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在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案に

対する附帯決議

 

国際社会には現在、解決の糸口が見えない北朝鮮の拉致・核・ミサイル問題、イランの核問題、不安定な治安状況が続くアフガニスタン情勢、ソマリア沖における海賊被害の多発など、早期解決が求められる数多くの懸案がある。また、金融危機後の経済政策、国際テロリズム対策、核兵器廃絶や気候変動問題への取組、イラク復興に対する援助、ハイチやチリで発生した地震災害の復興支援等にも、国際社会が一致して取り組まなければならない。そのような中、我が国に求められるのは、国益を踏まえつつ、国際社会との協力・連携の下、これら諸問題に毅然と対応する外交力である。そのためには、我が国外交を担う外務省の外交体制強化や危機管理体制の改革が強く求められる。他方、国内においては、依然として財政事情が厳しく、経済も苦境に直面しており、在外職員に支給される在勤手当など、在外公館に係る様々な経費についても、国民から厳しい視線が注がれている。外交体制強化等への取組に際しては、こうした国内事情を重く受け止め、国民の声に真摯に応えていく必要がある。これらを踏まえ、政府は、本法の施行に当たり、次の事項について検討の上、適切な措置を講ずるべきである。

 

一 我が国の外交力強化の観点から、外交の最前線基地である在外公館の重要性に鑑み、我が国の国益、相手国との相互主義等を踏まえつつ、戦略的に大使館の実館化を進めること。

一 在外公館においては、大規模自然災害や犯罪・テロ等の緊急事態の際、在外邦人に対して迅速かつきめ細やかな支援を行えるよう、情報の日常的な提供・共有体制等も含めて危機管理体制の機能拡充に努めること。

一 我が国の厳しい財政事情を厳粛に受けとめ、在外公館に関わる予算の効率性・透明性を高めるとともに、その執行に当たっては、適切な支出が図られるよう具体的な措置を講じること。

一 在勤手当については、各任地の事情を勘案するとともに、民間企業や諸外国外交官の給与・手当の水準、為替・物価の変動など客観的な基準を踏まえ、必要に応じて全般にわたる見直しを行うこと。見直しに際しては、国内の財政事情及び外交活動を推進する上での必要性の双方を考慮し、適切な額を算出すること。

一 国際社会のグローバル化による海外渡航者や在外邦人の増加に伴って領事業務の重要性が高まっていることに鑑み、邦人の活動環境を向上させるため、国民の視点に立った領事サービスの不断の向上に努めること。

一 外務省においては、より一層の情報公開と外交機能強化のための組織・制度の改革に全力で取り組み、その成果を国民に対して分かりやすく説明すること。

一 在外公館における監査・査察体制の一層の強化を図ること。

右決議する。

 

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