第6号 令和7年4月8日(火曜日)
令和七年四月八日(火曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 谷 公一君
理事 上田 英俊君 理事 上川 陽子君
理事 牧島かれん君 理事 神津たけし君
理事 坂本祐之輔君 理事 森田 俊和君
理事 東 徹君 理事 日野紗里亜君
大西 洋平君 加藤 竜祥君
岸 信千世君 草間 剛君
小池 正昭君 田野瀬太道君
広瀬 建君 三反園 訓君
三谷 英弘君 宮内 秀樹君
宮下 一郎君 簗 和生君
東 克哉君 安藤じゅん子君
市來 伴子君 辻 英之君
中谷 一馬君 長友よしひろ君
橋本 慧悟君 福森和歌子君
山 登志浩君 柚木 道義君
奥下 剛光君 仙田 晃宏君
浮島 智子君 大森江里子君
阪口 直人君 本村 伸子君
吉良 州司君
…………………………………
国務大臣
(デジタル大臣) 平 将明君
国務大臣
(こども政策 少子化対策 若者活躍 男女共同参画担当) 三原じゅん子君
国務大臣
(地方創生担当) 伊東 良孝君
内閣府副大臣 瀬戸 隆一君
内閣府副大臣 鳩山 二郎君
文部科学副大臣 武部 新君
環境副大臣 中田 宏君
防衛副大臣 本田 太郎君
内閣府大臣政務官 今井絵理子君
デジタル大臣政務官
兼内閣府大臣政務官 岸 信千世君
文部科学大臣政務官 金城 泰邦君
国土交通大臣政務官 国定 勇人君
政府参考人
(内閣官房新しい地方経済・生活環境創生本部事務局審議官) 岸田里佳子君
政府参考人
(内閣官房新しい地方経済・生活環境創生本部事務局審議官) 岩間 浩君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 廣瀬 健司君
政府参考人
(内閣府男女共同参画局長) 岡田 恵子君
政府参考人
(こども家庭庁長官官房長) 中村 英正君
政府参考人
(こども家庭庁成育局長) 藤原 朋子君
政府参考人
(こども家庭庁支援局長) 吉住 啓作君
政府参考人
(デジタル庁統括官) 冨安泰一郎君
政府参考人
(デジタル庁統括官) 楠 正憲君
政府参考人
(デジタル庁統括官) 村上 敬亮君
政府参考人
(法務省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官) 中村 功一君
政府参考人
(文部科学省大臣官房文部科学戦略官) 松坂 浩史君
政府参考人
(文部科学省大臣官房文部科学戦略官) 今村 聡子君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 森 真弘君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 岡本 利久君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 大隈 俊弥君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 榊原 毅君
政府参考人
(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長) 野村 知司君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 藤田 昌邦君
政府参考人
(国土交通省大臣官房審議官) 松原 英憲君
政府参考人
(環境省大臣官房審議官) 伯野 春彦君
政府参考人
(環境省環境再生・資源循環局次長) 角倉 一郎君
政府参考人
(防衛省地方協力局次長) 森田 治男君
衆議院調査局地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別調査室長 阿部 哲也君
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委員の異動
四月八日
辞任 補欠選任
大西 洋平君 広瀬 建君
萩生田光一君 簗 和生君
宮内 秀樹君 三谷 英弘君
福田 淳太君 辻 英之君
同日
辞任 補欠選任
広瀬 建君 大西 洋平君
三谷 英弘君 宮内 秀樹君
簗 和生君 萩生田光一君
辻 英之君 長友よしひろ君
同日
辞任 補欠選任
長友よしひろ君 山 登志浩君
同日
辞任 補欠選任
山 登志浩君 福田 淳太君
―――――――――――――
四月八日
地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案(内閣提出第三五号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案(内閣提出第三五号)
地域活性化・こども政策・デジタル社会形成の総合的な対策に関する件
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○谷委員長 これより会議を開きます。
地域活性化・こども政策・デジタル社会形成の総合的な対策に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、政府参考人として、お手元に配付いたしておりますとおり、内閣官房新しい地方経済・生活環境創生本部事務局審議官岸田里佳子さん外二十二名の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○谷委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。三反園訓君。
○三反園委員 自由民主党の三反園訓でございます。質問の機会をいただきまして、本当にありがとうございます。
政治の主役は国民であります。国民の声を聞き、国民の思いに応えていくのが政治の仕事であります。日本を守り、生活を守り、安心、安全な日本をつくっていかなければなりません。少子高齢化が進み、人口が減少し、日本はどうなっていくのか。まずは、子供を産み育てやすい環境をつくっていく必要があります。喫緊の課題であります。
しかし、現状はどうでしょうか。分娩ができない、医師、産科がいない市町村が全国のおよそ六割、千市町村にも及んでいるわけであります。少子化の原因の一つになっています。すぐそこに医師がいる、分娩できる場所がある、こんな心強いことはありません。しかし、今、日本にはそういう環境がないわけであります。小児科医、産科医も不足しているわけであります。
さあ大変だ、少子高齢化が進み、人口が減少し、大変だということであれば、まずは、子供を安心して産める環境を整える必要があると思います。いかがでしょうか。
○森政府参考人 分娩取扱施設の減少に関するお尋ねでございます。
近年、出生数が一気に減少していく中で、分娩取扱いができる施設についても減少しているところでございます。
こうした状況の中で、厚労省においては、医療計画に基づく都道府県のまずは周産期医療体制の整備に対する財政支援を行っているところでございます。また、あわせて、令和六年度の補正予算においても、出生数の減少等を踏まえて、必要な医療機能を維持していくための支援、例えば、もうそろそろ撤退しちゃうかもしれないという医療機関についてその機能を維持していただくための財政的な支援、若しくは、分娩機能については集約化していくんだけれども、その前後である産前のサポート、産後のケアについて強く支援していくような機能というのに財政支援を行っているところでございます。
こうした医療計画に基づく取組の進捗や補正予算の効果といったものを検証させていただいて、医療を取り巻く環境の変化に柔軟に対応しながら、引き続き、都道府県や市町村と連携して、地域の実情に応じた周産期医療体制の整備や産科医の確保に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○三反園委員 是非お願いします。
出生数が減っているから産科医が不足していると見るのか、産科医がいないから出生数が増えていかないのか、そこが私は問題だというふうに思っています。やはり、安心して産める環境がなければ、子供を産もうという環境がなければ、増えないというふうに私は思っていますので、是非その辺りの環境をつくっていただきたいと、本当に切なる思いであります。
特に、地方にそういう環境がないわけであります。ここに、今、都道府県別の出生率がありますけれども、これを見るとよく分かるんですよね。日本の人口を支えているのは地方なわけであります。ベストファイブは全て九州であり、その後、ベストテンまでずっと地方の県が連なっているわけであります。地方の人口が減るということは日本の人口が減るということであります。地方で生まれた方々が都会に出て、そして労働力を支えて、都会の人口を支えているのが今の日本の現状なわけであります。ということは、地方を元気にするためにどんどん政策を打っていく必要があるということであります。
農業一つ取ってもそうなんですね。農業従事者は現在百十一万人いるわけでありますけれども、このまま何もしなければ、二〇四〇年には三十万人に減るわけであります。
どんどんどんどん地方の人口が減っていきます。日本を守るためにも、地方を元気にするための政策を総合的にどんどんどんどん進めていく必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。
○岩間政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘いただきましたように、地方の人口流出を食い止め、地方を活性化する政策を総合的に進めることが重要と考えております。
地方創生の観点からは、地方に仕事をつくる、また地方への人の流れをつくるということで、各省庁と連携して施策を展開しているということでございます。
例えば、最近の動きでありますが、東京一極集中の主な要因ということで、若者の転入超過が言われております。これに着目しまして、例えば、東京都内に本部を置く大学の学生さんが地方への企業の就職活動を行う際の交通費の支援、これを令和六年度から始めております。令和七年度からは、新たにということで、こうした学生さんが地方企業に就職する際の引っ越し費用、移転費、こうしたものについても御支援してまいりたいということでございます。
さらに、農業に言及いただきましたが、まさに地方でエッセンシャルワーカーが不足しているということでありまして、移住支援事業というのをやっておりますが、令和七年度からこれの支給対象を拡大しまして、従来の中小企業等から、例えば親元の就農ですとか自営業、こうしたところも広げていこうということでございます。これによりまして、例えば、農林水産省が行っております就農準備資金とダブルでの受給が可能となるということで、積極的な活用を促してまいりたいということであります。
さらにまた、デジタルを活用したということで、例えば、スマート農業ですとか、それから買物、医療などの中山間地域の生活の確保、こうしたところも含め、積極的に取り組んでまいりたいということでございます。
○三反園委員 やはり、地方で産み育てやすい環境をつくるとともに、仕事も大事でありますので、石破内閣が進めております地方創生二・〇、極めて私はこれは重要な政策だというふうに思いますので、これをどんどん進めながら、地方独自の政策を取り入れて、そして地方が活性化するように政策をどんどん打っていただきたい、本当にそういうふうに思っております。
また、国民の生活を少しでもよくしていかなければならない、そういうふうに思っています。国民の生活を守るのが政治の仕事であります。しかし、今は物価高で、生活が苦しいとの声があちこちから聞こえてきております。では、どうすればいいんでしょうか。
やはり、生活が見通せるような、将来が見通せるようにしていくことが全ての問題の根源を解決していくことにつながっていくというふうに私は思います。将来の不安を一つ一つ解決して、思い切ったきめ細かな新たな物価対策を今こそ推進していく必要があると思いますし、新たな物価対策そして経済対策、支援策を取っていく必要があると思います。
トランプ関税によりまして、今、先が不透明な状況になってきています。こういうときだからこそ、いわゆる物価が高くなって、そしてまた、それに経済、景気が低迷する、これが最悪の状況になっていくわけでありますので、その前にどんどん手を打っていく必要があると思いますけれども、いかがでしょうか。
○瀬戸副大臣 足下におきましては、食料品やエネルギーなど、身近な物の価格は高い状況で続いております。また、国民や事業者の方々は厳しい状況に置かれるものと認識しております。
こうした状況に対応するため、令和六年度補正予算や令和七年度予算に盛り込んだあらゆる政策を総動員し、最大限の効果を発揮させていくことが必要であるというふうに考えています。通商政策など、米国の政策動向による影響が我が国の景気を下押しするリスク、物価動向やその上昇が家計や事業活動に与える影響等に細心の注意を払いつつ、総合的に判断を行いまして、経済、物価動向に応じて引き続き機動的な政策対応を行うなど、経済財政運営に万全を期してまいりたいと考えております。
○三反園委員 国民の生活がよくなるように、国民の声を聞き、様々な政策を推進していただければなと、本当にそういうふうに思っております。
また、特に離島での生活は本当に今は大変な状況でもあります。条件不利性の中で輸送費がかかって全ての物が本当に今高いです。私の地元の奄美大島郡では、ガソリンの平均価格が今二百五円になりました。こうした状況の中で生活しているわけでありますけれども、離島は、皆さん御存じのとおり、領海を守って、排他的経済水域の保全を図っており、シーレーン防衛にも役立っているわけであります。こうした、離島で非常に苦しい中で頑張っている皆さんのためにも、離島に特化した物価対策が今こそ必要ではないかなと思いますけれども、いかがでしょうか。
○藤田政府参考人 お答えいたします。
離島の物価につきましては、人口の規模や大手の小売店の立地状況など、その各離島が置かれている状況によっても異なるというふうに認識してございます。
具体的に申し上げますと、大手小売店が立地する離島では、本土との価格差が小さい品目が多く見られるというような状況である一方で、大手小売店がない離島につきましては、価格差が大きい品目が多く見られるといったような状況でございます。また、小規模な店舗におきましては、大量仕入れができないということで仕入れコスト高になるというようなことが物価高の要因になっているというふうにも見受けられているところでございます。離島に立地する大手小売店からは離島の物流の非効率性が指摘されてございまして、その改善が求められるほか、小規模な店舗につきましては、仕入れコストの削減に向け共同仕入れに取り組むということも有効だというふうに考えてございます。
国土交通省といたしましては、これらを踏まえ、離島の物流の効率化に焦点を当てた調査を進めておりまして、その調査結果に基づきまして離島地域における物流の効率化に有効な施策を検討することで、離島の物流問題の改善につなげてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○三反園委員 離島で生活している皆さん方の本当に強い思いであり、切なる願いであります。生活必需品が本当に高くて、牛乳も高い、全ての物が高い中で生活している方々がいらっしゃるわけでありますので、是非、離島に特化した物価対策をお願いしたいというふうに思います。
もう一つは、日本の中にある問題、不安を一つ一つ解決していくことが日本の再生につながっていくと私は思っております。この委員会もそうでありますけれども、地域活性化そして子供政策そしてデジタル社会、将来の日本にとって本当に全て重要なものばかりであります。政治が今政治に求められている責任をどう果たしていくのか、その答えを今国民は求めているというふうに私は思っております。政治に今求められているのは、正直さ、誠実さ、人間味ではないかなと、私は本当にそういうふうに思っております。
是非、子供の担当大臣でもあり、そしてまた若者の活躍担当大臣でもある三原大臣に、人間味のある、若者への将来に向けてのメッセージをお願いできればと思います。
○三原国務大臣 委員御指摘のとおり、我が国の将来を担う若者たちの不安に寄り添い、抱える課題や困難を一つ一つ解決していくこと、これは非常に重要なことだと考えております。こども大綱におきましても、基本的方針の中で、若者が自分らしく社会生活を送ることができるよう、社会全体で切れ目なく支えていくことを掲げております。今後は、特に困難に直面している子供たちや若者を支える、こうした取組の質の強化、こうしたことをより一層進めてまいりたいと思っております。若い世代の皆様には、まずは安心して自分の思うように生きてほしいと願っております。そして、皆さんが持つ能力を十分存分に発揮できるよう、そしてまた、それをサポートする政策を全力で進めてまいりたいと思っております。
若い世代の皆様には、是非この国の明るい未来を一緒につくってまいりましょうと伝えたいと思います。
○三反園委員 是非明るい未来になるように、政治が政治しか果たせない責任をどう果たしていくか、私も一生懸命また努力していきたい、そういうふうに思っております。
ありがとうございました。
○谷委員長 次に、仙田晃宏君。
○仙田委員 ありがとうございます。
国民民主党・無所属クラブの仙田晃宏でございます。
本日は、質問の機会をいただき、ありがとうございます。また、谷委員長を始め、立憲民主党、森田筆頭理事、自由民主党、上川筆頭理事の御配慮により、順番を入れ替えての質疑、ありがとうございます。
立憲民主党、日本維新の会の皆様に先駆けて質問させていただくことに緊張いたしますが、子供関連の質疑の後は環境委員会で熊に関する質問をしてまいりますので、今回は御容赦いただきたいなというふうに思っております。
それでは、質問に移らせていただきます。
まず、三原大臣に、産後ケアについてお伺いをさせていただきます。
私の地元、岐阜県本巣市では、令和五年より、産後、ホルモンの影響で誰でも起こり得る心身の不調を整え、母親が地域や社会と少しずつ接点を持てるよう支援するとともに、産後、スムーズな社会復帰を後押しすることで、自然な形で女性が社会参加できるような事業を実施しております。母親自身が自己を確立し、再就職を見据えながら、健康で楽しく子育てができる環境を整えることを目的としております。
こうした優れた取組を全国の自治体に広げ、産後の女性が心身共に産前より健康になれるよう推進していくべきだと考えております。
一方で、産後ケアの提供においては、通所、宿泊施設を医療機関などから確保する必要があり、多くの自治体がその確保に苦慮していると伺っております。四月から新たに拡充される制度を活用し、産後ケア事業をより一層強化、推進していただきたいというふうに考えております。
そこで、三原大臣に、今後の産後ケア事業の強化、推進に向けた意気込みをお聞かせいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○三原国務大臣 産後は、心身の変化や慣れない育児等により、産後うつのリスクが高い時期と言われております。この時期における母親への心身のケアや育児のサポート、これは大変重要で、必要とされる全ての方に産後ケア事業を利用いただきたいと考えております。
一方、委員御指摘のとおり、特に規模の小さな市町村では、産後ケア事業の委託先の確保が困難だといった意見もあると承知しております。
こうした御意見を踏まえまして、本年四月に施行した改正子ども・子育て支援法により、産後ケア事業を地域子ども・子育て支援事業に位置づけた上で、市町村の委託先確保が困難な場合には、管内市町村を取りまとめて委託契約を調整する等の広域調整を都道府県が担うこととしており、また、各都道府県等が量の見込みや提供体制の確保の内容等を定めて、計画的に提供体制の整備を進めていくこととしております。
さらに、委託先の確保に資するよう、令和六年度補正予算では、受入れ人数を増やすための増改築の施設整備等の補助を拡充いたしました。
これらの取組によって、産後ケア事業の更なる推進をしっかりと図ってまいりたいと思います。
○仙田委員 ありがとうございます。
今回、国民民主党は、子育て十の無料化を掲げており、また、所得制限なしで子ども・子育て支援の地域差撤廃、こちらを政策理念に掲げさせていただいております。
産後ケアに関しましてはこども家庭庁において精力的に取り組んでいただいており、心から敬意を表しますが、さらに、第一子からの保育料無償化を始めとした支援を含め、今後も着実に進めていただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
次に、こどもの居場所づくり支援体制強化事業、こちらについてお伺いさせていただきます。
まず、この重要な事業の財源について、現在安定的に確保されているのかを確認させていただきます。
本事業は、地域における子供の安心できる居場所づくりを支えているものであり、引き続き安定的な運営が求められていると考えております。そのためにも、今後も継続して予算要求を行っていただきたいと思っておりますし、あわせて、今後の予算増額の可能性についてもお伺いさせていただきたいというふうに思っております。地域の実情に応じた柔軟な対応を進めるためにも、更なる予算措置が必要になると考えております。
また、事業が一定期間で終了した場合でも、地域に根づいた活動が継続できるよう、持続可能な仕組みの構築が重要です。事業終了後も活動を継続可能とするための具体的な取組や支援策があれば、お示しいただきたいというふうに思っております。
三原大臣の御所見を伺いたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
○三原国務大臣 地域のつながりが希薄化する中で、子供にとって、多様で、また安心、安全な居場所を確保するということ、地域の取組をしっかり支えていく必要があると思っております。
このために、都道府県や市区町村に対し、居場所づくりをコーディネートする人材の配置等への補助とともに、こどもの居場所づくり支援体制強化事業では、モデル的に、民間団体の創意工夫による居場所づくり、例えば、能登半島地震の後に学生ボランティアによる子供への学習支援などがございました。こうした好事例や自治体における居場所づくりに関する支援体制の取組例などを収集して横展開することで、地域における居場所づくりの取組、これを支援しています。
お尋ねの事業はモデル的な事業でございまして、今後の展開は実施状況等を踏まえ検討してまいりますけれども、こどもの居場所づくりに関する指針にもあるとおりに、地域のつながりが希薄化する中で、児童虐待の相談対応件数やいじめ、不登校、そして子供の自殺者数も増加し、子供たちにとって安心、安全な居場所の確保というのは喫緊の課題と認識しております。
委員の御指摘や問題意識、こうしたことをしっかり受け止めて、今申し上げた様々な取組、これを総合的に実施する中で、地域の子供の居場所づくりについて、政府として強力に推進してまいりたいと思っております。
○仙田委員 ありがとうございます。
居場所づくり、そして今お話がありましたコーディネーターの配置といったところについて、追加で質問させていただきます。
現在、こども家庭庁におきましては、こどもの居場所づくりコーディネーターの配置支援、こちらを行われていると承知しております。このような取組においては、高齢者を含む様々な方のお力を生かすことも重要だというふうに考えております。支援体制の構築は、子供たちにとってもいい影響を与えるものと認識しております。
そこで、お伺いさせていただきます。
高齢者を含む様々な方をコーディネーターとして育成、活用していくような施策や取組について、現時点でお考えがあればお示しいただきたいと思っております。よろしくお願いいたします。
○三原国務大臣 子供の居場所づくりを推進するために、自治体が居場所づくりコーディネーターを配置する際の補助を行っています。
このコーディネーターは、地域におきまして、ニーズの把握、資源の発掘、活用、居場所を求める子供をつなげる、組織運営のサポート等を行うことが期待されて、地域の特性ですとか居場所の実態等に習熟している方に就いていただきたいと考えてございます。
このコーディネーターについて、年齢要件などには特段の設けはしてございません。多様な居場所をつくるという制度の趣旨を踏まえれば、例えば、地域のことをよく御存じで、また様々な御経験をされている、地域活動に意欲を持たれている高齢者の方にコーディネーターとして居場所づくりに参画していただくこと、委員御指摘のとおり、大変私も望ましいと考えてございます。
広報啓発動画ですとか居場所づくり指針に係る解説動画、パンフレットなどを作成して制度の周知に努めておりますけれども、高齢者の方も含めて幅広い世代に子供の居場所づくりに関心を持っていただけるように、引き続き取り組んでまいりたいと思っております。
○仙田委員 ありがとうございます。
是非、地域の活動に意欲がある方々を採用していただきたいなというふうに思っております。
こども家庭庁は、二〇二三年四月に発足し、まだ二年と若い省庁でございます。新規施策の立ち上げにはいろいろな御意見があると思っております。私も、会社員時代、新規ビジネス事業に携わり、道なきところに道をつくる、いわゆるゼロから一をつくっていくゼロワンの大変さを十分理解しております。日本の将来を担う子供たちと、子供のお父さん、お母さんのバックアップについて、三原大臣におかれましては、引き続き、力強いリーダーシップを持って、お体に御自愛しつつ、渡辺長官、中村官房長を始め職員の皆様の頑張りに労のねぎらいをお願いしつつ、こどもまんなかではなく、子供ど真ん中の政策をどんどん推し進めていただきますようお願い申し上げ、子供関連の質問とさせていただきます。
次に、デジタル関連についてお伺いをさせていただきます。
一点目は、新幹線の特急料金無料化についてです。
私の地元岐阜県には、岐阜県唯一の新幹線の駅、岐阜羽島駅がございますが、東海道新幹線の駅としては、三河安城に続き、二番目に乗降客数が少ない駅でございます。とはいえ、大都市圏である名古屋駅には約十分で到着するという好立地にございます。岐阜羽島駅―名古屋駅間において地元の利用を促進したいため、新幹線の特急料金を無料にできないかと沿線の自治体や地域住民の皆様から声が上がっております。
乗車の際に地元住民であるかをJRにおいて判断することは運用上課題があると国土交通省より回答がございました。しかし、マイナンバーカードと交通系ICを一体化させることによる岐阜県民なのかどうかの識別が可能だというふうに私は考えております。
マイナンバーカードと交通系ICカードとの一体化について、平大臣の見解をお伺いさせていただきます。
○平国務大臣 ありがとうございます。
マイナンバーカードを使うと、住所情報がICチップに入っていますので、その識別はできます。
実際に、Jリーグの試合なんかで、マイナンバーカードでチェックインしてもらって、地元のサポーターと地元以外の人で、くじに対する景品を変えるみたいなことはできています。また、チェックイン、チェックアウトとか、あと、決済とかチャージもブロックチェーンを使ってチャージをして、Suica、交通系ICのように決済ができるという仕組みもできています。なので、結論を申し上げると、やろうと思ったらできます。
やろうと思ったらできますが、とはいえ、かなり工夫していて、交通系カードのようにマイナンバーカードは使えるんです。これはブロックチェーンを使っていて、後ろにアメリカのステーブルコインがくっついているとか、あとは、利用シーンによって、やはりUI、UXをかなり工夫しないと、多分先生のイメージどおりにはいかないんだろうと思います。
なので、JRがそれをやる気になるかどうか、イニシャルの投資と全体でつくるエコシステムが見合うかどうかということだろうと思いますので、是非、JRさんとお話をしていただければと思います。私は所管外なので、何とも言えません。技術的にはできます。
○仙田委員 ありがとうございます。
おっしゃっていただいたとおり、交通系ICはFeliCaというタイプでございまして、マイナンバーカードはタイプBという規格でございますので、この規格を合わせていくことによって、この部分については技術的には可能なのかなというふうに思っておりますので、ここについては、これからも私は決済サービスの一体化というのはやっていきたいなというふうに思っておりますので、是非よろしくお願いいたします。
続いて、時間の関係上、ちょっと質問の順番を入れ替えさせていただきまして、先に地方公共団体のシステム標準化のための基金の設置期限の五年間延長について伺いたいというふうに思っております。
今回、五年間基金が延長されるというところでございますけれども、こちらについて、理由は、事業者のリソース逼迫のためという記載がございます。今回、リソースが逼迫した理由は何なんでしょうか。そして、今回、解消できる、若しくはめどが立っているのか、平大臣にお伺いさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
○平国務大臣 事業者のリソース逼迫については、官民問わずDX需要が増大していることのほか、事業者からは、制度改正に対応するための現行システムの開発作業等に当初の想定よりもリソースを割く必要が生じたなどの声も聞いています。また、一部事業者においては、自治体システム全般において障害案件が複数発生し、品質確保のプロセスの確立、品質改善への注力が必要なことなど、個別の事情もあったものと承知しています。
事業者のリソース逼迫等を理由として、標準準拠システムへの移行が二〇二六年度以降とならざるを得ないことが具体化したシステムも一部ありますが、今年の一月末の時点で、システム数ベースでは、九割超の自治体システムは移行期限である二〇二五年度末までの移行に向けて作業が着実に進捗していると認識しています。
今年度中に多くのシステムを標準準拠システムへ着実に移行させることにより、二〇二六年度以降は、事業者のリソース逼迫が相当緩和されるものと考えています。
○仙田委員 御回答ありがとうございます。
今、九割超のものが終わるというふうにお話ありましたけれども、人口ベースでいきますとやはり五割が終わらないというところでいきますと、政令指定都市を含めて大きな町がうまくいかないというところはございます。
ここをやっていくに当たっては、やはり次の五年間で今とどうやり方を変えていくから移行が完了できるかといったところが具体的にお示しできない限り、五年間の延長で本当にできるかどうかというところが、見通しがなかなか立たないかなというふうに思っておりますし、システム提供ベンダーを含めて、障害案件が多いというふうにおっしゃられていましたけれども、品質がしっかり確保できていないベンダーに対してしっかりとデジタル庁がやっていく上でも、ここの部分を、具体的な対応内容というのを平大臣に教えていただきたいなというふうに思っていますので、よろしくお願いいたします。
○平国務大臣 今、人口ベースで五割を超えるところが移行困難だというお話をいただきました。実際は六割なんですが。でも、これは二十あるシステムのうち一つでもということなので、システム数全体では九割超で完了するということでありますので、つけ加えさせていただきます。
その上で、今の御質問でございますが、まずは、二〇二五年度末の移行期限に向けて、少しでも多くの自治体システムが標準準拠システムへ移行できるよう、関係省庁とも連携をして、引き続き取り組んでいきます。
他方で、標準準拠システムへの移行が二〇二六年度以降とならざるを得ないことが具体化した特定移行支援システムについては、おおむね五年以内に標準準拠システムへ移行できるよう、国として積極的に支援します。
具体的にはというお尋ねでございますので、具体的には、現行システムの事業者の撤退等により次期事業者の選定に至っていない自治体に対する事業者情報の提供、標準化PMO(プロジェクト・マネジメント・オフィス)ツール上での制度所管省庁からの助言の充実、デジタル基盤改革支援基金の設置年限の延長に必要な法改正に向けた対応によって支援し、さらに、二〇二六年度以降は、事業者のリソース逼迫の緩和に加えて、特定移行支援システムを有する自治体に対して支援を重点化することも可能になると考えておりますので、各自治体の事情などに応じて丁寧に個別に支援していきます。
○仙田委員 御回答ありがとうございます。
リソースが逼迫をしている中で、解消していくというところで具体的に御説明いただきまして、ありがとうございます。
やはり、ガバメントクラウドを含めて標準化の、民間企業を含めて、今、デジタル庁さんに出向者が来ていると思っておりますけれども、逆に、これをしっかり五年間の中でやり切っていくという意味で、デジタル庁から民間企業、そしてこういうシステム会社に人を派遣して強化していくというのも一案だというふうに思っておりますけれども、この点についてはいかがお考えでしょうか。
○冨安政府参考人 お答えいたします。
デジタル庁は、二〇二一年九月の発足から三年半が経過いたしまして、組織も急速に拡大させてきておりまして、発足時の五百名程度から、現在、千名を超える体制となっております。
他方で、その多くは他省庁や自治体、民間企業からの出向者、あるいは民間出身の非常勤職員で占められておりまして、デジタル庁採用のいわゆる常勤職員につきましても、令和四年度から順次採用を開始していまして、増やしておりますけれども、まだ在籍期間も短く、民間企業に出向させて相互に知見を交換するには、現時点では時期尚早かなと思っております。
他方、議員御指摘のとおり、職員の中長期的な育成ということも含めて、また、そういう交流がいろいろ連携強化というのにつながりますので、民間企業への出向は将来的には有効だと考えておりますので、その時点ではしっかり考えてまいりたいと思います。
○仙田委員 ありがとうございます。
時間になりましたので締めさせていただきますけれども、やはり民間では、サービス開始を延期するというのは、多方面に大きな影響と、そして莫大な追加コストがかかるため容易にはできないことでございます。更なる延長というのは許されないと思っておりますので、是非、平大臣にはしっかりと司令塔としてのかじ取りをお願い申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○谷委員長 次に、福森和歌子さん。
○福森委員 立憲民主党の福森和歌子です。よろしくお願いいたします。
本日は、前回の質疑の際に時間が足りず、お聞きできなかった少子化対策等を中心に質問をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、女性の働き方についてお聞きしてまいりたいと思います。
総務省の労働力調査によれば、女性の非正規労働者が非正規で働く理由として、家事、育児、介護等と両立しやすいからと回答する率は一五・五%に上ります。また、自分の都合のいい時間に働きたいからとする方は三六%で、この中には、家事、育児、介護を優先せねばならず、家事都合に合わせて働かざるを得ない方もいらっしゃると思います。
正規で働きたくても、家事や育児、介護等の両立を考えると非正規にせざるを得ない方もいらっしゃるということで、こういった状態が続くことは、正規雇用で意欲的に働きたい女性にとっても子供を産むことをちゅうちょしかねない事態にもなるかと思います。正規でももっともっと一層柔軟な働き方ができるような促進策が必要と思いますが、いかがでしょうか。
○大隈政府参考人 お答えいたします。
男女の家事、育児分担や働き方の見直しにつきましては、厚生労働省において、企業が従業員とその配偶者を対象に開催する企業版両親学級の取組の促進などを通じまして、男性の積極的な育児等への参画を促進するための意識改革などに取り組んでおります。
また、昨年五月に公布いたしました改正育児・介護休業法では、男女が共に希望に応じて仕事と育児を両立できるよう、三歳以上小学校就学前の子を養育する労働者につきまして、出社、退社時間の調整、テレワーク、短時間勤務などの柔軟な働き方を実現するための措置の中から二つ以上を選択して事業主が措置する仕組みを創設し、本年十月一日の施行に向けて取り組んでいるところでございます。
これらの取組を通じまして、男女が共に子育てをしながら希望に応じて働き続けることができる環境の整備に向けて取組を進めてまいります。
○福森委員 今、促進策をいろいろとお話しいただきましたけれども、実際、特に男性の方、工場で働いていらっしゃる方に御意見をお聞きしますと、そうはいってもなかなか取りづらいということであったり、今、介護の休業のお話がありましたけれども、どうやって取ればいいかとか何日取れるかとか、実は御存じない方もまだまだいらっしゃると認識しております。どうか、そういった周知徹底、あるいは、こういった促進策があるからもっともっとというような会社への励ましをより徹底していただければと思います。
次に、男女の賃金格差について、少しデータは古いですが、二〇二〇年、男性を一〇〇として、女性は七二・三%とされています。また、常時雇用する労働者数が三百一人以上の事業主では、二〇二二年七月から男女の賃金の差異を公表するよう義務づけられておりますが、この結果を見ましても、ほとんどの大企業では女性は男性より低い水準にあります。
管理職に占める女性の割合が少ないことや、時短勤務の利用者の多くが、ほとんどがと言ってもいいかもしれませんが女性であることなど、様々な要因が推測されますが、もっともっと是正が必要ではないでしょうか。このままでは、男性は所得を維持するために働かざるを得ない、あるいは働こうとする、そうすると、女性が休んで家事や育児を負担するという従来の役割分担が変わらない。そして、女性が家事、育児に集中する。その結果、また正規で働けないとか賃金格差が開いてしまうといった悪循環になることも考えられると思います。
改善策についてはどのようにお考えで実施されておられますか。
○大隈政府参考人 お答えいたします。
男女間の賃金差異につきましては、長期的には縮小傾向にあるものの、女性管理職比率の低さや男女間の勤続年数の違いなどを反映いたしまして、依然として差異が大きく、その是正は重要な課題であると認識しております。
このため、男女間賃金差異や女性管理職比率の情報公表の強化などを盛り込んだ女性活躍推進法の改正法案を今国会に提出しているところでございます。また、中小企業等の事業主に対する支援として、男女間賃金差異の要因を簡易に分析するツールの提供や、改善に向けたアドバイスなどのコンサルティングを実施しているところでございます。
こうした取組を通じまして、男女間賃金差異の是正を始め、女性を含む全ての労働者がその個性と能力を発揮し、活躍できる社会を実現してまいりたいと考えております。
○福森委員 是非お願いしたいと思います。
特に、今回、大企業を公表されて、私も記事等を読んでおりますけれども、公表するということで、改めて数字を出してみて、ぎょっとしたという回答をしていらっしゃるところもありました。そんなことでは遅いと私は思ったんですけれども、おっしゃるとおり数値化する、そして、その要因を調べて改善できるところを改善していくということは非常に重要であると思います。
私は、この男女の賃金格差が働き方を、特に女性の方は我慢してしまったり、あるいは男性が働かざるを得ない状況をつくっていると思いますので、ますます是正に向けて動いていってくださればと思います。
それから、育児休業についてお聞きします。
民間企業の男性の育児休業取得率は三〇・一%、国家公務員では一週間以上取得が七九・一%、地方公務員でも四七・六%とお聞きしております。取得率は徐々に高くなっておりますが、まだまだ取得期間が女性に比べて非常に短いといったところがあり、男女とも等しく子育てをできる環境にないのではないかと思います。
男性の場合、周囲を気にして、長期間は取りづらいというお声をよく聞きます。男性の育児休業率、また、その期間を女性並みにするべきと思いますが、どういった強化策がありますでしょうか。
○大隈政府参考人 お答えいたします。
令和五年度の男性の育児休業取得率は三〇・一%と過去最高の水準となりましたが、女性と比べて依然として低い状況にございまして、取得期間についても女性と比較すると短い期間となっている傾向が見られます。
男性の育児休業取得促進に関しましては、令和三年の法改正で、出生直後に柔軟な形で休業を取得できる産後パパ育休の創設や、育児休業制度に関する個別周知、取得意向の確認の義務づけなどを行ったことに加えまして、昨年令和六年の法改正で、男性の育児休業取得率の公表義務の拡大や、両親共に二週間以上育児休業を取得した場合の育児休業給付が手取り十割相当となるよう拡充を行っているところでございます。
また、男女共に希望する期間育児休業を取得できる環境整備のため、中小企業への支援策として、育児休業期間中の業務を代替する周囲の労働者に応援手当を支給する場合における助成の拡充などを令和六年度補正予算で行うとともに、次世代育成支援対策推進法に基づく事業主行動計画におきまして、男性の育児休業取得期間に関する適切な目標が設定されることが望ましい旨を指針で定めたところでございます。
引き続き、男女共に希望する期間気兼ねなく育児休業を取得できるよう、これらの取組の周知を丁寧に行って活用の促進に努めてまいりたいと考えております。
○福森委員 女性が育児休業を長く取れて、男性が取れないわけがないと私は思っています。特に、中小企業では男性の社員が多くて、なかなか代わりの方がいないとか、御苦労はあると思いますけれども、今おっしゃっていただいたような応援施策を周知徹底して実施し、男性も女性のように育児休業が取れる、共に一緒に等しくやっていけるような、そんな社会をつくっていっていただければと思います。
次に、職場における男女平等の意識の差についてお聞きしたいと思います。
日本経済新聞が今年一月に実施した働く男女千人アンケートによると、職場は男性優位だと答えた方は男性六〇%に対し、女性は七九%。また、子の緊急時に夫婦が等しく対応していると答えた男性は四一%に上りますが、女性では二一%と、まだ男性の半分にとどまっています。そういった結果が出ております。昇進の機会についても、男性の四一%は男女平等が確保されていると意識しているのに対し、女性では二六%しかいない。あるいは、職場で重要な職務を割り当てられる機会は平等だと答えている男性は四一%いますけれども、女性だと二四%と、男女でかなりの意識の差があると思います。男性の側は平等だと思っていても、女性はそうは感じていないということがあるわけです。
先ほど来申し上げてきた賃金格差とか育児休業の取得についても、この認識の差に影響を与えているとも思います。この認識の差について、この意識差についても是正が必要だと思っておりますが、どのような施策をお考えでしょうか。
○岡田政府参考人 お答え申し上げます。
令和六年に実施いたしました男女共同参画社会に関する世論調査におきまして、職場、家庭生活における男女の地位の平等感について尋ねてございます。男性の方が女性よりも平等と回答した割合が高いという結果になってございます。
また、令和六年版男女共同参画白書でございますけれども、平日の生活時間を性別、世帯の形態、時間帯別に家事、育児、仕事等の活動別に示してございます。単独世帯の世帯主であります有業男女の平日の生活時間を比較いたしますと、活動の内容に性別による大きな違いはないのでございますけれども、末子、末のお子さんの年齢が六歳未満の共働き夫婦の妻と夫の平日の生活時間を見ますと、家事関連時間は妻、仕事時間は夫に偏っております。
このように、家事関連時間が女性に偏ることによりまして、女性が働く場で活躍することが困難になっている可能性がございます。このため、男性の家事、育児等への参画促進及び育休の取得促進、男女間賃金差異の公表、分析の一層の推進などを通じて企業等の取組を推進してまいりたいと考えております。
また、第五次男女共同参画基本計画に基づきまして、固定的な性別役割分担意識や無意識の思い込みを生じさせない取組に関する情報収集を行いますとともに、啓発手法等を検討いたしまして情報発信を行ってきたところでございます。引き続き、固定的な性別役割分担意識等の解消に向けて粘り強く取り組んでまいりたいと考えております。
○福森委員 特に、さっきおっしゃっていただいた、男の方の方が男女平等だと実は思っている。そう思っていると、より一層家事、育児をしなきゃというようなマインドにならない可能性もございますので、こういう状態だよということを知らせることも大事かと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
次は、地方の若年女性の方の県外流出についてお話ししようと思います。
最近、いろいろなメディアで、地方からの若年女性の流出が止まらないという記事を目にいたします。その要因として挙げられているのが、働きやすい場所が少ないといったこと、あるいは賃金格差が大きいことです。
例えば、私の地元は三重県ですけれども、若年女性で転出超過が著しいということで、ジェンダーギャップ指数経済部門で四十七都道府県中四十六位です。何でも比べればいいというものではありませんが、三重県の場合、女性の非正規雇用の割合が五八%、正規雇用が四二%ということで、全国でワースト2。妻から見た夫の家事、育児関与度は全国最下位ということで、繰り返しになりますが、働き方における男女平等というものが求められているのだなと思っています。
三重県は、今年、ジェンダーギャップの解消に向けた戦略を策定し、実施に向けて活動されています。ほかの自治体でもこの問題に対する取組が活発化していると思いますけれども、国としてはどういう対策をお考えでしょうか。
○岸田政府参考人 お答え申し上げます。
地方創生二・〇においては、若者、女性にも選ばれる地方の実現を第一の柱として強力に進めることとしております。地方からの若年人口の流出は進学や就職が契機となることが多く、これまでの有識者会議においても、若年女性の人口流出につきまして、課題解決の方向性として、魅力ある職場をつくっていくこと、ジェンダーギャップを解消していくこと、男女間賃金格差を是正していくことなどの御指摘をいただいたところでございます。
内閣府では、これまでも、職場環境の改善等を含めた地域の魅力向上について、地方創生の交付金を活用しまして地方公共団体の取組を支援してまいりました。引き続き、有識者会議での御議論等も踏まえつつ、本年夏を目途といたしまして、今後十年間集中的に取り組む基本構想を策定してまいります。
○福森委員 是非お願いしたいと思います。
私は、地方の若年女性が出ていってしまっている、私も出てきた人で、今戻っていますけれども、そういうことが続くとロールモデルもなくなって、どうしていいか分からない、より都会にということもあるかと思います。私はそういった先輩の女性を育てていくことも大事だと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
次に、産婦人科のことですけれども、先ほど三反園委員からもお話がありました産婦人科の減少ということについてお聞きしたいと思います。
二〇二四年にNHKが実施した調査によれば、全国千七百以上ある市町村のうち、出産施設が一つもない自治体は千四十一市町村と、全体の六割近くに上るとされています。厚生労働省の調査を見ましても、産婦人科、産科を標榜する施設数は、一九九六年には七千三百二ありましたけれども、二〇二三年には四千三百四十六とかなり減っています。
地元に出産施設が一つもないところに住む女性は不安を感じる、だから、どうしようかな、産めるかなと思ってしまう。そのような女性の方々に対してどのような取組をされていますか。実際に妊婦の方の御意見を聞いて何かされておられるのでしょうか、お聞かせください。
○森政府参考人 地域において安心して出産、分娩できる体制を整備していくことは大変重要な指摘だというふうに考えております。
現在、都道府県においては、限られた医療資源の中で、ハイリスク妊産婦に対する医療の安全性を担保する観点から、二次医療圏にこだわらない形で周産期母子医療センターを基幹とした集約化、重点化を行っているところですが、併せて、分娩取扱施設と妊婦健診や産前産後ケアを行う施設との役割分担、連携といったことも進めているところでございます。
さらに、分娩施設までのアクセスが悪い地域に居住する妊婦に対しましては、こども家庭庁と連携いたしまして、令和六年度から、遠方の分娩取扱施設で出産する妊婦の交通費、宿泊費への財政支援を行っているところでございます。
こうした取組を通じて、安心して出産できる体制を整備していきたいと考えているところでございます。
○福森委員 限られた資源であったり、働いてくださる医療関係者の皆様の労働環境を思えば、医療圏を集約するとか、先ほどおっしゃった重点化することは大事なことだと思います。でも、出産施設がない市町村にお住まいの夫婦とか若い女性、妊婦の方は何か不安に思うことがあります。ですから、私は、そういった方の声に耳を傾けて、保育士等は今補充されていますけれども、逆に、地方、地方にもうちょっと産婦人科を補充するというか、強化することも大切かと思いますので、御検討いただければと思っております。
これに付随しまして、不妊治療についてもお聞きします。
不妊治療が保険適用となってよかったなと私は思います。所得制限もなくなったのは非常にありがたいことで、実際、二〇二二年度のレセプト件数は百二十五万件を超えている。実際の患者数は三十七万三千五百七十五人ということでした。そして、日本産科婦人科学会によると、二〇二二年に国内で実施された体外受精で生まれた子供は七万七千二百六人と過去最多となっています。出生数を考えると、一割以上が生まれているわけです。これからも積極的に不妊治療を受けたいとする方は増えると思います。
このような状況で、不妊治療を望んでも、先ほど言った、産婦人科が減少して相談したくてもどこに行けばいいか分からないとか、医療機関に物理的に相当な距離があって通えない方も多くいらっしゃると思います。特に地方の、中でも地方で働く女性は治療を受けづらいということがあるのではないかと思いますが、どのような支援を考えていらっしゃいますか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
不妊治療に関する相談支援は非常に重要であると考えてございます。
こども家庭庁におきましては、不妊症、不育症に関する正しい知識の普及啓発を行っているほか、性と健康の相談センター事業におきまして、不妊に関する相談も含め、妊娠、出産を取り巻く様々な悩みについて相談支援に取り組んでおります。また、昨年度からは、新たに不妊治療を実施している医療機関が検索できる特設のサイトも開設いたしました。
一方、厚生労働省におきましては、休暇制度の不妊治療と仕事を両立しやすい職場環境の整備に取り組む中小事業主に対する助成ですとか、こういった取組も進めていただいていると承知しておりまして、こども家庭庁におきましても連携して周知啓発に努めているところでございます。
こうした取組を通じまして、地方に暮らす方、働きながら不妊治療を希望される方々への支援についても図っていきたいと考えております。
○福森委員 今お聞きした施策はいずれも大事だし、助かるものだとは思います。ただ、保険診療を受けることができるのは地方厚生局に届出を行っている医療機関とされていますが、例えば、私が住む三重県には九機関しかありません。松阪市以南にはその医療機関がありません。三重県で南方にお住まいの方は結構困っていらっしゃる女性の方もいます。実際に私に声を聞かせてくださっている方もいます。そういった方にも届く支援を今後充実させていただきたいと思います。
次に、若い人たちの意識変化、先ほど来もお話がありましたけれども、それに対する対応についてお聞きしたいと思います。
日本大学の末冨教授らの研究グループでは、今年二月、若者世代の困難に関する実態調査を行ったところ、全国の十五歳から三十九歳の男女約四千人のうち、子供はいない、子供は育てたくないと回答した人が五二%に上ったそうです。
ロート製薬さんの調査においても、現在子供を欲しいと思っていないし、将来も欲しいとは思わないと回答した十八歳から二十九歳の未婚男女は全体の五五・二%だそうです。少子化を止めるには、この意識も変えていかなくてはいけないと思います。
個人の価値観にもよるので、制度で変えていくことは非常に難しいとは思いますが、ただ、このように回答している若者も少子化対策については必要であると答えており、中でも、ワーク・ライフ・バランスの改善や柔軟な働き方の拡大は八割以上の若者が支持しています。
こういった若者の意識をどう捉えて、どう対策をしていこうとお考えか。できるところからということでは更なる働き方改革をということになるのかなとも思いますけれども、三原大臣はいかがお考えでしょうか。
○三原国務大臣 少子化の流れを反転させるのは時間との闘いであり、少子化の克服に向けて、若い世代が希望どおり結婚し、子供を持ち、安心して子育てができる社会を実現していかなければなりません。
委員御指摘のとおり、子育て世代が男性も女性も仕事をしながらも育児、家事に充てる時間を確保して楽しく子育てできる、そうした働き方改革の取組は大変重要でありまして、加速化プランにおきましても、共働き、共育ての推進の大きな柱の一つとして掲げております。
また、育児休業取得の促進、これは、両親とも育児休業を取得した場合の手取り十割相当の支給、そうしたことも図っているほか、柔軟な働き方を実現するための施策を盛り込んで、仕事と育児等の両立支援に取り組んでいるところでございます。
他方、今委員御指摘のとおり、若い世代の視点に立って、価値観の多様化ですとか人生設計の変化を捉え、これを前提として若い世代に寄り添った対策を講じていくことも不可欠であると考えております。
昨年、こども家庭庁が若者を対象にいたしましたアンケート調査でも、子供を持つことは自然なことである、あるいは結婚したら子供が欲しいといった問いに対して、未婚者の五割前後がそう思わない又は余り思わないと答えるなど、結婚して子供を持つことは当たり前のことではないという意識や、結婚や子育てに明るい将来展望を抱けていないという現状を受け止めているところでございます。
そうした問題意識から、こども家庭庁においては、若い世代の価値観の多様化に一層対応した取組を進めるべく、二十代の方を中心としたワーキンググループを開催いたしまして、将来設計の支援の在り方について検討を行ってきております。このワーキンググループでは、例えば、各年代に応じた自身の将来を考える機会の提供の必要性であるとか、また、若い世代の方に直接の協力を得まして、将来設計に役立つ情報発信の工夫ですとか、そうしたことなどが指摘をされております。
こども家庭庁として、こうした若い世代の声も踏まえて、今年度予算等に将来設計支援の取組の強化ということを盛り込んでおります。引き続き、関係省庁と連携いたしまして各施策をしっかり前に進めてまいりたいと考えております。
○福森委員 ありがとうございます。
特に、若い人たちは、国が何をしてくれるかということではありませんけれども、どう支援してくれるかということを期待していると思いますし、声を聞くということ、当事者目線ということがすごく大事だと思いますので、これからもよろしくお願いしたいと思います。
そのほか、児童扶養手当、特別児童扶養手当についてもお聞きしたかったのですが、時間が参りましたので、こども家庭庁さん、ごめんなさい、これで終了とさせていただきたいと思います。
ありがとうございました。
○谷委員長 次に、市來伴子さん。
○市來委員 立憲民主党の市來伴子と申します。本日も質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
さて、先日四月三日に私が質問をさせていただきましたAI生成ポルノ、いわゆるディープフェイクポルノの問題について、翌日四日に鳥取県の平井伸治知事が三原大臣に要望書を手渡されたとの報道がございます。鳥取県は、ディープフェイクポルノの問題について、県内に住む十八歳未満の子供の顔を加工して作成した性的な画像や動画を児童ポルノに該当すると全国に先駆けて初めて条例を改正いたしまして、その作成や提供を禁止いたしました。
平井知事から三原大臣は要望をお受けになったと思うんですが、どのように受け止められましたか。
○三原国務大臣 先週の金曜日に鳥取県の平井知事とお会いさせていただきました。知事には、前日に市來委員から御質問があったこともお伝えをさせていただきました。
知事からは、生成AI技術を利用して、実在する子供の画像をもとに性的な合成画像を作成するような行為に関し、児童ポルノの定義を明確化する等により処罰することについて検討すること、そして、政府全体で未然防止策及び被害救済策を検討し、有効な対策を講じること、この二点について御要望を頂戴いたしました。
私どもといたしましては、基本計画にのっとって様々な対応を行っておりますこと、また、現在行っている有識者のワーキンググループにおいて夏頃を目途に課題と論点の整理を行い、それを踏まえ、法制上の対応の必要性の有無や各論点に応じた所管省庁への検討要請などを含めて司令塔機能を果たしていくこともお伝えをさせていただきました。また、事務方レベルでも鳥取県の取組状況等について意見交換を開始したところでございます。
引き続き、様々な声をお伺いしながら、児童ポルノ法を所管する法務省とも連携しながら、しっかり議論を進めてまいりたいと思っております。
○市來委員 是非ともよろしくお願いいたします。
このディープフェイクポルノは今非常に注目されている問題でもございますので、三原大臣がしっかりと取り組んでいただきたく改めて要望いたしますが、御見解をお願いいたします。
○三原国務大臣 青少年が加害者にも被害者にもなることなく、安全に安心してインターネットを利用できるような環境の整備は大変重要なことだと考えております。
繰り返しで恐縮ですが、先ほどもお話ししましたワーキンググループにおいて課題と論点について夏頃を目途に取りまとめを行い、法制上の対応の必要性の有無、各論点に応じた所管省庁への検討要請等を踏まえ、私どもがしっかり司令塔機能を果たしてまいります。
○市來委員 私も引き続き注視していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それでは、子供の自殺対策について伺ってまいりたいと思います。
日本では、一週間に十人もの小中高生が自死により命を落としております。子供たちが自殺を選択するという状況に本当に心が痛みます。十歳代の自殺による死亡率はG7の中でも最も高く、そして、死因において自殺が一位になっているのは日本だけです。子供たちが自死を選ぶほど精神的に追い詰められているという事態を何としてでも変えていかなければいけないと思います。
私は、自殺は個人の問題ではなくて、社会全体の問題であり、社会全体で解決していかなければいけないと思いますが、この点について三原大臣の見解を伺います。
○三原国務大臣 令和六年の小中高生の自殺者が過去最多の五百二十九人となっており、こども政策担当大臣として痛恨の極み、自責の念に堪えません。
議員御指摘のとおり、自殺は個人の問題ではなく、社会全体の問題であるとして、平成十八年の自殺対策基本法の成立以降、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して、保健、医療、福祉、教育、労働その他の関連施策との有機的な連携を図り、総合的に対策を実施してまいりました。特に、最も弱い立場にある子供の自殺対策について社会全体で取り組む必要があることは議員御指摘のとおりと考えております。
私どもでは、令和五年六月に取りまとめたこどもの自殺対策緊急強化プランに基づいて、関係省庁、地方公共団体と連携しながら、都道府県などにおける自殺防止支援者の支援を行うこども・若者の自殺危機対応チームの設置の推進などに取り組んでまいりました。
近年の子供の自殺の増加傾向を受け、行政などの関係機関による取組だけではなくて、友人や身近な大人も含めてまさに社会全体で取り組んでもらうために、今年度から高校生を対象に、友人に悩みを打ち明けられた際のコミュニケーション方法を学ぶワークショップですとか、大人を対象に、子供への寄り添い方、あるいは自殺の現状を学ぶ講演会の開催など、こうした広報活動にも取り組んでいるところであります。
私どもは、子供が自ら命を絶つことのない社会の実現に向けて、政府一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。
○市來委員 今日は厚労省の方にも来ていただいておりますのでお聞きしますが、昨年、子供の自殺者数が過去最多となったということですが、どのような実態かを伺います。
○岡本政府参考人 お答え申し上げます。
令和六年の自殺統計の確定値におきましては、小中高生の自殺者が五百二十九人となりまして、過去最多でありました令和四年の五百十四人を超え、統計開始以降で最多となったところであり、政府として重く受け止めているところでございます。
性別で見ますと、男性は二年連続で減少ということでございますが、女性は二年連続で増加ということでございます。特に、女性が初めて男性を超えて、統計開始以降で最多となったところでございまして、中でも、中学生、高校生の女性が増加していると認識しております。
○市來委員 今日はお手元に資料を配らせていただいておりますが、定時制、通信制女子の自殺率が非常に高いんです。先ほど、中学生の女子も増えているということなんですが、定時制、通信制の女子の割合もかなり高いです。自殺死亡率三一・一%ということで、中学生女子あるいは定時制、通信制の女子の自殺者数が非常に高くなっている。この点について厚労省に詳細を伺います。
○岡本政府参考人 お答え申し上げます。
女子中高生の自殺者数につきましては、二〇二〇年以降増加しており、令和六年では女子中学生が九十九人、定時制、通信制の女子高生が八十一人と極めて深刻な状況にあると考えております。
御指摘の自殺率については算出できておりませんが、令和五年版の自殺対策白書によりますと、学校基本調査による高校生のうち、定時制あるいは通信制の生徒の割合は男女とも約一割でございますが、自殺統計の方を見ますと、定時制、通信制の生徒の割合が、男性では約二割、女性で約三割になっていると承知しております。
自殺の多くは、多様かつ複合的な原因や背景を有している中で、様々な要因が連鎖する中で起きていることに留意が必要でございますが、警察庁の自殺統計原票データから把握したところによりますと、令和五年から六年にかけて最も増加した原因、動機は、女子中学生につきましては、病気の悩み、影響、その他の精神疾患ということでございますし、定時制、通信制の女子高校生につきましては、うつ病というところで、いずれも健康問題が増加していると認識しております。
○市來委員 中学生女子、そして定時制、通信制に通う女子の自殺者がなぜ増えているのか、先ほど、うつ病や精神疾患が増えているという御答弁もありましたけれども、どういう背景があるのか、そして、そこに至らないようにどうしたらいいのかという分析は非常に難しい問題だとは思いますが、しかし、今、全体的に中学生女子や定時制、通信制に通う女子の自殺者が増えているという傾向はあるわけでございまして、これは見過ごしてはいけないと思います。
傾向や特性に合わせて自殺対策が必要だと思いますが、三原大臣のお考えを伺います。
○三原国務大臣 こども家庭庁では、先ほどのプランに基づき、警察や学校等の関係機関が保有する関連資料などを集約して、その要因分析を行う多角的な調査研究に取り組んでいるところでございます。
加えて、先日、スクールカウンセラーの方とお話をさせていただいておりましたら、学校現場でのオーバードーズの現状を伺いました。特に女子の中高生の中にオーバードーズに至ってしまうような深い悩みを持っている方も見られて、背景には、若者の生きづらさを指摘する声も多いと伺いました。
子供の自殺の状況は、御指摘のとおり、近年、特に中高生の女子の自殺者が増加して、令和六年には女子の自殺者数が男子を上回りました。その理由の分析は非常に難しい面はあるものの、他方で、令和六年版自殺対策白書において、令和四年以降の自殺者のうち、自殺未遂後一年以内に自殺した者は未遂歴がある自殺者の過半数を占めることが明らかとなりました。
これを踏まえて、未遂者への支援強化が重要であるということで、未遂者とその家庭を保健、医療、福祉、教育の各機関が連携して地域で包括的に支援する体制の構築に向けて、新たに調査研究を行うこととしております。この研究で未遂者を支援するとともに、この支援者を通じて、子供が何に悩んでいるのか、どうして生きづらさを抱えているのかを把握、分析することができないかと考えております。
こうしたプランの各施策の実施状況を検証し、議員御指摘の特性も踏まえて、効果的な自殺対策を講じてまいりたいと考えています。
○市來委員 今日は文科省の副大臣にも来ていただいておりますので、中学生の女子や定時制、通信制に通う女子の自死が増えていることを文科省としてどのように認識しているのか、そして、これまでどういった取組をされてきたのか、そして、今後どうしていくおつもりかを伺います。
○武部副大臣 令和六年の小中高生の自殺者数が五百二十九人と過去最多になっていることや、このうち特に、委員の御指摘のとおり女子中学生や定時制、通信制を含めた女子高校生の自殺者数が増加していることについては、文部科学省としても極めて重大に受け止め、大変痛ましく感じております。
小中高生の自殺の原因、動機については、学校問題、家庭問題、健康問題等、様々な事情が考えられるところですが、特に女子について申し上げますと、例えば過去の調査結果を見ると、小中高生の女子の自殺者のうち、自殺未遂歴のある者の割合は男子より高くなっております。
文部科学省としては、自殺のリスクを早期に発見し、早期に対応していくために、一人一台端末を活用した心の健康観察の実施、スクールカウンセラー、SNS等の相談体制の強化等の取組を進めてまいりました。
これらに加え、昨今の状況を踏まえまして、自殺未遂への対応を含めた取組を強化するため、学校内での自殺予防を組織的に行う校内連携型危機対応チームや、学校外の専門家も加えたネットワーク型緊急支援チームの設置など、学校における危機管理体制の強化、また、福祉部局等と教育機関の連携強化などを一層推進してまいりたいと考えております。
我が省としましても、未来を担う子供たちの命を守るために、こども家庭庁等々の関係省庁とともに連携しつつ、引き続き自殺予防の取組に全力を尽くしてまいります。
○市來委員 もう一つ統計を見ておりまして気になった点といたしまして、こちらもお手元に資料を配らせていただいておりますが、自殺の原因、動機とされているものでございます。全日制の子供たちは学校の問題となっている一方、定時制、通信制の子供たちは、男女を問わず、健康問題とするものが男性で四割、女性で六五・二%もあるということでございます。
この点が非常に気になるんですが、先ほど、うつ病や精神疾患というお話だったんですが、健康問題とはそういう認識でよろしいんでしょうか、厚労省の方に伺います。
○岡本政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘のとおり、令和五年版自殺対策白書におきまして、令和四年の定時制、通信制高校生の自殺の原因、動機を分析しましたところ、全日制高校生に比べ、男女共に健康問題の割合が高かったということでございます。
内訳について詳細を見ましても、男性につきましては、その他の精神疾患、学業不振、それからうつ病という順番に多くなっておりまして、女性の場合には、うつ病、それからその他の精神疾患、学業不振という順に多かったと承知しております。
○市來委員 うつ病や精神疾患が自死の大きな要因になっているとすれば、適切に子供に寄り添った対策を進めることが大変重要だと思いますが、こども家庭庁は今後どのような施策を進めていくのかを伺います。
○三原国務大臣 今厚労省から御答弁がありましたように、うつ病やその他の精神疾患などの健康問題が女子高生では非常に割合が高いということでございます。こうした専門的な治療が必要な子供への支援につきましては、まずは厚生労働省の医療施策とも連携を図りながら対応していく必要があると考えております。
加えて、専門的な治療を受けながら、各種の関係機関につながって、原因となる不安や悩みに寄り添う、そうした支援を行うこと、また、それ以前に、不安や悩みがある子供たちがうつ病などの症状にならないためにも、まずは、子供が信頼できる大人に安心して悩みを打ち明けられるような環境を子供目線でつくっていくことが何よりも大切だろうと考えております。
昨年十一月にこども家庭庁内にこどもの悩みを受け止める場に関するプロジェクトチームを発足いたしまして、悩みを打ち明けられる環境づくりの課題、大人に求められる対応、そうしたことを明らかにするため、支援団体等との積極的な意見交換も重ねているところでございます。
令和七年度以降も、引き続きプロジェクトチームにおいて幅広く実態把握を行っていくとともに、ここで得られました成果を順次施策に生かしていくことをどんどん進めていかなければならないと考えております。
○市來委員 二〇〇六年に自殺対策基本法が成立して以降、自治体においては施策が進んで、自治体によっては自殺対策条例を作ったり、尽力されている自治体もございます。社会人や高齢者、大人には寄り添った支援ができつつある一方、子供たちにはその支援や仕組みが届いていない。脆弱だったのではないかと思います。そして、まさに今、穴が空いていまして、その穴に子供たちが落ちてしまっているのではないか。この穴をしっかりと塞いでいかなければいけないと思います。こども家庭庁は自殺対策室を設けておりまして、子供の自殺対策に総合的に取り組んでいただいておりますけれども、この穴を塞ぐために全力を挙げて取り組んでいただきたいと思います。
この問題認識はあるのか、そして、子供の自殺対策の取組をどのように進めていくのか、三原大臣に伺います。
○三原国務大臣 委員御指摘のとおり、自殺対策は喫緊の課題であります。子供たちは、例えば高齢者と比べて自殺の原因や動機もつかみづらいということもありますが、子供の自殺対策を更に強化する観点から、繰り返しになりますが、自殺未遂をした子供に対し、保健、医療、福祉、教育が縦割りとなることなくしっかりと連携していく、そして、子供だけではなく、家庭に寄り添った支援を行う、こういうことが必要だと思っております。
また、先ほども申し上げましたが、今後、自殺未遂をした子供とその家庭、そして希死念慮を抱える子供を地域で包括的に支援していく、そうした体制の構築に向けた新たな調査研究で得られた知見を関係省庁や地方公共団体と共有して、しっかりと寄り添っていく取組を進めてまいりたいと考えております。
○市來委員 先ほどの御答弁にありましたこども・若者の自殺危機対応チーム、こちらは厚労省かと思うんですが、危機対応チームの機能と役割を伺います。そして、現在どの程度設置されているのか、状況について伺います。
○岡本政府参考人 お答え申し上げます。
厚生労働省におきましては、令和五年六月に取りまとめられましたこどもの自殺対策緊急強化プランを踏まえて、令和五年度より、地域自殺対策強化交付金を通じて、多職種の専門家で構成されるこども・若者の自殺危機対応チームの都道府県等への設置を推進しているところでございます。自殺未遂歴や自傷行為の経験などがある子供、若者など、市町村などでは対応が困難な場合に、地域の支援者に対して助言等を行うための事業の実施を支援しているところでございます。
なお、令和六年度におきましては十六の都道府県等にこのチームが設置されているところでございます。
今後もこうした取組を推進してまいりたいと考えております。
○市來委員 危機対応チームには非常に期待しておりまして、有効に機能すれば子供たちに寄り添った支援ができるのではないかと考えております。
しかし、危機対応チームが機能していくためには、学校でどれだけ気づくことができるのかということも一つ大きな重要なポイントだと思っておりまして、特に、先ほど来出ています定時制、通信制の子供たちへの気づきというのは非常に難しいと思うんですが、学校の協力が第一義的なものであることは間違いないと思います。全国の学校において取組を強化していただいて子供たちへの気づきを強化していただきたいと思いますし、危機対応チームのパイプを強くしていただきたい、ネットワークの強化を進めてほしいですが、文科副大臣、よろしくお願いいたします。
○武部副大臣 委員御指摘のとおり、学校においては面談やアンケート等によりまして自殺の危険の高い児童生徒を把握する場合もあります。一方で、自殺の対応につきましては、専門家でも一人で抱えるのは大変重い問題でもありまして、かつ困難な課題でもあります。きめ細かな継続的支援を可能とするためにも、組織的な対応が重要と考えております。
こうした観点から、厚生労働省において実施しているこども・若者の自殺危機対応チームについては、文部科学省としても学校と地域が連携して児童生徒の自殺を防ぐための重要な取組であると考えており、厚生労働省、こども家庭庁と連携してその設置を呼びかけております。
文部科学省としては、引き続き、関係省庁と協力し、こども・若者自殺危機対応チームと学校の連携を推進してまいります。
○市來委員 危機対応チームが地域において十分に機能することを期待しております。
自殺対策に関わる省庁は厚労省、文科省、警察庁と多岐にわたりますけれども、こども家庭庁は、厚労省だけではなく、文科省、警察庁とも連携していただいて、様々な自殺対策の取組が縦割りにならないよう、連携したチームプレーができるようにリーダーシップを取って進めてほしいと思いますが、最後に三原大臣の決意を伺います。
○三原国務大臣 子供の自殺を防ぐことは簡単な道のりではございません。私たち大人一人一人が改めて命の大切さを考え、行動する、そして、そうした姿を子供たちにしっかり見てもらうことで、子供たち自身にも命の大切さを実感してもらえるように、そうした社会をつくっていくことが何よりも重要だと思います。そうしたことが今を生きる大人たちの責務だろうと考えます。
私自身が先頭に立って、子供が自ら命を絶つことのない社会をしっかりつくっていくことに全力を尽くしてまいりたいと思います。
○市來委員 よろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
○谷委員長 次に、東克哉君。
○東(克)委員 立憲民主党、広島三区、東克哉と申します。
本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。
早速ですけれども、質問に入らせていただきたいと思います。こども未来戦略加速化プランの進捗についてお尋ねをさせていただきます。
令和五年十二月に閣議決定されて以降、児童手当の拡充や出産・子育て応援交付金、出産育児一時金の引上げなど順次手当てしていただいておりますが、このこども未来戦略加速化プランのうち、令和八年度をめどに出産費用の保険適用について検討がなされているということを承知しております。
出産費用の負担軽減ということで検討されていると承知をしておりますが、都市部と地方部においての出産費用の格差、無痛分娩の保険適用を要望する意見、出産の保険適用において三割負担の在り方、出産育児一時金との関係性など多くの課題があることを私も認識はしております。
加えて、日本産婦人科医会からは、出産自体の態様が個別具体的に異なり公定価格として一律に決められることになじまない、そして、普通分娩の範囲の懸念、産科自体の医療経営への悪影響などが示されていることを承知しております。私自身も、四人子供がいますから妻が四回出産しているわけですけれども、産科を選ぶときにいつもどこにしようかなというふうに、逆に選ぶのを楽しみにしていたということもありますし、こんなに産科によって色が違うんだなということも非常に痛感していますので、これの保険化を担うということは非常に難しいことでもありますし、意見もあることだと本当に認識しております。
この出産費用の保険適用の検討状況について、令和五年四月五日、厚生労働委員会の伊原保険局長の答弁を踏まえた上で、データの収集そして分析状況も含めてお尋ねいたしますので、よろしくお願いいたします。
○榊原政府参考人 お答え申し上げます。
こども未来戦略を踏まえまして、妊娠、出産、産後に関する様々な支援等の更なる強化の方向性について具体的な検討を行うため、昨年六月末から、厚生労働省及びこども家庭庁が共同で有識者による検討会を設置し、議論を行っているところでございます。
検討会では、医療関係者や医療保険者等に加えまして、妊産婦などの当事者にも御参画いただきまして、これまで八回開催したところでございます。関係する様々な立場の方々からヒアリングを行いますとともに、医療保険、周産期医療、母子保健等の幅広い視点から議論を進めているところでございます。
また、妊産婦の経済的負担の軽減、それから地域の周産期医療提供体制の確保の双方の観点に十分留意しながら、データに基づく検討を進めていくことが重要と考えておりまして、研究班におきまして、出産費用等の見える化の効果分析ですとか、分娩取扱施設における出産等の費用構造等の実態調査を並行して行いまして、検討会にも随時報告を行っているところでございます。
今後、検討会としての一定の論点整理を行いました上で関係する審議会等で更に検討を進める予定でございまして、引き続き関係者の方々の意見を丁寧に伺いながら検討を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○東(克)委員 ありがとうございます。
本当にこの保険適用については検討しないといけないことがいっぱいあると思いますので、これからも非常にウォッチしていって一緒に進めていきたいなというふうにも思いますし、また、妊産婦の負担軽減、先ほども答弁ありましたけれども、産科の医療が適切で不便のないように提供していただくことと、保険適用するのかどうかということを是非これからも進んで検討していただきたいと思います。
この保険適用の在り方について、私も先ほど個人的な見解も述べましたし、仕事としても、理学療法士として、ちょっと保険は違いますけれども介護の分野でも仕事をしておりました。その中で、利用者さんとか事業者さん、それぞれの様々な意見を伺うわけなんですけれども、とりわけ介護保険についても、保険内サービスと保険外サービスというふうに切れ目なく提供ができないという課題もあるので、保険で適用するところとそうじゃないところ、どちらかをぐっと縛るのではなくて柔軟に対応していけるような制度を是非、介護保険でもそうですし、出産費用についても現状の医療保険制度にとらわれることなく柔軟な対応を、受け手側そして医療の提供側双方に使い勝手のいいものになるように検討していただきますよう、よろしくお願いいたします。
続いて、保育士さんの処遇改善についてお伺いさせていただきたいと思います。
処遇改善等加算については、これまで一、二、三と分かれていたものが、保育事業所の事務負担の軽減の観点から一本化されて、現在は告示が改正され一本化すること自体は決定している状況だということは認識しておりますが、こうした実務的な変更については、実際の現場で、事業所においてスムーズに浸透して運用されるまでに時間がかかることがよく起こっています。
私の知り合いの保育士さん、そしてその管理者さん、園長さんも、今度の改定は楽になるとは聞いているけれどもどうなるんだろうかということをやはり聞きますので、このような事務負担の軽減の取組が保育事業所において滞りなく理解されるように期待をしておりますが、現在の周知の状況、今後一層の周知の取組など、運用上の配慮を含めてこども家庭庁さんの御見解をお尋ねいたします。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
保育分野におきましては、ただいま御指摘いただきましたとおり、これまで処遇改善等加算が一から三の三種類あったところ、現場における事務手続の簡素化の観点から、今年度より、これを処遇改善等加算として一本化するとともに、関係者の御意見も踏まえまして、配分ルールの統一化、柔軟化、そして賃金改善の確認方法の見直しを実施することとしております。
この加算の一本化につきましては、自治体や保育現場の実務に影響も大きいものと考えますので、これまで関係団体に対する説明会を開催するとともに、運用の疑義への回答や自治体への申請様式の案を三月にお示ししたところでありまして、事前の周知に取り組んでまいりました。
また、今後におきましても、現場目線から明確化が必要と考えられる点につきましては、様々問合せをいただいておりますので、順次FAQの形で発出をするとともに、なるべく早期にオンライン説明会も開催をして、周知をしっかり行っていきたいと考えております。
こうした取組を通じまして、この新たな仕組みが保育現場の事務負担の軽減につながるように丁寧に取り組んでまいります。
○東(克)委員 ありがとうございます。是非オンラインを活用しながら説明会も運用していただきたいなというふうに思います。
続いて、保育士さんの配置基準についてお伺いさせていただきたいと思います。
保育士不足の解消に当たって、先ほどの処遇改善等加算も含めて、給与基準の見直しだけではなくて、業務負担の適正化も大変重要だというふうに認識しております。二〇二二年度の東京都の保育士実態調査によると、就業中の保育士が退職を考える理由のうち、給料が安いというのが六一・六%、続く理由が、仕事量が多い五四%、労働時間が長い三五・四%というふうに挙げられています。
加えて、配置基準どおりの保育士さんの数では現場で必要とされている人数には不足しているため、現在はそれよりも多くの職員さんを配置しているということは私も認識しておりますし、それが実態だというふうに多くの声をいただいております。
実際の保育園運営において、配置基準上の必要職員数と実際の職員の配置数について、こども家庭庁さんはどのように認識しているのか、教えてください。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
公定価格につきましては、園児の人数に対する保育士の人数を定めた法令上の基準である配置基準や、公定価格上評価することとしている加算分を基に算出をしてございます。
一方で、委員から御指摘いただきましたけれども、経営実態調査の結果を見ましても、保育所等の現場において公定価格上の配置基準を超える職員が実際に配置されているということは把握をしてございます。
○東(克)委員 ありがとうございます。
配置基準以上の職員さんを抱えているところはそれだけ手厚い保育をしてあげたいという思いが乗っていますので、そこに処遇改善等加算も手厚くしていただければなというふうにも考えておりますので、今後そういうことを是非検討していただければなというふうに思います。
また、配置基準以上に保育士さんを配置している現状ということと、加えて、死亡事故を含む保育所等における重大な事故の報告件数が令和五年には二千百二十一件と過去最悪の数字となっております。これは、報告義務において周知が進んだという分析もあることだとは思いますが、一方で、保育の質の担保には相当数の保育士の配置が必要なのではないかというふうに考えております。
現状では、先ほどもありましたけれども、保育士さんを配置基準以上に手当てするということは、事業所の運営上は、プラスアルファの保育士さんの人件費を、運営費の経費から見ると負担増になることは明らかです。保育士さんの不足の解消、保育士業務の長時間勤務の軽減、保育士の賃上げ、保育士の質の担保の点から、配置基準以上に保育士さんを手当てしている場合について何がしかの評価が必要だというふうに考えます。
すぐこれを制度で変えるというのは難しいかもしれませんけれども、こども家庭庁としてこれから、今は難しくても、こういうふうにやっていきたいという意気込みがあれば教えていただきたいと思います。お願いいたします。
○三原国務大臣 保育所等の職員配置の改善は、保育の安全性ですとか保育の質の確保、向上の観点から極めて重要だと考えております。
公定価格の算出方法につきましては、先ほどもお話がありましたように、現場の実際の配置人数ではなくて、園児の人数に対する保育士の人数を定めた法令上の基準である配置基準や公定価格上評価することとしている加算分を基に算出しておりまして、これは保育の質の担保とともに公費による適切な給付を行う観点からも一定の合理性があるものと考えております。
その上で、職員配置を改善していくことも重要だと考えておりまして、令和六年度から、四、五歳児の職員配置三十対一から二十五対一へ改善した施設に加算を設けた上で、保育所に求められる職員配置の最低基準を見直すとともに、令和七年度予算におきましては、一歳児についても、保育の質の向上や職場環境、処遇改善を進める施設を対象に職員配置六対一から五対一へ改善した際の新たな加算を設けており、まずはこれらの円滑な施行に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○東(克)委員 ありがとうございます。
是非、配置基準についても今後検討いただくことと、児童発達支援の方では加配加算もありますので、そういうことを踏まえて検討していただければなというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。
続いて、地域限定保育士さんのことについてお伺いさせていただきたいと思います。
先日衆議院を通過いたしました児童福祉法の改正案では、地域限定保育士を一般制度化するというふうにされています。三年間、地域限定ではありますが、保育士不足の解決策の一つとして期待をしております。
私自身も、何度も言っていますが、理学療法士として、介護でなくて、児童発達支援センター、児童発達支援事業所、放課後デイサービスでも仕事をしてきました。障害福祉サービスでは、これらの事業所さんに保育士さんが足りないというふうにも言われていますし、ここの場合は、保育士さん、そして理学療法士を配置することで加算が受け取れる仕組みになっています。いわゆる専門的支援体制加算、専門的支援実施加算になります。
今回、地域限定保育士の一般制度化に当たって、地域限定の保育士さんがこうした障害児通所支援事業所を希望されて働く場合において、地域限定保育士さんが通常の保育士さんへ移行する場合、必要な一年間がこの勤務経験の一年の部分に当たるのかどうかということを教えてください。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
先般衆議院で可決をいただきました児童福祉法等の一部改正法案において、地域限定保育士として登録後三年を経過し、かつ一定期間以上地域限定保育士として勤務経験がある者には全国で勤務可能な保育士の登録が受けられるようにすることとしてございます。勤務経験の詳細につきましては、今後、内閣府令等で定める予定としてございますけれども、法令等により保育士を置くことが明らかであるような施設、事業において地域限定保育士として保育等の業務に従事している勤務実態が確認できる場合には、勤務経験に含めることを予定してございます。
したがいまして、委員から御指摘のありました障害児通所支援事業所につきましても、こうした対象施設、事業に含まれるものと想定をしております。
○東(克)委員 ありがとうございます。
恐らく、この答弁を聞いて、これから様々な、児童発達支援事業所の方々、放課後デイサービスの方々は、そちらの方向でも保育士さんの獲得に動いていかれると思いますので、是非、想定をそのまま、実現に向けて一緒に頑張っていきたいなというふうに思っております。
先ほど何度も言っていますように、放課後デイサービスや児童発達支援事業所について、令和六年度の障害福祉サービスの報酬改定に当たって、医療的ケア児や重症心身障害児に対して、児童発達支援、放課後等デイサービス、こちらにおいて入浴支援加算が新設されました。これは、今までは事業所独自のサービスであったり、場合によってはボランティアのような形で事業所において入浴支援を行っていたというふうに私も聞いておりますし、その現場を見ています。実際に、小学校の高学年になってくると、体も大きくなって二、三人がかりで入浴を支援するというのが福祉の現場の実態となっていますし、当然ですけれども親御さんだけでは入浴というのは自宅で難しいのが現状です。
現場の声でも、この入浴支援加算が新設されたおかげで福祉の現場では非常に歓迎されて喜ばれている点もありますが、やはり始まったということで様々な課題も聞いております。現状、この入浴支援加算について、算定要件の中に上限回数があり、もう少し拡充してもらえるとありがたい、もう少し拡充してもらえるとよりよい支援ができるという声を非常に多く聞きます。
要件緩和について、こども家庭庁さんのお考えをお聞かせください。
○吉住政府参考人 お答えいたします。
医療的ケア児や重症心身障害児については、発達支援のみならず、入浴等の日常生活上の支援ニーズも高いことから、子供の日常生活を支える観点や、御家族の介助負担を軽減するという家族支援の観点において、入浴支援は重要であるというふうに考えております。
ただいま御紹介いただきました入浴支援加算は、児童発達支援や放課後等デイサービスにおいて、医療的ケア児や重症心身障害児に対して発達支援の提供と併せて入浴支援を行った場合の報酬上の評価を行うため、令和六年度障害福祉サービス等報酬改定において創設をいたしました。本加算については、現場における支援の実情等も踏まえ、児童発達支援、放課後等デイサービス共に月八回を上限として算定可能としているところでございます。
次期報酬改定に向けては、本加算の算定状況や実態を把握するとともに、現場の関係者等の声を聞きながら、委員御指摘の算定回数の在り方も含め必要な検討を行ってまいりたいというふうに考えております。
○東(克)委員 ありがとうございます。是非前向きに検討していただければというふうに思います。
続いて、保育士・保育所支援センターについてお伺いさせていただきます。
今般の法改正で、保育士・保育所支援センターとして、各都道府県がこの機能を整備することが義務づけられることになります。
今後、業務への関心を高めるために、広報、職業紹介、保育の技能研修等の支援、就労環境の整備への助言を行っていくことになると思いますが、こうした業務の中で、児童発達支援センター等での保育士不足に鑑み、その募集についても積極的に情報発信をお願いしたいと考えております。こども家庭庁の考えについて、お聞かせください。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
先般衆議院で可決いただきました児童福祉法等の一部改正法案におきまして、都道府県に保育士・保育所支援センターの設置を義務づける措置を盛り込んでいるところでございます。
現在、予算事業として実施をしている保育士・保育所支援センターにおきましても、保育所だけではなく、児童発達支援センターや障害児入所施設などが支援対象に含まれているところでございまして、改正法が成立をした際には、引き続き、児童発達支援センターについても支援対象に含めるとともに、保育士が希望する各施設等での就職支援が進むように必要な周知にしっかり取り組んでいきたいと考えております。
○東(克)委員 ありがとうございます。本当に前向きに検討していただきまして、助かります。
この地域限定保育士と保育士・保育所支援センターについては、障害の分野で非常に重要な役割をこれから担ってくると思うんですね。子供が障害を持ったお母さん、お父さんが、そのことで初めて障害の分野を知って、そしてそういう分野で働く。その方々が地域限定保育士になって、そこの支援センターを知って、そしてその経験を持っている人が一般の保育園、保育所で働くことによって本当にいい意味でのインクルーシブの保育、教育が進んでくることになると思います。私も一緒になって汗をかいていきたいと思いますので、この分野について是非ともこれから協力しながら進んでいきたいなというふうに思います。本当によろしくお願いいたします。
続いて、デジタル庁についてお伺いさせていただきたいと思います。
補助金のデジタル申請についてですけれども、平大臣の、令和七年度以降、全補助金の電子申請を可能にする旨の言及がありました。私も、理学療法士でしたけれども、中小企業の経営者でしたので、こうした補助金を申請して活用させていただいたことが何回もあります。
今後、電子申請の拡大について具体的なスケジュールをお伺いしたいことが一つと、加えて、この電子申請のプラットホームであるJグランツ、そして登録に際してのGビズID、それぞれの利用状況についてお聞かせください。
○村上政府参考人 お尋ねありがとうございます。
Jグランツの方は、これまで十五省庁五十七自治体で約二十三万の事業者に使っていただいています。GビズIDの方は、Jグランツで申請するときにも取ることが求められますが、現在、令和七年三月時点で約百二十五万のアカウント、多分、法人登録している方の半分くらいがお取りになられていると思います。
御言及いただいた、令和七年以降に事業者向けの全ての補助金について電子申請の対応を原則とする、これは令和六年六月にデジタル重点計画で閣議決定されたものでございます。ただ、現実的にはまだまだメールとか未対応とか多いものですから、この重点計画の閣議決定を盾に、しっかりと各府省にお願いをしてまいりたいと考えております。
○東(克)委員 ありがとうございます。約半分ほどになったというふうに聞いておりますし、これからどんどん進めていただきたいと思います。
あとはデジタル庁さんの質問になりますので、こ家庁さんは、もしお時間あるようでしたら退席いただいても構いませんので、よろしくお願いいたします。
続いて、電子申請について、再度デジタル庁さんにお伺いしたいと思います。
電子申請については、個人情報の適切な取扱いや他者の成り済ましの防止など、高度なセキュリティー対策が求められるとは思いますけれども、デジタル庁において、これらの仕組みについてセキュリティー対策は十分になされているのかということをお聞かせください。
○村上政府参考人 御指摘のとおり、セキュリティー対策は重要でございます。
GビズIDでは、代表者のマイナンバーカードで必ず確認をする方法に最近変えました。取るときにはマイナンバーカード由来の情報でしっかりと本人確認をし、ログインの都度には二要素認証等を取り入れるということでございます。
Jグランツへのログインにつきましても、GビズIDでの本人確認が前提となります。引き続き、これで十分かどうかも含めて、しっかりセキュリティーについては見てまいりたいと思います。
○東(克)委員 ありがとうございます。
マイナンバーカードを有効利用、私自身も申請してそういうふうにやらせていただいていますので、デジタルに詳しい人は、これでできるな、大分楽になったなと思うんですけれども、私の周りでもそう詳しくない方がおられまして、今まで社労士さんとかいろいろな方々に代理申請をしてもらっていたという声がありますが、実際にこれから代理申請ができるようになるのかということも含めて、デジタル庁さんに教えていただけますでしょうか。
○谷委員長 デジタル庁村上統括官、時間を経過しておりますので、答弁は簡潔にお願いします。
○村上政府参考人 承知しました。
Jグランツでは、本年一月三十一日に士業の方の代理申請機能を入れました。経営者等が委任先を設定し、委任を設定された行政書士さんが申請書の作成、入力をした後、経営者が確認をする、こういう仕組みでございます。
行政書士会とは二十八回の意見交換、その後、行政書士会では三十八回、体験会等を設定しております。是非、士業の方に御活用いただけるよう努めてまいりたいと思います。
○東(克)委員 時間となりました。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございました。
○谷委員長 次に、奥下剛光君。
○奥下委員 日本維新の会の奥下剛光です。
議員としては二期目でございますが、二十一のときから秘書としてこの世界に来まして、それなりに霞が関にお知り合いが結構いまして、今日はそういった方々の、霞が関の声を届けてほしいということもあったので、一部そういった質問をさせていただきます。決して僕が言っているわけではないということで、先に言い訳をしておきたいと思います。
では、質問に入りたいと思います。
デジタル庁が発足して四年目になります。この間、デジタル社会の実現に向けた重点計画を策定し、生活者、事業者、職員に優しい公共サービスの提供、デジタル基盤の整備による成長戦略の推進、安全、安心で強靱なデジタル基盤の実現を三本柱とし、各施策を推進されてこられました。デジタル臨時行政調査会の推進であったり、ガバメントクラウドの整備等、マイナンバーもそうだと思います。
特に、我々の生活の身近になってきましたマイナンバーカードの普及、当初の予定ではどれぐらいの期間で移行しようとされていたのか。現在の普及率と、現況、予想どおりいっていないと思います、その原因は何だとお考えでしょうか。
○村上政府参考人 お答え申し上げます。
普及の予定ということに関してでございますが、令和四年度の経済財政運営と改革の基本方針で、令和四年度末にほぼ全国民にマイナンバーカードが行き渡ることを目指すという方針を決めました。
その結果、令和四年度末の時点では、累計の申請枚数が九千六百万枚、国民に対しては七六・三%。その後、普及努力を進めた結果、現在は九千七百万枚を超えまして、簡単に言えば四人に三人程度が保有するという状況になってございます。
今後、スマートフォンへの搭載でありますとか、あと、とにかくメリットを広げていくことで、特に残っているお子様であるとか代理申請を必要とする高齢者の皆様であるとか、そういったところにも丁寧に働きかけてまいりたいと思っております。
○奥下委員 二〇一六年から始まって来年で十年目を迎えるわけで、なかなかスピードがちょっと追いついていないかなというふうに思っております。
子供ということで、うちの子供も一歳のときにすぐ作りに行きました。そういったところで周りにもきちんと広めていきたいと思っておりますので、頑張ってやっていただきたいなというふうに思います。
次に、電子政府指数の高いデンマークなど成功した国を見てみると、最初に手をつけたのが、政府や自治体などの公共機関から市民への連絡を半強制的に電子移行したところだと思います。この間、国や地方自治体のデジタル化を端緒に、公共機関と関わりのある民間企業へ浸透させ、段階的に基盤を整えてきたので、最終的に市民へと電子化を広げることができたんだと思っております。
日本では順番が逆だったのではないかなというふうに思っております。基盤を整えながら、市民から求めたことが普及のスピードを遅らせたのだと考えておりますが、政府は、いつまでに何をすべきか、時間をかけて中長期計画を立てぶれずに実施していくことが必要だと考えますが、大臣の見解をお願いいたします。
○平国務大臣 なかなか日本では強制的というのは難しいんだろうと思います。
そんな中で、私は二〇二〇年にデジタルの担当副大臣をやっていましたが、コロナの教訓から、そこからクラウドだとか標準化だとかデジタル庁の新設まで一気に進めてきたということで、それなりの成果を上げてきたんだろうというふうに思います。
今、日本が直面をしている人口減少や防災、産業競争力の強化などの課題を解決していくためには、政府と民間が共にデジタル化を一層進め、デジタルを積極的に活用していく必要があると認識をしています。
国や地方自治体のデジタル化に向けてもデジタル庁としては積極的に取り組んでおりまして、ガバメントクラウド上で本番アカウントを利用している国の情報システム数は、令和五年度末時点の七システムから令和七年度末には百十七システムまで増加をしましたし、地方公共団体のガバメントクラウド利用を円滑に進めていくための法律を臨時国会において皆さんの審議を経て整備させていただいたところであります。政府共通の業務実施環境を提供するガバメントソリューションサービスは、令和四年四月時点ではデジタル庁のみであったところ、足下では十三の府省庁が導入するなど、着実に環境整備を行ってまいりました。
その上で、デジタル社会の実現に向けた取組を継続的に進めるための計画として、政府は毎年、デジタル社会の実現に向けた重点計画を閣議決定しております。この重点計画の中では、例えばガバメントソリューションサービスの導入については、令和四年度から令和七年度にかけて各府省庁に順次導入していく工程を示し、デジタル庁はその工程表に従って着実に取組を進めております。引き続きデジタル庁がデジタル社会形成の司令塔としてデジタル化の推進を図ってまいります。
特に、AIも入ってきましたので、デジタル庁から率先して入れて安全性を確認して水平展開、あと、この間AIでやったAIハッカソンは東京都と一緒にやりましたので、そうすると今度は垂直でいきますので、縦横で押さえて全体に広げていくという戦略で進めていきたいと思っております。
○奥下委員 ありがとうございます。
本当に、平大臣になってから、AIの普及もあったと思うんですけれども、どんどん進んでいるなというのは感じております。デジタル先進国でも改革には時間を要しておりましたので、日本も当然時間を要するんだと思います。十年計画で段階的に、フェードアウトされるなどして、長期スパンで大枠を描いていただいて、仮にその間政権が替わったとしてもぶれずに実施していくことが必要だと思いますので、是非我が国も不退転の覚悟で、平大臣の下、やっていただくようお願い申し上げます。
次です。次が世間の声でございますけれども、民間からの出向者が相当程度を占める組織の特徴を踏まえて、霞が関の働き方の先進事例となるべく、効率的、自由、業務で学ぶといった働き方の実践を期待されているわけですが、蓋を開けてみると、各省庁においては、これまでになかった業務が増加したという声がございます。
具体的には、デジタル庁に求められた資料の作成であったりヒアリングへの対応等、各省庁の受け持つ業務は増え、さらには、各省庁から相当の人員を供出しているため各省庁の体制が手薄になっている状況である。また、各省庁のシステム関係予算はデジタル庁に一括計上させられていますが、デジタル庁が各省庁に代わって財務省と予算折衝することにはなっておらず、結局、各省庁はこれまで財務省への説明のみで済んだものがデジタル庁へも同じように説明をしないといけなくなったということです。
こういったデジタル庁の仕事の進め方に関する実態について大臣は認識されているのでしょうか、また、今後こういった声にどうやってお応えしていただけるでしょうか、お願いいたします。
○平国務大臣 急激な人口減少社会に突入する中で、政府の情報システムについては、各省庁がばらばらに整備、運用することは、もはや立ち行かない状況であります。デジタル庁が専門的知見に基づいて各省庁とシステム予算についてレビューを行い、伴走型支援により効率的なシステムを実現していくことが極めて重要だと考えております。
効率的なシステム実現の例としては、例えば、各省庁が政府共通の業務実施環境であるガバメントソリューションサービスへ移行することで、セキュリティーの向上を図った上で柔軟な働き方や業務効率の実現を図るほか、既存のシステムのクラウド最適化、ガバメントクラウド移行によって高度なセキュリティー、大規模災害対策、高コストな旧来技術からの脱却を目指していきます。
こうした従来の各省庁の独自のシステム整備、運用から、デジタル庁による一元的なプロジェクト管理の下での政府全体の効率的なシステム整備の運営への転換には、大きく意識を変えていく必要があります。各省庁に負担をかけていることは、委員御指摘の部分はあると思いますが、デジタル庁とともに産みの苦しみとして捉えていただければと思います。
確かに二重になっているんですが、各省庁がばらばらにやって連携とかセキュリティーがおろそかになってはいけませんし、政府もいろいろな失敗をしてきて、発注能力が不足をして目詰まって大きなプロジェクトが頓挫をしたこともありました。そういうときの被害というのは財政的にも時間的にも大変大きなものがありますので、ここはちょっと人的リソース、時間を割いてでも我々としっかりと連携をしてやっていただきたい。
ただ、人材が不足しているのはまさにおっしゃるとおりなので、人材確保は政府全体として取り組んでまいりたいと考えております。
○奥下委員 今日の質疑を見ていただいていると思うので、ちょっと安心されているんじゃないかなというふうに思います。
あと、別の声もありまして、最近やたらと与党は役所をつくりたがっている、単に仕事をやった感を出しているにすぎないという声があります。スポーツ庁が二〇一五年十月発足、出入国在留管理庁が二〇一九年四月発足、デジタル庁が二〇二一年十月発足、こども家庭庁が二〇二三年四月発足、内閣感染症危機管理統括庁が二〇二三年九月発足と、ここ十年で五つも新しい役所が設置されているわけです。いまだに屋上屋を架すものでしかない省庁もあるというふうに受け取られております。
本当に、防衛省や少子化対策等で国民に負担を求める前に、政府自身がまず身を切る改革として、真に必要な政府の機能を発揮するための新しい組織の見直しを行うべきである。むしろ仕事を減らさないといけない、そのための組織の見直しを志向していただきたいというふうに思います。
デジタル庁のありようについていま一度点検していただけると思いますし、霞が関全体の視点から余計な仕事を増やさないようお願いしたいと思います。むしろ業務負担を減らし、国民から見て無駄を減らすという本来の役割を発揮していただきますようお願い申し上げます。
次に、デジタル田園都市国家構想についてお尋ねします。
二二年六月に構想を打ち出しました。デジタル人材を二六年度までに二百三十万人増やし三百三十万人にする計画ですが、単純計算しても毎年五十万人増やさなければなりません。また、それだけの人材を育てる教育の器があるのか。
5Gなどのデジタル基盤の整備やデジタル人材の育成、高齢者らを支援するデジタル推進委員を当初二万人からスタートしましたが、無償の資格にどれだけ多くの人材が集まるのか懐疑的でした。現在の普及率等を教えてください。
○村上政府参考人 デジタル推進委員の方についてお答え申し上げます。
やはりスマホがメインでございますので携帯キャリアショップ、それから、今回の電子処方箋ということでは薬局、薬剤師の方にかなり御協力をいただきました。また、有線放送事業者、それから実はJRさん、こういったところがかなり業務にも密接に関連するということで、現在五万八千人になってございます。
引き続き、身近な場所でサポートしてもらうべく、しっかりとその取組内容も含めて支援してまいりたいと思います。
○岩間政府参考人 デジタル田園都市国家構想総合戦略に位置づけられておりますデジタル人材の育成の状況ということでございます。
これにつきましては、二〇二二年から二〇二六年度末までの五年間に合計二百三十万人のデジタル人材を育成すると目標を掲げてございます。
教育の器という部分につきましては、具体的には、文部科学省におきます高等教育機関の人材育成、経済産業省におきます実践的スキルを習得する場の提供、それから厚生労働省におきます職業訓練の重点化ということで、各省連携して取り組んでございます。
現状でございます。進捗でありますが、二〇二二年度につきましては目標値二十五万人に対して三十三万人、それから二〇二三年度につきましては目標値三十五万人に対して五十一万人ということであります。あと、直近の二〇二四年度については年度目標四十八万人に対して上半期のみで四十四万人ということで、進捗としては着実に進んでいるというふうに考えてございます。
○奥下委員 思っていたより進んでおってびっくりしているところですけれども。例えば万博の入場券にしても、デジタル化にいきなり買い方が進んでしまったのでついていけなくて売れなくなって困っているということもあったので、徐々に浸透させていくしかないかと思うんですけれども、やはり行政が医療、教育、働き方などのデジタル化を促すことが経済や社会活動の生産性や質を高め、日本の成長を促すというふうに思っております。
これまで、政権が替わるたびにデジタル戦略の看板のつけ替えが行われてきておりました。経済を活性化して人々の暮らしを豊かにするには、デジタル改革は政府や政治信条の違いにかかわらず不可欠なものでございますので、是非、平大臣の旗振りの下、日本の国際協力を高める意味でも一貫したデジタル戦略でやっていただきますようお願い申し上げたいと思います。
次の質問に入りますが、ここで、大臣、もしよければ。ありがとうございました。
次の質疑に入ります。
先日、参議院でも言われた言葉を言わせていただきます。エロ広告ですね。今エロ広告がネット上にあふれております。子供の人気ゲーム攻略サイトなどにも度々出てくるのを目にします。責任は間違いなく広告主にあると思います。しかし、これは追っていくと、はっきりと責任の追及ができない構造に問題があるというふうに考えております。
総務省がフィルタリングの普及をしているのも承知していますが、限界があり、様々な対策を取っても堂々巡りになっている状況、現況は野放しであると言わざるを得ない状況だと思います。
十にわたる各省庁横断の議論が焦点となってきていますが、管轄省庁を決めてやらないと決まるものも決まらないというふうに思います。是非ここは、こども家庭庁さんが責任省庁として旗振りをして進めていただけないでしょうか。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
青少年が安全に安心してインターネットを利用できるような環境の整備は大変重要だと考えております。
このため、昨年十一月には、弁護士や学識経験者等を構成員といたしますインターネットの利用を巡る青少年の保護の在り方に関するワーキンググループを設置いたしまして、インターネット利用をめぐる青少年の保護に関する課題と論点の整理を行っているところでございます。
議論の中では、ただいま委員が御指摘くださったように、性的な内容の広告が子供たちが目にするところに表示されてしまうといった問題も複数御指摘をいただいているところでございます。
今後このワーキンググループで、いわゆるアダルト広告のみならず、青少年の保護の在り方全般について課題と論点を夏頃を目途に整理をし、その上で、法制上の対応の必要性の有無ですとか、各論点に応じたそれぞれの所管省庁への検討の要請、こういったことも含めまして、こども家庭庁がしっかり司令塔の機能を果たしていきたいというふうに考えております。
○奥下委員 ありがとうございます。司令塔となっていただけるという心強いお言葉をいただきました。
本当に、昨日、うちの息子も小学校一年生になって、デジタル教科書ということで、そういったものが配られ、家庭としても子供専用のパッドを買ったんですけれども、その先に、ゲームをダウンロードしてしまうと出てしまうので、是非、今後も我が子の問題でもあると思うのでこれを追っていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
次に、デジタルを積極導入した海外の教育先進国で子供の学力低下や心身の不調が顕在化し、デジタル教科書から紙の教科書に戻る動きが相次いでいるとのことです。こういった海外の事例というのは検証されているんでしょうか。
○今村政府参考人 お答え申し上げます。
委員御指摘の海外事例の一つとしまして、例えばスウェーデンにおきましては、二〇一〇年頃からデジタル教育が進められていたところ、直近でデジタル化の見直しが行われたと承知しております。そもそもスウェーデンは我が国と異なりまして人口が約一千万人と少ないこと、教科書検定による教科書の質保証がないことなど我が国と状況が異なることを考慮する必要がございます。
なお、スウェーデンにおきましては、デジタル教育の推進以降も国際学力調査のTIMSSでは過去三回とも成績が向上し、国際学力調査PISAでは二〇一五年、一八年と向上し、直近の二二年でのみ低下している状況でございます。このため、指摘されておりますスウェーデンにおける学力低下の原因が、スマートフォンの使い過ぎなど日常生活によるものではなく、デジタル教科書の使用によるものかどうか、同国の今後の学力調査の動向など、更に注視が必要であると考えております。
一方、デジタル教科書を推進している国としまして、例えば韓国では二〇一五年から全ての学校でデジタル教科書の使用が解禁され、またエストニアでは二〇〇八年から紙の教材が全てデジタル化され一八年から無償化となっております。両国はいずれも国際学力調査でトップクラスの成績を上げております。
中央教育審議会のワーキンググループの中間まとめにおきましては、こうした諸外国の状況を参考にし、教科書の形態として紙だけでなくデジタルによるものも認めるなどの方向性が示されておりますが、文部科学省といたしましては、パブリックコメントなどを通じて様々な意見にしっかりと耳を傾けつつ、次期学習指導要領の改訂も見据え、中央教育審議会ワーキンググループにおいて引き続き十分な御審議をいただきたいと考えております。
○奥下委員 中央教育審議会がデジタルを紙と同様に扱う、これは承知しておりますが、その議論の中で余り海外の、今の答弁では検討されていたということですけれども、余り十分に検討したようには僕は思っておりません。
本当に子供たちの未来に必要なのはAIというよりも問題解決力、こちらの方が重視すべきだと思っておりますし、今、iPadとかが普及したことによって子供たちの体内時計が狂っている、遅刻が増えたりとか、そういった問題も多いというふうに聞いております。体内時計を治す治療として、LEDライトを当てるといったような治療をしないと治らないというふうに聞いておりますので、本当に子供たちの、何が本当に将来必要なのか、子供たちの体のことを含めて今後も検討していっていただきますようお願い申し上げます。
次に、居場所のない若者が集まる大阪ミナミのグリコ看板下のエリア、いわゆるグリ下に大阪市が若者らの座込みを防ぐ壁が先日設置されました。大阪市は万博に向けた環境改善と言っていますが、本来解決しないとならない問題の本質ではなくて、これは何の解決にもなっていないというふうに感じております。むしろ、居場所がなくなった子供たち、集まった子供たちを逆に締め出してしまった感があり、子供たちの心にどう映ったか心配をしているところなんですが、そんな中、こども家庭庁がこども若者シェルターを開始されました。
大阪では、現場にいるNPOの方とかのお話を聞くと、導入のめどが立っていないというふうに聞いております。何が原因なのか、どう改善していくのか、教えてください。
○吉住政府参考人 お答えいたします。
若者等が家庭に居場所がなく、繁華街に集まり犯罪に巻き込まれたりするような危険な事態が起きていること等を受けまして、こども家庭庁におきましては、若者等がそのニーズに合わせて必要な支援が受けられ宿泊もできる安全な居場所等を確保するため、議員御指摘のとおり、令和六年度にこども若者シェルター・相談支援事業を創設いたしました。
本事業については、都道府県等における適切な運用を図る観点から、本年三月に、事業実施に当たって留意すべき関係法令や必要な支援内容、権利擁護の在り方等を整理したガイドラインを策定し、都道府県等に周知したところでございます。複数の自治体に対してヒアリングを行ったところ、ガイドラインを踏まえて事業実施を検討したいという声も多々寄せられているところでございます。
こども家庭庁としては、都道府県や政令指定都市等において本事業が積極的に実施され、若者等にとって安心な居場所が確保されるよう、本事業やガイドラインの周知に一層努めてまいりたいというふうに考えております。
○奥下委員 現場の声を一応お伝えしておきますと、運営ルール策定の難しさが原因ではないかというふうにおっしゃっておられました。子供の入所には、原則、親権者への連絡が必要であるとされておりますが、家庭の事情から連絡を嫌がる子も多いということが一番の原因だというふうに現場はおっしゃっておられました。あとは、運営資金となる補助金も、最低限の予算でなかなか厳しいと。これはやられている側の意見なので、これも一応お伝えしておきます。
こども家庭庁の有識者検討会が年内にもガイドラインをまとめられると先ほど大臣の答弁にもございましたが、是非現場の声、これはグリ下だけではなくて歌舞伎町の大久保公園とかいろいろありますので、現場の声を聞いて検討していただけたらというふうに思います。
時間が来ました。済みません、国交省さん、あしたまた質疑をやるのでそちらの方に回したいと思いますので、今日はこれで質問を終わります。
ありがとうございました。
○谷委員長 次に、浮島智子さん。
○浮島委員 公明党の浮島智子です。本日もどうぞよろしくお願いいたします。
私は、昨年の三月の二十六日に、本委員会におきまして、児童生徒性暴力防止法による性暴力により懲戒免職となった教師、この失効となった者のデータベースと日本版DBSの連携について当時の加藤鮎子大臣にお話をさせていただき、質問させていただきました。
その際も申し上げさせていただきましたけれども、私は、令和三年の五月二十八日、参議院の本会議で全会一致で可決、成立した教職員等による児童生徒性暴力防止等に関する法律の取りまとめ役をさせていただきました。
そのきっかけというのは、あるおじい様、おばあ様、お母様が私のところに来られまして、お嬢様が小学校の四年生、そして知的障害を持ち、毎日先生から性暴力を受けていた、そのことが彼女自身が理解できずにいたということで、涙ながらに語っていただきました。
そのお話を聞いたときに、こんな教員は二度と教壇に立たせてはいけない、そういう思いで文科省と話をし、法律を作ってもらいたいというふうに話を進めてまいりました。
しかし、刑法三十四条の二の刑の消滅があるために閣法ではできないということで、私は、絶対に子供を守るという観点から、議員立法で作ると決意をさせていただき、自民党さんにお話を持っていかせていただき、ワーキングチームをつくり私も座長として入らせていただき、そして野党の皆様の各部会等に行かせていただき御説明をさせていただき、皆様に御理解をいただき、八十九日というスピード感を持って全会一致でこの法律を成立させることができました。
そして、この法律の附則の第七条第二項には、「政府は、この法律の施行後速やかに、児童生徒等の性的な被害を防止する観点から、児童生徒等と接する業務に従事する者の資格及び児童生徒等に性的な被害を与えた者に係る照会制度の在り方等について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。」と規定がされております。
この日本版DBSは、その流れで制定されました。そのため、日本版DBSは児童生徒性暴力防止法とセットで構想されたものだと思います。だからこそ、子供たちを守り抜くために、府省の縦割りを乗り越えなくてはならない。
例えば、児童生徒性暴力防止法により、文部科学省には、過去も含めて少なくとも四十年にわたる、児童生徒性暴力を行ったことにより懲戒免職され教員免許が失効した者のデータベースというのがあります。これまでも、児童生徒性暴力で、刑事事件にはならなかったものの、懲戒免職となり教員免許が失効した小学校教師が、学習塾や子供相手を仕事とするという事態が発生していました。依存的に子供たちに性暴力を繰り返す者が、教員免許が失効して教壇に立てなくなったら、学習塾やスイミングスクールなどで再び子供たちと関わろうとする可能性が非常に高いことは言うまでもありません。また、懲戒免職になったとしても、三か月後に官報に掲載されるということになっておりました。この議法では、翌日には掲載されることとさせていただきました。
今回の日本版DBSをより実効性あるものにするためには、省庁の壁を乗り越えて、この免許失効データベースを日本版DBSと連結する、これが必要だと私は思っております。
そこで、文科省にお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、児童生徒性暴力防止法に基づく免許失効データベースは、適切な情報が確実に集積されているのか、また、私立学校も含めて適切な活用がなされているかなど、子供たちを守る同法の執行状況をお知らせください。
○金城大臣政務官 お答えいたします。
子供を守り育てる立場にある教員が児童生徒への性暴力を行うなどということは断じてあってはならず、児童生徒性暴力の未然防止に向けては、先ほど、浮島先生がまさに現場の声を聞いて議員立法としてまとめていただいた教員性暴力等防止法のデータベースの活用は大変重要であると考えております。
文部科学省では、児童生徒性暴力等を行ったことにより免許状が失効又は取上げ処分となった者の情報を、官報への公告を待つことなく、失効又は取上げの効力が発生した日の翌日までに迅速に記録するよう重ねて周知しているところであり、令和七年四月一日時点で合計二千六百九十八件記録されております。
また、私立の学校法人等においては、データベースへのユーザー登録や適切な活用ができていない事例が確認されたことを踏まえまして、データベースの適切な活用について、先月末に改めて周知を行ったところでございます。
引き続き、文書による周知に加えまして、様々な会議等においても、データベースへの確実な情報の登録や適切な活用について重ねて周知してまいります。
○浮島委員 是非、私立も含めて、しっかりと周知をしていただきたいと再度お願いをさせていただきます。
私は、常に、文科省とこ家庁が一緒に連携を取りながらこの問題に対しては対処していくべきだということをお訴えさせていただいてまいりました。
そこで、三原大臣にお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、昨年の三月には前任の加藤大臣に質問させていただき、子供性暴力防止法の円滑な施行や子供の性暴力を防止するための総合的取組を進める上では、文部科学省を始め関係省庁との協力が不可欠であり、こども家庭庁が中心となりつつ緊密に連携を取りながら進めてまいりたいと考えてございます、データベースの関係についても、どういったことができるか、文部科学省ともしっかりと連携をし、検討してまいりたいという御答弁をいただきました。
一年がたちました。現在、両省庁において具体的な連携がどう行われているか、お聞きしたいと思います。
○三原国務大臣 御指摘のデータベースと子供性暴力防止法の犯罪事実確認との補完、連携の在り方につきましては、国会での附帯決議も踏まえ、どのようなことができるかこれまで検討を行ってまいりました。
具体的には、現在、子供性暴力防止法の犯罪事実確認等を実施するためのシステムの構築に取り組んでいる中で、同法による犯歴照会と教員等に関するデータベースに基づく確認等のいずれも行う必要がある事業者が、なるべく簡便かつ確実に双方の確認を行えるような連携ができないか、検討しているところでございます。
その上で、学習塾も含めた子供性暴力防止法の対象事業者の全てにおいて、これらのデータベースの情報を活用できるようにすることは、性暴力を防止する観点から重要な視点であることと考えておりますが、その実現に当たっては様々な課題があります。こうした課題を整理し、具体的な対応策を検討するため、この度、文部科学省との間で、こども家庭庁長官官房審議官を中心とした検討チームを立ち上げることといたしております。
引き続き、本制度の施行準備と並行して、様々な観点から、教員等に関するデータベースと子供性暴力防止法の犯罪事実確認との補完、連携の在り方について具体的に検討してまいります。
○浮島委員 ありがとうございます。検討チームをつくっていただけるということで、具体的にこれからどんどん進めていただきたいと思いますので、お願いをさせていただきたいと思います。
また、WHOの判断基準、ICD11におきましては、性嗜好の障害という大まかな診断概念に加えまして、強迫的性行動症という判断概念が追加されております。依存的に児童生徒に対する性暴力を繰り返す者に対する医学や治療に関する国際的動向を踏まえますと、これらの者は永遠に子供たちに関わる職業から引き離すことが、子供たちにはもちろんのこと、本人の治療と回復にとっても大事なことと言えます。
我が国の医学界におきましては、研究や治療が進んでいるとは言い難いのが今の現状でございます。公明党においては、この問題について、PTでメディカルドクターにも来ていただき議論させていただきました。海外では治療が進んでいて、保険適用にもなっています。でも、まだまだ日本では治療も進んでいないし、保険適用にもなっておりません。
子供たちを性暴力から徹底的に守り抜く、これはもちろんですけれども、性暴力、特に子供たちに対する性暴力を行った者に対する治療やケアには国が力を入れるべきだと私は思っております。
政府の子供性暴力防止に向けた総合的な対策においては、犯罪防止の計画等に基づきまして、性犯罪再犯防止指導、そして性犯罪再犯防止プログラムの充実を図るという法務省の施策は明記されております。医療的ケアについても、ワンストップ支援センターと医療機関等の関係機関との強化をしていく、厚生労働省の性犯罪被害者に対し適切な治療、ケアのできる人材を養成するPTSD対策専門研修を実施という施策は盛り込まれておりますけれども、性暴力、特に子供たちに対する性暴力を行った者に対する治療やケアについて十分に配慮されているとは言い難いと私は思っております。
そこで、法務省にお聞きさせていただきますけれども、性犯罪再犯防止プログラム、これは、導入プログラムやコアプログラムを中心に、メンテナンスプログラムや家族プログラムで構成されるとお聞きしておりますけれども、具体的にどのようなプログラムを通じて性犯罪防止に取り組んでおられるのか、お聞かせください。また、性犯罪の再犯防止プログラムは、子供たちに対する性暴力を行った者に対する治療やケアを専門とする医師あるいは医療機関とどのような連携をしているか、お聞かせいただきたいと思います。
○中村(功)政府参考人 お答え申し上げます。
刑事施設や保護観察所におきましては、性犯罪の背景にある自身の認知の偏りに気づかせ、問題行動を起こさせないように対処する方法を身につけさせるため、認知行動療法に基づく処遇プログラムを実施しております。
具体的には、プログラムの中で、再び性犯罪をしないための具体的な対処方法をまとめた再発防止計画を作成させているほか、医療機関などで受けられる治療や支援について説明するなど、出所後に地域の医療機関等から必要な支援を受けることの重要性について指導をしているところでございます。
また、保護観察所におきましては、刑事施設からプログラム実施状況等を引き継いだ上、小児、子供に対する性加害を行った対象者等の特性を踏まえた指導を行っておりますほか、治療等が必要な性犯罪者につきましては、刑事施設収容中から医療機関等との調整を行っておりまして、保護観察中も必要に応じて医療機関等と連携した処遇を行っております。
今後とも、子供に対して性暴力を行った性犯罪者等の再犯防止のため、切れ目なく地域で必要な支援が受けられるよう、医療機関等を含めた関係機関との連携を図ってまいりたいと考えております。
○浮島委員 是非、縦割りではなくて、しっかりと横串を刺して、しっかりと連携をしていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
次に、厚労省にお伺いをさせていただきたいと思います。
依存的に子供たちに対して性暴力を繰り返す者に対する医学研究や治療の現状はどうなっているのか。また、治療に関する保険適用はされているのか。子供たちを守り抜くために医学研究や治療の強力な推進が不可欠だと思いますけれども、こども性暴力防止に向けた総合的な対策の重要な柱として、加害者に対する医学の研究や治療の推進、これを盛り込むべきだと思いますけれども、見解を伺わせていただきたいと思います。
○野村政府参考人 お答え申し上げます。
子供たちに対して性暴力を繰り返す要因などについて、実態は必ずしも明らかとなっておりません。
そこで、令和五年度には、国内外の文献であるとかあるいは支援者からのヒアリングによって性嗜好障害の治療などに関する情報を収集し、令和六年度には、性行動異常を呈する者の特性の分析であるとか性嗜好障害に有効的な介入方法についてのエビデンスの収集などの医学、治療面での実態などに関する調査研究を行ってきたところでございます。今年度におきましても、性嗜好障害の治療、介入方法の周知のための資材の作成などに向けた調査研究を行ってまいりたいと考えております。
また、性嗜好障害の治療法に関する診療報酬上の評価の在り方でございますけれども、こうした調査研究の結果であるとか、あるいは関係各界の御意見などを踏まえながら、中央社会保険医療協議会において必要に応じた議論を検討してまいりたいと考えております。
子供への性暴力防止への対応につきましては、こうした調査研究、各種議論を進めながら、引き続きこども家庭庁を始めとする関係府省庁と連携しながらしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
○浮島委員 しっかりと保険適用していかなければならないと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
最後に三原大臣にお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、日本版DBS、児童生徒性暴力防止法とともに、依存的に子供たちに対して性暴力を繰り返す者に対する医学研究、また治療を一体的に推進することで、子供たちを性暴力から守り抜くことができると私は思っております。
子供の政策担当大臣として、子供に対する性暴力に関するデータの把握や蓄積、分析等の状況に応じて、厚生労働省や文部科学省をしっかりとリードして、仕組み、取組を常に見直し、最善なものにしていく観点から、こども性暴力防止に向けた総合的な対策の重要な柱として、加害者に対する医学研究や治療の推進を盛り込むべきだと思いますけれども、見解をお伺いさせていただきたいと思います。
○三原国務大臣 昨年四月にこども性暴力防止に向けた総合的な対策の推進を取りまとめまして、政府一丸となって取り組んでいるところでございます。
本対策で、加害を防止する取組、相談・被害申告をしやすくする取組、被害者支援の取組に加え、お尋ねのような性嗜好障害に対する治療、加害者更生といった観点から、性嗜好障害に関する調査研究を含む治療・更生に関する取組を四本柱としております。
この治療・更生に関する取組については、先ほどの厚生労働省の答弁にあったとおり、医学研究、治療の推進には、同省において性嗜好障害の治療等に資する調査研究を引き続き実施していく予定と承知しております。
こども家庭庁といたしましても、厚生労働省を始めとする関係省庁としっかり連携を図りながら、子供に対する性暴力の防止に向けた総合的な取組にしっかり取り組んでまいります。
○浮島委員 是非関係省庁と連携を密にして子供たちを守っていただきたいと要望させていただき、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○谷委員長 次に、阪口直人君。
○阪口委員 れいわ新選組の阪口直人です。
私が住む岐阜県各務原市では、二〇二〇年の十一月に、水源地において、発がん性があるとされるPFASの一種であるPFOS及びPFOAが、一リットル当たり五十ナノグラムとされる暫定目標値を超過していることが検出されました。
市はこの状況を把握していたにもかかわらず、二〇二三年の七月まで公表しておりませんでした。住民からは大変な不安と怒りが寄せられ、特に小さい子供を持つお母さん方の怒りはすさまじいものがございます。この四月に行われる市長選挙においても最大の焦点になっています。
私自身も、いわばPFAS入り、毒入りの水を何も知らずに飲み続けていたということがございます。各務原市は、把握した時点で速やかに公表すべきであったと対応に問題があることを認めてはいますが、公表後の八月、すぐに、高濃度が検出された三井水源地というところから半径五百メートルにある井戸を調べたところ、四十四か所のうち十三か所で国が定める目標値、PFOAとPFOSの合計が五十ナノグラム、一リットル当たりで超えていたということなんですね。
問題は、この大半が航空自衛隊岐阜基地のすぐ西側にあるということなんです。この地域の地下水は東側から西側に流れている、つまり、航空自衛隊のPFASが地下水に浸透したのではないかという疑いが非常に強いということなんですね。
PFASが入った泡消火剤自体は令和三年に処分が完了していますが、昨年十二月十六日に発表された調査結果では、この自衛隊岐阜基地内の井戸において、いまだに七十四ナノグラム、七十ナノグラムという暫定目標値を上回る数値が検出されているんです。
各務原市は、中期的対策として、十七億円を使って全国初のイオン交換樹脂を使ったPFAS用の浄水施設を整備するということです。昨日、事前レクチャーでお話を伺ったんですが、全国初というのは、排水に使う事例はあっても日本では飲料用に使うのは初めてということなんですね。長期対策として、各務原市は六十六億円を使って新たな水源地の開発を行うことも考えていると。
ただ、水道水企業会計なので、これらの市の対策というのは市民の水道料金に反映されてしまう。今は一般会計から補填をしているけれども、これは今後市民の大きな負担になるということが懸念されております。
ここから質問であります。
まず、イオン交換樹脂を使うと水質が低下するとも言われていますが、実際のところどうなのか、また、どの程度PFASの除去に効果があるのか、まず教えていただきたいと思います。
○伯野政府参考人 お答えいたします。
ただいま御指摘いただきましたイオン交換樹脂の効果でございますが、一般的には、イオン交換樹脂によってPFAS等が吸着、分離されるというふうに言われているところでございますが、ただ、活性炭も同じようなことを言われております。例えば活性炭であれば、様々な原材料を使って、活性炭自体の製法も様々でございますので、効果は活性炭によってばらつきがあるというふうに言われております。
イオン交換樹脂も様々な製品があるというふうに認識しておりますので、一定の効果は期待できるというふうに推定されるところでございますが、対象物、例えば水なのか土なのかということだとか、あるいは濃度、どれぐらいの濃さが入っているのかとかによって効果あるいは効率性というのは変わってくるというふうに認識しているところでございます。
○阪口委員 今の説明を聞くと、本当に抜本的な対策になり得るのかどうかということに大変不安を感じるところであります。
国は、自治体の負担軽減についてはどう考えているのか、つまり、水道料金が上がるということによる生活の不安を何とか解消してほしいという声もありますが、財政支援についてどのように考えているのか、お答えいただきたいと思います。
○国定大臣政務官 お答え申し上げます。
今ほど委員御指摘いただいておりますとおり、水道施設の整備を行うことを含めまして、水道事業の経営に要する経費につきましては、これは水道料金収入により賄うことが原則だということでございます。
その上ででございますけれども、地形や水源等の条件により施設整備費が割高となるなど経営条件が厳しい水道事業者等、具体的には経営条件を判断する指標であります資本単価に関する要件と給水人口に関する要件を満たす水道事業者等を対象といたしまして、PFAS対策として行う施設整備への財政支援を行っているところでございますが、委員御存じのとおりだと思いますけれども、この各務原市につきましてはこの要件に該当していないというのが今の現状の財政支援策でございます。
他方で、環境省の方におきましては、水道水中のPFOSあるいはPFOAの水道水基準への引上げにつきましてパブリックコメントを行ったところであり、今春をめどに方向性を取りまとめ、水道法に基づく省令を改正し、令和八年四月一日には施行するものというふうに伺っているところでございます。
国土交通省といたしましては、こうした環境省の動き等を含めまして、状況を踏まえつつ、引き続き必要な対応の検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○阪口委員 今の説明の中に人口規模という説明もありましたが、いわば命の線引きを人口規模によって行うということ、私は、これは不条理だと思うんですね。というのは、人口が多い町であっても経済的に厳しい状況の方もいらっしゃって、この水道料金というのはひとしく負担になるわけですから、ここを、市の全体の財政状況であったり人口規模を一人一人が負担する水道料金に反映させるということは、私は問題があると思いますが、この点についてどのようにお考えでしょうか。
○国定大臣政務官 繰り返しの答弁で恐縮でございますが、まず、水道事業、原理原則といたしまして、やはり受益者であります水道を利用されている方々からの水道料金の収入、これで賄っていくということがまず大前提だということは申し上げておきたいと思います。
その上で、地形的な問題であったり経営的な問題等でこの水道料金収入のみで賄うことにはなかなかたどり着かないであろう水道事業者さんに対して、いわば特別な形での財政支援を用意させていただいているというのが今の制度スキームでございます。
先ほど答弁申し上げましたとおり、現在はこの水道水質基準にPFOS、PFOAがまだ設定されていないという状況でございますが、先ほども答弁申し上げましたとおり、来年、令和八年の四月一日には省令改正されるというふうな方向だというふうには承知しているところでございます。
国交省としても、こうした動きをしっかりと見極めていくことが肝要だと思っております。
○阪口委員 まず必要なことは、私は岐阜基地の土壌調査だと思うんです。冒頭申し上げたように、どう考えてもその発生源が岐阜基地である可能性が高いと。昨年十二月の臨時国会で同じく質問をしたときに、因果関係が分からないからということを理由にして調査はしないというような答弁でしたが、因果関係が分からないからこそ調査するんだと思うんですね、すべきなんだと思うんです。この件、いかがでしょうか。
○本田副大臣 御答弁申し上げます。
日本国内におきまして、PFOS等はこれまでも様々な用途に使用されてきた、そのように承知しておりまして、現時点においても、岐阜基地周辺におけるPFOS及びPFOAの検出と自衛隊との因果関係について確たることを申し上げるのは困難な状況でございます。
その上で、防衛省としては、各務原市の要望を踏まえまして、基地内の井戸の水質調査等の取組を行ってきたところでございます。また、土壌調査につきましては、引き続き、関係省庁において、土壌中のPFOS等の挙動に関する科学的知見の集積などに努めているものだと承知しています。
いずれにいたしましても、防衛省としては、こうした動向を注視しながら、地域住民の皆様が不安を抱いていることを受け止めまして、関係省庁や関係自治体と連携し、適切に対応してまいりたいと考えています。
○阪口委員 今、各務原市の要望に基づいて井戸の調査という答弁がありましたが、元々は各務原市は土壌調査をしてほしいという要望もしているんですね。これがどこかで握り潰されたというか、防衛省には反映されなかったようなんですが、ただ、やはり、基本的に、もし基地が原因だった場合、様々な補填、財政的支援の在り方というのも変わってくると思うんですね。こういうことを避けるために調査しないということであれば、これは大きな問題であると感じています。
次、環境省にお聞きします。
PFASについては、八億八千六百万円の補正予算で、PFAS対策技術実証事業を通して技術開発を促進して、効果の高い対策技術の知見を集積しようということでございます。
今、廃液中の有害有機化合物の分解方法が特許を取得するなど、PFASを除去する技術が開発されようとしているということも聞いています。私はこれは早く対象を特定して対策を行うべきだと考えているんですが、副大臣、この点についての御見解はいかがでしょうか。
○中田副大臣 御答弁申し上げます。
PFAS等については、濃度低減のための対策技術ということについて、近年、国内外で様々な技術が提案されているということになります。
こうした対策技術については、処理対策である水や土壌の性状であるとか、あるいは処理対象物の量、PFOS等の濃度、こういった様々な観点を踏まえて検討していくという必要があると考えています。その意味で、環境省としては、これらの視点を踏まえて、技術に関する知見の集積を図ろう、こういうふうに考えております。
具体的に申し上げますと、今議員からも触れていただいたとおり、令和六年度の補正予算において、PFAS対策技術の実証実験として約九億円を計上してございますので、本実証事業を通じて、環境中のPFOS等の濃度を効果的、効率的に低減するための技術についての知見を今後積み上げていくということを図ってまいりたいと考えております。
○阪口委員 ありがとうございます。
今回質問した中でも、やはりイオン交換樹脂というのはなかなか抜本的な対策にはなり得ない。一方で、様々な技術開発がされていて、それを効果的に使うためには、やはり根本原因をしっかり調査する必要がある、自衛隊岐阜基地の土壌調査が必要であるということがますます明らかになったと思います。
この点について、引き続き、追及といいますか問題提起をしてまいりたいと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
以上です。
○谷委員長 次に、本村伸子さん。
○本村委員 日本共産党の本村伸子です。どうぞよろしくお願い申し上げます。
一時保護施設の看護師の配置ということで質問させていただきたいと思います。
児童虐待など、被害を受けた子供たちが保護をされて最初に行くのが一時保護施設です。その一時保護施設が、虐待など被害を受けた子供の被害からの回復、人権の回復の場として安心でき、心地よく子供の権利が守られる場にしなければならないというふうに思います。
その環境整備として、やはり医療的なケアが必要な子供が多いということですから、一時保護施設への看護師の配置というのは本当に必要です。実際に、一時保護施設で看護師として働いてこられ、研究し、提言を発表されておられます三浦由佳先生を始め、助産師の方、お医者様、昨日もこども家庭庁に一時保護施設に看護師をしっかりと位置づけてほしいという要請をされました。子供たちのケアのために非常に重要だというふうに考えております。
看護師を必ず配置するようにというふうに内閣府令が変わりましたけれども、問題はその中身だというふうに思います。
まず最初に、一時保護施設における子供たちの健康状況をどのように把握し、分析しているのか、そして看護師の重要性をどのように捉えているのか、大臣にお伺いしたいと思います。
○三原国務大臣 一時保護されている子供の中には、身体的虐待やネグレクトの影響等によって医療的ケアを必要としていたり、様々な健康問題を抱えている子供も少なくないものと認識しています。
こうした子供のケアを適切に行うためには、子供の健康状態の把握ですとか服薬管理、そして医師や歯科医師との連携等が必要となることから、こうした業務を行う専門職である看護師の果たす役割というのは非常に重要であると考えてございます。
このため、今般新たに定めた一時保護施設における職員の配置基準におきましても看護師の配置を必置としたところでございます。
○本村委員 医療的ケアが必要な子供さんが少なくないとおっしゃられたんですけれども、現場感覚としてはかなり多いというのが実感だというお話をお伺いしております。
全国の一時保護施設の数と、その中で看護師を配置している一時保護施設、これについて数をお示しいただきたいと思います。
○吉住政府参考人 お答えいたします。
看護師が配置されている一時保護施設は、令和六年六月一日現在で八十二か所、割合としては全国の一時保護施設百五十四か所のうち五三・二%となっております。
○本村委員 まだ半数の一時保護施設に看護師がいない状況となっております。そして、たとえ看護師が配置されていたとしても、賃金が低い不安定な会計年度任用職員ということで雇い止めもある、そういう不安定な会計年度任用職員で、専門職としてふさわしい処遇になっていないというのが現実です。それが多いと言わざるを得ません。
そもそも、全国の一時保護施設に入所している子供たちの健康課題をこども家庭庁が網羅的に把握していないということが大問題だというふうに思います。子供たちがどのように健康課題を抱えているかをちゃんと把握するべきです。そして、子供たちにふさわしい専門性のある看護師が常勤で配置をされるということが必要なのではないかというふうに思います。かなり慎重に個数の管理をちゃんとチェックをしなければいけない、劇薬と言われるお薬の管理も必要になってまいります。そのためにも、やはり看護師の複数の配置が必要だというふうに思います。
まずこども家庭庁に是非実施していただきたいというふうに思っておりますのが、子供の健康状態をしっかりとこども家庭庁として把握すること、そして、看護師の配置がどうで、どういう仕事をしていて、何が大切なのかということをしっかりと調査をまず行っていただきたいと思いますけれども、大臣にお願いしたいと思います。
○三原国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、一時保護施設におきましては、子供のニーズに応じてこうした問題を軽減するための医療的なケアが提供される必要があると考えておりまして、内閣府令で定める一時保護施設の設備及び運営に関する基準において、御指摘の看護師のほかにも嘱託医、心理療法担当職員、栄養士といった専門職を配置しなければならないこととしております。
また、今後こうした専門職の配置状況や子供への支援の状況等を把握していく必要があると考えておりまして、一時保護施設に入所中の子供のニーズ等の状況も含め、調査研究等による把握に努めてまいりたいと考えております。
○本村委員 是非、早急に調査していただき、施策につなげていただきたいというふうに思います。
児童福祉法の方に、是非、看護師の役割と配置基準を明記して、常勤で配置するということを進めていただきたいと思いますけれども、その点も大臣にお願いしたいと思います。
○三原国務大臣 令和四年改正児童福祉法に基づき、一時保護施設の人員配置を含めた設備運営基準を定め、昨年四月より施行したところでございます。
看護師については、子供の健康管理や医療的なケアを実施できる体制を促すため、今回新たに一時保護施設に看護師を置かなければならないことを最低基準としてお示しし、従来よりも手厚い体制整備を求めているところでございます。
職員配置は確保のための準備期間が必要であり、本基準につきましては、現在、経過措置期間中でございますが、経過措置期間経過後は、全一時保護施設におきまして看護師が配置されるよう、看護師の配置の重要性を周知するとともに、配置した場合の財政支援を併せて行ってまいりたいと思います。
その上で、看護師の配置基準を設け、複数配置することや交代制による二十四時間体制を確保することとの御指摘につきましては、今回は看護師の配置を必置としたところでありますので、そうした中で複数配置を求めること等のリリースは様々な課題があると考えております。
引き続き、個々の子供の行動上の問題、そして虐待の影響等への専門的ケアの必要性を踏まえた専門的な医療機関等の活用や、心理療法担当職員や個別対応職員も含めた様々な専門職の配置を行うこと等で、チーム全体で子供の個別ケアが図られる体制を確保できるように、一時保護施設の体制整備を推進してまいりたいと考えております。
○本村委員 子供たちのために役割がちゃんと果たせるように、法律で業務内容も含めて位置づけていただきたいというふうに思います。
一時保護施設の看護師向けの研修プログラムも必要だと思います。専門的な教育もしていただきたいと思います。
先ほども申し上げましたように、児童相談所、一時保護施設の看護師の求人を見てみますと、非常勤、会計年度任用職員の方々が非常に多いという現状があります。それは、一時保護施設での看護師の仕事の軽視ではないかというふうに考えるわけです。
今年三月二十七日に、一時保護施設における専門職員等の配置についてという通知をこども家庭庁から出していただきましたけれども、そこに、配置基準、最低一人以上の看護師とあるだけです。常勤とも書いておりません。
昨日の要請の中でも、最低、医療現場で五年から十年は経験を積んだ看護師さんでないとなかなか対応は難しい、学校を卒業してすぐなどでは、一人ではなかなか本当に難しい、専門性の必要な仕事である。様々困難を抱えている子供さんが多い中で、高い専門性が必要です。
多くの子供たちが体調が不調である中で、東京では、一時保護施設は定員が五十人ぐらいだ、しかし十数人のところもある。十数人いても看護師は一人、そして五十人いても看護師は一人。これでは、一人一人の子供たちに行き届かないというふうに思います。そのことを現場からは訴えられているわけです。例えば、子供十人に対して看護師一人など、一時保護所の入所定員に応じて具体的な配置基準が必要だというふうに考えます。
また、子供たちは夜体調を崩すことも多い中で、夜間、一時保護施設で救急車を呼ぶということになった場合に、看護師が同行できるように、一時保護施設一施設に対して三人以上の看護師を配置することが必要だ、そして二十四時間対応できるようにするべきだというふうに思います。
これは、全国児童相談所長会も、一時保護施設の充実を図るために保健師又は看護師を三人以上配置することを提言しております。是非そうしたことを実現していただきたいというふうに思いますけれども、大臣にお願い申し上げたいと思います。
○三原国務大臣 昨年度から施行しております配置の状況をしっかりと把握させていただきたいと考えております。
○本村委員 大臣、さっきの答弁、前に答弁してくださったものが今の答弁ですね。
前後してしまったんですけれども、是非、三人以上、あるいは子供十人に対して看護師一人とか、そういったきめ細かい基準を作っていただきたいというふうに思いますけれども、お願いします。
○三原国務大臣 先ほどお答えしましたように、個々の子供の行動上の問題とか虐待の影響等、そうしたことを考えて、専門的なケアの必要性を踏まえた専門的な医療機関等の活用というもの、そしてまた、先ほど申し上げましたように、心理療法担当職員、個別対応職員も含めた様々な専門職の配置を行うことで、チームを一つつくって、チーム全体で子供の個別ケアを図る体制を私どもはつくっていきたいというふうに今考えておりますので、そうしたことも含め、一時保護施設の体制の整備というものをしっかりと推進してまいりたいというふうに考えております。
○本村委員 全国児童相談所長会も三人以上配置ということを求めているわけですから、是非そのことを進めていただきたいと思います。
一時保護の状況などについて、児童福祉施策、これに関して、政策決定のプロセスに是非現場経験を持つ看護師の方に参画していただきたい、これからやっていただけるという実態調査の項目作りも含めて、現場経験がある看護師さんがちゃんと入って施策を練るべきだというふうに思いますけれども、大臣、最後にそのことをお願い申し上げたいと思います。
○三原国務大臣 児童虐待防止対策等の検討に当たりましては、例えば、こども家庭審議会児童虐待防止対策部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会で、看護師の資格を持ち、現場に精通している有識者に参画いただき、看護分野の知見を踏まえながら施策を進めているところでございます。
今後とも、こうした有識者の御知見をいただくとともに、必要に応じて現場の専門職の意見を丁寧に伺いながら児童虐待防止対策を進めてまいりたいと考えております。
○本村委員 三月二十七日の通知には、一時保護施設の看護師の方々の業務の内容が大ざっぱに書いてあります。健康状態の把握、健康記録の管理、服薬管理、健康上、身体発達上の相談対応、医師、歯科医師との連携、医療機関への受診付添い、感染予防、緊急時における医療機関との連携調整、対応、その他医療的ケアのために必要な業務というふうにありますが、大ざっぱ過ぎるというふうに思います。
是非、専門性のある、経験のある方からよくお話を聞いていただいて、調査もしていただいて、そして施策に反映していただきたいということを強く求めまして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
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○谷委員長 次に、本日付託になりました内閣提出、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案を議題といたします。
趣旨の説明を聴取いたします。伊東国務大臣。
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地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案
〔本号末尾に掲載〕
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○伊東国務大臣 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
地方分権改革は、地域が自らの発想と創意工夫により課題解決を図るための基盤となるものであり、地方創生における極めて重要なテーマです。
本法案は、昨年十二月に閣議決定した令和六年の地方からの提案等に関する対応方針を踏まえ、地方公共団体に対する義務づけの緩和等を行うものであります。
次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。
地方が自らの発想でそれぞれの地域に合った行政を行うことができるようにするため、地方公共団体に対する義務づけの緩和等を行うこととし、関係法律の改正を行うこととしております。
このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○谷委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
次回は、来る十日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時六分散会