衆議院

メインへスキップ



第15号 令和8年6月19日(金曜日)

会議録本文へ
令和八年六月十九日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 工藤 彰三君

   理事 井原  巧君 理事 小林 史明君

   理事 新谷 正義君 理事 土田  慎君

   理事 中山 展宏君 理事 山岡 達丸君

   理事 東   徹君 理事 鈴木 義弘君

      伊藤信太郎君    伊藤 達也君

      こうらい啓一郎君    小森 卓郎君

      斉木 武志君    鈴木 淳司君

      世耕 弘成君    園崎 弘道君

      永田磨梨奈君    古井 康介君

      細野 豪志君    松下 英樹君

      丸川 珠代君   水野よしひこ君

      武藤 容治君    山際大志郎君

      山田 美樹君    山田 基靖君

      山本 裕三君    落合 貴之君

      河野 義博君    吉田 宣弘君

      阿部  司君    若狹 清史君

      丹野みどり君    牧野 俊一君

      河合 道雄君

    …………………………………

   経済産業大臣       赤澤 亮正君

   経済産業大臣政務官    小森 卓郎君

   政府参考人

   (林野庁森林整備部長)  齋藤 健一君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房脱炭素成長型経済構造移行推進審議官)         伊藤 禎則君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房技術総括・保安審議官)    湯本 啓市君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           河野 太志君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           畑田 浩之君

   政府参考人

   (経済産業省商務情報政策局半導体戦略統括調整官) 西川 和見君

   政府参考人

   (経済産業省電力・ガス取引監視等委員会事務局長) 新川 達也君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁長官) 村瀬 佳史君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            小林 大和君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        和久田 肇君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      久米  孝君

   政府参考人

   (中小企業庁次長)    山本 和徳君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局次長)       中井 淳一君

   政府参考人

   (環境省大臣官房政策立案総括審議官)       飯田 博文君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 成田 浩司君

   経済産業委員会専門員   花島 克臣君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月十九日

 辞任         補欠選任

  古井 康介君     山田 基靖君

同日

 辞任         補欠選任

  山田 基靖君     古井 康介君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 電気事業法の一部を改正する法律案(内閣提出第三六号)


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

工藤委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、電気事業法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、経済産業省大臣官房脱炭素成長型経済構造移行推進審議官伊藤禎則君外十四名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

工藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

工藤委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。吉田宣弘君。

吉田(宣)委員 おはようございます。中道改革連合の吉田でございます。

 本日も質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。赤澤大臣始め経産省の皆様、どうかよろしくお願い申し上げます。

 アメリカとイランの和平暫定合意、これは非常にうれしいお話でございますけれども、今後も国際情勢は目まぐるしく変化するというふうに思っておかなきゃいけないんだろうと思っております。

 今回の中東情勢の緊迫化による教訓というのは非常に重く、私は未来に対して生かしていかなければいけないんだろうというふうに思っております。それには、改めてでございますが、日本が資源がないという国家であるということ、それを、現実をしっかり直視し、そこからスタートし、何についてどこから供給を受けているのかについて正確に把握をし、サプライチェーンが途絶した場合の対応策についてシナリオシミュレーションを行っておくという必要があると考え、四月に赤澤大臣に質問させていただいたところでございます。

 大臣からは、アジア諸国で石油製品を作ってもらって、それを日本が提供を受けているというサプライチェーンが非常に複雑に入り組んででき上がってきていることが今分かってまいりましたので、そういう意味で、まさに、パワー・アジア、総理が提唱した取組も含めて、アジア諸国における備蓄とかあるいは石油製品の確保みたいなこと、これをしっかりやっていって、アジア全体でのサプライチェーンの強化につなげていきたいというふうに考えておりますというふうな御答弁をいただいたところでございます。

 非常に、このパワー・アジアの取組、私は、これからの日本の国家にとってもとても大切だというふうに重く受け止めております。

 そこで、このパワー・アジア、正確にはアジア・エネルギー・資源供給力強靱化パートナーシップというふうなお名前だそうですが、の取組において、経済産業省はどのような役割を果たしていくのかについて、まず答弁をお聞きしたいと思います。

村瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 本年四月に高市総理から発表されたパワー・アジアにおいては、緊急対応として、原油価格が高騰する中で、調達に求められる信用力の不足に直面するASEAN等のアジアの国への金融支援や、より中長期的な視点に立った対応といたしまして、各国の備蓄制度の構築支援を始め、アジア大でのエネルギー供給体制の強靱化に取り組むこととしているところでございます。

 経済産業省といたしましては、サプライチェーンでつながるASEAN等のアジアの国、それからUAE、サウジといった中東などの各国と対話を重ねまして、それぞれのニーズの把握に努めるとともに、パワー・アジアの下での支援の具体化に努めているところでございます。

 例えば、フィリピンとの間では、五月末の首脳会談において、同国の国家備蓄システムの構築等に係る協力を進めることについて合意をいたしましたところ、これを踏まえ、先週も、資源エネルギー庁や、JBICなど政府系金融機関を含む官民の専門家チームを現地に派遣するなど、協力の具体化を進めているところでございます。

 今回の中東情勢を踏まえまして、その教訓を踏まえ、アジア各国では、備蓄の強化など、エネルギー安全保障政策の見直しが進められていくものと考えております。こうした中、オイルショック以降経験を積み重ねてまいりました我が国への期待は大きいと認識しておりまして、経済産業省といたしましても、備蓄分野を始め、JOGMECなどに蓄積された知見なども十分活用しながら、積極的に貢献していきたいと考えてございます。

吉田(宣)委員 ありがとうございます。

 私も事前に少し勉強させていただきましたが、もちろん経済産業省がかなり大きな役割を担うことは今の御答弁でよく分かります。一方で、財務省さんや、また外務省、そういったところも役割を果たすところがありますので、しっかり横連携を図りながら、充実したパワー・アジアの取組を今後行っていっていただければというふうに思います。

 質問を法案にさせていただきます。

 本改正案では、値差収益を国庫納付すること、具体的には、先日の経産委で赤澤大臣から御説明がありました、エネルギー特会に納付することが規定をされています。改正法案の九十九条の八という規定でございますけれども。

 では、改正前の今、どうなっているか。これまでは値差収益はどのように処理されていたのかについて、経産省から答弁いただきたく存じます。

久米政府参考人 お答え申し上げます。

 値差収益とは、卸電力取引所における取引において、例えば、北海道と東京などの供給エリアを越えて、異なる価格の電気が売買されるときに生じる差額収益のことでございます。

 この値差収益について、現在は、地域間での電力の融通を拡大するため、電力広域機関に納付して、大規模な地域間の送電網への貸付けや資金交付に使うこととしてございます。

吉田(宣)委員 ありがとうございます。

 では、今、これまでは電源広域機関に納付をしていたというふうなお話でございますけれども、今回の改正で国庫納付となることになりますが、その趣旨について御説明をいただきたいんですけれども。

 といいますのも、これまでは値差収益はダイレクトに、今申し上げたように電源広域機関に納付されていたものを、一度国庫、エネルギー特会に納付して、更に今度は電源広域機関に補助として給付されるというふうなことでございますが、この一手間置くということにはそれ相応の合理性が必要であると思われるところから質問をさせていただきます。よろしくお願いします。

久米政府参考人 お答え申し上げます。

 委員から御指摘いただきましたとおり、今回の法案では、卸電力取引所における取引において生じる値差収益について、エネルギー対策特別会計に国庫納付する措置を盛り込んでおります。

 値差収益は、電気事業制度の中で構造的に発生するものであることを踏まえまして、電力の安定的な供給等の電気事業の健全な発達に資する取組に充てることが適切と考えております。

 このため、電力広域機関による地域間、地域内送電線等の整備に対する貸付けの財源としてだけではなく、電力の安定的な供給の確保を図るための国の予算事業にも活用することができるよう、国庫に納付することといたしました。

 具体的な使途につきましては、毎年度の資金需要や発生する値差収益を踏まえて決定していくことになりますが、国の予算としてしっかり精査した上で、国会でも御審議をいただき、より高い透明性を確保してまいります。

吉田(宣)委員 次に、大規模電源事業者が大規模発電を休廃止する際に一般送配電事業者等と事前に協議を行うという規定がございます。改正法案の二十七条の二十八の二というふうな条文に記載がされております。

 これの関連ですけれども、素朴な疑問として、大規模発電事業者が大規模発電を休廃止するといった事例はこれまでにあったのかどうか、事実レベルで答弁いただければ結構ですので、よろしくお願いします。

久米政府参考人 お答え申し上げます。

 これまでも、大規模な発電事業者が大規模な発電設備の休廃止、例えば経年の進んだ火力発電所を休廃止するような例があったというふうに認識をしております。

 例えば、経済産業大臣に届出がされたもののうち、二〇二五年度に休廃止した十万キロワット以上の火力電源は合計約九百五十万キロワットでありました。これは火力電源全体の約七%に当たります。

吉田(宣)委員 立法事実はしっかり存在をするということを確認させていただきました。

 次に、仮定の想定で申し上げるのは気が引けますけれども、大規模発電事業者が大規模発電の休廃止を予定したときに、恐らく今改正法に基づいて一般送配電事業者と協議が行われるということに、間違いなくなると思うんですけれども、なりますが、その一般送配電事業者というのは、休廃止等の影響を緩和する若しくは責任を果たすという意味合いにおいて、いろいろな対策を実施しなければいけないと思います。

 そういった中で、この対策の実施について、本改正案に基づいて費用を、電源広域機関の貸付けを利用して行うということは可能なのかについて答弁をお願いします。

久米政府参考人 お答え申し上げます。

 地域内送電線の財政投融資を活用した貸付制度の対象は、一定規模以上の電圧、容量の送電線であって、政策的に重要な案件を想定しております。

 こうした条件に合致する送電網整備であれば、休廃止に伴う整備も対象となり得ると考えております。

吉田(宣)委員 ありがとうございます。

 では、次に、太陽電池発電設備等の安全向上について質問をしたいと思います。

 経済産業省の資料によると、太陽発電設備が風で飛散した例というものが資料の中に載っているんですね。資料をお配りしてもよかったんですけれども、ほとんどお手元に皆様お持ちだろうと思って資料の配付は割愛をしておりますが、突風で架台が持ち上がったりとかパネルが飛散していっているというふうな、そういった例が写真つきで載っております。

 そこで、まず、現時点、この法改正の前の今の時点において、これまで太陽電池発電設備の設置にはどの程度の基準風速が定められているのかについてお尋ねいたします。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 太陽電池発電設備につきましては、電気事業法上の技術基準におきまして、太陽電池モジュールの支持物が風圧荷重、地震荷重といった各種の荷重に対して安定であることを求めております。

 風圧荷重につきましては、建築基準法を参考とした計算式に基づきまして、地点別に設定された基準風速を用いて算出することになっております。

 基準風速ですけれども、その地方における過去の気象データを踏まえまして、三十メーター毎秒から四十六メーター毎秒の範囲内として設定してございます。

吉田(宣)委員 次に、比較の上でちょっとお聞きしたいんですけれども、令和元年の台風十五号のときには、千葉県内で鉄塔が倒れたりとか電柱が相当なぎ倒されたりとか、様々な損壊事故が起きたと記憶しております。

 そこで、台風の教訓もあるところで、電柱について、同じく現在の基準風速について教えていただければと思います。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 電柱につきましては、同様に、十分間平均で風速四十メーター毎秒での風圧荷重や風圧荷重に影響を与える各地の地理的条件などを考慮して、倒壊のおそれがないように安全なものであることを求めてございます。

 なお、御指摘のございました令和元年台風十五号でございますが、こちらでの電柱の損壊事故要因につきましては、その後の分析の結果、大半は倒木ですとか飛来物による二次被害であったというふうに承知しております。

吉田(宣)委員 ありがとうございます。太陽電池設備については三十から四十六という基準があって、電柱については四十ということなんですね。

 私、電柱は真っすぐ立っていますから、風圧といっても、さほど恐らく受けないだろうと。一方で、太陽電池設備といったら、パネルですから面積も広うございまして、風が当たるとそれだけ圧力を受けるというふうなことだと思うところ、電柱が四十メートル毎秒、太陽光は三十から四十六とちょっと幅がありますけれども三十。三十というところについて、私は、少し基準として易し過ぎやしないか、甘いんじゃないかという気がするんですけれども、見解はいかがでしょうか。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘いただきましたように、設定に当たりましては、風を受ける表面積ですとか、そういった特性を考慮したものとなってございます。あと、設置される場所あるいは高さといったことも考慮しておりまして、それらを勘案した形での計算式で設定をしてございます。

 なお、建築基準法を全て参考にしてございますので、基本的な考え方はいずれも一緒というふうに考えております。

吉田(宣)委員 建築基準法が基本であるということ、考え方は一緒だということですけれども、実際に飛んでいっている例というものがあるわけですから、しっかり飛ばないようにしていただきたいというのが私の質問の趣旨でございますから、どうかよろしくお願いしたいと思います。

 それから、次に、同じく経産省から資料をいただいているところですけれども、基礎が露出して浮いている太陽光発電設備であったりとか、盛土が大きく崩壊をしている事例が写真入りで例示をされております。これは、太陽電池発電設備が設置される土地の地質調査というものがちゃんと行われていなかったんじゃないかというふうな気が私はしております、確認はしておりませんが。

 そこで、太陽電池発電設備を設置する際に、設置区域内の地質調査、これはどの程度行われているかについて、答弁をお願いしたく存じます。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 太陽電池発電設備につきましては、電気事業法上の技術基準におきまして、土砂流出又は地盤の崩壊を防止する措置を講じることというのを求めてございます。

 防止措置の前提となります地質調査、御指摘の点でございますが、例えば、現地の地盤調査、それから土砂災害計画区域の情報、地形図などを用いた文献調査を実施するといったことを求めてございます。

 さらに、工事計画の届出などの際には、森林法、盛土規制法、地すべり等防止法といった土地規制関係法令の許可等の取得状況も併せて確認することとしておりまして、これらの他法令で求められている調査も含まれると考えております。

吉田(宣)委員 設置に当たって、構造計算書であったりとか、設計図面であったりとか、それから地質調査の結果というふうなものが非常に重要になってくると私はメンテナンスの上からも思うんですけれども、質問はしませんけれども、ここら辺のいわゆる書類の不備というのが、経産省の資料によると三割ぐらい業者でいらっしゃると。これは私はゆゆしき問題だと思いますので、ちょっと気に留めていただければというふうに思うところでございます。

 では、次に、製品不良、施工不良等の、設置者のみでは原因究明、再発防止等が困難になる場合に、製造、輸入販売事業者、工事業者に必要な協力を求める措置というものが改正法案に盛り込まれております。これが四十条の二でございますけれども、本改正案の背景として、事故の原因究明や再発防止等について、製造、輸入販売事業者、工事業者の協力が私は不可欠だと思いますが、十分な協力が得られない事例が存在をして、その状況が立法事実化しているんだと私は承知をしております。

 しかるに、この点、新設されている改正法案四十条の二項の第一項には、それらの者が協力するように努めなければならないと努力規定にとどまっておりまして、なぜ協力しなければならないと義務規定にしなかったのかについて御説明をいただければと思います。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘ございました規定ですけれども、製造事業者等におきまして、設置者から協力を求められた際に、例えば、製品の生産が終了してから著しく長い期間が経過している、あるいは製品に関連する書類や知見が既に失われている場合など、こういった理由によって協力が困難な場合もあるであろうということで、こういった規定ぶりにしてございます。

 他方、協力がなされない場合には勧告を行い、正当な理由がない場合は協力がなされない旨の公表を行う、あるいは立入検査等に従わない場合に罰則を科すということにしておりまして、こういった取組によって実効性を確保できると考えております。

吉田(宣)委員 様々な時間の経過で、様々、協力したくてもできないような、また、書類がなくなったとか、そういったこともあるという話なんですけれども、しっかりそこら辺のものは保管しておいていただかなければいけないんだろうと僕は思いますよ。もう発電設備がなくなって二十年も三十年もたっているというのであれば分かるんですけれども、動いているわけですから、動いた時点での話でございますから、私はちょっと、設置事業者に対して少し甘いんじゃないかという気もしますが、いずれにせよ、しっかり原因究明に資するような形で実務を取り扱っていただければというふうに思います。

 同じく改正法案の同条の二項は、協力しなかった事業者に経産大臣が勧告できる旨を規定をしております。しかるに、この点、勧告の要件は「協力せず、当該措置の実施に著しく支障を及ぼしていると認めるとき」とされていて、この「著しく」というのは結構やはりこれも甘いんじゃないかという気が私はちょっとするんですが、それはさておき、実施するに当たっては非常に厳格な要件が付されています。

 そこで、この要件たる、事業者が協力をせず、当該措置の実施に著しく支障を及ぼしているとはどのようなことを想定しているのかについて、簡単に御説明いただければと思います。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の「協力せず、当該措置の実施に著しく支障を及ぼしていると認めるとき」でございますけれども、例えば、事故の発生を受けて設置者が事故原因の究明を行っている場合に、製造事業者等が事故に関連する製品に関する技術的な資料や事故品の提供依頼に応じないこと、あるいは、当該電気設備の設置工事を行った事業者が工事の手順書や作業工程の記録の提供依頼に応じないことで、設置者におけます事故原因の究明が極めて困難になる場合などを想定しておりますけれども、個別の事案の状況も踏まえて判断をしていくことと考えております。

吉田(宣)委員 個別の事案においてそれぞれ判断する、これはそのとおりでございます。

 次に、勧告を受けても協力しない事業者は、その旨を公表することができるとされています。同法の三項に規定がございます。この公表には、正当な理由の不存在が要件となっているんですね。少し設置事業者に甘いんじゃないかという気が私はしているんですけれども、それはさておき、ここに規定されている正当な理由なくというのはどのようなことを想定しているかについて、同じく簡単に説明いただければと思います。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど御答弁させていただいたのと同じ考え方に立っておりますけれども、正当な理由としましては、例えば、製造事業者等にあっては、対象となる製品の生産が終了してから著しく長い時間が経過しており、当該製品の同型品の入手が難しい、あるいは、関連する書類、関連情報が失われているといった理由によりまして、設置者に対する情報提供や検査等の協力が困難である場合などを想定してございます。

吉田(宣)委員 ありがとうございました。

 では、次に質問を進めますけれども、先日参考人でお運びいただきました白井康之先生は、今回の改正法案は、事故実態に即して制度を見直して、保安の実効性を高めるというものであります、大きな意義を有するものであると考えておりますと、非常に評価をする御発言をいただきました。私も重要であると思っております。

 そこで、白井先生から、構造安全性に関する太陽電池発電設備の事前確認制度について、太陽発電設備の設置要件が年間に一万件を超えるという実情に関連して、第三者機関の確認を円滑に行うというような工夫が求められているとともに、適切な構造安全性を有する設備に関する民間認証制度とか規格とか、こういうものを活用した標準化などを行って、環境整備を併せて図るということが求められておると思いますというふうな貴重な御意見をいただいたところでございます。

 そこで、この白井先生の御提案にあります民間認証制度やそれに基づく規格というものを私は技術基準として昇華させたらどうかなというふうにちょっと感じているんですね。

 といいますのも、産業製品であれば国内規格はJISということなんでしょうか、また、認証を得ているということは、そのままこのJIS規格に適合しているということですから、安全性の品質をそのまま担保しているということになるんですね。したがって、第三者機関が技術基準の適合性を審査するときに、私は相当程度省力化することができるんじゃないかというふうに思っております。

 そこで、この白井先生の御意見、私の発言に関しては、それはそれでいいんですけれども、まあ捨ておいていただいてもいいんですが、この白井先生の御意見に対する赤澤大臣のお受け止めをお聞かせいただければと思います。

赤澤国務大臣 白井参考人が御指摘されたとおり、今後多数の太陽電池発電設備が新設されることを念頭に、太陽電池発電設備の第三者機関による適合性確認が円滑に進められるようにすることは重要でございます。

 このため、オンラインで確認書類の提出を効率化しつつ、本法案では、経済産業大臣が指定する設備を設置すれば、構造安全性に係る第三者機関の確認を省略できることとしております。

 例えば、JIS規格を満たす設備は、安全な構造を有する設備として経済産業大臣が指定するものとして検討し得ると考えておりまして、法案成立後、制度の詳細を検討してまいりたいというふうに考えております。

吉田(宣)委員 是非このような認証機関や規格というものを最大限活用していただいて、是非とも、効率のいい審査といいますか、適合性確認というものに取り組んでいただきたいと思うんです。

 私は標準化をずっとしつこくやっておりますものですから、今日は大臣にあえて、一問だけですけれども、この標準化に限ってちょっと大臣からお言葉をいただきましたけれども、そのような思いであることも是非思い合わせていただいて、これからも標準化政策をよろしくお願いしたく存じます。

 次に進みますけれども、同じく白井先生は、改正法案においても、製造事業者等に対する製品評価技術基盤機構、NITEによる立入検査の実施が盛り込まれております、しかし、再エネ設備というのは、PCSとか太陽光パネルとか、モジュール型の機器の統合体となっておりますので、独立行政法人であるNITEとか民間の専門機関とか、そういうところの更なる協力を得て、個々の機器に対する行政の分析能力、これを向上させていくことが必要であるとの御意見をいただいたところでございます。

 この白井先生の御意見をお受けして、経済産業省として、行政の分析能力の向上にどのように取り組んでいくのかについて答弁をいただきたく存じます。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のとおり、今回措置をいたします製造事業者等に対する立入検査におきましては、国だけではなく、PCSの事故分析などに専門性を有する製品評価技術基盤機構にも実施できることとしたところでございます。

 あわせて、立入検査の際、国が製造事業者等に対し電気工作物の提出を命じることを可能とするところ、こうした専門機関の知見も活用して、事故品などの分析を進めてまいります。

 このように、高度な専門性を有する機関の力を最大限活用をしまして事故品の技術的分析や原因究明の精度向上を図るとともに、得られました分析結果を蓄積、共有することによりまして、専門機関も含めた行政としての分析能力の向上に取り組んでまいります。

吉田(宣)委員 こういった分析能力の向上というのも非常に重要ではあるんですけれども、やはり技術革新というのは日進月歩でございまして、物すごい勢いで技術も革新をされて、いい技術がどんどんどんどん取り入れられてくるということでございますから、それをしっかり追っかけていくというのは結構大変だと思うんですね。

 でも、そこにやはり果敢に取り組んでいただくことが、国民の皆様の太陽電池設備に対する安心であったり、信頼であったり、そういったものに私はつながっていくんだろうというふうに思いますので、是非ともその点、追っかけて追っかけて追っかけて、経産省は追っかけるのは得意なので、是非そういったところを追っかけていただいて、国民の安心、安全につなげていただければというふうに思います。

 最後の質問になるんですけれども、同じく白井先生は、設置者の保安力の向上とか、ちょっと中略させていただきますが、本法案における措置以外の取組についても重要であるというふうに考えておりますと。少しまた中略させていただきますが、設置者におかれましては、保安力の維持向上に向けた不断の取組を進めていただきたいというふうに期待をしておりますとお述べになられております。

 これまでの事故事案では、設置者に何らかの帰責性がある場合がほとんどではないかと推察いたします。帰責性というのは責任の所在ですね、が帰するべき主体というのは設置事業者というふうな意味合いでございますが、その場合がほとんどだろうというふうに私は思っております。

 そこで、太陽電池発電設備の安全性の確保は、第一義的に設備設置者において果たされなければならない義務であろうというふうに私は思うんですね。

 そこで、経済産業省にお尋ねをしたいんですけれども、経済産業省は、本法案における措置以外の取組、法案以外の取組として、設置者における保安力の維持向上に向けた不断の取組をどのように促していくのかについて御答弁をいただければと思います。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 電気事業法において、保安の義務を負う設備の設置者が、自らの保安力の維持向上に向けまして取組を不断に進めていくことは、御指摘のとおり、極めて重要だと思っております。

 これまでも、法令遵守の徹底に加えまして、事故原因の究明を踏まえた知見や再発防止策の周知、共有、設置者に対する保安講習会の実施や保安の監督を行う電気主任技術者等を対象としましたセミナーの開催、あるいは、表彰制度を通じました従業員への保安教育やスマート保安技術の導入の促進、最新の知見の共有を通じましたサイバーセキュリティーの確保に関する改善指導などを通じまして、設置者の保安力の向上を図ってきているところでございます。

 引き続き、こうした取組を通じて、設置者における保安力の向上を促してまいります。

吉田(宣)委員 御答弁ありがとうございます。

 通告していた質問に関しましては以上で終了となりますけれども、実は聞きたいことは山のようにいっぱいありまして、まだ持ち時間を私はいただいておりますので、通告にないお話になるかもしれませんが、大臣、ちょっとおつき合いいただいてよろしいでしょうか。

 先ほど、大臣の会見、この委員会が開催される前に会見をされておられた風景を、少し聞かせていただきました。本当に大臣の誠実な、マスコミの方に対する対応ということに感銘を受けながらも、適切な言葉で分かりやすくお話をされている、恐らくこれが報道に乗って国民の皆様に届けられると思います。国民の皆様がどれだけそういうふうな大臣の姿勢に心を安心にするようなことができるかということについても、非常にうれしく思ったところなんですけれども。

 実は、質問で、レクのときに役所の人とやり取りをして、そして、質問としては今回はちょっとやめておこうかなと思った質問をちょっとさせていただきます。通告がないものだから、本当に責任あるお話が聞けるかどうかは分かりませんけれども、大臣の優しさにちょっと甘えまして質問させていただきます。

 ホルムズ海峡の安全性がこれから予見されるようになってきたことは非常にうれしいことです。しっかり安全性が確保されたら、これまでどおり、様々なタンカー等々、あの海域を通って日本までやってくると思います、正常化されてくると思います。とすれば、これまで本来入ってくるはずのものであった、とどめ置かれたものというのがこれから入ってくる。

 一方で、あそこが止まっておりましたから、経産省も本当に一生懸命頑張って、あちこちから原油や、またナフサや、そういったものをたくさんたくさん調達してくださって、そして、来年度明けぐらいまでは十分供給できるような量も確保していただいているというふうに。

 これは感謝の思いでいっぱいではありますが、その分と今度新たに正常化して入ってくる分というのが合わさると、今度は逆に供給過剰みたいなことにもなりかねないんじゃないかというふうにちょっと思うんですね。

 それで、供給過剰になったときに、ちゃんとストックして、備蓄をしてみたいなことで調整をしていく必要があるとは思うんですけれども、やはり入ってきちゃうと、それだけ需給バランスが崩れて、いわゆる値崩れを起こして、価格が暴落をして市場が混乱をしてしまうというのが、日本にとって非常に、余りよくないことなんだろうというふうに思うんです。

 そういったことを予測しながらも、国内では国民生活また産業活動というものをしっかり安定的に動かしていっていただくために、やはり何らかのことというのは考えておかなければいけないと思うんですね。

 というふうな話をレクのときにはやっていたんですけれども、ちょっと時期尚早かなと思って割愛をしたところなんです。

 ただ、私としては非常に聞きたかったことでもありますし、せっかくいただいた時間を有効活用するためにも、大臣に、そういったところに関する何かお考えといいますか、御所見といいますか、感想でも結構ですので、お言葉をいただければと思います。

赤澤国務大臣 大変重要な御質問だと思います。

 私自身が、米、イランが思ったより早く合意をするという報道が流れたんですね、漠然とずっと考えていたことではありましたけれども、それ以後は、やはり今おっしゃったことを考えるのがかなり頭の中を占めております。

 短期と中長期に分けてちょっとお話をさせていただくと、まず短期については、全く委員の御心配がやはり私と同じ心配でありまして、七月には元売の皆様の御努力で代替調達が一〇〇%、要は、ホルムズ海峡を来るものがなくても、平年ベースでもう確保できちゃったという状態であります。ただ、中身について言うと、日本だと、大体ターム契約という年単位で先まで契約するものが七割、それ以外が大体三割、スポットと言われる、これはタンカー一隻幾らで買ってくるやつですね、七割、三割という感じになっておりますが、それが今ちょっと逆転するぐらいの雰囲気に、代替調達だと、ターム契約で四割かな、スポットで六割とかいう感じ。そこはちょっといいところで、代替調達を全部ターム契約でやっていると、委員が心配されたふうに、何かあふれちゃうんじゃないかという話なんですが、基本的にはスポットで、七月分は一〇〇%調達は済んでいるという話なので。

 これは、私が頭の中でころころと、精緻にまだやっていませんけれども、民間のタンクが今空いている状況に加えて、場合によっては、国家備蓄のタンクがまた放出をやって空いておりますので、そういうところをうまくちょっと契約関係とかを整理をしてあれすれば、当面、何かこの来ちゃった油はどこに保管するんだみたいな話は、恐らく何とかうまくやっていけるかなという感触を私自身は持っております。

 その上で、中長期的なお話を申し上げると、これはもう言うまでもなく、委員の先生方から何度もある意味教育的指導を受けているのは、一度、七割方までホルムズ依存度が下がったのに、何で元に戻っているんだよという話で、これは私自身も本当にじくじたるものがあって。

 今回、代替調達という意味では、米国からすごく協力的に油が調達できたことが物すごく貢献したわけで、何かしら、やはりホルムズ依存度を下げていくということについては、対策を講じて答えを出さないと、これは野党の先生方も、まあ与野党問わず、先生方も、あと国民の皆様も許してくださらないだろうと思うので、そこをどういうふうにやっていくかについても、ちょっと幾つか具体的なことは考え始めておりますが、まだちょっとお話しできる段階ではないので、よく整理をしてから、何回か後に御質問いただけましたらお答えしたいと思います。

 以上でございます。

吉田(宣)委員 大臣に甘えました。心から感謝申し上げて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

工藤委員長 次に、河野義博君。

河野(義)委員 中道改革連合の河野義博です。

 六月十七日の質問に続きまして、質疑をさせていただきます。

 前回の質問でちょっと尻切れになりましたので、ファイナンス支援に関して、金融支援に関して、改めて伺いたいと思います。

 今回の発電、そして送配電網への金融支援、これまでの検討状況を改めてお示しいただきたいと思います。十七日も伺いましたため、簡潔で結構でございます。

村瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 本法案に盛り込んだ貸付制度につきましては、民間金融を補完し、資金調達が難しい、投資期間が長期かつ大規模な送電線や電源の整備を促進するものでございます。

 例えば、一定規模以上の原子力、洋上風力、それから脱炭素火力などがまさに支援対象となり得ると考えているところでございます。

 以上でございます。

河野(義)委員 済みません、規模要件はいかがでしょうか。

村瀬政府参考人 規模要件につきましては、支援対象とする電源の規模ということで、経済産業省の審議会において議論されたように、経済安全保障法における特定社会基盤事業者の指定基準が五十万キロワット以上の電源を所有することであることも参考に、詳細を検討してまいりたいと考えてございます。

河野(義)委員 ありがとうございます。

 大事な支援措置であるということは前回も申し上げましたし、そもそも、こういうことを始めること自体が画期的なことでありますので、しっかりと効果的に広がっていくことを期待しております。

 次の質問に参ります。

 中長期の電力取引市場が新たに設置をされます。本件に関しても、この設立の具体的な意義、目的、そして制度設計の現時点での想定に関して伺いたいと思います。

久米政府参考人 お答え申し上げます。

 中長期取引市場は、例えば、取引時点の三年後から一年間にわたって電気を供給する取引を行うなど、翌々日以降の一定期間にわたって受け渡される電気を取引するための市場であります。

 中長期取引市場を整備し、中長期の電力取引の活性化を図ることによって、小売業者による中長期での供給力の安定的な調達を促すとともに、発電事業者による電源投資や燃料調達に係る予見可能性の向上に資するものと考えております。

 また、中長期取引市場を一定の流動性のある市場とするために、少なくとも市場開設から当分の間は、保有する電源の最大出力の合計が五百万キロワット以上の事業者を対象に、原則として、電気事業者の販売電力量の一〇%について供出を求めることを検討しております。

 詳細については今後検討していくこととなりますけれども、中長期取引市場の整備を通じて、中長期の電力取引を活性化してまいりたいと考えております。

河野(義)委員 大規模な発電事業者に対して、その一〇%を市場に出すように求めるということでありますが、これは、大臣、スポットマーケットをつくるときも同じことをやりました。

 各電力会社に対して、自分たちが持っている発電容量の一〇%を、先物ではありません、スポット市場です、スポット市場に出しなさいということを言いました。エネ庁側が促して、それに電力会社が応じたんですけれども、そのときの価格は限界費用のみ。設備費が入っていない、燃料代だけで出してくれということでありました。

 当然、電力会社からしたら、そんなことをするメリットは余りないわけでありますが、その後、じゃ、固定費も回収が必要ですねということで、固定価格の市場も後にできた。四年後の固定費を回収するという制度設計ができたんですが、それで十分回収ができているかというと、余りそうではないということも私はよく耳にします。同じような、やはり余りにこれは非対称的なことを小売電気事業者と発電事業者に強いているのではないかと私は若干不安に思うわけであります。

 小売電気事業者からすれば、先物を先渡しで、もう実需がありますので、確定させておけば、その値段以上で売れば、それは必ず利益が出るわけでありまして、小売業者にとっては非常にありがたいことだと思いますが、自分たちの持っている電源の一〇%、先物を出させられるというのは、やや、ややといいますか大分、これは、制度設計上、力業を持って成し遂げたような気が私はいたしますので。

 しかも、買う方は小売電気事業者ですから、売る方は電力会社です。そうすると、売る方としては、買う方のリスクをどうやって見ていくんだという問題もありますので、大変これは難しい制度設計が求められるのではないかなと思います。

 先ほどのファイナンス支援もそうなんですけれども、法律だけ通してくれ、あとは勝手に決めますというのは、やはりちょっと私はよくないと思いますので、これは、ファイナンスの件も、この中長期市場の件も、やはり最終的に決める前にこの委員会に是非報告をしていただきたいと思いますが、委員長、後の理事会で御協議いただけませんでしょうか。

工藤委員長 はい、かしこまりました。理事会にて協議させていただきます。

河野(義)委員 よろしくお願いします。

 次に、太陽光発電に関して伺います。

 本法律案では、安全性の向上が求められまして、規制の強化が図られるわけであります。これもやはり規制と促進のバランスが大事でありますので、特に小規模事業者にとって過度な規制にならないような配慮が必要なんだろうということで、これはお願いしたいというふうに思いますが、今国会、別の法律ですが、太陽光発電事業のリサイクル促進が進められることになっております。

 廃棄太陽光パネル由来のカレットを板ガラスの再生原料に使うガラス循環モデルは、大量廃棄時代に備えた有効な解決策であります。技術的には確立されておりまして、何年か前に各役所に聞いたところ、これはまだ無理ですと言われたんですね。細かくして埋めるしかありませんというような時代だったので、非常に厳しい規定なのかなと思っておりましたら、リサイクルはもう技術的には確立されていて、ガラスを剥がしてリサイクルすれば、わざわざ輸入してきて原料を買う必要がありませんので、非常に経済的にも効果がある、また、脱炭素化にも資する取組ということで、リサイクルをしたい側からも歓迎の意が示されておりました。

 一方で、二〇一二年から始まったFITが二十年たって、三二年頃からどんどん退役が進んでいくわけですが、太陽光パネルは二十年を超えて使えますので、これは、いつ、どのぐらい発生するかが分からないということで、ある程度の見通しを示していただけると設備投資もしやすいのだがという要望をいただきました。

 当局としては発生量をどのように示していくおつもりか、政府参考人、答弁をお願いします。

小林政府参考人 お答えいたします。

 リサイクル事業者の予見可能性を高めていくことは、全国的なリサイクルの処理体制の構築を進め、リサイクルの実施を促す観点から重要でございます。

 本年五月に成立した太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律の施行に向けて、環境省とも連携し、公表データ等を活用しながら、太陽光パネルの排出量予測の精度を高め、その予測結果を公表するといった対応を検討していきたいと考えております。

 さらに、本法律に基づき定める基本方針では、こうした取組も踏まえまして、太陽光パネルのリサイクル量の目標等を設定する予定でございます。

 今後、審議会での議論等を通じて、リサイクル事業者の予見可能性に資するものとなるよう定めてまいりたいと考えております。

河野(義)委員 非常に前向きな答弁、ありがとうございます。

 次に、洋上風力発電事業の環境整備に関して伺います。

 おとといの質問の際に、大臣から、電力の安定供給は国家の生命線なんだと御答弁をいただきました。大変心強く思いました。再生可能エネルギー発電をしっかり導入を進めていくというふうに御答弁をいただきました。加えて、再エネへの需要を喚起して、再エネの評価が適切に評価される事業環境整備を進められるというふうに御答弁をいただいて、大変心強く思った次第であります。

 その事業環境整備に関して私は伺いたいと思います。

 いろいろなことをやっていただいているのは事実であります。大臣のおとといの答弁にもありましたが、発電設備を促進する一つの方策として長期脱炭素電源オークションに触れていただきました。質問しませんので大丈夫です。

 一方、これは、WACC、投資利回りがおよそ四%から六%の中で投資回収をやっていく、リターン四から六%ということであります。かつ、上振れをしたらその利益は九五%戻しなさいという仕組みでありまして、そこまで魅力的かと言われたときに、今、米国債を買えば五パー以上の金利がつく、国内でも社債を買ったら五パーつく企業もある中で、じゃ、長期の人的、資金的な負担を行って十年開発をやって、四%から六%の投資を今やりますかというと、なかなか難しい事業環境になっているということは是非認識を共有させていただきたいと思っています。

 その中でも、様々やっていただいていて感謝するんですが、昨年八月からGX戦略地域制度というのが設けられまして、地域経済の活性化や需要創出に一定の成果が期待されまして、これはすばらしい取組だと思っていますし、これは一回こっきりにせず、来年以降も是非進めてくださいという意見を多く聞きます。

 今後も継続的な募集を行うとともに、電源立地地域の需要家に対する設備投資支援をより一層拡充していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

伊藤政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま委員から御指摘いただきましたとおり、GX二〇四〇ビジョンに基づきまして、脱炭素電力と電源立地地域への産業集積を一体的に進め、地域の裨益を高めることで、新たな脱炭素電力の供給増につなげることが重要と認識してございます。

 こうした考え方の下で、御指摘ありましたGX戦略地域制度は、再生可能エネルギーなどの脱炭素電源等を核として、新たな産業クラスターを創出することを目指してございます。

 具体としまして、産業団地の再エネ供給に不可欠な設備への支援や、また、脱炭素電源地域に立地し、その脱炭素電力を利用するオフテイカー企業の設備投資を支援することとしてございまして、これらを通じ、委員御指摘のとおり、脱炭素電力の活用を促進し、導入が一層進む環境を整備してまいりたいと考えてございます。

 先般有望地域を選定したばかりでございまして、GX戦略地域の認定は今年の夏頃を予定しているところでありまして、また、企業の設備投資支援については、これから公募を行う予定としてございます。幅広い事業者に使っていただけるよう、支援策の詳細設計とともに、しっかりと準備、周知を進めてまいりたいと存じます。

 また、今後につきましては、まずはこの夏のGX戦略地域の選定に向けて適切に選定プロセスを進めていくことが第一と考えてございまして、その上で、後続の制度設計につきましては、その結果も踏まえつつ、必要に応じて検討してまいりたいと存じます。

河野(義)委員 是非、後続の制度もよろしくお願いしたいと思います。

 ちょっと前後して申し訳ありません。これも要望ですので。

 先ほども長期電源オークションの件に触れましたが、募集の枠組みの中で揚水発電と蓄電池が同じカテゴリーになっていまして、どっちが重要かというのはそれぞれ哲学があるかもしれませんが、普通に考えたら揚水発電の方が優先されるのかなと私は個人的に思うんですけれども、蓄電池が多く採択されて揚水発電がなかなか入らないという状況もありますので、この枠組みもしっかり検討していただきたいなと要望をさせていただきまして、幹部の方、皆、うなずいていただきましたので、そういう議事録にしておきたいと思います。

 次に、風力発電も含む再エネの地産地消型、再エネが進まない原因の一つがいわゆるNIMBY問題で、ノット・イン・マイ・バックヤード、総論賛成だけれども、じゃ、うちの近くに来たらどうなんだという議論でやはり進まない再エネというのは多いです。その中で、やはり地産地消、域内で消費すれば、これはインセンティブがあるんだよということをしっかり推進していくべきだと思います。

 大臣、例えば風力発電ですと、やはり音がいたしまして、住民との騒音問題に至るケースなんかもあるんですが、それが、住民と一緒に開発して共生している案件で、住民にもメリットがあるのであれば、風車はごうごうと回るんですけれども、これはドイツに行ったときに聞きました、家の前に風車が建ってうるさくないんですかと聞いたら、いやいや、これはお金のなる木だから、ちゃりんちゃりんと聞こえるんだと言っていました。

 こういう、やはり地域と共生をして再エネを進めていくということが大事で、地域との共生なかりせば、いろいろな問題が起きてしまいます。真面目な事業者はたくさんいますから、こういった人たちをしっかり応援していかなければなりません。地産地消型の電源にとっては、やはり系統負荷が限定的であることから、発電課金の在り方について一定の配慮をすべきではないでしょうか。

新川政府参考人 お答え申し上げます。

 発電側課金制度は、受益と負担の観点から、これまで小売電気事業者が全て負担していた託送料金の費用の一部を発電事業者にも求める制度でございます。

 この制度においては、送配電網の追加増強コストが小さい需要地近傍の電源については、系統に与える影響に応じて課金負担を軽減し、送配電網の効率的利用を促進をしております。

 したがって、需要地近傍に立地するいわゆる地産地消電源の場合には、系統に与える影響に応じて課金負担が軽減される場合があり得ると認識をしております。

河野(義)委員 大変難しい課題なんですけれども、従来からある大きな要望でありますので、これもしっかり前向きにこれから検討していただけたらというふうに思います。

 次に、運転開始前の試運転時の売電収入の在り方に関して伺いたいと思います。

 普通は、運転開始前の試運転時の発電というのは、その発電事業主が売電をして収益を得られるというのがグローバルスタンダードだと思います。アーリージェネレーションクローズというのはどこの契約にもついていて、運転開始前においても事業者が何らかの売電収入を得られるというのが私は多くの国で見られる形態だと思いますが、事業採算そのものの向上だけではなく、また、早期運転開始を促す意味でもすばらしい制度だと私は思っておりますが、この導入に関してはいかがでしょうか。

小林政府参考人 お答えいたします。

 再エネ特別措置法において、調達期間、交付期間の起算点は、再生可能エネルギー発電設備による再生可能エネルギー電気の供給開始のときと規定されておりまして、告示において、この供給開始日を、特定契約に基づき又は市場取引等により認定発電設備が最初に再生可能エネルギー電気の供給を開始した日と定めております。

 委員御指摘の試運転時の有償売電については、こうした我が国の再エネ特措法の法体系に照らして問題がないかといった点に加えまして、今の適正な価格算定への影響等も考慮しつつ、適切な対応を検討してまいりたいと考えております。

河野(義)委員 ゼロ回答かと思いましたら、適切な検討ということでありましたので、よろしくお願いします。

 これは世界標準だと思います。FITが始まるのは商業運転開始時点から二十年でありますので、何もその前段階で環境価値をくれと言っているわけではなくて、発電した分だけお金をもらえればいいわけであります。

 FIT制度開始前のRPS制度のときには、これは当然にできましたが、FITになってできなくなっているという状況でありますので、これは検討を早期に開始をしていただきたいとお願いをしておきます。

 次に、価格基準操作を目的としないことが客観的に確認できる案件、太陽光でいえば、五十キロワットを超えないように細かく分割をしているという事案があったので、厳しく今規制されているんですけれども、風力発電の場合にはそういうことがほぼ起き得ない中で、こうした基準価格操作を目的としないことが客観的に確認できる案件については、変電設備の共有や同一地番での複数認定についても柔軟な運用を検討をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

小林政府参考人 お答えいたします。

 FIT、FIP制度上、変電所の共用や同一地番での複数認定は、本来適用されるはずの保安規制等の回避、電力会社の管理コスト増加や、不必要な電柱、メーター等の設置による社会的な非効率、そして設置場所の使用権原をめぐる紛争といった問題を生じさせることから、現在は認められてございません。

 委員御指摘の点については、今申し上げたこれらの観点や価格算定への影響といった点も踏まえつつ、適切な対応を検討してまいりたいと考えております。

河野(義)委員 やはり、太陽光が増え過ぎた事後規制の影響を受けて風力発電事業が進んでいないという側面は過分にあると思います。ですので、本当にこれは全電源共通の対応でいいのかというのはしっかり見直していただきたいなというふうに考えます。

 次に、法案審査の中で、産業競争力強化法が成立をいたしましたが、その中で、即時償却を行える制度を盛り込みました。ROI一五%、三十五億円の投資であれば即時償却若しくは法人税が返ってくるという取組をしました。私は、これは大変すばらしい取組だと思いますし、初年度に特別償却が取れることによって大企業はリターンを大幅に改善することができますので、投資インセンティブが大きく進むというふうに思っています。

 この産業競争力強化法に基づく制度は、今般の電気事業法改正に関連をいたします送配電網整備や発電事業への投資、この件についてもしっかり適用されるということを確認させていただきたいと思います。

河野政府参考人 お答え申し上げます。

 大胆な投資促進税制でございますけれども、これは、二〇四〇年度二百兆円という官民の国内投資目標の達成に向けて大規模かつ高付加価値な国内投資を促進することを目的としておりまして、御指摘もございましたが、大企業三十五億円、中小企業五億円という投資下限額に加えまして、投資利益率が一五%以上であることを要件として設定してございます。

 本税制につきましては、原則全業種を対象としておりまして、その御指摘いただきましたエネルギー関係の業種につきましても、先ほど申し上げたような本税制の要件に適合する場合には対象となり得るというふうに考えているところでございまして、今後、税制の周知、広報にしっかりと取り組んでまいりたいと考えてございます。

河野(義)委員 よろしくお願いします。

 一つお願いは、やはりROI一五%というのが非常に分かりにくい。投資をする中で、案件投資を考える中で、ROIで考える人というのは余りいないと思うんですね。ですので、これまでのルールの流れであることは承知しておりますが、やはり、IRRに直すとどうなんだということが分かりやすく次回以降説明していただければ、そういう制度にしていただけたらなというふうに、これも要望でございます。

 次に、FIPプレミアム交付金の事後精算につきまして伺います。

 FITからFIP制度に移行は促していくべきですし、そこで多様な電力、売り方を用いることによって国民負担全体を下げていくというのは、これは極めて適切な取組だと思っています。

 一方で、交付金は旧一般電気事業者のエリア需給の実績を基に算定されますが、一年前の参照価格でありますが、事後修正されることが多い。事前データが開示をされていませんので、検証するすべがないという要望をいただいています。

 修正前のデータも含めて、これはOCCTOでしっかり開示していかれてはいかがでしょうか。

小林政府参考人 お答えいたします。

 FIP交付金は基準価格から参照価格を控除した額を基礎に算定される仕組みとなっておりまして、この参照価格を算出する際に、エリア、電源種別電力量という値が用いられております。このエリア、電源種別電力量は、各一般送配電事業者が公表しているものと承知をしております。

 その上で、このエリア、電源種別電力量の値に修正があった場合には、FIP交付金を算定し直し差額の事後精算を行いますので、御指摘の事象はこのことを指しているものと考えますが、こうしたケースも含めて、事業者とのコミュニケーションが丁寧であるべきということはそのとおりだと思います。

 制度の執行に伴う事務負担にも留意する必要はありますが、どのような対応が適切か、検討してまいりたいと考えております。

河野(義)委員 透明性を持って価格を示していくということは非常に大切なことでありますので、よろしくお願いします。

 次に、FIT認定の失効制度に関しまして伺います。

 失効制度は、FIT認定を取っても一向に事業化しない未稼働案件を整理して、限られた系統容量を有効活用し、また、再エネ賦課金による国民負担の抑制を図るための制度で、この制度自体は私は正しい制度だと思っています。

 当初、初期の太陽光の案件が四十円というような規模でありましたので、全国で、容量を押さえて、開発できるかどうかも分かりませんが土地と容量を押さえるという取組が進んでいって、一向に開発が進みませんでしたので、取消し制度を設けて失効させていったというのは、非常に意義があったと思います。

 一方で、風力発電事業というのは開発に非常に時間がかかります。開発期間の長い陸上風力の開発においては、その後の、事後規制であります盛土規制法の追加適用によりまして、開発が大幅に遅れている案件があります。これにより、認定失効期限に間に合わないという現場の切実な声を多く聞きます。

 系統連系着工工事の申込みがなされれば失効期限は延長されますが、そのために必要な林地開発許可に関して、盛土規制法の許可が取れない場合には林地開発が出ないんだというような現場の声を聞きます。

 これらの許可の関係性を林野庁に伺いたいと思います。

齋藤政府参考人 お答え申し上げます。

 森林法に基づく林地開発許可制度は、森林の有する公益的機能を阻害しないよう開発行為の適正化を図る制度であり、許可に際して、災害の防止のほか、水害の防止、水の確保、環境の保全の要件との適合性について確認しています。

 一方、盛土規制法に基づく許可制度は、盛土等による災害から国民の生命身体を守ることを目的に、都道府県等が定める区域内で危険な盛土等を規制する制度であり、許可に際して、盛土の工事が安全基準に適合しているかを確認しています。

 林地開発許可制度と盛土規制法に基づく許可制度は、制度の目的や規制の方法が異なる独立した制度であり、それぞれの制度が適切に運用されるよう、関係機関と連携しつつ対応してまいります。

河野(義)委員 異なる二つの制度だということを確認しました。

 一方で、林地開発許可と盛土規制法対応、別な手続とはいいながら、都道府県では、多くの現場では、同時並行的に進められることを求めています。林地開発許可が取得寸前だったのに、盛土規制法ができましたので、これと併せてやり直さなきゃいけないということで、二年近く待たされる、追加の手続でかかるということはよく聞いています。実態としては、並行で対応せざるを得ないため、全体の手続が遅れています。

 両者は法的にリンクしていないということであれば、国交省とも調整をしていただいて、通知を出して、双方の対応を迅速化させるべきと考えますが、いかがでしょうか。

齋藤政府参考人 お答え申し上げます。

 林地開発許可制度と盛土規制法に基づく許可制度は、御指摘のとおり、それぞれ異なる法目的等に基づく独立した制度ですが、規制対象が共通となる場合においては、全体の手続に遅れが生じることのないようにすることが重要と認識しております。このため、林地開発許可制度の運用通知でも、審査の過程における事業者の負担が最小限となるように配慮を求めているところです。

 引き続き、林野庁としても、林地開発許可制度及び盛土規制法に基づく許可制度の円滑な運用が図られるよう取り組んでまいります。

河野(義)委員 大臣に伺いますが、認定失効制度の猶予に関して、過去の答弁では、運転開始期限までに十分な期間を猶予している、慎重に検討という御答弁でありました。もちろん法律は守らなければなりません。私もそれは同じ思いでございますが、実際に、これは真面目にやっている事業者でも規制対応に時間がかかっている、これは事実です。経産省にも要望は届いておりますし、先般の日経新聞にも大きく書かれていましたが、大量失効時代が来てしまうんじゃないかというおそれもあります。二〇三〇年目標未達のおそれもある中で、これはしっかり受け止めて取り組んでいかなければならないと思いますが、経済産業省として、地域と共生できる陸上風力発電はきちんと前に進めていただくように旗を振っていただきたいというふうに思います。

 規制で立ち止まるのではなくて、洋上風力は海域利用において地元調整で様々な側面支援をやっていただいています、本当に、これは霞が関の官僚が現地に行って漁業者等に頭を下げて、応援してくれているという話を聞いています。陸上風力でも円滑な規制対応に向けて側面支援をお願いしたいと思います。

 当然、空押さえで転売目的のようなものは失効させていいと私は思うんです。しかしながら、長い年月をかけて地元と共生をして、膨大なコストを割いて、人的なコストも割いて、いざ目の前ということでこの盛土規制法の強化によって案件が失効されれば、これは国にとっても大きな損失だと思います。円滑な規制対応に向けて側面支援をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

赤澤国務大臣 地域共生という大前提はもちろんございますが、陸上風力発電を推進していきたいというのが私どもの立場でございます。

 地域共生の観点からも、関係法令がそれぞれの所管省庁においてしっかりと遵守され、運用されることが重要だということは改めて申し上げるまでもございませんで、それら関係法令は自治体が執行の実務を担うものもあると承知をしております。

 関係省庁とも連携をして、関係法令の執行が適切かつ円滑に行われるよう、現場を担う自治体への周知や事業者からの相談対応にもしっかりと取り組みながら、陸上風力発電事業を推進してまいりたいというふうに思います。

河野(義)委員 ありがとうございます。

 大臣、本当に事業者が喜ぶと思いますよ。前段の、陸上風力をしっかり推進していくとの大臣のお言葉をいただいたというのは、本当にみんなの希望であります。

 一方で、制度面に関してはなかなか検討が進まないというのがこれまでの現状であります。先ほど申し上げたとおり、悪い事業者に配慮する必要は全くなくて、むしろ撤退していただいた方が私はいいと思っています。しかしながら、昨今のビジネス環境の悪化もありまして、優良事業者までが退出してしまうと、貴重な国産エネルギーであります風力発電という選択肢自体がもうなくなってしまうんじゃないかというような私は危惧をしています。

 このような状況を踏まえまして、ベストプラクティスを踏まえた地域共生の高度化、また、安全保障も踏まえた産業力の強化、例えば国内サプライチェーンの構築ですとか地域産業の活性化に資するもの、また、そして三つ目として、悪質業者の退出、優良業者への支援を目的とした規制のめり張り、こういった三本柱で陸上風力推進パッケージをつくっていただきたいというふうに思いますが、大臣、いかがでしょうか。

赤澤国務大臣 委員御指摘の三本柱は、いずれも大変重要なものだと思います。

 再エネの導入拡大においては、地域との共生が大前提ということは繰り返し申し上げております。委員御指摘のように、地域共生が適切に図られているベストプラクティス、これは横展開したいと思いますし、地域共生が図られた事業は促進し、不適切な事業には厳格に対応する観点で、関係法令の遵守を徹底し、適正な運用を確保すること、これも委員御指摘のとおりで、関係省庁と連携して、しっかり取り組んでまいりたいと思います。

 風力発電のサプライチェーンを国内に構築することは、電力安定供給に資するとともに、国内関連産業や地域経済への波及効果といった点でも意義が大変大きい。エネルギー安全保障や産業政策の観点からも、しっかり取り組んでまいりたいと思います。

 こうした取組を通じて、関係法令の遵守と適正な運用、地域との共生を前提に、陸上風力発電の導入を推進してまいりたいと思っておりますし、委員が御指摘の三本柱の重要性はしっかり念頭に置いて対応してまいりたいと思います。

河野(義)委員 洋上風力にフォーカスをされまして、そこにやはりリソースが割かれているという状況があったと思います。

 洋上も大切です。しかし、陸上もまだまだやれるところもありますし、もう二十年たってリプレースするところが出てきていますので、風が事業のやはり根本でありまして、風のデータ、実データを持っているということは次の計画も非常に精度が高いものになりますので、リスクも低く見積もることができて、安価に、より安い、安定的に電源が供給できるということも期待されますので、しっかりと陸上風力の応援もやっていただくことをお願い申し上げまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

工藤委員長 次に、山岡達丸君。

山岡委員 山岡達丸です。

 本日も質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 今日は電事法の議論の二回目の質疑になりますが、初めにナフサのことについて大臣に現状の認識を伺いたいと思います。

 ナフサの関連製品、今、米国とイランとの関係が劇的に変わってきていますので、今後、様々な海外からの製品の仕入れという状況は変わってくるということは期待はするところなんですけれども、ただ、現場に届いていないという問題が今この瞬間も含めて続いているということは、私も今週も関係の皆様から話を聞いているところであります。

 政府は、この間、流通の改善に向けて言葉に尽くせぬ努力をしているということは、私も、これだけ長くこの取組を経産省としてされているということになりますと、どなたが中心になってどういう取組をしているかということもかなり細かく聞きますので、顔の見える状況でありますから、なかなか、その努力にも敬意を表しますし、いろいろ物を申すのも心苦しいところもあるんですけれども。

 ただ、やはりその声、特に塗装や自動車板金、その皆様を中心として、さび止めやコーキング材、これが手に入っていないと。塗料については比較的改善してきたというような話もありましたが、それだけじゃないというのも、様々、関連商品がいかに幅広いかということを感じるわけでございます。

 さび止め剤は、黒、赤、白、グレーとそれぞれ種類があるということで、一番人気がないというのか、業界で一番使いにくいとされる白色だったら出せるよということは言われると。ただ、一種類しか使えないと、国交省が公共建築工事標準仕様書等で提示している、さび止めの仕様は二度塗ること、色を変えないとまた塗り残す可能性があるということで、そうした二度塗りの仕様書を前提とすると仕事が完了できないんだ、進められないんだというお話もいただいています。

 問屋にも堂々と言われると。赤やグレー、これは使いやすいものでありますけれども、はっきり、川崎などの工業地帯が買い占めているというようなお話もされたと。黒は建築業界のニーズが高いのでそちらに割り当てているんだ、町場のペンキ屋に売れる、割り当てているものはないんだというようなことをはっきり言われたような、言葉どおり正確なのか分かりませんが、ただ、そうしたことを私も聞かされました。大手メーカーの方は、出荷制限をかけているということも堂々とネットで現状でも掲示しているという状況であります。

 問屋にも偏りがあるということで、コーキング屋の問屋というのがあるということで、私もちょっといろいろ詳しく聞いて勉強させていただいたんですけれども、塗装屋の問屋にはコーキングが入っていないけれども、コーキング屋系の問屋には入っているんだと。じゃ、そこから町場の塗装屋の皆さんは手に入らないんですかと聞くと、取引口座を持っていないから、なかなか別の問屋から手に入れることも難しいというような現実があるということも、その方からもお話を伺いました。

 住宅にも影響していて、この七月から私の地元でもハウスメーカー合同のモデルハウスがオープン予定だったということなんですけれども、十一社の予定が六社しか家を建てられないという状況でこの七月を迎える見込みだということであります。

 大臣、本当にこうした現状を、いろいろ取組をされているのはよく理解しておりますが、今どういう御認識であるか、まず一言いただけますでしょうか。

赤澤国務大臣 大変詳細に現場の状況を今描写をしていただきまして、私どもも、非常に参考になるといいますか、なったところでございます。

 大きな流れとしては、やはりこれは、元々想定していたと言うとあれなんですけれども、全力で対応してきたんですが、なかなか間に合わずに需要家の皆さんに届かないところがあるんですが、やはり建設関係、この関係の塗料、シンナーで、今まさにおっしゃったようなさび止めペイント、そういったところについては、これは、やはり一人親方が多く、声が届かないということがありますし、あと、家について言うと、どこか一か所完成しないと引き渡せず代金がもらえないということで、経営に直結いたしますので、これは本当に大きな問題としてずっと残るなという認識があります。加えて、もう一つあるのは潤滑油で、自動車整備事業と町場の工場ということになります。

 この二つについては、やはりちょっと似たような状況があり、本当に克服に今大変七転八倒しておりまして、引き続き、十分に、供給の偏りや目詰まりの解消、流通の目詰まりの解消は十分にはできていないという認識を持っております、今後とも、今日の委員の御指摘も踏まえながら、しっかり対応してまいりたいと思います。

山岡委員 大臣からの御答弁、ありがとうございます。昨日も経産省の担当部局の皆様とも、もっと詳細な情報はお伝えしていますので、是非いろいろそうしたことも踏まえて対応いただきたいと思っております。

 やはり、今お話にもありましたけれども、仕事が完了できないということでありますから、心配なのは資金繰り、喫緊の課題は資金繰りです。材料が手に入らないので、四月から今に至っても仕事を止めている方もいるという話も聞いております。

 別のケース、これも詳細なケースですけれども、手元の資金について、税務署の予定納税が七月に行われるのも、これも今後の資材の調達のために今から先払いで発注をかけておかないと手に入らないので、そっちに使うんだ、だから納税は滞納して延滞金を払う覚悟もあるんだというようなお話も聞かされました。

 税金は当然去年の売上げで決まりますから、基本的には利益の範囲で納税できる範囲になるはずなんですけれども、言うなれば、納税分も現状の資材確保のお金に入れているというのは、運転資金が回っていない、手元にたまたまあるからそれは使っているわけでありますけれども、納税分というのを考えたときにはそういう状況だということであります。

 私は五月二十九日の質疑でも申し上げて、この政府の資金繰りの対応を深掘りしてやっていただきたいと。今、そうしたことの中でいろいろな御協議をいただいて、七月からは、民間金融機関の融資に対しては、債務保証、信用保証協会のメニューを増やしていくということも進めていただいているということは聞いておりますが、ただ、仕事はあっても売上げができない、仕事さえ完了すれば支払える、雇っている人の賃金も払うことができるという中で、この状況がやはり事業者の責任だと私は思えないというのを強く感じています。

 やはり金利、今金利が上がってきて三%前後になってきて、このセーフティー貸付けは〇・四%の優遇ですが、コロナ当時は一%ぐらいの金利でしたからこの〇・四%のインパクトは大きかったし、更に深掘りしてそれ以上の、最終的にはゼロゼロ融資ということになっているわけでありますけれども、この三%前後の金利に対して〇・四%のインパクトは非常に小さくなっている。やはり、これをもっと深掘りしていただきたい。このことを御答弁いただけますか。

赤澤国務大臣 先ほどの質問に関連して若干事実関係を述べさせていただくと、原油、石油製品全体として量は足りているが供給の偏りと流通の目詰まりがある中で、委員御指摘のさび止めペイントについては、四月の生産量は前年比一一九%でありまして、国内向けの供給はやはり維持をできているんです。

 その上で、やはり供給の偏り、流通の目詰まりが起きるので、さび止めペイントの原料であるトルエン等、これは例の一・八倍の供給拡大の中に含まれるものです、これにより玉がきちっと出ていくことや、それによって需給逼迫による価格上昇分について一定の引下げ効果を期待していきたいと思っています。

 資金繰りについても、委員はいろいろ、特別相談窓口、セーフティーネット貸付けの金利引下げ、コスト上昇を考慮した価格転嫁要請といったことはもう御案内ですし、総理からお話をしたセーフティーネット保証五号、これに中東情勢の影響を七月一日から追加指定し、事前相談を受けていることもお話ししてきました。

 その上で、日本政策金融公庫のセーフティーネット貸付けによる更なる金利の引下げ、これはおっしゃる趣旨はよく理解をいたします。資金繰りの状況や業況判断の動向を踏まえ、総合的に判断していくものでありまして、繰り返しになりますけれども、今後の対応については、中東情勢が中小企業、小規模事業者の皆様、特に委員御指摘の建設関係に与える影響をよく注視して、事業継続できる環境を整えるために万全を期してまいりたいということを現時点においては申し上げておきたいと思います。

山岡委員 今の内容だと、前回の答弁よりもそれなりに踏み込んでいるというふうには思っております。

 大臣に、一一九%のお話がありましたが、なぜ私が最初のときに、四種類のさび止めの種類があってというふうに詳細をお伝えして、二度塗りが必要で、なかなか、白が、使いにくいものだけ出てくるんだけれどもというお話をさせていただいたかというと、総量の一一九%では測れない現場の実態があるということも、これはやはりよく注視していかなきゃいけないと思うんですね。二度塗りも必要だというのも国交省の仕様だということであります。

 ですので、もちろん政府の立場としての答弁があるのはよく承知していますが、是非、総量の数字だけじゃない、現場の状況をよく分析した対応をしていただいて、そこに必要なものが届くという措置を経産省の皆様で引き続き取り組んでいただきたい、このことを強く申し上げさせていただきたいと思います。

 電気事業法の改正議論の話に入らせていただきます。

 本日は、私の立場からも、再生可能エネルギーを中心に質疑をさせていただきます。

 自然由来の再生可能エネルギーですが、古くは、帆を上げて海を進む船も風力エネルギーを使っていますし、水車による粉ひきとか農業用水のくみ上げも水力のエネルギーでありますから、そうしたエネルギーというのは過去から使っていたわけでありますけれども、しかし、この時代は、環境のためというよりは、人類が利用できる唯一のエネルギーであったという状況でもありました。

 産業革命以降、石炭や石油など、高密度の便利な化石燃料が登場すると、圧倒的な利便性で、効率もよく、全世界に普及していくわけでありますけれども、ただ、様々な課題、問題を引き起こし、一九九七年の京都議定書などの気候変動問題等のそうした議論の中で、改めて再エネの普及を目指していこうというような流れができ始めるわけでありますが、国内では、二〇一〇年代にFIT制度が整備されたことが非常に大きく、量産体制が整って、大きな普及に至っているわけであります。日本でも今、主力電源という位置づけであります。

 ただ、非常に重要な電源、エネルギーなんですけれども、私は、北海道ということもあって、様々、住民とのトラブル、設置場所のトラブルというのに直接向き合ってきた者として、やはり住民トラブル、設置場所、このことの課題を解決していかなければならないということ。そしてもう一つは、発電装置の製造が今太陽光はほぼほぼ海外である、やはり産業政策上の課題。

 よい形で再エネの潜在力のある地域に再エネ電源が普及して、やはりみんながそうした環境に配慮された恒久なすばらしい電源が使えるということはいいことなんですけれども、悪い形で無理やり、地域の意向を無視した形で再エネ電源の設置が進むようなことにはなってはならないと思いますし、願わくば国の産業として、国内生産、これをしっかりしながら進めていく、そうしたものにしていかなければならないと思っています。

 個別の電源について、地熱について伺いたいと思います。

 従来型の地熱発電は、地下深く、千五百メートル以上でありますけれども、マグマの熱エネルギー、おおむね百五十度を超えるような高温高圧の蒸気とか熱水がたまっている地熱貯留層から蒸気や熱水を直接取り出して発電をする。この地熱発電が、今次世代型の地熱発電というのが登場しつつあって、全く違うアプローチで電源を、電気を作っていこうというものになっています。

 昨年の八月、私はドイツのゲーレッツリートで、そうした次世代の地熱発電の実証の現場に行かせていただきました。今理事でいらっしゃる東先生、当時の理事メンバーを中心に直接見てきて、そこではクローズドループという手法で行われていて、このほか次世代には幾つかの類型の方法があるわけでありますけれども、私が見させていただいたのはクローズドループということで、特徴で大変驚いたのは、従来の地熱発電と違って、地中にある熱水とか蒸気を一切必要としない、純粋な地熱だけを利用する、そうした仕組みでありました。

 今日、経産省、資源エネルギー庁にお越しいただいていますけれども、日本でも、このドイツで行われている次世代の地熱発電を含めて、これから国内で実証事業を本格的に更に進めていこうということであろうと思いますけれども、この次世代の地熱発電、様々な類型がありますが、特に地中にある蒸気や熱水との関係において、この特徴も踏まえて今御説明いただけますでしょうか。

和久田政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、従来型の地熱発電技術は自然由来の熱水を活用して発電する技術であるのに対しまして、次世代の次世代型地熱発電技術はマグマ由来の地中の高温熱源を活用して発電を可能とする技術でございます。

 そのうち、委員の御指摘のクローズドループでございますけれども、掘削した井戸で地中にループを構築いたしまして、そこに流体を循環させて熱を取り出し発電を行うため、温泉資源に影響を与えずに我が国の地熱ポテンシャルを更に拡大することが可能となると考えてございます。

山岡委員 温泉資源に影響を与えずにということが可能となるというお話をいただきました。

 このクローズドループ地熱発電の類型で、同軸二重管方式、真っすぐ下に入れていくということは、例えば水脈がその地域に広がっていたとしても、真っすぐ入れますから、そうしたことにも特に影響しない、全くそういう形で運用できることを期待できるということも聞いております。

 日本は山国でありますので、元々地熱発電の潜在力が高いとされていますが、特に火山性の山に囲まれている場所は地熱としても非常に潜在力があるんですけれども、ただ、古くからは温泉地域として発展してきたという歴史もあるわけであります。

 これまで地熱は、地中にある熱水とか蒸気を直接利用するという形態であったがゆえに、元々業として温泉旅館を経営している方々にしてみれば、少しでも自分たちのお湯に影響があるということであれば、これはやはり大きな警戒感を抱かざるを得ませんし、少なくとも、私の地元にある温泉地域は、基本的には拒否をする、そういう姿勢でもありました。

 もちろん、従来型のものも、これまでの御努力の中で、温泉とは競合しない形で深さが全く違うところを使うということであったり、使った熱湯はもう一度同じ貯留層に戻すとか、そうした工夫をされてきたところでありますけれども、ただ、この次世代の地熱発電は、そもそもそうした心配をする必要もないという形になる、それが期待できる技術だというふうに今のお話も踏まえて理解するところであります。

 更に経済産業省、資源エネルギー庁に伺いますけれども、この次世代地熱発電の特性、温泉地域の活用の可能性について、これは理解促進を図っていく必要があるんじゃないでしょうか。御答弁をいただけますか。

和久田政府参考人 お答え申し上げます。

 次世代型地熱のうち、委員御指摘の同軸二重管も含めて、クローズドループにつきましては、自然由来の熱水がなくても開発を可能とする技術でございまして、従来型地熱の開発が難しかった温泉地域における活用が期待されるところでございます。こういった従来型、次世代型の技術の違いを地元住民の方々や温泉事業者の方々に適切に御理解いただいた上で事業を進めていくことが重要と考えてございます。

 経済産業省といたしましては、地域の経済産業局に地熱開発専門官を配置したり、それから、JOGMECに専門家がございますので、こういった専門家の地域への派遣などを通じまして、次世代型地熱を地域に適切に御理解いただけるよう進めてまいりたいと考えてございます。

山岡委員 是非、これはしっかりと理解促進を図っていただきたいという思いであります。

 今日は環境省さんにもお越しいただいております。温泉などを所管するのが環境省でもあるというふうに聞いております。地熱に対して、これまで温泉地域は様々な懸念があったわけでありますけれども、その懸念を正面から払拭できるこの次世代の地熱発電、これらの地熱発電の普及について、環境省としてはどういうお立場でしょうか。御答弁いただけますか。

成田政府参考人 お答え申し上げます。

 地熱発電は、安定的に発電可能であると同時に、地域資源の有効活用、地域活性化につながるものであると認識いたしております。このため、環境省といたしましても、自然環境の保全や地域との共生を図りながら着実に進めていくことが重要と考えているところでございます。

 こういった認識の下、環境省では、資源エネルギー庁と連携いたしまして地熱開発の加速化パッケージを取りまとめるとともに、次世代型地熱技術の事業化に向けた官民協議会にも参画しているところでございます。

 引き続き、関係省庁や関係機関と連携しながら、次世代型地熱発電を含め、地域と共生した地熱発電の導入に取り組んでまいる所存でございます。

山岡委員 御答弁ありがとうございます。

 資源エネルギー庁と環境省と、そうしたこれまでの課題が乗り越えられる次世代の地熱だということで、是非大きく理解を促進しながら推進をしていただきたい、このことを強く申し上げます。

 改めて資源エネルギー庁に伺いますが、私の政治活動のエリアは北海道の胆振と日高というところなんですけれども、このうち西側の胆振、西胆振は特に、登別温泉、カルルス温泉、洞爺湖温泉、北湯沢温泉、蟠渓温泉、虎杖浜温泉と、これらを中心に世界的にも注目されるような温泉の集積地域でもあります。

 もちろん、地中の熱水と蒸気を必要としないことを大前提にしながらでありますけれども、この次世代地熱発電の北海道、特に西胆振地域の潜在力、可能性、このことについて、どのように分析をされているか答弁いただけますか。

和久田政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の北海道の西胆振地域でございますけれども、多数の温泉地域を有する地域でございまして、一定の地熱ポテンシャルがあるというふうに考えてございます。その上で、次世代型地熱は熱水を必要としないため、温泉地域である西胆振地域での活用も想定されるところでございます。

 一般的には、次世代型を含めた地熱発電の開発につきましては、具体的な地点での熱源の掘削調査、それから温泉地域の理解、そういった課題に対応していく必要があると考えてございます。

 経済産業省といたしましては、事業者主体の調査への支援、それから地元との調整を支援していきまして、西胆振地域を含めて次世代型地熱に取り組む事業者が出てくることを期待しているところでございます。

山岡委員 大臣に伺わせていただきたいと思います。

 この地熱発電と温泉地域の関係は、これまで、大臣は御承知のとおりだと思いますが、非常に難しい関係であったというところでもございます。しかし、この次世代型の地熱発電は、そうした地域、地元の温泉に影響を与えない形で再生可能エネルギーとして活用することができる、そのことに道を開くことが期待できると思っています。

 潜在力の高い温泉地域、これは日本は山国だということで各地あるわけでありますけれども、こうした次世代の地熱発電が実現して温泉地域と両立するということになりますと、日本の地熱活用という意味で、本当に大きな意義があるものなんじゃないかということを思うわけでありますが、是非、この推進も含めて、大臣、お考えをお聞かせいただけますでしょうか。

赤澤国務大臣 次世代型地熱技術は、委員御指摘のとおり、掘削技術の発達により、温泉のような自然由来の熱水がなくても、マグマ由来の地中の高温熱源のみで開発を可能とする技術でございます。

 このため、これもずっと今議論されていますが、温泉への影響を考慮する必要がなく、米国とインドネシアに次ぐ世界第三位の地熱ポテンシャルを飛躍的に拡大できる可能性があるということだと思います。

 二〇三〇年代早期の実用化に向けて、グリーンイノベーション基金を活用した国内実証への支援を通じて、官民一体で推進してまいりたいというふうに考えております。

山岡委員 是非、そうした地熱の潜在力を生かした発電というのを地域の理解の中で進めていくということを進めていただきたいと思っております。

 私は、温泉地域で次世代の地熱発電の実証試験が日本でも行われるんだとすれば、これは今お話にもありましたけれども、やはり難しい地域で、そうした地域の温泉に影響を与えない形で進められるということは、世界的にも大きな注目をいただける、そういうことになるんだろうと思っています。

 例えば、温泉旅館でありますから、日頃観光客の皆様もいらっしゃるわけでありますけれども、次世代地熱の実証のための視察団の皆様も、どういうふうにやっているのかを見た後に、まさにその地域の温泉旅館に泊まるという、そうした新しい観光スポットというようなことにもなるんじゃないかということを思っております。

 そういう意味で、非常に大きな期待を寄せられるものだと思っておりますので、是非、資源エネルギー庁、環境省を中心に、そうした取組をどんどん進めていただきたい、このことを申し上げさせていただきたいと思います。

 せっかくなので、今日環境省さんがいらっしゃっているので、少し、温泉地域の課題ということで、ここで要望もさせていただきたいので、御答弁いただければと思いますが、登別温泉地域では、昨年の秋、一週間に一度、それぐらいの頻度で、線状降水帯も含む集中豪雨に見舞われました。いわゆる湯の元となる場所が土砂災害に見舞われて、湯元が埋まる、埋まりかける、そういうような被害も出ているという状況であります。元々そうした自然の豊かな場所なので、そうした災害というのはこれまでも繰り返されてきたんですけれども、過去にないほどの被害が出たという状況でありました。

 登別温泉は、環境省の自然公園法に基づく国立公園における特別保護地区になっている、そういう場所でもあります。特別保護地区というのは、自然のままを維持するということが大前提なので、極論を言えば、落ちている落ち葉一つ拾ってはいけない、それぐらい、そのままにしてくださいと言われるような厳しい規制があるというふうに言われています。

 ただ、さはさりながら、災害に見舞われたときは、自然公園法の例外措置として、しゅんせつをしてもよいという規定であったり、また、過去にも繰り返してきたということで、なるべく目立たない木製による応急の防護壁ということになりますが、その設置はこれまでも認めてきていただいていますが、先日の災害は、それを乗り越えて更に土砂が降ってきたという状況でもありました。

 特別保護地域は、そこの地域だけじゃなくて、もっと広くあるわけでありますけれども、その湯元については、やはりそこだけは、埋まってしまって、もし温泉が止まってしまうと、その地域全体の業が止まってしまう、もう仕事ができなくなる、そして、温泉だけじゃない、関係業者もたくさんいますので、やはり抜本的な災害防止の措置をしたいというのが地域の温泉組合の切なる願いであります。

 やはり、自然をそのままにという特別保護地区の自然公園法の理念もよく理解するところでありますし、自然の中にある温泉だからこそ多くの皆様に魅力があるのも、これもよく分かっているのでありますけれども、そこの場所の防災については、やはり温泉関係者が心配をしなくてもいいような対策を進めることをこれは認めていただきたい、その思いでありますが、御答弁いただけますか。

成田政府参考人 お答え申し上げます。

 国立公園では、最も規制が厳しい特別保護地区から、比較的大規模な行為のみを規制の対象とする普通地域まで、風景の質に応じてゾーニングを行うとともに、ゾーニングごとに強度の異なる規制を行うことによって自然の風景地の保護を図っているところでございます。また、国立公園の指定やゾーニングは、地域の皆様の理解を得ながら行っているところでございます。

 国立公園の景観の核心とも言える特別保護地区やそれに準ずる第一種特別地域におきましては、風致景観を厳重に維持する必要があるため、工作物の新築、土地の形状変更などの行為は原則として禁止されておりますが、災害復旧など公益性の高い行為につきましては、委員御指摘のように、風致景観との調和を図った上で許可の対象としているところでございます。

 また、非常災害の発生に伴い必要となる応急措置は、事前の許可によらずに実施可能でございます。着手後十四日以内の事後届出でよいことといたしております。

 御指摘ございました登別温泉につきましては、その災害復旧につきましても、こうした制度に基づく許可申請や届出を行っていただきまして、既にその手続は完了しており、関係機関によって工事が進められているところでございます。これらの工事には、応急措置的なものだけではなく、本格的な復旧工事や次の災害に備えたものも含まれております。

 また、委員御指摘のように、登別温泉は非常に地域にとって重要な観光地でございますから、その重要性に鑑みまして、私自身、四月下旬に、登別温泉の先生がおっしゃる湯元を含め、地獄谷ほか複数の箇所の災害復旧の現場を見てまいりまして、許認可の状況、それから工事の状況、そういったものを確認したところでございます。

 こういったところで、今申し上げましたように、関係機関によって工事が進められている、こういったところを御答弁申し上げたところでございます。

 環境省といたしましても、自然災害への対応の重要性は認識しておりまして、その緊急性や現地の状況等を勘案して、許可申請や届出があった場合には迅速に判断し、対応できるよう努めているところでございます。

 今後とも、地域に寄り添い、これらの適正な運用に努めてまいる所存でございます。

山岡委員 昨年の災害発生以降、私もやり取りをさせていただいて、現地にも行っていただいて心を寄せていただいていること、今の御答弁からも、本当に心から感謝を申し上げます。自然を守る、自然の中で、本当にその恵みで業をしているということも事実でありますが、他方で、そうした災害に対する様々な対応措置というのも、是非大いなる知恵を出していただいて、また、地域に今のお話にもありましたように寄り添っていただいて、対応していただきたいということを改めて申し上げさせていただきます。

 メガソーラーの話に、これから質疑を移らせていただきたいと思います。

 地方のメガソーラー設置に対する反対運動も、私は国会で幾度となく取り上げてまいりました。北海道では、釧路地域を中心にした反対が報道などを通じても一番よく伝えられているところでありますが、今お話がありました登別温泉地域でも、森を切り崩してソーラーが造られるということに対する反対であったり、お隣の白老という地域であっても同様の、自然豊かな場所でのそうした、地域住民のほとんど知らないところで進んでいくメガソーラーに対する反対ということで、山を切り崩し景観を損ねる、暮らしの安全にも不安を与えるというような話、様々な、皆様に私も直接お会いして、お話を聞いてきたところでもありました。

 このさなかに、地上設置型の事業用太陽光発電、メガソーラーに対する新規のFIT、FIP、固定価格買取り制度の支援は二〇二七年度以降対象外にする、終了するという方針が示されたところでもあります。

 この方針の意味するところを聞きますが、これは各地のメガソーラーの反対運動等を踏まえた措置なのか、それとも、支援をしなくてももう設置は進むという考えに基づく終了なのか、そのお考え、どちらなのかを含めて伺えますか。

小林政府参考人 お答えいたします。

 経済産業省としては、再エネに関する技術の進展や再エネ賦課金による支援の必要性について、調達価格等算定委員会において検討を行ってまいりました。

 この中で、本年二月、地上設置事業用太陽光については、FIT制度開始から現在にかけて技術革新等による着実なコスト低減が実現され、FIT、FIP制度からの自立の時期が到来しつつあるということが確認されました。このことを踏まえて、二〇二七年度以降は支援の対象外とする旨の方針を決定した次第でございます。

山岡委員 最近の価格はもう八円から九円ということで、導入当初の四十円以上ということが大きな話題になりましたけれども、その頃に比べればかなり小さい額になっていますので、それだけ設備導入のコストもかからなくなってきているということもあるんだろうと思っていますが、独立した電源としてやっていく状況にあるんだということも、最後、御答弁をいただきました。

 ここからは大臣に伺いますけれども、FITの対象にしない、固定価格買取り制度の支援の対象にしないということは、その分、国民負担も少なくなるということでありますから、それはそれで一つ大事な視点なのだと思いますが、しかし、同時に、再エネ特措法に基づく規律もかからなくなるということになるんだろうと思っています。

 具体的には、再エネ特措法は、このFIT支援を受けるために、地域住民への説明会、そうしたことも規定されて、理解を得る義務もかかってくるわけであります。手続が果たされなければ認定をされない、認定された後も、法令違反があることが分かればFITの支援を凍結するということが法律上可能になっていたという状況であります。支援を受けなくなるということは、そうしたペナルティー的な措置を規律に用いることができなくなるということになります。

 FIT支援がなくても何で自立した電源で成り立つかといえば、やはり昨今は、再エネを高い値段を出してでも買い取るという、SDGsを標榜する大手企業が外資の大資本も含めて存在している。そうしたところが、再エネを使っているということを標榜するために高値でも買い取ろうという動きは、これはもっともっと増えてくると思いますが、しかし、蓋を開けてみたら、SDGsの使っている再エネ、自然に優しい会社ですと言いながら、その地元の設置地域は大反対、受け入れられていないような、そうした再エネが増えてしまう、こうしたことは私はあってはならないと思っております。

 大臣に伺いたいんですけれども、FITの適用がなくても、例えば地域住民への説明、合意形成、その義務化も含めて、あるいは設置後の、私は規律も重要だと思っていますが、この規律が保てるような新たな制度措置、これはしっかりつくっていくべきだと思いますが、大臣、御答弁いただけますか。

赤澤国務大臣 FIT、FIPの支援によらない事業においても、地域との共生が大前提でございます。

 再エネ発電事業については、自然環境、安全性、景観の観点から、森林法や景観法といった関係法令で、現時点でも適切に規制がなされているものと承知をしております。

 経済産業省として、従前より、関係法令違反が疑われる事業に関する通報窓口を設置をし、通報を端緒とした現地調査を実施をしております。

 さらに、昨年十二月に策定したメガソーラー対策パッケージに基づき、今年度から新たにFIT、FIPの支援によらない事業も対象とし、取組を強化しているところでございます。

 引き続き、関係省庁と連携し、適切な役割分担の下で、地域との共生と適正な事業規律の確保に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

山岡委員 御答弁いただきましたが、やはり一つ大きな資金的な支援の部分というのは、これは大きなグリップを握る規律に利いていたと思います。いろいろなガイドラインを作ってそのメニューを増やしていくんだというお話も、これはこれで大事なことでありますが、やはり規律がFIT支援をもらうよりは弱まるというのは、これは紛れもない事実だと思います。この議論は今後もさせていただきますが、是非真剣に考えるべきことだということで、今改めて重ねて申し上げたいと思います。

 次に、太陽光パネル、この産業政策という観点でも伺いたいと思います。

 今、メガソーラーがいろいろな問題になっているということが、地域の反対もある中でもトラブルがあったということをお伝えさせていただく中で、メガソーラーに使われる事業用太陽光パネルもほぼ海外製だということも、政治の中でもよく議題に上がります。

 もっと言えば、中国メーカーがコスト面で圧倒しているということで、つまりは、再エネ賦課金をいただいて、国民の皆様の負担の下で固定価格買取り制度、FITの支援をしているわけでありますが、国内に導入をされるメガソーラーは、その製造に係るお金はほぼ中国の企業に入っていくということが問題にされて、議論もされてきたところであります。

 ただ、ここについて、次世代の太陽光発電設備のペロブスカイトの太陽電池には非常に大きな期待がかかっているわけであります、日本が中国からシェアを奪い返せるんじゃないかと。技術的にも日本は進んでいる、必要となる素材のヨウ素も日本は産出量が世界第二位ということで、そうした、いろいろな意味で優位性があるということにもなっています。

 まず、この製造の部分について、ペロブスカイトの国内量産体制の構築、現状どのようになっているか、御説明いただけますか。

小林政府参考人 お答えいたします。

 ペロブスカイト太陽電池は、原材料のヨウ素を含めてサプライチェーンの自律性も高く、安定して供給を確保できることから、国産エネルギーの中でも特に重要でございます。

 現状としては、国内企業が昨年度より事業化を開始しており、本格的な量産に向け、二〇三〇年までの早期にギガワット級の生産体制を構築するべく、大規模投資を進めているところでございます。

 これに加えて、二〇三〇年までに大規模な量産構想を有する他の民間企業三社に対しても研究開発支援を昨年より進めております。

 引き続き、生産体制の強化に向けて、一層の加速をしてまいりたいと考えております。

山岡委員 済みません、短くちょっと更問いにお答えいただきたいんですけれども、生産体制をつくるといっても、最近は、一から工場を造るんじゃなくて、工場の空き地を居抜きで使ってやるという話、私の身近なところでもそういう話もあるものですけれども、そうしたことに対しても支援は行き届くということでいいんでしょうか。伺えますか。

小林政府参考人 お答えいたします。

 今、ペロブスカイト太陽電池の量産体制構築には、サプライチェーン構築支援事業により設備投資補助を行っておりますけれども、御指摘のいわゆる居抜きの場合であっても、公募要領上、支援の対象としているところでございます。

山岡委員 今、建設費の高騰で、工場を一から造るというのも非常に大変な中で、今まで造られた工場がペロブスカイトの製造拠点になるということ、こうしたことも今支援の対象になるということでありましたので、いろいろな形で製造拠点を国内でつくっていくという措置は是非進めていただきたいと思います。

 そこで、伺いたいところなんですけれども、ペロブスカイト、これまでのメガソーラーの歴史の中で、日本が本当にこれから世界に打っていけるんじゃないかというような大きな期待がかかっているのはよく承知しているんですけれども、ただ、他方で、当然、中国も含めて他国も非常に研究を進めているということであります。

 こんなことを言ってはなんなんですけれども、もし仮にこのペロブスカイトでも日本がいわゆるシェア争いで負けるということになれば、日本にペロブスカイトが普及した後、また国民の皆様から、FIT制度に基づく支援をこれからどうしていくのかというのは、ペロブスカイトはこれからの議論でありますが、ただ、今までの議論に乗せていけば、日本国民の負担による再エネ賦課金で海外メーカー製のものを国内にどんどん導入していくという構図は変わらないという状況になってしまいます。

 今、国内の議論、これまで、経済産業省の国内投資の議論であったりあるいは経済安全保障の様々な議論が、ここ数年は非常にこの中でも闊達に行われているところでありますけれども、私は、次世代の太陽光電池となるペロブスカイト、これは、今まさに申し上げました経済安全保障の観点を導入した、製造のみならず、地域の導入支援制度もつくっていくべきだと思います。

 大臣に最後伺いたいと思っております。

 例えば、この数年の議論では、EVであったり半導体など、そうしたものの国内生産を進めるために、国内投資をして、その後、生産したものに対して税額控除を行うという戦略分野国内生産促進税制なども制定されて、まあ別に日本のメーカーに限らないんですが、海外の資本でも入ってきて、国内で生産して投資したら優遇をしていくという制度がありました。

 FIT制度においても、無差別に支援するのではなくて、国内投資、国内製造されているペロブスカイト太陽光電池について経済安全保障の観点からFITの支援を手厚くしていく、今の時代に合った制度設計が必要だと思いますが、大臣、御答弁いただけますか。

赤澤国務大臣 ペロブスカイト太陽電池の国内供給体制を強化していくためには、需要の創出と一体的な取組が必要だと思っています。

 まず、二〇三〇年までの早期にギガワット級の生産体制を構築する方針で、五年間で三千億円規模の大規模投資が既に開始されており、経済産業省としても支援を実施をしております。

 さらに、需要創出については、例えば自衛隊基地で実証を行うなど、政府が国内企業と連携を行い、率先して需要を牽引する方針でございます。

 こうした取組に加えて、国産ペロブスカイト太陽電池の性能が正しく評価されることは国内外への展開において重要と考えておりまして、具体的には、我が国として、二〇二四年より、世界に先駆けて性能評価に関する国際規格案を提案しています。

 これらの取組を通じてペロブスカイトの国内の供給体制の強化につなげてまいりたいというのが、現時点の政策でございます。

山岡委員 真っすぐやって勝つというのは王道ですしいいんですが、ただ、経済安全保障の観点から、やはり国内生産をしっかり導入に当たっても評価していくという視点は私は必要だと思っていますので、今後も是非そうした議論をさせていただきたいと思いますので、本日の質疑はここで終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございます。

工藤委員長 次に、丹野みどり君。

丹野委員 国民民主党、丹野みどりです。本日もよろしくお願いします。

 まずは、火力発電の位置づけについてからお尋ねします。

 再生可能エネルギーを導入していくとか脱炭素化の話になりますと、どうしても火力発電というのが悪者になってしまって、二酸化炭素を出すよねという文脈になるんですけれども、とはいっても、やはり、安定供給を支える重要な役割を本当に火力は担っていて、縁の下の力持ちという現状があります。

 そういう中において、政府は、二〇四〇年頃を見据えてこの火力発電をどのように位置づけているのか、また、安定供給をするという観点から、今後どの程度維持をしていくつもりなんでしょうか、教えてください。

 火力発電の未来の話をすると、脱炭素火力ということで、水素とかアンモニアとか、JERAさんの話もありますけれども、そういう話になって、もちろんこれは理解するんですけれども、現実的に、安定供給を担う調整力としての火力というのは今後も必要になるのではないかと思っております。一定規模の火力維持は必要という認識か、お尋ねします。

    〔委員長退席、土田委員長代理着席〕

久米政府参考人 お答え申し上げます。

 火力発電は、電源構成の約七割を占めており、電力の安定供給にとって非常に重要な電源であると考えております。また、天候による再エネの出力変動は火力発電が中心となって補っており、供給力、調整力として重要な役割を果たしていることは委員御指摘のとおりであります。他方、CO2を排出するという環境面での課題もございます。

 このため、安定供給を大前提として、必要な火力発電の容量を維持、確保しつつ、CO2排出量が特に多い、発電効率が低い石炭火力を中心に発電量を減らしていくとともに、トランジション手段として、比較的CO2排出量の少ないLNG火力の確保を進めてまいります。また、水素、アンモニアやCCSを活用した火力発電の脱炭素化も引き続き推進してまいります。

丹野委員 ありがとうございます。

 今の質問もそうなんですけれども、いつまでにこれという線引きがなかなか難しいというのは認識しておりますが、今日の質問は、全体的に、一概にそういうことをぴちっと言えないよという質問が多くなると思いますけれども、今後の電力需要とか電力をどう日本が描いているのかということを中心に伺っていきたいので、どうしてもそういう質問になってしまいますことを御了承ください。

 続いてです。これも、都市と地方の在り方ということについて幾つかお尋ねしていこうと思います。

 北海道とか東北というのは再エネ資源が大変豊富です。でも、それを使うのはやはり首都圏とか大都市圏になると思うんですね。政府は、こういう中で、電力を遠くまで送る方向性で考えているのか、それとも、地域で作って地域で使うというような、そういう方向も当然重視していくのか、基本的な考えを教えてください。

 これをお尋ねすると、当然、両方ですというお答えになると思うんですね。それを組み合わせるということは、当然それも理解しておりますけれども、そうはいっても、今後の投資ですとか制度設計において、基本的な考え方を教えてください。

久米政府参考人 お答え申し上げます。

 各電源の特性や需要地までの距離を考慮した上で、大規模電源による遠隔地への電力供給と、電力の地産地消とを複層的に組み合わせたシステムを構築することが、レジリエンス向上や効率的な設備形成を図るために効果的であると考えております。両者はそれぞれに異なる課題があるため、それに応じた制度や対応が必要であると考えております。

 大規模電源による遠隔地への電力供給につきましては、電源や送電網の整備に必要となる大規模な建設費用の資金調達を円滑に進めることが課題であると認識しておりまして、今御審議いただいている電気事業法の改正案において、財政投融資を活用した貸付制度を盛り込んでおります。

 一方、電力の地産地消を更に促進するためには、再エネを含む電源立地地域への需要の呼び込みが課題であるというふうに認識しております。そのため、GX戦略地域制度を通じて、脱炭素電源立地地域への産業集積の実現を目指してまいります。

 これらの取組を通じて、様々な電源の特性が最大限に発揮されながら安定供給が確保されるような電力システムを構築してまいりたいと考えております。

丹野委員 ありがとうございます。

 今、お答えの中に需要の呼び込みという話がありました。まさにそこも関連してくると思っておりまして、今後、データセンターとか半導体工場の立地によって電力需要が増える、そういう地域があって、でも一方でそうではない地域もありますとなりますと、その送電網の整備についても、需要があるからしっかり送りますというのはもちろんなんですけれども、やはり、それだけじゃなくて、その産業立地ですとか地域戦略と一体化して考えていく必要があると思うんですね。

 政府は、今後、どの地域でどういった電力の需要を見込んでいるのか、そして、その見通しを送電網の整備計画にどう反映しているのか、そして、先ほど需要の呼び込みというお話がありましたけれども、その需要そのものを地方に分散させるつもりがあるのかなど、地域とどう連携していくのか、教えてください。

久米政府参考人 お答え申し上げます。

 今後の電力需給の見通しにつきましては、毎年度、電力広域機関から公表されておりますが、二〇二六年一月に公表された最新の見通しによりますと、データセンターや半導体工場の新増設により、大きく増加する見通しとなっております。エリア別に見れば、北海道エリアや東京エリアでその傾向が顕著であります。エリア内でも、データセンターや半導体工場の立地地点では局所的に需要が高まると見込まれております。

 送電網整備は、長期方針でありますマスタープランを策定し、それに沿った形で具体的な送電網の整備を進めておりまして、現在実施しているマスタープランの前提条件の見直し作業におきまして、今申し上げました需要の見通しも反映させてまいります。

 また、需要の地方分散については、GX戦略地域制度の枠組みにおいて、既存のデータセンター集積地からの分散立地の観点も含めて地域を選定し、大規模なデータセンターの立地が可能となる環境を整備していきます。また、再エネなど脱炭素電源の豊富な地域への産業集積も促進してまいります。

丹野委員 ありがとうございます。

 続いてなんですけれども、そういった送電線の整備は、全国的な安定供給をするとか再エネの導入を拡大していくという、これに効果的な一方で、その効果や負担が地域によって必ずしも公平とは言えないと思っております。そうなりますと、費用を負担する、その費用負担と受益の公平性というのをどのように考えているのでしょうか。

 国民の皆様から理解を得るためには、やはり今回の送電線の整備によってどういった便益が生じるのかというのを丁寧に説明することが重要かなと思いますが、お考えをお願いします。

久米政府参考人 お答え申し上げます。

 地域間送電線につきましては、再エネの更なる導入やCO2排出量の削減等の観点で全国の電力の需要家が裨益しますけれども、再エネは一部地域に偏在しておりまして、送電線整備に関わる一部地域の託送料金のみで負担することといたしますと、地域ごとの負担に差が生じてしまいます。

 こうした課題に対応し、地域間の公平性を担保する観点から、二〇二二年に導入されました、いわゆる全国調整スキームにより、地域間送電線の費用は全国の託送料金、再エネ賦課金、値差収益において賄われることとなっております。

 また、地域間送電線の整備に当たっては、整備によって得られる燃料費やCO2排出量の削減などの社会的便益が費用に見合ったものになっているかを評価し、その内容をお示しした上で整備の判断を行っております。

 こうした措置を通じまして、今後とも、費用負担と受益の適切なバランスを図ってまいりたいと考えています。

丹野委員 ありがとうございます。

 続いてお尋ねします。

 今回の法案では、市場だけでは十分対応できない部分については政府とか広域機関の関与を強めていく、そういう内容にもお見受けします。

 今後の電力政策において、どこまでを市場に委ねて、どこまでを国が責任を持って負担するのか、関与していくのか、基本的な考えを教えてください。

 電力自由化の話、総括、これを今どう思っているのかというのは、せんだってからずっといろいろな委員がお尋ねしておりまして、やはり、この自由化がどうだったのか、正しかったのかという、いろいろな観点を踏まえた上で、当初自由化をするに当たって描いていた市場の姿と現在の制度体系との間にギャップがあるのか、ギャップが生じているとすれば、その要因はどのように分析しているのか、教えてください。

村瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 先日も大臣から御回答申し上げたとおり、東日本大震災以降、安定供給の確保、それから電気料金の最大限の抑制、需要家の選択肢の拡大などを大きな目標として、小売の自由化ですとか発送電分離といった電力システム改革を実施してきたところです。

 こうした改革を通じて、二〇一五年には電力広域的運営推進機関というものが設立をされ、エリアを越えて広域で融通することによって安定供給の確保がより盤石にできたといったような面、それから、電力料金のメニューが多様化するということで、御家庭それから事業者の、需要家の選択肢が拡大したという点、それから、送配電部門が中立性、透明性が向上したことによって、そうした中で事業者間の災害時における連携などが高められてきたといったような効果はあったというふうに思っております。

 また、電力システム改革が進展する中で大規模な事業再編も進んだわけでございまして、こうしたことで、エリアごとに分断されていた発電部門の調達というものがエリアを超えて統合されまして、より大きな調達力、購買力、いわゆるバーゲニングパワーを使って産油国などとの交渉を有利に運び、より効果的なエネルギー調達ができるようになり、こうしたことは、安定供給の確保それから資源の調達力の強化といった観点から大きな意義があったというように考えてございます。

 一方、世界的な脱炭素化や、GX、DX、さらにはAXという急速な進展などがありまして、例えば、AIの導入に伴いまして、データセンターでギガワット級、つまり原子力一基分の電力を必要とするようなデータセンターの事業者が現れるといったようなことは、必ずしもシステム改革を検討した初期には想定されていなかったように感じております。

 また、そうした電力需要の増加に対応するための電源それから送配電の整備に当たっては、必要な投資額も巨額なものに増大をしてございます。大規模な設備では数兆円規模の投資が必要となるケースも実際に出てきているところでございます。例えば、現在検討中の北海道―本州間の海底直流送電についても一・五兆円から一・八兆円ということで、これは二〇二四年時点での見積りですけれども、その時点でもこれだけの額が必要と見積もられておりますし、世界的に、発電の建設も、日本円でいえば兆円オーダーの投資が必要になってきているわけでございます。

 こうした大規模化する送電線や電源の投資、これを促進していかなければいけない、大臣が先ほどおっしゃったように生命線だということで、しっかりこれを確保する上で、本法案では財政投融資を活用した貸付制度の創設を盛り込むなど、必要な電力インフラの投資に向けて国も一歩前に踏み込んだ対応を行うこととさせていただいているところでございます。

 電力システム改革のメリットである需要家や事業者の選択や競争を通じた創意工夫を最大限生かしながらも、安定供給、それから脱炭素を進めていく、そうしたことは国も一歩前に出てしっかりとした成果を上げなければいけないということで、本法案に盛り込んだものも含めて、電力システム改革を次のフェーズに進めていきたいと考えてございます。

丹野委員 ありがとうございました。

 やはりいろいろ描いているものは当然違っていると思っておりまして、今お話にありました、原発一基分を必要とするデータセンターが生まれるとか、当然我々は想定はしていませんよね。だから、そういう技術の発展に伴った想定していなかったことというのは当然ありますので、それに合うように都度都度見直していくというのは賢明な判断かなと思っております。

 ですが、それに伴ってなんですけれども、先ほどの受益と負担感という話にちょっとかぶってしまうかもしれませんが、今まさにお話があったようなそういう将来の見通しですよね、そういう将来の見通しが、すごく技術が発展して便利になっていけばいくほど、なかなか我々が想定していたものを超えていく、いろいろな電力が必要になる、そうすると、それだけ投資が必要になって、やはりそれは巡り巡って国民の負担になるというところにあると思います。

 そういう流れでいきますと、脱炭素電源も推していかなきゃいけない、安定供給もしていかなきゃいけない、送電線も配備していかなきゃいけない、もういろいろ実現していかなきゃいけないとなると本当に多額の投資が必要になって、それを支えるための今回の法案でもあるわけですけれども、やはり、こうなっていくと、投資をしていくんだけれども、最終的に国民の皆さんの負担のバランスを政府はどう考えているのかというのを伺いたいんですね。

 当然、必要な投資であれば負担していく、丁寧な説明の上に負担していく、それもやむなしと思いますけれども、それでも、その前にまずは徹底した効率化ですとか制度改革によって負担を抑制していくのか。その辺りの考えも、これもぴちっと線引きできる答えにはならないと思うんですけれども、基本的な考え方をお願いします。

    〔土田委員長代理退席、委員長着席〕

久米政府参考人 お答え申し上げます。

 電力の安定供給は国民生活や経済活動の基盤であり、安定供給のために必要不可欠な投資であれば、需要家の皆様の御理解をいただくよう努めながら、必要な負担をお願いしなければならないと考えてございます。

 他方で、国民負担の軽減や産業競争力強化の観点から、国際的に遜色ない価格で電気を供給することも重要であり、徹底した効率化、合理化を求める必要があることは言うまでもございません。このため、例えば、送配電事業におけるレベニューキャップ制度のような、電力会社による必要な投資を確保しつつ、コスト効率化を促す制度を措置してきているところであります。

 このように、電力の安定供給に向けて必要な投資と国民負担の抑制のバランスを取りながら、制度の構築を行ってまいります。

丹野委員 そうですよね。さっきの火力もそうですし、今回の負担もそうですけれども、何々をしつつこれもやっていくみたいな、その組合せというかバランスが非常に重要かなと思っておりますが。

 そういう意味においては、そういう質問が続くので大変恐縮なんですけれども、GXの推進においても、やはりこれもまた大量の電力が必要となります。その上に、当然、時代的に、DX、AXも相まって、どんどん需要が右肩上がりになるなと思うんですね。一方で、電源を開発するとか送電網を整備するというのは当然時間がかかります。こういった、GXをやっていくんだ、DX、AXをやっていくんだという推進の政策と、電力政策、時間がかかる電力政策において、どのように時間的に整合性を取って進めていくのか、その需要に対して整備が間に合うのかというのが心配になります。教えてください。

久米政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、DXやAXの推進により電力需要の増加が見込まれる一方で、発電所や送電網の増強には時間を要します。

 こうした中でも確実に電力の安定供給を確保するためには、短期的には既存設備の効率的、最大限の活用を進めつつ、中長期的には必要な設備の増強、新設を進めることで対応する必要があると考えております。

 短期的には、各一般送配電事業者が早期に電力供給可能な場所を公表するウェルカムゾーンマップを拡充することにより、GX産業やデータセンターの適地への誘導を進めてまいります。また、安全性の確保を大前提とした原子力発電所の再稼働を進めるなど、既存電源を最大限活用してまいります。

 中長期的には、長期脱炭素電源オークションを通じて脱炭素電源やLNG火力の新設、リプレース投資を促進するとともに、本法案に盛り込んでおります財政投融資を活用した貸付制度を通じて、大規模な電源や送電網への投資を促進してまいります。また、GX戦略地域制度の枠組みを通じて、電力インフラの先行整備や事業者の呼び込みを通じたデータセンター集積地の形成と立地誘導を進めます。

 こうした施策を通じて、日本の経済成長にとって不可欠なGXやDX、AXに伴って見込まれる電力需要の増加に対して必要な電力が供給されるよう、引き続き全力で対応してまいります。

丹野委員 ありがとうございます。

 続いては、災害対応について教えてください。

 近年、本当に自然災害が激甚化しておりまして、電力は災害において本当に命綱となると思っていて、災害時においても本当に安定供給されるということが大前提だと思っています。

 そういう意味において、政府は、大規模災害時に本当に強いんだという電力システムをつくっていく責務があると思っておりますが、これをどう考えるのか。

 最近、レジリエンスという言葉が非常によくあります。ダメージを受けてもしなやかに回復をしていくという言葉でありますけれども、いろいろな分野において非常に重要な視点と思っておりまして、災害時のレジリエンスを高めていくために、大規模な集中型の電源と地域分散型のエネルギーシステム、これをどうそれぞれ位置づけて、役割分担をどうさせながら進めていくのか、教えてください。

久米政府参考人 お答え申し上げます。

 大規模電源と地域間の送電網を活用した安定供給の枠組みとして、電力広域機関が電力需給や系統利用の状況を一元的に管理した上で、全国大で電力融通を指示する仕組みが平時から整えられております。その上で、災害時に電力供給の維持や早期復旧が可能となるよう、発電設備の耐震化や、他エリアからの電力融通を可能とする地域間の送電網の増強を進めております。

 一方で、一般送配電事業者からの電力供給が停止した場合でも、太陽光や蓄電池、EVなど、需要側に設置された分散型エネルギーリソースがあれば、災害時の非常用電源として活用が可能であります。このため、FIT、FIP制度や補助金を通じ、事業所や住宅への太陽光、蓄電池の設置促進を行っております。また、エネルギーの地産地消やレジリエンス向上に資するマイクログリッドの構築支援にも環境省と連携して取り組んできております。

 大規模電源と分散型エネルギーリソースを相互補完させる形で、災害時の電力安定供給を確保してまいりたいと考えています。

丹野委員 確かに、災害時に、地産地消、この地域で完結するのがいいのかなと一瞬思いがちですけれども、参考人の方も前回おっしゃっていましたけれども、その一方で、全国的なネットワークがあることによって、ここは駄目でもここから送れるみたいな、そういうこともやはりレジリエンスの強化になるので、両方必要なんだというお話がありましたので、まさにそういうことかなと思っております。ありがとうございます。

 次の質問です。

 先ほどのお答えの中で、当時本当に想像もしなかった技術の進歩によってそのニーズがあるんだということがありましたけれども、そういきますと、やはり、AIの進展や産業構造が変わっていくことによって、電力需要が増していく今フェーズではありますけれども、省エネとかによってその分布が減っていくという、電力分布が変わっていく可能性があるわけですね。技術が進むことによって分散型電源が進むとか蓄電池がもっともっと性能が増していくとかになると、今の計画では大規模な送電線をいっぱい造らなきゃいけない、太くしなきゃいけないとかという話だったんですけれども、それがまた、その量も違ってくる可能性も当然ございます。

 なので、こういう中で、マスタープランも含めて、どういった頻度で見直していくのか、教えてください。

久米政府参考人 お答え申し上げます。

 送電網整備をプッシュ型で進めていくため、二〇五〇年カーボンニュートラルを見据えた、送電網整備の長期方針であるマスタープランを二〇二三年三月に策定しております。

 マスタープランは、原則として五年ごとに見直すこととしておりますが、エネルギー基本計画などエネルギー政策の方針が決定された際は、五年を待たずして見直しの検討を行うこととしております。

 現在、第七次エネルギー基本計画や、再エネの導入拡大、データセンター等の立地といった環境変化を受け、マスタープラン策定の前提となる電源や需要等の条件について見直し作業を進めているところです。

 今後とも、関連する情勢変化を踏まえた柔軟な見直しを行ってまいります。

丹野委員 ありがとうございます。

 続いてですが、地域との交渉について教えてください。

 今回の法案では送電線の整備を支援する仕組みが含まれておりますけれども、一方で、その送電線を整備するに当たっては、資金面だけではなくて、地域住民の方とか自治体との調整に本当に時間を要することも多いと思うんですね。送電線整備だけではなくて、原子力発電所にしてもそうですし、再エネ発電にしてもそうですし、水素や蓄電池、こういう施設にしても何でもそうなんですけれども、何かを地域に造るとなったときに、やはり地域の理解は欠かせないと思うんですね。

 政府として、こうした地域との合意形成を円滑に進めていくためにどういった役割を果たしていくのか、教えてください。

久米政府参考人 お答え申し上げます。

 送電網や脱炭素電源等の電力インフラの整備に当たっては、立地地域の御理解が必要不可欠であります。国として、事業者と地域との合意形成が円滑に進むよう、必要な役割を果たすべきだと考えております。

 国の役割として特に重要なことは、整備しようとしている電力インフラのエネルギー政策上の位置づけや必要性について地域の方々に御理解をいただけるよう、丁寧に説明を行うことだというふうに考えております。例えば、原子力については、国が前面に立って原子力の安全性や必要性について丁寧に説明を尽くし、立地自治体等関係者の理解と協力が得られるよう取り組むことが重要だと認識しております。

 また、個別のインフラごとに、地域の意見を聴取することを制度的に担保している事例もございます。例えば、重要送電設備等指定制度において、大規模な送電網の整備に際しては、国が都道府県に意見を照会することとしております。

 さらに、FIT、FIP制度においては、地域との共生を進めるため、事業者による地域住民向け説明会の実施を支援の要件としております。

 加えて、電力インフラの立地が地域の振興につながる事例を多く生み出していくことも重要だと考えております。このため、GX戦略地域制度を通じて、脱炭素電源立地地域への産業集積の実現を目指してまいります。

丹野委員 ありがとうございます。

 続いてです。

 再エネの拡大と安定供給を両立するために、電池の活用が重要と思っておりまして、蓄電池の導入が進むと、送電線を増強する必要量が変化する、先ほど申しましたけれども。

 となりますと、送電線整備の計画と蓄電池の整備の計画をどのように一体的に検討しているのか、教えてください。

小林政府参考人 蓄電池は、再エネ電気の余剰の充電や、需要のピーク時間帯での放電を柔軟かつ迅速に行うことが可能であり、効果的な運用を行うことで、再エネ出力制御の低減や送配電設備の整備量の減少につながることが期待されています。

 現在、蓄電池の導入支援事業において、電力システムに貢献する蓄電池の重点導入と効果的な運用を促進するべく、例えば再エネの発電と連動した充放電を実施するなど、再エネ出力制御量の低減に資する蓄電池、こうしたものを優遇する方針としているところでございます。

 蓄電池の導入の進展が送配電網の整備に及ぼす影響については、一般送配電事業者や電力広域機関とも連携しながら、必要となる技術的な分析、検証を引き続き進めてまいりたいと考えております。

丹野委員 続いては、工事を担う人材について教えてください。

 送電線の整備には、長期間、専門的な技術をする人、施工人材の確保が必要と思います。資金面や制度面をよりよくするのはもちろん大事なんですけれども、肝腎の現場の担い手がいないというのでは実現しないと思っています。

 この整備計画に対して、施工する人材は十分確保できているのか、また、その育成も教えてください。

久米政府参考人 お答え申し上げます。

 DX、AX、GXの進展により電力需要の増加が見込まれる中、送電線や大規模電源の整備に必要となる施工力の確保は重要な課題だという委員御指摘の課題は認識してございます。

 そのため、電力産業における人材の確保については審議会でも議論してきておりますところ、発電、送配電の現場での施工に関わる企業に対してアンケートやヒアリングを行い、電力産業における施工人材の確保状況について調査を行ってまいりました。その結果、施工を担う企業の多くで計画どおりに人員を採用できていない状況があると承知しておりまして、人材確保のためには魅力の向上に向けた取組が必要だと考えております。

 また、工事の中には、高度な専門性を有し、人材の代替が利きにくい工事もあることから、人材の育成についても重要な課題であると認識しております。

 AI、ロボット等の利活用による業務の省力化を前提として、教育機関による育成の在り方やリスキリングの推進による育成機会の確保等の方策について、今後更に検討を深めてまいります。

丹野委員 是非お願いします。

 ちょっと時間の都合もありますけれども、今回、第三者確認機関による適合性確認をする、その結果不適切であると判断された場合に、その後どういったフォローアップがされるのか、そして、既存のものに対しては、すごい数があると思うんですけれども、本当にカバーできるのか、そういったことも教えてください。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、第三者確認機関が適合性について評価が困難な場合ですけれども、困難と判断する場合には、第三者確認機関は設計の修正等が必要なことなどを設置者に指摘をいたしまして、設置者がその指摘を踏まえて設計の修正等を行った上で、再度、第三者機関による適合性確認を行うといった手続を想定してございます。

 また、既設の太陽電池発電設備につきましては、設備の規模、立地環境を考慮しまして、さらには、関係法令の違反が疑われる事案の洗い出し調査、いわゆる再エネGメンと言っておりますが、も踏まえまして、報告徴収や立入検査を重点的かつ機動的に実施して、必要に応じて補修等を指導してまいります。

丹野委員 ちょっと最後は駆け足になりますけれども、教えてください。

 例えば、自動車産業を始めとするグローバルで活躍する企業ですとか、GAFAMといったデータセンターの電力需要が非常に多い、しかも脱炭素電源のニーズも高い、それをしっかり確保していくことは重要なんだけれども、一方、こういう大規模な需要家が、我々は長期的にこういう電気が必要ですということを言うことによって、発電事業者にとっても投資の予見性が高まるという、産業界と電気事業者双方にとってメリットがあるのかなと思うんですね。

 そういった意味において、今後も需要家が電源開発ですとか電力の調達においてより主体的に関与していくということも重要かなと思うんですけれども、経済産業省としては、こういう状況においてどういった環境整備、後押しを進めていくのか、教えてください。

久米政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、脱炭素電気の調達基準を持つグローバル企業との取引が必要な業界、企業を中心として、長期的、安定的な脱炭素電気の調達が不可欠との認識が広がってきております。こうしたニーズに対応した脱炭素電源の開発促進は、経済成長や産業競争力強化を左右する、国力に直結する国家の最優先課題の一つだと考えております。

 御審議いただいている電気事業法の改正案に盛り込んでいる大規模電源への投資促進のための財政投融資を活用した貸付制度は、この課題に対応する施策の一つであります。これに加えて、需要家自身が発電事業者との間で電力購入契約を結ぶコーポレートPPAも発電事業者の電源投資を後押しするために重要だと考えております。

 このため、脱炭素電源の豊富な地域に立地し、当該脱炭素電源との長期間のコーポレートPPAによって電力調達する需要家の設備投資を支援するGX地域共創補助金を今年度予算で措置してございます。

 こうした施策によって、需要家が脱炭素電源を長期契約で支える取引手法を普及させつつ、電源立地地域への産業集積を促進し、地域への裨益を高めることで、脱炭素電力の供給増にもつなげてまいります。

丹野委員 ありがとうございました。

 終わります。

工藤委員長 次に、鈴木義弘君。

鈴木(義)委員 国民民主党の鈴木義弘です。

 先日、六月の十七日の質疑において、私の発言について、単位を間違えておりました。半導体の工場の数が十九か所が、二〇二三年に、百一か所とか、データセンターの数が六十四か所が六百六十一か所、これは万キロワットだったものですから、おわびして訂正したいというふうに思います。

 おとといの質疑に引き続いてなんですが、ちょっと順番が逆転するかもしれませんけれども、お許しをいただきたいと思います。

 今回の法律をもう一回、改正を見直してみると、発電事業者だとか送配電事業者、送電事業者にちゃんとやってくださいというような法律の改正に見えるんですけれども、こっち側に需要があるんですね。需要家に対して何の制約もかけていないんですね。

 だから、例えば二十年の契約をしました、需要家と発電事業者。それを受けて送電事業者が、じゃ、電線を引きましょうとなったときに、二十年の契約なんですが、二十年使うかどうか分からないんです。十年でもし休止をするとか撤退をする、需要家側が。技術進歩がもっと、日進月歩、高度化していきますから。

 半導体だってそうじゃないですか。六十ナノが二十四、二十四が今度、今、二を作りましょうとか〇・四だとかという時代になってきていて、それで、じゃ、例えば、今、ラピダスもそうですけれども、二ナノを目指して作ろうとしていますね。じゃ、十年後、その二ナノが陳腐化してしまって、どこかの違う、TSMCぐらいしか今浮かばないんですけれども、一ナノを出します、〇・四ナノを出しますといって、それを使う事業者がそっちがいいよねとなったら、二ナノを作るところは変えていかなくちゃいけないということですね。若しくは、撤退する可能性もなきにしもあらずですね。

 データセンターも同じだと思うんです。中のいろいろな機器を入れ替えるんだったら存続できるんでしょうけれども、そうなったときに、予見可能性、予見可能性という言葉がよくこの委員会でも出るんですけれども、二十年の契約で十年で撤退するともしなったとして、じゃ、その残りの、二十年分の電気代を払ってくれるのかと。どこを見ても出てこないんです。それは契約で縛るんですというんだったら、それはそれでありなんだと思うんですけれども、大規模になればなるほど、作る方も送る側も、それを使う側も、やはりみんなリスクがあると思うんです。

 そこのリスクをどう低減していくのか、まずお尋ねしたいと思います。

久米政府参考人 お答え申し上げます。

 今般の電気事業法改正案に盛り込んでおります電源整備に対する貸付制度について、これは送電線の設備に対する貸付けも同様でございますけれども、民間金融を補完し、資金調達が難しい、投資期間が長期かつ大規模な電源あるいは送電線の整備を促すものでございますけれども、その投資回収については、発電事業の場合には発電事業者の責任において行われるべきものだというのが基本的な考え方でございます。

 例えば、発電事業者が特定の需要家から費用を回収する契約をしていた場合で、その特定の需要家が撤退した場合の対応については、基本的には民間同士の契約によって対応されるべきものと考えてございます。ただ、この場合、一般に、発電事業者は、特定の需要家が撤退したといたしましても、卸電力取引所等を通じて電力を販売することができますことから、需要家の撤退によって直ちにその事業継続に影響が出るということは想定してございません。

 また、送電網整備に対する貸付けも、民間金融を補完し、資金調達が難しい、投資期間が長期かつ大規模な多くの需要家が裨益する大規模送電網の計画的な整備を促進するものでありますところ、特定の需要家に対して費用負担を求めるものではないというふうに考えてございます。

 ただ、その上で、送電網への接続については、託送料金の上昇の抑制や適切な費用負担の観点から、大規模な需要家が撤退したり電力規模の縮小を行った場合に、需要家に一定の費用負担を求めるということは重要だと考えてございまして、そのため、需要家が撤退や電力規模を縮小した際の費用負担の在り方については議論を進めているところであります。

鈴木(義)委員 こっちも自由です、こっちも自由ですと言えば、市場で取引となるんですよね。何の商売だってそうじゃないですか。需要と供給で価格が決まる。経済学の勉強じゃないんだけれども。でも、こっち側で安定供給を求めるんですよ、安定供給。こっちは自由なんですと。こっちも安定供給を求めないで自由にやるんだったら、撤退しようが何しようが、それはその中での市場の取引で料金が決まっていけばいいし。でも、こっちは安定供給を求められるわけですね。

 だから、制度上、同じところで矛盾したやり方をせざるを得ないようなこの状況の中で、じゃ、こっちの需要家と言われている人たちの方にも、先般の質疑のときも申し上げたんですけれども、バッファーをどこかにつくらなくちゃうまくいかないでしょうと言うけれども、それすらも過度な設備になってしまうからなのか分かりませんけれども。それをやはりお互いに、大きい電源を生み出す方、発電事業者もそうだし、使う方もどこかで調整する役目をかまさないと、全国一律、ネットワークを組んでうまくいきますといっても、じゃ、せっかく整備したところが撤退しました、その送配電、何十億、何百億もかけて引きました。

 例えば、そこのデータセンターの、規模にもよりますよ、すぐそばに発電設備を併設してもらうとか、何かやはり工夫をしていかないと、今のネットワークをつくっていくのはそのまま大事なことでしょうから残しながら、個別の対応は違うやり方を取っていかないと、何でもこっちから出してきて、こっちが足らないからこっちから引っ張ってくるというやり方では、私はうまくいかないと思うし、いずれやはりこれが、五年というのはなかなか難しいけれども、十年先、もう少したっていくと、世の中とか技術革新も含めてまた大きく変わっていったときに困ることが起きるんじゃないかなというのが私の考え方なんです。是非組み入れてもらいたいな。

 一つは、データセンターの数を間違えて、万キロワットで表示しなくちゃいけないんですけれども、六百六十一万キロワット、二〇三五年まで上がっていきますよというデータは頂戴したんですけれども、じゃ、例えばそのデータセンターが、トータルの規模は分かるんですけれども、まあまあ標準的と言っていいんですかね。それと、そもそも私は不思議なんですけれども、データセンター、データセンター、日本でいっぱいデータセンターを造ればラッキーだという話で今回の事業法の改正になっていくんでしょうけれども、そのデータで私たち国民は何かメリットはあるんですかね。これは素朴な疑問なんです。

 業者がもうけるために造っているんでしょう。だって、データセンターを運営する会社は、国民からいろいろな情報を集めて、まあ、集約するのかAIを使うのか分かりませんけれども、それをどこかの企業に売って、そのデータ料をもらってデータセンターを運営するんですよ。違うの。慈善事業でデータセンターをやっているんですか。誰かその集約したデータを使う事業者がいて、そこから料金をもらうから、このデータセンターというのが成り立つんじゃないんですか。私はそう思っているんです。間違っていたら指摘してもらいたいんですけれども。

 そうすると、どのぐらいの電気量がどこの地域で予想されるのかというふうになれば、そのエリアの中で発電施設が何基必要なのかとおのずと出てくると思うんです。今ある中で足りている、例えば、一〇〇の発電能力のあるところで、八〇の需要家があって、プラス二〇は今のままで全然足りているんですといえば、新しい電源開発をする必要はないですよね。ただ、その先に行ったときにどうするというのは出てきます。それをブロック単位でやるのか都道府県単位でやるのか分かりませんけれども、それに応じて、やはり送電線を引いていくとか発電を増やしていくというところを考えていかないとうまくいかないんじゃないかというのが私の考え方なんです。

 だから、今申し上げたように、なかなか営業秘密だとかいろいろな秘匿にしなくちゃいけないことがあるのも承知していますから、大体ある程度のところで、何ブロックかに分けた中で、このエリアだったら幾つ必要だとか、このぐらいの電力が必要だとかというのを、ある程度情報公開していかないと、造ろうという人もインセンティブが働かないと思うんです、何だかよく分からない中で。まあ、それは、後段で質問する電力広域運用機構のところで調整を図るんでしょうけれども、まず、その辺の見通しを国がどのぐらいお持ちなのか、お尋ねしたいと思います。

久米政府参考人 お答え申し上げます。

 今後の電力需給の見通しにつきましては、毎年度、電力広域機関から公表されております。二〇二六年一月に公表されました最新の見通しによりますと、委員から御指摘いただきましたようなデータセンターあるいは半導体工場の新増設により、大きく増加する見通しとなっております。

 この数字はエリア別でも出てございまして、特に北海道エリアや東京エリアでその傾向が顕著だというふうに認識をしてございます。

鈴木(義)委員 だから、自由な競争でというふうな話になったときに、ある程度やはり見通しを立てながら、エリアでやはり情報を公開していかないと、需要と供給のバランスというのは取れないんじゃないかなと思うんですね。それによって適正な価格というのは出てきますので。

 それともう一つ、くどいようですけれども、結局、需要家が撤退して云々というのは、発電をするとか送電をするところにリスクがあるわけですね。だって、毎回同じことを言いますけれども、電気を売るしかお金にならない、発電事業者さんは。それで、国がこの十五年間の間、再生可能エネルギーが大事、何が大事だと。まあ、大事なんだと思うんですね。地球温暖化だからCO2を削減するんだ、原子力も再稼働するんだなんだといろいろな手続でやってきたんですけれども、それのしわ寄せが、ベースロード電源を担っているところにみんなおっつけるわけです、大規模に発電しているから。

 そうすると、じゃ、大規模に発電している事業者さんは、結局、十年も二十年もかからないと、まあ三十年ぐらいかけないと、発電施設を造ってもその費用を回収できない。前任の方も、じゃ、アメリカで国債を買ったら五%のクーポンがつくのに、電力事業者さんが発行したクーポンが二パー、三パーだったら買わないよねという質問があったじゃないですか。じゃ、どこで利益を出すかということですよね。

 だから、クーポンをあらかじめ何%でと設定することができるわけですから、そういう意味で、予見可能性を高めるというのを、どこで努力すれば出てくるのかというのが今回の事業法の一番の肝になるんだと思うんですね。

 用地の取得だとか地元の理解。例えば、高圧線を張っている事業者の社長と前に話をしたことがあるんですけれども、大体、高圧線の鉄塔を三十五年で建て替えるんだそうです。高圧線が引いてあるところのすぐ脇に仮設を建てて、そっちに高圧線を張り替えて、こっちを建て替え直して高圧線を張り替えたら、こっちの予備というんですかね、補助で造ったやつは全部撤去するんだそうです。何でそんな無駄なことをするんですかと聞いた。三十五年で張り替えるんだったら、こっちにある鉄塔をそのまま生かして、例えば三十五年たったらこっちにもう一本引くだけにするとか。そうしたらば、地主さんがやはり土地を貸すのは仮設のときだけだというんですね。終わったら撤去してくれと。そういう契約もあるので、結局、用地の取得だとか用地の交渉に長い年月がかかっているという話は聞きました。

 だから、そういったことを踏まえていくと、お金だけの話じゃなくて、こっちの需要家がいるからどんどんやればいいんだという話じゃないんだと思うんですね。

 だから、くどいようですけれども、こっちの需要家さんの方にも、やはりリスクはちゃんと取ってくださいというような形で運用していかないと、どうしてもこっちで発電、送電事業者さん、頑張ってください、ファイナンスが足りなければ財投を入れますよ、そういう話じゃないような気がするんですけれども、もう一度お尋ねしたいと思います。

小森大臣政務官 委員の方から、予見性についてのお尋ねがあったところであります。

 御指摘いただいたとおり、回収にも長期かかるような、そしてまた長期、大規模な投資になりますので、事業者において予見性を持つこと、それが高まっていくということは大変重要なことだというふうに思っております。そのためにやらなければいけないこととして、まず一つは、発電事業者、そしてまた送配電事業者、それ以外の主体も含めて、全体として予見性を持つということだと思いますけれども、国が、将来に向けた戦略、施策の方向性、需給の見通しなどを示しているところでございます。

 昨年二月に第七次エネルギー基本計画を取りまとめましたけれども、あわせまして、二〇四〇年度におけるエネルギーの需給見通しを提示をしたところであります。そうした全体のものに加えまして、発電事業者等の個別のプロジェクトの投資の予見可能性というのも投資判断の後押しになるものだというふうに考えているところであります。

 例えば発電事業者について申しますと、電源を維持、確保するための投資のための容量市場、そしてまた、巨額の新規投資が必要な場合については長期脱炭素電源オークションといったような制度を整備しております。これによりまして、必要な設備投資が将来に向けて予見性の上がる形で回収できるような措置を取っているところでございます。

鈴木(義)委員 もし私が電気を使う側の事業者だったら、例えば卸売市場に行った方が安ければそっちに行って買うけれども、相対して契約した方が安く買えるんだったら、長期契約をして安く仕入れるようにしますよね。

 これはなかなか難しいと思うんです。青物、魚でも、肉は若干違うんですけれども、野菜なんかも、本当だったら相対して市場が形成されていけばいいんですけれども、ここはやはり二十年、三十年前ぐらいから、相対して産地と直接小売店が契約しちゃうんですね。相場はどうするといったとき、そこで決めている場合もあれば、市場で取引している相場に連動させるような契約をするところもあるし。あとは、魚でいけば、昔じゃ全然相手にしない深海物も、全部幾らで買うからと。まあ、トン数で買っているんでしょうけれどもね。タイだとかハマチだ何だというんじゃなくて、全部買いますと。それで、自分の小売店で売る、深海物で珍しい魚だったら、レシピの仕方まで教えながら安い値段で出していくという記事を見たこともありますけれども、電力もやはり、発電事業者が多くなればなるほど、それが起こると思うんですね。

 じゃ、それで適正な価格になるかというと、みんな市場に出してくれればいいけれども、私がもし事業をやろうとすれば、やはりこうやって見て一番安いところ、相みつでも入札でも何でもやって、そこで契約しますよね。自分が二十年やりたい、三十年やりたいと言えば、そこで契約する。

 だから、そこのところも、やはり商売は生き物とよく言われますけれども、需要があるから供給もあるし、供給があるから需要が生まれるかもしれない。そこは分からないんですね、先の見通しというのはなかなか。

 だから、そこの点をよく考えていただいて、これで法律、今日、採決になっていきますから、法律を作った後の政省令じゃありませんけれども、細部をどんどん詰めていくと思うので、そこのところに是非考え方を取り入れてもらえればなと思います。

 それと、もう一点、事業用電気工作物の製造事業者等の責任がなぜ努力義務にとどめられているのか、お尋ねしたいと思います。ちょっと質問が飛んじゃって申し訳ないんですが。

 例えばリチウムイオン電池、これは一つの事例です。ここのところ、いろいろ発火したとか火事になったとか、いろいろなところで事故が起きているんですけれども、とうとう、飛行機に乗るときにはモバイルバッテリーの規制がこの四月一日から一段と厳しくなりますということがあります。じゃ、それは、元々モバイルバッテリーを作った製造者責任なのか、それを販売した販売者責任なのか、私たち使っている方の使用者責任なんですかということですね。

 だから、発電する側もそうですよね。太陽光ですよ、風力ですよ、地熱ですよ、潮流でも何でもそうです。今度は、発電する側が、誰が責任を持たなくちゃいけないのかというのが、何かよく分からないんですね。何か事故、事件が起きてくると、じゃ、どうしよう、こうしようというんですけれども、もう、そろそろ十五年たっているわけですから、誰にちゃんと責任を持たせて義務づけするかということをやらないと、努力義務でやって、一、二年たったらまた法律改正すればいいやという考えなのかどうか。まず、そこのところをお尋ねしたいと思います。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の努力義務規定につきましては、製造事業者等において、設置者から協力を求められた際に、例えば、製品の生産が終了してから著しく長い期間が経過するなどの事情で、製品に関連する書類や知見が既に失われているなどの理由によりまして協力が困難である場合も想定されることから、こうした規定にしてございます。

 その上でですけれども、正当な理由がなく協力の勧告に従わない場合には、協力がなされていない旨の公表を行うこととしておりまして、その際、事業者名や製品名も公表することで、他の設置者に注意を促し、適切な製品の選択を促すことで事故の防止を図っていくということを考えてございます。

 また、御指摘のありました製造事業者の義務ですけれども、例えば、海外で製造された製品については、事故が発生した場合も含めまして、製品の輸入販売事業者がこの協力の義務を負うことになります。すなわち、今回の改正では、保安確保の義務は引き続き設置者が負うこととしてございます。

鈴木(義)委員 昨日もレクの中でやり取りさせてもらったんですけれども、例えば太陽光発電の火災が起きましたといったときに、太陽光パネルが燃えちゃったのか。燃えないと思うんだよね。燃えたんですかね。もし分かっていたら教えてもらいたいんですけれども、どこが燃えたのか。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 ちょっと今、詳細なデータはありませんけれども、太陽電池発電設備の火災の事故の多くは、PCSという装置が発火するケース、あるいは蓄電池のシステムの短絡による事故ということが多いというふうに伺っております。ただ、パネル、モジュールにつきましても電線が通っておりますので、こういったところで短絡、ショートが起きますと発火に至るというふうに考えております。これは、パネルの中に樹脂などが入っておりますので、これが燃焼するということだと理解しております。

鈴木(義)委員 そういう事故原因が分かっているんだったら、今後、太陽光発電を設置する事業者さんがいたら、今の時代ですよ、二十年か三十年前に造ったもので図面がないとか、どういうふうになっているか、どこのメーカーが造ったか分からないというのは、それは確かにやめちゃっていれば分からないかもしれないけれども、それは、申請して認可を出すときに、電子データでも構わないから、一つのルールを決めて紙と一緒に申請させればいいじゃないですか。それをバックデータで持っていれば、あそこで事故が起きたと。

 それと、あと、不思議でしようがないのは、モバイルバッテリーもそうなんですけれども、どこのメーカーのどの型式なのか、マスコミは全然発表しない。だって、その情報があれば、私たち国民がもし家電屋さんでモバイルバッテリーを買いたいといったら、火災が起きたバッテリーは買わないよ。全然分からない。

 太陽光も一緒。どこのメーカーが造ったものなのか、日本のメーカーが造ったのか、設置者が日本の、まあ設置者がやるんでしょうけれども、そういったことが全然オープンにならなければ、ここの製品は使わないようにしようとか、この事業者さんは大丈夫かなというのが、私たちが事業をやろうとする、私たち個人が買おうとしたときに判断材料になるはずなんだけれども、それが全然見えてこない。だから同じことが繰り返される。

 だって、私も何年もこれは自分でやっているけれども、今のところ発火したことはないんだよね、四年か五年使っていますけれども。でも、これは、今度、飛行機に乗るときにいろいろ規制がかかる。でも、何の電池を使っているんだかよく分からない。それはちょっと、やはり少しこれから考えてもらった方がいいかなというふうに思うんです。

 例えば、じゃ、それが製造物の方の原因で火災が起きました、周りが被害を受けましたといったときに、輸入元の業者さんが、努力義務でいいんですけれども、損害賠償を訴えるというのは、その人にかけられるものなのか。かけたときに、いや、うちは知らない、だって、外国から入れただけの話で、そこまではうちは責任持っていないよと、例えば契約書に書いてあったときに、それで設置しました、火災が起きました、じゃ、誰が責任を取るって、そういうことが起こり得るんじゃないかなと思うんですけれども、その辺の対応がもし分かれば教えてもらいたいんですけれども。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 製品の事故、一般論ということでお答えさせていただくと、今御指摘のありました輸入品についてですけれども、いわゆるPL法というのがございます。製造物責任法の中では、輸入品については輸入事業者がそういった責任を負うという体系になっていると承知しております。

鈴木(義)委員 商売、釈迦に説法になるかもしれないですけれども、プライス、クオリティー、サービス、意外とクオリティーとサービスは日本のメーカーさんは高かったんだけれども、価格でどんどんどんどん押されてしまって、電気代を、売る金額が決まっているから、国内の高いコストの発電設備よりも安いものを買った方がさやを取るのは楽ですよね。それで、どんどん海外のものが、太陽光ばかりじゃなくていろいろなものが入ってくるんです。入ってきちゃうんですけれども、じゃ、そこの国の法律の基準だとか、質の確保を日本と同じようにやってくれていればいいけれども、そうじゃないレベルの国だったら、どうしようもないじゃないですか。

 だから、例えば、海外からそういう過去に事故があったような製品を輸入するときに、水際で、JIS規格がなければうちは使いませんよというぐらいなことをやらないと、基準を上げていくというのは難しいんじゃないかなというふうに思うんです。

 これも、今回の法律の改正ですぐできるわけじゃありませんから、今後はやはりそのぐらいの、技術レベルを日本と同じように、それをすることによってコストがかかりますから、そうすると、日本のメーカーももう一回太陽光にチャレンジしてみようというふうになれば、経済安全保障とかという話をするんだったら、海外に依存することなく、日本で造ることもできてくる。もしうまくいけば、環境委員会で審議している太陽光のリサイクルの話で、あれがもし確立ができたら、国内で造ることもできるし、海外に頼る必要もない。

 この線だけ見るんじゃなくて、もうちょっと広く、経済安全保障というふうにおっしゃるのであれば、そういったことも視野に入れた事業計画を作った方が私は将来のためになるんじゃないかと思うんですが、その辺、もし御見解があればお聞かせいただきたいと思うんですけれども。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 JIS規格等の例示を御指摘いただきましたけれども、元々電気事業法の中では技術基準を定めておりますので、先ほど御指摘のありました火災を防止することですとか、あるいは耐震性能ですとか、様々な基準を設けてございます。

 そもそも、こういった基準に合致していないものは設置してはいけないことになっておりますので、通常の自家用の電気工作物の場合には、設置者が主任技術者の指摘を踏まえながらこういったチェックをするということだと思っております。

 また、家庭用で使われるような太陽電池につきましても、民間の認証機関が国内にございまして、ここでSマークというようなマーク表示を付与することができますので、こういったものを使っていただいて選別をしていただくことは可能かというふうに考えております。

鈴木(義)委員 そういうのは、やはり事業者なり国民に少し広めにコマーシャルするというのは大事なのかなと思います。

 ちょっと、これはまたお門違いなんですけれども、技術基準という話になったときに、昨日、メガソーラーの開発許可取消しを奈良県に求めた裁判で、大阪高裁が、住民側に逆転勝訴、認めないよ、開発を取消ししなさいという判決が出たんですね。こういったことが、ここの場所ばかりじゃなくて、訴訟を起こしていたり、データセンターもそうですけれども、地域の住民の方とうまく話が、話合いをしたのかしないのか分かりませんけれども、何か所かそういう、反対訴訟じゃないけれども、反対運動が起きている。

 これからまたいろいろな形で出てきたときに、やはり、環境基準というのか、太陽光でも、再生可能エネルギーでも火力でも、まあ原子力はもっと緻密におやりになるんだと思うんですけれども、今ある基準があるんだったら、例えば、今回の法律の改正で第三者委員会がちゃんと認めるか認めないかしますよといいながらも、それで認めていながら、大雨が降っちゃって崖崩れで太陽光発電の設備が流されちゃったとか、台風でパネルが飛んじゃってほかに損害を与えたとかという話になって。

 昨日も、いきさつを聞いたら、十五年前に再生可能エネルギーをどんどん進めていこうといったときに、国土交通省が所管している建築基準法の考え方と、電力事業なんだから経産省の所管で、そのときに、発電に関しては経産省の所管の方でやりましょうというのでスタートしたと聞いているんですね。じゃ、そこにどれだけの建築の、土木も含めて、専門家がいるのかというのは、私はお会いしたことがないから分からないんですけれども。今回は、そこのところをきちっとやっていきましょうというふうになるんですね。

 コンクリートで柱のところを根巻きしただけででっかい太陽光パネルを設置すれば、大雨して、土砂崩れじゃないけれども流されれば、やはり基礎を打っていなければ流れますよね。

 そういうことが、経産省のその審査をしている人たちが土木の知識を持って今までやってきたのならいいけれども、そういうことが少なかったから流れてしまったんだというんだったら、やはり私は、架台に関しては、建築基準法の工作物の位置づけにもう一回ちょっと戻してもいいんじゃないかなと思うんですけれども、その辺、御見解があれば。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘いただきましたように、太陽電池発電設備についてですけれども、電気工作物として、電気的な安全性と構造安全性を一体的に規制することが適当だということで、委員が御指摘の時期に、当時、建築基準法と電事法と両方の規制がかかっておりましたが、電気事業法の方に一本化をしたという経緯でございます。

 こうした中、近年の自然災害における破損事故の発生状況等を踏まえまして、少し遅いという御指摘があるかもしれませんが、建築基準法における建築確認制度と同様の、事前の確認を行う、今回、第三者の機関の関与によります構造安全性の適合性確認、手続を設けるということにしたものでございます。

鈴木(義)委員 傾斜のあるところで太陽光パネルを造りますよといったときに、土木の心得がある人間だったら、傾斜の角度だとか、じゃ、地すべりをそこで遮断するようなものを造って、こちらを開発して太陽光パネルは張るとかというふうにやりますけれども、そういう知識がなければ、やはり、張っちゃえばいいんだろうという考えでやりますよ。

 そこのところは、運用のところで少し、国交省の建築基準法の工作物、一種特定工作物の中に太陽光発電は除外されちゃっているんですけれども、そこのところは、架台はやはり工作物ですよ。電気の発電のものはその上に乗っていて、附属、蓄電池だとか交流にするとかというのはほかの附帯設備になると思うんですけれども、やはりその辺はちょっと切り分けて、専門家がいるんだったら専門家にきちっと、そういったことをやはり義務づけていくようにしないと、いろいろな災害が起きたときに、同じようにダメージを受けてしまうんじゃないかなというふうに思うんです。

 もう一点。系統線の混雑によって市場の分離が起こると、分断された地域内で電力の売買を成立させる処理が行われるため、分断された地域間で値差が発生する、この値差を、JEPXというんですかね、収益から、推進機構が行う広域系統整備交付金交付等事務に要する費用に充てるため、推進機関に対して値差収益を納付することとされている、法律の改正でこううたっているんですけれども、私は、電気を作っている地域の人たちに、前任の方も質問されていましたけれども、やはりその地域にメリットがあるような、東京で例えば十円で使っている電気代だけれども、発電をしている地域の人たちは八円で使えるとか七円で使えるとか、そういう発想を持ってもらえれば、やはり、私は全体的な、社会的なコストというのが、地方にいるけれどもメリットはあるというようなものを出していった方がいいんじゃないか。

 じゃ、値差で、送電を引く、系統を連系させていくところのお金に使っていくのも大事なんでしょう。でも、やはり一部はその地域の人たちに還元させるような形を取っていった方が、全体的に地方に行けば行くほど人口減少になってしまっている今の現状を見たときに、地域にいても豊かな生活が送れる。豊かな生活とは何だといったら、社会的なインフラを使った中でコストが安いというのが私は一番だと思っていますから、そこのところを考えたやり方をしてもらえないのかなというのがお尋ねなんです。その辺について御答弁いただけますか。

久米政府参考人 お答え申し上げます。

 今御質問いただきました値差収益は、電気事業制度の中で構造的に発生するものであることを踏まえ、電力の安定的な供給等の電気事業の健全な発達に資する取組に充てることが適切と考えております。

 このため、今般の電気事業法の改正案においては、電力広域機関による地域間、地域内送電線等の整備に対する貸付けの財源としてだけではなく、電力の安定的な供給の確保を図るための国の予算事業にも活用することができるよう、エネルギー対策特別会計の電源開発促進勘定に納付することといたしました。

 その具体的な使途につきましては、毎年度の資金需要や発生する値差収益を踏まえて決めさせていただくことになりますけれども、一般論として申し上げれば、電源開発促進勘定の予算としての必要性や適切性を踏まえて、予算編成過程で精査されていくことになるというふうに考えております。

鈴木(義)委員 ありがとうございました。

 最後に、大臣、電気代を安くすると、頑張りますと決意を述べていただきたいなと思いますが、よろしくお願いします。

赤澤国務大臣 いろいろと、もうできている制度もありますし、いろいろな考え方に基づいておりますが、私どもも委員と問題意識を共有して、国民負担を極力抑制するようにという心がけはしてまいりたいと思います。

鈴木(義)委員 終わります。ありがとうございました。

工藤委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午後零時十一分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時十六分開議

工藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。牧野俊一君。

牧野委員 参政党の牧野俊一です。

 本日も質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 今日は、この間の質疑の続きのところから扱わせていただきたいと思います。

 前回お話ししていました太陽光発電施設に関する安全規制と長期リスクについての続きのところになりますが、今回の改正でいろいろな新設するときの規制というものが入ってくるわけですけれども、既に設置されている太陽光発電施設は、先ほど調べましたら、二〇二五年で、いわゆる野立てメガソーラーという、地上設置型のもので一万一千三百三件存在するということでしたので、既に存在するこうしたものに対する土砂災害あるいは火災とか強風による破損のリスクがある場合に、今回の改正を基に、既に設置されているものについても立入検査とか是正勧告措置ができるのか、それとも、何か事故が起こった後にしか関連企業に対する調査協力要請とか是正措置といったことができないのか、ここのルールについて教えてください。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 本法案では、設備の設置者による技術基準への適合を確保するため、その製造事業者等に対し設置者への協力義務を課し、経済産業大臣による勧告や公表を行えることとするとともに、報告徴収や立入検査を可能としてございます。

 こうした勧告ですとか立入検査による是正指導は、既に設置されている設備も含めて、事故の発生の有無によらず必要に応じて行えることとしておりまして、これらの措置により、事故の未然防止にも寄与するものと考えてございます。

牧野委員 ありがとうございます。

 既にあるものも、そして、かつ何か事故とか問題が起きる前であっても立入検査であるとか協力要請が可能であるということですので、危ないところがないかどうか、定期検査もあると思いますが、そもそもその定期検査をしっかり業者がやっているのかということも含めて、しっかりと監督していっていただきたいというふうに考えております。

 続きまして、太陽光に関わるいろいろな事故、中には火災に至るケースもありますが、そうしたものの約六割がPCSという、パワーコンディショニングシステムの故障であるとか、あるいは場合によってはそこから発火してしまうというふうな統計が出ておるところであります。

 今回、本改正で可能となる、NITE、製品評価技術基盤機構といった、こうした機関も含めて、立入検査とか、あるいは、ぱっと見てその場ではなかなか分からない場合は当該機器を持ち帰って検査することもできるということになりますが、先日来られた参考人の方に立ち話でお伺いしたところ、それを持って帰ってぱっと調べて、それが長期的に本当に安全かどうか、持って帰ってぱっと見て分かるんですかと聞いたら、いや、なかなかそれは、その場で十年とか二十年先のことまでは完全に把握することはやはり技術的にも難しいと思うというふうにおっしゃっていました。

 となると、これを持って帰って実際にいろいろ調べたりすると思うんですけれども、どこまでそれによってリスクというものを正確に把握とか予測することができると考えていらっしゃいますでしょうか。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のございました太陽電池発電設備のパワーコンディショナー、いわゆるPCSですけれども、こちらの長期間使用した際の故障の主な要因としましては、製品の初期不良、それから施工方法や設置環境の不備、耐用年数を超えた使用による劣化、あるいは清掃等の保守点検が不備な場合等が考えられると思われます。

 こうした故障の要因を的確に把握すべく、今回措置する製造事業者等に対する立入検査につきましては、国だけでなく、PCSの事故分析などに専門性を有しております製品評価技術基盤機構にも実施できることとしてございます。

 あわせて、立入検査の際、国が製造事業者等に対し電気工作物の提出を命じることを可能としておりまして、こうした専門機関の知見を活用して事故品やあるいはその同等品を分析することで、措置の実効性を高められると考えております。

牧野委員 実際に事故が起きてしまってからではやはり遅いというところがありますので、事前に、持って帰って例えば新品と見比べて、こういうところにほこりが詰まってショートしやすくなっているとか、そうしたところを早めに分析をしていただいて、何か危険な兆候が見つかった場合には、同様の、同じメーカーの機器を使っているほかの事業者等に対しても迅速な検査の指示といったことをやっていただければというふうに思います。

 続きまして、PCS等の機器が中国など海外製である場合において、有事やサイバー攻撃のときに、それを使って電力系統を遠隔遮断されてしまったりとか、あるいは意図的に出力を攪乱されたりとか、そういった設備を破壊されたりするふうなリスクというのも一部に指摘されております。

 現状、このPCSには、先日の質疑の中の答弁では、JC―STAR1という、IoT機器全般に取得が義務づけられているような基準の取得を義務づけられているというところではあるようですけれども、このPCSは、とはいっても、電力という基幹インフラに関わる存在でありますので、この規制レベルというのを、JC―STAR1、2というのは、あくまで自主規制というか、メーカーが自分で検査をして、この基準に適合していますというだけの存在なので、第三者機関による認証が必要なJC―STAR3又は4クラスに格上げするべきではないかと思いますが、こちらについていかがでしょうか。

久米政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、電力の安定供給を確保する観点から、二〇二七年四月以降に新たに送配電網に接続する太陽光発電や蓄電池等に使用される通信機器について、JC―STAR星1の取得を要件化いたしました。

 今回の措置は、まずは、最低限確保すべきサイバーセキュリティー水準を求めるため、JC―STAR星1を活用したものであります。

 他方で、電力は国民生活や経済活動の基盤であり、太陽光発電や蓄電池等に想定される脅威に対して、より高度なサイバーセキュリティーの水準を求めていく必要があると考えております。

 このため、まずは電力分野固有の脅威や特性等を踏まえたJC―STAR星2の策定や要件化に向け、その効果や事業者にかかる負担なども考慮しつつ、外部有識者や関係事業者を含めた検討を進めてまいります。

牧野委員 ありがとうございます。

 現実的には、さすがに一足飛びにJC―STAR3、4というところに行く前に、まず2の段階できちんと基準を明確にするというプロセスが必要だとは思いますので、まずはJC―STAR2という段階になるかなとは、実務的にはそう思いますが、やはり最終的には、特に一番コアになるところの変電所であるとか、そうした特に重要な部分については3とか4とか、そういった部分の基準の設定、義務づけ、こういったことも後々は考えていっていただきたいというふうに思います。

 続きまして、ちょっと一問飛ばさせていただきますが、実際には、大規模太陽光発電事業者の多く、あるいは風力発電もそうですけれども、資本金十万円で設立可能な合同会社というものをSPC、特別目的会社として、そこに匿名組合出資者が資金提供を行うという、TK―GKスキームと言われるものが活用されている事例が多くあるというふうに認識しています。

 この仕組みは、太陽光とか、ほかの事業にTK―GKを使う場合もそうですけれども、今からやろうとしている太陽光も含めた事業の責任を、そのやろうとしているメーカーがほかのことを本業としていたりするので、その本業から切り離して独立採算としてカウントできるようにして、金融機関から一つの独立したプロジェクトとしてプロジェクト融資を受けやすくなるというふうなメリットがあると伺っています。

 本来は、SPCの経営に、匿名出資者というのは、そこに、経営の在り方に口出しすることはできない、匿名ですから。名前を出していないので。というはずなんですけれども、実際には、資本金十万円で、一応名前だけ社長がいるようなそういう合同会社の、実務を動かすアセットマネジャーという方がそこに大抵つくことになりますが、このアセットマネジャーという人を、匿名組合出資者の息のかかったアセットマネジャーを送り込むみたいな形で、実質的には匿名で顔と名前を出していない出資者が事実上の影響力を行使しているようなケースもあるというふうに伺います。

 このSPC、特別目的会社の合同会社自体にほとんど資産を持たずに、匿名組合出資者であるとか、その裏に実質的なスポンサーがいるというふうな場合に、事故後の原状回復であるとか損害補償、そして撤去費用といったものを負担しないままに、この合同会社、資本金十万円の会社をぽんと倒産させてどこかへ行ってしまうということも制度上は可能となっているので、ある種の抜け穴みたいなものなんですが。

 SPC、特別目的会社、こちらを規定しているSPC法というのは財務省の方の所管になっていると思うんですけれども、これは全ての会社に関することなので、特に業法であるところの電気事業法において再エネ事業者等のTK―GKスキームの活用というものに一定の縛りをかけて、例えば、実質的支配者や出資者、アセットマネジャーにも一定の責任を何らか負わせるような、そういった制度というものを検討した方がいいんじゃないかなというふうにも思っていますが、大臣のお考えはいかがでしょうか。

赤澤国務大臣 太陽光発電事業者の一部で、委員御指摘のTK―GKスキームを活用した事業者が参入していることは承知をしております。そういう意味では、問題意識は理解をいたします。

 太陽光発電設備の適切な廃棄については地域との共生における重要な課題であり、廃棄物となった太陽光発電設備については、その排出者に対して、廃棄物処理法に基づき、適正処理が義務づけられていることが一つあります。

 また、さらに、二〇二二年七月以降、再エネ特措法に基づき、FIT、FIP制度の認定事業者に対し太陽光発電設備の解体撤去や適正な処理のための費用の積立てを求めることで、認定事業者の責任において適切な廃棄がなされるよう促しているところでもあります。

 ということで、現時点において、各種の公益保護に影響を及ぼす太陽光発電設備特有の放置の実態が特段把握はされていないというふうに理解をしておりまして、現時点において委員御指摘の制度の検討はしておりませんが、引き続き現行制度を着実に運用するとともに、太陽光発電設備の撤去の状況を注視してまいりたいというふうに考えております。

牧野委員 ありがとうございます。

 今大臣に言及いただいた積立制度ということもできましたので、それが何もなかった頃よりははるかによくなったかなと思っているんですけれども、こうしたことがしっかりと実効性を持って、残されたパネルが放置されているとか誰もメンテナンスしないとかいった事態にならないように、引き続き、その実態がどうなっているかということを注視して、運用に当たっていただきたいというふうに思います。

 続きまして、経産省は実際の新規の再エネ設置におけるいわゆる環境アセスメントの審査等々に関わってくると思うんですけれども、この審査の在り方について伺っていきたいと思います。

 まず確認なんですけれども、環境アセスメント法自体は環境省の所管ですが、風力発電や太陽光発電などの電気事業所の新設、発電所の新設を行う場合には、環境アセスメントにおける着工前の最終段階である環境影響評価書の確定のための審査、これをやっているのは経産省の所管という理解でよろしいでしょうか。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 発電所の環境影響評価の審査ですけれども、環境影響評価法及び電気事業法に基づきまして、発電所の主務官庁であります経済産業省が行っております。

牧野委員 ありがとうございます。

 経済産業省の所管であるということをしっかり言っていただきましたので、ちょっとここから一つ具体的な事例をお示ししたいんです。

 私は地元は鹿児島ですが、現在、鹿児島県鹿児島市とお隣の薩摩川内市の間に位置する八重山という山があるんですが、この山において、二〇二九年の運転開始を目指して、風車八基から成る総出力三万四千四百キロワットの風力発電所を造るという計画が進んでおります。

 皆様のお手元にお配りした資料の資料一というものを御覧ください。これが、実際の事業者が作った環境影響評価書の中から抜粋した資料になりますけれども、この環境影響評価というものは、まずその前段階に配慮書、方法書、準備書、そして評価書というふうな流れになってまいりますが、今回の、一番着工前の最後のハードルであるところの評価書の一個手前に当たる準備書というものに記載されていたものがお配りした資料一の上半分、そして、最終的に評価書に出てきているものが下半分になります。

 この準備書に対して、二〇二二年に、鹿児島県知事及び経産相からいろいろな意見とか勧告が出ておりまして、具体的に、鹿児島県知事からはこのように言っています。この計画の中には、当初九つ、山を削ったりして出てきた残土を捨てる土捨場が計画されていたんですね。その土捨場が、九つある、一から九については、これは県知事の意見書をそのまま読みますが、尾根の平たん部及び尾根に近い谷頭に位置し、集中豪雨によって土石流の発生が懸念されるとともに、流れ下る河川の勾配が急であるため、土石流の勢いが増す可能性が高い、特に土捨場三、四、八、九については、尾根にある谷部分に位置することから、土砂流出の可能性が非常に高い、このように指摘されております。

 ここで指摘されている土捨場三、四、八、九というものの一部が、皆さんにお配りした資料一の上半分、赤いバツ印がついていると思います、この赤いバツ印がついているところの、この地図の中では土捨場四、三、五とそれから七、この四か所が廃止ということになっていますが、これは、この指摘を受けて、実際に、谷埋め型大型盛土という、大きな谷に盛土をして、そして土を捨てる、やはり土砂災害リスクが非常に高くなる一つの埋立方になりますので、そこは減らしましたという結果が、この下の、最後に出てきた評価書というふうになります。

 この評価書と上を見比べていただきますと、バツ印が消えましたが、残り三つ土捨場が残っております。下の方の地図の、ちょっとちっちゃな字で恐縮ですが、真ん中、赤い点線のちょっと右側に三号土捨場、そしてその右側、一号土捨場、一号の下に二号土捨場というふうに書いております。

 この三つを足し合わせた土捨場の、どれぐらい土がそこに盛られるかという合計の容量が下の表に記載されていまして、トータルで五万九千三百立方メートル、およそ六万立米程度の土砂がそこに捨てられる計画になっているというところであります。

 これは確かに九つから三つに減ったんですけれども、この知事の意見書には続きがありまして、これらの土捨場が位置する対象事業区域西側の地質は、岩下安山岩類及び中岳火砕流、強から弱溶結凝灰岩の分布域が広がっており、風化が著しくクラック、亀裂が多数確認されている、現に、対象事業区域及びその周辺は、平成五年の長雨により地層の含水率が飽和状態に近かったため、八月六日の集中豪雨に耐えられず、いわゆる八・六水害という水害が起こり、斜面の崩壊や土砂の流出が発生したという実績があるところであるというふうに指摘しております。これをもって、これらの取りやめや残土の処分方法についてしっかり検討して、谷を埋めない方式を少なくとも取ることというふうな勧告がなされて、今回のこういうふうな是正に至っているわけです。

 それでもやはり、この指摘しているところの地中に安山岩質のクラックが多数あって、そして大雨が降ると基本的に崩れやすいといった、こういった場所に土捨場が位置するということ自体は変わらないわけですけれども、ここのリスクについてどのように評価されましたでしょうか。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の発電事業、かごしま郡山風力発電事業でございますけれども、環境影響評価準備書に対して、土工量及び土地の改変を最小限に抑え、環境への影響を回避又は低減するよう見直すなどの経済産業大臣勧告及び鹿児島県知事意見が示されたことを踏まえまして、評価書においては、御指摘ございましたように、土捨場で処分する残土量を十分の一に減らすとともに、土捨場を九か所から三か所に減らす計画に変更されたところでございます。

 また、御指摘の土捨場に関しては、残土量の減少に加えまして、県知事意見を出されました鹿児島県など関係機関との調整もその後行われたということでございまして、その調整の結果、土捨場で発生し得る土砂流出や盛土崩壊を防止するため、土地を固めること、あるいは排水処理を適切に行うことといった条件も付されたところでございます。この旨を環境影響評価書に記載がされたところでございます。

 こうした事業者による土捨場についての環境保全の措置について、経済産業省としては、有識者から成る顧問会による意見も聴取した上で、最終的に適正になされていると判断したものでございます。

牧野委員 説明ありがとうございました。

 今言ったようなプロセスで認可が進んでいったわけでありますが、これは実は結構重要なことが見落とされていると思っていまして。

 こちらのお配りしている資料一の下半分、上半分もそうなんですけれども、水色の丸が二つついております。この水色の丸のところには、人工のため池が実はあるんですね。左側のちっちゃな方の丸のところは、マップ上も初めから、国土地理院の地図でもため池があるよというふうな記載になっているんですけれども、もう一つの、土捨場二の直下にあるところの青丸ですね、ここは、ただの河川、青い筋が一本ぴゅっと通っているだけという表記になっていますけれども、これは実は河川ではなくて、ここには、実際には、この評価書の地図に記載されていない人工のため池が二〇二二年頃までに造られたということが航空写真の分析で分かっております。

 一枚おめくりいただいて、資料二というのを御覧いただきたいんですが、このため池が、実際には、現地に行ってちょっと見てきたんですけれども、このため池のせき止めている堰ですね、この堰の総延長が十六メートル、高さが約七メートルで、全体的に台形の、資料二の上半分に立面図と断面図等を描いてますけれども、ここに描いてあるような、土で盛られたような、そういった堰になっております。全体的に土でできていて、このトップのところの、約四メーターほどの水平なトップの部分と、そしてこの池から水が流れ出してくる幅一・五メートルの水路。

 下の写真を見ていただくと、1番という写真のところにこの水路が写っていまして、そして、2番、3番というところの写真を見ると、一部コンクリートが少し壊れているようなものが見て取れると思いますが、一部が厚さ十センチ程度の比較的薄いコンクリートで覆われているというところではありますが、そのコンクリートにも実際にはクラックが入って補修した跡があって、そして、3番の写真の左上の方ですね、ちょっとよく見ないと分からないんですが、木の下によく見ると土のうが積んであるのが分かります。こうした土のうを使って補修もされているというふうな状況で、過去に大雨が降ったときに水があふれて流れていったんだろうなという跡も見受けられました。

 もう一枚めくっていただいて、資料三になりますが、これがその問題のため池を上空から見たグーグルアースの写真になります。地図上は、これは国土地理院の地図でも、右側にあるように、ただの青実線で書いてあって、川という表現になっているんですけれども、実際は、ここにこのように、上空から見て、大体奥行き百三十メーターぐらいのまあまあ大きなため池ができておりまして、一番怖いのは何かといいますと、このため池から水が流れ出ていったそのすぐ後ですね。

 この地図の中の赤い丸印がついている辺り、ここのところ、等高線を見ていただくと、非常に等高線の間隔が詰まっていると思います。私、アドベンチャーレースという、地図を読んで山のチェックポイントを拾っていくような、そういうレースを好きでやっているんですけれども、この等高線の詰まり方というのはどれぐらいの斜度かというと、本当に、岩とか木につかまって張りつくようにして地面を上がっていかないと登れないぐらいな、それぐらいな急傾斜なんですね。

 なので、一たびもしもこの土でできたため池の堰が決壊した場合は、大規模な土石流がこの急な沢をばあっと下っていって、そして、その下には集落があるんですよ。人が住んでいらっしゃいます。これは非常に危険な状況であるというふうに認識しているんです。これは実際に、この下に梨木野集落という集落があるんですけれども。

 これは、土捨場が、土捨場二番というのが先ほどの地図でピンクで塗っているところですね、土捨場二と一、ここに土を盛って、そしてそれを突き固めると、どうしても、何も押していなかったときと比べて、ぎゅっと圧縮されて、中にある空気が入っている隙間というものがなくなってしまいますので、地表から水がしみ込みにくくなって、表層を流れる表層流というものが増えます。つまり、土捨場がなかったときと比べて、明らかにこのため池に大雨のときに流れ込んでくる水の量は増えるわけですね。そういう状況で、もし決壊すると本当にもう取り返しがつかないことになるということですが、この評価書にはこれが記載されていないんですよ。

 この評価書に記載されていないこの危険なため池の存在を経産省は審査のプロセスにおいて認識していたでしょうか。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 事業者から提出された環境影響評価関係の文書におきまして、御指摘の当該地権者が設置したとされるため池については記載がなかったと承知しております。

牧野委員 経産省の立場からすると、業者から提出されたものに記載がなければ、当然ないものとして扱うわけです。

 ですが、実際に事業者の方が住民説明に用いた資料によりますと、開発前の林地、森林だったときに、降った雨水のうち何%が表層を流れて流出していくかという、雨水の流出係数というものがありますが、この流出係数を〇・七というふうに設定しているようなんですね。これはどういうことかというと、一〇〇雨が降ったうち、三〇地表にしみ込んで、七〇%が地表を流れていく状態を流出係数〇・七というふうに表現します。

 確かに、鹿児島県が示している、いろいろな土地、平地、丘陵地、そして山岳地、森林なのか裸なのか草地なのかという、それぞれの違いによって標準的な流出係数の値というものが示されています。大体どこでも全国似たようなものみたいで、山岳の林地は丘陵、平地と比べて浸透能が小さいとされます。なぜかというと、傾斜が急で水が素早く流れ下っていくので、平らな土地よりもしみ込む量が少ないだろう、そういう見積りなわけですが、一般的に、山岳の林地の標準流出係数は〇・六から〇・七と確かにされています。

 ただ、実際には植生の状況によって本当は大きく異なるんですね。実際、山梨大学で土木とか防災を研究されている鈴木猛康教授がこの鹿児島の現地を視察された際にコメントを残していらっしゃって、非常にここは、針葉樹の人造林ではなくて、広葉樹林の非常に植生豊かな森であって、足下にいろいろな腐葉土とかも結構しっかりとたまっているということで、水を吸収する能力は高い、よって、流出係数は恐らく実際には〇・三から〇・四程度と見込まれるというふうにコメントをされています。

 ということはどういうことかというと、事業者の見積りでは、降った雨が、元々、〇・三しみ込んで〇・七流れ出していく、そこを開発して突き固めたり風車を建てることによって全くしみ込まなくなって、一〇〇%が流れ出していく、流出係数が一・〇になるという想定で、その増える水量が〇・三相当。この増える〇・三の分を、一枚目の地図に書いてあった土捨場の一号、二号の下に青いちっちゃい四角が書いてあると思うんですけれども、この青いちっちゃい四角、これが、沈砂池というか、流れ出てきた水を一旦ためて、大雨が降ったら一度そこに開発によって増える流量をストックして、そしてゆっくり下流に流していく、そういう構造を取るわけですが、この沈砂池の容量がプラス〇・三分の容積を確保すればオーケーという計算になるわけです。

 ただ、ここでもしも、本当の、元々の森の流出係数が〇・七ではなくて実は〇・三や〇・四だった場合、開発によってしみ込みがゼロになった場合、増える量は〇・三ではなくて〇・六程度、大体倍ぐらいこの表面を流れてくる水の量が増えてしまうという可能性もある。もしそうなると、既存の設計されている沈砂池では容量オーバーになって、オーバーフローしていってしまうということになるわけですが、それで麓の災害リスクが上がる。

 経産省としては、実際の現地の植生とか地質に合わせて適正な流出係数の見積りができるように、各自治体に指導監督というものはされているんでしょうか。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の雨水流出係数ですけれども、こちらは林地開発に関して定められたものを各自治体がお使いになっているというふうに理解をしております。

 御指摘の環境影響評価書では、事業者によりますと、住民説明に用いた鹿児島県の標準値である雨水流出係数は〇・七と聞いておりますけれども、実際には、評価の段階では、最も安全側、すなわち全量が流出するという最大値の一・〇で設定をしたというふうに聞いておりまして、風力発電所が設置されている場所も含めて、その周辺での水の発生状況について、あるいは排出する設備についての設計は、一〇〇%流出するという前提で、安全サイドで設計されたと承知しております。

牧野委員 事業者が安全サイドによって設計しているのは、それは知っているんですけれども、今お聞きしたいのは、実際の事業計画の上で、一応標準値としては〇・七と定められているところの山岳林地の流出係数、これが本当は植生とか現場の状況によって違うはずである、ここに関して適切に現地で評価をするように、自治体に何か指導とか監督とかはされていますか。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 環境影響評価法上、私どもが自治体に対して何か指導したりとか監督するという権限は持っておりませんので、そういったことはやっておりませんが、実際に事業者が評価を行う際にどういう係数を選択してくるか、こういったところの妥当性については、先ほど申し上げた有識者の検討の場等で、専門家の御意見も踏まえながら、その妥当性を評価しているところでございます。

牧野委員 分かりました。

 そうしたら、続いて、別な、次の問題に行きたいんですけれども、お配りした資料の四枚目ですね、次は。

 これは、一番最初にお示しした地図の三号土捨場というところの一番北の方の、赤い点がついて、長い棒がついている1という区画になりますが、要は土捨場の予定地ですね、この土捨場の予定地には、この敷地で牛を飼っている農家の方がいるんですけれども、そこの家畜排せつ物、牛ふんですね、これが大量に野積みされた状態で放置されているということが実はあります。

 実は、下流の川の方々は、大雨が降って上がった後、何か川が臭くなるというふうな訴えをされている方が多数いらっしゃって、恐らくこれがこのせいなんじゃないかというふうに今疑われているという状況です。

 こういう状況について、鹿児島市の方でも調査に入ったそうではあるんですが、残念ながら、左上が晴れているときの写真、右下が雨が降っているときです、鹿児島市の調査は晴れているときにやったみたいで、晴れているときだと、確かに積んではあるけれども、後々これは堆肥としてまく予定なんだという、適切に処理してくださいというふうな話になっているみたいではあるんです。

 晴れているときは確かにここから何か汚水が川に流出しているということはないんですけれども、実際に雨の日に行ってみますと、このように牛ふんがたまったところに大量の真っ黒い水がたまっていて、結構悪臭もして、これが横の側溝にどんどん何かろ過とか処理されないままずっと流れていっているというのが目で見て確認できるというふうな、そういう状況であります。

 今回の工事に伴う盛土によって、この排せつ物というのが工事業者によって撤去されるか、あるいはそのまま埋められてしまうことになるのか分かりませんが、いずれにしても、ここの地権者の方は風力建設に賛成されている方のようなんですが、地権者の方にとっては、置いてある、もしかしたらちょっと条例違反等があるかもしれないものに関して、それをなかったことにできるからこの建設に賛成したんじゃないかというふうに疑うような住民からの指摘も実際にございます。下流の集落は、今回の建設がこのまま進められてしまいますと、この河川の衛生問題というのはもしかしたら改善されないまま放置されてしまう可能性がある。

 また、この地権者の方の自宅というのがこのマップのエリア内にあるんですけれども、これが、特に、左下から二番目の風車、七号機と書いてある風車から距離三百メーターぐらいのところにおうちがある。一応、距離三百メーターとか非常に近いところは風車等々の音などによって影響を受ける範囲であるというふうに規定されていて、できればそういったところに民家がないように配慮すべきであるというふうにされていると認識しておりますが、これを受けて、本当はここに人が住んでいるままなんだけれども、住民票上の住所だけ一キロより遠いところに、圏外に住民票だけ移して、実は人がそこに住んでいるんだけれども、評価書ではこの風車の影響を受ける範囲に民家はありませんということにしているというふうなこともあります。

 経産省として、こういったある種利益相反とも取れるような状況、これについて認識していましたでしょうか。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、一点目の家畜排せつ物ですけれども、こちらは、先ほど同様、事業者から提出された環境影響評価関係の文書においては記載がなかったと認識をしております。

 また、風車近傍の地点の居住の実績ですけれども、事業者によれば、居住実績がないということを確認しているというふうに承知しております。

牧野委員 要は、評価書に書いてなかったら、ないことになるわけですよ。牛ふんが積んであっても、本当はそこに人が住んでいても。

 これはちょっと大臣に伺いますが、さきに指摘した危険なため池、そして今言ったような利益相反に当たるような事態、こうしたことについて認識しないまま経産省が評価書の審査、確定をしたのであれば、改めてこの現地の調査そして評価書の審査というものをやり直すべきではないかというふうにも考えますが、電気事業を許認可する主務大臣として、あるいは、赤澤大臣は防災がライフワークだというふうにいつもおっしゃっているので、防災の観点からどのように考えられますでしょうか。

赤澤国務大臣 防災がライフワークでして、今日のお話を聞いていて、何か、ちょっと失礼かもしれませんが、先生は私と同種だなという感じが非常にいたした次第で、本当に環境影響評価の顧問会に有識者として御参加いただければぐらいに思いますが。

 御指摘の事案については、経済産業省として、環境省が所管する環境影響評価制度における手続に従って、事業者による環境影響評価や環境保全措置を、地元自治体や環境省からの意見、そして有識者の意見を踏まえて審査し、評価書を確定した。そういう意味では、定められているプロセスには従っているということであります。

 評価書が確定した後、環境影響評価制度では、周囲の環境変化で環境保全措置を変更する必要があると事業者が判断した場合、環境影響評価の再実施ができることになっています。

 発電所の設置に当たっては、地域との共生が重要でありますので、引き続き、事業者に対して、こうした手続があるということを周知徹底しつつ、地元に丁寧に向き合うことを求めてまいりたいと思います。

牧野委員 ありがとうございます。

 大臣も大事なことだという認識はしていただいていると思いますが、やはり、今の環境影響評価、環境アセスメントの制度というものが何か特定の規制ではなくてあくまで手続法であるという特性上、どうしても業者任せになってしまって、認可する行政の側は書いてあることをそのままうのみにするような傾向というのはどうしても出てくると思うんですね。

 特に、この八重山というのは複数の河川の水源であって、この尾根を開発するということは、短期的にはそこまで物すごい影響はないかもしれませんけれども、三十年とか五十年とか超長期で見ていくと、やはり、山の尾根を伐採してそこに木が生えなくなると、そこから山がちょっとずつ崩れていくという山体崩壊というものが加速してまいります。

 数十年後にこの風車が耐用年数を迎えて撤去されても、確かにそこにあるコンクリートの基礎は残ってしまうと思うんですが、そこは既に林地でも発電所でもないので、林野庁も経産省も管轄外になると思います。その後の山の環境に責任を持つ主体は一体どこなのか、ここに関して、林野庁、経産省、そして国交省、環境省、それぞれの立場から手短にお願い申し上げます。

齋藤政府参考人 お答え申し上げます。

 森林における風力発電事業の開発は、保安林制度と林地開発許可制度により規制しております。

 その上で、開発行為が完了した時点で森林以外の土地として扱うこととしているため、森林法における規制などは適用されません。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 電気事業法による安全規制では、風車等の電気工作物の保安の確保等を目的としておりまして、事業が廃止され届出がなされた場合には、電気工作物には当たらなくなるため、同法の規制の対象とはならないと理解しております。

中井政府参考人 河川管理を所掌する国土交通省では、気候変動による水害の激甚化、頻発化に対応するため、流域のあらゆる関係者が協働して、ハード、ソフトの対策を総動員する流域治水を推進しています。

 特に、河道等の整備だけでは浸水被害を防止することが困難な都市部の河川においては、特定都市河川法に基づく河川指定を進めており、指定された河川の流域では、宅地等以外の土地における千平米以上の雨水浸透を阻害する開発行為について、事前の許可と流出抑制対策を求めることとしています。

 委員御指摘の八重山の風力発電所の開発に関しては、事業区域の一部が特定都市河川として指定されている甲突川の流域内にあり、許可申請先となる鹿児島市から、現在、事業者より事前相談を受けていると聞いております。

 当初の開発行為後においても、雨水浸透阻害行為に該当する行為がある場合には、改めて許可が必要となってまいります。

成田政府参考人 お答え申し上げます。

 環境省の方からはコンクリート基礎についてお答え申し上げます。

 御指摘の八重山における風力発電事業につきましては、鹿児島市からは、事業者は風力発電設備の廃止の際に基礎を含めて撤去する方針を示していると伺っているところでございます。

 その上で、一般論として申し上げますと、廃棄物処理法上の地下工作物の扱いに関しましては、環境省から都道府県等に対する通知を発出しておりまして、この中で、地下工作物については、地盤の健全性、安定性の維持や撤去した場合の周辺環境への悪影響の防止等の条件を満たした場合に限り存置して差し支えないこと、また、都道府県等においてこれらの条件を満たしていないと判断した場合は、当該地下工作物の撤去等を命ずることが可能であること、こういったことをお示ししているところでございます。

 環境省といたしましては、鹿児島県や鹿児島市から相談があれば、必要に応じて廃棄物処理法の解釈等に関する技術的助言を行うなど、適切に対処してまいります。

牧野委員 ありがとうございます。

 今皆さん聞いていただいて分かったかと思いますが、これは、最初林野庁が林地開発許可を出し、そして経産省が事業をやっている間はそこを所管し、その後のことは、実は余り誰も、その後、その土地が三十年、五十年、周りのその広い流域まで含めた河川環境、そしてひいては河川が流れ着く海の環境まで含めて、誰が責任を持つのかが非常に曖昧というか、ほぼほぼ誰も責任を持っていないという状況だと思います。

 特に、先ほど国交省がお示しいただいた特定都市河川法というのが確かにありますが、これは八重山の鹿児島市側、半分ですね、反対側の川内市、半分側はそれの適用外ということだと思いますので、そうした部分も含めて、超長期の影響とか広範囲の視点でこういった土地利用というものが後々どうなるのかということについて、しっかりと国の予算を使って、その影響、本当に超広範囲、流域レベルでの広範囲、そして三十年、五十年レベルでの超長期での影響というものをきちんと国がお金を使って研究をしていくという、こういう姿勢が大事になってくるんじゃないかなというふうに思います。

 ちょっと済みません、時間の都合上二問飛ばさせていただきますが、こういった林地開発、今回はメガソーラーに関していろいろな規制が入りましたけれども、こういった発電所の建設等々も含めて、再エネに関する開発については、再エネ特措法、森林法、盛土規制法、景観法、農地法、電気事業法等々、いろいろな関係法令、それが複数の省庁にまたがっています。その結果、地域の住民から見ると、不安を持ったときに誰が責任を持って止めてくれるのかが非常に分かりにくい。ですので、住民の方が再エネ開発に何らかの不安を持った場合の窓口として、あるいは、同時に、三十年、五十年単位で、河川そして海洋環境や廃棄物処理まで含めた統合的な規制、そして防災、減災措置を行う横断的な部局というものが必要なんじゃないかと思います。

 実際に、原子力に関して原子力規制庁というものがあるのは、扱う核物質という物質の特殊性、そして一たび事故が起きたときの影響範囲の大きさと、そしてそこからの被害回復に超長期間を要するという特殊性があるから、原子力に関しては原子力規制庁、規制委員会というものが存在するはずです。

 であるならば、再エネ開発というものは、出力当たりの開発面積が非常に大きくて、そして設備の撤去後まで含めた環境と住民生活への影響が非常に広範囲、長期間に及ぶという、こういう特徴があります。現在でも、先ほど御紹介したように、いわゆる野立てメガソーラーというのは二〇二五年で一万一千三百三件ございます。今後、こうしたソーラー、風力が発電を終えて廃止されていった先に誰も責任を持たない土地というのが全国に何万個もできてしまうというのは非常に危険だと思いますので、原子力規制庁に相当するところの、再エネ規制庁のような組織を設立を検討するべきじゃないかというふうに思いますが、大臣のお考えをお願いいたします。

赤澤国務大臣 経済産業省は、電気事業法に基づき、太陽光発電や風力発電といった再生可能エネルギーを含む電気設備について、保安確保や環境影響評価に責任を持って対応をしております。今回の法改正後も、引き続き、電気設備に係る公共の安全確保や環境保全に責任を持って対応してまいります。

 その上で、再生可能エネルギーに関しては、電気事業法に加え、自然環境あるいは安全性、景観といった観点から、関係法令で、その法令ごとに所管省庁が許認可等を適切に運用しているものと承知をしています。

 経済産業省としても、関係法令違反が疑われる事業については、通報窓口を設置し、再エネGメンというんですかね、そういうような形で通報を端緒とした現地調査を実施してもいます。

 政府としては、委員御指摘の再エネ規制庁のような新たな組織をこれからつくるということではなくて、経済産業省として責任を持って、地域と共生した再生可能エネルギーの導入に向けて、引き続き、関係省庁と連携し、適切な役割分担の下で、適正な事業規律の確保に取り組んでまいりたいと考えております。

牧野委員 しっかり連携を取ってそこはやっていただきたいと思います。本当にお願いいたします。

 ありがとうございました。

工藤委員長 次に、河合道雄君。

河合委員 チームみらいの河合道雄です。

 本日も質疑の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 電気事業法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。

 初めに、本改正案がよって立つ土台とも言える、すなわち、電力は将来にわたって足りるのかという見通しについて伺ってまいります。

 本改正案は、長期にわたる電源、系統への投資を支える基盤を整えるものでございますが、その投資判断は、将来の需給をどう見通すかに大きく依存します。電力需給の将来見通しには、性格の異なる二つのものがございます。一つは、電力広域的運営推進機関、OCCTOが設置する将来の電力需給シナリオに関する検討会が示す長期のシナリオです。もう一つは、電力事業者が提出し、OCCTOが取りまとめる供給計画でして、こちらは今後十年間の需給の見通しを示すものです。

 前者は、一定の仮定を置いた幅のあるシナリオを作り、後者は短期から中長期までの全国供給エリアの需給バランスを一元的に把握するものであって、両者はその性格を異にするものと承知しております。性格が異なる以上、政策検討の過程では、両者を重ねて用いることに意義のある形で是非活用していくことが重要であると考えております。

 また、こうした見通しが中長期にわたるものであることは理解いたしますが、昨今の燃料価格の高騰ですとか需要の動向といった外部環境は短期的にも変動し得るものですので、時間軸の長い見通しがあったとしても、随時その内容を見直していくことが必要であると考えます。

 ここで、政府参考人にお伺いいたします。

 政府は、電源、系統整備の判断において、性格の異なるこれらの見通しをどのように位置づけて用いているのでしょうか。また、外部環境の変化に応じて、これらの見通しをどのように更新し、政策判断に反映していくお考えであるか、お伺いをいたします。

久米政府参考人 お答え申し上げます。

 電力広域機関の策定した将来の電力需給シナリオは、二〇四〇年及び二〇五〇年時点を対象に、一定の仮定の下、安定供給確保に必要な供給力を複数のシナリオで試算したものであります。

 また、同機関は、一般送配電事業者が提出する電力需要の想定を取りまとめ、今後十年間の全国大での電力の需要見通しとして公表しております。

 いずれも、将来の電力需給に関する政策を検討する際の基礎情報として活用しておりますが、時間軸や想定の手法が異なるため、それぞれの特性を踏まえて活用しております。

 具体的には、前者の将来の電力需給シナリオは、中長期を見据えて必要になる新規電源の規模感の把握などに用いております。例えば、新規投資を促すための長期脱炭素電源オークションにおけるLNG専焼火力の募集量設定に当たって参照しております。

 後者の毎年度公表している需要見通しにつきましては、過去の電力需要実績を前提に算定されたものであり、短中期での需給バランスの評価や、特定の年度における予備率向上の施策の必要性の判断などに用いております。例えば、足下の供給力を確保するための容量市場における募集量設定に当たって参照しております。

 また、前者の将来の電力需給シナリオは、前提条件等の変化を毎年観測しつつ、三年から五年程度で定期的に見直しておりまして、後者の毎年度公表している需要見通しは、まさに毎年度更新がされるものというふうに承知しております。

河合委員 詳細に御答弁いただきまして、ありがとうございます。

 特に、やはり今回のケースでいいますと、直近の状況変化が激しいところでもあると思いますし、それらのシナリオの見直しというところを不断に進めていただきたいと思います。

 次に、火力発電の供給力についてお伺いをいたします。

 OCCTOの将来の電力需給シナリオに関する検討会の報告書では、経年火力のリプレースの有無により二〇四〇年の需給バランスが大きく変動することが示されています。安定供給を支える火力発電の確保、ここはまさに日本のエネルギー政策の根幹に関わるものであり、いずれのシナリオを前提にするかにより、必要となる電源投資の規模、まさに今言及をいただきましたけれども、規模や時間軸が変わってくるものと認識しております。

 ここで、政府参考人にお伺いをいたします。

 政府は、火力のリプレースを織り込んだ供給力の見通しについて、どのシナリオを前提として電源、系統整備策を組み立てているのでしょうか。また、火力発電の休止やリプレースの見通しについて、その把握において精度の向上や対策を進めていらっしゃるのでしょうか。お伺いいたします。

久米政府参考人 お答え申し上げます。

 電力広域機関の策定した将来の電力需給シナリオでは、需要面、供給面にそれぞれ一定の仮定を置いて、安定供給確保に必要な供給力を複数のシナリオで試算しております。

 将来の安定供給確保策を検討するに際しては、電力需要の増加や高経年化した発電所の廃止といった安定供給にとってリスクとなり得る要因は保守的に見積もる必要があるというふうに考えております。

 これを踏まえて、長期脱炭素電源オークションにおいては、二〇四〇年に火力発電のリプレースが十分進まなかった場合でも、新設電源によって必要な供給力を確保できるように、その募集量の設定を行っております。

 送電網整備については、二〇五〇年カーボンニュートラルを見据えた再エネの導入や電力の安定供給の実現に向けて、長期方針であるマスタープランを策定し、それに沿った形で具体的な送電網の整備を進めております。現在、マスタープランの前提条件の見直し作業を進めておりまして、火力発電のリプレースの有無といった足下の供給力の状況も反映してまいります。

 また、火力発電を含めた個別電源の休廃止やリプレースの動向については、毎年度、電気事業者が提出する供給計画を通じて把握するとともに、必要に応じて個別事業者からヒアリングも行いまして、より精緻な情報を聴取しております。

河合委員 ありがとうございます。

 火力のリプレース、保守的に見積もっていらっしゃるということでお伺いをいたしました。リプレースが進まない場合の供給力不足というところも試算されているというお話も以前あったかなというふうに思っておりますので、この想定を持った上で進めていただければと思います。また、事業者の事業計画に大きな影響がありますので、かなり早期に把握することは難しいとしても、やはり火力発電の休止などは、より地道な努力の下、把握していただくお取組を引き続き続けていただくことをお願い申し上げます。

 続いて、足下の、短期の供給力についてお伺いいたします。

 OCCTOがまとめた二〇二六年度の供給計画においては、二八年度以降、複数のエリアで、停電が起きないために必要とされる供給予備力の最低水準を満たせない見通しが示されていると承知しております。第三回の次世代電力・ガス事業基盤構築小委員会におきましても、二〇三〇年代初頭にかけて、特に夏、冬の高需要期における電力需給は予断を許さない厳しい状況が続く可能性があるとの認識が示されております。

 火力発電所の休廃止が先行する一方、新たな脱炭素電源に長期の収入見通しを与えて建設を促す、先ほども言及いただきましたけれども、長期脱炭素電源オークションで落札した電源が実際に動き出すのは二〇二九年以降の見通しであり、当分の間、電源が入れ替わる過渡期を迎えるものと承知しております。

 この過渡期への備えとして、休止している電源を維持してもらうための予備電源制度が設けられておりますけれども、容量市場の上限価格を下回る電源は容量市場で落札される見込みがあるために、予備電源には応札が集まりにくいといった構造上の課題など、制度としての、十分に機能するかについて課題があると認識をしております。

 ここで、政府参考人にお伺いをいたします。

 こうした状況を踏まえまして、二〇三〇年度までの供給力の確保について、予備電源制度等の課題をどう認識し、その解決策をどのように考えていらっしゃるか、お伺いいたします。

久米政府参考人 お答え申し上げます。

 予備電源制度は、災害時のような緊急時に備えて休止電源を確保するものであります。御指摘のとおり、第一回の募集では応札がなく、第二回募集では募集価格の見直しを行ったところ、西エリアで二電源の落札がありましたが、全体としては募集量に対して未達となっております。

 こうした状況の大きな要因として、老朽火力発電所を修繕し、休止電源として維持するための費用補填が不十分であった可能性が考えられると承知しております。

 一方で、予備電源を確実に確保するために更に募集価格を引き上げることも考えられますが、予備電源の費用は託送料金により負担されるため、国民負担とのバランスも重要な視点だと考えております。

 こうした論点を含めまして、予備電源制度がより効果的な制度となるよう、現在、審議会で制度の見直しについて議論を進めているところであります。

 また、予備電源制度だけでなく、既存電源のコスト実態を踏まえた容量市場の見直しや、需給逼迫時に備えた電源の公募措置も活用しながら、必要な供給力を確保してまいります。

河合委員 御答弁いただき、ありがとうございます。

 まさに国民負担にも跳ね返る問題でもございますので、こういった複合的で複雑な課題ですけれども、一歩一歩進めていただくことを期待しております。

 今、ここまで、需給の見通しの使い分けですとか、火力を織り込んだ供給力、そして予備電源についてお伺いをしてまいりました。

 改めて、今回の電気事業法の改正案が中長期の脱炭素化に向けた投資の基盤を整えるものである一方、足下では、エネルギー価格の変動や火力発電の休廃止の先行といった短期の安定供給に関わる課題に直面をしております。今後、十年から十五年程度のこの過渡期の中で、どうやって、長期の脱炭素化と足下の供給安定という時間軸の異なる二つの要請をいかに両立をするかということが問われる、非常に難しい局面であると認識しております。

 ここで、大臣にお伺いいたします。

 予備電源や容量市場、新たな電源公募といった様々な仕組みを組み合わせながら、この中短期の電力需給の安定化を政府としてどのように進めていく方針か、御見解をお伺いいたします。

赤澤国務大臣 委員御指摘のとおり、足下で老朽化している火力発電所を中心に休廃止が見込まれる中、新設、リプレースされた火力発電所が順次稼働し始める二〇三〇年代初頭までの間は、夏、冬の高需要期において電力需給が厳しい状況になる可能性を想定しており、安定供給を確保するための対策がとりわけ重要という認識でございます。

 電力の安定供給は、繰り返し申し上げておりますとおり、国家の生命線であり、考え得るあらゆる手段を尽くして安定供給を確保していく方針です。具体的には、既存電源のコスト実態を踏まえた容量市場の見直し、あるいは休止電源の一時的な稼働、そして発電所の補修時期の調整といった対策を組み合わせて、万全を期してまいりたいというふうに考えています。

河合委員 大臣、御答弁ありがとうございます。

 お話しいただきました施策を組み合わせながら、推進を期待しております。ありがとうございます。

 では、続いて、本改正案による大規模電源の公的融資についてお伺いをいたします。

 通告では、このテーマは二問させていただきましたが、一問目を時間の都合上、飛ばさせていただきます。

 本改正案では、OCCTOが、経済産業相の認定を受けた大規模電源の整備計画に対し、財政投融資等を活用して資金を貸し付けることとされております。この貸付業務の効果検証についてお伺いをいたします。

 OCCTOは、現行制度でも値差収益を原資として、地域間連系線の整備に貸付けを行っていると認識しておりますけれども、今回の改正案では、新たな原資を加えて、対象を大規模電源や地域内送電線にまで広げて、融資の規模と範囲が大きく広がるものと認識しております。

 本改正案の附則第十条では、施行後の五年をめどといたしまして、推進機関の業務などについて検討を加えることとされており、その中には、本改正で新設される貸付業務について検討するという事項も含まれていると認識しております。

 将来、貸付業務の必要性や政策効果を適切に検証していくためには、その検証に用いる考え方、どういった指標なのかとか、どういった観点で見直すのかといったものをあらかじめ定めておくことが必要だと考えております。

 政府参考人にお伺いいたします。

 この貸付業務の効果検証につきまして、どのような方針で取り組むおつもりなのか、見解をお伺いいたします。

久米政府参考人 お答え申し上げます。

 本法案に盛り込んでいる電力広域機関による貸付制度は、民間金融を補完し、資金調達が難しい、投資期間が長期かつ大規模な送電線や電源の整備を促進するものであります。

 電力広域機関は、経済産業大臣が認定した計画に基づく投資に貸付けを行うこととしております。また、貸付けの実行は、経済産業大臣が定める基準に従って行われます。こうした仕組みにより、適切な案件に貸付けが行われることを担保してまいります。

 その上で、委員御指摘のとおり、貸付業務の内容を事後的に効果検証する上での考え方をあらかじめ整理しておくことは重要だというふうに考えております。

 具体的な検証方法は今後検討してまいりますけれども、資金調達が難しい、投資期間が長期かつ大規模な送電線や電源の整備の促進につながったかという観点から検証に取り組んでまいりたいと考えております。

河合委員 御答弁いただきまして、ありがとうございます。

 附則にも含まれていることでもございますので、お話しいただいた点を成立後も引き続き検討いただいて、見直しを進めていただくようにお願いを申し上げます。

 続きまして、太陽光発電に関する御質問をさせていただきます。

 今回改めて、太陽光、メガソーラーに規制も、設置基準ですね、ありまして、以前からのFITとFIP、これらの認定容量の支援の下でここまでは大きく拡大してきた太陽光発電でございますけれども、こちらの方針につきましても二〇二七年度以降、新規の支援の対象外とするような見直しが進んでいると承知をしております。

 加えて、本改正案で、十キロワット以上の太陽電池発電設備について工事前の適合性の確認を求めるなど、保安面での規律も強化されていきます。

 一方、資源エネルギー庁の定めるエネルギー基本計画の中では、二〇四〇年度の電源構成において、太陽光発電が二三%から二九%程度を占めるようにしていくというような見通しが示されております。

 このような、政策的に見ると、太陽光発電をどういうふうに進めていくかについての転換が見られるタイミングでございますけれども、ここでお伺いをいたします。こういった地上設置型を絞っていくような方向の中で、この太陽光発電の導入見通しを達成できるのかについての見解をお伺いいたします。

赤澤国務大臣 再エネの導入に当たっては、地域との共生が大前提でございます。昨年十二月に取りまとめたメガソーラー対策パッケージに基づき、第三者機関による技術基準への適合性確認を含め、不適切事案に対する法的規制の強化等に取り組んでまいります。その上で、当該パッケージにおいて、導入拡大の観点から、地域共生型の太陽光発電に支援を重点化する方針が位置づけられたところでございます。

 今後の太陽光発電の導入拡大に向けては、地域共生がしやすい屋根設置太陽光発電のポテンシャルを積極的に活用することや、ペロブスカイトなどの次世代型太陽光発電の開発、導入を支援していくと。

 経済産業省としては、めり張りの利いた施策を講じることで、二〇四〇年度におけるエネルギー需給の見通しの実現に向けて、地域と共生した再エネの導入を進めてまいりたいというふうに考えております。

河合委員 御答弁いただき、ありがとうございます。

 地域共生をしっかりと担保しながら、屋根置きの形を進めていくというところでお伺いをいたしました。こういったところで、やはり想定どおり伸びているかの進捗等の把握ということは非常に重要だと考えております。

 その観点から、続いて、電源の把握についてお伺いをいたします。

 FIT、FIP制度の認定を受けた設備は、設備単位で把握され、公開されております。一方、これらの制度によらない電源のうち、電気事業者以外の者が設置するものについては、供給計画の提出義務がなく、その設置量は推計によらざるを得ないものと承知をしております。

 今後、屋根置きの太陽光や自家消費型の発電設備といった、規模が小さく各地に散在する小規模分散型の電源が増加することが見込まれます。こうした中で、これらの把握できない電源が積み上がっていけば、小売電気事業者が量的な供給量を確保できているかを確認する上での限界も一層拡大するおそれがあります。

 この問題意識の下、政府参考人にお伺いをいたします。

 今後、量的な供給力の確保において、電気事業者以外の者からの電気取引も含め、政府はこうした把握にどういうふうに取り組んでいくお考えなのか、見解をお伺いいたします。

久米政府参考人 お答え申し上げます。

 電気事業法では、小売電気事業等の用に供する電力の合計が一万キロワットを超える事業者に対しては、発電事業者として届出を義務づけております。発電事業者は、一千キロワット以上の出力を備えた発電等用電気工作物について、併せて届け出る必要があります。

 また、東日本大震災後の需給逼迫の経験を踏まえ、発電事業者以外の事業者に対しても、一千キロワット以上の出力を備えた自家用電気工作物を設置している場合は、その設置を届け出ることを義務づけております。

 これらの基準を満たさない電源については、供給力としては把握していないため、委員御指摘のような課題があることは承知しております。

 一方で、安定供給確保の観点から実施する供給計画に基づく需給バランスの評価においては、一般送配電事業者が系統接続の状況や過去の伸び率の実績等を基に、小規模な太陽光発電も含めて供給力を積み上げており、これらの電源の供給力も一定程度は捕捉できているというふうに考えております。

 これ以上詳細な把握を行うためには、事業者に新たに届出の義務を課す必要がございます。事業者への負担が増加するとともに、その情報を把握するための行政コストも増加するという点もございます。こういった点も含めて、慎重な検討が必要だというふうに考えております。

河合委員 御答弁いただき、ありがとうございます。

 行政コスト等を鑑みて慎重に検討していくというところで、難しさもあることも承知しております。問題意識といたしましては、この分散型が増えていく中において、しっかりと成果を把握しながらモニタリングすることの重要性ということですので、この送配電事業者の積み上げを基にしたデータで十分かどうかみたいな点についても、引き続き検討をいただきたいというふうに考えております。

 続いて、太陽光発電の設置を担う人材についてお伺いをいたします。

 電源構成において太陽光発電の拡大が見込まれる中、その設置を実際に支えるのは工事を担う電気工事士を始めとする電気工事人材でございます。経済産業省の調査によれば、太陽光発電に限ったものではございませんけれども、電気工事に関わる事業者の約七割が人手不足を感じており、採用活動を行った事業者の約八割が採用目標を達成できなかったとされており、その人材の確保は容易ではない状況にあるということが見て取れます。太陽光発電の導入見通しにつきましては、設置を担う人材の確保が前提となるものでございます。

 ここで、政府参考人にお伺いいたします。

 太陽光発電の設置を担う電気工事の人材の需給について十分な見込みを立てているのか、政府の見解をお伺いいたします。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 増加する電力需要に対しまして必要な電力を安定的に供給していく上で、太陽光発電を含め、電気設備の設置工事、特に電気工事業務の人材の確保は重要だと認識しております。

 御指摘のありましたとおり、電気工事業者からは、現状も人材の確保は容易ではないといった声があることは承知しております。保安に関する人材が将来的に不足するという試算も、経済産業省の審議会の方でお示しをしているところでございます。

 こうした状況を踏まえまして、電気工事に携わるに当たりまして必要な実務経験年数、こういったものの見直しですとか資格試験の複数回化といった取組によりまして、人材確保にこれまでも努めてきたところでございます。引き続き、電気工事業務の人材の確保に向けまして、魅力度の向上ですとかリスキリングによる新たな担い手の確保といった取組を進めてまいります。

河合委員 御答弁いただきまして、ありがとうございます。

 電源のリプレースというところは、非常に人材の確保というところがどの観点からも重要になってくる点ではございます。

 続きまして、電気事業に携わる人材の全体像についてお伺いをいたします。

 脱炭素の進展に伴い、発電所や送電網の整備が今後も増加することが見込まれます。一方、経済産業省の産業構造審議会で示された保安人材の需給推計は、点検、維持を担う保安人材を中心としたものでございます。これに対し、発電所を建設し、送電線を敷設する施工を担う人材は、その性格を異にします。例えば送電線の建設においては、電気に関わる部分は電気事業法を所管する経済産業省であるとか、鉄塔の基礎や組立てといった建設の部分は建設業法を所管する国土交通省などと、一つの現場を取っても複数の制度や省庁が重なり合っております。

 このように、なかなか、今お話しいただいたような電気工事士の資格の要件などの見直しを進めておっても、発電施設ですとか送電線といったところを全体像で見ると、省庁にまたがった連携が非常に求められるところとなっており、電源の大幅な拡大を支えていくためには、点検、保安と施工の双方を含めた人材の全体像を省庁の枠を超えて把握していくことが極めて重要だと考えております。

 ここで、政府参考人にお伺いをいたします。

 電気事業に携わる人材について、施工を担う人材も含めた全体の需給を政府は把握していらっしゃるのでしょうか。また、所管を横断してその確保、育成を束ねる体制があるのか、政府の見解をお伺いいたします。

久米政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほどの答弁でもございましたように、保安に関する人材については将来的に不足するとの試算が行われております。一方で、電気事業には、委員御指摘のとおり、発電所や送電網の建設から保守点検まで様々な人材が携わっているものというふうにも承知してございます。

 このような電気事業全体の人材の確保状況についても把握するべく、電気事業者のみならず、メーカーや施工会社も含めて横断的にヒアリングを実施しております。その結果、特に現地で施工を担う業務については、山間部での勤務や高所、屋外での身体的負荷が高い作業といった条件が敬遠されるといった声があり、不足感が強いという状況が確認されました。

 人材の確保、育成に向けては、建設業を所管する国土交通省とも課題の共有や対応策の検討等を通じて連携を図っておりまして、引き続き政府一体で検討を深めてまいりたいと考えております。

河合委員 御答弁いただきまして、ありがとうございます。

 そちらの調査の方でもありますけれども、二〇四〇年の不足は対策なしの場合は約五万人ということでございまして、非常にインパクトの大きい数字になっているかなというふうに思います。先日の参考人質疑でもそういった話題にもなりましたし、私も、別途、ちょっと工業高校の方に視察にも行かせていただいたんですけれども、工業高校自体への例えば進学者数自体がやはりそこまで増えていないですとか、募集倍率の課題もあるというところをお伺いをいたしました。

 まさにおっしゃっていただいたように、育成された人材ですとか、既に労働市場にいらっしゃる方々を、リスキリングも含めて、この業界で働いていただくということももちろんでございますし、そもそも、目指すというところに向けて情報提供していくということも一体となって取り組む必要性が非常にあるのではないかというふうに考えており、そういった取組も期待しております。

 その点で、協議会が取り組んでいるものと思いますけれども、「Watt Magazine」というウェブメディアを読ませていただきました。そちらの方では非常に、どういった仕事があるかとか、それぞれの仕事の魅力などについて、よくまとまっているなというふうに思いまして、そういった情報発信についても継続して支援の方も進めていただければというふうに思います。

 続いて、人材を真っすぐから手当てするという以外にも、うまくデジタル化を組み合わせながら確保していくという考え方、いわゆる人材不足への対策の中にあるスマート保安についてお伺いをいたします。

 経済産業省の産業構造審議会の試算では、AI、ロボットの導入等の対策を講じない場合は、先ほど申し上げたとおり、四万八千人ほど人材が不足していくという中で、中でも送配電の部門の不足が大きいとされているというところでございます。その対策としてスマート保安の推進が掲げられておりますが、機器の導入が十分に進んでいるとはまだ言い難い状況です。

 例えば、本改正案により、大量の整備が見込まれる送電網のうち、人による巡視が難しい山間部の設備については、事前にもお話をお伺いいたしましたけれども、通信環境がやはり山の中で脆弱であったりしていて、ここに、本来であれば、なかなか人が入ってくるのが大変なところに、なかなか機器を配したりですとか遠隔の監視を進めるというところが難しくなっているというような状況があると伺いました。こうした場所での通信手段の確保ですとか、そういったところでも使えるような機器の導入を一層進めていく支援が必要となります。

 ただ、そうなってくると、とりわけ、中小の事業者においてはなかなかハードルが高いという現状がございまして、こういった費用面ももちろんですし、調査の方も目を通しますと、どのような技術を導入すればいいか分からないとか費用対効果が分からないといった声が多くて、そもそも情報提供のところにも課題があるというところで、導入が進みにくいとなっていることが見て取れます。最も人手の制約が大きく、省力化が必要とされる現場ほど、なかなか導入が難しいという構造的な課題がございます。

 ここで、政府参考人にお伺いいたします。

 スマート保安の導入支援をどのように進めていかれる御予定か、お伺いをいたします。特に、中小の事業者に対して、先ほど申し上げたような、技術の選定ですとか費用対効果の見える化、そして導入の伴走支援など、こういった事柄が必要になると思いますけれども、国としてどのような後押しを行う考えであるのか、政府の見解をお伺いいたします。

湯本政府参考人 お答え申し上げます。

 人材不足への対応では、人材確保と同時に、保安レベルの維持向上を前提としまして、御指摘のスマート保安技術の活用を拡大していくことが有効だと考えております。

 スマート保安技術の導入に向けましては、製品評価技術基盤機構によります有効性が検証されましたスマート保安技術を掲載するカタログによる情報発信、あるいは、中小事業者に対しましては、中小企業省力化投資補助金による支援といった取組をこれまで進めてきたところでございますが、引き続き、御指摘の情報発信の強化を含めまして、更なる活用に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

 また、あわせて、今後、AIを活用した新たなスマート保安技術が開発、導入されるといったことを見据えまして、保安レベルの維持を前提とした上でですが、保安規制の方についても不断の見直しに取り組んでいきたいと考えております。

河合委員 ありがとうございます。

 私の質問は、送配電網の例えばドローンでの監視ですとか、そういったところをちょっと念頭にした質問ではございましたけれども、お話しいただいたように、送電の状況などについてAIでパターンを認識していくだとか、これから新しい技術開発が期待される領域だと承知しております。こういったところにも、スムーズに導入が進むように、目くばせを期待したいところでございます。

 加えて、こういった業者に対して導入のインセンティブがあるような設計というところも非常に期待したいところでございまして、レベニューキャップがある中でこういった設備投資を進めるにはどうしたらいいかというところについても、引き続き検討いただきたいと思います。

 最後に、大臣にお伺いをしていきたいと思います。

 ここまで質問させていただきましたような電気事業に関わる人材の確保、そしてデジタル化、とりわけスマート保安の推進といったところは、一体的に取り組む課題でございます。人材の確保と省力化というところを一体的に進めることで、五万人の不足というところに向き合っていくという観点です。

 しかし、同時にこれは、例えば、通信インフラをどのように整備していくかですとか、人材の育成、確保は時間軸も長い取組でもございますし、多省庁にまたがることでもございます。加えて、人材の待遇の改善、こちらもすごく重要ですし、中小の事業者に対する支援など、本当に今複数の省庁にもまたがりますし、経済産業省の中でも複数の担当にまたがるような複合的な課題であるというふうに認識しております。

 そして、こういった分野でございますけれども、デジタル技術や人工知能、AIを活用しながら、限られた人材の中で生産性を高めるというスマート保安の方向性は、人手不足に直面する中小企業全体のデジタル化を進める上でも、非常によい、テストケースと言ってはあれですけれども、試金石になるのではないかなというふうに考えております。

 ここで、大臣にお伺いいたします。

 こうした横断的な課題に対して経済産業省が省庁の垣根を越えて主導的な役割を果たしていっていただきたいと考えておりますけれども、大臣の見解をお伺いをいたします。

赤澤国務大臣 是非そのようにありたいというふうに思っております。

 DX、AX、GXの進展に伴い電力需要の増加が見込まれる中で、電気保安人材は、国家の生命線である電力の安定供給や安全を支える必要不可欠な人材でございます。

 御指摘の待遇の改善は、電気保安人材を確保する観点からも重要と認識しており、給与を含めた魅力度の向上に向けて検討を進めてまいります。あわせて、リスキリングによる新たな担い手の確保も進めてまいります。

 同時に、AIの活用を含めたスマート保安技術の導入を進め、現場の生産性を高めることも重要だと考えています。これまで、遠隔監視装置の導入に伴う点検頻度の見直しといった制度的対応も進めてきたところでございます。

 引き続き、制度見直しについて、技術の進展を見据えた不断の取組を進めていくとともに、中小企業におけるスマート保安技術の導入支援を進めるなど、関係省庁とも連携して取り組んでまいりたいと考えております。

河合委員 そうありたいというお言葉をいただき、ありがとうございました。引き続き、こちらの取組の進展を期待いたします。

 時間となりましたので、以上で質疑を終了させていただきます。どうもありがとうございました。

工藤委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

工藤委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、電気事業法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

工藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

工藤委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、小林史明君外五名から、自由民主党・無所属の会、中道改革連合・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、参政党及びチームみらいの六会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。山岡達丸君。

山岡委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。

 趣旨の説明は、案文を朗読して代えさせていただきます。

    電気事業法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法施行に当たり、次の諸点について十分配慮すべきである。

 一 大規模送電線及び大規模電源の整備については、エネルギー安全保障及び安定供給の観点から、その必要性並びに国の関与及び支援の在り方を明確にし、国が主体的に責任を果たしつつ推進すること。その際、大規模需要の不確実性も考慮すること。また、再生可能エネルギーの促進に当たっては、出力変動を補完する調整力及び供給力の確保並びに系統整備費その他関連費用が需要家の過度な負担とならないよう配慮し、需要家の予見可能性も確保しつつ、広く国民の理解を得ながら推進すること。あわせて、将来にわたる電力の需給見通しを策定するに当たっては、電力広域的運営推進機関の知見を尊重し、実態に近いものとなるよう努めること。

 二 地域内送電線等及び大規模電源の整備計画の認定については、事業者の予見可能性の向上を図る観点から、その基準を明確に定め、その基準の内容については国会の求めに応じ、速やかに報告すること。あわせて、整備等に必要な資金の貸付けが財政投融資等の公的資金を含むことを踏まえ、その妥当性、回収可能性、政策効果等について、事後の検証が可能な形で定期的に評価・検証を行い、国際的な脱炭素化の状況や電力需要の見通しの変化等に応じ、必要な投資が適切に進むよう制度を設計すること。

 三 電力広域的運営推進機関が一般送配電事業者等及び大規模発電事業者に対して行う資金の貸付けについては、透明性・公平性の確保に留意した上で適切に行うとともに、貸付業務の知見を有する専門人材の確保に向けた取組を進めること。

 四 大規模発電事業者が大規模電源を休廃止する際の一般送配電事業者等との事前協議の実施に当たっては、当該情報が大規模発電事業者にとって秘匿性が高く、地域経済や雇用への影響が懸念されることに鑑み、当該情報が適切に取り扱われるよう万全を期すこと。特に大規模火力発電については、国際情勢の変化等に対応するために停止及び稼働が繰り返されている現状に鑑み、できる限り長期の需給の見通しを明らかにし、地域産業や人材育成、雇用の持続性が損なわれることがないようにしつつ、その事業継続の経営判断において事業者の自主性が尊重されるよう配慮すること。

 五 電力取引市場制度の見直し及び新たな市場の創設に当たっては、制度の過度な複雑化により国民及び事業者等の理解が損なわれることがないよう留意し、十分な周知及び準備期間の確保を図ること。

 六 小売電気事業者による不適切な販売行為その他不正行為については、電気事業に対する国民の信頼確保の観点から、監督及び取締り並びに必要な制度整備の強化を図ること。

 七 太陽電池発電設備等の安全性の確保に当たっては、構造安全性のみならず、設備管理者の作業安全、火災等による被災防止及び消火活動時の安全確保についても十分配慮すること。

   新技術の導入及び設置環境の多様化に対応し、実効性のある保安制度の整備及び高度化を図り、電気保安人材の不足が見込まれる状況に鑑み、産官学が連携の下、人材の確保及び育成を計画的に進めること。

 八 事業用電気工作物の事故原因究明や再発防止等については、設置者の求めに応じて製造事業者等から十分な協力が得られるよう、必要に応じて適切に対応すること。

 九 電力設備の整備及び保守に従事する人材が安定供給を支える基盤であることに鑑み、点検及び保守業務の増加に対応するため、現場の人材不足の状況を踏まえ、その確保及び育成に関し必要な施策を総合的に講ずること。また、本法の制度対応に伴う現場の業務負担に配慮し、適切な労働環境の確保が図られるよう留意すること。あわせて、保安規制の実効性は、それを担う人材の確保及び現場の実態に依拠することに鑑み、その実態を十分に踏まえた制度運用を行うこと。

 十 平成二十七年に成立した改正電気事業法の附則に基づいて実施した電力システム改革の検証については、電気事業及び電力システムの制度を取り巻く状況を踏まえ、本法の実施状況及び効果の検証を含め、継続して実施すること。

 十一 大規模電源としての太陽電池発電設備、風力発電設備の導入の促進に当たっては、出力当たりの開発面積が大きく、設備撤去後まで含めた環境と住民生活への影響が広範囲・長期間に及ぶ特性を踏まえ、関係省庁とも連携し、地域との共生を進める観点から、安全性の確保、自然環境の保護、景観の保護等の推進に努めること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

工藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

工藤委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、赤澤経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。赤澤経済産業大臣。

赤澤国務大臣 ただいま御決議のありました本法律案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。

    ―――――――――――――

工藤委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

工藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

工藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後二時四十六分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.