譲渡担保契約及び所有権留保契約に関する法律案及び譲渡担保契約及び所有権留保契約
に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案に対する附帯決議
政府及び最高裁判所は、両法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一 労働債権が労働者やその家族の生活維持に不可欠であり、社会的公正や社会政策上の観点から特別な保護の必要性が高いことを踏まえ、譲渡担保権の実行に際しての破産財団等への組入義務など、一般債権者への弁済原資を確保するための新たな制度に係る両法施行後の運用状況について検証し、企業の倒産時における労働債権について優先順位の引上げ等に関し、引き続き必要な検討を行うこと。併せて、ILO第百七十三号条約の早期批准に向けて検討に努めること。
二 動産及び債権譲渡の対抗要件の見直し並びに所有権留保登記の新設等に伴い、企業における登記の需要が増大することから、登記申請の際の添付情報の合理化、オンライン申請における本人確認の合理化など、登記手続の利便性の向上及びコスト低減のための方策を検討し、必要な措置を講じること。
三 本改正が融資実務に多大な影響を与えることに鑑み、両法の趣旨や内容、裁判手続等について周知広報を徹底するとともに、施行に向けた適切な準備を進めること。