衆議院

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第4号 平成27年7月9日(木曜日)

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平成二十七年七月九日(木曜日)

    午前九時三十分開議

 出席委員

   委員長 鴨下 一郎君

   理事 穴見 陽一君 理事 後藤田正純君

   理事 武村 展英君 理事 とかしきなおみ君

   理事 堀内 詔子君 理事 大西 健介君

   理事 重徳 和彦君 理事 古屋 範子君

      小倉 將信君    大塚 高司君

      大西 宏幸君    大野敬太郎君

      岡下 昌平君    鬼木  誠君

      加藤 鮎子君    金子めぐみ君

      神谷  昇君    神山 佐市君

      木村 弥生君    小島 敏文君

      小林 史明君    小松  裕君

      田畑 裕明君    武井 俊輔君

      比嘉奈津美君    藤井比早之君

      前川  恵君    前田 一男君

      宮川 典子君    宮路 拓馬君

      山田 美樹君    神山 洋介君

      田島 一成君    中島 克仁君

      中根 康浩君    木内 孝胤君

      吉田 豊史君    中川 康洋君

      吉田 宣弘君    梅村さえこ君

      清水 忠史君

    …………………………………

   国務大臣

   (消費者及び食品安全担当)            山口 俊一君

   内閣府副大臣       平  将明君

   総務副大臣        西銘恒三郎君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 小野田 壮君

   政府参考人

   (内閣府食品安全委員会事務局長)         姫田  尚君

   政府参考人

   (内閣府消費者委員会事務局長)          黒木 理恵君

   政府参考人

   (消費者庁次長)     川口 康裕君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    河津  司君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    岡田 憲和君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    菅久 修一君

   政府参考人

   (消費者庁審議官)    服部 高明君

   政府参考人

   (総務省総合通信基盤局電気通信事業部長)     吉田 眞人君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           福島 靖正君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           木下 賢志君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬食品局食品安全部長)       三宅  智君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           川島 俊郎君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房商務流通保安審議官)     寺澤 達也君

   政府参考人

   (観光庁観光地域振興部長)            吉田 雅彦君

   衆議院調査局第一特別調査室長           古田 義祐君

    ―――――――――――――

委員の異動

七月九日

 辞任         補欠選任

  大塚 高司君     小松  裕君

  金子めぐみ君     神谷  昇君

  小島 敏文君     神山 佐市君

  武井 俊輔君     藤井比早之君

  山尾志桜里君     神山 洋介君

  浜地 雅一君     中川 康洋君

同日

 辞任         補欠選任

  神谷  昇君     宮路 拓馬君

  神山 佐市君     宮川 典子君

  小松  裕君     大塚 高司君

  藤井比早之君     武井 俊輔君

  神山 洋介君     山尾志桜里君

  中川 康洋君     浜地 雅一君

同日

 辞任         補欠選任

  宮川 典子君     大野敬太郎君

  宮路 拓馬君     金子めぐみ君

同日

 辞任         補欠選任

  大野敬太郎君     小島 敏文君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策に関する件(平成二十六年度消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果の報告)

 消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策に関する件


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     ――――◇―――――

鴨下委員長 これより会議を開きます。

 消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策に関する件について調査を進めます。

 この際、去る六月十九日、消費者安全法第十三条第四項の規定に基づき、国会に提出されました平成二十六年度消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果の報告について、政府から説明を聴取いたします。山口国務大臣。

山口国務大臣 消費者安全法第十三条第四項に基づき、平成二十七年六月に国会に提出をしました消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果を御報告申し上げます。

 今回の報告では、平成二十六年四月から平成二十七年三月までに消費者庁に通知をされた情報等を取りまとめております。

 第一に、法第十二条第一項に基づいて通知をされた重大事故等は千二百四十八件です。このうち、事故内容では火災事故が最も多く、千七件でした。

 第二に、法第十二条第二項に基づいて通知された消費者事故等は一万八百三十件です。このうち、生命身体事故等が千六百五十八件、財産事案が九千百七十二件でした。

 今後とも、各機関との連携を一層強化し、より適切な注意喚起や着実な法執行などを進めていくことで、消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができるよう取り組んでまいります。

鴨下委員長 以上で説明は終わりました。

    ―――――――――――――

鴨下委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官小野田壮君、内閣府食品安全委員会事務局長姫田尚君、内閣府消費者委員会事務局長黒木理恵君、消費者庁次長川口康裕君、消費者庁審議官河津司君、消費者庁審議官岡田憲和君、消費者庁審議官菅久修一君、消費者庁審議官服部高明君、総務省総合通信基盤局電気通信事業部長吉田眞人君、厚生労働省大臣官房審議官福島靖正君、厚生労働省大臣官房審議官木下賢志君、厚生労働省医薬食品局食品安全部長三宅智君、農林水産省大臣官房審議官川島俊郎君、経済産業省大臣官房商務流通保安審議官寺澤達也君、観光庁観光地域振興部長吉田雅彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鴨下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

鴨下委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。堀内詔子君。

堀内(詔)委員 本日は、質問させていただく機会を頂戴いたしまして、ありがとうございます。自由民主党の堀内詔子です。

 御家庭内には、幼い子供さんにとってたくさんの危険が潜んでいます。配付させていただきました消費者庁の「あなたのお子さんは安全?」の小冊子をごらんください。ここでも紹介されておりますが、電化製品、例えば扇風機、炊飯器、電気ポット、また大型冷蔵庫、アイロンなどによって引き起こされる幼い子供の事故はたくさんあります。六月八日、東京都内で、ドラム式洗濯機の洗濯槽で七歳の男の子が死亡するという痛ましい事故が発生しました。韓国でも、過去に同様の事故が発生したと聞いております。

 質問に入らせていただきます。

 ドラム式洗濯機でこうした窒息事故などが発生する危険性があることについて、多くの消費者は知らないのではないでしょうか。消費者への周知が必要だと考えますが、いかがでしょうか。

寺澤政府参考人 お答えします。

 御指摘の事故については、現在警察において調査が行われているところでありまして、事故の詳細についてはなお不明なのでございますけれども、御指摘のとおり、こうした中でも、ドラム式洗濯機のリスクについて消費者に周知することは極めて重要だと考えております。

 このため、今回の事故を受けまして、既に消費者庁においては、ドラム式洗濯機の内部における子供の閉じ込め事故について消費者に対して注意喚起を行っているところでございますし、また、家電業界の業界団体に一般社団法人日本電機工業会というのがあるんですけれども、ここにおいても既に周知徹底を行っているところでございます。

 また、経産省としても、ドラム式洗濯機で窒息事故が発生する危険性があることを製品本体に表示することにすべく、既に業界団体に対して指導を行っているところでございます。

堀内(詔)委員 ありがとうございました。さらなる注意喚起をどうぞよろしくお願いいたします。

 次の質問に移らせていただきます。

 このたびの事故が発生したドラム式洗濯機にはチャイルドロック機能というものがついていたと聞いております。チャイルドロック機能とはどのような型式のものなのか、また、この機能を消費者に認知してもらうための取り組みが必要であるかと考えますが、いかがでしょうか。

寺澤政府参考人 お答えします。

 御指摘がございましたドラム式洗濯機のチャイルドロックというのは、子供が洗濯機のふたをあけて中に入って閉じ込められてしまう、そうした事態を防ぐために、あらかじめ所定の操作をしておけば洗濯機のふたをあかない状態でロックすることができる、こうした機能でございます。

 しかしながら、残念ながらこうしたチャイルドロックについて消費者の間において必ずしも十分認知されていないということがございますので、委員御指摘のとおり、今回の事故を受けまして、消費者庁や業界団体でございます日本電機工業会におきましては、洗濯機のふたをあかないようにするチャイルドロック機能の活用を促す注意喚起を行っているところでございます。

 また、経済産業省としましても、製品本体にチャイルドロック機能の使用方法に関する表示を行うことなどにより消費者のチャイルドロック機能の認知をさらに高めるべく、業界団体に対して指導を行っているところでございます。

堀内(詔)委員 ありがとうございます。

 私も、主婦の立場として、チャイルドロック機能がついていたとしても、日々の日常に紛れてついつい使わないで過ごしてしまう、そういった危険性があると思っております。チャイルドロック機能を十分に使うようにという普及啓発についても、よろしくお願いいたします。

 第三番目の質問に移らせていただきます。

 今回取り上げさせていただいておりますのはドラム式洗濯機での子供の事故についてですが、ドラム式洗濯機以外でも、例えば縦型の洗濯機で、洗濯槽に落ちて子供が巻き込まれて溺死してしまう、そういった事故も発生しております。一般的に、子供が巻き込まれる事故の連鎖を防ぐためには、事故発生直後に徹底した原因分析を行うとともに、その事故があったこと、そしてこの事故を防ぐにはどうしたらいいかということを消費者に周知することが大切だと思っております。

 経済産業省として、消費者への周知の観点からどのような取り組みを実施していらっしゃるか、また一方、製造者側に対してはどのような勧告をしていらっしゃるのか、お教え願いたいと思います。

寺澤政府参考人 お答えします。

 子供が巻き込まれた事故としては、最近では、ウオーターサーバーや自転車、電気ポット等の家電製品、さらには椅子などの家具などについても発生をしております。

 こうした事故について、御指摘のとおり、周知徹底が非常に重要だということで、経産省としましては、独立行政法人製品評価技術基盤機構、NITE等と連携をしながら、消費者に対して注意喚起を行っているところでございます。

 具体的には、本年の四月に、NITEが、ウオーターサーバーの熱湯による幼児のやけどの事故について注意喚起をメディアなどを通じて行ったところでございますし、同時に、子供が自転車を使用する際の事故に関しても、事故防止のための注意喚起を行っているところでございます。

堀内(詔)委員 ありがとうございます。こうした事故による被害を少しでも食いとめるために、万全を期していただくようにお願いいたします。

 消費者庁では、お母さん方を対象に、登録制で携帯電話発信サービスを実施しています。

 資料をお手元に配らせていただいております。こちらの資料になります。

 子ども安全メールですが、最新事情を発信しており、もし、このメールを活用していただいていたならば、今回のドラム式洗濯機での事故も防げたのではないかと悔いが残ります。

 家庭内におきましてはお母さん、お父さん、御家族の皆様方、そして一方、物づくりの現場の方々が、それぞれに子供の安全を第一に、そういった視線を一層大切にしてくださることを願ってやみません。

 それでは、次の課題に移らせていただきます。

 インターネット販売で母乳が販売され、その母乳が必ずしも安全なものではないと、毎日新聞の鳴海崇記者が報道しました件についてであります。

 お母さんが赤ちゃんを育てるときの悩みの一つが、母乳についての悩みです。

 赤ちゃんが元気に育つのに十分な母乳が出ればよいのですが、全ての母親が分泌量を十分に確保できるわけではありません。そしてまた、母乳は白い血液とも言われていて、それを摂取する子供に免疫力などよい部分を与える一方で、リスクを子供に受け渡してしまう、そういった部分もあります。

 実際の本当のお母さんの母乳であるか、または第三者の母乳であるかにかかわらず、母乳というものを通じて乳幼児に与えるリスクにはどのようなものがありますか。厚生労働省にお伺いしたいと思います。

木下政府参考人 お答えいたします。

 母乳を通じました乳幼児に与えるリスクについてでございますけれども、母親が感染症に感染し、病原体を保有している場合におきまして、あるいは母親が医薬品等を服用している場合におきましては、病原体あるいは化学物質が母乳中に存在する可能性がございます。そうした場合には、乳幼児が母乳を通じてこれらに暴露するリスクがございます。

 また、母乳が第三者のものである場合につきましては、その方の既往歴、あるいは医薬品等を服用していた場合には、そうした状況が不明であることに加えまして、搾乳方法ですとかあるいは保管方法等の衛生管理が不明であるということから、病原体あるいは化学物質に暴露するリスク、あるいは衛生面でのリスクもございます。

堀内(詔)委員 母乳には、ヒトT細胞白血病ウイルス1型、また、エイズを発症させるヒト免疫不全ウイルスなどの感染症のあるウイルスが含まれているリスクがあるとも聞いております。

 第三者の母乳を与える場合には、細心の注意が必要かと思います。そして、先ほどお答えいただいたように、搾乳方法、保管方法などの衛生管理の状況が明らかでない第三者の母乳の流通は、問題が多いと思います。

 インターネット上で母乳が販売されている実態を厚生労働省としては把握しておいででしょうか。

三宅政府参考人 食品衛生法におきましては、病原微生物により汚染され、人の健康を損なうおそれがある飲食物の販売は禁じられており、これに違反した場合は、指導や処分などの対象となります。

 このため、食品衛生法の観点からも、七月三日付で、全国の自治体に対し、母乳を販売している事業者を把握した際は、事業実態を確認の上、必要な指導を行うよう要請したところでございます。

 現時点におきまして、自治体から事業者や健康被害に関する情報は寄せられておりませんが、引き続き、自治体と連携し、適切に対応してまいりたいと考えます。

堀内(詔)委員 ありがとうございます。乳幼児に危険を与えるような母乳についての監督を厚生労働省の方からもしっかりとお願い申し上げます。

 三番目の質問に移らせていただきます。

 インターネットで販売されている母乳を購入しようと思う背景には、母乳でないといけないというお母さんたちの切迫した状況があると思います。お母様方によっては、母乳でなくては子供を健康に育てられないのではないか、そういった強迫観念に駆られている方々もいらっしゃいます。

 国としては、母乳での育児を推進していらっしゃいますか。必ずしも母乳でなくても子供は育つ、そういった部分もあると思いますので、その点についてどのように捉えていらっしゃるか、お教え願えますでしょうか。

木下政府参考人 お答えいたします。

 厚生労働省といたしましては、母乳で育てたいと思っている方が無理をせず自然に実践できる環境を整えるため、授乳・離乳の支援ガイドの策定を行っておりまして、その中で、育児用ミルクで育てる場合の支援のポイントという記述も記載しておりまして、母乳のみによる栄養摂取を推進しているわけではございません。

 いずれにしましても、乳幼児の栄養摂取は、いたずらに母乳だけにこだわらず、必要に応じて育児用ミルクを使うことが望ましいということを今後とも周知してまいりたいと考えております。

堀内(詔)委員 ありがとうございました。現在、事業者や健康被害に関する情報は入っていないということですが、少しほっとしております。

 今回、新聞を通じた報道があったことにより、こういった悪質な事業を未然に防ぐことになった、悪質な業者の売買を抑止する力になった。そういった勇気ある取材と報道があったことに心より感謝いたします。

 このわずか二週間余りで、ドラム式洗濯機に関する死亡事故、インターネット上で販売された母乳からの細菌検出など、子供の安全を脅かす二つの事件が相次いで報道されました。事業者によって販売された商品によって子供の安全が脅かされることには、本当に心が痛みます。消費者安全行政において最も守るべき相手は子供ではないかと思っております。

 消費者庁は、消費者行政の司令塔として期待されて設置されました。山口大臣に、子供の安全確保に向けた決意を伺いたいと思います。

山口国務大臣 先ほど来御議論をいただいておりますドラム式洗濯機の事故とか、あるいは母乳のネット販売、大変心の痛む事案であり、遺憾に思っておるわけですが、消費者庁としても、消費者への注意喚起を実施はしてまいりました。しかし、やはり消費者安全行政の司令塔であります消費者庁の担当大臣として、さらに子供の安全をしっかり確保するためには、しっかりと取り組んでいく必要があろうと思っております。

 今後とも、消費者への注意喚起とかあるいは事故調査を通じた関係省庁へのさまざまな提言等によって、子供の安全確保に向けて積極的に取り組んでまいりたい。

 御指摘いただいた事案以外にも、例えば洗剤、最近はやりのものですが、あれをのみ込んで事故があったとか、いろいろなことがありますので、しっかりと今後とも取り組んでまいりたいと考えております。

堀内(詔)委員 ありがとうございました。各関係省庁が連携して子供の安全確保にしっかりと取り組まれることを期待しております。

 今、日本は、少子化問題に苦しんでおります。せっかく生まれ出てきた大切な命を不慮の事故によって失ってしまうことのないよう、また、その事故によって子供たちが大きな後遺症を負ってしまうようなことがないよう、消費者庁の皆様方の御奮闘を御期待申し上げ、私からの質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

鴨下委員長 次に、武井俊輔君。

武井委員 おはようございます。自民党の武井俊輔でございます。

 私、この委員会に初当選からおりまして、初めてこうして質問の機会を頂戴することができました。大臣、また関係の皆さん、よろしくお願いします。また、理事の皆さん、御配慮に感謝申し上げます。

 先週、週末、山口大臣におかれましては、我が地元の日南市と都城市にお越しをいただいたということで、ITの関係でマンゴーもお召し上がりいただいたようで、おいしかったと思いますので、ぜひまたPRをしていただければありがたいなと思っております。

 一方で、私自身は、ちょうどビザなし渡航で、我が党の秋葉代議士、また民主党の藤田幸久参議院議員とともに、北方領土、択捉島、国後島に行ってまいったわけですが、こちらの方も山口大臣担当ということで、本当に守備範囲が広くて、分厚い守備範囲だなと感じさせていただいた週末でもございました。

 私、県会議員もしておりまして、そのときもこの問題、結構いろいろと消費者問題はやってきたんですけれども、そういった経験も、そのときのことも踏まえてちょっと御質問をさせていただきたいと思っております。

 まずは、やはり、いろいろと広報の関係について一点、お伺いをいたしたいと思うんです。

 今ちょうど、自治会その他いろいろな総会のシーズンですから、皆様も、先生方もいろいろなところ、自治会などに出られることも多いかと思うんですが、ああいったような総会に行きますと、例えば防災の関係とかごみの分別とか、そういったようなものは、担当の職員の方が来ていろいろと説明をしたりといったようなことがあるんですけれども、振り込め詐欺とか、たまに警察の交番さんが来てチラシを配ったりとかということはあるんです。

 先ほど堀内先生からもドラム式のことがございましたけれども、今、やはり消費者問題をめぐる課題というものがたくさんあるわけでありまして、例えば、そういったようなときに、消費生活アドバイザー、そういう方もいらっしゃるわけですが、出前講座的な、やはりもうちょっと出向いていって啓発活動をしっかりしていくということが大事ではないかというふうに思っております。

 私、宮崎市なんですが、宮崎市ぐらいの大きなところですと、県もありますし、また市もやるわけで、まだそれでも、そういう方の数も比較的あるんですが、やはり郡部の方に行きますと、本当に広い範囲を、宮崎市の五倍ぐらいの範囲を担当者一人で見ているとか、そういうところもあるわけでありまして、なかなか現実的に、来たものには何とか頑張って対応はしていただいているのですが、やはり、もっと出向いていってというところにまでなかなか人が行っていない。県がやる部分と市町村がやる部分と、これもちょっと不明確なところもある。

 また、加えて、国からいろいろ助成金、サポートをいただくんですが、結局、その範囲の中でというふうにやると、また非常に限定されてくるといったようなこともあるわけでありまして、やはり、いろいろな諸課題において、広報活動を戦略的にやっていくということが大変重要ではないかと思うんですが、そのあたりの取り組みをどのようにされていこうとしているか、お伺いをしたいと思います。

川口政府参考人 お答え申し上げます。

 消費者被害を防止するためには、まず身近な相談体制の整備ということでございますが、これにあわせまして、消費者自身の対応力を強化することが重要であると考えております。

 このため、各自治体におきまして、消費者に対する啓発活動が行われておりまして、その中では、消費生活相談員による出前講座が大変有効な方策ということで、積極的になされているものと承知しております。また、公益社団法人等におきましても、出前講座の取り組みが行われているということでございます。

 御指摘でございますけれども、私どもが把握している限りにおきまして、全都道府県及び全政令市において出前講座が実施されているということでございますが、市区町村になりますと半分弱ということでございまして、やはり地域的なばらつきが起きているということは否めないのではないかと思います。

 このため、消費者庁といたしましては、地方消費者行政推進交付金によりまして、こうした啓発活動を含めまして、消費者の安全、安心がどこに住んでいても保たれるということで努力をしているところでございます。出前講座の講師、教材づくりに努力した方には消費者支援功労者表彰を行うとか、あるいは、啓発活動で利用できる教材、取り組み事例の紹介をポータルサイトで行うとか、そういう取り組みを消費者庁としてはしているところでございます。

武井委員 ありがとうございます。

 やはり本当に、行政の職員さんとかだけでは数は限られているわけですので、できるだけそういう民間の方、また民生委員さんとか、場合によっては行政書士さんなんかもあり得ると思うんですが、そういった法律のことに詳しい方なども積極的に活用していただいて、その辺をサポートしていただきたいと思っております。

 続いて、これもかなり頑張って取り組んだことだったのでありますが、高齢者の方が詐欺被害に遭うわけでありまして、その方は、奥さんを亡くされて、学校の元校長先生だったという方なんですが、その方の身内の方から、明らかに詐欺というか高いものを買っているんだけれども、クーリングオフを説得するけれどもなかなかやってくれないから、ちょっと議員、一緒に来てくださいみたいなので呼ばれて行って、話をしたことがありました。

 行って話をするんですね。先生と呼んで、先生、これは明らかに高いじゃないの、近くに行ったら一万円で買えるのに二十五万円払っているじゃないのといったようなことをかなり懇々と話をするんですが、なかなか難しい。平たく言えば、自分がそういう誤りをしたということを認めることがなかなかできない。特に、そういう方で、大変プライドが高い方でありまして、いろいろ話を聞いていくと、いや、売りに来た何とか君は僕が校長をしていた学校出身らしいとか、何でそんなことを知っているのかみたいな、何かだんだん、どちらかというと売った人を保護するというか、そっちの立場に、人間の心理というのは不思議なものだなと思うんですが、とにかく自分が誤った選択をしたということをなかなか認められない。

 地元の消費生活センターなんかに行くと、やはり男性の方が多いと。女性の方は、結構その辺がわかればすっぱりされることが多いようなんです。

 ですから、こういった、誤りを認めるであるとか相談をすることが恥ずかしいことじゃないんだということをきっちり、プライドをしっかり守ってあげながら、やはり一方では進めていかなければいけないんじゃないか。結局、この辺に対応しなければ、言ってみれば、悪徳商売の人たちからしたら思うつぼということにもなるわけですので、このあたりの取り組みをどのような形で国は取り組もうとしているのか、お伺いしたいと思います。

 以上です。

山口国務大臣 武井先生御指摘のような事例は恐らく相当多いんだろうと思うんですね。

 ですから、高齢者のいわゆる被害というのは、だまされたことに気づきにくい、あるいは被害に遭っても誰にも相談をしないというふうな特徴があるわけでありますが、これは、ともかく困ったときに一人で悩まずに気楽に相談できるように、まずは地域の相談体制をしっかり整備していくというふうな必要があろうかと思います。

 そのために、どこに住んでいても質の高い相談、救済を受けられる地域体制、これを全国的に整備するというふうなことで、地方消費者行政推進交付金、これによって、地方自治体による消費生活センターの設立とか、あるいは相談員の配置の取り組みを支援しております。

 また、ことしの七月一日から、身近な相談窓口を御案内する消費者ホットライン、これがいよいよ三桁の番号になりました。一八八ということで、若干関西風に「いやや」、こうやっておるわけであります。私自身も、これに合わせまして、品川区の消費者センター、あるいは国民生活センターの東京事務所を視察して、三桁番号の周知とか相談窓口の認知度の向上と活用の促進に取り組ませていただいております。実は、三桁になって相談件数がぐっとふえたというふうなこともございます。

 これは、これからいよいよ、高齢化がますます進展していく中で、やはり、今申し上げた相談体制の整備のみならず、高齢者等に身近で接しておる方々が地域社会全体で見守っていくというふうなことも重要であろうと思っております。このために、昨年六月に成立をいただきました改正消費者安全法に基づいて、高齢者等の被害防止のための地域の見守りネットワーク、これをしっかりと構築していって、能動的に相談に乗ることができる、いつでも相談をすることができるというふうな環境づくりにしっかりと努めてまいりたいと考えております。

武井委員 この電話の件、大変大事だろうなと思っております。その件も、最終的には、その先生、被害に遭った方が仲人をした人を探して連れてきて、ではここに電話しなさいみたいなことをその人から言ってもらって、電話してもらって、何とか解決したということがありました。やはりそういう何とかアプローチをしていただく手段が、ですから、この番号もできるだけまたしっかりと高齢者の皆さんにも周知をしていただいて、活用していただければというふうに思っております。

 続きまして、きょうは西銘副大臣にもお運びをいただいておりますが、ちょっと携帯電話の関係について何点か御質問をしていきたいと思っております。

 これは、皆さんも携帯を当然お持ちですから、携帯電話ショップなどに行って、いろいろ契約をされたり更新されたりということをなさるんだろうと思うんですが、この携帯電話に関してのトラブルというのは大変多くなっていまして、これは二〇一三年度が最新だったので、国民生活センターに寄せられた苦情が一万百三十三件と一万件を超えているわけですが、特に多いのが、解約に関係する部分であります。これが三千二百二十六件ということで、どんどんふえているわけですね。

 この中で、よく二年縛りと言われるもの、これについてちょっときょうはお伺いしたいと思うんです。

 皆さんも、携帯電話を買われると、二年契約を前提とするというのがあるんですね。二年しないと非常に高いとかと言われる。では、何で二年なのかということを言うと、つまり、電話機、今は特にスマートフォンなんかになって、電話自体が高い、ですから、電話機代は二年間入っていますみたいな話があるんです。ですから、二年間はわかるんですよ、そういう電話機代が入っているんだなと。ところが、ちょうど二年後の一カ月間のみは解約手数料がかからない、二年一カ月からまたかかるようになるわけですね。電話機代は二年間で払い終わっているはずじゃないかというわけなんです。

 ですから、二年一カ月以降に解約手数料を取るということはどういうことなのかというのは、これもちょっとお聞きしたいと思うんです。まず、それを考えれば、一般的に考えれば、もう電話機代は払っているわけですから、二年過ぎたらいつでも無手数料で解約できるはずではないかと思うんです。この二年経過以降の手数料の合理性というものは感じられないと感じるんですが、総務省の見解を求めたいと思います。

西銘副大臣 まず、現状から説明しますけれども、携帯電話のサービスにおきましては、期間拘束・自動更新つき契約が一般的でありまして、先生御指摘のように、主要携帯事業者では、期間の拘束が二年間、その二年間が満了した後に契約の解約できる期間が今現在一カ月間のみとなっております。その後はまた再び二年間の契約が始まる、期間拘束が始まるというのが現状であります。この期間拘束中に契約を解除した場合に九千五百円の支払いが必要となるというのも現状であります。

 先生が御指摘の点でございますが、このような契約に関しましては、昨年行われました総務省の研究会においても、利用者が合理性ある判断ができるようにすることが必要との議論が出ております。

 このため、携帯電話の事業各社では、契約解除料を支払うことなく可能な期間を現在の一カ月間から二カ月間に延長すること、そして、次は、更新の月が近づいた時点で、利用者に更新時期が近づいた旨のメールでお知らせをすること、この二点の取り組みを今年度の十月から実施することにしております。

 一方、利用者の側からいたしますと、この二年間の拘束期間が経過した後に再び自動的に期間拘束が始まることにつきましては、サービスの解約や乗りかえを困難にするものであるとして、契約のあり方自体の検討を求める意見が出てきております。

 このため、総務省の中で、ことしの四月に、期間拘束・自動更新つき契約に関しまして専門的に検証を行うためのタスクフォースを設けております。現在検討を行っておりまして、今月の中旬をめどに、一定の方向性について取りまとめを行うことにしております。

 総務省としましては、この方向性を見きわめた上で、今後の対応をとっていきたいと考えております。

 以上です。

武井委員 ありがとうございます。このタスクフォースの成果というものに大変期待をしたい、とにかく消費者目線に立って検討していただきたいと思うんです。

 さっき申し上げましたが、やはり契約キャンセル料、いわゆる取り消し手数料というものが、我々は、二年間は電話機代がそこに入っているという説明を一般的にショップでは受けるわけですね。ですから、つまり、二年以降の一カ月を二カ月に延ばすというようなお話がありましたけれども、この違約金の合理性というのはあるのか。なぜこの違約金、つまり電話機代というふうな説明を受けるというか、電話機代はもう払っているはずですよね。にもかかわらず二年後以降も違約金を取る理由ということは、携帯電話会社はもっときちんと説明をするべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。

吉田(眞)政府参考人 ただいまの委員御指摘の点につきましては、ただいま副大臣が御説明申し上げましたタスクフォースにおきましても、携帯電話事業者から意見を聞いております。

 そこで、タスクフォースの中では、違約金の算定の考え方につきまして、各事業者の方から、まずは、拘束期間中に見込んでいた料金のうち、解約により未回収となった部分の料金回収等を目的としているものである、それから、違約金の金額は、電気通信事業者が見込んでいた料金を徴収できないことによる逸失利益の平均額を下回る範囲で市場環境を勘案して設定しており、コスト等の積み上げで決めているものではない、二年経過後も同じ条件でさらなる期間拘束契約の更新がなされることから、違約金の金額は変わらないという旨の説明がなされております。

 これに対しまして、タスクフォースの構成員の方からは、違約金の算定についても利用者側の納得が得られるように、算定根拠としてサービスのコスト構造が説明され、合理的なものとされる必要がある、あるいは、契約期間の長さに応じた公平な負担にも配慮する必要がある、入院や海外赴任など長期にわたり役務の利用が困難となる事情が急遽生じた場合は違約金を免除するなどの運用が望ましいといったような意見も出されているところでございます。

 こうした議論も踏まえまして、タスクフォースの取りまとめをいただきます方向性を踏まえまして、対応を考えていきたいというふうに考えております。

 以上でございます。

武井委員 今の説明を聞いてもよくわからないんですよね、何か根拠が。ですから、とにかく、やはりユーザーには老若男女さまざまな方が当然いらっしゃるわけですから、どなたでもわかるようなことをしっかりと取り組んでいただかないといけないと思います。

 その件で、先ほど副大臣からありまして、資料をお配りしていますが、六月から各キャリアがメールを出すことになったわけですね、お知らせメール。

 つまり、今までは、二年縛りのその一カ月ですと、それすら教えもしないわけです。大体みんな忘れていますよね、何年前に契約したなんというのは。それで、やっとこれを出すようになったわけでありますが、非常にストレートに言えば、見たってわからないんですよね。今、いろいろなアプリなんかでも、物すごく長い契約を、あんなのはほとんど読まないわけであります。

 仮にこのメールが来たところで、ああ、これが契約に値するものなんだ、ここで今、今月解約しなければいけないんだとか、例えば本人が意思表示をするようなものもない、ただ来ている一通のメールにすぎないということであるわけですから。およそこれを見て、やはり大事なことは、おじいさん、おばあさん、みんながわかるようにしていかなければいけない、これではなかなかそれにたえないと感じるんです。

 よりわかりやすい対応をすべきではないかと考えますが、いかがですか。

吉田(眞)政府参考人 ただいまの御指摘の点につきましては、具体的なメールの文面につきまして、料金プランの更新月であることは記載されているものの、委員御指摘のように、例えば、更新月の経過後は解約に際して再び解約金がかかるといったようなことは説明されていない。あるいは、更新月に解約を行わないと、さらなる期間拘束契約が自動更新されるといったような説明が付記されておりません。

 そういうことで、私ども総務省といたしましても、利用者が合理性ある判断を行うために通知するという趣旨であれば、そういう趣旨から十分なものとなるように文面の改善を今求めているところでございます。

 総務省といたしましては、その契約に関しまして、利用者が合理性ある判断ができるように、必要な情報が適切に提供されることが重要と考えておりまして、事業者の対応について注視をしてまいりたいと思っております。

武井委員 時間も来ましたので終わりますが、もうこれは、みんなが、あらゆる世代の人たちが持っている社会のインフラですから、やはりそういった意味で、くれぐれも皆さんがわかりやすいこと、これは今後も、またしっかりと意見を、またしっかりと引き続き取り組んでいきたいと思っております。

 以上で終わります。どうもありがとうございました。

鴨下委員長 次に、吉田宣弘君。

吉田(宣)委員 おはようございます。公明党の吉田宣弘です。

 前回の消費者問題特別委員会に引き続き、私、質疑に立たせていただいておりますが、委員会関係各位に深く御礼を申し上げたいと思います。

 早速質問に入らせていただきます。

 前回は、高齢者の皆様の保護という観点から、種々質問をさせていただきました。なぜ今、高齢者の保護という観点から質問をしたのかといえば、高齢化が進捗し、消費者における高齢者の割合というものがこれから増加をしてくることが予想されていたからでございました。

 今回は、そういった社会状況の変化の中でも、高度情報通信社会が進展してくるといった側面及びグローバル化社会の中で消費活動もグローバル化してくるというふうな側面から、質問をさせていただきたいと思います。

 まず、情報化社会、こういうふうに言われてからかなり時はたっているのかもしれませんけれども、これも高齢者と状況は同じで、インターネットの発達や通信速度が加速度化している、こういった状況の中で、ますます情報化社会、こういった色彩といいますか濃度が濃くなっているのかな、そういうふうに思われるわけです。こういった状況の中で、消費者を保護していく施策というものも大変重要になってくる、そういうふうに思いまして、このたび質問をさせていただいております。

 さて、高度情報化通信社会における消費行動の中で典型的だと思われるものが、インターネット販売と言われるものかと思います。パソコンがネットにつながっていたりすれば、手軽に買い物ができる。また、最近ではスマートフォン、もうかなりの方がお持ちだと思いますが、スマートフォンでも買い物ができる。

 そういった手軽に買い物ができる一方で、相談件数も近年加速度的に増加をしているようでございます。二〇一〇年で十五万五千九百六十三件、二〇一一年で十七万八千百六十二件、少し飛ばしまして、二〇一四年ですと二十四万三千三百三十件、本当にふえていっている状況がよくわかります。

 具体的な例としましては、インターネット通販でエアコンを購入したけれども商品が届かないとか、また、ブランドの財布、仮にAとする財布を購入したつもりだったんだけれどもBという財布が届いてしまったとか、また、クレジットカードを使ってネットで財布を買ったら、ちょっと怪しいなと思って、それを注文確定せずにいたのにクレジット会社から請求が来たとか、そういった相談があっているようでございます。

 もちろん、これらの相談事、基本的には私人間の取引行為でございますから、第一義的には弁護士さんに相談するなりして自分で何とか対処していただくということが本筋なのかもしれませんけれども、今申し上げたような高度情報化社会においては、どうも売り手の側に情報が集積していて、買い手の側にその情報というのがなかなかないような状況で、これを一対一の平等な、機会の平等を図るだけではかえって不平等になるような状況であるのかもしれないなというふうに思います。

 そういった意味では、情報という側面から、消費者を保護していくということをもって実質的な平等を図っていくべきだと私は考えておるんですけれども、さきのような例が加速度的にふえていっている状況の中で、消費者庁としては、どういった施策でネット通販を利用する消費者の権利を守っていくおつもりなのか。消費者庁の御認識をお聞かせいただき、その対応策をお教えいただければと思います。

河津政府参考人 お答え申し上げます。

 インターネット取引でございますけれども、これは、技術やサービスの変化が非常に激しい、あるいは関係者が非常に多岐にわたるというような特性がございますので、法規制も当然ございますけれども、加えまして、事業者などによります自主的な取り組み、それからトラブルの未然防止に向けた消費者自身の対応力の向上、こういったものそれぞれを組み合わせてやっていく、こういうことが必要だと考えております。

 まず、法規制でございますけれども、インターネット上で行われます通信販売につきましては特定商取引法によりまして規制されておりまして、違法な広告などにつきましては行政処分などの対象になってございます。

 それから、事業者などの自主的な取り組みということでございますと、事業者団体、消費者団体、それから行政機関が四半期に一度、会を開催してございます。インターネット消費者取引連絡会というのがございまして、そこで情報交換、意見交換というのを定期的に行っているところでございます。

 それから、消費者自身の対応力の向上ということでは、消費者庁のホームページにおきまして、インターネット通販あるいはその決済の段階において具体的に何をどう注意すべきかといったことを掲載してございます。消費生活センターなどでもそういう案内もしてございますので、そういうことで消費者に具体的にお示しをするということに努めておるところでございます。

 こういったことをさまざまに取り組み、全体として消費者保護に努めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

吉田(宣)委員 ありがとうございます。

 次に、ネットということでは、私、小学校、中学校、高校と、こういったネットという存在がございませんでした。今では小学校から、もうスマートフォンの勉強とか、iPadを持って勉強するというふうなことが行われておりますけれども、私がちっちゃいころにはちょっと考えられない状況なんです。

 特に最近では、ネットというもので本当に性情報というものがかなり氾濫をしているように見受けられます。性的な知識というものは青少年が成長の段階に応じて適時適切に理解していくべきものだと私は考えておりますが、残念ながら、ネットの世界では、それがもう本当にむちゃくちゃ、ごちゃごちゃに氾濫をしていて、中には、フィクションとはいえ、犯罪を構成するような性情報というものも見受けられるようでございます。

 そこで、こういった青少年の健全な成長を阻害する性情報から青少年を保護していかなければならない、守っていかなければならないと私は考えておりますけれども、この点について、内閣府の方から対応する施策がございましたら、お教えいただけませんでしょうか。

小野田政府参考人 お答え申し上げます。

 インターネットは大変便利なツールとして、今日私たちの生活になくてはならない存在である一方、インターネット上には青少年の健全な成長を阻害する有害情報が多く流通してございます。

 政府といたしましては、平成二十年に制定されました青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律に基づきまして基本計画を策定し、教育及び啓発活動の推進、フィルタリングの性能の向上及び利用の普及など、関係府省庁が一体となって、青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備に努めているところでございます。

 平成二十四年に策定した現行の基本計画は、三年後に見直すこととされており、現在その見直し作業を進めているところでございます。

 基本計画に基づく内閣府の具体的取り組みといたしましては、毎年七月の青少年の非行・被害防止全国強調月間などの機会を捉えて、地方公共団体や民間団体と連携して、フィルタリングの普及、インターネットの適切な利用に関する教育、啓発などに取り組んでいるところでございます。また、保護者に対する普及啓発を強化するため、保護者向けのリーフレットを作成、配布しているほか、地方における取り組みを支援するため、昨年は全国六カ所で青少年のインターネット利用環境づくりフォーラムを開催したところでございます。

 今後とも、このような取り組みを通じて、関係省庁等とも連携しながら、青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備に努めてまいる所存でございます。

吉田(宣)委員 ありがとうございます。どうかよろしくお願いいたします。

 次に、やはりネットに関するものですけれども、四月二十四日の産経新聞に、アダルトサイト相談というものが初の十万件超えというふうな記事が載っておりました。

 私、この問題については、被害者といいますか、被害を受けるのが青少年というふうな意識といいますかイメージがございましたけれども、その記事によると、どうも六十歳以上の高齢者の方も相談がふえている、また、女性の相談もふえているというふうな記事でございました。

 多分、ただ閲覧するだけでは特段トラブルにはならなくて、その後に不当に金銭を要求されるという形でトラブルになっているというふうに思料されますが、その中で、既にお金を支払ってしまったというケースが三千八百件ほどあって、一件当たりのお金もかなり高額で、中には数千万円支払ってしまったというケースもあるそうでございます。

 被害が深刻化する可能性があることからして放置できない問題だと私は思いますけれども、このアダルトサイト対策について、消費者庁のお考えと施策について、お聞かせいただければと思います。

河津政府参考人 お答えいたします。

 アダルト情報サイトに関します相談でございますが、二〇一四年度、先ほどの報道の後、地方から追加で情報が入ってまいりますので、データベースといたしましては、今時点では十一万件を超えてございます。二〇一三年度には約八万件でございましたので、やはり御指摘のとおり、大きくふえてきているところでございます。

 それから、中高年の方からの御相談も多いのも事実でございますし、女性の方からの御相談も全体の約三分の一弱でございます。

 この背景には、スマートフォンが普及をしたということで、どこからでもアクセスをしてしまう、かつ、操作性の問題で、ついうっかりということも中には含まれているものだと思っております。

 こういったトラブルを防止するために、私どもの所管しております国民生活センターが、まさに四月に、具体的な注意事項も含めました注意喚起をしてございまして、それを踏まえての先ほどの報道ではなかったかと思っております。

 また、消費者白書、国会にも御報告させていただいておりますが、ここでも、アダルト情報サイトに関する相談を含めまして、最近の相談の動向を分析してございます。

 こういったような形で、私どもとしては、寄せられた相談の分析をし、かつ、そこを踏まえての情報提供というものを引き続き行ってまいりたいというふうに考えております。

吉田(宣)委員 ありがとうございます。

 あわせて、今度は迷惑メールというものについてお聞きしたいと思います。

 アダルトサイト対策と重複するところもあるかもしれませんが、これも長らく、問題になって久しいかと思いますが、この点について、消費者庁並びに総務省の施策がございましたら、お聞かせいただけませんでしょうか。

菅久政府参考人 お答え申し上げます。

 消費者庁では、まず、総務省とともに、特定電子メール法に基づく対策というのを行っております。

 それとともに、消費者庁では、特定商取引法に基づく対策というものも行っているところでございます。この特定商取引法では、通信販売などの電子メール広告につきまして、請求や承諾のない者に対する電子メール広告の禁止、また受信拒否者への電子メール広告の禁止、さらに受信拒否の意思表示のために必要な事項などの表示義務、これらを定めているところでございます。

 平成二十六年度におきましては、電子メール広告のリンク先である通信販売サイトの調査をいたしまして、八百七十六件の改善指導を行ったところでございます。

 今後とも、引き続き、こうした厳正な法執行に努めてまいりたいと考えております。

吉田(眞)政府参考人 お答え申し上げます。

 総務省では、消費者庁とも共同いたしまして、特定電子メール法に基づく対策を行っております。

 特定電子メール法では、広告宣伝メールに関しまして、送信の同意を得た者以外への送信の禁止、送信者の名称、連絡先などの表示義務、電子メールアドレスなどの送信者情報を偽った送信の禁止などを定めており、この法律に違反が認められる場合には、送信者に警告を行い、警告によっても是正がされない場合には、報告徴収等を行った上で措置命令を実施しております。

 平成二十六年度におきましては、三千六百十八件の警告を行った上で、報告徴収を三十六件、措置命令を七件実施しているところでございます。

 総務省といたしましては、迷惑メールの削減に向けまして、消費者庁とも十分に連携をしながら、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

吉田(宣)委員 ありがとうございます。迷惑メールはなかなかなくならないので、しっかり取り組んでいただければと思います。

 次に、今度はグローバル化の進展に対する対応ということで、先ほどインターネット通信についてお聞きいたしましたが、買い物ということ、これをネットでやるということは、外国からも商品を買うというふうなことが最近できやすくなっておりますが、同じようにトラブルもやはり起き得るということでございます。

 そういったトラブルの現状に関して、消費者庁としてはどのように現状把握しておられるのか、お聞かせいただければと思います。

平副大臣 消費者庁が実施をしております越境消費者センターに寄せられた越境消費者トラブルに関する相談件数は、平成二十四年が千九百九十七件、平成二十五年が四千二百十五件、平成二十六年が四千四百三十七件となっております。年々増加をしております。

 トラブルの類型といたしましては、海外ネットショッピングでの詐欺、模倣品トラブルの割合が多く、全体の過半数を占めております。相手方事業者の所在国としては、中国が最も多く約四割、次にアメリカが約三割、そのほかイギリス、香港、インドといった順でございます。特に、中国に所在する事業者から日本の消費者が被害に遭うトラブルとしては、詐欺、模倣品トラブルが非常に多くなっているのが現状でございます。

吉田(宣)委員 ありがとうございます。

 外国との取引なので、日本の国内であれば言葉も文化も一緒ですのでかなり解決への道のりというのはたやすいのかなという気もするんですけれども、外国になってくると、言葉も違う、文化も違うという意味では、一個人としてこれを解決しようとしてもなかなか難しいのかなというふうに私は思うのです。そういった辺も踏まえまして、国家が後見的に消費者を保護するというふうなことが考えられるべきかと思いますけれども、消費者庁の方として何か施策がございましたら教えてください。

川口政府参考人 お答え申し上げます。

 消費者庁におきましては、越境消費者トラブルの対応といたしまして、平成二十三年から消費者庁越境消費者センターというものを試験的に開設いたしまして、海外の関係機関と連携の上、越境消費者トラブルの解決を支援してきたところでございます。

 ことし四月になりまして、今後も増加が見込まれる越境消費者トラブルにつきまして恒久的に対応する必要があるということで、この事業を独立行政法人国民生活センターに移管したところでございます。新たに国民生活センター越境消費者センターとして相談受け付けを開始しているところでございます。

 こちらでございますが、受け付けた相談につきまして、海外の消費者相談機関と連携いたしまして、海外に所在する相手方事業者に相談内容を伝達して事業者の対応を促し、越境消費者トラブルの解決を支援しているところでございます。

吉田(宣)委員 ありがとうございます。

 今、国民生活センター越境消費者センターというものを御紹介いただきました。これは、トラブルになったときには本当に国民の助けになると思いますので、しっかり取り組んでいただきたいと思いますけれども、対象国についてはどのようになっていますでしょうか。お教えください。

川口政府参考人 現在、国民生活センターが連携している海外の消費者相談機関、六機関でございます。この所在でございますが、北米、台湾、シンガポール、ベトナム、スペイン、中南米にそれぞれ所在する機関でございます。

吉田(宣)委員 ありがとうございます。

 先ほどの、現状の中で、中国の割合がかなり多かったというふうに私はお聞きしましたけれども、今御紹介があった越境消費者センターの対象国の中に中国が含まれていないという現状のようでございます。トラブルの件数の多さから、やはり越境消費者センターの対象国にぜひ中国を加えていくべきだと私は強く思うのですけれども、その点について、消費者庁として、お考えをお聞かせください。

川口政府参考人 御指摘のとおり、中国との連携が非常に重要だと私どもも考えておりまして、政府レベルの協議もございますが、別途、今回、国民生活センターに移管いたしましたので、国民生活センターにおきまして、消費者相談機関同士の連携構築を模索すべく中国の消費者相談機関への訪問などを実施しまして、連携の対象になっていただくべく働きかけを行っているところでございます。

吉田(宣)委員 ぜひよろしくお願いしたいと思います。

 少々時間がなくなってまいりました。二つほど質問をちょっと飛ばさせていただきます。

 これが最後の質問になりますけれども、今のように、消費者を取り巻く環境というものは、高齢化、そして情報化、グローバル化、こういった時代の大きな変化の中でトラブルに巻き込まれる、そういった方も今後も予測されるわけでございますけれども、こういった時代の変化の中でしっかり消費者をやはり守っていただきたい。

 先ほども、山口大臣の方から、消費者が安心して安全で豊かな消費生活を営むことができるよう取り組んでまいりますというふうなお言葉もいただきました。この点に関して、以上の質問を踏まえて、山口消費者担当大臣からその受けとめについてお聞かせいただければと思います。

山口国務大臣 確かに御指摘のとおりでありまして、この消費者行政におきましては、高度情報通信社会の進展とか、あるいは消費生活のグローバル化、ここら辺、ある意味、消費者を取り巻く環境の大きな変化があるわけですが、これに適切に対応していくということが大変重要であろうと思っております。

 そのために、ことし三月に閣議決定をいたしました消費者基本計画におきまして、消費者を取り巻く環境の変化と課題として、高度情報通信社会の進展とか消費生活のグローバル化の進展を位置づけるとともに、インターネット上の消費者トラブルへの対応、また、国境を越えた取引に関するトラブル相談体制の充実、そして、外国人からの消費相談に対応する体制の充実などの施策を盛り込んでおるところでございます。

 いずれにしても、そうした消費者を取り巻くさまざまな環境の変化に適切に対応して、消費者の利益の擁護、増進が図れるように、関係省庁と連携をしながらしっかり取り組んでまいりたいと考えております。

吉田(宣)委員 ありがとうございます。

 以上で質問を終わります。

鴨下委員長 次に、田島一成君。

田島(一)委員 民主党の田島一成でございます。

 実に六年ぶりの消費者特別委員会でございますので楽しみに、質問の三十分、お願いをしたいと思います。

 山口大臣には大変申しわけないんですけれども、実は、前大臣だった有村大臣、私は有村大臣に質問できるんだと思って楽しみにこの委員会に実は入ったんですね。同郷のよしみでもございまして、よく存じ上げておりますから、有村大臣と消費者問題というのはどう想像力を働かせてもつながらなかったものですから、どれぐらいお勉強されたのかな、そんな興味も正直ありました。

 まさか、折しも話題となりました、有村さんが以前お勤めになられていたマクドナルドのポテトに歯が入っていたという問題があったからおやめになったわけではないだろうなというふうに思っていたわけでありますけれども、三カ月でおやめになられるというのは余りにも短過ぎたな、そんな気が正直しているところでございます。

 しかしながら、山口大臣がこうして消費者問題、食品安全の担当大臣として御就任いただいたわけでありますから、こうした思いはさておいて、ぜひきょうはお尋ねをさせていただきたいと思っているところでもあります。

 先ほども申し上げました六年前のこの特別委員会におきましても、私、これまで、消費者庁と、それから食の安全について農水省がどういうふうに連携していくのか、また消費者行政を担っている自治体への支援をどのようにやっていくのかというようなことを中心に、随分、消費者庁にもお尋ねをし、期待を寄せてきたところでもありました。ところが、二代目の長官にかわられてから、国民生活センターの統廃合問題で、何やら、この消費者庁の方向、向くべきところが国民や消費者ではなくなってきたのではないかなというような、そんな心配をずっと持ち続けてきたところでございます。

 とりわけ、ことしの四月にスタートいたしました機能性表示食品制度、これなんかは、本当に消費者に目を向けてスタートさせられたのかなというような心配を正直持っているところであります。事業者や企業側に寄り添ったような規制緩和、そのような感じがどうしても拭えません。

 消費者庁の姿勢に対して失望すら抱いてきたところでありますけれども、こんな話を関係者としていると、こんな消費者庁なら要らないよとはっきりおっしゃる方々も随分いらっしゃるんですね。

 大臣に御就任になられて、こういう話を聞くのは非常に残念だろうというふうに思うわけでありますが、消費者の立場からすれば、この新しい機能性表示食品制度のスタートで、いろいろな不満の声やおかしいと訴える声がありますので、その点について幾つか質問をさせていただきたいと思います。

 御存じのことと思いますけれども、食の安全・監視市民委員会というところがあります。NPOであります。そこから消費者庁にも公開質問状が提出をされていると思いますけれども、先ほど申し上げた食の安全・監視市民委員会の方では、今月の十五日に院内集会を用意されて、消費者庁宛てに質問状を作成していらっしゃるようであります。この中の一つ、国による評価を受けたものではない旨の表示の問題について、既に販売されている商品の表示及び広告を例に問題を提起させていただきたいと思います。

 きょう皆様のお手元にお配りをさせていただきました提出資料の左肩に1と書いてありますが、ごらんください。六月の十九日の全国紙で打たれた全面広告であり、これは東京新聞のものを縮小してコピーさせていただきました。ファンケルという会社の「えんきん」という機能性表示食品の全面広告であります。

 機能性表示食品については、広告についての規制というのがありません。七月七日に、JAROでおなじみの日本広告審査機構がセミナーを主催し、その場に消費者庁から出席をされた室長からは、機能性表示食品については、届け出た内容の範囲を超えないこと、特保、特定保健用食品と誤認されないこと、必要な表示事項を表示、包装することなどと注意喚起をしているように発言もありました。

 さて、この商品についての機能性の証拠、実はこの新聞広告の右肩にも大きな判こを押したように、臨床試験済みとでかでかとうたわれています。広告ですから、一番訴えたいものが大きく取り扱われて、そして、余りみんなに伝えたくないものは小さく表現するというのが、広告の手法としては当然のことなんでしょうけれども、臨床試験済みと書いている、実際に機能性の証拠についてですけれども、臨床試験の論文というものが最終製品の中で機能性の証拠として挙げられるわけでありますが、臨床試験の論文というものを査読するには、通常、一体、何日かかるのか。大体数週間から、長くても数カ月はかかるというふうに言われているものであります。

 しかしながら、食の安全・監視市民委員会の調査によると、このファンケル社の「えんきん」という商品の臨床試験は、論文が掲載されたジャーナルでは、投稿日と受領日から計算して、たった五日。五日で査読を終えたということになっています。五日で果たして本当にしっかりとした査読がされたのかどうかが非常に疑問に思うところでもあります。

 また、この論文の中でも、多重検定の問題等々も指摘をされており、機能性表示食品の届出等に関するガイドラインで求められている機能性の証拠レベルに達していないのではないかと疑問を示さなければならない、そんな状況であります。

 このような機能性の表示での販売で、一般消費者の利益が損なわれることは言うに及びません。

 この今示させていただいた資料、ファンケル社の広告には、国による評価を受けたものではないという旨の表示は、残念ながら、どこを探しても掲載はされていません。機能性表示食品と従来の特保の違いは、国の評価を受けたかどうかが一番重要だと、先ほど申し上げたJAROのセミナーでも消費者庁の室長が発言されているとおり、規制がない広告であっても、国による評価を受けたものではないという旨の表示は不可欠だと思いますが、残念ながら、広告に規制がないということで、全く記載はされてはおりません。

 これは明らかな過剰宣伝というふうに捉えられるのではないかと思いますが、見解をお答えください。

山口国務大臣 コマーシャルについては、先ほど先生の方からお話がありましたように、何をどういうふうに一般消費者にお訴えをするかということは、原則として、事業者の自主的な判断に任されておるわけであります。

 しかし、機能性表示食品につきましては、各事業者において、届け出た表示の範囲内で、一般消費者の誤認とか誤解を招かないようにする等、一般消費者に対する適切な情報提供をしっかりと心がけていただくというふうなことが大変大事であります。

 一般消費者の自主的、合理的な商品選択を阻害するような表示につきましては、景品表示法とかあるいは健康増進法が規制を行っておるわけでありますので、御指摘のような広告につきましても、法令上の問題が認められるようであれば、個別の事案ごとに、地方公共団体とも連携をして、厳正に対処してまいりたいと考えております。

田島(一)委員 では、お尋ねいたしますが、山口大臣、この新聞広告は、先ほど大臣がおっしゃったように、消費者に対しての正しい情報をきっちりと伝えるよう心がけている広告だと言えますか。

山口国務大臣 実は私、若干老眼ぎみで、小さいところはよくわからぬわけでありますが、しかし、臨床試験済みとか、そういうところを見ていますと、機能性表示食品とは書いておりますが、先ほど御指摘の、いわゆる消費者庁等の国の方のお墨つきがあるというものではない、いわゆる特保との差をもう少ししっかりと書いていただきたかったなという感じはしております。

田島(一)委員 ありがとうございます。

 私もやはり老眼が入ってきましたので、そんなこともあろうかと思いまして、裏面をごらんください、二ページ、実はこれは商品のパッケージを拡大して提供させていただきました。

 実際の商品の、左側が表、右側が裏でありますが、実際にこの商品、もっとちっちゃいんですね。それでは読めないだろうと思いまして、本来書かなければならないという三点の表示を黄色いラインマーカーで囲わせていただきました。本当に小さな字で、やっと書かれているというような状況であります。

 実際、不都合な情報等々を出したくないという、事業者の自主的な判断だというふうにおっしゃいましたけれども、製品に関しては、やはり明確に特保との違いという部分をはっきりと書いていただかなければ、消費者の利益を損ねることになるわけであります。商品パッケージの届け出受理の段階で消費者庁が企業に対して訂正を求めていれば、例えば広告の過剰宣伝等々も抑制をすることができたのではないかというふうに考えます。機能性表示食品については、消費者への情報提供よりも事業者への宣伝広告への便宜が優先されているという、そんな一例ではないかというふうに思っております。

 念のために申し上げておきますが、私、このファンケル社に何の恨みもつらみも全くございません。ただ、一例として、わかりやすい商品ということで、とりわけ、手元のピント調節になどとうたわれた、視力の、中高年の目の健康にといううたい文句の商品であるからこそ、こういった商品を老眼がお進みの大臣にも特に見ていただきたいというような思いから一例として出させていただいたわけでありますので、ファンケル社の方々には大変、個人的な恨みは全くないことだけは先に申し上げておきたいと思っております。

 このような容器包装の表示に関しても、その商品のどれぐらいの面積であるとか、フォントの大きさであるとか、はっきりと消費者にわかるような提示の仕方というものもやはり一定規制をしていく必要があるのではないかというふうに考えるわけでありますが、大臣、どのようにお考えでしょうか。

山口国務大臣 やはり、消費者の皆さん方にわかりやすくお知らせをする、これができませんと、本来、機能性表示食品というのを考えたといいますか、これを始めた意味合いがなくなってしまうと私は思うんですね。そこら辺、御指摘のとおりだと思いますので、さまざまな、コマーシャルの状況とか広告の状況とか、あるいは表示につきましても、これからしっかりとモニタリング等をする中で、問題があれば対応していきたいと思います。

田島(一)委員 今度、院内集会をなさるそうであります。そこで指摘されるさまざまな疑念の事例をぜひ今後参考にしていただいて、庁内でしっかりと議論を重ねていただきたい、このことを強く要望しておきたいと思います。

 さて、次に、原料原産地表示についてであります。

 これまで、消費者庁の中でも、原料原産地表示に関する意見交換会が随分進んできております。もっともな御意見もたくさん出ています。しかし、食の安全に関する消費者の思いに対して消費者庁は一体どのように応える努力をされているのかを、ぜひ質問でお尋ねしていきたいと思っております。

 きょう各委員にも配付をされました平成二十六年度の消費者政策の実施の状況、この資料の中の十三ページにもありますとおり、食料品購入時、外食時に国産かどうか気にかけているかどうかという問いに対し、食料品の購入時には約八割の方が気にかけていると答えています。外食するときにあっても約四割へと、それぞれ、年を追うごとに増加の一途をたどっているところでもあります。

 加えて、次の十四ページにあります、輸入食品や製品の購入時における表示等の確認についてというグラフが図で示されていますが、購入するときに表示を確認するかどうかという方の答えは七割を超えている。七割以上の方が、産地表示を気にかけて、確認する、心がけているというふうにお答えになっています。

 これだけ消費者の皆さんは関心、意識が年々高まってきているという状況にある中、さまざまな農作物の原料原産地の表示の義務化について、まだまだ、遅々として、議論ばっかりで、意見交換ばっかりで前に進んでいないのではないかな、そんな認識を私は持たざるを得ません。

 きょう、農水省の方にもお越しをいただいたわけでありますけれども、まず、農水省の方にお尋ねさせていただきます。

 遺伝子組み換えされた農作物は大体いつごろから輸入されるようになって、また、遺伝子組み換えの農作物の輸入が許可されていった経緯、そして、どのような理由で輸入やむなしというふうにされたのか、簡潔にお答えいただけませんでしょうか。

川島政府参考人 お答えいたします。

 遺伝子組み換え農作物の商業栽培につきましては、一九九六年にアメリカにおきましてトウモロコシ、大豆、こういったもので世界で初めて行われたと承知をしております。

 我が国は、飼料用や加工用にこれらの農作物を米国から輸入しておりまして、また、大半が遺伝子組み換えと非遺伝子組み換えが区別されずに輸入されておりますので、遺伝子組み換え農作物につきましては、一九九六年から我が国へも輸入されているというふうに考えております。

 遺伝子組み換え農作物の輸入あるいは流通、栽培等に当たりましては、食品としての安全性につきましては食品衛生法、飼料としての安全性につきましては飼料安全法、生物多様性への影響につきましてはカルタヘナ法に基づきまして、科学的な評価を行いまして、問題がないもののみ承認をしているというところでございます。

田島(一)委員 今御紹介があったとおり、アメリカにあってはトウモロコシや大豆。今、シェアは八三・六%、アメリカからトウモロコシを輸入しており、そのうちの九三%がGMのトウモロコシである、遺伝子組み換えのトウモロコシであるというふうに言われています。大豆にあっても、アメリカからは六五%、そのうちの九四%。また、菜種にあっては、カナダが主なシェアでありますけれども、九三%頼っているところであり、その九三%のカナダ産の菜種の九五%が遺伝子組み換え菜種であります。

 結局、こうした遺伝子組み換えの農産物が日本に入り、飼料、加工用に輸入されており、今後、ナスビなど遺伝子組み換え農作物の生産、輸出をする国がどんどんふえてくるというような動向が、農水省の平成二十七年六月に発行された「遺伝子組換え農作物の管理について」という資料に明らかにされています。

 現時点でというか、今の科学のレベルの中でこの遺伝子組み換え農作物の安全を証明したところで、今後何世代も食べ続けていくことになれば、人間の遺伝子や健康、体への影響、こういったものはやはり全て否定することはできないと思っております。遺伝子組み換え、これはもう言うまでもなく、自然界では交わることのない組み合わせであり、今後も我々の想像を超えた遺伝子の組み換えは研究開発されていくでありましょう。一体いつこうした問題での不都合があらわれていくのだろうかという不安を持つ消費者もいる中で、先ほどお示しをさせていただいた輸入食品、製品の表示を確認するという方々が年々ふえ続けているのではないかとさえ思うわけであります。

 ぜひ、農水省には、心がけているかどうかだけを聞くのではなく、何に一番不安を持っているのか、どういった点に皆さんは関心を寄せて生産地、産地表示を確認されているのかという、もう一歩踏み込んだ調査もぜひしていただきたいところであります。

 今後、こうした遺伝子組み換え食品、農作物がどんどん入ってくる中で、日本産の表示があるもの以外はほとんどがもう外国産、その大半が遺伝子組み換え農作物であるという認識、知識を日本の消費者にきちっと定着させていく必要があるのではないかと考えるところでもあります。

 とりわけ、加工のレベルがどんどん上がれば上がるほど原材料の表示、明示というものが求められていくはずなのですが、残念なことに、加工すればするほど産地の表示は不透明化を増す一方であります。菜種が、大半、カナダから遺伝子組み換え菜種が入ってきているにもかかわらず、我々が食する食用油、菜種油は遺伝子組み換えの菜種を使っているのかどうかもわからないというようなことでは、果たして、これが本当に消費者を守るための、消費者庁が放置していていいのかどうかという疑問を投げかけざるを得ません。

 こうした産地表示について、もちろん遺伝子組み換え食品だけではなく、今後さまざまな展開が予想されるわけありますが、消費者庁として、意見交換の延長線で一歩でも先に進もうという考えはあるのか、今後どのような規制をかけていこうとお考えなのか、お答えをお願いします。

岡田政府参考人 お答えいたします。

 遺伝子組み換え食品の表示あるいは原料原産地表示の問題につきましては、本年三月に閣議決定されました消費者基本計画におきまして、食品表示一元化の検討過程で積み残されたその他の検討課題を含め、順次実態を踏まえた検討を行うというふうにされたところでございます。

 食品表示法が本年四月から施行されたことを踏まえまして、まずは新たな食品表示制度の普及啓発に努めることが最も重要であると考えており、現時点においては、各課題についての具体的な検討スケジュールは決まっていないという状況でございます。

田島(一)委員 機能性表示食品の話を先ほどさせていただきましたけれども、これを実行する前からずっと問題になってきた原産地表示の問題なんですね。本来、消費者庁は、順を追って、消費者が求める表示をきちっと議論し、検討だけではなく解決をさせてから、続いてこの機能性表示食品に取り組む、検討に入るというのが本来の順序なんじゃないですか。何かその辺の順序を履き違えて、今、消費者庁が取り組んでいらっしゃる、スピード感を持ってやっていらっしゃることは、まるで事業者や企業にばっかり利益を与えていくような、そういう施策ばっかりが目について仕方がないんです。

 これは、多分、私だけではなく、多くの消費者問題に関心をお持ちの方々が思っていらっしゃると思うんですね。皆さんが本当に求めているものに応えていかずして、消費者庁のレーゾンデートルというのは本当に何なのかを問われる節目だというふうに私は考えるところであります。

 大臣、どのようにお考えか、ぜひお聞かせをいただきたいと思います。

山口国務大臣 先ほど答弁がありましたように、本年四月から食品表示法が施行されたということでございますので、まずは、この新たな食品表示制度の普及啓発をしっかりやっていきたいと考えております。

 ただ、今御指摘いただきましたように、やはり、ともかく消費者の立場にしっかり立ちながら、非常に大事なことでもありますので、私自身も、どういうふうな表示のあり方、当然これから議論が進んでいくわけでありますが、しっかりと考えてみたいとは思っております。

田島(一)委員 私は、順序が違うということも申し上げました。もうスタートしてしまったものですから、これの問題点等々については当然緊張感を持って臨んでいただきたいところでもありますが、どうぞ、早くからこの原材料の表示、明示についての関心が国民の中には非常に高いということについては、くれぐれも認識を新たにしていただいて、検討をより加速化させてくださることを心からお願い申し上げたいと思います。

 最後に、消費者リテラシーについてお尋ねをさせていただきたいと思っております。

 実は、板東長官、文科省の御出身でもいらっしゃいますので、私は、きょうこの委員会の場に消費者庁長官にお出ましいただいて、消費者庁の発足の精神に戻って、どのように消費者リテラシーをお進めいただくのかをぜひ聞きたいと考えて質問を用意させていただきました。残念なことに、与党の理事の皆さんから長官の出席をお認めいただけませんでしたので、きょうこの委員会の部屋にはお運びいただくことができませんでした。

 しかしながら、委員長、今回、消費者問題について、食品の安全については、与党も野党も全く関係ないんですね。本当に問題があれば、与野党の壁も垣根も乗り越えて、みんなでやはり議論していかなければならない問題であります。私もそれを心がけているつもりであります。

 どうぞ、今後、過去の慣例にとらわれず、長官の委員会での答弁の出席について、理事会でぜひ協議をいただくようにお願いをしたいと思います。

鴨下委員長 先ほどの理事会でも協議をさせていただきました。引き続き、今、委員の御意向を受けとめまして、協議を続けたい、こういうふうに思っております。

田島(一)委員 消費者庁が設置をされる段階から、この議論の場に参加をさせてもらってまいりました。

 課題はますます鮮明化し、国民、消費者の見解、意識は非常に高まりつつあります。昔から言い尽くされてきた、賢い消費者をつくるという言い方、またその言葉が持つ意味も、時代とともに随分変わってまいりました。

 消費者リテラシーという感覚を今後消費者庁が先導し、教育や、あらゆる場面で情報を読み取る、そしてしっかりと情報を提供させるという使命を担う、それがこの消費者庁の大きな役割であります。これだけ事件、事故が多発し、事故が起こってからでは遅いということは誰もが理解と認識をしている話でありますが、未然に事故を防止する、さまざまな不安を払拭していく、そのための消費者庁として、たゆまざる歩みが本当に進んでいるかどうかを検証する節目に来たのではないかと私は考えています。

 業界や団体だけの消費者庁であっては絶対になりません。そのことだけは、何としても胸を張って今後仕事をしていただきたい。そんな覚悟と決意をぜひ最後に御表明いただいて、質問を閉じさせていただきたいと思います。

山口国務大臣 先生御指摘のとおりだろうと思います。業界とか団体のためのということを言われないように、しっかり消費者行政を進めていくということがやはり一番大事なんだろう。いろいろと御指摘をいただきましたが、そういったことも踏まえて、期待に応え得るような消費者行政、しっかりと努めていきたいと思っております。

田島(一)委員 終わります。ありがとうございました。

鴨下委員長 次に、大西健介君。

大西(健)委員 民主党の大西健介でございます。

 今国会、消費者特別委員会は法案がありませんけれども、消費者行政、課題が山積をしております。そうした中で、きょう、こうして一般質疑の機会を設けることができましたことについて、まず冒頭、後藤田筆頭それから鴨下委員長に、御理解に感謝を申し上げておきたいというふうに思います。

 さて、本委員会で以前、我が党の中根委員や私も取り上げましたけれども、商品先物取引における不招請勧誘の禁止を一部解禁する省令については、私どもの強い反対にもかかわらず、六月一日に施行となっております。

 消費者委員会の河上委員長は、重層的な消費者保護が機能するか保証はない、しっかりとモニタリングをしていく必要があると述べて、苦情相談が増加に転じる兆しがあれば、直ちに省令を改正することを求めたいと述べたと聞いております。

 私は、河上委員長の言われることは正論だというふうに思いますし、ぜひこれは、省令改正がもう行われてしまったのでしようがないということで諦めるんじゃなくて、今後も、その後の状況というのを消費者庁としてもしっかりと監視をしていただいて、仮に、苦情相談が大幅にふえる、そういうことがあれば、山口大臣には、ぜひリーダーシップを発揮していただいて、消費者保護の観点から、省令の再改正を求めるというようなことも考えていただきたいというふうに思っておりますが、大臣、いかがでしょうか。

山口国務大臣 私も、先ほどの委員長の発言、まさにそのとおりなんだろうと思います。

 これは御案内のとおりで、この見直しにつきましては、経産、農水が主務省になりますが、省令におきまして、施行一年後を目途に、実施状況を確認し、必要に応じて見直しを行うというふうなことになっておりますが、以前にもお答えを申し上げましたように、もし、顧客保護に著しく欠ける状況、これがある場合には、一年を待たずに速やかに所要の措置を講ずるというふうなことになっております。

 そのために、今申し上げた主務省におきましても、トラブル一一〇番の設置とか事業者に対する重点検査の実施によって把握をする、そしてその状況は消費者庁の方に報告をしてもらうというふうなことになっておりますし、顧客保護に著しく欠ける状況が確認をされた場合には、主務省において見直しを検討するというふうなことになりますが、ただ、消費者庁におきましても、主務省のトラブル一一〇番を含む相談窓口の周知を行いながら、消費生活相談等の動向を注視して、必要に応じて、はっきりと主務省の方には申し入れを行っていきたい。

 今現在のところ、消費生活センター等の方には、今回の見直しの内容に関する消費者被害の御相談は来ておらないというふうなことであります。

大西(健)委員 ぜひ、消費者保護という観点から、主体的にしっかりと監視をしていっていただきたいと思います。

 この不招請勧誘の禁止ということについては、実は現在、消費者委員会の特定商取引法専門調査会においても議論になっています。

 訪問販売お断りの意思を明確にした人にまで飛び込みで勧誘する必要があるのかという意見や、私生活に突然入り込んで平穏な生活を害されること、攻撃的、欺瞞的な勧誘になりやすく悪質商法が多いこと、高齢者などは一人で対応することに不安があることなど、さまざまな問題点が指摘をされています。

 一方で、産業界の方からは、営業の自由を侵害する、消費者の商品選択の機会を減らす、地域の見守り機能が失われるなどの反論があります。

 資料の一をごらんいただきたいんですけれども、これは過去五年間の訪問販売における苦情相談件数の推移というものであります。見ていただくと、皆さんがなるほどと思われるようなものが挙がっていると思いますが、二〇一三年は二番になっていますが、ずっと上位、一位になっているのが新聞なんですね。

 私も、学生時代、ひとり暮らしをしているときに、アパートに新聞の拡張員の人が来て、ドアに足を挟んで、しつこく強引な勧誘を受けたという経験があります。女性や高齢者なら恐怖を感じるのではないかというふうに思われるような勧誘でありましたけれども、山口大臣は、新聞、あるいはここに挙がっているようなほかのものでも結構でありますが、しつこく強引な訪問販売で嫌な思いをされた経験がおありでしょうか。もしあるならば、お答えをいただきたいと思います。

山口国務大臣 ございます。

 例えば、新聞の勧誘にしても、私ども、立場、政治家ということもあるんでしょう、突如ベルを鳴らして入ってきて、あんたに一票入れたのでぜひとも新聞をとってくれとおっしゃるわけですね。そうなのかなと思いながらもお断りはするんですけれども、なかなか帰ってくれないというふうなことが何度かございました。

大西(健)委員 大臣からも今率直な御体験を御披露いただきましたけれども、新聞の販売に関する相談というのは、この十年間、毎年一万件前後で推移している。国民生活センターもそのことを問題視しています。

 資料の二をごらんいただきたいんです。「なかなか減らない新聞のトラブル」と題して、これは平成二十五年の八月ですけれども、消費者に注意を呼びかけるとともに、業界団体に対応を求めている。

 この中には、次のページですけれども、具体的な事例というのも紹介されております。

 例えば、事例の一。これは、十二年先までの契約をさせて、解約したいと伝えたら高額な景品代を請求された。そもそも、十二年分の長期の新聞購読契約というのは、私は異常だというふうに思います。また、事例三も同じでありますけれども、解約を申し出ると、高額な景品代や解約料を払えとおどされるというトラブルが多発をしている。それからさらに、事例の四のように、うその説明や強引な勧誘によって契約を迫る事例も多く見られる。特徴として、当たり前ですけれども、高齢者が多くトラブルに巻き込まれているということがあります。

 国民生活センターがこの文書を出して以降も、残念ながら、二〇一四年度も引き続き苦情件数は一万件を超えていて、顕著に減っているという傾向ではないということであります。

 新聞協会は、ガイドラインを定めて、業界としてしっかり対応していると説明していますけれども、相談現場からは、ガイドラインは守られていない、本気で改善する気があるのか、協会の認識は相談現場と乖離をしているという厳しい声が上がっております。

 この現状を見ると、不招請勧誘禁止までいくかどうかわかりませんけれども、そういうことも含めた抜本的な規制を検討せざるを得ない状況にあるのではないかというふうに考えますが、大臣、いかがでしょうか。

山口国務大臣 先ほど来、大西先生御指摘のように、訪問販売における消費者の苦情相談というのは高どまりをしていますし、その中でも、新聞に関する苦情相談はかなり多く寄せられておるというふうな状況でありますが、訪問販売等の勧誘に関する問題につきましては、消費者委員会の特商法専門調査会で、勧誘規制の強化を含めた幅広い観点から実は検討が行われておるところでございまして、この問題につきましては、今後もさらにしっかり検討していただく。

 引き続いて、これは専門調査会の審議の進捗を踏まえながら、特商法、特定商取引に関する法律の見直しを検討していきたいと思っております。

大西(健)委員 いずれ、その検討結果に基づいて国会にも特商法の改正が出てくると思いますが、今大臣も御自身の経験のことを言われましたけれども、それまでの間についても、またしっかりと我々としてもいろいろと意見を言っていきたいと思っています。

 今お話があった特商法の専門調査会ですけれども、先月の十日に、日本新聞協会の理事として読売新聞東京本社の山口社長が招かれて意見を述べた際に、複数の委員が笑った、意見を陳述している間に笑ったと。このことに関して山口社長が不快感を覚え、そして、山口大臣、板東長官、河上委員長に対して、同じ文面の抗議文書を内容証明郵便で届けられたということであります。

 抗議文書には、笑った委員の実名を記し、その適格性に疑問を呈するとともに、制止をしなかった座長の議事運営も不当として、公式見解を書面で回答するように求めるとともに、謝罪を要求しています。

 まず、この事実関係について御説明をいただきたい。あわせて、二十四日の調査会に河上委員長が出席をされて、この件については私が責任を持って対応させていただくと発言をされております。私は、委員長の発言ですから委員長御自身にお聞きしたかったんですが、河上委員長はきょうは御都合が悪いということですから、では、河上委員長がどう対応したのか、それから先ほどの事実関係について、消費者委員会の事務局からお答えいただきたいと思います。

黒木政府参考人 お答えを申し上げます。

 委員御指摘のとおり、六月十日の特商法の専門調査会での審議状況に関しまして、株式会社読売新聞グループ本社より、河上委員長宛てに抗議書の送付がございました。

 これに対して、委員長の対応でございますけれども、読売新聞グループ本社に対して、委員長名において回答書をお送りしたところでございます。

 その回答書の内容でございますが、事実関係を確認した上で、御出席いただいた参考人の方々が委員の挙動によって御不快な思いをされたという点について、遺憾の意を表し、今後そのようなことがないように配慮した議事運営を心がけたいという旨をお伝えしたものでございます。

大西(健)委員 確認ですけれども、それは、一方的に悪かったということで謝ったということなんでしょうか。それとも、一部笑いが起きたことについてはしようがない部分もあったというようなことは書いてあるんでしょうか。どうなんでしょうか。

黒木政府参考人 お答えを申し上げます。

 委員長のお考えといたしましては、私が理解しているところでは、議論の内容等、それはしっかり審議をしていただくということが重要であるけれども、それと関係のない、外部からお越しいただいた参考人をお迎えしてお話をお伺いする委員の態度において御不快な思いをされたという点について、大変申しわけないということをお伝えしたということでございます。

大西(健)委員 再度確認ですけれども、その回答で読売新聞社さんは御満足、御納得いただいているということなんでしょうか。

黒木政府参考人 お答え申し上げます。

 読売新聞グループ本社からは、委員長宛てに再度の御書面をいただいておりまして、これに対しても、委員長から重ねて、委員の挙動等によって不愉快な思いをされたということが残念であり、申しわけないというふうに考えているという旨を御回答申し上げているところでございます。

大西(健)委員 次に、同じことについて山口大臣にも抗議文書が届いたということです。大臣が先月二十六日の記者会見でこのことについて問われて、文書で抗議が来ている以上はきちんと対応したいと私自身は考えていますとお答えになっております。

 二週間以上たっていますので、大臣はどう対応されたのか、お答えいただきたいと思います。

山口国務大臣 当時、もし不快な思いをされたのであればというふうなことで、事務方にも、そこら辺の事実関係を調べて適切に対処していただきたいというふうなことは申し上げましたが、お話しのとおり、実は私の方にもその文書が参りました。

 これにつきましては、御案内のとおりで、消費者委員会は独立した第三者機関でございますので、事実関係を踏まえて当然適切に対応なされるものと考えておるというふうなことを回答させていただいた。六月の二十五日に私の方から読売新聞グループ本社の方に回答書を出させていただいたというふうなことであります。

大西(健)委員 先ほどと同じ確認ですけれども、その回答に対して先方は納得されているということなんでしょうか。それとも、再度何か、消費者委員会の方には再度文書が来たということでしたけれども、いかがでしょうか。

山口国務大臣 恐らく読売新聞グループ本社の方はほぼ御納得をいただいたんだろうなと思いますが、ただ、同時に、日本新聞協会とか、あと日本新聞販売協会の方からも同趣旨の文書が届きましたので、これに関しても、先ほど申し上げましたような内容で回答させていただきました。

大西(健)委員 確かに、私も、お招きをしておいて、意見を述べているのに笑うというのは失礼な話だとは思います。しかし、笑う側にもそれなりの理由があって、先ほど来私も申し上げてきたように、新聞の訪問販売に関する苦情相談が後を絶たない現状の中で、山口氏が、断られたけれども、やはりとっていただくということも現実には多々あるんですねという、法律違反の再勧誘というのを行っていることをみずから認めるような発言に対して委員が失笑してしまったということが事のてんまつのようであります。

 そうすると、私は、大臣に内容証明郵便を送りつけるというのはいささか行き過ぎではないのかなというふうに思います。また、このことは読売新聞から菅官房長官に対しても手紙で伝えられたということであります。

 今、新聞に対する圧力という問題が問題になっていますけれども、このケースでは反対に、政権にも近いと言われる大新聞によって、消費者委員会の委員が萎縮して、公正な議論が阻害されるおそれがあるのではないかという懸念がありますけれども、この点、大臣、どう思われますでしょうか。

山口国務大臣 今先生の方からもお話がありましたように、やはり参考人としてわざわざ来ていただいた方に失礼がないように対応する、これはもう当然のことでありますので、そういった意味で、河上委員長の方からも、外部からお越しいただく方々をお迎えする、その姿勢の面で失礼がないように消費者委員会を今後とも運営してまいりたいと先般専門調査会の場で発言をなさっておられます。そういうことなんだろうと私も理解をしております。

 一方におきまして、審議の内容の面につきましては、今後とも委員の専門的な知見を生かして適切に審議を行っていただけるものと信頼を申し上げております。

大西(健)委員 先ほども大臣は、これは消費者委員会が第三者委員会として対応されることだとおっしゃいましたけれども、そうであるならば、やはり座長の議事運営、制止しなかった議事運営が問題だとかというので大臣宛てに内容証明郵便で抗議が来るということになると、まさに専門家が自由闊達な議論をするということを萎縮させてしまうおそれも否めないというふうに私は思いますので、失礼があったことについては、これはおわびをしなきゃいけないというふうに思いますが、そういう萎縮効果を与えることがないように御配慮をいただきたいなというふうに思います。

 次に、テーマをかえまして、トランス脂肪酸についてお聞きをしたいと思います。

 私は、昨年十月に本委員会において、その前にも質問しているんですけれども、やはりこの問題を取り上げて、コアラのマーチという日本でも売られているお菓子、これがカナダとか台湾とか香港でも売っているんですけれども、カナダや台湾や香港で売っているものはちゃんとトランス脂肪酸の含有量が表示をされているのに日本は表示をされていない、これはおかしいじゃないか、同じ子供を守るということにおいては日本でも表示したらいいんじゃないですかということを当時の有村大臣にお尋ねしました。

 そのときの有村大臣のお答えは、我が国においては、通常の食生活では健康への影響が少ないとされているために、公衆衛生上の懸念となっているとまでは言いがたく、現時点では、トランス脂肪酸の表示を義務づける状況にはないと答弁している。

 例えばアメリカと比較すると、日本人の食生活なら安全レベルだということなんですが、ただ、私は、そのときと現在では事情が変わったと思っています。

 というのは、米国の食品医薬品局、FDAは、三年後にトランス脂肪酸の食品添加物使用を原則禁止することを決定しました。資料の三に関連の記事をつけておきました。

 確かに、日本と米国で食生活の違いがあるので、アメリカは禁止したけれども日本は禁止まではしないよ、これは私は理解できるんです。ただ、米国が禁止までしている成分がどれぐらい含まれているのかさえわからないというので本当にいいんでしょうか。

 もし表示があれば、消費者は、トランス脂肪酸の含まれた食品をみずからの選択で避けることもできますし、自主的に摂取量を調整することもできます。しかし、現状では、日本の消費者は、米国で禁止されている物質が含まれているかどうかを知ることさえできない。商品選択の基礎になる必要な情報が与えられていないのが現状だというふうに思います。

 FDAによる添加禁止の決定を受けて、私は、ぜひ山口大臣の御英断で、山口大臣はこの委員会の答弁においても本当にしっかりと、ただ答弁書を読むだけじゃなくて御自身の考えを言っていただいていますので、我が国でもトランス脂肪酸の表示を、三年後アメリカで禁止される、これを受けて再度御検討いただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。

山口国務大臣 御案内のとおりで、ことしの四月からのいわゆる食品表示の義務化でありますが、これは、食品表示基準に従った表示がされていない食品の販売はできない、あるいは、食品表示基準の違反は罰則を伴う可能性があるということなどを踏まえまして、消費者の求める情報提供とか事業者の実行可能性等を慎重に検討の上、判断をしていく必要があるんだろうと思っております。

 そういう中で、お話しの、コーデックス委員会等のことがございますが、これは同じような答弁になってしまうわけでありますが、世界保健機構の勧告基準、摂取エネルギー比の一%未満、これを実は大きく下回っておりまして、通常の食生活では健康への影響が小さいというふうに考えられておりますので、消費者庁としても、公衆衛生上の懸念となっているとまでは言いがたいというふうに考えております。

 ただ、御指摘のとおり、これは原稿にございませんが、恐らく、消費者も個々いろいろ摂取量が違うんだろうと思うんです。そういったことも踏まえて、いま少しいろいろな状況を見せていただいて、やはり御指摘のような方向で検討していきたい、考えてみたいと思います。

大西(健)委員 大臣の御答弁のとおりで、この新聞記事の下の段でも、富山短大の竹内教授は、「ごく少数だが、トランス脂肪酸の含有量が度を超えて高い商品もある。WHOの勧告を超える量を食べてしまう可能性もある。」と。

 私が申し上げているのは、禁止をしろとまでは私は申し上げません。ただ、消費者が選択をするための情報が与えられていない、アメリカで禁止されているものが含まれているのか含まれていないのかもわからないというので本当にいいんでしょうかということですので、ここはぜひ大臣のリーダーシップで検討をいただきたいというふうに思います。

 次に、消費者委員会は、先月の九日ですけれども、特定保健用食品、特保等のあり方に関する専門調査会の設置を決めました。

 特保制度は、できて二十年が経過をしております。また、先ほどもお話がありましたけれども、四月からは機能性表示食品の制度も始まりました。改めて特保の位置づけを見直す時期が来ているんじゃないかなというふうに私は思っております。

 そして、その検討に当たっては、規制改革会議の健康・医療ワーキング・グループが規制緩和を求める方向でいろいろ意見を言われているようですけれども、私は、特保の現状が本当に消費者の利益になっているのかという観点から、ぜひ見直しを行っていただきたいと思っています。

 例えば、体脂肪を減らすとか、脂肪の吸収を抑える、こういった特保飲料というのを皆さんも一度は飲んだことがあるというふうに思います。私も、例えば、国対で弁当が出るときにお茶が添えてあるんですけれども、国対の冷蔵庫から黒烏龍茶を出して、かえて飲むようにしているんです。まあ、無駄な抵抗だなというふうに思っているんですが。

 資料の四というのをごらんいただきたいんですけれども、今、特保のコーラというのもあるんですね。このコーラは、難消化性デキストリンという成分を配合していて、食事の際の脂肪の吸収を抑えるということですけれども、問題は、吸収を抑えるといっても、程度なんです。

 ここにもありますように、被験者十人に日本人の一日平均摂取量に相当する一日五十五グラムの脂質を摂取してもらい、便の中の脂質量をはかる効果試験を行いました。結果、同成分を十五グラム摂取したグループの脂質排出量は、摂取しなかったグループよりも〇・六七グラム多かった。しかし、コーラ一本に難消化性デキストリンというのは五グラムしか含まれていない。ですから、脂質排出量の差も三分の一ですから、わずか〇・二二グラムにとどまることになる。つまり、CMや広告を見ていると、油っこい食事をしても、これさえ飲んでおけば脂肪のとり過ぎが帳消しになると勘違いしてしまう人がいるかもしれませんけれども、それは大きな間違いだということであります。

 このような、ほとんどないと言うとちょっと言い過ぎかもしれませんが、効果について消費者に過大な期待を抱かせる特保ビジネスのあり方について大臣はどうお感じになっているか、お答えいただきたいと思います。

山口国務大臣 特保でありますが、私も実は、製品名は言いませんが、あるお茶を一生懸命飲んでおりまして、おかげでコレステロールが下がったかなと思ってドックへ行きますと、全然下がっておりませんで、こういうものなんだろうというふうに思ったわけですが、これは、御案内のとおりで、医薬品の服用とは明らかに違うわけです。やはり、主食、主菜、副菜、これを基本にバランスのとれた食事をするというふうなことが重要でありますので、特保についても、その旨の表示を義務づけた上で、健康の維持増進に資する保健の用途の表示を認めておるというふうなことであります。

 これは、消費者が商品を選択するに際しては、特保の制度の趣旨とか、あるいはバランスのとれた食生活の必要性についてもしっかり御理解をいただきながら摂取をしていただくというふうなことが大事なんだろうと思いますので、そこら辺も含めて御理解をいただけるように進めてまいりたいと思います。

大西(健)委員 この点、私は、やはりCMとか広告のあり方が一つ問題あるんじゃないかと思っています。先ほど、田島委員の質問の中でもそういうお話がありました。

 私の資料の最後に、資料五で「専門家がスレスレ広告を作ったら」というのを挙げておきましたけれども、痩せるということはどこにも書いていない、架空の商品の例ということです。

 商品名は、アルファベットでYASERUNDES、でも、これはそのまま日本語で痩せるんですと読んじゃいけないということなんですね。

 次に、体言どめの表現がいっぱい使われている。例えば、「補給。」とか「さようなら。」とか書いてあるんですね。「「脂肪」「塩分」「カロリー」はさようなら。」と書いてありますけれども、ただ、補給できるとか、さようならできるとは書いていない。だから、補給しなくちゃ、さようならしなくちゃという程度の意味にすぎないという言いわけになっている。

 あと、「ダイエットのおともに。」と書いてありますけれども、ダイエットのお供をするだけで、お供にしたらどうなるかは書いていない。お供にしたら痩せるとは書いていないんですね。お供にとだけ書いてある。

 さらに、「カロリーオフ」という表示があるんですけれども、百ミリリットル当たり二十キロカロリー以下ならオフ表示ができるということになっているんですけれども、百ミリリットル当たり二十キロカロリーですから、五百ミリリットルのペットボトルを一本飲めば百キロカロリーになって、全然カロリーオフじゃない。

 こうした実際の効果を上回るイメージを抱かせるCM、広告が氾濫している、これがやはり一つ問題じゃないかと思うんですけれども、大臣、これを見ていただいて、こういう現実をどう受けとめられるでしょうか。

山口国務大臣 先ほどもお答えをしたように、商品等について、どこをどういうふうに強調して広告をしていくかということは、これは事業者の自主的な判断ではありますけれども、一般消費者の誤認とか誤解を招かないようにしていただかなければ困るわけで、やはり適正な情報提供に努めていただくということが大変重要な話なんだろうと思います。

 一般消費者の自主的、合理的な商品選択を阻害するような表示につきましては、景品表示法、これが不当表示として規制を行っております。御指摘のようなコマーシャル、広告についても、景品表示法の問題が認められれば、個別の事案ごとに厳正に対処してまいりたいと思います。

 例えば、テレビのコマーシャルですね。先ほどお話があった何とかウーロンとか、いろいろあります。バランスのとれた食事とともにというのがあったのかどうか定かではありませんが、やはりそこら辺もきちっと出していただかなければ、消費者の誤解を招くということにもなりかねません。

 実は、消費者庁の方にもそこら辺をしっかりまた検討するようにというふうなことで私の方からも申し上げているところでございまして、誤解を招かないような広告のあり方をぜひともお願いいたしたいと思っております。

大西(健)委員 時間が来ましたので、本当はあと一問残しているんですけれども、先ほどお話があった一八八番、「いやや」の短縮ダイヤルですけれども、これは、運用されても、土日の相談体制が脆弱じゃないかという御指摘があります。

 全国の消費生活センターのうち、土日ともに開設しているのはわずか五%ということで、全自治体の五割から六割の相談電話は国民生活センターに転送されるということですけれども、その受け皿の回線も、私が聞いているのは十二回線と聞いているんですけれども、十分じゃないじゃないか。これでは、電話をかけても、せっかく一八八でかけやすくなってもつながらないということになってしまうんじゃないかという御指摘がありますので、土日の体制をしっかりとまた充実させていただきたい、このことを最後にお願いしまして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

鴨下委員長 次に、重徳和彦君。

重徳委員 維新の党の重徳和彦です。よろしくお願いいたします。

 現在、内閣府消費者委員会特定商取引法専門調査会で、訪問販売、電話勧誘販売における不招請勧誘規制のあり方が議論されているんですね。不招請、招かざるということなんですが、招請していないという意味で、不招請勧誘ですね、そういう規制のあり方が議論をされております。

 頼んでもいないのに訪問してくるとか、頼んでもいないのに電話してくる、これは営利目的でありますので。非営利目的であれば、政治家は誰しも、選挙で電話作戦をやったり、個別に回ったりということがよくあるので、かなり状況はここの委員会にいらっしゃる皆さん方はイメージしやすいと思うんですね、その場面では。

 ですが、消費者団体は、訪問販売業者による勧誘をあらかじめ断りたい。当然、消費者側としてはそういうニーズがあるわけですね。消費者団体は、例えば訪問販売お断りのステッカーの配布をしたりしております。

 ところが、もちろんそれはありがたいという評価を得られる一方で、ステッカーを張ってしまったので、ここは狙い目のお年寄りが住んでいる、ひとり暮らしの、認知症かもしれない、カモじゃないかというふうに逆に悪質業者から狙われる、こういう受けとめもあるということでございます。実際、追跡調査を行っても、ステッカーに効果があると回答した人は割と少なくて、利用者の三割程度だという調査もございます。

 いずれにしても、今の法規制、特定商取引法による法規制ではなかなか十分消費者を守り切れていないんじゃないかというような状況がございます。

 そこで、まずお尋ねいたします。

 特定商取引法、これは昭和五十年代からありますけれども、この間、何度か改正されて、電話による勧誘に規制がかかったり、あるいは、平成二十年には、一度勧誘して断られたにもかかわらずまた勧誘する、再勧誘を禁止するとか、こういった規制が順次追加されているわけなんですが、この規制の経緯。それから、最近、この見直しに当たりまして調査をされていると思います、消費者の受けとめ方の調査。この辺の状況について御説明をいただきたいと思います。

    〔委員長退席、とかしき委員長代理着席〕

服部政府参考人 お答えさせていただきます。

 まず、訪問販売の勧誘規制についてでございますが、御指摘のとおり、平成二十年の特商法改正におきまして、一つは、相手方が勧誘を受ける意思があることを確認することの努力義務、二つ目といたしまして、売買契約または役務提供契約の締結をしない旨の意思を表示した者に対して当該売買契約または当該役務提供契約の締結について勧誘を禁止する、いわゆる再勧誘の禁止を導入しております。

 次に、電話勧誘販売についてでございますが、平成八年の法改正におきまして規制対象に位置づけられたわけでございますが、規制導入当時から、いわゆる再勧誘の禁止を規定しております。

 それから、最近の勧誘に関する調査でございますが、消費者庁におきまして、訪問勧誘及び電話勧誘に関する消費者の意識調査を本年三月に行ったところでございます。この五年間で、訪問勧誘、電話勧誘を受けたことがある者は、それぞれ、約七〇%と約二七%でございました。いずれも、約九六%の消費者が、勧誘を全く受けたくないと回答しております。

 以上でございます。

重徳委員 つまりは、規制が導入をされ、また強化をされてきたわけでありますが、依然として、これは合法的か違法的かはともかくとして、電話あるいは訪問による勧誘というのがあって、しかも、多くの、むしろほとんどの消費者はそれを望んでいないという傾向がわかるわけでございます。

 特に、最近深刻なのは高齢者ですね。認知症の高齢者が特に狙われて、オレオレ詐欺なんかもありますね。新しい類型の犯罪形態もさらに加わる一方で、なかなか状況が改善されない、こういうことだと思うんですが、高齢者の被害の現状について詳しく御説明いただきたいと思います。

服部政府参考人 お答え申し上げます。

 PIO―NET、全国消費生活情報ネットワークシステムによりますと、二〇一四年度の訪問販売に関する相談の五割以上、電話勧誘販売に関する相談は六割以上が六十歳以上の高齢者からのものでございます。

 特に六十五歳以上の高齢者につきましては、訪問販売と電話勧誘販売のいずれにおきましても、契約購入金額、既支払い額ともに全年代の平均額よりも高額になる、そういう傾向がございます。

 以上でございます。

重徳委員 実は、この不招請勧誘というのは、大別して、今は電話と訪問販売だけを最初から申し上げましたけれども、広くとれば、ダイレクトメールもあるし、電子メールもあるし、それからファクスという形もあるでしょう。これは、いわばリアルタイムな対面式ではないという意味で、違うと思うんですが、ちょっと話を整理するために、電話とか訪問というリアルタイムな勧誘形態についてはこの後議論を進めますが、このリアルタイムでない部分につきまして、きちんと規制がなされているのか、あるいは今後どうしていくのかということについて、一旦ここの整理をさせてください。よろしくお願いします。

服部政府参考人 お答え申し上げます。

 今、具体的に三つ御指摘がございました。

 まず、電子メール広告についてでございますが、特商法ではいわゆるオプトイン規制を導入しており、承諾を得ていない消費者に対しては、原則として、通信販売等に関する電子メール広告を送付できないこととなっております。

 次に、ファクス広告でございますが、特商法では送信行為自体に規制はございません。

 それからもう一つ、ダイレクトメールでございますが、この送付につきましても特商法での規制はございません。

 以上でございます。

重徳委員 わかりました。基本的には、ダイレクトメール、つまり郵送によるもの、あるいはファクスというものが規制がない。電子メールはオプトインですね。

 この後、オプトイン、オプトアウトを議論したいと思いますが、オプトイン、つまり、好んで来てくれというもの以外はだめだよ。だから、原則禁止のことをオプトインといいますね。それから、オプトアウトは、自分で選んで、うちはだめだというふうに言うわけですから、原則禁じられていないんだけれども、特に意思表示をしたところには勧誘しちゃいけない。これがオプトアウトであります。

 日本では、今御説明のあったような規制の程度でありまして、余り実効性がないんじゃないかという指摘もされているわけですが、実は、先進各国ではかなり規制が進んでいる国が多いと聞いております。

 電話勧誘については、レジストリーというんですね、登録をして、業者も、その登録された名簿に基づいて、やっていいこと、悪いことがきちんと規制されている、こういうようなことも伺っておりますが、この点についても、オプトイン、オプトアウトなど、各国の規制の導入状況について御説明いただければと思います。

    〔とかしき委員長代理退席、委員長着席〕

服部政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、電話勧誘販売についてでございますが、ドイツやオーストリア等のように、勧誘を行うことについて同意する意思を登録した消費者以外への架電を禁止する例、先ほど御紹介いただきましたオプトイン規制がございます。

 また、アメリカやイギリス等のように、勧誘を拒絶する意思を登録した消費者への架電を禁止する例、御紹介いただきましたオプトアウト規制でございますが、存在いたします。

 次に、訪問販売についてでございますが、アメリカの自治体やオーストラリア等において、勧誘を拒絶する意思を登録したり、勧誘お断りのステッカーを貼付した消費者に対して勧誘を禁止する例が存在しているというふうに承知しております。

重徳委員 さて、ここからなんですが、今、消費者委員会の専門調査会で議論されているところであるということでございます。

 訪問販売、電話勧誘販売については、これは恐らく多くの皆さんが実感として感じることだと思いますけれども、確かに、基本的には、消費者の意識調査のとおり、迷惑だな、別に必要もないときに電話がかかってくる、訪問してくる、商品そのものが必要ないのはもちろんのこと、家族で団らんしているときに突然電話とか訪問が来ること自体が迷惑であるというような意識であることが多いと思います。ですが、多くは、九割方はそうなんだけれども、数%の方々にとっては、ちょうど欲しかったものが販売に来たということもあり得るでしょう。

 それから、商品によりますね。例えば新聞なんかだと、自分の経験に照らしても、わざわざこっちが何々新聞を何カ月とりますなんということを発注するよりも、向こうが、とってくれ、こういう特典をいろいろつけますから、野球のチケットをつけるから、そういうようなことで勧誘しに来ることがあって、そこに応じる形にした方がお得じゃないか、いわば常識だというような感覚もあると思います。それとて迷惑な方ももちろんいると思います。もうほかの新聞をとっていますから要りませんと。断るのが苦手な日本人が多いですから、やはり基本的には迷惑だと感じることも多いと思いますが、中にはそういうこともあるでしょう。

 それから一方で、営業する側も、営業の自由が基本的には認められております。業界によりますし、会社によりますし、あるいは会社の経営者の姿勢にもよるでしょうけれども、若い者は会社に入ったらまず一件でも契約をとってこい、契約がとれるまできょうは帰ってくるなというぐらいの厳しい、営業マンを鍛えるような姿勢の会社もあろうかと思います。

 その意味で、一般的には今審議官の方から御紹介があったような消費者意識であろうかと思いますが、それでも、数%かもしれませんが、必ずしも迷惑じゃないようなケースもあるかもしれない。それから、営業する側からすれば、一つの重要な営業ツールを余り規制されても困ってしまうというような意見もあると思います。

 このように、規制の範囲についてはこれまで累次規制が積み重ねられてきましたし、それから、特に、平成二十年には商品、役務を指定するということを一旦撤廃していますから、商品別に、類型別に規制を変えるというのもこれからはちょっとしんどいのかもしれませんが、このあたり、全体的に今どんな検討状況、あるいは課題があるんでしょうか。大臣から御答弁いただければと思います。

山口国務大臣 基本的には、今、重徳先生の方からもお話がありましたように、専門調査会でかなり幅広い観点から検討が行われておりまして、今後もさらに議論をされるというふうに聞いております。

 今お話しいただきましたように、確かに、不招請勧誘ではあるんだけれども、これによって得をしたな、よかったなというふうなこともあり得るのかもわかりません。特定の商品については積極的に勧誘してほしいということもあり得るのかもわかりません。仮に勧誘規制を強化してしまいますと、事業者が営業活動の方法を変更せざるを得なくなるというふうなことも確かに考えられるんだろうと思います。

 ですから、そういった勧誘のあり方の問題につきましては、やはり関係者の御意見を十分にお伺いしながら、購入者の利益保護及び特定商取引の適正化というふうな特商法の法目的にかなうような制度のあり方を検討していく必要があるんだろう。基本的には、今の専門調査会の議論を見守りたいというふうなことではあります。

重徳委員 余り具体的な御答弁ではなかったんですけれども、実際検討中であることは事実だと思います。

 少し具体的にお尋ねしたいと思います。

 各先進国においては、オプトイン、オプトアウトという形でさまざまな規制が導入されている、現に規制されているということもあります。

 日本は、いわば営業の自由を全面的に認めているというような傾向があると言えると思うんですね。一方で、消費者。この場は消費者の権利を守る消費者特別委員会でありますので、もう少し消費者側に立った議論が必要じゃないかと思うんです。

 具体的には、各国では、電話勧誘拒否、ドゥー・ノット・コールの制度、それから訪問販売拒否、ドゥー・ノット・ノック、ノックをして訪問するな、こういう制度があるわけでございまして、ちょっと具体的に二点、指摘というか論点を挙げてみたいと思うんです。

 一つは、先ほどちょっと冒頭触れましたように、オプトアウト、うちには来ないでくれという登録をした場合に、その来ないでくれと言う人というのは、基本的には勧誘に弱い、まあ迷惑だという意味もありますけれども、最初に申し上げましたが、カモじゃないか、この家は、この人は、こういう個人情報リストにもなろうかと思うんです。

 このカモリストになりかねないというオプトアウトを導入する場合の留意点といいましょうか課題をどう捉えておられるかということが一つ。

 それからもう一つは、訪問販売お断りのステッカー、先ほどこれも申し上げました。

 ステッカーもいろいろ論争があるんですね。実は、調べてみますと、過去、ステッカーそのものの効力について、今維新の党の最高顧問をやっておられます橋下徹当時大阪府知事が、そのステッカーを張るだけで、一発目からだめだ、一回訪ねて断られてもう一回行くのはもちろん今禁じられていますけれども、そのステッカーが張ってあれば最初からだめだ、意思表示しているんだから、こういう解釈に基づいた条例を大阪府でつくった。したがって、特商法上は、ステッカーが張ってあっても、一発目はいいというか許されるよ、だけれども、やはり正式に断られたら二回目はだめというのが消費者庁ルール。それから、大阪府ルールは、ステッカーを張ったんだから、そこはもう一発目から勧誘しちゃだめなんだ、こういうルール。

 いろいろ論争がある中で、消費者庁も通知を出しておられますね。大阪府の、自治体のルールについて、通知を出しておられまして、これも有効な手段だよというふうに認めておりまして、特商法と相互に補完し合うような形だね、それから、事業者は、商道徳として、そのような消費者意思を当然尊重する必要があるんだ、国としては、法律上は一律禁止はしないけれども、各条例における取り扱いは認めるよ、こんなような論争があったような経緯もあるんです。

 そういうステッカーをどのように扱うかということも含めて、オプトイン、オプトアウトのレジストリー方式、名前を登録していく、そういうやり方について今後どういうふうに臨んでいかれるのか、これは少し具体的にお答えいただきたいんですけれども、お願いします。

山口国務大臣 基本的には、先ほども申し上げましたように、これは専門調査会の皆様方に予断を持たれても困りますし、やはりしっかりそこは御議論いただくというふうなことが原則であろうと思います。

 ただ、先生御指摘のいろいろな手法についても議論をしておるというふうに聞いております。ステッカーにしても、今御指摘がありましたように、やはり張っておるということはカモかなと思われるということもあったりするんだろうと思うので、そこら辺の功罪といいますか、どこら辺をしっかりと補完すれば十二分にその役割を果たしていけるのか等々も含めた、まさに多面的に御議論を今いただいておるところでございます。

重徳委員 今の大臣の御答弁の感じからすると、かなりこれはセンシティブな話、取り扱いなのかなということも感じられます。

 しかし、繰り返しになりますが、各国ではもう既に導入して、もちろん課題もありましょうけれども、やはりどんどん規制を進化させているわけですよね。我が国は、営業する側の自由、権利ばかり認めて、消費者側が本当に迷惑だ、さらに、高齢者の被害がこれだけ拡大している、こういう状況、時代にあるわけですから、それに応じたきちんとした、毅然とした対応をしなきゃいけないと思います。

 一つつけ加えれば、最初から断られるような消費者のところにわざわざ訪問していったり、あるいはわざわざ電話したりというのは、営業の効率化という意味では、非効率な部分を、状況がわかれば、かえって効率化されるという面が大きいんじゃないかと思うんです。

 選挙のときも、最初からあんたなんか応援しないよというところにわざわざ電話するだけ無駄だし、電話作戦をやってくれるボランティアの方にもただ不快な思いをさせるだけですから、非常に効率も悪いと思うんですね、まあ関係ない話ですけれども。

 そういう意味では、オプトイン、オプトアウト、どちらかというとオプトアウトから入るのかなと思いますが、オプトアウト、オプトイン、こういった具体的な施策を進めていただきたいと思います。そして、そのときに大事なことは、消費者側の意識の問題だと思います。我が国に決定的にこれまで足りてこなかったのはそういう消費者側の立場ですから、消費者庁としてはその立場をぜひとも強く押し出すような政策を展開していっていただけることを期待いたしております。またこの問題は取り上げたいと思います。

 ありがとうございました。

鴨下委員長 次に、木内孝胤君。

木内(孝)委員 維新の党、木内孝胤でございます。

 本日は、トランス脂肪酸、そして牛肉の表示方法について、さらには温泉での入れ墨、タトゥーについて、この三点についてお伺いをしたいと思います。

 先ほど吉田委員の質問の中で、国際化の進展に伴う、消費者行政を取り巻く環境が大きく変化しているという話がございましたけれども、きょう私が質問する三つの点も、やはり国際化の進展とともに大きく状況が変わっているのだなと改めて思っているところでございます。

 例えば、先月末、六月末に、米国議会におきましてTPA法案が可決されました。そして、たしか本日からだと思いますけれども、TPPの事務レベルでの協議が再開をしております。

 そして、最近、中国を中心として観光客が増大しております。円安、あるいは関係者の御努力の成果で、前年比で見ると大体一・四倍とか一・五倍ぐらいと非常に大きな伸びを見せている状況でございます。結果として、旅行収支も五月は単月で過去最大になっておりますし、観光客も昨年は最大で千三百万人、こういう状況でございます。

 さらには、オリンピック・パラリンピック二〇二〇もございますので、外国からの消費者を無視した消費者行政というのも非常にやりづらくなっているのだなと思っております。

 こうした中で、先ほど大西委員からも質問がございましたけれども、トランス脂肪酸についてお伺いをいたします。

 状況の変化が非常に大きくあったということで、消費者庁として、表示義務の取り組み、これを変えるべきではないかというような質問がありまして、それに対する答弁が既にございました。

 そもそも、米国の食品医薬品局、FDAが十六日に、いろいろ大幅に制限をするという措置の内容、これをどこまで消費者庁として把握しているのか、この点についてお伺いをいたします。

川口政府参考人 お答え申し上げます。

 米国食品医薬品庁、FDAが六月十六日にニュースリリースをしているということで、私ども、そのニュースリリースを入手しまして仮訳等をつくっているところでございますが、私どもが理解するところ、そのポイントは、トランス脂肪酸が多く含まれると考えられる部分水素添加油脂につきまして、従来は承認が必要でなかったけれども、今後につきまして、期限があるわけでございますけれども、使用許可が必要になる、そういう趣旨の発表であるというふうに理解をしているところでございます。

 ちなみに、三年間の猶予期間が設定されている、それがポイントであろうかと理解しております。

木内(孝)委員 制限をされています製品を見ますと、電子レンジでつくるポップコーン、クラッカー、クッキー、パイの皮、こうしたもの、加工食品に使用する場合は当局の許可を得ることが義務づけられたとなっております。

 ある意味、非常に厳しい制限がかかったという理解でございますけれども、先ほどの大臣の答弁におきまして、消費者における表示の必要性、事業者における表示の実行可能性、それから国際整合性の全てを満たすものにつきまして義務表示といたしたところでございますとなっておりますけれども、今回の変化でかなり大きな事象の変化があると思います。

 例えば、消費者における表示の必要性と国際整合性というこの二点におきましてはかなり大きな変化があったと思いますけれども、先ほどの質問と若干かぶるかもしれませんけれども、改めて、消費者庁として、表示義務を課すという方針に変更する御予定、あるいは見直しのタイミング等、お考えがございましたら、御開示をお願いいたします。

川口政府参考人 お答え申し上げます。

 若干、背景から御説明させていただきますと、本年四月に食品表示法が施行されました。このための食品表示基準につきまして、時間をかけて議論されたわけでございます。消費者委員会でも、諮問し、答申をいただいた上で決定しているところでございますが、そこで初めて栄養成分表示を義務化したということでございます。

 その際、栄養成分表示の何を義務化するかにつきましての基準ということ、これは、個々にというよりは横断的な基準を設けたということでございまして、そのときの基準が、先ほど大臣から答弁申し上げた三点ということで、消費者における表示の必要性、それから事業者における表示の実行可能性、国際整合性、その三点の全てを満たすものについて義務づける、そういう考え方になっているわけでございます。

 このうち、消費者における表示の必要性でございますが、これは、主として国民の摂取状況、あるいは生活習慣病との関連ということを考えております。それから、三点目の国際整合性につきましては、コーデックス委員会の栄養表示ガイドラインということで、摂取量の水準が公衆衛生上の懸念となっている国では表示を検討すべきというふうにされているということでございます。

 諸外国の状況も見ておりますが、単にどこの国がやっているか、義務づけているかということだけではなくて、個々の国における当てはまりということを検討すべきという考え方に立っております。

 そういう点におきますと、今般の米国の決定において、この三点の基準からして、大きな変化があったというふうには認識をしていないということでございます。

木内(孝)委員 国それぞれに食習慣があったり、いろいろ状況の差があるということは重々承知しておりますし、過去の質疑の議事録も全て拝見はしておりますけれども、やはり今回の米国のこの規制というのは非常に大きな状況の変化だと思っております。日本の食の安心、安全というのは、ある意味、非常に大きなブランドとなっております。世界文化遺産登録もされています。

 こうした状況の中で、米国でこれだけ話題になって、これだけ強い規制がかかっているもの、これを日本で別に規制しろということを申し上げているわけではございません。あくまでも表示をするということに関して、それすらもできない、あるいは、今の答弁からいいますと、非常に軽く見過ぎているのではないかという強い印象を受けましたけれども、こんな認識でよろしいのか。これは大臣にお伺いいたします。

山口国務大臣 先ほども大西委員にお答えをいたしましたけれども、考え方としたら、今次長の方から答弁があったとおりでありますが、ただ、御指摘の、これからどんどんさらに国際化が進んでいく、インバウンド等の急増も見込まれるというふうな中で、やはりグローバルな発想というのもより必要になってくるんだろうと思いますし、それから、例えば、極端な例ですけれども、毎日朝から晩までポップコーンを食べる人もないとは限りません。

 そういった個々のさまざまな状況もあるんだろうと思いますので、そこら辺はさらに状況をしっかりモニタリング等精査をしながら、この問題については検討していきたいと思います。

木内(孝)委員 私は四月に健康診断を受けまして、ずっととりに行っていなかったら、きのうたまたま届いて、見ましたら、ここ三回ぐらい続けて私はいわゆる基準値外の星がついていなかったんですが、一つだけ星がついておりまして、それが悪玉コレステロールでございます。

 御存じのとおり、トランス脂肪酸というのは、悪玉コレステロールをふやして善玉を減らす効果があるというふうな評価がございます。これは、予防医療の観点からも非常に大切な、表示義務を課すべきだと思っておりますので、今もう既に何回もやりとりがありましたので、これ以上申し上げませんけれども、ぜひ、せめて表示義務にするということ。

 今後、TPPに関しては、恐らくこの部屋の方も、多くの分野があって、食品に限らず、いろいろなことで賛否が分かれているんだと思うんです。その中で、できるだけいい形で成果を上げるためには、そういうことを一つ一つ丁寧に進めていかなければならないときに、これだけ大きな変化があったことに対して今のような答弁だと、今後のTPPも含めて、さまざまな交渉分野において私は不安を覚えるところでございますので、そこはぜひ、国際的な観点、そして日本の消費者を守る観点から、前向きに御対応いただければと存じます。

 続きまして、食肉の表示についてお伺いをいたします。

 私も米国の会社に勤めておりましたので、割合と海外の出張等が多うございまして、やはり外国人が日本に来ますと、必ず食べに行きたいものは、和牛を食べに行きたいと。

 私は、和牛と国産牛の定義の差等々はわかっておりますけれども、スーパーマーケット等で売っているときの表示は、食肉は、国産か原産地かとかグラム数が明確に表示されておりますけれども、レストランに行きますと、これが国産牛なのか神戸牛なのか何なのか全くわからない状況になっております。

 ここに義務化をというのは、正直、私はなかなかハードルが高いとは思うんですが、慣習として、何とか外国人でもわかりやすい表示方法、あるいは日本人も含めて消費者がわかりやすい表示方法、私は、このまま放置しておくと、製造日を含めて、また大きな第二の食品偽装事件というのが出てくるのではないかと思っておりますけれども、こうした点につきまして、牛肉の表示方法についての御見解をお伺いいたします。

岡田政府参考人 食品の原材料等の情報は、委員の御指摘は食肉でございますけれども、消費者が商品を選択する上で重要な情報であるというふうに考えております。

 委員も御指摘のとおり、外食につきましては、なかなか提供される食品の種類も多く、食材をそのたびごとにかえるということになりますと、表示が非常に難しいということがございます。したがいまして、外食につきましては、食品表示法に基づく表示の義務づけの対象外としているわけでございます。

 一方でまた、こうした情報は消費者の商品選択における関心事項の一つでございますので、例えばでございますけれども、事業者におきましては、農林水産省で、外食における原産地表示に関するガイドラインなどが定められておりますので、こういったものも参考にしていただきまして、自主的に情報提供に取り組んでいただくことが大変重要かなというふうに思っております。

木内(孝)委員 外食産業におけます義務化というのはなかなかハードルが高いということは承知しておりますけれども、ぜひ、消費者が誤って自分の意図しない牛肉を食べてしまうことのないような、これはなかなか、自主的な努力を促す以外にはございませんけれども、その点の御努力をお願いしたいと存じます。

 三つ目の質問に移りたいと思います。

 外国から千三百万人の観光客が来たということで、非常に喜ばしい状況だと歓迎はしているんですが、実は、例えば中国人がアメリカに旅行した際と比較しますと、消費している金額というのが半分ぐらいではないかというような推計もございます。そういう意味でいうと、日本のさまざまな伝統文化に触れていただいたりという中で、私は、温泉というものは非常に有効な観光資源だと考えております。

 ただ一方で、私も外国人の友人と温泉に行こうとすると、本人には聞きづらかったりもするわけですけれども、たしか、彼あるいは彼女はタトゥーが腕に入っていたのではないかというようなケースがありまして、そうしますと、なかなか温泉に一緒に行くことができないケースが多うございます。

 そして、これは観光庁さんにお伺いしたいんですが、六月十七日の長官記者会見におきまして、入れ墨をしている方の入浴については、観光庁としては、現時点において具体的な方針を持ち合わせていないが、そもそもの規制の導入経緯、その範囲など不明であることから、まずは実態を把握すべく、関係施設等にアンケート調査を行っているとコメントされていらっしゃいます。

 今回、アンケート調査をしていることでございますけれども、そのアンケートに至った経緯、目的、その内容、そしていつごろまでにこのアンケートを完了してその結果をまとめるのか、お聞かせいただければと思います。

吉田(雅)政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、温泉につきましては、訪日外国人旅行者に、日本人の暮らし、生き方に直接触れていただき、我が国の歴史的、文化的魅力や各地の特色ある文化を理解していただくことが重要であり、その一つとして重要な観光資源であると考えております。

 経緯でございますけれども、温泉の中には、国民の間に入れ墨に対する独特のイメージがあることなどを踏まえまして、ほかの利用者に安心して入浴していただく観点から、入れ墨をしている方の入浴を断っている施設もございます。

 他方、委員御指摘のとおり、外国人旅行者の中には、ファッションとして、あるいは民族的な伝統として入れ墨をしている方もおられまして、後者につきましては、その件が問題になったこともございます。外国人旅行者が増加している中、今後このような問題が再度起こることが懸念をされます。

 このため、各地の温泉における入れ墨をしている方の対応につきまして、まずは実態を把握すべく、観光庁におきまして、関係施設などに対しましてアンケート調査を六月中旬から行っているところでございます。

 調査におきましては、第一に、入れ墨のある方の入浴の可否、第二に、仮に制限している場合にはその導入の経緯、第三に、過去のトラブルがあったかなかったかなどについて質問してございます。

 現在、観光庁におきましてアンケート票の回収を行っているところでございまして、その結果につきましては、データを整理した上で公表したいというふうに考えてございます。

木内(孝)委員 郷に入れば郷に従えという言葉もございますし、その国に行ったらその国の文化や習慣に合わせるべきだろうとは思っておりますので、やみくもに全てを受け入れるべきだというふうには申し上げておりませんけれども、やはり、日本で言う入れ墨の伝統とか経緯とかと外国におけるタトゥーというのは、文化的な経緯も非常に大きな差がございます。

 これは、ちょっと消費者庁と微妙に分野がずれる部分もあろうかと思いますけれども、これだけ国際化、いろいろなことを言っている中で、やはりある程度の多様性を受け入れる、こうした姿勢ということも大切ではなかろうかと思います。

 私は、タトゥーをもって入浴を拒むというのは非常に個人的には違和感がありまして、当然、事業をなさっている方からの意見、あるいは外国から観光客としていらっしゃっている方の御意見、あるいは消費者としてスーパー銭湯ですとか温泉に遊びに行っている方の意見、総合的にはいろいろ意見は聞かないといけないと思いますけれども、やはり多様性とか日本の懐の深い文化、とりわけ二〇二〇年に向けて今後さらに観光客がふえるであろうという状況でございますので、ぜひそこは前向きな対応を御検討いただければと思います。

 今、いわゆる観光客がふえた影響もありまして、首都圏あるいは都市部周辺のホテルの稼働率というのも非常に高くなっております。一方で、まだまだ、いわゆる地方の旅館とか、そうした分野での稼働率というのは上がっていない。

 やはり、どうしても温泉に入る取っつきというのが非常に厳しくなっているところもございますので、ぜひ、この入れ墨、タトゥー、ここら辺の文化の多様性、寛容さについて前向きにお願いできればと思います。

 タトゥーとか、私も、例えば娘は入れておりませんけれども、娘が入れたら私は多分驚いて声も出ないのではないかと思いますし、ある意味、保守的な人間でございます。

 以前、温泉に入っていましたらば、やはりそういう本格的な入れ墨を入れた方がいて、私の当時四歳ぐらいの娘が、なぜ絵が描いてあるのとその方に聞こえるような声で本当に私に聞いてきたんですね。私は正直びっくりしましたけれども、その方は非常にいい方で、そういうこともあるので、やはり、事業者を守る意味でも、ある程度いろいろな対応は必要だと思います。

 ぜひ最後、もう時間も参りましたので、こうした多様性とか、入れ墨、タトゥー、レディー・ガガも、日本の東北の支援をしていただきました。そのときに、やはり温泉に行ける、行けないという議論が当時あったというふうに聞いております。そういうことも踏まえて、最後に大臣の御意見をいただければと思います。

山口国務大臣 私も実は、県会議員のときに熱海に行きまして、温泉に入りますと、見事というか、物すごい入れ墨を見て、そのときは急いで飛び出しました。そういったこともあろうと思いますが、ただ、文化の多様性とか、いろいろあるのも事実であります。

 昨年、一千三百万人のインバウンド観光客があったわけですが、恐らくことしは相当な数に行くという中で、やはり我々も、国際化という中で意識を変えていかなきゃいかぬ部分もあるでしょうし、同時に、日本の文化としてしっかり守っていくものも、また一方においてあるんだろうと思います。そこら辺を十分踏まえながら、しっかりと受け入れ体制ができるように取り組んでまいりたいと思います。

木内(孝)委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

鴨下委員長 次に、梅村さえこ君。

梅村委員 日本共産党の梅村さえこでございます。

 先ほど先生方からもございましたが、私も、本日は、前回に続き、機能性表示食品について御質問させていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。

 前回の委員会で、機能性表示食品制度に対する国民の不安について質問させていただきました。そのとき、山口大臣からは、特保と違って、事前の国の審査、許可が要らず、企業の届け出制によって進められる機能性表示食品制度は、届け出後の事後チェック制度をしっかり機能させていくことが前提になっているという御答弁をいただきました。

 改めて確認させていただきたいと思いますが、そのような御認識でよろしいでしょうか。

山口国務大臣 機能性表示食品制度、これは、事前に安全性及び効果を消費者庁が審査して表示の許可を行うという特定保健用食品制度、いわゆる特保とは異なりまして、企業等の責任において、食品の機能性及び安全性の科学的根拠に関する情報について消費者庁の方に届け出を行うというふうなことで、当該食品に係る機能性表示を可能にするものであります。

 同時に、前も申し上げましたが、届け出後の事後チェック、これをしっかり機能させていくことによって、科学的根拠に基づかない表示がされた食品の流通はしっかり防いでいく、これによって、消費者の皆さん方が、この食品はおおむねこういうところに効果があるんだなというふうなことで、上手に選んで消費ができるようにということで考えたものであります。

梅村委員 ありがとうございます。

 そこで、前回指摘させていただいた、特保として申請し、安全性が確認できないとして受理されなかった製品と同じ成分が今回機能性表示食品として届け出され、受理された件でございますけれども、その後、食品安全委員会と消費者委員会が特保としては認めないとの答申を先日、七月一日、出されたと聞いております。

 その理由、その疑義がオープンにされた時期、今後の対応について、まず食品安全委員会にお伺いしたいと思います。

姫田政府参考人 蹴脂茶につきましては、食品安全委員会から消費者庁に対し、二十七年五月十二日付で食品健康影響評価を答申したところでございます。

 この答申におきましては、その評価結果において、本食品の成分が脂肪細胞に作用することで体脂肪が気になる方や肥満ぎみの方に適するとの申請者の説明する作用機序を前提とすれば、提出された資料からは、心血管系等、多岐にわたる臓器に影響を及ぼす可能性は否定できず、本食品の安全性が確認できない、そのため、作用機序及び安全性について科学的に適切な根拠が示されない限りにおいては、本食品の安全性を評価することはできないとしたものです。

 現在、評価結果を踏まえ、消費者庁において蹴脂茶の扱いを検討されているものと承知しております。

梅村委員 それでは、消費者委員会の方はいかがでしょうか。

黒木政府参考人 お答え申し上げます。

 消費者委員会におきまして、本年七月一日付で、委員御指摘の株式会社リコムの申請品につきましてでございますけれども、安全性及び効果について審査を行った結果、食品安全委員会による食品健康影響評価の結果も踏まえ、安全性の確認が行えないため、特定保健用食品として認めることは適当でないとの答申を行ったところでございます。

梅村委員 つまり、本商品については、この成分を使った商品については安全性を評価することはできないということだと思います。

 そうした製品が機能性表示食品では受理される、今も受理されていると思うんですけれども、ホームページ上も受理されたときのままの、届け出の表示のままだと思いますが、こういうことでいいのか、今後どういう対応をされていくのか、お伺いしたいと思います。

岡田政府参考人 お答えいたします。

 特定保健用食品として申請されております蹴脂茶につきましては、評価書それから答申をいただいておるわけでございまして、今後、これを十分に精査いたしまして、健康増進法に基づき必要な判断を行ってまいることでございますけれども、この商品に関します検討も踏まえながら、機能性表示食品として届けられました商品の取り扱いにつきましても検討することになるというふうに考えております。

梅村委員 既にそういう報告が消費者委員会や食品安全委員会の方から答申として出されているものについて、一方で認めないとされる成分が一方では受理される、それが今後検討するというふうに言われているわけですけれども、やはり、そういう状況が一定期間続くということは、食品表示制度に対して、これは時間がたてばたつほど国民の不安を広げるものではないのかなというふうに思うわけでございます。

 そもそも、そういう疑義が出て、そういう答申も出てきている段階、そういうものについては、届け出そのものを却下するというか、受理すべきではない、そのようなことはできないものなんでしょうか。

岡田政府参考人 個別の商品の取り扱いにつきましては、これからの検証ということになりますので、お答えは控えさせていただきますけれども、一般論として申し上げれば、公的機関において安全性が明確に否定された成分、食品の評価がございましたら、直接的には、機能性表示食品として届け出された食品の評価に適用できるような場合、そういうケースにつきましては、当該食品は安全性の科学的根拠に関する情報を欠くということになりまして、機能性表示食品としての要件を満たさないため、届け出を受け付けないという事態も想定されるわけでございます。

 今申し上げましたのは、あくまでも一般論でございます。

梅村委員 それでは、一般論としての確認ですけれども、そういう公的な不安、疑義がある場合は、機能性表示食品であっても、届け出があったとしても受理しないことはあるという、一般論でありますけれども、そういうことでよろしいでしょうか。

岡田政府参考人 御指摘のとおり、安全性の科学的根拠に関する情報を欠くということになりますれば、機能性表示食品としての要件を満たさないことになりますので、届け出を受け付けないということが考えられるわけでございます。

梅村委員 今回、既に五月二十七日の議論の御紹介もありましたけれども、食品安全委員会では、既に二月三日の第五百四十七回の委員会でも、そういう不安というか、方向性が議論もあったかと思いますので、確定する前であったとしても、やはりそういうものについては慎重に対応できるような制度というのがこの問題でも必要ではないかなというふうに思うわけであります。

 この機能性表示食品については、既に消費者団体から厳しい疑義、要望が相次いで関係省庁や業界団体に出されているかと存じております。五月二十六日は全国消費者団体連絡会、安全性や機能性の科学的根拠について問題があるものがある、機能性表示食品全体に不信感を抱かざるを得ないということ。

 また、食の安全・監視市民委員会も、五月二十九日、届け出商品のうち十七商品に表示の疑義があるということを消費者庁に情報提供を行ったと聞いております。今受理されているのが七月七日現在で五十二件という商品数でありますから、その商品数に対して十七件、十七商品について疑義があるというのは、大変、割合としても大きいんだと思います。この疑義をやはり真剣に受けとめなければいけない。

 これは、市民団体だけではなくて、一般社団法人のフード・コミュニケーション・コンパスの皆さんも、六月十九日、この中では十三商品ですか、こういうことを具体的に要望として疑義を出されているわけでございます。

 大臣、こういう市民団体からの要望、疑義、前回、事後チェックが大事だというふうに御答弁いただきましたけれども、事後チェックでこういう問題が解消されて機能性表示食品が本当に安心できる制度になっていくのか。そういう市民団体の皆さんの要望も踏まえて、いかがでしょうか。

山口国務大臣 今お話しいただきましたように、やはり、しっかりと事後チェックの制度を機能させていくというのは、ある意味、この制度の肝ともいうべき部分なんだろうと思います。

 ですから、安全性、機能性に関する科学的根拠について六十日前までに消費者庁に届け出を行う。あるいは、開示資料を端緒として寄せられる疑義情報も活用しながら、届け出情報の公表後、安全性や機能性に関する科学的根拠等について、食品表示法に基づく事後監査をしっかり行う。また、健康被害に関する情報の収集体制を整備する。また、これはある意味、抜き取り調査的なものになるかもわかりませんが、販売されておる商品を買い取って表示内容等を確認するとか、あるいは、食品衛生法上の危害が生じた場合には、必要に応じて厚生労働省または都道府県等が同法に基づき廃棄等の命令を行う等々、さまざまな形で事後チェックをしっかりやらせていただきたい。

 今御指摘の市民団体の方々からのものですが、個々の問題については言明は差し控えますが、やはりそういった御指摘に対しても、真摯に、それを端緒として検討を重ねていくというか、調査をするということはあり得る話でございます。

梅村委員 御答弁いただいたように、ぜひ、国民の健康と命にかかわる問題ですので、そういう御意見は真摯に御検討いただきたいというふうに思います。

 それで、この届け出の際の安全性を確かめる問題として、重要な二つの項目があろうかと思います。一つは臨床試験の問題、一つは、論文をしっかりと出して、それが科学的に安全かどうかという、届け出として二つあると思います。

 それで、一つ目の臨床問題なんですけれども、大変恐縮なんですけれども、先ほど田島先生がファンケルの広告を出していただきました。ここに、今私がお話ししている臨床試験というのが、本当に大きくばちっと済みと出ているわけでございますけれども、この臨床試験をこの会社がどういうふうにやったのか。

 それについて、先ほどの社団法人がどんなふうに指摘しているかというと、過去三年間で百二十五万製品の販売実績がある、その中で健康被害を特定できなかった、これをもっていわゆる臨床試験ができているということで届け出を出されているわけでございますけれども、しかし、調べてみると、旧製品と現在の機能性表示食品で提案しているルテインの含有量の変更があるわけで、原材料の変更が行われているのは明らかである。そういうことも含めて、過去三年間で百二十五万製品の販売実績をもって臨床済みだというふうに言うのは、やはり根拠がない、信頼できるのかということを指摘しておられる。この点も、やはり改善が本当に緊急に必要だというふうに思います。

 もう一つ、論文についても、本当に専門家の方が読んで、査読つきの論文なのか、これで科学的な根拠があるのかということが次々と皆さんの報告書にも出てきておりますので、ぜひこの点についても御検討、見直しを一度していただきたいなということを御要望しておきたいと思います。

 それで、きょうはパッケージの問題やCMの問題についても御質問しようと思ったんですけれども、今るる先生方がやっていただきましたので、私からもこの点の改善を求めておきたいと思います。

 最後になりますけれども、やはり事後チェックにおいては、検査体制が本当に事後チェックを担保するようなものになっているのかという点が大事かというふうに思います。

 前回の質問で、この事後チェックについて、消費者庁と保健所が連携をしていくという御答弁をいただいております。この点について伺いたいと思いますけれども、そもそも表示監視が今どうなっているのかということです。

 先日、我が党の議員が農水委員会の方で質問いたしましたけれども、農林水産省の地域センターの廃止に伴って、表示監視業務では五十五人の削減、米穀流通監視業務では三十三人の削減、さらにこの十月には、この二つを含む三つの業務で何と四百九十四人が、表示監視業務の分野で人員が削減されていく予定であるというふうなことが明らかとなっております。

 先ほど、消費者庁と保健所が連携ということですので、保健所の方の常勤職員数がどのように推移しているのか、二〇〇三年と二〇一二年の推移を厚生労働省の方からお答えいただきたいと思います。

福島政府参考人 お答えいたします。

 保健所の常勤職員数でございますけれども、地域保健・健康増進事業報告によりますと、平成十五年は二万九千四十四人、平成二十四年は二万八千五百五十五人となっております。

梅村委員 ほぼ横ばいということだというふうに思います。ただ、現場はどうなっているかといいますと、これは神奈川のある自治体の食品衛生監視員の方がおっしゃっていることですけれども、そもそも、地方分権の中で食品衛生法が改正をされ、これまで国が政令で定めていた業種別の監視回数が削減されてきている、そして、都道府県で計画を定めるということで、年間の監視回数などは各自治体によって非常に異なってきているというふうにおっしゃっております。

 数年前、フーズ・フォーラスの腸管出血性大腸菌O111事件が起こって、当該保健所の監視のありようが非常にマスコミ的にも問題となったんですけれども、実際に現場では、食品衛生監視員で対応できる状況ではないということを訴えておられます。

 そろそろ暑くなって、食中毒の季節ですけれども、毎年のように百件程度発生してきており、その多くがウイルス感染型であり、全体の六割以上を占めているので、非常に監視指導による予防が望まれているという現状を、保健所の方々、特に食品衛生監視員の方々はおっしゃっているわけです。

 こういう業務をやりながら、機能性表示食品がスタートし、そういう監視を現場でしていくということでいいますと、やはりそこら辺の体制を、消費者庁そのものもそうだと思いますけれども、現場も消費者庁も含めて、しっかりと食品の安全を担保していくような体制をつくる必要があるというふうに思います。その点、もし大臣にお伺いできれば、お願いしたいと思います。

山口国務大臣 基本的には、この監視につきましては、食品表示法等に基づいて、消費者庁と全国の保健所等の保健衛生部局と連携をしてしっかり対応していくというふうなことでありますが、当然、そのための人員、体制等も必要になってこようかと思います。予算の関係もあろうかと思いますが、先般、若干名はふやしていただいたということもあるんですが、そこら辺も今後の課題としてまた検討してまいりたいと思います。

梅村委員 大臣からも強い要望を上げていただければ幸いだというふうに思います。

 消費者団体の皆さん、市民団体の皆さん、もう長い間、身を粉にして活動されてこられた方の強い要望というのは、先ほどもありましたけれども、原産地表示や遺伝子組み換えの明記などでございます。そうした問題を後回しにして、成長戦略の中から出てきた機能性表示食品制度、特保では許可に手続と時間、費用がかかる、ハードルが高いとして規制緩和をするのは、私は、消費者庁としては話があべこべ、消費者庁が優先すべき仕事なのかということを感じております。

 機能性表示食品制度は、二年と言わず直ちに抜本的な見直しをすることを強く要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

鴨下委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時三十六分散会


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