱炭素化を推進していく上で重要な電源を優先的に支援してまいります。また、民間金融の補完という観点から、支援対象を精査していくことも必要だというふうに考えております。
LNG火力について御指摘をいただきました。
LNG火力は、他の火力に比べてCO2排出量が少なく、電源の脱炭素化に向けたトランジションの手段として重要だというふうにも認識してございます。一方で、支援に当たっては、民間金融の補完という観点から、支援対象を精査していくということも必要だというふうに考えております。
こうした観点から、LNG火力の特性も踏まえて、今後、制度の詳細を検討してまいります。
それから、幾つか、メザニン、債務保証といった御提案もいただきました。
本法案に関して申し上げますと、先ほど申し上げましたとおり、投資期間が長期かつ大規模な電源の整備に向けた資金調達の課題に対応するということでございまして、まず、この制度をしっかり活用していくということだと考えておりますけれども、エネルギー政策の原則であるSプラススリーEにのっとって、中長期的に、必要な電源投資が実現されていくということが重要でありまして、そのためには、御指摘の点も含めまして様々な課題があるというふうに認識しておりますので、発電事業者とも丁寧に意思疎通をしながら、必要な電源投資が進むようしっかり取り組んでまいります。
○河野(義)委員 ちょっとよく分からなかったので。
何となくLNGは入るかもしれないフレーバーを今聞き取りましたが、メザニンはいかがですか。
○久米政府参考人 現時点で考えております制度につきましては、投資期間が長期かつ大規模な電源に対しての、財政融資を使った融資ということでございまして、その具体的な内容については今後検討を進めてまいります。
○河野(義)委員 本当に、部会のときもそうおっしゃるわけですよ。具体的な内容はこれから検討しますと言って説明しない。呼んで聞いても説明しない。でも、調べてみると議論がされている。それで終わって勝手に決めますというのは、これは通らぬと思うんですね。これまでもそうですよ。いろいろな大事なことは政省令で勝手に決めてやる。その後、国会に報告もしない。それで後で火を噴いてしまったり大惨事が起こるような事象がこれまでもあったので、これはしっかり、本当にちゃんとやってほしいと思うんですけれども、大臣、いかがですかね。
○赤澤国務大臣 いろいろな観点から御提案もいただいておりまして、私どもは、その議論についてはもちろんオープンでありますので、今の委員の御指摘も踏まえて、あるべき方向性というのは検討していきたいというふうに思っています。
ただ、考え方としては、先ほど事務方から説明しているとおり、一定規模以上で長期がかかるものを対象ということを基準として決めていく、それについてはやはり予見可能性というのがなかなか確保できないということで課題になっているという理解でありますので、基本的には定性的な基準を基に具体的な当てはめを考えていきたいというふうに考えております。
○河野(義)委員 専門家が議論していますと言うんですけれども、本当に専門家が入っていますかということも懸念がありますので、これはしっかり議論していただいて、せっかく法改正までして制度をつくるのに、結局、旧一般電気事業者が原子力とか送配電網とか大きなものを造るのにしか使えないということになると、よくないと私は思うんですね。是非ともしっかりフォローしていただきたいと思います。
残りの通告は次回の質問にさせていただきたいと思っております。
ありがとうございました。
○工藤委員長 次に、山岡達丸君。
○山岡委員 山岡達丸です。
本日もまた質疑の機会をいただきました。ありがとうございます。
本日は、電気事業法の改正案の審議ということでございます。
本法案は、将来にわたっての電力の安定供給体制をしっかりとつくっていくという、そのために、送電網の整備、そのことを大きく推進するための資金的支援や、大規模電源向けの、財政投融資を活用しながらの貸付制度というのを盛り込んでいくというような考え方であります。
これから、いわゆるデジタル社会というふうに言われる中で、データセンター等、多量の電力が必要になる、そういうものが国内にもどんどん増えていくだろうということ、あるいは、電化という、脱炭素が進んでいくに当たって電力に頼っていくシーンが増えるだろうという様々な将来の状況を勘案したときに、現時点の国内の電力供給体制、これは脆弱であるという認識は私も強く持ってこの間も質疑をさせていただいた立場でありますので、今回の設備の様々な整備の方針、このことには賛同する立場から質疑をさせていただくわけであります。
電力というのは、大臣にまず伺いますけれども、今大臣はナフサのことでも大変全面的にも御活躍をされて、御苦労されているわけでありますけれども、ナフサのこと一つ、市場に出回らないということになると大変な社会情勢を生むわけでありますが、それでもという言い方をしたら語弊があるかもしれませんが、ナフサ自体は輸入が可能なものでもあり、それでも制限はあるわけでありますけれども、ただ、電力そのものは輸入もできないというものであります。
設備がなければ電力が供給できないということがあれば、あしたにでもまた何とかして作り出すというのが非常に難しいという状況の中で、しかも投資は長期にわたって時間がかかりますから、やはり今のうちから将来のことを踏まえた基本的な体制はつくっていかなきゃいけない。もちろん、省エネが進むんだとか技術革新で電力の使用が減るんだとか、それはそれで突き詰めていくべきものでありますけれども、言うなれば、それが思うように進まなかったときに電力が足りませんよということにはやはり私たちはならないと思っていますし、もちろん、電力の仕組みからいえば、余剰電力があった場合はどうするんだという議論もあるかもしれませんが、蓄電の技術であったりとかあるいは水素化の技術であったりとか様々な技術の進展もあり、あるいは産業も電力のあるところに集まってくるということを思ったときに、私は、現時点の考え方としては、やはり長期の安定供給体制のために、そのことを見越した電力体制等、特に系統整備も含めて進めていくべきだと思っています。
大臣に総論としての御所見を伺いますけれども、今後の電力供給体制の構築ということ、政府全体として、経産省全体としてどのような考え方で取り組んでいかれるか、大臣にも御所見をいただければと思います。
○赤澤国務大臣 委員と完全に同じ問題意識を持っていると思います。
電力の安定供給、あるいは電力の安定供給の確保は、国家の生命線であると認識をしています。
改めて申し上げるまでもございませんが、DX、あるいはAX、さらにはGXの進展に伴い電力需要の増加が見込まれる中で、増加する電力需要に対して必要な電力を安定的に供給していくことが、これも委員御指摘になりましたけれども、国内におけるデータセンターあるいは半導体工場などの立地に不可欠であり、経済成長や産業競争力強化をまさに左右する、国力に直結をする国家の最優先課題の一つだと思っています。
御審議いただいている電気事業法の改正案では、こうした問題意識に基づき、送電網や大規模電源への投資を促進するために財政投融資を活用した貸付制度を盛り込んでおり、こうした措置を通じて、増大する需要に確実に電力を供給できるよう万全を期してまいりたいと思います。
○山岡委員 ありがとうございます。
大臣から今御答弁いただきましたが、私にしても、昨年の六月に経済産業委員会で取り上げたのは、今お話にもありました、AIの活用とか自動走行運転とか、そのことにデータセンターは不可欠なわけでありますけれども、その需要は増大するんだということを経産省自ら表明しているにもかかわらず、一方で、電力の政策をやっているチームはまた別にあるわけでありますけれども、データセンターに対する電力部門の送電網の整備は、具体的には変電施設とか、そういう整備は全然追いついていないんだということを取り上げさせていただいて、また、託送料金制度でネットワーク制度は維持されているわけでありますけれども、これはなかなか、人口が縮小していく中の制度で、レベニューキャップ制度とか厳しい査定も受けながらやるので、系統整備をやるネットワーク会社が独自の判断で投資をどんどんしていこうという決断がしようがないという構造的な仕組みになっているということも取り上げさせていただいて。
今大臣の後ろにいらっしゃる筑紫さんが当時は基盤整備課長であられて、本当に迅速に、今、添田さんが引き継がれていますけれども、その道筋は筑紫さんが相当つけておられて今のこの法律につながっていると思っていますから、当時から、私も、いろいろな議題に対して真摯に耳を傾けていただいて今回の法改正につながっているということは、心からの敬意もこの場でも表させていただきたいと思っています。
そういう意味で、この法改正は重要だと思いますが、ただ、やはり様々論点としては伺いたいこともございますし、十九日にもまた質疑の機会をいただいていますので、今日は法改正の細かい中身とかそういうことを聞きたいと思っておりますので、資源エネルギー庁から長官を始め皆様に来てもいただいて、審議官にもお越しいただいて、これからちょっと経産省とエネ庁の方の皆様にお伺いしていきたいと思っております。
データセンターに向けた局所的な系統整備は将来必ず伸びるということは経産省がお示しいただいているのでありますけれども、ただ、個別に起こっていることでいいますと、例えば、米国の投資として、データセンターとして入るんだという連絡があっても、やはり民間企業の個社の判断ですから、突然、巨額の投資をするはずの会社が引いてしまう。マクロの基準でいえば、電源整備さえしていれば、インフラ整備を、系統整備さえしていればきっとほかの社が入ってくるというのは、それはマクロの視点からはそうなんですが、ただ、個社の立場からすれば、突然引かれてしまうと、とてもそれは投資をできないという状況なわけであります。
今回の法改正は貸付けの支援ということになっています。私は前回の国会でも申し上げましたが、やはりスピード感を持って決断していくためには国のプッシュ型の支援が必要じゃないかということを申し上げました。
貸付けも偉大な仕組み、これを支援していくことも偉大な仕組みだと思いますが、広域機関には、交付金を措置する、そういう役割というか、そういう機能も持っているわけであります。ただ、今の制度では、地域間の連系線、いわゆる北海道と東北とか、そういう広域の連系線については交付金を出すということになっているわけでありますが、御存じのとおり、データセンターというのは、局所的な、変電所の近くに、局所的にデータセンターが集まり、地域の中の、一部の地域に大型の電力が必要になる、そういう体質のものでありまして、地域内の系統整備に交付金措置というものを行わないというスキームで今の課題の解決ができるのかという私なりに懸念は持っているところであります。
経産省は、データセンターの適地に、今、GX戦略地域というものを選定しようと、当然、私たち北海道も、それはもうその地域になっていきたいという思いで今手続を進めているわけでありますが、この手続を進めていますけれども、この場所に選ばれたときのメリットも何かというのも余り判然としていないというのが私の受け止めでございます。
選定から迅速な系統整備を進めていくということも含めて、このGX戦略地域とも絡めながらも、私は域内交付金措置が必要なんじゃないかと思いますが、御答弁いただけますでしょうか。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
GX戦略地域制度におけるデータセンター集積型の点について今御指摘いただいたかと思います。
この制度は、国が伴走しながらデータセンター集積地を整備していくという取組でありまして、その実現に向けては、事業者の確保と、送電線や通信インフラ等のインフラ整備を一体的に講じていくということが重要だというふうに認識しております。
事業者の確保につきましては、四月下旬の有望地域選定以降、既に様々な事業者から問合せをいただいております。国も伴走しながら、自治体と事業者のマッチングを進め、整備した集積地が有効活用されるように取り組んでまいります。
また、送電線の整備については、需要が顕在化していない段階から計画的に送電線の整備を進めるということが重要というふうに考えております。
その上で、今般の電気事業法改正案では、特にリスクの高い送電線の整備に充てるための貸付制度を盛り込んでございます。まずは、このGX戦略地域制度にのっとって、事業者の確保に努めながら、整備費用を回収できないリスクを理由に送電線の先行的な整備が進まないといったことがないように、各地域の状況を確認しながら、今後、貸付制度の具体化をしっかり検討してまいりたいと考えてございます。
この貸付制度をしっかり進めていくことによって送電線の先行的な整備のリスクを担保できるということから、交付の措置は必要ないというふうに考えてございます。
○山岡委員 今御答弁をいただきましたが、特にリスクの高い系統整備にもこの貸付制度を設けているんだというお話、そこでしっかり対応していきたいというお話でありましたが、今回の貸付制度、厳密に見ますと二つの類型がありまして、民間金融機関と協調して財政投融資を前提に貸し付けるという考え方と、広域機関の独自の財源を使って貸し付ける、その二つの考え方があるわけでありますけれども、まさに今お話がありましたけれども、広域機関の独自の貸付けというのは、私は交付金にすべきじゃないかと申し上げましたが、しかし、系統整備のそういう初期のリスクの高いところについては、その制度を工夫して活用することも今念頭にある、その理解でよいのか、一言御答弁いただけますか。
○久米政府参考人 今委員から御指摘いただいた理解で結構でございます。
○山岡委員 是非、結果的にきちんとデータセンターというのをこの日本国内に、アジア各地、どこで投資するかという判断をしている事業者もいるわけでありますけれども、やはり日本でしっかりとその需要を取り込んでいくという中で、その整備がしっかりと進むような、系統整備が進むような運用をしていただきたい、このことも併せて申し上げさせていただきます。
今のに関連して伺いますが、逆に言いますと、大型電源、大規模電源、このことについても貸付けの制度があるわけでありますが、これはあくまでも民間金融機関との協調融資と財政投融資を活用した貸付けのみを現時点で念頭に置いている、この理解でよいでしょうか、お答えいただければと思います。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
大規模電源への投資につきましては、現時点において、本法案で措置する発電設備の整備への貸付け、これにつきましては財政投融資を原資として行うということを想定してございます。
○山岡委員 民間金融機関の査定が入るということでありますので、特にリスクが高いからということで国がそのリスクを負うという制度措置は今のところ大規模電源については考えていない、真っ当に金融機関の査定を通った長期電源に対して投資をしっかりやっていくことを支援するという枠組みだというお話をいただきましたけれども、それはそれで一つの考え方なので尊重しますが。
政府の大方針としては、電力の安定供給と、そして今後の需要予測に対する十分な電源の確保ということがあると思いますが、個別の企業は、国が考えているような、非常に悪い言い方をすると、日本全体の電力が足りていても足りていなくても、個社の事情には関係ないといいますか、それはほかの社が造ってくれればいいですよねという経営判断もあり得るわけであります。
となると、この制度ですと、元々投資予定なんだけれども資金の量的な部分が足りなくてなかなか踏み切れないところの促進にはつながると思うんですけれども、現時点の計画以上に国が思うような投資を確保していくという民間事業者のインセンティブは、私は十分ではないんじゃないかなということも感じるわけであります。
これはまた部長に御答弁いただきたいと思いますが、国全体の電源確保と安定供給のために、民間事業者の判断を更に投資に振り向けていくということについて、融資制度に加えたインセンティブ措置というのはどのように考えているでしょうか。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
電力システム改革以降、長期的な投資回収の予見可能性が低下する中で、特に脱炭素化を進めていく上でも必要となる大規模電源への投資が停滞しないように、今委員からまさに御指摘いただいたような、投資へのインセンティブが働くような事業環境整備を行う必要があるというふうに考えております。
こうした認識の下で、政府といたしましては、脱炭素電源の投資回収の予見性を確保し、新規投資を促すための制度であります長期脱炭素電源オークションを二〇二三年度から開始し、既に三回の入札を実施してきております。
本制度では、脱炭素電源を対象に電源種混合の入札を実施いたしまして、落札電源には固定費水準の容量収入を原則二十年間得られるとすることで、巨額の初期投資の回収に対し、長期的な収入の予見可能性を付与してございます。
こうした取組を通じて、更なる新規投資を促すための事業環境を整備してまいります。
○山岡委員 そうすると、一言でお答えいただきたいんですけれども、脱炭素オークション、いわゆる容量市場の類型で長期投資を促していこうという仕組みはこれまでつくったわけでありますが、それと融資の制度は両立するという考え方だということで、同時に使えるということでよろしいのか、お答えいただけますか。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
まさに御指摘いただきましたとおり、長期脱炭素オークションを始めとする事業環境整備の取組と、民間金融を補完し、投資段階における資金調達を支援する本貸付制度、これは両輪として大規模な脱炭素電源への投資を促進してまいりたいと考えてございます。
○山岡委員 ありがとうございます。
その大規模電源の中で、特に火力発電所について伺いたいと思います。
火力発電は、いろいろな議論があるかもしれませんが、私は、日本国内全体の電力安定供給を支えるための非常に重要な電源だと思っています。
エネルギー基本計画で、二〇四〇年において少なくとも国全体で三、四割程度が必要だというような形になっていますが、私は、結果的にもっと火力発電に頼らざるを得ないような二〇四〇年が来る可能性も非常に可能性としてはあると思っています。更に言えば、三、四割程度といっても、これは供給力、電力量の話でありますから、設備ということでいうと、もっと設備が必要だということに私はなると思うわけであります。
しかし、メッセージの発し方を一つ間違えば、今ある火力発電所はどんどん更新しないでなくなっていく。そして、火力発電所というのは、今あるものをどこまで活用するかという議論がありますが、仮にこれが予想以上に減ってしまったら、じゃ、その代わりの電源を新たに造れるんですかといったら、最初にも申し上げましたけれども、今あるものを押さえながら使うのと、ないところから新しく設備を造るというのは全く時間のかかり方が違うということでありまして、火力発電所に対するメッセージというのは非常に重要だし、これを相当後押しをしていかないと。
別の法律ですけれども、GX推進法で有償オークションというのが二〇三三年から始まって、脱炭素化を進めているとはいっても、火力発電所に対してコストをかけていくという考え方も決まっているわけであります。
伺いますけれども、GX推進法に伴う有償オークションの負担分というのは現時点で明確にもなっていない。でも五年、十年先のことを投資しなければならない。聞きますけれども、脱炭素オークションにおいて、有償の、いわゆるGX推進法のコストも容量市場、脱炭素オークションの中で一部見ていくという、具体的にどれぐらいかは別にしても、そうした方針は私は明確にされた方がいいんじゃないかと思いますが、御見解をいただけませんか。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
長期脱炭素電源オークションにつきましては、これまで累次の制度の見直しを様々な課題に対応して進めてまいりましたので、今後も現場の課題に沿って対応方針をしっかり考えてまいりたいというふうに考えております。
○山岡委員 メッセージをやはりしっかり出していかないと長期の投資につながっていかないと思いますので、そのことも御検討いただきたいと思います。
大型の電源投資もあるわけでありますが、既存の大型火力発電というのも脱炭素化を進めていくという、そうした方針の中で今この電源を確保しているわけでありますけれども、今回の融資制度は、こうした既存の、設備容量的には提示している要件を満たす大型火力発電所の脱炭素化のための設備投資も対象になる、その考え方でよいのでしょうか、伺いたいと思います。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
今般の改正で措置する電力広域機関による貸付制度は、民間金融を補完し、資金調達が難しい、投資期間が長期かつ大規模な電源の整備を促進するものでございます。
本制度は特定の電源種のみを対象とするものではありませんが、電力の安定供給の確保を図りつつ、脱炭素化を推進していく上で重要な電源を優先的に支援していくというふうに考えてございます。
具体的な支援対象は今後検討してまいりますが、先ほど申し上げた観点から、例えば一定規模以上の火力の脱炭素化投資は支援対象となり得るというふうに考えております。
○山岡委員 明確にありがとうございます。一定規模以上の火力の脱炭素化については支援の対象になり得るというお話でございました。
併せて伺います。
火力発電所の脱炭素化に一つ大きな方向性としてあるのは、CCSつき火発であります。これも脱炭素火発の大きな選択肢になりますが、CCSつき火発も支援の対象になり得るという、今のお話の答弁であれば、その理解でよろしいでしょうか。御答弁いただけますか。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
今ほど御答弁申し上げましたとおり、支援対象は今後検討してまいりますけれども、一定規模以上の火力の脱炭素化投資は支援対象となるという考え方にのっとって、CCSについても検討してまいりたいと考えております。
○山岡委員 ありがとうございます。
私の地域、苫小牧は、様々な取組を進めていますが、苫東厚真火力発電所という北海道の三分の一の電力を支えている火力発電所、CCSも含めて今やろうとしているわけであります。もちろん、アンモニア混焼もやって、いろいろな脱炭素化の努力をしているわけでありますけれども、やはり、そのことをもって、火発を持っているより、もうさっさとなくしてしまった方がいいみたいな方向にはなってほしくないと思っていまして、やはり、火発をしっかりと脱炭素化して、コストがこれはかかると言われても、いろいろな支援制度の中で事業として成り立っていくという仕組みを総合的につくっていただきたいということをこの場をもちましても是非皆様に要請をさせていただきたい。
そのことは何か特定の企業の利益のために言っているのではなくて、やはり、もちろんいろいろな電源は大事ですけれども、しかし、北海道の立場でいえば、道民の本当に生活を支えている電源は、やはり火力発電所というのも重要な位置づけでありますし、これは全国同じ状況だと思っております。火力発電所がしっかりその役割を果たしていくんだということは、是非、いろいろな機会でも申し上げていきますが、皆様の中においての政策検討においても、いろいろなハンディキャップを担っている中で、ただ、重要な役割を担っているということを前提に議論を進めていただきたいと思います。
今回、法改正の中で、大規模電源の休廃止に係る一般送配電事業者との協議についても規定をされているところであります。
この間、火力発電の投資判断、特に老朽化した火発の撤退問題について、これはもう自由化されていますから事業者の経営判断だとしながらも、国は様々な措置で休眠中の火力発電所をたたき起こして、今電源が足りないから、いろいろな制度をつくって、キロワット公募とかキロワットアワー公募だとか、今、予備電源みたいな制度までありますけれども、そのような方向を持って、火力発電所を結局のところ頼りにして国民の電源を確保してきたというこの数年の経過もあります。
過去には、法改正で、廃止は事後届でよかったものを、事前に届けなさいと、要は、勝手に廃止はしないでくださいというメッセージにもなるような法改正も行われて、今回は一般送配電事業者とも事前に協議するというような考え方を示しているわけでありますけれども、これは、国全体としては確かに安定供給、火力への投資とかのインセンティブが働くための措置は必要だと思うんですが、ただ、やはり自由化である以上、民間事業者のやめなきゃいけない経営判断を何か強引に止めるとか、そういう自主性を損なうような位置づけのものではあってはならないということも思うわけであります。ここの部分の考え方について御解説いただけますか。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
大規模な電源が休廃止いたしますと、電気の安定供給を確保するために、一般送配電事業者が送配電網の増強等の対応を行う必要が生じる場合があります。
そのため、一般送配電事業者が、事前に大規模電源の休廃止情報を把握し、計画的に必要な対応を取ることができるよう、大規模な電源を有する者に対して、電源の休廃止前に一般送配電事業者に協議を求める規定を本法案に盛り込ませていただきました。
この規定によって、発電事業者の自由な電源の休廃止判断を阻害するような効果が生じることは想定してございません。
○山岡委員 この経過を見ますと、本当に、非常に古いものも活用して、コストもかけながらやっている。火力発電所を活用するのであれば、必要な更新をしながら、やはり効率のいい、脱炭素化も進んだものを使っていくという考え方が大事だと思っておりますので、是非、その方向の中で、火力についてもむしろ前向きな投資を支援していく、その方向をまたしっかりと明確にしていただきたい、そのこともお伝えをさせていただきたいと思います。
貸倒れのことについて伺いたいと思います。
巨額の投資であります。民間金融機関の判断があるのが前提でありますけれども、残りの部分は財政投融資として国として補うスキームであると。万が一に貸した先が何らかの事情で回収不能というような事態になるということになると、財投は国の資金ですし、広域機関の独自財源も結局のところ一般電気事業者の会費、こういうことも含まれているとすれば電力料金にも関わる話にもなりますし、あるいは、民間金融機関も貸付けのプレーヤーとして入っているわけでありますから、とんでもないダメージを受けることになる。ですから、この制度を持って投資を促進していくことは非常に重要なんですが、万が一にもそういう貸倒れみたいなことがあれば、その影響も甚大なわけであります。
民間金融機関も国も一蓮託生という制度の中で、貸倒れを絶対に起こさない、そのためにどんな基準を設けるということを考えているのか、そのことも明確にしていただけますでしょうか。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
本法案に盛り込みました財政投融資を活用した貸付制度におきまして、償還確実性の観点から、例えば、長期脱炭素電源オークションの落札案件や長期PPA契約を締結している案件など、一定以上の投資の回収確実性が認められる案件であること、あるいは、民間金融機関と協調して貸付けを行う案件であることといった一定の基準を設けまして、その基準を満たした場合に融資を行うことを想定しております。
加えまして、基本的に、財政投融資を活用した貸付けに当たっては、電気事業者から民間金融機関と同等の水準の金利を徴収することを想定しておりまして、国に対する財政投融資の確実な償還を確保してまいりたいと考えています。
御指摘のとおり、貸付けが焦げつくような事態が生じることがないよう、具体的な融資基準については、今後詳細をしっかり検討してまいります。
○山岡委員 つまるところ、電源の投資というのは、国が伴走していく性質の、公共性の高いものだというのが本質的なものだと思っております。是非、融資の際に、もちろん民間事業者が進めるのが基本的なたてつけでありますけれども、これは国も同時に同じ思いで進めていくんだ、その中で政策を進めていただきたい、そのことも伝えさせていただきます。
太陽光の発電の安全基準の強化についても伺いたいと思います。
今回、事前に構造などを第三者機関が太陽光発電のパネル等を置くときに確認するという制度も導入されています。私は、昨年十一月の経産委員会でメガソーラーの火災について取り上げて、一たび燃えると、電気が通っている関係で消火に相当苦労する、二十時間を超えるケースも幾つも出ているというケースも紹介させていただいて、課題を指摘させていただいた立場ですから、太陽光パネルの設置における安全基準の強化は賛同する立場でありますけれども、しかし、設置前の強化なんです、今回の件は。
設置後のチェックについては、これまでどおり、FIT認定されているものでも全国七十万か所あるとされる中で、設置後の立入検査は、昨日も確認しましたが、年間で百五十件から三百件程度というのが現実だと。最近は線状降水帯もあったり地形の変化もあったりとかして、設置時に安全だと確認されていても、その後の環境の変化で危険な状況になったり、あるいは配線にもまた土砂がかかって断線が起こったりとか、そういう危険な状況になり得るということは思っています。ですから、この今後の対応、対策というのは、私は、先日の参考人の方もおっしゃっていましたけれども、既設の太陽光設備の対応をどうしていくかというのは大きな課題だ、これは今後の議論が必要だと思っています。
日本国の太陽光パネルは、そのほとんどが海外メーカー製の機器が主流になっているわけであります。今回の法改正で事故時の設置者が製造者に協力を求めることの規定もされていますが、このこともどこまで実効性があるのかも疑問が残ります。協力を拒否するメーカーとか事故多発のメーカーは市場から排除していってほしいというふうに思いますが、今、太陽光パネルの場合は、事実上、ほとんど海外メーカーが関わってくる。海外メーカーは、名称を変えたりとか、メンバーが一緒でも会社が違って事業を変え直したりとか、そういう実態を把握することが非常に困難じゃないかという問題があるわけでありますが、協力を求められるという規定を設けたときにどのように実効性を持たせていくのか、御答弁いただけますか。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま御指摘いただきましたように、今回の改正法案では、法律上保安義務を負っております設置者による事故原因の究明、再発防止の実施を補助するために、製造事業者や輸入販売事業者に対しまして設置者への協力義務を課すとともに、協力しない場合には経産大臣による勧告、公表を可能とすることとしております。
海外メーカーの御指摘がございましたけれども、こちらの場合には、当該メーカー自身が国内で製造していれば製造事業者として、海外での製造のみであれば輸入販売事業者を通じて協力を求めていくこととなります。この際、電気事業法上の工事計画届出などから製造事業者などの特定を行いまして連絡をするということを考えております。
さらに、公表の際ですけれども、事業者名に加えまして、勧告に従わない旨、あるいは製品名も公表することで、電気の保安の義務を負う設置者がこうした事業者との契約をためらい、国内市場での事業継続が困難となると考えております。
海外メーカーの名称変更の御指摘がございましたけれども、海外でのみ製造している事業者の場合には輸入販売事業者を通じて協力を求めることとなります。さらに、輸入販売事業者の名称変更という可能性というのはありますけれども、登記簿上の商号変更履歴ですとか役員情報を確認したりといったことをしたり、継承先の特定といったことも含めまして、可能な限りその把握に努めていきたいと考えております。それでもこういったことが困難な場合には、専門機関等の協力を得ながら原因究明、再発防止につなげていきたいと考えております。
○山岡委員 登記簿も調べていくんだという気概はありますが、それだったら、優良なメーカーを認定制度的なものを検討するというアプローチが私は必要なんじゃないかなと思いますが、このことは。この一歩は大事な一歩ですので、そのことは尊重しながら、引き続きの安全確保に対しての議論はしていきたいと思います。
最後に、大臣に伺いたいと思いますけれども、この太陽光発電、特にメガソーラーですけれども、私の北海道の地域でも大反対運動が起きているという状況もございます。地域におけるトラブルということが頻発している中で、国自体は、再エネ電源だということで、設置までやれば統計上の再エネ電力の数値に入るわけでありますけれども、しかし、その後の安全上のリスクにつき合うのは、二十年という長い歴史、二十年以上かもしれませんが、地域の住民であります。地域の住民の安全、安心、そして理解と納得を得るための考え方というのをやはり進めていかないと、今後の再エネ、この普及というのはまた滞るということを思います。
大臣は、太陽光の安全基準の強化も大事なんですけれども、地域住民とともに生きる形での制度の推進をどのように進めていきたいと考えているか、最後に御見解をいただけますでしょうか。
○赤澤国務大臣 再エネの導入に当たっては、地域との共生が大前提でございます。委員御指摘のとおりです。
昨年末に関係閣僚会議においてメガソーラー対策パッケージを取りまとめたところで、本パッケージに基づき、関係省庁との連携の下で、地域と共生した再生可能エネルギーの導入を進めてまいりたいというふうに考えています。
具体的には、今回の法改正に、太陽電池発電設備の工事前にその構造安全性を第三者機関が確認するといった安全性向上のための措置を盛り込むとともに、今年三月に設置した再エネ地域共生連絡会議を通じた国と地方の連携強化、通報窓口を通じた関係法令違反や認定計画違反が疑われる案件の洗い出し調査に引き続き取り組んでまいりたいと思います。
委員の御指摘もしっかり踏まえながら、地域と共生する形で進めてまいりたいと思います。
○山岡委員 この件も含めて、また十九日に質疑をさせていただきたいと思います。
本日はありがとうございました。
○工藤委員長 次に、吉田宣弘君。
○吉田(宣)委員 おはようございます。中道改革連合の吉田宣弘でございます。今日もどうかよろしくお願いいたします。
法案の質疑に入る前に、私も先月の二十日の日に経済産業委員会で取り上げさせていただきました、いわゆる中東情勢の緊迫化に起因する悪影響、依然、国内でも続いている状況かなというふうには思っております。
ただ、もう皆様御承知のとおり、アメリカとイランの間で、暫定的ではございますが、和平合意というものがなされて、本当に明るい兆しが差してきたということに関しては非常に歓迎もいたしますし、私、これからこの和平が着実に実現していくことを強く望んでいるところでございますが、この一事をもってすぐ、今国内に影響が生じているこの事態が何か改善をされるということには、やはりなかなか、すぐにはならないわけで、時間がかかると思います。現時点での足下における悪影響、そういったものについて、私も地元でお聞きした内容を素材にして質問に臨みたいというふうに思っております。
経済産業省も本当に全省を挙げて全力で、いわゆる物が入ってこないという事態に関しては取り組んでいただいていることについては承知をしておりますし、感謝を申し上げたく存じますが、まだまだ足下ではやはり物が入っていないというお声に触れてしまいます。
例えばガソリンエンジンオイル、これも質問させていただいておりますが、いまだに顧客のニーズに十分対応できるだけの入荷をちょっと確保できないというお声も先日も聞きましたし、特にディーゼルエンジンオイルに至っては全く入荷ができないというふうに悲鳴が上がっておりました。今も余り状況は変わっていないんじゃないかというふうな気がしております。
ただ、このような状況になっていることを、この問題を少し整理すると、私は二段階で整理できているんじゃないかと思っています。一つは、物がそもそも入ってこないという事態、これが一つ。ただ、物が入ってきてもその価格が上昇しているという、この問題、二つに私は分けられるんだろうと思っております。
今回は、今、物が入ってこないというよりも、これは改善いただかなければいけないと思っていますが、物の物価が上がっているということについて、地元でお聞きした例に基づいてお聞きをしたいと思います。
経産省の努力、これは、シンナー不足については、原料供給の一・八倍の増産と直接供給ルートの強化により、今後数か月で流通の目詰まりが徐々に解消していく見通しかというふうに承知をしております。御努力には心から感謝を申し上げたく存じますが、やはり足下で悲鳴が続いているということです。
特にシンナーについてですけれども、これは私が伺った事業者の直接の本当のお声なんですが、三倍に値上がりしているというふうな声をお聞きをいたしました。さすがに三倍というのは、全国的に全て三倍ということではないのかもしれませんが、様々な要因でかつての値段の三倍の値がついているシンナーというふうなものも存在しているということは、事業者の皆様の言葉を信じれば、私は事実なんだろうと思っております。さすがに三倍ともなると、恐らく企業努力ではもう吸収できないと思います。仮に、価格転嫁をして、そのようなお値段で売ったとしても、それは消費者である国民には恐らく耐え切れないようなことなんだろうというふうに思います。
そこで経済産業省にお聞きをしたいのは、経産省において、中東情勢の悪化に起因する石油関連製品の価格上昇をどのように把握をされておられるのか、そして、ここではシンナーに限ってで結構でございますから、その認識と、その要因について答弁を求めたく存じます。
○畑田政府参考人 お答え申し上げます。
まず、石油関連製品は、日本全体として必要となる量は確保しておりまして、足下で生じている供給の偏りと流通の目詰まりに対しては政府を挙げてその解消に取り組んでおります。
これらを通じて、一部の需給逼迫に伴う価格上昇分についても一定の引下げ効果を期待できるものと考えておりますけれども、経産省としては、プッシュ型で調達、供給状況を把握するために、ヒアリングなどによって情報収集を行っております。この中で、特に塗料販売店などへヒアリングをすると、御質問のシンナー価格についても上昇しているという声をお聞きをして把握をしているところでございます。
この要因についてでございますけれども、一般論として、製品の販売価格は、企業間の取引の中で、各事業者の経営判断で設定されているというものと承知しておりまして、価格上昇の要因について一概にお答えすることは困難でございますけれども、シンナーの価格は原料であるナフサの市場価格、これと同様に上昇傾向にあるというふうに認識をしておりますのと、また、足下で生じている供給の偏りや流通の目詰まり、こういうことによる需給の逼迫、こういうことも一因であるというふうに考えております。
○吉田(宣)委員 この価格上昇の要因について十分調査もしていただいているというふうに思いますし、個別の企業間の取引におけることまではさすがに手を突っ込むこともできないし、そしてまた、それを何か正すこともできないし、これはあくまで自由経済、自由取引の中でのことでございますから、そこまではさすがにコミットできないということであったとしても、やはり、私、物の値段というのは、需要と供給が一致するところで市場において必然的に決まってくるものであると、古典経済学的な理解なのかもしれませんが、そのように承知しているところです。
政府の方は、このナフサ不足、これは源においては、今の答弁にもありましたとおり、解消しているというふうに聞いておりますし、また供給は、今、ですから、十分だということ。需要も、国内産業の経済活動というものが、中東情勢の悪化と、その前と後でそんなに劇的に何か変化するということはないわけでありまして、普通の産業活動をやっているわけでございまして、それは需要も余り変化していないということでございますれば、今政府から答弁をいただいたような、シンナーに限ってでございますけれども、物の値段が上がっている要因については、私はナフサ等の調達コスト増が一つの要因なんじゃないのかなというふうに思っております。
やはり、緊急事態でございましたから、政府の様々な御努力もあったと思います。感謝は繰り返し申し上げますけれども、かき集めてくるということですから、それだけやはり一定程度のコストもかかってくるんじゃないのかなというふうに思っておりまして、それが結局、価格転嫁されて、市場で流通するに当たっては物価上昇を招いているんじゃないかというふうな思いもございますので、これを、できるだけ国民の皆様にそのような構造になっているんだということを、私は、知っていただくことというのは非常に重要じゃないのかなというふうに思うんですね。
ここで赤澤大臣にお聞きをいたしますけれども、商品が国民の皆様のお手元に届くまでに価格転嫁されてこのぐらいは値段が上がってまいりますよというようなことは、私は、国民の皆様の御理解をいただくべくアナウンスをしてもいいんじゃないかなというふうに思うんですけれども、大臣のお受け止めをお聞かせいただければと思います。
○赤澤国務大臣 国内企業物価指数を見ると、本年五月のナフサの価格は前年同月比で約八〇%増、シンナーになりますと約三七%増、プラスチック製品は約四%増ということで、これを観察していると、サプライチェーンの下流になるにつれて、生産コストに占める石油化学製品の割合が薄まることで、価格の上昇幅が小さくなる傾向は見て取れると思っています。
ただし、サプライチェーン上で上流から下流に部材が流通する時間差の影響や、一部で生じている過剰発注の影響、取引ロットといった個別の状況が様々であるため、委員の問題意識はよく理解をいたしますが、一概に一般的な値上がり幅をお示しすることは難しいのかなというのが私の今感じるところでございます。
なお、石油関連製品は日本全体として必要となる量を確保をしており、引き続き情報発信に努めるとともに、足下で生じている供給の偏りと流通の目詰まりに対して政府を挙げてその解消に取り組んでいる。これらの取組を通じて、一部の需給逼迫に伴う価格上昇分についても、一定の引下げ効果が期待できる。
先ほど委員から御指摘いただいた八割増しで市場にシンナーを流すというようなことも、需給逼迫に伴う価格上昇は、大分それを抑えてくれるかなと思っています。
その上で、委員御指摘のとおり、原材料価格コストが上昇する中で、適切な価格転嫁が行われることが極めて重要でありまして、関係業界に原材料やエネルギーコストの上昇を考慮した価格転嫁の要請を行うとともに、価格転嫁を徹底すべく取引Gメンによる重点調査を実施をしてまいります。こうした取組を通じて、引き続き全力で、量あるいは価格について、やるべき対応をしていきたいというふうに思っています。
○吉田(宣)委員 赤澤大臣、本当に大変にありがとうございます。懸命な御努力を継続していただいていることに感謝を申し上げたく存じますし、どうか今後ともよろしくお願いしたく存じます。
それで、私は、価格転嫁策、今大臣からも答弁にございました、非常に重要な取組であって、私自身もこの価格転嫁策の推進については力強く自分なりに応援をしているつもりでございます。ただ、この価格転嫁策の最後の部分で非常に深い悩みが私はございまして、それを少し皆様に共有をしていただいて、お考えをお聞きしたいというふうに思うんです。
事業者の努力で順次価格転嫁が進んだとします。結果、最終消費者が転嫁されて上昇した値段で商品を購入することにつながるんだろうと思います。しかし、最終消費者に一番近い小売事業者が価格転嫁に仮に応じなかったときには、その分安く品物を売ることができます。消費者は、恐らく様々な小売事業者、スーパーマーケットとかといったところに行って、値段を比べて安いところからやはり買うというふうに、これは人の心としては自然なことでございますから、すなわち、価格転嫁に応じなかったところが競争に勝って、価格転嫁に応じて物を高く売らなきゃいけないというふうなことになった小売事業者が競争に負けるというふうなことにもなってしまうんですね。
もちろん、その過程の中、特に小売事業者の様々な企業努力やまた他社との競争というものも加味されるべきでございますから、そういったところも取り合わせて考えると非常に複雑になってしまいますが、私は、価格転嫁に応じないという事実だけを基に純論理的に考えれば、私が今申し上げたような結論になるんだろうというふうに思っております。
私は、矛盾とまでは言えないと思いますが、この理不尽な現象を、価格転嫁の結論は物価上昇につながることを消費者の皆様に十分に理解していただくという方法でしか解消できないのではないかというふうに感じているんですね。
そこで、この価格転嫁を推進している経済大臣として、赤澤大臣は私が今申し上げたようなことに関してどのようにお感じになられたかということについて、答弁いただければと思います。
○赤澤国務大臣 繰り返しになりますけれども、石油関連製品は我が国全体として必要となる量は確保しております。引き続き情報発信に努めるとともに、足下で生じている供給の偏りと流通の目詰まりに対しては政府を挙げて解消に取り組んでおります。これらを通じて、一部の需給逼迫に伴う価格上昇分についても、一定の引下げ効果は期待できる、それは最大限追求していきたいと思っています。
その上で、委員から感想ということで言っていただいたので申し上げたいと思いますのは、今、人口減少が始まって、明らかに我が国は労働供給制約社会と私が呼ぶ状態になっています。そこにおいては、賃上げは、優秀な人材を引きつけ、生産性向上に向けた投資を促し、企業の行動変容を促進をする供給力強化に向けた取組そのものであり、成長戦略の起点であると思っています。
雇用の七割を支える中小企業、小規模事業者の稼ぐ力の強化、すなわち、それは賃上げとの好循環をつくってもらわないといけません。賃上げというのが稼ぐ力の強化と好循環を実現していく。そのためには、価格転嫁、取引適正化の徹底、それから、成長支援、AX、省力化、デジタル化支援、さらには、事業承継、MアンドAによる事業再編といった施策を着実に実行していくことが必要で、こういった施策を力強くやっていくことで、稼ぐ力の強化と賃上げの好循環を実現したいと思います。
稼ぐ力の強化、とりわけ価格転嫁と賃上げの好循環の実現は、高市内閣が掲げる強い経済の実現に不可欠であり、こうした点について、最終消費者である国民の皆様を含め、社会全体に御理解いただけるようにしっかりと説明もしてまいらなければならないし、その取組を進めてまいらなければならないというふうに考えております。
○吉田(宣)委員 大臣、ありがとうございます。
今、御答弁、感想ということでいただきましたけれども、私も実は、ここでは価格転嫁策について論理的な現象を申し上げて、そのことを国民の皆様に御理解をいただくというふうなことで言いましたが、その先にあるのは、物が上がっても国民の皆様が十分それを購入できるだけの、恐らく、強い経済、強い賃金アップ、そういったものの好循環という形で、これは実は総合経済対策に私はつながってくるんだろうというふうに思っております。
そういった強い日本、これは総理もおっしゃっておられますけれども、強い経済の下、しっかり企業が経済成長して、そして、その恩恵は従業員の皆様にも十分享受していただいて、お給料をアップさせていただいて、そして、物の値段が上がってくるということは、私は一番いい物の値段の上がり方というのは、様々な技術を使って、物に付加価値がついていくところについては物の値段が上がっていいと思っているんです。これこそ、私は、適正な、非常に真っ当な経済成長であり、物価高だというふうに思っておりますが、それも十分国民の皆様が吸収できる、そういうふうな環境をつくっていく必要があると思うんですね。
ここでは答弁を求めませんし、大臣から本当に踏み込んだ答弁をいただきましたからあえて申し上げますけれども、円安というものがやはりかなり利いています、これは。やはり、財政出動も為替介入も、明確には政府はもちろんおっしゃりませんけれども、やっています。そうした効果もあっという間に消えていくような、このぐらい厳しい世界情勢、世界経済だと私は思っておりますが、これをやはり何とか、国の力を強くすることによって、日本の企業の力を強くすることによって、そして世界から日本が強い国だと思っていただけるようになれば、恐らく円は価値を上げていくというふうにつながってくるとも思いますし、また、金利政策というふうなものも昨今発表されたところでございます。
こういったものもしっかり注視しながら、私はいろいろな物事について経済産業省を褒めたたえてまいりましたが、ここでもあえて褒めたたえますが、私は経済産業省が日本の未来を担っているというふうに強く確信をしておりますので、どうか皆様、国民の未来を背負っているという覚悟でお仕事に取り組んでいただければというふうに思っておりますし、その分私も応援をさせていただきたいと思っております。
思いのたけを申し上げさせていただきましたので、法案の中身に入らせていただきたいと思います。
この法案の背景について、経済産業省は、ロシアによるウクライナ侵略や中東情勢の緊迫化により国際的なエネルギー情勢が変化する一方、国内ではDXやGXの進展による電力需要の増加が見込まれていると説明をされておられます。この背景に対する経済産業省の認識に全く異論はありません。
原油やLNGの調達における国際情勢に不透明感が増していることは周知の事実であり、国内においても、AIを稼働させる基盤となるデータセンターの立地や水素還元製鉄など、脱炭素電源の要請は高まるばかりでありまして、これまで以上に大量の電力が必要になってくるんだろうというふうに思っております。
そのような中で、国民の産業活動や生活、また、そのための電力を安定的に、また安全に供給することを一つの目的として、本改正案は行われるというふうに私は理解をしております。
その上で、大きな柱だけ申し上げますが、私の理解ですけれども、大規模電源という電力の源に関わる整備促進や、大規模送電線という電力を送る設備に関する整備促進、それから小売電気事業の適正化に係る登録制度の見直しや、電力の中長期市場等における健全な電力取引の促進と活性化、そして太陽電池発電設備等の安全性の向上に係る措置などを行おうとしているものであると総論として認識をしております。
そこで、法改正の背景や必要性の観点、また、大規模送電線、大規模電源の整備促進と、電気事業の安定的、継続的な発展のための環境整備、太陽電池発電設備等の安全性の向上の順に即して、これから質問をさせていただきたいと思います。
まず、法改正の必要性となる、その根拠となる背景について質問をいたします。
ロシアによるウクライナ侵略や、中東情勢の緊迫化による国際的なエネルギー情勢が変化していることとの関連でございますけれども、LNGや原油などの安定供給に悪影響が出ている結果、電力の安定供給にも少なからず影響が及んでいるんだろうというふうに思っております。ただ、経済産業省が全力でこの悪影響を回避すべく、様々な施策を多様的に取り組んでおられることは承知しておりまして、感謝を申し上げたく存じます。
そこで、これは政府参考人に御質問いたしますが、今般の中東情勢の緊迫化を受けてホルムズ海峡からLNGや原油の輸送が困難となる中、経産省において取り組んでこられた代替調達の取組について、この内容について答弁をいただければというふうに思います。
○和久田政府参考人 お答え申し上げます。
まず、LNGの輸入でございますけれども、ホルムズ海峡を経由する輸入量は我が国の輸入量全体の六%程度でございまして、一時的な市場環境の変動影響は受けにくい調達構造であるものの、引き続き、上流権益の確保、それから緊急時に備えた海外からの代替調達の体制構築を通じまして、LNGの供給源の多角化と安定供給確保に万全を期してまいりたいと考えてございます。
次に、原油でございますけれども、中東依存度は約九四%であるものの、足下では、中東や米国に加えまして、アジア太平洋、中南米、中央アジア、アフリカからも原油が届きまして、原油の調達先の多角化が進展しているところでございます。
七月は、米国から前年平月比で十倍程度の調達見通しがついた結果、前年平月比約十割の調達への回復にめどが立ったところでございます。
その結果、八月以降は、保守的に前年平月比七五%の調達が継続すると仮定した場合においても、備蓄を活用することで、二〇二八年三月末までの石油の安定供給が可能となってございます。
引き続き、民間事業者とも連携しながら、必要な原油の量の確保と原油調達の更なる多角化を進めてまいりたいと考えてございます。
○吉田(宣)委員 今、本当に短い答弁だったんですが、この間に含まれる努力というのは半端なものではなかったかというふうに思います。本当に感謝を申し上げたく存じますが、引き続き、様々な国際情勢を注視していただいて、御努力を継続いただければというふうに思います。
一方で、国内では、先ほども申し上げましたが、DXやGXの進展による電力需要の増加が見込まれておりまして、ある意味、電力の一部の源でありますLNGや原油が不足すると、その需要を賄うこともなかなか難しいこともあり得るんじゃないかというふうに思っています。今でさえ多分足らないんですね。
そこで、今度は赤澤大臣にお聞きをいたしますが、国内において需要を賄うことができない場合、日本にはどのような悪影響が生じると予想されるか、大臣から答弁いただければというふうに思います。
○赤澤国務大臣 電力の安定供給、あるいは安定供給の確保は、国家の生命線だと認識をしております。
改めて申し上げるまでもございませんが、DX、あるいはAX、さらにはGXを進めていく上で増加が見込まれている電力需要を賄うための十分な電力が供給できない場合には、例えば国内においてデータセンターや半導体工場などの投資機会が失われます。それだけにとどまりませんで、全体として申し上げれば、経済成長や産業競争力強化の機会が失われるということになると思います。
このため、増加する電力需要に対し必要な電力を安定的に供給していくことは、国力にまさに直結をする国家の最優先課題の一つと認識をしております。
御審議をいただいている電気事業法の改正案では、こうした問題意識に基づき、送電網や大規模電源への投資を促進するために財政投融資を活用した貸付制度を盛り込んでおり、こうした措置を通じて、増大する需要に確実に電力を供給できるよう万全を期してまいりたいと考えてございます。
○吉田(宣)委員 国内における電力の安定供給というもの、これが賄いづらいなと外から見られると、結局、やはり投資というふうなことを、一歩踏み出したい様々な、外国からの企業さんであったりとか、先ほどではデータセンター、それから半導体の施設というお話がありましたが、やはり二の足を踏んでしまうと思うんですよね。
だから、そういう意味では、今法改正、電気事業法の一部を改正する法律の改正を前向きに審議をしてしっかり国内の安定供給を整えるということは、背景としては非常に重要であるというふうに私は認識をしているところでございます。
では、先ほどの山岡先生の質問にも関連をするのでございますが、これからの国内における体制整備について、大規模送電線、大規模電源の整備の促進等の観点から質問をさせていただきたく存じます。
まず、大規模電源の整備促進の方について質問をいたします。
大規模電源といいましても、国内には火力発電所、原子力発電所、太陽光発電、水力発電、風力発電、地熱発電など様々な電源の種類があり得るわけですね。そして、本法案、法改正における貸付けの対象となる大規模電源というものは、今申し上げたような多様な電源というものを全て包含するものなのかどうかということ、それについて、大規模と言えるかどうかの基準も含めて、確認の意味で答弁をしていただければと思います。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
本法案に盛り込んだ貸付制度は、民間金融を補完し、資金調達が難しい、投資期間が長期かつ大規模な電源の整備を促進するものでございます。
本制度は、特定の電源種のみを対象とするものではありませんが、電力の安定供給の確保を図りつつ、脱炭素化を推進していく上で重要な電源を優先的に支援していくという方針であります。
具体的な支援対象は今後検討してまいりますが、先ほど申し上げました観点から、例えば、一定規模以上の原子力、洋上風力や脱炭素火力などは支援対象となり得るというふうに考えております。
また、支援対象とする電源の規模についても、具体的には今後詳細を検討してまいりますけれども、その際には、経済産業省の審議会において議論されましたように、経済安全保障法における特定社会基盤事業者の指定基準が五十万キロワット以上の電源を所有するといった規定があることも参考にしていくということかと思ってございます。
いずれにしても、本制度の政策目的を達成できるよう、適切な制度設計を検討してまいります。
○吉田(宣)委員 電力の安定供給、それから脱炭素電源が優先をされていくということについては、その方向性について強く支持したいと思います。
脱炭素電源として重要なものとして、原子力発電も現状においては一定程度の割合を持って活用していかなければいけないというふうに承知をしております。
原子力発電の稼働状況は、再起動しているものが現状で十五基、設置変更許可を得て工事が進んでいる施設が三基、新規制基準の審査中であるものが八基、未申請のものが十基という現状かと存じます。
福島第一原子力発電所の事故を教訓に、安全性を最大に確保し、地域住民の皆様の御理解を十分に得るためにも、しっかりとした施設整備が私はこれからも求められるのであろうというふうに思います。
そこで、原子力施設の再稼働に向けて新規制基準に適合した施設整備を行うために、本改正案の貸付制度というものを用いて電力広域機関による必要な貸付けを受けることができるかについて、経済産業省から答弁いただければと思います。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
本制度に基づく具体的な融資対象について、これは投資期間が長期かつ大規模な電源の整備という観点で今後検討してまいるということを申し上げたところでございますけれども、一定規模以上の原子力発電や洋上風力発電を始めとした安定供給と脱炭素化の両立に資する電源への投資への貸付けというものを想定してございまして、こうした政策目的を達成する観点から今後詳細を検討してまいります。
○吉田(宣)委員 非常に厳しい審査基準というものがあるのも承知しておりますけれども、やはり、国民の電力に対する供給というものの安心というふうなことを考えれば、一定程度使わざるを得ないのが原子力であるというふうに私は思っておりますし、そういった意味においては、早く安全性を確保して動かしていくということは私は必要だと思っております。あるものは使っていかなければいけないんだろうと私は思っておりますので、どうかよろしくお願いしたく存じます。
では、その貸付けを行う電力広域機関について、この概要を教えていただければと思います。
○久米政府参考人 電力広域的運営推進機関は、東日本大震災の教訓を踏まえ、電力の安定供給を確保するため、全ての電気事業者が協調し、広域的な運営を推進するため、二〇一五年四月に創設された、電気事業法に基づく認可法人であります。電気事業法に基づきまして、全ての電気事業者が同機関の会員となることが義務づけられています。
現在、同機関は、電力需給の監視を行い、需給逼迫時には送配電事業者に対して地域を越えた電力融通の指示を発出すること、電力需要や供給力の見通しの提示や、発電設備の維持整備に必要な制度の執行、地域間送電線の整備に関する計画策定や資金支援を行うこと、FIT制度に基づく再エネ発電事業者に対する交付金の交付や、太陽光パネルの廃棄処理のための積立金の管理を行うことといった業務を担っております。
○吉田(宣)委員 電力広域機関から貸付けが行われるわけですが、この貸付業務の改正前の規定を見てみると、中略させていただくところもありますけれども、条文上、卸電力取引所から納付を受け、貸し付けるというふうな規定が今存在しておりまして、これが丸ごと削除されたのが今改正案でございます。
今般の改正案において、この機関の貸付業務に国の財政投融資を活用するというふうに承知をしておりますが、今の文言をさくっと削除するだけでこれが可能になるということなんですけれども、この点について、法技術的なところの観点でも結構でございますから、ちょっと御説明いただければと思います。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
財政融資資金法上は、従前より電力広域機関が財政融資資金の貸付けを受けることは可能でございましたけれども、現行の電気事業法においては、電力広域機関は、卸電力取引所から値差収益の納付を受けて、一定の要件を満たす地域間送電線の整備にその値差収益による資金だけを貸し付けることができることになっているというのが、今御指摘いただきました電気事業法の現行の条文でございます。
この度、令和八年度財政投融資計画において措置されたことに加えまして、本法案で、今御指摘いただきました地域間送電線の整備への貸付けの財源を値差収益に限定するという規定を削除するとともに、地域内送電線及び大規模電源への貸付業務を追加することで、財政投融資を活用した大規模な地域間、地域内送電線及び電源への貸付けを実施することが可能となったものでございます。
○吉田(宣)委員 ありがとうございます。
では次に、大規模送電線の整備の促進等について質問をいたします。
今質問をしました大規模電源に対する資金の貸付けについて、同様に大規模送電線について適用ができるものと承知しておりますが、具体的に貸付けを行う対象をどのような施設として想定しておられるのか、また、大規模と言えるかどうかの基準と併せて答弁をお願いしたく存じます。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
本法案に盛り込んだ財政投融資を活用した貸付制度は、長期かつ大規模な資金調達を支援するものでございますけれども、このうち、地域内送電線整備への貸付けの対象は、一定規模以上の電圧、容量の送電線であって、再エネの導入拡大やデータセンター等の需要に対応する観点など、政策的に重要なものを想定しております。
こうした基本的な考え方の下で、詳細な基準については、法案を成立させていただいた後にしっかり検討してまいりたいと考えてございます。
○吉田(宣)委員 時間が参りましたので、終わります。
○工藤委員長 次に、落合貴之君。
○落合委員 中道改革連合の落合貴之でございます。
本日は、電気事業法の一部を改正する法律案について質疑をさせていただきます。
東日本大震災後に、何年かかけて大きな電力システム改革が何段階にも分けて行われました。今回の法改正は、ある意味その補強であって、また、時代に合わせた、一部修正するところは修正していくということになるんだというふうに思います。その観点から、若干前の質疑者と重なるところもありますけれども、質問をさせていただければと思います。
まず、私は、二年前の経済産業委員会で質問している件があります。再エネは、変動が大きいために、発電量が需要を上回っているときは、出力制御ということで、発電を止められてしまう仕組みがあります。これはこれで、電力システム全体を、系統を守っていく上では必要なことではあるんですけれども、これは、二〇二三年の一年間で約十九・二億キロワットアワー、出力制御されています。これは、計算すると、四十五万世帯分もの年間消費電力量と大体同じであるということです。
これは、年間でどれぐらい出力制御をしているかという数字を、もう各電力会社の数字を全部足し算しなきゃいけないので、今恐らく一覧で見られるものがないというふうに思います。今日は経産省に事前に通告をしておきました。ちょっと私の能力では、この足し算がなかなか、かなり複雑でというか、多岐にわたり過ぎて分からなかったので、その後の年、二〇二四年それから二五年はどのように推移をしていったか、それから二六年の予測はされているのか、数字を、できればこれは同じ単位で、億キロワットアワーの単位で教えていただければというふうに思います。
〔委員長退席、土田委員長代理着席〕
○小林政府参考人 お答えいたします。
御質問の再エネ出力制御の実績でございますが、全国計で、二〇二四年度は約十六・〇億キロワットアワーです。二〇二五年度は、一部速報値を含んでおり、今後変更となる可能性がありますけれども、約二十・二億キロワットアワーでございます。
また、二〇二六年度の出力制御見込みについては、一般送配電事業者において試算した結果、約二十四・八億キロワットアワーとなっております。
○落合委員 二〇二三年の十九・二億キロワットアワーで、大体、日本の世帯の四十五万世帯分の年間消費量である。その翌年が十六億、十九・二から十六億にほんのちょっとだけ下がったわけですが、また上がって、二五年は二十・二億キロワットアワー、今年は更に増えて二十四・八億キロワットアワーということで、数十万世帯分の消費電力量を、残念ながらいわば捨ててしまっているというような状況でございます。
これは、電力が足りなくなるから発電設備を増強しなきゃいけないということで、今回の法改正でもいろいろなものが入っているんですが、実は、捨てているものも年々増えてしまっているというのが現状でございます。ここを何とかしていかなければならない、することが日本のエネルギーの耐久性を強くしていくことにつながっていくのではないかなというふうに思います。
この一時的な余剰電力をどうやって活用していくかということで、これまでも、余っている時間は水素に転換をしましょうですとか、蓄電池をもっと普及できるのではないかとか、それから今回の送電線の整備など、施策を打っているわけですが、大臣、残念ながら、出力制御が増えていることは、大変もったいないのと、時代の状況の変化にやはり施策が追いついていないということであると思います。
大臣、ここについては、どのように現状お考えでしょうか。
○赤澤国務大臣 再エネの出力制御は、再エネの最大限の導入を進めるに伴い生じる一方、これが再エネ導入の妨げにならないようにするため、制御量を可能な限り抑制する対策をこれまでも実施してきてはいます。
具体的には、二〇二三年十二月に取りまとめた出力制御対策パッケージに基づき、再エネの貯蔵が可能になる蓄電池の導入支援、あるいは地域をまたいだ再エネの活用を可能にするための九州地方と中国地方を結ぶ地域間送電線の増強、それから火力発電の最低出力の引下げといった対策を進めております。
今般の電気事業法改正案に盛り込んでいる財政投融資を活用した貸付制度の対象には、大規模な地域間送電線の整備も想定をしております。これまでの取組に加えて、本制度も活用することで、地域間送電線の更なる整備を進め、地域をまたいだ再エネの有効活用を進め、出力制御を抑えながら再エネ導入を更に後押ししてまいりたいと考えております。
○落合委員 こういった、特に政府が後押しをするということに対しては、エネルギーの安定だけではなくて、やはり、今までも審議してきた産業の技術力ですとか競争力の強化にも同時につながっていくという施策をどんどん打っていくことが重要だと思います。
今、電力自由化をしましたので、発電事業者はたくさんあります。そのたくさんある発電事業者が、みんなが、ほとんど多くの事業者が使うのが送電線ですので、ある意味、道路と同じような公共性をより送配電網は持つことになってきています。やはり、特にこの送配電網については、国の関与というのを、今までの電力行政よりも更に公共性を高めていく、そういった観点が必要であるというふうに思います。
政府参考人の久米さんにちょっと改めて確認ですけれども、今回の法改正によって、しっかり出力制御は減っていくというような施策になっているということでよろしいでしょうか。
○久米政府参考人 今回の電気事業法改正案に盛り込んでおります財政投融資を活用した貸付制度の対象、これは大規模な地域間送電線の整備も想定してございますので、地域をまたいだ再エネの有効活用ということにつながっていくということを期待してございます。
○落合委員 これは、電力システム改革に着手したときから、これからはこういうのが必要だと、十年以上前、十数年前から言われていたことですので、是非バックアップを、更なる後押しをいただければというふうに思います。
この大規模送電線の整備を、送電線自体がある意味公共性が大きいので、国が関与をする、大規模、長期、計画的に関与をしていくという、この意義は私も感じます。
一方で、今回は、送電線の整備だけではなくて、大規模電源の整備にも政府が関与していくわけでございます。これは、電力自由化を行っていけば、電源間の競争になるので、競争原理が働いて、強い事業者が残っていくんじゃないかという議論がされてきたわけですけれども、わざわざこういった自由化をして、発電量が多くなることが予想されていたにもかかわらず、発電の方にも政府が関与を強める、そういう施策が今回行われているわけでございます。
この大規模電源、政府が支援をする大規模電源というのは、具体的にどういう電源を想定しているのか、政府参考人に伺えればと思います。
○村瀬政府参考人 お答え申し上げます。
今般の改正で措置する電力広域機関による貸付制度につきましては、民間金融を補完し、資金調達が難しい、投資期間が長期かつ大規模な電源の整備を促進するものでございます。
電力の安定供給の確保を図りつつ、脱炭素化を推進していく上で重要な電源を優先的に支援をしてまいりたいと考えてございます。
具体的な支援対象は今後検討していくことになりますけれども、先ほど申し上げた観点から、一定規模以上の原子力発電や洋上風力発電、それから脱炭素火力などの電源投資を想定してございます。
また、支援対象とする電源の規模につきましても、具体的には今後、詳細検討となりますけれども、経済産業省の審議会において議論されておりますように、経済安全保障法における特定社会基盤事業者の指定基準が五十万キロワット以上の電源を所有することであることなども参考にしまして、いずれにしても、本制度の政策目的を達成できるよう、適切な制度設計を検討してまいりたいと考えてございます。
○落合委員 私も、ヨーロッパですとかに、こういう新しい発電設備を造るためのファイナンスがどうなっているかですとか、いろいろと聞いて回ったこともあります。これは、本当に将来性と収益性があれば、今、投資先というのはみんな探していますので、ちゃんとやれば、金融のシステムもちゃんとつくっていけば、お金は本当はすぐ集まるはずなんです。そういったファンドをヨーロッパではつくって、それを投資して大規模な開発を行っていくということをたくさん私は見てきました。何で国が関与しないと日本はできないのかな、もしかしたら市場をゆがめているのではないかというふうに私は考えます。
実際にはまだ決まっていなくても、審議会で議論がされています。太陽光、陸上風力、洋上風力、蓄電池、エネルギー貯蔵システム、水力、あと、地熱、原子力、それから、火力はLNG、バイオマス、CCS、アンモニア、水素などが挙げられています。この中の多くはまだ技術が確立していないというか、軌道に乗っていないものもありますので、そういったところに一定程度政府が関与するというのは分かります。しかし、これは原子力も入っているわけでございます。これは新型原子力ではなくて、普通に原子力というふうに書いています。
これは、なるべく、政府が関わるのであれば、再エネですとか、蓄電池ですとか、水素、アンモニアですとか、新しい発電分野をバックアップしていくというのは分かりますが、しかも、今まで政府は、原発は最も収益性が高いというふうに言ってきました。これはなぜ原発が入る必要があるのか。これは、産業競争力の強化や技術力の強化から考えても、やはり新しい発電システムに力を入れていくべきではないのかと思うんですが、これはもう原発の経済的優位性自体がなくなってきちゃったということでしょうか。大臣、いかがですか。
○赤澤国務大臣 経済産業省が二〇二五年二月に取りまとめた発電コスト検証では、二〇四〇年の原子力発電のコストについて、安全対策費を含む建設費や、東京電力福島第一原子力発電所の廃炉や除染に係る費用、あるいは最終処分に係る費用も含めて、現時点で合理的に見積もることができる費用を全て織り込み算定し、キロワットアワー当たり十二・五円以上とお示しをしたところであります。
こうした検証も踏まえ、原子力発電については、第七次エネルギー基本計画において、他電源と遜色ないコスト水準としているところでございます。
その上で、今般の改正で措置する電力広域機関による貸付制度は、長期で見れば経済性が見込まれるとしても、投資期間が長期かつ大規模な電源であり、民間だけではファイナンスが困難な場合を念頭に、必要な支援を通じてその整備を促進するものであります。
具体的な融資対象については、特定の電源種を念頭に置いたものではありませんが、一定規模以上の原子力発電も含め、安定供給と脱炭素化の両立に資する電源投資への貸付けを想定しているものでございます。いずれにせよ、御質問について言えば、支援対象となる電源について、長期で見た際の経済性を否定することにはならないというふうに考えているものでございます。
○落合委員 ファイナンスについては、かなり各国工夫をし始めていると思います。特に大規模電源は、それ単体である程度採算が見込めますので、その収益性だけを切り離してお金を集めることもやろうと思えばできるわけでございます。
既存の技術については、やはりファイナンスの部分を工夫して、新しい民間のお金の活用方法を考えていくべきである、まだ技術が確立していないけれども我が国にとって必要な分野については国が関与をして後押しをしていくというような、そういう区分けが必要だと思いますが、大臣、そのことについてはいかがですか。
○赤澤国務大臣 御指摘の問題意識は理解をいたします。
そういうすみ分けができれば、それはそれできれいな整理でもありますし、理論上はもう十分あり得るとは思うのですが、現時点での私どものやはり考え方は、既存のエネルギーの作り方の中でも、新しいものでなくても、先ほどとちょっと、繰り返しになりますけれども、長期で見れば経済性が見込まれるとしても、投資期間が長期かつ大規模な電源であるということになると民間ではなかなかファイナンスが困難な場合がありますので、そういうのを念頭に、必要な支援を通じてその整備を促進していく必要があるというのが現時点の考え方でございます。
○落合委員 是非、ファイナンスの部分をより向上させていくために研究も行っていただければというふうに思います。投資先を探している民間の投資家はたくさんおりますので、特に、こういう公共性があるところは採算がかなり見込めますので、工夫の余地があるというふうに思います。国が古い技術に関与し過ぎることで、古いものがずっと居座って新しいものが育たないということにならないように、是非工夫をしていただければというふうに思います。
再エネの方も、施策として、拡大路線でやってきたわけですが、ここの拡大路線にも、一部、十数年たってきたことで負の部分も出てきているわけでございます。
先ほどもメガソーラーの問題もありましたが、私、今回いろいろ調べていてびっくりしたのが、登録されている小売事業者、小売事業者は新規参入して、太陽光が恐らく多いと思いますけれども、そのうち三分の一ぐらいが売電記録もないというようなことでございます。
どうしてこういうことになってしまったのか、最初の制度設計のときには想定していなかったことが起きているとは思うんですが、政府参考人から、どう分析されているか、伺えればと思います。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
小売の全面自由化後、発電設備を持たずに市場を通じて電気を調達することを前提として、多くの事業者が小売電気事業の登録を受けて電力市場に参入してきたというふうに承知してございます。
他方で、これらの事業者の中には、市場における取引に関して、価格変動リスクの把握や管理が不十分な事業者も一定程度存在したというふうにも認識してございます。
小売電気事業者が休眠に至る理由というのは、各事業者にもよるため一概には申し上げられませんけれども、一つの要因として、二〇二二年のロシアによるウクライナ侵略に伴う国際燃料価格の高騰を背景とした電気の市場価格の高騰により、事前に想定していた価格での電気の調達ができなくなり、事業の休廃止に至った例というものがあるというふうに考えております。
〔土田委員長代理退席、委員長着席〕
○落合委員 今回の法改正で、一定期間休止している事業者の登録の取消しもできるようになるわけですけれども、今の時点では、最初の登録の段階でもこういった事業者をなるべく起きないようにするということはもう既にされているのでしょうか。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま答弁申し上げました、二〇二二年に小売電気事業者の休廃止が相次ぎまして社会的混乱が生じたということを踏まえまして、供給能力や財務状況については、登録段階及び事業開始後での確認を強化してございます。
具体的には、財務状況について、中長期的な事業の継続可能性についても登録段階で審査するという観点から、三年分の事業計画書の提出を求め、電気の供給能力を確保する費用の変動といったリスク、リスクを踏まえた対策、対策に関する目標というのを確認しており、事業開始後においても、リスク管理体制の運用や資金の状況の定期報告を求めております。
○落合委員 次に、太陽光発電設備についてでございます。
これまで再エネの普及段階においては、太陽光にかなり力を入れていたと思います。その中で、メガソーラーに割と力点が置かれていたというふうに思いますが、近年、いろいろと問題が発生しているわけでございます。
そもそも再エネは、大規模集中型の電源ではなくて多機能分散型だというところにメリットがあるわけでございますので、なるべく分散型の電源にしていくということがほかの電源よりもメリットが出てくるのではないかというふうに思います。
そこで、最近では、経産省も屋根置き型の太陽光発電の支援ということに目が向き始めていると思います。今回、送電線も足りないから再エネも普及しないんだというような話で法改正を行っていくわけでございますけれども、屋根置き型であれば、基本的にはその建物で電力を使うでしょうから、ほとんど送配電網は増やさなくてもいいわけです。太陽光パネルの単価も量産化等によってどんどん下がっていっています、既存のパネルは。
そういった意味で、この屋根置き型を更に推進していくということは一定の意義があると思います。これはどれぐらい増やせるのかなというふうに調べてみますと、民間のシンクタンクの試算の中に、原発二基から六基分ぐらいの設置余地がまだあるという試算もございました。
これは重要な経産省の施策だと思いますが、具体的にはどのように打っていくかについてお聞かせいただければと思います。
○赤澤国務大臣 今後の太陽光発電の導入拡大に当たっては、比較的地域共生がしやすく、また、委員御指摘のとおり、自家消費型で導入されることで系統負荷の低い屋根設置太陽光発電のポテンシャルを積極的に活用してまいりたいと考えています。
具体的には、屋根設置太陽光発電の投資回収の早期化を図る措置の創設でありますとか、省エネ・非化石転換法に基づき、工場等の屋根への太陽光発電設備の設置状況、設置余地を国に報告する制度の構築でありますとか、ペロブスカイトなどの次世代型太陽光発電の開発、導入の支援といった取組を進めてまいりたいと考えております。
○落合委員 是非、日本全体の産業競争力や産業技術力を発展させながらエネルギー政策も行っていくという形を取っていただければと思います。
本日は終わります。ありがとうございました。
○工藤委員長 次に、丹野みどり君。
○丹野委員 国民民主党、丹野みどりです。本日もよろしくお願いします。
まずは、電力の自由化についてです。
様々な委員から御質問がありまして、答弁も若干かぶるかなと思いますけれども、この自由化の振り返り、総括から始めないと話がいかないと思いますので、よろしくお願いします。
二〇一六年の小売全面自由化、そして、二〇二〇年の発送電分離を経て、電力システム改革。競争を促進した、それから、料金メニューが多様化した。政府は、一定の評価はあると評価をしています。
その一方で、やはり安定供給を確保するために、容量市場ですとか、需給の調整市場とか、長期脱炭素の電源オークションといった新しい制度が次々につくられました。
その上で、今回の法案は、大規模電源の休廃止協議制度とか送電線整備の支援制度、こういったものが盛り込まれております。
電力の業界で働く方々から、こんなお声を伺っております。今回の法案自体には反対はしない、しかし、そもそも自由化をした副作用への対応を後からどんどん積み重ねているように見えるというものであります。そして、最大の使命であるはずの安定供給、これをも揺るがしかねない事態である、そういうことすら厳しくお声をする方もいらっしゃいました。どうしてここまで制度の追加が必要になったのかと思うわけですね。
そこで、まずは伺います。
経済産業省として、そもそも電力システム改革の成果と課題をどう総括しているのか、まずはそこを教えてください。加えて、自由化と安定供給、この両立は本当に難しいという指摘もある中で、その課題認識の上で、今回の法案をどういったように位置づけて、何を解決しようとしているのか教えてください。
○赤澤国務大臣 東日本大震災以降、安定供給の確保、電気料金の最大限の抑制、需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大を大きな目的として、二〇一六年、小売の全面自由化、二〇二〇年、発送電分離といった電力システム改革を行ってまいりました。これにより、私どもとしては、広域融通による安定供給の確保や料金メニューの多様化による需要家の選択肢拡大などが図られてきたというふうに認識をしております。
一方で、世界的な脱炭素化の流れや、DX、AX、GXの進展により電力需要の増加が見込まれるといった、当初必ずしも想定していなかった変化が生じております。
こうした中で、エネルギー安全保障を確保するためには大規模な送電線や電源への投資を促進していくことが必要であり、このため、本法案で、財政投融資を活用した貸付制度の創設といった措置を盛り込んでおります。
本法案は、これらの措置を通じて、国家の生命線である電力の安定供給を実現するとともに、事業者の創意工夫を最大限に生かしつつ、安定供給、脱炭素化、安定的な価格水準での電気の供給が実現できるよう、電力システム改革を次のフェーズに進めていくために必要なものであると位置づけているところでございます。
○丹野委員 ありがとうございます。
今大臣から、次のフェーズというのがもちろんありました。そもそも、この電力システムを改革するときに、始めるときに、見方がいろいろあると思うんですね。つくる側は、当然、自由化するんだけれども、この先々で都度都度、見直していって、状況に合わせて追加でどんどんやっていきますという、そもそもそういうスタートであった。だけれども、もう一つの見方からすると、そもそも自由化を始めちゃったものだから、後からいろいろやはり副作用的なことがあって、それを是正するためにいろいろやっているという見方も当然あるわけですね。なので、そっちの側に立つと、何か、自由化をしたばかりに副作用があって、それを補完するための制度がどんどんできているという指摘もあるわけですね。
そういう見方、指摘に対してどういった認識を持っているか、お願いします。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
東日本大震災以降の電力システム改革当初から、発電や小売の全面自由化に当たっては、必要な制度を新たに措置することで安定供給に万全を期すということも想定されておりました。例えば、電源の維持、確保に必要なコスト回収の予見可能性を高めるための容量市場の創設が適当だというふうにされておりました。
その後、小売全面自由化を実施した二〇一六年以降、諸外国の事例も踏まえ、容量市場を二〇二〇年に創設するとともに、再エネの予測誤差に対応する調整力を広域的、効率的に調達、運用する観点から二〇二一年に需給調整市場、脱炭素電源への新規投資の促進の観点から二〇二三年に長期脱炭素電源オークションといった諸制度を、電力システムが直面する課題に対応する形で整備してまいりました。
事業者の創意工夫を最大限に生かしつつ、安定供給、脱炭素化、安定的な価格水準での電気の供給が実現できるよう、本法案に盛り込んだものも含めて、必要に応じて様々な制度を措置しながら、電力システム改革を次のフェーズに進めてまいりたいと考えております。
○丹野委員 必要に応じて都度都度改善していくということだと理解をしました。
今回の改正案は、電力需要を増加していく、それから、脱炭素電源も整備していかなきゃいけない、送電線も増強しなきゃいけない、太陽光発電設備、安全性を増していかなきゃいけない、小売電気事業者を整理しなきゃいけないと、安定供給に関わる重要な改正、本当に盛りだくさんで盛り込まれております。なんですが、単に制度をつくればいいという話じゃなくて、やはり送電線にしても電源にしても、最後は現場で働く人、保安を担う人、地域で理解を得る人がいて初めてこれが全部成り立ってくると思っています。
そういった観点から、今日は、国の責任はどこにあるのか、そして、電力広域機関の役割はどうなるか、需要家の負担はどうなのか、地域への影響はどうなのか、保安人材の確保はどうなのか、こういったことを順番に伺ってまいります。
まずは、電力広域機関と国の責任についてでございます。
電力広域機関はこれまで、需給が逼迫しているから、電気事業者に、もっと作ってほしいとか、もっと送ってほしいとか、いわゆる調整をする司令塔的な役割を担ってきました。加えて、容量市場の運営ですとか、再エネ出力制御の妥当性を検証するとか、再エネ特措法に基づいてFIT、FIP交付金を管理するとか、いろいろなことをやっていらっしゃいました。それが、今後は電力のニーズが増大していく、そこに備えていろいろなプランを作成していく。確かに、これまでいろいろな知見がありますから、そういったことをするのはふさわしいのかなと思うんですけれども、やはり心配もございます。
今回、こういった機関に必要な資金の貸付機能を与えるということがあります。
これまでも、地域をまたぐときの送電線の整備に関しては必要な資金を貸し付けるということをやっておりましたから、それを拡充するわけですよね。だから、貸付機能自体は初めてではありませんけれども、とはいっても、やはり今回少し役割が重過ぎるのではないかなと心配になってしまいます。
そこで、質問です。
電力広域機関は、既に多くの重要な役割を担っています。そこに加えて、大規模送電線、大規模電源の整備に関する資金貸付機能が加わることになります。機能が集中し過ぎるということに対してガバナンス上の懸念はないのか、国はどのように監督し、責任分担を明確にするのか、教えてください。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
電力広域機関は、現行の電気事業法の下で、必要な供給力の確保や広域での系統整備などの役割を担っております。また、今委員から御紹介いただきましたように、地域間送電線への貸付業務を実施しており、今般の改正で措置する貸付けを行う機関として適切と考えております。
また、今般の措置に伴いまして、適切に業務を遂行できるよう、電力広域機関内に金融の専門的知見を有する職員を配置した融資管理部門を新設し、貸付案件の審査や与信管理を行うといった体制の強化を検討しております。
さらに、今般の電気事業法改正案では、電力広域機関が貸付けを行う際には、経済産業大臣が定めた基準に従うこと、事前に経済産業大臣に対して意見照会することとしております。加えて、経済産業大臣は電力広域機関に対して、定款又は業務規程の変更その他業務に関し、監督上必要な命令をすることができるとされております。
こうした規定に基づきまして、本法案に盛り込んだ貸付業務についても適切に業務が行われるよう、引き続き電力広域機関を適切に監督してまいります。
○丹野委員 ありがとうございました。金融分野における専門家を置くということで、少し安心をいたしました。
以前の一般質疑でも申しましたけれども、送電線の整備ですとか脱炭素の大規模電源の整備というのは、計画をすることも行っていくことも国のインフラ整備と思っておりまして、これは国策として進めるべきと思っています。今回、こういう機関から出されたものを国が認めるというだけではなくて、やはり国家戦略として国がきちんと宣言をして、旗を振って伴走しなければ、余りにも国が事業者任せにしているなという印象もあります。
なので、質問です。
今回の制度は、送電線や大規模電源という国民生活や産業活動に不可欠なインフラ整備を進めていくものでございます。だからこそ、事業者だけに任せるのではなくて、国として、どこにどのような送電線、電源を整備するのか、国家戦略として示す必要があると思っております。これは大臣に、国としての責任と覚悟をお願いします。
○赤澤国務大臣 電力の安定供給は国家の生命線でございます。繰り返し申し上げているとおりです。送電網や発電設備の整備は民間事業者の経営判断に基づき実施されておりますが、国としては、将来に向けた戦略や見通しを示し、その実現に必要な政策を講じることで、事業者が予見性を持ちながら必要なインフラを整備できる環境を整えております。
昨年二月に取りまとめた第七次エネルギー基本計画では、二〇四〇年度に向けた各電源の整備に関する施策の方向性を示すとともに、二〇四〇年度におけるエネルギー需給の見通しにおいて、二〇四〇年度における電力需要や電源構成の見通しもお示しをしております。
送電網整備については、エネルギー基本計画に基づき、長期展望であるマスタープランを電力広域機関が国と連携して策定をし、それに沿った形で具体的な送電網の整備が進められているところでございます。
今後とも、委員御指摘のとおり、事業者任せにするのは全く適当ではありませんので、国として、計画や見通しを事業者と共有しながら、適切に送電網や発電設備が整備されるように取り組んでまいりたいと考えております。
○丹野委員 ありがとうございます。是非お願いしたいと思います。
では、続いて、少し細かい質問に参ります。
続いては、値差収益についてでございます。
今回の法案では、エリアを越えて売買した際に生まれる差額を一旦国庫納付にするとあります。加えて、ほかと混ざることがないように、エネルギー対策特別会計にきちんと入れるとうたってありますけれども、そこで、質問がございます。
なぜ今回、電力広域機関に直接プールするのではなくて、国庫納付という仕組みを加えたのでしょうか。電力広域機関では実施することができなくて、国の予算事業として実施する必要性があるものは一体何なのか、教えてください。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
今回の法案では、今御指摘いただきましたように、卸電力取引所における取引において生じる値差収益について、エネルギー対策特別会計に国庫納付する措置を盛り込んでおります。
値差収益は、電気事業制度の中で構造的に発生するものであることを踏まえまして、電力の安定的な供給等の電気事業の健全な発達に資する取組に充てることが適切だと考えております。
このため、電力広域機関による地域間、地域内送電線等の整備に対する貸付けの財源としてだけではなく、電力の安定的な供給の確保を図るための国の予算事業にも活用することができるよう、国庫に納付することといたしました。
具体的な使途につきましては、毎年度の資金需要や発生する値差収益を踏まえて決定していくことになりますが、国の予算としてしっかり精査した上で、国会でも御審議いただき、より高い透明性を確保してまいりたいと考えております。
○丹野委員 ありがとうございます。その都度国会でもしっかり審議をしていこうと思っております。
続いてです。
事前協議についてなんですけれども、現行法では、休廃止をする直前まで一般送配電事業者が把握することが難しいと。今回は、大臣へ届出をする九か月前よりも前に協議をするイメージが示されております。しかし、前というのはいつなんだろうかと思うわけです。資料にはXとありましたけれども、これは一年後なのか、三年後なのか、五年後なのか。
例えば、数年後、うちは無理だというのをどう見極めていくのかというのもありますし、そもそも、経営判断がしっかり固まる前の大切な情報を外部に漏らすということが、幾ら事前協議とはいえ非常に慎重になるよなと思うわけです。一方で、受け取る側も、計画が未確定の段階で対応しなくてはいけない。これはやめる側も受け取る側も非常に難しいよなと純粋に思うわけですね。
例えば、ある電源事業者が、やめます、やめることを告げますと。それで、分かりました、じゃ、別のところから電源を融通するので、電気をもらうことにしなきゃいけないと。そうすると、つきましては、変電設備とか送電線とか、いろいろやっていかなきゃいけない、そのためにはすごく時間がかかるので、その対策を、系統対策をするために、早めに、できるだけ早く教えてほしいという。それはもちろん分かるんです。分かるんですけれども、今るる述べたように、とはいっても難しいよなと思うんですね。
そこで、質問です。
事業者の方がどの程度の早い段階で情報提供をして協議を開始することを想定しているんでしょうか。また、実際難しいと思うんですけれども、今回の制度を設けることによって一体どういうことを解決しようとしているのか、教えてください。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
大規模な電源が休廃止いたしますと、電気の安定供給を確保するために、一般送配電事業者が送配電網の増強等の対応を行う必要が生じる場合があります。このため、今回の改正案では、一般送配電事業者が、事前に大規模電源の休廃止情報を把握し、計画的に必要な対応を取ることができるよう、大規模な発電事業者に対して、電源の休廃止前に一般送配電事業者への協議を求める措置を盛り込みました。
この規定の趣旨を踏まえますと、一般送配電事業者にとっては可能な限り早期に協議が行われることが望ましいということだと思いますが、一方で、発電事業者にとっては、電源の休廃止情報は事業者間の競争や立地自治体への影響があることから、協議時期について一定の制約があるというふうにも理解してございます。
今後、こうした両面からの要請を踏まえつつ、一般送配電事業者がこれまで以上に計画的に必要な対応を講じることができるよう、詳細な制度設計を検討してまいります。
○丹野委員 実際難しいという認識は共有してくださっているということで理解をいたしました。
もう一つ、関連をして質問があります。
この休廃止というのは、当然、本来は民間の経営判断になるわけですけれども、協議を行うということによって、何となくやめにくいとか、残さざるを得ないとか、そういう心理的負担を与えないかな、経営判断が萎縮することはないのかなという心配もあります。休廃止するかどうかの最終判断というのは当該事業者にしっかりあるんだ、そういう理解でよろしいでしょうか。
○久米政府参考人 繰り返しになりますが、この規定は、一般送配電事業者が、事前に大規模電源の休廃止情報を把握し、計画的に必要な対応を取ることができるよう、大規模発電事業者に対して、電源の休廃止前に一般送配電事業者への協議を求めるものでございます。そのため、この規定によって発電事業者の自由な電源の休廃止判断を阻害させるような効果が生じることは想定しておりません。
そうした制度の考え方を踏まえ、発電事業者が自由に休廃止の経営判断を行うことができるということを前提として、制度の詳細を検討してまいります。
○丹野委員 ありがとうございます。
続いて、参ります。
休眠事業者の登録取消しについて教えてください。
一年以上休眠をしている事業者の登録を今回取り消すことができるとしています。もちろんそこは賛成でありますけれども、休眠している事業者が、全く動かないんじゃなくて、不正はできるわけですね。これがちょっと不思議なんですけれども、そもそも、どういう不正行為があったのか、教えてください。また、この休眠事業者が多いことによってどういった事務負担が増えていたのか、教えてください。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
休眠事業者に関する不正行為としては、休眠中の小売電気事業者を買収した者が、需要家の情報を基に架空の契約を締結し、電気料金を不正に取得したとして、刑事事件として摘発された事例があることを確認しております。
また、休眠事業者であっても、例えば、供給計画、発受電月報、電力取引報といった電気事業法に基づく書類の提出、電力広域機関への会費の支払いといった義務が課せられていることから、休眠事業者に対して義務の履行を促すといった業務負担が行政や電力広域機関に生じております。
こうした事情を踏まえれば、休眠事業者が正当な理由なく小売電気事業者として登録されている状況は望ましくないものと考えております。
○丹野委員 やはり、当時、お金もうけということで、ばあっと入った人が無責任にそうなってしまったと思っております。
続いてなんですけれども、この法案の大前提、今後電力の需要が増えていくという見通しがあります。しかし、データセンターとか半導体への投資というのは、その技術の動向とか世界情勢によっても左右されると思います。増えるという需要は合っているとは思うんですけれども、仮に需要の予測が下回った場合に、結果として、この設備投資は不要だったよねとか、それは行く行くは国民の皆さんの負担につながっていくというおそれもあります。なので、この需要の見通しの妥当性というのをどういったふうに検証して、制度や投資計画を定期的に見直していく、そういった仕組みはあるのか、教えてください。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
我が国では、電力広域的運営推進機関において、一般送配電事業者が提出する電力需要の想定を取りまとめ、今後十年間の全国大での電力の需要見通しを毎年度公表しております。
こうした中長期の電力需給の見通しを踏まえ、毎年度、将来に向けた供給力を確保する仕組みである容量市場における目標調達量の見直しを行うとともに、長期脱炭素電源オークションにおける募集量も精査しております。
将来の電力需要の想定は様々な要因によって変わり得るものではありますが、一方で、電源投資には一定のリードタイムが必要であることから、電力需要の中長期的な見通しを定期的に更新し、制度の検証や民間の投資計画の更新につなげていくことが重要だと考えております。
今後も、将来の電力需要の見通しの更新に併せ、必要に応じて制度の検証も行い、いたずらな国民負担の増加や不要な設備投資につながることがないよう、必要な供給力の確保に努めてまいります。
○丹野委員 ありがとうございます。
いたずらに増えることがないようにというコメントがありましたので、毎年見直していくというのもありますので、少し安心はしたんですけれども、やはり行く行くは、いろいろな投資の費用が、最終的には電気料金ですとか税金を通じて国民の皆さんの負担につながっていくと思っております。
そこで、質問です。
今回の法改正によって新たにつくられます融資制度では、財政融資を活用する、つまり、返済されるとはいえ、国費も投入することになりますけれども、それに見合う成果を得ることができるのか、検証していくべきではないでしょうか。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
本改正案の附則におきまして、施行後五年を目途として、改正後の施行の状況等を勘案し、貸付業務の必要性の有無を含めた電力広域機関の業務の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとしております。
こうした規定も踏まえつつ、融資による効果も含め、貸付業務の在り方を適切に検証しながら、制度を運用してまいります。
○丹野委員 ありがとうございます。
続いては、市場について教えてください。
市場の適正な運営を確保するために大臣の監督権限を整備する趣旨は、もちろん理解をいたします。となりますと、今、監督規定を整備するということは、現行制度ではどういった課題があったのか。また、電力市場は既にもう複雑でございます。非常に分かりにくい上に、そういう状況の中で、新規参入の方とか小規模の方にとっては参入の障壁が高まったりとか、競争を阻害したりすることにつながらないのかなという懸念もあります。市場全体の分かりやすさの確保とか事業者への周知について、どういった取組をするのか、教えてください。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
今般の電気事業法改正案では、中長期取引市場や需給調整市場のみを開設する卸電力取引所についても経済産業大臣の指定を受けることができることとし、これらの市場が健全かつ適正に運営されることを確保する措置を盛り込んでおります。
これは、小売電気事業者が中長期の電力を安定的に調達できる仕組みや、発電事業者の電源投資や燃料調達に係る予見可能性の向上の観点から、中長期での電力取引の活性化が必要であること、また、再エネの大量導入が進む中では、需給バランスを一致させるために必要な調整力を確保する観点から、調整力を取引する需給調整市場における取引の安定性や透明性もこれまで以上に求められると考えられることを背景として措置するものでございます。
こうした市場の整備を通じて、新規参入事業者や小規模事業者を含め、様々な事業者がこれまで以上に電力市場に参加しやすくなるものと認識しております。
今後の電力市場の制度設計においては、小規模な事業者も参加しやすい仕組みとなるよう留意しつつ、それぞれの目的や機能を整理しながら、分かりやすい市場の整備と周知に努めてまいります。
○丹野委員 ありがとうございます。
続いてですけれども、太陽光発電設備の安全性について教えてください。
第三者機関による整合性確認、これは事故を防ぐ上で非常に重要と思っております。この検査をする機関というのは、具体的にどういった方々を想定しているのか。レクをした際は、建築の現場の方というふうに、建築の業界の方と伺いましたけれども、業界が異なるにもかかわらず、太陽光発電設備における安全確認、これは大丈夫なんでしょうか。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
今回措置をいたします太陽電池発電設備の適合性確認でございますが、支持物の強度に加えまして、例えば風ですとか、風雪といった外からの力に対しまして構造上十分な耐力を有しているかどうか、こういった安全性の評価を行うことを想定してございます。
こうした評価は、まさに建築基準法において行われております建築物の確認内容と非常に類似したものになると考えておりまして、例えば、こういった建築基準法における住宅の構造安全性の評価を実施している機関がございますので、こういったところであれば、同様の審査経験、知見を有する機関として、実施が可能と考えてございます。
○丹野委員 ありがとうございます。
この太陽光発電設備の安全確保においては、当然設置者はもちろんですけれども、それだけじゃなくて、やはり製造した人、輸入販売した人、そして工事をした人、いろいろな事業者、業者の協力が重要になってくると思っています。
今回の制度では、こうした関係者の人たちとの連携をどのように確保して事故対応の実効性を担保していくのか、また、必要な協力を得ることができない場合はどういった対応を追加していくのか、お願いします。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘のとおり、事故が発生した場合等には、電気事業法に基づきまして、保安の義務を負う設置者が原因究明、再発防止を実施するに当たりまして、設備あるいは製品に関する詳細な情報を有しております製造事業者、輸入販売事業者あるいは工事業者との連携が円滑になされることが重要と考えております。このため、連携が一層図られるよう、従来の事業者間の契約に加えまして、製造事業者等に対して、設置者への協力義務を、今回、法律上課すこととしております。
製造事業者等には、国が立入検査や報告徴収を行えることに加えまして、協力がなされない場合には経産大臣による勧告や公表といった措置であるほか、立入検査等に従わない場合には罰則を科すこととしてございます。
こうした新たな措置につきまして、事業者に広く周知をするとともに、適切に執行することによりまして、事故の原因究明、再発防止の実効性を向上させていきたいと考えております。
○丹野委員 ありがとうございます。
では、最後の質問です。
電力の安定供給、これは当然制度や設備だけでは守ることはできません。やはり、現場で点検をする、事故を防ぐ、そして災害時に復旧に当たる皆さんの、本当に、そういった方々がいて、保安人材がいてようやく成立すると思っております。
今後、再エネ設備とか蓄電池とかデータセンター、半導体工場、これはどんどん増えていくことは分かっておりまして、より一層こうした保安人材の重要性が増していくと思っています。今回の法案はどうしても制度面の対策中心になってきますけれども、こういった電気保安人材の確保や育成をどういったように考えているのか、その認識、そして今後の取組も教えてください。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘のとおり、電力の安全な供給、利用に不可欠な電気保安業務ですけれども、社会経済活動を支える重要な業務でございます。デジタル技術の導入による業務の効率化を進めながら、電気保安人材の確保、育成に継続的に取り組むことが重要と考えております。
こうした観点から、これまで、設備の遠隔監視技術の活用による点検頻度の延伸ですとか、スマート保安技術の導入促進やその状況を踏まえた各種制度の見直しを進めるとともに、令和四年からは電気主任技術者等の試験機会の拡充などにも取り組んできたところでございます。
引き続き、安全確保を前提といたしまして、AI等を活用したスマート保安技術の一層の普及を図るとともに、電気保安業務の魅力の向上、それからリスキリングといった人材投資の推進による新たな担い手の確保など、更なる施策についても検討を深めてまいりたいと考えております。
○丹野委員 ありがとうございます。
質問を終わります。
○工藤委員長 次に、鈴木義弘君。
○鈴木(義)委員 国民民主党の鈴木義弘です。
ちょっと質問の順番を変えさせていただきますので、お許しをいただきたいと思います。
前任の方何人か、今までの十五年間の電力システム改革についてどう考えているかというお尋ねとかぶるんですけれども、東日本大震災が起きるまでは、北海道から沖縄まで十の電力事業所に発電と送電も任せて、総括原価方式というやり方でコストを積み上げてきて、どのぐらいのマージンですかといって利益を乗せて、最終的に経産大臣が判こを押して認可をしてきた。それから、東日本大震災が起きたことで原発が止まりました。あそこは五基でしたっけ、六基あったのかな、全体で五十基あったのが一斉に全部止まりました。じゃ、それを補完する意味で再生可能エネルギーが大事なんだ、それで大きく法律の改正になっていくわけですね。
十年前の事業法の改正のときも私も質問に立ちましたし、十年を振り返ってみてどうだったのか。私自身、個人的などうだったかというのは、難しい制度だとか法律は私はどうでもいいと思っているんです。最終的に、安い電気を国民だとか事業者に送れるかどうかというのが、そのシステムを改革することによって実利を誰が享受するのか。国じゃないですよね。それによって国民生活を豊かにしたり、そこで作り出したものが、海外に出していくときに競争力が上がるようなものが生まれてくればラッキーな話。でも、振り返ってこの十年、いろいろ手を替え品を替えやっていて、うまくいかないから今回の法律の改正になっていると思うんですね。
だから、その目標とか目的をどこに置くのかが分からなくなっちゃっているんじゃないかなというふうに私は感じるんですけれども、大臣の御見解を、これは大臣じゃないのかな、政務官に。
○小森大臣政務官 お答え申し上げます。
先ほど来の議論もございましたけれども、小売の全面自由化ですとか発送電分離といった電力システム改革をこれまで実施してきたところでございます。
その効果を定量的にお示しするというのはなかなか難しい点があるところでございますけれども、これまでに実現してきたこととして申し上げれば、広域融通が進んだことによりまして安定供給が確保された、また、料金メニューが多様化したことによって需要家の選択肢が拡大した、送配電部門の中立性、透明性の向上などが図られたというふうに認識をしているところでございます。
一方で、世界的な脱炭素化の流れ、そしてまたDX、AX、GXの進展ということで、当初、この電力システム改革が始まった頃とはまた違った変化というのが外的に生じているのも事実であるということで今回の法案が出ているところでございます。
その上で、どんなメリットがあったのかというようなことについても更にお尋ねでございました。
経済面で測れるメリットもあれば、経済的な部分もあると思うんですけれども、それにつきましては、私どもの方でも二〇二三年末から二〇二五年にかけまして電力システム改革の検証というのを行っております。三十名を超える幅広い有識者、実務者からヒアリングを実施いたしまして、この一連の改革の評価などについて精力的に御議論をいただいております。
議員の御関心はとりわけ電気料金の水準ということであろうかというふうに今ほどの御質問からも思っておりますけれども、検証の議論の結果として取りまとめられた文章におきまして、御紹介させていただきますと、電気料金の水準については、国際的な燃料価格、電源構成、電力需要量、再エネ賦課金といった様々な影響を受けることから、小売全面自由化の効果だけを取り出して、諸外国と比較して電気料金が低く抑えられたとまでいうことは難しいというのが一つでございます。もう一つ、燃料輸入価格高騰時を除き、経過措置料金、規制料金よりも自由料金が安価な水準で推移していたということは事実であり、新たな料金体系の中で工夫がなされていたといったことについての評価もなされているところでございます。
○鈴木(義)委員 いろいろ御説明いただいたんですけれども、たしか電力事業法の改正のときに参考人でお見えになった鋳物屋の社長さんが強く訴えていたのは、電気代が高過ぎて、商売をしまうことを考えなくちゃいけないぐらいなお話がここであったと記憶しているんですね。
だから、大手さんは別としても、結局、電気をたくさん使っている中小・小規模事業者さんが、電気代が上がって、まあ、価格が変動するのはしようがない、入ってくる燃料価格が上がるんだからそれは致し方ないんだけれども、システムを大幅に変えていこうといったときには、そこが一番のやはり国民だったり事業者が欲していることだと思うんですね。
確かに、国対国の考え方、今、CO2の削減とアメリカも言わないし、ヨーロッパとか、何かほかも言わなくなっちゃったように私は感じるんですよね。一部やろうとしているんだろうけれども。じゃ、二〇二八年までにCO2を四八%削減するんだというのも、今全然聞かないじゃないですか。あと二年で達成できるんですか。それで二年前、三年前にGXの法律ができたんですけれども、そのときは、今回のロシアのウクライナだとか、米国とイランで、停戦の状態になりましたけれども、それが起こった途端に四八%CO2削減と経産省も言わない。取りあえず経済を何とか支えようという話になるんですよね。
それで、結局、その仕組みを変えていく中で、十年でまた変えるんですけれども、実際に発電をする事業所は、スケールメリットがあるから、五十万キロよりも百万キロ、百五十万キロの発電設備を設置する。それだって、何千億も金を投資して、計画してから十年、発電して二十年か三十年ですよ、火力で。実際は、電気を売らないとお金にならないから、託送料金もそこから払っているだけの話なんです。電線を引いた人が、高圧線を引いた人が個別にお金をもらっているわけじゃない。電気を売ったお金の一部を託送料金で分配しているだけの話ですよ。じゃ、電線を引いている、高圧線を引いている事業者さん、下請、孫請は別にして、送配電事業者は全国に何社あるんですか。
電力事業法の改正のときもそうです。発送電を分離しますといっても、送配電事業者と言われているのは、今までと同じ十事業者が分社化することによってその部門を受け持っている制度で、競争の原理は働かない。なおかつ、そこに総括原価方式を入れることで何とか維持しようとして、そういう仕組みをつくったんですね。
今回は、人口は減っていって消費電力が個人的には減っていく中で、半導体とデータセンターが増えていくから、だから電力需要が上がっていくんだという数字を見せられて、さあ電気が足りないから送電線を引け、高圧線を引け、お金が民間から調達できないから、じゃ、ファイナンス部分は国が責任持って財投を入れましょうと。財投の原資は何ですか。国が出している金じゃないよね、財投の原資自体は。今だって郵貯だったり簡保だったり、そういったところが原資になるわけじゃないですか。そういったものがやはり原資になっていて。民間でも、投資する、一〇〇%お金を出せない、何でかということです。だから、何でかとあるから結局財投を入れましょうと言っているだけにしかすぎないと私は思うんですよね。
だから、その辺をパッケージで、政務官にお聞きするのは失礼かもしれませんけれども、やはりその辺がちょっと見えてこないんですね、全体のイメージが。そこをもう一度お尋ねしたいと思います。
○小森大臣政務官 ありがとうございます。
ちょっと幾つか御質問というか言及が混ざっていたと思いますので、思い出せる限りでお答えしてまいりますけれども、電力システム改革を始めたときの目的の一つに電気料金の最大限の抑制というのは入っておりまして、そのために、先ほど申し上げました、料金メニューが様々になったりだとか、あるいは小売などの自由化というのを行ってきたというのをまず一つ申し上げておきたいと思います。
そして、先ほど私、答弁の中で、この改革の効果というのを取り出すのは難しいというようなことは申し上げたんですけれども、同じ報告書の中で言われていることをもう少しだけ御紹介します。
これはそれ以外の様々な要因が混じっているので取り出すのは難しいんですけれども、国際的な、電気料金というのが海外との比較でどうなっているかといったことについて言うと、二〇〇〇年から二〇一〇年にかけて、国際燃料価格が上昇する中で、日本は欧州等と比較すると比較的電気料金の上昇幅は抑制されていた、これはファクトとして書かれているところであります。この要因としては、発電自由化による効率性の追求に加え、電源への新規投資が減少していたこと、原子力発電の稼働率が高かったこと等が考えられるといったような分析もなされております。一方で、二〇一〇年以降については、逆に諸外国と比較して電気料金の上昇幅が抑制されていたとまでは言えないといったことであります。これは原子力発電が休止してしまったことなどが要因としてあるところであります。
日本国内、今、電力料金が上がっている中で、様々な声もあろうかと思いますけれども、そうした中で、外国も工夫されておりますけれども、日本の政府、私たちも、制度をつくることを、工夫することによってこの上昇を抑えるといったことについて取り組んできたというのを、まずこれまでやってきたということとして申し上げたいというふうに思います。
そして、これは先ほど来大臣から何回か御答弁されていると思うんですけれども、データセンターなどの関係で電力の需要量がこれから増えることが見込まれている、このときに電力がないということでその投資機会を逃すことがあってはならない、そのためには大規模な投資というのも必要になってきて、それを民間金融として量的に賄い切ることができないかもしれないということで、今回、財政投融資を使った新しい融資をつくった、そういう法案でございます。
○鈴木(義)委員 私は、もっと単純で、十五年前に戻って、昔のやり方の方がもしかしたら電気料金だとか安定供給が賄えるのかなと。
自由化と安定供給というのは相反した考え方だから、だから、もし自由化をこれからもやっていこうとすれば、どこかでその電源の基になるものを調整する機能をきちっと持たせなけりゃ無理なんですよ。だって、需要に対してプラス五%の供給が一番理想だというのは学者の人が言っているんですよ。
こっちが自由化で作るか作らないか、発電するかしないかといって、プラス五%それを結局ベースロード電源の原子力だとか火力に押しつけているだけなんだよ。こっちは作るんだったら作っちゃったっていいわけですよ。
自由化なんだ、でも安定化できないから需要に対してプラス五%、三%という話も聞くんですけれども、そこで調整しなくちゃいけないから、じゃ太陽光発電は電源を結局接続しないよといって、十年前までいかないけれども、大騒ぎしたじゃないですか。何でというと、バッファーがないからです。
再生可能エネルギーでも、発電で大きいところはどうするかというと、ある程度の規模のところは、受け手側も出し手側も全部、蓄電池みたいなバッファーを設けさせるようにすればそこの調整ができるんですよ。
だから、今回の米国とイランの戦争で、石油製品の話で大臣にも御質問申し上げましたけれども、結局は、ざあっと流れているうちはいいんだけれども、流れなくなったときどうするのというと、蓄えようとみんな思うんです、危機管理で。出せ出せと言ったって出さないよ、だって、将来不安だから。
電気も、去年の米も、今回の石油製品も同じです。どこかで滞留できる、貯留できるものを何割持てばいいかというのは、これは数字をはじかなくちゃいけないんですけれども、そういうことの仕組みをつくっていかなければ、結局、こっちは自由化、こっちは安定供給、できないことをやらせようとしている。だからうまくいかない。何でそこのところを分かってくれないのかなと思うんですけれども、もう午前中が終わるので、最後に一言お願いしたいと思います。
○小森大臣政務官 ありがとうございます。
自由化ということと、それから全体的に秩序を守るというか、というところは相反する面があるのは、それは議員のおっしゃるとおりだと思います。
一方で、電力システム改革を始めたときに、議員もおっしゃった総括原価方式に依存していることによってできていなかったことというのを様々この間実現をしているところでございます。
その上で、自由化によってもたらされていることを補うべく、例えば容量市場というのをつくったりだとか、様々な形で全体の必要なものをしっかりつくれるといったようなことを、それは私たちもやっておりますけれども、世界全体でもそうした試みを続けているという認識でございます。
○鈴木(義)委員 午前中を終わります。ありがとうございました。
○工藤委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。
正午休憩
――――◇―――――
午後一時開議
○工藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。鈴木義弘君。
○鈴木(義)委員 午前中に引き続きまして、質問に入らせていただきたいと思います。
そもそもの話なんですけれども、私も海外には何回かしか出たことがなくて、必ず行くときにそこの国の電圧が幾つなのかと調べて、AだBだCだとか、何か種類があるんですね、差すやつが。日本は百ボルトなんですけれども、百ボルトの国って行ったことないんです。みんな百二十とか百四十とか二百二十とか二百四十なんですね。
何で日本は百ボルトが主体なのかなと思ったときに、当時、電気をどんどん増やしていこうといったときに、アメリカの百十ボルトを参考に、初期インフラで低電圧が採用されたと聞くんです。理由としては、感電や火災リスクを抑える安全性の高さ、都市型配電において高電圧の必要性が低かったためというふうに聞くんです。
世界の主流は二百二十から二百四十ボルト。百ボルトでは逆に電流が増える。W=A×Vですよね。電流とボルトでワット、出力が出てくるんですけれども、そうすると、逆に、百ボルトでは電流が多く流れるし、二百二十ボルトでは電流が減る。すなわち、低電圧の方が効率は不利になると言われているんです。電流が余計流れるということですね。
日本は、電圧で省エネしている国ではなくて、家電の性能で省エネを実現している国であるんじゃないかと言われています。今は、空調や床暖房や電気自動車は二百ボルト、洗濯機や冷蔵庫、掃除機とモーターで稼働するものも、どっちかというと二百よりも百ですよね、普通のコンセントを差して。でも、やはり二百ボルトの方が効率的じゃないか。だから二百を選択している。
これは前に経産委員会でも質問に使ったんですけれども、ちょっと古い、頭の中に残っているのがそれしかないので、平成二十四年に、国交省が、一般の家庭でどういうエネルギーの使い方をしているかといったら、給湯が二五%ぐらい、それと冷暖房が二五%ちょっとなんですね。あと、照明器具だとかテレビだとかパソコンだとか、小さい電源のもの。ということは、エネルギーとして使っているのはほとんど熱に関わるものという考え方ができるだろう。
そこで、エネルギー効率を考えると、二百ボルトの機器の方が高出力でありながら効率的に電力を利用することができるというふうに言われている。大型の設備や業務用機器ばかりでなくて、家庭用でもエネルギー効率を重視する考え方に方向転換したらどうだというのが第一番目の提案なんです。
経産省からレクに来てもらったとき、百の上が二百、四百とか、その上は高圧になってくるんですけれども、関西の方で四百ボルトをベースにした工業団地を造ったんだそうです。でも、やはり使い勝手が悪かったのか、どういう事情か詳細な説明は聞かなかったんですけれども、四百ボルトは余り使わなくなっちゃったんですね。
今、どっちかというと二百の単相か三相、家庭に入ってくるのは二百ボルトの単相で入ってきているわけですね。それを、三線で来ていますから、二つでやれば百ボルト、三つ使えば二百ボルト。家庭のそこまで来ているわけです。
だから、その辺の考え方を、次のやつは交流と直流で質問しますけれども、そういうエネルギー計画の見直しをするときに、今まで、約八十年じゃ利かないぐらい前、明治から電気を使っていますから、そのときの考え方とは変えてもいいんじゃないかという考え方です。まず初めに参考人の方で答弁をお願いしたいと思います。
○小林政府参考人 お答えいたします。
まず、現在、一般の住宅においても、委員御指摘のとおりですけれども、百ボルトに限らず、二百ボルトの選択も可能、両方の、二種類の電圧のコンセントを設置することが可能でございます。
その上で、エネルギー効率については、機器の特性や使用環境によって異なり、一概に二百ボルトの方が効率が高いとは言えないと承知しておりまして、このため、現時点においては、国として、省エネ性能の観点から必ずしも二百ボルトの機器を推奨しているものではございません。
家庭におけるエアコン、テレビ、冷蔵庫などの機器については、省エネ法に基づくトップランナー制度において、製造事業者等に対して目標年度までにエネルギー消費効率の目標達成を求めておるわけでございますけれども、こうした制度の下で省エネ性能の高い機器の導入を促進しているところでございますが、この中でも、百ボルトと二百ボルトの両方の機器を想定した上で制度を設計してございます。
こうした中、各家庭においても、価格や省エネ性能も考慮しながら電圧と機器の組合せが選択されているものと承知をしております。
引き続き、家庭における省エネの取組を加速できるよう、適切に対応してまいりたいと考えております。
○鈴木(義)委員 いい面もあります、悪い面もありますというと、どっちが正しいかというのはあるんですけれども。
じゃ、例えば、二百二十から二百四十の電圧を使っている国は、どっちかというと後発国の国が多い。百まで落とさないんです。でも、日本は百まで落とすのを選択してやってきて、それに対応するような家電製品を義務づけてトップランナー制度でやってきただけの話で、電力の消費ということを考えれば、どっちが正しいかというのはおのずと見えてくると思うんですね。そういったこともエネルギー計画を改正するときには組み入れてもらえないか。
もう一つ。直流送電のメリットといったときに、基本的に、こういう蛍光灯は交流で、私たちが使っている様々な、特に再生可能エネルギーなんかは直流ですよね、蓄電池も直流。なぜ直流送電を使うかといったら、メリットとして、絶縁が簡単、表皮効果がない、リアクタンスの影響がない、静電容量の影響が少ない、デメリットとして電流の遮断が難しい。交流送電のメリットというのは、長期投資が安い、遮断が簡単、変圧器による電圧変換ができる、デメリットとして絶縁の強化が必要不可欠などの、いつものメリット、デメリットがあると聞いています。
近年では、新たに送電施設を造る場合、直流が採用されていて、長距離送電においても直流送電が適していて、欧米などでは五十万キロVとか七十五万キロVほどの長距離直流電流が実現していると聞くんです。
家電のほとんどは直流で動きますよね。モーターなんかは交流の方が効率がいいから、三相で、波形が行ったり来たり行ったり来たりするから、途切れることなく回るから効率がいい。でも、じゃ、実際に使っているのは直流が多いんだったら、直流で流すということを考えていくのも一つの方策じゃないかなと思うんですよね。
だから、今まで、先ほど冒頭申し上げたように、一番近場で電気を起こすことができて、高圧にする必要性がないから低圧で電気を送っていた時代で、人口がどんどん増えること、一番最初にやったのは、ダムを造って水力発電が一番近かったと思います。それで足らなくなったから、火力発電なり、一九五〇年ぐらいに第一号機の原子力発電所、商業ベースのやつがスタートしているわけですね。原子力と火力が同時期で、それが、燃料代だ何だといろいろな考え方で原子力が五十基も増えていった。その時代時代で、どの財源、コストが安いかということでチョイスしてきたんだと思うんです。
だから、今申し上げたように、直流、交流という発想自体も、今現に送電をしている中で、北海道から本州とか、本州から四国とか、四国から九州だとか、その連系線を整備しようとなって、中には、直流で渡して、またわざわざ交流に戻して流したり、交流で来ているのを直流に変えて流したりしているんですよね、現実の話として。
だから、そこもやはり技術革新で、どっちが効率がいいのかというのをそろそろ考えるべき。だから、高電圧をかけることによって電流を少なくして流しやすいようなやり方をずっと取ってきたんですけれども、まずその辺の考え方を変えてもいい時期に来ているんじゃないかなというふうに思うんですけれども、それについてもまた御答弁いただきたいと思います。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
交流送電は、変圧器を用いた電圧の変換が容易であり、様々な需要家に電力を容易に供給できることから、既存の送配電系統はおおむね交流送電によって構成されております。
一方で、直流送電は、送電ロスが小さくなることから、長距離で大容量の電力を送る場合に適しております。現在も北本連系線等で活用されておりますけれども、交流送電に比べ変圧が難しく、様々な需要家に電力を供給するには不向きという特性がございます。
これまで歴史的に交流送電を前提として設備形成が積み重ねられており、それらを全て直流送電に転換しようとすると多額の社会的コストが発生するという課題もあるというふうに認識をしております。
このため、今後の送配電網の整備に当たっては、交流送電を前提に形成されている設備や機器があることを前提としつつ、その中で直流送電の特性を生かしていくことが合理的というふうに考えております。例えば、現在検討中の北海道―本州間の海底直流送電のような長距離送電線では直流を活用していく方針であります。
○鈴木(義)委員 交流からいきなり全部直流にしろと言っているわけじゃないんですよね。だから、そこのところは事業者に任せてもいいんじゃないかなと思うんです。
例えば、先ほどもちょっと休憩しているときに立ち話をしたんですけれども、食糧管理法というのができて、お米の価格は政府が決めるから自分たちに従ってくれと。要するに、その頃は、戦後の復興期のときに、私の地元だったところも、田んぼをやりながら裏作でサツマイモを作っていたんです。いつ一番もうかりましたかと農家の人に聞いたら、昭和二十四年ぐらいまでかな、五年かなと言うんです。それは二毛作をやっていたから。東京から買い出しに来たと聞いています。その後、食管法ができて、農協を介して米を出せという話になって強制的にやって、最終的には闇米だ、自主流通といって食管法を廃止するような話になるんですね。
だから、今回の法律の改正を聞いていてもそうなんですけれども、北海道から沖縄まで同じようなサービスと同じようなネットワークを組まなくちゃいけないんだということに固執し過ぎているような。じゃ、なぜそういう発想になるかといったら、日本の電力網は、海外に比べて安定していて、停電時間、停電回数共に極めて低い水準にある。これはありがたい話だと思います。そうした事実から、電力網の改革は不要とも考えられてきました。
分散型エネルギーの大量導入と利活用という状況の変化を踏まえて、スマートグリッドの実現を目指すようになったと聞きます。今、経産省でスマートグリッドと声高に言う人をほとんど聞かないんです。要するに、地産地消でどうだろうかという考え方ですね。そうすると、高圧にして東京まで送るよりは、首都圏の近辺でもし電源が調達できるのであれば、北海道や東北の方から引いてこなくても賄えるだろうというのが一つの考え方です。だからといって系統を切っちゃうというんじゃなくて、系統は残す。
じゃ、スマートグリッドの実現を目指すようになったんですけれども、今どのぐらいそれが普及したのか、できたのか、まずお尋ねしたいと思います。
○小林政府参考人 お答えいたします。
一般的に、スマートグリッドとは、情報通信技術を活用して電力の需要と供給を最適化できる電力網を指すものと承知をしております。
その上で、再生可能エネルギー等の分散型エネルギーを情報通信技術も活用し地産地消で効率的に利用することは重要だというふうに考えてございます。
御質問のスマートグリッドの進捗については、定量的な管理はしておりませんけれども、スマートグリッドに関連する取組として、例えば、経済産業省においては、地域における再生可能エネルギーの地産地消やレジリエンス向上に資するマイクログリッドの構築支援を実施しているところでございます。
分散型エネルギーを含む多様な電力を最適化していくということで、引き続き必要な取組を進めてまいりたいと考えております。
○鈴木(義)委員 要するに、何度も同じ話になるんですけれども、みんな同じように、足りなくなれば足りているところから流せばいいとか、じゃ、たくさんあるから足りないところに流せばいいやといったところで、結局、例えば、火力発電で百万キロワットの発電が出るスケールメリットがある施設と、十キロ、二十キロとか一万キロぐらいで発電したやつを百万キロにするのに、百個施設がなければできないんですよね。
そうすると、不思議だなと思ってきたのは、じゃ、発送電分離して、東電さんあたりが、火力、まあ原子力もあるけれども、原子力はやめて、電力事業法の改正になってくるんだけれども、何で、再生可能エネルギーを国が後押しするんだといって、東電さんだとか今までの既存の電力事業者さんが太陽光だとか風力とかに手を出さないのかなと不思議でしようがないんですね。
だから、やはりそこは、いつも言うように、将来の予見可能性が見えない部分と、あとはこっちでスケールメリットを出すような施設があって、そこで電気を作っていれば、これは電力の関係の人から、先週の参考人のときも四人の方に失礼を承知で申し上げたんですけれども、電力事業者さんは電気しか売るものがないんです、別に送電線を売るわけじゃないし。だから、結局、電気を売って何ぼなんだから、じゃ、電気を売るということを、私たち需要家というのか消費者である国民は一円でも安い電気を使えればというふうに、午前中の発言になってくるんですけれどもね。
だから、その辺の、今三つ指摘したことを踏まえて、昨年エネルギー計画をもう見直しちゃっているんですけれども、次のときには、少し今までの既定概念とか既成路線とは違った発想で電力のエネルギー計画の見直しというのをやってもらったらどうかなと。それは、最終的にはトータルで国民に利益が還元できるようなものにしていくのが私は一番の目標だと思っているので、大臣にお尋ねしたいと思います。
○赤澤国務大臣 委員は理工学部の御出身で、電気とかに大変詳しいということで、今日もいろいろ教えていただき、ありがとうございます。
お話を聞いていて、同じかどうかはともかく、私がちょっと思ったのは、私は運輸省出身なので、よく道路の右側通行と左側通行で、これは電力とか以上に多分決めの問題なんですけれども、一度片方を選ぶとそれで信号から何から全部できちゃって、いざ変えようと思うと、最初、真っさらから選んでおけば決めの問題でも、なかなか難しいというところがありますよね。電力の場合は、更にそれ以上にいろいろ今おっしゃったメリット、デメリットがあって、そう簡単なものではないんだと思いますが。
今日、先ほどからお話があるように、家庭内配電の二百ボルト化、それから送電網の直流送電への、統一というか、極力使えというおっしゃり方でしたね、それから分散型エネルギーの地産地消の推進について御提案をいただきました。
各論は政府参考人がお答えしたとおりですが、御提案のうち、例えば、直流送電については、距離が長い場合ですかね、地域間送電線での活用を進めている。あるいは、マイクログリッド構築を始め、分散型エネルギーの地産地消に向けた取組も推進している。委員が御提案されるほど大規模ではないかもしれませんが、それぞれ現在のエネルギー政策の中で対応させていただいている部分もあるという理解をしております。
また、委員の問題意識である省エネやエネルギーロスの低減といった視点は、これはもう改めて申し上げるまでもなく大変重要な点でありますので、エネルギー政策を考える上で今後ともそうした視点を持ちながら、具体的な施策を検討してまいりたいというふうに考えます。
○鈴木(義)委員 是非次回に生かしてもらえればなと思います。
また、もう一点、スマートグリッドの話なんですけれども、電力の需要と供給の最適化、再生可能エネルギーを導入することによってこのスマートグリッドという発想が出てきたんです。
私は埼玉の出身で、本庄市というところが、戸建ての団地が大きく造成されたときに、太陽光を上に上げて、スマートグリッドの、みんなで発電しながら自分たちで使いましょうといったら、当時の東電さんがなかなか、接続させるのさせないのというのが、二十年かもうちょっと前にそんな議論があったなと。その後どうなったかはちょっと分かりませんけれども。
だから、自分たちで自分たちの電気を賄うようなグループがあったときに、それは、うまくいくときもあればうまくいかないときも、故障するときもあるし、太陽が出なければ発電しないわけだから。だから、さっき、午前中申し上げたように、蓄電池を併設させるとか何かやらないとそこは解消できないだろうという考え方なんですね。
ただし、スマートグリッドの中で、デメリットの課題として、初期導入のコストの高さ、サイバーセキュリティーのリスク、制度面での課題が挙げられて、スマートグリッドの普及を進める上では、関係法令や制度の整備が重要な役割を果たすと言われている。
日本の電力システムは地域独占から自由化への流れは途上にあって、スマートグリッド構築のための投資を呼び込む整備が必要になり、電力市場においては、電気の価値を細分化し、それぞれの価値を取引する市場が整備されている。これが、卸電力市場だとか、容量市場だとか、需要調整市場とか、非化石価値取引市場。設備の進捗と、この見通しなんですね。
この四つの制度を確立できてスムーズに動くようになったときに、いつも同じことを言うんですけれども、私たち使う側からしたら、電気料金が安くなればこの仕組みをどんどん推進していった方がいいだろうし、逆に、高いものになってしまうんだったらこのシステムが生きないんじゃないかというふうに私は思うんですけれども、これからの見通し。
それともう一つ、新しい産業の、産業というより、企業の参入促進と、新しい技術をどうやって取り入れていくかということ、そこの見通しがあればお聞かせいただきたいと思います。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
御質問いただきました各市場の現状につきましては、翌日に使用される電力の売買を行う卸電力市場における電力の取引量は、二〇二五年度において総需要量の約三割程度で推移をしております。将来に向けて供給能力を確保する容量市場は、二〇二〇年に創設しておりますが、二〇二五年度は約一億六千万キロワットが約定しております。需給バランスを最終的に一致させるための電力を一般送配電事業者が調達する需給調整市場は、二〇二一年に創設されており、二〇二五年度は主要な商品区分である複合商品で二百三十五億デルタキロワットアワーが約定されております。非化石証書を取引する非化石価値取引市場は、二〇一七年に開設されており、二〇二五年度は約八百億キロワットアワー分の証書が約定されております。
御指摘の、企業の参入促進、あるいは新技術の導入ということは、こうした電力市場を導入し、SプラススリーEを実現していく上でも重要だというふうに考えておりまして、こうした市場の整備を通じまして、新規参入事業者、あるいは小売事業者を含めて、様々な事業者がこれまで以上に電力市場に参加しやすくなるというふうに考えております。現在の各市場においても、再生可能エネルギーや蓄電池、デマンドレスポンスなどの新技術の活用を前提とした市場設計が行われておりますけれども、こうした新しい技術を活用していくといった視点も持ちながら、市場制度の整備に取り組んでまいります。
○鈴木(義)委員 では、次に移りたいと思います。
国際的なエネルギー情勢、これでイランと米国が停戦をして、これがずっと長期的に続いてもらいたいなというふうに思う一人なんですけれども、その時々で国際情勢というのは変わりますから。国内では、DX、GX、最近では、昨年からAXと、電力需要の増加が見込まれている。供給力の確保、電気事業の安定的、継続的発展のための環境整備、太陽光発電設備等の安全性の向上のため、今回、法律の改正になったと承知しています。
しかし、昨年の二〇二五年五月の電力広域的運営推進機関の有識者会議で、電力需要が上振れし、経年火力や原子力のリプレースが行われない場合、二〇五〇年に最大八千三百万キロワットの供給力が不足される見通しが示されました。
ある識者は、これまでの夏季の需給バランス想定などでは、太陽光や風力など変動型電源については設備容量の数%しか計上してこなかった、変動型電源が太陽や風任せで発電するため、必要なときにどれだけ発電できるか見通しが立たないために、供給力として評価しにくかったと。当たり前だと思うんですね。しかし、今回の想定では、将来の導入増加分を加味した上で、設備の平均的な利用率を用いて供給力を計上しているというものだと。
何が根拠でこういうふうになるのか、お尋ねしたいと思います。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
御指摘の将来需給想定は、電力広域機関が主体となって策定した、二〇四〇年及び二〇五〇年時点を想定した将来の電力需給シナリオを指すものと認識しております。
このシナリオは、将来の電力需給に関する多様な見方を取り入れるため、専門的な知見を有する複数の委託事業者が作成した想定に基づいて、複数のシナリオを想定しているものでありまして、太陽光発電や風力発電の導入量も、各社の考え方や根拠に基づいて算出されているというふうに承知をしております。
この想定は、一定の仮定の下で、将来の電力需給バランスを示した上で、安定供給確保に必要な供給力を複数のシナリオで試算したものでありますけれども、供給力が足りるというシナリオもあれば、供給力が不足するというシナリオもあるというふうに承知をしております。
それから、太陽光発電や風力発電など変動性再エネについての評価方法につきましては、これは気象状況や昼夜の別により出力は変わり得ることから、調整係数を乗じて設備容量を保守的に評価して必要な供給力を算出しているというふうに承知しておりまして、平均的な設備利用率を使用したキロワットアワーのバランスとは別に、本調査において、キロワットの調整係数を乗じて供給力は算出されているというふうに承知しております。
○鈴木(義)委員 二〇二四年十二月には、ドイツや周辺国では、曇り空で風が吹かず、気温が低下して、電力市場価格が高騰する事態が実際に起きている。二年前ですね。
太陽光は二〇一九年に比べ約二倍の七千万から八千五百万キロワット、洋上風力は八十万から二千二百万キロワットと、実際の導入量よりも多めに見積もられているとここの中で指摘されているんですね。要するに、過大評価だということです。
将来の需給想定では、需要は高めに、供給力を低めに見積もるのがリスク管理上の基本であるのに、なぜ逆の想定をしているのか、その根拠をお聞かせいただきたいと思います。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
お尋ねの将来の需給想定におきまして、需要は、DXやGXの進展度合いによって、二〇五〇年のシナリオで九千五百億から一兆二千五百億キロワットアワーの幅になるというケースを設定しており、需要が最も高いケースでは、二〇一九年度の実績算定値と比較して、約三千七百億キロワットアワー増加するシナリオが設定されている。
また、変動型電源に関しては、キロワットバランスにおいて、調整係数を乗じて設備容量を保守的に評価しているというふうに承知しております。
その上で、再エネの将来導入量を考慮し、火力等のリプレースが進まないというシナリオでは、最大八千九百万キロワットの供給力不足が生じる可能性があるという試算結果になっておりまして、リスクサイドに立った想定になっていないということではないというふうに承知しております。
○鈴木(義)委員 電力事業法の質疑の中で、必ず、将来の予見可能性を高めるんだという言葉が出てくるんですね。国が方針を決めて方向性を示していくんですけれども、実際、それをやればやるほど、発電をする側からすれば不安でしようがない。
例えば、予備力を、最大電力が発生する瞬間のキロワットだけでなく、一日を通して必要な電力量を確認できるという観点では評価されているんですけれども、しかし、太陽光は日が出ているときのみ。当たり前です。昼間は火力発電の出力を抑制して、昼間は二割、三割、四割抑制して、結局、逆に、曇りや雨で太陽光発電の発電効率が悪かったりゼロのときには火力発電がフル稼働しなければならない。
電力会社は、御案内のとおり、電気しか売るものがないということです。電力収入しかないんです。それを、太陽が出ました、風が吹きました、やみましたというので、そのときに、ばらついたときに、午前中も言ったように、ベースロード電源というところにしわ寄せが行って、では一〇〇%にしろ、今度はこっちで電気が再生可能エネルギーでいっぱい発電されているから抑制しろということを、ずっとこの十年間やってきたんだと思うんですね。
そういうふうになったとき、例えば一つの火力発電所がフル稼働して得られるのは、今申し上げたように、電気を売って得られた収入以外はないんです。違う仕事をしているかは分かりませんけれどもね。しかし、建設費の借入金の返済や、固定資産税などの租税公課、人件費といった固定費は発電量に関係なく支払わなくちゃいけない。
この検討会で、電力会社の方は、火力発電所の利用率が約四〇%と低い水準にとどまる見込みで、稼働も余り期待できないと。今言ったように、四〇パーぐらいしか動かない。ということは、マックスで一〇〇収入があるのに、四〇%の収入しかないということですね。そういう状況に今置かれていながら、事業者としては投資判断をためらって、電源の新陳代謝が進まないおそれがあるんじゃないか、長期的な電源開発に必要な政策措置を検討してほしいと。
要するに、長いスパンでやらなくちゃいけない事業を、片や電力の自由化によってばらつきがあるような電源を主体にするような形になっていけば、では今の火力だとか原子力で出力をマックスでやるのか抑えるのかという運転の仕方をしているところで、次の投資に目が向きますかということですよ。
もう一人の委員さんは、火力のリプレースは、資金調達の問題だけではなくて、限られたメーカーによる製造能力など多くの制約が出てくると。一年に一個ずつやっていけば別なんでしょうけれども、十年、二十年に一基だけ入れ替えるとかといったときに、経年一律のリプレースは難しくて、既存設備の延命と組み合わせながらキロワットを確保する必要があるとこの担当の人も述べているんですね。
火力発電は、新設、増設いずれも数千億円の初期投資を要し、着工から発電開始まで約十年要する。運転期間は二十年から三十年で、これも午前中申し上げました、その間に借金を返す、返済するという長期ビジネスモデルで、国が環境アセスを簡略化し、数年で稼働可能となる太陽光とは根本的に違うんじゃないか。原子力も同じです。火力よりももっと長いスパンがかかると思います。
つまり、売電収入では賄えないリプレース費用を賄うために、最終的には電気料金に上乗せするしか方法がないというんです、この人が言っているのは。予見可能性が上がればいいけれども、可能性がないから、今言われたような形でやっていくと、結局、最終的に利用料金に跳ね返っていくというふうにこの人は言っているんですけれども。
これが電力広域的運用推進機関の役割なのかといったときに、後段でもこの機関の話は質問しますけれども、まずはここで一回お考えをお示しいただきたいと思います。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
火力発電は、電源構成の約七割を担う供給力、そして、天候による再エネの出力変動を補う調整力として重要な役割を担ってございます。
この火力発電、特にLNG火力について、新規投資を促進するという観点から、長期脱炭素電源オークションの対象とさせていただいてございます。
この長期脱炭素電源オークションの対象の落札電源になりますと、固定費水準の収入を原則二十年間にわたって支払うということになってございまして、これにより、巨額の初期投資の回収に対して、長期的な収入予見可能性を付与するという制度でございます。
この原資は、広域機関が全ての小売電気事業者等から拠出金として回収し、落札電源を保有する発電事業者に支払います。こうした支援の対価として、落札した電源は、電気を売って得た利益の約九割を広域機関に還付し、還付された額は広域機関が全ての小売電気事業者に還元するという制度になってございまして、御指摘のとおり、火力発電も含めて、電力の発電事業の新陳代謝を脱炭素化と併せて進めていくという上で、広域機関が果たしている役割というのは大変重要だというふうに考えております。
○鈴木(義)委員 重要だと答弁いただくんだったら、そこのところはちゃんと制度を運用するところで入れていかないと意味がないと思いますよ。
では、もう一点。地域間連系線の整備状況は今どのぐらい進捗しているのか、何年でこれを整備する予定か、まずお尋ねしたいと思います。現行で、これから計画をまた煮詰めていくというのは別にして、今私たちにいただいているペーパーの中で、地域間の連系線をいつまでに済んでいくのか。
あともう一つ、どのぐらい費用がかかるのか。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
現在整備が進行している、北海道―東北間、東北―東京間、東京―中部間、中部―関西間の地域間送電線は、いずれも二〇三〇年までに整備が完了する予定であります。
今後整備が本格化する九州と本州を結ぶ地域間送電線は、二〇二五年十月に整備計画を策定いたしまして、二〇三九年三月の完成を目指しております。また、北海道と九州を結ぶ北海道―本州間海底直流送電については、現在、整備計画策定に向けた検討を進めております。
費用についてですけれども、現在整備を進めております地域間送電線の整備に必要な総事業費は、概算で約九千億円とされております。また、現在検討中の北海道―本州間海底直流送電では、二ギガワット送電可能な送電線を北海道から新潟を結んで整備する計画でありますが、二〇二四年四月時点で整備費用は一・五兆から一・八兆円と見積もられております。
○鈴木(義)委員 トータルするともうちょっといくし、資材がどんどん高騰しているし、人件費も上がっていますから、今の積算した数字ではなかなか終わらないんだと思うんですね。そういった、今、連系線をやるだけで、今の示していただいた金額だけで三兆ぐらいかかるのかな。それが託送料金に上乗せされるはずなんですよね。それが、電気を買っている私たちが最終的に託送料金を踏まえた電気を買って、その一部が送電線事業者の方に支払われるんだと思うんです。
だから、先ほど言った直流だとか二百ボルトというのは一つの例示で申し上げているんですけれども、最終的に、それをやればやるほどコストがかかって、それが電気代に跳ね返ってくるんだったら、地産地消をもっと進めていってもいいんじゃないかという発想があってもいいじゃないかという考え方ですね。
地方に行けば行くほど、私の埼玉も今、人口減少に入ってきたんです。今まではずっと右肩上がりで人口が増えていったんですけれども、埼玉県の県北の方がどうしてもやはり人口が減ってきている。地方に行けば人口減少に歯止めがかからず、消費者が減少すれば需要家が減少するわけですから、付随したいろいろな事業者も電気を使わなくなる。しかし、国は、需要が増大するということで、二〇五〇年までには半導体とデータセンターの設置を見込みながら、人口減少によって電力の需要が落ちるのも踏まえて、どのぐらいの数量。
それが、例えば、人口動態と同じで、研究所がいつも出すんですけれども、ローワーの部分とアッパーの部分と、計画を立てるときに中間線を取っていくんですけれども、ほとんど中間線でいくことがなくて、ここずっと、ローワーのところをずっと来ているんです。結局、増える計算もあれば下がる計算もあるんですけれども、その中間点を取っていろいろな施策を組んでいこうとするんですけれども、実際、人口が推移しているのはローワーのところをずっと来ちゃっているわけです。
だから、先ほど申し上げたように、需要と供給があるんですよといって、需要の見方を、アッパーの方で見てこれに対して整備をするのか、ローワーのところで見るのか、中間で見るのか、全然違ってきちゃう。それを示すことで予見可能性を高めろって、いや、将来もうかるんだったら私だって投資しますよ。そこの会社の株も買う、社債も買いますよ。分からないから買えない。それは事業所だって同じだと思うんですよね。
だから、その辺をどう捉えているのか、将来予測ですね、お示しいただきたいと思います。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
我が国では、電力広域機関におきまして、一般送配電事業者が提出する電力需要の想定を取りまとめ、今後十年間の全国大での電力需要見通しを毎年度公表しております。
二〇二六年一月に公表された最新の需要想定によりますと、我が国の電力需要は増加する見通しとなっております。具体的には、二〇二五年度が約八千三十四億キロワットアワー、二〇三五年度が約八千四百六十一億キロワットアワーとなっておりまして、約四百二十八億キロワットアワー、約五%増加すると想定しております。
二〇三五年度には、家庭用その他需要については、委員御指摘のとおり、人口減少などを要因として約百六十八億キロワットアワー減少する見通しである一方で、産業用その他需要につきましては、データセンターの新増設などを要因として、約五百七十八億キロワットアワー増加する見通しであります。
この需要想定は、経済見通しや最近の需要動向などの諸条件を考慮するとともに、データセンター事業者等の実際の系統接続申請に基づく数値を個別に積み上げて算出されておりまして、一定の妥当性があるというふうに考えております。
○鈴木(義)委員 これはレクのときにいただいた資料で、今御答弁いただいたやつが、現実的に、じゃ、実際、半導体工場はどのぐらいを予測しているのかといったら、二〇二六年で十九か所、今稼働しているんだと思うんですね。それが、二〇三五年に百一か所。それと、データセンターが、今六十四か所あって、二〇三五年に、本当にこんなにできるのかなと思うんですけれども、六百六十一か所に増えるという予測を立てているわけですね。そのために今回電力事業法の改正になっていくと思うんですけれども、これも電力広域的運用推進機関のデータで、データセンター、半導体工場の新増設により、全国の合計では、二〇二五年と比較して、二〇二六年度では八十三万キロワット、二〇三〇年度は四百二十万キロワット、二〇三五年度では七百六十二万キロワット、電力の需要が増加しているんだ。
じゃ、これを都道府県単位で割るというのはなかなか難しいでしょうから、送電事業をやっている昔の北電だとか東北だとか東京電力の管内のように、十ブロックぐらいで、どこの地域に何が出てくるのかというのをデータを出してほしいと言ったら、それはちょっと営業秘密もあるので勘弁してくれと。まあ、それはそれでいいんですけれども。
そうすると、例えばの話です、北海道で今メガソーラーの話は前任の方もされたんですけれども、自分はデータセンターを造りたいんだけれども、再生可能エネルギーが欲しいんだ、将来的に見通しを立てて、再生可能エネルギーをメインで使いたいといった事業者がもし出てきたときに、そのエリアに火力とか原子力しかないときはどうするんだ。
今は、全部の系統をつなげることによって、それも一つの考えでいいんでしょう、安定供給という考え方でいけば。でも、先ほどお尋ねしたように、卸電力市場とか容量市場だとか非化石燃料取引市場とかという四つの分野を整備して、ここ十年、二年、三年前からスタートしたことがあるわけですね。そういう取引を活性化させようと思ってその市場をつくっていながら、需要家である人が、いや、私は将来を考えたときに太陽光発電なり再生可能エネルギーが一番欲しいんだといったときに、薄まっちゃったものを持っていったって、分からないじゃないですか、電気に色はついていないし。
だから、このいただいたデータに基づいて、私には教えてくれないんでしょうけれども、皆さんが持っているデータの中で、どの辺のエリアは何ができるのかといったときに、それに対応するようなシステムをやはり、発電所がいいのか送電メーカーがいいのか分かりませんけれども、その情報は電力広域的運営推進機関に集まってくるはずですよね。電力会社から出向で来たり、送電事業者から出向で来たり、経産省から出向で来たりしているんでしょうから、そこに情報が集まってきて。この法律の一番要になるのは、ここの今の機関だと私は思うんですね。
だったら、その中でどう差配していくかというのをやらないと、やはり需要と供給も踏まえて、じゃ、火力がいいのか、原子力がいいのか、再生可能エネルギーがいいのか、ほかのエネルギーがいいのか。ミックスするんだといいながら、そういう事業者は出てこない。そういうふうになるんじゃないかという考え方ですね。
だから、その辺の、新電力がどこにあるとか、今の既存の、元々の電力会社があるところ、発電事業者がどこにある、じゃ、そこで賄える電力はどのぐらいですよというのがある程度皆さん把握されていると思うんです。そこで、データセンターが十個できてくるのか、半導体のメーカーが何か所か出てくるのか。
例えば、TSMCさんが、経産委員会でも二回視察に行きました、そのときの説明で、一日一万トンの水を使う、こう説明を受けたんです。五千トンはリサイクルして使うけれども一千トンは全部大気放出しちゃう、毎日毎日一万トンの、まあ、五千トン残るんだから差引きすれば五千トンを使うようになっていくんでしょう。
でも、そういういつもふんだんに水があるところと、なかなかやはり季節的な要因とか気候的な形で水が調達できないところに出ていく人はいないですよね。
だから、アメリカなんかは、アリゾナとか砂漠の多いところで水の調達が困難なところは、データセンターが出ていくといったって、そこの知事がいいよと言わなけりゃ水を供給できないじゃないですか。現実にそういうことがほかの国でも起きています。
日本だって同じことが起きますよね。まだ日本は高温多湿の地域だから雨もふんだんに降るし、ただ、それがいつも、これから先もきちっと今までと同じように降雨量が確保できて、水がめもきちっと確保できるかどうか分からない。分からない中で、事業者が出てくる、今推計値で言っている六百六十一のデータセンター、百を超える半導体の工場が二〇三五年までに出てくるという話になったときに、もう少し、私たちに説明する必要はないかもしれませんけれども、計画を緻密に作ってやらないと、やはり困るのは、最終的に、電力事業者、送電事業者、私たち需要家である人が、電気料金が上がったんじゃ意味がないだろうという。
最後に一言だけ答弁をお願いしたいと思います。
○久米政府参考人 エリア別の電力需要想定に関連する御質問をいただきました。
一般送配電事業者が提出した各エリア別の電力需要想定についても電力広域機関において公表しておりまして、二〇二五年度の需要想定において、北海道エリア、東京エリアなどにおいて増加する傾向がございます。
例えば北海道においては、二〇二五年度から二〇三五年度にかけて約一二%増加する見通しとなっておりまして、データセンター、半導体工場の新設といったことが寄与しているというふうに承知しております。
○鈴木(義)委員 ありがとうございました。
終わります。
○工藤委員長 次に、牧野俊一君。
○牧野委員 参政党の牧野俊一でございます。
本日も、電気事業法の質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。
まず冒頭に、この間、九州電力送配電の方で起きた顧客データの流出についてちょっと伺いたいんです。
私も地元が九州ですから、ちょうどその中に含まれてしまっていたんだと思うんですが、約千九十万口に及ぶ、ほぼほぼ全九州と思われる顧客データを記録したSSDを、四月二十七日から五月二十六日までの間、入退室の管理ができるようなお部屋の中のキャビネットに置いてあった。その理由が、設備更新のために、ディスク容量がいっぱいになったところのバックアップとして、一回その顧客データをSSDに出して、キャビネットに入れてあったんだけれども、そこに鍵がかかっていなかったということで、気づいたら失われてしまっていて、どこに行ったか分からないという状況だったというふうに聞いています。
この中に、住所とか氏名だけではなくて、使用電力データというのも含まれていたというふうに報じられています。もしこれが、スマートメーターという三十分単位で電力の量を記録するようなタイプの記録だった場合には、流出したデータから、顧客氏名、電話番号、住所に加えて、家族構成であるとか、どれぐらいの時間帯におうちにいて電気を使っていて、いついないのかとか、そういった情報が判別可能となってしまいますので、単身者を狙った空き巣や詐欺に使われるというふうなリスクがあるというふうに指摘されています。
経産省として、今回のこの事案をまずどのように受け止めていらっしゃって、そして再発防止を図る方針であるのか。例えば、保管庫に鍵を必ずかけるというのは、これは当然のこととしまして、可搬外部記憶媒体に個人情報を記録するときは必ずデータの暗号化を義務づけるとか、何らかそういったシステム的な対応策というものを講じていかないといけないんじゃないかなと思いますが、経産省の考えはいかがでしょうか。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
重要なインフラを担う事業者として、顧客情報の管理は徹底すべきものと認識しておりまして、九州電力送配電に対して、御指摘いただいた事案について、六月八日月曜日、電気事業法に基づく報告徴収を行っております。事実関係、対応状況、再発防止策の検討、その実施スケジュールについて七月八日までに報告することを求めており、その回答を踏まえ、厳正に対処してまいります。
なお、個人情報保護法では、個人情報を取り扱う事業者には、個人情報の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じることが義務づけられております。一般論として申し上げれば、この規定に基づいて、事業者の講じた措置が適切だったかどうかは、個人情報保護委員会において適切に判断されるべきものというふうに認識しております。
○牧野委員 ありがとうございます。
七月八日に報告が一応来る予定ということですので、そこまでは、実際の電力データがどういうフォーマットだったのかというところまではまだ十分に分からないというところかもしれませんし、もしかしたら、その間に、実はここから見つかりましたみたいになってくれれば、それが一番いいとは思うんですが。その後、どうやってその先の、データを悪用したような被害の防止とか、あるいは再発防止につなげていくのか、ここをしっかりとやっていっていただきたいなというふうに思いますし、また機会がありましたら、これについて、その後どうなったか、質疑することもあるかもしれません。
続きまして、法案の具体的な中身に入らせていただきます。
今回のこの法改正によって、今までの、前任の方々もおっしゃっていたように、二〇一六年からの電力小売自由化と、そして二〇年度からの送配電分離、この自由化と送配電を分離したということが総合的にどうだったのかということ、本当にそれがこの日本の国の電力の安定供給であるとか、あるいは本当にそれが国民にとって安い電気というものに真につながってきたのかといったところはしっかり考えていかなきゃいけないところではあると思いますが、今回のこの改正によって、一定そうした部分に対する予見可能性を与えようというふうな、容量市場とか、あるいは中長期市場の開設とか、そういった部分も入っていますので、法案自体には賛同するというふうな立場からお話をしていきたいと思っているんです。
まず、第七次エネルギー基本計画という政府が作っているものの中では、二〇四〇年までに再エネの比率を約四割から五割、うち太陽光が二三から二九%で、風力が四から八%を目指すと。大体、変動するような電源、主に風力と太陽光ですが、これが、現状だと、足下で足して一〇パーそこそこというものを、約三倍ぐらいのところまで変動するような電源のボリュームを増やすというふうな計画になっています。
その一方で、火力発電は三、四割を目指すと。こちらは、現状では火力は約六八%、七割ほどあるものを、約半分に減らして、そして変動する再エネを約三倍に増やすというふうな計画になっていますけれども、現時点で、大規模で長時間の蓄電が可能な蓄電池、あるいは需要側の制御ということだけで太陽光や風力の変動を十分に吸収できるというふうな、そういう技術とかインフラの段階にはまだないと思います。
実際には、再エネの不安定性をカバーするためには、やはり火力というものの存在が不可欠だと思うんですけれども、火力三、四割という電源構成で、再エネ、太陽光足す風力は大体二七から三七%という、不安定な電源が三倍に増えて火力が半分に減るというこの構成で、本当に安定性のところをカバーすることができるのかという点について、まず経産省の考えをお願い申し上げます。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
再生可能エネルギーを主力電源化していくためには、太陽光や風力の出力変動を補い、電力の需給バランスを一致させる調整力の役割を担う火力発電、揚水発電、蓄電池の重要性が増してくるというふうに認識をしております。
そうした供給側の取組に加えて、DR、デマンドレスポンスといった需要側の取組も複合的に組み合わせて対応することとなるというふうに考えております。
政府といたしましては、容量市場や長期脱炭素電源オークションといった仕組み、蓄電池導入を支援する補助金などを通じて、事業者がこれらの維持整備に必要な投資を行える環境を整備し、必要な調整力を確保するように着実に取り組んでまいりたいと考えております。
○牧野委員 ありがとうございます。
この二〇四〇年の電源構成というものを議論して計画していた段階とは、結構、国際情勢は大分変わってきていると思います。その後にイラン情勢が勃発したりとか、そして資源の調達先がいろいろと変化したりとか、あるいはコストが上がったりとか、いろいろな変動、このときの想定からは大分前提条件が変わっているところがあると思いますので、こういう目標で決めたんだから何が何でもそっちに向かうんだということではなくて、やはり現実問題、本当に一番大事なのは、やはりまず毎日の使う電気がきちんと止まらず、そして品質が維持できて、安定して、そして安価に供給できるということでございますから、ここをしっかりとまず一番大事なところとして置いて、現実的な路線で作っていっていただきたいというふうに思います。
再エネの増加というものに伴って、火力発電というものは、どうしてもフルパワーで運転することができない時間帯というものが多くて、先ほど鈴木委員もおっしゃっていたとおり、そうすると、稼働率が低下するとか、あるいは、時間帯によっては風力とかソーラーのエネルギーがすごく余っているので、卸売価格がゼロにどんどん近づいていってしまって、火力発電の収益性がどんどん悪化してしまうということによって、それも伴って、特に、運転年数が長い火力なんかの休廃止というものが昨今相次いでいます。
お配りした資料の中の資料一ですね、二つグラフがついているページの左側、青い棒グラフの方を御覧いただきたいんですけれども、これは、ゼロのところより上が各年ごとに新増設されるLNG火力の見込み、そして、ゼロの線より下側の斜線になっているところが休廃止されるような火力電源ということで、その差引きが折れ線グラフで表示されていますが、特に、二〇二五年、二六年、特に今年から、新増設される割合と比べて休廃止される割合が非常に多くなって、今年の予測では大体一千万キロワットぐらい火力発電の供給能力が全体で下がる見込みであると。
二〇三〇年頃から、この新増設されたLNG火力というものがようやく稼働し始めて、そして電気を作れるという段階に入ってきますが、特に、二〇二九年までの間においては、休廃止される割合の方が圧倒的に多くなってしまうというふうな予測になっています。
エネルギー効率が高いLNGのコージェネレーティブ発電みたいなものが増えてくれるということは、省エネ、省資源の観点から非常に歓迎すべきことでありますし、そもそも、このLNGというものは、ホルムズ海峡に余り依存しない、主にオーストラリアとかほかの地域から買ってくることができるので、安全保障上も結構有利であるというところもあるんですけれども、問題は、実際に稼働が増え始める二〇三〇年までの間ですね。バックアップとして既存火力というものをきちんと維持していくということができなければ、毎年のように、夏とか冬に電力が逼迫するので節電をお願いしますというふうな状況、昨今ずっと続いてきましたが、この状況が更に悪化してしまうというおそれがあるというふうに思います。
ですので、二〇三〇年までの移行期間において、政府はどのような施策で既存の火力発電の維持そして更新、こういったものを後押ししていく、支えていく考えでしょうか。
○村瀬政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、火力発電を含めた安定供給に必要な電源の維持、新設を進めることは非常に重要でありまして、これまで、既存電源の維持コストを支弁するための容量市場ですとか、脱炭素火力やLNG火力への新規投資を促進するための長期脱炭素オークションを通じて対応してきたところであります。
特に、委員御指摘を先ほどいただいたように、電源の新陳代謝が進展する間の対応が重要でありまして、新設の電源が順次稼働していきます二〇三〇年初頭にかけて、この移行期において、電源の確保というのが非常に重要でございます。特に、夏、冬の高需要期における電源需給には注視が必要であるというふうに考えてございます。こうした電源の新増設が十分に行われるまでの間は、火力を中心に既存電源を最大限活用して対応していかなければいけないというふうに考えてございます。
このため、既存電源のコスト実態を踏まえた容量市場の見直しを行わせていただきたいと考えておりますとともに、緊急時に備えて電源を確保していく予備電源制度や、需給逼迫時に備えた電源の公募措置といった制度を活用しながら、必要な供給力を確保してまいりたいと考えてございます。
○牧野委員 ありがとうございます。
今おっしゃっていただいた、容量市場の見直しであるとか、あるいは予備電源制度というものもありますが、先ほど、今までの質疑の中でも出てきましたとおり、予備電源制度というものも、もうかなり老朽化した火力発電設備を、本来だったら廃止するかというようなところを、何とか置いておいてくださいと言って、緊急時に動かすようなバックアップとして置いてあるというふうな状況ですので、最終的には、火力発電の事業者さんたちが、再エネの増加によって電源の不安定性をバックアップするために出力を下げざるを得ない。それで出力を下げたことによって失われる売電収入、ここをいかに補填することができるか、これに懸かっているんだと思うんですよ。
ただ、現状の容量市場は、最終的に、小売事業者を介して我々需要家がお支払いしている容量拠出金というものがありますけれども、この容量拠出金だけで、出力を抑制していることに伴って失っている売電収入、ここの機会損失が十分に補われていますかと。それによって、止めている、あるいは低出力稼働している状態でも、やはり人件費とか修繕費とか、こういったものはかかってくるわけですので、現状の容量市場を通じた拠出金だけでは十分に休廃止あるいは出力を下げているところの収入をバックアップできていないという、この実態は、先日の参考人の方に伺ったときもそのようなことを示唆されておりました。
ですので、やはり大事なのは、特に、マクロで見てどうかということももちろんですけれども、それぞれの、北海道、東北、関東、こういったエリアごとにどういうふうな燃料種の、燃料種別、地域別に、容量市場によって維持できている火力電源と、なおそれでも採算が厳しいような火力電源、この実態をどの程度把握されているでしょうか。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
再エネの導入拡大に伴いまして、火力発電の出力調整や起動停止の頻度が高まり、メンテナンスが増加していること、加えて物価高騰の影響を受けていることなどにより、火力発電所を維持管理するためのコストが増加しているというふうに承知をしております。
個別の発電所の稼働率や休廃止の見通しといった実態についても、各発電事業者が毎年度提出する供給計画やヒアリングを通じて、個別の実態把握に努めているところであります。
こうした足下のコスト上昇も踏まえた上で、容量市場における価格設定について必要な見直しを行ったところでありまして、引き続き、発電事業者が火力発電の維持、確保ができる環境を実態を踏まえて整備してまいりたいと考えております。
○牧野委員 ありがとうございます。
容量市場の見直しということを今言及いただいたところではありますが、じゃ、それによって全部を賄おうとすると、やはり最終的に、統合コストという観点から、需要家に負担が跳ね返ってきてしまう。ここをいかにバランスを取っていくかということが重要になってきますが、ここでもう一点。
今後、今年から動き始めているGX推進法に基づいて、二〇二八年度から化石燃料賦課金というものが燃料の輸入業者に課される。そして、一方、二〇三三年度からは、CO2排出枠有償オークションが発電事業者に課されるということになっていますけれども、火力発電所を保有する事業者から見れば、燃料価格に転嫁された化石燃料賦課金と発電段階での有償排出枠の購入費用の両方を負担させられるという可能性があると思います。
政府の資料では、同一の炭素排出に対する二重負担防止のための必要な調整措置を検討するというふうにしていると思うんですが、実際に発電事業者が有償オークションで排出枠を購入した場合には、燃料由来の化石燃料賦課金相当分は減額、控除されるような制度設計になっているのか。控除されない場合には、発電業者に対して二重の炭素コストが課せられて、安定供給上必要な火力の維持というものを更に困難にしてしまうおそれがあると思いますが、ここの制度設計はどうなっていますでしょうか。
○伊藤政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま委員から御指摘いただきましたとおり、GX推進法に基づきまして、GX経済移行債による先行的な投資支援を行うとともに、今年度より排出量取引制度を開始した上で、二〇二八年度から化石燃料賦課金を、そしてまた二〇三三年度から発電事業者向けの有償オークションを導入することが法定されているところでございます。
御指摘いただきましたとおり、発電事業者に対する化石燃料賦課金と有償オークションの二重負担の防止につきまして、同一の炭素に対する負担を回避する、こういう観点から、GX推進法におきまして、適切な調整に関する事項を別に法律で定めると明確に規定されております。それに基づき、確実に措置を講じていく方針でございます。
その際、化石燃料賦課金と有償オークションのどちらをどのように減額して調整するか等の詳細設計につきましては、GX推進法の附則にありますとおり、有償オークションを具体化する中でしっかりと検討してまいりたいと存じます。
○牧野委員 ありがとうございます。
どちらをどうするかはまだ未定ということではありますけれども、二重には課されないようにつくっていくということでございますので、そこは制度設計をしっかりやりつつ、可能な限り火力発電をやる業者にとって負担の少ないような、そういう方法というものを取っていっていただきたいというふうに考えます。
再エネのバックアップのために火力発電の柔軟な出力調整というものを繰り返しますと、どうしても温度変化による金属の膨張と収縮によって設備の経年劣化が加速するということは、先日の参考人の方も指摘されていました。
そうすると、本来、フルパワー又は安定した出力でずっと一定の運転をしていたのであればまだ設備更新とかメンテが要らなかった段階でも、出力の調整を繰り返したがゆえに早く部品を交換しなきゃいけない、メンテナンス頻度を上げなきゃいけない、こうしたところにまた、コストの負担ももちろんですけれども、それに必要な部品とかあるいはタービンとか、こういったものを新たに調達しようとすると、その設備を買うために、その設備自体を造るときに発生するサプライチェーン上のCO2排出というものが反対側で増えてしまうんですね。
なので、脱炭素のために再エネを増やすといって、そして、既存の火力発電設備に本来だったらないはずの負担が生じた結果、そのメンテナンスを介して、サプライチェーン上でまた反対側でCO2が増えるというふうになってしまってはなかなか本末転倒なところもあると思いますので。
この火力発電のメンテナンスコスト増大に伴う設備更新で、どれぐらいサプライチェーン上のCO2排出というものが上がってくるというふうに見込んでいらっしゃるのか、何か計算がありましたらお示し願えますでしょうか。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
一般的に、火力発電において出力調整を繰り返すことにより、機器の劣化が進み、寿命が短くなるということは、事業者からのヒアリングを通じて我々も承知しているところであります。
他方、実際にどの程度寿命が縮まるか、その結果、どの程度メンテナンスコストに影響を与えるか、さらに、サプライチェーン全体でCO2排出量がどの程度増加するかについては、機器の設計水準や発電所における稼働状況、補修の度合いなどによって大きく異なるため、一概にお答えすることは難しいと考えております。
いずれにしても、電源のメンテナンスコストを含め、先ほど申し上げました容量市場の見直しを行い、発電事業者が火力発電の維持、確保ができる環境をしっかり整備してまいりたいと考えています。
○牧野委員 ありがとうございます。
実際は、どれぐらいの頻度で設備のメンテナンスとか部品のパーツ交換が必要になるかは、個別の状況によって異なりますので、そう安易に試算できるものではないというのは理解しますが、ここにかかってくるコストであるとか、メンテナンスの増大に伴って新たにサプライチェーン上で発生するCO2とか、この辺をちゃんと計算した上で、本当にこの再エネ推進というものが理にかなっているのかというところを、ちゃんとバランスを取って考えていただきたいというふうに思います。
一方で、世界的に、AIとかデータセンターの需要、そしていろいろなものを電化するとか、エネルギー安全保障上も火力発電への回帰というものが全世界で加速していまして、発電用の特にガスタービンですね、これの供給制約がかなり顕在化しているというふうに聞いております。
海外では、新規のガスタービンの納期が五年から七年待ちというふうな事例も報じられていまして、先日いらっしゃった参考人の方からも、火力発電設備を造るときの供給制約、一番の制約はなんですかと聞いたら、やはりタービンがなかなか手に入らない、それで、世界でタービンの奪い合いみたいな様相を呈しているというお話もありましたので、ガスタービンを製造する日本のメーカー、三菱重工とかあるいは東芝エネルギーシステムみたいな、こういったところにとっては、まあ、結構既に世界的に大きなシェアを取っていますので、かなりチャンスであると同時に、抜本的に、国全体でこの発電用タービン自体の供給能力強化というものもこれから必要になってくると思います。
というのは、タービンというのは別に火発に限った話ではなくて、原子力であろうと、あるいはこれから将来出てくるであろうフュージョンエネルギー、こういった、どんな電源であっても、やはりタービンを回して、そしてモーターから電気を作るというふうな仕組みはほぼほぼ変わらないところがありますので、このタービンの供給能力強化ですね、政府は二〇三〇年代に向けて、発電用ガスタービン、蒸気タービン、発電機などの主要機器の国内製造能力とサプライチェーンの制約をどのように評価して、今後、供給能力の強化を後押ししていく考えでしょうか。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
第七次エネルギー基本計画では、電力需要の増加が見込まれる中、脱炭素化に向けたトランジションの手段として、将来的な脱炭素化を前提としたLNG火力の新設、リプレースを促進していく方針をお示ししております。
このため、長期脱炭素電源オークションにおいて、継続的にLNG火力の募集を行い、投資促進に取り組んでおります。
その上で、新設、リプレースを進めるためには、委員御指摘のとおり、サプライチェーンの確保が重要でありますが、特にガスタービンの需要が世界的に高まっており、供給能力に比して需要が多いことから、納期の長期化や価格の高騰が発生しているというふうに承知しております。
こうした状況を踏まえて、経済産業省としては、日本成長戦略の検討の中で、企業による投資加速を前提に、官民でのガスタービンの研究開発、サプライチェーン強靱化、需要開拓の支援を三位一体で進める方針を示したところでありまして、今後、施策の具体化を進めてまいります。
○牧野委員 ありがとうございます。
今後、このサプライチェーンの強化というものを進めていく方針だということで、そのためにこそ、この間から通してきた産業競争力強化法とかも使えるところだと思いますので、しっかり、タービンを造るということも含めて、電力インフラというものを下支えしていくということをお願いしたいと思います。
そして、今回の改正では、大規模電源の整備に対する資金貸付制度あるいは財政投融資の活用といったものが規定されることになりますが、一定規模以上の脱炭素電源が主な対象になるというふうに理解しています。
ただ、いわゆる三大メガバンクを始めとして金融機関の間では、新設の石炭火力や既存石炭火力の拡張に対する投融資を原則行わないといったESG投資という方針が広がってきているところではあって、この状況下で、再エネのバックアップとして必要な火力、特に高効率LNG火力であるとか、あるいは調整力を担う既存の石炭火力も含めて、石炭火力の大型のメンテナンスとか改修、こういったところに対する投資が本改正の支援対象から外れてしまうと、火力の新設とか設備更新といったものがおろそかにされてしまうおそれがあると考えています。
脱炭素の取組全てを決して否定するものではありませんし、もちろん、エネルギー安定供給という側面からいろいろな最適なエネルギーミックスというものをつくっていかなきゃいけないと思いますが、現実の足下の安定供給を支える電源を失ってしまうと国民生活も産業も守ることはできませんので、安定供給に必要な火力についても、現実的な電源として、今回の法改正の整備とか維持の支援対象ですね、どこまでの設備交換がこの支援の対象になるのかというのはまた議論の余地があるかと思いますが、それをきちっと支援対象に含めるべきではないかと思いますが、ここは大臣のお考えをお願い申し上げます。
○赤澤国務大臣 本法案に盛り込んだ貸付制度は、民間金融を補完し、資金調達が難しい、投資期間が長期かつ大規模な電源の整備を促進するものでございます。
電力の安定供給の確保を図りつつ、脱炭素化を推進していく上で重要な電源を優先的に支援していくことになります。また、民間金融の補完という観点から、支援対象を精査もしてまいります。
具体的な支援対象は今後検討してまいりますが、先ほど申し上げた観点から、一定規模以上の火力の脱炭素化投資は支援対象となり得るというふうに考えております。
その上で、火力発電は電力の安定供給にとって重要な電源であり、脱炭素火力やLNG火力の新規投資を促進するための長期脱炭素電源オークションを通じた支援を行っています。
今後も、電力の安定供給に必要な火力発電の確保に向けて、必要な対応を行ってまいりたいと考えています。
○牧野委員 ありがとうございます。
既存火力の脱炭素化といったところには、多分、今のお話だとしっかり支援がつくと。例えば、既存の石炭火力をCCUS化するとか、そういったところにはつくと思いますが、シンプルに、既存火力を延命するために結構大規模な投資が必要となる、この場合にはこの制度が使えるのかどうか、ちょっとここだけ確認させてください。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
石炭火力は、他の火力に比べてCO2排出量が多いという環境面での課題があります。このため、安定供給を大前提として、火力全体で必要な発電容量を維持、確保しつつ、CO2排出量が特に多い、発電効率が低い石炭火力を中心に発電量を減らしていくという方針であります。
他方で、今般の改正で措置する貸付制度は、資金調達が難しい、投資期間が長期かつ大規模な電源の整備を促進するためのものでありまして、制度の運用に際しては、電力の安定供給の確保を図りつつ、脱炭素化を推進していく上で必要となる電源を優先的に支援をしていきます。また、支援に当たっては、民間金融の補完という観点から、支援対象を精査していくことも必要だと考えております。
これらの視点や、石炭火力の特性も踏まえて、今後、制度の詳細を検討してまいります。
○牧野委員 脱炭素化を推進していく上で必要な電源に対する投資を優先的にというお話ではありますので、少なくとも、先ほどのグラフで示したような、二〇三〇年に新しいLNG火力がしっかり立ち上がってくるまでの、特にこの移行期間ですね、ここに関しては、しっかり既存の火力のメンテナンス、もし大規模な投資が必要であれば、やはりそこに何らかの一定の支援が得られるといった状況は、運用上はしっかりと配慮をいただきたいというふうに思います。
続きまして、再エネ拡大に伴う系統費用と需要家の負担について伺っていきたいと思います。
今回の改正によって、基幹送配電設備や、あるいは大規模電源の整備に対する資金調達がしやすくなる一方で、山間部のメガソーラーや風力発電設備に接続するための系統整備については、発電事業者が設置時に負担して造る部分と、一般送配電業者が負担して、最終的に託送料金として需要家に転嫁される部分があると思います。
特に、山間部や遠隔地の再エネ設備に接続するための送電線は、維持管理費、あるいは、一たび災害が起きて山崩れが起きたりすると、その復旧に非常に時間と手間がかかるとか、あるいは樹木の管理、土砂災害対応なども必要になってきますけれども、こうした部分に必要になるコストというのは一般送配電業者の負担という理解でよろしいんでしょうか。
○小林政府参考人 お答えいたします。
発電所の送電網への接続における工事費用の負担は、送電線の利用実態に応じ、受益と負担の公平性の観点を踏まえて決まるものとなっております。
こうした考えの下、発電所と変電所をつなぐ電源線、これはその建設が発電事業者のみに裨益することから、原則、建設費については発電事業者の負担としているところでございます。
一方、電源線の所有は一般送配電事業者となるため、御指摘いただきました災害対応や樹木伐採などを含めた維持管理に必要な費用については、一般送配電事業者が負担することとなっております。
○牧野委員 ありがとうございます。
そうすると、山間部とか、あるいは遠いところにメガソーラーとか風力発電がどんどん増えていくと、一般送配電事業者からすると、メンテナンスのコストがどんどん上がっていくということになると思います。
国民は、既にFIT、FIPに伴う再エネ賦課金を負担していますし、さらに、再エネの変動を補うために、休止、低稼働の火力発電を維持するための容量拠出金というものも負担しております。加えて、山間部の再エネ接続のための送配電網維持費というものが最終的に託送料金に上乗せされてきますと、需要家から見れば三重の負担増ということになってしまいます。
再エネの導入を進めるという場合でも、発電事業者の採算だけではなくて、系統整備とかバックアップ火力、出力抑制、災害対応、そして最終的な廃棄と撤去まで含めた総コストで比較しないと、なかなか国民の負担というものを過小評価してしまうおそれがあると思います。
ここで、このお配りした資料の裏面、資料二と書いてあるところを御覧ください。
こちらは、二〇四〇年の試算ということで、三つの想定ケース、この青いグラフの色が違うもので、右側のところにA、B、Cと書いていますが、それぞれ変動する再エネ、つまり、風力と太陽光の割合が四割、五割、六割というケースで、今お話ししたような災害対応とか撤去とか、あるいはバックアップ火力のための維持費とか、いろいろな系統整備とか、そういった統合コストを加味したときに、それぞれの発電方式のキロワット当たりの発電コストがどうなるかというのをシミュレーションしたものになります。
このグラフの中のグレーの線で書いてある部分、これが、シンプルにその発電方式で発電したときのキロワット当たり幾らかということになるんですけれども、例えば一番左の事業用太陽光、本来、その単体で見れば、キロワット当たり八・五円というところのものが、変動再エネ容量が四割、五割、六割と増えていくと、最終的に、六割のケースでは三十六・九円まで高くなってしまうというふうな試算です。
ここまでいくと、ほかのどの電源種よりもコストが高いということになってしまいますので、現状の、二〇四〇年における今の第七次エネルギー基本計画におきましては、太陽光は想定二三から二九%、そして風力と太陽光を合わせて約三、四割というところになりますので、このシミュレーションでは一番左側のAケースということにはなりますが、それでもやはり、統合費用というところで見ると、単体で見る発電コストよりは大分上振れてくると。
最終的に、統合コストというところを考えて電源構成というものを考えていかないと、需要家負担がどんどん一方的に増えていってしまうというおそれがあると思いますが、今後、この政策を決定していく上で、統合コストをどのように政策判断に使っていくのか、最終的にここをどう加味しながら考えていくのかという方針について、大臣のお考えをお願いいたします。
○赤澤国務大臣 再エネは、エネルギー自給率の向上に寄与する国産エネルギーであり、エネルギー安定供給と脱炭素を両立する観点から重要でございます。経済産業省としては、国民負担の抑制を図りながら、再エネの導入拡大を進めてまいります。
発電コスト検証ワーキンググループにおいても、統合コストを考慮した発電コストを試算しております。その結果として、太陽光や風力といった自然変動電源の導入拡大に伴い、再エネの出力制御や火力のたき増しの調整など、電力システム全体に係るコストが大きくなることも示されております。
したがって、まずは、再エネの発電コスト低減のために、FIT、FIP制度における調達価格等の低減や、低コスト化に向けた研究開発などを進めてまいります。
加えて、送配電も含めた電力システム全体で費用対効果の高い設備形成を進めることも重要であります。先ほど申した取組のほか、地域間送電線の整備に当たっては費用便益評価を行い、便益がコストを上回る場合に整備を進めているところでございます。こうした取組を通じて、電力システム全体でのコスト低減を図ってまいりたいと思います。
○牧野委員 ありがとうございます。
今後、ソーラーに関しては、決して山間部だけでなくて、ペロブスカイトとかでビルの側面とかそういったところも発電に使えるようになると、また少しコスト・ベネフィットが多少変わってくるところもあるかと思いますが、最終的な需要家負担というものが過大になっていかないように、やはり今、昨今、円安が進んで、メーカーにとっては日本に生産拠点を戻していくというふうなある種チャンスになっていますけれども、その中で、電力コストがすごく高いということになってしまうと、企業としては生産拠点を日本に回帰させることをやはりためらってしまう、その要因になってしまうと思いますので、しっかりそこのコスト面を考えてやっていっていただきたいというふうに思います。
続いて、冒頭も言いました、電力の自由化というものが本当に国益にかなっていたのかという点について確認させていただきたいんですけれども、電力自由化と送配電分離以降、様々なプレーヤーが小売の市場に入ってきて、スポット市場の調達を通じて、規制料金をキロワット当たり四、五円割安な供給というものを行ってきましたが、二〇二二年のウクライナ戦争勃発によって燃料価格が高騰して、そして小売事業者が一気に経営が悪化して、需要家との供給契約を一方的に打ち切ったりとか、事業を撤退してしまったりとか、あるいは託送料金が払えないといった事態が生じました。
資料の表面の三番というのを御覧いただきたいんですが、こちらは、こういった事態に備えて、本当に需要家が最終的に電気の契約が受けられなくなってしまったときに、最終的に電力難民のセーフティーネットとなる最終保障供給というものがありますけれども、この件数が、二〇二一年の十月、一番左は四百四十五件ですけれども、一年後の二〇二二年十月には、最大四万五千八百十二件と、百倍以上にこの最終保障供給の数が増えて、そして、送った電力の量で見ますと七百万キロワット弱にも達するぐらい、この最終保障供給というものが増えるという状況が生まれてしまいました。
自由化された市場で、ふだんは小売業者が安値競争を行って、そして、燃料価格が上がったりとか、あるいは市場価格が高騰するというふうなことが起きると、そこからいなくなってしまって、需要家は最終保障供給に流れ込んでいってしまうという、この構造のままでは、平時の利益は小売事業者が取って、危機時の負担は需要家と送配電側に回るということになってしまって、この電力自由化というものが安定供給を危機にさらしたという実際の実例だと思います。
今回の改正は、こういった事態を踏まえて、様々改正が入っていくものと承知しますけれども、そもそも、この自由化というものが本当に国益にかなった政策だったと言えるのか。もう一度、大臣から総括をお願い申し上げます。
○赤澤国務大臣 安定供給の確保、電気料金の最大限の抑制、そして需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大を大きな目的として、小売の全面自由化、二〇一六年、発送電分離、二〇二〇年といった電力システム改革を実施してまいりました。
これにより、広域融通による安定供給の確保や、料金メニューの多様化による需要家の選択肢拡大が図られるといった成果が上がったものと認識をしております。
一方、委員御指摘のとおり、国際燃料価格の急騰といった局面では、経営状況の悪化から一定数の小売電気事業者が撤退し、一般送配電事業者による最終保障供給を利用する需要家が生じるといった課題も確認をされました。
こうした課題を踏まえ、小売電気事業者が需要家に対して安定、継続して電力の供給ができる事業環境を実現するため、対象年度の三年度前から量的な供給力の事前確保を求めることや、中長期取引市場を整備し、小売電気事業者による中長期での供給力の安定的な調達を促すことを検討しているところでございます。
引き続き、事業者の創意工夫を最大限に生かしつつ、安定供給、脱炭素化、安定的な価格水準での電気の供給が実現できるよう、電力システム改革を次のフェーズに進めてまいりたいというふうに考えております。
○牧野委員 ありがとうございます。
今おっしゃっていただいたような、三年前から、実際の設備的供給力、キロワットだけでなくて、量的供給力、キロワットアワーも確保の対象に加えていくということによって、同様の事態を防ぐというふうな方針というふうに理解しておりますけれども、最終的に、本当にこれで同様の状況を防ぎ切ることができるのかというところは、実際にはやってみないと分からないところもあるかもしれませんが、極力そこは同様の状況を起こさないように頑張っていっていただきたいと思います。
ここで、ちょっと一点、通告にないことをお伺いしたいんですけれども、自由化に伴って逆にできるようになったこともあると、さっきちょっとどなたかがおっしゃったかと思うんですが、実際に、自由化によって、いろいろな小売プレーヤーが参入できるようになったということ以外に、いろいろなインフラ面、あるいは技術革新の面、こういったところで、自由化によって新たに生まれたよかったこと、ここはどういうことがあったというふうに認識していらっしゃいますでしょうか。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
自由化のプラスの評価という点で申し上げますと、需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大といった点が大きな点だというふうに考えておりまして、大きく分ければ、再エネ、あるいはそれ以外も含めた市場連動型といった様々なメニューが現れて、ユーザーからすると選択肢がはるかに拡大されたということで、これについては一定の評価ができるのではないかというふうに考えてございます。
○牧野委員 ありがとうございます。
そうすると、多分、いろいろなプレーヤーが増えて、使う側が選べるようになったということ以外には、はっきり言って、大したメリットはなかったんじゃないかなというふうに思うところもありますけれども、やはり、もう既にこの状況になってしまっていますので、ここから先は、いかに安定供給を守っていくかというところを、しっかりと対策を打っていっていただきたいというふうに思います。
続きまして、太陽光発電施設の安全規制と長期リスクについて伺いたいと思います。
今回、太陽光発電設備の安全性確保のための改正を行うんですけれども、既に二〇二〇年前後から全国の各自治体で再エネ開発に伴う土砂災害とかあるいは景観悪化、こういったものを懸念した条例の制定が進みまして、二〇二四年度現在で同様の条例を制定している自治体は三百二十三団体にまで上っております。
今回の改正で構造安定性の確認、そして関係事業者への協力要請、立入検査、勧告、公表などの制度整備がされるということ自体は非常に高く評価するところでございますが、いささか遅きに失したのかなという印象を拭えないでおります。
今回の本改正を含む対策パッケージがまとまったのも昨年の十二月ですけれども、なぜ、全国の自治体がこういった太陽光の規制といった中にどんどんかじを切っていった中、政府による法改正はここまで時間がかかってしまったのか、大臣にお尋ねしたいと思います。
○赤澤国務大臣 電気事業法に基づく太陽電池発電設備の保安規制については、事故件数の増加を踏まえ、令和三年度には設備の設置者が守るべき太陽電池発電設備に特化した技術基準を制定した上で、令和四年度には十キロワット以上五百キロワット未満の比較的小規模な設備に対しても使用前に技術基準適合性を自己確認する義務を新たに課すという形で、段階的に強化をしてきたところでございます。
このように、これまでも技術基準の制定などの措置を講じてきたものの、その後も、地震や強風による破損や物損といった構造安全性に関する事故が発生し、設備の満たすべき基準を満たしていない事例が生じたことや、あるいは製造事業者による事故原因究明の協力を得られない事例の存在が生じたところであります。
こうした現状を踏まえて、今般新たに、太陽電池発電設備の構造安全性の第三者確認制度や製造事業者の協力確保に関する制度を導入することとした次第でございます。
○牧野委員 ありがとうございます。
今までもちょっと段階的に技術基準を作ってきたところを今般法制化するという流れだということで理解しました。
今後も、この改正に限らず、風力のことであるとかいろいろなところで、やはり、今回は太陽光ですけれども、ほかの発電方式でもいろいろな問題が今後出てくると思いますので、しっかりと対応していっていただきたいと思うんですが、今回の改正によって、太陽光発電設備の設置に当たって、パネル本体とかPCS、その他工作物や工事方法の基準適合性が求められることになりますけれども、令和六年の立入検査では五割を超える太陽光発電設備で構造上の不備が指摘されていて、そして風雨による土壌流出で基礎が浮いてしまっているような写真もたくさん出ております。
今回の改正で求める適合基準というものは、パネルが載っている支持体の、それの強度だけじゃなくて、実際に足下の土壌流出のリスク、ここまで考慮した内容になっているのか。また、太陽光発電施設の設置に当たっては、経産省だけじゃなくて、林野庁、国交省、環境省というところも関係してきますけれども、経産省が責任を持つ範囲というのは、認可から建設、運用、最終的な撤去、廃棄に至るプロセスの中の一体どこまでが経産省が主体的に責任を持つ範囲なのか、ここについてお示しいただきたいと思います。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
本法案で措置をいたします太陽電池発電設備の適合性確認ですけれども、土木建築の専門家を有する第三者機関が、荷重や外力に対して安全な構造であることを求めております技術基準適合性を、工事前に確認するものでございます。
想定される地震ですとか風圧などに対する設備の耐力あるいは安定性を評価するに当たりましては、別途技術基準が定めておりますが、土壌流出、地盤崩壊の防止措置、こういったことがしっかり講じられていることが前提となります。このため、設置場所においてこうした措置がどういうふうに行われているかという状況についても考慮を行うことになると考えております。
なお、土砂の流出ですとか地盤崩壊を防止する措置を講じる技術基準ですけれども、こちらは、設備の工事段階だけではなくて、設置後の運用段階においても適合を維持すること、これを義務づけてございます。
その上でですけれども、太陽発電設備につきましては、各省庁が関係法令に基づいて、それぞれの保護法益の観点から必要な規制等を行っているものと承知をしております。したがいまして、お尋ねの、プロセスごとに、どの段階まで経産省が責任を持っているかというのは一概にはお答えしにくいんですけれども、引き続き、関係法令の運用の厳格化も含めて、経産省としてしっかり対応していきたいと考えております。
○牧野委員 ありがとうございます。
一点ちょっと確認したいんですけれども、時間軸でいうと、いろいろな、運用している中でも各省庁が絡んでくるとは思いますが、廃棄、撤去した後、その後、山に何もなくなりました、この状況になったら、その後のことはもう経産省の管轄外という認識でよろしいでしょうか。
○湯本政府参考人 お答え申し上げます。
基本的に、電気事業法では、電気工作物の設置、維持、運用、これが規制をしている対象になっておりますので、電気工作物がなくなった後につきましては、他法令の方で必要な場合には措置されるというふうに理解しております。
○牧野委員 ありがとうございます。
一方、そうすると、太陽光の開発に当たっては、山林を最初に伐採するときには林野庁が開発許可を出します。ちょっと林野庁にお伺いしたいんですけれども、開発許可を出した後は、山林ではなくなるという理由で林野庁の管轄外となるというふうに理解していますが、一方、経産省の責任範囲は、今言っていただいたとおり、発電設備を運用している期間のみで、撤去、廃棄後の用途は所有者に任されるということになると思います。
一度開発された山林は、伐採とか、あるいは転圧、圧力をかけて土壌をぐっと締めていくということによって、土壌への雨水の浸透率が低下して、元の山林だったときのような雨水の浸透率が容易に回復するものではないと思います。
また、四万キロワット以上の開発で事業者に必須として求められる環境アセスメントについても、これは環境省が管轄していますが、近接する河川と取水口の水質検査などへの影響評価、そして住民説明の、これはあくまで手続を定めているだけであって、環境アセスメントというルールの中に、この基準でやりなさいという基準が明示されているわけではないというふうに理解しています。
林野庁は、山林の開発許可を出すに当たって、ある場所を、太陽光、開発しました、また、そのお隣の違う山を開発しました、最終的にどっちの山の水系も全部一本にまとまって川に流れて海につながっていますとなったときに、隣の山あるいは隣の隣の山、そういったところの流域全体、水系全体を含めた土壌流出とか、あるいは海洋環境に対する影響ですね、特に、山で木がどんどん減っていくと、森林から川を介して海に流れていくフルボ酸鉄という、それがないとなかなか海藻が健全に育たないといったこともありますが、こうした部分の、三十年とか五十年単位で考えた中長期的な影響、あるいは洪水、土砂災害リスク、こういったことを流域単位で把握して林野庁は開発許可を出しているんでしょうか。
○齋藤政府参考人 お答え申し上げます。
森林の有する国土の保全や水源の涵養などの公益的機能の確保を図るため、森林における太陽光発電事業などの開発を保安林制度と林地開発許可制度により規制しております。
具体的には、特に重要な森林を保安林に指定するほか、太陽光発電事業の開発を原則禁止し、他の目的の開発も厳しく制限しています。
また、その他の森林においても、林地開発許可制度により、都道府県知事が土砂流出等の災害や洪水等の水害防止などの要件について審査をしており、例えば、流域における過去の水害の発生状況等を考慮して排出計画を定め、下流に負担をかけないよう、必要に応じて排水施設の設置等の措置を講じているほか、本年四月からは、大規模な太陽光発電事業の開発について、開発面積に応じて残す森林の割合を二五%から六〇%へと大幅に引き上げ、当該森林は将来にわたり保全することを求めるなど、要件を満たすことを求めております。
○牧野委員 ありがとうございます。
そうすると、あくまで場所の開発許可ということであって、隣の山、あるいは、ある川の水系全体を含めたような、そういう流域単位で見た開発許可基準というものではないという認識でよろしいんでしょうか。
○齋藤政府参考人 お答え申し上げます。
開発許可自体は、一件一件の開発行為について許可を出しております。
先ほどもお答え申し上げましたとおり、流域における過去の水害の発生状況等を考慮して排水計画を定めるということにしておりますので、まず水害の発生に関して申し上げれば、当該森林が失われたことによる効果というのはあがなわれているというふうに考えております。
一方で、流域全体のということで申し上げると、冒頭にお答え申し上げたように森林全体の機能ということになりますので、前段の保安林制度や林地開発許可制度によりましてそこを担保していくという考え方でございます。
○牧野委員 ありがとうございます。
なかなか、それで本当に全体のことが見えているのか、あるいは最終的に海まで流れ込んだところの保全まで、海の環境保全まで考えられているのかというところが非常に怪しいと思いますので、その辺りも含めて、また二日目の質疑でお話ししていきたいと思います。
今日はありがとうございました。
○工藤委員長 次に、土橋章宏君。
○土橋委員 チームみらいの土橋章宏です。
本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。
では、まず、AI時代の急激な電力需要増に対しての準備についてお伺いします。
世界的なAIデータセンターの急速な普及により、日本でも当初の想定を上回る電力需要増が見込まれています。IEA、国際エネルギー機関のエナジーアンドAIの試算では、二〇三五年までに世界全体で日本一国分に相当する追加電力需要が生まれる可能性があるとされています。
今後、日本国内においてどれだけ電力需要が増していくのか、需給の見通しについて、政府としての見解をお示しください。
○村瀬政府参考人 お答え申し上げます。
我が国では、電力広域的運営推進機関において、一般送配電事業者が提出する電力需要の想定を取りまとめ、今後十年間の全国大での電力需要見通しを毎年度公表しているところでございます。
二〇二六年一月に公表された最新の需要想定によりますと、データセンター等の需要増加の影響を受け、我が国の電力需要は増加する見通しであると承知してございます。
具体的には、二〇二五年度が約八千三十四億キロワットアワー、二〇三五年度が約八千四百六十一億キロワットアワーとなっており、約四百二十八億キロワットアワー、約五%増加すると想定しているところでございます。
また、そのうちデータセンター等に関する需要は約五百六十八億キロワットアワー増加する見通しでありまして、人口減少や省エネなどの進展による需要減少をデータセンター等の需要増加が上回ると想定しているところでございます。
○土橋委員 御答弁ありがとうございます。
この上昇がちょっと少ないかなというふうに思えるんですけれども、これは、半導体の省電力化や光電融合、IOWN、つまり、電気信号を光信号に置き換える、通信高速化を見込んでいると承知しております。これは他国と比較してもう少し需要が上振れするのではないかとも感じますので、今後、臨機応変に対応して電力を確保していただければと思います。
次に、電源構成全体についてお伺いします。
政府は第七次エネルギー基本計画において、二〇四〇年の電源構成目標について、再エネ四から五割、原子力約二割を示していますが、今、フランスは電力の約七割が原子力であって、電力の輸出国となっています。安定電力を確保しているフランスに、日本のソフトバンクも最大十四兆円を投じ、欧州最大規模の巨大なデータセンターを建設する計画を二〇二六年五月に発表いたしました。
これは私もちょっと日本に造ってほしかったなとも思っているんですけれども、やはり日本は、ちょっと電力が足りないと申しますか、割と今のところメインが火力ですので、データセンターというのはやはりCO2が結構出てしまう施設ですので、そのデータセンターを火力発電で動かすと、やはりそういうCO2的にもちょっとよくないということだと思います。
一方、ドイツは、原発をやめて再エネ五割超を達成しているものの、火力を維持し、電力輸入に依存しています。
ドイツやフランスというのは、EUで陸続きになっておりますので、供給し合うということもあるんですけれども、こういうところを見て、日本にも、原発なのか、それとも再エネなのか、二つの道があると思います。
また、第七次エネルギー基本計画は二〇二五年の二月に閣議決定されており、AIの急発達やホルムズ海峡の情勢不安定は余り見込まれていないと思います。産技法の質問でも述べましたけれども、時代の急変に対してフレキシブルな対応が必要となってくると思います。
産業革命における蒸気機関やインターネットと並ぶAIの時代が到来していること、そして、中東で原油危機がまだくすぶっていることを踏まえ、特定電源に過度に依存しないバランスの取れた電源構成で本当によいのでしょうか。大臣にお伺いいたします。
○赤澤国務大臣 先ほど委員が原子力か再エネかというおっしゃり方をしたんですが、一応、私どもがまとめた第七次エネルギー基本計画では、もちろん安全性の確保と地域の理解は大前提で、両方とも最大限活用していくという方針を打ち出しております。
その上で、昨年二月に閣議決定された、まさに今申し上げた第七次エネルギー基本計画では、ロシアによるウクライナ侵略やイスラエル・パレスチナ情勢の悪化、イスラエル・イラン間の軍事的緊張などを受けたエネルギー安全保障の要請の高まりや、生成AIの普及拡大に伴うデータセンターの増加など、DX、AXやGXの進展による電力需要増加が見込まれることを踏まえ、必要な脱炭素電源の確保に取り組む方針をお示しをしているところであります。
その上で、今般の中東情勢の緊迫化により、原油の中東依存度の高さや低いエネルギー自給率といったエネルギー政策上の課題を克服していくことの重要性が再認識されたということであります。
これらの構造的な課題を克服する観点からも、特定の電源や燃料源に過度に依存しないという基本的方向性の下で、電源構成のバランスを取ることにとどまらず、再エネや原子力といった、エネルギー安全保障に寄与し、脱炭素効果の高い電源を最大限活用することにより、電力需要増への対応やエネルギー自給率の向上も同時に図ってまいりたいというふうに考えております。
○土橋委員 御答弁ありがとうございます。
時間軸で見ますと、ここ三年とか五年、短期的にどんどんAIの半導体とかデータセンターの建設が世界的に進んでいくかなと思いますので、短期的には、再生エネルギーよりも、安全を前提とした既設の原子力発電の再稼働を急ぐ方が有利ではないかなと私は思います。そして、十年後あたりからは新たな再エネやフュージョンエネルギーなどに移行するなど、最大の電力を得るため、今ある施設を最大限活用しつつ、年ごとにバランスを変化させていくことも必要だと思います。
ちなみに、中国は、新たに原子力発電所を建設しつつ、太陽電池を万里の長城のごとく敷き詰めるという計画もあるそうです。中国の内モンゴルのクブチ砂漠に建設中の超巨大太陽光電池帯というのは、長さ四百キロ、幅平均約五キロにわたって太陽光パネルを設置する計画で、完成時には年間千八百億キロワットアワーを約八百キロメートル離れた北京へ送電する計画で、これは北京の年間電力消費量を大きく上回る数字です。どこまで信じられるかちょっと分からないんですけれども、そういったすごい、壮大な計画を立てております。
日本では、そこまではできませんので、狭い国土でいかに素早く大量の電力を得るかということが直近の努力目標ではないかなと思っております。例えば、原子力発電以外にも、OHISAMA計画と言われるものもありまして、つまり、宇宙空間で高効率の太陽発電を行い、地上の大体六倍ぐらいの効率があって、しかも、天気に左右されないので蓄電池も要らない、あとはマイクロ波で地上に送電する技術さえうまくいけばそれもできるといったところでありますので、日本にマッチするような発電技術に注力していければいいのではないかなと思っております。
次に、電気事業法改正案における原子力の位置づけについてお伺いいたします。
本法案は、エネルギー安全保障とDX、GXによる電力需要増を背景に、大規模な送電線と大規模電源の整備を促進し、電力の安定供給を確保するものと承知しております。
この法案は供給力確保をうたっていますが、対象に原子力発電は含まれますでしょうか。よろしくお願いします。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
電力の安定供給の確保を図りつつ脱炭素化を推進していくためには、大規模な脱炭素電源への投資を集中的に進めていくことが重要だと考えております。そのため、本法案に財政投融資を活用した貸付制度を盛り込み、投資期間が長期かつ大規模な電源の整備を支援していくことといたしました。
具体的な融資対象については、特定の電源種のみを念頭に置いたものではありませんが、投資期間が長期かつ大規模な電源の整備という観点で、例えば、一定規模以上の原子力発電や洋上風力発電を始めとした安定供給と脱炭素化の両立化に資する電源投資への貸付けを想定しており、こうした政策目的を達成する観点から今後詳細を検討してまいります。
○土橋委員 御答弁ありがとうございます。これは原子力発電も含まれるというふうに認識いたしました。
私は、原子力発電の再稼働がなぜ進まないのかなと前から非常に疑問に思っておりまして、その現状の問題点について今日は具体的に聞いていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
それで、現在の原子力発電の電源構成比率なんですけれども、第七次エネルギー基本計画では二〇四〇年に原子力約二割を目標にしておりますが、現在は何%ぐらい達成しておられるのでしょうか。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
現時点で最新のデータである、令和六年度の総合エネルギー統計確報によりますと、発電電力量に占める原子力の割合は九・四%であります。
○土橋委員 御答弁ありがとうございます。
これは、今ある原子力発電所が、フル稼働といいますか、かなり再稼働されれば達成される数字かと思いますが、やはり、再稼働が始まっていないということで、今は火力によるエネルギーにちょっと頼り過ぎている状態かと思います。
そこで、原子力発電所の再稼働遅延の要因についてお伺いいたします。
現在停止中の原発の再稼働がかなり長引いていると思うんですが、遅れている理由は何でしょうか。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
一部の原子力発電所では、再稼働に時間を要しております。その背景には、原子力規制委員会による新規制基準適合性審査への対応や、防潮堤工事を始めとする大規模な安全対策工事などがあるものと承知しております。
いずれにいたしましても、原子力規制委員会が新規制基準に適合すると認めた場合のみ、その判断を尊重し、地域の御理解を得ながら再稼働を進めるというのが政府の一貫した方針であります。
○土橋委員 御答弁ありがとうございます。
これは様々な要因があると思うんですけれども、やはり一番は、日本は自然災害が多くて、地震や津波に対する安全対策は絶対にやらないといけない。過去の事故もありましたし、事故があれば巨大なダメージを負ってしまいますので、安全は絶対確保しなければいけないということだと思います。
しかし、地震や津波以外にも、火災、内部溢水対策、テロ対策、これはテロや、飛行機が原発の上に墜落してきたときなどの対策ですけれども、こちらに対しても諸外国に比べてかなり安全基準が高くなっております。そのための審査や設備の工事が長くかかるということも日本特有の要因になっていると私は理解しております。また、人による手続の点で難しい問題が残っていると考えます。
そこで、原発の安全審査の信頼性について伺います。
中部電力浜岡原発で、再稼働の前提となる基準地震動の策定をめぐりデータの不正が発覚し、本年一月、原子力規制委員会が中部電力本店に立入検査に入りました。経営陣の関与の有無まで検証される事態でした。遡れば、日本原電敦賀二号機でも、地質データの無断書換えで審査が二度中断し、規制委発足以来初の不合格に至りました。
その根底には構造的な問題があると考えます。それは、再稼働で利益を得る事業者自身が活断層や基準地震動という最も重大な安全データを作成し、規制委に提出するというたてつけです。これが続く限り、再稼働を急ぐ圧力がデータをゆがめるリスクは消えません。報道も、浜岡の不正の背景に工期遵守や再稼働を急ぐ現場への圧力があったのではないかと指摘しています。
もっとも、ヒューマンエラーは必ず起こるものです。いわばパワハラのような仕組みとか自分の生活を守るために仕方なくといった側面があったから捏造してしまったかもしれなくて、誰しも好きで捏造しているのではないと思います。やはり、現場に人間がいる限り、これはこれからも起こり得るのではないでしょうか。
そこで、提案いたしますが、供給力確保を国が前面に立って進めるというなら、活断層評価と基準地震動という最重要項目だけでも事業者から切り離すべきではないでしょうか。すなわち、国又は事業者から独立した第三者あるいはAIによる検証など、また、解析結果だけではなく、生データの提出義務、書換えを検知できるデジタルの記録、この三点を制度化することによって捏造は起こらないと考えられます。費用は事業者負担での委託とすれば、規制庁の体制を圧迫せずに実現できると思います。この最重要データの信頼性を事業者じゃなくて国が担保する仕組みを検討する意思はございますでしょうか。
○大島政府参考人 お答え申し上げます。
活断層評価や基準地震動などの評価内容や結果が示されている設置変更許可申請書などにつきましては、安全確保に一義的責任を有する事業者が、適切な品質管理体制の下、妥当性及び信頼性を確保したデータ等を用いて作成するべきものであるため、規制の枠組みとして、第三者による検証等は検討しておりません。
その上で、今回の中部電力の不正行為と同様の不正が起こりにくいような環境づくりや審査プロセスの改善に向けて、五月二十七日の原子力規制委員会におきまして、制度面における対応の検討状況について報告をしたところでございます。
具体的な検討といたしましては、今回不正行為がありました統計的グリーン関数法に基づく地震動評価手法に係る評価プロセスを明確化すること、設置変更許可等の申請書類等に係る不正行為の抑止を目的といたしまして、申請書類等に係る虚偽に対する罰則の導入、また、重要な設計条件に係るトレーサビリティーを確保するための制度的な対応を検討しているところでございます。
原子力規制委員会としては、引き続き、厳格な審査が行われるように対応してまいりたいと考えてございます。
○土橋委員 この検査はIAEAの検査に準拠しているからかなと思うんですけれども、事業者自体がやるよりも国とか第三者がやった方が余計信頼性があると考えられても、やはりそれは、ちょっとこれは通告にないのかもしれませんけれども、もうこれはこれで決まりだということなんでしょうか。
○大島政府参考人 お答え申し上げます。
繰り返しになりますけれども、まずは事業者が、しっかりとした、信頼性を確保したデータ等に基づいて申請をするべきであるというこの大前提は、国際的な基準でありますIAEAの基本原則でも一義的責任を事業者が負うということになっておりますので、その点については維持をしたいと考えております。
しかしながら、先ほど御指摘のように、生データでありますとか、しっかりと検証ができるように、こういう点につきましては、しっかりとトレーサビリティーを確保できるようにという中で検討させていただきたいというふうに思ってございます。
○土橋委員 御答弁ありがとうございました。
この件に関しましては、もし第三者とか国が入りますと、どっちの責任か分からないといった問題も発生すると聞いておりますので、そういうふうに、すぐには変えられないのかもしれませんけれども、そういったトレーサビリティーとか罰則をつけるなどして、もしまだそれでも起こるようだったら、もう一度検討してもいいのかなと私は思います。
次に、再稼働審査について伺います。
現在、運転中の原子炉は十一基、停止中が二十二基とされ、設置変更許可を得ながら再稼働に至っていない原子炉もあります。再稼働の遅れの一因として、適合性審査の長期化や、いつ終わるのかの予見可能性の低さ、規制側の体制が指摘されています。例えば、柏崎刈羽の特重施設は完成見通しが二〇二九年、二〇三一年とされるなど、工程の長期化が現実的に再稼働時期を左右しております。
一方、世界の重立った国々は、今、AI競争に乗り遅れないよう、原子力発電所建設を進めているところが多いです。そんな中、日本だけブレーキがかかっている状態にも見えます。
先月から、エヌビディアのCEO、ジェンスン・フアン氏がアジアを歴訪していますが、台湾、韓国、中国を重点的に回った一方、日本には訪問がありませんでした。これをジャパン・パッシングと言うのはちょっとうがち過ぎかもしれませんが、台湾や韓国ではAI工場や巨大データセンターの計画が次々出るのに、日本は電力や規制、投資の面でスピード感を出せていない感があります。
また、日米投資イニシアチブでは八十兆円を投じますが、そのうち十兆円ほどを使ってアメリカに原子力発電を、これは小型のモジュール炉だと思いますけれども、十基造る案が浮上しているなど、日本のお金を使ってアメリカのAIを走らせようとしているかのごとくです。
日本でも、AIを動かすための電力の確保は急務です。世界最高レベルのAIとまではいかなくとも、ソブリンAIやバーティカルAIは必ず必要になる技術だと思っております。
そこで、お伺いします。
安全水準を維持した上で、審査の標準的な所要期間や進捗の見える化による予見可能性の向上や、原子力規制委員会の審査人員、体制の強化がなされているかなどをお聞かせください。
○大島政府参考人 お答え申し上げます。
原子力規制委員会では、審査状況の透明性を高めるため、原子力発電所の新規制基準適合のための設置変更許可に係る審査につきまして、審査項目ごとに進捗状況や残っている主な論点等を整理した審査進捗状況表を三か月に一度作成し、委員会に報告の上、公表しているところでございます。また、審査会合の最後に指摘事項を双方で確認するとともに、このような指摘事項を文書化するなどの取組を行っているところでございます。
さらに、審査、検査に当たる人材の確保、育成について御質問がございました。これにつきましては、原子力の規制を着実に進める上で重要な課題であると認識しており、これまでも様々な取組を行ってきているところでございます。
具体的には、職員の能力向上を図るための任用資格制度の導入と、これに対応した職員向けの教育訓練の実施、審査、検査の即戦力となる経験者の積極的な採用、科学的、技術的知見が高く経験豊富な職員を継続的に雇用できる特例定年制度の導入に取り組んでいるところでございます。
規制委員会といたしましては、引き続き、こうした取組を進めるとともに、審査の予見性を確保し、また審査体制の充実強化を進めてまいりたいと考えてございます。
○土橋委員 御答弁ありがとうございます。
規制委員会の方でも、再稼働審査の迅速化に対して、足並みがそろっているといいますか、そういったことをやっていただけているということで、大変心強い思いです。
もう一つお伺いいたしますが、同型炉で得られた知見や審査結果の横展開による重複の排除といった、安全を犠牲にせずに審査を合理化、迅速化する取組の現状とか方針はどうなっていますでしょうか。あわせて、もしあれば、諸外国が同等の安全水準を保ちつつ審査運用を効率化している例などから、運用面で何か学べる点はあるでしょうか。
○大島政府参考人 お答え申し上げます。
合理的な審査を進めるための審査プロセスの改善を図ることは原子力規制委員会としても重要であると認識しており、事業者と改善点について意見交換をしながら様々な取組を行っているところでございます。
具体的には、審査チームからの指摘が事業者に正確に理解されていることを確認する場を設け、必要に応じて文書化を行うこと、地質等に関する事業者の調査方針や実施内容をあらかじめ確認し、早い段階から指摘を行うこと、審査会合の主要な論点等を事前に書面で提示するといった取組を進めているところでございます。
また、許認可制度の見直しについても検討してございます。これにつきましては、国際原子力機関、IAEAの総合規制評価サービス、IRRSと言っておりますけれども、この指摘や、他国の審査プロセスの状況などを踏まえ、公開の場で事業者の意見も聞きながら、規制要求の水準を変えない前提で合理的なものとするための検討を進めているところでございます。この検討に当たっては、許認可を要する施設や活動の範囲に関しまして、安全上の重要度に応じた、いわゆるグレーデッドアプローチに基づく規制を一層進められるようにしていきたいというふうに考えてございます。
原子力規制委員会としては、引き続き、このような取組を通じて審査プロセスの改善を進めてまいりたいと考えてございます。
○土橋委員 御答弁ありがとうございます。
そのクオリティーを保った上で、審査の簡素化、透明化を更に進めていただきたいと思います。やはり、そのガイドラインのようなものがあれば、みんな、事業者の方もやりやすいと思いますので、是非よろしくお願いいたします。
次に、再稼働による経済効果について伺います。
安全確保を大前提とした上で、再稼働は、燃料費の削減、電気料金の抑制、エネルギーの安全保障に資するものです。二〇二五年の貿易統計、通関ベースでは、貿易収支は二兆六千五百七億円の赤字ですが、原子力発電が再稼働すれば、これが黒字に転換する可能性もあります。すなわち、日本の財政規律がよい方向に向かうということですから、円安抑制効果が見込まれ、それはひいては物価高対策にもなり得ます。
例えば、消費税減税をするには財源を確保せねばならず、円安を促進する可能性も高いと思います。また、電気やガス料金を補助するためには補正予算を組まねばならないこともあります。しかし、原子力発電所を、安全なやつだけですね、素早く再稼働すれば、電気代も安くなりまして、国の借金を減らすこともできます。つまり、早急な再稼働は物価高対策となり得ます。
実際、震災後に再稼働が進んだ西日本に比べて、東日本では、エリアによって電気料金が二、三割高い傾向にあります。また、北海道電力泊三号機では、再稼働後に家庭向け電気料金を約一一%値下げする見通しを公表しています。再稼働が進めば、電気料金高騰を抑え、AIや半導体製造などの産業競争力の向上につながると考えられます。
そこで、大臣に伺います。
安全の確保と立地地域の理解を絶対の前提とした上で、再稼働を電気料金、産業競争力、エネルギー安全保障の観点からどう位置づけ、安全、地域理解、経済性のバランスをどのような指針で取っていかれるのか、見解をお伺いいたします。
○赤澤国務大臣 御質問に答える前に、先ほど委員が、五千五百億ドルの日米の投資イニシアチブ、SMRを念頭に置いた原発ということで、あれを日本でやればいいのに何でアメリカというお話でしたけれども、やはり、新しい新型炉をやっていこうと思うと、多分、世界の中で日本で一号機を造ろうと思うと、地域の理解を得るとか、大変なあれになると思います。手間がかかるという言い方はあれですけれども、必要なことなのであれなんですが。
一方で、やはり、アメリカで先行している事例があって、それを追いかける形でやっていって、新型炉があちらでできれば、そういう意味では日本への導入も大分円滑化されるだろうとか、いろいろなことを考えてやっておりますので、是非御理解を賜りたいということは申し上げておきたいと思います。
その上で、エネルギーの安定供給は、改めて申し上げるまでもなく、国家の生命線だと認識をしております。それを申し上げた上で、東京電力福島第一原子力発電所事故の経験、反省と教訓を肝に銘じて原子力政策を進めていくことは、エネルギー政策の原点であります。
その上で、DXやAXやGXの進展により電力需要増加が見込まれる中、原子力を始め脱炭素電源の確保が国力を左右する状況です。原子力は、燃料価格の影響を受けにくく、エネルギー安全保障の観点からも重要であり、最大限活用していく方針であります。
原子力の利用に当たっては、改めて申し上げますけれども、安全性の確保と地域の御理解が大前提であり、他の観点が優先されることがあってはならないと考えます。原子力規制委員会が新規制基準に適合すると認めた場合のみ、その判断を尊重し、地域の御理解を得ながら原子力発電所の再稼働を進めるというのが政府の一貫した方針ですので、こうした方針の下で原子力政策を進めてまいりたいというふうに考えています。
○土橋委員 御答弁ありがとうございます。
私はデータセンターを日本に造ってほしいと言いたかった形でして、新型炉はアメリカで造りますけれども、日本のお金でアメリカのAIを進めてしまうと、結局日本が競争力で負けてしまうんじゃないかなという懸念があるといった形です。ただ、ジェネシス計画とか、一部共同で進めるという案もございますので、その辺りはまた引き続き注視していきたいなと思っております。
それで、一般人の感覚としては、やはり原発は怖いものです。しかし、十分な安全審査を経て再稼働すれば、電気代は下がって物価高対策にもなるので、なかなか難しいところだと思います。ここはよくよく考えていかねばならないと思います。ここから数年は、日本がどう進んでいくか、大事な局面となると思いますので、国民が納得できるようなバランスを取っていただければなと思っております。
次に、安全審査を終えている発電所三基について伺います。
これは、世界一厳しい安全検査を終えているのにまだ停止している。これを追加で動かすだけでもかなりの燃料費削減効果が見込まれますが、これについては大体いつまでに再稼働させるおつもりでしょうか。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
原子力発電所の再稼働時期については、原子力規制委員会による審査や安全対策工事の状況等によるため、一概にお示しすることは困難でございますけれども、設置変更許可を取得したものの再稼働していない三基の原子力発電所については、いずれも、現在、必要な安全対策工事を行っているものと承知しております。
具体的に申し上げますと、日本原子力発電東海第二発電所は、二〇二六年十二月の防潮堤工事完了、北海道電力泊三号機は、二〇二七年七月から八月の防潮堤工事完了、東京電力柏崎刈羽原子力発電所七号機は、二〇二九年八月の特重施設工事完了を目指して取り組んでいるものと認識しております。
各事業者には、引き続き、原子力規制委員会の指導の下、安全最優先で着実に工事を進めていただきたいと考えております。
○土橋委員 御答弁ありがとうございます。二、三年のうちにちょっと電気代が安くなるのかなというような希望のある発言、ありがとうございました。
次に、データセンターと原子力発電の共存活用について伺います。
先日、データセンター関連のデータセンターサミット、インターロップ東京二〇二六というのを視察しましたが、データセンターは強力な電力を必要とすることが分かりました。もちろん、データセンターと原子力発電所とはいろいろ共通点がありまして、冷却水が必要であるとか、非常用電源を幾つも必要とするとか、そういった共通点もあるなと分かって、いろいろシンクロしているなと思いました。
そこで、既存の原子力発電所の近傍にデータセンターを立地させて安定電源を効率的に供給するといったような、電源近接型の立地を促す施策はありますでしょうか。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
原子力発電など脱炭素電源の立地には偏在性がある中で、需要を供給に近づけるという発想で、電源の立地地域への産業集積を進め、電力システム全体の効率と地域への裨益を高めることにより、脱炭素電力の供給増につなげていくという好循環を生み出していくことが重要だと考えております。
また、需要家にとっても、データセンター等の電力の大規模需要家を中心に、長期的かつ安定的な脱炭素電源確保の観点から、原子力発電に対する期待が高まっていると承知しております。
こうした状況を踏まえまして、脱炭素電源地域に立地し、当該脱炭素電源を利用する需要家の設備投資を支援するということにしておりまして、御指摘のデータセンターを含め、電源立地地域への産業集積を促進してまいります。
○土橋委員 御答弁ありがとうございます。
こういった近接に建てる試みをコロケーションと言うそうですが、二つのメリットがありまして、一つ目は、AIに必要な、先ほど御答弁いただいたんですけれども、大量、安定、脱炭素の電力をすぐ確保できること、二つ目は、混雑している送電網への接続待ち行列、これは数年かかるんですけれども、これを回避できることがあります。しかし、新設の原発は時間もコストもかかりますし、日本でもまだしばらくはどうなるか分かりませんので、既設の原発から直接引くのが最速の道として注目されています。
また、データセンターからユーザーに対しては、光電融合技術、先ほど申しましたIOWNで高速通信を図ることができそうです。さらに、立地に苦労するデータセンターを原子力発電の近くに置けば、その地方の雇用や経済の発展も見込まれます。原子力発電を置いてもらっているところにメリットをたくさんつくっていくことも重要だと考えます。
次に、再稼働における地元同意について伺います。
再稼働には地元の同意が不可欠ですが、事業者と自治体の個別交渉任せになっている側面があります。しかし、地元同意は法律上の要件ではなく、慣行にすぎません。通例は立地県の知事と立地市町村の同意を得る形ですが、誰がどの手続でいつ同意を確認するかのルールがなく、結果として事業者と自治体の個別交渉任せになっています。
しかし、泊三号機のケースでは、設置変更許可後、経産大臣が公文書だけではなく道知事と四町村に電話で理解を要請し、知事、村長、町長が順次同意という属人的個別折衝型のプロセスを経ました。国が前面に立つというなら、このプロセスを制度化するべきじゃないでしょうか。
○久米政府参考人 お答え申し上げます。
原子力発電所の再稼働に際して、立地自治体の同意は御指摘のとおり法令上の要件とはなっておりませんが、政府としては、立地自治体等関係者の理解と協力を得ることが大前提であるというふうに考えております。
その手続を制度化するべきであるとの委員の御指摘につきまして、各地域の事情は様々であることから、国が一方的、一律に進め方を決めるのではなく、地域ごとにその実情を踏まえながら丁寧に対応することが必要であると考えております。
政府といたしましては、それぞれの地域の実情を十分に踏まえながら、立地自治体等関係者の御理解を得られるよう、国が前面に立ち、原子力の安全性や必要性について丁寧な説明を尽くし、幅広い理解を得られるよう粘り強く取り組んでまいります。
○土橋委員 御答弁ありがとうございます。
次に、ちょっと話が変わりまして、研究者、官僚の処遇改善と給与水準について伺います。
本法案についていろいろヒアリングや視察を続けるうちに、研究者や省庁の方がどうも高給でヘッドハンティングされているような事例を見かけました。盛んにいろいろなところで人材不足と言われていますけれども、これは実際には給料不足ではないのかなと私は思うわけですが、国際競争力を維持するために研究者や官僚に必要十分な報酬水準はどの程度でしょうか。研究者や官僚の給料を大幅に上げ、ひいては民間の賃上げにもつなげるべきだと思いますが、そういうお考えはありますでしょうか。
○俵政府参考人 お答え申し上げます。
我が国の研究力の強化に向けては、科学技術イノベーションを担う研究者に対し、その処遇改善を図ることが重要であると考えています。しかしながら、若手研究者の任期なしポストの減少など、近年、研究者を取り巻く環境は厳しい状況にあると認識をしています。
委員から御指摘のありました大学の研究者の給与水準については、各大学においてそれぞれの給与規程等で定められるものですが、例えば、令和六年度の国立大学法人等の大学教員の平均年間給与は約九百二十五万円となっております。
他方で、国際的な人材獲得競争は激しさを増しており、本年三月に閣議決定された第七期科学技術・イノベーション基本計画においては、研究者の処遇、待遇の充実を進めるとともに、その際、民間企業や海外研究機関と比較をして魅力的なものとなるよう留意して進めるといった内容が盛り込まれたところです。
これらを踏まえ、文部科学省においては、例えば、大学における安定した雇用、ポストの確保の、処遇向上に資する基盤的経費の確保、国立大学法人運営費交付金の配分における人事給与マネジメント改革の実施状況の活用、次世代研究者挑戦的研究プログラムや、特別研究員、DCなどの博士後期課程学生への経済的支援の充実強化などの取組を進めており、引き続き、大学における研究者の処遇改善を図るとともに、研究環境の充実に向けて様々な施策を総合的に推進してまいりたいと考えています。
○植村政府参考人 国家公務員の給与についてお答え申し上げます。
今日の民間との厳しい人材獲得競争を踏まえて、人事院は昨年、官民給与の比較を行う民間企業の規模を、従前の五十人以上から百人以上に引き上げるなどの見直しを行いました。これにより、研究職俸給表が適用される職員も含め、一般職の国家公務員全体に対して、例年を大きく上回る俸給や諸手当の改善を行ったところでございます。
このほか、本年の四月には、職務、職責に見合った処遇を一層推進するため、昇格前の級に一定期間在級することを求める在級期間に関する制度というのがございましたが、これを廃止いたしました。これにより、毎年の適正な人事評価に基づき、高い能力、実績のある人材が抜てき、登用をされ、より職務、職責に見合った給与を支給することが可能となってございます。
引き続き、国家公務員への優秀な人材の獲得、リテンションのため、給与面においても必要な取組を進めてまいります。
○土橋委員 御答弁ありがとうございました。
次に、ペロブスカイト太陽電池の研究開発支援拡充についてお伺いいたします。
先日、産総研の再生可能エネルギー研究センターを視察しまして、ペロブスカイト太陽電池の研究開発に取り組む研究チームの皆さんと意見交換をしました。研究現場では、導電ガラス上に均一な膜を形成する量産技術の難しさや、耐用年数向上への取組が続いていました。私自身も昔、日立製作所で、酸化チタンの膜をガラス基板に蒸着するとか、そういったことをやっておりましたので、オタク同士でかなり盛り上がったんですけれども、その中で研究者の方々が話されていたのは、研究開発には予見性が必要であり、単年度予算では長期的な研究計画が立てられないという点で、グリーンイノベーション基金への採択により十年間の安定的な資金援助が受けられることを大変ありがたいと評価されつつ、国には初期事業化への一層の支援を期待したいという声も伺いました。
一方で、日本が技術的に先行してきたペロブスカイト太陽電池の分野では、中国企業が二〇二六年中に量産販売を開始する見通しであるなど、量産化、事業化において国際競争が激化しています。今回の電気事業法改正案においても、建材一体型太陽電池の設計基準整備など、ペロブスカイト太陽電池の社会実装に向けた制度整備が含まれており、技術開発と制度準備を車の両輪として進めていくことが不可欠と考えます。
グリーンイノベーション基金における次世代型太陽電池開発の予算上限は千五十一億円と定められていますが、この国際競争の激化と現場からの声を踏まえると、初期事業化段階への集中投資を含めた研究開発予算の更なる拡充は急務と考えます。日本の国際競争力を守るため、ペロブスカイト太陽電池の初期事業化支援強化策、つまり官公庁が率先してペロブスカイト太陽電池の実証フィールドを展開していくなどのお考えはありますでしょうか。
○赤澤国務大臣 先ほど、ちょっと聞き違えたようなので。
SMRということでなければ、データセンターだと集積型を今GX戦略地域でやっていて、委員御案内の、四月に有望地域を選んだばかりで、夏頃には決まって、やっていこうと思っていますので、その点も応援をよろしくお願いをしたいと思います。
御指摘のとおり、新たな技術の社会実装を進める上で、初期段階から政府が率先して需要を牽引することは極めて重要だと思っています。
経済産業省としては、グリーンイノベーション基金を活用し、自衛隊施設といった政府施設、自治体の公共施設、道路、空港といったインフラ空間での実証や社会実装を積極的に進めるべく、関係省庁と連携を進めているところでございます。
また、自治体や民間企業における初期需要創出についても、環境省と連携をして、導入補助を昨年度から既に開始をしております。
引き続き、官民が一体となって、需要創出をするなど、導入を推進してまいりたいというふうに考えています。
○土橋委員 御答弁ありがとうございます。
これはやはり、開発しても売れないことにはなかなか利益になりませんので、まずはそういった官公庁などで率先して初期ロットを使っていただいて、実験もしていただいて、どんどん広めていっていただければと思います。
これで質問を終わります。ありがとうございました。
○工藤委員長 次回は、来る十九日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後三時三十分散会

