衆議院

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第14号 平成20年5月16日(金曜日)

会議録本文へ
平成二十年五月十六日(金曜日)

    午前十時三十分開議

 出席委員

   委員長 平沢 勝栄君

   理事 河野 太郎君 理事 高木  毅君

   理事 三ッ矢憲生君 理事 三原 朝彦君

   理事 山中あき子君 理事 近藤 昭一君

   理事 武正 公一君 理事 谷口 和史君

      愛知 和男君    伊藤信太郎君

      猪口 邦子君    宇野  治君

      小野 次郎君    木村 隆秀君

      塩崎 恭久君    篠田 陽介君

      鈴木 馨祐君    中山 泰秀君

      御法川信英君    山内 康一君

      山口 泰明君    川内 博史君

      篠原  孝君    野田 佳彦君

      鉢呂 吉雄君    松原  仁君

      上田  勇君    笠井  亮君

      照屋 寛徳君

    …………………………………

   外務大臣         高村 正彦君

   内閣官房副長官      大野 松茂君

   内閣府副大臣       中川 義雄君

   外務副大臣        小野寺五典君

   総務大臣政務官      秋葉 賢也君

   外務大臣政務官      宇野  治君

   外務大臣政務官      中山 泰秀君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房遺棄化学兵器処理担当室長)    西  正典君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 五十嵐邦雄君

   政府参考人

   (総務省自治税務局長)  河野  栄君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 水上 正史君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 松富 重夫君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 廣木 重之君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 大江  博君

   政府参考人

   (外務省大臣官房広報文化交流部長)        山本 忠通君

   政府参考人

   (外務省領事局長)    谷崎 泰明君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 谷津龍太郎君

   外務委員会専門員     清野 裕三君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十六日

 辞任         補欠選任

  田中眞紀子君     川内 博史君

同日

 辞任         補欠選任

  川内 博史君     田中眞紀子君

    ―――――――――――――

五月十五日

 東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センターを設立する協定の改正の受諾について承認を求めるの件(条約第五号)

 包括的な経済上の連携に関する日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第一三号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国際物品売買契約に関する国際連合条約の締結について承認を求めるの件(条約第四号)

 千九百四十九年のアメリカ合衆国とコスタリカ共和国との間の条約によって設置された全米熱帯まぐろ類委員会の強化のための条約(アンティグア条約)の締結について承認を求めるの件(条約第七号)

 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とオーストラリアとの間の条約の締結について承認を求めるの件(条約第一一号)

 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とパキスタン・イスラム共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件(条約第一二号)

 東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センターを設立する協定の改正の受諾について承認を求めるの件(条約第五号)

 包括的な経済上の連携に関する日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第一三号)

 国際情勢に関する件


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     ――――◇―――――

平沢委員長 これより会議を開きます。

 国際物品売買契約に関する国際連合条約の締結について承認を求めるの件、千九百四十九年のアメリカ合衆国とコスタリカ共和国との間の条約によって設置された全米熱帯まぐろ類委員会の強化のための条約(アンティグア条約)の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とオーストラリアとの間の条約の締結について承認を求めるの件及び所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とパキスタン・イスラム共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件の各件を議題といたします。

 各件に対する質疑は、去る十四日に終局いたしております。

 ただいま議題となっております各件中、まず、国際物品売買契約に関する国際連合条約の締結について承認を求めるの件及び千九百四十九年のアメリカ合衆国とコスタリカ共和国との間の条約によって設置された全米熱帯まぐろ類委員会の強化のための条約(アンティグア条約)の締結について承認を求めるの件の両件について議事を進めます。

 これより両件に対する討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 まず、国際物品売買契約に関する国際連合条約の締結について承認を求めるの件について採決いたします。

 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

平沢委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。

 次に、千九百四十九年のアメリカ合衆国とコスタリカ共和国との間の条約によって設置された全米熱帯まぐろ類委員会の強化のための条約(アンティグア条約)の締結について承認を求めるの件について採決いたします。

 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

平沢委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

平沢委員長 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とオーストラリアとの間の条約の締結について承認を求めるの件及び所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とパキスタン・イスラム共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件の両件について議事を進めます。

 これより両件に対する討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。笠井亮君。

笠井委員 私は、日本共産党を代表して、日本・オーストラリア及び日本・パキスタンの租税条約の締結承認に反対の立場から討論を行います。

 日豪租税条約において、その乱用防止、匿名組合契約に関する収益の源泉地国課税措置、天然資源の開発拠点施設の課税措置等は、当然のものです。他方、本来ならば、近年、増大する多国籍企業などの投資所得に対して、源泉地国と居住地国の双方の課税ベースが拡大するのが筋ですが、本条約においては、二〇〇三年改定の日米租税条約に準拠し、改定前の源泉地国の源泉徴収税率と比べて五%から一五%もの減税となっています。

 次に、日本とパキスタン租税条約には、みなし外国税額控除の廃止、課税内容の明確化、脱税防止措置など、賛成できる措置もありますが、他方で、パキスタンに進出している外国企業に対しては、本租税条約による配当、利子の限度税率の減免税措置のほか、日本国内の大企業優遇税制、加えて、パキスタン政府が外国資本に対して行っている優遇税制措置ということで、三重の優遇税制措置を与えるものになっています。

 両条約とも、グローバルに活動する日本の大企業に対して、居住地国が十分に課税権を行使できていない現状のもとで、このように源泉地国課税を減免することには問題があると言わざるを得ません。

 以上をもって討論とします。

平沢委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

平沢委員長 これより採決に入ります。

 まず、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とオーストラリアとの間の条約の締結について承認を求めるの件について採決いたします。

 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

平沢委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。

 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とパキスタン・イスラム共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件について採決いたします。

 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

平沢委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました各件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

     ――――◇―――――

平沢委員長 次に、国際情勢に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房審議官水上正史君、大臣官房審議官松富重夫君、大臣官房参事官廣木重之君、大臣官房参事官大江博君、大臣官房広報文化交流部長山本忠通君、領事局長谷崎泰明君、内閣府大臣官房遺棄化学兵器処理担当室長西正典君、警察庁長官官房審議官五十嵐邦雄君、総務省自治税務局長河野栄君、環境省大臣官房審議官谷津龍太郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

平沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

平沢委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。近藤昭一君。

近藤(昭)委員 民主党の近藤昭一でございます。

 幾つか国際情勢について質問をさせていただきたいと思います。

 大臣、いよいよ二十八日から横浜におきまして第四回アフリカ開発会議が開催される、まさに準備に奔走されている時期になるかと思います。関連して、幾つか質問をさせていただきたいと思います。

 既に何回かお触れになっておりますので、簡単で結構なんですけれども、このアフリカ会議開催の意義をどのように考えていらっしゃるのか、改めてお聞かせをいただきたいと思います。

小野寺副大臣 アフリカ開発会議、TICADは、日本政府が主導しまして、国連、世銀とともに共催する、アフリカ開発をテーマとする国際会議であります。

 一九九三年以来、五年に一回開催しておりまして、第四回でありますことしは、四十カ国以上のアフリカ諸国から元首、首脳クラスの出席を得る予定であります。

 五月二十八日から三十日まで開催されますTICAD4では、近年のアフリカにおける政治、経済両面での前向きな変化を後押しするため、「元気なアフリカを目指して」の基本メッセージのもと、成長の加速化、人間の安全保障の確立、環境・気候変動問題への対処を重点項目としまして、アフリカ開発のために、我が国を含む国際社会の知恵と資金を結集したいと考えております。

近藤(昭)委員 ありがとうございます。

 二〇〇〇年九月、ニューヨークで開催されました国連ミレニアムサミットにおいて、二十一世紀の国際社会の目標として国連ミレニアム宣言が採択をされた。今、今回の会議、アフリカ開発会議の意義についてお話をいただきましたが、関連してといいましょうか、そのミレニアム宣言の中で、平和と安全、開発と貧困、環境、人権とグッドガバナンス、よい統治ということで、アフリカの特別なニーズなどを課題として挙げたわけです。そして、二十一世紀の国連の役割に関する明確な方向を提示した。

 また、このミレニアム宣言と一九九〇年代に開催された主要な国際会議やサミットで採択された国際開発目標、これを統合して一つの共通の枠組みとしてまとめた、それがミレニアム開発目標、そういうように理解しております。

 そして、このミレニアム開発目標は、二〇一五年までに達成すべき八つの目標を掲げているということであります。二〇一五年までに一日一ドル未満で生活する人口の割合を一九九〇年の水準の半数に減少させる、及び二〇一五年までに飢餓に苦しむ人口の割合を一九九〇年の水準の半数に減少させることを具体的な目標として列挙している。

 この国連ミレニアム開発目標を二〇一五年までに達成するということで、既に折り返し地点に達しておるわけでありますけれども、後発開発途上国の多くがアフリカに集中している現状を考えると、とりわけ今回のアフリカ開発会議は、国連ミレニアム開発目標達成に向けて国際社会が強い意思を示す場所になると思います。

 この点、政府はどのようにお考えをお持ちなのか、改めてお聞かせをいただきたいと思います。

高村国務大臣 五月二十八日から開催する第四回アフリカ開発会議、TICAD4では、「元気なアフリカを目指して」の基本メッセージのもと、成長の加速化、人間の安全保障の確立、環境・気候変動問題への対処を重点事項としております。これら重点事項のもとで、アフリカにおけるミレニアム開発目標達成の方途について、アフリカ諸国や国際機関の代表者らと幅広く議論する予定であります。

 本年は、MDGs達成に向けた中間年に当たります。我が国としては、TICAD4においてMDGs達成に向けたアフリカ諸国及び国際社会の強い意思と英知を結集したい、こう思っております。

 成長の加速化、人間の安全保障、環境・気候変動問題への対処と申しましたけれども、開発目標の最初の、極度の貧困と飢餓の撲滅、これは成長の加速化というところで、それから初等教育の完全普及の達成、ジェンダー平等の推進と女性の地位向上、乳幼児死亡率の削減、妊産婦の健康の改善、HIV・エイズ、マラリア、その他疾病の蔓延の防止、こういったことは人間の安全保障の確立ということに関係いたしますし、環境の持続可能性の確保というのは環境・気候変動問題への対処、そして開発のためのグローバルパートナーシップの推進というのは、この三つ、成長の加速化、人間の安全保障の確立、環境・気候変動問題への対処、これらすべてに関連するものだ。

 この三つの中でMDGsが達成できるように、できないことについても近づくように、最大の努力を払っていきたい、こういうことでございます。

近藤(昭)委員 大臣、ありがとうございます。

 国連ミレニアム開発目標の達成、国連ミレニアム開発目標、それぞれ今触れていただきまして、しっかりとその実現に向けて頑張っていくという御決意をいただきました。ありがとうございます。

 ただ、大臣ももう御理解なさっているように、今少しそのことに対する懸念というか心配もお話しになったのではないかなと思うんですが、昨年国連で発表されました国連ミレニアム開発目標の中間報告がありました。ここで、貧困者数、特にアフリカ地域における貧困者数は本当に微減したにすぎない。具体的に数字を挙げさせていただきますと四五・九%から四一・一%、本当にわずかなんですね。だからこそ、そういう目標を掲げて頑張ってきた。

 ただ一方で、私が申し上げたいのは、中間報告ではまだまだ微減したにすぎない、そういう中で今回のTICAD4が開かれる、そういう意味では、この会議の重要性、そしてまたそこで日本が働かせるリーダーシップ、それは非常に重要だと思うんです。そういう意味で、私はぜひ、今回横浜宣言がされるわけでありますが、その前文の中でしっかりとこの国連ミレニアム開発目標達成への決意をやはり宣言していただきたい、決意を明示していただきたいと思うわけでありますが、いかがでありましょうか。

高村国務大臣 そういう方向で努力をしてまいりたいと思っております。

近藤(昭)委員 ありがとうございます。

 ぜひ、今申し上げたような現状の中で行われるこの会議、そして横浜で行われるわけですから、高村大臣におかれましては、その方向でしっかりと頑張っていただきたいというふうに思います。

 それで、ちょっと関連してお伺いしたいことがあります。後発開発途上国が自力でミレニアム開発目標を達成することはなかなか難しい、そういう中でこうして国際会議が行われるわけであります。そして、そういう中では、やはり先進国の政府開発援助、ODAが非常に重要な役割を果たすと思っておるわけであります。

 この点については、御承知のとおり、先進国のODA支出額の割合を二〇一五年までに国民総所得の〇・七%に引き上げる、こういう合意がある。また、主要八カ国、G8は、二〇一〇年までに特にアフリカ向け援助額を倍増させる、こういう公約を二〇〇五年に立てております。しかし、日本のODAに目を向けると、近年概して減少傾向にある、こういうわけであります。

 そこで、お尋ねをしたいと思います。

 国際公約、ODA支出の割合を二〇一五年までに国民総所得の〇・七%に引き上げるという目標、これを政府として真剣に達成するお気持ちがどのようにあるのか、お知らせいただきたいと思います。

廣木政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生から御指摘のございましたように、国際社会の間でさまざまな目標というか努力が行われているわけでございます。私どもも、対アフリカ向けのODAの倍増とか、さまざまな機会にいろいろな目標を掲げながらこれまでやってきたわけでございますが、そういった国際社会の動向あるいは国際ドナー間の協調を通じまして、我が国としてもできるだけの貢献をしていこう、このように考えておるところでございます。

近藤(昭)委員 できるだけの貢献。済みません、これはきちっと通告をしていなかったわけでありますが、現状を踏まえて今お話をされたわけでありまして、ただ、こういう会議が行われる中で、ODAに関する現状をどういうふうに大臣はお考えになるか、一言お聞かせをいただきたいと思います。

高村国務大臣 GDPの〇・七%ということは、期限は明確に定められていないわけでありますが、その点については、みんなで〇・七%を目指そうということでありますから、それを目指さなければいけないんだ、こう思っております。

 一方で、日本の財政事情とかいろいろなことがありまして、ピークから比べてODAが四〇%も減っているという逆の方向に行っていることは非常に残念なことである、こういうふうに思っております。厳しい財政事情というのは配慮しなければいけませんけれども、一方で、いろいろな国際公約もありますし、そういう中でもうこれ以上ODAを減らすことはできない、そろそろ底打ちさせ、反転させなければいけない、政府内部でもそういう合意が得られるように、一生懸命、私としては努力をしているところでございます。

近藤(昭)委員 大臣、ありがとうございます。

 確かに、振り返れば国内の経済状況は大変に厳しいわけであります。ただ、それはやはりいろいろな改革の中で、決してODAのためにという意味ではなくて、やはり貴重な税金なわけでありますから、全体的にきちっと、国内問題ももちろんのこと、こういったODAを含む国際社会への貢献という意味でもきちっと予算を使っていく、こういう意味で私は申し上げたいと思います。

 そういう中で、今大臣から御決意をいただいたように、これ以上減らせない、というよりも反転に向けて合意をしていくという決意をいただきました。ただ、国際的な合意としては、二〇一五年までに国民総所得の〇・七%に引き上げる、こういう合意であったというふうに思います。違うんですか。

廣木政府参考人 お答え申し上げます。

 今の〇・七%の目標につきましては、各国、例えば欧米諸国でありますと、EUに加盟しております中には、二〇一五年を目標にしたいということで、非常に強い意図表明をしておるところもございます。

 他方、日本につきましては、今大臣の方から申し上げました財政事情等もございますので、〇・七%という目標は目標として大切にしていきたいと思っておりますが、必ずしもいつまでにということで正式に表明した形にはなっておりませんので、よろしく御理解いただければと思います。

近藤(昭)委員 国際的合意というか、そうした話し合いの中では、二〇一五年までにやると具体的、積極的に目標を掲げた国もある。日本も、合意ではなかったのかもしれませんが、こうしてTICAD4もやる、積極的に貧困撲滅、先ほど大臣も挙げられた目標達成のためにぜひ努力をいただきたいと思います。

 そこで、関連して、少しアフリカの民主化について質問したいと思います。

 アフリカの民主化は確実に前進してきているものの、選挙をめぐる混乱や暴力的衝突が目立つ、これは事実であると思うんです。また、アフリカにおける現状の経済成長は、資源価格の高騰に見られるように、国家権力に近い一部の人を富ませ、腐敗と社会的、経済的な格差を生み、社会不安につながっている、こういう側面も残念ながら出ております。

 昨年、ルサカ及びチュニスで開催されたアフリカ開発会議地域準備会合では、民主化の促進は、平和の定着と並び、第四回アフリカ開発会議、今回の会議の重要な議題ということになっているわけであります。

 民主化促進の重要性はODA大綱にも書かれているほか、外交青書二〇〇八にも民主主義外交の強化ということでうたわれている。アフリカ連合制定法にも民主主義原則が掲げられている。しかし、今回の会議に向けて、閣僚級準備会議の準備過程で、民主化の促進は議題から取り除かれたと聞いております。

 民主化促進をTICAD4の議題に戻し、日本政府として民主化促進への断固たる決意を示す必要があると思いますが、いかがでありましょうか。

高村国務大臣 我が国は、アフリカにおける民主主義、グッドガバナンス、よい統治は社会経済の持続可能な発展のため大変重要である、こう認識をしているところでございます。

 TICAD4における四つの協力分野の一つは、平和の定着とグッドガバナンスであります。グッドガバナンスは民主化を含む広範な概念であるというのは、これは国際的に定着されていることだと思います。

 TICAD4において民主化支援についても当然に議論される予定でございます。TICAD4の議題として平和の定着とグッドガバナンスにしたことは、共催者やアフリカ諸国と調整した結果、そういうことになったわけであります。

 いずれにせよ、民主化の推進はTICAD4の主要議題の一つ、グッドガバナンスということの中で、主要議題の一つとして民主化が取り扱われるわけで、議題から取り除かれたということではありません。

近藤(昭)委員 ありがとうございます。

 取り除かれたわけではなくて、グッドガバナンスの中で一つのテーマとして議論していただく、こういうふうに理解をしました。ぜひしっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 それで、とにかく民主化促進についてしっかりした議論をいただきたい。横浜宣言がありますし、行動計画を決定していくというわけであります。今決意をいただいたわけでありますが、改めてそこに民主化の重要性を反映させて、アフリカの市民に希望を与える形にしていただきたいと思うんです。

 関連しまして、アフリカ、特にサハラ以南のアフリカ地域においては、残念ながら政府機能が十分でない国が多くあります。よって、政策形成におけるNGO、市民社会の役割は非常に重要であると私は思っているんです。また、富の再配分を担保する仕組みが十分に備わっていない。貧困削減を達成する上でも、市民社会の役割は重要であります。

 日本がODA政策を含む対アフリカ政策を考える上で、ぜひ、アフリカ市民社会のオーナーシップの尊重を常に念頭に入れる形で取り組んでいただきたい、また、さまざまな知識と経験をあわせている、アフリカの、そして国際的なNGOの人たちの意見にも十分に耳を傾けていただきたい、こういうふうに思うわけでありますが、大臣、いかがでありましょうか。

高村国務大臣 委員がおっしゃったような方向でしたいと思っております。TICADプロセスの一つの特徴は、単に日本対アフリカ諸国ということではなくて、国際機関だとかあるいは市民社会だとか、非常に開かれた会議でありますので、そういう中にNGOの方たちもどんどん入ってきてもらって、まさに開かれた議論ができる会議にしたい、こういうふうに思っているところでございます。

近藤(昭)委員 ありがとうございます。

 国際NGO、特に、アフリカの貧困の問題あるいは民主化の問題、さまざまな問題に取り組んでいるNGOがありますので、今力強いお言葉をいただきましたが、開かれた会議としてぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。ありがとうございます。

 それでは、TICAD4についてはこれぐらいにしますけれども、少し確認をしたいことがあります。イエメンにおける日本人観光客誘拐事件についてであります。

 中東イエメンのマーリブで、五月七日に日本人の女性観光客二人が誘拐された。仲間五人でマーリブ周辺の遺跡を観光していたということでありますが、幸いにして翌日二人とも無事に解放された。報道によれば、車で移動中、数人の武装集団が襲撃、イエメン人運転手を追い出して二人を連れ去り、検問所で治安部隊と銃撃戦になり、警察官一人が負傷したと。

 イエメンでは一九九四年から内戦が行われており、二〇〇〇年には米駆逐艦爆破事件、二〇〇二年には仏船籍タンカー爆弾テロ事件、つい昨年も、今回の事件があったマーリブで自動車爆弾テロ事件があった。自爆テロや誘拐も多く、非常に危険な地域であると思われる。ですから、外務省は渡航延期勧告を出していたということであります。

 にもかかわらず、ツアーをとり行った旅行会社は、事件後、外務省によるイエメンへの渡航延期勧告を参加者には伝えていなかった、こういう報道があるわけでありますが、これは、渡航延期勧告について外務省は旅行会社に十分説明をしてきたのか、それとも、それはしてきたけれども会社がきちっと受けとめてこなかったのか、いかがでありましょうか。

谷崎政府参考人 お答えいたします。

 まず、一般論でございますけれども、外務省は、渡航延期の勧告等の危険情報のうち、特に注意を要する情報でございますけれども、国土交通省に対しまして、旅行業者への注意喚起を依頼しております。また、主要旅行業者並びに旅行関連団体が参加する会議がございます。この官民協議の場を通じまして、必要な情報を流しまして注意喚起を行うというのは一般的な形で行っております。

 今般の事件を受けた後でございますけれども、外務省のとった措置でございます。

 まず第一でございますけれども、今回の旅行を企画した会社の責任者を外務省に招致いたしまして、大変遺憾であるということを申し入れました。また、このような形での渡航情報が出ている地域につきましては厳に旅行を自粛するということを強く要請いたしました。

 また、私の方からでございますけれども、日本旅行業協会並びに全国旅行業協会の方を招致いたしまして、同様の申し入れをし、再発が起こらないようにということを強く申し入れたところでございます。

近藤(昭)委員 今までにも残念な事件が起きている。そういう中で、もちろん外務省も、そういったことが起こらないように、さまざまな仕組みをつくってこられた。そういう中で、渡航延期勧告等、それぞれの地域の危険性といいましょうか、状況等を、随分と情報を提供されるようになったというふうに思います。情報を受ける、そして勧告もある。ただ、そういった勧告については法的拘束力がない部分がある。しかし、そういう中でも、今外務省からいろいろと、こういう措置をしてきたという御報告もいただきました。ただ、残念ながら、今回こういうことが起きてしまったということであります。

 法的拘束力がない中で、また、それぞれの方の意思もあるというところであると思います。しかしながら、やはり日本人の安全を守るために、ぜひ外務省におかれましてはさまざまな方法で努力をいただきたいと思うんですが、大臣、いかがでありましょうか。

高村国務大臣 海外における邦人の保護は政府の重要な任務の一つであります。このため、外務省としては、渡航情報の発出や旅行業者への申し入れを含めた各種啓発活動を通じて、邦人がテロ、誘拐などの事件に巻き込まれないように必要な注意喚起を行ってきているところでありますし、不幸にして邦人がテロ、誘拐などに巻き込まれたときは、被害者の安全を最優先にしつつ、事件の迅速な解決に向けて関係当局とも緊密に連絡、連携しながら、可能な限りの対応をすることとしております。

 今度の件については、観光業者は渡航延期勧告を知っていたにもかかわらず、お客さんにそれを伝えなかったということで、甚だ遺憾である、こういうふうに思っております。

近藤(昭)委員 大臣から強い遺憾の念が示されて、それぞれ情報は提供されているわけでありますけれども、私は、最後は本人の判断になるのかもしれません、しかし、きちっと旅行会社は情報を提供する必要がある、そこはきちっと旅行会社も反省をして、反省というか、これからは改善をしてもらわないといけないというふうに思うわけであります。

 それでは、もうそろそろ質問の時間も終了になりますので、もう一点、重要な会議、TICAD4そして洞爺湖サミット、地球温暖化に向けてということであります。

 そんな中、昨日十五日の日経新聞、一面トップでありましたが、「温暖化対策に低利円借款 政府方針 五年で五千億円上限」との見出しで、「政府はアフリカやアジアなどの途上国が進める地球温暖化対策を支援するため、金利が通常の半分程度の新しい円借款制度を創設する方針だ。」こういうふうに報じられているのを見ました。

 これはアフリカもかかわっているわけでありますが、温暖化対策に積極的に取り組む途上国に低金利で円借款を行うということは、七月の洞爺湖サミットの議長国としても、日本が世界各国の温暖化防止対策に積極的に取り組んでいるんだ、こういう姿勢をアピールするもので、評価をしたいと思うんです。

 これは報道で読んだわけでありますが、具体的などのような制度になるのか、少し御説明をいただきたいと思います。

廣木政府参考人 お答え申し上げます。

 我が国は、温室効果ガス排出削減と経済成長を両立させ、気候の安定化に貢献しようとする途上国を支援するため、百億ドルの規模の新たな資金メカニズムであるクールアース・パートナーシップを本年一月に発表しました。その一環として、我が国政府は気候変動対策円借款を創設し、今後五年間、温室効果ガスの排出抑制と経済成長の両立について政策協議を経た途上国に対して、現行よりも低い金利で、気候変動緩和効果に資する案件を中心に五千億円程度の円借款を供与していくということにしてございます。

 この円借款の金利等の具体的な条件につきましては、通常の円借款の条件よりもさらに有利なものとするべく、現在、政府部内で検討中でございます。まだ結論には至っておりませんけれども、いずれにせよ、気候変動対策円借款が十分活用されるように、途上国にとって魅力的な条件となるよう鋭意検討してまいりたいと考えております。

近藤(昭)委員 さらにより有利なものとするために政府部内で御検討いただいている。ぜひ、日本が積極的にこの地球温暖化対策問題についてリードをしていく、積極的な態度といいましょうか、こうした具体的な一つ一つのことで取り組んでいただきたいと思うんです。

 そこで、もう質問時間が終わりますので、最後になりますけれども、ちょっと質問通告はしていないんですが、関連ということで。

 中国政府が、日本の人的支援を受け入れる、こういう宣言というか、受け入れる。早速日本から救出チームが出発をした。もう少し早くという思いもありますが、しかし一方で、そういうことを実現した。私は、本当に日本のチームが頑張ってもらいたいと思っております。そして、中国政府が受け入れたということは、少し、少しというか遅いわけでありますが、よかったというふうに思っています。

 先般、胡錦濤主席が訪日をされて、さまざまな課題もありますけれども、そうした両国の理解というものが進んでいくということが大事だと思っています。そしてまた、この地球温暖化問題でも、やはり中国との関係、この委員会あるいは環境委員会でもずっと、中国あるいはアメリカがどういうふうに加わっていくかということが論議されてまいりました。

 どうでありましょう。最後に、中国、この地震の問題というのは残念なことで、残念というか非常に厳しい状況の中でというわけでありますが、大臣、今後の、そうしたサミットを含めて、中国あるいはアメリカ、こういうところとどういうふうに協調してやっていくのか、御決意をいただきたいと思います。

高村国務大臣 アメリカと中国というお話がありましたが、アメリカも中国も、現時点での最も大きなCO2排出国であり、これからも最も大きなCO2排出国、こういうことでありますから、やはり新しい枠組みの中に積極的に入ってきてもらわなければいけないわけです。

 そして、日中首脳会談の中では、二〇一三年以降の新しい枠組みづくりに積極的に関与していく、そういった趣旨のことが盛り込まれたわけでありますし、アメリカもさらに積極的に、二〇一三年以降の枠組みに、アメリカ自身、十分かどうかは別にして、積極的に関与すべき姿勢は示しているんですね。アメリカが言っている内容が現時点で十分かどうかは別にして、枠組みづくりに積極的に関与していく姿勢は示しているので、これから十分話し合っていきたい、こう思っております。

近藤(昭)委員 どうもありがとうございました。御決意を聞かせていただいて、先ほどの温暖化の問題もそうでありますけれども、一つ一つ具体的な行動の中で、一歩一歩というか、しっかりと進んでいっていただきたいと思います。

 質問を終わります。ありがとうございました。

平沢委員長 次に、武正公一君。

武正委員 民主党の武正でございます。

 きょうは一般質疑の機会をいただきました。

 質問通告に入る前に、水曜日もお聞きをした人的な派遣、今、近藤委員からも触れてありますが、中国が人的派遣を受け入れたということで、私も高くそれを評価するわけで、現地で御努力を、救出に最大限当たっていただくのと、それをしっかりとまた政府もサポートいただきたいと思いますが、現時点で、国際緊急援助隊はどのような形で派遣をし、今後そういう形で派遣をしていくのか、御紹介をいただければと思いますが、いかがでしょうか。

高村国務大臣 昨日、三十一名、国際緊急援助隊の人が出発をいたしまして、きょうの未明に四川省に着いた、こういうふうに承知をしております。現地に既に着いたのかな、こういうふうに思っております。正確にちょっとわかりません。

 そして、きょう、さらに三十人出発をいたします。昨日立ったのはまさに救命救助という方でありましたが、きょうは医師を含めた三十人が出発をいたします。

 当面、この六十一名で当たるということでありますが、中国政府のこれからの考え方にもよりますけれども、将来的にさらにふやすということは、それはあり得べきことだ、こういうふうに思っております。

武正委員 たしかミャンマーの方も、木村副大臣でしょうか、現地にという報道も聞いておりまして、ぜひ両国の災害支援への積極的な御対応をお願いしたいというふうに思います。既にこの委員会でも、阪神大震災を初め、日本の知見をもっともっとこれから復旧復興に当たって当然生かしていけるし、生かさなければいけないだろう、そういう提起もありましたので、当然今はまず現場での人命救助、これが最大の目的になりますが、その後のことも当然視野に政府はお取り組みをいただきたいというふうに思います。

 そうすると、対中ODAでしょうか、無償資金協力は、たしか今年度で、無償については環境分野を除いてことしでたしか打ちどめというふうに理解をしておりますけれども、こうしたODAでやるのかどうかも含めて、ある面、対中、復旧復興への取り組みというものも、資金的なものも含めて別途考えていってほしいというふうに思いますが、その点はいかがでしょうか、今後のお取り組みということで。

高村国務大臣 これだけの大災害でありますから、お手伝いすべきものがあればお手伝いをしたい。ただ、中国政府の考え方もありますから、これからどういう形でどういうものをどういう限度でお手伝いするかということは、これからの検討事項ということでございます。

武正委員 ぜひ、そうした御検討もあわせてお取り組みをいただきたいというふうに思っております。

 また、民主党も既にミャンマー・サイクロンおよび中国・四川大地震災害対策本部を岡田克也本部長のもと立ち上げておりまして、議員ももちろんそれぞれ拠出をして寄附をということも決めておりますし、きょうの午後、街頭募金活動も行うということで、民主党もミャンマー・サイクロン及び中国・四川大地震災害への取り組みを積極的に行っていきたいということもお伝えをさせていただきます。

 そこで、本題に入らせていただきます。

 きょうは、官房副長官も、それから秋葉総務大臣政務官も、またその後の質問では中川副大臣もお見えいただきまして、ありがとうございます。

 これは、二年前のやはり五月の当委員会で、当時は麻生外務大臣、また総務省は山崎副大臣だったでしょうか、質疑をさせていただきましたが、お手元の資料をごらんいただきたいと思います。

 ちょうど今、東シナ海の資源開発問題が協議中ということで、詳細は今協議中ゆえに話せない、こういう外務省のお答えでありますが、二枚目をごらんいただきますと、ちょうど二年前、当委員会が、当時原田委員長のもと、尖閣諸島を海上自衛隊機で視察をいたしました。また、ガス田も同じく視察をいたしまして、また同じく、石垣市長からはお手元の方の要請がございました。

 三枚目をごらんいただきますと、尖閣諸島の我が国固有の領土としての、やはり日本政府としての対応をはっきりと求めたいということで、そういう要請がありまして、このとき口頭で、四ページ目にありますように固定資産の実地調査、地方税法四百八条「市町村長は、固定資産評価員又は固定資産評価補助員に当該市町村所在の固定資産の状況を毎年少くとも一回実地に調査させなければならない。」、この法律に基づいてぜひ石垣市の職員が現地に赴いて調査をしたい、こういう要請を受けました。

 そのことを二年前の当外務委員会で取り上げまして、当時、総務副大臣からは、当然それは法的な根拠があります、また麻生外務大臣からは、政府内の調整というか検討が必要になろうというふうに存じます、こういう回答を得ているわけであります。

 まず、この二年間、そうした政府内の検討というものをしてきたのかどうか。あわせて、この四百八条、四百十条に基づいて、たしかまた三年に一回の評価がえが今年度必要というふうにも聞いておりますが、まず総務省には、この二年間、そうした検討に総務省としてかかわってこられたか。また、これは後で官房副長官に聞きますが、改めてこの法的根拠に基づいての、石垣市あるいは市議会からも要請文も出ているようでありますが、まず総務省からお答えをいただきたいと思います。

秋葉大臣政務官 武正委員から御質問を賜りました件についてでございますけれども、総務省といたしましては、所管をいたしておりますのは地方税法上の関係でございますので、検討の主体は外務省等の方から詳しく御答弁があるんだろうというふうに思っておりますが、二年前にも山崎副大臣からも回答させていただきましたとおり、地方税法との関係で申し上げますと、同法におきましては、固定資産税の課税に関しまして、固定資産の現況を実地調査するという旨が規定されているところでございまして、固定資産税の課税に当たりましては、地方税法に基づきまして、実地調査を行うということは同法にのっとった行為であるというふうに総務省としては考えているところでございます。

武正委員 当時、麻生外務大臣は政府内で検討をということですが、総務省さんはその検討にあずかったということでよろしいですか、この二年間。いかがですか。

秋葉大臣政務官 総務省としては、あくまでも地方税法上の実地調査が可能かどうかということの所管でございますので、広く現地調査ということになりますと、税法上とはまた別の観点がございますので、総務省として単独で検討したということはございません。

武正委員 他省庁とはいかがですか、政府内で検討をということだったんですが。

秋葉大臣政務官 総務省といたしましては、他省庁と特にこの件に関しての協議という事態にまではまだ至っていないところでございます。

武正委員 外務省に伺いますが、麻生外務大臣は「固定資産税の査察に、指定に入る、ちょっと待てという話になろうと思いますので、これはよく政府の中同士の調整というか検討が必要というようになろうと存じます。」ということでありますが、外務省さんとしては、この二年間、そうした政府部内の調整を行ったのか、あるいはそれにかかわったのか、御所見を伺いたいと思います。

高村国務大臣 尖閣諸島はもともと私有地であります。平成九年四月、島の所有者から、国の機関を除き上陸等を認めない、また、第三者による権利侵害行為に対し厳重な対処を求める旨の要請が行われているところでございます。

 また、平成十四年四月には、政府が尖閣諸島の平穏かつ安定的な維持を図ることを目的として、尖閣諸島三島について当該所有者から賃借を開始いたしましたが、この所有者の意向を踏まえ、かつ、賃借の目的に照らして、原則として何人も尖閣諸島への上陸を認めないとの方針をとってきているところでございます。

 したがって、固定資産課税のための実地調査についても、このような考えを踏まえ、関係省庁と連携して対応を検討することとなります。

 現時点で、固定資産税課税のための実地調査に伴う尖閣諸島への上陸について、具体的な要望は出されていないと承知をしております。仮に、そのような要望が出された場合は、改めて関係省庁とも連携して対応を検討することになると考えているところでございます。

武正委員 内閣官房さん、官房副長官、お見えでございますが、この件については内閣官房が中心となって対応されているというふうに伺いまして、また、今要望書が出ていないというお話でしたが、市議会からは、江口内閣事務官あてに、平成十八年六月二日に「尖閣諸島上陸許可の再要請について」ということで、市長とそれから市議会、「石垣市の行政区域であり、上陸して視察する責任がある」ということで、「市長と石垣市議会議員が一体となって尖閣諸島に上陸し、現状の視察を行うことを決議する。」ということで、決議文を添えて、上陸許可の再要請を文書として出されておりますが、これへの対応。

 あとは、先ほど外務大臣は、固定資産税の課税については政府部内で検討する必要があるということは申されましたが、ただ、総務省はこの二年間検討にあずかっていないということも先ほど答弁がありましたので、それを取りまとめる内閣官房として、先ほどの要請、そしてまた、この二年間どんなことをしてきたのか。やってこられているのかやってこられていないのか、あるいはこれからどんなことをされる予定なのか、あわせてお答えをいただきたいと思います。

大野内閣官房副長官 今までの経緯については武正委員御案内のとおりでございますが、尖閣諸島に対しましては、平成十四年に、尖閣諸島の平穏かつ安定的な維持管理を図るということを目的といたしまして、当該所有者から賃借を開始いたしております。そして、この所有者の意向を踏まえまして、かつ、賃借の目的に照らしまして、原則として何人も尖閣諸島に上陸を認めないという方針をとってきているところでございます。

 上陸を認めるかどうかにつきましては、今申し上げましたように、土地所有者の意向であるとかあるいは政府の賃借目的などを十分に踏まえて検討する必要があると考えておりまして、このような考えのもとに対応を検討するということになると思います。

 以上です。

武正委員 特に、地方税法にのっとってはこのような法律の規定もあり、また三年に一回のちょうど評価がえの年でもあります。まだ総務省が検討にあずかっていないという先ほどのお答えでしたので、私は、やはりぜひ政府部内の、関係省庁の検討を進めていただくようお願いをしたいと思いますが、官房副長官、いかがでしょうか。

大野内閣官房副長官 固定資産税のための現地調査を行うということ、それは、今総務省の見解にもございますように、そのことについては理解をしているところでございますが、ただいま申し上げましたように、賃借目的など、先ほど答弁いたしましたような経緯を踏まえまして、今、十分この必要性を含めて政府全体の方針としているところでございますので、そのようなことで御理解いただきたいと思います。

武正委員 内閣の方に出されている、尖閣諸島への日本政府職員の上陸に関する質問主意書の中では、平成十八年十月二十七日と十一月八日に日本政府職員が上陸したことがあると。これは平成十九年の三月の答弁でありますが、これは事実でしょうか。また、それから一年たっておるんですが、最近は、この一年間は日本政府職員が上陸していることはあるかどうか、あわせてお答えいただきたいと思います。

大野内閣官房副長官 海上保安庁が灯台の管理をいたしておりますので、その保守点検のために上陸をした事実がございます。

武正委員 この一年はそうした事実はございますか。

大野内閣官房副長官 この一年の間におきましても、ただいまのような趣旨をもちまして上陸をした事実がございます。

武正委員 その日時を教えていただけますか。

大野内閣官房副長官 その日時については、私どもは承知をいたしておりません。

武正委員 後ろの方からちょっと聞こえたので、いつかぐらい、日までわからなくても何月ぐらいでも。

大野内閣官房副長官 恐れ入ります。ことしの四月に上陸をして点検をしたという事実がございます。

武正委員 政府も、日本固有の領土と外務省もちゃんとホームページでうたっている領土でありますし、私も、民主党の沖縄ビジョンというものを二〇〇二年、二〇〇五年、そしてまたことしも夏に再改定をしようということで、この日、月も沖縄あるいは宮古島に行ってまいりました。

 特に石垣市長の要請文を見ていただくとわかりますが、外務委員会で二年前に行ったときも、またその年の夏は利尻、礼文ですか、あちらでまた自衛隊基地にも、レーダーサイトにも行ってまいりました。我々、当時外務委員会で、それぞれ一番国境を接している自治体、この抱える悩み、課題に対して、もっともっと政府に対する、もちろん予算も含めた強いそうした措置を求められました。特に、国境を接しているゆえに、我が国の領土、領海を守ると我々も国会では言っておりますが、やはりその現場で一番御苦労されているのはそれぞれの自治体であるということでありまして、ここの要請文にもそのようなことが石垣市長からもうたわれているわけであります。

 今は、国の職員は、また海上保安庁職員は灯台を守るために上陸をしているわけでありますから、私は、地方自治体の職員も地方税法にのっとって上陸して何らおかしくないというふうに思うわけでありまして、その点はやはり政府として毅然たる対応を望みたいというふうに思いますので、重ねて官房副長官、政府職員も上陸していることも踏まえて、また、特にそうした国境を接している自治体への配慮ということも含んで、お答えをいただきたいと思います。

大野内閣官房副長官 上陸についての政府の方針が示されているわけなんですが、このことを踏まえながら、改めて対応を検討するということになると思います。

武正委員 ぜひ総務省を交えて御検討いただくようお願いを申し上げて、一問目の質問を終わらせていただきますので、官房副長官と総務大臣政務官、お引き取りをいただければと思います。ありがとうございました。

 それでは、続いて、遺棄化学兵器処理事業に係る委託費執行状況と同事業対中要請事業経費執行額の関係についてということで伺わせていただきます。

 四月の二十三日、PCI、パシフィックコンサルタンツインターナショナルの元社長が逮捕されました。遺棄化学兵器処理事業に係る不正経理事件、特別背任容疑、詐欺ということで、一億四千万円詐欺をしたのではないか、こういった容疑でありますが、この担当は内閣府でございますので、副大臣から事の経過、お答えいただくところ、お願いしたいと思います。

中川副大臣 ただいま委員から御指摘のとおりのようないろいろな経過がございましたが、その概略について答弁をさせていただきたいと思います。

 まず、対中要請事業というのがございまして、日本側が中国における直接実施がなかなか困難な事業、また非効率な事業については、中国側の協力を得ながらやっているという事業でございます。

 対中要請事業は平成十二年度から始まりましたが、その送金事業を、平成十二年度から平成十五年度までは財団法人日本国際問題研究所に、さらに、十六年度から十九年度は株式会社遺棄化学兵器処理機構に委託して送金しておりました。よって、対中要請事業執行額は、平成十二年度から平成十五年度までと、平成十六年度から平成十九年度まで、委託する先はちょっと変わりましたが、委託の内数となっております。この対中要請事業経費総額は、平成十八年度までに百七十七億円になっております。

 そしてさらに、PCIの前社長が逮捕された、そのほか三名の方も逮捕されたということでありますが、その中身につきましては、今捜査当局が捜査している最中でありまして、私の方から云々はできませんが、いずれにしても、その結果をよく見ながら、この事業を国民から疑惑を持たれないような形で適正に執行していく、そういうふうに考えております。

武正委員 今、私が質問したいことを全部先にお答えいただいて、ありがとうございます。

 今副大臣からお答えいただいたのは、この五ページ、新旧体制の比較ということで、従来の体制ということで、平成十六年度から遺棄化学兵器処理担当室から株式会社遺棄化学兵器処理機構を通じてPMCへの再委託あるいは調達ということが行われていたんですが、今年度から遺棄化学兵器処理機構を省いて直接契約をというふうに変わったということでありますが、ただ、その中でやはり気になるのが、この左側の、従来の体制での中国への送金業務ということでありまして、それが今言われた、六ページの、これまでの合計額百七十七億円でございます。

 平成十二年度と平成十六年度の遺棄化学兵器処理事業に係る委託費執行状況の表は七ページ、八ページにございまして、その内数ということでありますが、どこにそれが入っているのか、この七ページ、八ページを見てもわからないわけなんですね。ですから、これはわかるようにしていただかないと、我々もやはり国会として税金の使い方をしっかりとチェックができないということかと思います。

 どこにこれが含まれているのかということをお聞きしたいわけでありますが、特に送金事業について、人件費など、中国のそうしたお金に充てているというふうに報じられておりますが、ノウハウのない内閣府としては、処理機構に依存せざるを得ず、処理機構の要求によって予算をつけるほかない、また、人件費については、中国側が見積書をつくり日本に請求、なぜこんなに多大な費用がかかるのかと説明を求めると、これは中国の人民解放軍などもかかわっていますので、作業の許可がおりなくなることもあったという内閣官房のコメントなども報じられております。

 やはり、五ページにありますこの中国への送金業務、左側ですね、これは今も残っているわけでして、中国への送金を今度は、機構がなくなりましたので、これから受託する会社あるいはコンサルを通じて中国に払う、こういうちょっと変なやり方だなというのと、それについてどういう積算根拠で払っているんですかということも、これは内閣委員会で尋ねますと、中国側のそうした積算根拠とか見積もりは、中国側の許可を得られないので提出できません、こういうことになっているわけであります。

 この中国の遺棄化学兵器処理事業は、当委員会でも同僚委員も指摘しているように、下手をすると一兆円ぐらいかかるんじゃないかとか言われている代物で、今回、そうした中でPCIの元社長が逮捕されたということは、今捜査中かもしれませんが、私は、やはり国会としてきちっとその仕組み、中身あるいは支出のやり方、会計検査院にも聞きましたけれども、支出をしている当事者、内閣府なりあるいは機構なりはチェックできても、機構が委託をしているところ、さらに今回問題の再委託というところまでは会計検査院も手が及ばないというようなこともありまして、改めて中国遺棄化学兵器処理事業については特段の精査が必要だというふうに思っております。

 副大臣、改めて、どこに内数が含まれているのか、お答えをいただきたいというふうに思います。副大臣、お願いします。

西政府参考人 先生、申しわけございません、技術的なことで私の方から御答弁させていただきます。

 先生の資料六ページの方に一表ございます、これが対中要請経費の執行の一覧でございます。実は、七ページ、八ページ、それぞれ作成の意図を異にしてつくっております。でき合いの資料で先生に御説明申し上げたために甚だ見にくいものになってしまいましたこと、申しわけございません。

 平成十二年の資料に関して申し上げますと、六ページ、七ページという形でちょっとお比べいただければよろしいんですが……(武正委員「簡単に」と呼ぶ)はい、済みません。七億二千九百万というお金目が、これが対中送金、対中執行の経費でございます。これが入ってまいりますところが、今ちょっと私にわかにチェックしましたんですが、一、二、三、それから十、いずれも財団法人日本国際問題研究所に委託した事業がございますが、この中に内数として入っておりますので、これは後ほど展開して御報告させていただければと思います。

 十六年度についても同様でございます。

 それから、二十年度からは、この対中要請事業の経費の送金は、これは私ども担当室の方から直接させていただくふうになりますので、今後とも、きちんとしたものをやっていきたいと思っております。

 申しわけございません。

武正委員 外務省、外務大臣、ちょっとお聞きになっていてどのようにお考えになられるか。

 この対中の遺棄化学兵器の処理事業、そのノウハウがない内閣府がやられていることが、やはりいろいろと今回の事案を生んだ背景にあるという指摘もあります。なぜ外務省なり、あるいはそれこそODA事業でできなかったのかということの検証もあろうかと思いますし、今、今度は直接出しますよという話でしたが、指摘されているように、中国側が人件費なんかの見積もりを出してきて、それに応じて払っているということでありまして、本当にそれが正しい額なのかということも、外務省なりがやっているODA、あるいはコンサルを通じてのノウハウとか、あるいはそこに対する会計検査院のチェックとか、やはりそういった仕組みになじまない今のやり方が行われていることについて、今のやりとりを聞いて、御所見、御感想を伺いたいと思います。

高村国務大臣 いずれにいたしましても、委員がおっしゃるように、化学兵器禁止条約や関係法令に従ってこの経費についても適正な執行がなされるべきものと考えております。

武正委員 以上で終わります。ありがとうございました。

平沢委員長 次に、篠原孝君。

篠原委員 民主党の篠原です。おはようございます。

 私、国会議員になりまして四年ちょっとで、いろいろな委員会に所属しましたけれども、今シーズンの外務委員会ほどきちんと議論している委員会はなかったんじゃないかという気がしております。これはひとえに、まじめな委員長と超まじめな与野党筆頭理事と質のいい委員とそれから立派な外務大臣、副大臣のなせるわざではないかと思います。

 国民のために、日本の外交をきちんとしていくためにいろいろ議論しなくてはならないんですが、我々委員の教養を高めたりしていくための議論もあってもいいんじゃないかと思いまして、まことに僣越でございますけれども、三日前の、提出しました資料の続きをちょっとさせていただきたいと思います。

 四ページ目に産業と持続的開発というのがございます。先ほど近藤さんがTICADの話をされましたけれども、その後の方に控えているのが洞爺湖サミットでございます。これはマグロの延長線上でぜひ見ていただきたいんですが、地球環境のことを考えた場合、地球環境に優しい生き方、産業構造に変えていかなくちゃいけないんじゃないかと思います。そういう点では、水曜日に申し上げましたけれども、漁業がいろいろなことを示唆しているんじゃないかと思っております。原始的なようですけれども、捕獲漁業の沖合漁業あるいは遠洋漁業、自然が生み出してくれるものを、その上前をいただいている、これが一番地球環境にはいい産業じゃないかと思う。一番おくれているようでいて、実は一番リーズナブル。

 漁業界にはマキシマム・サステーナブル・イールド、最大持続生産量というのがある。今の今さえよければいいというんじゃなくて、後世代のこと、来年のこと、再来年のことを考えてやるんだ、だから親の魚を残しておかなくちゃいけないというのがあるわけです。これは環境問題を解くかぎだと思っております。そして、サステーナブルという言葉がここでずっと昔から使われてきて、今すべてにおいてサステーナビリティーというのが言われるようになってきたんですね。そういう点では、このことをぜひ考えていただきたいと思う。

 水曜日の議論では、マグロ漁業をバックアップするためにいろいろしなければいけないと、うちの野田さんなんかは体型もちゃんとマグロ的な感じで、選挙区を回ってマグロ漁業が大事だ大事だというようなことをおっしゃっていました。しかし、私は、あれは非常に罪深い食べ物じゃないか、シンフルフードじゃないかと思っています。これを外国人に言ったら、おまえはマグロの刺身を食べるときにいつもそう思って食べているのかと。いや、日本人ではおれ一人だけだと言って、みんな笑っていましたけれども。そういうことを考えていかなくちゃいけないんだろうと思います。

 そうしたら、きょう農業新聞の記事を見ていましたら一つおもしろいのがあって、ナショナルジオグラフィックという黄色の表紙の、アメリカの格調高い雑誌があります。そこが、世界各国の食生活について、環境にどの程度優しいかという調査をして、十四カ国を調べたら、めでたく日本は一番びりだった。それは、外食とか加工食品とか、そういうものに物すごく出しているというのが一つ。次が大事なんです。非常に遠くから運ばれたものを食べているというんですね。これはマグロが典型的で、世界じゅうどこでとれても日本に運ばれてきて日本の食卓に上るということ。こういうのは非常によくないものなんだろうと思います。

 それで、この表を見ていただきたいんです。循環度合などを見ていただくとおわかりいただけるんですが、二重丸、バツバツバツ、石油化学工業なんというものはだめなわけですけれども、有機農業的な、漁業でいったら、先ほど言いましたような沿岸漁業、それから無給餌養殖漁業、ノリ、カキ、ホタテなんというのですね、アフリカ諸国にこういったやり方を教える。ちょっと種をまいて、後、豊穣な海に人間が食べられるものを返してもらう、こういったやり方が私はいいんではないかと思っております。

 環境サミットというと、すぐCO2の排出を抑えるとか、何か抑える方ばかりのがありますけれども、ポジティブな方で、生き方を変えてやっていく。水曜日の大臣の答弁の中に、きちんとした解決のキーワードみたいなものがあったわけですけれども、魚をくれるよりは釣り方を教える方がいい、そういった精神が必要なので、ぜひ洞爺湖サミットのときもそういう観点からやっていただきたいと思います。

 サミットについての準備、一体どういう体制でやっておるんでしょうか。いろいろ書かれたりしておりますけれども、久しぶりに日本で開かれて、そして環境サミットになる、昨年に続いてですけれども。環境省との連携できちんとやっておられると思いますけれども、どのような体制で臨んでおられるでしょうか。

小野寺副大臣 今御指摘ありました北海道洞爺湖サミットは、本年我が国で開催する極めて重要な外交事案でございます。我が国の環境外交をアピールする大切な機会と認識をしております。

 このサミットでは地球環境問題が主要な議題の一つとなっておりますので、この分野の国際的な議論を主導しつつ、具体的な成果を上げるべく、政府として尽力しているところです。また、サミットの運営においても可能な限り環境配慮を行うとともに、環境立国日本として我が国が世界に誇る省エネや環境技術を大いにアピールする考えであります。

 こうした環境分野の取り組みにおいては、環境省を初めとする関係省庁と綿密に協議をしながら、政府一丸となって取り組んでいきたい、そう思っております。

篠原委員 日本は議長国としていろいろな正しい姿勢を示さなければいけないんですが、先進国に対してはきちんとやっているという姿勢を示せばいいんだろうと思います。例えば、道路特定財源についてどういう処理をするかなんというのは世界の環境関係者は注目しているんじゃないかと思うんです。私はここでは余りいろいろ申し上げませんけれども、こんなのは森林環境税に移していく、CO2を出している車、石油、そこから吸収している森林、そちらの方にお金を出したりして、地方の活性化にも役立てるというのがいいんだろうと思います。

 それは、先進国向けにはそれでいいと思いますけれども、発展途上国向けには先進国として日本は何かしてやらなければいけないんじゃないかと思います。そういう点では、なかなかちゃんと準備されているんじゃないかと思います。先ほど近藤さんも触れられましたけれども、温暖化対策に低利の円借款とかいうのがあります。サミットの準備段階で発展途上国に対して日本はどのような具体的な援助をするかというのを検討されているかと思いますけれども、その点について、外務大臣、いかがでしょうか。

高村国務大臣 本年一月のダボス会議におきまして、福田総理は地球温暖化問題への対応としてクールアース推進構想を表明して、すべての主要排出国が参加する枠組みづくりなどに積極的に取り組む決意を示しました。その一環として、我が国は、みずから積極的に気候変動対策に取り組む途上国を総額百億ドル規模の資金を活用しつつ支援するクールアース・パートナーシップを進めているわけであります。既に数カ国との間で同パートナーシップを推進中であり、今後、他の途上国との間でも積極的に推進していく考えであります。

 本年七月のG8北海道洞爺湖サミットにおいて、気候変動問題は主要な議題の一つとなる見込みであります。我が国としては、途上国支援を含めた我が国の気候変動対策でリーダーシップを発揮し、G8議長国として前向きなメッセージを発信することにより、二〇一三年以降の実効性のある枠組みに向けて成果を上げるよう取り組んでまいります。

 先ほど委員が触れられました五千億円の低利融資、あれはこの中の、総額百億ドル規模の資金を活用しつつという中の一部分というふうにとらえていただきたいと思います。

篠原委員 格調高い質問と格調高いお答えの次に、ちょっとがたんと低くなるんですけれども、昨年のハイリゲンダム・サミットについてです。外務省と環境省の協調体制ということでお伺いしたいんですが、環境省から、どなたが、何人、どういう体制で出席されたんでしょうか。

谷津政府参考人 お答え申し上げます。

 昨年のハイリゲンダム・サミットへの随行でございますけれども、大臣官房審議官、実は私自身でございますけれども、一名出張いたしました。

篠原委員 有能な谷津審議官一人。ほかに手助けは別途なかったんでしょうか。

谷津政府参考人 私自身は、昨年のハイリゲンダム・サミットの準備プロセス、これは、シェルパ会合の中で温暖化問題を取り上げた会合があったのでございますけれども、そういった準備会合にも出席させていただきましたし、温暖化に関する一連の交渉にも参加してございます。

 そういう中で、若手を同行させて一緒に現地で作業するということも考えたわけでございますけれども、昨年は、年末にバリ会議がございまして、一連の交渉プロセスへの対応でなかなか、環境省としても、他の業務との兼ね合いもあって、厳選をして一人ということにした次第でございます。

篠原委員 百人力で、非常につつましやかだなと思います。

 サミットにどう臨むかというと、非常につまらない話ですけれども、政府専用機に乗っていかれるわけですね。そこに、環境サミットと言われているのに環境省から一人。百人力じゃなくて千人力かもしれませんけれども、いろいろ連絡したりするのを、時差の違いもありますし、くたびれるんじゃないかと思います。

 資料はもうあるわけですけれども、各省からだれがどれだけ行っているかというのがあるわけです。当然、外務省の皆さんはいっぱい行きますけれども、問題に応じて柔軟に対応していただいて、多分、正直におっしゃらなかったのでかわりに言ってあげますけれども、いろいろなところに金を使っちゃって出張旅費がなくなっちゃっているわけですね、それが一つ。それから、外務省がそんなに余計来なくたっていいという、こういうけちな了見もあるんです。

 これは、物事によって、内容によって違うわけですから、経済産業省なんて、大したことないのに何人も行っているわけですよ、こんなところに。物によって違いますよ。そういうところを柔軟に対応して、環境サミットなんだから。行って、一人だけでコピーをとったり電話をかけたりしているはずですよ。それはできないですよ。

 そういうのを、何かきのう、質問取りの段階で、だれが行ったのと聞いたらたった一人で、ほかの気のきいた役所だったら、そんなこと言ったってと、ほかに二、三人か四、五人、別途送って手伝いをさせているのに、そういうこともしていないというのは、おおらかといえばおおらかなんですが、それはよくないと思いますので、両方、環境省の皆さんも、そこは大事だからといって行くようにすべきだし、外務省の皆さんも、ちゃんとそういうところは、内容に応じてどの省庁から何人というのをやっていただきたいんですが、外務省のどなたからでも結構ですからお答えいただきたい、事務方の方。

水上政府参考人 お答えいたします。

 先ほども環境省の審議官からお話がありましたとおり、まず、サミット全体にだれが参加するかということについては、各省の方で決めていただいていることであります。

 ただ、特別機そのものにつきましては、前回のG8のハイリゲンダム・サミットでは、世界経済とアフリカというのが主要議題で、環境問題も世界経済の議題の一つとして議論をされておりましたし、また、サミットの期間、幾つかのサミットの参加国との間に二国間首脳会談というのも行われておりますので、そうした広範な課題に的確に対処するため、我が国からの代表団の構成も考え、専用機につきましては、先ほど御説明ありましたとおり、環境省の方からは大臣官房審議官が一人乗られたということと理解しております。

篠原委員 事実を聞いているんじゃなくて、そういう硬直的な対応じゃなくて、環境省から要望があったら三人乗せていってやるとか、そういう柔軟な対応をしてやってくださいというのを、これはまじめにちゃんとやってくださいよ。

 なかなか、こういうつまらないことなんですけれども、非常に硬直的に対応して、変なふうになっているんです。これは大臣と副大臣にお答えいただく必要はないと思いますけれども、よく心得ていていただきたいと思います。

 それではもう一つ、また地元の問題に触れさせていただきたいと思います。

 中国、今、大地震が起きまして大変なときにこういうことをここで議論するのもなにかと思いますけれども、やはりきちんとしておかなくちゃいけないんじゃないかと思っております。

 この前の最後に、私がわわわっと申し上げただけで、後、答弁いただいていないので、議事録にも残しておかなければならないんじゃないかと思って、聖火リレーについて御質問させていただきます。

 新聞報道は余り日本ではされませんでした、聖火リレー、ちょっとだけされていますけれども。隣の韓国では物すごく大騒ぎになって、今もいろいろ問題になっています。その資料は一ページ目に表にしてありますので、ゆっくり見ていただきたいんですけれども。

 一体、何人ぐらいの中国人留学生が長野に結集したのかということ。それから、私も、現場に二時間も三時間もいませんでしたけれども、どういうふうなぐあいで行われるかというので、そこそこいました。しかし、近づくとけがをするから余り近づくなとか言ってくれる人もいましたから、余り近づきませんでした。長野駅の前なんかは騒然としておりました。中国人留学生が沿道を埋め尽くしていました。五星紅旗ですか、あの国旗ばかりがはためいておりました。

 それで、取り締まりなんかは、中国人留学生が多くてチベット支援は少なかったわけですけれども、こういうのを見ていたんですが、どういうふうに警備されたのか。私は、これは突っかかっているわけじゃなくて、なかなか見事な対応だったんじゃないかと思います。だから日本では大騒ぎにならなかった。いろいろな人たちがいるんですけれども、こんなものを妨害するというのは私はよくないと思いますね。それは絶対よくない、ぴしっとしなくちゃいけないと思っていまして、さすが日本の警察だと思うんですけれども。私から見ていると、何か、中国人留学生の方が野方図にどこでも行ってもよくて、チベット人というかチベットの支持者の皆さんの方がどこか片隅に追いやられていたような気がするんですが、その警備について、どのように行われたんでしょうか。

五十嵐政府参考人 お答えいたします。

 まず、中国人留学生等についてでありますが、正確な人数をお示しすることは困難であると思います。インターネットで二千人前後を目標とするという記事が流れているところでありましたが、実際にはそれを上回っていたのではないかと考えております。

 次に、聖火リレー警備に関してでありますが、長野県警察におきまして、行事の円滑な進行と関係者すべての安全確保を基本方針として、全力で取り組んだところでございます。

 聖火リレーに関連をいたしまして、意見の違いをめぐるトラブル等があったところでありますが、長野県警では、現場において、違法行為の制止等、必要な措置を適切に講じたところであります。また、暴行、傷害等の被害があったものにつきましては、捜査を適正に進めているものと承知をいたしております。

篠原委員 皆さんにこの表を見ていただきたいんですが、聖火リレーをめぐる日本と韓国の違い、これは、日本と韓国、違うんですよね、いろいろな対応が。

 今問題になっているのはBSEの関係ですよ、ここにちょっと表はありませんけれども。これについても、日本でもまたいかがわしいものが混在していたんですよ。もちろん、農林水産委員会では、きちんとした対応をしろという決議が全会一致で行われたりしていますけれども、韓国では、李明博大統領の支持率を下げる原因になっているわけですね、輸入を再開すると。

 きょうも農業新聞の中に、ちょっとそちらを見ていただきたいんですが、どういうふうに書いてあるかというと、「デモ主役は中高生 「規制緩和許さぬ」」、私たちは十五年しか生きていないと言っている。これは何を言っているかというと、BSEは潜伏期間が十年から二十年と言われているんです。その辺にちょっといろいろいる、こっちにもいるかもしれませんけれども、潜伏期間中に亡くなる、平均寿命に達する人がいるのはいいんですけれども、若い人たちは困るので、子供たちは本当に心配しているわけです。それで、座り込みデモをしていると。日本は穏やかなんです。

 これは、聖火リレーをめぐることについても全く同じで、ちょっと左右対照で見ていただきたいんです。

 さっき、人数はわからない、二千人といって、もっと多かったというので、約五千人とか言われています。あちらは、韓国は一万人集まりました。一日違いですから、これは比較してみると非常によくわかるんです。

 国旗も同じです。韓国はかんかんです、中国国旗しか持っておらず、だれ一人として韓国国旗を持っていなかったと。日本も同じなんです。私、見ました。

 ところが、私がちょっとこれはいかがかと思ったのは、その翌週のテレビ、先週は何か、中国人のコメンテーターがよく出て言いわけをしていますけれども、日本国旗もいっぱいあった、同じ数があった、振ったけれども、日本のテレビが偏向報道して日の丸を映さなかったと。こういう言い方をしている。私は、よくそういう白々しいことが言えるなと。現場にいましたけれども、それは見ていません。韓国はそんなことを許しません。

 主な騒動は似たようなものです。韓国のところの留学生の方が過激だったんですね。日本はそんな大した騒動じゃなかったです。ささいなことばかりでした。

 そして、負傷者、ここからおかしくなるんですね。中国人四人。負傷した中国人留学生。これが中国では大々的に報道されているようなんですね。福原愛ちゃんが襲われそうになったけれども無事だったというのも一面トップで報道されているそうです。それは友好的な雰囲気を演出するためだろうと思います。韓国では、韓国人が中心に負傷していると。

 逮捕者は、日本の場合、日本人五人、台湾国籍一人、中国人留学生ゼロなんです。これは、日本は優しい警察で、僕はこれで悪いと言っているわけじゃないんですね、なかなか配慮がなされた逮捕者だということを申し上げているだけなんです。韓国も同じで、李明博大統領が五月下旬に中国を訪問する、ですから穏便にというのが捜査当局にあったんだろう。同じようにやっている。

 ところが今度、次、国民の声。余り見えないんですけれども、朝日新聞に出たりしたのとか、マスコミの報道とか、そんなのだけなんですが、ちょっと信濃毎日新聞に出たりしたので、余り大げさに報道されていないんですけれども、韓国はすごいです。

 韓国は、ちょっと違ったのは、チベット問題じゃなくて、脱北者の強制送還を中国人がさせた事案。北朝鮮に帰ったら向こうで死刑になってしまうんじゃないかということで、これが一番の問題で、この人たちが抗議のデモをしたりしたのでちょっと違うんですが、チベット問題も一応あるんです。

 それで、国民の声、線を引っ張ったところを見ていただきたいんですが、反中感情がすごいんですね。これは、日本でこういうふうにしなくちゃいけないと言っているわけじゃないんですが。

 マスコミも、相当いろいろなことを韓国では報じています。日本は、ろくすっぽ報道なしで、うまくいったうまくいったという感じで、朝日新聞が四月二十九日になって、何か中国当局がいろいろ旅費なんかを負担していたとか、そんな記事がちょっとあるだけです。マスコミの報道はこのとおりです。

 それで、中国側の会見ですけれども、この辺からちょっと違ってきているんですね。日中は、胡錦濤主席が初めて訪日されましたし、非常にうまくいっているんじゃないかと思いますけれども、右側の方は、韓国がいろいろ言っているので、中国側は、過激な行動があったことを認めるとか、いろいろ言っています。

 それで、政府の対応。韓国を見てください、ここが違うんです。強い遺憾の意を表明した、それから、閣議で首相が、我が国国民の自尊心を傷つけた面がある、回復する法的、外交的措置を伴うべきと。それから今度は、警察当局が徹底捜査と強制退去というような厳正な対応をする、それで、いろいろ暴力を振るって、特定できる中国人留学生は強制退去させるというんですね。国会でもこういうので、懲罰動議というのと同じだろうと思いますけれども。それから、査証をもう少し厳しくするようにとかいうふうに言っておられる。えらい対応が違うんですよね。

 それで、いろいろな論調を見てみると、やはり日本は優し過ぎるんじゃないかな、何も言っていないというのがあるんですね。

 私は、中国人の留学生の皆さんが、成功を祝うという気持ちはわかるんですが、行って、ほかの国で罵声を浴びせてわあわあ騒ぐというのはよくないんじゃないかと思うんですね。

 それで、次のページを見ていただきたい。次のページ二枚。全然違う意見の、そこの野池元基さんというチベット問題を考える長野の会の代表、私はこの人と親しいんです。別にチベット問題で親しいんじゃなくて、二十年、三十年来の友人です。私、有機農業というのを振興してきたわけです。それをずっとやっている人でして、その方がチベット問題についてこんなことをされているとは知りませんでした。

 これは、二十六日に行われた法要の話等が書いてあります。後でよく見ていただきたいんです。チベット側の方は粛々とやっているのに、中国側の方は、二ページ目を見ていただきたいんですが、チベット人たちは、長野の、日本の格式ある、歴史のあるお寺がチベットのために法要をしていてくれたというのを感謝している。これはラジオで放送されているんです。ごくわずかのチベット人たちが集まったんですが、二ページ目の真ん中、うそつきうそつきと日本語で言っていました、こういったようなのがあるわけです。

 私は、これはよくないことで、いいわいいわじゃなくて、やはりどこかで自制を促すようなことを言っていただいてもいいような気がするんですけれども、副大臣、いかがでしょうか。

小野寺副大臣 この聖火リレーをめぐりましてさまざまな問題が起きておるというふうに先生御指摘でございますが、外務省としましては、この問題につきましては、事後、中国側からさまざまな謝意の表明がなされたということもございますし、また、特に大きな問題になっていないと認識をしております。

篠原委員 これはまた、だから外務省関係者は言いにくいんだろうと思いますけれども、ひとり善光寺に、あるいは長野市にだけきちんとした態度やきちんとしたことを言えというのはよくないので、新聞でも内田樹さんという方が、やはり自制を促すような声が日本から全く起こらないのはおかしいと指摘されていました。私はそのとおりだと思います。前にここで申し上げましたけれども、いろいろな意見があっていいので、もちろん一国の外務大臣や総理大臣がきっとなってやるようなのはよくないですけれども、心配とか何か、それなりのコメントみたいなのだけでもあってしかるべきだと思うんです。

 私は、井出正一さん、この前も申し上げましたけれども、皆さん御存じだと思いますが、非常に立派な方です、長野県日中友好協会の会長さんともちょっと話をいたしました。そうしたら、この件について近々雑誌に投稿されたのが載るそうですけれども、そういったところで、中国に優しい、親愛の情を持っている人たちが、その観点からちょっとと言ってしかるべきだと思うんです。

 今、外務大臣は日中関係の友好議員連盟のトップもやっておられるんじゃないかと思います。この点についてはなかなか答えにくいかと思いますけれども、外務大臣の御所見をお伺いして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

高村国務大臣 日本の中でいろいろな声があると思います。委員はかなりインテリですから活字メディアばかり見ていると思いますが、テレビコメンテーターなんかは全く反対でございますよ。いろいろな声がある、こういうふうに思っております。

 それから、日本政府と韓国政府が違うと言いますけれども、中国の人たちの対応が韓国の人たちへの方がかなり粗暴であったというのは、これは客観的な事実だと思います。だから対応が違うわけでありまして、例えば、公正無私な長野の自治体警察が逮捕したのは日本人五名、台湾籍一名で、中国の人は逮捕されるようなことはしていなかった。私は小競り合いはあったと思いますよ、思いますけれども、そういう状況。

 それからまた、長野の人はみんな公正でありますが、長野市の消防によれば、けがをした人はいずれも中国人男性であった、こういうこともあるわけで、韓国の警察官がけがをしたとか、新聞記者がけがをしたとか、それは中国人留学生によってけがをした、そういうことがあったときの韓国の対応と日本政府の対応が違ったって、それは事実に基づいて違うので、しようがないじゃないですか。

篠原委員 私は、今、高村さんのおっしゃるとおりで、中国人留学生も日本に留学して、日本人のモラルや、穏やかな、ピースフルな精神を学んだんじゃないかと思います。それで日本人的な礼儀をわきまえてきたから、韓国へ留学している中国人よりも、日本へ来た留学生の方がちゃんとわきまえて行動したんだろうと思います。留学の成果はあったんだろうと思います。これからますます中国人が日本に多く留学して、日中友好の礎になることを願って、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

     ――――◇―――――

平沢委員長 次に、東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センターを設立する協定の改正の受諾について承認を求めるの件及び包括的な経済上の連携に関する日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定の締結について承認を求めるの件の両件を議題といたします。

 政府から順次趣旨の説明を聴取いたします。外務大臣高村正彦君。

    ―――――――――――――

 東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センターを設立する協定の改正の受諾について承認を求めるの件

 包括的な経済上の連携に関する日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定の締結について承認を求めるの件

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

高村国務大臣 ただいま議題となりました東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センターを設立する協定の改正の受諾について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。

 この改正は、平成十九年十一月に採択されたものであります。

 この改正は、東南アジア諸国連合貿易投資観光促進センターの機能強化のための改正について定めるものであります。

 我が国がこの改正を受諾することは、日本・ASEAN間の戦略的パートナーシップを構築し経済・友好関係を促進するとの見地から有意義であると認められます。

 よって、ここに、この改正の受諾について御承認を求める次第であります。

 次に、包括的な経済上の連携に関する日本国及び東南アジア諸国連合構成国の間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。

 平成十七年四月以来、我が国及び東南アジア諸国連合構成国の間で本協定の締結交渉を行ってきた結果、我が国を含む各国の代表者によりこの協定への署名が行われることとなり、我が国については、本年三月二十八日に私がこの協定への署名を行った次第であります。

 この協定は、我が国及び東南アジア諸国連合構成国の間において、物品及びサービスの貿易の自由化及び円滑化を進め、投資の機会を増大させ、さらに、経済的協力を増進させるための枠組みを設定するものであります。

 この協定の締結により、我が国及び東南アジア諸国連合構成国の間で、幅広い分野にわたる包括的な経済連携を構築することを通じ、この地域の経済が一段と活性化され、また、この地域における関係全般がより一層緊密化されることが期待されます。

 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。

 以上二件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認いただきますようお願いをいたします。

平沢委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、来る二十一日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十二分散会


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