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第1号 平成23年11月16日(水曜日)

会議録本文へ
本小委員会は平成二十三年十一月一日(火曜日)委員会において、設置することに決した。

十一月一日

 本小委員は委員長の指名で、次のとおり選任された。

      岡島 一正君    岡田 康裕君

      奥野総一郎君    熊谷 貞俊君

      黒田  雄君    階   猛君

      平  智之君    初鹿 明博君

      村井 宗明君    木村 太郎君

      河野 太郎君    新藤 義孝君

      平  将明君    遠山 清彦君

十一月一日

 新藤義孝君が委員長の指名で、小委員長に選任された。

平成二十三年十一月十六日(水曜日)

    午前九時一分開議

 出席小委員

   小委員長 新藤 義孝君

      岡島 一正君    岡田 康裕君

      奥野総一郎君    熊谷 貞俊君

      黒田  雄君    階   猛君

      平  智之君    初鹿 明博君

      村井 宗明君    木村 太郎君

      河野 太郎君    平  将明君

      遠山 清彦君

    …………………………………

   厚生労働副大臣      辻  泰弘君

   文部科学大臣政務官    城井  崇君

   文部科学大臣政務官    神本美恵子君

   会計検査院事務総局第二局長            川滝  豊君

   会計検査院事務総局第四局長            太田 雅都君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房長) 土屋 定之君

   政府参考人

   (文部科学省研究振興局長)            倉持 隆雄君

   政府参考人

   (文部科学省研究振興局基礎研究振興課長)     内丸 幸喜君

   政府参考人

   (文部科学省研究振興局情報課長)         岩本 健吾君

   政府参考人

   (文部科学省研究振興局情報課計算科学技術推進室長)            林  孝浩君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           唐澤  剛君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局労災補償部長)       鈴木 幸雄君

   政府参考人

   (厚生労働省保険局長)  外口  崇君

   参考人

   (株式会社PHP研究所代表取締役常務)      永久 寿夫君

   参考人

   (上智大学法科大学院長) 小幡 純子君

   参考人

   (東京大学情報基盤センタースーパーコンピューティング研究部門教授)    金田 康正君

   参考人

   (公益財団法人東京財団研究員兼政策プロデューサー)            亀井善太郎君

   参考人

   (独立行政法人理化学研究所理事)         田中 正朗君

   参考人

   (独立行政法人理化学研究所理事)         古屋 輝夫君

   参考人

   (独立行政法人理化学研究所計算科学研究機構長)  平尾 公彦君

   参考人

   (独立行政法人理化学研究所計算科学研究機構運転技術課長)         庄司 文由君

   参考人

   (独立行政法人理化学研究所人事部人事課課長代理) 大伴 康志君

   参考人

   (独立行政法人理化学研究所経営企画部調査役)   温井 勝敏君

   参考人

   (独立行政法人理化学研究所契約業務部長)     石川  弥君

   参考人

   (独立行政法人理化学研究所計算科学研究機構企画部長)           安藤 慶明君

   参考人

   (神奈川県厚木市協働安全部人権男女参画課長)  小瀬村寿美子君

   参考人

   (埼玉県草加市副市長)  中村  卓君

   決算行政監視委員会専門員 平川 素行君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 行政監視に関する件(革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラの構築及び医療費レセプト審査事務)


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     ――――◇―――――

新藤小委員長 これより行政監視に関する小委員会を開会いたします。

 この際、一言ごあいさつを申し上げたいと存じます。

 先般、行政監視に関する小委員長に就任いたしました新藤義孝でございます。

 私たちのこの決算行政監視委員会というのは、二つの機能を持っています。それは決算審査機能と行政監視機能、この二つの権能を与えられた委員会でございます。

 そして、我々のこの決算行政監視委員会のもとに、このたび、初めて本小委員会が設けられました。それは、いわゆる事業仕分けと呼ばれているものでございますが、私たちの法律に基づいて与えられた権能、行政を監視する、この観点から、新たに、予算の無駄、さらには事務作業、組織、そういったものを、行政を全般的に監視する、こういうことでこの委員会を設けさせていただいたわけでございまして、立法府としての本来の機能を遺憾なく発揮する、これが我々の目的でございます。

 本小委員会、我々、憲政史上初めてのことでございますし、大きな期待が寄せられているというふうに思いますけれども、ぜひ、しっかり議論をして、そしてすばらしい成果が出るように、小委員の皆様、そして政府また参考人の方々には御協力をお願いしたいというふうに思います。

 私といたしましては、この小委員会の公正公平かつ円満な運営に努めていきたい、このように思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)

     ――――◇―――――

新藤小委員長 行政監視に関する件について調査を進めます。

 本日の小委員会に、参考人として株式会社PHP研究所代表取締役常務永久寿夫君、上智大学法科大学院長小幡純子君、東京大学情報基盤センタースーパーコンピューティング研究部門教授金田康正君及び公益財団法人東京財団研究員兼政策プロデューサー亀井善太郎君に御出席をいただいております。

 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。

 本日は、御多用中のところ、本小委員会に御出席いただきまして、ありがとうございます。参考人の皆さんには、それぞれのお立場から忌憚のない御意見を述べていただきたい、このように思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 なお、念のため申し上げますが、御発言の際は小委員長の許可を得ることになっております。また、参考人は小委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御了承願いたいと存じます。

 まず、議事の順序について申し上げます。

 小委員長より選定事業、論点等について述べた後、政府から事業内容等の説明を聴取いたします。その後、各小委員が自由に政府及び各参考人に対して質疑を行うことといたします。

 なお、自由質疑の冒頭、各会派からの質疑の申し出については、十分以内で認めたいと思います。

 次に、自由質疑が終了した後、小委員各位に評価シートに御記入いただき、小委員長より評価結果を御報告いたします。

    ―――――――――――――

新藤小委員長 それでは、まず、文部科学省、革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ(HPCI)の構築を議題といたします。

 HPCIの構築については、次世代スーパーコンピューター京を大学や他の独立行政法人が利用しやすくする際の手続、基準をどう定めるか、京に関する随意契約に関し、仕様や見積もりについての透明性を高める必要があるのではないか、政府の事業仕分けによって予算が削られたが、プロジェクト全体に与えた影響はどうかという点などを論点とされております。それらを踏まえた議論を活発に行っていただきたいと存じます。

    ―――――――――――――

新藤小委員長 それでは、まず、政府から説明を聴取いたします。神本文部科学大臣政務官。

神本大臣政務官 それでは、資料の説明の前に、私から一言ごあいさつを申し上げたいと思います。

 これまで、政府におきましては、政権交代直後から事業仕分けを合計三回にわたり実施をしてまいりました。文部科学省におきましても、これらの仕分け結果を真摯に受けとめまして、当省所管のすべての予算事業について聖域なく見直しを行ってきたところでございます。

 このたび、立法府として初めての試みでありますいわゆる事業仕分けを、ただいま委員長おっしゃいましたように、この決算行政監視委員会の場において実施されること、まことに意義深いことだと思っております。委員各位、また参考人の先生方におかれましては、それぞれの問題意識に応じまして、貴重な御意見を賜りたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。

 それでは、早速、資料に沿っての概要説明をさせていただきます。

 まず、一ページ目をごらんください。

 この事業は、第四期科学技術基本計画で掲げられました、国家存立の基盤としての世界最高水準のハイパフォーマンス・コンピューティング技術の強化及び科学技術の共通基盤の充実強化に向けての重要な取り組みでございます。世界的に見ましても、スーパーコンピューターとその利用技術の整備、利用は加速をしております。我が国としましても、グリーンイノベーション、ライフイノベーションなどの創出につながる最先端の研究基盤として、戦略的に対応していくことが必要であると考えております。

 このため、世界最高水準の十ペタFLOPSの能力を持つスーパーコンピューターである京を整備することとしまして、あわせて、京を中核として、国内の主要なスーパーコンピューター等をネットワークで結び、多様なユーザーニーズにこたえる高度なコンピューティング環境を実現するというのがこの施策の趣旨でございます。

 また、本施策の目標を資料の左下にまとめておりますので、ごらんいただきたいと思います。

 資料の二枚目をごらんください。

 HPCIの活用によりまして、我が国の競争力の強化、国民生活の安心、安全につながるさまざまな成果の創出が期待されるものをそこに例示してございます。

 例えば、自然災害への対応につきましては、東日本大震災級の津波の到達予測について、計算時間を大幅に短縮することが可能になる。あるいは、地震、津波の被害予測につきまして、今まではできなかった、実際に近い地形や都市構造の細部など、複合的に及ぼす影響を加味した被害予測等が可能になる。医療の分野におきましては、心臓の動きについて、これまで部分的にしか再現できなかったものを心臓全体を再現することが可能となり、心臓病の予測や治療法の飛躍的な向上に貢献ができる。ほかにも、薬の開発など、さまざまな成果の創出が期待できるところでございます。

 三ページ目をごらんください。

 次世代スーパーコンピューター計画につきましては、平成二十一年の十一月、事業仕分けにおきまして指摘事項がございました。その指摘事項を踏まえまして、引き続き世界最高水準を目指しつつ、より利用者側の視点に立った計画に進化、発展させ、四大臣合意の上で予算の計上が認められたものでございます。これを受けまして、平成二十二年度の予算においては、国庫債務負担行為として、平成二十四年度までのシステム製造費を措置することを国会において議決いただいているところでございます。

 四ページをごらんください。

 HPCIの構築につきましては、ユーザーコミュニティーの中核となっている機関や、大型スパコンを有する大学、独立行政法人、ネットワーク構築を支援する機関等、三十八機関から構成されるコンソーシアムを立ち上げまして、ユーザー視点に立ったHPCIのあり方について、まさにオール・ジャパンの体制で現在検討を行っているところでございます。

 五ページ目をごらんください。

 京につきましては、特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律に基づきまして設置、運用されております。現在、順調に整備が進んでおりまして、本年八月にはすべてのラックを施設に搬入し、今月に入りまして十ペタFLOPSの計算性能を達成したところでございます。一昨日には、御承知のことと思いますが、スーパーコンピューターの性能ランキングにおきまして、前回の六月に引き続き、世界一を獲得したところでございます。

 今後、来年六月のシステム完成を目指して、システムソフトウエアの整備、最終調整を行っているところでございます。

 六ページ目をごらんください。

 京の運用につきましては、共用法に基づきまして、多様な分野のさまざまなユーザーが活用できるように、透明かつ公正な手続による利用機会の提供、適切なユーザー支援を行うこととしております。

 現在、コンソーシアムを通じて幅広いユーザーの意見を聞きながら、来年十一月の共用開始に向けて準備を進めているところでございます。

新藤小委員長 神本政務官、申しわけありませんが、五分ぐらいでお願いしているので、もう既に七分過ぎていますから、端的にお願いします。

神本大臣政務官 失礼しました。もう終わります。

 七ページ目ですが、来年度の概算要求としましては、所要額二百十六億円を計上しているところでございます。

 以上が本プロジェクトの概要でございますが、冒頭申し上げましたように、この施策は、我が国の将来の発展の基盤となる重要なプロジェクトでございます。今後も着実に推進していくことが必要と考えております。今後、HPCIの利用促進に力を入れて、画期的な成果の創出、社会への還元、また、その意義や成果について国民の皆様への積極的な情報発進に努めてまいりたいと考えております。

 以上でございます。失礼しました。

新藤小委員長 御苦労さまでした。

 これにて政府からの説明は終わりました。

    ―――――――――――――

新藤小委員長 これより自由質疑を行います。

 自由質疑は約七十分でございます。基本的に各委員が自由に質疑いただくわけでございますが、あらかじめ会派からの申し出があった場合には、十分以内でこれを許したい、このような申し合わせになっております。

 まず、質疑の申し出がございました熊谷貞俊君より質疑をいただきます。

熊谷小委員 民主党の熊谷でございます。

 きょうはお集まりいただきまして、ありがとうございます。限られた時間でございますので、数点質問をさせていただきまして、後は各委員の質疑にお任せしたいと思います。

 スーパーコンピューターにつきましては、当然ながら、幾つかの目的や意義があるわけでございまして、特に、巨大科学、あるいは極限科学ですね、これを使わないと可視化できないような問題に対して挑戦していく、そういうニーズ、そしてシーズ、さらにはそのツールとして不可欠なものである、こういうふうに認識しております。

 我が国は、半世紀前に拠点七大学に大型計算機センターが設置されまして以来、大型計算、あるいはスパコンに発展しておりますが、世界に先駆けた非常に画期的な歴史を有しております。その延長としまして今回の京プロジェクトがあるわけでございますが、この培われた歴史の中では、F社、N社、H社、要するに、スパコン三社がそれぞれしのぎを削って七大学において技術の進展を図り、利用を皆さんに提供している、こういう歴史がございます。

 この京は、いろいろな、計画当初からの経緯がちょっと錯綜したところがある。これは国の方針がやや混乱したところもあろうかと私は思います。結局、F社一社の、スカラー型ということでこれは完成を見ておるわけでございますが、全国共同利用という、先ほど政務官がおっしゃったこの共用法の中では、既存の、特にベクトル型を利用しているスパコンユーザーあるいはセンター、それに対する連携の仕組み、あるいは、利用者に対してどういうソフトウエアサポートがどこまでできているのか。特に、ベクトル型の利用者に対してどういうサポート体制をとられているのか。まず、それをお尋ねいたします。

 金田参考人にも後で同じ質問をさせていただきます。

倉持政府参考人 ベクトル型のユーザーに対する支援についての御質問をいただきました。

 確かに、京そのものはスカラー型でございまして、このプロジェクトは、二年前の事業仕分けを受けまして、十ペタのスーパーコンピューター単機を開発するということではなくて、いろいろなユーザーの方のニーズにおこたえするように、まさに京を中核として、今委員御指摘の、大学の情報基盤センターのスーパーコンピューターなどとつなぎまして、そういうユーザーが利用できるような形でネットワークでつなごうということで、この構想にさま変わりをしたわけでございます。

 そのネットワークの中には、もちろん東北大学であるとか大阪大学のベクトル型のコンピューターもございまして、そこでいろいろな計算もできるわけで、ユーザーが御自分の計算に最も合ったコンピューターを選んでHPCIの中で利用できる、そういう仕組みをつくろうとしているところでございます。

 そして、中核の京そのものにつきましては、これは御指摘のとおりスカラー型でございます。このスカラー型をベクトルのユーザーにどう使っていただくかという問題でございますけれども、スカラー型といいましても、これだけの高速演算能力を持っているコンピューターになりますと、いずれにしても、今のアプリケーションを超並列のプログラムに書きかえる必要があるわけでございます。そして、スカラー型のものについても書きかえますし、ベクトル型についても書きかえる。

 そのベクトル型について書きかえるのも、これは今既に、流体計算とかそういったものの、ベクトルに適しているプログラムもこのスカラー型の京でかなりの実行性能が出るということが確かめられておりまして、この共用法のもとで登録機関がプログラムの書きかえをサポート申し上げる、そういう仕組みをつくろうとしているところでございます。

新藤小委員長 答弁者は端的に答弁いただくようにお願いします。

 それから、質疑者の方は、もしできれば、あらかじめだれに質問するのかということを言っていただけるといいと思います。

熊谷小委員 東大センターで、今度は逆にスカラー型からベクトル型、地球シミュレーターのシステム開発を経験されておられます金田先生に、その苦労といいますか、サポート体制が十分なのかどうか、御意見を簡単にお願いいたします。

金田参考人 それでは、発言させていただきます。

 地球シミュレーターは御存じのようにベクトル型ですけれども、実は、スカラー型からベクトル型、利用者の立場からいうと、これを使えと言えば、やはり自分の使っているプログラムを書き直しをするので、物すごく大変な時間を消費させられます。ある意味では後ろ向きなわけですよね。そのときに、やはり最低限やっていただきたいのは、ソースコードを何もいじらなくてもそれなりの性能ができるぐらいのコンパイラーのサポートはぜひとも要求したいし、実際、そうすることによって移行性が高まるのではないかと思います。

 ですから、マシンの最高性能があるだけではなくて、既存のユーザーに簡単に使ってもらえるようにするための努力は必要ではないかと考えております。

熊谷小委員 ありがとうございます。

 次に、運用、利用形態についてお尋ねしたいと思います。

 共用法に基づく全国共同利用という形態をとられているのは承知しておりますが、最大規模のスパコンを導入している、台数でいいますと圧倒的に多いアメリカ等は、各センター内に設置して、そのセンター内に集約している研究者が専有して、使い放題、使いたいだけ使って、そして国の枢要な研究開発を推進していく、こういうことをやっておるわけでございますが、この京につきましては共用である、そういうことでございます。

 ただ、それがやや折衷的といいますか、いわゆる大型計算機センターのような共通利用制度のもとで、計算機利用料、負担金を取って運用するというのではなくて、原則無料である、そして、そこで走らせるプロジェクトはコンソーシアムにおいて選定をする、こういう形をとっておられる。ここのところをはっきりと明確にしていただきたい。

 それから、将来は民間に対しては有料化も考えている、こういうことなんでございます。

 特に料金につきまして、どのように今お考えでございますか。まず文科省の方でお願いします。

倉持政府参考人 まず利用料金につきましてでございますけれども、これは、まさに委員御指摘のとおり、京は共用法に基づいて運用されるわけでございまして、それを踏まえまして、利用料金というのは原則無料ということを考えておりますけれども、企業等が成果を非公開で利用したいという場合につきましては、受益者負担の観点から、運営費回収方式ということで利用料を設定する方向で、設置主体である理化学研究所が、コンソーシアムの意見を尊重しながら、今年度中に決定すべく今検討を進めているところでございます。

新藤小委員長 熊谷君の質疑は時間が終了しておりますので、後刻、今後、自由質疑の中で御参加いただきたい、このように思います。

熊谷小委員 肝心なことが残っておりますが、それでは後刻質問させていただきます。

 どうもありがとうございました。

新藤小委員長 では、熊谷君の質疑、まずは冒頭の十分は終わりました。

 次に、平将明君。

平(将)小委員 自由民主党の平将明です。自公を代表して質問をさせていただきたいと思います。

 まず、委員長にお願いでございますが、きょう、傍聴の方がたくさん来られておりまして、事業仕分けシートをお配りしました。ただ、今までそういう資料をお配りするという慣習がないようでありますので、今後、検討課題として、事業シートや必要な資料を見られるようにしていただきたい、御検討いただきたいということと、あと、インターネットテレビで見られている方もたくさんおられますので、今後の課題として、インターネットで見られている方が事前に資料をダウンロードできるような仕組みもぜひ御検討をいただきたいと思います。

新藤小委員長 それは後ほど幹事会で検討したいと思います。

平(将)小委員 ありがとうございます。

 それでは、スーパーコンピューター、ハイパフォーマンス・コンピューティングのインフラについて質問をさせていただきたいと思いますが、きのうの報道で世界一になったということで、これについては、本当に、物づくりの最前線で頑張っている皆様には心より敬意を表したい、おめでとうと申し上げたいと思います。

 そこで、まず一点は、今プレゼンで使われたこの横長の六ページを見ていただきたいんですが、何を見ていただきたいかというと、真ん中にある写真ですね。計算科学研究機構は、神戸にこういうのがありますよと。これを見ていただくと、手前に巨大なオブジェがあるのがごらんいただけると思います。

 私、事業仕分けとか無駄撲滅チームでいろいろなところへ行くんですけれども、まず最初の施設が豪華で、このイニシャルコストをだれがチェックしているのか。それと、こういうオブジェ、これは後でちょっと調べてください、幾らかかったのか、後でいいですから。こういうオブジェ、結構何億とかかっていると思うんですよ。

 私は経営者出身だから、人の金だからできるんだろうなと正直思います。日本の財政は極めて厳しい状況にありますので、こういうことをだれがチェックしているのか。きょうは財務省主計局は来ていないそうですけれども、事務局はテークノートをしていただいて、もうつくっちゃったものを撤去しろとは言いませんけれども、今後、野方図にオブジェをばんばんつくることのないようにしていただきたいと思います。

 それでは、質問をさせていただきます。

 まずは、政府の事業仕分けによって開発加速の経費百十億が削減をされました。政府の方で結構迷走したと思います。このことがプロジェクト全体にどういう影響を与えたのか。端的に答えてください、文部科学省。

神本大臣政務官 御指摘のとおり、このスパコン計画につきましては、二十一年の十一月の事業仕分けにおいて、予算計上の見送りに限りなく近い縮減との評価を受けたところでございます。他方、総合科学技術会議の見解では、十ペタ級のスパコンの開発を確実に推進すべきとされましたほかに、事業仕分けに対し当省に寄せられた意見でも、この開発の継続を望むものが大半でございました。

 そのことを総合的に勘案しまして、システム完成の目標を、当初平成二十三年十一月にしておりましたところを予算縮減ということで二十四年六月までに変更をしまして、引き続き世界最高水準を目指しつつ、利用者側の視点に立った革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラを構築するという計画に進化、発展をさせたところでございます。

 スパコンの利用のすそ野の拡大が期待できるなど、よりよい計画になったと考えております。

平(将)小委員 影響はなかったということでよろしいですか。

神本大臣政務官 影響としては、先ほど申し上げましたとおり、計画を、ことしの十一月に完成予定を先に、来年の六月というふうに変更したという影響はありましたけれども、当省といたしましては、進化、発展させたというふうにとらえております。

平(将)小委員 それでは、現場の方にお伺いしたいと思います。理化学研究所もしくは計算科学研究機構の方にお伺いしたいと思いますが、この政府の迷走もしくは開発加速経費が削られたことについて、現場でどういう影響がありましたか。

田中参考人 当初、開発加速ということで完成時期の前倒しをお願いしておりましたけれども、結果としましては、事業仕分けの結果、完成時期については来年六月ということで、そこは異なってございません。それ以外の部分としまして、利用者視点ということで、さまざまな利用者の方々が参加しやすいようなHPCインフラの構築というふうな形で向かっておりますので、全体としての開発加速自身は行われませんでしたけれども、当初の目的に沿って進んでいるというふうに理解してございます。

平尾参考人 このプロジェクトはもともと、世界最高水準、最高性能のスパコン、十ペタFLOPSを達成しようという実は非常に高い目標を掲げてやってまいりました。事業仕分けにあってそういうことがございましたけれども、そういう高い目標を堅持したまま、なおかつ、妥協することなく、皆が一致してやってきた結果がこういう形になったのではないかというふうに思っています。

平(将)小委員 今の答弁を聞かれると、ほとんど影響はなかったということですよね。ですから、金の使い道にはちょっと問題があるなというふうに思います。

 次の質問ですが、世界一になられたということですが、プラスとマイナスがあると思います。私は、やはり一番を目指すというのはある意味大事で、何か、一番を目指さなくてもいい、もともと特別なオンリーワンなんだよみたいなことを言う人がいますが、やはり競争する、努力をする、そういうことで切磋琢磨をするというのは大事だと思います。世界一になったことでどういう経済波及効果があるのか。

 一方で、この一番というのは多分、来年、再来年にはもう抜かれてしまうんだと思います。今後の戦略はどうなのか。

 三点目は、事業仕分けシートを見ると、もうスパコンはでき上がっているわけですから、投資はピークアウトをしていると思うんですけれども、当初予算はずっと横並び。

 文科省、この説明をしてください。

倉持政府参考人 世界一になったことでの経済波及効果等の御質問をいただきました。

 京が今回も世界一位を獲得できたということは、我が国の技術力が世界トップレベルの高さにあるのを示すものであって、国際競争力の強化につながるものと認識しております。京の経済効果と申しますと、難しゅうございますけれども、マクロ経済モデルによれば約三・四兆円という試算もございます。こういう技術力を示すことによってこうした成果を早くもたらすことになるものと期待しているところでございます。

 大事なことは、他の国に先駆けましてこうした世界最高水準の次世代スパコンを開発することによって、最先端の研究基盤が整備されたことになります。これでイノベーションの創出をもたらすような画期的な成果が生まれるようにすることが重要だというふうに認識しております。今後は、戦略プログラム等によりまして、早期にその成果を創出するとともに、それを社会に還元できるような戦略的な取り組みが大事であるというふうに認識しております。

 それから、予算についてでございますけれども、ここは、いずれにしても、今予算でお願いしていますのは、先日ごらんいただきましたシステムをきちんと仕上げるために必要な、これは総額は一応きちんと決めて今お払いしているところでございまして、ここは、筐体は整備をされていますけれども、今一つ一つ性能確認をしているところでございまして、それを来年度の六月までに終えて、そこで支払いを完結するということでございます。予算全体は国庫債務負担行為でやらせていただいていますけれども、それに基づきましてきちんと計画どおり執行していきたいというふうに考えております。

平(将)小委員 終わります。

新藤小委員長 平君の質疑は終了いたしました。

 この際、小委員各位に申し上げます。

 今後、質疑のある小委員は、挙手の上、小委員長の許可を得て発言をされるようにお願いしたいと思います。また、発言は着席のままで結構でございます。

 なお、各党の協議によりまして、一回の発言につき原則一問ということになっておりますので、小委員各位の御協力をお願い申し上げます。

 それでは、発言のある方。

河野小委員 自民党の河野太郎でございます。

 まず、委員長、このスパコンの問題といいますか文部科学省の問題は、尋ねられたことに真っ正面から答えていないというのが問題でございます。後ほど亀井参考人の資料の説明があるかと思いますが、自民党の事業仕分けのときからこのスパコンは問題視され、尋ねられたことに文部科学省は一度たりとも真っ正面から答えておりません。

 それで、今回、資料要求をいたしました。おとといの出張時に倉持局長から、きょうまでに資料を出しますという約束があったにもかかわらず、電力購入の見積もり、これは、キロワットアワー十四・四円などということはありません。文科省は国立大学の電気代のバックデータを全部持っていますから、今さら十四・四円などという数字が出てくることは根本的にないはずでございます。

 それから、当初、自民党の事業仕分けのときに、このスパコンの開発はスカラーとベクターの混合型でいくのが日本の国益なんだという強い主張がありましたけれども、いつの間にかベクター型は落とされて、スカラー型一本のものになりました。なぜそういう主張を最初にし、どういう経緯でスカラー型になったのか、最初の主張は間違っていたのか、あるいはそうでないならなぜスカラー型でこのプロジェクトが動いているのかという説明を文書で出してほしいと申し上げましたが、ただの経緯が書いた一枚紙が入っているだけでございます。これが理由になるとは到底思えません。

 文部科学省は、もう少しまじめに、きょう政務官もおいでになっておりますから、政務三役の指揮のもと、まじめに回答をつくって、この委員会に提出をしていただきたいというふうに思っております。

 さらに、現在、スパコン京の試験利用が行われておりますが、どういう研究所に所属をするどういう人物がどういうプログラムをどれだけの時間使ったのか、資料を出してくださいという要求をいたしました。倉持局長から、出しますという確約があったにもかかわらず、きょう出されたものは、研究者の名前も入っておらず、使用時間も入っていないものが出ているだけでございます。この数年間、文部科学省の対応は、このスパコンに限らず、大型プロジェクトに関する質問に対して一度たりとも真っ正面から答えたことがありません。

 ですから、委員長、きょうのスパコンは、これはあくまでも入り口で、文部科学省が科学振興予算を使って行っている大型プロジェクトすべてにきょうのこの仕分けを横展開しなければならないというふうに思っておりますので、後ほど、お取り計らいと、資料要求を再度させていただきたいと思います。

新藤小委員長 はい。それは後ほど幹事間で御相談します。

河野小委員 それでは質問に入りますが、きょう出された資料においても、世界に先駆けて十ペタFLOPS級の計算機を開発することが目標なんだというふうに文科省は言っております。

 スパコンを開発するときには、スパコンの開発をすることによってスパコンの技術を高めることが国益なんだ、そのルートも一つあると思います。スパコンを開発することによって、スパコンを使って科学技術を進化させるということが国益になるんだ。つまり、スパコンの開発そのものが国益になるということと、スパコンを使って科学技術の進化をする、二つの道があるんだと思います。

 スパコンの開発をすることが国益につながるというならば、継続的にスパコンの開発ができるような戦略がなければならないわけですが、スカラー型、ベクター型混合でいくのかいかないのかも決まっていない。これから先どうなるのか、今の平委員からの質問にも答えられないところを見ると、スパコンの開発そのものを国益と見ているというふうには私には到底思えません。

 そして、この間の視察のときの資料によれば、中国の天河が世界一をとったにもかかわらず、データ転送とアプリケーションに問題があるから、これは大したことではないんだと。つまり、リンパックの計算で一番になることは大したことがないという説明でありましたが、これを見ると、リンパックで世界一になるのが目標の一つだというふうになっております。そうすると、文科省は、あるときには世界一になるのが大事で、あるときには世界一は大したことない、そこは意味がないんだという説明を使い分けておりますが、一体全体どういうことなのか。

 そして、きょうのこの提出されている説明は、十ペタを達成するためにベクター型を落としたかのようなことが書かれていますが、そういうことなのかどうか。そして、十ペタを目標とするというのは、それでは十ペタを一台開発するのか、あるいはそれより遅いものを複数台用意する、どちらが日本の科学技術の進歩に寄与するのか。そして、百十億円がなくても十ペタを達成する時期が変わらなかったならば、あの百十億円というのは本来必要がなかったものを計上したことになるのではないでしょうか。

新藤小委員長 一回の発言につき原則一問。ですから、今幾つもいただきましたので、それは何回も発言いただければいいことなので、一問に対して一答で議論を深めていきたい、この委員会の目的がそういうことでございますから、御協力をお願いしたいと思います。

 ですから、今の質問、幾つかありましたが、まず、スパコン開発が国益なのか、それともスパコンの成果を国益とするのか、こういった御質問があったと思いますが、文科省、いかがですか。

倉持政府参考人 御指摘のとおり、二つの面があると思います。そして、これは科学技術基本計画等での御議論もありましたけれども、やはりその両面は非常に重要だというふうに思っております。

 今回の京の開発につきましては、そういう御議論の中で、いわゆる共用法のもとで、先端的な十ペタクラスのマシンを開発して、それをまさに研究基盤として皆さんに使っていただいて、それでシミュレーションといいますか計算科学の振興を図ってイノベーションにつなげていこう、こういう趣旨でこのプロジェクトが設定されているというふうに認識しております。

 なぜ十ペタ級かということにつきましては、まさに、今までの開発のスピード等を見まして、ただいま現在、二〇一一年、一二年、そのころに必要となる、あるいはそれが可能となる能力というのは十ペタクラスであろうし、このクラスになれば、いわゆる丸ごとシミュレーションと私ども申しておりますけれども、かなりのスケールの問題を解くことができるということで、この十ペタの意義が認識されているというふうに考えております。

 したがいまして、一台なのか、もっと小さなマシンを複数置くべきなのかということにつきましては、やはり大規模な問題を解くために少なくとも十ペタクラスのマシンというのが必要でありますので、いずれにしてもこれは必要であろうというふうな位置づけで、このプロジェクトが進められているというふうに認識しております。

 それから、済みません、ちょっと御質問を全部覚えていませんけれども……。

新藤小委員長 リンパックの世界一に価値があるかないかという説明が違ったんじゃないかと言っていたじゃない。

倉持政府参考人 失礼しました。

 リンパックの性能というのは、ある計算の、演算の速度でございまして、それがすべての性能をあらわすわけではございませんけれども、方程式を解くある一つの指標になりますので、それは意味があることだと思います。

 中国のマシンについて言及いたしましたのは、これはGPUというユニットを使っておりますので、汎用性ということを考えるといろいろなプログラム上の難しさが伴っている、そういう認識を示したかった資料でございます。

新藤小委員長 足りないと思いますので、後でまた発言してください。

村井小委員 私は、一点だけ、文部科学省から理研への天下りについてお聞きをしたいと思っています。

 スパコンの必要性はみんなわかった上で、一番になるという必要性の盾に守られた天下りが起こっているんじゃないのか。本当に、一番になるために年収千七百十七万円もの天下り役員は必要なのか。一番になるために三十四人もの省庁の出身者は必要なのか。そして、一番になるために理研から天下り団体への年間八十七億円もの発注は本当に必要なのか。それについて文部科学省にお答えいただきたいと思います。

倉持政府参考人 ただいま文部科学省の方から理化学研究所に現役出向も含めて何人かの職員が行っていることは事実でございます。

 御案内のとおり、理化学研究所は、このスーパーコンピューターもやっておりますけれども、非常に幅広い自然科学の研究機関でございまして、しかもそれが科学技術政策を反映した形で研究現場をマネージしていく、あるいは運営していくということがございますので、それにとって必要な人材ということで求められている人間を出しているものというふうに認識しております。

城井大臣政務官 御質問の趣旨に端的にお答えいたします。

 理化学研究所においても、必要な研究開発をするために必要な人材は置くべしというところが原則にあると思うんですが、特にこの数年ということで、お渡しした資料にもございますけれども、では役員でどうか、職員でどうかという点についての不断の見直しは行ってきている。ただ、例えば現役出向を含めた人数がいかがかというところも含めて、この点は、これまでも努力をして減らしてきているけれども、御指摘の部分を踏まえて、そこからいま一度踏み込んで検討するということにさせていただきたいと思います。

村井小委員 同じことを理研さんに聞きたいんです。

 言いづらいかもしれませんが、理研として本当に千七百十七万円もの天下り役員が必要なのか。と同時に、理研さんは天下り団体へ八十七億円もの発注をしているんですが、これが高コストの理由になっているんじゃないか。今後、コスト改革のために、もっと調達方法や入札方法、支払い方法を変えるべきじゃないかと思うんですが、理研さんはどうでしょうか。

古屋参考人 古屋でございます。

 今、委員御指摘になりました府省からの退職者の出向あるいは現役出向という観点でございますけれども、私どもも、非常に広い範囲の仕事をしておるということ、それから、科学技術政策上、極めて重要な仕事を非常に速い進展の中でこなしていかなければならない、その中では、公務員にこだわることなく有能な人材を集めたいと思っております。

 中で育てることも必要でございますけれども、国の科学技術政策あるいは複雑な予算制度、こういうものをしっかりととらえながら仕事をしていくためには、ある程度、そういう意味で有能な人材の活用、あるいはそれを踏まえた業務の推進をしていくという観点で、必要な人材の確保という中での出向をお願いしたりしているというところはございます。

村井小委員 最後に、もう一回、今の話を文部科学省に戻したいと思うんですが、理化学研究所にとって有能な人材というのは、今、国の予算をとるのに必要な人材というふうに、テレビを見ておられる一般の人は聞こえたと思うんです。

 もし仮に、文部科学省から理化学研究所へのこの三十四人の省庁出身者というのがなくなったとしても、必要な予算はつけるということでよろしいんですよね。

城井大臣政務官 一番大事なことは、国益に資する研究開発を進めていただくということであると思いますので、この人材の内容、中身というところについて、そこで定義づけを、あえて省庁出身者ということにする必要はないというふうに考えます。

新藤小委員長 参考人の方々も、この質疑の中で、質疑を聞き、答弁を聞き、もし御意見があれば、挙手いただければそこで御指名したいと思います。

亀井参考人 今お手元に、委員長の御許可をいただきまして、私、参考人の提出資料ということで、この委員会に資料を提出させていただきました。先ほど河野委員からも御指摘ございましたので、この説明を簡単にさせていただきながら質問をさせていただきたい、このように考えております。

 今のやりとりを聞いていて、これはもうここ四年間ずっと繰り返されてきたやりとりと同じだなと率直に感じさせていただきました。文科省の答えは質問に対して的を射ていない。理由を聞いているのに現象を答える、あるいは、最後は抽象論に流れる、精神論に流れる、これが文科省の回答であります。こうしたことを繰り返してきた。

 仕分けの是非については、いろいろな議論が世論の中にあるのは重々承知はしておりますけれども、私自身は、先般の仕分け、あるいは、先ほど河野委員からも御指摘がありましたけれども、かつて自民党政権時代の仕分けも含めて、このスーパーコンピューター事業というものをよりよくするために有意な指摘がされてきたのではないかな、そう評価をしております。そういう中で、その指摘というものを文科省がきちんと受けとめてきたのかというところをきょうぜひお伺いさせていただきたいと思って、参考人として出席をさせていただいた次第でございます。

 前回の仕分けの中で、この資料の中でぜひごらんをいただきたいのは、時間がないので難しいかもしれませんが、二ページ目をめくっていただくと、まず、前回の仕分けのときのやりとり、いわゆる世界一であるべきかないかということばかりが取り上げられましたけれども、実は相当大事な議論、指摘がされています。このやりとりを議事録、これはインターネットで公開されておりますのでだれでもできるんですが、あえて一問一答をまとめさせていただきました。

 これをまとめてみるとよくわかるのは、大半の質問にちゃんと答えていないということであります。ここはぜひ、委員の皆様にも御確認をいただきたいと思っております。

 もう一つ大事なことは、その次のページになるんですけれども仕分けの結論、これは先ほど文科省からも説明がございましたけれども、来年度の予算計上の見送りに限りなく近い縮減というふうに出たんですが、本質は、立ちどまって、先ほど来お話があった、将来的にも開発競争を継続できる技術の獲得と継承をしなさいということ、もう一点は、ソフト開発も含めたその政策効果の広がりを徹底しなさいというようなことが指摘されたんではないか、このように考えております。

 これに対しては、先ほど来、こういうことをやりましたというお話があったんですが、私自身疑念があるのは、コンソーシアムの組成というのは、これは私から申し上げればスパコン村でございまして、今原発で問題になっている原子力村と同じであります。文科省主導のもとでこうしたことがされている、あるいは今、富士通一社ということで、一社のもとでされている、こうしたことで本当に国益にかなうことができるのか。

 先ほど来、ネットワーク化を進めている、あるいはコンソーシアム化を進めているというようなことがお話がありましたけれども、それでは、そこに入れない人はどうなるのか、あるいは、そうではない技術の伝承というものを国益として、一社ではない国益としてどう担うのかということについて、文科省はどうお考えなのか、ぜひ御質問にお答えいただきたいと思います。

新藤小委員長 参考人に申し上げますが、申しわけございませんが質問はできないんですね。ですので、今の参考人の御意見、話を聞いていただいて委員の側から、その件についてどう思うんだという質問をしていただきたい。申しわけないが、そういう形にしておかなければ委員会が成り立たなくなりますので。ということで御了解ください。

亀井参考人 はい。質問を委員の皆さんにお願いいたします。

河野小委員 今の亀井善太郎さんの疑問に対して、文科省、お答えをいただきます。

岩本政府参考人 コンソーシアムの関係でございますが、考え方といたしまして、コンソーシアムについては、やはり特定のユーザーに偏った意見の集約の場になってはならない、そういうふうに認識しておりまして、幅広いユーザーに開かれたコンソーシアムでなければ意味をなさないというふうに考えておりますので、今後とも、そういう点に非常に注意して進めさせていただきたいというふうに考えております。

 それから、今後の開発体制につきましては、これまでこういう形で京のプロジェクトにつきまして進めてきたわけでございますが、今後のあり方ということにつきましては、私ども、どんな技術動向が今後諸外国も含めて考えられるのか、それから利用者の視点、それから成果が国民に還元されるような、社会に貢献できるような成果を出すための計算あるいはシミュレーションというものはどういうものが求められているのかというところからまず議論をいたしまして、その上で、HPC技術の高度化が本当に必要であれば、そこの部分についてどういうふうに開発していくのかという順序で今後の議論は進めさせていただきたいと考えております。その際、そういう部分の研究開発体制につきましても、最も望ましいあり方を今後議論してまいりたいと考えております。

 以上でございます。

河野小委員 今の質問に対する回答も、さっきの亀井さんの指摘と全く同じで、聞かれていることに答えていないですよね。

 既にコンソーシアム自体が、スパコン村と言われている、極めて限られた人間に占拠されています。おとといの説明によれば、そういう人たちに優先的に使用時間が割り当てられて、それ以外の時間を残りの人どうぞというふうになるというのは、極めて一部の人間にだけ、この京というリソースが優先的に割り当てられている。しかし、実際にその人たちがこの京を使って優先的にやったことが科学の技術を進歩させるという保証は何もないわけですから、そこが既に利権化しているというのが亀井さんの指摘だと思います。

 今のお答えは質問に対して全く答えていません。もう少しまじめに答えていただきたいと思います。

新藤小委員長 河野さん、ですから、それを例えば金田さんに聞かれたらどうですか。

河野小委員 では、金田さん。

金田参考人 先ほどの説明を聞いてわからないのは、コンソーシアムのメンバーシップというのがどうなっているのか、よくわからないんです。私は入れるんでしょうか。皆さん、どう思われるでしょうか。

河野小委員 金田さんが入れるんですか。

倉持政府参考人 コンソーシアムはオープンでございます。

遠山小委員 公明党の遠山でございます。私、同じ関連の質問をします。

 今、金田参考人も入れるという答弁を文科省はされたんだと思います。それに関して、文科省がきょう配った資料の六ページのところですね。これはまさに「「京」の共用の枠組み」というタイトルになっておりまして、私も先般、この京を視察させていただいたときに、一番の関心事は、この世界最速の京を産業界あるいは民間、それから今のコンソーシアムに入っていない方々がどう活用できるんですか、その手続方法とかはどういうふうに定められているんですかということをお聞きしました。その際の説明が、この六ページの真ん中の写真の右側にあります登録機関がそれをやりますという御答弁だったわけですね。そうすると、金田参考人もこの登録機関に行かなきゃいけないのだろうと私は予想しております。

 この登録機関というのは、実は最近選定されました。財団法人高度情報科学技術研究機構という団体でございまして、ここが利用者の選定業務と利用支援業務をするということになっていますが、この機構がどれだけ開かれた組織であって、そして、先ほどオープンとおっしゃいましたけれども、逆に言えば、利用者選定をするのはこの登録機関ですよね。この登録機関がだめだと言えば、そのだめと言われた人は使えないということだと思います。

 実は、いただいた資料にはこの登録機関の説明がほかに全くないんですね。だから、我々は知り得ないということですから、この登録機関がどういう組織で、そして、利用者の選定や支援につきましてどれぐらい手続の中身を決めていて、その中身は公開されているのかどうか。そこがきちんと担保されていれば、今のオープンだという答弁は説得力があるわけでございますので、説明を求めます。

岩本政府参考人 この登録機関に関しましては、いわゆる共用法に基づきまして定められているものでございます。

 最初にこれを運用するに際しまして、文部科学大臣の方で共用法に基づきまして基本方針を定めております。その中で、利用者選定業務に関しては透明な手続をきちっと担保して行うという原則を定めております。

 具体的には、この登録機関におきましては、共用法に基づきまして、まず、外部の中立公正な立場からの委員に入っていただいて選定委員会というものを設けまして、そこで、いろいろな基準ですとかそういったものにつきまして、選定委員会の、外からの御意見を聞いて定めるという枠組みになっております。

岡田(康)小委員 岡田康裕でございます。

 先ほど来、今のことについて定性的なやりとりが続いていますから、私も理系なので、数字の方で詰めさせていただければと思います。

 これは、開発がスタートするときの平成十八年度においては、千百五十四億円ぐらいかかりそうだと見積もっておられました。運営経費は年八十億ぐらいであろうと考えておられたはずなんですね。途中で日立、NECが抜けて仕様変更になる、お金が少し必要になった、それで七十六億円膨らまそうとしたけれども、そこに二年前の事業仕分けがあって百十億円切られた、そのことはさっき平先生からも指摘がありましたとおりです。ですから、開発総額については、当初の千百五十四億におさまったということは結果的によかったなと思うんですね。

 しかし、では運営経費とかその他はいかがですか。これは資料をいただきました。運営経費は八十億と見られていたものが、実際、今後百二十億かかるというんですね。一・五倍に膨らむ、その理由は何なのかということを具体的に説明する必要があります。

 もう一つは、私は、これは何か肉を切らせてもっと肉を得るみたいな話だと思っているんです。仕分けで百十億切られたんですけれども、その瞬間、利用者目線に変えるといって、利用促進費だ、HPCI整備・運営費だ、HPCI戦略プログラム費だ、高度化のための調査研究費だと、これは年間六十億ふえるんですよ。ということは、運営費が一・五倍になることとあわせて、百十億一発で切られたけれども、年間百億円ずつ予算はふえているんです。

 さっき、原子力村みたいな世界だとおっしゃいましたけれども、そこにこういうお金が流れていくわけですから、なぜこんなお金が必要になるのかということは具体的に説明をしていただいて、ちゃんと理解を得ないと進んでいけないと私は思いますし、きょうの評価シートにも直結する部分だと思います。

 では、亀井参考人、お願いします。

亀井参考人 今のお話のとおりでありまして、百十億切ったのが結局先送りになっているというのが今の金の構造なのではないかなと私は思います。委員の先生方にぜひお願いをしたいのは、まさに予算を決めるのは皆様方でございますので、本日の結論も含めて、そこのところは今後しっかりと精査をしていただきますよう、よろしくお願いを申し上げます。

 私が申し上げたいのは、先ほど遠山委員からもお話がありましたけれども、この登録機関というものが何なのかということであります。中立的な委員というものがこの世に本当に存在するのか。これは、実際に科研費を受けて研究としてやっているものをさらにそこでもう一回、屋上屋を重ねるというのはまさにこういうことを言うんだと思うんですが、そういうもとでこういう形でやっている。だから、私は先ほど来、村だと申し上げているんです。

 この村が結果的にどうなったかといったら、かつて原発、原子力村がこうなっている。同じことが起きやしないかということを私は指摘しているのであって、これに対する回答というものをぜひ文科省にいただきたいので、委員の皆さんから質問をお願いいたします。

岡田(康)小委員 先ほど亀井参考人がおっしゃったようなことについて、文科省さんはどう考えておられますか。

岩本政府参考人 いわゆる登録機関におきまして、共用法に基づきましていわゆる課題審査委員会などを設けて審査をするということにつきましては、共用法の趣旨としましては幅広い方々に利用していただくということなんですが、それなりの体制をとっておりますので、きちっとそういうふうな施設を利用することが非常に有効性があるものについて審査をするということで、やはりすべての方々が利用できるかどうかということもありますので、客観、公正的に選定をするということが共用法上求められているので、そういう体制をとっているということでございます。

熊谷小委員 先ほど来の議論で、やはり根幹は、私、冒頭で指摘しましたように、この京の運用の理念ですね。要するに、共用法に基づいて、もちろん、あまねく全国の方を対象に利用していくのか、ヘビーユーザーといいますか、本当に必要としている研究者が専有して利用できる、こういう形にする、これがごっちゃになっているんだと思います。

 コンソーシアムでそれを選定し、本当にそういうニーズをとらえた上で、無料で提供しますと。あるいは本来ならば、国が、今の福島原発以来、あるいは大災害以来のこれを予測し、あるいは事故解析をするような、委託して、やってくれと、本来、こういう形が望ましいと私は思っているんですが、やはり大学の基盤センターのように、共同利用施設ということで、公募なりにして、その上で選択して、なおかつ無料である。非常にこれはねじれているんですよ。

 ですから、国は、無料で提供します、こうはっきり断言しておられるわけでしょう。であれば、やはり国あるいは公正な機関が選定して、専有して使わすんだ、こういうことで私はいいと思うんです。

 ただ、一つ予算のことで言わせていただきますと、運営経費、二十四年度は百七億、ちょっとこれの内訳を教えていただけますか。メンテ代、光熱水道代。これが過大な見積もりであるかどうか、これはそれぞれ判断いたします。

 それと、あと、研究。基盤整備に約六十億ぐらいかかっている、四十六億、まあ五十億ぐらいですね。これは二つ分かれているんですよ、高度利用のための経費であるとか、あるいはグランドチャレンジアプリケーション。こういうものをまずあらかじめ選定されたわけでしょう、基本的に、公募じゃなくて。公募された。これもちょっとおかしいんですけれども、この経費はどういうふうに配分され、使われておるんでしょうか。次年度、二十四年度に対して合わせて四十六億、こうなっております。この内訳といいますか、教えていただけますか。

新藤小委員長 ちょっと待ってください。

 利用方法だとか利用者の選定に関すること、いろいろな疑問が出ておりましたが、この件については、もうよろしいですか。それをやはりある程度絞ってもらって、その上で、例えば今度は経費の内訳だとか、そっちの方に行った方がいいと思うんです。

 ですから、まず、今までの大きな議論だった運営方法の議論。

 参考人、御意見ございますか。

永久参考人 先ほどから少しいらいら感があるんですが、それは数字が出てこないということでして、ユーザーの実際の数字がどれだけ変化してきたのか、増加してきたのかどうかということ。それと、コンソーシアムの関係者以外のユーザーの数はどうなっているのか。また、それをこれからどうやっていくかという目標設定があるのかどうかということがなくて議論が展開しているのにいささか不満足な感じがしましたけれども、その点は、皆さん御了解されているのでしょうか。

河野小委員 今の参考人の御意見に対するお答えと同時に、文科省が選んだ特定五分野は、この登録機関が決める以外の時間帯を使うということですか。この登録機関が決めるのは、総使用時間の何%を決めるんでしょうか。あわせてお答えいただきたいと思います。

岩本政府参考人 一応これは、京で一般に共用に供するもの、それは戦略プログラムのものも含めて、すべて登録機関の方で実質の利用者選定ということで取り扱う形になります。

河野小委員 済みません、まず、先ほどの参考人の質問に対する答えを数字で挙げていただきたいのと、おとといいただいた資料は、特定五分野が五割を使うと明確に書いてありましたよね。そうすると、登録機関が決めますといっても、その特定五分野の人間たちは、あらかじめ、もう既に五割の優先枠をもらっていることになりますね。さっきの参考人の質問に対する数字と一緒にお答えください。

新藤小委員長 もう一度、具体的な答弁をお願いいたします。

倉持政府参考人 まさに、京の利用につきましてでございますけれども、熊谷委員からも御指摘がございました、ヘビーユーザーというお言葉だったと思います。

 十ペタ級のマシンを使うということについては、十ペタ級で動くソフトウエアを早く開発して、それを皆さんで使っていただくということが非常に重要であります。それで、まさにこの十ペタ級の能力を最大限発揮できるようなソフトウエアというのを開発するために、特にインパクトが大きいであろうこの五分野を設定して、今開発を進めているところでございます。

 さはさりながら、幅広い、オール・ジャパンのユーザーの方々には非常にいいアイデアもあろうかと思いますから、その方につきましては、いわゆる公募という形で一般利用枠というのをつくって……(河野小委員「まず、質問に答えていただけますか。数字と、五割は優先的に使われているんですね」と呼ぶ)

 数字は後ほどお答えしますけれども、その割合については、したがいまして、今、コンソーシアムでどのくらいの割合がいいかという御議論の中でおとといお示しした数字が出ているのであって、その意見をまとめて、登録機関というところで利用枠というものを決めますので、まだ決まっているものではございません。(発言する者あり)

岩本政府参考人 ユーザーの目標については、見積もりとしましては、おおよそ二万人というものを掲げております。

新藤小委員長 ちょっと、はっきり言って。

岩本政府参考人 二万人です。

新藤小委員長 それを設定しようとしているわけですか。

岩本政府参考人 それは、そういう見積もりを私どもは持っているだけでございまして、目標として設定しているわけではございません。

金田参考人 その二万人というのは、どのレベルの人で二万人なんですか。どう聞きたいんですか。

階小委員 金田さんのことを参考人に。

岩本政府参考人 およそ、今現状で、今後HPCIに参画する可能性のあるスパコンのユーザーの大体の数を合計するとそういう数になるわけでございまして、さらに今後ユーザーが拡大していくということに関しては、特に数字として今はっきりわかるわけではございませんので、二万人というのはそういう数字でございます。大体、各スパコンのアカウントを持たれているような方の登録者の数です。

新藤小委員長 今のに御意見はありますか。

金田参考人 私の経験からいうと、八〇年代に日本で最初にスーパーコンピューターが入って広く使われましたけれども、今減少していると思います。

 要するに、スーパーというのは、例えば、私の持っているノートパソコンも二十年前では完全なるスーパーコンですよ。そうではなくて、スーパーコンピューターというのは、テラとか十テラ、あるいは百テラクラスのものを使いこなせるような人のことを本当のスーパーコンのユーザーだと定義すれば、万もいるわけありません。千もいないでしょうね。もしかして百のオーダーかもわかりません。というのが私の想像です。

永久参考人 今の関連ですけれども、二万人というのは延べ人数なのかなというふうに感じましたけれども、いかがでしょうかという質問があります。

岡島小委員 文科省から。

倉持政府参考人 二万人の御議論でございますけれども、御説明申し上げましたように、今、京と大学の情報基盤センターをつなぎながら利用するという形態を考えておりますので、今まさに大学の共同利用機関のスーパーコンピューターをお使いになっておられる方々の人数等を考えまして、二万人程度のIDというものを持っていただいて、このシステムを使っていただけるようになるのではないか。

 その中で、実際、京をお使いになるかどうかというのは、提案、内容を見て、まさに十ペタでふさわしい研究をなさる方がそれをお使いになる、そういう仕組みを考えているところでございます。

熊谷小委員 先ほどの質問に戻りますけれども、今の議論も同じなんです。要するに、数がひとり歩きの議論じゃ、こんなもの、二万人というそれが大事なんじゃなくて、本当に二十四時間ぶん回して、テンペタを達成して研究成果を出す、こういう人に専有させればいいわけですよ。ですから、人数ではない。

 もう一つは、それにまつわる研究開発費の二十四年度の四十六億ですか、これが、そのために資するために、要するに、そういう研究者をプロモートするために使われるのか。本来それは、ほかのところで研究費をもらっていて、その付随でこの計算機を使おうとしておられるんだったら、別に付加的にこういう京としての開発経費は計上する必要はないわけですよね。そうですよね。

 だから、この四十六億というのは、これはユーザーがソフトウエアを開発するについての開発経費なのか、どういうことなんですか、ちょっと説明してください。

新藤小委員長 それでは、今の方の議論に入っていきたいと思います。

 それで、この自由質疑は十時二十分をめどになっておりますので、そのほかさらに論点が、御質問になりたい方がいらっしゃいましたら、それも出していただきたいというふうに思います。

 では、今の熊谷君の質問に対して。

岩本政府参考人 HPCI戦略プログラムの予算のところの御質問かと思いますが、その中の一部としまして、従前から進めておりました、京を使ったときにユーザーの方が共通基盤で利用できるアプリケーションソフトウエアの開発が最終段階に入っていますので、その値段がまず入っております。

 そして、それ以外に戦略五分野についての予算が入っておりますが、戦略五分野の予算につきましては二つ主眼がございまして、一つは、京を利用して画期的な成果を上げるためのプロジェクトの予算を盛り込んでいるのと、もう一つは、HPCI全体として利用しやすい体制ができるように、その後の人材育成のことも含めて、ユーザーコミュニティー機関の方でそういう体制をつくるための予算でございます。

村井小委員 金田参考人にコストの話を聞きたいと思うんです。

 例えば、システムエンジニアとかの発注は、同じソフトをつくっても、民間の発注する金額とお役所の発注する金額が違って、役所は高い値段を吹っかけてもそれだけ払うけれども、民間は値切って安くなる、同じシステムをつくっても官民価格差が非常に高いとよく言われています。

 そんな中で、今回のスパコンのペタ当たりの単価を見てみると、日米を比較すればペタ当たりの単価が四倍ぐらい違うわけですが、金田参考人にお聞きしたいのは、この価格差が妥当だと考えるのか、それとも高過ぎると考えるのか。一般的に見てどういうようなものでしょうか。

金田参考人 今回、アメリカでは、二十ペタの新機開発と、十ペタもありますけれども、十ペタのイリノイ大学はキャンセルになりましたけれども、二百九十七ミリオンドルです。それは円・ドルレートによりけりですから、三百億、三百五十とか六十億。今、円が強くなっています、もっと安いんでしょうけれども、それと比べると、やはり三分の一とか四分の一安くでき上がっているというのは現実としてあるんだろうと思います。

 アメリカが安いのは、要するに特注品ではなくて、でき合いの大量生産品を使っているというのが一つ大きい。それから、過去の実績の上に成り立っているから、開発のある部分は既にやっているので上乗せ部分が少ないということもあって、相対的に高くなっているんだろうという気がします。

 それと、今回の場合は、四十五ナノというリソグラフィーの半導体を使えという要求をどうもしたようなので、そのために、例えば富士通としてもやはりラインを持たなきゃだめだということがあって、それで見かけ上高くなっているんだろうと思います。だから、そこら辺は、例えば四十五ナノを使えというんではなくて、どのリソグラフィーでもいいから一番効率的なやり方でやれというようなことをやれば、もう少し下がったんではないか、まあ、もう少しか大きくかわかりませんが、下がった可能性はあると思いますけれども、相対的に高いかなという印象は持っております。

平(智)小委員 民主党の平です。

 今の質問にも関連するんですけれども、来年にクレイ社のタイタンとIBMのセコイアがそれぞれ二十ペタを実現する、今の日本の十ペタ、京の二倍になるということはもう確定をしているわけでありまして、今、DOEが調達者ですけれども、非公表となっていますが、連邦調達規則というのがあって、これはフェデラル・アクイジション・レギュレーションですが、そのコードで非公表となっていないならば出てくるはずなので、これは正式に委員会から、それが幾らかかったのかの調査をお願いしたいと思います。まことこれはクラシファイドで非公表なら仕方がありませんが、二十ペタというものを開発するのにアメリカとして総額幾らかけたのかを日本との比較において調査する必要があると思います。

 それからもう一点ですが、今のは調査の依頼ですが、質問は、これは金田先生にお願いをしたいんですが、例えば地球シミュレーターが十テラぐらいまでしかいかないとすると、十ペタの千分の一ですよね。先ほど少しお話しになったように、テラベースのスパコンをさわる人がスパコン技術者だとすれば、京のスピードをさわれるスパコン技術者はほとんど、数が極めて限られている。今後とも、そのような限られた技術者のもとに、過去一千億円かけてきたものを限られたテーマのもとに使うというプロジェクトだということをあらかじめはっきりとさせるべきではないか。なぜ二万人というような大きな人数に拡大するのか。その方向性が我々をミスリードしているというふうに思います。

 もう一回言いますが、限られた研究の限られた研究者による一千億円だということをはっきりおっしゃったらどうでしょうか。それが言えるかどうか。

 その意味で、ちょっと決算ではなく予算になりますが、二十五年以降の百十億から百二十億という毎年の運営経費は、その限られた目的の限られた研究者のための今後の維持経費として毎年かかるわけですね。それが適正だと思うかどうかをちょっと金田先生にお願いします。

金田参考人 難しい回答ですが、まず最初に、地球シミュレーターは十テラじゃなくて四十テラです。実効のリンパックが三十五ぐらいだと思います。要するに、京と比べると二百五十分の一だと思います。見かけ上、確かにコンソーシアムをつくってやるという意味では、要するに大規模ユーザーのためのマシンに成り下がっているように見えなくはないというのは私もそう思います。

 ただ、基本的に研究というのは、千三つみたいなものがありますけれども、当たる当たらないというのがありまして、必ず当たるという保証は全くないわけなので、本当にこの手の計算機というのは、ある程度の能力、意欲がないと使いこなせないということがありますから、日本全体のことを考えると、本当に使いたい意欲があって、それなりの責任感を持った人に使わせてもらえれば一千億も生きるんではないかという気はしておりますけれども、今のままだとなかなかそうはいかないんではないかと思います。

 さっきの運用経費の百億も、百二十億ですか、になっていますが、我々の当初の試算とほとんど変わりません。というのは、電気代が本体二十メガですが、実はきのうのトップ五百でいうと十三メガぐらいですから、ちょっと多目に試算をしている。空調費が、今は効率が上がっていますから、本体の消費電力の二・五分の一とか三分の一ですから、空調を合わせて恐らく十六、七メガワットだと思います。

 CMOSですから使うときと使わないときでは電力が二割から三割狂うんですが、トップ五百のときに十三メガワット弱ですから、恐らくそれがピークだと思います。それで空調をやっても十五、六。二十メガはいきませんから、それだけで電気代が、恐らく一キロワット十一円とか二円で契約できるはずですので、二十メガワットだと全体で二十億。けれども、これは二十八億になっているんですね。それは少し高目。

 それから、マシンのメンテ、サービス費そのものが、商売品の場合は五%か六%だと思います、正価の。今回の場合は特注品ですので、その倍かかったとしても一〇%ぐらい。一一%だと思っても、本体開発コスト、ソフトウエアのコストがどうなっているのかわかりませんが、それでもちょっと高目かなという気はしている。これは、もうずっとかかります、運用し続ける限り。あるいは、五年とか六年たつと保守費を賄うことができなくなって、恐らく上がるはずなんですよ。

 だから、今回、電気代も含めて、今以上のものが、後年度負担がかかるということがあるので、そこも含めていろいろ検討する必要があって、それに見合うようなマシンになっているのかどうか疑わしいのではないかと思っています。

新藤小委員長 今、限られた人のものでないのか、こういう方針を明確にしてはどうか、それから、運営費、ランニングがかかり過ぎるのではないか、こういう御質問がありましたね。それに今御参考人のお答えがありましたが、これは担当者として、文科省、どうですか。

倉持政府参考人 確かに、繰り返しになりますけれども、十ペタ級のマシンを使いこなす、そういうソフトウエアを開発するということは非常に大事で、それをやれる人というのは数が限られていると思います。そういう方が意欲を持って取り組んでいるのが戦略プログラムですが、それは、彼らの研究だけをやるわけではなくて、そこで開発されたアプリケーションが、皆さんに使っていただいてまさに十ペタの計算能力を引き出す、そういう科学研究計算が皆さんに使えるようになる、そういう効果があるわけでございまして、繰り返しになりますが、この京は、共用法に基づいて、皆さんに使っていただくのが最終ゴールです。しかし、そこを本当にソフトウエアも含めてしっかりやり遂げるために、今、そういう戦略プログラムで、幾つかインパクトのある分野について、その能力を使いこなすためのソフトウエアを開発して、それを皆さんに使っていただくようにしているということでございます。

 しかし、これはあくまでも共用法ですから、それ以外にも当然使っていただくために、一般枠ということでいいアイデアを募集して、それをきちっと内容を見て選定していくという枠組みを考えたい、こういうことでございます。

 それから、運営費につきましては、これだけの物すごいパーツから成るマシンでございますので、やはりどうしても故障というのがありまして、それを置きかえなきゃいけない。そういったところに必要なメンテナンスのお金というのがかなりの割合を占めておりますけれども、そこにつきましても、それは理化学研究所にもお願いしているわけですけれども、極力やはりそこのところの効率化を図って、まさに大事な税金を無駄にすることのないような運営ということにはしっかり心がけていきたいと思っております。

新藤小委員長 それでは、時間が過ぎましたので、最後に平委員から一言お願いします。

平(将)小委員 自民党の平です。

 亀井参考人の指摘のとおり、自民党の無駄撲滅プロジェクトチームの事業仕分け、その後、政府の事業仕分けの指摘を経ても、文部科学省の誠実に資料を出さないという体質はまるで変わっていないということでありますので、科学技術振興費については、同じことがあらゆるところで起きている可能性がありますので、引き続き委員会で取り上げていただきたいという意見を申し上げます。

平尾参考人 現場からなんですが、計算科学研究機構の平尾でございます。

 このプロジェクト、本当に世界最高性能の京というスパコンを開発し、これは単なるスピードだけじゃなくて、あらゆるところで使えるといったらおかしいんですが、あらゆる分野で使えるマシンなんですね。

 これは、私たち、それを使って本当に科学技術のブレークスルーを果たしたい、あるいは産業の競争力をつけたいと思って、今、多くの研究者あるいは企業人が努力をして、それに合うプログラムを開発したりしているわけですね。そして、それが実際に京の上で使えるという見通しも出てきているわけです。

 ですから、日本の国力を上げるためにも京は必要ですし、それをきちっと動かすような御支援をぜひお願いしたいということを最後に申し上げます。

河野小委員 その件について、この数年間、文科省にただしているのに対して、文科省は全くまじめに答えていないのが問題なのです。

 科学技術の中には、純粋科学と技術開発と両方あります。文科省の選んだ重点五分野の中には、素粒子をぶつけて何が起こるかを見てみようという純粋科学の分野と、自動車をぶつけて事故対策をやろうという技術開発が同じレベルで議論されているじゃありませんか。この何年間かの事業仕分けで、純粋科学の分野と技術開発をきちんと分けて評価をしろということを言ってきたにもかかわらず、いまだにそこが同じ扱いになっている。

 今さら、これは大事だから支援をしてくれという前に、今まで問題とされていたことに対してきちんと答えをしなければ、科学技術振興費すべてに対して、この中に含まれているすべての大型プロジェクトに対して、一から、立法府で予算審議の前に、きちんとこれまでの決算を見ていかなければ、とても御支援を申し上げると言えない状況にあるということを文科省も理研もきちんと理解をした上で、きょうのものすら、まじめに資料要求に対して答えが出ていないわけですから、こんな状況で御支援をお願いに来る前に、まじめに今までの疑問に答えるようにしていただきたいと思います。

倉持政府参考人 今、科学と技術の両面が一緒に扱われているという御指摘でございました。

 確かに、この戦略プログラムということの中には入っておりますけれども、そこを一から五まで分けまして、特に五というのは基礎科学でございます。ここは、日本が強い、特に物理とか宇宙のところのソフトウエアを開発する。それがやはり世界に先駆けていい成果を出します。そういうところでやはり日本はリードをしたい。

 第四分野というのは物づくりであります。ここは、自動車の衝突とかそういうところの高度なシミュレーションにつながるソフトウエアを開発しております。そこは、もし商業価値が出てくれば、それを知財化するということも考えております。別のマネジメントでやっていることを御説明したいと思います。

新藤小委員長 それでは、小幡参考人、今まで一言もお話しされておりませんので、特別にお許しします。

小幡参考人 では、一言だけ。申しわけございません。

 今回、立法府による行政監視という大変すばらしい試みであるかと思います。一件目が、ちょうど京というのが世界一になったという報道がされたところで、国民的にもかなり関心を集めているものが俎上に上っておりますが、まさにここでやっていただきたいのは、それはそれで国民に明るい材料を提供したという大変喜ばしいことではあろうかと思いますが、それが本当にどのようなコストで行われているか。もう少しコスト削減の可能性はないか。あるいは、今さんざん議論がございましたように、ユーザー視点で再構成せよと再三ずっと言ってきているにもかかわらず、それが進んでいるとは思えない。

 今、いろいろ議論があった中で、事業仕分けで百十億円削減されたはずのもので、現実にそれがどのような形で、本当に削減したのに同じことが達成できたのか、あるいは、もう少しほかの運営費等で賄っているということがあるのか、そういう問題も必ずしも明らかになっておりませんし、ユーザー視点というのも、先ほどから一部の独占になっているのではないかということについて、例えば二万人という、多少現実味のないような数字が出てきただけで、これも本当にユーザーを広げるという面で考えられているということは明確になっておりません。

 そういういろいろな問題点がございますので、この京というものについて、今後の行政としてどういうふうにやっていくべきかという監視を立法府としてぜひ進めていただきたいと思っております。

新藤小委員長 ありがとうございました。

 それでは、時間が参っておりますので、HPCIの構築につきましての質疑はこれで終了させていただきたいというふうに思います。

 参考人の皆さんには大変貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。

    ―――――――――――――

新藤小委員長 これから評価をしたいと思います。

 小委員の皆さんには、お手元に評価シートが配付されておりますので、御自身の署名をされた上で評価を御記入願います。御記入が終わりましたら、事務局が回収をさせていただきます。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

    〔小委員長退席、岡島小委員長代理着席〕

    〔岡島小委員長代理退席、小委員長着席〕

新藤小委員長 速記を起こしてください。

 この際、御報告いたします。

 HPCI構築についての本小委員会の評価結果でございます。1廃止が〇。2実施は各自治体・民間の判断に任せる、これも〇。3来年度の予算計上は見送りが一。一人ですね。そして、4予算要求の縮減または組替・見直しが九人です。5組織・制度の改編が四人。6予算要求どおりが〇。7予算の増額を検討するも〇。延べ十四人の方からの評価となりました。

 また、小委員からは御意見をたくさんいただいておりますので、これは後ほど幹事の間で検討させていただいてコメントとして出したい、このように思います。いずれにいたしましても、コストの見直しや、ユーザー視点での利用者の利用計画になっているか、そういったような御指摘を踏まえたコメントを出したい、このように思っております。そういったことを以上、御報告させていただきます。

 本結果につきましては、これを決算行政監視委員会の理事会に上げまして、理事間また各党の協議を経てこの取り扱いを協議するということにしておりますので、御了承いただきたいと思います。

 それでは、まず第一のテーマでございましたHPCI構築についての審議を終わらせていただきたいと思います。皆さん、大変ありがとうございました。また、役所の皆さん、御苦労さまでした。

 では、時間が大分経過しておりますので、続いて次に進みたいと思いますので、政府の方々の入れかえを素早くお願いいたします。

    ―――――――――――――

新藤小委員長 次に、厚生労働省、医療費レセプト審査事務を議題といたします。

 参考人として神奈川県厚木市協働安全部人権男女参画課長小瀬村寿美子君、埼玉県草加市副市長中村卓君に御出席をいただいております。

 参考人の皆さんには、本日、御多用中のところわざわざこの小委員会に御出席いただきまして、ありがとうございます。それぞれのお立場から忌憚のない御意見をちょうだいしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 なお、念のため申し上げますが、御発言の際は小委員長の許可を得ることになっております。また、参考人は小委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御了承願いたいと思います。

    ―――――――――――――

新藤小委員長 医療費レセプト審査事務につきましては、審査支払い機関の統合によりレセプト審査が効率化できれば医療費の削減につながるのではないか、審査支払い機関の競争促進を図ることとしているが、その競争環境は十分整備されているのか、労災診療に係るレセプト審査について、ノウハウを有する支払基金などに委託した方が医療費の適正化につながるのではないかという点を含めて論点とされております。これらを踏まえた議論を活発に行っていただきたいと存じます。

    ―――――――――――――

新藤小委員長 それでは、まず、政府から説明を聴取いたします。辻厚生労働副大臣。

辻副大臣 厚生労働副大臣を拝命しております辻泰弘でございます。

 本決算行政監視委員会の皆様方には、日ごろより厚生労働行政に対しまして御指導、御鞭撻を賜っておりますこと、心より感謝を申し上げる次第でございます。

 それでは、お手元に配付させていただいております資料に基づきまして御説明をさせていただきます。

 それでは、「社会保険診療報酬支払基金と国民健康保険団体連合会について」という資料、もう一方、「労災診療費の審査体制について」という縦長の資料、この二つに即しまして、以下、御説明をさせていただきます。

 医療費レセプト審査事務について、行政刷新会議等で指摘のあった点、これに対する取り組みについての御報告ということでございます。

 まず、横長の方の一ページ目をお開きいただきたいと存じます。「審査支払機関の在り方について」ということでございます。

 審査支払い機関のあり方につきましては、平成二十一年十一月の事業仕分けにおきまして、国保連、支払基金の統合との評決結果があったところでございます。これを受けまして、厚生労働省におきまして、有識者による審査支払機関の在り方に関する検討会を平成二十二年四月に設置いたしまして、組織のあり方とあわせて、審査の質の向上、業務の効率化について、現地視察や外部の有識者からのヒアリングなども行いながら議論をさせていただいた次第でございます。

 そして、平成二十二年十二月に議論の中間的整理をまとめたところであります。組織のあり方につきましては、「統合と競争の観点から引き続き検討。」としているところでありますが、審査の質の向上と業務の効率化につきましては、検討会のさまざまな御指摘を踏まえ、厚生労働省、支払基金と国保連では、審査支払い業務のさらなる効率化や審査手数料の引き下げ、審査の均一性を確保するための審査の質の向上に取り組むこととしているところでございます。

 次に、二ページ目をお開きいただきたいと存じます。

 診療報酬の審査、支払いは、全国二十三万の保険医療機関、保険薬局と約三千五百の保険者との間で、毎月の診療報酬請求書、レセプトの審査確定と支払いを行っているところでございます。

 レセプトの件数につきましては、資料の数字の修正がございます。一月当たりの国保のレセプト件数が、資料では五千九百五十万件となっておりますが、正しくは七千八百二十万件でございます。一月当たりで、支払基金は約七千百四十万件、国保連は七千八百二十万件、合計で約一億五千万件でございます。

 三ページ目をお開きいただきたいと存じます。

 審査支払機関の在り方に関する検討会におきましては、組織のあり方について、統合と競争の観点から議論をさせていただきました。

 検討会におきましては、保険診療ルールは共通なので長期的視点からは統合があり得るという意見もありましたが、全体としては、統合すべきとの御意見はごく少数でありました。

 他方、審査業務を委託する保険者の意見はいずれも、統合は慎重に検討すべきであり、むしろ、現在の業務体制や人件費の見直しによりコスト削減に取り組むべきというものでございました。

 その理由として、まず、被用者保険、健保組合や協会けんぽの方々でありますけれども、被用者保険の関係者からは、統合よりも競争によって質の向上とコスト削減を求める意見、また、統合によって審査の質が低下する可能性を心配する意見などがございました。

 また、市町村国保の関係者からは、国保連は、レセプト審査だけでなく、レセプトによって、被保険者の資格確認や高額な医療費の共同事業など、市町村の共同事業を担っている、仮に審査の事務だけを取り出した場合、こうした保険者の業務に支障が生じるとの意見などが出されたところでございます。

 次に、四ページ目をお開きいただきたいと存じます。「支払基金と国保連の比較」でございます。

 表の下段でございますが、支払基金の査定率は、二十二年度の件数ベースで一・〇八%、国保連の査定率は、二十二年度の件数ベースで〇・七七%となっております。

 次に、五ページ目をお開きいただきたいと存じます。

新藤小委員長 副大臣、恐縮ですが、五分でお願いしておりますので、端的にお願いいたします。

辻副大臣 はい、失礼いたします。

 規制改革会議では、さらなる競争の促進について、平成十九年六月に閣議決定をされております。

 このため、現行法でも保険者は審査、支払いの事務を支払基金と国保連のいずれにも委託できることになっておりましたが、その実効を確保するため、委託先の変更に必要な手続を昨年十二月末に整備した次第であります。支払基金と四十七の国保連では、手数料や審査データなど委託先の変更の判断に必要な情報をホームページで公開いたしております。

 次に、六ページ目をお開きください。

 支払基金では、本年一月に公表したサービス向上計画を踏まえ、手数料の引き下げや職員定数の削減に取り組んでおります。

 次に、七ページ目をお開きいただきたいと存じます。

 国保連合会でも、市町村国保が厳しい財政状況にある中で、IT化の推進や職員数の削減など経費節減等に取り組み、手数料の引き下げに取り組んでいるところであります。

 八ページ目をお開きいただきたいと存じます。

 支払基金と国保連の審査手数料水準に差があるわけでございますけれども、国保連の場合、保険者からの会費収入等がある中での審査手数料設定であることに御留意をいただきたいと存じます。支払基金、国保連とも、審査手数料につきましては引き下げを図っているところでございます。

 九ページ、十ページは、御説明を申し上げました業務効率化の取り組みを整理したところでございます。

 恐縮でございますが、引き続きまして、労災診療費の審査について御説明を申し上げたいと存じます。

 まず申し上げておきたいと思いますけれども、労災診療費の審査体制につきましては、昨年の行政刷新会議等の御指摘を踏まえ、審査事務の国への集約化を実施中でございまして、十二月一日には完了する予定であるということになっていることを申し上げておきたいと思います。

 さて、「労災診療費の審査体制について」をごらんいただきたいと存じます。

 労災保険は、業務上の負傷、疾病等を対象としているという保険の性格上、健康保険と異なり、負傷、けがが大部分で、外科、整形外科等への支払いが診療費支払い額の約九割を占めております。また、労災保険の唯一の保険者である国が直接実施しているところが特徴と言えるわけであります。

 二ページ目をお開きいただきたいと存じます。「労災保険と健康保険の違い」というところでございます。

 対比表の中で労災保険の査定内訳に書かれておりますとおり、労災保険の対象が業務上の傷病に限られるため、レセプト全数の審査を行っており、審査点検でも、レセプトに記載された傷病が業務外で労災非該当とするものが、査定結果全体の六割を占めているところでございます。

 また、保険者である国は、労災レセプトが点数表のルールに照らして適正か否かというだけでなく、休業補償給付の適否の判断や症状固定の判断など、保険者特有の判断を行う際にもレセプトを活用しております。そのため、労災診療費の審査は、保険者である国が一元的に実施することが適当だと考えております。

 厚生労働省といたしましては、医療費が増加する中で、適正な保険診療を確保しつつ、貴重な保険料を原資とする審査、支払いの事務の効率化、審査の質の向上は重要な課題と考えております。

 委員の皆様方には忌憚のない御意見を賜りたいと考えております。よろしくお願いを申し上げます。

 以上でございます。失礼しました。

新藤小委員長 ありがとうございました。

 これは役所の方に申し上げますが、既に我々はこの問題で勉強会も懇談会も開いているわけでございますから、ポイントを端的に、五分以内でやるということ。倍の時間がかかっていますから、これはきちんとした準備をしてもらいたいと、改めてお願いをしておきます。

 これにて政府からの説明は終わりました。

    ―――――――――――――

新藤小委員長 続きまして、自由質疑を行いたいと思います。

 今回の自由質疑は、基本的に各委員がお一人お一人、一問一答でやらせていただくことになっておりますが、冒頭、申し出があった場合には、各会派を代表して十分以内で質疑をしていただくことになっております。

 今回、質疑の申し出がございますので、まずは奥野総一郎君からお願いしたいと思います。

奥野小委員 民主党の奥野でございます。

 それでは、早速質問に入らせていただきます。

 この問題のポイントは、審査の効率化を図りながらいかにコストを抑えていくかということだと思います。

 それに向けてどう考えるかなんですが、同じ業務を二つの機関がやっている。支払基金と国保連、二つの機関が、それぞれ都道府県ごとに事務所を出して、全く同じ業務を、別のシステム、別の人間、そして別の建物でやっている。これが果たして効率的かどうか。

 そして、競争原理の話がありましたが、数字を見る限り、競争原理が働いているという証拠はございません。査定率を見ても、支払基金が常に上回っている。先ほど一・〇八%と〇・七%という、これは単年度の数字が出ていますが、十九年に競争原理の導入という決定がなされたと説明がございましたが、その後もずっと、査定率を見ても常に基金が上回っている、こういう状況でありまして、競争原理が働いているという証拠は必ずしもございません。

 そうした中で一昨年の事業仕分けが行われているわけでありますが、仕分けの結論は、この二つを統合するという結論が仕分けの方で出ておりまして、それを受けて厚生労働省さんの方も、今御説明がありましたけれども、在り方検討会というものを開かれて、昨年十二月に中間報告が出されたというふうに承知をいたしております。

 こういう話は、直観的に考えたら、やはり共通部門が統合されるとか、システムが共用できるとか、そういうことを考えると統合の方がコストが下がるんだろう、こう思うわけですね。

 それはやはり定量的に示さなきゃいかぬということで、こういう資料、きょうの、先ほど厚生労働省さんの御説明にあった資料の束の後ろに別添二ということで、組織の統合、競争の促進の定量的な検証、試算案というものが出されております。

 これが数字ということになるんでしょうが、一枚めくっていただいて、二ページというところをざっと眺めていただきますと、統合した場合と業務を合理化した場合の二つについて書かれております。国保連へ統合した場合というのがありまして、初年次、七年後と書いてありますが、初年次では、上は五十二億円の削減効果があって、統合コストが二百六十九億円ということで、増減で統合コストの方が二百十七億円上回っている。七年後におきましても統合コストが二十七億円上回っている。それから、基金の方も同じように見ていただければと思います。そして、業務合理化をした場合、こういうつくりになっております。

 これを見ると統合効果がないように見えるんでありますが、この資料はなかなか誤解を与えるような書き方になりまして、まず、業務合理化について言えば、統合パターンにもすべて同じ効果が出る、統合した場合も業務合理化が行えるということで、七年間で五百十八億円の削減効果が統合した場合も出てくるということをまず御理解いただきたいと思います。

 その上でこの数字を見ていきますけれども、内訳を見ていくと、「参考」というのが一番おしまいのページ、裏から二枚目についていますが、この「参考」の中を見ますと、これは内訳が出ておりますが、事務所売却という項目が出ています。先ほど申したように、事務所が重複するわけでありますから売却していく。もちろん統合される側は事務所を増設しなきゃいけないんですが、こちらは売却の方の数字が出ています。初年度で見ていくと、国保連に統合した場合は百四十五億円、それから基金に統合した場合は六十七億円ということで削減効果が期待できるということになっています。

 これについて政府に伺いたいんですが、端的にお答えだけいただきたいと思いますが、この二ページの表の中に売却の削減効果というのは含まれているのでしょうか。端的に。

外口政府参考人 含まれておりません。

奥野小委員 なんですね。

 これを見ると、国保連に統合した場合は百四十五億円の効果があるというわけですから、削減効果が百四十五億円上乗せになって、七年後にはマイナスおよそ百二十億円の統合効果、統合のメリットが出てくるということですね。基金の方は数字が六十七億円ですから、それでも統合コストの方がかかる、七年目においてもかかるという書き方になっていると思います。

 それから、次なんですけれども、これを見ますと、それぞれシステム切りかえというのが初年度にあります。これは既存のシステムに統合するためのコストだというふうに理解しています。そしてその後に、七年目にシステム更改というふうにあります。これは、システムを通常七年ごとに更改している、こういう理解だと思うんですが、通常、更改の時期に合わせて統合した方が安く上がるんじゃないか、こういうふうに思います。

 そこで伺いたいんですけれども、この更改というのは何年ごとにやっているのか、それから、直近の更改というのは、いつ、それぞれのシステムについて行われたのかというのをまず伺いたいと思います。政府の方、端的にお願いします。

外口政府参考人 国保連の場合ですと、通常七年で更改をしております。直近は、この二十三年度に行っております。

奥野小委員 ありがとうございます。

 それで、ちょっとやはり問題だと思うのは、一昨年に仕分けが出ているわけですね。統合すべし、統合について検討すべしという仕分けが政府の中で出されたにもかかわらず、事実上更改を進めてしまった。もし真剣に統合について考えるのであれば、この更改をストップして、統合の是非が決まってから進めるべきじゃないかというふうに思います。

 そこで、伺いたい。これは走り出しているのでもうとめられないということなのかもしれませんが、しかし、七年ごとの更改でありますから、七年たてばまたシステムの更新の時期が来る。例えば、この時期にそろえて統合を検討すると、ここに出てくるシステム切りかえの経費について相当削減できるんじゃないかと思います。

 この表は七年目でとまっているんですが、まず、七年目以降の試算表というのはあるんでしょうか。

外口政府参考人 試算はしておりませんけれども、ただ、当初の統合にかかわるイニシャルコストの影響が減ってまいりますので、長期的に見れば、より削減コストの方が大きくなってくると思います。

奥野小委員 ぜひお願いしたいんですが、さっきの話でいえば、仕分けで統合と言われたにもかかわらず、事実上更改を進めてしまったということについては、私はまことに遺憾に思います。それをまず申し述べた上で、七年後にまた更改の機会が来るわけですから、このときに統合した場合に一体幾らコストがかかるのか。そして、より長期の試算表をぜひつくって提出していただきたい。そうすれば、統合メリットの方が必ず上回る、さっきの売却の話も含めて精査すれば削減効果が必ず上回るというふうに思うんですが、ぜひそこをお願いしたいと思います。

 きょうのこの資料を見ても、統合をしないという方向の資料になっていると感じざるを得ません。現に、検討会の方でも、統合については引き続き検討という、先ほどもおっしゃっていましたけれども、意見としては統合について否定的な意見が多かったということをおっしゃっていますが、やはり統合のメリットというのをきちんと検証して、しっかりした議論をしていただかなきゃいけないというふうに思います。ぜひ、お願いしたい。

 そして、やるんであれば、やはり七年目ですね。次の七年目に統合をきちんとしていかなきゃいけないということではないでしょうか。

 それから、だんだん時間もなくなってまいりましたけれども、もう一点、財団法人の労災情報センターについてでありますが、これも仕分けでは何と書かれていたかといいますと、実施機関を競争的に決定というのが仕分けの結論でありました。国の方に統合しろというのは、一部意見でありましたけれども、必ずしもメーンの意見ではなかったんですね。あえて仕分けの意見に従わずに国の方に統合されたというふうに私は理解しているんですが、もう時間がないので、そこの経緯を質問する時間がありません。後で聞きたいと思いますけれども。

 端的に言って、労災の部分について、レセプトの部分を切り出して、統合した支払い機関に委託するべきだというふうに思います。その辺について、最後、いかがでしょうか。

鈴木政府参考人 労災診療費の審査につきましては、いわゆる診療報酬点数表に基づく診療内容、いろいろな実施の回数などに加えまして、それに連動します、例えば治癒すれば補償の打ち切りとか、そういった判断も一体的に行っておりますので、物理的には切り分けることは可能であっても、効率的という意味では余り改善にはならないのではないかと認識しております。

新藤小委員長 質疑の時間が終了しておりますので、残余については、今後また自由質疑の中でお願いしたいと思います。

 奥野さんの今の御質問の中で、長期の試算表を提出してほしいということは正式な資料要求としてよろしいわけですね。

奥野小委員 はい、お願いします。

新藤小委員長 そのようにきちっとやってもらいたいと思います。

 それでは、続きまして、遠山清彦君から質疑の申し出がございます。

遠山小委員 野党会派を代表しまして、公明党の遠山清彦でございます。

 簡潔な御答弁をいただきたいと思います、かなり多くの聞きたいことがありますので。

 早速ですが、本題に入ります。

 私も、先ほどの奥野さんと同じように、今回厚労省が出されたペーパーは、統合しないという結論を前提につくられたというふうに感じておりますので、それはちょっといかがなものか、このように思っております。統合して効率化、合理化ができるのであれば統合した方がいいわけですから、そのこともきちんと前提にお答えをいただきたいと思います。

 まず、資料の中で、これは三ページ目でございますけれども、審査支払機関の在り方に関する検討会で保険者からヒアリングをしたところ、「統合は慎重に検討すべきであり、むしろ、現在の業務体制や人件費の見直しにより、コスト削減に取り組むべき、という意見だった。」と書かれていますが、保険者は全国で三千五百いるわけでございまして、このうち何割の保険者が統合に慎重な意見を述べたのでしょうか、お答えください。

唐澤政府参考人 お答え申し上げます。

 保険者につきましては、全国にアンケートをしたということではございませんで、この委員会に参加をしていただきました健康保険組合、それから国民健康保険の関係の……(遠山小委員「数字で答えてください、数字で。簡潔に」と呼ぶ)はい。その委員の代表の方の意見として記載をさせていただいております。

新藤小委員長 何人いらっしゃったんですか。(遠山小委員「何人来たんですか。三千五百の保険者のうち、何人来たのか答えてください」と呼ぶ)

唐澤政府参考人 これは、国民健康保険とそれから健康保険組合、両方を合わせまして、直接の保険者の関係は四名でございます。

遠山小委員 つまり、三千五百の保険者のうち四つの団体の代表者から話を聞いて、統合には反対だということをここに載せているということは、全く私は、三千五百の保険者にアンケートをとればいいじゃないですか。副大臣、これはちゃんとやってくださいよ。これはまず信用できないということを申し上げたいと思います。

 それから次に、ページを繰りまして、五ページのところで、競争をすることによってコストがより下がるんだ、競争原理が働くんだということが盛んにあちこちで記述が見られます。五ページにあるように、委託可能な環境整備ということで、支払基金に審査、支払いの業務を委託しているところが国保連にかわることができる、国保連に委託しているところが逆に支払基金にかわることができる、そういう手続を平成二十二年、昨年の十二月に整備をしましたということを書かれていますが、今十一月ですから、約一年たちました。実際に委託先を変更した保険者は一つでもあるのでしょうか、お答えください。イエスかノーでいいですよ。

外口政府参考人 ございません。問い合わせが十五件ほどあるだけです。

遠山小委員 はい、わかりました。

 ということは、一応、法的には国保連か支払基金か委託先を変更できるようにしましたけれども、一年間で、問い合わせはあるけれども、一件も変更したところはないということでございますので、そうしますと、この検討会で、競争するからコストが下がってサービスの質もよくなるという根拠になっていない、つまり、事実上競争なんか起こっていないということが指摘されるかと思います。

 ちなみに、委員長、指摘しておきたいんですが、次のページに書かれておりますとおり、支払基金の手数料は平成二十三年度で一件当たり八十五・五円なんですね。次のページを見ていただくとわかるとおり、国保連におきましては一件当たり手数料が六十一・九円なんです。つまり、一件当たり二十円以上の開きがございます。

 これは、一件当たりは二十円ですが、大体、レセプトの取扱数というのは、支払基金の場合は平成二十一年度で八億五千七百万件、国保連の場合は九億三千二百万件という数でございますし、請求金額のベースでいうと二けたの兆を超えているわけでございますから、二十円の手数料の差というのは非常に大きいんですね。にもかかわらず、一件も委託先の変更が行われていないというのは、常識的に考えて、競争原理が働かない構造、世界で動いていると指摘せざるを得ないわけでございます。

 次に、先ほど奥野さんが指摘をした別添二の資料についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 二ページのところ、先ほどもありましたけれども、国保連へ統合した際にも支払基金へ統合した際にも、初年度も七年後も、統合による削減効果はないということが数字で示されているわけでございます。

 しかしながら、例えば、国保連への統合につきましても、支払基金への統合につきましても、削減効果が薄くなっている最大の理由は、初年度に人員削減に伴う退職金の支払いがあるからでございます。これについては、下の※3のところで、初年度に退職金の支払いで百五億円かかると言われているわけでございますから、例えば、国保連へ統合した場合の増加分、七年後六百八億円と書かれておりますけれども、退職金である百五億円を引きますと五百三億円になりますから、七年後でも、実は退職金分を引けば削減効果は高いんですね。そして、支払基金の場合も同様に百五億を引きます。しかし、この場合は、削減効果が四百六十五億しかございませんので、まだプラスになるわけです。

 これは、ちなみに十年後で試算をすれば、国保連へ統合した場合も支払基金へ統合した場合も明らかに削減効果の方が高いと思われますが、それでよろしいですか。

外口政府参考人 前提の置き方によりますけれども、長期になればなるほど削減効果は大きくなってくると思います。

遠山小委員 はい、わかりました。

 ということは、この資料では七年後を見て削減効果が余りないと言って示しているだけにすぎなくて、十年後以降の累積の削減効果で見れば、統合した方が削減効果はどちらのケースでも多いというふうに私としては判断をしたいと思います。

 最後の質問になりますが、同じ資料の次のページ、三ページのところで「医療費適正化効果」という表が載っております。この表で、統合された場合、国保連への統合あるいは基金への統合、査定率。先ほどもちょっと話題になっております、支払基金の査定率の方が高くて国保連の方が査定率が低いという問題や、あるいは、都道府県別に見ますとばらつきが査定率についてはあるわけでございます。

 私が腑に落ちないのは、統合された場合は査定率が平均化されるという記述になっておりますので、査定率の差の二分の一の算出になっております。ところが、統合しないで競争した場合は、査定率の高い方に収れんをされていくので、査定率による削減効果は高いという試算になっているんですね。

 これは辻副大臣がお答えになってもいいと思いますが、統合されたら査定率が低いのと高いのが平均化されてしまうのに、競争した場合は高い方に向かってみんなが査定率が上がっていくという考え方はどうして起こるのか。これは、私は常識的によくわからないんですが、どうしてこういう判断なんですか。

外口政府参考人 この場合、統合したときに高い方の査定率が一たん低くなるという前提を置いておりますけれども、ただ、これは十分な準備をして臨んだ場合にはそのような一たん低くなるという効果はある程度防止できるのではないかとも考えておりますので、これも前提の置き方によります。工夫次第で、より査定率を改善するような方向にはできると思います。

遠山小委員 もう時間になってきていると思いますので一言申し上げたいと思いますが、今の率直な御答弁、ありがとうございます。

 まさに、二つの同じ審査をしている機関が統合されたときに、査定率の高い方の水準に合わせて高くすることは十分統合の際も可能だと思うんですね。逆に、競争しているときには別組織同士でやっていますから、査定率が高い組織のノウハウとかシステムが必ずしももう一つの組織に共有されるとは限りません。ですから、競争したときには高い方に収れんされて、統合されたときには平均化されるので低くなるなどというのは、かなり恣意的な書き方だと私は指摘せざるを得ないわけでございまして、こういった書類をつくるときは、もう少しお考えになって、常識的に見ておかしくないやり方で出すべきだというふうに思います。

 今のやりとりだけでも、私としては、統合による効率化、合理化の可能性をもっと真剣に厚生労働省は追求すべきであるという点を指摘して、私のとりあえずの質疑とさせていただきます。

辻副大臣 先ほど遠山委員の方から御指摘があった件でございますけれども、三千五百の保険者のうちの四という御指摘でございましたけれども、私どもといたしましては、私が申し上げましたように、健保組合千四百七十三、協会けんぽは一、それから市町村国保は千七百二十三、それらの代表者という意味だというふうに思っておりますので、その数字だけ合わせましても三千二百ということになるわけです。それ以外に共済とか国保組合があるわけですけれども。

 そういう意味におきましては、そういった保険者の大宗の代表の方の意見であるというふうに考えているということで申し上げておきたいということと、根本論として、資料の三ページにございますように、支払基金は保険者から独立して診療報酬請求書の審査、支払いの業務を行うための組織でございまして、国保連は市町村の国保の保険者が共同で設立をして、審査、支払いの業務のみならず、国保の保険者事務の共同処理、共同事業、または高額療養費の計算とか被保険者への給付の資格確認などの市町村の事務の共同処理をやっているということでございまして、そもそも、成り立ちといいますか、組織としての意義というものがそれぞれあるわけでございます。その差があるわけでございまして、そういった中で、お互いに、競争がないという御指摘がありましたけれども、そこに参入していくメリットがすぐあるのかということもあるというふうに思いますので、その点については十分、それぞれの違いというもの、そのことは御理解をいただきたいと思います。

 以上です。

遠山小委員 副大臣、ありがとうございます。

 ただ、一点。成り立ちが違うということや、国保連と支払基金の制度、システムが違うというのは、私もよく認識をしております。しかしながら、統合といっても、組織を丸ごとお互い統合するのではなくて、例えば国保連がやっている診療報酬請求書の審査、支払いの業務だけ切り出して支払基金に統合して、国保連そのものは残して、その他の事業については国保連に継続してやっていただくという形でも、その審査、支払いの業務の部分の管理部門とかバックオフィス機能とか、そういう部門の効率化が図られるわけですから、私は、削減効果が望まれる、競争原理が働かないのであれば統合した方がいいのではないかという立場でございますので、その御理解をお願いしたいと思います。

新藤小委員長 今御答弁いただきますが、遠山君の質疑が終了しておりますので、今後、残余は、各委員が自由に御質問いただきたいと思います。

 それで、最初にルールをもう一度確認しておきますが、できる限り一問一答で、ですから、複数の質問をお持ちの方は何度も質問していただいて結構ですから、一問でまず答弁を得て、その上でまたそれに加えていくという形にしていきたいと思います。

 それから、参考人の皆様には、この質疑、答弁を聞いていて御意見のある場合には、どうぞ、挙手をいただければ私の方で御指名いたしますので、御発言いただいて結構でございます。

外口政府参考人 一つだけ補足させていただきたいと思います。

 まさに、統合すれば効率化されて削減効果は出てくると思います。にもかかわらず、なぜそのユーザーである保険者さんが消極的なのかというと、被用者保険の保険者さん、支払基金を利用していますけれども、この方たちは、国保連と一緒になった場合に査定率が下がるんじゃないかということを心配しています。彼らは、むしろ統合するならばブロック単位に集約していくことで効率化を図ってくれればありがたい、どちらかというとそういう意見です。

 それから、国保連の方たちは、これは、副大臣からも申し上げましたけれども、市町村の国民健康保険以外の関連業務を、共同事務をみんな国保連でやっているんですね。小さい市町村は国保の担当者なんて一人か二人ですから、その方たちがやらなきゃいけない事務をみんなで共通して、共同でやっている、そういう連合体の事務も国保でやっているので、ここの組織が今きめ細かくサービスしてくれる体制をできれば変えないでほしい、そういう意向があります。

 この二つがこの統合に対して消極的な大きな意見ではないかと私どもは考えております。

階小委員 きょうお配りされている行政事業レビューシート、支払基金と国保連の予算措置はなし、来年度に限らず従来からなしということになっているわけでございますけれども、恐らく一般の方が医療保険から納める保険料などから費用は工面されているのではないかと思っています。

 多分その数字が、「参考」という紙、別途配られている縦の紙が我々の手元にあるわけでございますけれども、支払基金だと、平成二十三年度で約八百二十八億円の経費をかけて、査定額は二百四十七億円である。それから国保連だと、同じく約七百二十三億円をかけて、査定額は二百二十一・七億円である、こういう数字が出ております。要するに、コスト割れというふうに素人目には見えるわけでございます。

 参考人の小瀬村さんにお伺いしたいんですが、基金あるいは国保連が行っている査定の仕事というのは、コストに見合うかそれ以上の査定結果を出さないと意味がないと言っていいのかどうか。仮にコストを下回る査定額であってもやる意味があるというのであれば、その理由は何なのか。お答えいただけますか。

小瀬村参考人 小瀬村でございます。よろしくお願いいたします。

 今の御質問でございますけれども、まず、市町村国保につきましては、審査の段階がたくさんあるわけですね。病院の方では、オーダリングシステムはほとんどのところがシステムが入っておりますので、そのシステムにまずチェックがかかり、それから病院が連合会、それぞれの支払い機関のところに確認する前に医療事務等でチェックが入るわけですね。それで次の支払基金もしくは国保連の方に審査をしていただくということになりますので、実は前段階で何重ものチェックがかかっております。

 その上で、今の査定というのが全件ができていないものですから、実は隠れたところでもしかしたら過剰請求がある可能性があるという意味で、数字を見ようと思ったら、全件やらなければ、もしかしたら本当の正しい数字が出てこないのではないかというところもあります。

 ですから、査定率の兼ね合いと、さらに、全件審査できない場合の今の審査の仕方、例えば高い点数であるとか高額療養であるとか、それからある程度のターゲットを絞った審査ということが達成できますとそれなりの効果はあると思うんですが、今のようなごくわずかな、数%にしか満たないような数字ですとなかなか効果というのは見込めないのではないか、このように考えております。

岡田(康)小委員 短く質問させていただきますが、民間が医療費審査事務に参入してはなぜいけないんでしょうか。

 といいますのが、プライバシーだ何だと言う方がいらっしゃるかもしれませんけれども、実際、労災保険情報センターの方は、民間参入できるたてつけにもともとなっていたはずですよ。それを、全労働局のすぐそばに事務所を全部持っている人じゃないと参入できないというような参入障壁をつくって参入できなくしていただけのことであって、民間が入れるたてつけになっていたじゃないですか、医療費審査事務について。労災はまた別の要素もありますけれども。

 ですから、こういったこちらの診療報酬支払基金さんとか国保連さんがやっている審査事務の方にもなぜ民間が入ってはいけないのかということについて、厚労省の方から御見解をお願いします。

外口政府参考人 審査は、まず現行法で保険者が審査することとなっておりますので、民間の参入もできます。実際、調剤レセプトは、一部民間が参入して、保険者の審査という形でやっております。

 今実際何で進んでいないかというと、これは二つございまして、一つは、医療の内容の審査になるとコストが相当かかります。専門家を集めて中の審査をするというとかなりの高コストになるので、今のような単価では多分合わないだろう、こう言われていて入ってこないのが一つ。それから、支払基金の場合、審査するだけじゃなくて、その後の紛争処理みたいな役割もあるわけです、意見が違って再審請求をやりとりして。そこのところをどうしても民間ではまだできないという、この二つが今ネックになっております。

 調剤レセプトの場合は、民間が保険者のかわりに審査をして、紛争処理のところを支払基金に委託する、そういう形をとっておりますので、今それが動いているわけでございます。

岡田(康)小委員 しかし、労災の方で見ますと、委託費と、審査した結果削減できた医療費という見合いで見ても、これまでの体制の中でも、見直しができた医療費削減効果の方が大きかったりするわけじゃないですか。その委託費の方が安かったわけじゃないですか。それでちゃんとそこに勤められている方の人件費も出るわけですよね。資産もいっぱい持てるわけじゃないですか。

 そういう条件があって、全国に事務所を持っていなきゃいけないから入れなかった。しかし、それを個別に入れるようにしたって、採算がとれると思ったら入ってくると思うんですよ。そこら辺、何か障壁がほかにあるんじゃないかと思えてならないんですけれども、いかがでしょうか。

外口政府参考人 実態から申し上げますと、例えば保険者さんの方は、一たん支払基金あるいは国保連で審査をした後のそのレセプトの中から自分たちで選んで、やはりピックアップして重点的なものを民間業者の方に再審査をお願いしている、これがコスト的に見合うやり方として普及しております。

河野小委員 副大臣にお伺いをしたいんですが、なぜ三千五百の保険者が支払基金から国保連に一つもかわらなかったと思いますか。

辻副大臣 それは、現実的にそのメリットがあるのかないのかという判断をなさることは当然あるんじゃないでしょうか。

河野小委員 三千五百も保険者があって、かわるところが一つもないというのは、厚労省が天下りの人間を使ってコントロールしているということが考えられませんか。

辻副大臣 私はそのようには思っておりません。

河野小委員 本来ならば、こういうレセプトの審査は、民間がやれば恐らくコストも下がるし、サービスもよくなるんだろうと思います。この国保連も支払基金も、支払基金は民間法人化されたとはいえ、もともと特殊法人ですから、純粋な民間ではありません。それならば、このレセプト部門を解散させて、むしろ、民間に参入をさせて民間同士が競えば、コストも下がるし、サービスもよくなるというふうに副大臣は思いませんか。

辻副大臣 委員のお考えは一つの御見識だと思いますけれども、審査支払い業務というものの性格から考えたときに、これまで、公法人といいますか、支払基金法に基づく、また国保法に基づく国保連ということでやってきたわけですけれども、それはやはり公的な性格を持ってやっていたということにも私は意味があったと思います。

 ただ、その中で民間にもやっていただける枠はつくっているわけですから、そういった意味での競争というのはあってしかるべきだと思いますけれども、今の枠組みというものが根本的に否定されるということではないと思っております。

河野小委員 民間法人化されたのに公的な性格が残っていると今副大臣はおっしゃいましたね。

辻副大臣 大きな意味で、日本の皆保険制度にかかわる社会保険診療報酬の適正化、適正な運営に資するという意味合いにおいて公の性質を持っている、そういう意味で申し上げたわけであります。

河野小委員 医療費のレセプトの審査をいかに安くするか、いかにサービスをよくするかというだけの話ですから、競争をしない、つまり、二つあって自由に移ってもいいですよといっても三千五百の保険者が一つも移らないような二つの法人にやらせるよりは、むしろ、民間に市場をオープンにして自由競争にさせた方が、市場原理が働いてサービスがよくなり、コストが低下すると副大臣は思わないんですか。

辻副大臣 委員のお考えは一つの御見識だと思いますけれども、私は、医療というものを、競争だとか市場原理といいますか、そういった観点だけからとらえるのは必ずしも妥当ではないのではないかと思っております。

 今、コストが下がる、サービスがよくなるという御指摘がございましたし、その観点も非常に大事だと思っておりますけれども、しかし同時に、適正な医療を安心して十分に国民に享受していただくという観点も大変大事な側面だと思っておりますので、そういった両方の側面からする対応、政策が必要だと私は思っております。(河野小委員「最後にもう一回」と呼ぶ)

新藤小委員長 ちょっと待ってください。今、中村参考人からお手が挙がっておりますので、この議論を聞いた上で御意見をちょうだいしたいと思います。

中村参考人 いろいろ御議論いただいておりますが、現場でレセプトの点検、審査がどういう状況かということをかいつまんで申し上げますと、先ほど小瀬村参考人からお話がございましたように、まず医療機関で、今はレセプトの電子化が進んでおりますので、こちらの方でチェックするシステムがかなりのところで導入されておりますので、そこで一次で、まず医療機関側でチェックするという形がある。それが、例えば国保であればいわゆる国保連合の方に送られて、これもベースとなるのはコンピューターチェックですね、そこでほぼ全件を洗うという形になります。それで、それが各市町村のいわゆる保険者に送られてくる。そこから先は、いわゆる画面を見ながらの、昔は紙だったんですが、画面を見ながらの突合なりあるいは縦覧審査ということも含めて、かなり人的な、マンパワーが必要になるという役割分担がございます。

 それで、医療機関なりあるいは国保連合で全体的に今電算化が進んでオンライン化が進んでいることによって、このチェックの精度は相当高まっているのではないかと思います。ですから、いわゆる審査率、査定率ということだけで効果を議論するという時代から一歩抜けているのかなと。あとは、縦覧チェックなり、あるいは全体的な、横ぐし、縦ぐしに実際の診療状況をチェックすることが今後の課題というふうなことがございまして、そこをどうしていくかということですね。

 もう一つ、あえて申し上げますと、国保連合というのは、先ほど厚労省の方からもお話がございましたけれども、保険者である市町村の連合組織のようなもの、事実上共同体のようなものでございまして、理事の大半は市町村長といった形で構成されているという組織でございまして、その中で個々の市町村はいろいろな面での連携を図っております。

 ですから、基本的にはその中でさまざまな業務を行っておりますし、介護保険の関係もこちらの方で担っていただいている、お互いに役割分担をしているという前提の中で統合の話をするのであれば、その基本のベースを、どのようにいいところを残しながら統合するかという形でお話を進めていただければ大変ありがたいというふうに考えております。よろしくお願いいたします。

河野小委員 今議論されているのは、レセプトの審査という部門をいかに効率的にやるか、いかにその部分のサービスを上げるかという話で、医療の競争の話は全くしておりませんが、副大臣の先ほどのお考えは、医療という中にレセプトの審査も含めて自由化をすべきでない、そういうお考えですか。

辻副大臣 委員御指摘のとおり、審査、支払いの業務の部分をいろいろな検討の中で競争的な側面でやっていくという議論はあると思いますし、今後とも検討していく課題だと思っております。

 ただ、現実の問題として、支払基金における業務と国保連における業務というのは、これまでの経緯の中で違っているものがあるわけで、先ほど遠山議員からの御指摘もございましたけれども、その部分だけ抜き出してしまって、では、あと単純にそれだけでできるのかといえばそうではなくて、その審査、支払いの業務のプロセスと同じことをまたするような、そういった面も持つということでございまして、ダブりになる部分もあるわけでございます。

 そういった意味で、率直なところ、それぞれがメリットを感じないということが現状にあるのではないかというふうに思っているということでございます。

初鹿小委員 ここで一番重要なことは、審査を行った上で、不適切な請求や過剰請求があった、それを明らかにして医療費を削減していくという、そこが一番重要なところだと思うんですね。

 その点で幾つかお伺いしたいんですけれども、先ほど、横ぐしでというお話をされましたが、現状、例えば、支払基金で審査を行って、Aという医療機関がどうも過剰請求を行っているということがわかった、それが事実になった。そのことは、支払基金でわかった情報が国保連にも伝わっていくようになっているんでしょうか。

外口政府参考人 まだそこまでは連携は進んでおりません。

初鹿小委員 ということは、支払基金でわかって、健保組合は適切に保険請求がされるようになったにもかかわらず、国保については不適切なままの状態が続いていて、それは放置されている、そういう理解でよろしいんでしょうか。

外口政府参考人 今、基金と国保の間の各県の連携の協議会を次々進めておりますので、個別の名前をどこまで流通させるかというのは別ですけれども、いろいろな判断ミスの課題のあるところの情報は今徐々に連携がとれつつあります。

初鹿小委員 統合したときのメリットは、そういう横ぐしで、一つの医療機関で不適切なことがわかったら国保も健保もみんな共有して、そして不正の請求をとめることができるというところがメリットだというふうに私は思うんですね。仮にこれが個々いろいろなところに、民間にばらばらに出すようになったらそういう連携ができるかというと、ちょっと疑問に思うんですよ。

 ですから、私は、統合をした方がいい、その方が明らかに医療費の適正化を図るには効果的だと思いますが、いかがでしょうか。

外口政府参考人 御指摘のとおり、医療費の適正化を進めるには、判断基準を統一して審査に漏れのないようにしていく、それから、課題のあるところ、高額なレセプトの多いところについてどう対応するか等の情報を共有することは大変重要だと思っております。

初鹿小委員 では、今の発言は、統合はメリットがあるということを認めたということでよろしいんですね。

外口政府参考人 もちろん、それは統合の効果としてあると思います。

 ただし、先ほど私申し上げましたように、保険者の方がまだ消極的な段階においては、それは連携のところで補っていくというやり方もあると思います。

初鹿小委員 では、最後に。

 先ほど、保険者からはブロック単位にしたらどうかという提案があったというお話でしたが、その件については検討されたんでしょうか、されていないんでしょうか。

外口政府参考人 これは国保連というより支払基金の方の話ですけれども、支払基金の中で既に計画をつくって進めつつあります。

 それから、もう一つだけ追加させていただきますと、先ほどの民間の参入のときのコストに係る話ですけれども、審査の先生がそれぞれ、支払基金で四千六百人、国保連で三千六百人おられますけれども、この方たちは大学教授とか医師会の役員とか公立病院の院長さんとか、そのクラスの方です。それで、一日二万数千円の日当で、ほぼ一日拘束して仕事をしてもらっています。これはもう本当にボランティアというか使命感で、限られた医療財源でいかに医療水準を保つかということで働いていただいております。これと同じことは民間ではなかなか難しいんじゃないかと思っています。

遠山小委員 済みません、一点だけ。

 今、外口局長、日当で二万数千円は出るんでしょう。一日二万数千円の日当で働いている方々をボランティアなんて表現は世間でしませんよ。一日働いて二万数千円もらったら、それはボランティアとは言いませんよ。それは確かに業務は大変かもしれませんが、それは局長ちょっと、庶民の感覚から相当ずれているというふうに見られますよ、厚労省。訂正した方がいいですよ。

外口政府参考人 大変失礼いたしました。

 先生方の御意見をそのまま伝えてしまいましたけれども、私どもは、適正な日当報酬として二万数千円をもちろん設定しているわけでございます。ただ、一部の先生方は、診療の合間を縫って、物すごく忙しいところをそうやって出てくるのは大変、課題があるんだけれども、でも、自分がやらなきゃ日本の医療を守れないんだということでやっているところでございます。

 確かに、価格の面で私の発言が誤解を招いたことは、そのとおりでございます。申しわけございません。

村井小委員 競争によるコスト削減というお話をされたので、支払基金、国保連、それぞれのコスト体質についてお聞きをしたいと思います。

 もう皆さんも御存じのとおり、民間のコスト削減に成功した八百二十社、そして今、独法の多くが、あることをやってコスト削減に成功しています。それは、競り下げ方式という入札方式に変えたからです。

 厚労省も御存じのとおり、厚労省管轄の労働者健康福祉機構とかURとかは、今までの入札方式を競り下げ方式に変えた。例えば、労働者健康福祉機構が入札で発注をするときに、一回目の入札で三社あって、では二億円だといって決まったとしても、負けた業者が、二時間以内であれば、ではうちは一億九千八百万円でいい、一億九千万円でいい、一億八千八百万円でいいというふうに、入札の後二時間以内に何度も何度もさらに安い札を負けた業者が出してもいいというルールにした瞬間に、どんどんどんどんコストは落ちていったわけです。

 さて、そこで、今それぞれ支払基金や国保連は、昔ながらの高どまりの入札方式を使っているのか、それとも、今大幅にコスト削減を民間並みにやっている独法などと同じように競り下げ方式に切りかえたのか、どちらか教えてもらっていいですか。

唐澤政府参考人 ちょっと今確認できておりませんけれども、ただ、私どもの承知している限りは、競り下げ方式はまだ採用していないのではないかと承知をしております。

村井小委員 では、明らかに民間価格ではなくお役所価格で今運営されているわけですが、それを民間価格に落としていくために、歳出削減に成功したほかの独法のように競り下げ方式に変えていく、つまり民間価格に変えていく気はあるのか、それともお役所価格の高どまり方式を続けるのか、その辺はどう考えておられますでしょうか。

唐澤政府参考人 コストの削減は大変重要な問題でございます。御指摘のとおりでございますので、私ども、そういう入札方式がとれるかどうかということについては、団体の方に検討させてみたいと思います。

新藤小委員長 ちょっと、最後が聞こえなかった。何だって。

唐澤政府参考人 それぞれの団体の方に検討させたいと思います。

平(将)小委員 きょう初めて出てきた定量的な検証の試算案の話に若干戻りますけれども、結局、統合の経済的メリットはないという二ページ目の資料があって、その後の四ページ目の資料を見ると、資産売却は入れていません。あと、七年目にシステム更改をする、百八十一億という大きな経費が発生をする七年目まで待ってその数字を出してきている。さらに、八年目、九年目以降は収支が改善をするというような、極めてこういう意図的な資料をしらっと出してくる厚労省の体質には私は本当に問題が多いと思いますので、さっきの文科省と並んで、委員会でぜひ厚労省関係は引き続きチェックすることを委員長にお願いいたします。

新藤小委員長 それは後ほど幹事会で諮りたいと思います。

奥野小委員 二点伺いたいんですが、まず一点目、中村参考人に伺いたいと思います。

 今までのお話を伺うと、統合のコスト削減メリットはあると厚労省も答えております。また、業務上も、情報の共有化ということで、査定率の向上につながるというメリットがあるというふうにおっしゃっています。その上でなお統合しないのか。

 先ほど、いろいろな問題があるとおっしゃいましたが、例えば、審査部門だけ切り出して基金に統合して、アウトソースしてやらせるというやり方があると思うんですが、なおだめだという理由があれば教えてください。

中村参考人 誤解のないように申し上げると、私は、統合に反対という立場ではございません。むしろ、仕組みとして統合していただけて、なおかつコストが下がれば、それにこしたことはない。

 ただ、基本的に、国民健康保険制度が市町村が保険者となっているという現行制度、私はこれ自体が問題だと実は思っているんですが、それを前提にした場合には、やはり保険者である市町村がそこにかかわることによって国保連合会も一定のガバナンスが働いている、コストについても一定のチェック機能が働いているということを前提にしております。ですから、そういうチェック機能、いわゆるガバナンスの部分と、それからもう一つは連携の部分、ここはしっかりと、少なくとも市町村国保というものを前提とした場合には担保する必要があるんじゃないかということです。

 もう一つは、実は草加市は人口二十四万五千人ですが、国保連合会に年間九千万のお金を出しております。これはコスト的には高いと思っておりますが、そのベースとなるものは何かといいますと、例えば電算関係の委託料だけで四千万でございますが、これは各都道府県単位の国保連合が独自にということより、むしろ国保中央会がリードしながら全国統一のシステムでやっているわけですね。電算化することによって、一枚一枚のチェックの部分のそのコストは大幅に下がってもいいだろう、あるいは、広域電算化したんですから、電算関係のコストはもっと下がってもいいだろうという認識は持っております。

 全体としてのコスト縮減については、国保の財政、草加市だけでも年間二十二億の国保への一般財源、市民の税金を投入しておりますので、その部分のコスト縮減が大変切実な課題であって、そのことが統合によって実現できるのであれば、それはそれで大変ありがたいことだという認識は持っております。

奥野小委員 どうもありがとうございました。

 統合によってコストメリットが出れば、当然、市町村の負担する経費も下がってくるということなので、統合に前向きということで理解させていただきます。

 それからもう一点。二点目ですが、労災保険情報センターについてであります。今回、廃止して国の方に業務を戻すというふうにされていると理解していますが、この検討のときに、例えば、支払基金とか国保連合の方に審査業務について委託する、そういう検討はなされなかったのでしょうか。仕分けでは、競争原理を導入する、委託について見直すというふうになっておったと思うんですが、その辺についていかがでしょうか。

鈴木政府参考人 行政刷新会議においては、廃止の御意見や、国に戻す、あるいは競争原理という御指摘がありましたが、厚生労働省の最終的な判断としては、その本質は費用対効果という面で効率化を図るということと判断しまして、労災保険情報センターにある意味二重経費も含めて委託していたものについて、国に戻して、再任用や非常勤職員などの部分的な人件費の活用によって同じ効果を上げられるということで考えております。議論の途中ではブロック化の検討なども行ったわけでございますが、結論としてはそういうことでございます。

奥野小委員 委託した場合と内製化した場合のコスト比較というのはやられたんでしょうか。

鈴木政府参考人 済みません。例えば、基金に委託した場合とということでよろしいですか。(奥野小委員「まあ、そうです」と呼ぶ)

 検討の段階では、民間も含めてシミュレーションをしておりまして、その結果、国で一元化するのが一番安いという結論になりました。

奥野小委員 ぜひ、その資料を提出していただければと思います。今回出てきておりませんけれども、そのデータを出していただきたい。また、それをこの委員会で精査したいと思いますので、よろしくお願いします。

鈴木政府参考人 はい、承知いたしました。

新藤小委員長 この質疑は十二時九分をめどに予定されておりますので、大分時間が少なくなってきておりますから、その他の論点があればまた出していただきたいと思います。

階小委員 これまでの議論を聞いていて、そもそもの話を聞きたいんですが、この事業レビューシートの二ページ目に、過去の仕分けの結果ということで、仕分け人の判定では、国保連、支払基金の統合十一名ということで、圧倒的に多かったわけです。

 そのときの仕分けに加わっていた方、参考人の方でもしいらっしゃれば手を挙げていただけますか。小瀬村さんですね。それでは小瀬村さんにお聞きしますけれども、きょうの議論で、民間でもできるんじゃないかとか、あるいは、そもそも、私が指摘したように、コスト割れで保険料をこういうことに使うのはいかがなものか、そういう議論もあるわけですが、なぜ統合というのがこのような圧倒的な多数になっているのかということを御説明いただけますか。

小瀬村参考人 小瀬村でございます。

 当時の議論では、やはり、まずほとんどのところの病院で民間で既に事務をやっていただいているという実態がありますので、審査というところでは、実態面だけを見ると民間でも実施できるのではないかというようなことだったと思います。

 それから、統合については、特に当時の私の意見なんですが、ただ単に今の現状の仕組みのまま統合しても、事務量というのは、大変煩雑でございますので、やはり業務の標準化をまずするべきではないかというふうに考えております。

 現行のこの診療点数を積み上げるという方式で、出来高払いの診療報酬なんですが、この方式のまま両者が統合しても、やはり多く診療した方が得ということになってしまうと、結局、医療機関の過剰診療の抑制ということにはなりません。統合の最終的な目標というのは、やはりコスト削減プラスもとの過剰診療の抑制ということだと感じておりますので、そういう意味では、当時、制度についても見直しをするべきではないかという御意見もありました。

 ですから、積み上げ方式というところから、医療別に一日当たりの入院費を見る、例えば、現行でも行われております包括の支払い方式であるとか、それから一入院当たりの費用、診療報酬を算出する、全体の枠を決めるというやり方をしますと、大分、いかに早く治すか、いかに経費を抑えるかというインセンティブにもつながると思います。

 ちょっと長くなって済みませんが、例えば、うちの方の病院で、三百五十床程度の病院でちょっと試算をしたんですが、入院が一日延びますと、大体年間で七億円収入がふえてしまうというようなことになります。ですから、長く入院させれば、投与量をふやせばふやすほど、もうかってしまうという言い方は間違っていますか、診療報酬が上がってしまうというような結果もありますので、適切な時期に退院させるというインセンティブを働かす、結果的に過剰診療が抑制できるということを考えますと、統合に向けては、まず診療報酬の総額制というところも検討するべきではないか、このように考えております。

階小委員 今おっしゃられたように、コスト削減というのは一つの目的ではあるかもしれませんけれども、それがすべてではない、それ以外にも医療費を抑制するための検討を進めていってほしいということだったんですね。

 副大臣にお伺いしますけれども、そういった検討が余りされないまま、統合によるコストがどうとかということに議論が矮小化されてきたのではないかなと思っていまして、ぜひ、もっとさまざまな視野、角度からこの問題については検討して結論を出すべきだと思いますが、いかがでしょうか。

辻副大臣 御指摘のとおりだと思っております。

 医療費についても、いろいろな検討の中で、医療費の抑制という見地からのアプローチも必要だと思っておりますし、そういった中での御指摘もしっかりと踏まえて対応していかなければならない。矮小化したという御議論がございましたけれども、トータルとしての医療のあるべき姿を追求しつつ、その審査支払い事務の効率化、また、国民に対して安心できる医療を提供するという見地も踏まえて対応していきたい、このように思っておりますので、きょういただきました御議論も踏まえて、今後しっかりと対応していきたいと思います。

 なお、委員長、恐縮ですけれども、先ほど私が申し上げましたことで、支払基金の公的性格ということで申し上げたところがございましたけれども、これは民間法人ではございますけれども、社会保険診療報酬支払基金法に基づく組織でございまして、そういった意味からも公的性格であるということでございます。

 以上です。

小幡参考人 先ほどの小瀬村参考人を少し補足いたしますが、恐らく、事業仕分けのところで統合というふうな話が出ましたのは、レセプトの審査というものだけを取り出して、それを効率化するためには、今、支払基金が非常に専門的なノウハウを持っているので、そちらでやらせればよいのではないかというふうな視点だったと思います。

 ただ、今御議論がございますように、別に支払基金に限る必要は本来はない、もっと審査手数料を引き下げ、そして、より審査実績を上げるようなところが出てくれば、本当はその方がよいという話には当然なると思うんです。

 一つ注意すべきなのは、今副大臣の方からございましたように、支払基金というのは特殊法に基づいて設立された特殊な民間法人でございます。ですから、ここにゆだねた場合に、きちんとガバナンス、本当の意味でのコスト削減をそこでしっかりやってくれるという前提がないと、肥大なところにまた巨大な事務量だけ行って、結局、最終的な審査手数料も、審査実績も上がらないということになると一番最悪なことになるということは御留意いただければと思います。

岡田(康)小委員 一個だけ、統合効果の数字のことだけ確認させてください。

 きょういただいた試算案の資料の「参考」の表がございますよね。これは、僕はどう見てもおかしいと思うんです。

 例えば、支払基金に統合した場合に、事務所売却六十七億とありますね、括弧づけで。しかし、そのかわり、借り上げで毎年五十二億ふえるとあるんです。これはおかしいと思うんです。売って六十七億、つまり、それで買う人がいて、使う人がいるわけですね。一方で、その分、統合した先に借り上げなきゃいけないスペースが必要になって、それが毎年五十二億要りますと。何かこれはどう考えても数字がおかしいと思うんですけれども、この数字にはどなたか責任を持たれるんでしょうか。どこでだれがつくった数字なんでしょうか。

唐澤政府参考人 ちょっと精査させていただきますけれども、国保連に統合した場合の方が事務所売却費用が大きいのは、支払基金の方が都道府県で自前の建物を持っている、国保連の方は借り上げのようなところがあるので、売れないものがありますから、借り上げの経費を計上しているということだと考えております。

岡田(康)小委員 済みません。もう余りミクロなことで続けたくないんですが、では、支払基金に統合という方で見てください。

 これは、事務所を売却できる分が六十七億できるけれども、そのかわり毎年五十二億借り上げなきゃいけなくなるとあるんですけれども、こんなことって数字上あり得るんでしょうか。何かもっと安く借り上げられるんじゃないかというふうな気がしてしようがないんですけれども。

唐澤政府参考人 規模が大きくなりますので、職員が半分のままというわけではありませんので、もちろん人件費は減らしますけれども、ある程度規模が大きくなりますので事務所もちょっと広いものが必要だということで、こういう経費を計上していると思います。

平(智)小委員 ちょっと電子化のことについてお伺いしたいんですが、医療機関はもうレセプトコンピューティングや医療カルテ等で随分電子化を進めてきて、まだ全体に普及していないというふうに聞いていますが、先ほど中村参考人の方から、電子化によってかなり一括でベリファイできるようになってきているというお話がありました。

 国保連や支払基金でそれぞれ違うでしょうが、電子化率といいますか、まだまだ業務で電子化できる余地があるのかを中村参考人にお伺いします。

中村参考人 レセプトの電子化そのものはかなり前から進んでいた、スタンドアローン型だったのがつながって、全体的にオンライン化されたわけですね。ですから、それを踏まえて点検、審査の精度をどう上げるかという、もう九割、ほぼ一〇〇%に、いわゆる歯科関係はまだ普及していないというふうに認識しておりますが、一般の医科についてはもう相当普及しておりますので、それを前提にした点検審査業務を病院も行っているし、そして国保連あるいは支払基金も行っているということです。我々も画面上でそれをチェックしているという形になります。

 ですから、問題は、それを利用しながら、いわゆる突合とか縦覧審査とかいうことを踏まえて、全体的に適正妥当な診療行為が行われているかどうか、いわゆる診療効果はどうなのかという意味で、今裁量にゆだねられている部分を相当精度を上げてきちんとチェックしていく。それも、電子化の、できる限り人的なパワーがない形でできればそれにこしたことはないわけですけれども、そこが大きな課題だろうというふうには認識しております。

平(智)小委員 そうすると、電子化そのものは進んだけれども、その電子化されたデータの今言った突合とか、そういう使い方においてはまだ改良の余地があるということでよろしいわけですね。

 もう一点。それを改良すると、業務効率化あるいは直接経費の削減、こういったものはまだ余地があると思われますか。

中村参考人 私どもは余地があると思っております。

 いわゆる国保連合から私どもに戻ってきたものについてチェックをするわけです。内容審査が六千件、それから資格審査は五千件ぐらいで、資格審査は我々独自でやっているわけですね。これはいわゆる国保連合の方ではなかなかできないものですから。

 内容審査については、六千件を草加市で見まして、それを国保連合に戻すんですが、実際に審査いただけるのは千五百件程度ということで、かなり我々の目から見ると疑義があるものについても、国保連合の方では受けていただけないという実情もございます。それは縦覧とか突合等しながら疑義を出すわけですけれども、その部分についてもう少し連携しながら精度を高めていくということは、国保連合でも基金の方でもやっていただけるのではないかというふうに期待をしております。

平(智)小委員 これで最後にします。

 統合をすることが、今おっしゃったような電子化による業務効率化や直接経費の削減、これに貢献するのか、それとも統合は関係ないと思われるか、どうでしょうか。

中村参考人 組織的な統合以前に、チェックシステム全体をどういうふうに共通化するかということの方を我々は重視しているということでございます。まず、それをきちんとやっていただきたい。

 いわゆるマンパワーも大事なんですけれども、マンパワーに頼らなくて、縦覧なり突合なり、全体的に適正妥当な診療行為かどうかをチェックするシステムというのは、ここまでいわゆる電算化が進んだ現状においては可能なのではないか、これは期待を込めてそういうふうに見ておるところでございます。

遠山小委員 委員長に提案をさせていただきたいと思います。

 本日の議論では、国保連と支払基金の二つの組織の違いについても御説明がありました。

 また、先ほど、小幡参考人の方から大変重要な御指摘があったと思います。被用者保険の保険者は、すべて支払基金にレセプトの審査業務を委託しているということは、実は、二つあるといっても、移動がありませんから、事実上、寡占状態なんですね。一社によって、つまり支払基金によってサラリーマンの皆さんの健康保険のレセプトは全部見られている。ということは、一社でやっていますから、実は競争原理なんかないんですね。

 だから、その中で本当に適正に業務をやっているのか、ガバナンスが働いているのか、我々、ここの国会で議論しているだけではわかりませんので、国保連と支払基金の事務所、作業場を視察させていただいて、まず、その違いを理解するということと、本当に支払基金という組織の中で人件費が高くないのかどうか、あるいは効率的な業務を本当に行っているのかどうか、あるいは天下りの職員が多数在籍していないのか、そういったさまざまな観点から、当小委員会として調査を行うべきであるという提案をさせていただきます。

新藤小委員長 これは後ほど幹事の間で相談をさせていただきたいというふうに思います。

 ほかにございますか。よろしいですか。

 それでは、予定した時間も参っておりますので、これにて医療費レセプト審査事務についての質疑は終了したいというふうに思います。

 参考人の皆様には、貴重な御意見をちょうだいしまして、ありがとうございました。小委員会を代表いたしまして御礼を申し上げたいと存じます。

    ―――――――――――――

新藤小委員長 これより評価に入ります。

 お手元に配付の評価シートに各委員署名の上、評価を御記入願います。御記入が終わりましたら、事務局に回収をさせます。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

新藤小委員長 速記を起こしてください。

 この際、御報告いたします。

 医療費レセプト審査事務についての本小委員会の評価結果は、1廃止、一人。2実施は各自治体・民間の判断に任せる、これが一人。3来年度の予算計上は見送り、〇。4予算要求の縮減または組替・見直し、一人。5組織・制度の改編、十一人。6予算要求どおり、〇。7予算の増額を検討する、〇ということでございます。

 また、皆様からの御意見はこれまでの議論のとおりでございますが、統合の是非について、それから民間参入の可能性やコストカットの可能性について積極的な議論が行われたもの、このように思いますが、この小委員会としての取りまとめにつきましては、後刻幹事間において協議をした上で取りまとめをしていきたい、このように思っております。

 また、この結果につきましては、理事会において報告し、その取り扱いを協議することといたします。

 次回は、明十七日午前九時から小委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十六分散会


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