衆議院

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第3号 令和4年3月29日(火曜日)

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令和四年三月二十九日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 松島みどり君

   理事 井原  巧君 理事 稲田 朋美君

   理事 勝俣 孝明君 理事 宮崎 政久君

   理事 湯原 俊二君 理事 吉田 統彦君

   理事 漆間 譲司君 理事 伊佐 進一君

      石原 宏高君    柿沢 未途君

      勝目  康君    佐々木 紀君

      鈴木 英敬君    高見 康裕君

      武村 展英君    土田  慎君

      中川 貴元君    永岡 桂子君

      長谷川淳二君    平沼正二郎君

      船田  元君    三谷 英弘君

      保岡 宏武君    青山 大人君

      井坂 信彦君   大河原まさこ君

      大西 健介君    山田 勝彦君

      浅川 義治君    掘井 健智君

      福重 隆浩君    吉田久美子君

      田中  健君    本村 伸子君

    …………………………………

   議員           山田 勝彦君

   国務大臣

   (消費者及び食品安全担当)            若宮 健嗣君

   法務副大臣        津島  淳君

   文部科学副大臣      池田 佳隆君

   内閣府大臣政務官     宮路 拓馬君

   政府参考人

   (内閣府男女共同参画局長)            林  伴子君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 住友 一仁君

   政府参考人

   (金融庁総合政策局参事官)            尾崎  有君

   政府参考人

   (消費者庁次長)     高田  潔君

   政府参考人

   (消費者庁政策立案総括審議官)          村井 正親君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    長谷川秀司君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    片桐 一幸君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    片岡  進君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局電気通信事業部長)     北林 大昌君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 堂薗幹一郎君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 保坂 和人君

   政府参考人

   (法務省人権擁護局長)  松下 裕子君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           淵上  孝君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           安楽岡 武君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           大澤 一夫君

   衆議院調査局第一特別調査室長           菅野  亨君

    ―――――――――――――

三月二十五日

 消費者被害の発生及び拡大の防止並びに消費者の利益の一層の擁護及び増進を図るための消費者契約法等の一部を改正する法律案(柚木道義君外七名提出、衆法第七号)

 消費者契約法及び消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四一号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 消費者契約法及び消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四一号)

 消費者被害の発生及び拡大の防止並びに消費者の利益の一層の擁護及び増進を図るための消費者契約法等の一部を改正する法律案(柚木道義君外七名提出、衆法第七号)

 消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策に関する件


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     ――――◇―――――

松島委員長 これより会議を開きます。

 消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府男女共同参画局長林伴子さん、警察庁長官官房審議官住友一仁さん、金融庁総合政策局参事官尾崎有さん、消費者庁次長高田潔さん、消費者庁政策立案総括審議官村井正親さん、消費者庁審議官長谷川秀司さん、消費者庁審議官片桐一幸さん、消費者庁審議官片岡進さん、総務省総合通信基盤局電気通信事業部長北林大昌さん、法務省大臣官房審議官堂薗幹一郎さん、法務省大臣官房審議官保坂和人さん、法務省人権擁護局長松下裕子さん、文部科学省大臣官房審議官淵上孝さん、農林水産省大臣官房審議官安楽岡武さん、国土交通省大臣官房審議官大澤一夫さんの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

松島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

松島委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。井原巧さん。

井原委員 皆さん、おはようございます。自民党の井原でございます。

 早速、大臣所信に対する質疑に入りたいと思いますが、大臣始め、誠意ある御答弁の方、よろしくお願いを申し上げます。

 消費者行政は、最も国民に近いところで展開する行政でございます。そういう意味でも、国民が社会生活を営む上で非常に消費活動が安心してできるということは重要なことだろうと思うわけでありますが、御案内のとおり、デジタル化の進展といいますか、我々にとってはネットが非常に広がっております。確かに、消費者にとりましては便利な社会になってきたわけでもあります。

 同時に、社会構造の変化ということで、少子高齢化とか人口減少とか、また、私なんかは四国ですけれども、都市部への人口の流出というような社会構造になっております。

 ですから、私が住んでいる四国の方では、近くにスーパーマーケットがなくなり本当に不便になった、こんな話も聞く反面、高齢者の方、特に独り暮らしの方なんかは、生活する上ではペットボトルも要りますし、お茶も要りますし、液体洗剤も買ってこなきゃならないですし、かさばるトイレットペーパーも持って帰らなきゃならない、距離が遠くなれば本当に買物が不便になる、こういう話を聞く反面、娘さんがいて、娘がネットで購入してくれて自宅に届くようになったんよ、そんな声も聞くようにもなっております。

 かように、ネット等の進展に伴って、確かに、不便を補う多様な消費の形が生まれてもまいりました。このことはこのことで大変よしとするわけでありますけれども、そういう急激な進展の中で、デジタル格差といいますか、使いこなせる方と使いこなせない方の格差が明らかに広がっていることもまた現実なんだろうと思います。

 本来、生活弱者である高齢者等がその便益を受けられてこそ社会格差というものは縮まるわけでありますが、使いこなせないことで、むしろ社会の格差が広がっている感もあります。そのような生活弱者の方がしっかりその時代の恩恵にあずかれる社会にしていかなければならない、そう思います。その意味でも、今日審議する消費者行政の果たすべき役割は誠に大きなものがあろうというふうに思っております。

 デジタルの社会に対応していく中で、様々な事件とかトラブル等に消費者は巻き込まれてまいります。対応できない、泣き寝入りするということになりますと、ますます利用に臆病にもなるわけでありまして、大切なことは、消費者が安心して多様な消費生活、消費活動に参加できるということ、そしてつけ込んでいる業者を排除するということ、このことが重要というふうに思います。

 そこで、大臣にお伺いするわけですが、最近の消費者を取り巻く環境の変化をどのように認識されていらっしゃるのか。具体的に、最近の消費生活相談の特徴とか傾向についてどのように把握されているのか、お伺いをいたします。

若宮国務大臣 委員がおっしゃるように、最近の消費者を取り巻く環境の変化、これは、社会のデジタル化の進展に伴います消費生活のデジタル化の進展が挙げられるかと思います。まさに、インターネット通販に関する消費生活相談の件数も増加してきているところでもございます。

 消費者庁におきましても、こうした環境の変化に機敏に対応していく必要があろうかというふうに認識をいたしているところでもございます。

 例えば、インターネット上でも提供されておりますサブスクリプションに関しまして、本年六月に施行されます改正特定商取引法におきまして、契約の重要事項を申込みの最終確認画面で表示をする義務を課すなど、消費者被害の防止に向けた対策を講じたところでもございます。

 またさらに、デジタルに関する知識等が必ずしも十分ではない消費者が取り残されることがないように、消費者保護のための啓発用教材の作成にも努めているところでもございます。

 消費者庁といたしましては、多様な消費者の状況にも留意をしながら、消費生活のデジタル化の進展に対応した消費者政策を推進することによりまして、消費者の皆様方が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができる社会の実現に向けてしっかりと取り組んでまいりたい、このように考えているところでございます。

井原委員 とにかく、消費弱者というものをつくらないような取組が本当に重要だろうと思います。

 次に、不安の解消について伺いますが、これは私の経験もあるんですけれども、やはり、不安の解消には、相談の窓口がいかに敷居が低くて、ハードルが低くて、何でも相談できるという状況が必要だろうと思っております。

 ちょうど、私も、十何年前ですか、市長をしていたんですけれども、合併新市の市長だったんですね。そのときに、地域住民の不安の解消もありますが、市役所のロビーに、四か所、分庁舎だったのであったんですけれども、ロビーに机を置いて、月に四回ですか、市民サロンということで、執務をロビーでしたんですね。その間に訪れる市民は誰でもノーアポイントで悩みや要望を聞く、そういう市民サロンというのを実は、結果的には九年間、最後まで続けたわけですけれども、とにかく、消費の悩みとか様々なトラブルの、要望とかお願い事がたくさん来たんです。

 例えば、集会所で母が物すごく高い布団を買ってきた、母自身はそれで納得しているようだが、困ったことで、どうにか解決できないかとか、あるいは、新聞広告を見て女性の方がお金を借りようとしたら、まず頭金を一万円振り込んでくれたら送りますよというのにまんまとはまって、振り込みはしたけれども戻ってこない、そういうトラブルの話もあったりしました。

 あるいは、これは警察行政になりますけれども、ストーカーに追われているような気がする、何とかしてほしいけれども、警察に行ってもなかなかねという話があったり、もう一つは、今度は民事になりますけれども、隣の家の人が自分の敷地内に花植えを置いているんだ、どうにかのけてほしい、片っ方に聞くと、あれは自分のところの土地だ、そういう境界線のトラブルとか、もうまさに様々なものがありました。

 要は、市の所管外のこともたくさん要望として受けた、そういう経験があります。そういう経験の中で私が感じたのは、一般の市民というのは、トラブルの所管がどこにあるのかというのもそもそも分かりませんし、これが民事なのか刑事なのかというのもはっきり区別がつかない方もいらっしゃいます。

 もう一つ、よくお話で聞いたのは、やはり、警察とか国とか県のふだん行き来のないような役所には敷居が高くて行きにくいし、なかなか、具体的なことを持っていかないと相手にしてくれないのではないか、そういう不安で、結果的には泣き寝入りしている方もたくさんいるなというのは当時感じた次第です。

 私が実は取り組んだのは、それを受けて、では、一番市民が来やすい市役所に何でも相談できるような課をつくろうということで、市民くらしの相談課というんですけれども、職員に加えて、警察のOBとか、あるいは弁護士さんや司法書士さんと連携を取って、何でもいいからとにかく相談に来てください、あとは振り分けを市の方で行って、これは刑事だから警察の方におつなぎしましょう、これは消費相談だから消費者生活センターの方におつなぎしましょう、様々そういうふうにつなぎ役をして、窓口をつくってあげる、こういうことをやって、非常に相談のハードルが低くなって、多くの市民の皆さん方の満足度が高まった、そんな経験がございます。

 そういうことで、やはり消費者行政は、どうしても現場は地方でありますから、消費者行政の地方との連携強化、このことが非常に私は重要だなと感じているわけであります。国で法律や制度をしっかりつくっても、現場である消費者行政は地方にあるわけなので、いかに地方消費者行政を充実して、連携強化を図っていくことが重要だ、このように思っております。

 いっそのこと、先ほど私が提案したように、市町村の窓口に、そういうトラブルや悩みについて所管に限らず相談できるような窓口が将来的にはできれば非常に有用かなというふうに思っておりますし、相談件数が多くなればなるほど、フィードバックとか法や制度の改正がすごくスムーズにもいくとも思うわけです。

 そこでお伺いするわけですが、地方消費者行政の充実や強化、また連携についてどのように取り組んでいかれるのか、国はどのような支援を行っていこうと考えているのか、お伺いをいたします。

高田政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、関係機関同士の連携により、消費者が相談しやすい環境の整備を通じて、現場である地方の消費者行政の充実強化を図ることは重要と考えております。

 地方の消費生活相談の現場では、関係省庁や業界団体の相談窓口、法律相談を実施している弁護士団体等の関係機関とも連携しながら、相談者のトラブル解決を図ってきたところでございます。

 また、地域の実情に応じて、住民の暮らしに関する相談窓口と消費生活相談窓口が一体的に運用されている自治体もあるものと承知しております。

 消費者庁としては、地方消費者行政強化交付金を通じ、こうした地方公共団体における取組を引き続き支援していくとともに、消費者被害の防止、救済の観点から、地方公共団体における消費者行政部局と福祉や警察等との連携を促すなどの働きかけを進めるなど、消費者にとって身近な消費者行政の充実強化に取り組んでまいります。

井原委員 ありがとうございます。

 まさに消費者行政は、横串を刺して連携を図ってこそ解決にもつながってまいりますので、今後とも強化をよろしくお願いしたいと思います。

 新たな取引形態が生まれれば、当然、そこに新たな法の不備とかあるいは隙間が生まれ得ます。それを見つけ、法改正や制度を整備するという、消費者行政というのはどうしても受け身の対処にならざるを得ない側面もあるわけです。いかに速やかに、できるだけ将来を見通して改正をスピーディーに行っていくかが問われているわけでもあります。

 消費者庁は、消費者行政の発展、創造のための新たな恒常的な拠点として、令和二年七月に新未来創造戦略本部を徳島県に置かれております。全国展開を見据えたモデルプロジェクトの拠点として、あるいは消費者行政の研究拠点及び新たな国際業務拠点として位置づけられているわけであります。この強化が私は非常に必要かと思っております。

 そこで伺うわけですが、デジタル社会において消費者法制はその変化にしっかり対応し、また、国際化においては外国との調整、連携も不可欠、このように考えます。まさに新未来創造戦略本部はその役割を担うものだと考えますが、今後の取組についてお伺いをいたします。

高田政府参考人 お答えいたします。

 消費者庁では、令和二年七月に徳島県に新たな恒常的拠点として新未来創造戦略本部を設置し、消費者行政を進化させるとともに地方創生に貢献することを目指し、徳島県等の実証フィールドを活用したモデルプロジェクトや国際消費者政策研究センターにおける研究プロジェクトなどを実施しているところでございます。

 具体的には、SNSを活用した消費生活相談のマニュアル作成や、デジタル社会における消費者法制の国際比較法研究等を進めております。

 引き続き、これらの取組を進め、しっかりと期待された成果を出してまいりたいと考えております。

井原委員 消費者庁は本当に先んじて省庁の地方移転というのに取り組まれまして、私の質問の意図というのは、せっかく徳島につくったんだから、是非強化をして、地方の活性化にもつなげていただきたい、こんな思いもあって質問もさせていただきましたので、是非しっかりお取り組みをいただきたい、このように思っております。

 次に、今国会には消費者契約法及び消費者裁判手続特例法の改正案が提出されております。

 この消費者契約法というのは、平成十二年に制定以来、何度か当然改正もされてきているわけであります。そして、前回の改正のときには、衆参両院それぞれで附帯決議も行われております。取消権の創設や契約の解除に伴う平均的な損害の額の消費者の立証責任の負担軽減などの検討を求めておられました。

 そこでお伺いいたしますが、本改正案は、どのような検討を行って、どういう観点に立ち提案されてきたのか。主な改正の論点とその期待する効果がありましたら、お伺いしたいと思います。

高田政府参考人 お答えいたします。

 平成三十年消費者契約法改正の際に、附帯決議において、消費者が合理的な判断をすることができない事情を不当に利用した場合の取消権の創設、不当な解約料に係る消費者の立証責任の負担軽減、不当条項の類型の追加等が指摘されました。

 附帯決議を踏まえ、消費者庁では、研究会及び検討会を開催した上で、取りまとめられた報告書を基礎に、その報告書に寄せられた御意見を含め、関係各方面からの御意見も伺いつつ、政府部内において必要な検討を重ね、今回の法律案を国会に提出させていただきました。

 こうした検討の結果、今回の法律案には、消費者の取消権を追加、拡充するとともに、解約料の説明や解除に必要な情報提供など事業者の努力義務の新設、拡充、免責の範囲が不明確な条項の無効等の規定を盛り込んでおります。

 今回の改正の効果として、消費者が事業者と安全で安心して取引を行うことができる環境が整備され、消費者の利益の擁護が一層図られることが期待されると考えております。

井原委員 今後審議が進むものと思いますが、今後もよろしく答弁のほどお願いします。

 次に、同様に平成二十八年十月一日に施行された消費者裁判手続特例法についても改正案が出されております。

 同種の被害が拡散的に多発するという消費者被害の特性に鑑みて、内閣総理大臣の認定を受けた特定適格消費者団体が消費者に代わって被害の集団的な回復を求めることができる訴訟制度として、第一段階では、事業者の金銭支払いの義務の確定、次に、個々の消費者の誰に幾ら支払うかというものを確定するのが第二段階となっているところです。

 本法律においても、附則第五条で、施行後三年を経過した場合に、状況等を勘案し、法律の規定等についての検討をするというところになっております。国会の附帯決議において、見直しの必要性も指摘されております。

 そこでお伺いするわけですが、さきの質問と同様でありますが、本改正案、どのような検討を行って、どのような観点に立ち提案されたのか、改正の論点、その期待する効果をお伺いいたします。

高田政府参考人 お答えいたします。

 消費者裁判手続特例法の施行から五年が経過し、特定適格消費者団体の活動が一定程度積み重ねられつつございますが、制度の活用範囲が広がりを欠いているという課題や運用過程で生じた課題が指摘されております。

 消費者庁では、本制度の運用が一定程度積み重ねられてきたことを踏まえ、消費者裁判手続特例法等に関する検討会を開催し、さらに、検討会報告書に寄せられた御意見を含め、関係各方面からの御意見も伺いつつ、政府部内において必要な検討を重ね、今回の法律案を国会に提出させていただきました。

 今回の法律案の重立った改正点として、被害を救済しやすい制度とするために、制度の対象を拡大し、手続の早期における柔軟な和解を可能にする、消費者が利用しやすい制度とするために、事業者に消費者への個別通知を義務づけ、団体からの通知内容を簡潔にする、団体が活動しやすい環境整備を行うために、特定適格団体を支援する民間の法人の認定制度を導入することとしております。

 今回の改正により、消費者被害をより救済しやすく、消費者がより利用しやすい制度へと進化させるとともに、本制度を担う団体がより活動しやすい環境の整備につながることが期待されると考えております。

井原委員 時間が参りました。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

松島委員長 次に、高見康裕さん。

高見委員 おはようございます。自由民主党の高見康裕でございます。

 初めてこの委員会で質問に立たせていただきます。チャンスをいただきました諸先輩方、関係者の皆様に感謝を申し上げ、早速質問に入らせていただきます。若宮大臣始め政府の皆様の御答弁をよろしくお願いいたします。

 一つ目の質問は、食品ロスの削減についてであります。

 我が国の食品ロスは年間五百七十万トンにも上り、私たちは、毎日食べるお米の量に匹敵するほどの大量の食料を廃棄し続けているということでございます。世界で約八億人近くもの方が飢餓に苦しむ中で、食料自給率が三割台と極めて低く、食料の多くを海外に頼っている我が国が食品ロスを出し続けている、これは許されないことであり、削減は待ったなしの課題であると考えます。

 そこで、三つの側面から質問をいたします。

 一点目は、食品ロスの半分以上を占める事業系の食品ロス、この一つの要因となっております三分の一ルールの是正であります。

 この三分の一ルールとは、食品の納入期限を賞味期限の三分の一以内とするという流通、小売業界の慣習であります。例えば、賞味期限が三か月しかない食品でありましたら、三分の一ですから、一か月以内にメーカーや卸は小売店に納品しなければなりません。これを過ぎてしまうと、あと二か月も食べられる時間が残っているのに、陳列されることなく廃棄されてしまう可能性があるわけです。

 この三分の一ルール、早急に是正すべきだと考えますけれども、見解を伺います。

安楽岡政府参考人 お答えします。

 我が国では、従来、食品を製造した日から賞味期限までの期間のうち、三分の一の期間内に小売事業者に納品する必要があるという商慣習が存在し、食品ロスの一因となっていました。

 このため、農林水産省では、二〇一二年以降、賞味期限までの期間のうち、二分の一の期間内であれば納品が可能となるよう、小売事業者へ商慣習の見直しを呼びかけており、現在では、スーパーやコンビニなどの大手小売事業者の大部分は納品期限の緩和に取り組んでいる状況となっております。

 引き続き、この取組が地域の小規模な小売事業者にも定着していくよう、関係省庁と連携しながら呼びかけを行ってまいりたいと考えています。

高見委員 ありがとうございます。

 幾ら何でも、三分の一というのはもったいないと思います。諸外国でも、二分の一のところ、あるいは三分の二にしているところもあります。まだのところには粘り強い働きかけ、啓発を引き続きよろしくお願いいたします。

 二点目の質問は、フードバンクの支援についてであります。

 コロナ禍で、学校の一斉休校やイベントの中止、飲食店の営業制限などによって大量の食材の行き場がなくなってしまうという問題がクローズアップされています。このようなときに、飲食店と消費者、あるいは生産者と消費者とをつなぐ、食材の大量廃棄を防ぐ仕組みを果たしてくださっているのがフードバンクであります。飲食店で急なキャンセルが出てしまった場合、又は賞味期限が近い、箱に傷がついてしまっている、また季節限定品が売れ残ってしまった、こうした食品などを引き取って、福祉施設、子供食堂などで提供してくださっているという極めて重要な役割を果たしてくださっています。

 しかしながら、限られた資金や人手でニーズに応え切れないという団体が多く、行政の支援が必要だと考えます。この点の御見解をお聞かせください。

安楽岡政府参考人 お答えします。

 廃棄される前の未利用食品を子供食堂などに提供するフードバンク活動は、食品ロスの削減に直結するものであるほか、生活困窮者支援などの観点からも大変重要と考えています。

 特に、新型コロナウイルス感染症の影響により、生活困窮者への食品の支援ニーズが増加傾向にあったため、農林水産省では、こうしたニーズにフードバンクが円滑に対応できるよう、予備費や補正予算を活用し、輸配送や保管を拡大する取組への支援を行うとともに、令和四年度当初予算では広域的な連携など先進的な取組への支援を行うこととしています。

 引き続き、フードバンク各団体の声をよく聞きながら、必要な支援を行ってまいります。

高見委員 ありがとうございます。

 人がいない中、またお金もない中、本当にすばらしい活動をしてくださっているフードバンクの皆様、引き続き御支援をよろしくお願いいたします。

 また、フードバンクに関してもう一点です。

 食品衛生上の事故がもし発生してしまった場合、フードバンクの法的責任の問題、これをどう考えるかという点がございます。

 この点につきましては食品ロス削減推進法の附帯決議にも盛り込まれたわけでございますけれども、この点、現在の状況をお聞かせいただきたいと思います。

村井政府参考人 お答えいたします。

 令和二年三月に閣議決定されました食品ロスの削減の推進に関する基本的な方針では、「食品の提供等に伴う責任の在り方について、外国の事例の調査等を行い、検討する。」とされております。

 このため、消費者庁におきましては、令和二年度に、アメリカやイギリス等の諸外国における、食品を提供、寄附した場合の税制上の優遇措置ですとか、寄附した食品に起因する事故、損害等が発生した場合の免責等の制度について調査を実施したところであります。

 この結果を踏まえて、我が国における食品寄附の法的責任について、現在、関係省庁と連携し、その在り方を検討しているところでございます。

 いずれにせよ、附帯決議にも盛り込まれているとおり、食品衛生上の事故が発生した場合に、食品の最終受給者が支援を受けられるよう、必要な支援を検討してまいりたいと考えております。

高見委員 フードバンク、全くの善意で活動していただいています。この活動によって責任を問われてしまうようなことがないように、安心して活動できる環境整備をお願いしたいと思います。

 三点目でございます。

 食品ロスで生じてしまった食品残渣、つまり残った食品の活用についてであります。

 食品ロスの削減目標を仮に達成できたとしても、なお年間五百万トン近くもの食品ロスが発生するわけです。これを飼料、餌や、肥料として活用ができないでしょうか。

 ちょうど、折しも国は、有機農業の大幅な拡大を盛り込んだ、みどりの食料システム戦略を打ち出したところであります。コロナ禍で、化学肥料の原料のほぼ全てを海外に依存してしまっている我が国の脆弱さが浮き彫りになっています。SDGsはもちろんのこと、食料安全保障の観点からもこの取組が有効だと考えますけれども、見解をお聞かせください。

安楽岡政府参考人 お答えします。

 食品ロスの削減に取り組んでもなお発生する食品残渣については、可能な限り効果的に再生利用し、有効活用することが重要です。

 このため、食品リサイクル法の基本方針では、食品残渣の再生利用に当たっては、成分や熱量の有効活用や食料自給率向上の観点も考慮して、できるだけ飼料、肥料として利用することを求めています。また、食品残渣を飼料、肥料向けに円滑に収集、運搬できるよう、廃棄物処理法上の市町村長の許可を不要とする特例も措置しています。

 これらを通じて、引き続き食品残渣の効果的な再生利用を促進してまいりたいと考えています。

高見委員 是非よろしくお願いいたします。

 さて、この質問の最後に若宮大臣に伺います。

 食品ロスの削減、これは、ビジネスの慣習ですとか、あるいは消費者である国民のライフスタイル、そして、さらにはその根底にある意識の変革にまで踏み込まなければ実現できない、そうした非常に難しく、重要な課題であります。それだけに、消費者庁だけでなくて、多くの省庁が縦割りを打破して解決をしなければならない問題だと考えております。

 そこで、食品ロス削減、この司令塔としての御決意を若宮大臣にお聞かせいただければと思います。

若宮国務大臣 コロナ禍で我が国にも食事を満足に取れない生活困窮者の方がいる中で大量の食品ロスが発生していること、これは我が国社会が解決すべき大きな課題であるというふうに認識をいたしているところでもございます。

 委員が今御指摘されましたように、この食品ロスの削減に向けましては、事業者による商慣習の改善とともに、食品ロス問題をやはり国民の皆様お一人お一人が、人ごとではなくてまさに自分のこととして捉えて、理解するだけではなくて行動で示していこう、そうしていただくことが重要であろうというふうに考えているところでもございます。

 これまでも、食品ロスの削減の推進に関する法律に基づき、関係省庁と連携をいたしまして取組を進めてございます。具体的には、賞味期限の年月表示の導入など商慣習の改善、あるいは食品リサイクルの促進、例えば手前取りですとかドギーバッグの普及などを進めているほか、生活困窮者支援の観点も踏まえまして、国が保有いたします賞味期限が近づいた災害用の備蓄食品、これをフードバンク団体等へ提供する取組などを進めてきたところでもございます。

 今後とも、消費者庁が司令塔となりまして、関係省庁とも連携しつつ、政府一体となって取組を加速化してまいりたい、このように考えているところでございます。

高見委員 若宮大臣、力強い御答弁、ありがとうございました。

 この食品ロスの問題、私は、日本だけの問題ではなくて、世界の中の日本が問われていると思っています。食料が足りない我が国が大量に輸入をして、その食料を大量に捨ててしまっている、この問題を解決することは、国際的な意味でも日本の重い責任だというふうに思っております。どうか、引き続きの力強いリーダーシップをよろしくお願いいたします。

 二つ目の質問に移ります。

 成年年齢引下げに伴う若者の消費者被害対策についてであります。

 いよいよ三日後に成年年齢が十八歳に引き下げられます。十八歳といえば、高校卒業と同時に多くの若者が独り暮らしを始める年齢であります。親元を離れて新しい生活環境に身を置き、様々な場面で、人生で初めてと言ってもいいような選択、契約を経験することになります。未成年者取消権というものを失ってしまうこの十八歳、十九歳が、消費者被害に遭うことなく、無事に大人としての門出を迎えられるように、対策の強化が求められると考えています。

 そこで、三つの点から質問をさせていただきます。

 一点目は、消費者教育を担う教員などの指導者不足という問題であります。深刻な教員不足に悩む地方、特に中山間地域などの小規模校、こうしたところでは、本来消費者教育を担うべき家庭科の先生、公民科の先生、専門の先生がいない、専門外の教員でやりくりをしなければいけない、こうしたところもあるのが実情であります。せっかく学習指導要領や教科書に盛り込まれた内容がきちんと生徒に伝わっているのか、非常に心もとない状況であります。

 そこで、消費者教育に携わる教員の確保、また育成についての御見解をお聞かせください。

淵上政府参考人 お答え申し上げます。

 成年年齢の引下げを踏まえ、若者が消費者被害に遭わないよう、学校において消費者教育を行うことは重要なことであると考えております。

 消費者教育に関わる教科について、臨時免許状が授与されている例があるということは承知をしております。この臨時免許状につきましては、法令上、普通免許状を有する者を採用することができない場合に限りまして、受検者の人物、学力、身体、実務について、教育職員検定というものに合格した者に授与される免許状でございます。教師としての質は、免許を授与する都道府県教育委員会の責任の下で一定程度確保はされているものと考えております。

 ただ、消費者教育の質を確保する観点から、文部科学省におきましては、年に二回、各都道府県の各教科等を担当する指導主事を集めた会議におきまして学習指導要領の趣旨徹底を図りますとともに、昨年、教職員研修に関する主な提言などをまとめました通知を発出いたしまして、教育委員会において消費者教育の重要性を理解し、研修に消費者教育に関する内容を積極的に取り入れていただく、こういうことを求めているところでございます。

 さらに、教員研修を支援するため、独立行政法人教職員支援機構におきまして、消費者教育についての教員研修動画を作成し、ホームページで公開をして、その活用を促しているというところでございます。

 私どもといたしましては、先生の御指摘の点も含めまして、任命権者と消費者教育に関する課題を共有しながら、各学校において学習指導要領に基づく消費者教育がしっかりと行われますよう努めてまいりたいと考えております。

高見委員 二点目は、デジタル化への対応であります。

 定額の支払いで製品やサービスを一定期間利用できる、いわゆるサブスクに関する被害が年々増加をするなど、全く新しい形のトラブルが表れています。各地で活動されている消費生活相談員の方々、必ずしもデジタルに詳しいわけではありません。SNSでも相談を受け付ける仕組みをつくるなど、デジタル化への対応を進めていただきたいと思いますが、こちらの見解を伺います。

片岡政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、近年、消費生活のデジタル化の進行に伴いまして、サブスクリプション契約などインターネットに関連する消費者被害が発生しており、デジタル化への対応は最優先課題であるというふうに認識しております。

 こうしたことから、まずは、消費生活相談員が最新のデジタル関係の消費者被害について精通することができますように、国民生活センターが実施する相談員向けの研修において、インターネット取引に関する消費者トラブルやSNS上で発生した消費者トラブルなどについて具体的な事例を用いた講座を行い、相談員のレベルアップを図っているところでございます。

 また、消費生活相談の利便性の向上を図るため、SNSを活用した消費生活相談の実証実験を行っているほか、地方消費者行政強化交付金を通じて、メールなどによる相談受付といった消費生活相談のデジタル化に関する地方公共団体の取組の支援なども行っております。

 加えまして、現在、相談対応のデジタル化のために、PIO―NET、国民生活センターと全国の消費生活センターをネットワークでつなぐシステムでございますけれども、この刷新を検討しているところでございます。

 全ての消費者が社会のデジタル化に取り残されず、そのメリットを最大限享受し、安全、安心な消費生活を送ることができるように取り組んでまいりたいと考えております。

高見委員 最後に、消費者教育についての安定的な予算の確保であります。

 消費者教育は、年齢に応じて計画的に内容をレベルアップしていかなければいけません。特に高度な内容になれば、教員だけではなく外部講師の活用が必要であります。こうした専門人材を登用するためには、安定的な予算の見通しがなければ計画を立てることができません。

 平成二十九年度までの地方消費者行政推進交付金では、七年間あるいは十一年間、継続事業が可能でしたが、現行の交付金では単年ごとになっております。要綱が毎年少しずつ修正をされています。もし要綱が変更されて対象外となってしまうと財政力の弱い自治体は人材確保が厳しくなってしまう、このような不安の声が私の元にも地方から寄せられています。

 そこで、少なくとも消費者教育に関わる人材確保は安定的に支援していくというメッセージを現場に伝える必要があると考えます。この点の御見解をお聞かせください。

片岡政府参考人 お答え申し上げます。

 四月一日から成年年齢が十八歳に引き下げられますことから、委員御指摘のように、若年者の消費者教育において、年齢に応じた内容のレベルアップや外部講師の活用は重要な課題というふうに認識しているところでございます。

 消費者庁におきましては、これまで、中学校、高等学校、特別支援学校向けの教材作成を行ってきており、年齢等に応じた消費者教育の担い手の支援を行ってきております。また、外部人材の活用に関しましては、学校と外部人材の間に立って調整を行う消費者教育コーディネーターの地方公共団体への配置促進を進めてきているところでございます。さらに、地方消費者行政強化交付金につきましては、現場からの要望も踏まえつつ、消費者行政の強化に資する観点から、外部講師の派遣、消費者教育コーディネーターの配置、それから消費生活相談のレベルアップなどの事業を支援してきているところでございます。

 消費者教育は消費者行政の柱となる事業の一つでございますので、今後も、地方消費者行政強化交付金も活用しつつ、消費者教育に関わる担い手の育成、確保の支援を引き続きしっかり行ってまいりたいと考えております。

高見委員 前向きな御答弁に感謝申し上げ、質問を終わります。

 ありがとうございました。

松島委員長 次に、伊佐進一さん。

伊佐委員 おはようございます。公明党の伊佐進一です。

 質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 この後、最後、消費者契約法のお経読みが今日あるというふうに伺っておりますが、冒頭、消費者契約法について、恐らく私、法案審議ではバッターに立たないと思いますので、ちょっと二、三、大臣に確認をさせていただきたいというふうに思っております。

 今回の消費者契約法の改正事項に、契約の取消権を具体的に追加していくというものがあります。例えば、これまでは、家に帰りたいと言っても帰してくれないという場合には、その契約についての取消権というのがありました。でも、帰りたいというふうにはっきり言っていない場合は対象にならないというようなことがあって、でも、そもそも、帰れないような状況に追い込まれている、そういう場所に連れていかれていたらこれは一緒だろうという議論があって、じゃ、そういう行為も具体的に書き込んで、追加してこの取消権というものを使えるようにしましょうというふうに、一個一個追加をしていっているという状況です。

 これは、一つ一つこれを細かく書いていると、当然、そこに当てはまらないような、上手に潜脱していくようなやり方もあるんじゃないか。社会もどんどん変わっています。デジタル化もどんどん進んでいます。こういう状況の中で、こうやって一個一個具体的に書くのはイタチごっこじゃないか、それなら包括的な書き方にしておいて広く読めるようにすべきじゃないかという意見があって、これは野党の皆さんも今回この法案を提出されているということだというふうに思っておりますが、これについての大臣の見解を伺いたいと思います。

    〔委員長退席、稲田委員長代理着席〕

若宮国務大臣 取消権の規定ぶりにつきましては、消費者契約に関します検討会の報告書におきましても、例えば困惑類型の脱法防止規定について、取消しの要件を明確にすべきではないか、こういった意見があった一方で、過度の明確性を求めると受皿としての意味が乏しくなるとの意見もあるなど、意見の隔たりがございました。そういったことから、幅のある形で取りまとめられてございます。消費者庁といたしましては、これを踏まえまして、関係各方面からの御意見も伺いつつ、必要な検討を重ねてきたところでもございます。

 取消権は、契約全体の効力が否定をされるという強い効果を伴うものであるとともに、事業者の行為規範としても機能するものでもあろうかと思います。したがいまして、消費者にとっての使いやすさ、あるいは事業者の予見可能性、それからこれらのための要件の明確性といった要素が全て満たされることにより十全に機能するというふうに考えているところでもございます。これを踏まえまして、今回の法律案では、事業者の勧誘行為の要件を明確にした取消権の規定を追加、拡充をすることとしたものでございます。

 今後も、消費者被害の状況をしっかりと注視しながら、被害の態様やあるいはその広がりも見極めつつ、消費者契約法を含みます消費者法令全体の中で被害の防止を図っていく、これが重要な観点だなというふうに思っているところでございます。

伊佐委員 大臣のおっしゃる意味は非常によく分かります。つまり、取消権というのは非常に強力な権利なので、さっきおっしゃったような、利用者の使いやすさとか事業者の予見可能性とか、あるいは要件の明確性が大事なんだと。これは確かにそのとおりで、でも、これは私、一つの側面だというふうに思っています。つまり、さっき申し上げたように、例えば、社会がどんどん変化していくとか、イタチごっこになるんじゃないかというような指摘、これも私、もう一つの側面だというふうに思っております。

 その上で、今回、この議論というのは、日本のそもそもの、民法を含めた法体系の根幹に関わるような議論に最後はなってしまうのかなというふうに思っています。というのは、昔、著作権法をやらせていただいたときがあって、著作権法でも同じような議論がありました。著作権法で、一個一個、個別具体的にそれぞれの行為を書き出して、こういう権利には著作権がありますというふうに、著作権というのはばあっと書かれています。そもそも著作権の世界というのは、コンテンツあるいはコンテンツの配信というものが、もうデジタル化の流れがすごいので、どんどん時代に合わなくなって、そのたびに著作権法の改正というのをやっている状況です。

 アメリカはどうかというと、非常に簡単な、シンプルでして、包括的にやっています。コピーは駄目ですよ、ただ、私的複製はオーケーです、私的に利用する場合はと書いてあって、どれが私的複製なのかというのは一個一個別に書いていません。これは判例の蓄積でやっているという状況で。だから、当然、そもそもの法律の成り立ちが違うわけですが、じゃ、さっき申し上げたように、日本で一足飛びに包括化してできるかというと、これは民法全体に影響を及ぼすものじゃないかというふうに思っています。

 民法で、例えば公序良俗に反すること、ある意味、結構ばくっと書いてあるわけですが、それを個別法に落としたときには結構具体的にやはり日本の法体系というのは書いているという状況の中で、だから、まず、これは被害が明らかに今なっていますので、これに対しては早急に法的な手当てをすべき必要性があるというふうに思っていますので、まずは、今回は具体的にこうやって一個一個書いていく方向でまあよいかなと私自身も思っています。

 その上で、さっき申し上げたように、やはりこの時代の流れを考えると、この問題を私は避けて通れないというふうに思っています。つまり、具体的にこれからも書き続けるのか、どこかで包括的なものを議論しなきゃいけないのか。これは、消費者庁だけの話じゃなくて、法務省とも恐らく一緒に議論しないといけない話だと思っています。

 そういう意味で、この話は中長期的に是非考えていくべき課題だというふうに思っておりますが、大臣の見解を伺いたいと思います。

    〔稲田委員長代理退席、委員長着席〕

若宮国務大臣 今委員がおっしゃったように、消費者契約を取り巻く環境、本当に変化の速い、時々刻々と変化しているというふうに私も考えてございます。

 検討会報告書におきましても、従来の消費者契約法の取消権や契約締結過程の適正化のための対応を超える新たな方向性が提言されていることなどを踏まえますと、既存の消費者契約法の枠組みにとらわれない抜本的な検討が必要ではないかなというふうにも思っているところでもございます。

 そのため、将来に向けましては、この消費者契約法が果たすべき役割は何か、こういった観点から、法体系全体の中で消費者法が果たすべき役割、あるいは消費者法全体の中での各法律の実効的な役割分担を考えるといった、いわゆる骨太な議論が必要ではないかなというふうにも考えられるかと思います。

 委員御指摘のように、社会あるいは技術が急速に発展、変化している中で、消費者の権利、これはどのような規定ぶりが適当かといった問題につきましても、こうした骨太な議論の中で考えてまいりたい、このように考えております。

伊佐委員 骨太な議論が必要だと、大臣も必要性を認識しているというふうに確認をさせていただきました。

 もう一問、大臣に伺いたいんですが、契約書面の電子化についてです。

 これも、昨年の特定商取引法の改正の中で議論がありました。契約書面の電子化。これは、今回、野党の皆さんの対案では、電子化というそのものを削除しましょうという対案になっておりますが、昨年の議論の結論はどうなったかというと、契約書は紙での交付が原則なんです、紙が原則です、消費者の承諾を得た場合に限って特例的に電磁的な方法で提供できると。

 今、この電子書面にできる条件というものを議論していただいているというふうに思いますが、この電子化、契約書が電子化になることで消費者被害が増えるんじゃないかという心配の声もあります。例えば、結局、消費者の承諾が必要といっても誘導されるじゃないかとか、書面じゃないと本人以外が気づくきっかけが失われていくんじゃないかと。これは、本会議でも野党の法案提出者の皆さんから答弁があったところだというふうに思います。こういうデメリットも指摘されている。

 私自身も、デメリットがないとは思っていません。やはりあると思います。でも、同時にメリットもやはりあるはずで、これは当然、消費者被害を防止するという観点でのメリットもあると思っています。電子化に限らず、私、書面も一緒で、書面も当然メリットもあるしデメリットもあると思います。ただ、これだけデジタル化が進んでいる中で、やはり契約書面はずっとこれからも書類、紙に限りますというのも、ちょっと無理があるなというふうに思っています。

 大事なことは、今まさしく議論されていますので、このメリット、デメリット、あるいはデメリットをどうやって減らしていくか、ここを十分に見極めて丁寧に議論を進めていくことが大事だというふうに思っています。だから、この議論の中で関係者あるいは当事者団体の皆さんの声もしっかり聞いていただいて、丁寧に議論を進めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

若宮国務大臣 契約書面等の電磁的方法によります提供を可能とする規定につきましては、これは消費者保護にも万全を期した実効的な制度とすることが重要であるというふうに思っております。これは、広く関係者から意見を聞きつつ、制度設計に向けた議論、まさに委員が御指摘のように、丁寧に丁寧に行っていきたいというふうに思っております。

 具体的には、消費者庁内で、消費者団体、それから事業者団体、あるいはデジタル技術の専門家などから成ります検討会、これを開催しております。これまで関係者からのヒアリングも行ってきたところでもございます。

 また、検討会での議論を踏まえまして、悪質事業者が悪用したり、あるいは高齢の方などのデジタル機器の利用に不慣れな方々が不利益を被ったりしないような、関係者の意見を踏まえた政令、省令などの制度設計、まさに丁寧かつ慎重に行ってまいりたい、こう考えております。

伊佐委員 大臣、丁寧かつ慎重によろしくお願いします。

 次に、消費者行政の根幹、まさしく一番の現場に当たるところを伺いたいと思います。消費生活相談員です。

 これは、トラブルがいろいろあったときに消費者の皆さんの相談に当たることをしていただいていますが、この消費生活相談員の人員、人数は平成三十年度からずっと下降傾向です。ずっと減っている。昨年ちょっとだけ上がったんですけれども、基本的にはずっと減り続けている。ところが、相談件数は毎年九十万件。これは別に減っているわけじゃありません。相談をずっと受けている。ただ、相談件数は減っていないけれども人だけはどんどん減っているという状況の中で、自治体の中でも多くの自治体で定数を満たさないというような状況にもなっているというふうに伺っています。

 これは自治事務ですので、最終的には自治体がどう判断してしっかりと人員確保するかということが大事なんですが、ただ、全国的に今どんどん減っているというような傾向にありますので、人数の確保をどうやって国が支援していくかということが大事だというふうに思っています。また同時に、質ですね。デジタル化がどんどん進んでいる、社会がどんどん変化しているという中で、相談の内容自体もかなり高度化して複雑化しているという状況の中で、研修もやっていく必要がある。だから、人の数とスキルアップも含めた質、これをどうやっていくのか、伺いたいと思います。

長谷川政府参考人 お答え申し上げます。

 自治体におけます消費生活相談員の数は、先生御指摘のとおり、令和三年に前年と比べて小幅に増加したものの、このところ減少傾向にございまして、担い手の確保は大変重要な課題と認識しております。また、経済のデジタル化の進展など、消費者を取り巻く環境が大きく変化する中、相談の内容も複雑化、多様化しており、相談員さんのレベルアップも必要でございます。

 消費者庁といたしましては、こうした課題に対しまして、相談員を目指す方を国が直接支援する相談員担い手確保事業といたしまして、各種の資格試験対策や就職サポートなどを実施しておるほか、地方の相談員が研修を受講しやすいように国民生活センターのオンライン研修を充実させ、相談員の方のレベルアップを図るなどの対応を行っているところでございます。

 先般成立いたしました令和四年度予算においても担い手の確保や相談員のレベルアップに必要な予算を計上しており、どこに住んでいても質の高い相談、救済を受けられる体制の構築に向けまして、引き続き、しっかりと取り組んでまいりたいと思っています。

伊佐委員 人材の確保の中で、処遇も是非いろいろと支援していただきたいというふうに思います。

 処遇も、令和二年度から制度自体がそもそも変わったと伺っておりまして、会計年度任用職員という立場になったので、ボーナスが今まで出なかったけれども出るようになったというところで、多少ちょっとアップしたとは聞いていますが、ここも引き続き取り組んでいただきたいというふうに思います。

 次に、成年年齢の引下げについて、いよいよ今週の金曜から成年年齢が引き下がる、二十歳から十八歳になって。親の同意がなくても、携帯電話の契約であったり、ローンを組んだり、クレジットカードを作ることができる。今までは、成年年齢に達しない人の契約というのは取り消すことができた、無効にすることができた。未成年者取消権、これがこの金曜日からなくなるわけです。

 そうすると、消費者被害が増えるんじゃないかというような心配のお声もあって、成年年齢の引下げで検討すべき課題というのは、これは別に消費者問題だけじゃなくて、あらゆる行政分野に及びます。そういうこともあって、省庁横断的に、関係閣僚会議を開いて、成年年齢の引下げに伴ういろいろな課題、また対応をしっかり議論するべきだと、これは公明党からも強く主張させていただいて、いろいろな課題、これまで省庁横断的な会議で議論していただきました。消費者関係では、この消費者契約法の改正も行ってきたという経緯がございます。

 やはりこれは、さっき委員も質問がありましたが、最後にやはり大事なことというのは消費者教育かなというふうに思っています。契約とはこういうものだとか、こういう場合にはクーリングオフできますよとか。

 特に、対象になるのが十八歳、十九歳ですので、高校生でどういう教育をしっかりできるかということが大事だというふうに思っています、これは必修課程にはなっていませんので。それでも、しっかり文科省としても、さっきも人材確保や臨時免許状、研修動画、いろいろな取組を紹介していただきましたけれども、いま一度我々からもお願いしたいと思います。文科省、しっかり取り組んでいただきたい。

淵上政府参考人 お答え申し上げます。

 令和四年度からの成年年齢引下げを踏まえまして、子供たちが、自立した消費者として適切な意思決定に基づき、責任ある消費行動を取ることができるよう、その発達の段階に応じて消費者教育を行うことが重要だというふうに考えております。

 文部科学省では、令和二年度から順次実施をしております新しい学習指導要領におきまして、消費者教育に関する内容を充実してきているところでございます。

 特に、高等学校におきましては、家庭科の中に新たに契約の重要性や消費者保護の仕組みに関する内容を盛り込んで、売買契約のほかに多様な契約があること、あるいは、未成年と成年の法律上の責任の違い、消費者被害の防止や救済について理解をさせるということにしておりまして、令和四年度からの高校の学習指導要領の実施を待たずして、前倒しで全ての高校生に指導が行われているという状況でございます。

 さらに、この四月からは、新しい必履修科目の公共という科目におきまして、多様な契約及び消費者の権利と責任に関わる課題を基にした主題を設定して、これを解決していく学びを行うということにしているところでございます。

 そして、今申し上げた家庭科の内容と公共につきましては、学習指導要領において、原則として入学年次及びその次の年次の二か年のうちに履修させるということにしておりますので、高校生が十八歳に至る前に必ず履修をするということになっているところでございます。

 加えまして、文部科学省では、各学校の指導を支援するために、消費者庁作成の高校生向け消費者教育教材、「社会への扉」の活用の促進、生活指導員や弁護士等の外部講師の活用の促進等を図っているというところでございまして、今後とも、学習指導要領に基づき、消費者教育が適切に行われますよう、消費者庁など関係省庁と連携をして取組を進めてまいりたいと考えております。

伊佐委員 さっき紹介していただいた「社会への扉」、これは消費者庁で作っていただいている副読本ですが、これを私も読んだんですけれども、結構、ああ、そうなんやという、知らない、クイズ形式になっていまして、契約が成立したのはいつか、一、商品を受け取ったとき、二、代金を払ったとき、三、店員がはい、かしこまりましたと言ったときと。これはなかなか難しいなと思って、答えは三なんですけれども。こういう非常に分かりやすい解説本もありますので、是非、活用していただきたいというふうに思います。

 最後に一問、取引デジタルプラットフォーム消費者保護法、昨年、これは法改正をしたものですが、ネット上で買物してトラブルになったときに、やはり、デジタルプラットフォームの責任、あるいは果たすべき責務というのはあるだろうということで、例えば、何かトラブルがあったときには売主と連絡がつくようにするとか、あるいは苦情に対して必要な調査をする。これは、法の対象は、BツーCが対象だ、ビジネス・ツー・コンシューマーが対象だ、CツーCは対象にならないということで、でも、隠れビジネスというのはありますよねとか、あるいは、そもそもBとCの定義、どうなんだみたいなのを昨年、議論をさせていただきました。

 私が申し上げたのは、ヨーロッパではCツーCというのは余りない、日本特有だというふうに言われています。だから、日本がこういう、ここの分野、法整備をリードしていかなきゃいけないんじゃないかと昨年、消費者庁に聞いたら、消費者庁は、いやいや、定義がなかなか難しいんですという議論でした。

 例えば事業者というのは、Bというのは、百万円以上の販売をする者を事業者とすると言ってしまえば、九十九万円で潜脱して、うまく抜ける人もいるんじゃないかということで、なかなか難しいとおっしゃって、でも、検討しますねとおっしゃっていたんですが、結果、どうなったか、お答えいただければ。

片桐政府参考人 お答えいたします。

 御指摘の、個人か販売業者かの区別については、昨年の法案審議での御指摘も踏まえ、昨年十一月以降、取引デジタルプラットフォーム官民協議会準備会において議論した上で、基本的な考え方などを明らかにする販売業者等に係るガイドライン案を作成し、本年三月二十五日まで意見募集を行ったところです。

 このガイドラインにおいては、販売業者等に該当するか否かを営利の意思、反復継続性によって判断することとし、その判断に当たっての考慮要素及び具体例を示しています。

 例えば、いわゆる情報商材のように、商品などの性質上、販売業者等への該当性を推認させ得る考慮要素を示す一方で、自己が受け取った贈答品を単発的に販売する場合などを、販売業者等への該当性を推認させる事情にはならない具体例として示しています。

 今後、意見募集に寄せられた御意見等も踏まえて、取引DPF消費者保護法の施行までにガイドラインを適切に定めてまいりたいと考えております。

伊佐委員 ありがとうございます。

 結局、検討していただいて、ガイドライン案も作っていただいたということでした。ありがとうございました。

 終わります。

松島委員長 次に、吉田統彦さん。

吉田(統)委員 おはようございます。立憲民主党の吉田統彦でございます。

 本日、大変短い時間ですので、簡潔かつ濃密に御答弁いただきますよう、大臣にお願いを申し上げます。

 先週の三月二十五日の私の本会議の質問の中でも、食品表示の問題を一部取り上げさせていただきました。

 また、同日に、現在検討されているガイドラインの策定は拙速であり、一、二〇二二年三月末に予定されているガイドラインの公表を一旦凍結し、消費者の選択の権利を狭めることのないよう、消費者の懸念をしっかり受け止め、ガイドラインを見直すこと、二、事業者が萎縮し、無添加や不使用といった表示を掲げる商品の生産、開発が縮小することがないよう、規制の対象となる表示について一層の明確化をすること、以上の申入れを消費者庁に行ったところであります。

 では、始めてまいります。

 時間がないので、通告の順番を入れ替えまして、まず、大臣に、コンビニのおにぎりについての件をお伺いさせていただきたいと思います。

 大臣、食品添加物の表示は、一括名表示等の制度によって、使用されている食品添加物が正確に表示されていないことがあります。

 例えば、コンビニで販売されているおにぎりは車の中に一か月放置してもかびることがないとか、そういった事例が、一部真実かどうかはありますが、まことしやかに伝わっています。

 例えば、今回、私が資料としてお配りした資料の写真を御覧いただくと、御飯と表記されていますね。しかし、御飯というのはお米を炊いたものであり、その経過で様々な添加物が加えられているか否かが全く分からなくなるわけであります。同様に、塩飯という表示があるものもありますが、これは塩とお米だけでできているということを意味しません。しかし、こういった事例が消費者にとって非常に分かりにくい表示になっている事実があるわけであります。

 例えば、左側の写真と比べて、大臣、右側の写真は、比較的、原材料がしっかりと記載されていますよね。しかし、例えば、みりん風調味料という部分には何が入っているのかよく分かりませんし、左側の調味料に至っては、調味料の中にどのようなものが使われているか全く表示がされていないことになります。

 以前は、このようなおにぎりの食品表示は原材料を列記する形で記載されていました。その表示を見て、消費者は信頼して食品を購入することができたわけであります。

 このような現状を消費者にとって好ましい状況と言えるかどうか、大臣、イエスかノーでお答えいただけますでしょうか。

若宮国務大臣 食品表示の基準におきましては、使用された添加物は表示を義務づけられているところでございます。

 そうした中で、製造過程で使用されているものの、完成前に除去される又は最終的にその効果が発揮をされないような場合について、表示の免除ができることとなっており、これは、いわゆる食品の国際基準でありますコーデックス規格にも同様の記載があるところでもございます。国際整合性の観点から、こういった形での妥当なものではないかというふうに考えているところでございます。

 ただ、原材料の製造過程において使用されているものは、最終的にその効果が発揮されないために表示されていない食品添加物等について不使用表示を行う、あるいは様々な消費者の誤認を招くおそれが高いという整理をしているところでもございます。

吉田(統)委員 大臣の今の答弁だとイエスかノーかがよく分かりませんけれども、私は、このような状態は好ましくないと思います。

 それでは、今回のガイドラインによって食品の表示が変わって、消費者の利益になりますか、大臣。

若宮国務大臣 消費者の商品の選択において、表示の正確性、これは大変重要なことだというふうに認識をいたしているところでございます。

 例えば無添加ですとか、このガイドライン、不使用などの食品添加物の不使用表示につきましては、多くの消費者が商品購入の際の参考にしているにもかかわらず、表示禁止事項に該当するおそれが高いケースがあるものというふうに考えられるかと思います。その背景としては、この表示禁止事項が不明確であることが指摘をされてもまいりました。

 このため、仮に表示禁止事項に該当する表示を基に消費者が誤認したまま商品を選択していることがあるとすれば、これは消費者の自主的かつ合理的な選択に資するという食品表示法の趣旨から見ますと、不適切な状況になっているおそれがあるものというふうに考えられるかと思います。

 このガイドラインにつきましては、食品添加物の不使用表示に関して、誤認させる表示等に基づく商品選択が行われることのないよう、表示禁止事項の解釈を示すこととしたものでございます。

吉田(統)委員 かなり細かく通告をしたにもかかわらず、ちょっとずれちゃってあれですけれども、分かりました、ちょっとここはまた議論していきましょう。

 時間がないので、次に、ゲノム編集食品についてお伺いします。

 ゲノム編集食品は、自然に起こる突然変異や従来の育種技術、自然交配などによるものと科学的に区別がつかない場合もあります。一方で、ゲノム編集を行うと、遺伝子や塩基配列の狙った部分を操作して、効率よく品種改良を行うことができます。

 このようなゲノム編集食品は、現状では、食品表示上、表示の義務がないとお聞きしていますが、事実ですか。事実かどうかだけお答えください。

若宮国務大臣 はい。現在では表示の義務づけというものは行っていないところでございます。

吉田(統)委員 ありがとうございます。

 それでは、例えば、大豆を使用した調味料などで遺伝子組み換えではないとの表示がされていますが、その中でゲノム編集がされていたとしても、こういった表示をすることは可能でしょうか。

若宮国務大臣 ちょっと不鮮明だったんですが、大豆でございますか。(吉田(統)委員「大豆で」と呼ぶ)

松島委員長 答弁はどちらがされますか。(吉田(統)委員「委員長、時間を止めてください」と呼ぶ)

 では、時間を止めます。止めてください。

    〔速記中止〕

松島委員長 では、時計を動かして。

 大臣。

若宮国務大臣 失礼いたしました。

 遺伝子組み換えとゲノムのことではちょっと種類が違うかと思うんですが、今回のゲノムの表示に関して申し上げますと、ゲノム編集というのが、まず科学的な検証が不能であるということと、それからまた、社会的な検証を行うことが困難であるということから、ゲノム編集応用食品であるかどうかにつきましては、積極的な情報提供に努めるように事業者の方に働きかけておりますが、義務づけを行うということが難しいというところでございます。

吉田(統)委員 じゃ、ちょっとここで役所の方にお伺いしたいんですけれども、消費者庁における遺伝子組み換えというものの定義に関しては、例えば、これはCRISPR―Cas9などを使ったものを意味するのか、あるいは自然交配などの品種改良なども含むのかということを、ちょっと明確にお答えいただけませんか。

村井政府参考人 お答え申し上げます。

 遺伝子組み換えか否かという御質問ということでよろしいでしょうか。(吉田(統)委員「はい」と呼ぶ)はい。

 基本的に、遺伝子組み換えか否かということに関しましては、結果論で、外来遺伝子が組み込まれているかどうかということが判断のメルクマールになるというふうに考えております。

吉田(統)委員 ちょっと、ここを議論すると長くなっちゃうのでやめますけれども、外来というもの、その定義だと、科学的にはちょっと弱いと思いますよ。

 だって、つまり、そうすると、主に念頭に置くのはCRISPR―Cas9とかを使った遺伝子の導入ですよね、切り取って入れたもの。しかし、自然交配においても別に外来の遺伝子が入ってくるということはあり得ますし、例えばSNPなんかが変異を起こす場合だってあるわけですから、もうちょっと明確な定義が必要だと思います。

 もう時間がないのでまた次やりますが、そこはちょっとまた議論していきましょう。これは大事な問題です。ここがずっと、消費者庁の方と話してもちょっと曖昧だし、完全な定義ができていないんじゃないかなと思います。

 それでは、最後、もう終わりますが、もうちょっとありますね、ありがとうございます。

 消費者の立場からすると、ゲノム編集食品というのは、将来的な不都合、世代を超えた不都合の有無は分かっていないんです。例えばレトロウイルスベクターとかを使ったことをすると、レトロウイルスというのは感染させるんですよね、遺伝子に。そこからずっと読み込んでいくので、予期しない変異が起こるんですよね。

 遺伝子の導入、アデノウイルスだとかベクター、いろいろなものを使ったりします。CRISPR―Cas9の場合、切り取ってくっつけるわけですけれども、それによって、様々なところで不都合な変異が起こる可能性とかもあるんですよね。例えばレトロウイルスを使った場合なんかだと、下流の部分で。

 そういったことも含むと、世代を超えた不都合の有無は明確に分からないわけであります。だから、現状、被害報告がないということは、一定程度報告が事業者からできるかもしれないんですが、あくまでその程度の問題になってしまいますね。だから、不安感がやはり大きいわけですよね、消費者にとっては。

 だから、こういった消費者の保護を図るためには、やはりゲノム編集食品というのははっきりと表示をしていくことも考えるべきだと思うのですが、大臣、いかがでしょうか。

若宮国務大臣 一般論といたしまして、我が国におけます食品の安全性、これにつきましては、まず事業者において責任を持って確保していただくこととともに、食品衛生法によって、人の健康を損なうおそれがある食品の販売というのは禁止をされているものであると思います。

 その上で、食品にどのような表示を義務づけるか、これは、消費者の意向ですとか、あるいは表示の実行可能性、あるいは表示違反の検証可能性、さらに、国際整合性などを十分に踏まえた上で、丁寧に検討することが重要であろうというふうに思っております。

 食品表示、これは消費者の商品選択に当たっての入口になりますので、しかも重要な判断材料、これはもう紛れもない事実だと思っております。これを念頭に、消費者の自主的かつ合理的な食品の選択に資するよう、引き続き、適当な制度運営に努めてまいりたいと思っております。

 また、今後、流通の実態ですとか、あるいは諸外国の表示制度、こういったものも時代とともに、委員の御指摘のように、変化、変わってくる可能性もございます。こういったものはしっかりと注視をしながら、新たな知見等を得られた場合には、必要に応じまして、このゲノム編集技術応用食品の表示につきましても在り方などを検討してまいりたい、このように思っております。

吉田(統)委員 時間なので終わります。また引き続きどうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。

松島委員長 次に、青山大人さん。

青山(大)委員 吉田委員に引き続きまして、食品添加物不使用表示ガイドラインについてお伺いをいたします。

 まず、改めて確認ですけれども、今回のガイドライン作成は、事業者による任意表示の部分のみという理解でよろしかったでしょうか。また、経過措置期間について確認させてください。

若宮国務大臣 消費者の商品選択におきまして、表示の正確性、非常に重要なことだというふうに考えてございます。

 その上で、食品添加物の不使用表示につきましては、消費者を誤認させるような表示は禁止されているものの、基本的には任意表示となってございまして、表示を行うか否かは、その表示方法、これは食品関連事業者等に委ねられているところでもございます。

 こうした状況下、無添加、不使用などの食品添加物の不使用表示につきましては、多くの消費者が商品購入の際の参考にしているにもかかわらず、表示禁止事項に該当するおそれが高いケースがあるものと考えられ、その背景には、表示禁止事項が不明確であることが指摘をされていたところでもあります。

 このため、義務表示制度を変更することなく、任意表示である食品添加物の不使用表示に関しまして、誤認させる表示等に基づく商品選択が行われることがないよう、今回のガイドラインを策定するものでございます。

 ガイドライン策定後は、食品関連事業者等におきまして、自らの商品の表示が消費者に誤認を与えるかどうかの自己点検、これを行っていただきたいと考えております。その結果、表示の見直しが必要となった場合には、包装資材の切替え等に一定期間の期間が必要であることも考えまして、表示の見直しに関して二年程度の期間を設けることとしているところでございます。

青山(大)委員 大臣からも御答弁あったように、いわゆる消費者の皆様を誤認させないようにということで、今までの任意の表示についてルールがなかったからきちっと定めようと。すなわち、消費者を保護する目的が一番だというふうに思うんですけれども、一方で、このガイドライン作成に対して逆に消費者から大きな不安の声が上がっているのも事実でございます。これは事業者も含めまして不安の声も上がっています。

 これは、きちっと説明しないと、消費者のために作ったものが、何か逆のようなイメージを受けている今の現状について、ここはしっかりと是正しないといけないなと私は思います。消費者の皆様の中には、これまで任意表示を頼りに商品を選んでいた方も当然おりますし、それがなくなる、何かまるで急になくなっちゃうんじゃないかということで、何を頼りに選べばいいんだといった声も聞こえてきます。

 任意表示がなくなることで、何を基準にして食品の安全性を見極めればよいのかという不安の声に対して政府はどう応えるのか、対応をお聞かせください。

若宮国務大臣 本ガイドライン案は、現時点で消費者に誤認を与えるような表示禁止事項に該当するおそれが高いと考えられる表示について取りまとめてございます。食品添加物の不使用表示を禁止するものではございません。

 食品添加物は、食品安全委員会で安全性が評価され、厚生労働省での審議を経て食品衛生法に基づき成分規格や使用基準が設定をされているところでもございます。

 しかしながら、これまでの消費者意向調査におきまして、この食品添加物は安全性が評価されること等について十分な理解がされていないということが明らかになっており、こういった現状を踏まえまして、本ガイドラインの作成後は、食品添加物全般に関しても消費者の皆様方にも正しく理解をしていただけるよう、表示制度と併せて周知、普及を行ってまいりたい、こう思っております。

青山(大)委員 何でこういうふうな誤解が一般的に生じてしまっているのかという中で、任意表示じゃなく義務表示、義務の表示の食品の表示について、やはり、まだまだその存在とか読み解き方が、一般の人には分かりにくいというか知られていない状態が、その一つの理由かなというふうにも思っています。

 だから、今回の、任意表示が何かまるでいきなりなくなってしまうんじゃないかといった誤解から、今回のような不安の声が生じたのかなというふうにも思っております。

 今回のガイドラインにより、任意表示がなくなる場面も出てくるのかなと思います。同時に、義務表示である食品表示の読み方をしっかり普及させる必要も併せてあるのかなというふうに思っております。

 例えば、オンライン無料講座のような、一連の動画で食品表示の読み解き方を解説する講座を消費者庁ホームページのトップページに分かりやすく配置するなど、思い切った工夫が必要ではないでしょうか。現状では、消費者向け、事業者向けとページが分かれており、食品安全総合サイトという消費者向けの別のサイトも用意されていますが、いずれのページでも、改正についてのパンフレットなどの文字情報は置かれているものの、目的地までたどりにくいつくりになっております。

 併設されている消費者教育用の教材検索サイトもありますが、こちらも、食品表示の改正パンフレットにようやくたどり着くといった感じであり、まずは、食品表示の全体概要を学ぼうとする場合には非常に分かりにくい内容となっております。

 なお、動画で食品表示改正を解説するものもありましたが、ちょうど今回の質問に備えようと思ってそのリンクをクリックしたら、ノットファウンドということで、ページが機能しておりませんでした。これが現状だと思います。

 そんな中で、今回のようなタイミングでガイドラインの改正を行うことによって、逆に何か誤ったメッセージを与えてしまうのかなというふうにも感じたところでございます。

 この制度をつくる政府が、当然、制度について一番正確に説明できるはずです。民間の講座とか出版物よりも、まずは消費者庁が、ホームページで学ぼう、頼りにしようと真っ先に消費者が思えるような、義務表示の、食品表示そのものについての読み解き方を学べるオンライン動画の無料講座をトップページなどで配信し、理解を積極的に広める試みをするなど、どうでしょうか。

 また、コロナが始まって以来、動画視聴が以前よりも社会的に受け入れられやすくなっており、文字情報よりも動画の方が理解しやすいとの利点もあります。是非前向きに検討をしてほしいと思っていますが、いかがでしょうか。

若宮国務大臣 今委員がおっしゃっていますように、食品の表示、これはまさに消費者が商品を選択する場合に当たっての重要な判断材料だと思っております。

 消費者の皆様方への普及啓発については、これまでも、消費者団体と連携をいたしまして、全国における食品表示制度セミナーを開催させていただいております。また、事業者団体や地方公共団体からの要請によります食品表示制度の説明会へ講師の派遣なども行ってございます。また、さらには、消費者の皆様方向けへのパンフレット等の作成及び配布も行っているところでもございます。

 委員がおっしゃるとおり、確かに、コロナ禍である状況を踏まえますと、やはり、オンラインでの説明会、これも一部開催、説明会の動画をウェブサイトで配信することなども行ってはおりますけれども、まだまだ足らざるところがあるのかもしれません。

 また、先ほど御指摘いただきました、ノットファウンドになっちゃったというお話でございました。どういう事情か、ちょっと私も分かりませんが、そうしたことがないように、様々な場面で引き続き工夫をしながら、消費者の皆様方が、身近で、御理解がいただきやすいような形での普及啓発を行ってまいりたい、努力してまいりたいと思っております。

青山(大)委員 早急に改善できるところは早急に改善してほしいというふうに思っております。そして、一層の周知の徹底の努力の方を、重ねてお願いいたします。

 ちょっと質問の観点を変えます。

 任意表示で、例えば、人工甘味料を使用していません、化学調味料を使用していませんという記載は、いわゆる人工、化学的な合成添加物と天然物からの抽出物との差別化に価値を置いて食品を選択する消費者や、製造工程で努力をする事業者にとって、よりどころとなる、意義のある表示だと私は思います。また、内容が事実に即している限り、誰も困る人は出てこないというふうに思います。

 今後どのような書き方をすれば、これまでどおり、消費者が求め、事業者も重きを置いているこのような価値を伝えられることができるのか。政府から、この任意表示の書き方についての例を示してはどうでしょうか。例えば、調味料を抽出する過程を事実に即して記載すれば問題ないのでしょうか。今回寄せられている疑問や不安の声に応えていただきたく、政府の見解を伺います。

村井政府参考人 お答えいたします。

 これまでも御説明させていただいておりますとおり、本ガイドラインは、現時点で消費者に誤認を与えるような表示禁止事項に該当するおそれが高いと考えられる表示について取りまとめたものということでございます。

 今委員の方から御指摘ございました食品添加物でございますけれども、食品添加物は、食品衛生法においては、化学的合成物とそれから植物からの抽出物等の天然物とに差は設けられておりません。いずれも使用が認められております。これに倣い、食品表示基準においても、化学的合成品と天然物に差を設けず、原則として全て表示をすることとしております。

 これに加えまして、人工、合成といった用語には、具体的な根拠や規定がないことや天然物の消費者の理解に影響しているということから、令和二年に食品表示基準を改正いたしまして、添加物表示における人工及び合成の用語を削除したところでございます。

 このような中で、例えば、消費者がこれらの用語に悪い印象を持っていた場合、人工甘味料不使用等の表示は、実際のものより優良又は有利であると誤認させるおそれがあるものと考えております。

 このため、人工あるいは合成といった用語を用いず、単に着色料不使用と事実に即して任意に表示することや、不使用表示ではなく、例えば、実際に使用した調味料について、その製造、抽出する過程を事実に即して任意で表示していただくことは可能であると考えております。

青山(大)委員 なので、やはり幾つか具体的な分かりやすい例示なんかを示してくれた方が事業者にとっても消費者にとってもいいのかなというふうに思いますので、その辺は少し検討をしてほしいなというふうに思っています。

 恐らく、消費者庁の皆さん、先ほど大臣の答弁があったように、消費者の利益のためにやろうとしていることですし、それは別に事業者の企業努力を縛るものではないというふうに理解していますけれども、何かそれが世間に誤った伝わり方をしているのは非常にもったいないのではないかというふうに思います。

 先ほど大臣の御答弁でも経過措置も二年というふうにあったと思うんですけれども、何かこれは、始まったからといってすぐに一斉に取締りとかするわけじゃないですよね。一応、確認ですけれども、質問させてください。

村井政府参考人 お答えいたします。

 本ガイドラインは、まず、食品関連事業者等において、自らの商品の表示が消費者に誤認を与えるかどうかの自己点検を行う際に用いてもらうことを考えております。

 本ガイドラインの策定後、包装資材の切替えに一定程度の期間が必要であること等を考慮し、御指摘ありましたとおり、表示の見直しに関しまして二年程度の期間を設けるということにしております。

 事業者には、二年に満たない間においても、可能な限り速やかに見直しを行っていただくことによって不適切な表示が防止されることが期待されると考えておりますが、御指摘があったとおり、二年間、そういったことで自己点検期間ということで位置づけておりますので、その間はまさしく事業者の方で自主的に対応していただくことを考えております。

青山(大)委員 ありがとうございました。

 あくまでも自己点検するということを促すということで、消費者の利益のためにやったというような認識で確認させてもらったので、以上で質問を終わりにします。ありがとうございました。

松島委員長 次に、大西健介さん。

大西(健)委員 大西健介です。

 時間がありませんので、早速質問に入りたいと思います。

 ジャパンライフ事件、被害者七千人、被害総額二千百億円という甚大な被害を出しました。一月に東京地裁は、山口隆祥元会長に対して詐欺罪で懲役八年の実刑判決を言い渡しました。しかし、娘の山口ひろみ元社長を始めとする出資法違反で起訴された十二人の幹部は、いずれも執行猶予となりました。実刑を免れました。

 これだけの被害を出しておきながら実刑を免れるというのでは、消費者被害を防ぐことが私はできないんじゃないかというふうに思うんですが、このことについて、大臣の率直な御感想をまずお聞きしたいと思います。

若宮国務大臣 今委員が御指摘になりましたように、ジャパンライフの事件というのは、私も新聞等で承知をいたしておりますので、見聞きはしております。

 ただ、大臣としてのコメントということですと、これはやはり、裁判所の判決でございますので、司法の判断に関するコメントは差し控えさせていただければと思っております。

大西(健)委員 私が聞きたいのは、司法の判断ではなくて、大臣の仕事はこうした消費者を守ることですけれども、悪いことをした人が全く罰せられないということで、本当にこれでいいのか。

 老後の資産を根こそぎ奪われた被害者の中には、電気代や水道代も払えない悲惨な状況に追い込まれている人も多くいます。社長以下十二人が全員執行猶予で、本当に社会正義はどこにあるんだ、これらだました者が許されて、だまされたやつが悪いみたいな話になっちゃうんじゃないか。これで本当に被害者が、大臣、納得されると思いますでしょうか。

 私は、執行猶予がついてしまうのは、出資法第一条、出資金の受入れ制限、第二条第一項の預り金の禁止違反の罰則が、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金との併科というふうになっているんですけれども、これが軽過ぎるから、この現行の三年以下の懲役を最低でも五年以下の懲役に引き上げないと執行猶予がついてしまうということだと思いますけれども、この点について罰則の強化が必要だとは思いませんか。大臣、いかがでしょうか。

若宮国務大臣 今委員が御指摘になられました出資法の改正等が必要か否かにつきまして、これは、本年六月一日に施行予定の改正預託法の効果を見極めつつ、他の法令との罰則の均衡性、これを勘案しながら、関係省庁とも連携を図った上で、必要に応じて検討してまいりたいというふうに考えております。

大西(健)委員 預託法の改正自体は私たちも評価をしていますけれども、この間、ジャパンライフだけじゃなくて、ケフィアとか、会社ぐるみの組織的、職業的犯行が繰り返されている。

 ところが、この出資法の罰則というのは、昭和二十九年に出資法ができて以来、全く引き上げられていないんです。ですから、やはりこれは出資法の罰則そのものも引き上げるということを、強化するということを検討して、少なくとも検討していただかなきゃいけない。検討の結果どうかということまでは申し上げませんけれども、是非、出資法の罰則強化、これを御検討いただきたいと思いますけれども、法務省から御答弁をいただきたいと思います。

保坂政府参考人 法務省といたしましては、その検討の前提となります資金需給の状況などの金融経済情勢、あるいは関連業者の業務実態、あるいは消費者被害の実情というのを直接的、恒常的に把握する立場にはないわけですけれども、法定刑を引き上げる検討をするといたしますと、そういった実情を踏まえた上で、一般的には、その引き上げる必要性や理由をどう考えるのか、ほかの法律やその法律の同種の罪とのバランスをどう考えるのか、実際の処罰状況として適正な量刑が困難になっている状況があるかどうかといったあたりが検討課題になってこようかというふうに考えております。

大西(健)委員 今の答弁はちょっとびっくりしたんですけれども、出資法を引き上げるような、そういう状況があるのかないのかは知らないみたいな話ですけれども、さっきから言っていますよね、ジャパンライフだとかケフィアだとか、出資法違反で大変な被害を出している、こういう事件が繰り返されているんですよ。それを、そんな状況は自分たちは把握する立場にないと、別に、新聞を読んでいたら分かることじゃないですか。それで何で、出資法違反の昭和二十九年以来引き上げられていないものを、全く知らないと言えるんでしょうか。

 これは是非検討していただきたいと思いますけれども、もう一度答弁をお願いします。

保坂政府参考人 先ほど申し上げましたのは、個別の事件の判決結果については承知をいたしておりますけれども、消費者事案のそれ以外の広く実情ですとか関連業者の業務実態というのを法務省の所掌としては知らないものですから、そういったところを所管されているところからそういう実情を御紹介いただいた上で、我が方としても、罰則のありようについては、それを踏まえて今言った過怠を考えながら検討していくということになるんだろうというふうに思っております。

大西(健)委員 大臣、法務省は知らないと言っているから、よく言ってやってください、どれだけひどいか。だから、消費者庁は、自分たちは罰則の話は法務省の話だと言うんだったら、法務省に聞いたらその実情は分からないと言うんだから、さっき大臣に私聞きましたけれども、これじゃまた同じような悪いことをする人が出てくるんですよ、だから、罰則強化してくださいと消費者庁が法務省に言うべきじゃないですか。是非お願いしたいと思います。

 次に、アサリの産地偽装について質問します。

 食品表示法で、関係者の間で長いところルールと呼ばれているルールがあります。これはどういうことかというと、食品表示法では、輸入品の場合は原産地国名を表示するということになっていますけれども、二か所以上で養殖した場合は、最も養殖期間が長い場所を表示することになっています。

 ところが、業者が、例えば蓄養といって出荷調整等のために浜に輸入したアサリをまくようなことをするんですけれども、この蓄養期間を偽り、国外より国内で育った期間が長いよう書類上整えるということが横行しているというふうに言われています。

 熊本県はこのルールの見直しを求めていましたけれども、これは、消費者庁伊藤長官が記者会見でこういうふうに言っています、そもそもルールの問題なのか、そうではなくて、どうやったら見つけられるのかという問題ではないかと私自身は思っていますと。当初、非常に長官はルールの見直しに消極的な発言をしていました。

 ところが、十八日になって、一転、若宮大臣は、このルールの見直し、厳格化を図るということを発表されました。私は、これは大臣の御英断だと思いますけれども、何で、消費者庁長官は初めはルールの問題なのか、違うでしょうと言っていたのが、一転してルールの見直しということになったんでしょうか。その経緯を教えてください。

若宮国務大臣 まず、二月一日に農林水産省が公表しました広域小売店におけるあさりの産地表示の実態に関する調査結果概要、これにおきまして、漁獲量を大幅に上回る量の熊本県産のアサリが販売されていることが推測をされ、科学的分析の結果、農林水産省が買い上げた熊本県産のアサリのほとんどが、外国産のアサリが混入されている可能性が高いと判定をされたところでございます。

 これを受けまして、消費者庁といたしましては、アサリの生育や流通の実態、これを踏まえるとともに、消費者への適切な情報提供及び表示内容の真正性の確保の観点を考慮いたしまして、今回の「食品表示基準Q&A」の改正に当たって、いわゆる長いところルールの適用を厳格化するとともに、国内における育成等における根拠書類の具体例、これを示したところでもございます。

 なお、消費者庁長官の会見におけます伊藤長官の発言につきましては、これは、食品表示基準における水産物の産地表示の長いところルールそのもの、これを見直すことは考えていないという趣旨で発言をしたものというふうに思っております。今回の「食品表示基準Q&A」改正により示したのは、アサリについての長いところルールの適用の考え方を厳格化するということでございまして、この消費者庁長官の発言、これは全体とこのアサリということで、矛盾するものではないというふうに認識をいたしているところでございます。

大西(健)委員 これは記者会見の要旨を読めば、アサリのことを記者は聞いているので、アサリのことについて言っていないなんていうのは本当に詭弁だと思いますけれども、いずれにしろ、見直したことはいいことだと思います。

 ただ、熊本県は、産地偽装された外国産のアサリの二割から三割は短期間の蓄養なのに県産に偽装されていたと見ていますけれども、全体の七割から八割を占めるのは書類の書換えの方だというふうに見ています。その意味では、どうやったら見つけられるのかが問題という伊藤長官の言っていることも、私はある意味、そのとおりだと思います。

 ただ、どうやって見つけられるかということの具体策が問題なんです。スーパー等の小売も、卸業者の説明する産地を信じるしかない、小売店の方で産地を見抜くというのは不可能だと言っています。

 消費者庁は、今回も農水省と連名で、関係事業者団体等に対して産地伝達の確認の徹底等を求める通知を出されています。都道府県の担当部局に対しても監視、指導を徹底するように通知を発出して、いかにも熱心にやりますよということは言っているんですね。それ自体は別に悪いことじゃないんですけれども、しかし、悪いことをやっている方は、大体、表示違反で逮捕、起訴なんてされないだろうとたかをくくっているんですよ。抑止効果がないというのは、これは今まで同じことが実はずっと繰り返されているんです。

 皆さんのところに今資料をお配りしましたけれども、これは実は今に始まった話じゃなくて、私が気づいたやつだけ抜き出しただけですけれども、報道が上がっていたやつ。二〇〇八年ですよ。二〇〇八年にもう中国産を福岡産とやった。あるいは、韓国産を有明産とやった。これはずっとやっているんですよ。ですから、厳しく指導しますと言ったって、今までと同じやり方で、ただ見つけたところだけをこうやって指導しましたとやっても、ああ、見つかっちゃったというだけで、またやるんですよ。

 これは同じやり方では私はなくならないと思いますが、いかがですか。

若宮国務大臣 委員が今おっしゃるとおり、私も、本当にあってはならない、許されないことだというふうに認識をいたしているところでもございます。

 消費者庁といたしましては、今般のアサリの生育、流通の実態を踏まえまして、表示の偽装を防ぐために、「食品表示基準Q&A」を改正してルールの適用方法を厳格化することを行うことといたしました。それと、改正によりまして、先ほど来お話出ています長いところルール、この適用の厳格化によって、産地偽装の防止には一定程度の効果があるというふうに期待をいたしているところでもございます。

 また、このルールの適用の厳格化に加えまして、監視面におきましても、食品表示担当部局のみならず、水産部局あるいは警察等の関係機関が連携をいたしまして、根拠書類の破棄等による根拠のない表示、あるいは立入検査の忌避などを行う事業者に対しましては、厳格かつ継続的に監督をしていくつもりでございます。また、アサリの原産地表示の適正化にももちろん努めていく必要があるというふうにも考えてございます。

 また、農林水産省におきましては、本対策の効果を測るために、改正Q&Aの施行一か月後をめどに、アサリの産地表示の状況に関する点検調査、これも行わせていただき、結果は公表させていただく、そういった予定でございます。

大西(健)委員 ですから、長いところルールを厳格化するのはいいと思います。それでは大体、全体の二割、三割は適正化されると思います。ただ、書類の書換えの方は、いったって全部見つけることがなかなか困難で、見つけるためにそれを指摘しても逮捕、起訴まではされないということで、見つかっちゃったというだけだと私は思うんです。だから、これは同じことが繰り返されているんですよ。

 もう一つ言うと、さっきも私、伊藤長官が記者会見でどうやったら見つけられるかという問題だと言っておられますし、書類をしっかりチェックするんだと言っていますけれども、私はそうじゃないんじゃないかと思うんですよ。

 先ほどちょっと大臣が答弁の中でも言われましたけれども、今回、例えば熊本県の例でいうと、水産統計には漁獲量を上回る県産のアサリが市場に流通している。そもそも、もう数字を見れば明らかにおかしいんですよ。

 今回、農水省はDNA鑑定なんかをやっていますけれども、そんなことをしなくても、そもそも、例えば国産アサリの漁獲量というのは、一九六〇年から八〇年代までは年間十二万トンから十六万程度で安定していました。ところが、二〇二〇年には四千三百五トン、ピーク時の三%しか国産アサリは捕れていないんですよ。

 だから、当たり前のように今安い値段でスーパーに並んでいるやつは、ほぼ全て外国産と見た方がいいんだと思います。ですから、そんな量は捕れていないんですから、先ほど大臣が言われたように。なのに、いっぱい出回っているんです。ですから、調べるまでもなく、ほぼ全て外国産だと思った方がいい。

 ですから、どうやって見つけられるかという認識自体が私はそもそも間違っているんじゃないかというふうに思いますけれども、この点、大臣、いかがでしょうか。

若宮国務大臣 今委員がおっしゃるように、私自身もアサリが大好きなものですから、最近なかなか食べられなくなって残念な思いをしているところでもございます。

 三月十八日に農林水産省が公表いたしました広域小売店におけますアサリの産地表示の点検調査結果、これで、昨年の実態調査時点では販売が確認されていなかった中国産のアサリ、こちらが点検調査時点で最も多く販売されていることが明らかになってございました。消費者の皆様方のこれまでの信頼が大きく裏切られたというふうに思っておりますので、私もまさに憤りを感じているところでもございます。

 今般、消費者庁におきましては、アサリの生育や流通の実態を踏まえまして、表示の偽装を防ぐために、表示基準Q&Aを改正して厳格化を行うものでございます。

 こうした中で、先ほども申し上げましたけれども、水産部局、警察あるいは関係機関と連携いたしまして、更にきちっとした対応を取っていくことが重要であろうというふうに思っております。さらに、農水省ともまた連携をいたしまして、アサリの産地表示の状況についてはしっかりと継続的に注視してまいりたい、このように思っております。

大西(健)委員 中国産、韓国産と分かっていて食べられる方は、安いからそれでいいという方もいらっしゃると思いますが、やはりちゃんと表示することによって、逆に国産のアサリに適正な評価を与えて、そして国内の漁業を守っていくことにも私はつながるんだと思いますので、これは是非お願いしたいと思います。

 次に、別の問題、最近、トイレが詰まって高額請求に遭うという消費者被害が増えています。こうした被害の多くが、トイレが詰まっちゃって大変だと思って検索サイトで検索するんですね、そうすると、トイレの詰まりというので上位に出てくるサイト、ここで被害に遭っちゃうんですよ。これらの多くは、いわゆるリスティング広告といって、業者がお金を払って検索の上位に表示されるようにしてもらっているやつなんですよ。

 今回、このトイレの詰まりの高額の被害で集団訴訟が起きているんですけれども、その集団訴訟の弁護団が、グーグルのような大手の検索エンジンを運営する事業者に対して、悪質事業者の広告掲載の中止であったりとか厳格な審査を求める申入れをやっているんです、弁護団がやっているんです。

 私、これは同じようなことを消費者庁ができないんですかと昨日聞いたら、レクでこう言われました、根拠がないからできないと。いや、弁護団が申入れしているんですよ。申入れという言葉が行政手続法等々で問題ならば、別に情報提供でもいいじゃないですか。

 今、いっぱい消費者庁にこのトイレの詰まりの高額請求の問題が、相談が来ていて、その多くがリスティング広告でひっかかっているので、ちょっと事業者の方でも注意してくださいねという、これだけも言えないんですかと言っても、ぐにゅぐにゅ言っているんですよ。これも言えないで、本当に消費者庁は、消費者を守る、そういうつもりがあるのか。

 是非、私は、ちゃんと、検索エンジンを運営する会社に、このリスティング広告でひっかかって高額請求の問題になっている、相談がいっぱい寄せられているんだ、この情報提供ぐらいやるべきだと思いますが、いかがですか。

宮路大臣政務官 まず、そもそも、トイレの修理で高額な請求をされたという消費者トラブルにつきましては、国民生活センターにおいて消費者に注意喚起を行っております。また、消費者庁においても、行政処分に合わせて消費者に注意喚起を行っているところです。そして、トイレの修理等を行う訪問販売事業者に対して、特定商取引法に基づき、行政処分を行った事例もございます。

 その上で、委員御指摘の情報提供の件ですが、消費者安全法に基づき、消費者被害の発生又は拡大の防止を図るために相当であると認めるときは、検索エンジン運営会社等に情報提供を行うことがございます。

 引き続き、事案の内容を踏まえた適切な措置を講ずることにより、消費者被害の防止に取り組んでまいりたいと考えております。

大西(健)委員 時間が来ているので終わりますけれども、消費者に注意喚起しているけれども、事業者には、トイレの修理の事業者には言っているけれども、検索エンジンの会社については検討する。消費者に注意喚起するんだったら、ちゃんとやってくださいよ、こういう広告運営会社にも。

 そのことを最後に申し上げ、そしてちょっと一問、最近、微アルコールとか、ノンアルコールとかアルコールフリーとか、いろいろな表記があるんですけれども……

松島委員長 時間がありますから、短くお願いします。

大西(健)委員 これが分かりにくいということを、ちょっと質問を通告していましたけれどもできませんでしたので、そのことを申し上げて終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

松島委員長 次に、山田勝彦さん。

山田(勝)委員 立憲民主党、山田勝彦です。よろしくお願いいたします。

 それでは、若宮大臣の所信に対する質疑に入ります。

 大臣は所信の中で、「食品表示は、消費者の商品選択に当たっての入口であり、かつ、重要な判断材料です。消費者の自主的かつ合理的な食品の選択に資するよう、その厳正な法執行を始めとした適切な制度運用に努めます。」と述べられました。

 この度、食品添加物の不使用表示に関するガイドラインが示されています。大臣は、食品添加物はなるべく少ない方がよい、若しくは、できれば無添加の方がよいと思われていますか。

若宮国務大臣 食品添加物、これは、食品安全委員会で安全性が評価をされまして、厚生労働省での審議を経て、食品衛生法に基づき成分規格あるいは使用基準が設定されていることから、それに基づき使用されている食品の安全性については、問題があるとは考えておりません。

山田(勝)委員 食品添加物に対して、私自身は、一消費者として、かなり敏感に商品選択、参考にします。実際に、消費者アンケートでは、五一・二%の消費者が無添加や○○不使用の表示を選択機会にしており、そのうち更に約七割の方が、食の安全、安心を求めて選択されています。

 大臣には、消費者庁の最高責任者として、この消費者心理を理解し、消費者の自由な選択や権利を守る政治を実行してもらわなければなりません。

 その上で、今回のこのガイドラインの必要性についてお尋ねいたします。

 食品添加物を使用しているにもかかわらず、単なる無添加とだけ表示を行う、明らかな、消費者に誤認を与えるような事業者に対しては、そもそも、今回の新たなガイドラインがなくとも、現行の食品表示法で取締りは可能ではないでしょうか。端的にお答えください。

若宮国務大臣 対象を明示せずに単に無添加と表示をしますと、何を添加していないのかが不明確である。添加されていないものについて消費者自身が推察することになり、一般的に、消費者が推察した内容が事業者の意図と異なる場合には、内容物を誤認させるおそれがあり、表示の改善が必要なケースもあり得ると考えているところでもございます。

 このような無添加、不使用などの食品添加物の不使用表示については、多くの消費者の方が商品購入の際に、委員もおっしゃっておられましたけれども、参考にしているにもかかわらず、表示禁止事項に該当するおそれの高いケースがあるものと考えられ、その背景としては、やはり表示禁止事項が不明確であることが指摘をされていたところでもございます。

 このために、本ガイドライン案により、食品添加物の不使用表示に関しまして、誤認をさせる表示等に基づく商品選択が行われることがないように、表示禁止事項の解釈を示すこととしたものでございます。

山田(勝)委員 ありがとうございます。

 一般的に、無添加と言われたら、食品添加物不使用と、多くの消費者がそういうふうにイメージします。

 言われているように、ただ無添加と書かれていれば誤認すると言われますが、ただ無添加と書かれていた場合に消費者に誤認を与えるような、そういう商品がどういったケースであるのか、具体的に教えてください。

若宮国務大臣 対象を明示せずに単に無添加、この表示をしますと、何を添加していないのかが不明確になるかと思います。これが場合によっては消費者を誤認させるおそれがあるというふうに考えているところでもございます。

 例えばですけれども、最も目立つ場所に、仮に単に無添加と、何か書いてあったとして、それと離れたところに、使用していない添加物の具体名を挙げて無添加と表示して、かつ、実際にはそれ以外の添加物が使用されている場合、消費者は、やはり最も目立つ場所に書かれている単なる無添加というところの表示だけを見て、一切の添加物を使用していないというふうに考えてしまうおそれというのがあるかと思います。

 消費者が考えてしまうおそれが、事実と異なるということで、実際には添加物を一切使用しておらず、消費者もその意味で理解する場合、これは、委員がおっしゃったみたいに、全く何にもないのであれば本当に問題ないと思います、私も。その場合には消費者に誤認を生じさせる表示には当たりませんので、そうしたものはそれで結構なんですが、そうでない場合というのが誤認を与えるおそれがあるというふうに御理解いただければと思っております。

山田(勝)委員 今、若宮大臣から明確に、全く食品添加物が不使用の場合は問題がないとおっしゃいました。

 改めて確認なんですが、それでは、食品添加物を実際に使っていない事業者が、これまでどおり、商品の裏面の義務表示欄じゃないです、表欄のあくまでも任意表示欄に無添加とだけ表示する場合、これは今回のガイドラインの規制の対象になるのでしょうか。

若宮国務大臣 具体的な商品に言及することは差し控えさせていただきますけれども、一般論としてお話し申し上げますが、単なる無添加の表示、これは、消費者にとりましては、食品添加物が無使用であるという旨を推察させるものであろうかと思っております。この場合においては、実際に食品添加物が一切、全く不使用であれば、違反となるものではございません。

 しかしながら、対象を明示しないで単に無添加という表示をすると、何を添加していないのかがやはり不明確ということになってこようかと思いますので、添加されていないものについて消費者自身が推察をすることになってまいります。そうすると、一般的に消費者が内容物を誤認するおそれがあるので、表示の改善が必要なケースもあり得るかなというふうに思っております。

山田(勝)委員 ありがとうございます。ケース・バイ・ケースということでしょうか。それだと、多くの消費者、消費者というか事業者の方々が混乱されます。

 そこで、今、大臣は、実際に食品添加物を使っていないのであれば、無添加と表示を続けても構わないんだという御答弁でよろしいですよね。

 ありがとうございます。そういう御答弁だと思います。であれば、このガイドラインの類型一、事前にちょっと資料を準備させていただいていたんですが、類型一、単なる無添加の表示、これを禁止するという内容になっているんです。

 大臣の御説明と、このガイドラインの類型一の新基準、矛盾していると思うんですが、御見解をお聞かせください。

若宮国務大臣 今、いろいろ資料をお配りいただいておりますが、具体的な商品に言及することはやはり差し控えさせていただきますけれども、単なる無添加の表示、これは、一般的な消費者にとって、食品添加物が不使用である旨を推察させる場合があると承知いたしているところでございます。

 この場合においては、やはり、実際に食品添加物が一切不使用であれば違反となるものではない、先ほど御答弁申し上げたとおりでございます。しかしながら、対象を明示せずに単に無添加と表示をすると、何を添加していないのかがやはり不明確であるということから、添加されていないものについて消費者自身が推察をすることになり、一般的に消費者が内容物を誤認するおそれがあり、表示の改善のケースもあるということでございます。

 いずれにいたしましても、実際の食品添加物の不使用表示、これが表示禁止事項に該当するか否かというのは、各類型のうち、本ガイドラインに示す表示禁止事項に該当するおそれが高いと考えられる場合には、当てはまることだけではなく、商品の性質、あるいは一般消費者の知識水準、取引の実態、表示の方法、表示の対象となる内容などを基に、やはりケース・バイ・ケースで、全体として判断していくということになってこようかと思います。

山田(勝)委員 ありがとうございます。

 個別具体的なケースを述べてもらわないと困るんですよ。今回のガイドラインによって、多くの事業者の方々が不安で不安で仕方ないんです。私たち国会議員のところにも多くの声が寄せられています。

 そこで、これは許可を得て、この場で示すことを得た上で資料として準備させてもらっているので、しっかりと答えてください。

 示させてもらっています、福岡県にある株式会社海千という、めんたいこの会社です。御担当の方は、こう私に言われました。添加物を使用する食品は、製造者や販売者のあくまで都合であり、消費者が望んでいるものではない、消費者には選ぶ権利がある。そういうような思いで、この会社は食の安全にこだわり、消費者のために、無着色、無添加のめんたいこを作り続けておられます。

 この場合、このケース、従来どおり、全く使っておりません、食品添加物。無添加と、この記載のとおり、商品パッケージです。裏面の義務表示欄ではありません。広告スペースの任意表示欄です。ここに無添加と記載した場合、消費者庁の取締りの対象になるのでしょうか。大臣、明確にお答えください。

 止めてください。

松島委員長 時計を止めます。

    〔速記中止〕

松島委員長 時計を復活して。

 大臣。

若宮国務大臣 個別具体の商品について、私の方で今コメントすることは差し控えさせていただきたいと思っております。

山田(勝)委員 そうであれば、全国の何万、何十万、何百万あるか分かりませんが、こういった無添加食品に取り組んでいる事業者を、個別に消費者庁のさじ加減で判断されていくんですか。これはとんでもない話です。こういう曖昧なガイドライン、本当に必要なんでしょうか。

 そこで、ちょっと私から提案させていただきたいんですけれども、今回の類型一、このガイドライン、全くもって意味をなさないと思います。もし、食品添加物を使っているにもかかわらず無添加と表示をし、消費者に誤認を与えるような、そういう事業者があれば、今回のこの類型一のガイドライン、例えば保存料無添加とか砂糖無添加とか、食品添加物以外のものを無添加のみで表示する場合は、食品添加物以外の場合は明確に表示しましょう、そういうガイドラインに改めていただければ、無添加の、食品添加物を使わない努力をしている事業者の方々も、そしてそういう商品を選択したいと思っている多くの消費者の皆さんも、混乱せずに済みます。

 大臣、私の提案、いかがでしょうか。

松島委員長 時計を止めてください。

    〔速記中止〕

松島委員長 時計を動かして。

 大臣。

若宮国務大臣 先ほどもちょっと申し上げましたが、個別具体の商品については言及は差し控えさせていただきたいと思いますし、私自身も申し上げましたけれども、本当に全く一切のものがなく自然のままというものであれば、それは違反となるものではないというふうに思っておりますし、今委員が御指摘になった点も踏まえまして、もちろん恣意的に何か判断するということでは全くございませんので、しっかりと丁寧な説明を尽くしていきたい、このように思っております。

山田(勝)委員 僕、たくさんの事業者の方々の話を聞きました。もしこのままこのガイドラインが通ってしまえば、せっかく努力している事業者さんも、国のルールだから、無添加という表示を改めざるを得ないと言われている方々もいます。そんな必要はないと思うんですよ。実際、食品添加物を使っていないんだから。

 だから、食品添加物を全く使っていない事業者が、これまでどおり無添加と表示を続けられること、それをちゃんと守ることが消費者庁の役割だと思います。全く真逆の改定内容になっている。

 だから、私が提案するように、もし、問題のある、食品添加物を使っているにもかかわらず、例えば砂糖がとか保存料が無添加という意味で無添加とだけ記載している、そういう事業者に対してはちゃんと取り締まるべきですし、ガイドライン上で、○○無添加と書きましょう、そういう内容に改めれば済む話なんです。是非、政治決断で、大臣、この問題、しっかりと検討していただきたいと思います。

 その上で、次の類型二についてお尋ねいたします。

 合成保存料、化学調味料など辞書にも載っている言葉で、かつ、過去にも表示が認められ、消費者の間で定着している言葉を不使用にするとは、どういうことでしょうか。

 裏面の義務表示を遵守した上で、守った上で、商品広告スペース上の任意表示、ここに特定の言葉を使ってはいけない。そして、その理由を尋ねると、消費者に誤認を与えるから。いやいや、むしろ私たち消費者の選択する権利を著しく侵害しています。

 大臣、事業者の表現の自由や、私たち消費者の知る権利を奪わないでください。大臣、これは明らかな憲法違反です。表現の自由を、知る権利を奪っています。

 大変な問題だと思っておりますが、大臣の見解をお聞かせください。

若宮国務大臣 本ガイドラインは、まず、現時点では、消費者に誤認を与えるような表示禁止事項に該当するおそれが高いと考えられる表示について取りまとめたものでございます。

 その前提で、食品添加物、これは食品衛生法でいわゆる化学的合成品と天然物があろうかと思いますが、これに差を設けず、いずれも使用が認められており、使用した場合は、原則として全部、全て表示をすることとしております。何をもってこの化学的合成品と天然物を区別するかというのが、なかなかこれを一概に定めることが難しいということはあろうかと思います。

 これに加えまして、この人工、合成といった用語、これは具体的な根拠や規定がないこと、それからまた、添加物の消費者の理解に影響していること、委員も御指摘になられましたけれども、現在の食品表示基準においては、人工及び合成の用語を用いた添加物表示の規定というものがないのが現状でございます。

 こうした中、例えば、人工甘味料不使用などの表示が行われたような場合、実際のものよりも優良又は有利であると誤認をさせるおそれがあるというふうにも考えられます。

 このため、人工、合成といった用語を用いず、単に着色料不使用と事実に即して任意に表示すること、あるいは、不使用表示ではなくて、例えば実際に使用した調味料について、その製造、抽出する過程を事実に即して任意で表示すること、これは可能であろうかというふうに考えているところであります。

山田(勝)委員 何度も何度も強調して言いますが、義務表示欄ではちゃんと守った上でです。これは、広告欄、任意表示欄の話をしています。

 先ほど来から話があっているとおり、人工とか合成とかいう用語を削除した。それは、消費者庁にとっては、消費者に誤認を与えると言われている。しかし、私たち消費者にとっては余計なお世話です。消費者があくまで判断すべきことなんです、こういうことは。そして、それは消費者の権利です。ここも大きな問題に、必ず大きな問題になってきます。

 何度も強調します。これは、食品添加物不使用事業者にとっては表現の自由を、私たち消費者にとっては知る権利が奪われてしまう大変重要な問題であり、今既に多くの弁護士が、早くも、明確な憲法違反であると、違憲訴訟の準備も進めています。その場合、当然、最高責任者である大臣の政治責任が問われます。

 一旦冷静に立ち止まっていただいて、この内容を詳しく、官僚の皆さんの説明だけではなく、消費者団体や事業者の方々の声も受け止めた上で、改めて判断すべきだと提案いたします。いかがでしょうか。

 大臣、最後にその思いを、決意をお聞かせください。

若宮国務大臣 委員のお考えはしっかりと承りたいと思っておりますが、私どもの考えるところだと少々立場と見解が異なるということで、しかし、御意向についてはしっかりと承らせていただきたいと思っております。

山田(勝)委員 ありがとうございました。

 即刻このガイドラインを取り下げることを強く要望いたしまして、私の質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

    〔委員長退席、稲田委員長代理着席〕

稲田委員長代理 次に、漆間譲司さん。

漆間委員 維新の会の漆間と申します。

 まず、二〇二五年大阪・関西万博に向けた食品ロス削減の取組についてお伺いさせていただきます。

 昨年末発表されました二〇二五年大阪・関西万博アクションプランでは、消費者庁からは、食品ロス削減の普及啓発が掲げられております。現時点での万博に向けた消費者庁としての具体的取組方針、詳細について、まずはお伺いいたします。

村井政府参考人 お答えいたします。

 二〇二五年大阪・関西万博アクションプランにおきましては、食品ロス削減の普及啓発といたしまして、関係省庁と連携した消費者への啓発活動をすることで、食品ロス削減に関連する取組を消費者が自分事として捉え、実践することを促進する旨の計画を掲げているところでございます。

 現在、当該計画を実効性のある取組にすべく、令和四年度の地方消費者行政に関する先進的モデル事業におきまして、大規模イベント会場における食品ロス削減の実証をテーマとした事業を実施する予定としております。

 今後、当該事業の検証結果等を踏まえまして、万博会場を未来社会の実験場として活用すべく準備を進めてまいりたいと考えております。

漆間委員 先ほどもありましたように、アクションプランでは、各省庁の取組を、万博開催を通じ、未来社会の実験場として具現化するとありますけれども、食品ロス削減の普及啓発を未来社会の実験場として二〇二五年にどう具現化していくのか、その展望についてお伺いいたします。

村井政府参考人 お答えいたします。

 令和四年度の地方消費者行政に関する先進的モデル事業の大規模イベント会場における食品ロス削減の実証におきましては、イベント来場者に対する食品ロス削減のための啓発活動のほか、会場におけるフードドライブ等の実施を予定しておるところでございます。

 当該実証によって得られた成果とともに、これまでに消費者庁を始めといたしました関係省庁が蓄積した食品ロス削減のための啓発資材等がございます。こういった啓発資材等を活用して食品ロス削減の普及啓発の取組を進めることによって、命輝く未来社会をデザインするという万博の目標につなげてまいりたいと考えております。

    〔稲田委員長代理退席、委員長着席〕

漆間委員 若宮大臣には、先日の予算委員会で、万博関連事業費について私の方からお伺いさせていただきまして、たくさん御答弁いただきまして、ありがとうございました。

 今回は消費者担当大臣として、万博にどう消費者庁の取組を、関わっていくのかということに関して、その意気込みをお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。

若宮国務大臣 日本と世界を取り巻く環境、これは大きく変化をしているかと思います。経済発展が進む一方で、やはり食料の安定供給、そしてまた、委員が御指摘になっておられますような食品ロスの削減、こういったものを始めとしまして、少子高齢化への対応ですとかあるいは温室効果ガスの排出の削減など、様々な社会的な課題の解決と経済発展を両立すること、これがまさに重要だというふうに思っております。

 万博の方のアクションプランにも記載されてございますけれども、二〇二五年大阪・関西万博を契機といたしまして、我が国が食品ロスの削減など課題の解決先進国、そして、人間一人一人がそれぞれの可能性を最大限に発揮できるような持続可能な社会、そしてまた、国際社会とともにつくっていこう、これを進めるべく消費者担当大臣としてまた尽力してまいりたい、こう思っているところでございます。

漆間委員 ありがとうございます。是非よろしくお願いいたします。

 次に、消費者庁の相談ダイヤル一八八及び国交省の建設業界の監督につきましてお伺いさせていただきます。

 私は、地元で最近、住宅リフォームや住宅新築など、住宅関連の消費者相談を多く受けております。そこで、消費者庁の相談ダイヤル一八八における住宅リフォームや新築住宅など住宅関連の相談件数がどれくらいあるのか、トレンドや相談内容についても併せてお伺いいたします。

長谷川政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘の住宅のリフォームに関しまして、全国消費生活情報ネットワークシステムにおける消費生活相談の件数でございますが、二〇一七年度は一万二千八百五十件、二〇一八年度は一万四千五百五十件、二〇一九年度は一万五千六百六十七件、二〇二〇年度は一万四千九百七十九件、二〇二一年度は、本年二月末まででございますが、一万三千四百四十一件程度と承知しております。

 主な相談事例といたしましては、リフォーム工事の施工不良に関するもの、契約の解約に関するもの、業者の信用性に関するものなどがあると承知しております。

 また、住宅の新築に関し、全国消費生活情報ネットワークシステムにおける消費生活相談の件数でございますが、二〇一七年度は四千四百三十九件、二〇一八年度は四千五百五十八件、二〇一九年度は四千三百二十一件、二〇二〇年度は三千四百三十九件、二〇二一年度は、本年二月末まででございますが、二千九百九十五件程度と承知しております。

 主な相談事例といたしましては、新築住宅の施工不良に関するもの、また契約の解約に関するもの、そして納期遅延に関するものなどがあると承知しております。

漆間委員 大臣所信では消費者目線で横串を貫いていくとありましたけれども、消費者庁として、この住宅関連の消費者相談について、所管する国交省への問題意識の共有と解決に向けた働きかけをどのように進めているんでしょうか、お伺いいたします。

長谷川政府参考人 お答え申し上げます。

 住宅のリフォーム、住宅の新築については、一定の消費生活相談があることを踏まえ、消費者被害の防止を図る必要性があると認識しております。

 消費者庁においては、住宅のリフォームに関し、訪問販売業者に対して特定商取引法に基づく行政処分を行うとともに、国土交通省と連携して、住宅リフォームの悪質な点検商法に対する注意喚起も行っているところでございます。

 さらに、消費者がお困りの場合は、消費者ホットライン一八八や公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターの住まいるダイヤルへの速やかな相談を促しているところでございます。

 今後も、消費生活相談の状況を注視し、関係省庁及び関係機関とも連携しつつ、住宅のリフォーム、住宅の新築に関する消費者被害の防止に向け、適切に対応してまいりたいと考えております。

漆間委員 次に、国交省にお尋ねいたします。

 一八八のトレンドで一貫して数に変化がないのは、効果的な対策を取っていないからではないでしょうか。国交省の業界を監督する体制についてお伺いいたします。

 あわせて、先ほど紹介があった住まいる相談ダイヤルだったりは被害に遭う前の相談かと思いますが、被害に遭った後の相談を受ける窓口や法律相談を案内する仕組みは国交省にはあるのでしょうか。また、相談ダイヤル等を紹介した後、その結果がどうなったかということを確認する仕組みなどはあるんでしょうか、お伺いいたします。

大澤政府参考人 お答えいたします。

 国土交通省におきましては、建設業法に基づきまして、建設工事の請負契約に関する発注者、消費者保護を図る観点から、建設業者に対する必要な規制を行い、不良、不適格業者の排除、それから、法令遵守の徹底を推進しているところでございます。

 お尋ねの体制でございますけれども、各地方整備局には担当課を置き、また、県の許可業者を所管する都道府県の担当課とも連携を図って推進しているところでございます。

 また、法令違反の行為の通報窓口として、整備局に駆け込みホットラインというのを設けてございます。また、消費者保護の観点からは、リフォーム工事の内容や価格、事業者に確認すべき点、あるいは見積書のチェックに関する電話相談を関係の財団において実施してございます。

 今後とも、国土交通省としましては、関係する都道府県あるいは消費者庁とも連携しながら、消費者が安心して建設工事を建設業者に依頼できるように、健全な市場整備をしていくよう、しっかりと取り組んでいきたいと思います。

 それから、二つ目の御質問でございます。

 住まいるダイヤルなどの相談窓口を紹介した後の結果、どうなったか確認する仕組みがどうなっているかという点でございます。

 住まいるダイヤルにつきましては、先ほど申し上げておりますように、工事の内容ですとか価格について相談に応じるものでございます。これは、一級建築士の資格を有する経験豊富な相談員が専門的な見地からアドバイスしております。

 また、その際に、法令違反の疑義とかその他の法令の違反といったようなことがある場合、必要に応じて弁護士の助言を得るようなことになっておりますし、また改めて、先ほど申し上げました建設業法を所管している部局、こちらの方に御連絡あるいは御紹介いただいて、しっかり対応するというふうなこととされてございます。

漆間委員 もう一つ、国交省にお伺いいたしますが、今後、次の被害を防ぐという観点から、結果が組織ぐるみだったり、法令違反、刑事罰の場合は、その会社や組織にペナルティーを科すだったり、それを広く知らせるような仕組みがあるんでしょうか、お伺いいたします。

大澤政府参考人 お答えいたします。

 建設業者は、先ほど申し上げましたように、建設業法を始めとする業務に関連した法令、これを遵守するということが義務でございます。

 そういった中で、一般的にではございますけれども、建設業者が法令違反をするということが疑われる場合は、もちろん、他法令の場合はそれを所管する行政機関において判断していただくということでございますけれども、その上で、建設業法におきましても、当該違反行為が内容、程度において建設業の営業を行う者としても不適当であるというような場合には、必要な指導監督を行うという仕組みとなってございます。

 仮に、建設業法に基づきまして監督処分が行われました場合には、国土交通省のホームページ上でネガティブ情報等の検索サイトというのがございます。そこにその旨の掲載をし、広く公表をしているところでございます。

漆間委員 住宅関連の消費者被害は、金額も大きく、ずっと住んでいくことになりますので被害者の心理的ダメージも大きく、お声も身に詰まるものがあります。相談支援ももちろん、同様の被害が今後出ないように、しっかり取り組んでいただきたいと思います。

 また、特定商取引法だったり建築業法によって窓口だったりが違います。たらい回しにならないように、消費者目線、相談者目線で適切につなげていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 続きまして、成年年齢引下げに伴う周知及び消費者教育についてお伺いいたします。

 先ほど伊佐委員の質問にもありましたとおり、「社会への扉」、これは分かりやすくてすばらしい教材だと私も思っております。

 そこで、消費者教材「社会への扉」の全国の高校等への配付状況と、配付された学校での、そういった「社会への扉」を活用した消費者教育の実施割合を年度ごとに教えていただきたいと思います。

 よろしくお願いいたします。

片岡政府参考人 お答え申し上げます。

 「社会への扉」につきましては、都道府県からの希望等に応じて配付をさせていただいております。二〇一八年度は約四十一万部、二〇一九年度は約九十五万部、二〇二〇年度は約百十八万部、そして二〇二一年度につきましては約百二十二万部の配付を行って、その活用を働きかけてきております。

 なお、地方公共団体によりましては、独自の教材を作成して活用している例もあるということでございます。

 それから、消費者教育の実施割合でございますけれども、「社会への扉」等を活用した消費者教育の実施割合では、二〇一八年度は全国の高校の約三八%で実施をされておりましたけれども、二〇二〇年度につきましては八六%というふうになっているところでございます。

漆間委員 割合も増えているということで、是非、「社会への扉」を活用した教育が進むように、よろしくお願いいたします。

 次に、クレジットカードや消費者金融そして銀行業界における、今般の成人年齢引下げを踏まえた業界への対応について、消費者庁はどのように把握しているか、お伺いいたします。

片桐政府参考人 お答えいたします。

 成年年齢の引下げを踏まえた政府の対応として、関係業界への働きかけを行い、具体的には、日本クレジット協会や日本貸金業協会等、関係団体等と連携した周知啓発キャンペーンが実施されるとともに、クレジット事業者に対して、過剰与信防止のための政府による監督、検査の強化に向けた対応の要請ですとか、日本貸金業協会における過剰貸付けの防止のための自主ガイドラインの策定等が行われたと承知しております。

 消費者庁としては、消費者保護を図る観点から、こうした関係省庁の取組において必要な連携を図ってきたところであり、今後とも、若年者の消費者被害等の防止に向けて取り組んでまいります。

漆間委員 業界団体には加入していない事業者、例えば闇金融などについては業界の取組の外にあるかと思いますが、そのような事業者に対して、消費者庁としてはどう対応していくんでしょうか。お伺いいたします。

片桐政府参考人 お答えいたします。

 闇金融、闇金等への対応でございますけれども、法違反行為があった場合には、関係機関において適切に対処されていると承知をしております。

漆間委員 そういったところにも是非しっかりと対応をよろしくお願いいたします。

 あと、学校における金融関係の消費者教育の現状についてお伺いいたします。

 「社会への扉」以外の取組もあるとお聞きしておりますが、どうなっているのでしょうか。

尾崎政府参考人 お答え申し上げます。

 金融庁といたしましては、成年になる前の高校生のうちに、自分の将来の暮らし方について考えること、そのために必要となるお金と準備の方法を学ぶこと、金融トラブルに遭わないよう、手口や対処法を知ることが重要であるというふうに考えております。

 加えて、本年四月より高校の学習指導要領が改訂され、金融教育の内容が拡充されることから、学校現場において新学習指導要領に対応した授業が確実に行われるよう、支援を行うことが望ましいと考えております。

 こうした観点から、金融庁では、金融庁、財務局職員が高校等に出向く出張授業や、高校生及び教員向けのオンディマンド動画の公表に取り組んできたところでございます。加えて、先般、高校の先生方からも御意見をいただきながら指導教材を作成、公表したところでございます。

 金融庁としては、引き続き、若年者を含めた金融リテラシー向上に取り組んでまいりたいと考えております。

漆間委員 金融庁におかれましても、「社会への扉」と併せて、しっかりと消費者教育をしていただくように、よろしくお願いいたします。

 最後に、成人年齢引下げに伴う若年者の消費者被害防止に向けた取組、大臣の御決意を、何度も聞かれているかと思いますけれども、もう一度よろしくお願いいたします。

若宮国務大臣 十八歳、十九歳の方を始めとする若年者の消費者被害の防止は非常に重要な課題だというふうに認識をいたしてございます。

 消費者庁においては、これまでも、高等学校等におけます実践的な消費者教育を実施されるよう、地方公共団体等にも働きかけを行っているところでもございます。

 今年度は、全国の高校で、消費者教育教材、委員も御指摘になりました「社会への扉」を活用した授業が着実に実施されるよう、一〇〇%を目指して取組を強化しているところでもございます。

 また、若年者に必要な情報が確実に届くように、SNSや政府広報を活用した情報発信にも取り組むとともに、若年者に寄り添った相談体制の充実も図ってまいりたいと思っております。

 またさらに、若年者の被害が多い詐欺的な定期購入商法に対して、昨年の特定商取引法の改正におきまして対策の強化を図っているところでもございます。厳正な法執行に努めてまいりたいと思います。

 引き続き、若年者の消費者被害の防止に向けまして、今日も幾つかの省庁が答弁をさせていただいてございますけれども、関係省庁とも連携をしっかり取りながら取り組んでまいりたい、このように思っております。

漆間委員 以上で終わります。

松島委員長 次に、田中健さん。

田中(健)委員 国民民主党、田中健です。

 今日は、サブスクリプション、また定期購入についての問題について伺いたいと思います。

 国民生活センターによりますと、このサブスクリプションに関する相談、二〇二一年度から毎月五百件程度、全国の消費生活センターに寄せられるということであります。

 御案内のとおり、サブスクリプションは、音楽配信や動画配信というデジタルコンテンツの利用から始まりまして、今は、書籍や雑誌、飲食やファッション、今日の新聞には車や紙おむつといったことも挙げられていましたが、あらゆるサービスに広がっているものであります。

 お試し期間として、無料サービスを期間中に解約せずに、有料プランに自動的に移行してしまったため、利用していないのに気がついたら引き落としがされていたという経験がある方もいらっしゃるかと思います。そういう私自身も、携帯を更新するときに、このプランを申し込んでおきますと料金が下がりますよと言われて申し込んだのを忘れて、気づいたときには一年たっていたというようなこともありました。

 これを踏まえて、現行の消費者契約法では、契約締結時について、解約料金や解約期間などの契約内容の情報提供を事業者の努力義務としていますが、解約に関する規定はありませんでした。今回の改正法案の中で、解約したい消費者に対する必要な情報提供も事業者の努力義務とする規定を盛り込んだということでありますが、具体的にどのような情報をどのように提供していくのかということから伺いたいと思います。

若宮国務大臣 消費者契約法の改正法案では、消費者の求めに応じて、消費者契約において消費者が有する解除権の行使に関して必要な情報を提供する事業者の努力義務を規定することといたしてございます。

 本規定により、例えば、消費者契約の締結後に、事業者のウェブサイト上で解除手続をしようとしても、どの画面にアクセスすればよいのか分かりにくいといった事例では、解除権を行使するために必要とされる具体的な手順に関する情報、これを電話やメール等で説明することが事業者に求められるというふうな形になってございます。

 委員の御質問にありました、インターネットにおけるサブスクリプションの事例におきましては、消費者からメールで問合せがあった場合には、例えば、そのメールに返信する形で、ホームページ上の解約手続を行える、解約画面のURLを記載して、解約に必要な手順や入力内容について説明をするということが考えられるかなというふうに思っているところでございます。

田中(健)委員 契約内容に加えて、解約の方法を、要望があればそのように情報提供するということで、一歩前進かとは思うんですけれども、このサブスクは、どうしても、入りやすくて出にくいと言われているように、皆様も申込みを見てみれば分かりますけれども、期間限定とか初回無料トライアルとか、そんな言葉が並んで、申し込むのはすごく、申込みボタンが大きく表示されてしやすいんですけれども、解除となるとなかなか大変であります。

 特にネット上におきましては、今、電話で相談を受けるところはほとんどありませんので、今、メールで相談を受ければ返すようにと言うんですが、なかなかメールでそれを書くということを、これは若い人も使うサービスですから、難しいと思いますので、是非実効性あるものにしていただきたいと思います。

 今回の法案では、サブスクだけでなく、一般法の中での解除の情報提供ということでありますが、特にこの問題については、具体例を示したり、また、できればガイドラインを示すなどということで進めていただければと要望いたしたいと思います。

 一方、二月九日、先月でありますが、昨年に成立した改正特定商取引法を踏まえ、通信販売の申込み段階における表示についてのガイドラインが公表をされました。この法案は本年の六月一日から施行されるものでありますが、このサブスクリプションに関して言えば、何が変わり、どう消費者を守る消費者保護につながっていくのかということについて伺います。

若宮国務大臣 昨年成立して本年六月の一日から施行されます改正特定商取引法では、通信販売の最終確認画面におきまして、契約の重要な事項についての表示を義務づけているところでございます。

 御指摘の通信販売の申込み段階における表示についてのガイドライン、これにおいては、具体的な表示の方法を示しているところ、解約については、例えば、解約申出に期限がある場合は当該期限、それから、違約金が生じる場合はその内容を表示する必要があるとしております。また、消費者が想定しないような解約方法の限定がある場合にも、最終確認画面で明確に表示をする必要があるとされているところでございます。

田中(健)委員 先ほどありました、分量や対価を表示して、また契約の解除に関する事項を表示させるということでありますが、契約の解除は先ほどの消費者契約法とも絡んでくるところであります。

 この解除についても、今改正においては、違約金ないしは期限などは可能な限り分かりやすく表示をしなければならない、これが、表示が誤認ないしはされない場合は取消しということもあるというふうに書かれていますが、この特定商取引法における解約の方法の表示と、今回の改正の消費者契約法における解約に必要な情報提供というのはどう違うのか、また、どういうふうに位置づけがされているのか、罰則や又は契約取消しについての規定も踏まえて、その関係性を教えてください。

若宮国務大臣 特定商取引法では、消費者が通信販売におけます解約の申込みに当たって必要な情報が確認できるようにし、事後のトラブルを防止する観点から、最終確認画面において、解約に関する申出の期限、それから違約金、方法の制限がある場合に明確に表示すべきといたしております。

 また、仮に表示義務に違反して表示せず、若しくは不実の表示をした場合、又は誤認させるような表示をした場合、行政処分及び罰則の対象となるとともに、誤認して契約を申込みをした消費者はその取消しが可能でございます。

 他方、消費者契約法改正案では、罰則等の規定はないものの、実際に消費者が解約しようとする場面で、解約に必要な情報の提供の努力義務を事業者に課すものでございます。

田中(健)委員 そうしますと、今回のガイドラインでは、例えば、冒頭申しましたが、お試しとかトライアルなどというふうにそれを殊更に強調して、しかしながら、契約の継続が義務づけられていたり、あとは容易に解約できなかったりする場合、ないしは、いつでも解約可能というのがよく表示されているんですけれども、しかしながら無条件で解約できるわけではないというのが多々見受けられるんですが、このような場合は消費者契約法によって解除ができるという理解でよろしいんでしょうか。

若宮国務大臣 消費者契約に関する検討会の報告書では、消費者が解除権を容易に行使できないのは、事業者側の体制や運用の問題であって、契約条項の問題ではないという指摘もされてございます。解除権の行使方法の制限が契約条項によってなされている例は少ないというふうに考えているところでもございます。

 したがいまして、解除権の行使方法を制限する契約条項が不当条項として無効となることは少ないと考えられますが、消費者契約法第十条で、民法等の規定よりも消費者に不利な条項であって、信義則に反して消費者の利益を一方的に害するものを無効と定めてございます。消費者の解除権の行使を著しく制限する契約条項が信義則に反すると評価をされた場合におきましては、この消費者契約法第十条の適用によりまして無効となり得ると考えております。

田中(健)委員 先ほども、努力義務がどこまで実効性を担保できるかということと、今、二つの関係性で申してもらいましたが、法律の適用関係について、もう一度、最後、確認をさせていただきたいんです。

 サブスクや定期購入の場合、解約方法が著しく限定されている場合がありますが、解約方法に関する表示が、特定商取引法の規制に違反すれば解除が可能だと先ほど言ったんですけれども、適正になされていたという場合としても、解約の方法そのものを限定している、そういうもの自体が、今度は消費者契約法に当てはめれば無効となり、そして解約が可能になるということもあるという理解でよろしいんでしょうか。また、そういう事例があれば教えていただきたいと思います。

高田政府参考人 お答えいたします。

 特定商取引法上、表示義務は守っているけれども、消費者契約法には無効になる場合があり得るかということかと思いますが、理論的にはあり得ると思いますが、ちょっと今手元にすぐ、こういう場合というのは持ち合わせておりません。

田中(健)委員 これらのインターネットサービスの提供に関しては、ユーザーにとって分かりづらい、また意図的にユーザーをだますというか誘導するということを目的としたデザインは、ダークパターンと言われるそうでありまして、アメリカではアマゾンプライムの解約システムがこれに当たるんじゃないかというふうに、代表例として挙げられています。実際に、アメリカにおいては、この問題でアマゾンは消費者団体から提訴されています。

 今回の改正で、サブスクの分かりにくさ、それぞれのサービスによって値段や期限また解約の方法が違いますので、これが解消されて、しっかりと自分の意思で申し込み、そして必要がなければ解約も容易にできるということが消費者を守ることにつながると思いますが、まだまだ、契約の自動更新や、消費者への告知の問題や、この後議論になると思いますクーリングオフの期間の問題と、閣法の質疑で議論が続いていくと思っております。

 更に言えば、消費者契約法の問題としては、先ほど取消権の話が伊佐委員からもありましたけれども、一般法でありますが、個別法になっていくのがいいのか。サブスクにおいても、具体的にこれが駄目、これが駄目と一個ずつしていきますと、それが本当に消費者の契約を守れるのか、包括的な問題に対応していった方がいいという意見があり、私もその立場ではあるんですけれども、その議論についても是非、質問は時間が終わりましたので終わらせていただきたいと思いますが、今後のテーマとして取り組んでいきたいと思います。

 ありがとうございました。

松島委員長 次に、本村伸子さん。

本村委員 日本共産党の本村伸子でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 十八歳、十九歳のAV出演契約の取消権が四月からなくなる問題について質問をさせていただきたいと思います。

 深刻な人権侵害が救済できなくなるおそれがございます。この間、実際にAV被害者支援を行っておられます国際人権NGOヒューマンライツ・ナウの皆さんや、あるいはNPO法人ぱっぷすの皆さんが、四月一日からの高校生AV出演解禁を止めてくださいと、十八歳、十九歳、取消権、維持存続立法化を求める院内集会が開かれ、与野党を超えて超党派で参加をされました。また、AV強要問題対策委員会の方々が署名を集められ、関係省庁に提出をされております。この署名は三月十二日から始まったそうですけれども、短期間の間に、今、四万を超える署名が集まっております。この集会でも、超党派の議員が参加をしております。

 AVに関わる被害、人権侵害は本当に深刻であり、本来、年齢を問わず、包括的な法整備が必要だというふうに認識をしております。にもかかわらず、逆に、十八歳、十九歳の方々の被害が拡大する危機に今あるわけでございます。

 まず、前提で伺いますけれども、AV出演強要被害の映像削除に関し、総務省が委託をしております違法・有害情報相談センターにこれまで何人の相談があり、そして、どのくらい削除をされているのか、お示しをいただきたいと思います。

北林政府参考人 お答えいたします。

 総務省が運営を委託しております違法・有害情報相談センターにおきまして、AV出演強要被害の映像削除に係る相談を含むインターネット上の違法・有害情報に関する相談を受け付け、削除要請の窓口案内や削除方法の助言等を相談者に対して行っております。

 同センターへのAV出演強要被害の相談人数は、平成三十年四月から昨年十二月までの間で六名となっております。また、実際に相談対象となった情報につきまして、平成三十年四月から現時点までの間で削除が確認されたURLの数は一万七千百二十六件となっております。

本村委員 六名で一万七千件以上ということで、膨大な性的画像が拡散をされているということが分かっていただけると思います。

 削除できないものもあるわけです。この点について、プロバイダーへの削除要求を行っております法務省人権擁護局、どういう成果があったのかと、どういう困難があったのかという点、お示しをいただきたいと思います。

松下政府参考人 お答えいたします。

 法務省の人権擁護機関におきましては、性的な画像を含むインターネット上の人権侵害情報について、被害を受けた方などから御相談がなされた場合には、相談者の意向に応じて、当該投稿の削除依頼の方法等を助言したり、違法性を判断した上でプロバイダー等に対して当該投稿の削除要請をするなどしております。

 この要請は任意の措置でありまして、要請に応じて削除するかどうかはプロバイダー等の判断に委ねられておりまして、御指摘のとおり、削除されない場合がございます。

 その理由を一概にお答えすることは難しいのですが、例えば個人で小規模にコンテンツを開設していることがうかがわれる事業者等で、当機関からの削除要請に対して何らの反応を示さないものもあるというふうに認識しております。

 その対策といたしましては、このような小規模な事業者等に対して、当機関との関係の構築等を粘り強く促すとともに、また、広くインターネットリテラシーの向上を促すため、シンポジウムの開催や啓発冊子の配布などの幅広い人権啓発活動を行うなどして、私どもの取組に対して理解を求めるよう努めているところでございます。

 今後とも、このような取組をしっかりと続けてまいりたいと考えております。

本村委員 外国のプロバイダーも削除が困難だというふうにも聞いているわけです。

 先ほど、膨大な数の削除をした実績があるんですけれども、それは本当に一部で、全てではない。本当に被害は甚大になっていくということを分かっていただけると思います。

 加害事業者はデジタルタトゥーとして残るということがよく分かってやっているんだということを、ぱっぷすの皆さんなども指摘をされております。

 この問題について、三月一日、政府は質問主意書の答弁書に、対策を講じるべきだという質問に対して、答弁書で、いわゆるアダルトビデオ出演契約を締結したとしても、不当な手段によって締結された契約については、詐欺、強迫等を理由とする取消権を行使することが可能であると、塩村議員に答弁をされております。この答弁で、今後も、十八歳、十九歳の方々を今までどおり救済できるというふうに考えているのか。

 AV出演に関しては、加害者の脅しというのは、通話、会話などで、文書で証拠が残らない形となっております。十八歳、十九歳の方々にとって、立証困難、被害者が結局泣き寝入りすることを余儀なくされているのではないか、取消権をなくしてしまったら、立証困難で泣き寝入りをすることになってしまうんじゃないかというふうに思いますけれども、これは法務副大臣、お答えをいただきたいと思います。

津島副大臣 本村伸子委員に、二つ御質問、一緒にされたかと思っております、まとめてお答えを申し上げます。

 まず、本村委員御指摘のとおり、成年年齢の引下げにより、十八歳、十九歳の者は、未成年者取消権を行使することができなくなります。そのため、十八歳、十九歳の者がアダルトビデオ出演強要のターゲットになりやすくなるという懸念が指摘されているところでございます。

 個別具体的な事案ごとの判断ではございますが、一般論として申し上げれば、強要されたりだまされたりするなどしてアダルトビデオ出演契約を締結した場合には、現行制度においても、錯誤、詐欺又は強迫を理由とする取消しなど、契約の効力を否定することができると考えられます。

 錯誤、詐欺又は強迫を理由として法律行為を取り消すためには、だまされたことや強迫の事実があったことなど、それぞれの要件が必要でございます。その点では、年齢のみを理由とした法律行為の取消しを認める未成年者取消権と比べて、その保護の在り方や程度は異なるというふうに考えております。

 このように、成年年齢引下げに伴い、十八歳、十九歳の者が未成年者取消権を行使することができなくなることを踏まえ、いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・「JKビジネス」問題等に関する関係府省対策会議の開催を通じて、アダルトビデオ出演強要に関する取締りや教育、啓発の強化等の施策が推進されているものと承知をしてございます。

 そして、立証が困難であり、泣き寝入りを余儀なくされるのではというお尋ねでございますが、詐欺や強迫を理由とする契約の取消しにおいては、先ほども申し上げましたように、取消しを主張する側がその立証責任を負うということでございます。

 この立証の難易については、個別具体的な事実関係を前提とするものであるから、一概にお答えするのは難しいものでございます。しかし、必要な要件を立証するための有力な証拠は文書に限られるものではありません。当事者本人の供述等も証拠になり得ます。

 また、一般論としては、裁判所は、個別具体的な事案において適切に訴訟指揮を行いながら事実認定を行っているものと承知してございます。

 以上です。

本村委員 実際は、立証困難な状況になっているわけです。

 昨日も参議院の決算委員会で、岸田首相そして古川法務大臣、お答えになっておりましたけれども、十八歳、十九歳の取消権をなくしても、民法や刑法や消費者契約法や労働者派遣法、職業安定法、こういうもので守ることができるかのような答弁をされておりましたけれども、実際はそうではないからこそ私たちは求めているわけでございます。

 AVに関しては、スカウト、プロダクション、メーカー、カメラマンなど、販売店やあるいはプロバイダーなど、関係者が多い。そういう撮影の現場に行ってAVだということを知って、大勢の大人から出演予定者の方が囲まれて、もう何十人と動いているんだと、違約金もちらつかせながらやってくるわけですよ。もう後に引けないような状況に追い詰められてしまうというのが状況でございます。それがどれだけの恐怖かということも分かっていただけるというふうに思います。

 出演前にやめるというふうに言えば、プロダクションとの契約解除というのはできるというふうに思いますけれども、出演をそうやって追い詰められた後に断ることができずに、せめて販売とか配信を止めてほしいというふうに願ったときに、プロダクションとの契約は解除しても、メーカーに出した出演同意を過去に遡って取り消すことができないのが現状なんだ、そんな中でほぼ唯一対抗できたのが未成年取消権だったと、このAV出演強要問題に取り組んでこられた伊藤和子弁護士がおっしゃっておりましたけれども、この指摘は非常に重いというふうに思いますけれども、法務副大臣、どうお考えでしょうか。

津島副大臣 お答え申し上げます。

 契約を取り消す方法としては、未成年者取消権のほか、錯誤、詐欺又は強迫も考えられるところでございます。もっとも、未成年者が親の同意を得ることなく不利益な契約を締結した場合に、未成年者取消権が未成年者の利益を守る役割を果たしており、未成年者にとってこれが最も有効な方法であるということは、委員御指摘のとおりでございます。

 そもそもですが、アダルトビデオ出演被害を生まないためにはというところでは、これは当事者が未成年者であるかにかかわらず、契約を結ばないことで被害を予防するということが私はすごく重要なことだと思うんです。

 先ほど申し上げましたとおり、いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・「JKビジネス」問題等に関する関係府省対策会議の開催を通じて、アダルトビデオ出演強要に関する取締りや教育、啓発の強化等の施策が推進されてきたところでございます。

 法務省としては、引き続き、関係府省庁における検討について必要な協力をしてまいります。

本村委員 成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議、ここで十分な対策が取られていないから、今こうやって質問をさせていただいているわけでございます。そして皆さんが声を上げているわけです。

 撮影終了後であっても、リリース前に販売差止めを可能とする救済措置が必要だというふうに思います。出演強要されたAVの映像というのは、インターネット上で本当に膨大に拡散をされる、記録され続ける。本当に被害は深刻なんですけれども、被害者にどういう健康被害を及ぼすというふうに認識をされているのか、内閣府、お願いをしたいと思います。

林政府参考人 お答え申し上げます。

 いわゆるAV出演強要問題は、被害者の心身に深い傷を残す重大な人権侵害であると認識しております。

 内閣府が実施しております男女間における暴力に関する調査、令和三年三月におきましては、いわゆるAV出演強要問題に限ったものではございませんが、無理やりに性交等をされたことがある人に生活上の変化があったかどうか聞いたところ、あったと回答した女性は約七〇%となっております。

 具体的には、「加害者や被害時の状況を思い出させるようなことがきっかけで、被害を受けたときの感覚がよみがえる」が約二四%と最も多くなっております。続きまして、「自分に自信がなくなった」約一八%、「夜、眠れなくなった」約一六%、「人づきあいがうまくいかなくなった」約一六%、「異性と会うのが怖くなった」約一五%、「心身に不調をきたした」約一四%、「生きているのが嫌になった・死にたくなった」約一二%などとなっておりまして、被害者の心身に深刻な影響を及ぼしていると認識をしております。

本村委員 長期にわたる甚大な健康被害も生じさせる、そして自ら命を絶つ方も実際におられるわけです。

 自死をなくしていくためには一つ一つ原因を潰していくということが大事だといつも強調されているというふうに思いますけれども、このAV出演に関わる問題では、自死に追い込むような原因を潰せていないわけです。人権侵害が救済されていないわけです。支援者の方々も、本当に大変な思いをして、救済しようということで必死に頑張っておられるわけです。

 その十八歳、十九歳の方々が、撮影をしたとしても、販売、流布をさせない、させたくないと思えば、今までは未成年取消権で販売、流通を止めることができました。これまでは救済できたのに、四月からは救済できなくなり、政府の政策によって被害者が増えるということになります。自死の原因を潰すどころか、政府自身が自ら拡大をさせているということになってまいります。

 この問題については、二〇一八年六月十二日、参議院の法務委員会で、日本共産党の仁比聡平参議院議員に対して上川陽子法務大臣が、AV出演に関し、不当な契約をなくすために、法的体制、対策を含めてしっかりと検討をし、そして実現をしてまいりたいと答弁をしていたのに、できていないわけです。

 十八歳、十九歳のAV出演契約に関し、今までどおり取消権を行使できる法的整備を行う、四月からの契約も遡って取消権を行使し、救済できる法的整備を行うと今政府が宣言をすれば、法整備が少し後になったとしても、四月からも含めて、AV事業者、抑止力にもなってくるというふうに思います。

 四月の契約も遡って救済できる法的整備を行っていただきたいというふうに思いますけれども、これは、消費者担当大臣、そして法務副大臣、そして内閣府の方に、三つ、聞きたいというふうに思います。よろしくお願いします。

若宮国務大臣 そもそも、本人の意に反してアダルトビデオ出演を強要すること、これはもうまさにあってはならないことだというふうに思っております。

 このような問題につきましては、法治国家としても、政府としてもしっかりと取り組んでいかなければならないというふうに認識をしているところでもございます。

 その上で、消費者担当大臣として申し上げさせていただきますが、消費者契約法の要件に該当する場合であって、消費者がこれを主張、立証する必要があるなどの限界があるものの、不当な勧誘によって締結されたアダルトビデオの出演契約について、消費者契約法により取り消すことができる場合もあるというふうに承知をいたしているところでございます。

 また、昨日、総理が参議院の決算委員会でも答弁を申し上げていますが、政府全体といたしましても、今の法律の中で最大限やれることを追求しなければならないとまず思っております。

 ただ、それでも足りないという議論、今委員からも御指摘ございました、超党派でいろいろな議論が様々行われていることは、私自身も承知をいたしているところでもございます。そういった内容につきましては重く受け止めまして、その議論をしっかり注視をさせていただいた上で、政府としての対応を考えていくことが重要だなというふうに考えているところでございます。

津島副大臣 お答え申し上げます。

 まず、政府におけるこれまでの検討ということのお問いがございましたので、その点についてです。

 政府においては、成年年齢引下げを見据えた環境整備に関する関係府省庁連絡会議において、アダルトビデオ出演強要問題に関する対策の推進もテーマとして取り上げ、その進捗管理を行ってまいりました。

 現在までの取組としては、平成二十九年五月に決定された、いわゆるアダルトビデオ出演強要問題・「JKビジネス」問題等に関する今後の対策に基づく実態把握や取締り強化、教育、啓発、相談体制整備等の取組が実施されてきたものと承知をしてございます。

 また、今年度の取組としては、若年層の性暴力被害予防月間において、AV出演強要問題などの更なる啓発に加え、性暴力被害に関する相談先の周知などの取組が集中的に実施されたものと承知をしてございます。

 その上で、法制度整備についてのお尋ねでございます。

 一般論として申し上げれば、特定の内容の契約について、その性質や特徴に着目をして、一旦締結した契約について、錯誤、詐欺又は強迫などがなくとも取り消すことができるという特別な制度を設けるとすれば、一般法である民法ではなく、特定の政策目的に基づく特則として、特別法において定められるべきと考えてございます。

 したがって、アダルトビデオ出演契約に限って御指摘のような規定を設けるべきかどうかについて、法務省としてはお答えをする立場にはございません。しかし、委員が冒頭に申し上げられた国会での動きというものは、私自身、一国会議員として注視をしてまいりたいと考えてございます。

松島委員長 時間が終了しております。まだ答弁ありますか。(本村委員「内閣府、お願いします」と呼ぶ)内閣府から。

 林局長。

林政府参考人 議員立法につきましては、先ほど大臣、副大臣から御答弁があったとおりでございますので、私どもの取組を申し上げますと、まず、今回、成年年齢引下げに伴う若年層のアダルトビデオ出演強要などの被害予防のため、四月の若年層の性暴力被害予防月間に合わせ集中的な広報啓発を行っているところでございます。特に、若い人に届きやすいよう、SNSなどの発信を強化したり、また、トレインチャンネルの活用なども進めているところでございます。

 また、AV業界の団体であるAV人権倫理機構が、メーカー団体やプロダクション団体などに向けて、既に、出演年齢を二十歳以上とすることを強く推奨する通知を出したと承知をしております。

 引き続き、私どもとしても、この問題の根絶にしっかり取り組んでまいりたいと思います。

本村委員 人権救済の強化こそ必要だということを強調し、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

     ――――◇―――――

松島委員長 次に、内閣提出、消費者契約法及び消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律の一部を改正する法律案及び柚木道義君外七名提出、消費者被害の発生及び拡大の防止並びに消費者の利益の一層の擁護及び増進を図るための消費者契約法等の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とします。

 順次趣旨の説明を聴取します。若宮健嗣国務大臣。

    ―――――――――――――

 消費者契約法及び消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

若宮国務大臣 ただいま議題となりました消費者契約法及び消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。

 近時の消費者契約に関する環境の変化、消費者被害の発生状況やその回復のための措置の運用状況等を踏まえ、消費者が事業者と安全で安心して取引を行うことができる環境を整備する必要があると考えられます。そこで、消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差に鑑み、消費者の利益の擁護を更に図るため、契約の申込み又はその承諾の意思表示を取り消すことができる類型を追加する等の措置を講ずるとともに、被害回復裁判手続の対象となる損害の範囲を拡大する等の措置を講ずる必要があるため、この法律案を提出した次第です。

 次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。

 第一に、消費者契約法に関しては、意思表示を取り消すことができる不当な勧誘行為の類型として、消費者が消費者契約の締結についての勧誘を受けている場所において、相談を行うための連絡をする旨の意思を示したにもかかわらず、威迫する言動を交えて、連絡することを妨げること等を追加することとしています。

 事業者の損害賠償責任の一部を免除する契約条項については、当該条項において事業者等の重大な過失を除く過失による行為にのみ適用されることを明らかにしていないものを無効とすることとしています。

 新たに事業者の努力義務として、消費者の求めに応じて、解除権の行使に関して必要な情報を提供することや解約料の算定根拠の概要を説明すること、また、適格消費者団体からの要請に応じて、契約条項の開示や解約料の算定根拠を説明すること等を規定するほか、勧誘時の事業者の情報提供の努力義務について、知識及び経験に加え、年齢及び心身の状態も考慮すべき事情として追加するとともに、これらを総合的に考慮することとしています。

 第二に、消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律に関しては、共通義務確認訴訟の対象を拡大することとし、対象となる損害については、算定の基礎となる主要な事実関係が相当多数の消費者について共通すること等の要件を満たす慰謝料を追加することとしています。また、被告とすることができる者に、被用者の選任等について故意又は重大な過失により相当の注意を怠った事業監督者等の個人を加えることとしています。

 共通義務確認訴訟における和解について、共通義務の存否にかかわらず和解をすることができることとしています。

 消費者に対する情報提供の充実を図るため、簡易確定手続において、事業者等は知れている対象消費者等に対し一定の事項を通知しなければならないものとすることのほか、共通義務確認訴訟の時点で裁判所が事業者等に対して対象消費者等の氏名等が記載された文書を開示することを命ずることができるものとすることとしています。

 特定適格消費者団体が行う通知や回収した金銭の分配の業務の支援等を行うため、内閣総理大臣が認定する消費者団体訴訟等支援法人に係る制度を新設することとしています。

 その他、経過措置等所要の規定を設けることとしております。

 以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。

松島委員長 次に、山田勝彦さん。

    ―――――――――――――

 消費者被害の発生及び拡大の防止並びに消費者の利益の一層の擁護及び増進を図るための消費者契約法等の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

山田(勝)議員 ただいま議題となりました消費者被害の発生及び拡大の防止並びに消費者の利益の一層の擁護及び増進を図るための消費者契約法等の一部を改正する法律案、いわゆる消費者の権利実現法案につきまして、提案の趣旨及び内容を提出者を代表し御説明申し上げます。

 消費者庁の使命は、消費者行政のかじ取り役として、消費者が主役となって、安心して安全で豊かに暮らすことができる社会を実現することとされています。このような社会の実現に向け、日々進展する社会経済のはざまで起きる消費者問題の解決のため、必要な法整備などについて、与野党を超えて本委員会でよい議論をしていきたい、そのように考えております。

 しかし、成年年齢引下げが目前に迫っているにもかかわらず、民法の成年年齢引下げの重要な論点とされた、未成年者取消権を失う若年成人に対応した法整備や国民の理解醸成は追いついておりません。このままでは、十八歳、十九歳の若年成人は、成人となるそのスタートラインから、悪質業者による消費者被害に遭ってしまうおそれがあります。

 また、近時、消費者庁が提出してきた法案の中には、本当に消費者のために熟考され出されたものか、疑念を抱かざるを得ないものも多くあります。昨年の特定商取引法及び預託法の改正に含まれた契約書面の電子化は、消費者の被害を拡大する可能性が高いと消費者団体や法律家からも多く指摘がありました。

 また、消費者契約法は、情報や交渉力の格差に鑑み、消費者と事業者の間の契約である消費者契約について生じた紛争の解決のために作られた法律です。全ての事業者を悪と言っているのではなく、悪質な事業者による悪質な契約から消費者を守る必要があるのです。

 さらに、事業者団体との合意形成が困難であるからと、消費者が合理的な判断をすることができない事情を不当に利用して、事業者が消費者を勧誘し契約を締結させた場合における取消権の創設も実現しておりません。国会において、全会一致の附帯決議で政府に求めてきたにもかかわらず、期限の二年を大幅に超過し出てきたものは、検討会でまとめられた内容から読み取れる最も小さな改正内容となってしまいました。政府が作らないのであれば、立法府が責任を持って対応する必要があると考えます。

 こういった課題を解決し、消費者を守り、消費者の権利を実現する、消費者庁には、そのような本来の役割を果たしていただく必要があります。こうした思いで、本法律案を提案した次第でございます。

 次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。

 第一に、消費者契約法について、意思表示を取り消すことができる不当な勧誘行為の類型に、つけ込み型の包括的な類型として、消費者が合理的な判断をすることが困難な事情を有することを知りながら社会通念に照らして当該消費者契約を締結しない旨の判断を困難にする行為をすることを追加することとしています。

 第二に、第二百四回国会において成立した消費者被害の防止及びその回復の促進を図るための特定商取引に関する法律等の一部を改正する法律について、消費者保護を徹底する観点から、同法により、特定商取引法及び預託法に設けることとされた、事業者が行うべき書面交付の電子化を可能にする規定を削除することとしています。

 第三に、二十歳未満の成年者について、特定商取引に関する法律のほか、十三の法律中のクーリングオフに係る規定の熟慮期間を一律に七日間延長する措置を講じています。

 なお、この法律は、一部の規定を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしています。

 以上が、この法律案の提案理由及びその概要です。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。

松島委員長 これにて両案の趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十七分散会


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