第5号 令和8年4月15日(水曜日)
令和八年四月十五日(水曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 冨樫 博之君
理事 加藤 鮎子君 理事 国定 勇人君
理事 高木 宏壽君 理事 武井 俊輔君
理事 田中 良生君 理事 福重 隆浩君
理事 住吉 寛紀君 理事 臼木 秀剛君
五十嵐 清君 伊藤 忠彦君
井上 貴博君 上田 英俊君
小里 泰弘君 加藤 竜祥君
菅家 一郎君 北神 圭朗君
熊田 裕通君 小池 正昭君
坂本竜太郎君 白坂 亜紀君
高鳥 修一君 高橋 祐介君
土井 亨君 中山 泰秀君
根本 拓君 松本 泉君
向山 淳君 山口 晋君
山本 左近君 鷲尾英一郎君
渡辺 孝一君 赤羽 一嘉君
犬飼 明佳君 西園 勝秀君
奥下 剛光君 美延 映夫君
西岡 秀子君 古川 元久君
吉川 里奈君 山田 瑛理君
畑野 君枝君
…………………………………
国土交通大臣 金子 恭之君
国土交通副大臣 佐々木 紀君
経済産業大臣政務官 越智 俊之君
国土交通大臣政務官 加藤 竜祥君
国土交通大臣政務官 永井 学君
国土交通大臣政務官 上田 英俊君
政府参考人
(文部科学省大臣官房学習基盤審議官) 堀野 晶三君
政府参考人
(資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官) 山田 仁君
政府参考人
(中小企業庁次長) 山本 和徳君
政府参考人
(国土交通省大臣官房総括審議官) 岡野まさ子君
政府参考人
(国土交通省大臣官房技術審議官) 小林賢太郎君
政府参考人
(国土交通省総合政策局長) 鶴田 浩久君
政府参考人
(国土交通省不動産・建設経済局長) 楠田 幹人君
政府参考人
(国土交通省水管理・国土保全局長) 林 正道君
政府参考人
(国土交通省道路局長) 沓掛 敏夫君
政府参考人
(国土交通省住宅局長) 宿本 尚吾君
政府参考人
(国土交通省鉄道局長) 五十嵐徹人君
政府参考人
(国土交通省物流・自動車局長) 石原 大君
政府参考人
(国土交通省海事局長) 新垣 慶太君
政府参考人
(国土交通省港湾局長) 安部 賢君
政府参考人
(観光庁次長) 木村 典央君
政府参考人
(気象庁長官) 野村 竜一君
政府参考人
(海上保安庁次長) 坂巻 健太君
国土交通委員会専門員 國廣 勇人君
―――――――――――――
委員の異動
四月十五日
辞任 補欠選任
小池 正昭君 松本 泉君
根本 拓君 向山 淳君
佐藤 英道君 西園 勝秀君
須田英太郎君 山田 瑛理君
同日
辞任 補欠選任
松本 泉君 小池 正昭君
向山 淳君 根本 拓君
西園 勝秀君 佐藤 英道君
山田 瑛理君 須田英太郎君
―――――――――――――
四月十四日
都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二二号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案(内閣提出第二二号)
国土交通行政の基本施策に関する件
――――◇―――――
○冨樫委員長 これより会議を開きます。
国土交通行政の基本施策に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付のとおり、国土交通省大臣官房総括審議官岡野まさ子君外十六名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○冨樫委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○冨樫委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。山本左近君。
○山本(左)委員 おはようございます。自由民主党の山本左近です。
本日は、国土交通委員会にて質問の機会をいただきまして、誠にありがとうございます。
早速質問に入らせていただきます。
まず、先月三月二十九日、鈴鹿サーキットで行われたF1日本グランプリについてお伺いいたします。
当日は、金子大臣にもお越しいただきました。大変御多用の中御出席いただき、誠にありがとうございました。
自動車は、我が国の経済を支える基幹産業であると同時に、多くのファンを魅了する文化でもあります。その両面を併せ持つのがモータースポーツで、その振興は日本にとって欠かせないものと考えております。
そこで大臣、実際にF1を御覧になられて、率直な感想と、モータースポーツを通じた自動車技術振興についてお考えを聞かせてください。
あわせて、F1では今年から、水素と二酸化炭素をかけ合わせた合成燃料などの持続可能燃料を一〇〇%使用しており、カーボンニュートラル実現への最先端の実験場となっております。こうした持続可能燃料の活用について、自動車分野にとどまらず、航空機燃料のSAFや船舶などのエネルギー政策にどう位置づけ、今後どのように展開していくべきか、大臣の御見解を伺いたいと思います。
○金子国務大臣 おはようございます。山本委員にお答え申し上げます。
F1世界選手権は、世界最高峰のモータースポーツであり、世界トップレベルの技術が結集した比類なき国際スポーツイベントであります。私も、四十年ぐらい前でしょうか、アイルトン・セナが全盛期の頃、毎週深夜、テレビで熱狂した一人であります。
毎年、国交大臣が出席をされております、今年は本年三月二十七日から二十九日の三日間にわたって三重県鈴鹿市で開催された、F1日本グランプリでは、大会特別名誉顧問を拝命をし、準優勝ドライバーへのプレゼンターとして出席をさせていただきました。夢のような思いでございました。
当日は、技術の粋を凝らしたマシンによる迫力あるレースに圧倒され、また、外国の方も含めた多くの観光客がサーキットに詰めかけ、熱心に応援する姿がとても印象的でございました。
この日本グランプリには、三日間で総入場者数三十一万五千人、そのうち約十万人もの外国人が訪れたと聞いておりまして、これらの方々は、レースのみならず、時間をかけて日本を周遊しておられ、我が国の観光消費の観点からも大きな効果があったと考えております。
F1を始めとするモータースポーツの分野では、これまで、ハイブリッド技術による環境性能の向上、衝突時のエネルギー吸収構造による安全性能の向上など様々な技術が培われており、こうした技術は一般車の開発にも幅広く活用されていることから、自動車技術の更なる発展に大きく貢献するものと考えております。
また、委員から持続可能燃料について御指摘がありましたが、国土交通省としても、持続可能燃料を含むクリーンエネルギーの活用は、自動車のみならず、運輸分野の脱炭素化やエネルギー安全保障等の観点から非常に重要と考えております。
国土交通省では、クリーンエネルギーへの移行を国土交通省環境行動計画にも位置づけており、引き続き、産学官の連携により、運輸部門におけるクリーンエネルギーの活用に向けた実証等の環境整備を進めてまいります。
○山本(左)委員 ありがとうございます。
まさに、モータースポーツの迫力を味わっていただくだけでなく、観光の側面でありますとか、持続可能燃料、クリーンエネルギーについての環境の性能、また安全性についても通じて、大臣の方からも力強く応援をいただいたこと、心から感謝を申し上げます。
続いて、未来の燃料の話をした一方で、やはり足下では非常に深刻な問題が起きています。イラン情勢の悪化による原油高騰で、国内の燃料供給体制も混乱を生じています。
今、政府全体では、総量の確保に全力で取り組んでいただいているものと承知しておりますが、現場の状況は刻々と変化しております。特に心配なのが、私たちの生活の要、物流の要であるトラック事業者のインタンクです。今、このインタンクへの供給が制限されたりストップされたりするという動きがあると指摘をされていますが、こうした実態を把握されていますでしょうか。
また、本来、大口契約であるインタンクは店頭価格より安いはずですが、今逆に、インタンクの方が高いという逆転現象まで起きています。さらに、ガソリンスタンドの法人カードを新規で作れないといった声も聞こえてきています。
こうした供給網の優先順位の在り方や価格逆転の是正に向けて、国交省としてどのように対応されるのか、伺いたいと思います。
○岡野政府参考人 お答え申し上げます。
今般の中東情勢に伴う軽油の供給の動向がトラック運送事業者に与える影響につきましては、引き続き注視していく必要があると認識してございますが、こうした状況におきましても、我が国の物流を支えるトラック事業者が安定的に軽油を確保できる環境を整備することが重要であるというふうに考えてございます。
現在、私どもの方では、業界団体を通じて現状把握を進めておりまして、一部の事業者から、これまでどおりの供給がなされていない等の報告が寄せられてございますが、現時点で運行に支障が生じている事業者は確認されておりません。
国土交通省といたしましては、業界団体からの報告を経済産業省に随時共有し、特に事業継続への支障が懸念される声があった場合には、経済産業省を通じて石油販売事業者への働きかけを行っているところでございます。
また、軽油価格上昇分の運賃への転嫁については、公正取引委員会及び中小企業庁との連名によりまして、燃料サーチャージ制の導入や運賃改定等を通じて、今般の燃料価格の変動分も含めた価格転嫁が徹底されるよう、荷主団体に対して、本年三月二十七日付で文書による要請を行ったところでございます。
引き続き、中東情勢によるトラック運送業界への影響を注視しつつ、経済産業省を始めとする関係省庁や業界団体とも連携しながら、適切に対応してまいります。
○山本(左)委員 ありがとうございます。やはり、軽油の安定的な確保ができる環境を更に進めていただきたいと思います。
今、御答弁の中で、支障がないという状況をお聞きしているということですが、やはり現場の声は様々ありますので、是非丁寧に拾っていただき、是非聞いていただき、対応していただきたいと思います。
あわせて、やはり燃料サーチャージなどの価格転嫁の面においても、現場からは、しっかりとここを進めていくに当たって、また課題等が出てくると思いますので、引き続き適切に対応いただけるとありがたいです。よろしくお願いいたします。
自動車の話をしてきましたが、まさに次は、道路についてお話をさせていただきたいと思います。地域の物流ネットワークについてお伺いいたします。
昨年全線開通した国道二十三号の名豊道路は、地域の物流を支える大動脈です。しかし、三河港の入口となる豊橋バイパス区間では、大型車が集中し、慢性的な渋滞が続いています。この豊橋バイパスの四車線化の進捗と今後の見通しについてお伺いしたいと思います。
また、広域物流を更に強化するという観点において、浜松湖西豊橋道路についても整備は極めて重要なものであります。現在の検討状況と事業化に向けた見通しを併せてお伺いしたいと思います。
○沓掛政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、国道二十三号名豊道路は、昨年三月に全線が開通いたしました。名古屋から豊橋方面へのアクセス向上や沿線地域の工業団地開発、企業誘致の進展、並行する現道の交通環境の改善など、様々な効果が発揮されております。
三河港へのアクセスを担う国道二十三号豊橋バイパスについては、野依インターチェンジから大崎インターチェンジ間での渋滞が発生しており、現在、当該区間の四車線化に向けて、大清水高架橋の橋梁上部工事などを進めているところです。
引き続き、地域の皆様の御協力を得ながら、一日も早い四車線化を目指して整備を進めてまいります。
また、併せて御質問がありました浜松湖西豊橋道路は、東名高速道路と三河港周辺を結ぶ延長約二十八キロの高規格道路であり、速達性あるいは定時性の向上による物流の円滑化や、災害時におけるリダンダンシーの確保といった効果が期待されています。
現在、愛知県、静岡県及び浜松市において、都市計画及び環境影響評価の手続が進められており、本年三月には、都市計画原案の公聴会が行われたところです。
国土交通省としましては、これらの手続が円滑に進むよう、必要な協力をしっかり行ってまいります。
○山本(左)委員 ただいま御答弁いただきました。まさに物を運ぶ物流の中心拠点でございます。物づくりの生産拠点、また農業等でも中心地であり、この浜松湖西豊橋道路についても、今後についてしっかりと御理解いただき、そして進めていただければというふうに思います。
それでは、次の質問に移らさせていただきます。
今、道路のお話をさせていただきましたが、やはり、今、道路工事事業を含む建設業界全体で、イラン情勢の悪化によって、様々な物が入らなくなっている、物の価格が上がっているという状況がございます。そのうちの一つが、道路の整備や維持管理については欠かせないアスファルトの問題です。
現在、このアスファルトの価格が異常なほど跳ね上がっています。しかも、短い期間の中で跳ね上がっているという状況があります。道路の舗装だけでなく、実は、ビルの防水工事などもアスファルトが使われておりまして、建設業界全体が悲鳴を上げている声が私のところまでにも届いてきています。価格は既に三割以上も上がり、そして来月以降は五割増しにもなるのではないかという現場の不安が聞こえていまして、まさに今、有事とも言える状態ではないでしょうか。
政府は石油の総量の確保について御尽力いただいていると承知しておりますが、現場では、まず、価格が上がることだけでなくて、物が入ってこないといった異常事態も聞いています。このままでは公共工事を始め多くの事業が止まってしまいかねません。
特に深刻なのは、既に工事を引き受けていらっしゃる事業者さんの皆さんです。材料代がこれだけ上がれば、工事をすればするほど赤字になってしまうという逆ざやの状態に今入ろうとしています。
こうしたアスファルトの合材価格の高騰等を踏まえた請負代金額の変更について、地方自治体を含めて現場まで十分に徹底すべきと考えますが、国土交通省の御見解はいかがでしょうか。
また、あわせて、公共事業におけるスライド条項についてより柔軟で、そして迅速な運用を図るなど、短期的な価格変動を的確に反映するための措置を講ずるべきと考えますが、いかがでしょうか。
○楠田政府参考人 お答えいたします。
建設業においては、委員御指摘のアスファルトを始め様々な石油製品等を使用することから、業界団体などから、今般の中東情勢に起因する価格高騰等について懸念の声が寄せられているところでございます。
このため、先月、全ての公共工事発注者に対し、今後の状況に応じて、最新の単価を反映した発注やスライド条項の適切な運用などに取り組むよう、文書で要請を行いました。
また、国土交通省の直轄工事においては、単品スライド条項の適用について、購入した月の物価資料単価の代わりに実際の購入価格を用いて請負代金額を変更することも可能とすることにより、短期的な価格変動の的確な反映に努めているところでございますが、地方公共団体においても、これを参考に運用の見直しを図るよう、今月、文書で要請を行ったところでございます。
引き続き、建設工事に使用する石油製品等の価格や供給の動向を注視いたしますとともに、公共工事について、適正な価格での発注や価格転嫁の取組が現場の隅々にまで徹底をされますよう、これからも地方公共団体等に丁寧に働きかけ、円滑な施工の確保に努めてまいります。
○山本(左)委員 楠田局長、ありがとうございます。今御答弁いただきました中で、やはりアスファルト等を含む石油関連製品が、物がだんだん入らなくなっているという現状、そして価格が高騰している現状を把握していただいていること、まずは感謝を申し上げます。
その上で、やはり先月もスライド条項に関しても要請をいただいたということですが、しっかりと、ここが現場の隅々までこういった価格転嫁も含めて行えるように、今後も引き続き働きかけをしていただきたいと思います。
私も、つい昨日ですが、建設関係の方とお話をしましたら、やはり来月以降の見通しについて非常に不安を抱えている、特に、価格もそうですが、物がなくなってくると、工事を受注しているものの、どのように対応していけばいいのかといったところまで、非常に不安が大きいという話は本当に現場から聞こえてきております。
是非、ここは地方公共団体を含めてしっかりと監督をしていただきながら、事業者さんが不安にならないように、そして工事が滞ることがないように、引き続き取り組んでいただけることをお願いを申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○冨樫委員長 次に、犬飼明佳君。
○犬飼委員 おはようございます。中道改革連合の犬飼明佳でございます。よろしくお願いをいたします。
まず初めに、辺野古沖転覆事故についてお伺いをいたします。
三月十六日、沖縄県辺野古沖で発生した船舶二そうの転覆事故により、貴い命が失われたことに深い哀悼の意を表します。
二〇二二年の知床半島沖での遊覧船沈没事故という痛ましい教訓を忘れてはなりません。あの事故を受け、本委員会においても真剣な議論が重ねられ、二〇二三年五月には海上運送法等の一部を改正する法律が成立をいたしました。この法改正の柱は、事業者の安全管理体制の強化、船員の資質の向上、そして輸送の安全確保違反に対する罰則強化であったはずです。
報道によれば、当時は波浪注意報が発令されるなど、海象条件が悪化していた可能性が指摘をされております。そういった状況下での出航により、結果的に辺野古沖での転覆事故が発生してしまい、高校生と船長の二名が亡くなるという痛ましい事故が発生をしてしまいました。
転覆した二そうの船は海上運送法に基づく登録が必要な船舶であったのか、これを含め、現在捜査中であると思いますが、明らかにできる範囲で海上運送法と本件事故との関係を示してください。
○新垣政府参考人 お答えいたします。
まず、事実関係といたしまして、今般転覆事故を起こした二隻、平和丸と不屈を使用した運送については、海上運送法の事業登録は行われておりません。
その上で、今般の運送が海上運送法の登録を要する事業に該当するかについては、まず他人の需要に応じたものであるか、また反復継続される事業として運送が実施されていたかなどに基づき判断することから、本船舶の運航実態について、現在関係者に対する事実関係の確認を進めております。
なお、この事実関係の確認といいますのが、立入検査等の権限には基づかない任意の事実確認でございますので、先方関係者が海上保安庁の捜査や運輸安全委員会による調査対応を優先する結果、一定の時間を要しているところでございます。
この事実確認結果等を踏まえまして、海上運送法の事業登録の要否などについて早期に判断してまいりたいと考えております。
○犬飼委員 このことを踏まえた上で、今回の事故を受けて再発防止策をどのように考えているのか、国土交通大臣に見解をお伺いをいたします。
○金子国務大臣 犬飼委員にお答え申し上げます。
令和四年四月に発生をいたしました知床遊覧船事故を受け、二度とこのような事故を起こさないという決意の下、海上運送事業者に対する安全規制の強化等により再発防止等を図ってきたところであり、そのような中で今般の事故が起きたことは大変遺憾であると考えております。
こうした事故の再発防止のため、まず、学校における対策としては、特に修学旅行等において船舶を利用する場合には安全性の観点からも海上運送法の許認可を得た事業者を選定すべきである旨、四月七日付で文部科学省が全国の教育委員会等に発出した通知により周知を図ったところであります。
また、全般的な再発防止策としては、適切な安全確保策を講じている海上運送事業者を正しく御利用いただくことが肝要と考えておりまして、具体的な対策については、現在行っている船舶の運航実態の確認結果等を踏まえ、必要な検討を行ってまいります。
○犬飼委員 法改正を行っても、こうした現場で命が守られなければ意味がありません。今回の事故を単なる一過性の不幸として片づけるのではなく、海上運送法の運用実態を徹底的に検証をして、制度の穴を埋めていただくことを強く求めてまいります。
次に、総合物流施策大綱についてお伺いをいたします。
三月三十一日、政府は、今後五年間の物流政策の指針となる総合物流施策大綱を閣議決定しました。二〇二四年問題への対応を経て、いよいよ二〇三〇年度までの物流改革の集中改革期間が始まります。大綱では、「物流のポテンシャルを最大限に引き出す」としていますが、現場のトラックドライバーや中小物流事業者は依然としてコスト増と人手不足の荒波にもまれております。
まず大臣にお伺いします。
この新しい大綱において、これまでの施策と決定的に何が異なり、どのように実効性を担保していく覚悟なのか、基本認識をお伺いをいたします。
○金子国務大臣 お答え申し上げます。
二〇二一年に策定をされました前回の総合物流施策大綱は、特に新型コロナウイルス感染症の流行等の社会環境の変化を踏まえ、大きな柱として物流のデジタル化を目指す計画となっていたところでございます。
新たな総合物流施策大綱の策定に当たっては、いわゆる、先ほどお話がありました物流二〇二四年問題に端を発する担い手不足が克服すべき大きな課題として認識されているところでございます。
本年三月に取りまとめられた有識者検討会の提言において、二〇三〇年度には約七%から最大で約二五%の輸送力不足が生じ得ると見込まれており、二〇三〇年度の輸送力不足の解消に向けて、物流事業者、発着荷主、一般消費者を始めとした物流に携わる全ての関係者が一致団結をして取組を推進していく必要がございます。
このため、本年三月三十一日に閣議決定された総合物流施策大綱に基づき、トラックドライバーの荷待ち、荷役時間の短縮、トラックの積載効率の向上、宅配便の多様な受取方法の普及、浸透、消費者への啓発広報活動等の取組を位置づけたところであり、本年四月に全面施行された改正物流効率化法に基づく荷主等に対する規制の徹底等により、実効性の確保を図ってまいります。
国土交通省といたしましては、今回、新たに大綱に位置づけた、「物流を単なるコストではなく、新たな価値を創造するサービスとして捉え直し、より上質で魅力ある産業へと転換させる」という大きな目的の実現を目指し、関係省庁や産業界とも緊密に連携しながら全力で取り組んでまいります。
○犬飼委員 大綱の第一の柱として、徹底的な物流効率化が掲げられ、積載効率を三〇年度に四四%まで引き上げる目標が示されました。特に、自動運転トラックや自動物流道路はその目標達成の大きな柱になると思われます。自動運転トラックは、幹線輸送への社会実装が進めば、物流効率の劇的な向上が期待をされます。本年三月には、レベル2自動運転トラックが関東と関西を結ぶ約五百キロの高速道路で、ドライバーによる一時的なハンドル操作を一度もせずに、自動運転のままで完走を成功しました。
現在、新東名高速道路で行っているレベル4自動運転トラックの実証実験の進捗状況と、自動運転サービスの実装までどのようなタイムスケジュールで進めていくのか、お伺いをします。
あわせて、今後、多様な道路環境での検証等も行っていくと考えられますが、北海道のような積雪寒冷地の積雪や路面凍結、ホワイトアウトなどの視界不良といった環境でも自動走行できるような実証実験を行うべきであると考えますが、見解をお伺いします。
○沓掛政府参考人 お答え申し上げます。
国土交通省では、本年一月、金子国土交通大臣を本部長とする自動運転社会実現本部を立ち上げ、自動運転の取組について積極的に進めているところでございます。
自動運転トラックについても、新東名高速道路において、我が国初となる道路インフラと連携した自動運転トラックの公道走行の実証実験を開始するなど、その実現に向けた取組を進めております。
この実証実験では、車両側と連携し、大型車が苦手とする本線合流や車線変更におけるインフラ側からの支援を行い、円滑に合流できる割合が三割増加するなど、一定の有効性を確認したところです。
今年度は、新東名高速道路と比較して合流長が短いなど、より厳しい道路構造を有する東北自動車道において実証を行うこととしております。
また、委員お尋ねの積雪寒冷地のような厳しい環境における自動運転については、自動運転トラックの社会実装に向け、解決すべき課題の一つであると認識しております。車両側の開発状況も踏まえ、今後必要な検討を行ってまいります。
国土交通省としましては、車両の開発状況や物流側のニーズを踏まえ、引き続きレベル4の自動運転トラックの早期実現に向けた実証実験など、取組をしっかりと進めてまいります。
○犬飼委員 自動物流道路については、新東名高速道路の建設中の区間における二〇二七年度までの実験実施に向けて、昨年度は、国土技術政策総合研究所の試験走路等において、無人荷役機器による荷役作業の効率化や運搬機器の自動走行等の実証実験を行ったと承知をしております。
実証実験も踏まえ、実装に向けた事業環境を整備することが必要となりますが、トラックドライバー不足の解決やカーボンニュートラル実現の切り札とも言える自動物流道路の実現に向け、国としてより一段の取組推進が求められると考えられます。どのような取組を行っていくのか、またそのロードマップをどのように考えているのか、お伺いをいたします。
○沓掛政府参考人 お答え申し上げます。
自動物流道路は、物流の将来的な担い手の不足、カーボンニュートラルへの対応などの様々な社会課題の解決のため、人が荷物を運ぶ世界から荷物が自動で輸送される世界の実現に向け、検討を進めております。
昨年七月には、有識者検討会において、自動物流道路のコンセプトや今後の取組方針などについて提言の取りまとめをいただきました。昨年五月に設置した官民コンソーシアムにおいては、提言を踏まえ、ビジネスモデルや実証実験の方向性などについて民間事業者と議論しているところです。
コンソーシアムでの議論も踏まえつつ、昨年度の実証実験では、一定の条件下で自動かつ無人で荷物を搬送するという自動物流道路のコンセプト実証を行いました。今年度は、昨年度の実験データを基に交通量、事業シミュレーションを実施するとともに、実証実験については複数の搬送機器の走行等のデータ取得を行い、二〇二七年度に予定している新東名高速建設中区間での実証実験について具体化してまいります。
今後の実証実験の結果も踏まえつつ、二〇三〇年代半ばまでの東京―大阪間の一部区間での運用開始を目指し、産官学連携の下、着実に検討を進めてまいります。
○犬飼委員 地域のラストマイル配送は、総合物流施策大綱においても、最も深刻かつ喫緊の課題の一つとされています。特に、過疎地における配送網の維持と都市部における再配達による非効率性は、物流の持続可能性を脅かす最大のボトルネックであります。
過疎地域では、荷物量が少ない一方で走行距離が長く、民間企業単独では赤字が避けられません。大綱では共同輸配送の推進を掲げていますが、競合他社が手を取り合うだけでは限界があります。地方自治体が主体となり、バスやタクシーを活用した客貨混載や公的資金による維持補助など、民間任せにするのではなく、国がナショナルミニマムとして位置づけ、配送網を確保していく必要があるのではないかという視点について見解をお伺いをいたします。
○岡野政府参考人 お答え申し上げます。
本年三月三十一日に閣議決定いたしました総合物流施策大綱においては、「物流は、我が国の国民生活や経済活動、地域活性化などを支える重要な社会インフラであり、我が国の社会経済活動のために不可欠な公共性の高いサービスである。」こと、また、「地域にとって不可欠な輸送力の確保や物流サービスの持続可能な提供などを実現するための取組を早急に進めていく。」ことなどが盛り込まれてございます。
このため、国土交通省におきましては、荷主、物流事業者、地方公共団体などの地域の関係者が共同して実施する共同輸配送や、バス、タクシーを活用した貨客混載のほか、過疎地域等におけるドローン物流の社会実装等について国が支援することにより、いわゆるラストマイル配送の維持、確保に努めているところでございます。
今後とも、関係省庁とも緊密に連携しながら、社会インフラとして必要不可欠な物流機能の確保に向け、しっかりと取り組んでまいります。
○犬飼委員 物流DXにおけるデジタルアドレスの活用についてもお伺いをさせていただきます。
日本郵政は、二〇二六年三月から、新しい郵便番号、デジタルアドレスを企業向けに発行を始めました。荷物の仕分を不要にしたり事業者間の共同配送などをしやすくするなど、人手不足が深刻な物流業界の効率化につながるとの期待があります。
デジタルアドレスは、ABC一二三四といった七桁の英数字で届け先の住所、氏名などを識別する、転居しても住所変更の手続をすれば一生使えることになります。日本郵便が二〇二五年五月に個人向けの発行を始め、数十万件の発行実績があります。企業向けアドレスはひもづけられる情報を増やし、企業名、電話番号、法人番号やホームページのURLなどを登録してもらう方式です。二六年度中には緯度、経度を加える予定とのことであります。
デジタルアドレスは、仕分作業の完全自動化や共同配送の加速、名寄せが不要になるなど、物流DXに与えるインパクトは大きいのではないかと考えます。
デジタルアドレスは、現在あくまで希望制のツールでありますが、これを物流業界の標準規格として定着させるために国としてどのような普及促進策を考えているのか、業界団体と連携した利用推奨以上のインセンティブが必要ではないでしょうか、見解をお伺いをいたします。
○岡野政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のデジタルアドレスにつきましては、日本郵便株式会社が昨年から提供しているサービスでございまして、先ほどお話ございましたとおり、住所を七桁の英数字で表現することにより、ユーザーや配達事業者双方にとって利便性の向上が図られるなどのメリットがあるものと承知してございます。
本年三月三十一日に閣議決定されました総合物流施策大綱においては、サービスの供給制約に対応するための徹底的な物流効率化や物流のデジタル化、自動化、機械化等を通じた業務効率化を進めることとしてございます。
国土交通省といたしましては、御指摘のデジタルアドレスを含め、物流のデジタル化等の取組を通じて物流事業者の労働生産性の向上をしっかりと進めてまいりたいというふうに考えてございます。
○犬飼委員 次に、多重取引構造是正に向けた具体的な取組についても伺います。
物流業界における多重取引構造は、実運送を担うドライバーの低賃金や長時間労働を招く元凶であり、最もメスを入れなければならない聖域であります。
今回の大綱で示された多重取引構造の是正とは、具体的に何次請までを許容範囲と考えているのか、建設業界のように、実質的な工事を行わないペーパーカンパニーによる中抜きを禁止するような、より踏み込んだ規制を導入する考えはないのか、お伺いをいたします。
○岡野政府参考人 お答え申し上げます。
委員から御指摘ございましたトラック運送事業における多重取引構造は、実運送事業者の適正運賃の確保を妨げ、ドライバーの賃上げを阻害する一因と考えられ、その是正は喫緊の課題であるというふうに認識してございます。
このため、昨年四月から施行されました改正物流法におきまして、元請事業者に対して、当該元請事業者から実際に荷物を運ぶ実運送事業者に至るまでの取引関係の把握等を義務づけることで、多重取引構造の可視化を図っているところでございます。
さらに、昨年六月に成立しましたトラック適正化二法に基づきまして、再委託の回数を二回以内に制限する努力義務を本年四月から課すことにより多重取引構造の是正を図っているところでございまして、まずはこの規定を遵守していただきたいというふうに考えてございます。
なお、トラック適正化二法に基づき今後適正原価制度が導入されることとなりますが、トラック事業者が他のトラック事業者に運送を委託する場合においても適正原価が適用されることとなりますので、多重取引構造の是正に資するものと考えてございます。
国土交通省といたしましては、これらの規定の施行後の状況についてしっかりと注視しつつ、関係省庁や業界団体とも連携しながら、トラック運送業界における多重取引構造の是正に取り組んでまいります。
○犬飼委員 例えば運賃の三割以上が管理費として中抜きされているような不当な商慣行が判明した場合、政府はそれを是正させる強力な法的権限を持っているのか。特に、実運送を担う事業者が、元請からの圧力を恐れて、下請法や物流法違反を通報できない実態があるのではないか。トラック・物流Gメンによる監視、是正指導の強化だけでなく、例えば匿名通報に基づく抜き打ち査察や多重下請を解消した企業に対する税制優遇、補助金加算といった、硬軟織り交ぜた具体策が必要ではないかと考えますが、これについて政府の見解をお伺いをいたします。
○岡野政府参考人 お答え申し上げます。
国土交通省では、トラック運送事業者が適正運賃を確保できるよう、標準的運賃の周知啓発やトラック・物流Gメンによる荷主等への監視体制の強化など、取引環境の適正化に向けた取組を進めてございます。
また、本年一月から施行されました中小受託取引適正化法においては、荷主からの運送の発注行為も同法の対象とした上で、トラック・物流Gメンへの情報提供者に対する報復措置の禁止などの規定が盛り込まれているところでございます。
さらに、国土交通省では、トラック・物流Gメンにおいて、トラック事業者への電話調査や国土交通省ホームページに設けた通報窓口に寄せられた情報を基に、適正な取引を阻害するおそれのある荷主等に対して、必要に応じて抜き打ちでのパトロールを実施しているところでございます。
国土交通省といたしましては、公正取引委員会等とも連携しつつ、こうした取組を引き続き強力に進めるとともに、本年四月より全面施行されました改正物流法に基づく規制も活用して、荷主等に対する一層の価格転嫁と取引適正化を推進してまいります。
○犬飼委員 ここまで、総合物流施策大綱、特に集中改革期間が始まりますので、様々質問をさせていただきました。とにかく実効性を高めていただきたいということを重ねて強く要望させていただきます。よろしくお願いをいたします。
次に、自家用ダンプカー等の貨物自動車運送事業法における取扱いについてお伺いをいたします。
本年四月一日より施行された改正貨物自動車運送事業法は、いわゆる白トラ規制を強化し、無許可運送に対する是正を図るものであり、物流の適正化や安全確保の観点から重要な改正であると認識をしております。
一方で、建設現場を中心に、個人事業主による自家用ダンプカーや産業廃棄物を運送する白ナンバーが広く利用されている実態があります。現場では、どこまでが合法でどこから違法なのかが分かりにくいとの声が数多く上がっております。
さらに、今回の改正では、白ナンバー車による有償運送を委託した荷主側にも罰則が科せられることとなり、私の下にも、取引が停止されると不安を抱えた事業者の相談が寄せられております。荷主側、そして建設業界としても、ダンプが不足するのではないかなど、実務上の影響も危惧されております。
この自家用ダンプカーを営業用、いわゆる緑ナンバーに切り替えるためには、車両五台以上の保有、運行管理者の配置、営業所の確保、さらには一千五百万から二千五百万円規模の資金が必要など、極めて高い参入要件が課せられています。しかしながら、建設現場で稼働しているダンプカーの多くは一台単位で稼働する個人事業主であり、こうした要件を満たすことは極めて困難であります。
こうした状況の中で、個人事業主が緑ナンバーを取得する現実的な方法として、例えばダンプ事業者の協同組合化や車両の共同保有、運行管理の共同化などが考えられますが、そこでお伺いをさせていただきます。
自家用ダンプカーを営業ナンバー、いわゆる緑ナンバーに切り替えるためにはどうすればよいのか、自家用ダンプカーの協同組合化なども含め、国としてどのような対応をしていくのか、お伺いをいたします。
○岡野政府参考人 お答え申し上げます。
現行制度では、他人の需要に応じ有償で自動車を使用して貨物を運送する事業を営む場合には、貨物自動車運送事業法に基づく許可等を受けることが必要であり、この許可等を得ずに他人の貨物を有償で運送するいわゆる違法白トラを行った者については、貨物自動車運送事業法に基づく罰則が科されることとなってございます。
御指摘ございました本年四月一日から一部施行されますトラック適正化二法につきましては、違法白トラに運送委託を行った荷主等に対して罰則を科すものでございまして、違法な白トラ行為を行っている者に対する従前の取扱いを変更するものではございません。
御指摘のございました個人事業主がダンプカーを用いて運送を行う場合につきましても、基本的には許可等を取得することが求められます。
一方で、個人事業主の方々にとっては許可等の取得に求められる最低車両数等の基準を満たすことが難しい、こういった御指摘があることも承知してございまして、これにつきましては、例えば、委員からも御指摘ございましたとおり、複数の個人事業主が共同して企業組合等を設立するなどの工夫が考えられるというふうに考えてございます。
国土交通省といたしましては、貨物自動車運送事業法の許可等の取得が円滑に進むよう、個人事業主の方々を含む事業者からの相談等に丁寧に対応してまいりたいというふうに考えてございます。
○犬飼委員 現実的には、緑ナンバーへのハードルというのは非常に高いというふうに感じております。
実際に、建設現場では白ナンバーのままで運送を行っているダンプも見かけます。白ナンバーで仕事ができるのであれば、そのまま継続したいと思う事業者もいるかというふうに思います。
そこで、最後の質問にさせていただきます。
自家用ダンプや産業廃棄物の輸送について、どのような条件であれば白ナンバーのままで運送できるのか、お伺いをいたします。また、荷主側も含め、違法にならないように周知を図る必要がありますが、国としてどのように取り組んでいくのか、お伺いをいたします。
○岡野政府参考人 お答え申し上げます。
本年四月一日から一部施行されましたトラック適正化二法は、違法白トラに運送委託を行った荷主等に対して罰則を科すものであり、先ほども申し上げましたとおり、違法な白トラ行為を行っている者に対する従前の取扱いを変更するものではございません。
すなわち、トラック適正化二法の施行後におきましても、他人の需要に応じ有償で貨物を運送する事業を営む場合には貨物自動車運送事業の許可等が必要である一方で、運送行為が自己の生業と密接不可分であり、その業務に附帯して行われるものである場合等には許可等は不要という取扱いについては、従前のままでございます。
特に、建設業や廃棄物処理業の現場においては、自家用トラックの使用が多いという実態を踏まえ、現場における混乱を回避するため、昨年度末に関係する業界団体や地方公共団体等に対して事務連絡を発出し、例えば個人事業主が自家用ダンプカーを使用して行う運送が許可不要と判断される場合を例示するなど、貨物自動車運送事業法における自家用ダンプカー及び廃棄物の運送に関する取扱いを明確化し、周知を図ったところでございます。
加えまして、本年三月には建設業団体の会員事業者向けに説明会を複数回実施するとともに、説明会の動画や事業者からの質問への回答を国土交通省のホームページに掲載することにより、トラック適正化二法や事務連絡の趣旨について、周知徹底を図っているところでございます。
国土交通省といたしましては、トラック適正化二法の施行後における状況を注視するとともに、引き続き、関係者への制度内容の丁寧な周知を進めてまいります。
○犬飼委員 物流、建設、両面からしっかりと正しい情報発信を適切に行っていただきますことを重ねて要望して、質問を終わります。
ありがとうございました。
○冨樫委員長 次に、福重隆浩君。
○福重委員 中道改革連合の福重隆浩でございます。
早速ですが、質問に入らせていただきます。
私は、三月の十日の大臣所信における質疑において、中東情勢における国土交通省の初動対応についてお伺いをいたしました。エネルギーは我が国にとって極めて重要な基幹物資であります。だからこそ、これを単なる個別政策ではなく国家的な危機として捉え、様々な省庁が一体となって国民生活を守る、日本経済を守るというメッセージが必要だと思い、総理を本部長とする対策会議の設置を求めました。
その後、三月二十四日に初めて第一回目の中東情勢に関する関係閣僚会議等が開かれ、金子大臣も国交省の取組や業界団体のヒアリング状況を御説明いただいたと承知をしております。
私たち中道改革連合では、三月の二十七日から四月の十三日まで中道、立憲、公明党の三党でイラン情勢に伴う影響調査を、全国の地方議員の方々とともに緊急でアンケート調査を実施し、本日の公明新聞にも掲載をさせていただきましたが、計一万一千四百二十一件のいろいろな声が寄せられました。いただいた声の結論として、原油高は政府の認識より深刻で、切迫しているということが浮き彫りとなりました。
私も、群馬県内で運送事業者、プラスチック成形業、金属加工業などなど様々な方々から直接お話をお聞きしながら、実態調査を行いました。
アンケートで寄せられたお声を少し紹介をいたしますと、運輸、物流業では、先ほど山本議員もお触れになっておられましたが、インタンクで毎月二百キロリットルの軽油を使用しているが、直近は、半分だけ給油され、残りの分については市中のガソリンスタンドで入れてもらいたいと言われた、アドブルーは入るようになったが価格が二割以上上昇し、採算割れの目前とのこと。金属加工メーカーでは、加工用機械の潤滑油も、元売会社に発注したが入荷の見込みがない、計七社に当たったが入手が困難、一か月程度で在庫がなく、このままでは機械が停止状態になる。プラスチック成形業では、ポリエチレン等の原材料の追加発注や新規取引を中止している等々、中小事業主、国民生活や暮らしに確実に影響を及ぼしています。
また、昨日の地元紙の報道では、県内企業の八八%が原油高の影響があると回答をしております。
赤字覚悟で必死に事業を行っている業界も多くありますので、商慣習に任せるという姿勢ではなく、国民生活を守るという力強いメッセージを大臣には是非発信していただきたいと思いますし、今後、国民の理解や行動変容を求めるときが来るのであれば、やはり今から丁寧な情報発信が大切だというふうに思っております。
金子大臣は、関係閣僚会議や重要物資のタスクフォースにも参加されておりますので、是非、国民目線で、現場の声をつなげていただきたいと思いますが、金子大臣の御決意をお伺いいたします。
○金子国務大臣 福重委員には、様々な現場に寄り添い、様々な声をお届けいただきまして、本当にありがとうございます。
燃料油、石油製品といった重要物資は、日本全体として必要となる量は確保されているものと承知をしておりますが、一部の事業者から、燃料の供給停止や制限が行われているとの声も上がっており、供給の偏りや流通の目詰まりを解消することが重要であると認識をしております。
国土交通省におきましては、業界団体等を通じた聞き取りやホームページに設けた相談窓口などを通じた状況の把握を行い、流通の目詰まりの解消を図っております。
また、国民、事業者の供給不安の解消に向け、関係省庁と連携協力し、供給状況に係る正確かつ適切な情報提供に努めているところであります。
例えば、熊本県のあるバス会社から国土交通省に、軽油の確保が困難になっているとの相談が寄せられた際には、経済産業省と連携協力した調整によりまして、相談から五日後に当面必要な量の燃料油を確保することができました。
このような事例については、国民、事業者の皆様の不安軽減や、他地域への横展開を図る観点から、ホームページやSNSを通じて情報発信を行い、流通の目詰まりの解消が迅速かつ的確に行われた好事例として広く周知しているところであります。
先週、四月十日には、本省関係部局及び各地方支分部局の長を構成員といたします中東情勢に関する国土交通省幹部会議を開催をいたしまして、私から、供給制限等の状況の把握や正確な情報の提供に努めつつ、流通の目詰まりの解消等に迅速かつ強力に取り組むよう指示したところであります。
引き続き、所管の業界や現場の事業者の生の声をしっかり聞きながら、経済産業省等の関係省庁と連携協力しつつ、丁寧かつ適切な対応に努めてまいります。
○福重委員 御答弁ありがとうございました。
本当に、ナフサはいろいろな製品に分かれてまいります。そういった中で、何が優先順位があるのかとか、どこが目詰まりを起こしているのかとか、そういったことをしっかりと調査をした上で、優先順位をつけて、本当に不安を解消していくということが、私は何よりも重要だというふうに思っております。
今も大臣のお話もございましたけれども、先日、総理からは、赤澤大臣と金子大臣には、シンナーの目詰まりがどのような状況なのか、早急に調査するよう指示が出されていると思います。現状はどうなっているのでしょうか。ある企業からは、国土強靱化予算に影響はないのか、工期が遅れたり価格が上がった分はどうなるかとの不安の声も出ております。
今後、長期的な影響をどのように調整していくのか。私は補正予算も検討していく時期ではないかと考えますが、大臣の御所見をお伺いいたします。
○金子国務大臣 シンナーにつきましては、先週十日の中東情勢に関する関係閣僚会議におきまして、高市総理から、先ほど御紹介がありましたように、私と赤澤経済産業大臣に対しまして、塗料用シンナーについて、どこで流通の目詰まりが発生しているのか特定の上、一刻も早く、総力を挙げて目詰まりを解消するよう指示があったところでございます。
シンナー等の流通の目詰まりの解消に向けては、経済産業省において、原料の供給見通しの確認や、溶剤等関係事業者への安定供給の要請などに取り組んでいます。
また、国土交通省においても、こうした経済産業省の取組と連携をいたしまして、建設、住宅関連団体に対しまして、安定供給や目詰まり箇所の特定への協力等を要請をしております。
このように、経済産業省と国土交通省が連携をいたしまして、シンナーに関する多層的なサプライチェーンを調査をいたしまして、原料の供給状況などを具体的に確認しながら、目詰まり箇所を随時特定するなどの対応を進めているところでございます。
その中で、目詰まりの例として、石油化学メーカー等がシンナーメーカーに対し、四月末まで前年並み、それ以降の供給は未定と伝えたことを慎重に受け止めた結果、シンナーメーカーが万が一に備えて四月分の出荷量を半減させた事例などを確認をした上で、随時対応しているところでございます。
引き続き、シンナーを始め、建設、住宅分野で使用する様々な石油製品等の価格や供給の動向を注視をいたしまして、業界や現場の事業者の皆様の声も丁寧にお聞きしながら、経済産業省と緊密に連携をして、需要に応じた供給の安定的な確保と建設工事の円滑な施工が実現するよう、全力で取り組んでまいります。
また、補正予算の検討についてのお尋ねもいただきましたが、国土交通大臣としては、まずは、今申し上げたシンナーの目詰まり解消などに全力で取り組みつつ、今後の中東情勢の動向やその影響を引き続き緊張感を持って注視し、政府全体の方針の下で、適切に対応してまいります。
○福重委員 御答弁ありがとうございました。
ただいま述べましたアンケートに関しまして、昨日、中道の階幹事長、そして公明の西田幹事長が記者会見を行いまして、階幹事長のコメントでは、高市首相は原油が入ってくるから大丈夫だみたいなことをおっしゃっておられますけれども、現場の声を聞いてみると、かなり深刻だ。特に、もう仕事がなくなってきて、雇用がもうなくなってきている、雇用調整助成金の支給も必要だというような、切実な声まで上がってきているというような実態に即した対応というものをスピード感を持ってやっていただく、これが私は何よりも大事だというふうに思います。
とにかく国民そして事業者を守る、そういう思いで、政府一体となって取り組んでいただきたいと思いますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。
次の質問に入ります。
政府による昨年九月の価格交渉推進月間のフォローアップ調査の結果では、トラック運送業の価格転嫁率は僅か三四・七%という結果でした。これは主要業種の中でも、依然として低水準であります。政府も様々な対策を講じて、業界内でも徐々に価格交渉の兆しが見えてきていることも承知しております。
しかし、地元群馬県で伺った複数の運送会社の社長からは異口同音にして聞こえてきた声があります。それは、価格交渉の協議の場は確かに増えた、発注側も耳を傾けてくれるようになった、しかし、蓋を開けてみれば、提示されたのはコスト上昇分には到底及ばない僅か一%の値上げだったという声であります。価格交渉の協議は行われているが、実態が伴っていない。現場では半ば諦めのような雰囲気があるのも事実です。これが現場の実態です。
先月二十七日、中東情勢により燃料価格が高騰する中で、トラック運送業の価格転嫁の徹底を求める要請文が出されました。燃料サーチャージ制の導入などは当然の措置ですが、一時的なお願いだけでは構造的な低運賃や燃料高騰の荒波から事業者を守ることはできません。物流という社会インフラを維持し、トラック運送業で働く皆様の経営を継続、発展させるため、また、これからトラック運送業に入職を考えている若い世代の方々が希望を持てるような、より強力なてこ入れが必要であると考えます。
そこで、具体的に伺いますが、政府として今後どのような対策を強化し、トラック運送業の価格の転嫁を推進していくのか、現場が希望が持てるような御答弁を是非お願いいたします。
○加藤大臣政務官 お答え申し上げます。
トラック運送業は、令和七年九月に中小企業庁が実施した調査では、委員御指摘のとおり、受注者、発注者のいずれの立場としても、コスト増に対する転嫁率が調査対象の三十業種中ほぼ最下位となっており、他の産業と比較して依然として価格転嫁が進んでいない状況にございます。
このため、標準的運賃の周知、浸透や、荷主等に対するトラック・物流Gメンの是正指導により適正な運賃を確保できる環境を整備するとともに、本年四月に全面施行された改正物流法や本年一月に施行された取適法を契機として、取引環境の適正化や構造的な賃上げ環境の整備を進めております。
また、今般の中東情勢の変化に伴う燃料価格の高騰を受けて、取適法を所管する公正取引委員会及び中小企業庁との連名により、燃料サーチャージ制の導入や運賃改定等を通じて、今般の燃料価格の変動分も含めた価格転嫁が徹底されるよう、荷主団体に対して、本年三月二十七日付で文書による要請を行いました。
加えて、昨年六月に成立したトラック適正化二法に基づき、荷主などへの価格転嫁に資する適正原価制度の導入等に向けた準備を進めているところであり、引き続き、トラック運送業界における健全な取引環境の実現やドライバーの賃上げを図ってまいりたいと考えております。
○福重委員 ありがとうございました。
今、本当に、物流業界はもう二重苦、三重苦、四重苦にさらされているような厳しい状況でございます。そういった中で、本当に物流を守らなければ経済の血流が止まってしまう、そういうような危機感を持って、しっかりとこの取適法ですとか適正価格制限法、こういったものをしっかり運用できるように頑張っていただきたいと思います。
私が聞くと、いろいろなGメンの方、本当に頑張っていただいている。だけれども、Gメンの方々の例えばアンケート調査では、先ほどもちょっと述べましたけれども、業者さんが荷主さんに対して価格交渉を申し入れましたかとか、それを受けてくださいましたかとか、どのぐらいの交渉状況でしたかとかいうような形の中で、余り具体的な、数字がこのぐらい上がったとか、そういうことは具体的に書くようなところがなくて、ある意味で、オーケーとか丸とかそういうことを書くようなアンケートが多くて、だから最終的に一%ぐらい。本当だったらここで何%上がったのかとか、そういう切り込んだアンケートだったらもっと実態に即してくれるのではないかというようなお声もありましたので、そういったところもいろいろ横にらみしながら是非やっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次の質問に入ります。
気候変動の現状について伺います。
気候変動は、全世界的に影響のある事象です。そんな中、気象庁が昨年まとめた日本の気候変動二〇二五によると、極端な大雨の発生頻度は一九八〇年頃と比較して二倍程度に増加しているとか、猛烈な台風の発生数は最近十年間で増加しており、さらに、日本付近の台風については強まる傾向である、加えて、台風の降水量は増加することが予測されているなどの報告がありました。
まず、この報告書における気候変動の実態について、概要を教えてください。
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
気象庁では、文部科学省と共同で、日本の気候変動について観測結果と将来予測を取りまとめた報告書である日本の気候変動二〇二五を作成、公表しております。
この報告書を見ますと、まず観測結果については、これまでの日本における大雨の発生頻度や強度は高まっていると評価しております。例えば、最近十年間の一時間当たり五十ミリ以上の大雨の発生頻度は、一九八〇年頃と比べて約一・五倍程度に増加しております。また一方、降水がほとんどない日も増加しておりまして、一日の降水量が一ミリ未満の日の年間日数は百年当たり九・二日増えている。トータルで申し上げますと、雨の降り方がめり張りがはっきりして極端になっているということが言えます。
また、将来についても、気候変動の進行に伴い、雨の降り方がより極端になる予測となっていて、今世紀末の一時間当たり五十ミリ以上の非常に強い雨の頻度は、二十世紀末に比べて、パリ協定の二度目標が達成された場合においては約一・八倍、四度上昇する場合のシナリオでは約三・〇倍に増加いたします。また、日本付近における台風の強度が強まり、台風に伴う降水量も増加すると予測しているところでございます。
○福重委員 ありがとうございました。
今御答弁いただきましたが、私は、今後、気候変動と国交省の政策の向き合い方は大変重要になるのではないかというふうに思っております。実際に、気象衛星によって予測精度の向上につながっていると思いますが、現状はどれくらいの時間軸で予測がされていて、今後その精度はどうなっていくのでしょうか。また、気候変動の情報発信や周知活動の取組について教えてください。
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
先ほど申し上げましたとおり、近年、気候変動の影響により、極端な大雨の発生頻度や強度が高まっているところ、台風や線状降水帯による大雨の予測精度の向上が防災上喫緊の課題となっております。そのためには、観測、予測、双方の技術向上が必要でございます。気象庁では、気象レーダーの更新及び強化やスーパーコンピューターの更新等を進めるとともに、雨のもととなる水蒸気観測で、世界最先端の能力を持つ次期静止気象衛星ひまわり十号の整備を進めております。
これらの取組を通しまして、例えば線状降水帯に関する予測情報については、現在、半日前の予測に関する情報が出ておりますけれども、これに加えまして、来月五月二十九日からは、発生の二から三時間前を目標とした予測情報を新たに発表することとしております。これらの情報について発表されたタイミングで活用していただくことで、住民や防災関係者の皆様の早めの防災行動につながるものと考えております。
気象庁では、気候変動がもたらす自然災害リスクを軽減する適応策を推進すべく、関係省庁と協力して観測の成果や将来予測、影響等について、各種講演会、それからホームページなど様々な手段を通じて普及啓発に取り組んでいるところでございます。今後も、引き続き国民の皆様の理解が深まるよう周知活動に努めてまいります。
○福重委員 ありがとうございました。
今情報提供に努めるということでございましたけれども、気象庁が発表する防災気象情報、キキクルというのがございますよね。これは、大雨による土砂災害や浸水害、洪水害の危険度を五段階で色分けし、地図上にリアルタイムで表示する、私は大変有益な情報であるというふうに思っております。こうした情報を私は個人向けのパーソナルアラートとして、プッシュ型で直接住民に届けることができれば、災害時における迅速な避難行動につながり、大変有益であるというふうに思っております。
先ほど、最先端のひまわり十号がこれから活動するというような形の中で、こういったものと本当にそういったAIだとか様々な技術を結集して、LINEだとかそういったものも使って、是非国民一人一人が危険を自分事として受け止められるような情報発信を強化していただきたいと思いますので、これは要望とさせていただきますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
次の質問に入ります。
気候変動による渇水への対応について伺います。
今年の冬は暖冬で、二月末の報道では、全国の主要ダムの四割以上でダムの貯水率が平年を下回る事態となっていました。私の地元群馬は、関東の水がめと言われるくらい豊富な水源地ですが、実は昨年も渇水がありました。今年も早々に利根川上流にある九つのダムでは、三月六日時点での合計貯水率が二四%でした。現在は、五四%まで回復しておりますが、今も西日本では渇水が続いています。
国交省では、水が少な過ぎる渇水リスクへの備えはどのように取り組んでいるのでしょうか。最新の全国の渇水状況は四月に入ってどのような状況でございましょうか。国民の不安払拭につながる水資源確保の戦略について御答弁をお願いいたします。
○林政府参考人 お答えいたします。
全国の渇水の状況についてでございますが、昨夏の後半以降、九州から東日本太平洋側の広範囲で顕著な小雨となってございます。特に、東海、近畿太平洋側、四国、九州南部では、十二月末からの四週間の降水量が、この時期として三十年に一度程度の顕著な小雨となりました。
四月十四日現在、全国百九の一級水系のうち十水系で渇水調整会議を開催し、取水制限や節水の呼びかけを行っているほか、愛知県、奈良県、愛媛県、香川県及び福岡県の一部地域では水道の圧力を下げる減圧給水などの対策が実施されているところでございます。
次に、水資源確保についてでございますが、気候変動の影響により雨や雪の降らない日数の増加、積雪量の減少が予測されるなど、更に渇水のリスクが深刻化する可能性があり、このような状況を踏まえて、利根川など全国の主要水系において水資源に関する基本計画を、既往最大級の渇水、危機的な渇水等にも対応する計画へと抜本的に見直しを進めるなど、ハード、ソフト対策の両面から戦略的に水資源確保を進めているところでございます。
ハード対策としては、限られた降雨を効果的に貯留、活用するために、国及び水資源機構において、利根川水系の思川開発事業、霞ケ浦導水事業を始め、全国でダムや導水路の建設を十三事業で進めているところでございます。
ソフト対策としても、流域のあらゆる関係者が連携し、水の効率的な利用、節水、雨水、再生水の利用などを推進するとともに、渇水被害の軽減のため、対策をあらかじめ定める渇水対応タイムラインを作成するなど、対策を進めているところでございます。さらに、今般、渇水対応の強化に向けて、有識者検討会を立ち上げ、雨が少なくなった際の水資源に与える影響、そして流域全体で水資源を管理する方策などについて検討を開始することといたしました。
引き続き、危機的な渇水に備え、水資源確保の対策を戦略的に進めてまいります。
以上でございます。
○福重委員 次の質問に入ります。
私たち中道では、気候変動の危機と直視し、持続可能な社会を次世代へ引き継ぐことを目指しています。
その上で、実際に緊迫している気候変動の現状、降雨量が増えていることや渇水を踏まえた上で、新たに見直されている全国の河川の整備計画について伺います。
日本の最大の流域面積を持つ利根川は、一都五県にまたがっており、その出口となる河口部には、産業、人口、資産が集中しております。昨今の気候変動もあり、いわゆる線状降水帯やゲリラ豪雨の発生などを受けて、急な大雨に対応するよう、上流ダム群等で一時的に水をためておくための容量が見直されたことも聞いておりますが、具体的に見直された流量とその理由を御答弁ください。
○林政府参考人 お答えいたします。
今後、気候変動により降水量の増加が見込まれており、現在、これを踏まえた治水計画の見直しを進めております。
利根川では、長期的な河川整備の目標を定める河川整備基本方針を令和六年七月に、今後二十年から三十年程度の間に想定する具体的な整備内容等について盛り込む河川整備計画を令和七年三月に、それぞれ変更してございます。
河川整備計画については、基準点となる八斗島地点における目標流量を毎秒一万七千立方メートルとしていたところ、気候変動により予測される将来の降雨量の増加等を考慮しても、目標とする安全度を低下させないよう、毎秒二万一千二百立方メートルに見直しをしてございます。
この二万一千二百立方メートルに対し、利根川中流部の川幅の狭い区間において今後三十年間で実現可能な最大限の整備を考慮して、河道が受け持つ流量を毎秒一万六千三百立方メートルと設定し、その差分である毎秒四千九百立方メートル、これを上流域のダム等によって調節する計画となってございます。
これに対して、現在、これまでに国と水機構で整備してきたダムで毎秒二千二百立方メートルを調節することが可能でございますので、不足する調節量は毎秒二千七百立方メートルとなっておるところでございます。
○福重委員 ありがとうございました。ちょっとこの後、気候変動の河川計画、もっと具体的にお聞きをしたいなというふうに思っておりました。また次の一般質問のときにそういった質問もさせていただきたいと思っておりますけれども。
私の地元では、群馬県では八ツ場ダムが一度中止となり、その後事業が再開され、関係者の努力によって事業が進められ、二〇一九年の台風十九号の折には、ダムサイトがその直前に完成し、奇跡的に利根川の氾濫を食い止めることができました。是非、予断を持たずに今後の対策を進めていただきたいと思います。
ある意味では今本当に群馬では、あるダム群を、どのぐらいの貯水量が確保できるのか、それをつけ替えたりだとか、治水だとか利水だとか、そういったものに応用しながら、本当に大雨が降ったときに、ゲリラ豪雨のようなときに、ここでダムが守り切れるかどうか、そういった検証をしっかりやっていただくことによって、国民の生命財産をしっかりと守っていただく取組、これが大事だと思っております。
この問題に関しましては、委員会でまた引き続き質問をさせていただきたいと思っておりますので、今後とも、いろいろな意見交換をさせていただければと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○冨樫委員長 次に、奥下剛光君。
○奥下委員 日本維新の会の奥下でございます。
本日は、明日で辺野古の転覆事故が一月になりますが、この件についてお尋ねしたいと思います。
まず初めに、亡くなられた二名の方の御冥福をお祈りするとともに、御遺族の皆様にお悔やみを申し上げたいと思います。そして、まだ今なお、けがをされて治療中の皆様の一日でも早い御回復をお祈りしたいと思います。
学校現場において常に安全が求められる中、痛ましい事故が起きてしまいました。今後二度と同じ過ちを繰り返さないためにも、関係省庁の皆様にも御協力いただきますよう、お願い申し上げます。また、今現在調査中のこともあるとは思いますが、できる範囲でお答えいただけますよう、お願いいたします。
では、質問に入らせていただきます。
報道によりますと、同志社国際の方から文科省の方に今回の報告があったとのことですが、辺野古の乗船プログラムが始まったのが令和五年からとのこと。どのような校内協議を経て導入に至ったのか、そういった説明があったのか、また乗船プログラムの契約形態、内容はどうだったのか、教えてください。
○堀野政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の乗船プログラムにつきましては、同志社国際高校二年生の研修旅行中のコース別学習のうち、辺野古コースの中の活動であると承知しております。
本乗船プログラムにつきましては、生徒が前半、後半の二班に分かれて、各班二隻で海上から辺野古基地の様子を見学する予定であったものと承知しております。
学校がかねてからつながりのあった不屈という方の船の船長の提案を受けて実施をしており、本乗船プログラムの部分は、学校が直接契約の上手配を行っているもので、旅行代理店は関与していなかったと承知をしております。
その上で、御指摘の同プログラムの開始に至る校内協議等の詳細につきましては、所轄庁である京都府を通じて文部科学省として現在確認を進めているところでございます。
○奥下委員 そうしましたら、あわせまして、事故時の刑事責任の所在がどうなっていたのか教えてください。
○坂巻政府参考人 お答えいたします。
今般の転覆事故につきましては、今現在、中城海上保安部において業務上過失致死などの容疑で捜査をしております。
捜査に関することですので、捜査の進捗あるいは今後の見通しなどの詳細についてお答えすることは差し控えさせていただきますけれども、引き続き、海上保安庁として、法と証拠に基づき捜査に全力を尽くしてまいります。
○奥下委員 本当に残念なのが、知床の事故が起こったのが令和四年、令和五年から始まっているということで、学校自体が、きちんと当時指導もいろいろ入ったと思いますが、全然それを生かされていない、知床の教訓が生かされていないということが本当に非常に残念だなというふうに思っております。
修学旅行などにおける外部事業者を利用するときには、学校、先ほど旅行会社も関知していなかったということですが、旅行会社に対して法令適合性や安全管理体制を徹底していただくよう、また責任の所在も明確化させていただくように指導していただきますようにお願いいたします。
次の質問に移ります。
転覆した船が海上保安庁の船から警告を受けながら追いかけられたと乗船していた生徒の証言があるとのことですが、事実関係をお伺いします。また、事実であれば乗船者が修学旅行生であることを認識されていたのでしょうか。
○坂巻政府参考人 当日、海上保安庁では、辺野古沖合の海上警備、これを実施中の中城海上保安部所属艇が平和丸及び不屈の航行を認めたことから、波が高かった状況を踏まえて、安全に十分注意して航行するように拡声機を用いて複数回、二隻に声が届くような距離を保ちながら注意喚起を実施しております。
注意喚起の実施をした後、所属艇は警備の観点からしばらく両船と並んで並走しておりましたが、その後この二隻が沖合へ向かったため、漂泊しその場にとどまって動静を監視しておりました。
注意喚起の際に、所属艇に乗船中の海上保安官は平和丸及び不屈に若者が多く乗船している状況は認めております。ただ、それが修学旅行生であることは認識しておりませんでした。
○奥下委員 この五年で、私は二度ほど辺野古に視察に行っております。そのときに、海保の方からは、対岸のゴルフ場のテラス席からいろいろ見せていただきました。これは船で見に行けないんですかと言うと、やはり常に波が高いですし、作業船が常に出入りしているので危険なんです、ですからそういったことはやめてくださいというふうにはっきり言われました。
ですから、常に、警報が出ていたとかどうか関係なく、危ない場所であるという認識はあったんだと思うんですね。ですから、こういったところをもうちょっと、海保の権限を越えているのかもしれないですけれども、ちょっとした調べをすれば未然に防げたんじゃないかなというふうな思いがありますので。
次の質問を先にしますね。
平和丸と不屈の二隻は海上運送法に基づく一般不定期航路事業の登録はされていなかったとのことですが、こういった海上、臨時制限区域ですかね、ではこういった可視化をしていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。
○新垣政府参考人 お答えいたします。
今委員御指摘のこの二隻につきましては、海上運送法の事業登録は行われていないというのはそのとおりでございます。
一方で、親族や知人を無償で運送する自家用運送などにつきましては、それ自体は事業性を有しない運送行為として海上運送法の適用外となります。したがって、事業登録が行われていないということをもって、全ての運送行為が海上運送法違反に該当するものではないというところでございます。
その上で、御提案のありました事業登録をしていない、しているかどうかを、例えば利用者の目から見て分かりやすくするということの必要性や重要性については十分認識をしております。一方で、外形的に登録事業者か否かを確認できる実効的な手段としてどういうものがあるかとか、また、それが新たな規制として合理的かどうかなども慎重に検討して対応してまいりたいと存じます。
○奥下委員 先ほど申し上げたように、常に危険なところだったので、臨時制限区域、こういったところでは、本当にそういった何か外部から見ても分かるような、乗船する側も分かるような可視化をしていただくようにお願いしたいと思います。罰則適用の運用の在り方とか、不適切な行為の防止に向けて徹底した御指導をお願いいたします。
次の質問に移ります。
先ほど申し上げたように、登録がないということは、旅客を乗せることを前提とした安全基準をクリアしていないということだと思うんですね。登録がなければ、当然、乗船傷害賠償責任保険の加入義務もないわけなので、実質的に無保険状態の船に生徒を乗せたということになると思うんですが、旅行会社等の保険関係はどうなっていたんでしょうか。
○木村政府参考人 お答え申し上げます。
旅行業法に基づく標準旅行業約款におきましては、旅行会社の責任の有無にかかわらず、企画旅行参加中の事故により身体に被った損害に対しましては、一定の場合を除きまして特別補償規程により補償金を支払うこととされているところでございまして、今回研修旅行を受注した旅行会社の約款にも同様の規程が設けられているところでございます。
また、これとは別に、今回の研修旅行に当たりましては、学校側は旅行会社からの勧めにより、旅行参加者が旅行中に死亡等した場合に保険金の支払いを受けられる国内旅行保険に加入していると承知しているところでございます。
今回の事故が、旅行会社の特別補償規程や、ただいま申し上げました国内旅行保険契約に照らし、補償の対象となるか否かにつきましては、現在、旅行会社や保険会社で精査中と聞いておりますが、観光庁といたしましても、旅行中にこうした重大な事故が発生したことに鑑みまして、引き続き状況を注視してまいりたいと考えております。
○奥下委員 災害救済給付制度とか、これは加入していない学校もまだまだあるというふうに聞いておりますので、是非加入率を上げていただきますよう、各学校にも御指導いただけたらなというふうに思います。
ほかにも、同様なプログラムを他校でも行っていた可能性、これについて把握しているのでしょうか。
○堀野政府参考人 御指摘の事案に関しましては、現時点において文部科学省において具体的な情報は把握しておりません。
その上で、先般発出した通知におきましては、新年度に当たり安全の確保のために配慮いただきたい点や、教育活動として適切に計画、実施していただくに当たって留意していただきたい点について、全国の教育委員会や私学担当部局等に対して周知したところです。その中で、船舶を利用する場合には、海上運送法の許認可を取得した事業者を選定すべきということも申し上げております。
これらの趣旨に照らして、全国の学校における校外活動の安全確保等を徹底してまいります。
○奥下委員 学校教育の中で政治的活動、こういったことが行われることのないよう、是非強く指導していただきたいと思います。従わないときには、これから始まる教育の無償であるとか私学補助の助成金などの対象外とするなど、強い御指導をしていただきたいというふうに思っております。
辺野古基金の協賛団体、これは四四%が教職員組合というところとかも見ると、やはりほかの学校もやっていた可能性というのは否定できないというふうに私は思っております。そういった会社に調査に入られて、いろいろ調査資料を持っていかれ、調査中だと思いますけれども、そういった学校もきちんと洗いざらい出していただいて、もしあった場合はきちんと公表していただきたいなというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
最後に、今までのやり取りを聞いていただいて、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○金子国務大臣 奥下委員も先ほどお触れになりましたけれども、令和四年四月に発生をいたしました知床遊覧船事故を受けまして、二度とこのような事故を起こさないという決意の下、海上運送事業者に対する安全規制の強化等により再発防止を図ってきたところであり、そのような中で今回の事故が起きたことは大変遺憾であると考えております。
今般のような事業登録のない船舶による事故被害を防止するためには、適切な安全確保策を講じている海上運送事業者を正しく御利用いただくことが肝要と考えておりまして、そのための具体的な対策については、現在進めております事故船舶の運航実態の確認結果等を踏まえ、必要な検討を行ってまいります。
○奥下委員 ありがとうございます。
本当に今回、まだまだ調査中なのであれですけれども、今出ている情報だけでもいろいろな問題が見えてきているなというふうに思っております。こういった会社、ボランティアでやっていたとおっしゃっていますが、実は日当を払っていたとか、そうするとまた別の問題も出てくると思いますし、何より、今回、二度と起きないように検証していく第三者委員会、これが弁護士三人だけということで、知床のときは専門家も入っていただいて検討委員会を立ち上げていただきましたけれども、本当に、何か学校の不誠実な対応とかを見ていると、自分たちの弁護団を雇っているふうにも取られかねないというふうに私は思っております。是非、今後も調査を続けていただいて、公表をできるだけしていただきたいなというふうに思います。よろしくお願いいたします。
では、時間なので終わります。ありがとうございました。
○冨樫委員長 次に、臼木秀剛君。
○臼木委員 国民民主党・無所属クラブの臼木秀剛と申します。今日もまたよろしくお願いをいたします。
先ほど来ありますとおり、犬飼委員、また今奥下委員もあったとおり、辺野古の転覆事故について、改めてお亡くなりになられた方々に対してお悔やみを申し上げますとともに、また御遺族の方に対して、私も、いわゆるnoteということで、SNSでいろいろな、御遺族の方が体験されている今の現状をつづられておるのを拝見しておりますけれども、本当に痛惜の念に堪えません。
先ほど来あったとおり、知床の遊覧船事故を受けて海上運送法が改正され、規制が強化されています。この法の適用関係、先ほど来答弁ありますけれども、もう少し丁寧に確認をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
前回の海上運送法改正では、従来、届出制度であった旅客定員十二人以下のいわゆる非旅客船につきましても、他人の要望に応じて運送する場合、これは有償、無償を問わず、事業登録が必要となった改正であると承知をしております。ただ、先ほど登録の有無について少し議論がありましたが、令和七年四月一日以降の新規事業者であれば事前登録が必要であるということですが、改正前に、届出制度の当時から届出があった既存の事業者であれば、令和九年の四月一日までは登録猶予の経過措置があるものと承知をしております。また、規模、目的、主体によって、この法の、先ほど少し答弁がありましたが、幾つか適用除外があるということも承知をしております。
まず、この法の改正内容について間違いないか、簡単でいいので、御答弁いただいてよろしいでしょうか。
○新垣政府参考人 お答えいたします。
法律の改正の点は御指摘のとおりでございまして、令和七年四月以前は届出事業者かどうかということでございました。
先ほど登録事業者ではないということを申し上げましたけれども、令和七年四月以前でも届出はない事業者であったということでございます。
○臼木委員 ありがとうございます。先ほど、少し早めに答弁をいただいているんですが。
今回の事案について言えば、内閣府沖縄総合事務局運輸部によると、二隻は登録していなかった、そして、運航するヘリ基地反対協議会側は、高校生らを乗せる平和学習はボランティアだったためと釈明したという報道がありました。
先ほど少し御答弁いただきましたけれども、改正前の時点で、届出制度のときに届出をされていれば、これはみなし登録事業者ということで、令和九年四月一日までそもそも登録の必要性がないというか、できれば早くやっていただくべきではあると思いますが、なければ運航ができないということではないと承知をしておりますが、これは先ほど御答弁をいただきましたみなし登録事業者にはなっていないということであります。そうすると、先ほどありましたとおり、今回、この登録の要否というのは、他人の需要によりという今回のまさに改正内容に関わってくる、ここのところに関わってくると思います。
国交省さんの一般不定期航路事業についてというホームページを拝見すれば、この一般不定期航路事業に当たるかどうかということについては、非旅客船を使用していること、不定期であること、他人の需要に応じて、他人を運送する事業であること、そしてこれは有償であるか無償であるかを問いませんというふうに書いてあります。そうすると、この運航業者側が言っているボランティアだったからというのは、必ずしもそれだからといって対象に当たるか当たらないかということではなくて、ポイントとしては、やはり、これは他人の需要に応じているかどうかというところが関わってくると思います。
その上で、ちょっとこれは事前では私も何も確認していなかったんですが、先ほど文科省さんの答弁で、ツアー会社とは契約していないんだけれども、高校側と直接、ちょっとここを私は聞き逃しちゃったんですけれども、委託なのか直接契約なのかがあったというお話がありましたが、そうすれば、ここというのは、調査をするまでもなく、今ほどの話であれば、無償であったとしても他人の需要に応じて運航していたのであれば、これはやはりきちんと登録をしておかなければいけない事業者に当たるのではないかと思うんですが、この点、御答弁いただけますでしょうか。
○新垣政府参考人 お答えいたします。
報道などの件は私どもも承知をしておりまして、そういうような考え方では、要は他人の需要に当たるのではないかとかということは認識はしておりますけれども、先ほど私の答弁で申し上げたとおり、事実関係を確認をしてから確認をしたいということでございまして、先方関係者の事実確認をしたいと思っておるところでございます。
他人の需要とともに、無償か有償かは関係ないということはおっしゃるとおりでございますが、あとは、反復継続して事業としてやっているかどうかという点も確認が必要だというふうに考えているところでございます。
○臼木委員 ありがとうございます。
今おっしゃっていただいた事業性というのは、ちなみに法律上でいえばどこの条文でどの要件に当たってくるのかというところを、少し議事録にも残したいので御説明いただいてよろしいでしょうか。
○新垣政府参考人 お答えいたします。
申し訳ございません、一点、現在、ちょっと今条文が手元にないので、何条というのはまた後ほど御説明させていただきたいと思いますけれども、通常、事業については、事業性というものは反復継続というふうな考え方でやっているところでございます。
○臼木委員 ありがとうございます。
今回、まだ捜査中であったり、また、先ほど任意でいろいろお聞きをしているという状況の中なので、何か明言できることも少ないとは思いますけれども、私が今回の件を受けて思うのは、個人が憲法上保障される自由、権利という活動をされるのは、これは認められて当然でありますけれども、それが、ちょっと抽象的な話になって恐縮ですけれども、他者の自由、権利と衝突するときには、これはもう無制限ではない、当たり前の考え方だと思っています。
先ほど奥下委員からもありましたけれども、波浪注意報ですかが出ている中で、しかも現場の海域というのはなかなかやはり運航が難しい状況の中で、全く関係のない高校生の方々がそこでお亡くなりになるということ、これは本当に重大な事案だと思っています。
ちょっと一般的な話になって恐縮なんですけれども、過度な自由や権利行使ということに対して、今、いろいろ、やはり最終、そういう局面を現場の皆さんが判断をしなきゃいけないということは、私はちょっとこれはあってはならないと思っています。必要以上に萎縮することなく、これは、関係省庁が連携して実効的な再発防止策を講じ、また厳正、厳格な対応を取っていく必要があると思っております。
大変抽象的な質問で恐縮ですけれども、もし大臣、何か御見解があれば御発言いただけますでしょうか。
○金子国務大臣 先ほど来お話ししておりますけれども、令和四年四月に発生した知床遊覧船事故を受けて、二度とこのような事故を起こさないという決意の下で、海上運送事業者に対する安全規制の強化等により再発防止を図ってきたところであり、そのような中で今般の事故が起きたことは大変遺憾であると考えております。
こうした事故の再発防止のため、まずは、学校関係においては、四月七日付で文部科学省が全国の教育委員会に対して、修学旅行等において船舶を利用する場合には安全性の観点から海上運送法の許認可を受けた事業者を選定すべきであるということの周知を図ったところでありますが、また、全般的な再発防止対策としては、適切な安全確保策を講じている海上運送事業者を正しく御利用いただくことが肝要と考えており、具体的な対策については、現在行っている船舶の運航実態の確認結果等を踏まえ、必要な検討を行ってまいります。
今おっしゃった現場での話でございますが、加えて、本件の現場海域においては、大多数の方がルールを遵守しておりますが、一部において、小型船舶やカヌーを用いて当該海域に接近をし、違法にフロートを乗り越えての侵入や海への飛び込み、作業船へのしがみつきなどの危険な行為が見受けられるというふうに承知をしております。
このような行為に対しましては、現場の海上保安官が海上の安全及び治安の確保の観点から、臨時制限区域内に侵入した者を退去させる等、適切に対応しております。
海上保安庁では、海上の安全と治安の確保を任務としており、海上保安庁を所管する国土交通大臣といたしましても、引き続き、厳正、厳格に対応してまいります。
○臼木委員 ありがとうございます。大臣、済みません、私がちょっと飛ばしかけた質問の御答弁もいただき、ありがとうございました。
おっしゃるとおりで、規制やルールをきちんと作っても、これがやはり現場できちんとワークをしなければいけないと思いますので、特に厳しい局面にある現場の皆様方が、これはルールは、決まったルールですから、そのルールを守らない者に対してはやはり厳正に、そしてルールを守っている方に対しては寛容に対応するという当たり前のことですので、このお取組についても是非、我々も協力をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、質問は少し変わりまして、前回、物流効率化法の改正のときに、少し時間がなくなって、最後、駆け足で大臣にも御答弁をいただいた民間施設直結スマートインターチェンジの件について御質問をさせていただきたいと思います。
前回、この民間施設直結スマートインターチェンジと物流施設をなるべく結節、今回は中継拠点ということでありますけれども、これを活用しつつ、高速道路から退出することなく物流を回していくということをもう考えていくべきではないかということをお話をさせていただきました。
元々、今日は資料をお配りをしておりますけれども、これは国交省さんが二〇一七年にこの制度をつくったときから配られているものだと思いますけれども、民間施設直結スマートインターチェンジについては、目的については、高速道路を活用した企業活動を支援し経済の活性化を図る、そしてその対象施設の例示として、先般答弁もいただきました今二件ある大規模商業施設、それに加えて工業団地や物流施設も当初から想定をされています。
先般参考人の方から答弁があったのは、民間事業者から整備の意向や相談があった場合には国交省としても是非取り組んでいきますよということだったんですが、これはやはり積極的にやっていくべきだと思いますが、ただやはり、これがなかなか整備がされないということはハードルや課題があるんだと思います。
これがまだ商業施設二件にとどまっている理由、また、工業団地、物流施設に広がっていかない理由や課題について、まず御認識はどのようなものであるか、お答えいただけますでしょうか。
○沓掛政府参考人 お答え申し上げます。
民間施設直結スマートインターチェンジは、民間事業者の発意により、発意した民間事業者や、地方公共団体、高速道路会社の負担の下で整備するものであり、整備促進を通じて、物流などの生産性向上や地域の活性化を図るものであります。
委員御指摘のとおり、活用件数が少ないことから、物流施設などの地域開発に取り組む民間企業に対してヒアリングを実施いたしました。そうしたところ、高速道路と直結できるのは魅力的であるという声もある一方で、民間施設への直結路の整備負担が大きいこと、あるいは、全体として投資回収が困難という意見も賜っております。
一方、まだ民間事業者側で計画中の段階ではありますが、自らインターチェンジを整備するのではなくて、整備が予定されているインターチェンジの近傍に物流施設を立地して、その物流施設からインターチェンジの料金所の外側まで、民間事業者が専用のランプを整備して接続する、そういう計画もあるところでございます。
このように、民間事業者は、施設を立地する現地の状況あるいは事業の採算性などを勘案しながら、物流施設や高速道路との接続方法を計画している現状があります。これらの動向を踏まえながら、本制度の一層の周知を図るとともに、民間事業者の意見を更に把握することで、事業のコスト縮減を含め、本制度がより使い勝手のよいものとなるように引き続き検討してまいります。
○臼木委員 ありがとうございます。
先ほど御質問もあったところですけれども、自動運転というのがこれから、これも前回少し聞きましたけれども、進んでいく中、二〇二六年以降可能な限り早期に自動運転を進めていくということで、これは高速道路内のみでレベル4、無人で運転をするということで、今民間の実証実験も行われており、先ほどありましたけれども、東京―大阪間も初めて成功したということであります。
この他社さん、他社さんというか、ちょっと別の企業ですけれども、いろいろな企業でやっている中で、民間の実証実験でも、自動運転自動車の稼働率をやはり最大化するオペレーションが必要だというような御指摘もあります。
そうすると、今回、今、実証実験が行われているのは、基本的にはスワップボディーで、要は、ヘッドの部分だけ交換して貨物を積み替えていくという、これが自動運転自動車の実証実験でつくられているわけですけれども、この民間の方の指摘でもあるとおり、自動運転自動車の稼働率を最大化するということを考えれば、当然、高速を降りずに、高速道路内を、ある意味では、回旋的にぐるぐるぐるぐる、上り下りはあると思いますけれども、回っていくのが、これが自動運転自動車の、現段階ではとなりますが、最大効率化だと思います。
そうすると、先ほどあったとおり、民間がランプを整備して、これは私道なので、私道であれば可能なのかなとは思いつつ、今初めて聞いたので、思いつつも、そういう意味で、やはり最大効率化していくということであったり、これも前回御指摘をさせていただいたとおり、これからこういった物流施設に対して税制優遇をまた行っていくものであったりしますので、とにかく早め早めに、我が国の財源も限られた財源の中でどこに集中的に投資をしていくかということも考えれば、この自動運転又は自動物流道路も見据えて、早期にこの民間施設直結スマートインターチェンジ、先ほどありましたけれども、投資回収が困難だとか、いろいろそういうハードルについては、また新たな投資が必要になってくる。これは民間もそうですし、国としてのいろいろな税制優遇をしていくということも考えれば、トータルコストでいえば、今のうちにきちんと整備しておいた方がやはりトータルとしては安くなるんじゃないかという考えもあるところではありますので。
ここの部分、いろいろな今後のことを見据えてこの物流拠点施設というのはやはり造っていかなきゃいけないと思いますし、高速道路、近傍というところもそうですけれども、直結というところ、ここはやはりハードルを乗り越えていく、それはやはり国交省が、ハードルがあるのであれば、そこの部分の解消は民間事業者の皆さんに御説明と御協力を求めながらやっていく必要があると思いますが、この点、御見解をもう一度伺ってよろしいでしょうか。
○岡野政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、自動運転は物流の分野において、トラックドライバーの負担軽減や担い手不足の解消等に向けた重要な方策の一つになると考えてございます。
このため、本年三月三十一日に閣議決定されました総合物流施策大綱におきましても、委員からも御指摘ございましたとおり、二〇二六年以降の可能な限り早期に高速道路におけるレベル4の自動運転トラックを社会実装することを位置づけているというところでございます。
これに向けまして、国土交通省では、自動運転トラックの社会実装に向けて、一人で複数の車両の遠隔監視等を行う実証事業への支援を行うとともに、先ほどもお話ございましたが、令和七年三月より、新東名高速道路の駿河湾沼津サービスエリアから浜松サービスエリアの区間において、自動運転トラックの走行をインフラから支援する実証実験に取り組んでいるということでございます。
また、この活用方策につきましては、実証実験等も踏まえまして検討が進むというふうに考えてございますが、無人運転トラックと有人運転とを切り替えるための拠点の整備、こういったものも有益ではないかというふうに考えているところでございます。また、委員から御指摘ございましたとおり、税制で後押しをするということも重要であるというふうに考えてございます。
このため、国としましても、公共性の高い新たな物流拠点、これと高速道路等を連絡するための進入路、これに対する固定資産税等の軽減措置、こういった制度も創設しているというところでございまして、こういった物流拠点や進入路については、自動運転トラックの乗り入れにも対応し得るものというふうに考えているところでございます。
私どもとしましては、今後とも、こういった実証実験を通じて、あるいは民間の方々の声も聞きながら、自動運転の推進に全力で取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
○臼木委員 種々のお取組、また民間等の連携をされているということも承知をしておりますが、これからますます人手不足、人手が足りなくなってくるというのは、これはもうやむを得ないことで、当然想定されていることでありますので、いろいろなシステム、ハード面の整備というのは当然大切ですが、そのときにはやはりソフト、人のところをどのように人手をかけずにというような、これが本来の目的があるはずですので、そこの部分のところからのハードの整備というのを、この観点だけは是非引き続き取組を行っていただきたいなと思いますので、よろしくお願いをいたします。
続いて、ちょっとまた話題は変わりまして、除雪の問題についてお伺いをさせていただきたいと思います。
先ほど福重委員からも気候変動のお話がありましたけれども、極端な大雨が発生する、頻発しているということでありましたが、これは雪も当然同じであります。
特に、ここ数年であれば、今まで、従来降らなかったようなところで記録的な豪雪が発生する、また短期集中的な豪雪が発生するということで、大変住民生活や地域経済にも大きな影響が生じています。特に、私も北海道で立候補しておりますので、今回、選挙のときは本当に一番大変な時期で、なかなか雪に阻まれて活動ができなかったというのも多分、道内選出の議員の方々もおられますけれども、体験をされておられると思います。
ただ、人口減少、高齢化、これは平易な言葉で恐縮ですけれども、本当に、こういった、関わって、人口減少とか高齢化が進行する中で、除雪の担い手もそうですし、除排雪の作業に対してはやはり生活面で大きい影響が出てきています。
そういうことも含めて、やはり、各地で記録的な豪雪があった中で、今年については、政府は本当に自治体からの要望も踏まえて機動的な対応を取られましたので、改めて感謝を申し上げるところですけれども、当然、今はもう雪が解けていますけれども、来季以降、また雪が降ってきますので、これはやはり平時からきちんと見通しを持って次に備えていく、当たり前ですけれどもここも大切だと考えています。
このような観点から、先日、国民民主党としても、豪雪対策の制度改善・強化に関する申入れをさせていただきました。国交省の方にも、また関係省庁にも御対応いただいたんですけれども、その中で、特に道路の除排雪について少しお聞きをしたいと思います。
まず、いろいろな実務上の課題がありますけれども、特に、やはり現場の皆さんからお聞きをするのは、いわゆる除雪オペレーター、除雪機を運転するオペレーターさんの確保であったり、教育や研修の機会を確保する、こういう必要性があるが、なかなかここは難しいといった課題であったり、あとは、機械のICT化、作業の自動化ということも進むんだけれども、やはりまだまだ諸課題があるというような話も伺っていますが、この辺り、道路の除排雪について国交省としてどのような課題認識があるのかということをまずお聞きしてよろしいでしょうか。
○楠田政府参考人 お答えいたします。
道路除排雪に関する課題につきましては、委員御指摘のとおり様々なものが考えられるところでございますが、その中でも、全国的に人口の減少や高齢化が進み、除排雪作業の多くを担ってきた建設業においても、技能者が減少、高齢化する中で、重機オペレーター等の深刻な人手不足や技能の習得、伝承がますます重要な課題になってきているものと認識をいたしております。
また、人口の減少や高齢化が進む中でも建設業者などが除排雪作業を担い続けていくために、省人化等の新技術の開発、普及をしっかり進めていくことも大変重要な課題であるというふうに認識をしているところでございます。
○臼木委員 ありがとうございます。
今、省人化ということでお話しいただきまして、今各地で様々な取組をしていただいており、北海道でもi―Snowということで、AI等の実証実験であったり、道路除雪に対しての、今では二名運行しなきゃいけないところを何とか一名で、デジタルを活用してできないかというようなお話も進んではきていると承知をしています。
一方で、先ほど少し挙げたオペレーターの教育、研修機会確保ということでいうと、こうやっていろいろな機器をつけていくとそもそもの機器の値段が高くなるので、訓練をするときに、なかなか、事故といいますか機械を壊すことがあるとかなり高価になってくると、一方で機械化が進むことによる教育機会が減ってしまうという不思議な現象も起こってしまったりしているんです。
何とかこれは、国として、こういった教育や研修の機会も確保しつつ、また、こういった重機、地域や道路状況によって使う機器が変わるというのは承知はしているんですが、こういうことも含めて、各地方自治体での取組もやっていただいてはいるんですが、国としても、こういった除排雪、これらの人材育成や機械のICT化、自動化を進めていくということに対して、取りまとめ役といいますか、リーダーシップを持って是非取り組んでいただきたいと思いますし、北海道はたくさん土地がありますので、そういうフィールドワークにも適していると思いますから、こういうことに是非国交省としても主体的に取り組んでいただきたいと思いますが、御答弁をお願いしてよろしいでしょうか。
○金子国務大臣 私は熊本の出身ですので、年に一回、二回積もればいい感じで、二センチ、三センチ積もるともう交通が麻痺してしまうような状況の中でありますが、今年一月、大雪が降るであろうという注意報等の中で、官邸においても閣僚会議、そして国土交通省の中でも、しっかり豪雪に対する情報を発出するとともに、それに備える自治体に対する支援等々も含めて体制を整えてまいりました。
私もこの冬、北海道札幌、岩見沢、秋田、能登半島と豪雪の状況を見させていただいて、大変な状況であるということを認識をしたところでございます。
道路の除排雪を迅速に進めることは、大雪発生時の人流、物流確保に必要不可欠な課題であると思います。
道路除排雪作業の多くは建設業者が担っておりますが、その人材確保に向けては、昨年十二月に全面施行いたしました第三次担い手三法に基づきまして、建設技能者の処遇改善や働き方改革など、担い手確保に向けた取組を進めております。
また、除雪車などの重機操作に必要な資格の取得を促進するため、厚生労働省と連携をいたしまして、活用可能な支援事業の周知や働きかけ等を行うことによりまして、除排雪を担うオペレーターの育成に努めております。
さらに、除排雪作業の省力化、省人化についても、ICTを活用して除雪車の操作を自動化する技術の開発に取り組んできたところでございまして、これまでに四十四台を現場に配備をして実証実験を行いまして、実運用に問題がないことを確認した上で、今年度十四台を追加で配備するなど、除雪体制の強化に取り組んでおります。
引き続き、地域の皆様の御意見も丁寧に伺いながら、除排雪作業を担う重機オペレーター等の確保、育成や作業のDX化などにより一層力を入れ、持続可能な除排雪体制の整備にこれからも努めてまいります。
○臼木委員 ありがとうございます。今いろいろ取り組みをいただいているということを改めて感謝を申し上げます。
なかなか、やはりこれは雪国でないと理解をいただけないと思いますし、何でそんなところに住むんだと言われれば、本当に大切な土地ですので、これは自然と向き合いながら、やはりその土地でしかできないことというのはたくさんありますので、こういった自然と向き合いながらもやっていくという中で、先ほどもお話をいただきましたが、重機は扱えても、やはり除雪、排雪というのはまた別途のスキルといいますか経験等が必要になってきますので、こういったところの訓練についても是非御支援を賜れればと思います。よろしくお願いいたします。
続いて、北海道新幹線の件について御質問をさせていただきたいと思います。
この北海道新幹線については、新函館北斗駅まで整備をいただいたと。これは、今現在、札幌までの延伸が進められています。当初、二〇三五年度末までの開業予定で進められていましたけれども、二〇一五年には、政府・与党PTの決定によって五年早まり、二〇三〇年度末と。しかし、昨年、これも大臣にも質問をさせていただいたと思いますけれども、現在の工程遅延状況に加えて、地質不良、労働時間規制等による今後の工程短縮策を加味しても、二〇三〇年度末の完成、開業は困難として、二〇三八年度末以降の開業となることが見込まれています。
理由として、地質不良、労働時間規制、人手不足といったことが挙げられておりまして、これはその後生じた事項ということで分かりますけれども、一方で、二〇三〇年度に早められるとしたその二〇一五年当時の考え方について、当然発生土受入れも見通しなどもありながら、この部分が変わってくるということについて、少し、まず八年短縮をしたということについての見通しが甘かったのではないかというような御指摘も実際あるところではあります。
こういったところにつきまして、まず、当初の二〇三五年から二〇三〇年度末、そして二〇三八年度とまた更に延びてしまったことに対して、この辺りの考え方について、参考人でも結構ですので、御説明いただいてよろしいでしょうか。
○五十嵐政府参考人 お答え申し上げます。
北海道新幹線新函館北斗―札幌間につきましては、平成二十四年、二〇一二年の六月に工事実施計画を認可いたしまして、着工したところでございます。その工事実施計画を認可した際には、工事の完成予定時期につきまして、新青森―新函館北斗間の開業からおおむね二十年後としているところでございました。これは、当時、新青森―新函館北斗間の完成、開業時期が平成二十七年度末、二〇一五年度末頃と見込まれていたことを踏まえますと、おおむね二〇三五年度末頃に当たるというふうに承知をしております。
その後、北海道新幹線新函館北斗―札幌間、北陸新幹線金沢―敦賀間、九州新幹線武雄温泉―長崎間の三区間の開業時期の前倒しに向けまして、平成二十五年、二〇一三年五月から平成二十六年、二〇一四年七月まで、当時の与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームが累次開催されますとともに、平成二十六年、二〇一四年の九月から平成二十七年、二〇一五年の一月までの間には、整備新幹線に係る政府・与党ワーキンググループが、これも累次開催をされまして、開業時期の前倒しに係る財源上の課題や技術上の課題などについて議論をされたところでございます。
この議論の中で、北海道新幹線につきましては、委員からも御指摘がございましたけれども、発生土受入れ地の確保、それから設計協議から用地取得完了までのスムーズな進捗、そして鉄道・運輸機構の要員の確保といった条件が整えば、技術的には開業時期の前倒しが達成できるのではないかとの見通しを持つに至りました。
その結果といたしまして、平成二十七年、二〇一五年一月の政府・与党申合せにおきまして、整備新幹線は、国民経済の発展、国民生活領域の拡大、地域の振興に資するものであり、開業効果をできる限り早期に発揮させることが国民経済上重要であるとの考えの下、完成、開業時期を平成四十七年度、二〇三五年度から五年前倒しし、平成四十二年度末、二〇三〇年度末の開業を目指すというふうにされたものでございます。
その後、この二〇三〇年度末の完成、開業を目指しまして工事を進めている中で、前倒しの条件として考えておりました発生土受入れ地の確保が難航したことに加えまして、想定を上回ります地質不良でありますとか予期せぬ岩塊の出現などによりまして、工事に遅れが生じました。その結果、令和六年、二〇二四年五月には、鉄道・運輸機構より、二〇三〇年度末完成、開業の目標達成は極めて困難であるとの報告があったところでございます。
国土交通省といたしましては、この機構の報告を受けまして有識者会議を開催いたしまして、昨年三月に報告書が取りまとめられております。報告書におきましては、完成、開業はおおむね二〇三八年度末頃の見込みであるとしつつ、工程遅延の要因につきましては、渡島トンネルにおける想定を上回る地質不良の継続、羊蹄トンネルにおける予期せぬ岩塊の出現、令和六年、二〇二四年四月以降の労働時間規制の影響を受けたことなどによるものであるとされておりますので、政府・与党申合せがなされました平成二十七年、二〇一五年当時、これらの影響を事前に見通すことは困難であったと考えております。
以上でございます。
○臼木委員 非常に御丁寧なお答えをいただき、ありがとうございます。
皆さんも大分御理解をいただけたと思いますが、いろいろな条件付で二〇三〇年度に早めることができるのではないかとした決定であって、そこからの八年遅れなので、やはり地元の皆さんの期待も、八年も遅れるのかということでかなり落胆もありますし、実際、ここに、二〇三〇年に向かってまちづくり、また周辺地域整備も含めて様々なものがスタートしている中、八年と言われるとどうしようというのがやはり現場の地方自治体含めた皆様方の感想だと思います。
とはいえ、いろいろ理由はあるんでしょうが、私としては、当初から三年遅れる、これは大変残念ではありますけれども、とはいいながら、やはり今進んでいるという状況の中で、地元からは様々な要望が届いていると思います。後期工程を精査し進捗状況の報告や開業時期を明示してほしいということであったり、あともう一つは、時間があれば少しお話もさせてもらおうと思っていましたけれども、JR北海道のやはり経営に対しても大きな影響、インパクトを与えることになりますので、こういった観点からも是非支援策を講じてほしいというようなお話もあると思いますので、こういった地域要望に対してどのように取り組んでいくのかということを簡単で結構ですので御答弁いただけますでしょうか。
○金子国務大臣 今鉄道局長からるるこれまでの経緯について御説明をいたしました。また、地元の皆さん方の不安とかあるいは思いというのもよく理解しているところでございます。
北海道新幹線新函館北斗―札幌間につきましては、昨年三月、有識者会議において、完成、開業はおおむね令和二十年度末、二〇三八年度末頃の見込みだが、開業時期については今後改めて精査が必要などとする報告書が取りまとめられました。また、北海道新幹線新函館北斗―札幌間の事業費については、昨年十二月、鉄道・運輸機構より最大一・二兆円増加するおそれがあるとの報告がなされたことを受けまして、現在、有識者会議を開催をし、事業費を縮減する方策についての検討も含めて事業費の精査を行っているところであります。
開業の遅れや事業費の増加を受けて、沿線自治体等から開業の遅れに伴う影響の緩和、開業時期の早期明示、地方負担の可能な限りの軽減、JR北海道の経営自立に向けた支援などを求める声が上がっていることは承知をしております。
国土交通省といたしましては、地元から寄せられている声を踏まえて、地元としっかり議論しながら、関係者の理解と協力を得て、一丸となって北海道新幹線の整備を着実に進めていくよう努めてまいります。
○臼木委員 ありがとうございます。
是非、丁寧かつ、皆さんも本当に心待ちにしておりますので、現場で工事に当たっている皆さんの安全も確保しながら進めていくということに我々も協力していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
最後、少し鉄道政策についてお聞きをしたいと思います。
この間ずっと私はモーダルシフトの観点や貨物鉄道の必要性についてお訴えをさせていただいておりますが、ちょうど今日になると思いますけれども、今なのかもう少し後かもしれませんが、JR北海道から道に対して黄色線区に対しての上下分離の要請をするということを聞いております。
この黄色線区というのは、旅客では、二百人、旅客数が確保ができないということで、今後の維持に向けてどういう議論をしていくかということでありますけれども、これは、線路がなくなれば、旅客がなくなれば、今、仕組み上は貨物も走れなくなってしまう。ただ、北海道といえば様々なものを運んでいますので、それは大変困るということで、今まさに議論が行われています。
私個人としては、上下分離方式、これはもうやむを得ないと思いますし、じゃ、その維持を誰がするのかといえば、今の仕組み上でいえば第三セクター等や地方自治体に負わすということですけれども、これもなかなか困難であろうということがありますので、やはりこれはちょっとスキームを大きく転換して、国交省さんということではないにせよ、何か新しいスキームをつくり出し、やはり国が一定の関与をしていかなきゃいけないと思っています。
また、鉄道貨物輸送というのは、北海道のように少し密度が低いところと別に、東海道本線のところでいえば、旅客もほぼほぼぱんぱんでありまして、夜は貨物が走ることによって保守点検ができないような状況。要は、過密過ぎて、本当はニーズもあるし、ここがスムーズに、血流がよくなってくれば、更なる物流、モーダルシフトも進んでくるというところでありますけれども、これは現行でいうとキャパオーバーになってしまうということもあって、こういった保守整備に対しての問題もありますし、また、新たに貨物用に複線化をすることであったり迂回路を設けるということも、なかなか今の状況では厳しいものだと思っています。
ただ、これは、新物流大綱の中でも、新モーダルシフトの中に、改めてというか、引き続き鉄道貨物が位置づけられていますので、こういった、黄色線区の上下分離の話であったり、また鉄道貨物の密度が高いところに対する保守整備、複線化、迂回路の件、この辺りについての課題認識と今後の取組の方針、御説明いただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。
○金子国務大臣 委員から度々黄線区のお話を聞いておりますので、私も注視をしております。
JR北海道の路線のうち、いわゆる黄線区については、JR北海道が上下分離による維持を提案したという報道があったことは承知をしております。
黄線区については、二〇二四年三月に国土交通省がJR北海道に対して発出した監督命令において、JR北海道と地域の関係者が一体となって、今年度末までに線区ごとに抜本的な改善方策を確実に取りまとめを求めているところでございます。
いずれにしましても、各線区の抜本的な改善策の取りまとめに当たっては、線区ごとの利用特性や各地域の事情を踏まえて、JR北海道と地方自治体を含む地域の関係者が一体となって議論を深めていくことが重要だと考えておりますし、国土交通省としても、JR北海道と地域の関係者から成る議論の場に参画をしていきたいと思います。
また、鉄道貨物輸送の迂回路とか増設については、現在、JR貨物と旅客会社の間で今年度末に期限を迎える線路使用協定の更新に向けて協議が行われており、その中で保守作業間合いの確保等について調整されているものと承知をしております。
国としては、この協議の動向を注視してまいります。
○臼木委員 御丁寧な答弁、ありがとうございました。
以上で質問を終わります。
○冨樫委員長 次に、吉川里奈君。
○吉川委員 参政党の吉川里奈です。
本日は、中東情勢の緊迫化の中で日本人の命と生活をどのように守るのかといった点について質問させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
まずは、ホルムズ海峡の現状について伺います。
四月八日に発表されたアメリカとイランによる二週間の停戦合意ですが、四月十二日に事実上交渉決裂に至り、現在は緊迫状態の長期化が懸念される状況にあると承知をしています。こうした中、日本関係船舶の乗組員の安全確保について、政府として現状をどのように把握をしているのか。
また、防衛省によりますと、ペルシャ湾近辺において中東情勢に関する情報収集活動というのは令和元年から継続をされているものの、その活動の具体的な対象範囲については一定の制約がある、つまりペルシャ湾内に入れないということですね。なので、現時点でそこを、活動範囲を拡大する予定はないというふうに承知をしています。
すなわち、ペルシャ湾内において、日本関係船舶が仮にもしも武力攻撃を受けたり、あるいは乗組員に危険が及ぶような事態が発生した場合、自衛隊が現場に向かうには内閣総理大臣の指示が必要となり、一定の時間を要することとなります。そうなりますと、現行の法制下では海上警備行動等の発令に当たって内閣総理大臣の判断を要することになって、護衛艦で向かうとなりますと、即時の対応というのはかなり困難であると伺いました。
このような前提に立った場合、実際に当該事態がもしも発生した場合、政府としてどのような初動対応を想定しているのか、具体的にお示しください。
○金子国務大臣 委員御指摘のとおり、事案発生から一か月以上が経過をし、ペルシャ湾に留め置かれている船員の皆様におかれましては、大変な緊張状態の中で御苦労されているものと承知をしております。
ペルシャ湾内の日本関係船舶は現在四十二隻であり、その四十二隻の乗組員数は千人以上であり、このうち日本人乗組員数は二十人であると報告を受けております。
国土交通省といたしましても、現在、日本船主協会あるいは運航会社を通じて様々な情報を受けておりますし、こちらからも必要な情報は提供しているところでございます。
特に、一時期多数の乗組員の方々が非常に厳しい状況だということを発信をされているということがございましたので、我々としては、そういう状況でございますので、船主協会、運航会社を通じて、船を管理をしている船長にお願いをして、乗組員の皆さん方の健康状態とか、あるいはどういう不安を持っていらっしゃるのか、あるいは家族に対する連絡とか、そういったことも含めてきめ細かく対応させていただいておりますとともに、日本関係船舶の水、食料など必要物資については必要に応じてこれまでも現地において補給がなされておりまして、現在までに特段の問題には至っていないとの報告を受けております。
日本関係船舶、とりわけ船員の安全の確保は最重要であり、国土交通省として、引き続き、情報収集を徹底をし、関係者への情報提供を丁寧に行うとともに、外務省を始めとする関係省庁とも緊密に連携をしていきたいというふうに思っております。
緊急事態のことについては海事局長から答えさせていただきます。
○新垣政府参考人 お答えいたします。
日本関係船舶の状況については、今大臣の答弁のとおり、各運航会社との間で毎日安否確認を実施しておりますし、加えて、乗組員の安全確保に万全を期すために、各運航会社との間で緊急時の連絡体制も構築しております。
また、お尋ねの万が一日本関係船舶において緊急事態が発生した場合は、その時点における状況を踏まえ、船員及び船舶の安全確保を最優先にしつつ、船主や運航会社などともよく相談しながら、関係省庁と連携し、その時点で取り得る最善の対応を検討していくことになるというふうに考えております。
○吉川委員 大臣、御丁寧な答弁ありがとうございます。
いろいろとそういった関係省庁と連携して適切な対応を行うということなんですけれども、例えば、船舶にもしも何かあったときに近辺の別の船が助けてくれるケースがあるということだったりとか、外務省は何ができるのかというふうにお伺いをしますと、もしも何かあったときに船で移動して、各国の国に行った後に駐在外交官がそこからは対応しますといった感じで、それぞれ乗組員の方々がどこにいるのかというところで、防衛省や外務省、国交省いずれもがそれぞれの役割を果たしている一方で、全体として考えたときに、もしも何かあったときの人命救助に対しての責任の所在というのが曖昧になっているのではないかなというふうに私は感じました。
例えばアメリカにおいては、自国民の保護を前提として、軍を含めた対応というのは制度として整備がされていますが、我が国においては、その点において制度的な制約は大きくて、実効的な対応には非常に課題が多いです。
現に、今、仮の話をしましたが、ペルシャ湾内には日本人が在留しているわけで、今そこにいらっしゃって、もしも何か起きたときというリスクというのは、現実的に考えておかないといけないというふうに感じるんですね。アメリカはすぐに助けてくれるといって、我が国はアメリカとは同盟国でありますが、もしも日本人に何かがあったときにそれを助けに行くというような義務もありませんし、もちろん、今このような状況では助けてくれないというふうなことが予想されるのではないかなと感じるんですね。
ですので、私としては、もしも何かがあったときという話ではありますが、現実の危機として、我が国は自国民をどのように守るのかということを、具体的な手だてを政府として関係省庁一体となって、これはもちろんやはり防衛省、小泉大臣が中心となってではないのかなと感じますが、何かが起きてからではなくて、何かが起きる前に、危機管理というところでしっかり手だてをしてほしいというふうに思います。
次に、エネルギーの安定供給について伺います。
このような中東情勢の影響下で、エネルギーの供給確保として、政府はどのような交渉を関係中東各国に行っているのか、近況をお示しください。
○山田政府参考人 お答え申し上げます。
現在の状況ということでございますけれども、原油の代替調達につきまして、ホルムズ海峡を通らないルートからの調達に最大限注力をし、供給余力に優れる米国や中東、過去、調達実績がある中南米や中央アジア、カナダやシンガポールなど、石油製品の供給国も含めまして、経済産業省として、民間事業者と連携しながら、代替調達先の確保に向けて多様な関係者と交渉を実施しております。
特にサウジアラビアやUAE、米国を始めとする供給余力が大きい国やIEAといった主要な国際機関との間では、首相や大臣といったハイレベルでの協議も実施してきております。
引き続き、代替調達先の確保に向けた取組に万全を期してまいりたいと考えております。
○吉川委員 ありがとうございます。
今、代替ルートに関する様々な各国との交渉をされているということなんですけれども、先日の報道において、TOTOやLIXILといった、いわゆる川下における住宅設備を取り扱う大手事業者から、中東情勢の緊迫化に伴う製品供給への影響についての通達というものが出され、SNS等でかなり回っているということが起きております。
その発表の内容なんですけれども、一次情報として、原油、ナフサを始めとする石油化学基礎原料の供給環境が急速に悪化し、国内外における原材料の調達が極めて不安定な状況である、受注の調整や制限の可能性が今後ありますというふうに、それらの、住宅を扱う大手事業者が発表されていた。
これらは、ナフサを原料とする有機溶剤の不足によって、ユニットバスの壁、床にフィルムを装着する接着剤だったりとか、人工大理石製の浴槽に施すコーティング剤の調達というところに原因があるそうなんですね。これはそもそも、本年三月の上旬以降、大手石油化学各社がナフサ不足に伴う減産を既に発表していて、業界では当初から供給不足が見込まれていたと承知をしています。
一方で、経産省は、輸入ナフサと国内精製ナフサで約二か月、そしてさらには川中製品の在庫を含めて合計約四か月分、ナフサが確保されていることから、供給不足ではなく流通の目詰まりにすぎないといった認識を示されています。
しかし、ナフサというのは石油化学製品の基礎原料であって、その供給は石油に依存している。国内精製ナフサも石油から作られるので、その原料は原油備蓄に大きく左右されるわけであって、我が国は原油の約九割を中東に依存していますので、現在のように調達に制約が生じている現状では、国内で精製されるナフサも、結局原料は石油になりますから、海外依存しているので、別にどこで作られていようと、安定に確保できるとは限らないと言えるわけですね。
こうした状況では、現場で非常に個別調整による問題が様々発生していて、国交省として、中東情勢の関連対策ワンストップポータルというのを設けて、それぞれ各分野の相談窓口というのを開かれたということで、いろいろと報告がなされて、それに、随時個別案件に対して対応されていると伺いましたが、その仕事だけをやっている役所の方々ではありませんので、限られた人員の中で、非常に、これからどんどんどんどんそういった御連絡が来て対応するとなると大変な状況にある、つまり、イタチごっこの状況が生じるんじゃないのかなと、一つ解決してもまた一つ出てくるという状況になるんですね。
既に、石油からナフサができて、ナフサを原料としてエチレン、プロピレンであったりとか、様々そういった基礎化学品というものがあって、そこから日用品だったり医療備品というものがナフサ由来用品として作られていくというところなんですが、原料が少なくなっていて、どんどんどんどん少なくなっていきますので、その不足というのは、時間がたてばたつほどどんどんその範囲というのは広がっていくかと思います。
経産省の提出されている第三回中東情勢に関わる関係閣僚会議という、お配りしました資料なんですけれども、先ほども経産省からお話がありましたが、原油の代替調達に今尽力されているということで、この用紙を見ていただきますと、見通しというところでして、ホルムズ海峡を回避したルートでは、四月では二割以上、そして五月では過半の原油の調達を見込むというふうに試算されています。これは、実際に確保されているものなのかどうかについてお答えいただけますか。
○山田政府参考人 お答え申し上げます。
今委員御指摘ございましたけれども、代替調達の見通しということで、ホルムズ海峡を通らないルートでの代替調達に最大限注力して、中東や米国などからの調達で、現時点において、四月に前年実績比で二割以上、五月には過半の代替調達に目途がついておりまして、特に、米国からは、五月に前年比約四倍まで調達が拡大する見込みでございます。
この見通しの中には、一部契約未了分が含まれているものの、保守的に当該契約未了分を除いた場合にも、五月には過半の代替調達に目途がついている状況でございます。
○吉川委員 今、前年比というお話だったり、米国からは調達が確保されているというところで、契約未了分に関しても、確からしいものを積み上げているというふうにおっしゃられているんですけれども、それであるのであれば、是非、この調達、今契約が未了分に関してどのぐらいの量が入ってくるのか教えていただけませんかというふうにお伺いしたところ、その量に関しても具体的なことはお伝えできないというふうに私は伺ったんですね。
今、もう既に四月の中旬でして、その四月の中旬で四月に入ってくる量が未定であるというところは、私はちょっと疑問を感じましたので、是非、例えば、四月が終われば、四月に入ってきた量、五月に過半が調達できるのであれば、その五月に入ってきた量というものも適宜国民の皆さんに対して公表すべきであると考えますが、政府の御見解を伺います。
○山田政府参考人 お答え申し上げます。
今ほど申し上げたとおり、原油の代替調達の見通しにつきましては、経済産業省が石油元売企業各社から個別に原油調達の動向を聞き取り作成しているものでございます。個別の契約状況や足下の調達状況につきましては、民間事業者の契約に関する事柄であることに加えて、安全対策上の理由から非公表としているものの、確定した輸入実績につきましては、正確な情報発信を行う観点から、適切に精査を行いまして、翌月末には貿易統計等で公表することとなってございます。
国民の皆様には、今後の調達見通しと実績について適切に発信できるよう、万全を期してまいりたいと考えております。
○吉川委員 是非、見通しだけでなく、その結果についてもしっかりと国民の皆さんにお伝えいただきたいと思います。
こういった代替ルートからの供給が一定程度確保された場合であっても、この中東情勢が長期化し原油の安定供給に制約が生じた場合には、国内の備蓄の取崩しのみではなく、限界が生じることは明らかかと感じます。
このため、安定的な原油供給の確保と併せて、この供給不足が解消されるまでの間において、石油使用の在り方を、今は、もう大丈夫ですよ、目詰まりしているだけでそこを解決すれば問題ありませんというのではなくて、やはり政府としての明確な方針を示して、国民の皆様に対する危機認識の共有を図る必要があると考えますが、いかがでしょうか。
○山田政府参考人 お答えいたします。
代替調達の進展の結果、石油備蓄の放出量を抑えながら、年を越えて石油の供給を確保できるめどがついたところでございます。
このように、日本全体として必要な量は確保されており、我が国の石油需給に影響が生じているとは認識しておりません。このような日本全体として必要となる量が確保できている状態をできるだけ長く維持できるよう、取り組んでいるところでございます。
他方、足下では、先ほども御指摘ございましたけれども、一部で供給の偏りや流通の目詰まりが生じていることも認識をしております。経済産業省を含む関係省庁に設置された情報提供窓口を通じて、重要物資の需給や価格などについて足下の状況を把握し、他の流通経路からの融通支援を行っているところでございます。
国民の皆様の命と暮らしを守るべく、需要家の皆様から提供いただいた情報も踏まえ、関係省庁と連携して、引き続き供給の偏りや目詰まりを一つ一つ確実に解消してまいりたいと考えております。
その上で、今後の国際的な需給や価格動向を踏まえつつ、国民経済に大きな影響がない形で、需要サイドでの対策を含め、あらゆる政策オプションを検討してまいりたいと考えております。
○吉川委員 先ほど福重先生もかなりおっしゃられていたんですが、政府の認識よりも現場の状況はかなり逼迫しているということがあるわけです。
政府の発表では、予定どおり代替調達できれば年を越えても供給は確保できるめどはつきましたというふうに資料にも記載があります。ですが、輸入の状況のこういったデータや対応、指針というものも、やはりまだまだ楽観的というんですか、私はすごく疑問なんですね。
世界を見れば、こういった状況に備えよという動きを各国でされていて、国民の皆様にもそれぞれの政府が周知をしていますのに、我が国は情報提供もままならない。中東情勢に不安を感じるというよりも、私は日本政府の対応に不安を感じております。
ですので、こういった状況を、是非、与野党を超えて、それこそもう多分全ての政党の皆さんが現場の声を上げてどうするべきかということを訴えているわけですから、これこそ国民会議を開くべきじゃないのかと思うほど、これは今ちゃんと考えなければいけない問題じゃないかなというふうに感じています。
最後に、ちょっと時間がなくなりましたが、住宅全般への影響について伺います。
今、米国では、住宅ローン金利というものさえも上昇されていて、住宅市場への波及も顕在化しています。我が国においても、そういったナフサを始めとする住宅資材の高騰や物流コストへの波及も見込まれ、販売価格が上がっていくということだったりとか、それだけではなくて、戸建ての価格のみならず賃貸住宅にも影響が及ぶという状況の可能性が考えられます。
そういった状況になりますと、国民生活の住まい、暮らしそのものに影響を及ぼすことになるかと考えますが、これは住宅局としてどのようにお考えでしょうか。
○宿本政府参考人 お答えをいたします。
今般の中東情勢の影響によりまして、石油やナフサを原料とする一部の住宅資材などにつきまして、価格の上昇や安定的な調達への懸念の声が上がるなどしており、住宅市場に与える影響について今後の動向を注視していくことが必要と考えております。
住宅資材などを含めて物資の安定供給につきましては、経済産業省を中心に取り組んでおるところでございますが、国土交通省におきましては、燃料油や石油製品等の供給に関する相談窓口を設置をいたしまして、住宅資材などの供給状況に係る情報収集に努めております。また、経済産業省と連携をして、供給の安定確保に取り組んでいるところでございます。
また、影響が長期に及ぶ場合に備えまして、特に事業継続が懸念される工務店の皆様などへの支援といたしまして、中小企業庁などを始めとする関係省庁においてセーフティーネット貸付けの施策を講じることとされており、その周知や活用促進といったことを通じて事業継続を支援してまいりたいと考えてございます。
今後とも、住宅資材の供給状況も含め市場の動向を注視して、関係省庁、関係団体とも連携をしながら適切に対応してまいりたいと考えてございます。
○吉川委員 住宅であったり、工務店で働いていらっしゃる大工さんであったりとか、技術者においても、様々影響が及んでまいります。軽油に対するところも、今、補助金は出ていますが、物流に関しても様々な影響が起きてくる。こういったところで、非常に、長期化してきますと様々な影響が考えられますので、これまでどおりで大丈夫といった状況がいつまで続くのか、もう本当に駄目だとなったときに、やはり無理でしたといって発表されてしまいますと、本当に国民生活は混乱に陥ってしまいます。
そういった状況下で、我々が心配しているのは、ショックドクトリン的に、そういったパニックの状況下で、様々な法案であったり政策であったりといったところが多数決の力でどんどんどんどん進んでしまっていく、そういうことが起きてしまうのではないかということさえも懸念をしておりますので、是非、まずは、世界情勢、世界も見たときに、我が国の状況としてどういう対応策が必要なのかといったところをしっかりと現場の声を聞いて対応していただきたい、そのことを申し上げまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
○冨樫委員長 次に、山田瑛理君。
○山田(瑛)委員 チームみらいの山田瑛理です。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
本日は、港湾のDX化並びに自動化と国際競争力の強化、また、タワーマンションの老朽化対応という二つのテーマについて質問をさせていただきます。いずれも、現状への危機感と未来への備えという観点から、政府の認識や方針を確認をしてまいります。
まず、港湾DX化並びに自動化と国際競争力の強化についてでございます。
サイバーポートの普及率、普及状況についてお聞きをしようと思っております。
サイバーポートというのは、皆様御存じかと思いますけれども、紙、電話、メールなどで行われております事業者間の物流手続、それを電子化する、業務効率化や生産性向上のためのプラットフォームです。
港湾法に規定されたサイバーポート、導入企業は、本年四月一日現在で一千百二十六社にとどまっています。貿易関連事業者は数万者に上るとされておりまして、普及率は数%にすぎない状況です。制度本来のメリットを発揮するには、より多くの事業者の参加が不可欠ではございます。また、今月からは有料化も始まっておりまして、普及スピードの更なる鈍化というところが懸念をされております。
これまでの普及実績をどう評価し、そして総括しているのか。また、今後の目標数値、いわゆるKPIや、その進捗管理の仕組みについてお聞きしたいのと、あわせて、国内の手続の効率化だけではなくて、海外港湾との情報連携、一気通貫化というところも同時に進めることが大切だと考えておりまして、政府の見解をお伺いいたします。
○安部政府参考人 お答え申し上げます。
サイバーポートは、港湾の生産性向上を推進するために、物流手続、行政手続、施設情報などを電子化するデータプラットフォームであり、このうち、御指摘の物流手続についてお答えします。
まず、数値目標は、御指摘のとおり、第五次社会資本整備計画において、接続可能な法人数を二〇二五年度までに六百五十社としていたところ、二年以上前倒しで二〇二三年度に達成しておりまして、御指摘のとおり、現在、約千百社となっております。
今後の目標としては、第六次社会資本重点整備計画などにおいて、二〇三〇年度に五千五百社としており、達成に向けて官民連携して普及を図っておりますし、この社会資本整備計画等で進捗状況を管理してまいります。
なお、今月開始した有料化については、国土交通省の告示において、利用料を一社当たり月額六千六百円とした上で、有料化開始後取引が百件以内及び月十件以内の法人の利用料は免除しております。これにより、中小事業者を含め利用しやすい環境の確保に努めております。
二点目の海外港湾との接続については、国内だけでなく諸外国との連携も必要との認識の下、日本・シンガポール間グリーン・デジタル海運回廊形成の協力覚書に基づき、まずはシンガポールとどのような連携が可能かを含めて検討を進めているところです。
このほか、日本発着の輸出入コンテナ貨物の海外での輸送状況を把握できる機能については、船社のシステムと連携することで、既にサイバーポートにおいて実装しております。
国土交通省としては、サイバーポートを我が国港湾の共通インフラとして定着させるべく、機能改善に加え、引き続き関係者と連携し、計画的かつ着実に普及促進に取り組みます。
○山田(瑛)委員 ありがとうございました。
引き続き、民間の皆様に働きかけていただいて、普及率の向上と、また、まずはシンガポールと始まる、検討も進めていらっしゃるということですので、是非、引き続き、どうぞよろしくお願いいたします。
次に、港湾の自動化の遅れについてお聞きをさせていただこうと思っております。
二〇二五年十二月時点で、世界のコンテナ取扱量上位二十港のうち十七港が自動化、遠隔操作化を導入済みと聞き及んでおります。一方、日本では名古屋港や横浜港などの一部にとどまっている状況でございまして、本日資料をお配りをさせていただきました、我が国及び海外主要港における自動化技術等の導入状況という資料でございます。この資料からの進捗もあるということでございまして、その点は、東京港につきましては、二〇二六年三月から一部のRTGで遠隔操作化を実装しているとのことです。
ただ、このように、世界の主要港におきましては、労働集約型のモデルを既に脱却をし、二十四時間三百六十五日の安定稼働がグローバルスタンダードになりつつあります。
こうした中、港湾労働者の減少も見込まれる日本において、自動化設備の導入は喫緊の課題です。それでも、民間の調査ではございますけれども、五十二港湾のうち四十二港が自動化を考えていないか無回答だったというデータがございました。
政府としまして、この構造的な遅れにはどのように対応していくのか、お聞きできればと思っております。
○安部政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、我が国港湾における荷役機械の自動化、遠隔操作化技術の導入については喫緊の課題であると認識しております。
このため、国土交通省では、我が国港湾の競争力強化や労働力不足に対応すべく、御指摘のとおり、令和元年度より、ヤード内大型クレーンの、いわゆるRTGと称しておりますが、遠隔操作化の導入に向けた支援を行い、現在、名古屋、横浜、東京港など五港で整備、導入しているところでございます。
また、令和五年度には、自動化、遠隔操作化を更に進めるため、港湾技術開発制度を創設し、コンテナターミナルの更なる生産性向上や労働環境改善につながる民間による技術開発を支援するとともに、令和八年度からは、遠隔操作ガントリークレーンについても導入支援を行うこととしております。
国土交通省としては、これまで以上に関係者と協議を進め、自動化、遠隔操作化技術の更なる導入を進めてまいります。
○山田(瑛)委員 ありがとうございます。
御答弁いただきましたように、関係者といろいろと進めていただくことが本当に大切なことだと思っております。先ほども申し上げましたとおり、まだまだ、民間調査ではございますけれども、五十二港湾のうち四十二港が自動化を考えていないか無回答ということで、やはり事業者の皆さんがやろう、進めていこうと思っていただくことがないと、なかなか進んでいかないことなんだと思います。事業者さんの懸念点とか不安なところとか、そこら辺も意見交換を続けていただきながら、お進めをいただければというふうに思っております。
以上の二点を踏まえまして、大臣にお聞きをさせてください。
東京港の利用コストはシンガポールの約一・六倍で、国際コンテナ戦略港湾政策は十年以上続けておりますけれども、成果がまだ十分には表れておらず、日本の港はアジアの主要港に大きく水を空けられ、経済安全保障の観点からも危惧をされる状況です。その一因は、政府が主導的に旗振りせず、民間任せにしていたことにもあるのではないかと思っております。
港湾ロジスティクスは、高市政権の成長戦略においても、重点投資対象の一つに掲げられております。DX化、自動化、国際競争力、この三つの遅れを同時に取り戻すためには、基本政策を抜本的に見直しまして、政府が前面に立って、てこ入れを図る必要があると考えております。
金子大臣の見解をお聞きできればと思います。
○金子国務大臣 山田委員から御指摘いただきました。問題意識としては全く同じでございます。
私も、大臣になる前も全国の主要な港湾を見てまいりましたし、昨年十月に大臣に就任してからも、名古屋港、そして先週末には横浜港も見せていただきまして、港湾運営会社あるいはコンテナ船社とか、様々な港湾関係者から御意見をいただきながら、課題もしっかり頭の中で整理をしているつもりでございます。
これまでも、国際コンテナ戦略港湾政策を踏まえて、機械の遠隔操作化やサイバーポートの導入といった港湾のDX、自動化、国際競争力強化に関する取組を進めてきたところでございます。
しかしながら、我が国の港湾は、荷役機械の自動化などのDX、インフラ等の国際競争力の面で、釜山港などの海外主要港と比較して、残念ながら、遅れを取っていると認めざるを得ません。
こうした状況も踏まえまして、現在、日本成長戦略会議、港湾ロジスティクスワーキンググループにおきまして、他国に過度に依存しないサプライチェーンの構築及び生産性向上やDX、脱炭素の取組による選ばれる港湾の実現に向けた施策について議論を進めております。
御指摘の点につきましては、このワーキンググループの議論を踏まえまして、港湾管理者や民間事業者任せにせず、国はもとより、国が出資する港湾運営会社が前面に立って、港湾におけるDXの推進、国際競争力強化を推進してまいりたいと思います。
○山田(瑛)委員 ありがとうございます。
我が国の港がガラパゴス港のままであっては取り残されてしまいますので、どうぞ前にお進めいただければと思っております。
次に、タワーマンションの老朽化対応について、二十階建て以上の超高層マンション、いわゆるタワーマンションですが、築三十年超えのマンションが全国で百七十七棟、六万戸あると言われております。まだまだ、国も業界もタワーマンション管理の正解を持っていない状況なのではということで質問をいたします。
タワマンには、ヘリポート、高層化特有の整備など、一般のマンションとは異なる要素が多く、修繕積立金の算定も含めて、通常のガイドラインでは対応し切れない部分があります。タワマン専用の長期修繕計画ガイドラインを整備するとともに、国として現状の実態把握を早急に進める必要があると考えますが、見解をお伺いします。
○宿本政府参考人 お答えをいたします。
マンションの長寿命化を図るためには、修繕積立金を確保し、適切な周期で修繕工事を計画的に実施をしていくことが重要であります。
国土交通省におきまして、令和五年度に実施をいたしましたマンション総合調査によりますと、既に大規模修繕工事を実施をしているタワーマンションの事例が一定数存在をしておりますが、こうしたタワーマンションと一般のマンションとでは、直近の大規模修繕工事に要した費用に大きな違いはございませんでした。
他方で、御指摘のとおり、タワーマンションは特有の設備を有しておりますので、現在、そうした設備の維持管理に関する更なる実態把握を進めているところでございます。
その結果も踏まえまして、長期修繕計画作成ガイドラインの見直しなど、必要な取組を行ってまいりたいと考えてございます。
○山田(瑛)委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。
新宿区タワーマンション実態調査報告書によりますと、区内タワーマンションの約四八%が積立金不足と回答しているというデータがあります。タワマンの特性を踏まえれば、将来的な積立金不足を防ぐための積立金下限基準の設定など、より踏み込んだ対策が必要です。
現状、マンション管理計画認定制度の利用推進が主な対応策ですけれども、利用割合は、タワーマンション以外を含めた全体でも三%程度にとどまっております。制度の実効性には疑問符がありますので、今後、法改正も視野に入れた改善が必要と考えます。
マンション管理計画認定制度の利用割合の目標数値設定を含め、どのような対策を検討しているのか、お聞きいたします。
○上田大臣政務官 お答えを申し上げます。
令和五年度に実施したマンション総合調査の結果によれば、約三割を超える管理組合において、あらかじめ策定した長期修繕計画に対して、修繕積立金の残高が不足しているという状況になっています。
このため、国土交通省では、適切な修繕積立金の確保を含め、多くのマンションで適正な管理が行われるようにするため、マンションの管理計画を認定する制度を令和四年に開始するなど、管理組合の自主的な取組を促してまいりました。
また、昨年のマンション関係法の改正では、施行後五年間で管理計画認定の取得割合を二〇%まで増加させることを目指し、認定の対象に新築マンションを追加するとともに、認定取得の働きかけや普及啓発を行うマンション管理適正化支援法人の制度を創設するなどの措置を講じたところでございます。
国土交通省といたしましては、こうした制度の施行状況等を踏まえつつ、タワーマンションを含めた、マンションにおける適切な修繕積立金の確保に向けて、更なる方策の検討を進めてまいります。
以上でございます。
○山田(瑛)委員 ありがとうございます。
最後に、大臣にお聞きさせてください。
区分所有法改正によって建て替えの決議要件は緩和されましたが、タワーマンションの建て替えが完了した国内事例はまだゼロであると思われます。修繕に関するガイドラインも未整備のまま、それでも二〇二五年以降二百七十棟、約九万七千戸のタワーマンションが新たに供給をされる予定です。
住民のみならず、周辺住民にも大きな影響を及ぼしかねないこの現状に対しまして、国として早急に対策を打ち出すべきではないでしょうか。大臣の認識と今後の方針をお聞かせください。
○金子国務大臣 マンションの建設、供給は民間の経済活動そのものであり、これを一律に制限することは、慎重な検討が必要であると考えております。
他方で、マンションは所有財産であり、タワーマンションに限らず、所有者において適切に維持管理や再生を行っていただくことが重要であります。
令和七年のマンション関係法の改正では、マンションの新築時から適切な維持管理を促すため、分譲事業者において管理計画を作成し、管理組合に引き継ぐ仕組みを導入したところであり、タワーマンションも含めたマンションの適正な維持管理や円滑な再生に向け、引き続きしっかりと取り組んでまいります。
○山田(瑛)委員 御答弁いただき、ありがとうございました。終わります。
○冨樫委員長 次に、畑野君枝君。
○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。
アメリカとイスラエルのイラン攻撃の影響による石油関連製品の値上げや不足による建設業への影響について質問いたします。
建設業の現場では、既に深刻な事態になっています。
全国建設労働組合総連合の調査を見させていただきました。熊本県の方からは、塗装にシンナーは必須なのにない。材料はなく、先延ばしになっている現場もある。神奈川県の方からは、シンナーは、次回仕入れから八〇%値上げと通知。塩ビ管は、千円だったものが、現在千九百八十円、五月には、最低三千円から四千円になる。供給が止まったら潰れる。養生テープの会社の生産ラインが止まっている、シーリング工事ができない。福島県の方からは、養生ビニールが三千円から八千円に値上がりしたなど、悲痛な声が上がっております。
建設業は、資材が買えない、明日の仕事がなくなるかもしれないという極めて逼迫した状況になっておりますが、金子国土交通大臣、御認識はいかがでしょうか。
○金子国務大臣 本当に畑野委員御指摘のとおり、建設業においては、アスファルトやシンナーなど、様々な石油製品等を使用することから、今般の中東情勢による建設資材の価格高騰や供給不足に起因して、工事の代金や工期などに影響が生じる可能性があると考えておりまして、業界からも懸念の声が寄せられているところでございます。
建設業は、社会資本の整備や維持管理を担うとともに、災害時には地域の守り手として応急復旧等に対応するなど、我が国の社会経済を支える重要な役割を担っており、現下の厳しい情勢においても建設工事に必要な資材を安定的に確保し、円滑な施工を図ることは極めて重要であると考えております。
引き続き、建設工事で使用する様々な石油製品等の価格や供給の動向を注視をいたしまして、業界や現場の事業者の皆様の声も丁寧にお聞きしながら、経済産業省と緊密に連携をして、需要に応じた供給の安定的な確保と建設工事の円滑な施工が実現するよう、全力で取り組んでまいります。
○畑野委員 全国商工団体連合会のアンケートでも、仕事があっても今後材料入荷が未定ですと死活問題です、メーカーによりストップがあり仕事もストップ状態というアンケートの声が寄せられております。
四月十三日には、大手住宅メーカーのTOTOが有機溶剤の入手困難を理由にユニットバスやシステムバスの新規受注を停止したということで、私も神奈川県の工務店さんから大変なことだという訴えを聞いてまいりました。LIXILも納期は未定と十四日にしております。住宅建設に関わる多くの事業者に甚大な影響を与えるものでございます。
建設業は、その大半を中小零細業者が担っています。帝国データバンクの調査では、この間、資材価格の高騰や人手不足で、二〇二五年の建設業の倒産件数はこの十年間で最多。東京商工リサーチの調査でも、二〇二五年度の塗装工事業の倒産件数は過去二十年間で最も多くなっています。その上、今の資材の高騰や不足ですから、更に追い詰められている。このままでは、建設業界の土台が足下から崩壊しかねない。
金子大臣、そういう危機感を持って今回の事態に対する対応が必要だと思いますが、具体的にいかがでしょうか。
○金子国務大臣 畑野委員おっしゃるとおりであります。しっかりと、経済産業省を始め、関係省庁と連携をいたしまして、現場に様々な滞りがないように、これからも努力をしてまいりたいと思います。
○畑野委員 既に、このままでは中小企業が倒産し、あらゆる工事が回らなくなるという声が上がっています。今、資材がなくて仕事ができない、価格高騰で受注ができないという状況に追い込まれている事業者をどうやって救うのかということが問われていると思います。
売上げがなくなってしまうという事態を想定して、倒産や廃業を防ぐための緊急の支援が必要だと思いますが、中小企業庁としてどのように対応しますか。山本中小企業庁次長に伺います。
○山本政府参考人 お答えいたします。
経済産業省におきましては、今般の中東情勢の影響を受ける中小企業、小規模事業者への支援策として、まず全国約一千か所の特別相談窓口の設置、その上で、日本政策金融公庫のセーフティーネット貸付けにおける金利引下げや、官民金融機関に対するきめ細かな資金繰り支援の徹底への配慮要請、さらには、約千八百の業界団体及び各省庁、地方自治体に対しまして適切な価格転嫁への配慮の要請などの事業継続に必要な支援を行っているところでございます。
それでもなお過重な債務に苦しむなど、経営環境の厳しい中小企業に対しましては、各都道府県に設置しております中小企業活性化協議会におきまして、個々の事業者の状況も踏まえながら相談、助言等を通じた事業再生支援等を行ってまいります。
引き続き、状況に対応しまして、必要な対応を図ってまいる所存でございます。
○畑野委員 経済産業省に引き続き伺います。越智経済産業大臣政務官に伺います。
建設業を含めて、多くの中小業者からコロナのときのような持続化給付金や家賃支援給付金が必要だという声が出ております。なりわいと雇用を維持するためにも、事業者への直接的な支援策を検討するべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○越智大臣政務官 お答えいたします。
委員御指摘のコロナ禍での事業者向け給付金は、政府が人流抑制等の要請を行うことで経済活動に制約を課し、地域、業種を超えて広範に需要が消失するといった極めて特異な事態であったため、使途に制限のない現金を給付するという臨時異例の支援策として実施したものでございます。
今般の中東情勢における中小企業を含めた日本経済への影響については、現時点で予断を持って判断することは困難でありまして、直ちに御指摘の給付金を実施する状況ではないと認識しております。
今般の中東情勢に係る中小企業への支援については、先ほど中小企業庁からも申し上げさせていただきましたけれども、全国約千か所の特別相談窓口の設置に加えて、日本政策金融公庫のセーフティーネット貸付けの金利引下げ等を措置しているところでございます。
私自身も、中小企業で、また建設業の経営者の一人でありました。そういった目線もしっかりと生かしながら、引き続き、中東情勢が中小企業に与える影響を注視して、適切な対応に向けて万全を期してまいりたいと考えております。
○畑野委員 コロナと違うというふうによくおっしゃるんですけれども、現場からはもうコロナ以上の事態になっているという声が出されているんです、中東情勢の先行きが見通せないと。これから更なる、五月以降もそうですよ、資材高騰あるいは供給不足、長期化するということも言われている。これは事業者には何の責任もないことです。これまで経験したことのない事態に今直面しているわけですから、政府としても更に一層の検討をしていただきたいということを申し述べておきます。
加えて、ゼロゼロ融資、あるいは、雇用調整助成金の拡大や手続の簡易化をやってほしいというのも昨日寄せられました。あらゆるこういった支援策を今後検討するべきだということを強く政府に求めておきたいと思います。
金子国土交通大臣は、四月十日に行われた省内の幹部会議で、シンナーの供給確保に向けた取組を指示されたと伺っております。四月七日に日本塗装工業会が、シンナー、塗料の品薄、価格高騰ということで、会員の皆さんの九割以上に影響があるということで、国土交通省に状況を説明され、また、四月の十四日には緊急要望書を出されたと伺っております。緊急アンケートを八百五十社にしたところ、その中では、手の打ちようがない、会社経営が危ぶまれているという声もあると伺っております。
大臣は、シンナーの不足について、具体的にどこに原因があって、その解決に向けてどのように取り組まれるのか伺います。
○金子国務大臣 先日の官邸の会議で、高市総理から私と赤澤経産大臣に指名をいただいて、しっかりとシンナーのことについて、目詰まりについての対策をしなさいという御指示がございました。
目詰まりの例としては、石油化学メーカー等がシンナーメーカーに対し、四月末まで前年並み、それ以降の供給は未定と伝えたことをシンナーメーカーが慎重に受け止め、万が一に備えて四月分の出荷量を半減させた事例などを確認したところでございまして、そういうことも踏まえまして、今後、石油化学メーカー等にもしっかり話をした上で、抑制をしないように、しっかりと現場に届くように、今経済産業省とともに対応を進めているところでございます。
○畑野委員 今困っている現場の事業者にスピード感を持って届けていただくようにすることが大事だと思います。相談窓口の周知も徹底していただきたいと思いますが、待ちの姿勢でなくて、ウッドショックのときには頑張っていただいたことがあるわけです。自ら情報をつかみにいく、そういう取組が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○金子国務大臣 畑野委員御指摘のとおり、建設資材の流通実態等につきましては、今般の中東情勢を踏まえ、建設業団体等へのヒアリングにより、直近の価格や需給、サプライチェーンの状況などについて、可能な限り実態把握に努めてまいりました。
また、石油製品等の目詰まり解消に向けた、きめ細やかな情報収集を図るため、国土交通省のホームページに中東情勢関係対策ワンストップポータルを開設いたしまして、流通の目詰まり情報の提供を呼びかけております。
このワンストップポータルを通じた情報収集を加速するため、昨日、改めて、全ての建設業団体に対し、活用への協力依頼なども行ったところであります。
引き続き、これらのツールを活用して、必要な情報収集にスピード感を持って取り組むとともに、その結果を踏まえ、経済産業省や関係団体とも緊密に連携をしまして、建設資材の目詰まりの解消等にしっかり取り組んでまいります。
○冨樫委員長 畑野君枝君、時間になっていますので、まとめてください。
○畑野委員 根本的には、アメリカとイランが恒久的な終戦をしなければ解決できないということで、両国が外交によって戦争を終わらせることができるように、日本政府としてもイニシアチブを発揮されることを強く求めて、質問を終わります。
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○冨樫委員長 次に、内閣提出、都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
趣旨の説明を聴取いたします。国土交通大臣金子恭之君。
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都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
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○金子国務大臣 ただいま議題となりました都市再生特別措置法等の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
近年、地方部を中心に人口減少が進む中、仕事や町中の魅力の不足により、若者の地方離れが深刻化し、地方都市等においては、生活サービス機能の維持が一層困難となっているものと認識しております。また、災害に強い地域づくり、市街地整備事業における所有者不明土地対策等の課題にも対応することが求められております。
こうした状況を踏まえ、地域に民間投資を呼び込み、各地で個性ある都市空間を実現していくため、地域の稼ぐ力を強化し、町の魅力を磨き上げる対策を講じていく必要があります。
このような趣旨から、この度、この法律案を提案することとした次第です。
次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、都市機能の更なる集積、連携による地域の活性化を推進するため、立地適正化計画について、業務施設等の誘導に関する事項を位置づけ、容積率制限の緩和等の誘導措置を講ずることができることとしております。また、都市機能の集積や更新等を担う市街地整備事業の円滑な施行を確保するため、事業施行者が所有者不明土地管理人等の選任請求の主体と認められることを明確化するほか、地域の活性化に資する民間都市再生プロジェクトについて、国土交通大臣の認定を申請することができる期限を延長する等の措置を講ずることとしております。
第二に、地域の歴史、文化や景観、環境に根差すまちづくりを推進するため、都市再生整備計画に地域固有の魅力の維持向上を図る区域を定め、地域の核となる建築物を改修、活用するための制度を創設することとしております。また、歴史的風致維持向上計画の作成に必要な文化財を市町村の指定文化財等にも拡大するほか、景観再生のため、景観整備推進法人等が所有者に代わり建造物の改修、活用等を行う制度の創設等の措置を講ずることとしております。
第三に、官民連携による町の適切な維持管理を推進するため、公共公益施設の整備、管理に関する協定制度を創設し、民間事業者の積極的な公共貢献を引き出すとともに、一定の区域において、町の維持管理の活動を計画として見える化し、支援する制度の創設等の措置を講ずることとしております。
第四に、頻発化、激甚化する災害に対して急務となる都市の安全確保を進めるため、立地適正化計画について、居住誘導区域から災害危険区域の全域を除外するとともに、町への来訪者にも対応した防災施設整備のための防災指針の見直し等の措置を講ずることとしております。
そのほか、これらに関連いたしまして、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案を提案する理由です。
この法律案が速やかに成立いたしますよう、御審議をよろしくお願い申し上げます。
○冨樫委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
次回は、来る二十二日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時十一分散会

