衆議院

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第3号 平成24年7月25日(水曜日)

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平成二十四年七月二十五日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 田中眞紀子君

   理事 菊田真紀子君 理事 長安  豊君

   理事 村越 祐民君 理事 山尾志桜里君

   理事 河井 克行君 理事 三ッ矢憲生君

   理事 萩原  仁君 理事 遠山 清彦君

      小川 淳也君    大泉ひろこ君

      勝又恒一郎君    小室 寿明君

      阪口 直人君    首藤 信彦君

      中野  譲君    中屋 大介君

      浜本  宏君    早川久美子君

      柳田 和己君    山口  壯君

      湯原 俊二君    秋葉 賢也君

      稲田 朋美君    金田 勝年君

      後藤田正純君    高村 正彦君

      東  祥三君    大山 昌宏君

      玉城デニー君    渡辺 義彦君

      笠井  亮君    服部 良一君

      松木けんこう君

    …………………………………

   外務大臣         玄葉光一郎君

   外務副大臣        山口  壯君

   防衛副大臣        渡辺  周君

   外務大臣政務官      中野  譲君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局長)  西  正典君

   外務委員会専門員     細矢 隆義君

    ―――――――――――――

委員の異動

七月六日

 辞任         補欠選任

  相原 史乃君     東  祥三君

同月二十日

 辞任         補欠選任

  赤松 正雄君     遠山 清彦君

同月二十五日

 辞任         補欠選任

  市村浩一郎君     小室 寿明君

  大泉ひろこ君     中屋 大介君

  小野寺五典君     稲田 朋美君

  東  祥三君     玉城デニー君

  浅野 貴博君     松木けんこう君

同日

 辞任         補欠選任

  小室 寿明君     柳田 和己君

  中屋 大介君     大泉ひろこ君

  稲田 朋美君     小野寺五典君

  玉城デニー君     大山 昌宏君

  松木けんこう君    浅野 貴博君

同日

 辞任         補欠選任

  柳田 和己君     湯原 俊二君

  大山 昌宏君     東  祥三君

同日

 辞任         補欠選任

  湯原 俊二君     市村浩一郎君

同日

 市村浩一郎君が理事を辞任した。

同日

 萩原仁君が理事に当選した。

同日

 理事赤松正雄君同月二十日委員辞任につき、その補欠として遠山清彦君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 政府参考人出頭要求に関する件

 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一八号)

 国際情勢に関する件


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     ――――◇―――――

田中委員長 これより会議を開きます。

 この際、去る六日の議院運営委員会における理事の各会派割当基準の変更等に伴い、理事の辞任及び補欠選任を行います。

 まず、理事の辞任についてお諮りいたします。

 理事市村浩一郎君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、理事の補欠選任についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任並びに委員の異動に伴い、現在理事が二名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 それでは、理事に

      萩原  仁君 及び 遠山 清彦君

を指名いたします。

     ――――◇―――――

田中委員長 次に、国際情勢に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として防衛省防衛政策局長西正典君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

田中委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

田中委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。河井克行君。

河井委員 皆様、おはようございます。自由民主党の河井克行です。

 前回の外務委員会は六月の十五日に開かれました。それ以降、日本の外交課題、これまでにも増してさらに山積みであります。オスプレー配備問題と米軍再編への影響、あるいは尖閣諸島国有化、七月に首相が方針を表明しました。また、それに対して、きょうも質疑いたしますが、中国の方からは大変厳しい反応が起こってきているということであります。

 また、七月六日には、集団的自衛権の見直しというものが問題提起をされ、加えて、いわゆる駆けつけ警護を可能とすることを目的としたPKO法の改正案、今国会提出も指摘をされている。

 また、この前の委員会が終わった後、イラン問題につきましても、核開発問題をめぐり国連安保理常任理事国とドイツの六カ国がイランと協議を行った。そして、ホルムズ海峡危機に対する日本国の対応が大変注目をされている。

 国民の多くが、大変、日本の外交はどうなっているのか不安の気持ちを抱きながら見ている中、せんだって政権与党の中から、衆参両院、たくさんの議員が離党いたしました。大きな政治変動が起こったわけでありまして、これによって、この野田内閣の外交方針に変化が生じるかどうかということも国民は知っておきたい。

 また、離党した議員の皆さんが新党結成をされましたが、この委員会でも理事一人を出し、委員二人を抱えている。外交問題について、新党の皆さんが、政府を構成する与党の立場から今の新しい立場に変わって、どういう考え方を持っているのかということについても、国会の質疑を通じて国民に明らかにする必要があるというふうに考え、本日の法案の趣旨説明に先立って、外交全般についての質疑をすることになった次第であります。

 きょうは、二点質問いたします。一つは、オスプレーの配備の問題。もう一つは、尖閣諸島国有化とせんだっての丹羽大使の一時帰国についてであります。

 まずは、オスプレーの配備から。率直に伺います。外務大臣、そしてきょうは防衛副大臣、お見えいただきました。

 オスプレーは安全なんですか、危険なんですか、どちらでしょうか。お答えください。

玄葉国務大臣 安全か危険か、こういう質問でございますけれども、このオスプレー、MV22そしてCV22、よく事故率の議論などもございます。米軍がまさに兵士の命をそのMVに預けているということを踏まえたときに、私は、当然安全というのが前提になっているというふうに思っています。

 ただ、安全性に対して、やはりモロッコの事件と、CVではありますけれどもフロリダの事件とがあって、懸念が広がっているということについて、我々として深刻に重く受けとめなければならないんだろうというふうに思っております。

渡辺副大臣 安全なのか危険なのか、二者択一でというふうに質問をいただきました。

 これは非常に、答えとしては、どちらかというふうにここで断言をするのは、二者択一の形で答えるのはなかなか難しいんですが、ただ、今玄葉外務大臣がおっしゃったように、これまで改良を重ねながら、事故はございました、そしてその後も引き続き運用されているということで、アメリカとしては、引き続きオスプレーを使って運用をして、いろいろなさまざまな訓練や輸送をしているということ、アメリカではそのようになっているわけでございます。

 では、それが直ちにということになりますと、私どもとして今、これから、きょうの九時半に発表になると思いますけれども、今回の二回の事故を受けまして、十五名の、黒江防衛政策局次長をヘッドといたします評価分析チームを立ち上げます。きょう九時半に発表されますけれども、このメンバー、専門家が、今回の事故について、もう既に幾つかの質問を何度も投げかけておりまして、そこに、今答えを待ちながら、また、アメリカにも行くという前提で準備をしております。

 これについては、我が国として、安全性というものを確認する、そのためにはあらゆる努力を惜しまないという形で今取り組んでいるという現状を御報告して、お答えにかえさせていただければというふうに思います。

河井委員 先ほど外務大臣からは、安全性への懸念が広がっているという何だか人ごとみたいな御答弁もあり、結局お二人の、外務大臣、防衛副大臣の答弁では、安全なのか危険なのか、一概には言えないということなんですね。確認をいたします。

玄葉国務大臣 とすると、安全ということに対する定義の問題というのがあると思います。先ほど、事故率の話をしました。一般的に、MV22が海兵隊全体の事故率と比べると低いというふうに言われているわけであります。世の中に絶対といったものがあるのかどうかということを考えると、まさに一〇〇%という答えというのはそんな簡単にできるものではない。

 ただ、安全が当然前提になっているというふうに私は思っていますし、その安全性について証明をしていく、確認をしていくために日本政府もみずから調査をしていくということを今防衛副大臣が述べたところでございますので、日本政府みずからの責任でしっかりと確認をしていかなければならないというふうに考えております。

渡辺副大臣 オスプレーに換装する、置きかえるということが、昨年の六月に、日本側にアメリカから話があった。それ以前からもそのような情報を得ていたわけですので、アメリカ側と日本の防衛当局では、さまざまな構造上のことも含めてかなりやりとりをして、こちらからの質問も、答えをいただくべく、ずっとやっていた。

 その上で、今回、四月、六月とこのような事故が続けて起きたわけでございますので、それまでは我々としても、アメリカも運用をしている、だからこそ、我々としてもできるだけの情報を得ようと。ところが、四月、六月にこういう事故が続けて起きまして、大きな懸念が報道等でも起きますし、また、今回の配備についてもこれだけの方が心配をされているということですから、なぜ墜落事故が続けて起きたのかということについては、私どもとしても、それまで得ていた情報以上に、今回はさらに細部も含めて、専門家チームを立ち上げて、我々としても確証が得られるように主体的に取り組もうということで、今取り組んでいるわけでございます。

 今玄葉大臣から話がありましたように、絶対安全かという、この絶対ということになりますと、これは我々も、この委員会でもたしか私、答弁しました。アメリカはそのように言っているけれども、それはアメリカの言っていることであって、日本としてはそういう言い方をしない方がいいということを、たしか公明党の赤松委員だったと思いますが、私にも指摘をされました。ですから、我々として、アメリカから言われていることをそのまま右から左に伝えるのではなくて、我が国としても主体的にこの安全性というものを徹底して確認しようという取り組みを今しているという意味で、先ほど御答弁をした次第でございます。

河井委員 今、防衛副大臣が、去年の六月に米国からオスプレーの配備について通告があったという御答弁があったように思いますが、確認をさせてください。

渡辺副大臣 去年の六月に、日本に配備するということを発表したという意味でございます。

河井委員 もう一年以上がたっているんですよ。何をやっていたのかということなんです。

 今、日本の南西諸島、空域も海域も大変近隣諸国との緊張が高まっているということは、日本国民は皆知っている。強力かつ効果的な装備が必要だということも、ほとんどの日本国民はわかっている。その日本国民の多くが不安に駆られるような対応ばかり、なぜ現政権はし続けてきたのかということが、今回の問題の最大の焦点なんです。

 玄葉大臣、オスプレーの配備について、政府は国民の不安を払拭するに足る説明をこれまでしてきたと考えていますか。お答えください。

玄葉国務大臣 モロッコの事故の後、特にフロリダの事故があって、私は、先ほど委員が指摘をされたような国民の皆様の不安というものが特に広がってきているというふうに認識をしています。そのことに対しての十二分な説明が一〇〇%できているかと言われれば、反省しなければならないところもあるというふうに思います。ただ、今おっしゃったとおり、その必要性も含めて、もっと説明をしていかなければならないというふうに思います。

 CH46E、これは二十四機、普天間にございますけれども、もう相当古いものでございます。オスプレーになれば、それは速度も二倍になるし、積載量も三倍になるし、行動半径もはるかに広がる。おっしゃったとおり、南西諸島の安全保障を含めて、日本の安全保障に、その抑止力という観点からいったときに、必要なものであるということだと思います。

 ただ、その安全性への心配が広がっていることに対して、我々として、より具体的にその懸念を払拭するために、これからも含めて、なすべきことがあるというふうに思っています。今、日米間のさまざまな調整の中で行われているのは、とにかく安全性が確認されるまでは飛ばさないということでございます。

河井委員 軍用航空機の総合月刊誌に「航空ファン」という雑誌があります。この二〇一〇年十二月号に、「オスプレイは危険な航空機なのか!?」という論説が掲載されました。防衛副大臣がおっしゃった昨年の六月からさらに半年もさかのぼった時点で、既にもうこういう特集が組まれている。ここに書かれていることを一部引用させていただきます。

  ある飛行機の事故率が高いかどうかを論ずるのに、単に事故の件数だけを取り上げても意味がない。事故のなかには機体自体とはまったく関係のないヒューマンエラーが原因であるものもかなりあるし、また気象や地形などの外的要因によるもの、運用や整備に問題があったものなどもあるからだ。

  飛行機の飛行時間と事件件数の関係も重要だ。数多く飛んでいる飛行機、たくさんの時間飛んでいる飛行機は、事故の件数も多くなっても仕方がない。

  欠陥機と断ずることができるとしたら、個々の事故の原因を究明して共通の要因が発見され、しかも現在まで是正されていないときだ。

  たとえ過去に共通の原因で何度か事故を起こしたとしても、欠陥が改良されて、その後は同じ原因の事故を起こしていないのであれば、その機体は現在は欠陥機ではない。

  事故の原因究明は改善をともなうから、過去に事故を起こしたと言うだけで現在でも機体に問題があるように語るのはフェアではない。

という論説も載っているんです。

 何でこの長い時間の間、国民にとっては、事故率が高いとか低いとか、数字を示されてもわからない。一・一四か一・四五の違いだとか言われても全くわからない。その説明をする責任は日本国政府にあるんですよ、その責任は。

 透明性、公開性、客観性にのっとった客観的な根拠を示してきちんと安全性を説明しないままに、配備を強引に推し進めてきた今の民主党野田内閣の姿勢に、国民の多くは疑問を感じている。だからこれだけの不安が広がっているということを、本当にあなたたちはわかっているのか。

 さっき防衛副大臣は、きょう初会合を開く、米国に事故調査検証チームを派遣するということを答弁されました。今週末に派遣をするということも報じられておりますけれども、なぜ防衛省だけでなくて国交省が検証チームに入ったんでしょうか。お答えください。

渡辺副大臣 このメンバーでございますけれども、当然、部外有識者という形で、専門家の先生に、大学の先生にお二人入っていただき、また、国土交通省の航空局からも入っていただく。

 これは当然のことながら分析評価でありますので、防衛省の専門家、陸幕の装備部というところからも入っていただきますけれども、それだけではなくて、さまざまな、特に航空局の安全部というところはこれまでの航空事故等も含めて知見を持っていらっしゃいますので、こういう方にも、とにかく幅広く知見を集めようということで、我が国としてしっかり分析しようということで、入っていただいているわけでございます。

河井委員 外務大臣、この検証チームに国交省が参画をしているということは当然御存じだと思いますけれども、今、防衛副大臣からも答弁がありました。軍用機の事故調査あるいは検証は防衛省が当たるのが普通なのに、民間航空機を担当している国交省が入っているというところに私は注目をいたしております。防衛省だけでは信頼性に欠けるのかという指摘も正直、ございます。

 国交省を入れたということについて、外務大臣としてどういう認識をお持ちなのか、お答えください。

玄葉国務大臣 先ほど委員からも、客観性、公正性、透明性、こういったことが大事であるという指摘がありました。私は、今防衛副大臣が国交省を入れてチームをつくるという答弁をいたしましたけれども、まさに、客観性、公正性、そういったものをより国民の皆様に信頼を得ていく、そういう調査にするために行われたものと理解をしています。

河井委員 最大の国民の関心事は、アメリカに行って一体何を調べるのか、調査の内容あるいは調査基準というところでありますけれども、防衛副大臣、外務大臣、どちらでも結構ですから、お答えをいただきたいと思います。

渡辺副大臣 これまでも防衛省からは行っておりますし、その前、先ほどの、六月に発表される前から、日米同盟の信頼関係の上で、そういう話については当然こちら側も、防衛省も聞いておった。ですから、オスプレーの構造的な問題も含めてかなりのやりとりをしております。それは膨大な形で、答えられる限りのものは答えていただいて、今回もこの調査チームが立ち上がる前から膨大なことを日米間でやりとりして、当然、アメリカにしてみますとかなりの負担になるぐらいの質問量を、こちらももう既に出しているわけです。

 アメリカに行って何を調べるのかと言われれば、例えば、今回の発表されるであろうモロッコとフロリダでの事故を、こちらとして考えられる、報道されているようなことも含めて、こういうことが言われているけれどもどうなんだということは、当然一つ一つ、疑問を氷解するために聞きますし、また、どのような運用が現地でされていたのか。CVとMVの、モロッコとフロリダでは使用機が違いますし、また訓練内容も違う。実際、フロリダで行っていた特殊部隊に属する、これはCVでございまして、そして今回沖縄で将来運用されるとしているものと、例えばどのような使い方が違ったのか、違うのか、こういうことも含めて、あらゆる質問をこちらとしては準備しておりますし、もう既に送っております。

 そしてまた、その点について可能な限り、今、現時点でわかっている事故原因については、とにかく時間がかかっても、現地に行って、しっかりとこれはブリーフィングを受け、こちらの質問を全てぶつけてくる、そしてできる限りの速やかな回答をいただく、そういうことを今考えているわけでございます。

河井委員 これまでのやりとりで米国側から出てきたようなものを確認するために行くのでは全く意味がないわけですよね。新しい物的な証拠も含めて、日本国民、日本国政府が知りたいことをしっかりと検証していくために、わざわざ税金を使って、こうやって合同調査チームが派遣をされる。

 事故当時のフライトレコーダーやボイスレコーダー、そういったものについても、当然日本側としてきちんと検証するということは要求しますね。どうぞ。

渡辺副大臣 納得のいく事故原因の究明には、そういったことも当然必要です。とにかくこちらとしては、今回の配備について国民の皆さんの中にこれだけの声がある、これだけの意見がある、これだけの懸念が寄せられているということで、我々も客観的にできるだけの調査のデータを集めたいと思いますので、今、フライトレコーダーというようなお話がありましたけれども、それはアメリカ側がどのような形で、どこまで発表するのかわかりませんけれども、そのことについては、こちら側としては、ぜひとも真相究明のためには教えていただきたいということは当然こちらとしても要請してまいります。

河井委員 調査検証チームを二回に分けて派遣するという報道もありました。加えて、いつまでもだらだらと調査を続けることはできない。いつごろ調査結果を発表するおつもりなのか、あわせてお答えをください。

渡辺副大臣 最初のモロッコでの墜落の報告が七月中にもと我々は見ていたわけですけれども、どうやらアメリカの作業の方が少々後ろ倒しになって、八月の前半かなということでございますので、当然、それにあわせてこちらの検証チームも、きょう第一回の会合の中で、その辺の時間を見ながら派遣を決めることになると思います。

 私、今週末にもというような言い方をメディア等でしましたけれども、ちょっとその点は、スケジュールの都合もありまして、ややおくれる。ただし、八月の一週、二週目には行くことになろうと思います。

 また、先ほど委員、二回とおっしゃいましたけれども、何回というふうに回数を決めているわけではございませんで、必要に応じてならば、複数回行くことは当然あり得るということでございます。

 今、税金を使って何回も行くのかという御指摘もありましたが、この問題については、やはりしっかりと安全性が確保されるまで、我々として確認するまではということを、これはアメリカとも合意しておりますので、とにかく安全性が確認されるように、とにかく速やかな情報を正確に出していただくということのためには、何度でも交渉したいというふうに考えております。(河井委員「結果を出す時期」と呼ぶ)

 結果を出す時期については、これは、アメリカの報告書を見てからというよりも、報告をまとめている時点でも、我々に信頼関係の中で必要な情報が得られれば、できるだけ早くというふうに考えております。何月何日までということは、今、これは相手のあることでございますので、正直、正確には申し上げられませんけれども、とにかく速やかに、わかっていることは、聞いてきたことは、できるだけの形で我々としても公表を、外向きに発表していきたいというふうに思っております。

河井委員 公表される調査結果、検証結果によっては、外務大臣、十月に予定されているオスプレーの沖縄配備、これをおくらせるべきではないでしょうか。国民の不安を払拭する、懸念を拭い去る必要があると先ほど答弁されました。いかがでしょうか。

玄葉国務大臣 今、やや仮定の質問でもございます。

 それで、私の思いとして申し上げれば、とにかく安全性が確認されるまでは飛ばさない、このことに尽きるというふうに思っています。

河井委員 いや、ですから、結果によっては、十月に沖縄に配備する、搬入をする予定をおくらせる可能性があるということですね。お答えください。

玄葉国務大臣 ですから、今のお話というのは、結果によってはということで、仮定の質問なんですけれども、やはり私としては、この安全性というものが確認をされるということが必要ですから、確認をされる時期がいつになるのかということだと思っていますから、とにかく安全性が確認されるまではやはり飛ばさないということが必要であるというふうに思っています。

 同時に、さまざまな力の空白を生じさせてはいけません。そういう中で、先ほど申し上げたように、とにかく安全性を確認するまでは飛ばさない、このことを私は申し上げていきたい、そう思っています。

河井委員 七月十九日付の東京新聞朝刊には、オスプレーで、ニューメキシコ州キャノン米空軍基地の周辺で住民が不安に駆られ反対運動が起き、その結果として半年間訓練を延期するという報道がなされております。

 外務大臣、この内容については把握をしていらっしゃいますか。

玄葉国務大臣 一定程度、把握をしております。

河井委員 となれば、米国では住民不安に配慮して訓練を半年間延期した。日本でこれから防衛省や専門家や国交省が入って行う検証チームの結果によっては、日本においても、十月予定の沖縄の配備をおくらせるという判断は当然出てくると思いますが、防衛副大臣、いかがでしょうか。お答えください。

渡辺副大臣 ニューメキシコ州における訓練が、住民のパブリックコメントに寄せられた意見を踏まえて、低空飛行訓練が延期されたということでございます。

 今、外務大臣がお答えした、あるいは昨日、官房長官も答弁されておりますとおり、とにかく安全性を確認するということを、日米の合意のもと、それまでは飛ばさないということを言っているわけでございますので、これは合意していることでございますので、とにかく安全性の確認ということがそれこそ必要とされるということでございまして、その上で、飛ばす飛ばさないという話は、当然、この合意に基づいた形で行われるものと承知をしております。

河井委員 防衛副大臣に、さっきの外相に対する質問と同じことをさせていただきます。

 つまり、今回の合同検証チームの調査結果の内容によっては、十月の沖縄配備をおくらせる、当然その選択肢もあり得るということですね。お答えください。

渡辺副大臣 ですので、日本とアメリカの合意というのは、安全性が再確認されるまでは飛行しないというふうに言っているわけでございますので、その点については、当然、検証チームの分析、評価も含めて、我々がどう評価するかということによって我々は判断をする。そしてまた、アメリカと協議もしていく。

 もし何か分析評価チームのいろいろな見立ての中に我々として疑問とすることがあれば、それについて引き続き協議をしていくというふうに考えておりますので、もしそうでなかった場合はどうなのかと言われれば、我々としては、とにかくその結論が出るように、再確認ができるように何度でも協議をするというふうな思いでございます。

河井委員 外務大臣、何度でも協議をするという今の防衛副大臣のお答えでありましたけれども、何度でも協議をした結果、十月にそれは迫ってくるわけですよね。十月ありきなんですか。それとも、協議を重ねて、どうしても払拭できない懸念や安全性の確認が、両国間で協議に協議を重ねているうちに十月を迎えてしまう、それでも配備を強行しますか。お答えください。

玄葉国務大臣 まず、大前提として、力の空白を生じさせてはいけないということが大前提であります。

 その上で、最初に全てのスケジュールがあるということではないというふうに思っておりまして、安全性が確認されるまでは飛ばさない、このように私は考えておりますし、そうすべきではないかというふうに思っております。

河井委員 今、外務大臣から、力の空白を生じさせてはいけないという答えがありました。

 二十四日付の人民日報系の環球時報が、今回のオスプレーの配備の目的に尖閣諸島の日米間の防衛協力がある、そう報じております。この報道に対する認識をお聞かせください。

玄葉国務大臣 そういう報道があることは承知をしております。一つ一つの報道にコメントするということはいたしません。

 ただし、先ほど委員の質問に答える形で、オスプレーが日米安全保障上そして日本の安全保障に、抑止力を高める、そういう役割を担うということについては申し上げたとおりであります。それは私たちから繰り返し説明をしなければならないというふうにも思っております。

河井委員 確認します。

 日本の抑止力の中には、当然、尖閣諸島の防衛協力も含まれていますね。

玄葉国務大臣 私とクリントン国務長官との間で、先ほどおっしゃった事態について、五条適用の対象になるということは確認をされております。

河井委員 その尖閣諸島の国有化について、七月十一日、プノンペンで開かれた日中外相会談で、外務大臣、あなたは、国有化をするという明示的な表現で先方のヨウケツチ外相に説明をしたんですか。お答えください。

玄葉国務大臣 国有化という言葉を使っておりません。

河井委員 しからば、どういう表現をされましたか。

玄葉国務大臣 どういう表現をしたかということでありますが、そもそも、現時点で日本国政府として、いわゆる領有権の問題は存在しないこの尖閣の、いわば所有権の移動の問題でありますけれども、そのことについては、まさに平穏かつ安定的な維持管理のためにさまざまな検討を行っているということでございますので、総理も含めて、国有化という言葉を使ったというふうには私は承知しておりません。

河井委員 今おっしゃった平穏かつ安定的に維持管理していくことが重要だ、これは日本の外務省のホームページにも、そういう政府の方針を説明したと書いてあります。これは外務大臣、主語は日本国政府ですね。

玄葉国務大臣 日本国政府です。

河井委員 つまり、国家の意思とそして力によって平穏かつ安定的に維持管理していく、そのように玄葉外務大臣が説明をしたところ、中国の外相が反発をし、会談は平行線に終わった、これは七月十二日付の読売新聞の朝刊にそういう報道がなされております。このあたりのことについて、お答えをいただきたいと存じます。

玄葉国務大臣 報道にどうコメントするかということなんですが、私は、平行線という表現もちょっと違和感があって、そもそも、この尖閣の問題というのは領有権の問題すら存在しないわけで、にもかかわらず、中国側から、いわゆる領海、我が国の領海に対する侵入事案があったわけですから、当然、強く抗議をしたということでございます。その中で、我が国のそういった基本的な立場というものを改めて述べて、中国は中国独自の主張を述べていた、こういうことでございます。

河井委員 あなたがまさに中国の外相と会談するその日に、中国の公の船、公船が尖閣諸島周辺、我が国領海を侵犯しましたね。午前四時半ごろ海上保安庁巡視船が確認をした、三隻も。前回の領海侵犯は三月の十六日です。数カ月ぶり。外相会談に時期を合わせて領海侵犯をしたということは、私は明白だというふうに背景は考えている。要するに、あなたが中国の外相と会うということは当然もうわかっているわけですから、その日にぶつけて領海侵犯をされてしまった。しかも、あなたと会った翌日にも、さらに一隻の公船が領海侵犯をした。

 日中の外相会談であなたが日本の立場を主張したとおっしゃるけれども、これからも中国は、こちらからすれば挑発を続けていくという姿勢を実力で示したわけですよ。玄葉外務大臣もなめられたものだなというふうに正直、感じております。日中外相会談、先ほど平行線ではないとおっしゃったけれども、私は、もう完全にこの問題については、日中間の考え方の隔たりが時期を追って深まってきていると。

 今後、尖閣諸島、万が一中国側から実力行使が起こったとき、あなたは外務大臣としてどういう姿勢で臨んでいく決意をお持ちなのか、最後にお聞かせください。

玄葉国務大臣 尖閣の話については、これはもう疑いのない我が国固有の領土です。歴史上も国際法上もそうである。

 今おっしゃったことは、尖閣をめぐる事態がますます悪化をしたときにどうするんだ、こういうお話であります。まさにエスカレートをしていかないようなマネジメントというものは私は必要であるし、この事態が日中の大局、これからの大局に大きな影響を与えないようにしていかなければならないというふうに考えております。

河井委員 マネジメントしていくために外務省はあるわけですから、それは当然のことなんですよ。だから、その上で、どういう覚悟と決意を持って日本国固有の領土を守ろうとしているのか、日本国の外務大臣としての決意を、もう時間がありませんので、もう一度簡潔にお答えください。

玄葉国務大臣 尖閣はもう疑いのない固有の領土なので、これは外務省だけじゃない、各省関係あるんですけれども、それはもう何が何でも譲れない話であります。譲るとか譲らないとかを超えた話だと思います。したがって、これは守りも含めてしっかりしていかなければならないというふうに思っています。

河井委員 制限時間が参りましたので、丹羽大使の一時帰国問題については、また後ほどの委員会で質疑をさせていただきます。

 終わります。

田中委員長 次に、稲田朋美さん。

稲田委員 おはようございます。自由民主党の稲田朋美です。

 ただいまの河井委員の質問に関連をいたしまして、尖閣の問題ですけれども、中国側の外相は中国の独自の立場を主張したというんですけれども、独自の立場とは何ですか。

玄葉国務大臣 中国の立場を私が具体的にどうのこうのと申し上げるのが果たして適切かということはあると思うんですけれども、中国は、いわば中国の領土であるということを言っている。まさに独自の主張であって、国際法上何ら根拠のないものであるというふうに思っています。

稲田委員 中国は自国の領土であるということを主張しているんです。ですから、私は、今、国有化の問題がありますけれども、誰が所有しているか以上に、誰が実効支配しているか。そして、今、政府の立場である、政府が借り上げて誰も上陸できないようにするという方針は間違っていて、きちんと誰の目にもわかるように、上陸もし、そして自衛隊を配備するなど実効支配を強めるべきだと思いますが、外務大臣の意見をお伺いいたします。

玄葉国務大臣 誰が所有するかより、いわゆる実効支配とか有効な支配の方が大事だ、こういう話でございます。

 大正島を初め、幾つか国が所有しているものがございます。あとは、賃貸借、防衛省なり総務省なりということでありますけれども、私が今申し上げられることは、平穏かつ安定的な維持管理のためにさまざまな検討を行っているということを申し上げたいと思います。

稲田委員 私は、玄葉大臣の意思を聞きたいんですよ。勇気を持って、あの尖閣を実効支配しているということを世界に向けて発信する。我が国固有の領土であって、何の疑いもなくて、中国が領有権を主張しているのは言いがかりだという立場であるのであれば、自国の領土としてきちんと実効支配をなさるべきだと思いますが、大臣の意思をお伺いいたします。

玄葉国務大臣 これは、私の意思云々というより、政府全体として、先ほど申し上げたような、平穏かつ安定的な維持管理のためにさまざまな検討を行っているということに現時点で尽きるというふうに思います。

稲田委員 一昨年の中国人船長の逮捕、そして釈放、不起訴処分の問題がありますけれども、あの中国人船長に対しては、検察審査会の起訴相当の決議によって強制起訴されたと思いますが、どうなったんですか。

玄葉国務大臣 訴状が送達をされていないということのようでございます。

稲田委員 起訴状はなぜ送達されなかったんですか。

玄葉国務大臣 ちょっとよく調べなきゃいけませんけれども、今おっしゃったことについては、まさに中国は中国の独自の主張があって、結果として、先ほど申し上げたような結果になっているということでございます。

稲田委員 外務大臣、事務方に聞かないと答えられないというのは情けないですよ。これは尖閣の象徴的な事件ですよね。そして、あの中国人船長を強制起訴して、どうなったかということを大臣がきちんと答えられない。答えられないということは、抗議もしていないということですね。

玄葉国務大臣 いや、そのことは、何度もそういったことについてのやりとりを行っているということでございます。

稲田委員 何度もそういったやりとりというのは、具体的に何ですか。

玄葉国務大臣 先ほど来から申し上げているように、きちっと送達するように、そういう押し問答を何回かやっているということです。

稲田委員 私の質問は、なぜ送達されなくて、そして、その送達されていないことについて大臣は抗議しているんですかという質問です。

玄葉国務大臣 外務省の中でそういったやりとり、先方の外交部と当然そういったやりとりをしているということでございます。

稲田委員 ですから、このように尖閣の象徴的な事件について、そして強制起訴をした事件について、外務大臣がきちんと把握もされず、きちんとした抗議もされていないということ自体が、私は非常に問題だと思います。

 私から申し上げますが、中国は、あの尖閣は中国の領土であるから日本の司法権に服することはできないと言って、起訴状を送達しなかったんですよ。そのことを大臣は知らずに、抗議もしていない。おかしいと思いますが、いかがですか、大臣。

玄葉国務大臣 先ほどから申し上げておりますけれども、中国人船長の強制起訴に係る手続について、関係当局からの協力要請に基づいて、所定の手続に従い、対応をしてきたということでございます。

稲田委員 幾ら我が国が日本固有の領土であって領土問題はないと言ったところで、中国は、尖閣は自国の領土であって日本の司法権に服することはできないと言って、起訴状も送達をしていないんですよ。そんなときに、外務大臣がきちんと外相会談で抗議をしないと。そして、平穏かつ安定的な占有、そんなことじゃないんですよ。実効支配するということが私は必要だということを申し上げたいと思います。

 大臣、ことしはサンフランシスコ平和条約発効六十年目です。四月二十八日を主権回復記念日として祝日にする法案を我が党から提出しておりますが、大臣は、四月二十八日を主権回復記念日として祝日とするという考えについて、どのようなお考えをお持ちですか。

玄葉国務大臣 大変申しわけないんですが、その法案自体について、私、詳細を知っているわけではございません。ただ、おっしゃるとおり、一九五二年、サンフランシスコ平和条約がございましたので、六十年という大きな節目を迎えるわけであります。この六十年という意義というのは、私は、いろいろと日本国として、いわば戦争状態の後、本格的に主権が回復されたという意味で非常に大きいというふうに思っております。

稲田委員 大臣は、そもそも主権国家とは何であるというふうに認識していますか。

玄葉国務大臣 主権国家の定義を正確にこの場で言いなさいという問いでございますけれども、少なくとも、国家として領土、領空、領海というものを擁し、まさに国家としての権利、そして義務、そういった関係について国家としての権利を有しているということだと思います。

稲田委員 私は、主権国家とは何かと聞かれて自分の意見を述べられない外務大臣が、自国の立場を外国に対して発信できるんですかと疑問を持ちます。

 私が考える主権国家というのは、自分の国のことは自分で決めるんです。そして、自分の国は自分で守る。自国の名誉も、誰も守ってくれないんですよ、自分で守るんです。そして、主権国家の政治家というのは、他国の利益じゃなくて、自国の利益のために行動する政治家が主権国家の政治家であると私は認識をいたしております。

 主権国家である日本として、外国人参政権を付与すべきだと思いますか、地方参政権。

玄葉国務大臣 主権国家の定義というのは、今この場で突然聞かれたわけでありますけれども、それをどういうふうに正確に表現するかということは幾つかあるのではないかと私は思います。それは、おっしゃるように、みずからの国のことをみずから決定するというのは、ある意味、大前提なのかなというふうに思います。

 参政権の話については、私は、いわゆる外国人参政権の問題というのは慎重に考えていかなければならないのではないか、慎重な検討を要するのではないかというふうに思っております。

稲田委員 自分の国は自分で決めるという主権国家の立場からすると、私は、外国人地方参政権、もちろん国政参政権でも、与えるべきではないと思っています。

 集団的自衛権、今持っているけれども行使できない。百万円持っているけれども使えないといったら、持っていないのと同じなんです。集団的自衛権の行使は認めるべきだと思いますが、いかがですか。

玄葉国務大臣 この集団的自衛権の問題については、私は強い問題意識を有しているということでございます。

 現政権として、集団的自衛権の解釈を現時点で変えるということではないというふうに思っています。

稲田委員 もう少し、私、外務大臣として自分の意見を言っていただきたいと思います。それが政治主導じゃないんですか。

 新潟の総領事館の移転問題についてお伺いをいたします。

 現在、新潟の中国総領事館は、総床面積千四百平方メートル、八階建てのビルを賃借しています。ところが、その移転について、平成二十二年に一万五千平方メートル、約十倍以上ですね、約五千坪の小学校跡地を中国が購入するという動きがあって、反対運動が巻き起こって、平成二十三年三月、新潟市議会の売却反対によって小学校跡地の購入は頓挫をいたしました。その後、昨年の十二月に新潟市中央区の土地を購入したということですが、その経緯と現在の状況、広さについてお伺いをいたします。

玄葉国務大臣 先ほど、集団的自衛権も含めてもっと自分の意見を言えと、こういう話でありますけれども、内閣としてしっかりとそれが統一された意見でなければなりませんので、そのことは申し上げておきたいと思います。

 その上で、在新潟中国総領事館でありますけれども、昨年十二月、新潟市内の民有地一万五千平米を購入したと承知をしています。本年一月に不動産関連諸税の免税を求める在京中国大使館からの口上書が接到しています。その後、我が方より中国側に、当該土地の使用目的、広大な土地が必要な理由につき説明を求めており、その回答を待っているところということでございます。

稲田委員 大臣にお伺いをいたします。

 現在、床面積千四百平方メートル、それを、敷地を十倍以上の一万五千平方メートル、約五千坪、市議会では、違う土地ですけれども、反対をしている五千坪の土地ですね。私は中国の総領事館としては余りにも広過ぎると思いますが、大臣の見解を伺います。

玄葉国務大臣 一般論として、外国公館の規模というのはいわば派遣国が決定するものだというふうに思いますけれども、ただ、これはいわゆる領事任務の遂行と相入れない方法であってはいけないというふうにいわばウィーン条約で定められているわけでありますので、そういう意味で、先ほど申し上げたように、何に使うのかということについて確認を求めている、こういうことでございます。

稲田委員 相入れなくなくても、私は相当な範囲を同意すべきだと思っています。そもそもウィーン条約四条で、総領事館の移転、新設には接受国の同意が必要なんですから、その敷地として相当な範囲だけ同意をすればいいんじゃないんですか。

玄葉国務大臣 先ほど申し上げたように、今、回答を待っているところであります。

 その上で、一般論で申し上げると、先ほどウィーン条約の四条とおっしゃったんですけれども、稲田委員は法律家でしょうが、この四条の解釈の議論というのは一度外務省の中でも私もしたことがございまして、この四条というのは、いわば、例えば新潟から新潟に、つまりは同一市内で移転するような場合、事前の同意を必要とするのかしないのかということだと思うんですけれども、通常は必要としないというふうに解釈をされているようでございます、諸外国も含めて。

 ですから、そういう意味では、例えば外国にある我が国の領事機関が同じように同一都市内で移転する場合にも、接受国からの事前の同意は通常求められていないというのが実情でございます。

稲田委員 私が冒頭、主権国家のことを質問いたしましたのは、主権国家の政治家は自国の利益のために行動するんですよ。

 今回のように、一旦市議会が反対をして、また五千坪の土地の購入という場合に、ウィーン条約では、新潟市から新潟市の移転にはこの条文は関係ないなんて書いてなくて、移転には接受国の同意が必要であると書いてあるわけなんですね。この条約の条項を自国の利益に合致するように解釈して、それほど大きな土地の移転であれば、十倍以上の土地に移転するというような場合であれば、この条文を適用して同意するわけにはいきませんということを言うべきだということを申し上げているんです。いかがですか。

玄葉国務大臣 現時点は、とにかく、一体何にこれだけの広大な土地が必要なのかということについて問い合わせをしているということでございます。

稲田委員 私は、そういう大臣の姿勢に疑問を感じます。条約の解釈、自国の利益に合致するように解釈をして適用するのが主権国家の外務大臣のなさるべきことだからだと私は思っております。

 ただ、中国で日本大使館を移転する場合には、実質的には許可が必要なんじゃないんですか。

玄葉国務大臣 先ほど申し上げたように、私の理解では、移転そのものについての許可は必要とされないのではないかというふうに理解しています。

稲田委員 では、なぜ七月に竣工した中国の日本大使館の移転について許可がおりなかったんですか。

玄葉国務大臣 あれは、建築のことについての許可の問題だったのではないかと思います。

稲田委員 そうやって中国の利益に合致するように解釈していること自体がおかしいんですよ。

 そして、ことしの一月に移転許可が出ました。一月十九日に口上書を出して、二十一日に移転許可が出たんです。一月十九日にどんな口上書を出して、その口上書を出したことと移転許可との間に因果関係があるんじゃないですか。

玄葉国務大臣 因果関係はありません。

稲田委員 どうして言い切れるんですか。

玄葉国務大臣 どうして言い切れるかということでありますけれども、現にこの問題、いわゆる中国の大使館、日本の在北京大使館の建設と今おっしゃったようなことは全く別問題であるということを、私から繰り返し繰り返し担当者にも言いましたし、そのことは私は確認されているというふうに思っています。

稲田委員 建築上のどんな問題があって移転できなかったのか、そしてまた、口上書に何を書いてあったんですか。

玄葉国務大臣 これは自民党政権時代だと思いますけれども、二〇〇八年六月、本来、日本側として、工事開始前に中国側に通報すべきだったことについて通報しなかったということがございました。そのことについて、さまざまなやりとりを行ってきたということでございます。

 中国側は、もしかしたらそれは、このことに、ある意味、バーターにしようとか、つけ込もうとか考えたかもしれませんけれども、私は、そうはさせなかったというふうに考えています。

稲田委員 大臣、しっかりしてくださいよ、自国の利益を守るために。

 そして、今、この新潟の五千坪の土地を、購入の契約をしたということで、新潟市民初め大変な不安を持っているわけですね。ですから、ウィーン条約の四条の三、ここには、移転については同意が必要だと書いてあるわけですから、これを自国の利益に合致するように解釈をして、私は、膨大な敷地への移転は同意できないということを外務大臣としておっしゃるべきだと思います。

 中国は、吹き抜けがどうだこうだということで、結局、半年以上許可を出さずに、そして、口上書で、大臣はお答えになりませんでしたけれども、日本の総領事館と公館の建設について、中国の建設業者を許可するとか査証について優遇するというような口上書を書いて初めて移転できたわけですよ。そういうことを含めて、やはり、自国の利益にとって何が一番大切かということを考えて、条約の解釈、そして行動をしていただきたいと思います。

 大臣、メドベージェフ首相が七月三日に国後島訪問をしています。それについての大臣の考え、そして、我が国からの抗議発信についてお伺いいたします。

玄葉国務大臣 先ほど、中国側に何か口上書云々という話がありましたけれども、あれは、他国に対して行うものと少なくとも内容は全て同じもの、まさに関連の法に従って行わなければならないことについて書いたというだけでございますので、それ以上ではございません。そのことは申し上げておきたいというふうに思います。

 その上で、メドベージェフ首相の国後島訪問につきまして、日本の立場と相入れないわけでありますから、当然これは強い遺憾の意を表し、また同時に、前向きになりかけている日ロ関係に水を差すものであるというふうに考えております。

稲田委員 菅総理の時代にメドベージェフ大統領が国後訪問した際、前原外務大臣は、当時の駐ロ大使を召還したんです。メドベージェフ氏は二度目の国後島訪問をしたんですよ。なぜ大使を召還しないんですか。

玄葉国務大臣 どういう措置をとるかというのは、そのときの総合的な判断だと私は思います。外交の目的を達成するときに、何が一番効果的なのか。例えば今回、稲田委員の御主張は大使を召還することであるということなのかもしれませんけれども、私はそうは思わない。

 一度、首相がロシアを訪問したとき、たしか一九九三年にあったと思いますけれども、ちなみにそのときは、私が行ったような抗議も十分していないのではないかと思いますけれども、いずれにしても、私は、召還という措置をとるという判断はしなかったということでございます。

稲田委員 大臣はよく自民党政権下ではどうだったかということをおっしゃるんですけれども、そんなこと関係ないんですよ。私、自民党政権下でやってきたことも問題の先送りだというふうに思います。そうじゃなくて、大臣が今どうするかということを聞きたいんです。

 そして、外交というのは、やはり自国の立場を明確に発信することなんです。抗議しているのであれば、抗議しているということを明確に発信しなきゃいけないと思います。

 メドベージェフ首相、またプーチンさんもそうですけれども、北方領土について、第二次世界大戦の結果であって議論する余地はないと言っているんです。これについての大臣の見解をお伺いいたします。

玄葉国務大臣 今おっしゃったような第二次世界大戦の結果云々ということについては、全く我々の立場と相入れないし、賛同できるわけがございません。それは、ヤルタ協定は我が国は当事国ではありません。カイロ宣言にも領土不拡大原則が書いてございます。サンフランシスコ平和条約には、言うまでもなく、千島列島、これは北方四島は含まれておりません。ですから、日本の立場とその点について当然相入れないし、ここは隔たりがあるというのが実態だと思います。

 ただ、他方、メドベージェフ首相が国後島を訪問した、これは事実であります。プーチン大統領は何とかこの領土問題を解決したいという少なくとも意欲を示しているということも、これまた私は事実ではないかというふうに思っています。

 決して楽観的な見通しを持っているわけではありません。ありませんが、私は、今回につきましては、やはり領土の問題というのは、最終的に対話なくして解決はしないというふうに考えております。

稲田委員 私が聞きたかったのは、ロシア側が、プーチンさんもメドベージェフさんも、第二次世界大戦の結果で議論する余地がないなどと言われて、外務大臣がなぜ怒らないんですか。

 ソ連は、八月六日、九日の原爆投下の後に日ソ中立条約を一方的に破棄して満州国に侵略してきて、我が国同胞を戦車でひき殺したり、婦女凌辱したり、そして六十万人をシベリアに抑留して六万人以上を死に至らしめて、そして、武器を置いてから北方領土を略奪したんですよ。そういった背信行為について私たちは忘れちゃいけないし、それに対する怒りを持って外交交渉していただきたいんです。

 なぜ、七月二十七日ですか、大臣は、秋田犬をお土産に、のこのことロシアにまで行くんですか。

玄葉国務大臣 ちなみに、これは野田・プーチン両首脳間で、この領土問題についても話し合っていくということは確認をされているわけであります。議論の余地はない、こういう状況では私はないというふうに考えております。そこはまず認識の違いだということです。

 秋田犬を私が連れていく、持っていく、そういうことではございません。あれは、秋田県、県の要請で外務省が仲介をして、プリフェクチャーの方の県ですけれども、秋田県の県側が、外務省が仲介する形で贈るということなので、私が連れていって直接渡すとか、そういうことではございません。

稲田委員 発信なんです、外交は。どう見えるかなんです、外国から。そして、メドベージェフが二度目の国後島訪問をしているのに、のこのこと日本の外務大臣がロシアを訪問する。しかも、秋田犬を持っていくんじゃなくて、それは秋田県の要望なんだとおっしゃいましたけれども、結局、同じフライトで行くんですよ。見れば、秋田犬にあなたがついていくんです、犬に。犬にあなたがついていって、犬を貢ぎ物にしているというふうにロシア側はとられるんですよ。そういうことは私はやめていただきたいということを申し上げて、私の質問を終わります。

田中委員長 大臣、発言しますか。

玄葉国務大臣 ちょっと誤解のないように。

 私はソチで会談しますけれども、恐らく、秋田犬、犬はモスクワで事務的に渡されるんだというふうに私は聞いていますよ。

田中委員長 では、ちょっとしようがない。簡潔にどうぞ。

稲田委員 私は、どう見えるかということを言っているんですよ。同じフライトで行って、のこのこと大臣がロシアに行って、そして犬も行く。そうしたら、まるで、領土問題に抗議もしないで、犬を貢ぎ物にしているように映って、秋田県の皆さん方にも失礼なんですよ。そのことを申し上げて、私の質問を終わります。

田中委員長 質問は終わりました。

 次に、玉城デニー君。どうぞ。

玉城委員 国民の生活が第一の玉城デニーです。

 七月八日までは民主党におりまして、九日から籍を変えました。この間、安全保障委員会でも沖縄や我が国の安全保障に関していろいろと質疑をさせていただいたんですが、きょうは外務委員会で、外務大臣それから防衛関係の方々に質問させていただきたいと思います。

 私は、まず、犬ではなくてミサゴについて質問させていただきたいと思います。オスプレーです。

 七月二十三日、山口県岩国の米軍岩国基地へMV22オスプレーが十二機、陸揚げ、搬入されました。この間、本当に、このオスプレーは未亡人製造機とも呼ばれて、開発段階から事故が多いということはもう御承知のことと思います。さらに、この間、小さい事故も合わせると、多くの不安をかき立てるような事故が相次いでいる。実際に実戦投入されている、そのいわゆる現地でもまた事故が多いということはもう御承知のことと思います。

 そういうことがあって、説明がきちんとなされないまま我が国に搬入される、陸揚げされたということに関しては、全国知事会、渉外知事会、山口県岩国市、沖縄県宜野湾市からも大きな反対の声が上がっていることは、もうこれも事実であり、御承知のことと思います。

 では、そのオスプレーの一連の関係について質問させていただきます。

 まず、山口県岩国市の米軍岩国基地への十二機の陸揚げの搬入について、これまでの経緯をまず伺いたいと思います。よろしくお願いします。

西政府参考人 お答え申し上げます。

 オスプレーの沖縄配備に関しましては、二〇一一年六月六日、アメリカの国防総省が、二〇一二年後半に普天間飛行場に配備されているCH46をMV22に換装する、このような発表をいたしました。これが最初でございます。

 その後、安全かつ円滑にMV22の沖縄への配備を実施するという観点から、日米間で配備方法を検討いたしました。港湾施設を有する飛行場である岩国飛行場に船舶で輸送、陸揚げをし、機体整備、それから若干の準備飛行を行った上で普天間飛行場に飛行することによって、より安全、円滑に沖縄への配備が実施可能という結論を得たところでございます。

 これを受けまして、六月二十九日に接受国通報が米国よりなされ、一昨日、二十三日月曜日に岩国飛行場への到着、陸揚げ、このような経緯でございます。

玉城委員 二〇一一年の六月にアメリカ側から連絡があったということですが、この間、実は私も、二〇〇九年に当選をさせていただいて、安全保障委員会に所属、配置をさせていただいて、その委員会でも、重ねて、オスプレーが配備されるということが言われているんだが、どうなんですかということを防衛大臣にも確認しましたが、そういう話があるということは聞いているが、正式には通報がないというふうに言われておりました。

 この間、私たちがやはり危惧したのは、その間に持ち得る我々の努力、安全保障、国民の生命財産を守るためのとるべき手段はないのかということを確認したくて、やってくるのであれば、事前のさまざまな協議ができるのではないかというふうなことをかねがね私は申し上げていたわけです。

 しかし、二〇一一年の六月に、配備されるという計画があったということですが、一九九〇年代、それから二〇〇〇年に入って、SACO合意の状況の中でも、実はもう既にオスプレーは実戦に配備する、投入するということはアメリカの計画の中ではっきりしていたことと思います。

 そのことを踏まえて、先般六月二十九日に、今お話があったとおり、プレスリリースと接受国通報が行われたわけですが、では、このプレスリリースとその通報の内容についてお聞かせください。

西政府参考人 お答え申し上げます。

 接受国通報の主な内容は、普天間飛行場のCH46飛行隊の一つがMV22飛行隊となり、二〇一二年十月初旬に完全運用能力、FOC、フル・オペレーショナル・ケーパビリティーと申しますが、これを獲得すると見積もられる。もう一つのCH46の飛行隊は、一年後、二〇一三年夏にMV22の飛行隊となる。さらに、この更新は、日本における米国のプレゼンスを大きく変更するものではなく、CH46と同様、海兵空地任務部隊、MAGTFという言葉でございますが、これに対する中型輸送支援能力を提供する、これが接受国通報の主な内容でございます。

 プレスリリースに関しましては、四月のMV22の事故に関しましては、機体に機械的または資材上のふぐあいはなく、機体の安全性に何ら問題はなかったと断定されていること、六月のCV22の事故に関しては、初期調査ではCV22の継続的運用を妨げるいかなる情報も発見されておらず、米空軍の上級指揮官たちを含め、米国防省としてはCV22の信頼性を支持し、その運用が安全であると確信していること、米国政府は、調査結果が日本政府に提供され、飛行運用の安全性が再確認されるまでの間、日本におけるいかなるMV22の飛行運用も控えること、この間、世界じゅうにおいて米国がMV22の運用を見合わせるのは日本のみとなること、また、MV22はすぐれた安全記録を有しており、飛行時間は十一万五千時間を超え、戦闘運用、人道支援、訓練及び試験評価任務を遂行する中でこの飛行時間を達成した、こういったことが主な内容となっております。

玉城委員 それでは、やはり一番懸念されているオスプレーの事故などについて、少し確かめたいと思います。

 きょうお手元にも配られている資料にありますが、それぞれの損害の規模、額に合わせてクラスA、B、Cというのがありまして、国際情勢の動きの中にオスプレーの記事が載っておりますけれども、二〇〇六年からの五年間で五十八件という事故を起こしております。

 私は、米空軍嘉手納基地から車で十分ぐらいのところに住んでおります。ですから、当然、上空をいろいろな飛行機が飛んだり、旋回するルートに入っていまして、なれた人は旋回するときの飛行機の音でどういう飛行機が飛んできたなというのがわかるというふうに言われるぐらい、頭の上を飛行機が飛んでいるという下で生活をするのは、実は生活の質感からいうと、ふだんから大変気を使うといいますか、何かあってはというふうにすぐ考えてしまう、そういう生活をしております。

 このプレスリリースにある四月の事故、それから六月の事故、この件について、その詳細が出ているかどうか、あるいは、その事故の内容について、まずお聞かせください。

西政府参考人 お答え申し上げます。

 現時点でアメリカが発表しておる内容をそのとおりきちんと御報告いたしたいと思いますが、まずモロッコの事故につきましては、四月十一日、現地時間でございます、日中、モロッコのアガディール南西の王立モロッコ軍訓練場において、ニューリバー基地所属のMV22が墜落し、四名の搭乗員のうち二名が死亡、他の二名は重傷を負った。事故機はモロッコにおける演習「アフリカのライオン」において兵員輸送の任務についており、事故当時、天候は晴れであった。事故機は兵員をおろした後、上昇し、ホバリング状態で百七十度旋回。旋回を終えた後、追い風を受ける形となった。旋回の後半、搭乗員はナセル、翼端のエンジン部分でございますが、これを前方に傾けており、追い風及びナセルの動きに伴う重心の前方への移行及び前方に低速度で飛行していたことから、事故機の縦軸方面にモーメントが生じた。要すれば、頭がきゅっと下がるという形だと思います。

 なお、米側が実施してきた航空事故調査を通じて確認されたデータによれば、機体はMV22海軍訓練運用手続標準マニュアルどおりに機能しており、機体に機械的なふぐあいはなかったと断定され、機体の安全性に何ら問題はなかった。

 以上がモロッコのケースでございます。

 フロリダのケースに関して申し上げます。

 六月十三日、現地時間でございますが、午後六時四十五分、フロリダ州ナバレの北のエグリン射撃場において、ハールバート基地所属のCV22、空軍の機種でございますが、これが墜落し、乗員五名が負傷したものの、命に別状はなかった。事故が発生した際の天候は晴れ、日中で弱い風が吹いていた。事故は、通常の空対地射撃訓練を実施するため二機編隊で飛行していた後続機が転換モードで低高度を飛行中に発生。リード機が後続機がいないことに気がつき、墜落したことが判明し、機体の一部が炎上したということが報じられております。なお、当初の発表では機体がひっくり返った状態で見つかったということが出ておりましたが、実際には、事故機は機体上面を上にした状態、そのまますとんという形でございますが、発見されたということでございます。

 なお、第一特殊作戦航空団司令官は、CV22の設計に根本的欠陥を疑う理由はなく、我々はCV22の運用を停止する意図は有していないというコメントをいたしております。また、米本土及び海外におけるCV22の通常運用が継続されております。他方で、現在調査が行われているため、現時点では正確な事故原因を臆測することはできないというふうに言ってきております。

 モロッコの事故調査及びフロリダの事故調査のいずれにつきましても、調査結果を八月には提供される見込みというふうに米側から聞いておりますので、私ども、調査結果が得られた際には、部外有識者を含めました分析評価チームによりましてこれをしっかりと確認しておきたい、このように思っている次第でございます。

玉城委員 今の報告は、MV22、海兵隊の使用している機材と、それからCV22、これは空軍が使っている機材ですので、同じ構造の機材でありながら、その作戦の用途によって装備品が違うということは聞いております。

 今説明を聞いていますと、どちらも、いわゆる構造上、機体の問題ではないというふうなことで、安全性は確認されたというふうになっているんですが、では一体どこに問題があるとお考えですか。

西政府参考人 先生おっしゃられましたとおり、MV22とCV22、機体の九〇%は同じということで、CV22の方に低空進入などのためのナビゲーション業務機器が余計積まれておる、これは大きな違いかと思います。

 ただ、いずれの場合に関しましても、先生おっしゃられましたとおり、機体の異常ではないということでございまして、今、私ども、それ以上のどこに原因があるのか、それに関して米側の発表を待っておるところでございます。米側の発表があり次第、私ども、その内部を点検し、私どもサイドにも事故調査の人間はおりますので、それによって事の次第をつまびらかにしたい、かように思っておる次第でございます。

玉城委員 今答弁をいただいたように、やはり、しかるべき事故が起きたという状況の分析は、機体の構造でなければ、ではどこにあるのかということを考えると、これは、気象条件に合わせてさまざまなシミュレーションを加えた上で行っているシミュレーターでのオスプレーの操縦訓練だと思いますが、シミュレーターで行っている訓練と、現地、現場でさまざま変わっていく気象条件あるいはパイロット自身の体調の変化等々を考えると、そういう人的な、ヒューマンエラーによるところが大きいというふうに私は思うわけですね。

 しかし、機体はどちらも、MVもCVも同じオスプレーで、九〇%はほぼ同じだということですが、では、米軍によって日本国内で使われるのは、このうちどちらが使われるんでしょうか。それとも、どちらも使われるんでしょうか。

西政府参考人 お答え申し上げます。

 私ども、今通報を受けております範囲では、MV22を普天間飛行場に配備してあるCH46と換装するということでございます。空軍が使用するCV22に関しましては、米側から、日本に配備するという通報はなく、私ども、こういった動きは承知いたしておりません。

玉城委員 恐らく、今、MV22が普天間に配備されるということが先行していると思います。

 しかし、これも報道でもう既に出ている話ではあるんですが、実は、オスプレーというのは日本各地で訓練をする予定だということが出ておりまして、例えば、沖縄に関係しているルートであればパープルルート、近いところであれば九州のイエロールートなどなど、六つから七つの訓練空域で訓練を行うというふうになっております。

 しかし、これを考えると、果たしてMV22の性能や機能でこの空域、地域で訓練するのかということが大変疑問なんですね。なぜなら、そこには山岳地帯があり、地形の複雑な東北などの地域もあります。しかし、キャンプ富士あるいは日出生台などの広い演習場では、そこを飛ばないというふうになっていて、これは明らかに特殊作戦用の機体を使った訓練が日本国民のすぐ頭の上で行われるのではないかというふうに思うわけですね。

 こういうことを考えると、やはり事故に関してはもっと積極的に防衛省、外務省が協力して調査をしていく、追及していくという姿勢が必要ではないかと思うんですが、その点についてお聞かせください。

西政府参考人 お答え申し上げます。

 私ども、本日、防衛政策局次長をヘッドといたします専門家のチームを立ち上げ、第一回目の会合を行う予定でございます。このチームが、米側が事故調査を発表した段階で直ちにその内容検証のために渡米、内容の検証に当たる予定でおります。

 私どもも、これまで幾つも事故を経験いたしておりまして、その際、先生おっしゃられますように、機材のチェック、ヒューマンエラーのチェック、そういった多岐にわたる経験を積んでまいりました。そうした観点から、私どもとしても、この事故調査に関しましては、私どもなりの知見をきちんと駆使してその内容を明らかにし、これをもって地元の方々に御安心いただけるようにせねばいかぬ、このように考えて作業する所存でございます。

玉城委員 では、外務大臣にお伺いしたいと思います。

 今、西局長から答弁がありましたとおり、いわゆる継続して行っている調査結果、それが八月に予定されているということなんですが、日本政府に提供され、飛行運用の安全性が再確認されるまでの間、日本におけるいかなるMV22の飛行運用も控えるとされていますが、八月ごろに結果が提供され、その調査報告だけで国民は理解できる、安心するというふうにお考えですか。

玄葉国務大臣 まず、日本国政府が日本国政府みずからの責任で安全性を確認する、そのことが必要だと思うんですね。その準備を今行っているということでございます。

 その上で、あしたですか、第一回を開きますけれども、日米合同委員会を開きまして、特に日本側の懸念などについて、具体的にいかなる措置がなし得るかということについて検討したいというふうに思っているところです。

玉城委員 今お話にありました日米合同委員会なんですが、この日米合同委員会の質問も予定をさせていただいておりますけれども、今回のオスプレーの搬入に関して、いわゆる日米安保条約上の大規模な装備等の事前協議に当たらないというふうなことで、総理も答弁ではそのように答えております。しかし、航続距離、積載量、そしてスピード、全てがCH46を二倍、三倍、四倍と上回っています。

 このことについては、事前協議に本当に当たらないという理由はどこにあるとお思いですか。

玄葉国務大臣 この問題は、まず、岸・ハーター交換公文というのがございます。もう委員も御存じのとおりでございます。つまり、日本からの戦闘作戦行動、配置の変更、そして重要な装備の変更。その際に、では、重要な装備というのは一体何なのかということについて確認を行っているということでございます。それは、この間答弁もあったと思いますけれども、核そして中長距離ミサイルということになっているということで、そういう意味では、事前協議のテーマ、対象ということではないものというふうにやはり理解せざるを得ないというふうに思います。

玉城委員 大臣、事前協議の対象にはならないというお話なんですが、それは核あるいはさまざまな兵器など、いわゆる殺傷能力が極めて高いものが協議の対象になるというふうなことになっているわけです。しかし、日本側からは、国民が不安を持っているオスプレーについては事前協議の対象にすべきではないかという申し入れをすべきだと思うんですね。その点についてはいかがですか。

玄葉国務大臣 先ほど申し上げたように、事前協議の対象にはなっていないわけです。

 しかし、玉城委員も指摘をされるように、安全性について懸念が広がっているわけでありますので、いわゆる事前の段階から、日米間でさまざまな調整を行ってきたんです。さまざまなやりとりが実態はありました。そういう中で、今回、とにかく安全性が確認されるまでは飛ばさないのであるということです。さらに、日本国政府がみずから責任を持って調査をする。また、日米合同委員会で何ができるか。これからも、事前協議の対象ではないんだけれども、この問題については重要なので、日米間でさまざまな調整を行っていきたいというふうに考えております。

玉城委員 日米合同委員会を開催して協議をしていくということですが、例規によりますと隔週に行われるというふうなこともあり、割と頻繁に今後行われるのかなというふうに考えてはおりますが、今回のオスプレーの配備、搬入について、では、日米合同委員会の一体何条について議論されるものなのかということを少し整理してお聞かせいただきたいと思います。(玄葉国務大臣「何条」と呼ぶ)何条に当たるのかということです。(玄葉国務大臣「日米合同委員会の」と呼ぶ)はい。

玄葉国務大臣 済みません、手元にございませんけれども、たしか日米合同委員会は地位協定二十五条じゃなかったかと思います。(玉城委員「地位協定の何条に当たるのかということです」と呼ぶ)何条かと言われれば、私の記憶ですけれども、二十五条じゃなかったかと思います。

玉城委員 済みません、失礼いたしました。

 二十五条は、合同委員会で全てのことについて協議がされるというふうにしっかりと押さえられていますが、今回のオスプレーの件に関して、では、地位協定の何条に基づいて話が行われるというふうに見解をお持ちかということを聞かせていただきたいという質問でございます。

玄葉国務大臣 もしかしたら四条の話をしたいのかどうなのかということなんですが、基本的に、日米合同委員会そのものは二十五条に基づいてつくられるということです。

 ただ、やはりいずれにしても、私としては、先ほど、事前協議の対象でもない、しかし、とにかくこれは日米間で重要なことなのでさまざまな調整を行いたいという思いでいるということです。

 何条に基づくかとか云々というよりは、少なくとも合同委員会と聞かれたら、これはもう二十五条と答えるしかございません。

玉城委員 玄葉大臣は、この日米合同委員会で沖縄における運用改善に大変力を注いでいただいたということがあります。ですから、この日米合同委員会で運用についてしっかりと話し合うということは、私は、当然、地位協定上の二十五条で、あらゆる事項について日米合同委員会で話し合うということが明記されていますので、しっかりとそれを行っていただきたいというふうに思うわけですね。

 質問が少し揺れましたけれども、では、この日米合同委員会での協議について、渉外知事会もしくは山口県、沖縄県、地元の自治体と協議をするというふうな意向があるかどうか、これは大臣のお気持ちを聞かせていただきたいと思います。

玄葉国務大臣 何か今事務方からも用意した答弁がありましたけれども、そこには書いてございませんが、当然その地元側の懸念というものを外務省もまた防衛省も受けとめながら、アメリカ側と協議をするということだと思うんです。このときにやはり大事なことは、この安全性の問題と安全保障上の要請をしっかり両立させなければなりません。ですから、そのことはもう真摯に向き合いたいというふうに思っています。

玉城委員 国民あるいは県民が最も不安を持っていて、それの、やはり民意の代弁者、代表者である県知事や市町村長は責任が重たいものがあると思います。

 せんだって、森本防衛大臣が沖縄を訪問なさって、仲井真知事、宜野湾市の佐喜真市長と面談をして、種々説明をしていただきました。しかし、この危険なオスプレーを沖縄に配備して、もし事故が起こったら一体誰が責任をとるのかということなんですね。最終的にその責任が求められる、これがやはり主権者から国に対しての一番大きな問いかけなんですよ。

 であれば、地元との協議はもう絶対に欠かせない。ましてや地元からの要求は、これをしっかりアメリカ側と協議するということは、日米合同委員会のみならず、ふだんからしっかりと結んでおかなければいけない地元自治体との信頼関係ではないかと思うんです。

 しかし、配備ありきのオスプレーの今回の搬入は、信頼に基づいていますか。計画にのっとっただけではないですか。それがなお国民、県民の不安を駆り立てているわけですよ。ですから、形だけ調査をします、報告をします、県知事には説明をしましたという、何かこう、やりましたということだけでそういうことをやってしまっては絶対に不安は解消できない、これはもう御存じのことと思います。そのことについてしっかり努力をしていただきたいと思いますが、もう一つ重要な点をちょっと大臣に伺いたいと思います。

 先ほどの接受国通報では、CH46からオスプレーに換装するということが述べられていて、MAGTFの輸送支援能力を提供するということもありました。その文章の中にあります。これは、いわゆる抑止力の増強になるという認識ですか。お聞かせください。

玄葉国務大臣 はい。これは、抑止力の増強という言葉を使われましたけれども、向上に資するものであるという認識を私は持っています。

 先ほども、これは河井委員の質問だったかもしれませんけれども、やはり今のCH46Eは古いですよね、五十年前くらいのものであります。先ほどの河井委員の指摘はそのとおりだと思うのは、事故率一つとったって、どこからどこまでの期間をとるかとかによって確かに全く違ってくるということがあると思います。

 その上で、やはりMV22になると、おっしゃったとおり、速度二倍、積載量三倍、行動半径四倍、これは空中給油機で給油できるでしょうから、そういう意味ではさらに行動半径は広がるということがあります。

 ですから、南西諸島における安全保障も含めて、私は、このオスプレーというのは抑止力の向上に資するというふうに認識をしています。

玉城委員 私が抑止力の増強というポイントで捉えたのは、これはもう繰り返し言われていることですが、沖縄県民に対して負担を軽減するということが一番の目標であるはずなんですね。抑止力が増強する、向上するということは、負担軽減に逆行しているのではないかという不安がまた出ているわけですよ。であれば、例えば、空中給油機を使って一千百キロの行動半径を持てるオスプレーであれば、沖縄に置かずとも、福岡に例えば置くとすれば、朝鮮半島をすっぽり包めるわけですね。東京まで行って帰ってこれるわけです。そこには上海も台北も、当然沖縄も含まれる距離にあるわけですね。

 そういうことを考えると、なぜ沖縄でまた負担の増大になり、抑止力はあるとはいっても、それが果たしてどのような抑止力なのかということが、その搭載能力、航続距離、スピードからはじき出されているのかということが全くわからないわけですね。性能が上がる、だから抑止力が上がるということは、性能が上がるということは負担もふえるということになるわけですね。その分、訓練の回数も激しさもヘリの比ではないということを沖縄県民はよくわかっているわけです。

 そういうことをしっかりと考えて、今回の配備ありきというふうな形の搬入になっていはしまいかという不安に対して、政府はどのように責任をおとりになりますか。

玄葉国務大臣 沖縄の皆様に大変な御負担をおかけしているということについて、本当に我々は重く受けとめて、本当に私は、一般論としていつも繰り返し申し上げておりますけれども、全国で負担を分かち合う必要性というものを感じます。

 それで、御存じのように、野田・オバマビジョンあるいは2プラス2がございまして、これから海兵隊の数が減っていきます。これは沖縄の負担軽減のためでもございます。また、御存じのように、嘉手納以南の土地の返還もできるだけ速やかに統合計画をつくりたいというふうに思っています。

 抑止力の観点からいうと、これは海兵隊の数が減ります。減るときに、我が国自身の抑止力をではどう補うのか、こういう問題というのは他方で存在するのだろうというふうに思います。それは、性能の向上等々で補っていくという観点で、このオスプレーというのは一つあるということだと思うんです。

 それと、性能が上がるのであるから全国でどこまで分かち合えるかという議論なんですけれども、これはよく我々申し上げてきておりますけれども、結局、輸送機ですから、陸上の部隊を乗せていくということからしたときに、どうしても、海兵隊全体の一体性、陸上部隊あるいはロジも含めて、そういったものがやはり必要にならざるを得ない側面というのがあるのだろうというふうに思っているということでございます。

 ただ、いずれにしても、沖縄の皆様に大変な御負担をおかけしているということを常に肝に銘じておかなければならないので、その負担の軽減に向けても、とにかく全力を尽くしたいというふうに思っています。

玉城委員 抑止力はやはり海兵隊だけが担うものではなくて、陸海空、海兵隊と自衛隊が協力をして日本の国民の生命財産、領土、領空、領海を守るということは、これは間違いのないところだと思います。

 しかし、実は、東村高江では、ヘリパッドの工事のために、今、住民と業者の方々が大変心痛い競り合いを余儀なくされています。県道の上空をCH46はまたがるようにして飛んでいってヘリパッドを使っている写真も残されています。そういうことを考えると、一体、アメリカに対して本当に日本国民の生命を守るというはっきりとした意思を示せるかどうかということは、日米間の同盟の信頼はそこにあるのではないかと思うんです。

 ですから、装備の変更云々ではなくて、危険なものは飛ばさない、持ち込まない、使わせないということをしっかりアメリカに、主権者たる国民の声を届けることこそ、私は野田政権の本当に命がけでやっていただくことなのではないかと思うんですね。

 そういうことを考えますと、やはりオスプレーの問題に関してはもっと徹底的に原因を追求するとともに、稚拙な拙速な配備には私は個人的に絶対反対だという立場を表明して、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

田中委員長 次に、遠山清彦君。

遠山委員 公明党の遠山清彦でございます。

 本日、外務委員会理事に就任をさせていただきまして、当委員会で初めて外務大臣とやりとりをさせていただきます。

 きょうは大分、他の同僚委員から議論がありました。私も、公明党沖縄方面議長という立場で、沖縄の那覇市に事務所を持つ国会議員として、最初にオスプレーの配備問題についてお伺いをしたいと思っております。

 もう既に本日の委員会質疑で説明されたり主張されておりますとおり、このオスプレーの配備と運用につきましては、その安全性への深い懸念、疑念から、現在陸揚げをされている岩国を抱える山口県、また、配備予定の普天間基地を抱える沖縄県を初め、試験飛行ルートに予定されている関係自治体からも強い反対の声が上がっております。

 公明党としても、山口代表、井上幹事長から発言をさせていただいておりますが、山口、沖縄を初めとした地元自治体の首長やあるいは住民の理解が得られない限り、配備、運用をすべきではないという考え方を示してきております。

 一方、本日は、与党の皆さんの御配慮で、与党議員からの質疑は一切ないという委員会になっているわけでございますので、これは本来民主党の方から政府の閣僚に聞くべき話かもしれませんが、私は報道を見まして、与党民主党も二十三日、おととい、沖縄協議会を開催して、次に申し上げる四点を政府に要望したと認識をしております。私の方からこの四点を紹介させていただきながら、与党が要望している提案について外務省としてどういう御対応をされるか、お伺いしたいと思っております。

 まず一つ目は、日本側が安全性を確認できない場合は本格運用を延期するというのが一点目の要望だそうでございます。二点目の要望は、沖縄への配備は沖縄以外で十分訓練した後に行う。三番目が、政府が米国に派遣する調査チームに沖縄が推薦する専門家を加える。四番目が、本土での低空飛行訓練について日米合同委員会で米側に説明を求める。こういう内容になっているわけでございます。

 これは、報道によりますと、輿石幹事長、前原政調会長、民主党の執行部も出席をする中で決められた要望であって、総理官邸にこれが伝えられたというふうになっているわけでございますが、玄葉外務大臣として、この四点の与党からの提案に対してどのように御対応されるのか、この場でお伺いをしたいと思います。

玄葉国務大臣 四点、子細に、ちょっと私、今手元に持っているわけではございません。

 今、遠山委員が御指摘をいただきました。もちろん、党としての要請ということでございますから、でき得る限りの受けとめをしていかなければならないというふうに思います。

 先ほど来から申し上げておりますように、とにかく、安全保障上の要請と安全性の両立が必要で、その上で、やはり安全が確認されるまでは飛ばさない、このことを繰り返し私は申し上げておきたいというふうに思います。そして、日米の合同委員会などで、その運用ルール等々について、できれば低空飛行の問題なども含めて、やはり提起をしていかなければならないのではないかというふうに考えています。

遠山委員 大臣、四点、手元にないということなんですが、私がこの与党の提案で注目したのは、一番目の提案のところで、日本側が安全性を確認できない場合はオスプレーの本格運用を延期すると。これは明確に主語が、日本側がとなっているわけですね。ということは、これは解釈しますと、要するに、アメリカ側が事故の原因を究明して、こうこうこういう理由だから安全ですよということを、受け身で受け取って、それで安全だというふうに判断をしたということでは、実は、民主党が求めている、これは我々公明党も当然求めておりますよ、日本側として主体的に安全性を確認したことにはならないんですね。

 報道によりますと、森本防衛大臣が八月の三日、四日あたりに訪米をされて、国務長官とお話をする、国防長官ですかね、どちらでもいいんですが、お話をするということが報道されていますが、その際に、場合によっては、防衛大臣がオスプレーの試乗もされるかもしれないという内容がありました。これは要するに、防衛大臣みずからオスプレーに乗ることで日本側が安全を確認したということにしたいのかもしれませんが、大臣が一回オスプレーに乗って死ななかったから安全だということをもって日本側が安全性を確認したというのは、かなり陳腐なパフォーマンスにすぎないと言われることは今から明らかでございます。

 これは外務大臣としても悩みどころだと思いますが、日本側が安全性を主体的に確認するというのは、具体的にどういうイメージを持っておられますか。

玄葉国務大臣 私のイメージは、試乗というのは安全性を確認する上でのワン・オブ・ゼムであって、やはり日本側の専門家によってしっかりと確認をする。まさに、確かにポイントの一つだと思うんです。日本国政府が責任を持って、主体的に専門家によって確認をする、そのことがやはり大事ではないかというふうに思っています。

遠山委員 大臣は今そういう御答弁でした。専門家が、政府から独立した立場で、また、当然政党色、政治色のない形でこれを検証するという形を整えないと、なかなか理解が得られない。今の沖縄の状況を見ますと、到底理解が得られないということだけは指摘をさせていただきたいと思います。

 ちょっと時間の関係で、次の質問ですが、先ほど来出ております、オスプレー配備に関しては日本に法的な権限がないという説明を私も外務省の担当者から受けました。なぜならば、先ほども出ていますけれども、日米安保条約第六条の附属の合意と言ってもいいと思いますけれども、岸・ハーター交換公文で事前協議の対象となる重要な装備の変更にオスプレーが当たらないからだということなんですね。

 問題は、これは新聞に当たり前のように書いてあるんですが、では根拠は何なのかと見まして、私は今、手元に岸・ハーター交換公文の原文を英語と日本語で持っておりますけれども、日本語の部分、その該当の部分をちょっと読ませていただきます。「合衆国軍隊の日本国への配置における重要な変更、同軍隊の装備における重要な変更並びに日本国から行なわれる戦闘作戦行動のための基地としての日本国内の施設及び区域の使用は、日本国政府との事前の協議の主題とする。」こういう文章なんですね。

 岸・ハーター交換公文によってオスプレーは事前協議の対象に入っていない、新聞ではそこだけ書いてありますが、実はこの原文は余り引用されていないんです。原文にはどこにも、重要な装備というのが核兵器あるいは中長距離ミサイルの持ち込みであるということは、この文章に出てこないんですね。

 そうしますと、ほかに根拠がなければオスプレーが事前協議の対象外であるということは言えないわけでございまして、これはある程度私は答えを知っていますけれども、とりあえず、外務大臣、この文章、今私が引用しただけでは対象外というのはわからないんです。対象外になっている根拠をちょっと示していただけますか。

玄葉国務大臣 おっしゃるとおりでございまして、岸・ハーター交換公文は昭和三十五年のものでございますが、昭和四十三年に藤山・マッカーサー口頭了解というものがございます。

 配置における重要な変更というものは何を指すのか。陸上部隊の場合は一個師団程度、そして空軍の場合はこれに相当するもの、海軍の場合は一機動部隊程度の配置。そして、装備における重要な変更の場合というのは、先ほども申し上げましたけれども、核弾頭及び中長距離ミサイルの持ち込み並びにそれらの基地の建設。そして、我が国から行われる戦闘作戦行動のための基地としての日本国内の施設・区域の使用ということでございます。

 さらに申し上げれば、この口頭了解を再確認しています。これは、たしか公明党の議員さんからの質問等に対して恐らく提出されたものだというふうに承知をしております。

遠山委員 今、外務大臣が丁寧に御指摘をいただいた藤山・マッカーサー口頭了解でございます。私も原文を入手いたしまして、今大臣がおっしゃったとおりでございます。

 先ほど、公明党議員云々とおっしゃったのは、恐らく昭和五十年のころにこの口頭了解の内容の再確認で国会に提出をされた、提出されたのは多分、昭和五十六年以降だと思います。いずれにしても、そういう過去の経緯がありますので、別に誰かが恣意的につくった内容ではないということは理解をしております。

 ただ、外務大臣、ここでちょっと考えていただきたいのは、これは日米安保条約の本則そのものに依拠していないですし、それから岸・ハーター交換公文の中でも書かれていない、まさに藤山・マッカーサー口頭了解という中でつくられた日米の了解事項なわけですね。

 これは正直申し上げまして、冷戦時代の文脈の中で、日米同盟、日米安保体制という中でつくられた了解事項でございまして、口頭での了解事項でございますので、これは、例えば今、玄葉外務大臣、森本防衛大臣とそのカウンターパートの米国政府の閣僚がこの口頭了解の中身を一部変更するということは、お立場的にも私はこれは可能だというふうな立場に立っているわけでございます。

 ですから、私は何を申し上げたいかというと、今、玄葉外務大臣が三項目おっしゃいましたけれども、例えば、今の沖縄の普天間基地移設問題にかかわる地元の強い反発、また、今回のオスプレーの配備に関する安全性に対する強い疑念、そういった、冷戦時代とはまたかなり変化した状況の中で、例えば、この口頭了解事項の中にもう一項目加えて、前記三項目に該当しない装備、施設の変更であっても、例えばですよ、これは私が勝手に考えた表現ですから、日本国民の生命と財産に大きな影響を与える場合には特例的に事前協議の対象としてもよいというような項目を、この藤山・マッカーサー口頭了解に一項目加えれば、こういった、いわゆる核弾頭とか中長距離ミサイルの持ち込みのような装備の変更でない場合でも事前協議の対象にすることは、実は、外交的に政治的に可能なんですね。

 それは例えば、日米安保条約の本則や岸・ハーター交換公文の本文の中にそういうことが排除されるような内容になっていれば、それはもう文書上変えなきゃいけないんですが、口頭了解というレベルですから、私は変更の余地があり得ると思っておりまして、あす日米合同委員会が開催されるということでございますし、そこでいろいろな協議をされるんだと思います。

 また、私も、大臣、誤解していただきたくないのは、決して、外務省が今日に至るまでオスプレーの配備の問題について唯々諾々と米国政府あるいは米国国防総省の言い分をただ聞いて帰ってきただけだとは思っておりません。日本の状況、懸念というものを強く伝えてきた、交渉もされてきたんだろうと思います。

 ただ、私は、これは自分で調べていて思ったんですけれども、いわゆる閣僚間の口頭了解事項だけを根拠に今回の事前協議の対象が決まっているのであれば、それはもう、まさに今閣僚の立場にいる玄葉大臣の立場で、この口頭了解に日本側の立場をしんしゃくした、表現はそれは外交交渉ですからいろいろとやった上で決めていかなきゃいけないと思いますけれども、交渉の余地は私はあった、そして、今もあるという原則的立場に立っておりますけれども、大臣のお考えはいかがでしょうか。

    〔委員長退席、長安委員長代理着席〕

玄葉国務大臣 今、遠山委員の御指摘、藤山・マッカーサー口頭了解、これについて、いわば、ある意味、これを変更するというか、創造的な提案を含めて行ったらどうか、こういうお話でございます。

 私は、遠山委員の一つの建設的な御意見として受けとめたいと思いますが、この状況の中で、事前協議制度そのものを制度としてどう変えるかということを、今やることが本当にいいのかどうか。

 つまりは、現実に事前協議の制度の対象テーマにはなっていないけれども、おっしゃるとおり、唯々諾々と米国に従ってきた、そういうことではないんですね。さまざまなやりとりを行ってきました。今も、実は行っています。ですから、事実上の協議というものを行っていると言っても過言ではない。

 本来は、これは、何回もいろいろなところで出ていますけれども、制度上は本来どこまで言えるのか、こういう議論というのはあるんですよ、御存じのように。ただ、私は、これはそういうわけにはいかないのであるということで、安全保障と安全性の両立の観点から、さまざまな議論をこれからも行っていきたい、こう考えています。

遠山委員 大臣、まさに今御答弁にあったように、今この状況の中でできるかというところに、ある種、この問題の本質が表現し尽くされているような感があります。この後も議論を続けようと思えばできますけれども、他の質問もございますので。

 ただ、私は、きょう最後に指摘をさせていただきたいのは、冷戦時代の中で成熟をしてきた日米同盟、日米安保体制が、この二十一世紀の今日の、まさに、大臣も違う局面ではよくおっしゃっている、世界的な安全保障環境の変化に日米がどう対応するか、また、日本の国内の政治状況等も、政権交代もありましたし、いろいろ変わっているわけですね。

 そういう中で、昭和三十年代、四十年代の、私が今指摘したように、閣僚間の口頭了解に基づいた原則を全く見直さずに交渉していくということが果たしていいのかどうか、原則的な考え方を変えなくていいのかどうか。そういった問題意識はぜひ持っていただきながら、今の状況の中では具体的な技術論等で対応しなければいけないことが多いんだと思いますけれども、ぜひとも、もう重々、大臣御承知だと思いますけれども、沖縄の県民の皆さんあるいは山口の県民の皆さんの思いというものを受けとめながら、鋭意努力を、あす以降、またしていただきたいと要望申し上げておきたいと思います。

 次に、シリアの内戦でございます。

 毎日、新聞で報道されているとおり、相当激化しておりまして、報道では犠牲者の数が、これは大半が無実の、無辜の民というか民間人でございますが、累計で二万人近くに達しているということでございます。

 もちろん、主権国家内の内戦への国際社会の介入というのは、過去のルワンダあるいは旧ユーゴスラビア連邦の内戦のときと同様、大変難しい面がございます。しかしながら、多くの民間人が毎日命を落としているという事態は人道的に看過しがたいものでございまして、国際社会の主要なメンバーである、また、人間の安全保障という概念を主張してきた日本政府としても、バイとマルチのあらゆる外交チャンネルを使って、事態の鎮静化に貢献すべきであると思っております。

 まずお伺いしたいのは、簡潔に、外務省としてこのシリアの事態にどういう対応をされてきたのか、お伺いしたいと思います。

玄葉国務大臣 簡潔にということでございます。

 基本的には、三本柱というか、一つはやはり制裁。二つ目には人道支援、つまりは難民あるいは避難民の問題等々ございます、そういった支援。そしてもう一つは、アサド大統領に対して我々はステップアサイドということも言っております。つまりは、道を譲るべきであるということを言っている中で、反体制派というのが実はまとまっていないんですね。ですから、その反体制派を統合していかなければならないといったことがございます。ですから、私も、反体制派のいわゆる要人と言われる人と会談をし、それを促すなど、そういったことをこの間、行ってきています。

 と同時に、多くの人たちがそう感じていると思いますけれども、安保理がまとまっていない、このことがやはりどうしても問題なのだろうというふうに思っているんです。ですから、この安保理がまとまるような働きかけをどのように日本として行っていくのかということではないかと思って、大きな大きなプレーヤーにこのシリアの問題でなれるかというと、難しい側面がございます。

 つまり、安保理常任理事国ではない、現在、非常任理事国でもない、そういった中でやれることを、これはたしか、前に民主党の山尾さんの質問にもお答えしたと思うんですけれども、やれることをやりたいというふうに思っています。

遠山委員 それで、大臣、やれることの一つとしてお考えをいただきたいんですが、今、スイス政府が主導で、このシリアの事態をICC、国際刑事裁判所に付託をしようという動きがございます。

 私が接した情報によりますと、ICCに付託するには、今まさにお話ありましたけれども、安保理が付託をしなければいけないわけでございますが、今、スイス政府が、シリアの事態をICCに付託することに賛成する国を五十カ国集めて、英語でインディケーティブリストというものに掲載をして、そして、それを要請書簡として安保理に届けるという外交努力をスタートさせております。ドイツ、フランスもこのインディケーティブリストに掲載されることを了承している。

 私が二日ぐらい前に調べた限りでは、日本政府はまだ掲載の了承をしていないということでございますが、これは、今まさに三本柱として外務大臣がお示しになった日本政府の態度を表明する意味でも、このスイス政府のイニシアチブに乗って、インディケーティブリストに名前を連ねて、最終的に安保理が本当にICCに付託するかどうかというのは不透明、見通しはわからないわけでございますけれども、日本政府として主体的にできることの一つとして、私は、スイス政府の呼びかけに応じてもいいんではないか、このように思いますが、いかがでしょうか。

玄葉国務大臣 一つの御提案だと思うんです。

 このICC、国際刑事裁判所は、これはもう既に全て御存じでお聞きになっておられるというふうに思うんですけれども、結局、先ほどおっしゃっていましたけれども、安保理における現実的な見込みの問題というのがどうしてもある、安保理がこれを付託するわけでありますから。そういったことも冷静に見きわめながら、また同時に、仮に付託したときにシリアは一体どうなのかといった問題もあります。

 ただ、今、せっかく初めて委員会で、あるいは国会でそういう御指摘があったわけでありますので、御指摘いただいた点も含めて、何が効果的なのかということについて総合的に判断をしてまいりたいというふうに思います。

遠山委員 大臣、これはつけ加えて、日本だと昨日の新聞で初めて出ておりますが、一昨日、シリア政府の報道官が、後に撤回をしましたけれども、化学兵器、ケミカルウエポンのシリア政府としての保有を認めました。これは初めて公的な記者会見で認めて、その後、大騒動になって、後刻に曖昧な形に、従来の立場に戻したわけですが、これは政府の報道官が言ったということは、半分、反体制派に対するおどし、つまり、化学兵器を使用するかもしれませんよというおどしのメッセージが主たる目的だったと私は解釈をしております。

 いずれにしても、これはゆゆしき事態でございまして、恐らく国際社会もきょうあたりから大分シリアへの対応が、この化学兵器の保有宣言で変わってくるのではないかと思いますので、日本政府も、逐次、さまざまな情報収集をした上で、総合的に適切な判断をしていただきたい。これは御答弁は要りません。要望させていただきます。

 最後になりますが、北朝鮮への対応について伺いたいと思います。

 先日、公明党の国際局長として、北朝鮮国内の人権侵害問題の深刻さや国際社会のそれらへの対応について、国際NGOの連合体に所属をしている、参加をしている日本のNGOの代表者と、私はお会いをいたしまして、いろいろお話を伺いました。それを踏まえて御質問をしたいと思います。

 北朝鮮の拉致問題や政治犯収容所問題、あるいは公開処刑などの人権侵害行為が人道に対する罪に該当するかどうかを調査、検証する、国連の中につくる事実調査委員会、コミッション・オブ・インクワイアリーと英語で言いますが、この設置を日本政府として国連に求めていくべきではないかと私は今考えておりますけれども、外務省の方針をお伺いしたいと思います。

玄葉国務大臣 北朝鮮における人権状況について、これは広範な人権侵害がさまざまなリポートで指摘をされて、深刻な懸念が表明をされているのはもう御承知のとおりでございます。

 その上で、今の提案は、確かにこれは一つの提案でございます。先ほどのICCにやや答弁が似ていて恐縮なんですけれども、結果として何が効果的かということを踏まえたいというふうに思っています。

 つまりは、実際に北朝鮮が北朝鮮人権状況特別報告者の受け入れ等を拒否しているという実態がございます。そしてまた、北朝鮮が調査委員会の受け入れ等に協力することについて、残念ながら現時点はなかなか期待しにくいというのが現状ではないかというふうに思っておりますので、そういう現状も踏まえながら、ただ、先ほどもこうして御指摘をいただいたわけでありますので、総合的に判断をしたいというふうに思います。

    〔長安委員長代理退席、委員長着席〕

遠山委員 大臣、現状は現状で、北朝鮮がなかなか国連の調査要求に応じないとか、あるいは安保理の常任理事国でございます中国がなかなか応じてくれないとか、そういった推測は立つわけでございますが、しかしながら、日本は、北朝鮮による拉致、これは、ローマ規程の人道に対する罪という文脈で読めば、強制失踪に当たるわけでございます。また、日本からも北朝鮮に嫁いだ女性の方々がいることは明白でございますが、北朝鮮の中にある強制収容所、これは人間の奴隷化でございますし、また、人道上の基本的な原則に反する拘禁その他身体の自由の剥奪に当たるわけでございます。これはローマ規程という法律上明らかなことでございます。

 私、最近知ったんですが、北朝鮮の人権状況決議で国連において日本と常に共同提案になっているEU、EUは執行部ですけれども、その欧州議会の方が、実は、事実究明委員会、事実調査委員会を国連に設置すべきだという決議を可決しているわけでございます。

 よって、もうこれで終わりますが、私の最後の提案は、次回、日本がEUと共同で国連に対して北朝鮮人権状況決議案等を出す際に、ワンパラグラフ加えて、この事実調査委員会を国連につくるべきである、これは今までの決議に入っていないんですね、ですからそれを言う。その後、北朝鮮あるいは中国がどういう対応をするかというのは、その後のこともありますし、まず日本政府としてそういう意思表明をEUと共同ですべきじゃないかと思いますが、この点についてお答えいただいて、質疑を終わりたいと思います。

玄葉国務大臣 これも、ある意味、初めての御提案なので、ちょっと検討させてもらいたいと思うんです。

 私、今お聞きして若干気になっているのは、いわゆる北朝鮮の人権状況決議は、この間、私もバイの会談を行うたびに働きかけをしてきて、反対だった国が棄権に回ったり、棄権だった国が賛成に回ったりということで、国連では過去最多の得票で実は採択をされているという状況があります。そのワンパラグラフを加えることでそういったことにどういう影響を与えるかとか、そういったこともあるなというふうに思うものですから、そこはちょっと検討させていただけますか。

遠山委員 以上で終わります。

田中委員長 次に、笠井亮君。

笠井委員 日本共産党の笠井亮です。

 沖縄の米軍普天間基地に配備されるとしている垂直離着陸機MV22オスプレーをめぐる問題でありますが、この十二機が七月二十三日に米海兵隊岩国基地に陸揚げをされました。地元の自治体、さらには全国知事会を初め、沖縄そして日本全国に広がる反対や懸念の声を無視して強行されたことは断じて許されないと、まずアメリカ政府に強く抗議したいと思います。

 その上で、玄葉大臣に伺います。

 野田総理は、今回の陸揚げの後、きちんと安全性が確認されるまで日本での飛行は行わない、そう合意をしているということで表明をされております。ところが、アメリカの側は、あくまで配備計画については変更する意思はないということで、藤村官房長官も森本防衛大臣も、十月からの本格運用をする配備計画について変更する考えはないと一方では明言されている。

 まだ安全性も確認されていないのに、どうあろうと本格運用は十月からというのでは、何のための確認かということになりませんか。

玄葉国務大臣 これは先ほど来から議論がございました。安全性そして安全保障を両立させなきゃいけない。私は、初めからスケジュールが全てである、こういうことではないと思っています。安全性が確認されない限り飛ばさない、しかし力の空白を生じさせてはいけない、私から申し上げたいことはそのことであります。

笠井委員 先ほど答弁の中で、大臣は力の空白をつくらないのは大前提だというふうに言われた。一方で安全性の確認があるということでありますけれども、大前提を、力の空白をつくらない、つまり配備が必要だということになると、配備ありきということになりますね。そういうことになりませんか。

玄葉国務大臣 私は、安全性が確認されない限り飛ばしてはいけない、そう思っています。

笠井委員 野田総理も安全性を主体的に確認するまで日本での飛行は行わない、そして大臣も確認されない限り飛ばさないと言われた。

 では、確認作業をやったけれども、最終的に安全性は確認できなかったということになれば、これは日本での飛行、つまり配備はやらないという可能性もあるわけですね。それはないとは言えない。

玄葉国務大臣 先ほど来から私が申し上げておりますけれども、とにかく今、安全性の懸念が広まっているわけでありますので、力の空白を生じさせないことを大前提に、安全性が確認されるまでは飛ばさない、私から申し上げることはそのことだけです。

笠井委員 つまり、安全性が確認できなかった、できないということに日本政府としてなれば、これは日本では飛ばさないという判断になる可能性はあるということですね、当然。

玄葉国務大臣 安全性が確認されるまでは飛ばさない。

笠井委員 されなかったら飛ばさない、日本では配備、運用できないという可能性が当然ありますね。つまり、そういう作業をやっているんだから、どっちになるかわからないわけですから、それを全く否定したら、最初から配備はある、空白をつくらないためにやる、とにかく格好だけやっているという話になりますよ。

玄葉国務大臣 笠井委員、繰り返して申しわけないんですけれども、私は、やはり日本が主体的に安全性を確認するという作業がしっかり行われるまでは飛ばしてはいけないというふうに思っていますし、飛ばさないことについて、私は日米でそこは調整されているというふうに考えております。

笠井委員 では、ちょっと角度を変えて聞きますが、民主党の輿石幹事長も、日本側が安全性を確認できなければ十月を超えようともオスプレーを飛ばすことはできないというふうに言われております。何よりも安全性の確認、それができなければと大臣も言われた。

 つまり、そういう点でいうと、最初から十月からの運用計画があるということを前提にするんじゃなくて、それはまず撤回をして、まず確認をする作業を徹底的にやる。その結果はいつになるかわからない。しかし、それで最終的に運用できない可能性もあるかもしれないが、まずは安全確認のことを、期限を決めずにやるというのが当然の姿勢じゃないんですか。

玄葉国務大臣 先ほど来から申し上げておりますけれども、おっしゃりたいことはわかっておりますけれども、今非常に厳しい安全保障環境がございます。ただ、やはりこの安全性というのは極めて重要でございますから、安全性を日本国として主体的に確認するまで飛ばさないということに尽きるということでございます。

笠井委員 確認もできていないうちから、つまり十月からの本格運用の計画だけは変えないということになれば、これは沖縄からは、安全確認はポーズにすぎないという本心を吐露したようなものだ、陸揚げ強行後に今さら安全性を確認すると言われても日本政府の言葉をうのみにできるはずがないと沖縄の新聞も社説で厳しく書いていますが、批判されるのは当然だと思います。

 渡辺防衛副大臣に伺います。

 去る七月二十日にカーター米国防副長官と会談をされて、オスプレーの安全性の確認について話し合っておられます。そこで伺いますが、米側との間で、日本側がまだ安全性が確認されていないとしているのはどういう点ですか。

渡辺副大臣 オスプレーが実戦配備されるまでの間の四件の墜落事故については、例えば配線のミスであるとか火災が起きたとか、いろいろな原因が出ているわけであります。その後の運用、実戦配備後の運用について、四月、六月、今懸案となっている、モロッコとフロリダで墜落したものについては、今アメリカが、法務官が入って調査をしている。

 この点について、これが構造的なものなのか、それともパイロットの操縦ミスによるものなのかということについては、まだアメリカでも結論は出ておりませんし、また我々としても、さまざまな報道にも接しておりますし、またさまざまな指摘があることも承知をしていますので、これについて、きょう発表しました検証評価チームを立ち上げて、我々としての懸念をそこで、アメリカに行って、ブリーフィングを受けて、質問をぶつける。今、もう既に、質問項目については、かなりの量をアメリカの方にも送っております。

 それで、我々が主体的に客観的にこれを判断するということを先方にも、カーター国防副長官との会談の中でそのような趣旨をお伝えしたところでございます。その点については、今準備を進めているという現状でございます。

笠井委員 日本側の確認作業や分析の結果次第で、米側に再調査をさらに要請することがあると防衛大臣も言われています。先ほど副大臣も繰り返しという話がありましたが、それはどういう場合にさらにというふうになっていくんですか。わかるまでということでいいのか、それは徹底的にやっていくのか。どういう形になるんでしょうか。

渡辺副大臣 その墜落事故の原因について、構造的なものであるのか、人為的なものであるのかということ、そうしたことも私たちは、とにかくたくさんの質問項目、かなりの数をこれまでもアメリカ側に出しております。全て回答をいただけているわけではありませんけれども。

 この点について我々も、やはりカーターさんもおっしゃいました。やはりそこは、飛行をするという、やはり納得のいく説明をできるだけしたい、情報提供も速やかにしたいというお話でございましたので、我々として考えられる限りの、お答えをいただける限りのことについては、徹底してやはりこちらとしても質問をぶつける。ただブリーフィングを聞いて帰ってくるということではなくて、こちらからもいろいろな指摘をしたい、確証が得られるまで何度でもやりたい、そのように考えております。

笠井委員 大臣、今副大臣も、このオスプレーをめぐる問題では、構造上の問題、いろいろな問題を含めて、報告されたり、あるいは報道されている問題がある。それで、安全性をめぐっては、つまり、そういう点でいうと、例えば機能上の問題、あるいはパイロットの技術、自然条件の問題、さらには米軍の事故調査報告書の内容を変更するように圧力があったと関係者がアメリカで言っている問題など、さまざま指摘があったり報告があったりします。

 そうした諸問題についても、当然、あす開かれる日米合同委員会の場も含めて、米側との間で確認作業を徹底的にやるということでよろしいんでしょうか。

玄葉国務大臣 今、まさにあす初めて行われるので、米国がどのように出てくるかということも含めて、まあ、出てくるかと言うと語弊があるかもしれませんけれども、第一回の協議を行います。

 何をどこまで検討するかを含めて、まさに今検討中でございまして、ただ、私としては、運用ルールあるいは低空飛行の問題などは、やはり我々からきちっと出していかないといけないのではないかというふうに考えているということでございます。

笠井委員 安全上問題になっている問題、あるいは疑問を持たれている問題は、とにかく全てやるということで協議はやるという立場でいいわけですね。

玄葉国務大臣 済みません、機能的な話は、恐らく調査報告書とか専門家のチームの方で基本的には担当するのではないかというふうに、これは今断定はできませんけれども、そのように思います。

笠井委員 では伺いますが、これは渡辺副大臣ですかね。前回の委員会でも私質問しましたオートローテーションの問題、機能的な問題というのがありましたので御質問したいんです。

 防衛省が「MV―22オスプレイ 米海兵隊の最新鋭の航空機」というパンフレットを出されております。

 この九ページのところで説明があって、「飛行中に両方のエンジンが故障した場合、オスプレイはどうするのですか?」ということで、それについて説明があって、「万が一二つのエンジンが停止した場合の緊急着陸の際、その時の飛行状態に応じて、固定翼モードに移行して滑空するか、垂直離着陸モードに移行してオートローテーションを行うことになります。」ということを述べております。

 その上で、「滑空とは」ということが具体的に説明してあって、その下に「オートローテーションとは」ということで、どういうふうになるかという図まで、図入りで説明しているわけですが、このオートローテーションについての説明の根拠、出典はどこなんでしょうか。

渡辺副大臣 オートローテーション、前回の委員会のときにも委員から質問をいただきました。万が一、二つのエンジン出力が完全に停止した場合にどうするんだという中で、オートローテーションという、まさに空気を切りながら、竹トンボが着陸するようなイメージで、そして角度を変えながらおりていく。

 これは出典はどこかといいますと、アメリカがいろいろシミュレーションを行っている、シミュレーターを使って訓練をしている場合もありましょうし、これはアメリカに限らずですけれども、日本でもヘリコプターのパイロット等が、もしそうなった場合にどのような形でその危機を脱するかということについては当然パイロットは訓練を受けますので、今回書いたオートローテーションのイメージというのは、これはアメリカ側からの情報提供をもとにして、ここに説明に書いたわけでございます。

笠井委員 そうしますと、ここにアメリカ側の公刊資料というかパンフレットがあります。V22オスプレー・ガイドブックというものでありますけれども、米海兵隊司令官が冒頭にメッセージというのを寄せて書いておりまして、そして、一番最後のところには、米海軍航空システム司令部が公表、配布を全面的に認めたということも含めて記されております。

 この中でいいますと、オスプレーの今の機能にかかわる問題に関して、ここに書いてあるんですけれども、エンジン停止状態での生存可能な着陸のためにオートローテーションに頼る、依存することはないということを断言した上で、もし必要ならば、固定翼モードで滑走しての着陸が予想し得る場合には、ターボプロップ機のように滑空できるというふうに言っているだけなんですね。つまり、今副大臣が言われた、竹トンボみたいなことで、それに頼ることはないんだと。そうじゃなくて、いざというときは、そこで着陸可能なときには滑空して、グライダーのようにいくんだというふうに説明しているわけなんです。

 アメリカからの情報というふうにしてこのパンフレットを防衛省がつくったと言われるんですが、明らかにパンフレットの書きぶりとは違うんじゃないかと思うんです。そして、アメリカのこのガイドブックにはオートローテーションの図式についてもないんですけれども、これはどうなんですか。

渡辺副大臣 アメリカのガイドブックと我々が説明用に防衛省が作成をしたこの中身について違うのではないか、アメリカ側のガイドブックには書いてないことを日本が書いてあるのではないかといいますが、当然、その点についての協議というのは、これは先ほどの答弁でもさせていただきました。昨年の六月に発表され、それ以前から、置きかえるという形でオスプレーが配備されるというような情報を得てから、かなりのやりとりを日本側とアメリカ側でしておりますので、その中で、当然、そういう緊急時の場合の対応はということについても議論をしてきたわけでございます。

 アメリカのガイドブックに書いてないことを日本のガイドブックに書いたというのは、アメリカ側がどのような形でガイドブックを、どういう判断で書かれたかまでは今ここでお答えできませんけれども、少なくとも我々として、もしそういう緊急時の場合にはどうするかというさまざまな可能性を想定してここに書いたということでございます。別に、これは日本側が何か後からつけ足したように書いたものではないということは御理解をいただきたいと思います。

笠井委員 どっちも新しい資料なんです。防衛省がつくったのはことし六月ですよね。こっちも二〇一一年―一二年版と最新版なんですけれども、違うことを書いてあるというより、根本的に違うわけですよ。日本側は、緊急のときには滑空するかオートローテーションでやりますよと。アメリカの方でガイドブックで説明しているのは、オートローテーションには頼りませんよ、いざというときには、滑空できるときは滑空しかないんですと。全然違うんですよね。

 だから、つくった当事者の側で、それから米軍側がそれを裏書きして説明している機能なんだから、そのとおりに日本でも説明すればいいと思うんですけれども、何で根本的にそういうふうに違うのかというのが疑問なんです。

渡辺副大臣 オートローテーションのみに頼らないということの認識で、この書きぶりですね。

 ここにあるのは、固定翼モードに移行して滑空するか、まあオアですね、それで垂直離着陸モードに移行してオートローテーション……(笠井委員「それは防衛省の方」と呼ぶ)これは日本側ですね。ですから、この点については、こういうさまざまな危機的な場合においてはこういうやり方があるということを記したわけでございます。

 決して、アメリカのガイドブックの方も、オートローテーションのみに頼らないという意味でありまして、こういう複数のオプションがあるということを書かれているものと私は認識をしております。

笠井委員 アメリカのは、これを見れば明らかなんです。オートローテーションには頼らないと書いてあるんですよ。それは何でかというと、エンジンはそんなに二つも一遍にとまることはないんだけれども、だから、それだけ優秀な、万が一なったときには滑空できればやりますよと書いてあるんですから。

 これはつまり、事故が多くて危ないものを、とても沖縄県民、国民に受け入れられないということで、あたかも安全機能があるかのように、日本国民向けの説明でオートローテーションやりますよと防衛省が書いたんじゃないかというふうに思われても仕方がない話なんです。

 改めて聞きますけれども、防衛省パンフは、オートローテーションのイメージ図解、あるいはこういう機能があるというのは、アメリカのどういう情報の、どの資料に基づいて、あるいは誰の発言に基づいてつくったのか。

渡辺副大臣 いつどこで誰から聞いたかということを今ここで詳細にお答えするだけの情報を持ち合わせておりませんが、先ほどから申し上げているとおり、アメリカ側といろいろな協議をする中で、当然これはヘリコプターのパイロットならば、こうしたシミュレーターを使って、もしエンジンが停止した場合に、どのようにしてその危機を回避するかということについては日本もアメリカも訓練を受けております。ですから、当然その議論をしながら、角度を変えながらこのオートローテーションを、着陸地点にいかにしてソフトランディングをできるかということについてのことをアメリカ側からも聞いておりますし、当然それをもとにこのイメージ図を描いたということでございます。

 何かアメリカのマニュアルがあってそれを写したか写さないかという話ではなくて、ヘリコプターのパイロットならば当然認識していることをアメリカと話をしながらこのような形で書かせていただいた、そのように理解しております。

笠井委員 説明していることが大きく違うので、私は、これはぜひ確認をしてもらいたいと思うんです。具体的にどういう情報とどういう資料に基づいてこの図式をつくったのか、そして日本側で説明しているのか。

 つまり、米国防分析研究所の主任分析官だったリボロ氏、私も質問で取り上げましたが、この方は、この日本側の防衛省のパンフを見て、もしエンジンが突然停止したら、図説どおりにならないで、制御を失って墜落するぞというふうに指摘をされて、この図説というのは、通常のヘリのオートローテーションについて使われている説明をオスプレーに置きかえただけだというふうに指摘もされております。

 そういうことも承知の上で、防衛省パンフがオートローテーションを行うというようなことを日本では説明しているとすれば、これは安全神話のオスプレー版になります。何が何でも配備ありきの話がここにも出てくるということになるので、いずれにしても、このことはやはり基本的に説明が違うわけですから、ぜひ防衛省のパンフについては、こういう資料に基づいて、こういう根拠に基づいてやったということについて、当委員会に、確認して報告してもらいたいと思うんですが、いかがですか。

渡辺副大臣 その出典についてさらに詳細な情報をよこせということでございましたら、委員会の方からの御要請がございましたら、できるだけお応えをさせていただきたいと思います。

笠井委員 その問題の情報の提供、それから、今後の米側への安全性の確認状況について、きょうもずっと議論がありましたので、当委員会に適宜報告をしていただきたい。理事会で協議をお願いしたいと思います。

田中委員長 今のオートローテーション、それから滑空の問題その他オスプレーに関することですね。少しでもよく理解されるように、委員会に適宜適切な資料を提出するようにお願いしたいと思います。

笠井委員 森本防衛大臣は二十三日のテレビ番組で、住宅地をできるだけ避ける飛行ルートを米側に求める方針を示されました。日本政府は、普天間に配備後の離着陸では可能な限り海上ルートを飛ぶように米側に要請する方針だということが報道されておりますけれども、そういうことなんですか。あるいは、それはどういうことを検討していくということでしょうか。

玄葉国務大臣 あした第一回ですから、現時点で確たることを申し上げられませんけれども、先ほど申し上げましたけれども、運用のルールとか低空飛行の問題だとか、そういったことについて日本側からは当然提起をしなければならないだろうと私は考えているということです。

笠井委員 渡辺副大臣、森本大臣の発言では、テレビで聞いたので、住宅地をできるだけ避ける飛行ルートを米側に求めていきたいという話ですが、普天間でいえば、普天間基地のどこにそんなに住宅地を避けるルートがあるのか。もう現地に行けば誰でもわかる話で、沖縄の方はみんな、そんなところないよという話なんですが、そんな検討をできるんですか。

渡辺副大臣 それは日米合同委員会の中でこれから議論されると思いますが、今の御指摘の普天間については、私も何度も行っております。当然、町の真ん中にある、世界で一番危険な基地だと言われているところでございますので、ではどこから行ったら一番最短距離で海上に抜けられるかということはいろいろ検討されるとは思いますけれども、その点についても合同委員会の中でお話をされるんだと思います。

 いずれにしても、大臣の発言の真意というのは、いかに住宅密集地の上を飛ばないような最短のルート、最善のルートを考えるかということでおっしゃられたんだと理解しています。

笠井委員 今副大臣言われましたが、普天間でいえば、住宅密集地の真ん中ですから、飛ばないようにと思えば、そこに配備できないという話になると思います。

 最後になりますけれども、先ほど河井委員からも質問があって、私も六月十五日の質問で取り上げたんですが、オスプレーの訓練計画についてはアメリカ国内でも見直しをされているというので、ニューメキシコ州のキャノン空軍基地の話ですけれども、住民からの懸念、要求があって低空飛行訓練が延期をされているということです。キャノン空軍基地が発表した声明によると、公聴会で寄せられた住民らの意見を精査した上で、改めて計画の必要性を再検討して、二〇一三年までに計画を続行するかどうか判断するということであります。

 ところが、藤村官房長官は、これを聞かれて、報道は承知しているけれども米国内の話だと言われたんですが、私は米国内の話で済まされないと思うんですね。同じオスプレーの問題にかかわって、やはり声を上げるときに、見直そうと言っているのがアメリカで、日本ではなぜ見直さないのか。なぜ米国内と同様に見直せと申し入れて、そしてきちっと言わないのかと思うんですが、どうですか。

玄葉国務大臣 私は、きょうずっと申し上げていますけれども、初めからスケジュールありきということではないのである、安全性が日本として主体的に確認されるまでやはり飛ぶべきではないし、飛ばさないということではないかというふうに思っています。

笠井委員 時間になりましたので終わりますが、それぐらいははっきり、見直せぐらい言わないと、何でもアメリカの言いなりだ、こう激しい声が沖縄、全国から上がるだろうと思うんですよ。

 それで、結局、これを言うと、日米安保上の権利があるから言えないというふうなことをよく言われるんですけれども、だったらその安保の是非が問われるという問題になりますから、まさにそういう点では、八月五日に沖縄ぐるみの県民大会もありますが、オスプレーの配備計画は中止ということでアメリカ政府に申し入れるべきだ、このことを申し上げて、終わります。

田中委員長 次に、服部良一君。

服部委員 社民党の服部良一です。

 私の方からも、きょうはやはりオスプレーということで質問をさせていただきます。

 一昨日、岩国にも行って抗議集会に参加をしてまいりました。先月十七日には宜野湾の市民大会にも参加をしてきましたけれども、沖縄県民の怒りは頂点に達しておりますし、岩国はもちろん、全国からオスプレー配備、低空飛行訓練反対の声が上がっております。全国知事会も緊急決議をしました。前原政調会長まで、沖縄や山口の民意を軽く考えている、見通しが甘いというふうに、配備の延期を求められたわけです。

 ちょっと玄葉大臣の率直な思いを聞きたいんですけれども、こういうさまざまな国民の声や、与党の中からも、しかも政調会長からもそういう発言が出るという中で、これはちょっとまずいな、アメリカと、やはり見直しについて外務大臣としても動くべきじゃないか、話してみるべきじゃないかというふうに、率直に思われませんでしたか。

玄葉国務大臣 この間もそれは話をしてきているんです。そして私は、先ほど来から申し上げているように、おっしゃるように外務大臣としてこれから動くべきは動きたいというふうに思っています。つまり、力の空白を生じさせない大前提で、やはりありとあらゆることをやらなければならないというふうに思っています。ありとあらゆることというのは、その安全性の問題について懸念が払拭されるためのありとあらゆることということでございます。

服部委員 今後はともかくとして、この配備に至って、やはり動かぬといかぬなというふうには思われなかったんですか。そこは非常に残念なんですけれども、どうでしょう。この間ですね。

玄葉国務大臣 配備は実はまだで、つまり搬入ですか。(服部委員「配備というか、搬入ですね、済みません」と呼ぶ)搬入の問題で、これはもう内部でのやりとりなので、余り申し上げられません。

 ただ、この間、日米間でさまざまなやりとりがあったことはございました。それは私も含めて、そのことについてやりとりがあったということは事実でございます。

服部委員 何かちょっと意味深なことをおっしゃっているんですけれども、やはり、外務大臣としてもちょっとまずいな、そういう思いで米側にそういう思いは伝えられたということですか、今の御発言は。

玄葉国務大臣 私として、そのときにでき得る最大限のことは行ったというふうに申し上げておきたいと思います。

服部委員 外務大臣というのは、やはりいろいろバランスが必要ですし、やはり言うべきときに言ってほしいとみんな国民は思っているわけで、今の発言はちょっと、はっきりはおっしゃらないけれども、やはり玄葉大臣としてはアメリカに言った、とは言えぬけれども言ったということかなというふうに受けとめをさせていただきました。

 それで、防衛副大臣にお聞きしたいんですけれども、先ほど来、主体的に安全性を確認するんだ、そして調査チームをアメリカに出すんだというふうにおっしゃっているわけですけれども、これは原子力村と一緒で、推進したい人、安全と言う人に何ぼ安全か安全かと聞いても、安全と言うに決まっているわけですよ。ですから、どこにどういう調査をするのかということなわけですね。

 今議論もありました、例えばオートローテーションの問題については、二つのエンジンがとまってオートローテーションになったときの滑空距離や降下率などの具体的なデータが手元にないということを森本防衛大臣も言われているわけですね。ですから、調査チームが実際にアメリカに行って、その実験データを持っている製造元のボーイング社とか、あるいはオートローテーション機能の欠如を指摘している国防分析研究所の元主任分析官リボロ氏などから直接ヒアリングされたらどうですか。そういう予定はございませんか。

渡辺副大臣 きょう発表して、第一回目をきょう、この評価チームを立ち上げます。そして、アメリカの受け入れ側の御都合もちょっとあって、早ければ今週末とも思っていたのですが、恐らく八月の十日前ぐらいになるのかなというふうには思います。

 当然、今御指摘のあったような点も含めて、私どもとしては、同じような疑問をやはり私も役所の中でぶつけておりまして、オートローテーションというのは、どのような形でおりてきて、少しイメージがつかめない部分もあったので、では、そのまま着陸したら地面にどれぐらいの衝撃でおりることになるのか。当然、そういうことも含めて、誰もが抱くような疑問はございます。そのことについて、これまでもいろいろな質問の項目を、かなり膨大な数をアメリカ側に投げておりますし、中身によっては、返事がもらえているものも、いただけていないものもある。

 ですから、行くとなれば、まさに、国防省のみならず、得られる限りの情報を得られるように、できるだけ多岐にわたって調査をしたい、調査といいましょうか、情報を得てきたい、そのように考えているところでございまして、委員御指摘のとおり、ある特定の人たちとだけ会ってお答えをいただいても同じ答えになってしまうのかもしれませんので、できるだけ多様性を持って、我々としては、評価チームがいろいろな方に会えるような努力をしたい、そう考えております。

服部委員 当局者だけに会って安全ですかと聞いたら、安全ですと言うに決まっているわけですよ。

 ですから、この間、さまざまな報道が出ています。例えば、朝日新聞の七月十六日の一面、「オスプレイ事故調に圧力」。これは当然見られていると思います。これは、二〇一〇年のアフガニスタンでの事故をめぐって、エンジンのトラブルというものを書くなということで圧力をかけたということなんですけれども、例えば、この事故調査委員会の元委員長のハーベル退役准将からもヒアリングをするとか、こういうことをやはり丁寧にやっていくことが国民の不安を払拭することになるわけで、もう一度、そういったことも含めてきちっと対応するということを、決意を表明してください。

渡辺副大臣 当然我々も、調査チームをつくる以上は、大臣それから政権全体の中で、これは責任を負うわけでございますので、国民の皆さんに説明できるだけの情報を得て、委員が指摘されたような決意を持って臨みたい、そのように考えております。

服部委員 副大臣が、アメリカにあらゆる質問をするんだ、既に質問状は送ってあるというふうに先ほどお答えされておりましたけれども、そのアメリカ側に送っている質問状というのは、今、公表していただくというわけにはいかないんでしょうか。

渡辺副大臣 今ここで、どのような項目をどれだけということはちょっと差し控えさせていただきたいと思います。

 ただ、今委員がおっしゃったように、いろいろな報道もされております。また、かつて、分析官ですか、リボロさんという方がいろいろなことを言っています。当然、そういうことももとにしながら、さまざまな我々の懸念や疑問についても質問しているということについては御理解をいただきたいと思います。それは決して、そういうところを避けて質問を用意しているというわけではございません。

服部委員 いや、先ほど副大臣が、もう質問状をアメリカに送ったというふうにおっしゃっていたので、私は、それを聞いて、どんな質問を送られているのかなということを率直に知りたいなと思ったわけですね。

 ですから、今答えろということじゃなくて、その送った質問状というのは、後日、公開していただけるんでしょうか、例えば、あすとか。それをお聞きしているわけです。

渡辺副大臣 それは、きょう立ち上げる評価チームの第一回目の中で、ぜひひとつ検討してもらいたいと思います。

 ただ、どの点について我々はアメリカに聞いたかということは、ちゃんと何らかの形で皆さん方に、その質問項目についてわかっていただけるようなことはしたいと思います。そうしませんと、一体日本政府は何を聞いたのか、一体何を申し入れたのか、国民的に関心のあるテーマについて、そこは全然聞いていないではないかというようなことが、後であらぬことが言われないように、国民の疑問に対して、私どもが唯一アメリカに言えるチームとして、その点については、後日、こういう質問項目でした、あるいはこういうことについて何度もただしましたということは、何らかの形でお伝えしたい、そう思います。

服部委員 秘密にすると不信が増大するわけですよ。ですから、そういったプロセスも含めて、例えば、今こういう項目で出しているとか、そういったこともオープンにして、きちっと国民がわかるような議論をぜひしていただきたいということを申し上げておきたいと思います。

 低空飛行訓練について質問をするわけですが、せっかく渡辺副大臣がお見えになっております。きょうの東京新聞に、地上六十メーターの飛行訓練も可能であるという記事が大きく載っておりまして、この記事の中に、低空飛行訓練について、米側が日本政府に提出した文書でわかったというふうに書かれているんですけれども、米側政府から正式に防衛省に、こういう飛行訓練をやるんだという文書が出ているんでしょうか。

渡辺副大臣 具体的に飛行ルート、どの高さでどこを通るということについては、正式に我々に話が今あるわけではございません。

 報道された点について、これは少なくとも、今そのような飛行訓練をするというような記事ではなかったと理解をしております。私も斜め読みで正式に中身を覚えていませんが、ただ、その点についても、今後、合同委員会の場も含めて、どのような計画をアメリカ側が考えているのかということについて何らかの話し合いは当然すべきであろうというふうに思っております。

服部委員 斜め読みというふうに言われたということは、その書面はもう来ているということですね。(渡辺副大臣「いや、新聞記事を読んだだけです」と呼ぶ)新聞記事を斜め読みですか。でも、来ているんでしょう、この書類。新聞には来ているというふうに書かれているわけですから、私はまずその事実関係をお聞きしているわけです。

渡辺副大臣 高度六十メートルで飛んでも環境に影響がないということは書いてありますが、だから飛ぶというふうに、飛行するということを意味しているものではない。つまり、あくまでも環境レビューの結果として、そこでも影響はないと言っていますが、だから飛ぶと言っているわけではないというふうに私どもは報告は受けています。

服部委員 だから、結局、報告書は来ているということですね。わかりました。それもぜひ公開をお願いしたいというふうに思います。

 低空飛行訓練の法的な位置づけについて、ちょっと外務大臣の考え方についてお聞きをしたいんですけれども、きのうの予算委員会で我が党の山内徳信参議院議員が質問に立って、総理が、日米地位協定は飛行訓練を施設・区域でない場所の上空で行うことも認められているというふうに答弁をされているんですけれども、これは外務大臣も同じ考えでしょうか。

玄葉国務大臣 日米地位協定は、確かに飛行訓練を施設・区域の上空に限って行うことを想定しているわけではなくて、施設・区域でない場所の上空についても行うことは認められているというふうに思います。

 一方、では、米軍は全く自由に飛行訓練を行ってよいのかということになると、それはそうではないのだろうというふうに思います。つまり、我が国において公共の安全に妥当な配慮というものを払って行われなければならないということだというふうに思います。

 ですから、米軍の飛行訓練に際して、安全面に最大限の考慮を払うように、また、地元の皆様に与える影響を最小限にとどめるように、この間、米側にも申し入れをしてきましたし、また、これからそういったことについてもさまざまな日米間の調整を行わなければならない、こう考えております。

服部委員 大臣、日米地位協定は、基地間の移動だとかそういったことは認めていますけれども、訓練区域以外で飛行訓練をできるとはどこにも書いてないんですよ。それは第何条に書いてあるんですか。

玄葉国務大臣 おっしゃるように、何条に明記されている、そういうことでは確かにございません。ただ、いわゆる米軍を日米安保条約また地位協定上、その駐留について認めている、そのことから導き出されるものというふうに思っております。

服部委員 それが拡大解釈なんですよ、結局。

 ですから、民主党政権が発足するとき、日米地位協定の改定を提起するということも言われたわけですから、ただ現状がそうなっているから仕方なしに認めますじゃなくて、それをどう変えていくかという立場でやっていくのがやはり政治の責任だというふうに私は思います。ちょっときょうは時間がないので、この日米地位協定の解釈の問題については、また改めてさせていただきたいというふうに思います。

 最後に、先日の新聞で、海兵隊のオスプレー訓練マニュアルというのがあるということが報道されておりまして、このマニュアルを見ると、接受国の同意がなければ訓練はできないという趣旨のことが書いてあるというんですね。

 総理はそういうことをおっしゃっておりませんけれども、この受けとめ、この運転マニュアルの存在の認識と、これに対する考え方についてお聞かせください。

渡辺副大臣 これは、たしか琉球新報の七月二十日金曜日に書かれている記事でありますけれども、ここで防衛省の解釈を申し上げますと、接受国の合意がない限り、連邦政府の航空路や管制圏及びその他航空交通の混雑した区域を避けるものとするというふうに我々は訳をして、解釈をしている。つまり、合意をしていれば飛ぶことができるのは、管制圏及びその他航空交通の混雑した区域を、合意があれば例外として飛べるというふうに書いてあるわけでございます。

 そのように我々は理解しておりますので、これは、合意がなければ空を飛んではいけないということではない。合意がなく飛んではいけないのは管制圏と航空交通の混雑した区域というふうに我々は解釈をしておりますので、この報道の中身を読んでいただきますと、ちょっと見出しと、少し中身も違うのかなというふうに、我々としては見解を持っているところでございます。

服部委員 野田総理は、日本側がどうしろこうしろと言う話ではないというふうにおっしゃっていて、この発言に対しても非常に批判が高まっているわけですね。何だ、何も物を言わないのかとなっているわけですね。

 しかし、具体的な海兵隊の訓練マニュアルにそういったことがある。だから、もし認めないということであれば、要するに、国内法の航空法を守ってやらなければならない、あるいは住民が住んでいるところから離れて訓練をやらなければならないということをアメリカ自身が運転マニュアルで持っているわけですから、まあ言うてみたら、日本政府にしたら渡りに船じゃないですけれども、こういうことがあるじゃないかということで、やはり国民の不安が高まっている中で、これを一つの交渉の素材として使って、そしてアメリカに辞退させていくというか、そういうことを求めていくということ、これは可能だというふうに思いますけれども、大臣、ちょっと締めくくって、その考え方を披露してください。

玄葉国務大臣 野田総理がとやかく言えないみたいなことをおっしゃったということなんですが、それは、いわゆる制度上、条約上云々ということだと思うんです。実際は、日米間でさまざまなやりとりを行っていますし、これからも、時に激しいやりとりになると思いますけれども、安全保障と安全性の両立のために果たすべき責務を果たしていきたいというふうに思っています。

服部委員 質問を終わります。

     ――――◇―――――

田中委員長 次に、内閣提出、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 政府から趣旨の説明を聴取いたします。外務大臣。

    ―――――――――――――

 在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

玄葉国務大臣 ただいま議題となりました在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明いたします。

 改正の第一は、在クック日本国大使館及び在南スーダン日本国大使館の新設を行うことであります。

 改正の第二は、アメリカ合衆国にある在ポートランド日本国総領事館及びドイツにある在ハンブルク日本国総領事館の廃止を行うことであります。

 改正の第三は、在外公館に勤務する外務公務員の在勤基本手当の基準額を改定することであります。

 改正の第四は、在外公館に勤務する外務公務員の住居手当の支給に関する制度を改正することであります。

 改正の第五は、在外公館に勤務する外務公務員の研修員手当の号を追加することであります。

 以上の改正内容のうち、在勤基本手当の基準額の改定、住居手当の支給に関する制度の改正及び研修員手当の号の追加については、平成二十四年度予算の適正な執行の観点から、できる限り速やかに実施する必要がございます。

 以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。

 何とぞよろしく御審議をお願いいたします。

田中委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時五分散会


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