衆議院

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第13号 平成22年4月21日(水曜日)

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平成二十二年四月二十一日(水曜日)

    午前九時三分開議

 出席委員

   委員長 鈴木 宗男君

   理事 木内 孝胤君 理事 小宮山泰子君

   理事 空本 誠喜君 理事 中野  譲君

   理事 和田 隆志君 理事 小野寺五典君

   理事 平沢 勝栄君 理事 赤松 正雄君

      大山 昌宏君    岡田 康裕君

      吉良 州司君    齋藤  勁君

      阪口 直人君    末松 義規君

      武正 公一君    中津川博郷君

      西村智奈美君    萩原  仁君

      浜本  宏君    早川久美子君

      平岡 秀夫君    松宮  勲君

      山崎  誠君    横粂 勝仁君

      赤澤 亮正君    岩屋  毅君

      河井 克行君    河野 太郎君

      高村 正彦君    赤嶺 政賢君

      笠井  亮君    服部 良一君

    …………………………………

   外務大臣         岡田 克也君

   外務副大臣        武正 公一君

   文部科学副大臣      中川 正春君

   防衛副大臣        榛葉賀津也君

   外務大臣政務官      吉良 州司君

   外務大臣政務官      西村智奈美君

   財務大臣政務官      古本伸一郎君

   経済産業大臣政務官    高橋 千秋君

   政府参考人

   (国税庁長官官房審議官) 杉江  潤君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁電力・ガス事業部長)      横尾 英博君

   外務委員会専門員     清野 裕三君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十一日

 辞任         補欠選任

  阪口 直人君     岡田 康裕君

  早川久美子君     山崎  誠君

  古川 禎久君     赤澤 亮正君

  笠井  亮君     赤嶺 政賢君

同日

 辞任         補欠選任

  岡田 康裕君     阪口 直人君

  山崎  誠君     早川久美子君

  赤澤 亮正君     古川 禎久君

  赤嶺 政賢君     笠井  亮君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 脱税の防止のための情報の交換及び個人の所得についての課税権の配分に関する日本国政府とバミューダ政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第四号)

 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とクウェート国との間の条約の締結について承認を求めるの件(条約第九号)

 原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とカザフスタン共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件(条約第一四号)


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     ――――◇―――――

鈴木委員長 これより会議を開きます。

 脱税の防止のための情報の交換及び個人の所得についての課税権の配分に関する日本国政府とバミューダ政府との間の協定の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とクウェート国との間の条約の締結について承認を求めるの件及び原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とカザフスタン共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件の各件を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 各件審査のため、本日、政府参考人として国税庁長官官房審議官杉江潤君、資源エネルギー庁電力・ガス事業部長横尾英博君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 日本・カザフスタン原子力協定でありますが、この協定でカザフスタンのウランを国内の原発で利用しようとしておりますが、一方では、日本国内の原発の安全性が大きく問われる事態になっております。

 そこで、経済産業省に質問しますが、ことし三月に発覚した中国電力の島根原子力発電所での百二十三件余りの点検不備を初めとして、原発立地県の福井県、茨城県等、ここ一、二年だけでもほぼ毎月、地元紙を見ますと、事故関係の報道がなされている状態であります。パイプダクトの腐食、放射性廃液漏れと違法処理、作業員の転落死などなどであります。

 住民や地方議会、知事が国に対して何度も安全対策を求めているもとで、なぜこうも事故が繰り返されるのか、答弁願いたいと思います。

横尾政府参考人 お答え申し上げます。

 国内の原子力発電所の安全性につきましては、施設の設置段階の審査、運転段階の検査により、厳格に安全性を確認しております。今委員御指摘のとおり、事故、トラブル等があった場合、原子炉等規制法に基づきまして迅速に報告を受け、さらに、事業者から提出された原因と対策の究明、そして再発防止対策を確認してございます。二十一年度におきましては、十五件の報告がございました。

 経済産業省といたしましては、原子力発電所の安全の確保に万全を期してまいりたいというふうに考えてございます。

笠井委員 そう言いながら、繰り返されてきているわけであります。

 本協定は、政府の原子力立国計画の一環として打ち出された政策を具体化するものであって、原発の重大事故が頻発する中で、専門家が危険性を指摘する核燃料サイクル政策への依存を深めて、かつ、旧政権よりさらに原発依存を助長しかねないものであり、我が党はこの協定に反対であります。

 次に、日本・バミューダ租税協定についてでありますが、現在バミューダに進出する日本の多国籍企業の海外子会社、富裕層等の数は一体どのぐらいになっているかという点が一つと、それから、バミューダとの租税協定によって情報交換の実効性の確保はどうなるんでしょうか。この二点、お答え願いたいと思います。

武正副大臣 一点目についてお答えをいたします。

 二〇〇九年時点でバミューダに支店、駐在員事務所を有する日系企業数は十四社、進出分野としては保険業が大半を占めております。在留邦人数については、二〇一〇年三月時点で二十三人でありますが、今、富裕層というお話でしたが、個人の資産状況については把握しておりません。

笠井委員 数の把握というのは大事な前提だと思いますので、そこのところは課税の上でもきちっとやはりやる必要があると思います。

 次に、日本・クウェート租税条約について伺いますが、この条約にある源泉地国課税でありますが、配当の限度税率が、持ち株割合の一〇%以上の親子会社間で五%、それから使用料で一〇%となっていますが、なぜこのような措置になったのでしょうか。

武正副大臣 お答えをいたします。

 租税条約の締結に当たって、投資所得に対する限度税率、限度でありますが、これを設けることが一般的でありまして、このことが投資促進効果を有することが認められております。

 他方、租税条約の具体的規定内容については、両国の法制度、国内事情に応じて、交渉により合意されるものでありまして、我が国においては、条約相手国との投資交流を促進する観点から、配当については一〇%、親子会社間の配当の場合は免税、使用料については免税としている条約もありますが、クウェート側が投資受け入れ国であるとの事情等を考慮しつつ交渉を行った結果、この条約では、配当については親子会社間の配当であっても五%、使用料については一〇%の限度の税率を規定することになりました。

笠井委員 国際課税の学説でも、担税力のある使用料を低率の源泉地国課税にすることは問題であるとの指摘もあるほどであります。

 一方で、日本の多国籍企業に対するいわゆる居住地国課税の実態というのは、大企業優遇税制となっております。グローバルに活動する日本の多国籍企業に対する税負担の過度の軽減というのは、私は問題があるということを思います。したがって、日本・クウェート租税条約は賛成できないと申し上げたいと思います。

 このように、大企業や多国籍企業などへの優遇税制をさらに進めるということがやられる一方で、納税者の権利はどうなっているかという問題がやはり大きな問題としてあると思うんです。

 そこで、この際、先日に続いて幾つかさらに伺っていきたいと思いますが、四月九日の当委員会で、納税者権利憲章の検討状況を私、伺いましたのに対して、古本政務官は、OECD基準による納税者の権利と同時に義務をあわせて取り組むというふうに答弁をされました。いわば権利と義務の並列的な位置づけかなということを伺って、私、違和感をその点では持ったんです。

 というのは、日本の場合、諸外国と比べても、納税者の権利利益の保護、救済というのが余りに立ちおくれているという現実がある。この現実というのは踏まえる必要があるんじゃないかと思うんです。実際、私自身、これまでもいろいろな例を、実際の現場の話も伺ってきて、また、国税庁にも要請なんかもやったことはあるわけですが、税務署から善良な中小零細企業の経営者に対して予告なしの調査、生活区域への無断立ち入りとか問答無用の反面調査とか修正申告の強要などが行われてきたと。幾多の実態を直接私も聞いてまいりました。

 こういう中で、日本弁護士連合会が先日の税調納税環境整備小委員会に提出した「納税者権利保護法の制定に関する立法提言」というのが、その基本的考え方についてこう言っております。「我が国の納税者の権利利益の保護・救済制度が諸外国に照らして立ち遅れている現状に鑑み、納税者の権利利益の保護・救済を図るべきである」と。そして、これが議論の根本と出発点に置かれるべきだということを明快に論じていると思うんです。

 私は全く同感なんですけれども、基本的に納税者の権利利益の保護・救済制度が諸外国に比べても立ちおくれているという現状があるからこそ、やはりそこにもっと力点を置いて、きちっと対策というか検証なりをとる、つくる必要があるというふうに思うんですけれども、この基本的な点で財務省の見解はいかがでしょうか。

古本大臣政務官 お答えいたします。

 過般、先生とはそういう議論を当委員会で交わしたわけでありますけれども、その際に引用したOECDの話は、まさに権利と同時に義務もうたっているわけであります。

 他方、今御指摘いただきましたように、我が国の場合は、日弁連の皆様を初め、いわゆる税のユーザーの側から、納税者の側から、その権利について諸外国に比べて御指摘のような部分があるということは承知をいたしております。

 あわせて、日弁連の皆様から、政府税調の中に構えております納税環境整備に係るPTにおきましても、専門家の先生方が意見聴取を累次にわたって日弁連からなされております。そこに提出された紙も拝見しておりまして、今委員から御指摘のようなこともいただいていることは重々承知をいたしております。

 それを踏まえまして、特に声として上がっているものの一つに、更正の請求期間の問題なんかがあると思うんです。これは一般的には余り知られていないといいますか、難しい言葉なんですが、ありていに言えば、国税へ納税者の側が調査の依頼をして、自分の納税額について不服がある、調べてほしいということの請求については、実は一年間しかその請求権が認められていない。他方、それに対して課税庁側は、つまり国税庁側は、あなたの納税額は実はもっとあるんじゃなかろうか、調査をしたいという増額の要請については原則三年、法人については五年認められている。こういういわゆるあべこべの状況になっている部分を正してほしいという話はるるいただいております。

 これについては、税理士会初めいろいろなところと実は協議をしているんですけれども、単純に、では五年で面を合わせて解決するかというと、それぞれの利害が相反する中で、実は先般の税制改正においても、この点は積極的に取り上げるべく準備をしていったのですが、最終的に税のユーザー側の代表である税理士会の皆様と意見が一致しなかったということがございまして、継続課題になっております。

 そのことで、若干の議論を紹介いたしますと、税調の中でお示しをいたしておりますのは、一点目に、過般御答弁申し上げたとおり、納税者の環境整備を行っていくということを税制改正大綱にうたっております。あわせて、私が御紹介したのは、「罰則の適正化」というくだりも実は税制改正大綱の中でうたっておりまして、読み上げますと、「納税者の税制上の権利の裏返しとして、納税者には適正に税制上の義務を履行することが求められます。義務を適正に履行しない納税者に対しては、厳正かつ的確に対処する必要があります。」ということもうたっておりまして、文字どおり、権利と裏腹に義務はある、そういうふうに理解をいたしております。

笠井委員 請求期間などの問題、大事な問題はきちっとやっていく必要があるんですが、最後にまた言われたわけですが、やはり義務も大事だということを言われるんですが、私はむしろ、その義務という問題よりも、今本当に日本がOECD諸国の中でもとりわけ権利の面がおくれているというところに力点を置いて根幹に据えないと、本当に実のあるものになっていかないというふうなことを強く思っております。

 日弁連の立法提言でも、基本的考え方という中に、「我が国の租税制度においては、納税者の権利を保護するための規定が乏しく、納税者の権利利益の保護・救済が十分でない。」とさらに言っていて、「現行の租税法制は、歳入の確保のための徴税の便宜という観点から制定されているためである。」と。これを改めて、「納税者の権利利益の保護・救済制度を充実すべきである。」と述べているわけで、この辺は本当に重く受けとめてやっていく必要がある。この提言を見ましても、我が国では、「納税者の意見等は行政の効率的運営に支障がない限度で採り上げれば足り、課税庁の判断・権限行使を優先してよいかの如き現状にある。」と、そこまで指摘していることがあるわけですから、それを真摯に受けとめて具体化を進めてもらいたいと思います。

 そこで、幾つか具体的な問題なんですが、これまでほとんど全く規定が整備されていなかった分野である、税務調査における納税者の権利の規定というのは、その中でも大事な問題だと思います。

 今、我が国では、事前調査予告なしの税務調査がまかり通っている現状があります。この日弁連の提言も、現行の国税通則法、所得税法、法人税法等には、どのような場合ないし事例が申告書提出者に対してあらかじめ日時、場所を通知する場合に該当するのかの定めが欠けており、税務署員の裁量にゆだねられていると指摘しておりますけれども、税務調査はやはり事前通知が原則との根拠法規定がどうしても必要だと思うんですが、この点はいかがでしょうか。

古本大臣政務官 お答えいたします。

 税務調査、いわゆる税務調査でございます。これに際しましては、原則として、納税者に対しまして調査の日時をあらかじめ通知をすることといたしております。所得税の調査で申し上げれば約八割、法人税の調査で申し上げれば約九割について既に実施をしているということでございます。

 この事前通知の問題を含めまして、税務調査の手続は、納税者権利憲章の制定とあわせまして、現在行われております納税環境整備の小委員会において実務的に検討をさらに深めていただきたいというふうに思っております。

 残念ながら、実は市民公益税制というのも並行してやっていたんですけれども、NPOの方々からは、税務署に行っただけで心拍数が上がるというような御意見もいただいておりまして、税務職員は一生懸命、いわゆる脱税事案のないようにということで努めているわけでありますけれども、こういったことが誤解のないように、真摯にさらに活動してまいるように取り組んでまいりたいと思います。

笠井委員 古本政務官もよく御存じだと思いますが、現場ではなかなか説明と異なる実態がありまして、例えば、これは広島県の例ですが、突然の税務署員の訪問で納税者の妻が意識不明になって救急車で運ばれる事件が発生しました。妻の病気を理由に自宅への訪問を事前に拒否していたにもかかわらず無視したために起きた事態であります。

 まさしく、納税者への通知と認知の仕方が問われております。どのような場合が通知に該当するのかが本当に大事だと思います。

 もう一つですが、納税者が税務調査を受ける際に、納税者が指定した代理人の立ち会いについて、税務署員が第三者の立ち会いと称して拒否をして係争になることがございます。

 日弁連の提言では、「納税者は、租税に関するすべての手続において、専門家(弁護士等)を代理人として選任しその援助を受ける権利を有する。」「調査への立会いを認める」としておりますけれども、やはりこういう点での根拠法規定も必要なんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。

古本大臣政務官 現在でも税理士の立ち会いは認められておるわけでありまして、そのように対応してまいりたいと思います。

笠井委員 それでは心もとない。現場では、立ち会いの可否というのは税務署職員の裁量にゆだねられているというのが実態であります。だから、日弁連の提言のように、納税者が選任する専門家を含むという根拠規定が必要だと思うんです。これは先進諸外国に共通して採用されている納税者権利憲章の原則の項目の一つでありまして、私はこれをきちんと盛り込むべきだと思います。

 もう一つですが、税務調査の理由をきちんと提示することも重要だと思います。現状では、税務署員が単に法人税の調査ですと税目を告げるだけにとどまっている。税目を告げずに調査だと言って無断で立ち入るケースもしばしばであります。これでは納税者側が不十分な準備、対応しかできず、税務署員があらぬ予断、偏見に陥って調査を進める弊害があります。納税者に対する税務調査の理由の明示規定というのは現行の税法に定めを欠いているので、納税者権利憲章の制定の検討を進める際の重要点になると思うんですが、この点ではいかがでしょうか。

古本大臣政務官 先ほどお答えしたわけでありますけれども、御指摘の点は、今、弁護士の方々も入られた上での専門家による納税環境整備のPTの中で鋭意議論をいただいておりますので、恐らく委員の御意見については日弁連の方々もいわば代弁している部分もあろうかと思いますので、そういった御意見をいただく中でさらに深めてまいりたいというふうに思っております。

笠井委員 国税庁職員の裁量の幅が大きいから問題になるわけで、これは税法に根拠規定がないから問題になるわけでして、こういう点、現状を認めて正すべきだと思います。

 確認ですが、そういうことも含めて幾つか私は指摘申し上げましたが、そういう問題点も含めてこれから議論して、具体化をしていくということでよろしいですね。

古本大臣政務官 私も一納税者ですから、仮に弱きをくじいて強きを助けているような税務があってはならないわけですし、何分、職員は精いっぱいの調査に当たる中で、現場でいろいろなことが起こっているとの委員からの御指摘でありますので、さらに現場をつぶさに互いに確認し合う中で、さらに、政府税調という枠組みの中で、いただいた御意見も参考にさせていただきながら深めてまいりたい、このように思います。

笠井委員 最後に、岡田大臣、納税者憲章を制定していないのはOECDの三十カ国中日本を含む六カ国だけ、G7では日本とドイツだけということであります。世界から日本は先進国の中でも納税者の権利が保障されていない国と見られているという現状がある。

 大臣は今通常国会の外交演説の中で、納税者の視点ということから外交問題についても論じられましたが、まさに、納税者の視点に立つなら、その権利を擁護するルールと憲章を制定することこそ必要じゃないかと私は思います。そうしてこそ世界から確かな信頼をかち取って、役割を果たすことができるんじゃないかと思うんです。

 もちろん、管轄、直接の所管ということはありますが、大きな意味でのこういう問題の重要性についての見解を伺っておきたいと思いますが、いかがでしょうか。

岡田国務大臣 私が納税者の視点と言ったのは、まさしく、納税者の視点で税金の無駄遣いをなくしていくことの重要性を言ったもので、ちょっと今の委員の質問とは直接つながるものではないというふうに思います。

 納税者の権利というものをどうやって保護していくかということを一般論として申し上げれば、それは重要なことであるというふうに思います。納税者の権利と義務、きちんとバランスをとってしっかりとやっていきたい、やっていくべきだというふうに、所管外ではありますけれども、そういうふうに思っております。

笠井委員 終わります。

鈴木委員長 次に、空本誠喜君。

空本委員 民主党の空本でございます。

 本日は、日・カザフスタンの原子力協定について、集中して質問させていただきます。よろしくお願いいたします。

 外務委員会におきましては、私もそうでございますが、広島出身もしくは広島ゆかりの方が多くございます。そういう方々、被爆経験、もしくは二世とかいうことで、私の親戚も多く被爆しておりまして、祖母も投下直後に市内に入りまして親戚の子供たちを捜しに行った、そして私の親戚におきましても、子供がおなかにいる中で胎内被曝を経験し、障害者として生まれてきた、そういうものを見てまいりました。

 そういった一方、日本においては、エネルギーの観点から、長期的に供給するに当たっては、やはり原子力というものを推進していかなければならないという観点もございます。そういった意味で、私は、もともと原子力分野に進み、そして原子力の平和利用を進めていきたいと思っておりまして、被爆経験を有する広島出身の議員として、また原子力の平和利用を推進するための観点から、質問をさせていただければと思います。

 その前に、大臣に、さまざまな条約、協定を締結するに当たりまして、外交方針というものが大変重要となります。一月二十九日の外交演説におきましても、基本方針、各国・地域との関係強化、リーダーシップ、核兵器廃絶、さまざまな表明をされております。一つ要望としまして、外交方針の基本となると思うんですが、国民の生命と財産、そして国益をしっかりと外交で守っていくということを強く表明していただきたい、また、生活感ある、わかりやすい外交政策を進めていただきたいと思うんですが、その御見解をいただきたいと思います。

岡田国務大臣 国民の生命と財産を守ることは外交の一つの重要な柱であるということは言うまでもありません。

 例えば、さきにハイチで大きな地震がありました。あのときに、みずから被災しながら、ハイチにある日本の外交官が行ったことは、まず邦人の安全の確認であります。大使館の最も重要な役割の中に、そういうものがあるということは言うまでもないことだというふうに思っております。

 国益と言うとき、その国益というのは開かれた国益でなければならない、私はそういうふうに思っております。狭い国益ということになってしまうと、お互いぶつかり合うだけ。より開かれた社会の中で日本の国益というものを実現していく、開かれた国益という概念が私は従来から非常に重要だというふうに思っております。

空本委員 そういう国益重視の観点から、力強く外交を進めていただきたいと思うんです。

 それでは、カザフスタンの話に少し戻させていただきまして、今、カザフは、ウランの埋蔵量世界二位、また生産量においてはオーストラリアを抜いたという情報もございます。安定供給の観点から、そして原子力の平和利用の観点から、今回の協定は大変意味あるものと思います。

 一方で、カザフも、一九八九年十月十九日まで、セミパラチンスクの核実験場において四百五十六回の核実験を経験し、約百万人と言われておりますけれども、被曝を受けた被曝国であると私は思っております。また、核兵器工場を廃止し、実験場閉鎖という実績、我が国と並ぶ非核先進国と思っております。

 そういった意味で、今回、被曝経験を有している両国が協定を締結すること、原子力平和利用のみならず、核不拡散、核兵器廃絶に向けて大変意味ある、意義深いものと思っておりますけれども、大臣に、この協定締結の目的、そしてその意義、どのように政府でお考えか、まずお願いいたします。

武正副大臣 空本委員にお答えをいたします。

 まず、セミパラチンスク核実験場、やはり被爆国としての日本の対応ということからまず御紹介をさせていただきます。

 今、委員御指摘のように、一九四九年から四十年間で四百五十回の核実験が行われたということで、九一年に大統領令で核実験場が閉鎖をされております。そのカザフに対しまして、日本は、九四年に締結した核兵器廃棄協力協定に基づきまして日・カザフ非核化協力委員会を設立しまして、総額十七・七億円を拠出しております。大統領が来日した際にも、このことに対する謝意も触れておられますし、このセミパラチンスク核実験場周辺の被曝者救済に向けた医療器材供与支援なども実施をしております。

 こうした中で、今回の原子力協定の締結の意義というものが、委員御指摘のように被曝国であるということからも、極めて重い観点があろうかというふうに思っております。

 また、カザフスタンとの今回の協定の目的、意義でございますが、この協定は、カザフスタンとの間で、核物質その他の原子力関連品目の移転等の原子力分野における協力を行うための法的枠組みを設けるものであります。この協定の締結によりまして、カザフスタンからは、ウランを安定的かつ長期的に輸入することが可能となります。また、我が国からは、カザフスタンに対して将来的に移転が想定される我が国の安全かつ最新の原子力資機材等の平和的利用等が確保されることとなります。

 ちょうど三月にも、サウダバエフ国務長官・外相も来日をされまして、私も総理との会談にも同席をしましたが、特に、ウランの埋蔵量の大変多い同国でありますし、ウランの価格は御承知のように二〇〇〇年比七倍に今高騰しておりまして、こうした資源確保、さらにはまた原子力ビジネス展開を可能とする上でも、大変意義深いものでございます。

 こうした点から今回の締結に至ったというところでございます。

空本委員 ナザルバエフ大統領も本当に強い意思を持ってこのウラン外交を進められている、日本と提携して、しっかりと日本も資源外交を進めていただきたいと思っておるんです。

 その中で、今、ロシアとも、日ロ原子力協定の締結に向けて動きがあると思います。その進捗状況と今後の締結に向けての現状、その辺を外務省の方からお教えいただければありがたいと思います。

武正副大臣 日ロ原子力協定でございますが、昨年五月のプーチン首相訪日時に署名をされております日ロ原子力協定を締結するに当たっては、同協定上、ロシアにおいてIAEAの保障措置が実際に適用される施設、選択施設といいますが、これが存在することなどを前提条件としておりまして、我が国政府としては、ロシアにおいてかかる前提条件が満たされたことなどを確認した上で、本協定の締結につき承認を求めるため、国会に提出したいと考えております。

空本委員 そこで、ロシアと締結するに当たっては、やはりロシアも核燃料バンクというものを今考えている。オバマ大統領が二〇〇九年四月のプラハ演説の中で、国際核燃料バンクについて言及された。ロシアにおきましては、ロスアトムという国営企業の方で、核燃料バンクの実現に向けて今進んでいます。

 現在、カザフスタンにおきましては、ロシアとの協定も締結している。日本がロシアと締結することによって、カザフ、ロシア、そして日本の三国のウランの資源開発における役割分担というものがあろうかと思います。その辺どのようにお考えか、また、濃縮等の機微技術等の移転が今回されない点も含めまして、資源戦略上、また原子力の海外展開戦略上どのようにお考えか、経済産業省にお答えいただきたいと思います。

高橋大臣政務官 空本委員にお答えしたいと思います。

 委員はここの分野の専門家でございますから釈迦に説法かもわかりませんけれども、エネルギーの安定供給という観点はもとより、最近は、原発を海外に売り込むに当たっても、いろいろな部品を単体で売るというのはなかなか難しくて、総合的にやっていかなければなりません。その意味で、プラントの建設とか運転支援までの一体的な海外展開を可能にするということのためには、燃料供給に係るサプライチェーンというものをつくっていかなければなりません。

 例えば、カザフスタンの豊富なウラン資源、これは先ほど委員から指摘があったようにトップクラスでございます。日本がウランを受けている国でも三番目でございまして、ロシアのウラン濃縮技術も活用することで、将来的には、カザフで採掘された天然ウランをロシアで濃縮して、濃縮ウランを日本で燃料に成形加工するなどのすみ分けが考えられるというふうに思っております。

 いずれにしても、ウラン資源の豊富なカザフスタンや濃縮ウランの供給能力があるロシアとの連携強化というのは、我が国にとって大変重要な課題であるというふうに考えております。

空本委員 ありがとうございます。ロシア、カザフと戦略的な互恵関係を結ぶということは大変重要であろうと思います。

 そこで一点、気をつけなければならないといいますか、戦略上大変重要と思われる点は、サハリン2という開発プロジェクトがございました。環境対策不備という観点から第二期工事の取り消しが表明されて、業界に衝撃が走ったということがございます。ロシアの資源エネルギー分野での国家管理が強化されている。その中で、日本、外資にとって、ロシアに投資するということは、大変環境が厳しくなっているんじゃないかと思われるんです。

 ロシアと戦略的互恵関係を結ぶに際して、投資のリスクを回避して、短期、中期、そして長期的に、また日米同盟も基盤としながら関係強化を図っていかなければならないと思うんですが、その点、まず経済産業省と外務省の方からお考えをお願いいたします。

高橋大臣政務官 サハリン2につきましては、二〇〇六年の九月に突然中止命令が出たことは記憶に新しいことでありますけれども、このようなことがないように、やはりリスク分散をきちんとしていかなきゃならないわけであります。

 経済産業省としましては、ロシアとの経済関係構築に向けて、さまざまな取り組みはこれまでも続けております。

 短期的には、両国間の貿易・投資の拡大、それからロシアの投資環境整備を目的とした日ロ投資フォーラムとか日ロ政府間の委員会の開催等は何度も行っているところでございます。

 中長期的には、エネルギー安全保障の観点から、例えばウラン資源分野において、ウラン燃料の供給能力が高いロシアとの協力、これは先ほども答弁させていただきましたけれども、ロシアとの協力を推進しております。

 また、我が国企業の投資リスクを軽減するという観点から考えますと、日本貿易保険、これはNEXIといいますが、これと国際協力銀行、JBICなどの公的金融も活用しながら、ロシア側が関心を有しております、世界のトップを走っていると言われております我が国のエンジニアリング技術等を提供することなどによりまして、二国間における互恵的関係を構築していくことが大変重要だというふうに考えております。

 また、日米同盟というのが日本の基軸でございますから、ロシアとの関係発展や協力拡大も日米同盟が基盤と認識しておりまして、引き続き、このような取り組みを一層強化して、ロシアとの戦略的二国間関係強化に邁進をしていきたいというふうに考えております。

武正副大臣 今のロシアとの戦略的互恵関係ということでのお話でございますが、日米同盟、これは日本政府の外交、安全保障の基軸でございます。その中で、ロシアとの関係をどう位置づけるかということについては、鳩山政権として、アジア太平洋地域におけるパートナーという位置づけをして、協力関係を強化していくという方針であります。

 この方針に基づいて、日ロ両国での意義ある互恵的協力についての民間同士の取り組みを支援していく考えでありまして、岡田大臣が日本側の議長を務める貿易経済日ロ政府間委員会等の枠組みを通じて、ロシアにおける貿易・投資環境の改善を求めつつ、こうした互恵的な協力を進めていきたいと考えております。

空本委員 いろいろ関係があると思うんですが、やはり日本の場合は、原子力においては再処理技術、核燃サイクル技術、さまざまなものがあると思います。そういった意味で、役割分担をできるような体制づくりというものが一つ大変重要じゃないかと思いますので、その点、経済産業省、外務省、そして文部科学省の方で連携を図りながらお願いしたいと思います。

 それでは、これに関連しまして、核不拡散と核兵器廃絶の点についても、きょうお聞きしたいと思います。

 まず、やはり核兵器廃絶・不拡散においては、北朝鮮の問題が大変重要かと思います。

 北朝鮮は、これまで、核のカードをちらつかせておりまして、核保持をずっと行ってきた。この核保持の目的というのを日本政府としてはどのようにとらえていらっしゃるか、六カ国協議の経過を踏まえて、御見解をいただきたいと思います。

武正副大臣 北朝鮮の意図について我が国が推しはかって云々することは適切でないというふうに考えますが、北朝鮮の意図にかかわらず、北朝鮮による核弾道ミサイル開発、また累次の安保理決議への違反ということで、容認できないということでございます。

 北朝鮮は、無条件で六者会合に早期に復帰し、二〇〇五年九月の六者会合共同声明を完全に実施しなければなりません。

 引き続いて、国連安保理決議の忠実な履行を求めまして、米国及び韓国、さらには議長国中国といった関係国と緊密に連携を図ってまいります。

空本委員 北朝鮮との関係、目的、いろいろあろうと思うんですけれども、やはり北朝鮮は体制の強化といいますか保証をしていくというのが目的ではないかと思っております。そういった観点も含めながら、北朝鮮問題に取り組んでいただきたいと思うんです。

 大臣、少し時間がないということなので、NPTの方に話を進めさせていただきたいと思っております。

 今、NPT体制の問題、再検討会議といいますか運用検討会議がこの五月、開催されますけれども、NPT体制の問題点として、核兵器を持っている国、持っていない国の不平等性というものがございます。また、第六条の中で誠実に交渉を行うことを義務づけるというものはありますが、それが今あいまいとなっていると私は感じております。

 そういった意味で、NPT体制をどのように今、外務省、政府はお考えであるか。また、今回、NPT会議がございますけれども、その出席の方針、また出席する場合、その政府の見解、どのようにお考えか、お答えいただければと思います。

武正副大臣 先ほど来、NPT体制なりの問題意識も御披瀝をいただいておりますが、まず、NPTにおいて、核兵器国と非核兵器国、先進国と途上国など、御指摘のように持てる者、持たざる者による対立構造が存在をしております。これが前回の会議での合意形成にも一つ阻害要因になったということでございますが、やはり、かかる対立構造を乗り越えて、国際社会全体が歩み寄ることで、来月行われるNPT運用検討会議において将来を見据えた前向きな合意を達成すべきだと考えております。

 また、NPT非締約国であるインド、パキスタン、イスラエル、いわゆる核兵器保有国とみなされていることから、これらの国々に対して国際社会の中でどのような規制をかけていくかという問題につき議論することも重要だと思います。

 我が国は、先般、豪州との共同により、国連事務局に対して、「実践的核軍縮及び不拡散措置の新しいパッケージ」をNPT運用検討会議の作業文書として提出しておりまして、我が国としては、NPT運用検討会議において、こうした有意義な合意を得るために、この提案に対する幅広い支持を得ることなどを通じまして、核兵器のない世界に向けて、引き続きリーダーシップを発揮していく考えでございます。

空本委員 やはり、NPT体制というもの、その先にあります核兵器を廃絶する、そして完全に禁止するということに進んでいただければと、そのリーダーシップを図っていただきたいと思います。

 続きまして、最後としたいんですが、核セキュリティーサミットが先日行われまして、鳩山総理は十二日、具体的な日本の提案としまして、アジア核不拡散・核セキュリティ総合支援センター、核鑑識技術の開発、IAEAと協力しての核テロ対策支援事業の実施など、貢献策を表明されております。

 表明するに当たって、国内及びアジア各国などと調整はされてきたかと思うんですけれども、その前に、国内の技術の確認、準備作業、こういったものはどうであったかお聞きしたいのと、まず、核鑑識技術などは、私も実は学生時代、また企業におきまして、放射線、核というものを検出する技術の開発、また計量技術というものに携わってきたんですが、日本においては本当にすばらしい技術があると思っております。今の基礎・応用技術整備状況、どのようにお考えであるか、文部科学省の方からお願いいたします。

中川副大臣 まさに専門的な立場から御質問をいただいたというふうに思っております。

 これまで我が国は、原子力の平和利用、これを一貫して貫いてきたということ、またその信頼性というのが大きなものがある、それを核セキュリティーの技術に結びつけていきたい、あるいはまたその貢献に結びつけていきたいということであります。

 ただし、今後、米国やIAEAと協力をしていくということが前提になっておりまして、特に、それぞれデータベースといいますか、それを前提にしたいわゆる核鑑識ということになっていきますので、その協力体制を前提にしていくということ。そして、技術開発そのものは、大体三年をめどに必要な技術の確立を目指していくということ、このことを前提にしていきたいというふうに思っています。

 技術開発の実施主体としては、これまで核セキュリティーの向上につながる核物質の微量分析、あるいは経験と実績があります原子力研究開発機構、ここが中心になってやっていくということになっております。

 さらに、これからの課題としては、必要な技術開発の中の一つは、プルトニウム等の同位体比の測定技術、これを確立していくということ、それから二番目には、核物質の粒子形状や、それから不純物分析技術というものがあるんですが、形状では試料の分離手法や検出感度に課題がありまして、核物質の起源を特定するために十分な技術には至っていない、この二つが分野としてあるということを認識しております。

 いずれにしても、ぜひ御指導、御支援を専門的な立場からよろしくお願いしたいというふうに思います。この課題克服に向けて、文部科学省としても十分にその準備を進めていきたいというふうに思っています。

空本委員 ありがとうございます。

 今、その中で三年をめどということをお聞きしたんですけれども、三年はちょっと遅いかな。やはり、一年である程度めどをつけて、二年目にはもう装置ができるとか、技術開発の加速をもう少ししていただきたいと思うんです。もう既に測定技術的なものはあるし、アメリカにおいては核鑑識技術はもうある程度できていると私は思っております。

 そういった点で、研究開発の加速という点をお願いできたらと思うんですが、お願いいたします。

中川副大臣 御指摘の点、もう一度しっかり受けとめさせていただいて、今の技術のレベルというのを確認しながら、頑張っていきたいと思います。

 具体的に今、私のところに来ているものは、検出感度を向上させるということであるとか、あるいは分析時間や手順というものを短縮させていく、同時に、分析機器を小型化して実質それが使えるような形に持っていくようなこと、こういう具体的な例が挙げられておりますけれども、改めて検証をして、御指摘のように一年、二年で頑張っていきたいというふうに思っています。

空本委員 その点、よろしくお願いしたいと思います。日本はしっかりとした技術はあります。それを組み合わせ技術として装置をつくるという方向になるのではないかと思っておりますので、お願いしたいと思います。

 最後に、先ほど、外交の方針といいますか、日本の国益を守る、そしてさらには日本人の生命と財産を守ることが外交の一番の柱であると。やはりそれをもう少し強く訴えていただく。それとともに、その中から、こういうカザフスタンと原子力協定を結ぶに当たって、さらに核不拡散、核兵器廃絶、さらには原子力の平和利用の推進、これを強く推し進めていただきたいと思っております。

 さらに、今回の核セキュリティー関係のお話がございましたけれども、こういった観点から、日本が世界に向かってリードする。しかし、その中ではやはり各国との協調体制が重要だと思います。アメリカとの日米同盟を基軸としながら、ロシア、カザフスタン、ヨーロッパ各国、また東アジア、いえ、アジア全体、中央アジア、こういった地域地域との関係強化を密接に図っていただきまして、とにかく非核国である日本が中心となりまして、平和構築のために推進していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。

 ありがとうございます。

鈴木委員長 次に、横粂勝仁君。

横粂委員 民主党の横粂勝仁でございます。

 質問の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。

 私からは、脱税の防止のための情報の交換及び個人の所得についての課税権の配分に関する日本国政府とバミューダ政府との間の協定及び所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とクウェート国との間の条約の二つについて質問させていただきます。これまでの質問と若干重複するところもあろうかと思いますが、その点は御容赦をいただければ幸いでございます。

 それでは、まず、前者の日・バミューダ租税協定についてお聞きいたします。

 本協定の相手方であるバミューダはタックスヘイブンでございますが、金融危機発生の一因としてリスクの高い金融商品の開発がタックスヘイブンを介していたことが多く、監視する必要性が生じたこと、また、世界的な不況の到来により財政が悪化した各国政府が税収確保のために脱税を食いとめる必要に迫られたことなどにより、長年放置されてきたタックスヘイブンに対する規制強化が求められるようになったと言われております。

 そのような中、昨年四月にロンドンで行われたG20首脳会議が、タックスヘイブンを含む税に関する情報交換に非協力な国・地域の規制強化で合意いたしました。国際社会は、租税に関する透明性の確保のために、国際的な情報交換ネットワークを整備し、拡充することの必要に迫られているわけですが、本協定は、我が国が初めてタックスヘイブンとの間で締結する、租税に関する情報交換を主眼とした協定でございます。

 そこで、最新のOECDモデル租税条約の情報交換規定と本協定との違いは何であり、また本協定によりどのような効果が期待されているのか、御説明いただければと思います。

武正副大臣 横粂委員にお答えをいたします。

 今御指摘の、昨年四月二日のG20の首脳宣言の要約でありますけれども、タックスヘイブンを含む非協力的な国・地域に対する措置を実施する、我々は財政及び金融システムを保護するために制裁を行う用意がある、銀行機密の時代は終わった、我々は税に関する情報交換の国際基準に反しているとグローバルフォーラムによって評価された国のリストを本日、昨年の四月二日にOECDが発表したことに留意する、これが首脳宣言の要約の中での御紹介であります。

 まさに今委員御指摘のように、OECDモデル租税条約、これがOECDが策定、公表している二重課税の回避のための二国間の租税条約のモデルであります。その最新のOECDモデル租税条約の情報交換規定は、租税に関する情報交換ネットワークの強化という国際的な機運の高まり、今御紹介したとおりでありますが、を反映しまして、自国の課税目的がないことや、いわゆる銀行機密であることのみを理由として相手国からの情報提供要請を拒否してはならないことを規定しております。

 これに加えて、OECDは、各国がいわゆるタックスヘイブンを直接の相手として二国間の情報交換協定を締結することを促進するため、情報交換に特化した内容の別のモデル、OECDモデル情報交換協定を策定、公表しておりまして、OECDモデル情報交換協定は、OECDモデル租税条約の中の情報交換規定と内容的に大きく異なるものではありませんが、情報交換に関する手続をさらに詳細に規定しております。

 御指摘の今回提案しております日・バミューダ租税協定は、以上の二つのモデルのうち、後者のOECDモデル情報交換協定、これをベースに、我が国、バミューダ、それぞれの実情も踏まえて作成したものであります。

 日・バミューダ租税協定の締結により、租税に関する幅広い情報がバミューダから我が国の税務当局に対して提供されることになりまして、バミューダを利用して国際的な脱税及び租税回避行為を行おうとする者に対して抑止効果が及ぶことが期待されております。

横粂委員 御説明いただきまして、ありがとうございます。

 バミューダ以外の、タックスヘイブンと言われておりますバージン諸島などとは、いまだ情報交換協定は結ばれておりません。我が国は、これらの国との情報交換を積極的に進めるため、本協定と同様の情報交換協定を締結する必要があると思います。

 では、その進捗状況についてお聞かせいただければと思います。

武正副大臣 我が国として、我が国からの資金移動が多額に及んでいるかどうか、また、脱税及び租税回避行為に利用されている可能性が高いかどうかといった点を勘案の上、租税に関する情報交換を主体とした協定の締結相手国・地域を選定していくというのが基本的な考えであります。

 バミューダは、こうした基準に合致したことに加えまして、我が国からの情報交換協定締結の呼びかけにいち早く前向きに対応したこと、情報交換協定の内容についての我が国の考え方との乖離も大きくなかったことから、このような協定の最初の、一番目の締結相手となったところであります。

 日・バミューダ租税協定に続く情報交換協定については、例えばバハマあるいはイギリス領ケイマン諸島など、いわゆるタックスヘイブンと一般的に認識されてきた国・地域を念頭に置きつつ、脱税及び租税回避行為の防止に向けた国際的な情報交換ネットワークの拡充強化の観点から、適当な相手との間での協定の迅速な締結に努めていく考えであります。

横粂委員 ただいま副大臣が御指摘されましたバハマですとかケイマン諸島といったタックスヘイブンと目されている国々、地域と今後締結が進まれていくことを御期待申し上げます。

 さて、タックスヘイブンであるバミューダには所得に対する租税が存在しないため、本協定に基づく情報交換は、我が国の要請に基づいてバミューダが一方的に情報を提供することが想定されます。

 先ほど副大臣からも御説明いただきましたように、通常の租税条約におけるOECD標準の情報交換規定よりさらに詳細かつ強化された情報交換の枠組みが制定されることにはなりますが、その枠組みがあっても、バミューダがどの程度情報公開、開示に応じてくれるのか不透明でございます。

 そこで、本協定の実効性を確保するために日本政府とバミューダ政府はどのような協力体制を構築していくおつもりなのか、具体的に教えていただければ幸いでございます。

武正副大臣 今回の協定で一つ特徴が、年金受給者のそうした所得の移転というようなことについての項目があるということがバミューダ側にとっての一つのメリットと言えるかというふうに思っておりますが、今御指摘のように、現時点において所得に対する租税が存在しないため、バミューダ側が自己の課税目的のための情報提供を要請することは基本的に想定されておりません。実態として、バミューダ側は我が国に一方的に情報を提供することになります。

 このような一方的な情報提供が、バミューダ側の自主性に基づいて行われるわけでなく、条約上の義務であることから、これは誠実に遵守されなければならないということは当然であります。

 バミューダとの間で租税に関する実効的な情報交換の実施という政策目標を共有しておりますので、それが実効性あるようにするためにも、やはり国税当局間の緊密な連携というものがまず大事だというふうに思っておりまして、それによって実効性が上がっていくというふうに確信をしております。

横粂委員 ありがとうございます。

 今御説明されたように、そういった緊密な協力体制が構築されていくものと期待しております。そして、バミューダだけでなく、今後、その他のタックスヘイブンと情報交換について、情報共有について協定を結ばれた際にも、より綿密な、より強化された協力体制が構築されていくものと御期待いたします。

 それでは、タックスヘイブンを通じた脱税を阻止するために国際的な取り組みが行われている中、日本はどのような貢献をしていくのか。先ほどは、バミューダとの関係の協力体制についてお聞きしましたが、世界的な流れの中で世界に対してどのような貢献をしていくのか、その意思と方策についてお聞かせいただければと思います。

武正副大臣 先ほど触れましたように、G20で、そうした脱税、租税回避の行為、これに向けた首脳間の合意がされたわけでありまして、当然、鳩山総理もそれに賛同し、日本がまたリーダーシップを発揮していくということがやはり期待をされているというふうに思っております。

 日本の納税あるいはまた租税についてのさまざまな把握、こうした仕組みというのは、やはり先進国の中でも極めて秀でたものがあるというふうに認識しておりますので、そうした点についての国際貢献というものも求められると思いますし、今言いましたような、そうした今回の租税に関する情報交換協定についての取り決めを、日本として締結を加速していく、また、さまざまな国に対してそうした重要性を促していくというようなことが必要ではないかというふうに思います。

横粂委員 ありがとうございます。

 それでは次に、日・クウェート租税条約についてお聞きいたします。

 クウェートは、我が国が消費する石油の八%ほどを輸入する石油の重要な輸入先であると同時に、クウェートが位置する天然資源の豊富な中東諸国は、我が国企業にとっては魅力的な投資先でもございます。

 それでは、本条約締結により対日投資として呼び込まれるクウェートからのオイルマネーの増加をどの程度見込んでいるのでしょうか。交渉を開始した二〇〇六年とはオイルマネーを取り巻く環境も変化していると思いますので、現時点の見込みについてお聞かせいただければと思います。

武正副大臣 今回、日本とクウェートということでの租税条約の締結でございます。

 中近東諸国とはこれまで三カ国ということでありましたので、過日の租税条約の改正のときにも多くの委員から、この中近東、アフリカあるいは中南米の各国との租税条約をもっと結ぶべしというような御意見をいただいたところでございます。

 今御指摘のように、特に中東は産油国が多いわけでありますので、こうしたオイルマネーについて、日本の方に投資が呼び込める、そういった効果の期待という指摘が委員からもあったというふうに伺いました。

 本条約の締結について、経済交流、人的交流に伴って二重課税の回避というのが一つ、そして両国間の投資交流というのがもう一つということでありまして、投資所得に対する源泉地国課税の軽減という目的でございます。この締結によって、我が国とクウェートの間の交流促進、結果的に日本への投資が期待されております。

 一体幾らになるんだというようなことでございますが、これはやはり、具体的な影響について、企業の投資行動、その他、経済金融情勢を初めとする投資環境等によって大きく左右されることから、具体的に示すことは困難でございますが、先ほど触れましたように、その投資が期待をされるというところでございます。

横粂委員 ありがとうございます。

 それでは今度は、本条約締結による、投資所得の利子、配当、使用料に対する源泉地国の課税軽減により、クウェートでの日系海外子会社が納める税額が年間どの程度軽減されると見込んでおられるのか。これも具体的には難しいかもしれないんですが、現時点の見込みについてお聞かせいただければと思います。

武正副大臣 お答えをいたします。

 本条約では、配当等の投資所得に対する源泉地国での課税の上限、先ほど触れましたように、一〇%、五%、一〇%ということも御紹介ありましたが、現時点においてクウェートでは投資所得に対して源泉地課税は行われていないわけでありまして、実際に税額が軽減されるわけではないわけなんです。

 他方、今後、仮にクウェートの国内法の改正、クウェートの国内法はやはりクウェート独特の税制なども包含をしておりまして、こういったことが改正をされた場合に、クウェートにおいて投資所得に対して源泉地国課税が行われることになった場合に、その国内法に定める源泉徴収税率にかかわらず、先ほどの一〇パー、五パー、一〇パーということで本条約に規定する限度税率が源泉地国課税の上限として適用されることになります。

横粂委員 ありがとうございます。

 先ほど副大臣からも御説明ありましたように、中東諸国のさまざまな国々と交渉中であるとのことですが、具体的に、中東諸国のサウジアラビアですとかアラブ首長国連邦、そういった産油国を初めとしたほかの国や地域との間の租税条約締結に向けてどのように取り組まれておるのか、その進捗状況について御説明いただければと思います。

武正副大臣 お答えする前に、過日、メキシコのカンクンのIEF、国際エネルギーフォーラムの方に私も参加をし、直嶋経産大臣も参加をしました。これは産消対話、産油国と消費国の対話ということで、新たにJODIということで、二年前の石油価格の高騰、これをやはり、透明性を確保しようということでのフォーラムということで、議長声明なども合意をしたところでございます。

 そうした産油国の動向というものは、我が国の経済にとって非常に大きな影響があるということで、今、産油国が集中をしている中東諸国との租税協定、日本の企業との緊密な連携、そして日本と中東諸国との経済、人的な交流の強化、これがやはり日本にとっても、経済にとっても安定性を確保する大変大事なことだということで、今御指摘のように、現在、アラブ首長国連邦、それからサウジアラビアとの間で新規の締結交渉を行っております。

 その他、中東ではありませんが、香港との間でも交渉を行っておりまして、今御指摘のように、今後は、資源国を含めた国・地域との間で交渉を行っていきたいというふうに思っております。

 租税条約の交渉相手国としては、経済関係を中心とする我が国との二国間関係が第一、第二が相手国の税制、租税条約締結状況、第三が実際の課税上の問題が生じているか否かなどという三点が租税条約を結ぶかどうかの観点ということで、これらも総合的に考慮して決定することとしたいと思います。

横粂委員 ただいま副大臣からその進捗情報についてお聞きいたしましたが、現時点で我が国が締結している租税条約は四十七条約。そして、昨年発効されたブルネイ及びカザフスタンとの間の条約に続き、今回のクウェート及びバミューダとの間の条約が四十八番目、四十九番目の条約となります。バミューダとの協定は情報交換規定に特化したものであり、この一年で締結までこぎつけた一般的な租税条約はクウェートとの一本のみでございます。しかも、本条約の交渉開始から署名までは三年以上もかかっております。

 経済のグローバル化が進んだ昨今、我が国企業の円滑な活動を推進するという観点から、貿易関係等がある国との間に積極的に租税条約を締結することが望ましいと私も考えます。そして、この委員会においても、これまでも指摘されているところでございます。

 それでは、今後、どのような国と地域と、どのような速度で交渉をしていくおつもりなのか、もしその基準や方針というものが具体的にありましたら、先ほどの御質問と重複してしまうものではございますけれども、改めて教えていただければと思います。

武正副大臣 先ほど触れましたとおりでありますが、私の感じとしましても、また、多くの委員からも御指摘があるように、やはり中近東、アフリカあるいは中南米ということで、例えばアフリカでは、過日も御紹介したように、アンゴラと投資協定の協議が始まっているんですね。そうした、これまで租税協定が結ばれていない、少ない地域、中近東三カ国、アフリカ二カ国、中南米二カ国でありますので、どうしてもそういった地域との締結というものはやはり進めていかなければならないだろう、スピードアップしなければならないだろう、私個人的にはそういった感を持っております。

 ただ、先ほど言ったような三つの観点で総合的に対応していく。それと、横粂委員が先ほど指摘されたように、やはり、G20で首脳が合意したように、租税回避、脱税回避ということでの国際的なネットワークということでの情報交換協定、こういった観点も、取り組みとして日本が特にまた大事にしなければならないポイントだと思います。

横粂委員 力強い御決意をお聞かせいただきまして、まことにありがとうございます。

 しかし、イギリスが締結している租税条約は百ほどであり、そして中国が締結しているのは八十ほどである、そういったことを考えますと、まだまだ日本がおくれているということを言わざるを得ませんので、より一層締結の速度を速めていただくことを御期待申し上げます。

 それでは、最後でございますけれども、租税に関する課税当局間の相互協議、つまり、納税者が租税条約の規定に適合しない課税を受け、または受けると認められる場合に、その条約に適合しない課税を排除するため、条約締結国の税務当局間で解決を図る、そういった救済措置、相互協議というものが本条約にも規定されております。

 国税庁の資料によりますと、我が国の相互協議件数は平成二十年には百七十四件であり、この十年で約四倍と増加傾向にあるところ、新規事案の処理時間は一件当たり平均で二年ほどもかかり、また、相互協議を行っても解決に至らないケースもたくさんございます。

 租税条約における相互協議条項は、二重課税をめぐる諸問題の解決手段として重要な条項ではございますが、それが機能しないケースがふえてくれば、機能する措置を講じる必要があります。我が国においても欧州諸国で検討されている紛争処理機関の設置条項等を検討すべきだと思いますが、政府はこうした状況についてどのように対処しようとされていますでしょうか。御説明いただければと思います。

武正副大臣 横粂委員にお答えいたします。

 先ほど、諸外国の租税条約の数ということで、日本頑張れということで励ましをいただいたというふうに承ります。ただ、アメリカがたしか五十カ国ということもありますので、まだまだという激励をいただいたというふうに承りました。

 今の相互協議件数、そして処理時間ということでの、我が国の増加傾向についての問題提起、また、紛争処理機関のようなものをという御提案についてでございますが、我が国経済のグローバル化の進展を背景に、相互協議の案件数は急速に増加しております。また、国税当局において相互協議手続を可能な限り迅速にすべく努力をされているとは承知をしております。

 租税条約上の問題の解決手段として、国税当局間の相互協議に関する規定が設けられるのが一般的でありますが、近年、特に先進諸国では、相互協議手続においていわゆる仲裁手続を導入し、第三者の関与を得る仕組みとする動きも見られます。

 我が国においても、諸外国の動向も注視しつつ、今後の租税条約の締結や改正に当たって、そのような手続を導入する可能性についても検討してまいりたいと考えます。

横粂委員 ありがとうございます。

 まだまだ私の質問時間は残っておりますけれども、何でも省エネがはやっておる時代でございますので、私の質問時間も省エネとさせていただきたいと思います。

 最後に、グローバル化する、広がりを見せる経済という大海の中で、我らが日本丸が沈むことなく、経済一流の旗を大きくなびかせて前へ前へと進まれることを強く御期待申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。

 本日はまことにありがとうございました。

鈴木委員長 次に、小野寺五典君。

小野寺委員 こんなに早く順番が回ってくるのは初めてです。

 冒頭ちょっとお伺いしたいのは、前回の外務委員会の中で、これは鈴木委員長の方からも明確に指示がございましたが、竹島の不法占拠の問題、この問題に関して累次の申し入れをしていると副大臣の方から答弁がございました。これについて、累次ということではわからない、明確にしてくれということで、委員長から指示があったと思いますので、その明確になった内容について、副大臣からお伺いします。

武正副大臣 過日の委員会で御指摘をいただいたわけでございますが、お答えというところは、やはり外交上の個別のやりとりについて明らかにすることというのは差し控えたいということでありますが、竹島の領有権に関する我が国の立場は、本件に関するやりとりの機会を含めまして、韓国政府に対してはしっかりと伝えております。

 例えば、四月十六日に、福山副大臣から、権哲賢在京韓国大使に対して抗議を行っております。これは、韓国の海洋研究院が竹島周辺海域での地質調査を開始する旨、発表したことに対してでございます。

 竹島の領有権に関する我が国の立場にかんがみて問題があると考える事態が生じるたびに、韓国政府に対しては繰り返し申し入れを行っているという趣旨でございます。

小野寺委員 この間の委員長の指示は、この四月十六日の前の指示ですので、その前の累次の武正副大臣のことについて指示、注意があったと思います。

 委員長の指示に対してそのような不誠実な返答をするのであれば、委員長、この審議できませんよ、これは。だって、委員長の指示ですよ、これは。ちょっととめてください。

鈴木委員長 ちょっととめましょう。

    〔速記中止〕

鈴木委員長 再開してください。起こしてください。

 小野寺君。

小野寺委員 それでは、この時間の中に、もし私でなければ、平沢理事の質問の中でもいいですので、ぜひこの累次について明らかにしていただければと思います。

 それでは、日・バミューダ租税協定について質問をさせていただきます。

 まず、このバミューダというのはタックスヘイブンの国ということで、大変私どもにも広く知られておりますが、今回このような租税条約を結ぶということに当たりまして、課税回避の事例というのでしょうか、それが具体的に日本の企業、個人、このようなものに実際あるからこそこのような協定を結ぶんだと思うんですが、その状況、あるいはどのぐらいの金額が実際ここで課税回避をされているか、このことについてお伺いしたいと思います。

古本大臣政務官 お答えいたします。

 個別の事案については差し控えさせていただきたい、こういうことになっているんですけれども、率直に申し上げまして、例えば国別にどのくらいの租税回避額があるかということを把握ができ得ないというのが今のまさに残念な実態でございまして、当局としても、いわゆる送金調査等々、調査書の活用などを通じていろいろなことをやっていくんですけれども、実はこれは税務調査権というのを持っております。この税務調査権は、バミューダに口座を持っている、例えば何か日本の法人が向こうに口座を持っている、そこで租税回避した額が幾らだ、こういう御指摘を今いただいているんだと思うんですけれども、これを調べようと思いますと、国内の当該法人に対する調査権というのが実は法律で認められております。

 具体に申し上げますと、所得税法の二百三十四条におきまして、「帳簿書類その他の物件を検査することができる。」これは主語は国税庁です。国税庁はとなっているんですけれども、御記憶かと思いますけれども、いわゆる外資系の金融機関の、例えばアメリカのニューヨーク支店を通じてスイスにあるいわゆる外資系のそこの本社に対し当該書類の帳簿提出を求めたりしたケース、過般報道されていたケース等々ございますが、残念ながら、日本のこの二百三十四条のたてつけによりますと、「帳簿書類その他の物件を検査」、つまり、バミューダに恐らくあるんだろう当該法人の台帳を手を伸ばして海の向こうからとってくるということはできないわけでありますから、なかなかこれは、条文を読み解くと、そこができにくいという環境になっておりまして、先ほどの笠井委員からも、他方で権利という点で御指摘をいただきましたけれども、一方で、納税者の環境整備をしていく中での、権利だけではなく義務についても規定すべきではないかというような御意見も、実は政府税調の中の議論では出ております。

 これは、互いに義務も果たしていくということをある意味で充実させていただかないと、まさにこういう強きをしっかりくじけということに関しては、なかなか今、ツール立てにおいては弱い面がありまして、国民の皆様の御理解がもしいただけたら大変ありがたい分野ではございます。

小野寺委員 実際、今回の租税協定、これは結ぶことには意義があると思うんです。今、古本政務官がおっしゃったように、実はそのとおりなんです。やはり国内法がまだ未整備な部分もある、そこもしっかり対応していくことが大切だと思っています。

 また、クウェートの条約について、これはむしろ日・クウェートの二重課税回避ということが着実に実行できる、今まで望まれた条約だと思いますが、実際、このような二重課税の回避ということになりますと、各省庁それぞれ連携が必要だと思うんですが、この省庁間の連携というのはどうなっておりますでしょうか。

武正副大臣 今御指摘のとおり、二重課税の回避、そしてまたそれぞれの投資促進という二つの目的がこの条約にあるわけでありますが、特に前者についての省庁間の取り組みということでありますと、今財務当局からもお話がありましたように、外務省、財務省、そして関係省庁と協力をして、特に税務当局間の国際協力を推進するため、外務省としても連携をしっかり強化しているというところでございます。

小野寺委員 もう一つの日・カザフの原子力協定につきましても、これは二酸化炭素を削減するという、これは与野党問わずの大前提がございます。低炭素社会づくりのためにも、原子力のさらなる活用ということ、そしてまた、その資源をたくさん有しているカザフに対してのしっかりとした支援、これからの協力体制をとるためにも重要な条約だと思っています。我が党としては、三条約については賛成をしたい、そのように思っております。

 それでは、ここから少し普天間問題について、一気に飛びましたが、お話を伺いたいと思っております。

 昨日、これは報道各紙で出ておりますが、官房副長官から徳之島の三町長に対して面会をしたいという話があり、これが断られたということが出ております。この三町長に対しての官房長官の面談について、岡田外務大臣は内容について御存じだったでしょうか。

岡田国務大臣 瀧野副長官が電話で依頼をしたということは、報道で知りました。

小野寺委員 私は、どうしてこれは岡田大臣に聞いたかといいますと、鳩山総理は、これはオバマ大統領との話でも、日米の基地問題については岡田大臣とルース大使の間で話を続けていくということを何度もお話をされておりますので、閣内のさまざまな調整があっても、最終的な交渉窓口、現場の窓口は岡田大臣だと思っておりますので、そこにやはりこういうお話が通じていないということは、これは基地問題を今後進める中で大切な重要な問題だと思いますので、そういう内閣のばらばら感がないような形でしていただきたい、そのように思っております。

 そして、その中でちょっとお伺いしたいのは、これはまた内閣の話で恐縮なんですが、昨日、北澤防衛大臣が、徳之島移設は厳しくなったということで、見解を述べられました。外務大臣は同じような見解を持っていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。

岡田国務大臣 私の理解では、北澤大臣の発言は、閣議後の記者会見、そして参議院の委員会でということだと思います。私は、そのとき隣におりました。

 私が申し上げましたのは、今、具体的に中身を明確に明らかにしておりませんので、個別のことについてお答えはできない、そういうふうに申し上げたところでございます。内閣としてはそういう答えだと。徳之島という地名が挙がっておりますけれども、そういった具体的な地名に言及しながら発言することは控えたい、そういうふうに思っております。

 北澤大臣が発言されたのは、そういったことを踏まえた上で、一般論として言われたということだと思いますが、北澤さんが強い否定的なニュアンスで言ったというふうには私は必ずしも受け取りませんでした。

小野寺委員 政府の考え方としては、鳩山総理、そして岡田大臣の言い方が多分正しいんだと思うんです。ところが、北澤大臣の発言、私も報道で見ましたが、あれをどう聞くかですが、私はどう聞いても、あれは徳之島移設は難しくなったということで防衛大臣が発言をされているとしかとれません。

 もし、これはだれが注意するかわかりませんが、せっかく今、基地問題、本当に私どもも、これはしっかり進めて沖縄の負担軽減をしなければいけないという同じスタンスで話をしているわけですから、こういう内閣がばらばら感があるようなことをとられないように、ぜひ閣議の場でも、あるいは北澤大臣にも直接、岡田大臣の方から言っていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

岡田国務大臣 参議院の場合は二人大臣が並びますので、コミュニケーションをとりながら答弁しているわけですけれども、私、聞いていて、何かだめだとか、そういうニュアンスで必ずしも受け取れなかったんですけれども。

小野寺委員 では、別な聞き方でお伺いをします。

 この徳之島の問題ですが、今、徳之島の三町長は、この問題については官房長官と会うこともできない、それが島民の意思だということで、明確にお答えをされております。

 このお話を受けて、今回、日米の合意の中で、アメリカ側は地元の同意ということをかなり強くお話をされていると思いますが、この徳之島の状況を受けて、特に地元反対ということを受けて、外務大臣はこの徳之島案についてどのような感想をお持ちでしょうか。

岡田国務大臣 先ほど申し上げましたように、徳之島案なるものを内閣として何か決めているわけではございませんので、個別のことにはコメントすべきでない、そういうふうに考えております。

小野寺委員 個別のことの問題はいいんですが、私ども今、この問題が五月末の決着ということになりますと、さまざまな議論を日米間でしていただきたい、しなければいけない、そのような状況だと思っております。

 今、外相とルースさんのパイプ、窓口というのが私は開かれた窓口だと思っておりますが、この会談、次回いつごろ開く予定か。それは、あしたとか、あさってとか、明確な日にちでなくてもいいんですが、例えば今週中とか、今週末とか、来週初めとか、その会談の見通しについて教えていただきたいと思います。

岡田国務大臣 具体的なところは今、決まっておりません。ただ、適宜、電話では連絡をとり合っております。

小野寺委員 安心をしました。電話で連絡をとり合っているということであります。

 さて、ひとつお伺いしたいんですが、先週金曜日、これは外務委員会の定例日でありました。私どもは、岡田大臣が外遊をされるということで、アメリカに行かれるということで、委員会を休み、そしてこの問題についてどのような話が行われるかということをちょっと見ておったんですが、実際アメリカに行かれて、この基地問題についてアメリカ側との、だれかとの協議ということが行われたかどうか、お伺いしたいと思います。

岡田国務大臣 基地問題についてアメリカ側の要人と何か意見交換をしたということはございません。

 私が会いましたアメリカ側、アメリカ政府の人間というのはライス国連大使、話した中身はイランの問題でありまして、基地の問題は、彼女の所掌ではありませんし、一言も出ておりません。

小野寺委員 この時期に、しかも五月末という普天間の期日の中で、多くの国民が注視をし、そして鳩山総理のお顔色を見ても、日々やはりこの問題についての苦悩の色が見える。そういう状況の中で、交渉の窓口の外務大臣ですので、本当であれば、訪米した際に、それは確かに重要な会議に行かれたと思います、ですが、その会議の際に、せっかくアメリカまで行ったものですから、そこはやはりこの問題に関しての意見交換、情報交換ということをすべきだったと思うんですが、そのような働きかけをされたんでしょうか。

岡田国務大臣 私は、その二週間前にG8外相会合、その折にクリントン長官やゲーツ長官とは話をしております。そして、基本的にはルース大使と私の間で話をしていく、こういうふうに確認をしております。

 したがって、再度そういった政府の要人と会う必要は必ずしもない。もう少しルース大使との間で話を詰めなきゃいけない、そういう状況でございます。

 それから、日程的にいっても、私は日曜日の夕方帰ってきたわけでありますけれども、もしワシントンまで足を延ばすということになれば、やはり月曜日を使わなきゃなりませんので、帰ってこれるのは火曜日ということになったと思います。いただいた日程の中でぎりぎりの、二泊いたしましたけれども、実質的には二十四時間という中でこの会議に参加をしたわけでございます。

小野寺委員 この会議、安保理公開討論会ということで、これは紛争後の平和構築という会議だったと思います。私、会議の内容を読んで、少し疑問を持ったことがあります。

 実はこの会議、当然、日本は四月が議長国ですので、岡田外相が行けば議長をするという会議になります。参加している安保理の十五の理事国、常任・非常任理事国の中で、外務大臣、大臣級が参加した国は何カ国ありましたか。

岡田国務大臣 外務大臣が参加したのは、ボスニア・ヘルツェゴビナの外務大臣であります。

 ただ、この会合は、安保理のメンバー以外の出席も認められておりまして、シエラレオネ、東ティモール、それからアフガニスタンから、それぞれ閣僚に出席していただきました。

    〔委員長退席、小宮山(泰)委員長代理着席〕

小野寺委員 潘基文さん、それからアフガニスタンの外相を含め、さまざま今、紛争当事国の方とお話をすることは、私は大切だと思うんです。ただ、この基地問題で国内がさまざま、本当に国論沸騰しているときに、各国外相が集まるような会議を期待していたんですが、残念ながら、各外相は多分、日程がとれなかったんだと思います。

 一カ国の参加のみということになった場合、これはやはりもっと従前に外務省の事務当局がしっかり各国の外相にも促し、あるいは外相でなければ政治レベルの方にこの会議の出席を促して、せっかく岡田大臣が議長をされる、しかも紛争の解決という、これは世界的な大変なテーマの会議でありますので、そこはそのような準備をしっかりした上でこのような会議に行っていただき、そしてまた国益のために存分に活躍していただきたい、そう思っておりますので、これは外相というよりも、むしろ外務省全体、当局の仕事が少し最近は緩慢になっているのではないか、そう思っております。

 それから、つけ加えれば、たとえ厳しい日程でありましても、今、皆さんがやはり注視をしております日米関係のさらなる同盟関係の深化、そしてこの基地問題についてはもっと日米で深い議論をすべきだ、そう私は思っておりますので、今後、もう残された時間は限られておりますが、しっかり対応していただきたい、そのように思っております。

 それでは、次に、少し日中関係についてお話をお伺いしたいと思っています。

 これは後に平沢理事からも多分しっかりとした質問があると思いますが、八日、これは前回の外務委員会でも質問させていただきました、中国の艦載ヘリコプターが日本の「すずなみ」という護衛艦のすぐそばまで、約九十メートルまで近寄っていた。これは防衛省からいただいた写真です。これはお持ちだと思いますが、こうやって見ても、向こう側からカメラでこちらを見ているのがわかるぐらいの大変近接したような、そういう状況になっております。

小宮山(泰)委員長代理 小野寺委員、提示するならば理事会に提出してください。

小野寺委員 それで、このヘリコプター、ここまで近接している中なんですが、八日にこの事例が発表された、わかった。

 外務大臣は、この状況について、いつ報告がありましたか。

岡田国務大臣 私のところに公電という形では、文書で来ておりましたのが九日だったのではないかと思います。たしか、九日だと思います。

小野寺委員 これは防衛省に確認したいんですが、八日にこの問題が実は発覚した後、防衛省はこれをすぐに外務省の方に伝えたというふうに聞いておりますが、いかがでしょうか。

榛葉副大臣 小野寺委員にお答え申し上げます。

 事案の発生した八日の十八時三十分ごろに、内局の事態対処課より外務省の方に連絡を済ませております。

小野寺委員 その際、防衛省から外務省の方にも、当然、官邸の方にも、この内容が伝わっていると理解していいんでしょうか。

榛葉副大臣 外務省の方に十八時三十分ごろ連絡するとともに、中国政府への申し入れの調整を実施するようにということで、加えて、その直後、同じく十八時三十分ごろでございますが、同局の事態対処課より官邸にも報告をしているということでございます。

小野寺委員 八日の事例発生、そして八日の六時半に外務省、官邸にも連絡をしている。翌日九日、外務省でいえば、通常、定例の記者会見がございます。その記者会見の状況について、これは九日の三時四分からということかと思っておりますが、この記者会見の中で、実はこの問題は触れられておりません。なぜ触れなかったのか、教えてください。

岡田国務大臣 ちょっと先ほどの答弁を訂正させていただきます。私のところに参りましたのは、十二日月曜日であります。

小野寺委員 恐らく、防衛省は八日の六時半にこのことを官邸そして外務省の方に伝えた、そして、それが十二日に外務大臣の方に伝わったということになりますと、この間の四日間は、これは外務省内でこの内容をとどめておいたというふうに理解していいんでしょうか。

岡田国務大臣 四日間といいましても、九日が金曜日でありますので、十、十一は土日ということで、十二日は月曜日になるわけであります。大臣のところに上がってきたのは、十二日の昼ごろであります。

小野寺委員 とても信じられないというか、私も外務省で仕事をさせていただいた経験からいいますと、特に大臣に関しては、緊急の案件、重要な案件については速やかに上げる。ましてや、木曜日に発生した事例で、木曜日の六時半に報告があって、金曜日一日何もせずに、土日があったから月曜日ですというような、こういうことは今までなかったと思うんです。

 これは、決してだれを非難しているわけではなくて、九十メートル先にもう中国のヘリコプターが来ているわけです。そして、もしここで何かあったら、これは日中関係、大変な問題になります。あるいは、そこまで接近して写真を撮るということは異常な事態ですから、外交ルートで、このことに対して、やめてくれとか、警告をするとか、そういうことが通常だと思うんです。

 八日にこの問題が発生し、六時半に外務省、官邸に報告された。その後、この問題について中国側に何らかの懸念なり注意を喚起した事例は、いつの時点だったでしょうか。

武正副大臣 外務省からは、中国側に対して、中国の艦載ヘリによる近接飛行の事実確認を要請するとともに、護衛艦の安全航行上危険な行為であると認識しており、相互の安全確保の観点から、我が国船舶に対して今後このような行動をとることのないよう申し入れました。中国側からは、事実関係を確認する旨の返答がございました。(小野寺委員「いつですか」と呼ぶ)いつということでございますが、外交上のやりとりの詳細については、お答えすることを差し控えたいと思います。

小野寺委員 済みません、聞いている委員の皆さんにお伺いしたいんですが、今のは、外交上のやりとりだから秘密に値する、そういうことではないんで、もう一度教えてください。

武正副大臣 今の申し入れの時期、ルートについては、次のとおりでございます。

 まず、十二日月曜日十一時ごろ、中国・モンゴル課首席事務官から在京中国大使館参事官に申し入れを行いました。また、十二日月曜日十九時半ごろ、アジア大洋州局審議官及び在中国大使館公使から外交部のアジア司副司長に申し入れを行いました。また、十二日月曜日十九時半以降、今度は在中国の大使館の参事官から外交部の日本処副処長に申し入れを行いました。また、十四日水曜日十六時半ごろ、アジア大洋州局長から在京の中国大使館の次席公使に申し入れを行いました。

小野寺委員 ちょっとお伺いしたいんですが、私はお役所仕事ということは昔から聞いておりましたが、木曜日の六時半に起こった事例を、月曜日の午前中、十一時に処理をする。これは安全保障上とか、こういう日中間の微妙な状況の中で、この時間差というのはどう考えていいんでしょうか。これはこういう対応で正しかったと副大臣はお考えですか。

武正副大臣 具体的な所掌というのが、小野寺委員御承知のように、私と福山副大臣で分かれておりまして、地域的な担当が直接的な担当ではないこともあるわけなんですけれども、そのことはおいておいて、今大臣からお答えしたように、木曜日の、金、土、日ということでの月曜日ということで、月曜日からの申し入れになったのではないのかなというふうに考えますが、委員の指摘するように、特に領土、領海の保全については外交、安全保障のやはり基本中の基本ということをしっかり踏まえていく必要があるとは思います。

岡田国務大臣 これは二つの出来事があったわけですね、大ざっぱに言えば。ヘリが非常に接近したという話、これが八日。それに対して九日に、北京におりました審議官、そして公使から申し入れを行ったということであります。(小野寺委員「九日ですか」と呼ぶ)失礼しました。十二日です。二つの事件がありましたので、ヘリコプターの近接の話、そして艦隊が日本の近海を通ったという話ですね。

 ですから、最初、ヘリコプターの話があったんですけれども、そのうちに艦隊の話が出たものですから、それをまとめて、艦隊が通ったという話は十二日でありますので、それをまとめて十二日に申し入れたということであります。

小野寺委員 これは、まとめてという、そういう判断でやる話ではないと私は思います。日本の護衛船に九十メートルのところまで、さっきのあのヘリコプターが来て、こっちの写真を撮っている。これは万が一もし事故でもあって、九十メートルですよ、ですから、ヘリコプターにしたらもうぎりぎりです、もし何か事故があって、もしこの問題が大きくなった場合は大変だと普通は考えると思います。そして、中国の艦船十隻が日本の近海を通航している、これと一緒にまとめて、まとまった上でこれは向こうに言いましょう、あるいはこれがまとまった上で公表しましょう、私はそういう性質のものではないんだと当然思います。

 そして、心配なのは、実はこの案件、防衛省に確認しましたら、ワシントンに行っている総理のところまで届くように実は報告をしているというふうに伺っております。ところが、総理自体は、十三日の早朝、日中の首脳会談、ここで中国の首脳と会談をしていますが、このヘリコプターの事案、そして先ほど岡田外相がおっしゃったような中国艦船の日本近海への出没の問題、この問題については一切触れていない。なぜ、わかっていながら触れないのか。

 私は、当然、一番強い懸念を申すのは、日中首脳会談の問題。これは、どちらがいい悪いというわけではなくて、ここまで近接した場合、万が一のことが起きたら、本当の意味で日中関係に大きな問題が起きる。そのためには、この問題について懸念を述べるべきだと思いますが、なぜこのような、例えば日中首脳会談でこの問題を取り上げるということを外務省は、これは当然、会談内容について詳細なペーパーをつくるわけですから、その中に入れなかったのか、お伺いしたいと思います。

岡田国務大臣 まず、ヘリの近接飛行事案については、現場で何度も起こったわけではないわけであります。そういうものについて、この事案の法的評価をしっかりと行う必要があったということであります。これが国際法上どういう扱いになるかということであります。そういったこともあって、内容の申し入れを行うべきかどうかについて慎重に検討したということであります。

 それから、委員の御指摘の、中国の艦船が日本の近海を通ったということについては、これは法的には認められた、たとえ領海であってもそれは認められた行為でありますから、しかもそれは領海ではなかったということでありますので、これ自身が何か国際法上の問題ということではないわけであります。

 そういう中で、総理あるいは総理の周辺で総合的に判断した結果、首脳会談のテーマにはしなかったということであります。

小野寺委員 外交がよくおわかりな総理であれば、こういう時期に、日本近海に対してこういう威嚇行動をとり、そして、その威嚇行動をどう鳩山総理が、あるいは日本の外務省が中国側に懸念を伝えるかということ、瀬踏みというんでしょうか、その雰囲気を実は見ながら、日本はどの程度今、領土、領海の問題について我が国の方針に、中国の方針に沿ってくれるのかな、実はそんな瀬踏みをされているのがこういう示威行動なんです。

 御存じのとおり、これは外相は知っていると思いますが、ついこの間、先日には、この中国艦艇が次にどこに行ったかといいますと、沖ノ鳥島です。沖ノ鳥島を一周して、そしてそこで水深やら潮流やらをはかっている、こういう事例は御存じでしたか。

岡田国務大臣 そういう報道があるということは承知しております。

小野寺委員 防衛省にお伺いします。

 こういう事実はございますか。

榛葉副大臣 現在、当該の中国海軍の艦艇が沖ノ鳥島の西方で活動しているということは承知をしております。

 他方、今、そこでどのような活動をしているのかということについては、ここでは答弁を差し控えさせていただきたいと思います。

小野寺委員 この沖ノ鳥島、ここは日本の領土と考えて当然いいわけですね、大臣。

 それから、もう一つ、この沖ノ鳥島の問題に関して、この中国海軍の調査に関して、日本政府として、外務省として、中国側に何か懸念を伝えているか、教えてください。

武正副大臣 沖ノ鳥島は日本の領土でございます。

 また、今、急な御質問でありますが、ちょっとそれは調べて、またお答えをしたいと思います。

小野寺委員 すべてこういうことなんです。中国側は、日本の近海にヘリコプターを飛ばし、沖ノ鳥島の周辺を走り、そして、日本政府はどのぐらいこの問題について関心と懸念を中国側に伝えてくるか、それを見て、実は日本政府の行動スタンスを見ているんです。言ってみれば、このまま何もしないと甘く見られる。中国との友好関係、ギョーザの問題については捜査の感謝を述べながら、日本の四人が死刑になったことに関しては一言も述べなかったこの日中首脳会談について、私は、本当に残念でならないということを申し伝えて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

小宮山(泰)委員長代理 次に、平沢勝栄君。

平沢委員 自民党の平沢勝栄でございます。

 小野寺議員に続きまして質問させていただきたいと思います。

 条約の質問をさせていただく前に、アイスランドの火山噴火の問題についてちょっとお聞きしたいと思います。

 あの火山噴火によりまして、ヨーロッパを中心に空の便が大混乱しているわけでございますけれども、それに対しまして、世界各国とも、足どめを食らっている旅行者にいろいろな形で支援をしているわけでございまして、ドイツは、ルフトハンザ機五十便、臨時便を出して輸送に当たっているといったことが報道されています。イギリスは、三隻の海軍の艦艇を派遣することを検討しているといったことも報道されています。それから、ロンドンのアメリカ大使館は送金の手伝いもしている、こういったことが報道されています。

 今、成田で足どめになっておられる外国の方に対する支援も、非常に弱いんじゃないか、おくれているんじゃないかということがいろいろ言われていますけれども、在外で足どめを食らっている日本人、一万二千人はいるということが言われて、そのうち、ローマとモスクワですか、二便は便を出しまして、五百人が帰ってこられたようですけれども、日本政府の取り組みは余りにも手ぬるいというか、余りにも遅過ぎるという感じがしないでもありません。

 これについて、大臣、この支援策、今、在外公館ではどういった支援をやっておられて、そしてこれが十分と考えておられるのかどうか。大臣、お答えいただけますか。

武正副大臣 平沢委員にお答えいたします。

 アイスランドの火山の噴火、噴煙による在留邦人及び邦人渡航者への影響、また、在外での対応ということで御質問でございます。

 今回の影響、空路の移動制限ということでありますが、こうしたことを踏まえまして、外務省では、欧州への邦人渡航者等に対しては、四月十六日付渡航情報により、欧州地域への渡航及び滞在に関する注意を喚起ということで、外務省ホームページ、関係公館でも、ホームページにおいて、アイスランド火山噴火の影響と各国航空便運航状況等、在外公館による邦人支援に関する情報を掲載するということを行っております。

 また、外務省と在外公館では、渡航予定者及び欧州滞在者から電話等の照会があった場合には、可能な限り丁寧に対応するとともに、日本からの送金手続、それから健康、医療、滞在期間の延長手続、査証も含めまして、それから、宿泊並びに航空便運航再開地への移動方法などについて、相談についても、可能な限り助言と支援を行っております。

 さらに、欧州各国には在外公館、ヨーロッパでは、現地旅行会社そして航空会社と連携をとりつつ、各地において、先ほど一万二千人とお話がありましたが、日本人旅行者等の状況の確認、それから、空港等において航空会社等に邦人旅行者から相談とか支援要請がある場合には、航空会社から在外公館にも情報を寄せてくださいということで、必要に応じて空港等に赴くなどして、邦人旅行者等の移動や帰国に関する協力、連携を図っております。ということでございます。

平沢委員 そういったことはやっておられるでしょう、これは当たり前のことなんで。

 ただ、先ほど言いましたように、例えばイギリスあるいはドイツ、飛行機を大幅に出して輸送に当たることを検討している、あるいは海軍の艦艇まで出すことを検討している。そういった国に比べて、今副大臣が言われたのは、いろいろな情報提供あるいは電話でいろいろ聞いてきたらこういったお手伝いをする、こういったことなんですけれども、日本の対応というのは手ぬる過ぎませんかということを聞いているんです。これでいいと思っているんですか。

 では、大臣、ちょっとお答えください。これで、今の日本政府の対応でいいと思っているんですか。それとも、まだちょっとこれは弱過ぎる、したがって、もっともっとニーズにこたえて支援を強化しなきゃならないと思っておられるのか。どちらでしょうか。大臣。

武正副大臣 これと類似するかどうかはちょっと、なかなか難しいかもしれませんが、タイで過日……(平沢委員「いや、これを聞いているんですよ」と呼ぶ)ええ。やはり、日本の邦人が足どめを食った例があったと思います。私も、あの対応等についてやはり調べた経緯もございまして……(平沢委員「今のがいいか悪いか聞いているんですから、余り長々と要らないですよ。時間ないんですから」と呼ぶ)ええ。そうした航空会社それから旅行会社、基本的に、第一義的にはそれぞれの会社が当たるということでありますが、在外公館それから外務省としてどういった対応が可能なのか。今も、できるところ、必死にそれぞれ頑張っているわけでありますが、今のそれぞれの国のいろいろな状況なども踏まえて、今回の件についてもやはり、もし御指摘の点で足らざる点があるのであれば、それについてはしっかりと対応を検証していかなければならないというふうに思います。

平沢委員 いや、私はもう、今から検討じゃないんです。もう今実際に足どめを食らっている方がいっぱいおられるわけでしょう。みんな困っておられるわけでしょう。だから各国は一生懸命取り組んでいるわけでしょう。何か、今から取り組むとか、きのう、成田で足どめを食らっている外国人旅行客については、やはり対応に反省すべき点があったようなことを国土交通副大臣は言っておられますけれども、成田の外国人旅行客だけじゃなくて、在外で困っている日本人を助けてあげるのが、先ほど大臣言われましたけれども、外務省の仕事じゃないですか。もっと力を入れて取り組むべきじゃないですか。いや、副大臣はもういいですから、大臣。

小宮山(泰)委員長代理 まず、武正外務副大臣。

武正副大臣 指名であります。

 在外公館が、先ほど大臣触れましたように、邦人保護、これを第一義とするということは、もう大臣からも申し述べております。今、これだけ日本人が世界で、あるいは日本企業が世界で幅広く活動している、それに対してしっかりと在外公館がその支援をしていく、これは何といっても申すまでもないところでありますので、先ほど言ったような点で、先ほどの対応をそれぞれ在外公館はしておりますけれども、さらに、どういう形で対応したのかということも含めて検証もしつつ、ただ、今同時進行でありますから、今やれることは徹底してやるべしということは何度も在外公館にも言っておりますけれども、その徹底とともに、足らざる点についてはしっかりと検証し、これを次に、こうしたことは二度とあってはいけないんですけれども、まずは検証をしっかりしていきたいというふうに思っております。

    〔小宮山(泰)委員長代理退席、委員長着席〕

岡田国務大臣 今回の事案で、我が国の在外公館は一生懸命に対応したというふうに私は思っております。

 臨時の飛行機を飛ばすべきではないかとか、そういう議論はあるかもしれませんが、飛ばせる状況なら飛ぶわけであります。それが安全上の問題で足どめになっていた、そういう段階では飛ばせるわけがないわけでありますから。少しずつ復旧していく中で、より増便するとか、そういうニーズが具体的にあるのか、そういうところはよく確認して対応していきたいというふうに思っています。

平沢委員 この問題は、もちろん、先ほど言いましたように、モスクワとローマはもう便を飛ばして運んで、運搬に当たられたわけでございまして、いずれにしましても、困っておられる方がおられるわけですので、ぜひ外務省を挙げて力を入れていただくようにお願いしたいと思います。

 そこで、まず、条約のことをお聞きしたいと思います。

 バミューダとの租税協定ですけれども、先ほど来話がありましたのでダブるところは避けますけれども、タックスヘイブンの国、バミューダとやるわけですけれども、バミューダ以外にもいっぱいあるわけでしょう。それらの国とのこれからの締結の予定というのはどうなっているんですか。

武正副大臣 お答えをいたします。

 先ほど横粂委員の方にもお答えしたと思うんですが、バハマあるいはケイマン諸島とのそうした協定締結に向けての交渉ということについて御紹介をさせていただきました。

 今回、タックスヘイブンということでのバミューダとの条約締結でございますので、先ほども触れましたように、G20首脳会合の趣旨にのっとって、脱税、租税回避に向けた国際的なネットワークの構築、また、そうしたタックスヘイブンとの情報交換協定の締結、これを進めていきたいというふうに考えております。

平沢委員 先ほどどなたかの質問に対して、十四社がバミューダに進出しているという話がありましたけれども、この十四社というのは、具体的には会社はどこなんでしょうか。そして、なぜバミューダという交通の便も決してよくないところにわざわざ会社を構えて、これは断定的に言うわけにいきませんけれども、バミューダがタックスヘイブンで、脱税とか租税回避行為のいわば温床になっているということが言われているわけですけれども、それがねらいだとすれば、この十四社というのは明らかにしてもいいんじゃないかと思いますけれども、どうですか。

武正副大臣 十四社についてでございますが、保険業、それからレンタキャプティブ業、証券業、投資顧問業、原油、石油製品、LPGの輸入及び外国間取引ということでございまして、社名を挙げますと、住商ブルーウェル・NNI、川崎汽船、大東建託、三菱商事、損保ジャパン、KNT、新生銀行、三井住友海上火災保険、東京海上日動火災保険、それから野村ホールディングス、スパークス・グループ、丸紅が出資する十四社でございます。

平沢委員 それらの会社がバミューダにそういった会社を置いている目的というのは何なんでしょうか。

武正副大臣 それぞれの企業の判断でそれぞれの世界的な展開をされているというふうに承知をしておりますので、ここで政府としてこういったことであろうということはお答えできかねます。

平沢委員 いずれにしましても、バミューダに置くならば、そこにしっかりしたビルを構えて従業員がたくさんいるとは思えないわけで、一種のペーパーカンパニーではないかなと。ということになりますと、租税回避行為が目的じゃないかなとも思えるわけですので、その辺は、今回バミューダと租税協定を結ぶわけですけれども、こういった租税協定、バミューダだけじゃなくて、ほかにもいろいろな国があるわけですから、ぜひ急いでいただきたいなと思います。

 次に、クウェートとの租税条約ですけれども、これは先ほどいろいろと質問が出ました。これを締結することによってクウェートに進出する日本企業の税負担がどの程度軽減されるかというのは、たしか質問が出たと思いますけれども、具体的な金額は出ていなかったと思いますけれども、これはある程度の推定というのは出ないんでしょうか。それから、このクウェートとの租税条約の締結が日本の税収に与える影響がどのくらいか、こういった見通しも出ないんでしょうか。

武正副大臣 先ほどもお答えしたように、具体的な税額に与える影響ということはなかなかお答えができないというところでございます。

 本条約では、配当等の投資所得に対する上限を規定しておりまして、まず、現時点では投資所得に対して源泉地課税は行われていないわけでして、将来改正された場合に、投資所得に対して源泉地国課税が行われたときの上限ということでございます。

 一方、国内の税収に与える影響等についても、そういったことから、ここではお答えがしかねるというところでございます。

平沢委員 ある程度の見通しはあるんでしょうけれども、言えないということなんでしょう。

 では、クウェートのオイルマネーを結局日本に呼び込む効果というのもあるだろうと思いますけれども、これはある程度の見通しがあるでしょう。これは幾らくらい見ているんですか。今回の締結によってクウェートのオイルマネーはどの程度日本に呼び込めると思っているのか、これはどうですか。

武正副大臣 お答えをいたします。

 これも先ほどお答えをいたしましたが、これから具体的な投資がどの程度の額になるかというのは、それぞれの企業の投資行動、また経済金融情勢を初めとする投資環境等によって大きく左右されることから、具体的に示すことは困難であります。

 ただ、クウェートには、資金運用機関、いわゆるソブリンファンドということでクウェート投資庁がありまして、その運用額二千五百億ドルということも報じられておりますので、やはりクウェートまたは産油国からの投資というものが日本国内に、そういう期待というものは大きかろうというふうに思います。

平沢委員 いずれにしましても、この条約は、投資交流促進の基盤を強化するねらいもあるわけですので、ほかの国、まだまだのところがいっぱいあるわけですので、ぜひ急いでいただきたいなと思います。

 カザフスタンとの原子力協定ですけれども、これについてはいろいろありました。ウランの安定的な供給というような話が先ほど出ていましたけれども、日本がウランの提供を受けているのは、別にカザフスタン、ほかの国、カナダとかオーストラリアとかあるわけですけれども、ほかにもニジェールとかナミビアとかあるわけですよ。ニジェールとかナミビアはまだこの原子力協定は結ばれていないと思いますけれども、これは今後どうするんですか。

武正副大臣 お答えをいたします。

 原子力協定は、原子力関連品目等を移転するに当たり、その平和的利用に関し、相手国から法的な保証を取りつけることを主たる目的として締結するものであります。

 今、ニジェール、ナミビアの御指摘がありましたが、現時点で、ウランの確認埋蔵量ではナミビアが八位、ニジェールが九位、また、我が国のウランの輸入先としてニジェールが四位、第六位がナミビア、そういった重要な国でありますが、原子力関連品目等を移転する具体的な計画が我が国からニジェール、ナミビアに対して存在するわけでなくて、また、ニジェール、ナミビアから原子力協定の締結の意向が示されたこともないということでありまして、我が国としては、これらの国々との間で原子力協定を締結することは検討していないということでございます。

平沢委員 そうはいっても、向こうからその意向がなくても、これはやはり日本側から働きかけて、今回カザフスタンとの協定を結ぶ以上、当然のことながら、ナミビア、ニジェール、必要になってくると思います。

 それから、原発を新規導入する国、こういった国との原子力協定というのも当然必要になってくるわけで、これから原発を入れる国というのは、地球温暖化の問題もあってどんどんふえてくると思いますけれども、そういった国とのいわば原子力協定の締結、これについての見通しはどうなんですか。

武正副大臣 原子力協定の締結につきまして、今、交渉が始まるということで合意をした例えばヨルダンなども含めて、あるいはアラブ首長国連邦については過日のような結果にはなっておりますけれども、あるいはベトナムということで、日本の成長戦略の中でも、この原発についての官民挙げてのやはり売り込み、こういったことも具体的に掲げていくわけでありますので、当然、こうした原子力協定の締結ということも視野にそうした売り込みも図っていくということになろうかと思います。

平沢委員 今副大臣が言われた原発の商戦、アブダビの受注に日本は敗れたわけですよね。ベトナムの第一次の発注にも日本は敗れたわけで。アブダビの場合は韓国が受注したわけですけれども、韓国は李明博大統領みずから先頭に立ってセールスに動いたということが報じられています。

 日本もこれから、新幹線もそうでしょうけれども、原発も最高の技術を持っているわけですから、当然のことながらどんどんセールスをしていかなきゃならないので、その場合は官民一体となった働きかけが必要になってくるわけですけれども、まず、このアブダビの受注に日本が敗れた理由というのはどういうふうに考えておられますか。

武正副大臣 アラブ首長国連邦について、韓国が原発建設を受注した理由として、推測でありますけれども、韓国チームは、まず第一に、国営の韓国電力公社が受注主体となりまして、建設のみならず、極めて長期間、たしか六十年でしたでしょうか、運転、保守支援など、発注者側の多様な要望に一元的にこたえることが可能だったこと、二点目は、相当程度やはり低い価格でさまざまなリスクを引き受けるという提案を行った模様であるなどが要因ではないかというふうに思っております。

 今、我が国に対しての御指摘でありますが、政府としては、従来から海外に進出する日本企業の活動を積極的に支援しておりまして、特に新政権としては、やはり今の経済的な厳しい状況も、展望を開くためにも、官民挙げて、また成長戦略を年末に決めましたし、今具体化ということで、そうした企業の個別案件に対する支援については詳細を語ることを差し控えますけれども、アラブ首長国連邦なども含めて、総理を初めハイレベルからの取り組み、こういったことをこれまでも行ってきております。

 引き続き、政府一丸となって、日本企業による海外における投資活動を支援していきたいと思っております。

平沢委員 これからベトナムの二期工事があるわけですけれども、いろいろな事業があるでしょうけれども、韓国は大統領がみずから先頭に立って猛烈な働きかけをしたんでしょう。日本は、たしか経産大臣がいろいろ動かれたことは聞いていますけれども、鳩山総理は動かれましたか。今、一生懸命動かれたようなことを副大臣は言われましたけれども、鳩山総理は動かれたんですか、この問題で。

武正副大臣 UAEの原発建設計画に対しては、今御指摘のように直嶋経産大臣の訪問、ムハンマド皇太子に対して総理親書を手交ということでありますし、これについては、この間も政治レベルでも働きかけをそれぞれ行ってきたということでございますし、先ほどの直嶋経産大臣については総理親書を手交ということでございます。

岡田国務大臣 アブダビの件は、鳩山政権になってからというのはむしろ最後の終盤であって、前政権の時代からいろいろな働きかけをしてきた問題であります。

 例えば二〇〇九年三月、福田前総理が総理特使としてUAEを訪問して、ムハンマド・アブダビ皇太子と会談した。それから、四月に、アブダッラー・UAE外相が訪日した際に、麻生総理、中曽根外相からそれぞれ申し入れを行ったというようなこともあります。つまり、そういう長い一連の中でありまして、これを鳩山政権だけのせいにするというのは、私はフェアじゃないなというふうには思います。

 もう少し一般的に考えますと、この問題は非常に難しい問題提起をしているわけで、例えば、今後、おっしゃるような原子力発電所あるいは新幹線のそういう案件がたくさん出てまいりますけれども、民間企業は採算がとれなければできないということになります。それから、大きなリスクのものは避ける。それを補完するのは国の役割だと思いますが、しかし、では、国が赤字覚悟でやるのか、あるいは非常に大きなリスク、UAEの場合の韓国はそうではないかと言われているわけですが、非常に大きなリスクを政府が負うのかと。結局、それは最終的には納税者の負担、将来的には。短期的にはということではなくて、むしろ何十年先の納税者の負担ということになってはね返ってくるわけです。

 ですから、国がもっと前面に出てこういった大型案件について対応すべきだというのは、総論としては私はそのとおりだと思いますけれども、しかし、その面ばかりを強調いたしますと、結局、後で考えてみたら納税者の負担があちこちにできてしまったということになってしまう、そういう問題もある。そのバランスをとって考えていかなきゃいけない問題だというふうに思っております。

平沢委員 それはそのとおりでして、前の政権からずっとやってきたわけで、これは別に政権に関係なく、やはり私は、受注に世界各国がトップが動いて強力な働きかけをしているわけなので、鳩山政権としても一生懸命取り組んでもらいたいなと。

 しかし、今大臣が言われたように、もちろん、韓国は恐らく相当のディスカウントをしているんだと思います。ですから、それがまた負担になってはいけないわけで、そういう中で、日本としては、技術とかアフターケアとかそういったものを含めて、やはりしっかり日本としてのいわばメリットを発揮しながら、ぜひ受注できるようにこの商戦に取り組んでいただきたいなと思います。

 そこで、今度は別な案件の質問をさせていただきたいと思いますけれども、この前中国で大きな地震が青海省、チベット族の自治州でありましたけれども、これについて中国側は、一切外国の支援は要らないと。これは被災地域が限られている、そして国内の救援部隊でカバーできる、したがって外国の支援は要らないということのようですけれども、日本外務省としては、この中国の大地震、死者二千人を超えたと言われていますけれども、これにどういう対応をされておられるのでしょうか。それで、要するに、中国が支援を要らないと言っているのは、本当に支援が要らないのか、それとも、やはり極めて微妙な地域だから日本を含めた世界各国の支援を断っているのか、これはどちらだと見ておられますか。

岡田国務大臣 中国政府がどういう考えかということは、これは推測しかできませんので、余り推測に基づいて物を言うべきでないというふうに思います。事実として、中国政府は、そういった支援の要請ということに対しては、特に人的支援の要請は行わないというふうに言っているわけであります。

 日本政府としては、中国側からの支援要請を踏まえて、十五日に、医療などの分野で総額一億円を上限とする緊急無償資金協力を実施することを決定したところでございます。

 この問題もなかなか難しい問題を含むわけで、チリの地震、あのときにも、医療部隊というのは求められるだろうと思っていたわけですけれども、やはり、大統領から、将来的な、建物とかあるいは資金的な支援というものは求めるけれども、人については必要がないという明確なそういう返答が返ってきたわけでありまして、それぞれの国がそれぞれの国の判断でやっていることですから、それについて余りコメントするというのは適当でないというふうに思います。

平沢委員 わかりました。

 そこで、先ほど小野寺議員が質問しました中国の海軍の動きについてですけれども、まず、防衛省副大臣においでいただいておりますけれども、今回の、中国海軍の十隻の艦艇が沖縄の本島、宮古島の間を行って、それで沖ノ鳥島のあたりに居座っている、この動きのねらいは何だと見ていますか。

榛葉副大臣 平沢委員にお答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、十隻の中国海軍艦艇が沖縄本島と宮古島の間を抜けて太平洋に進出して、今沖ノ鳥島周辺にいるということでございます。

 この目的でございますけれども、防衛省として確たることを申し上げることは困難でございます。他方、中国人民解放軍機関紙の解放軍報には当該活動に関連したと見られる記述がありまして、東海艦隊による外洋展開共同訓練と表現がされているところでございます。

 いずれにいたしましても、一般論といたしまして、中国海軍などの海洋における活動におきましては、中国の領土や領海を保護するために可能な限り遠方の海域で敵の作戦を阻止すること、台湾の独立を抑止、阻止するための軍事的能力を整備すること、海洋権益を獲得し、維持及び保護すること、そして、自国の海上輸送路を保護することなどの目的が一般論として考えられるというふうに承知をしております。

平沢委員 では、副大臣、どうぞ。結構ですから。ありがとうございました。

 そこで、先ほど小野寺議員とのやりとりをお聞きしまして、八日にこれが起こって、夕方にはもう防衛省は外務省等に連絡しているわけですけれども、大臣が報告を受けられたのは十二日というのはちょっと、余りにも外務省の事務方の対応がおかしいんじゃないかな。

 その間に、先ほど大臣の答弁とは思えなかったんですけれども、土日を挟んだというようなお話がありましたけれども、こういったある意味では危機管理的な問題については土日はありませんで、これは当たり前のことで、三百六十五日、二十四時間あるわけでございまして。私も大臣と同じ三重県の藤波官房長官の秘書をやり、それでその後、後藤田さんの秘書官をやりましたけれども、要するに、悪い情報は夜中でも入れるんです。たたき起こしてでも入れるんです。これは当たり前のことで、危機管理の鉄則でございます。

 今回の件は、確かにどうなるかわかりません。先ほど大臣が言われたように、いろいろと分析、検討も必要でしょう。その後の動きを見なきゃならないところがあったことはわかりますけれども、ただ、こういう動きがあるということは、日本国の外務大臣としてまずは第一報をすぐ受け取っておくのは当たり前でございます。これはもちろん、いつ、どこの時点で対外的に言うかというのはまた次の問題としてあるわけですけれども、第一報は、どんな悪い情報でも、一言で言えばガセネタかもしれないけれども、まず第一報は入れる。これは危機管理の鉄則ではないかなと思いましたけれども、ちょっと遅過ぎるような気がしますけれども、大臣、どう思われますか。

岡田国務大臣 今、平沢委員が言われたことと同じことを事務当局に私から申し上げたところでございます。

平沢委員 大臣、ちゃんとそこはおわかりいただいておられるわけでございまして、事務当局は本当にしっかりしてもらわなければならない。

 当然のことながら、その動きを分析しながら対外的な発表とか中国側に対する申し入れというのは行われるわけでございまして、それにあっては、まずは最高の責任者、意思決定者にすぐに情報を入れる必要があるわけでございまして、ぜひその辺は、今後こういったことが二度とないようにお願いをいたしたいなと思います。

 そこで最後に、普天間の件についてお聞きしたいと思います。

 先ほど来いろいろとお話がございました。普天間については、大臣は五月末ということをずっと言ってこられたわけでございますけれども、ことしの一月二十九日の外交演説でも、五月末までに政府として具体的な移設先を決定します、こういうふうに言われていまして、以来、いろいろな機会に、五月末までに普天間基地の移設場所を決定するということを言ってこられたわけです。

 この五月末までというタイムリミットについては、今もお考えに変わりはございませんか。

岡田国務大臣 五月末までに決定をするということは、鳩山総理も強く言われておりますし、内閣としてそういうふうに考えているところでございます。

平沢委員 その五月末までに決めるということについては、当然のことながら、五月末までにただ候補地を、検討する予定の地を決めるということではなくて、アメリカも理解をし、地元にも理解されるという案を政府が決定する、これが五月末までということで、これまた大臣もいろいろな機会に言ってこられたわけでございます。つい先日の四月七日のこの外務委員会でも、地元の理解を得て、日米で合意する案を五月末までに政府案としてまとめる、こういうことでありますということを答弁されておられるわけですけれども、これもまだお変わりないでしょうか。

岡田国務大臣 変わっておりません。

平沢委員 もしこの五月末が守られなかった場合にはいろいろな影響が出るということも大臣は御発言されておられました。ですから、五月末までには決めなければならない。五月末をもし決めることができなければ、アメリカの同意も得て決めることができなければ、これは大変な、深刻な事態になる、この御認識もまだ変わっておられないでしょうか。

岡田国務大臣 そういうことにならないように、日米間のコミュニケーションをとりながら進めているところでございます。

平沢委員 これは与野党ないわけで、これは日米の安全保障というか、日米同盟にもかかってくる問題でもありますので、しっかり取り組んでもらいたいと思います。

 この問題については、今まで大臣は、ルース大使といろいろなチャネルで話し合いをしていると先ほどもございました。それとあわせまして、この委員会でもたしか答弁があったと思いますけれども、より技術的な検討をするために実務者でいろいろな話し合いをするということで決めておられるということでございます。

 先ほど、ルース大使とはいろいろな話をしておられるような御答弁がございました。トップの話し合いはわかりましたけれども、その下のレベル、いろいろな技術的な、実務的な話し合いをするレベルでの今の話し合いの進捗状況というのはどうなっているんでしょうか。これは御存じでしょうか。

岡田国務大臣 中身を申し上げるわけにはまいりませんが、いろいろなレベルでコミュニケーションをとっております。

平沢委員 ということは、もう既に、大臣のレベルはもちろんのこと、その下のレベルで、いろいろなレベルの段階でいろいろな話し合いが進められているというふうに理解してよろしいんでしょうか。

岡田国務大臣 それぞれ、いろいろな会う機会はございますので、そういう折にこの基地移設の問題というのも、コミュニケーションは行われているというふうに御理解いただきたいと思います。

平沢委員 ちゃんとした担当者を決めた恒常的な話し合いのチャネルがやはり必要だと思います。何か今のお話を聞いていますと、恒常的なチャネルのようにはちょっと思えないんですけれども、ここはやはり大事な問題なので、ぜひ力を入れて取り組んでいただきたいなと思います。

 あと残された時間で、徳之島の問題についてお聞きしたいと思います。

 これは前に、私、二月に徳之島へ行きまして、徳之島の問題について三月十七日のこの委員会で質問させていただきまして、徳之島の皆さんは怒っていますよと。要するに、私が徳之島の三町長さんとお会いして、そのときに感じたのは、正式なチャネルで話が来ない。何も政府から正式な話が来ないで、報道だけが先行して、どんどんどんどん、徳之島、徳之島と騒がれている。話を持ち込んできたのは、こんな大事な話でありながら民間人である。政府からは全然正式な話はない。そして、徳之島ならば受け入れてくれるだろうというような甘い考えで、結局、この話を持ち込んで、徳之島は今大騒ぎです。そして今、徳之島は、かつて政争で島を二分するような大騒ぎになったことがあるそうですけれども、今度の問題でまた島が、二分というより大いに大きく揺れている、もう勘弁してくれというのが徳之島の方々の御意見でした。

 そこで、先ほど岡田大臣にもいろいろ御質問が出たようなんですけれども、まだ政府から、一応、徳之島というのは決まっていないといっても、地元では、報道されて、一万五千人が集まった集会だとかと島は大いに揺れているわけですから、徳之島が関係ないなら関係ないと言ってやらないと、徳之島の方はたまったものじゃないんじゃないですかね。これは島がこの問題で大きく揺れているわけですから。

 ですから、まだ正式に決まったわけじゃない、ただ検討している段階で、徳之島に言う段階ではないとかという段階はもうはるかに超えているんじゃないかと思いますけれども、これはいかがでしょう、大臣。

岡田国務大臣 かなり報道が先行して過熱している、そういったことが島民の皆さんにも影響を与えているということは事実だと思います。まだ政府として具体的なことを決定したわけではございません。そういう段階で、これは徳之島に限らず、どの地域であれ、そういった報道が先行することで、そこに住む住民の皆さんにいろいろな混乱、御迷惑をおかけしているとすれば、それは大変申しわけないことだというふうに思っております。

平沢委員 徳之島の方はそういうことで非常に困惑しているというか、非常に迷惑を受けているわけなんで、そこは政府としてしっかり取り組んでいただきたいなと思います。

 この問題については、私も現地に行って感じたんですけれども、いろいろな方が動いて、しかも、その動いた方が賛成派の方だけと会っているんですよ。それを怒っているんです。島にはいろいろな方がおられるんです。ですから、賛成派の方もおられれば、反対派の方もおられる。賛成派の方もそれはおられるでしょう。その方だけ会って、これは徳之島なら大丈夫というような気持ちを、考えを持たれたんじゃないか、その情報が官邸の方に入ったんじゃないかというようなことを言っておられました。

 たまたま、きのう、読売の夕刊のコラムに、私のお仕えした後藤田さんの五訓というのが出ていまして、その中にこういうことが書いてあります。「悪イ本当ノ事実ヲ報告セヨ」「勇気ヲ以テ意見具申セヨ」、こういったことが書いてありますけれども、こういったことがなくて、判断を誤られているんじゃないですか、徳之島についての情勢判断。ということはないですか。大臣も官房長官と一緒にその検討のグループに入っておられるわけですけれども、どうでしょうか、外務大臣。

岡田国務大臣 政府として具体的な案を決めたわけではありませんので、特定の場所、地点を前提にしたその質問にはお答えしかねます。

平沢委員 では、最後に一つだけ聞かせていただきますけれども、この前、外務委員会として沖縄に行きまして、仲井眞知事さんたちとお会いしたときに、後で副知事の方が私のところに来られて言われたのは、最悪のケースは普天間の固定化、継続使用だ、これをわざわざ副知事の方が私のところに来られて言われたんです。こんな可能性はないんでしょうね。沖縄の方が一番心配しておられるのは今の普天間が継続使用になるということなんですけれども、大臣、これはないならないということをはっきり言ってください。

岡田国務大臣 私は、最悪のケースというのは、委員御指摘の普天間の固定化、それに加えて、八千人のグアムへの移転が白紙撤回されること、そして、八千人の移転を前提とした一部の基地の返還もなされないこと、これが最悪であります。そういうことにならないように、しっかりと今、鳩山総理を先頭に取り組んでいるところでございます。

平沢委員 終わります。ありがとうございました。

鈴木委員長 平沢君、ちょっと待ってください。武正副大臣から答弁があります。

武正副大臣 先ほどの小野寺委員の御質問でございます。

 累次の機会にというのを具体的に、委員長の指示もあって、いつ、だれからだれへという御指摘でございますが、やはり、外交上のやりとり、個別についてはお答えしかねるということでございますが、お答えできる範囲として、これまでに、鳩山政権になってからでございますが、二十八回の申し入れを行ったところでございます。

平沢委員 ですから、二十八回、いつ、どの会合で言ったかというのは出してもらいたい、きちんと。そこをお願いしますよ。

武正副大臣 これがもうぎりぎりでございます。これ以上のことはお答えしかねます。

鈴木委員長 今の件は、別途理事会、あと委員会でまた協議していきたい、こう思います。

平沢委員 では、また理事会でこの問題は協議させてください。これはちょっと、今の言えないというのはとても納得できませんので、今までもこんなことは、出したということは幾らでも言っていますから、これは全然納得できませんので、これは別途またやらせていただきます。

 終わります。

鈴木委員長 次に、赤松正雄君。

赤松(正)委員 公明党の赤松正雄でございます。私が最後でございますので、お疲れでしょうが、おつき合いいただきたいと思います。

 今、何人かの委員が沖縄の基地の問題を取り上げられましたので、私も少しそれに関して触れさせていただきたいと思います。

 過去、岡田外務大臣との間で、私の若干の勘違いもあったんですが、私の基本的スタンスは、先般申し上げましたように、ダブルトラックでいくべきである。要するに、沖縄の県民の皆さんが抱えている日常的なさまざまな基地の被害に対して、懸命に日本政府が、単に日米地位協定の運営改善だけではなくて、地位協定の見直しについて提起をする、こう言われた民主党の路線に沿って、さまざまなアクションを起こしながら、同時にもう一方で、前政権が決めたものを一たんゼロベースに戻して、どうするのが一番いいのか、先ほど言われた三つの最悪の事態などということにならないように、どうすれば一番いい選択をとれるのかということで懸命の努力をしておられる。

 今、岡田外務大臣の先ほど来の答弁を聞いていると、非常に、ある種、安心するという気分になるんですが、どうも一般的に国民の感情というか国民の受けとめ方から見ると、新聞、テレビの報道を見ている限りは、もうほとんどめちゃくちゃという感じですね。総理が一番最初にトラスト・ミーと言われた、一般的にも国民もそれを、総理が一つの大きな案があって、腹案があって順次うまく進めておられるんだろうな、オバマさんもそう思っている。ところが、どうも、報道ベースで見ると、それがそうではないみたい、いろいろなことが次々出てくる。岡田外務大臣は、御性格上、きちっと原理原則を大事にされる方だから、そういう部分が出ていないというのはいいんですが、パートナーというか、ほかの皆さんがどうもいろいろなことをおっしゃる。総理も、それに引きずられるような格好であるかのような、ないかのような、どうもよくわからないところがあるというふうなことがあって、きちっと政府としてのスタンスというものを、外務大臣もお忙しいでしょうから、なかなかそれは、いろいろな仕事がある中で、沖縄だけについてどうこう言えないという部分があるかもしれませんが、だれかがそういう役割をしっかり持って国民に発信しないといけないなということを先ほど来、痛感したところです。

 そういう御託を並べることはそれぐらいにしまして、一点お聞きしたいのは、要するに、徳之島と決めたわけじゃない、もちろん。それ以前に幾つかの案も出た、それも決めたわけじゃない。いろいろなことを、官房長官、外務大臣、防衛大臣あるいはまた前原沖縄担当大臣等々が何回かお会いされて、また事務方との協議もあって、さまざまな議論、検討されているということ。そういうことを踏まえて、先ほど来話が出ている、岡田さんの主たる役割は、ルースさんとの、アメリカと日本との間の外交交渉、これが主たる戦場というかお仕事である。

 その場合、まず一つは、アメリカの基本スタンスというのは、私たち前政権が決めたいわゆる辺野古沖という部分、辺野古沿岸という、その案で変わらないですね。そういう変わっていないという感触を持っておられるのかということが一つ。

 もう一つは、仮定の議論を、多分、私、前回、前々回でしたか、岡田さんは何もしていないじゃないかという大変失礼な言い方をかなり断定的に申し上げましたが、非常につづめて言うと、していないと言われてもしようがないんじゃないですかということをあえて言いました。それは地位協定の見直しについてアクションを起こしておられないという意味合いも込めて言ったわけですが、それを少し私の言い過ぎだったということを認めた上で、では、今のルースさんと岡田さんとの日米間における協議の実態はどの辺にあるのかということを、全部は言えないでしょうけれども、例えば、仮定の上でこういうことを議論しています、まだ日本の国内において受け入れ先どうこうというのは、もちろんこっちも決めたわけじゃないし、向こうにも伝えていないから、決まったわけじゃないんだけれども、いろいろと報道先行で伝えられるような印象があるのは御承知でしょうと、そういう仮定に立った議論というのはされているのかどうか。つまり、岡田・ルース対談の中身というのは、細かく言えないと思いますけれども、どういう形で日米間の交渉というものがあるとして今、行われているのか。

 この二つをお聞きしたいと思います。

岡田国務大臣 まず、アメリカ側は、日米合意案、これが最善であるというスタンスは変わっておりません。ただ、だから話を聞かないということではなくて、話は聞きましょう、こういうスタンスであります。

 どういう話をしているかというのは、それは申し上げられませんが、我々として、特に五大臣で共通の認識を持って、一定の幅のあるものについて、日米間、そして地元、双方にその案を示唆する中で、最終的に日米が合意し、地元の理解が得られる案をつくる、その過程にあるということでございます。

赤松(正)委員 今、なかなか言いづらそうにしておられましたけれども、関係閣僚で、あるいはまた事務方も含めていろいろ議論をしている、今、幅という言い方をされましたけれども、そういうさまざまな含みのある案というものについて、それはルースさんに投げている、こういうことでよろしいですね。

岡田国務大臣 お互い、外には中身は言わないことになっておりますので、御容赦いただきたいと思います。

赤松(正)委員 岡田外務大臣の発言を聞いている限り、私も人がいい方なので、かなり安心をするわけで、しっかりとこれからリーダーシップをとって進めていっていただきたい、きょうのところはそういうことにとどめておきたいと思います。

 本題というか、きょうの条約、協定に入らせていただきます。

 まず、国税庁の方に来ていただいておりますけれども、先ほど来もお話ありましたタックスヘイブンとして有名なバミューダ、それでさっき武正副大臣が、バハマとかケイマンとか、そういうものも交渉の対象として今進めている、こういうお話がございました。

 カリブ海の英領ケイマン諸島というのは、〇八年十二月に、外国税務当局からの要請に基づく情報提供を可能とする国内法を制定して、〇九年三月、日本はその情報提供対象国の一つに選定をされました。その後、ケイマン税務当局と対象税目の確認等の準備作業を行っていたところ、情報提供要請の実施手続が調って、ことしの四月に、国税庁からケイマン税務当局へ情報提供要請が可能となった、こんなふうに理解をしております。

 そこで、まず二つほど質問したいんですが、一つは、日本が情報提供対象国の一つに選定された理由というのは何なのか、また、日本のほか情報提供対象国にはどういう国が含まれているのか、これが一つ。それから、もう一つは、日本が〇九年三月に情報提供対象国の一つに選定されてから今日まで、一年以上たっているわけですけれども、準備作業の段階でこれだけ日数がかかったということについて、調整のつかない問題があったんでしょうか。この二点を聞かせていただきたいと思います。

杉江政府参考人 お答えいたします。

 従来より、いわゆるタックスヘイブンへの不透明な資金の流れが国際的に問題視されていたところ、リーマン・ショック以降、税に関する情報交換を進めていくことが国際的に大きな流れとなっております。

 このような中、ケイマン諸島は、諸外国への税に関する片務的な情報提供ができるよう国内法を整備するとともに、ケイマン諸島から税に関する情報提供を要望する国にはこれに応じる旨を国際的に表明いたしました。これを受けまして、我が国からケイマン諸島に対して情報提供を受けたい旨を要望いたしまして、我が国が情報提供対象国となったものでございます。

 その他の対象国といたしましては、オーストリア、ベルギー、チェコ、ドイツ、アイルランド、ルクセンブルク、オランダ、スロバキア、南ア、英国、スイスの十一カ国だと承知しております。

 それから、なぜ一年間かかったかという御質問でございますが、本件は我が国にとって全く初めての事例でございまして、情報提供の対象となります具体的な税目あるいは情報提供にかかる費用負担等、実施に向けた具体的手続等につきましてケイマン諸島の税務当局との間で準備作業を行っていたためでございます。

赤松(正)委員 では、引き続き、国税庁からケイマン税務当局に対して情報提供の要請を行う予定はあるのかということが一つと、もう一つは、ケイマン諸島のほか、タックスヘイブンが自主的に国内法を制定または改正して外国税務当局からの要請に基づいて情報提供を行っているという事例はあるのか、この二点についてお伺いしたいと思います。

杉江政府参考人 お答えいたします。

 ケイマン税務当局からの情報の入手につきましては、国際的租税回避を抑止する上で有効な手段でございますので、積極的な活用に努めてまいりたいというふうに考えております。

 もう一つの、ほかに同じようなことをやっている国があるかということでございますが、現在、把握している限りでは、ケイマン諸島以外には、カリブ海にございますセントクリストファーネービスが同様の枠組みを国内法に制定しているというふうに承知をしております。このセントクリストファーネービスにつきましては、我が国を情報提供の対象国としておりませんものですから、同国に対しまして、当該枠組みにより我が国への情報提供が可能となるよう申し入れを行っているところでございます。

赤松(正)委員 わかりました。

 日本では、これまで、租税条約に基づき税に関する情報交換が行われているということですけれども、租税条約実施特例法という国内法によって、租税条約の締結相手国から情報提供の要請があった場合には、税務職員が納税者等の関係者を調査できる質問検査権や、あるいは受忍義務というのが課されていると聞いております。

 二つ聞きたいんですが、一つは、実効的な情報交換によって実現される公益と国民に課せられる受忍義務とのバランスに配慮する必要があると思われますけれども、納税者等に対する調査に関して、税務当局の質問検査権の具体的な行使方法というのはどのようになっているのかということが一つ。もう一つは、このバランスが配慮されない場合は、二重課税の回避による締約国間の投資交流の促進という租税条約の目的を逸脱して、両国間の経済活動に悪影響を及ぼす可能性があるのではないか、こんなふうに考えるんですけれども、この二点についてお伺いしたいと思います。

杉江政府参考人 お答えいたします。

 租税条約の締結国から情報提供要請があった場合には、必要に応じまして質問検査権を行使し、納税者から情報収集を行うことになります。この場合、租税条約上の情報交換規定においては、我が国の法令のもとにおいて、または行政の通常の運営において入手することができない情報を提供する義務は課されておりませんものですから、通常の税務調査以上に国民に負担をかけるものではないというふうに認識をしております。

 いずれにしましても、質問検査権の行使に当たりましては、国民の負担にも十分配慮して適正に執行してまいりたいというふうに考えております。

 また、二つ目の御質問でございますが、こういうような情報交換の円滑な執行をしていきたいと考えておりますが、こういうような情報交換の適正な執行によりまして、両国間の経済関係が一層進展するというふうに期待しているところでございます。

赤松(正)委員 では、続きまして、カザフスタンとの原子力協定に関連する質問をさせていただきたいと思います。

 先ほども、冒頭で同僚委員の方から、日本における原子力事故の話がございました。日本には原子力事故の損害賠償に関する国内法として原子力損害の賠償に関する法律等があって、被害者の保護等を図る制度が日本の場合は確立しているわけですけれども、今回、原子力協定を結ぶ相手のカザフスタンにおいては、日本と同じような原子力損害賠償に関する国内法というのは整備されているのでしょうか。

武正副大臣 カザフスタンにおいては、原子力事故の際には、非常事態省が責任省庁として対処の指揮をとり、事故の規模に応じた対応をすることになっているものと承知をしております。

 関連法令としましては、非常事態法、国民放射線安全法、原子力利用法があります。

 例えば、原子力利用法においては、原子力事故等の被害者が法に基づく手続により加害者に対して補償を要求する権利を有する旨が定められていると承知をしております。

赤松(正)委員 先般、岡田外務大臣と当時の外務大臣の高村先生との二年前のやりとりを非常に印象深く読ませていただいたという話をしましたけれども、実はあの二年前のインドの取り扱いというのは極めて重要な一つの分水嶺だったなという感じがして、さまざまな思いを持つわけです。

 インドは、核不拡散条約、NPTの非締約国で、国際的な核不拡散体制の枠外にいるわけですけれども、今申し上げましたように、二年前の九月に、原子力供給グループ総会で、インドを核燃料、原子力技術などの輸出規制の例外扱いということで、全会一致で決定しました。インドは、同年十月にアメリカとの原子力協定に署名し、フランス、ロシア等とも原子力協定を締結した。また、イギリス、カナダとは協定締結の最終段階にある。インドは、ある意味着々と、核保有大国としての位置というものを、あの二年前の段階から着実に実績を積み上げている、そういうふうな印象を受けるわけです。

 では、日本が果たしてこのインドとこの問題についてどう向き合うかという話について若干お聞きしたいのですが、あの時点で私たち前政権がインドの例外扱いを承認したわけで、岡田さんはあのとき、大きい構想で世界に発信をというふうにおっしゃっておりました。立場は変わって、私はそんな偉そうなことを言うつもりはありませんが、今こそ、今度は岡田外務大臣が大きい構想を持って世界に発信すべきだ、こんなふうに高村さんに言われたことを今度は私が岡田さんに言いたいと思うんですけれども、インドとのこの協定の締結交渉をやる予定はあるのかどうか、このあたりについて、大臣のお考えを聞かせてください。

岡田国務大臣 非常に答えるに難しい御質問をいただいたと思っております。

 インドについては、委員御指摘のように、核を持っている、NPT条約に加盟していない、そういう存在でありながら、例外扱いをするということを二〇〇八年に原子力供給国グループで決めた、日本もその中に入っているということであります。

 インドは、国際政治の中でも非常に重要な存在、経済もそうです。そして、一方では、原子力発電所を売り込む先として、インドというのは非常に魅力ある市場、そういう側面もあります。

 しかし、他方で、そういったところと原子力協力を進めていくということが国際的な核不拡散体制にどういう影響を及ぼすのかということもしっかり踏まえていかなければいけないということでございます。

 現時点で、対インド原子力協力について何か具体的な決定を行っているということではありません。むしろ、静かに今、話し合いをしているという段階であります。しかし、世界の流れが、インドに原子力発電所をつくるということについて大きな流れができているときに、日本だけが、正論といいますか、孤立化していくというのもいかがなものかという気もいたします。

 そういう中で、今、どういったことが確保できるのかということについて日本とインドの間で静かに話し合いをしている、そういう段階にございます。しかし、時間という要素もありますから、いつまでも時間はかけられないというふうに思っております。

赤松(正)委員 なかなか微妙な言い回しをしていただきました。

 そういうことなんだろうなという感じはするわけですが、去年の予算委員会の分科会で、答弁されたのは外務大臣なのか、平成二十一年二月ですから自民党政権ですね。外務省が将来的にインドとの原子力協定をどうするのかということについて、前政権の答え方として、外務省が深くかかわっておられるわけですからお聞きするんですけれども、「核実験モラトリアムの継続を含む約束と行動の実施」、つまり核実験を凍結するということ等を含めて、「さまざまな要素を考慮して判断する必要がある」という考えを時の副大臣が言っているわけです、前政権だから関係ないといえば関係ないのでしょうけれども。

 今、岡田外務大臣が静かにと言われました。では、その静かにの話の中身として、私は、被爆国日本として、インドに対してある種、何か意味のあることという言葉は適切じゃないかもしれませんが、具体の核実験モラトリアムの継続というようなことについてしっかりと打ち込むというか、そういうスタンスは必要だろうと思うんですけれども、そういう静かに話し合っている中身の一番大きな柱的なるものを明らかにしていただきたいと思います。

岡田国務大臣 これは外交交渉でありますので、具体的中身を申し上げるわけにはまいりません。

 ただ、それを離れて申し上げたいと思いますけれども、確かに、核実験をしないということ、これは実はインドとアメリカとの話し合いの中でも、アメリカの議会の中で大きな議論になって、私の理解では、アメリカは国内法でそういったことを確保しているというふうに承知をしているわけでありますが、そういった点も議論すべき点の一つといいますか、それ以上ちょっと言えませんが、議論すべき点の一つであるということは言えると思います。

赤松(正)委員 これで最後にしますけれども、先般行われた核セキュリティーサミットにおいて、鳩山総理のナショナルステートメントでは、核セキュリティー確保のための人材育成が国際協力という観点で必要だ、そういう発言が随所にあったと認識しております。

 原子力発電所の運転や安全に従事する技術者と異なって、核セキュリティーも含めた核不拡散に精通し、かつ国際機関等で政策の立案に寄与できる専門家を養成するためには、特別なプログラムの実施が必要だと考えられます。

 日本では、核不拡散に関する専門家の養成について、どのような機関が実施をしており、IAEA等の国際社会への人的貢献を果たすための十分な数の専門家が養成されているんだろうかという心配をするわけですけれども、このあたり、核不拡散の専門家の養成という部分について、大臣の御答弁を聞かせていただきたいと思います。

武正副大臣 赤松委員にお答えいたします。

 過日の核セキュリティーサミットでは、鳩山総理から、四つの措置ということで、しっかりと日本の立場を表明したわけでございます。IAEAに対する支援、これをしっかりと日本は取り組み、協力してきたわけで、今回も、それが核セキュリティーサミットでも確認をされております。

 今、専門家の養成ということでありますが、二〇〇九年に、IAEAの保障措置の実施を支援するための各国の国内計量管理制度の構築に関する各種研修をIAEAは行っておりまして、二〇〇九年、七十七カ国二百四十五人が同研修に参加をしております。

 日本国内においては、日本原子力研究開発機構を中心として、国内外研究者等の人材育成を行っております。

 他方、国際社会において原子力エネルギーへの需要が高まる中、保障措置や核セキュリティーを初めとする核不拡散の重要性は高まっておりまして、これまで以上の多くの専門家養成という、委員御指摘のとおりでありまして、我が国とすれば、先般の核セキュリティーサミットで、先ほど申し上げました四つの措置ということの第一番目に掲げておりますが、各国との一層の協力を進めるためのアジア総合支援センターの設立を表明しております。

 引き続きまして、国際的な核不拡散体制の維持強化の担い手の育成に積極的に貢献していく考えでございます。

赤松(正)委員 私ども公明党は、いわゆる非核三原則、核をつくらず、持たず、持ち込ませずという非核三原則を日本が国是として掲げている、これはこれでいい、もちろん大賛成をするわけです。ただ、日本がみずからを縛る、そういう意味合いの原則ですね、非核三原則というのは。我が国は、つくらず、持たず、持ち込ませず。

 岡田外務大臣、私は、新しい政権になってぜひとも一考していただきたいと思うのは、つまり、自制としての原則ではなくて、そこから一歩進んで、他に働きかける、他国の核について持たせず、つくらせず、そして使わせず、この使わせずというのは核実験を含んでいるものですけれども、そういう方向性をぜひ世界に向けて発信すべきだ。

 新非核三原則と呼んでいいと思うんですが、実は公明党が〇二年にそれを言ったんですが、ほとんど世の中から注目されない。それは私どもの努力不足もあり、かつ、ただそれだけを言っても、その中身が伴わなければ相手にされないということだろうと思うんですが、今や、核をつくらせずということは、これはいわゆる核保有国に対する問題提起でありますし、そして、持たせずというのは、核不拡散の意味合いからいえば、核不拡散と言っているわけですから、今の時点でもある種ダブる部分があります。そして、使わせずというのは、先ほどお話しいたしました、核実験をさせないということです。

 こういった積極的な、被爆国としてのアピールというものをぜひ世界に向けて発信すべきだということを申し上げさせていただきまして、何かコメントをいただければ、時間は過ぎていますが、ありがたいと思います。

岡田国務大臣 結局、それは核なき世界を目指すということになるんだと思います。そして、核なき世界を目指すときに、それを具体的にどう進めていくかということについて、やはり日本はもっと発信すべきだというふうに思います。

 保有国に対しては、核の数を減らすこと、そして核の役割を減ずること、低減させることですね、そのことについて、例えば消極的安全保証の強化でありますとか、唯一目的とか、先制不使用とか、そういったことを段階を追って実現していく、その具体的手順をしっかり示していく。

 数を減らすことについても、米ロ間では条約ができたわけでありますけれども、次のステップとして戦術核をどうするのか、そして、ほかの核保有国、中国やフランスやイギリスも巻き込んだ全体としての核兵器の数の減少について踏み出していかなきゃいけない。

 そういったことをやはり具体的に日本が提案していくこと、それが日本の求められる役割であるというふうに思っております。

赤松(正)委員 ありがとうございました。終わります。

鈴木委員長 これにて各件に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 これより各件に対する討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 まず、脱税の防止のための情報の交換及び個人の所得についての課税権の配分に関する日本国政府とバミューダ政府との間の協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。

 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。

 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とクウェート国との間の条約の締結について承認を求めるの件について採決いたします。

 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。

 次に、原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とカザフスタン共和国政府との間の協定の締結について承認を求めるの件について採決いたします。

 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました各件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

鈴木委員長 次回は、来る二十八日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時五分散会


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