衆議院

メインへスキップ



第4号 令和7年3月26日(水曜日)

会議録本文へ
令和七年三月二十六日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 井上 貴博君

   理事 勝俣 孝明君 理事 加藤 鮎子君

   理事 中谷 真一君 理事 城井  崇君

   理事 神津たけし君 理事 森山 浩行君

   理事 奥下 剛光君 理事 徳安 淳子君

   理事 西岡 秀子君

      石橋林太郎君    大西 洋平君

      梶山 弘志君    加藤 竜祥君

      金子 恭之君    黄川田仁志君

      工藤 彰三君    国定 勇人君

      小寺 裕雄君    小森 卓郎君

      高見 康裕君    田所 嘉徳君

      谷  公一君    土屋 品子君

      西田 昭二君    三反園 訓君

      阿久津幸彦君    尾辻かな子君

      小宮山泰子君    下条 みつ君

      白石 洋一君    杉村 慎治君

      津村 啓介君   長友よしひろ君

      伴野  豊君    松田  功君

      馬淵 澄夫君    谷田川 元君

      阿部 弘樹君    池畑浩太朗君

      井上 英孝君    鳩山紀一郎君

      古川 元久君    赤羽 一嘉君

      中川 康洋君    たがや 亮君

      堀川あきこ君    福島 伸享君

    …………………………………

   国土交通大臣       中野 洋昌君

   国土交通副大臣      高橋 克法君

   国土交通大臣政務官    高見 康裕君

   国土交通大臣政務官    国定 勇人君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   松下  整君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 須藤 明裕君

   政府参考人

   (外務省大臣官房政策立案参事官)         金子万里子君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           浦田 秀行君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術審議官)         沓掛 敏夫君

   政府参考人

   (国土交通省総合政策局長)            塩見 英之君

   政府参考人

   (国土交通省国土政策局長)            黒田 昌義君

   政府参考人

   (国土交通省都市局長)  内田 欽也君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  山本  巧君

   政府参考人

   (観光庁次長)      平嶋 隆司君

   国土交通委員会専門員   國廣 勇人君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二十六日

 辞任         補欠選任

  土屋 品子君     黄川田仁志君

  馬淵 澄夫君     杉村 慎治君

  井上 英孝君     池畑浩太朗君

同日

 辞任         補欠選任

  黄川田仁志君     土屋 品子君

  杉村 慎治君     馬淵 澄夫君

  池畑浩太朗君     井上 英孝君

同日

 理事徳安淳子君同日理事辞任につき、その補欠として奥下剛光君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 政府参考人出頭要求に関する件

 道路法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一二号)


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

井上委員長 これより会議を開きます。

 理事辞任の件についてお諮りいたします。

 理事徳安淳子君から、理事辞任の申出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 それでは、理事に奥下剛光君を指名いたします。

     ――――◇―――――

井上委員長 内閣提出、道路法等の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付のとおり、国土交通省大臣官房技術審議官沓掛敏夫君外九名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

井上委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。小宮山泰子君。

小宮山委員 立憲民主党の小宮山泰子でございます。質疑の機会、ありがとうございます。

 本日議題になっております道路法等の一部を改正する法律案は、昨年の能登半島地震を受けて、平時からの備えと災害発生時における初動対応の充実、インフラ管理の担い手不足への対応、道路分野の脱炭素化の推進を図るため、所要の措置を講じようとするものであります。

 三月二日、能登半島、輪島などを、水循環基本法フォローアップ委員会の皆様と私、小宮山が訪問した際、発災後、緊急であったため、道路整備、道路啓開の後の瓦れきが道路脇に放置されていたり、段差や舗装未整備など、昨年の地震発災から一年以上経過してもなお、半島の特徴ある地形条件もあるとしても、これほどまで復旧復興が遅れているのかと驚愕いたしました。大規模災害からの復旧というものの難しさというものも痛感をいたしました。

 その一方で、単なる過疎化対策の施策でない、生活インフラも含めた自然共生型生活圏、地域資源の循環型村、百年後の豊かな暮らしで、限界集落を現代集落に変えるプロジェクトの実証実験施設も拝見し、新たな希望や、また期待も膨らんだところであります。

 今国会では、災害対策基本法改正も行われる見込みであります。被災地から様々な学びを私たちはいただいております。改めて、被災された皆様にお悔やみとお見舞いを申し上げ、そして、ここから私たちが学んだこと、そして次に起こらないための予防的措置も含めて、しっかりと対応していくことで応えていきたいと思っています。

 さて、まず最初に、災害応急対策に資する施設等に係る道路への占有許可基準の緩和、法の第三十三条第二項第五号関連に関して質問いたします。

 本法案は、いわゆる無余地性要件を、第三十三条第二項を改正し、適用除外の対象を拡大することで、可搬性、運搬、移動可能なコンテナ型トイレ等を、道の駅の駐車場の一部を占有する形で設置ができるようになります。

 トイレのほかにも、コンテナは、車両、宿泊場所、医療、飲食、お土産物の物販、販売などとしての活用なども考えられ、平時での災害準備施設やビジネスとしても有効な手段で、今後の道の駅の発展が地域の発展につながることが期待されております。

 道路利用者に快適なサービスを提供する施設として、道の駅は全国千二百三十駅が登録されていますが、残念ながら、私の地元、埼玉県川越市、富士見市におきましては、道の駅の設置はありません。とはいいながらも、JAいるま野農協が設置する直売所のあぐれっしゅ川越などでは、駐車場に既設のトイレ施設もあり、市中心部の観光地との間でパーク・アンド・バスライドなどの起点として用いられる駐車場施設とも隣接するなど、半ば公的な施設のような役割も担っています。

 JAが設置する直売所や民間商業施設の駐車場、あるいは鉄道の駅周辺など、大規模災害時などには、コンテナ型トイレなどの設置を行うことができれば、当該地域での災害対策の施策として有効に機能すると考えます。

 今回の改正の、災害時への対応ができるようにする趣旨を鑑みると、これら道路施設に当たらない民間の駐車場、鉄道の駅隣接などであっても、一定の条件がそろえば、災害時に本法案と同様の、道の駅と同様の機能を果たせる場所を、例えば準道の駅として登録することも考えられます。

 今後の検討も視野に、改めて本法案の改正の意義について、大臣に認識をお伺いいたします。

中野国務大臣 小宮山委員にお答え申し上げます。

 今回の改正法案の意義も改めてということで、今回、災害時に出動可能な可動式コンテナ等に係る道路の占用許可基準の緩和、委員御指摘のところは、平常時から道の駅の駐車場等へのコンテナ設置を促して道路利用者の利便性を高める、あわせて、災害時には被災地に派遣して支援に役立てる、そういった意義があると考えております。

 これは、道路法の枠組みの中でこれをやるということでありますが、委員御指摘のとおり、この枠組みによらずとも、官民連携であるとか、あるいは委員の御地元の、そうした民間での取組ですとか、こうした災害への備えが充実をすることはやはり望ましいというふうに私も考えております。

 本法案の措置によりまして、法案の対象外でもありますけれども、民間の駐車場等でも同様の取組が進んで、広くコンテナ型のトイレの設置が行政のみならず民間でも進む、そういう契機ともなるのではないか、そういう意義も私も考えております。

 これは、現在、内閣府においてということなんですけれども、災害時に活用可能な可動式のコンテナなどを平常時からデータベース化をしていこう、発災時には被災自治体のニーズに応じて迅速に被災者支援を図るという、登録制度というものの構築を内閣府においても進めているというふうに私も承知をしております。

 道の駅以外も含めまして、平常時に様々な場所に設置してある可動式のコンテナを災害時に出動をさせる、こうした実効性も、こうした中で確保もされていくのではないかということも考えております。

 国土交通省としましても、内閣府を始めとして関係省庁ともしっかり連携をさせていただきまして、官民を挙げた、まさに委員おっしゃるような、そういう災害の備えを充実をさせる取組というのにしっかり協力をしていきたいというふうに考えております。

小宮山委員 ありがとうございます。

 是非、ある程度人がいるところだからこそ、逆に道の駅がないエリアというのが結構あります。やはり、そういったところで、ここのところ国土交通委員会では駅にトイレがない問題というのが何度か取り上げられていますが、こういったところに関しても設置ができるようにするというのは重要かと思います。

 そこで、コンテナ型トイレにおいては、単に汚物、汚水をためていくだけのもののほか、合併浄化槽に近い処理を行えるものなども考えられます。合併浄化槽に類似の処理では、薬剤の利用とともに、微生物による有機物の分解が行われるなど、様々なタイプがあります。

 コンテナ型トイレ、災害被災地での活用などにも大きな可能性のある、鉱物由来の薬剤を活用したトイレシステム、循環型水洗トイレについて、国土交通省でも導入や試用について検討してみることはいかがでしょうか。見解を求めます。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 能登半島地震では、ライフラインから独立して使用できる可動式の防災用コンテナ型のトイレが被災地域の道の駅などに派遣をされまして活用されるなど、その有効性が確認をされたところでございます。

 この防災用コンテナ型トイレにつきましては、汚水を微生物処理することで、少ないくみ取り頻度での連続使用を可能としているものでありますけれども、このほかにも、委員御指摘のような、鉱物由来の薬剤を使用したような、汚水を自己処理して、くみ取り頻度を低減させる技術は様々あるというふうに承知をしております。どのような技術を用いるにいたしましても、くみ取り頻度の低減、これは被災地支援に有効なものだというふうに考えております。

 微生物処理に限らず、様々な技術の導入を図っていくことも重要な視点であると考えておりまして、国土交通省におきましても、発注方法を工夫したり、地方公共団体に対して様々な技術の情報提供、こうしたことを行うことによりまして、有効な技術の活用に努めてまいりたいと考えております。

小宮山委員 東日本大震災のときに東北地方を私、仮設トイレの視察というか、見て回りました。正直言って、浄化槽、バクテリアの方法ですと、何百人と使うと処理機能が低下をし、汚物が山盛りになって使えなくなるという状態であります。

 また、被災地におきましても、集中しますので、今度は、汚物が出たときは、イベントなんかもそうですけれども、夜の間にその汚物を仮設トイレからバキュームとかで吸うんですが、そのバキュームカーが行くことができないという状況もあります。なので、できるだけ循環型のような処理能力のあるもの、独自で分離できるものというのは非常に有効な手段だと考えております。

 これをすることですとか、上下水道、今、国交省の方に布設の権限が来ていますが、中水道、再生水の利活用や、また廃棄とか、この辺りも法改正などをしていかなければ、現実的には扱い切れないというか、有効性が一番発揮できないということでもありますので、是非、今後、この点は検討していただければと思います。局長、大きくうなずいてくださって、ありがとうございます。是非期待しております。

 さて、次に、今回の改正で、道路の脱炭素化に係る規定が設けられ、道路の脱炭素化に資する施設等として政令で定めるもの、脱炭素化施設等であって、道路の交通に支障を及ぼすおそれが少ないものとして政令で定める場所に設けられているものについて、道路の敷地外に余地がないため、やむを得ない場合であっても、道路の占有の許可を与えることができることとなります。

 脱炭素化施設等として代表的なものは太陽光発電、ソーラーパネルが挙げられますが、再生可能エネルギーの供給源としては、ほかにも幾つも手段があります。脱炭素化施設等はどのようなものを想定されているのか、また、道路の脱炭素化について、LED照明、脱炭素化施設等のほかに、どのような手段が想定されているのか、お聞かせください。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の改正案におきまして、占用許可の緩和対象となります脱炭素化施設等につきましては、当面、設置が見込まれます具体的な施設といたしまして、太陽光発電施設、電気自動車用の充電機器、シェアサイクルの駐輪装置などを想定をしております。

 また、LED照明や脱炭素化施設など以外の脱炭素化の手法といたしましては、道路の整備の段階におきまして低炭素の材料を使う、あるいは機械を使っていく、そうしたことでありますとか、道路の利用の段階におきましては、自動車から低炭素な移動手段への転換の促進といったことを考えております。

 今後とも、幅広い施策について、関係機関、民間企業とも連携をしながら、取り組んでまいりたいと考えております。

小宮山委員 今、局長からおっしゃられましたとおり、そのほかでは、地中熱の利活用、小型風力発電、また、太陽電池としても、高効率のペロブスカイト太陽電池のような次世代型の導入も考えられます。指摘もありました環境配慮型のコンクリートの採用というのも、確かに有効だとは思います。脱炭素化を進めるに当たっては、多種多様な手法があります。

 日本では、二〇五〇年に脱炭素社会の実現を目指しており、中期目標として二〇三〇年度までに温室効果ガスの排出量を二六%削減することを掲げています。そうであるならば、究極は、自家用車、自動車の利用をラストワンマイルに抑え、公共交通への分散、都市は徒歩、自転車を活用するように、交通機関の特性を生かした都市計画に転換すべきであります。

 アイルランドを始めEU諸国においては、SUMP、サステーナブル・アーバン・モビリティー・プランズ、持続可能な交通計画が考えられており、そして、それは実際にもう導入されております。もし、この道路法改正も、中野洋昌大臣の下、環境と交通と都市計画を融合させる方向に向けての改正となっているのであればということで、御見解をお聞かせください。

中野国務大臣 お答え申し上げます。

 大変重要な御指摘かと思っております。

 今回の法改正では、道路の脱炭素化を進めるということで、これは地球温暖化の防止を図るなど環境負荷を低減をさせるということが目的、目指していることでありまして、そのためには、委員御指摘のとおり、自動車による輸送を代替できる部分については、やはり低炭素な移動手段に転換をするという必要があると思います。それに向けて、例えば、交通結節拠点の整備による新たなモビリティーですとか公共交通の利用環境を向上させる、シェアサイクルを普及促進させる、快適な歩行空間を整備する、こうした取組を行っております。

 こうした取組を効果的に実施をするためには、当然、都市計画ですとか地域公共交通計画ですとか、各地域において関連する計画がございますので、これを踏まえて、関係者が連携して進めることが重要だと考えておりますので、今後策定する道路の脱炭素化基本方針には、こうした低炭素な移動手段への転換というものを重要な施策として位置づけます。そして、各道路管理者が脱炭素化推進計画を検討するに当たりまして、まちづくりの部局や交通の部局としっかり連携をするようにということで促してまいります。

 そういう意味では、こうした枠組みを導入する今回の法改正というのは、まさに環境と交通と都市計画をしっかり融合させていこう、こういう方向性となっているということで考えております。

小宮山委員 ありがとうございます。

 環境とともに、また、ほかの部局とも連携をするということで、私自身も、交通まちづくり、脱炭素化ということと地方の交通網というのが、とりわけ縦割りで離されると結果としてどれも生きないということが起き、ここを直すためには、この脱炭素化を軸に、各交通機関、そういったものの特性を生かしていく、都市計画も含めてやっていくことが大切だと思っております。立憲民主党としては、この方向で進められるようにしてまいりたいと思っています。

 さて、最後の項目になりますが、時間がないので簡潔にいたしますが、無電柱化推進に関してお伺いいたします。

 二〇一六年十二月九日に成立をいたしました無電柱化の推進に関する法律なんですが、これができて、もう新設を減らそうと私も頑張りましたが、法律はできたのですが、残念ながら、いまだに、令和五年度ですが、四万二千本も毎年増加をしています。当初から見ると、二万本ぐらい、年間増えるのが減ったのですが、まだまだ十分とは言えません。改めて、無電柱化推進の意義、メリットについて、大臣の御見解をお聞かせください。

中野国務大臣 お答え申し上げます。

 委員御指摘の無電柱化は、防災、安全、円滑な交通の確保や、あるいは良好な景観形成、観光振興等の目的で推進をしております。

 防災の観点で申し上げれば、能登半島地震の際には、約三千百本の電柱の倒壊などで道路閉塞が発生をいたしました。他方、輪島市を始め八市町では、無電柱化を実施した約二十キロの区間では、発災直後から救助や復旧活動を行う車両の通行が可能になった、こういうこともございます。

 災害時の道路啓開の観点からも緊急輸送道路の無電柱化は重要でございますので、国土交通省としましては、関係省庁や電線の管理者とも連携をしまして、新たな電柱の設置を抑制をする占用の制限措置なども組み合わせながら、緊急輸送道路の無電柱化をしっかり推進してまいりたいと思います。

小宮山委員 八潮市市内で起きました道路陥没事故は、道路の断面図が報道で随分出され、道路の下にはいろいろなものが埋まっているというのを痛感したことで、皆さんがよく分かったと思います。

 また、無電柱化が進んでいます台北市に行った際におきましては、ここは地中化に関する基準の制定が一九九二年に行われ、共同溝の敷設により、電気だけではなく、ガスなどを含めて、工事計画から民間企業も加わり一元管理が行われ、効率的なインフラ施設の工事、維持管理が実現をしております。

 地中埋設インフラ施設について、一元的に把握しておく仕組みの導入、それら情報を、効率的な維持管理、国及び地方自治体で進められるように取り組んでいく必要があると思います。国土交通省での取組、デジタル化の効率化こそ、国交省が牽引すべき案件だと思っています。この点に関しまして、大臣の見解を伺います。

中野国務大臣 委員の御指摘のとおり、道路の地下に埋設されたインフラ施設の情報の一元的な把握、これは非常に大事だと思っております。

 既に、実は下水管や通信線などの占用許可申請情報を基に、道路管理者が、一部の大都市においては、竣工図を例えばシステム上で一元的に管理をするような、そういう取組は進められております。

 また、道路上で行われる様々な、道路管理者、地下のそういった物件を占用されている方の工事などがございますので、こうした共同の工事の調整を行うために路上工事調整会議を各地域で開催をする、こうした取組も今やっております。

 他方で、委員御指摘の、八潮市での道路陥没事案も踏まえれば、道路管理者と道路占用者が持つ点検の計画や点検の結果などの情報を相互に共有することも必要だというふうに思っておりますので、今、インフラ老朽化対策を進めるために、道路メンテナンス会議というのをやっておりまして、その枠組みの中で、そうした情報を共有をする協議体というものを今新たに設置をしたところであります。

 こうした、八潮市の事案を踏まえて設置をしている対策検討委員会における議論、今まさにやっておりますけれども、こうした議論も踏まえつつ、地下に埋設されている埋設物の情報の一元的な管理の在り方ということも含めて、引き続き、検討を進めてまいりたいと思います。

小宮山委員 しっかりと国で進めたインフラの整備、これをしっかりと地方もできるように、更新ができるように努力されることを心から願い、質問を終わります。

 ありがとうございました。

井上委員長 次に、馬淵澄夫君。

馬淵委員 立憲民主党の馬淵でございます。

 まず、本法案、これは能登半島地震の教訓を受けてということであり、円滑な緊急輸送の確保、また、道路啓開計画の法定化ということで、実効性ある計画に基づいた道路啓開を実施できるようにするものということであります。とりわけ有事における初動対応の充実、これを旨とするものであるというのは承知しております。

 その上で、能登半島地震での初動の遅れや混乱を教訓としたのは事実だと思いますが、そもそも、私、この法案の審議の上においては、本来なすべきことが十分になされていなかった、この事実は踏まえなければならないと思っています。

 二〇二三年四月、総務省の行政評価局による災害時の道路啓開に関する実態調査、ここでは、防災基本計画に基づいて道路啓開の計画の策定、これは地方整備局が主体となって設置します協議会、この協議を通じて道路啓開計画の策定、これが北陸地方整備局管内では、局内業務の優先順位を考慮した結果、なされていなかったことが明らかとなりました。

 そして、四月の二十五日、国交省は総務省から、このことに対して勧告を受けていました。そして、もちろん、この勧告を受けて取組ということでありましたが、二〇二四年の一月一日の地震発災時まで、国交省はこの対応が完全にでき上がってはいなかったという事実があります。

 そして、その結果、一月一日、発災したその直後から、現場では、国から要請を受けた大手ゼネコンと地元業者が入り交じって、技能者の奪い合い、あるいは、現場で両者が鉢合わせというような状況、片方が引き返すなどという混乱もありました。

 こうした能登半島地震における初動の遅れや混乱という教訓から、道路の啓開計画の法定並びにこの実施に対して規定する本法案、極めて重要でありますが、これはまず大臣、冒頭にお尋ねしておきたいと思います。

 このような、本来なすべきことがなされていなかったという反省が、やはり十分必要であるというふうに私は思っています。これは、できたからよかったではないんですね。多分、答弁でおっしゃると思いますが、発災直後から、啓開に関しては、一週間で八割、二週間で九割という啓開が進んだということを、国交省からも何度も私も当時聞きました。しかし、ガバナンス、マネジメントをつかさどる大臣のお立場でありますから、やはりこれは見逃すわけにはいかないことだと思います。この点をしっかり踏まえて、大臣、私が今指摘したことについてのお答えをお願いします。

中野国務大臣 馬淵委員にお答え申し上げます。

 能登半島地震の発災の時点では道路啓開計画は策定していなかったというのは、委員の御指摘のとおりであります。先ほど委員の方から、道路啓開の、緊急復旧の状況を国交省もるる答弁してきたという御指摘もありました。確かに、道路管理者だけではなく、県や自衛隊、建設業団体、電力会社等と連絡体制は構築できておりましたし、発災前から、建設業団体との協定により、対応可能な人員、資機材量も確保をしておったということもありまして、全国の建設業を始めとした皆様の御協力もあり、発災直後からこうした対応をしてきたというのは、今まで答弁してきたとおりでもあります。

 他方で、やはり、こうした、国が地方公共団体の道路啓開を支援をする際には、災害の発生後から、応援の要請ですとか対象の路線や区間の調整を発生後から開始をした、本来の道路管理者の承認等の手続も必要だった、こうした課題もあったというのは、まさに私もそうだというふうに思っております。

 今回、道路法改正案では、道路啓開計画において、あらかじめ地方の各道路管理者に代わって、国等が支援する路線や区間を事前に協議をして設定をする、それで発災後の承認手続といった調整等を大幅に軽減し、円滑な道路啓開の実施を可能とする、こういう措置を盛り込んでおります。

 今後、災害が一層激甚化、頻発化するということが想定される中で、道路啓開計画が、しっかり実効性が向上できるようにということを、しっかり努めてまいりたいというふうに考えております。

馬淵委員 現場では大変努力をしていただいたということなんですね。当時は、いわゆる道路啓開に関しては、先ほど大臣、お話ありましたが、いわゆる権限代行、この措置がすぐには取れないということでした。したがって、現場でできることということの判断をされて、道路管理者、これは自治体ですね、そして大手ゼネコンも駆けつけました。何せ、道路がもう崩壊している状態ですので行けないということで、海側から入っていく、これは地場の事業者では無理です。しかし、現実には、このような状況で混乱をしたということなんですね。

 この混乱を招いたのは、まさに国土交通省の責任でもあるわけです。地方整備局、これは北陸地方整備局ですが、指摘に対して、取組を行うということでありましたが、実際には、繰り返しになりますけれども、二四年の一月一日の状況ではできていなかったわけです。

 こうしたことに対する強い反省を持ってこの本法案ができたということは、やはりしっかりと国交省自身が肝に銘じて、国会の中で皆さんにお伝えすべきです。そのことは最初に申し上げておきたいと思います。

 その上で、まず、この啓開計画の法定化についてお尋ねします。これは参考人、お答えください。

 今回のこの法案の二十二条の三で、協議会の協議を経て、道路啓開計画を定めるとなっています。二十八条の二で、協議会の設置が定められています。この協議会の構成者、これは道路管理者と関係機関となっていますが、これは誰を指すのか、参考人、お答えください。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 この協議会に参加をいただく者ということでございますけれども、もちろん道路管理者、それとあと、災害応急対応を行います消防、警察、自衛隊、それとあと、道路啓開の実作業を行っていただきます建設業関連団体、あと、電気、通信等のライフライン事業者、そういった方々に御参画をいただく予定としております。

馬淵委員 今おっしゃったような、いわゆる道路啓開に関わる工事事業者全てということだと思います。

 改めての確認なんですが、法定化はされていませんが、協議会が設置されていなかったという北陸地整でありますが、一般論として言えば、既に防災基本計画に、道路管理者が協議会を設置して啓開計画を立案と定められ、それを受けて、国交省の防災業務計画でも同様の規定があるということですから、法定化されていない中でも協議会の設置がありました。

 これに関しては、様々な、それこそ、ダイヤモンド工事事業者、石油連盟、法面保護協会などなど、協議会設置のメンバーというのは、この防災業務計画の中で定められた協定のメンバーということでよろしいんでしょうか。これはイエス・オア・ノーでお答えください。局長、どうぞ。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 今御指摘いただいたその協議会の団体もございますし、あるいは、道路啓開を作っていた、既に策定をしていた段階で組織をされていた協議会、こういった中でも、今委員御指摘の建設業の関連団体で、例えば、測量の関係の業界の方、あるいはコンサルタンツ協会、そういった方々も御参加をいただいているということでございます。

 今後、改めて、この改正法に基づいて法定の協議会をつくっていくということになるかと思いますけれども、当然、こういった既に参画をしていただいている方、今後も同様に参画をしていただくことが適当であるというふうに考えております。

馬淵委員 北陸地整では、二十一団体がこの協議会に参加していました。そして、協定書を結んでおられます。

 そこで、またお尋ねをします。これも参考人でお答えください。

 では、今回、法定された場合、この啓開計画実施に関する費用負担、これは実施の方です、費用負担は誰が負うことになるのか。局長、お願いします。

山本政府参考人 建設業者が道路啓開に要した費用、これにつきましては、道路法四十九条に基づきまして、道路管理者が負担をするということになってございます。

馬淵委員 はい、そうなんですね。つまり、道路管理者、自治体が負担をするということになります。そして、その場合、資機材などを使用するわけですから、そういった負担も、ゼネコンなどなど、業者は自治体にその費用の負担を求めることができるということです。

 そこで、じゃ、大臣にちょっとお尋ねしたいんですが、実施は、今申し上げたように、実際にかかったお金ということで自治体に負担を求めます。しかし、今回、計画を法定化するんですね。計画段階で、当然ながら、資機材も含めて調達あるいは準備ということが必要になります。これは実施ではありません。したがって、備蓄をすることになります。これが一体どなたの負担になるのか。

 つまり、協議会に参加している業者がこれらを行うとすれば、その分、余分な費用がかかるわけです。この計画段階における調達、備蓄、あるいは人員の確保もありますが、これらの費用はどなたが負担することになりますか。お答えください。

中野国務大臣 お答え申し上げます。

 資機材の確保を進める上で、建設業者にそれを備蓄させないといけないんじゃないか、じゃ、そのお金は誰が払うのか、そういう御心配のお声かと思います。

 今回、平時における資機材の確保、大変重要でありますので、道路法の改正案におきましては、委員御指摘の道路啓開計画の記載事項として、道路啓開に必要な資機材そして建設機械の備蓄又は調達を、啓開の計画の記載事項に位置づけるということにしております。

 道路啓開に必要な資機材につきましては、一つは、道路管理者が保有する資機材、もう一つは、災害協定を締結をした建設業者、まさに今委員が御心配をされている建設業者の方が、これは平時より保有をしている資機材について確認をし、さらに、必要に応じて、他の地域から調達、あるいは道路管理者が更に自ら購入をするというふうなことが想定されております。

 そういう意味では、大規模災害により資機材の不足が、じゃ、足りない、じゃ、どうするのかということでありますが、それは、基本的には、他の地域から調達をする、道路管理者による購入等により対応する、こうしたことを基本と考えております。あくまで建設業者の方は、平時より保有をしている資機材について確認をさせていただくということですので、建設業者への新たな負担とはならないように取り組んでまいりたいというふうに思っております。

馬淵委員 ここは重要なところなんですね。皆さんは、ゼネコンの皆さんが通常この資機材をお持ちだとお考えだと思うんですが、そうじゃないんですよね。実際には、工事発注があった段階で、資機材も含めて、重機も含めてリース契約などを結ぶんです。無駄なものを備蓄するような民間事業者はいません。

 したがって、必ずここは、平時の計画段階での備蓄、調達も含めて、道路管理者が負担を負うということは明確に今言っていただきましたので、それは周知徹底していただかなければなりません。これがないと、結局、実際には北陸地整で、先ほど申し上げた総務省での指摘の段階では、三割あるいは四割の事業者が備蓄できていないという状況なんですよ。そうなるのは当たり前です。繰り返しになりますが、必要のないものは用意しません。

 ですから、これは役所として、国交省として、全国の建設業協会に、あるいはこの協定を結んでもらうための地整に対して、自治体が、道路管理者が計画段階でも負担するんだということ、これを明確に伝えていただかなければならないと思います。これはイエス・オア・ノーで結構ですから、大臣、お答えいただけますか。

中野国務大臣 先ほど私がまさに申し上げた、資機材の不足が想定される場合に、他地域からの調達あるいは道路管理者による購入等に対応することを基本とし、建設業者への新たな負担とならないように取り組むということは、当然、それぞれ計画を策定するときにしっかりと、こういう方針であるということは、国交省の方からもしっかり伝えてまいりたいというふうに思います。

馬淵委員 ありがとうございます。

 これでゼネコンの皆さんは安心されると思うんですが、その上で、今回、法定化する道路啓開計画で、実際にはどれぐらいのボリュームで資機材も含めて必要となるのか、これを想定しなきゃならないと思うんですが、例えば、東海、東南海あるいは南海地震、こういった大規模災害も想定されるわけです。そのときに必要な、資機材も含めた財政支出、これについてはどの程度を想定しているのか。これも、大臣、お答えください。

中野国務大臣 道路啓開に必要となる資機材につきまして、今後、法定の道路啓開計画を策定をいたします。その過程で、対象の災害、被害想定などを踏まえまして、そこから資機材の必要量を算出をする、それで、道路管理者や、協定を締結をした建設業者の保有量がどうなのかということも確認をさせていただくということで、資機材の不足の量を把握をするということになります。

 これが不足をする場合は、私、先ほど申し上げたように、道路管理者がほかの地域で保有するような資機材を活用する、あるいは、ほかの地域から調達をできるかどうか、リース業者と協定の拡充をするかどうか、こうしたことを検討して、それでも足りないということであれば道路管理者が追加で購入をする、こういう段階を踏まえて検討をすることとなっております。

 こうした検討を踏まえて、必要な財政支出というのは、こうした計画を策定する過程でしっかりと算出をしてまいりたい、このように考えております。

馬淵委員 これは法定化する、しかも予算関連法案で出しておられるんですよ。しかも、それでありながら、財政支出の、その総額も含めて何の想定もないというのは、おかしくないですか。これは、これから計画を作っていって、そこで見るんですと。これは予算関連法案で出しているんでしょう。財政支出の負担額すら今国交省で把握できないまま法定化するというのは、おかしくないですか。大臣、どうですか。

中野国務大臣 お答えを申し上げます。

 財政支出額をこれから算定をするというのは遅いのではないか、そういう御指摘は確かにあろうかと思っております。

 他方で、今回、様々な道路啓開計画を、地域の中で協議会を経て策定をしていくという中で、恐らくこれは、対象災害の被害想定をどうするかであるとか、では地域の防災計画をどう見直すか、あるいは、では道路網の整備が進捗するかしないか、様々な状況というものはあろうかというふうに思います。ちょっと、大変申し訳ないんですが、各地域の協議会で、そうした計画、策定前の現段階で財政の支出の見込額というのがなかなか想定をすることが難しい、こういう現状も、どうしてもございます。

 しかし、いずれにしても、こうした地域の協議会による協議を経て様々な計画は策定されてまいります。しっかりと必要な、ではその結果どうしたものが必要なのか、こういう財政の支出というのはしっかり算出をしてまいりたいと思いますし、国土交通省としても、そうした取組は進めてまいりたいというふうに思っております。

馬淵委員 今の、答えになっていないですよ。

 これは予算関連法案で出しているんです。財政負担すら、総額も把握できないままに計画を法定化するんですよ。法定化した場合に、そのときの費用は自治体、道路管理者が負担すると言っていただいたので、それはよしとしますよ。でも、そのような状況でこの法案を出してきているというのは、私から見ると、これは非常に詰めが甘いですよ。

 もうこれ以上言ったってしようがないですが、結局は、国交省として、今までやってきた失敗も含めて、これを取り繕うために作ったような法案になってしまわないように私は指摘をしているんです。そのことは十分に、よく留意をしていただきたいと思います。

 その上で、今度は、啓開計画を実施する段、これについてお尋ねしたいと思います。

 さて、この実施のところで、先ほど私も申し上げました、大臣からもお話ありましたが、いわゆる権限代行、これは令和二年の、十七条七項、この新設によって、いわゆる道路管理者以外が代行できるようになりました。これには要件があります。自治体の要請、そして権限代行の範囲、これを明確にすること。その上で、これはいわゆる公権力の行使ですから、それを決めていく上においては公示しなければなりません。

 つまり、この権限代行、十七条七項を使えば、発災直後はこれを使えないんですよ。一週間ぐらいかかってしまう。実際に、今回の能登半島地震では、一月十四日に岸田総理が行かれて、そして馳浩石川県知事からの要請があり、そこから調整が始まって、実際に権限代行開始となった日付というのは二十三日です。一週間近くかかるんですね。

 つまり、この十七条七項、令和二年に作りましたけれども、やはりここは、この十七条七項の権限代行という法定の不備があったんじゃないか、こう思われるんですが、これはいかがですか。これは大臣、お答えいただけますか。では、局長、いきましょうか。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のありました権限代行制度、令和二年度に道路法の改正で創設され……(馬淵委員「もう言ったことはいいから。質問に答えて」と呼ぶ)はい。不備があったのではないかという御指摘でございます。

 この十七条七項、創設されたものは、委員御指摘のように、放置された車両の移動など、公権力の行使を伴うものということでございます。

 能登半島地震では、早期の道路啓開計画が求められていた中、この十七条第七項第一号の権限代行の制度は活用しておらず、事実行為として実施をしたということでございます。

 今回新しく設けますこの道路啓開、二十四条……(馬淵委員「それは聞いていないよ」と呼ぶ)済みません、設けますこの道路啓開の制度でございますけれども、これは、自然災害により生じた土砂、瓦れきの障害物を道路脇によける、こういった行為でございまして、公権力を伴わない行為になるということでございます。

 二つの制度があるということでございますけれども、発災直後の数日間については、この道路啓開に基づいて、事実行為として実施できる障害物の除去、こういったものに対して今回新しく設ける制度は活用され、その後、この公権力の行使に伴う……(発言する者あり)

 二つの制度はありますが、それぞれの制度の特性がございますので、いずれの制度も必要なものであるというふうに認識をしております。

馬淵委員 お答えいただけていないんですけれども、これは十七条七項、令和二年の改正ですけれども、やはりこれは十分に使えるものじゃなかったということなんです。

 ところが、ゼネコン、大手ゼネコン、これはもう先ほども申し上げたように、地場のゼネコンは行けないですから、大手ゼネコンが国からの要請で行きますね。当然、これは権限代行、十七条七項だと思って行くわけですよ。ところが、実際にそこで啓開作業、公権力の行使はできない、土砂を横にどけるだけというレベルの啓開作業。これも大事です。

 それで、では、これはどうしたらいいんだとなったときに、現場で、自治体にこれは費用を負担してもらうのでと言われると、大変混乱したんですよ。私のところには、ゼネコンからも、たくさんの皆さん方から、十七条七項だと思ったら二十四条だと言われたということで、どういうことなんだという、こんな声が届きました。

 つまり、やはり二年のときの改正というのが、これは公権力の行使ですから時間がかかるのはしようがない、十日ほどかかるわけです。でも、この二十四条で、実際には、今回、特例承認という形で、道路啓開については公権力の行使でない範囲でやろうとするのであれば、このことについて、しっかり本来は伝えてこなければならなかったんです。これができていなかった。大臣、こういった反省も必要だと私は申し上げているんですよ。

 もう時間も余りありませんから申し上げたいんですが、では、こうした状況の中で、権限代行ではありませんから自治体の負担になります。今回、これはもう権限代行ではない形で乗り込んでいって、自治体の負担となる、いわゆる公権力の行使ではない、瓦れきの除去のような事実行為を行う。この費用負担は、自治体、道路管理者ということだと思いますが、これはイエス・オア・ノーでお答えいただいていいですか、大臣。

中野国務大臣 委員御指摘のとおり、本来の道路管理者の負担ということになりますので、地方公共団体の負担ということでございます。

馬淵委員 これもやはり周知徹底していただかないと駄目なんです。

 大臣、こうしたいわゆる法律の改正だとか運用というのに関しては、現場の皆さん方、社長さん始め、よく御存じの方もいらっしゃるかもしれませんが、なかなかこれは周知徹底できないんですね。

 そこで、国土交通省としては常に、こういった法改正をするとガイドラインを作りますよ。このガイドラインに細かく、今申し上げた費用負担や、あるいは権限の範囲だとか、先ほど申し上げたように権限はないんですけれども、これはもう事実行為なんですが、事実行為だということも含めて、ガイドラインに明確に示す必要があると思います。この整備を怠らないようにお願いしたいと思いますが、大臣、最後に御答弁お願いします。

中野国務大臣 お答え申し上げます。

 道路啓開計画に関するガイドラインというものをしっかり策定をしてまいります。その中で、先ほど来委員御指摘のようなことでございますとか、本来の道路管理者が啓開の費用を負担する、今回、能登のところで様々そうした御不安の声もあったという御指摘もいただきましたので、しっかり明記をして地方公共団体に周知をするとともに、協議会においても認識をしっかり共有してまいりたいというふうに思います。

馬淵委員 全国のゼネコンの皆さんに、これで安心して発災直後の啓開対応をしていただけるかと思います。そのことについての周知徹底、重ねてお願いを申し上げて、私の質問を終わります。

 ありがとうございます。

井上委員長 次に、下条みつ君。

下条委員 立憲民主党の下条みつでございます。

 今日は、大臣の所信の中にありました防災拠点の整備、持続可能なインフラ、脱炭素について、限られた時間の中で御提案して質疑をさせていただきたい。よろしくお願いしたいと思います。

 まず、いろいろな災害があった場所に対して、今度の啓開計画、これはすばらしいことじゃないかなと思っています。いろいろなことを積み上げてこられたという結果だと思います。

 そんな中で、最初に、私の足下の話をさせていただきたいと思っております。これは、福井とか岐阜とか長野県につながっている中部縦貫道のお話でございます。最近インバウンドが増えてきて、年間でいえば、私の足下だと約数百万人の方が観光で訪れている場所であります。その中で、災害が今起きているわけですね。例えば、災害が起きたらけがをしたりして、その足下で搬送される、この近辺で搬送される数も、この十年間で一・七倍ぐらい増えている、倍近く増えている。

 そこで何を言いたいかというと、道路の整備というのは、確かに、高速道路は、また新幹線は、そこに行くまでの時間を短くするとか、時には景色を見る。でも、一般道は、やはり、実際の各地区、ここに先生方がいらっしゃる各地区の足下の景色を、また観光するためなので、この道路というのは非常に僕は大事な、一つ言えば観光用の道路でもあるし、かつ、そこで何か起きたときに渋滞していた場合は、近くに病院がなければ救急搬送するのに時間がかかってしまう。つまり、命に直結しているということなんですね。

 ですから、道路問題というのは単純に、まあ、埼玉でいろいろありました、新しいのをどんどん造るんじゃないということ、そこに視点を置いていきたいと僕は思っているんですね。

 そこで、この中部縦貫道については、それぞれの他県では相当進んでいるんです。我が足下の長野県では、事業中が一五%、まだ未調整、調整中が七八%もあるんですね。二百万人近くの人が例えば水害に遭って、私はこういう委員会で言うのは残しておきたいんですよ、我々の方からこうやって国交省に提案したと、だけれども、それについてどうやって動いていただけるか。最大限努力なさってきていると思うし、ただ、遅れていて、今言ったような幾つかの災害が起きたときに、搬送問題とか土砂が起きたりして相当遅れてしまう。それに対しては、私は足下の話をまずしなきゃいけないと思って、これこそまさに持続可能な整備ですよ、防災の整備であるというふうに思っておりますが、まずはここから入りたいんです。

 足下で悪いんですけれども、この整備問題について、国交省の前向きなお答えをいただきたいと思います。お願いします。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 中部縦貫自動車道及び国道百五十八号線、これは、中部、北陸地域を結びます広域交通の円滑化を図る幹線道路でございます。委員御指摘のとおり、観光、緊急搬送、あるいは防災の面、非常に重要な道路だというふうに思っております。

 現在、長野県におきましては、松本波田道路と奈川渡改良、二か所で事業を進めているところでございます。

 まず、松本波田道路については、用地進捗は九割を超えまして、本格的に改良工事などを推進をしております。奈川渡改良につきましては、二本トンネルがありますけれども、一本は工事が完了しております。残り一本についても、トンネル掘削前の準備工事を進めている段階でございます。

 いずれの事業も長野県西部の交通課題を改善する重要な事業でございます。防災・減災、国土強靱化の予算も活用しながら必要な予算の確保に努めて、早期の完成に向けて事業を推進してまいりたいと考えております。

下条委員 局長、ありがとうございます。

 前向きに、局長、よろしくお願いします。大臣もよろしくお願いします。

 起きてからでは遅いですし、田舎の方では総合病院がない、観光客が何百万人も来るということを前提に、この委員会で議事録に残してもらいたい。是非、更に御努力していただきたいです。

 次に、道路啓開計画はすばらしいと思っています。

 そこで、災害の中に入る前に、複合災害だと思うんですね、今度の場合は。例えば能登の場合、志賀が何もなかったからいいんですけれども、やはり複合災害というのは何かというと、皆さんの縦割り行政の中で、内閣府とそれからエネルギー庁が避難計画をやる、そして、インフラの整備は国交、原子力防災は経産省がやる。これは、それぞれ分けている。

 僕は何が必要かというと、今度の場合は、能登半島の場合は原発漏れがなかったけれども、例えば今起きているいろいろな水害、雨、そして噴火、噴火も降灰ばかり国交は言っていますけれども、降灰以外に溶岩もある、そしてそれ以外に、風向きによっては避難計画を変えなきゃいけないんじゃないか。例えば、省庁だけで作ったら、今度原発で何かあって、風向きが変わってそっちから来たら、そっちに避難させたらみんな死んじゃいますよね。

 私は思うのは、複合災害というのは、縦割りは分かるんだけれども、でも、できるだけ、国交が一番パイを持っているわけですから、建設省出身の大臣含めてリーダーシップを取っていただいて、複合災害についての、原発事故、今言ったように、水害、大雪、そして、最近も出ている火事もあるので、そういうのをトータリーにして災害の計画をそれぞれシミュレーションしていかなきゃいけないと僕は思っているんですよ。

 皆さんにお聞きすると、一応やっているような感じは得ているけれども、私はこの委員会で議事録に残しておきたいんです、どれだけどうやったか。それでブラッシュアップしていけば、実際起きたとき、いいじゃないですか。

 私も、ちょっと自分の自慢をするわけじゃないけれども、東北の震災の数年前に、災害のときに、もし十メーター以上の津波が来たらどうするんだというのをやりましたよ。申し訳ないけれども、嫌な形で当たってしまった。だから、何がどこで起きるか分からない、災害は。

 だから、さっき言った避難計画、インフラの計画も含めて、トータルに複合災害に対してプランニングしていかなきゃいけないことをもっと密にしていただきたいんです。大臣、いかがでございますか。

中野国務大臣 少し後でまた具体の詳細は局長から補足もしていただこうと思っておりますけれども、まさに複合災害を想定をするとなると、国交省、私もしっかりリーダーシップを発揮をして、しっかり連携をしていくべきだという委員の御指摘は、まさにそのとおりだというふうに肝に銘じてまいりたいと思いますし、例えば、原子力災害との複合災害ということでありますと、原子力発電施設等の立地の地域が含まれる場合の道路啓開計画につきましては、やはり、委員御指摘の避難計画がございますので、これを踏まえた啓開の優先順位の考え方というのは必要かと思います。

 計画策定をするに当たりまして、こうした、何を留意すべきかということにつきましては、今後ガイドラインなどを策定してまいりますので、しっかり整理をして、道路啓開計画に必要な反映を行うということを検討していきたいと思います。

 また、道路啓開計画策定の際には、当然、これは内閣府、原子力防災の部署がありますので、関係省庁とも連携をしてまいりますし、各地域で今後協議会が設置をされますけれども、このときには、例えば自衛隊などの実動部隊もあると思います、あるいは地方公共団体、建設業者、関係機関と議論を丁寧に行うことで、安全確保もしっかり留意しながら、実効性のある道路啓開計画の策定というのを進めてまいりたいというふうに思います。

下条委員 ありがとうございます。

 一遍に災害が起きるか分かりません。一部起きるかもしれない。だけれども、シミュレーションを前提にして、風向き、原発、溶岩、降灰、水害、火事とか、そういうのをいろいろシミュレーションした上で先頭に立ってやっていかないと、でも、それは自治体とかいろいろ聞かないと、あそこの山は枯れ木が多い、燃えやすいとかいろいろあるから、それは地元の話はそのとおりだと思います。是非リーダーシップを持って進めていただくことをお願い申し上げたいというふうに思います。

 次に、脱炭素化の推進ということに入っていきたいと思います。

 すごく国交はよくやられていると思うんだけれども、それで、ちょっと宣伝をしてもらいたいと思って。

 東日本大震災で、セメントの廃棄物、十万トンあったじゃないですか、熊本地震では二十二万トン。今度の能登半島でも相当廃棄物があったと思うんですよね。その部分の再利用というんですか、それというのは宣伝していいと思うんですけれども、どのぐらい今いっているんでしょうか。ちょっとこれは通告していないけれども、答えられたら答えてください。どうでしょうか。難しい。

 是非、じゃ、これも含めて、これは再利用の部分なので、今運んでいる最中で、いろいろやっていらっしゃると思うんだけれども、これはもうどんどん宣伝してください。そういうことを僕は言いたいんですよ。闘ってばかりいてもしようがないので、皆さんの宣伝をしていく。国交省はこれだけやっているんだと。是非協力してくれという形をやっていただければと思います。

 そこで、大臣御存じのように、道路で使っている蛍光灯があと二年ぐらいで終わってしまう。二〇三〇年までにLED照明を一〇〇%という話がありますよね。そこで、いろいろ見たら、大阪府では二十四年までに道路照明の二万三千灯全てLED化しているんです、もう既に。そして、NEXCOでは二〇三〇年、一〇〇%。北九州市でも、二年前の五月に、道路LED化一〇〇%という感じですね。

 私は何を言いたいかというと、これだけ大臣が所信で打ち出していて、脱炭素化とやるのであれば、このLED化というのはもっともっと進めていっていいんじゃないですか。そうですよね。こんな安くて簡単、だって蛍光灯は二、三年、三、四年じゃないですか。LEDは御存じのとおり十何年まで延びる。いろいろな意味でコストセービングになるんですよね。だから、僕は、こういう委員会があるというのは、そういうのをどんどん我々も与野党問わず提案して、それを議事録に残して、そこから政府側の意見を聞いて前に進めていくことが日本国にとってプラスになると思うんですよ。

 そこで、LED化について更に推し進めていただきたいのと、あと、次に出てくるのは予算の話になりますよね、釈迦に説法ですけれども。そうすると、私もいろいろ、いろいろな各所に聞いたら、そのままずばっとLED化をやらなくても、リースというのがあるんじゃないのと。五年リースとかいろいろあるじゃないですか。そういうリースを使って、各自治体含めた、また国交省が持っている、年度のスピードアップをしていって、それは大臣、すごい勲章になりますよ、これから、大臣がやられたというので。私も大賛成です。今度の啓開の法案、僕も大賛成ですよ。だけれども、もっともっとブラッシュアップするところが幾つかあるので、その御提案でございます。いかがでございますか。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 道路照明のLED化についてでございます。

 このLED化については、委員御指摘のとおり、CO2の削減だけではなくて、ライフサイクルコスト、これも削減をされるということでございますので、今後重点的に推進をしていくべきというふうに考えてございます。

 今、国の直轄の道路については、残念ながら地方公共団体の先進的な自治体さんにはちょっと後れを取っているというのが実情でございまして、今の目標では二〇三〇年に一〇〇%にしていくということでございます。

 今委員からの御提案、お話もありましたリースの方式でございますけれども、これについては昨年度から、このリース方式を導入をし始めております。ですので、予算の山を崩せていけるということでございますので、こういった方式を来年度以降も拡大をしていきたいというふうに思ってございます。

 こうした仕組みも活用しながら、このLED化の促進を、できるだけ早期に一〇〇%の目標が達成できるように、今の目標から更にスピードアップをしていきたいというふうに思っております。

下条委員 局長、ありがとうございます。

 大臣もちょっと気合をお聞きしたい。お願いします。

中野国務大臣 先ほど道路局長も答弁したとおりでございますが、やはり国が直轄のところでしっかり脱炭素化を進めるということが大事だというふうに思いますので、しっかりスピードアップできるように、様々な工夫を、委員の御指摘の、御提案の件も含めてやってまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。

下条委員 なかなか形に全部残るというのはないことも多い世の中で、この国交の委員会での質疑や法律の結果というのはそのまますごく残りますから、是非、省を挙げて、大臣、リーダーシップを取って、道路局長も頑張っていただいて、スピードアップして、ほかでやっているんだから、だから、それは是非お願いしたいなというふうに思います。

 時間があと五、六分なので、次に移りたいと思います。

 次は、脱炭素、再利用、低炭素コンクリートの話であります。

 セメントを造るときに、相当な二酸化炭素を排出してしまう。私も、いろいろな方に聞いて、プロの方にもお聞きしたり、作業場に行ったりしていろいろ見させていただいた中で、やはり、石灰石の原料をプレヒーターと呼ばれる設備で仮焼きしたときに物すごく二酸化炭素が出るんですよね。だから、そういう部分について今エネルギー庁ではいろいろな工夫をなさっていて、このプレヒーターを改造してセメントを造ることによって、八〇%以上CO2を削減できるという話があります。これは化学的な話だから数字が決定していると思いますけれども。

 ですから、その中で、やはりこれは、大事なのは、あと技術開発して、廃コンクリート、さっき私が廃コンクリートの話をしたのは、東北震災とかいろいろあるので、そのような廃コンクリートはどのぐらい能登も引っ張ってきているのかと聞いたんですけれども、これは通告していなかったからなかなか難しい。そういう廃コンクリートの廃材からカルシウムを取り出して、石灰石の代替である人工石灰石である、CaCO3というんですかね、面白いと思うんですけれども、こういうものを造って、廃材を使ってセメントを造る。

 この二つですね。つまり、プレヒーターというものを使ってCO2を八〇%削減する事業、それから、廃材を使うことによって、一切新しいものを造らずに、昔のものを使ってコンクリートを造っていく、これが脱炭素コンクリートだというふうに思いますけれども、これはもっとどんどん進めてもらいたいんですよ。

 なぜかというと、こんなにいいことがあるのに何で進めないのかというと、やはり予算だとは思うんだけれども、こういうところで、皆さん、議員さんたちにも認識していただいて、どんどん進めていただきたいと思うんですね。いいことなんだから。何じゃらかんじゃら言って、脱炭素と言うんだったら、これをどんどんやればいいんだ。道路は一万平方キロメートルもあるわけですから、それにコンクリートを使うわけだ。

 だから、是非これを進めていただきたいと思いますが、政府側の意見を聞かせてください。

浦田政府参考人 お答えいたします。

 二〇五〇年カーボンニュートラルの実現に向けまして、CO2多排出産業であるセメントやコンクリート分野における脱炭素への取組を進めていくことは重要でございます。

 このため、経済産業省では、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構、NEDOを通じまして、セメントやコンクリートの脱炭素への取組に対しまして、二〇二一年から最長十年間にわたりまして研究開発から社会実装まで継続して支援を行うこととしてございます。

 このうちセメントにつきましては、製造時に排出されるCO2を全量近く回収する製造プロセスの確立に向けて研究開発を進めているところでございます。

 また、回収したCO2と廃コンクリートなどのカルシウム分を活用し人工石灰石を製造するための炭酸塩化技術の確立につきましても研究開発を進めているところでございます。

 また、コンクリートにつきましては、製造時にCO2を吸収、固定する技術の実証や、コンクリートへのCO2の固定量を評価する手法の標準化に向けた取組も進めているところでございます。

 炭酸塩化技術を活用したセメントでありますとかCO2を固定したコンクリートにつきましては、国土交通省とも連携をいたしまして、工事現場での試験施工も進めているほか、大阪・関西万博での試験導入も通じまして、データの取得や情報発信を進めていくということにしてございます。

 こうした支援を通じまして、二〇三〇年代の社会実装に向けまして、引き続き、セメント、コンクリートの脱炭素に向けた取組を後押ししてまいりたいと考えてございます。

下条委員 僕が言ったことを繰り返し言っていただいて、ありがとうございます。

 簡単に言えば、頑張っているから、もっと頑張れという話なので、非難しているわけじゃない。あと二、三分しかないので。是非、いいものをやっているんだから、もっとどんどん宣伝しましょうよ。そうしてください。

 最後です。あと数分なので。

 ワットウェーです。ワットウェーというのは、皆さん、初耳の人もいるけれども、簡単に言えば、太陽光発電をあんな、私の地元も多いけれども、やるんじゃなくて、薄い、厚さ六ミリのもの、太陽光パネル舗装材というんですか、これを貼り付けることによって太陽光を吸収しようという話であります。これは、駐車場とか歩道とか自転車専用道路等には幾つかもうトライしています。そして、数年前にパリでCOP21があったときも、アメリカ、カナダ、ヨーロッパ、十か国以上がこれをトライしていて、実際にもうやっているわけですよね。

 私は何を言いたいかというと、こんないいものがあって、何がポイントか。高いということですよ。量産すれば安くなる。僕に言わせれば、物は量産すれば安くなるんですよ。だから、その辺を分かっているのであれば、この委員会で僕が言うということは分かったということですよ、皆さん、一般の人にも。

 だから、これは僕も随分見させてもらったけれども、なかなかいいけれども、普通の道路だと、渋滞とか日陰になって、六割、七割なんですよ、太陽光は。だけれども、今言った駐車場とか歩道とか自転車のところであれば、そういう部分にどんどん率先して使っていってもらいたいんですよ。

 もう時間が来ているので、これは最後の質問にします。どうですか、国交大臣。

中野国務大臣 お答え申し上げます。

 委員御指摘の路面太陽光発電施設の導入につきましては、道路空間を活用して再生可能エネルギーを創出するということで、非常に有効であるというふうに考えておりまして、これは是非、国の定める、道路脱炭素化基本方針を定めますので、これに盛り込んだ上で、各道路管理者が道路脱炭素推進計画を策定しますので、これに反映されるように努めてまいりたいと思いますし、委員御指摘のワットウェーを含む複数の技術について、今、令和四年度から、道路の維持管理にどういう影響があるか、あるいは発電能力等の性能確認を行っているところでありますので、この性能確認の結果を踏まえまして、道路空間に設置をするための技術基準を検討しなければなりませんので、これを進めて、有効な技術活用に努めてまいりたいと思います。

下条委員 時間が参りましたけれども、是非、大臣、リーダーシップを取って、いいことなんだからどんどん進めていただきたいとお願い申し上げて、質問を終わりにさせていただきます。

 ありがとうございました。

井上委員長 次に、鳩山紀一郎君。

鳩山(紀)委員 国民民主党・無所属クラブの鳩山紀一郎でございます。

 この度は、道路法等の一部を改正する法律案に関しまして質問させていただきます。

 今回の道路法の改正は、昨年の能登半島地震も踏まえて、災害から早期復旧をする、そのための体制を整えること、それから避難環境ですね、これを抜本的に改善するということも大きな目的であるということは承知をしておりますけれども、今回、ちょっとほかのポイントについて御質問を幾つかさせていただきたいというふうに思っております。

 まず、先般より話題となっております群マネについて御質問させていただきます。

 一月末の八潮市におきます道路陥没事故を受けまして、様々なインフラを群として捉えて、維持管理の効率化を図っていこうというのがインフラ群マネジメント、略して群マネでございますけれども、この考え方を提唱された政策研究大学院大学の家田仁特別教授は私の学生時代の指導教員でございまして、そして、大学教員時代の上司でもありました。その家田教授の記事が、三月九日に発売されました月刊文芸春秋に載っておりましたので、今日はそれを資料として配らせていただいております。是非、御覧いただければと思っております。

 さて、今回の改正で新たに設けられます連携協力道路制度というのがございますが、これは、群マネの三要素の一つの、技術職員の広域連携の実現をするためというふうに認識をしておりますが、この資料の最後のページを御覧いただけると、そこに三つ目の要素が書かれておりまして、三つ目の要素として、複数分野のインフラ維持管理をまとめて発注、契約できるようにするということも重要な要素だというふうに書かれております。

 そうしますと、道路以外のインフラ、例えば上下水道とか公園とか河川とか、そういうほかのインフラとも分野横断的にマネジメント体系というのを構築していく必要が生じてまいるかと存じます。

 ただ、これは、そう容易なことでもないというふうにも思っておりますが、国土交通官僚の御経験もおありの大臣は、この分野横断的なインフラマネジメント体系の構築に当たっては、どういうところが阻害要因となって、それをどう解消なさっていく御方針でおられるのか、お伺いをしたいと思います。

中野国務大臣 鳩山委員にお答え申し上げます。群マネについての御指摘をいただきました。

 今回、連携協力道路制度の創設がございますので、広域連携ではあるんですけれども、委員が御指摘されたのは、分野横断の、道路とか下水道とか、いろいろな分野を横断をした群マネということかと思います。

 群マネは、改めてですが、人員体制、今非常に脆弱な自治体も多いですので、老朽化対策を的確に実施をするという中で、幅広いインフラを群として捉えて、効率的、効果的にマネジメントしたいということであります。

 まさに御指摘の道路や公園等々、異分野施設を対象とする群マネは、一つの自治体の中でできるんですね、その調整でできます。契約事務を例えば集約化したり、スケールメリットなども発揮は期待できるかと思います。

 しかし、なぜ進まないのかという委員の御質問ですけれども、こうしたメリットが担当者にまだ十分に浸透していないという中で、あるいは部署間の調整ですとか、実際にどういう実施の手続ができるのかという現場の不安がかなりあるのかなというふうに思っておりまして、こうしたことを解消していくことが、分野横断を拡大していく中では課題ではあるかなと思っております。

 令和七年度中にも、こうした課題に対応できるように、自治体職員向けのこうした手引を策定をしようというふうに思っておりまして、この中で、群マネを導入するまで、どういう実施手順で、どういう調整方法でやっていけばいいのか、事例ですとか御苦労された点など、そうした経験も交えながら分かりやすくそれを説明をし、そして、事務の集約化やスケールメリットなどについても、具体的になるべく盛り込んでいきたいというふうに思っております。

 また、それ以外でも、担当の技術職員の方をサポートできますように、やはり各自治体、非常に技術者の方、今は少ないところが多いですので、他の技術者の皆さんと、いろいろな情報交換ですとか、いろいろな現場で悩まれていることの相談ですとか、そうしたことができる体制構築等についても、しっかり検討してまいりたいというふうに考えております。

鳩山(紀)委員 ありがとうございます。

 恐らく現場でも、縦割りの弊害というのが大きいのかなというふうにも想像いたしますけれども、やはり効率のよい維持管理体制というのをつくっていくためには乗り越えなければいけないと思いますし、広域連携プラス分野横断というような形での体系というのが望ましいということは明らかだと思いますので、大臣には是非、この既存の縦割りを前提にせず、俯瞰的に見て、どの分野とどの分野は連携すべきであるとか、そういうことを、リーダーシップを発揮していただいて進めていただければと思っております。

 次に、オーバーツーリズム関係の御質問をさせていただきたいと思います。

 政府は、観光立国として二〇三〇年に六千万人のインバウンドを掲げておりますけれども、例えば、私の地元の浅草でも既にパンク状態なんですね。それで、オーバーツーリズム対策というのも取る必要があるということを強く感じておる次第です。

 特に私が危惧しておりますのは、外国人来訪者が観光地に訪れたときに、災害に巻き込まれたといった場合に、これはきちんと対応が取れるのかどうかということでございます。災害時に外国人の来訪者の安全確保というのがきちんとできていないのであれば、無責任にインバウンド誘致というのを進めるべきではないというふうにも考えております。

 そこで、まずは、現時点での外国人来訪者に向けた避難場所の確保ですとか、避難誘導に関する取組状況についてお伺いをしたいと思います。

平嶋政府参考人 委員御指摘のとおり、特に観光地におきましては、災害発生時に、訪日外国人旅行者を含むその土地に不慣れな方、旅行者の方が多く居合わせられるということがあらかじめ想定されるところでありまして、対応を準備しておくということが重要であると考えております。

 このため、観光庁では、観光危機管理計画等作成の手引き、また、対応マニュアル作成の指針、こういったものを決めておるところでございまして、地方自治体さん、それから地域の関係者の方々が、外国人旅行者等の一時的な避難場所の確保、それから、避難誘導の方策を含む対応につきまして、あらかじめ定めておく観光危機管理計画、こうした計画を策定していただくことを促進すべく取り組んでいるところでございます。

 東京都さんにおかれましても、外国人旅行者の安全確保のための災害時初動対応マニュアルというのを策定していただいているところでございます。

 また、観光案内所や道の駅等の施設におきまして、円滑な避難誘導を実現するために、多言語の翻訳機器、また、避難所機能を強化する設備の整備に対して支援を行っているところでございます。

 こうした取組を通じまして、外国人旅行者の安全、安心な受入れ環境の整備に努めてまいりたいと考えております。

鳩山(紀)委員 分かりました。ありがとうございます。

 私の地元浅草でも、浅草の話ばかりで恐縮ではありますけれども、基本的には観光案内センターに誘導するというようになっているようですが、私が心配しておるのは、その収容能力でございまして、とても足りているとは思えないわけですね。

 ほかの観光地についても同じようなことというのは起きているのではないかと思いますので、いざというときに観光客にも万全な体制というのを、責任を持って提供できる状況というのをつくった上でインバウンド誘致を進めていただきたいと思いますし、それに係る施設整備に関しても、国がインバウンド誘致するんだったら、それに対する施設整備に対しても、何らかのことを考えていただくべきではないかなというふうに考えるところでございます。ありがとうございます。

 オーバーツーリズムの話で、もう一問させていただきますけれども、先ほどは緊急時の話でしたが、今度は平時の話でございまして、とりわけ、オーバーツーリズム対策においては交通対策が不十分だと思っておりまして、またこれも浅草の話ではありますが、観光バスが止められずに路駐をしているんですね。それで渋滞を引き起こすということがよく起きております。

 こういった、地域のオーバーツーリズム対策、特に観光バスの交通マネジメントについては、隣接する自治体も含めて地域全体で取り組むように、国としても対策の方向性を示すべきではないかと思っておるんですが、政府の御見解をお願いいたします。

内田政府参考人 お答えいたします。

 観光バス駐車対策につきましては、地方公共団体を中心に関係者が連携をし、交通誘導員の配置ですとか予約システムの活用などのソフト対策を含めまして、観光バス受入れ体制強化に向けた総合的な取組が必要だと考えております。

 国土交通省では、地方公共団体に対して、関係者連携による観光バス駐車対策の必要性や、開発と併せた整備などの優良事例の周知等の技術的助言をしているほか、観光バスを受け入れるための総合的な計画に基づきまして、観光バス駐車場を整備する際の支援制度を設けております。

 国土交通省といたしましては、地方公共団体に対して、広域的な連携を含めて観光バス駐車対策に取り組むよう働きかけてまいります。

鳩山(紀)委員 ありがとうございました。いろいろな取組もあるということで認識をいたしました。

 例えば、シンプルにバスの乗降場所と待機場所というのを分けて、その待機場所を隣接自治体につくるなんということもあり得ますし、少し離れた場所で観光バスを止めて、そこから公共交通を使ったパーク・アンド・ライドを推進するとか、いろいろな方法はあると思いますので、是非、隣接自治体も含めて、制度が既にあるということでしたら、その周知徹底もしていただければなと思うところでございます。

 最後に、道路分野における脱炭素について、幾つかお伺いをしたいと思っております。時間が限られておりますので、端的に申し上げます。

 道路の脱炭素化と聞いて、正直、私は余りぴんとこなかったんですが、今のところ、脱炭素化の道路構造への転換として、舗装に低炭素素材を使うとか、あるいは、道路空間における脱炭素化施設の導入として、道路空間で発電するとか、そういうことが考えられているというふうに認識をしておりますけれども、まあ、もちろんこれはやればいいと思うんですが、正直、全体に対する影響というのは、そこまで大きくないのかなとも思っているところです。

 それで、脱炭素化の道路構造への転換という中では、やはり環境負荷の低い交通機関への空間配分、これは小宮山先生も御指摘、いらっしゃいませんけれども、されておりましたけれども、そういうことも必要ではないかなと思っておりまして、その一つは、先般、水野素子参議院議員も取り上げておられました自転車だろうと。

 ヨーロッパに比べて、今、日本は自転車の走行空間の整備というのが遅れているというのは御存じだと思いますが、まず、現在の走行空間の整備状況と、今後の取組方針などについてお伺いできればと思っております。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 自転車の利用の促進についてでございますけれども、脱炭素社会の実現に向けまして、特に近距離の移動について、自動車から自転車への転換を図ること、これは非常に重要であるというふうに思ってございます。そのために、安全で快適な自転車通行空間などの環境整備が必要であるというふうに考えてございます。

 自転車の通行の空間の整備状況でございますけれども、道路空間の再配分などによりまして整備しました自転車道、自転車専用通行帯、そういった自転車専用の空間だけではなくて、車道の混在も含めましてでありますけれども、令和五年度末で、全国で七千五百七十キロメートルとなっております。また、これは、委員御指摘のとおり、ヨーロッパの都市と比較をすると、非常に低水準であると認識をしております。

 具体的には、面積当たりの整備延長で申し上げますと、パリにおいては一平方キロメートル当たり十・四キロメートルあるのに対しまして、東京二十三区では僅か〇・七キロメートルという数字でございます。更なる整備が必要であるというふうに考えております。

 今後とも、関係省庁と連携をしながら、道路空間の再配分なども進めながら、こうした自転車通行空間の整備が一層進むよう、取り組んでいきたいというふうに思っております。

鳩山(紀)委員 ありがとうございます。自転車の走行空間確保が、徐々に工夫によりなされているということは分かりました。

 一方で、これまで、公道における自転車の位置づけというのは、ずっと中途半端でした。歩道を走れば歩行者から疎まれて、原則として車道を走るルールになったら、今度はドライバーから疎まれる。

 自転車通行帯が整備されて久しいですけれども、子供を自転車に乗せて運転しているときに、じゃ、車道側を走るとやはり怖い。歩道を走る場合は徐行しろと言われますけれども、それだとバランスを取りにくくてまた怖い。そういった状況だと思いますので、私は、ヨーロッパ並みに脱炭素を推進するためにも、自転車道の整備というのをネットワーク的に行って、車から自転車へのモード転換も狙っていくべきだというふうに思っておるところでございます。

 もう一つだけ、脱炭素のためにですけれども、自動車依存社会から公共交通へのモード転換というのも必要だと考えておりまして、中規模以上の都市においては、LRTをもっと有効活用すべきではないかというふうにも考えております。

 富山市では二〇〇六年の四月、最近ですと、二〇二三年八月に宇都宮市でLRTが開業いたしまして、それぞれ、まちづくりにおいて重要な役割を担っていると認識をしておりますが、より脱炭素を進めるのであれば、例えば、自動車には多少不便を強いてでも、積極的にLRTの整備などをして、そのために道路空間を割いて、車依存からの脱却というのを図っていくということも重要ではないかと考えておるんですけれども、大臣、御見解はいかがでございますでしょうか。

中野国務大臣 お答え申し上げます。

 LRTでございますが、自家用車からLRTなどの公共交通への転換を図るということは、環境負荷の低減に加えて、渋滞も低減をしますし、人の移動が活性化をするということで、沿線開発も促進をする、地域の活性化にも資する、こういうことだと認識をしております。

 御指摘の、例えば宇都宮市の事例では、LRTの整備と併せまして、バス路線の再編や乗り継ぎ拠点の整備も行われましたので、公共交通の充実、利便性の向上、そして車から公共交通への転換を、委員が御指摘の、そういう促す取組というのを、まさに行ったと承知をしています。

 結果的には、自動車交通量も減少しておりまして、この宇都宮の事例でございますけれども、車からの転換が推測をされるほか、沿線の人口増加、あるいは地価の上昇、いろいろな経済波及効果も生まれていると承知をしております。

 そういう意味では、国土交通省としては、LRTの導入というのは、持続可能なまちづくりに大きく寄与するものというふうに認識をしておりますので、引き続き、これは事例の横展開ですとか技術的な支援も含めて、地域にとって効果のある支援というのをしっかりと実施をしてまいりたいというふうに考えております。

鳩山(紀)委員 ありがとうございます。

 脱炭素を行っていくには自動車依存からの脱却というのが必要で、そのためには大胆に道路空間利用も再考していくという必要があると思っておりますので、質問をさせていただきました。是非、自転車ですとかLRTとかも活用した空間配分を積極的に進められるように、これからも御検討いただければと思います。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

井上委員長 次に、たがや亮君。

たがや委員 れいわ新選組、政治を耕す、たがや亮と申します。

 今回の道路法の改正案は、能登半島地震を踏まえた災害対応の強化、特に初動対応の強化を目的に、実効性のある道路啓開計画の策定と実施を求める内容を法定化すると理解をしております。

 私の選挙区千葉十一区は房総半島にありますので、半島部の防災に高い関心を持っており、能登半島で起きたことは他人事ではありません。

 そこで、まず、この法案が成立することで、災害時に緊急ルートを確保する道路啓開が高い実効性を持って行われるとの認識でよいか、お答え願います。

    〔委員長退席、中谷(真)委員長代理着席〕

中野国務大臣 お答え申し上げます。

 能登半島地震の対応では、半島、まさに委員が御指摘の半島は地形的な制約がありまして、道路ネットワークが限られるという中で、人命の救助、ライフラインの早期の復旧、孤立集落への交通確保等に不可欠な道路啓開をしていくという重要性が改めて認識をされたというふうに考えております。

 道路啓開、この法案で実効性が向上するのかという御質問でございます。緊急輸送の確保のためには、半島防災の観点も含めて、全国の道路啓開計画の実効性をまさに向上させる必要があるというふうに考えておりますので、この道路啓開計画を法定化するという道路法改正案をまさに提出させていただきました。

 今回の改正法案によりまして、例えば、道路管理者のほか、自衛隊や警察、消防など関係の機関から成る協議会での協議を経た上で、道路啓開計画に、あらかじめ国等が道路啓開を支援する区間というのを事前に協議をして設定をするということで、発災後の調整等を大幅に軽減をする、また、円滑な道路啓開を実施をするとともに、災害対応の実績を踏まえて定期的に計画も見直しますし、また、平時から多くの関係機関が協力をした実践的な訓練も実施をいたします。

 こうした取組により、道路啓開の実効性が向上するものというふうに考えております。

たがや委員 能登半島地震では、道路啓開や災害復旧で、各地の災害復旧支援において活躍してきた専門的な知見と重機の操縦などの技能を有する技術系NPOが機動力を生かして道を切り開いた実績があると報告されています。

 この点は国交省より能登半島地震を受けた緊急提言の中でも言及されていましたが、改正案では第二十八条の二において、道路啓開計画を策定する法定協議会には必要に応じて構成員に加えることができる者を列挙しています。

 そのうちで具体的に明示されているのは「関係地方公共団体」、地方公共団体が参加することはもちろんですが、我々は、その他協議会の構成員となる要件として挙げられている「道路の構造の保全又は安全かつ円滑な交通の確保に資する措置を講ずることができる者」や「その他協議会が必要と認める者」の中に、地域建設業者や、実際にこれまで各地の災害復旧活動に参画し、一定の知見や技能を有す技術系NPOなども含まれるべきと考えますが、政府は法定協議会の構成員の人選において、そのような地域建設業者や技術系NPOの参加も共に除外していないということを確認したいのですが、いかがでしょうか。

中野国務大臣 道路啓開は、今、被災箇所で非常に危険な作業もあり、二次災害のおそれ等もありまして、これまでの実作業は、土木の工学の知見がある、あるいは安全管理も徹底をされている等の建設会社により実施をされているところであると思います。

 法定の協議会を設置をする際には、道路管理者のほか、消防や警察、自衛隊などに加えて、建設関連団体などが構成員となるということを想定をしておりますけれども、御指摘いただいたとおり、いわゆる技術系のNPOが生活道路などで土砂を除去する活動を行っていることも私も承知をしておりますので、このような取組と連携を図ることにより、総合的に地域の防災力を高めるということが重要であるというふうにも思います。

 こうしたことも踏まえて、必要に応じて技術系NPOの協議会への参加を検討してまいりたいと思います。

たがや委員 ありがとうございます。

 先ほども述べましたけれども、能登半島地震では、道路の啓開作業に技術系NPOが活躍いたしました。そこで、資機材を確保している地域建設事業者と連携する技術系NPOが、その資機材を必要に応じて活用できるように政府は配慮すべきと考えますが、政府の考えをお聞きします。

山本政府参考人 お答えいたします。

 道路啓開において啓開対象としております主要幹線道路の啓開は、先ほど大臣の方から御答弁ありましたが、発災直後の不安定な現場状況の中で、作業員の安全の確保をしながら進める必要がございまして、土木工学的な知見を十分に有する必要があるというふうに認識をしております。

 こうした現場状況でもありますので、いわゆる技術系NPOの方々が道路啓開を行う上でどのような役割を担っていただけるか検討していく必要はあるというふうに思っておりますが、災害時の応急復旧に関しまして、建設業関連の団体とNPOの団体が連携の協定を結ばれている事例もございます。こうした事例も参考とさせていただいて、今後検討を深めてまいりたいと考えております。

たがや委員 ありがとうございます。

 それでは、連携協力道路制度についてお尋ねをいたします。

 効率的な道路管理を実現するために、道路管理者間の協議により、道路の点検や修繕などを他の自治体が代行できる連携協力道路制度の費用負担について、自治体間の協議で決めると法案の五十五条の二に規定されています。

 しかし、自治体の技術系職員の不足は深刻です。先週、私の事務所で、地元の自治体へ技術系職員に関するアンケートを行いました。その結果、技術系の職員が不足しているとほぼ全ての自治体が回答、また、今回の法改正によって新たな事務負担が生じ、業務が追いつかなくなることを懸念する声が多く寄せられていました。

 道路法では、橋やトンネルなど高度な技術を要する技術系職員が不足している自治体に対して、地方整備局が代行する制度があるのは存じていますが、将来的に、更なる人材不足などにより、自治体間の連携協力で対応し切れない状況になれば、橋やトンネルなど高度な技術を必要としない対象物でも、国すなわち地方整備局がしっかりサポートしていくということまで考えているのか、お伺いします。

 また、閣議決定されている港湾法には、修繕のみならず更新にも地方整備局がサポートするとありますが、道路法では現状、修繕までとされていますが、橋やトンネルなど高度な技術を要するものに関しては、港湾法同様に更新も含めていくのか、お聞かせください。

    〔中谷(真)委員長代理退席、委員長着席〕

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 まず最初に、御質問のあった後段の方の修繕事業の代行のところについて、範囲についてお答え申し上げたいというふうに思います。

 地方自治体の行う修繕事業につきましては、平成二十五年の道路法の改正におきまして、高度な技術を要する場合に国土交通省が代行できるということになっております。現在、十六件の代行の実績があるというところでございますけれども、高度な技術を要する事業であれば、更新も含めて代行の対象としているというところでございます。

 あと、高度な技術を要しない場合でも人材不足の場合であれば支援をするのか、代行するのかという御質問でございますけれども、この点に関しましては、地方自治体が管理する道路の事業、これは原則として各道路管理者が実施をするということになってございます。高度な技術を要しない事業を国で代行するというのはなかなか難しい面があるのかなというふうに考えております。

 ただ、委員御指摘のとおり、技術職員が不足する自治体に対して地方整備局等がサポートをしていく、非常に重要なことであるというふうに思っております。ですので、地方自治体の職員向けの研修を実施をさせていただいている、あるいは、都道府県ごとに設置をしました、市町村を含む道路管理者から成ります道路メンテナンス会議を活用いたしまして、維持管理に関する情報共有、そういったものを行っております。また、個別での相談に応じるなどの技術的な支援を実施をさせていただいているところでございます。

 引き続き、地方自治体に対しまして、整備局を通じて技術的な支援についてしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

たがや委員 厳しいことを言わせてもらうと、これまで技術系職員の不足について手を打ってこなかったのは国に責任があると思います。

 また、費用負担については、単に関係自治体の協議で定めるというのではなく、もっと国が前面に出て必要に応じて支出できるようにすべきと考えるが、その点について国交省にお伺いします。

 また、この連携協力道路の管理に対する費用は交付税措置などの対象になっているのか、総務省にお伺いします。

山本政府参考人 まず、自治体の技術職員の不足についてでございますけれども、地方自治体の技術職員を増やす努力といたしまして、学生の皆さんに出前講座などを通じまして仕事のやりがい、こういったものに対する啓発でありますとか、あるいは、建設分野の技術資格を若いうちから取得できるように見直しを進めるとか、そういった取組を進めてきたところでございます。

 今後、インフラの老朽化が一層進んでいくということでございますので、いろいろな……

井上委員長 時間が来ておりますので、答弁は簡潔にお願いします。

山本政府参考人 はい。

 今後とも、そういった取組を進めてまいりたいと思います。

 あと、費用負担についてでございますけれども、こちらについては、現在でも、国交省の方で道路メンテナンス事業の補助で支援をしているところでございますので、新しくできる連携協力道路制度、これについてもこの補助事業等を活用して、より一層の支援強化をしていきたいというふうに思っております。

井上委員長 総務省須藤大臣官房審議官、時間が過ぎておりますので。

須藤政府参考人 お答えします。

 道路の維持管理に要する地方団体の標準的な経費については、地方交付税法の規定に基づき、道路管理者である自治体に対して、道路台帳に記載されている道路の面積に応じて普通交付税措置を講じております。

 連携協力道路制度を活用する場合につきましても、従前のとおり、本来道路管理者である自治体に対して、道路台帳に記載されている道路の面積に応じて普通交付税措置が講じられます。

たがや委員 ありがとうございます。

 時間が来たので、終わります。

井上委員長 次に、堀川あきこ君。

堀川委員 日本共産党の堀川あきこです。

 道路法改正案について質問します。

 まず、道路啓開の代行についてです。災害に備えて道路啓開計画をあらかじめ策定していくことは重要だというふうに考えています。それは、住民の方の避難や物資の輸送を円滑にスピーディーに進めることにつながると考えているからです。

 ただ、懸念があるのは、道路管理者である都道府県、市町村の承認を今回不要にしているということです。今回の法案によって設けられる道路啓開の代行は、権限は地方自治体に残したまま事実行為だけを代行するもので、現行の第十七条第七項の権限代行とは異なるものです。

 この十七条の権限代行は都道府県等の要請を前提としていますが、理由を教えてください。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 第十七条七項に基づく権限代行でございますけれども、こちらは公権力の行使を伴うということでございます。

 例えば、所有者の同意なく放置された車両を移動する、こうした権限を本来の管理者であります都道府県等に代わって行うということになりますので、こうした代行の必要性について都道府県等の意思を尊重するということのために、この都道府県からの御要請を要件の一つとしているということでございます。

堀川委員 基本的には道路管理者の要請というのを原則としているということだと思います。

 改正案にある代行は都道府県等の承認を必要としないということなんですけれども、実際には都道府県に何の連絡もなしに勝手に道路啓開するということはないと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

中野国務大臣 今回、道路啓開計画で国が代行するというのは、御指摘の道路法十七条の権限代行とは異なって、公権力の行使を伴うものではないということで、事実行為を対象というふうにしております。

 こうした事実行為については、第十七条第七項の権限代行の場合のような告示というのは不要でありますが、第二十四条に基づいて道路管理者の承認を受ける必要がございます。

 今回の改正案は、あらかじめ協議会で議論を行って、国等が啓開を支援する路線や区間を事前に設定をして、関係者間で合意をしておくことでこの第二十四条に基づく承認を不要とする、そうした調整等の負担軽減を図るという趣旨でございます。

 しかし、事前に取り決めた合意に基づき、承認は不要とするんですけれども、本来道路管理者に代わって啓開をする場合は、改めて本来道路管理者への連絡は行うものであろうというふうに認識はしております。

堀川委員 権限は都道府県等に残したまま事実行為のみを国が代行するということになると思いますが、この国の道路啓開の代行中に事故などが起きた場合、その責任は誰が取るのでしょうか。

中野国務大臣 道路啓開計画に基づきまして、都道府県等の管理する道路について国が啓開作業を行う場合は、事実行為として国が自らの判断で実施をすることになりますので、啓開作業の実施に係る責任についても、実際に作業を行った国が負うということになります。

堀川委員 ありがとうございます。

 法案によって創設される道路啓開の国による代行制度は、瓦れきなどで通行できなくなった道路を一刻も早く通行可能にしようというものです。緊急性、即応性が求められることは、能登の震災も受けて、本当に重要だというふうに認識をしています。ただ、やはりその場合でも、本来の道路管理者の意思を確認するということを改めて求めたいというふうに思います。

 次に、地域インフラ群再生戦略マネジメント、いわゆる群マネについて、先ほど来からも、前回の委員会からも議論がなされていますけれども、この群マネについて質問をしたいというふうに思います。

 この群マネは、先ほどからもありますとおり、広域、複数、多分野のインフラを群として捉えてマネジメントしていくというものです。これによって、技術系職員が一人もいない自治体でも、県や近隣の市などと連携し、技術的な知見を補完できるということなんですけれども、ただ、実際は幾つもの壁があるというふうに思うんですね。

 県や近隣の市も多くの老朽インフラを抱えていて、他の市町村のインフラの面倒を見るという余裕がなかなかないのではないかなというふうに思います。県や近隣の市の技術系職員が、技術系職員が一人もいない市町村のインフラを見ることによって、この一人当たりの仕事量というのがどれほど増えるのか、国交省は検討しておられるでしょうか。

塩見政府参考人 お答え申し上げます。

 群マネでございますけれども、これは複数の市町村とか部局が個別に行っている様々な事務を一括でマネジメントしようとするものでありますが、一括化することによりまして、確かに管理とか修繕の対象となりますインフラは広がるということになります。

 一方で、一くくりにすることでスケールメリットが発揮しやすくなるということもあります。受注した企業側の工夫が発揮しやすくなりまして、その工夫次第で業務量が減る、負担が減るということも期待されるところでございます。

 具体的に何時間減るというような、その定量的な把握までは現時点では至っておりませんけれども、今まさにモデル的な地域を定めて試行を行っているところでございますので、その中で必要な確認などを行ってまいりたいと思います。

 発注関係事務につきましても、個別で行っているものを共同化することによりまして、一つの自治体にとりましては、一年交代で持ち回りで事務を行っていくというような形を取りますと、業務量は、数年間に一度で済むということで軽減が見込まれるところでございます。そして、こうやって軽減された時間を使って、より高い技術力が必要となりますような設計とか事業計画の方に仕事を注力して行うということも可能になるのではないかなと期待をしております。

 こういったように、群マネにつきましては、技術系職員の仕事の量に変化をもたらす可能性がありますけれども、今行っております試行を通じまして、必要な検討を行ってまいりたいと思います。

堀川委員 他の市町村のインフラの面倒まで見るということになれば、自分のインフラのメンテナンスも今まで以上に不十分になる可能性がある、そういう懸念はないのでしょうか。

塩見政府参考人 お答え申し上げます。

 今申し上げたように、業務量は増える部分もあれば減る部分もあるのかなと思っておりまして、直ちに仕事の量が増えるから、結果的に従前のメンテナンスが不十分になるということばかりでもないかなというふうに思っております。むしろ、工夫を引き出しやすくなるようなメリットもあり得るということで、その場合にはメンテナンスの質が向上できる、そういうことも期待できると思います。

 こうした私どもが今考えております群マネの趣旨が自治体に徹底をされますように、令和七年度内に手引を作成しようとしておりますので、その中で、インフラの管理者が果たすべき責任などを分かりやすく示すようにしたいというふうに考えております。

堀川委員 是非、現場の声を聞いていただきたいというふうに思うんです。

 今回、先ほどおっしゃったモデル地域として選ばれている幾つかの自治体からお話を伺いました。首長さんの中には、この群マネに対して意欲的な方もいらっしゃいます。でも、一方で、自分の町の道もがたがたのままなのに、ほかの町の道路のメンテナンスをやっている場合なのかというふうな声もお聞きをしました。

 群マネは、差し迫ったインフラメンテナンスへの苦肉の策の一つだというふうに思いますが、やはり、自治体の技術系職員を確保することによってインフラメンテナンスを自前でやっていく、この方針ということを投げ出してはいけないと思いますが、大臣の認識をお伺いしたいと思います。

中野国務大臣 生産年齢人口というのは今後も減少が続きますので、人手不足、どの産業でも厳しさを増すと思っております。人材確保は当然そうなんですけれども、様々な対策を総合的に講じていく必要があろうかと思います。

 例えば、ロボットなどの新技術で省力化をするということも必要でありますし、民間の委託の活用ということもあろうかと思います。また、先ほど来御指摘の群マネによって、地域全体として老朽化対策への対応力を確保するということも必要かと思います。

 他方で、建設分野の技術職員を増やすというのは努力していかないといけないというのは思っておりまして、まず、やはり若い方々に建設分野を選んでいただくという必要がございますので、今、出前講座ですとか、あるいは、インフラメンテナンス国民会議というのを産官学民で構成をしております。こうしたメンテナンスの重要性も広く啓発をしてまいりますし、インフラメンテナンス市区町村長会議を構成をする市区町村長に対しましても、直接、技術職員の確保も働きかけてまいりたいというふうに思います。

 加えて、建設分野の技術資格……

井上委員長 申合せの時間が経過しておりますので、答弁は簡潔にお願いします。

中野国務大臣 はい、分かりました。

 こうした資格を若いうちに取得しやすくするですとか、建設技能者の処遇、職場環境の改善等々含めて、様々な対策を総合的に進めてまいりたいと思います。

堀川委員 群マネは、これを推進することによって何でも広域化していくような流れにしてはならないというふうに思いますし、自治体の技術系職員を増やす対策を求めて、質問を終わりたいと思います。

井上委員長 次に、福島伸享君。

福島委員 有志の会の福島伸享でございます。

 私たちの会派は法案を条文ベースで審議することを基本としておりまして、ただし、今回、全部で総時間が三時間で、我が会派に与えられた時間はたった十一分です。たがや議員も、そして堀川議員も十一分で、本当に短い時間で法案審議などできません。

 私が役人時代は、形式的な法律改正は三時間というときがありましたけれども、これだけの分厚い重要な盛りだくさんの法案を三時間で審議するなんというのは、そもそも常識外れだと思っております。私がお世話になった鴻池祥肇大臣、私がお仕えしていた方ですけれども、がよくおっしゃったのは、国会は内閣の下請やないでということをいつも言っておりました。

 我々は立法府の人間ですから、立法府自らが立法府の役割を軽んじるようなことはしてはいけないと思いますので、是非、少数会派に配慮した時間と総時間を確保するように、理事会で協議することを求めます。委員長の見解を求めます。

井上委員長 理事会で協議いたします。

福島委員 貴重な時間を使ってしまいました。

 私たちの地元は、東海第二原発の再稼働の問題を抱えております。梶山先生と同じであります。一番の焦点は、三十キロメートル以内に九十万人が住む中で、緊急時に弱者を含めて住民が避難できるかということが地元で最大の焦点となっております。

 問題となるのは、先ほど下条議員が質問しました複合災害の場合であります。東日本大震災のときも、私たちの地元は、橋とか高速道路が通行不能になって移動できないということが数日続きました。これが仮に原子力災害と複合災害で起きたとなれば、パニックになります。

 もう大臣にはこの件では答弁は求めませんけれども、先ほど大臣から、複合災害、とりわけ原子力災害などの場合の対応について明確な御答弁をいただきました。

 そこで、今度、逆側の内閣府の方にお聞きしたいんですけれども、もう一つ、昨年の能登半島の地震でも、志賀原発で起きたときにどうなるかということを、私、東日本大震災復興特別委員会で指摘してまいりました。

 今回の法改正で、道路法改正法案第二十二条の三第二項第六号で、密接関連道路の維持を効果的に行うための訓練というのが法定化されております。同じような規定が、私がジェー・シー・オーの事故の後作った原子力災害特別措置法でも、初めて原子力防災訓練というのを法定化させていただきました。

 今回、道路啓開計画、そして原子力の避難計画、この原子力の避難計画は防災計画の中の原子力災害対策編という中で定めることが決められておりますけれども、お互い、その両方の計画を連携し、訓練なども連携してやることが必要だと思うんですけれども、内閣府の方の見解を求めます。

松下政府参考人 お答えいたします。

 自然災害と原子力災害との複合災害時の対応は大変重要であり、とりわけ、避難経路を確保するという観点から、自然災害等により傷んだ、通行不能となった道路を復旧するということは、複合災害時の対応の重要なポイントであるというふうに考えております。

 そのため、原子力災害に備えました各地域の緊急時対応におきましては、それぞれの地域の実情に応じて、自然災害等により道路が通行不能となった場合の復旧策を定めているところであります。

 その上で、訓練につきましても、これは、原子力災害に備えた訓練の中で、複合災害を想定し、自然災害等により通行不能となった道路を復旧させる訓練、こういった訓練メニューを各地で行っております。

 例えば、今年の二月に鹿児島県で実施いたしました原子力総合防災訓練におきましては、地震により倒木等によって道路が通行不能となった場合の啓開等の訓練、これを実施したところであります。このほか、各県でも訓練を行っているところであります。

 このように既に対応しているところでありますが、引き続き、委員の御指摘も踏まえて、訓練等をしっかり行ってまいりたいと考えております。

福島委員 訓練もそうなんですけれども、道路啓開計画につきましても、これは自然災害の場合と複合災害の場合で優先順位が全然変わってまいりますので、その辺りも、国土交通省と内閣府で連携して、有意義な避難計画と啓開計画の連携を行っていただければと思います。

 次に、今回の法改正の一つの大きな柱が、道路の脱炭素化の推進であります。今回、脱炭素化施設に占用許可を与えることができるということが決められております。

 今回、第七次エネルギー基本計画が先月出ましたけれども、そこでペロブスカイト太陽電池なんというのが出まして、これは恐らく、道路の斜面とかのり面にやると、雑草も抑えられるし、発電もできるし、非常にいいんじゃないかと私などは思っていますが、一方で、これは事業性があります。こうした有望な事業は誰でもやりたいんですよ。そこに独占的な権利を与えるということは、まさに利権化しやすいと思うんですね。

 私は、本来これは、ビジネス目的のためにやるんじゃなくて、そこで得た利益を例えば高速道路代を安くすることに活用するとか、あるいは更なる道路の脱炭素化のための事業に使うとか、そういうのに限定して占用許可を出すべきであって、純粋な民間事業というのには基本的に認めない、そうしたやり方があっていいんじゃないかと思っているんですね。

 そうした意味では、この改正道路法第三十三条の第二項第三号の占用許可というのは、目的や内容によって、どういうふうなものに許可を出すとか、あるいはその優先順位とか、そうしたものを明確にする必要があると思いますけれども、大臣、どのようにお考えでしょうか。

中野国務大臣 今回の改正法案におきまして、脱炭素化施設等を設置し、占用許可基準の緩和の対象となる者は、道路管理施設等へ電力を供給する太陽光発電施設でありますとか、低炭素なモビリティーの利用促進に寄与するEV充電器等を設置する地方公共団体や民間事業者等を想定をしております。

 特例の対象となる者は、各道路管理者が策定をする道路脱炭素化推進計画に位置づけられた施策に資する施設等を占用する者と考えておりまして、委員御指摘の営利目的のみの施設等の設置を行う者を対象とすることは考えていないということであります。

 その審査の際に当たって、やはり、占用の目的、場所等を確認をし、より道路の脱炭素化施策に資するものなど公共性の高いものを優先をさせることになると思います。

 こうした点につきましては、施行の通知の中で明確に整理もしたいと思いますし、各道路管理者にも通知をしていきたいと思っております。

福島委員 ありがとうございます。答弁を通じて明らかになったと思いますので、しっかりと対応していただければと思います。

 続いて、トイレコンテナ等の設置の促進についてですけれども、今回の法改正では、能登半島地震での経験も踏まえ、災害時に派遣可能なコンテナ施設を道の駅に設置を促進するための措置が講じられております。とりわけ、財特法改正法案の第五条で、無利子貸付けの対象を自動運転補助施設等という等を入れることによって、トイレコンテナ施設等を加えられるようにしております。

 この条文では、無利子貸付けの対象となるのは、設置工事に要する費用なんですね。でも、コンテナというのは設置じゃないと思うんですね。だって、移動可能な自動車であって施設ではないですから。だから、本来、これは何もないんじゃないかと思うんですね。

 現に、令和二年から令和六年度までにかけて、予算の中で、自動運転補助施設、それについての無利子貸付けの予算として二千五百万円が措置されているんですけれども、来年度予算では同額なんですよ。同額ということは、予算執行するつもりがないんじゃないかとも思えるんですね。

 果たして、無利子融資を受けてトイレコンテナ等を設置促進する人なんてどのぐらい想定しているのか、予算はどのぐらい出ることを狙っているのか、政策効果がどのぐらいあると考えているのか、政府参考人の答弁を求めます。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 災害時の可動コンテナについてでございますけれども、その有効性が能登半島でも示された、そうしたこともありまして、地方公共団体や民間事業者において可動式コンテナ導入の検討が進んできております。我々が聞いておる範囲でも、四十ぐらいの民間事業者あるいは地方公共団体から、そういった御要請、設置あるいは購入に対する支援の要請が出てきておるというところでございます。

 そのため、今回、無利子貸付制度を創設をさせていただいて、その促進に努めてまいりたいというふうに思っているところでございます。

福島委員 そうした気合を聞いているんじゃないんですよ。具体的にどういう政策目標をやって、予算は同額なわけですから、幾らぐらい執行して、それでどのぐらい促進するというのを考えないで政策をつくっているんですか。私は、典型的なやったふりだと思うんです。とりあえず法律改正しました、予算の額は増えていません。

 しかも、無利子貸付けの融資の方が進むのか、あるいは単なる補助金で進むのかといったら、恐らく、この手のものは補助金の方が進むんですよ。無利子だからといってわざわざお金を借りてやるような人は私は余り想定し難いと思っていて、補助金とか、そうした別の支援措置の方がむしろ導入が進むと思うんですね。

 そうした意味で、この設置促進に向けて、無利子融資だけじゃない、もっと手厚い支援が必要だと思うんですけれども、大臣、いかがでしょうか。

中野国務大臣 委員の御指摘も受け止めてまいります。

 コンテナというのは、やはり、平常時は民間事業者による収益を行う活動に使用されるということもございまして、そういう意味で、国交省としては、補助ではなく無利子貸付制度という状況であります。

 内閣府では、今回、避難所の生活環境の改善等を目的に、トイレコンテナやキッチンカー等を対象とした交付金制度というのを令和六年度補正で計上をしておりまして、こうした内閣府の交付金の交付対象者、地方公共団体ですけれども、NPOや民間事業者等への補助経費も対象になるというふうに考えております。民間事業者の支援にも資する交付金であるとも考えております。

 国交省としては、内閣府を始めとする関係省庁とも連絡をしまして、民間事業者等に対しまして、本貸付制度の周知も図りつつ、可動式コンテナの設置が進むように取り組んでまいりたいと思います。

福島委員 しっかりと、数年後にこの政策が果たして意味があったのかどうかというのを検証して、これから政策をつくるときは、そうしたきちんとした目標設定に基づいて政策をつくることを求めまして、質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。

井上委員長 次に、徳安淳子君。

徳安委員 日本維新の会の徳安です。

 限られた時間でございますので、早速に質問に入ります。

 一点目は、重要物流道路制度についてお尋ねをいたします。

 この重要物流道路制度というのは、平成三十年に新設をされ、目的は、平常時、災害時を問わない安定的な輸送を確保するため、国土交通大臣が物流上重要な道路輸送網を重要物流道路として高規格幹線道路、地域高規格道路などから指定するものでございます。

 機能の強化や重点支援の実施を行うとする中で、能登地方における制度の指定状況を踏まえ、この度の能登半島地震においてその制度がどのように生かされていたのか、効果や課題、教訓などについてお尋ねいたします。

山本政府参考人 お答えいたします。

 重要物流道路でございますけれども、平成三十年の道路法改正によりまして制度創設をいたしました。

 能登地域においても、能越自動車道を始めとする高規格道路を重要物流道路に、国道二百四十九号などを、重要物流道路を補完をする、代替する道路に指定をしておりまして、能登半島地震が発生した際には、優先的にこうした道路を、道路啓開、緊急復旧に着手をしたところでございます。

 なお、能登半島地震において、復旧や地域支援の活動を根幹から支えるべき能越自動車道を含む道路ネットワークが大規模に被災をして、物流機能が十分に発揮できなかったということが、重要物流道路としての在り方として少し課題があったのかなというふうに思っております。

 国土交通省といたしましては、能登半島のみならず、災害リスクを抱えるほかの地域も含めまして、災害時に緊急支援のアクセスルートとして機能をする強靱性の高い道路ネットワークの形成に、しっかりと努めてまいりたいと考えております。

徳安委員 今、重要物流道路として能越の自動車道を指定したということでありますけれども、大規模被災に遭ってしまって、その在り方というか、課題が残ったということの一つとして、この能越自動車道の管理主体が区間によって異なっているということが、災害対応における一貫性や迅速性などの観点で課題が生じた要因だとも指摘をされております。

 今後は道路管理者を統一化するという検討も必要かなと思うんですけれども、お考えをお聞きします。

山本政府参考人 お答えいたします。

 能越自動車道につきましては、石川県さんが管理をしている部分、それと国が管理をしている部分がございます。

 今回の災害も踏まえまして、この管理の一元化、そういったものも含めて、これから石川県さんといろいろ御相談をしていきたいというふうに思っております。

徳安委員 ほかの地域も同じような形の道路があるかと思いますので、早急に確認して、一元化に進めていくという方向も大切かなというふうに思っております。

 先ほど、二百四十九号の、代替の、補完道路の答弁もあったかと思うんですけれども、この補完道路が、能登半島の沿岸、北部にずっと沿って補完道路として指定されているという記載もありました。その道路の整備というのは、補完道路として指定されてからどのように整備されているのか、また、全国で指定されている補完道路というのはどのような整備になっているのか、お聞きします。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 国道二百四十九号、能登半島の先端部にあります国道でございます。石川県さんで管理がされている国道でございます。

 この二百四十九号の整備については、石川県さんにおいて随時整備がされてきたというふうに承知をしております。重要物流道路に指定されてから、今、済みません、具体的な数字を持っておりませんけれども、個別の箇所で必要性に応じて整備が進められてきたところだというふうに承知をしております。

徳安委員 今、例えば、その二百四十九号ですけれども、石川県が整備されているということは、その整備の状況というのは、しっかりと国として把握しているという理解でよろしいでしょうか。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 石川県さんが管理をしています一般国道でございますので、日々の管理がどうなっているか、整備の状況がどうなのかということについては、基本的には石川県さんで把握をされております。

 我々の方も、石川県さんの方から、例えば、補助金あるいは交付金の御要望、そういった場で、今の整備の進捗状況でありますとか、これまでの整備状況でありますとか、そういったものをヒアリングを通じて把握をさせていただいているという状況でございます。

徳安委員 それぞれ、もちろん各自治体が責任を持ってやるべき道路というのもありますけれども、今回、やはりそれだけでは足りないということが、今、能登半島の地震で分かったところもあるのかなと思いますと、国としても、整備の進捗とか、しっかり確認を進めていただきたいと思っております。

 次の質問も能登半島地震についてですけれども、先ほどの最初の質問にも触れられていました、電柱倒壊などで道路が通れないとか使えないという状態が続いた点をお聞きしたいと思います。

 昨年の発災から五日、六日たってからの北陸電力の送配電によりますと、その一週間ちょっとで、分かっているだけで、およそ千二百本の電柱が傾いたり折れたりしたという被害が起きているという報道がありました。最終的に三千百本ですか、先ほどお話あったとおり倒壊しているということで、早い復旧を目指すということもあるんですけれども、立ち入るのが難しい場所が多くて、なかなかめどを立てられないというような記事でございました。

 電気はもちろん、物資の輸送にも大きな支障をもたらすとして、この件について、道路管理者として、電力会社などとの協議を通じた今後の取組などをお聞きします。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 能登半島地震では、委員御指摘のとおり、約三千百本の電柱倒壊によりまして道路の閉塞が発生をいたしました。倒壊した電柱、電線の撤去、これは電線管理者にお願いをしないといけないということでありますけれども、こういった電線管理者が到着をされるのに非常に時間がかかるという事例もございました。

 それで、こういった倒壊電柱の撤去について迅速化を図っていくこと、これは非常に重要だというふうに思っておりまして、能登半島の地震以降、災害が発生した際には、道路管理者と電線管理者との調整会議を現場とまた本省双方で開催をしております。道路啓開に必要な倒壊電柱の撤去について調整を行っております。

 具体的には、どこの電柱が倒れているので、どこの道路を開けないといけないのか、そういった調整をさせていただいているところでございまして、今回の道路法の改正においても、道路啓開の計画を策定をいたします。その中の協議会の中にも、こうした電線の管理者にも入っていただくということを考えております。また、訓練も実施をしていくということも明確に位置づけをしていくということでございますので、こうした倒壊した電柱、電線、そうしたものの撤去に関わる実践的な訓練などもしっかり実施をしていきたいというふうに考えております。

徳安委員 先ほどのまた質疑の中なんですけれども、無電柱化ということも視野に入れて進めていこうというようなお話もお聞きしているんですが、八市町で二十キロほど無電柱化が進んで、それによってすぐに送電が開始されたというような御答弁もあったかと思うんですけれども、実際それは、八市町二十キロのうちで何本の電柱が撤去されて、それに何年ぐらいかかったかというのを目安的に教えていただければと思います。

山本政府参考人 済みません、今手元にそうしたデータをちょっとお持ちをしておりませんので、また後ほどお答えをさせていただければと思っております。

徳安委員 この件をお聞きしたときに、御担当の方からのレクで、無電柱化も本当に進めていけば電柱の倒壊ということも防げるというようなお話もありました。

 しかしながら、無電柱化を進めるに当たっては、莫大な費用もかかりますし年月もかかるということで、私はやはり、先ほど電線管理者とおっしゃっていましたけれども、そういったところの、まずは電柱の強度を高めるということも、耐震化を進めるということも同時に必要なのではないかなというふうに感じております。

 鉄道におきましては、電車の線路の耐震設計では主に電柱の強度を評価することで安全性を確保するというふうに進めておりますので、あわせて、普通の道路に関しましても、電柱のそういった強度を高める、安全性を確保するということにも努めていただきたいと思います。

 先ほどの質疑にもありました、令和五年四月に、災害時の道路啓開に関する実態調査の結果に基づく勧告が、総務省から国交省に出されています、おととしですけれども。その勧告を受けて、どのように課題解決を図ってきたのか。法定協議会の設置など進めておられるようですけれども、今、全ての地方整備局で道路啓開という策定が完了しているのかどうか、進捗をお尋ねいたします。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 総務省からの御指摘を受けて見直しをしております。現段階では、令和六年の十二月、その段階まで策定がされておりませんでした北陸地方整備局、あと東北地方整備局、あと関東もそうだったと思いますが、も策定をされまして、現段階では全ての整備局単位で策定が終わっているという状況でございます。

徳安委員 全部、地方整備局が策定を進めているというので、よかったなというふうに思いますけれども、先ほどの話の蒸し返しではないですが、もっと早くやはり策定すべきではなかったのかなというのが実感としてありますので、鋭意、もっともっと早く進めていただけるようにお願いしたいと思います。

 次の質問は、先ほども道の駅についてのお尋ねがありましたけれども、私も、防災道の駅についてお尋ねをしたいと思います。

 防災機能の強化として、道の駅が防災道の駅として選定されて、防災拠点としての役割を果たすために重点的な支援が行われています。全国に千二百三十か所ある道の駅のうち、現在は三十九か所が防災道の駅と指定をされておりますが、これまでの取組内容と今後の展開をお聞きします。

山本政府参考人 お答えを申し上げます。

 防災道の駅についてでございますけれども、道の駅の中でも特に広域の防災拠点として機能していくべきものを、防災道の駅として指定をさせていただいております。建物の耐震化でありますとか、停電したときの対処の電力の確保でありますとか、あるいは水の確保、そういった防災機能を有しているというものでございます。

 令和三年で全国で三十九か所を指定をしておるところでございまして、選定後、おおむね三年をめどにいたしまして、ですので、今年度、令和六年度中に必要な整備をおおむね完了する見通しでございます。

 今後については、この防災道の駅、更に拡充をしていくべきというふうに我々も考えております。現在、具体的に、追加をする施設、そうした検討を今行っているというところでございます。

徳安委員 能登半島地震におきましても、防災道の駅というのが、その近くの、のと里山空港という、輪島市のところにある、防災道の駅と指定されておりますが、その防災道の駅が地震発生から一体どのように活用されてきたのか、ちょっと具体に教えていただければと思います。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 防災道の駅でございますが、御指摘のとおり、のと里山海道、これが当時、防災道の駅として機能をしたということでございます。支援物資の集配だとか、あるいは復旧復興活動の拠点として、広域的な防災拠点として有効に機能したというふうに考えてございます。

徳安委員 たしか、ここの、防災道の駅という場所が重要物流道路のところの一角にあるんじゃないかと思うんですけれども、そこが大規模に被災していて、そこまでの支援の物資がどのように運ばれたかというのは、どれぐらいの期間がかかったとかいうのはあるんでしょうか。

山本政府参考人 済みません、何日間でどれぐらいの機能復旧ができたかというところの細かい数字をちょっと今持ち合わせておりません。

徳安委員 失礼いたしました。ちょっと通告外のことの質問でありましたので。

 しかしながら、支援物資が有効に届けられたというのであれば、やはり、その日数的なものも是非把握もしておいていただきたいというふうに考えているところでございます。

 次の質問に移ります。次は、私の地元の尼崎の道路についてお尋ねしたいと思います。隣接する大阪府豊中市との間で長年開通していない道路の見通しについてお聞きします。

 道路網の整備に関する基本理念の創設というところから、国主導による緊急輸送道路の整備の推進が行われておりますが、地元尼崎から神戸まで東西に結ぶ山手幹線道路は、昭和二十一年、戦災復興事業として都市計画決定されております道路で、近年、ようやく兵庫県内は開通したんですが、尼崎から東へ、肝腎の大阪・豊中市へつながるこの道路は、一キロもない距離ですが、寸断されたままです。

 緊急の場合の輸送幹線道路として大阪から西の神戸まで開通していく非常に有益なこの山手幹線道路の東側、三国塚口線という名称になっておりますが、全線開通が戦後からずっと長年待ち望まれております。今後の見通しをお尋ねいたします。

内田政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘の都市計画道路三国塚口線は、兵庫県尼崎市の山手幹線と大阪府豊中市の国道百七十六号を接続する路線であり、国道二号や国道四十三号を補完する阪神間の交通ネットワーク強化及び災害時のネットワーク強化に寄与する重要な路線であると認識をしております。

 府道大阪池田線と国道百七十六号間の延長約一・一キロの区間につきましては、防災・安全交付金等を活用し、令和八年度春の開通を目指して、大阪府が整備を進めていると伺っております。

 兵庫県と大阪府境の残る約〇・五キロの区間につきましては、大阪府が事業化に向け、環境アセスメントの手続や都市計画変更に向けた検討を行っていると承知をしております。

徳安委員 ありがとうございます。

 まさにその〇・五キロ、五百メートルが、あともう少しというところでなかなか進まない状況でございますが、先ほど、大阪の整備の中身が、一・一キロ、令和八年の春ということでございますので、残りのこの本当に五百メートルほどの道路は、じゃ、あと二、三年のうちにというようなことで、地元に報告してよろしいでしょうか。

内田政府参考人 お答えいたします。

 この区間につきましては、先ほども少し申し上げましたが、令和六年度に環境影響評価計画書を豊中市が審査会に諮りましたりしておりますし、昨年でしょうか、ちょうどここに阪急神戸線が通っておりまして、そこと道路との立体交差の在り方についての協定等も行っているという状況でございまして、まだ現状、具体的にいつの時点で開通、供用するということが申し上げられる状況ではないというふうに認識をしております。

徳安委員 ありがとうございます。

 地元が同じであります大臣が不在ですので、代わりに地元の方には私の方からそのように報告させていただきたいと思いますが、実に待ち望んでいる道路ですので、是非よろしくお願い申し上げたく思います。

 次の質問は、先ほどちょっと飛ばしてしまいました、高速道路上のサービスエリアとパーキングエリアの、防災拠点というふうに指定もしていくということでございますので、その防災拠点の活用についての現状と課題もお聞きしたいと思います。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 防災の拠点ということで、道の駅もそうですけれども、高速道路のサービスエリア、パーキングエリア、そういった道路の休憩施設も、地方公共団体の地域防災計画の中で、防災拠点として指定をされているものがございます。

 このうち、道の駅については、先ほど御答弁をさせていただいたとおり、防災道の駅として、今、重点的な支援を行っているというところでございます。

 また、高速道路のサービスエリア、パーキングエリアについてでございますけれども、こちらは、防災拠点として地域防災計画などに位置づけられている休憩施設を対象に、給水の設備でありますとか、一般道から休憩施設への緊急時の車両の出入口、ヘリポートなどの整備を計画的に行ってございます。

 また、こうした防災拠点について、しっかりと、地域住民の方あるいは利用者の方に周知をしていくこと、こうしたことも大切だというふうに思っております。

 道の駅については、地域の避難場所に指定されている箇所について、避難場所の標識、こうしたものを設置をさせていただいたり、あるいは、サービスエリア、パーキングエリアについては、高速道路会社において、防災拠点となっている状況を定期的に報道発表したりというような取組をしているところでございます。

 防災拠点として非常に有力な場所であります道の駅、サービスエリア、こうした場所について、今後とも、様々な手段を通じまして、利用者や近隣住民の方々に周知を努めてまいりたいというふうに思っております。

徳安委員 一点確認させていただきたいんですけれども、今、ヘリポートの整備とか、いろいろ防災拠点として整備を進めておられるということですけれども、全国かなりの数のサービスエリア、パーキングエリアがあると思うんですが、今どのぐらいの進捗の状況なのか、何割ぐらい進んでいるのか。そんな詳しくしっかりした数字じゃなくても結構ですので、大体何割ぐらいか教えてください。

山本政府参考人 高速道路会社の防災拠点ということで、NEXCO三社、本四高速会社が管理をしておりますサービスエリア、パーキングエリアは、全国で八百五十か所ございます。この中で、約三百五十か所、こうしたところについては、例えば給水の施設、そうしたものが整備が実施をされているというところであります。

 また、個別の具体の事例ということでございますけれども、例えば、山陽自動車道、三木サービスエリア上り線においては、防災備蓄倉庫、ヘリポート、自家発電施設、あるいは緊急開口部、そういったものの整備をしているという状況でございます。

徳安委員 ありがとうございます。

 三木サービスエリアの近くには、三木の防災センターというのが兵庫県にありますので、そういう意味では、直結して、連携を取って前に進めていっていただければなと思っております。

 最後の質問に入ります。最後は、災害時における踏切道の適切な管理の促進についてお尋ねいたします。

 踏切が災害によって長時間遮断してしまうことが課題となっております。平成三十年の大阪北部地震では、列車の駅の間の停止などによりまして、多数の踏切で長時間の遮断が発生して、通常なら七分程度で着く救急車が大幅に遅れる事態が発生するなど、発災後の遮断状況について様々な課題が判明しております。

 課題解消に向けた今後の取組をお尋ねいたします。

山本政府参考人 委員御指摘のとおり、平成三十年六月の大阪北部地震の際には、地震が起きた後、列車が駅の間で停止をする、ちょうど踏切のところで止まってしまうというようなことが発生をいたしました。多くの踏切でそういうことが発生をいたしまして、長時間踏切が閉まったままになって、救命救急活動の緊急車両が通れないというようなことが起こったということでございます。

 こうした状況に対応していくために、令和三年に法律の改正をいたしまして、災害発生時に救急救命活動に大きな影響を与える踏切というものについては……

井上委員長 時間が経過しておりますので、簡潔にお願いします。

山本政府参考人 優先的に開放していくという指定制度を創設をいたしました。現在まで、道路管理者と鉄道管理者が連携をいたしまして、四百八十五か所が指定をされているというところでございます。

 これについては年々追加をさせていただいているというところでございますので、今後も、こうした優先開放の踏切の指定、追加をして、取組を進めてまいりたいと考えております。

徳安委員 時間になりましたので終わりますけれども、山本局長、ありがとうございました。

 以上で質問を終わります。

井上委員長 次に、中川康洋君。

中川(康)委員 公明党の中川康洋でございます。

 今日も質問の機会をいただきまして、大変にありがとうございます。

 本日、私は、最初に道路陥没に関連した質問から入らせていただきたいと思いますので、今日は大臣がおられませんので、局長とのやり取りになるかと思いますが、どうぞよろしくお願いをいたします。

 本年一月の二十八日に埼玉県の八潮市で発生した道路陥没事故、これは今も本当に社会に大きなインパクトを与えております。今回の道路陥没事故を受けて、国交省は、大規模な下水処理場とか下水管を管理する都道府県に対して緊急点検の要請を行いましたけれども、今後は、国交省からの緊急点検に加えて、下水道管の老朽化が懸念される道路について、例えば路面下空洞調査などを緊急で実施する自治体とか、来年度以降そういったものを実施する自治体、これは増えてくるんじゃないか、こんなふうに私は感じておりますし、既にそういった動きが出ているように感じております。

 しかし、各自治体においては、その予算をいかに確保するのか、これが結構、小規模自治体ほど大きな課題となっておりまして、特に財政基盤の脆弱な自治体においては調査をしたくてもなかなか調査ができない、こういった声も耳にしておるところでございます。

 国の方では、これまで、防災・安全交付金等を活用できるスキームを設けまして、例えば、緊急輸送道路でありますとか重要路線での路面下空洞調査等を実施する自治体に財政支援を行ってまいりましたが、こうした交付金の制度は、主に緊急輸送路等での計画的な空洞調査、これを対象にのみ行ってきましたので、大規模な自然災害発生時に求められる例えば緊急的な調査でありますとか、下水道管の老朽化等が懸念される路線での調査など、道路陥没を防止するための一体的な調査、これの支援は想定をされておりません。

 しかし、今後は、先ほども申し上げた、財政基盤の脆弱な自治体であっても、住民の安心、安全の確保や地域の強靱化が円滑に推進できるよう、国として、危機管理に対応した路面下空洞調査等を効果的に行うための考え方を地方自治体に対して示すことや、それに伴う地方自治体への財政支援の拡充を行うこと、これは地方自治体にとって大変に重要な要素じゃないか、このように思うわけでございますが、この点、国交省の見解を伺います。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、地方公共団体が路面下空洞調査を効果的、効率的に実施をしていくということは非常に重要でございまして、特に小規模な自治体に対して技術的、財政的な支援を行うことは非常に重要だというふうに思っております。

 技術的支援については、これまでも、道路メンテナンス会議等の場を通じまして、空洞箇所やあるいは空洞探査技術について情報提供を行ってまいりました。

 今後は、この八潮市での陥没事故も踏まえまして、国において、道路の陥没あるいは空洞発生箇所、どういった場所でそういったことが起こりやすいのか、そういった傾向分析を行っていきたい、それに伴って、どういう場所を点検するのか、重点的に路面下空洞調査を実施する場所についての考え方、こういったものを整理をしていきたいというふうに考えてございます。そういったものを地方公共団体に情報提供していくということをやってまいりたいというふうに思っております。

 あと、財政的な支援の方については、防災・安全交付金による支援、今でも実施はしておりますけれども、委員御指摘のとおり、言ってみれば、新たな調査の対象でありますとかやり方でありますとか、そういったことを今、有識者の会議の場でも御議論いただいておりますので、そうした新しい考え方も踏まえて、財政的な支援の在り方についても検討を進めていきたいというふうに思ってございます。

中川(康)委員 ありがとうございました。

 今回の問題が起きて、私は、県内でも、やはり小規模自治体から不安の声が出てきている、しかし財政的にやはり余裕がないというお話を聞いておるわけなんですね。ですから、のべつ幕なしにやるというのは大変ですので、今おっしゃっていただいた傾向分析をしていただきまして、そして優先度を示す、こういった考え方をお示しいただくのは大変大事だと思いますし、やはり財政的にも、防災・安全交付金があるわけでございますが、これをどう拡充していくのか、そういったところも有識者会議等でしっかりと議論をしていただいて、やはり地方自治体、特に小規模な自治体も安心を感じられるような、そういった方向性をお示しいただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 続きまして、調査の品質の確保、こういった点について一点質問させていただきます。

 この路面下空洞調査等は、国を始め全国の自治体で実施をされておりますが、道路陥没の防止や実効性ある取組とするためには、発注者である自治体が路面下空洞調査等を実施する事業者の技術力とか調査品質をしっかりと見極めて評価をすること、これが私は重要だと思っています。

 確かに、これらの実施に当たっては、公平公正な発注が求められることは言うまでもありませんが、しかし、実施事業者によっては、技術力や調査品質に大きなばらつきが見られることもありますので、既に国とか先進的な自治体では、例えば総合評価方式とかプロポーザル方式などを積極的に取り入れられている、こんな状況の中で調査品質の確保につながっている、こういったところも伺っているところでございます。

 そこで、国交省に伺いますが、安心、安全の確保には、技術力の担保や品質の確保が重要な要素であると私は考えておりますので、今後、自治体が路面下空洞調査等を実施する際には、各自治体でも総合評価方式やプロポーザル方式など技術評価型の発注が容易に行えるような、国としての必要な支援やガイドラインを設けること、こういったことを検討していただくこと、この必要性があるんじゃないかと思いますが、その点、国交省の見解を伺います。

山本政府参考人 委員御指摘のとおり、総合評価落札方式でありますとかプロポーザル方式などによりまして技術力を評価をして受注業者を選定すること、これは業務の品質を確保する上で非常に重要なことだと考えております。

 国土交通省で発注をしております路面下空洞調査については、技術と価格を総合的に評価して受注者を選定をする総合評価方式を実施をしているというところでありますけれども、地方公共団体については、委員御指摘のとおり、なかなかそれが難しいというのが実情であるというふうに思っております。

 こうした地方公共団体に対しては、これまでも、道路メンテナンス会議等の場で、こうした技術の情報の提供を行ったところでありますけれども、今後は、路面下空洞調査の発注の方法、国土交通省でやっている方法、そうしたものについてもしっかりと情報提供し、周知をしていきたいと思いますし、また、個別に御相談に応ずるなど、公共団体への必要な支援をしっかり進めてまいりたいと考えております。

中川(康)委員 ありがとうございました。

 地方自治体にとっては本当にプラスになるような御答弁をいただいたかと思っています。

 やはり、今は、地方自治体、特に小規模なところは技術職員が減っていまして、そういったところにおいても総合評価はなかなか難しいかと思うんです。しかし、やはりこういった調査というのは品質が大事なものですから、安かろう悪かろうではいけないと思うんですね。せっかくやったけれども意味がなかったというのではいけない。そういったところをやはり国がしっかりと支援していく、この重要性があるかと思いまして、今回、こういったところの指摘をさせていただいたところでございます。

 次に、改正案について何点か伺います。

 まず、道路啓開の実効性の向上、これは既に出ておりますが、私も何点か質問をさせていただきます。

 令和六年能登半島地震では、土砂災害や津波災害などにより多数の住宅被害やライフラインの寸断が発生するとともに、道路においても、幹線道路から市町村道に至るまで大規模に被災したネットワーク、これが寸断をされました。そのような中、いち早く復旧復興を進めるためには、道路を啓開し、人や物が通れるようにすること、これが重要であるというふうに考えております。

 ゆえに、本法律案の改正において道路啓開計画が法定化し、実効性ある計画に基づいた道路啓開を実施することは、災害時における初動対応を強化する取組としてもこれは大変に重要であると考えております。

 その上で、この道路啓開、更に実効性を向上させるためには、国、地方自治体だけではなくて、例えば建設業団体や電力会社など、実際に啓開作業に加わる地域の広範な関係者との平時からの調整、連携、これが重要だと考えますが、そういった調整、連携の必要性とその具体的な連携方法について、これは国交省の見解を伺います。

山本政府参考人 お答えいたします。

 道路啓開の実効性を高めていく上で、関係者との連携、調整、非常に重要だというふうに思っております。

 このため、道路啓開計画の策定をいたします協議会の場では、災害応急対策活動を行います消防、警察、自衛隊、あと道路啓開の実作業を行っていただきます建設業関連団体、それと電気、通信等のライフラインの事業者、こうした方々にも参画をしていただき、関係機関との役割分担も踏まえて、実効性のある道路啓開計画を策定をしていきたいと思います。

 また、平時からの連携をしっかりしていくことも重要でございます。例えば、訓練とかそういったものを平時からやっておくということが、いざ発災をしたときにそれが機能する非常に有効なことであるというふうに思っておりますので、孤立集落、ライフラインの迅速な機能復旧に向けて、どこが優先ルートなのかというのを選定をしていく訓練でありますとか、あるいは、倒壊した電柱、電線、そういったものを撤去をする訓練、こうしたものも実施をして、道路啓開の実効性の向上に取り組んでいきたいと考えております。

中川(康)委員 ありがとうございました。

 この点については、今回、多くの委員から、少しずつ角度は違いますけれども、指摘があったかと思います。ですから、平時からこういった民間事業者等、関係するところとのやはり連携、調整、今局長に御答弁いただきましたが、この必要性というのを今日多くの委員が感じられているというのも私も実感をいたしましたので、その点、またひとつ、今回法定化されますので、よろしくお願いしたいと思います。

 次に、道の駅の防災機能の向上、この点について伺います。

 昨年一月の能登半島地震並びに九月の奥能登豪雨では、防災道の駅でありますのと里山空港が、支援物資の集配や災害復旧活動の拠点といった広域防災拠点として活用されたと伺っています。この点、今局長も御答弁いただいたところであります。

 このように、全国の主要地域にある道の駅については、災害時の更なる活用を見据え、今後この防災機能を更に向上させていくこと、これは私も重要だと考えておりますし、私の地元もこういった要望が上がってきているところでございます。

 国交省としては、今回の法律案の改正によりまして、この道の駅の防災機能の強化について、具体的にどのような効果が出てくるのか、また期待しているのか、ここを伺いたいと思いますし、あわせて、道の駅の防災機能の強化に向けては、本法律案の改正に加えて、防災・減災、国土強靱化の予算の活用など、国による財政支援、この必要性もあるのではないか、このように感じるわけでございますが、この二点、国交省の見解をお伺いいたします。

山本政府参考人 委員御指摘のとおり、のと里山空港が広域防災拠点として有効に機能したということでございますが、一方で、こういった広域防災の役割を担うことができる拠点の少ない地域というのは全国にもまだあるというふうに思ってございます。

 こうした地域では、災害復旧のための拠点構築に時間がかかるということも想定をされるということでございますので、今般の改正法案では、地方公共団体が管理をする道の駅の駐車場の拡張について、国が代行できる制度を創設をするということにしております。これによりまして、広域防災拠点が少ない地域において、道路啓開等の災害対応の拠点となる道の駅の整備が促進をされるという効果を見込んでおるところでございます。

 また、予算措置でございますけれども、令和七年度の予算案におきましても、道の駅の防災設備等の機能強化を、社会資本整備総合交付金における重点配分の対象事業として新たに位置づけることとしております。

 あわせまして、強靱化の関係の予算も活用しながら、道の駅の防災機能の強化を推進してまいりたいと考えております。

中川(康)委員 ありがとうございました。

 最後に、関連して一点伺います。

 今回の改正案は、道路啓開計画とか、この防災道の駅の強化ということでありますが、それと同時に、例えば私の地元の三重県では、紀伊半島における命の道と言われている近畿自動車道紀勢線、これは災害時に機能するということで非常に期待されているんですが、この道路がまだつながっていないという根本的な問題もございます。

 そういった意味においては、本法律案の改正内容ももちろん重要でありますが、この高規格道路のネットワークの整備、これを同時に、こういったところもしっかりと国交省として加速化させていくこと、この重要性もあると思いますが、最後、この点をお伺いします。

山本政府参考人 全国には、まだネットワークがつながっていない、いわゆるミッシングリンクが残っております。国土強靱化の観点からも、このミッシングリンクの早期解消、極めて重要だというふうに思っております。

 御指摘の近畿自動車道紀勢線でございますけれども、南海トラフ巨大地震などの大規模災害時の備えとして、大変重要な道路だと認識をしております。現在まで約八割が開通をしておりますけれども、残る全ての区間で今事業を進めているところでございます。

 強靱化の予算も活用しながら、早期の全線開通に向けて、事業を進めてまいりたいと考えております。

中川(康)委員 ありがとうございました。

 国交省の取組が国民の皆様の安心、安全につながるようなこと、そういったことを期待を申し上げまして、質問を終わります。大変にありがとうございました。

井上委員長 次に、石橋林太郎君。

石橋委員 自由民主党の石橋林太郎です。

 本日は、質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。

 今日は、道路法等の改正案ということでありまして、今国会におきましては、道路法の改正案以外にも、港湾法や航空法等の改正案も提出されると伺っておりますけれども、これは全て、能登の地震の反省を生かして、よりよい国民生活を実現していくために改正案を提出してくるというふうに聞かせていただいております。

 私、ちょうど、能登半島の地震が発生したときには、国土交通大臣政務官を拝命をしておりまして、一月一日、ちょうど政務官としての在京当番で東京におりました。電話が入って、地震があったという話があって、そこから災害対応が始まったわけでありますけれども、やはり、あのときの災害の対応というものもしっかりと教訓を生かしながら、この国土交通委員会で議論をして、少しでもまた国民生活が安心、安全が高まるようにしていくことは大変重要であるという思いを持ちながら、今日も質問をさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 今回の改正案でありますけれども、道路法の整備に関する基本理念の創設ということも項目として入っておりました。まず最初に、なぜ今このタイミングでこの基本理念を創設をしようということになったのか、その点につきまして御答弁いただければと思います。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 基本理念をこのタイミングで創設した理由いかんということでございますけれども、現行の道路法におきましては、道路の管理の方法でありますとか費用の負担の区分、こうしたものについては定められておりますけれども、道路法によって実現をすべき理念でありますとか原則、そうしたことに関する規定が置かれていないということでございます。

 一方で、今般改正の法案におきましては、複数の道路管理者の協議による啓開計画の策定でありますとか、連携協力道路の管理の特例制度の創設、あるいは、コンテナ、脱炭素化に資する施設の民間事業者等による設置、そういった様々な措置を講ずることにしているということでございます。

 このため、例えば道路の防災でありますとか、あるいは地球温暖化のための道路の脱炭素の推進でありますとか、現在の道路法の目的には明確に記載がされていない政策にも取り組む必要が出てきたということでございまして、また、道路管理に当たっては、民間事業者の方々の参画も含めて、これまで以上に広範な関係者による連携協力が必要になるということでございます。

 こうした状況を踏まえまして、道路管理者を始め、道路管理に関する様々な関係者が道路法によって実現すべき理念や原則について認識を共有することができるよう、今回新たに基本理念に関する規定を設けさせていただいているというところでございます。

石橋委員 ありがとうございました。

 理念をしっかりと共有をして、民間も合わせて一緒に前に進んでいけるためにということでありますけれども、理念の中で、例えば、我が国の経済社会の活力の向上及び持続的発展や豊かな国民生活の実現、それから自立的で個性豊かな地域社会の形成と、非常に、本当に理念を語るにはふさわしい大きい規模のものがあるなと思う反面、私、個人的には、脱炭素というのが少しスケール感が違うのかなというふうに違和感を感じたりもしたところであります。

 といいますのも、脱炭素は、議員の皆様は御承知のとおりかと思いますけれども、世界のエネルギー排出量で見ますと、エネルギー起源のCO2排出量ですけれども、中国が世界全体の三一・一%、アメリカが一三・五%、EUで七・四%、インドも七・四%、ロシアは四・八%と続いて、日本、我が国は二・九%で、世界の中で第六位ということでありまして、物すごく二酸化炭素を出しているというわけではないわけであります。

 とはいいながら、二酸化炭素の排出、CO2の削減ということに我が国も進んでいかなければならないということは分かっているわけでありますけれども、これだけのポーションしかないんだということも一方で頭の中のどこかに置いておかなければいけないなということを常に思うところでもあります。

 そうした中で、今般の改正案の中の脱炭素化施設の導入促進ということで、脱炭素化施設の例として太陽光パネルの写真が資料に載っておりました。お伺いしましたところ、そのほかにも、脱炭素化施設としては、電気自動車の充電機器でありますとかシェアサイクルの駐輪装置など、今日も御答弁ありましたけれども、そうしたものが位置づけられているというふうにあったわけでありますが、太陽光パネルについて少しお伝えをしたいと思います。

 御承知かと思いますけれども、太陽光パネルの原料というのは多くが中国産でありまして、また、パネルの生産自体も中国国内のメーカーが世界で約八〇%と圧倒的なシェアを占めているわけであります。ということは、太陽光パネルを国内で設置するということは、お金がどんどん中国企業に流れていくという流れがあるということを今多くの方が指摘をしていますし、問題意識を持っているところだというふうに思います。

 また、太陽光パネルの主要な原材料でありますポリシリコンという素材がありますけれども、このポリシリコン、世界でのシェアが約八割が中国、そのうちの約四割が中国の新疆ウイグル自治区内で生産をされているということもありまして、この新疆ウイグル自治区では、ウイグル人に対する中国共産党による強制労働や、また拷問等々の問題点も指摘をされているところであります。

 独り、脱炭素化のために太陽光パネルと、どうしても発想がそこに浮かびやすいのは私も分かるんですけれども、二〇二二年には国会においても衆参で人権決議を上げるなどしているような、そういった問題も絡んでいるということをしっかりと認識をするべきだというふうに思っております。

 その点におきまして、中国のウイグルにおける人権問題についての認識と、そしてまた、その状況を他省庁さんとどのように情報共有をしているのかということを外務省さんにお伺いをしたいと思います。

金子政府参考人 お答え申し上げます。

 新疆ウイグル自治区に関しましては、重大な人権侵害が行われているとの報告がこれまで数多く出されております。我が国としましても、同自治区の人権状況につきまして深刻に懸念しておるところでございます。

 また、米国政府は、同自治区における人権状況を理由に、一部の太陽光発電機器部品の同自治区からの輸入を禁止しているという報道も承知しております。

 外務省としましては、こうした外交政策に関わる問題につきまして、政府として統一した対応を取る観点から、必要に応じて関係省庁と適時適切に情報共有をしております。

 我が国としましては、国際社会における普遍的価値である自由、基本的人権、法の支配が中国においても保障されることが重要であると考えております。こうした立場を含めて、新疆ウイグル自治区の人権状況について中国政府に対しても直接働きかけてきており、引き続きこのような取組を進めてまいりたいと考えております。

石橋委員 ありがとうございました。

 おっしゃるとおり、基本的人権、法の支配等々の基本的な価値観をしっかりと日本国として大事にしているんだということを、省庁の垣根を越えてしっかり表していただきたいと思いますし、そのことを引き続き国際社会に対しても我が国の姿勢として示していくことを心からお願いを申し上げたいというふうに思います。

 そして、脱炭素、引き続きなんですけれども、今日もいろいろとお話がありましたけれども、脱炭素を進めていくための技術としては、必ずしも太陽光パネルでなくても、太陽光ということであれば、今日も御指摘がありました、ペロブスカイトという新技術が、しかも国産の技術が我が国には今ありまして、これからどんどん進んでいくところだろうというふうに思いますし、また、今日はほかにも、下条先生から脱炭素コンクリのリサイクルのお話がありましたりとかいうこともありました。そうした新しい技術というのをどんどん進めていく、使っていってほしいなというふうに思うわけであります。

 私も、政務官をさせていただいた折に、エコプロアワード二〇二三というのに出席をして、そこで国土交通大臣賞、SPACECOOLという放射冷却現象を利用したシートの表彰に立ち会わせていただきました。電気を使わなくても、車体やまた建物の中の空調状態を外気温よりも低く保つことができたりするというような技術でありましたし、これも大阪ガスさんの技術でありますし、また、我が国にとって技術的にも大変重要であるエンジン車を活用しながら温室効果ガスを減らすということであれば、合成燃料を活用するということも取り組むべき一つのことかなというふうに思います。

 それからまた、脱炭素に限らず、建設分野におきましては、国交省の所管でありますけれども、建設用3Dプリンターの積極的な活用などもお願いをしたいなというふうに思っているところであります。

 業界をリードするスタートアップの会社さんと話をさせてもらったときに、技術開発の支援は様々経産省などもお金をつけてくれるんだけれども、実証をしようと思ったときに、実装をしようと思ったときに、その支援がなかなかないんだ、そこで困っているというお話がありました。

 国交省さんに聞きましたら、何個か3Dプリンターも現場で活用していただいているという話もあるわけですけれども、私が聞いているところでは、現在は、施工をする会社さんが、民間の企業さんが、ある意味、リスクを取りながらその新技術を活用しているというふうに伺っております。

 本来であれば、国交省、国の方で、そういった技術を、開発だけではなく活用するところにもしっかりと予算を使っていただきたいと思うのであります。なぜなら、こうした企業さんには、実は海外から結構アプローチがあって、その技術を買いたい、丸々うちの会社で買い取りたいというようなオファーをもらっているというふうに聞きます。結構な金額でオファーが来るというふうにも聞いておりますし、こうしたせっかくの日本発の新技術、しかも、そこに公費を投入して開発をしてきたような新技術が、みすみす海外に取られてしまうということがないような、そういった手だても、これも省庁の垣根を越えて取り組んでいただきたいなということであります。

 実は、今日、委員に福島先生がいらっしゃいますけれども、先般、予算委員会で樹脂電池の御質問をしていらっしゃるのを私は拝見しまして、これは本当に大事な問題だなと思いました。経産部門だけでなく、それを、せっかくできた技術をしっかり国内で生かしていくんだということは、これもまた省庁の垣根を越えて取り組んでいただきたいと思っているところでありまして、その点につきまして、国土交通省における新技術の活用や開発に向けた取組状況をお伺いしたいと思います。

沓掛政府参考人 お答えいたします。

 脱炭素化や省人化など、インフラ分野の課題に対応するため、国内企業の技術開発を促進すること、また、開発された新技術あるいは新素材、これを国内の工事で活用すること、これは非常に重要なことだと認識しております。

 このため、技術開発の支援として補助件数を拡大するとともに、令和五年度からは、イノベーションの創出を促すため、補助事業においてスタートアップ企業を対象とする新たな区分を創設しまして、支援の充実を図っているところであります。

 また、新技術や新素材の活用促進に向け、技術の特徴や経済性などの情報をデータベース化しました新技術情報提供システム、これを運用しておりまして、これはどなたでも手軽に技術を確保することもできますし、また、ここに掲載された技術を含め、国土交通省の直轄工事では、この新技術の活用を原則義務化しているところでございます。

 さらに、優れた技術や工事等のベストプラクティスを横展開するため、表彰制度を活用して普及促進を図っているところであり、引き続き、持続的な経済成長のために、国土交通分野における国内の新技術あるいは新素材、この開発支援、また国内での活用、これを積極的に推進してまいります。

石橋委員 ありがとうございます。

 今お答えもいただきました、人手が不足していく中で、そういった省人化の手助けにもなる新技術だというふうに思いますし、何より国力を毀損することがないようにしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思いますので、どうぞお願いいたします。

 続きまして、改正案の中の能登半島地震を踏まえた災害対応の深化の部分について、少しお伺いをしたいと思います。

 今般の法改正におきましては、発災後、初動の更なる迅速化や、また指揮系統の一本化など、自治体や関係機関など所属の組織の垣根を越えた連携が強化されるということをこの法改正によって成し遂げられるものと私は期待をしているわけでありますけれども、この法改正におきまして、こうした指揮系統の一本化や、自治体、関係組織など所属の垣根を越えた連携がどのように変化をしてくるのかというところを、少し教えていただければと思います。

高見大臣政務官 今回の法改正では、まさに石橋前政務官が対応に当たられた能登半島地震のような大規模災害発生時において緊急輸送を確保するために、法定協議会で協議を経て、道路啓開計画を定めることとしております。

 この法定協議会では、道路管理者だけではなくて、災害応急対策活動を行う消防、警察、自衛隊、道路啓開の実作業を行う建設業関連団体、また電気通信等のライフライン事業者等に参画をいただいて、関係機関との役割分担も踏まえた実効性のある道路啓開計画を策定をしてまいります。

 この計画策定に加えて、孤立集落解消やライフラインなどの迅速な機能復旧に向けて、どのルートを優先して啓開をしていけばよいかですとか、電柱や電線が倒壊をして、電線と絡んでしまった場合にどのように撤去すればよいか、こういった実践的な訓練を実施をすることとしております。

 こうしたことを平時から行うことによって、石橋委員御指摘の垣根を越えた連携ですとか初動の更なる迅速化ということもきちんと前に進む、そして道路啓開の実効性が向上するものと考えております。

石橋委員 高見政務官、御答弁ありがとうございました。

 消防、警察、自衛隊、それから民間の企業さんも含めて様々、日頃から顔を突き合わせて一緒に連携をしていただけるということ、非常に心強いなというふうに思うところでありますし、これはもちろん、災害対応の深化という観点からの今回の取組でありますけれども、私は個人的には、結果として国民保護という面でも、そういった日頃から顔を見てお互いが分かるという関係性をつくっていただくことが、最終的には国民保護にも資するものだというふうに思うところであります。

 もちろん本来目的ではないかもしれませんけれども、引き続き、そうしたものも頭の片隅に置きながら、日頃の訓練、それからまた、定期的な計画の見直しがあるということも今回画期的な点なのではないかなというふうに思っておりまして、しっかりとこの取組が進むように頑張っていただきたいというふうに思います。

 最後に、もう一点だけ質問をさせていただきたいと思いますけれども、国土強靱化の次期の実施中期計画についてであります。

 今日は大臣はまだお戻りではありませんけれども、所信の中での大臣の三本柱というものも、国民の安全、安心の確保でありますとか、持続的な経済成長の実現、また地方創生二・〇の実現ということで、非常に私たち国民の安心、安全を守りながら、同時に国の経済力も強くしていくというようなお話がありました。

 公共事業、特に国土強靱化の実施計画は、この三本柱全てに資するような事業であるというふうに私は思っているところであります。首都直下の地震が起きることや南海トラフが予想されていることも考えますと、事前防災をしっかりとやっていくということが非常に大切でありまして、そのために事前に、しかも、お金的にも事前に災害対応した方が、事後的に復旧復興するよりも、言い方は悪いですけれども、安上がりで済むという側面もあるというような学会さんの資料も拝見をしたことがあります。

 そうした点において、これまで、三か年の緊急対策では七兆円の規模で事業を進めてもらいましたし、今年最終年ですけれども、五か年加速化では十五兆円という規模で進めてきていただいております。所信の中でも、この十五兆を超える規模でのというようなお言葉があったわけでありますけれども、現在の物価高、それから賃金をしっかり上げていかなければならないこと、そして何より、重要な、必要な事業というものを地方はたくさん抱えています。今日も八潮の陥没の話もありましたけれども、ああしたことをしっかりと解決をしていくというのがやはり国土交通省の使命、国家、政府の使命であるというふうに思っております。

 そうしたことを踏まえまして、次期の実施中期計画の策定に向けた意気込み、国交省としての意気込みを、大臣はいらっしゃいませんので、高見政務官に代表してお答えをいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。

高見大臣政務官 事前防災、まさに石橋委員おっしゃったとおり、中野大臣が所信で申し上げた三本柱、国民の安全、安心の確保、持続的な経済成長の実現、地方創生二・〇に大きく資するものだと確信をしております。

 委員の御地元でも大変な土砂災害、安佐南区、安佐北区、ありましたけれども、その後に砂防堰堤ができて、その後は同じ程度の雨量が降っても被害は大きく軽減されていると聞いており、こういうものが事前防災の大きな効果だと思っておりまして、国土強靱化の取組を着実に進めていくことが非常に重要だと思っております。

 国土強靱化実施中期計画につきましては、能登半島地震や八潮市の道路陥没事故も踏まえて、施策の評価や資材価格の高騰等も勘案をして、現行の五か年加速化対策を上回る水準の事業規模で、本年六月を目途に策定できるように、国土交通省としても関係省庁と連携しながらしっかりと検討してまいります。

石橋委員 御答弁ありがとうございます。

 しっかりと今の計画を上回る規模で進めていただきたい、そして、そのためにも、最後に一点だけ、建設国債もしっかりと活用していただいて、そして、できれば当初予算でしっかりと積んでいただくことをお願い申し上げまして、質問を終わらせてもらいます。

 ありがとうございました。

井上委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午後零時七分休憩

     ――――◇―――――

    午後零時十四分開議

井上委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 ただいま議題となっております内閣提出、道路法等の一部を改正する法律案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

井上委員長 この際、本案に対し、たがや亮君から、れいわ新選組提案による修正案が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を求めます。たがや亮君。

    ―――――――――――――

 道路法等の一部を改正する法律案に対する修正案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

たがや委員 ただいま議題となりました修正案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 昨年一月に発生した令和六年能登半島地震では、人命救助やライフラインの早期復旧等のためにも、道路啓開の強化の重要性が明らかになりました。

 政府案は、令和六年能登半島地震を教訓として道路啓開計画を法定化していますが、災害時対応の実効性を向上させるには、法定化するだけでは十分でなく、同計画の作成面、実施面における人的、物的資源の確保が十分に担保される必要があり、その状況を検証し、必要な検討を行うことが求められます。

 政府案は、この法律の施行後五年を目途として、この法律による改正後のそれぞれの法律の規定について、その施行の状況等を勘案して検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとしておりますが、災害が頻発化している現在に鑑みれば、期間が長過ぎると言わざるを得ません。

 このようなことから、本修正案を提案するものであります。

 次に、修正案の内容について御説明申し上げます。

 本修正案は、この法律の検討規定について、検討時期の目途を、この法律の施行後五年から一年に短縮をするものであります。

 以上が、本修正案の趣旨であります。

 委員各位の御賛同をよろしくお願いを申し上げます。

井上委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

井上委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入るのでありますが、討論の申出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、道路法等の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。

 まず、たがや亮君提出の修正案について採決いたします。

 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

井上委員長 起立少数。よって、本修正案は否決されました。

 次に、原案について採決いたします。

 原案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

井上委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

井上委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、勝俣孝明君外六名から、自由民主党・無所属の会、立憲民主党・無所属、日本維新の会、国民民主党・無所属クラブ、公明党、れいわ新選組及び有志の会の七会派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者より趣旨の説明を求めます。長友よしひろ君。

長友(よ)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 趣旨の説明は、案文朗読をもって代えたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

    道路法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺漏なきを期すべきである。

 一 令和六年能登半島地震により、道路啓開計画を事前に準備し、平時における訓練等を通じて災害時対応の実効性を向上させることが重要であることが改めて認識されたことに鑑み、道路啓開計画が未整備の地域が生じないよう、国が主体的に取り組むとともに、都道府県等を積極的に支援すること。また、発災直後の道路啓開実施が着実に行われるよう、制度の適切な運用を図ること。

 二 原子力発電施設等立地地域における道路啓開計画を策定するに当たっては、地震や津波等との複合災害時に被災者の避難を最優先にする観点から、原子力災害の特性に応じたものを策定すること。

 三 災害発生時において道路啓開を含む緊急復旧等を機動的に実施するため、その担い手となる地域建設業者や道路管理者等が平時から十分な資機材を確保しておくことが可能となるよう、維持管理費用に配慮するなど財政支援等に必要な予算を確保するなどの環境整備を図ること。また、道路管理者においても資機材を確保すること。

 四 広域的な支援拠点としての観点から、「防災道の駅」の追加選定を戦略的に行うとともに、「防災道の駅」以外であっても防災上の位置付けを有する道の駅については、当該道の駅における施設や自動車駐車場の耐震性の向上等が図られるよう、財政的支援の強化に努めること。

 五 地方公共団体や民間事業者が、災害時に派遣可能なトイレコンテナ等を設置することについて、無利子貸付以外にも支援措置を充実させること。

 六 災害時における高付加価値コンテナの更なる活用促進を図る観点から、本法による占用許可基準の緩和措置や各種支援制度を周知し、民間事業者等による保有を促進するとともに、道路管理者自らもその保有に努めること。また、民間事業者等が保有するものを含め、災害時に活用できる高付加価値コンテナの配備状況を把握し、発災時に円滑な運用がなされるよう必要な取組を行うこと。

 七 道路空間における脱炭素化施設等の導入促進のために民間事業者が活用できるための道路占用基準の運用に当たっては、道路自体の脱炭素化に資するものであるものを優先し、新たな利権の発生につながらないよう公平公正な基準を設けること。

 八 都市災害の減少や都市景観の向上を図り、交通渋滞などに繋がる地中・道路の地下に埋設されている上下水道、電気、ガス、電話等のライフライン関係の改修工事において、共同溝の導入や、共同工事・集中工事で、効率的な道路工事の実施を進めること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

井上委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

井上委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。

 この際、国土交通大臣から発言を求められておりますので、これを許します。国土交通大臣中野洋昌君。

中野国務大臣 道路法等の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま全会一致をもって可決されましたことに深く感謝申し上げます。

 今後、本法の施行に当たりましては、審議における委員各位の御意見や、ただいまの附帯決議において提起されました事項の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。

 ここに、委員長を始め理事の皆様方、また委員の皆様方の御指導、御協力に対し、深く感謝の意を表します。

 誠にありがとうございました。

    ―――――――――――――

井上委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

井上委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時二十三分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.