衆議院

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第8号 平成25年5月28日(火曜日)

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平成二十五年五月二十八日(火曜日)

    午前九時三十分開議

 出席委員

   委員長 吉川 貴盛君

   理事 泉原 保二君 理事 大塚 高司君

   理事 永岡 桂子君 理事 西川 京子君

   理事 原田 憲治君 理事 郡  和子君

   理事 重徳 和彦君 理事 古屋 範子君

      秋本 真利君    穴見 陽一君

      小倉 將信君    鬼木  誠君

      金子 恵美君    小島 敏文君

      國場幸之助君    新谷 正義君

      田畑  毅君    田畑 裕明君

      武井 俊輔君    豊田真由子君

      比嘉奈津美君    藤丸  敏君

      藤原  崇君    堀井  学君

      堀内 詔子君    宮崎 謙介君

      宮崎 政久君    務台 俊介君

      生方 幸夫君    大西 健介君

      篠原  孝君    若井 康彦君

      岩永 裕貴君    上西小百合君

      浦野 靖人君    東国原英夫君

      中野 洋昌君    浜地 雅一君

      三谷 英弘君    穀田 恵二君

      小宮山泰子君

    …………………………………

   国務大臣

   (消費者及び食品安全担当)            森 まさこ君

   内閣府副大臣       伊達 忠一君

   内閣府大臣政務官     亀岡 偉民君

   外務大臣政務官      城内  実君

   政府参考人

   (消費者庁次長)     松田 敏明君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 石原 一彦君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬食品局食品安全部長)       新村 和哉君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           塚原 太郎君

   政府参考人

   (中小企業庁次長)    富田 健介君

   衆議院調査局第三特別調査室長           石川 晴雄君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十八日

 辞任         補欠選任

  比嘉奈津美君     國場幸之助君

  伊佐 進一君     中野 洋昌君

同日

 辞任         補欠選任

  國場幸之助君     新谷 正義君

  中野 洋昌君     伊佐 進一君

同日

 辞任         補欠選任

  新谷 正義君     比嘉奈津美君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 食品表示法案(内閣提出第四四号)


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     ――――◇―――――

吉川委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、食品表示法案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として消費者庁次長松田敏明君、財務省大臣官房審議官石原一彦君、厚生労働省医薬食品局食品安全部長新村和哉君、農林水産省大臣官房審議官塚原太郎君、中小企業庁次長富田健介君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

吉川委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。永岡桂子さん。

永岡委員 自民党の永岡桂子でございます。

 本日、食品表示法、審議最終日となりますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 現行の食品表示制度は、JAS法、食品衛生法、健康増進法と、三つの法律に分かれて規定がされております。一つの食品の表示につきましても、現行制度ですと、JAS法と食品衛生法などで定義が異なるとか、そういうこともございまして、制度が本当に複雑であるということがあります。事業者からは、法律を守るのもとても大変なんだ、そういう声も聞かれるわけでございます。今までの複雑な食品表示制度をすっきりとわかりやすくするためにも、このたびの制度の一元化を行うことは必要であるという認識、今に始まったことではなくて、随分前からこのことは指摘されておりました。

 平成十四年に、厚生労働省と農林水産省が用語ですとか定義の統一に取り組まれたということをお聞きしておりますけれども、それからもう十年がたっております。さらに、この消費者庁が設立されまして、食品表示に関する業務は消費者庁が一元的に扱うようになりましてからもう既に四年がたとうとしております。そして、ただいま食品表示法も、この法律も施行までこれから二年を予定して発足するということになっておりまして、それを考えますと、もう本当に十五年近い時間をかけて、やっと一元化法が成立、施行されるということではございますが、懸案事項が随分と先送りになっております。

 新しく一元化されましてわかりやすくなった表示制度のもとで、消費者利益の増進という統一された目的に従って、これを土台として食品表示の充実を進めていくことが必要であると同時に、十五年もずっと議論をしておりますから、これを早急にというのが実情だと思っております。

 例えば、ここのところの円安によって、外国の方々が随分と観光客として日本にいらっしゃる方がふえているということになっております。我が国を訪れます観光客の皆さんには、ぜひ日本食に親しんでいただいて、そしてそのことをきっかけとして、ぜひ世界に日本食文化を発信して普及できればと考えているのは私だけではないと思っております。

 外国の方々が日本にいらっしゃって、また食べ物のお土産を買うとき、この食べ物は一体どんなものかなと表示を見ることになると思います。そのときに、食品の安全ですとか選択に係る情報を記載した食品表示というのはとても重要な購買の基準となるわけですね。

 先日の参考人質疑のときにも、日本の食品表示の基準は世界の中でも中程度であるとの御意見もありましたけれども、ぜひとも、私たち日本のこの食品表示の基準を世界の最先端を行く表示としていただきたいと私は思っております。

 それでは、原産地表示について伺ってまいります。

 現在の加工食品の原料原産地表示の対象とされるかされないかの線引き、つまり、いわゆる義務として表示するべきか否かの判断基準がありますけれども、その要件に従いますと、ちょっと不思議なことが多々見受けられます。

 同じ材料を使いながら、味つけしたものは表示の基準ではないけれども、ゆでたものは、一段階目にカットしたものは表示の基準になってみたり、材料のうちの重量、その割合が五〇%未満である場合には原産地表示をする必要がなくなるといった現在の要件などについては、できるだけ消費者の判断材料を豊かにするという点で、表示義務づけ品目をふやすことができるのではないかと思います。

 また、これは、悪質業者の言いわけを許さない、悪質業者の言いわけの余地を減らすことにもつながると思います。

 世界の最先端を行く食品表示とするためには、加工食品の原料原産地表示のあり方について、議論を深めて、早急に要件を見出していくべきだと思いますが、大臣はいかがでしょうか。

森国務大臣 食品表示法案においては、消費者基本法の基本理念を踏まえ、表示制度の目的を統一しておりまして、その下で使われる用語や定義を統一すること等により、整合性のとれた表示基準の策定が可能となると考えております。

 食品表示法に基づく新たな食品表示基準は、法律の成立後、速やかに策定作業に着手することとしておりまして、その策定に当たっては、有識者、消費者団体、事業者を初めとするさまざまな立場の方の意見を広く伺いながら、わかりやすい表示制度の実現に努めてまいりたいと思います。

 今御指摘のございました、一段階目と二段階目の問題等、加工食品の原料原産地の表示は、現行法では、JAS法に基づく加工食品品質表示基準で定められている表示基準の一つでございますが、消費者基本計画において、加工食品の原料原産地表示の義務づけを着実に拡大することとされていることから、対象品目を追加するなど、消費者庁において現行制度下での取り組みを進めておるところでございますが、本法案の成立後においては、さらに新たな表示のあり方について、義務範囲の拡大も含めて検討してまいりたいと思います。

永岡委員 ありがとうございます。

 早急に、これは誰が見ても納得できる、不思議だな、何でこれだけ表示がついていないんだろうと思われないような基準を策定していただきますように、よろしくお願いいたします。

 私、スーパーに行きます。そうしますと、お豆腐などを買うときには、遺伝子組み換えの大豆は使用しておりません、そういうふうに書いてあるものを選んで買ってまいります。近ごろ、スーパーなどでも、食品表示を見ていますと、大豆ですとかトウモロコシ、遺伝子組み換えの作物を使っているんじゃないかなと思われる食品を見ても、遺伝子組み換えの農産物を含むという表示をしてある食品というのはなかなか見かけません。

 農産物の輸入に関する統計を見ますと、遺伝子組み換え作物は、主に家畜の飼料ですとか食用油の原材料として大量に輸入されております。つまり、国内でも流通していることになっているわけですね。

 大量に輸入されて加工食品に使用されているにもかかわらず、表示がされていないということは、消費者にとって、必要な情報が知らされていないということになるのだと私は思うんですね。

 遺伝子組み換え食品については、加工食品においての義務表示はこうなっています。原材料に占める重量の割合が上位三位までのもので、かつ、原材料に占める割合が五%以上のものということになっております。基本的に表示義務の範囲を拡大する方向で見直すべきではないかと思います。

 また、遺伝子組み換えでないとの表示というのは任意でございます。表示したい企業はどうぞ、書いてもいいですよ、そういう取り扱いで認められているわけですけれども、これについても、義務化ですとか、EUの基準値との違いをなくす方向で見直すべきではないかと考えております。

 例えば、我が国では、食用油やしょうゆなど検証が不可能なもの、油になったもの、しょうゆになったものをさかのぼることができないんですね。それを調べても遺伝子組み換えの作物を使っていたかどうかというのがわからないものは対象外であるということになっておりますし、日本で認められている混入率というのも五%であるのに対しまして、EUでは〇・九%以上の混入は表示を義務づけられているということの違いがあります。

 遺伝子組み換え表示については我が国もEU並みの基準とすべきとの声が根強いものがあるわけでございますけれども、これから我が国が食品の輸出ということに力を入れてふやしていかなければいけないという中で、相手国並みの表示基準を整えておくということは最低限必要なことではないかと考えます。

 私は、日本の食品表示制度が世界でも最先端となるためにも、EUの基準を目指すべきであると考えておりますが、大臣はどうお考えでしょうか。

松田政府参考人 委員御指摘のとおり、現行の遺伝子組み換え食品の表示制度は、我が国におけます流通実態等を踏まえて総合的に検討した上で今定められているものでございまして、その上で、今御指摘がございましたように、遺伝子組み換え食品の表示につきまして、より詳細な情報提供を求める要望があるということは十分承知をいたしておるところでございます。

 食品表示法案の成立後におきましては、消費者あるいは事業者の方々などの意見を幅広く伺いながら、遺伝子組み換え表示のあり方についても検討してまいりたいというふうに考えております。

永岡委員 ぜひ、EU基準に近いような最先端の基準になるように、御努力をお願いしたいと思っております。

 では、栄養表示制度についてお伺いいたします。

 現行の栄養表示制度は、栄養表示をする場合はルールに従う必要があるという任意の制度になっておりますけれども、これを義務化すれば、栄養表示成分に関する情報が確実に提供されるようになりまして、より多くの消費者が、その情報をもとに、日々、栄養そして食生活の管理に活用できる環境が整うことになります。

 栄養表示の義務づけに伴いまして、今までの基準の見直しなども必要になるわけでございますけれども、栄養表示の義務化に関しましては、新法施行後五年以内の見直しまでに検討をして実施に移していくということを伺っております。施行までの二年と合わせますと七年後をめどとして定めるというのは、いろいろ検討することがあるのはよくわかりますけれども、長過ぎるのではないかという気がいたします。当面、例えば施行後三年をめどに、できたところから実施に移すというやり方などをとれば、現在の予定している施行後五年後の見直しまでに、一応ほとんどの栄養成分の表示ができるのではないでしょうか。

 今回の食品表示法では、初めから全ての加工食品と事業者に栄養表示を義務化しようとしているわけでございますが、法施行が予定されている二年後には内閣府令でどこまで定めるおつもりでしょうか。早急な実施に向けまして、どういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。

松田政府参考人 栄養表示の義務化についてのお尋ねでございます。

 私ども、この法案を検討するに当たりまして、食品表示一元化検討会というものを開きまして考え方を取りまとめたところでございます。その報告書におきまして、栄養表示の義務化を円滑に進めていくためには、消費者側、事業者側双方の環境整備が必要ということでされたところでございます。

 それで、今御質問でございます、まず、二年以内に施行ということになっておりますけれども、この間に、この法律に基づく全体の表示基準をつくるわけですから、その中で、栄養表示につきまして、義務化の範囲、対象成分等々を決めるというのがまずございます。その上で、今御指摘のとおり、五年間かけまして、具体的な、本当に義務をきちっとつけるという、基本的に全事業者にわたりますので、どういったものが例外扱いになるのかとか、それでどういう環境整備をするのかということが課題になるわけでございます。

 その環境整備といたしましては、例えば、事業者の方々が円滑に栄養成分を表示できるように、栄養成分の含有量に関するデータベース構築、これを事業者の方々にやっていただくためのガイドラインをまずつくって、それで具体的に事業者側でそのデータベースをつくっていただく。あるいは、消費者側の環境整備といたしまして、栄養表示に関する情報につきましていろいろ普及啓発などが必要というふうなことを報告書でも指摘されておりますので、二プラス五というのはそういう考え方でございます。

 他方、見直し規定の関係はどうなのかということでございます。

 これは、法律の規定に基づいて、まず二年で、施行までにきっちり決める、それから五年ということでございますので、このフレーム自身は、その二年、五年という中で、長過ぎるということを御指摘かもしれませんけれども、あくまで、きっちりとした義務化というものを、事業者側の受け入れ体制も含めて整備していくんだという目で御理解をいただければというふうに考えております。

永岡委員 ありがとうございます。いろいろ問題はあるとは思いますが、私たちも、消費者として、非常にこの表示は待ち望んでいるわけでございますので、早急に実施ができるように頑張っていただきたいと思います。

 それでは、アレルギー表示についてお聞きしたいと思います。

 昨年の十二月に、乳製品にアレルギーがある女児が、給食でチーズが入っているチヂミを食べて死亡するという痛ましい事故が発生いたしました。

 この法案の基本理念にも消費者の安全確保が規定されておりますけれども、食品表示において、安全にかかわる表示というのは最優先事項と言えると思います。それにつきましては、アレルギー表示の義務化の拡大は当然のことと私は思っております。

 今現在では、アレルギー表示は容器包装された加工食品についてのみ義務づけられておりますが、中食、外食というようなものにつきましては任意となっているわけですね。食べ物のアレルギーが時に死に至る問題であることを考えますと、事業者の負担を考えましても、この表示の義務化というのは非常に前向きに考えるべきだと思います。

 EUにおきましては、中食、外食にも表示を義務化しているようでございます。克服できない課題とは思えません。外食、中食のアレルギー表示のあり方について早急に検討をしていただきたいと思います。当面は実態調査をするということでございますけれども、どのように検討を進めていらっしゃいます予定か、お伺いしたいと思います。

伊達副大臣 アレルギー表示も早急に検討したらどうだということでございますが、お答えをさせていただきたいと思います。

 現在、中食や外食に対してはアレルギー表示の義務はありませんが、アレルギー表示を行うためには、その食品のアレルギー物質の含有の有無を正確に把握することが必要だ、こう思っております。

 中食や外食へのアレルギー表示については、食品表示一元化検討会の報告書において、専門的な検討の場を別途設けて検討を行うことが適当と判断されたことであり、今後、実態調査等を実施しつつ、しっかりと検討してまいりたい、こういうふうに思っております。

永岡委員 ありがとうございます。ぜひ前向きな方向で御検討を願います。

 それでは、もう時間がないので最後にしたいと思うんですけれども、国民の側から見ますと、虚偽表示の疑惑というのが非常に多発しております。特に産地偽装などというものは、ここのところ非常に、執行基準があるわけでありまして、取り締まりもやっているわけですが、これがとまらないということになっております。

 それは、今現行の法律でそうなっておりますけれども、一元化されますと、表示の監督というのは、消費者庁、そして農林水産省、厚生労働省、都道府県などで分業するということになります。そういうことになりますと、幾ら消費者庁が横串を刺して、しっかりと頑張って、みんなのために、同じように、そごがないように頑張るのだといいましても、なかなか各省庁、実際に見ているところといえば、農林省は、消費者庁ではなくて、農林省の上の方を見ているというようなことが現実にあるわけですね。そういうところから考えますと、各機関の人を集めて消費者庁に一元化をしてはどうか、そういう議論もあるわけです。

 そして、アレルギー表示や遺伝子組み換え、添加物加工食品の原料原産地表示など、本当に食品表示においては課題が山積しているわけでございます。これらの課題を解決して食品表示を充実させていくためにも、今後、具体的にどのように取り組んでいらっしゃるのか、最後に、大臣の決意を伺いたいと思います。

森国務大臣 永岡委員からさまざまな課題が今出されたところでございますけれども、執行機関を一元化すべきとの考え方については、消費者庁は地方組織を有していないため、地方出先機関を有する行政機関や都道府県、保健所と連携をして、効果的、効率的な執行体制に努めてまいりたいと思います。

 いずれにせよ、執行体制については、取り締まりの実効性の維持強化を図っていくことが重要でありますから、こうした観点から、必要に応じ、あり方を検討してまいりたいと思います。

 また、本法案によって、現行の複雑な制度が解消をされるということから、整合性のとれた、わかりやすい表示基準を策定し、消費者、事業者双方にとってメリットがある食品表示制度としていくことが重要であると考えております。

 また、本法案により、栄養表示の義務化が可能となることから、対象となる栄養成分等の義務化に向けて、必要な表示基準の検討を早期に行ってまいりたいと思います。

 さらに、加工食品の原料原産地表示などの課題についても、消費者や事業者の方々などの意見を幅広く聞きながら、消費者にとって必要な情報が的確に伝えられる、わかりやすい表示としていくことが必要と考えております。

永岡委員 ありがとうございます。

 森大臣、ぜひ、食品表示法の充実を図っていただきたいと思います。頑張ってください。

 ありがとうございました。

吉川委員長 次に、大西健介君。

大西(健)委員 おはようございます。民主党の大西健介でございます。

 時間も限られておりますので、早速質問に入っていきたいというふうに思うんですけれども、今回の法案審議に当たって、私も、地元でさまざまな食品加工を営まれている事業者の皆さんにも、意見を求めてまいりました。

 先日の参考人質疑の中で、食品産業センター理事長の西藤参考人が述べられましたように、食品関係の事業者というのは九九%が中小零細企業であります。そういう中で、もちろん今回の法案というのは消費者サイドに立った改正ではありますけれども、この法案を実効性あるものにしていくためには、やはり事業者の負担というものへの一定の配慮というのが私は必要ではないかなというふうに思っております。

 消費者の立場に立ったら、わかりやすい表示というのは重要ですけれども、例えばボトルについても、表示スペースというのは限りがあります。そういう中で、例えば小型のペットボトル。今まで紙ラベルで表示をしていたんだけれども、それでは足りないということになると、例えばシュリンクラベルへの変更を求められるということであります。

 シュリンクラベルというのはどういうものかというと、皆さんのお手元に資料を配らせていただいたんですけれども、延伸性フィルムというんですかね、これを熱収縮で容器に巻きつけるというようなものであります。よくペットボトルで見かけるものですけれども、こういうものに変えなきゃいけないということになりますと、これは新たに設備投資が必要になります。そうすると、場合によっては、一千万単位、数千万単位の設備投資になる。それから、ラベル単価や印刷ロットも大きくなって、小規模な事業者にとっては大変負担が大きいというお声がありました。

 では、その分、費用を商品に転嫁できるのかというと、これは皆さんよくおわかりだと思いますけれども、簡単に転嫁することはできないということであります。

 また、本委員会でもほかからも指摘がありましたけれども、栄養成分表示についても、検査分析費用がまずかかるということがあります。加えて、原材料が農産物の場合には、品種だとかあるいは収穫の時期、産地によって成分が変動するので、表示がそもそも難しいんだと。厳密に、もしロットごとに成分値が変わって、そのために表示を変えなきゃいけないなんということになると、これはもうとてもやっていられないという声もありました。

 地方で頑張っている中小零細の食品加工業者がこうした負担増にもし耐えかねて廃業に追い込まれるようなことがあれば、それは、地域それぞれに特産物やあるいは風土を生かして伝統の技法で培ってきた食文化そのものが失われるおそれがあるのではないかということもあります。

 こうした懸念の声というのは、恐らくもう既に消費者庁さんには嫌というほど届いているはずなんですね。ただ、私が聞いているのは、満足、納得いくお答えというのは得られていないということであります。

 これはもちろん、業者の皆さんも協力しないと言っているんじゃないんです。協力したいんだけれども、ただ、法改正による費用、コストを全て業者負担だと、その中で、今、円安で原材料の値段も上がっています、来年の春から消費税の引き上げもありますということになると、とてもやっていけないという悲鳴の声が上がっているんですね。

 そこで、消費者庁に質問してもいいんですけれども、恐らく、失礼ですけれども、残念ながら、今、消費者庁にこのことをお聞きしても、私は、満足できる御回答を得られるというふうに思いません。先ほど申し上げましたように、九九%が中小企業なんです。ですから、そういう意味で、きょうは、食品表示法改正に伴うコスト増に対して、中小企業施策としてどういう支援ができると考えられるのかについて、中小企業庁の方にお伺いをしたいというふうに思います。

富田政府参考人 お答え申し上げます。

 今般の食品表示法の改正によりまして、中小・小規模事業者に対しては、委員御指摘がございましたように、栄養成分分析の追加でございますとか、あるいは包材の印刷内容の変更等によりまして、新たな負担が発生をするというふうに認識をいたしております。

 その負担の大きさでございますけれども、消費者庁が実施された調査、これは一昨年の暮れから年明けにかけて実施されたものでございますけれども、栄養成分分析の費用負担、これは中小企業平均で年間約二百万円程度、それから包材の変更に伴う費用負担につきましては年間で平均約四百万程度ということになってございまして、中小企業にとってもかなり大きな負担になるというふうに私ども認識をいたしております。

 このような課題に直面する中小企業に対する支援というのは大変重要だと思っておりまして、一つには、新たに設備を導入する場合につきましては、中小企業投資促進税制という税制がございまして、この税制によりますと、例えば、百六十万円以上の機械、装置を導入する場合につきましては、取得価額の三〇%の特別償却あるいは七%の税額控除を受けることが可能であるという制度でございます。

 また、日本政策金融公庫の貸付制度もございまして、この制度では、限度額が四千八百万円、設備資金にも当然利用可能でございますし、利率につきましては基準金利一・九五%ということで、大変低利な融資制度になってございます。

 私どもといたしましては、こういった支援策を通じて、中小企業、小規模事業者の方々の経営体質を強化し、新たなコスト負担についても対応していただけるようにしっかりと支援をしていきたいというふうに考えてございます。

大西(健)委員 今、成分分析で二百万、包装で四百万、六百万という数字を示していただきました。本当に大きな負担だと思いますので、これに特化した支援というのはなかなか難しいのかもしれませんが、ぜひ中小企業施策の面から支援をお願いしたいというふうに思います。

 私は、わかりやすい表示という点では、物理的な表示もさることながら、そもそも、今いろいろなところに氾濫している表示の中に、わかりにくいものがあるんじゃないかというふうに思っています。

 そういう中で一つ取り上げたいのが、今店頭に行きますと、ビールとかで、糖質ゼロとか糖類ゼロとかという表示がいっぱいあります。では、糖質ゼロと糖類ゼロは何が違うのか、ゼロとオフは何が違うのか、あるいは無糖というのはどういうことなのか、こういうことを考え出すと意味がわからなくなってくるんですね。

 そこで、事前に、消費者庁の皆さんに、糖に関して、糖質ゼロ、糖類ゼロ、ノンシュガー、シュガーレス、砂糖ゼロ、無糖、微糖、低糖と八種類ぐらい表示があるんだけれども、これはどこが違うのか、糖が低い順に並べてくれということをお願いしました。そうしたら、お手元に配付をさせていただいたような資料が出てまいりました。

 この資料をごらんいただくと、糖類ゼロは百グラム中〇・五グラム未満という規定があるんですけれども、ノンシュガー、シュガーレス、砂糖ゼロも同じ基準なんです。シュガーレスですよ。レスというと何か少ないという意味のような感じがするんですけれども、同じだというんです。糖質ゼロとか無糖とか微糖とか低糖は基準がないというんです。これは私、正直言ってびっくりしました。

 もう一つ、次のページをめくっていただくと、一般にいろいろなところに同じような表が載っているので、これも参考にお配りをさせていただきましたけれども、基準がないといっているものについても、業界で独自基準を定めているものもあります。

 ただ、これをごらんいただくと、例えば糖質と糖類は何が違うかというと、御存じの方は御存じなのかもしれませんけれども、糖類というのは糖質の一部なんですね。ですから、例えば糖類の使用を避けて甘味料を用いれば、糖類ゼロと表示できるんです。あるいは、基準値の中で糖類や甘味料を使用した場合も、糖類ゼロとか糖質ゼロとか、本当のゼロじゃなくて、基準値内であればゼロという表示ができる。

 結局、結論を言えば、先ほどの消費者庁のペーパーに戻っていただくと、何て書いてあるかというと、「実際の糖の含有量を少ない順に並べることはできない。」ということなんです。つまり、表示を見ただけではわからないんです。

 ただ、私が思うには、例えば糖尿病の方とか、本当に糖類の含有量を気にしておられる方、この方々が今のこういう表示を見たときに、正確に商品を選ぶことができるのか。これは私は、できないんじゃないかというふうに思うんです。

 こういった表示、誤解と混乱を招くのではないかという指摘がありますけれども、この点について、大臣、率直な政治家としての御感想を、そしてどうしたらいいのかということについてお答えをいただきたいと思います。

森国務大臣 現在は、ゼロ、ノン、レス等の栄養表示については、コーデックス委員会のガイドラインにおいて、一定の要件のもとに、含まない旨の表示、いわゆるゼロ表示を行うことができることとなっているところです。コーデックス委員会のガイドラインを踏まえ、我が国の栄養表示基準においては、例えば、今御指摘のとおり、糖類は食品百グラム当たり〇・五グラム以下の場合、含まない旨の表示をすることができるとしているところでございます。

 しかし、今の大西委員の御指摘のとおり、やはり消費者が適切に食品の選択をするという視点から見ますと、わかりにくいということは御指摘のとおりだと思います。今の食品表示基準以外に、大西委員が御指摘になった微糖とか低糖とか、これについては、業界が自主基準を決めて、業界で、表示基準ではなく業界の表示をしているということですが、消費者がそのことを区別して自分の選択の材料にできるかというと、それは大変困難だと思います。

 ですから、消費者が適切に食品の選択をできるように、ルールもわかりやすく、さらにそのルールに関する消費者の知識や理解が高まるように、消費者教育等を通じて努めてまいりたいと思います。

大西(健)委員 今、大臣、非常にこの問題点を理解していただいてありがたいというふうに思います。

 そういう中で、今、消費者の理解という話がありましたけれども、もう一つ、このゼロ表示について言うと、実は、スーパーに並んでいる商品の中には、元来含んでいない成分、そのものには含まれないのにゼロ表示をしている場合がある。

 例えば、複数の植物性油製品にはコレステロールゼロと書いてあるんですけれども、コレステロールというのは動物性油脂に含まれるものであって、植物性油脂には原則は含まれないということですから、入っていないのは当たり前なんです。当たり前のことをゼロというふうに表示した方が売れるんですね。ですから、当たり前のことを表示している。

 ただ、これは、厳密に言えば、消費者の知識不足にある意味つけ込んでいる。つまり、他の商品に対して優位性がないにもかかわらず、当たり前のことをゼロと書いて、そして著しく優良であるような誤認を与える表記ではないかというような指摘がありますけれども、この点について、消費者庁、どうお考えになっているかをお聞きしたいと思います。

松田政府参考人 今委員御指摘の、食品に関する表示の中で、そういった例をどうするかということでございます。

 基本的に、現行制度におきましては、健康増進法によりまして、健康保持増進効果等に係る虚偽、誇大表示が禁止されておりますほか、景品表示法におきまして、商品の内容につきまして、実際のもの、あるいは他の事業者に係るものよりも著しく優良であると一般消費者に誤認される表示が禁止されているというのが今の制度でございます。

 では、お示しの表示事例についてはどうかということでございますが、基本的に、個別具体的に行われている実際の表示状況を見て判断ということになるわけでございますが、御指摘のような、単に事実を表示している場合、これを直ちに違反とすることは困難ではないかというふうに考える次第でございます。

 消費者庁といたしまして、表示の適正を確保し、消費者の利益の増進を図るために、今後とも、食品の健康保持増進効果や内容に関しまして著しい誤認が生じているような表示に接した場合には、これは厳正に対処してまいりたいと考えておりますが、今のようなところはなかなか、執行として微妙なラインだというところは御理解いただきたいと思います。

大西(健)委員 確かに、事実を表示しているだけですから、うそはついていないということは理解できますけれども、今申し上げましたように、これは消費者の知識不足にある意味つけ込んでいるわけですよね。ですから、先ほど、いろいろなゼロ表示に関して、わかりにくいと。これは、いろいろな形でわかりやすいように変えていかなきゃいけないし、消費者への啓蒙も必要だということで大臣にお答えいただきましたけれども、そういう意味においては、私は、これをもっていきなり罰則をとか取り締まりをということは難しいかもしれませんけれども、やはり、こういうことは好ましくないということぐらいは、消費者庁から業界に対して何か言っていただくことができるんじゃないかというふうに思いますので、そこはぜひそういうことも検討をしていただければなというふうに思います。

 優良誤認の話になりましたので、その話を続けていきたいんですけれども、先日の質疑の中で、たしか三谷委員だったと思いますけれども、回転ずしの代替ネタの話を少しだけされました。

 私もこの話にちょっと関心を持っていまして、皆さんのお手元に資料を一枚お配りさせていただいたんですが、左の列にすしネタとして一般にあるすしネタの名前を、そして、右の列には代用魚として使われていると言われているものを書いて、線で結んでみました。これは皆さん、後で、御自身でわかるかどうかちょっとやってみていただきたいんですけれども、次のページ、めくっていただきますと、そこに挙げた代用魚の解説が書いてあります。

 これは、じっくりごらんいただくと、えっ、そうなのというのがあると思うんです。例えば、私は昨年、国際会議でアフリカのウガンダに行ったんですけれども、ウガンダにはビクトリア湖というすごい大きな湖があって、そこにはナイルパーチというすごい巨大な淡水魚がいるんですけれども、これが一部回転ずし等でタイという名目で出されているケースがあるというふうに言われております。

 森大臣には、ぜひ、これの御感想も含めて後でお伺いしたいというふうに思うんですけれども、私が言いたいのは、これが問題にならないで、先日私もこの委員会で取り上げましたけれども、焼き肉ロース表示問題が問題になる、これは不均衡じゃないかということを申し上げたいんです。

 それは何でかというと、この間も申し上げましたけれども、外ももの肉をロース表示したことが優良誤認と言われたんです。優良誤認というのは、さっきも言いましたけれども、実際に提供する品やサービスよりも著しくすぐれているようにうたって販売することなんですね。焼き肉の業界というのは、もうずっと、戦後、焼き肉というのが発達してきたときから、脂身はカルビ、赤身はロースみたいな表示を一般的にしてきたんです。それで長年、誰も文句を言わなかった。俺はロースだと思って金を払ったのに外ももの肉を食わされていたなんて知らなかった、だまされたと言う人は今までいなかったんです。

 この間、では、誰がこういうことを垂れ込んだんだという話がありましたけれども、そのときは、業界なのか個人なのか、そこはお答えにならなかったわけですけれども、私はやはり、これが優良誤認になって代用魚はおとがめなしというのは、これはちょっと法の適用として不均衡じゃないかと。

 だからといって、私は代用魚を取り締まれと言うつもりもありません。というのは、私もすし屋に行って、タイをお願いしますと言ったら、うちのタイはナイルパーチですけれどもいいですかなんて言われたくないですよね。大臣も言われたくないと思うんですよ。

 だから、これを取り締まれとは言わないんですけれども、では、何で代用魚は見て見ぬふりで、焼き肉ロースだけ取り締まるのか、これは法の適用として不均衡だというふうに私は思うんですけれども、大臣の御見解をお願いしたいと思います。

森国務大臣 景品表示法の調査について、個別の事案についてなかなか私から答弁をすることはできないのでございますけれども、一般的には、違反行為の内容、規模、一般消費者に与える影響等を考慮して、適切に判断をしてまいるということで、委員の御指摘も承ってまいりたいと思います。

大西(健)委員 今、委員の中からは、逆に、適切に表示してほしいという声もありましたけれども、私は、それもありかもしれない。ただ、要は、両方ひとしくやってほしいんですよ。

 だから、代用魚を取り締まるんだったら焼き肉ロース表示も取り締まればいいけれども、代用魚は見て見ぬふりで焼き肉ロースだけが厳しく処罰されるというのは、これはおかしいんじゃないか。さっき言ったように、今まで何十年、ずっとロース表示をやってきて、何にも文句は出ていないんですよ。出ていないんです。ロースだと思って食べていた。

 あるいはもう一つは、安いものには安いなりの理由があるわけですよね。ですから、消費者の方もやはり、この値段で本当にこれが出てくるんだろうかということを考えると、それはその値段のものなんだということでお金を出して食べているんだと思うんです。

 ですから、そういう意味では、法の適用がこれは不均衡じゃないかということを私は言っているのであって、個別のことに答えてくれとは申し上げませんけれども、もう一度御答弁いただきたいと思います。

松田政府参考人 事務方からお答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、焼き肉の関係は、二年半前に、ロースという表示が、焼き肉店等で言われているロース、実際、小売店で肩ロースとかよく売っておりまして、このロースと別物ではないかということが判明をいたしました。これは多くの焼肉業者がやっておられるということで、やはりこれは看過できないのではないかということで、業界団体に対して、異なる表示を改めてほしいということで申し入れ、改善状況を見た上で、違反があれば、その時点でまた厳正に対処することになるというふうな申し入れをしたところでございます。

 では、これはどうなるんだというところでございますが、今伺った範囲内でどうするということはなかなか申し上げにくいんですけれども、確かに、アナゴだったら何アナゴまではどうなんだとか、微妙なところもございまして、ではネギとろがアカマンボウはおかしいじゃないかと、個別のお話もございますので、そういった御指摘があったということをどう評価して、どう執行に生かすかということは、ちょっと、事務方として預からせていただきたいと存じます。

大西(健)委員 リブロースとか肩ロースとか、確かに肉屋に行くと牛の絵が描いてあって、書いてありますけれども、料理名なんですよね。前も言いましたけれども、例えば豚とろ、とろはマグロの部位の一部ですけれども、豚とろというのはとろっとした脂身というのを指しているわけです。だから、私はそこはちょっと違うんじゃないかなと思いますけれども、これはこの辺でとどめておきます。

 それからもう一つ、同じく海産物について、原産地表示の話を一つしたいんです。

 これも先日、この委員会で少し話が出ていましたけれども、水産物の原産地表示については、国産については漁獲した水域名、輸入品は原産国を記すことになっている。ただ、水域名の記載が困難な場合は水揚げ港でもいいということになっています。だから、どこの水域でとれたものであっても、水揚げした港が国内であれば国内産になる可能性があるんじゃないかということも言われております。

 さらに、ここで、アサリ等、貝の場合、蓄養というのがあるんですね。これは、例えば輸入したアサリを日本の砂浜にまいて、輸送の間にへたってしまったのをまた元気を回復したりとか、ある程度育成をして、もう少し大きくしてから出荷をするみたいなことが行われています。ただ、この場合でも、本来は最も長く生育をした場所の名前が書かれなきゃいけないので、アサリだと出荷できるのに大体二、三年かかると言われていますから、もし数カ月、日本の砂浜に蓄養したとしても、国産にはならないということなんですけれども、ただ、実際には、輸入アサリが国産に化けている事例があるんじゃないかという指摘もあります。

 また、もう一つは、第三国を経由するケース、巧妙に原産地証明書の不正発給等を受けている、これは実際に取り締まられた事例においてもそういうものがありました。

 そこで、資料をごらんいただきたいんですけれども、これは二〇〇三年の北朝鮮から日本への輸出品の多いもののリストなんですけれども、第一位は四十五億円でアサリなんです。下の方を見ていただくと、二〇〇三年当時だと、日本のアサリ輸入量の何と六五%が北朝鮮産なんですね。ところが、次のページを見ていただきたいんですけれども、二〇〇六年の秋に北朝鮮に対する我が国の追加経済制裁が始まる前後ぐらいから、北朝鮮産が激減して、それに取ってかわるように中国産がふえていっている。これは、もちろん中国産がちゃんと代替で取ってかわっているのかもしれないですけれども、この中には、例えば北朝鮮産が産地偽装によって中国産だとか韓国産として流通をしているケースがあるんじゃないか。実際にそういうものが摘発されたケースもあります。

 これが本当だったらば、こういうものが横行しているんだったらば、これは消費者を欺くだけじゃなくて、北朝鮮にとって痛い、アサリであったり、あるいは、さっきの表を見ていただくと、カニとかマツタケも重要な輸出品になっているんです、これをとめるという経済制裁そのものの実効性を欠くことになる。

 ですから、こういう産地偽装であったり第三国経由であったり、こういうものをしっかり監視してやらないと、何のための経済制裁かわからなくなるというふうに思うんですが、この辺は政府としてしっかり取り組んでいただいているのかどうなのかについて、お答えいただきたいと思います。

石原政府参考人 お答え申し上げます。

 財務省・税関におきましては、北朝鮮産水産物の第三国からの迂回輸入を防止する観点から、過去に北朝鮮から輸入の多かった農産物、具体的にはアサリ、マツタケ等十六品目ございますけれども、こういったものにつきましては、中国など周辺諸国からの輸入申告がありました場合には、原産地証明書の提出を特別に求めております。

 これとともに、関係書類に基づく慎重な審査並びに貨物及びそのこん包材等に付された表記などの確認によりまして、貨物の原産地を厳正に確認しているところでございます。

 今後とも、経済産業省等の関係省庁と緊密な連携を図りながら、周辺諸国からの輸入貨物に対する厳正な審査、検査を実施いたしまして、引き続き北朝鮮に対する輸入禁止措置の実効性の確保に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

塚原政府参考人 お答えします。

 農林水産省におきましても、国内で流通をいたします農水産物につきましては、輸入品を含め、JAS法に基づく原産地表示の監視指導を行っております。

 具体的には、職員が巡回して立ち入りをしまして、小売店あるいは卸売店等を対象とした原産地の表示状況、あるいは伝票、帳簿等の表示証拠に関する調査を行いますほか、流通いたします農水産物の買い上げによりますDNA分析等の科学的調査を実施しているところでございます。

 輸入農産物の原産地表示の適正化につきましては、関係機関と連携を図りつつ、政府一体となった取り組みの中で適切に対応してまいりたいと存じます。

大西(健)委員 きのうの夕刻、通告しようと思って、消費者庁だけではなくて、いろいろな関係省庁にまたがっていて、たくさんの省庁が来られたんですけれども、省庁同士で答弁の押しつけ合いをされて、見ていて非常に暗たんたる思いがしました。

 もう一つは、最初に申し上げたように、中小食品関連事業の支援についても、現実にはこれは最も重要な問題だと思うんですけれども、ではどこが責任を持つのかというと、はっきりしないんですよね。だから、私は中小企業庁に、中小企業施策ということで聞かせていただいたんですけれども、結局は、業者が泣かされることになる。

 やはり、この縦割り行政を排して消費者行政を一元化するというのは前途多難だなというふうに思ったんですけれども、ぜひともこの消費者行政のスペシャリストとして森大臣のリーダーシップにエールを送って、私の質問を終わらせていただきます。

吉川委員長 次に、浦野靖人君。

浦野委員 おはようございます。日本維新の会の浦野靖人です。よろしくお願いをいたします。

 私は、子供がこれからいろいろと食の中でかかわっていく部分で、いろいろ質問をしていきたいと思っております。

 私は今保育園を経営しておりまして、保育園なんかは給食が義務化されておりますね。その中で、今、アレルギーを持つ子供がたくさんふえております。

 現行のアレルギーの表示制度というのを、おさらいでなんですけれども、どのようになっているのか、お答えいただきたいと思います。

松田政府参考人 お答え申し上げます。

 現行のアレルギー表示制度はどうなっているかということでございます。

 アレルギー表示を義務づけております品目は、現在、いわゆる発症件数が多いという理由から、卵、乳、小麦、エビ、カニの五品目、それから、症状が重篤であり生命にかかわるため特に留意が必要という理由から、そば、落花生の二品目、合計七品目でございます。

 また、義務表示であります今申し上げました七品目とは別に、消費者庁の通知において、過去一定の頻度で発症件数が報告されたものといたしまして、アワビ、イカ、イクラなど十八品目の表示を推奨しているところでございます。

浦野委員 今お答えいただきました。

 私も実はエビがだめでして、ところが、火を通したエビだったら大丈夫なんですね、なぜか。ずっと昔から、生のアマエビ、僕も好きなので食べていたんですけれども、いつも喉の奥がかゆかったんですね。何でやろなと思っていたら、妻が、それ、アレルギーやでというふうに注意をしてくれまして、そのとき初めて自分もエビのアレルギーだと。火を通したものは大丈夫だったので僕もまさかと思っていたんですけれども、どうもそうだったみたいで、今はもう食べないようにしているんですけれども。

 この義務化されている品目七つ、今お答えいただきました。同僚の岩永委員は料理を全然しないとこの間反省をしておりましたけれども、私は逆に結構料理をします。きのうも近くのスーパーで自分で買い物をしたんですけれども、前からちょっと気になっていることがありまして、牛乳パックなんです。

 具体的な会社の名前は言いませんけれども、Mという会社、実はMという会社は三つあるのでちょっとあれだったんですけれども、同じ牛乳だけでも会社が三つあるんですね。一つのMという会社は、アレルギー表示、乳、ぱっと見たときにちゃんと赤字で書いてあるんですね、パックに。ところが、他の二社が実は書いてないんです。きのう探してみたんですけれども、書いてなかったんですね。

 これはどういう差なのか、お答えいただけたらお答えいただきたいんですけれども。

松田政府参考人 先ほど、義務化されているところに乳と申し上げましたけれども、牛乳と表示した場合には、乳が表示の中にもう既に入っているという理解から、個別表示しているものと、乳自身でもう示されているという理解の差によったものではないかというふうにお答え申し上げたいと思います。

浦野委員 恐らく、製品名が牛乳ですから、乳という言葉が入っているからという、今お答えいただいたようなことなのかなというふうに私もちょっと思ったんですけれども、ただ、これは企業努力で、企業努力というか、そうやって抜き出して表示していることが当たり前かなと私は思いました。幾ら商品名に乳という言葉が入っているからといって、義務化されているにもかかわらず、抜き出して表示されていないというのはちょっと私は疑問を感じます。これはぜひ、どちらかで統一していただきたいなと。

 というのは、やはりぱっと見たときに、あれ、このパックには書いてあるけれども、こっちは書いてない、何か違うのかなと消費者は迷いますよね。乳にアレルギーを持っている人というのは、もちろん自分でわかると思います。ところが、これは、私が冒頭に申し上げました子供に関してなんですよ。

 我々は大人だからそんな判断ができますよね。では、子供はどうですかね。参考人の方がおっしゃっていました。やはり小学生ぐらいからそういう教育をしていかないといけないというふうにおっしゃっていました。

 例えば、漢字が全部読める子供、小学校何年生からとか、それはわからないですよね、あやふやですよね。では、例えば小学校一年生、二年生でも、しっかりした子だったらお使いに行きます。そういう表示、大事だというならちゃんと見ると思うんですね。

 大人の目線じゃなくて子供から見たときに、そういった差というのはどこで判断させるのか、これは消費者にとっては非常に重要なことだと思うんですけれども、いかがですか。

松田政府参考人 委員御指摘のとおり、アレルギー表示等、食品を摂取する際の安全性に関する情報が適切に消費者に伝わることは極めて重要であると認識しております。

 例えば、アレルギー表示をいたします場合に、アレルギー物質を含むことが容易に判別できるものにおいては表示を省略できることとされておりまして、そういう中に、例えばマヨネーズを原材料に使用しても、卵を含む表示を省略することができるということになっておるわけでございますけれども、ただ、マヨネーズと表示した場合に、卵が使われていると認識できない消費者もあり得るということなど、必ずしも適切に情報が伝わっていないという御指摘も確かにございます。

 今まさに委員御指摘のように、今後、子供が見て選べる、わかりやすい表示にするという観点も十分に踏まえまして、アレルギー表示の表示方法につきまして検討してまいりたいというふうに考えております。

 また、自主的にわかりやすいアレルギー表示を行っておられる企業もございまして、消費者庁といたしましては、このような取り組みも推進してまいりたいというふうに考えております。

浦野委員 企業が企業努力でそういうのを表示している、これは非常にいいことなんですね。アレルギー表示に限らず、企業がいろいろ努力をされている、これは消費者にとっては非常にいいことです。

 例えばペットボトルでも、飲み終わった後にくしゃっときれいに潰せる会社と、めちゃくちゃかたい会社とあります。これも、消費者にとっては、飲み終わった後ごみにするときに、めちゃくちゃちっちゃくできる方が実はいいんですよね。そういう企業努力をするというのは非常にいいことだと思います。

 このアレルギー表示なんですけれども、保育園でも、除去食、これはもう当たり前のように、今、いわゆるアレルギーの子供に対してきちっと情報が提供されて、給食において、その子のアレルギー食物は排除して、いろいろな工夫をして調理しています。保育園とかでは、そういうちゃんとしたことができているんですね。だから、アレルギー表示の義務化というのはもっともっとすべきだと思うんですね。

 子供たちにとっても、これはあれが入っているんだとか、そういうことがしっかりとわかるように、子供でも読めるアレルギー表示というのを考えてはどうかと思うんです。今、漢字とかをたくさん使っています。これはアレルギー表示だけじゃないんですけれども、そういうところの部分はどう思われますか。

松田政府参考人 表示というのは、どこまでをどういうふうに対象にするかというのはなかなか難しい問題がございますけれども、先ほど申し上げましたように、子供が見て本当に選べるレベルという、子供さんがお買いになる、買い物の対象とされる食品、こういったものは特にやはり子供さんから見てわかりやすくアレルギー表示がなされている、これが大事だと私も思います。

 消費者団体の皆さんは、例えば、アレルギーの場合、どくろマークをつけてもっとポイントをはっきり表示したらどうだとか、いろいろな御意見がございます。

 そういった今後の表示の見直し、表示基準をつくりまして具体化していくに当たりまして、アレルギー表示のあり方におけます子供の目から見た表示のあり方、これにつきましても、御指摘を踏まえまして、十分、そういった子供の観点からの目線でわかるといったようなことを念頭に検討してまいりたいというふうに考えております。

浦野委員 ありがとうございます。

 さらに、アレルギーという規定ですね。現行法では、食品表示のうちの、最も人体に影響が、先ほど自民党の先生がおっしゃったように、時によっては生命にまで危機が及ぶようなアレルゲンという文言、これが実は規定をされていないですよね。内閣府令で個別に、小麦、卵というふうに規定されているのみなんです。

 私は、アレルゲンのような、現代社会に極めて影響の大きな食物アレルギーの原因となっている物質は、お役所任せにせず、立法者の意思としてきちっと法律に言葉として明記すべきだと考えております。このことについて、もし御意見があれば。

松田政府参考人 今、食品表示法案の第四条で、表示事項といたしまして、代表選手と言っておりますけれども、原材料名とか期限でありますとか、その他の事項ということで、その他は府令で定めるというような食品表示基準の立て方になっております。

 この代表選手の中になぜアレルゲンが規定されていないのかという御指摘であろうかと存じます。

 もともと、三法を統合する際に、現行の規定にあるものを基本に規定したということが事実でございますけれども、それに加えまして、アレルギーやアレルゲンという語につきまして法令上定義している例が、使用されている例がなくて、アレルゲンと規定する、定義規定を置く、そうしますと専門的かつ長文にならざるを得ず、簡潔明瞭に当該語の意味を定義づけするのがなかなか難しいという、申しわけございません、役人的な考え方もありまして、代表選手には取り上げていないということでございます。

浦野委員 お役人の方なのでお役人答弁でいいんですけれども、ここはしっかりと考えていただきたいと思います。

 アレルギー表示も、先ほど代表的な品目を挙げられましたけれども、それ以外にもたくさん、事例は少ないですけれども、あります。

 例えば、今まで、私の保育園は今六十年以上やっているんですけれども、砂というアレルギーを持っている子供さんもいらっしゃいました。これは食べるものではないですけれども、ゼロ歳、一歳は砂を食べます。遊びの中で砂を食べちゃいます。ですので、非常に大変でした。そんなアレルギーがあるのかと私たちもびっくりしたぐらいです。でも、これからこういった事例というのはたくさんたくさんまだまだ出てくるんじゃないかなと思っています、代表的なアレルギー物質以外に。

 少しの量でも、子供にとっては非常に危険な量なんですね。大人にとっては微々たる量で、体力がつけばこういったものは克服できる場合が割とあるんですけれども、子供にとっては非常に危険なので、こういうアレルギー表示の対象品目は、親御さんもきちっとわかってもらえるように、もっと表示品目をふやしていくべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

松田政府参考人 アレルギー表示の対象となる品目につきましては、おおむね三年ごとに行います実態調査等の結果を踏まえまして定めております。直近では、平成十六年度から十七年度の実態調査の報告を踏まえまして、今御指摘にございましたようなエビ、カニを推奨から義務表示に格上げするというようなことを二十年度に行っているところでございます。

 それで、今、二十三年度から二十四年度の実態調査、これが最新でございますけれども、食物アレルギーを発症した者のうち、義務表示である七品目で約八三%、それから、推奨表示であります十八品目を含めまして二十五品目で約九四%を占めております。これは、過去、その前、その前々回を見ますと、十六年度のときは九二%、それから十九年度のときが九四%ということで、ほぼ、いわゆる二十五品目ベースでいきますと九四までいっている。残り六%が、今委員御指摘のようなそれ以外の品目で行われているということでございます。

 では、どうするのかということでございますが、九四%という意味で、現行のアレルギー表示につきましては一定の妥当性が示されているとは思っておりますけれども、なお個別の品目の追加の可能性につきまして、今申し上げましたような二十三年度から二十四年度の実態調査の報告を踏まえまして、今年度中に検討をいたしたいというふうな予定でございます。

 いずれにいたしましても、アレルギー表示の対象となる品目の検討に当たりましては、我が国におけます食物アレルギーの実態を十分に踏まえつつ、また、今先生の御指摘にもございましたような子供の観点も踏まえながら、今後ともしっかりと検討してまいりたいと考えております。

浦野委員 表示の義務化という部分で、もう一点お聞きしたいことがあるんです。

 今、ほとんどの食品にカロリーとか栄養成分、いろいろ話題にはなっていますけれども、書いてあるものがほとんどですね。ただ、私も不勉強で、やったんですけれども、これは義務ではないですよね。義務ではないですけれども、たくさん、もうほとんどの商品と言っていいぐらい、表示されていない物はほぼないんじゃないかなというふうに、いつも買い物をしている中で、今思い起こしても思うんですけれども、表示義務ではなく任意となっている理由というのをもう一度お聞かせください。

松田政府参考人 お答え申し上げます。

 現行の栄養表示基準を策定いたしました当時、これは平成七年でございますが、国際規格として認識されておりますいわゆるコーデックス委員会が定めます規格におきましては、栄養表示が任意表示とされておりました。つまり、表示する場合はこういう形でやりなさい、こういう任意表示、私どもがとっております任意表示とされておりまして、事業者、消費者等、幅広く意見聴取を行った結果を踏まえ、任意表示として今現在に至っておるところでございます。

 ただ、このような中で、国際的に非感染性疾患が増加している現状と予防に向けました取り組みの一環といたしまして、当コーデックス委員会におきましても、栄養表示が二〇一二年に原則義務化とされたわけでございます。

 また、先ほど来申し上げております食品表示一元化検討会報告書におきましても、新しい栄養表示制度の枠組みとして、原則として、あらかじめ包装された全ての加工食品を対象に義務化することが適当とされているところでございます。

 このような状況の中で、消費者の自主的かつ合理的な選択の観点、それから国際規格との整合性の観点等から、食品表示におきましては、栄養表示につきまして、義務化が可能な枠組みとすることといたしたものでございます。

浦野委員 このことについては、恐らくほとんどの企業、事業者が自主的に今までもやってきているので、義務化になってもそんなに混乱もなく進むんじゃないかなというふうに私は思っております。

 私も、二十代のころから体重でいうと十何キロふえまして、そういうカロリーとか栄養表示には一応気を使っているつもりなんですけれども、全然痩せないというのが現状です。本当にこういうのは非常に大事なんですけれども、地元に帰るたびに、また太ったなというふうに言われるんです。そんなつもりはないんですけれども、なかなか改善ができません。

 もう一つ、最後に、私は自分でもよく料理をすると言っていたんですけれども、卵の賞味期限なんですね。大臣は、子供さんもいらっしゃるということで料理されると思うんですけれども、卵の賞味期限、消費期限、これはどうお考えですか。

森国務大臣 私の子供は卵アレルギーでございまして、家庭では卵の調理はいたさないんですけれども、卵自体は、割と長くもつものであるけれども、短い期限が書いてあるなと思っております。

浦野委員 そうなんですね。卵は非常に実は長もちするんですけれども、なぜか、理由がもちろんあってあの短い表示になっているんだと思うんですけれども、私も、また周りの人でも、卵のあの期限を見て、買うときはやはりなるべく新しいもの、委員会の質問の中でどの委員さんか忘れましたけれども言っていらっしゃったみたいに、奥の方からとります。

 でも、奥の方からとってちゃんと見ますけれども、実際はあれを過ぎても全然私も使っています。それで今までどうかなったということはほとんど私はないんですけれども、あの表示も消費者にとっては実は非常に判断しにくい表示になっていると思うんですけれども、この点はどういうふうにお考えですか。

松田政府参考人 消費期限と賞味期限、安全の問題からして消費期限というのは短く切られております。この問題に加えまして、賞味期限につきましては、やはり本当にもっともつのにというところとか、あるいは三分の一ルールと申しまして、流通過程で残り三分の一を切ったらもう廃棄してしまうとか、そういったいろいろな問題を指摘されております。

 そういった中で、いわゆる食品ロス問題、非常に大きな問題ではないかというふうに私どもも受けとめております。

 消費者庁といたしまして、これから、消費者教育推進法が成立いたしまして、消費者教育を推進する中で、持続可能な消費、これを消費者市民社会の構築という中でやっていくということで、ひとつこの食品ロス問題に取り組んでいきたいと思っております。

 また、食育と連携をとるということで、食育の中には、もったいない精神の涵養、いただきます、ごちそうさま、ありがとう、そういった精神の涵養ということも入っておりますので、そういったものとあわせまして、この賞味期限の問題は、単に期限の問題だけではなくて、そういった問題も含めてどういう取り組み方があるのかというふうにいろいろ今後検討してまいりたいと考えております。

浦野委員 これは通告もしていなかったんですけれども、きっちりとお答えいただいてありがとうございます。

 先ほどおっしゃったみたいに、消費と賞味の違いというのは恐らく子供たちにとっても非常にわかりづらい、我々消費者の立場からしても、ううんと思うような判断基準になってしまっていますので、ここら辺は、でき得れば、消費、賞味、どちらかに統一をしていただいた方が本来は判断しやすいんじゃないかなと思いますので、そこはよろしくお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

吉川委員長 次に、篠原孝君。

篠原委員 民主党の篠原です。この委員会では初めて質問させていただきます。

 冒頭ですけれども、私、ほかの委員会でちょっと質問が重なりまして、順序を変えていただきまして、ありがとうございます。まず御礼申し上げます。

 それでは早速、時間が短いので、質問に入らせていただきます。

 今回の食品表示の法律、いろいろなところを改めようとしていますけれども、ちょっと不安があるところがありますので、その点について指摘をさせていただきたいと思います。

 静岡茶というのを皆さん御存じだと思いますけれども、二十年前、何でも静岡茶だったんです。私の体験でちょっと申し上げますと、名誉に関することなので、某県にしておきます。某県に行きましたら、ニュースで、茶摘みが始まった、一番茶だ、めでたく静岡に向けて出荷されたと。全然、疑問を何にも感じていないんです。

 私は、こういうことをずっと昔からいろいろやってきましたので、何やっているのと言ったら、そうしたら夜一時ぐらいまで、ほかのこともあったんですが、泊まり込みの勉強会になったんです。私は農林水産省の役人だったんですが、篠原さんは知らない、お茶の世界では最後に製茶したところの名前をつけることがルールになっているんだと。そんなの消費者に納得してもらえるの。では、コーヒー、僕はコーヒーを余り飲まないんです、国産品ばかり愛用していて飲まないんですけれども、モカとかキリマンジャロとかブルーマウンテンというのを東京でブレンドしたら、東京コーヒーと名前をつけて売っていいのかと。

 だから、最近、皆さん御存じだと思いますけれども、業界がきちんと改善して、五〇%以上静岡産のお茶を使っているときに静岡茶と。そうすると、一つやり出すと、ほかのところもちゃんとやり出すんです。宇治茶。宇治茶が宇治市だけでつくっているはずがないわけですね。京都府、滋賀県、奈良県、それから三重県、合理的ですよ、そこでつくったもので、同じような製法でもってお茶にしているのは宇治茶と呼んでいきましょうというふうになっている。これは当然のことだと思います。

 今度、食品表示というときに、名前が非常に大事なんです。名前でまず選ぶと思います。私も資料でいろいろ出してありますけれども、賞味期限と消費期限、今、浦野さんが言っておられましたけれども、そういうのもありますけれども、まず名前ですよ。

 この名前について、こういったことを、せっかく消費者庁ができたんですから、統一見解というかガイドラインで、こういうふうに持っていったらというのをやっていただきたいと思うんですが、統一見解みたいなものがあるのかどうか、そういう努力をされているのかどうか、お伺いしたいと思います。

伊達副大臣 お答えをさせていただきたいと思います。

 今先生がおっしゃった静岡茶だとか、それから、そばなんかでいうと信州そばだとかというようなことになっておりますが、地域の名前がついた食品は数多くあると思うんです。その地域の名前の意味するものはそれぞれの食品によってさまざまであると思いますが、このため、地域の名前がついた食品の地域の意味を統一することが難しい、こういうふうに思っております。

篠原委員 ここが大事なところなんです。大事なところというのはどういうのかというと、今、副大臣に触れていただきましたけれども、私は長野の北の方で、信州そば。もっと言えば、戸隠そば。だけれども、頭にくるのは、頭にくるなんというのは余りいい言葉じゃないかもしれませんけれども、中国産のそば粉でつくって平気で信州そばとして売って食べさせているのは、これはもう詐欺だと思います。やはりいけないし、そういうのはちゃんと直させていかなくちゃいけないと思いますけれども、ほとんど取り締まるあれがないんじゃないですかね。僕はこれが問題だと思うんです。だから、今回、検討会でもいろいろ問題があったんでしょうけれども、僕はぜひやってほしいと思って期待していたのが、原料原産地、この表示です。

 この私の資料を見ていただきたいんですが、消費者庁がやりました食品表示に関する消費者の意向等調査、これをよく見ていただきたいんです。

 これは、ややこしいみたいですけれども簡単でして、上から順番に、何が大事か、何を参考にするかというのを、数をばあっといっぱい書いたのが上から順番なんです。それで、消費期限・賞味期限あるいは原材料の原産地のところを選んだ人は、ではなぜ原材料の原産地なんですかといって、その一番の理由は、安全性を確かめるため。

 見てください。輸入品の原産国・製造国、原材料の原産地、二つとも四百七十七、四百四十九。安全性を確かめるヒントに原産地、これを言っているわけです。非常に大事なんです、中国産か信州産か、信用を置ける信州産か、信用を置けないどこかの国の原料かというのは。

 これなんかは絶対ぴしっとしてもらわなくてはならないのに、だめなんですね。五〇%を超えるものを一つだけ表示とか、そんなようなややこしい、資料にありましたけれども、原材料が品質を左右する加工度の低い加工食品を横断的にカバー、二十二品目とそれから四つ、これしかやっていない。これは消費者が一番望んでいるものの一つだったんですが、この点は、大臣、指揮官先頭主義でやっていただかなくてはいけないんですよ。やはり、女性が消費者担当大臣になることが多い、一番そういうところを、身近にそういうものを吸収していただける方であろうということでなっているわけです。

 僕は、加工食品の原産地表示というのはもう徹底的にやるべきだと思いますけれども、この点について、大臣はどのようにお考えでしょうか。

森国務大臣 女性も男性も身近に感じていただきたいと思っておるところでございますが、加工食品の原料原産地表示は、JAS法に基づく加工食品品質表示基準で定められている表示基準の一つであり、消費者基本計画において、加工食品の原料原産地表示の義務づけを着実に拡大することとされておりますことから、対象品目を追加するなど、消費者庁において現行制度下での取り組みを進めております。

 また、本法案が成立いたしましたら、消費者や事業者の方々などの意見を幅広く聞きながら、また、委員の今の御指摘も参考にしながら、新たな原料原産地表示のあり方について、義務範囲の拡大も含め、検討してまいります。

篠原委員 ぜひやってくださいね。注文をつけておきますね。これに期待しているわけですよ。

 EUも同じような基準で、まあ、EUのまねをしたりしてやっているわけですけれども、ちゃんと、同じような基準ですけれども、拡大する傾向にありますよ。牛肉だけだったのに、ほかの肉に拡大したりということをしているわけですよ。

 だから、今回、栄養表示、これは一歩前進ですが、私は、栄養分の表示よりも、原産地の方が優先すべきだと思いますよ。栄養分の表示が必要な太り過ぎの人とかそういうのはありますけれども、私なんかは全然そういうのは必要ないですからね。ちゃんと自制心が非常に働いている。まあ、これは半分以上は遺伝だと思いますけれどもね。遺伝だし、ちゃんとしたものを食べているからだと思いますけれども。これは嫌みに聞こえちゃうので余り言いたくないんですけれどもね。

 ですけれども、これは、EUも韓国もブラジルもアルゼンチンもマレーシアもやっているんですよ、きちっと。消費者庁の資料を見ると、余り丸がついてない国が多いんですけれども、丸がついてないような国ばかり国際比較しているので。今申し上げた国、隣の韓国ですよ。韓国は、日本のやり方をまねては、やってきているんですけれども、何と三百八品目、これに表示義務を課しているんです。同じようなもので、五〇%を超えるものは一つだけ原産地をきちんと表示すること。それ以外は上位、一番上に三〇%と二〇%のがあったら、その二つについての産地を二つ書けというんです。

 もうわかるんです、議論。僕もこういうのをいろいろやってきましたので。消費者も、正直に言いますと、勝手です。きちんとやれ、きちんとやれと言いつつ、負担がふえるのは嫌だと。生協の団体が調査したところによると、韓国は三百八品目やっていますけれども、それがために、表示のものが価格にどのぐらい上乗せになっているかというと、〇・〇七%から〇・二五%、ほんのわずかです。消費者の皆さんにもそのぐらいの費用は負担してもらわなくちゃならない。

 それから、事業者は面倒くさがりますよ、確実に。それは農林水産省だったら、ずっと業界団体といろいろ仲よくやってきたりしていますから、できないですよ。消費者庁はそのためにできたんじゃないですか。びしばしやれるんです。びしばしやらなかったら、わざわざ離れてつくった意味がないんです。だから、それをぜひやっていただきたいと思います。中身がわかるように、そして、これは非常に、ここの数字でおわかりのように、皆さん、関心を持っているんです。これはぜひやっていただくことをお願いしたいと思います。

 それから、これは課題山積みなんですけれども、どうも食品表示というと、食べ物の安全性、日本人はそういうものを物すごく気にするんですよ。それ以外のことについて思いをはせない。環境なんです。

 この資料の二ページをちょっと見てください、二ページの右下、エア・フレーテッド・ラベル。イギリスで生活をされた方、おられますか。僕はイギリスはよく知りませんけれども、たまに行ったときに、有名な、まあジャスコの類いですよ、マーク・アンド・スペンサー。ここのスーパーは、イギリスは表示についてうるさいんですよ、BSEがありましたので。だから、遺伝子組み換えについても物すごく気にしているわけです。国によって跛行性があるんです。

 ところが、この立派なスーパーマーケットが、このシールを張っているんです。何に張っているか。飛行機で運ばれてきた、言ってみれば、彼らからすると、いかがわしい食品ですよ、地球環境を汚して持ってきたものですと。

 日本人の感覚からすればこれは信じられないんですけれども、自分で言っておいて、罪深い食べ物ですけれども、あなた、それでも買いますかなんて、およそ商人の精神に、ちょっと日本的な美風からすると反すると思うんですけれども。ナショナルトラスト運動を始める国ですよ。環境に悪い運ばれ方をしてきた食べ物を、あなた、食べますかということなんです。だから、表示は、何も我々の健康だけじゃなくて、ほかの、日本国全体のことを考えなくちゃならない。

 なぜ原産地表示を僕はしつこく言うかというと、日本の国産品を使いたいと日本の消費者が言っているわけですよ。その人たちに選択の機会を与えて、日本の国産のものを食べていただくというふうにする絶好のチャンスなのに、なぜしないのか。農林水産省の政策は生産者寄りだとか言われていますけれども、そうじゃないんです、消費者のことも考えて生産対策をする。そうしたら、消費者行政も、日本の国の農業政策を考えて政策を打ち立てていく、環境政策のことも考えてやっていく。

 環境への配慮とかいうのも必要なんですが、有機農産物の表示については、今回、どんな議論が行われて、どういうふうな整理がついたんでしょうか。

    〔委員長退席、西川(京)委員長代理着席〕

伊達副大臣 お答えをさせていただきます。

 有機農産物などの、生産の方法等に特色がありまして、これにより価値が高まると認められる農林物資については、事業者みずからが表示するものでは正確が担保されないことから、第三者による認定がなければ一定の表示を認めないとするJAS規格の制度において対応することとしております。

 このJAS規格制度については、消費者庁発足時においても農林水産省で所管することとされており、食品表示法施行後も引き続き農林水産省において実施されることが適当だと考えております。

篠原委員 この後の質問のところに対するヒントというか、悪い例を今、副大臣に答えていただきましたけれども、やはり統一したんだから、あっちだこっちだと言わずに、全部やっていってもらわなくちゃ困りますよ。

 もう一つ、遺伝子組み換えがあるんです。これはみんな価値観が伴うんですね。アメリカ人などは、科学技術の進歩というのを本当に信用している国ですから、さっきそれぞれの国によって違うと言いましたけれども、あっけらかんのかんですよ。だから、成長ホルモンについても余り関心を持たない。だけれども、O157とかああいったものについてだけは異様に関心を持つんです。というふうに、それぞれ違うんですよ。

 問題の、遺伝子組み換え。遺伝子組み換えは我々の体には悪影響を及ぼさないと、アメリカはすぐ言います。後で時間があったらお伺いしたいと思いますけれども、アメリカは遺伝子組み換えは、へのかっぱなわけです。構わないと。日本とか韓国とかタイとかは物すごく気にするんですよ。

 いやいや、遺伝子組み換えは関係ない。よしんば、それを認めましょう。だけれども、イギリスやヨーロッパ諸国が遺伝子組み換えを非常に嫌がってきちんと表示させる理由は、我々の体だけじゃなくて、生態系を乱す、そういうのにつながる、だから、そういった製品については手助けしたくないんだと。自分の体だけじゃなくて、環境や生態系への悪影響も考えて、だから、それをきちんと表示させる、そういうふうにしているわけです。

 だから、消費者行政だけじゃなくて環境、私は環境委員会の筆頭理事でもあるんです、環境のことも配慮していただきたい。

 どういうへんちくりんなことが起こるかというと、これはよく聞いていただきたいんです。おわかりのとおり、現況、豆腐、納豆は表示義務があるんです。油はないんです。そうすると、豆腐と納豆は、表示がないということは、遺伝子組み換え、GMO原料を使っていないということになるんです。ところが、油は、義務がないので、表示がないと、GMOを使っていませんよという表示がなくて何にもないと、GMOを使っているということになるんです。わかりますか。逆転しちゃうんですよ。これは消費者を混乱させるんです。

 だから、そういうのはやめて、いっぱい課題が積み残しなんですよ。だから、これから大臣に頑張っていただかなくちゃならないんだ。一緒にして、やっとこうやってできて、一歩前進です。だけれども、栄養表示義務化、文字をでっかくした、今までの量を減らさない、この三つは守っておられるようですけれども、新しいことをびしばしやっているということが見当たらない。遺伝子組み換えもそうですし、原産地表示も。これはしっかりしてくださいということなんです。

 それで、そもそも論で、具体的な成果云々というのも聞きたいんですけれども、時間がないので、次の大問題。

 二ページ目のところを見ていただきたいんです。歴代担当大臣。これは平均在職月数四カ月です。森大臣、めでたく平均を超えられまして、おめでとうございます。長くやってください。早く松原仁元大臣の在職年数を上回っていただきたいと思います。

 これはばかにしていますよ。ばかにしているなんて言ったって、我が党の政権時代の不始末でこうなったので、余りでかい口はたたけないんですが、くれぐれもこういうことがないようにしていただきたい。

 やはり、消費者庁というのは、できたばかりのところですから、指揮官先頭主義で動いちゃったりしているところがあるんですよ。だけれども、僕は難しいと思いますよ。

 それで、下を見てください。皆さん、精鋭が集まっておられるんでしょうけれども、二百八十九名のうち二百四名が出向者だ。寄せ集まり世帯。これがどう一本化していくのか。これはいろいろ問題があると思いますよ。都道府県の組織がない、だから農林水産省や都道府県、保健所を使わなくちゃならないということですけれども、人材育成というか、そういうことについて、どのような思いをはせておられますでしょうか。

    〔西川(京)委員長代理退席、委員長着席〕

森国務大臣 消費者庁設立当時、消費者庁をつくるということ自体の理解を得るのがなかなか大変でございましたが、国会の先生方の御努力によりまして、小さく産んで大きく育てよう、そういう気持ちで発足したものであります。

 それから、さまざま大臣の変遷等もあり、国民の信頼をなかなか得られない状況でございましたけれども、やはり今後は、政務三役も、そして庁の人員も、しっかりとした体制を整えてまいりたいというふうに思っているところでございます。

篠原委員 なかなか難しいと思います。食品科学というか、こういうことを勉強した人たちをまず採用しなくちゃいけない。女性をいっぱい採用しなくちゃいけない。女性がいっぱいいるんです。

 違う話ですけれども、獣医学部に女性が物すごくふえてきているんです。この人たちに、犬猫病院のお医者さんばかりじゃ、もったいないわけですよね。鳥獣害の被害があったりするから、熊本県とか長野県でもいいですけれども、どこでもいいですから、県で採用してもらう、環境省でも採用する。消費者庁が、食品の安全性、こういったことを勉強したプロですよ、理科系の人たちは大学院、修士課程、博士課程へ行きますから、そういう人たちをいっぱい採用して、その人たちにびしっとしたことを言ってもらう以外にないんじゃないかと思う。

 ですけれども、これは、森大臣が行政改革も担当されているとちょうどよかったんですが、そういう大臣もいっぱいいたんですけれども、僕は、消費者庁ができて、今、激励していますけれども、やはり余りうまくいかないんじゃないかという気がしている。いやいや、頑張ってもらいたいんですよ。

 ですけれども、ほかの国がどういうふうになっているかというと、シングルエージェンシーという言葉が、二〇〇〇年代、盛んに言われたんです。単一化です。食品行政、あちこちに分かれている、十五も十六ものところに分かれている、だから一本化というのは日本も同じなんです。だけれども、どこにどうするか、各国、違うんですよ。

 イギリスは、フーズ・スタンダード・エージェンシー、食品基準庁というのをつくって、保健省と農漁業食料省の食品安全部門を移管して、一つつくったんです。政策決定もするし、他省庁への勧告も含めて全般的に責任を担う。これは日本の消費者庁と似ている。ところが、問題はもう明らかなんです。地方組織がなくて、協力関係ができなくて困っているわけです。地方機関の能力がばらばらですから。まあ、透明性は一挙に増すわけです。

 フランスは、遺伝子組み換えやBSEのことですけれども、食品安全衛生庁というのをつくりました。だけれども、それはリスクアセスメントとか、そういったようなことを行うだけなんです。

 EUも、みんな集めて、第二十四総局というんですけれども、保健・消費者政策に集めて、二〇〇二年には欧州食品安全機関というのを発足させました。

 みんな同じなんです。だから、その流れには沿っているんです。

 ですけれども、私は、ドイツのやり方が一番賢いと思っているんです。ドイツはどうしたかというと、農業・食料・森林省を、消費者保護、これを一番真っ先に持ってくるんです、消費者保護・食料・農業省に改組しているんです。緑の党のキュナストという女性農業大臣がいたんです。この方がびしばしやったんです。森さん、びしばしやってくださいね。女性です。男がやると嫉妬されますけれども、女性がやるとまあ許してやろうというか、そういう感じもあるんですね。保健省から移管されたのと、通産省、経済産業省ですね、そしてどこにやったかというと、農業省にやっている、食品だから。これが一番。

 これは、日本のことを考えると、厚生労働省の人は来ておられるかどうかわかりませんけれども、厚生労働省です。年金、医療でいっぱいで、食品の安全性については二の次、三の次になっているんです。農林水産省にいくと、イの一番の政策になるんです。これが一番いいんです。行政改革、いつもやっちゃ失敗だ何だと繰り返しているんですが、明らかに厚生労働省はでか過ぎます。

 そしてもう一つ問題は、内閣府に何でもかんでもいっぱい集め過ぎて、内閣委員会なんか何をやっているんだかよくわからなくなっているなんて、言っちゃ悪いんですけれども。でも、大臣はまだしっかりしていますけれども、副大臣は幾つ担当している、何を担当しているかわからなくなって、混乱しているわけです。

 僕は、それを、何かみんな縦割りを排すためにと言っていますけれども、これはそういうのじゃなくて、一つきちんとした、一番やっている役所にきちんとやって、ほかのを集めてそこにさせるという形の方がうまくいくんじゃないかと思っています。一生懸命頑張っていただくのはいいんですが、そういうこともぜひ念頭に置いておいていただきたいと思います。

 次に、要請で、時間があったら答えていただきたいんですけれども、TPPにかかわることですよ。

 もうほかの質問者も聞いていますけれども、TPP、僕は絶対反対です。わかりますか、「NO TPP」。それから、大臣、見えますか、これ。「STOP TPP」というネクタイもなんですよ。ネクタイもバッジもちゃんとこれでやっているんですよ。これは、山口県に平岡秀夫さんの応援に行ったときに農協の組合長がやっていたので、それで買ってきたんですけれども。これは絶対譲っちゃいけない分野なんです。

 ところが、国際条約なんかになるとどうなるかというと、決まっているんです、ハーモナイズダウンです。わかりますか。調和して、基準を下げちゃうんです、ほかの国は。貿易、貿易というのはだめです、これは。やっちゃいけません。

 安倍さんにも予算委員会で言ってあります。口ではやると答えられても、本当にやってもらいたいと思いますけれどもね。国防軍、いいでしょう。だったら、国防軍の前に、国防軍も同じです。我々の、日本人の健康、生命を守るのは食品の安全基準である環境基準だ、これは絶対譲っちゃいけないと思うんです。

 絶対譲らないようにしていただきたいんですけれども、大臣の決意を最後にお伺いして、私の質問を終わらせていただきます。

森国務大臣 食品の表示は食品を選択する際の重要な判断材料であり、消費者が求める情報が適切に表示され、安心して食品を購入することのできることが重要でございますので、TPP交渉においては、現在のところ、遺伝子組み換え食品の表示ルールに係る提案はないと承知をしておりますが、いずれにしても、TPP交渉への参加に当たっては、消費者庁として、食品表示を含め、消費者の安全、安心に資するために全力を尽くしてまいりたいと思います。

篠原委員 では、そこまでおっしゃるんだったら、ぜひ今の、ハーモナイズアップです。日本のルールをTPPのルールにして、アメリカにも遺伝子組み換え食品の表示はきちんとするように、そういう心づもりでやってください。

 以上です。

吉川委員長 次に、東国原英夫君。

東国原委員 日本維新の会の東国原でございます。

 委員会、法案の審議も最後の方になりますと質問等々が重複する部分もあるかと思います。御了承いただければと思っております。

 実はきょう通告していなかったんですけれども、消費期限と賞味期限の話なんですが、私はこれを一度お聞きしたいなと思っていたんですが、きょうはあえてカットさせていただきました。そうしたら、我が党の浦野議員が先ほど賞味期限、消費期限について質問をされました。なぜ私はきょう質問をカットしたかというと、まあ、満足な答弁は返ってこないだろうなということでカットさせてもらったんですけれども、ちょっと興味がありましたので、聞いていただきたいと思います。

 消費期限、賞味期限、私も、賞味期限は必要ないんじゃないかという立場であります。というのは、賞味期限は保存状態だとか味覚の問題でありまして、個々人が千差万別ですので、賞味期限というのはどういう基準ではかればいいのかなと思っているところがずっとこの数年、まあ十年ぐらいありまして、それはずっと疑問に思っていたんです。

 賞味期限というのは、これを別に破っても、賞味期限を超えて食べて食中毒等々事故に遭っても自己責任という理解を僕はしているんですけれども、そういうことでよろしいんですよねと聞いても、多分通告していないので答えられないと思いますけれども、どうなんですかね。よろしいですか、これを聞いて。

松田政府参考人 先ほど来、期限のお話でございますが、一つは消費期限の方は、品質が急速に劣化する食品に、定められた方法で保存した場合、腐敗、変敗その他の劣化、この結果、安全性を欠くことになるおそれがないと認められる期限というものがございます。これは安全性の、食品衛生法上の問題を生じないというふうに認められるということで、安全の問題。

 もう一つの賞味期限の方でございますけれども、先ほどちょっと触れましたが、比較的品質が劣化しにくい食品に、定められた方法により保存した場合、期待される全ての品質の保持が十分に可能であると認められる期限というのが今の定義でございます。ですから、必ずしも過ぎてもすぐに食べられなくなるわけではないので、それは、それぞれの食品が食べられるかどうかにつきましては消費者が個別に判断していただく、こういう仕組みになっております。

東国原委員 ありがとうございました。

 僕らが小さいころというのは、大体おふくろが賞味期限をはかるんですね。食べてみて、これはまずいかどうかと。最近は旦那さんとかお父さんが賞味期限の基準になるらしいんですけれども。まあ、我が党の日本維新の会も賞味期限が切れつつあるということで、だからこだわっているんじゃないんですよ。これは本当に結構重要なんですよね。

 僕、こういう経験があるんですよ。ある牛丼屋さんです、個別具体的な名前は言いません。この牛丼屋さんの弁当を買って、牛丼を買って、車のトランクに入れっ放しで忘れてしまったんですよ。夏ですよ。三日後に思い出して、トランクからその弁当を出したんです。そうしたら全然食べられるんですよ、賞味期限は丸二日ぐらいだったんですけれどもね。これはやはり自己判断なのかなと思いました。やはり自己責任。

 ですから、消費者庁の基本理念で、消費者の教育とか自立とか、そういったものが基本理念になっていますよね。教育というのは、賞味期限とか消費期限、それも教育の一つじゃないかなと思うんですね。賞味期限をどうやって守るか、自己責任でどうやってやるか。

 その辺も何か教育の一環としてやられていると思うんですが、改めて、消費者教育、消費者の自立を促す教育ということに関してどういう御所感あるいはどういう方針でやっておられるか、お聞きしたいと思います。

森国務大臣 消費者教育とは、消費者教育の推進に関する法律、昨年できたんですけれども、ここによる定義は、消費者の自立を支援するために行われる消費生活に関する教育及びこれに準ずる啓発活動をいうと定義をされておりまして、また、消費者教育は、消費生活に関する知識を修得し、これを適切に結びつけることができる実践的な能力が育まれることを旨として行われなければならないというふうにされております。

 さらに、同法では、消費者教育は、幼児期から高齢期までの各段階に応じて体系的に行われ、学校、地域、家庭、職域その他のさまざまな場の特性に応じた適切な方法により、効果的に行われなければならないというふうにされております。

 これは昨年できた法律ですけれども、法律ができる前から、消費者教育に類するものについては消費者庁または各省庁で行われてきております。

 現在は、消費者庁では、消費者教育推進会議、これを法律に基づいて開催しまして、そこで基本方針を策定しているところでございますが、それと同時に、消費者教育ポータルサイトによる情報提供を行っておりまして、学校等で使用できる消費者教育の副教材を作成してポータルサイトで提供しましたり、また、学校等に出張講師を派遣して、御指摘の表示等も含めて、また食品以外の取引等の消費者被害に応じた消費者教育を展開しているところでございます。

 先ほど申し上げました基本方針、これは六月末の閣議決定を目指して今策定中であるということです。

東国原委員 ありがとうございます。

 行政の指導とか教育というのはどうもシステマチックで、ただ表示すればいい、お知らせすればいい、指導すればいいという、何か一方的な教育の方針がちょっと散見されるところがありますので、これを理解していただくというのが非常に重要じゃないかなと思いますので、その視点に立って教育を進めていただきたいなと思っているところであります。

 今回の法案は、御案内のように、食品衛生法とJAS法と健康増進法、これを一元化するわけですから、消費者にとっては非常にわかりやすく統一化されるということでよろしいんでしょうけれども、三法が一元化されたということで、表示基準の策定は新たにされるということでよろしいんですね。でも、表示義務の範囲そのものに変更はないということであります。

 この表示義務の範囲を変更とか拡大する、消費者の要望等々もあると思うんですが、このお考えはないか、ちょっとお聞かせください。

森国務大臣 スケジュール的に申し上げますと、本法案が成立し、二年以内に施行するに当たって、まず現行の三法に基づく表示基準を統合しまして、そこで新たな食品表示基準を作成してまいります。それとあわせて、本法案により栄養表示の義務化が可能となることから、義務化を円滑に進めていくための環境整備を行っていくとともに、対象となる栄養成分等の必要な表示基準の検討を行っていくとしております。

 以上の課題のめどがついた段階から、加工食品の原料原産地表示などの課題についても、消費者や事業者の方々などの意見を幅広く聞きながら、消費者にとって必要な情報が的確に伝えられるように、わかりやすい表示とすべく、いろいろな取り組みを通じて食品表示のさらなる充実を進めてまいりたいと思います。

東国原委員 消費者の方々に伝えたい情報と、消費者が知りたい情報の全てを表示するというのは、非常に困難じゃないかなと思います。

 食品表示というのは、消費者の権利を守ることと事業者に配慮すること、これは相反すること、矛盾すること、ある意味そういったことだと思います。そのバランスをとるのが難しいと思います。

 もう一回言います。消費者のために表示はなるべく情報は多くしたいけれども、それはスペースにも限りがあるし、事業者の負担にもなるということで、非常に悩ましいと思うんですね。この辺のバランスをどうお考えなのか、どうおとりになろうとしているのか、お伺いしたいと思います。

森国務大臣 食品の義務表示事項については、消費者が自主的かつ合理的に食品を選択できるようにという観点からは、もちろん、必要な情報、たくさん書いてあることが求められます。しかしながら、表示すべき事項について、さまざまな御意見もございます。特に、小規模の食品関連事業者は、大規模の事業者に比べて、表示基準の遵守コストに係る負担が過重になるという傾向があるため、その活動に及ぼす影響についても配慮することが必要であると考えております。

 このため、現在、消費者団体、それから小規模の食品関連事業者を含む事業者など、さまざまな立場の方から広く御意見を伺いまして、必要とされる情報、そして事業者の負担、これを見きわめることにより、消費者、事業者の双方にとってメリットとなり、わかりやすい表示制度となるように努めておるところでございます。

東国原委員 消費者庁の基本理念が、消費者権利の尊重と消費者の自立の支援。この法案も消費者の権利というのがうたわれたと思うんですが、大臣、もう一回お願いしたいんですが、この法案は、この省庁は、消費者側なのか事業者側なのか、どっちですか。

森国務大臣 どちらもでございます。

 消費者庁というのは、消費者庁設立時の理念で、消費者の利益を追求いたしますとそれが事業者の利益にもなるということで、相反するものではない、対立するものではない、両立する、その場所を追求していくというところが設立当初の理念でございます。

 つまり、消費者の要求も過大なものもございます。一番適切な消費者の利益、これをかなうようにした場合に、やはり、消費者を大切にする、お客様を大切に誠実に事業を行っている事業者の利益ともなる。つまり、消費者をだますような事業であったり、それから表示義務に違反したり、また誤解を招くような表示をしたり、そういうような事業者は消費者から選ばれなくなるわけでございます。そのことによって、良質な事業者にとってもメリットが生じる。そういうことによって、事業活動、それから市場での経済が良好にいくようにということを目指すということが消費者庁の理念でございます。

東国原委員 情報をできるだけ多くするという視点に立って、やはり表示にはスペース的に限界がありますから、そこの中でわかりやすく、そして文字ポイント数も大きくして、というようなことなんでしょう。

 そこには表示し切れないものをどこかで補完する、例えば、ネット社会ですから、インターネットだとかあるいはスマホだとか携帯だとか、そういったもので補完するようなことは考えていらっしゃらないのか、お伺いしたいと思います。

松田政府参考人 委員御指摘のとおり、容器包装にどこまでできるのか、これは限界がございます。その中で、しかも、高齢化の進展を踏まえまして、今最低八ポイントでございますけれども、できるだけ見やすくしなきゃいけない。片っ方で、必要な情報をどんどん入れてほしいというニーズがある中で、ではどうすればいいんだと。

 それは、基本的には、容器包装に書き切れないものをどこかで、インターネット等で了解するというのも一つの手ではあろうかと存じます。この辺は、実は昨年の検討会でも一応議論にはなりましたけれども、まだ、では具体的にどういうふうに、インターネットにどこまで頼るのかといったようなところまでは結論が出ておりませんので、今後、具体的な表示基準の策定に当たりまして、委員の御指摘のあったようなインターネットの活用というのがどこまでいいのかと。

 ただ、インターネットを使われない高齢者の方がたくさんいらっしゃいますので、その点に向けたものをどうするのかというところが一つ、全般的な補助手段になりにくいというところもあって、そういったところが議論がありますので、なお検討をしてまいりたいというふうに考えております。

東国原委員 今、高齢者の方もネットを使えますよ。選挙もネットの時代になってくるんですよ。そういうのを活用されることをやはり前向きに検討された方がいいんじゃないかなと思うんですね。今後の検討に期待したいと思います。

 栄養表示なんですけれども、私、個人的にマラソンをやっていまして、栄養表示等々、特にスポーツドリンクだとか、そういったものには関心を持っているんです。

 この栄養表示の、これは任意表示で、この法案で義務化が可能というような理解をしているんですけれども、義務化の対象、対象事業者、対象成分などをどこまで拡大するのか、先ほどの議論と同じなんですけれども、するのかということですね。

 それで、義務化のためには、事業者と消費者、どうバランスをとるかということなんですけれども、多数の中小零細事業者の実行可能性というのが問われてくると思うんですね。それの環境整備等々も含めて、お考えをお伺いしたいと思います。

松田政府参考人 御指摘のとおり、この問題、バランスをどうとるかということでございます。

 食品表示一元化検討会の報告書におきましては、原則として全ての事業者を対象とする一方、例外として、家族経営のようなそういう零細な事業者に過度の負担がかかるようであれば、適用除外とすることが栄養表示の義務化に当たりまして適当ではないかというふうに指摘されているところでございます。

 そういった中で、では対象成分はどうなるのかということでございます。

 現行、一般表示事項、任意表示として五成分、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、ナトリウムが今あるわけでございます。この五成分を念頭に、そこをまず基本に据えまして、その上で、コーデックス委員会の栄養表示ガイドライン、あるいは各国の義務表示の実態、それぞれ違っております。そういったものを踏まえつつ、具体的な義務表示の対象成分をどうするかといったようなことも含めまして、施行までにこれを決めるというようなスケジュールで考えておるところでございます。

東国原委員 加工食品なんですけれども、先ほど来議論が、あるいは質問があるかと存じますけれども、対象品目の選定要件ですね。これが、原産地に由来する原料品質の差異が加工食品として品質に大きく反映されると一般的に認識されている品目の、これはどういうことなんですかね。

 先ほど教育ということをおっしゃいましたが、こういったところも非常にわかりやすく、伝わりやすくしていただけるとありがたいなと思うんですね。

 二番目の選定要件が、製品の原材料のうち、単一の農畜産物の重量の割合が五〇%以上である商品に表示を義務づけとある。

 関係者にちょっとお伺いしたんですけれども、この要件というのは、どうも、どうなのかなという疑問符がつけられているんですね。的確性に欠けるとか、そういったものがあるんですけれども、この表示あるいは選定要件も含めて、見直しのおつもりがあるかというのをお伺いしたい。

松田政府参考人 今御質問が出ました原料原産地表示の関係、もともと平成八年から生鮮品から始まって、その後、十二年に全ての生鮮品。さらに、加工の程度が低く、生鮮食品に近い加工食品について表示を拡大してきた。

 そういう経緯がある中で、今御指摘のございました、二要件と言われておりますけれども、原産地に由来する原料の品質の差異が加工食品としての品質に大きく反映されると一般に認識されている品目のうち、原材料に占める農畜産物の重量の割合が五〇%である商品、これが二要件であるわけでございます。これは、JAS法に基づきます品質表示基準という中でこういうことを決めておったということでございます。

 今後、この食品表示法案におきまして、目的、理念にいたしますと、今までのJAS法の、品質のというところから、むしろ、もっと広がりまして、一般消費者の商品選択上の判断に影響を及ぼす情報であれば表示の基準を策定できるという意味で、品質に関するものか否かにかかわらず表示対象品目の選定を行うことができるというふうに、概念的には拡大をいたしております。まあ、理論的でございます。

 それを踏まえた上で、では具体的にどうするかということでございますので、たびたび申し上げますように、消費者や利用者の方々などの意見を幅広く聞きながら、必ずしも現行の要件にとらわれず、消費者の自主的かつ合理的な食品選択の機会の確保が行われるよう、義務範囲の拡大も含めて検討してまいりたいというふうに考えております。

東国原委員 加工食品というのは、加工度が高いほど計算値と実測値との差異が大きいと聞いております。健康増進法の枠内では表示することがどうも難しいんじゃないかという御意見もありますので、その辺を留意されていただきたいと思います。

 次に、遺伝子組み換え食品についてなんですけれども、意図しない遺伝子組み換え作物の混入が五%以下であれば表示義務はないということでありますが、ヨーロッパ、EUなんかでは、意図しない混入率は〇・九%未満ということで、これはちょっと差が大きいのかなと思います。この根拠、数値の理由、そういったものについて御説明をお願いします。

松田政府参考人 お答え申し上げます。

 遺伝子組み換えではない大豆やトウモロコシの場合、流通過程におきまして、遺伝子組み換えのものとの分別管理が適切に行われた場合でありましても、意図せざる混入が生ずる可能性があります。

 例えば、非遺伝子組み換え大豆あるいはトウモロコシを輸入する場合に、分別管理を行っていたとしても、一点目は、生産、収穫が行われる産地段階、それから二点目は、乾燥、調製が行われますカントリーエレベーターの段階、それから、船積みの行われます輸出港の段階、輸入港段階等のそれぞれの段階におきまして、遺伝子組み換え農作物の意図せざる混入が生じる可能性があるということでございます。

 このため、我が国では、このような各段階での混入があり得ることを考慮した上で五%以下の混入率を認めているところでございまして、混入率が五%の国は、日本のほかに香港、カナダ等がございます。

 なお、御指摘のとおり、EUでは混入率が〇・九%以上のものについて表示を義務づけていると承知しておりますけれども、数値の根拠につきましては承知しておりません。申しわけございません。

東国原委員 先ほどどなたかから質問があったと思うんですが、執行体制がうまくいくのかなという疑問を持っているんですけれども、消費者庁さんは地方機関とか出先機関を持たないので、都道府県等々にということで、保健所なんかもそうなんでしょうけれども、立入検査の指示は各省で、命令は消費者庁ということですね。これはふぐあいが生じる可能性があるんじゃないかなと思うんですね。

 その辺について、消費者庁と農水省あるいは財務省の連携、あるいは都道府県との連携について、執行体制はうまくいくのか、お伺いしたいと思います。

森国務大臣 地方における立入検査や指示、命令等については、消費者庁は地方組織を有しておりません。実は、消費者庁ができてから、数十の法律を所管しておりますけれども、それらについても、消費者庁は地方組織を有しておりませんから、今までも執行体制は地方出先機関を有する他省庁と連携して行ってきました。

 例えば取引分野で、金融関係の詐欺等、そうした消費者被害が生じた場合は、金融庁が各県に財務局という出先機関を持っておりまして、そこの検査官が執行するんです。私はそこの検査官でありました。ですので、現在、その立場で見ておりますと、消費者庁と金融庁の出先機関の連携はうまくいっていると思います。

 そういった例を参考にしながら、この食品表示法の執行についても、地方出先機関を有する農林水産省や財務省、都道府県や保健所と連携をしてまいりたいと思います。

 具体的には、違反情報を得た際の連絡体制の整備や、関係機関による定期的な連絡会議の開催等を行うことにより、効率的かつ統一的な執行に努めてまいりたいと思います。

東国原委員 ありがとうございます。

 時間が来ましたので質問を終わらせていただきますが、最後に、やはり消費者庁といいますと、消費者庁ですので、どちらかというと生産者よりも受け手側、カスタマーオリエンテッドといいますか、消費者の目線にできるだけ立って、食の安全、安全保障、そしてまた国民の生活に資するような、そういう体制を整えていただくことをお願い申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

吉川委員長 次に、三谷英弘君。

三谷委員 みんなの党の三谷英弘です。

 先日は、積み残しになっておりますいわゆる食品表示基準の内容について多く時間を割いて質問させていただきましたけれども、きょうは、この食品表示法案そのものの中身を中心に、その後、広く消費者庁の行政全般について伺っていきたいというふうに考えております。

 今、ちょうど東国原委員の質問にありましたけれども、やはり私も、この消費者庁、東国原委員の質問に対して、事業者、消費者、両方の利益を大事にするという趣旨の答弁を大臣からいただきましたけれども、どうしても今、消費者からは消費者庁との距離を感じるというような声が多く聞かれますので、ぜひとも消費者に寄り添う消費者庁というものを目指していただきたく、本日も質問をさせていただきたいというふうに思います。

 それでは、食品表示法案の中身についてお伺いをしていきます。

 まず、第六条についてお伺いをいたします。

 この第六条におきましては、表示義務違反というものがあったときに、そういった指示ができるというふうな規定になっております。もろもろの指示を出せるということになっておりますけれども、実効性がどのように担保されているのかということをまず検討させていただく前提といたしまして、現行法上、例えばJAS法及び食品衛生法、それぞれの実効性がどのように担保されているかということについて、今の体制を伺いたいと思います。

伊達副大臣 お答えをさせていただきます。

 現行、表示違反の監視指導は、食品衛生法、健康増進法及びJAS法に基づき、消費者庁、農林水産省及び都道府県、保健所が協力して分担して実施しているところでございます。

 食品表示法案においても現行と同様でありますが、酒類、いわゆるお酒なんかを対象としていることから、消費者庁、農林水産省に財務省を加え、さらに都道府県、保健所と協力、分担して監視指導を行っているところでございます。

三谷委員 先日、消費者庁の方に話を伺ったところ、それこそ農水省では千人単位、それから、それぞれの各地方自治体においてはそれこそ食品衛生法を守るという観点から数千人単位の人員を確保して、それを使っていくというようなことを話として伺っております。

 しかし、これから食品表示基準というもので何をしていくかというと、今まで以上に、どちらかというと細かいことを決めていくとか、より多くの情報を提供していくというようなことを求めていくのかなというふうに大きな方向性としては思っているんですけれども、表示内容というものをふやせばふやすほど、ある意味それに伴って負担もふえてきますし、何か表示の過ちとか間違いというのも出てくる、そういった問題もふえてくるというところもございます。

 そういう意味で、対応が難しいということであれば表示しないという、ある意味手を抜いた事業者ほど得をするというようなことのないように、しっかりと実効性を担保していただきたいというふうにまずは考えております。

 そこで、この点について改めてお伺いいたします。

 現行法上、義務違反、表示が違うですとか、遵守をしていないというようなことがあった場合には、指示、命令ができるというふうに規定されております。では、表示義務に違反をしているかどうかをどのようにチェックしているのか、例えば抜き打ち検査等々をしているのかということについてお伺いしたいと思います。

伊達副大臣 表示違反の監視については、例えばJAS法に関しては、農林水産省の地方機関が順次、巡回点検をしております。いわゆる食品Gメンといったような形の中でしているわけですが、巡回点検において疑いのある情報を得た場合は、事業者から話を聞き、納品書等の証拠書類の確認を行うことで、違反内容の特定を行っているところでございます。

 さらに、必要に応じ、独立行政法人農林水産消費安全技術センター等に分析を依頼して行い、表示内容の正確性についてもチェックをしていく、こういうふうにしております。

三谷委員 そういう意味では、今まで以上にいわゆる食品Gメンの方々の仕事がふえていくというふうに思っておりますので、その点、しっかりと指導、教育等々をしていただきたいというふうにお願いをさせていただきます。

 それから、続きまして、第七条について伺いたいと思います。

 この第七条におきましては、第六条に定める指示や命令というものをした場合には、必ずそれを公表しなければいけないというような規定になっております。

 これは現行のJAS法を受けた規定となっているわけですけれども、このJAS法では、農水省が作成した指針に基づいて、まあ、指示や命令をしてしまうと必ず公表しなければいけないというふうな形になってしまいまして、余りにも事業者に対する負担が重いということで、場合によっては、そういう表示違反があったとしても指示、命令に至らない、指導にとどめることができるというような指針があるというふうに伺っております。

 その指針の内容と、それから、実際、指示や命令というものを行わずに指導でとどめている、そういった件数は年間どれぐらいあるか、教えていただきたいと思います。

伊達副大臣 今先生がおっしゃったのは、現行のJAS法においては、食品表示違反について、常習性がなく過失による一時的なものであることが明らかであって、事業者が速やかに消費者へ情報提供をしている場合には、指示、公表を行わず、行政指導にとどめる運用を行っております。

 食品表示法のもとにおいて、これを踏襲した運用を行うことを今予定しているところでございます。

三谷委員 今これをなぜお伺いしたかといいますと、この第六条というのは、JAS法のみならず、食品衛生法の基準というものも定めるというようなことで、その基準に違反した場合には指示、命令をするというような規定になっているというところでありまして、何を申し上げたいかといいますと、今まで、食品衛生法の表示義務違反というものがあった場合は、指示や命令等々はなく直罰というような形、そして廃棄命令というようなもので、重い違反だということがありましたから、それに対する違反があった場合にはそういった重い対応がなされてきたというものがあるわけでございます。

 その意味で、この第六条というものを、今までのJAS法に基づく運用指針というものを広くこの新しい食品表示法の第六条の指針ということにすると、若干緩くなり過ぎるのかな、食品衛生法に定められていた表示義務違反というものに対してもそういったことで対応されてしまうということになると、消費者に対する不利益というものが顕在化してしまうのではないかというふうに考えております。その点の見解を伺いたいと思います。

松田政府参考人 今、実際の取り締まりにつきましての委員からの御質問がございました。

 基本的に、JAS法違反につきまして、数え方はいろいろあるんですけれども、万に及ぶ立入検査等をやって、実際の指導をやっているのが数百件ベース、さらに今、では違反で命令までかけているかといいますと、これはほとんどないというのがJAS法のベースでございます。

 それから、食衛法の場合は、八千人に及ぶ食品の監視員、これは保健所でございますけれども、年に二回ほど集中検査をやりまして、大体数十万施設を一度に集中監視いたします。その結果、大体千余の違反の事実というのがありまして、それが事実上指導でございまして、具体的にそれで完全に処分まで至る例はほとんどないのでございますけれども、そういった現場でもってきちっと是正改善をしているというのが、数百あるいは千のオーダーでやっておるということでございます。

 今御質問がございましたけれども、今のJAS法あるいは食衛法の体系をもって執行体制というものは新食品表示法に盛り込んでおりますが、基本的には横滑りをしておりまして、その中で、書類提出命令でありますとか、そういった他の景品表示法等にあります規定を加えて、より指導がやりやすいようにしてありますけれども、基本的には、JAS法でやっていたものがもっと一段と強化されるとか、そういう、レベルとしてはフラットであるというふうに御理解をいただきたいと思います。

 その上で、直罰の話は、最近では実際刑法犯で直罰された例はちょっと承知しておりませんけれども、その規定も基本的には新食品表示法にそのまま移管しまして、悪質なものがあれば当然取り締まりの対象になる、こういったスキームになっておるところでございます。

三谷委員 その意味で、今お答えいただきましたとおり、基本的に横滑りということを維持していただくことができれば、それはそれで消費者の方の懸念というのは払拭されるのではないかというふうには考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 それから、続きまして、第十一条について伺いたいと思います。

 第十一条は何かというと、適格消費者団体が差しとめ等々必要な予防措置というものを求めることができる、そういう規定であります。

 これは、消費者契約法と同様、適格消費者団体には差しとめ請求が認められているというところにはなるんですが、消費者契約法に関して数点質問させていただきたいと思うんですけれども、よろしいでしょうか。

 消費者契約法に基づいて、適格消費者団体というものが差しとめ請求をした事案というのは全部で何件あるか、それから、その場合に、適格消費者団体が動いた場合の費用負担というものは誰がしているのかについてお答えいただきたいと思います。

松田政府参考人 消費者契約法ができたのは平成十二年だと思いますが、平成十八年に法律改正をいたしまして、適格消費者団体制度を設け、適格消費者団体が差しとめ請求できる、こういう制度を設けました。

 それを受けまして、その後、景表法あるいは特商法でも、そういう適格団体が差しとめ請求できるというスキームがその二年後ぐらいにできておるんですけれども、今回、その例に倣って、新食品表示法におきましても、適格消費者団体が差しとめ請求できる、こういう規定を置いたところでございます。

 今委員御質問の、適格団体が実際どれだけの差しとめ請求を行ったか。五年間のケース、数十件程度だったと思うんですけれども、ちょっと持ち合わせておりませんので、申しわけございません。レベルとしては五年間で数十件以内だったと思いまして、ちょっと申しわけございませんが、そのぐらいの回数だったと承知をいたしております。

三谷委員 先日お伺いをしたところ、二十九件というような答えをいただいておりますので、それでよいかと思っております。

 その費用負担についてなんですけれども、これは基本的には適格消費者団体がみずから負担をするということになっているというふうに聞いております。今回の食品表示法案におきましても、適格消費者団体というものに新たな役割を委ねていくということになるわけで、今まで以上にそういう適格消費者団体の働きというものが期待されるところになるわけでありますけれども、ちょっとそこでお伺いいたします。

 これは通告になかったので、お答えいただければと思うんですけれども、そういう適格消費者団体に対して何らかの財政的な支援というものが今まで行われてきたのか、そして、これから行う予定があるのかについてお伺いしたいと思います。

松田政府参考人 具体的に適格団体制度ができましたときに、その資金繰りにつきまして、資金の確保について必要な措置を講ずることを検討しろというのが、実は消費者三法の成立時の宿題に附則でなっております。

 そういった中で、具体的に、そのままぴったりということではないんですけれども、適格団体が今度、訴訟制度を今出しておりますが、これをまた担う役割になるに当たりまして、新訴訟制度の啓発をするといったような啓発活動をすることを受託した場合には、それなりの事業収入が入るといったような間接的な支援はしておりますけれども、基本的には、自立できる経理的基礎を持っているというのが基本でございますので、それ以上の特段の支援をしているところではございませんで、むしろそこは消費者団体等々から、さらにいろいろな支援を考えるべきではないかと指摘をいただいているところでございます。

 訴訟で負けた場合は完全に団体の負担でございますし、勝っても、公益的な観点がございますので、そういう意味では非常に公益のためにやっていただいているというふうに考えておりますけれども、支援としては、国がこういう財政的支援をするというのはなかなか難しいところがあるということでございます。

三谷委員 先ほど申し上げました消費者契約法での役割、それから、新たに食品表示法での役割というものを担っていただくということでありますから、どれぐらいというのはもちろん規模感はあるでしょうけれども、しっかりと仕事をしていただく上では、何らかの負担を国としても考えていくということも一つ考えていかなければならないのではないかというふうに考えております。ぜひともよろしくお願いをいたします。

 それから、同条におきます差しとめ等々ができる場合というのは、「著しく事実に相違する表示をする行為」の場合というふうに規定をされておりますけれども、ここで言う「著しく事実に相違する表示」というものは具体的にどのようなものを指すのか、お答えいただきたいと思います。

伊達副大臣 適格消費者団体による差しどめ請求制度は、一般消費者が誤った情報により食品の性質等について錯誤に陥り、その誤った認識のもとで食品を選択することを防ぐものであり、一般消費者がこの表示が適正にされていなかったならば購入しなかったという状況をつくり出す、食品関連事業者の表示行為が著しく事実に相違する表示をする行為をいうものであります。

 なお、差しどめ請求の対象となるかについては、個別具体的な事案により判断されるため、基準を策定することは適当ではないものと考えております。

三谷委員 ありがとうございました。今のお答えは非常に参考になるかと思っております。

 それから、続きまして、第六章に移らせていただきます。

 第六章、罰則の規定が含まれておりますけれども、ここで見ると、第十八条の規定と第十九条の規定というものが、そこで定められている量刑が同じということが目を引くわけでございます。

 この十八条というものは何かといえば、生命身体に非常に危険のある、そういったものに対する表示の違反に対しては重く処罰しますよということでございます。それから十九条は、原産地表示というものの違反については同じぐらいの刑罰を科しますよというような規定になっております。

 これを見ると、原産地表示の偽装の罪というのはそれぐらい重いんだということが立法者の意思として明らかになっていると思うんですけれども、まずはその点、見解をお伺いしたいと思います。

森国務大臣 原産地及び原料の原産地に係る虚偽表示に対する直罰については現行のJAS法に規定されているところですけれども、この十九条は、産地偽装事件の頻発を受けて、平成二十一年に議員立法により改正されたものでございます。食品表示法案においても、その考え方を踏襲し、原産地及び原料の原産地に係る虚偽表示があった場合に直罰を科すこととしたものでございます。

三谷委員 ありがとうございます。

 ただ、議員立法で制定されたということであっても、今回の立法でそのまま横滑りしていくということですから、それはもう消費者庁も同一の見解をとっているというふうに考えてもおかしくはないのではないかと考えておりますけれども、一点、ちょっとお伺いをいたします。

 今、事故情報データベースというものには、基本的には、事故、消費者の身体生命等々に関する何らかの危害が加わる場合というものしか載らないというふうに書いてあります。その意味では、新食品表示法における十八条の違反のものというのは割合載ってくるのかなというふうには考えられるんですけれども、それと同じぐらいの危険性があるということで、十九条の違反の内容、つまり産地偽装というものを載せるべきではないかというふうに考えておりますけれども、この点、見解はいかがでしょうか。

松田政府参考人 御説明申し上げます。

 事故情報データバンクと申しますのは、関係行政機関が保有する生命身体にかかわります消費生活上の事故情報、あるいはPIO―NET、全国の消費センターに寄せられました情報の中で危害・危険情報を一元的に集約したデータベースでございまして、消費者の側からインターネットを通じまして簡単に検索、閲覧できるようにしたシステムでございます。基本的に、消費者が利用されるということ、それで事故の発生状況などを知るためのものということで整備してございます。

 それで、今先生御指摘の産地偽装はどうなるのかということでございますが、ちょっと役所的な分類になって恐縮なんですけれども、大きく消費者事故等と申し上げます場合に、いわゆる生命身体の事故がございます。それから、その事故が起こるおそれがあるところまでが「等」なんですが、それを事態と申します。それ以外に、財産被害が実際発生している、この財産被害に係る実態のうちに、偽装というものと、それから実際取引でだまされたとか、いろいろなそういうケースがあるわけでございます。

 そういう分類の中で、今その産地偽装の部分というのは、産地偽装の中で実際体に不調を訴えたといったような情報はこのデータバンクに入る可能性はもちろんございますけれども、産地偽装が全部、消費者トラブルにまず上がったかどうかというところと、それから、そうではない場合もございますし、一概に事故情報データバンクに必ず入るということにはなっておりません。

 また、それは冒頭申し上げましたように、生命身体の事故をベースにするんだ、そこが、消費者の皆さんから、いろいろこういう事故が発生しているんだというところを見ていただく、検索していただくというところからはちょっと理念が外れますので、全部をそこに入れるというのはなかなか難しいということを御理解いただきたいと存じます。

三谷委員 今、産地偽装の問題というのが非常に頻発しているというところではあります。消費生活センター等々に相談されたという場合には、もちろんPIO―NETという方には登録がされるということになるかと思いますけれども、それは残念ながら消費者の目には届かないデータベースであります。どれぐらいそういった問題が頻発しているのかということを消費者の側にも見せていくという意味では、何らかの形でデータベース化をしていただく、どれぐらいそういった事件、事故というものがふえているかを示す一つの素材というものを提供していただければなというふうに考えております。

 それでは、続きまして、次に移らせていただきます。

 TPPと食品表示の問題についてお伺いをいたします。

 今これから食品表示基準を定めていく、割合、さまざまな細かい基準、国際基準よりもそういった厳しい基準を設けていくべきではないか、私もそのように考えているところではありますけれども、この食品表示基準を定めたものが、これは非関税障壁だといってTPPの中で問題になるということはあるのかないのかということについてお伺いしたいと思います。

森国務大臣 表示の義務づけを行う食品表示基準は、WTOのTBT協定を踏まえれば、コーデックス委員会が定める国際規格を基礎として定める必要があります。

 仮に、正当な根拠や理由なく、この国際規格を逸脱して食品表示基準を策定した場合には、非関税障壁として問題となる可能性があることから、本法案に基づく食品表示基準は、国際規格を考慮した適切なものを策定してまいりたいと思います。

三谷委員 ありがとうございます。

 今のお答えを前提にすれば、正当な根拠を前提にすれば、それより厳しい基準を設けたところで、それが直ちに問題になることはないというような見解だというふうに理解をしておきます。ありがとうございます。

 それでは、続きまして、これは健康増進法の絡みというふうに考えてもいいのかもしれませんけれども、具体的な名前は出しませんけれども、「トクホウ」のジンジャーエールの問題について若干お伺いをしたいというふうに思います。

 一般的に、特保というものを表示して、それは体にいいんですよというようなことで売っていく。特保のマークのついたコーラが売られたというような例もありますけれども、最近は、CM等々で「トクホウ」と言って、まるで特保というふうに、とったみたいじゃないかという指摘があったというような話があります。

 これは、健康増進法第三十二条の二において誇大表示をしてはならないというふうに規定されておりますけれども、今回、消費者庁がこの「トクホウ」の問題について動いたというのは、その規定を根拠にしているということでしょうか。お答えいただきたいと思います。

松田政府参考人 ただいま委員から御指摘のあった件でございますが、四月下旬に、このCMを打ったコーラの関係の会社のジンジャーエールのCMの内容を確認した段階で、私どもといたしまして、この商品、「トクホウ」とCMを打っているというところが、当該商品が国の許可を受けた特定保健用食品ではないにもかかわらず、特定保健用食品、いわゆる特保と誤認させるおそれがあるんじゃないかということを懸念している旨を当該会社にお伝えいたしまして、会社への検討を求めたところでございます。

 その後、五月上旬に至りまして、当該会社から、消費者庁の指摘を踏まえて社内で検討した結果、当該CMについては段階的に放映回数を減らし、中止するという旨の連絡を受けたということでございました。

 事実経過はそういうことでございまして、本件は、私どもとして、消費者への正確な情報提供の観点から社内での検討を求めたものでありまして、法令違反の疑いがあるからCMの中止を求めたというところまで至っておりません。ですから、仮に、いや、それはやめませんという話であれば、さらに本格検討いたすかもしれませんけれども、その時点で、懸念を示した段階で事が終わっているので、そういったところの、健増法何条の何だというところまで正式に検討したわけではない、その懸念を示した段階で終わっている、こういうことでございます。

三谷委員 本当に、この問題を見ても、消費者庁が、非常にフットワークの軽いところとそうでないところの差が余りにも激しいなということを感じるわけでございます。

 今回は、その意味で、特定の法律の条文の根拠に基づいて動いているわけではないということでありますから、その問い合わせ等々を行った時点ではということですよね、ですので、そういったもろもろのことを判断してみずから動いていただけるという、動く場合と動かない場合の差というものは一体どこから来るのかというのがわかりませんので、もう一度ちょっとこの「トクホウ」について、念のためお伺いいたします。

 この問題が取り上げられたそもそもの端緒というのは何になるでしょうか。

松田政府参考人 端緒といたしましては、私どもとして、そうしたCMが流れているということを、ファクトを確認いたしまして、私どもとして気がついたということでございまして、そのため、先ほど申し上げましたように、会社を呼びまして、いかがかという懸念を示した、こういう事実関係でございます。

三谷委員 そういう意味では、特定の誰かからそういった問い合わせがあったとかそういうことではないのか、その点についてお伺いしたいと思います。

松田政府参考人 そういうことではなくて、あくまで私どもとして気がついたということでございます。

三谷委員 わかりました。そういう意味では、広くもろもろの広告をごらんいただいているということがわかりましたので、ぜひとも目を広く見開いていただいて、さまざま見ていただきたいというふうに思っております。

 その点に関連してちょっとお伺いをいたします。

 今回、この食品表示法案というものの中には、先ほど申し上げた健康増進法三十二条の二といったような広告規制の部分というのは、一緒に移管される、法律の中に制定されるということはありませんでしたけれども、そういった広告の部分についての規定の統合を行わなかった理由というのはどこにありますでしょうか。

松田政府参考人 今回の食品表示法は、冒頭から出ておりますように、食品衛生法、JAS法、健康増進法の食品の表示に関します規定を統合して、表示の義務づけに関する包括的かつ一元的な制度を創設するものでございます。

 こうした制度の趣旨から、この食品表示法に実は健康増進法から抜かなかったものが二点ございまして、それが、今話題になっておりました特保の関係。これは許可表示でございます、許可を求められているので許すという。もう一つが、今御指摘のございます健康増進法における表示広告の取り締まりでございまして、これは義務表示事項以外のあくまで任意表示でございますので、任意表示のものを、表示義務づけの枠組みである食品表示法ではなくて、引き続き健康増進法において規制するのが適当であろうというふうに考えまして、新法に移管しなかったということでございます。法制的にはそういうことでございます。

三谷委員 これは事業者からすれば、結局、食品表示の部分はこの食品表示法というのを見ればいいということになりますけれども、広告の仕方というものを考えるときには、引き続き、食品衛生法やJAS法、健康増進法等々にさかのぼって見ないといけないという意味では、事業者の利便性を図っていくという意味では若干中途半端な部分もあるかなというふうに考えておりますので、ぜひともそれも今後検討していただければというふうに思っております。

 残りの時間は、消費者行政全般についてお伺いさせていただきたいというふうに思います。

 二〇〇九年九月一日に消費者庁が発足をいたしました。初代消費者担当大臣でございます野田聖子さんが、消費者庁発足の狙いというものを以下の四点というふうに大体述べていらっしゃるわけです。

 まず一つ目が、消費者窓口がわかりにくい。二つ目が、そういった相談がたらい回しにされてしまう。三つ目が、行政機関において消費者の苦情や相談が集約されていなかったり情報が共有されていなかったことから、事件発生後の対応におくれが生じる。そして四点目、取り締まりや是正措置をとる権限がない、そこで行政のすき間ができてしまうという問題がある。

 そういった四点だというふうに言っておりますけれども、本来的には、この四点を中心とした問題を解決するために消費者庁が設置されたというふうに理解してよろしいのでしょうか。

森国務大臣 その四点を含む問題を解決するために設置されたと考えております。

三谷委員 ありがとうございます。

 この四点が含まれるということですので、一つ一つ、実際、今その目的が達成されているのかという観点からお伺いをしたいというふうに思います。

 まず、消費者窓口がわかりにくいという部分でございます。

 そもそも消費者が何かトラブルに巻き込まれて困ったときというのは、もちろん消費生活センターそれから国民生活センターに相談するということもありますけれども、私の周りでは、基本的に、困ったら弁護士に相談するというようなことが多いわけであります。弁護士に相談すれば、もちろん費用はかかるんですけれども、事案に応じてアドバイスをくれたり、代理人として最後まで問題解決をしてくれたり、それはもう何を求めていくかというのが明らかになるわけです。

 それに対して、消費生活センターに相談をしたら、そこで何をしてくれるのか、どこまでしてくれるのかということが必ずしも明確ではないということでもありますから、そういう意味では、消費生活センターに相談することによって得られるメリットというのを明らかにしていただきたいと思います。

森国務大臣 消費生活相談窓口は、消費者からの相談に対し、適切な助言を行うとともに必要な情報の提供等を行い、また、事業者と消費者との間に生じた苦情、紛争について、専門的知見に基づき、あっせんによりその解決を図る。さらに、相談の中で得られた情報を活用することにより、消費者被害の未然防止、拡大防止を図るという、消費者にとって最も身近な相談窓口であり、消費者の利益の擁護と増進のため、重要な役割を担っております。

三谷委員 ありがとうございます。

 その意味では、消費者のためにしっかりと情報提供して、あっせんして、最終的には、問題の解決というところまでの代理人としては動いてくれないというところでしょうから、限界はあるけれどもそうやって動いているんですよということで、消費者窓口というのは明確にしてそれで応えていくというところで、ある程度の役割を果たしているという理解をしていいのではないかというふうに思っております。

 続きまして、二点目の、たらい回しにされてしまうという部分です。

 消費生活センターに話をすれば、解決してくれないというようなこともあるわけです。それは何かといえば、今、他省庁、消費者庁以外の機関というものは、PIO―NETの情報にアクセスすることは可能だというふうに伺っておりますけれども、アクセスをして、みずから対応して、それで解決しているというようなことが実際あるのかどうか、それから、消費者庁から他の省庁に対して、こういった相談が来ていますよということで情報提供しているということがあるのかどうか、お答えいただきたいと思います。

松田政府参考人 先ほど来の御質問の一環でございますけれども、PIO―NETと申しますのは、全国からの年間八十万に及びます消費者トラブル、これを分析するものでございまして、基本的に、この中身を、関係省庁の、特に関係の深いことをやっております、例えば特定商取引法の執行をやっております経産局等で、あるいは公正取引委員会等でそういうデータを検索できる、こういうような利用をやっておるところでございます。

 要するに、たらい回しの議論からすれば、それは多分、今委員から御指摘のございましたような、消費生活センターに行って、それで事柄がわからない、何らかの結論は出ると思うんですけれども、その上でこれはやはり弁護士さんにということはあろうかと思います。いずれにしましても、相談窓口で、消費者センターのところに来れば、この案件は金融庁の案件でございます、あるいはこれは消費者庁になります、そういったような基本的な腑分けというのは当然あろうかと思いますので、これは特商法によるクーリングオフにかけるべきだといったような相談、あっせんをしているというのが基本でございます。

 たらい回しをどこまでどうするかということであれば、創設のときに、電話をかけまして、ナビダイヤルと申しますけれども、そういう、どこからかけても消費生活センターにつながるといったような電話を敷設いたしまして、消費者生活相談が常に受けられる、そういったような電話の体制は整えたところでございます。

三谷委員 できることであれば、相談窓口というところに電話をすれば、そこでの相談情報というものを、消費者庁のみならず、ほかの省庁に広くあまねく共有していただいて、例えば厚生労働省ですとかほかの省庁からその相談内容への対応が行われるというような形へと導いていただきたいというふうに思っておりますので、これは実際、今お答えいただかなかったですけれども、消費者庁の方でも他省庁に対して、こういった相談が最近ふえていますよというような情報提供を行われているということですので、それをぜひとももっともっとふやしていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

 それから、情報の共有、相談の集約という点についてお伺いをいたします。

 この点、他省庁に寄せられている消費者からの相談というもの、消費者庁に寄せられる消費者からの相談、いずれもあるわけです。その中で、他の省庁に寄せられている消費者からの情報というものは、これは実は集約をされていないというふうに伺っております。先ほども何度も伺っておりますけれども、事故情報というものに関しては、他省庁に行っている情報についても全て消費者庁には来るけれども、それ以外の情報というものについては、事故情報データバンクシステムには載らないということになってしまっているわけです。

 今、さまざまな質問等々をさせていただくと、こういう答えが返ってくるんです。消費者庁におきましては、事故情報データバンクに掲載されている情報は何件ですと。逆に、この事故情報データバンクシステムをつくったことによって、何か、管理している情報、それから、そのもととなる情報というのが狭まってしまっているような印象も受けるわけでありますけれども、ぜひとも、他省庁に寄せられている消費者からの情報というのをどこかで一元化する、そういったことを検討することはできないでしょうか。

松田政府参考人 私どもの説明がちょっと不十分で申しわけございません。

 事故情報データバンクにより消費者の皆様に提供される情報、これは、消費者庁のみならず、生命身体系の被害ということであれば、厚労省の食中毒の発生情報も入りますし、農水省の体調ふぐあいになったような情報も入りますし、それから、NITE、いわゆる製品評価技術基盤機構、経産省所管でございますけれども、そういったことも入ります。国土交通省の自動車の事故火災も入りますし、自動車のふぐあい等も入ります。そういった各省からの生命身体に係る情報につきましては、そういうことでデータバンクに入っておるということはまず御理解をいただきたいと思います。

 その上で、財産事案の関係あるいは財産のトラブル、それから、そこまで至らない、これはどうすればいいのかといったような相談というのはさまざま、経産省にも相談がありますし、いろいろなところにございます。それが全部類型化されて全部なっているかというと、なかなかそこまではいっておらない。相談という、いろいろなレベルもありますので、そういうそれぞれの場、特に重いものであればそれは一定の相談があろうかと思いますけれども、全部それを集約しているわけではない。

 ただ、私どもは、全国の消費者センター、年間八十万件に及ぶトラブルにつきましては、きちっと分類をし、整理をしておる。それを各省にいろいろな形で施策にも役立てていただいている、トラブル解決のために。そういうことは申し上げられるということでございます。

三谷委員 今の点、お答えいただきましたけれども、二つの点で若干疑義が残ります。

 一つは、重大な事故というものに限って他省庁からの情報は消費者庁に回されてくるというふうに伺っておりますので、それに至らない軽微な生命身体に対する事故等々の情報もぜひともすくうようにしていただきたいということと、それから、消費者が抱えるトラブルというのは生命身体に関するトラブルばかりではありません。財産に関するトラブルも、消費者庁、これは生命身体に関する消費者庁ではないわけですから、そういったところも視野を広げていただく。

 もちろん直ちにはできないでしょうけれども、そういったことも検討課題にしていただきたいというふうにお願いさせていただきまして、私の質疑を終了させていただきます。

 ありがとうございました。

吉川委員長 先ほどの三谷委員の答弁の関連で伊達内閣府副大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。簡潔にお願いします。

伊達副大臣 先ほど、先生の、第十一条の差しどめ請求の対象となる「著しく事実に相違する表示をする行為」とは何かという御質問に対して、実は、一般消費者がこの表示が適正にされていたならば購入しなかったというところを、いなかったらというふうに私が申し上げたというような感じがあったとしたら、いたならばということで訂正をさせていただきたい、こう思います。よろしくお願いします。

吉川委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午後零時十七分休憩

     ――――◇―――――

    午後三時九分開議

吉川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。穀田恵二君。

穀田委員 私は、食品表示法に関する法律について質問します。

 この食品表示に関する主な法律三本を、本法案で、食品表示部分に関して一元化するというものであります。本法案は、簡単に言うと、国民生活との関係で現状がどう改善されるのか、端的にお答えいただければ幸いです。

森国務大臣 本法案が成立し、二年以内に施行するに当たって、まず、現行の三法に基づく表示基準を統合した、整合性のとれた、わかりやすい表示基準を策定することとしています。

 それとあわせて、本法案により栄養表示の義務化が可能となることから、義務化を円滑に進めていくための環境整備を行っていくとともに、対象となる栄養成分等の義務化に向けて、必要な表示基準の検討を早期に行っていくこととしております。

 以上の課題のめどがついた段階から、加工食品の原料原産地表示などの課題についても、消費者や事業者の方々などの意見を幅広く聞きながら、消費者にとって必要な情報が的確に伝えられる、わかりやすい表示制度とすべく検討してまいります。

 このような取り組みを通じ、食品表示法における表示の充実を図ってまいります。

穀田委員 主婦連など消費者八団体で構成する、食品表示を考える市民ネットワークは、今大臣はお話ありませんでしたけれども、法の目的に消費者の権利を明記するよう強く求めてきて、法案で、第一条の目的には書き込まれなかったものの、第三条の基本理念の条項を設置して、その中に、消費者の権利の尊重と自立の支援、さらには小規模食品関連業者への配慮を明記している点は評価しているということが、大体の多くの団体の特徴であります。その点を余り言われなかったので、改めて言っておきたいと思うんです。

 しかし、先ほど述べた、加え、次の課題へと言わはったところが問題でして、表示事項の具体化は、本法案が成立した後に内閣府令で定める事項とされ、今後も検討するということで、先送りされたわけであります。したがって、その点で失望した消費者団体も少なくないとお聞きしています。

 日本は、世界でも最大級の食料輸入国であります。食料の自給率は特に先進主要諸国では一番低くて、輸入に依存している割合は高いわけであります。だから、原料原産地表示や食品添加物、遺伝子組み換え食品などについての国民の関心は高い、そういう現状にあるわけですね。

 消費者庁は、これら国民、消費者団体の声に応えて、その国民の願いを実らせるために、本法案をつくるに当たってどのようなイニシアチブを発揮したのか、お答えいただきたいと思います。

森国務大臣 平成二十三年七月の消費者基本計画改定において、食品に関する一元的な法律について、平成二十四年度中の法案提出を目指すこととされたのを受け、消費者庁が主導して、食品表示一元化に向けた検討を進めてまいりました。

 具体的には、平成二十三年九月から平成二十四年八月にかけて、消費者庁において食品表示一元化検討会を開催し、食品表示法案の立案に向けての基本的考えを取りまとめました。

 その上で、意見交換会等を通じ、幅広い意見を集めた上で、食品表示法案を取りまとめ、同法を提出したところです。

 また、食品表示法案においては、食品を摂取する際の安全性の確保及び自主的かつ合理的な食品の選択の機会の確保を目的に規定し、一般消費者の利益の増進を同法案の目的としたところです。

 今後、食品表示基準の策定に当たっても、消費者庁がイニシアチブを発揮して、消費者や事業者の方々などの意見を幅広く聞きながら、消費者にとって必要な情報が的確に伝えられる、わかりやすい表示制度としてまいりたいと思います。

穀田委員 私は、残念ながら、端的に言って、国民の期待に応え切れていないと言わざるを得ません。

 例えば、主婦連の山根さんなどは、事業者優先のコスト論が必要以上に強調され、真に消費者にとってわかりやすい表示とは何か、そもそも現状の表示のどこに問題があり、どう改善されるべきかについて議論が十分にされなかった、検討会開催までに課題が整理され、十回の会議で獲得すべき目標を全体で共有し、議論を積み上げていくべきところ、そうした運営とならなかったのは消費者庁の怠慢を言わざるを得ない、こう言っているんですね。

 さらに、同じく、委員の一人であります中村さんは、委員の構成に問題があった、消費者を名乗る数名は、社会的コスト、遵守コスト、供給コスト、監視コストと口を開けばコストで、安全の確保や消費者の選択に資するということよりも、コストアップが大問題だと主張し、企業側の委員の発言内容と似たり寄ったりで、実質的には企業側に偏った人選であった、こんなふうにも言っているわけですね。参加している方々からもそんな意見が出る状況なわけであります。

 ですから、私は、随分イニシアチブをとった、頑張ったなんという話をしているけれども、こういうような耳の痛い話にもやはり耳を傾けなくちゃならぬと思っていることが一つ。

 それと、消費者庁の役割とは何かという問題なんです。やはり国民の期待との関係でこれも見る必要があります。もともと、シンドラーのエレベーター事件だとかパロマの湯沸かし器事件など、悲しい事件を二度と起こしちゃならぬということで、消費者事件や事故の遺族、それから被害者、支援する消費者団体などの国民的運動があって、その働きかけもあってこの庁は発足したわけであります。

 だから、消費者庁は、設置法第三条で、「消費者の権利の尊重及びその自立の支援その他の基本理念にのっとり、」と、わざわざ基本理念まで、そこまで書いている。そして、「消費者による自主的かつ合理的な選択の確保並びに消費生活に密接に関連する物資の品質に関する表示に関する事務を行うことを任務とする。」つまり、消費者の立場に立たなければならない、こう書いてあるわけですね。だから、そういう立場から見て本法案はどうかということを検討しなければならないと思うんですね。

 そこで、原料原産地表示、食品添加物、遺伝子組み換え食品、三つの課題について順次お聞きします。

 二〇一〇年三月三十日に、消費者基本計画や食料・農業・農村基本計画で原料原産地表示の義務づけの拡大を盛り込んだわけですが、どのように書いているか、消費者庁、お答えください。

松田政府参考人 お答え申し上げます。

 消費者基本計画におきましては、消費者庁の具体的な施策として、「加工食品における原材料の原産地表示の義務付けを着実に拡大します。」と記載されております。

 他方、食料・農業・農村基本計画におきましては、「消費者にとって分かりやすい食品表示のあり方について検討を進めるとともに、加工食品における原料原産地表示の義務付けを着実に拡大する。」と記載されておるところでございます。

穀田委員 そこで、お聞きしたいんだけれども、まさに、二〇一〇年の消費者基本計画だとか今言った食料・農業・農村基本計画でわざわざ原料原産地表示の義務づけの拡大を盛り込んだわけだけれども、では、今回、なぜこれが法案に盛り込まれなかったのか、お聞きします。

松田政府参考人 今委員御指摘のところでございますけれども、閣議決定上は、そういう、確実に従来のベースで拡充に努めるということが両閣議決定で決まっておるというのは、今申し上げたところでございます。

 法案につきましては、新たな目的、新たな基本理念のもとに、内閣府令による食品表示基準を新たにつくりまして、その上で、当面は、先般の答弁もございますけれども、今の基準、六十本の基準を見直して、内容的には横滑り、それから栄養表示につきましては義務化が入るということをまず第一ステップといたしまして、その上で必要な見直しを、新たな目的、基本理念のもとに見直すという考えで法律は組み立てられているというところでございます。

穀田委員 伊達さんは笑っているけれども、なかなか苦しい答弁だよね。はっきり言って、要するに、義務づけを拡大すると二〇一〇年に決まっておって、二〇一三年になって、今ごろあんなことを言っているということ自体が、誰が考えたかて、それこそ、誰が考えたかてという人がはやっているらしいけれども、おかしいと私は思います。

 具体的にもう少し聞きたいと思うんですね。

 では、例えば、カット野菜は表示対象だけれども、それにドレッシングをかけたものは表示対象外、ゆでダコは表示対象だけれども酢ダコは表示対象外、透明パウチに入ったレトルト食品は表示対象だが缶詰や瓶詰は対象外、スライスしたシイタケやニンニクは表示対象だが、フレーク状や粉末にしたものは対象外だ。今そうなっていることは事実ですね。簡単にでいいですよ、あれこれ要らぬ。

松田政府参考人 今委員御指摘のとおり、JAS法に基づく加工食品品質表示基準で定められている中には、今、カット野菜とかゆでダコ等ございまして、加工度の低い、生鮮食品に近い食品が選定されておりまして、加工度が増すと義務化の対象から外れるものがある、そういう中身になっております。

穀田委員 加工度と、よくそういうことが言えるね。ドレッシングをかけたら加工かいな。これは付加したと言うのや。情けなくなってくるね、そういう話。

 私は思うんだけれども、当たり前に、いや申しわけないなという気で、わかるんだけれども、そういう手を入れたとかなんとかいう話を、もし、子供の、小学校でもいいけれども、これを学校で言ってごらんなさい。誰も信用せえへんようになるよ、ほんまに。情けなくて、もう誰が見てもおかしいんですよ。

 国内農産物の五割は加工食品になる。そうしますと、自分が何を食べているのか、どこのものを食べているのかということを知りたいのは当たり前なんですよ。だから、さっきから言っているように、同じカット野菜が、ドレッシングがかかっていると、まあ、そこの松田さんのところのおうちはドレッシングがかかっていると加工なのかしらぬよ、だけれども、かかっているかいないかだけで、全く表示の対応が違ってくる。

 だから、実態は、複雑だとかわかりにくいということじゃないんです。原料原産地表示は、これがどこのものなのか、何でつくられているのか、こういう消費者の要望に応えるものであって、これは本法の第一条、目的に明記されています。この食品に関する表示が、食品選択の機会の確保に関し重要な役割を果たすということになっているじゃありませんか。同じく第一条は、生産者の側から見たらどうかということで、「消費者の需要に即した食品の生産の振興に寄与することを目的とする。」こうまで書いているわけですよね。

 内閣府の調査では、八九%が国産を選択したいと。しかし、国産品を選択しようとしても、原料原産地表示が不十分な現状では、国産を求める消費者の要望には応えられない。

 つまり、今言いましたように、消費者の権利からしてどうなのか。生産者の側からしてどうなのか。さらに、以上のことからすると、日本の食料を守るということからも、全ての加工食品に原料原産地表示の表示義務を課すということは必要だと思うし、しかも、あえて言うならば、政府自身が決定したことをやるべきところと違うのかと思うのですが、大臣の見解をお聞きしたい。

森国務大臣 食品表示法案においては、一般消費者の商品選択上の判断に影響を及ぼす情報であれば表示の基準を策定できることとしているため、品質の差異にかかわらず、表示対象品目の選定を行うことができることになります。

 したがって、食品表示法案の成立後においては、消費者や事業者の方々などの意見を幅広く聞きながら、原料原産地表示のあり方について、義務範囲の拡大も含め検討してまいりたいと思います。

 先ほど委員の御指摘の、委員の選定が偏っていたのではないかとか、また、そういったところに消費者庁の怠慢があったのではないかというような御意見も謙虚に受けとめまして、今後の表示基準については、しっかりと検討してまいりたいと思います。

穀田委員 要するに、それは一番最初の答弁と大して変わっていないんですよ。同じことをしゃべっているんだけれども、後で議事録を見たらわかるんだけれども、ここの席にいる方は、それはおかしいとみんな思っているんですよ。先ほど述べたドレッシングの例なんかを見て、これをいいなんて思っている人は誰もいないんですよ。

 そういう当たり前のことがなぜでけへんか。それは、みんな、さっきから言っていますように、コストがかかるということが一つの大きな理由なんでしょう。それを、あなた方は、いわばずっと事業者の側からの声を聞いてやっているわけですけれども、こういったものについて、コスト論、コスト論と言うんだけれども、では、この表示を変えることによってどの程度コストがかかると見ておられるか、ちょっと一度、伊達さん、どうですか。

松田政府参考人 コスト論につきまして、一概に申し上げかねますけれども、先ほどから出ております、加工度が低い加工食品というのは、やはり原材料の質をそのまま引きずっているものが高いという意味で、加工度が高いとそこまで言えない、そういった考え方から、今現在に至っておる。

 もともと、生鮮食品の原料原産地から始まりまして、加工食品もやはりそれに準ずるものとしてということで漸次拡大してきたこの歴史的経緯につきましては委員も御承知かと思いますけれども、そうした経緯の中から、今回、この法案で、先ほども申し上げましたとおり、今まではJAS法の目的で、品質に関するそういったことをまずは表示しろということでありましたけれども、これからは、消費者の選択の機会の確保、それから安全性、こういうものがはっきり目的あるいは理念で明記されますことから、おのずからそれを踏まえたものが次の表示のあり方の基本となるということでございます。

 今まではなかなか、そういう品質という言葉に引っ張られて、ある程度やれることが限られてきた。もうちょっと広くなるというふうに、私ども、期待しておるところでございます。

穀田委員 結局、まず私が聞いた、どの程度コストが高うなるのかといったことについては一言も答えていない。要するに、一概に言えないというだけでしょう、結論は。あとは何かいろいろなことを言っているけれども、コストはどれだけかかるのかと言ったら、一概に言えないと。ということは、余り高くかかるわけでもないということもある。

 そこで、私は、この間、参考人質疑の際に指摘をしました。原料原産地表示に係るコストは販売価格の〇・〇七から〇・二五%にすぎない、事業者からも、公正な競争につながると評価が高いということを、韓国の農村経済研究会研究報告R632を引用して述べました。これは一元化検討会でも出されているんですね。韓国でも、結局、コストという話が随分出たわけだけれども、そこを政府が、原産地表示の拡大を決めたわけです。

 ましてや、お話ししていますけれども、加工品というのは、国内農産物の五割を占めているんですよ。だから、その五割がそういうことになっているということに対してどないしようかという接近がなければ、国民の期待に応えられないというのは明らかじゃありませんか。

 この間の質疑で、参考人からは、こう述べていました。表示の情報公開に取り組んでいる事業者も、JAの方などからも、大幅増というようなことはない、コストがそんなに上がることはない、曖昧な表示で問い合わせを多く受けることの方が手間暇がかかるというふうに、コスト論についても言ってきているわけです。なぜこのことが我が国でできないのか、もう一度、改めて聞きたいと思います。

松田政府参考人 お答え申し上げます。

 費用、コストがどれだけかかるかというのは、個別にいろいろあろうかということでございます。ネグリジブルであるかどうかというのは、必ずしも申し上げにくいかと思います。

 いずれにしても、それを、コストをのみ込んだ上で、手間ものみ込んだ上で、手間をどうコスト化して、どれだけの問題なのかということを踏まえながら、新たな原料原産地表示の見直しというのが当然あるだろうということは思っております。

 ただ、なぜ今こうなっているのかといえば、そういった考え方でこれまで来て、徐々に見直しを行ってきた今、その過程にあるということを御理解いただきたいと存じます。

穀田委員 その過程は二〇一〇年からあると私は言っているんですよ。今始まった過程じゃないんですよ。

 閣議決定された消費者基本計画で示された原産地表示拡大の考え方をどう進めるかということは、この問題について皆さんが行った検討会の中でも、こういう意見が出ているわけですよね。消費者庁が具体的な進め方のデッサンを描かない限り、前には進まないものである。加工食品原料原産地表示拡大の進め方に関する調査会の議論を振り返っても、消費者庁の意思が全く感じられず、委員任せの姿勢は変わらずであり、対立の構図が鮮明となって、議論が深まる段階で時間切れ、先送り、棚上げするというほぼ同様のパターンが、食品表示に関する共同会議と合わせると、これで三たび繰り返されたことになる。

 だから、大臣の方に言いたいわけだけれども、その過程にあるんじゃなくて、過程が三回も繰り返されてやってきている。この点からも、消費者庁のイニシアチブではやっていないということを私は言っているわけですよ。何かありますか。

森国務大臣 委員の御指摘、重く受けとめまして、平成二十三年九月から平成二十四年八月にかけて消費者庁において行われた食品表示一元化検討会でございますけれども、その検討会の中で出た意見も謙虚に受けとめて、今後、しっかりとした基準をつくってまいりたいと思います。

穀田委員 決意はわかるけれども、この三回、こういうことをやってきた。次長は、これからの経過で頑張りますと言っている。違うと私は言っているわけ。

 二〇一〇年から繰り返されてきた内容が今日に至るまで前へ進んでいない、この反省がなければ、幾ら同じことを言ったってだめですよ、そんなこと。三回もやってきたのは申しわけなかったな、その点ではやはりイニシアチブが発揮されていなかったなというならわかるけれども。

 まあ、もちろん今、重く受けとめと言うてはるから、せっかく大臣がそう言うてはるのやから、重く受けとめてちゃんとやってやということだけ言っておきたいと思います。

 では次に、食品添加物について聞きます。

 現在の食品添加物の表示は、複数の物質が使用されていても、個々の成分まで全て表示するというのではなくて、調味料、乳化剤、香料などと、用途をあらわす一括名表示が認められています。これでは、消費者は、何が使われているのかわからない。

 例えば韓国では、植物油脂が使用されている場合、そこには、パーム油、菜種油、ヒマワリ油なんという形で、それが使われていると表示されています。日本の表示は、植物油脂とだけであります。

 添加物の表示については、一括表示をやめ、物質名と使用目的を明記すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

松田政府参考人 今御質問ございました、添加物の表示、これを、一括名での表示をやめて、全て物質名と使用用途名表記の表示にすべきではないかということでございます。

 原則として、使用した全ての食品添加物を物質名で食品に表示することとしておるのが原則でございますけれども、例外で、複数の組み合わせで効果を発揮するものが多いものなど、一括名表示できるものがあるといった中に、香料でありますとか調味料でありますとか乳化剤でありますとかといったようなところが例外としてあるわけでございます。

 食品添加物のより詳細な情報提供を求める要望がありますことは承知いたしておりまして、この法案の成立後におきましては、消費者や事業者の方々などの意見を幅広く聞きながら、この添加物表示のあり方を検討してまいりたいと考えております。

穀田委員 他国と比べて、お隣と比べて違うねんから。今、やじではないですけれども、一々ごもっともとありましたけれども、ほんまにこんなもの、乳化剤、香料、調味料で、そんなもの、はっきりせなあかんというのは誰もが思いませんか。実際に自分が食べる側の身になってみたら、それは誰かてそう思いまっせ。そこは一言言っておきたいと思うんです。

 きょう私が言いたいのは、現に今、国の指定外添加物を使った輸入食品が流通している問題であります。

 アメリカ、カナダ、オーストラリアなどで、野菜や果物、食肉などの殺菌目的で使われている食品添加物は過酢酸製剤です。この過酢酸製剤は、日本では指定外食品添加物ではありませんか。

新村政府参考人 委員御指摘の過酢酸製剤でございますが、これは食品表面の殺菌目的で使用される混合製剤と承知しております。その内容としては、過酢酸、酢酸、過酸化水素、HEDP、オクタン酸及び過オクタン酸の六物質から成るということでございます。

 現時点では、この過酢酸製剤に含まれる六物質のうち、酢酸及び過酸化水素は食品添加物として指定されております。それ以外の四物質につきましては、指定されておりませんが、国内の事業者から指定の要請がなされておりまして、現在、指定に向けた作業が進められているところでございます。

穀田委員 指定に向けた作業はしているというのはわかるんだけれども、要するに、今は指定外添加物だということははっきりしているんでしょう。うなずいているから、そうなんでしょう。

 それで、食品衛生法十条、これによると、その基準に合わない方法によって食品もしくは添加物を製造し、加工し、使用し、云々かんぬんということをやってはならないということになっていますよね。だから、厚生労働大臣が定めるもの以外の添加物を含む食品の流通を禁じている。これに違反すれば、破棄、危険除去の措置をとることになっているはずだけれども、それはそのとおりですね。

新村政府参考人 御指摘のとおり、食品衛生法第十条では、厚生労働大臣が指定していない添加物並びにこれを含む製剤及び食品を販売し、または販売の用に供するために、製造し、輸入し、加工し、使用し、貯蔵し、もしくは陳列してはならないとされております。

 また、食品衛生法第十条に違反する場合、食品衛生上の危害を除去するために、厚生労働大臣または都道府県知事は、同法第五十四条に基づきまして、公衆衛生に及ぼす影響を踏まえて必要な措置をとることが可能とされております。

 このため、廃棄等の措置を講じるかどうかについては、個別の事例ごとに、公衆衛生に及ぼす影響等を踏まえて必要性を判断することとしております。

穀田委員 簡単に言うと、いずれにしても、破棄や危険除去の措置をとることができるし、違反すれば、こうやってやれるし、定めるもの以外の添加物を含む食品の流通は禁じている、こういう原則があるということですな。

 そうすると、今回、厚生労働大臣が定める以外の添加物である過酢酸製剤を含む食品の流通はストップしたんですか。簡単に言ってください、法令はわかっているんだから。

新村政府参考人 この過酢酸製剤につきましては、諸外国の使用実態を調査いたしましたところ、既に、オーストラリア、カナダ、米国におきまして、野菜、果実、食肉等の幅広い食品に使用されておりまして、この添加物を含む食品が相当量輸入されている可能性があることが確認されました。

 そのため、この製剤につきまして、薬事・食品衛生審議会の添加物部会で検討いたしました結果、一つは、国際的な専門家会議、JECFAと申しますが、この評価では安全性の懸念はないということ、また、米国及びEU等で安全性が評価されているということから、人の健康を損なうおそれはなく、安全性の懸念はないと考えられるという見解をいただいております。

 これを受けまして、市場への影響等も考慮しまして、食品衛生法第五十四条に基づく輸入制限等の措置は行わないこととしております。

穀田委員 いや、それは全くおかしな話で、では、もう一つ聞きたいと思うんですけれども、指定外添加物が使用された輸入食品が流通している事実はつかんでいるし、それは認めている。どのような経過で、指定外添加物が流通していたことを知りましたか。

新村政府参考人 御質問の点につきましては、ことし三月中旬に、国内の企業から過酢酸製剤の添加物としての指定の相談がございました。

穀田委員 では、この業者はどこですか。

新村政府参考人 一般的に、添加物の指定の要請業者名につきましては、企業の競争上の地位や利益の保護の観点から、食品安全委員会に食品健康影響評価を依頼するときに公表されるということになっております。そのため、それまでの間、要請業者名をお答えすることは差し控えさせていただきます。

穀田委員 業者のところでははっきりさせぬが、国民に影響があるという問題については誰も知らないというのでは全く、私はおかしいと思うんですね。

 過酢酸製剤は、言いますよ、日本では指定されていない添加物なんですよ。

 それから、新たに添加物を指定する際にはどういう手続が必要か。

 一つは、これは「食品衛生の窓」ということで、厚労省がつくっている添加物の関係の、どうしてやるかということだとか、厚生労働省が、よくある質問ということで、どうしたら添加物が使用できるかというものを書いていますよ。

 それによると、添加物の指定のために厚労省に申請が必要だ、二つ目に、厚労省が、その添加物の安全性を確かめるために、食品安全委員会にリスク評価を依頼する、三番目に、その結果、オーケーが出るというのが本来のシステム。これは、今言ったホームページに書かれているわけですね。

 だから、はっきり言うと、リスク評価もしていないのに、安全だと流通を許している。諸外国で安全だから、そんなことを言ったら、何のためにそういうことがあるのかと言わざるを得ないと私は思うんですね。

 しかも、今、新村さんが話した添加物部会の見解というもの、これは私も見ましたよ。それによると、「本件と同様の事例が起きないよう、各国に対し、我が国の添加物に関する規制の内容の周知を図るべきである。」これぐらい書いて、つまり、自分のところの、我が国ではそういうことがだめだというものをわからぬでやってきているということまで書いているんですよ。

 そんな言いわけは通用しないんですよ。だから、私は、この問題は、結局のところ、食品添加物というのは科学的な根拠に基づいてリスク評価され、リスク管理されなければならない、この点の原則からいって逸脱しているということを言っているんです。

 二〇〇二年にも同様のことがやられて、添加物の指定を急ぎ、日本消費者連盟等から疑問や意見が出されました。そして、約一カ月後に指定しました。これは、私が前々回の委員会で質問したけれども、国会決議、食品添加物の使用を極力抑制するとの原則から、やはり規制緩和の方向に大きくかじを切るものの一つとして私は見逃すことができないと思っているんですね。

 だから、食品衛生法に違反したものが市場に流通している。表示以前の問題であって、輸入、販売の規制はせず、違反食品の流通を事実上認めた、こんなことは許されないと私は思っています。

 ですから、大臣、こういうものは直ちに是正をして、ストップさせるということが必要じゃないですか。

森国務大臣 食品安全委員会への評価依頼は、準備の状況にもよりますけれども、評価をしていただいて、速やかに指定手続を行いたいと思います。

穀田委員 ということは、していないということでしょう、今のお話だと。普通に聞けば、したいと思いますということは、していないということなんですよ。

 そうすると、私、何回も言っているんだけれども、もともと、厚生労働省のそういうシステムからいったって、リスク評価を依頼して、リスク評価を受けて、それでやるというのが普通じゃないのか。そういう原則に今戻すべきじゃないか。もし、そんなことで、これは安全だ、他国で安全だから、例もないからというようなことを言ってやるとしたら、それは原則を逸脱することになりはしないか。

 しかも、先ほど述べた添加物部会の見解は、「食品安全委員会への食品健康影響評価の依頼及びその評価を踏まえた添加物の指定手続きを速やかに行うべきである。」その検討をしている人たちが、これはあかんで、はっきり言ってちょっとまずいなという話までしているんですよ。だから、その間は是正をして、とめるべきと違うのかという話。

 今これからやるのは、それは大臣、わかりましたよ。だけれども、それをやられていない以上、そういうことを、決められた内容で、幾らそれは安全だといったって、自分たちだってこれはあかんなと言っている。人の健康を損なうおそれがなく、安全性に関係ないと考えるけれども、こういうことを言っている人たちの当たり前のことからしても、添加物部会だってこういうことを言っているし、本来の添加物のあり方について決められたルールからしてもおかしいのやから、ちょっと待ちなさいと言うのが筋と違うかと言っているんです。

森国務大臣 委員の御指摘は、所管省庁の厚労大臣の方にしっかりと伝えてまいりたいと思います。

 消費者庁としましては、申請がありましたら、食品安全委員会の方で、科学的知見に基づき、しっかりと評価をしてまいりたいと思います。

穀田委員 それはわかるんですよね。厚生労働省に言ってじゃなくて、やはり、こういう問題について、消費者庁に、少なくともそういう厚生労働省のルール、それからいってまずいんじゃないかと。それで、今、安全だ、安全だと言っておられる人の話を聞いた場合でも、部会の発言からしても、こういうことまで言っている。やはりこれは普通のルールについてやるべきだと思っているんでしょう。

 そして、最後に、先ほど引用しましたよ、各国に対して、本件と同様の事例が起きないよう、我が国の添加物に関する規制の内容の周知を図るべきとまで言っているわけですよ。つまり、相手方は知らないでやってきている。たまたまこれは、今調べたけれども、少しは安全かもしれぬという話にはなるけれども、そんなことをやり出したらだめだから、こうわざわざ提起しているんじゃないですか、この人たちだって。その意図を酌み取って、それはあきませんよというふうに言うのがあなたのお仕事だと私は思います。

 これ以上言っても詮ないことだから、この辺にしておきますけれども。

 次に、遺伝子組み換え表示について聞きます。

 一九九六年九月、七品目の遺伝子組み換え食品の輸入が始まって、その後、拡大されていきました。遺伝子組み換え食品をめぐっては、今まで国民が食した経験のない食品であるだけに、国民の不安、反発が大きくて、その安全性をどう見るか、表示の義務づけをどうするかが問題となりました。

 遺伝子組み換え表示の義務づけについては、国会がイニシアチブをとって表示させてきた。この経過は、大臣、御存じですよね。

森国務大臣 御指摘の報告は、一九九七年六月十二日の消費者問題等に関する特別委員会に設置された遺伝子組換え食品の表示等に関する小委員会の審議結果の報告であると承知しております。

 当該小委員会は、消費者の遺伝子組み換え食品であるという表示が欲しいという要望から設置をされまして、遺伝子組み換え食品制度のあり方等の議論がなされ、遺伝子組み換え食品の表示問題について一定の結論に至ったということで、最終報告が一九九七年十二月十二日に出されております。

穀田委員 そのとおりです。

 それで、これは、九七年二月二十日なんですが、我が党の当時の藤田スミ衆議院農林水産委員ですけれども、表示の義務づけを強く迫りました。当時の藤本孝雄農水大臣が、「消費者の側から見れば、そういうものであるということを承知の上でそれを食するとか食しないとかそういう判断の材料にしたいという御意見については、私ももっともな御意見だと思っております。」こう言って始めたんですね。

 今お話あったように、小委員会を設置して、最終報告がまとめられました。その最終報告というのは、各党の合意形成というのは随分、私、当時、まだ国会対策委員長になりたてでしたけれども、そういう報告を聞きました。

 三つの点で各党の合意が形成されたと小委員長報告にありますが、それを述べてください。

亀岡大臣政務官 平成九年十二月十二日の消費者問題等に関する特別委員会の遺伝子組換え食品の表示等に関する小委員会報告においては、まず一つ目に、厚生省は遺伝子組み換え食品に関する現行の情報公開の制度を全国的に改めるとともに、電子化された情報とデータベースで消費者の縦覧に供すべきであること、二つ目、安全性の確認の重要性に鑑み、現行のガイドラインを見直し、より一層の安全性を保証するものを策定するべきであること、三つ目に、遺伝子組み換え食品の表示そのものについては、消費者の権利を守るために、可能な限りにおいてきちんと表示をすべきであること、この三点について意見の一致を見たということであります。

穀田委員 一番目のところは、全国的にじゃなくて、全面的にじゃなかったですかね。

 その中身で、今お話ありましたように、当委員会と、それから、当時、農水委員会とそれから小委員会の真摯な議論の中で、国会に議席を有する全ての政党が、遺伝子組み換え表示については、消費者の権利を守るために、可能な限りにおいてきちんと表示すべきであるという合意がなされたわけであります。現在の表示の義務づけが行われているわけであります。まさにそういう意味で、国会が、国民と消費者の権利を守るためにイニシアチブを発揮した例であります。

 そこで、アメリカでは、遺伝子の組み換え食品の表示の義務づけはありません。TPP交渉をめぐっては、日本で行っている表示義務づけは非関税障壁だといって訴えられる可能性があるというのが指摘されていることは皆さん御存じだと思うんです。

 そこで、アメリカとのやりとりの関係で、少しTPP問題について聞きます。

 私は、前々回、この委員会で、TPPをめぐって、食の安全の問題などがアメリカと事前協議されていることを指摘しました。

 そこで、大臣、幾ら首相が守るべきものは守ると言っても、重要農産物の聖域確保の保証はありません。四月十二日のアメリカとの事前協議合意文書では、日本の重要農産物について、アメリカ側の文書ではどんなふうに書いていますか。

森国務大臣 御指摘の事前協議文書については、日本のTPP交渉参加に関して日米間の協議がまとまり、本年四月十二日に、ワシントンにおいて、日米間の協議結果を確認する書簡の交換が行われたものであります。

 現時点においては、当方よりその具体的な内容についての詳細に言及することは差し控えたいと思いますけれども、その書簡において、日米間でTPP交渉と並行して非関税措置に取り組むことを決定し、その対象分野の中に衛生植物検疫措置についての言及があることは承知しております。

穀田委員 この日米間の合意の中で、衛生植物検疫措置と書いていることは事実です。

 問題は、その合意文書に、重要農産物の関税撤廃の聖域確保についてはちゃんと書いているのかということを聞いているんですよ。だって、守るべきものは守ると言うとるのやから、そこは大丈夫なのかということを聞いているので、それはアメリカ側の文書にも書いているのか。

 というのは、この文書には、日米両政府が、日本に一定の農産品で貿易上のセンシティビティー、つまり重要品目が存在することを確認するとあるけれども、これも、二月の共同声明の域を一歩も出ていないんですよ。だから、この問題について、包括的で高い水準の協定を目指すということだけしかこの文書には書いていないわけだけれども、アメリカ側の文書には何と書いてるのやと。それは別に、交渉の内容をつまびらかにしてくれと言っているんじゃなくて、アメリカ側の文書には何と書いているのかと聞いているわけです。

森国務大臣 先ほどお答えしましたとおり、具体的な内容について詳細に言及することは差し控えたいと思います。

穀田委員 言及することを差し控えるという話のカテゴリーと違うんですよ。アメリカ側の文書は何と言っているかと聞いているんですよ。

 何か詳細な協議の中身を言ってくれというのは、それはわかりますよ、できへん、できへん言うねんから、それは知っていますやんか。そうじゃなくて、アメリカ側も、日米共同声明と事前協議の合意文書の中で出している。これは日本側が発表した文書ですやんか。それはこう書いていると言っているわけです。アメリカ側の文書に何と書いてるのやと聞いたわけです。

 だから、余りお答えがないから、簡単に言うと、アメリカ側の政府の発表文書には、はっきり言うと、日本の重要農産物についての記述はないということなんです。一切ないんです。だから、ないということだけ言っていただければわかるわけですよ。別に、交渉内容の具体的な話について、まだそんな話は私は聞いていないんですよ、これから聞こうと思っているけれども。

 だから、要するに、農産品について聖域の関係でいろいろ議論しているけれども、その議論の中身は、いろいろあって、まだそれを聞いていないんだけれども、そういう重要農産品についての言及は一切ないよ、相手側は述べていないよと言っているんですよ。

 そうしたら、それで済むかという話を次にします。

 アメリカ通商代表部、USTRがことし四月に発表した二〇一三年版の外国貿易障壁報告書では、貿易障壁の一つとして、日本が新開発食品や栄養機能食品について成分と食品添加物の名称、割合、製造工程の表記を求めることを挙げ、負担が大きいと指摘しています。

 それだけじゃないんです。先ほど大臣もおっしゃった衛生植物検疫措置、これは日米合意ということで対策本部が出している文書ですけれども、同時に出された、相手側の衛生植物検疫措置報告書、一三年版でも、食品添加物の認可の手続の迅速化や防カビ剤使用の規制緩和などを求めている、これは事実ですか。

亀岡大臣政務官 済みません、先ほど、全面的と全国的を間違えたことをおわび申し上げたいと思います。申しわけありません。

 今御指摘になりました米国通商代表部の外国貿易障壁報告書においては、日本では健康強調表示が特定保健用食品と栄養機能食品にしか認められていないこと、また、特定保健用食品は許可手続に費用と時間がかかる等から、多くの栄養補助食品の製造業者にとって、特定保健用食品や栄養機能食品として販売することが困難なことなどがしっかりと報告されていることは承知しております。また、特定保健用食品及び栄養機能食品に一定の要件が設けられているのも事実であります。

穀田委員 政務官、ここからなんですけれども、そういうものに対して、我が日本は、こういうことは認められないとか、それはちょっとひどいねとか、何を言っているんですか。

 そういうのがあるのはわかっている。それに対して日本側はどういう反論をし、どういう意見を述べておられるんですか。

亀岡大臣政務官 現段階において、特別に何かコメントしているということは承知しておりません。

穀田委員 何も言っていないということは困りますがな。だから言っているんですよ。

 相手側は、まず段階があるわけですよ。事前協議という一番大事な根本の問題の中で、農業の問題については聖域とするという話は相手は一切触れていない、これがあると。一方、今お話ししたように、外国貿易障壁報告書では、これは負担が大きいと、物を言っている。それから、衛生植物検疫措置ということでは、これは食品添加物にかかわるものですやんか、それについては、認可の手続を早くせいと規制緩和を求めている。それに対して、冗談じゃないと言ったというならまだわかるけれども、何にも言っていない。相手は言いたい放題。

 今言いましたように、わかりますか、事前協議は、そこの一番肝心な柱のところでは、農産物を重要な製品としてやっている、聖域を保っていますという話はまだない。相手はない。その一方で、具体的な問題については次から次へと言ってきている。この二つはわかっている。これに対して日本はどう言っているのやと。そうしたら、言ったことを承知していないと。それで守れるのか。国民の食品に対する安全や安心というのは本当に守ることができるのか。どないして、それを信用できますねんな。

 どうですか。大臣でいいです、伊達さんでもいいですけれども。

森国務大臣 TPPについて、交渉事でございますので、交渉の具体的な内容については言及を差し控えたいと思いますけれども、消費者庁としては、食品表示を含め、消費者の安全、安心に資するために全力を尽くしてまいりたいと思います。

穀田委員 言及を差し控えるということだと、この間もそうおっしゃいましたよね。言及を差し控えているというんじゃないんですよ。

 私は、相手はこう言ってきていると、大きな流れをまず一つ言いました。具体的な方策を言いました。この具体的方策というのは、今までアメリカがいつも対日要求、全部のませてきた経過があるんですよ。だから、よっぽど反論して、おかしいじゃないか、日本の食料の主権を我々は譲り渡すわけにいかないといってばんとやったというなら、それでいいんですよ。細かい話を、どんな交渉をした、相手がどう言った、こう言ったなんという話を聞いているんじゃないんですよ。それは、こういうやり方について、あんたのところが一方的に言うのはあかんのや、我々は我々の腹があるんだというようなことを言わなあかんでと言っているわけですやんか。それについても言及しないとしたら、ほんま情けないというか、だらしのないということを言わざるを得ない。

 そこで、言及を差し控えたいというけれども、食品表示の目的は何なんですか。消費者基本法の理念に基づいて、消費者の知る権利、選択の権利が確保されることでありましょう。そうすると、本法案では、食品に関して必要な情報の提供を受けることは消費者の権利として明記したんでしょう。そのことを守り抜くということのために、それは頑張らなあかんというのが筋じゃないですか。

 だから、TPPが食品表示に影響するということを心配する声は根強くあるわけであります。したがって、アメリカの要求は何で、日本の対応は何だ、それを知らせることができないなんということで、どないしてこの消費者の権利を守れますねんな。何のためにこの法律をつくったのか。この法律をつくったのは消費者の権利を守るためだ、そのことを背景に我々はこう言っているというのが筋だと私は思います。

 ですから、それらのことを知らせることができないとか言及しないなんと言っていることは、そういう意味でいうと、まさしくTPPの秘密性というものの中身だと思っています。これでは消費者の権利を守ることもできないじゃないか、そういう角度から、私は、改めてこのTPP参加については、今までの話を聞いても、簡単に言えば、いかにだらしがないかということがはっきりしたということで、これはやめるべきだということを述べて、終わります。

吉川委員長 次に、小宮山泰子さん。

小宮山委員 生活の党の小宮山泰子でございます。

 食品表示法案につきまして、最終の質問をさせていただきます。

 まず最初ですけれども、先般、参考人の質疑をさせていただいたときも触れたりしているんですけれども、二十三日の参考人質疑において、食品表示制度や食品に関するもろもろの情報に関する普及啓発、食品のエネルギーや栄養表示などについての消費者教育についてどのように取り組んでいくべきか、義務教育年齢の子供たちにどのように学んでもらうとよいのかといった観点で、お話及び質問をさせていただきました。

 制度自体についての啓蒙活動として、池戸参考人からは、食育の一環として、各省庁連携して取り組むことが重要とされました。また、子供たちへの教育としては、子供さんが買い物に自分で行けるような年齢の早い時期に、お母さんと一緒に表示の見方や活用方法を学ぶ。また、小学校の学校給食の献立から栄養表示を学んだ経験から、小学校時代から栄養表示に接することが重要だと考えるとの参考人からの意見もございました。また、自分の食べているものの形とか、産地がどこであるか、そういったものに思いをはせて、いろいろ考えながら食べることも、さまざまな教育にもつながるのでよいだろう、これは山根参考人からの感想でもございました。それぞれが食に関心を持つようにしていくことが基本なのではないかという西藤参考人などの御意見もいただきました。

 食品表示についても消費者教育が重要であるという点については、皆さん大変重要であるということは共通の認識として持っておりますし、私自身も、二十一日の質疑においても、森大臣に質問させていただいております。昨年の消費者教育推進法成立を受けて消費者教育推進会議が設置され、消費者教育の推進に関する基本方針案が策定されて、五月一日から十九日までパブリックコメントの募集が行われており、今後の消費者教育の中でしっかり食品の表示に関する消費者の理解を進めてまいりたいと御答弁もいただいております。

 参考人などの意見も踏まえまして、改めて、食品表示に関する消費者教育、子供への教育などについての大臣のお考え、できれば具体的な何かアイデア等ございましたら、お聞かせいただければと思います。

森国務大臣 御指摘のとおり、消費者教育は幼児期から高齢期まで、また、子供と一くくりに言っても、それぞれ学年ごとに、学校、地域、家庭、職域、さまざまな場に応じて適切な方法で行っていく必要があると思います。子供のころから食品の表示などに関する意識を、子供に身につけさせていくということが必要であろうと思います。パブコメに付させていただいた基本方針の中で、「栄養表示を含めた食品表示の適切な理解を始め、食における危険を回避する能力を育む消費者教育」というふうに書かせていただいたところでございます。

 今、御質問の中で、何か具体的な案をというふうにおっしゃっていただきましたけれども、私の子供がアレルギーを持っておりまして、子供には表示を気をつけて見るように、特に家庭で指導してきたのでございますけれども、やはり、そういったアレルギーを持っている親は、特別にその子供に表示のところを意識して家庭教育していると思いますが、そのようなことを幅広く広めていけたらと思います。

 例えば、学校で、野菜ソムリエの方が来て、野菜を子供たちにさわらせて、それから調理をして、そして食するというような教育がなされておりますけれども、その際に、例えば、その野菜の産地や、それから、それがパッケージで売られているときにどんな表示で八百屋さんに置いてあるかというところも含めて授業の中で取り入れていただけたら、また子供たちの意識も高まるのではないかというふうに思います。

小宮山委員 ありがとうございます。

 ちょうど先週はこの消費者特の同時期に、私自身、災害対策特別委員会の方で、災害対策基本法などの質疑をやっておりました。そのときに、やはり、被災者が避難をされているときに、食べるもの等も大変限られる。また、私自身、障害者政策に力を入れておりますので、附帯決議の方には、女性や子供、そして障害者の方に配慮をしてほしいということだったんですけれども、そこに難病という方も入れていただきました。ただ、アレルギー対策というのは、恐らく、等の部分に入ってしまうんではないかと思っております。

 そういう中で、そういう難病だったら、食べられるもの、食べられないものというものを区別しなければいけない。そういった緊急時においては、消費者、被災者みずからが選べる環境にあるべきなんだろうというふうなところから、やはり、できる限り表示というものは丁寧であった方が、より選ぶことができ、また、それが書いてあることにより、多くの方が、その食品に対して何が添加をされているのか、そういったことに興味や、また関心を持つという意味においては、表示が丁寧にされていることの効能というのは大変重要かと思います。

 しかし、その一方で、以前から質問させていただいておりますけれども、これができる、成分分析も含めまして、できる資本を持っているような大企業と、そこまではまだできない小規模の事業者、また、表示ができる面積が、商品自体が小さいなど、さまざまな問題が出てくるんだと思っております。できるだけ小規模事業者への配慮はしていただきたいと思っております。これは、これからまた配慮していただく、その検討をされていくということが前回の質問でもございました。

 また、参考人とのやりとりの中で実感をいたしましたが、それでは逆に、そういった分析もできる、また、ホームページやさまざまな広報の手段を持つことができる大企業の方に、よりしっかりと表示をする、また、栄養素、またエネルギーや添加物などの表示をする義務というものを課すというのも一つにはあり得るのかな、方策の一つなのかなということを思ったものであります。

 それは、何を参考にしたかというと、実は、経済産業省でやっておりますトップランナー制度という、よりすぐれた製品を進めるのに対して、上位何社かというもの、その市場のシェアの何%を占める企業にはさまざまな高品質というものを負荷する、そういうことによって、日本の製品がレベルを上げていくという制度であります。これによって、ビデオデッキであったりとか、クーラーであったり、冷蔵庫など電化製品、今後は、窓枠とかそういった住宅資材の方にもこれは採用されるものであります。

 より多く販売をされる、そして、多くの人が口にする、そういった食品をつくっているところには、そういった大きな責任を持っていただき、そして、トップランナーとして表示をしていただくということも一理あるのではないかというふうに個人的には考えております。

 この意見に関し、もし御所見があれば、御検討いただけるのかどうかも含めて、お答えいただければと思います。

森国務大臣 食品の義務表示事項については、そもそもの趣旨が、消費者が自主的に、かつ合理的に食品を選択できるようにする、表示から必要な情報を得られるようにするということでございます。

 御指摘の点も含めて、表示義務の拡大も含めて検討してまいりたいというふうに思っております。

小宮山委員 ありがとうございます。

 この法案が現実に進むことによって、やはり私自身は、修正の必要はあるんだと思っております。

 それは、一つには、年数の見直しの規定の問題です。やはりこれは、早くに修正ができるということは、法文上、あった方がいいんではないか。後ほど提案されるとは思いますけれども、この点に関して、大臣、前向きにとっていただけるのか。

 五年を三年の見直しにするということ、まあ当然、施行後の問題でありますので、その前段階のところでは問題はないかと思いますので、大臣の思い、また、そうやって法案が、修正また見直し規定というものによって、たびたびこの国会でも議論になるということも、大変、法案にとっては日の目を見る機会がたくさんあるということでもありますので、消費者教育を含めまして、この食品表示という中においての効能だというふうにも思う一面もありますので、大臣の御見解を聞かせていただければと思います。

森国務大臣 本法案の見直し規定でございますけれども、平成二十一年の三月の閣議決定、規制改革推進のための三カ年計画という閣議決定において、規制を新設する際に、原則五年経過後に規制の見直しを行う旨ということが決まっておりまして、本法案もそれを踏まえたものでございます。

 一般論として、法律の見直しを行うに当たっては、一定期間の施行状況を検証する必要があるとは考えますけれども、急激な社会情勢の変化等により見直しを行う必要が生じる場合には、やはり積極的に見直しを行うべきと考えております。

 なお、表示基準については、本法第四条で内閣府令において定めると書いてありますので、改正や見直しがなくとも表示基準については直せるようになっております。

小宮山委員 ありがとうございます。

 また、現在、パブリックコメントとして、これは関係をするんでしょうか、健康増進法施行令の一部を改正する政令に関する意見募集、意見募集期間は平成二十五年五月十五日から六月十四日、栄養表示基準の一部改正についての意見募集は五月十三日から六月十二日となっております。

 法成立後、本当に重要になるのが、何をどのようにどれだけ表示すると定めるのか、そのための議論をどのように行うかということになるかと思います。

 パブリックコメントというのは、欧米に比べて日本は大変短いとも言われているところでもあります。特に栄養表示基準の一部改正、今回のこととは多少違うのかもしれませんけれども、この時期にわざわざパブコメを求めている。しかも、参議院で審議が終わっているか否かというようなころでもあります。

 今後ですけれども、恐らくこの法案が通った後、さらにパブコメもとることになるとは思います。その中で、特に小規模事業者であったり、多くの方々、団体とは限らなければ、声を上げるというのは、日々の事業の中を縫って検討をし、上げることになると思います。そういう意味においては、たった一カ月というのは短いのではないか。特に施行まで二年ほどかかるという期間を考えれば、一カ月というのはやはり、繰り返しになりますが、短いと思います。

 今後、欧米並みではないですけれども、せめて二カ月とか三カ月とか、しっかりとした期間をとってパブコメをするということも必要かと思うんですが、この点に関しまして大臣の所見をお聞かせください。

森国務大臣 基準の策定に当たって、さまざまな御意見を聞くことが大変重要でございますので、委員の御指摘も踏まえまして、パブリックコメントの意見提出には十分な期間を設けること、それから消費者団体、事業者などと、さまざまな立場の方との意見交換会を開催するなど工夫をして、広く意見を伺いながら努めてまいりたいと思います。

小宮山委員 ぜひよろしくお願いします。

 その部分で、恐らく省内の方ではスケジュールを組んだり等、今までの感覚とは、少し早目早目に動かなければならないかと思いますけれども、でも、より多くの方々の意見を知り、そして日本人の食の安全を守る、そして消費者が賢く選べる、その環境を整えるために、パブコメは重要なアイテムとして、ぜひ活用していただきたいと思います。

 さて、城内政務官にも、また来ていただきました。先般の質問のときには、TPPと食の安全と安心について大変、御決意も聞かせていただいたところでもありますが、先ほどから、守るべきものは守るという議論も出てきておりますが、では実際どうやって守るんだろうかという、やはり改めての疑問も生じるところでもあります。

 特に、先日ですか、五月十六日の日に内閣官房の方から、TPPに関する意見取りまとめ、期待されるメリットの抜粋という資料が出されております。政府の意見なのかなと思って、全部よく見ていきますと、結局のところ、各種団体の御意見が並んでおりまして、だから余りマスコミ等で取り上げられなかったのかなと、ふっと思ってしまったところでもあります。

 昨年も、私自身、農水委員長をしておりましたときに、いろいろ聞かせていただいて、正直、どうしても腑に落ちなかったのは、経産省の出してきた、あのTPP不参加による基幹産業の損失、結果としては、GDPでマイナス一・五三%、雇用減八十一・二万人、うち米国市場関連一・八八兆円減というようなことが出ておりまして、では、TPPに不参加の場合は約八十万人もの雇用が減るということでありますけれども、参加したら何人になるんですかと実は伺いましたら、国際的には雇用の数値は出しませんと言われてしまいまして、正直言って、では何をすればいいのかという、非常に矛盾を感じました。

 今回、そういう意味では、政府の方から、TPPに参加すると表明をされて、根回しも大分されております。有効なのかどうかというのが疑問視される大統領の言葉ももらってくるほどの熱の入れようではありますが、では、実際に、このTPPに加入することによって日本人の雇用はふえるんでしょうか。こういった数値は出されているんでしょうか。こういうメリットについて具体的にはお出しになっているのか。

 具体的数値を今聞くわけではございません。政府見解というか、そのあたりをぜひ、まずお聞かせいただけないでしょうか。

城内大臣政務官 先週に引き続きまして小宮山先生から御質問ですけれども、TPPに入ることのメリットは何かということですが、まず総論として、TPP交渉への参加は、アジア太平洋地域の成長を日本に取り込むことにつながるものであり、我が国の成長戦略の柱であります。

 我が国が他のTPP参加国とつくっていく新たな経済秩序は、単にTPPの中だけのルールにとどまらず、東アジア地域包括的経済連携、RCEP、そして、他の地域経済連携とあわせ、より大きな構想でもあります、将来のアジア太平洋自由貿易圏、FTAAPにおいて、アジア太平洋地域の新たな貿易経済活動のルールのベースというか、基礎となるものであります。

 そして、同盟国である米国や、自由民主主義、基本的人権、法の支配といった普遍的価値を共有する国々とともに、アジア太平洋地域における新たなルールづくりをする意味で、安全保障上のメリットもあるということであります。

 また、個別具体的には、例えば、高い関税が撤廃されることで、日本の輸出競争力を強化し、産業の空洞化を回避する、その結果、国内の雇用が守られるということが可能になりますし、また二つ目は、模倣品、海賊版の拡散や技術流出を防止する仕組みを、共通ルールをつくることで、海外における日本の正規品の販売を促す、そして日本からの技術の輸出を確保することができる、そういったメリットもあるというふうに指摘されております。

 また、投資、サービスに関するさまざまな規制の制限禁止等を通じた日本企業の一層自由な活動を確保することにより、日本の所得収支が増大し、国内雇用の拡大に寄与すること等も挙げられておるところであります。

小宮山委員 大体いつもお答えいただいている内容かと思います。

 その割に成長戦略などでは、農林水産物の輸出拡大とか、クール・ジャパンによるコンテンツ、日本食、地域資源などの日本の魅力を海外に発信するということ、農林水産物の輸出額倍増では一兆円を目指すというような大きなこともおっしゃっています。

 それであるならば、恐らく、食品の表示というものは大変密接につながってくると思います。海外での残留農薬の問題、今までもそうですけれども、遺伝子組み換え食品の表示の義務であったり、これは日本が誇るべき制度であり、また、これを世界標準にするという攻めの姿勢というものは重要なのかと思っております。

 何となく、今までのTPPの論議を聞いておりますと、非常に受け身、中に入ってみなければわからない、こういうことで本当に外交交渉が成り立つのかという思いもしますし、国としての決断というものがどこにあるのかもわからない。

 また、今まで、アメリカから年次改革要望書、この中の問題がありましたが、これが日米経済調和対話というものに移っていく。そして、日本側の関心事項というのも拝見させていただきますけれども、なかなか、どういった要望を出すのか、その裏のどこの産業を伸ばしていくのか、そういった大きな戦略的なものというよりかは、その場その場で大変、日本企業が現地で御苦労された規制であったりとか制度の改革をお願いするという、あくまでお願いする立場のような要望が大量に並んでおります。私、個人的には、酒類容器の容量規制を撤廃してくれというのはずっと前から言っておりましたので、これは少しうれしい要望ではありましたけれども、しかし、全体的に戦略というものが見えない。

 この食品表示一つとりましても、TPPの中で、日本の食の安全というこの基準、特に、農作物もそうです。大変厳しい、農作物の農薬の基準を守って農家の方々はつくり、それを出荷しています。こういったものを、他国はまた違うやり方で当然栽培をしている、また、保存のための腐敗防止の薬品等、輸出に関しては使っているなどという話もあります。ここをどう攻めていくのかという、やはり日本がかち得ていくもの、食の安全、日本から出るものは安全な食品である、それを証明するものの一つが日本の食品表示だと思ってもおります。

 これが世界標準になるような、そんな大きな志というものがあれば、少しはまた納得できるときもあるのかなというふうに思いますが、この守るべきものは守るという政務官の気持ち、いま一度確認をさせていただきたいと思います。

城内大臣政務官 小宮山委員御指摘のとおり、食の安全というのは、非常に国益に資するものでありますので、これは絶対守っていかなきゃいけないと思っております。

 また、先週も申しましたとおり、さきの衆議院選挙で、自由民主党は、聖域なき関税撤廃を前提にする限りTPP交渉参加には反対すると……(小宮山委員「それ、いつも聞いている」と呼ぶ)いつも聞いているとおっしゃっていますけれども、繰り返し申し上げますけれども、こういう公約を掲げております。

 それ以外にも、J―ファイルに、食の安全、安心の基準を守ります、そういう判断基準を含む五つの判断基準を示しておりまして、それで政権に復帰したわけですが、我々は、選挙でお約束したことはたがえてはならないというふうに考えております。

 また、四月十七日、国家基本政策委員会で安倍晋三総理大臣から、食の安全、安心や消費者の健康はまさに最大の国益であり、交渉当事者に対し、この点については絶対に譲ることはできないということについて厳命されているところであります。

 したがいまして、食の安全、安心の基準を守る、この基準については、交渉の中でしっかり守っていく決意であります。

 ちなみに、食品の輸入について、食品安全に関する措置を実施する権利は、WTOの衛生植物検疫措置に関する協定、いわゆるSPS協定で、我が国を含む各国に認められているものであります。これまでに得られております情報では、TPP協定交渉での主な議論の内容は、このようなWTO・SPS協定の権利義務を強化し発展させることであり、現在のところ、食品添加物、残留農薬基準や遺伝子組み換え食品の表示ルール等、個別の食品安全基準の緩和は議論されていないと承知しております。

 いずれにしましても、我が国は、交渉力を最大限駆使し、新たなルールづくりを主体的にリードしていくとともに、守るべきものはしっかりと守り、攻めるべきものはがんがん攻めていくということによって、国益にかなう最善の結果を追求していく所存であります。

小宮山委員 今回はがんがん攻めるというところがふえたなという思いはしておりますが、具体的に本当に何を攻めていくのか、言葉ではなく、やはり具体的に聞かせていただきたいという思いもあります。

 先ほどちょっと思いまして、突然ではありますけれども、大臣、ぜひ、この食品表示というものが日本の食を守る、海外へ打って出るときにも大変重要なものでもあります。最後になります、この食品表示というものに対しての大臣の、やはり国家的な位置づけも含めて、格上げするぐらいのものにしていただきたいと思いますので、最後に、決意を聞かせていただきたいと思います。

森国務大臣 TPP交渉においては、遺伝子組み換え食品の表示のルールに係る提案はないと承知しておりまして、いつも答弁させていただいておりますとおり、消費者庁としては、食品表示を含め、消費者の安全、安心に資するために全力を尽くしてまいります。

 なお、今おっしゃった、今後のグローバルな展開の中で日本の持つ表示基準をしっかりと主体的に打ち出してまいるということについては認識を共有しておりまして、先般官邸で開かれました農林水産業、地域の活力対策本部におきましても、輸出におけるグローバルな展開を進めてまいるということで、私も食品担当大臣としてメンバーに入らせていただきましたので、委員の御指摘を踏まえて、表示の点についてもしっかりと検討してまいりたいと思います。

小宮山委員 ぜひ森大臣、検討と発言と推進をお願いしたいと思いますし、また、城内政務官におきましては、しっかりと目標を持って頑張っていただくこと。

 個人的には、やはりそうはいってもTPPは、メリットは日本にはない、デメリットの方が大きいというふうに思っておりまして、相変わらず反対ではございますが、その意気込みに関しては敬意を表し、質問を終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

吉川委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

吉川委員長 この際、本案に対し、郡和子さん外六名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、日本維新の会、公明党、みんなの党、日本共産党及び生活の党の七派共同提案による修正案が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。重徳和彦君。

    ―――――――――――――

 食品表示法案に対する修正案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

重徳委員 ただいま議題となりました食品表示法案に対する修正案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 第一に、食品表示基準の表示事項に、アレルゲンを明記することとしております。

 第二に、食品関連事業者等に対する措置命令に係る食品を摂取する際の安全性に重要な影響を及ぼす事項に、アレルゲンを明記することとしております。

 第三に、この法律の施行の状況についての検討の年限を、施行後五年から施行後三年に改めることとしております。

 以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

吉川委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

吉川委員長 これより原案及び修正案を一括して討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、食品表示法案及びこれに対する修正案について採決いたします。

 まず、郡和子さん外六名提出の修正案について採決いたします。

 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

吉川委員長 起立総員。よって、本修正案は可決されました。

 次に、ただいま可決されました修正部分を除く原案について採決いたします。

 これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

吉川委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

吉川委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、郡和子さん外六名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、日本維新の会、公明党、みんなの党及び生活の党の六派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。大西健介君。

大西(健)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明いたします。

 その趣旨は案文に尽きておりますので、案文を朗読いたします。

    食品表示法案に対する附帯決議(案)

  政府は、次の事項について適切な措置を講ずべきである。

 一 義務化に伴う栄養表示基準の見直しをはじめ、加工食品の原料原産地表示の在り方、中食・外食へのアレルギー表示の在り方、食品添加物表示の在り方など表示基準の見直しは、本法成立後速やかにその検討のための機関を設置するなど、本法の目的及び基本理念を踏まえ、可能な限り、検討内容及びスケジュールを具体的に示した上で速やかに着手するとともに、その実施期間等を消費者基本計画に明記すること。

 二 一の検討機関の委員の人選に当たっては、表示基準の見直しを幅広く消費者や事業者の理解を得ながら進めていくという観点から、広く各層の声を反映できるよう、公平・中立で均衡のとれた委員構成とすること。

 三 食品表示基準の策定に当たっては、消費者の表示利活用の実態、食品の製造・流通の実態等を十分に調査し、消費者、事業者双方にとって分かりやすい表示、表示の実行可能性、国際基準との整合性等を十分に踏まえること。

 四 消費者へ食品の安全性に係る科学的情報が適時適切に提供されること。また、提供された情報の理解の促進等のための消費者教育を拡充すること。

 五 虚偽・誇大広告及び消費者を誤認させる不当な表示については、食品衛生法や不当景品類及び不当表示防止法の適切な運用を通じて、監視、取締りに努めること。

 六 製造所固有記号制度については、消費者から製造者の所在地等の情報を知りたいという要望もあることから、その情報の提供の在り方について検討すること。

 七 食品表示に関する法律の一元化を実効的なものとするため、執行体制を充実強化すること。少なくとも問合せ対応等のワンストップ体制等を早急に実現すること。

 八 食品表示の適正化に係る実施状況を取りまとめ、定期的に年次報告の中で国会に報告すること。

 九 本法に基づく差止請求の実効性を担保するため、適格消費者団体に対して食品表示に関する情報提供その他の支援を行うこと。

 十 食品表示義務の拡大に当たっては、小規模の食品関連事業者に過度な負担とならないよう、小規模の食品関連事業者の実行可能性を担保する支援措置等環境整備を図ること。

 十一 環太平洋パートナーシップ協定の交渉に当たっては、遺伝子組換え食品の表示など、食品表示を含め、消費者の安全・安心に資するため万全を期すこと。

以上でございます。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

吉川委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

吉川委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、ただいまの附帯決議につきまして、政府から発言を求められておりますので、これを許します。森国務大臣。

森国務大臣 ただいま御決議いただきました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重してまいりたいと思います。

    ―――――――――――――

吉川委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

吉川委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時三十八分散会


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