衆議院

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第3号 平成20年11月28日(金曜日)

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平成二十年十一月二十八日(金曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 河野 太郎君

   理事 小野寺五典君 理事 松島みどり君

   理事 松浪健四郎君 理事 三原 朝彦君

   理事 山中あき子君 理事 近藤 昭一君

   理事 武正 公一君 理事 上田  勇君

      逢沢 一郎君    猪口 邦子君

      小野 次郎君    木原  稔君

      篠田 陽介君    柴山 昌彦君

      鈴木 馨祐君    中山 泰秀君

      西村 康稔君    原田 義昭君

      安井潤一郎君    山内 康一君

      山口 泰明君    篠原  孝君

      田中眞紀子君    野田 佳彦君

      鉢呂 吉雄君    松原  仁君

      高木美智代君    笠井  亮君

      保坂 展人君

    …………………………………

   外務大臣         中曽根弘文君

   外務副大臣        伊藤信太郎君

   外務大臣政務官      柴山 昌彦君

   外務大臣政務官      西村 康稔君

   会計検査院事務総局第一局長            諸澤 治郎君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 梅本 和義君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 石川 和秀君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 平松 賢司君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 大江  博君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 山本 栄二君

   政府参考人

   (外務省北米局長)    西宮 伸一君

   政府参考人

   (外務省中東アフリカ局長)            鈴木 敏郎君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           及川  桂君

   政府参考人

   (水産庁資源管理部長)  本村 裕三君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局次長) 松本隆太郎君

   政府参考人

   (防衛省経理装備局長)  長岡 憲宗君

   外務委員会専門員     清野 裕三君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月二十八日

 辞任         補欠選任

  御法川信英君     安井潤一郎君

  丸谷 佳織君     高木美智代君

  照屋 寛徳君     保坂 展人君

同日

 辞任         補欠選任

  安井潤一郎君     御法川信英君

  高木美智代君     丸谷 佳織君

  保坂 展人君     照屋 寛徳君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 会計検査院当局者出頭要求に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 国際情勢に関する件


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     ――――◇―――――

河野委員長 これより会議を開きます。

 国際情勢に関する件について調査を進めます。

 この際、APEC閣僚会議について政府から説明を聴取いたします。外務大臣中曽根弘文君。

中曽根国務大臣 私は、十一月の十八日から二十三日までの日程で、ペルーのリマで開催されました第二十回アジア太平洋経済協力、いわゆるAPECの閣僚会議に出席をいたしまして、その後、本年が我が国との外交関係樹立百周年に当たりますコロンビアを公式訪問いたしました。

 今回のAPEC閣僚会議では、次の成果を得ました。

 まず、今回の閣僚会議の主要議題である国際金融危機につきましては、実体経済への影響を含む金融危機への効果的な対応が現下の最優先課題である、そういうことで一致をし、首脳会議での独立した声明の発出につながりました。

 また、私より、WTOドーハ・ラウンドの年内の大枠合意に向けた力強いメッセージを出すことが重要であると表明をいたしまして、その旨閣僚共同声明及び首脳宣言の中に盛り込まれたところでございます。

 さらに、私から、二〇一〇年のAPEC議長国といたしまして、他のメンバーとも連携を深め、責任を果たしていきたいとの決意を表明し、各国の支持を得たところでございます。

 また、この機会に、北朝鮮の核問題や拉致問題の解決の重要性につき強調をいたしました。

 APEC自体の会議の出席に加えまして、オーストラリア、シンガポール、カナダ、ニュージーランド、韓国、ペルーの各外相と個別に会談を行いました。

 スミス・オーストラリア外相とは、日豪外務・防衛閣僚協議の開催や人物交流強化のための新たな会議の立ち上げを含め、協力していくことで一致をいたしました。

 ヨー・シンガポール外相とは、シンガポールと我が国がそれぞれAPECの来年、再来年の議長国となることから、両国が、二国間関係の強化のみならず、今般の金融危機を含む地域及び国際社会の諸課題に対し、連携して取り組んでいくことを確認いたしました。

 キャノン・カナダ外相とは、日加関係等について幅広く意見交換を行うとともに、明年夏に予定されております天皇皇后両陛下のカナダ御訪問に向け、協力していくことで一致をいたしました。

 マッカリー・ニュージーランド外相とは、両国関係をさらに強化するために協力していくことで一致をいたしました。

 柳明桓韓国外交通商部長官とは、引き続き成熟したパートナーシップ関係を構築していくよう協力していくことを確認いたしました。

 最後に、ガルシア・ベラウンデ・ペルー外相とは、日本・ペルー両国は、民主主義、市場経済の価値観を共有できる信頼できるパートナーであることを確認し、明年の日本人ペルー移住百十周年に向けて、友好協力関係を強化していくことで一致をいたしました。

 その後、我が国の外務大臣として二十三年ぶりにコロンビアを公式訪問いたしました。その成果は次のとおりでございます。

 まず第一に、我が国との外交関係樹立百周年の機会をとらえ、新たな百年に向けた両国の関係強化に向けて、ウリベ大統領及びベルムデス外相と幅広い意見交換を行いました。特に、経済関係の一層の促進を図るため、投資協定の締結に向けた交渉を開始することで一致をいたしました。

 また、我が国の支援により整備をいたしました児童図書館の建設が百件に達したことを記念する式典にも出席し、将来の発展のためには教育が重要であるとの点を強調いたしました。

 今回のAPEC閣僚会議及びコロンビア訪問の成果を踏まえまして、今後とも外務大臣としての職務に邁進してまいる所存でございます。引き続き、委員の皆様の御指導、御支援のほどお願い申し上げます。

 以上でございます。

河野委員長 以上で説明は終わりました。

    ―――――――――――――

河野委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房審議官梅本和義君、大臣官房審議官石川和秀君、大臣官房審議官平松賢司君、大臣官房審議官大江博君、大臣官房参事官山本栄二君、北米局長西宮伸一君、中東アフリカ局長鈴木敏郎君、厚生労働省大臣官房審議官及川桂君、水産庁資源管理部長本村裕三君、防衛省防衛政策局次長松本隆太郎君、経理装備局長長岡憲宗君の出席を求め、説明を聴取し、また、会計検査院事務総局第一局長諸澤治郎君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

河野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

河野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。三原朝彦君。

三原委員 おはようございます。

 大臣、御苦労さんでした。私も、ペルーに行ったことがないので、ぜひとも行きたい。特に、あそこはインカ文明のあるところで、高地にあるから、余り年をとっていくと行けないそうで、まだ元気なうちに行かなきゃと思っている。

 また、あそこはカタクチイワシをちょっと発酵させたセビーチェといううまいイワシがあるんです。食べられなかったですか。(中曽根国務大臣「いや、全然」と呼ぶ)そうですか。

 カルチャーというのは、基本はやはり食うことなんですよ。これを理解しないとあか抜けた外交はできないんです。アフリカに行ったらワイルドなものを食ってみるとかやるんですけれども。

 それと、ペルーというと、もともとあそこのインディオの人たちなんかというのは、原種のいろいろな種類のジャガイモがあって、一つが何かカビができるような病気ができたらほかのものが残るようなことを考えながら、原種をたくさん持っていてジャガイモを食べているらしいんですけれども、そういう社会も見てみたいな、こう思っている。

 外務大臣の旅行日程を見させていただくと、かわいそうだね。あなたたち、もうちょっと暇を与えなきゃだめじゃないのかな。行って、会議だけ出て帰ってきたのでは、やはりその国のことを知ったことにならないですよ。いろいろなことを議論されたのはこれでわかりますけれども、やはり、行ったらついでに、野党の諸君も、もうちょっとそのための余裕を持たせてやってほしいね。あなた、頼みますよ。いつもいつも外務大臣が出なきゃ議論もしないような。松原さん、そう思わないですか。(発言する者あり)何がばかなこと言っちゃいけないだよ。

 だから、そういうことも一つのやはりその国の顔なんだから、そういう余裕を持ったような旅もさせて、リーダーに旅をさせて、それで学んできたものをまた国内でいろいろなことをやる。

 外交というのは、ただただ、何かここに書いてあるように、瞬間に金融的なものが起こったらそれは議論しなきゃいけないですよ。いけないけれども、トータルでその国のことを知るということがやはり大切なんですね。これは議事録に残るからこそ私は堂々と言っているので、そういうことをやはりお互いに考えなきゃいけないと私は思います。

 ところで、APECのリマの閣僚会議のメーンは、やはり今回の世界的な経済の厳しさにいかにAPECの国々が協力しながら対処していくかということだと思うんですけれども、その点は私は野党の諸君に譲りますから大いに議論してもらって、私はむしろ興味があるのは、もともと、APECでも太平洋の東側のところはずっと今まで国が不安定状況で、ここのところは変わってきてよかったけれども、テロのそれこそ一大発生地でもあったんですね。

 先鋭化したカソリックの牧師さんみたいな人たちがゲリラでテロをやってみたりとか、ペルーは、今もう一応収束しているようですが、例のセンデロ・ルミノソなんというのがあったりとか、コロンビアはコロンビアで、コカインの生産地で、それをとりっこしていつも暴力事件が起こったりなんというようなことをやっています。チリだって、アヤンデ政権からピノチェト、恐怖政治みたいになって、今は自由経済でかなり安定をしてきたと言われています。その点に関しても、これを見ていますと議論はされたようですけれども。

 そういうことを考えていたら、きのうはインドでまた驚くべきテロが起こりまして、経済の発展著しいインドの一面では象徴で、我が国のビジネスをやっている人が、ガスとか石油化学みたいな問題で、今から先、あそこは投資対象になるんじゃないかといって行ってみたら被害に遭われたりして、本当に心からお悔やみします。

 我が国のような成熟した国では、民間資本が出ていって援助すること自体が、実は相手の国をも大いに富ませる、技術移転もある、雇用の創出にもなるということでやっているんですけれども、ちょっとAPECとは話がかわりますけれども、今回のインドのテロに対する、まだまだ今一生懸命情報を集めておられる状況でしょうけれども、どういう意識で今外務省はこれを評価しておられるかといいますか、考えておられるかというのをちょっと聞かせてもらいたいと思います。

中曽根国務大臣 先ほど委員から外務大臣の海外出張についてのお話がありまして、御配慮ありがとうございます。国会の皆様方のお許しをいただいて、御理解をいただいて出張させていただいておりますが、できるだけ効果的な、成果の上がる出張に努めていきたいと思います。

 インドのお話がございましたけれども、このような無差別的といいますか、テロですから無差別ですけれども、この多発といいますか、大変強い憤りを感じております。日本の方も犠牲になっておりますし、現在も人質もあるということで、テロは断じてあってはならない、そういうふうに思い、強く非難をしたいと思っております。

 まずは、亡くなられた方々そして御遺族に哀悼の意を表し、負傷者の方の一日も早い回復をお祈りするところでございます。

 現状につきましては、さまざまな報道があるわけでありますけれども、現地総領事館からの報告では、依然、タージマハルホテルにおいて治安当局と犯行グループとの攻防が続いているということのようでございまして、このホテルが完全に解放されたとの確定的な情報はまだ得られておりません。また、オベロイ、トライデントホテルにつきましても、依然、犯行グループが占拠を続けておるということでございまして、治安部隊と交戦をしているという模様でございます。

 政府といたしましては、人質の方々の一刻も早い解放、救出、これに強く期待をするとともに、情報収集そして邦人の安全確保に全力で取り組んでいきたい、そういうふうに思っております。

三原委員 つい五月に、横浜でTICAD4があった。その翌月の、外務省から出ている月刊誌がありますよね、あれで、その評価を含めて、イギリスの学者さんでコリアーという人が開発途上国の問題について話をしているのがありましたが、その中でも彼が言っている論理の中の一つは、やはり国内が安定していないと、幾ら頑張ろうと思っても頑張れないんですね。その四つの中の一つが、やはり国内的な紛争というか、そういうものがわなになって、いつまでたってもそれから抜け出せないで、その国は伸びないということを言われていて、私はそれは正しいと思いますね。

 このごろ少しずつ伸びてきた、例えばアフリカのスーダンあたりを見ていても、過去四十年も南と北で争いをやっていて、やっとこの争いがまとまってとなると、あそこに今度は中国が出ていって、オイルちょうだいというようなことでオイルを掘る。そのお金で国が潤ってきて、それの取り分でまた北と南が険悪になってきているあれはあるけれども、安定していれば何とかいろいろなことができるということなんですね。

 それから考えると、インドの場合には、ぐんぐん伸びてきて、ある面では、嫌な言い方ですけれども、ミサイルをつくって、原爆までつくれる科学技術もあるという国ですから、今あらゆる産業があるんですね。我が国が持っているような産業が、強い弱いは別にしてもあるわけだから、それを持っている以上は、科学技術あたりも使えば、十億の民も、国が安定すれば必ずやぐんぐん伸びてくる。BRICsの一つで、そのことが保証されているにもかかわらず、ああやって国が問題が起こると、我が国だって、ムンバイあたりに行って投資しようか、支店をつくろうかなんという企業がぐっと引けてくるんじゃないかな。

 そういうことから考えると、それは、一義的にはその国の政府がそういうことを責任を持ってやらなきゃいけない、当然のことですけれども、見ていると本当に残念な、最終的に被害を受けるのは無辜の民なんだなということを思わざるを得ません。

 その面から考えますと、ちょっとまた今度は大臣が行かれたラテンアメリカの国に話が行きますけれども、私は報告書を見て、ああ、なかなか日本もいいことをしているなと思ったことの一つは、コロンビアで、一生懸命寄附されて、我々の国民の税金で百件も図書館をつくっておられた、百二十件も学校をつくられている。やはり、こういう本当に地道な活動が必ずやコロンビアの不安定な地域の状況を改善すると思うので、この点では、私は、日本も、我が国外務省もなかなか目のつけどころは悪くないぞ、こう思って褒めたくもなるんですけれども。

 それについてちょっと、これから先のことを、百件やったら次の百件までのような方針とか、そういう感じのことをここで約束してもらいたいと思うんです。どうでしょう。

中曽根国務大臣 コロンビアでは、今委員がおっしゃいましたように、我が国の支援という形の一つとして、学校を百二十校、それから図書館を百件建設いたしまして、その記念の式典にも出てきたところでございますが、コロンビアは、状況は委員がよく御承知のとおり、テロが非常に頻繁に発生をしていたわけでありまして、そういう意味におきましては、大統領によります強いリーダーシップによりましてテロを克服した、そういうふうに承知をしております。

 実際私も、初めてではありますけれども、行ってまいりまして、大変に治安もよくなっている、そういうふうに感じて、日本の企業もあのような不安な状態ということで多くの会社が撤退をしていたんですが、随分戻ってきているということでございます。こういう機会に私たちはさらに支援を行って、そういう回復状況にある、発展途上にある国を、特にコロンビアを支援することは大事だと思っております。

 大統領は大変強いリーダーシップであのようなテロ対策等行ってきたわけでありますけれども、教育は国の礎である、国の首脳のそういう考えのもと、それに我々も対応いたしまして学校をつくったわけでありまして、今後もそういうようないろいろな形で支援をしていきたい、そういうふうに思っております。

三原委員 コロンビアと聞くと、美男美女の国らしいですね。並木が並んでいる以上に美男子が多くて、その並木を揺すると美人が落ちてくるという話があるんですね。本当かなと思って、行きたい国でもあるんだけれども。話は飛ぶけれども、私が大好きなエチオピアも同じですよね、エチオピアも美男美女の国ですよね。コーヒーの豆よりも美男美女が多いぐらいなんですけれどもね。

 ところで、大臣が日本とペルーの外相会談をされたときに、私は、された中で一つおもしろいなと思ったのは、今度日本に観光庁ができて、何か、天野ルートの観光開発について今後の協力を検討していきたいと言われた、こういう文があった。ペルーは申すまでもなく、世界遺産だって一つの国で何十とあるんじゃないかな。私が名前を挙げられるだけでも、クスコがある、マチュピチュがある、ナスカの地上絵がある、何か、指を折ると十も二十もあるんじゃないかと思いますけれども。

 ペルーあたりはもうそろそろ中進国になるのかな。ある程度、チリの次ぐらいに銅もとれますし、それをまた基礎にしていろいろな工業もできる。特にエレクトロニクス産業がある間は銅というのはすごく大切なものでもあって、非鉄金属は、もうこのごろ値段が少し落ちたらしいけれども、一時期はぐんぐん伸びていって、あっちの方の国が大いに潤っているのが過去二、三年あったようですね。

 伸び盛りの国というのは、手っ取り早いと言うと語弊があるかもしれないけれども、より早くハードカレンシーを得るもとというのは、観光資源を大いに開発することですよね。日本からはちょっと遠いから、東南アジアのタイやシンガポールなりに行くほどには観光客は日本からはまだ行っていないかもしれませんけれども、アメリカやヨーロッパからかなり観光客が来ているんじゃないでしょうか。

 それで、観光について大いに協力しようとおっしゃったというんですけれども、この点についてもうちょっと御説明していただけますか。

中曽根国務大臣 先ほど委員から天野ルートについてのお話がありましたけれども、これにつきましては、考古学の分野で大変功績を残した方なんですね、天野さんという方は。それで、その天野氏の名前を冠した天野ルートというものがありまして、これはプレインカのルート、ペルーの北部ですが、そこの観光開発に協力してほしいという大統領からのお話がございました。

 私どもとしては、これはできるだけの協力をしたいと思っておりますが、日本とペルーの投資協定、これに加えまして円借款案件四件について交換公文の署名を、今後のことでございますが予定をしておりまして、そしてまた、これは観光とは違いますけれども、新たに国立の障害者のリハビリテーションセンター建設計画に関する無償資金協力の決定をすることになっております。

 そういうことで、観光につきましては、天野ルートの観光開発について大統領からじきじきの依頼もありましたので支援をいたしますが、先ほど申し上げましたように、非常に治安が回復してきておりまして、日本人の観光客もこれから増加が見込まれますし、日本人のみならず多くの観光客が来ることによってあの国の発展につながると思っておりますので、どういうような支援ができるか、また検討しながらやっていきたいと思っております。

三原委員 我が国はユネスコに松浦さんという事務局長を輩出しておりますけれども、ユネスコがやっているのでかなりやはり観光あたりが元気になって、国を支えている部分があります。例えばカンボジアのアンコールワットなんてそうですよね。日本の技術も行っています。石組みの技術か何かで、すごい、もともとの技術、アンコールワットにあった技術を日本の石工さんが解明して積み直すとか、そういうこともやっているらしいですけれども。

 私は、ああいう開発途上の国に対するいろいろな手助けの中では、観光というのは、ある面ではより少ない資本、投資でその国により多くの仕事をもたらして、そこに住んでいる人たちの収入になるし、なおかつ、その国自体のカルチャーを出かけていく我々が学ぶことにもなる、尊敬することにもなる。今のフローのGNPパーキャピタあたりを見ていると、日本とペルーといったって十倍、二十倍の差があるだろうけれども、実は文化の蓄積というのは、量じゃなくて質の問題は、明らかに我々が大いに違う質のものを学んで得るものがあるわけで、そういう面から考えると、観光から入り込んでいった国と国との結びつきというのは、すごく価値があるし、かたいものがあると思いますから、必ずや私は、我が国の国民の皆さんの税金を使って今言われたプレインカのルート、天野ルートというものに対しての助成、援助をされても、これはまさに我々誇ってもいいものになり得ると思いますので、大いに目をかけてもらいたいと思うわけであります。

 それと、いま一つ、大臣が行かれて議論された中には、気候変動問題。確かに、APECに出た国で気候変動問題でみずから顧みて反省せにゃいかぬのは、それはアメリカであり中国であり我が国でありという、CO2を世界でも五本の指に入る、この今の三つは入りますから、その排出する国がまず範を示さなきゃいけないんですけれども、それ以外の、大臣が訪問されたラテンアメリカの国々も、我々が経験した、経験すべきでないようなことを経験しているんだけれども、それを避けるためにも気候変動についての転ばぬ先のつえみたいないろいろなことを今から我々議論しなきゃいけないと思うんです。

 その中で、インドネシアに援助をしたクールアースプロジェクトがありますよね。基金を積んで、インドネシアに、金を貸してあげるからあなたのところも考えなさいと。インドネシアは電力を今から使うといったら、自分の国は褐炭がたくさんあるから褐炭を燃やす、褐炭を燃やせばCO2が出るに決まっている。そういうのをいろいろなレベルから議論しようということでやっていますけれども、ああいうものから学んで、私は、大臣が言っておられる気候変動、環境問題に対しても、大いにこれから先、APECの中でクールアースを開発途上国にはどんどん広めていって、日本の基金を使ってやってもらうことをしてもらいたいと思うし、特にコロンビアとかエクアドルとかボリビアあたりはかなりまだ原始林がたくさんあるところですから、ああいうところで伐採なんかを無差別にやられると、これはやはり世界に、地球にとって痛みを伴うものになります。

 そういう点に対しての、ただ防止をやっていきたいとこれに書いてありますけれども、何かより一歩踏み込んだような議論はあったんでしょうか。

中曽根国務大臣 最初に地雷のお話もちょっとございました。これはコロンビアでありますけれども、地雷対策というものについても我が国で支援してきたわけです。

 私、実は、カンボジアとタイ国境の地雷地帯、ここで地雷除去をやっております日本のNGOをずっと応援しておりまして、あそこには、アンコールワットのお話がありましたけれども、そこからもう少し国境地帯には多くの古い遺跡寺院があるわけですが、地雷原になっておりますために住民の皆さんがそこへ住んでおられなくなって、もう人がいなくなった、そしてその遺跡が荒れ果ててしまったということで、地雷除去というのは、よく国境地帯のいろいろな軍隊がまいたのを除去するということもありますが、人道復興支援のためということで、その寺院の周りの地雷を除去するという特定の目的でやってきたNGOですが、地雷除去が終わりまして、そこへ住民が戻ってきて、そしてお店ができて、観光客が来て、そして地域の復興につながるということで、私も何回も見に行っておりますけれども、そういう形が一つの日本の支援のモデルになるかな、そういうふうに思っております。話が横道にそれましたけれども。

 気候変動については、ペルーにおきましてこのお話を行いまして、ペルーの環境政策を策定する、そういうことについても支援ができるのではないか。それから、地熱の発電の計画、あるいは鉱害、鉱害というのは鉱山の方の鉱害ですけれども、これの防止対策、そういうことについての協力の可能性というものについて今後検討していこう。そしてさらに、お話がありましたように、森林の保全というのは非常に重要でございますので、森林保全についても協力をしていこうということで先方と話をしてきたところでございます。

 政府参考人から、足りないところがあれば答弁いたさせます。

平松政府参考人 お答えいたします。

 先ほど大臣がおっしゃったとおりでございまして、ペルーの会談、それからコロンビアの会談におきましても、やはりこの地域の環境、地球環境問題についての取り組みは重要だということについてはいろいろ話がございました。

 APECそのものにつきましても、従来、APECでも非常に地球環境問題を大きく取り上げておりまして、今回のAPECの場でも、今後ともAPECが一つの大きな課題として、全体として地球環境問題に取り組もうという非常に強いメッセージが出たということでございますので、今後とも、APECの場でも日本としてもリーダーシップを発揮していきたい、そういうふうに思っております。

三原委員 今まさに大臣がおっしゃったように、銅を製錬するときには、御承知のように、ずっと昔は田中正造さんの足尾の鉱毒事件というのがあったでしょう。それでまた、近くといっても数十年前ですけれども、四国の瀬戸内海の四阪島というところでも製錬でやはり煙の問題があったりした。

 いずれにしろ、それは我々の必要なものだから、銅を掘り出してきてそれを製錬してやるんだけれども、そのときに、我々が経験して学んできてよくなかった、マイナスの効果というものは必ず、今からする国には絶対にしちゃいけないということを、これは経済の中でも、APECは経済開発の、より自由貿易をやってみんなで伸びていきましょうということ、そのことが基本なんだけれども、そこの中で起こるかもしれないことに対して、やはり、大臣からさっき言われたような鉱害の問題あたりを、我々はそういう意味でも先進国なんだから、思い入れをして、技術移転とか、学んできたことを知ってもらうようなこと、これをぜひともやる、そういう謙虚な態度がまさに我が国の国家の品格ですよね。そういう意味での品格は大いに日本としては持ちたいと思いますね。

 そういう面では、私は、投資をしてあなたの国の事業も繁栄させます、雇用も創出します、それと同時に、そういうマイナスの効果の面は常に見ていく、そういう進出の仕方は大切だと思います。どこかの国、大きな国でありますけれども、そんなことよりまず伸びることが先と言ってやる国もあるけれども、それは最終的に受け入れるのはその国の国民であり国家のリーダーたちなんであろうけれども、そのときに必ず、両々相まって起こることに対しても常に思いをいたし、学んだことを教えること、このことは、これから先の我が国の国の形、品格を維持する上で必ずや私はよその国から尊敬されるもとになる、こう思いますね。

 そういう面でもちゃんと議論もされたということに対して私は大いに敬意も表したいし、これから先のこういうマルチのいろいろな会議があっても、常に地球環境問題とか、今起こりそうな、経済が進むことによって生じるマイナスの効果の問題ということに必ず一言言うような、そういう日本でありたい、そのことを最後に申し上げて、時間になったようですので、私の質問を終わらせていただきたい。長旅、本当に御苦労さんでした。

河野委員長 次に、野田佳彦君。

野田(佳)委員 おはようございます。民主党の野田佳彦でございます。

 質問に入る前に、インドの商都ムンバイにおける同時テロ、いかなる理由があったとしてもテロは許されない、このことを強く意見として表明をさせていただき、加えて、日本人の津田さんを含め多くのとうとい命が失われました。お亡くなりになられた皆様と、また御遺族に心から哀悼の意を表するとともに、政府におかれましては、引き続き邦人の安全確保に向けて万全を期すように強く求めたいというふうに思います。

 それでは質問に入っていきたいと思いますが、麻生政権が発足をして約二カ月となりました。売りが二つあったと思うんです。一つは景気の麻生、もう一つは外交の麻生。景気の麻生は、これはもう、少し化けの皮がはがれてきたのではないかなと。百年に一度の危機とグリーンスパンが言いましたが、その百年に一度の危機に対応するやり方が、少なくとも定額給付金が目玉では心もとないなと私は強く思います。

 外交の麻生はどうかというと、これはさきの金融サミットに出席をされて、強く次回開催を日本でという思いがあったようでありますが、どうやらロンドンに次は決まったようでありますし、これは報道でしかわかりませんが、胡錦濤中国主席との会談も二転、三転したと。やはり政権基盤が足元から揺らいでいる、外交の麻生とも言えなくなってきているのではないか、そういう懸念を持っています。

 そこできょうは、さきのAPECの問題を含めて、短い時間でありますが、質問をさせていただきたいと思います。

 先ほど大臣が御報告をされたAPECの閣僚会議のまず第一として、まず、今回の閣僚会議の主要議題である国際金融危機につきましては、実体経済への影響を含む金融危機への効果的な対応が、現下の最優先課題であることで一致し、首脳会議での独立した声明の発出につながりましたという御報告がございました。

 そのAPECの特別声明で盛られている文言で特筆すべきことは、十八カ月間で金融危機を克服するというふうに宣言をしていることでありまして、これは金融サミットではこういう数字は出てきていません。

 あえてこういう強い具体的な期限が盛り込まれた、その期限を設けた理由というのは一体どういうことなのか。加えて、十八カ月ということは、再来年の前半までにということであります。これまでに金融危機を克服するというその根拠をぜひ教えていただきたいと思います。

伊藤副大臣 野田委員にお答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、今回の金融危機への対応については、ワシントンにおける金融・世界経済に関する首脳会合の結果をアジア太平洋諸国等をメンバーとするいわゆるAPECの間で共有したところでございます。

 その中で、世界経済に関するAPEC首脳リマ声明の内容については、二十二日に行われました首脳のリトリート1における議論の内容も踏まえ作成されたものであり、具体的な日時も含めた目標を持って首脳としての政治的決意をあらわすことが重要であるという判断から盛り込まれたものでございます。

 そして、その十八カ月間ということの根拠という御質問でございますけれども、OECDやIMFによると、今後の経済の見通しについては極めて厳しい予測がなされているところでございまして、そういった中におきまして、多くの首脳が経済に対して信頼を回復するようなメッセージを具体的な期限ということも含めてはっきり出すことが重要であるという認識を表明したため、このような文言が盛り込まれたということを承知しております。

 いずれにいたしましても、これは政治的決意のあらわれというふうに理解しているところでございます。

野田(佳)委員 政治的決意というお話でございましたけれども、例えば、日本経済を考えた場合に、この間、与謝野経済財政担当大臣が、経済見通し、今年度はマイナス成長、来年度もマイナス成長、プラスになる自信がないと言われました。IMFも、来年は日本もアメリカもEUもマイナス成長だと言っているわけですね。それで十八カ月で、その次の年の、翌年の前半に危機を脱するということが本当にできるのか。少なくとも総理の所信表明演説で、日本経済は全治三年とたしか言われたと記憶をしています。

 この全治三年の日本と、危機を脱するための十八カ月と整合性があるのか、この数字に。もうちょっとわかりやすく、政治的メッセージじゃなくて、きちっと数字を挙げているんですから、御説明ください。

伊藤副大臣 繰り返しのお答えになると思いますけれども、十八カ月で克服するというのは、政治的決意のあらわれということだろうと思います。

中曽根国務大臣 今伊藤副大臣からお答えいたしましたし、先ほどの伊藤副大臣の御答弁にもありましたけれども、非常に先行きが、見通しがよくない。そういう中で、ペルーのリマに各国の首脳が集まって、こういう金融危機打開、そして景気回復の会議をするということで、大切なのは、やはり世界に対して多くの首脳がどういうメッセージを出したらいいかということで考えて、信頼を回復する、そういうメッセージというものが大切だろうということで、こういうような十八カ月というような期間というものを金融危機克服の期間ということで出したというふうになっておるわけでございます。

 では、十六カ月なのか二十カ月なのかということもあるかもしれませんが、繰り返しになりますが、首脳の本当に強い決意で、これぐらいで回復するんだ、そういう決意をあらわしたものと御理解いただければと思います。

野田(佳)委員 余り御理解はできないんですが、要は、政治的メッセージということで、余り強い裏づけのある、根拠のある数字ではないということは今の御説明でよくわかりました。

 逆に次はドーハ・ラウンドの問題について、先ほどこれも大臣から御報告がありました。私よりというふうに強く冒頭に報告に入っていまして、私より、WTOドーハ・ラウンドの年内の大枠合意に向けた力強いメッセージを出すことが重要であると表明し、その旨閣僚共同声明及び首脳宣言の中に盛り込まれましたという御報告でございました。

 中曽根大臣から強く主張をされたという御報告でありますが、今回のこの特別声明では、WTOドーハ・ラウンドの年内の大枠合意を、金融サミットでは合意をすることを努力するということですが、大枠合意を誓約しているんですね、誓約。非常に力強い言葉でくくられているわけでありますけれども、七年かけてこの交渉が続けられてきて、なかなかまとまらないし、七月の閣僚会議でも決裂をしています。あと一月で本当にこの大枠の合意ができると思っていらっしゃるのか。もちろんそれは合意をしなければいけないんですが、誓約まで言っているし、中曽根大臣から切り出したということならば、では、その後の、閣僚会合の決裂後に何か進展があったのかどうか。

 アメリカのブッシュ政権は譲歩するのか。オバマ政権になるまでの間にそこまでアメリカが決断するのか。では、中国はどうするのか。日本はもっと高いレベルの農業開放を行う覚悟をしたのか。あるいは、APECにはインドなんかは参加をしていませんけれども、そういう国々の状況は変わったのか。

 何か進展があるならば、大臣が私から主張したと言ったことの背景が何かあるはずだと思うんですが、それは御説明をいただけますでしょうか。

中曽根国務大臣 先ほどAPECの御報告を申し上げましたように、閣僚会議におきまして私がそのようなことを発言いたしました。

 こういう金融危機のもとでは、過去の世界金融の恐慌があったわけでありますけれども、そういうときの経験から、まず、保護主義になってはいけないということで、今回の会議でも、これは各国とも同じ考えでありましたけれども、保護主義には抵抗しなければならないということ、それから、貿易・投資の一層の自由化を図るということが大事であるということも共通の考えでございました。

 この首脳のリマ声明におきましても、保護主義を防ぐ上で、やはりWTOのドーハ・ラウンド交渉を、今非常に難しい状況ではありますけれども、委員御説明がありましたように大変難しい状況ではありますけれども、合意を目指すという一つの目標に向かってやろうではないか、そういう合意から、このような誓約という形でメッセージが出されたわけであります。

 七月の閣僚会合以降も、WTOにおきましては、事務レベルでの協議を通じまして各国の立場について説明が行われ、また理解が進んできたわけでありますが、その上で、今般、首脳からの指示もこういうふうに出すということによって、世界に対して、強い、首脳会議の成果というものを出したいということであります。現在、大使とかまた高級事務レベル、そういうところでの交渉が鋭意行われているところでございます。

野田(佳)委員 先ほどの十八カ月の期限の問題もそうですし、今回のWTO交渉、十二月までの大枠合意、誓約という、強い危機感を持つことは、これは必要だと思うんです。それに向けてできる限りの努力をしていくということも必要だと思うんです。

 ただ、こうやって具体的な目標を、例えばことしいっぱいで大枠合意を得られなかったらどうするんですか、あるいは十八カ月で金融危機を克服できなかったらどうするんでしょうか。これは、やはりAPECの存在意義が問われると私は思うんですね。国内では、それぞれの政党が政権公約を掲げて、いろいろ公約を大事にしなきゃいけないように、APECで決めたことというのは、APECのまさに国際社会での公約だと思うんです。

 私は、今回、危機感を持たれることはいいと思うんですが、少しそれを強め過ぎて、具体的に踏み出しているのはいいんですが、できなかったときのAPECの存在意義というのが心配なものですから今のような質問をしたわけでありますが、改めてもう一回、十二月、本当に大枠合意でき得る見通しが少しは立ってきているのかどうか、お聞きしたいと思います。

中曽根国務大臣 委員からも御指摘がありまして、十八カ月あるいは年内に本当に達成できるのか、できない場合はどうするのかということ、大変大事なことだと思います。

 WTOにつきましては、もう本当に御案内のとおり大変難しい状況ではありますけれども、保護主義にやはり対抗して、保護主義にならないように、この経済危機、金融危機を打開するためにはと、そういう各国首脳の共通の認識から、この年度内の大枠合意、先ほど、誓約とお話がありましたけれども、努力をしていくというようなことでございまして、実現できるかどうか、時間もあとわずかしかございませんので、困難なことは各国の首脳とも承知の上で、それに向けてとにかく全力で取り組もう、そういうことでございます。

    〔委員長退席、松島委員長代理着席〕

野田(佳)委員 次の質問に入りますが、APECの地域経済統合の促進に向けて、いろいろ議論が行われたように聞いております。

 APECというのは、世界の貿易の中では五割を占めて、国内総生産、GDPは、世界の中でAPEC加盟国・地域合わせるとGDPの六割という大変大きな存在だと思うんですが、その地域経済統合が可能ならば、それはまた物すごいインパクトのある話だと思います。

 もともと、九〇年代にボゴール宣言を行って、二〇一〇年までに域内の貿易・投資の自由化を達成するという目標を掲げておりまして、先ほど大臣の御報告にあったとおり、二〇一〇年が一応目標年次ですが、そのとき日本は議長国なんですね。議長国としての責任に先ほど言及されましたけれども、ならば、日本として、このAPECの地域経済統合促進に向けて、どういうような戦略を持ってどのように具体的な道筋を描いていらっしゃるのか、お示しをいただきたいと思います。

中曽根国務大臣 委員が今お話ありましたように、二〇一〇年は、我が国がAPECの会議の議長国を務める年であります。先進エコノミーにとりまして、ボゴール目標を達成すべき大変大きな節目の年となるわけでございますが、これまで我々が追求してまいりましたアジェンダ、すなわちFTAAP、アジア太平洋自由貿易圏、これの検討など地域統合の推進、さらには、よりよいビジネス環境を目指す貿易・投資の円滑化の進展、こういうものは、もう紛れもなくアジア太平洋地域の発展に貢献をしてきたわけでございます。

 私は、この地域がさらに豊かに発展し続けるためには、この地域が進むべき道というものを示していくということが大変大事であると考えております。二〇一〇年は、これらのアジェンダも含めまして、新しいビジョン、こういうものを示す契機となるのではないか。

 今回のペルーのAPECの成果を踏まえまして、二〇〇九年にはシンガポールのAPEC、そして二〇一〇年には我が国においてAPECが開かれるわけでございまして、そういう意味で、この二〇〇九年、二〇一〇年は大変大事な年であります。この期間に今後のビジョンを示すということが大事と考えているところでございます。

    〔松島委員長代理退席、委員長着席〕

野田(佳)委員 二〇一〇年にビジョンを示すのは大事ですが、そのビジョンに至るまでに具体的にどういう道筋を描いているかということであります。

 次の質問の具体的な項目に入りますけれども、例えば、自由貿易圏の構想でも、中国が主導してきたASEANプラス3もあるし、経産省が主導してきたASEANプラス6もあるし、今回出てきた環太平洋戦略的経済連携協定、TPP、環太平洋FTA、これはシンガポール、ニュージーランド、チリ、ブルネイの四カ国に加えて、オーストラリア、ペルー、そしてアメリカも入って七カ国、APECの二十一の国・地域のうちの三分の一がこの環太平洋FTAに入って、存在感が出てきていますよね。

 では、これらの具体的ないろいろな構想に対するスタンスを日本はどういうふうにとっていくのか。その辺を具体的にお聞かせいただきたいと思います。

伊藤副大臣 お答え申し上げます。

 委員が御指摘のとおり、環太平洋戦略的経済連携協定、いわゆるTPPは、シンガポール、ニュージーランド、チリ及びブルネイから構成され、本年九月にアメリカが、さらに先般のAPEC首脳、閣僚会議の機会にオーストラリア及びペルーが交渉に参加する旨の発表を行ったと承知しております。

 日本政府としましては、この協定をめぐる動向に大変高い関心を持っておりまして、今後、従来のEPAの取り組みに関する立場も踏まえながら、TPPへの我が国の関与のあり方について真剣に検討を進めているところでございます。

 さらに、いろいろ御質問がありましたので、今わかる範囲でお答えしたいと思いますけれども、現在のところ、日本として参加するかどうかに関して結論はまだ出しておりません。

野田(佳)委員 基本的にはWTOの交渉が妥結をするということが一番望ましいし、それができないときは、いろいろな意味で二国間とか多国間のEPA、FTAを戦略的に推進していく。

 そういう中で、地理的なものとしても、もっとやはり戦略的にAPECの中で日本が存在感を示していくべきだというふうに私は思っていますので、二〇一〇年にビジョンを出す前に、もう既に戦略を決めて動いていかなければいけないはずだと思いますから、私は、その辺の戦略性を早く固めてほしいということを強く要請させていただきたいと思います。

 その上で、この特別声明の中で、日本が進めている中小企業の資金繰り支援にも支持を表明する、こういう文章が出ておりますが、その中小企業の資金繰りの裏づけとなる第二次補正予算は、待てど暮らせど、とうとうこの国会には出てきていないという状況となっています。

 中小企業の資金繰り、例えば信用保証枠、第一次補正予算にはたしか九兆円の枠がありますね。第二次補正予算は三十兆まで拡大をするという話です。年末に中小企業が資金繰りで苦労してばたばた倒れないために、私は、第二次補正予算は早く出すべきだと思うんです。

 これは、ある種、こういうAPECの特別声明にも、日本の意思を反映して出てきている文章でありますから、それはまずは隗より始めよで、言うだけじゃなくて年内に日本が動き出さなかったら、国民との約束をほごにするだけではなくて、国際社会での約束も破ることになると私は思います。

 その意味では、ぜひこれは早急に第二次補正予算は出すべきだと思いますが、中曽根大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

中曽根国務大臣 御指摘のとおり、APECでの首脳声明の中には、中小企業を含む企業の十分な資金調達、これの確保、それから貿易・投資、これの流れを維持するための輸出信用機関、国際金融機関、そして民間銀行の取り組みを支持するというふうに明記がされているわけでございます。

 我が国では、もう御案内のとおり、十月三十日に総理が発表されました生活対策の中で、中小それから小規模企業等の支援対策を盛り込んでいるところでございます。

 信用保証につきましても、多くの零細企業、中小企業の方々が申し込んでおられ、これを利用されているというふうに聞いておりますが、それだけ経済、景気が今厳しいということではないかと思います。

 二次補正予算につきましては、総理は、年明け早々に国会に提出する、そういうお考えでございまして、私の立場といたしましては、総理の意向に沿って鋭意対応していきたい、そういうふうに思っております。

野田(佳)委員 総理は、だからそういう方針なんですよね、なんですけれども、それはやはり変ですよ。大臣もおっしゃったとおり、十月の下旬に発表したわけです。いまだに出せないはずがない。だって、財務省の人だって出せるって言っていますもの。金融機能強化法案、それは賛成しますよ、採決で。やりますよ。(発言する者あり)早うやりますよ。だから、早う第二次補正予算を出しましょうよ。

 今、自民党のテレビのコマーシャル、流れていますよね、三十秒間の。景気回復と言って、「麻生、実行中」と出るんです。「やりぬく責任 自民党」と。テロップが出て、生活支援二十七兆とか出るんですよ。実行中じゃないじゃないですか。あんなのは公共の電波を使ってうそをついているのと同じだと思いますよ。ゲッペルスも、百回うそをつけば本当になると言うけれども、あれ、国民をだましていますよ。

 私が言ったとおり、小沢代表も言いましたけれども、出してきたら常識の範囲で採決すると言っているじゃないですか。それを信用できないといったら、国難に対応できませんよ。ねじれ国会だって乗り越えられませんよ、それを言ってしまったらと思います。

 もう一度、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

中曽根国務大臣 先ほども申し上げましたけれども、政府としては、現在までのところ、できる限りの景気対策を行っておりますが、二次補正につきましては、総理のお話にありますように、来年早々ということでございますので、今準備も行っておるわけでございますので、ぜひ御理解いただきたいと思います。

野田(佳)委員 御理解できないんですが、これは、この午後の党首討論でも大きなテーマになると思います。そちらに譲りたいと思いますが、今の関連で。

 大臣は今、個人としての御意見は出されませんでしたが、自民党の中堅、若手の議員の皆さんの中では、なるほどと思われる動きをされている人たちも今いらっしゃっているようで、速やかな政策実現を求める有志議員の会というのが、この間、十一月二十一日、河村官房長官に、「第二次補正予算案等の早期国会提出を求める申し入れ」をされております。

 この文章を拝見させていただきますと、「「百年に一度の危機」と言われる世界的な金融危機は、日本経済に深刻な影響を与えつつあります。実体経済は予想以上のスピードで悪化しており、昨日の株価も再び七千円台まで下落、国民の雇用や生活への不安が高まりつつあります。今こそ強力かつ迅速な経済対策により、最悪の事態を回避しなければなりません。」この問題認識は私も全く共有できるところであります。

 「麻生内閣はスピードを重んじ、これまで補正予算成立、「生活対策」発表、IMFへの融資表明など、矢継ぎ早に手を打って来ました。この上は、「生活対策」を一日も早く実行するため、第二次補正予算案および関連法案の早期成立が求められます。」というような文章から始まり、強く要請をされています。

 今、文書の半分までしか読んでいないんですが、非常にこれは問題認識として私は同感ができるんですね。

 この速やかな政策実現を求める有志議員の会は二十四人いらっしゃるそうですけれども、この外務委員会の中にも、だれそれとは言いませんが何人かメンバーに入っていらっしゃって、でも、その人たちには御意見をお伺いできないんですが、見渡していくと、ちょうど西村政務官も二十四名の中に入っているということですから、ぜひ、この中堅、若手の御意見、さっき大臣は個人としての意見は控えられましたが、西村さんはこの文章どおりの御認識だと思うんです。どうやら来年までこれは出してこないと総理はおっしゃっているようですが、西村さんの御意見を改めてお伺いしたいと思います。

西村大臣政務官 御指名をいただきまして、ありがとうございます。

 自由民主党は、意思決定、政策決定に当たりましては本当に自由な意見が表明できる党であります。私自身も、一国会議員としては今の紙にある趣旨のとおりでありまして、これは野田先生も同じ御認識だと思いますけれども、ぜひ早く経済対策、二次補正をやるべきだという考えに立っておりました。

 そして、たまたまその二十一日、申し入れのとき、私は、海外出張しておりまして申し入れの場にはいなかったわけでありますし、その文章すべてを細かく事前に見たわけではございませんで、その趣旨に賛同したわけで名前を連ねたわけでありますけれども、その後、政府・与党として意思決定をし、麻生総理が意思表明をされましたので、私としては、その総理の意向に従いたい、こういうふうに思います。

野田(佳)委員 この文書、途中で読むのをやめましたけれども、我が党についても言及をしていまして、「小沢民主党代表自身、首相官邸にて総理に対し、二次補正に関しては可及的速やかに結論を得る事を約束したと報道されています。二次補正予算案、関連法案提出に当たっては、民主党に対しこの点での言行一致を厳格に求めていかねばなりません。」とありますが、これはもう安心してください。これは、小沢代表だけではなくて民主党みんなが思っていることでありますので、それを出してきて、ほごにするということはあり得ないんです。

 だから、もう政略ではなくて、本当にこの危機を乗り越えるためにぜひ二次補正予算を出すように、運動をあきらめてしまうんじゃなくて、引き続き頑張っていただきたいというふうに思います。あきらめないでください。いかがですか。

西村大臣政務官 先ほどの党首会談の内容について、あるいはきょう午後行われるであろう党首討論について、私がどうこう言う立場にはございませんけれども、いずれにしましても、中小企業対策を含め、経済対策については全力を挙げていきたい、私の立場でできることは全力を挙げていきたいというふうに思います。

 事中小企業対策に限って言えば、野田先生も御案内のとおりでありますけれども、信用保証枠六兆円を用意して、さらにこれは、実際お金が、政府のお金が出ていくのは何か事故があったときでありますので、半年先になるか一年先になるかわかりませんけれども、保証は先にやるわけですけれども実際お金が出ていくのはその先でありますので、この年末年始含めてしっかりと対応をとれば、ないように対応をとっていくことができれば、それなりにこの危機を免れていくことができると思いますので、まずは今ある予算をしっかりと実行してまいりたいと思います。

野田(佳)委員 まあ、頑張ってください。

 では、次の質問に行きます。余り個人をあれしても。

 次は、ICCAT、大西洋まぐろ類保存国際委員会のテーマに入っていきたいと思っていまして、私、たまたまこういう条約で当たったのでマグロの質問をしたことがありますが、鯨とかマグロとか、まさに日本の食文化をしっかり守っていかなければいけないという立場で、時折この外務委員会で質問をさせていただいていますが、ちょうどこの間、モロッコのマラケシュで総会が行われて、クロマグロの漁獲枠が東大西洋と地中海において、二〇〇九年が二万二千トン、一〇年は一万九千九百五十トンに削減される、二割削減ということが決まりました。

 これは、大臣は、選挙区が海がないので漁業は余り御存じではないということを前に言及されたと思いますが、マグロはお好きだと思うので、関心は持っていただきたいと思うんですが、今回のICCATの結果についてどのような御感想をお持ちでございますか。

中曽根国務大臣 我が群馬県は海なし県でありますけれども、私もマグロは大好きです。

 今回のICCAT、すなわち大西洋まぐろ類保存国際委員会の年次会合では、資源の状況に懸念が示されていました東大西洋のクロマグロにつきまして、総漁獲可能量の現行計画からの削減、そして禁漁期の拡大などの保存管理措置が合意されたわけでございます。

 この結果、各国に割り当てられます漁獲量は削減をされることになりましたけれども、各国の規制措置を着実に遵守させる、そういう仕組みというものが合意されるなど、資源管理の点から実効性ある合意がなされたものと評価をしているところでございます。

 我が国といたしましては、引き続きまして、責任ある漁業国、また消費国として、今回合意されました内容が確実に実施されるように取り組んでいきたい、そういうふうに思っております。

野田(佳)委員 今回、代表団は外務省だけではなくて、特に水産庁も入って御議論をされたというふうに承知をしています。きょう、水産庁にも来ていただいていると思うんですが、今回の結果というのは、科学委員会が大幅な削減を勧告して、EU初め地中海沿岸諸国が強く反対をするという中で、二割削減という結果となったというふうに承知をしていますけれども、この結果、日本の漁業経営にどういう影響が出てくるのか、また、政府としてどのような対策を講じようとしているのか、お尋ねをしたいと思います。

本村政府参考人 お答え申し上げます。

 大西洋におけるクロマグロを漁獲する我が国の遠洋マグロはえ縄漁船は、一年を通じてクロマグロのみを漁獲しているのではなく、クロマグロの漁期以外はメバチやキハダを漁獲しております。このため、東大西洋クロマグロの漁獲枠の削減が直ちに操業の停止につながることはないと考えておりますが、他の国際的な漁業管理機関における規制の状況も踏まえて、今回の削減がどの程度の影響を与えるのか、慎重に見きわめてまいりたいというふうに考えております。

野田(佳)委員 直ちに影響がないというお話がありましたけれども、これは、いろいろと調べてみると、遠洋マグロのはえ縄漁船というのは、一航海が一年以上、その間に年間二百二十回から三百回操業を行って、一回の操業で三千の針を仕掛け、縄の長さが約二百五十キロ、マイナス五十度の魚倉を維持するために一日に二・七キロリットルから三キロリットルのA重油を使用し、二十二人から二十六人の漁船員が乗り込んで仕事をするというのが平均的らしいんですね。

 とすると、一日当たりの経費が、かつては百万円程度だったものを、今圧縮して五十万円まで引っ張って下げてきた。だけれども、原油の高騰なんかがあったので、今七十万円ぐらいになっているということだそうであります。そうすると、一日経費七十万円で計算すると、年間の経費が大体二億五千万です。二億五千万を収入で得ることはこれは今困難なんですね。ほとんど困難であります。

 その中で、ビジネスモデルをつくるとすると、やはり魚価の高い、今焦点になっているクロマグロとかあるいはミナミマグロとか、この漁獲枠いっぱいにきちっととった上で、さっき御説明のあったメバチとか何かを補ってとっていかないと、ビジネスモデルというのは成り立たないはずだと思います。

 だとすると、この枠がだんだん削減をされるということは、これは一層厳しい経営になっていくということは間違いございません。そういう御認識はお持ちでございましょうか。

本村政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど委員御指摘のございました、枠の削減によりまして漁業者の経営に影響が出るかという御質問でございます。

 直ちにと申し上げましたけれども、やはりいろいろな形での影響は出ると思いますが、私ども、こういう状況に対応いたしまして政策を講じているところでございます。具体的には、十九年度から、漁船漁業構造改革総合対策事業、それから水産業燃油高騰緊急対策事業という事業を実施しているところでございます。

 これらの事業によりまして、省エネ、またコストの削減による経営の安定を図りまして、世界的なマグロ資源や市場の動向に対応した国際競争力のあるマグロ漁業を確立していくこととしております。こういういろいろな事業の実施によりまして、競争力の強い漁業を確立したいというふうなことでございます。

野田(佳)委員 ちょっとまだマグロで幾つか聞きたい項目があったんですが、時間が来たようですので終わります。

 どうもありがとうございました。

河野委員長 次に、近藤昭一君。

近藤(昭)委員 民主党の近藤昭一でございます。

 大臣、APEC、お疲れさまでございました。先ほど同僚議員からもいろいろと質問させていただき、大変な世界的な金融危機である、そういう中で、APECの中でもいろいろと議論され、経済の問題あるいは平和の問題等々、非常に重要な課題があるわけであります。日本としてはぜひリーダーシップを発揮する、その中で、中曽根大臣にはリーダーシップを発揮していただきたいわけであります。

 そういう中で、先般、私も、この外務委員会でも質問させていただきましたクラスター爆弾の禁止条約について、来週条約会議がある、署名にぜひ大臣みずからお出かけをいただきまして、こうした部門で日本がリーダーシップを発揮していく、先頭に立っていく、そういう意思を表明していただきたい、こういうお願いというか提案もさせていただいたわけであります。

 大臣がみずから来週お出かけになる、こういうふうに聞き、けさ閣議決定されたと思いますけれども、そのことについて改めて確認と、大臣の決意をお聞かせいただければと思います。

中曽根国務大臣 今委員がお話ありましたように、けさの閣議でこれの署名についての了承が得られました。長い間、この問題については我が国としても対応について検討してきたわけでありますが、人道的な観点も含めまして、またいろいろな、防衛というような技術的な面におきまして検討した結果、今回、署名をするということになったわけでございます。

 今後、締結、また法律の面で、条約の面でまたお世話になることかと思いますけれども、こういうような政府の方針というものが世界にも伝わり、我が国の姿勢というものもまた評価といいますか理解をしていただければ、そういうふうに思っているところでございます。

 失礼しました、補足させていただきます。

 閣議で決定ではなく、けさ安全保障会議がありまして、そこで了承されたということで、訂正させていただきます。

    〔委員長退席、三原委員長代理着席〕

近藤(昭)委員 ありがとうございます。安全保障会議で決定をしていただいたと。

 先ほど三原委員も提案をされていましたように、ぜひ私どもは、やはり与党も野党もなく、日本の外交として、できることはきちっとやっていきたい、こういうふうに思っておるわけであります。

 そういう中で、アフガニスタンの問題についてちょっと質問をさせていただきたいと思います。

 ことしの七月に国連とアフガニスタン政府が共同で緊急の支援アピールを出しました。そのことについては大臣も御存じだと思いますが、このことについては、これまで、国際機関に加えてカナダ、ドイツ、ノルウェー、オランダなどが各種プロジェクトに対する資金の拠出を表明しておる、こういうことであります。

 ただ、残念ながら、いまだ拠出の決定を日本政府はしていないということでありますが、これまでこの共同緊急支援アピールに対してどのような検討が行われているのか、また、どうしていまだ拠出決定に至っていないのか。

 アフガニスタンの問題はいろいろとこの国会でも論議をされていて、意見が違うところもあるわけでありますが、ただ、今大臣もクラスター爆弾のことでお触れになったように、人道的な問題、もともとアフガニスタンの問題は、テロに対する対策と、もう一つは、アフガニスタンで起こっているさまざまな問題に対する人道的な復興支援に対する協力をどうしていくかという国際社会の論議があり、また、この日本でその支援の国際会議も開かれたわけであります。

 そういう観点からすると、その共同緊急支援アピールに対しては日本はきっちりと素早く対応すべきではないかと思うわけでありますが、いかがでありましょうか。

中曽根国務大臣 ことしの七月の九日、アフガニスタン政府と国連が共同で発出をいたしました食料関連支援に関する緊急アピールでございますが、委員も御承知のとおり、総額が四億四百三十一万九千七百二十八ドルでございまして、このアピールは、世界的な食料価格の高騰、それからアフガニスタンにおける不作などの結果、四百五十万人のアフガニスタンの人を食べさせるために行われたものでございます。

 アフガニスタン政府と国連が共同でこの支援を行う緊急アピールを行ったわけでありますが、世界的に食料価格も高騰している、そういうことから、我が国政府といたしましては、アフガニスタンに対する食料支援の必要性を強く認識しておりまして、ことしも、世界食糧計画を通じまして約九百万ドルの食料支援などを実施いたしました。この支援の一部といたしまして、十月の八日に、約七千トンの小麦の配付がアフガニスタンで始まったところでございます。

 つまり、緊急アピールの前から、我が国としてはそういうような支援をやっているわけでございますが、政府といたしましては、引き続き、アフガニスタンの食料事情、こういうものを踏まえまして、アフガニスタンに対する食料支援には積極的に取り組んでいく考えでございまして、この緊急アピールについても現在前向きに検討しているところでございます。

近藤(昭)委員 大臣、ありがとうございます。前向きに検討していただいているということでありますので、ぜひ前向きな結論を早急にお出しいただければと思うわけであります。

 昨日、一昨日と、実は、アフガニスタンで活動するアフガニスタンの国際NGO、またアフガニスタンで活動するノルウェーのNGOの関係の方からも話を聞かせていただきました。非常に、アフガニスタンの国内で、誤爆による犠牲、そしてまた、今大臣も御認識をいただいております食料危機の問題、こういった問題がある、こういうことにきちっと国際社会が対応していない、そういうことに対して、国際社会に対する信頼度が低下をしている、こういう危惧をそのNGOの方々がおっしゃっていました。

 ぜひ国際社会、中でも日本がぜひリードをして、そうしたアフガニスタンにおける緊急支援、この中でリーダーシップを発揮していただきたいわけであります。

 それに関連しまして、もう一つ質問させていただきたいと思うわけであります。

 今大臣もお触れになった人道援助分野における調整を主たる目的として、アフガニスタンに国連人道問題調整事務所、UNOCHAを設置することが決まった、来年早々の活動開始を視野に入れて、既に準備が進んでいる。日本として、UNOCHAの設置及び活動のために人的、財政的支援を行うべきではないかと考えるわけでありますが、この設置の決定を受けて、日本政府としての対応などの検討は行われているのかどうか、そのことについてお聞かせをいただきたいと思います。

    〔三原委員長代理退席、委員長着席〕

伊藤副大臣 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、我が国はアフガニスタンの平和と安定のために国際機関を通じた支援も積極的に実施してきているところでありまして、人道支援全般にわたる調整機能を担う国連人道問題調整部、UNOCHAの現地事務所の設置が決定したことは、我が国の政府としても歓迎しているところでございます。難民支援や食料支援等を含め、国連機関による活動が従来以上に調整された形で効果的、効率的に進められることを期待するとともに、我が国としても、今後の現地のニーズを踏まえ、必要な支援を決定していく考えでございます。

 今後のアフガニスタンにおける国連人道問題調整部を中心とした人道支援活動の取り組みの強化を踏まえ、国際機関によるさまざまな支援活動に対する我が国の協力を引き続き実施、できれば強化してまいりたいということでございますし、付言して申し上げれば、大変財政事情は厳しいところでございますが、UNOCHAに対する我が国の拠出状況は倍々になっておりまして、平成十八年度が六十五万ドル、平成十九年度が百二十四万ドル、そして平成二十年度は二百四十八万ドルになっているところでございます。

近藤(昭)委員 ぜひこのUNOCHA、調整事務所は非常に重要な役割を果たすと思いますので、日本政府としてしっかりと対応いただきたいと思います。日本政府もずっと人道復興支援を車の両輪として位置づけてきたわけですから、その対応はしっかりとお願いをしたいと思うわけであります。

 続きまして、次の質問に移らせていただきますが、これも私は何回かこの委員会でも質問させていただきました。APECにさきに大臣も行かれて、先ほども触れましたが、やはり本当にアジアの中で日本がしっかりとリーダーシップを発揮していく、そういうことのためにも、さまざまな平時の、平時といいましょうか、活動が必要だ。そういう中で、韓国出身戦没者の方の遺骨の返還、こうしたことをきちっとやっていくことが日本の信頼を高めていくんだという質問をさせていただきました。

 そんな中、十一月の二十日木曜日、祐天寺において第二回目の韓国出身戦没者還送遺骨追悼式が行われ、私も今回初めて参加をさせていただきました。マスコミへの全面公開、関係する一般市民の方の参加。私がこの外務委員会で質問をさせていただき、当時高村外務大臣から前向きな答弁をいただき、そして、今回二回目ということでありまして、一回目に比べてさまざまな部分で、一回目は私も参加できなかったわけでありますが、今回から参加できるような状況になったということであります。さまざまな面で前進をしたということで、本当に関係の皆さんには感謝を申し上げたいというふうに思います。

 特に、今回の式典には、橋本聖子副大臣も参加をされ、中曽根大臣の追悼の辞を代読された。その大臣の追悼の辞の中には、反省とおわびの言葉もあったということであります。当時、あのときの質問は、第一回目のときには大臣の追悼の辞の代読ではなくて副大臣としての追悼の辞であった、こういうことで私は質問させていただいて、今度は代読ということになったわけであります。そこは前進だと思うんですが、ぜひ次回は大臣御自身に御出席をいただいて、大臣が追悼の辞を述べていただきたい、こう思うわけでありますが、いかがでありましょうか。

中曽根国務大臣 朝鮮半島出身の旧軍人軍属の遺骨の返還、そして遺族の問題、これにつきましては、遺骨の問題等につきましては、実は私も前から、委員と同様に、委員ほどではないかもしれませんが、大変この問題に関心を持っておりまして、実は私は日韓議員連盟の日本側の社会・文化委員長をしておりまして、総会が行われるたびに韓国側とこの問題を話し合ってまいりました。

 十一月の二十日に祐天寺において追悼式が開催されたわけでございますが、委員にも御出席いただいてありがたく思う次第でございます。私自身、今回APECの閣僚会議と重なりましたために出席することができませんでしたけれども、お話のとおり、橋本副大臣に出席をしてもらい、私の追悼の辞を代読してもらいました。

 次回の追悼式への出席ということでございますが、これは日程が固まった段階で、またその他の外交日程等もあるかもしれませんし、そういう関係を含めて検討していきたいと思っております。

近藤(昭)委員 ありがとうございます。

 中曽根大臣におかれましても、そうした日韓の交流の中で関心を持っておられる。そして、日程の中で調整をぜひしていただければと思います。感謝とお願いを申し上げたいと思います。

 さて、そういう中で、もう一つ、こういう提案があります。この式典に立法府を代表する議長が参加すべきではないかと考えるわけでありますが、衆参の議長に対してそういう参加の要請をされたのか、そして今後はどういうふうに進められるのかということについてお伺いをしたいと思います。

及川政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねございました衆参両院議長への参加の要請につきましてでございますが、今回の追悼式に当たりまして、参加の御案内は行っていないというところでございます。

 なお、これまで、追悼式の実施に当たりましては、韓国政府と協議を行い、実施の詳細を決めてきたところでございます。今後につきましても、韓国政府と十分に協議の上、対応してまいりたいと考えておりますが、御指摘いただきました出席者の問題につきましては、さまざまな要素、例えば韓国側と日本側の出席者のバランスといった要素なども考慮しながら、協議、検討していく必要があるというふうに考えているところでございます。

近藤(昭)委員 ありがとうございます。

 いろいろの経緯といいましょうか、協議があったということでありますが、今後の協議の中で、私はぜひ国会の議長が参加していただきたい、こういう思いをお伝えしたいと思います。

 今回、私も初めて出させていただきました。遺族の方が出席をされ、遺族の方も追悼の辞を、お父さんあるいはおじいさんということになるわけでありますが、遺族を代表して金鍾益さんという方が追悼の辞を述べられました。その中で、実はこういう言葉があったわけであります。

 いつ、どこでどのように死んだのか、それだけでも早く知らせてくれたなら、せめて祭祀、供養ができた。いろいろな行事といいましょうか、供養することができた。ところが、何も知らされないまま六十年余りたってしまって、そしてきょうに至ってしまった。非常に寂しい、つらい思いをした。こういうことを追悼の辞の中で述べられたわけであります。

 これはだれでもそうでありますが、遺族の気持ちを考えれば、一日も早く戦没者の、亡くなった方の氏名や死亡年月日はもちろんのこと、どのような状況で亡くなったのか、せめてそのことだけでも知りたいと思うのは当然のことだと思うんです。このことについて、どのように伝えていくのか、確認をさせていただきたいと思います。

中曽根国務大臣 朝鮮半島出身の旧軍人軍属の方の御遺骨を御遺族に返還するに当たりましては、また返還する手続を進めるに当たりましては、御遺族が特定された場合には、戦没者の氏名それから生年月日、本籍地や死亡年月日、死亡場所やまた死亡の際の状況なども示しました資料を厚生労働省から受け取りまして、速やかに韓国政府に提供しておるところでございます。御遺族に対しましては、韓国政府を通じてこれらの資料はしかるべく提供されていると私どもは承知をしております。

 今後とも、これらの資料が速やかに御遺族に提供されますように、関係省庁それから韓国政府と連携をしていきたい、そういうふうに考えております。

近藤(昭)委員 ぜひ、遺族の気持ちを考えれば、できる限り早く対応していただきたいと思うわけであります。

 ところで、今は軍人軍属の方の御遺骨の返還でありますけれども、民間人の徴用者の遺骨の調査がなかなか進んでいない、こういうふうに聞いております。

 一九三九年に当時の日本政府が閣議決定をして働かせた、これが民間徴用者であるわけでありますが、今後の民間徴用者の遺骨の返還についても、韓国から御遺族をお招きし、今回行われたような式典をすべきだと思いますけれども、いかがでありましょうか。

中曽根国務大臣 現在、日韓両国の政府間におきまして、朝鮮半島出身の旧民間徴用者の方々の御遺骨の返還に向けた作業を行っておりまして、可能な限り迅速に御遺骨を返還できるよう、関係省庁と連絡をし、連携をし、努力をしているところでございます。

 朝鮮半島出身の旧軍人軍属の御遺骨を返還する際には、我が国の旧軍人軍属として戦没された方々に対しまして相応の礼を尽くすとの観点から、日本政府が主催で追悼式を行っておりますが、その一方で、朝鮮半島出身の旧民間徴用者の方々の御遺骨につきましては、さまざまな経緯によって日本に渡ってこられた、そういう方々のものも含まれておりますという点から、旧軍人軍属の御遺骨とは異なる面があると言わざるを得ない、そういうのが実情でございます。

 このような点も踏まえまして、今後、御遺骨を返還するに至った段階で、関係省庁や、また韓国の政府ともよく調整をして対応を検討していきたい、そういうふうに思っております。

近藤(昭)委員 今大臣おっしゃった課題もあるんだと思いますけれども、遺族の気持ちを考えれば、ぜひしっかりと速やかに対応していただきたい、要請があったら、あると思いますけれども、韓国側とも調整をしながら、協議をしながら進めていっていただきたい、こう思うわけであります。

 ところで、そういう状況、いろいろと御努力をいただいているわけでありますが、ただ、そういう中でも、遺骨の身元はわかった、ところが、その御遺族がどこにいるのかなかなか見つからない、それはもう随分と時間がたっているわけでありますから。また、韓国側で強制動員被害者の被害申告を受け付けた、こういう窓口があるわけでありますが、民間の徴用者の認定をするのに苦労している。

 これについて、被害者を特定するための助けとなるようなさまざまな資料、これは実は、かつてこの外務委員会でも私も触れさせていただいたわけでありますが、そういった名簿があるわけであります。そういうことを発見することができる関連資料がある。厚生年金名簿、供託書の副本、戸籍の届け出書、戸籍受付帳などの資料、こういった資料を韓国政府に提供して、共有化することに向けて、交渉は始まっているというふうに聞いております。

 そういう中で、東京法務局に、当時の未払い賃金等について、国籍別に、氏名、住所、本籍、金額等を記載した朝鮮人労働者等に対する未払い金の供託に係る国外居住外国人供託明細書、供託副本とは別のものということでありますが、法務局には一万ページ以上あるというふうに聞いております。万単位であるということが関係の市民グループの調査で明らかになったと聞いておるわけでありますが、この供託明細書の存在を御存じかどうか。これは身元の確認に結びつく極めて重要な資料だと思いますので、速やかにこの資料を日本政府として韓国政府に提供すべきではないか、それによって御遺族を速やかに見つけるべきではないかと思うわけでありますが、いかがでありましょうか。

伊藤副大臣 御指摘の供託明細書が東京法務局に保管されていることは、法務省から確認をしております。

 それで、韓国政府に提供をすべきじゃないかという御意見でございますが、この供託明細書の韓国政府への提供については、関係省庁とも相談して、どのような対応が可能か検討してまいりたいと思います。

近藤(昭)委員 ありがとうございます。

 私も、ちょっとここにコピーをもらって見たわけでありますけれども、そういう存在を御存じだということでありますので、ぜひ一刻も早く、遺族を発見するために、関連の問題を解決するために、御提供をいただきたいというふうに思うわけであります。

 もう余り質問の時間がなくなってまいりましたが、済みません、最後にもう一度、中曽根大臣、今回のAPECに行かれた、先ほど御報告はいただきましたが、大臣としては何を一番主張し、そして一番大きな成果は何だったのか、改めて最後にお聞かせをいただきたいと思います。

中曽根国務大臣 先ほど御報告させていただきましたけれども、こういう国際的な金融の危機、また経済の危機に当たりまして、アジア太平洋地域のAPEC加盟国の首脳が一堂に会しまして、さきの十一月十五日のワシントンでの金融のサミット、これの成果というものを踏まえて、今後どう取り組んでいったらいいかということを本当に真剣に、短時間ながら協議をし、合意を得たということは、大変私は意義が深いことだと思っております。

 その中で、我が国として、過去の我が国の金融の危機の経験というものを踏まえて、我が国なりの提案を行って、それがまた採用もされ、各国からも高く評価されておったわけでありまして、そういう意味で、日本としてもこの国際金融問題の解決に一つの役割が果たせたのではないか、そういうふうに思っております。

 今後は、実体経済がしっかりとしたものとなって、この危機から一日も早く脱出できるように、先ほど十八カ月というお話で野田委員からもいろいろ御指摘いただきましたけれども、そういうような形でこれが解決できるように、我が国としての努力をやっていかなければと思っております。

近藤(昭)委員 大臣、またこれから年末にも非常にいろいろと外交日程がたくさんあると思います。国内におきましても大変な経済の危機の状況、先ほど私どもの方からも二次補正のお話をさせていただきましたが、ぜひしっかりと対応していき、また、APECでも話し合われた、海外との協調体制の中で、もちろん、国内の需要、内需を拡大する、と同時に、国際関係、国際経済関係というものは非常に重要なわけであります。

 ぜひ、大臣におかれましては、そうした複合的なものがかかわる状況の中でしっかりとリーダーシップを発揮していただきたいということをお願いしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

河野委員長 次に、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 先ほど、大臣からも報告がありましたが、来月の十二月三日、ノルウェーのオスロで行われるクラスター爆弾禁止条約の署名式に日本政府も参加する運びとなりました。私は、ことし四月十一日の当委員会でも政府の対応をただしてまいりましたけれども、この条約を一日も早く発効させて広げることが重要だと思います。

 そこで、まず確認いたしますが、この条約署名によって、日本は、これまで保有してきた四種類のクラスター爆弾は廃棄することになる、加えて、条約では例外扱いされ、欧州諸国が保有しているいわゆる最新型クラスター爆弾も、日本としては今後導入は考えておらず、したがってクラスター爆弾は一切持たないことにしたということでよろしいんですね。お答えをお願いします。

松本政府参考人 お答え申し上げます。

 クラスター弾に関する条約が我が国について発効いたしますと、今まさに先生がおっしゃったとおり、自衛隊が保有するすべてのクラスター弾の使用等が直ちに禁止されることになります。そういった観点から、私どもとしては、二十一年度概算要求におきまして、クラスター弾の機能を喫緊に補完するための精密誘導型の装備品の導入経費を計上しているところでございます。これは、クラスター弾のような子弾を内蔵するタイプのものではございません。

 先生御指摘の最新のクラスター弾、欧州で導入されているようなセンサーつきの子弾、そういったものを内蔵するりゅう弾砲については、現時点でそのようなものを導入する計画はございません。

笠井委員 今ありました、子爆弾を持つクラスター弾は一切持たない、導入する計画はないということになるわけで、これは重要だと思います。しかし、そもそも、これまで持ってきて二百七十六億円も使ったということは問題でありますし、それにかわる新たな装備も要らないということを、私は強く申し上げておきたいと思います。

 他方で、今回の署名式に先立つ今月のCCWの会議では、アメリカなどの保有国がクラスター爆弾に固執をして、何の合意も得られないままに閉幕をしております。来年のCCWで議論するということでありますけれども、この非人道的兵器の世界的な禁止は急務の課題であります。

 去る四月十一日の質疑でも、当時の高村外務大臣は、「主要な生産国、保有国を引き込むような大きな枠組みをつくることが本当に人道的な実効性が上がるものだ」と答弁をされましたけれども、中曽根大臣、我が国の署名を契機に、今回、禁止条約に署名しないアメリカなど他の保有国に対して、どう働きかけて説得していかれるつもりか、お答えを願いたいと思います。

中曽根国務大臣 来週の十二月三日に署名式が行われますクラスター弾に関する条約というのは、もう委員が御承知のとおりで、クラスター弾がもたらす人道上の懸念への対応に向けた国際協力を促進するという見地から大変重要な意義を有するものでございます。

 政府といたしましては、クラスター弾の主要保有国及び生産国も締結をしております特定通常兵器使用禁止制限条約、CCWの枠組みにおいて、クラスター弾の人道上の懸念に対処するための実効的な国際約束が作成されるということを非常に重視しているわけでございます。しかし、残念ながら、ことしのCCWでの交渉では、委員もお話にありましたように、最終的な合意に至りませんでしたけれども、クラスター弾に関する交渉というのは来年も継続をされていくことになっておりますので、我が国といたしましては、引き続いて積極的にCCWでの交渉に参加をしていく考えでございます。

 また、我が国といたしましては、このCCWの交渉のみならず、累次の機会を活用しながら、クラスター弾の主要保有国それから生産国に対しまして、実効的な国際約束の作成について今後も働きかけをしていく、そういう考えでございます。

笠井委員 日本は憲法九条を持つ国でありますし、非人道的兵器という点では、やはり主要保有国すべてがきちっと参加をするという方向で、しかも、条件をつけたり例外を置かずに、全面禁止のために率先して力を尽くすべきだということを強く求めておきたいと思います。そのために日本政府は仕事をすべきだと思います。

 次に、APECの首脳会議の際の日米首脳会談で、麻生総理が着実に進めていくとされた米軍再編の経費の問題であります。

 二〇〇六年五月のロードマップ以降、私は、当時の麻生外務大臣、二〇〇七年三月に安倍総理大臣、二〇〇八年四月に福田総理大臣に対して、それぞれ、三兆円とも言われてきた日本側負担の総額を国民に示すべきだと質問してまいりましたが、いずれも、現在日米間で検討して詰めている、鋭意検討を進めて、できるだけ早い段階で明らかにしていきたいという答弁をするだけでありました。

 そこで、中曽根大臣、もう二年半もたつわけですので明らかにできるはずだと思いますが、一体総額は幾らぐらいになるんでしょうか。

西宮政府参考人 お答え申し上げます。

 米軍再編に伴います日本側負担の総額についてお尋ねでございますが、例えば、普天間飛行場の移設や岩国飛行場への空母艦載機の移駐といった再編関連措置に関しまして、事業の概要についての調整は進んできておりますが、具体的な施設の仕様、配置といった詳細が、引き続き日米間あるいは地元との関係で調整中でございます。

 また、こうした再編関連措置の実施に伴い、負担が増大いたします地元に対する地域振興策の具体的な内容も、今後、再編関連措置の進捗を踏まえつつ、地元の意見も伺った上で関係省庁との間で調整されるといった事情がございまして、現時点では日本側負担の総額というのは決まっておりません。

 このため、現時点で日本側総額をお答えすることは、申し上げることはできませんが、引き続き、厳しい財政事情を踏まえまして鋭意検討を進めて、所要の経費を精査していく考えでございます。

笠井委員 外務大臣、こういう大事な問題をお答えされないというのは非常に問題だと思うんです。私は、どんな名目であれ、今どき、総額や規模がはっきりしないまま支出を始めて二年半もたっている、こんな国の事業なんていうことがあるかと。これこそ聖域というわけであります。

 それでは、既にロードマップに基づいて、これまでに在日米軍再編のための取り組みとして幾ら計上したか、さらに、概算要求しているかを確認したいと思います。

 提出した資料を配付されていると思いますので、ごらんいただきたいと思いますが、防衛省提出の資料を整理したものでありますけれども、米軍再編全体で、いわゆる地元負担軽減分とそれ以外、加えて、十八年度以降のSACO関係経費を合わせると、平成十八年、二〇〇六年から、平成二十年、二〇〇八年までに支出された経費及び来年度の概算要求で計上されている経費の総額というのは、これを足しますと二千七百七十六億円になるというふうに思うんですが、防衛省、これは間違いありませんか。この数字、間違いないかどうかだけ。

長岡政府参考人 御指摘のとおり、ロードマップで合意されました平成十八年度以降、平成二十一年度概算要求までに計上されました米軍再編関連経費及びSACO関連経費の合計額、先生御指摘のとおり、契約ベースで二千七百七十六億円となっておるところでございます。

笠井委員 資料で見ますと七億円計上されているグアム移転経費については、全体総額は、これまでの議論の中で明らかになってきましたが、百二・七億ドル。そのうち日本側が六十・九億ドルということで、合意時の換算で七千億円という日本側の負担になっております。今、二千七百七十六億円ということと合わせますと、これまでにはっきりしている額だけでも既に一兆円近くに上るというわけであります。

 では、今後はどうかということですが、去る十一月二十六日に行われたシーファー米大使と浜田防衛大臣との会談で、米大使は、二〇一四年の再編完了のため日米両政府の合意を達成することが重要だ、双方が予算計上に努力しなければならないというふうに強調をして、浜田大臣も、同感だ、予算上の問題があるけれども日米合意の実現に最大限努力したいと語っております。二〇一四年までの達成のために、来年度予算に多額の経費を計上せよと先方から言われて、必要な額は出す、互いに予算上も全力を尽くすということであります。

 例えば、グアム移転経費についても、最近の米側の発言や文書を見ますと、日米合意当初の見積もりよりも総額が増大する可能性が指摘をされております。

 防衛省に質問しますが、これ以上グアム移転経費の総額が膨らむ可能性はないと言えるのか。もしあった場合に、当初の百二・七億ドルの枠組みとは別枠でさらに日本側に負担分担を求められたらどうするか、対応についてお答えいただきたいと思います。

松本政府参考人 お答え申し上げます。

 今御質問のありました在沖米海兵隊のグアム移転経費の日本側負担分につきましては、私ども、あくまでロードマップの合意に従って負担を行うということでございます。

 現在、日米両国間においてグアム移転に関する協議を行っているところでございますけれども、そこの中においても、米側から、グアム移転経費の総額が増額する可能性、あるいは、それに伴います我が国に対する経費負担に関する追加要請、こういったものは今のところございません。

 いずれにせよ、グアム移転経費につきましては、あくまでロードマップの合意、在沖海兵隊のグアム移転に伴います施設及びインフラ整備約六十・九億ドル、先ほど御指摘ございましたが、その合意に従って負担を行いたいというふうに考えているものでございまして、仮に追加要請があった場合という仮定の話に対してお答えすることは適切ではないというふうに考えているところでございます。

笠井委員 増額要請は今のところないというわけですが、これは膨らむ可能性はないと断言できますか。

松本政府参考人 繰り返しの答弁になって恐縮でございますけれども、私ども、今米側から聞いておりますのは、あくまで総額百二・七億ドル、そこの中で私どもが負担するのは約六十・九億ドル、このロードマップの合意に基づいてやりたいと考えているところでございます。

笠井委員 膨らむ可能性がないとは断言できないわけでありまして、私は、このグアム移転についても、あくまで二〇一四年までに完了することを優先させるということになりますと、経費がかさんでも、可能性があっても、それでもやる、あるいは、急いでやるならば、それまでにやらなきゃいけないということになると、ふえる可能性は当然あると。

 中曽根大臣、これは最後なんですが、まして米側、そして世界的にも現下の金融危機、経済情勢悪化という状況、先ほどもありました。そのもとで、日本側の追加負担を求めてくることはないとはっきりおっしゃることができるか、あった場合に、日本政府としてどう対応するか、きっぱり断るおつもりなのかどうか、お答えください。

西宮政府参考人 お答え申し上げます。

 政府といたしましては、在日米軍の再編は、日米安保体制に基づく抑止力を維持しつつ、地元負担の軽減を図る観点から、その着実な実施を重視しておりまして、平成十八年五月に合意されました再編実施のための日米のロードマップに基づき、在沖縄の海兵隊部隊及びその家族のグアム移転が確実に実施されるよう引き続き努力していく考えでございます。

 日米間では、このような観点に立って、グアム移転に関する協議を継続的に行っております。この詳細につきましては、現在協議中でございまして、お答えを差し控えますが、政府といたしましては、現時点まで、グアム移転経費の総額が増大する可能性について米政府より説明を受けたことはございません。

 グアムの移転経費につきましては、あくまでもロードマップ合意に従って負担を行うものと考えており、仮に要請があった場合というような仮定の質問にはお答えいたしかねる次第でございます。

笠井委員 要するに、合意に基づいて確実に実施するということしか言わないわけです。しかも、あった場合については答えることができないで、断ると言えないということでありまして、私は、そんな姿勢では、結局、アメリカの言い値でどんどん経費が膨らんで、青天井で、総額三兆円どころか際限もない額になりかねないと。

 そもそも、これは予算委員会でもやってきましたけれども、米領土の米軍基地増強に日本国民の税金を投入するなんというのは、外務省の北米局長も当時言いました、歴史上も世界的にも類例がないわけであります。米軍再編の日米公約は聖域にする一方で、社会保障はばっさり削る。総理も削るのはもう限界と言われているような状況の中で、三兆円あれば、今最優先にすべき国民の暮らし、福祉の向上のために、後期高齢者医療制度だって廃止にするなど、社会保障の拡充に踏み切れます。一兆円あれば、消費税の食料品非課税だって踏み出すことができる。米軍再編はブッシュ政権の先制攻撃戦略の中で具体化したものでありまして、アメリカも新政権になるわけですから、この際、総額も言えない、大臣も答弁に立てないというような状況だったら、まずすっきり白紙に戻すべきだということを求めて、質問を終わります。

河野委員長 次に、保坂展人君。

保坂委員 社民党の保坂展人です。

 きょうは、外務省の公金支出のあり方について聞いていきたいと思います。

 中曽根大臣に、お手元に新聞の記事が行っているかと思いますが、これは、十一月七日に会計検査院が発表した決算検査報告の中で、いわゆる自治体の裏金ですね、預けなどの手口で業者に預けていた、こういうことが問題になりました。

 ただ、この中で、外務省にも拠出金放置、これは見て驚くんですが、カンボジア基金などはもう八年前から閉鎖をされていた、外務省は閉鎖されていることも把握していなかった。これは、十基金で三億五千万円が残余金、つまり、日本政府としては返還を求めるべきお金だということを検査院から指摘をされています。

 まず、検査院にお聞きしますが、基金の残余金、この放置のどこが問題だということでこの指摘をしたんでしょうか、簡潔にお願いします。

諸澤会計検査院当局者 お答え申し上げます。

 本件は、合計三億九千七百五十一万円の拠出残余金額が判明いたしました八つの信託基金を含めまして合計十の信託基金について、その拠出残余金の返還受け入れが、国連からの返還等に関する照会文書等を長期にわたり回答しないままにしていたなどのため、早期に行われていない事態を指摘いたしましたところ、改善の処置が講じられたものとして報告させていただいたものでございます。

保坂委員 大臣、これは、裏金というよりは忘れ金といいますか、国連の方から日本政府に戻しますよと照会して、外務省は受け取るんだけれども、だれも対処しない、国連代表部に通知して、そこでまた忘れたり、何かひどい形になっているなと思います。

 検査院の資料では国連が算定中のものもあるんですが、現在のところ、この新聞報道の三億五千万余りが残余金だということでよろしいのでしょうか。大臣、お願いします。

中曽根国務大臣 先ほどからお話があります、国際機関の信託基金の閉鎖に伴う拠出残余金につきましては、会計検査院の平成十九年度決算検査報告において指摘されたとおりでございます。そこで、報告で指摘されました十の信託基金すべてにつきまして、国庫返納または他の基金への振りかえに関する手続を行っているわけでありまして、一部は既に完了しております。

 外務省といたしましては、このような事態が二度と生じることのないように、拠出の残余金の返還に関する事務手続などをガイドラインとして明確に定めまして、そして、外務本省内のみならず全在外公館に周知徹底を行いました。私からも、事務当局に対しまして、このような事態が発生したことは大変遺憾である、再発防止を徹底するよう注意喚起を行ったところでございます。

 残余金の額など詳細につきましては、政府参考人より答えさせていただきます。

梅本政府参考人 お答え申し上げます。

 平成十九年度決算検査報告におきまして、国連が算定中というふうになっておりました東ティモールの平和的解決のための信託基金の残余分につきましては、約三百六十万ドルということがその後判明しております。また、ボスニア・ヘルツェゴビナ警察支援プログラム信託基金の残余金が利子収入により約六万ドル増加したということも判明しております。

 その結果、現在までに確定している拠出残余金総額は約七百二十三万ドル、円貨にして約八億一千六万円ということでございます。

保坂委員 ちょっときのう聞いただけで、三億五千万円が今、もう八億円に膨れ上がっている。

 委員長にちょっとお願いしたいんですが、一つ一つどうしてこれが、これからちゃんとやるというのはいいんですよ、そうやっていただければ。ただ、なぜこれだけの基金が国連から照会があってもすべてが棚上げになってきたのか、この経過をしっかり委員会あてに出していただきたい。どうもお金の感覚が非常にずさんきわまりないと思いますので、委員長、いかがでしょうか。

河野委員長 それでは、外務省、それぞれの経過について理事会に御報告いただきます。

梅本政府参考人 申し上げます。

 時間の制約がございますので、詳しい報告はまた別途必要に応じてさせていただきます。

 十信託基金のうち、ボスニア・ヘルツェゴビナ警察支援プログラム信託基金、東ティモール暫定行政機構信託基金、国際支援検証委員会活動のための信託基金及びサラエボの基本的サービス復旧のための信託基金の四信託基金につきましては、平成十六年から十七年にかけて、それぞれ国連から拠出残余金の通知がございました。

 これに対して、会計検査院から御指摘がありましたように、処理をするものをきちんと定めていないというようなことによりまして、拠出残余金の返還等について対応するための具体的な事務手続が定められていなかったということにより処理に時間を要したということがございます。

 また、緊急人道支援の啓発信託基金、カンボジア信託基金、複合緊急事態における人道的挑戦信託基金及び中東湾岸危機信託基金の四信託基金につきましては、本年六月から七月にかけて、それぞれ国連から拠出残余金の通知がございましたが、会計検査院の実地検査が行われたということもございましたので、拠出金の処理についての議論の方向性が定まるまで残余金の処分の判断を差し控えていたということがございましたが、最終的に国連への回答を本年十月に行ったということでございます。

河野委員長 詳細については、理事会に文書で報告をいただきます。

保坂委員 メーンの質問をする時間がなくなってしまうので、きっちり理事会に出していただきたいと思います。

 この間、幸田シャーミンさんのパワハラ問題で話題を呼んでいた国連広報センター、UNICの問題について質問をしてきました。

 これは八月十八日に国連総会に国連の監査室が、これは大変問題だったという、二枚目の資料につけておりますけれども、認証担当官や承認担当官が承知の上で虚偽の請求書を用いて支出として記録し前払いを認めていた、二〇〇〇年から二〇〇六年の間によく行われた慣行を発見した、職員らは年末に資金を十分使い切るために取引業者に前払いをしていたことを認めた、これは国連の財政規則、規定違反である、また、前払いした取引業者が破産申告したことから、国連にとっても損失になり得るものであると。この国連にとっても損失になり得るものであるという部分について、これは政府はきちっと認識をして、国連の機関の問題でありますが、結局日本政府が出しているお金の行方という問題です。

 時間がないので、もう一点、審議官に答弁をしてもらいたいんですが、実は、私が質問主意書を六回ほど出しています、この問題で。

 九月二十五日に提出した主意書の答弁書で、政府は、国連に照会した結果、国連事務局からUNIC東京は五百万円の定期預金を有しているが、どのような経緯で、定期預金が形成されたのかは不明だ、こういう回答をしているんですね、回答を得たと。

 私の質問は、要するに、予算使い切りの官公庁で、UNIC東京、政府は毎年出しているわけですね、こういうところで五百万円の定期預金ができてしまう。これはやはり裏金と疑うのが相当だろう。日本政府は、国連の機関のことではあるけれども、日本国の税金が定期預金として五百万形成されていたのかどうか、この事実関係を、どうなっているのとしっかり聞きなさいという質問なんですね。ところが、外務省は一切聞こうとしないんです。

 要するに、UNIC東京が、これはわかりません、五百万円の定期預金はあります、これだけ答えているわけです。UNIC東京が五百万円の定期預金はありますと答えたという答弁しか答弁書に返ってきていないわけですね。これはいかがなものかと思うんですよね。

 本来は、これは調査をし、日本政府から出た拠出金がいろいろ余って積もって五百万円になっているのであれば、国連を通して返還請求をしたらいいじゃないですか、こんなものは。そういうことはできないのか。

 それから最近、このお金は国連の所蔵の美術巡回展に使ってしまえ、こういう提案をしたという話があるんですね。では、これは隠ぺいなのかなと。そしてまたさらには、これまでのUNIC東京の口座は、この月末シティバンクに移動される、こういう話もあるわけです、シティバンクは今このような状態であるときに。

 ちゃんとお金の行方について、日本政府が出しているものはしっかり調べて、変なことになっていないかどうか、国連の機関であっても外務省はしっかりやってほしい。いかがですか。

梅本政府参考人 お答え申し上げます。

 UNIC東京、国連広報センターでございますが、この五百万円の定期預金については、質問主意書でお答えしたとおりでございまして、国連側に照会をした結果、右定期預金が形成された、どういう経緯でそういうものが形成されたのかよくわからないという回答があったことは事実でございます。

 私どもとしては、もちろんこれは国連の中の経理処理の問題でございますが、御指摘のように、我が国が拠出をしたお金が使われているということでございますので、我が国の拠出金が適切に執行されるよう、是正されるべき点は是正されるようにということで、国連事務局側とはこれまでも密接に連絡をとり働きかけをしてきておりますけれども、さらに万全を期して、密接に連絡をとって働きかけていきたいというふうに考えております。

保坂委員 質問したことにちゃんと答えてくださいよ。

 美術展でこのお金を使ってしまおうよということを日本政府は提案していないですか。していないというんだったら、ここで明確に否定してください。

 それからもう一点、シティバンクに移すという情報は本当ですか。

梅本政府参考人 お答えいたします。

 今御指摘のございました美術巡回展ということでございますが、そのために東京国連広報センターが保有しております五百万円の定期預金を使うことについて外務省が提案したということは全くございません。

 それから、銀行口座につきましては、私ども詳細を承知しておりません。

保坂委員 大臣、実は、きょうは本当に短い時間なので全部は聞けていないんですが、国連に私たちの国のお金を預けるというと、国際機関ですからみんな国民も信用しているわけですが、それはやはり会計ルールがあるわけです。日本政府のお金が出ているわけですから、そこが余っているのであればしっかり返してもらうということを、このUNIC東京問題でもしっかり調査してもらえないですか。その答弁だけ求めて、終わりたいと思います。

中曽根国務大臣 先ほどからお話がありますように、我が国が拠出しているお金の使途についてはやはりきちっとしたものでなければなりませんし、国民の税金から出ているわけであります。

 したがいまして、適切な執行を確保するために、私どもとしては、引き続いて国連の事務局とよく連絡をとり合って適切な対応をやっていきたい、そういうふうに思っております。

保坂委員 終わります。

河野委員長 それでは、外務省から理事会にこの定期預金の形成についての調査の報告を求めることにしまして、次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時九分散会


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