衆議院

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第9号 平成23年6月10日(金曜日)

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平成二十三年六月十日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 小沢 鋭仁君

   理事 大谷 信盛君 理事 太田 和美君

   理事 田島 一成君 理事 中野  譲君

   理事 横光 克彦君 理事 田中 和徳君

   理事 吉野 正芳君 理事 江田 康幸君

      石田 三示君    磯谷香代子君

      岡本 英子君    川内 博史君

      川越 孝洋君    工藤 仁美君

      櫛渕 万里君    近藤 昭一君

      阪口 直人君    玉置 公良君

      樋高  剛君    森岡洋一郎君

      山崎  誠君    吉川 政重君

      井上 信治君    後藤田正純君

      近藤三津枝君    丹羽 秀樹君

      福井  照君    古川 禎久君

      町村 信孝君    佐藤ゆうこ君

    …………………………………

   環境大臣         松本  龍君

   環境副大臣        近藤 昭一君

   文部科学大臣政務官    林 久美子君

   農林水産大臣政務官    田名部匡代君

   環境大臣政務官      樋高  剛君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局労災補償部長)       尾澤 英夫君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長)    木倉 敬之君

   政府参考人

   (水産庁増殖推進部長)  成子 隆英君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           中西 宏典君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 関 荘一郎君

   政府参考人

   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   伊藤 哲夫君

   政府参考人

   (環境省水・大気環境局長)            鷺坂 長美君

   環境委員会専門員     高梨 金也君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月一日

 辞任         補欠選任

  齋藤  健君     後藤田正純君

同月十日

 辞任         補欠選任

  工藤 仁美君     磯谷香代子君

同日

 辞任         補欠選任

  磯谷香代子君     工藤 仁美君

    ―――――――――――――

六月六日

 容器包装リサイクル法を見直し、発生抑制と再使用を促進するための仕組みの検討を求めることに関する請願(石森久嗣君紹介)(第七一九号)

 同(大泉ひろこ君紹介)(第七二〇号)

 同(河野太郎君紹介)(第七二一号)

 同(田中和徳君紹介)(第七二二号)

 同(西村康稔君紹介)(第七二三号)

 同(北村誠吾君紹介)(第七二八号)

 同(今村雅弘君紹介)(第八一〇号)

 同(江端貴子君紹介)(第八一一号)

 同(小池百合子君紹介)(第八六八号)

 福島原発警戒区域における動物救済に関する請願(高木美智代君紹介)(第七五九号)

同月八日

 すべてのアスベスト被害者を補償し、被害の根絶を求めることに関する請願(平井たくや君紹介)(第九二〇号)

 容器包装リサイクル法を見直し、発生抑制と再使用を促進するための仕組みの検討を求めることに関する請願(高木美智代君紹介)(第九二一号)

 同(森山浩行君紹介)(第九二二号)

 同(伊吹文明君紹介)(第一〇四五号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 水質汚濁防止法の一部を改正する法律案(内閣提出第三七号)(参議院送付)


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     ――――◇―――――

小沢委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、参議院送付、水質汚濁防止法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として厚生労働省労働基準局労災補償部長尾澤英夫君、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長木倉敬之君、水産庁増殖推進部長成子隆英君、経済産業省大臣官房審議官中西宏典君、環境省大臣官房審議官関荘一郎君、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長伊藤哲夫君、環境省水・大気環境局長鷺坂長美君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

小沢委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。丹羽秀樹君。

丹羽委員 おはようございます。自由民主党の丹羽秀樹でございます。

 きょうは、環境委員会の方で質問させていただきます。

 あす、六月十一日で、東日本大震災から三カ月が過ぎ去ろうといたしております。私も、五月三十日に被災地の方へ、これは自己完結型でございますが、前衆議院議員の伊藤信太郎先生のところを頼って行ってまいりました。仙台市から入りまして、多賀城市、塩竈市、七ケ浜、そして東松島と行ってまいりました。

 震災の、随分たった日数でもございましたが、そういった中でも本当に、まさに想像を絶するような状況でございました。ただ、一つ、最初一番うれしかったのは、仙台駅に朝早い電車でおりたときに、環境省の皆さんが二、三人で防災服でおりてきている姿を見て、これは現地の方々にとっても非常に勇気になるんじゃないかなというふうに、非常に好感が持てました。

 そういった中で、今回の水質汚濁防止法の件に関してでございますが、実際にあれほどの大きな津波が、今回の大震災のように大きな津波が参りますと、津波によってヘドロがやはり相当たくさん運ばれてきて、土壌汚染ももちろんですが、水質汚染にも、これは実際だれが建物を破壊したわけでもなく、管理者の責任不行き届きというわけでもなく、自然災害によって水質の汚濁が進んでしまう、土壌汚染にもつながってしまうんじゃないかということを感じました。

 そういった中で、今回のこの改正法案でございますが、やはり平時のことばかり考えるのではなくて、有事のことを考えた中での法案の改正を進めたらいかがかなと思っておりますが、大臣、御答弁をお願いいたします。

松本(龍)国務大臣 現地へ行っていただいて、ありがとうございます。

 三月十一日の三日前にこの法案の閣議決定をいたしました。いわゆる地下水の汚染を未然に防止しようとするものであり、御指摘のような災害に伴う汚染への対応を目的としたものではありません。しかし一方では、今回の震災に伴って、有害物質の地下水への漏えい等による二次災害を未然に防止することは、御指摘のとおり急務と考えており、甚大な被害を受けた被災地において、国が地下水の緊急モニタリング調査を実施しております。

 なお、施設の復旧整備の際に、有害物質の地下浸透を未然に防止するための構造に関する基準に適合した施設を設置することが、結果的には災害にも強い施設にすることにつながると思います。

 今、大変重要な御指摘であります。私も防災担当大臣として、今回の震災からたくさんのことを学ぼうということで、聞き取り調査とか、避難所に行ったけれども避難所がつぶれていた、避難計画のあり方とか、そういったものも含めて、この震災から多くのことを学んでいきたいと思います。

丹羽委員 そこで、今回の水質汚濁防止法に関しまして、今まで、過去に水質汚濁によって人体への影響があったという事例は実際あったかどうかということを教えていただきたいと思いますが、お願いいたします。

関政府参考人 環境省におきまして、毎年度、地方公共団体の協力を得まして実施しております実態調査、この結果によりますと、飲料水や生活用水として利用されております井戸におきまして、工場、事業場が汚染原因と考えられる汚染が確認されております。しかしながら、それぞれの場合におきましては、直ちに地方公共団体によって飲用方法の改善等の指導がなされておるところでありまして、幸い、近年におきまして、工場、事業場からの有害物質が原因で深刻な健康被害が生じたという事例は承知しておりません。

 しかしながら、地下水汚染をこのまま放置すれば人の健康への影響が懸念され、また、地下水の流れの状況によっては、現在汚染が確認されていない井戸におきましても将来的に汚染が判明する可能性もございます。また、諸外国におきましては、地下水中の有機塩素系化合物や砒素等が原因と考えられる健康被害が報告されているところでありますので、人の健康被害を防止するため、今回の改正案によって地下水汚染の未然防止対策の充実を図ってまいりたいと考えております。

丹羽委員 そこで、今回の法案の改正内容の中で、必要に応じて命令ができるということが記載されております。これはどれぐらいの効果があり、実際、罰則規定というのは、都道府県単位で違いがあるのかということと、実際の調査は地方自治体が行うわけでございますが、特に今回の被災地域なんかの場合、実際、自治体が調査できるような状況じゃないというふうに考えておりますが、環境省としての対応をお聞かせいただければと思います。

関政府参考人 今回提案させていただいております改正案におきましては、環境大臣が構造等に関する技術上の基準を設けて、これを遵守していただく、こうなっております。仮に遵守いただけない場合には、これは都道府県知事でございますけれども、改善命令ということで法に基づく命令を発出いたしまして、従っていただけない場合には罰則がある、このような規定でございまして、罰則は全国一律でございます。

 また、先生御指摘のように、被災地域等におきましては、立入検査等々、これを実行するのになかなか困難も伴うかと思いますけれども、既存の施設につきましてはこの義務が全国三年間猶予されておりますので、対象がほとんどの施設が既存施設でございますので、三年後から実行される、このように考えております。

丹羽委員 ありがとうございます。

 特に、やはり今、工場なんかの場合、廃棄物工場を山合いにつくることが結構ありまして、そういったところで実際に地下水が水質汚濁した場合、数年たって井戸水なんかに汚染がたまったときに現地の工場がもうなかったり、事業主がいないということもあります。その辺、やはりこれから追跡調査ができるようにしっかりと把握していただければありがたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

 きょうは六月十日ですが、私は本来六月二日ぐらいに質問する予定でおりましたが、二日の日に不信任案が出されました。

 そこでちょっと松本大臣にお尋ねしたいんですが、不信任案が提出をされているときの趣旨説明の中で、本会議場の雰囲気というのは悪く言えば消化試合的なムードがあったと思うんですが、そういった中で大臣の姿勢が、他の大臣と比べて非常にしっかりと聞いているように私は感じました。こう見えても二期生ですけれども席は一番前でございますので、ずっと大臣の姿を見ておりましたら、そういうように感じました。

 そこで、翌日、大臣の環境省でのコメントなんかを見ますと、菅総理が発言された一定のめどというのは、大臣は、私的には頭の中には六月いっぱいというのがあるというコメントを出されておりますが、実際、大臣、今の御心境というのは、これに変わりないわけでしょうか。

松本(龍)国務大臣 環境大臣・防災大臣としては復旧復興が大事でありますから、復興構想会議も六月がめどだというふうに言われておりますし、瓦れきの処理のめどをつける、あるいはさまざまな問題を解決するため、私の頭の中には、六月がめどだろうというふうに思います。ただ、原発の問題等は経産大臣、あるいは二次補正の問題は財務あるいは総理ということになろうかと思いますので、そこの若干のずれはあろうかと思いますけれども、私の頭の中では六、七月というふうな話を当時いたしました。

丹羽委員 私も被災地も行きましたし、多分、直近で国会議員の中で選挙を受けたのは私が一番だと思っておりますが、そういった中で、国民の皆さんが、有権者の皆さんが考えている思いというのと我々政治家というのは、やはりちょっと温度差があると言っては失礼かもしれないですけれども、どこかずれがあると正直、本会議場で私も感じました。

 そこで、樋高政務官の辞表を出された件に関しましては、それはいろいろと政治活動の中での思いがあると思いますので一切責めるつもりはありませんが、ただ、内閣総理大臣が一定のめどをもってやめる、それを大臣が六、七月という発言をされた中で、もしそれ以降、内閣総理大臣が辞任せずにお続けになられる場合、大臣として何か、内閣総理大臣に辞任を促すようなアドバイスと言っては失礼かもしれないですが、そういったことはお考えでございますでしょうか。

松本(龍)国務大臣 総理も、瓦れきの問題、仮設住宅の問題、大変気にしておられて、東北の皆さんに寄り添っておられるなというのを、日曜日に電話がかかってきて、月曜日にも二回仮設住宅の関係で電話がかかってまいりました。それだけ一生懸命今取り組んでおられます。

 賢明な総理でありますから、賢明な御判断をされるんだろうというふうに思っております。

丹羽委員 ということは、大臣としては特に、総理の自発的な行動にゆだねるということでよろしいのですか。

松本(龍)国務大臣 はい。そのとおりです。

丹羽委員 ありがとうございます。

 それぞれお考えがあると思いますので、これ以上は私は申し上げませんが、国民、特に被災者にとって一番いい方法で今回の震災の復旧復興が進むことが私は大事なことかなというふうに感じておりますので、ぜひその辺は、やはり政治家が一致団結して、大連立とかそういったことはまた別として、どうなるかわかりませんが、団結して今回の対応をしっかりとしなきゃいけないという思いは私も一緒でございますので、またこれからもいろいろと、しっかりと政府に対しても発言することは発言していきたいと思っております。

 今回のこの水質汚濁にも関係してくるんですが、実際の福島第一原子力発電所周辺における放射能による水質汚濁の調査というのは、ちょっと水質汚濁の方に戻りますが、実際どのような進捗状況になっているのかという御答弁をいただきたいと思います。

樋高大臣政務官 お答えをさせていただきたいと思います。

 放射性物質に係る対応についてでありますけれども、今、関係府省がそれぞれの役割分担をしっかり行った上で責任ある対応をとるということで、政府全体として適切に実施をされているところでございます。

 環境省といたしまして、今般の震災を受けまして、被災地において緊急的に有機塩素化合物あるいは砒素など有害物質などの水質モニタリング調査を行っているところでございまして、福島県知事からの要望を受けまして、河川、地下水、海洋においては、有害物質の測定とあわせて、放射性物質の濃度の測定もさせていただいているところでございます。

 具体的に申しますと、河川、川でございますけれども、五月下旬より福島県内の浜通り及び中通りの二十九の地点におきまして、水質、あと底質、川の底の泥の部分でありますけれども、底質の放射性物質濃度の測定を実施しまして、六月の三日に測定値を公表させていただいたところでございます。

 また、地下水でございますけれども、調査地点を今福島県、地元と調整させていただいておりまして、調整が整い次第、速やかに数十地点の放射性物質濃度の測定を実施したい、このように先生に報告をさせていただきたいと思います。

 そして海洋、海の方でございますけれども、被災地の沖合において有害物質等による海洋環境への影響調査を実施しておりまして、一部の測点において水質あるいは底質の放射性濃度の測定のためのサンプルを採取しているところでございます。

 今後、当該調査結果を速やかに公表するということが何よりも重要であろうと考えておりまして、そのようにさせていただきたいと思っておりますし、必要に応じて適切な対応をしっかりと図らせていただきたいというふうに思っております。

丹羽委員 政務官、御答弁ありがとうございます。

 実際、文部科学省なんかも、五月九日から十四日まで、宮城県気仙沼沖から千葉県の銚子までの十二地点での海底の土を採取して放射性物質の濃度の測定という発表がありました。おととしと比べると約二百倍という数値が出たとも聞いておりますが、そういった中で、海産物に影響が出るかということを文部科学省は安全委員会に評価してもらうというふうにありますが、これは農水省の方では特に管理はされていらっしゃるのか、そういった対応をとられていらっしゃるのか。

田名部大臣政務官 水産物の調査に関しては、三月の二十四日から行っております。それで、農林水産省といたしましては、五月二日、水産物の検査に関する基本方針を策定いたしました。その中で、調査の対象をスズキやカレイなどの沿岸性の魚からカツオやイワシといった広域回遊性の魚に広げまして、原則、週に一回調査をするということになっています。関係県であるとか関係業界としっかりと連携をして、水産物の放射性物質調査の強化を図っているところであります。

 また、結果についてでありますけれども、当日のうちに厚生労働省など関係省庁とこの情報を共有いたしまして、農林水産省のホームページにも掲載しているところであります。

 鹿野大臣から、とにかく検査だ、調査をしっかり強化していこうということを常に指示されておりますので、これからもしっかりとその調査を行いながら、的確な、正確な情報提供を行ってまいりたいと思っておりますし、調査の結果のみならず、水産物からの影響などについてもホームページに掲載しているところでございます。

丹羽委員 文部科学省や環境省、水産庁、それぞれで調査されていらっしゃると思いますけれども、調査することはもちろんですが、やはりその情報を一元管理しないと、行政というのは縦割りでできている部分があってもしようがないと思うんですが、我々の生活というのは縦にはできていないわけですよね。きょうは海だけで過ごそうとか、そういうふうにはやはりいかないわけなので、しっかりとそこを情報を一元管理して、それがどこからでもアクセスできるような、そういった対応を、これは今だからこそ環境省にぜひとっていただきたいと私は思っておりますので、大臣、その辺、ひとつよろしくお願いしたいと思っております。

 そして、今週の月曜日、地元におりましたら夕方のニュースで、近藤副大臣も同じ愛知県でございますが、愛知県の海水浴場なんかも今放射性物質の濃度を確認するというニュースが流れておりまして、これは私非常にびっくりしたんですが、やはり非常に、特にこれから夏を迎えるに当たって海水浴シーズンというのが出てきますので、ナーバスになっている部分があると思うんです。

 そういったところを、これは質問でもあるんですが、実際、都道府県は各自治体レベルで調査して発表するということはされておりますが、その基準が、やはりまだ国からの基準が出ていないということもありまして、柏崎原発の事故のときなんかは風評被害で海水浴のお客様が一気に十分の一ぐらいに翌年減ったという話も聞いておりますので、ぜひこういった対応、環境省の方は何かとられている部分はあるのか、質問をしたいと思います。

関政府参考人 環境省におきましては、毎年、地方公共団体と協力いたしまして、全国の海水浴場の適格性について七月の初めに報告させていただいているところでございますけれども、これまでは、主に衛生状態の管理、大腸菌群数がどうであるか等々によって適、不適を判断しておりました。

 昨今、こういう状況でございまして、地方公共団体からの御要望も強いものがありますので、内閣官房長官からの御指示もいただきまして、原子力安全委員会と協力して、放射性物質について海水浴に適しているかどうかについての指針を早急に検討するようにということでございましたので、今後速やかに、専門家の御意見も聞いて指針の検討を開始し、結論を出していきたい、このように考えております。

丹羽委員 全国の海水浴場、これからシーズンを迎えるに当たって本当にナーバスになっている部分がもちろんあると思うんですが、しかし、うちも子供がいますが、やはり子供たちを海に連れていくときに安心して入れる海というのが非常に大事だと思っておりますので、そういったことも含めて、全国的にも、これは環境省がぜひ一元管理して、環境省の職員の方にモニタリング調査してほしいというわけではないんですが、自治体としっかりと連携をとって、そこをやっていっていただきたいと思っております。

 ちょっとここから廃棄物処理のことに関して御質問させていただきたいと思います。

 今回の東日本大震災による廃棄物、私も実際に現地に行って見てきた中で、本当に十数メートル瓦れきが山積みにされているという状況も見てまいりました。

 その中で、環境省のマスタープランで、おおむね三年で処理したいということも聞いておりますし、各被災県なんかも、なるべく早く、三年をめどにということを言っておられますが、もし本当にあの瓦れきを撤去しようと思った場合、いまだに、三カ月たった今でも避難所の横に瓦れきが、随分減ったと思うんですが、積まれている部分とか、これは車なんかでもそうなんですが、校庭にそのまま整然と放置されているというような状況を見ますと、これは三年で本当に済むかどうかというところも、実際に現地を見た中で疑問になってくるわけであります。

 そこで、今まで、瓦れきの量とかを最初のときに試算されたと思うんですが、その試算の変更があるのかどうなのかを含めて、政府の対応についてお尋ねしたいと思います。

伊藤政府参考人 今回の震災、大量の瓦れきが発生しているところでございます。

 当初、私ども、関係県からのヒアリングあるいは関係機関からの推計をもとにして大体二千万トン程度かなというふうに考えておりました。その後、環境省の方で衛星画像を使ったりいろいろ推計をしておりまして、現段階では約二千五百万トン程度かなと。ただ、これはさらに精査してまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。

丹羽委員 この廃棄物、瓦れきの量というのは、もちろんまた変わってくると思いますし、後ほどヘドロのことについても改めて質問させていただきたいと思いますが、現地を見た感想から、先ほども私話しましたが、実際に宮城県全体で二十三年分が今回の震災によって蓄積されている。この量がどれぐらいかというと、二十三年分のごみの量というのは、私も家庭のごみぐらいは出しますけれども、実際どれぐらいかと思ったら、東京ドーム十九個分というような話を聞きました。それを三年で処理するためには、相当スピードアップしなければいけないと思っております。

 現地の仮置き場の状況、そういったところを見まして、特に車なんかの場合、もし廃棄物を処理しようとした場合、エンジン部分ももちろんですけれども、エンジンの中に入っているオイルとかそういったことも含めて、相当な人海戦術でやらなきゃいけないと思っております。実際、現地に、企業名を言いますと日産の工場なんかもあるというような話も聞いておりますので、実際どれぐらいの、人海戦術を含めて、本当に国として三年でできるのかどうなのか、車の問題も含めてお答えいただければありがたいと思います。

伊藤政府参考人 阪神・淡路大震災の場合におきましても、瓦れきの処理、おおむね三年で処理したというふうな状況でございます。

 今回におきましても、私どもとしましては、計画的にリサイクルできるようなものは別ですけれども、そういったもの以外につきましてぜひ三年を目途に処理をしたいということで、都道府県あるいは市町村と協力してぜひやっていきたい、こういうふうに考えている次第でございます。

丹羽委員 車なんかの場合の処理は実際どういう手順でやるのかということを、ちょっと今答弁が漏れたと思いますが、お願いいたします。

伊藤政府参考人 車につきましては、自動車リサイクル法に基づいてリサイクルをするということを基本にしております。

 自動車リサイクル法では、自動車の所有者に対し購入時に再資源化預託金等を預託することを義務づけておりまして、当該自動車が使用済みとなった場合には、預託された再資源化預託金等を用いて適切にリサイクルされることとなっている。いわば、前払いでリサイクル費用が既に預託されているということでございます。

 今回の震災で発生いたしました被災自動車、これはほとんどが震災の直前まで自動車として使用されていたものでございます。したがいまして、車台番号などが不明な場合であっても再資源化預託金が預託されている、こういうふうに考えられるということで、当該自動車の引き渡し時において、再資源化預託金等の預託は自動車リサイクル法に基づいて指定された資金管理法人が行う、こういうふうなことで運用しております。したがいまして、自治体が所有者不明の被災自動車を引き取り業者に引き渡す際、こういった場合にリサイクル費用を市町村が負担するという必要はございません。

 また、自治体が一時保管所から引き取り業者までの運搬を、これは引き取り業者がやる場合も多いんですけれども、仮にこれを自治体が行った場合については、その費用については私どもの災害廃棄物処理事業の国庫補助の対象となるということでございます。

丹羽委員 今の答弁の中で、自動車なんかの場合、購入したときにリサイクルのお金も支払っているというお話があったんですが、実際私も思い出してみると、車を購入したときに見積もりじゃないですけれども確かに入っていた記憶はあります。

 そうしますと、購入後の場合はその予算でできるかもしれませんが、購入前の車の場合、その処理を事業所が支払う形になるんですか。ちょっとそこのところを。

伊藤政府参考人 通常の場合であれば、引き取り業者に引き渡す、そういった場合に、再資源化預託金がどうなっているのかということの預託状況を確認するという作業をする。もしまだ預託されていないという場合であれば、その段階で預託してもらう、こういうふうにしているんですが、今回の場合は、もう震災で、もちろん、そういったナンバープレートとかがわかって所有者がわかる場合はそういう確認をいたしておりますけれども、そういうふうなことがわからないといったものについては、もう既に預託されているというふうにみなして運用している、こういうことでございます。

丹羽委員 ありがとうございます。

 この瓦れき処理に関しまして、先般も環境委員会の方で視察に行かれた方々が質問をされた部分があるかもしれませんが、仮置き場もそうなんですが、焼却炉が、実際、三年をめどに瓦れきの対応を行うという中で、自治体を含めて現地の焼却炉が間に合っているのかどうなのか。そして、私が見た中でも東松島なんかの場合、塩分を含んだ材木とか木材が相当あったように、いまだに河口部分に残している部分もあって、これも引き揚げると塩分を含んだ瓦れきになってしまいますので、そういった塩分が付着した瓦れき等の最終処分の手当て等というのは、焼却炉の部分も含めてきちんと対応しているのかどうなのか。お願いします。

伊藤政府参考人 御指摘のとおり、今回の震災では塩分を含んだ廃木材が大量に発生しているという状況でございます。

 このような廃木材であっても、一定程度の塩分濃度であれば建材や家具の材料となるパーティクルボード等の原料として活用することは可能、こういう状況が一方であります。

 一方、先生御指摘のとおり、塩分を高濃度に含む廃木材を焼却炉で燃やした場合に、塩分が金属腐食の原因となるおそれがあって、炉の損傷につながる、こういったことも懸念されております。塩分濃度が高い場合においても、雨が降って降雨にさらされたような場合は塩分濃度が下がる、こういうふうなこともございますので、降雨にさらした後、ボイラー燃料等として有効に活用する、あるいは必要に応じて焼却処理を行う、こういうふうなことになっていくのだろうというふうに考えております。

 また、塩分濃度が高い廃木材を処理せざるを得ない場合は、一定規模以上の廃棄物焼却炉で他の廃棄物と混合して、その混合率を調整することによって適切に焼却するということで炉の損傷を防ぐ、こういうことも可能なわけでございます。

 いずれにいたしましても、廃木材の有効利用、処理に当たっては、それぞれの受け入れ先あるいは炉ごとにどういった条件ならば大丈夫かということが決まってくるわけでございまして、こういった受け入れ先によって求められる形状あるいは塩分濃度の条件がそれぞれ異なっている、そういう条件を満たすための対応が必要となってくる。

 そういった中で、いろいろな情報というのが必要でございます。環境省としても、専門家の派遣とかいろいろやっておりますけれども、そういった塩分を含んだ木材についても、積極的に情報提供を行って適切な処理が進むよう努力してまいりたい、こういうふうに考えております。

丹羽委員 済みません、私の質問が悪かったのかもしれないんですけれども、もちろん、今の塩分の付着した瓦れきの話もそうなんですが、焼却炉というのは実際に間に合うんですか。

伊藤政府参考人 今回、大量の瓦れきを処理するということで、一方で、東北地方は焼却施設そのものも相当やられている、こういう状況でございまして、私どもとしては、全国的な処理体制を構築していく、広域的な処理を進めていく、こういうことが非常に重要だということを思っております。

 これにつきましては、当初より、大臣からの御指示を受けまして、全国の自治体あるいは関係業界に対し受け入れの協力要請を行ってきたところでございまして、多くの団体から広域処理の受け入れを表明していただいている状況でございます。

 具体的には、五月二十四日現在でございますけれども、全国四十二の都道府県、五百七十二の市町村、一部事務組合等から受け入れの表明がございまして、焼却につきましては年間最大で二百九十三万トン、破砕につきましては年間最大で約八十五万トン、埋め立てにつきましては年間最大で約百十万トン、こういった受け入れの表明もいただいているということでございます。

 とりわけ、首都圏や関西圏では多くの受け入れが可能だというふうなお話を伺っておりますので、私ども、そういったマッチングを積極的に推進、これはまさに環境省の役割だと思っています、被災県と受け入れ自治体の調整をきちっとやるということで瓦れき処理のスピードアップを図っていきたい、こういうふうに考えている次第でございます。

丹羽委員 ぜひ、これは迅速に進めていただきたいと思っております。

 しかし、全国の自治体の方の話を聞きますと、ちょっとずれがあるかなと思うのは、政府には受け入れの支援の話はしたんですけれども、今度は実際の指示が出てこないという話を聞いておりますが、実際、まだ指示ができていない状況でしょうか。お願いします。

伊藤政府参考人 受け入れを表明していただいた自治体、それから、被災県、被災市町村の方から、ではこれだけ受け入れていただきたい、こういうふうな話をマッチングしなきゃいけないということでございます。

 実際、もちろん幾つか話は進んでおりますが、ただ、被災した市町村、県の方では、まだまだ瓦れきを仮置き場へ持っていくということが非常に大きな仕事のウエートを占めているということもございまして、リサイクルあるいは処理といったことは今後大きな仕事になってくるということで、これまで確かにそういった、まだまだ被災県からの、では具体的にこれだけといったことは、これからたくさん出てくる、こういうふうに考えている次第でございます。

丹羽委員 今の答弁の中でも、まだまだこれからという話がありました。これは環境省が頭になって、しっかりと各都道府県、自治体と連携をとってやらないと、本当に環境省が進めている三年をめどというのが私は疑わしくなってくるかと思いますので、ぜひ迅速にやっていただきたいと思います。

 この瓦れき処理の中で、実際、私の地元で、これは私が生まれる前の話なんですか、昭和三十四年に伊勢湾台風がございました。そのときの、生きていらした方の話を聞きますと、当時被災した地域に行って、瓦れき処理は、当時は瓦れき処理というよりもまずは救助の部分があって、その救助が終わって瓦れき処理の中で、その方のお話を聞くと、いまだに夢で、御遺体をつかんだときのことを鮮明に覚えている。

 それがその方にとってPTSDというわけじゃないんですが、心的外傷になるというふうには、人それぞれ違うと思うんですが、今回の場合、相当、これは伊勢湾台風も比較にならないぐらいのいろいろなケースがあったと思いますが、そこはしっかりと対応しているのか、政府の方、御答弁をお願いします。

木倉政府参考人 お答え申し上げます。

 被災地におきまして、被災された方もですが、今先生御指摘のように、瓦れきの作業に当たっていらっしゃる方、あるいは行方不明の方々の捜索に当たっていらっしゃる方、その中で御遺体に接される方も多いと思います。ふだん体験しないような大変凄惨な場面を体験されるということで、心の健康を害される、あるいは先生御指摘のようにPTSDというような状態、傷を負われるというふうな可能性があります。そのために心のケアということを丁寧にやっていくことが大事だというふうに考えております。

 このために、厚生労働省におきましては、被災された自治体からの要請を受けまして、各県、全国の都道府県の方からの協力を得まして、専門の精神科医、あるいは看護師、心理職等、チームを組んでいただきまして、心のケアチームということで各県の現場に入っていただいている、その調整を進めてきております。

 その中では、被災された方はもちろんでありますけれども、その作業に当たられた、あるいはそういう場面に遭遇された方々、精神的な不調がないかということを地元の保健師さんとともにお尋ねをさせていただいたり、窓口を開かせていただきまして、その場でのカウンセリング、あるいは診察、投薬等を行わせていただいてきております。今現在も続けさせていただいております。

 また、相談をしたいという方々には、県の精神保健福祉センターでの相談、あるいは民間にも御協力いただいておりまして、いのちの電話あるいは心理関係職種の団体の方々の電話相談等でお電話をいつでも受けられる状態を保っていただいておるところでもございます。

 今後この症状が長期化をするというようなことも懸念をされます。そのためには、まずは地元の医療機関や地域の保健の活動がしっかり回復をするということが大事だと思っておりますが、このような心のケア体制の支援ということも引き続き中長期にわたって継続していかなければいけないと思っておりまして、自治体とも相談をしております。

 また、支援をされた方々が地元に戻られましても、その県でのケアということも大事だと思っておりまして、それぞれの県での相談の窓口、診療の窓口というようなことも呼びかけてまいりたいというふうに考えております。

松本(龍)国務大臣 大変大切な御指摘で、PTSD対策は発災から一週間後に、警察、自衛隊、消防も大変な経験をされておりますので、対策をするようにという発信を私はいたしました。

 例えば自衛隊の皆さんも、各駐屯地に、学習して先輩たちがそれらの対策に対していろいろ講習を行っているという話もありますし、また、民間のいろいろな方たちが百人、二百人体制で相談窓口をつくっているという話もございました。

丹羽委員 実際に私、七ケ浜のボランティアセンターに行ったときに、巡回の方にいらっしゃいましたよ、回っていらっしゃいました。ボランティアセンターから出てきて、避難所の方を回って、またボランティアセンターに戻ってという形でやっておられました。

 本当に、心的外因じゃないんですけれども、人によっては相当なストレスになると思っております。ぜひそこをしっかりと対応していただかないと、これは、現地へ行ってしっかりとボランティアをやって、救助活動、復旧活動をやったのはいいんだけれども、行ったら、その後、何か相当ストレスがたまっちゃって、日常生活に支障を来すなんということがあっては、何のために助けに行ったのかということになってしまいますので、ぜひそういったところのケアもやっていただきたいと思っております。

 今回の瓦れきの処理の費用負担というのは国が全額負担となっているというふうに聞いておりますが、実際に今、支払いの方法とか状況というのはどういうような進捗状況なのか、お聞かせいただければありがたいと思います。

伊藤政府参考人 今回の災害廃棄物の対策費につきましては、国による補助率の引き上げ、それからその裏負担分については地方財政措置ということで、実質、地方に負担のない格好で行われるということにしております。

 補正予算が成立いたした日に直ちに補助要綱を各市町村に送付いたしまして、概算払いも積極的にやっていきたい、市町村からそういった申請が上がれば私どもはできるだけ早期に概算払いもしますといったことを当初から伝えておりますし、去る六月六日にも、その旨、再度地方自治体に通知をしたということでございます。

 また、実際の、市町村から業者の方々にどういった段階でお金が支払われるかということにつきましては、これはそれぞれ市町村と業者の方の契約に基づいて支払われる、こういうふうな状況になっている次第でございます。

丹羽委員 実際に私も、今回、私が被災地に行った中で、現地の行政の方に御迷惑をかけちゃいけないと思って、自己完結型でこれは正直行きました。そういった中で、現地でお会いしたときには、ちょっとお話をする機会があったんですが、自治体によって、今まで積み立ててきた分の予算を今回の震災の対応に切り崩して、ただ、切り崩すのに当たって、瓦れき撤去に全部充てるというわけにはいかない、いかれないというところがあると思うんです、もちろん、自治体としてはそこに住んでいらっしゃる方々の生活の支援もしなきゃいけないと思いますので。

 そういった中で、実際に、瓦れき撤去の費用の部分で、補正予算が三千五百十九億あると思うんですが、今の答弁の中で、市町村が瓦れき撤去、市道の瓦れき撤去をしてほしい、町道の瓦れき撤去をしてほしいという中で発注した支払いと、個人で自分の自宅の瓦れき撤去をしてほしいという発注をしちゃった場合、これらの支払いについて違いがあるのかどうかということと、もしあるんだったら、これは、しっかりとその統一基準を設けないと、絶対に後からもめる原因になると思いますので、そこの答弁をお願いいたします。

伊藤政府参考人 個人の方が、みずからの家を取り壊して、それで瓦れきとして処理していただかなきゃいけない、こういう場合があるということは当然でございます。

 その点につきましては、市町村が、それが災害の廃棄物対策として必要だ、こういうふうに認めている場合については我々の補助の対象となるということにつきましては、補正予算が成立する前からQアンドAという格好で各市町村に示しております。その中で、統一的なやり方といいましょうか、そういったことについても既にお示しをしているという状況でございます。

丹羽委員 わかりました。

 それで、そのQアンドAというのは、一般の人たちもきちんとわかるように、アクセスできるようになっているのか。お答えは結構ですので、ぜひ一般の方々もわかるようにしていただければ、避難所で暮らしていらっしゃる方々も安心して携帯等のホームページへ、パソコンとかじゃ、現地へ行くとパソコンがやはりないんですよ、避難所に一台、二台なんです。だから、携帯とかでも見られるようにしていただかないと。これは相当なアクセスがあると思いますので、ぜひそういった対応もやっていただきたいと思います。

 私、きのう夜、地元へ戻って、また上京してきたんですが、うちの地元の春日井市というところが愛知県にあるんですが、そこが南三陸町と、以前、環境省がごみのリサイクルの大会をやった中で、六年ぐらい前の、春日井がやる前の年に南三陸町で行われたということで、春日井の地元の方々が南三陸の方へ行かれた中で、いろいろな話もあったんです。

 実際に今、南三陸というのは、きょうも朝、何かテレビでやっていたので、私の方が先にこれを知ったと思うんですけれども、川で洗濯している状況があったり、非常に過酷な環境の中で生活されていらっしゃる方々が大勢いらっしゃると思います。川で洗濯するなと私は言いません、これは有事のことですから。洗濯しないと、汗をかいたものをずっと着ていますとまた感染症や伝染病のおそれになってしまいますので。

 そういったことを含めて、川で洗濯しているという状況を環境省はしっかり把握していらっしゃるんでしょうか。

関政府参考人 今回の大震災におきまして、最大百八十万世帯の水道が断水状態になったというふうに承知しておりまして、現在でも、残念ながら、約六万世帯の水道が断水している状況でございまして、そういう中で、やむなく川の水を使って洗濯をされている、あるいは井戸水、今回の法案にも関係がございますけれども、井戸水が使えるところは緊急用の井戸水として使っておられるというふうなことを、私ども、網羅的には把握しておりませんけれども、事例として承知しているところでございます。

 こういうことがございますので、一般的に、井戸水の方はきれいで、川の方は特に、場合によりましては有害物質を含んでいるおそれもございますので、現在、緊急的な河川の水質のモニタリング等を行っております。その結果は、今月末から七月の初めにかけて各被災地ごとに明らかになりますので、なり次第、結果が出次第、早急に公表いたしまして、周知に努めてまいりたい、このように考えているところでございます。

松本(龍)国務大臣 被災者生活支援チームの方で、四月の初めから避難所またはその周りにおられる方々の様子を悉皆調査しまして、五段階ぐらいに分けて、劣悪な状況があるところを早く解消しようということでずっと続けております。延べ三回ぐらいやったと思いますけれども、日に日に改善をされているというふうに思っております。

丹羽委員 ぜひ、川で洗濯される方々が川の水も安心して使えるような環境をしっかりと調査して公表していただかないと、やはり川で洗濯していて、それで感染症になって、また病気にかかっちゃったということでは、特に、避難所で生活されている方々は相当体力的に弱っていると思いますので、そういったところを環境省の方でしっかりと対応していただきたいと思います。

 そして、被災地でいまだに下水道が整備されていない地域においては、水道が復旧しても水が使いにくいという御家庭が相当あります。側溝に津波が残したヘドロがたまって、水を使って排水を流すと汚水が路上にあふれ出てしまうなんという話、逆流するという話もありますので、こういった対応を、今実際しっかりととられているのかどうか、御答弁いただきたいと思います。

伊藤政府参考人 今回の震災による津波で陸上に堆積したヘドロを含む津波堆積物、これも相当あるということでございまして、その処理が重要な課題であるというふうに当然我々も認識しているところでございます。そして、こういった津波堆積物につきましては、市町村がその処理を行う場合には、私どもの環境省の災害廃棄物処理事業として実施できる、当然、補助の対象になるということでございます。

 また、五月十六日に環境省が公表しました災害廃棄物の処理指針、マスタープランにおきまして、この津波堆積物の処理方法について基本的な方針を示しておりまして、具体的には、その性状に応じて、腐敗性のある可燃物や、油分などを含むものについては、セメント原料としての利用や焼却または最終処分場への埋め立てをやる、これ以外で水底土砂と同程度の性状のものは、異物を除去した後、地盤沈下した場所の埋め戻し材としての利用あるいは土木資材化または海洋投入等による処理を行う、こういうふうな基本方針を一応示しております。

 また、詳細な指針についても、今、専門家を集めて検討しているところでございます。

 以上でございます。

丹羽委員 時間が参りましたのでこれで終わりますが、ちょっときょうは時間内で放射能汚染の瓦れきの話なんかも、環境省がやられるということで聞いておりますけれども、そういったことの対策。

 それから、被災地の悪臭のにおい、対策。私が行ったときは、台風二号で風が強くて、まだそんなに悪臭を感じなかったんですが、現地へ行くと相当悪臭があるという話を聞いておりますので、そこの対応をしっかりともっとやっていただきたいと思っております。特に、震災からわずかたったときよりも今の方が悪臭が相当ひどいという話を聞いておりますので、こういったところを政府でこれからもしっかりと対応の方をしていただければ幸いでございますので、よろしくお願いいたします。

 以上です。

小沢委員長 午前十一時五十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前九時五十二分休憩

     ――――◇―――――

    午前十一時五十分開議

小沢委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。江田康幸君。

江田(康)委員 公明党の江田康幸でございます。

 本日は、水質汚濁防止法改正案についての審議ではございますけれども、今、東日本大震災から三カ月がたとうとしている、そういう中においても、いまだに十万人近い方々が避難所生活を余儀なくされているという状況、そしてまた、原発事故の収束がいまだ立っておらず、いつ帰れるともわからない、そういうような状況が続いております。そしてまた、環境省の所管でもある、復興復旧に向けての第一歩であるところの瓦れき処理等についても、なかなか現場ではそれが進まない、全体的に言っても一五%の進捗でしかない、こういうようなところも非常に厳しい状況がございます。

 きょうは、東日本大震災の復旧復興へ向けて政府が総力を挙げて立ち向かっていかなければならない、そういう中で環境省のこの水質汚濁防止法の改正もあるということを踏まえて質問をさせていただきたい、そのように思います。

 この水質汚濁防止法についてでございますけれども、東日本大震災では命に不可欠な水を供給する水道が大きな打撃を受けたわけでありますが、そういう中において、地下水を利用する井戸は被災者のために大いに利用されたと聞いております。また、地下水については、我が国の都市用水の約二五%を占める重要な水源でございます。汚染の防止は喫緊の課題。地下水は一度汚染されたらその回復は非常に困難になる、そういうようなことから、地下水汚染の未然防止というものが非常に重要であるわけでございます。

 本改正案では、地下水汚染の未然防止の観点から、有害物質の地下への浸透を防止するための構造基準を設けて遵守義務を課す、そしてまた定期点検の義務を課すということになっているわけでございます。これらの新しい基準については環境省令で後に定められることになっておりますけれども、既に事業者や業界団体で取り組みが行われているわけですね。そういう現状を踏まえて、過度の負担とならないようにしなければならないと思うわけでございます。

 そこでお聞きをしたいのでございますが、この構造等に関する基準の設定に当たっては、事業者の意見はどのように聞いて、そしてどのように反映をしているのか、伺います。また、具体的にどのような基準としていくつもりか、いつまでに示すのか、これについてお伺いをしたい。あわせて、有害物質を使用する施設においては、定期に点検して、その結果を記録して、これを保存しなければならないとなっております。定期点検の義務を新たに課すことにしたわけでありますけれども、この定期点検についてもどうなのか、あわせて政府の見解をお聞きいたします。

関政府参考人 中小事業者も含めて、今回の対象となる事業者が大変多いという観点も踏まえまして、事業者の意見を反映させるという観点から、今回の制度改正の具体的な内容について御審議をいただきました中央環境審議会の地下水汚染未然防止小委員会に、関係業界からも委員として審議に加わってきていただいたところでございます。

 また、この審議会の小委員会におきましては、クリーニング業界やメッキ業界の団体あるいは化学工業の事業者からヒアリングを行い、その実態や要望の把握に努めてきたところでございます。

 構造に関する基準の具体的内容は、今後、法案が成立いたしましたら環境省令で定めさせていただくところでございますけれども、現在想定しておりますのは、有害物質を取り扱う施設設置場所の床面は、コンクリート製で表面を耐性のある材料で被覆するなど、有害物質の地下浸透を防止できる材質や構造とすること、あるいは、有害物質を取り扱う施設設置場所の周囲は、有害物質が仮に漏えいした場合でも有害物質が周囲に流出しないよう防液堤を設ける等、流出を防止できる構造とすることなどを定めることを検討してまいることとしております。

 引き続き関係業界の意見なども聞きながら、法案成立後でございますけれども、速やかに検討に着手し、できましたら今年度中にお示ししたいと思っております。

 また、定期点検の具体的な内容につきましては、例えば、設備の本体、設備に附帯する配管あるいは設備の場所の床、これらの破損状況、あるいは排水系統の設備の破損状況などにつきまして、定期点検の対象とする予定でございます。

 また、点検の頻度等具体的な点検の方法につきましても、検討の上、定める予定でございます。

江田(康)委員 しっかり取り組んでいただきたいと思うんです。

 次に、既存施設に対する支援についてお伺いをさせていただきます。

 本改正案においては、既存施設に対する構造等の基準の適用につきましては三年間の猶予を設ける。対象となる既存施設は、この猶予期間の中で新たな規制への対応を図ることになるわけであります。そこで、どのような支援策が講じられているのかというのを確認したいんです。

 今回の規制の対象には、金属メッキ業などの中小企業が含まれます。これらの中小企業が近年の厳しい経済状況の中で構造等に関して大規模な投資を行うということは、大変厳しい、難しい状況にあるかと思うんですね。それで、この構造等に関する基準、また点検に関する措置というのは、中小企業にとって過度な負担とならないように、くれぐれもそのように努めるべきであるかと思いますが、中小企業の負担を軽減させるための措置について、また支援等についてどのように講じるつもりか、お伺いをいたします。

近藤副大臣 お答えをさせていただきます。

 江田委員にも御指摘をいただきました、環境を守っていくという観点、しかしながら、それが実態的にしっかりと実現をしていかなくてはならないということ、そして、現在の状況も配慮していかなくてはならない、こういうことであります。

 ですから、環境省といたしましても、政府といたしましても、基準遵守義務や定期点検義務を課すこととしておりますけれども、事業者にとってより負担の大きい、ここがポイントだと思っていますが、構造に係る基準の遵守義務については、三年間の猶予期間を設けるということであります。

 また、その基準、定期点検の具体的内容については、今後、専門家、関係業界を含めた検討の場を設け検討していくことになりますが、先ほどにも申し上げましたように、実施可能性にも配慮しなくてはならない、こういうふうに考えております。

 そしてまた、そのほかについても、こうしたことが進められていく段階で、しっかりと中小企業が対応できるように、わかりやすいマニュアルを作成していくということであります。

 そしてまた、これは資金的な確保も必要になってまいりますので、日本政策金融公庫において既に環境対策に必要な資金に対する長期低利の融資を行っており、対象等が融資の条件に合えばでありますが、この制度を活用していただく、こういうことができると考えています。

江田(康)委員 私の地元であります熊本でございますが、熊本市、地下水が非常に豊富でありまして、一〇〇%、地下水を飲用水に使っている、水道に使っている、そういうところであります。地下水が豊富であるということであって、また、天然のミネラルウオーター一〇〇%でございますから、飲んでも非常においしくて、水質も日本一だと思っております。

 地下水の水質を保全する取り組みが熊本では進められておりまして、山間部の地域の市町村に熊本市から助成をして、水田に水を張ることなどで地下水を守っていく、そういうような取り組みが進んでおります。

 しかしながら、最近では、一部の地下水で、有害物質の一つである硝酸性窒素による汚染があります。また、この硝酸性窒素は、全国的に見てもこれは環境基準の超過率が高いんじゃないですか。この硝酸性窒素による汚染についても早急に私は規制をすべきだと思いますが、今回の改正では対象となっておりません。その理由は何か、また具体的にどのように対策を講じていくか、環境大臣、お伺いいたします。

松本(龍)国務大臣 地元、熊本の大切な御指摘だというふうに思います。

 硝酸性窒素につきましては、地下水の水質調査において環境基準超過率が高い割合で推移をしており、対応が必要な重要な課題だと私どもも認識をしております。

 この汚染源は、施肥、肥料でありますとか、畜産ふん尿、生活排水と多岐にわたって、これらはいずれも面的な発生源や極めて小規模な発生源であるので、水質汚濁防止法による工場、事業場を対象とした規制手法はなじまないというふうに思っておりますけれども、これまで、対策マニュアルや対策事例の作成、浄化技術の実証や普及により汚染対策を促進し、一定の成果を上げていますけれども、今御指摘のように、さらなる対策の推進が必要と考えています。

 さらに、今年度、平成二十三年度におきましては、流域視点からの硝酸性窒素対策推進費を活用しまして、農業分野の専門家や関係省とも連携をし、効果的な対策推進のための包括的な仕組み等を検討してまいりたいというふうに思います。

 先ほど来、東日本大震災のことに思いをはせていただいて、ありがとうございます。

 避難所におられる方の数が十万人を切ったというふうに言われました。実は、私どももいろいろずっと精査をしまして、今、岩手県、宮城県、福島県で三万八千人です。全国で四万強の方々がいわゆる公民館とか学校におられます。ただ、ここでカウントされていないもの、知人宅とか親族のうちにおられる方々もまたおられます。旅館、ホテルにおられる方等おられますので、いわゆる避難所におられる方は、まだ精査中で、来週にも公表しますけれども、今四万強だというふうなことで、支援チームがずっとこの間悉皆調査をしていた結果が、きょう、私も報告を受けました。

江田(康)委員 硝酸性窒素の汚染未然防止については、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。

 今大臣がおっしゃいました、東日本大震災のそういう状況でございますけれども、やはり、住環境をもとに戻していく、そして避難されている方々が一刻も早くお帰りになっていただける、こういう復旧復興へと向かっていかなくてはなりません。

 そういう中で、今般、環境省は被災地において河川や地下水の水質モニタリング調査を行うとしたわけでございますね。これについてお聞きをいたします。

 まず、この大震災によって、これは、もう我々も視察もし、また私も何度も参っておりますけれども、多くの工場等が被災しておるわけで、有害物質に汚染されている可能性が非常に大きいわけです。そういうような中で、水質のモニタリング調査を行うとしたことは評価するわけでありますが、その具体的な内容と調査結果の公開を含めた今後のスケジュールを示していただくとともに、今回のモニタリング調査で河川が有害物質に汚染されていたとした場合には、これは環境省としてどのように迅速に対応をするんですか。これは人為的なミスではない、災害によるものであることも配慮して、早急に取り組んでまいらなければならないと思うんですが、いかがでしょうか。

樋高大臣政務官 お答えさせていただきたいと思います。大切なお尋ねであろうとお受けとめさせていただきます。

 今回の震災に伴いまして、被災地におきまして、工場などから有害物質の漏えい等による河川あるいは地下水の汚染が懸念されるわけでありまして、住民の健康影響に被害を及ぼすおそれがあるということから、実態を早期に把握しなければいけないということで、環境省におきまして緊急のモニタリング調査を実施させていただいたところでございます。

 河川でございますけれども、ここにつきましては、五月下旬より有害物質等の水質モニタリング調査を実施しておりまして、また、地下水については、近々に調査を開始すべく、関係自治体と調査地点あるいは調査期日等の詳細の調整を今している真っ最中でございまして、早急に準備を、加速をさせてまいりたい、このように考えております。そしてまた、調査結果につきましては、測定結果が得られ次第、速やかに素早く公表させていただきたいというふうに思っております。

 また、先生今おっしゃいましたとおり、もし環境基準を超える高い濃度で有害物質が検出された場合についてでありますけれども、関係自治体としっかりと連携をとりながら、汚染原因の特定のための追加調査など、住民の健康をまず第一に守るんだということをしっかりと考えた上で、適切な対応をしっかりと検討してまいりたい、行ってまいりたいと思います。

 ありがとうございます。

江田(康)委員 さらに、水路のヘドロ汚染と廃棄物処理についてお伺いをさせていただきます。

 環境委員会で、我々、石巻市の石巻工業港を視察したところでございますけれども、今、さらに大変状況が悪くなっておりまして、ヘドロにまじって、工業用重油とか瓦れきが水路とか農業用排水路にたまっている。周辺には住宅があれだけありますから、悪臭が立ち込めている。ヘドロに加えて、工業用ガソリンとか重油、軽油、飼料用の動物性油脂、こういうものが工場から流れ出て、水路の水質を汚濁しているようであります。

 しかし、その対策のめどが立っていない。瓦れきやヘドロを取り除くのに必要な重機が大変要るわけでありますけれども、それが不足している。また、道路とか住宅敷地内での作業ですから、なかなかそれが進まない。水路は後回しになっているというような状況であります。石巻市は、徐々に、水路、側溝での瓦れき処理、ヘドロの除去、撤去を進めたいとしておりますけれども、この量の多さは莫大でありまして、何カ月もこれにかかると頭を悩ませているような状況があります。

 このような状況はほかの被災地でも一緒だと思われるわけでありますけれども、環境省として、迅速な対応をどのように考えておられるか。これらの瓦れきやヘドロ処理も災害廃棄物対策処理事業の対象として国が全額を負担していくというようなことも含めて、お答えをいただきたい。

樋高大臣政務官 お答えさせていただきたいと思います。

 今先生おっしゃいましたヘドロにつきましても、大分早い段階から大臣の指示もこれあり、そして私自身も、今おっしゃいました石巻、日和山にも参りましたし、現場にも参りました。そして、その後、ヘドロがさまざまな悪臭を放っている、あるいは、ボランティアの皆さんにそれぞれの民家に入っていただいて、土のうの袋に一生懸命詰めていただいて、それを道路に積み上げている、しかし、その回収がなかなか進まないというような話もいただいたわけであります。

 私の方からも、場合によっては石巻の役場の方にも直接あるいは間接も含めて連携をとらせていただいて、とにかく、においというのはとても大切な大きな、生活をする上での重要なことである、これは現場に行かないと気づかないことでありまして、それらを含めて環境省としてしっかりと対応しなくてはいけないということで、指示をさせて、そして取り組ませていただいているところでございます。

 五月の十六日でありますけれども、マスタープラン、災害廃棄物の処理指針を発表させていただきまして、ヘドロの処理方法についてもきちっと細かく言及をさせていただいております。その性状に応じまして、例えばでありますけれども、腐敗性のある可燃物や、油分等を含むものについては、セメント原料としての利用、焼却または最終処分場への埋め立て。また、これ以外のものにつきましては、異物を除いていただいた後、地盤沈下した場所に埋め戻し材として利用、土木資材化、あるいは海洋投入などにより処分を行うということにさせていただいたわけであります。

 先生がおっしゃいましたヘドロにつきましても、環境省のスキームにしっかりと乗っていただければ、つまり、市町村がきちんと認定をした上で、これは災害廃棄物対策処理事業ということを認定して実施していただければ当然補助の対象になるということも重ねて申し上げさせていただきたいと思います。

 いずれにいたしましても、先生の御指摘をしっかり重たく受けとめさせていただいて、とにかく瓦れきの処理をスピードアップさせるということに全力を傾注してまいりたい、このように考えています。

松本(龍)国務大臣 ヘドロのことにつきましては、六月の二日に相馬市の立谷市長から連絡がありました。彼は医者ですから、そういう意味では、感染症とか、マラリア菌とかさまざまなもの、有害物質が含まれているということがあって、とにかく住宅から離れたところにヘドロを持っていって、そのヘドロを扱う人はマスク、ヘルメットあるいは安全靴を履いて作業しよう、そして、ヘドロゲートシステムという名前をつけたんですけれども、そこから出るときはそこでシャワーを浴びて家に帰ろうというくらい密にやるシステムの構築を恐らくされたと思います。

 そういうことも環境省はしっかり見ていきながら、ほかの市町村にも呼びかけていきたいというふうに思います。

江田(康)委員 ヘドロ処理については大臣の早急な対応で仕事を進めておられる、それはもう承知しております。今申されたように、感染症対策としても、これから夏場が参ります。大変厳しい。そういう中で、ヘドロはその汚染源、感染源となっているわけですから、そういう対応を指示されたということは大変重要だと思います。

 ただ、この石巻市の例にも見られるように、現場はそれで大変、ヘドロ処理、また瓦れき処理が進まないで苦悩しているわけでございまして、マスタープランは出された、そしてそういう指示をなされているんですけれども、また、申請があれば災害廃棄物対策処理事業として国費でやられると。しかし、実情としてそういう進まない状況、ここに手を入れられるかどうかということですから、県、市とも連携をしていただいて、国が前面に、やはり瓦れき処理でございますから、立っていただきたい、そのことを改めて強くお願いしておきたいと思います。

 次に、放射性物質による環境汚染の問題について、幾つか質問をさせていただきたいと思っております。

 原発事故によって多量の放射性物質が大気中、また各所に放出されて、環境汚染の大きな問題となっているわけであります。大気中には、蒸気の放出、ベントですね、それから原子炉建屋の崩壊、そういうことによって大量の放射性物質が放出されました。また、原子炉建屋付近の地下水からは高濃度の放射性物質が検出されているわけでありますね。さらに、高濃度汚染水の海洋への放出がありました。さらには、低濃度汚染水についても、これは計画的に、意図的に放出をされた。

 こういうような結果として、例えば、各地においても、放射性物質が水の中でも検出される、また農作物への付着による出荷規制、さらには魚介類からの検出、こういうような問題があるわけで、その収束にめどが立っていない。こういう汚染の拡大を食いとめることが今国がやる喫緊のことでございます。

 そこで、この放射性物質による環境汚染について、これは土壌や地下水にもかかわってくる問題でございますので、質問をさせていただきます。

 最初に、これは環境大臣にお伺いをしたいと私は思っておるんですが、汚染された土壌及び瓦れきの処理についてということであります。

 環境省では、避難区域を除く浜通り、中通りの仮置き場における災害廃棄物の放射線モニタリング調査を実施されたわけです。これらの調査からは、周辺住民への特段の影響、健康への影響はないということで、十町村については通常の災害廃棄物として処分することが決まった。五日の検討会でこれらの災害廃棄物の処理の方向性が示されたところでありますね。

 その中で、私が思いますに、焼却処分するものについては、大気中の放射性物質の拡散防止をどうするのか、また焼却灰の処理など、特別の対策が必要となってくるわけであります。これらの処理の方法、方向性について説明を求めます。また、この特別の処理で発生する追加費用については、これは自治体負担にせずに、任せきりになるのではなくて、国が責任を当然持つべきであると思いますが、いかがでしょうか。

 さらにそれに加えて、処理方針が決まっていない十町村以外の廃棄物の対処方針、また今後新たに集積してくる放射能汚染廃棄物に関する対処方針についてはどうでしょうか。これらの廃棄物処理については最終処分まで国が全額負担するものと考えますけれども、新たな予算措置も含めて、お答えをいただきたいと思います。

近藤副大臣 お答えをさせていただきます。

 御指摘の件でありますけれども、放射性物質による汚染のおそれのある災害廃棄物、この処理が本当に重要なことになってくるわけでありますけれども、安全面に十分配慮しつつ、適切に対応しなくてはならないということでありまして、モニタリングをさせていただきまして、浜通り及び中通り地方の十町村、一まとまりの地域としてモニタリングをし、この結果、この地域は全般的に空間線量率が会津地方と同程度またはそれ以下であったということであります。この結果も踏まえ、この地域の災害廃棄物については、焼却も含め、通常の災害廃棄物と同様に処理を行ってよいとの方針を五月二十七日に示させていただいたところであります。

 また、これら十町村の仮置き場でのモニタリング調査の結果、仮置き場の災害廃棄物から一メートルの地点の空間線量率は仮置き場のバックグラウンド地点と同じまたは若干低いレベルであり、仮置き場の災害廃棄物の放射性物質による汚染の寄与は極めて低いと考えられるということであります。

 いずれにいたしましても、災害廃棄物安全評価検討会によるこのような評価を踏まえ、同検討会の意見も聞いて、これら十町村の災害廃棄物については特別の処理は要しないと考えているところであります。

    〔委員長退席、大谷(信)委員長代理着席〕

松本(龍)国務大臣 御指摘の十町村以外のことにつきましては、十九日に開催する次回の検討会におきまして、処理の方針を取りまとめていただけるよう検討を急いで、できるだけ早期に処理を開始できるようにしたいと思っています。

 今回の地震による災害廃棄物の処理については、地元の負担が生じないように財政支援を行っており、実質的に地元負担はゼロということで三月の二十九日に発信をしました。これは、福島県の放射線に汚染されたおそれのある災害廃棄物につきましても同様であるというふうに考えております。

 今後、さらにまた努力をしてまいりたいと思います。

江田(康)委員 さらには、警戒区域また計画的避難区域についてお聞きいたしますけれども、これは当面は動かさないということになっているわけです。いつまでにこの処理方針を決定し、どこがこれは責任を持っていくんですか。また、モニタリングは今しているのか、さらには、どの程度の廃棄物の量が想定されるか、二次補正予算の対応もあるかと思いますけれども、どこまで考えられているか、教えてください。

樋高大臣政務官 お答えさせていただきたいと思います。

 今大臣からもお話ありましたけれども、今度、第三回目の災害廃棄物安全評価検討会を行うところでございまして、避難区域及び計画的避難区域についても、空間線量率の低い地区から災害廃棄物処理のための調査を開始することが適当であるとされたところでございます。

 今後、当該区域内の廃棄物の汚染状況等の調査を計画、実施してまいりたい、このように考えています。そして、その調査の結果も踏まえさせていただいて、災害廃棄物安全評価検討会の意見も聞いて、処理の方針を検討させていただきたいというふうに考えております。

 また、新たな予算措置の必要性につきましては、今後、その示される方針の内容を踏まえて、受けとめさせていただいた上で検討をしてまいりたいというふうに思っております。

江田(康)委員 次に、学校における暫定基準の見直しと土壌汚染対策について、きょうは文部科学省から政務官に来ていただいておりますので、質問をさせていただきます。

 政府が決めた学校や保育所の利用等における暫定基準二十ミリシーベルト、これに対して、子供を持たれる親御さんの不安が極限にもう達しているわけであります。改めて、二十ミリシーベルトというこの暫定値を撤回して、被曝量を最小化して一ミリシーベルトとすべきであるということを申し上げたいんです。

 それは、ICRPが示した原発事故後の一般人の被曝限度一ないし二十ミリシーベルトという水準については、公衆は一から十ミリシーベルト、職業人は二十ミリシーベルトまでという考え方が背景にあるわけですね。二〇〇九年にICRPが、公衆の基準について、一ないし二十ミリシーベルトの下方部分から選定すべきということも勧告をしております。また、子供の感受性は高いんですね。大人よりも高いから、そういうことも配慮し、また、放射線作業者の労災認定基準が、これは計算すれば五・二ミリシーベルトであることからしても、二十ミリシーベルトという基準はおかしいわけであります。

 このことを公明党は何度も主張してきました。校庭の表土を除去したり、埋めたり、そして天地返しをする、こういうように、放射線を低減することはできるわけですから、これを前提としながらも、文科省は一ミリシーベルトという基準に見直すべきだと思っております。しかし、文科省はこれについて、一ミリシーベルトを目指すものの、基準の見直しは行わないとこれまで答弁を続けておられます。

 改めて確認をさせていただきます。国は、児童や保護者の不安を払拭するためにも、いつまでも市町村の判断に任せるのではなくて、国際基準にのっとって、この二十ミリシーベルトの基準を撤回して、そして汚染除去を前提として一ミリシーベルトとすべきであると思うんですが、それについてお答えをいただきたい。

林大臣政務官 江田先生にお答えをさせていただきたいと思います。

 非常に背景もよく御存じでいらっしゃるかと思うんですが、今回の福島の事故を受けた段階でもICRPの方から提言をいただいております。長期間の後には放射線レベルを一ミリシーベルト、これは年間、低減することとして、これまでの勧告から変更することなしに、現時点での参考レベル、年間一ミリシーベルトから二十ミリシーベルトの範囲で設定することを用いることを勧告するということでいただいております。

 しかしながら、この二十ミリシーベルトという数字が非常に、ある意味ではひとり歩きをしているようなところもありまして、我々は、年間二十ミリシーベルトを子供が浴びていいということを申し上げているわけでは決してございません。そうした数字が世の中的に非常に大きな不安を与えてしまっているということは本当に本意ではないんですけれども、そうした中で今私たちがやらなくてはいけないことは、いかに子供たちの被曝量を低減させていくか、どうやって被曝量を減らしていけばいいのかということなんだというふうに思っております。

 そうした中で、先生も御存じかと思いますけれども、具体的には、福島県内のすべての学校等に対しまして、およそ千八百校ですけれども、積算線量計を配付して、モニタリングを現在実施いたしております。また、先日は、年間一ミリシーベルト以下を目指すということで、方針も示させていただきました。さらに、先ほど土壌の天地返しのお話もございましたけれども、校庭や園庭の空間線量率が毎時一マイクロシーベルトを超える学校については、しっかりと財政的な支援も行って対策を講じていただこうということで、現在取り組ませていただいているところでございます。

 そうしたことから、保護者の皆さんの不安、あるいは子供たちの被曝量をしっかりと低減させていくために、これからも具体的に、しっかりと取り組んでまいりたいというふうに思います。

江田(康)委員 今、林政務官から答弁をしていただきましたけれども、一ミリシーベルトというのが国際基準であります。いかに説明をしようとも、二十ミリシーベルトという暫定基準をそのまま設定しておいて一ミリシーベルトを目指すといっても、ここで問題になるのが、表土の除去をしながら一ミリシーベルト以下を目指すという市町村の努力が市町村の判断にゆだねていくというようなことになるわけですから、そういうようなところにおいて、子供たちがどこに住むかで子供たちの健康への影響もそれだけ変わってくる。また、母親の皆さん方が不安を払拭するのは、やはり文科省の、二十ミリシーベルトをそのままにして一ミリシーベルトを目指すというような中途半端なやり方があるから、これは混乱を来しているわけでございます。我々公明党は、決してそれを看過するわけにはいかない。続けてこれは申し続けてまいります。

 先ほどおっしゃいました、汚染土壌の除去についても国費で負担する、これについては、公明党の主張もこれあり、高く評価するわけであります。当然だとも思います。その助成基準についても確認をしたいんです。なぜ毎時一マイクロシーベルト以上なのか、その理由について根拠を示していただきたい。それ以下でも、市町村は努力をして、表土を除去したり天地返しをしたり、こういうことをやっているところがあります。それが国費によって補助されないということは、これはいかがなものか。そしてまた、この除去費用については全額国費として二次補正予算に組み入れるべきと考えますけれども、どこまで考えられているか、お教えいただきたい。

 時間がないので、あわせて、その効果的な汚染除去の処理方法を、表土除去とか天地返しとか一般的におっしゃっておられますけれども、もっと明確に文科省としてそれを示して、マニュアル化して、そして迅速にこれを低減する取り組みを支援するべきではないかと思いますけれども、いかがでしょう。

林大臣政務官 お答えをさせていただきたいと思います。

 まずは、なぜ毎時一マイクロシーベルト以上なのかという御質問であったかと思います。

 先日、先生も御存じかと思いますが、福島大学附属の幼稚園と中学校で、我々、天地返しを試験的に行いました。その結果、線量を見ますと、一マイクロシーベルト以上の学校でそれを実施すると、それ以下におさまるということが結果として出ております。

 全体を見渡したときに、これは政治の取り組みとして、高いところからやはりきちっと対処をして、全体として、先ほど先生もおっしゃいましたが、広く子供たちの健康を守っていこうということで、まずは一マイクロシーベルトを超えたところからそうしたお取り組みをいただきたいということでございまして、それに対して支援をしていきたいということでございます。

 これについては、二次補正のお話がございましたけれども、二十三年度の第一次の補正で計上いたしました学校施設の災害復旧費の中で対応をさせていただくことになっております。実際的に、ほぼ自治体の皆さんの負担なしに、これについては対応いただけることになろうかというふうに思っております。

 さらに、こうやったらいいんじゃないかということを具体的に自治体の皆さんにお伝えしたらどうだという御指摘もいただきました。これにつきましては、五月十一日に「実地調査を踏まえた学校等の校庭・園庭における空間線量低減策について」というものを発出させていただきまして、まとめて地下に置く方法と上下置換法の二つの方法をお示しさせていただいたところでもございます。

 当然、これらの処理方法については、引き続き必要な技術的な助言等もしっかりと行わせていただきたいというふうに思います。

江田(康)委員 今おっしゃいましたけれども、まず一マイクロシーベルト以上のところを対象とするという、まずでございますから、次はということで、その努力をしていく一マイクロシーベルト以下のところも、これはしっかりと支援をとっていかないといけない。そのくらい、国が前面に立ってやっていいわけですよ。そういう安心感を、また毅然とした方向性を示すことが今大事だと思います。

 なぜなら、一マイクロシーベルトといっても、これは年間八ミリシーベルトになりますよ。八ミリシーベルトというのは、これは健康に影響が懸念されるところなわけであります。これは、フルに外にいた場合においてということですよ。そういうような一マイクロシーベルトがどうしてその基準なのかというのは、国際的に見てもこれはなかなか理由がつかない。

 先ほどの、十分の一に低減されるというのは当然のことだとは思いますけれども、一マイクロシーベルト以下もやはり対象とすべき理由は十分に私はあると思いますので、そういう不安を払拭するための努力については、市町村の方を支援していく。そういうふうにやっていけば、例えば一次補正予算の公立学校の災害復旧費に九百六十二億円が計上されておりますけれども、これは一マイクロシーベルトで線を切っていけばそういうふうになるかもしれませんが、しかし、それだけでもその半分ぐらいは使っていくような試算もあります。そういう意味では、二次補正というのもしっかりと踏まえて、この表土処理をしていく市町村を文科省は責任を持って支援していく、そういうことが重要かと思いますので、その点を申し上げておきたいと思います。

 さらに、十五歳以下の子供たちには、生活実態に即した放射積算線量が計測できるフィルムバッジを携帯させよう、私たちはこういうことを申し上げております。やはり、子供たちの行動パターンは学校だけではないわけでありますから、これら全体をどこが責任を持ってやるのか。そういう意味においては、これを政府としてやる意思があるのか。また、内部被曝の測定を含めて、定期的な健康調査も実施すべきだと思います。それくらい、原発事故による健康被害、大きな不安を来しているわけです。いかがですか。

林大臣政務官 子供の健康の管理に主体的に取り組むべきだという御指摘かというふうに思いますが、先生も御存じのように、福島県の方が健康調査に非常に主体的に取り組むという御方針を今お示しくださっているところでもございます。

 そうしたことを踏まえまして、政府の方は、子供に関して、学校に関しては当然文科省でございますが、それ以外のところも、いろいろな省庁もかかわっていることはもう先生当然よく御存じかと思いますけれども、政府のサポートの窓口は原子力災害対策本部というふうになっております。そうした中で、では文科省が何を果たせるのかということを考えると、放医研等々もございますので、専門的な見地からしっかりとした協力ができるだろうということも考えておりまして、ベストを尽くして子供たちの健康を守ってまいりたいというふうに思っています。

    〔大谷(信)委員長代理退席、委員長着席〕

江田(康)委員 もっと議論をすべきところでございますけれども、きょうは時間が特に制限をされておりまして、きちんとやめよということを言われておりますので、あと五分しかございません。何にしようかと思うんですが、放射性物質による環境汚染については、この次の機会をもってまた議論させていただきたいんですが、これは法の不備であります。どの省庁が所管するか、これも複雑に絡み合っています。それは環境汚染だから環境省かというと、そうではない、文科省。これはやはり法のすき間になっておりまして、今後、やはり立法措置も含めて、連携体制も含めて、これはしっかりと明確にしなくてはならない問題だと思っております。この一元化をしていくべきだと考えておるところでございますが、この点については次回に回していきたいと思っております。済みません。

 そして、突然でございますけれども、非常に現実的に、水域ということで、公共用水域の水質を保全する浄化槽について、最後の質問にさせていただきます。

 浄化槽の導入、普及拡大、これは大変に重要であります。

 公共用水域の水質を保全する、これは下水道、農業集落排水、そして浄化槽であります。市町村はその地域に最も適した汚水処理施設を整備していく必要がありますが、今後は、この東日本のように、やはり集落規模の小さく、また家屋密度の低い地域、過疎地域での汚水処理の整備が求められております。残るは千八百万世帯であるかと私は思うのでございますが、今日、地方行財政改革が求められております。経済合理性のある汚水処理施設を整備していかなければならない。そういう中で、浄化槽というのは下水道に比べて、設置費用が安い、分散型で人口変化にすぐに対応できる、迅速に設置できる、地震に強い、こういう利点があることから、大きな役割を果たしていけるものと、これまでも強く進めていくことを主張してまいりました。

 市町村が主導して、面的な整備が可能となるためには、市町村設置型の合併浄化槽を積極的に導入することであります。また、この維持管理についても、今非常に注目されている浄化槽汚泥濃縮車という新しい濃縮車を導入する、こういうことで効率的な維持管理が可能となってくる。そこで、公共用水域の水質の保全の必要性はもとより、経済合理性のある汚水処理システムが求められている中で、市町村設置型浄化槽、それに浄化槽汚泥濃縮車の積極的な導入など、地域のニーズに合致した効率的な汚水処理システムを構築していく必要があると考えます。

 あわせて、国庫補助率を従来の三分の一から二分の一としたモデル事業がこの平成二十三年度で終了することになっています。その進捗等を踏まえて、今後継続、恒久化していくべきだと私は強く主張しておきたいと思いますが、いかがでしょうか。

 最後に、市町村設置型浄化槽の普及を図るための支援について、来年度予算、また二次補正を含めて、しっかりと対応していくように申し上げたいと思いますが、以上についてお答えをしていただきたい。

近藤副大臣 お答えをさせていただきます。

 御指摘のとおり、浄化槽の普及、大変に重要なことだと考えさせていただいております。

 一般的な浄化槽でありますが、原則三分の一でありますけれども、下水道並みの二分の一に引き上げること、以前より地方公共団体から要望が出ていることもありまして、平成二十年度二次補正予算から平成二十三年度までの期間限定のモデル事業として進めてきたところであります。延べ三百九の市町村に対し、約八十億円の交付額により事業を実施してきました。

 江田委員御指摘がありましたけれども、この実績を踏まえて検証し、事業の継続も含め、しっかりと検討してまいりたいというふうに思います。基本的には、こうしたことによってしっかりと地域の水等の浄化を図っていきたい、こういう考え方であります。

 また、今これも御指摘ありました、市町村設置型浄化槽の普及を図れ、こういうことであります。

 被災地においての特別措置も含めて考えさせていただいているところであります。特に、被災地におきます復旧におきましては、特別法により、十分の八から十分の九と、大幅なかさ上げを行わせていただいたところであります。

 いずれにいたしましても、市町村が面的に整備を図ることが重要でありまして、そのことを目的とした市町村設置型の浄化槽整備事業は、被災地の復興を迅速に図る上でも今後有効な手段と考えておりまして、しっかりと推進してまいりたいと思います。

 今後、今申し上げましたように、被災地の復興を進める、そしてまた全国的にこうした普及を進めていくということで、しっかりと必要な支援の充実に努めてまいります。

江田(康)委員 ありがとうございました。

 以上でございます。

小沢委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

小沢委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、参議院送付、水質汚濁防止法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

小沢委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

小沢委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、田島一成君外二名から、民主党・無所属クラブ、自由民主党・無所属の会及び公明党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。田島一成君。

田島(一)委員 私は、ただいま議決されました水質汚濁防止法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につき、民主党・無所属クラブ、自由民主党・無所属の会及び公明党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。

    水質汚濁防止法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。

 一 平成二十三年三月十一日に発生した東日本大震災及び東京電力福島第一原子力発電所事故による影響が広範囲に及んでいる現実を直視し、放射性物質による環境汚染については、環境の保全を図るべき環境省が、国民の負託に応える行政を法に基づき遂行できるよう、現行水質汚濁防止法第二十三条を含む関連環境法令における放射性物質に係る適用除外規定等の見直しを含め、その体制の在り方について総合的に検討を加えること。

 二 放射性物質に係る環境モニタリングに関しては、原子力発電所周辺住民を始めとする国民及び諸外国の信頼を確保するためにも、水、大気、土壌、生態系などの総合的なモニタリングとその結果の評価及び情報公開について、責任及び権限を明確にした制度設計を行うとともに、広範囲で長期間にわたるモニタリングに対応するため、関連する知見の集積や人員確保などの体制整備に努めること。

 三 放射性物質に係る環境モニタリングにより得られた結果を基に、原子力発電所周辺地域はもとより、それ以外の地域の住民においても健康被害が生じないよう、関係省庁は密接に連携して対応すること。特に放射性物質による子どもへの健康被害については、その感受性の高さにかんがみ、関係省庁はそれぞれの責任を明確にして対応に当たること。

 四 原子力発電所の敷地外にある放射性物質に汚染されたがれきや土壌などについては、地下水を含む周辺環境への汚染が拡大しないよう、関係省庁が連携して早急に処理方法を検討し、適切な保管、管理及び処理を行う制度を早急に構築するなど、一般環境中の放射性物質による人の健康被害や生態系に係る被害を防止するために最大限努力すること。

 五 有害物質使用特定施設等の構造等に関する基準については、地下水汚染の未然防止対策が確実に行われるよう、事業者の取組状況も踏まえ、的確かつ速やかに策定すること。また、中小の事業者に過度の負担とならないものとすること。さらに、基準の遵守を徹底するため、事業者への周知や地方公共団体職員に対する研修の実施等、施行に向けた体制整備の強化を図ること。

 六 施設以外の有害物質の貯蔵場所や作業場所、指定物質に係る指定施設等についても、ガイドラインの策定等により地下水汚染の未然防止対策の推進を図ること。また、本法の適用対象ではないガソリン等の貯蔵施設が原因となって地下水汚染が発生した場合にも効果的な対応が行われるよう、地方公共団体に対する指導に努めること。

 七 地域住民の安全・安心を確保するため、日頃からのリスクコミュニケーションの推進に加え、地下水汚染が発生した場合の速やかな情報公開の重要性について事業者の理解が促進されるよう努めること。また、リスク管理の観点から、排出段階における濃度規制のみでなく、有害物質の代替化や低減により環境中に排出される有害物質の総量を減らしていく取組を促進すること。

 八 公共用水域の水質を保全する汚水処理システムについては、地方行財政改革の中、より一層の経済合理性が求められることにかんがみ、市町村設置型浄化槽や浄化槽汚泥濃縮車の積極的導入など、地域のニーズに合致した浄化槽の導入・普及拡大を検討し、効率的なシステムを構築すること。

 九 公共用水域の水質を保全するため、赤潮の原因となるシャットネラ等の有害プランクトンの特性や、それらによる赤潮の発生メカニズムの解明等に関する調査研究を早急に進め、その成果を踏まえて効果的な赤潮防除のための措置を講ずること。

 十 水質汚濁防止法全般に関して、その実施状況を見ながら、見直しに係る検討条項に規定する検討時期を待つことなく、不断に見直しを行い、適宜適切に制度の改善を図ること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。(拍手)

小沢委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

小沢委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。松本環境大臣。

松本(龍)国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を十分に尊重いたしまして努力をしてまいる所存でございます。

    ―――――――――――――

小沢委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小沢委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

小沢委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四十七分散会


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