第4号 令和7年11月28日(金曜日)
令和七年十一月二十八日(金曜日)午前九時二分開議
出席委員
委員長 冨樫 博之君
理事 加藤 鮎子君 理事 国定 勇人君
理事 田中 良生君 理事 伊藤 俊輔君
理事 松田 功君 理事 谷田川 元君
理事 井上 英孝君 理事 鳩山紀一郎君
五十嵐 清君 石橋林太郎君
上田 英俊君 大空 幸星君
加藤 竜祥君 草間 剛君
高木 啓君 谷 公一君
土屋 品子君 西野 太亮君
根本 拓君 野中 厚君
鳩山 二郎君 深澤 陽一君
古川 康君 簗 和生君
山本 大地君 若山 慎司君
阿部祐美子君 尾辻かな子君
川原田英世君 城井 崇君
白石 洋一君 鈴木 岳幸君
長友よしひろ君 西川 厚志君
福田 淳太君 福森和歌子君
馬淵 澄夫君 美延 映夫君
村上 智信君 菊池大二郎君
古川 元久君 赤羽 一嘉君
中川 宏昌君 たがや 亮君
堀川あきこ君 福島 伸享君
斉木 武志君
…………………………………
国土交通大臣 金子 恭之君
経済産業副大臣 井野 俊郎君
国土交通副大臣 佐々木 紀君
国土交通大臣政務官 加藤 竜祥君
国土交通大臣政務官 上田 英俊君
政府参考人
(内閣官房外国人との秩序ある共生社会推進室次長) 岸川 仁和君
政府参考人
(警察庁長官官房審議官) 阿部 竜矢君
政府参考人
(法務省大臣官房審議官) 竹林 俊憲君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 尾田 進君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 大隈 俊弥君
政府参考人
(資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長) 小林 大和君
政府参考人
(国土交通省大臣官房公共交通政策審議官) 池光 崇君
政府参考人
(国土交通省大臣官房上下水道審議官) 石井 宏幸君
政府参考人
(国土交通省大臣官房技術審議官) 小林賢太郎君
政府参考人
(国土交通省国土政策局長) 佐々木正士郎君
政府参考人
(国土交通省不動産・建設経済局長) 楠田 幹人君
政府参考人
(国土交通省都市局長) 中田 裕人君
政府参考人
(国土交通省水管理・国土保全局長) 林 正道君
政府参考人
(国土交通省道路局長) 沓掛 敏夫君
政府参考人
(国土交通省住宅局長) 宿本 尚吾君
政府参考人
(国土交通省鉄道局長) 五十嵐徹人君
政府参考人
(国土交通省物流・自動車局長) 石原 大君
政府参考人
(国土交通省港湾局長) 安部 賢君
政府参考人
(国土交通省航空局長) 宮澤 康一君
政府参考人
(国土交通省政策統括官) 佐々木俊一君
政府参考人
(観光庁次長) 木村 典央君
参考人
(成田国際空港株式会社代表取締役社長) 藤井 直樹君
国土交通委員会専門員 國廣 勇人君
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委員の異動
十一月二十八日
辞任 補欠選任
石橋林太郎君 山本 大地君
草間 剛君 若山 慎司君
神津たけし君 福森和歌子君
同日
辞任 補欠選任
山本 大地君 西野 太亮君
若山 慎司君 草間 剛君
福森和歌子君 神津たけし君
同日
辞任 補欠選任
西野 太亮君 石橋林太郎君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
参考人出頭要求に関する件
国土交通行政の基本施策に関する件
――――◇―――――
○冨樫委員長 これより会議を開きます。
国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、参考人として成田国際空港株式会社代表取締役社長藤井直樹君の出席を求め、意見を聴取することとし、また、政府参考人として、お手元に配付のとおり、国土交通省大臣官房公共交通政策審議官池光崇君外二十名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○冨樫委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○冨樫委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。根本拓君。
○根本(拓)委員 自由民主党の根本拓です。
本日は、建設DXについてお伺いをしてまいりたいと思います。
国交省では、建設DXの推進に向けて、プロセス全体をデジタル化していくi―Constructionというものを進めて、ICT施工を進めていると理解しておりますけれども、まず、我が国における建設DXの意義についてお伺いできますでしょうか。
○加藤大臣政務官 お答え申し上げます。
国土交通省では、建設現場の生産性向上や、業務、組織、プロセス、文化、風土や働き方の変革を目的として、i―Construction及びインフラ分野のDXを推進してまいりました。
今後更なる人口減少が予測される中、国民生活や経済活動の基盤となるインフラの整備、維持管理を将来にわたって持続的に実施していくことが必要であることから、二〇二四年四月より、その取組を加速し、i―Construction2・0を進めております。
i―Construction2・0では、二〇四〇年度までに建設現場の人数を少なくとも三割減らすことによって、生産性を一・五倍向上することを目指し、少ない人数で、安全に、快適な環境で働く生産性の高い建設現場の実現を目指して、現場のオートメーション化に取り組んでまいります。
○根本(拓)委員 ありがとうございます。
まさに今お答えをいただきましたとおり、建設業界は深刻な人手不足に直面しているわけですけれども、ここで人を集めようとしても、なかなか限界がある。そうだとしたら、デジタル技術というものをどんどんどんどん使っていく、それによって人手不足を補って生産性を高めていく、さらに、データというものを利活用していくことによって建設業の工事の質を上げていく、こういうものとして建設DXは大きな意義を持っていると思っております。
その上で、国交省として、建設DXに関するこれまでの取組、今少しおっしゃっていただきましたけれども、その成果についてもお伺いできればと思います。
○小林(賢)政府参考人 お答えいたします。
国土交通省では、i―Constructionの取組を進めてきたところであり、ICT施工につきましては、これまでに、土工や舗装工などに適用工種を順次拡大するとともに、小規模工事に適した基準類を整備することにより、普及促進に努めてまいりました。
その結果、直轄土木工事におけるICT施工の実施状況は、取組を開始した二〇一六年度は公告件数の約四割でしたが、二〇二四年度は約九割に増加しております。
建設現場の生産性については、ICT活用工事が導入されていない二〇一五年度と比較しまして、二〇二二年度は約二割の向上が図られました。
また、コロナ禍を契機に、工事の各段階の検査につきましては、リモート検査を導入し、移動時間の削減やペーパーレス等によって業務の効率化を進めてきております。
引き続き、建設現場の省人化、生産性向上に努めてまいります。
○根本(拓)委員 ありがとうございます。
今ICT施工とおっしゃいましたけれども、このICT施工の要件というのはどうなっていますでしょうか。どういう工事だったら、ICT施工、これが今九割に達したということですけれども、どういうものであればICT施工と認められるのでしょうか。
○小林(賢)政府参考人 お答え申し上げます。
国土交通省におきましては、従前は、測量、設計、建設機械による施工、出来形管理、データの納品の各段階のいずれかにおきましてICT機器を活用した施工をICT施工と認定してきたところでございます。
今年度からは、特に普及が進んできた土工及び河川しゅんせつ工におきまして、全ての段階でICT機器を活用することを原則化しております。
○根本(拓)委員 ありがとうございます。
今審議官がおっしゃったことを少し更にお話ししますと、これまでは、測量、設計、施工、どこかのプロセスでICTが用いられていればICT施工と認められていた。ただ、こうすると、測量ではせっかくICTを使ったのに、そのデータが設計とか施工のときに十分に生かされない、こういう問題があったと思っています。当時は、今から始めようということだったので、相対的には緩やかな要件を設定したということだったと思うんですけれども。
一方で、審議官が今おっしゃったとおり、ここに来て、そのフェーズが変わった。どこかのプロセスでICTが用いられていればいいというフェーズから、特に土木工事なんかについては、ICT施工の要件を厳格化して、プロセス全体についてICTを用いなければいけないということになったと理解しております。
これで何が変わったかというと、各プロセスで取得されたデータというのを工事のプロセス全体で活用することができる、これによってデータの価値というのを最大限に発揮することができる、こういうフェーズに今変わったんだ、フェーズが変わったんだと思っております。
こういった大きな前進が見られるわけですけれども、是非これを強力に進めていただきたいと思っています。
一方で、今後の展開なんですけれども、今後の展開としては、まだ、既存のICT施工、前進した今のICT施工では、それでもカバーされていない領域があると思っています。
例えば、ダンプだとか建設機械の位置情報、稼働状況、施工履歴など、様々な周縁部分の施工データですね、これをリアルタイムで把握して活用していく。それによって、ダンプの運行の効率性、土をどうやったら一番効率的に運ぶことができるか、こういうことをやっていく。こういうフェーズに更に進んでいくことが必要なのではないかと思っています。
こうすると、コストが増大していくわけですけれども、そこは予算の面でしっかり手当てをしていただいて、このような取組を推進していくべきなのではないでしょうか。
このような施策を通じて、建設DXを進めるという強力なメッセージを国として発していく。今、業者の方も、国がどこまで建設DXを進めればいいかちょっと分からないでいるところもあるという話も聞きますので、ここまで進めるんだという強力なメッセージを示して、それによって建設業者の方も、よし、じゃ、それならDXに投資をしていこう、こういうふうに思って、民間投資を引き出していく、こういうことが必要だと思いますので、次にどこを狙っていくのか、ここについて是非教えていただければと思います。
○小林(賢)政府参考人 お答えいたします。
今御指摘がありました、ICT施工時に得られるダンプトラックの位置情報、稼働情報、施工履歴など様々なデータを活用しまして、資機材の配置や作業工程の無駄を見える化し、その見直しをすることで、作業の効率化のみならず、建設現場全体の効率化、省人化を図る取組を進めているところでございます。
また、ICT施工については、積算要領を整備し、必要となる経費について、適切に積算に反映しているところでございます。
引き続き、技術の普及状況と技術の高度化を踏まえ、要件の拡大とともに、必要な費用の計上を行い、建設現場におけるデジタルデータの活用推進を進めてまいります。
○根本(拓)委員 審議官、ありがとうございます。
まさに、今審議官がおっしゃってくださったとおり、工事というのは、測量して、設計して、施工するだけではないんだ、周縁部分でいろいろなことが行われていて、そういったところのデジタル化も進めていく、データの利活用も進めていく、そのためにしっかり予算もつけていく、今こういうメッセージを発していただいたかと思いますので、大変心強く思っております。
ただ、こういったICT施工を進める上で、建設現場の全面的なデジタル化を支える基盤として、共通のデータ基盤が必要なのではないかというのが次の質問になります。
個々のプロセスで異なる機械だとかシステムを用いるわけなんですけれども、これがうまく連携できなかったらデータをどんなに集めてもしようがない、一つのプロセスで集めたデータをほかのプロセスで使えなかったらこれは意味がないので、そういったものを連携させるためのデータ連携の基盤が必要なのではないかと思っています。
現状、いろいろな方のお話を伺いますと、そのプロセスごとに異なるメーカーの機械だとかシステムが使われていると相互のデータ連携に困難が生じる、メーカーごとに仕様が異なったりすると、あるプロセスで取得したデータを違うメーカーでやる、違うプロセスでは使えないということが今起きているとも聞いております。こうすると、全体の効率化に困難が生じてしまうので、やはりデータ連携基盤をつくっていく必要がある。
そういう意味で、国交省で、例えば主要な建機メーカーなどと協議をして、いわゆる協調領域、ここはみんなで共通化しましょうよ、残りの部分で競争しましょうよと、協調領域と競争領域を区別して、この協調領域、みんなでこれでやっていきましょうよということを定めて、そこの標準化を進めて、標準化された形でのデータの連携基盤、これを構築し、それをオープンに利用できるようにする、こういう取組を進めていただくことが必要なのではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○小林(賢)政府参考人 お答え申し上げます。
建設現場のデジタル化に当たっては、共同で標準化を図る協調領域を設定することにより、各社の重複する技術開発を抑制し、標準化された環境である競争領域を設けることで、業界全体としての技術開発を加速することが必要と認識しております。
このため、国土交通省では、二〇二五年二月に、建設業、建設機械メーカー、測量機器メーカーなどの各業界団体が参加する施工データ集約・活用のためのスタディグループを立ち上げ、検討を進めているところでございます。
引き続き、民間企業との協議を重ね、建設現場全体の生産性向上に資する共通データ連携基盤の整備を進めてまいります。
○根本(拓)委員 審議官、ありがとうございます。
今、取組がもう始まっているということですけれども、このデータ連携基盤は非常に重要で、これを構築することでデータの円滑な利活用が進んでいくということだと思っていますので、是非、この取組を加速して、いつまでも結論が出ないとかではなくて、ここまでに結論を出すんだということで決めて、進めていただきたいと思っております。
今日議論をさせていただいて、国の方で相当建設現場のICT化、DXを進めていくということが明らかになったかと思います。一方で、国だったらできると思うんですけれども、地方公共団体、特に市町村、私の選挙区も小さな町とか村を抱えているんですけれども、こういう町とか村がこういった流れについていけるのかどうなのか、これは大きな懸念があるなと思っております。
そういった小さな町村、もしかしたら市もかもしれないですけれども、そういった公共団体が公共工事のICT化を進める上で、どういうことを、どういう手当てをしていけばいいのか、デジタルリテラシーが発注者も受注者も限られている状況においてどういう打ち手があるのか、これについてお伺いできればと思います。
○小林(賢)政府参考人 お答え申し上げます。
地方公共団体や中小建設業におきまして、ICT活用を普及させることが課題と考えております。
このため、国土交通省では、人材育成に関する取組として、自治体の職員や地域の建設業者等を対象としまして、直轄工事の現場を活用した研修を全国で実施しております。
加えて、ICT施工導入には企業における経営的な判断が必要となることから、経営者向けのICT経営者セミナーを開催しております。
国土交通省としましては、引き続き、地方公共団体や中小建設業向けに、ICT活用に関する知識普及や人材育成の取組を図ってまいります。
○根本(拓)委員 ありがとうございます。
今のお答えを踏まえると、やはり研修、リテラシーを高めるために知見を提供するということが中心なのかなと感じました。
ただ一方で、小さな町村だと、その役場において、例えば、技術的な知見がある人がすごく限られているという町村もある、理系のいわゆる技官と言われる人がいないというような町村も今出てきてしまっていると聞いています。こういう方にいきなりICT施工とかといっても、多分なかなか分からない。そもそも、建設とは何かみたいなところから勉強しなければ、役場に入ってから勉強しなければいけない方にICT施工の研修をといっても、なかなか厳しいのが実情かなということも思っております。
そうだとすると、ある意味、もう、一つの町とか一つの村でICT工事をやるというこの発想を変えなくてはいけないのではないかと私自身は思っていまして、町とか村を一つの単位、群のような、そういうもう少し大きな単位、何とか群とか、若しくは、市と町と村をくっつけて一つの単位にして、そこで大きなロットで出して、知見がある人によって工事を発注していく、こういったいわゆる群マネジメントみたいなものをICT工事でも進めていく必要があるのではないかということを申し上げて、私からの質問とさせていただきます。
どうもありがとうございました。
○冨樫委員長 次に、尾辻かな子君。
○尾辻委員 おはようございます。立憲民主党の尾辻かな子です。
今日も質問の機会をいただいて、ありがとうございます。
それでは、私の方から、まずはハイヤー、タクシー問題について質問をしていきたいというふうに思います。
まず、都市型ハイヤーでございますけれども、インバウンド需要により訪日外国人をメインターゲットとした白タク問題、これは最近いろいろ努力をしていただいているところでありますけれども、ここから、次に大きな問題として浮上してきたのが、緑ナンバーの都市型ハイヤーによる不適切営業であります。新規参入が増えてきており、本来、流し営業やつけ待ちはできないのに客引きをしている。名義貸しをしているのではないか、二種免許不保持者の乗務というのも疑われているような状況であります。
今年十月に、国交省として、新規参入についての厳格な審査については事務連絡を出していただいているのは承知しておりますけれども、入口のチェックだけでは実態把握も難しいのが現状だと考えます。
監督官庁としてきちんと実態把握をするとともに、処分、規制の強化など適正化が必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○石原政府参考人 お答えいたします。
ただいま委員御指摘ありましたとおり、都市型ハイヤー事業への新規参入が近年急速に進んでおります。事業者数につきましては、令和三年度末から令和六年度末の三年間で約八割増加しているところであります。
事業者数が増加傾向にある中で、報道等において一部事業者におけるいわゆる名義貸し等の違法行為に関する指摘があることは、国土交通省としても承知しているところでございます。
国土交通省としましては、こうした名義貸しのおそれのある不適切なハイヤー事業者の実態を把握するため、本年九月以降、警察や施設管理者等と連携して、羽田空港、成田空港、関西空港等で現地調査を行っており、十月末時点で十二回を数えているところでございます。
また、直近一年間に新規参入した都市型ハイヤー事業者に対しまして、運行管理者が適切に選任され、名義貸しなどがなされていないか、こうしたことを確認するための調査を実施しているところでございます。
今後、これらの調査結果を踏まえまして、違反事実が確認されれば、厳正に対処してまいります。
○尾辻委員 しっかり対応をお願いしたいと思います。
そして、もう一問行きたいと思いますが、タクシーの方であります。日本型ライドシェアでございますけれども、間もなく許可期間である二年を迎える事業者が出てまいります。
認可基準は、公共の福祉を確保するためにやむを得ないものと認めて許可するというふうになっておりますけれども、事業者の経営上の予見可能性なども踏まえると、これはやはり具体的な許可基準が必要ではないかと思っております。いかがでしょうか。
○石原政府参考人 お答えいたします。
日本版ライドシェアにつきましては、令和六年三月二十九日に制度が創設され、同年四月五日に東京都特別区・武三交通圏の計三十八事業者に対して最初の許可が出されたところであります。
この個別の事業者に対する許可には二年間という期限、条件が付されていることから、その後も日本版ライドシェアを続けるためには改めて許可を取っていただく必要がございます。
その際には、日本版ライドシェアを導入した趣旨がタクシーの補完にある、そうしたことに鑑みまして、真にタクシーが不足する曜日や時間帯等を確認した上で許可の可否を判断する、このように考えております。
○尾辻委員 これもしっかりと許可基準を示していただくということをお願い申し上げたいと思います。
それでは、今日も、成田国際空港株式会社、藤井社長の方に来ていただきました。みんなで大家さんのことについてお聞きをしたいと思います。
みんなで大家さんシリーズというのは不動産特定共同事業でありまして、約三・八万人の方が二千億円の出資をしております。二千億円の出資というのは豊田商事事件と同じでありまして、過去の大きな消費者被害というのは、これより被害額が多いのは安愚楽牧場以外ありません。それほどまでに出資金額が多いものであるということであります。
さて、まずは、昨日記者会見をされたかと思いますけれども、成田国際空港株式会社の方で小菅地区の賃貸借契約を打ち切ったということ、打ち切ったというか、十一月末で延長しないということを決定されたということでありますけれども、この決定の理由の方を教えていただければと思います。
○藤井参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の成田市小菅地区の土地、この土地を、私ども、共生バンクに対して賃貸借契約を結んでおります。これにつきましては、契約上、今月の十一月三十日が期限となっているところでございます。
この契約の期限が切れてくるということに当たりまして、私どもにおきましては、必要な法令許可が引き続きなされているかどうか、もう一つは、土地の造成工事を目的に土地を貸し付けておりますので、その土地の造成工事の残工事の遂行能力が共生バンクにあるか、この二つを確認をしてまいったところでございます。
この度、その確認の結果、土地の造成工事に係る残工事の遂行能力が確認をできませんでした。そのことを理由として、今回、私どもは、契約期間を延長せず、契約を終了させることといたしたところでございます。
○尾辻委員 私は、これは適切な判断であるというふうに思っています。むしろ遅かったのではないかという思いなんですけれども。
先ほど社長の方からおっしゃっていただいた、遂行能力というのは具体的に何を指すんでしょうか。
○藤井参考人 遂行能力、様々なものがありますけれども、それを総合的に判断した結果、その遂行能力がないという結論に至りました。(尾辻委員「答えていないです。答えていないので、答えさせてください」と呼ぶ)
○冨樫委員長 では、もう一回言ってください。
○尾辻委員 遂行能力とは具体的に何を指すのかということを問うておりますので、具体的にお答えいただきたいと思います。
○藤井参考人 例えばで申し上げますと、これまでの工事の進捗状況、あるいは今後の工事の工程の予定、さらには資力、そういったものを確認した上で、最終的に、総合的に造成工事の残工事の遂行能力が認められないという判断に至ったものでございます。
○尾辻委員 新聞報道では、やはり資力の問題が大きかった、残高証明みたいなものが出せなかったのではないかということが報道されております。要は、会社の経営がもう危機的な状況になっているのかなというところでありますけれども。
ただ、これは、成田市さんは、今回、四度目の開発の延長をされているわけです。成田市さんはゴーサインを出し、そして成田国際空港株式会社は契約を打ち切る、この整合性の部分はどうなるのか、これを端的にお答えいただきたいと思います。
○藤井参考人 お答え申し上げます。
共生バンクは、本年の十一月二十五日に、同社の工事完了予定日を令和七年の十一月末から令和九年の八月末まで延長することについて、成田市に届出を行い、成田市に受理されたと承知をしております。
この工事完了予定日の扱いにつきましては、成田市が判断すべきことであり、当社として回答する立場にはないものと考えております。
○尾辻委員 それでは、その土地は事業者の方が造成工事をするのかなというようなところかと思いますが、ちなみに、十二月一日から造成工事をもうできなくなるということになって、じゃ、その土地というのは原状復帰を求めることになるんでしょうか。これはちょっと質問通告していませんので、今の時点で決まっていないのであれば、それでも結構です。
○藤井参考人 貸付けの期限、十一月末ということでございますので、その後におきまして、共生バンクはその土地についての造成工事というのはできないことになると承知をしております。
その土地の扱いにつきましては、今後しっかり検討してまいりたいと考えております。
○尾辻委員 最後に、やはり私は、今回の成田ゲートウェイの開発において、成田国際空港株式会社が最初に開発のところで一緒に判こを押し、農地の転用のところでも一緒に判こを押してきた、いわば二人三脚でやってきた、これは責任は非常に重いというふうに思っております。そういった責任についてどのように考えておられるのか、もう、ちょっと時間がありませんので、簡潔に一言で結構です、お答えいただければと思います。
○藤井参考人 当社の土地の共生バンクへの貸付けの目的は、土地の造成ということに限られております。予定建築物の建設に当社は参加をしておりません。今委員御指摘の共生バンクの商品、みんなで大家さん成田シリーズの募集については当社は関わっておりません。当該商品の対象には、当社が共生バンクに貸し付けた土地は含まれておりません。
以上から、御指摘の事態について、私どもとしては関係がないという判断をしております。
○尾辻委員 藤井社長の前の田村社長は、みんなで大家さんの会長の柳瀬さんと食事の席で同席されていたということもこの国会の場では言われておりますので、ちょっと今のことは本当に苦しい言い訳だなというふうに思います。
日経不動産マーケット情報、この問題をずっと追いかけてきたところでありますけれども、実は、みんなで大家さん「シリーズ成田」は、原価三十六億円の土地を評価額二千四百七十三億円としてファンドに組み入れていた、投資家から集めた千五百五十七億円の約九五%がファンド外に流出していたということが指摘されています。そして、現行三十九ファンドの中で三十四本で分配金が停止して、元本償還の不履行も起きています。
これは制度のはざまをついた破綻必至類似商法であって、高齢者を中心に約三・八万人が被害を受けている重大事件なんです。
大臣にお聞きします。
これはやはり不特法に、不動産特定共同事業法に穴があったから、こういうことができてしまったわけです。私も今まで聞いてきました。今までの大臣は、自己責任だ、投資は自己責任なんだからということをおっしゃっていたんですが、本当に、金子大臣、これは投資家の自己責任と言えるようなスキームだったのか、お聞かせいただきたいと思います。
○金子国務大臣 尾辻委員にお答えいたします。
不動産特定共同事業法は、金融商品取引法などと同様に、商品に関する投資家への情報提供義務などの仕組みにより投資家保護を図っております。
投資家の皆様におかれましては、事業者から提供される情報を踏まえ、リスクも含めた商品の内容をよく確認した上で、慎重に投資判断をいただくことが重要と考えております。
また、事業者に対しては、事業者を許可した行政庁が法令にのっとって適切に業務を行っているか的確に監督する必要があり、御指摘の事業者につきましても、大阪府及び東京都において、これまでも必要な指導監督が行われてきたものと認識をしています。
その上で、制度を所管する国土交通省としても、近年の環境変化や国民の皆様の不安の声などを踏まえ、有識者検討会を設置いたしまして、本年八月に中間整理が取りまとめられたところでございます。今後は、中間整理の早期具体化を進めるとともに、投資家保護の充実や市場の健全な発展に向け、更なる制度の充実強化にも引き続きしっかり取り組んでまいります。
○尾辻委員 大臣、原稿を読んでいらっしゃるんですよ。
いいですか。原価の数十倍であった、原価の数十倍の評価になっていることは投資家は分かりません。土地の造成だということも、重要事項の説明書にはほんの四文字書かれているだけ。そして、三ため取引という、グループをかませているんですよ。賃料の自作自演までしているわけです。これは投資家は防御不可能です。
大臣、政治家として、これだけの被害を被った投資家の皆さんに対して、これは自己責任と言えるものなのかどうか、お聞きしたいと思います。
○金子国務大臣 私の立場上、個人としての意見は差し控えさせていただきたいと思いますけれども、投資をされた多くの皆様から不安の声が上がっておりますので、今回の中間報告も踏まえて、更に改善の余地があるところは改善をしたいということを先ほど申し上げたところでございます。また、予算委員会においてもそのことは申し上げたところでございます。
以上でございます。
○尾辻委員 非常に残念な答弁だなと思います。
今回、やはり不特法の、これは穴があるんです。では、穴がどういったものだったのか、私は、この国交委員会で、みんなで大家さんの会長である柳瀬健一氏の参考人招致を、是非、国交委員会の方で検討いただきたいと思います。
よろしくお願いします。
○冨樫委員長 後刻、理事会で協議します。
○尾辻委員 終わります。ありがとうございました。
○冨樫委員長 次に、谷田川元君。
○谷田川委員 立憲民主党の谷田川元です。どうぞよろしくお願いします。
今日は、三菱商事が洋上風力発電から撤退した問題を徹底的にやりたいと思います。
実は、萩生田元経産大臣、二〇二一年の十二月に、三菱商事が、秋田沖二か所、銚子沖、三か所を総取りしたんですね。
そのときは、もう売電価格が一番安くて、本当にこれで採算が合うのか、各方面からそういう意見があった。萩生田さんも国会答弁で、三海域を一社だけで任せて本当に大丈夫か懸念を持っている、そういう話をされているんですね。
それで、私は、実は、萩生田経産大臣に今から二か月ほど前に会いに行って、いろいろ話を聞きました。そのとき、萩生田さんは、そのときの経緯については、野党から要求があれば是非国会の場で証言してもいい、そうおっしゃっていただいたんですよ。
ところが、今回、この場に呼ぼうとしたんだけれども、自民党の方々の十分な理解を得られなくて、過去に前例がないということで今回は呼べなかったんだけれども、ただ、私、当時の大臣が何を三菱商事に対して話したか、これは非常に重要なんですよ。
やはり、これは、今回はやむを得なかったけれども、是非、次回以降検討していただきたいことをまず要望したいと思います。
○冨樫委員長 後刻、理事会で協議します。
○谷田川委員 はい、ありがとうございます。
それで、萩生田さんは、非常に心配になったので、当時の中西勝也常務、つまり、入札を取り仕切り、陣頭指揮を執った人なんですよ。その人は、その三海域を独占したことによって、その功績で社長になったと世間で見られているんです。萩生田さんは、当時の中西常務を呼びつけて、本当に大丈夫か、そう聞いたら、大丈夫ですと言って、最終的に三菱商事が事業着手することになっていったと聞いたんですよ。
私がその事実確認をしてくれと経産省に言ったら、事実確認できませんと言うんですよ。まあ昨日の通告だけれどもね。だけれども、大臣が心配して国会答弁までして、そして、中西、当時の常務を呼んで、公的に会っているわけだから、その記録が確認できないというのは、私はおかしいと思うんですよ。
副大臣、どう思いますか。
○井野副大臣 三菱商事が、先生がおっしゃるとおり、洋上風力については三地域の事業採択をされたということでありますけれども、当時、大臣と中西社長との、どのような会話等については、ちょっと私は把握はしておりませんけれども、少なくとも、会社として、組織として、この事業の実施を申し出てきて、そして、それを我々は厳正に審査して、事業の実施可能性等様々なもの、そこを考慮して、組織として、経産省として採択したというふうに理解をしておりますので、当然、事業の実施可能性は十分あった、当時は十分あったというふうに認識をしております。
○谷田川委員 萩生田大臣は、文科大臣と経産大臣両方を経験されて、すごく面白いことをおっしゃっていたんですよ。経産大臣を退任するときに、文科省の人間は手堅い、生徒会の会長みたいなものだ、経産省の役人というのは文化祭の実行委員長だと。経産省の職員は、新しい物好きで、新しい世界に飛びついて、物すごいスタートダッシュで頑張る人ですが、その部署が入れ替わると、何もなかったように、自分が携わったことに全く関心がなくなる。
つまり、もう四年前の話なので、当時の担当者が余りこのことを重要視していなかったんじゃないかと私は思わざるを得ないんですよ。大事な話でしょう、だって。不安になったから、大臣が判断して、当時の中西常務を呼びつけたんだから。その記録が確認できないっておかしいと思うんですよ。
副大臣、是非、中西常務が経産大臣室に来て、萩生田大臣に会って、恐らく秘書官に聞けばすぐ分かると思いますよ、具体的にどういう話があったのか、それを把握してもらいたい。それは約束していただけますね。
○井野副大臣 繰り返しになってしまいますけれども、省としてこちらも判断をしておりますし、もちろん大臣、省のトップである大臣も、様々な状況を把握した上で採択というものを認めたんだろうと思っております。(谷田川委員「そんな話していないよ」と呼ぶ)はい。
そういったものを含めて、もう一度、記録の確認等が必要であれば、させていただきたいと思っております。
○谷田川委員 私は、萩生田大臣が、当時の中西常務を呼んで、大丈夫だって聞いたから、じゃ分かったと。そう聞いたから、これは非常に重要な事実なんですよ。その事実をしっかり確認しろと言っているんですよ。約束してください、この場で。
○井野副大臣 当然、いろいろな資料を省として確認した上で、省として大臣が決定したと思っておりますので、そういったものを、必要な確認があれば、当然、それは確認をさせていただきます。
○谷田川委員 非常に重要な点ですよ。
やはり、会社のトップが、当時は常務だったけれども、世間では、さっきも言ったように、三つ総取りしたことが功績と認められて社長になった人だとみんな思っているわけですよ。その当時の責任者と経産大臣が会っているわけだから、それも経産大臣の要求で。これは非常に重要な事実ですよ。それさえ担当者が把握できないということはおかしい。猛省を促したいと思います。
それで、私、四月四日にこの場で質問したんです。二月の上旬に、三菱商事が、再評価をする、ゼロベースで見直すと言い出したから、こんなことはあり得ないと。だって、三菱商事って、皆さん、数年前の決算で、何と一兆円もうけているんですよ、一兆円。今でも数千億円もうけているわけですよ、純利益でね。確かに、洋上風力発電で、損失計上を五百二十億円余りしていますよ。洋上風力発電では、投資しても、三海域、大体一兆円近くまであるんじゃないかと言われている。
それで、私は、三菱商事がもう瀕死の重傷であれば、それは撤退するのもやむを得ないと思うんですよ。だけれども、空前の利益を上げた、天下に名立たる総合商社の、業界ナンバーワンの三菱商事が撤退するようなことを許しては絶対駄目だと。そのためにも、組織のトップの大臣、経産大臣と国交大臣が、直接三菱商事の社長に会って、これは国家の命運が懸かっている、撤退しては駄目ですよということを絶対示すべきだ、そう申し上げたんですよ。
ところが、残念ながら、経産大臣も国交大臣も、三菱商事の社長に会ったのは、八月二十七日の撤退記者会見が終わった後ですよ。幾ら文句を言ったって後の祭りですよ。
では、私は副大臣と金子大臣に聞きたいと思うんだけれども、政治家として是非答弁していただきたい。
私は、この間の国交委員会では、中野国交大臣を前にして、不遜ながら、私が大臣だったら、すぐにでも三菱商事の社長に来てもらって、撤退しちゃ駄目ですと言う、そう申し上げたんですよ。もし井野副大臣が経産大臣であれば、そういう行動をしますよね。
萩生田元経産大臣も私に、三菱商事がゼロベースで見直すと話を聞いたときに、俺が現職の大臣だったらすぐに三菱商事の社長を呼びつける、そう言ったんですよ。当然、そういう行動は政治家として必要だと思いますね。
まず副大臣、お願いします。
○井野副大臣 当時の状況、どのような役所からの報告等があったのか、ちょっと私自身は今時点で把握はできていないんですけれども、少なくとも、当時の経産省の事務方、また様々な事業者とのその事務方を通じての接触の中で、事業の実施についてはできる限りの手段を、徹底した事業性の評価、再評価等を行うだったり地元理解等を得られるようにということで、我々としては、経産省としては、当然、働きかけをしていたというふうに思っております。
そういった上で、当時の状況の中での判断だと思っておりますので、私が、じゃ、同様の立場に立ってどうだったのかと言われても、ちょっとこの場ですぐに返答することもできないし、それが不適切だったと言うこともできないとは思っております。
○金子国務大臣 谷田川先生の四月の議事録も見せていただきました。これまでも状況をしっかり把握して、両省に対して御指導いただいたことも存じ上げております。
私が大臣だった場合の質問については、多分お叱りをいただくと思いますけれども、仮定の話となるためお答えは差し控えたいと思いますが、国土交通省においては、大臣の指示を受けた上で、事務方の責任者であり、それまでの選定経緯を最もよく把握している港湾局長が自ら、三菱商事から状況について説明を受けるとともに、事業の完遂に向けた努力を求めたほか、地域に寄り添った対応を求めていたと報告を受けているところでございます。
加えて、当時、国土交通省及び経済産業省においても、事業環境の継続に向けて合同会議を開催いたしまして、価格調整スキームなどの対応策を検討したと承知をしております。
いずれにしましても、洋上風力発電については、必要な事業環境の整備に常に取り組むことが重要であると考えております。
○谷田川委員 私は、お二人に、政治家として答弁してくれと言ったんですよ。駄目です、それじゃ。申し訳ないけれども、最近使われなくなってしまったけれども、昔よく伴食大臣といったんですよ。御存じですか。権限がなくて、役人の操り人形になっているような人のことって伴食大臣というんですよ。いや、残念ながら。
まあ、もちろん、役所の人間は優秀な方が多い。その人たちの顔を立てないといけない。だから、余り大臣が先行してやるのはいけないと言うけれども、この洋上風力発電の第一ラウンドは国家の命運が懸かっているプロジェクトなんですよ。その意識を持たないと駄目なんですよ。そこで、やはり政治家としての腕の見せどころなんですよ。それを放棄するんですか。
副大臣は大臣に対して遠慮があるかもしらぬから、国交大臣、この洋上風力発電に関しては、経産省と国交省、両方、共管しているんですよ。ただ、実質的には、ふだん三菱商事とやり取りするのは経産省の方が多いから、経産省が主導的役割を果たすだろう、余り出しゃばっちゃいかぬな、そういう気持ちがあったから、中野大臣は遠慮したと思うんですよ。
だけれども、ここに至って、もう三菱商事は撤退したわけですよ。やはり大臣として、この三菱商事が撤退したことについて、今、現職の大臣であられるんだから、何とか地域の共生のためにしてほしいとか、やはりそういう政治家としての腕の見せどころを示していただきたいんですよ。
大臣、そう思いませんか。
○金子国務大臣 その当時は大臣という立場になくて、その切迫した状況とか、また交渉の経緯とか、そういったことが私の今の時点では分かりません。その当時、そういう状況を踏まえて判断をすべきこともあったのかもしれません。
しかし、今となって、このことについていろいろ言うことはできませんので、これから、このような重大な国家的な事業において、やはり大臣がリーダーシップを取らなければいけないということは、私自身も、今、谷田川委員とのお話を聞きながら、政治家としての判断というのも必要であるということを自覚をしたところでございます。
○谷田川委員 分かりました。
時間がないので、次に移ります。
三菱商事が撤退表明した後、法定協議会というのが開かれたんですよね。それで、三菱商事は、申し訳ないということは言うんだけれども、それで、海洋データ、つまり、洋上風力発電で工事をするには、海域が、海底がどうなっているのか調査してもらうんですね。その海洋データの提供をしてもいいということを発言しているんですね。それを聞いた千葉県や銚子市の関係者は、罪滅ぼしだと思って、当然無償だと思ったらしいんですよ。ところが、三菱商事は有償を要求している、そう経産省から聞いたというんですよね。
では、経産省の担当者に聞きますけれども、三菱商事は有償でどの程度の金額を要求したのか。私が萩生田元大臣に会ったときにも、谷田川さん、これは有償というのはけしからぬよ、絶対に無償にすべきだ、そう言っていました。だから、経産省として三菱商事に対してできるだけ多くのデータを無償で提供しろと強く要請すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○小林(大)政府参考人 お答え申し上げます。
事業者の保有するデータの取扱いについては、取決めのある公募占用指針上は特段の定めはなく、事業者において提供の義務というものはございません。
一方で、事業者が取得したデータが有効に活用されることは、今後の再公募等を経てこの事業がしっかりと実現していくということに向けて望ましいということでもございます。
そうした中で、先生御指摘のとおり、事業者としてはデータの提供を、これは任意ということでございますけれども、行う考えを持っており、その旨を地元関係者を含めて関係者の方にも説明をしているという状況でございます。
その中で、データ提供を行う際にどのような形で提供を行うかということについては、価格も含めて、事業者において現在検討中というふうに承知をしております。
経済産業省の立場からしても、データの活用が円滑に行われるということは望ましいというふうに考えてございまして、御指摘の点については、事業者による検討状況をよく確認しながら、取り得る対応について検討してまいりたいと考えてございます。
○谷田川委員 ちょっと、最後の質問に答えていないよ。無償で提供しなさいとしっかり要請すべきだと言ったんですよ。しっかり要請してください。約束してください。
○小林(大)政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど申し上げたとおり、今、事業者においてはデータ提供の在り方については検討中ということでございます。事業者の資産をどのように扱うかということについては、まず彼らの検討状況をよく確認をして、しっかりと我々としても対応を検討してまいりたいというふうに考えてございます。
○谷田川委員 いや、もう時間がないので余り言いたくもないけれども、ちょっとだらしなさ過ぎるよ。三菱商事が約束違反で撤退したわけだから、それに対して、せめて早く次の事業を展開するためにも早く無償で提供しろと何で強く言えないんですか。非常に問題があると思うよ、今の答弁は。
それから、一つ、私は、三菱商事については、多くの、三菱商事と仕事をした人とか社員の方からも話を聞いて、やはり、三菱商事の綱領というのがあるんですよ。これは、四代目社長の岩崎小弥太さんという方の訓諭を基に、一九三四年から行動指針として、そして、二〇〇一年一月から、三菱グループ各社の金曜会で申し合わせた現代解釈というのがあるんですよ。
所期奉公、処事光明、立業貿易。その二つ、まず所期奉公は、現代語訳はこういうことなんですよ、事業を通じ、物心共に豊かな社会の実現に努力すると同時に、かけがえのない地球環境の維持に貢献する。まさに洋上風力発電はそうですよね。それから二つ目、処事光明は、公明正大で品格ある行動を旨とし、行動の公開性、透明性を堅持する。ここまで言っているわけですよ。洋上風力発電に対して一番安い価格で落としておきながらやらない、この二つの綱領に違反すると社員も言っているわけですよ。
三菱商事の社長が、八月二十七日の記者会見、恐らく責任を感じて辞任表明をするんじゃないかと私は思ったら、全くそういうことはなかった。
それで、何と、大臣、その記者会見の前日の三菱商事の株価は三千二百六十三円、現在の株価三千六百七十四円、株価は上がっているんですよ。つまり、株主は撤退を評価しているわけですよ、結果的に。いろいろな要素はあるかもしらぬけれども。
恐らく、先ほど申し上げたように、中西さんは常務時代に、三つの海域を安い売電価格で、自分の責任で落札したわけだから、当然、社長として事業を完遂させたいという気持ちが強かったと私は思いたい。しかし、やはり株主のことを考えないと経営者として失格だ、最近そういう風潮なんですよね、本当に残念だけれども。
三菱商事の株というのを、私もびっくりしたんだけれども、大体今、外国人の株が三割超えているんですよ。ほかの五大商社も大体三割か四割ぐらい入っているわけ。だから、もう日本企業とも言えないんじゃないか、そういう思いもあるんですよ。
それで、私は、やはり国家プロジェクトを遂行する選定業者に当たっては、国益を考えて行動できるかどうかを判断基準の大きな要素にすべきと思うんですが、金子大臣、どう思われますか。
○金子国務大臣 いろいろ、三菱商事の中身、今の動きについての分析もしていただきまして、ありがとうございます。谷田川委員の御主張については共感するところがございます。
洋上風力発電は再生可能エネルギー主力電源化の切り札であって、経済産業省と連携をしまして、事業が着実に実施できるよう、必要な環境を整備するとともに、適切な公募制度を定めることが重要であると思います。
現在、三菱商事の撤退要因を分析をし、海域占用期間の延長などの事業環境の見直しに加え、事業を完遂させるための新たな公募制度について、事業実現性あるいは迅速性の配点の見直しとか、スケジュールの柔軟性の確保等について検討を進めているところでございます。
また、外資のお話がございました。
御指摘の海外資本の件については、残念ながら、今、洋上風力の先進地、欧州でございます。という意味では、その欧州の知見などを取り入れる観点から、そこに外資がどのくらいあるからとかということは、今の時点では考慮はしていないというような状況でございます。
以上です。
○谷田川委員 ちょっと時間がないので次に行きますが、銚子沖等三海域の再公募を行うということですけれども、撤退されることのないような仕組みをつくって、早急に行う必要があると思いますが、どうか。
あともう一つ、時間がないので続けて質問します。
三菱商事が取り組んできた漁業との共生に関する取組や地域振興に関する取組は、国として、継続するように三菱商事に強く要求すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○井野副大臣 まず、新しい再公募についてでございますけれども、当然、先ほど金子大臣、答弁ありましたとおり、今、撤退の原因について分析をしております。そして、年内をめどには、公募制度を見直しを含む事業環境整備について一定の整理をつけたいと思っており、それに向けて取り組んでいるところでございます。
そういったことを含め、銚子沖、三海域については、地元の意向、そういったものを尊重しながら、できるだけ速やかに再公募を行う予定でございます。
そして、二点目の、今、三菱商事がやっている地域振興の部分についてでありますけれども、事業者は、現時点においては、こういった地域振興、地域共生の取組については継続していくことを表明をしておりまして、今後も、我々としては、事業者に対して、責任を持って地元関係者と向き合い、できる限り丁寧かつ真摯な対応を行うように求めていき、そして自治体の皆さんとも連携していきたいと思っております。
以上です。
○谷田川委員 最後に、是非、やはり三菱商事の中西社長を参考人として、経産委員会と国交委員会の合同審査会で招致することを求めたいと思います。
○冨樫委員長 理事会で協議します。
○谷田川委員 時間が来ましたので、質問を終わります。
○冨樫委員長 次に、阿部祐美子君。
○阿部(祐)委員 立憲民主党の阿部祐美子です。本日は、質疑の機会をいただき、ありがとうございます。
私の選挙区は、東京三区、品川区とそして伊豆諸島から小笠原諸島までの長さ千キロにわたります。太平洋戦争の激戦地だった硫黄島や、レアアースで注目されている南鳥島も私の選挙区の中に入っているという、非常に多様性に満ちた地域です。島嶼部とそして都市部という地域特性が大きく離れた、それを内包しておりまして、国交委員会においては、その双方の立場から、今後、都市問題や羽田新ルート問題、あるいは離島振興、交通、運輸、観光など、様々なテーマで議論をしていきたいと思います。
また、先日、池袋で開かれましたアイランダー二〇二五、こちらも大変興味深く、参加をさせていただきました。
本日は、第一種市街地再開発に関する諸課題を主に取り上げてまいりたいと思います。
まず、都市において、再開発によって公共インフラを整備する、あるいはその立地が本来持つ力を十二分に引き出していく、そういった意味では、再開発というのも私は本来的に価値のあるものであると考えております。
そして、私の暮らしている品川区でも、特にこの二、三十年再開発事業が続いております。当初は工場跡地などまとまった土地を中心に行われておりましたけれども、そうした土地はだんだんと少なくなっていって、だんだんと再開発の波というのが、住宅地であったり商店街であったり、人が今生きている、生身の人が生きている地域にどんどんと押し寄せてきているというのが現状です。
そして、その開発のプロセスの中で、居住者や地権者、そうした住民の方々が財産上の不利益を被ったり、あるいは生活の場が失われるというようなことが相次いでおります。
再開発は、本来、都市再開発法に基づく地域主体のまちづくりを建前としながら、関係住民への情報が極めて不十分であったり、不本意な転居や経済上の不利益を与えてしまっている、そうした現状があるのは大変残念なことであり、これを何とか改善したい、していきたいと思っております。
少し長くなりますけれども、例えば、古い分譲マンションで、高齢の方々がさして広くないお部屋に住んでいる、年金は多くないけれども、家はあるから、つましくであればこのままこの町で暮らし続けていけるよね、それが再開発の地域になった途端に一変をいたします。
準備組合のスタッフがやってきて、いや、この広さだったらそのまま新しいマンションに引っ越せるよとか、あるいは、売るんだったら一億円ぐらいになるよみたいな話をしていって、そこまでにはならないだろうと思いながらも、町のためなら協力しようかなと思って同意をしていく。ところが、組合の認可が下りたら、そこで権利変換、等価交換という形で新しいマンションに移っていくのか、それともお金で受け取るのかということを、まず割とすぐに選ばなければいけない、半年以内に選ばなければいけないんですね。
そして、その中で、最初は幾らとか言っていたのが、実際の本組合になってくると、一億と言っていたのが五千万になってくる、三千万、半分になって、それがまたどんどん削られていって、数字が変わってくるわけです。新しいマンションに同じぐらいで住めるよと言われていたのが、いやいや、あなたの広さだったらこんな広いところに住めません、このマンションにはそんな広さのところはないから、入りたいんだったらプラス二千万払ってくださいみたいな話になっていくわけですよ。そうすると、もう行き場を失ってしまうんですね。
もう古いマンション、小さい部屋でいいからつましく暮らしていこうと思っていた方が、突然にその地域の中で住み続けることができなくなってしまう。町会の方々との長年のつき合いであったり、あるいは通い慣れたお店であったり趣味のサークルであったり、そうしたことから突然引き離されて、縁もゆかりもない地域まで引っ越さなければいけなくなってしまう。そんなことが今起きているわけです。気がつけば、周辺の不動産価格というのは再開発ができればその周辺も価格が上がっていきますので、もう買うことはできません。そうした状況を見直していただきたいと思っております。
私は、その中で一番疑問に思っているのは、再開発に関わる様々な訴えを聞いていて、準備組合とそして正式に設立された本組合の間で責任の不連続があるということなんですね。再開発事業の初期判断段階において、法的責任を負わない任意団体であるところの準備組合、これが、住民、権利者に対して、様々な、口頭での資産評価をざっくり伝えるんですけれども、それを基に住民が、権利者が判断をして、それならいいかということで同意の判こを押すわけです。ところが、そうすると、今度は、本組合の設立後に、準備組合が解散をされておりますから、責任が引き継がれない、そして、条件の引下げがどんどんと行われてしまう、そうした構造になっております。
これは、訴訟を起こしても負けるんですよ、住民側が。何でこんなことになっているのか、まずは御説明いただきたいと思います。
○中田政府参考人 お答え申し上げます。
都市再開発法でございますけれども、市街地再開発事業の適切な実施のために必要な手続などを定めている法律でございます。
このため、市街地再開発事業を組合が施行する場合におきましては、組合の設立、これには都道府県知事の認可を要するわけでございますけれども、この組合の設立の段階から法律の規定が定められてございます。
したがいまして、組合の設立前の段階におきます任意の準備組合につきましては、規定は置かれておりませんで、都市再開発法の規定で規制の対象とされているわけではございません。
○阿部(祐)委員 まさにそうなんですよ。現実には、いきなり町の中で急に設立の話が持ち上がってそして組合ができるわけではなく、実際には準備組合というものがあって、そこで出された、あるいはそこで示された情報を基に住民は同意をする、しないということを判断していく。にもかかわらず、法律の中では設立の前段階について定めがないために、そこで何を語られても、住民がその同意をするに至った判断のところについては誰も責任を取らない。これは、ルールとして、あるいは手続としてやはり欠陥があるのではないか、瑕疵があるのではないかと思いますが、大臣、いかがお考えでしょうか。
○金子国務大臣 阿部委員には、華々しい都市再開発の裏でそのような現場の声があるということをしっかり届けていただきまして、ありがとうございます。
今局長からもお話ししたように、都市再開発法においては、市街地再開発事業が都市に住まう多くの方々の生活に影響を与えるものであるため、組合を設立し事業を施行する場合には、地権者の三分の二以上の同意の取得を要件として、一連の厳格な手続を必要とするなど、地権者の権利に十分配慮した制度となっております。
委員御指摘の準備組合は、事前に地権者の意見を丁寧に集約していくなどの役割が期待されるものでございます。一方、法定手続の前段階における任意の組織であり、地域の実情に応じて様々な形があるため、準備組合の段階において一律の法的規制を行うにはなじまないと考えております。
国土交通省としては、阿部委員の御指摘も踏まえながら、認可権者である地方公共団体とも連携しながら、引き続き、再開発事業が適切に実施されるよう法の運用に取り組んでまいりたいと考えます。
○阿部(祐)委員 いや、今の法律で適切に運営されていないからこういうことが起きているわけですね。
今紹介をしたようなお話はレアな一件ではないんですよ。いろいろな再開発の中で、高齢者の方々も、あるいは築浅の家を建てた直後の方々だって、再開発のエリアに入ってしまったら、それは土地だけしか見てもらえない、借金が残っている方だっていらっしゃるわけですよ。
そうしたことを全部なぎ払って、しかも不正確な状態の中で一旦同意をしたら、準備組合に言われた内容で同意するかどうかの判断をしているにもかかわらず、本組合ができたら、その中の話を組合側は負わない、そして住民側は同意をしたという事実が本組合の設立前から設立後にかけて残ってしまう、この不対称さ、不適切さというものについて、問題だと思わない方が常識的におかしいと思うんですが、大臣、もう一回御答弁いただけないでしょうか。
○金子国務大臣 阿部委員から今、これが全てでないにしても、一部だと思いますけれども、いろいろな、納得できないような、あるいは不安になるような御意見をいただきました。
私自身も、局長とも相談をしながら、今おっしゃった疑問点とか不安点とか、どのような解消の仕方があるのか検討をさせていただきたいと思います。
○阿部(祐)委員 ありがとうございます。是非、現場を見ていただいて、実態を把握していただいて、そして御検討いただければと思います。
責任の不連続というだけではなくて、様々な非対称性というのが、この手続の中には潜んでおります。
例えば、再開発に関わる様々な法的な権利、こうしたものも住民は知らないわけですよね。これは当然のことだと思います。等価交換、この数字がどのぐらい妥当なものなのか、ディベロッパー側から示される数字を、これはおかしいだろうという指摘はなかなかできないわけです。そうした金額などの核心的な課題について、ディベロッパー側と住民側では圧倒的な情報量や知識の差があります。これは、住民側では到底太刀打ちができないわけですよね。
となると、住民側の専門的な助言者、あるいは相談、助言を求められる第三者的な存在というのが、そうした仕組みが必要ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○中田政府参考人 お答え申し上げます。
都市再開発法におきましては、地権者の保護のための様々な規定を設けておりますけれども、例えば、法七十二条から第八十五条までにおきましては、委員から御指摘のありました権利の適切な等価交換に関して重要な権利変換計画に関する手続を定めてございます。
この手続の中で、地権者は、縦覧された権利変換計画に対する意見書を施行者に提出することができるとされておりますが、仮に、価額に関しまして意見書が採択されない場合には、法第八十五条に基づきまして、独立した機関であります収用委員会に対しまして裁決を申請することが可能となってございます。
国土交通省としましては、委員からの御指摘も踏まえまして、こうした第三者機関の活用などにつきまして十分な情報提供がなされるよう、自治体と連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。
○阿部(祐)委員 ありがとうございます。
実際には、様々な手続というものも定められているということなんですよね。
それで、都市計画法第十六条、都市計画の決定に関しては住民の意見を聴取する手続が定められております。率直に言って、形骸化していると思います。
実際には、準備組合が十分に住民に情報提供せずに同意を取り付ける事例、こうしたものも散見されますし、また、時には、再開発に積極的ではない住民に対しては、総会の開催や組合申請の事実すら通知されないケースもあります。
こうした情報の非対称性というものが住民の判断を誤らせる構造的な問題になっていることについて、国土交通省としてどのように認識をし、改善を講じるお考えでしょうか。
準備組合の同意の取付け方、そして、そこでの説明、住民説明会や組合での総会の開催周知、そしてオンラインでの参加の可否など、非常に恣意的に行われている今の現状に対して、ガイドライン等をきっちりと示した上でそれを事務局側に遵守を義務づけるなどの運営の透明性も図っていく必要があると思いますが、いかがでしょうか。
○中田政府参考人 お答え申し上げます。
都市再開発法の第三十一条八項におきましては、組合の総会を招集する場合には、少なくとも会議を開く前の、五日前までに会議の日時等を組合員に通知しなければならないこととされております。また、組合総会のオンライン参加は可能とされておりまして、その実施については各組合の判断に任されているところでございます。
このように、一定のルールはありますけれども、不適切な取扱いがあれば地権者の不安につながりますし、事業の円滑な実施にも支障を来すこととなります。
このため、国土交通省としましては、法令の遵守や組合運営の在り方につきまして改めて会議等で地方公共団体等への周知を行い、施行者の適切な組合運営を促してまいりたいと考えております。
○阿部(祐)委員 ルールを住民側は知らないわけですよ。そうすると、事務局側がそのルールを守らなくったって誰も分からないんですよね。だから、自治体や事務局だけではなくて住民にも直接分かるようにしなければいけないし、事務局がそのルールを皆さんにお伝えするということ、それを怠れば何らかのペナルティーも必要ではないかと私は思います。
先ほどの御答弁にもあったように、権利者の三分の二の同意があれば、同意していない三分の一の権利者の同意がなくても事業を進めることができるように今の法律ではなっております。これは、つまりは三分の一の方にとっては土地の収用と一緒なんです。また、三分の二の方についても、不正確な情報に基づいて同意をしているというような可能性があります。
こうしたことを考えると、この三分の二という比較的低い、高い低いの話はありますけれども、三分の一の方にとっては、同意がなくても自分の財産権が侵害されてしまうというのは、これはもう憲法に保障される財産権や居住権の問題にも抵触する可能性があると私は考えております。このことを考えれば、この同意率をより高く設定するべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
○中田政府参考人 お答え申し上げます。
市街地再開発事業でございますが、この事業は、土地の高度利用と都市機能の更新を図りまして公共の福祉に寄与することを目的とする事業でございます。事業の公共公益性、そして私権の保護、その間の調整を図る観点から三分の二以上の同意で事業を進めることが可能となってございます。
過去の裁判例では、三分の二以上の同意は、事業の施行による公共の福祉の増進が妨げられるのを防止する一方、賛成者により無制限に反対者の財産権が制約されることのないようにするものとして合理性に欠けるものとは考えられないというふうに判断をされてございます。
なお、事業の施行に当たりましては、権利者の方々に対して事業の各段階で丁寧に説明を行って、できる限り多くの権利者の合意を得ながら事業を進めていく姿勢が大事であると考えてございます。
○阿部(祐)委員 これは、実際には三分の二の同意のめどが立ったら、もう三分の一の方々の同意というのは必要なくなるわけですよね。そうすると、権利者に不利な提示額であって、それで反対されたって、別に事業を進めていけるから関係ないということになってしまうんですよ。これは本当に妥当なのか。判決はあるということでしたけれども、でも、この三分の二という数字では住民の生活を守ることができないという実態があれば、やはりこれは見直す必要があろうかと思います。
あわせて、集合住宅一棟につき一票、それは、百世帯住んでいても二百世帯であってもこれは一票というのも、これは住民の生活を壊す大きな要因になってしまっております。
改めて大臣にお伺いしたいんですけれども、現状では、さっき華やかに見えるとおっしゃいましたけれども、その華やかな再開発の下では本当に多くの権利者の方々が生活を壊されて泣いて、そしてその後、華やかなビルが建っているわけです。でも、そこにこれまで住んでいた人は一体どんな目に遭っているのか、そのことも考えながら、これから東京のビル群を見ていただきたいと思うんですね。そのことを考えると、やはりこれから住民の財産保護の視点を強化して、そして生活再建のための仕組みを整える、あるいはそのような運用を強く図っていくことが必要であると思いますけれども、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
○金子国務大臣 済みません、私は本当にど田舎の出身なものですから、再開発ってすごいなという、それが、華やかという言葉を使ったのは不適切だったと思います。おわびを申し上げたいと思います。
市街地再開発事業は、権利変換により関係権利者の権利を保全しながら進めるものでありますが、委員からのお話のありました、地権者の中には再開発事業によって住み慣れた地域での暮らしが継続できないというお声もあるということについて、改めて認識をしたところでございます。
国土交通省としましては、再開発や住まいに関する相談窓口を設置しております自治体の取組を横展開するなど、住まいや暮らしの安心確保に向けた取組が広がるよう取り組んでまいります。
○阿部(祐)委員 ありがとうございます。
この再開発、都市開発というのは、その地域の中では一定の部分最適の部分も、様々な課題は改善していくとして部分最適の部分もあると思うのですが、そのことが、東京の一極集中を加速したり、あるいは様々な都市問題を起こしたり、あるいはオール・ジャパンで見たとき、そして将来の日本の維持といったらいいんでしょうかね、タワマンが、じゃ、五十年後、百年後どうなっていくのか。そうしたことを考えたときに、今の再開発のこのペースをどんどんと続けていくのが本当に正しい選択なのか、全てやめろとは全く申し上げませんけれども、一度冷静に見直す必要があると思います。
日本の今後の都市政策について、大臣、是非お考えを伺いたいと思います。
○金子国務大臣 お答えいたします。
令和五年度に閣議決定いたしました国土形成計画の中では、東京について、世界有数の国際都市として、激化する国際競争に打ちかつ我が国の成長を牽引する国際競争力の強化を図ることとしております。
このため、全国における防災・減災、国土強靱化に併せて、東京においては、国際競争力強化の観点から、優良な都市開発を進め、同時に、地方都市との相互の補完、連携を図っていくことが重要であると考えております。
国土交通省としましては、東京の国際競争力の強化と地方の活性化を同時並行してしっかりと進めてまいります。
○阿部(祐)委員 今の都市開発が日本全体にとってどのような意味を持つのか、今後も是非検討いただければと思います。
時間が少なくなりましたけれども、女性技能者の坑内労働、トンネル労働についてお伺いをしたいと思います。
女性のトンネル内労働については、女性保護の観点からも制限がありましたけれども、労基法の改正によって二〇〇六年から女性も解禁になりました。しかし、技能者への規制は続いており、見直しを求める声が、現場や業界団体、そして建設産業女性定着支援ネットワークなどから上がっているところです。
一つ質問を飛ばしますけれども、今日は厚労省の方から審議官においでいただいております。女性技能者の坑内労働について、国交省からも、また業界団体からも解禁の要望が出ているかと思いますが、働きかけの受け止めと検討状況、今後の見通しなどについて教えていただければと思います。
○大隈政府参考人 お答え申し上げます。
女性労働者に対する坑内労働の制限につきましては、女性に有害な業務から女性を保護する観点から、労働基準法におきまして、使用者は、妊娠中の女性及び坑内で行われる業務に従事しない旨を使用者に申し出た産後一年を経過しない女性については坑内で行われる全ての業務、これ以外の女性については坑内で行われる業務のうち人力により行われる掘削等の業務に就業させてはならないこととされております。
また、ILO第四十五号条約が令和六年に廃止されておりまして、また、国土交通省や業界団体から規制緩和を望む声についてお伺いしているところでございます。
一方で、厚生労働省といたしましては、科学的な知見も踏まえた女性の健康上への影響や、近年の技術開発、作業態様に照らした規制の在り方など、様々な面で整理が必要であると考えておりまして、国土交通省とも連携してまいりたいと考えているところでございます。
○阿部(祐)委員 ありがとうございます。まずは整理を行っていただけるということでした。
業界内のアンケートでも、作業内容によって妥当性、若干の温度差があるかと思っております。一気に全て解禁ということではなくても、法改正によらず見直せる部分があればできるところから始めていただきたいと思います。
最後に、大臣にお願いでございます。
建設業界における女性の活躍について、他省庁とも連携して進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○冨樫委員長 時間が来ていますので、短めにお願いします。
○金子国務大臣 老若男女を問わず、様々な方々に建設業に従事していただけるよう取り組んでいくことは重要であります。女性については、この十年で七十五万人から八十七万人に増加するなど、様々な現場で御活躍いただいております。
そのことも含めて、現場で働く女性の皆様の声もお伺いしながら、快適なトイレの整備や柔軟な働き方のできる環境整備など、取組を積極的に進めているところでございます。
制度を所管する厚生労働省にしっかりと働きかけを行うなど、引き続きしっかり取り組んでまいりたいと思います。
○阿部(祐)委員 ありがとうございます。終わります。
○冨樫委員長 次に、福田淳太君。
○福田(淳)委員 立憲民主党、長野五区の福田淳太でございます。
本日は質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
まず、防災・減災の観点から、住宅の耐震化について伺います。
二〇二四年には御承知のとおり能登半島地震が起きまして、最近でも熊本県内で震度五強の地震を観測しました。また、将来にわたっては南海トラフ地震の発生も懸念されるわけで、この日本で暮らしていくには常に地震のリスクにさらされているわけでございます。そういった、いざというときの備えとして住宅の耐震化は非常に重要なことだと私は考えております。
私は、関東大震災から丸百年を迎えたときに新聞記者を務めておりまして、当時、住宅の耐震化について有識者に取材をしたことがありました。この有識者の方は、二〇一六年の熊本地震の際に最大震度七を観測した熊本県の益城町で現地調査を行ったそうです。同じエリアの住宅でも、耐震化の有無で被害状況が大きく異なったとのことでした。
いわゆる旧耐震基準と判断される家では、筋交いや壁が少ない一階が崩壊、新耐震基準と見られる家では、外壁などは大破をしたけれども、倒壊まで至っていなかった、さらに、木造住宅の耐震基準が厳格化した二〇〇〇年以降に建てられたと見られる住宅では、外部的な被害がほとんど見られなかったと言います。このお話からも、少しでも被害を軽減するために耐震化を推し進める必要があるかと思います。
そこで、まずは政府として耐震化がどれだけ地震被害の軽減につながるとお考えになっているか、御見解を伺います。
○宿本政府参考人 お答えをいたします。
平成二十八年熊本地震における木造住宅の被害状況の調査結果によりますと、昭和五十六年以前のいわゆる旧耐震基準の住宅につきましては約三割が倒壊、崩壊した一方で、新耐震基準の住宅については倒壊、崩壊したものが六・九%にとどまり、さらに、接合部の仕様などを明確化いたしました平成十二年以降のものについては、ほとんど倒壊、崩壊しなかったことが確認されております。
また、令和六年能登半島地震における木造住宅の被害状況の調査におきましても、旧耐震基準の住宅につきましては約二割が倒壊、崩壊をした一方で、新耐震基準の住宅につきましては倒壊、崩壊したものが三・四%にとどまっております。さらに、平成十二年以降のものについてはほとんど倒壊、崩壊しなかったことが確認をされました。また、耐震改修を行った住宅についても倒壊、崩壊したものがなかったことが確認をされております。
これらの地震被害の調査結果を踏まえますと、新耐震基準導入以降、特に平成十二年以降に建てられた住宅や耐震改修を行った住宅につきましては、被害の軽減に有効であると判断をしてございます。
○福田(淳)委員 ありがとうございます。
今お答えいただいたデータを見ても、やはり耐震の有無によって大分被害が違う。二〇〇〇年以降のものについてはほとんど被害がなかったということでございますが、やはりいつかは大きな地震というのはどうしても起こってしまうものかとは思います。だからこそ、今耐震化が進んでいない地域こそもっともっと耐震化を進めていかなければならないと考えているところでございます。
そこで、長野県を例に挙げますと、二〇二三年の時点で、全国で耐震化率というのは約九〇%だったそうです。その一方で、長野県内の平均が約八六%。ただ、地域によってかなり開きがございまして、都市部では耐震化率が八割前後の自治体が多かったそうです。その一方、中山間地や小規模町村では、四割を切る自治体や、中には二割台の自治体もありました。
長野県にこの状況を聞いてみますと、過疎化や高齢化が顕著な中山間地の住宅は、都市部に比べて一・六倍ほどやはり規模が大きく、それに伴って工事が必要な範囲も増えて、住宅所有者の負担が重くなり、耐震化の遅れが顕著となっているということでした。やはり、自治体も当然耐震改修の補助をしているわけですけれども、自治体だけの努力というのはどうしても限界があるかと思います。
そこで、中山間地において耐震化が進まない現状をどのように捉えていらっしゃるか、また、中山間地における規模が大きい住宅の所有者負担を軽減し、耐震化を進めるために、耐震改修補助額の上限を引き上げる必要があると考えますが、御見解を伺います。
○金子国務大臣 福田委員には、地震の耐震化についての御指摘をいただきまして、ありがとうございます。
来年の四月でちょうど熊本地震から十年の大きな節目を迎えます。たしか木曜日の夜でありまして、国会中でありましたので、次の日に帰って、それが実は前震だったと後に指定されたわけでありますが、そして、帰って、次の、日が変わった深夜に本震を体験したわけであります。あのときの、特に益城町の状況というのは本当に忘れることができない。ほとんど家がぺしゃんこになっているような状況を見たときに、本当に、今ようやく復興というのが随分進んでまいりました。全国の皆さん方から励まされ、あるいは国土交通省や各省庁の支援をいただきながら、ようやく十年がたったところでございます。
そういう意味においては、国土交通省において、住宅・建築物耐震改修事業によって、地方公共団体と連携しまして、耐震改修工事への補助を実施をしております。
本事業におきましては、定額の補助と、工事費に応じた定率の補助があり、いずれかを選択できることとしております。住宅の規模が大きいなどにより工事費が高額となる場合には、定率の補助を活用していただくことで所有者の負担を軽減することができます。また、定額補助につきましては、令和六年度の補正予算により補助限度額を百万円から百十五万円等に引上げを行うなど、支援の充実に今努めておるところでございます。
国土交通省としましては、地方公共団体にこれらの支援制度の活用を促し、委員御指摘の中山間地域も含めた耐震化を推進してまいります。
○福田(淳)委員 ありがとうございます。
定額だと百十五万円で、定率は恐らく二三%のことかと思います。
ただ、やはり規模が大きくなると、先ほども申し上げましたが費用がかさむため、なかなかこの制度だけでは正直十分な制度ではないかと思いますので、改めてになりますが、特に中山間地において耐震化が進むような、促すような支援策の御検討を引き続きお願い申し上げます。
続いて、リニア中央新幹線についてお伺いをいたします。
リニアについては、先日、大臣所信でも触れていただいておりました。本日は、最初の御質問でございますので、リニアに関する大臣や政府の基本的姿勢について改めてお伺いをしようと思っております。
リニア中央新幹線は、二〇一四年にJR東海が申請したリニア中央新幹線工事実施計画が認可され、二〇二七年の開業に向けて各地で工事が進められてきました。しかしながら、昨年三月、JR東海が、開業時期が大幅に遅れ、二〇三四年以降になると発表いたしました。
この間、様々な問題が起こってしまいました。静岡県の水問題や環境問題、要対策土の問題など、こういった問題が生じてまいりました。もちろん、これらの問題は科学的根拠をもってしっかりと対応しなければならないものだと考えております。
そのような中でも、依然としてリニアに対する期待は大きなものがございます。御承知のとおり、東京・品川から愛知県の名古屋市を先行開業することになるわけでございますが、私の地元、長野県飯田市は中間駅が整備される予定です。リニア開業延期決定後の今年二月に、しんきん南信州地域研究所、地元の信金さん関係の研究機関なんですけれども、こちらが行ったアンケートでは、八〇・四%が期待していると回答いたしました。ただ、期待できないと回答した理由を見てみますと、そのトップに、リニアの開通時期が不明、これが一番の理由となっておりました。確かに、リニアを生かしたまちづくりをする上でも、開業時期が決まらなければ、商業施設や研究施設、事業所なども呼びづらいでしょうし、二地域居住を考える人も家を買うことなどにちゅうちょをするかと思います。
そこで、大臣として、リニア中央新幹線整備への思い、そして、新たな開業時期が依然示されない現状についてどのように捉えていらっしゃるか、そして、大臣として、いつ頃の開業が望ましいか、お考えをお伺いしたいと思います。
○金子国務大臣 リニア中央新幹線は、東京、名古屋、大阪の三大都市圏を一つの圏域とする日本中央回廊を形成をし、日本経済を牽引するとともに、東海道新幹線とのダブルネットワークによるリダンダンシーの確保を図る、国家的な見地に立ったプロジェクトでございます。
現在工事中の品川―名古屋間の開業時期については、工事実施計画では、再来年、令和九年以降となっておりましたが、いまだ着工のできていない静岡工区の早期着工が早期開業に向けた重大な課題と認識をしております。
このため、国土交通省では、有識者会議において水資源や環境保全に関する報告書を取りまとめた上で、昨年二月に立ち上げた静岡工区モニタリング会議を通じ、これらの報告に基づくJR東海の対策状況を継続的に確認するとともに、静岡県とJR東海との協議に国土交通省も入って、より一層の対話を促しているところでございます。
引き続き、リニア中央新幹線の早期整備に向けた環境を整え、一日も早い開業に向けて、関係自治体やJR東海と連携し、しっかりと取り組んでまいります。
○福田(淳)委員 一日も早い開業を目指していただけるとのことでした。さすがに何年とまではお答えいただけなかったわけでございますが。
御指摘いただいたとおり、東海道新幹線とのダブルネットワークによってリダンダンシーという効果もあるかと思いますし、東京―名古屋間が四十分に短縮されるというのも大きなことかと思います。
ただ、リニアの整備によって生活が一番変わるのは中間駅周辺の住民かと思います。品川駅までの所要時間を見ると、神奈川県駅は四十四分から約十分、山梨県駅は百八分から約二十五分、岐阜県駅は百七十分から約六十分、そして長野県駅は二百九十分から約四十五分と、劇的に変わります。さらに、リニア開業に伴う新たな圏域形成に関する関係府省等会議の中間取りまとめなどもなされたわけでございますが、こういったことも踏まえて、リニア中間駅整備の意義や見込まれる効果をどのように捉えていらっしゃるか、伺います。
○佐々木(正)政府参考人 お答え申し上げます。
リニア中間駅は、新たな交通結節の核となるものであり、鉄道や道路ネットワーク等と連携することにより、広域的な人的交流の拡大を通じ、新たな広域圏の形成につながるものと考えております。
この新たな圏域の意義や見込まれる効果については、リニア開業に伴う新たな圏域形成に関する関係府省等会議中間取りまとめにおいて、二地域居住の推進や地域生活圏の形成などを通じた新しいライフスタイルの実現、人流、物流の活性化による新たな産業の創出、リニア中間駅を核とした新たな観光ルートの形成、新たな拠点となるリニア中間駅周辺のまちづくりや各拠点へのアクセス向上などが挙げられているところでございます。
○福田(淳)委員 ありがとうございます。
時間がちょっと近づいてまいりましたのでリニアはこの辺にさせていただきまして、また改めて、別の機会に様々お伺いしたいと思います。
そして、予定では、最初、バスについてお伺いをする予定でございましたが、交通空白の解消についてお伺いをしたいと思います。
バスやタクシーなど、公共交通機関による移動手段の確保が難しい地域がございます。
先日の大臣所信では、交通空白の解消は待ったなしの課題、「交通空白」解消本部の下、「交通空白」解消に向けた取組方針二〇二五に基づき、令和九年度までの集中対策期間で交通空白の解消を推進しますと御答弁をいただいております。
まず初めに、各地で交通空白地と要モニタリング地区を選定していますが、どのように調査を行い、どのような考えでこれらの地区を選定したのか、また何件程度の地区が出てきたのかを伺います。
○池光政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘の日常生活などの移動にお困り事を抱える交通空白の選定につきましては、国土交通省におきまして、本年二月から三月にかけて全市区町村を対象に調査を行いまして、約九二%に当たる千六百三市区町村から回答があったところであります。
本調査におきましては、交通空白であるかどうか、交通空白の捉え方につきましては、バス停や駅などからの距離が遠いだけでなく、近いが運行の頻度が少なく使いづらい、また、近くて一定の頻度はあるが高低差が大きく高齢者の皆様が利用しづらいなど、地域の実情や利用者の目線を踏まえ、自治体で御判断いただいております。自治体や地域の方々がその解消に向けて何らかの対応が必要と認識しているか、こういった基準に合致する地区を交通空白として回答をいただいております。
その結果といたしまして、地域の住民の皆様の日常生活に必要な生活交通である地域の足では、交通空白地区が二千五十七地区ございまして、喫緊の対応まで必要とはされていないものの、お困り事の発生の未然防止に向けた対応が求められる要モニタリング地区、こちらは千六百三十二地区ということで、合わせて約三千七百地区の交通空白やその予備軍を把握をいたしました。
ちなみに、これらの地区については、面積でいいますと日本全土の約四割、居住している人口は全人口の約二割に上るところでございます。
以上でございます。
○福田(淳)委員 こういった対策を進めるために、交通空白地区と要モニタリング地区を指定したこと自体は意義があることだと考えております。
ただ、交通空白地は、自治体が集中対策期間に交通解消に向けて対応している箇所であり、要モニタリング地区は、喫緊の対応までは必要とはされていないものの、地域交通に係るお困り事の発生の未然防止に向けた対応が求められている地区を指します。
例えば長野県内では、中核市である長野市で、交通空白地が五か所、要モニタリング地区はゼロ、松本市は、交通空白地ゼロ、要モニタリング地区が十二です。しかし、肝腎の中山間地や小規模の町村でいずれもゼロという自治体が多くあります。自治体のマンパワー不足で対応し切れないから、いずれもゼロになっていると見られます。
したがって、現在抽出している地区だけ交通空白を解消しても問題の解決には至らないと考えます。
交通空白地区、要モニタリング地区いずれもゼロの自治体に対しては、実態を把握するとともに支援をしていく必要があると考えますが、いかがでしょうか。
○佐々木副大臣 御指摘ありがとうございます。
今回の調査で交通空白地区がゼロと答えた自治体は、委員御地元の辰野町や南箕輪村なども、まあ小さい自治体とか中山間にある自治体も含まれておりまして、全国で約五百自治体に上っております。
その理由としては、自治体によっては、地域交通に取り組むノウハウ、マンパワー不足ということもあって、交通空白のリストアップ作業自体が十分でないということもあると承知をしておりますので、本調査結果はあくまでも現時点のものでございまして、より正確に交通空白地区等の実態を把握できるように、継続的にこれからも自治体に働きかけていきたいと思っております。
今、本年五月に、交通空白の解消に向けた取組方針二〇二五、集中対策期間を設けて交通空白の解消に取り組んでいくわけでございますけれども、現在リストアップされた地区だけでなくて、新たに交通空白として把握された地区も含めて、解消にしっかり取り組んでいく所存でございます。
○福田(淳)委員 時間が来たので、終了いたします。
どうもありがとうございました。
○冨樫委員長 次に、井上英孝君。
○井上(英)委員 日本維新の会の井上英孝です。
時間も短いので、早速質疑に入らせていただきますけれども、今日は、内閣官房から岸川次長、どうもありがとうございます。よろしくお願いいたします。
先般、大臣所信の質疑で、我が党の美延議員も、外国人による不動産取得についての質問をしましたけれども、同じく私も気になっておりますので、少し質問させていただきたいと思います。
近年、マンション価格が上昇する傾向にあり、本年のマンション価格は新築、中古共に高騰が続くと予測されております。
令和七年の五月ですね、今年五月に出ている不動産価格指数というものでは、二〇一〇年平均を一〇〇として、本年、東京都は二二九・六、つまり二・三倍、約二・三倍。大阪においては二一六・九ということで、約二・一七倍となっています。
民間調査では、都市部の新築マンションにおける外国人の取得割合が二割から三割を占めているとするものもあります。
投資目的の外国人富裕層の旺盛な需要がマンション価格の高騰の一因という指摘もあり、そういうことによって我々日本人による住宅購入が困難になっているという問題が生じているなら、ゆゆしき事態ではないかなというふうに思います。
ただ、日本では、外国人による不動産購入に特段の法的規制がなく、日本人と同様に土地や建物の所有権を取得できます。WTOのサービス貿易一般協定、GATSや、憲法の財産権保護により、外国人への差別的な規制というのは難しいとされていますが、今後は、外国人の不動産取得の規制ということも検討課題になる可能性が出てくるのではないかというふうにも感じております。
そこで、質疑させていただきますけれども、政府が本年六月に公表した骨太の方針では、「国民の安心・安全の確保」の項目の一つに「外国人との秩序ある共生社会の実現」を掲げ、「外国人による土地等の取得を含む国土の適切な管理・利用について、政府横断的な司令塔体制の下、総合的な検討を行う。外国人を含めた全国の土地等の透明性を高めるため、土地に関連する台帳の所有者等の情報、データベースの充実について対応を検討する。 安全保障に関しては、重要土地等調査法等による対応を進めるとともに、内外の情勢等を見極めつつ、同法の見直しを含めて更なる検討を進める。」との方針が示されました。
三日前に、国土交通省は、都市部の新築マンションの短期売買や、国外からの取得状況についての初めての調査結果というのを公表されました。
まず、この調査結果及び所感について、楠田局長にお伺いしたいと思います。
○楠田政府参考人 お答えをいたします。
委員御指摘の調査につきましては、三大都市圏等の新築マンションを対象に、不動産登記情報等を活用して、短期売買と国外からの取得の二点について、国土交通省として初めて調査分析を行ったものでございまして、今月二十五日に公表をさせていただきました。
調査の結果、短期売買、国外からの取得のいずれにつきましても、都内を中心に一部の大都市部で増加をし、中心部に行くほど増加が顕著となる傾向や、同じエリアでも年によって数字が大きく変動する状況などが見られたところでございます。
また、短期売買につきましては、大規模マンションの方が割合が高い傾向も確認をできたところであります。
今後も、不動産に関する様々な課題を把握し、必要な政策を検討していく上で、不動産の取引実態を把握することは大変重要であるというふうに考えております。
引き続き、法務省など関係省庁と連携をいたしまして、不動産の取引実態の把握に努めてまいります。
○井上(英)委員 局長、ありがとうございます。
今回初めて出たということもありますけれども、でも、非常に有効なものではないのかなというふうにも思いますし、楠田局長を始め関係者の皆さん方に心から敬意を表したいというふうにも思います。
やはり、今の現状の一端というのをうかがえる結果だったのではないかなというふうに思います。今後、更に実情把握というのをどんどんどんどん深化をさせていただけたらというふうには思います。
先ほど質問した国交省による新築マンションの取引実態の調査分析結果においても、今御答弁いただいたように、国籍別の調査結果は分からないということですが、仮に、外国人による不動産取得規制をもし導入するとなった場合、国籍などに基づく不動産取得の制限とかは、やはり憲法上の、法の下の平等だとか財産権の保障と整合性を図る必要があるんじゃないかというふうには危惧されます。さらに、国内法だけではなく、租税条約などの国際条約の観点からも精査する必要があるのではないかというふうには考えますけれども、今後、投機、投資を目的とする海外からの不動産購入や、国内に住む外国人による不動産購入を規制する議論が出てくると思いますが、政府としてどのように対応されるのか、内閣官房岸川次長、よろしくお願いいたします。
○岸川政府参考人 お答えいたします。
外国人による我が国の土地取得等に対しまして、国民の皆様が、安全保障そしてまた、今マンションのお話も出ましたけれども、不動産価格の高騰など、様々な観点から不安を抱いておられることは承知しております。こうした不安は、我が国の土地所有等の実態がよく分からないことにも起因していると考えているところでございます。
このため、実態把握を進めるべく、不動産登記を始め土地に関連する各制度を通じまして、国外居住者も含めた土地所有者等の国籍を把握するための検討を進めてまいります。
あわせまして、今月四日に開催されました外国人の受入れ・秩序ある共生社会実現に関する関係閣僚会議における総理からの御指示を踏まえまして、今申し上げました外国人による不動産保有の実態把握を進めるとともに、土地取得等のルールの在り方、全体につきましても、政府一体となりまして、総合的な検討をしっかりと進めてまいりたいと考えております。
○井上(英)委員 是非お願いをしたいというふうに思います。
そして、三つ目。
外国人による不動産投資は、国内の不動産市場にやはり一定の資金を供給しますし、経済活性化に寄与するという側面もありますので、外国人による不動産取得規制というのを導入するとなったときには、不動産市場全体だとか建設業界に与えるマイナスの影響というのもやはり多少出てくるかとは思いますけれども、そういうところもしっかりと踏まえておく必要があるとは思います。局長、また、そこはよろしくお願いしたいというふうに思います。要望で終わらせておきたいと思います。
それでは、ちょっと大臣にお聞きをしたいんですけれども、今回の実態調査を受けて、意気込みを聞かせていただきたいんです。
今月四日に開催された外国人の受入れ・秩序ある共生社会に関する関係閣僚会議において、総理から、「国土交通大臣は、国外からの取得を含めたマンションの取引実態の早急な把握と結果の公表をお願いします。」との指示があり、二十五日に公表されたということであります。
今回の調査結果も踏まえ、金子大臣に、今後に関する意気込みについてお伺いしたいと思います。
○金子国務大臣 井上委員にお答えいたします。
今回の調査は、報道等でも非常に大きく報道されまして、皆さん方の非常に興味のあるところだったんだろうと思います。
今回の調査では、短期売買、国外からの取得のいずれについても、特に直近で顕著な増加傾向が見られた区などもあったことから、今後も動向を注視していく必要があると考えております。
このため、来年度以降も本調査を継続し、取引実態の把握に努めるとともに、今月四日の総理指示を受けまして、不動産登記において国籍を把握する仕組みが整備された場合には、国籍も含めたより詳細な取引実態の調査分析に取り組んでまいります。
また、国土交通省としては、日本人か外国人かを問わず、実需に基づかない投機的な取引は好ましくないと考えておりまして、今回の調査で短期売買の実態が明らかになったことを受け、不動産協会と相談をいたしまして、会員各社の協力を得て、購入戸数の制限とか、あるいは引渡しまでの売却活動禁止など、投機的取引抑制に向けた対応を自主的に実施していただくことといたしました。
今後も、不動産協会と問題意識を共有しながら、より一層緊密に連携をし、会員各社による実効ある取組の徹底を促すとともに、その効果を注視してまいりたいと思います。
○井上(英)委員 大臣、ありがとうございます。
今回の結果を受けて、継続的にやはり調査をしていただいて、今年と来年でまたどう変わるのか、来年と再来年でどう変わるのかということが、どんどんどんどん実績を積んでいってもらって、現状というか、実情に迫っていくような調査を是非やっていただきたいと思います。
そして、いろいろな、様々な課題というのは、先ほども申し述べたように、ある可能性はありますけれども、関係各省庁としっかりと協議をして、何とか今の実情をしっかりと踏まえて、さらには、今の日本人がやはりこの東京近郊でもしマンションを買いたいとかなったときに、買えるような環境というか、でも、これは一定の商取引ですから、当然限界はあるとは思いますけれども、是非そういう面を、我々の大阪も非常に上がっていますので、よろしくお願いしたいと思います。
それじゃ、ちょっと時間がなくなってきたんですけれども、副大臣、今日はありがとうございます。
副大臣というお立場もあるので、ちょっとお答えにくいところもあるかと思いますけれども、北陸新幹線についてお聞きをしたいと思います。
先般も北陸新幹線の議論があって、小浜・京都ルートというふうによく言われていますけれども、我々は、党としても、米原ルートというのを再検討していく必要があるんじゃないかということはるる今までにも申し上げてきたんですけれども、改めて佐々木副大臣の、立場もよく分かっているんですけれども、私見がもしあれば、ここで披瀝いただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○佐々木副大臣 井上委員、ありがとうございます。
先日は北陸の議員の先生から、そして今日は関西の先生から、大変期待が大きいわけでございまして、私も、新幹線を一日も早く大阪までつなげるという思いは、これは井上委員とも共通の思いであろうかというふうに思っております。
しかし、様々な御意見があるのも事実でございますので、いよいよ与党のPTもキックオフということも伺っておりますから、是非、与党の議論を踏まえさせていただいて、北陸新幹線整備担当副大臣として全力で取り組んでいきたい、そのように思いますので、引き続き御指導を賜れればと思います。
○井上(英)委員 副大臣、私見は特にないですか。ちょっと言いにくいですか。分かりました。副大臣の気持ちをおもんぱかって。
今日は私、地元で、大阪の石川県人会があって、行きますけれども、その辺、副大臣の代弁をしておきますので、またよろしくお願いしたいというふうに思います。
また、五十嵐局長も是非よろしくお願いしたいと思います。
先ほどおっしゃっていただいたように、与党のPTも平成二十九年に小浜・京都ルートというのを決めて、いろいろなことから考えていくと、もう大分、ちょっと時間がたってきたという感じは私もしておりますし、恐らく皆さんもされておられると思いますので、二十九年でしたよね、局長さん。ですから、我々としては、一日でも早く大阪につなげていただいて、先日からも言っているような、東京―大阪間の大きい動脈の二つ目のルートとして、我々、是非やっていただきたいと思っていますので、一日も早くお願いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
今日はどうもありがとうございました。
○冨樫委員長 次に、鳩山紀一郎君。
○鳩山(紀)委員 おはようございます。国民民主党・無所属クラブの鳩山紀一郎でございます。
本日も質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
早速質問に入らせていただきたいと存じます。
まず、先日、二十五日に公表されました、これは井上委員からも御紹介がありましたが、不動産登記情報を活用した新築マンションの取引の調査についてお伺いをいたします。
まず、調査に携わった国土交通省等の関係者の皆様にまずはお疲れさまでしたというふうに申し上げたいと思います。
これらの調査というのは、調査開始から五か月を要しておりまして、これは早いというか遅いというか、何とも言えませんけれども、初の調査ということでしたので、進めるに当たり、いろいろな困難もあったのではないかと拝察いたします。
この調査に係る作業を行うに当たって、お伺いしてみたいんですが、作業工程上、効率面で特に困難を要したポイントと改善の余地について国交省の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
ホームページによりますと、法務省から受領した不動産登記情報と民間の価格データ情報を活用したというふうに書いてありましたので、この二つのデータを、例えば手作業で突合したとすると、これは相当な時間がかかるということは想像をいたしますけれども、一方で、AIによる自動照合なんかも技術的には可能と思うところでありまして、何か効率性を損ねた要因があるのであれば、それを明確化しておくべきという観点でお伺いをいたします。
○楠田政府参考人 お答えをいたします。
委員御指摘の調査につきましては、三大都市圏等の新築マンションを対象に、不動産登記情報等を活用いたしまして、短期売買と国外からの取得の二点について、国土交通省として調査分析を行ったものでございまして、今月二十五日に公表させていただきました。
今回の調査は、国土交通省として初めて行ったものでございまして、調査の対象、エリアから分析の視点に至るまで一から検討を行いますとともに、プロセスとして、まずは都内を対象に試行的に分析を開始をいたしまして、そこで必要な改善などを加えた上で、三大都市圏等に対象を広げるという形で作業を進めてきたところでございます。
また、分析の対象となるデータの総数が約五十五万件に上りまして、その処理に時間を要しますとともに、価格帯別の分析も行うということで、委員御指摘のとおり、価格情報が含まれていない不動産登記情報と民間の物件価格データというものを一つ一つ突き合わせる作業ということも行ったところでございます。
さらに、公表に向けましては、間違いがあってはいけないということで、数値の精査も慎重に行いましたことから、一定の時間を要したということでございます。
委員御指摘のとおり、今回の調査で一定の蓄積は得られたというふうに思っておりまして、今後は、今回の調査での知見を生かしますとともに、作業の一部を外部に委託するというような工夫も検討することによりまして、より効率的に、スピーディーに作業を進めてまいりたいというふうに考えております。
○鳩山(紀)委員 ありがとうございます。
是非、法務省等とも連携をして、データ連携の常時利用可能な、そういった環境整備、そういうことが大変重要ではないかと思いますし、次回以降の調査の効率化も進めていっていただきたいと思うところでございます。よろしくお願いいたします。
続いて、その調査結果についてお伺いをいたします。
お手元に資料一として配付をさせていただきました、こちら、国交省の公表されました新築マンションの短期売買割合の表を御覧ください。
この表では二〇一八年から二〇二二年については最大値のみが記されているんですけれども、これはなぜ最大値なんでしょうか。この期間にはコロナ禍の前後が含まれておりまして、コロナ禍の前後で差というのはなかったんでしょうか。仮に差があるならば、現状と比較をするならば、むしろコロナ前と比較をする方がよかったのではないかなども考えるものですから、お伺いをしたいと思います。
○楠田政府参考人 お答えをいたします。
資料の出し方につきましては、膨大な量になりますので、できるだけ分かりやすくという観点で、我々の方で少し工夫を検討させていただきながら作成をして、提示をさせていただいたところでございます。
その上で、コロナ禍の関係の傾向につきましては、まず、国外からの取得につきましては、例えば東京二十三区では、いわゆるコロナ禍が始まりました二〇二〇年頃には減少が始まりまして、二〇二一年を底として、その後上昇傾向というようなことになっております。
ただ、例えば大阪市におきましては、二〇一八年から二〇二三年の間で、コロナ禍中の二〇二一年が逆に最大値となっているというようなことでございまして、二十三区とは異なる動きということでございまして、これが全国一律の傾向というわけではないのかなというふうに思っております。
また、短期売買につきましては、例えば東京二十三区では、コロナ禍中の二〇二一年が、コロナ禍後、二〇二三年を上回っているというようなことでございまして、コロナ禍の前後で傾向の違いというのは特に見られなかったというところでございます。
○鳩山(紀)委員 ありがとうございました。
コロナ禍前後で大きな違いが見られなかったこともあるというふうにはお伺いをいたしましたが、政策判断のためにはより解像度の高いデータが望ましいとも考えますので、可能であれば、今後その詳細なデータの公表、追加公表というのも御検討いただきたいというふうに思うところでございます。
もう一点。今回の調査では、短期売買は購入後一年以内の売買というふうにされていますが、この期間設定の合理性について説明を求めたいと思います。
○楠田政府参考人 お答えを申し上げます。
期間の設定につきましても様々な考え方はあり得るかなというふうに考えております。
今回の考え方ですけれども、国土交通省としては、実需に基づかない投機的な取引は望ましくないというふうな問題意識を常々持っているところであります。
このため、居住実態がないなど、投機的取引である可能性が比較的高いと考えられる短期売買の実態を把握するという観点から、一般的に賃貸住宅の契約期間は二年が多いなどの住宅市場の現状というものを踏まえまして、短期売買の期間をそれより短い一年ということに設定をして今回調査を行ったところでございます。
○鳩山(紀)委員 ありがとうございます。
一方、租税特別措置法では五年以内が短期とされていたり、過去には二年以内を超短期というふうに扱っていたような時期もあるというふうに認識をしておりますので、今回のこの一年以内という制限はやや少し短いというような印象も私としては持っておりますので、その定義について今後の整理に期待をいたしたいというふうに思っております。
さて、以上の議論を踏まえて、今回の調査の結果と意義について、先ほども大臣お話しいただいたところではありますが、今後の調査分析、その調査方法の精査も含めて継続していくべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○金子国務大臣 鳩山委員にお答え申し上げます。
先ほど来、局長からお答えしておりますとおり、国土交通省としては、これまでやったことのない初めての調査ということで、大変苦労しながらも取りまとめたところでございます。
今回の調査では、短期売買、国外からの取得のいずれについても、都内を中心に一部の大都市部で増加をし、中心部に行くほど増加が顕著となる傾向や、同じエリアであっても、年によって、大規模マンションが供給されたかどうか等によって数字が大きく変動する状況なども見られました。短期売買については、大規模マンションの方が割合が高い傾向も確認できたところでございます。
特に直近で顕著な増加傾向が見られた区などもあったことから、今後も動向を注視していく必要があると考えております。来年度以降も調査を継続してまいります。この際、今回の調査の知見も生かして、更に効率的な実施に努めてまいります。
また、今月四日の総理指示も受け、不動産登記において国籍を把握する仕組みが整備された場合には、国籍も含めた、より詳細な取引実態の調査分析に取り組んでまいります。
○鳩山(紀)委員 ありがとうございます。
作業効率上の問題も含めて、是非継続的に改善をしつつ、調査をお願いしたいと思うところでございます。
続いて、お手元の資料、二の方を御覧いただきたいと思います。
先日も少し触れましたけれども、民間の調査によりますと、私の地元中央区の晴海フラッグでは、二千六百八十六戸のうち約一六%の四百二十七件が引渡し後に売買されており、さらに、二回以上売買されたものが二割超ございます。中には、四回転売されたというような例もございます。これは、住宅のストックの健全性を損ね、住まいを必要とする住民の取得機会を奪うといった懸念がございます。
こうした状況を踏まえますと、今回の現状把握の調査に加えて、この短期売買の住宅市場への影響についても追加で調査をして、必要に応じて所得税、法人税などの税制措置などを導入すべきではないかと考えますけれども、大臣、御認識をお伺いいたします。
○金子国務大臣 実需に基づかない投機的な取引は好ましくないと考えておりまして、今後も本調査を継続して実施するとともに、調査の充実についても検討してまいります。また、不動産協会等関係団体と連携いたしまして、投機的取引の抑制にしっかり取り組んでまいります。
住まいは生活の基盤であり、国土交通省としましては、住宅市場の動向なども踏まえ、住宅ローン控除などによる住宅取得負担の軽減や、全期間固定金利の住宅ローンの提供、既存住宅流通市場の活性化などに取り組むことで、住宅取得を望む方が安心して住宅を確保できる環境整備に全力を尽くしてまいります。
○鳩山(紀)委員 ありがとうございます。
関連いたしまして、資料の三として、先ほど大臣からも御言及のありました不動産協会の資料も添付させていただきました。
今回調査されました短期売買については投機的目的のものが含まれるというふうに考えられますので、この資料によりますと、不動産協会自身も投機的短期転売に対して問題意識を共有して、各社対策を始めているということでございます。
そこで提案でありますけれども、取引の現状の認識ですとか実態をより深く把握するために、参考人質疑の機会を本委員会で実施してはどうかと考えますので、委員長、御検討をお願い申し上げます。
○冨樫委員長 理事会で協議いたします。
○鳩山(紀)委員 ありがとうございます。
残された時間で、ちょっと自転車に関する質問についてさせていただきたいと思っております。
警察庁のデータでは、自転車の事故というのは年間約七万件ございまして、そのうち七五%が自動車との事故でございます。全交通事故のうち約二三%程度を推移しておりまして、高止まりというような状態なんですが、取締りについては、令和六年の指導警告票交付、これは百三十三万件、そして検挙は五万二千件と、多数ございます。こうした状況を踏まえて、来年四月から、交通反則通告制度、いわゆる青切符の制度が自転車にも適用されて、十六歳以上は反則金が課されるということになるわけですけれども、この自転車への青切符適用に向けて政府としてはどのような取組を行っているか、伺いたいと思います。
○阿部政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、来年、令和八年の四月一日から、自転車の一定の交通違反を対象に、交通反則通告制度、いわゆる青切符が導入されることとなっております。青切符の導入によって、自転車の交通違反を簡易迅速に処理し、刑事手続に伴う手続の負担軽減を図るとともに、実効性のある責任追及が可能となり、自転車の交通事故防止に資するものと考えているところでございます。
本制度の円滑な施行に向けて、自転車の交通ルール、交通反則通告制度、自転車の交通違反の指導取締りの基本的な考え方について、国民の皆様に対して丁寧に周知を行うことが重要であるというふうに認識しております。
具体的な取組としましては、これらを分かりやすく解説した自転車ルールブックを本年九月に公表し、現在、広報啓発や交通安全教育を推進しているところでございます。また、自転車の交通安全教育を充実するため、関係省庁や自転車関連団体などと官民連携協議会を開催し、自転車の交通安全教育ガイドラインの策定を進めております。今後、このガイドラインを活用して、官民が連携した自転車の交通安全教育を進めるとともに、警察庁に特設ポータルサイトを開設するなどし、自転車の交通ルールの周知を図ってまいることとしております。
こうした取組に加えて、関係機関と連携した自転車通行空間の整備を進めるなど、新たな制度の下、自転車の交通ルールの遵守と交通事故防止に努めてまいりたいというふうに考えております。
○鳩山(紀)委員 ありがとうございます。交通事故は減らさなければいけませんし、事故につながる違反行為は取り締まらなければいけないと思います。
今少し御言及もありましたけれども、一方で、違反が生じる背景には、自転車通行空間の整備が不十分であるという点も忘れるべきではないと思っております。
最後、資料四に、イギリスですとかオランダの自転車通行空間のお写真を載せさせていただきましたけれども、日本ですと、構造的に分離された自転車道と青いペイントの自転車専用通行帯、それからナビマークで矢羽根を表示する車道混在、この三種類があるわけです。
海外では構造的に分離された自転車道がよく存在しているわけですけれども、国土交通省の中では安全で快適な自転車等利用環境の向上に関する委員会も開催されていると承知しておりますが、私は、少なくとも主要道については構造的に分離された自転車道をネットワークとして何としても整備していくというのが必要だと考えていますが、大臣、御見解を伺います。
○金子国務大臣 自転車の活用につきまして、私自身も、当選以来、超党派の自転車活用推進議員連盟の一員として、現在は幹事長を務めております。ちなみに、御党の代表は会長代理を務めていただいております。その議員連盟で、議員立法であります自転車活用推進法の制定にもこれまで尽力してまいりました。政府全体の自転車活用の施策に関する調整、実施は、その法律によって設置された政府の自転車活用推進本部により進められておりまして、その本部長は国土交通大臣が担っております。
自転車活用を推進するための基盤として、安全、安心な自転車通行空間の整備は大変重要であると認識しており、これまでも取組を進めてきたところでございます。
以前、衆議院の国土交通委員会の海外派遣で、イギリス、そしてオランダを訪問した際に、与野党の先生方と私も実際に自転車専用の通行空間を走り、是非我が国にもこのような環境を整備したいなと感じたところでございました。
その経験からも、委員御指摘のとおり、歩行者、自転車、自動車が適切に分離された通行空間を整備することが望ましいと考えております。実際の整備に当たっては、交通状況に応じて自転車道などの整備形態を選定することとしております。
一方、新たな専用の通行空間の整備には用地の取得などに一定の時間を要することから、自転車の走行状況などを踏まえ、車道混在による整備も行っているところでございます。
現在、政府において、来年度から始まる自転車活用推進計画の策定作業を進めており、自転車道などの整備が促進されるよう、自転車通行空間の整備推進を位置づける方針でございます。
引き続き、極めて身近な移動手段である自転車の更なる活用推進を目指し、本部長として、安全、安心な自転車通行空間の整備に全力で取り組んでまいります。
○鳩山(紀)委員 ありがとうございます。
空間整備が先で、取締りがその後ということで、是非積極的な対応をお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。
○冨樫委員長 次に、中川宏昌君。
○中川(宏)委員 公明党の中川宏昌でございます。よろしくお願いいたします。
先日の大臣所信の質疑におきましては、新設される防災庁と現場を支える国交省との役割分担、連携の在り方についてお伺いをしまして、現場の知恵と知見、この重要性についてお伺いをさせていただきましたが、引き続き、関連することにつきまして質疑をさせていただきたいと思っております。
国土交通省には、全国に地方整備局があり、さらに、各地に出先機関が配置をされております。現場の知見や経験がいかに重要でも、それを実際に動かす手足が十分でなければ機能はいたしません。
現状を見てみますと、地方整備局の人員が不足しているという声を耳にしますし、また全国の自治体でも建設や災害対応の専門人材が不足をしている、大変苦慮している状況であるというふうに思っております。
かつて、地方整備局などの国の出先機関の廃止が議論された際、我が党は、現場を軽視すれば、災害時だけでなく、平時のインフラ整備にも支障が出ると主張をさせていただきまして、その必要性と重要性を訴えてきたところであります。二重行政との指摘もありましたが、国と自治体では役割が明確に異なりまして、国が全国を統一的な基準で整備、管理することで、むしろ自治体の業務負担を軽減していると考えるところであります。
そこで、災害対応と自治体支援を強化していくという視点で見れば、技術系職員の重点採用、また地方配置といった人材確保の進め方をどうしていくのか。複合、長期化している災害に備えた地方整備局間の職員の応援の運用、またさらには、自立電源であるとか衛星通信、ドローン等の機材配備、自治体との平時からの共同訓練について、地域の日常と危機を一体で支える技術中枢といたしまして、これらが非常に大事であるというふうに思っておりますが、これをどのように着実に強化をしていくのか。この点につきましてお伺いをさせていただければと思います。
○小林(賢)政府参考人 まず、私の方から、技術系職員の人材確保についてお答え申し上げます。
地方整備局とその事務所等は、防災・減災、国土強靱化の現場の最前線を担う組織であり、必要な人員体制を確保することは極めて重要であると考えております。
地方整備局等の定員については、自然災害が激甚化、頻発化する中で、令和二年度より毎年度、着実に純増となっております。
その中で、技術系職員の人材を確保するため、学校のOB、OGも活用した学校訪問の強化、民間転職サービスの活用、経験者採用の実施対象、回数の拡大など、精力的、計画的な採用活動を行っているところでございます。
さらに、整備局等管内における転勤時の手当の拡充を含む処遇改善や、庁舎、宿舎などの勤務環境の改善等も含め、今後とも、必要な人員体制、人材を確保すべく、最大限努力してまいりたいと思います。
○林政府参考人 お答えいたします。
複合災害や長期化する災害が発生した際にも、災害対応を行う地方整備局の体制を確保することが重要であり、実際の災害時も交代要員を確保しながら災害対応に当たっているところです。
特に大規模な災害時に、被災地域にある地方整備局だけでは十分な対応が難しい場合には、他の地方整備局からTEC―FORCE隊員を応援派遣しています。この体制を強化するために、本年度新たに、専門的な知識を有する民間企業等の人材を非常勤雇用するTEC―FORCE予備隊員制度を創設したところです。
また、国土交通省では、所管施設の管理を行うため、照明車やドローンなどを事務所に配備し、災害時には、被災自治体のニーズに応じて、これらを活用した支援を実施しています。これらの資機材の充実を図るとともに、研修を充実し、平時より地方整備局と自治体とが共同で訓練を重ね、実効性を高めてございます。例えば、能登半島地震の被災地で通信が途絶した教訓を踏まえ、衛星インターネット装置の充実を行い、それを活用した訓練を実施しています。
今後とも、激甚化、頻発化する災害に備え、災害対応に万全を期してまいります。
○中川(宏)委員 災害が複合化、広域化している今、地方整備局が持つ現場の知恵と実動力、これは、災害時の初動だけではなく、平時のインフラ管理を通じて地域を支える重要な存在、このふうに思っております。その役割が十分発揮されるように、これは全国の自治体でも、毎年、地方整備局の体制強化は多くの自治体から希望、また要請、要望があるところでございますので、是非、計画的、持続的な強化を進めていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
地方で公共工事の入札不調、これが増えている状況であるかと思っております。資材、労務単価の高騰、短過ぎる工期、また技術者不足、利潤の不足などが背景にありまして、地域建設業の体力をそいでいるとの声も聞かれるところであります。
地域建設業は、平時の維持管理から災害時の道路啓開、応急復興まで担う、地域の守り手でありまして、その基盤強化は、最終的にどうなるかといいますと、防災力の維持に直結する、このように私は考えるところであります。
そこで、地域の建設業の底上げを図るために、まずお聞きしたいことが、最新の単価の的確な反映、適正な利潤、工期の確保、また平準化、自治体の発注者の体制強化ですとか人材育成について、どのようにこういったことを具体的に講じていくのかお伺いをするとともに、また、発注規模や人員が限られている自治体への共同発注の後押しとともに、工区の分割ですとか技術者配置基準の柔軟化などによりまして、中小の建設事業者が参入しやすい形での運用をどういうふうに進めていくか、地域建設業の弱体化を防ぎまして、地域の守り手としての機能を維持強化するためのこういった方針につきましてお伺いをさせていただきたいと思います。
○楠田政府参考人 お答えをいたします。
入札契約の適正化は、不調、不落を防止をいたしますとともに、地域の守り手としての地域建設業を維持する上で極めて重要でございます。
このため、昨年改正されました公共工事品確法の規定を踏まえまして、最新の単価を用いた積算など、実勢価格を適切に反映した予定価格の設定、週休二日工事の実施や、猛暑日等の作業不能日を勘案した適正な工期の設定、債務負担行為の活用や速やかな繰越手続の実施などによる施工時期の平準化、さらには地域の実情等に応じた適切な規模での発注などにつきまして、総務省と連名で各地方公共団体に要請を行い、取組を促しますとともに、市町村に対し、適正な入札契約に向けた説明会の開催や専門家の派遣など、適正発注を担う職員の育成を支援をしているところでございます。
また、市町村等の技術系職員の不足に対応するため、複数の自治体、複数の分野のインフラを群として捉え、効率的、効果的にマネジメントしていく、いわゆる群マネの取組を推進をいたしております。
さらに、技術者の配置に関しましても、昨年、建設業法を改正し、現場ごとの専任配置を引き続き原則としつつ、一定の条件を満たす場合には複数現場の兼務を可能とする措置を講じたところでございます。
今後も、これらの取組を通じまして、地域の守り手である建設業が安定的に経営を行える環境の整備に努めてまいります。
○中川(宏)委員 地域の建設業が安定してこそ、平時の維持管理また災害対応、これがしっかりできるというふうに思っております。今、様々な取組についてお話しいただきましたけれども、現場の実態をしっかりと捉えた取組、これからも是非ともお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
能登半島地震発生以来、私が国会で何度も何度も取り上げている、次は、液状化の対策、これについてお伺いをさせていただきたいと思います。
能登半島地震におきましては、液状化や側方流動の影響で、住宅や工作物が二十センチから三十センチ大きく移動しまして、ブロック塀や道路境界もずれるなど、土地の境界線と現況が大きく食い違う、こういった深刻な事態が発生をしております。
そういった状況の中で、法務省では、近年、地図作成事業の新整備計画、これに基づきまして、地図情報の高度化またデジタル化を推進、災害時の境界復元作業の迅速化に取り組んでいる、このように承知をしております。
また、今回の災害を受けまして、国交省と法務省、石川県、被災市町、土地家屋調査士などによりまして、土地境界問題対策プロジェクトチームが設置をされまして、土地境界再確定加速化プラン、これも取りまとめられたところでございます。
しかし、現場では、家も筆界も動いたら二重被害だとか、境界が分からなければ再建計画も立てられない、こういった声が寄せられているところであります。住民の不安を取り除くためにも、これは国による大胆な支援とまた制度の整備が不可欠ではないかというふうに思っております。
そこで、国交省にまずお伺いさせていただきますが、このPTにおける議論を踏まえまして、土地境界再確定加速化プランで、液状化被害地における境界復元の迅速化と災害対応についてどのように取り組んでいるのかという点、また、被災により境界が不明確となった地域における土地の境界調査でありますけれども、これに係る費用につきまして、被災者から、負担がどうなるかという不安、こういったことがありますけれども、ここについてまずお伺いをさせていただきたいと思います。
○佐々木(俊)政府参考人 お答え申し上げます。
今御指摘いただきました土地境界再確定加速化プラン、これは、七年要するとも見込まれた境界再確定に向けた調査につきまして、最短で二年となる令和八年度中に完了することを目指すものでございます。
この実施に当たりまして、国土交通省といたしましては、必要な予算の確保や全国の自治体への応援職員派遣の働きかけ、調整などに取り組むことで、境界再確定の迅速化を図るとともに、自治体による液状化対策の取組などを支援することで、関係省庁、自治体、事業者等と一丸となって被災地の復旧復興を後押ししてまいります。
また、境界再確定に当たりましての負担についても御質問いただきました。
こちらにつきましては、測量費用など地籍調査事業に関しましては、国、県、市町が全て負担しますので、住民の皆様方には御負担は発生しません。また、その他の登記等に要する費用、こちらにつきましても、国、自治体で少しでも負担軽減が図られますよう、現在、調整、検討を進めておるところでございます。
○中川(宏)委員 そして、法務省にもお伺いしたいと思います。
特に液状化に対して予防的な対策となります地図作成事業の新整備計画ですが、私は前回の質問でも、これは戦略的に推進をしていくべきだ、このように御要望させていただきましたが、ここにつきまして現在の取組状況をお伺いさせていただきます。
○竹林政府参考人 お答え申し上げます。
今御指摘いただきました新整備計画では、防災、災害からの復旧復興やまちづくりの観点を踏まえて事業実施地区が選定されており、液状化の危険が高い地区であることは、その選定に当たっての考慮要素とされております。
法務省といたしましては、新整備計画に基づき、引き続きこの事業をしっかりと推進してまいります。
○中川(宏)委員 時間が参りましたのでこれで終わりにしたいと思いますけれども、国としましては、是非被災地にどこまでも協力をしていただきたいというふうに思っております。そして、被災地の境界を早期に確定すること、これが大事でありまして、この確定することによって住民の皆様の不安を取り除くことができると思います。これがまず何よりも重要だというふうに思っております。
境界の復元の迅速化、先ほど費用負担の軽減につきましてもお話しいただいているところでございますけれども、こういったところにもまだしっかりと目を配っていただきたいと思いますし、また、関係機関がしっかりと連携していただきたいと思うんですね。特に、技術支援、これを確実に進めていくために、各省庁でしっかりと連携していただきたいというふうに思っております。
また、液状化リスクに備えた地図整備の高度化、これは、災害後の混乱を防ぐためにも、今やっておくべき大切な取組だというふうに思っております。
こういった地図作成事業を計画的に進めていくことで、平時からの土地情報の精度、これが高められまして、将来の災害時に必ず生かせますし、円滑に復旧につなげていけることだと思いますので、是非この点について更なるお力添えをいただきたいと思います。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○冨樫委員長 次に、たがや亮君。
○たがや委員 れいわ新選組のローカル線、たがや亮です。
今日は十分ということで、もう早速質問なんですが、前回の質疑で観光にちょっと触れたんですけれども、その続きを今日させていただきたいと思います。
今、観光政策は、大きな岐路に立っているのではないかと感じています。観光客数の急増に伴うオーバーツーリズムの問題、地方への分散、量から質への転換、地域に実際の収益をもたらす仕組みづくりなど、観光の役割と構造が大きく変わりつつあると考えています。単に観光客を増やすだけではなく、地域にしっかりと利益を残し、文化や自然を保全しながら、持続可能な形へと転換する必要があると思います。
まず、大臣にお伺いをいたします。
大臣御自身が観光をどう捉え、どのような哲学、思いを持って政策を進めておられるのか、率直にお聞かせいただきたいと思います。
○金子国務大臣 お答えいたします。
観光については、国内外からの観光客が全国各地の観光地を訪れ、地域の魅力に触れていただくとともに、地域の旅館、ホテルや交通網を利用する、あるいは地域の特産品を購入していただくなど、地域の活性化、日本経済の発展にとって非常に重要だと認識しております。
また、国民の生活に豊かさをもたらすとともに、自らの文化、地域への誇りを持ち、さらに、世界の人々と交流することによって国際相互理解を促進していく上でも、極めて重要な意義を持っていると考えております。
○たがや委員 観光事業は非常に大切な柱だというふうに答弁いただきましたので、大いに期待したいと思いますが、それを踏まえて次の質問ですが、観光政策の支援の在り方についてお伺いします。
国は、地方分散型の観光を推進するとされています。しかし、現行の支援制度は、どうしても通常の観光コンテンツづくりに偏っており、点と点を支える取組にとどまっているように現場の声を聞いていて感じます。
そのため、地域全体、すなわち面としての波及効果が十分に生まれていないように感じます。地域の観光の柱となる象徴的で大規模なコンテンツ、戦略的観光資源の開発、磨き上げへの支援が手薄であることが、地方の観光戦略の弱さにつながっているのではないかと考えています。
通常の観光コンテンツの支援に加え、地域の観光の核となり得る大規模、戦略的な観光資源については、その規模、将来性、地域への波及効果に応じて補助率を段階的に引き上げる仕組みや、全額を負担するぐらいの制度を導入する考えがあるのか、参考人で結構ですので、お伺いをしたいと思います。
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
観光政策上の必要性に応じまして国の支援を重点化、深度化していくことは、予算の効率的、効果的な執行の観点からも重要であると考えておりまして、観光庁では、これまで、事業の内容や規模、重要性を踏まえ、必要に応じ補助率に差を設けてきているところでございます。
一例を申し上げますと、観光地のインバウンド受入れ環境整備の支援につきましては、通常二分の一の補助率であるところ、点ではなく地域の取組として面的な取組を行う場合などにつきましては最大三分の二にかさ上げする、こういった対応を行ってきたところでございます。
観光庁といたしましては、今後とも、予算の効率的、効果的執行に向けて、御指摘の点も踏まえまして、支援の在り方についてしっかりと検討してまいりたいと考えております。
○たがや委員 ありがとうございます。
しっかり支援をしているということで、段階的にもやっているということなんですけれども、やはり、今ある現状のコンテンツが、点と点があって、それがなかなか面になりづらい、それがメインコンテンツになっていかないというのが、私の地元を歩いていてもそう思うんですね。
だから、これは例えばですけれども、年に一本でも二本でも、日本全国でコンペというか、地域観光甲子園みたいな形で、そういうコンペをやって、それに対して優勝者にはその地域の観光支援を全額バックアップしてやるとか、自治体が本質的に切磋琢磨するような、そういう動機づけになるんじゃないのかなと思います。もちろん、その検証と評価、こういうことをすることによって自治体や地域のモチベーションにもなるんじゃないかなと思います。
それから、観光庁の支援の周知が現場に十分届いていない問題もあると思っています。
私の地元でも、観光振興の課題は認識しながら、制度が複雑とか、他の事業で職員に余裕がなく手つかずとか、そういう小規模な自治体が少なくないです。地方分散型の観光振興を掲げるのであれば、こうした自治体に対してこそ、国の側から丁寧なプッシュ型のアンケート調査を実施し、課題やニーズ、制度活用の実態を可視化すべきではないかと思います。要するに、制度をブラッシュアップしていくことも大事なのかと思いますので、是非大臣、御検討お願いします。
次の質問に参ります。
私の地元には、地域の象徴であり、観光資源そのものと言えるいすみ鉄道があります。しかし、昨年の脱線事故以来、長期にわたって運休が続き、地域の暮らし、経済、観光産業に深刻な影響が広がっています。
配付資料を御覧ください。
ローカル鉄道は、今や単なる移動手段ではありません。観光振興、地域のPR、町のアイデンティティー、防災、通学、通院の足など、運賃収入だけでは測れない公共的価値を持つ地域の宝です。京都大学の中川大名誉教授も、鉄道を採算だけで評価する日本の方式は国際的に例外であり、公共サービスとして捉え直すべきだと指摘されています。
国は、運賃の収益性のみを基準に縮小、廃止へ誘導する姿勢を見直して、ローカル鉄道を公共インフラとして再構築し、公費投入を含む支援を拡充する考えがあるか、具体的には、時の過ぎゆくままに衰退に任せるのか、それとも守り生かすのか、金子大臣に明確な政府の方針を是非お伺いしたいと思います。
○金子国務大臣 鉄道は、定時性が高く、高速での大量輸送が可能であることから、広域的な地域間の移動、連携を支え、観光やビジネスなども含めた地域活性化に資するものと考えております。
国におきましては、地域一体となったローカル鉄道の再構築を促進するため、令和五年の地域交通法の改正等により、ローカル鉄道の再構築に取り組む自治体を後押しできるようにしたところでございます。
例えば、私の地元のくま川鉄道については、上下分離方式によって、鉄道の再構築を行う実施計画の認定が先月実施されたところでございます。
こうした新たな仕組みも活用し、利便性や持続可能性の高い地域公共交通が実現するよう、国としても引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
○たがや委員 ありがとうございます。
いすみ鉄道は、ポスターに、ここには何もないがありますという独特のキャッチフレーズで発信し、房総半島、千葉県の観光のアンテナとして重要な役割を果たしてきました。テレビ番組でも繰り返し取り上げられ、その宣伝効果、また付加価値は非常に大きいものがあります。一方で、地元では存続、廃止をめぐって住民が二分されており、線路はなくすのは簡単なんですが、一度を失うと再構築が極めて困難ということもあります。
要するに、地元の人からすれば、こういうことわざがあるんですけれども、富士山の麓に住んでいると富士山の高さを忘れてしまう、今の市民も、そういうところに陥っているのではないのかなというちょっと不安も持っています。
国鉄分割・民営化からもう数十年がたって、東京一極集中や人口動態も大きく変わって地方の疲弊が進む中で、ローカル鉄道の扱いは従来の枠組みのままでいいわけがないので、地方交通の将来像として、必要に応じて再国有化も選択肢として、是非、大臣、御検討をいただきたいと思います。
まだまだ質問はあるんですけれども、またこれは次の機会にさせていただきたいと思います。
時間が来たので終わります。ありがとうございます。よろしくお願いします。
○冨樫委員長 次に、堀川あきこ君。
○堀川委員 日本共産党の堀川あきこです。
今日は、国交省内におけるハラスメントについて質問をします。
質問の前に、今日、告発に基づいて質問を準備をしましたが、今朝の理事会で、告発者から寄せられた手紙や、ハラスメントの証拠となるメールや写真の資料配付が認められませんでした。このことに抗議をしたいと思います。
その上で、大臣にお尋ねをしていきます。
ハラスメントは、物理的、精神的、様々な形で人を傷つけ、うつ病や退職にまで追い込んでしまう、絶対に許されない行為だと思います。日本にはいまだに法律に禁止規定がありません。そして、ハラスメントは国交省内にも存在をします。大臣の省内のハラスメントに対する見解、解決に向けた姿勢をお聞かせください。
○金子国務大臣 お答えいたします。
ハラスメントの防止、解決につきましては、人事院規則において、各省各庁の長、すなわち大臣の責務が定められております。例えば、パワーハラスメントについては、人事院規則一〇―一六第四条において、職員がその能率を十分に発揮できるような勤務環境を確保するため、ハラスメントの防止に関する必要な措置を講ずるとともに、ハラスメントが行われた場合には、必要な措置を迅速かつ適切に講じることとされております。
国土交通省におきましては、当該規則を踏まえたパワーハラスメントの防止等に関する訓令に基づき、ハラスメント防止のための研修の実施や本省におけるハラスメント相談員約六十名の配置のほか、実際に苦情相談があった場合には、関係者へのヒアリング調査等を通じて事実確認を行い、必要に応じて懲戒処分や人事上の措置を講ずるなど、適切に対応しております。
○堀川委員 もう少し大臣の見解をお聞きしたかったです。
この間、私の事務所に、国交省で働く職員、非正規の職員も含めて、ハラスメントの告発が寄せられています。
資料で出したかったんですが、読み上げさせていただきます。
ある国交省の出先機関で働く方から手紙が来ました。これです。依然として女性職員や非常勤職員に対する軽視、侮蔑的な言動、いわゆるセクハラに類する発言が日常的に見受けられますと。
続いて、九州地方整備局のある河川事務所の任期付職員Aさんからの告発です。所長からのパワハラだそうです。所長から出された指示についてやり方が分からないと言うと、やったことがないことはやらないのかというような理不尽な返事が返ってくると。
こうしたやり取りが続く中で、Aさんが所長から受け取ったメールが決定的でした。
そのメールの中に、自分はAさんを、勝手なことばかり言って、都合よく任期付職員と非常勤の任務を使い分け、仕事を制限する、周囲に高圧的な態度を取る、前からばかなトラブルを事務所にたれ込むいけ好かないくそやろうと思っていました、私もちっとは反省します、あなたはもっと反省し、汚れた心を少しでも入れ替えた方がいいですよと。
これは所長から部下に対して送られているメールです。明確なパワハラです。Aさんは、このメールに恐怖を感じ、これ以降、所長との電話、メールは応答できなくなったそうです。こうした攻撃的なメールが何度も送られています。
写真も御提供をいただきました。これも配られていませんけれども、事務所のデスクにガムテープが貼られ、使えないようにしています。これは、Aさんがこの席に座った直後、このような仕打ちがされていたということだそうです。いじめですよね。Aさんは、このハラスメントの相談員である総務課長に所長のメールや職場で起きていることを伝え、心情を訴えてきたそうです。
まだあります。昨年の秋に、物流・自動車局に勤務する職員の御家族からいただいた手紙です。局長のパワハラで、心身共に疲弊しています、本人は頑張る気でいますが、明らかに様子がおかしく、いつ倒れるか、心を病んで予想外の行動に出ないか、心配でたまりませんと具体的な行動も書かれていました。
指示どおりに対応したことに対して、そんなことを言っていないと怒る。本人のメモで証拠を見せると、忙しいときに持ってくる段取りが悪いと逆切れする、こういうパワハラの言動が六項目にわたって書かれていました。
この手紙は、国交省と内閣人事局にも送られたそうですが、特に調査などはされなかったということでした。かなりひどい実態が放置をされているようです。
大臣、地方整備局や出先機関も含めて、国交省内でハラスメントの相談件数、認定した数、対応した結果、被害者が納得する形で是正が図られた数、把握されていますか。
○金子国務大臣 令和二年度に人事院が実施した各府省におけるハラスメント防止対策の実施状況についての調査において、国土交通省における相談件数は、セクシュアルハラスメントが十六件、妊婦、出産、育児又は介護に関するハラスメントがゼロ件、パワーハラスメントが六十六件となっております。
ハラスメントと認定した際には、行為者に対して処分を行っており、パワーハラスメント、セクシュアルハラスメントに関する懲戒処分の件数については、直近三年ですと、令和四年度が七件、令和五年度が九件、令和六年度が二件となっております。
また、解決件数につきましては、どのような状況を解決したと捉えるかの判断が難しく、件数として把握できておりません。
○堀川委員 把握されていないということなんですよね。相談件数にしても少な過ぎます。
今回、告発のあった被害者の声で深刻だと思うのが、内部通報制度を利用すべきだが、正直なところ組織は信用できません、報復を恐れて利用できません。あるいは、先ほど紹介したAさんは、ハラスメントの相談員である総務課長を始め、人事課、人事院、労働局など、ありとあらゆるところに相談をしたんだけれども、結局対応してくれないということでした。
Aさんは、らちが明かないということで警察に被害届を出されたんですね。その連絡を受けた河川事務所が取った行動が、Aさんに対抗するために、Aさんの言動について問題がなかったか、職員に情報提供を求めるメールを送りました。それがAさんになぜか誤送信されてきて、Aさんが取っておられました。このメールの送り主が総務課長になっているんです。この総務課長は、ハラスメントの相談員であり、これまでさんざんAさんから相談を受けて、パワハラのメールの事実も知っている人物です。しかし、いざとなると、態度を変えてAさんをおとしめるような動きを見せている。
大臣、こうした対応が実際にあるということを御存じでしょうか。
○金子国務大臣 個別の事案については、差し控えさせていただきたいと思います。
○堀川委員 こうした被害者への報復的な行為あるいは事実のもみ消しなどが実際に国交省内で横行しているということを認識すべきだというふうに思います。
私の事務所に寄せられているハラスメントの告発は氷山の一角です。国交省内のハラスメントをなくしていくための具体的な行動を取るべきだということを申し上げたいと思うんです。
女性活躍推進法の附帯決議の十二項では、セクハラ防止措置の実施状況、被害者の救済状況、ハラスメントが起こりやすい業務実態について実態調査を行うこと、あるいは十三項にも、公務員も含めたハラスメント被害の救済状況を調査することなどが盛り込まれています。
国交省の地方の出先機関も含めたハラスメント調査、職員へのアンケート調査など、これをやるべきではありませんか、大臣。
○金子国務大臣 国土交通省では、誰もが働きやすい職場環境を目指して、本年六月に国土交通省CX、組織変革の方針を取りまとめました。その中で、幹部職員の組織マネジメント意識の醸成の一環としてハラスメント対策を掲げているところであり、今後、職員アンケート等も含めて、各種ハラスメントに対応しながら職場環境の改善に努めてまいりたいと考えております。
○堀川委員 実態調査をやるべきだと。これは民間業者ではかなりやられています、地方公共団体の地方公務員に対するアンケートもやられています。是非、ハラスメントが起こっている実態、職員へのアンケート調査、各省庁でやるべきですし、国交省内で率先してやるべきだということを重ねて申し上げておきたいと思います。
最後に、本当に、今回勇気を振り絞って声を上げていただいた方々に、そしてその御家族に心から敬意と感謝を申し上げたいというふうに思います。私は、今後もハラスメントをなくしていくために皆さんとともに戦い続ける、このことを申し上げまして、質問を終わります。
○冨樫委員長 次に、福島伸享君。
○福島委員 有志の会の福島伸享でございます。
これまでも、私、最近のJR東日本は何かおかしいんじゃないかという話をしてきて、それが相次ぐトラブルにつながっているんじゃないかということを歴代大臣に対して指摘してまいりました。
資料を、一枚めくって二に、二〇二三年から二〇二四年まで、ちょっと最近のは加えていないんですけれども、これだけ多くの、しかも深刻な高速走行中の東北新幹線で連結部分が離されるというのが二回、一年置きに起きるというような、そうした状況にあって、その根幹にはJR東日本の社内の労働環境の悪さがあるんじゃないかということをずっとしてきてまいりました。
現在、JR東日本は組織再編をして、複数の駅や業務を統合した職場をつくろうとしております。問題は、それが労働基準法や労働安全法上の事業場という概念に影響を与えることです。
まず、政府参考人にお伺いいたしますけれども、簡潔に短くお答えいただきたいんですけれども、労働基準法及び労働安全法における事業場の範囲というのはどの範囲を言うのか、なぜこの事業場という概念が存在して、どのような意義があるのか、その点について端的にお答えください。
○尾田政府参考人 お答えいたします。
労働基準法及び労働安全衛生法の適用に当たりましては、工場、事務所、店舗といった一定の場所において、業として継続的に作業が行われる一まとまりのものを事業あるいは事業場とし、これを適用単位とすることとしております。
このように事業場単位で適用することとしておりますのは、労働基準法や労働安全衛生法に定められた基準を各事業場の実情に即してきめ細かく適用することによって的確に労働者保護が図られるようにするためでございます。
また、一つの事業場と言えるか否かは主として場所的概念によって決定することとしており、同一場所にあるものは一個の事業場として取り扱い、また、場所的に分散しているものは別個の事業場として取り扱うことを原則的な考え方としているところでございます。
○福島委員 ありがとうございます。
そこで、資料一を御覧いただきたいんですけれども、この一つの丸の単位が、それまで、二〇二二年以前の事業場でありました。上野駅の駅員とか北千住駅の駅、駅ごとの事業場、そして、運転士は運転士で、線ごとに高崎線とか常磐線、あと、車掌さんは車掌さんで、宇都宮線、何とか線というふうに、職種ごと、場所ごとに事業場が定められていたのが、二〇二二年以降は上野統括センターという形で、駅も運転手も車掌さんも全部一つの事業場になってしまいました。
今回、二六年から予定されているのは、それに更に、メンテナンスセンターとか電力オフィスとか保線とかいった技術的なところ、しかも、場所は品川から上野から新宿から尾久から、いろいろなところが入って、様々な場所を一の事業場としようとしております。(発言する者あり)すごいでしょう。
これは、例えば、労働基準法上の、労働時間や休日を決める重要な三六協定は事業場ごとに結ばれます。労働安全衛生法上の、職場の安全環境を協議するための安全委員会とか、職場の健康保持について協議する衛生委員会も、事業場を単位としております。駅員と運転士では全く勤務形態は違うんですね。駅員さんであれば普通の日中とかそういう勤務でありますけれども、運転士は早朝に勤務があるとか、車掌さんもまたそうです。あるいは技術系になれば更に全く違う形態でありますし、工場みたいなところと駅やあるいは車両の中では全くこれは勤務形態が違うんですね。
業務の関係がなかったり物理的な場所が離れていたり、職場環境が全く違うところで、私は、先ほど審議官が答弁したような、労働基準法や労働安全衛生法に基づくきめ細かな法律の遵守というのができるとは思わないんですけれども、このような巨大な、あらゆる職種、場所も違う、そうしたものを一つの事業場と見ることは適切なのかどうか、その点についてお答えください。
○尾田政府参考人 お答え申し上げます。
個別の事案についての回答は差し控えさせていただきたいと思いますが、一般論として申し上げると、先ほど事業場に関する考え方は申し上げたとおりでございまして、主として場所的観念により決定すべきものであって、この考え方は、各事業場の実情に即してきめ細かく労働基準法等を適用するという観点、それに加えまして、労働基準監督署においても労働基準法及び労働安全衛生法に基づく監督指導を的確に行う、こういったことも念頭に置いて、こういった整理をさせていただいているところでございます。
各企業においては、こうした趣旨を十分に踏まえた上で、どの範囲を一つの事業場とすべきか検討いただくことが必要と考えております。
○福島委員 私は、それはおよそ踏まえているとは思えないんですね。
例えば、今の現段階での上野統括センターでも、上野駅と北千住駅では全く環境は違います。走っている電車も営業時間も違います。ましてや、上野駅と高崎線の運転士では、主となるオフィスは例えば上野近辺だとしても、勤務場所は様々違うんですね。
これだけ多くの駅をまとめたり、あるいはその線を走っている運転士とか車掌さんまで含めると、職場環境が及ぶ労働基準監督署だけで膨大な数にわたっちゃって、監督すらまともに受けることができない、あるいは、厚労省の立場に立ってみれば監督すらきちんとできないということになると思うんですけれども、これは、現状の、二二年の上野統括センターでも、私はこれを一つの事業場と認めるのは常識から見てもおかしいと思うんですけれども、どうですか、その点については。
○尾田政府参考人 お答えいたします。
個別の事案についてのお答えは差し控えさせていただきますが、基本的な考え方は先ほどのとおりでございまして、委員も御指摘のとおり、労働基準法をきめ細かに適用するという観点から今の概念設定をしているところでございますので、各事業主においてもこれを尊重して、事業場を適切に設定していただきたいと考えております。
○福島委員 尊重されていないから、私は上野統括センターは無理だと思うけれども、電力関係というのは全く工場の事業ですよ、工場の部分とお客さんの部分を全く一緒にするというのはそもそも想定していないわけですよ。適切な指導を行わないからこういう無理な一つの事業場概念が出てくるのであり、そこは今の段階でしっかりと指導すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○尾田政府参考人 お答えいたします。
最終的には監督署において、現場の実態を踏まえて個別具体的に判断をさせていただいているところでございますので、今後とも適切に対応してまいりたいと考えております。
○福島委員 その監督署が余りにも複数にわたっているから困っているんです。どこの監督署に言うかというのは、駅ごとに監督署の管轄が違うというのはそもそもおかしいんじゃないですか、どうですか。
○尾田政府参考人 お答え申し上げます。
一般論として申し上げますが、まず監督署をまたがること自体、それだけで事業場概念として適切ではないということではございませんが、繰り返しになりますが、先ほど申し上げたとおりの考え方に基づきましてこの概念はできておりますので、それを尊重した運用をしていただきたいと考えております。
○福島委員 法を運用する役所として、法律の趣旨にのっとっているとは思えません。
こういうことが起きるのは不適切な労使関係が元でありまして、JR東日本では元々、JR東労組という労働組合があって、九割近くの組織率がありました。ほかの労組と合わせて一〇〇%近い組織率。二〇一八年にスト権確立をめぐる混乱から、JR東労組から脱退が相次いで、二〇二一年前後でJR東労組の組織率は一〇%を切り、全ての労組の組織率を合わせて、二割の組織率もありません。
資料三を御覧ください。
上の部分がそうですけれども、ほかの公益企業、電力会社、東電は一〇〇%組合に加入、東京ガスも一〇〇%、NTTは約八割、JP、日本郵政は六割、JALは一〇〇%、東武鉄道も九割。大体、公益的企業はちゃんとした過半数労働組合があって、適切な労使関係が結ばれているわけですね。三六協定もちゃんと結ばれるということになっているんですけれども、今それが起きていないんですよ。
だから、どうなるかというと、過半数を職場で取った組合と会社が交渉するんですけれども、今過半数を取っている中で、JRというのは社友会という、会社側の息のかかった組織をつくって、そこにやらそうとして、事実上、労働組合がない状況が、これはまた大臣、後でしっかり議論しますので、こういうことになっているんです。
今回の事業場を広げるのも、一つのちっちゃな単位だと、そこの単位では労働組合系が勝っちゃうんです。この選挙に、会社側は飲食接待とかをして選挙運動をやって、会社の息のかかった社友会の候補が勝つような運動までしているんですよ。
そうした中で、いろいろないじめがあるんですよ、脱退させるような。例えば全社員の駅伝大会で、当然自分もメンバーになると思って申請したら、組合員だったから、おまえはそういうことだからといって外された。転勤したくなければ分かっているよなと管理職から言われて、拒否したら、土浦駅勤務の人が、原ノ町駅という絶対通えないところに転職させられて、今、朝通っているとか。こういういじめが起きているんです。
大臣、こういう社風をどのように思われるか、最後に感想をお答えいただければと思います。
○冨樫委員長 福島君に申し上げますが、質疑の時間が終わりました。(福島委員「一言だけ、感想」と呼ぶ)
○金子国務大臣 いろいろな場所で、そのような問題が起きているということを認識をさせていただきました。
○福島委員 オーバーして済みません。また改めて議論させていただきます。
ありがとうございました。
○冨樫委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時八分散会

