衆議院

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第6号 平成23年5月17日(火曜日)

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平成二十三年五月十七日(火曜日)

    午前十時一分開議

 出席委員

   委員長 小沢 鋭仁君

   理事 大谷 信盛君 理事 太田 和美君

   理事 田島 一成君 理事 中野  譲君

   理事 横光 克彦君 理事 田中 和徳君

   理事 吉野 正芳君 理事 江田 康幸君

      石田 三示君    大山 昌宏君

      岡本 英子君    川内 博史君

      川越 孝洋君   木村たけつか君

      工藤 仁美君    櫛渕 万里君

      近藤 昭一君    阪口 直人君

      玉置 公良君    樋高  剛君

      森岡洋一郎君    森本 和義君

      山崎  誠君    吉川 政重君

      井上 信治君    近藤三津枝君

      丹羽 秀樹君    福井  照君

      古川 禎久君    町村 信孝君

    …………………………………

   環境大臣         松本  龍君

   厚生労働副大臣      小宮山洋子君

   経済産業副大臣      松下 忠洋君

   環境副大臣        近藤 昭一君

   文部科学大臣政務官    笠  浩史君

   国土交通大臣政務官    市村浩一郎君

   環境大臣政務官      樋高  剛君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 小田 克起君

   政府参考人

   (文部科学省科学技術・学術政策局次長)      渡辺  格君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           中西 宏典君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           花岡 洋文君

   政府参考人

   (環境省大臣官房長)   谷津龍太郎君

   政府参考人

   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   伊藤 哲夫君

   政府参考人

   (環境省水・大気環境局長)            鷺坂 長美君

   環境委員会専門員     高梨 金也君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月十七日

 辞任         補欠選任

  岡本 英子君     大山 昌宏君

  山崎  誠君     森本 和義君

同日

 辞任         補欠選任

  大山 昌宏君     岡本 英子君

  森本 和義君     山崎  誠君

    ―――――――――――――

五月十七日

 アスベスト被害の根絶と補償を求めることに関する請願(宮本岳志君紹介)(第六四六号)

 同(吉井英勝君紹介)(第六四七号)

 容器包装リサイクル法を見直し、発生抑制と再使用を促進するための仕組みの検討を求めることに関する請願(下村博文君紹介)(第六九五号)

 同(伊吹文明君紹介)(第六九九号)

 同(竹本直一君紹介)(第七〇三号)

 同(谷畑孝君紹介)(第七〇四号)

 同(吉野正芳君紹介)(第七一〇号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 環境の基本施策に関する件

 派遣委員からの報告聴取


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     ――――◇―――――

小沢委員長 これより会議を開きます。

 環境の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、去る十一日、東日本大震災に係る災害廃棄物対策等の実情調査のため、宮城県に委員を派遣いたしましたので、派遣委員を代表して、私から調査の概要について御報告申し上げます。

 報告に当たり、今回の大震災により、とうとい命を失われた方々の御冥福を心からお祈りいたしますとともに、被災された方々に対しまして、衷心よりお見舞いを申し上げます。

 また、被災者に対する支援や復旧復興等に従事されている関係各位の御尽力に対し、心から敬意と謝意を表させていただきます。

 それでは、調査の概要について御報告申し上げます。

 派遣委員は、民主党・無所属クラブの大谷信盛君、中野譲君、横光克彦君、石田三示君、櫛渕万里君、玉置公良君、森岡洋一郎君、吉川政重君、自由民主党・無所属の会の田中和徳君、吉野正芳君、井上信治君、近藤三津枝君、町村信孝君、公明党の江田康幸君、そして私、小沢鋭仁の十五名であります。

 まず、今般の東日本大震災に係る災害廃棄物の発生状況について御報告いたします。

 五月十日現在、地震や津波により倒壊、流失した家屋等の災害廃棄物の量は、宮城県全体で最大約千八百二十万トンと推計されております。

 このうち、石巻市における災害廃棄物の発生量は、年間ごみ処理量の約百年分に相当する約五百三十八万トンと推計されております。なお、冷凍倉庫内に保管されていた水産物四万五千トンが腐敗したことから、このうち約二万トンの海洋投入処分が特例として認められ、約一万七千トンの海洋投入処分が完了したとのことであります。

 また、仙台市における災害廃棄物の発生量は、年間ごみ処理量の約三年分に相当する約百三万トンと推計されております。

 次に、視察の概要について御報告申し上げます。

 まず、宮城県石巻市へ向かう途上、環境省より、東日本大震災に伴う宮城県内における被災状況及び災害廃棄物の発生状況等について概況説明を聴取いたしました。

 次いで、石巻市内の高台にある日和山公園において、亀山紘石巻市長から、市内の被災状況について説明を受けた後、水産業及び製紙業等の復興、住民の集団移転に要する費用の全額国庫補助の必要性等について要望を受けました。

 次に、現在四百名近くの方々が避難されている石巻市立門脇中学校を訪問いたしました。住民の方々及び石巻市から、避難所の実情及び仮設住宅の建設状況等について説明を受けた後、下水道等のライフラインの復旧、冠水した土地の国による買い上げの必要性等について要望を受けました。

 次に、石巻工業港の雲雀野地区西部緑地予定地内に設置された災害廃棄物の仮置き場を視察いたしました。石巻市から、仮置き場における災害廃棄物の搬入状況等について説明を受けた後、災害廃棄物の処理を三年以内に完了するための国による財政支援の必要性等について要望を受けました。

 続いて、石巻漁港西港において、腐敗した冷凍水産物の海洋投入処分の準備状況を視察いたしました。石巻市及び水産業者から、海洋投入処分の方法及び作業の見通し等について説明を受けた後、漁港周辺の衛生管理、水産加工団地の早期復旧の必要性等について要望を受けました。

 最後に、仙台市宮城野区の海岸公園蒲生地区内に設置されている災害廃棄物の搬入場を視察いたしました。仙台市から、災害廃棄物の収集時における分別の徹底、搬入場内に建設予定の仮設焼却炉による処理の見通し、アスベスト等の有害物質を含む廃棄物の適正処理等について説明を受けた後、国による財政支援の必要性について要望を受けました。

 各視察地においては、災害廃棄物の発生状況を中心に現地調査を行いましたが、東日本大震災から二カ月が経過した今もなお、多くの課題が残っていることが改めて明らかとなりました。

 被災地域における早期の生活再建及び産業復興についての関係者からの御要望に対し、私どもは、これらをしっかりと受けとめ、全力で取り組んでまいる旨をお約束したところでございます。

 以上が調査の概要でありますが、今般の調査を通じて、災害廃棄物を一刻も早く適正に処理していくことで被災された皆様が一日も早くもとどおりの生活に戻ることができるよう、立法調査活動を通じて最大限の支援を行っていかなければならないと決意を新たにいたしました。

 当委員会としましても、被災地の早期の復旧復興に向けて、省庁の垣根を越えてあらゆる手段を迅速に講ずるよう、政府に対し強く求めていく必要性を痛切に感じた次第であります。

 最後に、今回の調査に御協力いただきました皆様に心から御礼を申し上げ、派遣の報告とさせていただきます。

    ―――――――――――――

小沢委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官小田克起君、文部科学省科学技術・学術政策局次長渡辺格君、経済産業省大臣官房審議官中西宏典君、国土交通省大臣官房審議官花岡洋文君、環境省大臣官房長谷津龍太郎君、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長伊藤哲夫君、環境省水・大気環境局長鷺坂長美君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

小沢委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。江田康幸君。

江田(康)委員 公明党の江田康幸でございます。

 まず冒頭、今回の大震災によりお亡くなりになられた多くの方々に心から御冥福をお祈り申し上げるとともに、被災に遭われた方々に対して心からお見舞いを申し上げます。また、この震災に際して、被災者に対する支援や復旧支援、復興支援に尽力していただいている関係者の方々に、心から敬意と感謝を申し上げる次第でございます。

 本日は、宮城県仙台市及び石巻市の環境委員会視察を踏まえて質問をさせていただきます。

 石巻市では、津波により市街地が壊滅的打撃を受けておりました。流失した家屋、自動車、船舶等々、また工場により、瓦れきの山と化しているその現状を我々も見てきたわけでございます。死者二千九百三十三人、行方不明者二千七百七十人、今なお九千人以上の避難者が不自由な避難所での暮らしを余儀なくされておられるわけでございます。沿岸部は、地盤沈下が著しい、これは集団移転も必要不可欠というような状況でもありましたし、また、日本製紙など多くの工場が操業を停止しているような状況でございました。

 仙台市、またその沿岸部においても、同様の状況が見受けられたわけでございます。

 今、最も急がなくてはならない対策の一つが膨大な瓦れきの処理でございます。瓦れきの撤去と処分は被災地の復旧復興への重要な第一歩であります。そこで、瓦れき処理、災害廃棄物処理等について質問を幾つかさせていただきたいと思っております。

 まず最初に、仮置き場の用地確保について環境省にお聞きいたします。

 石巻市における災害廃棄物の発生量は、年間ごみ処理量の約百年分に相当するとおっしゃっておられました。約五百三十八万トン、この地域では最も多い災害廃棄物でございます。石巻工業港に設置された仮置き場を視察させていただいたわけでございますが、石巻市の仮置き場は四カ所で、五十一・三ヘクタール、仮置き場は圧倒的に不足している、また、約百ヘクタールの二次仮置き場が必要とのことでございました。

 三陸沿岸は平地が少ないわけですね。そして、用地確保は喫緊の課題、これは東北の大震災の各地においてもしかりだと思います。この用地確保に対しては、国及び県の支援、これは必要不可欠でありますが、どうなっているのか。政府としての見解を伺います。

樋高大臣政務官 江田先生におかれましては、今回の震災対策に本当に大変に御熱心にお取り組みをいただいております。心から敬意と感謝を申し上げさせていただきたいと思います。また、今回、視察、現地調査をなさったということでございまして、重ねて感謝を申し上げる次第であります。

 大切な御指摘をいただいたと認識をするわけでございます。

 公共用地だけでは仮置き場の用地確保が困難な、例えば石巻市などにおきましては、瓦れきの仮置き場としての民地の借り上げも含めて今検討をさせていただいているというところでございます。なお、民地の借り上げに必要な借地料、あるいは新たに搬入のために必要となる仮設の道路の整備などに必要な費用も国庫補助の対象とさせていただいているところでございます。宮城県におきまして検討しております石巻市内の二次仮置き場の計画とあわせまして、県有地、例えば石巻工業港などもそうでありますけれども、民有地の活用についても今後進める予定と伺っているところでございます。

 いずれにいたしましても、先生の御指摘のとおり、広域的連携などにより処理を加速する、そして国がその背中をしっかりと押す中で仮置き場不足の解消に向けて最大限の努力をさせていただきたい、このように考えています。

江田(康)委員 石巻市並びにその関連市、被災地等々のこれは強い要望であり、必要性がございます。きちんと取り組んで、支援していかれるように強く要望をしておきます。

 次でございますが、仙台市の災害廃棄物の搬入場を見せていただいたわけでございます。災害廃棄物の収集時における分別が大変進んでいる、被災地における先進的な取り組み、そういう実感がいたしました。

 アスベスト等の有害廃棄物を含む廃棄物の適正処理も計画されております。今後は、仮設焼却炉の建設、さらには再資源化に向けた取り組みが予定されておるわけですけれども、これに対する国の財政支援が大変重要であります。これに対しても政府の見解を確認したい。

 また、大量の木質廃棄物の再資源化として、木質チップ化したバイオマス発電も計画をされているということをお聞きしてまいりました。バイオマス発電、バイオマスエネルギーへの活用は、瓦れきの処理量を抑えて、再資源化を進めるというのが非常に重要な観点でありますし、また、電力不足の中で再生可能エネルギーの供給力強化にもつながるわけであります。しかし、技術的にも、塩分処理をしていかなくてはならない、そういう技術的な支援、さらには政府の財政支援が大変重要だと思っております。これについてはいかがでしょうか。

樋高大臣政務官 お答えをさせていただきます。

 御指摘をいただきました仙台市におきましては、被災住民の生活再建を早期に実現するということのために、民地内の瓦れき処理を市が行う、そして三年程度をめどに処理を行うこととし、焼却施設あるいは破砕施設を設置する予定でございます。

 また、焼却や破砕処理業務を委託する場合においては、費用対効果を考慮の上、仮設の焼却炉あるいは破砕機の設置を含んだ処理費用についても国庫補助の対象となり得ると考えているわけでありまして、先生の御指摘のとおり、瓦れき処理は被災自治体にとって過大な負担となることも考えられるため、適切な財政支援にしっかりと取り組ませていただきたいと考えております。

 また、木質の廃棄物の処理についてでありますけれども、これも重要な御指摘をいただいたと考えています。チップ化をするなどいたしまして、バイオマス発電の燃料あるいはパルプの原料あるいは木質ボードの材料として活用するなど、木質廃棄物の有効活用に向けた広域処理、つまり、国として、マッチングを積極的に行うなど全面的に支援をしてまいりたい、このように考えています。

江田(康)委員 しっかりと支援していっていただきたいと思います。

 次に、被災地以外の広域連携の必要性について松本環境大臣にお伺いをさせていただきます。

 政府の被災者支援策の取り組み方針、この中には、政府は八月末までの瓦れき撤去を目指す、こうされております。被災地三県には、処理の手順や月別の実施計画をまとめた災害廃棄物処理計画の作成を促して、瓦れき処理の費用はすべて国が負担する、このように方針を出されているわけでございます。

 大量の瓦れき、これを処理するには、費用面での国の支援は大変に重要であり、今回の災害廃棄物対策処理事業の一〇〇%国による負担、これは大変評価ができるところでありますが、被災地以外の自治体がこれを受け入れて処理する広域連携が非常に欠かせないと思うわけであります。しかし、これまでに協力を表明したのは三百市町村に満たず、この瓦れき全体の三割弱にとどまっている、そういうような状況であるわけでございます。

 政府は、各自治体にもっと強く、強力に働きかけを行って、被災地との橋渡し役を果たして、この広域連携を実現していくべきだ、そのように思いますが、いかがでしょうか。

松本(龍)国務大臣 江田委員初め委員会の皆様には、現地を視察していただいたことに心から敬意を表したいと思います。

 十六年前の阪神・淡路のときの瓦れきのスキームは、実は、村岡兼造先生、谷洋一先生、そして私と、三人が中心になってスキームをつくりました、当時は厚生労働省でありましたけれども。

 そういう意味では、今回の規模の大きさ、また広域性を見たときに、やはり広域でやらなければならないなということを思いまして、樋高政務官初め環境省にしっかり指示をしまして、それにこたえてくれて、今現在、全国の五百を超える市町村から、焼却処理は年間約二百九十万トン、埋立処分は年間約百万トンの受け入れを表明していただいております。樋高政務官は、使われていないゴルフ場もいろいろ調べてくれたり、いろいろな手だてでやっていただいております。

 引き続き、市町村等への働きかけは鋭意行ってまいりたいと思いますし、加えて、関係省庁とも連絡をとっていきながら、海運とか鉄道などを活用した効率的な輸送体制を確保し、県を超えた広域的な処理体制を整備することによって、瓦れきの円滑かつ迅速な処理がなされるよう、これからも最大限努力をしてまいりたいと思います。

江田(康)委員 復旧復興支援の第一歩として、この瓦れき処理はスピードを持って対応しなければならないことでございます。

 大臣からもありましたように、今環境省が市町村の広域連携、これに尽力をしていただいているということをお答えいただいたわけでございますけれども、やはり被災市町村にとっては、行政機能がこの被災によって非常に低下している、そういう中で、被災していない市町村また都道府県がその廃棄物処理において広域に連携をとっていくというのは、今後の日本の復興を見据えていく上においても大変重要なことだと思いますので、大臣を中心に、本当にしっかりと働きかけをさらに進めて、三百市町村のこの実施体制が迅速に行われますように、またリーダーシップを発揮していただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 最近、仙谷官房副長官が国の直轄事業として瓦れきを処理するという考えを示されたやに聞いております。環境省は、仮置き場に集められた瓦れきを国が焼却、埋め立てる方法を検討していると聞いておりますけれども、廃棄物処理は、もともと自治体が運営して、そして、国は人も技術も持たないわけでありまして、どうやって国の直轄事業としてこれを進めていくおつもりか、明確にお答えいただきたいと思います。

松本(龍)国務大臣 今申されたとおり、膨大な瓦れきの量であります。おっしゃるとおり、国が出ていかなければならないということは、四月の中ごろから議論はしておりました。

 私としても、今後、例えば要請に応じて環境省職員を県に派遣したり、今言われておりますように、対向支援といいますか、かつて被災した町の職員がそれぞれ手伝っておられますし、知事会もまた、支援をこれから強固にしようということで動いておられます。そういう横横の支援、そして我々国の支援も、今、環境省の職員を派遣したり、廃棄物の受け入れ先となる他県市との交渉を含めて瓦れき処理の実務に当たらせるなど、積極的に取り組んでまいりたいと思います。

 なお、宮城県知事からは環境省に、二次仮置き場以後の焼却、破砕、埋め立て等の処理、処分等を国で実施してほしい旨の要望があったところであり、現在このことについても検討しているところであります。

江田(康)委員 次に、放射性廃棄物の処理について、これも松本大臣にお聞きをしたいと思います。

 福島原発から二十キロ圏内の避難区域、また今回新たに設定された計画的避難区域、さらには避難準備区域においては、放射性物質による汚染が想定されるために、これはいまだ手つかずの状態が続いておるところであり、これまで、私もあらゆる質問の機会を通じて、早急に対応すべきということを大臣に申し上げてきたわけでございます。

 今回、福島県内の災害廃棄物の当面の取り扱いが示されました。避難区域と計画的避難区域は、当面、移動及び処分はしない、両区域を除く浜通りと中通り地方においては、仮置き場に集積はできるけれども処分は行わない、また、そのほかの地域、会津地方においては、従前どおり計画的処分を行う、こういうような内容でございます。

 そこで、浜通りと中通り地方の仮置き場の廃棄物については、環境省が仮置き場周辺の放射線モニタリングを行っています。その結果に従って、検討委員会で処理基準を決めて、廃棄物の処理を決定していく、こういう段取りだと思いますが、放射線モニタリングは期間が終了したと思います。

 今後の廃棄物処理の、放射性廃棄物処理、そう言うと、廃棄物としてすべてが処理できなくなりますので、今後のその基準の考え方、それから廃棄物処理の基本的な方向性について、今、環境省が進めている検討内容についてお答えをいただきたいと思います。

松本(龍)国務大臣 委員御指摘のとおり、これは、原子力安全・保安院、原子力安全委員会、あるいは経産省、文部科学省、そして福島県等々との話し合いがいろいろありました。

 今御指摘のありました、福島県内の放射性物質による汚染のおそれのある災害廃棄物の処理に関しては、今言われましたように、関係府省が協力して、福島県内の災害廃棄物の当面の取り扱いを取りまとめたところであります。これに基づいて、災害廃棄物安全評価検討会の第一回を五月十五日に開催しまして、取り扱いについて検討をしたところであります。

 この検討会では、モニタリング調査の線量を評価するとともに、安全かつ適切な処理の方法について検討しております。また、既存のデータから通常の処理が可能と考えられる地域の範囲についても、今検討しているところであります。

 今後とも、関係省あるいは福島県などと連携をして、安全かつ適切な災害廃棄物の処理を進めてまいりたいと考えております。

 参考でありますけれども、第一回目の検討会におきましては、会津地方と同程度以下の空間線量率の市町村にあっては災害廃棄物を通常どおり処理することが可能との方向性が示されました。

江田(康)委員 今検討中であるということでございますが、放射性廃棄物の処理のしようによっては、これは大変な瓦れきの量でありまして、この地域の復興復旧に大きな足かせになるわけでございます。しかし一方で、住民の健康をしっかりと守らなくてはならない、そういう基準でありますし、また、放射性物質が拡散してはならないということから、これは大変重要な廃棄物処理の方法をこれから決定していくということでございます。

 先ほどおっしゃったように、会津地方に見られるような値以下では通常の廃棄物として処分していって差し支えないというようなことも方針として出たようでございますので、しっかりとそこを詰めていただいて、リーダーシップを発揮していただいて、地域の廃棄物処理が迅速に進められるように尽力していっていただきたいことを申し上げておきたいと思います。

 もう一つは、地盤沈下について、国交省にこれはお伺いをさせていただきます。

 石巻市沿岸、我々視察してまいったわけでございますけれども、七十八センチの地盤沈下が起こっている。土地が広域に冠水していました。もう住民の住居としては使えない、だから集団移転が必要不可欠というような地域であります。石巻市長より、集団移転に要する費用を全額国が負担してもらいたいと強い要望がございました。冠水した土地の国による買い上げ、これについても検討するとともに、これらについては、やはり一〇〇%国で負担し、対応すべきだと私は強く思うわけでございますけれども、政府の見解を伺いたいと思います。

花岡政府参考人 お答え申し上げます。

 ただいま御指摘ございました防災集団移転促進事業に関連いたしましては、災害が発生した地域等のうち、住民の居住に適当でないと認められる区域内にある住居の集団的移転を促進する事業でございます。

 この事業におきましては、市町村等が実施いたします移転先の住宅団地の造成経費等を国が支援するということになっておるわけでございますけれども、同じく、この事業の中で、市町村が移転元の土地を買い上げられる場合にも国が支援をするといったような制度になっておるところでございます。この事業につきましては、災害時等の非常時に行われるといったような性格にかんがみまして、国庫補助率は四分の三となっております。さらに加えまして、市町村等の負担部分につきましても、特別交付税等の地方財政措置が講じられておりまして、実質的には約九四%を国が負担する制度となっておるところでございます。

 いずれにいたしましても、今後の被災地の復興を進めるに当たりまして使い勝手のよい制度としていく観点から、被災地の実態に即した多様で柔軟な手法や進め方が可能となるよう、地元公共団体の御要望等を踏まえつつ、検討を進めてまいりたいと考えております。

江田(康)委員 これは内閣官房にもお聞きしなければならないところだと私は思っているんですが、きょうは国交省だということで、これも縦割りがあってはならぬと私は思うんですけれども。

 やはり復興復旧の中で、この地盤沈下に対する集団移転、また土地の国による買い上げ、これについては、特区を設けるなり、政治の強いリーダーシップでもってこういうことが実現できるように努めていかなくてはならないと我々は強く思っておりますので、これからの復興会議、また審議の中で、これについては十分検討をすべき課題であると申し上げておきたいと思います。

 市にとって、九四%の国による負担といっても、残り六%は自治体の負担でありまして、被災した自治体においてそれらが非常に重たい負担になってくるということを考えれば、やはり復興支援ということの中で、これについては国がしっかりと支援していくということを考えていかなければならないと強く申し上げておきたいと思います。

 次に、仮設住宅の促進と二次避難の必要性について確認をさせていただきます。

 約四百名が避難されている石巻市立の門脇中学校を私ども視察いたしました。震災から二カ月もたっておりますが、いまだに避難所暮らしが解消できていないというのは、大臣、これは異常ではないでしょうか。先進国日本として、ついお隣のそういう被災地が、二カ月もたっているのに避難所暮らしが解消できずゼロにならない、こういうことはあってはならないと、政治家として本当に申しわけない気持ちでいっぱいであります。仮設住宅の建設を初めとして、避難所生活が解消されてゼロになる、やはりこれが最重要、最も急がなければならない政治の課題であり、責任であると思います。

 仮設住宅の進捗が進まないのはどういう理由なのか。いつまでに解消できるのか。私は、やはり一次補正予算執行のマニュアルを早急につくり上げて、具体的な執行の姿を示すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。

 これについては公明党も強くこれまでも申し上げて、国交大臣等々におかれましては、五月末までに五万戸を完成させ、そして、総理においては、八月のお盆までには十万戸を完成して、すべて入居していただく、こういうことを口ではおっしゃっておられるけれども、我々がこうやって門脇中学校とか実際に避難されている方々を視察してみますと、その中で仮設住宅への入居が決まった人たちは、ほんの一けたでございます。こういうような状況を涙ながらに訴えておられるおじいちゃん、おばあちゃんの姿に本当に接してきたわけですけれども、やはりこれは解消しなければならないと強く思います。

 また、この劣悪な避難所から一刻も早く移動してもらうためにも、やはり、公営住宅とか旅館への二次避難について強く進めていくことが重要であること、これもまた公明党は申し上げてまいりましたし、そのような方向がとられてきたこともございます。しかし、そこにおいても、さまざまな理由もあるかと思いますけれども、進んでいない現状がございます。

 国、県の支援について、これらについてどういうふうになっているのか、大臣、明確にお答えをいただきたいと思います。

松本(龍)国務大臣 私は、もう最初から最後まで、今でも、やはり避難所の生活改善あるいは自宅におられる方の生活改善ということに取り組んでおります。

 実は、今御指摘の、二次避難をされない、なかなか動かれないというのは非常に大きな問題でして、これは、阪神・淡路のときに、亡くなられた方が六千四百三十四名で、行方不明者三名でありました。今度は、一万五千人の方々が亡くなられて、一万人近い方が行方不明になっておられます。

 そういう意味では、私も地震から一週間後に二次避難のスキームを考えて、公営住宅、国の住宅、旅館、ホテルを用意しろ、用意しろと言って、もう速やかに十万戸ほど用意をしたんですけれども、やはり行方不明者がおられるということで動かれない。そして、ある漁師の方は、海から離れたくないということもあってなかなか動かれない。しかし、これから六月の梅雨の時期、暑い夏の時期を考えますと、衛生上もやはり密度の高い避難所を解消していかなければならないと考えております。

 そういう意味では、これからもずっと二次避難を促してまいりたいと思いますけれども、最初のころは怒られました。実は二次避難してくださいと言ったら怒られましたけれども、やはり、もう私たちも大きな声を上げて二次避難を促していかなければならないと思っています。

 今、仮設も含めまして、応急仮設住宅は一万一千人、そして国、公営住宅を合わせて一万ほど、旅館、ホテルでは二万ほどでありまして、合計七万人の方々がいわゆる二次避難をされています。そういう意味では、これをしっかりまた促していかなければならないと思いますし、用意はしておりますけれども、それぞれ地元の皆さん、そしてこれは党派を超えて、動きましょうよ、そしてちょっと夏は快適なところに行きましょうよということも、我々も言いますけれども、皆さん方も促していただきたい、私たち、私もこれからそれに向けて努力をしていきたいと思っております。

江田(康)委員 しっかり取り組んでまいりたいと思います。よろしくお願いします。

 次に、時間がないので先に参りますが、下水処理についてもう一つお伺いしておかなくてはならないと思っております。特に、合併処理浄化槽について、環境省所管でございますのでお伺いをさせていただきます。

 集落排水も下水道も、それからこの合併処理浄化槽も、国の補助率を従来の二分の一から十分の八、九にかさ上げしていく特例措置が今回設けられたわけであります。このことは評価できます。ただし、今回の対象は市町村設置型の合併処理浄化槽であって、これは個人設置型には適用されないんですね。

 実情はどうかといいますと、皆さん、なぜ合併処理浄化槽かというと、それは東北、被災したこの地域は、過疎地域も非常に多いんです。下水道が完備されているわけではありません。やはり合併処理浄化槽というのが、分散型で、しかも地震に強い、そして費用も安い、迅速に設置できる、そういう利点から、こういう地域においては、私の九州でもそうですけれども、残っている千八百万世帯においてはそういう合併処理浄化槽による排水処理を大きく進めていくことが重要であると思っております。

 今回、その対象が個人設置型には適用されないわけです。しかし、被災地三県の合併処理浄化槽の設置状況は、市町村設置型と個人設置型が二対八であります。個人設置型が圧倒的に多いんですね。したがって、今後の復旧に当たっては、公共用水域の水質保全を効果的に図るわけですから、個人設置型の合併処理浄化槽についても同等の助成措置を図るべきだと考えますけれども、いかがですか。また、今後の合併処理浄化槽の設置については、市町村に対して市町村設置型事業への転換を図るように国としてさらなる支援をしていくべきだと考えますが、いかがでしょうか。

 こういう震災における復興のときであるからこそ、残された課題である排水処理事業のベストミックスといいますか、そういうことにしっかりと取り組んでいかなければならないと思っての質問であります。

 最後に、合併処理浄化槽に比べて排水処理能力が劣ります単独処理浄化槽が、実はさらに合併浄化槽よりも多いのが現状であります。単独処理浄化槽は、し尿は処理されますけれども生活排水は垂れ流し、そういう意味で単独なわけで、これは処理能力が合併浄化槽よりも落ちます。しかし、その比率は、単独処理浄化槽に対して合併処理浄化槽は六対三、すなわち、やはり単独処理浄化槽が二倍も多いんですね。

 こういうことから、こういう震災における復興を考えていく上においても、単独処理浄化槽から合併処理浄化槽への転換を効率的に図るためにも、公費負担の特例をこれに設けてはどうかと思うんですが、いかがでしょうか。

近藤副大臣 江田委員におかれまして、大変に重要な御指摘をいただいたというふうに思っております。

 環境省といたしましても、改めてこうした浄化槽の重要性を認識しているところであります。

 委員におかれましても御指摘がありました、人口分散地域等において大変に重要な施設であるということ、そしてまた、改めて今回の災害で、こうした災害のいざというときに大変に大きな役割を果たすということがある意味実証をされてきたわけであります。

 そういった観点から、今後、環境省といたしましても、浄化槽の推進、また、改めてこうした合併処理浄化槽への転換、こういうことを図ってまいりたいと思います。

 ただ、今御指摘をいただきましたように、今回の財政援助法では個人設置型の浄化槽が補助の対象外とされているところであります。このことにつきましては、重要な指摘と受けとめさせていただくとともに、今言及させていただきましたように、浄化槽の重要性を改めて私どもとしても認識させていただいたところでありますので、浄化槽の改めての拡充、なおその中における市町村設置型への転換を図るべく支援をさせていただきたいと思います。

 そして、改めてでありますけれども、合併処理浄化槽への転換促進のために環境省としても支援をしてまいったところであります。市町村が計画に基づいて区域内で集中的に整備する事業の実施、助成率二分の一、撤去費に対する一部助成、上限を九万円とする範囲で三分の一助成を実施してきた。かつ、平成二十三年度、今年度からは、撤去費に対する助成の適用範囲を拡大したというところであります。

 今後、さらに、合併浄化槽そしてまた市町村設置型については拡大を進めてまいりたいと思います。

江田(康)委員 再度になりますが、やはり合併処理浄化槽は下水道等と比べてさまざまな利点があります。それは、分散型であるから人口変化にすぐに対応できる、また、設置が非常に早い、週単位だ。下水道は年単位だ。それから、合併処理浄化槽は地震に強い。下水道は、やはり今の状況では地震に弱いというところもあります。これから東北の復興、町づくり等々を考えていく上において、今までのような延長ではなくて、これは一例として合併処理浄化槽ですけれども、こういうことをしっかりと根本的に考え直していくことも大変重要かと思いますので、検討をしていっていただきたいと思います。

 時間がなくなってきまして、原発災害についていっぱい質問を用意しておったんですが、ここは環境委員会というところもございまして今までの質問を優先させましたが、一つだけ原発災害について質問をさせていただきます。

 せっかく副大臣が来ていただいておるので、こちらにいたします。

 東電の福島原発一号機の炉心溶融、メルトダウンについて、そしてまた、これからの工程表の見直しについて、ともに聞かせていただきたいんです。

 十五日までの東電の発表で、これは実は、三月の十一日午後三時半の津波到達後、原子炉内の核燃料が冷却水からすべて露出して、午後九時ごろには燃料の溶融が始まって、十二日朝には炉心が完全にメルトダウンしていたこと、それらが推測して判明したわけであります。東電はこれまで、炉心水位の低下を確認したのは十一日午後九時ごろ、十二日午前九時前に炉心が一次冷却水から完全に露出したと言ってきました。しかし、今回の解析では、十二日の朝には炉心が完全に溶融していたことになります。一日分、大きく、事態はさらに進行が速かったということであります。

 電源喪失で原子炉が冷却できなければ早い時期に炉心溶融に至ることは想定できたわけではないですか。燃料の損傷が限定的だとしてきた東電の説明は完全に誤っていたことになります。データの公表も遅過ぎますし、ベントや外部注水のタイミングを完全に誤って、その後に起こる水素爆発や不測の事態を引き起こしたということも考えられるわけでありますが、今回の解析結果に対する政府の見解を伺います。

 それと一緒に、済みません、もう一つ。

 東電は、今回の解析で、圧力容器の破損は大規模ではないとしておりましたけれども、圧力容器は完全に破損して、溶けた燃料が格納容器の底に穴をあけて、原子炉建屋の地下に大量の汚染水が漏れ出す原因になっているのではないかとの指摘がございます。そうなると、格納容器を水で満たす冠水作業は成立せずに、工程表の抜本的な見直しが必要ではないですか。

 また、汚染水を除染して原子炉に循環させるなど、建屋全体を考えた冷却システムについての考え方に転換すべきではありませんか。これは提言ですけれども、このように汚染水を除染して原子炉に循環させる、全体を考えた冷却システム、こういうものにやはり組み立て直す必要があると思うんですが、いかがでしょうか。

 工程表の抜本的見直し、そして安定化まで六カ月から九カ月としたスケジュールの見直しは必須となっているのではないかと思いますが、この辺について政府の見解をお伺いいたします。

松下副大臣 原子炉の内部、特に圧力容器の中がどういうふうになっているかということを正しく知るということは、これはあのプラント全体を収束させる上で極めて重要で、我々が正確な情報を知らなきゃいかぬことだ、そう考えています。それが、二カ月たちまして、メルトダウンしていたという今先生の御指摘のとおりのことが、今あったわけですけれども、我々としても、これは極めて遺憾だというふうに思っています。

 その上で、これからどういう形で収束に向かっていくのかということについては、四月の中旬に東京電力が工程表を公表いたしましたけれども、その第一ステップ、第二ステップ、これは変えてはならないと私たちは考えておりますし、東電側も、きょう夕方発表すると聞いていますけれども、そこは変えないというふうに聞いております。

 問題は、今指摘があったように、作業の中身を変えていく。第一ステップの冷却、冷温状態に到達させるため、その作業の中身は見直して、しっかり対応していかないかぬと考えていますけれども、その後の六カ月から九カ月、第二ステップは工程を変えないで、しっかりと収束させていくという努力は全力を挙げてやっていかないけない、こう考えています。

小沢委員長 江田君、時間が過ぎていますので、済みません。

江田(康)委員 もう時間でございますので終わりますが、これについては大変重要なことでございます。

 そして、一言言いたいんですが、東電の工程表、工程表と言われますが、これは政府が国策として進めてきた原発であります。政府が責任を持つかどうか、ここを、しっかりと政府が責任を持って工程表の見直しもまた進めていくべきだということを申し上げて、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

小沢委員長 次に、近藤三津枝君。

近藤(三)委員 自由民主党の近藤三津枝です。

 大震災後、初めて環境委員会の質問に立たせていただきます。

 東日本大震災によりまして、志半ばでお亡くなりになりました皆様方の御冥福を謹んでお祈りいたします。そして、今なお避難所での不自由な生活を余儀なくされている皆様方、心からお見舞いを申し上げます。

 今月、五月十一日に当環境委員会では、宮城県石巻市など、東日本大震災の被災地の瓦れきなどの災害廃棄物の処理の現場を視察させていただきました。現地の自治体、そして懸命に復旧に向けて取り組んでいる住民の皆様方、企業の方々から、地域の実情をお聞かせいただきました。いつも私は思います。切り取られた映像ではわからない、三百六十度の被災地に身を置いて、そして地域の方々の生の声をお聞きする、現場に立つ、これが政治の原点であるとつくづく思います。今回の視察の機会を与えていただきました関係者の皆様にお礼を申し上げます。

 石巻市内で最初に視察しましたのが日和山です。古来、北上川がゆったりと太平洋に流れ込む様子を見て、天然の良港の石巻港の船の安全を祈った場所です。しかし、今回は、被災の状況を確認する、そんな場所になっておりました。

 町の様相は一変しておりました。一面、津波のつめ跡です。地域の方々がこれまで一つ一つ積み上げてきた家屋、資産、そして地域のインフラが、押し寄せた津波によって瓦れきと化してしまいました。

 私は、被災者の皆さん方が積み上げてこられた、そして思い出や努力が詰まったこの一つ一つのものを、瓦れき、そして災害廃棄物と申し上げるのが本当に申しわけないと思っております。それでも、石巻を初めとしました被災地の復興のためには、瓦れきを早期に撤去するのが第一です。そして、復興のつち音を響かせなければなりません。

 きょうは、迅速に、そして安全に、資源の再利用も含め、災害廃棄物を処理するという観点から、私からも提案をさせていただきながら、建設的な論議をしたいと思います。

 五月十一日の視察では、石巻漁港の水産加工工場から出されます廃棄物の処理を視察しました。冷凍機能が失われ廃棄物となってしまった海産物が、カモメが飛び交う中、岸壁近くに山積みとなっていました。腐敗した水産物と段ボールなどのこん包材料を分別し海洋投入するために、作業が被災地の方々によって懸命に行われていました。皆さん、海産物の町、石巻の復興のためには通らなければならないと考え、一心に作業されているお姿に、心打たれました。被災された方が悲しみを抑え、食料品とならなくなった地域の海の恵みを処理している。

 まず、石巻の水産加工工場の商品価値のなくなった魚介類を海洋投入するための処理について伺います。

 このことに関しましては、こちらなんですが、四月八日、環境省から、「東日本大震災に係る災害廃棄物処理事業の取扱いに関するQ&A」、この文書が出されております。その中で、中小企業の災害廃棄物については、被災市町村内に事務所を有する中小企業から発生する瓦れきの収集運搬及び処分については、被災市町村が実施する場合には、解体工事とあわせ、処理事業の対象としたというふうになっています。つまり、平常時の廃棄物処理事業には解体撤去は含まれない、しかし、災害廃棄物処理を円滑に進めるために、中小企業の建物、工場については、収集運搬の前段階の解体撤去も事業の範囲に含むことができるということです。このことは、早期の復旧復興に欠かせないことだと思います。

 そこで、お伺いします。石巻の水産加工工場の商品価値のなくなった魚介類の処理は解体撤去になりますが、第一次補正予算で手当てをされる、市町村が行う災害廃棄物処理事業に当たると理解してよいのでしょうか。この分別作業が災害廃棄物処理事業であれば、海洋投入できるように分別作業をする皆さんの賃金も第一次補正予算で手当てされると理解していいのでしょうか。環境省の見解を簡潔にお聞かせください。

伊藤政府参考人 御指摘の作業は、災害廃棄物の処理の一環として行われているものでございますので、災害廃棄物処理事業の対象となり、当然、補助事業の対象ともなります。

近藤(三)委員 簡潔な答弁、ありがとうございます。

 中小企業の水産加工品の原料の処理について国庫補助の対象とし、中小企業の復興を援助し、その処理に職場を失った方々の雇用の場を創出する、大変重要な取り組みと考えます。

 先ほど取り上げました、四月八日に環境省から出された文書、QアンドAには次のような記述があります。中小企業については、災害廃棄物処理事業に、瓦れきの収集運搬及び処分の前段階である解体撤去作業も含むと書いてあります。しかし、このQアンドAには次のような記述もあるんですね。大企業の災害廃棄物については、瓦れきの収集運搬及び処分について、被災市町村が実施する場合には処理事業の対象になる、なお、大企業の場合には解体工事は対象とならない、このように書いてある。つまり、大企業の場合は、瓦れきの収集運搬及び処分は国庫事業の対象となるが、その前段階の解体撤去作業は対象外、つまり企業の負担となるということです。中小企業と大企業で、国庫補助が受けられる作業に差があるわけです。

 しかし、今回の場合は、大津波が押し寄せ、そしてたくさんの瓦れきを含んだ引き波によって、何度も何度も沿岸部の中小企業も大企業も工場が津波にさらされたわけです。そして、工場などの建屋、建築物が損害を受けた、破損したわけです。解体せざるを得ない状態になっているものが大変たくさんあります。被災を受けた大企業からも、中小企業と同じ扱いにしてほしいという声が上がっています。

 先ほど申し上げた環境省からのQアンドAには、中小企業と大企業で国庫補助事業に差がありましたが、実は法律上、災害廃棄物について定める廃棄物処理法の二十二条には、国庫補助に当たって、中小企業と大企業の取り扱いを区別する規定はありません。ですから、中小企業と大企業で差をつけるということは、これはいわゆる通達行政と言えるものです。

 今回の大津波などによって、大企業の被災により解体せざるを得ない工事についても、中小企業と同様に、災害廃棄物処理事業の対象とすべきです。そうすることが、石巻市を初めとした被災地の大企業の復興の手助けとなります。大企業もまた、被災地で操業を再開する意欲がわき、意思決定も素早くなります。被災地の雇用を守り、地域の復興の速度を上げるために重要だと考えます。

 以上、大企業の解体工事も災害廃棄物事業に加えるべきと考えますが、環境大臣の見解をお聞かせください。

松本(龍)国務大臣 私も十六年前に、個人住宅あるいは事業所、中小企業の瓦れきの処理を国庫でやるということに初めてかかわりました。そのときに、大企業をどうしようかということが実はありまして、村岡兼造先生、谷洋一先生、そして私と、いろいろ知恵を絞って、神戸製鋼とかそごうとか、かなり傷んでおりましたので、本当は大企業は瓦れきの撤去もできない状況がありました。そういう意味では、解体はできないけれども瓦れきの撤去は市町村が行う場合、あるいは、一定の要件をその後に三つぐらいつけまして、売り上げが二割落ちるとか、従業員が二割被災されているとか、ちょっと忘れましたけれども、さまざまな要件をつけて、解体費用は出ませんけれども大企業の瓦れきの処理を行うということは、十六年前にやったところであります。

 そういう意味では、これからまたそれを膨らませよというお話だというふうに思いますけれども、これは、費用が出ないから解体をされないということは、やはり大企業は余りないと思います。そういう意味では、しっかり瓦れきの処理をしていただいて、今国庫で負担できる部分は負担をしていきますし、それから先のことについてはまたこれからの検討課題だというふうに思っております。

近藤(三)委員 大臣、果たして今回は先例主義でいいものかということなんです。

 私は、阪神・淡路大震災を経験しております。阪神・淡路大震災は直下型の大地震、一撃で被災しました。しかし、今回の東日本大震災は、地震の後の大津波によって、津波だけではなく船舶が漂流し、工場を襲ったわけです。そして、引き波によって、上流の家屋などの瓦れきが猛烈な勢いで工場などを襲撃してきたということです。被災の原因が余りにも違うわけです。

 この点をぜひ考慮していただいて、さらに、大企業の再びの操業に向けてのスピードが地域雇用に密接に関係していることもあわせて考えていただきまして、大企業の解体工事も中小企業と区別なく国庫補助の対象となりますように、重ねてお願い申し上げます。

 次の質問に行かせていただきます。

 現地を視察しまして、被災地の今一番苦労しているところは、除去した瓦れき、車、船舶などの仮置き場の確保です。既存の公共用地だけではとても賄い切れていないのが現状です。

 第一次補正予算の災害廃棄物処理予算では、民間の土地の借地料は見込んでいると聞きますが、果たしてそれだけで十分でしょうか。将来の土地利用を考えますと、地権者の中には、借地ではなく用地の売却を希望する方もいると思います。今後の本格的な復興のための用地の確保も視野に置いていただき、災害廃棄物処理に必要な仮置き場などの用地を地元市町村が購入できるよう、弾力的な予算執行をすべきと考えます。環境大臣の見解をお伺いします。

松本(龍)国務大臣 大変重要な御指摘でありまして、私たちも、各市町村とお話をする中で、悩んでおられるのは十分承知をしておりますけれども、仮置き場は災害廃棄物を一時的に保管するための場所でありまして、恒久的に土地が必要となるものではありません。このため、仮置き場の用地を一時的に借り上げる場合の費用については、今お話しされたとおり国庫補助の対象としておりますけれども、購入して取得する場合の費用については対象としておりません。

 そういう意味では、先月、宮古の山本市長と会いましたけれども、ちょうど宮古の横に宮古カントリークラブというゴルフ場がありまして、市長に、ここは大丈夫なのかと言ったら、今こっそりゴルフしている人がいますというふうな話をされました。もしだめならそこも仮置き場にというふうに思っておりましたけれども、そうやっていろいろな方々が今努力をされております。

 民有地、あるいは企業、きのうのテレビでしたが、自分の農地を仮置き場にということで、かなりせつない思いをされている農業者の方、自分の耕した土地に瓦れきが積まれるというのはかなり厳しいことだと思いますけれども、そういういろいろなことをやっていただいて、今仮置き場をつくっておられる。私どもも、それに対するさまざまな支援をしていきたいというふうに思っております。

近藤(三)委員 環境大臣、やはりもっと前向きにお考えいただきたいと思います。

 瓦れきが処理できなければ被災地の復興の道は開けないわけですから、瓦れきの処理のスピードアップのためにはできることは何でもやる、その意気込みをぜひぜひ大臣に示していただきたいと思います。特に、今回視察しました石巻市は、百年分の廃棄物です。今も、石巻市の六百万トンのうち、約三十万トンしか仮置き場に運搬されていない。つまり、五%しか除去できていないという状況です。用地取得した仮置き場は将来の復興の基盤に役立てていくという意気込みで、ぜひ頑張っていただきたいと思っております。

 さて、次です。

 平常時は、一般廃棄物処理事業は市町村の事務事業です。しかし、今回のような大震災、大災害によって発生した災害廃棄物は、通常の方法ではとても処理できません。

 今回も、岩手県、宮城県では、市町村事務を代行して行っていると聞いております。しかし、宮城県一県だけでも、瓦れきの総量はおよそ千六百万トンと見込まれています。宮城県の二十三年分の一般廃棄物の量に匹敵する膨大な量です。視察した石巻市では、先ほども申しました、何と百年分の廃棄物が積み上がっていました。とても石巻一市では処理できません。仙台市を含め周りの市町村からも、多くの災害廃棄物が発生しています。県の枠を超えた広域の災害廃棄物の処理が不可欠だと私は考えています。阪神・淡路大震災でも、神戸、そして兵庫県内で処理し切れない災害廃棄物を広域処理しました。JR貨物を利用して、コンテナで川崎市の処理場などへ災害廃棄物を輸送しました。このように、広域処理の実例はあるわけです。

 一方、東日本大震災の瓦れきを広域に運搬するためには、被災地は鉄道網が十分ではありませんから、阪神・淡路大震災のようになかなか鉄道輸送が使えないと思われます。一方で、太平洋に面しているわけですから、海運の利用が考えられます。このメリットを生かすべきです。

 福島、宮城、岩手三県にまたがる津々浦々の被災地、港に船舶が寄港しながら瓦れきを収集し、ほかの地域で広域処理をすべきではないでしょうか。瓦れきを運搬する船舶は国が調達し、国家プロジェクトとして広域輸送すべきだと考えます。すなわち、道路、港湾、河川の大規模な事業と同じように、今回は、迅速に瓦れき処理するために、広域輸送のプロジェクトを国直轄で行うべきだと考えます。

 このような船舶による広域的な瓦れき運搬を国家プロジェクトで行うことについて、そして広域処理全般についても国の直轄事業として進めるべきと考えますが、大臣の見解をお聞かせください。

樋高大臣政務官 大変恐縮でございますが、私の方からお答えをさせていただきたいと思っております。

 瓦れき処理につきましては、大臣から既に指示をいただいております。とにかくスピードを上げるという指示のもと、今、精力的に取り組ませていただいております。国としまして、自治体のそういう要請もしっかりと受けとめさせていただいて、全力を投入していくという所存でございます。

 スピードアップを図るためにどうしたらいいのかということでございますが、人材、機材、そして処理施設などについて、先生御指摘のとおり、全国の能力を広域的に有効に活用していくということが重要であろうと考えているところでございます。

 これまで、全国の自治体あるいは業界の皆様方から大変数多くの御支援の申し出をいただいてございます。五月の十一日現在でございますけれども、全国四十一都道府県、五百二十二の市町村、一部事務組合等から申し出をいただいておりまして、今、全国規模の支援体制を構築しつつあるところでございます。

 具体的に申し上げますと、それらについてでありますが、例えば焼却についてでありますけれども、全国受け入れ処理可能量は年間最大約二百九十万トンに及ぶところでございます。年間でございます。また、破砕の能力でありますけれども、それらの申し出を全部機械的に積算いたしますと、全国受け入れ処理可能量は年間最大約七十万トン。そして、埋め立ての部分でありますけれども、全国受け入れ処理可能量は年間最大約百六万トン。単純計算でありますけれども、今、こういった大きな大きな支援の輪が全国規模で広がっているというところでございます。

 これらを最大限に活用することが何よりも重要でありまして、その一層の迅速化を図るために、被災県において、これらの能力を最大限に活用することについて、一緒に今、国と検討させていただいているところでありまして、環境省としても全面的に支援をしてまいりたいと思っているところでございます。

 また、今先生がおっしゃいました、例えば海運のメリットをどうかということでございますけれども、これらも視野に入れながら既に検討もさせていただいているということも申し添えさせていただきたい、先生の思いをしっかりと受けとめさせていただきたいと思います。

近藤(三)委員 とにかく、瓦れきが処理できませんと、復興に手がつかないわけです。

 限られた時間の中で効率よく瓦れきを処理するには、地元とひざ詰めで協議されて、国として対応できる案も地元に示すべきだと思います。そして、地元の理解を得て、国が直轄でやるスキームをつくるべきです。法制度上の問題があるならば、まさに国会で議論して決めればいい問題です。環境省は、国土交通省などと連携して、国としてできることを早急に示していただきたいと思います。

 特に、私が指摘いたしました広域での廃棄物処理については、国の役割が大変重要と考えています。受け入れ先の都道府県との調整は、国でなければできないと思います。津々浦々の廃棄物を効率よく海運によって輸送するシステムを早急に確立するように求めます。

 続きまして、これまで国土交通省は、平成十五年三月に閣議決定しました循環型社会形成推進基本計画に基づき、全国に二十二港のリサイクルポートを指定してきました。こちらがその要覧です。リサイクルポートは、港湾機能と後背地のリサイクル施設などが一体となり、広域的な静脈物流システムをつくり上げようとする取り組みです。

 今回の被災地は沿岸部に集中し、先ほども申し上げましたとおり、今、被災地は瓦れきの撤去、そしてその仮置き場の確保に大変苦労されておられます。しかし、被災地から瓦れきが撤去された後は、その瓦れきの処理が問題となります。徐々に仮置き場での分別も行われ、本格的な中間処理、リサイクル、最終処分の問題に移っていきます。

 そこで、国土交通省にお聞きします。

 これまでリサイクルポートでは、汚染土壌などの保管施設などにも国庫補助を行ってきた実績のある国土交通省です。リサイクルポートの整備を今こそ生かすべきときではないでしょうか。総合的、広域的な静脈物流基地としてのリサイクルポートの真価を発揮すべきだと考えています。

 そして、今回の一次補正予算の災害廃棄物処理事業予算の計上に当たり、環境省は次のように記しています。「空前の大規模な地震と津波により、甚大かつ広範な被害が発生しており、膨大な災害廃棄物の円滑な処理が急務となっている。」このように記されています。つまり、環境省も、空前で膨大で甚大というふうに認識しています。

 国を挙げて対応しなければならないこのような災害廃棄物の処理のために、全国に配置されたリサイクルポートをどのように活用していくのか、国土交通省の戦略をお聞きしたいと思います。

市村大臣政務官 ありがとうございます。

 近藤委員御指摘のように、この膨大な災害廃棄物を迅速に処理するためには、やはりこれは国を挙げて力を尽くしていかなくちゃならないということでありまして、そこは今環境省が中心になって取り組んでおられるということでございます。

 また、今、被災県におかれましても、例えば岩手、宮城、福島におかれましては災害廃棄物処理対策協議会をつくっていただきまして、国、県、市町村、また関係者が一体となって、この瓦れき処理をどうすればいいかということを議論、協議しているところであります。

 だから、この中でぜひとも、今近藤委員から御指摘いただきましたリサイクルポートにつきまして、積極的に私たち国交省としましても御提案申し上げまして、新しいものをつくるのもいいんですけれども、既存のもので使えるものはどんどん使っていこうということで提案をしてまいりたいと存じております。

近藤(三)委員 今回の政府の震災対策、どうも後手後手に回っていることが多いと思うんですが、被災地が次に何を求めているのか、それを読んで、先手先手を打っていくのが国の役割ではないでしょうか。リサイクルポートという静脈物流の構築が必要であると、これまで先を見越した政策を練ってきた国土交通省です。ぜひ、環境省、被災地の自治体、全国の港湾、そしてリサイクルポートと十分連携して、早急にリサイクルポートでの災害廃棄物の受け入れ体制を整えていただきたいと思います。

 次に、環境大臣の決意をお伺いさせていただきたいと思います。

 キャッシュ・フォー・ワークという言葉があります。被災地でワーク、仕事を生み出し、キャッシュ、賃金を得る。被災者が地域の復旧復興事業に積極的に参加をして、そこから雇用の場と賃金を得ることによって自立を支援する政策です。キャッシュ・フォー・ワークの例として、今回視察しました水産加工工場からの廃棄物の分別作業が挙げられます。また、家屋や車などの被災状況を調査するのもキャッシュ・フォー・ワークとして行われています。

 一次補正予算で、環境省は地方自治体と連携した瓦れきの撤去費として三千五百十九億円の予算を計上し、今後これを執行するわけですが、その中で、できるだけたくさんのキャッシュ・フォー・ワークがなされるよう徹底していただきたいと思います。環境省予算の第一次補正予算がキャッシュ・フォー・ワークの一助となるよう対応することについて、松本環境大臣の決意をお聞かせください。

松本(龍)国務大臣 大切な御指摘だと思います。

 キャッシュ・フォー・ワークという言葉は知りませんでしたけれども、実は、発災から十日ぐらいして、厚生労働省、あるいは小宮山副大臣、今おられますけれども、緊急雇用創出事業ということで、被災者の方々に、例えばお年寄りの見回りとか子供の見回りとか、あるいは避難所のパトロールとか、そういうことができないかということを申し上げたら、もう二週間で、いわゆるキャッシュ・フォー・ワークみたいなことができました。

 また、海で、自分の船の漁網を引き揚げている人たち、あるいはいかだを整理されている人たちの姿を見て、あっ、これも海の清掃事業にしようということで、そういういわゆるキャッシュ・フォー・ワーク、自分の船を片づけるんじゃなくて、海の清掃をするんだということで、農林水産省でも多分百億以上のお金がその事業に使われているというふうに思っております。

 まさに、避難所にいるだけではなくて、やはり働いていってお金をいただくということがどんなに先の光が見えるか。新聞でも、きのう、避難所から、行ってきますと言って、帰ってきてただいまと言って、やはり働いている実感があるということがいいんだなということで、今、三県で二千三百名以上の被災者の雇用が見込まれています。

 これはまだまだたくさん事業を用意しておりますので、私どもも周知をしたり広報したり、その徹底に努めてまいりますし、私ども、この二日の日に出ました補正予算、そしてまたその日にできました財政援助法案、この周知に、出かけていって説明会をしたり、さまざま、あれから周知をするようにということで、生活再建ハンドブックとか事業再建ハンドブックとか、皆さんに、届けていないようでしたら届けさせますので、そのことを見ていただいて、周知をしていただきたいと思います。

    〔委員長退席、大谷(信)委員長代理着席〕

近藤(三)委員 大臣からは、大変力強い答弁をいただきました。

 今、三県で二千三百人という数字をいただきましたが、環境省の担当官にお伺いしますと、三千五百十九億円の瓦れき処理の事業によって生み出されるキャッシュ・フォー・ワークのボリューム自体はまだ把握していないということです。

 国庫補助事業について、地方自治体と企業との契約の際に、例えば被災者の雇用の機会の確保に努めるよう条件づけをしてはどうでしょうか。そして、実際の事業でどのような工夫を各企業が行っているのか、その実績を報告してもらう、このようにしてはどうかと思います、一つの提案ですけれども。そして、工夫がもし行き届いているということがわかったら、その企業には早速環境大臣が表彰したり、その事例を発表する。そうしたきめの細かい対応がキャッシュ・フォー・ワークの実を上げることになるのではないかと思います。

 さて、今回の石巻でも、またほかの被災地を訪ねた際にも、私は次のような話をよく聞きました。災害廃棄物処理などに被災者など地域の方々の雇用の機会をふやそうと自治体としては努力しているんだが、なかなかうまくはいかない。被災者には高齢者の方も多いということも、その一因かもしれません。

 例えば、震災によってそれまでの職場を失い、失業保険の給付を受けている人の中には、以前のような所得を得られない、被災地での当面の仕事につくことはかえって収入を減らすことになってしまう、このような人もいます。このことから、自治体が用意した復旧復興関連の仕事につくことができない、キャッシュ・フォー・ワークに二の足を踏む場合がある、このように聞いてまいりました。こうした切実な実態、現実が現地にはあるということです。被災者の立場に立って、失業保険との兼ね合いも考えていかなければなりません。

 そこで、厚生労働省には考えていただきたいことがあります。厚生労働省には、このような、被災者が失業保険を受けながら、自治体などが発注する災害復旧復興事業から生み出される臨時雇用から得た賃金の取り扱いについて、弾力的な措置を講じていただきたい。

 法律上では、自己の労働によって収入を得た日の分は失業給付を受けられないというふうにあります。今回、復興の臨時雇用からの収入を自己の労働によって収入を得た場合から除外する、このような法改正をせずに、厚生労働省の通知ということによって、復興に携わりながら失業給付を受ける、生活再建の道を開くことはできないものかと考えています。

 つまり、地域の復興のために、臨時雇用からの収入を失業保険の減額や失業保険の給付ストップの要件などに適用しないよう、弾力的な措置を講じていただきたいのですが、厚生労働省の見解をお伺いします。

小宮山副大臣 雇用保険制度は、御承知のように失業期間中の生活の安定のために出しているものでございますので、失業手当を受給中に仕事をした場合、その日については失業の認定ということはできません。

 ただ、原則、百八十日ぐらい失業手当を受給できるとすると、例えばその中で三日とか五日働いたとしたら、その日にちの分は後ろに延ばせるんですね。ですから、働いているときは働いた方の賃金で、そしてその分の、原則一年間ですけれども、就業して失業手当が受けられなかった分は後ろ倒しで受けられるので、そこで働いた人の不利益にはならないのではないかと思っています。

 先ほど松本大臣からもお話ございましたけれども、防災担当の松本大臣のもとで各省連携をして、就業の支援、雇用創造の推進会議で今検討をいろいろしておりまして、その中でも、委員がおっしゃっているように、被災地の皆さんの就業をなるべく多くする、そこに雇用をつくり出すために、重点分野雇用創造事業という、本来は医療とか介護に使っていたものを、震災対応ということをその中に含めまして、本当に、見守りから町のパトロールから、瓦れきの処理も機材を使わないものはすべて仕事になるようにしています。

 その担い手としましては、自治体と、今おっしゃったようなキャッシュ・フォー・ワークは海外でのNPOの方の事例と聞いていますけれども、NPOが主体となってもそういう基金事業はできるように、可能な限りのことはしておりまして、今、その基金事業で雇用を計画されているものは、被災三県で一万二千件に及んでおります。

 ぜひ、そういうことで、被災者の皆さんが雇用につけますように、努力を厚生労働省としても最大限してまいりたいと思っております。

近藤(三)委員 小宮山副大臣、ありがとうございます。

 ただ、私が申し上げているのはもう一歩踏み込んだ提案でございまして、松本環境大臣、ぜひここはお聞きいただきたいんですけれども、もう一歩ですね。

 今私が申し上げたのは、失業保険を受ける際、額には差異がありますけれども、大体六割程度と言われているんです。受給期間も、働いていた年数でさまざまですけれども、最高で一年ぐらいですね。被災者の多くは本当に着のみ着のままで避難されて、すべての財産を津波にのみ込まれてしまった方もいます。そして、雇用の場も失ってしまったという方が大変多い。大変厳しい毎日の生活がそこにあるわけです。この点を考えていただきまして、雇用保険と地元を復興するためのキャッシュ・フォー・ワークとの両面から、当面の被災者の収入の確保の道を開いていただきたい。つまり、地域の復興のための臨時雇用からの収入を失業保険の減額や失業保険の給付ストップの要件などに適用しないような、弾力的な措置を講じていただきたいと再度お願いしたいと思います。

 今回の被災の状況を考えていただき、復興の臨時雇用からの収入を自己の労働によって収入を得た場合から除外する、失業保険が受けられるようにする、この弾力的な措置を講ずることは決して不可能ではないと私は思うんです。環境大臣は厚生労働大臣と連携をとっていただきまして、ぜひ前向きに御対応いただきたいと思います。

 そして、環境省の皆さん方にぜひ思い出していただきたいことがあります。平成十二年度、省庁再編がありました。それまでの環境庁が環境省になったわけです。そして、それまで厚生省が担当していた廃棄物に関しましては、環境省の所管になりました。阪神・淡路大震災のときには瓦れきの問題は厚生省の問題であり、あれから十六年たった東日本大震災では環境省にバトンタッチされたわけです。

 そして、もう一つ環境省の皆さんに思い出してほしいことがあります。環境省設置法の第三条の「任務」に新たな任務が加わったことを忘れてはなりません。環境省設置法第三条です。読み上げます。「地球環境保全、公害の防止、自然環境の保護及び整備その他の環境の保全(良好な環境の創出を含む。)を図ることを任務とする。」つまり、環境の保全に良好な環境の創出を含むと、これまでの保全の概念を大きく広げたわけです。

 今回の災害廃棄物処理、瓦れき処理を、単に、被災地から除去し、それを適正に処理することにとどめないでいただきたい。処理を終えた被災地が新たな良好な環境の創出に一歩踏み出せるような、それが環境省の大変大事な仕事だと考えます。

 瓦れきが除去された被災地に、後、砂じんが舞う、このようなことでは、新たな呼吸器疾患なども案じられます。砂じんが舞わないようにするためには、亡くなった方々に花を手向けるように、この秋には例えば一面にコスモスとなるようにしていく、そんなことも考えてみてはどうでしょう。あるいは、放射性物質で汚染された土壌にヒマワリを植えますと、土壌中のカリウムと一緒にセシウムを吸収するという研究もあると聞いております。一面のヒマワリも考えられます。

 本格的な復興の前に、みんなが、亡くなった方々の霊を弔い、これから、亡くなった皆さんの分も頑張って安全ないい町にしていく、そういう心持ちになることを手助けするのも環境省の重要な任務です。

 一面のお花畑にするためには、土を掘り起こし、種をまき、水をやらなければなりません。被災した高齢者の皆さんにもしていただける軽作業も生まれてくると思われます。そして、先ほど申し上げましたキャッシュ・フォー・ワークの機会も、このことによっても生まれてくるのではないかと思います。

 どうか、良好な環境の創出につながる事業までを廃棄物処理事業の一環として取り組んでいただくことをぜひぜひお願いしたいと思います。

 この件について、松本環境大臣、もし御見解がありましたら、御答弁ください。

松本(龍)国務大臣 良好な環境の保全ということは大変重要な御指摘だと思いますし、今、ヒマワリの話をされました。菜種やヒマワリも、これは、フランスのように放射性物質に知見のある方々もかなりそういうことを言われておりましたので、大変重要な御指摘だというふうに思います。

 そういう意味では、これから環境の問題は党派を超えて、もうそういうちまちました話ではなくて、みんなで知恵を出していきながら、環境の保全、そして何よりも目の前にある東日本大震災のことを、しっかり私たちも取り組んでいきますし、心を合わせてみんなでやっていきたいというふうに思っております。

近藤(三)委員 ありがとうございます。環境省の皆さん、ぜひ頑張ってください。

 以上で終わります。ありがとうございました。

大谷(信)委員長代理 次に、森岡洋一郎君。

森岡委員 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。民主党の森岡洋一郎です。

 質問冒頭に、今回の東日本大震災の犠牲になられた皆様の御冥福をお祈りするとともに、今なお多くの苦しみを抱えている被災者の皆様に心よりお見舞い申し上げます。

 さて、先日、環境委員会で災害廃棄物の視察に伺ってまいりました。御多用のところ、現地で状況を御指導いただいた石巻市、仙台市の関係各位の皆様に感謝を申し上げます。本日は、この視察を受けての質問をさせていただきます。

 今回の視察で私が一番感じたのは、各自治体の瓦れき処理の仮置き場等を拝見させていただいて、これはえらい差が出てくるだろうなということを感じております。政令市である仙台市のような町とほかの小さな都市では、これは大分差が出てしまうんだろうと。

 仙台市は、被災後、もう一週間で海のあたりの公園の場所を確保して、遮水シートですか、それを敷いて、整然とそこに分別をするような、そういった体制をつくり始めたようです。また、廃自動車も、町によっては、仮置き場がない中で、少しきれいだと平らに一台一台並べているものだから場所をとって大変だというお話も出ていましたが、仙台市の場合は、それこそコンクリを全部新しく敷いて、その上に自動車を並べるといったようなこともやっておりました。九月には仮の炉を建ててやろうと。そういった財政力があり、また取り組みができるような体力のあるところとそうでないところで大分違うんじゃないかな。一方で、ほかの小さな市町村では、今も一次仮置き場に一生懸命運び込んでいる最中で、大まかな分類がやっとできるといった状態であります。

 これは、市町村の財政規模の大きさ、それから被災の規模も違いますし、役所が津波にさらされたかどうかで機能が残っているかどうかもありますから、いたし方ない部分だと思うんです。だからこそ、この処理の違いがこれからどんどん拡大することを放置するんじゃなくて、国がしっかりとリーダーシップを持っていくことが必要というふうに考えております。未曾有の大災害ですので、当然、地元の要望をきちんとお聞きしつつ、その中で国がリーダーシップを発揮するという思いを強くいたしております。

 その点から、きょうは何点か質問をさせていただきます。

 まず、仮置き場の用地の確保についてですが、これは江田先生、近藤先生のお二人から出たので、割愛させていただきます。

 また、二つ目に、今度は仮置き場から先の災害廃棄物の処理についてお伺いしたいと思います。

 昨日、東日本大震災で出たすべての瓦れきを今年度末までに仮置き場に移す、そして、二〇一四年度までですか、最終処分するという指針を、環境省から福島、岩手、宮城等に通知したと聞いております。先ほど樋高政務官からもありましたが、四十一都道府県で受け入れを表明している処理量は、焼却処理が年間で二百九十万トン、破砕等が七十万トン、また埋立処理が年間で計百六万トン、広域処理を進めれば処分が可能になってくるのではないかという話であります。

 確かに、それぞれの被災した県内の現地で焼却炉や埋立処分場をこれから整備していこうというのは時間もコストもかかりますし、一時保管場所も不足している現状では、どんどん搬出をしていくことが必要と思います。そうした自治体からの回収にもまたおくれが出るだろう。そういった意味でも、広域処理を進めていくことは非常によいことと思います。

 ただ、これらの自治体による広域処理ということ以外に、民間の産廃処理場がやはりたくさんあると思うんです。例えば、被災地のすぐ横の秋田にも廃家電や廃プラスチックのリサイクル工場というものがありますし、全国各地津々浦々、こういったものがあると思います。

 災害廃棄物をすべて焼却や埋め立てにするんじゃなくて、可能なものは再生していくという意味において、これらの民間の産廃処理施設、リサイクル工場の利用が大切だと思いますが、これについての取り組みをお伺いしたいと思います。特に、今回、本来は企業から出たごみは産廃ですが、流されてしまえばどこから出たかわからないので、非常に多くなっているような状況になっていると思います。これらについていろいろな措置が必要と思いますが、今、現状での取り組みを教えてください。

    〔大谷(信)委員長代理退席、委員長着席〕

谷津政府参考人 御説明させていただきます。

 まず、今回の被災に当たりまして、一般廃棄物処理施設の能力がかなり限られているということから、私どもとしても、一般廃棄物の処理施設と同等の処理能力を有する産業廃棄物処理施設の活用が重要な課題だというふうに認識してございます。また、自動車や建設廃棄物などのリサイクルに当たりましても、民間の事業者の方々が主体的に取り組んでいただいておるというような現状からも、民間の方々のお力添え、御協力が不可欠だというふうに思っております。

 このため、三月の十四日、発災から三日後でございますけれども、環境大臣政務官名で、全国産業廃棄物連合会を通じて、全国の産廃業者の方々にも御協力を要請させていただきました。現在、個別に多くの申し出をいただいておるわけでございまして、こうした情報を被災自治体にお伝えして、処理の迅速化に鋭意努めていきたいと思います。

 また、制度面での対応もこれまで進めてきてございまして、産業廃棄物処理業者による災害廃棄物処理が円滑に進みますように、廃棄物処理法の省令を二本改正してございます。

 まず一点目でございますけれども、産業廃棄物処理施設において一般廃棄物を処理する際に必要となる事前届け出制の緩和をさせていただきました。これは三月三十一日でございます。また、五月の九日には、コンクリートくずなどの災害廃棄物を産廃の安定型処分場で迅速に処理することができるような制度改正も行ったわけでございます。

森岡委員 どうもありがとうございます。

 届け出についての変更等、制度面の準備、まことにありがとうございます。制度を用意していただいたという上で、この制度をいかに使っていくかというところがこれからの肝になってくると思います。まさに、国が直轄なり主導で頑張らにゃいかぬのはこういうところだと思うんですが、災害廃棄物がどこでどういうものが今出ているのか、そして、全国では、先ほどの自治体のみならず事業者が、どこでどういう、廃プラスチックはここでできる、これぐらいの量ができて、こちらでは廃家電をこれだけできてというものを把握して、それをリサイクル事業者あるいは自治体と現地をマッチングしていく、この業務こそ、まさに国が主導してやっていただきたいものと考えております。

 その上で、やはり大事なことは、一つは何といってもスピード、そして二つ目にコストがかからないこと、そして環境負荷を一番低くすること、この三つを軸にマッチングを進めていくということをやっていっていただきたいと思います。先ほど近藤先生よりもございましたが、国土交通省が提唱しているリサイクルポートというものもありますから、こういった活用も含めて、広域的にマッチングしていく仕組み、これを環境省、国交省が協力して行っていっていただきたいと考えておりますが、いかがでしょうか。

谷津政府参考人 御説明申し上げます。

 広域連携、広域処理のお尋ねでございます。

 昨日お示しさせていただきました災害廃棄物の処理指針におきましても、広域処理は費用効果的となる場合があり、処理の選択肢を多くする観点から、促進するという指針をお示しさせていただいております。

 確かに、全国から数多くのお申し出をいただいておりますし、被災自治体では処理に非常に苦慮しているということから、このマッチングは非常に重要だと思っておりまして、環境省が先頭になりまして、関係省庁の御協力もいただきながら、この委員会でも御議論がございました海運あるいは鉄道などを利用した効率的な輸送体制を確保し、県を超えた広域的な処理体制を整備することによりまして、迅速な処理がなされますように最大限努力してまいりたいと考えております。

森岡委員 ありがとうございます。

 県内の被災地の現場での処理ということから広域処理への転換がだんだん図られていくということでありますが、一つ、被災自治体の立場に立って考えると、思うのは、せっかくこれは全額国費で最終的に出てくるものですから、できれば県外に持っていかず県内で消費して被災地での雇用に結びつけたいと思うのが、これはやはり人情だと私は思います。

 今回の視察でも、先ほどもお話が皆さんからありましたが、食品加工場の冷蔵庫の中に取り残されてしまった腐りかけている魚を海中投棄する、そのための準備でビニールなどをはがしている作業をやっておりましたが、伺わせていただきまして、やはり腐敗臭も含めて物すごいにおいがするんです。でも、その中でにおいに耐えながら仕事をするというのは本当に根気の要ることだと思うんですが、お話を伺うと、そんなことよりも最初に出てくるのが、いや、五月の末まではまだこの仕事があるからいいんだよ、これから先どうやってやっていこう、本当に今困っているんだ、そういう言葉をやはり現地の皆さんからもいただくわけでございます。被災地の雇用、これが最も大事だと思います。

 現地での災害廃棄物の分別の段階に、より多くの被災者の皆さんにかかわっていただくような仕組みづくり、また、これはアスベスト等の危険なものも含まれていますから、例えば、広域処理で委託をする先の、それぞれの廃プラスチックなりなんなり専門の業者さんがあるでしょうから、そこから人を一人派遣してもらって、その人に現地の方にきちんとレクチャーをしていただいた上で雇用に結びつけていく、瓦れきの処理、撤去等、十分に安全、健康被害の対策も指導してもらいながら行うといったような対策も必要かと考えております。

 この地元被災者の雇用についての配慮について、ぜひ副大臣にお伺いできれば、お願いいたします。

近藤副大臣 森岡委員におかれまして、現地も視察をいただき、さまざまな御提案をいただいておるところであります。

 今御指摘をいただいたところは大変に重要なところだと思っております。現地での雇用、先ほど来からも、キャッシュ・フォー・ワークのことも御提案といいますか御提示もありました。また、自治体におきましても、雇用を創出といいましょうか、雇用をつくっていくという観点から、さまざま配慮をしてきたというところであります。

 今、森岡委員が御指摘をいただいたように、雇用を守る、雇用をつくっていく、確保していくという点と、もう一点は、本当に多くの、大きな被害ができて、そして莫大ないわゆる瓦れきが発生をしているところであります。これを、効率よく、また、今御指摘もありましたように安全に処理をしていく、しっかりと両方の観点から取り組んでいかなくてはならないというところであります。

 そして、そういう中におきましては、もちろん広域的な連携も必要だということであります。御承知のとおり、十六日に、昨日ですが、そうした観点も含めて、処理推進体制、財政措置、処理方法、スケジュール等を内容とした災害廃棄物の処理指針を取りまとめさせていただいたというところであります。また、その中においては、優良事例に関する情報を収集し、自治体にも周知をする、そしてリサイクルに係る専門的な知見を有する者によって支援等を進めていく、こういうことの考え方も提示をさせていただいたところであります。

 私も、現地に参りまして、自治体の関係、市長さんあるいは職員の方からもいろいろと現状を承ってきているところであります。まずは自治体で、現地を一番よく知っている、雇用の面という部分、効率という部分、あるいは安全という部分、そういう意味では自治体に取り組んでいただく。ただ、今御指摘もありましたように、さまざまな知見あるいは広域的な処理の必要性、こうしたことを調整していく必要があるというわけであります。そういった意味では、国としてもいろいろな形で積極的にかかわっていきたい、かように考えているところであります。

松本(龍)国務大臣 働く人たちの安全というのは非常に大事な指摘だというふうに思います。

 私も、四月の早い段階で、例えば仮設住宅でお手伝いをする、瓦れきの処理をする、きっちり、プロができること、恐らく被災された方々は専門的な知識がありませんので、くれぐれも安全を第一に考えるように、各市町村にも、大船渡に行ったとき、陸前高田に行ったときも言いましたし、国交省あるいは各府省庁に、この緊急雇用の場合のマニュアルをしっかり安全なマニュアルにサジェスチョンしてくれということは周知をしているところであります。

森岡委員 どうもありがとうございます。

 広域処理を進めて効率よくやっていくということと同時に、地元の雇用というところの心をぜひ大事にしていただければとお願いをいたします。

 幾つか質問が変わりましたので、ちょっと通達をしていないんですが、これは要望ということで一点お伝えさせていただいてもよろしいでしょうか。これは要望でございますが、海洋廃棄物についての要望をさせていただければというふうに考えております。

 これは今回の視察と別に、ボランティアに伺ったときに、地元の漁業関係者の皆さんといろいろなお話をしました。そのときに、皆さんが口をそろえて要望されていたことは、一刻も早く漁業を復活させたい、海を復活させたいんだということをおっしゃられているんです。

 ただ、そのための問題点としては、沿岸部の漁場も含めて、まだまだ多数の船や車が沈んでいますし、その中から油が少しずつ漏れているのではないか、水質は大丈夫か、沿岸漁業は再開できるのか。一口で瓦れきと言っても、これは、津波で流された建物から、車、船などが非常に広範囲に広がっていますから、この油の流出ほか、有害物質の汚染等の懸念もあると思います。

 お話しすると、何となれば、おれらは今、船を持っていてもできないんだから、この船で瓦れきを撤去するんだよ、海をきれいにするんだ、それで養殖を復活するんだ、これは皆さんおっしゃるんですね。本当に、その気持ちだったりその目の輝きというのは心打たれるものがあります。

 ただ、現在、被災県の沖合、沿岸部の水質や漁場環境等についてはまだなかなか調査が進んでいないとも伺っております。被災県には、自治体の調査船も大分だめになってしまったところもあるようでして、これは県単独ではどうにもならないことだと思うんです。かといって、漁業者の皆さんが直接やるには、それはやはり、まだ廃棄物がいっぱいあるところで、何が沈んでいるかわからないところで、危ないです。

 ですから、政府として、ぜひこれは被災県沿岸部の海洋環境の調査を、早急に国において調査を行っていただくようにお願いをいたします。また、費用についても国費等でしっかりと面倒を見ていただければと思います。ともかく、今、海に何が沈んでいるかわからない、海の状況がわからないということでは、やはりこれはその先の復興に進んでいかないと思うんですね。ですから、まずはこの沿岸海域の調査を国費でしっかりと進めていただきたいということを重ねて要望させていただきまして、私の質問を終わりにします。

 どうもありがとうございました。

小沢委員長 次に、中野譲君。

中野(譲)委員 民主党の中野譲でございます。

 本日は質問の機会をいただきまして、大変ありがとうございます。

 冒頭に、この大震災におきましてお亡くなりになられた方に心からの御冥福と、そして今なお苦労されている被災者の方にお見舞いを申し上げまして、私の質問を開始させていただきたいと思います。

 私も先日、石巻の方を中心に被災地を伺ってまいりました。想像を絶するような未曾有の大震災でございますが、先ほど大臣からもお話がありました、とにかく、与野党、そういうちまちました壁を越えて、今政治が問われている、そして政治家が問われている。一つでも多く被災者の方々の思いが形になる、そういうような政策をぜひ実現していきたい、そんな思いでございます。

 瓦れきの処理の仮置き場でございますが、例えば石巻地域におきましては、今大体六十五ヘクタールぐらいの土地は確保できているんだけれども、まだ五十から百ヘクタールぐらいこれから確保していかないといけない。先ほど同僚の森岡議員からも質問がございましたが、それがまた、例えば仙台市に近いところではかなりその地域をしっかりと確保するようなことができるんだけれども、三陸沖を含めまして、なかなかその地域を確保することが難しい地域もある。

 その中で、先ほど樋高政務官からも答弁ありましたが、民有地も含めてしっかりと借り上げていく、そんなお話がございました。その中で、予算措置はしっかりととられているのかということ。第一次補正の中で、民有地を借り受けるのにもしっかり十分足る予算が環境省の方で確保されているということで理解させていただいてよろしいのかどうか、まず大臣にお聞きをさせていただきます。

松本(龍)国務大臣 今回、瓦れきの件につきましては、三千五百十九億とっております。

 皆さんも石巻に行って唖然とされたと思いますけれども、阪神・淡路のときは、実は私、三週間で復興プロジェクトの座長をしましたけれども、瓦れきの話は一回もしませんでした。避難所の話も、もう一回もしませんでした。そのくらい、今回の震災のすさまじさということをいまだに私は痛感しておりますし、今それぞれの委員が本当にこれからの復興に向けて努力してくださいよという言葉については、しっかり受けとめたいというふうに思っております。

 今回、初めて民有地の借り上げ費用も見ることになりましたけれども、これも阪神のときにはなかった施策であります。これもしっかり環境省の方で、また国で措置をしていくということは申し上げたいと思います。

中野(譲)委員 それに加えまして、先ほど同僚議員からも御質問がありましたが、予算はしっかりと確保されている、あとは、今度はスピード感だと思うんですね。

 現場へ行きますと、とにかくトラックがひっきりなしに搬入、搬出をしている。だから、そういうトラックがそれを持っていく場所をとにかくスピード感を持ってしっかりと確保していかないといけないということでございますが、環境省としては、その地域の確保というのは大丈夫だ、しっかりとその辺はもう先手先手を打って地域は確保できている、そういうふうな理解で私たちも考えさせていただいてよろしいのでしょうか。大臣あるいは副大臣に、決意で結構でございますから、お聞きをさせていただきます。

松本(龍)国務大臣 とりわけリアス式海岸、私も、宮古、大船渡、そして陸前高田、南三陸、全部行って首長と会いましたけれども、仮設住宅の確保と用地の確保ということもあって、かなり苦労されているというふうに思います。国有地も全部吐き出すようにということはもう四月の初めの方に言いましたし、民有地、あるいは企業、そしてさまざまな方々、あるいは、ボランティアの方々で、いいよ、うちの土地を使ってという方々も、みんなおられました。

 これからも、そういうことをしっかり、仮置き場の確保については迅速にやっていきたいというふうに思っております。

中野(譲)委員 きょうは私、時間が限られているものですから、もう一個、ちょっと別の視点で質問をさせていただきたいと思います。

 というのは、今回、震災自体が東日本大震災というふうな名称になっておりますが、実際のところは、私たちが今住んでいる、生活している首都圏でも、随分といろいろな被害が起きております。その件についてちょっとお話をさせていただきたいんです。同僚の森岡議員は実は私の選挙区のお隣でございまして、私たちの選挙区で、埼玉県でございますが、今、液状化の問題が非常に大きな被害が出ております。その件につきましてちょっとお聞きをしたいんです。

 きょう、大臣、お誕生日でいらっしゃるということで、おめでとうございます。本当に震災後は、もうとにかく昼夜を問わず、プライベートなく大変にお忙しいとは思うんですが、例えばテレビをごらんになる時間というのはございますか。(松本(龍)国務大臣「あります」と呼ぶ)はい。そのときに、例えば、この間、「クローズアップ現代」というNHKの番組でもその液状化の問題が出ておりました。大体、液状化の問題というと、千葉の浦安、あともう一つは埼玉県の久喜市、この二点がとにかくいろいろなテレビで今取り上げられているんですね。それで、首都圏でいけば、当然のことながら、茨城県と千葉県、それに加えて、埼玉県と神奈川県でも液状化の被害が出ているんです。

 その辺のところの認識というのはどのようにお持ちでいらっしゃるか、まず大臣にお聞きをさせていただきます。

松本(龍)国務大臣 液状化の被害は、もう四月に、茨城県、千葉県、そして埼玉の話も聞いておりますし、防災大臣として、この基準がありますけれども、見直すようにと指示をいたしまして、この間、五月の二日に、その前からもう二週間ぐらいかけて検討委員会等々をやりまして、見直したというふうに思っております。

 実は、三年前、私も福岡で大地震がありまして、海であった埋立地はかなりの液状化がありました。津波被害で、水は昔を覚えているというとても怖い格言があって、そういう意味では、液状化の問題はかなり深刻だなというふうに認識をして、この間見直しを行ったところです。

中野(譲)委員 今大臣からお話ありましたとおり、今までは、液状化というと全壊世帯だけが対象であった、その中で、今回、五月の二日だったと思いますが、被災者生活再建支援制度の中で、液状化についての対象要件を緩和して広げていくという英断を大臣の方でしていただきました。

 実は私、そのお話を伺ったときに、その前に、千葉とか茨城とか、あと埼玉、私とか森岡さんなんかを含めまして、その辺の条件の緩和について申し入れもさせていただきまして、五月の二日にそういうふうな英断をしていただいて、ちょっとほっとしたところもあったんですが、一つ、実は大きな問題がございます。

 例えば、千葉とか茨城県は、液状化にかかわらず、地震の被害で全壊世帯が随分出ていまして、もともとの支援制度の枠組みの対象として、市町村ないし県が対象の地域に指定をされている。ただ、問題は、これは幸いなことなんですね、埼玉とか神奈川県は、幸いなるかな、全壊世帯がないんですよ。全壊世帯がないという中でいくと、この支援制度の枠組みにこの地域が入ってこないということが大きな問題でございまして、その辺のところについて、まず大臣、どのような御所見を持っていらっしゃるのか。政府でも結構でございますけれども。

小田政府参考人 被災者生活再建支援制度でございますけれども、これは、都道府県が相互扶助の観点から拠出した基金を活用して、被災世帯に対し支援金を支給し、その支援金の二分の一を国が補助するという仕組みでございます。

 この制度の趣旨は、いわば被災市町村のみでは対応が困難な一定規模以上の災害が発生した場合に、全都道府県の相互扶助、それから国の補助によって支援をし、対応していこう、こういう趣旨だというふうに理解しております。

 そうしたことから、具体的に、十世帯以上の全壊被害が発生した市町村に適用するといった要件を設けておりまして、その要件のもとで都道府県が適用の判断をされているということでございます。

 御指摘のとおり、埼玉県久喜市については、現行の要件では合致をしないということでございます。

松本(龍)国務大臣 被災者生活再建支援法の基礎支援金あるいは加算支援金の問題につきましては、さまざまなことがありまして、相互扶助ということから始まりました。そういう意味では、今度、液状化のことで見直して、見直したら、また、うちはひっかからないとか、いろんなことがあって、かなり厳しい状況があります。

 住家被害ということにつきましては、例えば去年も十月に奄美大島の災害がありましたし、一月二十六日には新燃岳で、私、びっくりしましたけれども、家が真っ黒で、前の車が見えないくらい、巻き上げる灰と、おりてくる灰で、ここはきついなと思いましたし、雪の被害で魚沼にも行きましたけれども、ここもかなり厳しい状況がある。それぞれ厳しい状況がある中で、やはりそれを克服しながらやられているという状況で、いろんな意味で、それぞれ、日本というのはそういうものを克服していきながら、頑張っているんだなというふうに思います。

 液状化の問題、かなり深刻だということは認識をしておりますし、国土交通大臣ともさまざま議論を今しているところです。

 先ほど、仮置き場に民有地の借り上げの費用が出るという話をしましたけれども、これは阪神・淡路のときもあったそうでありまして、訂正をさせていただきます。

中野(譲)委員 先ほど役所の方からの答弁がございましたけれども、確かに、役所の論理でいけば、そういうことなんですよ。

 ただ、例えばこの地図で申し上げますと、埼玉県の中でこの地域というのは新興住宅街なんですね。新興住宅街に約二千軒ぐらい新しく家を建てまして、ただ、家を建てるときに、新興住宅街ですから、耐震はもうばっちりの、しっかりとした家を建てているわけですね。ですから、いわゆる家が倒壊するとか全壊するとかということはない。ただ、この地域というのは、埼玉県の一番東の北なんですよ。五分も車で走りますと、もう茨城県なんですね。ここで被災をされている方々は、お隣は対象になるじゃないか、千葉も対象になるじゃないか、何で私たちのところは対象にならないんだという気持ちが非常に強いんですね。

 例えば、ここで大体、世帯で百数十件前半ぐらいの今被災をされている方でございますが、もうちょっと大規模になっていれば、当然全壊世帯も出てきているし、先ほど申し上げたとおり、液状化にかかわらず、地震による被害で全壊世帯が例えば十件以上だ、都道府県で百件以上だということが出ている。そこの枠内で今度緩和をされるから、液状化についても対象になっていくということでございますが、同じような液状化の被害に遭っていて、規模が小さくて漏れが出ているというのは、これはやはり私たち政治をする側としては、地域に関係なく、その辺はもう少し温かみのある政治をしていくべきではないのかなというふうに私は思っております。

 その点について、大臣、これはもう政治家としてどういうふうにお考えをいただいているか、ちょっとお聞かせをいただきたいと思います。

松本(龍)国務大臣 全く通告がありませんので答えようがありませんけれども、逐一見直しております。去年の大雨のときも、激甚指定のとき、局激というのがありまして、これも前の中井防災大臣から引き続いてやっていきながら、多分一月の初めぐらいだったと思いますけれども、激甚、局激の見直しをして、奄美大島はすべての被災地がそこの指定に入るようになりました。今回も、液状化の問題については、それぞれの地域の皆さんのお話を聞いて、専門家に行かせて、副大臣に行かせて、そして検討委員会をして、こういう状況になったわけであります。

 そういう意味では、すべてのことに目を配るというわけにはなかなかいきませんけれども、その都度その都度、さまざまな状況を見ながら、それは適宜対応していくのは当たり前のことであります。

中野(譲)委員 大臣の方にもお写真をちょっと提示させていただきましたが、先ほど申し上げたとおり、半壊も全壊も関係ないんですよね。家自体は残っているんだけれども、要は、それが液状化で傾いてしまうというと、もうそれは三半規管等にも障害が起きて、目まいですとか頭痛だとかいろいろな問題が起きて、その住居に住めないという方が実際にどんどん出てきております。この写真をごらんいただいてわかるとおり、では、これを私たちは何の対応もしないのかということではないと。

 その中で、大臣は五月の二日に、液状化についても緩和をしていく、国の方針として、少しでも私たちがしっかりと対応できることはやっていくというお気持ちでそういうふうな英断を下されたと私は思っております。今の大臣の答弁は、では、それでは液状化の緩和を広げていったんだけれども、第一段階としてはと。都度都度という御答弁がありましたから、今そういう現状で、漏れている地域が何カ所か出てきているということについては、またぜひ役所にお持ち帰りをいただいて、前向きに御検討をいただけるというふうな答弁でよろしかったというふうに御理解をさせていただいてよろしいでしょうか。

松本(龍)国務大臣 そういう意味では、ちゃんと見てまいりたいというふうに思います。いずれにしましても、住家被害等々の問題につきましては、被災者生活再建支援法、ほかにもさまざまなスキームがあるというふうに思っておりますけれども、国土交通省とか関係省庁とか、さまざまなところとやっていきたいと思います。

 先ほど、三半規管のことを言われましたけれども、実は検討委員会のときに、土木や建築の専門家ばかり集まっていましたので、それに関する医者も入れて検討するようにという指示はして、医者も入って検討委員会をつくりました。

中野(譲)委員 ぜひ役所にお持ち帰りをいただいて、先ほど申し上げましたけれども、東日本大震災というんですが、関東地方でもこういうふうな震災によって大きな被害が出ているということをぜひ心におとめいただいて、役所にお帰りいただいて前向きにぜひお考えをいただきたいというふうに思っております。

 その中で、二つちょっと御提案がございまして、一点目は、先ほど申し上げたとおり、全壊世帯がないから支援制度の枠組みに入らないというケースでございます、今回の場合は。ですから、例えば、大規模半壊とか半壊世帯を、二世帯なり三世帯を全壊世帯一世帯にみなすとか、ちょっと弾力的な、そういうような運用見直しということが検討できないかということを一つ御提案させていただきたい。

 もう一点は、先ほど支援制度について資料を出させていただきましたが、ここでは、大規模半壊までの支援金が出ているんですね。ただ、先ほど申し上げましたとおり、液状化について家が傾いた場合は、半壊だろうが大規模半壊だろうが全壊だろうが、これはもう家を修復するという意味においては、費用はほとんど同じようにかかってくるわけでございます。ですから、支援制度の中で、大規模半壊にとどまらず、半壊も含めて支援金をどのような形で拡充していけるかということもぜひ御検討いただきたいということを私からの御提案とさせていただきまして、大変厳しい質問であったかもしれませんが、御容赦をいただいて、誕生日プレゼントだと思ってよろしくお願いしたいと思います。

 私の質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。

小沢委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時五分散会


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